JP7390109B2 - 面状発熱体および乗物用シート - Google Patents

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Description

本発明は、面状発熱体およびそれを用いた乗物用シートに関するものである。
従来、導電性の抵抗体をスクリーン印刷することで導電層を形成し、当該導電層に通電することで発熱を生じさせる乗物用シート用の面状発熱体が知られている(たとえば、特許文献1)。また、このような乗物用シート用の面状発熱体において、導電層を線状に形成する技術が知られている(たとえば、特許文献2)。
特開2007-258045号公報 特開2015-035297号公報
しかしながら、従来、乗員が乗物用シートに着座した際に、面状発熱体に不均一に荷重がかかり、線状の導電層の一部が長さ方向に引っ張られて伸長してしまうことがあった。そして、線状の導電層が長さ方向に伸長した場合に、導電層の電気抵抗値が上昇してしまい、その結果、面状発熱体が均一に発熱しない場合や、面状発熱体の発熱温度が安定しない場合があった。
本発明は、着座により面状発熱体が伸長した場合でも電気抵抗値の上昇を抑制することができる、面状発熱体および乗物用シートを提供することを目的とする。
本発明は以下の(1)ないし()の面状発熱体を要旨とする。
(1)線状の導電層が面状の絶縁層の上に形成された面状発熱体であって、前記導電層は、導電層が台形波形状に延在し、当該延在方向に伸長する波形構造部を有し、前記波形構造部は、前記波形構造部の延在方向に延在する第1領域と、前記第1領域の延在方向と交差する方向に延在する第2領域と、を有し、前記波形構造部において、前記第1領域および前記第2領域は直線形状を有しており、前記第1領域の長さL1と前記第2領域の長さL2との比(L2/L1)が1以上である、面状発熱体。
(2)前記波形構造部において、前記第1領域の長さL1と前記第2領域の長さL2との比(L2/L1)が2以上である、(1)に記載の面状発熱体。
(3)前記導電層は銀粒子を含む、(1)または(2)に記載の面状発熱体。
)前記面状発熱体を前記波形構造部の延在方向に5%伸長させた場合に、前記導電層の電気抵抗値が2倍を超えない範囲で上昇する、(1)ないし()のいずれかに記載の面状発熱体。
)乗物用シートに使用される、(1)ないし()のいずれかに記載の面状発熱体。
また、本発明は以下の()の乗物用シートを要旨とする。
)上記()に記載の面状発熱体を有する乗物用シート。
本発明によれば、面状発熱体が伸長した場合でも電気抵抗値の上昇を抑制することができる。
本実施形態に係る乗物用シートの部分断面図である。 導体の伸長と電気抵抗値との関係を説明するための図である。 本実施形態に係る導電層の伸長率と電気抵抗値の上昇率との関係を示すグラフである。 銀ペーストで構成された導電層の伸長を説明するための図である。 実施例1において作成した配線パターンを示す図である。 実施例1において作成した配線パターンにおける導電層の電気抵抗値の上昇率を示すグラフである。 配線パターンが台形波形である場合の伸長を説明するための図である。 本実施形態に係る導電層の配線パターンを説明するための図である。 (A)は実施例2において作成した台形波形の配線パターンを示す図であり、(B)は(A)の配線パターンにおける導電層の電気抵抗値の上昇率を示すグラフである。 実施例3において作成した配線パターンを示す図である。
本発明を、図に基づいて説明する。なお、以下においては、本発明に係る面状発熱体を自動車、鉄道車両、航空機等の乗物用シートに用いる構成を例示して説明するが、本発明に係る面状発熱体は外部から荷重が付与され伸長する部材であれば、特に限定することなく、有用に適用することができる。このような部材として、たとえば、アームレストやステリングホイール、あるいは後付けタイプのシートカバー、ベッド、マッサージ機、生体センサー、便座カバー、ホットカーペットなどが挙げられる。
図1は、本実施形態に係る乗物用シート1の部分断面図を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る乗物用シート1は、乗員が着座する側から、表皮材10と、面状発熱体2と、基材50とを積層して形成されている。
表皮材10は、乗員と接する層であり、たとえば布材料、天然皮革材料、または合皮材料などの材料から構成される。
面状発熱体2は、通電により発熱する抵抗体を有し、これにより、乗物用シート1の表面側を温める部材である。図1に示すように、本実施形態に係る面状発熱体2は、絶縁層20、導電層30、および保護層40から構成される。
