JP7388982B2 - 土壌改質材 - Google Patents

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Description

本発明は、土壌改質材に関する。
東日本大震災による原子力発電所事故に起因する除染除去土壌では、除染作業時の環境や回収場所にもよるが、水分量が多くかつ粘性土を含む性状のものの占める割合が膨大になっている。また、震災廃棄物や津波堆積物、あるいは一般の建設工事で発生する汚泥等にも、粘土分や水分量が多くかつ廃棄物や有機物と土砂が付着していることが多い。これらの土壌では、団粒化した粘土塊、粗粒分(礫や廃棄物等)に付着した粘土分、植物体及び植物根等に付着した土壌等を含むため、土壌とその他の成分(不燃物及び可燃物)とを分別することが難しい。そこで、分別前に、処理対象土壌に対して土壌改質材を混合する改質処理が行われる。これにより、処理対象土壌がほぐれて付着分が剥離し易くなり、除染除去土壌から土壌の分別が容易になる。
図2は、従来の土壌改質方法のフローチャートであり、改質材の添加混合(改質工程)と乾式の分級工程を組合わせた処理である。改質工程S51は例えば中間貯蔵施設で行われる。中間貯蔵施設は、土壌とその他の成分とを分別し一定の性状を満たす処理土とするプラント(ワンスルー施設あるいは受け入れ分別施設等ともいう)を含む。改質工程S51では、処理対象土壌への土壌改質材の添加・混合により、処理対象土壌中の水分が改質材に吸収される。添加量は例えば処理対象土壌に対して2~3質量%であり、水分量等により決定される。土壌水分が改質材に吸収されることで、粗粒分や可燃物に付着した粘土等の土壌が剥離しやすくなる。改質工程S51を経た後、分級工程S52で乾式分級され、植物体等の可燃物や、礫分や廃棄物等と、土壌とに分別される。分別した土壌である分級処理物はダンプトラック等で土壌貯蔵施設へ搬送され、埋め立て貯蔵される。一方で、植物根、草木根等の有機物である可燃物は焼却処理され、大きな石、コンクリートガラ、陶器片、金属等の不燃物は別途処理される。
土壌改質材は、脱水、剥離等の効果を発現させるため、水分を除去する有機成分を含む(特許文献1~4)。有機成分は、例えば吸水性能を有する高吸水性樹脂であり、具体的には、増粘多糖類及び土粒子の凝集作用を有する高分子凝集剤である。有機成分は、土壌量が少ない室内での試験では、単独で少量の使用(添加率約0.1%オーダー)でも土壌中の水分と迅速に反応し、塊状に団粒化した土壌をほぐして分別を容易にできる。しかし、実機を使用した処理のように土壌量が多くなると、有機成分のみでは土壌全体に万遍なく拡散・混合させ難く、分別効果が十分に発揮できない。また、有機成分の使用量を単に増やせば、経済性が低下する。
そこで、土壌改質材は、有機成分を万遍なく土壌に行きわたらせ、均一な水分吸収を促進させる無機成分を更に含む。無機成分は、単位重量あたりの吸水量が小さく吸水速度も遅いため、単独の使用では土壌の団粒状態を解消し難いが、有機成分と比較して大幅に安価な資材である。無機成分は主に嵩増し材として使用され、有機成分と組み合わせることで、有機成分を迅速に万遍なく土壌中に行き渡らせることができる。これにより、土壌中の水分を速やかに除去し、分別効果を十分に発揮できる。
特開2018-039976号公報 特開2018-076529号公報 特開2018-100409号公報 特開2018-138643号公報
水の除去効率(例えば高吸水性樹脂では吸水倍率)及びコストに基づく有機成分の使用量は、通常は、例えば約0.1~1質量%である。一方で、ワンスルー施設での実機レベルで処理対象土壌との均一な混合を実現するために土壌改質材の添加量は約2~3質量%である(特許文献1~4)。このため、処理対象土壌には、水の除去に直接関与しない無機成分が大量(改質材に占める割合で90%以上)に添加される。
