JP7395221B1 - 精液注入用器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリンジ法において、ユーザに大きな負担を掛けることなく妊娠の可能性を向上させる。【解決手段】管状器具10aは、膣内に挿入して精液を体内に注入するための器具である。管状器具10aは、先細り形状の先端部Hを有する管体部20aと、管体部20aの先端部Hの外周面に設けられたフランジ状の張出し部30aを有する。張出し部30aは、吐出された精液が膣内から漏れることを防止するための手段である。【選択図】図1

Description

この発明は、シリンジ法の実施に好適な管状器具に関する。
男性に膣内射精障害などの問題があるときに、女性の妊娠を実現する一つの方法としてシリンジ法がある。シリンジ法は、スポイト法、膣内注入法、自己AIHなどとして知られていた妊活手法の一種であり、カテーテルを装着するなどしたシリンジ(注射器)に膣外で射精された精液を収め、膣内に挿入して、膣内に精液を注入する方法である(例えば特許文献1参照)。
実用新案登録第3205250号公報
これまでのシリンジ法では、精液をヒトの腟内に注入した後、精液が膣から漏れ出る虞があった。これは、精液量が少ない人にとっては特に重要な問題である。
ここで、精液は膣内で30分程は活動することが知られている。従って、子宮口近くにできるだけ多くの精液を留めておくことで、子宮内に精液を多く届けることが可能となり、結果として妊娠可能性が高まる。そこで、腟内から精液ができるだけ漏れないように、ユーザに腰を上げた状態を長時間維持してもらうことが考えられる。しかし、これはユーザの負担が大きかった。
この発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、ユーザに大きな負担を掛けることなく妊娠の可能性を高める手段を提供することを目的としている。
この発明は、吐出された精液が膣内から漏れることを防止するための張出し部が設けられた、膣内に挿入して精液を体内に注入するための管状器具を提供する。
好ましい態様において、前記張出し部は、前記管状器具の先端部の外周面に設けられる。
他の好ましい態様において、前記張出し部はフランジ形状である。また、前記先端部は先細りの曲面形状であってもよい。
他の好ましい態様において、前記張出し部は、前記先端部から基端部側に向かって広がる曲面が形成される第1の形態と、前記先端部から前記基端部の反対側に向かって広がる曲面が形成される第2の形態とに変形可能な弾性部材で形成される。
他の好ましい態様では、前記精液を通過させる空間を形成する内壁に螺旋状の溝が形成される。
この発明の他の態様である器具は、上記管状器具が注射器の先端に結合された器具である。
この発明の他の態様である注射器は、外筒として機能する上記管状器具とプランジャとからなる。
好ましい態様において、前記プランジャは、前記管状器具の先端部に形成された前記精液を吐出させるための開口部に篏合する凸部を有する。
本発明は、他の観点において、内部に精液を通過させるための空間が形成された管体部と、前記管体部の先端から軸方向の所定の距離に設けられた所定の厚みを有する円盤状の張出し部と、前記管体部の先端と前記張出し部との間に設けられた、前記精液の吐出方向に対して凸の曲面を有する筒先部とを有する、膣内に挿入して前記精液を注入するための管状器具を提供する。
この発明によれば、管状器具に設けられた張出し部が、吐出された精液が膣内から漏れ出ることを防止する。従って、ユーザに大きな負担を掛けることなく妊娠の可能性を高めることができる。
