JP7388543B2 - 無線通信システム、基地局制御装置、避難誘導方法及び基地局制御プログラム - Google Patents

無線通信システム、基地局制御装置、避難誘導方法及び基地局制御プログラム Download PDF

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Description

本開示は、通信制御方式及び非通信機器制御方式に関する。
火災や津波、土砂災害、洪水等の災害時に、災害情報や避難場所への避難ルートを周囲の人々に報知し、人々を安全に避難場所へ誘導する避難誘導システムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載のシステムは、避難する人を誤った方向へ誘導することを抑制することができる。また誘導灯の一面に設けられた方向表示部だけでなく、道路を進行する人にとって見え易い誘導灯の側方に側方発光部を設けたことにより、避難する人に誘導方向を効果的に視認させることができる。
一方で、RF(Radio Frequency)通信の接続/認証情報自体を送信するのではなく、これらに対応したデータ量の小さい光ID(Identifier)を送信する光無線通信技術が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。光送信器は、上記の光IDを人間が知覚できない条件の色/明るさ変化でデータを送信する。基地局/端末の双方で光IDと接続/認証情報の対応リストを保有し、端末は、受信した光IDに対応する接続/認証情報を抽出し、この情報に従ってRF通信を行う。特許文献2に記載のシステムは、光信号を用いてRF通信の接続/認証制御を行うシステムにおいて、基地局側で光無線通信/照明の兼用の可能なスマート照明、かつ、端末側で標準的なスマートフォン等の端末を用いることができる。また設備導入時の設備普及、コスト・消費電力を抑制の観点でメリットがある。
特開2016-212635号公報 PCT/JP2019/031260
特許文献1に記載のシステムでは、避難誘導のみに利用用途が限定されている。上記システムを敷設、維持管理するための投資費用に対して、利用用途や期間が極めて限定的である。また上記システムでは、災害状況に応じて災害現場の状況をより正確に反映した避難経路の提示が難しい。
本開示は、専用の避難誘導設備を配備することなく、スマート照明を用いて、ユーザに対して、安全な避難誘導経路をリアルタイムに知らせることを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示は、光/RF無線ハイブリッド通信システムにおいて、さらに外部環境情報を収集し、該情報に基づいて災害時であるか否かを判断し、災害時であれば、災害発生箇所を避けた誘導経路を算出し、該誘導経路に配置された各光基地局に対して、光源を通常と異なる色または変調度で点滅させる制御を行う。
具体的には、本開示に係る無線通信システムは、
端末と無線通信を行う1以上の無線基地局と、
光信号を端末に送信する複数の光基地局と、
前記光基地局の送信する前記光信号を制御する基地局制御装置と、
を備え、
前記基地局制御装置は、
前記光基地局の周辺の環境情報を収集し、
取集した環境情報を用いて前記光基地局の周辺での災害を検知し、
災害を検知した場合、災害発生個所から近い位置に設置されている光基地局と、災害発生個所から遠い位置に設置されている光基地局とで、異なる色の光を出力させる。
具体的には、本開示に係る基地局制御装置は、
1以上の無線基地局及び複数の光基地局と接続され、前記光基地局の送信する光信号を制御する基地局制御装置であって、
前記基地局制御装置が、
前記光基地局の周辺の環境情報を収集し、
取集した環境情報を用いて前記光基地局の周辺での災害を検知し、
災害を検知した場合、災害発生個所から近い位置に設置されている光基地局と、災害発生個所から遠い位置に設置されている光基地局とで、異なる色の光を出力させる。
具体的には、本開示に係る避難誘導方法は、
1以上の無線基地局及び複数の光基地局と接続され、前記光基地局の送信する光信号を制御する基地局制御装置が実行する避難誘導方法であって、
前記基地局制御装置が、
前記光基地局の周辺の環境情報を収集し、
取集した環境情報を用いて前記光基地局の周辺での災害を検知し、
災害を検知した場合、災害発生個所から近い位置に設置されている光基地局と、災害発生個所から遠い位置に設置されている光基地局とで、異なる色の光を出力させる。
具体的には、本開示に係る基地局制御プログラムは、本開示に係る基地局制御装置に備わる各機能部をコンピュータに実現させるためのプログラムであり、本開示に係る避難誘導方法に備わる各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
本開示によれば、専用の避難誘導設備を配備することなく、スマート照明を用いて、ユーザに対して、安全な避難誘導経路をリアルタイムに知らせることができる。
本実施形態に係るシステム構成の一例を示す。 光ID対応リストの一例を示す。 無線基地局情報の一例を示す。 基地局制御装置の動作の一例を示す。 第1の処理フローにおける基地局制御装置の動作の一例を示す。 第1の処理フローにおける制御信号の流れの一例を示す。 避難誘導経路を選定例である。 第2の処理フローにおける基地局制御装置の動作の一例を示す。 第2の処理フローにおける制御信号の流れの一例を示す。 端末からのプローブリクエストをフロー処理の起点とする場合の処理フローの一例を示す。 端末からのプローブリクエストをフロー処理の起点とする場合の制御信号の流れの一例を示す。
第2の実施形態に係る通信システムの光基地局の構成を説明する図である。 第2の実施形態に係る通信システムの端末の構成を説明する図である。 第2の実施形態に係る端末で受光する光信号の照度を説明する図である。 第2の実施形態に係る端末の判定部で二値化された信号を説明する図である。 第2の実施形態に係る端末の解析部での処理を説明する図である。 第2の実施形態に係る端末の算出部での処理を説明する図である。 第2の実施形態に係る通信方法を説明するフローチャートである。 第2の実施形態に係る通信システムの端末の構成を説明する図である。 第2の実施形態に係る端末の算出部での処理を説明する図である。
