JP7388920B2 - インクジェットプリンタ - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェットプリンタに関する。
従来から、インクヘッドからインクを吐出することによって印刷を行うインクジェットプリンタが知られている。インクヘッドには、例えばインクカートリッジなどのインク容器からインクが供給される。例えば、特許文献1には、インクタンクと、インクヘッドと、インクタンクとインクヘッドとを繋ぐインク流路と、インク流路に設けられた送液ポンプと、ダンパとを備えたインクジェットプリンタが開示されている。特許文献1に記載されたインクジェットプリンタは、ダンパの貯留室内のインクの量を検出して信号を送信するフィラーセンサを備えている。特許文献1に記載されたインクジェットプリンタでは、フィラーセンサが貯留室内のインクが少なくなったことを検知すると、送液ポンプが駆動され、インクが供給される。
特開2019-171586号公報
特許文献1に記載されているようなインクジェットプリンタでは、送液ポンプは、フィラーセンサの検知結果に反応して間欠的に駆動する。そのため、送液ポンプを駆動および停止するたびに送液に係る時間的なロスが発生する。これは送液ポンプのアクチュエータが駆動を開始して加速しているとき、およびアクチュエータが減速して停止するとき、アクチュエータの速度が定常駆動時よりも遅いためである。そのため、送液ポンプの1回の送液量が小さ過ぎると、同じインク量を送る間に送液ポンプを駆動および停止させる数が多くなり、インクの送りに係る時間的なロスが多く発生する。その結果、インクの排出流量に対応する流量のインクを供給できなくなるおそれがある。一方で、送液ポンプの1回の送液量を大きくすると、インク圧の変動が大きくなる。送液ポンプが1回の駆動で送るインクの量は、インクの供給不足とインク圧の変動とをともに抑制する範囲に設定されている。
ところで、インクジェットプリンタには、様々な特性を有するインクが使用され得る。例えば、インクジェットプリンタに使用されるインクの中には、粘度が比較的高いインクや、粘度が比較的低いインクが含まれる場合がある。例えば、粘度が比較的高いインクは、流路を流れる速度が比較的遅くなりやすい。また、粘度が比較的低いインクは、流路を流れる速度が比較的速くなりやすい。
例えば、粘度が低いインクの場合、流路を流れる速度が速いため排出流量が大きくなり、インクの供給不足となるリスクが大きい。そのため、送液ポンプが1回の駆動で送るインクの量を大きくしておく必要がある。しかし、このような粘度が低いインクに対応した設定で粘度が高いインクを供給すると、インク圧の変動が大きくなる。このように、送液ポンプが1回の駆動で送るインクの量の適正値は、インクの特性によって異なる可能性がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、インクの種類に応じて好適な量のインクを供給できるインクジェットプリンタを提供することである。
ここに開示するインクジェットプリンタは、インクが収容されたインク容器と、インクを吐出するインクヘッドと、前記インク容器と前記インクヘッドとを接続するインク流路と、前記インク流路に設けられ、駆動時には前記インク容器から前記インクヘッドに向かう方向にインクを送る送液ポンプと、インクが一時的に貯留される貯留室を備え、前記インク流路に設けられた中間容器と、前記貯留室内のインクの量を検出するとともに、検出されたインクの量が所定量を下回った場合には信号を送信するように構成された検出装置と、前記インクヘッド、前記送液ポンプ、および前記検出装置に接続された制御装置と、
を備えている。
前記制御装置は、受信部と、第1送液制御部と、インク登録部と、第1送液量記憶部と、を備えている。前記受信部は、前記検出装置が発信する信号を受信する。前記第1送液制御部は、前記受信部が前記信号を受信すると、前記送液ポンプを制御してインクを送らせる。前記インク登録部には、前記インク容器に収容されるインクの種類が登録される。前記第1送液量記憶部には、前記インク容器に収容されるインクの種類に対応した複数の送液量が記憶される。前記第1送液制御部は、前記第1送液量記憶部に記憶された前記複数の送液量の中から前記インク登録部に登録されたインクの種類に対応した送液量を選択し、1回につき前記選択された送液量だけ前記送液ポンプにインクを送らせるように設定されている。
上記インクジェットプリンタによれば、第1送液量記憶部は、インク容器に収容されるインクの種類に対応した複数の送液量を記憶している。また、第1送液制御部は、第1送液量記憶部に記憶された上記複数の送液量の中から、インク容器に収容されたインクの種類に対応する送液量を選択し、1回につき上記選択された送液量だけ送液ポンプにインクを送らせる。従って、上記インクジェットプリンタによれば、インクの種類に応じて送液ポンプの1回の送液量を変えることができる。そのため、インクの種類に応じて好適な量のインクを供給することが可能である。
一実施形態に係るプリンタの正面図である。 キャリッジ下面の構成を模式的に示す平面図である。 ノズル付近の部分断面図である。 インク供給システムの構成を示す模式図である。 送液ポンプの内部構成を模式的に示す断面図である。 内部の圧力が所定の圧力よりも小さい状態のダンパを模式的に示す断面図である。 内部の圧力が所定の圧力以上の状態のダンパを模式的に示す断面図である。 プリンタのブロック図である。 送液ポンプの動作を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、一実施形態に係るインクジェットプリンタについて説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材、部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。以下の説明では、インクジェットプリンタを正面から見たときに、インクジェットプリンタから遠ざかる方を前方、インクジェットプリンタに近づく方を後方とする。また、図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を表している。ただし、これらは説明の便宜上の方向に過ぎず、インクジェットプリンタの設置態様等を限定するものではない。
図1は、一実施形態に係る大判のインクジェットプリンタ(以下、「プリンタ」とする。)10の正面図である。プリンタ10は、ロール状の記録媒体5を前後方向に移動させるとともに、左右方向に移動するキャリッジ20に搭載されたインクヘッド50からインクを吐出することによって、記録媒体5上に画像を印刷する。
記録媒体5は、画像が印刷される対象物である。記録媒体5は特に限定されない。記録媒体5は、例えば、普通紙やインクジェット用印刷紙等の紙類であってもよいし、樹脂製やガラス製などの透明なシートであってもよい。金属製やゴム製等のシートであってもよい。また、布帛であってもよい。
図1に示すように、プリンタ10は、キャリッジ20と、キャリッジ移動装置30と、搬送装置40と、インクヘッド50と、キャッピング装置90と、制御装置100とを備えている。
キャリッジ移動装置30は、ガイドレール31と、ベルト32と、左右のプーリ33aおよび33bと、キャリッジモータ34とを備えている。ガイドレール31には、キャリッジ20が摺動自在に係合している。ガイドレール31は、左右方向に延びている。ガイドレール31は、キャリッジ20の左右方向への移動をガイドする。ベルト32は、キャリッジ20に固定されている。ベルト32は、無端状のベルトである。ベルト32は、ガイドレール31の右側に設けられたプーリ33aおよび左側に設けられたプーリ33bに巻き掛けられている。右側のプーリ33aにはキャリッジモータ34が取り付けられている。キャリッジモータ34は、制御装置100と電気的に接続されている。キャリッジモータ34は、制御装置100によって制御される。キャリッジモータ34が駆動するとプーリ33aが回転し、ベルト32が走行する。それにより、キャリッジ20がガイドレール31に沿って左右方向に移動する。
