本発明は、以下に〔実施形態A〕、〔実施形態B〕・・・等の複数を提示する。これら複数の実施形態(〔実施形態A〕、〔実施形態B〕・・・等として大きく区別されるもの)は、それぞれ単独の実施形態であり、各実施形態の説明に用いる用語、符号、手順(ステップ番号)、手段名等は、図示するものを含め、一の実施形態の説明で用いるものと他の実施形態の説明で用いるものが同一となっている場合があるが、一の実施形態の説明で用いる場合はあくまで当該一の実施形態単独についてのものである。例えば、説明冒頭で〔実施形態A〕を提示した場合、以降の説明で用いる用語は〔実施形態A〕についての用語であり、その他の〔実施形態B〕等の説明に用いているものではないことを意味する。同様に、説明冒頭で別の〔実施形態B〕を提示した場合は〔実施形態B〕の説明に用いる用語であり、その他の〔実施形態A〕、〔実施形態C〕等の説明に用いるものではないことを意味する。また、説明中で「本実施形態」、「一実施形態」、「他の実施形態」、「その他の形態」等という場合についても同様に、一の実施形態の説明で用いる場合はあくまで当該一の実施形態単独についてのものである。なお、提示した複数の実施形態については、各実施形態の構成を互いに組み合わせることも可能であり、複数の実施形態間で各構成の組み合わせを排除するものではない。したがって、一の実施形態の構成を他の実施形態の構成と組み合わせた態様も本発明は包含するものとする。
〔実施形態A〕
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば、遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照しつつ遊技機の全体構成について説明する。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1は、CRユニットに接続する機種であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態のパチンコ機1は、CRユニットに接続する機種を例に挙げているが、CRユニットに接続しない機種であってもよい。
また、受皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の前面部にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニット(参照符号なし)を取り巻くようにして配置されている。ガラス枠装飾ランプ52は、プッシュボタン45aに内蔵されているボタンランプを含んでいる。
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54,55が組み込まれている。一方、外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ56が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
〔操作手段〕
また、受皿ユニット6の中央には、上皿6bから前面側上方へ突出するようにして操作ユニット45が設置されている(操作手段)。操作ユニット45は、その中央部に円形のプッシュボタン45aが配置されており、プッシュボタン45aの左側には、棒状のレバー部材45bが配置されている。操作ユニット45は、演出上で示される様々な場面で操作を受け付けることが可能である。演出上のある場面では、遊技者によってプッシュボタン45aが押下され、別の場面では、遊技者によってレバー部材45bが手前側に引き込まれる。遊技者は、各種の態様で操作ユニット45を操作することにより、演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。操作ユニット45(プッシュボタン45a及びレバー部材45b)は、遊技者による操作入力を受け付け可能な操作手段である。本実施形態では、プッシュボタン45aは第1操作手段であり、レバー部材45bは第2操作手段である。
また、プッシュボタン45aの周囲には、プッシュボタン45aを取り囲むようにして、リング状部45cが設置されている。リング状部45cは、プッシュボタン45aやレバー部材45bとは異なり、装飾用として設けられた部材であり、レバー部材45bの引き込み操作に連動して反時計回りに回転する。また、リング状部45cは、周方向に一定の間隔で区切られてなる複数のセルを有している。これらのセルは、遊技者による操作を受け付けることはできないが、遊技者に対し操作方法を知らせる場面で有効活用される。
遊技者に何らかの操作を要求する場合、操作ユニット45の操作方法を表す縮小版画像(ボタン画像)が液晶表示器42の画面に表示される。このとき、指定した操作を行うことが可能な時間(操作有効時間)を合わせて遊技者に知らせるために、縮小版画像におけるリング状部45cは各セルがあたかもランプであるかのように表現される。より具体的には、縮小版画像中のリング状部では、操作可能な状態になると全てのセルが点灯して表示され、残り時間の減少にともないセルが1つずつ消灯していく。そして、残り時間がなくなると全てのセルが消灯する。実際のリング状部45cは光源を有しておらず、液晶画面に表示された縮小版画像に表されたリング状部のように点灯/消灯することはないが、縮小版画像中のリング状部の点灯/消灯をこのように切り替えることにより、遊技者に対して操作の残り時間を感覚的に把握させることができる。なお、リング状部45cに、光源(LED)を配置するようにしてもよい。
さらに、プッシュボタン45aは、遊技の進行過程で所定の契機が発生すると、上方に突出することが可能である。プッシュボタン45aはその内部にボタンランプ(光源)を有している。プッシュボタン45aは、通常時はデフォルト色(例えば白色)で発光するが、当選の期待度が高い場合は、有色(青色や赤色)で発光することがあり、突出時にはさらにカラフルに発光することができる。プッシュボタン45aが突出することにより、突出時のボタンの押し込み操作が特別に重要なものであることを遊技者に認識させることができる。
なお、本実施形態では、プッシュボタン45a及びレバー部材45bは、同じ操作ユニット45に搭載されているが、プッシュボタン45aとレバー部材45bとがそれぞれ独立した操作手段として設けられていてもよい。また、これらの操作手段は、近接した位置に配置されていてもよく、離れた位置に配置されていてもよい。
さらに、プッシュボタン45aやレバー部材45bとは別の操作部材(第3操作手段)を配置してもよい。別の操作部材としては、例えば、遊技機の奥方向に押し込むような操作を行うものや、遊技機の手前方向に引くような動作を行うものである。
また、操作ユニット45の右側には、十字キーボタン44が設置されている。十字キーボタン44は、例えば押し込み式の4つのボタンによって構成されている。具体的には、十字キーボタン44は、遊技者から見て遊技機側に配置された上ボタン、右側に配置された右ボタン、遊技者側に配置された下ボタン、左側に配置された左ボタンによって構成されている。遊技者は、この十字キーボタン44を押し込み操作することで、遊技環境を設定したり、遊技者の個人データを遊技機に入力したりすることができる。また、遊技者は、この十字キーボタン44の上ボタンを押し込み操作することで、オートボタン機能のONとOFFを切り替えることができる。
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図14)に基づいてさらに後述する。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受皿ユニット6に向けて案内する。
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
〔盤面の構成〕
図3は、遊技盤ユニット8を単独で示した正面図である。遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分(第1領域、左打ち領域)、右側部分(第2領域、右打ち領域)及び下部分に大きく分かれている。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺にスタート装置400、始動ゲート20、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等が分布して設置されている。このうち、スタート装置400は遊技領域8aの左側部分の下部中央に位置している。なお、スタート装置400の詳細は後述する。また、遊技領域8aの右側部分には、始動ゲート20、普通入賞口25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31が上からこの順番に配置されている。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で始動ゲート20を通過したり、スタート装置400に入球したり、普通入賞口22,25に入球(入賞)したり、あるいは、開放動作時の可変始動入賞装置28や開放動作時の第1可変入賞装置30、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする。ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、スタート装置400又は普通入賞口22に入球する可能性がある。遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、始動ゲート20を通過したり、普通入賞口25に入球したり、開放動作時の可変始動入賞装置28に入球したり、開放動作時の第1可変入賞装置30に入球したり、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする可能性がある。
本実施形態において、可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って右始動入賞口28bへの入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば左右一対の開閉部材28aを有しており、これら開閉部材28aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図3中に示されるように、左右の開閉部材28aは各先端が上を向いた状態で閉鎖位置にあり、このとき右始動入賞口28bへの入球は困難(遊技球が入球できる隙間がない状態)となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、左右の開閉部材28aはそれぞれ閉鎖位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、左右に開口幅を拡大して右始動入賞口28bを開放する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の入球が可能な状態となり、右始動入賞口28bへの入球を発生させることができる(可変始動入賞手段)。なお、このとき開閉部材28aは右始動入賞口28bへの遊技球の入球を案内する部材としても機能する。また、遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に可変始動入賞装置28(開放時の右始動入賞口28b)へ向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が開放動作時の可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に必ず入球するというわけではなく、あくまで入球は無作為に発生する。
また、可変始動入賞装置28は、非時間短縮状態(所定の遊技状態)では満たされ難い条件であり、時間短縮状態(有利遊技状態)では非時間短縮状態よりも満たされやすい条件である所定の作動条件(普通図柄が当選の態様で停止表示されて普通電動役物がロング開放するというという条件)が満たされない場合は右始動入賞口28bへの遊技球の入球が困難となる入球困難状態とする一方、所定の作動条件が満たされた場合は入球困難状態よりも右始動入賞口28bへの遊技球の入球を容易とする入球容易状態へ移行する。可変始動入賞装置28は、非時間短縮状態で普通図柄が当選の態様で停止表示された場合にはショート開放(0.1秒開放)し、時間短縮状態で普通図柄が当選の態様で停止表示された場合にはロング開放(1.0秒~6.0秒開放)する。
第1可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合、又は、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合)に作動し、第1大入賞口30bへの入球を可能にする(特別電動役物、第1特別入球事象発生手段)。
第1可変入賞装置30(アタッカ)は、可変始動入賞装置28の下部に配置された装置であり、1つの開閉部材30aを有している。この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復して開閉動作する。図示のように盤面に沿った状態で開閉部材30aは閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき第1大入賞口30bへの入球は困難である。第1可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むようにして変位し、第1大入賞口30bを開放する(開放状態)。この間に第1可変入賞装置30は遊技球の流入が可能な状態となり、第1大入賞口30bへの入賞という事象を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは第1大入賞口30bへの遊技球の流入を案内する部材としても機能する。
第2可変入賞装置31は、特別な条件が満たされた場合(特別図柄が小当りの態様で停止表示された場合)に作動し、第2大入賞口31bへの入球を可能にする(特別電動役物、第2特別入賞事象発生手段)。なお、第2可変入賞装置31は、特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合に作動してもよい。
第2可変入賞装置31は、演出ユニット40の右側に配置された装置であり、例えば1つの開閉部材31aを有している。第2可変入賞装置31は、開閉部材31aが盤面の内部にスライドするタイプの装置を採用している(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材31aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材31aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材31aの上面を転動することになるため、第2大入賞口31bへの入球は困難(第2大入賞口31bは閉塞中)である。そして、第2可変入賞装置31が作動すると、開閉部材31aが盤面の内部に引き込まれ、第2大入賞口31bを開放する(開放状態)。この間に第2可変入賞装置31は遊技球の流入が困難ではない状態となり、第2大入賞口31bへの入球という事象を発生させることができる。
〔特定領域〕
また、第2可変入賞装置31の内部には、特定領域31xが設けられている。特定領域31xは、第2可変入賞装置31が閉鎖状態である場合は遊技球が通過困難な領域であり、第2可変入賞装置31が開放状態である場合であって特定領域用スライド部材31cが盤面の内部に引き込まれている状態である場合に遊技球が通過可能な領域である。なお、第2可変入賞装置31の詳細は後述する。
また、特に図示してはいないが、第2可変入賞装置31(開閉部材31a)には、遊技球が転動するスピードを低下させる遊技球転動スピード低下部を形成してもよい。遊技球転動スピード低下部は、開閉部材31aの傾斜を緩やかにしたり、開閉部材31a上の遊技球が通過する位置に、遊技球をジグザグに進行させるための交互に出っ張る突起を形成することにより実現することができる。これにより、小当り遊技中に多くの遊技球を第2可変入賞装置31に入球させることができる。
その他、スタート装置400の内部にはアウト口32が形成されており、各種入賞口に入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、スタート装置400の各始動入賞口、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)、第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b、特定領域)に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
図4及び図5は、第2可変入賞装置31の詳細を示す図である。
第2可変入賞装置31は、スライド式の開閉部材31aの下方に第2大入賞口31bが配置されている。第2大入賞口31bの内部は左側に下り傾斜となっており、左側の端部にて下方に通路が延びている。下方に延びた通路には第2カウントスイッチ85が配置されており、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31に入球した遊技球の数をカウントする。
そして、下方に延びた通路は、その先で2つのルートに分かれている。一方の第1通路31dは、特定領域31xに向かって下方に延びており、他方の第2通路31eは、排出孔31yに向かって下方に延びている。
第1通路31dには、特定領域用スライド部材31cが配置されており、第1通路31dの下流には特定領域31xが配置されている。なお、特定領域31xの内部には、不図示の特定領域スイッチが配置されている。
一方、第2通路31eには、特別な部材は配置されておらず、第2通路31eの下流には排出孔31yが配置されている。
特定領域用スライド部材31cは、特殊な条件が満たされた場合(第2可変入賞装置31が作動してから第1時間経過後第2時間経過前の間)に作動し、特定領域31xへの遊技球の通過を可能にする。特定領域用スライド部材31cは、例えば図示しない特定領域ソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面の前後方向に沿ってスライドする。例えば、第1時間経過後は第2可変入賞装置31が作動してから0.2秒経過後であり、第2時間経過後は、第2可変入賞装置31が作動してから1.8秒経過後である。
特定領域ソレノイドがOFFの状態であると、特定領域用スライド部材31cは第1通路31dを塞いでいるため、遊技球が特定領域31xを通過することは困難となっている。一方、特定領域ソレノイドがONの状態になると、特定領域用スライド部材31cは盤面の内側に引き込まれるため、遊技球が特定領域31xを通過することが容易となる。
次に、第2可変入賞装置31の動作を説明する。
図4中(A)に示すように、スライド式の開閉部材31aは、盤面の内側に引き込まれており、遊技球が第2大入賞口31bに入球している。図示の例では、4個の遊技球が第2大入賞口31bに向かって進行している。ここでは、1個目の遊技球が第2カウントスイッチ85により検出されている状態である。
図4中(B)に示すように、1個目の遊技球が特定領域用スライド部材31cに到達している。2個目及び3個目の遊技球は、第2カウントスイッチ85に向かって進んでいる。4個目の遊技球は、第2大入賞口31bに入球しかけている。
図4中(C)に示すように、この時点では、特定領域用スライド部材31cが内側に引き込まれていないため(非作動中であるため)、1個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cによって進行方向が右側に変更され、第2通路31eに向かう。この場合、1個目の遊技球は、排出孔31yにより回収される。
図5中(D)に示すように、この時点で特定領域用スライド部材31cが盤面の内側に引き込まれたものとする(動作中)。この場合、2個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cの手前側を通り抜けて、第1通路31dに進行する。そして、2個目の遊技球は、特定領域31xを通過して、特定領域スイッチにより検出される。
図5中(E)に示すように、3個目の遊技球も、特定領域用スライド部材31cの手前側を通り抜けて、第1通路31dに進行する。この場合、3個目の遊技球は、特定領域31xを通過して、特定領域スイッチに検出される。
図5中(F)に示すように、この時点で、特定領域用スライド部材31cの動作が終了し、特定領域用スライド部材31cが盤面の前方側に突出したものとする。この場合、4個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cによって右方向に案内され、第2通路31eに進行する。そして、4個目の遊技球は、排出孔31yにより回収される。
図6~図12は、スタート装置400の詳細を示す図である。
図6は、スタート装置400の斜視図である。
図6に示すように、スタート装置400は、ベース部材410、カバー部材420、通過口430、右可動装置480、左可動装置490等を備えている。
ベース部材410は、スタート装置400の土台となる部材であり、ネジ等の締結部材により遊技盤ユニット8に取り付けられる。
カバー部材420は、ベース部材410の前面側に取り付けられる部材であり、その内部に各種始動入賞口やアウト口が配置される。
通過口430は、カバー部材420の上部中央に配置されており、遊技球がスタート装置400に入球するための(遊技球が通過可能な)入口である。
右可動装置480は、ベース部材410の後方右側に取り付けられており、スタート装置400の右羽根部材438(図7参照)を可動させるための装置である。
左可動装置490は、ベース部材410の後方左側に取り付けられており、スタート装置400の左羽根部材442(図7参照)を可動させるための装置である。
図7及び図8は、スタート装置400の内部構造を示す図である。
ここで、図7は、スタート装置400の羽根部材(右羽根部材438及び左羽根部材442)が閉鎖している状態を示しており、図8は、スタート装置400の羽根部材が開放している状態を示している。
図7に示すように、通過口430の下方には、右下方向に傾斜した案内通路432が形成されている。
案内通路432の右下には、1穴のクルーン部材434が配置されている。クルーン部材434は、上方側に大きな開口を有するすり鉢状の部材であり、底面に遊技球が1つ通過可能な開口が形成されている。
クルーン部材434の下方には、左下方向に傾斜した案内通路436が形成されている。
案内通路436の左下には、右羽根部材438が配置されている。
右羽根部材438の左下には、左下方向に傾斜した案内通路440が形成されている。
案内通路440の左下には、左羽根部材442が配置されている。
左羽根部材442の左下には、左下方向に傾斜した案内通路444が形成されている。
スタート装置右始動入賞口450、スタート装置中始動入賞口452及びスタート装置左始動入賞口454は、遊技球が入球可能な入球口である。
右羽根部材438及び左羽根部材442は、スタート装置右始動入賞口450、スタート装置中始動入賞口452及びスタート装置左始動入賞口454への入球に影響を与える動作が可能(開閉可能、可動可能)可動可能な可動体である。
また、右羽根部材438及び左羽根部材442は、スタート装置右始動入賞口450及びスタート装置中始動入賞口452の上方(上流)に配置され、遊技球がスタート装置右始動入賞口450又はスタート装置中始動入賞口452に進入するか否か(通過するか否か)に影響を与える部材である。
右羽根部材438は、右羽根部材438を作動させるソレノイドがONとなっている場合、上方に起き上がって開放状態に移行し、遊技球をスタート装置右始動入賞口450に導く。一方、右羽根部材438は、右羽根部材438を作動させるソレノイドがOFFとなっている場合、起き上がらずに閉鎖状態を維持し、遊技球は右羽根部材438の上部を通り抜けて、案内通路440に導かれる。
また、左羽根部材442は、左羽根部材442を作動させるソレノイドがONとなっている場合、上方に起き上がって開放状態に移行し、遊技球をスタート装置中始動入賞口452に導く。一方、左羽根部材442は、左羽根部材442を作動させるソレノイドがOFFとなっている場合、起き上がらずに閉鎖状態を維持し、遊技球は左羽根部材442の上部を通り抜けて、案内通路444に導かれる。
右羽根部材438及び左羽根部材442は、本部材の中央付近に挿入されている可動ピンが上方に押し上げられることにより、可動ピンが後方に配置されたガイド溝に沿って移動し、左側の回転軸を中心に回転して開放状態に移行する(図8参照)。
右羽根部材438の下方には、スタート装置右始動入賞口450が配置されている。スタート装置右始動入賞口450は、通過口430に入球した遊技球が進入可能(通過可能)であり第1特別図柄抽選の抽選契機(所定の契機)を発生可能とする契機発生領域である。
左羽根部材442の下方には、スタート装置中始動入賞口452が配置されている。スタート装置中始動入賞口452は、通過口430に入球した遊技球が進入可能(通過可能)であり第1特別図柄抽選の抽選契機(所定の契機)を発生可能とする契機発生領域である。
案内通路444の左下には、スタート装置左始動入賞口454が配置されている。スタート装置左始動入賞口454は、通過口430に入球した遊技球が進入可能(通過可能)であり普通図柄抽選の抽選契機(所定の契機)を発生可能とする契機発生領域である。
スタート装置右始動入賞口450の右側には、右下方向に傾斜した案内通路462が形成されている。
案内通路462の右下には、アウト口32が配置されている。このアウト口32の右側には、左下方向に傾斜した案内通路460が形成されている。
スタート装置右始動入賞口450の左側には、左下方向に傾斜した案内通路464が形成されている。
案内通路464の左下には、アウト口32が配置されている。
スタート装置中始動入賞口452の右側には、右下方向に傾斜した案内通路466が形成されている。
スタート装置中始動入賞口452の左側には、左下方向に傾斜した案内通路468が形成されている。
案内通路468の左下には、アウト口32が配置されている。
スタート装置左始動入賞口454の右側には、右下方向に傾斜した案内通路470が形成されている。
スタート装置左始動入賞口454の左側には、左下方向に傾斜した案内通路472が形成されている。
案内通路472の左下には、アウト口32が配置されている。このアウト口32の左側には、右下方向に傾斜した案内通路474が形成されている。
スタート装置右始動入賞口450、スタート装置中始動入賞口452及びスタート装置左始動入賞口454の下方には、スタート装置電飾基板476が配置されている。
スタート装置電飾基板476には、3つのランプ(LED)478が配置されており、各始動入賞口に遊技球が入球すると、対応するランプが点灯するようになっている。
次に、スタート装置400の内部での遊技球の流れを説明する。
図9に示すように、通過口430に入球した遊技球は、クルーン部材434を経由して右羽根部材438に導かれる。
そして、右羽根部材438及び左羽根部材442が閉鎖している場合、遊技球は、右羽根部材438及び左羽根部材442の上を通過して、最終的には、スタート装置左始動入賞口454に入球する。
スタート装置左始動入賞口454には、スタート装置左始動入賞口スイッチが配置されているため、スタート装置左始動入賞口スイッチによって遊技球の入球が検出される。
一方、右羽根部材438又は左羽根部材442が開放している場合も途中までは、右羽根部材438又は左羽根部材442が閉鎖している場合と同様の遊技球の流れとなる。
つまり、図10に示すように、通過口430に入球した遊技球は、クルーン部材434を経由して右羽根部材438に導かれる。
そして、右羽根部材438又は左羽根部材442が開放している場合、遊技球は、右羽根部材438又は左羽根部材442の位置で落下して、最終的には、スタート装置右始動入賞口450又はスタート装置中始動入賞口452に入球する。
スタート装置右始動入賞口450には、スタート装置右始動入賞口スイッチが配置されているため、スタート装置右始動入賞口スイッチによって遊技球の入球が検出される。
また、スタート装置中始動入賞口452には、スタート装置中始動入賞口スイッチが配置されているため、スタート装置中始動入賞口スイッチによって遊技球の入球が検出される。
ここで、遊技球がスタート装置400の通過口430に入球した場合、スタート装置右始動入賞口450、スタート装置中始動入賞口452、スタート装置左始動入賞口454のいずれかに必ず入球するわけではなく、場合によってはアウト口32に入球することもある。また、アウト口32には、スタート装置400の通過口430に入球した遊技球だけでなく、スタート装置400の通過口430に入球しなかった遊技球が側面側から入球することもある。
なお、右羽根部材438及び左羽根部材442は、同時に開放状態に移行させる例で説明しているが、同時に開放状態に移行させないようにすることもできる。
図11及び図12は、スタート装置400の側面図である。
ここで、図11は、羽根部材(例えば図10の右羽根部材438)が閉鎖している状態を示しており、図12は、羽根部材が開放している状態を示している。
上述したように、右可動装置480は、ベース部材410の後方右側に取り付けられており、スタート装置400の右羽根部材438を可動させるための装置である。
また、右可動装置480は、スタート装置右ソレノイド481、コイル部材482、フラッパー部材483、アーム部材484、フック部材485、バネ部材486等を備えている。なお、フック部材485は、アーム部材484の一部として構成してもよい(フック部材485とアーム部材484とは、同一部品であってもよい)。
主制御装置によってスタート装置右ソレノイド481が通電されると、コイル部材482が励磁され、板状のフラッパー部材483がコイル部材482に引き付けられる。
フラッパー部材483とアーム部材484とは、連結されており、フラッパー部材483が上方に移動すると、アーム部材484も上方に移動する。また、アーム部材484の先端には、円弧状のフック部材485が連結されている。このため、フラッパー部材483及びアーム部材484の移動にともなって、フック部材485も上方に移動する(図12参照)。
そして、フック部材485が上方に移動すると、フック部材485が、右羽根部材438に挿入されている可動ピン487を押し上げ、右羽根部材438が閉鎖状態から開放状態に移行する(図10参照)。この場合、コイル部材482と、フラッパー部材483とは、不図示のストッパによって、互いに接触しないようになっている(図12参照)。
また、スタート装置右ソレノイド481が通電されていない状態では、バネ部材486(あるいは、バネ部材486及びフラッパー部材483の自重)によって、フラッパー部材483は、コイル部材482から離れた位置に配置されるようになっている(図11参照)。
なお、ここでは、右可動装置480について説明したが、左可動装置490についても同様の構成を採用している。
〔スタート装置の特徴〕
特定の入賞領域への入賞を制限するために開閉部材を設けているような入賞装置ユニットに関するものは、従来技術として多々存在しているが、本実施形態のように、始動入賞口に備えた開閉部材が、電源投入時から常時開閉動作をし続けるとともに、その開閉によって始動入賞率を安定させるような構成は存在しない。
スタート装置400は、通過口430に入球した遊技球を、特別図柄の始動入賞口と普通図柄の始動入賞口(入賞口、作動口)に振り分けることで、「各種の図柄をランダムに変動させる」機能を有する。
以下、スタート装置400における遊技球の流れの詳細を説明する。
(1)スタート装置400の上部に通過口430を構え、そこから入球した遊技球は、1穴のクルーン部材434に向かい、クルーン部材434から排出されるまでの時間に、不規則な時間を与える。これにより、どつき等の振動に対するゴトを回避することができる。なお、スタート装置400に振動センサや磁石センサ、電波センサを取り付け、各種ゴトへの対策を強化することもできる。クルーン部材434は、多少の遊びを備えてスタート装置400に取り付けられており、外部からの衝撃(ドツキ等)を遊びによって吸収できるため、振動による影響を避けることができる。
(2)クルーン部材434から排出された遊技球は、スロープ状の案内通路に導かれ、その案内経路の途中に配置された常時一定で開閉する右羽根部材438及び左羽根部材442の開閉状態によって次のように球経路が変化する。
(a)右羽根部材438又は左羽根部材442が開放している場合、遊技球は、スロープから落下し、下に構える特別図柄の始動入賞口に向かう。
(b)右羽根部材438又は左羽根部材442が閉鎖している場合、遊技球は、右羽根部材438又は左羽根部材442の上を通過する。なお、スタート装置400には、羽根部材を2個搭載することで、特別図柄の始動入賞口に入賞するチャンスを2回与えている。
(3)右羽根部材438又は左羽根部材442に拾われなかった遊技球は、最終的に、普通図柄の始動入賞口(普通図柄が変動する普通図柄作動口)に向かう。
また、スタート装置400は、以下の特徴を併せ持つものである。
特別図柄の始動入賞口及び普通図柄の始動入賞口の左右には、アウト口を配置しており、一般的な機種にある盤面最下部のアウト口は削除している。
右羽根部材438及び左羽根部材442は、常時可動するため、スタート装置400のアクチュエーターには、一般的に用いられるプッシュ・プル式のソレノイドではなく、フラッパー式のソレノイドを搭載して摩耗による劣化を防いでいる。
また、遊技者にとっては、スタート装置400に入球した遊技球がどう振り分けられるのかについて、目で追わないといけないことから、これを視覚的に分かりやすく報知するために、特別図柄の始動入賞口及び普通図柄の始動入賞口の下部にランプ(LED)を配置し、入賞タイミングで光らせる機能を持たせている。
そして、このような構成のスタート装置400を採用することにより、以下のような効果を発揮することができる。
(1)クルーン部材434を搭載することにより、スタート装置400に入球した遊技球が開閉している右羽根部材438又は左羽根部材442に向かうタイミングに不規則性を与え、遊技者に対して遊技球の動きによって高揚感を増長させ、かつ、右羽根部材438又は左羽根部材442の開放のタイミングに合わせて遊技球を発射する、いわゆる攻略打ちの対策が可能となる。
(2)アウト口をスタート装置400に搭載することにより、盤面下部に配置されたアウト口の領域をスタート装置400にあてがうことができ、スタート装置400とアウト口を一体化してコンパクト化を図ることが可能であるとともに、盤面下部の有効活用が可能となる。
(3)フラッパー式のソレノイドを採用することにより、ソレノイド自体の摩耗を防ぎ、常時可動に耐えうる耐久性を確保することができる。
(4)特別図柄の始動入賞口及び普通図柄の始動入賞口の下部にランプ(LED)を配置し、入賞タイミングで光らせることにより、入賞したことを効果的に遊技者に報知することができる。
図13は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の左下位置)を拡大して示す正面図である。
遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33(普通図柄表示手段)及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34(第1図柄表示手段)、第2特別図柄表示装置35(第2図柄表示手段)、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が設けられている。
このうち普通図柄表示装置33は、例えば3つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0~4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、上記の始動ゲート20を遊技球が通過すると、又は、スタート装置左始動入賞口454に遊技球が入球すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えば7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段、第1図柄表示手段、第2図柄表示手段)。その他、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0~4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプが点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして、2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、スタート装置右始動入賞口450又はスタート装置中始動入賞口452に遊技球が入球するごとに、入球が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、上記の可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に遊技球が入球するごとに、入球が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄(第1図柄)が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で、スタート装置右始動入賞口450又はスタート装置中始動入賞口452に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄(第2図柄)が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また、遊技状態表示装置38には、例えば、大当り種別表示ランプ38a,38b,38c、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定表示ランプ38fにそれぞれ対応する6つのLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
〔遊技盤のその他の構成:図3を参照〕
上記の演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側上部には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄(本図柄)や、第4図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されている。球案内通路40dは、演出ユニット40の裏側を通って下方の転動ステージ40eに接続されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40kが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40kに案内された遊技球は、その真下にあるスタート装置400の通過口430に流入しやすくなる。
その他に演出ユニット40の上部中央の内部には、演出用の可動体40f(例えばハート型の装飾物)とともに図示しない駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。このような可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
また、液晶表示器42の下部には、7セグ表示装置200が配置されている。7セグ表示装置200には、3つの7セグメントLEDが配置されている。7セグ表示装置200は、特別図柄の変動中に7セグ演出図柄を変動表示したり、大当り遊技中の演出を表示したりする。
さらに、7セグ表示装置200の右下には、記憶表示装置300が配置されている。記憶表示装置300は、内蔵するLEDの発光(点灯や消灯等)により記憶に関する演出を実行することができる。
記憶表示装置300には、第1特別図柄記憶表示領域M1、第2特別図柄記憶表示領域M2、当該記憶表示領域X1、演出表示領域X2が設けられている。
第1特別図柄記憶表示領域M1には、4つの白色LEDが配置されており、LEDの点灯数が第1特別図柄の記憶数(第1特別図柄作動記憶ランプ34aの表示数)に対応している。
第2特別図柄記憶表示領域M2には、4つの白色LEDが配置されており、LEDの点灯数が第2特別図柄の記憶数(第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示数)に対応している。
当該記憶表示領域X1には、1つのフルカラーLEDが配置されており、LEDが点灯していることで、特別図柄が変動中であることを示している。
演出表示領域X2には、1つ又は複数のフルカラーLEDが配置されており、LEDの点灯色によって、特別図柄抽選の当選の期待度が高まることを示している。演出表示領域X2は、内部的に抽選されたLEDの色(保留色)と同じ色で点灯するため、遊技者に分かりやすい告知を行うことができる。
記憶の色変化演出を実行する場合、本来であれば対象となるLEDの点灯色を変化させるが、本実施形態では、第1特別図柄記憶表示領域M1及び第2特別図柄記憶表示領域M2に白色LEDを配置している。このため、第1特別図柄記憶表示領域M1及び第2特別図柄記憶表示領域M2では、色変化演出を実行することができない。このため、記憶の色変化演出を実行する場合、演出表示領域X2の点灯色を変化させることによって、色変化演出の代わりとしている。ただし、この場合、どの記憶が対象となっているか分かりづらくなるため、対象となるLEDは点滅表示させることが好ましい。
なお、第1特別図柄記憶表示領域M1及び第2特別図柄記憶表示領域M2にフルカラーLEDを配置して、色変化演出を実行するようにしてもよい。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図14は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0~65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、スタート装置左始動入賞口454には、遊技球の入球を検出するためのスタート装置左始動入賞口スイッチ78aが設けられている。
また、遊技盤ユニット8には、スタート装置中始動入賞口452、スタート装置右始動入賞口450、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31にそれぞれ対応してスタート装置中始動入賞口スイッチ80、スタート装置右始動入賞口スイッチ81、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84及び第2カウントスイッチ85が装備されている。
スタート装置中始動入賞口スイッチ80、スタート装置右始動入賞口スイッチ81、右始動入賞口スイッチ82は、それぞれスタート装置中始動入賞口452、スタート装置中始動入賞口452、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)への遊技球の入賞を検出するためのものである。また、第1カウントスイッチ84は第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。
他にも、特定領域31xに対応して特定領域スイッチ83が装備されている。第2大入賞口31bの内部の特定領域31xに対応する位置には、特定領域スイッチ83が備えられており、特定領域スイッチ83は、遊技球が特定領域31xを通過したことを検出する。
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22,25への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、ここでは全ての普通入賞口22,25について共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば、盤面の左右で別々の入賞口スイッチ86を設置し、左側の入賞口スイッチ86では盤面の左側に位置する普通入賞口22,25に対する遊技球の入賞を検出し、右側の入賞口スイッチ86では盤面の右側に位置する普通入賞口25に対する遊技球の入賞を検出することとしてもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類の入賞検出信号や通過検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、スタート装置左始動入賞口スイッチ78a、特定領域スイッチ83、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号や通過検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び特定領域31xにそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び特定領域ソレノイド99が設けられている。さらに、遊技盤ユニット8には、スタート装置右始動入賞口450(右可動装置480)及びスタート装置中始動入賞口452(左可動装置490)にそれぞれ対応して、スタート装置右ソレノイド481及びスタート装置左ソレノイド491が設けられている。これらソレノイド88,90,97,99,481,491は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31、特定領域31x、スタート装置右始動入賞口450及びスタート装置中始動入賞口452を開閉させる。なお、これらソレノイド88,90,97,99,481,491についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に上記の一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、上記の内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている(特別特典付与手段)。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。また、CRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、CRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また、演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46~52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
演出制御装置124と上記の主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお、各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46やガラス枠装飾ランプ48,50,52の他に、遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここではガラス枠装飾ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受皿ユニット6に受皿電飾基板を設置し、ガラス枠装飾ランプ52については受皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
また、音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、ガラス枠上スピーカ54,55及び外枠スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46~52やスピーカ54,55,56に印加されている。また、ガラス枠電飾基板136には、上記のプッシュボタン45a及びレバー部材45bが接続されており、遊技者がプッシュボタン45aやレバー部材45bを操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。さらにまた、ガラス枠電飾基板136には、上記の十字キーボタン44が接続されており、遊技者が十字キーボタン44を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136にプッシュボタン45a、レバー部材45b及び十字キーボタン44を接続した例を挙げているが、上記の受皿電飾基板を設置する場合、プッシュボタン45a、レバー部材45b及び十字キーボタン44は受皿電飾基板に接続されていてもよい。その他、遊技盤ユニット8にはパネル電飾基板138が設置されており、このパネル電飾基板138には盤面ランプ53の他に可動体モータ57が接続されている。可動体モータ57は、例えば図示しないリンク機構を介して上記の可動体40fを駆動する。ランプ駆動回路132からの駆動信号は、パネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53及び可動体モータ57にそれぞれ印加される。なお、可動体モータ57は、ソレノイドであってもよい。
また、ガラス枠電飾基板136には、ボタンモータ45dが接続されている。
ボタンモータ45dは、プッシュボタン45aを昇降させるステッピングモータであり、操作ユニット45を制御する不図示の操作ユニット制御装置によって駆動される。操作ユニット制御装置は、演出制御装置124から送信される駆動信号に基づいてボタンモータ45dを駆動することにより、プッシュボタン45aを通常の状態(初期位置)又は突出した状態(最大可動位置)のいずれかに変位させることができる。
また、演出制御装置124には、7セグ表示装置200及び記憶表示装置300が接続されている。7セグ表示装置200及び記憶表示装置300は、これらの装置を制御する不図示の制御装置(ドライバ、IC)によって駆動される。演出制御装置124(演出制御CPU126)は、不図示の制御装置を通じて7セグ表示装置200及び記憶表示装置300を制御する。
上記の液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤ユニット8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、VDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なお、VRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46~53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらにVDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上記のように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、リセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図15及び図16は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1~2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また、主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また、主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタコマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また、主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図16に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして、主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)、及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図18中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図18中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、上記のように、本実施形態において大当り決定乱数及び当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図18)を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込管理処理の内容については後述する。
〔電源断発生チェック処理〕
図17は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また、主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして、主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(図15)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図18は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB~Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A~L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、スタート装置左始動入賞口スイッチ78a、スタート装置中始動入賞口スイッチ80、スタート装置右始動入賞口スイッチ81、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、入賞口スイッチ86、特定領域スイッチ83からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、スタート装置左始動入賞口スイッチ78a、スタート装置中始動入賞口スイッチ80、スタート装置右始動入賞口スイッチ81、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、特定領域スイッチ83からの通過検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、スタート装置中始動入賞口スイッチ80又はスタート装置右始動入賞口スイッチ81から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は、第1特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機、第1抽選契機、第1特別図柄抽選の抽選契機)となる事象が発生したと判定する。
また、右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は、第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機、第2抽選契機、第2特別図柄抽選の抽選契機)となる事象が発生したと判定する。
さらに、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、又は、スタート装置左始動入賞口スイッチ78aから入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は、普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。
いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、スタート装置中始動入賞口スイッチ80、スタート装置右始動入賞口スイッチ81又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また、普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(普通図柄抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
また、本実施形態では、普通図柄表示装置33の3つのLEDを順番に点灯及び消灯させることで、普通図柄の変動表示を行い、上下3つのLEDのうち、例えば上のLEDを点灯させた状態で非当選時の停止表示を行い、下の2つのLEDのいずれかを点灯させた状態で当選時の停止表示を行うことができる。下の2つのLEDのうち、いずれのLEDを点灯させるかについては、主制御CPU72は当り時の抽選によって決定する当り時停止図柄番号に基づいて、普通図柄表示装置33による停止図柄(当り図柄)の表示態様を決定する。
例えば、非時間短縮状態において普通図柄の当選確率を略1分の1としている場合、2種類存在している当り図柄1と当り図柄2との振分率は、「1300:1」である。つまり、普通図柄の当選図柄としての当り図柄1に該当する確率は「1299/1300」であり、普通図柄の当選図柄としての当り図柄2に該当する確率は「1/1300」である。そして、当り図柄1に該当した場合は、可変始動入賞装置28はショート開放(0.1秒開放)するため、遊技球が可変始動入賞装置28に入球することは困難である。一方、当り図柄2に該当した場合は、可変始動入賞装置28がロング開放(6.0秒開放)するため、非時間短縮状態であっても可変始動入賞装置28に遊技球を入球させるチャンスが発生する。
このような当選図柄の振分率の設定により、本実施形態では、普通図柄が1300回変動すると、1回程度の割合で可変始動入賞装置28がロング開放することになる。なお、時間短縮状態においては、当り図柄1又は当り図柄2のいずれに該当しても、可変始動入賞装置28がロング開放する。この場合は、当り図柄1と当り図柄2とで開放パターンを異ならせることができる。また、主制御CPU72は、非時間短縮状態において可変始動入賞装置28をロング開放させる場合、演出制御装置124に対して可変始動入賞装置ロング開放開始コマンドを送信する。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ78a,80,81,82,84,85,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。賞球数は、遊技の仕様に応じて任意に設定することができる。例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応する始動入賞口の賞球数は4個であり、普通図柄に対応する始動入賞口の賞球数は1個であり、第1大入賞口及び第2大入賞口の賞球数は15個であり、普通入賞口の賞球数は4個である。なお、賞球数に関する情報を賞球内容コマンドとして演出制御装置124に送信することもできる。
〔賞球数及び獲得遊技球数について〕
第1特別図柄の始動口の賞球数及び第2特別図柄の始動口の賞球数は、それぞれ1個以上の規定数に設定されている。また、第1特別図柄の始動口と第2特別図柄の始動口とでは、賞球数を異ならせてもよい。さらに、特別図柄の当選確率や、総獲得遊技球数の期待値(初当りから時間短縮状態が終了するまでの一連の期間に得られる平均出球数)に基づいて、最低賞球数を設定してもよい。さらにまた、特別図柄の当選確率、総獲得遊技球数の期待値、大入賞口の開放回数、大入賞口の開放時間、大入賞口の最大入賞数、大入賞口の賞球数が規定の条件を満たした場合、1回の大当りによる獲得遊技球数が最大の獲得遊技球数の1/4未満となる大当りを設定してもよい。
ステップS207a:主制御CPU72は、ソレノイド管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、電源投入時から常時可動するスタート装置右ソレノイド481及びスタート装置左ソレノイド491の動作を制御する。詳細は、図45において後述する。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータ(外部機器)に対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」~「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」~「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」~「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS209:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS205)や普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお、駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また、主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び特定領域ソレノイド99の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS213:そして、主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお、本実施形態では、ステップS205~ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして、主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A~L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図19は、スイッチ入力イベント処理(図18中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応するスタート装置中始動入賞口スイッチ80又はスタート装置右始動入賞口スイッチ81から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の第1大入賞口30bに対応する第1カウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS19に進んで第1大入賞口カウント処理を実行する。第1大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの第1可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS20に進む。
ステップS20:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の第2大入賞口31bに対応する第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS21に進んで第2大入賞口カウント処理を実行する。第2大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中(小当り遊技中)に第2可変入賞装置31への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78又はスタート装置左始動入賞口スイッチ78aから検出信号が入力されたか否かを確認する。この検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72はステップS24を実行する。一方、検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS26に進む。