この発明の第1実施形態である管状器具の構成を示す図である。 同管状器具の第1の使用形態を示す図である。 同管状器具の第2の使用形態を示す図である。 同実施形態の動作を示す図である。 同実施形態の動作を示す図である。 この発明の第2実施形態である管状器具の構成を示す図である。 この発明の第3実施形態である管状器具の第1の形態を示す図である。 同管状器具の第2の形態を示す図である。 この発明の他の実施形態である管状器具の構成を示す図である。 この発明の他の実施形態(その1)に係る管状器具の張出し部の構成を示す図である。 当該他の実施形態である管状器具の管体部の構成を示す図である。 当該の他の実施形態である管状器具の管体部の構成を示す図である。 この発明の他の実施形態(その2)に係る管状器具の管体部の斜視図である。 当該他の実施形態(その2)に係る管状器具の管体部の側面図である。 当該他の実施形態(その2)に係る管状器具の管体部の正面図である。 さらに他の実施形態に係る管状器具の管体部の張り出し部付近の側面図である。 さらに他の実施形態に係る管状器具の張り出し部における軸方向に垂直な断面図である。 図17に示す管状器具の張り出し部付近の軸に垂直な方向の断面図であり、(a)は変形前(膣内に挿入される前)の形態、(b)は変形後(膣内への挿入後)の形態を示す。 注射器40aの断面図である。 注射器40aの拡大断面図である。
以下、図面を参照し、この発明の実施形態について説明する。本明細書において、「管状器具」との用語は、内部に、精液を少なくとも一方から他方へ通過可能な空間が形成されている器具を意味するものとし、その形状を限定するものと解してはならない。
本明細書において、「管体部」とは、管状器具の本体であり、後述する張出し部はこれ
に含まれない。
本明細書において、「張出し部」との用語は、管状器具の管体部を膣内に挿入して精液を吐出した場合に、吐出された精液が膣内から漏れることを低減するために設けられた部分を意味するものと解釈することができるものとし、他にその形状や構造を限定する修飾語のない限り、その形状や構造を限定するものと解してはならない。本明細書では、実施形態として、いくつかの張出し部の形状を例示するが、当業者は、技術常識を踏まえて、吐出された精液が膣内から漏れることを防止するための様々な形状や構造を考え得るものであり、そのような形状や構造は、いずれも本明細書の「張出し部」に含まれる。また、「張出し部」の語は、「突起部」等と言い換えてもよい。
本明細書において、「膣内挿入用」という用語は、人工授精用のカテーテルやデバイスのように、膣内だけでなく、子宮頸管をとおり、子宮内に挿入することのできるものと、この発明の管状器具とを区別するために用いられるものとする。すなわち、「膣内挿入用」という用語が用いられた場合、人工授精用のカテーテルやデバイスは、その範囲から排除されることを意味する。なお、人工授精用のカテーテルやデバイスは、医療機器として、医療従事者が手術等の際に用いるものであるのに対し、シリンジ法に用いるこの管状器具は、家庭やこれに準ずる場所において利用されるものであり、開発業者、販売態様、需要者その他の点でも大きく異なるものである。
<第1実施形態>
図1(a)は、この発明の第1実施形態である管状器具10aを、中心軸Xを含む平面により切断した断面図である。図1(b)は、同管状器具10aを基端部B側から見た背面図である。
この管状器具10aは、膣内に挿入して精液を体内に注入するための器具であり、管体部20aと、張出し部30aとを有する。管体部20aおよび張出し部30aは、好ましくはシリコン、エラストマー、ポリプロピレン等の樹脂など、膣内への挿入時に挿入が容易であってユーザに与える痛みその他の不快感ができるだけ少ない素材により構成されることが好ましい。管体部20aおよび張出し部30aは、一体成型されてもよく、別個に成型されて接着されてもよい。別個に成型される場合、管体部20aと張出し部30aとで異なる素材を用いてもよい。例えば、張出し部30aに、管体部20aよりも相対的に柔らかい素材(例えば弾性率が高い部材)を用いることで、挿入の容易性および挿入時にユーザに与える違和感を抑えつつ、張出し部30aと膣101の内壁101mとの高い密着性を実現させることができる。なお、成型の方法は、吐出成型など、一般的な成型方法を採用することができる。