キャリッジ20の下方には、プラテン12が配置されている。プラテン12は、左右方向に延びている。プラテン12には記録媒体5が載置される。プラテン12上の記録媒体5は、搬送装置40によって前後方向に移動される。搬送装置40は、ピンチローラ41と、グリットローラ42と、フィードモータ43とを備えている。ピンチローラ41はプラテン12の上方に設けられ、記録媒体5を上から押下する。ピンチローラ41は、キャリッジ20より後方に配置されている。プラテン12には、グリットローラ42が設けられている。グリットローラ42は、ピンチローラ41の下方に配置されている。グリットローラ42は、ピンチローラ41と対向する位置に設けられている。グリットローラ42は、フィードモータ43に連結されている。グリットローラ42は、フィードモータ43の駆動力を受けて回転可能に形成されている。フィードモータ43は、制御装置100と電気的に接続されている。フィードモータ43は、制御装置100によって制御される。ピンチローラ41とグリットローラ42との間に記録媒体5が挟まれた状態でグリットローラ42が回転すると、記録媒体5は前後方向に搬送される。
図2は、キャリッジ20の下面の構成を模式的に示す平面図である。図2に示すように、キャリッジ20の下面には、複数のインクヘッド50が設けられている。インクヘッド50は、インクを吐出する部材である。複数のインクヘッド50は、キャリッジ20において左右方向に並んで配置されている。複数のインクヘッド50の下面には、それぞれ、複数のノズル51が形成されている。ノズル51は、インクが吐出される微細な孔である。インクヘッド50の下面は、それぞれ、複数のノズル51が形成されたノズル面50aを構成している。ノズル面50aにおいて、複数のノズル51は前後方向に並んでノズル列を形成している。ここでは、ノズル列は、1つのインクヘッド50につき2列形成されている。ただし、インクヘッド50およびノズル51の配置は上記したものに限定されるわけではない。
図3は、ノズル51周辺の部分断面図である。図3に示すように、ノズル51の近傍には、ケース52と、振動板53と、アクチュエータ54とが設けられている。ケース52は、中空に形成されている。ケース52は、ここでは、上下に配置された2つの部分に仕切られている。ケース52の上方の部分と下方の部分との間には、開口52aが設けられている。ケース52の開口52aよりも下方の部分は、圧力室52bを構成している。ノズル51は、圧力室52bの下壁を上下方向に貫通している。圧力室52bには、インクが収容されている。インク吐出時には、圧力室52bに収容されているインクがノズル51から吐出される。
振動板53は、開口52aを塞ぐように取り付けられている。振動板53はケース52とともに、圧力室52bを区画している。振動板53は、圧力室52bの内側および外側に弾性変形可能な部材である。振動板53は、圧力室52bの容積を増加および減少させるように変形可能に構成されている。振動板53は、典型的には樹脂フィルムである。
圧力室52bの側壁には、インクが流入するインク流入口52cが形成されている。ただし、インク流入口52cは圧力室52bとつながっていればよく、インク流入口52cの位置は何ら限定されない。圧力室52bには、インク流入口52cを通じてインクが供給される。
振動板53の圧力室52bと反対側の面には、アクチュエータ54が当接している。アクチュエータ54は、振動板53を介して、圧力室52bの体積を増減させるように駆動する。これにより、圧力室52bの体積が変化し、圧力室52bの体積の変化によってノズル51からインクが吐出される。アクチュエータ54は、例えば、圧電材料と導電層とが交互に積層された積層体の圧電素子である。アクチュエータ54は、制御装置100に電気的に接続され、制御装置100によって制御されている。アクチュエータ54は、制御装置100からの駆動信号を受けると膨張または収縮し、振動板53を圧力室52bの外側または内側に弾性変形させる。
図1に示すように、インクはインク供給システムSSによってインクヘッド50に供給される。図4は、インク供給システムSSの構成を示す模式図である。インク供給システムSSは、インクヘッド50にインクを供給するシステムである。ここでは、インク供給システムSSは、ノズル列ごとに設けられている。図4に示すように、インク供給システムSSは、インクカートリッジ60と、インク流路61と、送液ポンプ70と、ダンパ80とを備えている。
インクカートリッジ60は、インクが収容されたインク容器の一例である。1つのインクカートリッジ60には、例えば、プロセスカラーインクおよび特色インクのうちの1つのインクが貯留されている。インクの材料は何ら限定されず、従来からインクジェットプリンタのインクの材料として用いられている各種の材料を使用することができる。上記インクは、例えば、ソルベント系(溶剤系)顔料インクや水性顔料インクであってもよい。あるいは、水性染料インクや、紫外線を受けて硬化する紫外線硬化型顔料インク等であってもよい。
複数のインクカートリッジ60にそれぞれ収容された複数のインクには、比較的粘度の高いインクと、比較的粘度の低いインクとが含まれる場合がある。以下、比較的粘度の高いインクを高粘度インク、比較的粘度の低いインクを低粘度インクと呼ぶ。低粘度インクの粘度は、高粘度インクの粘度よりも小さい。なお、複数のインクカートリッジ60に収容された複数のインクは全て低粘度インクである場合もあり、全て高粘度インクである場合もある。さらには、プリンタ10の使用途中で低粘度インクから高粘度インクへ、または高粘度インクから低粘度インクへとインクが変更される場合もあり得る。
インク流路61は、インクカートリッジ60とインクヘッド50とを接続している。インクは、インク流路61を通ってインクカートリッジ60からインクヘッド50に供給される。インク流路61の材質は限定されないが、例えば、可撓性のチューブによって構成されている。
送液ポンプ70は、インク流路61に設けられている。送液ポンプ70は、駆動時にはインクカートリッジ60からインクヘッド50に向かう方向にインクを送るように構成されている。送液ポンプ70は、ここでは、チューブポンプである。ただし、送液ポンプ70の種類は限定されず、例えば、ダイヤフラムポンプなどであってもよい。送液ポンプ70は、制御装置100に電気的に接続され、制御装置100によって制御されている。図5は、送液ポンプ70の内部を模式的に示す断面図である。図5に示すように、送液ポンプ70は、内部流路71と、一対のローラ72と、アーム73と、モータ74とを備えている。
内部流路71は、可撓性のチューブで構成されている。内部流路71は、インクがその中を通る部材である。内部流路71は、少なくとも一部が円弧状に形成されている。内部流路71の上流側端部71aは、インク流路61のうち送液ポンプ70よりも上流側(インクカートリッジ60側)の部分に接続されている。内部流路71の下流側端部71bは、インク流路61のうち送液ポンプ70よりも下流側(インクヘッド50側)の部分に接続されている。
送液ポンプ70は、一対のローラ72で内部流路71をしごくことによってインクを送出する。一対のローラ72は、内部流路71を押圧する押圧体の一例である。図5に示すように、一対のローラ72は、それぞれアーム73の両端に配置されている。アーム73は、回転軸73aと、一対のローラ72を支持する支持部73bとを有している。アーム73は、一対のローラ72が内部流路71の円弧状の部分に沿って移動するように回転軸73a周りに回転する。アーム73が回転軸73a周りに回転すると、一対のローラ72もアーム73の回転軸73aの周りを公転する。一対のローラ72は、この公転により内部流路71をしごく。それにより、インクが送出される。