第3の実施形態に係る通信システムの端末の構成を説明する図である。 第3の実施形態に係る端末で受光する光信号の照度を説明する図である。 第3の実施形態に係る端末の判定部で二値化された信号を説明する図である。 第3の実施形態に係る端末の解析部での処理を説明する図である。 第3の実施形態に係る端末の光ID推定部での処理を説明する図である。 第3の実施形態に係る端末の光ID解析部での処理を説明する図である。 第3の実施形態に係る通信方法を説明する第1のフローチャートである。 第3の実施形態に係る通信方法を説明する第2のフローチャートである。
第4の実施形態に係る光送信器の出力する光信号の特性の一例を示す。 第4の実施形態に係る光送信器の出力する光信号の特性の一例を示す。 第4の実施形態に係る光送信器の出力する光信号の特性の一例を示す。 第4の実施形態に係る光送信器の出力する光信号の特性の一例を示す。 第4の実施形態に係る通信システムの端末の構成例を示す。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本開示は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。これらの実施の例は例示に過ぎず、本開示は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
(本開示の概要)
光基地局、RF基地局、非通信機器等で構成されるネットワークにおいて、これらの管理/制御を実現する制御装置を設けることで、災害時は避難誘導システムとして動作しながら、通常時(非災害時)は通信制御システムとして動作する。
通常は、非通信機器やRF基地局からの情報を集約し、集約した情報をもとに、ネットワークの最適制御を光基地局経由で実現する。光基地局を照明としても兼用するため、光基地局は、人の眼では識別できない数%の光変調度で光信号を空間伝送する。
災害時は、光基地局は避難誘導のための誘導灯としての役割を果たす。特定の光源が人の眼に識別できる変調度、且つ、色で点灯する。
災害現場の状況をその他の非通信機器(監視カメラやセンサ等)やRF基地局からの情報を元に可視化し、可視化した情報により避難誘導経路を状況に応じて柔軟に光基地局経由でユーザに知らせる。
(第1の実施形態)
図1に、本実施形態に係るシステム構成の一例を示す。本開示に係るシステムは、基地局制御装置40、N台のRF基地局10、L台の光基地局50、監視カメラ61、外部環境情報サーバ62、を備える。基地局制御装置40は、各RF基地局10、各光基地局50、各監視カメラ61、外部環境情報サーバ62に接続されている。RF基地局10は上位ネットワーク30に接続されている。これらの接続形態は任意であり、有線接続であってもよいし、無線接続であってもよい。
監視カメラ61は、光基地局50の周辺の環境情報を取得するセンサである。環境情報は、災害を検知可能な任意の情報であり、例えば監視カメラ61の場合は映像又は温度である。本開示のセンサは、カメラに限らず、災害を検知可能な任意の手段を採用することができる。外部環境情報サーバ62は、リアルタイムな災害情報を常時収集し、それらを蓄積している。基地局制御装置40の中に監視カメラ等の非通信機能を具備していてもよい。
基地局制御装置40は、光基地局50を外的に制御する装置であり、環境情報統合制御部41、光基地局制御部42、光ID対応リストを備える。本開示の基地局制御装置40はコンピュータとプログラムによっても実現でき、プログラムを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
図2に、光ID対応リストの一例を示す。図2では、通番1から4までの4個の光IDの例を示している。無線通信の接続情報は、RF基地局10と端末20との間でどのような無線方式で、どの周波数帯を使用して、どの無線チャンネルでRF無線通信するかを規定する情報である。無線通信の認証情報は、端末20がRF基地局10にアクセスする際にSSID(Service Set Identifier)、パスワード、ID(Identifier)を規定する情報である。これらのうち1つでもよく、任意の複数を規定することでもよい。無線通信の接続情報及び無線通信の認証情報は例であって、この他に必要な情報を規定してもよい。
環境情報統合制御部41は、外部から環境情報を収集する。環境情報は、外部環境情報サーバ62に蓄積された情報、監視カメラ61から取得した情報、各種センサ情報などを表す。例えば、監視カメラの動画映像をそのまま収集すると、基地局制御装置40の負荷が大きくなるため、映像のスナップショットなどを環境情報として収集しても良い。
環境情報統合制御部41は、さらに、各RF基地局10から無線基地局情報を収集する。環境情報統合制御部41は、端末20が接続すべき最適なRF基地局10を選択し、光基地局制御部42へ情報を送信する。光基地局制御部42は、光基地局50へと制御情報を送信する。
図3に、無線基地局情報の一例を示す。無線基地局情報は、無線パラメータ及び有線パラメータを含む。無線パラメータは、端末20と無線通信を行う際に用いるパラメータであり、例えば、無線方式、周波数帯、無線チャンネル、接続端末数、送信電力、RSSI(Received Signal Strength Indicator)、Modulation Coding Scheme、空間ストリーム数、Channel state informationである。有線パラメータは、例えば、有線インターフェイス、有線トラヒック死活監視結果である。