ステップS24:主制御CPU72は、普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄抽選に必要となる各種乱数値(普通図柄当り乱数等)を取得する。また、主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして、主制御CPU72は、取得した各種乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。次に、主制御CPU72は、ステップS26を実行する。
ステップS26:主制御CPU72は、第2大入賞口31b内の特定領域31xに対応する特定領域スイッチ83から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS28に進んで特定領域予備フラグをONにする処理を実行する。一方、通過検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図18)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図20は、第1特別図柄記憶更新処理(図19中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。ここで、RAM76の乱数記憶領域は、第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する8つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図19)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図18中のステップS210)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第1抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、抽選要素取得手段)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして、主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(第1抽選要素記憶手段、抽選要素記憶手段)。複数のセクションには順番(例えば第1~第4)が設定されており、現段階で第1~第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2~第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の特別遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37,S38を実行する。大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37,S38をスキップしてステップS38aに進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS37:大当り中以外の場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する(先読み処理実行手段)。この処理は、先のステップS32~S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数、大当り図柄乱数及び変動パターン決定乱数に基づいて、特別図柄抽選の結果や変動時間を事前(変動開始前)に判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。この処理において、第1特別図柄の事前判定の結果を特図先判定演出コマンド(先読み情報)の下位バイト分にセットする。
ステップS38:取得時演出判定処理を実行すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする(先読み処理実行手段)。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分(当否に関する情報や変動時間に関する情報)は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされるので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS38a:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」~「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」~「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」~「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」~「04H」となったことを表している。なお、上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS39:そして、主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理では、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンドが演出制御装置124に対して送信される(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えるか、もしくは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図19)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
次に図21は、第2特別図柄記憶更新処理(図19中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば4とする)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図19)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図20)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図18中のステップS210)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第2抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図20)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図20)と同様である。
ステップS44:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、抽選要素取得手段)。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図20)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第2特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(第2抽選要素記憶手段、抽選要素記憶手段)。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図20)と同様である。
ステップS45a:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。そして、大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS46,S47を実行する。逆に大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS46,S47をスキップしてステップS48に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、同じく大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS46:大当り中以外である場合(ステップS45a:No)、次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する(先読み処理実行手段)。この処理は、先のステップS42~S44でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである。この処理において、第2特別図柄の事前判定の結果を特図先判定演出コマンドの下位バイト分にセットする。
ステップS47:取得時演出判定処理を実行すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする(先読み処理実行手段)。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS46)においてセットされるので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS48:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」~「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお、先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS49:そして、主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して特図先判定演出コマンドや作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置124に対して送信される(記憶数通知手段)。また、以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図19)に復帰する。
〔取得時演出判定処理〕
図22は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理及び第2特別図柄記憶更新処理(図20中のステップS37,図21中のステップS46)においてこの取得時演出判定処理を実行する(事前判定手段、先読み処理実行手段)。上述したように、この処理は第1特別図柄(スタート装置中始動入賞口452又はスタート装置右始動入賞口450への入球時)、第2特別図柄(可変始動入賞装置28への入球時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンド(先判定情報)の下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(図20中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図21中のステップS45)でRAM76に記憶されているものである。
ステップS54:そして、主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段、事前判定手段)。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお、比較値(下限値)は、パチンコ機1における特別図柄抽選の大当り確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS80に進む。
ステップS80:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段、先読み処理実行手段)。この処理では、主制御CPU72は、はずれ時の変動時間について変動パターン先判定コマンド(先読み情報)を生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、特に「時間短縮機能」の作動時における変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。例えば、現在の状態が「時間短縮機能」の作動時であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものである場合、主制御CPU72は「時短中非短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。なお、リーチ変動の場合はさらに、リーチモード乱数から「リーチグループ(リーチの種類)」をも判断し、その結果から変動パターン先判定コマンドを生成することとしてもよい。一方、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「時短中短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。あるいは、現在の状態が「時間短縮機能」の非作動時(低確率状態)であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものである場合、主制御CPU72は「通常はずれリーチ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。一方、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「通常はずれ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。なお、この処理において、主制御CPU72は、小当り時の変動パターンについて、上述したはずれ時の処理と同様に変動パターン先判定コマンドを生成してもよい。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は取得時演出判定処理を終了し、呼び出し元の第1特別図柄記憶更新処理(図20)又は第2特別図柄記憶更新処理(図21)に復帰する。一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
ステップS74:主制御CPU72は、大当り図柄種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(図20中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図21中のステップS45)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、ステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果からいずれの当選図柄に該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS78に進む。
ステップS78:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットする。特別図柄先判定値は、例えば「時間短縮状態に移行しない図柄」に該当する場合は「00H」がセットされ、「時間短縮状態に移行する図柄」に該当する場合は「01H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
ステップS79:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段、先読み処理実行手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り時の変動時間について、上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、例えば大当り時のリーチ変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(図20)又は第2特別図柄記憶更新処理(図21)に復帰する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理(図18)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図23は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000~ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番~7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において大当り又は小当りの態様(非当選以外の態様)で特別図柄が停止表示された場合に選択される。なお、特別図柄の停止表示される態様に応じて、大当り遊技又は小当り遊技が開始される。
〔大当り遊技〕
例えば、特別図柄が3ラウンド大当りの態様で停止表示されると、大当り遊技(遊技者にとって有利な特別遊技)が実行される。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、第1大入賞口ソレノイド90が一定時間(例えば29秒間又は10個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば3回)にわたって励磁され、これにより第1可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に第1可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に第1可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で3回あれば、これらを「3ラウンド」と総称することがある。本実施形態では、3ラウンド大当りについては、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられている。なお、大当りの種類として3ラウンド大当りだけでなく、その他のラウンド数の大当りを設けてもよい。
また、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の第1可変入賞装置30の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また、主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図18中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(時間短縮状態)を変化させる(時間短縮状態移行手段)。「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、普通図柄の作動抽選の抽選確率が通常確率(低確率)から高確率に設定され、また、普通図柄の変動時間が短縮されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長されて開放回数が増加する(いわゆる電チューサポートが行われる)。なお、いわゆる2種遊技機の要素を含む遊技機(例えば、1種2種混合機や2種遊技機、すなわち、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過することによって大当り遊技が実行される遊技機)においては、普通図柄の作動抽選の当選確率を高確率状態に移行させないようにしてもよい。この場合、普通図柄の作動抽選の当選確率は、時間短縮機能の作動の有無に関わらずに一定の確率(例えば略1分の1)とし、可変始動入賞装置28の開放パターンで入賞の容易さと困難さを調整することができる。
遊技状態としては、少なくとも通常遊技状態(第1状態)及び通常遊技状態とは異なる時間短縮状態(第2状態)がある。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、時間短縮状態への移行条件が満たされると(所定の移行条件が満たされると、特別図柄が大当りの態様で停止表示されると)、通常遊技状態(第1状態)から時間短縮状態(第2状態)に移行させることができる(状態移行手段)。
〔小当り〕
また、本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当りの遊技が行われて第2可変入賞装置31が開閉動作する(特例遊技実行手段)。例えば、特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、小当り遊技(遊技者にとって有利な特殊遊技)が実行される。小当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、第2大入賞口ソレノイド97が一定時間(例えば1.8秒間又は10個の入賞をカウントするまで)、予め設定された作動回数(例えば1回又は複数回)にわたって励磁され、これにより第2可変入賞装置31が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の作動)。この間に第2可変入賞装置31に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、ある程度の賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。
また、小当り遊技中の可変入賞装置管理処理においては、特定領域ソレノイド99が一定時間(例えば1.6秒間)、予め設定された作動回数(例えば1回)にわたって励磁され、これにより特定領域用スライド部材31cが決まったパターンで開閉動作する。この間に特定領域31xに遊技球を通過させることで、遊技者には、大当り遊技を開始する機会が与えられる。すなわち、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過するか否かで、可変入賞装置管理処理において大当り遊技を開始するか否かが決定される。本実施形態では、小当りについては、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられており、遊技球が特定領域31xを通過すると、当選種類に応じた大当り遊技が開始される。
また、特定領域31xを遊技球が通過せずに小当りの遊技が終了しても、「時間短縮機能」が作動することもないので、「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。なお、「時間短縮状態」で小当りに当選した場合には、その小当り遊技終了後に「時間短縮状態」が終了するようにしてもよい。
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、複数の当選種類として、「2ラウンド大当り」、「3ラウンド大当り1,2」、「4ラウンド大当り」、「7ラウンド大当り」、「10ラウンド大当り」が設けられている。「2ラウンド大当り」及び「3ラウンド大当り1,2」は特別図柄が大当りの態様で停止表示した際に開始されるのに対し、「4ラウンド大当り」、「7ラウンド大当り」及び「10ラウンド大当り」は特別図柄が小当りの態様で停止表示し、かつ、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過した際に開始される。なお、「4ラウンド大当り」、「7ラウンド大当り」及び「10ラウンド大当り」のうち1ラウンド目では第2可変入賞装置31が作動し、残りのラウンドでは第1可変入賞装置30が作動する。
上記の当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「3ラウンド大当り1」は「第1当選図柄」の大当りに対応し、「3ラウンド大当り2」は「第2当選図柄」の大当りに対応し、「2ラウンド大当り」は「第3当選図柄」の大当りに対応する。また、「10ラウンド大当り」は「第4当選図柄」の小当り(特定領域31x通過時の大当り)に対応し、「7ラウンド大当り」は「第5当選図柄」の小当り(特定領域31x通過時の大当り)に対応し、「4ラウンド大当り」は「第6当選図柄」の小当り(特定領域31x通過時の大当り)に対応する。このため以下では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔第1当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が「第1当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが3ラウンド目まで継続する。このため、「第1当選図柄」の大当り遊技は、3ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。また、第1大入賞口30bは、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される(以下、同様)。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=6回)。
〔第2当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が「第2当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが3ラウンド目まで継続する。このため、「第2当選図柄」の大当り遊技は、3ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=100回)。
〔第3当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第3当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが2ラウンド目まで継続する。このため、「第3当選図柄」の大当り遊技は、2ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=100回)。
〔第4当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第4当選図柄」の態様で停止表示されると、小当り遊技が実行され、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過すると、小当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。この場合、2ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第4当選図柄」に該当した場合の大当り遊技は、9ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=6回)。
〔第5当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第5当選図柄」の態様で停止表示されると、小当り遊技が実行され、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過すると、小当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。この場合、2ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが7ラウンド目まで継続する。このため、「第5当選図柄」に該当した場合の大当り遊技は、6ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=6回)。
〔第6当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第6当選図柄」の態様で停止表示されると、小当り遊技が実行され、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過すると、小当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。この場合、2ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが4ラウンド目まで継続する。このため、「第6当選図柄」に該当した場合の大当り遊技は、3ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=6回)。
このように、本実施形態では、いずれの当選図柄に該当しても、大当り遊技終了後には、「時間短縮状態」に移行する。なお、複数ある当選図柄のうち一部の当選図柄に限って「時間短縮状態」に移行するようにしてもよい。
なお、このように内部抽選で小当りに当選し、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に当選図柄の種類に応じて時間短縮状態に移行する遊技機は、いわゆる1種2種混合タイプの遊技機と呼ばれている。
このように、左打ち領域(第1領域)に遊技球を発射して、大当り(所定の第1当選)に該当すると、主制御CPU72は、大当り遊技(第1遊技)を実行可能とする(第1遊技実行手段)。
また、右打ち領域(第2領域)に遊技球を発射して、小当り(所定の第2当選)に該当すると、主制御CPU72は、大当り遊技に繋がる可能性がある小当り遊技(第2遊技)を実行可能とする(第2遊技実行手段)。
さらに、左打ち領域(第1領域)に遊技球を発射して、普通図柄抽選での当り図柄2当選(所定の第3当選)に該当すると、主制御CPU72は、小当り当選(所定の第2当選)に繋がる可能性がある可変始動入賞装置28の開放遊技(第3遊技)を実行可能とする(第3遊技実行手段)。
〔特別図柄変動前処理〕
図24は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図18中のステップS212)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお、復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する(第2抽選優先実行手段)。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数等)のうち、第2特別図柄に対応する方を優先的に読み出す(いわゆる優先消化)。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば(第1特別図柄のみが該当)、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。第2特別図柄に対応する乱数が記憶されていない場合、主制御CPU72は第1特別図柄に対応する乱数を読み出して一時記憶領域に保存する。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。その結果、本実施形態では第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示が優先的に行われることになる。なお、このような特別図柄別の優先順位を設けることなく、単純に記憶された順番で乱数が読み出される制御を採用してもよい(いわゆる順消化)。また、この処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち、乱数のシフトを行った方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図18中のステップS210)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図25は、上記の特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動前処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」より大であった場合(図24中のステップS2100:Yes)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する作動記憶が残存しているか否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第2特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が1以上である場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2212に進む。
ステップS2212:主制御CPU72は、記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第2特別図柄を指定する。この指定は、例えば対象図柄指定値として「02H」をセットすることで行われる。
ステップS2214:一方、第2特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が0である場合(ステップS2210:No)、主制御CPU72は記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第1特別図柄を指定する。この場合の指定は、例えば対象図柄指定値として「01H」をセットすることで行われる。
ステップS2216:上記のステップS2212又はステップS2214のいずれかで指定した対象の特別図柄について、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
ステップS2218:次いで主制御CPU72は、対象の特別図柄について作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、今回の記憶エリアをシフトする対象が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(-1)する。
ステップS2220:そして、主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から「変動開始時作動記憶数」を設定する。なお、ここでは第1特別図柄と第2特別図柄の両方について、作動記憶カウンタの値を加算した上で「変動開始時作動記憶数」を設定してもよい。
ステップS2222:また、主制御CPU72は、今回の記憶エリアをシフトする対象の特別図柄が第2特別図柄であるか否かを確認する。
ステップS2224:対象が第2特別図柄であった場合(ステップS2222:Yes)、主制御CPU72は第2特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」~「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。つまり、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」~「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」~「1」(コマンド表記は「13H」~「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」~「0」(コマンド表記は「12H」~「10H」)となったことを表している。なお、上記の先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS2226:なお、今回の対象が第1特別図柄であった場合(ステップS2222:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。この場合のコマンドは、先行値が第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BBH」)となる以外は上記と同じである。
ステップS2228:そして、主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2224又はステップS2226でセットした作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図24)に復帰する。
〔図24:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(第1抽選実行手段、第2抽選実行手段、抽選実行手段)。このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(第1抽選実行手段、第2抽選実行手段、抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。「小当り」は、第2可変入賞装置31のみを作動させる条件を満たすものとして位置付けられている(条件装置を作動させる条件は満たさない)。さらに、「小当り」中に遊技球が特定領域31xを通過すると、「大当り」に発展させるものとして位置付けられている(条件装置を作動させる条件を満たす)。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
本実施形態では、第1特別図柄抽選においては、大当りの当選確率が319分の1に設定され、小当りには当選しない設定になっている。また、第2特別図柄抽選においては、大当りに当選する確率は同一の319分の1に設定され、小当りに当選する確率は6分の1に設定されている。したがって、第2特別図柄抽選においては、大当りよりも小当りに当選しやすくなっている。これらの大当りの当選確率や小当りの当選確率を満たすべく、大当り値の範囲や小当り値の範囲が主制御CPU72により設定され、読み出した乱数値と比較される。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図18中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「-」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、図示しない変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、はずれ時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン選択手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。変動パターンには、通常変動(非リーチ変動)、リーチ変動、スーパーリーチ変動等といった様々な変動パターンが含まれている(大当り時や小当り時も同様)。なお、選択された特別図柄の変動パターンに関する情報は、特殊変動であるか否かという情報も含めて変動パターンコマンドとして演出制御装置に送信される(大当り時や小当り時についても同様である。)。
ここで、はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。また、「時間短縮状態」でなくとも、リーチ演出を実行する変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個~3個)」に基づいて短縮される場合がある(例えば、変動表示開始時作動記憶数0個→12.5秒程度、変動表示開始時作動記憶数1個→8秒程度、変動表示開始時作動記憶数2個→5秒程度、変動表示開始時作動記憶数3個→2.5秒程度)。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。そして、主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
変動パターンには、非リーチ変動パターン、リーチ変動パターン、スーパーリーチ変動パターン等といった様々な変動パターンが含まれている(大当り時や小当り時も同様)。なお、変動パターン選択テーブルは、変動開始時作動記憶数に応じて異なるテーブル内容としてもよく、変動開始時作動記憶数に関わらずに共通のテーブル内容としてもよく、当選時には当選種類に応じたテーブル内容としてもよい。
ここで、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンでは、設定される変動時間の長さが大きく異なっている。すなわち、「非リーチ変動パターン」は基本的に短い変動時間(例えば変動開始時作動記憶数に応じて3.0秒~29.0秒程度)に対応するものであるのに対し、「リーチ変動パターン」はそれよりも長い変動時間(例えば30.0秒~150.0秒程度)に対応するものである。
変動パターンは、擬似連続予告演出(擬似連)が実行される変動パターンである場合もある。擬似連続予告演出とは、1回の特別図柄の変動中に、演出図柄が擬似的に1回又は複数回変動する演出である。
ここで、擬似1の変動(擬似1:1回目の擬似的な変動)とは、演出図柄の擬似的な変動が1回実行される変動であり、擬似2の変動(擬似2:2回目の擬似的な変動)とは、演出図柄の擬似的な変動が2回実行される変動である。また、擬似3の変動(擬似3:3回目の擬似的な変動)とは、演出図柄の擬似的な変動が3回実行される変動であり、擬似4の変動(擬似4:4回目の擬似的な変動)とは、演出図柄の擬似的な変動が4回実行される変動である。
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、3種類の当選図柄が用意されている。第1特別図柄に関する内訳は、「第1当選図柄」又は「第2当選図柄」であり、第2特別図柄に関する内訳は、「第3当選図柄」だけである。なお、これらの当選図柄の各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば、「第1当選図柄」であれば、「第1当選図柄A」、「第1当選図柄B」、「第1当選図柄C」、・・・といった具合である。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の選択比率が異なっている。このため主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであるか、第2特別図柄に対応するものであるかによって選択する当選図柄を区別している。
〔第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図26は、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、この第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「99」,「1」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第1当選図柄」、「第2当選図柄」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する大当り時には、「第1当選図柄」が選択される割合は100分の99(=99%)であり、「第2当選図柄」が選択される割合は100分の1(=1%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。
いずれにしても、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」,「02H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「第1当選図柄」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第1当選図柄」に該当した場合、通常中(非時間短縮状態)であるか時短中(時間短縮状態)であるかに関わらず、時短回数は6回(又は10回)付与される。
また、「第2当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は100回(又は104回)付与される。なお、時短回数は、上記の値に限定されることなく1~5回であってもよく、7回以上(11回以上)であってもよい。
ここで、「6回(又は10回)」とは、第2特別図柄の合計変動回数が6回となるか、第1特別図柄及び第2特別図柄の合計変動回数が10回となると、時間短縮状態が終了することを意味している。
また、「100回(又は104回)」とは、第2特別図柄の合計変動回数が100回となるか、第1特別図柄及び第2特別図柄の合計変動回数が104回となると、時間短縮状態が終了することを意味している。
〔第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図27は、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、この第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「100」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第3当選図柄」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する大当り時においては、「第3当選図柄」が選択される割合は100分の100(=100%)である。
今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「第3当選図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第3当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は100回(又は104回)付与される。
〔図24:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、大当り時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「第2当選図柄」又は「第3当選図柄」である場合、主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域にある遊技状態フラグとしての時間短縮機能作動フラグをON(01H)にセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段)。なお、主制御CPU72は、非時間短縮状態で「第1当選図柄」に該当した場合、時間短縮機能作動フラグをOFF(00H)にリセットし、時間短縮状態で「第1当選図柄」に該当した場合、時間短縮機能作動フラグの値をON(01H)にセットする。
また、ステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時停止図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお、本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。また、本実施形態では第1特別図柄に関しては小当りが設定されておらず、第2特別図柄に関してのみ設定されている。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では小当り時に選択的に決定される当選図柄として、3種類の当選図柄が用意されている。3種類の内訳は、「第4当選図柄」、「第5当選図柄」、「第6当選図柄」である。なお、これらの当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば、「第4当選図柄」であれば、「第4当選図柄A」、「第4当選図柄B」、「第4当選図柄C」、・・・といった具合である。
〔第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブル〕
図28は、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は、この第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「50」,「14」,「36」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第4当選図柄」、「第5当選図柄」、「第6当選図柄」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する小当り時においては、「第4当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)であり、「第5当選図柄」が選択される割合は100分の14(=14%)であり、「第6当選図柄」が選択される割合は100分の36(=36%)である。
今回の小当りの結果、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の小当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「02H」,「03H」,「04H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の小当りの結果、当選図柄として「第4当選図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H02H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての小当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、小当り遊技中に特定領域31xを遊技球が通過して大当り遊技が開始され、その大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第4当選図柄」、「第5当選図柄」又は「第6当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は6回(又は10回)付与される。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル、及び、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルを用いることにより、主制御CPU72は、非時間短縮状態又は時間短縮状態で「第1当選図柄~第6当選図柄」に該当した場合(第4当選図柄~第6当選図柄については大当り遊技が実行された場合に限る。)には、時間短縮状態への移行条件が満たされるものとすることができる(移行条件設定手段)。
〔図24:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2408:次に主制御CPU72は、変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、小当り時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン選択手段)。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。本実施形態では小当りは第2特別図柄抽選にのみ設定されており、小当り時には小当り時用の変動時間を有する変動パターンが選択される。なお、第1特別図柄抽選に小当りを設定してもよい。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図23:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして、主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また、特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図24中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に図29は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして、主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図23中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドを生成する。図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。なお、「停止表示時間終了コマンド」とは、特別図柄の停止表示時間が終了(経過)したことを示すコマンドである。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「可変入賞装置管理処理」に設定する。なお、主制御CPU72は、本処理にて各種機能を非作動に設定する処理を実行する。具体的には、時間短縮機能を非作動とする。これにより、特別遊技(大役)が開始される前には、通常状態(非時間短縮状態)に移行されることになる。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして、小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「時間短縮状態」に関するカウンタ値がRAM76の時短カウント領域にセットされている。本実施形態では、いわゆる回数切りの時間短縮機能を採用しており、「時間短縮状態」に移行させる場合、時間短縮状態に関する第1回数切りカウンタ値は所定の数値(例えば6回又は100回)に設定され、時間短縮状態に関する第2回数切りカウンタ値は規定の数値(例えば10回又は104回)に設定される。なお、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値の情報は、回数切りカウンタコマンドによって演出制御装置124に通知(送信)される。
なお、時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値は、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値といったように2つのカウンタ値を設けずに、1つのカウンタ値だけで時間短縮状態を制御してもよい。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値(第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値)が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。具体的には、第2特別図柄の停止表示中である場合には、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値を両方ともデクリメントし、第1特別図柄の停止表示中である場合には、第2回数切りカウンタ値だけをデクリメントする。
ステップS4640:そして、主制御CPU72は、いずれかの回数切りカウンタ値(第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値)の減算結果が0であるか否かを判断する。減算の結果、いずれの回数切りカウンタ値も0でない場合(No)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、いずれかの回数切りカウンタ値が0である場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。本実施形態では、時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値は所定の数値(例えば6回)に設定される。このため、時間短縮状態で6回の第2特別図柄のはずれ変動(特定領域未通過となった場合はその際の小当り変動を含む。)が実行されると、時間短縮機能作動フラグがリセットされる。一方、時間短縮状態で6回の第1特別図柄のはずれ変動が実行されても、時間短縮機能作動フラグはリセットされず、その後さらに時間短縮状態で4回の第1特別図柄又は第2特別図柄のはずれ変動が実行されると、時間短縮機能作動フラグがリセットされる。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態が終了する。なお、時間短縮機能作動フラグは、特別図柄の停止表示時間が経過した際にリセットする例で説明しているが、特別図柄の変動時間終了時(停止表示時間計測開始前)にリセットしてもよい。
そして、以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理に復帰する。
このように、時間短縮状態の終了条件(所定の終了条件)は、時間短縮状態に移行してからの第2特別図柄の変動回数が第1回数(例えば6回)に到達した場合、又は、時間短縮状態に移行してからの第1特別図柄の変動回数及び第2特別図柄の変動回数を合計した合計変動回数が第1回数よりも大きい第2回数(例えば10回)に到達した場合に満たされる条件となっている。
〔表示出力管理処理〕
次に図30は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図18中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値に応じて時短状態表示ランプ38eの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38eに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。さらに、主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスに応じて発射位置指定表示ランプ38fの点灯を制御する。例えば、大当り遊技又は小当りの遊技により第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31が作動状態となる場合、主制御CPU72は発射位置指定表示ランプ38fに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。また、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は上記の時短状態表示ランプ38eに加えて、発射位置指定表示ランプ38fに対応するLEDに対しても点灯信号を出力する。なお、発射位置指定表示ランプ38fは、大当り遊技を経て「時間短縮状態」に移行する場合、大当り遊技開始から「時間短縮状態」が終了するまで点灯し、「時間短縮状態」の終了により非点灯(OFF)となる。
また、主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38b,38cの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は上記の連続作動回数ステータスの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38b,38cに対する点灯信号(コモン出力用データ)を生成する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数ステータスの値で指定された大当り図柄に対応する表示ランプ38a,38b,38cの組み合わせである。例えば、連続作動回数ステータスの値が「10ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「10ラウンド」を表す点灯パターンに対応するランプ(例えば、表示ランプ38a,38b,38cの全てのランプ)に対する点灯信号を生成する。また、連続作動回数ステータスの値が「2ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「2ラウンド」を表す点灯パターンに対応するランプ(例えば、ランプ38aのみ)に対する点灯信号を生成する。3つの表示ランプ38a,38b,38cでは、6通りの点灯パターンを表示することができるので、本実施形態の5種類の大当りに対応させることができる。なお、ラウンド数に対応する点灯パターンの詳細は、遊技者に明確に伝達しておくために、表示ランプ38a,38b,38cの周辺に表示しておくことが好ましい。
〔可変入賞装置管理処理〕
次に、可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図31は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200~ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大入賞口開放パターン設定処理〕
図32は、大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時又は小当り時にそれぞれ第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5202:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。この確認の結果、大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5203を実行する。一方、大当りフラグの値(01H)がセットされていない場合(No)、すなわち、小当りフラグの値(01H)がセットされている場合、主制御CPU72は次にステップS5204を実行する。
ステップS5203:主制御CPU72は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理を実行する。この処理では、大当り時図柄別開放パターン設定テーブルに基づいて、大当り時の当選図柄に対応した大入賞口の開放パターンを設定するものである。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5205を実行する。
ステップS5204:主制御CPU72は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理を実行する。この処理では、小当り時図柄別開放パターン設定テーブルに基づいて、大入賞口の開放パターンを設定するものである。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5205を実行する。
ステップS5205:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔大当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図33は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5210:主制御CPU72は、条件装置及び役物連続作動装置を作動させる。ここで、「条件装置」とは、その作動が役物連続作動装置の作動に必要な条件とされる装置であり、「役物連続作動装置」とは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を連続して作動させることができる装置である。なお、「条件装置」や「役物連続作動装置」は制御上のフラグとすることもできる。したがって、この条件装置が作動していない限り、大当り遊技において第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31は作動しないことを表している。主制御CPU72は次にステップS5212を実行する。
ステップS5212:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、大当り図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、第1当選図柄又は第2当選図柄に該当した場合、連続作動回数ステータスには「3ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5214を実行する。
ステップS5214:主制御CPU72は、大当り時図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時図柄別開放パターン設定テーブルを参照し、特別図柄に関する当選図柄の種類に対応した開放パターンを選択する。ここで、開放パターンとは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を作動させる設定を表し、例えば、実行ラウンド数、開放時間、インターバル時間等の設定を表している。主制御CPU72は次にステップS5216を実行する。
〔大当り時図柄別開放パターン設定テーブル〕
