JP7386533B2 - 消火設備及び消火方法 - Google Patents

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Description

本発明は、消火設備及び消火方法に関するものである。
従来から、窒素ガス、二酸化炭素、ハロゲンガス、又は窒素と二酸化炭素とハロゲンガスとの混合ガスに代表される不活性ガスを消火ガスとして用いて消火するガス系消火設備が広く採用されている。消火の際には、消火に用いられる前述の各種ガスを貯蔵する貯蔵容器から、該ガスが消火対象となる区画に放出される。
これまで、消火対象区画に該消火ガスを供給するために、該消火対象区画に対応した消火剤用容器(代表的には、「消火ガスボンベ」)と、該消火剤用容器に対応した選択弁と、さらに、その選択弁に対応した、二酸化炭素を含有する起動用ガス容器とが、ガス系消火設備に設けられていた(特許文献1,特許文献2)。なお、起動用ガスとして二酸化炭素、又は二酸化炭素を含有するガスが採用されることが、我が国では一般的である。
特開平11-347145号公報 特開2001-229860号公報
上述の事情により、二酸化炭素を含有する起動用ガス容器を要する所謂ガス系消火設備においては、複数の技術的課題が生じ得る。具体的な該課題の1つは、二酸化炭素を含有する起動用ガス容器を用いて消火剤用容器の容器弁を開放する場合、消火剤用容器から供給される消火ガスの圧力が(いわゆる、二次圧力)不安定になることである。
また、該課題の他の1つは、二酸化炭素を含有する起動用ガス容器から供給される起動用ガスの圧力を調整するための圧力調整器が設けられている場合に、寒冷地あるいは低温の環境下においては、その二酸化炭素によって圧力調整器が凍結してしまう可能性があるため、安定的に起動用ガス容器を作動させるためには、該圧力調整器の温度を安定に保つための温度調節手段を設けることを要することである。
上述の前者の課題についてより詳しく説明すると、我が国における高圧ガスボンベのガスの代表的な例の圧力は、35℃において約14.7MPaになるように設定されているが、二酸化炭素を含有する起動用ガス容器が採用されると、温度変化に伴う二酸化炭素の圧力の変動幅が他種(窒素など)のガスの変動幅と比べて大きいため、消火剤用容器が起動用ガスの圧力と同じ圧力となるように二次圧力を制御する容器弁を備えている場合に、その二次圧力が該起動用ガスの圧力に影響を受けて不安定になる。
また、後者の課題については、上述のとおり、起動用ガス容器に設けられた圧力調整器とその温度調節手段の存在により、起動用ガスの起動用ガス容器内の圧力及び起動用ガス容器の容器弁の点検作業又は維持管理の負荷に加えて、該圧力調整器及び該温度調節手段の維持管理の負荷が掛かることになる。言うまでもなく、ガス系消火設備が多くの起動用ガス容器を備えている場合は、その起動用ガス容器の数に応じた負担の増大という課題が生じる。
したがって、起動用ガスとしての二酸化炭素の圧力変動に影響されない消火設備及び消火方法の実現が切望されている。
本発明は、二酸化炭素を含有する起動用ガス容器を採用する場合に、起動用ガスとしての二酸化炭素の圧力変動の影響が軽減された又は影響されない消火設備又は防火設備(以下、本願においては、総称して「消火設備」という。)、及び消火方法の実現に大きく貢献し得る。
本発明者は、我が国のように一年を通じて気温の寒暖差が大きく、また特に40℃以上にもなる夏の猛暑が珍しく無くなっている地域において、二酸化炭素又は二酸化炭素を含有するガスを起動用ガスとして採用するガス系消火設備が普及している状況を踏まえ、該起動用ガスの圧力変動が消火剤用容器の容器弁に影響を与えない構成を実現すべく、鋭意研究と分析を行った。また、該消火設備が、消火剤用容器が起動用ガスの圧力と同じ圧力となるように二次圧力を制御する容器弁(例えば、特開平8-299492号公報において開示される容器弁)を採用しているか否かを問わず、該起動用ガスの圧力変動が消火剤用容器の容器弁に影響を与えない構成についても検討と分析を重ねた。
その結果、本発明者は、起動用ガスが消火剤用容器の容器弁に送給されない構成を採用すること、及び外気温度又は周辺温度等の温度変化に影響されない、所定の圧力範囲内の圧力になるように調整されたガスのみを加圧ガス容器から消火剤用容器の容器弁に送給することによって上述の技術課題が解決され得ることを見出した。より具体的には、起動用ガスの流路と、加圧ガス容器から供給される圧力が制御されたガスの流路とを分離するための切替弁を、該起動用ガスによって制御することにより、上述の技術課題を確度高く解決し得ることを本発明者は見出した。
加えて、仮に消火対象となる区画が複数存在し、各々の区画に対応する起動用ガス容器が設けられていたとしても、各起動用ガス容器から供給される起動用ガスを一旦、消火剤用容器の容器弁を開弁するための加圧ガス容器の容器弁にのみ供給することによって、上述の構成が適用可能であることを本発明者は併せて知得した。本発明は、上述の視点及び着想に基づいて創出された。
本発明の1つの消火設備は、二酸化炭素を含む起動用ガスを収容する起動用ガス容器と、所定の圧力範囲内の圧力を有する加圧ガスを収容する加圧ガス容器と、消火ガスを収容する消火剤用容器と、不可避不純物を除いて前記起動用ガスのみが流れる第1配管と、不可避不純物を除いて前記加圧ガスのみが流れる第2配管と、切替弁と、を備える。加えて、前述の切替弁は、前述の起動用ガスが供給されたときに開弁して第1流路を形成することにより、前述の起動用ガス容器から前述の加圧ガス容器の第1容器弁までの前述の第1配管を連通させ、該起動用ガスが供給されないときに開弁して第2流路を形成することにより、該加圧ガス容器から該消火剤用容器の第2容器弁までの前述の第2配管を連通させる。
