JP7387656B2 - 嫌気性処理装置および嫌気性処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、微生物を利用して有機性廃水や下水などの被処理液を処理する技術に関する。
微生物を利用した有機性廃水の処理として、好気性生物処理、嫌気性生物処理が挙げられる。嫌気性生物処理の中でもメタン発酵処理は、酸素のない嫌気性環境下で生育する嫌気性微生物の代謝反応を利用して、有機性廃水中の有機物をメタンガスや炭酸ガスなどに分解する生物処理方法である。
メタン発酵処理は、好気性生物処理と比べて、汚泥発生量が少なく、ブロワー(曝気)などの電気代が不要なためランニングコストがかからないと言ったメリットがあるほか、発生したメタンガスを有効利用できるなどのメリットがあるため、近年、有機性廃水の処理方法として特に注目されている。
メタン発酵処理の種類としては、例えばUASB(Upflow Anaerobic Sludge Blanket(上向流嫌気性汚泥床)の略)法、固定床法、流動床法等のメタン発酵処理方式などが知られている。中でも、UASB法は、メタン発酵菌等の嫌気性菌をグラニュール状に造粒化することにより、リアクター内のメタン発酵菌の濃度を高濃度に維持できるという特徴があり、その結果、廃水中の有機物の濃度が相当高い場合でも効率よく処理できるため、有機性廃水の処理方法として国内外で普及している。
しかしながら、グラニュール汚泥は負荷変動時に内部にガスを抱えて浮上し、リアクターから流出することがある。また、メタノールなどの低分子有機物はグラニュール汚泥自体を維持できず、グラニュール汚泥が解体し、リアクターから流出してしまう。結果として、汚泥量の維持管理に多大な労力を割く必要があるという課題を抱えていた。
そこで、UASB法の改良型として、メタン発酵菌などの嫌気性菌からなる生物膜を付着させた担体を利用し、汚泥量を安定して維持するメタン発酵法が開発されている。以下に説明する特許文献に開示されているように、メタン発酵に適した担体や、嫌気性菌を担体への付着を促進する方法、その担体を流動させる反応槽の開発が進められてきた。
・特許文献1
メタン発酵菌からなるグラニュール汚泥を使用するUASBにポリビニルアルコール系の担体を投入することで、UASBにおいてグラニュール汚泥の形成が困難な場合においても、安定処理が達成可能とされている。しかし、反応槽の構造についてはUASBのみの記載で、担体に適した構造は示唆されていない。
・特許文献2
嫌気性菌を付着させる担体を投入した処理方法において、処理槽の底部および液面下方付近に設けた回転翼によって、低動力で担体の槽内混合を得られ、さらに槽内で発生したバイオガスを回転翼によって担体から除去することで、担体分離部での処理水と担体の分離性を向上可能とされている。しかし、撹拌モーターが処理槽上部に設置されているため、メンテナンス時に高所作業となり、作業性が悪いといった課題がある。
・特許文献3
担体を用いて嫌気性条件下で排水を浄化処理する排水処理装置において、担体を分離するスクリーンが設置されている。しかし、多量の担体が嫌気反応槽から流出するとスクリーンの目詰まりが頻発し、メンテナンス作業が頻発するといった課題がある。
・特許文献4
流動性の非生物担体を充填した嫌気性処理装置において、処理槽内に整流板を設置することで、嫌気性処理槽からの担体の流出を防ぐことが可能とされている。しかし、処理槽内の流動は制御されていないため、担体戻し流路から担体引き込み流路へ逆流することで、担体が槽外へ流出する。処理水排出部に担体分離スクリーンが設けられた場合は、スクリーンが閉塞する。
・特許文献5
微生物担体として活性炭を充填した上向流式反応器では、内部に気・液・固分離部を垂直方向に多段に有することで反応器内下部での原水と分解関与微生物の接触反応を促進すると共に、微生物担体の処理水への流出を極力少なくでき、菌体濃度の高い反応器となるとされている。しかし、高負荷時に下方の気・液・固分離部でガス回収が不十分となることで、上部のガス撹拌が過大となり、微生物担体が処理水に流出する。
・特許文献6
微生物担体を用いた嫌気性処理の立ち上げ方法について、嫌気性微生物が付着している馴致担体と、嫌気性微生物が付着していない新規担体とを混在させることが記載されている。しかし、反応槽内部にはスクリーンと撹拌機以外の構造は示されていない。
・特許文献7
反応槽内部に微生物塊から気泡を分離させる気泡分離部材、分離された気泡を捕集する気泡補修部、微生物塊と処理水を分離する固液分離部材を備える微生物塊を使用した嫌気性処理装置が開示されてる。しかし、微生物担体を使用することは記載されていない。また、気泡分離部材および固液分離部材がスクリーンであり、水の流れを制御するものではない。
