JP7390576B2 - 保持治具、表面形状測定装置、及び保持治具ユニット - Google Patents

保持治具、表面形状測定装置、及び保持治具ユニット Download PDF

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Description

本発明は、保持治具、表面形状測定装置、及び保持治具ユニットに関する。
ワーク(被測定物)の真円度を測定する装置として真円度測定装置が知られている(例えば、特許文献1~3参照)。
真円度測定装置により、球形状のワークを測定する場合がある。その場合、球形状のワークは、保持治具により保持する必要がある。球形状のワークを保持する保持治具として、例えば、(1)ワークに対応する球形状のくりぬきが形成された面を有する保持治具、(2)ワークに対応する球形状の皿ザグリを有する保持治具、(3)円筒ワーク用のチャック、及び(4)ワークを保持する球体を3点正三角形状に配置した保持治具等が知られている。
特開平8-313247号公報 特開2003-302218号公報 特開2006-145344号公報
しかしながら、(1)の保持治具は、面でワークを受けるため安定性が低くなり、また球形状にくりぬかれているため幅広い直径のワークに対応することは難しい。幅広い直径のワークに対応するためには複数の保持治具が必要になる。
(2)の保持治具は、点ではなく線もしくは面で受けることになるため安定性が低く、(1)と同様に、幅広い直径のワークに対応することは難しい。
(3)の保持治具は、球形状のワークの最長円周部分(いわゆる赤道部分)を固定する必要があるため全円周を測定することは難しい。
(4)の保持治具は、保持用球体を接着する必要がある。また、異なる直径の球形状のワークを置いたとき、ワークと保持用球体とが接触する角度が異なるため保持用球体からの反力によるワークの形状の変化の予測が難しい。ワークと保持用球体とが接触する角度を統一しようとすると、ワークの径に対して保持治具を1種類ずつ準備する必要がある。保持用球体を配置するためには、保持用球体を機械加工で位置決めする必要がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で、幅広い直径のワークに対応でき、かつワークを安定して保持できる保持治具、表面形状測定装置、及び保持治具ユニットを提供することを目的とする。
第1態様の保持治具は、球形状のワークを保持する保持治具であって、円筒形状の枠部材と、枠部材の中心に配置される円柱形状の中心ピンと、中心ピンより高く、先端が先細りのテーパー形状で、外径が同一の円柱形状の3本のテーパーピンと、中心ピンの外周に、周方向に3本のテーパーピンを均等配置するため、枠部材の隙間に配置されるテーパーピンより低い複数の円柱形状の調整ピンと、を備える。
第2態様の保持治具において、テーパーピンの外径をA、調整ピンの外径をB、中心ピンの外径をC、枠部材の内径をDと、A≦Bとしたとき、以下の式1、及び式2式;式1 B=-(C+A×C)/(C-3A)、式2 D=C+2Bを満たす。
第3態様の保持治具において、テーパーピンの先端角度をθとし、球形状のワークの直径をRとしたとき、C/cosθ≦R≦(A+C)/cosθを満たすワークを保持する。
第4態様の保持治具において、先端角度は、0°<θ<90である。
第5態様の表面形状測定装置は、テーブルと、テーブルに着脱可能に設置された上述の保持治具と、保持治具に保持された球形状のワークの表面に接触する測定子の変位量を検出する検出器と、を備える。
第6態様の保持治具ユニットは、球形状のワークを保持する保持治具ユニットであって、円筒形状の枠部材と、枠部材の中心に配置可能で、外径の異なる複数の円柱形状の中心ピンで構成される中心ピン群と、中心ピンより高く、先端が先細りのテーパー形状で、外径が同一の円柱形状の3本のテーパーピンをテーパーセットとし、テーパーセットに含まれるテーパーピンの外径が異なる複数のテーパーセットから構成されるテーパーピン群と、中心ピンの外周に、周方向にテーパーセットに含まれる3本のテーパーピンを均等配置するため、枠部材の隙間に配置可能でテーパーピンより低く、外径が同一である複数の円柱形状の調整ピンを調整セットとし、調整セットに含まれる調整ピンの外径が異なる複数の調整セットから構成される調整ピン群と、を備え、球形状のワークの直径に応じて、中心ピン群から選択される中心ピンと、テーパーピン群から選択されるテーパーセットと、調整ピン群から選択される少なくとも1つの調整セットとが枠部材に着脱可能に配置される。