光基地局50は、基地局制御装置40からの光基地局制御情報に従い光を出力する。光基地局50は、光IDを端末20に送信可能な任意の機器を用いることができ、例えばスマート照明などの本来通信用途に用いない非通信機器でもよい。光基地局50から送信する光信号は、端末20での受信精度が向上するよう、直交符号などによる変調を用いてもよい。
端末20は、基地局制御装置40と同じ光ID対応リストを保持している。端末20は、光IDを受信すると、光ID対応リストを参照し、受信した光IDに対応するRF送受信の接続情報及び認証情報を利用し、適切なRF基地局10へと認証要求を送信する。これにより、RF基地局10と端末20との通信接続が可能になる。
図4に、基地局制御装置40の動作の一例を示す。基地局制御装置40は、外部から環境情報を収集し、災害が発生しているか否かの判断を行なう。災害が発生しているかの判定材料として、外部環境情報サーバ62に蓄積された情報や、監視カメラ61の情報を利用する。災害が発生している場合、基地局制御装置40は第1の処理フローを実行する。災害が発生していない場合、基地局制御装置40は第2の処理フローを実行する。
(第1の処理フロー)
図5に、第1の処理フローにおける基地局制御装置40の動作の一例を示す。図6に、第1の処理フローにおける制御信号の流れの一例を示す。
ステップS101:環境情報統合制御部41が、外部から環境情報を収集する。
ステップS102:環境情報統合制御部41が、収集した環境情報を用いて、災害発生個所を特定する。
ステップS103:環境情報統合制御部41が、災害発生個所を回避する最適な避難誘導経路を選定する。例えば、図7に示すように、監視カメラ61#4が光基地局50#4の周辺を撮像しており、監視カメラ61#4で撮像された映像で災害が検知された場合、環境情報統合制御部41は、光基地局50#4の設置されている経路R4を回避するような経路R1及びR2を選定する。
ステップS104:光基地局制御部42が、各光基地局50の生存確認を行うため、各光基地局50との通信交渉を行う。例えば、図7に示すように、光基地局制御部42は、光基地局50#1~50#4と通信交渉を行う。
ステップS106:光基地局50からの応答確認を待って(S105)、光基地局制御部42が、誘導経路のみ色や変調度を変えて点滅するように、各基地局50#1~50#4に光基地局制御情報を送信する。光基地局制御情報を受信した各光基地局50#1~50#4は、光基地局制御部42からの光基地局制御情報に従い、光信号を送信する。
例えば、図7に示す経路R1及びR2には、光基地局50#1、50#3、50#2が設置されている。そこで、光基地局制御部42は、光基地局制御情報を用いて、光基地局50#1、50#3、50#2に、以下のような光を点滅させる。
・人の眼に明らかに感知されやすい光変調度、周期の光
・通常の光色よりも、注意を喚起しやすい色の光
一方、図7に示す経路R4には、光基地局50#4が設置されている。そこで、光基地局制御部42は、光基地局制御情報を用いて、光基地局50#4に、光基地局50#1、50#3、50#2よりも注意を喚起しやすい色で点滅させる。例えば、経路R1及びR2が黄色である場合、経路R4を赤色にする。
一旦、光基地局制御情報を受信したら、基地局制御装置40から次に送信される通信交渉パケットが来るまでの間、光基地局50は光基地局制御情報に基づき、特定のパターンをカルーセル式に送出し続ける。
(第2の処理フロー)
図8に、第2の処理フローにおける基地局制御装置40の動作の一例を示す。図9に、第2の処理フローにおける制御信号の流れの一例を示す。
ステップS201:環境情報統合制御部41が、無線基地局情報の要求を、各RF基地局10に送信する。
ステップS202:環境情報統合制御部41が、各RF基地局10から、無線基地局情報を受信する。
ステップS203:環境情報統合制御部41は、全てのRF基地局10から無線基地局情報を受信したか否かを判定する。
ステップS204:全てのRF基地局から無線基地局情報を受信した場合(S203においてYes)、環境情報統合制御部41は、複数のRF基地局10のなかから最適なRF基地局10を選択する。例えば、期待される通信帯域が最も大きいRF基地局10へ優先的に接続させる。また、光基地局50が複数ある場合は、RF基地局10へ接続する端末20の数を均一にするように、RF基地局10を選択する。
ステップS205及びS206:光基地局制御部42は、光基地局制御情報を送信可能かの確認のため、光基地局50と通信交渉を行う。例えば、光基地局制御部42は、生存確認用のパケットを光基地局50に送信し(S205)、光基地局50からの応答の有無を確認する(S206)。
ステップS207:光基地局制御部42は、光基地局制御情報を、光基地局50からの応答のあった光基地局50に送信する。光基地局制御情報は、端末20が接続すべきRF基地局10の接続情報及び認証情報を含む。光基地局制御情報に含まれる光IDは、光IDそのものであってもよいが、光IDに応じた信号パターンであってもよい。信号パターンは、8bitや16bitなどのビットパターンを含む。ビットパターンを長くすることで、端末20での受信精度を向上させることができる。
光基地局50への光基地局制御情報の送信は、端末20からのプローブリクエスト(Probe Request)を契機に行ってもよい。図10に、端末20からのプローブリクエスト(Probe Request)をフロー処理の起点とする場合の処理フローの一例を示す。図11に、制御信号の流れの一例を示す。
本実施形態では、全てのRF基地局から無線基地局情報を受信した場合(S203においてYes)、光基地局制御部42は、ステップS204の前に、ステップS211を実行する。ステップS211では、端末20の位置情報を収集する。例えば、監視カメラ61を用いて端末20又はそのユーザを撮像し、撮像した画像内の位置を用いて端末20の位置情報を導出する。また、Probe Request時の電波を用いて端末20を推定することが例示できる。