特開2014-100678号公報 特開2012-30155号公報 特開2013-240768号公報 特許第6048557号公報 特許第4428188号公報 特開2018-015691号公報 特許第5636862号公報
上述のように、従来技術では、嫌気性反応槽からの担体の流出を抑止するために、撹拌機やスクリーン、沈澱池が必要とされていた。しかし、撹拌機は機械類のメンテナンス、スクリーンは閉塞防止のための洗浄装置が必要となる。沈澱池は大きな設置面積を必要とするというデメリットがあった。また、撹拌機やスクリーンが不要となるように整流壁や垂直方向の気固液分離を設置しても、反応槽内の流動や高負荷時のガス撹拌を制御できず、担体が流出する課題があった。
そこで、本発明は、反応槽(嫌気性反応手段)上部にメンテナンスが必要な撹拌機やスクリーンといった装置を設置することなく、反応槽(嫌気性反応手段)内で気液分離と固液分離を達成し、反応槽からの担体流出を抑制することができる嫌気性処理装置を提供する。また、本発明は、そのような嫌気性処理装置を用いた嫌気性処理方法を提供する。
一態様では、担体に付着した嫌気性微生物により被処理液を嫌気性処理してガスを発生させる、底面を有する反応槽と、前記反応槽内に配置され、下部入口および上部出口を有するガスコレクタと、前記ガスコレクタの前記上部出口を囲むように配置され、前記ガスコレクタの前記上部出口から流出した前記担体および前記被処理液を下方に案内する案内壁と、前記ガスコレクタの下方に配置され、前記反応槽の内面に固定されたバッフルと、前記バッフルの下方に位置する液体供給部を備え、前記ガスコレクタは、外側に向かって下方に傾斜した屋根と、前記屋根の頂部から上方に延びる流路構造体を有し、前記案内壁の上端は前記反応槽の液体流出口よりも高い位置にあり、前記バッフルは、前記ガスコレクタの前記下部入口の下方に位置する開口部を有する、嫌気性処理装置が提供される。
一態様では、前記バッフルは、前記反応槽の中心に向かって上方に傾く下面を有している。
一態様では、前記バッフルの上面と前記下面との間の角度は、5°以上30°以下である。
一態様では、前記ガスコレクタの前記下部入口の直径は、前記ガスコレクタの前記上部出口の直径の1.5倍~3倍である。
一態様では、前記屋根の傾斜角度は、45°~75°の範囲内である。
一態様では、前記液体供給部は、前記反応槽の底面を向いた供給口を有している。
一態様では、嫌気性微生物が付着した担体と、被処理液とを、上記嫌気性処理装置の前記反応槽内に供給し、前記嫌気性微生物により前記被処理液を嫌気性処理してガスを発生させる、嫌気性処理方法が提供される。
一態様では、前記嫌気性処理装置の前記反応槽の内面と前記案内壁の外面との間には固液分離流路が形成されており、前記固液分離流路内の前記被処理液の平均上昇流速は、8m/(m・hr)以上100m/(m・hr)以下である。
一態様では、前記嫌気性微生物は、メタン菌を少なくとも含み、前記ガスはメタンガスである。
一態様では、前記嫌気性微生物は、嫌気性アンモニア酸化菌を少なくとも含み、前記嫌気性処理は嫌気性アンモニア酸化処理である。
本発明によれば、バッフルにより反応槽の下部には被処理液の旋回流が形成され、被処理液と担体が撹拌される。さらに、ガスコレクタおよび案内壁により反応槽の上部にも被処理液の旋回流が形成される。案内壁は、被処理液の通過を許容しないので、被処理液および担体は、ガスコレクタから流出した後に案内壁に衝突して下向流を形成する。この下向流は担体が反応槽の液体流出口に向かうことを防ぐことができる。さらに、案内壁と反応槽の内面との間には固液分離流路が形成される。担体は固液分離流路内で沈降するので、反応槽からの担体の流出を防止することができる。さらに、バッフルは、気泡が反応槽の液体流出口に向かうことを防ぎ、ガスの回収率を高めることができる。加えて、バッフルは、反応槽の下部と上部に形成された2つの旋回流が衝突することを防ぐ。結果として、反応槽の内部での乱流が起こりにくく、被処理液の安定した処理が達成できる。
嫌気性処理装置の全体の一実施形態を示す模式図である。 反応槽の断面図である。 反応槽の斜視図である。 実施例及び比較例の詳細を示す表である。 図4の比較例1,2の構成を示す図である。 図4の比較例3,4の構成を示す図である。 図4の比較例5,6の構成を示す図である。 実施例および比較例における反応槽の垂直断面のガス体積分率を示す図である。 比較例における反応槽の垂直断面のガス体積分率を示す図である。 反応槽内の液体の流れを示す流体シミュレーション結果を示す図である。 被処理液中のアンモニア性窒素を、嫌気性アンモニア酸化菌の働きにより窒素ガスに変換する脱窒処理を実行するための嫌気性処理装置の一実施形態を示す図である。
