JP7396657B2 - 眼鏡レンズのプリズム検査方法 - Google Patents

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Description

本発明は、眼鏡レンズの心取り点に位置のずれを検査してずれが許容範囲内であるかどうかを判断する眼鏡レンズのプリズム検査方法に関するものである。
眼鏡レンズの受発注においては、一般に眼鏡店からの情報発信に基づいてレンズメーカーが所定の加工を施した眼鏡レンズを作製し、眼鏡店側に供給する。眼鏡店から発信される情報とは度数のみならず例えば、レンズの基材の指定、コートの指定、玉型に加工する前のいわゆる丸レンズでの納入か、あるいは指定したフレームに枠入れするための玉型に加工したいわゆる玉型レンズでの納入かの情報等を含む。
このような情報の1つに「心取り点」がある。心取り点とは眼鏡作製時及び測定時においてフレームに対するレンズのあるべき目標位置であり、プリズムのない位置(プリズム0の位置)に設定される。
心取り点はレンズの種類やレンズの使用目的によって一定ではない。例えば、累進屈折力レンズではメーカーの規定によるフィッティングポイントや設計基準点が指定されているため、一般にそれらの点がアイポイントであり心取り点となる。一方、単焦点レンズでは使用目的によって心取り点の位置は変わる。例えば、遠くを見る際には視線はほぼ水平になるが、道を歩く際には足元も視野に入れるためそれよりも若干下向きとなる。更に読書等手元を見る際にはより下方向に眼球は回旋し、眼が内側に寄る輻輳も生じる。そのため、単焦点レンズでは遠くを見る際には水平視線を基準として5°、手元を見る際には15°、正面を見ている際の平均の視線(常用視線)で10°という角度方向が心取り点位置とされることが多い。そのため、特に単焦点レンズではどのような視線で使用するかによって、心取り点の位置が異なる。眼鏡店ではユーザーの用途に応じて心取り点を設定し、その位置情報をレンズメーカーに伝えることとなる。プリズムのない位置とはレンズの光学センターであるため、基本的に特殊な指定がない限りはレンズメーカーは心取り点位置が光学センターとなるように加工をする。
心取り点位置がまったくズレがなければ心取り点位置は光学センターと一致し、その位置はプリズム0であるはずであるが、実際には加工上のばらつきが生じてしまうため、心取り点位置と光学センターとはレンズに設定した許容範囲内で公差が認められている。レンズメーカー側ではこの公差の範囲内でレンズを加工し、眼鏡店に納入するようにしている。一方、眼鏡店ではレンズメーカーから納入されたレンズが眼鏡店側から発信した情報に基づいて公差内に収まっているかどうかを検査(チェック)する。その際に心取り点のチェックは一般に次のように行われる。レンズは一般にレンズメーターによってレンズの屈折力、光学センター位置、プリズム量(度数)とその基底方向、乱視度数の主経線の方向等がチェックされる。眼鏡店ではレンズメーターでレンズの光学センター位置や乱視度数の主経線方向を確認し、レンズメーターに附属した印点機構でプリズムが0である光学センター位置と乱視度数の主経線方向を示す印点をする。一方、眼鏡店のチェック担当者はレンズメーターに附属する目盛りを利用して指定した心取り点のレンズ上の位置にペンで印点し、その心取り点位置が許容誤差内にあるかどうか(つまり合格範囲にあるかどうか)を計算することとなる。レンズメーターの先行技術として特許文献1を例示する。
特開平06-194266号公報
しかし、印点した位置のプリズム量を測定し、その値に基づいていちいち心取り点が合格範囲にあるかどうかを計算して数値に基づいて判断しなければならないのは煩雑で面倒であった。また、心取り点位置に印点しても人が目視で行うことであるため、印点に多少のずれが生じることもある。また、チェック担当者のくせで印点位置が微妙に異なることがある。印点の多少のずれは許容されるとしても、ずれた値に基づいて計算することによって誤差が伝搬して拡大する可能性がある。そのためチェック担当者は印点を非常に注意深く慎重にしなければならずチェック担当者に多大な緊張を強いることとなっていた。
これらのことから心取り点位置でプリズム量が所定の値に収まっていることを簡単に確認でき、計算の誤差が伝搬されにくい技術が求められていた。
上記課題を解決するために手段1では、度数を設定した検査対象レンズのレンズ面上において、プリズムの発生していない位置である光学センターに対して第1のマーキングをするとともに、前記検査対象レンズの心取り点に第2のマーキングをする一方、前記検査対象レンズに設定される度数に応じて、前記検査対象レンズの前記心取り点の周囲に設定されるプリズムの許容範囲に基づく合格領域を表示面に表示させ、前記表示面上において前記検査対象レンズを前記第2のマーキングを前記合格領域内の基準点に照合させた場合に、第1のマーキングが前記合格領域内に存在するならば前記検査対象レンズの心取り点がプリズムの誤差範囲内に収まっていると判定するようにした。
このような構成では、検査対象レンズのレンズ面上の光学センターに対して第1のマーキングを施し、心取り点に第2のマーキングをする。本来両者が一致することが望ましいが、実際にはずれが生じることがある。そのためこの検査対象レンズを心取り点のプリズムの許容範囲に基づく合格領域が表示された表示面上において第2のマーキングを基準点に照合させるようにする。この時、第1のマーキングが合格領域内に存在するならば検査対象レンズの心取り点がプリズムの誤差範囲内に収まっていると判定できる。あるいは、実際に照合せずとも合格領域に対して第1のマーキングと第2のマーキングが十分接近していて精密に照合しなくとも第1のマーキングが合格領域内に存在すると判定可能であれば検査対象レンズの心取り点がプリズムの誤差範囲内に収まっているとしてもよい。つまり、心取り点に関して合格レンズであると判定できる。
これによって眼鏡店において検査対象レンズの印点した心取り点位置が許容範囲にあるかどうかを計算せずにチェックできることとなり、簡単かつ速やかに心取り点位置の合否の判定をすることができる。