そして、ステップS205及びS206において、光基地局制御部42は、端末20の位置情報から、特定場所の光基地局50とのみ通信交渉を行い(S205)、特定場所の光基地局50へのみ光基地局制御情報を送信する(S207)。光基地局50は、基地局制御装置40からの光基地局制御情報に従った光IDを、光信号を用いて端末20へ送信する。
光基地局50は、基地局制御装置40から送信される通信交渉パケットが来るまでの間、光基地局制御情報に基づき、特定のパターンをカルーセル式に送出し続ける。
例えば、通番“1”の接続情報及び認証情報を利用する場合、光基地局制御部42は、光IDとして“1010”を抽出する。抽出した光IDに応じた信号パターンを生成する。ここでは、光IDの“1010”に応じて、信号パターンも“1010”としている。必ずしも、光IDの“1010”に応じて、信号パターンも“1010”とする必要はなく、例えば“101011”のような信号パターンでもよい。信号パターンをアナログとする場合は、光IDが“1010”のときに、例えば、周波数1Hzの繰り返しの信号パターンとする。光IDが“1000”のとき、例えば、周波数2Hzの繰り返しの信号パターンとする。
端末20は、基地局制御装置40と同じ光ID対応リストを保持している。端末20は、光IDを受信すると、光ID対応リストを参照し、受信した光IDに対応するRF送受信の接続情報及び認証情報を利用し、適切なRF基地局10へと認証要求を送信する。これにより、RF基地局10と端末20との通信接続が可能になる。
なお、端末20は、基地局制御装置40と同じ光ID対応リストを保持していなくてもよい。例えば、端末20は、アプリケーション起動時に端末20内から位置情報を自動的に取得し、アプリケーションを用いて位置情報に応じた光ID対応リストを取得する。また、端末20は、モバイル通信経由で、クラウドから対応する位置情報に応じた適当な光ID対応リストを取得してもよい。
また、基地局制御装置40の中に、RF基地局として機能が備わっていてもよい。例えば、基地局制御装置40自体が基地局#N+1として機能してもよい。
(第2の実施形態1)
本実施形態では、端末の位置や受光角度に関わらず光IDの情報を正確に取得する構成について説明する。本実施形態に係る端末は、自身の位置や受光角度などの変化に応じて、定期的に閾値設定を更新し、光照度の変化を読み取る仕組みを備える。
図12は、光基地局50の構成を説明する図である。光基地局50は、光送信器51、ビーム制御部52を備える。以下の実施形態においても同様である。
光送信器51は、調光又は調色可能なLEDなどの光源を用いる。光源は照明用途を兼ねてもよい。光送信器51は、光基地局制御部42からの光ID(変調された信号)を所定の波長、パワー、変調方式、又はデータレートの光信号に変換する。本実施形態では、所定のエリア60内において一定以上の照度になるように光送信器51が光信号(上記条件で光IDにより変調された光信号)を送出する場合を説明する。
ビーム制御部52は、光送信器51からの光信号が所定のエリア60に到達できるようにビーム形状を制御した上で、当該光信号を空間に送出する。光を遮る障害物が無ければ、所定のエリア60にある全ての端末20に光信号が到達する。
図13は、端末20の構成を説明する図である。端末20は、
光基地局50からの光信号を受信する光センサ(光センサ情報取得部31)と、
前記光信号の照度をサンプリングしてサンプリング値を取得し、前記サンプリング値の推移に基づいて前記光信号を二値変換するための閾値を算出する算出部(閾値算出部38)と、
前記閾値に基づいて前記光信号を二値変換する判定部(閾値判定部37)と、
を備える。
また、端末20は、
ID情報とRF無線通信を開始するための認証情報との対応を記載したリスト(光ID対応リスト36)と、
判定部が前記光信号を二値変換して得た前記ID情報を前記リストに照会し、対応する前記認証情報を取得する解析部(光ID解析部35)と、
前記解析部が取得した前記認証情報をRF無線通信でRF基地局10へ送信するRF送受信部33と、
をさらに備える。
光センサ情報取得部31は、光送信器51からの光信号を電気信号に変換し、光照度値として取得する。光センサ情報取得部31は光無線通信専用の光受信器に限らず、端末20がスマートフォンであれば、カメラ機能を利用してもよい。
閾値算出部38は、光センサ情報取得部31が取得した光照度値から最適な閾値を計算し、計算した閾値を閾値判定部37へ入力する。図14は、閾値算出部38が行う処理を説明する図である。図14において、p(k)は光照度のサンプリング値(kはサンプリング番号)、pthは閾値である。図14のように、閾値算出部38は定期的に光信号の照度のサンプリング値を基に閾値pthを計算する。閾値の計算手法については後述する。
閾値判定部37は、閾値算出部38が計算した閾値を利用し、光センサ情報取得部31が受光した光信号を二値化(1/0)する。図15は、閾値判定部37が行う処理を説明する図である。閾値判定部37は、p(k)≧pthの場合、S(k)=1と判断し、p(k)<pthの場合、S(k)=0と判断し、受信信号を二値化する。ここで、S(k)は、サンプリング番号kの照度p(k)について閾値判定部37が行った1又は0の判定値である。つまり、閾値算出部38が光照度に応じて閾値pthを適応的に変更するため、端末20の位置や受光角度が変化して光信号の照度が変化しても、閾値判定部37は光IDの情報を正確に取得することができる。
光ID解析部35は、閾値判定部37で二値化されたデータをもとに光IDを抽出する。図16は、光ID解析部35が行う処理を説明する図である。光ID解析部35は、入力された二値化データと記憶している光IDの信号形状とを比較し、相関が最大となる信号形状の光IDを抽出する。続いて、光ID解析部35は、光ID対応リスト36に光IDを照合し、対応する接続動作/認証情報を光ID対応リスト36から選択する。光ID対応リスト36の記載内容は、基地局制御装置40の光ID対応リスト46と同じである。