管状器具10aの太さは任意であるが、後述するように、管状器具10aをユーザが自身の膣内に挿入し、管状器具10aの先端が子宮頚管の先端付近に到達し、且つそれ以上は内部に侵入できないようなサイズであることが好ましい。例えば、管状器具10aの管体部20aの直径は、3~20mm(ミリメートル)であってもよく、5~20mmであってもよく、好ましくは5mm~15mmであってもよい。本明細書において「直径」とは、形状が真円である場合にはその直径、楕円又は多角形である場合にはその長径、その他の形状である場合にはその最大径を意味するものと解釈することができる。更に、管体部の直径は、先端からの距離によって任意に変化するものであってもよい。例えば、管体部の張出し部より先端側において、管体部の直径が5~15mmであり、張出し部より基端部側において、管体部の直径が10~25mmであってもよい。また、管状器具が子宮頸管の内部に侵入しないという観点から、管体部の張出し部より先端側における最大直径が3.5mm以上であってもよく、4mm以上であってもよく、5mm以上であってもよく、6mm以上であってもよく、7mm以上であってもよく、8mm以上であってもよい。ここで「最大直径」とは、管体部の張出し部より先端側における直径の最大値を意味するものとして解釈することができる。また、張出し部30aの直径は、4mm~60mmであってもよく、好ましくは10mm~40mmであってもよく、更に好ましくは15~
25mmであってもよい。張出し部の厚みも任意であり、1~20mmであってもよく、2~15mmであってもよく、3~10mmであってもよく、4~8mmであってもよい。また、張出し部の厚みが、管状器具の軸からの距離によって任意に変化するものであってもよい。なお、管体部の直径を大きく変化させ、外周を張り出させることにより、管体部と一体としてシームレスに張出し部を設けてもよい。
管体部20aの先端部Hは、先細りの曲面形状をなしている。管体部20aには、中心軸Xに沿って貫通した空間21が形成されている。この空間21は、精液を通過させる空間である。精液は、基端部B側から空間21内に収容され、先端部Hから膣内に吐出される。
張出し部30aは、吐出された精液が膣内から漏れることを防止するための手段であり、管体部20aの先端部Hの外周面に設けられている。この例において、張出し部30aは、円形のフランジ形状をなしている。
管状器具10aの使用形態として、図2に示す第1の使用形態と、図3に示す第2の使用形態がある。
第1の使用形態(図2)では、外筒41およびプランジャ42からなる注射器40の先端に管状器具10aの基端部Bが取り付けられる。第1の使用形態は、管状器具10aをカテーテルとして利用する使用形態であり、既存の一般的な注射器を活用できる。注射器40と管状器具10aの接続の形態は任意である。例えば、ルアーロックシリンジなど注射器40の先端部に外周面にネジ山が形成されている場合、管状器具10aの管体部20aの内壁面に対応するネジ山を形成しておき、管状器具10aを注射器40の先端からねじ込んで固定してもよい。あるいは、ネジ山が形成されていない一般的な注射器40の場合、管状器具10aを注射器40の先端部に差し込むだけでもよい。第1の使用形態において、管状器具10aの長さ(基端部Bから先端部Hまでの長さ)は、50~150mmであってもよく、好ましくは70~120mmであってもよい。
一方、第2の使用形態(図3)では、注射器40と管状器具10aとを一体化する。すなわち、注射器40の外筒41を管状器具10aに置き換え、プランジャ42と、管状器具10aとからなる注射器を実現する。この第2の使用形態は、カテーテルを使用しないため、カテーテル内に精液が残らず、貴重な精子を無駄にしないという利点がある。第2の使用形態では、管状器具10aが、膣内に挿入した際の持ち手部分を兼ねるので、管状器具10aの長さは、80~250mmであってもよく、好ましくは100~200mmであってもよい。