モータ74は、アーム73に接続され、アーム73を回転させる。本実施形態では、モータ74は、ステッピングモータである。モータ74は、1つのパルスが入力されると、例えば、1600分の1回転するように構成されている。そこで、モータ74は、100のパルスが入力されると、16分の1回転する。詳しくは後述するが、本実施形態では、制御装置100は、送液ポンプ70を1回の駆動につき16分の1回転の整数倍だけ駆動させる。なお、送液ポンプ70の構成は上記したものには限定されない。例えば、送液ポンプ70は、サーボモータを備えていてもよく、サーボモータからの出力を受信することによって回転位置を把握してもよい。
図5から理解されるように、送液ポンプ70の16分の1回転当たりの送液量は、予め決まっている。送液ポンプ70が16分の1回転だけ駆動されると、内部流路71のうちの16分の360度分に充填されているインクが送液ポンプ70の外部に押し出される。同様に、例えば、送液ポンプ70が8分の1回転だけ駆動されると、内部流路71のうちの8分の360度分に充填されているインクが送液ポンプ70の外部に押し出される。
なお、送液ポンプ70によりインク流路61内を送られるインクの速度は、インクが低粘度インクである場合の方が高粘度インクである場合よりも速い。言い換えれば、低粘度インクは、同一条件の下では高粘度インクよりも時間当たりにインク流路61内を送られる量が大きい。送液ポンプ70の16分の1回転当たりの送液量は一定であるが、送られたインクの速度は、インクの種類によって異なり得る。
ダンパ80は、インク流路61、より詳しくは、送液ポンプ70とインクヘッド50との間に設けられている。ダンパ80は、インクが一時的に貯留される貯留室を備え、インクの圧力変動を緩和している。また、ダンパ80には、貯留室内のインクの量を検出する検出装置が設けられ、制御装置100は、検出装置が検出する貯留室内のインクの量に基づいて送液ポンプ70の動作を制御している。
図6Aおよび図6Bは、ダンパ80の構成を模式的に示した断面図である。そのうち、図6Aは、ダンパ80の内部の圧力が所定の圧力よりも小さい状態を示している。図6Bは、ダンパ80の内部の圧力が所定の圧力以上の状態を示している。図6Aおよび図6Bに示すように、ダンパ80は、ダンパ本体81と、ダンパ膜82と、内部バネ83と、押圧部材84と、支持バネ85と、フィラー86と、センサ87とを備えている。
ダンパ本体81は中空に形成されている。貯留室81aは、ダンパ本体81の内部に構成されている。貯留室81aには、図示しない流入口と流出口とが形成されている。インクは、流入口を通って貯留室81aに流入し、流出口を通って貯留室81aから流出する。貯留室81aには、インクが一時的に貯留される。
ダンパ本体81には、開口81bが形成されている。ダンパ膜82は、開口81bを覆うように設けられている。貯留室81aは、ダンパ本体81とダンパ膜82とによって区画されている。ダンパ膜82は、例えば、可撓性を有する樹脂製のフィルムによって構成されている。ダンパ膜82は、貯留室81a内の圧力に反応して、貯留室81aの内側および外側に変形可能である。ダンパ膜82は、貯留室81aの内側および外側にそれぞれ撓むことができる程度の張力で取り付けられている。
図6Aおよび図6Bに示すように、貯留室81aの内部には、内部バネ83が設けられている。内部バネ83は、ダンパ膜82の貯留室81a側の面に接触している。内部バネ83は、圧縮された状態で貯留室81aに配置されている。内部バネ83は、ダンパ膜82に向かって弾性力を付与している。
押圧部材84は、ダンパ膜82の貯留室81aとは反対側の面に設けられている。押圧部材84は、内部バネ83に支持されており、ダンパ膜82の撓みとともに、貯留室81aの内側および外側に移動可能である。
フィラー86は、ダンパ本体81の外側に配置されている。フィラー86は、支持バネ85を介してダンパ本体81に支持されている。図6Aおよび図6Bに示すように、フィラー86は、略コの字状に形成されている。フィラー86は、接触部86aと、支持部86bと、被検出部86cとを有している。接触部86aは、伸長方向の中心付近で押圧部材84に対向している。支持部86bは、接触部86aの支持バネ85側の端部から、接触部86aに垂直に延びている。被検出部86cは、接触部86aのセンサ87側の端部から、接触部86aに垂直に延びている。接触部86aには、貯留室81a内部の圧力により押圧部材84が接触し、または離間する。支持部86bは、支持バネ85に支持されている。被検出部86cは、センサ87によって検出される部位である。
図6Aおよび図6Bに示すように、センサ87は、一対の検出部87aと87bとを有し、検出部87aと87bとの間にフィラー86の被検出部86cが位置しているかどうかを検出している。センサ87は、ここでは、非接触式のセンサである。図6Aに示すように、貯留室81aの圧力が所定の圧力を下回っているとき、フィラー86の被検出部86cは検出部87aと87bとの間に位置している。このとき、センサ87は、信号を発するように設定されている。図6Bに示すように、貯留室81aの圧力が大きくなるにしたがって、ダンパ膜82が貯留室81aの外側に撓む。このとき、押圧部材84によって、フィラー86が貯留室81aの外側に押される。それにより、フィラー86は、支持バネ85を軸に回転する。そして、貯留室81aの圧力が所定の圧力より大きくなったとき、フィラー86の被検出部86cは、検出部87aと87bとの間から外れた位置に移動する。このとき、センサ87は、信号を停止するように設定されている。センサ87は、制御装置100に接続されている。制御装置100は、センサ87からの信号を受信している。
ダンパ80のダンパ膜82、内部バネ83、押圧部材84、支持バネ85、フィラー86、およびセンサ87は、貯留室81a内のインクの量を検出する検出装置SDとして機能している。検出装置SDは、貯留室81a内のインクの量を検出するとともに、検出されたインクの量が所定の量を下回った場合には信号を送信するように構成されている。検出装置SDは、ここでは、貯留室81a内のインクの圧力が所定の圧力を下回っているかどうかを検出することによって、貯留室81a内のインクの量が所定の量を下回っているかどうかを検出する。
なお、本実施形態では、検出装置SDは、貯留室81a内のインクの量が所定の量を下回った場合に制御装置100に信号を送信するように設定されているが、検出装置SDの信号発信動作はこれと逆動作であってもよい。「検出装置SDは、貯留室81a内のインクの量が所定の量を下回った場合に信号を送信する」とは、貯留室81a内のインクの量が所定の量を上回っている状態と下回っている状態との間で信号発信動作が切り替わることを意味する。また、本実施形態では、検出装置SDは、貯留室81a内の圧力を検出することによって貯留室81a内のインクの量を検出しているが、例えば、インクの液面高さ等を検出してもよい。さらに、本実施形態では、検出装置SDは、貯留室81a内のインクの量が所定の量を上回っているか、下回っているかを検出するように構成されていたが、例えば、インク量を連続的に測定できてもよい。その場合、検出装置SDは、例えば、貯留室81a内のインクの圧力を連続的に測定できる圧力センサを備えていてもよい。
制御装置100は、センサ87から信号を受け取ると、送液ポンプ70を駆動させる。送液ポンプ70の駆動により貯留室81a内の圧力が所定の圧力以上になると、センサ87は、信号を停止する。制御装置100は、センサ87からの信号が途切れると、送液ポンプ70を停止させる。
図1に示すように、キャリッジ20の可動範囲の右端には、ホームポジションP1が設定されている。ホームポジションP1は、印刷待機時などにキャリッジ20が配置される位置である。ホームポジションP1におけるキャリッジ20の下方には、キャッピング装置90が配置されている。図1に示すように、キャッピング装置90は、キャップ91と、キャップ移動装置92と、吸引ポンプ93とを備えている。
キャップ91は、インクヘッド50に装着可能に構成されている。キャップ91は、インクヘッド50と同数設けられている。1つのインクヘッド50には1つのキャップ91が装着される。キャップ91は、上面が開口した容器状の形状を有している。キャップ91は、ゴム等によって形成されている。インクヘッド50への装着時、キャップ91の上縁がインクヘッド50のノズル面50aに密着される。