また、手段2では、度数を設定した検査対象レンズのレンズ面上において、プリズムの発生していない位置である光学センターに対して第1のマーキングをするとともに、前記検査対象レンズの心取り点に第2のマーキングをする一方、前記検査対象レンズに設定される度数に応じて、前記検査対象レンズの前記心取り点の周囲に設定されるプリズムの許容範囲に基づく合格領域を表示面に表示させ、 前記表示面上において前記検査対象レンズを前記第1のマーキングを前記合格領域内の基準点に照合させた場合に、第2のマーキングが前記合格領域内に存在するならば前記検査対象レンズの心取り点がプリズムの誤差範囲内に収まっていると判定するようにした。
手段2は手段1が基準点に対して心取り点(第2のマーキング)を照合させることに対して光学センター(第1のマーキング)を照合させる場合である。心取り点と光学センターはいずれも心取り点のプリズムの許容範囲に基づく合格領域内になければならないため、どちらを照合させてもよいためである。手段2では第2のマーキングが合格領域内に存在するならば検査対象レンズの心取り点がプリズムの誤差範囲内に収まっていると判定できる。あるいは手段1と同様に第1のマーキングと第2のマーキングが十分接近していれば実際に第1のマーキングを照合せずともよい。手段1と同様に、眼鏡店において検査対象レンズの印点した心取り点位置が許容範囲にあるかどうかを計算せずにチェックできることとなり、簡単かつ速やかに心取り点位置の合否の判定をすることができる。
ここに「検査対象レンズ」は光学センター近傍に屈折力の分布のないレンズがよく、具体的には単焦点レンズ(SVレンズ)、バイフォーカルレンズ(BFレンズ)がよい。累進屈折力レンズを検査対象レンズとするようにしてもよい。また、レンズ形態としては玉型加工をする前の円形の外形に作製されるいわゆる「丸レンズ」でもフレームへの枠入れのための玉型加工後の玉型レンズでもよい。そして、玉型加工をしてフレームに枠入れした後の玉型レンズでもよい。
「第1のマーキング」はプリズム0の点である光学センターに印点するため、一般的にはプリズムを測定する機器であるレンズメーターを使用することがよいが、他の測定手段に基づいて印点してもよい。「第2のマーキング」は、処方において設定した位置について計測して印点するものであり、一般には測定してチェック担当者がマークする。この位置は当初指定した位置を測定によってチェック担当者がマークすることになる。測定手段はレンズメーターに附属する目盛りをしようしてもよく、別途物差し等を使用して測定してもよい。マーキングは例えば剥がしやすいシールを貼ったり、例えば筆やペン等で消しやすい塗料や染料を印点することがよい。
「光学センター」はレンズの度数設定に伴って発生するプリズムが発生していない、つまりプリズム0の点である。例えば、丸レンズのプリズム0の点は円形の外形の幾何中心位置となる。
「基準点」は心取り点あるいは光学センターのいずれかが照合される位置となる。
「表示面」はいわゆるプリズムチェック用のシートのような印刷された書面であってもよく、例えばタブレット端末のような電子的な表示装置の表示面でもよい。
合格領域は印刷した書面の上、つまりチェックシート上に表示させる場合には、想定される度数に対応した種類の合格領域が表示されたチェックシートが用意される。一方、電子機器である表示装置の表示面に表示させる場合には、例えば、
(1)表示装置はS度数やC度数や乱視軸方向のデータに基づいて計算し、合格領域を表示させるプログラムが記憶装置に記憶されている。入力されたS度数やC度数や乱視軸方向の合格領域算出用のデータに基づいて表示装置の制御手段はレンズに設定した度数に応じた許容範囲に基づいて合格領域を都度算出して基準点の周囲に表示させる。表示される画面は照合対象画像を表示画面に検査対象レンズの実寸で表示させる。
(2)既に取得された想定される度数に対応した種類の合格領域が表示された画面を入力操作に基づいて制御手段は表示画面に検査対象レンズの実寸で表示させる。
等の手法で表示させることがよい。
「プリズムの許容範囲」は、レンズの加工時にプリズム0を予定する心取り点位置に生じるプリズムの量の許容される範囲である。心取り点位置のプリズムの量がプリズムの許容範囲に含まれていれば、光学センターと心取り点位置が一致しておらずプリズムが発生していても実際のレンズの使用上支障のない公差の範囲にあるということになる。許容範囲に基づいて算出し、これを目視可能に表示したものが合格領域となる。心取り点位置と光学センター位置は許容範囲に対して等価となる位置にあるため、基準点が合格範囲の中央にあるのであればどちらを基準点に照合させても同じ結果となる。
許容範囲は、例えばISOの許容範囲に基づいて設定することができる。また、レンズメーカーが独自にISOよりも厳しい許容範囲を設定することも可能である。一例として以下にISOの許容範囲に基づいた許容範囲を説明する。
以下は、プリズム指定値が0~2プリズムの場合のISOの許容範囲の例である。許容範囲は水平方向と垂直方向についてそれぞれ定められている。従って、ISO以外の独自の許容範囲でもよく、その場合には水平方向と垂直方向で表現されずに円領域で示すようにしてもよい。以下において、DminとはS度数とS+C度数の絶対値の小さいほうの値である。例えば、
S+1.00D C+0.50D AX180
というプラス乱視度数の例では、
S度数の絶対値は|1|=1、S+C度数の絶対値は|1+0.5|=1.5
なので、両者のうちの小さいほうの値は1となる。あるいは、
S+2.00D C-3.00D AX180
というミックス乱視度数の例では、
S度数の絶対値は|2|=2、S+C度数の絶対値は|2-3|=1
なので、両者のうちの小さいほうの値は1となる。
A.基準点を中心とした水平方向のプリズムの許容範囲
0.00D≦Dmin≦3.25Dのレンズの場合には0.33プリズム以下。
3.25D<Dmin の場合には偏心量が1mm以内であり、プリズムの値では、近似的に0.1×Dminプリズム以内となる。
B.基準点を中心とした垂直方向のプリズムの許容範囲
