JP7388066B2 - 試薬カートリッジとその有効期間を管理する方法ならびに自動分析装置 - Google Patents

試薬カートリッジとその有効期間を管理する方法ならびに自動分析装置 Download PDF

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本発明は、おもに医療検査の分野で使用される試薬カートリッジとその有効期間を管理する方法ならびに自動分析装置に関する。
検体測定に使用する試薬類を封入した試薬カートリッジは、使用者による試薬の調製操作が不要で、その取り扱いの容易さから臨床検査の分野で広く用いられており、とくに自動分析装置への適合性に優れた試薬供給形態である。試薬カートリッジに封入された試薬類には、一般に温度や湿度、光、反応性気体に対して不安定な物質が含まれているので、測定前の保管環境と保管期間を管理する必要がある。試薬カートリッジが製造者から供給されるとき、製品のパッケージには製造時期に応じた使用期限が記されており、製品のラベルや添付文書には保管条件とそれに対応して設定された名目的な有効期間が記されているのが一般的である。保管条件は通常、保管環境と保管時間との組み合わせで表現することができる。
自動分析装置に保管条件を管理させるためには、保管環境を制御し、保管時間の始期を装置に認識させるとともに、保管時間の終期に照らして時間経過を監視する必要がある。製品のパッケージが湿度や光、反応性気体の遮蔽に寄与しているならば、パッケージの開封時期は保管環境の管理において重要な因子である。しかし、パッケージの開封は使用者の手作業で行われることが多いので、次善の策として、パッケージの開封時期を、開封後装置にセットする時期に結びつけるという運用方法が考えられる。
たとえば、パッケージの中に試薬カートリッジを収容したラベル付トレイを入れておき、パッケージ開封後、時間を置かずに装置にセットし、トレイのラベルにはトレイ自身のIDコードを記載しておくことで、装置はトレイがセットされたことを検知し、トレイ自身のIDコードを読み取って、その読み取った時期をパッケージ開封の時期とみなす。装置はその時期を試薬カートリッジの有効期間の始期に設定し、名目的な有効期間の終期に対してカウントダウンすることにより試薬の有効期間を管理することができる。このように装置にセットしてからの経過時間を監視して試薬類の有効期間を管理することをオンボード時間管理ともよぶ。これはパッケージに1対1で対応するトレイのIDが、トレイの中の複数の試薬カートリッジを代表するという前提の上に成り立っている。
しかしながら、装置内の限られた試薬配置スペースの中に多種類の試薬カートリッジを導入するために、種々のパッケージからそれぞれ必要数の試薬カートリッジを少数のトレイの中に再配置するという方策が望まれるが、その場合そこで使用したトレイの中の試薬カートリッジはどのパッケージに入っていたものかわからなくなっているという課題が残る。
たとえば、特許文献1(図6)には、6個の容器用保持座を有するホルダ(いわば内部トレイ)を4行並べた分割式トレイが記載されている。それぞれのホルダには同一種の試薬容器が保持されており、ホルダIDを印字したラベルが貼付されている。ホルダIDはID読取時刻を始期として試薬容器のオンボード時間管理に利用できる。しかし、異なるパッケージに由来する分割式トレイからのホルダを別のトレイに載せ替えると、パッケージの開封事象を共有するトレーサビリティが途切れてしまう。
特開2014-219361号公報
本発明の目的は、異なるパッケージ由来の試薬カートリッジの有効期間を自動分析装置上で管理するために有用な手段を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するためには、個々の試薬カートリッジのオンボード時間管理を、1または複数の試薬カートリッジを収容するパッケージの開封事象と結びつける必要がある。異なるパッケージに由来する試薬カートリッジを一つのトレイに載せ替えてもなお、パッケージの開封事象とのリンクを残すためには、試薬カートリッジの各々にパッケージ情報を付しておけばよい。
すなわち、本発明の一態様は、内容物に関する識別情報と、収容容器を特定する識別情報および包装手段を特定する識別情報のいずれかまたは組み合わせに関する識別情報と、が付されていることを特徴とする試薬カートリッジである。
