JP7398725B2 - レーザ加工装置、制御方法、および補正データ生成方法 - Google Patents

レーザ加工装置、制御方法、および補正データ生成方法 Download PDF

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本発明は、被溶接物の加工に用いられるレーザ加工装置、制御方法、および補正データ生成方法に関するものである。
従来のレーザ加工装置としては、光干渉計を用いて試料内部の構造を可視化するOCT(Optical Coherence Tomography)技術を用いて、レーザ光による金属加工中に発生するキーホールの深さを計測する装置が提案されている(特許文献1参照)。図16は特許文献1に記載された従来のレーザ加工装置の構成を示す図である。
図16において、溶接ヘッド108には加工用レーザ光107と測定光105が導入される。特に測定光105はコリメータモジュール106とダイクロイックミラー110を経て加工用レーザ光107と光軸を共有する同軸構成となるように配置されている。測定器として、分析ユニット100、光ファイバ101、ビームスプリッタ103、光ファイバ104、参照アーム102、測定アーム109からなる光干渉計を用いたOCT光学系が構成されており、OCTの測定光として、光ファイバ104を通じて測定光105が照射されている。
加工用レーザ光107と測定光105は集光レンズ111で集光されて、加工物112に照射され、加工物112は加工用レーザ光107により加工される。集光された加工用レーザ光107が加工物112の加工部113に照射されると、加工物112を構成する金属は溶融し、溶融金属が蒸発する際の圧力により形成されるキーホールの底面に測定光105が照射され、キーホールで反射された測定光105と、参照アーム102側の光(参照光)との光路差に応じて生じる干渉信号からキーホール深さを求めることができる。キーホールは形成直後に周囲の溶融金属により埋められるため、キーホールの深さは金属加工部の溶融部深さ(溶け込み深さ)とほぼ同じである。これにより、加工部113の溶け込み深さが計測される。
特表2013-501964号公報
近年、レーザ加工装置として、レーザ光を反射させる方向を詳細に制御できる可動ミラーであるガルバノミラーと、被加工物表面の加工点にレーザ光を集光するfθレンズとを組み合わせ、加工用レーザ光を光学走査する構成がよく知られている。特許文献1に開示されたキーホールの深さ測定方法を、fθレンズとガルバノミラーの組合せにより構成されたレーザ加工装置に適用しようとすると、加工用レーザ光と測定光との波長の違いにより、fθレンズが持つ色収差特性のため、被加工物表面において加工用レーザ光と測定光とにずれが生じてしまうことがある。このため、正確なキーホールの深さ測定を行うことが困難であった。
本発明は、このような事情に鑑み、正確なキーホールの深さ測定を実現できるレーザ加工装置、制御方法、および補正データ生成方法を提供することを目的とする。
本発明のレーザ加工装置は、被加工物の表面の加工されるべき加工点に対して加工用レーザ光を発振するレーザ発振器と、前記加工点に対して測定光を出射し、前記加工点で反射された前記測定光と参照光との光路差によって生じる干渉に基づく光干渉強度信号を生成する光干渉計と、前記加工用レーザ光および前記測定光の進行方向を変化させる第1ミラーと、前記測定光の前記第1ミラーへの入射角を変化させる第2ミラーと、前記第1ミラーと前記第2ミラーとの間に配置され、前記加工用レーザ光の光路と前記測定光の光路とを重ねる合波ミラーと、前記加工用レーザ光および前記測定光を前記加工点に集光させるレンズと、前記レンズの色収差により生じる前記加工用レーザ光および前記測定光の少なくとも一方の到達位置の前記被加工物の表面におけるずれを解消するようにあらかじめ補正された、前記被加工物を加工するための補正済み加工用データを記憶するメモリと、前記補正済み加工用データに基づいて前記レーザ発振器、前記第1ミラー、および前記第2ミラーを制御する制御部と、前記光干渉強度信号に基づいて、前記加工用レーザ光によって前記加工点に生じるキーホールの深さを導出する計測処理部と、を有する。
本発明の制御方法は、加工用レーザ光および測定光の進行方向を変化させる第1ミラーと、前記測定光の前記第1ミラーへの入射角を変化させる第2ミラーと、前記第1ミラーと前記第2ミラーとの間に配置され、前記加工用レーザ光の光路と前記測定光の光路とを重ねる合波ミラーと、前記加工用レーザ光および前記測定光を被加工物の表面の加工されるべき加工点に集光させるレンズと、を有するレーザ加工装置の制御方法であって、前記レンズの色収差により生じる前記加工用レーザ光および前記測定光の少なくとも一方の前記被加工物の表面における到達位置のずれを解消するようにあらかじめ補正された、前記被加工物を加工するための補正済み加工用データに基づいて、前記第1ミラーおよび前記第2ミラーを制御して、前記加工用レーザ光および前記測定光を前記被加工物に対して照射し、前記加工点で反射された前記測定光と参照光との光路差によって生じる干渉に基づいて、前記加工用レーザによって前記加工点に生じるキーホールの深さを計測する。
