JP7393077B2 - クラウン外観色確認方法、デモンストレーション用器具、ミルブロックの選定方法及び確認方法 - Google Patents

クラウン外観色確認方法、デモンストレーション用器具、ミルブロックの選定方法及び確認方法 Download PDF

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Description

本発明は、ハイブリッドレジン等の非金属材料で構成された歯科用補綴物の一種である、所定の外観色を有する歯冠(クラウン)について、実際に患者の支台歯に装着したときの色調を確認するクラウン外観色確認方法、該方法に好適に使用できる器具キット、及び該器具キットを含むデモンストレーション用器具等に関する。
歯科治療に用いられる歯科用補綴物は、一般に、金や銀、チタン、パラジウム合金等のように金属材料から鋳造によって成形されるか、セラミックスやハイブリッドレジン等の非金属材料を加工することによって成形されるか、又はコア部を金属材料で構成し、前装部等の表層部を非金属材料で構成することにより形成されている。なお、ハイブリッドレジン(以下、「HR」と略記することもある。)とはレジンマトリックス中に無機充填材(以下、「無機フィラー」ともいう。)が高密度で分散された複合材料を意味し、通常は、重合性単量体、無機フィラー及び重合開始剤を含むペースト状重合硬化性組成物を加圧・加熱する等して重合硬化させることによって得られる。
非金属材料を用いて全体を構成した歯科用補綴物は、金属アレルギーの心配がなく審美性に優れるという特長を有することに加え、近年のデジタル画像技術やコンピュータ処理技術等の発達により、その加工が容易になったことも有り、その需要は急速に高まっている。例えば、特許文献1に開示されているように、口腔内の撮影画像から、コンピュータ支援設計(CAD:Computer Adid Design)及びコンピュータ支援製造(CAM:Computer Aided Manufacturing)技術によるCAD/CAM装置を用いて、非金属材料からなる「CAD/CAM用ミルブロック」(歯科加工用ブランクと呼ばれることもある。)に切削加工を施して歯科用補綴物を成形するCAD/CAMシステムが多用されるようになってきている。ここで、CAD/CAM用ミルブロックとは、CAD/CAMシステムにおける切削加工機に取り付け可能にされた被切削体(ミルブランクとも呼ばれる。)を意味し、通常は、被切削部と、これを切削加工機に取り付け可能にするための保持部と、を有する。そして、被切削部としては、直方体や円柱の形状に成形された(ソリッド)ブロック又は板状若しくは盤状に形成された(ソリッド)ディスク等が一般的に知られており、被切削部がハイブリッドレジンからなるもの(以下、HRからなるCAD/CAM用ミルブロックを単に「HRミルブロック」ともいう。)も知られている。
ところで、審美性の高い修復を行うためには、修復する歯牙(被修復歯牙)或いはその周囲の歯牙の色(色相、明度及び彩度、すなわち色相及び色調で特定される。)を判別し(このような色の判別は、「シェードテイキング」と呼ばれることもある。)、判別された色に適合する色の被切削部を有するHRミルブロックを選択して修復を行う必要がある。なお、上記シェードテイキングは、シェードガイドと呼ばれる歯牙の色調見本を用いて行われるのが一般的である。シェードガイドには、色見本の数や色見本を保持する保持用器具の構成等が色の判定作業をしやすいように工夫された様々なものがあるが、全16種の色(色相と、明度及び彩度の混合指標との組み合わせからなる指標、又は色相、明度及び彩度を考慮した指標で特定される色を、以下、「シェード」ともいう。)の見本からなり、該シェードガイドと修復部位および周囲の歯の色とを照らし合わせることで修復部位の色を決定することができるVITA社製の"VITA Classical"(商品名)が、最も広く普及している(特許文献1参照)。また、これ以外にも、ブリーチシェードと呼ばれる、ホワイトニング後の状態を模擬した白い色調が複数種類用いられることもある。
なお、VITAシェードガイドでは、A~D系統の色を明度によって分類し記号を付して表している。すなわちA系統(赤茶)、B系統(赤黄)、C系統(灰)及びD系統(赤灰)に分類し、16シェードを明度順(明度高→低)に並べると、「B1→A1→B2→D2→A2→C1→C2→D4→A3→D3→B3→A3.5→B4→C3→A4→C4」となっている。
HRブランクには、被切削部が単一のHR層で構成される単色のもの(以下、「単層HRミルブロック」ともいう。)と、色の異なる複数のHR層で構成されるもの(以下、「積層HRミルブロック」ともいう。)があり、夫々、上記16種のシェードの中から選ばれる幾つかのシェードを基本シェードとするものが(基本シェードの数だけ)取り揃えられることが多い。すなわち、HRミルブロックの被切削部の表面配色パターンは、単層HRミルブロックにおいては、全表面が特定の1つの基本シェード(色)からなることになり、積層HRミルブロックにおいては、積層体を構成する各層のうちの1つは、特定の基
本シェードを有し、それ以外の層は該基本シェード以外のシェード及び/又は前記16種のシェード以外の色を有し、結果として層構造に応じて夫々異なる複数の特定の色で色分けされたものとなる。
シェードテイキングを行って、調和するシェードのものを選択すれば、単層HRミルブロックを用いて作製したクラウンによっても違和感の少ない修復(治療)が可能であるが、歯牙の部位による色の変化を忠実に再現するような高い審美修復を行う場合には、積層HRミルブロックを用いて作製したクラウンにより修復(治療)を行うことが好ましい。