「試薬カートリッジ」とは、1個または複数の収容部を備え、検体測定1回分または複数回分に要する試薬類を適宜収容部に収めて封をしたものを意味し、試薬カップ、試薬パック、試薬容器などと言われるものと同義である。「試薬」とは、測定対象の検体と反応させる反応試薬はもとより、標識酵素と接触して発光体を産生させる酵素基質、検体を希釈するための検体希釈液、検体を前処理するための前処理用試薬、較正曲線や検量線を作成するための較正試薬や標準試薬等の、検体測定に使用する試薬類を総称する用語である。
本発明の試薬カートリッジには、内容物に関する識別情報が付されている。内容物に関する識別情報とは、試薬カートリッジ自身の固有ID、収容する試薬の種類、濃度、製造日、使用期限、製造ロット等の識別情報が挙げられる。内容物の識別情報が試薬カートリッジに付されていることで、検体分析の際、使用すべき試薬カートリッジを選択でき、検査条件の記録が可能となる。
本発明の試薬カートリッジには、(1)収容容器を特定する識別情報、および(2)包装手段を特定する識別情報、のいずれかまたは組み合わせに関する識別情報も付されている。(1)の容器と(2)の包装手段が1:1に対応していれば、どちらか一方を特定する識別情報があれば充分であるが、両方あっても問題はない。また、同一包装手段内の試薬カートリッジは、同一種である必要もなく、較正試薬用の濃度系列や、甲状腺パネルや感染症パネルといったセット検査に対応する一揃いの試薬カートリッジであってよい。
なお、識別情報は文字、記号、数字を用いた人間にも判別可能な態様であっても、2次元コードのように機械のみに判別可能な態様であってもよい。
本発明の試薬カートリッジには、さらに有効期間に関する識別情報が付されていてもよい。以下、試薬カートリッジに付されている識別情報をまとめて「各種識別情報」と称することがある。「有効期間」とは自動分析装置内部の環境に応じた名目的な有効期間を意味し、製造日からいつまで試薬の有効性を保証できるかという「使用期限」とは明確に区別される概念である。
本発明の他の態様は、試薬カートリッジの有効期間の管理方法であって、
各種識別情報が付された試薬カートリッジが複数個収容されたパッケージから、前記試薬カートリッジを自動分析装置内に載置する際に、
少なくとも1個の前記試薬カートリッジに付された前記各種識別情報を読み取る工程と、
前記各種識別情報とその読取時刻を関連付けて記憶する工程と、
前記読取時刻を、前記試薬カートリッジに対する有効期間の始期に設定する工程と、
を含むことを特徴とする。
また、設定された有効期間の始期に照らして前記試薬カートリッジの有効期間を監視する工程をさらに含んでいてもよい。
なお、試薬カートリッジの有効期間は、上述した通り試薬カートリッジにその情報が付されていればその情報を使用すればよく、自動分析装置がその情報を保持していれば、そこから引用するという態様も可能である。
本発明のさらなる他の態様は、自動分析装置であって
各種識別情報が付された試薬カートリッジを一定の環境で受け入れ保管する保管部と、
前記保管部に置かれた前記試薬カートリッジの位置情報を取得し、前記試薬カートリッジに付された各種識別情報を読み取る読取部と、
前記読取部で読み取った前記各種識別情報と、それを読み取った読取時刻の初回値とを関連付けて作成する識別情報データベース部と、
前記保管部に置かれた前記試薬カートリッジについて、前記識別情報データベース部に記憶された前記読取時刻の初回値を、前記試薬カートリッジの有効期間の始期に設定して有効期間を監視する制御部と、
前記試薬カートリッジを使用して検体分析を行う分析部と、
を備えており、
上記の構成に加えて、
前記試薬カートリッジの位置情報に対応する、前記試薬カートリッジの前記各種識別情報および前記制御部の情報に基づいて前記試薬カートリッジの在庫配置を作成および/または表示する在庫マッピング手段と、
前記在庫マッピング手段に基づいて、使用すべき前記試薬カートリッジを選択して前記分析部へのスタンバイ位置に載置し、前記試薬カートリッジの前記各種識別情報を読み取ることにより、選択した在庫マッピング上の情報との照合を行う選択後照合手段と、
