これらの図面全体にわたって示す実施形態の1つまたは複数では、説明の目的で、特定の構成要素、構造的特徴、および/またはアセンブリを削除し、概略的に示し、かつ/または破線で示していることが理解されよう。
図面を次に参照すると、いくつかの図全体にわたって同様の数字が同様のまたは対応する部分を示し、手術用ロボット32を備える手術用システム30が、図1に示されている。手術用ロボット32は、ベース34、ロボットアーム36、および結合具38を有する。以下により詳細に説明するように、ロボットアーム36は、ベース34によって支持されており、使用中にベース34に対する結合具38の位置および/または方位の移動、案内、駆動、維持、または他の方法の制御を行うように構成される。以下により詳細に説明するように、結合具38は、エンドエフェクタ40を解放可能に固定するように適合され、エンドエフェクタ40は、1つまたは複数の軌道Tに沿って患者の体Bの手術部位STで、概して42で示すツールを駆動するように構成される。したがって、手術用ロボット32は、とりわけ、エンドエフェクタ40およびツール42の動きおよび位置決めに対する精密な制御によって、様々なタイプの手術処置を実施する医療従事者を支援するために、ロボットアーム36を介してエンドエフェクタ40を動かす。ロボットアーム36の1つの例示的な配置が、開示が全体として参照により本明細書に組み込まれている、「Surgical Robotic arm Capable of Controlling a Surgical Instrument in Multiple Modes」、という名称の米国特許第9,119,655号に記載されている。ロボットアーム36および手術用ロボット32の他の部分は、代替の構成で配置することもできることが理解されよう。
手術用システム30は、使用者(例えば、外科医)が、手術用ロボット32によって維持される軌道Tに沿って、手術部位STで、かつ/または手術部位STに対して、1つまたは複数のタイプのツール42の案内、位置決め、および/または配置を行うことを助けるように構成される。本開示の様々な実施形態の以下の後述する説明から理解されるように、ツール42は、とりわけ、手術用ロボット32によって維持される軌道Tに対する高レベルの制御によって、外科医が手術部位STで患者の体Bの解剖学的構造に接近して操作することを可能にするように、エンドエフェクタ40によって支持することができる。上記で紹介した手術用システム30の構成要素はそれぞれ、以下により詳細に説明する。
従来の手術処置は慣行的に、複数の異なるタイプのツール42の使用を伴うことが、当業者には理解されよう。ここで、特定のタイプのツール42は、軌道Tに沿って支持されながら、エンドエフェクタ40によって駆動されるように構成されたとき、「能動」であると特徴付けることができる(例えば、それだけに限定されるものではないが、ドリルおよびバーなどの回転切断機器)。他方では、特定のタイプのツール42は、軌道Tに沿って少なくとも部分的に支持されながら、エンドエフェクタ40によって案内される(必ずしも駆動されない)ように構成されたとき、「受動」であると特徴付けることができる(例えば、それだけに限定されるものではないが、解剖器具およびメス)。加えて、以下の後述する説明から理解されるように、いくつかのタイプのツール42は、どのように使用されるかに応じて、「能動」および「受動」の両方であると特徴付けることができる。
複数の異なるタイプの「能動」ツール42が本開示によって企図されるが、本明細書では、軌道Tに沿って手術部位STにパイロット孔46を形成する回転切断ツール44(例えば、ドリルビットを有する回転切断機器)、および軌道Tに沿って手術部位STに設置されるように適合された固定具50(例えば、多軸スクリュー)を解放可能に固定するように構成された回転駆動ツール48(例えば、固定具駆動機器)という2つの例示的な「能動」ツール42について、図4~図5Fに関連して説明する。
エンドエフェクタ40の第1の実施形態に関連して示す本明細書に記載のエンドエフェクタ40およびツール42の代表的な実施形態は、概して、患者の体Bの2つ以上の椎骨の後方経路椎体間脊椎固定術など、様々なタイプの低侵襲脊椎手術処置を実行する外科医を支援するように構成される。しかし、以下の後述する説明から理解されるように、手術用システム30は、エンドエフェクタ40によって駆動される「能動」ツール42および/またはエンドエフェクタ40によって案内される「受動」ツール42などによって、ツール42の動きを、軸方向軌道Tの周りの回転および軸方向軌道Tに沿った並進に制限することが有利な複数の異なるタイプの手術処置に関連して使用することができる。ここで、「駆動される」という用語は、概して、軌道Tの周りのツール42の回転に対応する。しかし、手術用ロボット32によって案内されるエンドエフェクタ40によって支持されたツール42は、軌道Tおよび/もしくは手術部位STの周りで、かつ/または軌道Tおよび/もしくは手術部位STに対して、それだけに限定されるものではないが、振動、往復、並進、回転、またはこれらの組合せを含む、複数の異なる方法で駆動することができることが理解されよう。
上述したように、図示の手術用システム30は、有利には、後方経路椎体間脊椎固定術などの低侵襲脊椎手術処置に関連して利用することができる。この説明的な例では、回転切断ツール44は、異なる椎骨内にパイロット孔46を形成するために使用することができ、回転駆動ツール48は、椎弓根スクリューとして実現された固定具50をそれぞれのパイロット孔46内へ設置するために使用することができる。次いで、患者の体Bの2つ以上の椎骨の椎弓根内に設置された固定具50間に安定化ロッド(図示せず)を取り付けて、これらの椎骨間の相対運動を制限し、それによって骨の成長を促進して椎骨をともに固定することを助けることができる。上記の例は例示であり、他のタイプの手術処置も企図されることが理解されよう。
多軸椎弓根スクリュー型固定具50に対するパイロット孔46を形成することに加えて、いくつかの実施形態では、回転切断ツール44はまた、他のタイプの固定ハードウェア(例えば、ピン、スクリュー、ブラケット、板、ロッドなど)、補綴構成要素(例えば、人工関節、骨ケージ、インプラントなど)、および/または医療用デバイス(例えば、ガイドワイヤ、器具類、センサ、トラッカなど)に対する孔を形成することができる。さらに、いくつかの実施形態では、回転切断ツール44はまた、椎骨および/もしくは隣接組織(例えば、椎弓切除または椎間板切除中に利用されるバーとして)または他の骨(例えば、腸骨稜から採取した骨の移植を容易にするため)の部分を除去するのを助けるように構成することができる。したがって、ツール42は、手術部位で組織の切断、除去、操作、または治療を行うための複数の異なるタイプの手術用ツールとして実現することができ、エンドエフェクタ40は、ツール42の動きを、手術用ロボット32によって維持される軌道Tの周りの回転および軌道Tに沿った並進に制限することが有利な任意の好適なタイプの手術処置で利用することができる。上述したように、他の構成も企図される。
手術用システム30は、様々なタイプのトラッカ(例えば、複数の自由度を有する光、慣性、および/または超音波感知デバイス)、ナビゲーションシステム(例えば、機械視覚システム、電荷結合デバイスカメラ、トラッカセンサ、表面スキャナ、および/またはレンジファインダ)、解剖学的コンピュータモデル(例えば、脊椎の下部腰椎領域の磁気共鳴撮像走査)、以前の手術処置および/または以前実行された手術技法からのデータ(例えば、固定具50の設置を容易にするために次に使用されるパイロット孔46を形成しながら手術用ロボット32によって記録されたデータ)などを利用することによって、共通の座標系内における手術用ロボット32、ロボットアーム36、エンドエフェクタ40、および/またはツール42の1つまたは複数の部分、ならびに患者の体Bの様々な部分の相対的な位置および/または方位の変化の監視、追跡、および/または判定を行うことが可能である。これらの目的で、図1に概略的に示すように、手術用システム30は、概して、手術用ロボット32が軌道Tに沿ってツール42の位置合わせを維持することを可能にするように協働する制御システム52およびナビゲーションシステム54を備える。制御システム52は、アームコントローラ56を備え、ナビゲーションシステム54は、ナビゲーションコントローラ58を備える。コントローラ56、58は、コンピュータ、プロセッサ、制御ユニットなどとして実現することができ、個別の構成要素とすることができ、一体化することができ、かつ/またはその他の方法でハードウェアを共用することができる。
手術用システム30は、とりわけ、ロボットアーム36の関節動作、ツール42の駆動の促進などのために、制御システム52を用いる。ここで、制御システム52のアームコントローラ56は、ロボットアーム36(図示せず)の接合部に配置された様々なアクチュエータ、モータなどを駆動することによって、ロボットアーム36を関節動作させるように構成される。アームコントローラ56はまた、ロボットアーム36に沿って位置するエンコーダなどの様々なセンサ(図示せず)からセンサデータを収集する。手術用ロボット、エンドエフェクタ40、およびツール42の各構成要素の特有の幾何形状が分かっているため、アームコントローラ56は、これらのセンサデータを使用して、マニピュレータ座標系MNPL(図1参照)内のツール42の位置および/または方位を確実に調整することができる。マニピュレータ座標系MNPLは原点を有し、原点は、ロボットアーム36に対して位置する。このタイプのマニピュレータ座標系MNPLの一例は、先に参照した「Surgical Robotic arm Capable of Controlling a Surgical Instrument in Multiple Modes」という名称の米国特許第9,119,655号に記載されている。
手術用システム30は、とりわけ、ツール42および患者の体Bの部分(例えば、手術部位STに位置する椎骨)などの様々な物体の動きを追跡するために、ナビゲーションシステム54を用いる。この目的で、ナビゲーションシステム54は、ローカライザ座標系LCLZ内の物体に固定されたトラッカ62の位置および/または方位を感知するように構成されたローカライザ60を備える。ナビゲーションコントローラ58は、ローカライザ60と通信するように配置され、ローカライザ座標系LCLZ内のローカライザ60によって感知された各トラッカ62に対する位置および/または方位データを収集する。
ローカライザ60は、複数のトラッカ62の位置および/または方位を感知し、それに対応してローカライザ座標系LCLZ内の複数の物体を追跡することができることが理解されよう。例として、図1に示すように、トラッカ62は、ポインタトラッカ62P、ツールトラッカ62T、第1の患者トラッカ62A、および/または第2の患者トラッカ62B、ならびに追加の患者トラッカ、追加の医療用および/または手術用ツール向けのトラッカなどを備えることができる。図1で、ツールトラッカ62Tは、エンドエフェクタ40にしっかりと固定され、第1の患者トラッカ62Aは、手術部位STで1つの椎骨(例えば、仙骨のS1)にしっかりと固定され、第2の患者トラッカ62Bは、異なる椎骨(例えば、腰椎のL5)にしっかりと固定される。ツールトラッカ62Tは、製造中にエンドエフェクタ40に一体化すること、またはエンドエフェクタ40に解放可能に取り付けることなどによって、異なる方法でエンドエフェクタ40に固定することもできる。患者トラッカ62A、62Bは、ねじ係合、締付け、または他の技法などによって、患者の体Bの異なる骨にしっかりと固定される。様々なトラッカ62は、複数の異なる方法で異なるタイプの追跡される物体(例えば、個別の骨、ツール、ポインタなど)にしっかりと固定することができることが理解されよう。
トラッカ62が取り付けられる解剖学的構造に対するトラッカ62の位置は、点ベースの位置合わせなどの知られている位置合わせ技法によって判定することができ、骨上の骨ランドマーク上、または面ベースの位置合わせの場合は骨にわたっていくつかの点に描写するために、ポインタトラッカ62P(例えば、ナビゲーションポインタ)が使用される。従来の位置合わせ技法を用いて、トラッカ62の姿勢を患者の解剖学的構造(例えば、それぞれの各椎骨)に相関させることができる。椎骨の棘突起に取り付けられる機械クランプを有するトラッカ62を使用することなどによって、他のタイプの位置合わせも可能であり、そのような機械クランプは、クランプが取り付けられた棘突起の形状を判定するための触覚センサ(図示せず)を有する。次いで、位置合わせのために、棘突起の形状を棘突起の3Dモデルに整合させることができる。触覚センサとトラッカ62上の3つ以上のマーカとの間の既知の関係を、ナビゲーションコントローラ58に入力することができ、または他の方法でナビゲーションコントローラ58によって知ることができる。この既知の関係に基づいて、患者の解剖学的構造に対するマーカの位置を判定することができる。
従来の位置合わせ/ナビゲーション技法を使用してローカライザ座標系LCLZ内の各トラッカ62の座標を判定するナビゲーションコントローラ58によって、位置および/または方位データの収集、判定、または他の方法の取扱いを行うことができる。これらの座標は、以下により詳細に説明するように、ロボットアーム36の関節動作を容易にするために、制御システム52へ通信される。
図1に示す代表的な実施形態では、アームコントローラ56は、手術用ロボット32に動作可能に取り付けられ、ナビゲーションコントローラ58およびローカライザ60はどちらも、手術用ロボット32のベース34に対して可動の移動カート64上に支持される。移動カート64はまた、外科医もしくは別の使用者への情報の表示および/または外科医もしくは別の使用者からの情報の受取りによって、手術用システム30の動作を容易にするために、概して66で示すユーザインターフェースを支持する。ユーザインターフェース66は、ナビゲーションシステム54および/または制御システム52と通信するように配置されており、情報(例えば、画像、ビデオ、データ、グラフィックス、ナビゲート可能なメニューなど)を外科医に提示するための1つまたは複数の出力デバイス68(例えば、モニタ、インジケータ、ディスプレイ画面など)と、1つまたは複数の入力デバイス70(例えば、ボタン、タッチ画面、キーボード、マウス、ジェスチャーまたは音声ベースの入力デバイスなど)とを備えることができる。1つのタイプの移動カート64およびユーザインターフェース66は、全体として参照により本明細書に組み込まれている、「Surgery System」という名称の米国特許第7,725,162号に記載されている。
手術用ロボット32の移動カート64およびベース34は、互いに対して、また患者の体Bに対して位置決めすることができるため、手術用システム30は、ローカライザ座標系LCLZからの各トラッカ62の座標をマニピュレータ座標系MNPLに変換し、または逆も同様であり、したがって、少なくとも部分的に単一の共通の座標系(マニピュレータ座標系MNPLまたはローカライザ座標系LCLZ)内の各トラッカ62の相対的な位置および方位に基づいて、ロボットアーム36の関節動作を実行することができる。複数の異なる従来の座標系変換技法を使用して、ローカライザ座標系LCLZ内の座標をマニピュレータ座標系MNPL内の座標に変換することができ、逆も同様であることが理解されよう。
図示の実施形態では、ローカライザ60は、光ローカライザであり、1つまたは複数の光位置センサ74を有するカメラユニット72を含む。ナビゲーションシステム54は、カメラユニット72の光位置センサ74を用いて、ローカライザ座標系LCLZ内のトラッカ62の位置および/または方位を感知する。本明細書に示す代表的な実施形態では、トラッカ62はそれぞれ、カメラユニット72の光位置センサ74によって感知される光を放出する能動マーカ76(例えば、発光ダイオード「LED」)を用いる。このタイプのナビゲーションシステム54の一例は、開示が全体として参照により本明細書に組み込まれている、「Navigation System Including Optical and Non-Optical Sensors」という名称の米国特許第9,008,757号に記載されている。他の実施形態では、トラッカ62は、カメラユニット72から放出された光を反射する反射器などの受動マーカを有することができる。本明細書に具体的に記載されていない他の好適な追跡システムおよび方法(例えば、超音波、電磁、無線周波など)を利用することもできることを理解されたい。
いくつかの実施形態では、手術用システム30は、椎骨およびツール42の画像および/またはグラフィカル表現を1つまたは複数の出力デバイス68(例えば、ディスプレイ画面)上に提示するなど、追跡される物体の相対的な位置および方位の仮想表現を外科医または手術用システム30の他の使用者に表示することが可能である。アームコントローラ56および/またはナビゲーションコントローラ58はまた、外科医または他の使用者が制御システム52と相互作用してロボットアーム36の関節動作を容易にすることができるように、ユーザインターフェース66を利用して、命令または要求情報を表示することができる。他の構成も企図される。
制御システム52およびナビゲーションシステム54は、異なる方法でツール42の位置および/または方位の制御を容易にするように協働することもできることが理解されよう。例として、いくつかの実施形態では、アームコントローラ56は、ロボットアーム36を介して外科医に触覚フィードバックを提供するように、ロボットアーム36を制御するように構成される(例えば、ジョイントモータの駆動による)。ここで、触覚フィードバックは、外科医が手術処置に関連する事前定義された仮想境界を越えてエンドエフェクタ40および/またはツール42を手動で動かすことを束縛または抑制するのを助ける(例えば、軌道Tに沿ったツール42の位置合わせを維持するため)。1つのタイプの触覚フィードバックシステムおよび仮想境界を画定する関連する触覚物体が、例えば、開示が全体として参照により本明細書に組み込まれている、「Haptic Guidance System and Method」という名称の米国特許第8,010,180号に記載されている。一実施形態では、手術用システム30は、米国フロリダ州フォートローダーデールのMAKO Surgical Corp.によって製造されたRIO(商標)Robotic Arm Interactive Orthopedic Systemである。
図1~図11Fを次に参照すると、上述したように、手術用システム30は、患者の体Bに対するツール42の相対的な位置および方位の精密な制御によって様々なタイプの手術処置を実施する外科医を支援するために、エンドエフェクタ40を用いて、手術用ロボット32によって維持される異なる軌道Tに沿って手術部位STでツール42を駆動する。
図3~図4に最もよく示すように、エンドエフェクタ40は、概して、手術用ロボット32のロボットアーム36の結合具38に取り付けられてそれと同時に動くように適合された取付具78を備える(図1参照)。概して80で示す回転機器が、取付具78に結合されており、以下により詳細に説明するように、第1の軸A1の周りに回転トルクを選択的に生成するように構成される。駆動アセンブリ82が、回転機器80からの第1の軸A1の周りの回転を第1の軸A1とは異なる第2の軸A2の周りの回転に変換するギアトレイン84を備える。エンドエフェクタ40の第1の実施形態に関連して示す代表的な実施形態では、第2の軸A2は第1の軸A1と交差し、第1の軸A1に実質的に直交している。しかし、軸A1、A2の他の配置も企図されることが理解されよう。駆動アセンブリ82はまた、概して86で示すコネクタを備えており、コネクタ86は、第2の軸A2の周りを回転するように異なるタイプのツール42を解放可能に固定するように構成される。概して88で示す操作具アセンブリが、使用者の手(例えば、外科医の手)を支持するグリップ90と、回転機器80と連係する入力操作具92とを備える。入力操作具92は、使用者によって選択的に係合されると、回転機器80を駆動してツール42を第2の軸A2の周りで異なる回転速度で回転させるように配置される。エンドエフェクタ40はまた、概して94で示す手動インターフェースを備え、手動インターフェース94は、駆動アセンブリ82と連係して、使用者から印加された力を受け取り、ツール42を第2の軸A2の周りで回転させるための回転トルクに変換する。この目的で、図3、図4、図10B、および図11B~図11Cに示すように、図示の実施形態では、手動インターフェース94に解放可能に取り付けるための手動ハンドルアセンブリ96が設けられる。手動インターフェース94およびハンドルアセンブリ96により、手動動作(例えば、手動の穿孔、スクリュー駆動など)と、回転機器80からのトルクを介した動力駆動動作(例えば、動力駆動式の穿孔、スクリュー駆動など)とを組み合わせて実施する能力が外科医に与えられる。したがって、実行される特有の処置、その処置で利用されるツール42のタイプ、外科医の好みなどに応じて、手術処置の特定の工程においては、回転機器80を介して動力を供給することができ、他の工程は、ハンドルアセンブリ96を介して手動で実施することができる。上記で紹介したエンドエフェクタ40の構成要素およびエンドエフェクタ40とともに使用するための構成要素はそれぞれ、以下により詳細に説明する。
低侵襲脊椎固定技法(ならびに他のタイプの手術処置)は、概して、手術部位STの2つ以上の椎骨内に複数の固定具50を設置することを伴う。例えば、2つの隣接する椎骨の後方経路腰椎椎体間固定術(例えば、腰椎のL5に対する仙骨のS1の固定術)では、典型的に、固定すべき各椎骨の棘突起の両側の椎弓根内へ固定具50を左右に設置し、それに対応して左右の安定化ロッドを支持する。したがって、2つの隣接する椎骨を固定することは、概して、少なくとも4つの固定具50を設置することを伴い、固定すべき追加の各椎骨は、概して、さらに2つの左右の固定具50を設置することを伴う(例えば、腰椎のL5に対する仙骨のS1固定術と、腰椎のL4に対する腰椎のL5の固定術との組合せ)。さらに、椎孔を通過しないで、隣接する椎弓板から椎体内へそれぞれの椎弓根全体にわたって延びることなどのために、脊髄、神経根などに対して固定具50を椎骨に慎重に設置しなければならないことが、当業者には理解されよう。したがって、図2A~図2Cに示すように、各固定具50は、異なる軌道Tに沿って設置される。
図5A~図5Gはそれぞれ、椎骨(例えば、腰椎のL5)を横断方向に示しており、回転機器80およびいくつかの実施形態では手動インターフェース94を介して固定具50の設置を容易にするために、エンドエフェクタ40によって支持されたツール42をどのように利用することができるかを順次示す。図5Aで、第1の軌道T1および第2の軌道T2が、棘突起に対して左右に配置されていることが示されており、それぞれ、椎孔および脊髄の両側でそれぞれの椎弓根を通って椎体内へ延びている。1つの固定具50が、第1の軌道T1に沿ってすでに設置されていることが示されており、回転切断ツール44の遠位切断端44D(例えば、ドリルビットの先端)が、手術部位STに隣接していることが示されている。ここで、回転切断ツール44は、第2の軸A2の周りを回転するように支持され、手術用ロボット32は、第2の軌道T2に対する第2の軸A2の位置合わせを維持する。
図5Bは、遠位切断端44Dを手術部位STの椎骨内へ第1の深さD1で位置決めするように、椎弓根を通って第2の軌道T2に沿って前進した回転切断ツール44を示し、図5Cは、遠位切断端44Dを第1の深さD1より大きい第2の深さD2で位置決めするように、第2の軌道T2に沿ってさらに前進した回転切断ツール44を示す。
図5Dは、第2の軌道T2に沿って椎骨内へ第2の深さD2まで延びる回転切断ツール44によって形成されたパイロット孔46を示す。図5Dはまた、パイロット孔46内に設置されるように手術部位STに隣接して位置決めされた別の固定具50の遠位先端50Dを示す。ここで、固定具50は、第2の軸A2の周りを回転するように回転駆動ツール48によって支持され(図3~図4参照)、手術用ロボット32は同様に、第2の軌道T2に対する第2の軸A2の位置合わせを維持する。
図5Eは、第2の軸A2の周りの回転駆動ツール48の回転を介してパイロット孔46に「螺入」した後、第2の軌道T2に沿って前進した固定具50を示す。この図5Eで、固定具50の遠位先端50Dは、椎骨内へ第3の深さD3で位置決めされ、この例では、第3の深さD3は第2の深さD2より大きいが、第2の深さD2と同じに、または第2の深さD2より小さくすることもできる。
図5Fで、固定具50は、第3の深さD3より大きい第4の深さD4で遠位先端50Dを位置決めするように、第2の軌道T2に沿ってさらに前進したことが示されている。ここで、第4の深さD4は、設置された固定具50の所期の最終位置FPを表し、左右の両固定具の最終位置FPが、図5Gに示されており、各固定具50は、それぞれの軌道T1、T2に位置合わせされる。
図5A~図5Gを引き続き参照すると、外科医は、回転切断ツール44または回転駆動ツール48を第2の軌道T2に沿って複数の異なる方法で前進させることができることが理解されよう。図示の回転切断ツール44および回転駆動ツール48がどのように構成されるかにより、第2の軸A2の周りのツール42の回転は、骨との係合に応答して、遠位切断端44Dおよび/または遠位先端50Dを第2の軌道T2に沿って前進させる傾向がある。この傾向にかかわらず、外科医は、概して、普通なら第2の軌道T2に対する第2の軸A2の位置合わせを解除しうるロボットアーム36の動きまたは関節動作を抑制するように、手術用ロボット32を触覚モードで動作させながら、操作具アセンブリ88のグリップ90に力を印加することによって、第2の軌道T2に沿ってツール42を前進させる。
いくつかの実施形態では、手術用システム30は、深さD1、D2、D3、D4のうちの1つまたは複数に接近または到達すると、異なる方法で動作するように構成される。例えば、手術用システム30は、外科医が、入力操作具92に係合して回転機器80を駆動し、第1の深さD1に到達するまで回転切断ツール44を第2の軸A2の周りで回転させることを可能にするように構成することができる(図5B参照)。第1の深さD1に到達した後、手術用システム30は回転を中止し、とりわけ、外科医が、手動インターフェース94に対するハンドルアセンブリ96の係合を介して、第1の深さD1から第2の深さD2(図5C参照)へ手動で(例えば、回転機器80からのトルクなし)前進することを可能にすることができる。
手術用システム30は、遠位先端50Dが第3の深さD3に到達したとき(図5E参照)など、固定具50が設置されたときも、同様に回転を中止し、したがって、外科医は、手動インターフェース94に対するハンドルアセンブリ96の係合を介して、第3の深さD3から第4の深さD4(図5F参照)への設置を手動で完了することができる。所定の深さで回転を中止することに加えて、手術用システム30はまた、特定の深さに接近するにつれて回転を遅くし、第2の軌道T2に沿って並進速度を制限し、または他の方法でツール42の回転および/もしくは並進に対する可変の制御を行うことができる。
図5A~図5Gに示す設置シーケンスは、例示的かつ非限定的であることを意図したものであり、深さD1、D2、D3、D4は、ツール42をどのように利用することができるかを説明することを助けるための任意の基準点であることを意図したものであるが、椎骨への実際の深さ(例えば、術前の計画に応じて判定および設定される)を表すこともできる。さらに、図5A~図5Gに関連した深さD1、D2、D3、D4についての上記の議論は、概して、1つの深さ(例えば、D1またはD3)に到達するまでの回転機器80によるツール42の回転と、最終深さ(例えば、D2またはD4)までの手動インターフェース94によるツール42の回転とを区別するが、いくつかの実施形態では、ツール42を最終深さ(例えば、D2またはD4)まで回転させるために、回転機器80または手動インターフェース94を単独で利用することもできることが考えられる。説明的な例として、回転機器80を使用して、回転切断ツール44を駆動し、第2の深さD2までパイロット孔を形成することができ(第1の深さD1から第2の深さD2へ回転を遅くすることもできる)、その時点で、手術用システム30は、回転機器80の回転を中止し、外科医が回転駆動ツール48に切り換えて固定具50を設置することを促すことができる。次いで、回転機器80からのトルクを使用することなく、手動インターフェース94を介して、回転駆動ツール48を第4の深さD4まで手動で回転させることができる。言い換えれば、排他的に回転機器80によって生成されたトルクを介して、排他的に手動インターフェース94に手動で印加されたトルクを介して、または順次回転機器80および手動インターフェース94の両方から、特定のツール42を回転させることができることが考えられる。他の構成も企図される。
固定具50の設置に関連するワークフローは、とりわけ実行される特有の手術処置、固定具50の構成などに基づいて、本明細書に記載する例示的な実施形態とは異なることもできることが理解されよう。非限定的な例として、図面全体にわたって示されている固定具50の設置を容易にすることを助けるために、パイロット孔46を形成する代わりに、固定具50は、事前形成されたパイロット孔46を必要とすることなく設置されるように「セルフタッピング」または他の方法で構成される固定具50など、必ずしもパイロット孔46の形成を必要としない「単一通過」ワークフローを容易にするように構成することができることが企図される。他の構成も企図される。
図6~図9を次に参照すると、回転駆動ツール48および固定具50がより詳細に示されている。上述したように、図示の固定具50は、低侵襲手術技法で椎骨内へ設置されるように構成された椎弓根スクリューインプラントとして実現され、多軸ヘッド100によって支持されたねじ体98を有しており、多軸ヘッド100には羽根102が取り外し可能に固定される。このタイプの固定具50の構造の例示的な実施形態は、開示が全体として参照により本明細書に組み込まれている、「Percutaneous Posterior Spinal Fusion Implant Construction and Method」という名称の米国特許第9,408,716号に記載されている。いくつかの実施形態では、手術用システム30は、開示がそれぞれ全体として参照により本明細書に組み込まれている、「Neural Monitor-Based Dynamic Haptics」という名称の米国特許第9,801,686号、および/または「Power Pedicle Screwdriver」という名称の米国特許出願公開第2018/0042650(A1)号に記載されている、このタイプまたは他のタイプの固定具50の設置を容易にすることができる。他のタイプおよび構成の固定具50、ならびにその関連する設置も、本開示によって企図されることが理解されよう。
図9に最もよく示すように、回転駆動ツール48は、概して、支持管106内に回転可能に支持されたドライブシャフト104を備える。輪郭体(contoured body)108が、同時に回転するように支持管106に結合されており、外科医によって係合されると、とりわけ回転駆動ツール48を固定具50に取り付けることを容易にするように構成される。輪郭体108は、概して112で示すスプライン係合を介して同時に回転するように、ロックサブアセンブリ110に選択的に係合する。
ロックサブアセンブリ110は、支持管106に対するドライブシャフト104の軸方向の動きを選択的に制限するように構成される。この目的で、ロックサブアセンブリ110は、ドライブシャフト104に対して横断方向に動くようにスライダ116を支持するロック体114を備える。図示の実施形態では、スライダ116は、ばね118によって付勢され、ピン119を介してロック体114に対して保持される。支持管106は雄ねじ120を備え、雄ねじ120は、固定具50の羽根102内に形成された対応する雌ねじ122に係合し、ドライブシャフト104の遠位端が駆動キー124を備え、駆動キー124は、固定具50のねじ体98の近位端内に多軸ヘッド100に隣接して形成された相応の形状の従動キー126に係合する。したがって、回転駆動ツール48は、駆動キー124と従動キー126との間の係合、および雄ねじ120と雌ねじ122との間の係合を介して、固定具50に解放可能に取付け可能である。このタイプの回転駆動ツール48および固定具50の1つの例示的な実施形態が、開示が全体として参照により本明細書に組み込まれている、「System and Method for Spinal Implant Placement」という名称の米国特許第8,002,798号に記載されている。
概して128で示すビットインターフェースが、ロックサブアセンブリ110に隣接してドライブシャフト104の近位端に結合される。ビットインターフェース128は、エンドエフェクタ40の駆動アセンブリ82のコネクタ86に解放可能に取り付けられるように構成され、以下により詳細に説明するように、それぞれコネクタ86に対する回転駆動ツール48の並進および回転を制限するようにコネクタ86に係合する軸方向保持器130および回転保持器132を備える。図8に最もよく示すように、固定具50のねじ体98、ならびに回転駆動ツール48のドライブシャフト104およびビットインターフェース128には、とりわけガイドワイヤGW(例えば、「Kワイヤ」)が貫通することが可能になるように、カニューレが挿入される(詳細には図示せず)。
図1~図24を次に参照すると、上述したように、手術用ロボット32が軌道Tに対する第2の軸A2の位置合わせを維持し、外科医によって操作具アセンブリ88のグリップ90に印加される力などに応答して、エンドエフェクタ40およびツール42が第2の軸A2に沿って同時に並進することを可能にするため、エンドエフェクタ40は、回転機器80または手動インターフェース94からのトルクを介して、第2の軸A2の周りのツール42の回転を容易にするように構成される。図10A~図12に最もよく示すように、取付具78は、エンドエフェクタ40の様々な他の構成要素を支持し、有利にはロボットアーム36の結合具38(図1参照)に対して第2の軸A2を位置決めし、とりわけエンドエフェクタ40の硬度および剛性を促進すると同時に、手術用システム30の有用性、安定性、および精度に関する利点をもたらすように構成される。
エンドエフェクタ40の第1の実施形態に関連して示す操作具アセンブリ88の代表的な実施形態では、グリップ90は、略円筒形の形状を有し、手の係合を概ね回内または回外するように構成される。したがって、外科医が回転機器80によってトルクを生成するように操作具アセンブリ88を作動させているとき、外科医の手は、第2の軸A2が概してグリップ90を通って延びるように(図10Aおよび図11A参照)、駆動アセンブリ82の上に位置決めされる。これにより、有利には、操作具アセンブリ88に係合しながら、軌道Tに沿って外科医の手を位置決めすることが可能になり、これにより、外科医が軌道Tと実質的に位置合わせされた方向の力をエンドエフェクタ40に印加してツール42を前進させることを助けることができる。さらに、この構成により、駆動アセンブリ82、ツール42、または手術部位STの外科医の視野を実質的に妨げることなく、外科医がグリップ90に係合することが可能になる。しかし、操作具アセンブリ88および/またはグリップ90は、グリップ90が概して中立(回内または回外とは異なる)の手の係合のために成形および配置される場合など、他の方法で構成することもでき、回転機器80を駆動するように係合されるとき、軌道Tと一列に、または軌道Tからずれて配置することができることが理解されよう。他の構成も企図される。
図面全体にわたって示す操作具アセンブリ88の上記の実施形態では、上述したように回転機器80を駆動するようにグリップ90が係合されたとき(図10Aおよび図11A参照)、有利には、外科医の手が軌道Tに沿って位置決めされるが、必然的にこの構成では、手動インターフェース94へのアクセスを少なくとも部分的に抑制するようにグリップ90が位置決めされることが理解されよう。手動インターフェース94へのアクセスを促進するために、操作具アセンブリ88は、概して134で示すフレームを備え、フレーム134は、グリップ90および入力操作具92が、回転機器80を駆動して、ツール42を第2の軸A2の周りで回転させるように(図10A、図11D、図11E、および図19A~図19B参照)、外科医によって係合されるように配置される第1の操作具アセンブリ位置P1、ならびにグリップ90および入力操作具92が、手動インターフェース94へのアクセスを促進するように位置決めされ、それによって手動インターフェース94が、使用者から印加された力を受け取って、ツール42を第2の軸A2の周りで回転させるように配置される第2の操作具アセンブリ位置P2(図10Bおよび図11B~図11C参照)を含む複数の操作具アセンブリ位置間で回転機器80に対して動くように、グリップ90および入力操作具92を支持する。以下により詳細に説明するように、他の操作具アセンブリ位置も企図される。