以下に説明する実施形態は、担体に付着した嫌気性微生物により有機性廃水を嫌気性処理し、メタンガスを生成する技術に適用された嫌気性処理装置であるが、本発明は、嫌気性条件下で被処理液中のアンモニア性窒素を、嫌気性アンモニア酸化菌の働きにより窒素ガスに変換する脱窒処理(嫌気性アンモニア酸化処理)にも適用することができる。
図1は、嫌気性処理装置の全体の一実施形態を示す模式図である。図1に示すように、嫌気性処理装置は、被処理液の一例である有機性廃水を酸発酵処理する酸発酵槽1と、酸発酵槽1から送られた有機性廃水を嫌気性条件下で嫌気性微生物の働きにより嫌気性処理する反応槽2を備える。酸発酵槽1と反応槽2は移送ライン5で連結されている。移送ライン5には移送ポンプ6が接続されており、移送ポンプ6の動作により有機性廃水は酸発酵槽1から反応槽2に移送ライン5を通って移送される。反応槽2の上部には循環ライン7が接続されている。循環ライン7には循環ポンプ8が接続されており、反応槽2内の有機性廃水の一部は循環ポンプ8の動作により反応槽2の上部から移送ライン5に戻される。
図1において、有機性廃水(被処理液)を酸発酵槽1にて酸発酵処理した後、反応槽2に導入して嫌気性処理し、処理された有機性廃水を後処理水槽(図示せず)に送る。後処理水槽に一旦送られた処理済みの有機性廃水を酸発酵槽1及び/又は反応槽2に戻し、槽内の上向流速の制御に用いてもよい。
図2は、反応槽2の断面図であり、図3は、反応槽2の斜視図である。反応槽2は、担体に付着した嫌気性微生物により被処理液を嫌気性処理してガスを発生させる嫌気性処理槽である。図2および図3に示すように、反応槽2の内部には、ガスコレクタ10、案内壁20、バッフル30、および液体供給部40が配置されている。本実施形態では、反応槽2は、円筒形状を有している。一実施形態では、反応槽2は、直方体の形状を有してもよい。
ガスコレクタ10は、外側に向かって下方に傾斜した屋根11と、屋根11の頂部から上方に延びる流路構造体12を有する。本実施形態では、屋根11は、円錐台形状を有する屋根である。屋根11の下端は、下方に開口しており、ガスコレクタ10の下部入口10aを構成する。屋根11の頂部は、流路構造体12に接続されている。屋根11の内部は、流路構造体12の内部に形成された鉛直流路12aに連通している。この鉛直流路12aの上端は、ガスコレクタ10の上部出口10bを構成する。ガスコレクタ10の上部出口10bは、反応槽2の側壁の上部に設けられた液体流出口17よりも低い位置にある。したがって、ガスコレクタ10の上部出口10bは、反応槽2内の液面よりも低い位置にある。
案内壁20は、ガスコレクタ10の上部出口10bを囲むように配置されている。案内壁20の上端は、反応槽2の液体流出口17よりも高い位置にあり、案内壁20の下端は、液体流出口17よりも低い位置にある。したがって、案内壁20の上端は、反応槽2内の被処理液の液面よりも高い位置にあり、案内壁20の下端は、反応槽2内の被処理液の液面よりも低い位置にある。ガスコレクタ10の上部出口10bの全体は、案内壁20によって囲まれており、流路構造体12と案内壁20とによりラビリンス型二重壁が構成される。本実施形態では、案内壁20の下端は、ガスコレクタ10の屋根11の上方に位置している。
バッフル30は、ガスコレクタ10の下方に配置され、反応槽2の内面に固定されている。バッフル30は、ガスコレクタ10の下部入口10aの下方に位置する開口部30cを有する。バッフル30は、反応槽2の内面から反応槽2の中心に向かって張り出している。本実施形態では、反応槽2は円筒形状であり、バッフル30は反応槽2の内周面に沿った環状である。バッフル30は、反応槽2の内面の全周に亘って延びており、切れ目のない形状を有している。
バッフル30の下面30aは、反応槽2の中心に向かって上方に傾いている。これは、被処理液から発生したメタンガスからなる気泡がバッフル30の下面30aに捕捉されないようにするためである。水平方向に対するバッフル30の下面30aの角度は、5~30°の範囲内である。バッフル30の上面30bは、水平である。一実施形態では、バッフル30の上面30bは水平に対して傾いてもよい。バッフル30の上面30bと下面30aとの間の角度θは、5°以上30°以下である。
液体供給部40は反応槽2の底面を向いた供給口41を有している。有機性廃水(被処理液)は、バッフル30の下方に位置する液体供給部40から反応槽2内に供給される。
[反応槽2内の流れ]
図2において、メタンガスからなる気泡の流れを点線の矢印、担体の流れを一点鎖線の矢印、液体の流れを実線矢印で示す。