0.00D≦Dmin≦5.00D の場合には0.25プリズム以下。
5.00D<Dmin の場合には偏心量が0.5mm以内であり、プリズムの値では、近似的に0.05×Dminプリズム以内となる。
表示面にはレンズに設定した度数毎にこのような許容範囲に基づいて算出して合格領域として光学センターの周囲に表示させる。
合格領域の外郭は以下のプレンティスの式B.から度数毎に求めることができる。求め方としては、光学センターを中心とした周囲360度方向を、細かな間隔、例えば1度ステップで360点プロットしてそれを結ぶことによって描くようにしたり、方形となる合格領域の4つのコーナーの座標を求めてそれらを直線で結ぶようにしてもよい。
次に、プリズム量とセンターずれの関係について説明する。センターずれとは、光学センターが本来あるべき位置(一般には丸レンズにおいては幾何中心を予定する。特殊な場合には偏心させた位置とすることもある)からずれた距離のことである。プリズム量又はセンターずれは近似的にプレンティスの式で求めることができる。プレンティスの式は次の2つの形式で示される。
A.プリズム量(プリズムディオプター)=ズレ量(mm)・レンズの度数(D)/10
B.ズレ量(mm)=10・プリズム量(プリズムディオプター)/レンズの度数(D)
この式を用いると、基準点で許容されるプリズム量はどのくらいの範囲までよいのか距離として計算することができる。尚、プレンティスの式以外の方法、例えばスネルの法則に従った計算によりこの距離を算出することもできる。
球面度数のレンズにおいては、プリズムを生じた方向とセンターずれの方向が一致する。但し、度数のプラスマイナスによってセンターずれの向きは反対になる。例えばプラス度数レンズでベースインプリズムを生じると光学センターは鼻側にずれ、マイナス度数レンズでベースインプリズムを生じると光学センターは耳側にずれる。乱視度数のレンズにおいても、生じたプリズムの方向に応じてセンターずれを生じる。
また、レンズの度数が0かあるいはごく弱い場合、わずかなプリズムを生じただけで大きなセンターずれを生じる。逆にいえばレンズの度数がごく弱い場合、センターずれが大きくともそれほど大きなプリズムを生じていることにはならない。そのためこのようなレンズではセンターずれの合格範囲が大きくなる。
また、ある位置においてプリズムがある場合に、光学センターがどの方向にどれだけ離れた位置にあるか、つまりセンターずれを生じている場合にどのようにずれているかは図8に基づいて次のように計算される。
プリズムはS方向とS+C方向の合成であると考える。そして、S度数と、S方向(AXで表示された方向)の量を求め、その方向への偏心A(mm)を求める。一方、S+C度数と、S+C方向(AXとは直角方向)のプリズム量を求め、その方向への偏心B(mm)を求め、偏心Aと偏心Bを合成して光学センターのずれ量を決定する。
具体的には例えば次のように計算される。
S+2.00D C-4.00D AX45 で、水平プリズムが0.00P、垂直プリズムが0.56Pとなっている位置を基準位置Oとして光学センターの位置、つまり光学センター移動位置を計算する。
S度数は+2.00DでありS方向のプリズムはAX45なので45度方向となる。90度方向の垂直プリズムの0.56Pを分解すると45度方向は0.40Pとなり、その方向への偏心A(センターずれ成分)はプレンティスの式により2mmとなる。
一方、S+C度数は-2.00Dであり、S+C方向のプリズムは135度方向となる。上記と同様に135度方向に0.40Pとなる。しかし、S+C方向はマイナス度数となっているため、ずれの方向はS+C方向と180度反対の向きとなる。これはプラスレンズとマイナスレンズでプリズムがあった場合のセンターずれの向きが逆になる光学特性に基づくものである。そのため、偏心Bは、315度方向となり、プレンティスの式により2mmとなる。そして、偏心Aと偏心Bを合成すると、0度方向に2.8mmの偏心となる。つまり、基準位置Oからこの方向に2.8mmの位置に光学センターが存在することとなる。
また、手段3では、前記検査対象レンズが乱視度数を有する場合に、前記検査対象レンズを前記合格領域内の基準点に照合させる際には、前記合格領域をレンズの乱視軸方向が明確な状態で表示面に表示させ、前記検査対象レンズの乱視軸方向を前記合格領域の乱視軸方向と一致させるようにした。
これによって検査対象レンズが乱視度数を有する場合に乱視軸方向を考慮した正しいレンズの位相位置(つまり基準点を中心としてレンズを自転させた際の位置)で照合できるため、乱視がある場合でも検査対象レンズの心取り点がプリズムの誤差範囲内に収まっているかどうかの判定が可能となる。この構成は特に枠入れする前の丸レンズや玉型レンズのように位相を決めにくいレンズにとって有効である。
また、手段4では、前記合格領域は、前記検査対象レンズを前記第1のマーキング又は前記第2のマーキングを基準点に照合させた際の基準点を回転中心としたレンズの位相を決定するための第1の指標を伴っているようにした。
「レンズの位相」とは検査対象レンズを基準点を中心として自転させた際のレンズの位置である。例えば乱視のない丸レンズであればレンズは円形の外形であるため、どのような位相であっても形状も光学性能も同じであるが、これに乱視度数があったり、玉型に加工したレンズであればどのような向きで配置されるべきかは重要である。そのためにレンズの位相を決定するためのこのような指標があることで、これを視認しながら正しい位相状態で照合させることが可能となる。
レンズの位相を決定するための第1の指標は、例えば検査対象レンズの乱視軸方向となる仮想的な線上に配置された点、線、あるいは模様や色の違い等で表示することがよい。
また、手段5では、前記合格領域は、前記検査対象レンズを前記第2のマーキングを基準点に照合させた際の基準点を回転中心とした乱視軸方向の位相を決定するための第2の指標を伴っているようにした。