使用した前記試薬カートリッジの前記各種識別情報を、検査結果と結びつけ記憶するトレーサビリティ情報記憶部と、
を備えてもよい。
在庫マッピング手段は、試薬カートリッジの在庫配置を把握することが可能となるため好ましい。選択後照合手段は、間違った試薬カートリッジを使用することを防止することができるため好ましい。トレーサビリティ情報記憶部は、使用した試薬カートリッジの各種識別情報を含んでいるので、検査結果において異常値が発生した場合の原因解析などに役立てることができるため好ましい。
在庫マッピング手段は、読み取りした試薬カートリッジに付された各種識別情報に基づいて、同じ行内に載置された、読み取りしていない試薬カートリッジに付された各種識別情報を同種のものと見なすものであることが好ましい。ただし、たとえば試薬カートリッジを配置するための保持座を平面マトリックス状に並べたトレイ状容器である保管部であれば、同じ行並びの保持座には、同じ保管環境に由来した同じ内容物を有する試薬カートリッジを並べる等といった運用が必要である。走査読み取りを行並びと直交する列方向に行い、一行につき実際に読み取った一つの各種識別情報を同一行にある走査読み取りしていない他の試薬カートリッジにあてはめてマッピングすれば、在庫マッピングにかかる時間を節約することができる。なお、上述した運用が守られていなかった場合であっても、選択した試薬カートリッジと在庫マッピング手段上の情報とを照合する選択後照合手段が備わっているので、そこで合致しなかった場合は適切にエラー処理がなされることになる。
本発明は試薬カートリッジに関するものであるが、オンボード時間管理される消耗品(例えば、検査カップ)であれば、転用可能である。
本発明により、個々の試薬カートリッジのトレーサビリティを保持することが可能となり、保管環境の履歴の異なる試薬カートリッジを混在した状態で自動分析装置に導入した場合であっても、個々の試薬カートリッジごとに有効期間を管理することができる。
本発明の試薬カートリッジ、それを収容する容器としての供給トレイおよび包装手段としての防湿袋を示す図である。 防湿袋の中の試薬カートリッジおよび供給トレイに付された識別情報の詳細を示す図である。 有効期間を管理する方法について説明する図である。 本発明の自動分析装置の特に好ましい態様を示す機能ブロック図である。 本発明の自動分析装置における保管部および読取部の平面模式図である。 本発明の自動分析装置に導入可能な載せ替えトレイと読み取り経路を例示する図である。 本発明の自動分析装置に導入可能な分割式載せ替えトレイと読み取り経路を例示する図である。 本発明の自動分析装置における在庫マッピング手段の表示例の図である。 本発明の自動分析装置におけるトレーサビリティ情報記憶部の内容を例示する図である。
本発明の実施形態について、自動分析装置による検体測定に適用した例を中心に説明する。図1(a)に試薬カートリッジ10、図1(b)に試薬カートリッジ10を複数収容した開口容器であるトレイ20が、包装手段としての防湿袋25に包装された態様を示す。試薬カートリッジは、この包装形態により製造者から使用者に供給され、使用するまで冷蔵保存される。試薬カートリッジを収容し、包装して供給されるこのようなトレイを供給トレイと呼び、後述する装置の保管部の一部に該当する載せ替えトレイと区別する。ただし、自動分析装置の態様によっては、供給トレイをそのまま装置内部に載置することも可能であり、あくまで両者の区別は本発明を説明する上での便宜上のものである。なお、この実施形態においては1個の防湿袋に対して1個の供給トレイが収容されているが、1個の防湿袋に対して複数の供給トレイが収容されていても差し支えない。
試薬カートリッジ10は、例えば、開口部の内径6mm、高さ20mmの円柱状凹部が1mm程度の最小肉厚部を介して並設されてなる樹脂製容器を採用することができる。ウェル11aには目的成分(図1ではTSH(甲状腺刺激ホルモン))を認識する抗体を固定化した磁性粒子を含む溶液を、ウェル11bには酵素標識された目的成分を認識する他の抗体を含む溶液を、それぞれ凍結乾燥状態でアルミ箔シール12により封入した容器である。封止シール12には各種識別情報を含んだ二次元コード13と、目視可能な項目名称および項目コード・ロット番号の組み合わせ番号とが付されている。供給トレイ20は、その下縁部に二次元コード23と、目視可能な項目名称と、トレイIDと、有効期限と、試薬種別(図1では免疫反応試薬を意味する「TC」と表記)と、製造年月を含む記号・項目コード・ロットを含んだロット番号とが付されている。