有機性廃水は、液体供給部40の供給口41から反応槽2の底面に向かって供給される。有機性廃水は、反応槽2の底面に沿って外側に流れ、さらに反応槽2の内面に沿って上昇する。有機性廃水の上昇流は、バッフル30の下面30bに衝突し、有機性廃水は反応槽2の中央に導かれた後、反応槽2の中央で下降する。このようにして、有機性廃水は反応槽2の下部に旋回流を形成する。
嫌気性微生物が付着した担体は、有機性廃水が反応槽2に供給される前に、反応槽2の頂部に設けられた図示しない投入口から反応槽2内に投入される。嫌気性微生物は、メタン菌および酸生成菌を含む。有機性廃水および担体は、旋回流によって混合されながら、担体に付着した嫌気性微生物の働きによりメタン発酵が起こり、メタンガスが発生する。メタンガスの一部は気泡として担体に付着し、残りのメタンガスは有機性廃水内に気泡として存在する。気泡が付着した担体、および有機性廃水内に浮遊する気泡は、バッフル30によって反応槽2の中央に誘導され、バッフル30の開口30cを通り、ガスコレクタ10の下部入口10aからガスコレクタ10内に流入する。
ガスコレクタ10内に流入した気泡および担体は、ガスリフト効果によって、有機性廃水を同伴してガスコレクタ10内を上昇する。ガスコレクタ10の屋根11は、その流路断面積が徐々に小さくなる形状を有しているので、担体の速度が徐々に上昇し、流路構造体12の鉛直流路12a内で最大に達する。担体および気泡は、鉛直流路12a内を高速で上昇し、結果として、担体には大きなせん断力が作用する。このせん断力により担体に付着した気泡が分離する。このようにして、ガスコレクタ10内で固気分離が達成される。
有機性廃水、担体、および気泡は、ガスコレクタ10の上部出口10bから流出する。ガスコレクタ10上方では、気泡は、メタンガスとして液面から放出され、反応槽2の上壁に接続された気体出口50を通って排出され回収される。ガスコレクタ10の上部出口10bから流出した有機性廃水および担体は、案内壁20に向かって外側に流れる。案内壁20は、被処理液および担体の通過を許容しない構造物である。したがって、有機性廃水および担体は、案内壁20の内面に衝突した後、下方に案内され、下向流を形成する。有機性廃水および担体は、ガスコレクタ10の流路構造体12と案内壁20との間の流路を下向きに流れる。
下向流を形成する有機性廃水の一部は、担体から分離されながら、案内壁20の外面と反応槽2の内面との間の流路60を上昇し、液体流出口17から流出する。担体の一部は、有機性廃水の流れに追随して流路60に流入するが、担体は、有機性廃水よりも比重が大きいので、流路60内を沈降し、液体流出口17には到達しない。このように、案内壁20の外面と反応槽2の内面との間の流路60は、有機性廃水と担体とを分離する固液分離流路を構成する。
バッフル30は、反応槽2の下部からの固液分離流路60への気泡の流入を阻止することで、固液分離流路60においてガス撹拌を起こさせないため、固液分離効果を高めている。反応槽2の下部に向かう下向流は、バッフル30の上面30bによって反応槽2の中央に案内される。上述したように、バッフル30の上面30bと下面30aとの間の角度θは、5°以上30°以下であるので、バッフル30の上面30bおよび下面30aによって案内される有機性廃水の2つの流れは、互いに衝突せず、乱流が起きにくい。結果として、反応槽2の全体において安定した流れが形成され、安定した処理が達成される。
反応槽2では、嫌気性反応により発生するバイオガス(メタンガス)が反応槽2内を上昇して、反応槽2から気体出口50を通って外部に排出されて回収される。反応槽2から回収されたバイオガスは、必要に応じて脱硫などのガス精製を行った後に、ボイラーなどで利用することができる。反応槽2は、30℃~40℃を至適温度とした中温メタン発酵処理槽、50℃~60℃を至適温度とした高温メタン発酵処理槽など、すべての温度範囲の嫌気性処理槽を制限無く用いることができる。
[反応槽2(嫌気性処理槽)の運転条件]
反応槽2が上向流型嫌気性処理槽の場合のLVは1m/h以上20m/h以下、特に2m/h以上10m/h以下が好ましい。反応槽2内を所定のLVに調整するために、嫌気性反応(メタン発酵)が行われた有機性廃水の一部を、反応槽2の下部に設けられている液体供給部40に循環させることができる。循環させる有機性廃水は、反応槽2から流出した処理済みの有機性廃水や、担体を含む反応槽2内の有機性廃水でもよい。担体を含む反応槽2内の有機性廃水を循環させる場合には、循環ポンプ8には担体を破壊しないようなスネークポンプ等を使用することが好ましい。図2に示す案内壁20と反応槽2の内面との間の固液分離流路60には槽内中心部と比較して担体が少ないため、固液分離流路60は有機性廃水の取り込み位置として好ましい。