絶縁層20は、絶縁性の樹脂から構成され、フィルムやシート等の面状に形成される。絶縁層20は、絶縁性を有する樹脂から構成されていれば特に制限するものではないが、乗物用シート1のクッション性を阻害することを抑制する為、柔軟性や伸縮性に優れる樹脂から構成されることが好ましく、例えば、ポリスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマー、アクリル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等の熱可塑性エラストマー、天然ゴム、ジエン系ゴム、エチレン-プロピレンゴム、イソブチレン-イソプレンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム、ウレタンゴム等の合成ゴムを用いることができる。なお、以下においては、絶縁層20として、熱可塑性ポリウレタンエラストマーからなるウレタンフィルムを用いたものを例示して説明する。
導電層30は、面状の絶縁層20の上に線状に形成される、銀粒子、銅粒子または/およびカーボン粒子等の導電性粒子を含む層である。導電層30は、導電性粒子を含むものであれば特に限定されないが、本実施形態では、バインダー成分としての熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂に、導電性粒子を分散させた導電性ペースト、あるいは、バインダー成分及び導電性粒子を水系または有機系の溶媒に分散させた導電性インクを用いることができ、これら導電性ペーストまたは導電性インクを、絶縁層20上にスクリーン印刷、インクジェット印刷、または、ディスペンサーで塗布などして形成される。なお、以下においては、導電層30として、銀ペーストをスクリーン印刷したものを例示して説明する。
本実施形態では、導電層30が含有する導電性粒子の大きさは、特に限定されないが、数百nm~数十μmの粒子径(平均粒子径)を有する導電性粒子を用いることが好ましい。導電層30に含まれる導電性粒子は、銀粒子であることが好ましく、純銀や銀中にニッケル(Ni)、金(Au)、プラチナ(Pt)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、アンチモン(Sb)、アルミニウム(Al)などを含ませた銀の合金であってもよい。
保護層40は、導電層30および絶縁層40の上に被覆して形成され、導電層30からの漏電を抑制するとともに、導電層30を保護する緩衝材として機能する。保護層40は、絶縁層20が有する柔軟性や伸縮性を阻害しない樹脂から構成されることが好ましく、本実施形態では、柔軟性に優れるアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などの材料を用いることができ、これら樹脂を、導電層30が形成された絶縁層20上に溶融状態で押し出して被覆する(押出しラミネート)、フィルム状の樹脂を熱融着させて被覆する(熱ラミネート)などして形成される。なお、以下においては、保護層40として、アクリル系エラストマーを押出しラミネートしたものを例示して説明する。そして、面状の絶縁層20の上に線状の導電層30を形成し、さらにその上から保護層40を被覆することで、面状発熱体2が構成される。
基材50は、乗物用シート1の内部骨格を構成する金属製のフレーム(不図示)に支持される部材であり、乗物用シート1の基本形状を構成する。基材50として、たとえば発泡ウレタン(モールドウレタン)を用いることができる。
《乗員の着座による面状発熱体の伸長》
従来、面状発熱体を備える乗物用シートでは、乗員が着座した場合に面状発熱体に不均一な荷重がかかり、面状発熱体が位置ごとに異なる伸長率で伸長してしまう場合があった。そして、面状発熱体が伸長することで、面状発熱体を構成する線状の導電層も位置ごとに異なる伸長率で伸長してしまい、伸長に伴い導電層の電気抵抗値が上昇してしまう場合があった。ここで、下記式1は、一般的な導体の電気抵抗値を求めるための式である。電気抵抗値R(Ω)は、導体の長さLに比例し、導体の幅Wおよび厚みTに反比例することが知られている。
R(電気抵抗値)=ρ(体積抵抗率)×L(長さ)/(W(幅)×t(厚み))・・・(1)
線状の導体が長さ方向に伸長する場合、図2に示すように、導体を伸長する前の状態では、伸長後の状態と比べて、線幅が広く、線長が短いため、上記式1からも分かるように、電気抵抗値は低くなる。これに対して、線状の導体を長さ方向に引っ張り伸長させた後では、伸長前と比べて、線幅が狭く、線長が長くなるため、上記式1からも分かるように、電気抵抗値は高くなる。