図15、図17、および図19A~図19Cに最もよく示すように、操作具アセンブリ88は、概して136で示す保持器を備えており、保持器136は、同時に動くようにフレーム134に動作可能に結合される。図示の実施形態では、保持器136は、エンドエフェクタ40のアセンブリを容易にするために、フレーム134とは別個の構成要素として形成されているが、他の実施形態では、フレーム134と一体形成することもできる。
保持器136は、操作具アセンブリ88のグリップ90が回転機器80に対して不注意で動くことを防止するように構成される。この目的で、保持器136は、ロック位置138L(図20A参照、図15も参照されたい)とロック解除位置138U(図20B参照)との間を選択的に可動であるプランジャ138を備える。概して140で示すキャッチが、回転機器80に動作可能に取り付けられ(例えば、ファスナを介する)、複数の受入部141を有しており、複数の受入部141はそれぞれ、保持器136のプランジャ138をロック位置138Lで受け取って操作具アセンブリ位置P1、P2のうちの一方を画定するように成形される。図19A~図19Cに最もよく示すように、キャッチ140は、略環状の形状を有し、受入部141はそれぞれ、略円筒形の形状を有し、キャッチ140の周りで互いから径方向に隔置される。保持器136およびキャッチ140の配置を入れ替えることもでき、したがって、プランジャは、操作具アセンブリ88と同時に動くのではなく、回転機器80に対して静止したままであることもできることが理解されよう。
図15および図20A~図20Bを次に参照すると、保持器136は、プランジャ138と連係する解放レバー142を備える。解放レバー142は、外科医または別の使用者によって係合されると、ロック位置138L(図20A参照)とロック解除位置(図20B参照)との間のプランジャ138の動きを容易にするように配置される。プランジャ138は、保持器136内に形成されたプランジャ孔144に沿って動くように支持され、レバー案内ピン146を介して解放レバー142に結合されており、レバー案内ピン146は、保持器136内に形成された保持器スロット148(図20A~図20Bに破線で示す)に沿って並進するように支持される。プランジャ138をロック位置138Lへ動かすために、圧縮ばねなどのプランジャ付勢要素150(図15参照)が、プランジャ138と保持器136との間に介在する。プランジャ138をロック解除位置138Uへ動かすために、解放レバー142はクラスプ要素152を支持しており、クラスプ要素152は、保持器136内に形成された相応の形状のクラスプポケット154内へ選択的に位置決めすることができる。クラスプ要素152は、クラスプピン156を介して解放レバー142に取り付けられる。
プランジャ138をロック解除位置138Uへ動かすために、外科医または別の使用者は、クラスプ要素152がクラスプポケット154に入るまで、概してキャッチ140から離れる方向の力を解放レバー142に印加して、レバー案内ピン146が保持器スロット148に沿って並進するにつれてプランジャ付勢要素150を圧縮することができる。クラスプ要素152およびクラスプポケット154の対応する形状により、プランジャ138がロック解除位置138Uで維持され、次に外科医または別の使用者は、概してキャッチ140に向かう方向の力を解放レバー142に印加して、クラスプ要素152をクラスプポケット154から取り出し、次いでそれによってプランジャ付勢要素150内に蓄積されているエネルギーが、プランジャ138をロック位置138Lへ戻す。保持器136、プランジャ138、およびキャッチ140の他の構成も企図されることが理解されよう。
図17に示すように、回転機器80は、概して158で示すジャーナルを備え、操作具アセンブリ88は、フレーム134に動作可能に取り付けられた支承面160を備え、支承面160は、ジャーナル158に係合するように配置され、したがって、操作具アセンブリ88は、操作軸A3(図19A~図19C参照)の周りで操作具アセンブリ位置P1(図10A、図11A、および図19A~図19B参照)、P2(図10Bおよび図11B~図11C参照)、P3(図11Fおよび図19C参照)間を回転機器80に対して選択的に可動である。言い換えれば、図示の実施形態では、フレーム134は、操作具アセンブリ位置P1、P2、P3間を回転機器80に対して回転するように操作具アセンブリ88を支持する。図17に示すように、支承面160は、ファスナを介してフレーム134に取り付けられたキャップ要素162、ならびにキャップ要素162に隣接するフレーム134の一部分によって画定される。回転機器80と操作具アセンブリ88との間の平滑な回転運動を促進するために、それぞれ回転機器80および操作具アセンブリ88に沿って他の位置に(例えば、保持器136に隣接して)、他のジャーナルおよび支承面を設けることもできる。上記の実施形態は、第1の操作具アセンブリ位置P1と第2の操作具アセンブリ位置P2との間の操作具アセンブリ88の回転運動を対象とするが、他のタイプの動きも企図されることが理解されよう。説明的な例として、いくつかの実施形態では、旋回、摺動、並進、および/またはこれらの組合せを利用することができる。
上述したように、図示の実施形態では、操作具アセンブリ88のグリップ90は、外科医が入力操作具92に係合して回転機器80を駆動するとき、外科医の手を軌道Tに沿って支持するように配置する。一実施形態では、第2の軸A2は、第1の操作具アセンブリ位置P1で、操作具アセンブリ88の少なくとも一部分と交差する(図10A参照)。さらに、図11Aに示すように、操作具アセンブリ88が第1の操作具アセンブリ位置P1にあるとき、グリップ90は、第2の軸A2に実質的に直交する。逆に、図11Bに示すように、操作具アセンブリ88が第2の操作具アセンブリ位置P2にあるとき、グリップ90は、第2の軸A2に実質的に平行である(第2の軸A2からずれる)。したがって、図示の実施形態では、第1の操作具アセンブリ位置P1から第2の操作具アセンブリ位置P2への動きは、操作具アセンブリ88を回転機器80に対して約90度回転させることを含む。したがって、図19A~図19Cに示すように、第1の操作具アセンブリ位置P1および第2の操作具アセンブリ位置P2を画定するキャッチ140の受入部141は、操作軸A3に対して互いから90度離れて配置される。さらに、第1の操作具アセンブリ位置P1と第2の操作具アセンブリ位置P2との間の第3の操作具アセンブリ位置P3(図11Fおよび図19C参照)などの他の操作具アセンブリ位置を画定するために、追加の受入部141が設けられる。任意の好適な数の受入部141を設けて、複数の異なる方法で互いから隔置された対応する数の個別の操作具アセンブリ位置を画定することができることが理解されよう。
図16に概略的に示すように、一実施形態では、エンドエフェクタ40は、概して164で示すアセンブリセンサ配置体を備えており、アセンブリセンサ配置体164は、操作具アセンブリ位置P1、P2、P3間の回転機器80に対する操作具アセンブリ88の位置を判定するように、回転機器80と操作具アセンブリ88との間に介在する(図11A、図11B、および図11F参照)。アセンブリセンサ配置体164は、位置(例えば、エンコーダ、センサ/発信体配置など)を区別するのに十分な任意の好適な構成とすることができ、制御システム52と通信して、とりわけ操作具アセンブリ88が回転機器80に対してどのように位置決めされているかに応じて異なる方法で回転機器80を制御することを可能にすることができる。他の構成および配置も企図される。
上述したように、操作具アセンブリ88の入力操作具92は、回転機器80の駆動を容易にするために、外科医によって係合されるように配置される。図13に概略的に示すように、回転機器80は、機器ハウジング168内に支持されたアクチュエータ166(例えば、電気モータ)を備え、機器ハウジング168は、ジャーナル158を画定し、取付具78に堅く取り付けられる。アクチュエータ166は、概して170で示すアクチュエータドライバ(例えば、プリント回路基板上に支持されたモータコントローラ)と通信するように配置され、アクチュエータドライバ170は、概して172で示すアクチュエータインターフェース(例えば、アームコントローラ56に接続された配線ハーネス)を介して、制御システム52と通信するように配置される。アクチュエータ166、アクチュエータドライバ170、および/またはアクチュエータインターフェース172は、入力操作具92の係合に応答して第1の軸A1の周りの回転トルクを選択的に生成するように、回転機器80に動力供給し、回転機器80を制御し、または他の方法でそれを可能にするのに十分な複数の異なる方法で配置または構成することができることが、当業者には理解されよう。さらに、以下の後述する説明から理解されるように、エンドエフェクタ40の第1の実施形態に関連して示す本明細書に記載のエンドエフェクタ40の特定の実施形態は、回転機器80が概してモジュール構成を有するように構成されるが(例えば、駆動アセンブリ82の1つまたは複数の部分から取り外し可能)、エンドエフェクタ40の他の実施形態は、モジュール式ではない(例えば、駆動アセンブリ82の1つまたは複数の部分と一体化される)。したがって、別途指示がない限り、「アクチュエータ166」および「回転機器80」という用語は、区別なく使用することができる。
図13~図19Cを次に参照すると、操作具アセンブリ88の入力操作具92は、回転トルクがアクチュエータ166によってどのように生成されるかを容易にするために、アクチュエータドライバ170と通信するように配置される。この目的で、入力操作具92は、回転機器80によって生成される回転トルクを制御するために、第1の入力位置I1(図19A参照)と第2の入力位置I2(図19B参照)との間をグリップ90に対して動くように配置される。図示の実施形態では、第1の入力位置I1は、入力操作具92との係合の不在に対応し、第2の入力位置I2は、入力操作具92の完全な係合に対応する。入力操作具92はまた、アクチュエータ166の可変の速度制御を容易にすることなどのために、第1の入力位置I1と第2の入力位置I2との間の他の入力位置へ可動であることが理解されよう。
第1の入力位置I1と第2の入力位置I2との間の入力操作具92の物理的な位置をアクチュエータドライバ170へ通信するために、操作具アセンブリ88は、入力操作具92と連係するように配置された操作用発信体174(図17~図19C参照)を備え、回転機器80は、アクチュエータドライバ170と通信して、第1の入力位置I1と第2の入力位置I2との間の入力操作具92の動きに対応する操作用発信体174の位置を判定するように配置された操作検出器176(概略的に示す図17~図18参照)を備える。一実施形態では、操作用発信体174は、磁石としてさらに画定され、操作検出器176は、磁石によって生成される磁界の所定の変化に応答して、操作用発信体174の相対的な位置を判定する。この説明的な例では、操作検出器176は、磁界の変化を感知してそれに応答するのに十分な任意の好適なタイプとすることができる。さらに、操作用発信体174は、鉄系材料から製造することができ、操作検出器176は、操作用発信体174の鉄系材料の相互作用による磁界の変化に応答するホール効果センサとすることができることが考えられる。したがって、操作用発信体174はまた、鉄のエナメル、被覆、塗料などとして実現することもできることが考えられる。他の構成も企図される。
図17~図19Cを次に参照すると、第1の入力位置I1と第2の入力位置I2との間の入力操作具92の動きを、操作検出器176によって感知することができる操作用発信体174の対応する動きに変換するために、入力操作具92と操作用発信体174との間にリンク機構178が介在する。リンク機構178は、概して、カム部材180、ピストン182、キャリア184、フォーク形状体186、およびフォークガイド188を備える。入力操作具92は、操作ハンドル190、1対のガイドシャフト192、および延長部材194を備える。ガイドシャフト192は、操作ハンドル190から延び、グリップ90内に配置されたそれぞれのブッシング196内を摺動するように支持される。延長部材194は同様に、ガイドシャフト192から離れる方へ、操作ハンドル190から切欠端198へ延びる。カム部材180は、ピストン182と入力操作具92の切欠端198との間に介在し、フレーム134に結合された支持シャフト200の周りを旋回する。支持シャフト200の両側に、カム部材180は、ピストン182に当接する係合面202と、スロット付きの突出部204とを有し、突出部204内を延長ピン206が移動する。延長ピン206は、延長部材194の切欠端198に取り付けられ、入力操作具92が動くと支持シャフト200の周りでカム部材180を旋回させる。
ピストン182は、フレーム134に取り付けられたピストンブッシング208内に摺動可能に支持される。カム部材180の係合面202に接触することに加えて、ピストン182はまた、フォークガイド188のフォークガイドシャフト210に接触し、フォークガイドシャフト210は、1対のワッシャ214とキーパ216との間で操作付勢要素212を支持する(図18参照)。キーパ216は、フォークガイドシャフト210に取り付けられ、ワッシャ214間で操作付勢要素212を保持するようにワッシャ214のうちの一方に係合する。ワッシャ214は、ピストン182の動きに応答したフォークガイドシャフト210の並進を容易にすることを助ける。ここで、操作付勢要素212は、入力操作具が第1の入力位置I1から第2の入力位置I2へ動くと、ワッシャ214のうちの一方とフレーム134との間で圧縮されるように配置され、操作付勢要素212内に蓄積されているエネルギーが、入力操作具を第1の入力位置I1へ動かす。
フォークガイド188は、フォーク形状体186と同時に動き、図示の実施形態では、フォーク形状体186は、入力操作具92が第1の入力位置I1と第2の入力位置I2との間を動くと、第1の軸A1に沿って並進するように保持器136内に配置される(図19Aと図19Bを比較されたい)。図17に示すように、保持器136は、操作具アセンブリ88が第1の操作具アセンブリ位置P1と第2の操作具アセンブリ位置P2との間を動くと、フォーク形状体186と同時に第1の軸A1の周りで回転するような形状である。
キャリア184は、同時に動くように、操作用発信体174に動作可能に取り付けられ、または他の方法で操作用発信体174を支持し、外側摺動接触面218(図18参照)および1対の外側阻止面220を画定する。フォーク形状体186は、内側摺動接触面222および1対の内側阻止面224を画定する。キャリア184の外側摺動接触面218は、フォーク形状体186の内側摺動接触面222に係合して、キャリア184を動かすことなく、フォーク形状体186が第1の軸A1の周りを回転することを可能にし、キャリア184の外側阻止面220は、フォーク形状体186の内側阻止面224に係合して、フォーク形状体186およびキャリア184が第1の軸A1に沿って同時に並進することを容易にする(図19A~図19Cを比較されたい)。図18に示すように、回転機器80の機器ハウジング168は、操作検出器176に隣接して配置されたスロット226を画定する(図18に概略的に示す)。キャリア184はボス228を備え、ボス228は、第1の入力位置I1と第2の入力位置I2との間の入力操作具92の動きによって生じる第1の軸A1に沿ったフォーク形状体186の対応する並進に応答して並進するように、スロット226に沿って支持される。リンク機構178および/または操作具アセンブリ88の様々な構成要素に対して、図面に示したもの以外の他の構成も企図されることが理解されよう。
図1~図24を再び参照すると、エンドエフェクタ40は、回転機器80に動作可能に取り付けられた結合器230を用いる。結合器230は、手術用ロボット32によって維持される異なる軌道に沿って第2の軸A2を回転機器80に対して選択的に位置決めするために、駆動アセンブリ82を回転機器80に複数の方位で解放可能に固定するように構成される。この機能により、第2の軸A2が回転機器80に対して、したがって、エンドエフェクタ40の取付具78に対してどのように向けられているかにかかわらず、グリップ90を概して同様に位置決めすることができることから、個別の各軌道Tに沿ってより一貫した手法が外科医に与えられる(図2A~図2Cを比較されたい)。
上述した機能は、図11A~図11Fの全体にわたって、第2の軸A2の方位と取付具78の方位とを比較することによってさらに示されている。ここで、取付具78は、概して232で示す基準部分を有し、この説明的な例では、基準部分232は、ロボットアーム36の結合具38に当接する取付具78の略平面によって画定された垂直線として実現される。しかし、基準部分232は、取付具78に対して固定されたままであるエンドエフェクタ40の他の構成要素によって画定することもでき、または他の方法で(例えば、重力などによって環境に対して垂直に)画定することもできることが理解されよう。
図11A~図11Cで、駆動アセンブリ82は、基準方位ORに配置され、第2の軸A2と取付具78の基準部分232との間に画定される。したがって、第2の軸A2は、基準方位ORにあるとき、基準部分232に平行である。しかし、図11Dで、駆動アセンブリ82は、異なる第1の方位O1に配置されており、第1の方位O1は、第1の回転方向R1における第1の軸A1の周りの回転機器80に対する駆動アセンブリ82の回転によって画定される。さらに、図11Eおよび図11Fで、駆動アセンブリ82は、第2の方位O2に配置されており、第2の方位O2は、反対の第2の回転方向R2における第1の軸A1の周りの回転機器80に対する駆動アセンブリ82の回転によって画定される。
図11A~図11Fに示す斜視図から、第1の回転方向R1は反時計回りであり、第2の回転方向R2は時計回りである。したがって、図11Dに示す第1の方位O1にあるとき、駆動アセンブリ82は、第1の軸A1の周りを基準部分232に対して+45度反時計回りに回転している。図11E~図11Fに示す第2の方位O2にあるとき、駆動アセンブリ82は、第1の軸A1の周りを基準部分232に対して-45度時計回りに回転している。したがって、第1の方位O1と第2の方位O2との間には90度の差がある。しかし、第1の方位O1および第2の方位O2は、グリップ90の一貫した位置決めを容易にするように複数の異なる方法で画定することができることが理解されよう。さらに、結合器230は、駆動アセンブリ82を他の方位で支持することもできることが理解されよう。
図13を次に参照すると、本明細書に示す代表的な実施形態では、結合器230は、キャリアリング238内に形成されたそれぞれの結合ポケット236に沿って第1の軸A1に対して径方向に動くように支持された複数の結合要素234(例えば、ボールベアリング)を備える。結合器230はまた、ロックカラー240を備え、ロックカラー240は、結合要素234に接触する内側傾斜面242を有する。ロックカラー240は、外科医からロックカラー240に印加される力を介して、第1の軸A1の周りを選択的に回転するように配置される。キャリアリング238は、ロックカラー240とキャリアリング238との間のねじ係合(ねじ係合は詳細には図示せず)などを介して、機器ハウジング168に対するロックカラー240の回転に応答して、回転機器80に対して軸方向に並進するように構成される。
ロックカラー240が第1の軸A1の周りを第2の回転方向R2に回転すると、キャリアリング238は、結合要素234と同時に、第1の軸A1に沿ってアクチュエータ166の方へ並進する。結合要素234に接触する内側傾斜面242の形状のため、アクチュエータ166の方へ並進することで、結合要素234が第1の軸A1の方へ径方向内方に動いて、駆動アセンブリ82を押圧し、それによって取付具78に対する駆動アセンブリ82の方位を維持する。逆に、ロックカラー240が第1の軸A1の周りを第1の回転方向R1に回転するとき、キャリアリング238は、結合要素234と同時に、第1の軸A1に沿ってアクチュエータ166から離れる方へ並進し、次いで結合要素234は、それぞれの結合ポケット236に沿って第1の軸A1から離れる方へ径方向に動くことが可能になる。結合器230の他の構成も企図されることが理解されよう。さらに、結合器230は、任意の数の異なる方位で、または事前定義された方位だけで(例えば、ロックまたは戻り止め機構を介して)、駆動アセンブリ82を回転機器80に固定するように構成することができる。
結合器230は、手術用ロボット32のベース34とツール42との間に追加の接合部を事実上形成することが理解されよう。取付具78に対する駆動アセンブリ82の方位を通信するために、図4に概略的に244で示す方位センサ配置体が、回転機器80に対する駆動アセンブリ82の方位を判定するように、回転機器80と駆動アセンブリ82との間に介在する。この目的で、方位センサ配置体244は、駆動アセンブリ82に動作可能に取り付けられた方位用発信体(orientation emitter)246と、回転機器80に対する方位用発信体246の位置を判定するように回転機器80に動作可能に取り付けられた方位検出器248とを備える。ここでも、方位センサ配置体244は、複数の異なるタイプ、構成、および/または配置とすることができる。別法として、ユーザインターフェース66の入力デバイス70(図1参照)などを介して、選択された方位を手術用システム30に手動で入力することもできる。
図21~図24を次に参照すると、上述したように、駆動アセンブリ82は、回転機器80または手動インターフェース94から、ギアトレイン84を介して、コネクタ86に取り付けられたツール42に回転を伝達するために用いられる。この目的で、駆動アセンブリ82は、略L字形の駆動体250を備え、駆動体250は、以下により詳細に説明するように、動力入力シャフト252を第1の軸A1(図23A参照)に沿って支持し、また手動入力シャフト254、保持シャフト255、および中間シャフト256を第2の軸A2に沿ってさらに支持する。動力入力シャフト252は動力結合器258を備え、動力結合器258は、同時に回転するように、アクチュエータ166に結合された対応するアクチュエータ結合器260(図13参照)に係合するように成形される(例えば、干渉型の「ドッグクラッチ」として)。動力入力シャフト252、手動入力シャフト254、保持シャフト255、および中間シャフト256はそれぞれ、概して、1つまたは複数のベアリング262(例えば、封止ボールベアリング)、ワッシャ264、キーパ266、および/またはばねシム268を介して、駆動体250に対して回転するように支持される(配置は図23A~図23Bおよび図24に概略的に示されているが、詳細には説明しない)。駆動アセンブリ82は、動力入力シャフト252、手動入力シャフト254、および保持シャフト255のそれぞれの露出端に隣接して配置されたシール270をさらに備える。
第1の軸A1の周りの回転を第2の軸A2の周りの回転に変換するために、ギアトレイン84は、概して272で示す少なくとも1つのベベルギアセットを備え、ベベルギアセット272は、回転機器80とコネクタ86との間で回転連係するように介在する。ベベルギアセット272は、入力歯車274および出力歯車276を備える。入力歯車274は、概して278で示すキーおよびキー溝の配置を介して、動力入力シャフト252と同時に回転する。入力歯車274は、以下により詳細に説明するように、出力歯車276(図23A参照)に噛合するように配置される。出力歯車276は、概して280で示すスプライン配置を介して、中間シャフト256と同時に回転する。ここで、中間シャフト256は外側スプライン282を備え、外側スプライン282は、以下により詳細に説明するように、出力歯車276の対応する内側スプライン284に係合する。
図示の実施形態では、駆動アセンブリ82のギアトレイン84は、概して286で示す少なくとも1つの減速ギアセットを備え、減速ギアセット286は、回転機器80とコネクタ86との間で回転連係するように介在し、したがって、回転機器80のアクチュエータ166の回転が、コネクタ86に取り付けられたツール42の回転とは異なる(例えば、より速いまたはより遅い)速度で生じる。より具体的には、減速ギアセット286は、ベベルギアセット272とコネクタ86との間で回転連係するように介在しており、中間シャフト256(回転機器80または手動インターフェース94を介して回転することができる)が、保持シャフト255(ツール42と同時に第2の軸A2の周りで回転する)より速い速度で回転するように配置される。エンドエフェクタ40の第1の実施形態では、第1の軸A1の周りのアクチュエータ166の回転が、第2の軸A2の周りのツール42の回転より速い速度で生じるのに対して、他の構成も企図され、本明細書では、「減速ギアセット」という用語は、別途具体的な記載がない限り、回転速度の減速(トルクの増大による)またはトルクの低減(回転速度の増大による)を指すことができる。
図23A~図24を次に参照すると、図示の実施形態では、減速ギアセット286は、駆動体250内に形成された固定のリング歯車288を有する複合遊星減速ギアセットを備えており(図23A~図23B参照)、リング歯車288は、第1の組の遊星歯車290A、第2の組の遊星歯車290B、および第3の組の遊星歯車290Cに噛合係合するように配置され、第1の組の遊星歯車290A、第2の組の遊星歯車290B、および第3の組の遊星歯車290Cはそれぞれ、第1の太陽歯車292A、第2の太陽歯車292B、および第3の太陽歯車292Cに噛合係合するように配置される。第1の組のピン294A、第2の組のピン294B、および第3の組のピン294Cが、第1の組のブッシング296A、第2の組のブッシング296B、および第3の組のブッシング296Cと協働して、それぞれの組の遊星歯車290A、290B、290Cの遊星歯車を回転するように回転可能に支持する。これらの組のピン294A、294B、294Cは、それぞれ第1のキャリア298A、第2のキャリア298B、および第3のキャリア298Cに固定される。第1のキャリア298Aは、保持シャフト255によって画定され、または他の方法で保持シャフト255に動作可能に取り付けられ、第1の組の遊星歯車290Aを保持しており、第1の組の遊星歯車290Aはまた、第1の太陽歯車292Aに噛合係合するように配置される。第1の太陽歯車292Aは、同時に回転するように第2のキャリア298Bに結合され、第2のキャリア298Bは、第2の組の遊星歯車290Bを保持しており、第2の組の遊星歯車290Bはまた、第2の太陽歯車292Bに噛合係合するように配置される。第2の太陽歯車292Bは、同時に回転するように第3のキャリア298Cに結合され、第3のキャリア298Cは、第3の組の遊星歯車290Cを保持しており、第3の組の遊星歯車290Cはまた、第3の太陽歯車292Cに噛合係合するように配置される。第3の太陽歯車292Cは、同時に回転するように中間シャフト256に結合される。隣接する組の遊星歯車290A、290B、290Cとの摩擦を低減させることを助けるために、キャリア298A、298B、298Cのうちの1つまたは複数に隣接して、ワッシャ264を設けることができる。減速ギアセット286は、2つ以下もしくは4つ以上の遊星減速を有するもの、または遊星減速を有していないものなど、複数の異なる方法で配置または構成することもできることが、当業者には理解されよう。他の構成も企図される。
図23A~図24を引き続き参照すると、ツール42のビットインターフェース128に解放可能に取り付けることを容易にするために、駆動アセンブリ82のコネクタ86は、概して、コネクタ体300、フランジ部材302、コネクタ付勢要素304、1対の軸方向コネクタ要素306、および回転コネクタ要素308を備える。コネクタ体300は、駆動体250に動作可能に取り付けられており(例えば、ねじ係合を介して)、第2の軸A2の周りで保持シャフト255を回転可能に支持するベアリング262を収容する。保持シャフト255はコネクタ要素ポケット310を備え、コネクタ要素ポケット310はそれぞれ、ツール42と保持シャフト255との間の相対的な軸方向の動きを抑制するために、ツール42のビットインターフェース128の軸方向保持器130に係合するように、軸方向コネクタ要素306のうちの一方を収容する。
ツール42を解放するために、フランジ部材302は、第2の軸A2に沿って並進するように配置されており、外科医によって印加される力に応答して、コネクタ体300に沿って摺動することができる。フランジ部材302は、軸方向コネクタ要素306に接触する軸方向傾斜面312を備える。コネクタ付勢要素304は、フランジ部材302を軸方向にコネクタ体300から離れる方へ動かすように、コネクタ体300とフランジ部材302との間に介在する。フランジ部材302は、保持シャフト255に結合されたシール270の段差面314を介して、コネクタ体からの係合解除が防止される。軸方向コネクタ要素306とフランジ部材302の軸方向傾斜面312との間の係合のため、コネクタ付勢要素304によって生じる付勢により、軸方向コネクタ要素306が第2の軸A2の方へ径方向内方に動いて、ツール42のビットインターフェース128の軸方向保持器130に係合し、駆動アセンブリ82に対するツール42の軸方向の保持を生じさせる。図示の実施形態では、コネクタ86の回転コネクタ要素308は、保持シャフト255の遠位端に形成されており、ツール42のビットインターフェース128の回転保持器132に当接するように成形され、それによりツール42および保持シャフト255の同時回転が生じる。コネクタ86の他の構成も企図される。
図23A~図24を引き続き参照すると、駆動アセンブリ82は、概して316で示すクラッチ機構を備え、クラッチ機構316は、手動インターフェース94とギアトレイン84との間に介在する。クラッチ機構316は、第1のモード316A(図23A参照)と第2のモード316B(図23B参照)との間で動作可能である。第1のモード316Aでは、回転機器80のアクチュエータ166によって生成される回転トルクは、ギアトレイン84によって伝達され、手動インターフェース94を回転させることなく、ツール42を第2の軸A2の周りで回転させる。第2のモード316Bで、手動インターフェース94に印加される力が、ギアトレイン84によってトルクとして伝達され、ツール42を第2の軸S2の周りで回転させる。以下により詳細に説明するように、クラッチ機構316は、手動インターフェース94に印加される力に応答して第1のモード316Aから第2のモード316Bへ動き、クラッチ機構を第2のモード316Bから第1のモード316Aへ動かすように配置されたクラッチ付勢要素318を備える。
図23A~図23Bに最もよく示すように、クラッチ付勢要素318は、中間シャフト256内に外側スプライン282に隣接して形成されたクラッチポケット320内に支持される。クラッチ付勢要素318はまた、ギアトレイン84のベベルギアセット272の出力歯車276に係合するように配置される。出力歯車276が、内側スプライン284を用いて中間シャフト256の外側スプライン282に係合するが、中間シャフト256に軸方向に固定されないため、クラッチ付勢要素318は、出力歯車276を第2の軸A2に沿って動かして入力歯車274に噛合係合させ、クラッチ機構316を第1のモード316A(図23A参照)で動作させることを容易にする。
第2の軸A2との位置合わせを容易にするために、中間シャフト256の近位端は、外側スプライン282に隣接してパイロットシャフト領域322を備えており、パイロットシャフト領域322は、手動インターフェース94の手動入力シャフト254内に形成された相応の形状のパイロット孔324内に摺動可能に受け取られる(図23A~図23B参照)。手動入力シャフト254はまた、その遠位端にアイドル孔326を備えており、アイドル孔326とパイロット孔324との間には、リンクスプライン配置328が軸方向に配置される。手動入力シャフト254の外面は、ベアリング262によって回転可能に支持され、ベアリング262は、駆動体250に取り付けられたシート330内に収容される。手動入力シャフト254は、上部カバー332を通って延び、上部カバー332はまた、駆動体250に取り付けられており、したがって、以下により詳細に説明するように、ハンドルアセンブリ96によって手動入力シャフト254の近位端に係合することができる。
クラッチ機構316が第1のモード316A(図23A参照)にあるとき、手動入力シャフト254のアイドル孔326は、中間シャフト256の外側スプライン282に接触するが、それとともに回転しない。さらに、アイドル孔326およびリンクスプライン配置328がどのように位置決めされるかにより、クラッチ機構316が第1のモード316Aにあるとき、中間シャフト256の回転は手動入力シャフト254へ伝達されず、ベベルギアセット272の歯車274、276は噛合したままであり、したがって、動力入力シャフト252の回転は、中間シャフト256に伝達される。しかし、手動インターフェース94に軸方向の力が印加されたとき、手動入力シャフト254は、出力歯車276と同時に第2の軸A2に沿ってコネクタ86の方へ並進する。図23Bに示すように、これにより出力歯車276は、入力歯車274との噛合係合から解除され、それによって軸A1、A2間の回転を中止し、手動入力シャフト254のリンクスプライン配置328を中間シャフト256の外側スプライン282にさらに係合させ、それによって手動入力シャフト254および中間シャフト256が同時に回転することを容易にする。
したがって、手動インターフェース94に印加される軸方向の力により、クラッチ機構316が第1のモード316A(図23A参照)から第2のモード316B(図23B参照)へ動く。この構成は、回転機器80と手動インターフェース94との間の回転トルクの伝達を事実上防止する。言い換えれば、クラッチ機構316が第1のモード316Aにあるとき、回転機器80を駆動しても手動インターフェース94は回転せず、手動インターフェース94を回転させるように力を印加すると、回転機器80が後方へ駆動されない。エンドエフェクタ40の第1の実施形態に関連して示した本明細書に記載のもの以外に、クラッチ機構316の他の構成も企図される。
図23A~図23Bに示すように、駆動アセンブリ82および手動インターフェース94の上記の実施形態は、概して334で示すガイド孔を画定するように協働し、ガイド孔334は、第2の軸A2に沿って手動インターフェース94から駆動アセンブリ82の様々な構成要素を通ってコネクタ86へ延びる。ここで、カニューレが挿入される固定具50および回転駆動ツール48と同様に、ガイドワイヤGW(例えば、「Kワイヤ」)が、ガイド孔334を通って延びることができる(詳細には図示しないが、関連技術では概略的に知られている)。
図11B~図11Cを次に参照すると、上述したように、ハンドルアセンブリ96は、手動インターフェース94に取り付けられ、とりわけ、外科医によってハンドルアセンブリ96に印加される力に応答して、ツール42を第2の軸A2の周りで手動で回転させ、手動入力シャフト254を第2の軸A2に沿って並進させるために用いられる。この目的で、手動インターフェース94は、第2の軸A2の周りを回転するように配置されたヘッド336を備え、ハンドルアセンブリ96は、概して、動力伝達具338およびハンドル本体340を備える。ヘッド336は、手動入力シャフト254の近位端に配置され、動力伝達具338は、外科医によってハンドル本体340に印加される力に応答して、第2の軸A2の周りで同時に回転するように、ヘッド336を受け取るように成形される。図11B~図11Cに概略的に示すように、ハンドルアセンブリ96は、ラチェット機構342を備えることができ、ラチェット機構342は、ハンドル本体340と動力伝達具338との間に介在して、ハンドル本体340および動力伝達具338が第2の軸A2の周りを第3の回転方向R3に同時に回転することを可能にし、動力伝達具338がハンドル本体340に対して第2の軸A2の周りを第3の回転方向R3の反対の第4の回転方向R4に回転することを中止する。ラチェット機構342は、複数の異なるタイプおよび構成(例えば、ラチェットおよびつめの配置、1つまたは複数の弾性的に可撓性の部材など)とすることができることが理解されよう。さらに、図示の実施形態では、ハンドルアセンブリ96は、手動インターフェース94に解放可能に取付け可能であるが、ハンドルアセンブリ96を手動インターフェース94に恒久的に固定することもできる(例えば、折畳み可能または他の方法で接合可能なハンドル本体340による)ことが考えられる。
本開示はまた、手術用ロボット32によって維持される軌道Tに沿って手術部位STにパイロット孔46を形成する方法を対象とする。この方法は、回転機器80、駆動アセンブリ82、手動インターフェース94、および操作具アセンブリ88を支持するエンドエフェクタ40を手術用ロボット32に取り付けることを含む異なる工程を含む。この方法はまた、第2の軸A2に沿って駆動アセンブリ82に回転切断ツール44を取り付けることと、第2の軸A2を軌道Tと位置合わせして、回転切断ツール44を手術部位に位置決めすることと、操作具アセンブリ88に係合して、回転機器80によって第1の軸A1の周りに回転トルクを生成し、駆動アセンブリ82によって回転機器80からの第1の軸A1の周りのトルクを変換して、回転切断ツール44を第2の軸A2の周りで回転させることとを含む。この方法は、手術部位STで軌道Tに沿って回転切断ツール44を第1の深さD1まで前進させることと、第1の軸A1の周りの回転を中止することとをさらに含む。この方法はまた、手動インターフェース94へのアクセスを提示しまたは他の方法で促進するように操作具アセンブリ88を位置決めすることと、手動インターフェース94に力を印加して、回転切断ツール44を第2の軸A2の周りで回転させることと、手術部位STで軌道Tに沿って回転切断ツール44を第1の深さD1より大きい第2の深さD2まで前進させることとを含む。