図2は、図1(b)に記された防湿袋25の中の試薬カートリッジおよび供給トレイに付された識別情報の詳細を示す。試薬の種別(免疫反応試薬、較正試薬、希釈試薬または前処理試薬)、項目コード(TSHやCEA等の検査項目を区別する番号)、ロット、製造日および使用期限については、従来と同様に試薬カートリッジ上の識別コードにもトレイ上の識別情報にも含まれている。また、試薬カートリッジには試薬カートリッジIDが、トレイにはトレイIDが付されていることも従来と同様である。本発明の特徴の一つは、個々の試薬カートリッジに、トレイIDの固有識別子が付されていることである。さらに、個々の試薬カートリッジに、有効期間が記されていることも特徴的である。
つぎに図3を用いて、試薬カートリッジのカートリッジに対して有効期間を管理する方法について説明する記号A1、B2、C3およびD3は個々の試薬カートリッジを表し、記号のうち英字は試薬の種類(内容物に対応)、番号は固有識別子であるトレイIDを表す。防湿袋30a、30b、30cには、それぞれ中に試薬カートリッジA1が4個、B2が4個、C3とD3が2個ずつ封入されている。C3とD3は同じトレイIDである「3」が付されている。実際の包装形態は、図1に示したように防湿袋の中に、試薬カートリッジを収容した供給トレイが入っている。
図3は、複数の試薬カートリッジに対して有効期間を管理するために、種々の工程を時間軸に沿って表したものであり、図面の左から右にかけて時間の経過を示している。まず、防湿袋30aに入れて供給された4個の試薬カートリッジA1は、それぞれAという内容物が入った試薬カートリッジであり、それぞれ同一の固有識別子である「1」が付されている。つぎにそのうち1個の試薬カートリッジを、内容物の劣化が無視できる時間内に装置内に移す工程を状態31aで示す。実際は、試薬カートリッジを供給トレイから載せ替えトレイに載せ替える。装置内に移された試薬カートリッジは、ただちに読取部により固有識別子を読み取られる。その時刻を読取時刻として前記固有識別子と関連付けて記憶する。図中、読取時刻は、31aの左辺に接した黒丸で表し、そこを試薬カートリッジに対する有効期間の始期とし、矢印の先を有効期間の終期としてそれぞれ表す。A1の残り3個はすぐには装置に導入せず、つぎに装置に導入された状態32に至るまで、装置内環境と同等ないし劣化速度の遅い冷蔵環境に開封状態で保管される。ここで、A1の残り3個の有効期間の始期は、開封後ただちに装置に導入した状態(枠31a)における試薬カートリッジの有効期間の始期と同じと仮定する。この仮定に基づいて個々の試薬カートリッジについて装置内の有効期間を管理するということが本発明の特徴の一つとなっている。すなわち、開封後ただちに装置に導入することにより得た、固有識別子と読取時刻との関連付けにより、遅れて装置に導入した試薬カートリッジの有効期間を、固有識別子に応じて一律に管理することができるようになった。ただし、装置内への導入の遅れの分だけ装置内有効期間は短くなる。
開封時期が遅れた、異なる識別子B2の付いた試薬カートリッジについても、A1と同様のことが言える。防湿袋30bに入れられた4個の試薬カートリッジB2は、それぞれBという内容物が入った試薬カートリッジであり、それぞれ同一の固有識別子である「2」が付されている。そのうち1個の試薬カートリッジを、内容物の劣化が無視できる時間内に装置内に移す工程が枠31bとして表されている。
さらに開封時期が遅れた、C3とD3が2個ずつ封入された状態30cの試薬カートリッジについて、開封後装置に導入する際、C3を2個、D3を1個選択し、A1を3個、2個のB2を加えて1個のトレイに載せ替えるとする。この工程が枠32として表されている。この場合、C3およびD3については、装置への導入とそれに続く固有識別子の読み取りによりその読取時刻を有効期間の始期に設定し、A1およびB2についてはそれぞれの固有識別子と読取時刻との記憶された関連付けから検索された読取時刻を有効期間の始期に設定すればよい。図3において、矢印の長さは有効期間の長さを表すが、C3(内容物C)については他の試薬カートリッジに比べて長い有効期間となっている。すなわち、内容物の種類に応じた有効期間を監視することができることを示している。