複数のキャップ91は、1つのキャップ移動装置92によって支持されている。キャップ移動装置92は、複数のキャップ91をインクヘッド50のノズル面50aに装着し、または離間させる。キャップ移動装置92は、キャップ91を下方から支持して上下方向に移動させる。それにより、キャップ91は、インクヘッド50に装着され、また離間される。キャップ移動装置92は、例えば、図示しない駆動モータを備えている。キャップ移動装置92は、制御装置100に電気的に接続され、制御装置100によって制御されている。なお、本実施形態では、キャップ移動装置92は、キャップ91を上下方向に移動させてインクヘッド50に装着したが、例えば、斜めにスライドさせて装着するように構成されていてもよい。
図1に示すように、吸引ポンプ93は、複数のキャップ91に接続されている。吸引ポンプ93は、インクヘッド50に装着されている状態のキャップ91内を減圧する。吸引ポンプ93は、これによりインクヘッド50からインクを吸引する。吸引ポンプ93は、例えば、減圧ポンプである。吸引ポンプ93は、制御装置100に電気的に接続され、制御装置100によって制御されている。
吸引ポンプ93によって時間当たりに吸引されるインクの量は、インクヘッド50の構成とインクの粘度によって決定される。そのため、吸引ポンプ93の駆動によって時間当たりにインクヘッド50から吸引される高粘度インクの量と、吸引ポンプ93の駆動によって時間当たりにインクヘッド50から吸引される低粘度インクの量とは異なる。詳しくは、吸引ポンプ93の駆動によって時間当たりにインクヘッド50から吸引される低粘度インクの量は、吸引ポンプ93の駆動によって時間当たりにインクヘッド50から吸引される高粘度インクの量よりも多い。
図1に示すように、プリンタ10の右端部には、操作パネル200が設けられている。操作パネル200には、機器状態を表示する表示部と、ユーザーによって操作される入力キー等が設けられている。
操作パネル200は、制御装置100と接続されている。図7は、本実施形態に係るプリンタ10のブロック図である。図7に示すように、制御装置100は、キャリッジモータ34と、フィードモータ43と、インクヘッド50のアクチュエータ54と、送液ポンプ70のモータ74と、キャップ移動装置92と、吸引ポンプ93と、操作パネル200とにそれぞれ電気的に接続されており、それらを制御可能に構成されている。また、制御装置100は、検出装置SDのセンサ87に電気的に接続され、検出装置SDのセンサ87からの信号を受信している。
制御装置100の構成は特に限定されない。制御装置100は、例えばマイクロコンピュータである。マイクロコンピュータのハードウェア構成は特に限定されないが、例えば、ホストコンピュータ等の外部機器から印刷データ等を受信するインターフェイス(I/F)と、制御プログラムの命令を実行する中央演算処理装置(CPU:central processing unit)と、CPUが実行するプログラムを格納したROM(read only memory)と、プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるRAM(random access memory)と、上記プログラムや各種データを格納するメモリ等の記憶装置とを備えている。なお、制御装置100は必ずしもプリンタ10の内部に設けられている必要はなく、例えば、プリンタ10の外部に設置され、有線または無線を介してプリンタ10と通信可能に接続されたコンピュータ等であってもよい。
図7に示すように、制御装置100は、印刷制御部110と、キャッピング制御部120と、減圧制御部130と、インク登録部140と、供給制御部150と、を備えている。インク登録部140には、複数のインク供給システムSSのうちの1つのインク供給システムSSのインクカートリッジ60に収容されたインクの種類が登録されている。制御装置100は、他のインク供給システムSSのインクカートリッジ60に収容されたインクの種類が登録される他のインク登録部を備えていてもよいが、ここでは図示および説明を省略する。また、供給制御部150は、複数のインク供給システムSSのうちの1つのインク供給システムSSの動作を制御している。制御装置100は、他のインク供給システムSSの動作を制御する他の供給制御部を備えていてもよいが、ここでは図示および説明を省略する。さらに、制御装置100は、上記した以外の処理部を備えていてもよいが、ここでは図示および説明を省略する。
印刷制御部110は、プリンタ10の印刷動作を制御する。印刷制御部110は、キャリッジモータ34を駆動させてキャリッジ20を左右方向に移動させながら、インクヘッド50からインクを吐出させることにより、記録媒体5の一部に画像を印刷する。印刷制御部110は、さらに、フィードモータ43を駆動させて記録媒体5を前後方向に移動させることによって記録媒体5上の印刷位置を移動させる。これらの動作により、記録媒体5上に画像が印刷される。
キャッピング制御部120は、キャップ移動装置92を制御してキャップ91をインクヘッド50に装着する。非印刷時にキャリッジ20がホームポジションP1に位置付けられたときには、キャッピング制御部120は、基本的にキャップ91をインクヘッド50に装着するように設定されている。
減圧制御部130は、キャップ91がインクヘッド50に装着された状態で吸引ポンプ93を制御してキャップ91内を減圧させる。かかるインク吸引は、定期的に、または適時に行われる。
インク登録部140には、インクカートリッジ60に収容されるインクの種類が登録されている。図7に示すように、インク登録部140は、入力部141と、登録部142とを備えている。入力部141は、例えば操作パネル200やプリンタ10に接続された外部コンピュータの表示装置などに、ユーザーがインクの種類を入力する画面を表示させる。ただし、入力部141では、例えばインクカートリッジ60に表示された識別記号をプリンタ10が読み込むことなどによって、インクの種類が自動判別されてもよい。登録部142には、入力部141に入力されたインクの種類が登録される。
供給制御部150は、インクヘッド50へのインクの供給を制御している。図7に示すように、供給制御部150は、受信部151と、第1送液制御部152と、第1送液量記憶部153と、第2送液制御部154と、第2送液量記憶部155とを備えている。
受信部151は、検出装置SDが発信する信号を受信するように構成されている。受信部151は、ダンパ80の貯留室81a内のインクの圧力が所定値を下回ったときに信号を受信する。
第1送液制御部152は、吸引ポンプ93によるインク吸引中におけるインクの供給動作を制御する。第1送液制御部152は、減圧制御部130が吸引ポンプ93にキャップ91内を減圧させているときに受信部151が検出装置SDからの信号を受信すると、送液ポンプ70を制御してインクを送らせるように設定されている。第1送液制御部152は、センサ87からの信号が途切れた場合には、送液ポンプ70を停止させる。これにより、第1送液制御部152は、インクヘッド50から吸引された量に対応する量のインクをインクヘッド50に供給している。
第2送液制御部154は、画像の印刷中におけるインクの供給動作を制御する。第2送液制御部154は、印刷中にインクヘッド50がインクを吐出することによって受信部151が検出装置SDからの信号を受信すると、送液ポンプ70を制御してインクを送らせるように設定されている。
第1送液量記憶部153には、インクカートリッジ60に収容されるインクの種類に対応した複数の送液量が記憶されている。複数の送液量が何種類の送液量であるかは限定されないが、ここでは、第1送液量記憶部153には、高粘度インクに対応した第1送液量Q1と、低粘度インクに対応した第2送液量Q2とが記憶されている。ただし、第1送液量記憶部153には、これら以外の種類のインクに対応した他の送液量が記憶されていてもよい。第1送液量Q1および第2送液量Q2は特に限定されないが、本実施形態では、第1送液量Q1は送液ポンプ70の16分の1回転に相当する送液量である。第2送液量Q2は送液ポンプ70の8分の1回転に相当する送液量である。第2送液量Q2は、第1送液量Q1よりも大きく設定されている。