本発明の補正データ生成方法は、加工用レーザ光および測定光の進行方向を変化させる第1ミラーと、前記測定光の前記第1ミラーへの入射角を変化させる第2ミラーと、前記第1ミラーと前記第2ミラーとの間に配置され、前記加工用レーザ光の光路と前記測定光の光路とを重ねる合波ミラーと、前記加工用レーザ光および前記測定光を被加工物の表面に集光させるレンズと、を有するレーザ加工装置において、前記被加工物を加工するためにあらかじめ生成された加工用データを、前記レンズの色収差により生じる前記加工用レーザ光および前記測定光の少なくとも一方の前記被加工物への到達位置のずれを解消するように補正した補正済み加工用データを生成する補正データ生成方法であって、前記被加工物に対して所望のレーザ加工を行うために、前記被加工物の表面の加工が行われるべき加工点毎に設定された、当該加工点に対して照射する前記加工用レーザ光の出力強度、および、当該加工点に前記加工用レーザ光が到達するようにするために前記第1ミラーを動作させる第1動作量を含む加工用データを生成し、前記被加工物の表面の所定の位置毎に、当該位置に前記測定光が到達するようにするために前記第2ミラーを動作させる第2動作量を算出し、前記第2動作量に基づいて、前記加工点毎に、前記加工点に対して前記測定光が到達するようにするために前記第2ミラーを動作させる第3動作量を算出して前記加工用データに加え、補正済み加工用データを生成する。
本発明によれば、正確なキーホールの深さ計測を実現することができる。
本発明の実施の形態におけるレーザ加工装置の構成を示す図 第1ミラーを原点位置から動作させた状態のレーザ加工装置を示す図 倍率色収差による加工用レーザ光と測定光の到達位置のずれを補正した状態のレーザ加工装置を示す図 加工面をレンズ側から見た状態で、第2ミラーは動作させず、第1ミラーのみを動作させて、被加工物の表面を格子状に走査した際の、加工面における加工用レーザ光と測定光の軌跡を例示した図 補正数表データを作成する方法の第一の例を説明するフローチャート 補正数表データを作成する方法の第二の例を説明するフローチャート 補正済み加工データのデータ構成を例示した図 補正済み加工データの作成工程について説明するためのフローチャート 補正数表データのデータ構成を模式的に示した補正数表を説明するための図 補正角設定工程について説明するフローチャート ユーザが加工データとして設定した走査角X(φx,φy)が補正数表上においてデータ点のいずれかの点の補正数表用走査角に一致しなかった場合の走査角X(φx,φy)とその周囲の補正データ点の関係を示した図 レーザ加工工程を説明するフローチャート キーホール深さ計測工程を説明するフローチャート 第2ミラーを動作させたことによる、倍率色収差の影響を補正した状態の、加工面における加工用レーザ光と測定光の軌跡を例示した図 第2ミラーの変形例を示した図 従来のレーザ加工装置の例を示した図
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
<レーザ加工装置の構成>
図1は、本発明の実施の形態1におけるレーザ加工装置1の構成を示す図である。レーザ加工装置1は加工ヘッド2、光干渉計3、計測処理部4、レーザ発振器5、制御部6、で構成されている。光干渉計3はOCT測定用の測定光15を出射し、レーザ発振器5はレーザ加工用の加工用レーザ光11を発振する。測定光15は測定光導入口9から、レーザ発振器5で発振された加工用レーザ光11は加工光導入口10から、それぞれ加工ヘッド2へ入力される。
加工光導入口10から導入された加工用レーザ光11は、ダイクロイックミラー12を透過し、第1ミラー13で反射され、レンズ14を透過して被加工物18の表面の加工面19に集光される。これにより、被加工物18の加工点20がレーザ加工される。この際、加工用レーザ光11が照射された加工点20は溶融し、溶融池21が形成される。また、溶融池21から溶融金属が蒸発し、蒸発時に生じる蒸気の圧力によってキーホール22が形成される。
測定光導入口9から導入された測定光15は、コリメートレンズ16で平行光に変換され、第2ミラー17およびダイクロイックミラー12で反射された後、第1ミラー13で反射されて、レンズ14を透過して被加工物18の表面の加工点20に集光される。そして、測定光15は、キーホール22の底面で反射され、伝播経路を遡って光干渉計3まで到達し、光干渉計3内で図示しない参照光との光干渉による干渉信号を発生させる。計測処理部4は干渉信号からキーホール22の深さ、すなわち加工点20の溶け込み深さを導出する。なお、溶け込み深さとは、被加工物18の溶けた部分の最頂点と、加工面19との距離を意味する。
加工用レーザ光11の波長と測定光15の波長とは、それぞれ異なる波長である。ダイクロイックミラー12は、加工用レーザ光11の波長の光を透過し、測定光15の波長の光を反射するような特性を有する。
第1ミラー13および第2ミラー17は、2軸以上で回転動作させることができる可動ミラーである。本実施の形態において、第1ミラー13および第2ミラー17は、それぞれガルバノミラーである。第1ミラー13、第2ミラー17は、それぞれ第1ドライバ7、第2ドライバ8を介して制御部6に接続されており、制御部6の制御に基づいて動作する。制御部6には被加工物18に対して所望の加工を行うための加工データと、後述する補正を行うための補正用データを保持するためのメモリ31が内蔵されている。
図1に示す例では、第1ミラー13および第2ミラー17は、破線で示すように、紙面に対して垂直な回転軸に対する回転動作のみが示されている。しかしながら、実際には第1ミラー13および第2ミラー17は、上述したように2軸以上で回転動作できるように構成されており、例えば紙面に平行な回転軸に対して回転動作を行うことも可能である。以下の説明では、簡単のため、図1に示すように、第1ミラー13および第2ミラー17が紙面に対して垂直な回転軸に対する回転動作のみを行う場合について説明するが、本発明はこれに限定されず、第1ミラー13および第2ミラー17は他の回転軸に対する回転動作を行うことも可能である。
第2ミラー17が原点位置にあるとき、測定光15の測定光軸23は、ダイクロイックミラー12で反射された後に加工用レーザ光11の加工光軸24と一致するようになっている。
