JP7390987B2 - トラクターの走行伝動装置 - Google Patents

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本発明は、トラクターの走行伝動装置に関する。
トラクターの走行伝動装置には、エンジンからの動力を変速して出力する変速装置と、変速装置の後方に設けられ、変速装置の出力を前進動力と後進動力とに変換する前後進切換装置と、変速装置の後方に設けられ、前後進切換装置の出力を入力して後車輪に伝達する後輪差動機構と、変速装置、前後進切換装置、後輪差動機構を収容するミッションケースと、が備えられ、前後進切換装置の切り換え操作を行うだけで操作簡単に、変速装置によって設定される走行速度で前進走行したり、後進走行したりすることを可能にするものがある。この種のトラクターの走行伝動装置としては、例えば特許文献1に示されるものがある。特許文献1に示されるものでは、変速装置としての変速伝動装置が備えられている。
また、トラクターの走行伝動装置には、エンジンからの動力が入力軸によって入力されるミッションケースと、ミッションケースの内部に設けられ、入力軸からの動力が入力され、入力された動力を変速して出力する変速伝動部と、ミッションケースの内部に設けられ、変速伝動部が出力する動力が入力され、入力された動力を左右の後車輪に伝達する後輪差動機構と、が備えられたものがある。この種のトラクターの走行伝動装置には、変速伝動部に、入力軸からの動力をギヤ連動機構及び多板クラッチによって変速して出力する複数の変速部がミッションケースの前後方向に並ぶ状態で備えられたものがある。
この種のトラクターの走行伝動装置としては、例えば、特許文献1に示されるトラクターの変速伝動装置がある。特許文献1に示されるトラクターの変速伝動装置では、変速伝動部としての変速出力部や前後進切換え装置が備えられている。変速出力部には、ギヤ連動機構としての入力歯車、変速歯車が備えられ、多板クラッチとしての段階分けクラッチが備えられている。前後進切換え装置には、入力軸と出力軸とにわたって設けられたギヤ連動機構、多板クラッチとして前進クラッチおよび後進クラッチが備えられている。
特開2019-95058号公報
トラクターは、肥料散布機、ロータリ耕耘装置、プラウ、ドーザなど各種の作業装置を連結されるので、作業に適応した速度やトルクで車輪を駆動できるトラクターを要望されている。
上記した変速伝動部が備えられたトラクターの走行伝動装置において、多板クラッチがミッションケース内に貯留される潤滑油に入り込むと、多板クラッチが潤滑油による回転抵抗を受けつつ回転して伝動ロスが増加する。伝動ロスの増加を抑制するように、多板クラッチが潤滑油に入り込まないように、あるいはあまり入り込まないようにすると、変速部におけるギヤ連動機構も潤滑油に入り込まない、あるいはあまり入り込まず、ギヤ連動機構が潤滑油不足の状態になる。
本発明は、要望に安価に応えることができるトラクターの走行伝動装置や多板クラッチが潤滑油による回転抵抗を受けることによる伝動ロスの増加を回避でき、かつ、ギヤ連動機構に潤滑油を十分に供給できるトラクターの走行伝動装置を提供する。
本発明によるトラクターの走行伝動装置は、
エンジンからの動力を変速して出力する変速装置と、前記変速装置の後方に設けられ、前記変速装置の出力を前進動力と後進動力とに変換する前後進切換装置と、前記変速装置の後方に設けられ、前記前後進切換装置の出力を入力して後車輪に伝達する後輪差動機構と、前記前後進切換装置の出力軸の動力を前記後輪差動機構の入力軸に伝達するギヤ伝動機構と、前記変速装置、前記前後進切換装置、前記後輪差動機構及び前記ギヤ伝動機構を収容するミッションケースと、が備えられ、前記ミッションケースは、前記変速装置を収容する前ケース部と、前記前後進切換装置、前記後輪差動機構及び前記ギヤ伝動機構を収容する後ケース部と、に分割可能に構成されており、前記ギヤ伝動機構は、前記ミッションケースの内部のうち、前記後ケース部の前端部分に対応する部位に脱着可能に設けられ、前記変速装置は、前記エンジンの動力が入力され、入力された前記動力を変速して出力する静油圧式の無段変速部と、前記エンジンの動力と前記無段変速部の出力とが入力され、入力された前記動力と前記出力とを合成して合成動力を出力する複合遊星伝動部と、を有し、前記複合遊星伝動部は、当該複合遊星伝動部における太陽歯車の軸芯と前記エンジンの出力軸の軸芯とが一直線上に位置し、かつ、前記太陽歯車の軸芯が前記後輪差動機構の前記入力軸の軸芯よりも上方に位置するように配置され、前記エンジンの出力軸に連動連結され、かつ、前記複合遊星伝動部の軸芯部を前後方向に通された回転軸と、前記無段変速部の後部に前後向き軸芯を回転中心にして回転可能に設けられた無段入力ギヤと、前記回転軸の動力を前記無段入力ギヤに伝達する第2動力伝達機構と、が備えられ、前記第2動力伝達機構は、前記前後向き軸芯に対して平行に設けられた回転可能な第2中継軸と、前記複合遊星伝動部の後方で前記回転軸に相対回転不能に設けられた動力取出しギヤと、前記動力取出しギヤに噛み合う状態で前記第2中継軸の後端部に相対回転不能に設けられた第3中継ギヤと、前記無段入力ギヤに噛み合う状態で前記第2中継軸の前端部に相対回転不能に設けられた第4中継ギヤと、を有している。
本構成によると、ギヤ伝動機構のギヤ比を変更することにより、後車輪の駆動可能な最高速度を速くしたり、後車輪を高トルクで駆動したりできる。前ケース部と後ケース部とが分離した状態にあると、変速装置、前後進切換装置および後輪差動機構が組付けられたままにしつつ、異なるギヤ比を有する複数のギヤ伝動機構から選択したギヤ伝動機構を後ケース部の前方から組付けることができるので、各種の作業に対応する速度やトルクで後車輪を駆動できるトラクターを安価に得られる。
本構成によると、後輪差動機構がミッションケース内に溜まる潤滑油に入り込むようにしつつ、複合遊星伝動部が潤滑油に入り込まず、潤滑油による抵抗を受けずに回動して効率よく動力伝達するようにできる。
本構成によると、動力取出しギヤと無段入力ギヤとを第3中継ギヤ、中継軸及び第4中継ギヤによって連動させつつ、無段入力ギヤを動力取出しギヤに対して前方に位置ずれさせ得るので、無段変速部を収容する無段ケース部の前後長さを短く済ませられる。
本発明においては、
前記ミッションケースの内部に設けられ、前記前後進切換装置からの動力を前車輪に向けて出力する前輪伝動機構と、前記ミッションケースの内部のうち、前記後ケース部の前端部分に対応する部位に脱着可能に設けられ、前記前後進切換装置からの動力を前記前輪伝動機構に入力する第2ギヤ伝動機構と、が備えられていると好適である。
本構成によると、前後進切換装置からの動力が前車輪に伝達されるので、後車輪のみならず前車輪も駆動できる。ギヤ伝動機構が有するギヤ比に対応するギヤ比を有する第2ギヤ伝動機構を、ギヤ伝動機構の組付けと同様に、後ケース部の前方から組付けることができるので、各種の作業に対応する速度やトルクで後車輪及び前車輪を駆動できるトラクターを安価に得られる。