乱視度数のあるレンズではどのような向きで配置されるべきかは重要である。そのために乱視軸方向の位相を決定するためのこのような指標があることで正しい位相状態で照合させることが可能となる。これによって、乱視軸方向の位相を決定するための第2の指標に基づいて正確にその検査対象レンズの乱視軸方向に合わせて検査対象レンズを合格領域に照合することが可能となる。
乱視軸方向の位相を決定するための第2の指標は、例えば検査対象レンズの乱視軸方向となる仮想的な線上に配置された点、線、あるいは模様や色の違い等で表示することがよい。
また、手段6では、前前記検査対象レンズはフレームに枠入れされた後の左右一対のレンズであり、前記表示面には前記検査対象レンズの左右一対のレンズの瞳孔間距離に対応した左右一対の前記合格領域が表示されているようにした。
これによって、枠入れ前のレンズだけでなくフレームに枠入れした状態の2枚の検査対象レンズについて心取り点でのプリズムの合否を判定することが可能となる。
また、手段7では、前記合格領域は、前記検査対象レンズを枠入れしたフレームが配置されるべき位置を示す第3の指標を伴っているようにした。
これによって、第3の指標に基づいてフレームに枠入れした状態の検査対象レンズを迅速にかつ正確に位置合わせできることとなる。
また、手段8では、左右一対の前記合格領域は前記検査対象レンズの左右一対のレンズが水平方向において配置されるべき位置を示す第4の指標を伴っているようにした。
これによってフレームに枠入れした状態の左右の検査対象レンズの心取り点の位置合わせが迅速にかつ容易にできることとなる。
また、手段9では、前記表示面はチェック用紙上に印刷されているようにした。
このように出力された用紙であれば簡便にだれでもチェックできることとなる。
また、手段10では、前記表示面は表示装置の表示部に表示されるようにした。
表示装置の表示部を使用して検査対象レンズをチェックすることで多くの種類のチェック用紙を備えなくともよくなるからである。
「表示装置」としては、例えば、ラップトップ~ノートパソコン(タブレットPCやネットブックやスマートブックを含む)、PDA(Personal Digital Assistant)等の電子的な表示画面を備えたタブレット端末、スマートフォン等がよい。
また、手段11では、前記表示装置は制御手段を備え、前記制御手段は前記検査対象レンズの前記合格領域を前記検査対象レンズが照合可能なように前記検査対象レンズのサイズに一致する大きさで前記表示部に表示させるようにした。
手段10のより具体的な方法である。チェック用紙上に印刷する場合には前提として検査対象レンズのサイズに応じた合格領域示すわけであるが、表示装置の表示部は表示サイズが必ずしも実際の検査対象レンズと同サイズで表示されるわけではない。表示される画像は拡縮可能に表示されるからである。しかし、ここでは実際の検査対象レンズのサイズに一致する実寸サイズで表示させるようにしているため、大きさを調整する必要がない。制御手段は画面のサイズ調整をせずとも初期画面として実際の検査対象レンズのサイズに合わせた表示態様で画面に合格領域を表示させる。
また、手段12では、前記表示装置は制御手段を備え、前記制御手段は前記検査対象レンズのプリズムの許容範囲を算出することで決定される前記合格領域を表示部に表示させるようにした。
これも手段10のより具体的な方法である。これは合格領域を表示させるプログラムが記憶装置に記憶されており、ユーザーのS度数やC度数や乱視軸方向の入力に基づいて許容範囲を計算し、決定される合格領域を合格領域を表示部に表示させるものである。これによって、どのようなユーザーの度数であっても算出してチェック可能に表示部に表示させることができる。
また、手段13では、前記表示装置は制御手段を備え、前記制御手段は前記検査対象レンズ毎のプリズムの許容範囲に基づく前記合格領域を記憶装置から呼び出して前記合格領域を表示部に表示させるようにした。
これも手段10のより具体的な方法である。例えば、ユーザーのS度数やC度数や乱視軸方向毎にラベル付けされた合格領域が表示されたチェック用紙画面を記憶装置に記憶させ、これを入力に基づいて制御手段が当該ユーザーに応じた合格領域が表示されたチェック用紙画面を呼び出して表示させるような場合である。チェック用紙画面として、例えば実際の紙として出力したチェック用紙を映像化して保存したり、例えば画像作成ソフトでチェック用紙画面を作成し、画面データとして保存したりすることがよい。
本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求の範囲とする意思を有する。
本願発明は以下の実施の形態に記載の構成に限定されない。各実施の形態や実施例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。
本発明では、眼鏡店において検査対象レンズの印点した心取り点位置が許容範囲にあるかどうかを計算せずにチェックできることとなり、簡単かつ速やかに心取り点位置の合否の判定をすることができる。
本発明の実施の形態において眼鏡店とレンズメーカーとの間のデータの授受と作製されたレンズの授受の関係を説明するブロック図。 実施例1において検査対象レンズとしての玉型レンズに印点された状態の正面図。 実施例1において(a)は心取り点が合格範囲に入っているかどうかの判定をするためのチェック用紙の拡大図、(b)は図2のレンズを(a)のチェック用紙の上に正しく判定可能に載置した状態の使用状態を説明する説明図。 実施例2において(a)心取り点が合格範囲に入っているかどうかの判定をするためのチェック用紙の拡大図、(b)は検査対象レンズとしての丸レンズを(a)のチェック用紙の上に正しく判定可能に載置した状態の使用状態を説明する説明図。 実施例3において心取り点が合格範囲に入っているかどうかの判定をするためのタブレット端末装置の表示画面に表示させた照合対象画像の拡大図。 検査対象レンズを枠入れした眼鏡を図5のタブレット端末装置の表示画面の照合対象画像上に正しく判定可能に載置した状態の使用状態を説明する説明図。 他の実施例の心取り点が合格範囲に入っているかどうかの判定をするためのチェック用紙の拡大図。 レンズにプリズムがある場合に、光学センターがどの方向にどれだけ離れた位置にあるかの計算方法を説明する説明図。