RF送受信部33は、当該プロトコルでRF無線信号を送受信している。当該プロトコルは、Wi-FiやLTEなどである。例えば、Wi-Fiが2.4GHz/5GHzなどの複数の無線規格に対応してもよい。RF送受信部33は、光ID解析部35が抽出した接続動作/認証情報をRF基地局10へ送信する。
[閾値の計算手法]
図17は、閾値算出部38が行う計算手法を説明する図である。図17は、サンプルkを判定するときの閾値pth [k]を算出するイメージである。閾値算出部38は、n個の過去のサンプル値(p[k-n+1]~p[k])を用いてサンプルkを判定する閾値pth [k]を算出する。同様に、閾値算出部38は、n個の過去のサンプル値(p[k-n]~p[k-1])を用いてサンプルk-1を判定する閾値pth [k-1]、n個の過去のサンプル値(p[k-n-1]~p[k-2])を用いてサンプルk-2を判定する閾値pth [k-2]、・・・を算出する。
具体的な閾値計算方法を説明する。ここで、p[k]はkサンプル時の照度値、pth [k]はkサンプル時の閾値、nは用いられるデータ群の個数、αは平滑化定数である。
(例1)閾値算出部38が、過去の複数の前記サンプリング値を用いた移動平均法(数1)で前記閾値を算出する場合の例である。
Figure 0007388543000001
(例2)閾値算出部38が、過去の複数の前記サンプリング値を用いた加重平均法(数2)で前記閾値を算出する場合の例である。
Figure 0007388543000002
(例3)閾値算出部38が、過去の複数の前記サンプリング値を用いた指数平滑移動平均法(数3)で前記閾値を算出する場合の例である。
Figure 0007388543000003
(第2の実施形態2)
図18は、第2の実施形態1で説明した端末20の動作(通信方法)を説明するフローチャートである。本通信方法は、端末20とRF基地局10と間の通信を光無線通信とRF無線通信とで行う通信方法であって、
端末20が、
光基地局50からの光信号を受信すること(ステップS221)、
前記光信号の照度をサンプリングしてサンプリング値を取得すること(ステップS222)、
前記サンプリング値の推移に基づいて前記光信号を二値変換するための閾値を算出すること(ステップS223)、及び
前記閾値に基づいて前記光信号を二値変換すること(ステップS224)、
を特徴とする。
ステップS221及びS222では、光センサ情報取得部31が、光基地局50からの光信号を電気信号に変換し、光照度値をサンプリングする。
ステップS223では、閾値算出部38が、ステップS222で取得した光照度値(サンプリング値)から最適な閾値を計算し、計算した閾値を閾値判定部37へ入力する。図14のように、閾値算出部38は定期的に光信号の照度のサンプリング値を基に閾値pthを計算する。
ステップS224では、閾値判定部37が、ステップS223で計算された閾値を利用し、ステップS221及びS222で取得したサンプリング値を基に光信号を二値化(1/0)する。閾値判定部37は、p(k)≧pthの場合、S(k)=1と判断し、p(k)<pthの場合、S(k)=0と判断し、受信信号を二値化する。
(第2の実施形態3)
図19は、本実施形態の端末20の構成を説明する図である。本実施形態の端末20は、第2の実施形態1の端末20にセンサ情報取得部32をさらに備える。センサ情報取得部32は、前記光信号の照度以外の物理情報を取得するセンサである。そして、前記算出部(閾値算出部38)は、前記センサが出力するセンサ情報に基づき、前記指数平滑移動平均法に使用される平滑化定数αを変化させる。
ここで、前記光信号の照度以外の物理情報とは、加速度センサからの端末20の加速度、ジャイロセンサからの端末20の傾き、磁気センサからの端末20の方向(向き)などの情報である。
センサ情報取得部32は、前記物理情報を取得し、それらを閾値算出部38へ入力する。本実施形態の閾値算出部38は、閾値を算出するときに光信号の照度だけでなく、物理情報も利用する。図20は、閾値算出部38が指数平滑移動平均で閾値を算出するときに物理情報を利用して平滑化定数αを設定する例を説明する図である。
加速度センサは端末20の加速度を3軸(x、y、z)毎に取得する。端末20の移動に伴ってバックグラウンドの照度値は変動する。このため、図20のように加速度に応じた平滑化定数αを数3に設定することで、閾値の照度値変動への追従性を高めることができる。具体的には、バックラウンドの照度変化が小さい場合(加速度が小さい場合)、αを大きくとりすぎると閾値の照度に対する追従性が高くなりすぎてしまうので、適度に小さい値をとることが有効である。一方、バックグラウンドの照度変化が大きい場合(加速度値が大きい場合)、αを比較的大きくとることで、閾値の照度に対する追従性を高めることができる。
なお、図20は一例であり、利用する照明の照度プロファイル(光源の指向性)を考慮して、αの設定値を柔軟に変更してもよい。また、閾値算出部38は、加速度センサ以外のセンサ情報を利用してもよい。
(第3の実施形態1)
本実施形態では、送信側と受信側とが非同期であっても誤り率を低減できる構成について説明する。本実施形態に係る端末は、1/0の伝送パターンよりも十分細かい粒度で光信号をサンプリングし、複数のサンプリング値を利用した多数決判定を実施する。
図21は、端末20の構成を説明する図である。端末20は、
光基地局50からの光信号を受信する光センサ(光センサ情報取得部31)と、
前記光信号の照度を前記光信号のビットパターンより細かい粒度のサンプリングポイントでサンプリングしてサンプリング値を取得し、前記サンプリング値と任意の閾値とを比較して前記光信号を二値(0/1)に変換する判定部(閾値判定部37)と、
前記ビットパターンの1つのビットの時間より短く、且つ前記ビットパターンの1つのビットに含まれる前記サンプリングポイントの間隔数分の時間より長い判定時間を持ち、前記判定時間に含まれる前記二値のうち多い方の値を前記ビットの値として前記光信号に含まれるID情報を推定する推定部(光ID推定部)と、
を備える。
光センサ情報取得部31の機能及び動作については、第2の実施形態と同様である。
