JP7394460B2 - 健康リスク評価システム及び健康リスク評価方法 - Google Patents

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本発明は、DNA損傷レベルから評価対象の疾病等の健康リスクを評価する、健康リスク評価システム及びその健康リスク評価方法に関するものである。
DNA損傷により二重鎖切断が生じると、ヒストン構成タンパクの一種であるH2AXが二重鎖切断部位を中心に周辺の数百万塩基対に亘って速やかにリン酸化される。リン酸化H2AX(以後、γ-H2AXと呼ぶ)は、DNA二重鎖切断の鋭敏な分子マーカーであることから、例えば放射線によって誘発されたDNA損傷の検出等、種々の分野に利用されている。
一般的に、γ-H2AXの検出方法としては、γ-H2AXに特異的な蛍光標識抗体を用いることで、DNA二重鎖切断の場所を視覚的に検出する方法が採用されている(例えば、非特許文献1参照)。
Redon CE, Nakamura AJ, Sordet O, Dickey JS, Gouliaeva K, Tabb B, Lawrence S, Kinders RJ, Bonner WM and Sedelnikova OA. γ-H2AX detection peripheral blood lymphocytes, splenocytes, bone marrow, xenografts, and skin. Methods Mol. Biol. (2011) 682: 249-270.
一方で、DNA損傷は、日常生活の中でも絶えず生じており、これは、個人の生体情報及び生活習慣に依存すると考えられる。日常生活で生じる微量のDNA損傷レベルから疾病等の健康リスクを判定することが可能であれば、近年課題となっている健康寿命の増進や予防医療による財政圧迫の改善等が期待される。
そこで、本発明は、DNA損傷レベルから評価対象の疾病等の健康リスクを評価する、健康リスク評価システム及びその健康リスク評価方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の一実施形態に係る健康リスク評価システムは、
評価対象の健康リスクを評価する健康リスク評価システムであって、当該健康リスク評価システムは、
制御部と、
記憶部と、
を有し、
前記記憶部は、
所与のDNA損傷データと、所与の生活習慣データ及び生体情報データの少なくとも一方との間の相関分析結果を格納し、
前記制御部は、
評価対象から採取した血液中のDNA損傷レベルに関するDNA損傷データと、前記評価対象から取得した生活習慣データ及び生体情報データの少なくとも一方と、前記相関分析結果と、に基づいて、前記評価対象のDNA損傷レベルを評価する評価手段を備える、
ことを特徴としている。
本実施形態に係る健康リスク評価システム及びその健康リスク評価方法は、DNA損傷レベルから評価対象の疾病等の健康リスクを評価することができる。
本実施形態に係る健康リスク評価方法の一例のフロー図である。 本発明の一実施形態に係る健康リスク評価システムの構成の一例を示すブロック図である。 各問診項目とDNA損傷との間の相関性を説明するための図である。 評価対象のDNA損傷に影響を及ぼす要因を推定する方法の一例のフロー図である。 評価対象のDNA損傷レベルから疾病リスクを推定する方法の一例のフロー図である。
以下、本発明に係る一実施形態について図面を参照して説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成要素は例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(健康リスク評価方法の基本原理)
先ず、本実施形態に係る健康リスク評価方法の基本原理について説明する。
本実施形態に係る健康リスク評価方法は、評価対象から採取した血液中のDNA損傷レベルに基づいて、前記評価対象の健康リスクを評価する方法であって、例えば、
前記評価対象から採取した血液中のDNA損傷レベルを測定するDNA損傷レベル測定工程と、
前記評価対象の生活習慣データ及び生体情報データの少なくとも一方を取得するデータ取得工程と、
前記DNA損傷レベル測定工程で測定したDNA損傷レベルを評価する評価工程と、
を含む。
図1に、本実施形態に係る健康リスク評価方法の一例のフロー図を示す。