本実施形態では、第1送液量記憶部153は、第1送液量Q1および第2送液量Q2にそれぞれ対応するローラ72の複数の回転角を記憶している。以下では、第1送液量Q1および第2送液量Q2に対応するローラ72の複数の回転角を、それぞれ第1回転角および第2回転角とも呼ぶ。上記したように、第1送液量Q1に対応する第1回転角は、ここでは、1回転の16分の1である。第2送液量Q2に対応する第2回転角は、ここでは、1回転の8分の1である。このように、第1送液量記憶部153に送液量として記憶されている物理量は、インクの送液量と等価な他の物理量であってもよい。ここでの「送液ポンプ70の送液量」は、送液ポンプ70の送液量(体積または重さ)と等価計算可能な他の物理量を含むものである。
第1送液制御部152は、第1送液量記憶部153に記憶された複数の送液量(ここでは、第1送液量Q1および第2送液量Q2)の中からインク登録部140に登録されたインクの種類に対応した送液量を選択し、1回につき上記選択された送液量だけ送液ポンプ70にインクを送らせるように設定されている。従って、インク登録部140に登録されたインクの種類が高粘度インクである場合には、第1送液制御部152は、1回につき第1送液量Q1(16分の1回転相当)だけ送液ポンプ70にインクを送らせる。インク登録部140に登録されたインクの種類が低粘度インクである場合には、第1送液制御部152は、1回につき第2送液量Q2(8分の1回転相当)だけ送液ポンプ70にインクを送らせる。
より具体的には、第1送液制御部152は、第1送液量記憶部153に記憶された複数の回転角の中からインク登録部140に登録されたインクの種類に対応した回転角を選択するとともに、送液ポンプ70のモータ74を制御して、1回につき上記選択された回転角だけアーム73を回転させる。
第2送液量記憶部155には、予め定められた1つの印刷時送液量Q3が記憶されている。第2送液制御部154は、1回につき、印刷時送液量Q3だけ送液ポンプ70にインクを送らせるように設定されている。言い換えれば、インク吸引時とは異なり、印刷時には、インクの種類によらず1つの送液量が設定されている。本実施形態では、印刷時送液量Q3は、送液ポンプ70の16分の1回転に相当する量である。印刷時送液量Q3は、第1送液量記憶部153に記憶された複数の送液量のうち最も小さい送液量(ここでは、第1送液量Q1)以下に設定される。本実施形態では、印刷時送液量Q3は第1送液量Q1と同じに設定されている。
なお、第2送液量記憶部155においてもインクの種類に応じた複数の送液量が記憶され、第2送液制御部154は、使用するインクの種類に対応した送液量を選択してもよい。
以下では、第1送液量Q1および第2送液量Q2の設定方法について説明する。なお、本実施形態では、第1送液量Q1および第2送液量Q2はプリンタ10の設計時に決定され、プリンタ10の製造時に設定される。ただし、プリンタは、第1送液量記憶部153に記憶された送液量をユーザーが変更できるようになっていてはならないわけではない。
本実施形態では、送液ポンプ70の1回の駆動による回転角は、1回転を予め定められた自然数M(ここでは、M=16)で等分した単位回転角(ここでは、16分の360度)の自然数N倍に設定されている。Nは、ここでは、M以下の自然数である。ただし、Nの方がMよりも大きくてもよい。すなわち、送液ポンプ70の1回の駆動による回転角は、1回転よりも大きく設定されてもよい。本実施形態では、高粘度インクに対応する回転角の場合、Nは「1」である。低粘度インクに対応する回転角の場合、Nは「2」である。以下の高粘度インクおよび低粘度インクに対応するNの設定方法の説明においては、高粘度インクに対応するNをN1と称し、低粘度インクに対応するNをN2と称することとする。なお、ここではMは16であるが、送液ポンプが実現可能な限りで大きくしてもよいし、小さくしてもよい。Mは1でもよい。
なお、以下ではさらに、M/N1を第1分割数H1と、M/N2を第2分割数H2と呼ぶことにする。本実施形態の場合、第1分割数H1は、「16」である。第2分割数H2は、「8」である。第1分割数H1は、インクが高粘度インクの場合に送液ポンプ70を1回駆動させたときの回転角と1回転(360度)との比に等しい。第2分割数H2は、インクが低粘度インクの場合に送液ポンプ70を1回駆動させたときの回転角と1回転との比に等しい。なお、第1分割数H1および第2分割数H2は、必ずしも自然数となる必要はない。例えば、仮にN1=3であった場合、H1=16/3である。また、第1分割数H1および第2分割数H2は、1以上でなければならないわけではない。
上記から理解されるように、第1送液量記憶部153に記憶されている高粘度インクに対応した第1回転角は、1回転を第1分割数H1で除した回転角である。第1送液量記憶部153に記憶されている低粘度インクに対応した第2回転角は、1回転を第2分割数H2で除した回転角である。
第1分割数H1は、以下の方法により算出される。
第1分割数H1を算出する前提として、以下では、アーム73を連続回転させる場合の時間当たりの送液ポンプ70の送液量をAとする。送液量Aの単位は、例えば、[ml/s]である。送液量Aは、連続運転させる場合の送液ポンプ70の送液能力である。また、モータ74の1回の加減速に係る時間当たりの送液ポンプ70の送液量の低下量をBとする。低下量Bの単位も、例えば、[ml/s]である。さらに、低下量Bに第1分割数H1を乗じた量をC1とする。C1の単位も、例えば、[ml/s]である。例えば、1秒間に送液ポンプ70が2回転するとした場合、Aは送液ポンプ70の2回転相当分である。仮にBがAの2%であった場合、Bは送液ポンプ70の25分の1回転相当(2%×2回転=4%)である。ここで、第1分割数H1が16であるとすると、C1は、送液ポンプ70の25分の16回転相当である。
このように、送液ポンプ70の間欠的な駆動によるインク送りでは、送液ポンプ70を駆動および停止するたびに送液に係るロスが発生する。これは、送液ポンプ70のモータ74が駆動を開始して加速しているとき、およびモータ74が減速して停止するときのモータ74の速度が定常駆動時よりも遅いことに起因する。
上記から、インクが高粘度インクの場合の時間当たりの送液ポンプ70の送液量Q11は、Q11=A-C1となる。上記した数値例の場合、送液量Q11は、送液ポンプ70の25分の34回転(2回転―16/25回転)相当である。送液量Q11は、第1送液量Q1を時間当たりに換算した送液量である。
同様に、インクが低粘度インクの場合の時間当たりの送液ポンプ70の送液量Q12は、C2=B×H2として、Q12=A-C2となる。高粘度インクの場合の時間当たり送液量Q11に使用した数値例に当てはめると(ただし、第2分割数H2=8)、低粘度インクの場合の時間当たり送液量Q2は、送液ポンプ70の25分の42回転(2回転―8/25回転)相当である。
上記したアーム73を連続回転させる場合の時間当たりの送液ポンプ70の送液量A、モータ74の1回の加減速に係る時間当たりの送液ポンプ70の送液量の低下量Bは、例えば実測により求められる。ただし、送液量Aおよび送液量の低下量Bの求め方は実測には限定されない。例えば、送液量Aおよび送液量の低下量Bは、送液ポンプ70の仕様から求められてもよい。なお、送液量の低下量Bは、モータ74の1回の加速に係る時間当たりの送液ポンプ70の送液量の低下量と、モータ74の1回の減速に係る時間当たりの送液ポンプ70の送液量の低下量とを加算したものである。