本発明によれば、球形状のワークに対して、簡単な構成で、幅広い直径に対応でき、かつ安定して保持できる保持治具、表面形状測定装置、及び保持治具ユニットを提供できる。
図1は表面形状測定装置の全体構成を示した斜視図である。 図2は保持治具の斜視図である。 図3は保持治具の分解斜視図である。 図4はワークを保持する保持治具の斜視図である。 図5は保持治具の平面図である。 図6は図5のVI-VI線に沿う保持治具の断面図である。 図7は保持治具ユニットの概念図である。 図8は枠部材、中心ピン、テーパーピン、及び調整ピンの関係を説明する説明図である。 図9は枠部材の内径D、テーパーピンの外径A、中心ピンの外径C、及び調整ピンの外径Bと、ワークの最小直径及び最大直径と、例示する表である。 図10は演算処理装置の表示画面の一例を示す。 図11は演算処理装置の表示画面の一例を示す。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施形態について詳説する。なお、本発明に係る表面形状測定装置の一つである真円度測定装置を例示して説明する。
図1は、本発明に係る真円度測定装置の全体構成を示した斜視図である。
図1に示す真円度測定装置1は、球形状の測定対象物(ワークW)の真円度を測定するため、着脱可能な保持治具50を備えている。
まず、図1を参照して、真円度測定装置1を説明する。
真円度測定装置1は、下端部に装置全体を支持する台状のベース10と、ベース10の上面に、上下方向(鉛直方向)に沿った回転軸周り方向に回転可能なテーブル12とを備える。なお、図中、上下方向をZ軸方向として表す。
テーブル12の上面には、詳細を後述する保持治具50が着脱可能に固定され、保持治具50の上面に測定対象物となる球形状のワークWが支持される。また、ワークWは、その中心がテーブル12の回転軸上となるように支持される。
ベース10の内部には、テーブル12に連結されるモーター等と、テーブル12を回転駆動する回転駆動部とが設けられる。
回転駆動部により、テーブル12に固定された保持治具50及びワークWが、テーブル12と共に回転軸周り方向に回転する。
なお、テーブル12は手動により回転するものであってもよい。また、テーブル12は、回転軸に垂直な方向であって、互いに直交する左右方向及び前後方向に対してもつまみの回転操作等によって移動可能なものであってもよい。
ベース10の上面側には、コラム14、キャリッジ16、径方向移動アーム18、旋回アーム20、及び検出器ホルダ22を有する検出器支持機構13を介して検出器24(測定プローブ)が支持される。
検出器24は、例えば円筒状の検出器本体24Aの下端から棒状に延びる測定子24B(スタイラス)と、検出器本体24Aの内部に設けられ、測定子24Bの変位量を作動トランス等により検出して電気信号(検出信号)として出力する不図示の変位検出部と、を有する。
測定子24Bは、一平面内において測定子24Bの軸線がその軸線に直交する方向(変位方向)に変位可能に検出器本体24Aに支持されると共に、その変位方向のうちの一方の向き(付勢方向)にバネなどにより付勢される。
測定時においてはワークWの周面に対して、測定子24Bの先端部(先端球)がその付勢方向に押圧されて当接が維持される。そして、回転駆動部によるワークWの回転軸周りの回転と共に、測定子24Bの変位量を示す検出器24からの検出信号が不図示の演算処理装置40に読み取られ、その検出信号に基づいて真円度等が算出される。演算処理装置40は、例えば、パーソナルコンピュータ等の演算装置である。
実施形態では、球形状のワークWの母線の位置、即ち、ワークWの中心を通る水平断面におけるワークWの輪郭曲線の位置に測定子24Bの先端部が当接され、母線に沿って測定子24Bが移動することにより真円度の測定が行われる。