先ず、評価対象(例えばヒトや動物等の個体)から採取した血液から評価対象のDNA損傷データを取得する(ステップS11)。ステップS11では、例えば、DNA損傷測定を行う企業等が測定したDNA損傷データを取得してもよいし、評価対象から採取した血液からDNA損傷レベルを測定してDNA損傷データを取得しても良い。
評価対象から採取した血液からDNA損傷レベルを測定する場合、例えば、γ-H2AXアッセイを用いることが好ましい。γ-H2AXアッセイは、リン酸化型ヒストンH2AX(γ-H2AX)を用いた生体内のDNA損傷レベルのモニタリング手法であり、微量のDNA損傷を測定可能である、1.2mGyの放射線に相当するDNA損傷を検出できる、数時間以内にDNA損傷レベルを測定可能である、γ-H2AXとDNA損傷との間に直線的な定量性がある等の特長を有する。なお、本発明においては、DNA損傷の程度を測る定義として、リンパ球1個当たりの平均γ-H2AXフォーカス数をDNA損傷レベルと定義した。
次に、評価対象の生体情報データ及び/又は生活習慣データを取得する(ステップS12)。なお、ステップS11とステップS12とは、同時に並列に実施してもよいし、ステップS12が、ステップS11の前に実施されても良い。
ステップS12における生体情報データは、医療従事者が患者に提示した問診に対する回答結果でも良いし、測定機器により測定した測定結果であっても良い。同様に、ステップS12における生活習慣データは、医療従事者が患者に提示した問診に対する回答結果でも良いし、測定機器により測定した測定結果であっても良い。また、生体情報データは、測定日(問診日)におけるデータであっても良いし、測定日時を含む時系列データであっても良い。
生体情報データにおける生体情報の具体例としては、特に限定されないが、年齢、体重、身長、性別、心拍数、体温、血圧、血糖値、体脂肪、筋肉量、BMI等が挙げられる。これらは1つだけであっても良いし、複数であっても良い。
また、生活習慣データにおける生活習慣の具体例としては、特に限定されないが、運動、睡眠、食習慣、飲酒習慣、喫煙習慣、疾病歴、職種、業種、勤務時間、アレルギー等が挙げられる。これらは、1つだけであっても良いし、複数であっても良い。なお、生活習慣として運動を考えた場合、運動習慣の有無、1日の歩数、歩行距離、歩行時間、消費カロリー等が挙げられる。また、生活習慣として食習慣を考えた場合、摂取カロリー、各栄養素の摂取量、食事開始時間、食事継続時間、食事回数等が挙げられる。また、生活習慣として睡眠を考えた場合、入眠時刻、起床時刻、睡眠時間、着床から入眠までの時間、途中覚醒の時間、途中覚醒の回数等が挙げられる。
次に、ステップS11及びステップS12で取得したDNA損傷データ、生体情報データ及び/又は生活習慣データと、予め相関分析されたDNA損傷レベルと生体情報及び/又は生活習慣との間の相関性から、評価対象のDNA損傷について評価する(ステップS13)。即ち、本実施形態に係る健康リスク評価方法は、所与のDNA損傷データと、所与の生活習慣データ及び生体情報データの少なくとも一方との間の相関関係を分析する相関関係分析工程を含んでいても良い。なお、相関性の分析手法としては、例えば、重回帰分析等が挙げられる。
評価対象のDNA損傷についての評価とは、評価対象のDNA損傷レベルと、評価対象の生体情報、生活習慣から推定されるDNA損傷レベルとの間の乖離評価、DNA損傷の要因項目の評価などが挙げられる。相関分析処理の詳細及びステップS13における評価処理の具体例については、後述する。
また、本実施形態に係る健康リスク評価方法は、他の実施形態として、評価対象のDNA損傷レベルから、疾病リスクを評価する方法を含む。ステップS11において取得した、評価対象(例えばヒトや動物等の個体)から採取した血液のDNA損傷レベルデータから、疾病リスクを評価することができる。この実施形態についても、後述する。
(健康リスク評価システム)
次に、本実施形態に係る健康リスク評価システムの構成について図を参照して説明する。図2に、本発明の一実施形態に係る健康リスク評価システムの構成の一例を示すブロック図を示す。
本実施形態に係る健康リスク評価システム100は、例えば、健康リスク評価システム100を統括的に制御する制御部110と、通信部120と、各種のデータベースを格納する記憶部130と、各入力装置や各出力装置に接続する入出力インターフェース部140と、を有して構成されている。また、本実施形態に係る健康リスク評価システム100は、γ-H2AXアッセイを実施する各分析装置、生体情報データ及び/又は生活習慣データを測定する各測定機器、と同一筐体で構成されていても良い。