図4は、本発明の自動分析装置について、特に好ましい態様を例示するブロック図である。
(1)各種識別情報の付された試薬カートリッジを一定の環境で受け入れ保管する保管部40と、
(2)保管部40に置かれた試薬カートリッジの位置情報を取得し、試薬カートリッジに付された各種識別情報を読み取る読取部41と、
(3)読取部41で読み取った各種識別情報と、それを読み取った読取時刻の初回値とを関連付けて作成する識別情報データベース部42と、
(4)保管部40に置かれた試薬カートリッジについて、識別情報データベース部42に記憶された読取時刻の初回値を、試薬カートリッジの有効期間の始期に設定して有効期間を監視する制御部43と、
(5)試薬カートリッジを使用して検体分析を行う分析部44と
(6)試薬カートリッジの位置情報に対応する、試薬カートリッジの各種識別情報および有効期間を監視する制御部43の情報に基づいて試薬カートリッジの在庫配置を作成および/または表示する在庫マッピング手段45と、
(7)在庫マッピング手段45に基づいて、使用すべき試薬カートリッジを選択して分析部44へのスタンバイ位置52に載置し、前記試薬カートリッジの各種識別情報を読み取ることにより、選択した在庫マッピング上の情報との照合を行う選択後照合手段46と、
(8)使用した試薬カートリッジ各種識別情報を、検査結果と結びつけ記憶するトレーサビリティ情報記憶部47と、
を備えている。なお、保管部40が提供する環境は、検体測定のための反応過程および検出過程における環境(たとえば37℃)に短時間で移行でき、かつ試薬の劣化速度をできるだけ遅くするような環境(10~15℃)に設定するのが一般的である。
図5に保管部40および読取部41の平面模式図を示す。図1に示したような試薬カートリッジ10を収容した載せ替えトレイ20が6個並べられている。この保管部は、マトリックス状に並べられた試薬カートリッジ10を載せた同じ形・同じ大きさのトレイを、さらにマトリックス状に並べるのに都合よく作られている。読取部41は、XYZ軸可動ヘッド53に識別コード読取部55および試薬カートリッジの有無検知部56が装着された構成となっている。このXYZ軸可動ヘッド53は、保管部40全体にマトリックス状に並べられた試薬カートリッジ上の識別情報を読み取るのに好適な軌道を間欠的に移動することができる。さらにXYZ軸可動ヘッド53は、試薬カートリッジを持ち上げて所定位置まで搬送するチャック搬送手段(不図示)を備えており、使用すべき試薬カートリッジ20を選択して分析部へのスタンバイ位置52に載置することができる。よって読取部41およびチャック搬送手段は、選択後照合手段46の一部を構成するともいえる。
保管部40には、たとえば図3の枠32で囲んだ異なる種類の試薬カートリッジを1個の載せ替えトレイに載せ替えた状態で導入することができる。例えば、図6に示すように、4種類の試薬カートリッジであるT3試薬、FT3試薬、FT4試薬、TSH試薬を、載せ替えトレイ60のそれぞれの行位置62、63、64、65に右寄せで並べるといった態様である。載せ替えトレイ60に対して、読取部41はまず識別情報61を読みに行く。識別情報61は、行位置62、63、64、65の右端にそれぞれ載置された試薬カートリッジに付された各種識別情報を読み取る動作を指示する指示コードを含んでいる。図6における太矢印は読取部が各種識別情報を読み取る経路を示している。在庫マッピング手段45は、走査読み取りした試薬カートリッジの各種識別情報に基づいて、走査読み取りしていない同じ行内に載置された試薬カートリッジに付された各種識別情報を同種のものと見なす。試薬カートリッジの載置情報は読取部41に備えられた有無検知部56により得ることができる。
図7(a)は、図6に示した載せ替えトレイの外形と同様の枠構造を有する枠体70と、これに着脱可能な、試薬カートリッジを保持する保持座が直線状に並んだ載せ替え内部トレイ72、75と内部トレイ73、74から構成された構造を有する分割式トレイである。図7(b)は6個の保持座76が並んだ載せ替え内部トレイ72を示す。載せ替え内部トレイ72、75と内部トレイ73、74にはそれぞれトレイ情報の異なる4種類の試薬カートリッジであるTSH試薬、検体希釈液、FT3較正試薬、FT3試薬が載置されている。図中の太矢印は読取部の読み取り経路を示す。