また、加工用レーザ光11の加工光軸24は、第1ミラー13が原点位置にあるとき、第1ミラー13にて反射されてレンズ14を透過する際に、レンズ14の中心であるレンズ光軸25を透過するようになっている。なお、以下の説明において、加工用レーザ光11および測定光15がレンズ14の中心を透過した際に、被加工物18の加工面19における加工用レーザ光11および測定光15の到達位置(照射位置)を加工原点26と記載する。
すなわち、第1ミラー13、第2ミラー17の原点位置とは、加工用レーザ光11および測定光15が、レンズ14の中心を透過するような位置である。
レンズ14は、加工用レーザ光11および測定光15を加工点20に集光するためのレンズである。本実施の形態において、レンズ14は、fθレンズである。
第1ミラー13とレンズ14は、ガルバノミラーとfθレンズによる一般的な光学走査系を構成している。このため、第1ミラー13を原点位置から所定の動作量だけ回転動作させることにより、加工用レーザ光11の加工面19への到達位置を制御することができる。なお、所望の加工点20へ加工用レーザ光11を照射させるための第1ミラー13の動作量は、加工ヘッド2を構成する各光学部材の位置関係と、レンズ14から加工面19までの距離が決まれば、一意に設定することができる。
レンズ14から加工面19までの距離は、加工用レーザ光11による加工が最も効率的に行われるように、加工用レーザ光11が最も集光される焦点位置と、加工面19とを一致させる配置とするのが好適である。しかしながら、本発明はこれに限定されず、レンズ14から加工面19までの距離は、加工用途に応じて任意の距離に決定されればよい。
第1ミラー13の動作角度(動作量)を所定の動作スケジュールで変化させることで、加工面19上で加工点20の位置を走査することができる。さらに、制御部6の制御によりレーザ発振器5のオンとオフの切り替えが行われることで、加工用レーザ光11の走査可能な範囲内における、加工面19上の任意の位置を任意のパターンでレーザ加工することができる。
<色収差による影響>
図2は、第1ミラー13を原点位置から動作させた状態のレーザ加工装置1を示す図である。図2において、第2ミラー17は原点位置にあるとする。
図2に示す例では、第1ミラー13で反射された加工用レーザ光11および測定光15は、レンズ14に到達するまでは同じ光軸上を進む。しかしながら、レンズ14を透過した後は、図2に示すように、加工用レーザ光11と測定光15の進行方向にずれが生じ、測定光15は加工点20とは異なる位置に到達する。図2における加工用レーザ光11の光軸を加工光軸24a、測定光15の光軸を測定光軸23aと記載する。
これは、レンズ14の色収差が原因である。色収差とは、レンズ14を含む一般的な光学材料が、光の波長により屈折率が異なる性質を有するために発生する収差である。
色収差には、軸上色収差と、倍率色収差の二種類がある。軸上色収差は、光の波長によりレンズの焦点位置が異なる性質を指し、倍率色収差は光の波長により焦点面における像高が異なる性質を指す。図2における、レンズ14透過後の加工用レーザ光11と測定光15の進行方向のずれは、倍率色収差によるものである。
なお、本発明の実施の形態におけるレーザ加工装置1では、軸上色収差も同時に発生している。しかしながら、軸上色収差による加工用レーザ光11と測定光15のずれについては、コリメートレンズ16と測定光導入口9との距離を調節し、コリメートレンズ16を透過直後の測定光15を平行光の状態からわずかに発散状態または収束状態にすることで対応が可能である。
図2では、加工原点26に対して、加工用レーザ光11よりも測定光15の方が加工面19における遠い位置に到達している。しかしながら、これは一例であり、レンズ14のレンズ構成や加工用レーザ光11と測定光15との波長の大小関係により、測定光15の方が加工用レーザ光11よりも加工原点26に近い位置に到達する場合もある。一般的には、長波長の光の方が、より加工原点26から遠い位置に到達する。
倍率色収差を補正する方法として、例えば、レンズ14に色消しレンズの性質を持たせる方法がある。しかし、レンズ14に、fθレンズとしての性質と、色消しレンズとしての性質を両方持たせようとすると、非常に高度な光学設計技術が必要となり、レンズ14の設計に多大な時間とコストとが掛かってしまう。このため、本発明では、以下説明するように、第2ミラー17を動作させることにより、低コストで倍率色収差を補正している。
<倍率色収差の補正方法>
図3は、倍率色収差による加工用レーザ光11と測定光15の到達位置のずれを補正した状態のレーザ加工装置1を示す図である。
図3では、第2ミラー17を原点位置から所定の動作角度(動作量)だけ動作させている。これにより、ダイクロイックミラー12からレンズ14に到るまでの間、加工用レーザ光11の加工光軸24と、測定光15の測定光軸23とが同軸関係ではなくなっている。しかしながら、レンズ14を透過した後、加工用レーザ光11および測定光15は、加工面19において、同じ加工点20に到達している。図3における、加工用レーザ光11の加工光軸24aは図2と同じ位置を通っており、第2ミラー17の動作による補正後の測定光15の測定光軸23bは、図2における測定光軸23aとは異なる位置を通っている。
第2ミラー17を原点位置から動作させる所定の動作量は、第1ミラー13の動作量と一対一で対応付けられている。第1ミラー13の動作量は、加工用レーザ光11(および測定光15)を照射する加工点20の位置によって一意に決まっているため、第2可動ミラーの動作量も、測定光15を照射する加工点20の位置によって一意に決まる。なお、第2ミラー17の原点位置からの動作量を、以下の説明において、補正角と記載する。以下では、補正角の求め方について説明する。