制御部110は、健康リスク評価システム100を統括的に制御し、例えばCPU等によって構成される。制御部110は、記憶部130に記録されたコンピュータプログラム134に基づいて各種処理を実施する。各種処理については、下記の記憶部130の説明において詳細するが、結果として、制御部110は、所与のDNA損傷レベルと所与の生体情報及び/又は生活習慣との間の相関関係を算出する相関性分析手段、評価対象のDNA損傷レベルを評価する評価手段等を兼ねる。
通信部120は、例えば、有線又は無線の通信回線を介してネットワークに通信可能に接続するよう構成される。
記憶部130は、例えば、RAM・ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、光ディスク等を有する。
また、記憶部130には、DNA損傷データベース132が格納されている。DNA損傷データベース132は、例えば、個人IDで管理された各個人に対して、DNA損傷レベルのデータを含むDNA損傷データファイル132a、年齢、体重、身長、性別、心拍数、体温、血圧、血糖値、体脂肪、筋肉量、BMI等の生体情報データが関連付けられた生体情報データファイル132b、運動、睡眠、食習慣、飲酒習慣、喫煙習慣、疾病歴、職種、業種、勤務時間、アレルギー等の生活習慣データが関連付けられた生活習慣データファイル132cを有する。
さらに、記憶部130には、制御部110に命令を与え各種処理を実施するためのコンピュータプログラム134が記録されている。具体的には、制御部110に所与のDNA損傷レベルと所与の生体情報及び/又は生活習慣との間の相関関係を算出するための算出プログラム134a、算出された相関関係から、評価対象のDNA損傷レベルが正常であるか否かを判定する判定プログラム134b、評価対象のDNA損傷レベルが所定の閾値以上である場合に、DNA損傷レベルを上昇させる要因を推定する要因推定プログラム134c、評価対象のDNA損傷レベルから疾病リスクを推定する疾病リスク推定プログラム134d(134b~134dは、図1におけるステップS13を実施するコンピュータプログラム)等が挙げられる。
またさらに、記憶部130には、その他のデータファイル136が格納されている。データファイル136は、例えば、相関性分析結果に基づいて評価されたDNA損傷レベルの評価結果データを含む評価結果ファイル、予め後述する方法で計算された、DNA損傷レベルと、生体情報データ及び/又は生活習慣データとの間の重回帰式が保存されたデータファイル、DNA損傷レベルと、各生体情報データ及び/又は各生活習慣データとの間の単回帰式が保存されたデータファイル、所定の疾病に関して、疾病リスクの基準値となるDNA損傷データが保存されたデータファイル等を含む。
入出力インターフェース部140は、キーボード、マウス又はタッチパネル等の入力装置に接続し、これらからの入力を受け付けて、若しくは、電気通信回線を通じて測定機器から、評価対象の生体情報及び生活習慣情報を取得して制御部110にデータを出力することができるよう構成されている。また、入出力インターフェース部140は、表示装置やプリンタ等の出力装置に接続し、評価対象の評価結果等をモニタや紙媒体等に視認可能に出力することができるよう構成されている。なお、測定機器が健康リスク評価システム100内に組み込まれており、この内蔵された測定機器から生体情報又は生活習慣の入力を受け付ける構成であっても良い。
(実施例)
次に、実施例を参照して本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1)
先ずは、DNA損傷と、評価対象の生体情報及び生活習慣との間に相関関係があるかどうかについて検証した実施例について説明する。
DNA損傷の指標であるγ-H2AXと、評価対象の生体情報及び生活習慣との間の相関関係を調べるために、53名の健常者に対して、γ-H2AXアッセイと、下記の8項目における問診とを実施した。
生体情報及び生活習慣における問診項目及び問診内容については、下記の通りとした。
問診項目:喫煙、問診内容:全く吸わない;やめた;時々吸う;毎日(1箱未満);毎日(1箱以上)、
問診項目:BMI、問診内容:実測値、