このような積層HRミルブロックとして、例えば、特許文献2には、審美的効果に優れ、被覆処理等の特別な加工を行わなくとも機械的強度に優れ、長期にわたって安定的に使用でき、切削、研削等の加工性に優れ、泡がブロックの内部に残留することがなく、複数の樹脂層の重ね合わせによりブロックを形成するとき、加圧工程を伴うことなく樹脂層どうしを強固に結合させるとともに、天然に近い色調及びさらに向上された審美的効果を備え、色調にグラデーションを与えた歯科補綴物加工用ブロックが開示されている。また、特許文献3には、汎用性と生産性に優れ、なおかつ天然歯の美観の再現性が高いとする歯科CAD/CAM用切削ブロックとして、象牙質修復用レジン層とエナメル質修復用レジン層とが積層された歯科CAD/CAM用レジン系ブロックであって、少なくとも象牙質修復用レジン層は光拡散性粒子を含有して、コントラスト比及び拡散比が夫々特定の範囲内に調整された歯科CAD/CAM用切削ブロックが開示されている。更に、特許文献4には、審美性が高く、かつ機械的強度も高いとする積層されたミルブランクが開示されている。
また、被切削部が非金属材料からなる、HRミルブロック以外のCAD/CAM用ミルブロックとしては、所謂ジルコニア歯科加工用ブランクがあるが、通常は、単層であり、複数のシェードの物からシェードテイキングにより選択して使用する点は、単層HRミルブロックと同様である。
特許第6004769号公報 国際公開第2009/154301号パンフレット 特開2017-213394号公報 特開2017-113224号公報
支台歯嵌入用空洞を有する歯冠補綴物であるクラウンを用いて歯科医が患者の治療を行う際に、非金属材料からなるCAD/CAM用ミルブロック(歯科加工用ブランク)のシェードテイキングによる選択を行う場合、切削加工を行う前のCAD/CAM用ミルブロックの外観色に基づいて行われるのが通常である。しかしながら、クラウン単独で見たときの外観色調と患者の支台歯に装着されたクラウンの外観色調とが異なる場合が多く、選択されたCAD/CAM用ミルブロックを用いて作製されたクラウンを実際に患者の支台歯(治療対象の歯牙を切削・形成してクラウンに適応した形態とした歯)に装着した場合に、所期の色調調和性が得られないことも比較的多い。
そこで、本発明は、非金属材料製のミルブロックを用いたCAD/CAMによって作製される特定の表面配色パターンを有するクラウンを支台歯に装着したときにおける、装着後のクラウン外観色を事前に確認する方法、及び当該方法に好適に使用できる器具キット等を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するものであり、本発明の第一の形態は、
開口空洞部が設けられた歯冠補綴物であり、ミルブロックを用いたCAD/CAMによって形成されたクラウンにおける患者の支台歯を前記開口空洞部内に挿入した後の外観色を事前に確認するクラウン外観色確認方法であって、
表面配色パターンが前記支台歯と実質的に同一であり、前記支台歯の標準的な形状に形成された支台歯部を有する支台歯サンプルと、表面配色パターンが前記クラウンと実質的に同一であり、前記クラウンを形成するために用いるミルブロックと実質的に同一のミルブロックを用いたCAD/CAMによって前記クラウンの標準的な形状に形成され、前記支台歯サンプルの前記支台歯部に対応する開口空洞部が設けられたクラウンサンプルと、の組み合わせからなる器具キットを準備する準備工程と、
前記クラウンサンプルの前記開口空洞部内への前記支台歯サンプルの前記支台歯部の挿入前後における前記クラウンサンプルの外観色を確認する確認工程と、
を含むことを特徴とするクラウン外観色確認方法である。
前記確認工程では、前記クラウンサンプルの前記開口空洞部内への前記支台歯サンプルの前記支台歯部の挿入前後における前記クラウンサンプルの外観を撮像した画像又は画像データを用いてもよい。
本発明の第二の形態は、
患者の支台歯の見本として構成され、前記支台歯の標準的な形状に形成された支台歯部を有する少なくとも1つの支台歯サンプルと、
開口空洞部が設けられた歯冠補綴物であり、前記支台歯が前記開口空洞部内に挿入されるクラウンの見本として構成され、前記クラウンの標準的な形状に形成され、前記支台歯サンプルの前記支台歯部に対応する開口空洞部が設けられた少なくとも1つのクラウンサンプルと、
を含む器具キットであって、
前記器具キットは、複数の支台歯サンプルと、複数のクラウンサンプルと、の少なくとも一方を含み、
前記複数の支台歯サンプルは、前記支台歯部の形状が相互に実質的に同一であり、かつ前記支台歯部の表面配色パターンが相互に異なる第1支台歯サンプル群と、前記支台歯部の表面配色パターンが相互に実質的に同一であり、かつ前記支台歯部の形状が相互に異なる第2支台歯サンプル群と、の少なくとも一方を構成し、
前記複数のクラウンサンプルは、形状が相互に実質的に同一であり、かつ表面配色パターンが相互に異なる第1クラウンサンプル群と、表面配色パターンが相互に実質的に同一であり、かつ形状が相互に異なる第2クラウンサンプル群と、の少なくとも一方を構成する、
ことを特徴とする器具キットである。
前記少なくとも1つの支台歯サンプル及び前記少なくとも1つのクラウンサンプルの表面配色パターンは、歯牙の色を表す18種のシェードの中から選ばれる1種に対応する色を含む複数の色を用いて構成されていてもよい。
前記少なくとも1つのクラウンサンプルが、ハイブリッドレジン又はセラミックスで形成されたミルブロックを用いたCAD/CAMによって形成されていてもよい。
前記器具キットは、前記少なくとも1つの支台歯サンプルが、前記支台歯部から前記開口空洞部への挿入方向とは反対側に延びる摘み部を更に有してもよい。
前記器具キットは、前記クラウンサンプルを形成するために用いるミルブロックと実質的に同一のミルブロックを用いたCAD/CAMによって形成されるクラウンにおける患者の支台歯への装着後の外観色を事前に確認するために用いられる。
前記器具キットは、
前記第1支台歯サンプル群と、前記第1クラウンサンプル群と、を含み、
前記第1支台歯サンプル群を構成する前記複数の支台歯サンプルの前記支台歯部の形状と、前記第1クラウンサンプル群を構成する前記複数のクラウンサンプルの前記開口空洞部の形状と、が一対一に対応していてもよい。
前記器具キットは、
前記第2支台歯サンプル群と、第2クラウンサンプル群と、を含み、