本発明においては、
前記第2ギヤ伝動機構は、前記後輪差動機構の前記入力軸の動力を前記前輪伝動機構に入力するよう構成されていると好適である。
本構成によると、第2ギヤ伝動機構は、前輪伝動機構に入力するべき前進動力や後進動力を後輪差動機構の入力軸から取り出すので、前後進切換装置から取り出すのに比べ、前後進切換装置の出力である前進動力や後進動力を前輪伝動機構に構造簡単に入力できる。
本発明においては、
前記後ケース部は、当該後ケース部のうちの前記前端部分と、前記後ケース部のうちの前記前端部分以外の部分と、に分割可能であると好適である。
本構成によると、前端部分を前端部分以外の部分から外すことにより、ギヤ伝動機構の組付け作業スペースを広くできるので、ギヤ伝動機構を組付け易い。
本発明においては、
前記複合遊星伝動部が出力する合成動力を複数段の速度レンジに段階分けして出力する段階分け伝動部が備えられ、前記段階分け伝動部に向けて潤滑油を吐出する給油部が備えられていると好適である。
本構成によると、段階分け伝動部が複合遊星伝動部と同様にミッションケース内の潤滑油に入り込まないことになっても、給油部によって段階分け伝動部に給油されるので、段階分け伝動部の焼き付きを防止できる。
本発明においては、
前記無段変速部の前部に前後向き軸芯を回転中心にして回転可能に設けられた無段出力ギヤと、前記複合遊星伝動部の前部に回転可能に設けられた遊星入力ギヤと、前記無段出力ギヤの動力を前記遊星入力ギヤに伝達する動力伝達機構と、が備えられ、前記動力伝達機構は、前記前後向き軸芯に対して平行に設けられた回転可能な前後向きの中継軸と、前記無段出力ギヤに噛み合う状態で前記中継軸の後端部に相対回転不能に設けられた第1中継ギヤと、前記遊星入力ギヤに噛み合う状態で前記中継軸の前端部に相対回転不能に設けられた第2中継ギヤと、を有していると好適である。
本構成によると、無段出力ギヤと遊星入力ギヤとを第1中継ギヤ、中継軸及び第2中継ギヤによって連動させつつ、無段出力ギヤを遊星入力ギヤに対して後方に位置ずれさせ得るので、無段変速部を収容する無段ケース部の前後長さを短く済ませられる。
トラクターの全体を示す左側面である。 走行伝動装置を示す線図である。 無段変速部の断面図である。 ギヤ連動機構及び第2ギヤ連動機構を示す断面図である。 段階分け伝動部、前後進切換装置、給油部及び第2給油部を示す断面図である。 一列目の遊星歯車機構の断面図である。 一列目の遊星歯車機構の断面図である。 複合遊星伝動部、無段変速部、後輪差動機構などの配置を示す概略図である。 ミッションケースの左側面図である。 ミッションケースの平面図である。 変速操作装置を示すブロック図である。 変速レバーの操作域と段階分け伝動部の操作状態との関係を示す説明図である。 無段変速部の変速状態と、速度レンジと、出力軸による出力速度との関係を示す説明図である。 オリフィスを有する給油部を示す断面図である。 オリフィスを有する給油部が備えられた走行伝動装置における出力軸および標準油面を示す説明図である。 オリフィスを有する給油部における吐出ノズルを示す断面図である。 オリフィスを有する給油部における吐出ノズルを示す断面図である。 第1注油口および第2注油口を示す斜視図である。
以下、本発明の一例である実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、トラクターの走行車体に関し、図1に示される矢印Fの方向を「車体前方」、矢印Bの方向を「車体後方」、矢印Uの方向を「車体上方」、矢印Dの方向を「車体下方」、紙面表側の方向を「車体左方」、紙面裏側の方向を「車体右方」とする。
〔トラクターの全体の構成〕
トラクターの走行車体は、図1に示されるように、エンジン1、エンジン1の後部に連結されたクラッチハウジング2、クラッチハウジング2の後部に連結されたミッションケース3、エンジン1の下部から前方に延ばされた前輪支持フレーム4によって構成された車体フレーム5を備えている。車体フレーム5の前部に、左右一対の前車輪6が駆動可能かつ操向可能に装備され、車体フレーム5の後部に、左右一対の後車輪7が駆動可能に装備されている。走行車体の前部に、エンジン1を有する原動部8が形成されている。走行車体の後部に、運転座席9、及び、前車輪6を操向操作するステアリングホィール10を有する運転部11が形成されている。運転部11には、搭乗空間を覆うキャビン12が備えられている。車体フレーム5の後部に、ロータリ耕耘装置などの各種の作業装置を昇降可能に連結するリンク機構13が装備されている。ミッションケース3の後部に、連結された作業装置にエンジン1からの動力を伝達する動力取出し軸14が備えられている。
〔走行伝動装置の構成〕
エンジン1の動力を前車輪6及び後車輪7に伝達する走行伝動装置15が、図2に示される如く構成されている。走行伝動装置15は、エンジン1の出力軸1aの動力が主クラッチ16から入力軸17に入力され、入力された動力を変速する変速装置18、変速装置18の出力が入力され、入力された動力を前進動力と後進動力とに変換する前後進切換装置19、前後進切換装置19が出力する前進動力及び後進動力が入力され、入力された前進動力及び後進動力を左右の後車輪7に伝達する後輪差動機構20、前後進切換装置19が出力する前進動力及び後進動力が入力され、入力された前進動力及び後進動力を前車輪6に向けて出力する前輪伝動機構21、前輪伝動機構21が出力する前進動力及び後進動力が入力され、入力された前進動力及び後進動力を左右の前車輪6に伝達する前輪差動機構22が備えられている。
変速装置18、前後進切換装置19、後輪差動機構20及び前輪伝動機構21は、図2に示されるように、ミッションケース3に収容されている。ミッションケース3は、図2,3,4,5,9,10に示されるように、変速装置18及び前輪伝動機構21を収容する前ケース部3Aと、前後進切換装置19及び後輪差動機構20を収容する後ケース部3Bとに第1分割線L1で分割可能に構成されている。後ケース部3Bは、図2,4,5,9,10に示されるように、前後進切換装置19の出力軸91の前部、及び、後輪差動機構20の入力軸20aの前部が内部に位置する前端部分3Cと、前端部分以外の部分3Dとに第2分割線L2で分割可能に構成されている。
〔変速装置の構成〕
変速装置18は、図2に示されるように、エンジン1の動力が入力される無段変速部18Aと、無段変速部18Aの出力及びエンジン1の動力が入力される複合遊星伝動部18Bと、複合遊星伝動部18Bの出力を段階分けして出力する段階分け伝動部18Cと、を有している。図8は、複合遊星伝動部18B、無段変速部18A、後輪差動機構20などの配置を示す概略図である。図8に示される矢印Uの方向は、「車体上方」を示し、矢印Dの方向は、「車体下方」を示し、矢印Lの方向は、「車体左方」、矢印Rの方向は、「車体右方」を示す。変速装置18のミッションケース3への収容は、図8に示されるように、前後方向視において、段階分け伝動部18Cの出力軸75と前後進切換装置19の入力軸90とが、複合遊星伝動部18Bの太陽歯車51,54の軸芯Xに対して横一側方に位置し、無段変速部18Aの無段出力ギヤ35の前後向き軸芯37aが太陽歯車51,54の軸芯Xに対して横他側方に位置し、太陽歯車51,54の軸芯Xが後輪差動機構20の入力軸20aの軸芯Yよりも上方に位置する状態で行われている。