問診項目:飲酒、問診内容:飲まない;やめた;週1回;週2回;週3回以上6回以下;毎日、
問診項目:運動習慣、問診内容:しない;週1回;週2回;週3回以上6回以下;毎日、
問診項目:年齢、問診内容:実年齢、
問診項目:アレルギー、問診内容:無;有、
問診項目:体重、問診内容:実測値、
問診項目:性別、問診内容:実性別、
とした。
図3に、各問診項目とDNA損傷との間の相関性を説明するための図を示す。各グラフの横軸は、上記問診内容であり、縦軸は、γ-H2AXフォーカス数である。
本実施例の問診項目においては、喫煙、BMI、飲酒、年齢、アレルギー、体重、性別の7項目において、DNA損傷との間で正の相関が見られ、単回帰式を求めることができた。一方で、運動習慣の項目においては、DNA損傷との間で相関性が見受けられなかった。しかしながら、本実施例においては、運動習慣の程度を問診内容としたが、評価対象の母数を増やすことや、どのような運動を行っているか等とすることで、運動習慣についても、DNA損傷との間に相関関係があり得ると考えられる。
(実施例2)
次に、図1を参照して説明した本実施形態に係る健康リスク評価方法の一例のフロー図における、ステップS13のDNA損傷レベルと、生体情報及び/又は生活習慣との間の相関性を分析する分析手法の具体例について、実施例を挙げて説明する。
DNA損傷の指標であるγ-H2AXと、評価対象の生体情報及び生活習慣との間の相関関係を調べるために、53名の健常者に対して、γ-H2AXアッセイと、下記の7項目における問診とを実施した。
問診項目:年齢、問診内容:実年齢、
問診項目:性別、問診内容:実性別、
問診項目:睡眠時間、問診内容:1時間未満;1~2時間;2~3時間;3~4時間;4~5時間;5~6時間;6~7時間;8時間以上、
問診項目:勤務時間、問診内容:3時間未満;3~4時間;4~5時間;5~6時間;6~7時間;7~8時間;8~9時間;9時間以上、
問診項目:喫煙、問診内容:全く吸わない;やめた;時々吸う;毎日(1箱未満);毎日(1箱以上)、
問診項目:アレルギー、問診内容:無;有、
問診項目:BMI、問診内容:実測値、
とした。
本実施例においては、上記項目の生体情報及び生活習慣(説明変数)を基に、DNA損傷数(目標変数)を回帰する多変量解析として、重回帰分析を実施した。
得られた重回帰式は、以下の式(1)の通りである。
y=0.120968+(-0.00182)x+(-0.0044461)x+0.020317x+0.008672x+0.038486x+0.047754x+0.005198x・・・式(1)
式(1)におけるyは、γ-H2AXフォーカス数、xは年齢(実測値)、xは性別(男性;0、女性;1)、xは睡眠時間(1時間未満;0、1~2時間;1、2~3時間;2、3~4時間;3、4~5時間;4、5~6時間;5、6~7時間;6、8時間以上;7)、xは勤務時間(3時間未満;0、3~4時間;1、4~5時間;2、5~6時間;3、6~7時間;4、7~8時間;5、8~9時間;6、9時間以上;7)、xは喫煙(全く吸わない;1、やめた;2、時々吸う;3、毎日(1箱未満);4、毎日(1箱以上);5)、xはアレルギー(無;0、有;1)、xはBMI(実測値)、である。
本実施例により、生活習慣データ及び/又は生体情報データから、評価対象のDNA損傷レベルを推定できる重回帰式を算出することができることがわかった。実際に、式(1)によって、生活習慣データ及び/又は生体情報データから、評価対象のDNA損傷レベルを推定できる。なお、重回帰式の精度は、DNA損傷データベース132における母数のデータ蓄積、各因子(問診項目)の関数系を最適化することでも向上可能である。
(実施例3)
次に、図1を参照して説明したステップS13で分析したDNA損傷レベルと、生体情報及び/又は生活習慣との間の相関性に基づき、評価対象のDNA損傷について評価する(ステップS13)評価方法において、具体例としてDNA損傷レベルに影響を及ぼす要因を推定する推定方法の一例について、説明する。
図4に、評価対象のDNA損傷に影響を及ぼす要因を推定する方法の一例のフロー図を示す。
図1を参照して説明したように、先ず、評価対象(例えばヒトや動物等の個体)から採取した血液から評価対象のDNA損傷レベル(=d)のデータファイルを取得する(ステップS11)。次に、評価対象の生体情報及び/又は生活習慣(=h)に関するデータファイルを取得する(ステップS12)。そして次に、ステップS11及びステップS12で取得したDNA損傷データ、生体情報データ及び/又は生活習慣データと、予め相関分析されたDNA損傷レベルと、生体情報及び/又は生活習慣との間の相関関係から、評価対象のDNA損傷データを評価する(ステップS13)。