検出器支持機構13は、ベース10の上面においてテーブル12の右側に、上下方向に沿って延在するコラム14を備える。そして、コラム14には、コラム14に沿って上下方向に移動可能なキャリッジ16が支持される。キャリッジ16は、例えばモーターの駆動により上下方向に移動する。キャリッジ16は、つまみの回転操作等によって手動で移動するものであってもよい。
キャリッジ16の上下方向への移動機構により、検出器支持機構13は、検出器24を上下方向の位置を変更可能に支持する。
キャリッジ16には、径方向に延びる径方向移動アーム18が径方向に移動可能に支持される。径方向移動アーム18は、例えばモーターの駆動により径方向に移動する。径方向移動アーム18は、つまみの回転操作等によって手動で移動するものであってもよい。
径方向移動アーム18の径方向への移動機構により、検出器支持機構13は、検出器24の径方向の位置を変更可能に支持する。
なお、径方向は、テーブル12の回転軸を中心とする径方向を示し、径方向移動アーム18が移動する方向を左右方向(X軸方向)とし、Z軸方向とX軸方向とに垂直な方向を前後方向(Y軸方向)とする。
径方向移動アーム18のテーブル12側の端部には、旋回アーム20の一端(基端)が径方向に沿った旋回軸の周りに旋回可能に連結される。旋回アーム20は、ネジにより径方向移動アーム18に固定されており、つまみ30の回転操作によりネジを緩めることで、旋回アーム20が旋回軸周りに旋回可能となり、旋回アーム20の向きの変更が可能になる。
この旋回アーム20の旋回機構により、検出器支持機構13は、検出器24を径方向に沿った旋回軸周りの旋回角度を変更可能に支持する。
旋回アーム20の先端部には径方向(左右方向)に延びる検出器ホルダ22の基端部が固定される。
検出器ホルダ22の先端部には、例えば、不図示のつまみが設けられ、つまみの回転操作により検出器24が着脱可能に装着される。
検出器ホルダ22は、検出器24の先端側(測定子24Bが設けられる側)が旋回アーム20の旋回軸の軸線上に向う方向になるように、かつ、検出器本体24Aの軸線が旋回アーム20の軸線と平行になるように検出器24の基端側を固持する。
検出器ホルダ22は、検出器24の取付角度、即ち、検出器本体24Aの軸線周りの回転角度を変えて固持できる。この検出器ホルダ22における検出器24の取付角度の調整機構により、測定子24Bの変位方向及び付勢方向を調整できる。
図1の真円度測定装置1は、ワークWが回転することで、検出器24がワークWの周りを相対的に周方向に回転移動するワーク回転型の測定装置である。なお、検出器24がワークWの周りを回転移動する検出器回転型の測定装置であってもよい。演算処理装置40は、真円度測定装置1の各部の駆動を統括的に制御する。演算処理装置40は、例えば、テーブル12、キャリッジ16、径方向移動アーム18、及び旋回アーム20等の駆動を制御する。
実施形態の保持治具50は、真円度測定装置1に対して着脱可能にテーブル12に設置される。真円度測定装置1は、保持治具50を用いて球形状のワークWの真円度を測定できる。保持治具50がテーブル12から取り外された場合、真円度測定装置1は、球形状以外の形状のワークの真円度を測定できる。
次に実施形態の保持治具50を、図面を参照して説明する。図2は、保持治具の斜視図である。図3は、保持治具の分解斜視図である。
図2、図3に示すように、保持治具50は、円筒形状の枠部材52を備える。枠部材52は、2段の円柱形状52Aで構成される。枠部材52の円柱形状52Aは、上下方向(Z軸方向)において、下側により大きな外径の円柱部分を有する2段形状である。
図3に示すように、枠部材52の円柱形状52Aには、上下方向に貫通する円柱形状の貫通孔52Bが形成されている。円柱形状52Aの内壁により貫通孔52Bが画定される。貫通孔52Bは、上下方向において、同一の内径を有する。保持治具50は、円柱形状52Aと貫通孔52Bとにより円筒形状が構成される。保持治具50では、円柱形状52Aの中心軸と及び貫通孔52Bの中心軸とは基本的に一致し、保持治具50の中心軸Axを構成する。
図2に示すように、中心ピン54が枠部材52の中心(中心軸Ax)に配置される。図3に示すように、中心ピン54は、外径が一定の円柱形状を有している。図2にでは、中心ピン54の中心軸と枠部材52の中心軸Axとが位置合わせされる。