図34は、大当り時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この大当り時図柄別開放パターン設定テーブルは、特別図柄に関する異なる当選図柄別に、ラウンドごとの作動させる可変入賞装置(第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31)の開閉動作パターンを定めたものである。具体的には、当選図柄別に以下の大入賞口の開放パターンが定められている。
〔第1当選図柄〕
第1当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は3ラウンドであり、その内の3ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第1当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から3ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される(ただし、上限個数の入球が確認されると閉鎖される。以下、同様。)。したがって、第1当選図柄に該当した場合は、実質的に3ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第2当選図柄〕
第2当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は3ラウンドであり、その内の3ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第2当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から3ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第2当選図柄に該当した場合は、実質的に3ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第3当選図柄〕
第3当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は2ラウンドであり、その内の2ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第3当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から2ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第3当選図柄に該当した場合は、実質的に2ラウンド分の出球を獲得することができる。
以上のように、主制御CPU72は、上記大当り時図柄別開放パターン設定テーブルを参照して当選図柄の種類に対応する大入賞口の開放パターンを設定する。
〔図33:大当り時大入賞口開放パターン設定処理を参照〕
ステップS5216:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中のラウンド毎(1ラウンド~最終ラウンド)に作動させる可変入賞装置の種類を第1可変入賞装置30に設定する。なお、本実施形態においては、全ての大当り時の当選図柄(第1当選図柄~第3当選図柄)に対応する開放パターンが1ラウンド~最終ラウンドで第1大入賞口30bが開放されるため、第1可変入賞装置30の作動が設定される。主制御CPU72は次にステップS5218を実行する。
ステップS5218:主制御CPU72は、実行ラウンド数を設定する。具体的には、主制御CPU72は当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンド数を設定する。例えば、3ランド大当り(第1当選図柄及び第2当選図柄)に対応する開放パターンの実行ラウンド数としては、3ラウンドが設定される。主制御CPU72は次にステップS5220を実行する。
ステップS5220:主制御CPU72は、大当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド毎に大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、大当り時の当選図柄(第1当選図柄~第3当選図柄)に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、ラウンド毎に設定される。例えば、第1当選図柄であった場合、出球有りのラウンドについては第1大入賞口30bを開放する開放時間が29.0秒に設定される。したがって、開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。なお、開放タイマの値として0.5秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が困難な時間となる。主制御CPU72は次にステップS5222を実行する。
ステップS5222:主制御CPU72は、大当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、全ての大当り時の当選図柄(第1当選図柄~第3当選図柄)に対応する開放パターンのインターバルタイマとして1.0秒が設定される。例えば、1ラウンド目と2ラウンド目の間の第1大入賞口30bの開放が終了し一旦閉鎖状態になった後、1.0秒間程度のインターバルタイマが設定される。主制御CPU72は次にステップS5224を実行する。
ステップS5224:主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の処理(ステップS5218)で設定された実行ラウンド数に基づいて生成することができる。例えば、第1当選図柄又は第2当選図柄に該当した場合、実行ラウンド数は「3ラウンド」となるため、連続作動回数コマンドは「3ラウンド」を表す値を含むコマンドとして生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大入賞口開放パターン設定処理(図32)に復帰する。
〔小当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図35は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5252:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、小当り遊技中を表す状態コマンドを生成する。小当り遊技中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5254を実行する。
ステップS5254:主制御CPU72は、小当り時開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時開放パターン設定テーブルを参照し、開放パターンを選択する。ここで、開放パターンとは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を作動させる設定を表し、例えば、開放回数、開放時間、インターバル時間、特定領域31xの開放時間等の設定を表している。主制御CPU72は次にステップS5256を実行する。
〔小当り時開放パターン設定テーブル〕
図36は、小当り時開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この小当り時開放パターン設定テーブルは、可変入賞装置(第2可変入賞装置31)の開閉動作パターンを定めたものである。なお、本実施形態では、小当り時に設定される開放パターンは1つであるが、当選図柄別に複数規定してもよい。
小当りに該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第2可変入賞装置31である。また、第2可変入賞装置31の開放回数は2回であり、その1回の開放時間は0.9秒である。なお、インターバル時間は例えば1.0秒程度に設定される。
特定領域31xの開放開始時間(特定領域ソレノイド99をONにして特定領域用スライド部材31cを作動させるタイミング)は、第2可変入賞装置31の開放開始から0.2秒後である。
また、特定領域31xの開放終了時間(特定領域ソレノイド99をOFFにして特定領域用スライド部材31cを非作動とするタイミング)は、第2可変入賞装置31の開放開始から1.8秒後である。
〔図35:小当り時大入賞口開放パターン設定処理を参照〕
ステップS5256:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は小当りに対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に作動させる可変入賞装置の種類を第2可変入賞装置31に設定する。主制御CPU72は次にステップS5258を実行する。
ステップS5258:主制御CPU72は、開放回数を設定する。具体的には、主制御CPU72は小当りに対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に実行する開放回数を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに対応する開放パターンの開放回数として2回が設定される。主制御CPU72は次にステップS5260を実行する。
ステップS5260:主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当り時に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、0.9秒が設定される。主制御CPU72は次にステップS5262を実行する。
ステップS5262:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、大入賞口の開放間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、インターバルタイマは所定時間(例えば1.0秒)に設定される。主制御CPU72は次にステップS5264を実行する。
ステップS5264:主制御CPU72は、特定領域31x(特定領域用スライド部材31c)の開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に特定領域31xの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、第2可変入賞装置31の開放開始から0.2秒後に特定領域31xが開放され、第2可変入賞装置31の開放開始から1.8秒後に特定領域31xが閉鎖される。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大入賞口開放パターン設定処理(図32)に復帰する。
〔大入賞口開閉動作処理〕
図37は、大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は主に、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5302:主制御CPU72は、現在の内部状態が「大役中」であるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファにアクセスし、制御上の内部状態フラグとして「大役中(大当り遊技中)」のフラグがセットされているか否かで、現在の内部状態が「大役中」であるか否かを確認する。なお、「大役中(大当り遊技中)」のフラグは、先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理中:ステップS5212)や後述する特定領域通過時処理中において主制御CPU72によりセットされる。この確認の結果、現在の内部状態が「大役中」である場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5306を実行する。一方、現在の内部状態が「大役中」ではない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5304を実行する。
ステップS5304:主制御CPU72は、第2大入賞口開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、第2大入賞口31bを開閉するために第2可変入賞装置31を作動させる(第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS5306:主制御CPU72は、第1大入賞口開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、第1大入賞口30bを開閉するために第1可変入賞装置30を作動させる(第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理(図31)に復帰する。
〔第2大入賞口開閉動作処理〕
図38は、第2大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5310:主制御CPU72は、主制御CPU72は、第2大入賞口31bを開放する。具体的には、第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第2可変入賞装置31が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。
ステップS5312:主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図35中)のステップS5260やステップS5264)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。なお、この処理では、第2大入賞口31bの開放に関する開放タイマの他に、特定領域31xの開放に関する開放タイマ(開放開始時間、開放終了時間)についてのカウントダウンが行われる。主制御CPU72は次にステップS5314を実行する。
ステップS5314:主制御CPU72は、特定領域開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、特定領域31xを開閉するために特定領域用スライド部材31cを作動させる(特定領域ソレノイド99に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5316を実行する。
ステップS5316:主制御CPU72は、第2大入賞口31bの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理中の第2大入賞口31bについての開放タイマの値が0以下であるか否かを確認する。この確認の結果、第2大入賞口31bの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322を実行する。一方、第2大入賞口31bの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5318を実行する。
ステップS5318:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第2可変入賞装置31(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第2カウントスイッチ85から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。主制御CPU72は次にステップS5320を実行する。
ステップS5320:主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように小当り時の開放1回あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(No)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5310~ステップS5320の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5316で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5320でカウント数が所定数に達したことを確認すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322を実行する。なお、小当り時の開放は、開放タイマの値が短時間(例えば、1.8秒)に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5316で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5322:主制御CPU72は、第2大入賞口31bを閉鎖する。具体的には、第2大入賞口ソレノイド97に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより第2可変入賞装置31が開放状態から閉鎖状態に復帰する。主制御CPU72は次にステップS5324を実行する。
ステップS5324:主制御CPU72は、特定領域通過フラグがONであるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、特定領域通過フラグの値が01Hであるか否かにより、特定領域通過フラグがONであるか否かを確認する。この確認の結果、特定領域通過フラグがONである場合(Yes)、すなわち、小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過した場合、主制御CPU72は次にステップS5326を実行する。一方、特定領域通過フラグがONではない場合(No)、すなわち、小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過しなかった場合、主制御CPU72は次にステップS5327aを実行する。なお、特定領域通過フラグは、先の特定領域開閉動作処理(ステップS5314)の中でONに設定される可能性がある。
ステップS5326:主制御CPU72は、特定領域通過時処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過したことに基づき、条件装置や役物連続作動装置を作動させ、第1可変入賞装置30を連続作動させる処理、すなわち、大当り遊技を開始する処理を実行する(特殊遊技経由特別遊技実行手段、特別遊技実行手段)。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5328を実行する。
ステップS5327a:主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図35中)のステップS5262)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5327bに進む。なお、ここでは特に図示していないが、インターバル時間が経過するまでの間(インターバルタイマ値が0になるまでの間)、割り込み毎に主制御CPU72はステップS5327aから呼び出し元である可変入賞装置管理処理(図31)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5310からではなく直にステップS5327aを実行する。
ステップS5327b:主制御CPU72は、第2大入賞口開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、第2大入賞口開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5327c:主制御CPU72は、インクリメント後の第2大入賞口開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「1回の小当り中に第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、特にこのような開放パターンを採用していない場合には、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されているため、1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5328に進むことになる。
一方、「1回の小当り中に第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンを採用している場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5310~ステップS5327bまでの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5327bで開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(ステップS5327c;Yes)、主制御CPU72は次にステップS5328を実行する。
ステップS5328:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、大入賞口開閉動作処理(図37)に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔特定領域開閉動作処理〕
図39は、特定領域開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5330:主制御CPU72は、特定領域31xの開放時間が開始されたか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はカウントダウン処理(ステップS5312)においてカウントダウンされていた特定領域31xの開放に関する開放開始時間についての開放タイマの値が0であるか否かを確認することで、特定領域31xの開放時間が開始されたか否かを確認する。この確認の結果、特定領域31xの開放時間が開始された場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5332を実行する。一方、特定領域31xの開放時間が開始されていない場合(No)、又は、すでに開放されている場合、主制御CPU72は次にステップS5334を実行する。
ステップS5332:主制御CPU72は、特定領域31xを開放する。具体的には、特定領域ソレノイド99に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、特定領域用スライド部材31cが作動して特定領域31xが閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5334を実行する。
ステップS5334:主制御CPU72は、遊技球が特定領域31xを通過したか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76の記憶領域にアクセスし、特定領域予備フラグがONになっているか否かを確認する。この確認の結果、特定領域予備フラグがONになっていて、遊技球が特定領域31xを通過したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5336を実行する。一方、特定領域予備フラグがOFFになっていて、遊技球が特定領域31xを通過していないことを確認した場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5338を実行する。
ステップS5336:主制御CPU72は、特定領域通過フラグをONにセットする。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、特定領域通過フラグの値を01Hに設定する。主制御CPU72は次にステップS5338を実行する。なお、特定領域通過フラグや特定領域予備フラグは大当り遊技の終了時にリセットされる。
ステップS5338:主制御CPU72は、特定領域31xの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はカウントダウン処理(ステップS5312)においてカウントダウンされていた特定領域31xの開放に関する開放タイマの値が0であるか否かを確認することで、特定領域31xの開放時間が終了したか否かを確認する。この確認の結果、特定領域31xの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5340を実行する。一方、特定領域31xの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図38)に復帰する。
ステップS5340:主制御CPU72は、特定領域31xを閉鎖する。具体的には、特定領域ソレノイド99に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、特定領域用スライド部材31cが開放状態(作動状態)から閉鎖状態(非作動状態)に復帰する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図38)に復帰する。
〔特定領域通過時処理〕
図40は、特定領域通過時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5350:主制御CPU72は、小当りフラグをリセットする。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、小当りフラグの値を00Hにリセットする。主制御CPU72は次にステップS5352を実行する。
ステップS5352:主制御CPU72は、小当り遊技を終了させる。具体的には、主制御CPU72は内部状態フラグから「小当り遊技中」を消去し、制御処理上で小当り遊技を終了する(小当り終了)。主制御CPU72は次にステップS5354を実行する。
ステップS5354:主制御CPU72は、条件装置及び役物連続作動装置を作動させる。これにより、第1可変入賞装置30を連続して作動させることができ、大当り遊技を開始できることとなる。主制御CPU72は次にステップS5356を実行する。
ステップS5356:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、当選図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、第1当選図柄又は第2当選図柄に該等した場合、連続作動回数ステータスには「3ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5358を実行する。
ステップS5358:主制御CPU72は、特定領域通過時図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルを参照し、小当りに該当した際の当選図柄の種類に対応した開放パターンを選択する。主制御CPU72は次にステップS5360を実行する。
ステップS5360:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中のラウンド毎(2ラウンド~最終ラウンド)に作動させる可変入賞装置の種類を第1可変入賞装置30に設定する。主制御CPU72は次にステップS5362を実行する。
ステップS5362:主制御CPU72は、実行ラウンド数を設定する。具体的には、主制御CPU72は小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンド数を設定する。例えば、第4当選図柄に対応する開放パターンの実行ラウンド数としては「10ラウンド」が設定される。主制御CPU72は次にステップS5364を実行する。
ステップS5364:主制御CPU72は、大当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド毎に大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄(第4当選図柄~第6当選図柄)に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、ラウンド毎に設定される。例えば、第4当選図柄であった場合、出球有りのラウンドについては第1大入賞口30bを開放する開放時間が29.0秒に設定される。したがって、開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。なお、開放タイマの値として0.5秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が困難な時間となる。主制御CPU72は次にステップS5366を実行する。
ステップS5366:主制御CPU72は、大当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄(第4当選図柄~第6当選図柄)に対応する開放パターンのインターバルタイマとして1.0秒が設定される。例えば、2ラウンド目と3ラウンド目の間の第1大入賞口30bの開放が終了し一旦閉鎖状態になった後、1.0秒間程度のインターバルタイマが設定される。主制御CPU72は次にステップS5368を実行する。
ステップS5368:主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の処理(ステップS5362)で設定された実行ラウンド数に基づいて生成することができる。例えば、第4当選図柄に該当した場合、実行ラウンド数は「10ラウンド」となるため、連続作動回数コマンドは「10ラウンド」を表す値を含むコマンドとして生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5370を実行する。
ステップS5370:主制御CPU72は、特定領域通過時図柄別時間短縮機能設定処理を実行する。この処理では、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が「第4当選図柄」~「第6当選図柄」である場合、主制御CPU72は時間短縮機能作動フラグをONにセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段)。なお、本実施形態では、「第4当選図柄」~「第6当選図柄」に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、必ず時間短縮状態に移行させているが、例えば、特定の当選図柄だけ時間短縮状態に移行させるようにしてもよい。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図38)に復帰する。
〔特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブル〕
図41は、特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルは、小当りに該当した際の特別図柄に関する異なる当選図柄別に、ラウンドごとの第1可変入賞装置30の開閉動作パターンを定めたものである。具体的には、当選図柄別に以下の大入賞口の開放パターンが定められている。
〔第4当選図柄〕
第4当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドである。なお、この実行ラウンド数には、小当りで開放された第2可変入賞装置31の作動が含まれているため、これから開始される大当り遊技では10ラウンドから1ラウンド分が減算された9ラウンドが実質的な大当り遊技でのラウンド数となる(以下、第5当選図柄、第6当選図柄においても同様)。また、9ラウンドのうち9ラウンド分が出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が第4当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、小当りでの第2可変入賞装置31の開放を1ラウンド目としているため、2ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第4当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合は、実質的に9ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第5当選図柄〕
第5当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は7ラウンド(実質的な大当り遊技でのラウンド数は6ラウンド)であり、その内の6ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が第5当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、小当りでの第2可変入賞装置31の開放を1ラウンド目としているため、2ラウンド目から7ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第5当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合は、実質的に6ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第6当選図柄〕
第6当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は4ラウンド(実質的な大当り遊技でのラウンド数は3ラウンド)であり、その内の3ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒であり、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が第6当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、2ラウンド目から4ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第6当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合は、実質的に3ラウンド分の出球を獲得することができる。
以上のように、主制御CPU72は、上記特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルを参照して小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄の種類に対応する大入賞口の開放パターンを設定することとなる。
〔第1大入賞口開閉動作処理〕
図42は、第1大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5380:主制御CPU72は、主制御CPU72は、第1大入賞口30bを開放する。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第1可変入賞装置30が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5382を実行する。
ステップS5382:主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図33中)のステップS5220、又は、特定領域通過時処理(図40中)のステップS5364)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。主制御CPU72は次にステップS5386を実行する。
ステップS5386:主制御CPU72は、第1大入賞口30bの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の第1大入賞口30bについての開放タイマの値が0以下であるか否かを確認する。この確認の結果、第1大入賞口30bの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5392を実行する。一方、第1大入賞口30bの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5388を実行する。
ステップS5388:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第1可変入賞装置30(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第1カウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。主制御CPU72は次にステップS5390を実行する。
ステップS5390:主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5380~ステップS5390の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5386で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5390でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5392を実行する。なお、開放タイマの値が短時間(例えば、0.5秒)に設定されている場合、通常、主制御CPU72はステップS5390でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5386で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5392:主制御CPU72は、第1大入賞口30bを閉鎖する。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより第1可変入賞装置30が開放状態から閉鎖状態に復帰する。主制御CPU72は次にステップS5394を実行する。
ステップS5394:主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図33中)のステップS5222、又は、特定領域通過時処理(図40中)のステップS5366)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5395に進む。なお、ここでは特に図示していないが、インターバル時間が経過するまでの間(インターバルタイマ値が0になるまでの間)、割り込み毎に主制御CPU72はステップS5394から呼び出し元である可変入賞装置管理処理(図31)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5380からではなく直にステップS5394を実行する。
ステップS5395:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5396:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で第1可変入賞装置30を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、本実施形態では、特にこのような開放パターンを採用していないので、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがって、通常は1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5398に進むことになる。
なお、上記のように1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用した場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5380~ステップS5390までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5395で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5398に進むことになる。
ステップS5398:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、大入賞口開閉動作処理(図37)に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大入賞口閉鎖処理〕
図43は、大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大入賞口閉鎖処理は、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5401:先ず主制御CPU72は、現在の遊技が大役(大当り遊技)中であるか否かを確認し、大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5402を実行する。
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。なお、小当り遊技中に特定領域31xを遊技球が通過し、小当りの終了後に大当り遊技が開始された場合、小当り時の第2大入賞口31bの開放を1ラウンド目として扱い、大当り遊技が開始される1回目のラウンドは2ラウンド目として扱われる。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1~15)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の14、又は、15)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図31中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402~ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達するまでの間、第1可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔小当り時〕
これに対し、小当りの場合は以下の手順となる(特例作動実行手段)。
ステップS5411:主制御CPU72は現在の遊技が大役中でないことを確認すると(ステップS5401:No)、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS5413:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図35中のステップS5258)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS5416を実行する。
ステップS5416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図31中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5401~ステップS5413(No)を経てステップS5416、ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際の開放回数が設定した開放回数に達するまでの間、第2可変入賞装置31の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS5413:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5414を実行する。
ステップS5414,ステップS5412:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔終了処理〕
図44は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。この終了処理は、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認し、大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5503を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:この場合、主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また、主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で大当り遊技を終了する(大役終了)。なお、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値をリセットする。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値が01Hであるか(セットされているか)否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図24中のステップS2414)や、先の特定領域通過時処理中の特定領域通過時図柄別時間短縮機能設定処理(図40中のステップS5370)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、時間短縮機能作動フラグの値が01Hである場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時短回数(例えば6回(又は10回)、100回(又は104回))を設定する。設定した時短回数の値は、上記のようにRAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時短回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。本実施形態では、時短回数を管理するために、2種類の時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値(第1回数切りカウンタ値、第2回数切りカウンタ値)が用意されている。ここで、第1回数切りカウンタ値は、第2特別図柄が1回変動する度にデクリメント(1減算)される変数であり、初期値として「6」又は「100」が設定される。また、第2回数切りカウンタ値は、第1特別図柄又は第2特別図柄が1回変動する度にデクリメントされる変数であり、初期値として「10」又は「104」が設定される。なお、時間短縮機能作動フラグの値が01Hでない場合(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512を実行しない。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、時間短縮状態への移行条件が満たされた場合(所定の移行条件が満たされた場合、時間短縮状態に移行させる当選図柄で当選した場合)、大当り遊技の終了後に、非時間短縮状態(所定の遊技状態)から非時間短縮状態と比較して有利な条件が適用された(普通図柄抽選の変動時間が短縮され、可変始動入賞装置の開放時間が延長されている)時間短縮状態(有利遊技状態)に移行させることができる(有利遊技状態移行手段)。
ここまでの手順は大当りの場合であるが、小当りの場合(ステップS5502:No)は以下の手順が実行される。
ステップS5520,ステップS5522:小当りの場合、主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また、内部状態フラグから「小当り遊技中」を消去する。なお、小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS5514:そして、主制御CPU72は、フラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS5516:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図23中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔ソレノイド管理処理〕
図45は、ソレノイド管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。本処理は、図18のステップS207aの詳細な説明である。
ステップS2800:主制御CPU72は、電源投入時動作が完了しているか否かを確認する。パチンコ機1の電源投入直後であり、スタート装置右ソレノイド481及びスタート装置左ソレノイド491について電源投入時の動作が完了していなければ(No)、主制御CPU72はステップS2810を実行する。
ステップS2810:主制御CPU72は、電源投入時動作処理を実行する。この処理では、スタート装置右ソレノイド481及びスタート装置左ソレノイド491を所定の可動パターン(動作パターン)で動作させる。これにより、スタート装置400の左羽根部材442及び右羽根部材438は、パチンコ機1の電源投入時から電源遮断時まで一定の可動パターンに基づいて動作する。そして、電源投入時動作が完了すると、先のステップS2800で動作完了(Yes)と判定されるため、以後はステップS2810がスキップされる。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、割込管理処理(図18)に復帰する。
図46は、スタート装置右ソレノイド481及びスタート装置左ソレノイド491の可動パターンを示すタイミングチャートである。
〔時刻t0〕
スタート装置右ソレノイド481は、非作動である。
スタート装置左ソレノイド491は、非作動である。
〔時刻t1〕
スタート装置右ソレノイド481が作動する。
スタート装置左ソレノイド491は、非作動である。
〔時刻t2〕
スタート装置右ソレノイド481が作動を終了して、非作動となる。
スタート装置左ソレノイド491は、非作動である。
〔時刻t3〕
スタート装置右ソレノイド481は、非作動である。
スタート装置左ソレノイド491が作動する。
〔時刻t4〕
スタート装置右ソレノイド481は、非作動である。
スタート装置左ソレノイド491が作動を終了して、非作動となる。
〔時刻t5〕
スタート装置右ソレノイド481は、非作動である。
スタート装置左ソレノイド491は、非作動である。
時刻t0から時刻t1までの時間T1は例えば50msである。
時刻t1から時刻t2までの時間T2は例えば100msである。
時刻t2から時刻t3までの時間T3は例えば50msである。
時刻t3から時刻t4までの時間T4は例えば100msである。
時刻t4から時刻t5までの時間T5は例えば500msである。
そして、時刻t0から時刻t5までの時間TAが、1サイクル(例えば800ms)となっており、この1サイクルの可動パターンが電源投入時から電源遮断時まで繰り返して実行される。なお、1サイクルの可動パターンを複数種類用意し、その複数種類の可動パターンを繰り返して実行するようにしてもよい。
このような可動パターンを適用することにより、スタート装置400に入球した遊技球を第1特別図柄の始動入賞口(スタート装置中始動入賞口452又はスタート装置右始動入賞口450)に入球させつつ、それよりも多くの遊技球を普通図柄の始動入賞口(スタート装置左始動入賞口454)には入球させるようにすることができる。
具体的には、1分間に12個の遊技球がスタート装置400の通過口430に入球したものとすると、平均して、そのうちの2個の遊技球がスタート装置右始動入賞口450に入球し、さらに2個の遊技球がスタート装置中始動入賞口452に入球し、残りの8個の遊技球がスタート装置左始動入賞口454に入球する。
また、このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、通常遊技状態(第1状態)において左羽根部材442(可動体)及び右羽根部材438(可動体)を所定の可動パターンで動作可能とし、時間短縮状態(第2状態)においても左羽根部材442及び右羽根部材438を所定の可動パターンで動作可能とすることができる(制御手段)。
〔ゲームフロー(その1)〕
図47は、通常モードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
パチンコ機1で遊技を開始する場合、〔F1〕通常モード(公園モード)から遊技が開始される。「通常モード」は、「非時間短縮状態」である。
〔F1〕通常モードでの遊技中に、遊技球がスタート装置中始動入賞口452又はスタート装置右始動入賞口450に入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していない状態で、第1特別図柄の記憶が存在していると)、〔F2〕第1特別図柄が変動する。
〔F3〕第1特別図柄抽選で「はずれ」となると、〔F1〕通常モードの状態からやり直しとなる。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F5〕第1当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。〔F8〕ドライブモードは、「時間短縮状態」である。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F7〕第2当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
このように、通常モード(非時間短縮状態)に滞在している状態で、第1特別図柄抽選で大当りした場合、どのような当選図柄に該当していても、大当り遊技の終了後は、ドライブモードに移行する。
〔ゲームフロー(その2)〕
図48は、通常モードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F1〕通常モードでの遊技中に、遊技球が右始動入賞口28bに入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していると)、〔F12〕第2特別図柄が変動する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「はずれ」となると、〔F1〕通常モードの状態からやり直しとなる。
〔F14〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F15〕第3当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率1/6)」となり、〔F17〕第4当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率1/6)」となり、〔F19〕第5当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率1/6)」となり、〔F20〕第6当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔ゲームフロー(その3)〕
図49は、ドライブモードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F8〕ドライブモードでの遊技中に、遊技球がスタート装置400のスタート装置左始動入賞口454又はスタート装置400のスタート装置中始動入賞口452に入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していない状態で、第1特別図柄の記憶が存在していると)、〔F2〕第1特別図柄が変動する。なお、ドライブモードは、非時間短縮状態である場合もある。
〔F3〕第1特別図柄抽選で「はずれ」となると、〔F8〕ドライブモードの状態からやり直しとなる。ただし、時間短縮状態が終了する時短最終変動である場合は、このはずれ変動の終了によって、通常モードに移行する。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F5〕第1当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F7〕第2当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
このように、ドライブモード(時間短縮状態)に滞在している状態で、第1特別図柄抽選で大当りした場合、どのような当選図柄に該当していても、大当り遊技の終了後は、ドライブモードに移行する。
〔ゲームフロー(その4)〕
図50は、ドライブモードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F8〕ドライブモードでの遊技中に、遊技球が右始動入賞口28bに入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していると)、〔F12〕第2特別図柄が変動する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「はずれ」となると、〔F8〕ドライブモードの状態からやり直しとなる。ただし、時間短縮状態が終了する時短最終変動である場合は、このはずれ変動の終了によって、通常モードに移行する。
〔F14〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F15〕第3当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率1/6)」となり、〔F17〕第4当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率1/6)」となり、〔F19〕第5当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率1/6)」となり、〔F20〕第6当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
このように、第2特別図柄抽選で当選した場合は、通常モード(非時間短縮状態)に滞在していても、ドライブモード(時間短縮状態)に滞在していても、大当り遊技の終了後は、ドライブモードに移行する。
〔演出画像の例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像及び7セグ表示装置200の表示態様について、いくつかの例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)を決定し、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、上記のように第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。同様に、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示の態様は、7セグメントLED等による記号的な図案であり、「当選図柄」としての視覚的なインパクトに乏しい。そこでパチンコ機1では、液晶表示器42及び7セグ表示装置200を用いた変動表示演出及び停止表示演出が行われている。
本実施形態では、液晶表示器42に、演出図柄Hz(本図柄)、第4図柄Z1,Z2、滞在モードに対応する背景画像、予告演出に関する画像等を表示しており、7セグ表示装置200に、7セグ演出図柄を表示している。
液晶表示器42に表示される演出図柄Hzには、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される。各演出図柄には、数字の「1」~「9」が表示されている。ここで、左演出図柄、中演出図柄、及び右演出図柄は、いずれも数字が「9」~「1」の降順に並んだ図柄列(演出図柄配列)を構成している。このような図柄列は、それぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
7セグ表示装置200に表示される7セグ演出図柄には、例えば左側の7セグ演出図柄、中央の7セグ演出図柄、右側の7セグ演出図柄の3つが含まれており、これらは7セグ表示装置200の表示領域上で左・中・右に並んで表示される。各演出図柄には、数字の「1」~「9」が表示されている。ここで、各7セグ演出図柄は、いずれも数字が「9」~「1」の降順に並んだ図柄列(演出図柄配列)を構成している。このような図柄列は、それぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
図51及び図52は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、液晶表示器42及び7セグ表示装置200を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄)が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果が表示されたことを表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔変動表示前〕
図51中(A):例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の上部右側の領域には3本の演出図柄Hzの列が表示されている。このとき第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄Hzも停止表示された状態にある。
また、液晶表示器42の上部右側の領域には第4図柄(図中に参照符号Z1,Z2を付す)が表示されている。この第4図柄Z1,Z2は、上記の左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄Hzの変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお、第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。第4図柄Z1は、第1特別図柄に対応しており、第4図柄Z2は、第2特別図柄に対応している。
また、第4図柄Z1,Z2については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に対応して停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が「大当り」や「小当り」であれば、それらに対応する態様(例えば青表示色や赤表示色等)で第4図柄Z1,Z2は停止表示される。
7セグ表示装置200では、7セグ演出図柄がはずれの態様(「4」-「6」-「7」)で停止表示されている。
また、記憶表示装置300では、第1特別図柄記憶表示領域M1のLEDが4つとも点灯しているため、第1特別図柄の作動記憶数が4個であることを表し、第2特別図柄記憶表示領域M2のLEDが全て消灯しているため、第2特別図柄の作動記憶数が0個であることを表している。
〔変動表示演出開始〕
図51中(B):例えば、第1特別図柄の変動開始に同期して、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄の変動が開始されるとともに、液晶表示器42の演出図柄Hzがスクロール変動することで変動表示演出が開始される。なお、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄の変動表示、及び、液晶表示器42の演出図柄Hzの変動表示は単に下向きの矢印で表示している。
液晶表示器42の中央の領域には背景画像が表示されており、この背景画像は、公園の風景を表現したものである。このような背景画像は、演出上での滞在モードが例えば「通常モード」であることを表現している。「通常モード」は、非時間短縮状態である。この他にも演出上で各種のモードが設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている。これらモードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものである。ここでは特に図示していないが、この後、例えば液晶表示器42の表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