中間貯蔵施設全体での処理対象土壌の量はおよそ2千万mともいわれており、膨大である。そのため、使用する土壌改質材量も数十万mのオーダーとなり、土壌改質材の使用により、改質により生じる被処理物(例えば埋め立てられる最終処理物等)の体積が大幅に嵩上げされる。
本発明が解決しようとする課題は、被処理物の体積増加を抑制可能な土壌改質材の提供である。
本発明の土壌改質材は、処理対象土壌中の水分を除去する改質を行う土壌改質材であって、前記処理対象土壌に含まれる水分を除去する有機成分と、前記有機成分による水分除去を促進する無機成分とを含み、前記土壌改質材は、一部の前記処理対象土壌の前記改質により生じた改質物の更に一部を含むとともに、残部の前記処理対象土壌の前記改質を行うものであり、前記無機成分は、前記処理対象土壌に含まれていた土壌無機成分を少なくとも一部に含む。このため、改質に使用される無機成分の新たな使用量を削減でき、ひいては被処理物の体積増加を抑制できる。
また、本発明の土壌改質材は、処理対象土壌を改質する土壌改質材であって、前記処理対象土壌に含まれる水分を除去する有機成分と、前記有機成分による水分除去を促進する無機成分とを含み、前記無機成分として、前記処理対象土壌中の土壌無機成分を少なくとも一部に含み、前記処理対象土壌は、有機物を含む土壌、災害廃棄物、又は除染除去土壌の何れか少なくとも1つであり、前記無機成分は、前記処理対象土壌の分級処理物中の前記土壌無機成分を含む。このようにすることで、分級処理物(有機物を含む土壌、災害廃棄物、又は除染除去土壌の何れか少なくとも1つ)に含まれる土壌無機成分を用いて、処理対象土壌を改質できる。そして、有機成分及びある程度細かくなった分級処理物を含む土壌改質材は、処理対象土壌に分散させ易い。これにより、有機成分が処理対象土壌の全体に行き渡り易くなって水の除去効率が向上し、土壌改質材の使用量を削減できる。
前記分級処理物の含水率は9質量%以下であることが好ましい。このようにすることで分級処理物の全体に有機成分を行き渡らせ易くなる。これにより、処理対象土壌全体に土壌改質材を行き渡らせ易くでき、処理対象土壌中の水分の除去効率を向上できる。また、分級処理物に起因する水分の処理対象土壌への持ち込みを抑制でき、水分の除去効率を向上できる。
前記分級処理物の粒径は4.75mm以下であることが好ましい。このように分級処理物の粒を小さくすると、分級処理物と有機成分とを均一に混合し易くなる。これにより、処理対象土壌全体に土壌改質材を行き渡らせ易くでき、処理対象土壌中の水分の除去効率を向上できる。
本発明によれば、被処理物の体積増加を抑制可能な土壌改質材を提供できる。
本実施形態の土壌改質方法のフローチャートである。 従来の土壌改質方法のフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態(本実施形態)を説明する。ただし、本発明は以下の内容及び図示の内容になんら限定されず、本発明の効果を著しく損なわない範囲で任意に変形して実施できる。本発明は、異なる実施形態同士を組み合わせて実施できる。以下の記載において、異なる実施形態において同じ部材については同じ符号を付し、重複する説明は省略する。また、同じ機能のものについては同じ名称を使用し、重複する説明は省略する。
図1は、本実施形態の土壌改質方法のフローチャートである。本実施形態の土壌改質方法の説明の中で、本実施形態の土壌改質材を説明する。本実施形態の土壌改質方法は、土壌改質材を用い、土壌無機成分を含む処理対象土壌中の水分を除去する改質を行うものである。
ここでいう処理対象土壌は、土壌改質材による水分除去の対象となる土壌であり、改質後には分級して、例えば中間貯蔵施設においては、土壌貯蔵施設に保管及び貯蔵される土壌である。処理対象土壌は、例えば建設汚泥等の有機物を含む土壌、津波堆積物等の災害廃棄物、又は除染除去土壌の何れか少なくとも1つである。処理対象土壌は水分及び土壌無機成分(処理対象土壌に含まれる無機成分)を含む。