この消火設備によれば、温度変化による圧力変動が大きい起動用ガス(二酸化炭素を含むガス)は消火剤用容器の容器弁(第2容器弁)に供給されず、該加圧ガス容器内の安定したガス圧力を有する定圧ガスのみが、該消火剤用容器の容器弁(第2容器弁)に到達するため、該消火剤用容器に対応する起動用ガス(二酸化炭素を含むガス)の外気温度等によるガス圧力の変動の影響を確度高く軽減する、又は該影響を無くすことができる。その結果、従来、起動用ガス容器に設けられていた圧力調整装置(圧力調整弁)及び、必要に応じて設けられていた、該起動用ガスによる該圧力調整装置の凍結の危険性を軽減するための温度調節手段は不要となるため、消火設備の簡素化、コストの削減並びに維持管理の負荷軽減を実現し得るとともに、起動用ガスの圧力が仮に大きく変動したとしても、消火剤用容器の二次圧力を安定させることができる。
本発明のもう1つの消火設備は、二酸化炭素を含む起動用ガスを収容する起動用ガス容器と、加圧ガスを収容する加圧ガス容器と、該加圧ガスの圧力を所定の圧力範囲内の圧力になるように調整する圧力調整手段と、消火ガスを収容する消火剤用容器と、不可避不純物を除いて該起動用ガスのみが流れる第1配管と、不可避不純物を除いて該加圧ガスのみが流れる第2配管と、切替弁とを備える。
また、前述の切替弁は、前述の起動用ガスが供給されたときに開弁して第1流路を形成することにより、前述の起動用ガス容器から前述の加圧ガス容器の第1容器弁までの前述の第1配管を連通させ、該起動用ガスが供給されないときに開弁して第2流路を形成することにより、該加圧ガス容器から該消火剤用容器の第2容器弁までの前述の第2配管を連通させる。
加えて、該消火設備においては、前述の切替弁に前述の起動用ガスが供給されたときに形成される前述の第1流路によって、前述の第2配管を介して前述の加圧ガス容器から所定数の前述の消火剤用容器の該第2容器弁までを連通させることにより、所定数の該消火剤用容器にのみ前記圧力調整手段によって圧力が調整された前述の加圧ガスを供給する。
このもう1つの消火設備によれば、温度変化による圧力変動が大きい起動用ガス(二酸化炭素を含むガス)は消火剤用容器の容器弁(第2容器弁)に供給されず、該加圧ガス容器及び圧力調整手段から供給される安定した圧力を有する加圧ガスのみが、該消火剤用容器の容器弁(第2容器弁)に到達するため、該消火剤用容器に対応する起動用ガス(二酸化炭素を含むガス)の外気温度等によるガス圧力の変動の影響を確度高く軽減する、又は該影響を無くすことができる。その結果、従来、起動用ガス容器に設けられていた圧力調整装置(圧力調整弁)及び、必要に応じて設けられていた、該起動用ガスによる該圧力調整装置の凍結の危険性を軽減するための温度調節手段は不要となるため、消火設備の簡素化、コストの削減並びに維持管理の負荷軽減を実現し得るとともに、起動用ガスの圧力が仮に大きく変動したとしても、該消火剤用容器の二次圧力を安定させることができる。
また、本発明の1つの消火方法は、二酸化炭素を含む起動用ガスが供給されたときに開弁して第1流路を形成することにより、該起動用ガスを収容する起動用ガス容器から、所定の圧力範囲内の圧力を有する加圧ガスを収容する加圧ガス容器の第1容器弁までの第1配管を連通させ、該起動用ガスが供給されないときに開弁して第2流路を形成することにより、該加圧ガス容器から消火剤用容器の第2容器弁までの第2配管を連通させる切替弁を用いて、不可避不純物を除いて前述の起動用ガスのみを前述の第1配管に流す起動用ガス供給工程と、不可避不純物を除いて前述の加圧ガスのみを前述の第2配管に流す加圧ガス供給工程と、を含む。
この消火方法によれば、起動用ガス供給工程においては、温度変化による圧力変動が大きい起動用ガス(二酸化炭素を含むガス)は消火剤用容器の容器弁(第2容器弁)に供給されず、加圧ガス供給工程においては、該加圧ガス容器内の安定したガス圧力を有する定圧ガスのみが、該消火剤用容器の容器弁(第2容器弁)に到達することになる。そのため、この消火方法によれば、該消火剤用容器に対応する起動用ガス(二酸化炭素を含むガス)の外気温度等によるガス圧力の変動の影響を確度高く軽減する、又は該影響を無くすことができる。換言すれば、この消火方法によれば、起動用ガスの圧力が仮に大きく変動したとしても、消火剤用容器の二次圧力を安定させることができる。
また、本発明のもう1つの消火方法は、二酸化炭素を含む起動用ガスが供給されたときに開弁して第1流路を形成することにより、該起動用ガスを収容する起動用ガス容器から、加圧ガスを収容する加圧ガス容器の第1容器弁までの第1配管を連通させ、該起動用ガスが供給されないときに開弁して第2流路を形成することにより、該加圧ガス容器から消火剤用容器の第2容器弁までの第2配管を連通させる切替弁を用いて、次の(1)起動用ガス供給工程、(2)圧力調整工程、及び(3)加圧ガス供給工程と、を含む。
(1)不可避不純物を除いて前述の起動用ガスのみを前述の第1配管に流す起動用ガス供給工程
(2)前述の加圧ガスの圧力を所定の圧力範囲内の圧力になるように調整する圧力調整工程
(3)前述の切替弁に前述の起動用ガスが供給されたときに形成される前述の第1流路によって、前述の第2配管を介して前述の加圧ガス容器から前述の消火剤用容器の該第2容器弁までを連通させることにより、前述の圧力調整工程によって圧力が調整された、不可避不純物を除いて前述の加圧ガスのみを該消火剤用容器にのみ供給する加圧ガス供給工程
このもう1つの消火方法によれば、上述の複数の切替弁が採用される。その上で、起動用ガス供給工程においては、温度変化による圧力変動が大きい起動用ガス(二酸化炭素を含むガス)は消火剤用容器の容器弁(第2容器弁)に供給されない。