以下、本発明の眼鏡レンズのプリズム検査方法を具体化した実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1に基づいて検査対象となる眼鏡レンズを作製後検査するまでの工程について説明する。
レンズメーカーでは、眼鏡店からユーザー(装用者)の眼鏡レンズに関するレンズの屈折力、アッベ数、ベースカーブ値、レンズ度数、乱視軸、プリズム、瞳孔間距離、心取り点位置、フレームデータ等の処方データ(注文データ)を入手し、処方データに基づいて所定のセミフィニッシュトブランクを切削加工して丸レンズを得るようにする。更に、玉型形状データ、アイポイントデータ、瞳孔間距離、心取り点データ等に基づいて丸レンズから玉型レンズを得るようにする。この段階まではレンズメーカーでの工程となる。
眼鏡店側では注文した玉型レンズをレンズメーカーから受け取り、そのレンズの心取り点が合格範囲に入っているかどうかの判定を行う。以下は判定の実施例である。
(実施例1)
実施例1は玉型レンズの心取り点が合格範囲に入っているかどうかの判定をチェック用紙を用いて実施する場合である。
チェック用紙は、例えば算出手段としてのコンピュータによって作製され、プリンタから出力(印字)される。コンピュータは、ユーザーの入力に応じてプログラム実行可能なハードウエア構成を有する情報処理装置であり、その記憶手段には、OS(Operation System)や画像処理、入力データに基づいて座標算出等するためのプログラムがあらかじめインストールされている。各プログラムはコンピュータ内の制御手段としてのCPU(Central Processing Unit:中央制御装置)が呼び出し、その制御の下で各プログラムが実行される。
記憶手段にはレンズの度数に応じた心取り点のプリズムの許容範囲のデータ等各種レンズに関するデータが格納されており、CPUは合格領域を表示させるプログラムに従ってレンズの度数に応じた心取り点のプリズムの許容範囲を計算し合格領域を表示させる。また、CPUは合格領域とそれに付帯した図柄の表示画像を作成する。また、CPUは接続されたプリンタに印刷データを出力し合格領域とそれに付帯した図柄のチェック用紙1を印刷させる。
次に検査対象レンズである具体的な玉型レンズ2とチェック用紙1との照合作業について図面に基づいて説明する。
実施例1では玉型レンズ2に乱視度数がある場合を例に取る。玉型レンズ2はS+0.50D C+0.50D AX180のSVレンズとする。また、レンズにはプリズム処方はないものとする。プリズム許容量はISO規格に従うものとする。すなわち、
水平方向のプリズム許容量 0.33P 基準点からのそれぞれ左右方向へのズレ量 6.6mm
垂直方向のプリズム許容量 0.25P 基準点からのそれぞれ垂直方向へのズレ量 2.5mm
ここではR用の玉型を使用した。玉型のサイズは横幅42.0mm、縦幅17.0mmである。
図2に示すように、眼鏡店側のチェック担当者は、まず入荷された玉型レンズ2のレンズメーターで測定された光学センターに印点する(第1のマーキング)。この点を印点Aとする。また、印点Aを挟んだ180°対向する位置に乱視軸方向を表す2つの印点をする。この点を印点Bとする。これらはレンズメータのレンズ受け台上に玉型レンズ2を載置して実行される。
そして、心取り点位置に例えばペンで印点を行う。心取り点位置は当初処方としてレンズメーカーに伝達した位置に基づいて測定される。この点を印点Cとする(第2のマーキング)。印点Cはチェック担当者が当初発注時に行った当該玉型レンズ2に対応するデータと照合するものであり、本実施例ではx軸方向とy軸方向の所定の距離と照合させる。ここではx軸方向方向は枠入れした状態の左右方向であり、例えばブリッジ中央からの距離とし、y軸方向はそれと直交する方向で、例えばフレーム下端からの距離とする。チェック担当者はその交点を測定して印点して印点Cとする。測定はレンズメータ附属の目盛りを使用してもメジャーで測定してもよい。作図上印点Cをわかりやすく図示するため×で示すが、実際は印点A色や印点Bとは色の異なるペンで印点する。
チェック担当者は玉型レンズ2に対応するチェック用紙1を準備する。図3(a)に示すように、チェック用紙1には水平線11と水平線11に直交する垂直線12が表示されている。水平線11は玉型レンズ2をフレームに枠入れした際に瞳孔間距離を結んだ線と平行となる線である。水平線11と垂直線12の交点が基準点13とされる。水平線11はレンズの位相を決定するための第1の指標である。これら各線分は本実施例1では黒色で表示される。基準点13の周囲にはこの玉型レンズ2の度数と乱視軸方向に対応する合格領域SEが表示されている。合格領域SEを確定する輪郭は例えば水平線11と垂直線12とは異なる識別性の高い色、ここでは一例として彩度の大きな赤線が使用されている。基準点13を通る水平線11と重複する位置には乱視軸方向の位相を決定するための指標として破線で示される乱視軸方向線14が表示されている。実施例1では玉型レンズ2の乱視軸方向が180°であるため、水平線11と重複する位置に表示されることとなる。水平線11の両端にはレンズの向きを間違えないように「鼻側」「耳側」というレンズの向きのマーク15が表示されている。
チェック担当者は図3(b)に示すように、玉型レンズ2を印点Cが基準点13に照合されるようにチェック用紙1上に載置する。その際に、乱視軸方向がを示す2つの印点Bがちょうど乱視軸方向線14と平行になるように配置する。印点Bが乱視軸方向線14と平行となると玉型レンズ2の回転位置は決定されたことになる。そのため、乱視軸方向線14もレンズの位相を決定するための第2の指標となる。そして、その状態で印点Aが合格領域SE内にあるかどうかを判定する。印点Aは合格領域SE内にあるためこの玉型レンズ2は合格である。
(実施例2)
実施例2はチェック用紙21を用いて丸レンズ22の心取り点が合格範囲に入っているかどうかの判定を実施する場合の実施例である。実施例2では実施例1と同様の工程でチェック用紙21を印刷する。