図2に示すように、中心ピン54の外周に、周方向に3本のテーパーピン56が均等配置される。図3に示すように、テーパーピン56は、先端が円錐形状56Aの円柱形状56Bで構成される。ここで、先端は上下方向の上側であり、テーパーピン56は、上側に向かうに伴い先細りになる円錐形状56Aを備えている。テーパーピン56は、円錐形状56Aより下側では、外径が一定の円柱形状56Bを有している。円錐形状56Aの底面と円柱形状56Bの上面は、基本的に同じ大きさで同じ形状である。図2及び図3に示すように、テーパーピン56は、中心ピン54より高い。テーパーピン56は、円柱形状の部材を面取りすることにより円錐形状56Aを備えることができる。実施形態では、先端が細りのテーパー形状として円錐形状を示したが、円錐台形状であってもよい。
3本のテーパーピン56により組を構成し、組に含まれる3本のテーパーピン56は、同じ形状である。3本のテーパーピン56は、同じ高さ、同じ円錐形状56A、同じ円柱形状56Bを備えている。
図2に示すように、テーパーピン56より低い複数の調整ピン58が枠部材52の隙間に配置される。図3に示すように、調整ピン58は、外径が一定の円柱形状を有している。図2に示すように、調整ピン58は、中心ピン54の外周に、周方向に3本のテーパーピン56を均等配置するために枠部材52の隙間に配置される。枠部材52の隙間は、貫通孔52Bにおいて中心ピン54及び3本のテーパーピン56により占められる部分以外の部分であればよい。
なお、図2及び図3において、調整ピン58にドットパターンが付与されているが、理解を容易にするためである。したがって、中心ピン54、テーパーピン56、及び調整ピン58の外表面の色、及び模様等の有無は特に限定されない。
図4は、保持治具50がワークWを保持した状態を示す斜視図であり、図5は、保持治具50を上下方向から見た平面図である。
図4に示すように、枠部材52に中心ピン54、3本のテーパーピン56、及び3本の調整ピン58が配置された保持治具50が準備される。図5に示すように、中心ピン54は枠部材52の貫通孔52Bの中心に配置される。調整ピン58が枠部材52の貫通孔52Bに配置され、3本のテーパーピン56が中心ピン54の外周に、周方向に角度σ(=120°)で、均等配置される。
図4に示すように、球形状のワークWが保持治具50に移動され、ワークWが保持治具50に保持される。
図4及び図5に示すように、保持治具50において、3本のテーパーピン56の円錐形状56Aの傾斜面がワークWを3点で支持できる。3点支持することにより、保持治具50は球形状のワークWを安定して保持できる。
枠部材52に配置された中心ピン54、3本のテーパーピン56、及び3本の調整ピン58の間に多少の隙間が生じた場合でも、3本のテーパーピン56は、ワークWの重量により、枠部材52の貫通孔52Bを画定する内壁の方向に押し付けられる。その結果、ガタのないワークWの保持が可能になる。
中心ピン54に電磁石、又は磁石、又はエアチャック等の保持機能を付与できる。付与された保持機能は、保持治具50の保持力を向上できる。なお、ワークWを非接触測定する場合、保持治具50はワークWの重量のみで保持できる。
保持治具50は、テーパーピン56の円錐形状の傾斜面に直交する角度で球形状のワークWを保持できる。図6は、保持治具50の断面図である。図6に示すように、ワークWがテーパーピン56の円錐形状の傾斜面に直交する角度で保持される。ワークWに対して、3本のテーパーピン56から等しい反力を得ることが可能になる。
テーパーピン56の先端角度をθとし、テーパーピン56の円柱形状56Bの外径をA、中心ピン54の外径をC、ワークWの直径をRとしたとき、以下の関係を有する。
テーパーピン56の先端角度θは、円錐形状56Aの頂点からZ軸方向に延びる直線L1と、円錐形状56Aの傾斜面の延長方向の直線L2との成す角である。テーパーピン56により支持される最小のワークW(MIN)の直径R(MIN)はR(MIN)=C/cosθと表現できる。
また、テーパーピン56により支持される最大のワークW(MAX)の直径R(MAX)はR(MAX)=(A+C)/cosθと表現できる。
したがって、保持治具50は、以下の式を満たす直径RのワークWを保持できる。
C/cosθ≦R≦(A+C)/cosθ