また、特別図柄の変動表示中において、液晶表示器42の画面下部では第4図柄Z1が変動表示されており、第4図柄Z1は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
〔作動記憶数減少時の演出例〕
変動開始に伴って第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動して第1特別図柄記憶表示領域M1のLEDの点灯数が4個から3個に減少する。これにより、第1特別図柄の記憶が3個に減少したことを演出上でも遊技者に教示することができ、また、いずれの特別図柄(この場合は第1特別図柄)に対応する記憶が消費されたかを分かりやすく教示することができる。
また、変動開始前は、当該記憶表示領域X1のLEDは点灯していないが、変動開始後は、当該記憶表示領域X1のLEDが点灯し、特別図柄(演出図柄)の変動が停止表示されるまで点灯し続ける。
〔左演出図柄停止〕
図51中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に、7セグ表示装置200の左側の7セグ演出図柄と、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄が変動を停止する。この例では、7セグ表示装置200の左側の7セグ演出図柄として数字の「8」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄として数字の「8」を表す演出図柄が停止している。
〔右演出図柄停止〕
図52中(D):次に、7セグ表示装置200の右側の7セグ演出図柄として数字の「3」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの右演出図柄として数字の「3」を表す演出図柄が停止している。
〔停止表示演出〕
図52中(E):第1特別図柄の停止表示に同期して、停止表示演出が実行される。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄も、液晶表示器42の演出図柄Hzも同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、7セグ表示装置200の中央の7セグ演出図柄として数字の「1」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄として数字の「1」を表す演出図柄が停止している。この場合、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄及び液晶表示器42の演出図柄Hzの組み合わせは、ともに「8」-「1」-「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
また、停止表示演出が行われると、当該記憶表示領域X1のLEDが消灯する。これにより、遊技者に対して「特別図柄の変動が終了した」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
以上は、1回の変動ごとに行われる変動表示演出と停止表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
〔当り図柄2に該当した場合の演出例〕
図53~図56は、非時間短縮状態での普通図柄抽選の結果が当り図柄2に該当した場合の演出例について示す連続図である。
〔変動表示演出開始前〕
図53中(A):7セグ表示装置200では、7セグ演出図柄がはずれの態様(「9」ー「1」ー「6」)で停止表示されている。また、液晶表示器42では、演出図柄Hzがはずれの態様(「9」ー「1」ー「6」)で停止表示されている。
また、記憶表示装置300では、第1特別図柄記憶表示領域M1のLEDが1つ点灯しているため、第1特別図柄の作動記憶数が1個であることを表し、第2特別図柄記憶表示領域M2のLEDが全て消灯しているため、第2特別図柄の作動記憶数が0個であることを表している。
〔変動表示演出開始〕
図53中(B):第1特別図柄の変動開始とともに、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄の変動が開始されるとともに、液晶表示器42の演出図柄Hzがスクロール変動することで変動表示演出が開始される。変動開始に伴って第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動して第1特別図柄記憶表示領域M1のLEDの点灯数が1個から0個に減少する。なお、ここでの第1特別図柄の変動は、はずれとなる変動パターンが選択されているものとする。
〔アニマルチャンス演出〕
また、図示の例では、画面の左上位置から動物のキャラクターが出現する演出が実行されている。この演出は、普通図柄表示装置33において、普通図柄が当り図柄2の態様で停止表示された際に実行される。この場合、非時間短縮状態であるにも関わらず、可変始動入賞装置28がロング開放(6.0秒開放)する。
〔予告演出の発生(1段階目)〕
図53中(C):変動開始からしばらくすると、画面内に何らかのキャラクターを表示した絵柄画像が出現し、画面の中央に停止する態様で予告演出が実行される。この例では、例えば画面の左側から絵柄画像が出現し、そのまま画面の中央へ移動していく態様で演出が行われている。
また、アニマルチャンス演出は継続しており、動物のキャラクターが「アニマルチャンス 右打ちしてね」という台詞を発する演出が実行されている。図示の例では、可変始動入賞装置28が作動しており、遊技球が可変始動入賞装置28に向かって流下している。
〔予告演出の発生(2段階目)〕
図54中(D):1段階目の予告演出に続けて、2段階目の予告演出が実行される。図示の例では、画面の右端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像の前面に重なって表示される。このような予告演出を実行することにより、遊技者に対してはリーチになるかもしれないという期待感を抱かせることができる。
また、アニマルチャンス演出は継続しており、動物のキャラクターが「アニマルチャンス 右打ちしてね」という台詞を発する演出が実行されている。図示の例では、可変始動入賞装置28が作動して遊技球が入球している。
〔左演出図柄停止〕
図54中(E):予告演出に続けて、7セグ表示装置200の左側の7セグ演出図柄として数字の「2」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄として数字の「2」を表す演出図柄が停止している。
また、遊技球が、可変始動入賞装置28に入球すると、第2特別図柄の記憶が1個増加するため、第2特別図柄記憶表示領域M2のLEDが1つ点灯する。
可変始動入賞装置28は、一定時間(6.0秒)が経過するか、規定数(例えば1個)の入賞で非作動となる。図示の例では、1個の遊技球が可変始動入賞装置28に入球したため、可変始動入賞装置28は閉鎖している。可変始動入賞装置28が閉鎖すると、アニマルチャンス演出は終了する。なお、規定数は2個以上であってもよい。
〔右演出図柄停止〕
図54中(F):次に、7セグ表示装置200の右側の7セグ演出図柄として数字の「4」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの右演出図柄として数字の「4」を表す演出図柄が停止している。
〔停止表示演出〕
図55中(G):第1特別図柄の停止表示に同期して、停止表示演出が実行される。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄も、液晶表示器42の演出図柄Hzも同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。図示の例では、7セグ表示装置200の中央の7セグ演出図柄として数字の「3」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄として数字の「3」を表す演出図柄が停止している。
〔変動表示演出開始〕
図55中(H):第2特別図柄の変動開始とともに、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄の変動が開始され、液晶表示器42の演出図柄Hzがスクロール変動することで変動表示演出が開始される。変動開始に伴って第2特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動して第2特別図柄記憶表示領域M2のLEDの点灯数が1個から0個に減少する。なお、ここでの第2特別図柄の変動は、小当り当選に対応する変動パターンが選択されているものとする。ここで、第2特別図柄の優先消化の制御を採用している場合は、第2特別図柄の記憶が優先的に消化される。一方、特別図柄の順消化の制御を採用している場合は、記憶の順番に特別図柄の変動が実行される。図示の例では、第1特別図柄の記憶が存在していないため、いずれの制御を採用していても、第2特別図柄の変動が実行される。
〔左演出図柄停止〕
図55中(I):変動開始から一定時間経過後に、7セグ表示装置200の左側の7セグ演出図柄として数字の「5」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄として数字の「5」を表す演出図柄が停止している。
〔右演出図柄停止〕
図56中(J):次に、7セグ表示装置200の右側の7セグ演出図柄として数字の「2」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの右演出図柄として数字の「2」を表す演出図柄が停止している。
〔中演出図柄停止〕
図56中(K):第2特別図柄の停止表示に同期して、停止表示演出が実行される。今回の内部抽選の結果が小当り当選であって、第2特別図柄が小当りの態様で停止表示される場合、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄も、液晶表示器42の演出図柄Hzも同様に小当りの態様で停止表示演出が行われる。図示の例では、7セグ表示装置200の中央の7セグ演出図柄としてアルファベットの「A」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄としてアルファベットの「A」を表す演出図柄が停止している。また、液晶表示器42には、動物のキャラクターが大きく表示されている。これにより、遊技者に対して「アニマルチャンスを経由して小当りに該当した」ということを伝達することができる。また、第4図柄Z2については、小当りに対応する態様で停止表示されている。そして、この後は、小当り遊技が実行される。
〔大役中演出〕
図57及び図58は、大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である。なお、以下の大役中演出は、液晶表示器42にて実行される演出である。
〔大当り遊技開始〕
図57中(A):大当り遊技が開始されると、例えば、画面内に「BIG BONUS」といった文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像(例えば女性キャラクター)が表示される。
〔大役中「右打ち」表示〕
また、本実施形態では遊技領域8a内の右側部分に第1可変入賞装置30が配置されているため、大役中は遊技球の発射位置(発射方向)として遊技領域8a内の右側部分を指定することとしている。このため、主制御CPU72による制御上で上記の発射位置指定表示ランプ38fが点灯表示されるとともに、「右打ち」を表す発射位置指定コマンドが演出制御装置124に送信される。これを受けて、演出制御CPU126による演出制御上で表示画面内に「右打ち」を促す案内情報(右方向を示す矢印、「右打ち」の文字等)が表示される)。
〔1ラウンド目〕
図57中(B):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、例えば、画面内の左上部に「BIG BONUS」の文字情報とともに、3つの○印が表示される。そして、そのうち1番左に位置する○印が赤色(斜線のハッチング)で表示され、残りの2つの○印は白色で表示される。これにより、出球を獲得できるのは3ラウンドであること、現在のラウンドがその3ラウンド中の1ラウンド目であること、及び、出球が獲得できるラウンドが1つ進行する毎に○印が赤色で表示されることを遊技者に教示することができる。
ここで、「○印」の数は、当選図柄に応じて増加する。例えば、当選図柄が「第1当選図柄」又は「第2当選図柄」である場合には、「○印」の数は「3個」であるが、当選図柄が「第3当選図柄」である場合には、「○印」の数は「2個」である。また、当選図柄が「第4当選図柄」である場合には、「○印」の数は「9個」であり、当選図柄が「第5当選図柄」である場合には、「○印」の数は「6個」であり、当選図柄が「第6当選図柄」である場合には、「○印」の数は「3個」である。
〔3ラウンド目〕
図57中(C):この後、大当り遊技が順調に進行し、例えば、3ラウンド目に移行すると、例えば、3つの全ての○印が赤色で表示される。これにより、この3ラウンド目で出球を獲得できる全てのラウンドが終了することを遊技者に教示することができる。
〔時間短縮状態突入演出〕
図58中(D):そして、大当り遊技の終了時間(エンディング時間)を利用して「ドライブモード突入!」といった文字情報が表示される演出が実行される。これにより、これから「ドライブモード」が開始されることを遊技者に教示することができる。また、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、「ドライブモード」においても右打ちで遊技が進行することを遊技者に教示することができる。
ここで、エンディング演出中には、「プリペイドカードの取り忘れに注意しましょう」といったプリペイドカードの取り忘れを喚起する報知を行ったり、「遊技に対するのめり込みに注意しましょう」といった遊技に対するめり込みを防止する報知を実行するようにしてもよい。
〔大当り遊技終了、時間短縮状態〕
図58中(E):大当り遊技が終了し、内部状態(遊技状態)が時間短縮状態に設定されると、滞在モードが「ドライブモード」に設定され、背景画像が、女性が乗車した自動車が大地を走行する様子を表現した画像に変更される。これにより、現在の内部状態(遊技状態)が通常状態とは異なる時間短縮状態であることを遊技者に教示することができる。
〔時短中演出〕
このように、時間短縮状態で遊技が進行している場合には、時間短縮状態(有利遊技状態)に対応させた背景画像を表示する時短中演出(有利遊技状態演出)が実行される。
〔右打ち示唆演出〕
また、画面上部では、右打ち示唆演出が実行されている。右打ち示唆演出では、液晶表示器42の画面左上に右打ちの文字情報と右向きの矢印記号とを表示している。なお、このような右打ち示唆演出は、遊技状態が時間短縮状態である場合には継続して実行してもよく、時間短縮状態の開始時にだけ実行してもよい。そして、このような演出を実行することにより、遊技者に対して「右打ち」を促すことができる。
〔残り回数表示演出〕
さらに、液晶表示器42の画面左下では、残り回数表示演出が実行されている。残り回数表示演出では、液晶表示器42の画面左下に長方形形状の領域を設け、その長方形形状の領域の中にドライブモードで遊技を進行することができる残り回数を表示している。なお、図示の例では、「残り10回」の情報が表示されている。残り回数は、時間短縮状態で第2特別図柄が変動して停止する度に1減算され、非時間短縮状態で第2特別図柄が変動して停止する度に1減算される。このため、残り回数は、時間短縮状態や非時間短縮状態で第1特別図柄が変動して停止しても減算されない。
〔ドライブモード(時間短縮状態)の演出例〕
図59~図61は、ドライブモードの演出例を示す連続図である。
図59中(A):ドライブモードでは、背景画像が、女性が乗車した自動車が大地を走行する様子を表現した画像に変更される。7セグ表示装置200に表示された7セグ演出図柄の組み合わせは「7」-「7」-「7」の当選目であり、液晶表示器42の演出図柄Hzの組み合わせは「7」-「7」-「7」の当選目である。これは、当選時の出目を表示している。また、画面上部では、右打ち示唆演出が実行されており、このような右打ち示唆演出は、遊技状態が時間短縮状態である場合には継続して実行される。
〔特別図柄の変動開始〕
図59中(B):第1特別図柄での初当り時には第1特別図柄の記憶が貯まっていることが多く、第2特別図柄の記憶が貯まっていないのが一般的である。図示の例では、第1特別図柄の記憶が1つ貯まっている(第1特別図柄記憶表示領域M1のLEDが1個点灯している)。このため、このような状況でドライブモードに突入した場合には、第1特別図柄が変動表示される。なお、第1特別図柄の記憶が貯まっていない場合には、遊技者が右打ちを実行することにより、最初に第2特別図柄の変動が実行される。そして、第1特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴って7セグ表示装置200の7セグ演出図柄が変動を開始し、液晶表示器42の演出図柄Hzや第4図柄Z1についても変動を開始する。ここでは、第1特別図柄に関する内部抽選において、はずれに該当したものとする。
〔第1特別図柄の変動終了〕
図59中(C):第1特別図柄がはずれの態様で停止表示されると、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄、液晶表示器42の演出図柄Hz、液晶表示器42の第4図柄Z1についてもはずれの態様で停止表示される。この間に遊技者が右打ちを実行し、複数の遊技球が始動ゲート20を通過し、可変始動入賞装置28が開放して4個の遊技球が右始動入賞口28bに入球したものとする。この場合、第2特別図柄の記憶が4個貯まる(第2特別図柄表示領域M2のLEDが4つとも点灯する)。
ここでは、第1特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されない。具体的には、残り回数の表示は、残り10回のままである。
図60中(D):第2特別図柄の記憶は、第1特別図柄の記憶よりも優先して消化されるため、次は、第2特別図柄の記憶を用いて内部抽選が実行される。そして、第2特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴って7セグ表示装置200の7セグ演出図柄が変動を開始し、液晶表示器42の演出図柄Hzや第4図柄Z2についても変動を開始する。ここでは、第2特別図柄に関する内部抽選において、小当りに当選したものとする。
〔小当り開始、第2大入賞口開放〕
図60中(E):そして、第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄(「5」-「2」-「6」の組み合わせ)、液晶表示器42の演出図柄Hz(「5」-「2」-「6」の組み合わせ)、液晶表示器42の第4図柄Z2(緑色表示色)についても小当りの態様で停止表示される。これにより、小当り遊技が開始され、第2大入賞口31bが開放される。そうすると、女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げて画面右側に進んでいく演出が実行される。
ここでは、第2特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されている。具体的には、残り回数の表示は、残り9回となっている。
図60中(F):小当り遊技が開始されると、仙人のキャラクターが「右下のアタッカを狙うのじゃ」という台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して、第2可変入賞装置31に遊技球を入球させなくてはならないということを伝達することができる。
〔特定領域通過〕
図61中(G):小当り遊技により第2可変入賞装置31が開放状態に移行し、遊技球が特定領域31xを通過し、小当り時の当選図柄が第6当選図柄であったものとする。この例では、自動車に乗っている女性キャラクターが、Vの文字が描かれたハートマークを掲げ、「やったね!BIG BONUSよ!!」といったセリフを発する演出が実行される。これにより、遊技球が特定領域31xを通過したこと、及び、これから大当り遊技(BIG BONUS)が開始されることを遊技者に教示することができる。
〔小当り終了、大当り遊技開始〕
図61中(H):その後、小当り遊技が終了し、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)が閉鎖される。また、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過したことで、大当り遊技が開始されることとなる。この例では、大当り遊技特有の女性キャラクターが登場し、「BIG BONUS」といった文字情報が表示され、女性キャラクターが同様のセリフを発する演出が実行される。また、表示画面には、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、そのまま右打ちで大当り遊技が進行することを遊技者に教示することができる。
その後、上記図57中(B)に進み、上記と同様の大当り遊技中の演出が開始され、大当り遊技が進行する。例えば、第2特別図柄に関する小当り時の当選図柄が第6当選図柄に該当している場合、実質的に3ラウンド分の出球を獲得することができる。なお、ドライブモードにて大当り遊技が実行される場合は、ドライブモードでの当選時専用の大役中演出を実行してもよい。
図62及び図63は、非時間短縮状態でのドライブモードにおいて第2特別図柄が変動する際の演出例を示す連続図である。このような状況が発生するのは、主に時間短縮状態の最終変動ではずれとなりながらも、第2特別図柄の記憶が蓄積されている場合である。
ここでは、第2特別図柄の変動開始前は、第2特別図柄の記憶が4個存在しているものとする。このため、時短中演出は継続して実行されている。また、残り回数表示演出として、「残り4回」の情報が表示されている。ただし、右打ち示唆演出は実行されていない。
〔特別図柄の変動表示中〕
図62中(A):非時間短縮状態でのドライブモードで第2特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴って7セグ表示装置200の7セグ演出図柄が変動を開始し、液晶表示器42の演出図柄Hzや第4図柄Z2についても変動を開始する。なお、ここでの状況は、時間短縮状態ではないため、始動ゲート20を通過させても普通図柄抽選にて当選する確率は低い。このため、可変始動入賞装置28が開放状態に移行することは困難であり、基本的には第2特別図柄の記憶を貯めることはできない。よって、このような非時間短縮状態でのドライブモードは、第2特別図柄が最大で4回変動するチャンスゾーンとなる。
〔停止表示演出〕
図62中(B):ここでは、第2特別図柄に関する内部抽選において、小当りに当選したものとする。そして、第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄(「2」-「2」-「3」の組み合わせ)、液晶表示器42の演出図柄Hz(「2」-「2」-「3」の組み合わせ)、液晶表示器42の第4図柄Z2(緑色表示色)についても小当りの態様で停止表示される。この場合、動物のキャラクターが「7の数字が表示されたマーク」を掲げる演出が実行される。
ここでは、第2特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されている。具体的には、残り回数の表示は、残り3回となっている。
〔小当り開始、第2大入賞口開放〕
図62中(C):そして、小当り遊技が開始されると、第2大入賞口31bが開放されるとともに、女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げて画面右側に進んでいく演出が実行される。この際、動物のキャラクターを置き去りにする演出が実行される。
〔特定領域通過〕
図63中(D):小当り遊技により第2可変入賞装置31が開放状態に移行し、遊技球が特定領域31xを通過し、小当り時の当選図柄が第4当選図柄であったものとする。この例では、自動車に乗っている女性キャラクターが、Vの文字が描かれたハートマークを掲げ、「やったね!BIG BONUSよ!!」といったセリフを発する演出が実行される。これにより、遊技球が特定領域31xを通過したこと、及び、これから大当り遊技(BIG BONUS)が開始されることを遊技者に教示することができる。
〔小当り終了、大当り遊技開始〕
図63中(E):その後、小当り遊技が終了し、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)が閉鎖される。また、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過したことで、大当り遊技が開始されることとなる。この例では、大当り遊技特有の女性キャラクターが登場し、「BIG BONUS」といった文字情報が表示され、女性キャラクターが同様のセリフを発する演出が実行される。また、表示画面には、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、そのまま右打ちで大当り遊技が進行することを遊技者に教示することができる。その後、上記図57中(B)に進み、上記と同様の大当り遊技中の演出が開始され、大当り遊技が進行する。
図64~図67は、リーチ演出中に実行されるボタン連打演出の第1演出例を示す図である。第1演出例は、遊技者が順当にプッシュボタン45aを押下(連打)した場合の演出例である。プッシュボタン45aは、長押しすることで、連打をしているかのような操作入力を受け付けるようにしてもよく、遊技開始時や遊技中に遊技者が自動押下機能を設定することで、プッシュボタン45aを押下しなくても操作入力を受け付けるようにしてもよい。
図64中(A):7セグ表示装置200及び液晶表示器42による変動表示演出が実行されている。
図64中(B):変動開始時から一定時間が経過すると、リーチ演出が実行される。図示の例では、演出図柄Hz及び7セグ演出図柄がリーチ状態(テンパイ)の態様で表示されている(「5」-「変動中」-「5」)。
図64中(C):リーチ演出が進行している。図示の例では、画面の左側に味方キャラクター(女性キャラクター)が表示され、画面の右側に敵キャラクター(動物キャラクター)が表示され、中央に「VS」の文字情報が表示されている。この状況で、味方キャラクターが勝利すれば、大当りとなる。
〔SU1〕
図65中(D):リーチ状態が発生してから一定時間が経過すると、ボタン連打演出が開始される。具体的には、画面の中央に、プッシュボタン45aを模したボタン画像が表示される。ボタン画像の周囲には、ボタン画像を取り囲むようにしてボタン連打演出の有効時間の経過を示す時間メータが表示されており、ここではその1マスが約1秒に対応している。図示の例では、8マスの時間メータが全て有色の画像で表示されているため、プッシュボタン45aの押下がこれから8秒間程度有効になる。つまり、ボタン連打演出の有効時間は8秒である。なお、時間メータの各マスは、1秒経過するごとに1マスずつ減少していく。
また、画面の下部には、4個のマスを有する横長の棒状のメータMが表示されている。メータMは、敵キャラクターの残りの体力を示す体力メータとなっている。メータMの有色部分が全てなくなると、敵キャラクターの残りの体力がなくなるため、味方キャラクターの勝利となる。
ボタン連打演出の実行中に、遊技者がプッシュボタン45aを1回押下し、メータMを進行させる条件が満たされると、メータ値Mの有色部分が減少する演出(進行演出)が実行される。なお、画面の上部には、「連打」の台詞を発する動物のキャラクターが表示されている。「SU1」は、ボタン連打演出の第1段階である。
〔SU2〕
図65中(E):そして、遊技者がプッシュボタン45aの連打を開始し、ここではメータMを1つだけ進行させる条件が満たされたものとする。この場合、メータMの有色部分が1マス分だけ減少する演出が実行される。「SU2」は、ボタン連打演出の第2段階である。なお、遊技者がプッシュボタン45aを押下すると、味方キャラクターが攻撃を行う画像が表示され、プッシュボタン45aの押下に応じた効果音が出力され、ボタン画像の上部にプッシュボタン45aの押下を実行していることを示す拳の画像が表示される。
また、図示の例では、8マスの時間メータのうち、6マス分が有色の画像で表示されているため、プッシュボタン45aの有効時間は、残り6秒程度である。
〔SU3〕
図65中(F):遊技者がプッシュボタン45aの連打を継続しており、ここではメータMをさらに1つだけ進行させる条件が満たされたものとする。この場合、メータMの有色部分がさらに1マス分だけ減少する演出が実行される。「SU3」は、ボタン連打演出の第3段階である。
また、図示の例では、8マスの時間メータのうち、4マス分が有色の画像で表示されているため、プッシュボタン45aの有効時間は、残り4秒程度である。
〔SU4〕
図66中(G):遊技者がプッシュボタン45aの連打を継続しており、ここではメータMをさらに1つだけ進行させる条件が満たされたものとする。この場合、メータMの有色部分がさらに1マス分だけ減少する演出が実行される。「SU4」は、ボタン連打演出の第4段階である。
また、図示の例では、8マスの時間メータのうち、2マス分が有色の画像で表示されているため、プッシュボタン45aの有効時間は、残り2秒程度である。
〔成功〕
図66中(H):遊技者がプッシュボタン45aの連打を継続しており、ここではメータMをさらに1つだけ進行させる条件が満たされたものとする。この場合、メータMの有色部分がさらに1マス分だけ減少する演出が実行される。「成功」は、ボタン連打演出の最終段階である。
これにより、メータMの有色部分は、全て消滅する。この場合、画面の中央に可動体40fが落下する役物落下演出が実行されるとともに、メータMに「成功」の文字情報が表示される。
なお、プッシュボタン45aの有効時間を示す時間メータは、非表示となっている。
図66中(I):ボタン連打演出において成功の結果が得られると、今回の変動が大当りであることを示す当選時演出が実行される。図示の例では、味方キャラクターが大きく表示され、敵キャラクターが去っていく演出が実行されている。この場合、第1特別図柄、演出図柄Hz、7セグ演出図柄及び第4図柄1は、当選の態様で停止表示される。
以上は、ボタン連打演出が成功となる場合の演出例であるが、ボタン連打演出が失敗となる場合は、以下のような演出例となる。
〔SU4〕
図67中(J):遊技者がプッシュボタン45aの連打を継続しており、ここではメータMをさらに1つだけ進行させる条件が満たされたものとする。この場合、メータMの有色部分がさらに1マス分だけ減少する演出が実行される。「SU4」は、ボタン連打演出の第4段階である。
また、図示の例では、8マスの時間メータのうち、2マス分が有色の画像で表示されているため、プッシュボタン45aの有効時間は、残り2秒程度である。
〔失敗〕
図67中(K):遊技者がプッシュボタン45aの連打を継続しており、ここではメータMをさらに1つだけ進行させる条件が満たされないものとする。この場合、メータMの有色部分が維持される演出が実行される。
これにより、メータMの有色部分は、1マス分だけ残る。この場合、役物落下演出は実行されず、敵キャラクターが味方キャラクターの攻撃を弾き飛ばす演出が実行され、メータMに「失敗」の文字情報が表示される。
なお、このような失敗の演出は、有効時間が終了する前に実行してもよく、有効時間が終了するのと同時、又は、有効時間が終了した後に実行してもよい。
図67中(L):ボタン連打演出において失敗の結果が得られると、今回の変動がはずれであることを示すはずれ時演出が実行される。図示の例では、味方キャラクターが小さく表示され、敵キャラクターが大きく表示される演出が実行されている。この場合、第1特別図柄、演出図柄Hz、7セグ演出図柄及び第4図柄1は、はずれの態様で停止表示される。
図68は、リーチ演出中に実行されるボタン連打演出の第2演出例を示す図である。第2演出例は、遊技者が順当にプッシュボタン45aを押下しなかった場合の演出例である。
〔SU1〕
図68中(A):リーチ状態が発生してから一定時間が経過しており、ボタン連打演出が実行されている。しかし、ここでは、遊技者は、プッシュボタン45aを押下していないものとする。
また、図示の例では、8マスの時間メータが全て有色の画像で表示されているため、プッシュボタン45aの有効時間は、残り8秒程度である。
〔SU1〕
図68中(B):遊技者がプッシュボタン45aを押下しなければ、メータMの有色部分が減少することはない。ただし、ボタン連打演出の有効時間は、徐々に少なくなっている。
図示の例では、8マスの時間メータのうち、2マス分が有色の画像で表示されているため、プッシュボタン45aの有効時間は、残り2秒程度である。
〔SU2〕
図68中(C):そして、ボタン連打演出の有効時間が終了する直前で、遊技者がプッシュボタン45aの連打を開始したものとする。そうすると、後述するMaxIndexとNowIndexとの乖離の関係で、メータMを1つだけ進行させる条件が、強制的に満たされる。この場合、メータMの有色部分が1マス分だけ減少する演出が実行される。
このように、有効時間が終了する直前で、遊技者がプッシュボタン45aの連打を開始しても、有効時間が終了するまでは、ボタン連打演出の段階は、1段階ずつしか進行しない。なお、この後、有効時間が終了すると、当選時の演出又ははずれ時の演出が実行される。
図69は、リーチ演出中に実行されるボタン連打演出の第3演出例を示す図である。第3演出例は、遊技者がレバー部材45bを操作した場合の演出例である。
〔SU1〕
図69中(A):リーチ状態が発生してから一定時間が経過しており、ボタン連打演出が実行されている。しかし、ここでは、遊技者は、プッシュボタン45aを押下していないものとする。
図示の例では、8マスの時間メータが全て有色の画像で表示されているため、プッシュボタン45aの有効時間は、残り8秒程度である。
図69中(B):ここでは、遊技者が、プッシュボタン45aの代わりに、レバー部材45bを操作したものとする。
〔成功〕
図69中(C):レバー部材45bを操作すると、遊技者はいきなり最終結果を知ることができる。
成功シナリオが選択されている場合、画面の中央に可動体40fが落下する役物落下演出が実行されるとともに、メータMに「成功」の文字情報が表示される特別報知演出が実行される。そして、この後は、有効時間が経過するまでは、このような特別報知演出が継続して実行され、有効時間の経過後に、当選時の演出(演出図柄を3つ揃いさせる演出等)が実行される。
なお、失敗シナリオが選択されている場合、役物落下演出は実行されず、敵キャラクターが味方キャラクターの攻撃を弾き飛ばす演出が実行され、メータMに「失敗」の文字情報が表示される特別報知演出が実行される。そして、この後は、有効時間が経過するまでは、このような特別報知演出が継続して実行され、有効時間の経過後に、はずれ時の演出(演出図柄を3つ揃いさせない演出等)が実行される。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した変動表示演出やリーチ演出、リーチ発生前予告演出、大役中演出、液晶表示器42や7セグ表示装置200、記憶表示装置300を用いた演出、時短中演出、右打ち示唆演出、残り回数表示演出、ボタン連打演出等は、いずれも以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
図70は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs~数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、時短中及び擬似時短中その他演出処理(ステップS402a)、7セグ表示装置演出管理処理(ステップS403)、普通図柄演出管理処理(ステップS403a)、ボタン連打演出管理処理(ステップS403b)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば、特図先判定演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止時コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、発射位置指定コマンド、エラー通知コマンド、大当り終了演出コマンド、変動パターン先判定コマンド、停止表示時間終了コマンド、回数切りカウンタコマンド、各種のエラーコマンド、可変始動入賞装置ロング開放開始コマンド等がある。
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御CPU126は、記憶表示装置300を用いた演出の実行を制御する。なお、作動記憶演出管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄Hzや第4図柄Z1,Z2を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作時の演出内容を制御したりする。また、この処理において演出制御CPU126は、各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出等)の演出パターンを選択する。このように、演出図柄管理処理において、演出制御CPU126は、液晶表示器42に表示する演出内容(演出図柄Hz、第4図柄Z1,Z2、大役中演出等に関する演出内容、各種予告演出の内容)を決定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS402a:演出制御CPU126は、時短中及び擬似時短中その他演出処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、右打ち示唆演出及び残り回数表示演出等に関する演出内容を決定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS403:7セグ表示装置演出管理処理では、演出制御CPU126は、演出図柄管理処理にて決定した演出内容に基づいて、7セグ表示装置200を制御する処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、7セグ表示装置200に表示する演出内容(7セグ演出図柄に関する内容)を決定する処理を実行する。演出図柄Hzと7セグ演出図柄は、基本的に同じ動作をするようにすることが好ましいが、異なる動作をするようにしてもよい。異なる動作をするように場合は、例えば、演出図柄Hzと7セグ演出図柄が停止するタイミングを異ならせてもよいし、停止する図柄を異ならせてもよい。
ステップS403a:普通図柄演出管理処理では、演出制御CPU126は第2特別図柄に対するチャンス状態が発生した場合の演出(アニマルチャンス演出)を制御する。具体的には、可変始動入賞装置ロング開放開始コマンドを受信してから可変始動入賞装置28が閉鎖するまでの間において、演出制御CPU126は、アニマルチャンス演出を実行する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS403b:ボタン連打演出管理処理では、演出制御CPU126は、ボタン連打演出に関する内容を制御する処理を実行する。
本処理を実行することにより、演出制御CPU126は、プッシュボタン45aやレバー部材45bを利用して、演出の段階を第1段階から最終段階まで段階的に進行させるボタン連打演出(段階演出)を実行可能とする(段階演出実行手段)。
また、本処理を実行することにより、演出制御CPU126は、プッシュボタン45aやレバー部材45bの操作を有効とする有効時間が開始してから終了するまでにおいて、所定の条件が満たされていなければ(レバー部材が操作されていなければ、後述するMaxIndexとNowIndexの乖離が一定数以上でなければ)、第1進行態様によってボタン連打演出の演出の段階を進め、所定の条件が満たされていれば(レバー部材が操作されていれば、後述するMaxIndexとNowIndexの乖離が一定数以上であれば)、第1進行態様とは異なる第2進行態様によってボタン連打演出の演出の段階を進める進行演出を実行可能とする(進行演出実行手段)。
第1進行態様は、有効時間の経過に応じて、ボタン連打演出の演出の段階を1段階ずつ次の段階に進める態様である。
MaxIndexとNowIndexの乖離が一定数以上である場合の第2進行態様は、有効時間の経過とは無関係に、ボタン連打演出の演出の段階を1段階ずつ次の段階に進める態様である。
レバー部材が操作されている場合に実行される第2進行態様は、特別報知演出を実行する態様である(進行演出実行手段)。
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(演出実行手段)。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46~52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば演出制御CPU126は可動体40fの駆動用ICに対して制御信号を出力する。可動体40fは可動体モータ57を駆動源として動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される演出図柄管理処理の内容について説明する。
〔作動記憶演出管理処理〕
図71は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS700:先ず演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS700:Yes)、演出制御CPU126はステップS702を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS700:No)、演出制御CPU126はステップS702を実行しない。
ステップS702:演出制御CPU126は、作動記憶数増加時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、第1特別図柄記憶表示領域M1のLED又は第2特別図柄記憶表示領域M2のLEDを1つ点灯させる演出を選択する。なお、本処理において、演出制御CPU126は、色変化演出(例えば、当該記憶表示領域X1のLEDの表示色や、演出表示領域X2のLEDの表示色)の演出パターンや演出シナリオを決定することができる。
ステップS704:演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS704:Yes)、演出制御CPU126はステップS706を実行する。なお、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS704:No)、演出制御CPU126はステップS706を実行しない。
ステップS706:演出制御CPU126は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、内部抽選により消費した抽選要素に対応する第1特別図柄記憶表示領域M1のLED又は第2特別図柄記憶表示領域M2のLEDを1つ消灯させる演出を選択するとともに、当該記憶表示領域X1のLEDを点灯させる演出を選択する。なお、当該記憶表示領域X1のLEDは、特別図柄の変動が終了した時点で消灯させる演出を選択する。また、演出表示領域X2のLEDを点灯させている場合には、演出表示領域X2のLEDも、特別図柄の変動が終了した時点で消灯させる演出を選択する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(図70)に復帰する。
〔演出図柄管理処理〕
図72は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502~ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また、可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(図23中のステップS5000)が選択された場合にのみジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502~ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は演出図柄Hz及び第4図柄Z1,Z2を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。また、この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(抽選結果、当選種類(当選図柄の種類)、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(リーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、変動表示演出の実行中にプッシュボタン45aやレバー部材45bを用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン連打演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた停止表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は小当り遊技中又は大当り中の演出内容を制御する。この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容を選択する。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
〔演出図柄変動前処理〕
図73は、演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
なお、客待ち状態を表す演出には、「遊技に対するのめり込みに注意しましょう」といった遊技に対するのめり込みを防止する内容を表示するようにしてもよい。このようにすることで、適切なタイミングで簡単に、のめり込み防止に関する演出を実行することができ、遊技者の不利益を軽減することができる。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図70中のステップS404)、ランプ駆動処理(図70中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御CPU126は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また、今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御CPU126は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御CPU126は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。
また、演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄Hz及び第4図柄Z1,Z2の変動スケジュール(変動時間)、停止表示の態様等を決定する。
例えば、演出制御CPU126は、時間短縮状態での第2特別図柄の小当り変動時には、「ドライブモード」の状態で演出図柄Hz、7セグ演出図柄及び第4図柄Z2を変動させ、最終的に小当りに対応する演出図柄Hz、7セグ演出図柄及び第4図柄Z2を停止表示させる演出パターンを選択する処理を実行する。
一方、演出制御CPU126は、非時間短縮状態での第2特別図柄の小当り変動時には、例えば「ドライブモード」を継続させた状態又は通常モードの状態で演出図柄Hz、7セグ演出図柄及び第4図柄Z2を変動させ、最終的に小当りに対応する演出図柄Hz、7セグ演出図柄及び第4図柄Z2を停止表示させる演出パターンを選択する処理を実行する。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、大当りに該当した場合、演出制御CPU126はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御CPU126は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。なお、大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。例えば、リーチ演出に対応する変動パターン(リーチ変動パターンやスーパーリーチ変動パターン等)が選択されている場合、演出制御CPU126は、味方キャラクターと敵キャラクターとを対戦させるリーチ演出を選択することができる。なお、この点は、はずれ時や小当り時も同様である。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御CPU126はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御CPU126は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御CPU126がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドに基づいて決定される。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄Hz及び第4図柄Z1,Z2の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」-「2」-「4」等)を決定する。なお、このようなはずれ時の演出決定手法は、大当り時も同様である。
小当り時、大当り時、はずれ時の変動演出パターンを決定する際には、擬似連続予告演出(擬似連)の演出パターンも合わせて決定することができる。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は次にステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御CPU126は、予告選択処理を実行する(予告演出実行手段)。この処理では、演出制御CPU126は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当り又は小当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は非当選時よりも高く設定されている。
ステップS616:演出制御CPU126は、モード演出管理処理を実行する(有利遊技状態演出実行手段)。この処理において、演出制御CPU126は、滞在モードに応じた背景画像を選択する処理を実行する。例えば、演出制御CPU126は、原則として、内部状態が非時間短縮状態である場合には、通常モードに対応する背景画像を選択する処理を実行し、内部状態が時間短縮状態である場合には、ドライブモードに対応する背景画像を選択する処理(時短中演出を選択する処理)を実行する。
ただし、演出制御CPU126は、例外として、内部状態が非時間短縮状態である場合であっても、時間短縮状態から非時間短縮状態に移行した際に第2特別図柄の記憶が存在している場合には、ドライブモードに対応する背景画像を選択する(有利遊技状態演出実行手段、有利遊技状態演出継続実行手段)。なお、このような例外的な処理は、後述する演出図柄停止表示中処理において実行する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図72中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び停止表示演出が実行されるとともに(図柄演出実行手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。その他、ここで選択された背景(滞在)モードパターンに基づいて、各種の滞在モード演出が実行される。
〔演出図柄停止表示中処理〕
図74は、演出図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS650:演出制御CPU126は、内部状態が時短中(時間短縮状態)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、状態指定コマンドを確認することにより、内部状態を確認することができる。なお、内部状態は、変動パターンコマンドにより確認することもできる(以下、同様)。
その結果、内部状態が時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS652を実行し、内部状態が時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS656を実行する。
ステップS652:演出制御CPU126は、時短最終変動であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、回数切りカウンタコマンドを確認することにより、時短最終変動であるか否かを確認することができる。例えば、第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値が「1」から「0」に切り替わる際の変動であれば、演出制御CPU126は、時短最終変動であると判断することができる。
その結果、時短最終変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS654を実行し、時短最終変動であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS666を実行する。
ステップS654:演出制御CPU126は、擬似時短カウンタに第2特別図柄の記憶数を設定する処理を実行する。擬似時短カウンタはRAM130に記憶されており、例えば、第2特別図柄の記憶数が「0」である場合は、擬似時短カウンタに「0」が設定され、第2特別図柄の記憶数が「1」である場合は、擬似時短カウンタに「1」が設定され、第2特別図柄の記憶数が「4」である場合は、擬似時短カウンタに「4」が設定される。
この処理を終えると、演出制御CPU126はステップS666を実行する。
ステップS656:演出制御CPU126は、滞在背景が通常背景であるか否か、すなわち、液晶表示器42に表示している背景画像が通常モードに対応する背景画像であるか否かを確認する。
その結果、滞在背景が通常背景であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS666を実行し、滞在背景が通常背景であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS658を実行する。
ステップS658:演出制御CPU126は、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であるか否かを確認する。
その結果、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS660を実行し、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であることを確認できない場合(No)、すなわち、擬似時短カウンタの値が0である場合、演出制御CPU126はステップS664を実行する。
ステップS660:演出制御CPU126は、滞在背景を擬似時短背景に設定する処理を実行する。擬似時短背景は、右打ち表示がされないドライブモードの背景である。
このような処理を実行することにより、演出制御CPU126は、時間短縮状態(有利遊技状態)が終了して非時間短縮状態(所定の遊技状態)に移行した場合であっても、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値である場合(特別な条件が満たされている場合)は、時短中演出(有利遊技状態演出)を継続して実行することができる(有利遊技状態演出継続実行手段)。
ステップS662:演出制御CPU126は、擬似時短カウンタを1減算する処理を実行する。
ステップS664:演出制御CPU126は、滞在背景を通常背景に設定する処理を実行する。通常背景は、通常モードの背景である。
ステップS666:演出制御CPU126は、その他処理を実行する。その他処理においては、上述したように、演出制御CPU126は、内部抽選の結果に応じた態様の停止表示演出の内容を制御する。
そして、以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出図柄管理処理(図72)に復帰する。
〔可変入賞装置作動時処理〕
図75は、可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS800:演出制御CPU126は、今回の変動の結果が大当りであったか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、抽選結果コマンドを確認し、大当り時に対応するものであるのか小当り時に対応するものであるのかを確認する。この確認の結果、今回の変動の結果が大当りであった場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS802を実行する。一方、今回の変動の結果が大当りではなかった場合(No)、すなわち、小当りであった場合、演出制御CPU126は次にステップS804を実行する。
ステップS802:演出制御CPU126は、大当り時可変入賞装置作動時処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は大当り遊技開始時から大当り遊技終了時までの間に実行する演出パターンを選択する。
具体的には、演出制御CPU126は、液晶表示器42に表示する大役中演出として、予め演出表示制御装置144(VDP152)の画像ROM154に記憶されている大当り時の演出パターンに関する各種画像データを、当選図柄に応じて読み出す処理を実行する。
ステップS804:演出制御CPU126は、小当り時可変入賞装置作動時処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は小当り開始時から小当り終了時までの間に実行する演出パターンを選択する。
具体的には、演出制御CPU126は、小当り遊技の開始時に小当り遊技が開始したことを示す演出パターン(例えば女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げる演出)を選択し、右打ちを示唆する演出を選択し、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過した場合には、特定領域通過時の演出パターン(自動車に乗っている女性キャラクターがVの文字が描かれたハートマークを掲げる演出)を選択する処理を実行する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(図72)に復帰する。
〔時短中及び擬似時短中その他演出処理〕
図76は、時短中及び擬似時短中その他演出処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ここで、時短中(時短)とは、時間短縮状態であり、擬似時短中(擬似時短)とは、非時間短縮状態において時短中の背景画像を表示している状態(非時間短縮状態でのドライブモード)である。
ステップS850:演出制御CPU126は、内部状態が時短中(時間短縮状態)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、状態指定コマンドを確認することにより、内部状態を確認することができる。
その結果、内部状態が時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS852及びステップS854を実行し、内部状態が時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS856を実行する。
ステップS852:演出制御CPU126は、残りの時短回数に基づく残り回数表示処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、回数切りカウンタコマンドを確認し、第2回数切りカウンタ値に「4」を加えた値を残り回数として表示する演出パターンを選択する処理を実行する。これにより、時短中においては、残り回数表示演出の残り回数として「残り10回~残り5回」又は「残り100回~残り5回」の値が表示される。
ステップS854:演出制御CPU126は、右打ち示唆演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は液晶表示器42の画面上部で右打ち示唆演出に対応する画像を表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS855:演出制御CPU126は、右打ち強調演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、右打ち強調演出を実行する必要が発生した場合、例えば、時間短縮状態に移行したにも関わらず、遊技者が左打ちを継続している場合、液晶表示器42の画面上部で右打ちを強調する演出に対応する画像を表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS856:演出制御CPU126は、内部状態が擬似時短中であるか否かを確認する。演出制御CPU126は、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値である場合に、擬似時短中であると判断することができる。
その結果、内部状態が擬似時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS858を実行し、内部状態が擬似時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は演出制御処理(図70)に復帰する。
ステップS858:演出制御CPU126は、擬似時短カウンタに基づく残り回数表示処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は擬似時短カウンタの値を残り回数として表示する演出パターンを選択する処理を実行する。これにより、擬似時短中においては、残り回数表示演出の残り回数として「残り4回~残り1回(ラスト)」の値が表示される。
そして、以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(図70)に復帰する。
〔ボタン連打演出管理処理〕
図77は、ボタン連打演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS860:演出制御CPU126は、現在の状態が変動開始前の状態(変動開始時、演出図柄変動前処理を実行するタイミング)であるか否かを確認する。
その結果、現在の状態が変動開始前の状態であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS861を実行する。一方、現在の状態が変動開始前の状態であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS862を実行する。
ステップS861:演出制御CPU126は、ボタン連打演出選択処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は、ボタン連打演出を実行するか否かを判断し、実行すると判断した場合には、ボタン連打演出の演出内容を決定する。
具体的には、演出制御CPU126は、変動パターンや変動表示演出、予告演出の内容等に基づいてボタン連打演出を実行するか否かを決定する処理を実行する。ボタン連打演出を実行すると決定した場合には、どのような内容のボタン連打演出をどのようなタイミングやスケジュールで実行するかを決定する処理を実行する。