実施例2では丸レンズ22で乱視度数がない場合を例に取る。丸レンズ22はS+1.00D C+0.00DのSVレンズ、径は70mmとする。また、レンズにはプリズム処方はないものとする。プリズム許容量はISO規格に従うものとする。すなわち、
水平方向のプリズム許容量 0.33P 基準点からの左右方向へのそれぞれズレ量 3.3mm
垂直方向のプリズム許容量 0.25P 基準点からの垂直方向へのそれぞれズレ量 2.5mm
ここではR用の玉型を使用した。
実施例1と同様にチェック担当者は丸レンズ22に印点A~印点Cをする。但し、実施例2では乱視度数はないので印点Bは形式上押印されるものの印点Bを結んだ線に乱視軸方向としての意味はない。
次いで、チェック担当者は丸レンズ22に対応するチェック用紙21を準備する。図4(a)に示すように、チェック用紙21には水平線23と水平線23に直交する垂直線24が表示されている。水平線23はこの丸レンズ22を加工し玉型レンズとしてフレームに枠入れした際に瞳孔間距離を結んだ線と平行となる予定の線である。水平線23と垂直線24の交点が基準点25とされる。これら各線分は本実施例2では黒色で表示される。基準点25の周囲にはこの玉型レンズ2の度数に対応する合格領域SEが表示されている。合格領域SEを確定する輪郭は実施例1と同様に赤線が使用されている。水平線23の両端にはレンズの向きを間違えないように「鼻側」「耳側」というレンズの向きのマーク26が表示されている。
チェック担当者は図4(b)に示すように、玉型レンズ2を印点Cが基準点25に照合されるようにチェック用紙1上に載置する。丸レンズ22は乱視度数はないので位相は限定されない。つまり、印点Cが基準点13に照合さえされれば印点Cを中心とした丸レンズ22の回転方向は自由に設定できる。もし、印点Aが丸レンズ22がどのような位相状態でも合格領域SE内にあれば合格である。もし、印点Aが位相によって丸レンズ22が合格領域SE内にない場合が生ずるのであれば、印点Aが合格領域SE内にある場合に水平線23又は垂直線24方向に丸レンズ22上に2点以上の印点を行い、玉型レンズ加工時のレンズの水平方向又は垂直方向の基準とする。この点で水平線23や垂直線24はレンズの位相を決定するための指標となりうる。現状では印点Aはどのような位相であっても常に合格領域SE内にあるため、この丸レンズ22は合格であり、玉型レンズの加工する際の向きの制限はない。
(実施例3)
実施例3はタブレット端末装置を用いてフレームに枠入れした後の眼鏡31として完成した状態の玉型レンズ32A、32Bの心取り点が合格範囲に入っているかどうかの判定を実施する場合の実施例である。
タブレット端末装置はユーザーの入力に応じてプログラム実行可能なハードウエア構成を有する情報処理装置であり、表示画面に検査対象レンズの心取り点の判定をするための画面を表示させる表示手段でもある。タブレット端末装置は内部に制御手段としてのCPU(Central Processing Unit:中央制御装置)や記憶手段を備えている。
タブレット端末装置は、ユーザーの入力に応じてプログラム実行可能なハードウエア構成を有する情報処理装置であり、その記憶手段には、OS(Operation System)や画像処理のためのプログラム、入力データに基づいて座標算出等するためのプログラム、照合対象画像33を表示画面に表示させるプログラム等があらかじめインストールされている。各プログラムは記憶手段からCPUによって呼び出され、CPUの制御の下で各プログラムが実行される。
記憶手段にはレンズの度数に応じた心取り点のプリズムの許容範囲のデータ等各種レンズに関するデータが格納されており、CPUは合格領域を表示させるプログラムに従って瞳孔間距離に応じた位置にレンズの度数に応じた心取り点のプリズムの許容範囲を計算し入力データに応じて合格領域とそれに付帯した図柄の画面表示をさせる。また、CPUは合格領域の表示画像を作成し、表示画面に表示させる。
実施例3では玉型レンズ32に乱視度数がある場合を例に取る。玉型レンズ32は玉型レンズ32AとなるR側でS-3.0D C+0.50D AX90、玉型レンズ32BとなるL側でS-3.5D C+0.50D AX90のSVレンズとする。また、レンズにはプリズム処方はないものとする。プリズム許容量はISO規格に従うものとする。すなわち、
R側での水平方向のプリズム許容量 0.33P 基準点からのそれぞれ左右方向へのズレ量 1.1mm
R側での垂直方向のプリズム許容量 0.25P 基準点からのそれぞれ垂直方向へのズレ量 0.8mm
L側での水平方向のプリズム許容量 0.35P 基準点からのそれぞれ左右方向へのズレ量 1.2mm
L側での垂直方向のプリズム許容量 0.25P 基準点からのそれぞれ垂直方向へのズレ量 0.8mm
次に具体的なフレームに枠入れした眼鏡31の左右の玉型レンズ32A、32Bとタブレット端末装置の表示画面に表示させた照合対象画像33との照合作業について図面に基づいて説明する。
実施例1と同様にチェック担当者は左右の玉型レンズ32A、32Bにそれぞれ印点A~印点Cをする。
次いで、チェック担当者はタブレット端末装置に所定の入力を実行する。所定の入力とは左右のレンズ毎のS度数、C度数、乱視軸(AX)、瞳孔間距離、丸レンズでのサイズ径、枠入れ後のフレーム下端からの距離等の数値の入力である。これらのデータ入力によってタブレット端末装置の表示画面に当該玉型レンズ32A、32Bに対応した照合対象画像33が表示される。照合対象画像33は実際の眼鏡31のサイズ、つまり瞳孔間距離や枠入れ後のフレーム下端からの距離について実際の眼鏡31や玉型レンズ32A、32Bと一致している。
図5に示すように、照合対象画像33は水平線35と水平線35に直交する2本の垂直線36が表示されている。水平線35と垂直線36との交点はそれぞれ基準点37とされることとなる。左右の垂直線36の間隔(基準点37の間隔)は当該眼鏡31の実際の瞳孔間距離とされている。2本の垂直線36の中央位置には眼鏡中央点(ブリッジの中央)を示す垂直線36と平行な中心線38が表示されている。中心線38は左右一対のレンズが水平方向において配置されるべき位置を示す第4の指標となる。水平線35の上部位置には眼鏡31のフレーム下端が配置される接線位置を示す水平線35と平行な眼鏡配置線39が表示されている。眼鏡配置線39はフレームが配置されるべき位置を示す第3の指標となる。