テーパーピン56の先端角度θは、保持するワークWの直径に応じて、任意に決定できる。上式より、先端角度θが大きくなるほど保持できるワークWの直径が大きくなり、先端角度θが小さくなるほど保持できるワークWの直径が小さくなる。先端角度θは、特に限定されないが、0°<θ<90°が好ましく、さらに45°≦θ≦80°であることが好ましい。
次に、保持治具ユニットを図7に基づいて説明する。保持治具ユニット100は、枠部材52と、中心ピン群G1と、テーパーピン群G2と、調整ピン群G3とを含んでいる。上述したように、枠部材52は、内壁により貫通孔52Bが画定される円柱形状52Aで構成される。
中心ピン群G1は、外径の異なる複数の円柱形状の中心ピン54により構成され、各中心ピン54は枠部材52の中心に配置可能である。実施形態では中心ピン群G1は4本の中心ピン54を含んでいる。
テーパーピン群G2は、4組のテーパーセットS21~S24を含んでいる。各テーパーセットS21~S24は、中心ピン54より高く、先端が円錐形状56Aで外径が同一の円柱形状56Bの3本のテーパーピン56を含み、1セットを構成している。各テーパーセットS21~S24に含まれるテーパーピン56は、それぞれ異なる外径の円柱形状56Bで構成されている。各テーパーセットS21~S24を区別しない場合、単にテーパーセットS2と称する場合がある。
調整ピン群G3は、4組の調整セットS31~S34を含んでいる。各調整セットS31~S34は、テーパーピン56より低く、外径が同一である3本の円柱形状の調整ピン58を含み、1セットを構成している。各調整セットS31~S34に含まれる調整ピン58は、それぞれ異なる外径の円柱形状で構成されている。各調整セットS31~S34を区別しない場合、単に調整セットS3と称する場合がある。
保持治具ユニット100では、球形状のワークWの直径に応じて、中心ピン群G1から選択される中心ピン54と、テーパーピン群G2から選択されるテーパーセットS2と、調整ピン群G3から選択される少なくとも1つの調整セットS3とが、枠部材52に着脱可能に配置される。
なお、調整セットS3に含まれる複数の調整ピン58は、選択された中心ピン54の外周に、周方向に選択されたテーパーセットS2に含まれる3本のテーパーピン56を均等配置するため、枠部材52の隙間に配置可能である。
次に、枠部材52、中心ピン54、テーパーピン56及び調整ピン58の関係を図8に基づいて説明する。テーパーピン56の外径をA、調整ピン58の外径をB、中心ピン54の外径をC、枠部材52の内径をDとし、A≦Bとしたとき、以下の関係式を満たす。
図8に示すように、余弦の定理から以下の関係式を満たす。
a2= b2 + c2 - 2bc×cosα
a= (A+B)/2, b= (A+C)/2, c= (B+C)/2
α = 60°であるので、cos60 = 1/2になる。
これらの関係から、余弦の定理が以下式になる。
((A+B)/2)2= ((A+C)/2)2 + ((B+C)/2)2 -((A+C)/2)×((B+C)/2)
ここから以下の式1が導かれる。
B = - (C2+AC)/(C-3A)・・・式1
また、枠部材52の内径D、調整ピン58の外径B、及び中心ピン54の外径Cの関係から式2が導かれる。
C+2B=D・・・式2
上述したように、テーパーピン56の先端角度θとした場合、保持できる球形状のワークWの最小直径R(MIN)と最大直径R(MAX)とは以下の関係になる。
R(MIN)=C/cosθ・・・式3
R(MAX)=(A+C)/cosθ・・・式4
式1から式4に基づいて、保持したいワークWの直径Rに応じて、保持治具ユニット100を構成する中心ピン群G1から中心ピン54が選択され、テーパーピン群G2からテーパーセットS2が選択され、また、調整ピン群G3から調整セットS3が選択され、枠部材52に配置される。
例えば、枠部材52の内径D、及びテーパーピン56の外径Aを一定とした場合、式1及び式2から、以下の式が求められる。
(C2+AC)/(C-3A) = (D-C)/2
これを解くと、以下のようにCを求めることができる。
C=(-(D+5D)±((D+5A)2+12AD)(1/2))/2
さらに、式2より、上述の式で求められたCからBを求めることができる。