本開示はまた、手術用ロボット32によって維持される軌道Tに沿って手術部位STに固定具50を設置する方法を対象とする。この方法は、回転機器80、駆動アセンブリ82、手動インターフェース94、および操作具アセンブリ88を支持するエンドエフェクタ40を手術用ロボット32に取り付けることを含む異なる工程を含む。この方法はまた、第2の軸A2に沿って駆動アセンブリ82にツール42を取り付けることと、固定具50をツール42に取り付けることと、第2の軸A2を軌道と位置合わせして、固定具50を手術部位STに隣接して位置決めすることとを含む。この方法は、操作具アセンブリ88に係合して、回転機器80によって第1の軸A1の周りに回転トルクを生成し、駆動アセンブリ82によって回転機器80からの第1の軸A1の周りのトルクを変換して、ツール42および固定具50を第2の軸A2の周りで回転させることをさらに含む。この方法はまた、手術部位STで軌道に沿ってツール42および固定具50を第1の深さD1まで前進させることと、第1の軸A1の周りの回転を中止することと、手動インターフェース94へのアクセスを提示しまたは他の方法で促進するように操作具アセンブリ88を位置決めすることとを含む。この方法は、手動インターフェース94に力を印加して、ツール42および固定具50を第2の軸A2の周りで回転させることと、手術部位STで軌道に沿って固定具50を第1の深さD1より大きい第2の深さD2まで前進させることとをさらに含む。
本開示はまた、手術用ロボット32によって維持されるそれぞれの第1の軌道T1および第2の軌道T2に沿って手術部位STに第1および第2の固定具50を設置する方法を対象とする。この方法は、回転機器80、駆動アセンブリ82、手動インターフェース94、および操作具アセンブリ88を支持するエンドエフェクタ40を手術用ロボット32に取り付けることを含む異なる工程を含む。この方法はまた、第2の軸A2に沿って駆動アセンブリ82にツール42を取り付けることと、第1の固定具50をツール42に取り付けることと、第2の軸A2を第1の軌道と位置合わせして、第1の固定具50を手術部位STに隣接して位置決めすることと、操作具アセンブリ88に係合して、回転機器80によって第1の軸A1の周りに回転トルクを生成し、駆動アセンブリ82によって回転機器80からの第1の軸A1の周りのトルクを変換して、ツール42および第1の固定具50を第2の軸A2の周りで回転させることとを含む。この方法は、手術部位STで第1の軌道に沿ってツール42および第1の固定具50を第1の深さD1まで前進させることと、第1の軸A1の周りの回転を中止することと、手動インターフェース94へのアクセスを提示しまたは他の方法で促進するように操作具アセンブリ88を位置決めすることとをさらに含む。この方法はまた、手動インターフェース94に力を印加して、ツール42および第1の固定具50を第2の軸A2の周りで回転させることと、手術部位STで第1の軌道に沿ってツール42および第1の固定具50を第1の深さD1より大きい第2の深さD2まで前進させることと、第1の固定具50をツール42から解放することとを含む。この方法は、第2の固定具50をツール42に取り付けることと、第2の軸A2を第2の軌道と位置合わせして、第2の固定具50を手術部位STに隣接して位置決めすることと、操作具アセンブリ88に係合して、回転機器80によって第1の軸A1の周りに回転トルクを生成することとをさらに含む。この方法はまた、駆動アセンブリ82によって回転機器80からの第1の軸A1の周りのトルクを変換して、ツール42および第2の固定具50を第2の軸A2の周りで回転させることと、手術部位STで第2の軌道に沿ってツール42および第2の固定具50を第3の深さD3まで前進させることと、第1の軸A1の周りの回転を中止することと、手動インターフェース94へのアクセスを提示しまたは他の方法で促進するように操作具アセンブリ88を位置決めすることとを含む。この方法は、手動インターフェース94に力を印加して、ツール42および第2の固定具50を第2の軸A2の周りで回転させることと、手術部位STで第2の軌道に沿ってツール42および第2の固定具50を第3の深さD3より大きい第4の深さD4まで前進させることとをさらに含む。
上述したように、手術用システム30のエンドエフェクタの第2の実施形態が、図25A~図28に示されている。以下の説明では、エンドエフェクタ40の第1の実施形態の構造および構成要素と同じまたは他の方法で対応している第2の実施形態の構造および構成要素は、同じ参照番号を2000増大させた番号を有する。エンドエフェクタ2040の第2の実施形態の構成要素および特徴の多くは、上述したエンドエフェクタ40の第1の実施形態のものに実質的に類似しているため、明瞭性、一貫性、および簡潔性の目的で、エンドエフェクタ2040の第2の実施形態とエンドエフェクタ40の第1の実施形態との特定の具体的な違いについてのみを以下に説明し、これらの実施形態間で共通の構成要素および特徴のいくつかのみを本明細書に論じ、図面に示す。したがって、それだけに限定されるものではないが、以下に別途指示がない限り、エンドエフェクタ40の第1の実施形態の説明を、エンドエフェクタ2040の第2の実施形態に対して参照により組み込むことができる。
図25A~図28を次に参照すると、取付具2078、回転機器2080およびそのアクチュエータ2166(概略的に示す)、ならびに駆動アセンブリ2082を備えるエンドエフェクタ2040の第2の実施形態が、概略的に示されている。上述した第1の実施形態と比較すると、エンドエフェクタ2040の第2の実施形態は、概して、異なる構成の回転機器2080、駆動アセンブリ2082、および操作具アセンブリ2088を用いており、これらについてそれぞれ、以下により詳細に説明する。
図25A~図26に最もよく示すように、第2の実施形態では、回転機器2080および駆動アセンブリ2082は、第2の軸A2が第1の軸A1に対して固定されるように構成される。言い換えれば、この実施形態では、駆動アセンブリ2082の駆動体2250は、回転機器2080に対して動くように配置されていない。ここで、結合器2230は、概して2344で示す駆動サブアセンブリを第2の軸A2に沿って解放可能に固定するように、駆動アセンブリ2082に動作可能に取り付けられる。図28に最もよく示すように、駆動サブアセンブリ2344は減速ギアセット2286を備え、減速ギアセット2286は同様に、遊星構成を有しており、コネクタ2086と、第3の太陽歯車2292Cに結合された駆動サブアセンブリ結合具2346との間に介在する。駆動サブアセンブリ2344が結合器2230に動作可能に取り付けられたとき、駆動サブアセンブリ結合具2346は、駆動アセンブリ2082の中間シャフト2256に結合された中間出力結合具2348に係合し、この実施形態では、中間シャフト2256はまた、手動入力シャフト2254として働く。エンドエフェクタ2040の第2の実施形態の図面には示されていないが、駆動サブアセンブリ2344のコネクタ2086は、エンドエフェクタ40の第1の実施形態に関連して上述したコネクタ86と同じ方法で異なるタイプのツールを解放可能に固定することもできることが理解されよう。
ここ第2の実施形態では、駆動アセンブリ2082の中間シャフト2256は、手動インターフェース2094のヘッド2336を画定し、ギアトレイン2084のベベルギアセット2272の出力歯車2276に結合される。手動インターフェース2094のヘッド2336は同様に、使用者から印加された力を受け取り、ツール(図25A~図28には図示せず)を第2の軸A2の周りで回転させるために使用される回転トルクに変換するように配置される。以下により詳細に説明するように、エンドエフェクタ2040の第2の実施形態の操作具アセンブリ2088は、操作具アセンブリ位置P1、P2のいずれかで手動インターフェース2094へのアクセスを制限するように構成されない。逆に、この実施形態では、エンドエフェクタ2040は、概して2350で示す保護カバーをさらに備え、保護カバー2350は、駆動アセンブリ2082に動作可能に取り付けられ、第1の保護位置U1(図25A参照)と第2の保護位置U2(図25B参照)との間を第2の軸A2に対して動くように配置される。
第1の保護位置U1で、第2の軸A2は、保護カバー2350の少なくとも一部分と交差して、手動インターフェース2094へのアクセスを制限する(図25A参照)。第2の保護位置U2で、保護カバー2350は、第2の軸A2から隔置されて、手動インターフェース2094へのアクセスを促進する(図25B参照)。この目的で、図25A~図25Bおよび図28に最もよく示すように、保護カバー2350は、保護ポケット2354を画定する保護体2352を備え、保護ポケット2354は、第1の保護位置U1で、手動インターフェース2094の少なくとも一部分を収容し、または他の方法で手動インターフェース2094の少なくとも一部分へのアクセス抑制するように成形される。保護体2352は保護ヒンジ2356を備え、保護ヒンジ2356は、第1の保護位置U1(図25A参照)と第2の保護位置U2(図25B参照)との間で保護軸UAの周りを旋回するように、駆動アセンブリ2082に動作可能に取り付けられる。図示の実施形態では、保護軸UAは、第1の軸A1および第2の軸A2の両方に実質的に直交して配置される。
保護カバー2350を利用することで、エンドエフェクタ2040は、操作具アセンブリ2088の動きに必ずしも依拠することなく、手動インターフェース2094へのアクセスを制限または他の方法で抑制することが可能になることが理解されよう。したがって、第2の実施形態では、操作具アセンブリ2088は、それにもかかわらず、第1の操作具アセンブリ位置P1(図25A参照)と第2の操作具アセンブリ位置P2(図25B参照)との間を保持器2136とともに動くように配置されているが、操作具アセンブリ2088のどの部分も、操作具アセンブリ位置P1、P2のいずれかで、手動インターフェース2094へのアクセスを制限または他の方法で抑制しない。
操作具アセンブリ2088のグリップ2090は、略円筒形の形状を有し、第1の操作具アセンブリ位置P1(図25A参照)にあるときは、手が概して中立で係合するように、第2の操作具アセンブリ位置P2(図25B参照)にあるときは、手が概して回内または回外して係合するように構成される。ここでもこの実施形態では、操作具アセンブリ2088は、保持器2136と同時に動くように配置され、したがって、操作具アセンブリ2088が第1の操作具アセンブリ位置P1(図25A参照)に配置されているか、それとも第2の操作具アセンブリ位置P2(図25B参照)に配置されているかにかかわらず、入力操作具2092を第1の入力位置I1(図27A参照)と第2の入力位置I2(図27B参照)との間で動かすことができる。
図26~図27Bを次に参照すると、この実施形態では、操作具アセンブリ2088は同様に、入力操作具2092の動きにより、ピストン2182の対応する動きが生じるように構成され(図27A~図28B参照)、ピストン2182は、保持器2136のフォークガイド2188に係合してフォークガイド2188を動かす(図26参照)。図27A~図27Bに示すように、この実施形態では、リンク機構2178は摺動部材2358を備え、摺動部材2358は、第1の入力位置I1と第2の入力位置I2との間を入力操作具2092と同時に動くようにグリップ2090内に支持される。ここで、摺動部材2358は、2つの摺動斜面2360を画定し、摺動斜面2360は、ピストン2182および入力操作具2092の延長部材2194上に支持されたそれぞれのベアリング2262に係合して、入力操作具2092からの運動をピストン2182へ伝達する(図27A~図27Bを比較されたい)。図示しないが、リンク機構2178は、追加の構成要素(例えば、付勢要素、ブッシング、ファスナ、シールなど)を備えることもできることが理解されよう。他の構成も企図される。
上述したように、手術用システム30のエンドエフェクタの第3の実施形態が、図29A~図31Bに示されている。以下の説明では、エンドエフェクタ40の第1の実施形態の構造および構成要素と同じまたは他の方法で対応している第3の実施形態の構造および構成要素は、同じ参照番号を3000増大させた番号を有する。エンドエフェクタ3040の第3の実施形態の構成要素および特徴の多くは、上述したエンドエフェクタ40の第1の実施形態のものに実質的に類似しているため、明瞭性、一貫性、および簡潔性の目的で、エンドエフェクタ3040の第3の実施形態とエンドエフェクタ40の第1の実施形態との特定の具体的な違いについてのみを以下に説明し、これらの実施形態間で共通の構成要素および特徴のいくつかのみを本明細書に論じ、図面に示す。したがって、それだけに限定されるものではないが、以下に別途指示がない限り、エンドエフェクタ40の第1の実施形態の説明を、エンドエフェクタ3040の第3の実施形態に対して参照により組み込むことができる。
図29A~図31Bを次に参照すると、取付具3078、回転機器3080およびそのアクチュエータ3166(概略的に示す)、ならびに駆動アセンブリ3082を備えるエンドエフェクタ3040の第3の実施形態が、概略的に示されている。上述した第1の実施形態と比較すると、エンドエフェクタ3040の第3の実施形態は、概して、異なる構成の操作具アセンブリ3088および駆動アセンブリ3082を用いており、異なるタイプのビットインターフェース3128によってツール3042を固定するように構成され、これらについてそれぞれ、以下により詳細に説明する。
図29A~図30に最もよく示すように、第3の実施形態では、駆動アセンブリ3082は同様に、結合器3230を介して回転機器3080に解放可能に取り付けられるように構成され、したがって、駆動アセンブリ3082を第1の軸A1の周りに異なる方法で位置決めすることによって、第1の軸A1に対して第2の軸A2を動かすことができる。第3の実施形態では、操作具アセンブリ3088は、上述した操作具アセンブリ2088の第2の実施形態に構造上類似しているグリップ3090および入力操作具3092を用いる。しかし、第3の実施形態では、操作具アセンブリ3088のフレーム3134は、概して、複数の操作具アセンブリ位置(第1の操作具アセンブリ位置P1を図29A~図29Bに示す)間を同時に動くように保持器3136に結合された第1のフレーム本体3362と、第1のグリップ位置G1(図29A参照)および第2のグリップ位置G2(図29B参照)を含む複数のグリップ位置間を第1のフレーム本体3362に対して動くようにグリップ3090および入力操作具3092を支持する第2のフレーム本体3364とを備える。
図29Aに示す第1のグリップ位置G1にあるとき、第2のフレーム本体3364の少なくとも一部分は、手動インターフェース3094へのアクセスを制限し、入力操作具3092は、以下により詳細に説明するように、使用者によって係合されると、回転機器3080を駆動して、コネクタ3086に固定されているツール3042を第2の軸A2の周りで回転させるように配置される。しかし、図29Bに示す第2のグリップ位置G2にあるとき、第2のフレーム本体3364は、使用者から印加された力を受け取ってツール3042を第2の軸A2の周りで回転させることを容易にするように、手動インターフェース3094に対して隔置関係で配置される。第3の実施形態に関連して示さないが、第2のフレーム本体3364はまた、複数のグリップ位置(例えば、第1のグリップ位置G1および第2のグリップ位置G2)間の動きに依存することなく、複数の操作具アセンブリ位置(第1の操作具アセンブリ位置P1を図29A~図29Bに示す)間を第1のフレーム本体3362と同時に動くように配置される。
エンドエフェクタ3040の第3の実施形態では、第2のフレーム本体3364は、第1のグリップ位置G1と第2のグリップ位置G2との間を並進するように配置され、この動きは、第1の軸A1に実質的に平行である。この目的で、第2のフレーム本体3364は、第1のフレーム本体3362内に画定されたトラック3368に沿って摺動するように支持されたライダ3366を備える。この構成は例示であり、第1のフレーム本体3362および第2のフレーム本体3364は、第2のフレーム本体3364が、手動インターフェース3094へのアクセスを選択的に抑制および/または促進するように、第1のフレーム本体3362に対して動くことを可能にするのに十分な複数の異なる方法で、構成することもできることが理解されよう。説明的な例として、第1のグリップ位置G1と第2のグリップ位置G2との間の動きは、他のタイプの並進運動(例えば、湾曲した経路に沿った摺動または第1の軸A1に平行でない方向の摺動)、回転運動、または他のタイプの動きによって画定することができる。他の構成も企図される。
図30~図31Bを次に参照すると、上述したように、エンドエフェクタ3040の第3の実施形態は、コネクタ3086を介して異なるタイプのビットインターフェース3128によってツール3042を固定するように構成される。図30は、固定具3050(例えば、多軸スクリュー)を支持する回転切断ツール3044(例えば、ドリルビット)および回転駆動ツール3048(例えば、多軸スクリュードライバ)として実現される2つの代表的なツール3042を示す。回転駆動ツール3048のビットインターフェース3128は、エンドエフェクタ40の第1の実施形態とともに使用されるビットインターフェース128と同じ方法で構成されるが、図示の回転切断ツール3044のビットインターフェース3128は、軸方向保持器3130および回転保持器3132から離れる方へ延びる延長部分3370を含む。以下により詳細に説明するように、第3の実施形態では、回転切断ツール3044のビットインターフェース3128の延長部分3370は、駆動アセンブリ3082の概して3372で示す伝動装置と協働して、駆動アセンブリ3082のギアトレイン3084を異なる駆動比で動作させることを容易にする。
図31A~図31Bに最もよく示すように、エンドエフェクタ3040の第3の実施形態の駆動アセンブリ3082の場合、動力入力シャフト3252は、駆動体3250に(例えば、ファスナを介して)動作可能に取り付けられた入力体3374内に位置するベアリング3262によって支持される。ここでも、ベベルギアセット3272の入力歯車3274は、動力入力シャフト3252に結合され、第1の軸A1の周りを回転するように配置される。しかし、この実施形態では、ベベルギアセット3272の出力歯車3276は、アイドラシャフト3376に結合される。ここで、アイドラシャフト3376は、上部カバー3332および中間体3378内に位置するベアリング3262によって支持され、中間体3378は、上部カバー3332と駆動体3250との間に配置される。アイドラシャフト3376は、第2の軸A2に実質的に平行に第2の軸A2から隔置されて配置されたアイドラ軸IAの周りを回転する。この実施形態では手動入力シャフト3254としても働く駆動アセンブリ3082の中間シャフト3256は同様に、上部カバー3332および中間体3378内に位置するベアリング3262によって支持され、第2の軸A2の周りを回転し、減速ギアセット3286の第3の太陽歯車3292Cに結合される。それぞれ中間シャフト2256およびアイドラシャフト3376上に、概して3380で示すプーリが支持されており、プーリ3380は、中間シャフト3256およびアイドラシャフト3376が同時に回転するように、エンドレスベルト3382を介して相互接続される。図示の実施形態では、プーリ3380は互いに同じ構成を有するが、いくつかの実施形態では、中間シャフト3256とアイドラシャフト3376との間に回転速度またはトルクの増大を提供することなどのために、異なるサイズのプーリを利用することもできることが理解されよう。さらに、本明細書には図示しないが、いくつかの実施形態では、駆動アセンブリ3082はテンショナを用いて、エンドレスベルト3382のたるみを除去することもできることが理解されよう。さらに、他の実施形態では、図示のエンドレスベルト3382およびプーリ3380の配置の代わりに、チェーンおよびスプロケットの配置を使用することもできることが企図される。他の構成も企図される。
エンドエフェクタ3040の第3の実施形態の駆動アセンブリ3082は同様に、減速ギアセット3286に対して遊星構成を用いるが、伝動装置3372の動作を生じさせるために、様々な構成要素が異なる形で配置される。この目的で、リング歯車3288に噛合係合するように配置されるのではなく、第1の組の遊星歯車3290A、第2の組の遊星歯車3290B、および第3の組の遊星歯車3290Cはそれぞれ、伝動装置3372の変換カラー3386の内歯3384に噛合係合するように配置される。以下により詳細に説明するように、変換カラー3386の内歯3384はまた、中間シャフト3256のシャフト歯3388にスプライン係合で選択的に係合するように配置され、変換カラー3386は、リング歯車3288にスプライン係合で選択的に係合するように配置された外歯3390をさらに備える。さらに、この実施形態では、リング歯車3288は、駆動体3250内で1対のブッシング3196間に支持された個別の構成要素として形成される。
図31A~図31Bを引き続き参照すると、駆動アセンブリ3082の伝動装置3372は、概して、回転機器3080(図29A~図30参照)とコネクタ3086との間で回転連係するように介在するように構成され、第1のギアセットGS1、第2のギアセットGS2、および変換カラー3386を備える。ここで、変換カラー3386は、第1のカラー位置CP1(図31A参照)と第2のカラー位置CP2(図31B参照)との間を第2の軸A2に沿って動くように配置される。
第1のカラー位置CP1で、変換カラー3386は、第1のギアセットGS1に係合して、第1の駆動比DR1で回転機器3080とコネクタ3086との間で回転を変換する。この実施形態では、第1のギアセットGS1は、リング歯車3288と変換カラー3386の外歯3390との間にスプライン係合によって画定され、したがって、変換カラー3386は、駆動体3250に事実上「固定」される(図31A参照)。したがって、第1のカラー位置CP1で、回転機器3080を介して生成されるトルクまたは手動インターフェース3094のヘッド3336に印加される力から引き起こされる中間シャフト3256の回転が、遊星減速ギアセット3286によってコネクタ3086の保持シャフト3255へ伝達される。
第2のカラー位置CP2で、変換カラー3386は、第2のギアセットGS2に係合して、第1の駆動比DR1とは異なる第2の駆動比DR2で回転機器3080とコネクタ3086との間で回転を変換する。この実施形態では、第2のギアセットGS2は、変換カラー3386の内歯3384と中間シャフト3256のシャフト歯3388との間にスプライン係合によって画定され、したがって、変換カラー3386は、駆動体3250内で第2の軸A2の周りを中間シャフト3256と同時に回転する(図31B参照)。したがって、第2のカラー位置CP2で、回転機器3080を介して生成されるトルクまたは手動インターフェース3094のヘッド3336に印加される力から引き起こされる中間シャフト3256の回転が、遊星減速ギアセット3286を事実上迂回し、変換カラー3386によってコネクタ3086の保持シャフト3255へ直接伝達される。言い換えれば、第2のカラー位置CP2で、中間シャフト3256は、コネクタ3086(したがって、固定のツール3042)と同じ速度で回転する。
図示の実施形態では、伝動装置3372は、概して3392で示す伝動リンク機構を備え、伝動リンク機構3392は、第1のカラー位置CP1と第2のカラー位置CP2との間を同時に動くように、変換カラー3386に動作可能に取り付けられる。ここでこの実施形態では、伝動リンク機構3392は、コネクタ3086の保持シャフト3255に動作可能に取り付けられたブレース3396によって、動くように支持された切換器3394を備える。この実施形態では、切換器3394は、ブレース3396に沿って摺動するように成形および配置され、ブレース3396は、それぞれ減速ギアセット3286の第1の組のピン3294Aのピンを支持する。
図31Bに最もよく示すように、切換器3394はまた、回転切断ツール3044が駆動アセンブリ3082のコネクタ3086に固定されたとき、回転切断ツール3044のビットインターフェース3128の延長部分3370に係合して、変換カラー3386を第2のカラー位置CP2へ動かすように配置される。逆に、図31Aに示すように、切換器3394は、図31Bに示す回転切断ツール3044のビットインターフェース3128の延長部分3370とは異なり、回転駆動ツール3048のビットインターフェース3128のどの部分も切換器3394に係合しないため、回転駆動ツール3048が駆動アセンブリ3082のコネクタ3086に固定されたとき、変換カラー3386を第1のカラー位置CP1へ動かすように配置される。図示の実施形態では、伝動装置3372はまた、変換カラー3386を第1のカラー位置CP1(図31A参照)の方へ動かすように配置されたリンク機構付勢要素3398(例えば、圧縮ばね、1つまたは複数のばねワッシャなど)を備える。
伝動装置3372によって得られる機能により、駆動アセンブリ3082は、延長部分3370の有無に応じてツール3042を第1の駆動比DR1または第2の駆動比DR2で駆動することが可能になることが理解されよう。したがって、ツール3042は、とりわけ使用中の所期の回転速度範囲に基づいて延長部分3370の有無にかかわらず設計することができる。さらに、この構成により、有利には、伝動装置3372は、ツール3042をコネクタ3086に固定すること以外に追加の使用者との対話(例えば、ギアセットを「手動」でシフトまたは他の方法で選択するため)を必要とすることなく、固定のツール3042の構成に基づいて、ギアセットGS1、GS2間を「自動的」に「シフト」することが可能になる。
伝動装置3372は、異なるツール3042を異なる駆動比DR1、DR2で駆動することを容易にするために、ギアセットGS1、GS2間の「自動」シフトをもたらすが、他の実施形態に関連して以下により詳細に説明するように、駆動アセンブリ3082は、伝動装置3372を必ずしも利用することなく、異なる駆動比DR1、DR2で駆動することを容易にするように構成することもできることが理解されよう。さらに、上述した伝動装置3372は、切換器3394とツール3042の延長部分3370との間の係合を介して変換カラー3386の動きを容易にするように構成されるが、切換器3394は、図30および図31Bに示す延長部分3370以外に、ツール3042の異なる部分に係合するように構成することもできることが理解されよう。他の構成も企図される。
上述したように、手術用システム30のエンドエフェクタの第4の実施形態が、図32~図34Cに示されている。以下の説明では、エンドエフェクタ40の第1の実施形態の構造および構成要素と同じまたは他の方法で対応している第4の実施形態の構造および構成要素は、同じ参照番号を4000増大させた番号を有する。エンドエフェクタ4040の第4の実施形態の構成要素および特徴の多くは、上述したエンドエフェクタ40の第1の実施形態のものに実質的に類似しているため、明瞭性、一貫性、および簡潔性の目的で、エンドエフェクタ4040の第4の実施形態とエンドエフェクタ40の第1の実施形態との特定の具体的な違いについてのみを以下に説明し、これらの実施形態間で共通の構成要素および特徴のいくつかのみを本明細書に論じ、図面に示す。
したがって、それだけに限定されるものではないが、以下に別途指示がない限り、エンドエフェクタ40の第1の実施形態の説明を、エンドエフェクタ4040の第4の実施形態に対して参照により組み込むことができる。同様に、前述の実施形態の対応する構成要素および特徴に類似しているエンドエフェクタ4040の第4の実施形態の特定の構成要素および特徴は、すべての介在する実施形態に対して、同じ参照番号を1000にさらに1000を足した値だけ増大させた番号を有するものとして図面に参照し、または他の方法で示すことができる(例えば、第4の実施形態の場合、第3の実施形態に関連して説明した構成要素は、1000増大するはずであり、第2の実施形態に関連して説明した構成要素は、2000増大するはずである)。
図32~図34Cを次に参照すると、取付具4078、回転機器4080およびそのアクチュエータ4166(概略的に示す)、ならびに駆動アセンブリ4082を備えるエンドエフェクタ4040の第4の実施形態が、概略的に示されている。上述した第1の実施形態と比較すると、エンドエフェクタ4040の第4の実施形態は、概して、異なる構成の操作具アセンブリ4088および駆動アセンブリ4082を用いており、異なる構成のハンドルアセンブリ4096と相互作用し、異なるタイプのビットインターフェース4128によってツール4042を固定するように構成され、これらについてそれぞれ、以下により詳細に説明する。
図32~図33に最もよく示すように、第4の実施形態では、駆動アセンブリ4082は同様に、結合器4230を介して回転機器4080に解放可能に取り付けられるように構成され、したがって、駆動アセンブリ4082を第1の軸A1の周りに異なる方法で位置決めすることによって、第1の軸A1に対して第2の軸A2を動かすことができる。第3の実施形態では、操作具アセンブリ4088は、輪郭形状を有するグリップ4090と、上述した操作具アセンブリ2088の第2の実施形態に構造上類似している入力操作具4092とを用いる。以下の後述する説明から理解されるように、第4の実施形態では、図32~図33に示す操作具アセンブリ4088は例示であり、駆動アセンブリ4082は、手動インターフェース4094へのアクセスを制限および/または促進するように可動になるように構成することができる複数の異なるタイプの操作具アセンブリ4088とともに利用することができる(第4の実施形態ではこの動きは図示せず)。
図32~図33を引き続き参照すると、第4の実施形態では、ハンドルアセンブリ4096は、第1の実施形態に関連して説明したハンドルアセンブリ96とは異なる構成を有する。具体的に、ハンドルアセンブリ4096は、より対称形の形状を有し、概して手動インターフェース4094のヘッド4336に回転可能かつ軸方向に選択的にロックするように構成される(ロックは図示せず)。この実施形態では、駆動アセンブリ4082は、回転機器4080と、コネクタ4086と、手動インターフェース4094との間に介在する差動アセンブリ4400をさらに備える。以下により詳細に説明するように、差動アセンブリ4400は、触覚トルクモード4400H(図34A参照、詳細には図示せず)で動作可能であり、使用者はハンドルアセンブリ4096に係合することができ、ハンドルアセンブリ4096は、使用者に触覚トルクフィードバックを提供するように回転機器4080を介してツール4042を駆動することができる。利用されていないとき(例えば、エンドエフェクタ4040の位置が変えられているとき)、ハンドルアセンブリ4096は、駆動アセンブリ4082の駆動体4250上に形成されたドック4402内に格納することができる(図32参照)。
触覚トルクモード4400Hで使用者が手動インターフェース4094のハンドルアセンブリ4096を介して触覚トルクフィードバックを感知することを可能にすることに加えて、差動アセンブリ4400はまた、エンドエフェクタ40の第1の実施形態に関連して上述したクラッチ機構316に類似している機能をもたらす。具体的に、差動アセンブリ4400はまた、第1の中止モード4400A(図34B参照、詳細には図示せず)と、第2の中止モード4400B(図34C参照、詳細には図示せず)との間で動作可能である。第1の中止モード4400Aで、回転機器4080によって生成される回転トルクは、差動アセンブリ4400によってコネクタ4086へ伝達され、ツール4042を第2の軸A2の周りで回転させるが、回転トルクを手動インターフェース4094のヘッド4336には伝達しない。第2の中止モード4400Bで、手動インターフェース4094のヘッド4336に力が印加されたときに生成される回転トルクは、差動アセンブリ4400によってコネクタ4086へ伝達され、ツール4042を回転させるが、回転トルクを回転機器4080には伝達しない。
第1の中止モード4400Aにおける差動アセンブリ4400の動作は、第1のピン4404を介して手動入力シャフト4254を駆動アセンブリ4082の上部カバー4332に選択的にロックすることによって実現される(図34B参照、詳細には図示せず)。同様に、第2の中止モード4400Bにおける差動アセンブリ4400の動作は、第2のピン4406を介して差動アセンブリ4400を駆動アセンブリ4082の上部カバー4332に選択的にロックすることによって実現される(図34C参照、詳細には図示せず)。さらに、触覚トルクモード4400Hにおける差動アセンブリ4400の動作は、回転機器4080がツール4042を第2の軸A2の周りで回転させるように駆動されるとき、ヘッド4336の第2の軸A2の周りの回転を防止するために、駆動アセンブリ4082の上部カバー4332から第1のピン4404および第2のピン4406を選択的に取り外し(図34A参照、詳細には図示せず)、ハンドルアセンブリ4096を手動インターフェース4094のヘッド4336に接続することによって実現される。
図34A~図34Cを次に参照すると、駆動アセンブリ4082の差動アセンブリ4400は、概して、手動インターフェース4094と回転連係するように配置されたインターフェース側歯車4408と、コネクタ4086と回転連係するように配置されたコネクタ側歯車4410と、回転機器4080と回転連係するように配置された差動ケース4412と、同時に動くように差動ケース4412に動作可能に取り付けられたピニオンシャフト4414と、それぞれピニオンシャフト4414によって支持され、インターフェース側歯車4408およびコネクタ側歯車4410に噛合係合するように配置された1対のピニオン歯車4416とを備える。駆動アセンブリ4082に動作可能に取り付けられた差動ハウジング4418は、差動アセンブリ4400の差動ケース4412の少なくとも一部分を収容するように成形された差動チャンバ4420を画定する。上記で紹介した差動アセンブリ4400の構成要素についてそれぞれ、以下により詳細に説明する。
ここでも、エンドエフェクタ4040の第4の実施形態では、駆動アセンブリ4082のギアトレイン4084は同様に、遊星減速ギアセット4286およびベベルギアセット4272を用いる。しかし、この実施形態では、減速ギアセット4286は、回転機器4080(図32~図33参照)とベベルギアセット4272との間で回転連係するように介在する。より具体的には、遊星減速ギアセット4286の構成要素は、入力体4374内に支持され、概して第1の軸A1の周りで動力入力シャフト4252とキャリアシャフト4422との間に配置される。ここで、ベベルギアセット4272の入力歯車4274は、第1の軸A1の周りで同時に回転するようにキャリアシャフト4422に結合され、ベベルギアセット4272の出力歯車4276は、第2の軸A2の周りで同時に回転するように差動ケース4412に結合される。
差動ケース4412は、駆動体4250、差動ハウジング4418、および上部カバー4332内に配置されたベアリング4262によって回転可能に支持され、リブ(詳細には図示せず)によって支持された環状ハブ4424を有し、環状ハブ4424は、第2の中止モード4400Bにおける動作を容易にするように上部カバー4332内に形成された径方向カバー開口4428と位置合わせされたとき、第2のピン4406を受け取るように成形された複数のハブ開口4426を備える。手動入力シャフト4254は同様に、上部カバー4332および差動ケース4412内に配置されたベアリング4262によって支持され、インターフェース側歯車4408に結合されており、第1の中止モード4400Aにおける動作を容易にするように上部カバー4332内に形成された横断方向カバー開口4432と位置合わせされたとき、第1のピン4404を受け取るように成形されたインターフェース開口4430を備える。ピニオンシャフト4414は、差動ケース4412によって保持され、ピニオン歯車4416を回転可能に支持し、ピニオン歯車4416は、上述したように、インターフェース側歯車4408およびコネクタ側歯車4410に噛合係合するように配置される。ここで、コネクタ側歯車4410は、中間シャフト4256に結合され、この実施形態では、中間シャフト4256は、差動ケース4412内に配置されたベアリング4262によって回転可能に支持される。