また、圧力調整工程においては、上述の加圧ガス容器から供給される上述の加圧ガスが、所定の圧力範囲内の圧力になるように調整される。
加えて、加圧ガス供給工程においては、前述の切替弁に上述の起動用ガスが供給されたときに形成される上述の第1流路によって、上述の第2配管を介して前述の加圧ガス容器から上述の消火剤用容器の前述の第2容器弁までを連通させることにより、該消火剤用容器にのみ前述の圧力調整工程によって圧力が調整された前述の加圧ガスのみを供給する。
その結果、このもう1つの消火方法によれば、前述の圧力調整工程及び前述の加圧ガス供給工程によって安定した圧力を有する加圧ガスのみが、該消火剤用容器の容器弁(第2容器弁)に供給されるため、該消火剤用容器に対応する起動用ガス(二酸化炭素を含むガス)の外気温度等によるガス圧力の変動の影響を確度高く軽減する、又は該影響を無くすことができる。換言すれば、このもう1つの消火方法によれば、起動用ガスの圧力が仮に大きく変動したとしても、該消火剤用容器の二次圧力を安定させることができる。
なお、本願において、「二酸化炭素を含む」ガスは、不可避不純物のガスを除いて二酸化炭素のみであるガスを含む。
本発明の1つの消火設備によれば、消火剤用容器に対応する起動用ガスの外気温度等によるガス圧力の変動の影響を確度高く軽減する、又は該影響を無くすことができる。その結果、消火設備の簡素化、コストの削減並びに維持管理の負荷軽減を実現し得るとともに、起動用ガスの圧力が仮に大きく変動したとしても、該消火剤用容器の二次圧力を安定させることができる。
また、本発明のもう1つの消火設備によれば、複数の消火剤用容器に対応する起動用ガスの外気温度等によるガス圧力の変動の影響を確度高く軽減する、又は該影響を無くすことができる。その結果、消火設備の簡素化、コストの削減並びに維持管理の負荷軽減を実現し得るとともに、起動用ガスの圧力が仮に大きく変動したとしても、複数の該消火剤用容器の二次圧力を安定させることができる。
本発明の1つの消火方法によれば、安定した圧力を有する加圧ガスのみが、該消火剤用容器の容器弁(第2容器弁)に供給されるため、消火剤用容器に対応する起動用ガスの外気温度等によるガス圧力の変動の影響を確度高く軽減する、又は該影響を無くすことができる。換言すれば、この消火方法によれば、起動用ガスの圧力が仮に大きく変動したとしても、消火剤用容器の二次圧力を安定させることができる。
本発明のもう1つの消火方法によれば、安定した圧力を有する加圧ガスのみが、該消火剤用容器の容器弁(第2容器弁)に供給されるため、複数の消火剤用容器に対応する起動用ガスの外気温度等によるガス圧力の変動の影響を確度高く軽減する、又は該影響を無くすことができる。換言すれば、このもう1つの消火方法によれば、起動用ガスの圧力が仮に大きく変動したとしても、複数の該消火剤用容器の二次圧力を安定させることができる。
第1の実施形態における消火設備を含む、ある施設の全体概要図である。 図1の一部の拡大図であって、第1の実施形態における消火設備の系統図である。 第1の実施形態における切替弁の動作を示す概念図である。 第1の実施形態における切替弁の動作を示す断面図である。 第1の実施形態の変形例における切替弁の動作の一例を示す断面図である。 第2の実施形態における消火設備の系統図である。 第3の実施形態における消火設備の系統図である。 第4の実施形態における消火設備の系統図である。
本発明の実施形態を、添付する図面に基づいて詳細に述べる。尚、この説明に際し、全図にわたり、特に言及がない限り、共通する部分には共通する参照符号が付されている。また、図中、本実施形態の要素は必ずしもスケール通りに示されていない。また、各図面を見やすくするために、一部の符号及び形状が省略され得る。
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態における消火設備100を含む、ある施設ないし建物(以下、総称して「建物」という。)99の全体概要図である。また、図2は、図1の一部(Z領域)の拡大図であって、本実施形態における消火設備100の系統図である。また、図3は、本実施形態における切替弁20の動作を示す概念図である。また、図4は、本実施形態における切替弁20の動作を示す断面図である。
図1乃至図4に示すように、本実施形態の消火設備100は、二酸化炭素を含む起動用ガスを収容する起動用ガス容器10と、二酸化炭素よりも温度変化による圧力変動が小さいガス、例えば、Nガス(窒素ガス)を収容する加圧ガス容器30と、消火ガスを収容する消火剤用容器60(60a,60b,60c)と、不可避不純物を除いて起動用ガスのみが流れる第1配管52(図中の点線で示された配管)と、不可避不純物を除いて該加圧ガスのみが流れる第2配管54(図中の一点鎖線で示された配管)と、切替弁20とを含む。
また、図4に示すように、本実施形態の切替弁20は、第1開口部22a、第2開口部22b、第3開口部24a、及び第4開口部24bを有する無底筒状の弁箱21と、シール材27を用いて筒状の弁箱21の一端を塞ぐとともに弁箱21と固着し、弾性体(本実施形態においては、バネ)25の一部を保持してその固定端の役割を担う蓋体26と、弾性体25の付勢力及び第1開口部22a側からのガスの圧力を利用し、シール材27を介して弁箱21の内部を密接に摺動する弁体28と、を備える。なお、本実施形態においては、第1開口部22aが無底筒状の弁箱21の他端を担っている。