図8において、中心ピン54、テーパーピン56及び調整ピン58以外に、テーパーピン56が枠部材52の内壁方向に移動することを規制するため、規制部材(不図示)を、テーパーピン56と枠部材52の内壁との間に配置することができる。規制部材はテーパーピン56の移動を規制できる限り、その形状は特に限定されない。実施形態では、枠部材52内での中心ピン54、テーパーピン56及び調整ピン58に配置により、ワークWを保持する座が決定される。ワークWを保持する座の配置精度は、中心ピン54、テーパーピン56及び調整ピン58の直径精度に依存する。直径精度の高いピン(中心ピン54、テーパーピン56及び調整ピン58等)を容易に入手できるので、正確な座の配置が可能になる。
図9は、保持治具ユニット100において、枠部材52の内径Dを15mmで一定にした場合における、テーパーピン56の外径A、中心ピン54の外径C、調整ピン58の外径B、及びワークWの最小直径及び最大直径を、例示する表である。
図9の表では、No1からNo6の6種類の組み合わせを示す。No1からNo4では、枠部材52の内径D、及びテーパーピン56の先端角度θを一定とし、テーパーピン56の外径A、中心ピン54の外径C、調整ピン58の外径Bを変化させている。
図9の表によれば、No1は7.1(mm)≦R≦14.1(mm)のワークWを保持でき、No2は4.5(mm)≦R≦7.3(mm)のワークWを保持でき、No3は2.9(mm)≦R≦4.3(mm)のワークWを保持でき、No4は、2.0(mm)≦R≦2.8(mm)のワークWを保持できる。したがって、テーパーピン56、中心ピン54、及び調整ピン58の組み合わせを変えることで、幅広い直径のワークWを保持できることが理解できる。したがって、実施形態の保持治具は、直径の小さいワークWにも対応できる。
No5及びNo6では、先端角度θ以外を一定にし、先端角度θを変化させている。図9の表によれば、No5は13.9(mm)≦R≦35.9(mm)のワークWを保持でき、No6は36.3(mm)≦R≦93.9(mm)のワークWを保持できる。したがって、先端角度θを変えることで、幅広い直径のワークWを保持できることが理解できる。したがって、実施形態の保持治具は、直径の大きいワークWにも対応できる。
次に、ユーザーが、測定したいワークWの直径から中心ピン54、テーパーセットS2、及び調整セットS3を選択するための手順を説明する。ユーザーは、例えば、演算処理装置40を利用できる。演算処理装置40には、式1から式4を含むプログラム、及び図9に示す表を参照テーブルとして記憶させることができる。
図10及び図11は、演算処理装置40に表示される画面の一例を示す。表示画面200は、例えば、データ入力欄202、及びデータ表示欄204を備える。表示画面200の下段にはボタンとして、「戻る」ボタン206、及び「次へ」ボタン208が含まれる。
図10に示すように、ユーザーは、枠部材の内径D、及び測定したいワークWの直径Rを入力できる。入力した数値を修正する場合、「戻る」ボタン206を押すことにより、再入力できる。入力した数値に問題ない場合、「次へ」ボタン208を押す。演算処理装置40が枠部材52の内径D、及び測定したいワークWの直径Rの数値に基づいて、処理を行う。
次に、図11に示すように、データ表示欄204は、演算処理装置40の処理により算出された、テーパーピンの外径A、先端角度θ、中心ピンの外径C,調整ピンの外径B、及びワークのR(MIN)とR(MAX)を表示する。ユーザーは、算出結果に基づいて、中心ピン群G1から中心ピン54を選択する。また、ユーザーは、テーパーピン群G2から算出された外径A、及び先端角度θを有するテーパーピン56を含むテーパーセットS2を選択し、調整ピン群G3から算出された外径Bを有する調整ピン58を含む調整セットS3を選択する。選択されたこれらの中心ピン54、テーパーセットS2及び調整セットS3が枠部材52に着脱可能に配置することで保持治具50が構成され、ワークWを保持できる。なお、図10、及び図11では、データ入力欄202を枠部材の内径D、及びワークWの直径Rとし、データ表示欄204をテーパーピンの外径A、先端角度θ、中心ピンの外径C,調整ピンの外径B、及びワークのR(MIN)とR(MAX)を表示した。しかしながら、これらに限定されず、データ入力欄202及びデータ表示欄204の項目を適宜変更できる。