本実施形態に係る面状発熱体2においても、乗員が着座した場合に面状発熱体2が伸長し、それに伴い、線状の導電層30も長さ方向に伸長した場合、図2に示すように、伸長前と比べて、線幅が狭く、線長が長くなるため、電気抵抗値が上昇する。そして、導電層30の位置ごとに異なる伸長率で伸長する場合、電気抵抗値が位置ごとに異なる上昇率で上昇してしまい、面状発熱体2の発熱温度が不均一となってしまう場合があった。
また、図3は、本実施形態に係る導電層30の伸長率(%)と、電気抵抗値の上昇率(%)との関係を示すグラフである。なお、電気抵抗値の上昇率(%)は、たとえば電気抵抗値が2倍となった場合に100%となる(以下、同様)。図3に示すように、本実施形態に係る導電層30では、バルク金属(理論値)からなる導体と比べて、長さ方向における伸長率に応じた電気抵抗値の上昇率の割合が大きくなることが分かった。これは、本実施形態では、導電層30が、導電性の銀粒子を含む銀ペーストから構成されているためと考えられる。すなわち、本実施形態に係る導電層30は、図4(A)に示すように、銀ペーストで構成されているため、導電層30を通電した場合に、電子は銀粒子同士が接触する接点を流れるところ、導電層30が伸長した場合、図4(B)に示すように、銀粒子間の接触箇所が分断されて電子が流れるパスが減少してしまい、その結果、バルク金属(理論値)と比べて、電気抵抗値が上昇したと考えられる。
このように、本実施形態に係る導電層30では、銀ペーストを用いているため、導電層30の伸長による電気抵抗値の上昇率が高くなりやすく、その結果、面状発熱体2の発熱温度が不均一になりやすい傾向にある。そのため、銀ペーストを用いた導電層30では、特に、面状発熱体2の伸長による電気抵抗値の上昇を抑制することが強く望まれる。
《実施例1》
そこで、銀ペーストで導電層30を構成した場合でも、導電層30の配線パターンを工夫することで、面状発熱体2の伸長による電気抵抗値の上昇を抑制することができるか検討した。
具体的には、まず、図5に示すように、異なる3つの配線パターンで導電層を形成した。すなわち、図5(A)に示すように、直線のみの配線パターン、図5(B)に示すように、正弦波形のみからなる配線パターン、および、図5(C)に示すように、台形波形のみからなる配線パターンの導電層を、ウレタンフィルム上に形成して、面状発熱体を構成した。そして、各配線パターンについて、引張試験機:オートグラフAGS-500NX(島津製作所製)を用いて面状発熱体をチャック間距離50mmから伸長率(倍率)5%となるまでに伸長することを30回繰り返した後、面状発熱体を5%伸長した状態(チャック間距離52.5mm)で抵抗測定器RM3545-01(日置電機社製)を用いて各導電層の電気抵抗値を測定した。なお、いずれの配線パターンも線幅は3mm、厚みは12μmとした。
図5(A)~(C)の配線パターンにおける導電層の電気抵抗値の測定結果を、図6(A)~(C)にそれぞれ示す。図6(A)は、図5(A)に示す直線のみの配線パターンにおける導電層の電気抵抗値の上昇率を示しており、電気抵抗値は伸長前と比べて58%上昇した。また、図6(B)は、図5(B)に示す正弦波形のみからなる配線パターンにおける導電層の電気抵抗値の上昇率を示しており、電気抵抗値は伸長前と比べて48%上昇した。さらに、図6(C)は、図5(C)に示す台形波形のみからなる配線パターンにおける導電層の電気抵抗値の上昇率を示しており、電気抵抗値は伸長前と比べて30%上昇した。
このように、図5(A)に示す直線のみの配線パターンと比べて、図5(B)に示す正弦波形のみからなる配線パターンの方が伸長に伴う電気抵抗値の上昇は低く、さらに、図5(B)に示す正弦波形のみからなる配線パターンと比べて、図5(C)に示す台形波形のみからなる配線パターンの方が伸長に伴う電気抵抗値の上昇が低くなることが分かった。これは、導電層を形成したウレタンフィルムを伸長させた場合に、導電層よりも伸長しやすいウレタンフィルムが優先して伸長するところ、図7に示すように、台形波形の配線パターンでは、ウレタンフィルムの湾曲部が十分な広さを有するため、引張力をウレタンフィルムの湾曲部で吸収することができるため、導電層の伸長が抑えられたためと考えられる。
このように、導電層を台形波形の配線パターンで形成することで、面状発熱体2の伸長に伴う導電層の電気抵抗値の上昇を抑制することができることが分かった。そこで、次に、台形波形の配線パターンにおける第1領域と第2領域との長さを変えて、電気抵抗値の上昇率を検討した。