また、端末20は、
ID情報と前記RF無線通信を開始するための認証情報との対応を記載したリスト(光ID対応リスト36)と、
前記推定部が推定した前記ID情報を前記リストに照会し、対応する前記認証情報を取得する解析部(光ID解析部35)と、
前記解析部が取得した前記認証情報を前記RF無線通信でRF基地局10へ送信するRF送受信部33と、
をさらに備える。
RF送受信部33の機能及び動作については、第2の実施形態と同様である。
閾値判定部37は、あらかじめ設定された閾値pthを利用し、光センサ情報取得部31が受光した光信号を二値化(1/0)する。図22及び図23は、閾値判定部37が行う処理を説明する図である。まず、閾値判定部37にはセンサ情報取得部31から受信信号が入力される。閾値判定部37は、図22のように、この電気信号を光IDのパターンより細かい粒度でサンプリングする。ここで、「光IDのパターンより細かい粒度」とは、光IDを構成する各ビットの長さ(時間)より短い間隔、という意味である。図22の例であれば、当該粒度は、光IDを構成する各ビットに対して3サンプリング可能な間隔である。図22においてp(k)はサンプリング値、kはサンプリング番号である。様々な要因によりサンプリング値は、真値に対して高い値であったり、低い値であったりする。ここでは、サンプリング値p(k-2)について注目する。
閾値判定部37は、p(k)≧pthの場合、S(k)=1と判断し、p(k)<pthの場合、S(k)=0と判断し、受信信号を二値化する。ここで、S(k)は、サンプリング番号kの照度p(k)について閾値判定部37が行った1又は0の判定値である。図23は、図22のサンプリング値を閾値pthで二値化したものである。ここで、サンプリング値p(k-2)は、本来であれば“0”と判断されなければならないが、ノイズの影響が大きいため“1”と誤判定されている(ポイントA)。
光ID推定部34は、判定処理ウィンドウを用いた多数決判定方式によって、受信信号の各ビット値を推定する。図24は、光ID推定部34が推定した受信信号のビットパターンである。光ID推定部34が多数決判定方式でビット値を推定したため、ポイントAの影響によらず、ビット61のビット値を正しく取得できている。光ID推定部34が行う多数決判定方式については後述する。
光ID解析部35は、閾値算出部34で推定したビットパターンから光IDを抽出する。図26は、光ID解析部35が行う処理を説明する図である。光ID解析部35は、入力されたビットパターンと記憶している光IDの信号形状とを比較し、相関が最大となる信号形状の光IDを抽出する。続いて、光ID解析部35は、光ID対応リスト36に光IDを照合し、対応する接続動作/認証情報を光ID対応リスト36から選択する。光ID対応リスト36の記載内容は、基地局制御装置40の光ID対応リスト46と同じである。
[多数決判定方式]
図25は、光ID推定部34が行う多数決判定方式を説明する図である。図25は、送信側と受信側で同期が取れていない状態を表している。図25(A)と図25(B)は全てのサンプリングポイントが不確定領域にない場合、図25(C)はサンプリングポイントの1つが不確定領域にある場合である。
光ID推定部34は、多数決判定を行うときに使用する判定処理ウィンドウ81を持つ。判定処理ウィンドウ81の時間(判定時間)tは、ビットパターンの1つのビットの時間tbitより短く、且つ前記ビットパターンの1つのビットに含まれる前記サンプリングポイントの間隔数n分の時間(1/f×n)より長い。図25の例では、1つのビットの時間tbit内に3つのサンプリングポイントが含まれるので、サンプリングポイントの間隔数nは2である。このため、判定時間は次のようになる。
1/f×2<t<tbit
多数決判定方式は次のように行う。光ID推定部34が二値化したデータに対して判定処理ウィンドウ81内でいずれの判定値(0/1)が多いのか多数決判定を実施する。すなわち、判定処理ウィンドウ81内において判定値“1”の観測数が2又は3である場合、当該判定処理ウィンドウ81(ビット)に“1”を割り当て、判定処理ウィンドウ81内において判定値“1”の観測数が0又は1である場合、当該判定処理ウィンドウ81(ビット)に“0”を割り当てる。
このような多数決判定を行えば、図25(A)や図25(B)のように全てのサンプリングポイントが不確定領域にない場合はもちろん、図25(C)のようにサンプリングポイントの1つが不確定領域にある場合でもビットの誤判定を回避することができる。
このような多数決判定は、図23のような誤判定のサンプルAが存在してもビットの誤判定を回避することができる。
(第3の実施形態2)
図27は、第3の実施形態1で説明した端末20の動作(通信方法)を説明するフローチャートである。本通信方法は、端末20とRF基地局10と間の通信を光無線通信とRF無線通信とで行う通信方法であって、
端末20が、
光基地局50からの光信号を受信すること(ステップS301)、
前記光信号の照度を前記光信号のビットパターンより細かい粒度のサンプリングポイントでサンプリングしてサンプリング値を取得すること(ステップS302)、
前記サンプリング値と任意の閾値とを比較して前記光信号を二値に変換すること(ステップS303)、
前記ビットパターンの1つのビットの時間より短く、且つ前記ビットパターンの1つのビットに含まれる前記サンプリングポイントの間隔数分の時間より長い判定時間を設定すること(ステップS304)、及び、
前記判定時間に含まれる前記二値のうち多い方の値を前記ビットの値として前記光信号に含まれるID情報を推定すること(ステップS305)、
を特徴とする
ステップS301及びS302では、光センサ情報取得部31が、光基地局50からの光信号を電気信号に変換し、光照度値をサンプリングする。
ステップS303では、閾値判定部37が、所定の閾値を利用し、ステップS301及びS302で取得したサンプリング値を基に光信号を二値化(1/0)する。閾値判定部37は、p(k)≧pthの場合、S(k)=1と判断し、p(k)<pthの場合、S(k)=0と判断し、受信信号を二値化する。