DNA損傷の評価は、例えば、DNA損傷レベルに影響を及ぼす要因を推定する推定方法等が挙げられる。この場合、例えば、先ず取得した生体情報データ及び生活習慣データを、実施例2を参照して説明した重回帰式に代入して、DNA損傷レベル(=e)を推定(算出)する(ステップS13-1)。そして、実測したDNA損傷レベルの値dと、推定されたDNA損傷レベルの値eとの間の乖離値(=r=d-e)を算出する(ステップS13-2)。得られた乖離値は、データファイル内に保存される(ステップS13-3)。
そして、この乖離値rのデータファイルを読み込む(ステップS13-4)。そして、この乖離値rが所定の値、例えば0.1以上であるかを判定する(ステップS13-5)。乖離値rが所定の値を超えない場合(=No)、評価対象のDNA損傷は正常の範囲内であると判定し、処理を終了する。
乖離値rが所定の値以上の場合(=Yes)、評価対象のDNA損傷レベル(=d)のデータファイル及び評価対象の生体情報及び/又は生活習慣(=h)のデータファイルを読み込む(ステップS13-6)。そして、各々の生体情報データ及び/又は生活習慣データを単回帰式に代入していないかどうかを判定する(ステップS13-7)。単回帰式に代入していない項目がある場合(=Yes)、各々の生体情報データ及び/又は生活習慣データを単回帰式に代入して、DNA損傷レベル(=f)を算出する。(ステップS13-8)。そして、実測したDNA損傷レベルデータの値dと、算出されたDNA損傷レベルの値fとの間の乖離値(=S=d-f)を算出する(ステップS13-9)。得られた乖離値は、データファイル内に保存される(ステップS13-10)。全ての項目について単回帰式に代入して、代入していない項目がなくなった場合(=No)、各項目における乖離値を順位付けする(ステップS13-11)。順位付けは、例えば、乖離値が低い順番に順位付けされ、最終的に、下位の1乃至複数の項目、例えば3項目を出力する(ステップS13-12)。評価対象の生体情報データ及び/又は生活習慣データの項目数が3項目以下の場合は、例えば、最も下位の項目のみを出力しても良い。
本実施例により、本実施形態に係る健康リスク評価システム100によって、評価対象のDNA損傷レベルが異常値であるかどうかを評価できることがわかった。また、評価対象のDNA損傷レベルが異常値である場合、その要因となる生体情報及び/又は生活習慣の要因項目を評価できることがわかった。
(実施例4)
次に、他の実施形態として、評価対象のDNA損傷レベルから、疾病リスクを評価する方法について、図を参照して説明する。図5に、評価対象のDNA損傷レベルから疾病リスクを推定する方法の一例のフロー図を示す。
図1を参照して説明したように、先ず、評価対象(例えばヒトや動物等の個体)から採取した血液から評価対象のDNA損傷レベル(=d)のデータファイルを取得する(ステップS11)そして、特定の疾病に関するリスク基準となるDNA損傷値(=Tn)に関するDNA損傷データファイルを読み込む(ステップS14)。DNA損傷レベルdが特定の疾病に関するリスク基準となるDNA損傷値Tnを超えている場合(ステップS15=Yes)、その疾病名を疾病リスクとして出力する(ステップS16)。一方、DNA損傷レベルdが特定の疾病に関するリスク基準となるDNA損傷値Tn以下の場合(ステップS15=No)、処理を終了する。
本実施例により、本実施形態に係る健康リスク評価システム100によって、評価対象のDNA損傷レベルから、特定の疾病に関する疾病リスクを評価できることがわかった。
100 健康リスク評価システム
110 制御部
120 通信部
130 記憶部
132 DNA損傷データベース
134 コンピュータプログラム
136 データファイル
140 入出力インターフェース部

Claims (9)

  1. 評価対象の健康リスクを評価する健康リスク評価システムであって、当該健康リスク評価システムは、
    制御部と、
    記憶部と、
    を有し、
    前記記憶部は、
    所与のDNA損傷データと、所与の生活習慣データ及び生体情報データの少なくとも一方との間の相関分析結果を格納し、
    前記制御部は、