保持治具50が真円度測定装置1のテーブル12に設置される。保持治具50に保持されたワークWの真円度が、真円度測定装置1により測定される。
枠部材52は、円柱形状52A及び貫通孔52Bを同軸加工で仕上げることが好ましい。円柱形状52Aと貫通孔52Bの中心軸は一致できる。枠部材52の円柱形状52Aの外周で一度アライメントすれば、中心ピン54、テーパーセットS2及び調整セットS3の組み合わせを変更した場合でも、毎回のセンタリングの調整が不要になる。
すなわち、あらかじめ表面形状測定装置に枠部材を据え付けた状態で、アライメントを行っておけば、中心ピン54、テーパーセットS2及び調整セットS3の組み合わせを変更するだけで、幅広い直径のワークWの保持に対応でき、ワークWを交換する度に実施されるアライメントが不要になる。
1 真円度測定装置、10 ベース、12 テーブル、13 検出器支持機構、14 コラム、16 キャリッジ、18 径方向移動アーム、20 旋回アーム、22 検出器ホルダ、24 検出器、24A 検出器本体、24B 測定子、40 演算処理装置、50 保持治具、52 枠部材、52A 円柱形状、52B 貫通孔、54 中心ピン、56 テーパーピン、56A 円錐形状、56B 円柱形状、58 調整ピン、100 保持治具ユニット、200 表示画面、202 データ入力欄、204 データ表示欄、206 「戻る」ボタン、208 「次へ」ボタン、Ax 中心軸、G1 中心ピン群、G2 テーパーピン群、G3 調整ピン群、S2、S21~S24 テーパーセット、S3、S31~S34 調整セット、W ワーク、θ 先端角度、σ 角度

Claims (6)

  1. 球形状のワークを保持する保持治具であって、
    円筒形状の枠部材と、
    前記枠部材の中心に配置される円柱形状の中心ピンと、
    前記中心ピンより高く、先端が先細りのテーパー形状で、外径が同一の円柱形状の3本のテーパーピンと、
    前記中心ピンの外周に、周方向に前記3本のテーパーピンを均等配置するため、前記枠部材の隙間に配置される前記テーパーピンより低い複数の円柱形状の調整ピンと、
    を備える保持治具。
  2. 前記テーパーピンの外径をA、前記調整ピンの外径をB、前記中心ピンの外径をC、前記枠部材の内径をDと、A≦Bとしたとき、
    以下の式1、及び式2式;
    式1 B=-(C+A×C)/(C-3A)
    式2 D=C+2B
    を満たす、請求項1に記載の保持治具。
  3. 前記テーパーピンの先端角度をθとし、前記球形状のワークの直径をRとしたとき、C/cosθ≦R≦(A+C)/cosθを満たす前記ワークを保持する、請求項2に記載の保持治具。
  4. 前記先端角度は、0°<θ<90°である請求項3に記載の保持治具。
  5. テーブルと、
    前記テーブルに着脱可能に設置された請求項1から4のいずれか一項の保持治具と、
    前記保持治具に保持された球形状のワークの表面に接触する測定子の変位量を検出する検出器と、
    を備える表面形状測定装置。
  6. 球形状のワークを保持する保持治具ユニットであって、
    円筒形状の枠部材と、
    前記枠部材の中心に配置可能で、外径の異なる複数の円柱形状の中心ピンで構成される中心ピン群と、
    前記中心ピンより高く、先端が先細りのテーバー形状で、前記外径が同一の円柱形状の3本のテーパーピンをテーパーセットとし、前記テーパーセットに含まれる前記テーパーピンの外径が異なる複数の前記テーパーセットから構成されるテーパーピン群と、
    前記中心ピンの外周に、周方向に前記テーパーセットに含まれる前記3本のテーパーピンを均等配置するため、前記枠部材の隙間に配置可能で前記テーパーピンより低く、外径が同一である複数の円柱形状の調整ピンを調整セットとし、前記調整セットに含まれる前記調整ピンの外径が異なる複数の前記調整セットから構成される調整ピン群と、を備え、
    前記球形状のワークの直径に応じて、前記中心ピン群から選択される前記中心ピンと、前記テーパーピン群から選択される前記テーパーセットと、前記調整ピン群から選択される少なくとも1つの前記調整セットとが前記枠部材に着脱可能に配置される、保持治具ユニット。
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