枠体70に対して、読取部41はまず識別情報71を読みに行く。識別情報71は、載せ替え内部トレイ72に付された識別情報77を読みに行く動作を指示する指示コードを含んでいる。識別情報77は、この載せ替え内部トレイ72に載置された右端の試薬カートリッジ(TSH試薬)に付された識別情報を読みに行く動作を指示する指示コードを含んでいるが、内容物に関する情報は含んでいない。
つぎに読取部41は、左隣の試薬カートリッジの方には行かず、つぎの内部トレイ73に付された識別情報78を読みに行く。識別情報78は内容物がTSH検体希釈液であるという内容物に関する情報と、当該内部トレイが包装・供給されたときのトレイ枠体または防湿袋に固有の識別子を含んでいる。
つぎに読取部41は、その内部トレイ73に載置された試薬カートリッジの方には行かず、つぎの内部トレイ74に付された識別情報79を読みに行く。識別情報79は、内容物がFT3較正試薬であって3通りの濃度レベルで存在する試薬カートリッジを収載するという内容物に関する情報と、当該内部トレイが包装・供給されたときのトレイ枠体または防湿袋に固有の識別子とを含んでいる。
つぎに読取部41は、載せ替え内部トレイ75に付された識別情報80を読みに行く。識別情報80は、載せ替え内部トレイ75に載置された右端の試薬カートリッジ(FT3試薬)に付された識別情報を読みに行く動作を指示する指示コードを含んでいるが、内容物に関する情報は含んでいない。
在庫マッピング手段45は、載せ替え内部トレイ72、75については走査読み取りした試薬カートリッジ上の各種識別情報に基づいて、走査読み取りしていない同じ行内に載置された試薬カートリッジに付された各種識別情報を同種のものと見なす。試薬カートリッジの載置情報は読取部41に備えられた有無検知部56により得ることができる。
在庫マッピング手段45は、保管部40に導入された試薬カートリッジについて読み取った各種識別情報に基づいて試薬カートリッジの在庫配置を作成・表示するものであり、図8にその表示の態様を例示する。
右上の四角形81は、図6で説明した載せ替えトレイ60の在庫マップを表す。最上部に「Misc」とあるのは、混在して収載可能なトレイであることを示す。「残日」とは有効期間の終期までの残日数を意味し、有効期間を監視する制御部の情報に基づき、日数の経過に応じてカウントダウンする値である。具体的には、TSH試薬の在庫が8個で残日数30日、FSH試薬の在庫が5個で残日数28日、FT3試薬の在庫が4個で残日数25日、T3試薬の在庫が6個で残日数20日となっている。
右中の四角形82は、図7で説明した載せ替え内部トレイと内部トレイを有した枠体70の在庫マップを表す。最上部に「STRIP」とあるのは、試薬カートリッジを内部トレイ、載せ替え内部トレイごとに混在して収載できることを示す。具体的には、FT3試薬の在庫が4個で残日数25日、FT3較正試薬の在庫が6個で残日数90日、検体希釈液の在庫が6個で残日数80日、TSH試薬の在庫が6個で残日数27日となっている。
右下の四角形83は、分割式トレイに検体希釈液6個を収載する内部トレイが4個あり、いずれの残日数も95日であることを示す。左下の四角形84は、同じく分割式トレイにTSH較正試薬3個を収載する内部トレイが4個あり、いずれの残日数も70日であることを示す。
左中の四角形85は、AFP試薬の在庫が32個で残日数が25日となっている。左上の四角形86は、TSH試薬の在庫が32個で残日数が30日となっている。
図9に、本発明の自動分析装置で検体を測定した検査結果と、使用した試薬カートリッジの各種識別情報等を記憶するトレーサビリティ情報記憶部の内容の一部を例示した。図9で特徴的なのは、試薬詳細の項目のうち、試薬ロット・シリアルと並んで供給トレイのシリアル番号が収載されていることである。検査結果における異常値の原因解析において、測定条件の一つである保管環境の履歴の異同を精査する上で有用な情報を与えることができる。
10 試薬カートリッジ
11a、11b ウェル
12 アルミ箔シール
13 二次元コード(試薬カートリッジに付された識別情報)
20 供給トレイ