さらに、第1分割数H1を算出する他の前提として、吸引ポンプ93の駆動によって時間当たりにインクヘッド50から吸引される高粘度インクの量をD1とする。同様に、第2分割数H2を算出する他の前提として、吸引ポンプ93の駆動によって時間当たりにインクヘッド50から吸引される低粘度インクの量をD2とする。前述したように、吸引ポンプ93の駆動によって時間当たりにインクヘッド50から吸引されるインクの量は、インクヘッド50の構成とインクの粘度によって決定される。そのため、吸引ポンプ93の駆動によって時間当たりにインクヘッド50から吸引される高粘度インクの量D1と、吸引ポンプ93の駆動によって時間当たりにインクヘッド50から吸引される低粘度インクの量D2とは異なる。詳しくは、吸引ポンプ93の駆動によって時間当たりにインクヘッド50から吸引される低粘度インクの量D2は、吸引ポンプ93の駆動によって時間当たりにインクヘッド50から吸引される高粘度インクの量D1よりも多い。
高粘度インクの吸引量D1および低粘度インクの吸引量D2も、例えば実測により求められる。ただし、吸引量D1およびD2の求め方は実測に限定されるわけではない。なお、高粘度インクに関して、吸引量D1は、インクヘッド50の直上のインク流量に等しい。また、吸引量D1は、吸引ポンプ93の時間当たりの吸引能力から、インクヘッド50の流路抵抗によるインク流量の低下量を減じた流量に等しい。インクヘッド50の流路抵抗によるインク流量の低下量は、インクヘッド50の構成とインクの粘度とによって定まる。低粘度インクの場合の吸引量D2も同様である。
第1分割数H1は、上記のデータに基づいて下記の不等式
Q11(=A-C1)>D1
を満たすように定められる。上記不等式が成立する場合、加減速による低下量C1を差し引いた時間当たりの送液ポンプ70の送液量Q11は、吸引ポンプ93の駆動によって時間当たりにインクヘッド50から吸引されるインクの量D1を上回る。これにより、インクの時間当たりの供給能力(供給速度)が吸引による時間当たりのインクの排出量(排出速度)を上回り、ダンパ80へのインクの供給不足を抑制できる。
インクの時間当たりの供給能力が吸引による時間当たりのインク排出量を下回り、ダンパ80へのインクの供給不足が発生すると、例えば、ノズル51内が過剰な負圧になり、インクのメニスカスが壊れる等の不具合が発生するおそれがある。
第2分割数H2も、予め取得しておいたデータに基づいて下記の不等式
Q12(=A-C2)>D2
を満たすように定められる。
上記した計算では、第1分割数H1および第2分割数H2が採り得る最大値が算出される。第1分割数H1および第2分割数H2が算出された最大値よりも大きい場合には、送液ポンプ70の停止によるロスが大き過ぎ、ダンパ80へのインクの供給不足が発生するおそれがある。しかし、第1分割数H1および第2分割数H2が算出された最大値よりも小さければ送液ポンプ70によるインク送りが好適に行われるとは限らない。第1分割数H1および第2分割数H2は、それぞれ、不等式Q11>D1および不等式Q12>D2を満たす分割数のうち最大値、またはその近傍に設定されることが好ましい。分割数を小さく設定すれば、送液ポンプ70が1回の駆動で送るインクの量が多くなり、インクの供給不足のおそれは低減される。しかし、送液ポンプ70が1回の駆動で送るインクの量を多くすると、必要な供給量に対する実際の供給量の精度が悪くなる。その結果、インク圧の変動が大きくなるおそれが高まる。従って、本実施形態では、第1分割数H1および第2分割数H2は、それぞれ、不等式Q11>D1および不等式Q12>D2を満たす分割数のうち最大値、またはその近傍に設定される。
本実施形態では、第1分割数H1は、H1=M/N1(ここでは、M=16)で表され、不連続な値しか取ることができない。そこで、第1分割数H1の設定は、具体的には、自然数N1を不等式Q11>D1を満たす自然数の中で最も小さい自然数に設定することにより行われる。これにより、第1分割数H1は、取ることが可能な不連続な値の中で最も大きい値に設定される。同様に、自然数N2は、不等式Q12>D2を満たす自然数の中で最も小さい自然数に設定される。
下記に、N1=1(H1=16)、N2=2(H2=8)の場合の送液ポンプ70の動作を説明する。なお、前述したように、印刷時送液量Q3は、送液ポンプ70の16分の1回転相当に設定されている。また、インク吸引中でも印刷中でもない場合は説明を省略するが、送液ポンプ70は、その場合も、インク吸引中または印刷中と同様に動作するとよい。インク吸引中でも印刷中でもない場合とは、例えば、印刷待機中やフラッシング中である。
図8は、送液ポンプ70の動作を示すフローチャートである。図8に示すように、送液ポンプ70の動作に係るステップS01Aでは、インク吸引中であるかどうかが判定される。ステップS01Aの結果がNOの場合(インク吸引中ではない場合)、ステップS01Bにおいて印刷中かどうかが判定される。ステップS01Bの結果がNOの場合(印刷中ではない場合)、プリンタ10がどのようなステータスなのか判定するステップが継続されるが、前述したように、これについては図示および説明を省略する。
ステップS01Aの結果がYESの場合(インク吸引中の場合)、ステップS02においてインクが高粘度インクであるかどうかが判定される。ステップS02の結果がYESの場合(インクが高粘度インクの場合)、ステップS03Aにおいて受信部151が検出装置SDからの信号を受信しているかどうかが判定される。ステップS03Aの結果がNOの場合(受信部151が信号を受信していない場合)、ダンパ80内のインク量は所定量以上であると判定され、送液ポンプ70は駆動されない。この場合、プロセスはSTARTに戻り、同様のステップが繰り返される。
ステップS03Aの結果がYESの場合(受信部151が信号を受信している場合)、ステップS04Aにおいて送液ポンプ70が16分の1回転だけ駆動される。これにより、第1送液量Q1の高粘度インクが送出される。ステップS04Aが終了すると、プロセスはSTARTに戻り、同様のステップが繰り返される。
ステップS02の結果がNOの場合(インクが低粘度インクの場合)、ステップS03Bにおいて受信部151が検出装置SDからの信号を受信しているかどうかが判定される。ステップS03Bの結果がNOの場合(受信部151が信号を受信していない場合)、ダンパ80内のインク量は所定量以上であると判定され、送液ポンプ70は駆動されない。この場合、プロセスはSTARTに戻り、同様のステップが繰り返される。ステップS03Bの結果がYESの場合(受信部151が信号を受信している場合)、ステップS04Bにおいて送液ポンプ70が8分の1回転だけ駆動される。これにより、第2送液量Q2の低粘度インクが送出される。ステップS04Bが終了すると、プロセスはSTARTに戻り、同様のステップが繰り返される。
ステップS01Bの結果がYESの場合(印刷中の場合)、インクが高粘度インクであるか低粘度インクであるかの判定は行われない。印刷時にインクを消費する量は、インク吸引によってインクヘッド50から排出されるインク量に対して小さい。そのため、インクが低粘度インクであっても、インクが供給不足となるおそれは小さい。そこで、印刷中の場合は、インクが高粘度インクであるか低粘度インクであるかの判定は行われない。
ステップS01Bに続いては、ステップS03Cにおいて、受信部151が検出装置SDからの信号を受信しているかどうかが判定される。ステップS03Cの結果がNOの場合(受信部151が信号を受信していない場合)、ダンパ80内のインク量は所定量以上であると判定され、送液ポンプ70は駆動されない。この場合、プロセスはSTARTに戻り、同様のステップが繰り返される。ステップS03Cの結果がYESの場合(受信部151が信号を受信している場合)、ステップS04Cにおいて送液ポンプ70が16分の1回転だけ駆動される。これにより、印刷時送液量Q3のインクが送出される。印刷時送液量Q3は比較的小さく(ここでは、送液ポンプ70の16分の1回転相当の量に)設定されているため、印刷中におけるインク圧の変動が抑制される。ステップS04Cが終了すると、プロセスはSTARTに戻り、同様のステップが繰り返される。