次に図4および図5を参照し、本実施形態の動作を説明する。図4に示すように、女性生殖器100は、膣101、子宮頚管102、子宮103、卵巣104および卵管105を有する。管状器具10aは、先端部Hを子宮頚管102に向けて膣101内に挿入される。
図5は、膣101内に挿入された管状器具10aを拡大視した図である。まず、管状器具10aを、先端部Hが子宮頚管102の入口付近に達するまで膣101内に挿入する。次に管状器具10aを上記挿入方向と逆方向に少しだけ(例えば1cm程度)引き戻し、管状器具10aと膣101の子宮頚管102側の内壁との間に空間Rを形成する。その後、プランジャ42(図2および図3参照)を押し、精液を先端部Hから子宮頚管102へ向けて吐出する。
本実施形態では、管状器具10aの先端部Hの外周から広がったフランジ状の張出し部
30aが膣101の内壁101mに達し、あるいは内壁101mの非常に近くまで接近する。この張出し部30aが、吐出された精液を空間Rに溜め、精液が膣101内から漏れることを防止する。従って、本実施形態によれば、ユーザに大きな負担を掛けることなく妊娠の可能性を高めることができる。
<第2実施形態>
図6は、この発明の第2実施形態である管状器具10bの側面図である。この管状器具10bは、管体部20bと、張出し部30bとにより構成されている。
管体部20bは、上記第1実施形態の管体部20aと異なり、先端部Hが平坦になっている。この点を除けば、管体部20bの形状は、上記第1実施形態の管体部20aと同様である。
張出し部30bは、上記第1実施形態の張出し部30aと同様、管体部20bの先端部Hの外周から広がったフランジ形状の張出し部である。
上記第1実施形態と同様、管状器具10bの使用形態には、上述した第1の使用形態(図2)と第2の使用形態(図3)とがありうる。本実施形態においても、上記第1実施形態と同様な効果が得られる。
<第3実施形態>
図7は、この発明の第3実施形態である管状器具10cの第1の形態を示す側面図である。図8は、同管状器具10cの第2の形態を示す側面図である。ここで、第1の形態は、膣101に挿入する前の管状器具10cの形態である。また、第2の形態は、先端部Hが子宮頚管102の入口付近に達するまで管状器具10cを膣101内に挿入し、その後、管状器具10cを上記挿入方向と逆方向に少しだけ(例えば1cm程度)引き戻したときの管状器具10cの形態である(図4および図5参照)。本実施形態において、張出し部30cは、第1の形態と第2の形態とに変形可能な弾性部材により構成されている。
本実施形態において、管状器具10cは、管体部20cと、張出し部30cとにより構成されている。図示の例において、管体部20cは、上記第2実施形態と同様、先端部Hが平坦な形状を有しているが、管体部20cの先端部Hは上記第1実施形態のような先細り形状であってもよい。上記第1および第2実施形態と同様、張出し部30cは、管体部20cの先端部Hの外周から広がっている。上記第1および第2実施形態と同様、管状器具10cの使用形態には、上述した第1の使用形態(図2)と第2の使用形態(図3)とがありうる。
膣101に挿入する前の第1の形態(図7)において、張出し部30cは、先端部Hから基端部B側に向かって広がる曲面を形成する。この第1の形態は、管状器具10cを膣101内へ挿入するのに適した張出し部30cの形態である。
先端部Hが子宮頚管102の入口付近に達するまで管状器具10cが膣101内に挿入され、その後、管状器具10cが挿入方向と逆方向に少しだけ引き戻されると、張出し部30cは第2の形態(図8)となる。
この第2の形態(図8)において、張出し部30cは、先端部Hから基端部Bの反対側に向かって広がる曲面を形成する。この張出し部30cが、吐出された精液を空間Rに溜め、精液が膣101内から漏れることを防止する(図5参照)。従って、精液が膣101内から漏れるのを上記第1実施形態よりも効果的に防止することができる。
<他の実施形態その1>
以上、この発明の第1~第3実施形態を説明したが、この発明には他にも実施形態が考えられる。例えば次の通りである。