そして、切替弁20の弁体28は、第1開口部22a側からのガスの圧力が加わっていないときは、弾性体25の、蓋体26から離れる方向に付勢する付勢力によって第1開口部22aと第2開口部との間の流路(第1流路)を閉塞する位置で静止している。一方、弾性体25には、第1開口部22a側からのガス(起動用ガス)の圧力によって第1流路が連通するまで摺動し得る程度の付勢力が与えられている。従って、第1開口部22a側からのガスの圧力が加わると、弾性体25の付勢力(図4における紙面下向きの力)に抗して弁体28が摺動し、第1開口部22aと第2開口部22bとの間の流路(第1流路)が連通する。
なお、本実施形態の消火設備100は1つの加圧ガス容器30を備えているが、複数の加圧ガス容器30が設けられることも採用され得る本実施形態の変形例の1つである。しかしながら、加圧ガス容器30が1つであることは、消火設備100の簡素化、コストの削減、及び消火設備100の維持管理の負荷軽減に貢献し得る。また、本実施形態の消火設備100においては、複数の選択弁70の各々に対して1つの起動用ガス容器10が割り当てられているが、1つの起動用ガス容器10が複数の選択弁70の開弁を担うことも本実施形態の変形例の1つである。また、前述の各変形例は、後述する各実施形態においても当て嵌まる。
本実施形態における消火方法は、次のとおりである。
例えば、図1に示すように、1つ又は複数の消火対象区画を備える、建物99内に配置される、熱及び/又は煙を感知する感知部92の一例である市販の感知器が熱及び/又は煙を感知したときに送られる電気信号が、制御盤98を介して起動用ガス容器10の容器弁12に送られる。その結果、起動用ガス容器10の起動用ガスが放出される。
起動用ガス容器10の起動用ガスが放出されると、第1配管52を利用して起動用ガスが選択弁開放装置72に供給されることにより、選択弁70が開弁する。
ここで、図2乃至図4に示すように、1つの起動用ガス容器10aが開弁することによって供給される起動用ガスが図2の(1)の矢印に示す第1配管52を通過する場合、起動用ガスは、不環弁80を経由して、切替弁20を経由せずに加圧ガス容器30の第1容器弁31に供給されるとともに、切替弁20の第2開口部22bを介して第2開口部側流路52cに到達する。なお、不環弁80を一度通過した起動用ガスは、起動用ガス容器10には戻らない。
起動用ガスが図2の(1)の矢印に示す第1配管52を通過する場合、上述のとおり、弁体28は、弾性体25の付勢力及びシール材27によって第1開口部22aと第2開口部22bとの間の流路、すなわち、第1開口部側流路52a、弁箱内流路52b、及び第2開口部側流路52cからなる第1流路の一部を閉塞する位置にある。従って、図3(a)及び図4(a)に示すように、起動用ガスが第2開口部側流路52cに到達したとしても、第2開口部側流路52cから第1開口部22aに、さらには第1開口部22aに連続する第1配管52に流れることはない。換言すれば、起動用ガスが図2の(1)の矢印に示す第1配管52を通過する場合、第1開口部22aと第2開口部22bとの間の流路(第1流路)は連通しない。
見方を変えると、起動用ガスが図2の(1)の矢印に示す第1配管52を通過する場合、換言すれば、起動用ガスが切替弁20の第1開口部22a側から供給されない場合は、図4(a)に示すように、切替弁20は、第3開口部側流路54a、弁箱内流路54b、及び第4開口部側流路54cからなる第2流路を連通させるように、弁体28を開弁していることになる。
上述のとおり、起動用ガスが図2の(1)の矢印に示す第1配管52を通過する場合、本実施形態の第1配管52は、起動用ガス容器10から加圧ガス容器30の第1容器弁31までの流路、及び起動用ガス容器10から切替弁20(より詳細には、第2開口部側流路52c)までの流路を形成しているため、本実施形態の消火設備100は、起動用ガスを消火剤用容器60の第2容器弁61には供給しない。
本実施形態においては、消火剤用容器60の第2容器弁61を開弁するガスは、加圧ガスである。具体的には、起動用ガスが図2の(1)の矢印に示す第1配管52を通過する場合、起動用ガスが加圧ガス容器30の第1容器弁31に供給されると、図2の(3)の矢印に示すように、第1容器弁31は開弁し、加圧ガス容器30内の所定の圧力範囲内(例えば、6MPa±1MPa)の圧力を有する加圧ガスが第2配管54を介して消火剤用容器60の第2容器弁61に送給される。なお、起動用ガスが図2の(1)の矢印に示す第1配管52を通過する場合は、図4(a)に示すように弁体28は開弁して第2流路を連通させているため、加圧ガスは、第2配管54を介して図2に示す消火剤用容器60bの第2容器弁61及び消火剤用容器60cの第2容器弁61にも送給されることになる。
そして、加圧ガスが消火剤用容器60の第2容器弁61に送給されると、第2容器弁61は開弁し、消火剤用容器60内の消火ガスは、集合管62、開弁している選択弁70、及び配管64を経由して、図1に示すノズル孔が設けられた噴射部94に送給される。その結果、噴射部94から消火ガスが放出されることにより、必要とされる消火対象区画に対して消火が行われる。なお、本実施形態の第2容器弁61は、消火剤用容器60(60a,60b,60c)が起動用ガスの圧力と同じ圧力となるように二次圧力を制御する容器弁を採用しているが、上述のとおり、加圧ガスは、所定の圧力範囲内の圧力を有しているため、仮に起動用ガスの圧力が外気温度等によって変動したとしても、消火剤用容器60から供給される消火ガスの圧力(二次圧力)は安定することになる。
一方、図2に示すように、もう1つの起動用ガス容器10bが開弁することによって供給される起動用ガスが図2の(2)の矢印に示す第1配管52を通過する場合、起動用ガスは、選択弁70を開弁するとともに、切替弁20、より具体的には図4に示す第1開口部22aに送給されることになる。