土壌改質材は、処理対象土壌を改質するものである。土壌改質材は、その後に処理可能な性状になるように処理対象土壌中の水分を吸収除去し、より具体的には土壌貯蔵施設に保管できるような性状にすべく、処理対象土壌に例えば添加及び攪拌される。土壌改質材は、処理対象土壌に含まれる水分を速やかに除去する有機成分と、前記有機成分による水分除去を促進する無機成分とを含む。本実施形態では、詳細は後記するが、処理対象土壌の一部が土壌改質材の一成分として再利用される。
含水率測定工程S1は、処理対象土壌の含水率を測定する工程である。処理対象土壌の含水率に応じて、改質工程S2(後記する)での土壌改質材の添加量が決定される。また、処理対象土壌の含水率が所定値以下のときに、処理対象土壌の一部を用いた土壌改質材の調製を行う調製工程S4(後記する)が行われる。ここでいう所定値とは、調製工程S4の乾燥工程S41(後記する)での加熱エネルギを抑制可能な値であり、設備及び運転条件に応じて予め定められた値である。含水率が所定値以下のときに調製工程S4が行われることで、含水率が高い粘土分の土壌改質材への持ち込みを抑制し、かつ、あらかじめ含水率が低い砂分が多い処理対象土壌を狙い、土壌改質材の含水率を低下できる。これにより、乾燥工程S41での加熱エネルギを抑制できる。
改質工程S2は、土壌改質材を用いて処理対象土壌を改質する工程である。土壌改質材は、詳細は後記するが、調製工程S4で調製されたものである。処理対象土壌に対しては、調製工程S4で調製された土壌改質材の一部のみが使用されてもよく、調製された土壌改質材に加えて更に別の土壌改質材が混合されてもよいが、別の土壌改質材を使用せず、調製工程S4で調製された土壌改質材の全てを使用することが好ましい。
土壌改質材は、処理対象土壌に含まれる水分を除去する有機成分と、前記有機成分による水分除去を促進する無機成分とを含む。有機成分は、例えば吸水性又は凝集性の少なくとも一方の性質を示す高分子成分であり、具体的には例えば高吸水性樹脂であり、より具体的には合成高分子、天然高分子である。
合成高分子は、例えば、ポリアクリル酸塩系、ポリスルホン酸系、ポリビニルアルコール及びポリアクリル酸塩の共重合系又はその誘導体からなるポリマー、無水マレイン酸塩系、ポリアクリルアミド系、ポリビニルアルコール系、ポリエチレンオキシド系、酢酸ビニル等である。これらの中でも、ポリアクリル酸塩系、ポリアクリルアミド系)等のアクリル系高分子としては、例えば、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸塩(ポリアクリル酸ナトリウム)、アクリル酸塩系架橋重合物、(メタ)アクリル酸系の単独重合物等が挙げられる。更に、ポリエチレンオキシド系としては、例えばポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等が挙げられる。
天然高分子は、例えば天然由来増粘多糖類、セルロース系増粘剤等であり、具体的にはデンプン系、セルロース系(グラフト重合系及びカルボキシメチル系)、ポリアスパラギン酸塩系、ポリグルタミン酸塩系、ポリアルギン酸塩系、グルコン酸塩系等が挙げられる。天然由来増粘多糖類としては、例えば、グアガム、キサンタンガム、デュータンガム、ウェランガム、カラギナン、ローカストビーンガム、タラガム、ペクチン、ジェランガム、アルギン酸塩及びこれらの誘導体(カチオン化グアガム)が挙げられる。セルロース系増粘剤としては、セルロース、メチルセルロース及びこれらの誘導体(カルボキシメチルセルロース)等が挙げられる。グルコン酸塩系としては、例えばグルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウム、グルコン酸カルシウム等が挙げられる。