〔無段変速部の構成〕
無段変速部18Aは、図2,3に示されるように、可変容量型かつアキシャルプランジャ形の油圧ポンプ30、定容量型かつアキシャルプランジャ形の油圧モータ31、及び、油圧ポンプ30と油圧モータ31とを接続する駆動油路32を備えている。無段変速部18Aは、静油圧式の無段変速部である。図3に示されるように、前ケース部3Aのうちの無段変速部18Aを覆う無段ケース部分33は、前ケース部3Aのうちの無段ケース部分以外の部分に対して脱着可能になっている。図2,3に示されるように、無段変速部18Aには、無段変速部18Aの後部に回転可能に設けられた無段入力ギヤ34と、無段変速部18Aの前部に回転可能に設けられた無段出力ギヤ35とが備えられている。無段入力ギヤ34は、ポンプ軸36に相対回転不能に設けられ、ポンプ軸36の前後向き軸芯36aを回転中心にして回転する。無段出力ギヤ35は、モータ軸37に相対回転不能に設けられ、モータ軸37の前後向き軸芯37aを回転中心にして回転する。
図2,3に示されるように、無段入力ギヤ34と、複合遊星伝動部18Bの軸芯部を前後方向に通された回転軸38のうちの複合遊星伝動部18Bよりも後方に位置する部分とにわたり、第2動力伝達機構40が設けられている。図3に示されるように、回転軸38の前端部38aと、変速装置18の入力軸17の後端部17aとが、スプライン係合によって相対回転不能に係合されている。第2動力伝達機構40は、図2,3に示されるように、無段入力ギヤ34の前後向き軸芯36aに対して平行に設けられた回転可能な第2中継軸41と、回転軸38に相対回転不能に設けられた動力取出しギヤ42と、動力取出しギヤ42に噛み合った状態で第2中継軸41の後端部に相対回転不能に設けられた第3中継ギヤ43と、無段入力ギヤ34に噛み合った状態で第2中継軸41の前端部に相対回転不能に設けられた第4中継ギヤ44と、を有している。第2動力伝達機構40は、回転軸38の動力を無段入力ギヤ34に伝達する。回転軸38は、図2に示されるように、中継軸45、PTO変速装置46を介して動力取出し軸14(PTO)に連動連結されており、入力軸17に伝達されたエンジン1の動力を動力取出し軸14に伝達する。
無段変速部18Aにおいては、エンジン1の出力軸1aから主クラッチ16及び入力軸17を介して回転軸38に伝達されたエンジン1の動力が第2動力伝達機構40によって無段入力ギヤ34に伝達されて油圧ポンプ30及び油圧モータ31によって正回転方向の動力と逆回転方向の動力とに変速され、正回転方向においても、逆回転方向においても回転速度が無段階に変速した動力に変速される。変速後の正回転方向の動力及び逆回転方向の動力が無段出力ギヤ35から出力される。
〔複合遊星伝動部の構成〕
図2に示されるように、複合遊星伝動部18Bは、二つの太陽歯車51,54を有し、二つの太陽歯車51,54の軸芯Xとエンジン1の出力軸1aの軸芯Zとが一直線上に位置する状態で設けられている。複合遊星伝動部18Bは、前後方向に並ぶ二列の遊星歯車機構50A,50Bを備えている。一列目の遊星歯車機構50Aには、図2,6に示されるように、太陽歯車51、内歯歯車52、及び、三つの遊星歯車53が備えられている。
二列目の遊星歯車機構50Bには、図2,7に示されるように、太陽歯車54、内歯歯車55、及び、三つの遊星歯車56が備えられている。図6に示されるように、一列目の遊星歯車機構50Aに、三つの遊星歯車53に各別に噛み合った三つの連動歯車57が備えられている。図2に示されるように、三つの連動歯車57は、二列目の遊星歯車機構50Bの三つの遊星歯車56に各別に連動連結されている。連動歯車57と遊星歯車56との連動連結は、連動歯車57と遊星歯車56とを一体的に形成することによって行われている。
図2に示されるように、複合遊星伝動部18Bの前部に、一列目の遊星歯車機構50Aの太陽歯車51に相対回転不能に連動連結された遊星入力ギヤ58が設けられている。遊星入力ギヤ58は、無段変速部18Aの無段出力ギヤ35に動力伝達機構60によって連動連結されている。動力伝達機構60は、図2,3に示されるように、無段出力ギヤ35の前後向き軸芯37aに対して平行に設けられた回転可能な中継軸61と、無段出力ギヤ35に噛み合った状態で中継軸61の後端部に相対回転不能に設けられた第1中継ギヤ62と、遊星入力ギヤ58に噛み合った状態で中継軸61の前端部に相対回転不能に設けられた第2中継ギヤ63と、を有している。無段出力ギヤ35の動力が動力伝達機構60によって遊星入力ギヤ58に伝達され、遊星入力ギヤ58から太陽歯車51に入力される。
図2に示されるように、複合遊星伝動部18Bの前部に、一列目の遊星歯車機構50Aの内歯歯車52に相対回転不能に連動連結された第2遊星入力ギヤ59が設けられている。第2遊星入力ギヤ59は、入力軸17に入力伝動機構65によって連動連結されている。入力伝動機構65は、図2に示されるように、入力軸17に相対回転不能に設けられた入力軸ギヤ66と、入力軸ギヤ66に噛み合った状態で第3中継軸67の前端部に相対回転不能に設けられた第4中継ギヤ68と、第2遊星入力ギヤ59に噛み合った状態で第3中継軸67の後端部に相対回転不能に設けられた第5中継ギヤ69と、を有している。エンジン1の出力軸1aから主クラッチ16を介して入力軸17に伝達されたエンジン1の動力が入力伝動機構65によって第2遊星入力ギヤ59に伝達され、第2遊星入力ギヤ59から内歯歯車52に入力される。
図2に示されるように、複合遊星伝動部18Bの後部に、第1出力軸71、第2出力軸72及び第3出力軸73が相対回転可能に設けられている。第1出力軸71、第2出力軸72及び第3出力軸73は、三重軸に構成されている。第1出力軸71は、二列目の遊星歯車機構50Bの内歯歯車55に連動連結されている。第2出力軸72は、キャリヤ70に連動連結されている。キャリヤ70は、一列目の遊星歯車機構50Aの遊星歯車53を支持し、かつ、二列目の遊星歯車機構50Bの遊星歯車56を支持するよう構成されている。第3出力軸73は、二列目の遊星歯車機構50Bの太陽歯車54に連動連結されている。
複合遊星伝動部18Bにおいては、無段変速部18Aが無段出力ギヤ35から出力する正回転方向の出力及び逆回転方向の出力が動力伝達機構60によって一列目の遊星歯車機構50Aの太陽歯車51に入力され、エンジン1からの動力が入力伝動機構65によって一列目の遊星歯車機構50Aの内歯歯車52に入力され、入力された無段変速部18Aの出力とエンジン1の動力とが二列の遊星歯車機構50A,50Bによって合成され、合成動力が第1出力軸71、第2出力軸72及び第3出力軸73から出力される。