前記第2クラウンサンプル群を構成する前記複数のクラウンサンプルには、前記第2支台歯サンプル群を構成する前記複数の支台歯サンプルの前記支台歯部のすべての形状に対応する形状の前記開口空洞部が設けられたクラウンサンプルが含まれてもよい。
本発明の第三の形態は、
前記クラウン外観色確認方法を実演するために用いるデモンストレーション用器具であって、
前記器具キットを含み、
前記複数のクラウンサンプルの数が2~18個であり、
前記複数のクラウンサンプルは、前記開口空洞部への前記支台歯サンプルの前記支台歯部の挿入を受けることが可能な状態で配列されている
ことを特徴とするデモンストレーション用器具である。
本発明の第四の形態は、
開口空洞部が設けられた歯冠補綴物であるクラウンをCAD/CAMによって形成するために用いるミルブロックの選定方法であって、
上記器具キットを準備する準備工程と、
前記第1支台歯サンプル群から患者の支台歯の形状及び表面配色パターンと近似する支台歯部を有する支台歯サンプルを選択する選択工程と、
前記第1クラウンサンプル群を構成する前記複数のクラウンサンプルのそれぞれについて前記選択工程で選択された前記支台歯サンプルの前記支台歯部の前記開口空洞部への挿入後の外観色を確認する確認工程と、
前記第1クラウンサンプル群を構成する前記複数のクラウンサンプルから前記確認工程で確認された外観色が患者の歯牙の外観色と最も適合するクラウンサンプルを決定し、決定された前記クラウンサンプルを形成するために用いたミルブロックと実質的に同一のミルブロックを選定する選定工程と、
を含むことを特徴とするミルブロックの選定方法である。
前記確認工程では、前記複数のクラウンサンプルの前記開口空洞部内への前記支台歯サンプルの前記支台歯部の挿入前後における前記複数のクラウンサンプルの外観を撮像した画像又は画像データを用いてもよい。
本発明の第五の形態は、
患者の支台歯について表面配色パターンは確認されているが形状が未確定である段階において、前記支台歯が挿入される開口空洞部が設けられた歯冠補綴物であるクラウンをCAD/CAMによって形成するために用いるミルブロックを選定する際に、候補となるミルブロックを用いて形成したクラウンの外観色に及ぼす前記支台歯の形状の影響の確認方法であって、
前記第2支台歯サンプル群を構成する前記複数の支台歯サンプルの前記支台歯部の表面配色パターンが前記支台歯の表面配色パターンと実質的に同一であるか近似しており、前記第2クラウンサンプル群を構成する前記複数のクラウンサンプルが前記候補となるミルブロックと実質的に同一のミルブロックを用いて形成されている器具キットを準備する準備工程と、
前記第2クラウンサンプル群及び前記第2支台歯サンプル群から選択される相互に対応する形状の前記開口空洞部及び前記支台歯部を有するクラウンサンプル及び支台歯サンプルの組み合わせのそれぞれについて前記支台歯サンプルの前記支台歯部の前記開口空洞部への挿入後の外観色を確認する確認工程と、
を含むことを特徴とする確認方法である。
前記確認工程では、前記クラウンサンプルの前記開口空洞部内への前記支台歯サンプルの前記支台歯部の挿入前後における前記クラウンサンプルの外観を撮像した画像又は画像データを用いてもよい。
本発明のクラウン外観色確認方法によれば、たとえば患者の支台歯の色についてシェードテイキングして決定されたシェード(色)の支台歯部を有する支台歯サンプルを用いて、その支台歯部をクラウンサンプルの開口空洞部内に挿入してその外観色を事前に確認することにより、クラウンサンプルを作製するのに使用したミルブロックと実質的に同一のミルブロックを用いたCAD/CAMによって作製されるクラウンの治療時における色調適合性を確認することができる。したがって、実際の仕上がりを予想してCAD/CAMに使用すべきミルブロックを選定することが可能となる。
本図は、本発明の器具キットにおける代表的なクラウンサンプルの正面図、平面図、底面図、右側面図、及び縦断面図である。 本図は、本発明の器具キットにおける代表的な2種類の支台歯サンプルの右側面図である。 本図は、本発明の一実施形態に係るデモンストレーション用器具の写真である。 本図は、図3に示すデモンストレーション用器具において、支台歯サンプルの支台歯部をクラウンサンプルの開口空洞部内に挿入した状態を示す写真である。 本図は、本発明のデモンストレーション用器具で好適に使用される第1支台歯サンプル群の写真である。 本図は、本発明の他の実施形態に係るデモンストレーション用器具の写真である。
本発明者等は、予めシェードテイキングして選択したミルブロックを用いてCAD/CAMによって作製したクラウンであるにも拘らず、装着時に所期の色調調和性が得られない原因は、(1)外観色の見え方は材料の厚さの影響を受けること、及び(2)非金属材料は着色されていてもある程度の透光性を有するため、材料の厚さが薄いと下地の色が透けて外観色が変化すること、にあると考えた。そして、実際のクラウンと同等の形状に加工したクラウンサンプルについて、実際の患者の支台歯の色と同等の支台歯サンプルに装着したときの外観色を確認すれば、実際のクラウンを用いて修復(治療)を行った時の外観色の評価を確実に行うことができるという考えに基づき、このような確認を簡便且つ確実に行うための方法について検討を行った。本発明はこのような検討の結果、成されたものである。
評価の対象となるミルブロックは、被切削部が非金属材料からなるものでれば特に限定されないが、効果の観点からは、ハイブリッドレジン(HR)又はジルコニア等のセラミックスで形成されたものが好適である。特に、高度な審美修復が可能になるという観点からは、積層HRミルブロックであることが特に好適であり、エナメル層E、中間HR層M、及び象牙質層Dが積層された、E-M-D型積層HRミルブロックであることが最も好ましい。ここで、エナメル層Eとは、下地に象牙質が存在しないエナメル質部の外観色に対応する色を有するHR層を意味する。象牙質層Dとは、下地に象牙質が存在する部分のエナメル質部の外観色に対応する色を有するHR層を意味する。中間HR層Mとは、エナメル層Eと象牙質層Dとの中間色を有するHR層を意味する。なお、中間HR層Mは、通常1~3層からなる。中間HR層Mが2層または3層からなる場合には、各中間HR層Mの色は相互に異なり、相互にグラデーションを持つように積層された層となることが好ましい。