    評価対象から採取した血液中のDNA損傷レベルに関するDNA損傷データと、前記評価対象から取得した生活習慣データ及び生体情報データの少なくとも一方と、前記相関分析結果と、に基づいて、前記評価対象のDNA損傷レベルを評価する評価手段を備え、
    前記評価手段は、前記評価対象から採取した血液中のDNA損傷レベルと、前記相関分析結果から推定されるDNA損傷レベルとの間の乖離値を算出し、前記乖離値が所定の値を超える場合に、前記評価対象から取得した生活習慣データ及び生体情報データに含まれる生活習慣及び生体情報に関する要因項目の中で、前記乖離値が前記所定の値を超える要因となる要因項目を推定する、
    健康リスク評価システム
  2. 前記制御部は、前記所与のDNA損傷データと、前記所与の生活習慣データ及び生体情報データの少なくとも一方とを統計処理することで前記相関分析結果を算出する相関性分析手段を備える、
    請求項1に記載の健康リスク評価システム。
  3. 前記相関性分析手段は、前記所与のDNA損傷データと、前記所与の生活習慣データ及び生体情報データの少なくとも一方とを重回帰分析し、
    前記相関分析結果は、DNA損傷データを目標変数、生活習慣データ及び生体情報データの少なくとも一方の全部又は一部を説明変数とする重回帰式を含む、
    請求項に記載の健康リスク評価システム。
  4. 前記相関性分析手段は、前記所与のDNA損傷データと、前記所与の生活習慣データ及び生体情報データの少なくとも一方に含まれる個々の要因項目のデータとを単回帰分析し、
    前記相関分析結果は、DNA損傷データを目標変数、前記個々の要因項目のデータを説明変数とする単回帰式を含む、
    請求項に記載の健康リスク評価システム。
  5. 前記記憶部は、所与の疾病に対するDNA損傷レベル基準値データを格納し、
    前記評価手段は、前記評価対象から採取した血液中のDNA損傷レベルと、前記DNA損傷レベル基準値データとに基づいて、疾病リスクを推定する、
    請求項1乃至のいずれか一項に記載の健康リスク評価システム。
  6. 制御部を有する健康リスク評価システムが、評価対象から採取した血液中のDNA損傷レベルに基づいて、前記評価対象の健康リスクを評価する、健康リスク評価方法であって、
    前記制御部が前記評価対象から採取した血液中のDNA損傷レベルを測定するDNA損傷レベル測定工程と、
    前記制御部が前記評価対象の生活習慣データ及び生体情報データの少なくとも一方を取得するデータ取得工程と、
    前記制御部が前記DNA損傷レベル測定工程で測定したDNA損傷レベルを評価する評価工程と、
    前記制御部が所与のDNA損傷データと、所与の生活習慣データ及び生体情報データの少なくとも一方との間の相関関係を分析する相関関係分析工程と、を含み、
    前記評価工程は、前記制御部が、前記相関関係分析工程における相関分析結果と、前記データ取得工程で取得された前記評価対象の生活習慣データ及び生体情報データの少なくとも一方と、から前記評価対象のDNA損傷レベルを推定し、推定された前記DNA損傷レベルと、前記DNA損傷レベル測定工程で測定した前記評価対象のDNA損傷レベルとから、前記評価対象の健康リスクを評価する工程を含む、
    健康リスク評価方法。
  7. 前記評価工程は、前記制御部が、前記推定された前記DNA損傷レベルと、前記DNA損傷レベル測定工程で測定した前記評価対象のDNA損傷レベルとの間の乖離値が所定の値を超える場合に、前記評価対象から取得した生活習慣データ及び生体情報データに含まれる生活習慣及び生体情報に関する要因項目の中で、前記乖離値が前記所定の値を超える要因となる要因項目を推定する工程を含む、
    請求項に記載の健康リスク評価方法。
  8. 前記相関関係分析工程は、前記制御部が、DNA損傷データを目標変数、生活習慣データ及び生体情報データの少なくとも一方の全部又は一部を説明変数とする重回帰式を算出する工程を含む、
    請求項6又は7に記載の健康リスク評価方法。
  9. 前記健康リスク評価方法は、前記制御部が、所与の疾病における、DNA損傷レベルの基準値と、前記評価対象の前記DNA損傷レベルとに基づいて、疾病リスクを推定する工程を含む、
    請求項乃至のいずれか一項に記載の健康リスク評価方法。
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