差動アセンブリ4400の差動ハウジング4418は、差動軸DAを画定し、図示の実施形態では、差動軸DAは第2の軸A2に一致している。ここで、第1の中止モード4400Aにあるとき、差動ハウジング4418に対する差動ケース4412の回転が可能である。逆に、第2の中止モード4400Bにあるとき、差動ハウジング4418に対する差動ケース4412の回転は抑制される。さらに、第2の中止モード4400Bにあるとき、インターフェース側歯車4408およびコネクタ側歯車4410の両方の差動軸DAの周りの回転が可能である。しかし、第1の中止モード4400Aにあるとき、コネクタ側歯車4410の差動軸DAの周りの回転が可能であるが、インターフェース側歯車4408の差動軸DAの周りの回転は抑制される。さらに、ピニオンシャフト4414は、ピニオン軸PAを画定し、ピニオン歯車4416は、第1の中止モード4400A、第2の中止モード4400B、および触覚トルクモード4400Hにおいて、ピニオン軸PAの周りを回転することが可能である。図示の実施形態では、ピニオン軸PAは、差動軸DAに実質的に直交している。
上述したように、触覚トルクモード4400Hにおいて、ハンドルアセンブリ4096が手動インターフェース4094のヘッド4336に接続された状態で動作しているとき、使用者は、回転機器4080がツール4042を第2の軸A2の周りで回転させるように駆動されると、ヘッド4336の第2の軸A2の周りの回転を防止するように、ハンドルアセンブリ4096を把持することができる。アクチュエータ4166によって駆動されたとき、手動入力シャフト4254および中間シャフト4256はそれぞれ、同じ量のトルクを受けるが、異なる速度で回転することができる。
したがって、差動アセンブリ4400は、回転機器4080とツール4042との間にギアトレイン4084の一部として介在するため、使用者がハンドルアセンブリ4096を把持することによって、手動入力シャフト4254が第2の軸A2の周りを回転することを防止した場合、触覚(または「触覚」)トルクフィードバックが使用者の手へ伝達される。ハンドルアセンブリ4096は、把持されているときは回転しないが、それにもかかわらず使用者は、ツール4042に印加されているトルクの量に実質的に同等のトルクフィードバックを受ける。したがって、駆動されたツール4042が、固定具4050を有する回転駆動ツール4048を備える場合、使用者は、固定具4050内のトルクに同等のハンドルアセンブリ4096内のトルクを「感じる」はずである。このトルクフィードバックは、有利には、回転機器4080を使用して固定具4050を駆動するとき、固定具4050が受けている回転に対する相対的な抵抗感を使用者に提供する。
図34A~図34Cを引き続き参照すると、エンドエフェクタ4040の第4の実施形態では、ギアトレイン4084は、概して4434で示す補助ギアセットをさらに備え、補助ギアセット4434は、中間シャフト4256とコネクタ4086との間に介在する。補助ギアセット4434は、ファスナによって駆動体4250に固定された補助ハウジング4436内に配置され、補助ギアセット4434と補助ハウジング4436との間に補助リング歯車4438が配置される。合計4つの補助遊星歯車4440が、補助リング歯車4438に噛合係合するように配置され、さらに補助太陽歯車4442に噛合係合するように配置される。補助遊星歯車4440は、ファスナを介して補助キャリア4444および第1のインターフェース体4446に固定され、第1のインターフェース体4446は、それぞれ駆動体4250および補助ハウジング4436内に配置されたベアリング4262によって支持される。
第1のインターフェース体4446は、以下により詳細に説明するように、図33に示す回転駆動ツール4048のビットインターフェース4128に係合するように成形された回転係止具を画定する十字孔4448を備える。補助太陽歯車4442に第2のインターフェース体4450が結合され、補助キャリア4444および第1のインターフェース体4446内に配置されたベアリング4262によって支持される。第2のインターフェース体4450にペグ4452が動作可能に取り付けられ、以下により詳細に説明するように、図33に示す回転切断ツール4044のビットインターフェース4128に係合するように成形された別の回転係止具を画定する。
本明細書に示す代表的な実施形態では、ペグ4452は、第1の回転係止具RL1を画定し、十字孔4448は、第2の回転係止具RL2を画定する(図34B参照)。ここで、第1の回転係止具RL1のペグ4452は、第2の回転係止具RL2の十字孔4448より手動インターフェース4094の近くに配置される。この配置は、図33に示す回転駆動ツール4048および回転切断ツール4044のビットインターフェース4128の構成に対応する。図33に示すビットインターフェース4128はそれぞれ、エンドエフェクタ40の第1の実施形態とともに利用されるビットインターフェース128に関連して前述したものに類似している軸方向保持器4130を用いる。しかし、第4の実施形態では、回転保持器4132は、互いとも第1の実施形態とも異なる。より具体的には、第4の実施形態では、回転切断ツール4044のビットインターフェース4128は、第1の回転係止具RL1に係合するように成形された切欠要素4454を備え(図34B参照)、回転駆動ツール4048のビットインターフェース4128は、第2の回転係止具RL2に係合するように構成されたキー要素4456を備える(図34C参照)。キー要素4456は、十字孔4448内に係合するように成形された曲線的な略方形の形状を有し、したがって、回転駆動ツール4048は、コネクタ4086に固定されたとき、補助ギアセット4434の第1のインターフェース体4446とともに第2の軸A2の周りを同時に回転する(図34C参照)。切欠要素4454は、ペグ4452の両側に係合する前に十字孔4448を通過するように構成された形状を備え、したがって、回転切断ツール4044は、コネクタ4086に固定されたとき、第2のインターフェース体4450とともに第2の軸A2の周りを同時に回転する(図34B参照)。
第4の実施形態では、駆動アセンブリ4082は、第1の回転係止具RL1および第2の回転係止具RL2を備えるが、本明細書に記載する他の実施形態では、第1の回転係止具RL1のみを用いることもできることが理解されよう。さらに、回転係止具は、例えばエンドエフェクタ40の第1の実施形態に関連して上述した駆動アセンブリ82のコネクタ86の保持シャフト255内に形成された回転コネクタ要素308に類似しているものを含む複数の異なる構成が可能である。他の構成も企図される。
ここで、第4の実施形態では、コネクタ4086に固定されたツール4042の軸方向の保持は、手術用ロボット32(図1参照)によって維持される軌道Tに沿って駆動アセンブリ4082と同時に並進するように、回転切断ツール4044、回転駆動ツール4048、または別のツール4042のうちの1つを解放可能に固定するように構成された軸方向係止具ALによって実現される。この目的で、軸方向係止具ALは、解放形態ACR(図34A参照)とロック形態ACL(図34B~図34C参照)との間で動作可能である。軸方向係止具ALが図34Aに示す解放形態ACRで動作するとき、駆動アセンブリ4082と、第1の回転係止具RL1および第2の回転係止具RL2のいずれかに固定されたツール4042(ツール4042は、図34Aには図示せず)との間の相対運動が、第2の軸A2に沿って可能になる。軸方向係止具ALが図34B~図34Cに示すロック形態ACLで動作するとき、駆動アセンブリ4082と、第1の回転係止具RL1(図34B参照)または第2の回転係止具RL2(図34C参照)に固定されたツール4042との間の相対運動が、第2の軸A2に沿って制限される。
第4の実施形態では、軸方向係止具ALは、略球形の軸方向コネクタ要素4306によって実現され、軸方向コネクタ要素4306は、コネクタ4086の一部を形成し、エンドエフェクタ40の第1の実施形態を実質的に同じ方法で動作する。しかしここで、コネクタ4086の保持シャフト4255は、コネクタ体4300およびライダ体4458内に配置されたベアリング4262によって支持されており、ライダ体4458は、フランジ部材4302と同時に動く。ロック形態ACLにあるとき、軸方向コネクタ要素4306は、ベアリング4262によって支持されており、回転切断ツール4044および回転駆動ツール4048のビットインターフェース4128の軸方向保持器4130に係合して、軸方向コネクタ要素4306と軸方向保持器4130との間の第2の軸A2に沿った相対運動を制限する。コネクタ4086のフランジ部材4302が使用者によって係合されて解放形態ACRへ動くとき、フランジ部材4302が第2の軸A2に沿って動くことで、軸方向コネクタ要素4306は軸方向保持器4130から係合解除され、ベアリング4262によって支持されなくなる。この配置により、ロック形態ACLで軸方向係止具ALに固定されたとき、保持シャフト4255およびツール4042のビットインターフェース4128が同時に回転することが可能になり、ツール4042がコネクタ4086から取り外されたとき、第1の回転係止具RL1および第2の回転係止具RL2に依存することなく、保持シャフト4255が回転することが可能になる。
ここでも、軸方向係止具は、例えば、エンドエフェクタ40の第1の実施形態に関連して上述した駆動アセンブリ82のコネクタ86の保持シャフト255内に形成されたコネクタ要素ポケット310内に配置された軸方向コネクタ要素306に類似のものを含めて、複数の異なる構成とすることができることが理解されよう。他の構成も企図される。
エンドエフェクタ4040の第4の実施形態では、補助ギアセット4434は事実上、中間シャフト4256と第2のインターフェース体4450との間で増速器として作用し、したがって、第1の回転係止具RL1のペグ4452は、第1の駆動比DR1で駆動されるのに対して、第2の回転係止具RL2の十字孔4448は、第2の駆動比DR2で駆動され、中間シャフト4256と同時に回転する。ここで、中間シャフト4256の回転は、中間結合具4460を介して補助キャリア4444へ伝達される。補助キャリア4444が回転すると、補助遊星歯車4440は、補助リング歯車4438および補助太陽歯車4442に噛合係合したまま、第2の軸A2の周りで周回して特有の軸の周りを回転し、したがって、補助太陽歯車4442は、第2の軸A2の周りを補助キャリア4444より速く回転する。したがって、上述したように、伝動装置が異なるギアセット間を「シフト」することを必ずしも必要とすることなく、駆動アセンブリ4082によって異なる所定の駆動比で、異なるツール4042を駆動することができる。
上述したように、手術用システム30のエンドエフェクタの第5の実施形態が、図35~図38Bに示されている。以下の説明では、エンドエフェクタ40の第1の実施形態の構造および構成要素と同じまたは他の方法で対応している第5の実施形態の構造および構成要素は、同じ参照番号を5000増大させた番号を有する。エンドエフェクタ5040の第5の実施形態の構成要素および特徴の多くは、上述したエンドエフェクタ40の第1の実施形態のものに実質的に類似しているため、明瞭性、一貫性、および簡潔性の目的で、エンドエフェクタ5040の第5の実施形態とエンドエフェクタ40の第1の実施形態との特定の具体的な違いについてのみを以下に説明し、これらの実施形態間で共通の構成要素および特徴のいくつかのみを本明細書に論じ、図面に示す。
したがって、それだけに限定されるものではないが、以下に別途指示がない限り、エンドエフェクタ40の第1の実施形態の説明を、エンドエフェクタ5040の第5の実施形態に対して参照により組み込むことができる。同様に、前述の実施形態の対応する構成要素および特徴に類似しているエンドエフェクタ5040の第5の実施形態の特定の構成要素および特徴は、すべての介在する実施形態に対して、同じ参照番号を1000にさらに1000を足した値だけ増大させた番号を有するものとして図面に参照し、または他の方法で示すことができる(例えば、第5の実施形態の場合、第4の実施形態に関連して説明した構成要素は、1000増大するはずであり、第3の実施形態に関連して説明した構成要素は、2000増大するはずであり、第2の実施形態に関連して説明した構成要素は、3000増大するはずである)。
図35~図38Bを次に参照すると、取付具5078、回転機器5080およびそのアクチュエータ5166(概略的に示す)、ならびに駆動アセンブリ5082を備えるエンドエフェクタ5040の第5の実施形態が、概略的に示されている。上述した第1の実施形態と比較すると、エンドエフェクタ5040の第5の実施形態は、概して、異なる構成の操作具アセンブリ5088および駆動アセンブリ5082を用いており、ギアトレイン5084の一部を形成する駆動導管5462を介してツール5042を「トップローディング」式に固定するように構成される。これらの構成要素のそれぞれについて、以下により詳細に説明する。
図35~図36に最もよく示すように、エンドエフェクタ5040の第5の実施形態は、エンドエフェクタ2040の第2の実施形態に関連して上述したものと同じ操作具アセンブリ5088、グリップ5090、および入力操作具5092を備える。やはり上述した第2の実施形態と同様に、エンドエフェクタ5040の第5の実施形態では、回転機器5080および駆動アセンブリ5082は、第1の軸A1に対して第2の軸A2が固定されるように構成される。言い換えれば、ここでもこの実施形態では、駆動アセンブリ5082の駆動体5250は、回転機器5080に対して動くように配置されていない。しかし、以下の後述する説明から理解されるように、駆動アセンブリ5082および/または回転機器5080は、エンドエフェクタ40の第1の実施形態に類似の方法で第1の軸A1の周りの相対的な位置決めを可能にすることなどのために、異なる形で構成することもできる。他の構成も企図される。
エンドエフェクタ5040の第5の実施形態の駆動アセンブリ5082は、上述しかつ以下により詳細に説明するように、異なるタイプのツール5042の「トップローディング」を容易にするために、駆動導管5462を備えるため、第5の実施形態の手動インターフェース5094は、駆動アセンブリ5082自体の一部としてではなく、駆動アセンブリ5082に固定されているツール5042のビットインターフェース5128によって実現される。しかし、この構成は例示であり、以下の後述する説明から理解されるように、エンドエフェクタ5040は、駆動アセンブリ5082の一部を形成しながら、それでもなお駆動導管5462を利用してツール5042の「トップローディング」を可能にする別個の手動インターフェース5094を備えることもできる。他の構成も企図される。
図36~図38Bを次に参照すると、エンドエフェクタ5040の第5の実施形態では、駆動アセンブリ5082の駆動導管5462は、第2の軸A2の周りを回転するように支持されており、ベベルギアセット5272の出力歯車5276に動作可能に取り付けられる。したがって、ここでもこの実施形態では、第1の軸A1は第2の軸A2とは異なる(図35も参照されたい)。より具体的には、この実施形態では、第1の軸A1は第2の軸A2に実質的に直交する。しかし、後述する第8の実施形態から理解されるように、第1の軸A1は、第2の軸A2に平行になるように、またはさらには第2の軸A2と一致することなどのために、異なる形で配置することもできることが企図される。他の構成も企図される。第5の実施形態では、ベベルギアセット5272はまた、出力歯車5276が入力歯車5274とは構成上異なることから、減速を提供する。したがって、この実施形態では、第1の軸A1の周りの回転を第2の軸A2の周りの回転に変換することに加えて、ベベルギアセット5272はまた、第1の軸A1と第2の軸A2との間で回転トルクを調整する。
上述したエンドエフェクタ4040の第4の実施形態と同様に、第5の実施形態では、ギアトレイン5084はまた、第1の軸A1に沿って配置された遊星減速ギアセット5286を用いる。ここで、減速ギアセット5286は、回転機器5080のアクチュエータ(図35参照、アクチュエータは詳細には図示せず)と、駆動アセンブリ5082の駆動導管5462との間で回転連係するように介在し、したがって、第1の軸A1の周りの回転は、第1の回転係止具RL1の第2の軸A2の周りの回転とは異なる(例えば、より速い)速度で生じる。さらに、上述したエンドエフェクタ3040の第3の実施形態と同様に、第1のギアセットGS1と第2のギアセットGS2との間の「シフト」を容易にし、それに対応して異なる駆動比DR1、DR2で異なるタイプのツール5042を駆動するために、伝動装置5372が設けられる。これらの構成要素のそれぞれの特有の配置について、以下により詳細に説明する。
エンドエフェクタ5040の第5の実施形態の駆動アセンブリ5082は、第1の回転係止具RL1および軸方向係止具ALを用いて、ツール5042を第2の軸A2の周りで固定することを容易にする。第1の回転係止具RL1は、第2の軸A2の周りで同時に回転するように、駆動導管5462に動作可能に取り付けられる。軸方向係止具ALは、手術用ロボット32(図1参照)によって維持される軌道Tに沿って駆動導管5462と同時に並進するように、ツール5042を解放可能に固定するように設けられ、駆動アセンブリ5082とツール5042との間の相対運動が第2の軸A2に沿って可能である解放形態ACR(図37A参照、ツール5042は図示せず)と、駆動アセンブリ5082とツール5042との間の相対運動が第2の軸A2に沿って制限されるロック形態ACL(図37B~図37C参照)との間で動作可能である。第5の実施形態の軸方向係止具ALの構成について、以下により詳細に説明する。
第5の実施形態では、第1の回転係止具RL1はキー孔を備え、キー孔は、各ツール5042のインターフェース端5468と作業端5470との間に配置されたツール体5466内に形成された相応の形状の導管回転保持器5464に係合するように成形された略「正方形」の形状を有する(図36参照)。以下の後述する説明から理解されるように、ツール体5466は、インターフェース端5468と作業端5470との間に任意の好適な数の構成要素によって画定することができる。同様に、インターフェース端5468および/または作業端5470は、ツール体5466自体の一部、ツール体5466に動作可能に取り付けられた別個の構成要素、および/またはツール5042に解放可能に取り付けられた構成要素(例えば、固定具、ハンドルアセンブリなど)として画定することもできることが理解されよう。他の構成も企図される。各ツール5042のツール体5466内には、インターフェース端5468と作業端5470との間に配置された導管軸方向保持器5472も形成され、導管軸方向保持器5472は、ロック形態ACLで軸方向係止具ALによって係合される(図37B~図37C参照)。この実施形態では、回転切断ツール5044の作業端5470は概して、遠位切断端5044Dに対応し、回転駆動ツール5048の作業端5470は概して、作業端5470に固定された固定具5050の遠位先端5050Dに対応する(図36参照、固定された状態では図示せず)。さらに、この実施形態では、インターフェース端5468は概して、第2の軸A2の周りを回転するように駆動アセンブリ5082に固定された回転切断ツール5044、回転駆動ツール5048、または別のタイプのツール5042のビットインターフェース5128に対応する。
構成上類似しているが、ツール体5466の導管回転保持器5464および導管軸方向保持器5472は、ビットインターフェース5128の回転保持器5132および軸方向保持器5130とは異なることが理解されよう。具体的に、第5の実施形態では、ビットインターフェース5128の回転保持器5132および軸方向保持器5130は、ハンドルアセンブリ(この実施形態では図示せず)に解放可能に固定するための手動インターフェース5094の一部を形成するのに対して、ツール体5466の導管回転保持器5464および導管軸方向保持器5472は、この実施形態では事実上コネクタとして働く第1の回転係止具RL1および軸方向係止具ALによる係合を介して、ツール5042を駆動アセンブリ5082に解放可能に取り付けることを容易にする。さらに、第5の実施形態では、ツール5042はそれぞれ、同じ第1の回転係止具RL1および同じ軸方向係止具ALに係合するように構成される。
上述しかつ以下により詳細に説明するように、伝動装置5372と協働して第1のギアセットGS1と第2のギアセットGS2との間を「シフト」することを容易にするために、回転駆動ツール5048のツール体5466は、第1のシャフト部分5474を備え、回転切断ツール5044のツール体5466は、第2のシャフト部分5476を備える。第1のシャフト部分5474および第2のシャフト部分5476はどちらも、ツール体5466のインターフェース端5468と作業端5470との間(より具体的には、この実施形態では、導管軸方向保持器5472と導管回転保持器5464との間)に配置される。第1のシャフト部分5474および第2のシャフト部分5476はどちらも、伝動装置5372の伝動リンク機構5392の切換器5394の少なくとも一部分に当接、係合、または他の方法で接触するように成形および配置される。以下により詳細に説明するように、切換器5394は、第2の軸A2に沿って配置された階段状の外側形状および円筒形の内側形状を含む略管状の形状を有する。第2のシャフト部分5476は、第1のシャフト部分5474より作業端5470の方へさらに下がっているため(図37B~図37Cを比較されたい)、以下により詳細に説明するように、伝動装置5372の切換器5394と第1のシャフト部分5474との間の当接は、第1のギアセットGS1の係合を容易にするのに対して(図37B参照)、切換器5394と第2のシャフト部分5476との間の当接は、第2のギアセットGS2の係合を容易にする(図37C参照)。
図35~図37Cを次に参照すると、駆動アセンブリ5082の駆動導管5462は、概して5478で示す駆動孔を画定し、駆動孔5478は、駆動孔5478を通って第2の軸A2に沿ってツール5042の作業端5470を受け取るように成形される。言い換えれば、駆動孔5478は、回転駆動ツール5048の駆動キー5124または回転切断ツール5044の遠位切断端5044Dよりサイズが大きい。ここで、駆動アセンブリ5082は、概して、近位入口5480および反対の遠位出口5482を画定し、駆動導管5462は、近位入口5480と遠位出口5482との間で連係するように介在し、軸方向係止具ALが解放形態ACRにあるとき、ツール5042の作業端5470を第2の軸A2に沿って近位入口5480内へ挿入し、駆動孔5478を通って遠位出口5482から手術部位ST(図1参照)の方へ前進させることを可能にする。図37Aに最もよく示すように、この実施形態では、駆動導管5462は、駆動孔5478の遠位出口5482を画定するが、近位入口5480は、以下により詳細に説明するように、駆動アセンブリ5082の別の部分によって画定される。しかし、他の構成も企図され、いくつかの実施形態では、駆動導管5462は、別法として、近位入口5480またはさらには駆動孔4478全体を画定することが理解されよう。
第5の実施形態では、遠位出口5482に隣接して配置された駆動孔5478の少なくとも一部分が、第1の回転係止具RL1を画定し、第1の回転係止具RL1は、軸方向係止具ALがロック形態ACLにあるとき、インターフェース端5468と作業端5470との間のツール5042の少なくとも一部分(ここでは、導管回転保持器5464)に係合するように成形され、したがって、ツール5042の作業端5470は、駆動孔5478の遠位出口5482の遠位に配置される。ここでも、ツール5042のインターフェース端5468は、軸方向係止具ALがロック形態ACLにあるとき、駆動孔5478の近位入口5480の近位に配置される。
上述したように、エンドエフェクタ5040の第5の実施形態では、駆動アセンブリ5082のギアトレイン5084は、回転機器5080のアクチュエータ(図35参照、アクチュエータは詳細には図示せず)と駆動導管5462との間で回転連係するように介在する伝動装置5372を備える。ここでも、伝動装置5372は、第1のギアセットGS1、第2のギアセットGS2、および変換カラー5386を備え、変換カラー5386は同様に、第1のカラー位置CP1(図37B参照)と第2のカラー位置CP2(図37C参照)との間を動くように配置される。図37Bに示す第1のカラー位置CP1で、変換カラー5386は、第1のギアセットGS1に係合して、第1の駆動比DR1で回転機器5080のアクチュエータ(図35参照、アクチュエータは詳細には図示せず)と駆動導管5462との間で回転を変換する。図37Cに示す第2のカラー位置CP2で、変換カラー5386は、第2のギアセットGS2に係合して、第2の駆動比DR2で回転機器5080のアクチュエータ(図35参照、アクチュエータは詳細には図示せず)と駆動導管5462との間で回転を変換する。
図37A~図37Cに最もよく示すように、上述した第3の実施形態と同様に、ここでもエンドエフェクタ5040の第5の実施形態では、リング歯車5288に噛合係合するように配置されるのではなく、第1の組の遊星歯車5290A、第2の組の遊星歯車5290B、および第3の組の遊星歯車5290Cはそれぞれ、伝動装置5372の変換カラー5386の内歯5384に噛合係合するように配置される。しかし、この実施形態では、変換カラー5386の内歯5384はまた、変換カラー5386が第2のカラー位置CP2(図37C参照)にあるとき、動力入力シャフト5252のシャフト歯5388にスプライン係合で選択的に係合するように配置されるのに対して、第3の実施形態では、シャフト歯3388は、中間シャフト3256上に形成される。入力体5374内に配置されたベアリング5262によって容易になる動力入力シャフト5252の回転は、第3の太陽歯車5292Cと同時に生じる。ここでもこの実施形態では、変換カラー5386の外歯5390は同様に、変換カラー5386が第1のカラー位置CP1(図37A~図37B参照)にあるとき、リング歯車5288にスプライン係合で選択的に係合するように配置される。
この実施形態では、リング歯車5288は中間体5378上に形成され、変換カラー5386の動きは実質的に、中間体5378内で第1の軸A1に沿って生じる(図37B~図37Cを比較されたい)。この目的で、切換器ガイド5484が、変換カラー5386に当接して変換カラー5386と同時に動き、切換器ガイド5484は同様に、ブレース5396が切換器ガイド5484を通過して第1の組のピン5294Aに支持を提供することが可能になるように成形される。この実施形態では、第1の組のピン5294Aを支持するブレース5396は、エンドエフェクタ3040の第3の実施形態に関連して説明したように保持シャフト3255上ではなく、キャリアシャフト5422上に形成される。この実施形態では、中間体5378内にリンク機構付勢要素5398が配置され、リンク機構付勢要素5398は、軸方向係止具ALが解放形態ACL(図37A参照)にあるとき、またはツール5042が他の方法で駆動導管5462内に配置されていないとき、変換カラー5386に当接して、変換カラー5386を第1の軸A1に沿って第1のカラー位置CP1の方へ動かす。
ベベルギアセット5272の入力歯車5274は、キャリアシャフト5422に結合され、キャリアシャフト5422は、駆動体5250および中間体5378に動作可能に取り付けられたキャリア支持体5486内に配置されたベアリング5262によって、回転するように支持される。キャリアシャフト5422は、キャリア孔5488を画定し、切換器ガイド5484の一部分は、キャリア孔5488内へ配置され、ピストン要素5490は、キャリア孔5488を通って第1の軸A1に沿って延びる。この実施形態では、ピストン要素5490は、切換器ガイド5484と同様に、伝動リンク機構5392の一部を形成する。ピストン要素5490は、キャリア孔5488および切換器ガイド5484内に配置されたベアリング5262によって支持され、第1のカラー位置CP1と第2のカラー位置CP2との間を切換器ガイド5484および変換カラー5386と同時に動く。
図37A~図38Bを次に参照すると、切換器5394の第2の軸A2に沿った対応する動きに応答して、ピストン要素5490および切換器ガイド5484を第1の軸A1に沿って同時に動かすことを容易にするために、伝動リンク機構5392はまた、ピストンピン5494によってピストン要素5490に旋回式に結合されたピストンリンク部材5492を備える。ピストンリンク部材5492は、概して、駆動体5250内に配置され、切換器5394の周りに「ウィッシュボーン」配置で延びる。ピストンリンク部材5492は、リンクピン5498によってそれぞれのカムリンク部材5496に旋回式に接続され、カムリンク部材5496は、カムピン5502によって旋回取付具5500に旋回式に結合される。旋回取付具5500は、ファスナによって駆動体5250に結合されており、カムピン5502が概してリンクピン5498より出力歯車5276の近くに配置されるように成形される。各カムリンク部材5496は、それぞれのカムリンク面5504(図38A~図38B参照)を画定し、カムリンク面5504は、ベアリングシート5508によって画定された対応するベアリングシート面5506に係合するように配置され、ベアリングシート面5506に沿って摺動する。ここで、ベアリングシート5508は、第2の軸A2の周りでベアリング5262を支持し、ベアリング5262は、切換器5394を支持する。
上述したように、第5の実施形態では、切換器5394は、階段状の外側形状および略円筒形の内側形状を有する。より具体的には、切換器5394は、近位切換器端5512と遠位切換器端5514との間に延びる切換器孔5510を備え、近位切換器端5512から切換器段差部5518へ延びる第1の外側部分5516と、切換器段差部5518から遠位切換器端5514へ延びる第2の外側部分5520とを有する。ここで、第2の外側部分5520は、ベアリングシート5508上に配置されたベアリング5262を通って延び、切換器段差部5518は、ベアリング5262に当接するように配置される。
切換器5394の第2の外側部分5520は、略円筒形の形状を有し、第1の回転係止具RL1の上に配置された駆動孔5478の第2の円筒形領域5522内に受け取られるように成形される。上述したように、この実施形態では、駆動孔5478および第1の回転係止具RL1はどちらも、出力歯車5276によって画定される。出力歯車5276は、駆動体5250に動作可能に取り付けられた下部カバー5524内に配置されたベアリング5262によって回転可能に支持される。変換カラー5386がカラー位置CP1、CP2のいずれにあるときも(図38A~図38C参照)、切換器5394の第2の外側部分5520の少なくとも一部分は、出力歯車5276によって画定された円筒形領域5522内に配置されたままである。図示の実施形態では、切換器5394は、出力歯車5276と同時に回転するように特に配置されていないが、切換器孔5510は、「トップローディング」式で第2の軸A2に沿ってツール5042の一部分を受け取るように同様に成形されることから、事実上駆動孔5478の延長であると見なすことができることが理解されよう。ここでも、エンドエフェクタ5040の第5の実施形態では、切換器5394は、事実上駆動導管5462の延長であると見なすことができることが理解されよう。
切換器5394の第1の外側部分5516はまた、略円筒形の形状を有し、保持シャフト5255の第1の円筒形領域5526内に受け取られるように成形され、この実施形態では、保持シャフト5255は、駆動体5250内に配置されたベアリング5262によって回転可能に支持されており、ツール5042のツール体5466内に形成された導管軸方向保持器5472に係合するように、軸方向係止具ALの一部として働く。ここでこの実施形態では、保持シャフト5255の第1の円筒形領域5526は、駆動アセンブリ5082の近位入口5480を画定し、切換器孔5510と同様に、「トップローディング」式で第2の軸A2に沿ってツール5042の一部分を受け取るように同様に成形されることから、事実上駆動孔5478の延長であると見なすことができる。ここでも、エンドエフェクタ5040の第5の実施形態では、保持シャフト5255は、事実上駆動導管5462の延長であると見なすことができることが理解されよう。
図37A~図37Cに示すように、この実施形態では、保持シャフト5255内で近位入口5480に隣接してコネクタ要素ポケット5310が形成され、軸方向コネクタ要素5306をコネクタ要素ポケット5310内に収容するように成形される。軸方向コネクタ要素5306は、実質的に球形の構成を備え、フランジ部材5302が第2の軸A2に沿って動いたことに応答して、第2の軸A2に対して径方向に動く(図37A~図37Cを比較されたい)。ここでこの実施形態では、軸方向傾斜面5312が、フランジ部材5302とは別個の構成要素として形成された傾斜部材5528によって画定され、傾斜部材5528は、ベアリング5262によってフランジ部材5302に対して回転するように支持される。傾斜部材5528は、フランジ部材5302と同時に動き、したがって、軸方向傾斜面5312が保持シャフト5255に対して動くと、軸方向コネクタ要素5306は第2の軸A2に対して径方向に動く。エンドエフェクタ5040の第5の実施形態では、フランジ部材5302、傾斜部材5528、保持シャフト5255、および軸方向コネクタ要素5306は、軸方向係止具ALを画定するように協働し、それによって軸方向コネクタ要素5306は、ロック形態ACL(図37B~図37C参照)にあるとき、ツール5042の導管軸方向保持器5472に係合し、解放形態ACR(図37A参照、ツール5042は図示せず)にあるとき、第2の軸A2から離れて導管軸方向保持器5472から係合解除される。
図36~図38Bを次に参照すると、上述したように、導管回転保持器5464および導管軸方向保持器5472は、ツール5042(ここでは、回転切断ツール5044および回転駆動ツール5048)の両方に対して同じように、駆動アセンブリ5082の軸方向係止具ALと第1の回転係止具RL1との間の相対的な間隔に対応して、ツール体5466に沿って互いに対して隔置される。しかし、回転駆動ツール5048の第1のシャフト部分5474および回転切断ツール5044の第2のシャフト部分5476は、それぞれのツール5042のツール体5466に沿って、導管回転保持器5464と導管軸方向保持器5472との間を異なる形で延びるため、近位切換器端5512との係合により、切換器5394は、いずれのツール5042が軸方向係止具ALに固定されているかに応じて(図37A~図37Cを比較されたい)、第2の軸A2に沿って異なる位置へ動く。図示の実施形態では、第2のシャフト部分5476は、第1のシャフト部分5474より導管回転保持器5464の近くに配置されているため(図36参照)、切換器5394は、回転駆動ツール5048が軸方向係止具ALに固定されたときより、回転切断ツール5044が軸方向係止具ALに固定されたときに、第1の回転係止具RL1の近くへ動く(図37Cを図37Bと比較されたい)。
切換器5394が第2の軸A2に沿って動く結果、それに対応して変換カラー5386が伝動リンク機構5392を介して第1の軸A1に沿って動くため、第5の実施形態では、伝動装置5372は同様に、使用者が伝動装置5372を「手動でシフト」することを必要とすることなく、ツール5042の構成に基づいて、ギアセットGS1、GS2間を「自動的にシフト」することが理解されよう。逆に、切換器5394が第2の軸A2に沿って動くことで、ベアリングシート5508も動き、それによりカムリンク部材5496は、カムリンク面5504がベアリングシート面5506を摺動すると、旋回取付具5500に固定されたカムピン5502の周りを旋回する(図38A~図38Bを比較されたい)。カムリンク部材5496のこの動きにより、ピストンリンク部材5492は、カムリンク部材5496に結合されたリンクピン5498の周りを旋回し、それによりピストン要素5490は、ピストンピン5494によって与えられる接続を介して、キャリアシャフト5422のキャリア孔5488内を動く。その結果、ピストン要素5490は、第1のカラー位置CP1と第2のカラー位置CP2との間を切換器ガイド5484および変換カラー5386と同時に動く(図38B~図38Cを比較されたい)。
上述したように、駆動アセンブリ5082の駆動導管5462は、異なるタイプのツール5042を「トップローディング」式に解放可能に固定するように構成される。この構成により、とりわけロボットアーム36を介してベース34および/または手術部位STに対して利用可能な関節動作量(図1参照)に基づいて、特定のタイプの手術処置および/または特定のタイプのツール5042に対して著しい利点が得られる。より具体的には、「トップローディング」は、1つのツールの取り外しおよび/もしくは別のツールの次の取付けのために手術部位STに対して十分な隙間を提供するように、エンドエフェクタを実質的に動かすこともしくは他の方法でエンドエフェクタの位置を変えることが望ましくないもしくは実際的でないシナリオで、または外科医によって利用される手法の結果、1つのタイプのツールにとって十分であるが、異なるタイプのツールにとっては望ましくないもしくは実行可能でない形で、ロボットアーム36がベース34に対して関節動作されるシナリオで、利用することができることが有利である。言い換えれば、特定のタイプのツールは、「トップローディング」式の取付けを容易にするために、「ボトムローディング」式ほどロボットアーム36を全体的に動かす必要がないことが企図され、「トップローディング」式は、「ボトムローディング」式で普通なら利用することができるものより、ベース34および手術部位STに対するロボットアーム36の関節動作範囲を利用する改善された機会を提供することができることが企図される。