〔段階分け伝動部の構成〕
段階分け伝動部18Cは、図2,5に示されるように、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、第3クラッチCL3及び第4クラッチCL4を備えている。第1乃至第4クラッチは、油圧操作式の多板クラッチによって構成されている。第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、第3クラッチCL3及び第4クラッチCL4それぞれの出力側回転部材に、出力軸75が相対回転不能に連動連結されている。第1クラッチCL1の入力側回転部材と複合遊星伝動部18Bの第1出力軸71とに亘り、1速レンジを設定する1速ギヤ連動機構76が設けられている。第2クラッチCL2の入力側回転部材と複合遊星伝動部18Bの第3出力軸73とに亘り、2速レンジを設定する2速ギヤ連動機構77が設けられている。第3クラッチCL3の入力側回転部材と複合遊星伝動部18Bの第2出力軸72とに亘り、3速レンジを設定する3速ギヤ連動機構78が設けられている。第4クラッチCL4の入力側回転部材と複合遊星伝動部18Bの第3出力軸73とに亘り、4速レンジを設定する4速ギヤ連動機構79が設けられている。
図11に示されるように、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、第3クラッチCL3、第4クラッチCL4及び無段変速部18Aが制御装置80に連係されている。制御装置80には、変速レバー81の操作位置を検出する操作位置センサー82、及び、無段変速部18Aの油圧ポンプ30における斜板角度を検出する斜板センサー83が連係されている。制御装置80は、マイクロコンピュータによって構成され、変速制御手段84を備えている。変速制御手段84は、無段変速部18Aが変速レバー81の操作位置に対応した変速状態になるように、かつ、段階分け伝動部18Cが変速レバー81の操作位置に対応した操作状態になるように、操作位置センサー82による検出結果、及び斜板センサー83による検出結果を基に、無段変速部18Aの斜板を制御し、かつ、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、第3クラッチCL3及び第4クラッチCL4を切換え制御する。変速レバー81は、図11に示されるように、第1操作域A1、第2操作域A2、第3操作域A3及び第4操作域A4に亘って操作可能に構成されている。
図12は、変速レバー81の操作域と段階分け伝動部18Cの操作状態との関係を示す説明図である。図12に示す「〇」は、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、第3クラッチCL3、第4クラッチCL4の入り状態を示し、「-」は、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、第3クラッチCL3、第4クラッチCL4の切り状態を示す。図13は、無段変速部18Aの変速状態と、速度レンジと、出力軸75による出力速度Vとの関係を示す説明図である。図13の縦軸は、出力軸75による出力速度Vを示す。図13の横軸は、無段変速部18Aの変速状態を示し、「N」は、中立状態を示し、「+MAX」は、出力方向が正回転方向にある状態での最高速状態を示し、「-MAX」は、出力方向が逆回転方向にある状態での最高速状態を示す。
変速装置18においては、図12,13に示されるように、変速レバー81が第1操作域A1に操作されると、第1クラッチCl1が入り状態に制御され、変速レバー81が第1操作域A1の最低速位置から最高速位置に向けて操作されるに伴い、無段変速部18Aが逆回転方向での最高速状態から正回転方向での最高速状態に向けて変速制御され、出力軸75の出力速度Vが1速レンジで零からV1に無段階に増速していく。変速レバー81が第2操作域A2に操作されると、第2クラッチCL2が入り状態に制御され、変速レバー81が第2操作域A2の最低速位置から最高速位置に向けて操作されるに伴い、無段変速部18Aが正回転方向での最高速状態から逆回転方向での最高速状態に向けて変速制御され、出力軸75の出力速度Vが2速レンジでV1からV2に無段階に増速していく。変速レバー81が第3操作域A3に操作されると、第3クラッチCL3が入り状態に制御され、変速レバー81が第3操作域A3の最低速位置から最高速位置に向けて操作されるに伴い、無段変速部18Aが逆回転方向での最高速状態から正回転方向での最高速状態に向けて変速制御され、出力軸75の出力速度Vが3速レンジでV2からV3に無段階に増速していく。変速レバー81が第4操作域A4に操作されると、第4クラッチCL4が入り状態に制御され、変速レバー81が第4操作域A4の最低速位置から最高速位置に向けて操作されるに伴い、無段変速部18Aが正回転方向での最高速状態から逆回転方向での最高速状態に向けて変速制御され、出力軸75の出力速度Vが4速レンジでV3からV4に無段階に増速していく。
〔前後進切換装置及び後輪差動機構の構成〕
前後進切換装置19及び後輪差動機構20は、図2に示されるように、変速装置18の後方に設けられている。前後進切換装置19は、段階分け伝動部18Cの出力軸75(変速装置18の出力軸)に連結部材85を介して相対回転不能に連動連結された入力軸90、入力軸90に対して平行に配置された出力軸91を備えている。出力軸91は、中継軸45に相対回転可能に外嵌された筒軸によって構成されている。出力軸91の軸芯は、複合遊星伝動部18Bの太陽歯車51,54の軸芯と同じ軸芯上に位置している。入力軸90に、前進クラッチCLF及び後進クラッチCLRそれぞれの入力側回転部材が相対回転不能に連結されている。前進クラッチCLFの出力側回転部材と出力軸91とにわたって前進ギヤ機構92が設けられている。後進クラッチCLRの出力側回転部材と出力軸91とにわたって後進ギヤ機構93が設けられている。後進ギヤ機構93の逆転ギヤ93aは、後輪差動機構20の入力軸20aに相対回転可能に支持されている。前後進切換装置19の出力軸91の前部と後輪差動機構20の入力軸20aの前部とにわたってギヤ連動機構95が設けられている。
前後進切換装置19においては、前進クラッチCLF及び後進クラッチCLRが前後進レバー98(図10参照)の操作によって切換操作される。前進クラッチCLFが入り状態に切り換えられ、後進クラッチCLRが切り状態に切り換えられることにより、変速装置18の出力軸75から入力軸90に入力された動力が前進クラッチCLF及び前進ギヤ機構92によって前進動力に変換して出力軸91に伝達される。前進クラッチCLFが切り状態に切り換えられ、後進クラッチCLRが入り状態に切り換えられることにより、変速装置18の出力軸75から入力軸90に入力された動力が後進クラッチCLR及び後進ギヤ機構93によって後進動力に変換して出力軸91に伝達される。