ステップS304では、光ID推定部34が図25で説明した判定処理ウィンドウ81を設定する。
ステップS305では、光ID推定部34が二値化されたデータから受信信号の各ビット値を前記多数決判定方式で判定する。
図28は、第3の実施形態1で説明した端末20の動作(通信方法)を説明するフローチャートである。本通信方法は、図27で説明した動作の後に、本動作を行ってもよい。つまり、本通信方法は、
ID情報と前記RF無線通信を開始するための認証情報との対応を記載したリスト(光ID対応リスト36)に、推定した前記ID情報を照会し、対応する前記認証情報を取得すること(ステップS306)、及び
前記認証情報を前記RF無線通信でRF基地局10へ送信すること(ステップS307)、
をさらに行うことを特徴とする。
ステップS307で送信された認証情報は、RF基地局10で受信される。そして、RF基地局10で認証情報の整合が確認できた端末20が、上位ネットワーク30との通信を許可される。
(第4の実施形態)
本実施形態では、通信エリアの限定、通信の安全性、通信の安定性を確保する構成について説明する。本実施形態に係る光基地局50は、光IDに応じた信号パターンを生成し、生成した信号パターンに応じた光信号を出力し、出力した光信号のビーム形状を制御して空間に送出する。
光基地局制御部42は、光IDを抽出し、抽出した光IDに応じた信号パターンを生成する。例えば、図2に記載の光ID対応リストに示す通番“1”の接続情報及び認証情報を利用する場合は、光IDとして“1010”を抽出すると、信号パターンも“1010”としている。必ずしも、光IDの“1010”に応じて、信号パターンも“1010”とする必要はなく、例えば“101011”のような信号パターンでもよい。信号パターンをアナログとする場合は、光IDが“1010”のときに、例えば、周波数1Hzの繰り返しの信号パターンとする。光IDが“1000”のとき、例えば、周波数2Hzの繰り返しの信号パターンとする。
光送信器51は、光基地局制御部42からの信号パターンの光信号を出力する。無線端末装置20の保有者が、RF基地局10のエリアに入ったとき、ビーム制御部52の送出する光信号の変動が人間に知覚できない程度の変調度であれば、人間に不快感を与えることがない。非特許文献1によると、光変調度は20%以下が望ましい。この程度であれば、人間が何らかの作業に集中している状況では、光の強度の変動を知覚できない。より望ましくは、光変調度は7%以下である。この程度であれば、人間の活動状況によらず、光の強度の変動を知覚できない。
光基地局制御部42の生成する光IDと光送信回路の13の出力する光信号の例を図29から図32に示す。図29は、光基地局制御部42がディジタル信号である“1010”の信号パターンを生成し、光送信器51がディジタル信号として、“1010”の光信号を出力する例である。この場合、光送信器51の出力する光信号と、光送信器51とは別の照明装置からの光とを合成し、両方の光で、光変調度が所定のパーセンテージ以下になるよう設定する。
図30は、光基地局制御部42が電気信号である“1010”の信号パターンを生成し、光送信器51がディジタル信号として、“1010”の光信号を出力する例である。光送信器51は、“1010”の光信号自体にバイアス光を含み、光送信器51の出力する光信号の光変調度が所定のパーセンテージ以下になるよう設定する。この場合、光送信器51は、光信号を出力する機能と照明の機能を兼用して有することになる。
図31は、光基地局制御部42が電気信号であるアナログの繰り返しの信号パターンを生成し、光送信器51がアナログ信号として、繰り返しの光信号を出力する例である。この場合、光送信器51の出力する光信号と、光送信器51とは別の照明装置からの光とを合成し、両方の光で、光変調度が所定のパーセンテージ以下になるよう設定する。
図32は、光基地局制御部42が電気信号であるアナログの繰り返しの信号パターンを生成し、光送信器51がアナログ信号として、繰り返しの光信号を出力する例である。図32では、光送信器51は、繰り返しの光信号自体にバイアス光を含み、光送信器51の出力する光信号の光変調度が所定のパーセンテージ以下になるよう設定する。この場合、光送信器51は、光信号を出力する機能と照明の機能を兼用して有することになる。
光送信器51は、強度変調に代えて、周波数変調又は波長変調とする構成でもよい。この場合、信号パターンの強度に応じて光送信回路の光信号の周波数又は波長を変動させることになる。
ビーム制御部52は、光送信器51からの光信号のビーム形状を制御して、RF基地局10の設定された空間に送出する。本無線通信システムの通信可能なエリアを設定するためである。光波出力の直線性を利用して、通信エリアの限定、通信の安全性を確保することができる。ビーム形状の制御には、反射板や透明な屈折率体を利用することができる。
図33は、端末20の構成を説明する図である。端末20は、
ビーム制御部52からの光信号を受信して信号パターンに変換する光受信器21と、
光IDとそれに対応する無線通信の接続情報及び認証情報との組み合わせ情報を含む端末側光IDリスト22と、
光基地局50からの信号パターンから光IDを再生し、端末側光ID対応リスト26に光IDを照合し、対応する接続情報及び認証情報を抽出する光ID解析回路23と、
光ID解析回路23からの接続情報に従った所定のRF無線で、光ID解析回路23からの認証情報を送信する端末側RF送信器24と、
を備える。
光受信器21は、ビーム制御部52からの光信号を受信して電気信号の信号パターンに変換する。受光には、光送信器51の発生する光の波長に合わせて受光素子を選択すればよい。無線端末装置20が、ビーム制御部52の設定する通信可能なエリア内にあるときに限って、光受信器21は、ビーム制御部52からの光信号を受信することができる。光信号の受信には、高速の復調回路が不要なため、簡易な構成の無線端末装置を実現することができる。光受信器21は、光信号を受信して、バイアス成分を除去して電気の信号パターンを抽出する。光信号が“1010”のディジタル信号の場合は、例えば、光信号を“1010”の電気の信号パターンに変換する。光信号がアナログ信号の場合は、例えば、1Hzの繰り返し周波数の電気の信号パターンに変換する。