なお、上記した例では、インク吸引の際には高粘度インクと低粘度インクとの間で送液ポンプ70の1回の送液量に差異が生まれたが、これは結果に過ぎない。上記に説明したのと同様の計算を行った結果、インク吸引の際にも、高粘度インクと低粘度インクとの間で送液ポンプ70の1回の送液量に差異が生まれない場合もあり得る。言い換えれば、上記実施形態において、低粘度インクに対応する第2送液量Q2は、高粘度インクに対応する第1送液量Q1以上ではあるが、必ずしも第1送液量Q1よりも大きいとは限らない。
このように、本実施形態に係るプリンタ10は、高粘度インクに対応した第1送液量Q1と低粘度インクに対応した第2送液量Q2とを少なくとも記憶しており、第2送液量Q2は第1送液量Q1以上に設定されている。かかるプリンタ10によれば、中間容器としてのダンパ80へのインク供給において、インクの種類に関わらず、インクの供給不足とインク圧の変動とをともに抑制することができる。逆に言うと、かかる構成を採らない場合には、インクの種類によっては、インクの供給不足およびインク圧の変動のいずれかが発生するおそれがある。
本実施形態に係るプリンタ10は、吸引ポンプ93がキャップ91内を減圧しているときに、記憶された複数の送液量のうちからインクの種類に対応した1つの送液量を選択するように設定されている。吸引ポンプ93がキャップ91内を減圧しているときにはインクが排出される速度が速いため、低粘度インクではインクの供給不足が発生しやすい。しかし、インクの供給不足を防止するために、低粘度インクに合わせて送液ポンプ70の1回の送液量を大きくすると、高粘度インクでインク圧の変動が起こりやすい。すなわち、従来の構成では、インクの種類によっては、インク吸引中にインクの供給不足およびインク圧の変動のいずれかが起こりやすい。本実施形態に係るプリンタ10は、特にこのインク吸引中の不具合を抑制している。
本実施形態に係るプリンタ10は、印刷時のインク供給では、1回につき、予め定められた1つの印刷時送液量Q3だけインクを送るように設定されている。印刷時にインクを消費する量は、インク吸引によってインクヘッド50から排出されるインク量に対して小さい。そこで、印刷中には、インクの種類にかかわらず、インクが供給不足となるおそれは小さい。そのため、本実施形態では、印刷中のインク供給においては送液ポンプ70の1回の送液量を一定量とし、制御を簡素化している。
さらに、本実施形態では、印刷時送液量Q3は、第1送液量記憶部153に記憶された複数の送液量のうち最も小さい送液量(ここでは、第1送液量Q1)以下に設定されている。これにより、印刷時のインク供給におけるインク圧の変動を抑制している。
本実施形態に係るプリンタ10では、インクの種類ごとに、少なくとも送液ポンプ70の送液能力がインク排出速度を上回るように、送液ポンプ70に係る分割数(ここでは、第1分割数H1および第1分割数H2)が設定されている。そのため、いずれの種類のインクでも、インクの供給不足が起きにくい。
なお、本実施形態では、送液ポンプ70に係る分割数の算出に用いられるインクの排出速度は、インク吸引時におけるインクの排出速度D1であったが、これには限定されない。例えば、印刷時においても送液ポンプ70に係る好適な分割数の算出はされてもよく、かかる算出をしておいた方がより好ましい。印刷時における分割数の算出では、用いられるインクの排出速度は、印刷時におけるインクの排出速度である。フラッシング等の場合も同様である。
さらに、本実施形態に係るプリンタ10では、送液ポンプ70に係る分割数H1およびH2は、送液ポンプ70の送液能力がインク吸引によるインクの排出速度を上回るという条件を満たす中で最も大きい分割数(より正確には、分割数は不連続な値しか取れないため、不連続な値の中での最大値)が設定されている。そのため、いずれの種類のインクでも、インク吸引中のインク圧の変動が起きにくい。
以上、好適な一実施形態について説明した。しかし、上記の実施形態は例示に過ぎず、ここに開示する技術は他の種々の形態で実施することができる。
例えば、上記実施形態では、同一条件下で時間当たりに送られる量が大きいインクと小さいインクとは、その粘度によって区別されたが、それには限定されない。粘度の大小は、同一条件下で時間当たりに送られるインク量の大小を代理する指標の1つに過ぎない。よって、例えば、粘度の大小と時間当たりに送られるインク量の大小とが逆の関係となった場合には、時間当たりに送られるインク量の大小に基づいて送液量を設定してもよい。
上記実施形態では、インクは高粘度インクと低粘度インクとに大別されたが、例えば、インクの色ごとに区別されてもよい。区別されたインクに対しては、それぞれ個別に設定されたインク送液量が記憶される。ただし、設定されたインク送液量は、結果として一部または全部が同じであってもよい。
インクの種類による送液ポンプの送液量の設定方法は、上記した方法に限定されない。例えば、インクの種類による送液ポンプの送液量は、計算によらず、実際に不具合がないかどうかを確認する方法などによって定められてもよい。
上記実施形態では、インク吸引中と印刷中とで送液ポンプ70の動作フローが異なったが、同じでもよい。送液ポンプが複数の動作フローで動作する場合も、動作フローを選択する条件は、インク吸引中か印刷中かでなくてもよい。例えば、インク吸引にも高速モードや通常モードなどが設定されていてもよく、インクの種類ごとに送液ポンプ70の送液量を設定する制御は、高速モードでだけ行われてもよい。送液ポンプ70の動作フローを区別する条件は限定されない。
上記実施形態では、インクの供給不足とインク圧の変動とをともに抑制するために、高粘度インクに対応した第1送液量Q1と、低粘度インクに対応した第2送液量Q2とが記憶された。しかし、プリンタは、インクカートリッジに収容されるインクの種類に対応した複数の送液量が記憶され、記憶された複数の送液量の中からインクの種類に対応した送液量が選択され、1回につき上記選択された送液量だけ送液ポンプがインクを送るように構成されていればよく、そのように構成する目的は、インクの供給不足およびインク圧の変動の防止には限定されない。インクの供給不足およびインク圧の変動の抑制は、インクの種類に応じて好適な量のインクを供給するという目的の中の1つの例示に過ぎない。
本実施形態では、送液ポンプ70はチューブポンプであったが、チューブポンプには限定されない。送液ポンプは、例えば、ダイヤフラムポンプやシリンジポンプ等であってもよい。送液ポンプの種類は、特に限定されない。
インク供給システムの構成は、上記したものに限定されない。インク供給システムには、適宜他の部材、例えば、バルブや循環流路などが追加されてもよく、一部の部材が削除されてもよい。
その他、インクジェットプリンタの構成については、特に言及がない限りにおいて限定されない。例えば、ここに開示する技術は、フラットベッドタイプのインクジェットプリンタなどに対しても利用できる。また、例えば、カッティングヘッド付きインクジェットプリンタなどのように、その一部にインクジェットプリンタが組み込まれた装置にも利用できる。
10 プリンタ
50 インクヘッド
60 インクカートリッジ(インク容器)
61 インク流路
70 送液ポンプ
71 内部流路
72 ローラ(押圧体)
73 アーム(支持部材)
74 モータ(駆動部)
80 ダンパ(中間容器)
87 センサ
90 キャッピング装置
91 キャップ
92 キャップ移動装置
93 吸引ポンプ(減圧装置)
100 制御装置
110 印刷制御部
120 キャッピング制御部
130 減圧制御部
140 インク登録部
150 供給制御部
151 受信部
152 第1送液制御部
153 第1送液量記憶部
154 第2送液制御部
155 第2送液量記憶部
SD 検出装置
SS インク供給システム

Claims (8)

  1. インクが収容されたインク容器と、
    インクを吐出するインクヘッドと、
    前記インク容器と前記インクヘッドとを接続するインク流路と、
    前記インク流路に設けられ、駆動時には前記インク容器から前記インクヘッドに向かう方向にインクを送る送液ポンプと、