[補正角と走査角との関係]
fθレンズであるレンズ14では、レンズ14の焦点距離をf、レンズ14に入射する光のレンズ光軸25からの角度をθ、レンズ14を透過した光線の像面における光軸からの距離(像高と呼ぶ)をhとすると、h=fθという関係が成り立つ。
本実施の形態では、上述したように、第1ミラー13は、回転動作する軸を2軸有している。この2軸を仮にx軸、y軸とすると、第1ミラー13で反射された光のレンズ光軸25からのx軸成分の角度をθ、同じくレンズ光軸25からのy軸成分の角度をθとした場合、像面におけるx方向、y方向の像高をx、yとするとそれぞれについて、x=fθ、y=fθという関係が成り立つ。
従って、加工用レーザ光11が加工面19に到達する加工点の位置を(x,y)とすると、(x,y)=(fθ,fθ)となる。また、ミラーへ光を入射させたときのミラーからの反射光の出射角度は、ミラーの角度変化量の2倍の角度量で変化するため、第1ミラー13の原点位置から動作量(動作角度)を(φ,φ)とすると、(2φ,2φ)=(θ,θ)の関係が成り立つ。なお、以下の説明において、第1ミラー13の原点位置からの動作角度(φ,φ)を走査角と記載する。
このように、本発明の実施の形態に掛かるレーザ加工装置1では、第1ミラー13の角度量、つまり走査角(φ,φ)が決定されると、加工用レーザ光11の加工面19における到達位置、すなわち加工点20の位置(x,y)も決定される。
上述したように、走査角は加工点20の位置によって一意に決定され、同様に補正角も加工点20の位置によって一意に決定される。すなわち、ある加工点20の位置毎に走査角と補正角との関係をあらかじめ導出しておき、加工時には加工点20の位置に対応する補正角だけ第2ミラー17を動作させることにより、上述した倍率色収差による測定光15のずれを補正することができるようになる。
以下では、加工点20毎の走査角と補正角との対応関係を示す補正数表データの作成方法について説明する。
[補正数表データ作成方法]
図4は、加工面19をレンズ14側から見た状態で、第2ミラー17は動作させず、第1ミラー13のみを動作させて、被加工物18の表面を格子状に走査した際の、加工面19における加工用レーザ光11と測定光15の軌跡を例示した図である。
図4では、加工用レーザ光11の軌跡である加工光軌跡28が実線で、測定光15の軌跡である測定光軌跡27が破線で示されている。図4に示す例では、第2ミラー17が動作していないため倍率色収差の補正が行われていない。従って、加工原点26付近では加工用レーザ光11と測定光15の軌跡は一致しているが、加工原点26から遠ざかるにつれて両者のずれが大きくなっている。これにより、加工光軌跡28は歪みのない格子状パターンを描く一方、測定光軌跡27は歪んだ糸巻き型の軌跡を描いている。なお、図4に示す測定光軌跡27の形状は一例であり、測定光軌跡27の歪み形状はレンズ14の光学特性によって変化しうる。
なお、図4では一例として、等間隔の4×4マスの格子パターンを図示しているが、本発明はこれに限定されない。走査のための格子パターンは、より細かいマス数の格子に設定されたり、fθレンズの倍率色収差特性に関連して特に精度の必要な領域の格子間隔を狭くされたりしてもよい。また、放射状の格子パターンが設定されてもよい。ただし、本実施の形態では、補正角はx軸およびy軸の2軸で設定されるため、図4に示すような直交格子パターンの方がより好適である。
図4に示す加工光軌跡28と測定光軌跡27を比較すると、格子状パターンの対応する各格子点においてずれが生じていることが分かる。
補正数表データを作成するためには、加工光軌跡28上のある1つの格子点である加工光格子点30と、測定光軌跡27の対応する測定光格子点29とが一致するように補正角を決定する必要がある。
以下では、ある格子点位置における補正角を求める方法について説明する。
図5は、補正数表データを作成する方法の第一の例を説明するフローチャートである。
ステップS1において、図4に示す加工光軌跡28のように、加工面19上にレーザ加工を行う範囲の格子状パターンを設定する。
ステップS2において、格子状パターンの位置に2次元ビームプロファイラ(図示せず)を設置する。このとき、2次元ビームプロファイラの検出面の高さ位置は加工面19と一致するように設置される。
ステップS3において、格子点位置に加工用レーザ光11が到達するよう第1ミラー13の走査角を設定する。
ステップS4において、加工用レーザ光11を照射して、2次元ビームプロファイラを用いて、実際に加工用レーザ光11が加工面19に到達した到達位置を求める。
ステップS5において、測定光15を照射して、2次元ビームプロファイラを用いて、実際に測定光15が加工面19に到達した到達位置を求める。
ステップS6において、ステップS4において求めた加工用レーザ光11の到達位置と測定光15の到達位置が一致するように、2次元ビームプロファイラの測定結果を参照しながら、第2ミラー17の補正角を設定する。
ステップS7において、設定した走査角および補正角を補正数表のデータとしてメモリ31に保存する。
ステップS8において、ステップS1で設定した格子状パターンのすべての格子点において補正数表のデータを取得したか否かの判定を行う。全ての格子点においてデータを取得した場合(ステップS8:Yes)、処理は終了し、そうでない場合(ステップS8:No)、処理はステップS9に進む。
ステップS9において、異なる格子点位置を設定し、ステップS2に戻る。
次に、補正数表データを作成する方法の第二の例について説明する。図6は、補正数表データを作成する方法の第二の例を説明するフローチャートである。