反応槽2の設計負荷(CODCr容積負荷)は、被処理液である有機性廃水の性状に依存するが、1~50kg/(m・d)の範囲とすることができる。グラニュール汚泥では内部に気泡を抱えて浮上したり、過大なガス撹拌によりグラニュール汚泥が解体したりすることがあるため、高負荷処理は困難であるが、担体を利用することで、より高負荷処理が可能となる。
[担体]
担体自体は図示していないが、担体は投入口(図示せず)から反応槽2内に投入され、有機性廃水とともに流動させる。担体は、嫌気性微生物を担持して、担体表面で嫌気性微生物を繁殖させることができるものであれば特に制限無く用いることができる。
担体の形状は、球状、円柱状、直方体、中空状などいずれの形状でもよいが、嫌気性微生物の担持量、繁殖した嫌気性微生物と有機性廃水との接触効率、反応槽2内での担体の保持量などを考慮して、特に球状が好ましい。
担体の寸法は、平均値(球状粒子の場合には中位径d50、他の形状の場合には最大寸法と最小寸法との算術平均値)で0.1mm以上10mm以下が好ましく、特に2mm以上6mm以下が好ましい。
担体は、嫌気性微生物が付着しやすい細孔を有する多孔質担体であることが好ましく、細孔径は1μm以上100μm以下が好ましく、特に5μm以上50μm以下であることが好ましい。
また、反応槽2内にて担体を流動させるためには、未使用の担体を充填した直径80mmの円筒カラムに清水を上向流で上昇線速度(LV)を1m/h以上20m/h以下で通水した場合の膨張率(投入時担体高さに対する通水時担体高さ)が、105%以上150%以下、特にLV2m/h以上15m/h以下で通水した場合の膨張率110%以上130%以下となる担体が好ましい。
担体の素材は、嫌気性微生物が付着すればどのような素材でも良いが、上述の諸要件を充足することから、特に活性炭、ポリビニルアルコール、エチレングリコールなどが好ましい。
[有機性廃水]
本実施形態の嫌気性処理方法により処理できる有機性廃水のCODCrは特に限定されるものではなく、100mg/L以上50,000mg/L以下の範囲の有機物濃度が低濃度乃至高濃度の有機性廃水に適用することができる。有機物濃度が高濃度の有機性廃水の場合には、原水成分の阻害を緩和するために適宜希釈することが好ましい。
本実施形態の嫌気性処理方法は、グラニュール汚泥を維持できない組成の有機性廃水の処理に特に有用である。例えば、グラニュール汚泥の強度が低下してグラニュール汚泥を維持できないエタノール、メタノール、酢酸などの炭素数5以下の低分子有機物を含む有機性廃水や、グラニュール汚泥を解体させてしまう配管洗浄剤、キレート剤、殺菌剤などを含む飲料工場などからの有機性廃水などの処理に効果的である。
図1には、有機性廃水は、酸発酵槽1にて酸発酵処理した後、反応槽2に流入する処理フローを示すが、酸発酵処理は必須ではない。すでに酸発酵が十分進行している有機性廃水や、酸発酵処理を行わずに反応槽2のみで処理可能な有機性廃水の場合には酸発酵槽1を用いる必要はない。例えば、有機性廃水CODCrに対する炭素数5以下の有機酸のCODCr換算値の合計が40%以上を占める有機性廃水や、メタノールやホルムアルデヒドなど炭素数1の低分子有機物が有機性廃水CODCrの70%以上を占める有機性廃水の場合には、酸発酵処理は不要である。酸発酵処理を行う場合には、酸発酵槽1では酸生成菌に適したpHである5.5以上となるようにアルカリ剤でpH調整を行う。メタン発酵処理水を酸発酵槽1に循環することで、メタン発酵処理水に含まれるアルカリ成分によってアルカリ剤添加量を削減することもできる。酸発酵槽1の滞留時間は、有機性廃水中に含まれる成分によって2時間以上48時間以下の範囲で適宜決定することができるが、分解しやすい糖質成分を含む場合は2時間以上6時間以下とすることが多い。
[ガスコレクタ10]
ガスコレクタ10は、図2および図3に示す様に、上端と下端が開口しており、上部出口10bと下部入口10aを構成する。下部入口10aは上部出口10bよりも大きく、ガスコレクタ10の屋根11は、傘又は円錐台の形状を有している。本実施形態では、ガスコレクタ10の屋根11は、円錐台の形状を有する。
ガスコレクタ10の上部出口10bは液面よりも下方に位置する。その上部出口10bは、反応槽2の底部から液面までの高さの70%以上90%以下に位置する。このような位置とすることで、ガスコレクタ10内を上昇した有機性廃水および担体が液面から勢いよく飛散することを防止し、水流のエネルギーが消費されることを防ぐことができる。結果として、案内壁20に向かう有機性廃水の強い流れを形成できる。ガスコレクタ10の下部入口10aは、反応槽2の底部から液面までの高さの30%以上65%以下に位置する。下部入口10aの面積は、反応槽2の水平方向の断面積の40%以上80%以下を占める。上部出口10bの直径は、下部入口10aの直径の1.5倍以上、3倍以下とする。このような寸法とすることで、有機性廃水内の担体および気泡をガスコレクタ10内に取り入れつつ、ガスコレクタ10の鉛直流路12a内で担体を高い速度で流すことができる。