有機成分は1種が単独で使用されてもよく、2種以上が任意の比率及び組み合わせで使用されてもよい。
無機成分は、例えば有機成分の嵩増し材として機能するものであり、処理対象土壌を分級して得た分級処理物中の土壌無機成分を含む。分級処理物は、後記する分級工程S42により得られたものである。土壌無機成分は、処理対象土壌に含まれる無機成分である。分級処理物中の土壌無機成分を含むことで、有機成分及びある程度細かくなった分級処理物を含む土壌改質材を、処理対象土壌に分散させ易くなる。これにより、有機成分が処理対象土壌の全体に行き渡り易くなって水の除去効率が向上し、土壌改質材の使用量を削減できる。
土壌無機成分は、有機成分の機能を妨げず、水に不溶性を示すものが好ましい。また、土壌無機成分は、改質剤混合後の処理対象土壌を弱酸性~弱アルカリ性(例えばpH5.6~8.6)にできることが好ましい。土壌無機成分は、例えば、シリカ(二酸化ケイ素)、珪砂、ゼオライト等の無機鉱物である。
無機成分は1種が単独で使用されてもよく、2種以上が任意の比率及び組み合わせで使用されてもよい。
土壌改質材は、上記のように処理対象土壌の含水率に応じて添加されるが、通常は、有機成分の添加量として0.05質量%~0.5質量%程度になるように、添加される。添加された土壌改質材と処理対象土壌とは、十分に混合されることが好ましい。混合は、任意の混合装置を用いて行うことができ、例えば二軸式パドルミキサを使用して行うことができる。混合により、処理対象土壌と土壌改質材との処理混合物が得られる。
予備分級工程S3は、分級工程S42(後記する)の前に一次処理として行われるものであり、分級工程S42での分級よりも粗く分級するものである。予備分級工程S3は、処理混合物から土壌を分別可能な目開き(孔径)を有する篩を用いて行われる。篩の目開きは例えば20mmである。予備分級工程S3により、一次処理土としての予備分級処理物が得られる。予備分級処理物は土壌無機成分を含むため、予備分級処理物の一部は土壌改質材の調製に使用される。一方で、残部は土壌貯蔵施設に運搬され埋め立て処理される。
土壌改質材の調製に使用される予備分級処理物の量は特に限定されないが、予備分級処理物の1~20質量%程度、好ましくは5~15質量%程度を土壌改質材の調製に使用できる。
調製工程S4は、土壌無機成分の一部を用いて土壌改質材を調製する工程である。調製工程S4により、土壌無機成分を含む土壌改質材を調製できる。調製工程S4は、乾燥工程S41、分級工程S42及び混合工程S43を含む。
乾燥工程S41は、予備分級処理物の含水率を9質量%以下にする工程である。乾燥工程S41により、土壌改質材中の分級処理物(二次処理土)の含水率を9質量%以下にできる。分級処理物は、詳細は後記するが分級工程S42で得られるものであるが、乾燥工程S41での含水率調整により分級処理物の含水率を調整できる。ここで、分級処理物の含水率を9質量%以下、即ち、乾燥工程S41で予備分級処理物の含水率を9質量%以下にすることの意義について説明する。
混合工程S43(後記する)において、分級処理物の含水率によっては有機成分による水の除去性能に影響を及ぼし、混合が十分に行われない可能性がある。このことは、分級処理物が含水により団粒化している場合や、処理対象土壌の水分ではなく分級処理物の水分まで有機成分に吸水されてしまうことによる。そこで、分級処理物の好ましい含水率について、以下の試験により検討した。
処理対象土壌は室内試験用に調整した含水率23.5質量%の粘性土とした。処理対象土壌900gに対して土壌改質材を添加し、ミキサーで攪拌した。添加した土壌改質材は、質量比で0.2%の有機成分(一般的な土壌改質材で使用されるアクリル酸塩系架橋重合物)と所定量の分級処理物(土壌無機成分。ここでは粒径2mm以下)とを混合して得られたものである。攪拌操作は、ミキサーにて15秒間攪拌後、スコップで羽根に付着した処理対象土壌を落とし、再度ミキサーにて25秒間攪拌した。即ち、ミキサーによる攪拌を合計で40秒間行った。