ステップS11において、仮の被加工物として金属の平板(以下、金属板と記載する)等を設置し、図4に示す加工光軌跡28のように、加工面19上にレーザ加工を行う範囲の格子状パターンを設定する。
ステップS12において、格子点位置に加工用レーザ光11が到達するよう第1ミラー13の走査角を設定する。
ステップS13において、加工用レーザ光11を照射して金属板の表面に微小穴を開ける。このとき、加工用レーザ光11の出力強度および照射時間は、被加工物18を貫通しないように調整される。微小穴の直径は、光干渉計3の計測分解能に比べて2~3倍程度であることが好ましい。
ステップS14において、光干渉計3により、作成した微小穴の形状測定を行う。この際、第2ミラー17を角度位置からある程度動作させて測定光15を走査することで、微小穴近傍の3次元的な形状測定を行うことができる。
ステップS15において、ステップS14で測定した形状測定データを用いて、微小穴の最深部に測定光15が到達するための補正角を求める。
ステップS16において、ステップS15で求めた補正角と、そのときの走査角と補正数表データとしてメモリ31に保存する。
ステップS17において、ステップS10で設定した格子状パターンのすべての格子点において補正数表のデータを取得したか否かの判定を行う。全ての格子点においてデータを取得した場合(ステップS17:Yes)、処理は終了し、そうでない場合(ステップS17:No)、処理はステップS18に進む。
ステップS18において、異なる格子点位置を設定し、ステップS12に戻る。
以上で説明した方法により、補正数表データが得られる。なお、図4に示す例では、4×4の格子パターン上の16個の格子点における補正数表データしか作成できないが、実際は格子パターンを細かくして、より多くの格子点における補正数表データを取得しておくことが好適である。しかしながら、どれほど細かい格子パターンを用いて補正数表データを作成したとしても、第1ミラー13の動作角(走査角)は機構上の動作範囲内であればどのような値でも設定することができるため、走査角が補正数表データと一致しない場合が生じうる。このような場合には、補正数表データを補間して補正角を求める必要がある。補正数表データを補間して補正角を求める方法については、後述する。
[加工データ作成方法]
次に、被加工物18を加工するための加工データの作成方法の流れについて説明する。
従来、fθレンズとガルバノミラーを有するレーザ加工装置では、レーザ発振器への出力指示値と走査角のデータ項目が加工点毎にセットになった加工データを用いて制御部がレーザ発振器およびガルバノミラーを制御していた。加工データは時系列順に並べられており、時系列に沿って被加工物表面の全ての加工点に対して加工を行うことにより、被加工物全体のレーザ加工を行っていた。
本発明の実施の形態に係るレーザ加工装置1では、加工データのデータ項目として、レーザ発振器への出力指示値、加工点の位置、および走査角に加えて、補正角が加えられる。以下の説明において、このように補正角がデータ項目として加えられた加工データを、補正済み加工データと記載する。
図7は、補正済み加工データのデータ構成を例示した図である。図7に示すように、補正済み加工データは、一組のデータ項目として、加工データの順番を示すデータ番号k、x方向の加工点位置x、y方向の加工点位置y、レーザ発振機への出力指示値を示すレーザ出力データL、x方向の走査を担う第1ミラー13の走査角φx、y方向の走査を担う第1ミラー13の走査角φy、x方向の測定光の補正を担う第2ミラー17の補正角ψx、y方向の測定光の補正を担う第2ミラー17の補正角ψy、を含む。なお、データ番号k以外の各データ項目の添え字kはデータ番号k番目に対応するデータ項目であることを表している。補正済み加工データにおける走査角は、本発明の第1指示値の一例であり、補正済み加工データにおける補正角は、本発明の第2指示値の一例である。
図8は、補正済み加工データの作成工程について説明するためのフローチャートである。
ステップS21において、メモリ31内にある加工データが保存されている領域に付けられているデータ番号kを0に設定する。
ステップS22において、メモリ31内のデータ番号kの領域に、レーザ出力データL、加工点位置x、yを保存する。これらの値は、所望のレーザ加工を実現するために、レーザ加工装置1のユーザが、図示しない操作部(キーボード、マウス、タッチパネル等)を用いて設定する設定値である。
ステップS23において、ステップS22で保存した加工点位置x、yから第1ミラー13の走査角φx,φyを算出し、メモリ31内のデータ番号kの領域に保存する。レンズ14の焦点距離がfのとき、加工点位置と走査角の間には(x,y)=(2f・φx,2f・φy)の関係があるので、加工点位置から走査角は自動的に決定される。なお、加工点位置と走査角の関係式や対応数表等があらかじめユーザによって設定されていてもよく、そのような場合はそれを用いて走査角を決定してもよい。
ステップS24において、補正済み加工データの設定がすべて完了したか否かの判定を行う。補正済み加工データの設定がすべて完了した場合(ステップS24:Yes)、処理は終了し、そうでない場合(ステップS24:No)、処理はステップS25へ進む。
ステップS25において、参照するデータ番号kを1つ増加させてステップS22に戻る。これにより、全てのデータ番号kについて補正済み加工データが設定される。
[補正角設定方法]
次に、補正済み加工データにおける、加工点位置毎の補正角の決定方法について説明する。
図9は、補正数表データのデータ構成を模式的に示した補正数表34を説明するための図である。図9は、加工面19内の格子点に、格子点毎に設定されたデータをデータ点32として模式的に示した図である。図9内のそれぞれのデータ点32は,上述したように、加工面上の位置(加工点位置)、走査角、および補正角を含んでいる。補正データ点33は、加工面19上の加工原点26に対応する点である。