ガスコレクタ10の屋根11の水平方向に対する角度は、45°以上75°以下である。このような角度とすることにより、担体は屋根11の上面に堆積しにくく、かつガスコレクタ10の全体の高さが過度に大きくなることを防ぐ。
[案内壁20(固液分離部)]
案内壁20の下端は、ガスコレクタ10の上部出口10bよりも低く、かつ下部入口10aよりも高い位置にある。反応槽2の内面と案内壁20の外面との間に形成される流路60は、固液分離流路として機能する。固液分離流路60内での有機性廃水の平均上昇流速は、8m/(m・hr)以上、100m/(m・hr)以下である。平均上昇流速の単位m/(m・hr)は、単位時間当たりに水平断面1mを流れる液体の体積を表す。反応槽2の側壁の上部には、固液分離流路60に連通する液体流出口17が少なくとも1つ設けられる。液体流出口17は複数設けられてもよい。処理された有機性廃水は、液体流出口17を通って反応槽2から排出される。整流効果を高めるため越流堰を設けることが好ましい。
[バッフル30]
バッフル30の全体は、ガスコレクタ10の下部入口10aよりも低い位置にある。バッフル30は、反応槽2の内面から中央に向かって延び、バッフル30の中央に開口部30cを有する環状とする。バッフル30は、反応槽2の底部からガスコレクタ10の下部入口10aまでの高さの60%以上90%以下に配置される。このような位置とすることで、バッフル30は、反応槽2の下部で発生した気泡をガスコレクタ10に導くことができ、固液分離流路60への気泡の侵入を防ぐことができる。バッフル30の水平方向の断面積は、固液分離流路60の水平方向の断面積の80%以上である。バッフル30の開口部30cは、ガスコレクタ10の下部入口10aと同じ大きさか、ガスコレクタ10の下部入口10aよりも小さい。
以下、図4の表に示す実施例及び比較例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。図5乃至図7は、図4の比較例1~6の構成を示す図である。
内径3.4m、高さ10mの円筒形の反応槽2とし、液体の供給流量92m/d、液体の循環流量966m/d、ガス発生量634m/dおよび63m/dとして水とガスの2相で流体シミュレーションを行った。ガス発生量634m/dの場合では、メタン発酵におけるCODCr容積負荷を20kg/(m・d)に設定した。ガス発生量63m/dの場合では、メタン発酵処理におけるCODCr容積負荷を2kg/(m・d)、もしくは窒素容積負荷を1kg/(m・d)に設定した。使用ソフトウェアは、Fluent ver18.0、乱流モデルはk-ε standard、計算方法は圧力-速度連成、疑似非定常オプションを利用し、残渣が安定した計算回数3000~5000回で評価を行った。
ガスコレクタ10の高さは2.5m、上部出口10bの直径は1.2m、下部入口10aの直径は2.4m、ガスコレクタ10の上部を構成する流路構造体12は高さ1.1mで鉛直の円筒であり、ガスコレクタ10の下部を構成する屋根11の高さは1.3mであった。案内壁20は、内径2.2mの円筒形で、案内壁20の下端は液面下2.0mに位置させた。バッフル30の外側は、反応槽2の内面に接し、バッフル30の開口部30cの直径は2.2m、バッフル30の下面30aの傾斜角度は15°であった。
ガスコレクタ10、案内壁20、バッフル30の3要素を備えた実施例、2要素および1要素を備えた比較例について、流体シミュレーションを行った。評価は、液体流出口17から0.5m下方の位置における固液分離流路60内の液体の流れ方向、流速、気泡含有率をもとに行った。各項目での評価基準は、担体が鉛直方向に沈降できるよう液体の流れ方向が上であること、担体の沈降速度より液体の流速が小さいこと、ガス撹拌をもたらす気泡含有率が少ないこと、とした。
実施例1ではガス発生量634m/dとした。ガスコレクタ10により強い上向流が形成され、案内壁20付近では下向流が形成された。さらにバッフル30により反応槽2の下部に存在する気泡が反応槽2の中央部に誘導されることで、固液分離流路60内の流れ方向は上、流速は0.02m/s、気泡含有率は0.001未満であり、良好な結果が得られた。
実施例2ではガス発生量63m/dとした。ガス発生量が少ない条件でもガスコレクタ10により強い上向流が形成され、案内壁20付近では下向流が形成された。さらにバッフル30により反応槽2の下部に存在する気泡が反応槽2の中央部に誘導されることで、固液分離流路60内の流れ方向は上、流速は0.02m/s、気泡含有率は0.001未満であり、良好な結果が得られた。