その後、直径20cmの目開き19mm及び9.5mmの2枚の篩を重ねて篩上に1回300g添加し、自動篩振とう器で20秒間篩分けを行い、それを計3回実施し、900gの処理対象土壌の各篩の通過質量百分率を算出した。分級処理物の含水率のケース1~6及び各篩通過率を表1に示す。
また、分級処理物の含水率を9質量%に調整し、添加率を1.8%(ケース7)及び2.8%(ケース8)としたときの篩通過率を表2に示す。
なお、分級処理物の含水率は、処理対象土壌に質量比で有機成分2%と強度促進剤1%を混合した改良土を絶対乾燥させ、2mm以下に分級したものに所定量の水を加えることで調整した。
Figure 0007388982000001
Figure 0007388982000002
表1のケース1~6に示すように、有機成分と分級処理物とを同じ割合で添加した場合、分級処理物の含水率が8%以下(ケース1~4)であれば19mm篩の透過率は80質量%以上であった。また、9.5mm篩の透過率も30質量%程度以上であった。透過率が大きいほど、細粒化した土壌改質材が得られると考えらえる。しかし、分級処理物の含水率が9質量%(ケース5)及び10%(ケース6)では、19mmの篩透過率は60質量%以下、9.5mm篩の透過率は10質量%程度にまで低下した。
しかし、表2のケース7及び8に示すように、分級処理物の含水率がケース5と同じ9質量%であっても、処理対象物に対する分級処理物の添加量を増やすことで、19mm篩透過率及び9.5mm篩透過率をそれぞれ90質量%程度、40質量%程度にまで増加できた。
これらの結果から、土壌改質材の無機成分として原料となる分級処理物の含水率が9質量%以下であれば、分級処理物の粘性が低く有機成分の吸水も妨げないと考えることができる。このため、適宜分級処理物の添加量を変えることで、分級処理物の全体に有機成分を行き渡らせやすくできる。これにより、処理対象土壌全体に土壌改質材を行き渡らせ易くでき、処理対象土壌中の水分の除去効率を向上できる。また、分級処理物に起因する水分の処理対象土壌への持ち込みを抑制でき、水分の除去効率を向上できる。
中でも、含水率が好ましくは8%以下、より好ましくは7%以下であれば、より均一な混合と水分吸水除去が可能となり、処理後土壌の分級効率を更に向上できる。
乾燥工程S41での乾燥の具体的手段は特に制限されない。乾燥設備は、例えば、ロータリードライヤ等の回転式乾燥機、焼土乾燥機、コンベア式乾燥機等がある。これらのうち、回転式乾燥機は、高温の熱風を使用できるため、低水分域までの乾燥が可能となる。被乾燥物である予備分級処理物は、円筒内で回転に伴い内壁に取付けられた羽根によって上方まで持ち上げられ、所定位置に達し膜状に落下する。予備分級処理物を回転攪拌させながら乾燥させるため、ばらばらになった予備分級処理物に温風が接触し易く、迅速に予備分級処理物を乾燥できる。また、焼土乾燥機はロータリードライヤよりも比較的小さい設備のため、装置の移動及び稼働が比較的容易であり、ミキサ及びベルトコンベア等と体系化することで連続して予備分級処理物を投入及び排出できる。
乾燥条件も特に制限されない。例えば乾燥温度は90℃~130℃の温度範囲で設定できる。また、乾燥時間も特に制限されず、含水率が所望値になるまで乾燥させればよい。なお、含水率は、バッチ又はフローのいずれの方式であっても測定できる。
分級工程S42は、予備分級処理物の分級により更に細かい分級処理物を得る工程である。分級工程S42により、例えば含水率9質量%以下の分級処理物が得られる。分級工程S42は、土壌改質材の調製に好適な大きな分級処理物を分級可能な目開きを有する篩を用いて行われる。篩の目開きは例えば4.75mmである。これにより、篩を透過した粒径の小さな分級処理物が得られる。なお、本明細書において粒径とは、対応する大きさの目開きを有する篩によって透過した粒子の径をいう。分級処理物の粒径を4.75mm以下にすることの意義について説明する。