以下の説明では、補正数表34の各データ点の位置を、便宜上走査角(φx,φy)で示すことにする。走査角φxに対応する方向のデータ番号をi、走査角φyに対応する方向のデータ番号をjとする。データ番号i,jを用いて、データ点32はそれぞれ補正数表用走査角(Φxi,Φy)、補正数表用補正角(Ψxij,Ψyij)の組である(Φxi,Φy,Ψxij,Ψyij)を保持している。
図10は、補正角設定工程について説明するフローチャートである。
ステップS31において、データ番号kを0に設定する。
ステップS32において、メモリ31内のデータ番号kの領域に保存されている走査角φx,φyと、補正数表34内のすべての補正数表用走査角Φxi,Φyとを比較し、φx=Φxiかつφy=Φyとなるデータ番号i,jが存在するか否かの判定を行う。φx=Φxiかつφy=Φyとなるデータ番号i,jが存在する場合(ステップS32:Yes)、処理をステップS33に進め、そうでない場合(ステップS33:No)、ステップS34に進める。本ステップS32では、補正数表34内に、ユーザが設定した補正角と全く同じ走査角を含むデータ項目が存在するかどうかを判定している。
ステップS33において、φx=Φxiかつφy=Φyとなるデータ番号i,jを用いて補正角を(ψx,ψy)=(Ψxij,Ψyij)と設定する。すなわち、本ステップS33では、ユーザが設定した補正角と全く同じ走査角を含むデータ項目が存在するため、該当する補正数表用補正角をそのまま補正角として設定している。
ステップS34において、ユーザの設定した走査角(φx,φy)に対して補正数表データ内で最近接4点のデータを用いて、補間処理を行って補正角(ψx,ψy)を設定する。ステップS34の詳細については後述する。
ステップS35において、メモリ31内の加工データのデータ番号kの領域にステップS33またはステップS34において設定された補正角(ψx,ψy)を保存する。
ステップS36において、メモリ31内に保存されている加工データのすべてについて補正角が設定完了したか否かの判定を行う。全てについて設定完了した場合(ステップS36:Yes)、処理を終了し、そうでない場合(ステップS36:No)処理をステップS37へ進める。
ステップS37において、参照するデータ番号kを1つ増加させてステップS32に戻る。これにより、全てのデータ番号kについて補正済み加工データが設定される。
[補間処理の詳細]
図10におけるステップS34(補間処理)について、詳細に説明する。ステップS34では、ユーザの設定した走査角(φx,φy)が、データ点32内の補正数表用走査角(Φxi,Φy)のいずれにも一致していない。
図11は、ユーザが加工データとして設定した走査角X(φx,φy)が補正数表34上においてデータ点32のいずれかの点の補正数表用走査角に一致しなかった場合の走査角X(φx,φy)とその周囲の補正データ点の関係を示した図である。走査角X(φx,φy)に対応する点は、補正データ点A(Φxi,Φy,Ψxij,Ψyij)、B(Φxi+1,Φy,Ψxi+1j,Ψyi+1j)、C(Φxi,Φyj+1,Ψxij+1,Ψyij+1)、D(Φxi+1,Φyj+1,Ψxi+1j+1,Ψyi+1j+1)の4点で作られる格子内に位置している。Φxi≦φx≦Φxi+1(等号は同時には成立せず)、Φy≦φy≦Φyj+1(等号は同時には成立せず)の関係が成立している。このときの補正角(ψx,ψy)は、走査角X(φx,φy)の値と補正データ点A、B、C、Dの値を用いて、以下の式(1)と式(2)から求められる。
ψx=(EΨxij+FΨxi+1j+GΨxij+1+HΨxi+1j+1)/J・・・(1)
ψy=(EΨyij+FΨyi+1j+GΨyij+1+HΨyi+1j+1)/J・・・(2)
なお、式(1)および(2)におけるE、F、G、H、Jは、下記の式(3)~(7)で求められる。
E=(φx-Φxi)(φy-Φy)・・・(3)
F=(Φxi+1-φx)(φy-Φy)・・・(4)
G=(φx-Φxi)(Φyj+1-φy)・・・(5)
H=(Φxi+1-φx)(Φyj+1-φy)・・・(6)
J=(Φxi+1-Φxi)(Φyj+1-Φy)・・・(7)
このような方法により、ユーザが設定した走査角に基づいて、補間処理により補正角を導出することができる。なお、補間処理後の補正角は、本発明の第3動作量の一例である。
上述した補間処理では、補間法として線形補間法を用いたが、その他の公知の二次元補間手法(スプライン補間、二次曲面近似など)を用いてもよい。また、あらかじめ補正数表34上の補正数表用補正角(Ψxij,Ψyij)から、走査角に対する補正角についての高次の近似連続曲面を算出しておき、走査角に対応する補正角を導出するようにしてもよい。
<レーザ加工方法>
次に、レーザ加工装置1によるレーザ加工方法を説明する。図12はレーザ加工工程を説明するフローチャートである。
ステップS41において、データ番号kを0に設定する。
ステップS42において、データ番号kに対応するレーザ出力データL、走査角φx,φyを、補正角ψx,ψyを読み出す。
ステップS43において、制御部6は、走査角φx,φyを動作量として第1ドライバ7を介して第1ミラー13を動作させるとともに、補正角ψx,ψyを動作量として第2ドライバ8を介して第2ミラー17を動作させる。
ステップS44において、制御部6は、レーザ出力データLをレーザ出力値としてレーザ発振器5へ送信し加工用レーザ光11を発振させる。