ステップS862:演出制御CPU126は、現在の状態がボタン連打演出の開始時であるか否かを確認する。ボタン連打演出の開始時とは、実際にボタン連打演出が開始されるタイミングのことである。ボタン連打演出の開始時であるか否かは、ボタン連打演出の実行タイミングを参照しながら、変動開始時からの経過時間をカウントすることにより、確認することができる。
その結果、現在の状態がボタン連打演出の開始時であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS863を実行する。一方、現在の状態がボタン連打演出の開始時であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は、ステップS864を実行する。
ステップS863:演出制御CPU126は、ボタン連打演出開始時処理を実行する。
この処理において、演出制御CPU126は、ボタン連打演出の開始時に表示する演出の内容を選択したり、ボタンの有効時間を設定したりする処理を実行する。
ステップS864:演出制御CPU126は、現在の状態がボタン連打演出の実行中であるか否かを確認する。ボタン連打演出の実行中とは、実際にボタン連打演出が実行されている最中のことである。ボタン連打演出の実行中であるか否かは、ボタン連打演出の実行タイミングを参照しながら、変動開始時からの経過時間をカウントすることにより、確認することができる。
その結果、現在の状態がボタン連打演出の実行中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS865を実行する。一方、現在の状態がボタン連打演出の実行中であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は、ステップS866を実行する。
ステップS865:演出制御CPU126は、ボタン連打演出実行中処理を実行する。
この処理において、ボタン連打演出の実行中に表示する演出の内容を選択する処理を実行する。
ステップS866:演出制御CPU126は、現在の状態がボタン連打演出の終了時であるか否かを確認する。ボタン連打演出の終了時とは、実際にボタン連打演出が終了するタイミングのことである。ボタン連打演出の終了時であるか否かは、ボタン連打演出の実行タイミングを参照しながら、変動開始時からの経過時間をカウントすることにより、確認することができる。
その結果、現在の状態がボタン連打演出の終了時であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS867を実行する。一方、現在の状態がボタン連打演出の終了時であることを確認できない場合(No)、演出制御処理(図70)に復帰する。
ステップS867:演出制御CPU126は、ボタン連打演出終了時処理を実行する。
この処理において、ボタン連打演出の終了時に表示する演出の内容を選択する処理を実行する。
そして、以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(図70)に復帰する。
〔ボタン連打演出選択処理〕
図78は、ボタン連打演出選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS870:演出制御CPU126は、ボタン連打演出の演出実行条件を満たすか否かを確認する処理を実行する。ボタン連打演出の演出実行条件は、例えば、所定時間以上の変動時間を有する変動パターンが選択されていたり、味方キャラクターと敵キャラクターとが対戦するリーチ演出(リーチ変動パターン等)が選択されていたりする場合に、満たされる条件とすることができる。なお、リーチ演出が選択されていなくても、ボタン連打演出を実行してもよい。
その結果、ボタン連打演出の演出実行条件を満たすことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS872を実行する。一方、ボタン連打演出の演出実行条件を満たすことを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はボタン連打演出管理処理(図77)に復帰する。
ステップS872:演出制御CPU126は、今回の変動が大当りに対応する変動であるか否かを確認する処理を実行する。
その結果、今回の変動が大当りに対応する変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS874を実行する。一方、今回の変動が大当りに対応する変動であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS876を実行する。
ステップS874:演出制御CPU126は、成功シナリオ選択処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は、ボタン連打演出において成功の結果を報知するための成功シナリオを選択する処理を実行する。なお、複数の成功シナリオが格納されている成功シナリオテーブルが存在する場合には、その中からいずれか1つの成功シナリオを選択する。
ステップS876:演出制御CPU126は、失敗シナリオ選択処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は、ボタン連打演出において失敗の結果を報知するための失敗シナリオを選択する処理を実行する。なお、複数の失敗シナリオが格納されている失敗シナリオテーブルが存在する場合には、その中からいずれか1つの失敗シナリオを選択する。
そして、以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、ボタン連打演出管理処理(図77)に復帰する。
〔ボタン連打演出開始時処理〕
図79は、ボタン連打演出開始時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS877:演出制御CPU126は、ボタン連打演出のシナリオ設定処理を実行する。この処理では、図78のステップS874又はステップS876の処理で選択された成功シナリオ又は失敗シナリオをセットする処理を実行する。本処理でセットされたシナリオに基づいてボタン連打演出が実行される。
ステップS878:演出制御CPU126は、有効時間設定処理を実行する。本実施形態では、プッシュボタンの有効時間は8秒(240フレーム)である。有効時間は、ボタン連打演出の開始時から、時間の経過とともに減算され、0秒になると有効時間は終了する。有効時間の経過具合は、ボタン画像の周囲に表示される時間メータによって表示する。
ステップS879:演出制御CPU126は、ボタン連打演出開始時演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、ボタン連打演出の開始時の演出として、ボタン画像を表示したり、時間メータを表示したり、メータMを表示したりする演出パターンを選択する処理を実行する。
この場合、表示するボタン画像に関しては、当選の期待度に応じて、複数のボタン画像パターンの中からいずれかのボタン画像パターンを選択するようにしてもよい。これにより、ボタン画像として、形状は同一であるが、色彩や大きさが異なるものを表示することができる。
以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、ボタン連打演出管理処理(図77)に復帰する。
〔ボタン連打演出実行中処理〕
図80は、ボタン連打演出実行中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS880:演出制御CPU126は、ボタンが押下されたか否かを確認する処理を実行する。ボタンが押下されたか否かは、プッシュボタン45aからの接点信号が演出制御装置124に入力されたか否かにより確認することができる。
その結果、ボタンが押下されたことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS881を実行する。一方、ボタンが押下されたことを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS882を実行する。
ステップS881:演出制御CPU126は、ボタン押下処理を実行する。具体的には、プッシュボタン45aが押下された際に実行する演出の内容を決定する処理を実行する。
ステップS882:演出制御CPU126は、レバー入力がされたか否かを確認する処理を実行する。レバー入力がされたか否かは、レバー部材45bからの接点信号が演出制御装置124に入力されたか否かにより確認することができる。
その結果、レバー入力がされたことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS883を実行する。一方、レバー入力がされたことを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はボタン連打演出管理処理(図77)に復帰する。
ステップS883:演出制御CPU126は、レバー入力処理を実行する。具体的には、レバー部材45bが操作された際に実行する演出の内容を決定する処理を実行する。
以上の処理を終えると、演出制御CPU126はボタン連打演出管理処理(図77)に復帰する。
〔ボタン押下処理〕
図81は、ボタン押下処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS910:演出制御CPU126は、有効時間の開始時からの経過フレーム数から、参照しているシナリオのIndexの現時点での「変動最大値(MaxIndex)」を算出する処理を実行する。有効時間の開始時からの経過フレーム数は、ボタン連打演出の有効時間の開始時から、経過フレーム数をカウントすることにより、確認することができる。
「変動最大値(MaxIndex)」は、参照しているシナリオにもよるが、基本的には、時間の経過とともに大きな値に更新されていく値である。
例えば、参照しているシナリオが成功シナリオであると仮定すると、「経過フレーム数」が「60フレーム」である場合、「MaxIndex」は「4」であり、「経過フレーム数」が「120フレーム」である場合、「MaxIndex」は「8」である(図84中(A)参照)。
ステップS911:演出制御CPU126は、NowIndex<MaxIndexであるか否かを確認する処理を実行する。
「NowIndex」とは、現在のIndexを示す値である。「NowIndex」は、ボタンの押下に応じて大きな値に更新されていく可能性がある。
「NowIndex」は、最大で「NowIndex=MaxIndex」となることがある。しかし、「NowIndex>MaxIndex」となることはない。つまり、どんなにボタンを押下しても、「NowIndex」が「MaxIndex」を超える値となることはない。
「NowIndex」は、操作手段の操作入力に応じて更新されていく可能性がある第1変数であり、「MaxIndex」は、時間の経過に応じて更新されていく可能性がある第2変数である。
そして、NowIndex<MaxIndexであることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS912を実行する。一方、NowIndex<MaxIndexであることを確認できない場合(No)、すなわち、「NowIndex=MaxIndex」である場合、演出制御CPU126はステップS916を実行する。
「NowIndex=MaxIndex」である場合に、ステップS912を実行しない理由は、「NowIndex=MaxIndex」である場合は、現時点で演出の段階が最大限まで進行していることから、ステップS912のステップ更新抽選を実行しないようにするためである。
ステップS912:演出制御CPU126は、ステップ更新抽選に当選したか、又は、MaxIndexとNowIndexの乖離が一定数(例えば6)以上であるか否かを確認する処理を実行する。ステップ更新抽選は、所定の当選確率に基づく抽選(例えば、1/2~1/10等の確率で当選する抽選)とすることができる。
その結果、ステップ更新抽選に当選したか、又は、MaxIndexとNowIndexの乖離が一定数以上であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS913を実行する。一方、ステップ更新抽選に当選したか、又は、MaxIndexとNowIndexの乖離が一定数以上であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS916を実行する。
ステップS913:演出制御CPU126は、NowIndexをインクリメントする処理を実行する(NowIndex+1)。
ステップS914:演出制御CPU126は、NowIndexのシナリオの内容が成功であるか否かを確認する処理を実行する。NowIndexのシナリオの内容が成功であるか否かは、NowIndexの値が「15」であるか否かによって確認することができる。
具体的には、演出制御CPU126は、NowIndexの値が「15」である場合にはNowIndexのシナリオの内容が成功であると判断し、NowIndexの値が「15」未満である場合にはNowIndexのシナリオの内容が成功でないと判断することができる。
その結果、NowIndexのシナリオの内容が成功であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS915を実行する。一方、NowIndexのシナリオの内容が成功であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS916を実行する。
ステップS915:演出制御CPU126は、成功時の処理を実行する。具体的には、役物落下演出を実行しつつ、メータMに成功の文字情報を表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS916:演出制御CPU126は、入力時の処理を実行する(進行演出実行手段)。具体的には、成功時ではない入力時の演出を実行する演出パターンを選択する処理を実行する。入力時の処理としては、ボタン押下に対応するエフェクト(味方キャラクターが攻撃を行う画像、ボタン画像の上部における拳の画像等)を表示する演出パターンを選択したり、ボタン入力時の効果音を出力する演出パターンを選択したりする処理を実行する。
また、演出の段階が切り替わる際(例えばSU1→SU2となる際)にはメータ値Mの有色部分を減少させる進行演出の演出パターンを選択したり、演出の段階が切り替わらない際には、メータ値Mの有色部分を維持する演出の演出パターンを選択したりする。
以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、ボタン連打演出実行中処理(図80)に復帰する。
〔レバー入力処理〕
図82は、レバー入力処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS920:演出制御CPU126は、NowIndexに参照シナリオのIndexの固定最大値を格納する処理を実行する。参照シナリオのIndexの固定最大値とは、有効時間の開始時からの経過フレーム数とは関係なく、参照シナリオのIndexの最も大きい値を意味している。つまり、変動最大値(MaxIndex)は、時間の経過に応じて値が変動していくが、固定最大値は、時間の経過に関わらずに、固定されている。
例えば、参照しているシナリオが「成功シナリオ」である場合、参照シナリオのIndexの固定最大値は「15」であるため(図84中(A)参照)、「NowIndex」には「15」を格納する処理を実行する。
一方、参照しているシナリオが「失敗シナリオ」である場合、参照シナリオのIndexの固定最大値は「14」であるため(図84中(B)参照)、「NowIndex」には「14」を格納する処理を実行する。
ステップS921:演出制御CPU126は、NowIndexのシナリオの内容が成功であるか否かを確認する処理を実行する。確認方法は、ステップS914で説明した通りである。
その結果、NowIndexのシナリオの内容が成功であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS922を実行する。一方、NowIndexのシナリオの内容が成功であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS923を実行する。
ステップS922:演出制御CPU126は、成功時の処理を実行する。具体的には、役物落下演出を実行しつつ、メータMに成功の文字情報を表示する演出パターン(成功時の特別報知演出の演出パターン)を選択する処理を実行する。
ステップS923:演出制御CPU126は、失敗時の処理を実行する。具体的には、役物落下演出を実行せず、敵キャラクターが味方キャラクターの攻撃を弾き飛ばす演出を実行し、メータMに失敗の文字情報を表示する演出パターン(失敗時の特別報知演出の演出パターン)を選択する処理を実行する。
なお、成功時の処理や失敗時の処理によって選択した演出パターンは、有効時間が終了するまで継続して実行し続けることができる(以下同様)。
以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、ボタン連打演出実行中処理(図80)に復帰する。
そして、図81や図82の処理を実行することにより、演出制御CPU126は、プッシュボタン45aが操作されると、進行演出を実行可能とし、レバー部材45bが操作されると、ボタン連打演出の最終的な結果を報知する特別報知演出を実行可能とする(進行演出実行手段)。
〔ボタン連打演出終了時処理〕
図83は、ボタン連打演出終了時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS930:演出制御CPU126は、現在参照しているシナリオ(参照シナリオ)が成功シナリオであるか否かを確認する処理を実行する。
その結果、参照シナリオが成功シナリオであることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS931を実行する。一方、参照シナリオが成功シナリオであることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS932を実行する。
ステップS931:演出制御CPU126は、成功時の処理が実行済みであるか否かを確認する処理を実行する。成功時の処理が実行済みであるか否かは、成功時の処理の実行時に、成功時処理実行済みフラグをセットすることにより確認することができる。なお、成功時処理実行済みフラグは、ボタン連打演出の終了時や変動終了時等にリセットすることができる。
その結果、成功時の処理が実行済みであることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はボタン連打演出管理処理(図77)に復帰する。一方、成功時の処理が実行済みであることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS933を実行する。
ステップS932:演出制御CPU126は、失敗時の処理が実行済みであるか否かを確認する処理を実行する。失敗時の処理が実行済みであるか否かは、失敗時の処理の実行時に、失敗時処理実行済みフラグをセットすることにより確認することができる。なお、失敗時処理実行済みフラグは、ボタン連打演出の終了時や変動終了時等にリセットすることができる。
その結果、失敗時の処理が実行済みであることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はボタン連打演出管理処理(図77)に復帰する。一方、失敗時の処理が実行済みであることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS934を実行する。
ステップS933:演出制御CPU126は、成功時の処理を実行する。具体的には、役物落下演出を実行しつつ、メータMに成功の文字情報を表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS934:演出制御CPU126は、失敗時の処理を実行する。具体的には、役物落下演出を実行せず、敵キャラクターが味方キャラクターの攻撃を弾き飛ばす演出を実行し、メータMに失敗の文字情報を表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、ボタン連打演出管理処理(図77)に復帰する。
図84は、ボタン連打演出の成功シナリオ及び失敗シナリオの一例を示す図である。
演出制御CPU126は、選択したシナリオを参照しながら、ボタン連打演出の内容を制御する。
各シナリオは、シナリオを管理する情報として、「フレーム数」、「シナリオ詳細」及び「Index」により構成されている。
「フレーム数」は、有効時間中の経過時間を表している。ボタン連打演出の有効時間(ボタン有効時間)は、「フレーム数=0」から開始して、「フレーム数=240」で終了する。
「シナリオ詳細」は、ボタン連打演出の演出の段階を表している。「SU1」~「SU4」は、ボタン連打演出の第1段階~第4段階に対応しており、「成功」は、ボタン連打演出の最終段階に対応しており、「失敗」は、ボタン連打演出の非最終段階に対応している。
「Index」は、シナリオを管理する内部的な変数である。「Index」は、「0」から始まり、成功シナリオの場合は「15」で終わり、失敗シナリオの場合は「14」で終わる。
このように、ボタン連打演出では、成功シナリオが選択された場合であっても、失敗シナリオが選択された場合であっても、「フレーム数」が「0」の時点から有効時間が開始し、「フレーム数」が「240」の時点で有効時間が終了する。
有効時間は、プッシュボタン45aやレバー部材45bの操作を有効とする時間である。このため、ボタン連打演出の有効時間内(有効時間中)に、プッシュボタン45aやレバー部材45bを操作すると、その操作は、ボタン連打演出の内容に影響を及ぼすが、有効時間外(有効時間が始まる前や有効時間が終了した後)に、プッシュボタン45aやレバー部材45bを操作しても、その操作は、ボタン連打演出の内容に影響を及ぼさない。
〔(A)成功シナリオ〕
成功シナリオの詳細は、以下の通りである。
「フレーム数」は、「0」から「240」まで、15フレームごとに設定されている。
「シナリオ詳細」は、「SU1」~「SU4」、「成功」がある。
「Index」は、「0」から「15」まで、1段階ずつ設定されている。
「シナリオ詳細」の「SU1」は、「フレーム数」の「0,15」と、「Index」の「0,1」に対応している。
「シナリオ詳細」の「SU2」は、「フレーム数」の「30~90」と、「Index」の「2~6」に対応している。
「シナリオ詳細」の「SU3」は、「フレーム数」の「105~150」と、「Index」の「7~10」に対応している。
「シナリオ詳細」の「SU4」は、「フレーム数」の「165~210」と、「Index」の「11~14」に対応している。
「シナリオ詳細」の「成功」は、「フレーム数」の「225,240」と、「Index」の「15」に対応している。
例えば、成功シナリオが選択されている状況において、「フレーム数」が「15」である場合、「MaxIndex」は「1」となるため、この場合、ボタン連打演出は、「SU1」まで進行可能である。
〔(B)失敗シナリオ〕
失敗シナリオの詳細は、以下の通りである。
「フレーム数」は、「0」から「240」まで、15フレームごとに設定されている。この点は、成功シナリオと同様である。
「シナリオ詳細」は、「SU1」~「SU4」、「失敗」がある。
「Index」は、「0」から「14」まで、1段階ずつ設定されている。ただし、「Index」の最後の部分は(図中右側は)、「14」→「14」となっており、失敗シナリオは、「Index」が「15」に移行しないようになっている。
「シナリオ詳細」の「SU1」は、「フレーム数」の「0,15」と、「Index」の「0,1」に対応している。
「シナリオ詳細」の「SU2」は、「フレーム数」の「30~90」と、「Index」の「2~6」に対応している。
「シナリオ詳細」の「SU3」は、「フレーム数」の「105~150」と、「Index」の「7~10」に対応している。
「シナリオ詳細」の「SU4」は、「フレーム数」の「165~225」と、「Index」の「11~14(2つの14)」に対応している。
「シナリオ詳細」の「失敗」は、「フレーム数」の「240」に対応している。
例えば、失敗シナリオが選択されている状況において、「フレーム数」が「165」である場合、「MaxIndex」は「11」となるため、この場合、ボタン連打演出は、「SU4」まで進行可能である。
なお、これらのシナリオはあくまで一例であり、その他のシナリオを用意してもよい。
図85は、成功シナリオの動作イメージを示す図である。成功シナリオが選択されている場合、ボタン連打演出は、以下のような演出態様として実行される。
〔(A)連打〕
ここでは、有効時間の開始時からプッシュボタン45aを連打し続けたものとする。また、プッシュボタン45aの押下時に実行されるステップ更新抽選では、必ず当選しているものとする。
「フレーム数」が「0,15」の状態では、「Index」は「0,1」となるため、「シナリオ詳細」は「SU1(ボタン連打演出の第1段階)」となる。
「フレーム数」が「30~90」の状態では、「Index」は「2~6」となるため、「シナリオ詳細」は「SU2(ボタン連打演出の第2段階)」となる。
「フレーム数」が「105~150」の状態では、「Index」は「7~10」となり、「シナリオ詳細」は「SU3(ボタン連打演出の第3段階)」となる。
「フレーム数」が「165~210」の状態では、「Index」は「11~14」となり、「シナリオ詳細」は「SU4(ボタン連打演出の第4段階)」となる。
「フレーム数」が「225」の状態では、「Index」は「15」となり、「シナリオ詳細」は「成功(ボタン連打演出の最終段階)」となる。
「フレーム数」が「240」の状態では、「Index」は存在せず、「シナリオ詳細」は「成功」となる。
このような演出の進行態様は、有効時間の経過に応じて、ボタン連打演出の演出の段階を1段階ずつ次の段階に進める成功時の第1進行態様である。
〔(B)225フレームから押下開始〕
ここでは、有効時間の開始時からはプッシュボタン45aを押下せず、「フレーム数」が「225」の状態でプッシュボタン45aの連打を開始したものとする。また、プッシュボタン45aの押下時に実行されるステップ更新抽選には、当選しなかったものとする。
この場合、「フレーム数」が「0~210」の状態では、「Index」は「0~14」となり、「シナリオ詳細」は「SU1(ボタン連打演出の第1段階)」となる。
「フレーム数」が「225」の状態では、「Index」は「15」となり、「シナリオ詳細」は「SU2(ボタン連打演出の第2段階)」となる。
「フレーム数」が「240」の状態では、「Index」は存在せず、「シナリオ詳細」は「成功(ボタン連打演出の最終段階)」となる。
このような演出の進行態様は、MaxIndexとNowIndexの乖離が一定数以上である場合において、有効時間の経過とは無関係に、ボタン連打演出の演出の段階を1段階ずつ次の段階に進める成功時の第2進行態様である。
〔(C)30フレームでレバー入力〕
ここでは、有効時間の開始時からはプッシュボタン45aを押下せず、「フレーム数」が「30」の状態でレバー部材45bを操作したものとする。
この場合、「フレーム数」が「0,15」の状態では、「Index」は「0,1」となり、「シナリオ詳細」は「SU1(ボタン連打演出の第1段階)」となる。
「フレーム数」が「30~225」の状態では、「Index」は「0~15」となり、「シナリオ詳細」は「成功(ボタン連打演出の最終段階)」となる。
「フレーム数」が「240」の状態では、「Index」は存在せず、「シナリオ詳細」は「成功」となる。
このような演出の進行態様は、レバー部材が操作されている場合において、特別報知演出を実行する成功時の第2進行態様である。
図86は、失敗シナリオの動作イメージを示す図である。失敗シナリオが選択されている場合、ボタン連打演出は、以下のような演出態様として実行される。
〔(A)連打〕
ここでは、有効時間の開始時からプッシュボタン45aを連打し続けたものとする。また、プッシュボタン45aの押下時に実行されるステップ更新抽選では、必ず当選しているものとする。
この場合、「フレーム数」が「0,15」の状態では、「Index」は「0,1」となり、「シナリオ詳細」は「SU1(ボタン連打演出の第1段階)」となる。
「フレーム数」が「30~90」の状態では、「Index」は「2~6」となり、「シナリオ詳細」は「SU2(ボタン連打演出の第2段階)」となる。
「フレーム数」が「105~150」の状態では、「Index」は「7~10」となり、「シナリオ詳細」は「SU3(ボタン連打演出の第3段階)」となる。
「フレーム数」が「165~225」の状態では、「Index」は「11~14」となり、「シナリオ詳細」は「SU4(ボタン連打演出の第4段階)」となる。
「フレーム数」が「240」の状態では、「Index」は存在せず、「シナリオ詳細」は「失敗(ボタン連打演出の非最終段階)」である。
このような演出の進行態様は、有効時間の経過に応じて、ボタン連打演出の演出の段階を1段階ずつ次の段階に進める失敗時の第1進行態様である。
〔(B)225フレームから押下開始〕
ここでは、有効時間の開始時からはプッシュボタン45aを押下せず、「フレーム数」が「225」の状態でプッシュボタン45aの連打を開始したものとする。また、プッシュボタン45aの押下時に実行されるステップ更新抽選には、当選しなかったものとする。
この場合、「フレーム数」が「0~210」の状態では、「Index」は「0~14」となり、「シナリオ詳細」は「SU1(ボタン連打演出の第1段階)」となる。
「フレーム数」が「225」の状態では、「Index」は「14」となり、「シナリオ詳細」は「SU2(ボタン連打演出の第2段階)」となる。
「フレーム数」が「240」の状態では、「Index」は存在せず、「シナリオ詳細」は「失敗(ボタン連打演出の非最終段階)」である。
このような演出の進行態様は、MaxIndexとNowIndexの乖離が一定数以上である場合において、有効時間の経過とは無関係に、ボタン連打演出の演出の段階を1段階ずつ次の段階に進める失敗時の第2進行態様である。
〔(C)30フレームでレバー入力〕
ここでは、有効時間の開始時からはプッシュボタン45aを押下せず、「フレーム数」が「30」の状態でレバー部材45bを操作したものとする。
この場合、「フレーム数」が「0,15」の状態では、「Index」は「0,1」となり、「シナリオ詳細」は「SU1(ボタン連打演出の第1段階)」となる。
「フレーム数」が「30~225」の状態では、「Index」は「0~14」となり、「シナリオ詳細」は「失敗(ボタン連打演出の非最終段階)」となる。
「フレーム数」が「240」の状態では、「Index」は存在せず、「シナリオ詳細」は「失敗」である。
このような演出の進行態様は、レバー部材が操作されている場合において、特別報知演出を実行する失敗時の第2進行態様である。
そして、演出制御CPU126は、上述した成功シナリオや失敗シナリオを参照しながら、各種操作手段の操作状況を監視することで、図85や図86に示すようなボタン連打演出の演出態様を制御することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)本実施形態によれば、所定の条件が満たされているか否か(レバー部材45bが操作されているか否か、MaxIndexとNowIndexの乖離が一定数以上であるか否か)によって、ボタン連打演出の進行具合が異なる内容となるため、ボタン連打演出の進行具合が1種類しか存在しない方式と比較して、演出のバリエーションを増加させることができ、結果として、斬新な遊技性を発揮することができる。
(2)本実施形態によれば、プッシュボタン45aを操作するかレバー部材45bを操作するかによってボタン連打演出の内容が異なる内容となるため、いずれの操作手段を操作しても同一の演出が実行される方式や、いずれかの操作手段しか操作することができない方式と比較して、演出のバリエーションを増加させることができ、結果として、斬新な遊技性を発揮することができる。
(3)本実施形態によれば、ボタン連打演出の実行中にレバー部材45bを操作すれば、ボタン連打演出の最終的な結果が報知されるので、遊技者は、いち早く最終的な結果を確認することができる。
(4)本実施形態によれば、有効時間の経過に応じて、ボタン連打演出の演出の段階を1段階ずつ次の段階に進めたり、有効時間の経過とは無関係に、ボタン連打演出の演出の段階を1段階ずつ次の段階に進めたりするので、有効時間の経過具合がどのようなものであっても、ボタン連打演出の演出の段階を確実に1段階ずつ次の段階に進めることができ、結果として、斬新な遊技性を発揮することができる。
(5)本実施形態では、プッシュボタン45aの有効時間が終了する間際(直前)に、一度だけプッシュボタン45aを押下すれば、最終的な結果とほぼ同等の演出が見られてしまうというような状況を回避することを1つの課題としている。また、ボタン連打演出の途中で最終的な結果を知りたい場合には、遊技者は、何度もプッシュボタン45aを押下しなければならず、このような状況を回避することも1つの課題としている。
〔前提条件〕
そこで、本実施形態において、演出制御装置(演出制御CPU)では、現在参照している予め抽選済みのシナリオのインデックス(Index、演出内容の段階)を保持し、ボタン連打演出の開始時からのフレーム数で参照できるインデックスの変動最大値(MaxIndex)を決定することでシナリオの進行を管理している。
また、プッシュボタン45aの押下ごとに現在のインデックス(NowIndex)を進めるか否かを抽選により決定し、当選しなかった場合は、現在の状態を保持する(NowIndexの値を維持する)ようにしている。
そして、このような制御処理を採用している場合、現在のインデックス(NowIndex)を進める抽選に連続して当選しなかった場合、正しくプッシュボタン45aを押下しているにも関わらず、シナリオが進行しない事態が発生してしまう。このため、現在のインデックス(NowIndex)と変動最大値(MaxIndex)との乖離が一定数以上になった場合は、その乖離幅が指定された範囲以下になるまで抽選結果に関わらずインデックスを更新(NowIndexをインクリメント)している。さらに、レバー部材45bの操作により、このような処理に係わらず、強制的に現在のインデックス(NowIndex)を固定最大値まで進行させている。
このような処理を採用することにより、正しくプッシュボタン45aを押下しているにも関わらず、シナリオが進行しないということがなくなる。また、プッシュボタン45aの有効時間が終了する間際に、一度だけプッシュボタン45aを押下すれば最終的な結果とほぼ同等の演出が見られてしまうことを防ぐことができる。さらに、プッシュボタン45aを連打又は長押ししたくない遊技者は、レバー部材45bを操作することでいち早くボタン連打演出の最終結果を確認することができる。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様は例示であり、上述した演出の態様に限定されるものではない。
上述した実施形態では、いわゆる1種2種混合機に本発明を適用する例で説明したが、いわゆる1種遊技機(特定領域を備えていない遊技機)に本発明を適用してもよい。
また、本発明は、確率変動機能を備える遊技機にも適用することができ、この場合には、いわゆるループタイプ(確変回数に実質的な上限を設定しないタイプ)の遊技機に適用することもでき、STタイプ(確変回数に実質的な上限を設定するタイプ)の遊技機に適用することもできる。
さらに、本発明は、確変領域を有する遊技機に適用することもでき、確変領域を有しない遊技機に適用することもできる。
さらにまた、本発明は、「第1特別図柄及び第2特別図柄の同時回し」を採用していない遊技機に適用することもでき、同時回しを採用している遊技機に適用することもできる。
上述した実施形態では、7セグ表示装置200を備える遊技機の例で説明したが、7セグ表示装置200を備えていない遊技機であってもよい。
また、7セグ表示装置200は、ドラムユニット(例えば、3列のリールを備える装置)に変更してもよく、液晶表示器に変更してもよい。
本発明は、設定変更装置を備えるパチンコ機に適用することもできる。
また、本発明は、性能表示モニタを備えるパチンコ機に適用することもできる。
段階演出は、ボタン連打演出の例で説明したが、ボタン長押し演出であってもよい。
段階演出は、変動中に実行する例で説明したが、大当り遊技中や小当り遊技中に実行してもよい。
段階演出は、リーチ演出中に実行する例で説明したが、リーチ演出中以外の場面で(例えば予告演出の実行中に)実行してもよい。
段階演出は、メータ値が減少していく演出の例で説明したが、メータ値が増加していく演出であってもよい。
段階演出は、メータを利用しない演出であってもよい。この場合、例えば、所定の演出要素を大きくしたり、小さくしたりする演出を実行することができる。
段階演出は、オートボタン機能(遊技者がプッシュボタンを押下しなくても、プッシュボタンが押下されたものとされる機能)によって実行される演出であってもよい。
上述した実施形態では、第1操作手段がプッシュボタン45aであり、第2操作手段がレバー部材45bである例で説明したが、第1操作手段がレバー部材45bであり、第2操作手段がプッシュボタン45aであってもよい。
所定の条件は、演出上の所定の抽選に当選した場合、第2進行態様によって進行演出を実行するか否かの抽選に当選した場合等に満たされる条件であってもよい。
上述した実施形態は、以下のような変形も可能である。
(1)レバー部材45bに対するレバー入力が検出されると、それ以降はボタン押下処理を無効に(実行しないように)してもよい。
(2)プッシュボタン45aに対するボタン入力の有効時間開始タイミングと、レバー部材45bに対するレバー入力の有効時間開始タイミングとを異ならせてもよい。この場合、レバー部材45bに対するレバー入力の有効時間開始タイミングは、プッシュボタン45aに対するボタン入力の有効時間開始タイミングから所定フレーム(所定時間)が経過したときに有効となるようにしてもよい。
(3)操作有効時間が短いシナリオ(演出時間が短い演出、数秒程度の演出)を実行する場合には、最初から、レバー部材45bに対するレバー入力を無効とするようにしてもよい。つまり、レバー入力は受け付けず、ボタン入力のみを受け付けるシナリオパターン(演出パターン)を有していてもよい。
(4)進行演出実行手段は、遊技状態が有利遊技状態(高確率状態や時間短縮状態)の方が、通常状態(低確率状態や非時間短縮状態)のときよりも、所定の条件が満たされやすくなるようにしてもよい。また、進行演出実行手段は、遊技状態が有利遊技状態(高確率状態や時間短縮状態)の方が、通常状態(低確率状態や非時間短縮状態)のときよりも、所定の条件が満たされにくくするようにしてもよい。
本発明は、パチンコ機だけでなく、スロット機にも適用可能である。
この場合、第1操作手段をプッシュボタンとし、第2操作手段をベットボタンとすることができる。
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。
〔実施形態B〕
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図87は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図88は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば、遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図87及び図88を参照しつつ遊技機の全体構成について説明する。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図87中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図88では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図87に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1は、カードユニットに接続する機種であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないカードユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、カードユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態のパチンコ機1は、カードユニットに接続する機種を例に挙げているが、現金機(カードユニットに接続しない機種)であってもよい。
また、受皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の前面部にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニット(参照符号なし)を取り巻くようにして配置されている。
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54,55が組み込まれている。一方、外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ56が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また、受皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45(操作入力受付手段)が設置されている。演出切替ボタン45は、例えば押し込み式の円形状ボタンとその周囲に回転式のジョグリング(ジョグダイアル)を組み合わせた形態である。遊技者は、この演出切替ボタン45を押し込み操作又は回転操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
〔裏側の構成〕
図88に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等の各種のユニットに加え、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図93)に基づいてさらに後述する。
主制御基板ユニット170には、主制御装置が内蔵されており、主制御装置には、性能表示モニタ140が接続されている。性能表示モニタ140は、パチンコ機1を裏側から見て、主制御基板ユニット170の左上の領域で視認可能なように主制御装置に配置されており、4つの7セグメントLEDを備えている。4個の7セグメントLEDは左右方向に並べて配置されており、それぞれの7セグメントLEDは、10進数のアラビア数字を表示することができる7つのセグメントと、その右下に位置するドットセグメントとによって構成されている。性能表示モニタ140は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースを通じて視認可能である。
また、主制御装置には、RAMクリアスイッチ304及び設定キー用鍵穴306が設けられている。RAMクリアスイッチ304は、RAMクリア、すなわち主制御装置内に装備されているRAM(RWM)の初期化を行う際に用いられるスイッチであり、本実施形態においては、設定変更用のスイッチとしても兼用される。設定キー用鍵穴306は、パチンコ機1の遊技に関する設定を変更又は参照する上で必要とされる設定キーを差し込むための鍵穴である。
RAMクリアスイッチ304は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースに形成された貫通孔を通じて押下可能に設けられている。なお、RAMクリアスイッチ304は、透明ケース外に配置されていてもよい。また、設定キー用鍵穴306は、キーシリンダが透明ケースを貫通した状態(透明ケースがキーシリンダの周囲を囲んだ状態)で設けられている。したがって、透明ケースが封止されたままの状態で設定キーを差し込み、回転させることが可能である。
なお、図88に示した性能表示モニタ140、RAMクリアスイッチ304及び設定キー用鍵穴306の配設位置は、あくまで一例であり、任意の位置に配置することができる。また、RAMクリアスイッチ304及び設定キー用鍵穴306は、主制御装置の外側に設けられて主制御装置に接続される構成としてもよい。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受皿ユニット6に向けて案内する。
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
〔盤面の構成〕
図89は、遊技盤ユニット8を単独で示した正面図である。遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に中始動入賞口26、始動ゲート20、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等が分布して設置されている。このうち中始動入賞口26は遊技領域8aの下部分の中央に位置している。遊技領域8aの右側部分(いわゆる右打ち領域)には、始動ゲート20、普通入賞口25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31が上からこの順番に配置されている。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で始動ゲート20を通過したり、中始動入賞口26、普通入賞口22,25に入球(入賞)したり、あるいは、開放動作時の可変始動入賞装置28や開放動作時の第1可変入賞装置30、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする。ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、中始動入賞口26又は普通入賞口22に入球する可能性がある。遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、始動ゲート20を通過したり、普通入賞口25に入球したり、開放動作時の可変始動入賞装置28に入球したり、開放動作時の第1可変入賞装置30に入球したり、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする可能性がある。中始動入賞口26、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31に入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通穴を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
本実施形態において、可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って右始動入賞口28bへの入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば左右一対の開閉部材28aを有しており、これら開閉部材28aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図89中に示されるように、左右の開閉部材28aは各先端が上を向いた状態で閉鎖位置にあり、このとき右始動入賞口28bへの入球は困難(遊技球が入球できる隙間がない状態)となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、左右の開閉部材28aはそれぞれ閉鎖位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、左右に開口幅を拡大して右始動入賞口28bを開放する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の入球が可能な状態となり、右始動入賞口28bへの入球を発生させることができる(可変始動入賞手段)。なお、このとき開閉部材28aは右始動入賞口28bへの遊技球の入球を案内する部材としても機能する。また、遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に可変始動入賞装置28(開放時の右始動入賞口28b)へ向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が開放動作時の可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に必ず入球するというわけではなく、あくまで入球は無作為に発生する。
また、可変始動入賞装置28は、非時間短縮状態(所定の遊技状態)では満たされ難い条件であり、時間短縮状態(有利遊技状態)では非時間短縮状態よりも満たされやすい条件である所定の作動条件(普通図柄が当選の態様で停止表示されて普通電動役物がロング開放するというという条件)が満たされない場合は右始動入賞口28bへの遊技球の入球が困難となる入球困難状態とする一方、所定の作動条件が満たされた場合は入球困難状態よりも右始動入賞口28bへの遊技球の入球を容易とする入球容易状態へ移行する。可変始動入賞装置28は、非時間短縮状態で普通図柄が当選の態様で停止表示された場合にはショート開放(0.1秒開放)し、時間短縮状態で普通図柄が当選の態様で停止表示された場合にはロング開放(1.0秒~6.0秒開放)する。
第1可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合、又は、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合)に作動し、第1大入賞口30bへの入球を可能にする(特別電動役物、特別入賞事象発生手段)。第1可変入賞装置30は、例えば1つの開閉部材30aを有している。この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、閉位置から開放位置に向けて変位する。図示のように先端が上を向いた状態で開閉部材30aは閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき第1大入賞口30bへの入球は困難(第1大入賞口30bは閉塞中)である。第1可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして右方向へ倒れ込むようにして変位し、第1大入賞口30bを開放する(開放状態)。この間に第1可変入賞装置30は遊技球の流入が可能な状態となり、第1大入賞口30bへの入球という事象を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは第1大入賞口30bへの遊技球の流入を案内する部材としても機能する。遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に第1可変入賞装置30(作動時の第1大入賞口30b)に向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が作動時の第1可変入賞装置30に必ず入球するというわけではなく、あくまで入球は無作為に発生する。
第2可変入賞装置31は、特別な条件が満たされた場合(特別図柄が小当りの態様で停止表示された場合)に作動し、第2大入賞口31bへの入球を可能にする(特別電動役物、第2特別入賞事象発生手段)。なお、第2可変入賞装置31は、特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合に作動してもよい。
第2可変入賞装置31は、演出ユニット40の右側に配置された装置であり、例えば1つの開閉部材31aを有している。上記の第1可変入賞装置30は、開閉部材30aが右方向へ倒れこむタイプの装置(片羽根のチューリップ式のアタッカ)を採用しているが、第2可変入賞装置31は、開閉部材31aが盤面の内部にスライドするタイプの装置を採用している(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材31aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材31aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材31aの上面を転動することになるため、第2大入賞口31bへの入球は困難(第2大入賞口31bは閉塞中)である。そして、第2可変入賞装置31が作動すると、開閉部材31aが盤面の内部に引き込まれ、第2大入賞口31bを開放する(開放状態)。この間に第2可変入賞装置31は遊技球の流入が困難ではない状態となり、第2大入賞口31bへの入球という事象を発生させることができる。
〔特定領域〕
また、第2可変入賞装置31の内部には、特定領域31xが設けられている。特定領域31xは、第2可変入賞装置31が閉鎖状態である場合は遊技球が通過困難な領域であり、第2可変入賞装置31が開放状態である場合であって特定領域用スライド部材31cが盤面の内部に引き込まれている状態である場合に遊技球が通過可能な領域である。なお、第2可変入賞装置31の詳細は後述する。
また、特に図示してはいないが、第2可変入賞装置31(開閉部材31a)には、遊技球が転動するスピードを低下させる遊技球転動スピード低下部を形成してもよい。遊技球転動スピード低下部は、開閉部材31aの傾斜を緩やかにしたり、開閉部材31a上の遊技球が通過する位置に、遊技球をジグザグに進行させるための交互に出っ張る突起を形成したりすることにより実現することができる。これにより、小当り遊技中に多くの遊技球を第2可変入賞装置31に入球させることができる。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、中始動入賞口26、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)、第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b、特定領域)に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
図90及び図91は、第2可変入賞装置31の詳細を示す図である。
第2可変入賞装置31は、スライド式の開閉部材31aの下方に第2大入賞口31bが配置されている。第2大入賞口31bの内部は左側に下り傾斜となっており、左側の端部にて下方に通路が延びている。下方に延びた通路には第2カウントスイッチ85が配置されており、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31に入球した遊技球の数をカウントする。
そして、下方に延びた通路は、その先で2つのルートに分かれている。一方の第1通路31dは、そのまま下方に延びており、他方の第2通路31eは左側に分岐する。
第1通路31dには、特定領域用スライド部材31cが配置されており、第1通路31dの下流には特定領域31xが配置されている。なお、特定領域31xの内部には、不図示の特定領域スイッチが配置されている。
一方、第2通路31eには、特別な部材は配置されておらず、第2通路31eの下流には排出孔31yが配置されている。
特定領域用スライド部材31cは、特殊な条件が満たされた場合(第2可変入賞装置31が作動してから第1時間経過後第2時間経過前の間)に作動し、特定領域31xへの遊技球の通過を可能にする。特定領域用スライド部材31cは、例えば図示しない特定領域ソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面の前後方向に沿ってスライドする。例えば、第1時間経過後は第2可変入賞装置31が作動してから0.2秒経過後であり、第2時間経過後は、第2可変入賞装置31が作動してから1.8秒経過後である。
特定領域ソレノイドがOFFの状態であると、特定領域用スライド部材31cは第1通路31dを塞いでいるため、遊技球が特定領域31xを通過することは困難となっている。一方、特定領域ソレノイドがONの状態になると、特定領域用スライド部材31cは盤面の内側に引き込まれるため、遊技球が特定領域31xを通過することが容易となる。
次に、第2可変入賞装置31の動作を説明する。
図90中(A)に示すように、スライド式の開閉部材31aは、盤面の内側に引き込まれており、遊技球が第2大入賞口31bに入球している。図示の例では、4個の遊技球が第2大入賞口31bに向かって進行している。ここでは、1個目の遊技球が第2カウントスイッチ85により検出される直前の状態である。
図90中(B)に示すように、1個目の遊技球が特定領域用スライド部材31cに到達している。2個目及び3個目の遊技球は、第2カウントスイッチ85に向かって進んでいる。4個目の遊技球は、第2大入賞口31bに入球しかけている。
図90中(C)に示すように、この時点では、特定領域用スライド部材31cが内側に引き込まれていないため(非作動中であるため)、1個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cによって進行方向が左側に変更され、第2通路31eを進行する。この場合、1個目の遊技球は、排出孔31yにより回収される。
図91中(D)に示すように、この時点で特定領域用スライド部材31cが盤面の内側に引き込まれたものとする(動作中)。この場合、2個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cの手前側を通り抜けて、第1通路31dに進行する。そして、2個目の遊技球は、特定領域31xを通過して、特定領域スイッチにより検出される。
図91中(E)に示すように、3個目の遊技球も、特定領域用スライド部材31cの手前側を通り抜けて、第1通路31dに進行する。この場合、3個目の遊技球は、特定領域31xを通過して、特定領域スイッチに検出される。
図91中(F)に示すように、この時点で、特定領域用スライド部材31cの動作が終了し、特定領域用スライド部材31cが盤面の前方側に突出したものとする。この場合、4個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cによって左側に案内され、第2通路31eに進行する。そして、4個目の遊技球は、排出孔31yにより回収される。
図92は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の左下位置)を拡大して示す正面図である。
遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33(普通図柄表示手段)及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34(第1図柄表示手段)、第2特別図柄表示装置35(第2図柄表示手段)、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が設けられている。
このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0~4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、上記の始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えば7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段、第1図柄表示手段、第2図柄表示手段)。その他、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、0~4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプが点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして、2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
一方、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えば1つのランプ(LED)の消灯又は点灯の組み合わせで構成される表示態様により、1個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、1つのランプを消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示する。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、上記の中始動入賞口26に遊技球が入球するごとに、入球が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に遊技球が入球すると、入球が発生したことを記憶する意味で増加後の表示態様へと変化し(最大1個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されると、減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄(第1図柄)が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で中始動入賞口26に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄(第2図柄)が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個又は最大1個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また、遊技状態表示装置38には、例えば、大当り種別表示ランプ38a,38b、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定表示ランプ38fにそれぞれ対応する6つのLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
〔遊技盤のその他の構成:図89を参照〕
上記の演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側上部には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄(本図柄)や、第4図柄、記憶マーカ(保留表示)をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。
さらに、演出ユニット40の内側下部にはドラムユニット200が設置されている。
ドラムユニット200は、左リール201、中リール202、右リール203を備えており、各リールには擬似演出図柄(7図柄やパンダ図柄、チェリー図柄等)が表示されている。例えば、同色の7図柄が、有効ラインとなる中段ラインに表示されると、特別図柄抽選にて大当りの結果が得られたことを表している。ドラムユニット200の各リールは、複数の可動速度で可動可能な可動体である。
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されている。球案内通路40dは、演出ユニット40の裏側を通って下方の転動ステージ40eに接続されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40kが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40kに案内された遊技球は、その真下にある中始動入賞口26に流入しやすくなる。