また、本発明の対象となるクラウンは前歯、犬歯、小臼歯、大臼歯用のいずれのものでもよいが、高度な審美修復が要求され、本発明の効果も高いという観点から、前歯のクラウンであることが好ましい。
本発明のクラウン外観色確認方法は、準備工程と、確認工程と、を含む。準備工程では、本発明の器具キット1又は本発明のデモンストレーション用器具30を用意する。本発明のクラウン外観色確認方法は、本発明の器具キット1又は本発明のデモンストレーション用器具30の使用形態であるとも言える。また、本発明のデモンストレーション用器具30は本発明の器具キット1を含むものである。器具キット1は、その構成する器具として、表面配色パターンが患者の支台歯と実質的に同一であり、支台歯の標準的な形状に形成された支台歯部21を有する支台歯サンプル20と、表面配色パターンがクラウンと実質的に同一であり、クラウンを形成するために用いるミルブロックと実質的に同一のミルブロックを用いたCAD/CAMによってクラウンの標準的な形状に形成され、支台歯サンプル20の支台歯部21に対応する開口空洞部11が設けられたクラウンサンプル10と、の組み合わせからなる。ここで、本発明では、「実質的に同一」とは同一とすることを意図した設計に基づいて得られた構成であることを意味するものとし、作製プロセスにおいて避けることができない程度の相違のみしか存在しない構成も「実質的に同一」に含まれるものとする。確認工程では、器具キット1を構成するクラウンサンプル10の開口空洞部11内への支台歯サンプル20の支台歯部21の挿入前後におけるクラウンサンプル10の外観色を確認する。本発明のクラウン外観色確認方法は、確認工程においてクラウンサンプル10の外観色を目視にて確認するリアル確認方法や、確認工程においてクラウンサンプル10の開口空洞部11内への支台歯サンプル20の支台歯部21の挿入前後におけるクラウンサンプル10の外観を撮像した画像又は画像データを用いる画像確認方法として構成することができる。画像確認方法では、画像又は画像データとしてクラウンサンプル10の外観を示すカタログ写真や動画などを用いることもできる。以上のように、本発明のクラウン外観色確認方法では、クラウンサンプル10を形成するために用いるミルブロックと実質的に同一のミルブロックを用いたCAD/CAMによって形成されるクラウンにおける患者の支台歯への装着後の外観色を事前に確認することができる。以下、E-M-D型積層HRミルブロックを用いて作製した前歯のクラウンの装着後の外観色を事前確認する場合を例に、図面を参照しながら、本発明のデモンストレーション用器具30の説明と合わせて、本発明の器具キット1及び本発明のクラウン外観色確認方法について説明する。
図3及び4(いずれも写真)に示されるデモンストレーション用器具30は、本発明のデモンストレーション用器具30の代表的な形態であり、器具キット1と、プレート32と、ケース33と、を含んでいる。本発明の器具キット1は、少なくとも1つのクラウンサンプル10と、少なくとも1つの支台歯サンプル20と、の組み合わせからなる。図3及び4に示す器具キット1は、複数のクラウンサンプル10で構成される第1クラウンサンプル群31aと、1個の支台歯サンプル20と、からなっている。具体的に、第1クラウンサンプル群31aは、形状が相互に実質的に同一であり、かつ表面配色パターンが相互に異なる5個のクラウンサンプル10によって構成されている。
ここで、クラウンサンプル10とは、開口空洞部が設けられた支台歯嵌入用の歯冠補綴物であるクラウンの標準的な形状に加工されたサンプルであり、クラウンの見本として構成される。クラウンサンプル10には、クラウンの開口空洞部に対応する開口空洞部11が設けられている。図1に代表的なクラウンサンプル10の正面図、平面図、底面図、右側面図、及び縦断面図を示す。図1では、縦断面図が、正面図におけるXY線に沿ったクラウンサンプル10の断面を示している。クラウンサンプル10では、開口空洞部11が、上方のみに開口し、側方及び下方が閉塞された空洞として構成される。また、クラウンサンプル10は、患者の支台歯に装着される際に正面に向けられる表面12を有する。なお、クラウンサンプル10には、例えばクラウンサンプル10をプレート32上に所定の状態で保持するための台座のような保持部が設けられていてもよい。
クラウンサンプル10は、通常、非金属材料製のミルブロックを用いたCAD/CAMによって作製されるので、使用したミルブロックの配色パターンを反映した表面配色パターンとなる。ここで、本発明では、表面配色パターンとは、表面の外観色のパターンを意味し、全体が単一色である場合、及び夫々異なる複数の特定の色で色分けされてなる場合における表面の配色パターンを意味する。つまり、表面配色パターンとは、表面における色の配置、具体的には複数の色が用いられる場合には、各色が表面のどの部分を占めているかという、言わば有色の模様を意味し、全面が単一色で構成される場合を含む。クラウンサンプル10の表面配色パターンは、歯牙の色を表す18種のシェードの中から選ばれる1種に対応する色を含む複数の色を用いて構成されることが好ましい。