    インクが一時的に貯留される貯留室を備え、前記インク流路に設けられた中間容器と、
    前記貯留室内のインクの量を検出するとともに、検出されたインクの量が所定量を下回った場合には信号を送信するように構成された検出装置と、
    前記インクヘッド、前記送液ポンプ、および前記検出装置に接続された制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記検出装置が発信する信号を受信する受信部と、
    前記受信部が前記信号を受信すると、前記送液ポンプを制御してインクを送らせる第1送液制御部と、
    前記インク容器に収容されるインクの種類が登録されるインク登録部と、
    前記インク容器に収容されるインクの種類に対応した前記送液ポンプの複数の駆動量が記憶された第1送液量記憶部と、
    を備え、
    前記第1送液制御部は、前記第1送液量記憶部に記憶された前記複数の駆動量の中から前記インク登録部に登録されたインクの種類に対応した駆動量を選択し、前記検出装置からの前記信号の受信1回につき前記選択された駆動量だけ前記送液ポンプを駆動させるように設定され、
    前記第1送液量記憶部は、第1インクに対応した第1駆動量前記第1インクよりも粘度が小さい第2インクに対応した第2駆動量とを少なくとも記憶しており、
    前記第2駆動量は、前記第1駆動量以上である、
    インクジェットプリンタ。
  2. 前記送液ポンプは、
    少なくとも一部が円弧状に形成されるとともにインクが通る可撓性の内部流路と、
    前記内部流路を押圧する押圧体と、
    回転軸と前記押圧体を支持する支持部とを有し、前記押圧体が前記内部流路の円弧状の部分に沿って移動するように前記回転軸周りに回転する支持部材と、
    前記支持部材を回転させる駆動部と、
    を備えたチューブポンプであり、
    前記第1送液量記憶部は、前記複数の駆動量にそれぞれ対応する前記押圧体の複数の回転角を記憶し、
    前記第1送液制御部は、前記第1送液量記憶部に記憶された前記複数の回転角の中から前記インク登録部に登録されたインクの種類に対応した回転角を選択するとともに、前記駆動部を制御して、前記検出装置からの前記信号の受信1回につき前記選択された回転角だけ前記支持部材を回転させるように設定されており、
    前記第1送液量記憶部に記憶された前記第1インクに対応した回転角は、1回転を数H1で除した回転角であり、
    前記第1送液量記憶部に記憶された前記第2インクに対応した回転角は、1回転を数H2で除した回転角であり、
    H1は、
    前記支持部材を連続回転させる場合の時間当たりの前記送液ポンプの駆動量をAとし、
    前記駆動部の1回の加減速に係る時間当たりの前記送液ポンプの駆動量の低下量BにH1を乗じた量をC1とし、
    時間当たりに前記インクヘッドから排出される前記第1インクの量をD1とするとき、
    A-C1>D1を満たすように定められ、
    H2は、
    BにH2を乗じた量をC2とし、
    時間当たりに前記インクヘッドから排出される前記第2インクの量をD2とするとき、
    A-C2>D2を満たすように定められている、
    請求項1記載のインクジェットプリンタ。
  3. 前記第1インクに対応した回転角は、1回転を予め定められた自然数Mで等分した単位回転角の自然数N1倍に設定されており、
    H1は、M/N1で表され、
    N1は、A-C1>D1を満たす自然数の中で最も小さい自然数に設定されている、
    請求項に記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記インクヘッドに装着可能に構成されたキャップと、
    前記キャップを前記インクヘッドに装着し、または離間させるキャップ移動装置と、
    前記インクヘッドに装着された状態の前記キャップ内を減圧する減圧装置と、
    をさらに備え、
    前記制御装置は、
    前記キャップ移動装置を制御して前記キャップを前記インクヘッドに装着するキャッピング制御部と、
    前記キャップが前記インクヘッドに装着された状態で前記減圧装置を制御して前記キャップ内を減圧させる減圧制御部と、
    を備え、
    D1は、前記減圧装置の駆動によって時間当たりに前記インクヘッドから吸引される前記第1インクの量であり、
    D2は、前記減圧装置の駆動によって時間当たりに前記インクヘッドから吸引される前記第2インクの量である、
    請求項またはに記載のインクジェットプリンタ。
  5. インクが収容されたインク容器と、
    インクを吐出するインクヘッドと、
    前記インク容器と前記インクヘッドとを接続するインク流路と、
    前記インク流路に設けられ、駆動時には前記インク容器から前記インクヘッドに向かう方向にインクを送る送液ポンプと、
    インクが一時的に貯留される貯留室を備え、前記インク流路に設けられた中間容器と、
    前記貯留室内のインクの量を検出するとともに、検出されたインクの量が所定量を下回った場合には信号を送信するように構成された検出装置と、
    前記インクヘッドに装着可能に構成されたキャップと、
    前記キャップを前記インクヘッドに装着し、または離間させるキャップ移動装置と、
    前記インクヘッドに装着された状態の前記キャップ内を減圧する減圧装置と、
    前記インクヘッド、前記送液ポンプ、前記検出装置、前記キャップ移動装置、および、前記減圧装置に接続された制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記検出装置が発信する信号を受信する受信部と、
    前記受信部が前記信号を受信すると、前記送液ポンプを制御してインクを送らせる第1送液制御部と、
    前記インク容器に収容されるインクの種類が登録されるインク登録部と、
    前記インク容器に収容されるインクの種類に対応した前記送液ポンプの複数の駆動量が記憶された第1送液量記憶部と、
    前記キャップ移動装置を制御して前記キャップを前記インクヘッドに装着するキャッピング制御部と、
    前記キャップが前記インクヘッドに装着された状態で前記減圧装置を制御して前記キャップ内を減圧させる減圧制御部と、
    を備え、
    前記第1送液制御部は、前記減圧制御部が前記減圧装置に前記キャップ内を減圧させているときに前記送液ポンプを制御してインクを送らせるように設定されており、前記第1送液量記憶部に記憶された前記複数の駆動量の中から前記インク登録部に登録されたインクの種類に対応した駆動量を選択し、前記検出装置からの前記信号の受信1回につき前記選択された駆動量だけ前記送液ポンプを駆動させるように設定されている、
    インクジェットプリンタ。
  6. 前記制御装置は、
    印刷中に前記インクヘッドがインクを吐出することによって前記受信部が前記信号を受信すると、前記送液ポンプを制御してインクを送らせる第2送液制御部と、
    前記送液ポンプの駆動量に関して、予め定められた1つの印刷時駆動量が記憶された第2送液量記憶部と、を備え、
    前記第2送液制御部は、前記検出装置からの前記信号の受信1回につき、前記印刷時駆動量だけ前記送液ポンプを駆動させるように設定されている、
    請求項に記載のインクジェットプリンタ。
  7. 前記印刷時駆動量は、前記第1送液量記憶部に記憶された前記複数の駆動量のうち最も小さい駆動量以下に設定されている、
    請求項に記載のインクジェットプリンタ。
  8. 前記第1送液量記憶部は、第1インクに対応した第1駆動量前記第1インクよりも粘度が小さい第2インクに対応した第2駆動量とを少なくとも記憶しており、
    前記第2駆動量は、前記第1駆動量以上である、
    請求項のいずれか一つに記載のインクジェットプリンタ。
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