(1)管体部における張出し部の取り付け位置および取り付け個数は任意である。例えば、張出し部の取り付け位置について、張出し部(複数ある場合には、任意の特定の張出し部)が、管体部の先端から80mm以内の位置に設けられても良く、60mm以内の位置に設けられても良く、40mm以内の位置に設けられても良く、20mm以内の位置に設けられてもよく、10mm以内の位置に設けられてもよく、5mm以内の位置に設けられてもよく、2mm以内の位置に設けられてもよい。また、張出し部は、管体部の先端から2mm以上離れた位置に設けられてもよく、5mm以上離れた位置に設けられても良く、10mm以上離れた位置に設けられても良く、20mm以上離れた位置に設けられてもよい。張出し部の取り付け個数について、1つでもよく、2つでもよく、3つ以上でもよい。図9に示す管状器具10dは、管体部20dの先端部Hにおける最先端の位置に取り付けられた張出し部30d1と、この最先端の位置から基端部B側に所定距離だけ戻った位置に取り付けられた張出し部30d2とを有している。
(2)管体部の基端部B側からみた(管体の軸に垂直な方向からみた)張出し部の形状は、円形でなくてもよい。図10に示す管状器具10e1において、張出し部30e1は楕円形となっている。図10に示す管状器具10e2において、張出し部30e2は、外周に凹凸を有する形状となっている。これらの態様によれば、張出し部の膣内壁への密着性が向上する場合があり得る。その他、管体部の基端部B側からみた張出し部の形状は、例えば四角形状であってもよく、その他の多角形状であってもよい。
(3)図11に示す管状器具10fのように、管体部20fにおいて、精液を通過させる空間21fを囲む内壁に、螺旋状の溝22fを形成してもよい。この溝22fに沿って精液が整流されることで、乱流抵抗や摩擦抵抗が減少し、流れを加速させることができる。
(4)張出し部及び管体部の好適なサイズについては、第1実施形態で述べたとおりであるが、張出し部30の形状やサイズ、管体部20に対する相対的なサイズな位置は任意である。例えば、管状器具10fは、全体として釣鐘状、傘状、ないしカップ形状の形状を有し、カップ形状の中心部に、張出し部30に比べて短い管体部20fを設けてもよい。例えば、図12に示す管状器具10fである。同図(a)は精液吐出時の形状であり、(b)は挿入時(挿入方向は紙面左から右となる)の形状である。(c)は(a)を真上から見た図である。張出し部30は弾性体で形成されているため、挿入時と精液吐出時とでは管体部20fを中心として傘がひっくり返った状態となる。管状器具10fは、(d)に示すように、注射器40の先端部の周面(内壁面または外壁面)に形成されたネジ山49と管体部20fの周面(外壁面または内壁面)に形成されたネジ山とを勘合させることで接続する。この実施形態では、管体部20fの直径は、3~20mm(ミリメートル)であってもよく、好ましくは4mm~10mmであってもよい。また、張出し部30fの直径(最大となる部分の直径)は、10mm~60mmであってもよく、好ましくは20mm~40mmであってもよい。この実施形態では、注射器40が膣内に挿入した際の持ち手となるので、管体部20fの長さは1~20mmであってもよく、好ましくは2mm~10mmであってもよい。
<他の実施形態その2>
図13~図15を用いて、さらに他の実施例に係る管状器具を説明する。図13~図15は、それぞれ、管状器具10gの斜視図、正面図、平面図である。同図に示すように、管状器具10gは、基本的な構造として、外径がφ1の外筒と、長手方向と短手方向の長さがそれぞれW1およびW2である楕円盤状の後端部を有するプランジャとからなる、長
さL3のシリンジである。管状器具10gは、例えば、樹脂の弾性のある素材を用いて一体的に成型される。筒先から充填された精液を膣内へ注入するという機能は、上述した実施形態に係る管状器具と同様である。なお、図13~図15は、押し子が最も奥まで押し込まれた状態を表している。