ステップS45において、メモリ31内に保存されている全てのデータ番号kに対応するレーザ加工が終了したか否かを判定する。全てのデータ番号kに対応するレーザ下降が終了した場合(ステップS45:Yes)、処理を終了し、そうでない場合(ステップS45:No)、処理をステップS46へ進める。
ステップS46において、参照するデータ番号kを1つ増加させてステップS42に戻る。これにより、全てのデータ番号kについて加工が行われる。
<キーホール深さ計測方法>
次に、上述したレーザ加工時におけるキーホール22の深さ計測方法について説明する。
図13はキーホール深さ計測工程を説明するフローチャートである。
ステップS51において、図12で説明したレーザ加工工程を開始するより前に、未加工の被加工物18の加工面19の位置データを取得する。
図12に説明したようにレーザ加工処理が開始されると、ステップS52において、計測処理部4は、光干渉計3においてキーホール22から反射して戻って来た測定光15と参照光の光路差に応じた光干渉信号を生成する。
ステップS53において、計測処理部4は、光干渉信号を用いてキーホール22の深さ(溶け込み深さ)を導出する。導出されたキーホール22の深さは、メモリ31に記憶される。
ステップS54において、キーホール深さ計測処理を終了するか否かの判定を行う。処理を終了する場合(ステップS54:Yes)、処理をステップS55へ進め、そうでない場合(ステップS55:No)、処理をステップS52へ戻す。
ステップS55において、制御部6は、計測処理部4に対してキーホール深さ計測処理終了の指令を出す。
なお、キーホール深さ計測処理の開始およびキーホール深さ計測処理の終了の指示は、制御部6が行うのではなく、ユーザが図示しない操作部等を用いて行ってもよい。
<効果>
以上説明したように、本発明の実施の形態に係るレーザ加工装置1は、被加工物の加工されるべき加工点に対して加工用レーザ光を発振するレーザ発振器5と、前記加工点に対して測定光を出射し、前記加工点で反射された前記測定光と参照光との光路差によって生じる干渉に基づく光干渉強度信号を生成する光干渉計3と、前記加工用レーザ光および前記測定光の進行方向を変化させる第1ミラー13と、前記測定光の前記第1ミラー13への入射角を変化させる第2ミラー17と、前記加工用レーザ光および前記測定光を前記加工点に集光させるレンズ14と、前記レンズの色収差により生じる前記加工用レーザ光および前記測定光の照射位置の前記被加工物表面におけるずれを解消するようにあらかじめ補正された、前記被加工物を加工するための補正済み加工用データを記憶するメモリ31と、前記補正済み加工用データに基づいて前記レーザ発振器5、前記第1ミラー13、および前記第2ミラー17を制御する制御部と、前記光干渉強度信号に基づいて、前記加工用レーザ光によって前記加工点に生じるキーホールの深さを導出する計測処理部4と、を有する。
このような構成により、レンズ14の倍率色収差によって生じる、レンズ14透過後の加工面19における加工用レーザ光11と測定光15の到達位置のずれを補正することができる。これにより、OCTによるキーホール22の深さ計測を好適に実施することができる。図14は、第2ミラー17を動作させたことによる、倍率色収差の影響を補正した状態の、加工面19における加工用レーザ光11と測定光15の軌跡を例示した図である。図14によれば、図4とは異なり、加工用レーザ光11の軌跡である加工光軌跡28と、測定光15の軌跡である測定光軌跡27a、および各格子点がそれぞれ一致していることが分かる。
なお、上述した実施の形態では、測定光15の光軸方向を変化させるために、ガルバノミラーである第2ミラー17を用いたが、本発明はこれに限定されない。例えば、測定光導入口9とダイクロイックミラー12の間に設置され、制御部6の制御に基づいて測定光15の光軸方向を変化させることができる構成であればよい。
このような構成の具体例として、図15に例示した構成が挙げられる。図15は、第2ミラー17の変形例を示した図である。図15では、測定光導入口9とダイクロイックミラー12の間に、第2ミラー17として放物面ミラー35が固定されており、測定光導入口9には測定光出射端を移動させる移動ステージ36が設けられた例が示されている。測定光導入口9の測定光出射端は放物面ミラー35の焦点に位置するように配置されており、放物面ミラー35で反射された後に平行光となってダイクロイックミラー12へ向かう。移動ステージ36はステージドライバ37を介して制御部6の制御に基づいて動作する。移動ステージ36の動作方向は測定光軸23に垂直な2軸方向である。移動ステージ36の動作により放物面ミラー35からダイクロイックミラー12へ向かう測定光軸23の角度が変化することにより、上述した実施の形態における、ガルバノミラーを採用した第2ミラー17と同様の効果が得られる。また、第2ミラー17としては、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラー等を採用してもよい。
本発明のレーザ加工装置およびレーザ加工方法は、自動車や電子部品等のレーザ加工を行うレーザ加工装置に適用することができる。
1 レーザ加工装置
2 加工ヘッド
3 光干渉計
4 計測処理部
5 レーザ発振器
6 制御部
7 第1ドライバ
8 第2ドライバ
9 測定光導入口
10 加工光導入口
11 加工用レーザ光
12 ダイクロイックミラー
13 第1ミラー
14 レンズ
15 測定光
16 コリメートレンズ
17 第2ミラー
18 被加工物
19 加工面
20 加工点
21 溶融池
22 キーホール
23 測定光軸
24 加工光軸
25 レンズ光軸
26 加工原点
27 測定光軌跡
28 加工光軌跡
29 測定光格子点
30 加工光格子点
31 メモリ
32 データ点
33 補正データ点
34 補正数表