左右の基準点37を通り垂直線36と重複する位置に乱視軸方向の位相を決定するための第2の指標として破線で示される乱視軸方向線40が表示されている。実施例3では玉型レンズ2の乱視軸方向が90°であるため、垂直線36と重複する位置に表示されることとなる。これら各線分は本実施例3では黒色で表示される。左右の基準点37の周囲にはそれぞれ32A、32Bの度数に対応する合格領域SEが表示されている。合格領域SEを確定する輪郭は実施例1と同様に赤線が使用されている。
チェック担当者は図6に示すように、タブレット端末装置の照合対象画像33が表示された表示画面上に、眼鏡31を玉型レンズ32A、32Bの凸面(表面)側が表示画面側となるように載置する。そして、眼鏡31のフレームの下側が眼鏡配置線39と接するように配置する。表示画面では水平線35の上方位置に眼鏡配置線39が配置されるため、眼鏡31の下端は上下反転して上側となる。このように上下反転し、かつ玉型レンズ32A、32Bの凸面(表面)側を下にするため、右方に右側レンズが配置される。眼鏡31のフレーム下端を眼鏡配置線39に沿って配置し、玉型レンズ32A、32Bのそれぞれの印点Aが合格領域SE内にあるかどうかを判定する。印点Aは合格領域SE内にあるためこの玉型レンズ32A、32Bは合格である。
(実施例4)
実施例4は実施例3と同様にタブレット端末装置を用いてフレームに枠入れした後の眼鏡31として完成した玉型レンズ32A、32Bの心取り点が合格範囲に入っているかどうかの判定を実施する場合の実施例である。実施例4では実施例3と同じ図面を用いて説明する。
タブレット端末装置はユーザーの入力に応じてプログラム実行可能なハードウエア構成を有する情報処理装置であり、表示画面に検査対象レンズの心取り点の判定をするための画面を表示させる表示手段でもある。タブレット端末装置は内部に制御手段としてのCPU(Central Processing Unit:中央制御装置)や記憶手段やカメラを備えている。
タブレット端末装置は、ユーザーの入力に応じてプログラム実行可能なハードウエア構成を有する情報処理装置であり、その記憶手段には、OS(Operation System)や画像処理のためのプログラム、入力データに基づいて照合対象画像33を選択するためのプログラム、撮影された照合対象画像33をラベル付けするためのプログラム、照合対象画像33を表示画面に表示させるプログラム等があらかじめインストールされている。各プログラムは記憶手段からCPUによって呼び出され、CPUの制御の下で各プログラムが実行される。
記憶手段には照合対象画像33の多数の撮影画像が格納されている。撮影画像各種レンズに関するS度数、C度数、乱視軸(AX)、瞳孔間距離、丸レンズでのサイズ径、枠入れ後のフレーム下端からの距離等の処方データに応じた番号が割り振られ、番号を入力することでCPUはその呼び出しに応じて対応する照合対象画像33を表示画面に表示させる。
実施例4では実施例3と同様に具体的なフレームに枠入れした眼鏡31を用意して、タブレット端末装置の照合対象画像33が表示された表示画面上に載置してチェックを行う。実施例4ではすでに照合対象画像33として取得済みのものを選択して表示画面上に表示させることが、実施例3との相違である。実施例4ではチェック担当者が処方データに応じた番号を入力することで照合対象画像33を呼び出して照合作業を行う。
上記実施の形態は本発明の原理およびその概念を例示するための具体的な実施の形態として記載したにすぎない。つまり、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明は、例えば次のように変更した態様で具体化することも可能である。
・合格領域SEの形状は上記に限定されるものではない。形状は上記のような方形に構成されなければならないわけではない。例えば、すべての方向に対してプリズムの許容量を一定の値とする規格であれば、独自に円形の領域を合格領域SEとするようにしてもよい。
・実施例1~4では基準点13、25、37と照合する点について心取り点位置である印点Cを照合させる例で説明したが、基準点13、25、37が合格領域SEの中心位置にあれば心取り点と光学センターのどちらを基準点13、25、37に配置しても結果は同じとなる。つまり、光学センターである印点Aを照合させるようにしてもよい。
・基準点が合格領域SEの中心位置にない場合には心取り点と光学センターのどちらを基準点に照合させるかによって基準点の位置は変わる。
・眼鏡店が自身で丸レンズを玉型加工する際には、加工後に上記実施例1、実施例3、実施例4のように心取り点の判定をしてもよい。
・上記実施例1や実施例3ではいずれも水平線11、35や垂直線12、36と乱視軸方向線14、40が重複上記に表現されていたが、乱視軸が水平又は垂直以外の方向にある場合でも基準点13、37を通る直線として(例えば45°方向や135°方向に)表記するようにしてもよい。図7は実施例1のチェック用紙1において乱視軸が45°の場合の一例である。
・基準点13、25、37は水平線11、23、35や垂直線12、24、36交点として示されていたが、交点以外の形態であってもよい。
・第3の指標となる眼鏡配置線39は下側に配置されてもよい。
・チェック用紙1は一々眼鏡店でプリンタで印字しなくとも、印刷会社に発注する印刷機による印刷でも構わない。
・上記のようなタブレット端末装置、51以外の電子機器の表示装置を使用してその画面にチェック用の照合対象画像を表示させてチェックしてもよい。
・上記ではタブレット端末装置、51では完成した眼鏡31、50の照合対象画像33、52を表示させていたが、枠入れ前の玉型レンズや丸レンズについてもタブレット端末装置等の表示装置を使用してチェックできるようにしてもよい。