より具体的には、管状器具10gは、内部に精液を通過させるための空間(内径φ2)が形成された、外径がφ1の筒状の管体部20gと、管体部20gの周面から外側に張り出して形成される張出し部30gとを含む。管体部20gの先端から軸方向に距離(以下、単に距離という)L1までは筒先部21gが形成されている。筒先部21gは、その少なくとも一部は、先端部に向かって(精液の吐出方向に対して)凸状の曲面を有する丸みを帯びた形状(例えば略半球形状)となっている。なお、筒先部21gの精液の吐出口22gは、精液の放出方向が整うように、内壁が外側に広がったすり鉢状となっている。
先端部からの距離L2からL2+D1まで、外径がφ4の張出し部30gが形成されている。張出し部30gによって、膣内に注入された精液が外部に漏れることが防止される点は、上述した各実施形態にと同様である。張出し部30gは、軸方向に対称で、丸みを帯びた略円盤形状(ドーナツ状、浮き輪状)となっている。丸みは、例えば曲率3mmと設定される。
このような形状にすることで、膣内に挿入されたときにユーザが感じる痛みその他の不快感が抑えられる。また、筒先部21gにおいては、内部の空間がすぼんでいる(径がφ2からφ3へ変化している)。これにより、精液が外部へ放出される直前の圧力が増し、放出時の精液の速度および直進性が増す。
以下に各サイズの一例を示す。
L3:100~150mm(ミリメートル)、より好ましくは105~115mm
L2:6~10mm、より好ましくは7.5~8mm
L1:3~6mm
D1:4~8mm
φ1:9~15mm
φ2:5~10mm
φ3:1~3mm
φ4:15~25mm、より好ましくは19~21mm
W1:35~50mm
W2:φ1 + 2mm ~ φ1 + 6mm
これらのサイズは、膣内の形状や精液の量などに基づいて適宜設計することができる。例えば、L2については、吐出された精液が膣内に留まることができる領域のサイズに関係する。従って、L2の値が大きすぎると、吐出された精液が子宮頚管に侵入する確率が低下する一方、小さすぎると精液があふれる可能性が高まる。また、精液の保持能力に関係するφ4は、大きすぎると挿入時に不快感が増す一方、小さすぎると膣内壁との密着性が低下する(隙間が生じてしまう)。また、L3については、大きすぎるとプランジャを扱うのが難しくなる一方、小さすぎると器具全体が膣内に入ってしまってプランジャを操作し辛くなる。本実施形態に対しても、これまでに各実施形態について述べたことを組み合わせ、あるいは参酌して、様々な変形が可能であることはいうまでもない。
このように、本発明は、要するに、膣内に挿入して精液を体内に注入するための管状器具であって、その外周面に、吐出された精液が膣内から漏れることを防止するための張出し部が設けられていればよい。張出し部は、精液の吐出方向(ピストンを押す方向)と垂直な方向に突き出た形状だけでなく、放物面その他の曲面で構成されてもよく、膣内に吐出された精液が膣の内壁との間をすり抜けて逆方向(膣の外へ向かう方向)に移動する(漏れる)ことを低減すべく、精液の注入される管の径方向に拡がった構造を有していればよい。なお、張出し部が伸びる方向は、軸方向に垂直(水平方向)でもあってもよいし、
それ以外の角度(軸方向に対して斜め上方向あるいは斜め下方向)であってもよい。
また、上述のとおり、張出し部は膣内に吐出された精液が漏れることを低減すべく設けられるものであるから、その一部に切り欠きがあるような形状であっても良く、空気抜きその他の目的で1つ又は複数の孔(サイズも任意)が設けられているような形状であっても差し支えない。例えば、図16に示す管状器具10hは、空気抜き用の貫通孔31hが軸方向に形成された張出し部30hを有する。これにより、管状器具10hの挿入や取り出しをスムーズに行うことができる。なお、切り欠き部は例えば張出し部の上端から下端にわたって軸方向に延びる溝として形成することができるが、その3次元形状やサイズは任意である。
更に、中心から外周に従って広がる風車状あるいは放射状の複数枚の板状の羽を備え、それが膣内で湾曲し、一体となってカップ形状を形成し、精液の漏出を防止するような構造も考えられる。