上記の例は、限定ではなく例示であり、第1、第2、第3、および第4の実施形態に関連して説明した「ボトムローディング」式を、手術処置中に順次利用される異なるツールとともに利用することもでき、特定の状況では、「トップローディング」式より好ましいこともあることが理解されよう。同様に、「ボトムローディング」式にツールを固定するように構成されたエンドエフェクタと、「トップローディング」式にツールを固定するように構成されたエンドエフェクタとの両方に対する特定のシナリオで、ツール間の変化を容易にするための軌道Tに沿ったエンドエフェクタの動きを行うことができ、またはさらには望ましいこともあることが理解されよう。それにもかかわらず、1つのツール5042を完全に取り外し、別のツール5042を「ボトムローディング」式に取り付けるのに十分な隙間を提供するためには、軌道Tに沿って望ましくない量の動きが普通なら必要とされるほどに、順次利用される異なるツール5042の長さが異なる場合、エンドエフェクタ5040の第5の実施形態によって与えられる「トップローディング」式は特に有利である。
上述したように、手術用システム30のエンドエフェクタの第6の実施形態が、図39A~図44Bに示されている。以下の説明では、エンドエフェクタ40の第1の実施形態の構造および構成要素と同じまたは他の方法で対応している第6の実施形態の構造および構成要素は、同じ参照番号を6000増大させた番号を有する。エンドエフェクタ6040の第6の実施形態の構成要素および特徴の多くは、上述したエンドエフェクタ40の第1の実施形態のものに実質的に類似しているため、明瞭性、一貫性、および簡潔性の目的で、エンドエフェクタ6040の第6の実施形態とエンドエフェクタ40の第1の実施形態との特定の具体的な違いについてのみを以下に説明し、これらの実施形態間で共通の構成要素および特徴のいくつかのみを本明細書に論じ、図面に示す。
したがって、それだけに限定されるものではないが、以下に別途指示がない限り、エンドエフェクタ40の第1の実施形態の説明を、エンドエフェクタ6040の第6の実施形態に対して参照により組み込むことができる。同様に、前述の実施形態の対応する構成要素および特徴に類似しているエンドエフェクタ6040の第6の実施形態の特定の構成要素および特徴は、すべての介在する実施形態に対して、同じ参照番号を1000にさらに1000を足した値だけ増大させた番号を有するものとして図面に参照し、または他の方法で示すことができる(例えば、第6の実施形態の場合、第5の実施形態に関連して説明した構成要素は、1000増大するはずであり、第4の実施形態に関連して説明した構成要素は、2000増大するはずであり、第3の実施形態に関連して説明した構成要素は、3000増大するはずであり、第2の実施形態に関連して説明した構成要素は、4000増大するはずである)。
図39A~図44Bを次に参照すると、取付具6078、回転機器6080およびそのアクチュエータ6166(概略的に示す)、ならびに駆動アセンブリ6082を備えるエンドエフェクタ6040の第6の実施形態が、概略的に示されている。上述した第1の実施形態と比較すると、エンドエフェクタ6040の第6の実施形態は、概して、異なる構成の操作具アセンブリ6088および駆動アセンブリ6082を用いており、第5の実施形態に類似した方法で、駆動導管6462を介してツール6042を「トップローディング」式に固定するように構成される。これらの構成要素のそれぞれについて、以下により詳細に説明する。
図39A~図40に最もよく示すように、第6の実施形態では、駆動アセンブリ6082は同様に、結合器6230を介して回転機器6080に解放可能に取り付けられるように構成され、したがって、駆動アセンブリ6082を第1の軸A1の周りに異なる方法で位置決めすることによって、第1の軸A1に対して第2の軸A2を動かすことができる。第6の実施形態では、操作具アセンブリ6088は、上述した操作具アセンブリ3088の第3の実施形態に構造上類似しているグリップ6090および入力操作具6092を用いる。ここでも、操作具アセンブリ6088のフレーム6134は、第1のフレーム本体6362および第2のフレーム本体6364を備える。第1のフレーム本体6362は同様に、第1の操作具アセンブリ位置P1(図39A~図39B参照)および第2の操作具アセンブリ位置P2(図39C参照)を含む複数の操作具アセンブリ位置間を同時に動くように、保持器6136に結合される。さらに、第2のフレーム本体6364は同様に、第1のグリップ位置G1(図39A参照)および第2のグリップ位置G2(図39B~図39C参照)を含む複数のグリップ位置間を第1のフレーム本体6362に対して動くように、グリップ6090および入力操作具6092を支持する。しかし、この実施形態では、第2のフレーム本体6364は、第3の実施形態に関連して説明および図示した並進運動とは対照的に、第1のグリップ位置G1と第2のグリップ位置G2との間を第1のフレーム本体6362に対して旋回するように配置される。
図39Aに示す第1のグリップ位置G1にあるとき、第2のフレーム本体6364の少なくとも一部分は、手動インターフェース6094へのアクセスを制限し、この実施形態では、手動インターフェース6094は、上述した第5の実施形態のように、「トップローディング」式に駆動導管6462に固定されたツール6042のビットインターフェース6128によって実現される。さらに、以下により詳細に説明するように、第1のグリップ位置G1にあるとき、入力操作具6092は同様に、使用者によって係合されると、回転機器6080を駆動して、駆動導管6462に固定されているツール6042を第2の軸A2の周りで回転させるように配置される。しかし、図39Bに示す第2のグリップ位置G2にあるとき、第2のフレーム本体6364は、使用者から印加された力を受け取ってツール6042を第2の軸A2の周りで回転させることを容易にするように、手動インターフェース6094に対して隔置関係で配置される。第2のフレーム本体6364はまた、複数のグリップ位置G1、G2間の動きに依存することなく、複数の操作具アセンブリ位置P1、P2間を第1のフレーム本体6362と同時に動くように配置される(図39A~図39Cを比較されたい)。
エンドエフェクタ6040の第6の実施形態では、第2のフレーム本体6364は、第1のグリップ位置G1(図39A参照)と第2のグリップ位置G2(図39B参照)との間を旋回するように配置され、この旋回運動は、第1の軸A1および第2の軸A2の両方に実質的に直交して配置された旋回軸VAに沿って生じる。この目的で、図41に最もよく示すように、旋回ピン6530が、第1のフレーム本体6362および第2のフレーム本体6364をともに旋回式に結合し、第1のフレーム本体6362に動作可能に取り付けられたテンショナ6532が、第1のフレーム本体6362に対する第2のフレーム本体6364の動きを制限するように、第2のフレーム本体6364内に形成されたテンショナスロット6534内へ延びる。ここで、テンショナスロット6534は、第1のグリップ位置G1および第2のグリップ位置G2を事実上画定する弧状の形状を有しており、旋回軸VAの周りの回転に対して調整可能な量の抵抗を提供するために、または他の方法で、第1のグリップ位置G1および第2のグリップ位置G2で、もしくは第1のグリップ位置G1と第2のグリップ位置G2との間で、第1のフレーム本体6362に対して第2のフレーム本体6364を「ロック」するために利用することもできる。
図41に示すように、第6の実施形態では、操作具アセンブリ6088のリンク機構6178は、概して6536で示すケーブル配置を用いて、第1の入力位置I1と第2の入力位置I2との間の入力操作具6092の対応する動きに応答して、ピストン6182が動くことを容易にする(第1の入力位置I1を図41に示す)。この目的で、ケーブル配置6536は、第1のフレーム本体6362および第2のフレーム本体6364にそれぞれ結合された1対のテンショナアセンブリ6540間に延びる可撓導管6538を備える。ワイヤ6542(図41に概略的に示す)が、入力操作具6092およびピストン6182に結合され、テンショナアセンブリ6540および可撓導管6538を通って延び、したがって、入力操作具6092が動く結果、それに対応してピストン6182も動き、ピストン6182は、回転機器6080のフォークガイド6188に係合してフォークガイド6188を動かす(図40参照)。この構成により、第2のフレーム本体6364が第1のフレーム本体6362に対して旋回することを容易にしながら、第1のグリップ位置G1(図39A参照)、第2のグリップ位置G2(図39B参照)、または第1のグリップ位置G1と第2のグリップ位置G2との間の任意の他のグリップ位置のいずれにおいても、入力操作具6092を第1の入力位置I1と第2の入力位置I2との間で動かすことができることが確実になる。
図40および図42Bを次に参照すると、エンドエフェクタ6040の第6の実施形態に関連して合計3つの異なる例示的なタイプのツール6042が示されており、ツール6042はそれぞれ、上述したエンドエフェクタ5040の第5の実施形態のように、第2の軸A2に沿って駆動アセンブリ6082の駆動導管6462内へ「トップローディング」するように構成される。より具体的には、図40は、解剖ツール6544と、固定具6050を駆動する際に使用するための回転駆動ツール6048の一種とを示し、図42Bは、位置合わせツール6546を概略的に示す。以下により詳細に説明するように、回転駆動ツール6048は、前述の実施形態と比較した構造上の違いを有するが、それにもかかわらず、駆動導管6462を通って延び、回転機器6080を介して第2の軸A2の周りで駆動されるように、駆動アセンブリ6082の第1の回転係止具RL1および軸方向係止具ALに「トップローディング」式に解放可能に取り付けられるように構成される。図示の実施形態では、解剖ツール6544および位置合わせツール6546は、やはり第2の軸A2に沿って駆動導管6462内に受け取られるように構成される一方で、第1の回転係止具RL1または軸方向係止具ALに取り付けられるように構成されていない。ここで、解剖ツール6544および位置合わせツール6546は、第2の軸A2に沿って駆動導管6462内へ挿入することができ、手術用ロボット32(図1参照)によって手術部位STに対して位置決めすることができることから、「受動」ツール6042として実現されるが、回転駆動ツール6048のような「能動」ツール6042として回転機器6080によって駆動されるものではない。上記で紹介したもの以外の他のタイプの「能動」および/または「受動」ツール6042も、本開示によって企図される。
第6の実施形態に関連して示す代表的な例では、解剖ツール6544および位置合わせツール6546などの「受動」ツール6042は、駆動導管6462に依存することなく、第2の軸A2の周りで自由に回転することが可能であり、第2の軸A2に沿って駆動導管6462から離れる方へ並進することができる。言い換えれば、この実施形態では、「受動」ツール6042は、第1の回転係止具RL1または軸方向係止具ALに係合しないが、それにもかかわらず、第2の軸A2に沿って駆動導管6462内へ挿入することができ、使用者が軸方向係止具ALに相互作用することを必要とすることなく、駆動導管6462から取り外すことができる。「受動」ツール6042とは対照的に、「能動」ツール6042は、第1の回転係止具RL1および軸方向係止具ALの両方に係合し、第2の軸A2の周りで駆動導管6462と同時に回転し、駆動導管6462からの取り外しを容易にするために使用者が軸方向係止具ALと相互作用することを必要とする。
第6の実施形態に関連して示す「受動」ツール6042は、第1の回転係止具RL1または軸方向係止具ALに係合することなく、第2の軸A2に沿って駆動導管6462内に受け取られるように構成されているが、特定のタイプの「受動」ツール6042は、第1の回転係止具RL1には係合しないが軸方向係止具ALに係合するように構成することもでき、したがって、第2の軸A2の周りで自由な回転が可能になるが、第2の軸A2に沿った並進は抑制されるはずであることが企図される。
図40および図43Bに最もよく示すように、解剖ツール6544は概して、解剖シャフト6548および解剖カニューレ6550を備える。解剖シャフト6548は、インターフェース端6468に配置されたノブ6552と、作業端6470に配置された先端6554との間に、解剖カニューレ6550を通って延びるように成形される。解剖カニューレ6550は、停止要素6558から歯付端6560へ延びるガイド体6556を備え、ガイド体6556は、停止要素6558に隣接する第1の先細り段差部6562および歯付端6560に隣接する第2の先細り段差部6564によって示された略円筒形の形状を有する。ここで、解剖カニューレ6550のガイド体6556は、ツール体6466として働き、停止要素6558と駆動アセンブリ6082との間の当接が第2の軸A2に沿ったさらなる並進運動を制限するまで、第2の軸A2に沿って駆動導管6462内へ挿入することができる。解剖カニューレ6550は、駆動導管6462内で自由に回転することができる。解剖シャフト6548は、解剖シャフト6548の先端6554がガイド体6556の歯付端6560を越えて延びるまで、第2の軸A2に沿って解剖カニューレ6550内へ挿入することができる。ここでも、解剖シャフト6548は、解剖カニューレ6550内で第2の軸A2の周りを自由に回転することができる。解剖シャフト6548のノブ6552は、解剖カニューレ6550を通って解剖シャフト6548を前進または後退させることを容易にすることなどのために、使用者によって把持されるように成形および配置される。印加された力がエンドエフェクタ6040に作用することに応答してロボットアーム36の関節動作を可能にする様々なタイプの「触覚」または「自由」モードなどで、手術用ロボット32(図1参照)のベース34に対してエンドエフェクタ6040を動かしまたは他の方法で位置決めすることを容易にするために、ノブ6552を用いることができ、これを利用して、特定の手術処置の工程中に、手術部位STに対する動きを(例えば、軌道Tに沿って、または様々なタイプの仮想境界に基づいて)可能にすることができることも企図される。したがって、使用者は、手術用ロボット32(図1参照)が1つまたは複数の「触覚」または「自由」モードで動作するとき、ノブ6552を把持し、特定の方向に力を印加して、エンドエフェクタ6040を動かすことができる。
図42Bを次に参照すると、位置合わせツール6546は、駆動アセンブリ6082の駆動導管6462内に配置されたものとして概略的に示されている。この説明的な実施形態では、位置合わせツール6546のガイド体6556は、ツール体6466に類似しており、停止要素6558が駆動アセンブリ6082に当接したとき、停止要素6558から駆動導管6462の遠位に配置されたモジュール端6566へ、第2の軸A2に沿って延びる。しかし、以下の後述する説明から理解されるように、モジュール端6566は、本開示の範囲から逸脱することなく、駆動孔6478内に配置されることなどのために、異なる形で配置することもできる。
図示の実施形態では、概して6568で示す光源が、位置合わせツール6546のモジュール端6566に隣接してガイド体6556に結合される。光源6568は、位置合わせツール6546が第2の軸A2に沿って駆動アセンブリ6082の駆動導管6462内へ挿入されたとき、第2の軸A2(したがって、軌道T)と実質的に位置合わせされた光路LPに沿って、手術部位STの方へ光Lを放出するように構成される。ここで、停止要素6558に結合された起動ボタン6570が、使用者によって作動されたときに光Lを選択的に放出することを容易にするように、光源6568と電気通信するように配置することができる。光源6568に電力供給するために、ガイド体6556内に電池または別のタイプの電源(図示せず)を配置することができる。いくつかの実施形態では、光源6568は、レーザダイオードとして構成することができる。いくつかの実施形態では、光源6568の特有の構成に応じて、放出された光Lは、手術部位ST上へ投影された軌道Tに沿って位置合わせされた「ドット」として視覚化することができ、また光路LP(したがって、軌道T)に沿って位置合わせされた「ビーム」として視覚化することもできる。光源6568は、任意の好適な方法で視覚化するのに十分な任意の好適な波長で光Lを放出するように構成することができることが理解されよう。非限定的な例として、光Lは、直接的に(例えば、可視スペクトル内で)視覚化することができ、かつ/または間接的に(例えば、ディスプレイ画面上に提示されるカメラフィードによって)視覚化することができる。
さらに、図面全体にわたって示す本明細書に記載の光源6568に加えて、またはその代わりに、様々な異なるタイプの光源6568を利用することもできることが理解されよう。非限定的な例として、光源は、一般的な照明の目的などで、光Lを概して手術部位STの方へ誘導または他の方法で放出するように設けることができる。いくつかの実施形態では、光源6568は、開示が全体として参照により本明細書に組み込まれている、「Surgical Tool for Selectively Illuminating a Surgical Volume」という名称の米国特許出願公開第2013/0053648(A1)号に記載されているものと同様に構成することができる。他のタイプおよび構成の固定具50、ならびにその関連する設置も、本開示によって企図されることが理解されよう。さらに、いくつかの実施形態では、他のタイプの光学デバイス(例えば、カメラ)を用いることもできることが理解されよう。他の構成も企図される。
位置合わせツール6546は、駆動アセンブリ6082の駆動導管6462に取り外し可能に取り付けられるように構成されるため、光源6568および/または位置合わせツール6546全体は、手術処置後はリサイクルまたは再処理のために処分される「使い捨て」の構成要素として構成することができる。別法として、光源6568および/または位置合わせツール6546は、手術処置後に滅菌される「繰返し使用できる」構成要素として構成することができる。他の構成も企図される。
図42Aに示す代表的な実施形態では、光源6568は、駆動アセンブリ6082の駆動導管6462に取り外し可能に取り付けられるように構成されていない。逆に、この実施形態では、光源6568および起動ボタン6570は、第1のフレーム本体6362に対して同時に動くように、操作具アセンブリ6088の第2のフレーム本体6364に結合される。ここで、第2のフレーム本体6364が、図42Aに示す第1のグリップ位置G1に配置されたとき、光Lは、光源6568によって駆動導管6462を通って、第2の軸A2(したがって、軌道T)と位置合わせされた光路LPに沿って、手術部位STの方へ放出することができる。この構成により、ツール6042が駆動導管6462から取り外されたときも、第2の軸A2に沿ってカニューレが挿入されたツール6042(例えば、ガイドワイヤGWを受け取るため、この実施形態では図示せず)が、駆動導管6462内に位置決めされたときも、光源6568を利用することができる。さらに、図42Bに関連して上述したものと同様に、光源6568は、他のタイプ、構成などとすることができ、様々な異なる光学デバイス(例えば、カメラ、一般的な照明用のライトなど)を備えることができる。他の構成も企図される。
図43A~図43Cに示すように、第6の実施形態では、駆動アセンブリ6082のギアトレイン6084は同様に、ベベルギアセット6272を用いて、第1の軸A1の周りの回転を第2の軸A2の周りの回転に変換する。この目的で、入力歯車6274は、第1の軸A1の周りを同時に回転するようにキャリアシャフト6422に結合され、出力歯車6276は、第2の軸A2の周りを同時に回転するように駆動導管6462に結合され、駆動導管6462は、駆動体6250内に配置されたベアリング6262によって回転するように支持される。上述したエンドエフェクタ5040の第5の実施形態のように、ベベルギアセット6272はまた、入力歯車6274と出力歯車6276との間に減速をもたらし、第1の軸A1に沿って配置された遊星タイプの減速ギアセット6286を利用する。ここで、入力体6374内に配置されたベアリング6262によって容易になる動力入力シャフト6252の回転は、第3の太陽歯車6292Cと同時に生じる。キャリアシャフト6422は、中間体6378内に配置されたベアリング6262によって第1の軸A1の周りを回転するように支持され、第1の組のピン6294Aに動作可能に取り付けられる。第1の組の遊星歯車6290A、第2の組の遊星歯車6290B、および第3の組の遊星歯車6290Cはそれぞれ、リング歯車6288に噛合係合するように配置され、この実施形態では、リング歯車6288は入力体6374内に形成される。
図40および図43A~図44Bを次に参照すると、エンドエフェクタ6040の第6の実施形態では、第1の回転係止具RL1は、駆動導管6462内に駆動孔6478の近位入口6480に隣接して形成された駆動スプライン6572によって画定されたスプライン孔として実現される。駆動スプライン6572は、以下により詳細に説明するように、「能動」ツール6042の保持を容易にするために軸方向係止具ALに解放可能に取り付けられるように構成された遷移歯車6576の対応する外側遷移スプライン6574に解放可能に係合する。遷移歯車6576はまた、「能動」ツール6042のツール体6466内に形成された対応するツールスプライン6580に解放可能に係合する内側遷移スプライン6578を備える。駆動導管6462内に形成された駆動スプライン6572は、第2の軸A2に対して遠位出口6482の方へ内方に先細りする略円錐台形の形状を有する。遷移歯車6576の外側遷移スプライン6574は、駆動スプライン6572に噛合係合するように配置されるように、駆動スプライン6572に対して相補的に成形される(図43C~図43D参照)。内側遷移スプライン6578はまた、略円錐台形の形状を有するが、駆動スプライン6572のように遠位出口6482ではなく、第2の軸A2に対して近位入口6480の方へ内方に先細りする。ここでも、「能動」ツール6042のツール体6466内に形成されたツールスプライン6580は、内側遷移スプライン6578に噛合係合するように配置されるように、遷移歯車6576の内側遷移スプライン6578に対して相補的に成形される(図43C~図43D参照)。
駆動スプライン6572は、駆動導管6462内に形成された駆動シェルフ6582の近位に配置される。駆動シェルフ6582は、以下により詳細に説明するように、遠位出口6482から離れる方を向いている平坦なリング形の形状を有し、軸方向係止具ALを介して固定された「能動」ツール6042のツール体6466上に形成された当接面6584に係合するように成形および配置される。この構成は、ツール体6466を駆動孔6478内へどれだけ前進させることができるかを制限することによって、軸方向係止具ALがロック形態ACLにあるときに、ツール体6466が第2の軸A2に沿って駆動導管6462に対して適切に位置決めされることを確実にすることを助ける。
図43C~図43Dに最もよく示すように、第6の実施形態では、「能動」ツール6042のツール体6466はまた、当接面6584とツールスプライン6580との間に配置された係合フランジ6586を備える。係合フランジ6586は、当接面6584から離れる方を向いているフランジ面6588を画定する。ここで、フランジ面6588は、遷移歯車6576の遷移面6590に係合するように成形および配置される。遷移歯車6576はまた、遷移面6590から離れて取扱い面6594へ延びる取扱い部分6592を備え、第2の軸A2に沿って取扱い面6594と遷移面6590との間に延びる遷移孔6596を画定し、内側遷移スプライン6578は、遷移孔6596内に形成され、または他の方法で遷移孔6596によって画定される。取扱い部分6592と遷移歯車6576の外側遷移スプライン6574との間に遷移切欠6598が配置され、遷移切欠6598は、軸方向係止具ALがロック形態ACLで、第2の軸A2の周りで駆動導管6462と同時に回転するようにツール6042を固定するとき、駆動導管6462および「能動」ツール6042のツール体6466の両方に対する相対運動ならびに駆動導管6462と「能動」ツール6042のツール体6466との間の相対運動を制限することを容易にするように設けられる。
第6の実施形態では、ツール6042の一部分として形成されるのではなく、遷移切欠6598は、概して6600で示すロックアセンブリの一部を形成する1対の軸方向コネクタ要素6306との係合を介して、導管軸方向保持器6472として働く。図43Aおよび図43D~図44Bに最もよく示すように、ロックアセンブリ6600は、第2の軸A2の周りで同時に回転するように駆動導管6462に動作可能に取り付けられたロックハウジング6602を備える。ロックハウジング6602は、駆動孔6478の近位入口6480を事実上画定し、近位入口6480を通って第2の軸A2に沿ってツール6042の作業端6470を受け取るように同様に成形される。ロックハウジング6602は、スライダスロット6604を備え、スライダスロット6604内では、スライダ要素6606が、第2の軸A2に実質的に直交する方向に動くように支持される。軸方向コネクタ要素6306は、ロックハウジング6602に対して同時に動くようにスライダ要素6606に動作可能に取り付けられ、遷移切欠6598との係合を介して軸方向係止具ALを画定するように協働する。
図44A~図44Bに最もよく示すように、スライダ要素6606はガイドスロット6608を画定し、ガイドスロット6608内に、ロックハウジング6602に動作可能に取り付けられたガイドピン6610が配置される。ここで、ガイドスロット6608とガイドピン6610との間の協働により、解放形態ACRに関連する第1のスライダ要素位置SL1(図44B参照)と、ロック形態ACLに関連する第2のスライダ要素位置SL2(図44A参照)との間で、第2の軸A2に対して動くように、スライダ要素6606をスライダスロット6604内に保持する。スライダ要素6606に結合された軸方向コネクタ要素6306は、第1のスライダ要素位置SL1にあるときより第2のスライダ要素位置SL2にあるときに、第2の軸A2の近くに配置される。スライダスロット6604内に配置されてスライダ要素6606とロックハウジング6602との間に介在するスライダ付勢要素6612が、スライダ要素6606を第2のスライダ要素位置SL2の方へ動かす。スライダ係合ボタン6614が、スライダ要素6606と一体形成で設けられており、使用者によって係合されると、第2のスライダ要素位置SL2から第1のスライダ要素位置SL1へ動くように配置される。スライダ係合ボタン6614は、ロックハウジング6602によって画定された停止面6616に概して直交するように配置され、停止面6616は、駆動アセンブリ6082のうち、「受動」ツール6042の停止要素6558に当接する部分として働く(図43B参照)。
図43C~図44Bを次に参照すると、「能動」ツール6042を駆動アセンブリ6082の駆動導管6462に取り付けることを容易にするために、作業端6470を駆動孔6478の近位入口6480内へ挿入し、第2の軸A2に沿って前進させて遠位出口6482から出すことができ、第6の実施形態では、遠位出口6482は、下部カバー6524に隣接して駆動導管6462に動作可能に取り付けられた下部キャップ6618によって画定される。ここで、ツール体6466は、ツール6042の当接面6584が駆動導管6462の駆動シェルフ6582に係合するまで、駆動孔6478内へ前進させることができる。次に、使用者は、遷移歯車6576の取扱い部分6592を把持し、ツール6042のインターフェース端6468を遷移孔6596に通し、遷移歯車6576を第2の軸A2に沿って前進させて、遷移面6590をツール体6466のフランジ面6588の方へ動かしてフランジ面6588に当接させることができる。別法として、使用者は、遷移歯車6576をツール6042上へ「設置」して、内側遷移スプライン6578をツールスプライン6580に噛合係合させてから、作業端6470を駆動孔6478の近位入口6480内へ挿入することができる。駆動スプライン6572は、外側遷移スプライン6574に係合および噛合し、内側遷移スプライン6578は、ツールスプライン6580に係合および噛合して、第1の回転係止具RL1を画定し、したがって、駆動導管6462、遷移歯車6576、およびツール6042は、第2の軸A2の周りで同時に回転する。さらに、遷移歯車6576の遷移面6590がツール6042の係合フランジ6586に当接したとき、軸方向係止具ALは、スライダ要素6606によって保持される軸方向コネクタ要素6306と、遷移歯車6576内に形成された遷移切欠6598との間の係合によって画定されたロック形態ACLへ動いて、ツール6042と、遷移歯車6576と、駆動導管6462との間の第2の軸A2に沿った相対運動を防止する。
上述したように、手術用システム30のエンドエフェクタの第7の実施形態が、図45~図48Bに示されている。以下の説明では、エンドエフェクタ40の第1の実施形態の構造および構成要素と同じまたは他の方法で対応している第7の実施形態の構造および構成要素は、同じ参照番号を7000増大させた番号を有する。エンドエフェクタ7040の第7の実施形態の構成要素および特徴の多くは、上述したエンドエフェクタ40の第1の実施形態のものに実質的に類似しているため、明瞭性、一貫性、および簡潔性の目的で、エンドエフェクタ7040の第7の実施形態とエンドエフェクタ40の第1の実施形態との特定の具体的な違いについてのみを以下に説明し、これらの実施形態間で共通の構成要素および特徴のいくつかのみを本明細書に論じ、図面に示す。
したがって、それだけに限定されるものではないが、以下に別途指示がない限り、エンドエフェクタ40の第1の実施形態の説明を、エンドエフェクタ7040の第7の実施形態に対して参照により組み込むことができる。同様に、前述の実施形態の対応する構成要素および特徴に類似しているエンドエフェクタ7040の第7の実施形態の特定の構成要素および特徴は、すべての介在する実施形態に対して、同じ参照番号を1000にさらに1000を足した値だけ増大させた番号を有するものとして図面に参照し、または他の方法で示すことができる(例えば、第7の実施形態の場合、第6の実施形態に関連して説明した構成要素は、1000増大するはずであり、第5の実施形態に関連して説明した構成要素は、2000増大するはずであり、第4の実施形態に関連して説明した構成要素は、3000増大するはずであり、第3の実施形態に関連して説明した構成要素は、4000増大するはずであり、第2の実施形態に関連して説明した構成要素は、5000増大するはずである)。
図45~図48Bを次に参照すると、取付具7078、回転機器7080およびそのアクチュエータ7166(概略的に示す)、ならびに駆動アセンブリ7082を備えるエンドエフェクタ7040の第7の実施形態が、概略的に示されている。上述した第1の実施形態と比較すると、エンドエフェクタ7040の第7の実施形態は、概して、同じタイプの操作具アセンブリ7088を用いており、その駆動アセンブリ7082は、以下により詳細に説明するように、第5および第6の実施形態に類似した方法で、駆動導管7462を介してツール7042を「トップローディング」式に固定するように構成される。
第7の実施形態では、異なる構成の回転切断ツール7044およびメスツール7620を含む2つの例示的なタイプのツール7042が、図46に示されている。ここで、回転切断ツール7044は、第2の軸A2の周りで駆動導管7462と同時に回転するように適合された「能動」ツール7042として実現され、メスツール7620は、「受動」ツール7042として実現される。エンドエフェクタ6040の第6の実施形態に関連して上述した解剖ツール6544のように、図示のメスツール7620および回転切断ツール7044は同様に、ツール体7466のインターフェース端7468に配置されたノブ7552を用いる。しかし、図47Cに示すように、回転切断ツール7044のノブ7552は、インターフェース端7468に動作可能に取り付けられたベアリング7262を介して、ツール体7466に対して独立して回転するように配置される。ここでこの実施形態では、図示の回転切断ツール7044は、いかなるタイプの手動インターフェースも備えず、駆動アセンブリ7082の第1の回転係止具RL1および軸方向係止具ALによって保持されたまま、駆動導管7462との係合を介して第2の軸A2の周りを回転し、これらについてそれぞれ、以下により詳細に説明する。言い換えれば、この実施形態では、回転切断ツール7044は、使用者によって第2の軸A2の周りを「手動」で回転させられるように構成されておらず、代わりにここでは使用者によって把持することができるノブ7552を利用し、回転機器7080を利用して、回転を再び使用者の手へ伝達することなく、作業端7470を第2の軸A2の周りで回転させる。しかし、他の構成も企図され、1つまたは複数のツール7042は、前述の実施形態に関連して図示および説明したのものに類似している手動インターフェースを備えることもできることが理解されよう。
図47A~図48Bを次に参照すると、エンドエフェクタ7040の第7の実施形態では、駆動アセンブリ7082は同様に、駆動導管7462を利用して、回転機器7080によって生成されたトルクを介して第2の軸A2の周りでツール7042の「トップローディング」を駆動することを容易にする。ここでも、ギアトレイン7084は、動力入力シャフト7252とキャリアシャフト7422との間に介在する遊星タイプの減速ギアセット7286を備えており、入力歯車7274および出力歯車7276が互いに異なる構成を有することから、ベベルギアセット7272によって追加の減速が提供される。第7の実施形態では、入力歯車7274は、キャリアシャフト7422に結合されるのに対して、出力歯車7276は、コレット機構7624の一部を形成する先細り導管7622に結合され、コレット機構7624は、「能動」ツール7042の軸方向および回転方向の保持を容易にするように構成され、第1の回転係止具RL1および軸方向係止具ALとして働く。ここで、先細り導管7622は、駆動アセンブリ7082の駆動体7250内に配置されたベアリング7262を介して第2の軸A2の周りを回転するように支持され、下部キャップ7618および上部キャップ7626と同時に第2の軸A2の周りを回転する(図47A~図47C参照)。先細り導管7622は先細り孔7628を有し、先細り孔7628は、近位入口7480から離れて遠位出口7482に向かう方向に第2の軸A2に対して半径が増大する略円錐台形の形状を有する。先細り孔7628内には、相応の形状のコレット7630が配置され、この実施形態では、コレット7630は概して、駆動導管7462を画定し、近位コレット端7634から遠位コレット端7636へ延びる弾性コレット体7632を有する。
図47Aに最もよく示すように、弾性コレット体7632は、「ERコレット」構成を有する単体の一体型構成要素として実現され、略円筒形の形状を有するコレット孔7638を画定し、コレット孔7638は、駆動孔7478を画定する。以下により詳細に説明するように、弾性コレット体7632は、ツール体7466との係合を介してツール7042の保持を容易にするために、第2の軸A2の方へ少なくとも部分的に径方向内方に撓むように構成される。コレット7630はまた、先細り導管7622の先細り孔7628内に受け取られるように成形された近位コレット部分7640と、近位入口7480から離れて遠位出口7482に向かう方向に第2の軸A2に対して半径が減少する略円錐台形の形状を同様に有する遠位コレット部分7642と、近位コレット部分7640と遠位コレット部分7642との間に配置されたコレット切欠7644とを備える。
コレット切欠7644は、使用者によって係合されるように配置されたコレットノブ7648のコレット保持器7646を受け取る。ここで、コレットノブ7648は、コレット7630に結合されたコレット機構7624のコレットテンショナ7650の一部を形成し、第1のテンショナ位置TP1(図47Bおよび図48B参照)と第2のテンショナ位置TP2(図47Aおよび図48A参照)との間を動くように配置される。第1のテンショナ位置TP1は、ツール7042とコレット7630との間の相対運動が可能である軸方向係止具ALの解放形態ACRに関連し、第2のテンショナ位置TP2は、ツール7042とコレット7630との間の相対運動が制限される軸方向係止具ALのロック形態ACLに関連する。