35 放物面ミラー
36 移動ステージ
37 ステージドライバ

Claims (10)

  1. 被加工物の表面の加工されるべき加工点に対して加工用レーザ光を発振するレーザ発振器と、
    前記加工点に対して測定光を出射し、前記加工点で反射された前記測定光と参照光との光路差によって生じる干渉に基づく光干渉強度信号を生成する光干渉計と、
    前記加工用レーザ光および前記測定光の進行方向を変化させる第1ミラーと、
    前記測定光の前記第1ミラーへの入射角を変化させる第2ミラーと、
    前記第1ミラーと前記第2ミラーとの間に配置され、前記加工用レーザ光の光路と前記測定光の光路とを重ねる合波ミラーと、
    前記加工用レーザ光および前記測定光を前記加工点に集光させるレンズと、
    前記レンズの色収差により生じる前記加工用レーザ光および前記測定光の少なくとも一方の到達位置の前記被加工物の表面におけるずれを解消するようにあらかじめ補正された、前記被加工物を加工するための補正済み加工用データを記憶するメモリと、
    前記補正済み加工用データに基づいて前記レーザ発振器、前記第1ミラー、および前記第2ミラーを制御する制御部と、
    前記光干渉強度信号に基づいて、前記加工用レーザ光によって前記加工点に生じるキーホールの深さを導出する計測処理部と、
    を有する、レーザ加工装置。
  2. 前記補正済み加工用データは、前記加工点毎にあらかじめ設定された、前記レーザ発振器に発振させる前記加工用レーザ光の強度を示す出力指示値、前記第1ミラーを動作させる動作量を示す第1指示値、および前記第2ミラーを動作させる動作量を示す第2指示値を含む、
    請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. 前記加工用レーザ光と前記測定光とは、異なる波長を有する、
    請求項1または2に記載のレーザ加工装置。
  4. 前記第1ミラーおよび前記第2ミラーは、それぞれガルバノミラーである、
    請求項1から3のいずれか一項に記載のレーザ加工装置。
  5. 前記第1ミラーはガルバノミラーであり、
    前記第2ミラーは放物面ミラーであり、
    前記第2ミラーに入射する前記測定光を移動させる移動ステージをさらに有する、
    請求項1から3のいずれか一項に記載のレーザ加工装置。
  6. 前記レンズは、fθレンズである、
    請求項1から5のいずれか一項に記載のレーザ加工装置。
  7. 加工用レーザ光および測定光の進行方向を変化させる第1ミラーと、前記測定光の前記第1ミラーへの入射角を変化させる第2ミラーと、前記第1ミラーと前記第2ミラーとの間に配置され、前記加工用レーザ光の光路と前記測定光の光路とを重ねる合波ミラーと、前記加工用レーザ光および前記測定光を被加工物の表面の加工されるべき加工点に集光させるレンズと、を有するレーザ加工装置の制御方法であって、
    前記レンズの色収差により生じる前記加工用レーザ光および前記測定光の少なくとも一方の前記被加工物の表面における到達位置のずれを解消するようにあらかじめ補正された、前記被加工物を加工するための補正済み加工用データに基づいて、前記第1ミラーおよび前記第2ミラーを制御して、前記加工用レーザ光および前記測定光を前記被加工物に対して照射し、
    前記加工点で反射された前記測定光と参照光との光路差によって生じる干渉に基づいて、前記加工用レーザによって前記加工点に生じるキーホールの深さを計測する、
    制御方法。
  8. 加工用レーザ光および測定光の進行方向を変化させる第1ミラーと、前記測定光の前記第1ミラーへの入射角を変化させる第2ミラーと、前記第1ミラーと前記第2ミラーとの間に配置され、前記加工用レーザ光の光路と前記測定光の光路とを重ねる合波ミラーと、前記加工用レーザ光および前記測定光を被加工物の表面に集光させるレンズと、を有するレーザ加工装置において、前記被加工物を加工するためにあらかじめ生成された加工用データを、前記レンズの色収差により生じる前記加工用レーザ光および前記測定光の少なくとも一方の前記被加工物への到達位置のずれを解消するように補正した補正済み加工用データを生成する補正データ生成方法であって、
    前記被加工物に対して所望のレーザ加工を行うために、前記被加工物の表面の加工が行われるべき加工点毎に設定された、当該加工点に対して照射する前記加工用レーザ光の出力強度、および、当該加工点に前記加工用レーザ光が到達するようにするために前記第1ミラーを動作させる第1動作量を含む加工用データを生成し、
    前記被加工物の表面の所定の位置毎に、当該位置に前記測定光が到達するようにするために前記第2ミラーを動作させる第2動作量を算出し、
    前記第2動作量に基づいて、前記加工点毎に、前記加工点に対して前記測定光が到達するようにするために前記第2ミラーを動作させる第3動作量を算出して前記加工用データに加え、補正済み加工用データを生成する、
    補正データ生成方法。
  9. 前記第2動作量に基づいて、前記加工点毎に前記第3動作量を算出して前記加工用データに加え、補正済み加工用データを生成する際に、
    前記加工点と前記位置とが一致しない場合には、前記加工点に近い順に所定数の前記位置における前記第2動作量を用いて補間処理を行い、前記第3動作量を算出する、
    請求項8に記載の補正データ生成方法。
  10. 前記位置は、前記第1ミラーの可動範囲に対応した前記被加工物表面の範囲に設定され、かつ、前記補間処理が前記範囲内で可能となるように設定される、
    請求項9に記載の補正データ生成方法。
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