比較例1~6の構成は図5乃至図7に示す通りである。いずれもガス発生量634m/dとした。
比較例1は、バッフル30がないことで、固液分離流路60に気泡が流入し、上述した実施例1,2よりも気泡含有率が増加した。
比較例2は、案内壁20がないことで、ガスコレクタ10から流出した液体が液体流出口17に直接あたり、液体流出口17付近での流れ方向が下になった。
比較例3は、ガスコレクタ10がないことで、強い上昇流が形成されず、固液分離流路60にも気泡が流入することで上昇流が形成され、上述した実施例1,2よりも固液分離流路60での流速が増加した。
比較例4は、バッフル30および案内壁20がないことで、ガスコレクタ10から流出した液体が液体流出口17に直接あたり、液体流出口17付近での流れ方向が下になった。
比較例5は、バッフル30およびガスコレクタ10がないことで、旋回流は形成されず流速は小さいが、気泡含有率がもっとも大きかった。
比較例6は、案内壁20およびガスコレクタ10がないことで、不完全な旋回流が形成され、旋回流が液体流出口17に直接あたり、液体流出口17付近での流れ方向が下になった。
図8および図9に実施例および比較例における反応槽2の垂直断面のガス体積分率を示し、図10に反応槽2内の液体の流れを示す流体シミュレーション結果を示す。図8および図9に示すガス体積分率から、実施例では、比較例に比べて、液体流出口17の付近にガスが多く存在することが分かる。また、図10に示す流体シミュレーションの結果は、反応槽2の上部と下部に形成された2つの旋回流がバッフル30によって区分けされていること、ガスコレクタ10内に強い上向流が形成されていること、および固液分離流路60内には低速の上向流が形成されていることを示している。
本発明は、上述した実施形態に係る有機性廃水からメタンガスを生成する技術のみならず、下水などの廃水から窒素を除去する嫌気性アンモニア酸化処理にも適用することができる。嫌気性アンモニア酸化処理は、嫌気性条件下で被処理液中のアンモニア性窒素を、嫌気性アンモニア酸化菌の働きにより窒素ガスに変換する脱窒処理である。
図11は、図2および図3に示す反応槽を備えた嫌気性処理装置の他の実施形態を示す模式図である。図11の実施形態は、嫌気性アンモニア酸化処理を実行するための嫌気性処理装置である。図11に示す嫌気性処理装置は、亜硝酸化槽51と、亜硝酸化槽51に接続された沈降槽52と、沈降槽52を介して亜硝酸化槽51に接続された反応槽(脱窒槽または嫌気性アンモニア酸化槽)2とを備える。反応槽2の構成は、図2および図3を参照して説明した上記実施形態の構成と同じであるので、その重複する説明を省略する。
亜硝酸化槽51内には、散気装置53から空気が供給される。亜硝酸化槽51では、被処理液(原水)中に含まれるアンモニア性窒素(NH-N)の一部を亜硝酸菌の働きにより、亜硝酸性窒素(NO-N)に変換する部分亜硝酸化処理が行われる。部分亜硝酸化処理では、アンモニア酸化菌を安定して亜硝酸化槽51内に維持することが望ましい。アンモニア酸化菌を安定して維持するための方法としては、亜硝酸化槽51内にアンモニア酸化菌を付着固定できる担体を添加すること等が挙げられる。
亜硝酸化槽51に充填する担体としては、ポリエチレングリコール(PEG)やポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリルアミド、光硬化性樹脂等の合成高分子、カラギーナン、アルギン酸ソーダ等の高分子を用いたゲル担体、ポリエチレンやポリウレタン、ポリポロピレン等からなる担体、或いは活性炭からなる担体などが挙げられる。
担体の形状としては球形、四角形、円筒形の何れも使用可能であり、その有効径は、亜硝酸化槽51の出口に設けられたスクリーンにより安定して分離できる2~20mmであり、より好ましくは3~15mm、更に好ましくは3~10mmである。担体比重は曝気状態において均一に流動可能となる1.01~1.15、より好ましくは1.01~1.10、更に好ましくは1.01~1.05である。担体充填量は均一に混合流動可能となる5~30V%であるのが好ましく、より好ましくは10~20V%である。
亜硝酸化槽51では、担体添加と浮遊活性汚泥の共存が望ましい。浮遊活性汚泥の共存により、亜硝酸化槽51に流入する被処理液の水質が変動しても、活性汚泥処理による平均化が可能である。そのため、アンモニア酸化菌付着の微生物担体への影響がほとんど無く、安定した亜硝酸化処理が得られる。