その他に演出ユニット40の上部中央の内部には、演出用の可動体40f(例えばハート型の装飾物)とともに図示しない駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。このような可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図93は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0~65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、RAM76の初期化に用いられるRAMクリアスイッチ304や、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
さらに、主制御装置70には、設定変更装置300及び設定キースイッチ302が設けられている。主制御装置70(主制御CPU72)は、設定変更装置300を動作させることにより設定を変更する。設定変更装置300は、設定(少なくとも特別図柄抽選の当選確率に関する設定)を切り替える装置であり、パチンコ機1に備えられたRAMクリアスイッチ304等の操作により作動する。また、設定とは、作動確率の組み合わせをいう。さらに、作動確率とは、条件装置が作動することとなる(大当り遊技が実行されることとなる)特別図柄の組み合わせが表示される確率をいう。設定キースイッチ302は、設定を切り替える上で必須となる設定キーの回転に伴い、その回転状態を示す信号(ON/OFF)を入力する入力装置である。設定の変更には、様々な手法を採用することができるが、例えば、以下の手順で行うことができる。
(1)まず、パチンコ機1の電源をOFFにする。
(2)ついで、専用キー(ドアキー)でパチンコ機1の扉を開ける。具体的には、専用キーをシリンダ錠6aの鍵穴に差し込んで右方向に回転し、内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4を開放する。
(3)パチンコ機1の裏側には、設定キーを挿入するための設定キー用鍵穴306と、RAMクリアスイッチ304とが設けられているため、設定キー用鍵穴306に設定キーを挿入し、設定キーを右方向に回転する。
(4)そして、パチンコ機1の電源をONにする。
(5)これにより、設定キーが変更位置に回転されたことを示す信号(ON)が設定キースイッチ302により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が可能な状態となる。このとき、図示しないロック機構により安全ロックが掛けられる。したがって、設定キーは、元の位置に戻されない限りは抜き取ることが不可能となる。
ここで、設定キーを右方向に回転した状態で、RAMクリアスイッチ304をONにしながら、電源をONにすると、設定が変更な状態となる。一方、設定キーを右方向に回転した状態で、RAMクリアスイッチ304をONにせずに、電源をONにすると、設定の参照が可能な状態となる。
(6)設定の変更が可能な状態において、RAMクリアスイッチ304を任意の回数だけ押下することにより、予め設けられた複数段階のうちいずれかの段階に設定を変更することができる。また、設定値は、例えば、専用の7セグメントLED、遊技状態表示装置38(特別図柄表示装置等)、性能表示モニタ140に表示することができる。
(7)スロット機の場合、目的の設定に達したら、レバーON処理が必要になるが、パチンコ機1にはレバーが存在しないため、レバーON処理の代わりの代替処理(例えば、設定キーを左方向に回転する処理、不図示の設定変更確定ボタンをONにする処理等)を実行したり、レバーON処理を省略したりしてもよい。本実施形態では、目的の設定に達したら、設定キーを反時計回りに回転させて元の位置に戻す。この操作により、設定キーが元の位置に戻されたことを示す信号(OFF)が設定キースイッチ302により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が確定する。
(8)そして、設定の変更が確定すると、設定キー用鍵穴306から設定キーを抜き取ることができる状態となる。また、設定の変更が確定したことに伴い、専用の7セグメントLED、遊技状態表示装置38、性能表示モニタ140に設定値を表示している場合には、その表示が消える。
(9)最後に、パチンコ機1の扉を閉める。これにより、設定の変更が完了する。設定の変更が完了すると、通常の遊技が開始される。
設定が変更された場合、主制御CPU72は、変更後の設定値をRAM76の設定値バッファに記憶する。設定値バッファは、バックアップの対象となるメモリ領域とすることができる。
なお、ここではRAMクリアスイッチ304を押下して設定をいずれかの段階に変更する構成としているが、RAMクリアスイッチ304を設定の変更に兼用せずに、専用の設定変更スイッチを別途設ける構成としてもよい。この場合、上記の手順(6)において、別途設けた設定変更スイッチを任意の回数だけ押下することとなる。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31にそれぞれ対応して中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84及び第2カウントスイッチ85が装備されている。各始動入賞口スイッチ80、82は始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)への遊技球の入賞を検出するためのものである。また、カウントスイッチ84は第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。
他にも、特定領域31xに対応して特定領域スイッチ83が装備されている。第2大入賞口31bの内部の特定領域31xに対応する位置には、特定領域スイッチ83が備えられており、特定領域スイッチ83は、遊技球が特定領域31xを通過したことを検出する。
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22,25への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、ここでは全ての普通入賞口22,25について共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば、盤面の左右で別々の入賞口スイッチ86を設置し、左側の入賞口スイッチ86では盤面の左側に位置する普通入賞口22,25に対する遊技球の入賞を検出し、右側の入賞口スイッチ86では盤面の右側に位置する普通入賞口25に対する遊技球の入賞を検出することとしてもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類80、82、83、84、85、86の入賞検出信号や通過検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、特定領域スイッチ83、カウントスイッチ84、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号や通過検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、主制御装置70には、パネル中継端子板87を介して、性能表示モニタ140が接続されている。性能表示モニタ140は、遊技球が各入賞口(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)に入球することによって払い出される賞球数を、遊技領域に発射した遊技球の数を示すアウト数(アウトスイッチ141で検出された遊技球の数)で除算して算出されるベースを表示するためのモニタである。ベースは、遊技を進行させる制御に用いられる使用領域とは別の領域(使用外領域)を用いて予め設定された区間ごとに算出され、現在の区間のベースと、前回の区間のベースとが、予め設定された間隔ごとに切り替わって表示される。性能表示モニタ140は、主制御CPU72からの制御信号に基づいてその表示動作が制御される。主制御CPU72は、ベースの算出状況に応じて性能表示モニタ140に対する制御信号を出力し、各7セグメントの点灯状態を制御する。
なお、性能表示モニタ140は、パネル中継端子板87を介して主制御装置70に接続する例で説明しているが、パネル中継端子板87を介さずに主制御装置70に接続してもよく、主制御装置70の内部の構成として性能表示モニタ140を配置してもよい。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び特定領域31xにそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び特定領域ソレノイド99が設けられている。これらソレノイド88,90,97,99は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び特定領域31xを開閉させる。なお、これらソレノイド88,90,97,99についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に上記の一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、上記の内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている(特別特典付与手段)。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のカードユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに送信される。また、カードユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、カードユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてRAM(RWM)130やeDRAM131等の半導体メモリが内蔵されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
その他にも演出制御装置124には、VDP152やドライバIC132、音声IC134等の演出を実現する上で必要となる様々な機能部品が搭載されている。このうちVDP152は、液晶表示器42の画面上で再生される演出画面を描画するためのプロセッサである。ドライバIC132は、ランプ46~52や盤面ランプ53、可動体モータ57等のデバイスを制御するICを搭載している。また、音声IC134は、スピーカ54,55,56からの出力を制御する。なお、演出制御装置124の内部の構成については、別の図を用いて詳しく後述する。
演出制御装置124と上記の主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にサブ接続基板136が設置されており、ドライバIC132や音声IC134からの駆動信号はサブ接続基板136を経由して各種ランプ46~52やスピーカ54,55,56に印加されている。また、サブ接続基板136には、上記の演出切替ボタン45やジョグダイアル45aの他に図示しない音量調整スイッチが接続されており、遊技者がこれらの操作部材を操作すると、それらの接点信号がサブ接続基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではサブ接続基板136に各操作部材を接続した例を挙げているが、上記の受皿電飾基板を設置する場合、各操作部材は受皿電飾基板に接続されていてもよい。
その他、遊技盤ユニット8にはドライバ基板138が設置されており、このドライバ基板138には、盤面ランプ53、可動体モータ57及び可動体センサ58が接続されている。可動体モータ57は、例えば図示しないリンク機構を介して上記の可動体40fを駆動する。可動体センサ58は、例えば可動体40fの原点位置(初期位置)等に設けられたフォトセンサであり、可動体40fを検出すると検出信号を出力する。ドライバIC132からの駆動信号は、ドライバ基板138を経由して盤面ランプ53及び可動体モータ57にそれぞれ印加される。なお、可動体モータ57は、ソレノイドであってもよい。
〔ドラムユニット〕
また、ドライバ基板138には、ドラムユニット200が接続されている。
ドラムユニット200は、同軸に配置された左リール201、中リール202、及び、右リール203を備えている。
左リール201、中リール202、及び、右リール203は、それぞれ円環状に形成されており、その周囲には複数の擬似演出図柄が間隔をおいて一列に付されたリール帯が巻かれている。左リール201、中リール202、及び、右リール203は、その中心に回転軸があり、回転軸を中心に回転又は逆回転させることができる。
また、ドラムユニット200には、各リールに対応する不図示のステッピングモータ(以下、単にモータと記載することもある。)と、各リールに対応する不図示の位置検出機構とが設けられている。位置検出機構は、ステッピングモータの内部に配置されていてもよく、ステッピングモータの外部に配置されていてもよい。位置検出機構は、例えば、遮光板とフォトセンサ等により構成することができる。
ステッピングモータは、ドラムユニット200を制御する不図示のドラムユニット制御装置(ドライバ、IC)によって駆動される。ドラムユニット制御装置は、演出制御装置124から送信される可動体データに応じて各リールを駆動する。また、ドラムユニット制御装置は、位置検出機構により検出された各リールの位置(例えば、原点位置)の検出に応じて、検出信号をドライバ基板138を介して演出制御装置124に送信する。
そして、演出制御装置124は、ドラムユニット制御装置から送信されてくる検出信号に基づいて、各リールに対応するステッピングモータに対して送信する可動体データを生成し、各リールの動作を制御する。
ステッピングモータは、1相励磁と2相励磁とを交互に繰り返して各リール(可動体)を駆動(1-2相励磁駆動)するモータであり、ステッピングモータには、4つのコイル(コイル1~コイル4)が含まれている。
上記の液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上記のように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
〔演出制御装置の内部構成〕
図94は、演出制御装置124の内部の機能構成を示すブロック図である。
上述したように、演出制御装置124は遊技の進行に伴い演出を制御する演出制御プロセッサとしての役割を有している。そのため演出制御装置124には、演出制御CPU126に加え、演出制御装置124が演出制御プロセッサとして機能する上で必要となる制御ROM180及びウォッチドッグタイマIC(WDTIC)188が装備されている。制御ROM180には、演出の制御に関する基本的なプログラムやテーブル等が格納されている。演出制御CPU126は、図示しないCPUバスを介して制御ROM180にアクセスし、制御ROM180に格納されたプログラムを実行することにより演出を制御する。ウォッチドッグタイマIC188は、演出制御装置124で実行される制御が正常になされているか(想定時間内に処理が完了しているか)を監視するタイマであり、演出制御CPU126のリセット端子に接続されている。ウォッチドッグタイマIC188の監視タイマをクリアするための信号(クリアパルス)が所定時間内に入力されなかった場合、ウォッチドッグタイマIC188は演出制御CPU126に対しリセット起動させるための信号(リセットパルス)を出力する。これにより、演出制御装置124が強制的にリセット起動されることとなる。
演出制御装置124にはこれらの他にも、演出に関わる機能として、バックアップデータ用の記憶領域であるSRAM182、所定周波数のクロック信号を生成する水晶発振器181、時刻管理を行うリアルタイムクロック(RTC)184、SRAM182及びリアルタイムクロック184に対しバックアップ電源を供給するリチウム電池186、図示しない入出力ドライバやカウンタ/タイマ回路等の周辺IC等が装備されている。リチウム電池186は、電源制御ユニット162から演出制御装置124に対し駆動電力が供給されている間に、この電力を蓄えて自身を充電する。SRAM182及びリアルタイムクロック184は、リチウム電池186に接続されており、電源制御ユニット162からの演出制御装置124への駆動電力の供給が断たれた場合にはリチウム電池186により駆動可能となる。したがって、SRAM182及びリアルタイムクロック184は、電源制御ユニット162からの電力供給が断たれた場合でも、リチウム電池186の充電が切れるまでの期間(例えば、約1か月半)は動作を継続するため、SRAM182は、電源断の状況下においても暫くは格納されている情報を保持することができる。
なお、演出制御プログラムは、容易に消去されるべきでないセキュリティや監視、不具合等に関する情報をSRAM182に保存するよう構成されている。これにより、例えば、演出制御装置124で何らかの不具合が発生した場合に、パチンコ機1を回収(又は設置状態で点検)し、SRAM182に保持されている情報を解析することにより不具合の要因調査を進めることが可能となる。
ところで、演出制御CPU126が制御ROM180に格納されたプログラムに沿って実行する演出の制御により、最終的には、液晶表示器42、各種ランプ46~53やスピーカ54,55,56等のデバイスの動作が制御される。この演出制御の流れは、大きくみると「全体制御(再生指示)」と「個別制御(再生制御)」の2つの段階に分けられる。演出制御CPU126は、先ず主制御装置70から送信される演出コマンドを受信し、演出コマンドの内容に応じた演出の再生を各デバイスに対して間接的に指示する(全体制御)。次に、演出制御CPU126は指示内容を各デバイスに適したより具体的な表現に変換した指示データを生成し、演出制御CPU126と各デバイスとの間を中継する各制御デバイス134,152,198,199に送信する(個別制御)。その結果として、各制御デバイス134,152,198,199により指示データに基づく各デバイスの制御がなされ、パチンコ機1における各デバイスを用いた演出再生(画面表示、音声出力、ランプ発光、可動体動作等)が実現される。
このように、演出制御CPU126は、演出制御の段階に応じて異なる機能を有しており、これらの機能は演出制御CPU126のリソースを使い分けた複数のタスクとして実現されている。図94においては、演出制御CPU126により実行される個々の機能に対応するタスクが、演出制御部210、表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224、可動体制御部226、入力制御部228、時間管理部(ACT)230等として示されている。以下の説明では、個々のタスクを演出制御処理の動作主体として扱うものとする。
先ず、全体制御の段階では、演出制御CPU126内の演出制御部210が動作主体となり、演出の時間進行を管理する時間管理部(ACT)230を用いて演出全体の流れを制御する。また、個別制御の段階では、制御対象とされるデバイスに応じて演出制御CPU126内の表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224、可動体制御部226又は入力制御部228が動作主体となる。なお、演出制御部210が各制御デバイス134,152,198,199等を直接的に制御する構成としてもよい。
演出制御装置124は、全体制御の段階では演出制御プロセッサとして機能するのに対し、個別制御の段階では演出再生プロセッサとして機能する。そのため、演出制御装置124にはさらに、CGROM(画像・音声ROM)190とともに、演出の再生に用いられる各種のデバイスを制御するためのVDP152(演出表示制御基板)、音声IC134、LEDドライバ198、SMC(シリアル制御コントローラ)199及びドライバIC132が装備されている。
CGROM190は、演出画面を構成する描画素材(動画像データ)や演出の進行とともに出力される音声素材(音声データ)を所定の圧縮アルゴリズムにより圧縮された状態で格納している。CGROM190は、図示しないCGバスを介してVDP152や音声IC134に接続されている。
VDP152は、演出画像の描画専用のプロセッサであり、演出制御CPU126とともにワンチップに統合されている。また、VDP152はVRAM156及び描画素材デコーダ157を内蔵している。このうちVRAM156は、主に描画素材を展開する際に用いられ、描画素材デコーダ157は、圧縮された状態の描画素材を解凍(復号)する際に用いられる。VDP152は、先ず表示制御部220から送信された指示内容を解析し、CGバスを介してCGROM190から必要な描画素材を読み出してVRAM156に転送する。そして、読み出した描画素材を描画素材デコーダ157で復号してVRAM156上で演出画像の描画を行い、演出画像を1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開する。ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動することにより、演出画面の再生が実現される。
音声IC134は、演出の実行中に再生される効果音やBGM等の音声を生成するサウンドジェネレータであり、VDP152と同様に演出制御CPU126とワンチップに統合されている。音声IC134は、図示しないアンプや外部DRAM、CGバスに接続されている。また、音声IC134には、圧縮された状態の音声素材を解凍(復号)する音声素材デコーダ135が内蔵されている。音声IC134は、先ず音声制御部222から送信された指示内容を解析し、CGバスを介してCGROM190から必要な音声素材を読み出す。そして、読み出した音声素材を外部DRAM上で音声素材デコーダ135を用いて復号する。アンプを経由して各種スピーカに復号した音声を出力することにより、ステレオ2ch又はモノラル2chの音声再生(より大きなチャンネル数としてもよい)を実現する。また、音声IC134は、音量調整スイッチが操作された場合に入力される接点信号に基づいて、各種スピーカの出力音量を調整する。
LEDドライバ198は、パチンコ機1の前面側に設けられた各種ランプの演出の実行にともなう点灯パターン及び輝度パターンを制御する。LEDドライバ198においては、アドレス指定同期シリアル方式が採用されている。LEDドライバ198は、先ずランプ制御部224から送信された指示内容に基づいて点灯パターン及び輝度パターンの制御を行い、これに応じた駆動データをドライバIC132に転送する。
SMC199は、演出ユニット40の内部に設けられた演出用の各種可動体の駆動源となるモータの駆動パターンを制御するとともに、可動体用のセンサにより出力された検出信号を中継して可動体制御部226に受け渡す。SMC199もまた、演出制御CPU126とワンチップに統合されている。SMC199においては、クロック同期式シリアル方式が採用されている。可動体の駆動に際し、SMC199は、先ず可動体制御部226から送信された指示内容に基づいて可動体用のモータの駆動パターンを生成し、これをドライバIC132に転送する。なお、ここではSMC199をモータの駆動パターン生成にのみ用いているが、SMC199はモータだけでなくランプの点灯パターンや輝度パターンを生成することもできるため、上述したLEDドライバ198に代えてSMC199を適用し、SMC199がランプ及びモータの両方のデータパターンを生成する構成とすることも可能である。
ドライバIC132は、LEDドライバ198やSMC199から転送された駆動データに基づいてランプやモータに対し印加する駆動電圧の制御を行う。ドライバIC132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、各種ランプや可動体モータに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その動作を管理することにより、ランプや可動体を用いた演出再生を実現する。なお、各種ランプには、ガラス枠トップランプ46やガラス枠装飾ランプ48,50,52の他に、操作ユニット60の各部位に内蔵された光源や遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は、演出ユニット40に内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等に内蔵されるLEDに相当するものである。
この他にドライバIC132は、演出切替ボタン45やジョグダイアル45a等の操作部材が遊技者により操作された場合に入力される接点信号を、入力制御部228を経由して演出制御部210に転送する。演出制御部210は、転送される接点信号の内容に基づいて、再生する演出内容を適宜変化させる。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、リセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図95及び図96は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1~2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また、主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また、主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタコマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また、主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図96に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして、主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)、及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図100中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が一巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図100中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、上記のように、本実施形態において大当り決定乱数及び当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図100)を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込管理処理の内容については後述する。
図97は、リセットスタート処理の第2手順例を示すフローチャートである。なお、リセットスタート処理の第1手順例と同様の処理については、重複する説明を省略する。また、図96の処理は、第1手順例と第2手順例とで同様である。
リセットスタート処理の第2手順例では、リセットスタート処理の第1手順例と比較して、準備中処理(ステップS112a)が追加されている点が異なっている。
具体的には、ステップS106で肯定(Yes)と判断された場合、ステップS107で否定(No)と判断された場合、又は、ステップS108で否定(No)と判断された場合は、準備中処理(ステップS112a)が実行される。
なお、準備中処理(ステップS112a)の実行タイミングは、このようなタイミングに限定されるものではなく、リセットスタート処理の中の任意のタイミングで実行することができる。つまり、RAMクリアスイッチを押下した状態で電源投入した場合に、「準備中」→「遊技可能状態(メインループに移行した状態)」と移行するように制御されていればよい。
ステップS112a:準備中処理では、主制御CPU72は、RAMクリア時に必要となる各種動作を制御する。なお、処理の詳細は、後述する。
そして、準備中処理(ステップS112a)が終了すると、主制御CPU72は、RAMクリア処理(ステップS113)を実行する。なお、これ以降の処理は、第1手順例の処理と同様である。
図98は、準備中処理の手順例を示すフローチャートである。
ステップS125:主制御CPU72は、準備中動作制御処理を実行する。準備中動作制御処理の詳細は、後述する。
ステップS126:主制御CPU72は、RAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。
その結果、RAMクリアスイッチが操作されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、リセットスタート処理(図97)に復帰する。一方、RAMクリアスイッチが操作されていることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS125の処理を実行する。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、RAMクリアスイッチが押下されるまで、ステップS126準備中動作制御処理を継続して実行することができる。
〔準備中動作制御処理〕
準備中動作制御処理の動作内容の詳細は、以下の通りである。
主制御CPU72は、準備中動作制御処理において、以下に示す状態及び動作内容のうち、少なくとも1つの状態及び動作を採用した内容の処理を実行することができる。
(1)準備中は、RAMクリアスイッチを押下した状態で電源投入した際に移行する状態である。準備中には、再度RAMクリアスイッチが押下されるまで滞在する。「準備中」の状態で、RAMクリアスイッチが押下されると、「遊技可能状態」へ移行する。
(2)準備中では、主制御装置70(主制御CPU72)で管理する可動体(主制御装置70に接続されている可動体)を可動制御し、可動体が正常に動作するか否かの可動確認を行うことができる。
具体的には、特別電動役物(アタッカ)、特別電動役物の内部の可動体(確変領域や特定領域を開放する可動体や、2種系の場合は常時回転の回転体、規定の契機により可動する可動体、及び、これらに付随する機構やソレノイド、モータ等)、普通電動役物(電動チューリップ)を一定の動作で可動制御する。
可動制御は、例えば、「0.4秒ON→0.4秒OFF」を複数回繰り返す可動パターンにより、ソレノイドやモータを動作させることにより実行する。
可動制御は、準備中において最初から最後まで継続して実行してもよく、所定回数や所定時間を上限として実行してもよい。
(3)準備中は、外部から準備中であることが明確に分かるようにすることができる。この場合、例えば、液晶表示器の表示画面に、「準備中です」「遊技できません」「RAMクリアスイッチを押下すると終了します」「演出ボタン押下で演出設定変更」等といった情報を表示することができる。この場合、合わせて、「準備中です」等の音声出力を繰り返し実行してもよい。
(4)準備中は、演出ボタンの操作により、演出に関する設定を変更することができるようにしてもよい。例えば、演出切替ボタン(演出ボタン)を押下すると液晶表示器の表示画面が切り替わり、日時の設定、音量設定(1~5段階)、演出頻度設定(1~3段階)、演出種類設定等が選択できるようにすることができる。
(5)準備中は、遊技球の発射制御ができないようにしてもよい。これは、主制御装置70から払出制御装置92へ「発射許可信号」を送信していることを条件に、発射制御基板108では、遊技球の発射をすることができるからである。主制御装置70は、「割込管理処理(タイマ割込み処理)」内で「発射許可信号」を送信する処理を行うことができるが、準備中は「割込管理処理(タイマ割込み処理)」がまだ実行されていない期間であるため発射ができない状態となる。
(6)準備中処理のプログラム(各種可動体を動作させるプログラム)は、使用領域内に実装(配置)することができる。使用領域とは、遊技の進行を制御するために使用可能な容量が遊技機規則で定められている領域であり、領域外の領域とは、使用可能な容量の計算に含めない領域である。
(7)準備中の期間は、準備中であることを示す外部情報を、外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に対して出力するようにしてもよい。
(8)準備中は、メインループに移行する前(割込管理処理(タイマ割込み処理)が実行される前)の段階である。このため、準備中においては、統合表示基板89の表示(メインセグ)は消灯状態とすることができる。また、準備中においては、遊技可能状態中に判定可能なエラー(例えば、磁気エラー、電波エラー、振動エラー、大入賞口不正入賞エラー等)を判定しないようにすることができる。さらに、準備中は、賞球の払出、特別図柄の変動、普通図柄の変動を実行しないようにすることができる。
(9)RAMクリアスイッチを押下した状態で電源投入した場合は、「準備中」を示すコマンドを主制御装置から演出制御装置に送信することができる。また、再度RAMクリアスイッチが押下され、準備中が終了する場合には、「準備中終了」を示すコマンドを主制御装置から演出制御装置に送信することができる。なお、この場合、メインループに移行する前に、主制御装置から演出制御装置にコマンドを送信するようにしてもよい。
準備中の段階では、RAMクリア処理は実行されておらず、準備中にRAMクリアスイッチが押下されたことを条件に、RAMクリア処理を実行することができる。ただし、RAMクリア処理の実行後に準備中に移行させ、その後、メインループに移行するようにしてもよい。
このような構成を採用する経緯として、以下のような課題がある。
従来の遊技機は、特別電動役物、普通電動役物の動作確認が、任意のタイミングで(特に、RAMクリアをする際の電源投入時に)行えないため、不具合が通常の遊技中に急に発覚するおそれがある。
そして、上記のような構成を採用することにより、以下のような効果を発揮することができる。
(1)電源投入時に、各種電動役物が動作可能か否かを確認することができるため、遊技中に各種電動役物が動作しないという不具合を防ぎ、正常に遊技を行うことができる。
(2)正常に遊技を行うことができるので、遊技が途切れる事態を防ぐことができ、遊技に対する興趣の低下を防ぐことができる。
(3)事前に(遊技前に)不具合を解決できるため、遊技中の不具合の確認処理を無くすことができ、制御上の処理負荷の軽減にも貢献することができる。
(4)準備中(動作確認中)に演出設定も実行することができるため、効率的な遊技を提供することができる。
上記の構成から以下の技術的な内容を抽出することができる。
(1)所定の操作部材(RAMクリアスイッチ)と、可動体(電動役物、駆動源、ソレノイド、モータ等)と、前記所定の操作部材が操作されている状態で電源が投入された場合、可動体が正常に動作するか否かを確認するために、可動体を一定の動作パターンで動作させる可動体動作手段とを備える遊技機である。
(2)上記(1)の構成において、可動体動作手段は、再び、所定の操作部材が操作されるまで、可動体を一定の動作パターンで動作させ続けることが好ましい。
〔電源断発生チェック処理〕
図99は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また、主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして、主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(図95)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図100は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB~Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A~L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、入賞口スイッチ86、特定領域スイッチ83からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、特定領域スイッチ83からの通過検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機、第1抽選契機、第2抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また、普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(普通図柄抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,82,84,85,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
〔賞球数及び獲得遊技球数について〕
第1特別図柄の始動口の賞球数及び第2特別図柄の始動口の賞球数は、それぞれ1個以上の規定数に設定されている。また、第1特別図柄の始動口と第2特別図柄の始動口とでは、賞球数を異ならせてもよい。さらに、特別図柄の当選確率や、総獲得遊技球数の期待値(初当りから時間短縮状態が終了するまでの一連の期間に得られる平均出球数)に基づいて、最低賞球数を設定してもよい。さらにまた、特別図柄の当選確率、総獲得遊技球数の期待値、大入賞口の開放回数、大入賞口の開放時間、大入賞口の最大入賞数、大入賞口の賞球数が所定の条件を満たした場合、1回の大当りによる獲得遊技球数が最大の獲得遊技球数の1/4未満となる大当りを設定してもよい。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータ(外部機器)に対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」~「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」~「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」~「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS209:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS205)や普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお、駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また、主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び特定領域ソレノイド99の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS213:そして、主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお、本実施形態では、ステップS205~ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして、主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A~L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。なお、割込管理処理では、主制御CPU72は、各種エラーを検出する図示しないセンサやスイッチ等に基づいて、各種エラー(磁気エラー、電波エラー、振動エラー、大入賞口不正入賞エラー等)を判定することができる。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図101は、スイッチ入力イベント処理(図100中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する中始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の第1大入賞口30bに対応する第1カウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS19に進んで第1大入賞口カウント処理を実行する。第1大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの第1可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS20に進む。
ステップS20:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の第2大入賞口31bに対応する第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS21に進んで第2大入賞口カウント処理を実行する。第2大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中(小当り遊技中)に第2可変入賞装置31への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72はステップS24を実行する。一方、通過検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS26に進む。
ステップS24:主制御CPU72は、普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また、主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして、主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。次に、主制御CPU72は、ステップS26を実行する。
ステップS26:主制御CPU72は、第2大入賞口31b内の特定領域31xに対応する特定領域スイッチ83から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS28に進んで特定領域予備フラグをONにする処理を実行する。一方、通過検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図100)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図102は、第1特別図柄記憶更新処理(図101中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。ここで、RAM76の乱数記憶領域は、第1特別図柄及び第2特別図柄で共通で使用する5つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。ただし、第1特別図柄に関しては、4つのセクションしか使用できず、第2特別図柄に関しては、1つのセクションしか使用できない。したがって、セクションに空きがあっても、第1特別図柄に関してすでに4つのセクションを使用している場合、それ以上第1特別図柄の各乱数が記憶されることはない。これと同様に、セクションに空きがあっても、第2特別図柄に関してすでに1つのセクションを使用している場合、それ以上第2特別図柄の各乱数が記憶されることはない。セクションが5つである理由は、第1特別図柄の最大記憶数(4個)と、第2特別図柄の最大記憶数(1個)とを合計した数のセクションが必要だからである。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図101)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図100中のステップS210)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第1抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、抽選要素取得手段)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして、主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(第1抽選要素記憶手段、抽選要素記憶手段)。複数のセクションには順番(例えば第1~第5)が設定されており、現段階で第1~第5の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2~第5セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の特別遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37,S38を実行する。大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37,S38をスキップしてステップS38aに進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS37:大当り中以外の場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する(先読み処理実行手段)。この処理は、先のステップS32~S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数、大当り図柄乱数及び変動パターン決定乱数に基づいて、特別図柄抽選の結果や変動時間を事前(変動開始前)に判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。この処理において、第1特別図柄の事前判定の結果を特図先判定演出コマンド(先読み情報)の下位バイト分にセットする。
ステップS38:取得時演出判定処理を実行すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする(先読み処理実行手段)。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分(当否に関する情報や変動時間に関する情報)は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされるので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS38a:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」~「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」~「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」~「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」~「04H」となったことを表している。なお、上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS39:そして、主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理では、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンドが演出制御装置124に対して送信される(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えるか、もしくは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図101)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
次に図103は、第2特別図柄記憶更新処理(図101中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば1とする)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図101)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図102)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図100中のステップS210)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第2抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図102)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図102)と同様である。
ステップS44:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、抽選要素取得手段)。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図102)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄及び第2特別図柄で共通で使用する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(第2抽選要素記憶手段、抽選要素記憶手段)。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図102)と同様である。
ステップS45a:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。そして、大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS46,S47を実行する。逆に大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS46,S47をスキップしてステップS48に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、同じく大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS46:大当り中以外である場合(ステップS45a:No)、次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する(先読み処理実行手段)。この処理は、先のステップS42~S44でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである。この処理において、第2特別図柄の事前判定の結果を特図先判定演出コマンドの下位バイト分にセットする。
ステップS47:取得時演出判定処理を実行すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする(先読み処理実行手段)。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS46)においてセットされるので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS48:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」~「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお、先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS49:そして、主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して特図先判定演出コマンドや作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置124に対して送信される(記憶数通知手段)。また、以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図101)に復帰する。
〔取得時演出判定処理〕
図104は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理及び第2特別図柄記憶更新処理(図102中のステップS37,図103中のステップS46)においてこの取得時演出判定処理を実行する(事前判定手段、先読み処理実行手段)。上述したように、この処理は第1特別図柄(中始動入賞口26への入球時)、第2特別図柄(可変始動入賞装置28への入球時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンド(先判定情報)の下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(図102中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図103中のステップS45)でRAM76に記憶されているものである。
ステップS54:そして、主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段、事前判定手段)。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお、比較値(下限値)は、パチンコ機1における特別図柄抽選の大当り確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS80に進む。
ステップS80:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段、先読み処理実行手段)。この処理では、主制御CPU72は、はずれ時の変動時間について変動パターン先判定コマンド(先読み情報)を生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、特に「時間短縮機能」の作動時における変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。例えば、現在の状態が「時間短縮機能」の作動時であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものである場合、主制御CPU72は「時短中非短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。なお、リーチ変動の場合はさらに、リーチモード乱数から「リーチグループ(リーチの種類)」をも判断し、その結果から変動パターン先判定コマンドを生成することとしてもよい。一方、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「時短中短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。あるいは、現在の状態が「時間短縮機能」の非作動時(低確率状態)であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものである場合、主制御CPU72は「通常はずれリーチ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。一方、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「通常はずれ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。なお、この処理において、主制御CPU72は、小当り時の変動パターンについて、上述したはずれ時の処理と同様に変動パターン先判定コマンドを生成してもよい。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は取得時演出判定処理を終了し、呼び出し元の第1特別図柄記憶更新処理(図102)又は第2特別図柄記憶更新処理(図103)に復帰する。一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
ステップS74:主制御CPU72は、大当り図柄種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(図102中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図103中のステップS45)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、ステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果からいずれの当選図柄に該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS78に進む。
ステップS78:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットする。特別図柄先判定値は、例えば「時間短縮状態に移行しない図柄」に該当する場合は「00H」がセットされ、「時間短縮状態に移行する図柄」に該当する場合は「01H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
ステップS79:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段、先読み処理実行手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り時の変動時間について、上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、例えば大当り時のリーチ変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(図102)又は第2特別図柄記憶更新処理(図103)に復帰する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理(図100)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図105は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000~ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番~7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において大当り又は小当りの態様(非当選以外の態様)で特別図柄が停止表示された場合に選択される。なお、特別図柄の停止表示される態様に応じて、大当り遊技又は小当り遊技が開始される。
〔大当り遊技〕
例えば、特別図柄が10ラウンド大当りの態様で停止表示されると、大当り遊技(遊技者にとって有利な特別遊技)が実行される。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、第1大入賞口ソレノイド90が一定時間(例えば29秒間又は10個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば10回)にわたって励磁され、これにより第1可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に第1可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に第1可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で10回あれば、これらを「10ラウンド」と総称することがある。本実施形態では、10ラウンド大当りについては、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられている。なお、大当りの種類として10ラウンド大当りだけでなく、その他のラウンド数の大当りを設けてもよい。
また、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の第1可変入賞装置30の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また、主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図100中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(時間短縮状態)を変化させる(時間短縮状態移行手段)。「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、普通図柄の作動抽選の抽選確率が通常確率(低確率)から高確率に設定され、また、普通図柄の変動時間が短縮されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長されて開放回数が増加する(いわゆる電チューサポートが行われる)。なお、いわゆる2種遊技機の要素を含む遊技機(例えば、1種2種混合機や2種遊技機、すなわち、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過することによって大当り遊技が実行される遊技機)においては、普通図柄の作動抽選の当選確率を高確率状態に移行させないようにしてもよい。この場合、普通図柄の作動抽選の当選確率は、時間短縮機能の作動の有無に関わらずに一定の確率(例えば略1分の1)とし、可変始動入賞装置28の開放パターンで入賞の容易さと困難さを調整することができる。
〔小当り〕
また、本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当りの遊技が行われて第2可変入賞装置31が開閉動作する(特例遊技実行手段)。例えば、特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、小当り遊技(遊技者にとって有利な特殊遊技)が実行される。小当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、第2大入賞口ソレノイド97が一定時間(例えば1.8秒間又は10個の入賞をカウントするまで)、予め設定された作動回数(例えば1回又は複数回)にわたって励磁され、これにより第2可変入賞装置31が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の作動)。この間に第2可変入賞装置31に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、ある程度の賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。
また、小当り遊技中の可変入賞装置管理処理においては、特定領域ソレノイド99が一定時間(例えば1.6秒間)、予め設定された作動回数(例えば1回)にわたって励磁され、これにより特定領域用スライド部材31cが決まったパターンで開閉動作する。この間に特定領域31xに遊技球を通過させることで、遊技者には、大当り遊技を開始する機会が与えられる。すなわち、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過するか否かで、可変入賞装置管理処理において大当り遊技を開始するか否かが決定される。本実施形態では、小当りについては、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられており、遊技球が特定領域31xを通過すると、当選種類に応じた大当り遊技が開始される。
また、特定領域31xを遊技球が通過せずに小当りの遊技が終了しても、「時間短縮機能」が作動することもないので、「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。なお、「時間短縮状態」で小当りに当選した場合には、その小当り遊技終了後に「時間短縮状態」が終了するようにしてもよい。
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、複数の当選種類として「10ラウンド大当り1~6」が設けられている。「10ラウンド大当り1~4」は、特別図柄が大当りの態様で停止表示した際に開始され、「10ラウンド大当り5,6」は、特別図柄が小当りの態様で停止表示し、かつ、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過した際に開始される。なお、「10ラウンド大当り5,6」によって大当りが実行される場合(小当り経由で大当りが実行される場合)、1ラウンド目では第2可変入賞装置31が作動し、残りのラウンドでは第1可変入賞装置30が作動する。