図2,4に示されるように、前後進切換装置19が出力軸91から出力する前進動力及び後進動力がギヤ連動機構95によって後輪差動機構20の入力軸20aに伝達され、後輪差動機構20によって左右の後車輪7に伝達される。図2に示されるように、後輪差動機構20から左右の後車輪7への動力伝達は、後輪差動機構20の出力軸20bと後車軸7aとの間に設けられた遊星歯車式の最終減速機構96を介して行われる。後輪差動機構20の出力軸20bに、操向ブレーキ97が設けられている。
〔前輪伝動機構の構成〕
前輪伝動機構21は、図2に示されるように、後輪差動機構20の入力軸20aの前部に第2ギヤ連動機構100、中継軸101及び連結部材102を介して連動連結された入力軸103と、入力軸103に対して平行に配置された出力軸104とを備えている。入力軸103に等速クラッチ105及び増速クラッチ106の入力側回転部材が相対回転不能に連結されている。等速クラッチ105の出力側回転部材と出力軸104とにわたり、入力軸103の回転速度をほぼ等速の伝動で出力軸104に伝達する等速ギヤ機構107が設けられている。増速クラッチ106の出力側回転部材と出力軸104とにわたり、入力軸103の回転速度を増速して出力軸104に伝達する増速ギヤ機構108が設けられている。出力軸104は、回転軸109を介して前輪差動機構22の入力軸22aに連動連結されており、左右の前車輪6に向けて出力する。
第2ギヤ連動機構100は、出力軸91の動力がギヤ連動機構95によって伝達される入力軸20aの動力を中継軸101に伝達することにより、前後進切換装置19が出力軸91から出力する前進動力及び後進動力が第2ギヤ連動機構100によって入力軸103に伝達される。
前輪伝動機構21においては、等速クラッチ105が入り状態に切り換えられ、増速クラッチ106が切り状態に切り換えられることにより、第2ギヤ連動機構100及び中継軸101によって伝達される前後進切換装置19からの動力によって回転する入力軸103の動力が等速クラッチ105及び等速ギヤ機構107によって出力軸104に伝達され、出力軸104から前車輪6に向けて出力される。この場合、入力軸103から出力軸104に等速伝動され、左右の前車輪6の平均周速度が左右の後車輪7の平均周速度にほぼ等しくなる状態で前車輪6及び後車輪7が駆動される4輪駆動状態が現出される。
前輪伝動機構21においては、等速クラッチ105が切り状態に切り換えられ、増速クラッチ106が入り状態に切り換えられることにより、第2ギヤ連動機構100及び中継軸101によって伝達される前後進切換装置19からの動力によって回転する入力軸103の動力が増速クラッチ106及び増速ギヤ機構108によって出力軸104に伝達され、出力軸104から前車輪6に向けて出力される。この場合、入力軸103から出力軸104に増速伝動され、左右の前車輪6の平均周速度が左右の後車輪7の平均周速度よりも速くなる状態で前車輪6及び後車輪7が駆動される前輪増速の4輪駆動状態が現出される。
前輪伝動機構21においては、等速クラッチ105及び増速クラッチ106が共に切り状態に切り換えられることにより、入力軸103から出力軸104への伝動が停止され、前車輪6に向けての出力が停止される。この場合、左右の前車輪6が駆動されず、左右の後車輪7が駆動される2輪駆動状態が現出される。
前後進切換装置19の出力軸91の動力を後輪差動機構20の入力軸20aに伝達するギヤ連動機構95は、図4に示されるように、ミッションケース3の内部のうち、後ケース部3Bの前端部分3Cに対応する部位に脱着可能に設けられている。具体的には、ギヤ連動機構95は、前後進切換装置19の出力軸91の前端部に脱着可能に設けられた第1ギヤ95aと、第1ギヤ95aに噛み合った状態で後輪差動機構20の入力軸20aの前端部に脱着可能に設けられた第2ギヤ95bと、を有している。
前後進切換装置19からの動力を前輪伝動機構21の入力軸103に入力する第2ギヤ連動機構100は、図4に示されるように、ミッションケース3の内部のうち、後ケース部3Bの前端部分3Cに対応する部位に脱着可能に設けられている。具体的には、後輪差動機構20の入力軸20aの前端部に脱着可能に設けられた第3ギヤ100aと、第3ギヤ100aに噛み合った状態で中継軸101に脱着可能に設けられた第4ギヤ100bと、を有している。中継軸101は、前輪伝動機構21の入力軸103に連結部材102によって脱着可能に連動連結されている。中継軸101に、駐車ブレーキ101Aが装着されている。
最高車速や、前車輪6及び後車輪7に伝達可能なトルクが異なるトラクターを得る場合、ギヤ比が異なる複数のギヤ連動機構95から対応するギヤ比を有するギヤ連動機構95を選択し、かつ、ギヤ比が異なる複数の第2ギヤ連動機構100から、選択したギヤ連動機構95に対応するギヤ比を有する第2ギヤ連動機構100を選択し、選択したギヤ連動機構95及び第2ギヤ連動機構100を組み付ける。この組付けは、前ケース部3Aと分離し、かつ、前端部分3Cが分離した状態の後ケース部3Bの前方から行うことができる。例えば、走行伝動装置15を新規に組み立てる際、変速装置18、前後進切換装置19及び後輪差動機構20を組付けた後に、選択したギヤ連動機構95及び第2ギヤ連動機構100を組み付けることができる。ギヤ連動機構95及び第2ギヤ連動機構100を交換する際、変速装置18、前後進切換装置19及び後輪差動機構20の取り外しをせずに、選択したギヤ連動機構95及び第2ギヤ連動機構100を組み付けることができる。
ミッションケース3の内部に、図5に示されるように、段階分け伝動部18Cに潤滑油を供給する第1の給油部110と、前後進切換装置19に潤滑油を供給する第2の給油部114とが備えられている。本実施形態では、第1の給油部110および第2の給油部114が備えられているが、複合遊星伝動部18Bに潤滑油を供給する給油部を備えて実施してもよい。
具体的には、第1の給油部110は、図5,8に示されるように、段階分け伝動部18Cの上方に前後方向に延びる状態で設けられた給油管111と、給油管111のうち、段階分け伝動部18Cにおける1速ギヤ連動機構76、2速ギヤ連動機構77、3速ギヤ連動機構78および4速ギヤ連動機構79それぞれに対応する部位に形成された吐出ノズル112と、を有している。給油管111は、前ケース部3Aに一体形成されている。給油管111には、給油ポンプ113が接続されている。
第1の給油部110においては、ミッションケース3に貯留されている潤滑油が給油ポンプ113によって取り出されて給油管111に供給され、供給された潤滑油が各吐出ノズル112から対応する1速ギヤ連動機構76あるいは2速ギヤ連動機構77あるいは3速ギヤ連動機構78あるいは4速ギヤ連動機構79に向けて上方から吐出される。
具体的には、第2の給油部114は、図5に示されるように、前後進切換装置19の上方に前後方向に延びる状態で設けられた給油管115と、給油管115のうち、前後進切換装置19における前進ギヤ機構92および後進ギヤ機構93に対応する部位に形成された吐出ノズル116と、を有している。給油管115は、後ケース部3Bに一体形成されている。給油管115には、図示しないが、給油ポンプ113が接続されている。