また、図2(a)及び2(b)に代表的な2種類の支台歯サンプル20の右側面図を示す。支台歯サンプル20は、患者の支台歯の標準的な形状に形成され、人工的な材料で作製された支台歯の見本として構成される支台歯部21を有する。支台歯部21は、クラウンサンプル10の開口空洞部11に対応し、且つ開口空洞部11内に入出自在に挿入できる形状及び大きさを有すると共に、その表面配色パターンが支台歯の色と実質的に同一である。支台歯部21は、その表面色が患者の支台歯の色と実質的に同じものを使用すれば、当該患者の支台歯にクラウンを装着したときの外観色を事前に確認できるようになる。支台歯部21の表面配色パターンは、歯牙の色を表す18種のシェードの中から選ばれる1種に対応する色を含む複数の色を用いて構成されることが好ましい。また、支台歯サンプル20は、摘み部22を有することが好ましい。摘み部22は、支台歯部21からクラウンサンプル10の開口空洞部11への挿入方向とは反対側に延びる。摘み部22は、支台歯サンプル20を操作する際に利便性を高めるものであり、例えば摘み部22を指で摘まむことにより、手動で自在に支台歯サンプル20を操作することができる。摘み部22の形状は、このような目的を達成できるものであれば特に限定されない。例えば、図2(a)に示す支台歯サンプル20では、支台歯部21とは別の棒状の部材として設けられた摘み部22が支台歯部21に取り付けられている。図2(b)に示す支台歯サンプル20では、摘み部22が支台歯部21と一体として構成され、支台歯部21から突出する凸片状に設けられている。
前記したように、HRブランクを商品として販売する場合には、同じ規格で表面配色パターンのみが異なる複数種のHRブランクを用意し、シェード(表面配色パターン)の異なるグレードをいくつか揃えてシリーズ化された商品として販売し、表面配色パターンを選んで購入できるようにすることが多い。図3及び4に示されるデモンストレーション用器具30は、形状が相互に実質的に同一であり、かつ表面配色パターンが相互に異なる第1クラウンサンプル群31aを有するので、このような商品について各グレードのHRブランク間の、(クラウン化して装着した際の)外観色を比較するためのツールとして好適である。
図3及び4に示される器具キット1は、5個のクラウンサンプル10からなる第1クラウンサンプル群31aと1つの支台歯サンプル20との組み合わせからなるものであり、上記5個のクラウンサンプル10は、夫々形状が相互に同一又は実質的に同一である開口空洞部11を有し、且つ表面配色パターンが相互に異なっている。図3及び4に示す5つのクラウンサンプル10は、象牙質層D及び中間HR層Mのシェードが相互に異なり、エナメル層Eのシェードが相互に同一であるE-M-D型積層HRミルブロックを用いて作製されているので、各クラウンサンプル10の表面配色パターンもその違いを反映している。因みに、各クラウンサンプル10の象牙質層Dのシェードは向かって左側から、A1、A2、A3、A3.5及びA4となっている。なお、同一形状・異色の第1クラウンサンプル群31aを構成するクラウンサンプル10の数は、2~18(なお、上限の18は、vitaシェード数の16に、ブリーチシェードと呼ばれるホワイトニングを模擬したシェード数の2を加えたものである)であればよい。通常は、同一系統色や2つの系統色で比較することが多く、このような場合には、第1クラウンサンプル群31aを構成するクラウンサンプル10の数は、2~9個であることが好ましく、3~7個であることが特に好ましい。
また、図3及び4に示す態様の本発明の器具キット1では、1つの支台歯サンプル20を用いているが、大きさ及び形状が夫々同一又は実質的に同一であり、且つ表面配色パターンが相互に異なっている2以上の支台歯サンプル20からなる第1支台歯サンプル群31bを用いてもよい。図5は、第1支台歯サンプル群31bを例示する図である。図5に示す第1支台歯サンプル群31bでは、5つの支台歯サンプル20のシェードは向かって左側から、A1、A2、A3、A3.5及びA4となっている。図5に示す第1支台歯サンプル群31bを構成する5つの支台歯サンプル20はいずれも図2(b)に示す構成を有している。また、図5に示す第1支台歯サンプル群31bでは、5つの支台歯サンプル20が、各摘み部22にそれぞれ設けられたリング状のホック部に通された1本の紐によってまとめて保持されている。
また、デモンストレーション用器具30に含まれるプレート32は、クラウンサンプル10を並べて保持する台紙として機能するもので、その材質は特に限定されず、硬質紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS樹脂)、ポリカーボネート等の合成樹脂、ステンレス鋼板等の金属などが使用できるが、加工が容易で軽く腐食しないといった理由からポリプロピレン等の合成樹脂からなるものが好ましい。また、必ずしも剛性の高い板状体である必要はなく、可撓性を有するシート状のものであってもよい。このようなシート状のものである場合には、硬質のケース33などの中に敷いて使用されることが好ましい。プレート32の主表面である陳列面上において、クラウンサンプル10が、姿勢を変更することなく開口空洞部11への支台歯サンプル20の支台歯部21の挿入を受けることができる状態で配列され、固定保持される。具体的には、支台歯サンプル20の挿入前後のクラウンサンプル10の外観色を確認し易いように、クラウンサンプル10の正面側の表面12が表側を向くようにその裏面がプレート32の陳列面と対向するようにし、且つ支台歯サンプル20をクラウンサンプル10の開口空洞部11内に入出自在(進退自在)に挿入できるように、開口空洞部11が上部に向かって開口するようにして配置・固定される。プレート32の色は特に限定されないが、口腔内での色の状態を表すようにするために、黒又は黒以外の暗色であることが好ましい。
プレート32の大きさは、保持されるクラウンサンプル10の数や配置様式に応じて適宜決定されるが、通常は、縦2~10cm、横2~15cm、厚さ0.1~5mm、好ましくは縦2.5~6cm、横2.5~8cm、厚さ0.3~2mmである。また、プレート32の陳列面には、保持されるクラウンサンプル10に関する情報(例えば、これをCAD/CAMによって製造するのに用いたミルブロックを特定するための情報、具体的には商品名、グレード、型番など)を表示するためのキャプション表示部36が設けられていることが好ましい。