図47Aおよび図48A~図48Bに最もよく示すように、コレットテンショナ7650のコレットノブ7648は、コレットノブ7648内に形成されたノブスロット7654を通って延びる1対のノブガイド7652(例えば、ファスナ)を介して、駆動アセンブリ7082の下部キャップ7618に動作可能に取り付けられる。ノブスロット7654は、第1のノブスロット端7656および第2のノブスロット端7658を有する略螺旋形の形状を有し、第1のノブスロット端7656および第2のノブスロット端7658は、ノブガイド7652を保持し、それによってそれぞれコレットテンショナ7650の第1のテンショナ位置TP1および第2のテンショナ位置TP2を画定するように成形される。ノブ付勢要素7660が、コレットノブ7648と下部キャップ7618との間に介在し、コレットテンショナ7650を第1のテンショナ位置TP1(図47Bおよび図48B参照)の方へ動かす。この構成により、ノブガイド7652は、使用者がコレットノブ7648を下部キャップ7618に対して回転させるまで、第1のノブスロット端7656および第2のノブスロット端7658内への「戻り止め」として機能し、第1のノブスロット端7656および第2のノブスロット端7658内に留まることが可能である。言い換えれば、使用者は、コレットノブ7648を回転させて、解放形態ACR(図47Bおよび図48B参照)とロック形態ACL(図47Aおよび図48A参照)との間で軸方向係止具ALを動かすことができる。
上述したノブスロット7654の構成のため、使用者によって印加される力を介してコレットノブ7648が回転する結果、コレットノブ7648も第2の軸A2に沿って並進する。さらに、コレットノブ7648のコレット保持器7646とコレット7630のコレット切欠7644との間の係合のため、コレットノブ7648が回転する結果、コレット7630も先細り導管7622の先細り孔7628内で第2の軸A2に沿って並進する。ここで、使用者が、コレットノブ7648に係合して、コレットテンショナ7650を第1のテンショナ位置TP1(図47Bおよび図48B参照)から第2のテンショナ位置TP2(図47A、図47C、および図48A参照)へ動かしたとき、コレット7630は、近位入口7480の方へ動き、近位コレット部分7640と先細り孔7628との間の係合を介して第2の軸A2の方へ径方向内方に圧縮される。「能動」ツール7042の場合、ツール7042のツール体7466が、コレット孔7638によって画定された駆動孔7478内に配置されたとき、この圧縮により、弾性コレット体7632の少なくとも一部分がツール体7466に押し付けられ、ツール7042を駆動導管7462に「締め付け」、それによって第1の回転係止具RL1および軸方向係止具ALの両方の動作を生じさせる。メスツール7620などの「受動」ツールの場合、コレットテンショナ7650は、第1のテンショナ位置TP1で利用され、第2のテンショナ位置TP2へ動かされることはない。
エンドエフェクタ7040の第7の実施形態では、「能動」および「受動」どちらのツール7042も、「トップローディング」式に第2の軸A2に沿って駆動導管7462内へ挿入することができ、駆動導管7462から取り出すことができる。この目的で、コレットテンショナ7650が第1のテンショナ位置TP1(図47B参照)にあるとき、作業端7470を近位入口7480に入れて、第2の軸A2に沿ってコレット孔7638(この実施形態では、駆動孔7478を画定する)内へ前進させ、遠位出口7482(この実施形態では、コレットノブ7648によって画定される)から出すことができる。図48Cに示すように、特定のタイプのツール7042は、インターフェース端7468に停止取付具7662を備えることができ、停止取付具7662は、停止面7616(この実施形態では、上部キャップ7626によって画定される)に当接し、それによってツール7042が第2の軸A2に沿って駆動孔7478内へさらに前進することを防止するように成形および配置される。しかし、他の構成も企図され、第2の軸A2に沿った駆動導管7462に対するツール7042の位置は、他の方法で制限することもできることが理解されよう。ツール7042が「能動」構成である場合、回転機器7080を介してツール7042を第2の軸A2の周りで駆動することを容易にするために、コレットテンショナ7650を第1のテンショナ位置TP1から第2のテンショナ位置TP2へ動かすことができる。しかし、ツールが「受動」構成である場合、コレットテンショナ7650は、上述したように第1のテンショナ位置TP1に留まることができる。
上述したように、手術用システム30のエンドエフェクタの第8の実施形態が、図49A~図63Fに示されている。以下の説明では、エンドエフェクタ40の第1の実施形態の構造および構成要素と同じまたは他の方法で対応している第8の実施形態の構造および構成要素は、同じ参照番号を8000増大させた番号を有する。エンドエフェクタ8040の第8の実施形態の構成要素および特徴の多くは、上述したエンドエフェクタ40の第1の実施形態のものに実質的に類似しているため、明瞭性、一貫性、および簡潔性の目的で、エンドエフェクタ8040の第8の実施形態とエンドエフェクタ40の第1の実施形態との特定の具体的な違いについてのみを以下に説明し、これらの実施形態間で共通の構成要素および特徴のいくつかのみを本明細書に論じ、図面に示す。
したがって、それだけに限定されるものではないが、以下に別途指示がない限り、エンドエフェクタ40の第1の実施形態の説明を、エンドエフェクタ8040の第8の実施形態に対して参照により組み込むことができる。同様に、前述の実施形態の対応する構成要素および特徴に類似しているエンドエフェクタ8040の第8の実施形態の特定の構成要素および特徴は、すべての介在する実施形態に対して、同じ参照番号を1000にさらに1000を足した値だけ増大させた番号を有するものとして図面に参照し、または他の方法で示すことができる(例えば、第8の実施形態の場合、第7の実施形態に関連して説明した構成要素は、1000増大するはずであり、第6の実施形態に関連して説明した構成要素は、2000増大するはずであり、第5の実施形態に関連して説明した構成要素は、3000増大するはずであり、第4の実施形態に関連して説明した構成要素は、4000増大するはずであり、第3の実施形態に関連して説明した構成要素は、5000増大するはずであり、第2の実施形態に関連して説明した構成要素は、6000増大するはずである)。
図49A~図63Fを次に参照すると、取付具8078、回転機器8080およびそのアクチュエータ8166、ならびに駆動アセンブリ8082を備えるエンドエフェクタ8040の第8の実施形態が、概略的に示されている。上述した他の実施形態と比較したとき、エンドエフェクタ8040の第8の実施形態は、回転機器8080および駆動アセンブリ8082が一体形成されるように構成される。言い換えれば、第8の実施形態では、駆動アセンブリ8082は、アクチュエータ8166に対して動くように配置されていない。さらに、以下により詳細に説明するように、エンドエフェクタ8040の第8の実施形態はまた、本明細書に前述した実施形態のように第1の軸A1が第2の軸A2と異なる(例えば、直交する)のではなく、第1の軸A1が第2の軸A2と一致するように構成される。より具体的には、第8の実施形態は、第1の軸A1がやはりアクチュエータ8166によって生成される回転トルクによって画定され、第2の軸A2がやはり駆動アセンブリ8082に固定されたツール8042の回転によって画定されるということから、前述の実施形態に類似しているが、この実施形態では、軸A1、A2は同じである。さらに、上述した他の実施形態と比較したとき、エンドエフェクタ8040の第8の実施形態は、以下により詳細に説明するように、第5、第6、および第7の実施形態と同様に、駆動導管8462を介して「トップローディング」式にツール8042を固定するように協働する異なる構成の操作具アセンブリ8088、駆動アセンブリ8082、第1の回転係止具RL1および第2の回転係止具RL2、ならびに軸方向係止具ALを用いる。
図49A~図49Bを次に参照すると、上述したように、エンドエフェクタ8040の第8の実施形態では、駆動アセンブリ8082および回転機器8080のアクチュエータ8166は一体形成されるため、機器ハウジング8168および駆動体8250は、同じ構成要素(以下、駆動体8250と呼ぶ)によって実現される。取付具8078は、駆動体8250に動作可能に取り付けられ、または他の方法で駆動体8250の一部として形成され、手術用ロボット32(図1参照)のロボットアーム36の結合具38に解放可能に取り付けられるように同様に適合される。取付具8078に加えて、操作具アセンブリ8088および保持機構8664もまた、駆動体8250に動作可能に取り付けられる。さらに、エンドエフェクタ8040の第8の実施形態では、駆動体8250は、アクチュエータサブアセンブリ8666、減速ギアセット8286、および駆動導管8462を収容し(図50参照)、アクチュエータサブアセンブリ8666は、回転機器8080およびそのアクチュエータ8166として働き、または他の方法で回転機器8080およびそのアクチュエータ8166を画定する。図56A~図59Bに関連して以下により詳細に説明するように、保持機構8664は、保護カバー8350を備え、第2の軸A2に沿って駆動導管8462へのツール8042の保持を容易にするように構成される。
図50に最もよく示すように、アクチュエータサブアセンブリ8666は概して、ロータサブアセンブリ8668およびステータサブアセンブリ8670を備える。ロータサブアセンブリ8668は、ステータサブアセンブリ8670内へ遠位に受け取られるように構成され、下部カバー8524を介して駆動体8250内で保持される。ステータサブアセンブリ8670は、駆動体8250内へ近位に受け取られ、アクチュエータ端板8672を介して保持され、アクチュエータ端板8672は、駆動体8250にねじ係合するように配置される(図57も参照されたい)。ステータサブアセンブリ8670は、ステータ8674(概略的に示す)およびモータセンサ8676を備え、モータセンサ8676は、とりわけアクチュエータ8166のコミュテーションを生じさせるために使用され、本明細書に示す代表的な実施形態では、アクチュエータ8166は、ロータアセンブリ8668の一部として形成されたロータ8678を有するインランナブラシレス直流電気モータとして実現される。
より具体的には、図51に最もよく示すように、ロータアセンブリ8668は、ロータ8678、減速ギアセット8286、および駆動導管8462を備える。ここで、ロータ8678は、略管形の形状を有し、キャリアシャフト8422内に形成されたパーチ8680上に位置し、したがって、この実施形態ではやはり略管形の形状を有するキャリアシャフト8422が、ロータ8678を通って延びる。アクチュエータリングクランプ8682が、ねじ係合を介してロータ8678をキャリアシャフト8422に固定し、キャリアシャフト8422は、駆動体8250内に配置されたベアリング8262によって支持され、したがって、減速ギアセット8286のロータ8678およびキャリアシャフト8422が、第2の軸A2(またこの実施形態では、第1の軸A1)の周りを同時に回転する。第8の実施形態では、キャリアシャフト8422はまた、減速ギアセット8286の第2のキャリア8298Bを画定し、以下により詳細に説明するように、第2の回転係止具RL2および駆動アセンブリ8082の駆動孔8478の近位入口8480の両方を画定する。
図51および図57を次に参照すると、駆動導管8462は、第2の軸A2に沿って近位導管端8684と遠位導管端8686との間に延び、近位導管端8684と遠位導管端8686との間に駆動アセンブリ8082の駆動孔8478の一部を形成する。第1の回転係止具RL1は、駆動導管8462の近位導管端8684に形成された第1の切欠8688として実現され、以下により詳細に説明するように、第2の軸A2の周りを回転するように、特定のツール8042を回転可能に固定するように構成される。減速ギアセット8286の第1の太陽歯車8292Aは、駆動導管8462と同時に回転するように、1つまたは複数の保持ピン8690(図59A~図59B参照)を介して遠位導管端8686で固定される。第1の太陽歯車8292Aは、第1の組の遊星歯車8290Aに噛合係合するように配置され、第1の組の遊星歯車8290Aはまた、リング歯車8288に噛合係合するように配置される。第1の組の遊星歯車8290Aは、第1のキャリア8298Aによって支持され、第1のキャリア8298Aは、キャリアシャフト8422によって画定された第2のキャリア8298Bのように、第2の太陽歯車8292Bに結合された略管形の形状を有し、駆動導管8462は、第2の太陽歯車8292Bを通って延びる。ここで、第1の組の遊星歯車8290Aは、ベアリング8262によって支持され、ベアリング8262は、第1のキャリア8298Aに結合された第1の組のピン8294Aによって支持される。
第2の太陽歯車8292Bは、1つまたは複数の保持ピン8690(図57参照)を介して第1のキャリア8298Aに固定され、第2の組の遊星歯車8290Bに噛合係合するように配置され、第2の組の遊星歯車8290Bはまた、リング歯車8288に噛合係合するように配置され、キャリアシャフト8422によって画定された第2のキャリア8298Bによって支持される。より具体的には、この実施形態では、キャリアシャフト8422は、遠位キャリア端8692と近位キャリア端8694との間に延び、減速ギアセット8286の第2のキャリア8298Bは、遠位キャリア端8692に隣接して配置される。ここで、第2の組の遊星歯車8290Bは、ベアリング8262によって支持され、ベアリング8262は、第2のキャリア8298Bに結合された第2の組のピン8294Bによって支持される。以下により詳細に説明するように、第2の回転係止具RL2は、第1の回転係止具RL1とは異なり、キャリアシャフト8422の近位キャリア端8694に形成された第2の切欠8696として実現され、第1の回転係止具RL1の回転に依存することなく、第2の軸A2の周りを回転するように、特定のツール8042を回転可能に固定するように構成される。
エンドエフェクタ8040の第8の実施形態では、減速ギアセット8286は、キャリアシャフト8422(上述したように、アクチュエータ8166のロータ8678と同時に回転する)内に形成された第2の切欠8696によって画定された第2の回転係止具RL2と、駆動アセンブリ8082の駆動導管8462内に形成された第1の切欠8688によって画定された第1の回転係止具RL1との間に、トルクの低減(および速度の増大)をもたらす2段遊星構成を用いる。言い換えれば、第8の実施形態では、駆動導管8462(および第1の回転係止具RL1)は、アクチュエータ8166(および第2の回転係止具RL2)より速い速度で回転する。さらに、第8の実施形態では、第2の回転係止具RL2の第2の軸A2の周りの回転は、アクチュエータ8166の第1の軸A1(この実施形態では、第2の軸A2と一致する)の周りの回転に対して、1:1の比で生じる。駆動導管8462とキャリアシャフト8422との間の相対回転は、第1のキャリア8298A上およびキャリアシャフト8422内に支持されたベアリング8262を介して容易になる(図57参照)。以下により詳細に説明するように、ツール8042が、第1の回転係止具RL1に係合して駆動導管8462と同時に回転するか、それとも第2の回転係止具RL2に係合してアクチュエータ8166と同時に回転するかにかかわらず、ツール8042がエンドエフェクタ8040に固定されているとき、ツール体8466の少なくとも一部分は、駆動導管8462を通って第2の軸A2に沿って延びる。
上述したように、エンドエフェクタ8040の第8の実施形態は、異なる構成の操作具アセンブリ8088および入力操作具8092を備え、入力操作具8092は、使用者によって係合されると、アクチュエータ8166によって生成される回転トルクを介してツール8042を駆動することを容易にするように配置される。図50に最もよく示すように、操作具アセンブリ8088は、概して、第1の操作サブアセンブリ8698と、1つまたは複数のファスナなどを介して第1の操作サブアセンブリ8698に動作可能に取り付けられた第2の操作サブアセンブリ8700とを備える(図57参照)。より具体的には、第1の操作サブアセンブリ8698は、上部取付板8702およびグリップ取付具8704を備え、グリップ取付具8704に第2の操作サブアセンブリ8698が取り付けられる。以下により詳細に説明するように、保持機構8664は、上部取付板8702に隣接して動作可能に取り付けられ、上部取付板8702はまた、概して8706で示す1対のインジケータハウジングを支持する。さらに、グリップ取付具8704は、以下により詳細に説明するように、保持機構8664の保護カバー8350を解放可能に固定するように構成された保護ロックサブアセンブリ8708を備える。
アクチュエータ端板8672に加えて、回路基板8710および中間取付板8712もまた、ステータサブアセンブリ8670と第1の操作サブアセンブリ8698の上部取付板8702との間に介在する。ここで、アクチュエータ端板8672は、ねじ係合を介して駆動体8250に固定され、回路基板8710は、1つまたは複数のファスナを介してアクチュエータ端板8672に固定される。同様に、中間取付板8712は、1つまたは複数のファスナを介して駆動体8250に固定され、上部取付板8702は、1つまたは複数のファスナを介して中間取付板8712に固定される。中間取付板8712は、様々なシール8270およびファスナ(例えば、ボルト、サークリップなど)を支持し、概してエンドエフェクタ8040の組立ての容易さを促進する。
図示の実施形態では、ステータサブアセンブリ8670は、割出しタブ8714を備え、割出しタブ8714は、下部カバー8524から離れて、アクチュエータ端板8672内に形成された板開口8716および回路基板8710内に形成された基板開口8718の両方を通って延びる。この構成は、駆動体8250および駆動体8250内に支持されたモータセンサ8676に対するステータアセンブリ8670の位置合わせを容易にすることを助け、図示の実施形態では、モータセンサ8676は、回路基板8710に取り付けられた基板コントローラ8720(概略的に示す、電気接続は図示せず)と電気通信するように配置される。ここで、基板コントローラ8720は、以下により詳細に説明するように、とりわけ手術用システム30の他の構成要素と通信し、アクチュエータ8166のコミュテーションおよび/または動作を容易にし、エンドエフェクタ8040の様々な入力(例えば、追加のセンサ)および/または出力(例えば、インジケータ)を制御するために利用することができる。
図52~図54を次に参照すると、第2の操作サブアセンブリ8700は、1つまたは複数のファスナなどによって、第1の操作サブアセンブリ8698のグリップ取付具8704に動作可能に取り付けられる。第2の操作サブアセンブリ8700は、概して、グリップ8090と、入力操作具8092と、入力操作具8092内に位置する操作付勢要素8212とを備える(図54参照)。ここでエンドエフェクタ8040の第8の実施形態では、第1の入力位置I1と第2の入力位置I2との間の入力操作具8092の動きは、グリップ8090に固定された操作センサキーパ8724内に支持された操作センサ8722を介して判定され(図53A~図53B参照)、入力操作具8092は、ピンおよびスロット配置を介してグリップ8090に対して保持される(詳細には図示せず)。
操作センサ8722は、回路基板8710上に取り付けられた基板コントローラ8720と電気通信するように配置され(図50参照、電気接続は図示せず)、入力操作具8092に結合された第1の操作用発信体8726および第2の操作用発信体8728の動きに応答して、第1の入力位置I1と第2の入力位置I2との間を同時に動く(図54参照)。この目的で、入力操作具8092は、第1の入力位置I1にあるとき、第1の操作用発信体8726が操作センサ8722に隣接して配置され、第2の入力位置I2にあるとき、第2の操作8728が操作センサ8722に隣接して配置されるように構成される。操作センサキーパ8724はまた、入力ボタン8730を支持し、入力ボタン8730は同様に、基板コントローラ8720(図50参照、電気接続は図示せず)と電気通信するように配置され、使用者によって係合されるように配置される。入力ボタン8730は、ファスナを介してグリップ8090に固定されたグリップカバー8734内に形成されたカバー開口8732内に位置し、使用者によって係合されると、手術用システム30の追加の制御を容易にするように配置される。入力ボタン8730は、エンドエフェクタ8040の複数の異なる態様の制御(例えば、触覚モードへの切換え)を容易にするように構成することもできることが理解されよう。他の構成も企図される。
入力操作具8092および入力ボタン8730に加えて、第2の操作サブアセンブリ8700はまた、使用者による係合を介して左右のスイッチ位置(詳細には図示せず)間をグリップ8090に対して旋回するようにスイッチシャフト8738によって支持された入力スイッチ8736を備える。ここで、基板コントローラ8720と電気通信するように配置されたスイッチセンサ8740が、グリップ8090内に位置する(図50参照、電気接続は図示せず)。スイッチセンサ8740は、入力スイッチ8736に結合されたスイッチ用発信体8742の動きに応答して、グリップ8090に対して同時に動く。図示の実施形態では、使用者からの係合解除中に入力スイッチ8736を左右のスイッチ位置のうちの一方で維持するために、概して8744で示すスイッチ戻り止め配置が設けられる。詳細には図示しないが、スイッチ用発信体8742は、スイッチ戻り止め配置8744によって維持された左右のスイッチ位置のうちの一方でスイッチセンサ8740に隣接して配置され、左右のスイッチ位置のうちの他方でスイッチセンサ8740から隔置され、したがって、基板コントローラ8720は、左右のスイッチ位置間で区別することができる。上述した入力ボタン8730のように、入力スイッチ8736の動きを利用して、手術用システム30の追加の制御を容易にすることができる。非限定的な例として、上述した左右のスイッチ位置間の入力スイッチ8736の動きは、例えば、ツール8042を第2の軸A2の周りで時計回り方向および反時計回り方向に回転させるための、それぞれの「順」方向および「逆」方向のアクチュエータ8166の動作に対応することができる。他の構成も企図される。
図55~図57を次に参照すると、第1の操作サブアセンブリ8698は、第1の保護位置U1で保持機構8664の保護カバー8350を解放可能に固定することを容易にするように構成され、第8の実施形態では、第1の保護位置U1は、ツール8042が第1の回転係止具RL1および第2の回転係止具RL2のうちの一方によって回転可能にも、軸方向係止具ALによって軸方向にも保持されることを確実にする。ここで、以下に続く保持機構8664の説明から理解されるように、第1の保護位置U1はまた、ロック形態ACLにおける軸方向係止具ALの動作を画定し、上述したエンドエフェクタ2040の第2の実施形態とは異なり、手動インターフェース8094へのアクセスを促進する。
ロック形態ACLにおける軸方向係止具ALの動作を維持するために、第1の操作サブアセンブリ8698の保護ロックサブアセンブリ8708は、グリップ取付具8704に対する保持機構8664の保護カバー8350の動きを選択的に抑制する。この目的で、図55に最もよく示すように、保護ロックサブアセンブリ8708は、キーパ取付具8750をグリップ取付具8704に固定するファスナによって画定されたレバーファスナシャンク8748を介して、グリップ取付具8704に対して旋回するように支持された保護レバー8746を備える。保護レバー8746は、レバーファスナシャンク8748上に支持された1対のワッシャ8214間に配置されており、レバーつめ8752を備え、レバーつめ8752は、以下により詳細に説明するように、レバー付勢要素8756を介して保持機構8664のつめ停止部材8754に係合するように配置される。キーパ取付具8750はまた、ロック形態ACLと解放形態ACRとの間を同時に動くように保護レバー8746に結合されたレバー用発信体8760の動きに応答するレバーセンサ8758を支持する。保護ロックサブアセンブリ8708はまた、キーパ取付具8750に結合された上部垂直止め8762と、それぞれグリップ取付具8704に結合された下部垂直止め8764および側方止め8766とを備える。以下により詳細に説明するように、ロック形態ACLで、つめ停止部材8754は、レバーつめ8752と側方止め8766との間に係合するように配置され、上部垂直止め8762および下部垂直止め8764はそれぞれ、それぞれ保持機構8664に結合された上部垂直部材8768および下部垂直部材8770に係合する(図56C参照)。
図55を引き続き参照すると、第1の操作サブアセンブリ8698の保護ロックサブアセンブリ8708はまた、グリップ取付具8704内で下部垂直止め8764に隣接して支持された保護センサ8772を備える。保護センサ8772は、保持機構8664に結合された保護用発信体8774(図56Bおよび図56D参照)の位置の変化に応答する。保護センサ8772およびレバーセンサ8758はどちらも、基板コントローラ8720と電気通信するように配置されており(図50参照、電気接続は図示せず)、以下により詳細に説明するように、ロック形態ACLと解放形態ACRとの間の軸方向係止具ALの動作を判定するように協働する。さらに、第1の操作サブアセンブリ8698の上部取付板8702に結合されたインジケータハウジング8706はそれぞれ、1対のインジケータモジュール8776(例えば、発光ダイオード)を備え、インジケータモジュール8776は同様に、基板コントローラ8720と電気通信するように配置されており(図50参照、電気接続は図示せず)、エンドエフェクタ8040に関連する様々な対応する構成もしくは動作パラメータまたは他の形で所定の構成もしくは動作パラメータに応答して、色、状態、明るさなどを変化させることによって、視覚フィードバックを使用者に提供するために用いることができる。非限定的な例として、インジケータモジュール8776は、軸方向係止具ALが解放形態ACRにあるときに赤色光を放出することができ、軸方向係止具ALがロック形態ACLにあるときは緑色光を放出することができる。他の構成も企図される。
第1の操作サブアセンブリ8698および第2の操作サブアセンブリ8700に動作可能に取り付けられた様々な電気構成要素と、回路基板8710上に取り付けられた基板コントローラ8720および/または他の構成要素との間の電気通信は、それだけに限定されるものではないが、有線接続、無線通信などを含む複数の異なる方法で容易にすることができることが理解されよう。さらに、エンドエフェクタ8040の第8の実施形態では、操作具アセンブリ8088は、概して駆動体8250に対して動くように配置されていないが、いくつかの実施形態では、操作具アセンブリ8088のすべてまたは一部分は、動くように、または他の方法で使用者によって選択的に位置決めされるように構成することもできることが理解されよう。非限定的な例として、グリップ8090のすべてまたは一部分は、1つまたは複数のセンサ、ボタンなどが回路基板8710および/または駆動体8250に対してグリップ8090と同時に動くように、可動(例えば、回転可能)とすることができる。そのような実施形態では、開示が全体として参照により本明細書に組み込まれている、「Rotating Switch Sensor for a Robotic System」という名称の2018年5月31日出願の米国仮特許出願第62/678,838号に記載されているように、電気通信を容易にすることができる。他の構成も企図される。
図49Bを次に参照すると、回転切断ツール8044、および固定具8050を有する回転駆動ツール8048という、エンドエフェクタ8040の駆動導管8462に「トップローディング」で取り付けられるように構成された2つのタイプのツール8042が示されている。ここで、ツール8042はそれぞれ、ツール体8466上でインターフェース端8468と作業端8470との間に形成されたベアリング要素8778を備える。ベアリング要素8778は、遠位出口8482に隣接して画定された駆動孔8478の一部分を画定するベアリング8262を係合するように成形および配置される(図59B参照)。この構成により、第2の軸A2の周りを回転するようにツール8042の位置合わせを促進することを助ける。各ツール8042はまた、ツール体8466のインターフェース端8468に配置された近位キー体8780を備える。図49Bに示す代表的なツール8042のそれぞれに対する近位キー体8780は互いに異なるが、それぞれ第2の軸A2に実質的に直交する近位キー面8782を画定する。円筒形の外側形状を有する近位キー要素8784が、ツール体8466の作業端8470から離れる方向に、近位キー面8782から延びる。以下により詳細に説明するように、近位キー面8782および近位キー要素8784は、保持機構8664と協働して、軸方向係止具ALの動作を容易にする。
第8の実施形態では、図示のタイプのツール8042はそれぞれ、近位キー要素8784とベアリング要素8778との間に介在する異なる構成の導管回転保持器8464を有する。より具体的には、回転切断ツール8044は、第1の切欠要素8788と、第1のシート面8792を画定する第1のシートフランジ8790とを有する第1のシート要素8786を備え、回転駆動ツール8048は、第2の切欠要素8796と、第2のシート面8800を画定する第2のシートフランジ8798とを有する第2のシート要素8794を備える。第1のシート要素8786は、駆動導管8462内に配置されるように成形および配置され、第1の切欠要素8788は、第1の切欠8688内に配置され、第1のシート面8792は、駆動導管8462の近位導管端8684に当接して、第1の回転係止具RL1を画定する(図58A~図58D参照)。第2のシート要素8794は、キャリアシャフト8422内に配置されるように成形および配置され、第2の切欠要素8796は、第2の切欠8696内に配置され、第2のシート面8800は、キャリアシャフト8422の近位キャリア端8694に当接して、第2の回転係止具RL2を画定する(図63A~図63E参照、詳細には図示せず)。
図56A~図57を次に参照すると、上述したように、エンドエフェクタ8040の第8の実施形態では、保持機構8664は、軸方向係止具ALを画定し、保護カバー8350を備える。ここで、保護カバー8350は同様に、駆動導管8462に対するツール8042の「トップローディング」の挿入および取り外しを容易にするように、第1の保護位置U1(図56A~図56D参照)から第2の保護位置U2(図57参照)へ可動である。さらに、軸方向係止具ALは、ロック形態ACL(図56A~図56B参照)と解放形態ACR(図56C~図56D参照)との間で、保護ロックサブアセンブリ8708に対して係合および係合解除するように動かすことができる。ここでエンドエフェクタ8040の第8の実施形態では、軸方向係止具ALをロック形態ACLへ動かす前に、保護カバー8350を第1の保護位置U1に配置する必要があり、これにより同時に、保持機構8664を介して固定されたツール8042と駆動導管8462との間の相対運動を制限し、保護ロックサブアセンブリ8708を介して保護カバー8350と駆動体8250との間の相対運動も制限する。この目的で、図56Bおよび図57に最もよく示すように、保護カバー8350の保護体8352は、ノブガイドスロット8802を備えており、保護ノブ8806に結合されたノブ保持器8804が、ノブガイドスロット8802に沿って移動する。ノブ保持器8804は、ベアリング8262を支持しており、以下により詳細に説明するように、軸方向係止具ALの動作を容易にするために、保護ノブ8806が回転すると、ノブガイドスロット8802に沿って進む。
1つまたは複数のファスナ(例えば、リング、サークリップなど)およびノブキーパ8808を介して、保護ノブ8806が保護体8352から取り外されることが防止され、ノブキーパ8808は、保護ノブ8806に係合して保護ノブ8806を保護体8352から離れる方へ動かすように配置された保護ノブ付勢要素8810を支持する。この構成により、保護ノブ8806に係合して軸方向係止具ALをロック形態ACL(図56A~図56Bおよび図58D参照)から解放形態ACR(図56C参照~図56Dおよび図58C)へ動かしたとき、触覚フィードバックが使用者に提供され、またその結果、使用者が保護ノブ8806を回転させ、ノブ保持器8804がノブガイドスロット8802に沿って移動するにつれて解放形態ACRからロック形態ACLへ動かしたとき、保護ノブ付勢要素8810が圧縮される。
図56A~図58Dを次に参照すると、保持機構8664はまた、保護ノブ8806に動作可能に取り付けられたキーハブ8812およびキーカラー8814を備える。ベアリング8262が、保護ノブ8806に対して回転するようにキーハブ8812を回転可能に支持し、軸方向係止具ALが解放形態ACRとロック形態ACLとの間を動くとき、キースラストベアリング8816が、キーハブ8812と保護ノブ8806との間の結合を防止することを助ける。キーカラー8814は、キーカラースロット8818を備えており、キーカラースロット8818内で、キーハブ8812に結合されたキーピン8820が動くように配置される。この構成により、キーハブ8812に対するキーカラー8814の動きの制限を容易にしながら、キーカラー8814が保持される。キーハブ8812とキーカラー8814との間に介在するキーカラー付勢要素8822が、キーカラー8814を概してキーハブ8812から離れる方へ動かす。ツール8042のうちの一方が、駆動導管8462を通って挿入され、保護カバー8350が、図58Cに示す第1の保護位置U1へ動かされたとき、キーハブ8812およびキーカラー8814はどちらも、ツール8042の近位キー要素8784から隔置されている。ここで、キーカラー8814は、キーハブ8812より近位キー要素8784の近くに配置されており、その後、軸方向係止具ALがロック形態ACLの方へ動くと、保護ノブ8806が回転することで、キーカラー8814がツール体8466の近位キー面8782に当接し、ロック形態ACLで、キーカラー付勢要素8822が圧縮される。図58Dに示すように、キーハブ8812は、ロック形態ACLにあるとき、ツール8042の近位キー要素8784を受け取るように成形され、キーハブ8812およびキーカラー8814の両方の部分が、近位キー面8782に当接するように配置される。この構成により、近位キー要素8784をキーハブ8812内へ案内することを助け、キーハブ8812は、第2の軸A2の周りのツール8042の位置合わせを容易にすることを助ける。
キーカラー8814およびキーハブ8812はそれぞれ、保護カバー8350が第1の保護位置U1にあるとき、近位入口8480に隣接して駆動孔8478と連係するように配置された略円筒形の内側形状を有する。さらに、保護カバー8350は、キーカラー8814およびキーハブ8812の内側形状と連係するように配置された略円筒形のノブ開口8824を備える。この構成により、ノブ開口8824を通って手動インターフェース8094にアクセスする能力が使用者に提供され、エンドエフェクタ8040の第8の実施形態では、ノブ開口8824は、図60~図62Bに関連して以下により詳細に説明するように、回転駆動ツール8048の一部として実現される。
図56Cに最もよく示すように、下部垂直部材8770は、保護体8352に結合されており、保護カバー8350が第1の保護位置U1にあるときは、グリップ取付具8704に結合された下部垂直止め8764に当接する。上部垂直部材8768、つめ停止部材8754、および保護用発信体8774(図56D参照)はそれぞれ、保護体8352に対して同時に動くように保護ノブ8806に結合される。保護ノブ8806が回転し、軸方向係止具ALを図56C~図56Dに示す解放形態ACRから図56A~図56Bに示すロック形態ACLへ動かしたとき、つめ停止部材8754はまず、保護レバー8746のレバーつめ8752に接触し、それにより保護レバー8746を旋回させ、その後、保護ノブ8806の回転が継続して、つめ停止部材8754を側方止め8766に当接させる。ここで、図56A~図56Bに示すロック形態ACLにおいて、レバー付勢要素8756は、保護レバー8746をつめ停止部材8754に押し付け、つめ停止部材8754はまた、側方止め8766に当接するように配置される。ここでも、上部垂直部材8768は、上部垂直止め8762に当接する。したがって、ロック形態ACLにおいて、使用者が保護レバー8746に係合してつめ停止部材8754を解放するまで、保護体8352およびグリップ取付具8704に対する保護ノブ8806の動きが抑制される。上述したように、グリップ取付具8704に結合された保護センサ8772は、保護ノブ8806に結合された保護用発信体8774の動きに応答し、したがって、基板コントローラ8720は、ロック形態ACLと解放形態ACRとの間の軸方向係止具ALの動きを判定することができる。同様に、グリップ取付具8704に結合されたレバーセンサ8758は、保護レバー8746に結合されたレバー用発信体8760の動きに応答し、したがって、基板コントローラ8720は、保護レバー8746の動きを判定することができる。