起動用ガスが切替弁20の第1開口部22aに供給されると、図3(b)及び図4(b)に示すように、弁体28に対して第1開口部22a側から起動用ガスの圧力が加わることにより、弾性体25の付勢力(図4(b)における紙面下向きの力)に抗して弁体28が紙面上側に摺動する。その結果、第1開口部22aと第2開口部22bとの間の流路、すなわち、第1開口部側流路52a、弁箱内流路52b、及び第2開口部側流路52cからなる第1流路が連通する。
見方を変えると、起動用ガスが図2の(2)の矢印に示す第1配管52を通過する場合、換言すれば、起動用ガスが切替弁20の第1開口部22a側から供給される場合は、図4(b)に示すように、切替弁20の弁体28は、第3開口部側流路54a、弁箱内流路54b、及び第4開口部側流路54cからなる第2流路の一部を閉塞していることになる。
その結果、起動用ガス容器10から第1開口部22aに送給される起動用ガスが切替弁20を開弁して第1流路を形成するため、起動用ガスは、第1開口部22a及び第1流路を介して第2開口部22bを通過した後、第2開口部22bに連続する第1配管52に送給される。その後、起動用ガスは、第2開口部22bに連続する第1配管52を介して加圧ガス容器30の第1容器弁31に供給される。
起動用ガスが第1容器弁31に供給されると、図2の(4)の矢印に示すように、第1容器弁31は開弁し、加圧ガス容器30内の所定の圧力範囲内の圧力を有する加圧ガスが第2配管54を介して消火剤用容器60の第2容器弁61に送給される。
ここで、起動用ガスが図2の(2)の矢印に示す第1配管52を通過する場合は、図4(b)に示すように弁体28は開弁して第1流路を連通させている一方、第2流路は弁体28により閉塞されているため、加圧ガスは、第2配管54を介して図2に示す消火剤用容器60aの第2容器弁61のみに送給されることになる。
そして、加圧ガスが消火剤用容器60の第2容器弁61に送給されると、第2容器弁61は開弁し、消火剤用容器60内の消火ガスは、集合管62、開弁している選択弁70、及び配管64を経由して、図1に示すノズル孔が設けられた噴射部94に送給される。その結果、噴射部94から消火ガスが放出されることにより、必要とされる消火対象区画に対して消火が行われる。なお、本実施形態の第2容器弁61は、消火剤用容器60(60a)が起動用ガスの圧力と同じ圧力となるように二次圧力を制御する容器弁を採用しているが、上述のとおり、加圧ガスは、所定の圧力範囲内の圧力を有しているため、仮に起動用ガスの圧力が外気温度等によって変動したとしても、消火剤用容器60から供給される消火ガスの圧力(二次圧力)は安定することになる。
また、起動用ガスが図2の(2)の矢印に示す第1配管52を通過する場合、不環弁80が設けられているため、切替弁20を通過した起動用ガスは、不環弁80を通過して起動用ガス容器10には戻らない。
上述のとおり、起動用ガスが図2の(2)の矢印に示す第1配管52を通過する場合であっても、本実施形態の第1配管52は、起動用ガス容器10から切替弁20までの流路、切替弁20から加圧ガス容器30の第1容器弁31までの流路、及び切替弁20から不環弁80までの流路を形成しているため、本実施形態の消火設備100は、起動用ガスを消火剤用容器60の第2容器弁61には供給しない。
従って、本実施形態の消火設備100は、第1配管52に、不可避不純物を除いて起動用ガスのみを流すことになる(起動用ガス供給工程)。また、第2配管54には、不可避不純物を除いて加圧ガスのみが流れることになる(加圧ガス供給工程)。
本実施形態の消火設備100を採用することにより、消火剤用容器60に対応する起動用ガスの外気温度等によるガス圧力の変動の影響を確度高く軽減する、又は該影響を無くすことができるため消火剤用容器の二次圧力を安定させることができる。加えて、本実施形態の消火設備100を採用することにより、従来の1つの、又は複数の起動用ガス容器の各々に設けられていた圧力調整装置(圧力調整弁)及び、必要に応じて設けられていた、該起動用ガスによる該圧力調整装置の凍結の危険性を軽減するための温度調節手段は不要となるため、消火設備としての簡素化、コストの削減並びに維持管理の負荷軽減を実現し得る。
ところで、本実施形態の「消火ガス」は、例えば、窒素ガス、二酸化炭素、ハロゲンガス、又は窒素と二酸化炭素とハロゲンガスとの混合ガスに代表される不活性ガスである。なお、前述のガスの種類以外の、消火に用いられ得る公知のガスも、本実施形態に適用され得る。また、本実施形態の「加圧ガス」は、二酸化炭素よりも温度変化よる圧力変動の大きいガス以外の不活性ガスであれば限定されない。「加圧ガス」の代表例は、窒素ガス、圧縮空気、又は窒素と二酸化炭素とハロゲンガスとの混合ガスである。
<第1の実施形態の変形例>
弁箱21の形状及び構造は、第1の実施形態の消火設備100の効果と同等の効果が奏され得る限り、限定されない。例えば、図5は、本変形例の一例としての切替弁220の、図4(a)に相当する動作の一例を示す断面図である。図5に示すように、第1開口部側流路52aがL字状に屈曲した流路であっても、第1の実施形態の消火設備100の効果と同等の効果が奏され得る。従って、第1開口部側流路52a、弁箱内流路52b、第2開口部側流路52c、第3開口部側流路54a、弁箱内流路54b、及び第4開口部側流路54cの態様、並びに、第1開口部22a、第2開口部22b、第3開口部24a、及び第4開口部24bの態様は、第1の実施形態の消火設備100の効果と同等の効果が奏され得る限り、限定されない。
<第2の実施形態>