分級処理物が大きすぎる場合、有機成分との混合時に一様に分散しない可能性がある。そこで、有機成分が一様に分散し易い分級処理物の粒径を以下の試験により検討した。
まず、予備分級処理物を更に分級して得られた分級処理物の粒度を表3に示す。例えば、予備分級処理物を目開き9.50mmの篩にかけると、81.6質量%の透過率で分級処理物が得られる。表3に示す分級処理物のうち、比較的粗い粒径である4.75mm以上を除いた、4.75mm以下(透過率62.8質量%)の分級処理物を以降の試験に用いた。
Figure 0007388982000003
処理対象土壌は、室内試験用に調整した含水率50.4質量%の粘性土とし、土壌800gに対して土壌改質材を添加した。土壌改質材は、質量比で0.05%の有機成分(アクリル酸塩系架橋重合物)と、乾燥後に表4に示す粒径以下に調整した1.95%の無機成分(含水率1~2質量%)とを混合したものである。例えば、ケース11では、無機成分の粒径は0.85mm以下であり、上記表3における透過率20.7質量%の分級処理物を使用した。
土壌改質材の添加後、ミキサーで40秒間攪拌した。その後、直径20cmの目開き19mm篩上に1回あたりおよそ270g添加し、自動篩振とう器で20秒間篩分けを行い、それを計3回実施し、土壌重量で合計800gの篩通過質量百分率を算出した結果を表4に示す。
なお、表4には、参考例として、無機成分を使用しないケース9、及び、処理対象土壌由来ではない無機成分として珪砂を使用したケース10も示す。珪砂は、一般的な改質材を模擬した無機成分の一例である。
Figure 0007388982000004
ケース9とケース10~14との比較により、有機成分及び無機成分を併用することで19mm篩透過率を向上できたことから、併用により処理対象土壌中の水分除去効率を向上できることがわかった。また、ケース10~12とケース13との比較により、無機成分の粒径が2.0mm以下であれば、19mm篩透過率が80~90%と高い値であった。中でも、ケース11及び12に示すように土壌無機成分を使用することで、ケース10の珪砂を使用した場合と比べて分級効率を向上できた。
ケース13では無機成分の粒径は4.75mm以下であり、19mm篩透過率は約70%であった。しかし、ケース14に示すように、無機成分の使用量を1.95質量%から2.95%に増やすことで19mm篩透過率は95%にまで大幅に上昇した。
これらの結果から、必要に応じて無機成分の添加量を調整し、無機成分の粒径を4.75mm以下にすることで、一般的な改質材に含まれる無機成分である珪砂と同等又はそれ以上に処理対象土壌中の水分を除去でき、19mm篩の透過率を向上できた。
従って、分級処理物の粒径を4.75mm以下にすることで分級処理物の粒を小さくして、分級処理物と有機成分とを均一に混合し易くできる。これにより、処理対象土壌全体に土壌改質材を行き渡らせ易くでき、処理対象土壌中の水分の除去効率を向上できる。
中でも、分級処理物の粒径は4.75mm以下が好ましく、より好ましくは2.0mm以下である。この数値範囲であれば、より均一な混合と水分吸水除去が可能となり、処理後土壌の分級効率を更に向上できる。
分級工程S42での分級の具体的方法は特に制限されない。分級設備は、例えば振動ふるい機(円型振動ふるい機等)、面内運動ふるい機(ジャイロシフタ等)、回転分級機(トロンメル等)等を使用できる。中でも、振動ふるい機が好ましく、特に円型振動ふるい機が好ましい。円型振動ふるい機は上下方向及び水平方向の振動成分を有する三次元振動を行う装置であり、材料の分散性が良いので細かい網目での適用が可能である。このため、無機成分の好ましい粒径が4.75mm以下の本実施形態に好適である。