具体的には、図17に示すように、管状器具10jの管体部20jには、張出し部30jが形成される。張出し部30jは、円環部材33jと、円環部材33jから軸方向(Z軸方向)に垂直な面(XY面)において放射状に形成された8枚の板状の羽根部341j~348jによって構成される。この羽根部341j~羽根部348jは樹脂などの弾性素材で形成されている。
図18は、張出し部30jが形成されている付近の管状器具10jの断面図である。同図(a)は、挿入前の状態(張出し部30jに力が加わっていない状態)を示す。このように、厚さD2の平板状である羽根部341j~348jは、力が加わっていない状態では、軸に垂直な方向(XY面内)に延びている。同図(b)、ユーザが管状器具10jを+Z方向へ(紙面下から上へ)膣内に挿入し、最奥の位置からユーザがやや手前に戻した状態を示す。この状態においては、羽根部341j~348jの縁面が膣壁(図示省略)と接触しており、羽根部341j~348jが+Z方向へ撓んだ結果、各羽根部が重なって、変形前の状態に存在した各羽根部の間の隙間が埋まり、羽根部341j~348jが一体となって、カップ(お椀)様の上に凸の曲面(放物面)を形成している。この曲面が放出された精液の受け皿となり、膣の外(―Z方向)へ精液が漏れ出すことが防止される。
図3に示すように、外筒としての管状器具と押し子としてのプランジャとから注射器を構成する場合や、その他管状器具の内部にプランジャが挿入される形態の場合には、プランジャの形状と管状器具の形状は精液ができるだけ注射器内部に残らないように設計することが好ましい。そのためには、例えば管状器具の内側形状及び開口部の形状と、精液を押し出すためのプランジャの先端部の形状とが隙間なく係合する形状を有する構成としてもよい。
図19は、外筒としての管状器具10gと押し子としてのプランジャ42aとで構成された注射器40aの断面図を示す。図20は、当該注射器の先端部付近の拡大図である。この注射器40aが図3に示した注射器40と異なるのは、図20に示すように、プランジャ42aのO-リング422よりも上に位置する先端部において、略半球面部423部およびその中心部に略円筒状の凸部421が形成されている点である。プランジャ42aを最も奥まで押し込むと、略半球面部423と管状器具10gの略半球形状の内壁202がぴったりと隙間なく接触するとともに、管状器具10gの精液を吐出するために設けられた開口部201とに篏合する(凸部421が開口部内に隙間なく差し込まれる)構造になっている。これにより、空間IRに存在する精液を残らず吐出することができるようになっている。
また、管体部及び張出し部を含む本発明の管状器具は、内側構成体と外側構成体とからなり、それぞれが別の素材であってもよい。例えば図19及び図20の実施形態では、管
状器具10gの内側構成体210が、プラスチック素材、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンで構成されており、その外側を覆うように、外側構成体220が、柔軟性や弾性を有し、肌や粘膜に優しい素材、例えばシリコンゴムやウレタンゴム等の熱可塑性エラストマーにより構成されている。このように構成することで、内側構成体は外力で撓むことがないため、プランジャに対して十分に密着し、スムーズなプランジャの挿入が可能である。また、外側構成体は十分な柔軟性や弾性を有するため、膣内を傷つけることがない。外側構成体は、膣内に実質的に挿入される部分に設けられていればよく、図19に示すように、例えば管状器具の把持部において、内側構成体が外面に露出していても差し支えない。更に、図19では、内側構成体が張出し部にも設けられているが、張出し部に柔軟性を持たせるため、張出し部を外側構成体のみで構成しても良い。