第2の給油部114においては、ミッションケース3に貯留されている潤滑油が給油ポンプ113によって取り出されて給油管115に供給され、供給された潤滑油が各吐出ノズル116から対応する前進ギヤ機構92あるいは後進ギヤ機構93に向けて上方から吐出される。
以下、図14などを用いて改めて給油部110,114についてより詳細な説明を行う。
走行伝動装置15は、図2に示されるように、エンジン1からの動力が入力軸17によって入力されるミッションケース3を備えている。エンジン1から入力軸17への動力伝達は、入力軸17が主クラッチ16を介してエンジン1の出力軸1aに連結されていることによって行われる。ミッションケース3の内部に、段階分け伝動部18Cによって構成される変速伝動部、前後進切換装置19によって構成される変速伝動部、前輪差動機構22に向けて出力する前輪伝動機構21、左右の後車輪7に動力伝達する後輪差動機構20が設けられている。
以下において、段階分け伝動部18Cによって構成される変速伝動部を第1変速伝動部18Cと呼称して、前後進切換装置19によって構成される変速伝動部を第2変速伝動部19と呼称して説明する。
第1変速伝動部18Cは、入力軸17からの動力が入力される。具体的には、図2に示されるように、入力軸17の動力が回転軸38および第2動力伝達機構40を介して無段変速部18Aのポンプ軸36に入力される。無段変速部18Aにおいて、入力された動力が油圧ポンプ30および油圧モータ31によって無段階に変速されてモータ軸37から出力される。無段変速部18Aの出力が動力伝達機構60を介して複合遊星伝動部18Bにおける一列目の遊星歯車機構50Aの太陽歯車51に入力され、入力軸17の動力が入力伝動機構65を介して一列目の遊星歯車機構50Aの内歯歯車52に入力され、複合遊星伝動部18Bにおいて、入力軸17からの動力と無段変速部18Aからの動力とが一列目の遊星歯車機構50Aおよび二列目の遊星歯車機構50Bによって合成される。複合遊星伝動部18Bによって合成された合成動力が第1変速伝動部18Cに入力される。
第1変速伝動部18Cは、図2に示されるように、ミッションケース3の前後方向に並ぶ四つの変速部23、および、出力軸75を備え、複合遊星伝動部18Bからの合成動力を四つの変速部23によって変速し、変速した動力を出力軸75から後輪差動機構20および前輪伝動機構21に出力する。
具体的には、図2に示されるように、四つの変速部23のうちの第1変速部23aは、四つのギヤ連動機構のうちの1速ギヤ連動機構76、および、四つの多板クラッチのうちの第1クラッチCL1を備えている。四つの変速部23のうちの第2変速部23bは、四つのギヤ連動機構のうちの2速ギヤ連動機構77、および、四つの多板クラッチのうちの第2クラッチCL2を備えている。四つの変速部23のうちの第3変速部23cは、四つのギヤ連動機構のうちの3速ギヤ連動機構78、および、四つの多板クラッチのうちの第3クラッチCL3を備えている。四つの変速部23のうちの第4変速部23dは、四つのギヤ連動機構のうちの4速ギヤ連動機構79、および、四つの多板クラッチのうちの第4クラッチCL4を備えている。
第1ないし第4クラッチCL1,CL2,CL3,CL4は、出力軸75に設けられている。1速ギヤ連動機構76は、複合遊星伝動部18Bの第1出力軸71と第1クラッチCL1の入力側部材とにわたって設けられている。2速ギヤ連動機構77は、複合遊星伝動部18Bの第3出力軸73と第2クラッチCL2の入力側部材とにわたって設けられている。3速ギヤ連動機構78は、複合遊星伝動部18Bの第2出力軸72と第3クラッチCL3の入力側部材とにわたって設けられている。4速ギヤ連動機構79は、複合遊星伝動部18Bの第3出力軸73と第4クラッチCL4の入力側部材とにわたって設けられている。
第1変速伝動部18Cにおいては、四つの変速部23のうちの第1変速部23aのみの第1クラッチCL1が入り状態に操作されると、複合遊星伝動部18Bが出力する合成動力が1速ギヤ連動機構76および第1クラッチCL1によって1速レンジ(図13参照)の駆動力になるように変速されて出力軸75に伝達され、出力軸75から第2変速伝動部19の入力軸90に伝達される。四つの変速部23のうちの第2変速部23bのみの第2クラッチCL2が入り状態に操作されると、複合遊星伝動部18Bが出力する合成動力が2速ギヤ連動機構77および第2クラッチCL2によって2速レンジ(図13参照)の駆動力になるように変速されて出力軸75に伝達され、出力軸75から第2変速伝動部19の入力軸90に伝達される。四つの変速部23のうちの第3変速部23cのみの第3クラッチCL3が入り状態に操作されると、複合遊星伝動部18Bが出力する合成動力が3速ギヤ連動機構78および第3クラッチCL3によって3速レンジ(図13参照)の駆動力になるように変速されて出力軸75に伝達され、出力軸75から第2変速伝動部19の入力軸90に伝達される。四つの変速部23のうちの第4変速部23dのみの第4クラッチCL4が入り状態に操作されると、複合遊星伝動部18Bが出力する合成動力が4速ギヤ連動機構79および第4クラッチCL4によって4速レンジ(図13参照)の駆動力になるように変速されて出力軸75に伝達され、出力軸75から第2変速伝動部19の入力軸90に伝達される。
第1変速伝動部18Cは、図8に示されるように、出力軸75が後輪差動機構20の入力軸20aよりも高い位置に位置するように構成されている。第1変速伝動部18Cは、図15に示されるように、出力軸75がミッションケース3に貯留される潤滑油の標準油面OSよりも高い位置に位置するように構成されている。四つの変速部23における第1ないし第4クラッチCL1,CL2,CL3,CL4は、潤滑油にあまり入り込まず、潤滑油による回転抵抗をあまり受けないで回転する。
図14に示されるように、ミッションケース3の内部において、第1変速伝動部18Cの上方に四つの変速部23が並ぶ方向に沿う方向に延びる給油管111が設けられている。給油管111は、図5に示される給油部110に備えられた給油管111の構成と同じ構成を備えている。給油管111は、ミッションケース3に一体成形されている。給油管111のうち、1速ないし4速ギヤ連動機構76,77,78,79の各ギヤ連動機構に対応する部位に、1速ないし4速ギヤ連動機構76,77,78,79の各ギヤ連動機構76,77,78,79に向けて潤滑油を吐出する吐出ノズル117が接続されている。