上記の当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「10ラウンド大当り1」は「第1当選図柄」の大当りに対応し、「10ラウンド大当り2」は「第2当選図柄」の大当りに対応する。また、「10ラウンド大当り3」は「第3当選図柄」の大当りに対応し、「10ラウンド大当り4」は「第4当選図柄」の大当りに対応する。さらに、「10ラウンド大当り5」は「第5当選図柄」の小当り(特定領域31x通過時の大当り)に対応し、「10ラウンド大当り6」は「第6当選図柄」の小当り(特定領域31x通過時の大当り)に対応する。このため以下では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔第1当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が「第1当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第1当選図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。また、第1大入賞口30bは、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される(以下、同様)。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=1回又は10回)。
〔第2当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が「第2当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第2当選図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」は作動しない。
〔第3当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第3当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第3当選図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=1回又は10回)。
〔第4当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第4当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第4当選図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」は作動しない。
〔第5当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第5当選図柄」の態様で停止表示されると、小当り遊技が実行され、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過すると、小当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。この場合、2ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第5当選図柄」に該当した場合の大当り遊技は、9ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=1回又は10回)。
〔第6当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第6当選図柄」の態様で停止表示されると、小当り遊技が実行され、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過すると、小当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。この場合、2ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第6当選図柄」に該当した場合の大当り遊技は、9ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」は作動しない。
このように、本実施形態では、「第1当選図柄」、「第3当選図柄」又は「第5当選図柄」に該当した場合、大当り遊技終了後に「時間短縮状態」に移行する可能性がある。
なお、このように内部抽選で小当りに当選し、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に当選図柄の種類に応じて時間短縮状態に移行する遊技機は、いわゆる1種2種混合タイプの遊技機と呼ばれている。
〔特別図柄変動前処理〕
図106は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図100中のステップS212)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお、復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)を取得した順に読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。本実施形態では、RAM76の乱数記憶領域に記憶された(取得された)順に乱数が読み出される(入賞順消化)。なお、このような特別図柄別の入賞順消化の制御ではなく、第2特別図柄の消化を優先する優先消化の制御であってもよい。また、この処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち、乱数のシフトを行った方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図100中のステップS210)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図107は、上記の特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動前処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」より大であった場合(図106中のステップS2100:Yes)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:主制御CPU72は、乱数記憶領域を参照して、最も古い記憶が第2特別図柄に対応するものであるか否かを確認する。この確認は、RAM76の乱数記憶領域の第1セクションに、第2特別図柄に対応する乱数が記憶されているか否かを確認することにより実現することができる。このとき、最も古い記憶が第2特別図柄に対応するものであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2212を実行する。
ステップS2212:主制御CPU72は、対象特別図柄として第2特別図柄を指定する。この指定は、例えば対象図柄指定値として「02H」をセットすることで行われる。
ステップS2214:一方、最も古い記憶が第2特別図柄に対応するものであることを確認できない場合(ステップS2210:No)、すなわち、最も古い記憶が第1特別図柄に対応するものである場合、主制御CPU72は対象特別図柄として第1特別図柄を指定する。この場合の指定は、例えば対象図柄指定値として「01H」をセットすることで行われる。
ステップS2216:主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
ステップS2218:次いで主制御CPU72は、対象特別図柄について作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、今回の対象特別図柄が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(-1)する。
ステップS2220:そして、主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から「変動開始時作動記憶数」を設定する。なお、ここでは第1特別図柄と第2特別図柄の両方について、作動記憶カウンタの値を加算した上で「変動開始時作動記憶数」を設定してもよい。
ステップS2222:また、主制御CPU72は、対象特別図柄が第2特別図柄であるか否かを確認する。
ステップS2224:対象特別図柄が第2特別図柄であった場合(ステップS2222:Yes)、主制御CPU72は第2特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」~「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。つまり、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」~「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」~「1」(コマンド表記は「13H」~「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」~「0」(コマンド表記は「12H」~「10H」)となったことを表している。なお、上記の先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS2226:なお、今回の対象特別図柄が第1特別図柄であった場合(ステップS2222:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。この場合のコマンドは、先行値が第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BBH」)となる以外は上記と同じである。
ステップS2228:そして、主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2224又はステップS2226でセットした作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図106)に復帰する。
〔図106:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(第1抽選実行手段、第2抽選実行手段、抽選実行手段)。このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(第1抽選実行手段、第2抽選実行手段、抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。「小当り」は、第2可変入賞装置31のみを作動させる条件を満たすものとして位置付けられている(条件装置を作動させる条件は満たさない)。さらに、「小当り」中に遊技球が特定領域31xを通過すると、「大当り」に発展させるものとして位置付けられている(条件装置を作動させる条件を満たす)。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
本実施形態では、第1特別図柄抽選においては、大当りの当選確率が319分の1に設定され、小当りには当選しない設定になっている。なお、第1特別図柄抽選において、小当りに当選するようにしてもよい。また、第2特別図柄抽選においては、大当りに当選する確率は319分の1に設定され、小当りに当選する確率は319分の318(=略1/1)に設定され、はずれには該当しないようになっている。なお、第2特別図柄抽選において、はずれに該当するようにしてもよい。したがって、第2特別図柄抽選においては、大当りよりも小当りに当選しやすくなっている。これらの大当りの当選確率や小当りの当選確率を満たすべく、大当り値の範囲や小当り値の範囲が主制御CPU72により設定され、読み出した乱数値と比較される。
また、主制御CPU72は、非時間短縮状態(所定の遊技状態)において、第1特別図柄の抽選契機(第1抽選契機)よりも発生しにくい第2特別図柄の抽選契機(第2抽選契機)が発生すると、第2特別図柄抽選(第2抽選)を実行する(第2抽選実行手段)。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図100中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「-」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、図示しない変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、はずれ時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン選択手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。変動パターンには、通常変動(非リーチ変動)、リーチ変動、スーパーリーチ変動等といった様々な変動パターンが含まれている(大当り時や小当り時も同様)。なお、選択された特別図柄の変動パターンに関する情報は、特殊変動であるか否かという情報も含めて変動パターンコマンドとして演出制御装置に送信される(大当り時や小当り時についても同様である。)。
ここで、はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。また、「時間短縮状態」でなくとも、リーチ演出を実行する変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個~3個)」に基づいて短縮される場合がある(例えば、変動表示開始時作動記憶数0個→12.5秒程度、変動表示開始時作動記憶数1個→8秒程度、変動表示開始時作動記憶数2個→5秒程度、変動表示開始時作動記憶数3個→2.5秒程度)。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。そして、主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、4種類の当選図柄が用意されている。第1特別図柄に関する内訳は、「第1当選図柄」又は「第2当選図柄」であり、第2特別図柄に関する内訳は、「第3当選図柄」又は「第4当選図柄」である。なお、これらの当選図柄の各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば、「第1当選図柄」であれば、「第1当選図柄A」、「第1当選図柄B」、「第1当選図柄C」、・・・といった具合である。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の選択比率が異なっている。このため主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであるか、第2特別図柄に対応するものであるかによって選択する当選図柄を区別している。
〔第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図108は、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、この第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「52」,「48」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第1当選図柄」、「第2当選図柄」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する大当り時において、「第1当選図柄」が選択される割合は100分の52(=52%)であり、「第2当選図柄」が選択される割合は100分の48(=48%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。
いずれにしても、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」,「02H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「第1当選図柄」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第1当選図柄」に該当した場合、通常中(非時間短縮状態)であるか時短中(時間短縮状態)であるかに関わらず、時短回数は1回(又は10回)付与される。
また、「第2当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は0回付与される(付与されない)。なお、時短回数は、上記の値に限定されることなく2回以上(11回以上)であってもよい。
ここで、「1回(又は10回)」とは、第2特別図柄の合計変動回数が1回となるか、第1特別図柄及び第2特別図柄の合計変動回数が10回となると、時間短縮状態が終了することを意味している。
〔第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図109は、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、この第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「100」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第3当選図柄」、「第4当選図柄」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する大当り時において、「第3当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)であり、「第4当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)である。
今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「第3当選図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第3当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は1回(又は10回)付与される。
また、「第4当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は0回付与される(付与されない)。
〔図106:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、大当り時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「第1当選図柄」又は「第3当選図柄」である場合、主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域にある遊技状態フラグとしての時間短縮機能作動フラグをON(01H)にセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段)。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、時間短縮状態に移行する当選図柄で当選すると(特別な条件が満たされると)、非時間短縮状態(第1状態)から、複数回の前記特別遊技が実行可能となる連荘状態(時間短縮状態及び非時間短縮状態にて第2特別図柄を変動させることができる状態:第2状態、特別状態)に移行可能とする(状態移行手段)。
また、ステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時停止図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお、本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。また、本実施形態では第1特別図柄に関しては小当りが設定されておらず、第2特別図柄に関してのみ設定されている。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では小当り時に選択的に決定される当選図柄として、2種類の当選図柄が用意されている。2種類の内訳は、「第5当選図柄」及び「第6当選図柄」である。なお、これらの当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば、「第5当選図柄」であれば、「第5当選図柄A」、「第5当選図柄B」、「第5当選図柄C」、・・・といった具合である。
〔第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブル〕
図110は、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、この第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「50」,「50」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第5当選図柄」、「第6当選図柄」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する小当り時においては、「第5当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)であり、「第6当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)である。
今回の小当りの結果、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の小当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「03H」,「04H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の小当りの結果、当選図柄として「第5当選図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H03H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての小当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、小当り遊技中に特定領域31xを遊技球が通過して大当り遊技が開始され、その大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第5当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は1回(又は10回)付与される。
また、「第6当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は0回付与される(付与されない)。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル、及び、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルを用いることにより、主制御CPU72は、非時間短縮状態又は時間短縮状態で「第1当選図柄」、「第3当選図柄」又は「第5当選図柄」に該当した場合(第5当選図柄については大当り遊技が実行された場合に限る。)には、時間短縮状態への移行条件が満たされるものとすることができる(移行条件設定手段)。
〔図106:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2408:次に主制御CPU72は、変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、小当り時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン選択手段)。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。本実施形態では小当りは第2特別図柄抽選にのみ設定されており、小当り時には小当り時用の変動時間を有する変動パターンが選択される。なお、第1特別図柄抽選に小当りを設定してもよい。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図105:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして、主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また、特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図106中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に図111は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして、主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図105中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドを生成する。図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。なお、「停止表示時間終了コマンド」とは、特別図柄の停止表示時間が終了(経過)したことを示すコマンドである。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「可変入賞装置管理処理」に設定する。なお、主制御CPU72は、本処理にて各種機能を非作動に設定する処理を実行する。具体的には、時間短縮機能を非作動とする。これにより、特別遊技(大役)が開始される前には、通常状態(非時間短縮状態)に移行されることになる。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして、小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4608:主制御CPU72は、特殊変動回数更新処理を実行する。この処理では、第1特別図柄の特殊変動回数、及び、第2特別図柄の特殊変動回数が両方とも0である場合、何も処理を実行しない。一方、第1特別図柄の特殊変動回数が1以上である場合であって、第1特別図柄が停止した場合、第1特別図柄の特殊変動回数をデクリメント(-1)する処理を実行する。また、第2特別図柄の特殊変動回数が1以上である場合であって、第2特別図柄が停止した場合、第2特別図柄の特殊変動回数をデクリメント(-1)する処理を実行する。第1特別図柄の特殊変動回数、及び、第2特別図柄の特殊変動回数は、大当り遊技の開始時にリセットされる。なお、第1特別図柄の特殊変動回数や、第2特別図柄の特殊変動回数が0であるか1以上であるかに関わらず、本処理を実行した場合、主制御CPU72は、第1特別図柄の特殊変動回数や、第2特別図柄の特殊変動回数の値を反映させた特殊変動回数指定コマンドを演出制御装置に送信することができる。
ステップS4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「時間短縮状態」に関するカウンタ値がRAM76の時短カウント領域にセットされている。本実施形態では、いわゆる回数切りの時間短縮機能を採用しており、「時間短縮状態」に移行させる場合、時間短縮状態に関する第1回数切りカウンタ値(第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の時短回数)は所定の数値(例えば10回)に設定され、時間短縮状態に関する第2回数切りカウンタ値(第2特別図柄の時短回数)は規定の数値(例えば1回)に設定される。なお、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値の情報は、回数切りカウンタコマンドによって演出制御装置124に通知(送信)される。
なお、時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値は、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値といったように2つのカウンタ値を設けずに、1つのカウンタ値だけで時間短縮状態を制御してもよい。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値(第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値)が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。具体的には、第2特別図柄の停止表示中である場合には、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値を両方ともデクリメントし、第1特別図柄の停止表示中である場合には、第1回数切りカウンタ値だけをデクリメントする。
ステップS4640:そして、主制御CPU72は、いずれかの回数切りカウンタ値(第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値)の減算結果が0であるか否かを判断する。減算の結果、いずれの回数切りカウンタ値も0でない場合(No)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、いずれかの回数切りカウンタ値が0である場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。本実施形態では、時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値は所定の数値(例えば1回又は10回)に設定される。時間短縮状態で1回の第2特別図柄のはずれ変動(特定領域未通過となった場合はその際の小当り変動を含む。)が実行されると、時間短縮機能作動フラグがリセットされる。一方、時間短縮状態で9回の第1特別図柄のはずれ変動が実行されても、時間短縮機能作動フラグはリセットされず、その後さらに時間短縮状態で1回の第1特別図柄又は第2特別図柄のはずれ変動が実行されると、時間短縮機能作動フラグがリセットされる。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態が終了する。なお、時間短縮機能作動フラグは、特別図柄の停止表示時間が経過した際にリセットする例で説明しているが、特別図柄の変動時間終了時(停止表示時間計測開始前)にリセットしてもよい。
そして、以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理に復帰する。
このように、時間短縮状態の終了条件(所定の終了条件)は、時間短縮状態に移行してからの第2特別図柄の変動回数が第1回数(例えば1回)に到達した場合、又は、時間短縮状態に移行してからの第1特別図柄の変動回数及び第2特別図柄の変動回数を合計した合計変動回数が第1回数よりも大きい第2回数(例えば10回)に到達した場合に満たされる条件となっている。
〔表示出力管理処理〕
次に図117は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図100中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値に応じて時短状態表示ランプ38eの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38eに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。さらに、主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスに応じて発射位置指定表示ランプ38fの点灯を制御する。例えば、大当り遊技又は小当りの遊技により第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31が作動状態となる場合、主制御CPU72は発射位置指定表示ランプ38fに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。また、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は上記の時短状態表示ランプ38eに加えて、発射位置指定表示ランプ38fに対応するLEDに対しても点灯信号を出力する。なお、発射位置指定表示ランプ38fは、大当り遊技を経て「時間短縮状態」に移行する場合、大当り遊技開始から「時間短縮状態」が終了するまで点灯し、「時間短縮状態」の終了により非点灯(OFF)となる。
時間短縮状態は、時間短縮状態での最終変動(はずれ変動、小当り変動又は大当り変動)の変動終了時(停止表示時間の開始時)に終了させることができる。この場合、時間短縮状態での最終変動の停止表示時間を最終変動以外の停止表示時間(0.5秒)よりも長い時間(15.0秒)に設定することができる。なお、時間短縮状態は、時間短縮状態での最終変動の停止表示時間の終了時に終了させてもよい。
また、主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38bの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38bのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数ステータスの値で指定された大当り図柄に対応するいずれかの表示ランプ38a,38bである。例えば、連続作動回数ステータスの値が「10ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「10ラウンド(10R)」を表すランプ38aに対して点灯信号を出力する。また、本実施形態では、10ラウンド大当り以外の大当りが存在しないが、10ラウンド大当り以外の大当りとして、例えば4ラウンド大当りが存在しており、連続作動回数ステータスの値が「4ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「4ラウンド(4R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。なお、本実施形態のように、大当りとして1種類の大当りしかない場合(10ラウンド大当りしかない場合)、大当り種別表示ランプを点灯させなくてもよい。
図112は、変動パターンテーブルの一覧を示す図である。
変動パターンテーブルには、7個の変動パターンテーブルA~Gが含まれている。
主制御CPU72は、遊技状態に応じて、7個の変動パターンテーブルA~Gのいずれかの変動パターンテーブルを選択可能とする。各変動パターンテーブルには、1又は複数の変動パターンが含まれている。例えば、変動パターンテーブルAが選択された場合、第1特別図柄と第2特別図柄とで、選択される変動パターンが異なることもある。この点は、他の変動パターンテーブルでも同様である。なお、図中の「遊技状態」は、大当り遊技終了後の遊技状態(移行先の遊技状態)を示している。ただし、図中の「遊技状態」は、大当り遊技開始前の遊技状態(移行前の遊技状態)であってもよい。
変動パターンテーブルAは、遊技状態が「時短無し(非時間短縮状態)」の場合に選択される。具体的には、通常状態時に選択される。なお、RAMクリア後も、本テーブルが選択される。
変動パターンテーブルBは、遊技状態が「時短無し」の場合に選択される。具体的には、通常状態時に選択される。変動パターンテーブルAと、変動パターンテーブルBとの違いは、変動パターンテーブルBが時間短縮状態が終了した後の規定変動数以内で(例えば30変動まで)選択されるテーブルとなっている点である。変動パターンテーブルBは、いわゆる即ヤメ防止のテーブルである。
変動パターンテーブルCは、遊技状態が「時短有り(時間短縮状態)」の場合に選択される。具体的には、通常状態時の時短有り図柄当選時(「第1当選図柄」又は「第3当選図柄」の当選時)に、第1特別図柄が1~4、6~9変動した場合に選択される。本テーブルでは、第1特別図柄については、変動時間が短い変動パターン(例えば、1秒変動)が設定されており、第2特別図柄については、変動時間が長い変動パターン(例えば、120秒変動)が設定されている。
変動パターンテーブルDは、遊技状態が「時短有り」の場合に選択される。具体的には、時短状態時に選択される。本テーブルでは、第1特別図柄については、変動時間が長い変動パターン(例えば、90秒変動)が設定されている。
変動パターンテーブルEは、遊技状態が「時短無し」の場合に選択される。具体的には、通常状態時(残り1回=時間短縮状態終了後の第2特別図柄の1変動分の変動時)に選択される。本テーブルでは、第2特別図柄については、変動時間が長い変動パターン(例えば、120秒変動)が設定されている。
変動パターンテーブルFは、遊技状態が「時短無し」の場合に選択される。具体的には、変動パターンテーブルBの最終変動時に選択される。
変動パターンテーブルGは、遊技状態が「時短有り」の場合に選択される。具体的には、通常状態時の時短有り図柄当選時に、第1特別図柄が5、10変動した場合に選択される。本テーブルでは、第1特別図柄については、変動時間が長い変動パターン(例えば、13.5秒変動)が設定されている。
図113は、非時間短縮状態からの大当りで大当り遊技の変動が第1特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。
ここで、図中の「時短回数」は、第1回数切りカウンタ値(第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の時短回数)に設定する値を示している(図115においても同様)。
〔No1〕
「当選図柄」が「第1当選図柄(第1特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~4」、「6~9」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルC」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「5」、「10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルG」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No2〕
「当選図柄」が「第2当選図柄(第1特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No3〕
「当選図柄」が「第3当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No4〕
「当選図柄」が「第4当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No5(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No5(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
図114は、非時間短縮状態からの大当りで大当り遊技後の変動が第2特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。
なお、本実施形態では、第2特別図柄が変動した時点で大当り又は小当りとなるので、2変動目以降の特殊変動テーブルは存在しない。
ここで、図中の「第2特別図柄の時短回数」は、第2回数切りカウンタ値(第2特別図柄だけの時短回数)に設定する値を示している(図116においても同様)。
〔No1〕
「当選図柄」が「第1当選図柄(第1特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルC」となる。
〔No2〕
「当選図柄」が「第2当選図柄(第1特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
〔No3〕
「当選図柄」が「第3当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No4〕
「当選図柄」が「第4当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
〔No5(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No5(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
〔No6(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
図115は、時間短縮状態からの大当りで大当り遊技の変動が第1特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。
〔No1〕
「当選図柄」が「第1当選図柄(第1特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No2〕
「当選図柄」が「第2当選図柄(第1特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~5」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「6~19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No3〕
「当選図柄」が「第3当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No4〕
「当選図柄」が「第4当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~5」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「6~19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No5(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No5(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~5」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「6~19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
図116は、時間短縮状態からの大当りで大当り遊技後の変動が第2特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。
なお、図114と同様に、本実施形態では、第2特別図柄が変動した時点で大当り又は小当りとなるので、2変動目以降の特殊変動テーブルは存在しない。
〔No1〕
「当選図柄」が「第1当選図柄(第1特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No2〕
「当選図柄」が「第2当選図柄(第1特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
〔No3〕
「当選図柄」が「第3当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No4〕
「当選図柄」が「第4当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
〔No5(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No5(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
〔No6(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、連荘状態(第2状態)に移行して大当り遊技が実行される前は、連荘状態の第1特別図柄の変動時間(例えば1秒)を、非時間短縮状態(第1状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば2秒以上120秒未満)よりも相対的に短くすることを可能とする(変動時間決定手段)。
また、このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、連荘状態(第2状態)に移行して大当り遊技が実行された後は、連荘状態(第2状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば120秒以上)を、非時間短縮状態(第1状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば120秒未満)よりも相対的に長くすることを可能とする(変動時間決定手段)。
さらに、このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、第2特別図柄抽選(第2抽選)で当選して連荘状態に移行した際の第1特別図柄の変動時間(変動パターンテーブルD)を、第1特別図柄抽選(第1抽選)で当選して連荘状態に移行した際の第1特別図柄の変動時間(変動パターンテーブルC)よりも相対的に長くすることを可能とする(変動時間決定手段)。
このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、連荘状態(第2状態)に移行して大当り遊技が実行される前は、連荘状態の第1特別図柄の変動時間(例えば1秒)が、非時間短縮状態(第1状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば2秒以上120秒未満)よりも相対的に短くなるように変動時間を決定可能とする(変動時間決定手段)。
また、このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、連荘状態(第2状態)に移行して大当り遊技が実行された後は、連荘状態(第2状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば120秒以上)が、非時間短縮状態(第1状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば120秒未満)よりも相対的に長くなるように変動時間を決定可能とする(変動時間決定手段)。
さらに、このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、第2特別図柄抽選(第2抽選)で当選して連荘状態に移行した際の第1特別図柄の変動時間(変動パターンテーブルD)が、第1特別図柄抽選(第1抽選)で当選して連荘状態に移行した際の第1特別図柄の変動時間(変動パターンテーブルC)よりも相対的に長くなるように変動時間を決定可能とする(変動時間決定手段)。
〔可変入賞装置管理処理〕
次に、可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図118は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200~ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大入賞口開放パターン設定処理〕
図119は、大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時又は小当り時にそれぞれ第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5202:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。この確認の結果、大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5203を実行する。一方、大当りフラグの値(01H)がセットされていない場合(No)、すなわち、小当りフラグの値(01H)がセットされている場合、主制御CPU72は次にステップS5204を実行する。
ステップS5203:主制御CPU72は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理を実行する。この処理では、大当り時図柄別開放パターン設定テーブルに基づいて、大当り時の当選図柄に対応した大入賞口の開放パターンを設定するものである。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5205を実行する。
ステップS5204:主制御CPU72は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理を実行する。この処理では、小当り時図柄別開放パターン設定テーブルに基づいて、大入賞口の開放パターンを設定するものである。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5205を実行する。
ステップS5205:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔大当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図120は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5210:主制御CPU72は、条件装置及び役物連続作動装置を作動させる。ここで、「条件装置」とは、その作動が役物連続作動装置の作動に必要な条件とされる装置であり、「役物連続作動装置」とは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を連続して作動させることができる装置である。なお、「条件装置」や「役物連続作動装置」は制御上のフラグとすることもできる。したがって、この条件装置が作動していない限り、大当り遊技において第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31は作動しないことを表している。主制御CPU72は次にステップS5212を実行する。
ステップS5212:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、大当り図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、第1当選図柄に該当した場合、連続作動回数ステータスには「10ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5214を実行する。
ステップS5214:主制御CPU72は、大当り時図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時図柄別開放パターン設定テーブルを参照し、特別図柄に関する当選図柄の種類に対応した開放パターンを選択する。ここで、開放パターンとは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を作動させる設定を表し、例えば、実行ラウンド数、開放時間、インターバル時間等の設定を表している。主制御CPU72は次にステップS5216を実行する。
〔大当り時図柄別開放パターン設定テーブル〕
図121は、大当り時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この大当り時図柄別開放パターン設定テーブルは、特別図柄に関する異なる当選図柄別に、ラウンドごとの作動させる可変入賞装置(第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31)の開閉動作パターンを定めたものである。具体的には、当選図柄別に以下の大入賞口の開放パターンが定められている。
〔第1当選図柄〕
第1当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドであり、その内の10ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第1当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される(ただし、上限個数の入球が確認されると閉鎖される。以下、同様。)。したがって、第1当選図柄に該当した場合は、実質的に10ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第2当選図柄〕
第2当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドであり、その内の10ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第2当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第2当選図柄に該当した場合は、実質的に10ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第3当選図柄〕
第3当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドであり、その内の10ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第3当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第3当選図柄に該当した場合は、実質的に10ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第4当選図柄〕
第4当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドであり、その内の10ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第4当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第4当選図柄に該当した場合は、実質的に10ラウンド分の出球を獲得することができる。
以上のように、主制御CPU72は、上記大当り時図柄別開放パターン設定テーブルを参照して当選図柄の種類に対応する大入賞口の開放パターンを設定する。
〔図120:大当り時大入賞口開放パターン設定処理を参照〕
ステップS5216:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中のラウンド毎(1ラウンド~最終ラウンド)に作動させる可変入賞装置の種類を第1可変入賞装置30に設定する。なお、本実施形態においては、全ての大当り時の当選図柄(第1当選図柄~第3当選図柄)に対応する開放パターンが1ラウンド~最終ラウンドで第1大入賞口30bが開放されるため、第1可変入賞装置30の作動が設定される。主制御CPU72は次にステップS5218を実行する。
ステップS5218:主制御CPU72は、実行ラウンド数を設定する。具体的には、主制御CPU72は当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンド数を設定する。例えば、10ランド大当りに対応する開放パターンの実行ラウンド数としては、10ラウンドが設定される。主制御CPU72は次にステップS5220を実行する。
ステップS5220:主制御CPU72は、大当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド毎に大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、大当り時の当選図柄(第1当選図柄~第3当選図柄)に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、ラウンド毎に設定される。例えば、第1当選図柄であった場合、出球有りのラウンドについては第1大入賞口30bを開放する開放時間が29.0秒に設定される。したがって、開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。なお、開放タイマの値として0.5秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が困難な時間となる。主制御CPU72は次にステップS5222を実行する。
ステップS5222:主制御CPU72は、大当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、全ての大当り時の当選図柄(第1当選図柄~第3当選図柄)に対応する開放パターンのインターバルタイマとして1.0秒が設定される。例えば、1ラウンド目と2ラウンド目の間の第1大入賞口30bの開放が終了し一旦閉鎖状態になった後、1.0秒間程度のインターバルタイマが設定される。主制御CPU72は次にステップS5224を実行する。
ステップS5224:主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の処理(ステップS5218)で設定された実行ラウンド数に基づいて生成することができる。例えば、第1当選図柄に該当した場合、実行ラウンド数は「10ラウンド」となるため、連続作動回数コマンドは「10ラウンド」を表す値を含むコマンドとして生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大入賞口開放パターン設定処理(図119)に復帰する。
〔小当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図122は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5252:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、小当り遊技中を表す状態コマンドを生成する。小当り遊技中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5254を実行する。
ステップS5254:主制御CPU72は、小当り時開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時開放パターン設定テーブルを参照し、開放パターンを選択する。ここで、開放パターンとは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を作動させる設定を表し、例えば、開放回数、開放時間、インターバル時間、特定領域31xの開放時間等の設定を表している。主制御CPU72は次にステップS5256を実行する。
〔小当り時開放パターン設定テーブル〕
図123は、小当り時開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この小当り時開放パターン設定テーブルは、可変入賞装置(第2可変入賞装置31)の開閉動作パターンを定めたものである。なお、本実施形態では、小当り時に設定される開放パターンは1つであるが、当選図柄別に複数規定してもよい。
小当りに該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第2可変入賞装置31である。また、第2可変入賞装置31の開放回数は2回であり、その1回の開放時間は0.9秒である。なお、インターバル時間は例えば1.0秒程度に設定される。
特定領域31xの開放開始時間(特定領域ソレノイド99をONにして特定領域用スライド部材31cを作動させるタイミング)は、第2可変入賞装置31の開放開始から0.2秒後である。
また、特定領域31xの開放終了時間(特定領域ソレノイド99をOFFにして特定領域用スライド部材31cを非作動とするタイミング)は、第2可変入賞装置31の開放開始から1.8秒後である。
〔図122:小当り時大入賞口開放パターン設定処理を参照〕
ステップS5256:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は小当りに対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に作動させる可変入賞装置の種類を第2可変入賞装置31に設定する。主制御CPU72は次にステップS5258を実行する。
ステップS5258:主制御CPU72は、開放回数を設定する。具体的には、主制御CPU72は小当りに対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に実行する開放回数を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに対応する開放パターンの開放回数として2回が設定される。主制御CPU72は次にステップS5260を実行する。
ステップS5260:主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当り時に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、0.9秒が設定される。主制御CPU72は次にステップS5262を実行する。
ステップS5262:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、大入賞口の開放間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、インターバルタイマは所定時間(例えば1.0秒)に設定される。主制御CPU72は次にステップS5264を実行する。
ステップS5264:主制御CPU72は、特定領域31x(特定領域用スライド部材31c)の開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に特定領域31xの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、第2可変入賞装置31の開放開始から0.2秒後に特定領域31xが開放され、第2可変入賞装置31の開放開始から1.8秒後に特定領域31xが閉鎖される。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大入賞口開放パターン設定処理(図119)に復帰する。
〔大入賞口開閉動作処理〕
図124は、大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は主に、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5302:主制御CPU72は、現在の内部状態が「大役中」であるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファにアクセスし、制御上の内部状態フラグとして「大役中(大当り遊技中)」のフラグがセットされているか否かで、現在の内部状態が「大役中」であるか否かを確認する。なお、「大役中(大当り遊技中)」のフラグは、先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理中:ステップS5212)や後述する特定領域通過時処理中において主制御CPU72によりセットされる。この確認の結果、現在の内部状態が「大役中」である場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5306を実行する。一方、現在の内部状態が「大役中」ではない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5304を実行する。