本実施形態における消火設備200は、容器弁12を備えた起動用ガス容器10が4個、各々の起動用ガス容器10に対応する選択弁開放装置72を備えた選択弁70が4個、切替弁20が3個、及び消火剤用容器60が7個設けられている点、並びに第1配管52及び第2配管54を利用する切替弁20の各々が担う消火剤用容器60の数が異なっている点を除いて、第1の実施形態の消火設備100と同じである。従って、第1の実施形態と重複する説明は省略され得る。
図6は、本実施形態における消火設備200の系統図である。
図6に示すように、本実施形態の消火設備200は、複数の(具体的には3個の)切替弁20を備えている。切替弁20の機構、及び切替弁20が開弁する、あるいは第1流路又は第2流路を閉塞する及び方法は、第1の実施形態において説明したとおりである。
本実施形態の消火設備200を用いた消火方法について、図6に加えて、第1の実施形態において説明した図1、図3及び図4を用いて説明する。例えば、図6に示す起動用ガス容器10dの容器弁12のみが、図1に示す感知部92からの電気信号を受けると、起動用ガス容器10d内に収容された起動用ガスが放出される。
第1配管52を利用して、4個の選択弁開放装置72のうち1個の選択弁開放装置72に起動用ガス容器10dの起動用ガスが供給されることによって、対応する1個の選択弁70のみが開弁するとともに、切替弁20c、より具体的には図4に示す第1開口部22aに起動用ガスが供給されることになる。
図3(b)及び図4(b)に示すように、弁体28に対して第1開口部22a側から起動用ガスの圧力が加わると、弾性体25の付勢力(図4(b)における紙面下向きの力)に抗して弁体28が紙面上側に摺動する。その結果、第1開口部側流路52a、弁箱内流路52b、及び第2開口部側流路52cからなる第1流路が連通する。
見方を変えると、起動用ガスが切替弁20cの第1開口部22a側から供給されるため、図4(b)に示すように、切替弁20cの弁体28は、第3開口部側流路54a、弁箱内流路54b、及び第4開口部側流路54cからなる第2流路の一部を閉塞する。図6は、切替弁20cの第1流路が連通し、第2流路の一部が閉塞している上述の状態を示している。
起動用ガス容器10dから切替弁20cの第1開口部22aに供給される起動用ガスが切替弁20cを開弁して第1流路が形成されることにより、起動用ガスは、第1開口部22a及び第1流路を介して第2開口部22bを通過した後、第2開口部22bに連続する第1配管52に送給される。その後、起動用ガスは、第2開口部22bに連続する第1配管52を介して加圧ガス容器30の第1容器弁31に供給される。
起動用ガスが第1容器弁31に供給されると、第1容器弁31は開弁し、加圧ガス容器30内の所定の圧力範囲内の圧力を有する加圧ガスが供給される。ここで、図6に示す例においては、切替弁20a及び切替弁20bの第1流路の一部は閉塞し、第2流路は開弁しているため、第2配管54を介して5個の消火剤用容器60a,60b,60c,60d,60eの各々に対応する第2容器弁61に加圧ガスが送給される。一方、図6に示す例においては、切替弁20cの第1流路は連通するが、第2流路の一部は閉塞しているため、起動用ガスは、2個の消火剤用容器60f,60gの各々に対応する第2容器弁61には加圧ガスは送給されない。
そして、加圧ガスが上述の5個の消火剤用容器60の各々に対応する第2容器弁61に送給されると、各々の第2容器弁61は開弁し、それらの5個の消火剤用容器60内の消火ガスは、集合管62、開弁している選択弁70、及び配管64を経由して、図1に示すノズル孔が設けられた噴射部94に送給される。
その結果、噴射部94から消火ガスが放出されることにより、必要とされる消火対象区画に対して消火が行われる。なお、本実施形態の第2容器弁61は、5個の消火剤用容器60(60a,60b,60c,60d,60e)が起動用ガスの圧力と同じ圧力となるように二次圧力を制御する容器弁を採用しているが、第1の実施形態において説明したとおり、加圧ガスは所定の圧力範囲内の圧力を有しているため、仮に起動用ガスの圧力が外気温度等によって変動したとしても、それらの5個の消火剤用容器60(60a,60b,60c,60d,60e)から供給される消火ガスの圧力(二次圧力)は安定することになる。
従って、本実施形態の消火設備200も、第1の実施形態の消火設備100と同様に、第1配管52には、不可避不純物を除いて起動用ガスのみが流れることになる(起動用ガス供給工程)。また、第2配管54には、不可避不純物を除いて加圧ガスのみが流れることになる(加圧ガス供給工程)。
また、上述の例と同様に、起動用ガス容器10bからの起動用ガスが切替弁20aの第1開口部22aに供給される場合は、第2配管54を介して1個の消火剤用容器60aに対応する第2容器弁61に加圧ガスが送給される。また、起動用ガス容器10cからの起動用ガスが切替弁20bの第1開口部22aに供給される場合は、第2配管54を介して3個の消火剤用容器60a,60b,60cに対応する各々の第2容器弁61に加圧ガスが送給される。
上述のとおり、本実施形態の消火設備200は、複数の切替弁20を備えることにより、切替弁20の1つに起動用ガスが供給されたときに形成される第1流路によって、第2配管54を介して加圧ガス容器30から所定数の消火剤用容器60の第2容器弁61までを連通させることにより、所定数の消火剤用容器60にのみ圧力が調整された加圧ガスを供給することができる。
<第3の実施形態>
本実施形態における消火設備300は、第1の実施形態の加圧ガス容器30の代わりに、定圧ガスではないガスを収容する1つの加圧ガス容器330が設けられている点、及び加圧ガス容器330から供給される加圧ガスの圧力を所定の圧力範囲内に調整するための圧力調整手段40が設けられている点を除いて、第1の実施形態の消火設備100と同じである。従って、第1の実施形態又は第2の実施形態と重複する説明は省略され得る。