図60~図62Bを次に参照すると、上述したように、図示の回転駆動ツール8048は、エンドエフェクタ8040の第8の実施形態に「トップローディング」式に解放可能に取り付けられるように適合され、エンドエフェクタ8040の第8の実施形態は、エンドエフェクタ40の第1の実施形態に関連して上述した回転駆動ツール48と比較したとき、異なる構成のロックサブアセンブリ8810を使用して、固定具8050に解放可能に取り付けられるように構成される。ここで第8の実施形態では、図60に最もよく示すように、支持管8106は概して、ツール体8466を画定し、作業端8470に隣接する雄ねじ8120と、インターフェース端8468に隣接する輪郭体8108との間に延び、ベアリング要素8778は、雄ねじ8120と輪郭体8108との間に配置される。ドライブシャフト8104は、支持管8106内に回転可能に支持されるように同様に配置されており、作業端8470に隣接する駆動キー8124と、インターフェース端8468に隣接する六角部分8826との間に延びる。六角部分8826内に形成されたロック要素戻り止め8828が、以下により詳細に説明する特定の条件下でドライブシャフト8104および支持管8106が同時に回転することを容易にするために、ドライブシャフトロック要素8830を受け取るように成形される。
第2のシート要素8794は、支持管8106とは別個の構成要素として形成され、輪郭体8108に隣接して配置される。ここで、同時に並進し、第2の軸A2の周りを回転するように、1対のファスナが第2のシート要素8794をキャリッジ8832に固定する。キャリッジ8832は概して、概して第2のシート要素8794に固定されるキャリッジリング8834と、キャリッジブリッジ8836と、キャリッジリング8834とキャリッジブリッジ8836との間に延びてキャリッジリング8834およびキャリッジブリッジ8836に一体化される1対のキャリッジアーム8838とを備える。キャリッジブリッジ8836は、第1のキャリッジ面8840と、反対の第2のキャリッジ面8842とを画定する。ここで、近位キー体8780および近位キー要素8784は、近位キー面8782が第1のキャリッジ面8840から隔置され、かつ第1のキャリッジ面8840に実質的に平行になるように、第1のキャリッジ面8840から延びる。キャリッジパイロット8844が、第2のキャリッジ面8842からキャリッジリング8834の方へ延びており、ドライブシャフトロック要素8830を支持するように成形された1対のロック要素ポケット8846を備える。キャリッジパイロット8844はまた、キャリッジパイロット8844を通って(近位キー要素8784から)延びる六角孔8848を備え、六角孔8848は、ドライブシャフト8104の六角部分8826を受け取るように成形される。ここでも第8の実施形態では、六角孔8848はまた、手動インターフェース8094として働き、ノブ開口8824を通って第2の軸A2に沿ってアクセス可能である(図58D参照)。この実施形態では図示しないが、手動インターフェース8094は、キャリッジ8832を第2の軸A2の周りで回転させるように、相応の形状のハンドルアセンブリを介して係合することができることが理解されよう。
図60~図62Bを引き続き参照すると、回転駆動ツール8048のロックサブアセンブリ8810はまた、ロック体8114を備え、ロック体8114は、輪郭体8108とキャリッジ8832との間に配置されており、ロックサブアセンブリ8810が動力伝達ロック形態DL(図61Aおよび図62A参照)で動作するとき、輪郭体8108とのスプライン係合8112を介して支持管8106と同時に回転することができる。しかし、支持管8106は、ロックサブアセンブリ8810が動力伝達ロック解除構成DUで動作するとき、ドライブシャフト8104に依存することなく回転することができ、動力伝達ロック解除構成DUでは、輪郭体8108とロック体8114との間のスプライン係合8112が中止される(図61Bおよび図62B参照)。ここで、ロック体8114上に形成されたロックシート8852によって支持されたロック体付勢要素8850が、輪郭体8108内に配置され、ロックサブアセンブリ8810を動力伝達ロック解除構成DUの方へ動かす。
ロック体8114はまた、スプライン係合8112(図61A~図62B参照)に軸方向に隣接してロックシート8852内に配置された逃しポケット8854と、キャリッジ8832のキャリッジブリッジ8836を受け取るように成形されたブリッジ切欠8856とを備え、したがって、動力伝達ロック形態DLおよび動力伝達ロック解除構成DUの両方で、キャリッジ8832とロック体8114との間の相対回転が抑制される。逃しポケット8854は、ロック体8114内に形成されており、ロックサブアセンブリ8810が動力伝達ロック形態DL(図62A参照)にあるときにドライブシャフトロック要素8830を収容するように配置される。この構成により、ツール8042を駆動導管8462内へ装着する前に固定具8050の取付けを容易にすることなどのために、ドライブシャフト8104を第2の軸A2に沿ってキャリッジ8832に対して前進させることが可能になる。逆に、動力伝達ロック解除構成DU(図62B参照)にあるとき、ドライブシャフトロック要素8830は、キャリッジ8832に対するドライブシャフト8104の軸方向の動きを抑制するように、逃しポケット8854から隔置され、概してロックシート8852内に配置される。またこの構成により、支持管8106の雄ねじ8120を固定具8050の雌ねじ8122から係合解除することによって、固定具8050の取り外しを容易にすることなどのために、支持管8106をドライブシャフト8104に対して回転させることが可能になる。
動力伝達ロック形態DLまたは動力伝達ロック解除構成DUでロックサブアセンブリ8110を選択的に維持するために、ロックサブアセンブリ8810はまた、ロック体8114の階段状領域8860内に位置するキャリッジロックレバー8858を備える。キャリッジロックレバー8858は、ピン8119を介してロック体8114に対して旋回するように支持され、ばね8118を介して付勢され、第1のレバー面8862と、反対の第2のレバー面8864とを画定する。ここで、第1のレバー面8862は、動力伝達ロック解除構成DU(図61B参照)で第1のキャリッジ面8840に当接し、第2のレバー面8864は、動力伝達ロック形態DL(図61A参照、詳細には図示せず)で第2のキャリッジ面8842に当接する。ここで、使用者は、キャリッジロックレバー8858に係合し、ピン8119の周りをロック体8114の階段状領域8860内へ旋回させることができ、第1のレバー面8862と第1のキャリッジ面8840との間、または第2のレバー面8864と第2のキャリッジ面8842との間が当接していない状態で、ロック体8114が第2の軸A2に沿ってキャリッジ8832に対して動くことを可能にすることができる。
図63A~図63Fを次に参照すると、回転駆動ツール8048を利用してエンドエフェクタ8040の第8の実施形態によって固定具8050を手術部位STで固定する特定の例示的な工程が順次示されている。図63Aから始まり、手術部位STが概略的に示されており、パイロット孔8046が軌道Tに沿ってすでに形成されている。固定具8050に固定され、エンドエフェクタ8040から隔置された回転駆動ツール8048が示されている。ここで、保持機構8664の保護カバー8350は、駆動アセンブリ8082の駆動孔8478の近位入口8480を露出させるように、第2の保護位置U2に位置決めされる。
図63Bで、使用者は、ツール8042の作業端8470(ここでは、固定具8050の遠位先端8050Dによって画定される)を駆動孔8478の近位入口8480内へ挿入することによって、ツール8042を駆動導管8462内へ「トップローディング」式に装着し、駆動導管8462を通って第2の軸A2に沿って、駆動孔8478の遠位出口8482から手術部位STの方へ前進させている。保持機構8664によって画定された軸方向係止具ALは、解放形態ACRのままであるのに対して、保護カバー8350は第2の保護位置U2に配置されており、それによってツール8042を駆動導管8462から第2の軸A2に沿って、手術部位STから離れる方向に自由に取り外すことが可能になる。しかし、第2の軸A2に沿って駆動導管8462に対して手術部位STの方へさらに動くことは、ツール体8466の第2のシート要素8794とキャリアシャフト8422の近位キャリア端8694との間の係合によって抑制される。ここでも、キャリアシャフト8422の第2の切欠8696に対する回転駆動ツール8048の第2の切欠要素8796の係合(図51および図57参照)は、第2の回転係止具RL2を画定し、したがって、回転駆動ツール8048およびキャリアシャフト8422は、第2の軸A2の周りで同時に回転する。
図63Cで、保持機構8664の保護カバー8350は、第1の保護位置U1へ旋回しており、保護ノブ8806は回転して、軸方向係止具ALを解放形態ACR(図58C参照)からロック形態ACL(図58D参照)へ動かしている。ここで、駆動アセンブリ8082と回転駆動ツール8048との間の第2の軸A2に沿った相対運動は制限され、使用者は、回転機器8080のアクチュエータ8166を使用して、固定具8050を軌道Tに沿って手術部位STのパイロット孔8046内へ前進させるように、操作具アセンブリ8088を介してツール8042を駆動することができる。ここでも、使用者はまた、アクチュエータ8166を用いることなく、ノブ開口8824を通って回転駆動ツール8048の六角孔8848(図61A~図62B参照)内へ挿入されるハンドルアセンブリなどによって、手動インターフェース8094に力を印加して、ツール8042を軌道Tに沿って駆動することができる。
図63Dで、使用者は、軌道Tに沿って手術部位STにおける固定具8050の設置を完了する。ここで、保持機構8664の保護カバー8350は第2の保護位置U2へ戻っており、軸方向係止具ALは解放形態ACRにある。さらに、回転駆動ツール8048のロックサブアセンブリ8810は、動力伝達ロック形態DLで配置される。しかし、図63Eで、ロックサブアセンブリ8810は動力伝達ロック解除構成DUへ動いており、したがって、図63Fに示すように、回転駆動ツール8048を固定具8050から解放し、次にエンドエフェクタ8040の駆動導管8462から取り出すことができる。
図63Dを再び参照すると、使用者が軌道Tに沿って手術部位STにおける固定具8050の設置を完了した後、固定具8050を回転駆動ツール8084から解放するために、アクチュエータ8166(またはエンドエフェクタ8050の別の構成要素)を、両方向(例えば、回転することなく位置を維持するようにアクチュエータ8166を駆動することによる)または単方向(例えば、固定具8050を設置するために使用される回転方向とは反対の方向の回転を防止するようにアクチュエータ8166を駆動することによる)における駆動導管8462の回転を制限または他の方法で防止するモードにすることができる。この目的で、アクチュエータ8166自体は、様々な方法で駆動することができ、例えばエンドエフェクタ8040の駆動体8250または別の部分に対する駆動導管8462の回転を抑制または他の方法で制限するために、追加の構成要素および/またはロック特徴を用いることもできることが理解されよう。ここで、駆動導管8462の回転を抑制することで、第2の回転係止具RL2を介した第2のシート要素8794の回転も抑制される。したがって、ロックサブアセンブリ8810が図63Eに示す動力伝達ロック解除構成DUにあるとき、支持管8106をドライブシャフト8104(したがって、固定具8050)に対して回転(および軸方向並進)させて、支持管8106の雄ねじ8120を固定具8050の雌ねじ8122(図60参照)から係合解除し、それによって図63Fに示す固定具8050の取り外しを容易にすることができる。
本明細書に記載する手術用システム30、エンドエフェクタ、および方法の実施形態は、例えば脊椎固定術などの低侵襲手術処置で手術用ロボット32が利用される場合を含む多数の医療および/または手術処置に関連して利点をもたらす。具体的には、本明細書に説明および図示したエンドエフェクタの実施形態は、回転機器のアクチュエータからの第1の軸A1の周りの回転を介して、第2の軸A2に沿った異なるタイプのツールの回転を容易にするように構成され、第1の軸A1は、上述したように、第2の軸A2と同じであっても第2の軸A2とは異なってもよいことが理解されよう。さらに、手動インターフェースは、回転機器のアクチュエータによって生成されるトルクおよび/またはハンドルアセンブリへの力の手動印加を介して、ツールを第2の軸A2の周りで回転させる能力を外科医に与えることが理解されよう。さらに、操作具アセンブリを配置することで、外科医は、エンドエフェクタに力を印加して、ツールを軌道Tに沿って第2の軸A2に従って前進させながら、同時に入力操作具に係合して回転機器を駆動することが可能になり、さらに第2の操作具アセンブリ位置P2へ動いた後、または他の方法で手動インターフェースを提示した後、手動インターフェースへの妨げられないアクセスが、外科医に与えられる。
本明細書に説明および図示した実施形態の態様は、入れ替えたりまたは他の方法で組み合わせたりすることができることが、当業者には理解されよう。
「含む(include)」、「含む(includes)」、および「含む(including)」という用語は、「備える(comprise)」、「備える(comprises)」、および「備える(comprising)」という用語と同じ意味を有することが、さらに理解されよう。さらに、本明細書では、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、非限定的で説明的に明瞭性および一貫性の目的で、特定の構造的特徴および構成要素を区別するために使用されることが理解されよう。
上記の説明では、いくつかの構成について論じた。しかし、本明細書に論じた構成は、網羅的であること、または本発明を特定の形態に限定することを意図したものではない。使用した術語は、限定ではなく説明の言葉の性質を有することを意図したものである。上記の教示に照らして、多くの修正形態および変形形態が可能であり、本発明は、具体的に記載した以外の形態でも実施することができる。なお、上記実施形態から把握し得る技術的思想について以下にその態様を示す。
[態様1]
手術用ロボットによって維持される軌道に沿って手術部位にてツールを駆動するエンドエフェクタであって、前記ツールが、インターフェース端および作業端を有する、エンドエフェクタにおいて、
前記手術用ロボットに取り付けられるように適合された取付具と、
前記取付具に結合され、かつ第1の軸の周りに回転トルクを生成するように構成されたアクチュエータと、
駆動アセンブリと
を備え、
前記駆動アセンブリが、
前記アクチュエータからの前記第1の軸の周りの回転を第2の軸の周りの回転に変換するギアトレインと、
前記第2の軸の周りを回転するように支持された駆動導管と、
前記第2の軸の周りを同時に回転するように前記ツールを解放可能に固定するように前記駆動導管に動作可能に取り付けられた第1の回転係止具と、
前記手術用ロボットによって維持される前記軌道に沿って前記駆動導管と同時に並進するように前記ツールを解放可能に固定する軸方向係止具と
を備え、
前記軸方向係止具が、
前記第2の軸に沿った前記駆動アセンブリと前記ツールとの間の相対運動が可能である解放形態と、
前記第2の軸に沿った前記駆動アセンブリと前記ツールとの間の相対運動が制限されるロック形態と
の間で動作可能になっている、エンドエフェクタ。
[態様2]
前記駆動アセンブリの前記駆動導管が、前記第2の軸に沿って前記ツールの前記作業端を受け取るように成形された駆動孔を画定する、態様1に記載のエンドエフェクタ。
[態様3]
前記駆動アセンブリが、近位入口および反対の遠位出口を画定し、そして、前記駆動導管が、前記近位入口と前記遠位出口との間と連係するように介在して、前記軸方向係止具が前記解放形態にあるときに、前記ツールの前記作業端が、前記第2の軸に沿って前記近位入口内へ挿入され、かつ前記駆動孔を通って前記遠位出口から前記手術部位の方へ前進することが可能になる、態様2に記載のエンドエフェクタ。
[態様4]
前記駆動導管の前記駆動孔の少なくとも一部分が、前記第1の回転係止具を画定する、態様2または3に記載のエンドエフェクタ。
[態様5]
前記駆動アセンブリの前記第1の回転係止具が、前記軸方向係止具が前記ロック形態にあるとき、前記インターフェース端と前記作業端との間の前記ツールの少なくとも一部分に係合するように成形され、これによって、前記ツールの前記インターフェース端が、前記駆動孔の近位に配置され、前記ツールの前記作業端が、前記駆動孔の遠位に配置される、態様4に記載のエンドエフェクタ。
[態様6]
前記第1の軸が、前記第2の軸とは異なる、態様1~5のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様7]
前記第1の軸が、前記第2の軸に実質的に直交する、態様1~6のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様8]
前記第1の軸が、前記第2の軸に一致する、態様1~5のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様9]
前記駆動アセンブリの前記ギアトレインが、前記アクチュエータと前記駆動導管との間で回転連係するように介在する少なくとも1つの減速ギアセットを備え、これによって、前記アクチュエータの前記第1の軸の周りの回転が、前記第1の回転係止具の前記第2の軸の周りの回転とは異なる速度で生じる、態様1~8のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様10]
前記駆動アセンブリが、前記第1の回転係止具とは異なる第2の回転係止具をさらに備え、前記第2の回転係止具が、前記第2の軸の周りを同時に回転すべく前記第2のツールを解放可能に固定するように前記駆動導管に動作可能に取り付けられ、前記第2の回転係止具が、前記ギアトレインと回転連係するように配置され、これによって、前記第2の回転係止具の前記第2の軸の周りの回転が、前記第1の回転係止具の前記第2の軸の周りの回転とは異なる速度で生じる、態様9に記載のエンドエフェクタ。
[態様11]
前記第2の回転係止具における前記第2の軸の周りの回転が、前記アクチュエータにおける前記第1の軸の周りの回転に対して、1:1の比で生じる、態様10に記載のエンドエフェクタ。
[態様12]
前記駆動アセンブリの前記ギアトレインが、前記アクチュエータと前記駆動導管との間で回転連係するように介在する伝動装置を備え、
前記伝動装置が、第1のギアセット、第2のギアセット、および変換カラーを備え、
前記変換カラーが、
前記変換カラーが前記第1のギアセットに係合して、第1の駆動比で前記アクチュエータと前記駆動導管との間で回転を変換する第1のカラー位置と、
前記変換カラーが前記第2のギアセットに係合して、前記第1の駆動比とは異なる第2の駆動比で前記アクチュエータと前記駆動導管との間で回転を変換する第2のカラー位置と
の間を動くように配置される、態様1~11のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様13]
前記伝動装置が、前記第1のカラー位置と前記第2のカラー位置との間を同時に動くように、前記変換カラーに動作可能に取り付けられた伝動リンク機構をさらに備え、
前記伝動リンク機構が、前記軸方向係止具が前記ロック形態にあるときに、前記ツールの少なくとも一部分に係合して、前記変換カラーを前記第2のカラー位置へ動かすように配置された切換器を画定する、態様12に記載のエンドエフェクタ。
[態様14]
前記伝動装置が、前記軸方向係止具が前記ロック形態から前記解放形態へ動いたときに、前記変換カラーを前記第1のカラー位置の方へ動かすように配置されたリンク機構付勢要素をさらに備える、態様13に記載のエンドエフェクタ。
[態様15]
前記第1の回転係止具が、キー孔を備える、態様1~14のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様16]
前記第1の回転係止具が、スプライン孔を備える、態様1~14のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様17]
前記第1の回転係止具が、切欠を備える、態様1~14のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様18]
前記軸方向係止具が、球形要素を備える、態様1~17のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様19]
前記軸方向係止具が、スライダ要素を備え、
前記スライダ要素が、
前記解放形態に関連する第1のスライダ要素位置と、
前記ロック形態に関連する第2のスライダ要素位置と
の間で前記第2の軸に対して動くように配置される、態様1~17のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様20]
前記スライダ要素が、前記第1のスライダ要素位置より前記第2のスライダ要素位置で前記第2の軸の近くに配置される、態様19に記載のエンドエフェクタ。
[態様21]
前記軸方向係止具が、コレット機構を備え、
前記コレット機構が、
前記第2の軸に沿って前記ツールを受け取るように配置されたコレットと、
前記コレットに結合されたコレットテンショナと
を備え、
前記コレットテンショナが、
前記ツールと前記コレットとの間の相対運動が可能である前記解放形態に関連する第1のテンショナ位置と、
前記ツールと前記コレットとの間の相対運動が制限される前記ロック形態に関連する第2のテンショナ位置と
の間を動くように配置される、態様1~17のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様22]
前記コレットテンショナが前記第1のテンショナ位置から前記第2のテンショナ位置へ動くことで、前記コレットの少なくとも一部分が前記第2の軸の方へ径方向内方に動く、態様21に記載のエンドエフェクタ。
[態様23]
前記取付具に動作可能に取り付けられた光源をさらに備え、
前記光源が、前記手術部位の方へ光を放出するように構成される、態様1~22のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様24]
前記光源が、レーザダイオードを備える、態様23に記載のエンドエフェクタ。
[態様25]
前記光源が、前記第2の軸と実質的に位置合わせされた光路に沿って光を放出するようにさらに構成される、態様23または24に記載のエンドエフェクタ。
[態様26]
前記光源が、前記駆動アセンブリの前記駆動導管に取り外し可能に取り付けられるように構成される、態様23~25のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様27]
手術用ロボットによって維持される軌道に沿って手術部位でツールを駆動するエンドエフェクタであって、
前記手術用ロボットに取り付けられるように適合された取付具と、
前記取付具に結合され、かつ第1の軸の周りに回転トルクを生成するように構成されたアクチュエータを備える回転機器と、
前記回転機器からの回転を前記第1の軸とは異なる第2の軸の周りの回転に変換するギアトレイン、および前記第2の軸の周りを回転するように前記ツールを解放可能に固定するように構成されたコネクタを備える駆動アセンブリと、
使用者の手を支持するグリップ、および前記回転機器と連係し、前記使用者によって係合されると、前記回転機器を駆動して前記ツールを前記第2の軸の周りで回転させるように配置された入力操作具を備える操作具アセンブリと、
前記駆動アセンブリと連係し、前記使用者から印加された力を受け取り、前記ツールを前記第2の軸の周りで回転させるための回転トルクに変換するように配置された手動インターフェースと
を備えているエンドエフェクタ。
[態様28]
前記操作具アセンブリが、複数の操作具アセンブリ位置間で前記回転機器に対して動くように、前記グリップおよび前記入力操作具を支持するフレームを備える、態様27に記載のエンドエフェクタ。
[態様29]
前記操作具アセンブリが、前記フレームに結合された保持器をさらに備え、
前記保持器および前記回転機器のうちの一方が、ロック位置とロック解除位置との間を選択的に可動であるプランジャを備え、
前記保持器および前記回転機器のうちの他方が、複数の受入部を有するキャッチを備え、
前記複数の受入部がそれぞれ、前記プランジャを前記ロック位置で受け取って前記操作具アセンブリ位置のうちの一方を画定するように成形される、態様28に記載のエンドエフェクタ。
[態様30]
前記キャッチが、略環状の形状を有し、
前記受入部が、前記キャッチの周りで互いから径方向に隔置される、態様29に記載のエンドエフェクタ。
[態様31]
前記保持器が、前記プランジャと連係する解放レバーを備え、
前記解放レバーが、前記使用者によって係合されると、前記ロック位置と前記ロック解除位置との間の前記プランジャの動きを容易にするように配置される、態様29または30に記載のエンドエフェクタ。
[態様32]
前記フレームが、前記複数の操作具アセンブリ位置間を前記回転機器に対して回転するように前記操作具アセンブリを支持する、態様29~31のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様33]
前記回転機器が、ジャーナルを備え、
前記操作具アセンブリが、前記フレームに動作可能に取り付けられた支承面を備え、前記支承面が、前記ジャーナルに係合するように配置され、これによって、前記操作具アセンブリが、操作軸の周りで前記複数の操作具アセンブリ位置間を前記回転機器に対して選択的に可動である、態様32に記載のエンドエフェクタ。
[態様34]
前記操作軸が、前記第1の軸に一致する、態様33に記載のエンドエフェクタ。
[態様35]
前記操作具アセンブリの前記フレームが、
前記複数の操作具アセンブリ位置間を同時に動くように前記保持器に結合された第1のフレーム本体と、
複数のグリップ位置間を前記第1のフレーム本体に対して動くように前記グリップおよび前記入力操作具を支持する第2のフレーム本体と
を備えている、態様33または34に記載のエンドエフェクタ。
[態様36]
前記複数のグリップ位置が、
前記第2のフレーム本体の少なくとも一部分が前記手動インターフェースへのアクセスを制限し、前記入力操作具が前記使用者によって係合されると、前記回転機器を駆動して前記ツールを前記第2の軸の周りで回転させるように配置される第1のグリップ位置と、
前記第2のフレーム本体が、前記使用者から印加された力を受け取って前記ツールを前記第2の軸の周りで回転させることを容易にするように、前記手動インターフェースに対して隔置関係で配置される第2のグリップ位置と
を含む、態様35に記載のエンドエフェクタ。
[態様37]
前記第2のフレーム本体が、前記複数のグリップ位置間の動きに依存することなく、前記複数の操作具アセンブリ位置間を前記第1のフレーム本体と同時に動くように配置される、態様35または36に記載のエンドエフェクタ。
[態様38]
前記複数の操作具アセンブリ位置が、
前記操作具アセンブリが前記使用者によって係合されると、前記回転機器を駆動して前記ツールを前記第2の軸の周りで回転させるように配置される第1の操作具アセンブリ位置と、
前記手動インターフェースが、前記使用者から印加された力を受け取って前記ツールを前記第2の軸の周りで回転させるように配置される第2の操作具アセンブリ位置と
を含む、態様28に記載のエンドエフェクタ。
[態様39]
前記第1および第2の操作具アセンブリ位置間の前記回転機器に対する前記操作具アセンブリの位置を判定するように、前記回転機器と前記操作具アセンブリとの間に介在するアセンブリセンサ配置体をさらに備える態様38に記載のエンドエフェクタ。
[態様40]
前記第2の軸が、前記第1の操作具アセンブリ位置で、前記操作具アセンブリの少なくとも一部分と交差する、態様38または39に記載のエンドエフェクタ。
[態様41]
前記操作具アセンブリが前記第1および第2の操作具アセンブリ位置のうちの一方にあるとき、前記操作具アセンブリの前記グリップが、前記第2の軸に実質的に平行である、態様38~40のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様42]
前記操作具アセンブリが前記第1および第2の操作具アセンブリ位置のうちの一方にあるとき、前記操作具アセンブリの前記グリップが、前記第2の軸に実質的に直交する、態様38~41のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様43]
前記操作具アセンブリが前記第1および第2の操作具アセンブリ位置のうちの他方にあるとき、前記操作具アセンブリの前記グリップが、前記第2の軸に実質的に平行である、態様42に記載のエンドエフェクタ。
[態様44]
前記操作具アセンブリが前記第1の操作具アセンブリ位置にあるとき、前記操作具アセンブリの少なくとも一部分が、前記手動インターフェースへのアクセスを制限する、態様38~43のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様45]
前記第1の操作具アセンブリ位置から前記第2の操作具アセンブリ位置への動きが、前記使用者から印加された力を受け取るように前記手動インターフェースへのアクセスを促進する、態様38~44のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様46]
前記手動インターフェースが、前記使用者から印加された回転力を受け取るために、前記第2の軸の周りを回転するように配置されたヘッドを備える、態様27~45のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様47]
前記駆動アセンブリに動作可能に取り付けられた保護カバーをさらに備え、
前記保護カバーが、
前記第2の軸が前記保護カバーの少なくとも一部分と交差して、前記手動インターフェースへのアクセスを制限する第1の保護位置と、
前記保護カバーが前記第2の軸から隔置されて、前記手動インターフェースへのアクセスを促進する第2の保護位置と
の間を前記第2の軸に対して動くように配置される、態様46に記載のエンドエフェクタ。
[態様48]
前記保護カバーが、保護ポケットを画定する保護体を備え、
前記保護ポケットが、前記第1の保護位置で前記手動インターフェースの少なくとも一部分を収容するように成形される、態様47に記載のエンドエフェクタ。
[態様49]
前記保護体が、前記第1の保護位置と前記第2の保護位置との間で保護軸の周りを旋回するように、前記駆動アセンブリに動作可能に取り付けられた保護ヒンジを備える、態様48に記載のエンドエフェクタ。
[態様50]
前記保護軸が、前記第2の軸に実質的に直交して配置される、態様49に記載のエンドエフェクタ。
[態様51]
前記保護軸が、前記第1の軸に実質的に直交して配置される、態様49または50に記載のエンドエフェクタ。
[態様52]
前記操作具アセンブリが、複数の操作具アセンブリ位置間を前記回転機器に対して回転するように前記グリップおよび前記入力操作具を支持するフレームをさらに備え、
前記操作具アセンブリの前記入力操作具が、前記回転機器によって生成される回転トルクを制御するために、第1の入力位置と第2の入力位置との間を前記グリップに対して動くように配置される、態様27に記載のエンドエフェクタ。
[態様53]
前記操作具アセンブリが、前記入力操作具と連係する操作用発信体をさらに備え、
前記回転機器が、前記第1および第2の入力位置間の前記入力操作具の動きに対応する前記操作用発信体の位置を判定する操作検出器をさらに備える、態様52に記載のエンドエフェクタ。
[態様54]
前記第1および第2の入力位置間の前記入力操作具の動きを、前記操作用発信体の対応する動きに変換するために、前記入力操作具と前記操作用発信体との間に介在するリンク機構をさらに備える、態様53に記載のエンドエフェクタ。
[態様55]
前記リンク機構が、前記操作用発信体と連係するフォーク形状体を備え、
前記フォーク形状体が、前記操作具アセンブリが前記複数の操作具アセンブリ位置間を動くと、前記第1の軸の周りを回転するように配置され、
前記フォーク形状体が、前記入力操作具が前記第1および第2の入力位置間を動くと、前記第1の軸に沿って並進するようにさらに配置される、態様54に記載のエンドエフェクタ。
[態様56]
前記フォーク形状体が、内側摺動接触面および1対の内側阻止面を画定し、
前記操作用発信体を支持するキャリアをさらに備え、
前記キャリアが、外側摺動接触面および1対の外側阻止面を画定し、
前記外側摺動接触面が、前記フォーク形状体の前記内側摺動接触面に係合して、前記キャリアを動かすことなく、前記フォーク形状体が前記第1の軸の周りを回転することを可能にし、
前記1対の外側阻止面がそれぞれ、前記フォーク形状体の前記1対の内側阻止面に係合して、前記フォーク形状体および前記キャリアが前記第1の軸に沿って同時に並進することを容易にする、態様55に記載のエンドエフェクタ。
[態様57]
前記回転機器が、前記操作検出器に隣接して配置されたスロットを画定し、
前記キャリアが、前記第1および第2の入力位置間の前記入力操作具の動きによって生じる前記第1の軸に沿った前記フォーク形状体の対応する並進に応答して並進するように前記スロットに沿って支持されたボスをさらに備える、態様56に記載のエンドエフェクタ。
[態様58]
前記手動インターフェースに取り付けるためのハンドルアセンブリをさらに備え、これによって、前記ハンドルアセンブリに印加される力が、前記ツールを前記第2の軸の周りで回転させる、態様27~57のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様59]
前記ハンドルアセンブリが、前記手動インターフェースに解放可能に取付け可能である、態様58に記載のエンドエフェクタ。
[態様60]
前記手動インターフェースが、前記第2の軸の周りを回転するように配置されたヘッドを備え、
前記ハンドルアセンブリが、前記使用者によって前記ハンドルアセンブリに印加される力に応答して同時に回転すべく、前記手動インターフェースの前記ヘッドを受け取るように成形された動力伝達具を備える、態様58または59に記載のエンドエフェクタ。
[態様61]
前記ハンドルアセンブリが、
前記使用者によって印加される力を受け取るハンドル本体と、
前記ハンドル本体および前記動力伝達具が前記第2の軸の周りを第3の回転方向に同時に回転することを可能にし、前記動力伝達具が前記ハンドル本体に対して前記第3の回転方向とは反対の第4の回転方向に回転することを中止するように、前記ハンドル本体と前記動力伝達具との間に介在するラチェット機構と
をさらに備える、態様60に記載のエンドエフェクタ。
[態様62]
前記駆動アセンブリが、前記手動インターフェースと前記ギアトレインとの間に介在するクラッチ機構をさらに備え、
前記クラッチ機構が、
前記回転機器によって生成される回転トルクが、前記ギアトレインによって伝達され、前記ツールを前記第2の軸の周りで回転させるが、前記手動インターフェースの前記ヘッドを回転させない第1のモードと、
前記ハンドルアセンブリに印加される力が、前記ヘッドおよび前記動力伝達具を同時に回転させて、前記ギアトレインによってトルクを伝達し、前記ツールを前記第2の軸の周りで回転させる第2のモードと
の間で動作可能である、態様60または61に記載のエンドエフェクタ。
[態様63]
前記クラッチ機構が、前記使用者によって前記ハンドルアセンブリに印加される力に応答して前記第1のモードから前記第2のモードへ動く、態様62に記載のエンドエフェクタ。
[態様64]
前記クラッチ機構が、前記クラッチ機構を前記第2のモードから前記第1のモードの方へ動かすように配置されたクラッチ付勢要素をさらに備える、態様62または63に記載のエンドエフェクタ。
[態様65]
前記回転機器と、前記コネクタと、前記手動インターフェースとの間に介在する差動アセンブリをさらに備え、
前記差動アセンブリが、
前記回転機器によって生成される回転トルクが、前記差動アセンブリによって前記コネクタへ伝達され、前記ツールを前記第2の軸の周りで回転させ、前記手動インターフェースの前記ヘッドへ伝達され、前記手動インターフェースで触覚トルクフィードバックを提供する触覚モードと、