なお、これまで紹介した実施形態では、管体部の基端部側にはなにも設けられていないか、又は図2及び図3に示す第1及び第2の使用形態のように、僅かな凸部が設けられているに過ぎないものであるが、例えば本発明の管状器具を操作する際に持ち手となるための把持部を設け、管状器具に取り付けるシリンジをカバーするためのカバー部を設け、又はその他様々な機能を有する部分を設ける変形例が考えられる。これらの機能部は、膣内に挿入するための管体部とは別の機能を付加するために設けられたものであるため、本明細書において管体部の構成に言及するとき、かかる部分を考慮しないことができる(例えば、本明細書において、「管体部の直径が3~20mmである」という構成を考えるとき、管体部と一体に設けられた把持部の直径が35mmである態様も、把持部を除いた管体部の直径が例えば15mmである場合には、当該構成を満たすものとして解釈することができる)。これまでに説明した各実施形態は、それぞれ本件明細書の記載及び当業者の技術常識を参酌しつつ、相互に組合せ可能であり、特定の実施形態の一部の構成を、別の実施形態に組み合わせた実施形態についても、全て本件明細書に記載されているものと理解することができる。
(5)いずれの実施例においても、先端部Hには、空気の逃げ道として機能する貫通孔(図示省略)が形成されていることが好ましい。これにより、精液を膣内に吐出した際に空気とともに精液が漏れる確率を低減することができる。
10a,10b,10c,10d,10e1,10e2,10f、10g……管状器具、20a,20b,20c,20d,20f、20g……管体部、30a,30b,30c,30d1,30d2,30e1,30e2,30g,30h,30j……張出し部、31h……貫通孔,33j……円環部材、341j~348j……羽根部,H……先端部、B……基端部、21,21f……空間、22f……溝、40、40a……注射器、41……外筒、42,42a……プランジャ、100……女性生殖器、101……膣、102……子宮頚管、103……子宮、104……卵巣、105……卵管、201……開口部、421……凸部。

Claims (4)

  1. 内部に精液を通過させるための空間が形成された管体部と、
    前記管体部の先端から軸方向の所定の距離に設けられた所定の厚みを有する円盤状の張出し部と、
    前記管体部の先端と前記張出し部との間に設けられた、前記精液の吐出方向に対して凸の曲面を有する筒先部と
    を有する、膣内に挿入して前記精液を注入するための管状器具であって、
    前記張出し部は、前記管状器具の先端部から基端部側に向かって広がる曲面が形成される第1の形態と、前記先端部から前記基端部の反対側に向かって広がる曲面が形成される第2の形態とに変形可能な弾性部材で形成される
    管状器具。
  2. 内部に精液を通過させるための空間が形成された管体部と、
    前記管体部の先端から軸方向の所定の距離に設けられた所定の厚みを有する円盤状の張出し部と、
    前記管体部の先端と前記張出し部との間に設けられた、前記精液の吐出方向に対して凸の曲面を有する筒先部と
    を有する、膣内に挿入して前記精液を注入するための管状器具であって、
    前記精液を通過させる空間を形成する内壁に螺旋状の溝が形成される
    管状器具。
  3. 膣内に挿入して精液を注入するための注射器であって、外筒である管状器具とプランジャとを有し、
    前記管状器具は、
    内部に前記精液を通過させるための空間が形成された管体部と、
    前記管体部の先端から軸方向の所定の距離に設けられた所定の厚みを有する円盤状の張出し部と、
    前記管体部の先端と前記張出し部との間に設けられた、前記精液の吐出方向に対して凸の曲面を有する筒先部と
    を有し
    前記プランジャは、前記管状器具の先端部に形成された前記精液を吐出させるための開口部に篏合する凸部を有する
    注射器。
  4. 請求項1または2に記載の管状器具が注射器の先端に結合された、器具。
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