図7は、本実施形態における消火設備300の系統図である。
図7に示すように、本実施形態の消火設備300は、35℃において圧力が約14.7MPaである、温度変化に対する圧力変動が大きいガス(例えば、CO(二酸化炭素))が収容される加圧ガス容器330と、加圧ガス容器330から供給される加圧ガスの圧力を所定の圧力範囲内(例えば、6MPa±1MPa)に調整するための圧力調整手段40と、を備えている。本実施形態においては、圧力調整手段40により、仮に加圧ガス容器330が温度変化に対する圧力変動が大きいガスを収容しているとしても、加圧ガス容器330から供給されるガスの圧力は、消火剤用容器60の第2容器弁61に到達するまでに、所定の圧力範囲内に調整される(圧力調整工程)。
なお、本実施形態の圧力調整手段は、上述のとおり、加圧ガスの圧力を所定の圧力範囲内に調整可能であれば、該圧力を調整するための機構及び方法は限定されない。
本実施形態の加圧ガス容器330及び圧力調整手段40を採用した場合であっても、第1の実施形態の消火設備100と同様に、切替弁20利用することによって起動用ガスは消火剤用容器60の第2容器弁61には供給されない。従って、本実施形態の消火設備300は、第1配管52に、不可避不純物を除いて起動用ガスのみを流すことになる(起動用ガス供給工程)。また、第2配管54には、不可避不純物を除いて加圧ガスのみが流れることになる(加圧ガス供給工程)。
上述のとおり、本実施形態の消火設備300は、切替弁20を用いるととともに上述の圧力調整工程を行うことによって、消火剤用容器60に対応する起動用ガスの外気温度等によるガス圧力の変動の影響を確度高く軽減する、又は該影響を無くすことができるため、消火剤用容器の二次圧力を安定させることができる。加えて、本実施形態の消火設備300は、従来の1つの、又は複数の起動用ガス容器の各々に設けられていた圧力調整装置(圧力調整弁)及び、必要に応じて設けられていた、該起動用ガスによる該圧力調整装置の凍結の危険性を軽減するための温度調節手段は不要となるため、消火設備としての簡素化、コストの削減並びに維持管理の負荷軽減を実現し得る。
<第4の実施形態>
本実施形態における消火設備400は、第2の実施形態の加圧ガス容器30の代わりに、定圧ガスではないガスを収容する1つの加圧ガス容器330が設けられている点、及び加圧ガス容器330から供給される加圧ガスの圧力を所定の圧力範囲内に調整するための圧力調整手段40が設けられている点を除いて、第2の実施形態の消火設備200と同じである。従って、第1の実施形態乃至第3の実施形態と重複する説明は省略され得る。
図8は、本実施形態における消火設備400の系統図である。
図8に示すように、本実施形態の消火設備400は、35℃において圧力が約14.7MPaであるガス(例えば、窒素ガス)を収容する加圧ガス容器330と、加圧ガス容器330から供給される加圧ガスの圧力を所定の圧力範囲内(例えば、6MPa±1MPa)に調整するための圧力調整手段40と、を備えている。本実施形態においても、第3の実施形態と同様に、圧力調整手段40により、仮に加圧ガス容器330が温度変化に対する圧力変動が大きいガスを収容しているとしても、加圧ガス容器330から供給されるガスの圧力は、消火剤用容器60の第2容器弁61に到達するまでに、所定の圧力範囲内に調整される(圧力調整工程)。
本実施形態の加圧ガス容器330及び圧力調整手段40を採用した場合であっても、第2の実施形態の消火設備200と同様に、複数の切替弁20利用することによって起動用ガスは消火剤用容器60の第2容器弁61には供給されない。従って、本実施形態の消火設備400は、第1配管52に、不可避不純物を除いて起動用ガスのみを流すことになる(起動用ガス供給工程)。また、第2配管54には、不可避不純物を除いて加圧ガスのみが流れることになる(加圧ガス供給工程)。
また、加圧ガス容器330に収容されるガスの圧力が本実施形態のように比較的高い場合は、圧力調整手段40を採用して所定の圧力(例えば、約6MPa)に調整することにより、仮に第2配管54が長くなったためにその内容積が大きくなったとしても、第2配管54内の加圧ガスの圧力変動が生じにくくなるという特有の効果が奏され得る。
上述のとおり、本実施形態の消火設備400は、複数の切替弁20を備えることにより、切替弁20の1つに起動用ガスが供給されたときに形成される第1流路によって、第2配管54を介して加圧ガス容器30から所定数の消火剤用容器60の第2容器弁61までを連通させることにより、所定数の消火剤用容器60にのみ圧力が調整された加圧ガスを供給することができる。
上述のとおり、本実施形態の消火設備400は、複数の切替弁20を用いるととともに上述の圧力調整工程を行うことによって、消火剤用容器60に対応する起動用ガスの外気温度等によるガス圧力の変動の影響を確度高く軽減する、又は該影響を無くすことができるため、消火剤用容器の二次圧力を安定させることができる。加えて、本実施形態の消火設備400は、従来の複数の起動用ガス容器の各々に設けられていた圧力調整装置(圧力調整弁)及び、必要に応じて設けられていた、該起動用ガスによる該圧力調整装置の凍結の危険性を軽減するための温度調節手段は不要となるため、消火設備としての簡素化、コストの削減並びに維持管理の負荷軽減を実現し得る。
以上述べたとおり、上述の各実施形態の開示は、それらの実施形態の説明のために記載したものであって、本発明を限定するために記載したものではない。加えて、各実施形態の他の組合せを含む本発明の範囲内に存在する変形例もまた、特許請求の範囲に含まれるものである。