沈降槽52では、亜硝酸化処理液中に含まれる浮遊活性汚泥を沈降分離する。浮遊活性汚泥が除去された亜硝酸化処理液は、脱窒槽である反応槽2へ送られる。沈降槽52内で沈降分離された汚泥の一部は返送汚泥として亜硝酸化槽51へ供給可能である。沈降槽52内で発生する余剰汚泥の一部は汚泥処理設備へ送られる。沈降槽52はなくてもよいが、沈降槽52を設置することでより安定した処理が可能である。
反応槽2は、浮遊活性汚泥分離後の亜硝酸化処理液中のアンモニア性窒素を、担体に付着した嫌気性微生物である嫌気性アンモニア酸化菌を用いて嫌気的に酸化処理する。アンモニア酸化菌が付着した担体は、反応槽2の頂部に設けられた図示しない投入口から反応槽2内に投入される。担体は、アンモニア酸化菌を担持できるものであれば特に制限無く用いることができる。嫌気性アンモニア酸化菌の働きにより反応槽2内には窒素が発生し、窒素ガスからなる気泡が発生する。反応槽2内では、図2および図3を参照して説明したように、気泡および担体の旋回流が発生する。気泡は、窒素ガスとして液面から放出され、その一方で、処理された液体は反応槽2から流出する。
このように、本発明の反応槽は、有機性廃水からメタンガスを生成する処理のみならず、被処理液から窒素を除去する嫌気性アンモニア酸化処理にも適用することが可能である。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
1 酸発酵槽
2 反応槽
5 移送ライン
6 移送ポンプ
7 循環ライン
8 循環ポンプ
10 ガスコレクタ
10a 下部入口
10b 上部出口
11 屋根
12 流路構造体
12a 鉛直流路
20 案内壁
30 バッフル
40 液体供給部
41 供給口
60 固液分離流路

Claims (11)

  1. 担体に付着した嫌気性微生物により被処理液を嫌気性処理してガスを発生させる、底面を有する反応槽と、
    前記反応槽内に配置され、下部入口および上部出口を有するガスコレクタと、
    前記ガスコレクタの前記上部出口を囲むように配置され、前記ガスコレクタの前記上部出口から流出した前記担体および前記被処理液を下方に案内する案内壁と、
    前記ガスコレクタの下方に配置され、前記反応槽の内面に固定されたバッフルと、
    前記バッフルの下方に位置する液体供給部と、
    前記反応槽の内面と前記案内壁の外面との間に形成された固液分離流路を備え、
    前記固液分離流路内に形成される前記被処理液の上向流の平均上昇流速は、8m /(m ・hr)以上100m /(m ・hr)以下であり、
    前記ガスコレクタは、外側に向かって下方に傾斜した屋根と、前記屋根の頂部から上方に延びる流路構造体を有し、
    前記案内壁の上端は前記反応槽の液体流出口よりも高い位置にあり、
    前記バッフルは、前記ガスコレクタの前記下部入口の下方に位置する開口部を有する、嫌気性処理装置。
  2. 前記バッフルは、前記反応槽の中心に向かって上方に傾く下面を有している、請求項1に記載の嫌気性処理装置。
  3. 前記バッフルの上面と前記下面との間の角度は、5°以上30°以下である、請求項2に記載の嫌気性処理装置。
  4. 前記ガスコレクタの前記下部入口の直径は、前記ガスコレクタの前記上部出口の直径の1.5倍~3倍である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の嫌気性処理装置。
  5. 前記屋根の傾斜角度は、45°~75°の範囲内である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の嫌気性処理装置。
  6. 前記液体供給部は、前記反応槽の底面を向いた供給口を有している、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の嫌気性処理装置。
  7. 前記バッフルは、前記反応槽の底部から前記ガスコレクタの前記下部入口までの高さの60%以上90%以下に配置されている、請求項1に記載の嫌気性処理装置。
  8. 前記バッフルの水平方向の断面積は、前記固液分離流路の水平方向の断面積の80%以上である、請求項1に記載の嫌気性処理装置。
  9. 嫌気性微生物が付着した担体と、被処理液とを、請求項1乃至のいずれか一項に記載の嫌気性処理装置の前記反応槽内に供給し、
    前記嫌気性微生物により前記被処理液を嫌気性処理してガスを発生させる、嫌気性処理方法。
  10. 前記嫌気性微生物は、メタン菌を少なくとも含み、前記ガスはメタンガスである、請求項に記載の嫌気性処理方法。
  11. 前記嫌気性微生物は、嫌気性アンモニア酸化菌を少なくとも含み、前記嫌気性処理は嫌気性アンモニア酸化処理である、請求項に記載の嫌気性処理方法。
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