・上記実施の形態ではレンズメーカーはセミフィニッシュトブランクを加工することを説明したが、型枠で当初からフィニッシュトレンズとしての丸レンズを成形するようにする加工工程であってもよい。
・表示される各線分の色や形状は上記は一例である。また、合格領域SE内部を外部と異なる色で着色するようにして区別してもよい。その場合には合格領域SEを確定する境界線は必ずしも表示しなくともよい。
・チェック担当者は表示面に表示した合格範囲領域を表す線をレンズを通して見るが、その位置でレンズが表示面に対して斜めになっている場合は、プリズム効果が生じて線の位置が少しズレて見える。その効果を考慮して線の位置を算出してもよい。
・上記のコンピュータやタブレット端末の記憶手段は内蔵のハードディスクやSSD(ソリッドステートドライブ)でもあるいは外付けのそれら装置であってもよい。また、クラウド上にデータを格納するようにしてもよい。
その他本発明の趣旨を逸脱しない態様で実施することは自由である。
2、32A、32B…検査対象レンズとしての玉型レンズ、22…検査対象レンズとしての丸レンズ、4、7、10、13、18、25、28、31、35、38…玉型形状としての玉型形状の図形、A…第1のマーキングとしての印点、C…第2のマーキングとしての印点、SE…合格領域。

Claims (13)

  1. 度数を設定した検査対象レンズのレンズ面上において、プリズムの発生していない位置である光学センターに対して第1のマーキングをするとともに、前記検査対象レンズの心取り点に第2のマーキングをする一方、
    前記検査対象レンズに設定される度数に応じて、前記検査対象レンズの前記心取り点の周囲に設定されるプリズムの許容範囲に基づく合格領域を表示面に表示させ、
    前記表示面上において前記検査対象レンズを前記第2のマーキングを前記合格領域内の基準点に照合させた場合に、第1のマーキングが前記合格領域内に存在するならば前記検査対象レンズの心取り点がプリズムの誤差範囲内に収まっていると判定することを特徴とする眼鏡レンズのプリズム検査方法。
  2. 度数を設定した検査対象レンズのレンズ面上において、プリズムの発生していない位置である光学センターに対して第1のマーキングをするとともに、前記検査対象レンズの心取り点に第2のマーキングをする一方、
    前記検査対象レンズに設定される度数に応じて、前記検査対象レンズの前記心取り点の周囲に設定されるプリズムの許容範囲に基づく合格領域を表示面に表示させ、
    前記表示面上において前記検査対象レンズを前記第1のマーキングを前記合格領域内の基準点に照合させた場合に、第2のマーキングが前記合格領域内に存在するならば前記検査対象レンズの心取り点がプリズムの誤差範囲内に収まっていると判定することを特徴とする眼鏡レンズのプリズム検査方法。
  3. 前記検査対象レンズが乱視度数を有する場合に、前記検査対象レンズを前記合格領域内の基準点に照合させる際には、前記合格領域をレンズの乱視軸方向が明確な状態で表示面に表示させ、前記検査対象レンズの乱視軸方向を前記合格領域の乱視軸方向と一致させるようにすることを特徴とする請求項1又は2に記載の眼鏡レンズのプリズム検査方法。
  4. 前記合格領域は、前記検査対象レンズを前記第1のマーキング又は前記第2のマーキングを基準点に照合させた際の基準点を回転中心としたレンズの位相を決定するための第1の指標を伴っていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の眼鏡レンズのプリズム検査方法。
  5. 前記合格領域は、前記検査対象レンズを前記第1のマーキング又は前記第2のマーキングを基準点に照合させた際の基準点を回転中心とした乱視軸方向の位相を決定するための第2の指標を伴っていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の眼鏡レンズのプリズム検査方法。
  6. 前記検査対象レンズはフレームに枠入れされた後の左右一対のレンズであり、前記表示面には前記検査対象レンズの左右一対のレンズの瞳孔間距離に対応した左右一対の前記合格領域が表示されていることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の眼鏡レンズのプリズム検査方法。
  7. 前記合格領域は、前記検査対象レンズを枠入れしたフレームが配置されるべき位置を示す第3の指標を伴っていることを特徴とする請求項6に記載の眼鏡レンズのプリズム検査方法。
  8. 左右一対の前記合格領域は前記検査対象レンズの左右一対のレンズが水平方向において配置されるべき位置を示す第4の指標を伴っていることを特徴とする請求項6又は7に記載の眼鏡レンズのプリズム検査方法。
  9. 前記表示面はチェック用紙上に印刷されていることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の眼鏡レンズのプリズム検査方法。
  10. 前記表示面は表示装置の表示部に表示されることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の眼鏡レンズのプリズム検査方法。
  11. 前記表示装置は制御手段を備え、前記制御手段は前記検査対象レンズの前記合格領域を前記検査対象レンズが照合可能なように前記検査対象レンズのサイズに一致する大きさで前記表示部に表示させることを特徴とする請求項10に記載の眼鏡レンズのプリズム検査方法。
  12. 前記表示装置は制御手段を備え、前記制御手段は前記検査対象レンズのプリズムの許容範囲を算出することで決定される前記合格領域を表示部に表示させるようにしたことを特徴とする請求項11に記載の眼鏡レンズのプリズム検査方法。
  13. 前記表示装置は制御手段を備え、前記制御手段は前記検査対象レンズ毎のプリズムの許容範囲に基づく前記合格領域を記憶装置から呼び出して前記合格領域を表示部に表示させることを特徴とする請求項11に記載の眼鏡レンズのプリズム検査方法。
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