クラウンサンプル10のプレート32の陳列面への保持は、通常、接着剤を用いて接着することにより行われるが、クラウンサンプル10を着脱可能に保持するための保持手段を用いて保持することもできる。このような保持手段を用いることにより、1つのプレート32で、対比したいクラウンサンプル10を適宜交換して保持できるようになり、短い時間内に様々な観点からの比較、確認を行う場合には便利である。このような保持手段は、通常、プレート32の陳列面に設置されるもの(一方の保持手段)とクラウンサンプル10に設置されるもの(他方の保持手段)とがセットになって、着脱可能に構成されていてもよい。このような保持手段としては、例えば、粘着テープ、面ファスナー、スナップボタン、各種ワンタッチコネクター又はワンタッチジョイントを挙げることができる。
本実施形態に係るデモンストレーション用器具30は、例えば、クラウンサンプル10を、商品となるミルブロックを用いてCAD/CAMによって作製することにより、該商品を用いて作製したクラウンを実際に装着したときの色調適合性を実演で示すことができるため、該商品の宣伝用ツール又は販促ツールとして有用である。このような用途に使用する場合には、クラウンサンプル10を保持したプレート32と、支台歯サンプル20とは、図3に示すように、専用のケース33内に収納することが好ましい。図3に示すデモンストレーション用器具30では、ケース33がケース本体34と蓋部35とがヒンジで開閉自在に連結された構成を有する。ケース33では、蓋部35の内側に支台歯サンプル20を保持する保持機構37が設けられ、ケース本体34内にクラウンサンプル10を保持したプレート32が収納されている。図4に示すように、デモンストレーション用器具30では、蓋部35を開けた状態で(プレート32を取り出すことなく、そのまま)摘み部22を摘んで支台歯サンプル20の支台歯部21をクラウンサンプル10の開口空洞部11内に挿入できるようになっている。なお、図4では、左から2番目の「A2-LY」(DのシェードがA2であるE-M-D型積層HRミルブロックを用いて作製されたことを表している)のクラウンサンプル10の外観色が支台歯サンプル20の支台歯部21の挿入後において挿入前と比べて若干赤みを帯びるように変化している。
以上、5個のクラウンサンプル10からなる第1クラウンサンプル群31aと1個の支台歯サンプル20とを用いた器具キット1について説明したが、本発明の器具キット1はこれに限定されるものではない。例えば、支台歯サンプル20を1つのみだけではなく、図5に示すように、支台歯部21の形状が相互に実質的に同一であり、かつ支台歯部21の表面配色パターンが相互に異なる第1支台歯サンプル群31bとして用意することにより、様々な色を有する支台歯にクラウンを装着したときの外観色を確認することができるようになる。勿論、第1支台歯サンプル群31bを構成する支台歯サンプル20は、図2(b)に示す構成に限定されず、図2(a)に示す構成であってもよい。
図6に示すデモンストレーション用器具30を構成する器具キット1は、図2(a)に示す構成の支台歯サンプル20を用いたものであり、専用のケース33内に、第1クラウンサンプル群31aとして表面配色パターンが相互に異なる18個のクラウンサンプル10を収め、さらに第1支台歯サンプル群31bとしてそれぞれのクラウンサンプル10の色調に対応する18個の支台歯サンプル20を収めたものである。図6に示すデモンストレーション用器具30のように、クラウンサンプル10として、ケース本体34内に1度に多くの色調を陳列することで、術者が患者に対して最も適した色調を選択することが可能となる。また、蓋部35の内側に各色調に対応する支台歯サンプル20を保持することで、患者の支台歯の色調を加味しつつ、正確な色調選択を短時間に行うことが可能である。このとき、クラウンと支台歯で異なる色調を組み合わせて確認することもできるため、例えば、より白いクラウンで治療してほしいなどと言った患者のニーズに対してもスムーズに対応することができる。図6に示すような第1クラウンサンプル群31aと第1支台歯サンプル群31bとを含む器具キット1では、第1クラウンサンプル群31aを構成する複数のクラウンサンプル10の開口空洞部11の形状と、第1支台歯サンプル群31bを構成する複数の支台歯サンプル20の支台歯部21の形状と、が一対一に対応していることが好ましい。
また、本発明の器具キット1は、第1クラウンサンプル群31aに代えて、または第1クラウンサンプル群31aに加えて、表面配色パターンが相互に実質的に同一であり、かつ形状が相互に異なる複数のクラウンサンプル10から構成される第2クラウンサンプル群を含むように構成してもよい。さらに、本発明の器具キット1は、第1支台歯サンプル群31bに代えて、または第1支台歯サンプル群31bに加えて、支台歯部21の表面配色パターンが相互に実質的に同一であり、かつ支台歯部21の形状が相互に異なる複数の支台歯サンプル20から構成される第2支台歯サンプル群を含むように構成してもよい。この場合、本発明の器具キット1では、第2クラウンサンプル群を構成するクラウンサンプル10の数と、第2支台歯サンプル群を構成する支台歯サンプル20の数と、を同一とし、第2支台歯サンプル群を構成する複数の支台歯サンプル20の支台歯部21の形状及び大きさと、第2クラウンサンプル群を構成する複数のクラウンサンプル10の開口空洞部11の形状及び大きさと、が一対一に対応するような態様とすることもできる。つまり、このような器具キット1では、第2クラウンサンプル群を構成する複数のクラウンサンプル10に、第2支台歯サンプル群を構成する複数の支台歯サンプル20の支台歯部21のすべての形状に対応する形状の開口空洞部11が設けられたクラウンサンプル10が含まれる態様とすることもできる。このような態様の器具キット1を用いることにより、例えば1種のHRミルブロックを用いて異なる形状或いは肉厚の異なるクラウンを作製した場合における、装着時の外観色に及ぼすこれら因子の影響を知ることが可能となる。