23 二次元コード(トレイに付された識別情報)
25 防湿袋
30a、30b、30c 防湿袋内を意味する枠
31a,31b、32 装置内を意味する枠
40 保管部
41 読取部
42 識別情報データベース部
43 制御部
44 分析部
45 在庫マッピング手段
46 選択後照合手段
47 トレーサビリティ情報記憶部
52 スタンバイ位置
53 XYZ軸可動ヘッド
55 識別コード読取部
56 有無検知部
60 載せ替えトレイ
61 識別情報(載せ替えトレイに付された指示コード)
62、63、64、65 載せ替えトレイの行位置
70 枠体
71 識別情報(トレイ枠体に付された指示コード)
72、75 載せ替え内部トレイ
73、74 内部トレイ
76 保持座
77、80 識別情報(載せ替え内部トレイに付された指示コード)
78、79 識別情報(内部トレイに付された指示コード及び内容物に関する情報)
81、82、83、84、85、86 各トレイの在庫マップ

Claims (5)

  1. 内容物に関する識別情報と、
    収容容器を特定する識別情報および包装手段を特定する識別情報のいずれかまたは組み合わせに関する識別情報と、
    が付されている試薬カートリッジが複数個収容されたパッケージから、前記試薬カートリッジを自動分析装置内に載置する際に、
    少なくとも1個の前記試薬カートリッジに付された各種識別情報を読み取る工程と、
    前記各種識別情報のうち前記収容容器または前記包装手段を特定する識別情報とその読取時刻を関連付けて記憶する工程と、
    前記少なくとも1個の試薬カートリッジに付された前記収容容器または前記包装手段を特定する識別情報が関連付けられた読取時刻のうち最も早い時期の読取時刻を、前記試薬カートリッジに対する有効期間の始期に設定する工程と、
    を含むことを特徴とする試薬カートリッジの有効期間の管理方法。
  2. 設定された有効期間の始期に照らして前記試薬カートリッジの有効期間を監視する工程と、
    をさらに含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
  3. 内容物に関する識別情報と、収容容器を特定する識別情報および包装手段を特定する識別情報のいずれかまたは組み合わせに関する識別情報と、が付されている試薬カートリッジを一定の環境で受け入れ保管する保管部と、
    前記保管部に置かれた前記試薬カートリッジの位置情報を取得し、前記試薬カートリッジに付された各種識別情報を読み取る読取部と、
    前記読取部で読み取った前記各種識別情報のうち前記収容容器または前記包装手段を特定する識別情報と、それを読み取った読取時刻の初回値とを関連付けて作成する識別情報データベース部と、
    前記保管部に置かれた前記試薬カートリッジについて、前記識別情報データベース部に記憶された前記読取時刻の初回値を、前記試薬カートリッジの有効期間の始期に設定して有効期間を監視する制御部と、
    前記試薬カートリッジを使用して検体分析を行う分析部と、
    を備えたことを特徴とする自動分析装置。
  4. 前記試薬カートリッジの位置情報に対応する、前記試薬カートリッジの前記各種識別情報および前記制御部の情報に基づいて前記試薬カートリッジの在庫配置を作成および/または表示する在庫マッピング手段と、
    前記在庫マッピング手段に基づいて、使用すべき前記試薬カートリッジを選択して前記分析部へのスタンバイ位置に載置し、前記試薬カートリッジの前記各種識別情報を読み取ることにより、選択した在庫マッピング上の情報との照合を行う選択後照合手段と、
    使用した前記試薬カートリッジの前記各種識別情報を、検査結果と結びつけ記憶するトレーサビリティ情報記憶部と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項に記載の自動分析装置。
  5. 前記在庫マッピング手段が、読み取りした前記試薬カートリッジの前記各種識別情報に基づいて、同じ行内に載置された、読み取りしていない前記試薬カートリッジの前記各種識別情報を同種のものと見なすものであることを特徴とする請求項に記載の自動分析装置。
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