光ID解析回路23は、光受信器21からの信号パターンから光IDを再生し、端末側光ID対応リスト26に光IDを照合する。次に、光IDに対応する接続情報及び認証情報を抽出する。例えば、光ID解析回路23が光受信器21からの“1010”の信号パターンから“1010”の光IDを再生し、端末側光ID対応リスト26に“1010”の光IDを照合する。例えば、光ID解析回路23が光受信器21からの1Hzの繰り返し周波数の信号パターンから“1010”の光IDを再生し、端末側光ID対応リスト22に“1010”の光IDを照合する。光ID解析回路23は、光ID“1010”に対応するのは通番“1”の接続情報及び認証情報を抽出する。光ID解析回路23が、再生した光IDを端末側光ID対応リスト22に照合する際に、完全に一致する光IDを検出してもよいし、相関係数が最大となる光IDを検出してもよい。無線端末装置20が複数のRF基地局10のエリアに存在していると、複数の光基地局50からそれぞれ光信号を受信し、複数の光IDを再生することになる。この場合は、端末側光ID対応リスト22の中から、複数の通番の優先度を抽出し、優先度の高い通番の接続情報及び認証情報を抽出する。
端末側RF送信器24は、光ID解析回路23の抽出した接続情報に従って、所定の無線方式、周波数、チャネル等のRF無線規格を設定する。次に、端末側RF送信器24は、光ID解析回路23の抽出した認証情報をRF基地局10に向けて設定したRF無線で送信する。認証情報の送信や認証後の情報通信に電波の拡散性を利用して、通信の安定性を確保することができる。
(発明の効果)
すでに敷設されているスマート照明等を利用することで、それらをそのまま光基地局として利用することを可能とする。
上記により、専用の避難誘導設備を配備することなく、既存のスマート照明を避難誘導灯としてそのまま利用できる。
避難時のみに限定された利用だけでなく、通常時には光基地局50から送出される光信号を用いてRF通信の最適接続/認証制御を行うことを可能とし、ユーザにとっての利用用途を広げることで利便性の向上が期待できる。
災害時においては、災害現場の状況変動に対して、安全で最適な避難誘導経路をユーザに対してリアルタイムに知らせることを可能とする。
本開示は情報通信産業に適用することができる。
10:RF基地局
20:端末
26、36、46:光ID対応リスト
30:上位ネットワーク
31:光センサ情報取得部
33:RF送受信部
34:光ID推定部
35:光ID解析部
37:閾値判定部
38:閾値算出部
40:基地局制御装置
41:環境情報統合制御部
42:光基地局制御部
50:光基地局
51:光送信器
52:ビーム制御部
61:監視カメラ
62:外部環境情報サーバ

Claims (6)

  1. 端末と無線通信を行う1以上の無線基地局と、
    光信号を端末に送信する複数の光基地局と、
    前記光基地局の送信する前記光信号を制御する基地局制御装置と、
    を備え、
    前記基地局制御装置は、
    前記光基地局の周辺の環境情報を収集し、
    取集した環境情報を用いて前記光基地局の周辺での災害を検知し、
    災害を検知した場合、災害発生個所から近い位置に設置されている前記光基地局と、災害発生個所から遠い位置に設置されている前記光基地局とで、異なる色の光を出力させる、
    無線通信システム。
  2. 前記基地局制御装置は、
    各無線基地局から無線基地局情報を収集し、
    収集した無線基地局情報を用いて端末と無線通信を行う無線基地局を決定し、
    決定された無線基地局に応じた光IDを、前記複数の光基地局の少なくともいずれかに送信し、
    前記光IDを受信した前記光基地局が、受信した前記光IDを、光信号を用いて端末に送信し、
    前記基地局制御装置に決定された前記無線基地局が前記光IDを受信した端末と無線通信を行う、
    請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 前記光IDは、前記無線基地局が無線通信を行う際に用いる接続情報及び認証情報に対応しており、
    前記基地局制御装置は、前記無線基地局の接続情報及び認証情報に応じた前記光IDを前記光基地局に送信する、
    請求項2に記載の無線通信システム。
  4. 1以上の無線基地局及び複数の光基地局と接続され、前記光基地局の送信する光信号を制御する基地局制御装置であって、
    前記基地局制御装置が、
    前記光基地局の周辺の環境情報を収集し、
    取集した環境情報を用いて前記光基地局の周辺での災害を検知し、
    災害を検知した場合、災害発生個所から近い位置に設置されている前記光基地局と、災害発生個所から遠い位置に設置されている前記光基地局とで、異なる色の光を出力させる、
    基地局制御装置。
  5. 1以上の無線基地局及び複数の光基地局と接続され、前記光基地局の送信する光信号を制御する基地局制御装置が実行する避難誘導方法であって、
    前記基地局制御装置が、
    前記光基地局の周辺の環境情報を収集し、
    取集した環境情報を用いて前記光基地局の周辺での災害を検知し、
    災害を検知した場合、災害発生個所から近い位置に設置されている前記光基地局と、災害発生個所から遠い位置に設置されている前記光基地局とで、異なる色の光を出力させる、
    避難誘導方法。
  6. コンピュータに、請求項4に記載の基地局制御装置に備わる各機能部を実現させるための基地局制御プログラム。
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