更に、本発明の器具キット1又は本発明のデモンストレーション用器具30を用いることで、開口空洞部が設けられた歯冠補綴物であるクラウンをCAD/CAMによって形成するために用いるミルブロックの選定方法を提供することができる。本発明のミルブロックの選定方法は、準備工程と、選択工程と、確認工程と、選定工程と、を含む。準備工程では、第1クラウンサンプル群31aと第1支台歯サンプル群31bとを含む器具キット1又はデモンストレーション用器具30を用意する。選択工程にでは、第1支台歯サンプル群31bから患者の支台歯の形状及び表面配色パターンと近似する支台歯部21を有する支台歯サンプル20を選択する。確認工程では、第1クラウンサンプル群31aを構成する複数のクラウンサンプル10のそれぞれについて上記選択工程で選択された支台歯サンプル20の支台歯部21の開口空洞部11への挿入後の外観色を確認する。確認工程では、例えば、複数のクラウンサンプル10の開口空洞部11内への支台歯サンプル20の支台歯部21の挿入前後における複数のクラウンサンプル10の外観を撮像した画像又は画像データを用いることができる。選定工程では、第1クラウンサンプル群31aを構成する複数のクラウンサンプル10から上記確認工程で確認された外観色が患者の歯牙の外観色と最も適合するクラウンサンプル10を決定し、決定されたクラウンサンプル10を形成するために用いたミルブロックと実質的に同一のミルブロックを選定する。
加えて、本発明の器具キット1又は本発明のデモンストレーション用器具30を用いることで、患者の支台歯について表面配色パターンは確認されているが形状が未確定である段階において、支台歯が挿入される開口空洞部が設けられた歯冠補綴物であるクラウンをCAD/CAMによって形成するために用いるミルブロックを選定する際に、候補となるミルブロックを用いて形成したクラウンの外観色に及ぼす支台歯の形状の影響の確認方法を提供することができる。本発明の確認方法は、準備工程と、確認工程と、を含む。準備工程では、第2クラウンサンプル群と第2支台歯サンプル群とを含み、第2支台歯サンプル群を構成する複数の支台歯サンプル20の支台歯部21の表面配色パターンが支台歯の表面配色パターンと実質的に同一であるか近似しており、第2クラウンサンプル群を構成する複数のクラウンサンプル10が候補となるミルブロックと実質的に同一のミルブロックを用いて形成されている器具キット1又はデモンストレーション用器具30を用意する。確認工程では、第2クラウンサンプル群及び第2支台歯サンプル群から選択される相互に対応する形状の開口空洞部11及び支台歯部21を有するクラウンサンプル10及び支台歯サンプル20の組み合わせのそれぞれについて支台歯サンプル20の支台歯部21の開口空洞部11への挿入後の外観色を確認する。確認工程では、例えば、複数のクラウンサンプル10の開口空洞部11内への支台歯サンプル20の支台歯部21の挿入前後における複数のクラウンサンプル10の外観を撮像した画像又は画像データを用いることができる。
1・・・器具キット
10・・・クラウンサンプル
11・・・開口空洞部
12・・・表面
20・・・支台歯サンプル
21・・・支台歯部
22・・・摘み部
30・・・デモンストレーション用器具
31a・・・第1クラウンサンプル群
31b・・・第1支台歯サンプル群
32・・・プレート
33・・・ケース
34・・・ケース本体
35・・・蓋部
36・・・キャプション表示部
37・・・保持機構

Claims (7)

  1. 開口空洞部が設けられた歯冠補綴物であり、ミルブロックを用いたCAD/CAMによって形成されたクラウンにおける患者の支台歯を前記開口空洞部内に挿入した後の外観色を事前に確認するクラウン外観色確認方法であって、
    表面配色パターンが前記支台歯と実質的に同一であり、前記支台歯の標準的な形状に形成された支台歯部を有する支台歯サンプルと、表面配色パターンが前記クラウンと実質的に同一であり、前記クラウンを形成するために用いるミルブロックと実質的に同一のミルブロックを用いたCAD/CAMによって前記クラウンの標準的な形状に形成され、前記支台歯サンプルの前記支台歯部に対応する開口空洞部が設けられたクラウンサンプルと、の組み合わせからなる器具キットを準備する準備工程と、
    前記クラウンサンプルの前記開口空洞部内への前記支台歯サンプルの前記支台歯部の挿入前後における前記クラウンサンプルの外観色を確認する確認工程と、
    を含むことを特徴とするクラウン外観色確認方法。
  2. 前記確認工程では、前記クラウンサンプルの前記開口空洞部内への前記支台歯サンプルの前記支台歯部の挿入前後における前記クラウンサンプルの外観を撮像した画像又は画像データを用いる、
    請求項1に記載のクラウン外観色確認方法。
  3. 請求項1に記載のクラウン外観色確認方法を実演するために用いるデモンストレーション用器具であって、
    患者の支台歯の見本として構成され、前記支台歯の標準的な形状に形成された支台歯部を有する少なくとも1つの支台歯サンプルと、
    開口空洞部が設けられた歯冠補綴物であり、前記支台歯が前記開口空洞部内に挿入されるクラウンの見本として構成され、前記クラウンの標準的な形状に形成され、前記支台歯サンプルの前記支台歯部に対応する開口空洞部が設けられた少なくとも1つのクラウンサンプルと、
    を含む器具キットであって、
    前記器具キットは、複数の支台歯サンプルと、複数のクラウンサンプルと、の少なくとも一方を含み、
    前記複数の支台歯サンプルは、前記支台歯部の形状が相互に実質的に同一であり、かつ前記支台歯部の表面配色パターンが相互に異なる第1支台歯サンプル群と、前記支台歯部の表面配色パターンが相互に実質的に同一であり、かつ前記支台歯部の形状が相互に異なる第2支台歯サンプル群と、の少なくとも一方を構成し、
    前記複数のクラウンサンプルは、形状が相互に実質的に同一であり、かつ表面配色パターンが相互に異なる第1クラウンサンプル群と、表面配色パターンが相互に実質的に同一であり、かつ形状が相互に異なる第2クラウンサンプル群と、の少なくとも一方を構成する
    具キットを含み、
    前記複数のクラウンサンプルの数が2~18個であり、
    前記複数のクラウンサンプルは、前記開口空洞部への前記支台歯サンプルの前記支台歯部の挿入を受けることが可能な状態で配列されている