本発明は、消火設備及び消火方法として広く利用され得る。
10,10a,10b,10c,10d 起動用ガス容器
12 容器弁
20,20a,20b,20c,220 切替弁
21 弁箱
22a 第1開口部
22b 第2開口部
24a 第3開口部
24b 第4開口部
25 弾性体
26 蓋体
27 シール材
28 弁体
30,330 加圧ガス容器
31 第1容器弁
40 圧力調整手段
52 第1配管
52a 第1開口部側流路
52b 弁箱内流路
52c 第2開口部側流路
54 第2配管
54a 第3開口部側流路
54b 弁箱内流路
54c 第4開口部側流路
60,60a,60b,60c,60d,60e,60f,60g 消火剤用容器
61 第2容器弁
62 集合管
64 配管
20 切替弁
70 選択弁
72 選択弁開放装置
80 不環弁
92 感知部
94 噴射部
98 制御盤
99 建物
100,200,300,400 消火設備

Claims (6)

  1. 二酸化炭素を含む起動用ガスを収容する起動用ガス容器と、
    所定の圧力範囲内の圧力を有する加圧ガスを収容する加圧ガス容器と、
    消火ガスを収容する消火剤用容器と、
    不可避不純物を除いて前記起動用ガスのみが流れる第1配管と、
    不可避不純物を除いて前記加圧ガスのみが流れる第2配管と、
    前記起動用ガスが供給されたときに開弁して第1流路を形成することにより、前記起動用ガス容器から前記加圧ガス容器の第1容器弁までの前記第1配管を連通させ、該起動用ガスが供給されないときに開弁して第2流路を形成することにより、該加圧ガス容器から該消火剤用容器の第2容器弁までの前記第2配管を連通させる切替弁と、を備える、
    消火設備。
  2. 二酸化炭素を含む起動用ガスを収容する起動用ガス容器と、
    加圧ガスを収容する加圧ガス容器と、
    前記加圧ガスの圧力を所定の圧力範囲内の圧力になるように調整する圧力調整手段と、
    消火ガスを収容する消火剤用容器と、
    不可避不純物を除いて前記起動用ガスのみが流れる第1配管と、
    不可避不純物を除いて前記加圧ガスのみが流れる第2配管と、
    前記起動用ガスが供給されたときに開弁して第1流路を形成することにより、前記起動用ガス容器から前記加圧ガス容器の第1容器弁までの前記第1配管を連通させ、該起動用ガスが供給されないときに開弁して第2流路を形成することにより、該加圧ガス容器から該消火剤用容器の第2容器弁までの前記第2配管を連通させる切替弁とを備え、
    前記切替弁に前記起動用ガスが供給されたときに形成される前記第1流路によって、前記第2配管を介して前記加圧ガス容器から前記消火剤用容器の該第2容器弁までを連通させることにより、前記消火剤用容器にのみ前記圧力調整手段によって圧力が調整された前記加圧ガスを供給する、
    消火設備。
  3. 複数の前記切替弁と、
    複数の前記消火剤用容器と、
    1つの加圧ガス容器と、を備えるとともに、
    複数の前記切替弁の1つに前記起動用ガスが供給されたときに形成される前記第1流路によって、前記第2配管を介して前記加圧ガス容器から所定数の前記消火剤用容器の該第2容器弁までを連通させることにより、所定数の前記消火剤用容器にのみ前記加圧ガスを供給する、
    請求項1又は請求項2に記載の消火設備。
  4. 二酸化炭素を含む起動用ガスが供給されたときに開弁して第1流路を形成することにより、該起動用ガスを収容する起動用ガス容器から、所定の圧力範囲内の圧力を有する加圧ガスを収容する加圧ガス容器の第1容器弁までの第1配管を連通させ、該起動用ガスが供給されないときに開弁して第2流路を形成することにより、該加圧ガス容器から消火剤用容器の第2容器弁までの第2配管を連通させる切替弁を用いて、
    不可避不純物を除いて前記起動用ガスのみを前記第1配管に流す起動用ガス供給工程と、
    不可避不純物を除いて前記加圧ガスのみを前記第2配管に流す加圧ガス供給工程と、を含む、
    消火方法。
  5. 二酸化炭素を含む起動用ガスが供給されたときに開弁して第1流路を形成することにより、該起動用ガスを収容する起動用ガス容器から、加圧ガスを収容する加圧ガス容器の第1容器弁までの第1配管を連通させ、該起動用ガスが供給されないときに開弁して第2流路を形成することにより、該加圧ガス容器から消火剤用容器の第2容器弁までの第2配管を連通させる切替弁を用いて、
    不可避不純物を除いて前記起動用ガスのみを前記第1配管に流す起動用ガス供給工程と、
    前記加圧ガスの圧力を所定の圧力範囲内の圧力になるように調整する圧力調整工程と、
    前記切替弁に前記起動用ガスが供給されたときに形成される前記第1流路によって、前記第2配管を介して前記加圧ガス容器から前記消火剤用容器の該第2容器弁までを連通させることにより、前記圧力調整工程によって圧力が調整された、不可避不純物を除いて前記加圧ガスのみを前記消火剤用容器にのみ供給する加圧ガス供給工程と、を含む、
    消火方法。
  6. 前記加圧ガス供給工程は、複数の前記切替弁の1つに前記起動用ガスが供給されたときに形成される前記第1流路によって、前記第2配管を介して1つの前記加圧ガス容器から複数の前記消火剤用容器のうち所定数の前記消火剤用容器の該第2容器弁までを連通させることにより、所定数の前記消火剤用容器にのみ前記加圧ガスを供給する工程である、
    請求項4又は請求項5に記載の消火方法。
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