四つのギヤ連動機構76,77,78,79のうち1速ギヤ連動機構76、3速ギヤ連動機構78、4速ギヤ連動機構79の各ギヤ連動機構76,78,79に対応する吐出ノズル117は、図14,16に示されるように、各ギヤ連動機構76,78,79に向けて下向きに開口された吐出口を有し、ギヤ連動機構76,78,79に向けて直接に潤滑油を吐出する。四つのギヤ連動機構76,77,78,79のうち、2速ギヤ連動機構77に潤滑油を吐出する吐出ノズル117は、図14,16に示されるように、後向きに開口された吐出口を有している。2速ギヤ連動機構77に対応する吐出ノズル117の後方において、ミッションケース3に傾斜ガイド118が備えられている。2速ギヤ連動機構77に対応する吐出ノズル117は、潤滑油を傾斜ガイド118に向けて吐出し、傾斜ガイド118に当った潤滑油が2速ギヤ連動機構77に向かって流下するように傾斜ガイド118によって案内される。2速ギヤ連動機構77に対応する吐出ノズル117は、2速ギヤ連動機構77に向けて間接的に潤滑油を吐出する。図16に示されるように、四つのギヤ連動機構76,77,78,79の各ギヤ連動機構76,77,78,79に対応する吐出ノズル117にオリフィス117aが備えられている。
図18に示されるように、ミッションケース3の壁部に第1注油口119が開口されている。第1注油口119は、給油管111に連通路120(図14参照)を介して連通されている。第1注油口119に給油ポンプ121が接続され、給油ポンプ121によって第1注油口119および連通路120を介して給油管111に潤滑油が供給されると、供給された潤滑油が1速ないし4速ギヤ連動機構76,77,78,79の各ギヤ連動機構に向けて吐出ノズル117によって潤滑油が吐出される。給油管111における油圧の変化にかかわらず、オリフィス117aによって吐出量が定量化する状態で吐出され、1速ないし4速ギヤ連動機構76,77,78,79に潤滑油が上方から供給される。出力軸75が標準油面OSよりも高い位置に位置して1速ないし4速ギヤ連動機構76,77,7,8,79が潤滑油にあまり入り込まないが、1速ないし4速ギヤ連動機構76,77,78,79に給油管111、オリフィス117a付きの吐出ノズル117によって定量の潤滑油が供給される。
第2変速伝動部19は、図2に示されるように、第1変速伝動部18Cの出力軸75に連結部材85を介して連動連結された入力軸90を有し、第1変速伝動部18Cの出力を入力軸17によって入力する。
第2変速伝動部19は、図2に示されるように、ミッションケース3の前後方向に並ぶ二つの変速部25、および、出力軸91を備え、第1変速伝動部18Cから入力軸90に伝達された動力を二つの変速部25によって変速し、変速した動力を出力軸91から後輪差動機構20および前輪伝動機構21に出力する。
具体的には、図2に示されるように、二つの変速部25のうちの一方の前進変速部25aは、前進ギヤ機構92および前進クラッチCLFを備えている。二つの変速部25のうちの他方の後進変速部25bは、後進ギヤ機構93および後進クラッチCLRを備えている。前進クラッチCLFおよび後進クラッチCLRは、多板クラッチによって構成され、入力軸90に設けられている。前進ギヤ機構92は、前進クラッチCLFの出力側部材と出力軸91とにわたって設けられている。後進ギヤ機構93は、後進クラッチCLRの出力側部材と出力軸91とにわたって設けられている。
第2変速伝動部19においては、前進クラッチCLFが入り状態に操作されると、第1変速伝動部18Cから伝達された入力軸90の動力が前進クラッチCLFおよび前進ギヤ機構92によって前進動力に変速されて出力軸91に伝達され、出力軸91の前進動力がギヤ連動機構95を介して後輪差動機構20の入力軸20aに伝達される。さらに、出力軸91の前進動力がギヤ連動機構95、入力軸20aおよび第2ギヤ連動機構100を介して前輪伝動機構21の入力軸103に伝達される。後進クラッチCLRが入り状態に操作されると、入力軸90の動力が後進クラッチCLRおよび後進ギヤ機構93によって後進動力に変速されて出力軸91に伝達され、出力軸91の後進動力がギヤ連動機構95を介して後輪差動機構20の入力軸20aに伝達される。さらに、出力軸91の後進動力がギヤ連動機構95、入力軸20aおよび第2ギヤ連動機構100を介して前輪伝動機構21の入力軸103に伝達される。
第2変速伝動部19は、図15に示されるように、入力軸90および出力軸91が後輪差動機構20の入力軸20aよりも高い位置に位置するように、かつ、出力軸91がミッションケース3に貯留される潤滑油の標準油面OSよりも高い位置に位置するように構成されている。前進クラッチCLFおよび後進クラッチCLRは、潤滑油にあまり入り込まず、潤滑油による回転抵抗をあまり受けないで回転する。
図14に示されるように、ミッションケース3の内部において、第2変速伝動部19の上方に二つの変速部25が並ぶ方向に沿う方向に延びる給油管115が設けられている。
給油管115は、図5に示される給油部110に備えられた給油管115の構成と同じ構成を備えている。給油管115は、ミッションケース3に一体成形されている。給油管115のうち、前進ギヤ機構92、後進ギヤ機構93の各ギヤ機構92,93に対応する部位に、各ギヤ機構92,93に向けて潤滑油を吐出する吐出ノズル122が接続されている。前進ギヤ機構92に対応する吐出ノズル122は、図14,17に示されるように、前進ギヤ機構92に向けて下向きに開口された吐出口を有し、前進ギヤ機構92に向けて直接に潤滑油を吐出する。後進ギヤ機構93に対応する吐出ノズル122は、図14,17に示されるように、前向きに開口された吐出口を有している。後進ギヤ機構93に対応する吐出ノズル122の前方においてミッションケース3に傾斜ガイド123が備えられている。後進ギヤ機構93に対応する吐出ノズル122は、傾斜ガイド123に向けて潤滑油を吐出し、傾斜ガイド123に当った潤滑油が後進ギヤ機構93に向かって流下するように傾斜ガイド123によって案内される。後進ギヤ機構93に対応する吐出ノズル122は、後進ギヤ機構93に向けて間接的に潤滑油を吐出する。図17に示されるように、前進ギヤ機構92、後進ギヤ機構93の各ギヤ機構92.93に対応する吐出ノズル122にオリフィス122aが備えられている。
図18に示されるように、ミッションケース3の壁部に第2注油口124が開口されている。第2注油口124は、給油管115に連通路125(図14参照)を介して連通されている。第2注油口124に給油ポンプ126が接続され、給油ポンプ126によって第2注油口124および連通路125を介して給油管115に潤滑油が供給されると、供給された潤滑油が前進ギヤ機構92および後進ギヤ機構93に向けて吐出ノズル122によって吐出される。給油管115における油圧の変化にかかわらず、オリフィス122aによって吐出量が定量化する状態で吐出され、前進ギヤ機構92及び後進ギヤ機構93に定量化した潤滑油が上方から供給される。前進ギヤ機構92および後進ギヤ機構93が潤滑油にあまり入り込まないが、前進ギヤ機構92および後進ギヤ機構93に給油管115およびオリフィス122a付きの吐出ノズル122によって定量の潤滑油が供給される。
〔別実施形態〕