    ことを特徴とするデモンストレーション用器具。
  4. 開口空洞部が設けられた歯冠補綴物であるクラウンをCAD/CAMによって形成するために用いるミルブロックの選定方法であって、
    患者の支台歯の見本として構成され、前記支台歯の標準的な形状に形成された支台歯部を有する少なくとも1つの支台歯サンプルと、
    開口空洞部が設けられた歯冠補綴物であり、前記支台歯が前記開口空洞部内に挿入されるクラウンの見本として構成され、前記クラウンの標準的な形状に形成され、前記支台歯サンプルの前記支台歯部に対応する開口空洞部が設けられた少なくとも1つのクラウンサンプルと、
    を含む器具キットであって、
    前記器具キットは、複数の支台歯サンプルと、複数のクラウンサンプルと、の少なくとも一方を含み、
    前記複数の支台歯サンプルは、前記支台歯部の形状が相互に実質的に同一であり、かつ前記支台歯部の表面配色パターンが相互に異なる第1支台歯サンプル群と、前記支台歯部の表面配色パターンが相互に実質的に同一であり、かつ前記支台歯部の形状が相互に異なる第2支台歯サンプル群と、の少なくとも一方を構成し、
    前記複数のクラウンサンプルは、形状が相互に実質的に同一であり、かつ表面配色パターンが相互に異なる第1クラウンサンプル群と、表面配色パターンが相互に実質的に同一であり、かつ形状が相互に異なる第2クラウンサンプル群と、の少なくとも一方を構成し、
    前記第1支台歯サンプル群と、前記第1クラウンサンプル群と、を含み、
    前記第1支台歯サンプル群を構成する前記複数の支台歯サンプルの前記支台歯部の形状と、前記第1クラウンサンプル群を構成する前記複数のクラウンサンプルの前記開口空洞部の形状と、が一対一に対応している
    具キットを準備する準備工程と、
    前記第1支台歯サンプル群から患者の支台歯の形状及び表面配色パターンと近似する支台歯部を有する支台歯サンプルを選択する選択工程と、
    前記第1クラウンサンプル群を構成する前記複数のクラウンサンプルのそれぞれについて前記選択工程で選択された前記支台歯サンプルの前記支台歯部の前記開口空洞部への挿入後の外観色を確認する確認工程と、
    前記第1クラウンサンプル群を構成する前記複数のクラウンサンプルから前記確認工程で確認された外観色が患者の歯牙の外観色と最も適合するクラウンサンプルを決定し、決定された前記クラウンサンプルを形成するために用いたミルブロックと実質的に同一のミルブロックを選定する選定工程と、
    を含むことを特徴とするミルブロックの選定方法。
  5. 前記確認工程では、前記複数のクラウンサンプルの前記開口空洞部内への前記支台歯サンプルの前記支台歯部の挿入前後における前記複数のクラウンサンプルの外観を撮像した画像又は画像データを用いる
    請求項に記載のミルブロックの選定方法。
  6. 患者の支台歯について表面配色パターンは確認されているが形状が未確定である段階において、前記支台歯が挿入される開口空洞部が設けられた歯冠補綴物であるクラウンをCAD/CAMによって形成するために用いるミルブロックを選定する際に、候補となるミルブロックを用いて形成したクラウンの外観色に及ぼす前記支台歯の形状の影響の確認方法であって、
    患者の支台歯の見本として構成され、前記支台歯の標準的な形状に形成された支台歯部を有する少なくとも1つの支台歯サンプルと、
    開口空洞部が設けられた歯冠補綴物であり、前記支台歯が前記開口空洞部内に挿入されるクラウンの見本として構成され、前記クラウンの標準的な形状に形成され、前記支台歯サンプルの前記支台歯部に対応する開口空洞部が設けられた少なくとも1つのクラウンサンプルと、
    を含む器具キットであって、
    前記器具キットは、複数の支台歯サンプルと、複数のクラウンサンプルと、の少なくとも一方を含み、
    前記複数の支台歯サンプルは、前記支台歯部の形状が相互に実質的に同一であり、かつ前記支台歯部の表面配色パターンが相互に異なる第1支台歯サンプル群と、前記支台歯部の表面配色パターンが相互に実質的に同一であり、かつ前記支台歯部の形状が相互に異なる第2支台歯サンプル群と、の少なくとも一方を構成し、
    前記複数のクラウンサンプルは、形状が相互に実質的に同一であり、かつ表面配色パターンが相互に異なる第1クラウンサンプル群と、表面配色パターンが相互に実質的に同一であり、かつ形状が相互に異なる第2クラウンサンプル群と、の少なくとも一方を構成し、
    前記第2支台歯サンプル群と、第2クラウンサンプル群と、を含み、
    前記第2クラウンサンプル群を構成する前記複数のクラウンサンプルには、前記第2支台歯サンプル群を構成する前記複数の支台歯サンプルの前記支台歯部のすべての形状に対応する形状の前記開口空洞部が設けられたクラウンサンプルが含まれる
    具キットであって、前記第2支台歯サンプル群を構成する前記複数の支台歯サンプルの前記支台歯部の表面配色パターンが前記支台歯の表面配色パターンと実質的に同一であるか近似しており、前記第2クラウンサンプル群を構成する前記複数のクラウンサンプルが前記候補となるミルブロックと実質的に同一のミルブロックを用いて形成されている器具キットを準備する準備工程と、
    前記第2クラウンサンプル群及び前記第2支台歯サンプル群から選択される相互に対応する形状の前記開口空洞部及び前記支台歯部を有するクラウンサンプル及び支台歯サンプルの組み合わせのそれぞれについて前記支台歯サンプルの前記支台歯部の前記開口空洞部への挿入後の外観色を確認する確認工程と、
    を含むことを特徴とする確認方法。
  7. 前記確認工程では、前記クラウンサンプルの前記開口空洞部内への前記支台歯サンプルの前記支台歯部の挿入前後における前記クラウンサンプルの外観を撮像した画像又は画像データを用いる
    請求項に記載の確認方法。
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