なお、本実施形態では、予備分級処理物を更に分級して分級処理物を得たが、予備分級工程S3を行わず、処理対象土壌から直接分級処理物を得るようにしてもよい。
混合工程S43は、土壌無機成分と有機成分とを混合する工程である。混合工程S43により、有機成分と、無機成分としての土壌無機成分を含む土壌改質材が得られる。得られた土壌改質材は、上記の改質工程S2において処理対象土壌と混合される。無機成分と混合する有機成分は、例えば、上記改質工程S2で説明した有機成分と同じ成分を適用できる。
無機成分と有機成分との混合比は特に制限されないが、例えば、無機成分を例えば80質量%以上、好ましくは83質量%以上、より好ましくは90質量%以上、上限として例えば98質量%以下、好ましくは95質量%以下の割合で含み、残部として有機成分を含む土壌改質材となるように、無機成分及び有機成分を混合できる。ここでいう無機成分は、土壌無機成分に加えて土壌無機成分以外の補助的な無機成分を含んでもよいが、全量が土壌無機成分であることが好ましい。全量が土壌無機成分であることで、無機成分として新たなバージン材を使用せずに、土壌無機成分を有効活用できる。
混合工程S43での混合の具体的方法は特に制限されない。混合設備は、例えば性状の異なる土砂、軟弱な土等と材料とを混合する土質改良機、肥料等の混合に適用される混合配合機等を使用できる。中でも土質改良機はワンスルー施設内に設置できるものであれば自走式、プラント式のいずれでもよいが、コストの観点からなるべく小さく簡便なものが好ましい。
以上説明した土壌改質材及び土壌改質方法によれば、処理対象土壌中の土壌無機成分を土壌改質材が含むため、土壌改質材を処理対象土壌に添加しても、添加後に生じる被処理物の体積増加を抑制できる。これにより、無機成分の新たな添加量に対応する分だけ、最終処分量を減容化できる。また、土壌改質材は中間貯蔵施設のワンスルー施設で土壌無機成分を用いて調製されるため、ワンスルー施設へは有機成分のみが運搬されればよい。このため、無機成分のバージン材(購入資材)の確保及び運搬に関するコストを削減でき経済性に優れ、更には環境負荷も低減できる。
S1 含水率測定工程
S2 改質工程
S3 予備分級工程
S4 調製工程
S41 乾燥工程
S42 分級工程
S43 混合工程
S51 改質工程
S52 分級工程

Claims (4)

  1. 処理対象土壌中の水分を除去する改質を行う土壌改質材であって、
    前記処理対象土壌に含まれる水分を除去する有機成分と、前記有機成分による水分除去を促進する無機成分とを含み、
    前記土壌改質材は、一部の前記処理対象土壌の前記改質により生じた改質物の更に一部を含むとともに、残部の前記処理対象土壌の前記改質を行うものであり、
    前記無機成分は、前記処理対象土壌に含まれていた土壌無機成分を少なくとも一部に含む
    ことを特徴とする土壌改質材。
  2. 処理対象土壌を改質する土壌改質材であって、
    前記処理対象土壌に含まれる水分を除去する有機成分と、前記有機成分による水分除去を促進する無機成分とを含み、
    前記無機成分として、前記処理対象土壌中の土壌無機成分を少なくとも一部に含み、
    前記処理対象土壌は、有機物を含む土壌、災害廃棄物、又は除染除去土壌の何れか少なくとも1つであり、
    前記無機成分は、前記処理対象土壌の分級処理物中の前記土壌無機成分を含む
    ことを特徴とする土壌改質材。
  3. 前記分級処理物の含水率は9質量%以下である
    ことを特徴とする請求項2に記載の土壌改質材。
  4. 前記分級処理物の粒径は4.75mm以下である
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の土壌改質材。
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