《実施例2》
図8に示すように、本実施形態に係る導電層は、台形波形の配線パターンを有する波形構造部31を少なくとも1つ以上、有している。波形構造部31は、図8に示すように、波形構造部31の延在方向に延在する第1領域32,34と、第1領域32,34の延在方向と交差する方向に延在する第2領域33,35とから構成される。また、第1領域は第1A領域32と第1B領域34とから構成され、第2領域は第2A領域33と第2B領域35とから構成される。また、本実施形態では、第1A領域32の長さをL11とし、第2A領域33の長さをL21とし、第1B領域34の長さをL12とし、第2B領域35の長さをL22として説明する。また、以下においては、第1A領域32の長さL11と第1B領域34の長さL12とを足し合わせた長さを第1領域32,34の長さL1とし、第2A領域33の長さL21と第2B領域35の長さL22とを足し合わせた長さを第2領域33,35の長さL2として説明する。なお、各領域の長さLは配線における線幅の中心となるライン(中心線)36を基準とする。
図9(A)は実施例2において形成した台形波形の配線パターンを示す図である(いずれの配線パターンも線幅は3mm、厚みは12μm)。図9(B)は図9(A)に示す配線パターンにおける導電線の電気抵抗値の上昇率の測定結果である。また、図9(A)の(a)~(c)の各配線パターンは、図9(B)の(a)~(c)の電気抵抗値の上昇率とそれぞれ対応している。
また、図9(A)における(a)~(c)の各配線パターンでは、第1領域32,34の長さL11,L12がそれぞれ同じとなり、第2領域33,35の長さL21,L22もそれぞれ同じとなるように形成した。すなわち、図9(A)における(a)~(c)の各配線パターンでは、図8に示す第1A領域32の長さL11と第1B領域34の長さL12とが同一であり、第2A領域33の長さL21と第2B領域35の長さL22とが同一となっている。
また、図9に示す(a)の配線パターンでは、第1領域32,34の長さL1(L11+L12)と、第2領域33,35の長さL2(L21+L22)の長さの比(L2/L1)が「1」となっている。また、(b)の配線パターンでは、第1領域32,34の長さL1と第2領域33,35の長さL2との長さの比が「2」となっており、(c)の配線パターンでは「4」となっている。各配線パターンにおける導電層の電気抵抗値の測定の結果、図9(B)に示すように、(a)の配線パターンにおける導電層の電気抵抗値の上昇率は30%となり、(b)の配線パターンにおける導電層の電気抵抗値の上昇率は23%となり、(c)の配線パターンにおける導電層の電気抵抗値の上昇率は15%となった。
このように、第1領域32,34の長さL1と第2領域33,35の長さL2との長さの比(L2/L1)の値が大きくなるほど、面状発熱体2の伸長による電気抵抗値の上昇を抑制できることが分かった。そのため、台形波形の配線パターンの導電層を形成する場合には、第1領域32,34の長さL1と第2領域33,35の長さL2との長さの比は大きくする方が好ましく、本実施形態では、比の値が1以上、好ましくは2以上、より好ましくは4以上とされる。
《実施例3》
図10は実施例3において形成した導電層の配線パターン(a)~(j)の形状を示す図である(いずれの配線パターンも線幅は3mm、厚みは30μm)。また、図10(A)に示す配線パターン(a)~(d)は、本実施形態に係る導電層30に該当する実施例であり、一方、図10(B)に示す配線パターン(e)~(j)は本実施形態に係る導電層30には該当しない比較例である。なお、下記表1に、図10に示す各配線パターンにおける、第1A領域32の長さL11、第2A領域33の長さL21、第1B領域34の長さL12、第2B領域35の長さL22、第1領域32,34の長さL1(L11+L12)、第2領域33,35の長さL2(L21+L22)、第1領域32,34の長さL1と第2領域33,35の長さL2との長さ比(L2/L1)、および電気抵抗値の上昇率をまとめた。なお、電気抵抗値の上昇率は、各配線パターン(a)~(j)を形成した面状発熱体を5%伸長させた場合の電気抵抗値の上昇率を、実施例1と同様の方法で測定したものである。