前記回転機器によって生成される回転トルクが、前記差動アセンブリによって前記コネクタへ伝達され、前記ツールを前記第2の軸の周りで回転させるが、回転トルクを前記手動インターフェースの前記ヘッドには伝達しない第1の中止モードと、
前記手動インターフェースの前記ヘッドに印加される回転トルクが、前記差動アセンブリによって前記コネクタへ伝達され、前記ツールを前記第2の軸の周りで回転させるが、回転トルクを前記回転機器には伝達しない第2の中止モードと
の間で動作可能である、態様60~64のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様66]
前記差動アセンブリが、
前記手動インターフェースと回転連係するように配置されたインターフェース側歯車と、
前記コネクタと回転連係するように配置されたコネクタ側歯車と、
前記回転機器と回転連係するように配置された差動ケースと、
同時に動くように前記差動ケースに動作可能に取り付けられたピニオンシャフトと、
それぞれ前記ピニオンシャフトによって支持され、前記インターフェース側歯車および前記コネクタ側歯車に噛合係合するように配置された1対のピニオン歯車と
を備える、態様65に記載のエンドエフェクタ。
[態様67]
前記駆動アセンブリに動作可能に取り付けられた差動ハウジングをさらに備え、
前記差動ハウジングが、前記差動アセンブリの前記差動ケースの少なくとも一部分を収容するように成形された差動チャンバを画定する、態様66に記載のエンドエフェクタ。
[態様68]
前記差動ハウジングが、差動軸を画定し、
前記差動アセンブリが前記第1の中止モードで動作するとき、前記差動ハウジングに対する前記差動ケースの前記差動軸の周りの回転が可能であり、
前記差動アセンブリが前記第2の中止モードで動作するとき、前記差動ハウジングに対する前記差動ケースの前記差動軸の周りの回転が抑制される、態様67に記載のエンドエフェクタ。
[態様69]
前記差動アセンブリが前記第2の中止モードで動作するとき、前記インターフェース側歯車および前記コネクタ側歯車の前記差動軸の周りの回転が可能である、態様68に記載のエンドエフェクタ。
[態様70]
前記差動アセンブリが前記第1の中止モードで動作するとき、前記コネクタ側歯車の前記差動軸の周りの回転が可能である、態様69に記載のエンドエフェクタ。
[態様71]
前記差動アセンブリが前記第1の中止モードで動作するとき、前記インターフェース側歯車の前記差動軸の周りの回転が抑制される、態様69または70に記載のエンドエフェクタ。
[態様72]
前記差動アセンブリの前記ピニオンシャフトが、ピニオン軸を画定し、
前記ピニオン歯車がそれぞれ、前記ピニオン軸の周りを回転することが可能である、態様68~71のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様73]
前記ピニオン軸が、前記差動軸に実質的に直交する、態様72に記載のエンドエフェクタ。
[態様74]
前記差動軸が、前記第2の軸に一致する、態様68~73のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様75]
前記駆動アセンブリの前記ギアトレインが、前記回転機器と前記コネクタとの間で回転連係するように介在する少なくとも1つの減速ギアセットを備え、これによって、前記回転機器の回転が前記ツールの回転とは異なる速度で生じる、態様27~74のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様76]
前記少なくとも1つの減速ギアセットが、遊星ギアセットを備える、態様75に記載のエンドエフェクタ。
[態様77]
前記駆動アセンブリの前記ギアトレインが、前記第1の軸の周りの回転を前記第2の軸の周りの回転に変換するために、前記回転機器と前記コネクタとの間で回転連係するように介在する少なくとも1つのベベルギアセットを備える、態様27に記載のエンドエフェクタ。
[態様78]
前記ベベルギアセットが、前記回転機器の回転が前記ツールの回転とは異なる速度で生じるように構成された減速ギアセットを備える、態様77に記載のエンドエフェクタ。
[態様79]
前記駆動アセンブリの前記ギアトレインが、前記回転機器と前記ベベルギアセットとの間で回転連係するように介在する少なくとも1つの減速ギアセットをさらに備え、これによって、前記回転機器の回転が前記ツールの回転とは異なる速度で生じる、態様77に記載のエンドエフェクタ。
[態様80]
前記駆動アセンブリの前記ギアトレインが、前記ベベルギアセットと前記コネクタとの間で回転連係するように介在する少なくとも1つの減速ギアセットをさらに備え、これによって、前記回転機器の回転が前記ツールの回転とは異なる速度で生じる、態様77に記載のエンドエフェクタ。
[態様81]
前記駆動アセンブリの前記ギアトレインが、前記回転機器と前記ベベルギアセットとの間で回転連係するように介在する少なくとも1つの補助ギアセットをさらに備える、態様80に記載のエンドエフェクタ。
[態様82]
ガイドワイヤを受け取るように前記手動インターフェースおよび前記駆動アセンブリの前記コネクタを通って画定されたガイド孔をさらに備える態様27~81のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様83]
前記回転機器に動作可能に取り付けられ、かつ前記駆動アセンブリを前記回転機器に解放可能に固定するように構成された結合器をさらに備える態様27~82のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様84]
前記結合器が、前記手術用ロボットによって選択的に維持される異なる軌道に沿って前記第2の軸を前記回転機器に対して選択的に位置決めすることを容易にするために、前記駆動アセンブリを前記回転機器に対して複数の方位で固定するように構成される、態様83に記載のエンドエフェクタ。
[態様85]
前記複数の方位が、
前記駆動アセンブリの前記第2の軸と前記取付具の基準部分との間に画定された基準方位と、
第1の回転方向における前記第1の軸の周りの前記回転機器に対する前記駆動アセンブリの回転によって画定された第1の方位と、
前記第1の回転方向とは異なる第2の回転方向における前記第1の軸の周りの前記回転機器に対する前記駆動アセンブリの回転によって画定された第2の方位と
を含む、態様84に記載のエンドエフェクタ。
[態様86]
前記回転機器に対する前記駆動アセンブリの前記方位を判定するように、前記回転機器と前記駆動アセンブリとの間に介在する方位センサ配置体をさらに備える、態様84または85に記載のエンドエフェクタ。
[態様87]
前記方位センサ配置体が、
前記駆動アセンブリに動作可能に取り付けられた方位用発信体と、
前記回転機器に対する前記駆動アセンブリの前記方位に対応する前記方位用発信体の位置を判定するように前記回転機器に動作可能に取り付けられた方位検出器と
を備える、態様86に記載のエンドエフェクタ。
[態様88]
前記第2の軸が、前記第1の軸と交差する、態様27~87のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様89]
前記第2の軸が、前記第1の軸に実質的に直交する、態様27~88のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様90]
手術用ロボットによって選択的に維持される異なる軌道に沿って手術部位でツールを駆動するエンドエフェクタであって、
前記手術用ロボットに取り付けられるように適合された取付具と、
前記取付具に結合され、第1の軸の周りに回転トルクを生成するように構成されたアクチュエータを備える回転機器と、
前記回転機器からの回転を前記第1の軸とは異なる第2の軸の周りの回転に変換するギアトレイン、および前記第2の軸の周りを回転するように前記ツールを解放可能に固定するように構成されたコネクタを備える駆動アセンブリと、
前記回転機器に動作可能に取り付けられ、前記手術用ロボットによって選択的に維持される異なる軌道に沿って前記第2の軸を前記回転機器に対して選択的に位置決めするために、前記駆動アセンブリを前記回転機器に複数の方位で解放可能に固定するように構成され結合器と
を備えているエンドエフェクタ。
[態様91]
前記複数の方位が、
前記駆動アセンブリの前記第2の軸と前記取付具の基準部分との間に画定された基準方位と、
第1の回転方向における前記第1の軸の周りの前記回転機器に対する前記駆動アセンブリの回転によって画定された第1の方位と、
前記第1の回転方向とは異なる第2の回転方向における前記第1の軸の周りの前記回転機器に対する前記駆動アセンブリの回転によって画定された第2の方位と
を含む、態様90に記載のエンドエフェクタ。
[態様92]
前記回転機器に対する前記駆動アセンブリの前記方位を判定するように、前記回転機器と前記駆動アセンブリとの間に介在する方位センサ配置体をさらに備える態様90または91に記載のエンドエフェクタ。
[態様93]
前記方位センサ配置体が、
前記駆動アセンブリに動作可能に取り付けられた方位用発信体と、
前記回転機器に対する前記駆動アセンブリの前記方位に対応する前記方位用発信体の位置を判定するように前記回転機器に動作可能に取り付けられた方位検出器と
を備える、態様92に記載のエンドエフェクタ。
[態様94]
前記駆動アセンブリと連係する手動インターフェースをさらに備え、
前記手動インターフェースが、使用者から印加された力を受け取って前記ツールを前記第2の軸の周りで回転させるための回転トルクに変換するように配置される、態様90~93のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様95]
前記手動インターフェースに取り付けるためのハンドルアセンブリをさらに備え、これによって、前記ハンドルアセンブリに印加される力が、前記ツールを前記第2の軸の周りで回転させる、態様94に記載のエンドエフェクタ。
[態様96]
前記ハンドルアセンブリが、前記手動インターフェースに解放可能に取付け可能である、態様95に記載のエンドエフェクタ。
[態様97]
前記手動インターフェースが、前記第2の軸の周りを回転するように配置されたヘッドを備え、
前記ハンドルアセンブリが、前記使用者によって前記ハンドルアセンブリに印加される力に応答して同時に回転すべく、前記手動インターフェースの前記ヘッドを受け取るように成形された動力伝達具を備える、態様95または96に記載のエンドエフェクタ。
[態様98]
前記ハンドルアセンブリが、
前記使用者によって印加される力を受け取るハンドル本体と、
前記ハンドル本体および前記動力伝達具が前記第2の軸の周りを第3の回転方向に同時に回転することを可能にし、前記動力伝達具が前記ハンドル本体に対して前記第3の回転方向とは反対の第4の回転方向に回転することを中止するように、前記ハンドル本体と前記動力伝達具との間に介在するラチェット機構と
をさらに備える、態様97に記載のエンドエフェクタ。
[態様99]
前記駆動アセンブリが、前記手動インターフェースと前記ギアトレインとの間に介在するクラッチ機構をさらに備え、
前記クラッチ機構が、
前記回転機器によって生成される回転トルクが、前記ギアトレインによって伝達され、前記ツールを前記第2の軸の周りで回転させるが、前記手動インターフェースの前記ヘッドを回転させない第1のモードと、
前記ハンドルアセンブリに印加される力が、前記ヘッドおよび前記動力伝達具を同時に回転させて、前記ギアトレインによってトルクを伝達し、前記ツールを前記第2の軸の周りで回転させる第2のモードと
の間で動作可能である、態様97または98に記載のエンドエフェクタ。
[態様100]
前記クラッチ機構が、前記使用者によって前記ハンドルアセンブリに印加される力に応答して、前記第1のモードから前記第2のモードへ動く、態様99に記載のエンドエフェクタ。
[態様101]
前記クラッチ機構が、前記クラッチ機構を前記第2のモードから前記第1のモードの方へ動かすように配置されたクラッチ付勢要素をさらに備える、態様99または100に記載のエンドエフェクタ。
[態様102]
前記回転機器と、前記コネクタと、前記手動インターフェースとの間に介在する差動アセンブリをさらに備え、
前記差動アセンブリが、
前記回転機器によって生成される回転トルクが、前記差動アセンブリによって前記コネクタへ伝達され、前記ツールを前記第2の軸の周りで回転させ、前記手動インターフェースの前記ヘッドへ伝達され、前記手動インターフェースで触覚トルクフィードバックを提供する触覚モードと、
前記回転機器によって生成される回転トルクが、前記差動アセンブリによって前記コネクタへ伝達され、前記ツールを前記第2の軸の周りで回転させるが、回転トルクを前記手動インターフェースの前記ヘッドには伝達しない第1の中止モードと、
前記手動インターフェースの前記ヘッドに印加される回転トルクが、前記差動アセンブリによって前記コネクタへ伝達され、前記ツールを前記第2の軸の周りで回転させるが、回転トルクを前記回転機器には伝達しない第2の中止モードと
の間で動作可能である、態様97~101のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様103]
前記差動アセンブリが、
前記手動インターフェースと回転連係するように配置されたインターフェース側歯車と、
前記コネクタと回転連係するように配置されたコネクタ側歯車と、
前記回転機器と回転連係するように配置された差動ケースと、
同時に動くように前記差動ケースに動作可能に取り付けられたピニオンシャフトと、
それぞれ前記ピニオンシャフトによって支持され、前記インターフェース側歯車および前記コネクタ側歯車に噛合係合するように配置された1対のピニオン歯車と
を備える、態様102に記載のエンドエフェクタ。
[態様104]
前記駆動アセンブリに動作可能に取り付けられた差動ハウジングをさらに備え、
前記差動ハウジングが、前記差動アセンブリの前記差動ケースの少なくとも一部分を収容するように成形された差動チャンバを画定する、態様103に記載のエンドエフェクタ。
[態様105]
前記差動ハウジングが、差動軸を画定し、
前記差動アセンブリが前記第1の中止モードで動作するとき、前記差動ハウジングに対する前記差動ケースの前記差動軸の周りの回転が可能であり、
前記差動アセンブリが前記第2の中止モードで動作するとき、前記差動ハウジングに対する前記差動ケースの前記差動軸の周りの回転が抑制される、態様104に記載のエンドエフェクタ。
[態様106]
前記差動アセンブリが前記第2の中止モードで動作するとき、前記インターフェース側歯車および前記コネクタ側歯車の前記差動軸の周りの回転が可能である、態様105に記載のエンドエフェクタ。
[態様107]
前記差動アセンブリが前記第1の中止モードで動作するとき、前記コネクタ側歯車の前記差動軸の周りの回転が可能である、態様106に記載のエンドエフェクタ。
[態様108]
前記差動アセンブリが前記第1の中止モードで動作するとき、前記インターフェース側歯車の前記差動軸の周りの回転が抑制される、態様106または107に記載のエンドエフェクタ。
[態様109]
前記差動アセンブリの前記ピニオンシャフトが、ピニオン軸を画定し、
前記ピニオン歯車がそれぞれ、前記ピニオン軸の周りを回転することが可能である、態様105~108のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様110]
前記ピニオン軸が、前記差動軸に実質的に直交する、態様109に記載のエンドエフェクタ。
[態様111]
前記差動軸が、前記第2の軸に一致する、態様105~110のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様112]
前記手動インターフェースが、前記使用者から印加された回転力を受け取るために、前記第2の軸の周りを回転するように配置されたヘッドを備える、態様94~111のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様113]
前記駆動アセンブリに動作可能に取り付けられた保護カバーをさらに備え、
前記保護カバーが、
前記第2の軸が前記保護カバーの少なくとも一部分と交差して、前記手動インターフェースへのアクセスを制限する第1の保護位置と、
前記保護カバーが前記第2の軸から隔置されて、前記手動インターフェースへのアクセスを促進する第2の保護位置と
の間を前記第2の軸に対して動くように配置される、態様112に記載のエンドエフェクタ。
[態様114]
前記保護カバーが、保護ポケットを画定する保護体を備え、
前記保護ポケットが、前記第1の保護位置で前記手動インターフェースの少なくとも一部分を収容するように成形される、態様113に記載のエンドエフェクタ。
[態様115]
前記保護体が、前記第1の保護位置と前記第2の保護位置との間で保護軸の周りを旋回するように、前記駆動アセンブリに動作可能に取り付けられた保護ヒンジを備える、態様114に記載のエンドエフェクタ。
[態様116]
前記保護軸が、前記第2の軸に実質的に直交して配置される、態様115に記載のエンドエフェクタ。
[態様117]
前記保護軸が、前記第1の軸に実質的に直交して配置される、態様115または116に記載のエンドエフェクタ。
[態様118]
ガイドワイヤを受け取るように前記手動インターフェースおよび前記駆動アセンブリの前記コネクタを通って画定されたガイド孔をさらに備える態様94~117のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様119]
操作具アセンブリをさらに備え、
前記操作具アセンブリが、
使用者の手を支持するグリップと、
前記回転機器と連係し、使用者によって係合されると、前記回転機器を駆動し、前記ツールを前記第2の軸の周りで回転させるように配置された入力操作具と、
複数の操作具アセンブリ位置間で前記回転機器に対して動くように、前記グリップおよび前記入力操作具を支持するフレームと
を備える、態様90~118のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様120]
前記操作具アセンブリが、前記フレームに結合された保持器をさらに備え、
前記保持器および前記回転機器のうちの一方が、ロック位置とロック解除位置との間を選択的に可動であるプランジャを備え、
前記保持器および前記回転機器のうちの他方が、複数の受入部を有するキャッチを備え、
前記複数の受入部がそれぞれ、前記プランジャを前記ロック位置で受け取って前記操作具アセンブリ位置のうちの一方を画定するように成形される、態様119に記載のエンドエフェクタ。
[態様121]
前記キャッチが、略環状の形状を有し、
前記受入部が、前記キャッチの周りで互いから径方向に隔置される、態様120に記載のエンドエフェクタ。
[態様122]
前記保持器が、前記プランジャと連係する解放レバーを備え、
前記解放レバーが、前記使用者によって係合されると、前記ロック位置と前記ロック解除位置との間の前記プランジャの動きを容易にするように配置される、態様120または121に記載のエンドエフェクタ。
[態様123]
前記フレームが、前記複数の操作具アセンブリ位置間を前記回転機器に対して回転するように前記操作具アセンブリを支持する、態様120~122のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様124]
前記回転機器が、ジャーナルを備え、
前記操作具アセンブリが、前記フレームに動作可能に取り付けられた支承面を備え、前記支承面が、前記ジャーナルに係合するように配置され、これによって、前記操作具アセンブリが、操作軸の周りで前記複数の操作具アセンブリ位置間を前記回転機器に対して選択的に可動である、態様123に記載のエンドエフェクタ。
[態様125]
前記操作軸が、前記第1の軸に一致する、態様124に記載のエンドエフェクタ。
[態様126]
前記操作具アセンブリの前記フレームが、
前記複数の操作具アセンブリ位置間を同時に動くように前記保持器に結合された第1のフレーム本体と、
複数のグリップ位置間を前記第1のフレーム本体に対して動くように前記グリップおよび前記入力操作具を支持する第2のフレーム本体と
を備える、態様123~125のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様127]
前記複数のグリップ位置が、
前記第2のフレーム本体の少なくとも一部分が前記手動インターフェースへのアクセスを制限し、前記入力操作具が、前記使用者によって係合されると、前記回転機器を駆動して前記ツールを前記第2の軸の周りで回転させるように配置される第1のグリップ位置と、
前記第2のフレーム本体が、前記使用者から印加された力を受け取って前記ツールを前記第2の軸の周りで回転させることを容易にするように、前記手動インターフェースに対して隔置関係で配置される第2のグリップ位置と
を含む、態様126に記載のエンドエフェクタ。
[態様128]
前記第2のフレーム本体が、前記複数のグリップ位置間の動きに依存することなく、前記複数の操作具アセンブリ位置間を前記第1のフレーム本体と同時に動くように配置される、態様126または127に記載のエンドエフェクタ。
[態様129]
前記駆動アセンブリと連係する手動インターフェースをさらに備え、
前記手動インターフェースが、使用者から印加された力を受け取り、前記ツールを前記第2の軸の周りで回転させるための回転トルクに変換するように配置され、
前記複数の操作具アセンブリ位置が、
前記操作具アセンブリが前記使用者によって係合されると、前記回転機器を駆動して前記ツールを前記第2の軸の周りで回転させるように配置される第1の操作具アセンブリ位置と、
前記手動インターフェースが、前記使用者から印加された力を受け取って前記ツールを前記第2の軸の周りで回転させるように配置される第2の操作具アセンブリ位置と
を含む、態様119~128のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様130]
前記第1および第2の操作具アセンブリ位置間の前記回転機器に対する前記操作具アセンブリの位置を判定するように、前記回転機器と前記操作具アセンブリとの間に介在するアセンブリセンサ配置体をさらに備える態様129に記載のエンドエフェクタ。
[態様131]
前記第2の軸が、前記第1の操作具アセンブリ位置で、前記操作具アセンブリの少なくとも一部分と交差する、態様129または130に記載のエンドエフェクタ。
[態様132]
前記操作具アセンブリが前記第1および第2の操作具アセンブリ位置のうちの一方にあるとき、前記操作具アセンブリの前記グリップが、前記第2の軸に実質的に平行である、態様129~131のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様133]
前記操作具アセンブリが前記第1および第2の操作具アセンブリ位置のうちの一方にあるとき、前記操作具アセンブリの前記グリップが、前記第2の軸に実質的に直交する、態様129~132のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様134]
前記操作具アセンブリが前記第1および第2の操作具アセンブリ位置のうちの他方にあるとき、前記操作具アセンブリの前記グリップが、前記第2の軸に実質的に平行である、態様133に記載のエンドエフェクタ。
[態様135]
前記操作具アセンブリが前記第1の操作具アセンブリ位置にあるとき、前記操作具アセンブリの少なくとも一部分が、前記手動インターフェースへのアクセスを制限する、態様129~134のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様136]
前記第1の操作具アセンブリ位置から前記第2の操作具アセンブリ位置への動きが、前記使用者から印加された力を受け取るように前記手動インターフェースのアクセスを促進する、態様129~135のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様137]
前記操作具アセンブリの前記入力操作具が、前記回転機器によって生成される回転トルクを制御するために、第1の入力位置と第2の入力位置との間を前記グリップに対して動くように配置される、態様119~136のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様138]
前記操作具アセンブリが、前記入力操作具と連係する操作用発信体をさらに備え、
前記回転機器が、前記第1および第2の入力位置間の前記入力操作具の動きに対応する前記操作用発信体の位置を判定する操作検出器をさらに備える、態様137に記載のエンドエフェクタ。
[態様139]
前記第1および第2の入力位置間の前記入力操作具の動きを、前記操作用発信体の対応する動きに変換するために、前記入力操作具と前記操作用発信体との間に介在するリンク機構をさらに備える態様138に記載のエンドエフェクタ。
[態様140]
前記リンク機構が、前記操作用発信体と連係するフォーク形状体を備え、
前記フォーク形状体が、前記操作具アセンブリが前記複数の操作具アセンブリ位置間を動くと、前記第1の軸の周りを回転するように配置され、
前記フォーク形状体が、前記入力操作具が前記第1および第2の入力位置間を動くと、前記第1の軸に沿って並進するようにさらに配置される、態様139に記載のエンドエフェクタ。
[態様141]
前記フォーク形状体が、内側摺動接触面および1対の内側阻止面を画定し、
前記操作用発信体を支持するキャリアをさらに備え、
前記キャリアが、外側摺動接触面および1対の外側阻止面を画定し、
前記外側摺動接触面が、前記フォーク形状体の前記内側摺動接触面に係合して、前記キャリアを動かすことなく、前記フォーク形状体が前記第1の軸の周りを回転することを可能にし、
前記1対の外側阻止面がそれぞれ、前記フォーク形状体の前記1対の内側阻止面に係合して、前記フォーク形状体および前記キャリアが前記第1の軸に沿って同時に並進することを容易にする、態様140に記載のエンドエフェクタ。
[態様142]
前記回転機器が、前記操作検出器に隣接して配置されたスロットを画定し、
前記キャリアが、前記第1および第2の入力位置間の前記入力操作具の動きによって生じる前記第1の軸に沿った前記フォーク形状体の対応する並進に応答して並進するように前記スロットに沿って支持されたボスをさらに備える、態様143に記載のエンドエフェクタ。
[態様143]
前記駆動アセンブリの前記ギアトレインが、前記回転機器と前記コネクタとの間で回転連係するように介在する少なくとも1つの減速ギアセットを備え、これによって、前記回転機器の回転が前記ツールの回転とは異なる速度で生じる、態様90~142のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様144]
前記少なくとも1つの減速ギアセットが、遊星ギアセットを備える、態様143に記載のエンドエフェクタ。
[態様145]
前記駆動アセンブリの前記ギアトレインが、前記第1の軸の周りの回転を前記第2の軸の周りの回転に変換するために、前記回転機器と前記コネクタとの間で回転連係するように介在する少なくとも1つのベベルギアセットを備える、態様90に記載のエンドエフェクタ。
[態様146]
前記ベベルギアセットが、前記回転機器の回転が前記ツールの回転とは異なる速度で生じるように構成された減速ギアセットを備える、態様145に記載のエンドエフェクタ。
[態様147]
前記駆動アセンブリの前記ギアトレインが、前記回転機器と前記ベベルギアセットとの間で回転連係するように介在する少なくとも1つの減速ギアセットをさらに備え、これによって、前記回転機器の回転が前記ツールの回転とは異なる速度で生じる、態様145に記載のエンドエフェクタ。
[態様148]
前記駆動アセンブリの前記ギアトレインが、前記ベベルギアセットと前記コネクタとの間で回転連係するように介在する少なくとも1つの減速ギアセットをさらに備え、これによって、前記回転機器の回転が前記ツールの回転とは異なる速度で生じる、態様145に記載のエンドエフェクタ。
[態様149]
前記駆動アセンブリの前記ギアトレインが、前記回転機器と前記ベベルギアセットとの間で回転連係するように介在する少なくとも1つの補助ギアセットをさらに備える、態様148に記載のエンドエフェクタ。
[態様150]
前記第2の軸が、前記第1の軸と交差する、態様90~149のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様151]
前記第2の軸が、前記第1の軸に実質的に直交する、態様90~150のいずれか1項に記載のエンドエフェクタ。
[態様152]
手術用ロボットによって維持される軌道に沿って手術部位に対してツールを案内するエンドエフェクタであって、前記ツールが、第1のツールと、前記第1のツールとは異なる第2のツールとを含む、エンドエフェクタにおいて、
前記手術用ロボットに取り付けられるように適合された取付具と、
前記取付具に結合され、第1の軸の周りに回転トルクを生成するように構成されたアクチュエータを備える回転機器と、
前記回転機器からの前記第1の軸の周りの回転を第2の軸の周りの回転に変換するギアトレイン、前記ギアトレインと回転連係して、第1の駆動比で前記第2の軸の周りを同時に回転するように前記第1のツールを解放可能に固定するように配置された第1の回転係止具、前記ギアトレインと連係して、前記第1の駆動比とは異なる第2の駆動比で前記第2の軸の周りを同時に回転するように前記第2のツールを解放可能に固定するように配置された第2の回転係止具、ならびに前記手術用ロボットによって維持される前記軌道に沿って前記駆動アセンブリと同時に並進するように前記第1のツールおよび前記第2のツールのうちの一方を解放可能に固定する軸方向係止具を備える駆動アセンブリと
を備え、
前記軸方向係止具が、
前記第2の軸に沿った前記駆動アセンブリと前記固定ツールとの間の相対運動が可能である解放形態と、
前記第2の軸に沿った前記駆動アセンブリと前記固定ツールとの間の相対運動が制限されるロック形態と
の間で動作可能である、エンドエフェクタ。
[態様153]
手術用ロボットによって維持される軌道に沿って手術部位でツールを駆動するエンドエフェクタであって、前記ツールが、第1のツールと、前記第1のツールとは異なる第2のツールとを含む、前記エンドエフェクタにおいて、
前記手術用ロボットに取り付けられるように適合された取付具と、
前記取付具に結合され、第1の軸の周りに回転トルクを生成するように構成されたアクチュエータを備える回転機器と、
前記回転機器からの回転を前記第1の軸とは異なる第2の軸の周りの回転に変換するギアトレイン、前記第2の軸の周りを回転するように前記第1のツールおよび前記第2のツールのうちの一方を解放可能に固定するように構成されたコネクタ、ならびに前記回転機器と前記コネクタとの間で回転連係するように介在する伝動装置を備える駆動アセンブリと
を備え、
前記伝動装置が、第1のギアセット、第2のギアセット、および変換カラーを備え、
前記変換カラーが、
前記変換カラーが前記第1のギアセットに係合して、第1の駆動比で前記回転機器と前記コネクタとの間で回転を変換する第1のカラー位置と、
前記変換カラーが前記第2のギアセットに係合して、前記第1の駆動比とは異なる第2の駆動比で前記回転機器と前記コネクタとの間で回転を変換する第2のカラー位置と
の間を動くように配置される、エンドエフェクタ。
[態様154]
前記伝動装置が、前記第1のカラー位置と前記第2のカラー位置との間を同時に動くように、前記変換カラーに動作可能に取り付けられた伝動リンク機構をさらに備え、
前記伝動リンク機構が、前記第2のツールが前記駆動アセンブリの前記コネクタに固定されたとき、前記第2のツールの少なくとも一部分に係合して、前記変換カラーを前記第2のカラー位置へ動かすように配置された切換器を画定する、態様153に記載のエンドエフェクタ。
[態様155]
前記伝動装置が、前記変換カラーを前記第1のカラー位置の方へ動かすように配置されたリンク機構付勢要素をさらに備える、態様154に記載のエンドエフェクタ。
[態様156]
前記切換器が、前記第1のツールが前記駆動アセンブリの前記コネクタに固定されたとき、前記変換カラーを前記第1のカラー位置へ動かすように配置される、態様155に記載のエンドエフェクタ。
[態様157]
手術用ロボットによって維持される軌道に沿って手術部位にパイロット孔を形成する方法であって、
アクチュエータ、駆動アセンブリ、手動インターフェース、および操作具アセンブリを支持するエンドエフェクタを前記手術用ロボットに取り付けることと、
第2の軸に沿って前記駆動アセンブリに回転切断ツールを取り付けることと、
前記第2の軸を前記軌道と位置合わせして、前記回転切断ツールを前記手術部位に位置決めすることと、
前記操作具アセンブリに係合して、前記アクチュエータによって第1の軸の周りに回転トルクを生成し、前記駆動アセンブリによって前記アクチュエータからの前記第1の軸の周りのトルクを変換して、前記回転切断ツールを前記第2の軸の周りで回転させることと、
前記手術部位で前記軌道に沿って前記回転切断ツールを第1の深さまで前進させることと、
前記第1の軸の周りの回転を中止することと、
前記手動インターフェースを提示するように前記操作具アセンブリを位置決めすることと、
前記手動インターフェースに力を印加して、前記回転切断ツールを前記第2の軸の周りで回転させることと、
前記手術部位で前記軌道に沿って前記回転切断ツールを前記第1の深さより大きい第2の深さまで前進させることと
を含む方法。
[態様158]
手術用ロボットによって維持される軌道に沿って手術部位に固定具を設置する方法であって、
アクチュエータ、駆動アセンブリ、手動インターフェース、および操作具アセンブリを支持するエンドエフェクタを前記手術用ロボットに取り付けることと、
第2の軸に沿って前記駆動アセンブリにツールを取り付けることと、
前記固定具を前記ツールに取り付けることと、
前記第2の軸を前記軌道と位置合わせして、前記固定具を前記手術部位に隣接して位置決めすることと、
前記操作具アセンブリに係合して、前記アクチュエータによって第1の軸の周りに回転トルクを生成し、前記駆動アセンブリによって前記アクチュエータからの前記第1の軸の周りのトルクを変換して、前記ツールおよび前記固定具を前記第2の軸の周りで回転させることと、
前記手術部位で前記軌道に沿って前記ツールおよび前記固定具を第1の深さまで前進させることと、
前記第1の軸の周りの回転を中止することと、
前記手動インターフェースを提示するように前記操作具アセンブリを位置決めすることと、
前記手動インターフェースに力を印加して、前記ツールおよび前記固定具を前記第2の軸の周りで回転させることと、
前記手術部位で前記軌道に沿って前記固定具を前記第1の深さより大きい第2の深さまで前進させることと
を含む方法。
[態様159]
手術用ロボットによって維持されるそれぞれの第1および第2の軌道に沿って手術部位に第1および第2の固定具を設置する方法であって、
アクチュエータ、駆動アセンブリ、手動インターフェース、および操作具アセンブリを支持するエンドエフェクタを前記手術用ロボットに取り付けることと、
第2の軸に沿って前記駆動アセンブリにツールを取り付けることと、
前記第1の固定具を前記ツールに取り付けることと、
前記第2の軸を前記第1の軌道と位置合わせして、前記第1の固定具を前記手術部位に隣接して位置決めすることと、
前記操作具アセンブリに係合して、前記アクチュエータによって第1の軸の周りに回転トルクを生成し、前記駆動アセンブリによって前記アクチュエータからの前記第1の軸の周りのトルクを変換して、前記ツールおよび前記第1の固定具を前記第2の軸の周りで回転させることと、
前記手術部位で前記第1の軌道に沿って前記ツールおよび前記第1の固定具を第1の深さまで前進させることと、
前記第1の軸の周りの回転を中止することと、
前記手動インターフェースを提示するように前記操作具アセンブリを位置決めすることと、
前記手動インターフェースに力を印加して、前記ツールおよび前記第1の固定具を前記第2の軸の周りで回転させることと、
前記手術部位で前記第1の軌道に沿って前記ツールおよび前記第1の固定具を前記第1の深さより大きい第2の深さまで前進させることと、
前記第1の固定具を前記ツールから解放することと、
前記第2の固定具を前記ツールに取り付けることと、
前記第2の軸を前記第2の軌道と位置合わせして、前記第2の固定具を前記手術部位に隣接して位置決めすることと、
前記操作具アセンブリに係合して、前記アクチュエータによって前記第1の軸の周りに回転トルクを生成することと、
前記駆動アセンブリによって前記アクチュエータからの前記第1の軸の周りのトルクを変換して、前記ツールおよび前記第2の固定具を前記第2の軸の周りで回転させることと、
前記手術部位で前記第2の軌道に沿って前記ツールおよび前記第2の固定具を第3の深さまで前進させることと、
前記第1の軸の周りの回転を中止することと、
前記手動インターフェースを提示するように前記操作具アセンブリを位置決めすることと、
前記手動インターフェースに力を印加して、前記ツールおよび前記第2の固定具を前記第2の軸の周りで回転させることと、
前記手術部位で前記第2の軌道に沿って前記ツールおよび前記第2の固定具を前記第3の深さより大きい第4の深さまで前進させることと
を含む方法。