(1)上記した実施形態では、変速装置18は、無段変速部18A、複合遊星伝動部18B及び段階分け伝動部18Cを備える例を示したが、これに限らない。例えば、無段変速部と遊星伝動部とを備え、段階分け伝動部を備えない変速装置、あるいは、シフトギヤのシフト操作やクラッチの切り換えによって複数段に変速される変速装置であってもよい。
(2)上記した実施形態では、前車輪6及び後車輪7の駆動を可能にされた例を示したが、後車輪7のみの駆動が可能なものであってもよい。
(3)上記した実施形態では、第2ギヤ連動機構100として、後輪差動機構20の入力軸20aの動力を前輪伝動機構21に入力するものを採用した例を示したが、前後進切換装置19の出力軸91の動力を前輪伝動機構21に直接に入力するものであってもよい。
(4)上記実施形態では、後ケース部3Bを前端部分3Cと前端部分以外の部分3Dとに分割可能に構成された例を示したが、前端部分3Cと前端部分以外の部分3Dとに分割できないものであってもよい。
本発明は、変速装置と、変速装置の後方に設けられた前後進切換装置と、変速装置の後方に設けられた後輪差動機構と、変速装置、前後進切換装置、後輪差動機構を収容するミッションケースと、が備えられたトラクターの走行伝動装置に適用できる。
1 エンジン
1a 出力軸
2 軸芯
3 ミッションケース
3A 前ケース部
3B 後ケース部
3C 前端部分
3D 前端部分以外の部分
6 前車輪
7 後車輪
18 変速装置
18A 無段変速部
18B 複合遊星伝動部
18C 段階分け伝動部、変速伝動部(第1変速伝動部)
19 前後進切換装置、変速伝動部(第2変速伝動部)
20 後輪差動機構
20a 入力軸
21 前輪伝動機構
23 変速部(第1変速部、第2変速部、第3変速部、第4変速部)
25 変速部(前進変速部、後進変速部)
34 無段入力ギヤ
35 無段出力ギヤ
36a 前後向き軸芯
37a 前後向き軸芯
38 回転軸
40 第2動力伝達機構
41 第2中継軸
42 動力取出しギヤ
43 第3中継ギヤ
44 第4中継ギヤ
51 太陽歯車
54 太陽歯車
58 遊星入力ギヤ
60 動力伝達機構
61 中継軸
62 第1中継ギヤ
63 第2中継ギヤ
91 出力軸
95 ギヤ連動機構
75 出力軸
76 ギヤ連動機構(1速ギヤ連動機構)
77 ギヤ連動機構(2速ギヤ連動機構)
78 ギヤ連動機構(3速ギヤ連動機構)
79 ギヤ連動機構(4速ギヤ連動機構)
91 出力軸
92 ギヤ連動機構(前進ギヤ機構)
93 ギヤ連動機構(後進ギヤ機構)
110 給油部(第1の給油部)
111 給油管
117 吐出ノズル
117a オリフィス
115 給油管
122 吐出ノズル
122a オリフィス
CL1 多板クラッチ(第1クラッチ)
CL2 多板クラッチ(第2クラッチ)
CL3 多板クラッチ(第3クラッチ)
CL4 多板クラッチ(第4クラッチ)
CLF 多板クラッチ(前進クラッチ)
CLR 多板クラッチ(後進クラッチ)
OS 標準油面
X 軸芯
Y 軸芯

Claims (6)

  1. エンジンからの動力を変速して出力する変速装置と、
    前記変速装置の後方に設けられ、前記変速装置の出力を前進動力と後進動力とに変換する前後進切換装置と、
    前記変速装置の後方に設けられ、前記前後進切換装置の出力を入力して後車輪に伝達する後輪差動機構と、
    前記前後進切換装置の出力軸の動力を前記後輪差動機構の入力軸に伝達するギヤ伝動機構と、
    前記変速装置、前記前後進切換装置、前記後輪差動機構及び前記ギヤ伝動機構を収容するミッションケースと、が備えられ、
    前記ミッションケースは、前記変速装置を収容する前ケース部と、前記前後進切換装置、前記後輪差動機構及び前記ギヤ伝動機構を収容する後ケース部と、に分割可能に構成されており、
    前記ギヤ伝動機構は、前記ミッションケースの内部のうち、前記後ケース部の前端部分に対応する部位に脱着可能に設けられ
    前記変速装置は、前記エンジンの動力が入力され、入力された前記動力を変速して出力する静油圧式の無段変速部と、前記エンジンの動力と前記無段変速部の出力とが入力され、入力された前記動力と前記出力とを合成して合成動力を出力する複合遊星伝動部と、を有し、
    前記複合遊星伝動部は、当該複合遊星伝動部における太陽歯車の軸芯と前記エンジンの出力軸の軸芯とが一直線上に位置し、かつ、前記太陽歯車の軸芯が前記後輪差動機構の前記入力軸の軸芯よりも上方に位置するように配置され、
    前記エンジンの出力軸に連動連結され、かつ、前記複合遊星伝動部の軸芯部を前後方向に通された回転軸と、
    前記無段変速部の後部に前後向き軸芯を回転中心にして回転可能に設けられた無段入力ギヤと、
    前記回転軸の動力を前記無段入力ギヤに伝達する第2動力伝達機構と、が備えられ、
    前記第2動力伝達機構は、前記前後向き軸芯に対して平行に設けられた回転可能な第2中継軸と、前記複合遊星伝動部の後方で前記回転軸に相対回転不能に設けられた動力取出しギヤと、前記動力取出しギヤに噛み合う状態で前記第2中継軸の後端部に相対回転不能に設けられた第3中継ギヤと、前記無段入力ギヤに噛み合う状態で前記第2中継軸の前端部に相対回転不能に設けられた第4中継ギヤと、を有しているトラクターの走行伝動装置。
  2. 前記ミッションケースの内部に設けられ、前記前後進切換装置からの動力を前車輪に向けて出力する前輪伝動機構と、
    前記ミッションケースの内部のうち、前記後ケース部の前端部分に対応する部位に脱着可能に設けられ、前記前後進切換装置からの動力を前記前輪伝動機構に入力する第2ギヤ伝動機構と、が備えられている請求項1に記載のトラクターの走行伝動装置。
  3. 前記第2ギヤ伝動機構は、前記後輪差動機構の前記入力軸の動力を前記前輪伝動機構に入力するよう構成されている請求項2に記載のトラクターの走行伝動装置。
  4. 前記後ケース部は、当該後ケース部のうちの前記前端部分と、前記後ケース部のうちの前記前端部分以外の部分と、に分割可能である請求項1から3のいずれか一項に記載のトラクターの走行伝動装置。
  5. 前記複合遊星伝動部が出力する合成動力を複数段の速度レンジに段階分けして出力する段階分け伝動部が備えられ、
    前記段階分け伝動部に向けて潤滑油を吐出する給油部が備えられている請求項に記載のトラクターの走行伝動装置。
  6. 前記無段変速部の前部に前後向き軸芯を回転中心にして回転可能に設けられた無段出力ギヤと、
    前記複合遊星伝動部の前部に回転可能に設けられた遊星入力ギヤと、
    前記無段出力ギヤの動力を前記遊星入力ギヤに伝達する動力伝達機構と、が備えられ、
    前記動力伝達機構は、前記前後向き軸芯に対して平行に設けられた回転可能な前後向きの中継軸と、前記無段出力ギヤに噛み合う状態で前記中継軸の後端部に相対回転不能に設けられた第1中継ギヤと、前記遊星入力ギヤに噛み合う状態で前記中継軸の前端部に相対回転不能に設けられた第2中継ギヤと、を有している請求項またはに記載のトラクターの走行伝動装置。
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