上記表1に示すように、比較例である(e)~(i)においては、面状発熱体を5%伸長させた場合、導電層の電気抵抗値の上昇率は100%を超えており(2倍を超えて上昇しており)、(e)の配線パターンでは導電層の電気抵抗値の上昇率が248%となり、(f)の配線パターンでは導電層の電気抵抗値の上昇率が299%となり、(g)の配線パターンでは導電層の電気抵抗値の上昇率が494%となり、(h)の配線パターンでは導電層の電気抵抗値の上昇率が471%となり、(i)の配線パターンでは導電層の電気抵抗値の上昇率が3230%となった。なお、(j)の配線パターンでは導電層の電気抵抗値の上昇率は31%と低くなったが、この形状では電圧を印加した場合にホットスポット(局所的な発熱)が発生し、面状発熱体の発熱温度が均一にならないという問題があった。
これに対して、上記表1に示すように、実施例である(a)~(d)に示す配線パターンでは、面状発熱体2を5%伸長させた場合、導電層の電気抵抗値の上昇率は100%以下となった。具体的には、表1に示すように、第1領域32,34と第2領域33,35との長さの比(L2/L1)が「2」である(a)の配線パターンでは導電層の電気抵抗値の上昇率が37%であり、第1領域32,34と第2領域33,35との長さの比(L2/L1)が「1」である(b)の配線パターンでは導電層の電気抵抗値の上昇率が80%であり、第1領域32,34と第2領域33,35との長さの比(L2/L1)が「4」である(c)の配線パターンでは導電層の電気抵抗値の上昇率が14%となり、第1領域32,34と第2領域33,35との長さの比(L2/L1)が「2」である(d)の配線パターンでは導電層の電気抵抗値の上昇率が23%となった。このように、実施例3においても、第1領域32,34と第2領域33,35との長さの比(L2/L1)が大きいほど、面状発熱体2を伸長させた場合の電気抵抗値の上昇率が抑制することができることが分かった。また、実施例である(a)~(d)に示す配線パターンでは、ホットスポットの発生も見られなかった。なお、比較例(e)は、第1領域と第2領域との長さの比(L2/L1)が「2」となっているが、L12の長さが0mmであり、波形構造部がいわゆる三角波形状を有しており、本実施形態に係る実施例(a)~(d)のような台形波形状を有していないため、導電層の電気抵抗値の上昇率は100%を超えたものと考えられる。
以上、本発明の好ましい実施形態例について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態の記載に限定されるものではない。上記実施形態例には様々な変更・改良を加えることが可能であり、そのような変更または改良を加えた形態のものも本発明の技術的範囲に含まれる。
たとえば、上述した導電層30の波形構造部31の配線パターンにおいては、屈曲箇所37を丸みのない一定の角度を有する構成としているが、これに限定されず、屈曲箇所37を湾曲した角丸としてもよい。
また、上述した実施形態では、導電層30の波形構造部31の配線パターンを、線幅は3mmおよび厚み30μmで形成する構成を例示したが、この構成に限定されず、適宜設計することができる。
1…乗物用シート
10…表皮材
2…面状発熱体
20…絶縁層
30…導電層
31…波形構造部
32…第1A領域
33…第2A領域
34…第1B領域
35…第2B領域
36…中心線
37…屈曲箇所
40…保護層
50…基材

Claims (6)

  1. 線状の導電層が面状の絶縁層の上に形成された面状発熱体であって、
    前記導電層は、導電層が台形波形状に延在し、当該延在方向に伸長する波形構造部を有し、
    前記波形構造部は、
    前記波形構造部の延在方向に延在する第1領域と、
    前記第1領域の延在方向と交差する方向に延在する第2領域と、を有し、
    前記波形構造部において、前記第1領域および前記第2領域は直線形状を有しており、前記第1領域の長さL1と前記第2領域の長さL2との比(L2/L1)が1以上である、面状発熱体。
  2. 前記波形構造部において、前記第1領域の長さL1と前記第2領域の長さL2との比(L2/L1)が2以上である、請求項1に記載の面状発熱体。
  3. 前記導電層は銀粒子を含む、請求項1または2に記載の面状発熱体。
  4. 前記面状発熱体を前記波形構造部の延在方向に5%伸長させた場合に、前記導電層の電気抵抗値が2倍を超えない範囲で上昇する、請求項1ないしのいずれかに記載の面状発熱体。
  5. 乗物用シートに使用される、請求項1ないしのいずれかに記載の面状発熱体。
  6. 請求項に記載の面状発熱体を有する乗物用シート。
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