ステップS5304:主制御CPU72は、第2大入賞口開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、第2大入賞口31bを開閉するために第2可変入賞装置31を作動させる(第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS5306:主制御CPU72は、第1大入賞口開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、第1大入賞口30bを開閉するために第1可変入賞装置30を作動させる(第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理(図118)に復帰する。
〔第2大入賞口開閉動作処理〕
図125は、第2大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5310:主制御CPU72は、主制御CPU72は、第2大入賞口31bを開放する。具体的には、第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第2可変入賞装置31が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。
ステップS5312:主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図122中)のステップS5260やステップS5264)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。なお、この処理では、第2大入賞口31bの開放に関する開放タイマの他に、特定領域31xの開放に関する開放タイマ(開放開始時間、開放終了時間)についてのカウントダウンが行われる。主制御CPU72は次にステップS5314を実行する。
ステップS5314:主制御CPU72は、特定領域開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、特定領域31xを開閉するために特定領域用スライド部材31cを作動させる(特定領域ソレノイド99に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5316を実行する。
ステップS5316:主制御CPU72は、第2大入賞口31bの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理中の第2大入賞口31bについての開放タイマの値が0以下であるか否かを確認する。この確認の結果、第2大入賞口31bの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322を実行する。一方、第2大入賞口31bの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5318を実行する。
ステップS5318:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第2可変入賞装置31(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第2カウントスイッチ85から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。主制御CPU72は次にステップS5320を実行する。
ステップS5320:主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように小当り時の開放1回あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(No)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5310~ステップS5320の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5316で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5320でカウント数が所定数に達したことを確認すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322を実行する。なお、小当り時の開放は、開放タイマの値が短時間(例えば、1.8秒)に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5316で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5322:主制御CPU72は、第2大入賞口31bを閉鎖する。具体的には、第2大入賞口ソレノイド97に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより第2可変入賞装置31が開放状態から閉鎖状態に復帰する。主制御CPU72は次にステップS5324を実行する。
ステップS5324:主制御CPU72は、特定領域通過フラグがONであるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、特定領域通過フラグの値が01Hであるか否かにより、特定領域通過フラグがONであるか否かを確認する。この確認の結果、特定領域通過フラグがONである場合(Yes)、すなわち、小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過した場合、主制御CPU72は次にステップS5326を実行する。一方、特定領域通過フラグがONではない場合(No)、すなわち、小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過しなかった場合、主制御CPU72は次にステップS5327aを実行する。なお、特定領域通過フラグは、先の特定領域開閉動作処理(ステップS5314)の中でONに設定される可能性がある。
ステップS5326:主制御CPU72は、特定領域通過時処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過したことに基づき、条件装置や役物連続作動装置を作動させ、第1可変入賞装置30を連続作動させる処理、すなわち、大当り遊技を開始する処理を実行する(特殊遊技経由特別遊技実行手段、特別遊技実行手段)。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5328を実行する。
ステップS5327a:主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図122中)のステップS5262)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5327bに進む。なお、ここでは特に図示していないが、インターバル時間が経過するまでの間(インターバルタイマ値が0になるまでの間)、割り込み毎に主制御CPU72はステップS5327aから呼び出し元である可変入賞装置管理処理(図118)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5310からではなく直にステップS5327aを実行する。
ステップS5327b:主制御CPU72は、第2大入賞口開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、第2大入賞口開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5327c:主制御CPU72は、インクリメント後の第2大入賞口開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「1回の小当り中に第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、特にこのような開放パターンを採用していない場合には、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されているため、1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5328に進むことになる。
一方、「1回の小当り中に第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンを採用している場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5310~ステップS5327bまでの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5327bで開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(ステップS5327c;Yes)、主制御CPU72は次にステップS5328を実行する。
ステップS5328:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、大入賞口開閉動作処理(図124)に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔特定領域開閉動作処理〕
図126は、特定領域開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5330:主制御CPU72は、特定領域31xの開放時間が開始されたか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はカウントダウン処理(ステップS5312)においてカウントダウンされていた特定領域31xの開放に関する開放開始時間についての開放タイマの値が0であるか否かを確認することで、特定領域31xの開放時間が開始されたか否かを確認する。この確認の結果、特定領域31xの開放時間が開始された場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5332を実行する。一方、特定領域31xの開放時間が開始されていない場合(No)、又は、すでに開放されている場合、主制御CPU72は次にステップS5334を実行する。
ステップS5332:主制御CPU72は、特定領域31xを開放する。具体的には、特定領域ソレノイド99に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、特定領域用スライド部材31cが作動して特定領域31xが閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5334を実行する。
ステップS5334:主制御CPU72は、遊技球が特定領域31xを通過したか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76の記憶領域にアクセスし、特定領域予備フラグがONになっているか否かを確認する。この確認の結果、特定領域予備フラグがONになっていて、遊技球が特定領域31xを通過したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5336を実行する。一方、特定領域予備フラグがOFFになっていて、遊技球が特定領域31xを通過していないことを確認した場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5338を実行する。
ステップS5336:主制御CPU72は、特定領域通過フラグをONにセットする。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、特定領域通過フラグの値を01Hに設定する。主制御CPU72は次にステップS5338を実行する。なお、特定領域通過フラグや特定領域予備フラグは大当り遊技の終了時にリセットされる。
ステップS5338:主制御CPU72は、特定領域31xの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はカウントダウン処理(ステップS5312)においてカウントダウンされていた特定領域31xの開放に関する開放タイマの値が0であるか否かを確認することで、特定領域31xの開放時間が終了したか否かを確認する。この確認の結果、特定領域31xの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5340を実行する。一方、特定領域31xの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図125)に復帰する。
ステップS5340:主制御CPU72は、特定領域31xを閉鎖する。具体的には、特定領域ソレノイド99に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、特定領域用スライド部材31cが開放状態(作動状態)から閉鎖状態(非作動状態)に復帰する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図125)に復帰する。
〔特定領域通過時処理〕
図127は、特定領域通過時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5350:主制御CPU72は、小当りフラグをリセットする。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、小当りフラグの値を00Hにリセットする。主制御CPU72は次にステップS5352を実行する。
ステップS5352:主制御CPU72は、小当り遊技を終了させる。具体的には、主制御CPU72は内部状態フラグから「小当り遊技中」を消去し、制御処理上で小当り遊技を終了する(小当り終了)。主制御CPU72は次にステップS5354を実行する。
ステップS5354:主制御CPU72は、条件装置及び役物連続作動装置を作動させる。これにより、第1可変入賞装置30を連続して作動させることができ、大当り遊技を開始できることとなる。主制御CPU72は次にステップS5356を実行する。
ステップS5356:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、当選図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、第1当選図柄に該当した場合、連続作動回数ステータスには「10ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5358を実行する。
ステップS5358:主制御CPU72は、特定領域通過時図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルを参照し、小当りに該当した際の当選図柄の種類に対応した開放パターンを選択する。主制御CPU72は次にステップS5360を実行する。
ステップS5360:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中のラウンド毎(2ラウンド~最終ラウンド)に作動させる可変入賞装置の種類を第1可変入賞装置30に設定する。主制御CPU72は次にステップS5362を実行する。
ステップS5362:主制御CPU72は、実行ラウンド数を設定する。具体的には、主制御CPU72は小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンド数を設定する。例えば、第5当選図柄に対応する開放パターンの実行ラウンド数としては「10ラウンド」が設定される。主制御CPU72は次にステップS5364を実行する。
ステップS5364:主制御CPU72は、大当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド毎に大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄(第4当選図柄~第6当選図柄)に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、ラウンド毎に設定される。例えば、第4当選図柄であった場合、出球有りのラウンドについては第1大入賞口30bを開放する開放時間が29.0秒に設定される。したがって、開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。なお、開放タイマの値として0.5秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が困難な時間となる。主制御CPU72は次にステップS5366を実行する。
ステップS5366:主制御CPU72は、大当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに該当した際の当選図柄に対応する開放パターンのインターバルタイマとして1.0秒が設定される。例えば、2ラウンド目と3ラウンド目の間の第1大入賞口30bの開放が終了し一旦閉鎖状態になった後、1.0秒間程度のインターバルタイマが設定される。主制御CPU72は次にステップS5368を実行する。
ステップS5368:主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の処理(ステップS5362)で設定された実行ラウンド数に基づいて生成することができる。例えば、第5当選図柄に該当した場合、実行ラウンド数は「10ラウンド」となるため、連続作動回数コマンドは「10ラウンド」を表す値を含むコマンドとして生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5370を実行する。
ステップS5370:主制御CPU72は、特定領域通過時図柄別時間短縮機能設定処理を実行する。この処理では、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が「第5当選図柄」である場合、主制御CPU72は時間短縮機能作動フラグをONにセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段)。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、時間短縮状態に移行する当選図柄で当選すると(特別な条件が満たされると)、非時間短縮状態(第1状態)から、複数回の大当り遊技(特別遊技)が実行可能となる連荘状態(時間短縮状態及び非時間短縮状態にて第2特別図柄を変動させることができる状態:第2状態)に移行可能とする(状態移行手段)。
ステップS5372:主制御CPU72は、特殊変動回数設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、当選図柄に応じて、第1特別図柄の特殊変動回数、及び、第2特別図柄の特殊変動回数を設定する。特殊変動回数の具体的な数値は、図113~図116において説明した通りである。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図125)の末尾のアドレスに復帰する。
〔特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブル〕
図128は、特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルは、小当りに該当した際の特別図柄に関する異なる当選図柄別に、ラウンドごとの第1可変入賞装置30の開閉動作パターンを定めたものである。具体的には、当選図柄別に以下の大入賞口の開放パターンが定められている。
〔第5当選図柄〕
第5当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドである。なお、この実行ラウンド数には、小当りで開放された第2可変入賞装置31の作動が含まれているため、これから開始される大当り遊技では10ラウンドから1ラウンド分が減算された9ラウンドが実質的な大当り遊技でのラウンド数となる(以下の第6当選図柄でも同様)。そして、各ラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が第5当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、小当りでの第2可変入賞装置31の開放を1ラウンド目としているため、2ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第5当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合は、実質的に9ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第6当選図柄〕
第6当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンド(実質的な大当り遊技でのラウンド数は9ラウンド)である。そして、各ラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が第6当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、小当りでの第2可変入賞装置31の開放を1ラウンド目としているため、2ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第6当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合は、実質的に9ラウンド分の出球を獲得することができる。
以上のように、主制御CPU72は、上記特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルを参照して小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄の種類に対応する大入賞口の開放パターンを設定することとなる。
〔第1大入賞口開閉動作処理〕
図129は、第1大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5380:主制御CPU72は、主制御CPU72は、第1大入賞口30bを開放する。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第1可変入賞装置30が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5382を実行する。
ステップS5382:主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図120中)のステップS5220、又は、特定領域通過時処理(図127中)のステップS5364)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。主制御CPU72は次にステップS5386を実行する。
ステップS5386:主制御CPU72は、第1大入賞口30bの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の第1大入賞口30bについての開放タイマの値が0以下であるか否かを確認する。この確認の結果、第1大入賞口30bの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5392を実行する。一方、第1大入賞口30bの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5388を実行する。
ステップS5388:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第1可変入賞装置30(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第1カウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。主制御CPU72は次にステップS5390を実行する。
ステップS5390:主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5380~ステップS5390の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5386で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5390でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5392を実行する。なお、開放タイマの値が短時間(例えば、0.5秒)に設定されている場合、通常、主制御CPU72はステップS5390でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5386で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5392:主制御CPU72は、第1大入賞口30bを閉鎖する。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより第1可変入賞装置30が開放状態から閉鎖状態に復帰する。主制御CPU72は次にステップS5394を実行する。
ステップS5394:主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図120中)のステップS5222、又は、特定領域通過時処理(図127中)のステップS5366)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5395に進む。なお、ここでは特に図示していないが、インターバル時間が経過するまでの間(インターバルタイマ値が0になるまでの間)、割り込み毎に主制御CPU72はステップS5394から呼び出し元である可変入賞装置管理処理(図118)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5380からではなく直にステップS5394を実行する。
ステップS5395:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5396:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で第1可変入賞装置30を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、本実施形態では、特にこのような開放パターンを採用していないので、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがって、通常は1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5398に進むことになる。
なお、上記のように1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用した場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5380~ステップS5390までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5395で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5398に進むことになる。
ステップS5398:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、大入賞口開閉動作処理(図124)に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大入賞口閉鎖処理〕
図130は、大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大入賞口閉鎖処理は、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5401:先ず主制御CPU72は、現在の遊技が大役(大当り遊技)中であるか否かを確認し、大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5402を実行する。
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。なお、小当り遊技中に特定領域31xを遊技球が通過し、小当りの終了後に大当り遊技が開始された場合、小当り時の第2大入賞口31bの開放を1ラウンド目として扱い、大当り遊技が開始される1回目のラウンドは2ラウンド目として扱われる。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1~15)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の14、又は、15)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図118中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402~ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達するまでの間、第1可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔小当り時〕
これに対し、小当りの場合は以下の手順となる(特例作動実行手段)。
ステップS5411:主制御CPU72は現在の遊技が大役中でないことを確認すると(ステップS5401:No)、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS5413:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図122中のステップS5258)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS5416を実行する。
ステップS5416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図118中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5401~ステップS5413(No)を経てステップS5416、ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際の開放回数が設定した開放回数に達するまでの間、第2可変入賞装置31の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS5413:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5414を実行する。
ステップS5414,ステップS5412:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔終了処理〕
図131は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。この終了処理は、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認し、大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5503を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:この場合、主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また、主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で大当り遊技を終了する(大役終了)。なお、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値をリセットする。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値が01Hであるか(セットされているか)否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図106中のステップS2414)や、先の特定領域通過時処理中の特定領域通過時図柄別時間短縮機能設定処理(図127中のステップS5370)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、時間短縮機能作動フラグの値が01Hである場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時短回数(例えば1回(又は10回))を設定する。設定した時短回数の値は、上記のようにRAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時短回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。本実施形態では、時短回数を管理するために、2種類の時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値(第1回数切りカウンタ値、第2回数切りカウンタ値)が用意されている。ここで、第1回数切りカウンタ値は、第1特別図柄又は第2特別図柄が1回変動する度にデクリメントされる変数であり、初期値として「10」が設定される。また、第2回数切りカウンタ値は、第2特別図柄が1回変動する度にデクリメント(1減算)される変数であり、初期値として「1」が設定される。なお、時間短縮機能作動フラグの値が01Hでない場合(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512及びステップS5513を実行しない。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、時間短縮状態への移行条件が満たされた場合(所定の移行条件が満たされた場合、時間短縮状態に移行させる当選図柄で当選した場合)、大当り遊技の終了後に、非時間短縮状態(所定の遊技状態)から非時間短縮状態と比較して有利な条件が適用された(普通図柄抽選の変動時間が短縮され、可変始動入賞装置の開放時間が延長されている)時間短縮状態(有利遊技状態)に移行させることができる(有利遊技状態移行手段)。
ステップS5513:主制御CPU72は、特殊変動回数設定処理を実行する。この処理は、図127のステップS5372の処理と同様である。
ここまでの手順は大当りの場合であるが、小当りの場合(ステップS5502:No)は以下の手順が実行される。
ステップS5520,ステップS5522:小当りの場合、主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また、内部状態フラグから「小当り遊技中」を消去する。なお、小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS5514:そして、主制御CPU72は、フラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS5516:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図105中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔ゲームフロー(その1)〕
図132は、通常モードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
パチンコ機1で遊技を開始する場合、〔F1〕通常モード(公園モード)から遊技が開始される。「通常モード」は、「非時間短縮状態」である。
〔F1〕通常モードでの遊技中に、遊技球が中始動入賞口26に入球すると、〔F2〕第1特別図柄が変動する。
〔F3〕第1特別図柄抽選で「はずれ」となると、〔F1〕通常モードの状態からやり直しとなる。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F5〕第1当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。〔F8〕このときのドライブモードは、「時間短縮状態」である。本実施形態では、ドライブモードにおいて、演出の見せ方が異なる2つの演出モードが用意されており、遊技者がいずれか一方を選択可能な構成とされている。2つの演出モードとは、具体的には、女性のキャラクターが乗車した自動車が大地を走行する様子を表した背景画像が表示される地球ドライブモード(以下、「地球モード」と略称する。)と、異星人が搭乗した宇宙船が宇宙空間を遊泳する様子を表した背景画像が表示される宇宙ドライブモード(以下、「宇宙モード」と略称する。)の2つである。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F7〕第2当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F1〕通常モードに移行する。
〔ゲームフロー(その2)〕
図133は、時間短縮状態のドライブモードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F8〕時間短縮状態のドライブモードでの遊技中に、遊技球が右始動入賞口28bに入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していると)、〔F12〕第2特別図柄が変動する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F14〕第3当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F15〕第4当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F20〕非時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率318/319)」となり、〔F17〕第5当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率318/319)」となり、〔F19〕第6当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F20〕非時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔ゲームフロー(その3)〕
図134は、非時間短縮状態のドライブモードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F20〕非時間短縮状態のドライブモードでの遊技中に、遊技球が右始動入賞口28bに入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していると)、〔F12〕第2特別図柄が変動する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F14〕第3当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F15〕第4当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F1〕通常モードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率318/319)」となり、〔F17〕第5当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率318/319)」となり、〔F19〕第6当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F1〕通常モードに移行する。
このように、本実施形態では、一旦、時間短縮状態(連荘状態)に突入すると、第2特別図柄の時短1回分の変動と、第2特別図柄の1個の記憶分とで、合計2回の当り(大当り又は小当り)の機会を得ることできる。そして、その2回の機会のいずれかで、時短付きの当選図柄で当選すると、再び、時間短縮状態(連荘状態)に復帰する遊技性となっている。したがって、これら2回の機会において連続して時短無しの当選図柄に該当しない限りは、ドライブモードに滞在し続けることができる。
〔演出画像の例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像及びドラムユニット200の動作について、いくつかの例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)を決定し、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、上記のように第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。同様に、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示の態様は、やはり7セグメントLED等による記号的な図案であり、やはり「当選図柄」としての視覚的なインパクトに乏しい。そこでパチンコ機1では、液晶表示器42及びドラムユニット200を用いた変動表示演出及び停止表示演出が行われている。
本実施形態では、液晶表示器42に、演出図柄Hz(本図柄)、マーカM1、マーカM2、第4図柄Z1,Z2、滞在モードに対応する背景画像、予告演出に関する画像等を表示しており、ドラムユニット200に、7図柄等の擬似演出図柄を表示している。
液晶表示器42に表示される演出図柄Hzには、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される。各演出図柄には、数字の「1」~「9」が表示されている。ここで、左演出図柄、中演出図柄、及び右演出図柄は、いずれも数字が「9」~「1」の降順に並んだ図柄列(演出図柄配列)を構成している。このような図柄列は、それぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
ドラムユニット200に表示される擬似演出図柄には、左リール201に表示される擬似左演出図柄、中リール202に表示される擬似中演出図柄、右リール203に表示される擬似右演出図柄の3つが含まれており、これらはドラムユニット200の表示領域上で左・中・右に並んで表示される。各リールには、7図柄やパンダ図柄、チェリー図柄が含まれており、各リールが回転することにより、擬似演出図柄が変動表示される。
図135及び図136は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、液晶表示器42及びドラムユニット200を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄)が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果が表示されたことを表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔変動表示前〕
図135中(A):例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の下部右側の領域には3本の演出図柄Hzの列が表示されている。このとき第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄Hzも停止表示された状態にある。
また、液晶表示器42の下部左側の領域には、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数を表すマーカ(図中に参照符号M1,M2を付す)が表示されるものとなっている。これらマーカM1,M2は、それぞれの表示個数が対応する第1特別図柄、第2特別図柄の作動記憶数(第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示数)を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。また、マーカM1,M2は、視覚的な判別を容易にするため第1特別図柄に対応するマーカM1が例えば円(○)の図形で表示され、第2特別図柄に対応するマーカM2が例えばハートの図形で表示されている。なお、図示の例では、マーカM1が4つとも点灯表示されることで第1特別図柄の作動記憶数が4個であることを表し、マーカM2が全て非表示(破線で示す)になることで第2特別図柄の作動記憶数が0個であることを表している。なお、第2特別図柄の作動記憶数の最大値は1個であるため、マーカM2は最大で1つしか点灯しない。
また、液晶表示器42の下部右側の領域には第4図柄(図中に参照符号Z1,Z2を付す)が表示されている。この第4図柄Z1,Z2は、上記の左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄Hzの変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお、第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。第4図柄Z1は、第1特別図柄に対応しており、第4図柄Z2は、第2特別図柄に対応している。
また、第4図柄Z1,Z2については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に対応して停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が「大当り」や「小当り」であれば、それらに対応する態様(例えば青表示色や赤表示色等)で第4図柄Z1,Z2は停止表示される。
一方、ドラムユニット200の中段の有効ライン上には、「はずれ」に対応する「パンダ図柄」が表示されている。
〔変動表示演出開始〕
図135中(B):例えば、第1特別図柄の変動開始に同期して、ドラムユニット200の各リールが回転を開始するとともに、液晶表示器42の演出図柄Hzがスクロール変動することで変動表示演出が開始される(図柄演出実行手段)。なお、図中、ドラムユニット200の擬似演出図柄の変動表示、及び、演出図柄Hzの変動表示は単に下向きの矢印で表示している。
液晶表示器42の中央の領域には背景画像が表示されており、この背景画像は、公園の風景を表現したものである。このような背景画像は、演出上での滞在モードが例えば「通常モード」であることを表現している。「通常モード」は、非時間短縮状態である。この他にも演出上で各種のモードが設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている。これらモードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものである。ここでは特に図示していないが、この後、例えば液晶表示器42の表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
また、演出図柄Hzの変動表示中、液晶表示器42の画面下部では第4図柄Z1が変動表示されており、第4図柄Z1は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
〔左演出図柄停止〕
図135中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に、ドラムユニット200の左リール201の擬似左演出図柄と、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄が変動を停止する。この例では、ドラムユニット200の左リール201の中段位置に擬似左演出図柄として「緑色の7図柄」が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄として数字の「8」を表す演出図柄が停止している。
〔作動記憶数減少時の演出例〕
ここで、先の図135中(B)に示されているように、変動開始に伴って最も古い第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動して最も左側に位置していたマーカM1の表示個数が1個分減少されている。すなわち、それまでにマーカM1の作動記憶数が合計4個存在していたが、最も以前(古い)の記憶数表示であるマーカM1が非表示となり、内部抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、合計作動記憶数が3個に減少したことを演出上でも遊技者に教示することができ、また、いずれの特別図柄(この場合は第1特別図柄)に対応する作動記憶が消費されたかを分かりやすく教示することができる。
そして、図135中(C)の例においては、記憶順で先頭にあった作動記憶が消費されて残りが3個になったため、画面上に残った3つのマーカM1がそれぞれ1個分ずつ一方向(ここでは左方向)へずれていく演出が行われている。これにより、作動記憶数の変化の前後関係を正確に演出上で表現するとともに、遊技者に対して「作動記憶が消費されて1つ減った」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
〔右演出図柄停止〕
図136中(D):次に、ドラムユニット200の右リール203の中段位置に擬似右演出図柄として「パンダ図柄」が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの右演出図柄として数字の「3」を表す演出図柄が停止している。
〔停止表示演出〕
図136中(E):第1特別図柄の停止表示に同期して、停止表示演出が実行される。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、ドラムユニット200の擬似演出図柄も、液晶表示器42の演出図柄Hzも同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、ドラムユニット200の中リール202の中段位置に擬似中演出図柄として「パンダ図柄」が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄として数字の「1」を表す演出図柄が停止している。この場合、ドラムユニット200の中段の有効ライン上に表示された擬似演出図柄の組み合わせは「緑色の7図柄」-「パンダ図柄」-「パンダ図柄」のはずれ目であり、液晶表示器42の演出図柄Hzの組み合わせは「8」-「1」-「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
以上は、1回の変動ごとに行われる変動表示演出と停止表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
〔大当り時の演出例〕
図137~図139は、大当り時に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である。ここではリーチ演出の他に、変動表示演出や停止表示演出及び予告演出が含まれるものとする。また、その他にも、変動表示演出中に実行される予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出)の一例を説明する。
以下のリーチ演出は、第1特別図柄表示装置34において大当り時の変動パターンによる変動表示が行われた後、例えば、第1特別図柄が「第1当選図柄」又は「第2当選図柄」の態様(例えば7セグメントLEDの「己」,「ヨ」,「口」,「巳」,「F」,「E」,「L」,「Γ」等)で停止表示されるまでに実行される(リーチ演出実行手段)。
〔変動表示演出〕
図137中(A):第1特別図柄(又は第2特別図柄)の変動開始に略同期して、ドラムユニット200の各リールが回転を開始するとともに、液晶表示器42の演出図柄Hzがスクロール変動することで変動表示演出が開始される。
〔リーチ発生前予告演出(1段階目)〕
図137中(B):変動開始から所定時間が経過すると、液晶表示器42において、キャラクターの絵柄画像(絵札)を用いた1段階目のリーチ発生前予告演出が行われる。このリーチ発生前予告演出は、予め定められた順序にしたがって1段階から複数段階(例えば2~5段階)まで、段階的に態様の変化が進行していく予告演出である。このリーチ発生前予告演出で用いられる絵柄画像は、画面の左端から出現するようにして表示される(その他の出現の態様でもよい。)。なお、「リーチ発生前予告」は、リーチの可能性や大当りの可能性を予告する演出である。このような「リーチ発生前予告演出」を実行することで、遊技者に対して「リーチに発展するかも知れない=大当りの可能性が高まる」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ発生前予告演出(2段階目)〕
図137中(C):リーチ発生前予告演出の1段階目の態様が実行された後、続いてリーチ発生前予告演出の態様の変化が2段階目に進行する。ここでは2段階目のリーチ発生前予告演出として、先とは違うキャラクターの絵柄画像を用いた演出が行われている。具体的には、画面の右端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像の前面に重なって表示される。また、このとき表示される絵柄画像は、先に表示されていた絵柄画像よりもサイズが大きい。そして、絵柄画像で表現されたキャラクターが台詞(例えば「リーチになるよ」等)を発するという、音響出力による演出もあわせて行われる。
このような2つ目の絵柄画像を用いたリーチ発生前予告演出(2段階目)は、先の図137中(B)で行われたリーチ発生前予告演出(1段階目)からさらに一歩進んだ発展型である。このように発展していく「リーチ発生前予告演出」の態様を称して、一般的に「ステップアップ予告」等と表現することがある。ここではリーチ発生前予告演出で2段階目の絵柄画像が出現する例を挙げているが、3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示される演出態様であってもよい。また、例えば3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示されるごとに、そのサイズが拡大されるものとしてもよい。なお、この段階でも変動表示演出は継続されている。いずれにしても、リーチ発生前予告演出の態様の変化をより多くの段階まで進行させることにより、今回の変動で大当りになる可能性(期待度)が高いことを遊技者に示唆することができる(例えば、5段階目まで進行すると最大の期待度を示唆する等。)。
〔左演出図柄の停止〕
図138中(D):変動表示演出の中期にさしかかると、ドラムユニット200の左リール201の擬似左演出図柄と、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄が変動を停止する。この例では、ドラムユニット200の左リール201の中段位置に擬似左演出図柄として「赤色の7図柄」が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄として数字の「7」を表す演出図柄が停止している。
〔リーチ状態の発生〕
図138中(E):そして、次に、ドラムユニット200の右リール203の擬似右演出図柄と、液晶表示器42の演出図柄Hzの右演出図柄が変動を停止する。この例では、ドラムユニット200の右リール203の中段位置に擬似右演出図柄として「赤色の7図柄」が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの右演出図柄として数字の「7」を表す演出図柄が停止している。これにより、ドラムユニット200の擬似演出図柄では、「赤色の7図柄」-「変動中」-「赤色の7図柄」のリーチ状態が発生しており、液晶表示器42の演出図柄Hzでは、「7」-「変動中」-「7」のリーチ状態が発生している。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われる。リーチ状態の発生後、当選時のリーチ演出が実行される。なお、液晶表示器42の演出図柄Hzに関しては、明確なリーチ状態を発生させずに、「変動中」-「変動中」-「変動中」の表示状態としてもよい。
〔リーチ発生後予告演出〕
図138中(F):リーチ状態が発生して暫くすると、液晶表示器42において、例えば「ハート」の図形を表す画像が群をなして画面上を斜めに過ぎっていくリーチ発生後予告演出が行われる。この場合、突然、画面上に「ハート群」の画像が流れていくように表示されるため、これによって遊技者に対する視覚的な訴求力を高めることができる。このような視覚的に賑やかなリーチ発生後予告演出を実行することで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ演出の進行〕
図139中(G):リーチ発生後予告演出に続いて、液晶表示器42に、画面の左側に敵キャラクターとしての「かぼちゃのお化け」が出現し、画面の右側に味方キャラクターとしての「男性キャラクター」が出現し、画面の中央に「VS」の文字が出現する演出が行われる。
図139中(H):リーチ演出が終盤になると、「かぼちゃのお化け」が無数のパンチを繰り出し、「男性キャラクター」がチョップで応戦する演出が行われている。この状態で「男性キャラクター」が勝利すれば大当りとなり、「男性キャラクター」が敗北すればはずれとなる。
〔停止表示演出(当選時演出)〕
図139中(I):「勝利!!」の文字とともに、「男性キャラクター」が大きく表示され、「かぼちゃのお化け」が小さく表示されると、大当りであることを意味している。そして、特別図柄の停止表示に略同期して、ドラムユニット200の中リール202の擬似中演出図柄と、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄が変動を停止する。この例では、ドラムユニット200の中リール202の中段位置に擬似右演出図柄として「赤色の7図柄」が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄として数字の「7」を表す演出図柄が停止している。第4図柄Z1は、大当りに対応する態様(例えば赤表示色)で停止表示されている。
なお、非当選時(はずれ時)は、「敗北・・」の文字とともに、「かぼちゃのお化け」が大きく表示され、「男性キャラクター」が小さく表示される。この場合、ドラムユニット200の中リール202の中段位置に擬似右演出図柄として「パンダ図柄」が停止され、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄として数字の「7」以外の数字を表す演出図柄が停止される。
〔大役中演出〕
図140及び図141は、大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である。なお、以下の大役中演出は、液晶表示器42にて実行される演出である。
〔大当り遊技開始〕
図140中(A):大当り遊技が開始されると、例えば、画面内に「BIG BONUS」といった文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像(例えば女性キャラクター)が表示される。
〔大役中「右打ち」表示〕
また、本実施形態では遊技領域8a内の右側部分に第1可変入賞装置30が配置されているため、大役中は遊技球の発射位置(発射方向)として遊技領域8a内の右側部分を指定することとしている。このため、主制御CPU72による制御上で上記の発射位置指定表示ランプ38fが点灯表示されるとともに、「右打ち」を表す発射位置指定コマンドが演出制御装置124に送信される。これを受けて、演出制御CPU126による演出制御上で表示画面内に「右打ち」を促す案内情報(右方向を示す矢印、「右打ち」の文字等)が表示される)。
〔1ラウンド目〕
図140中(B):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、例えば、画面内の左上部に「BIG BONUS」の文字情報とともに、10個の○印が表示される。そして、そのうち1番左に位置する○印が赤色(斜線のハッチング)で表示され、残りの9個の○印は白色で表示される。これにより、出球を獲得できるのは10ラウンドであること、現在のラウンドがその10ラウンド中の1ラウンド目であること、及び、出球が獲得できるラウンドが1つ進行する毎に○印が赤色で表示されることを遊技者に教示することができる。
〔10ラウンド目〕
図140中(C):この後、大当り遊技が順調に進行し、例えば、10ラウンド目に移行すると、例えば、10個の全ての○印が赤色で表示される。これにより、この10ラウンド目で出球を獲得できる全てのラウンドが終了することを遊技者に教示することができる。
〔時間短縮状態突入演出〕
図141中(D):そして、大当り遊技の終了時間(エンディング時間)を利用して「ドライブモード突入!」といった文字情報が表示される演出が実行される。これにより、これから「ドライブモード」が開始されることを遊技者に教示することができる。また、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、「ドライブモード」においても右打ちで遊技が進行することを遊技者に教示することができる。
ここで、エンディング演出中には、「プリペイドカードの取り忘れに注意しましょう」といったプリペイドカードの取り忘れを喚起する報知を行ったり、「遊技に対するのめり込みに注意しましょう」といった遊技に対するめり込みを防止する報知を実行したりするようにしてもよい。
〔大当り遊技終了、時間短縮状態〕
図141中(E):大当り遊技が終了し、内部状態(遊技状態)が時間短縮状態に設定されると、滞在モードが「ドライブモード」に設定され、背景画像が、女性が乗車した自動車が大地を走行する様子を表現した画像に変更される。これにより、現在の内部状態(遊技状態)が通常状態とは異なる時間短縮状態であることを遊技者に教示することができる。
〔時短中演出〕
このように、時間短縮状態で遊技が進行している場合には、時間短縮状態(有利遊技状態)に対応させた背景画像を表示する時短中演出(有利遊技状態演出)が実行される。
〔右打ち示唆演出〕
また、画面上部では、右打ち示唆演出が実行されている。右打ち示唆演出では、液晶表示器42の画面上部に帯状の領域を設け、その帯状の領域の中に右打ちの文字情報と右向きの矢印記号とを表示している。なお、このような右打ち示唆演出は、遊技状態が時間短縮状態である場合には継続して実行される。そして、このような演出を実行することにより、遊技者に対して「右打ち」を促すことができる。
〔残り回数表示演出〕
さらに、画面左下では、残り回数表示演出が実行されている。残り回数表示演出では、液晶表示器42の画面左下に長方形形状の領域を設け、その長方形形状の領域の中にドライブモードで遊技を進行することができる残り回数を表示している。なお、図示の例では、「残り2回」の情報が表示されている。残り回数は、時間短縮状態のドライブモード又は非時間短縮状態のドライブモードで第2特別図柄が変動して停止する度に1減算される。このため、残り回数は、時間短縮状態や非時間短縮状態で第1特別図柄が変動して停止しても減算されない。
〔ドライブモード(時間短縮状態)の演出例〕
図142~図144は、ドライブモードの演出例を示す連続図である。
図142中(A):ドライブモードでは、背景画像が、女性が乗車した自動車が大地を走行する様子を表現した画像に変更される。ドラムユニット200の中段の有効ライン上に表示された擬似演出図柄の組み合わせは「赤色の7図柄」-「赤色の7図柄」-「赤色の7図柄」の当選目であり、液晶表示器42の演出図柄Hzの組み合わせは「7」-「7」-「7」の当選目である。これは、当選時の出目を表示している。また、画面上部では、右打ち示唆演出が実行されており、このような右打ち示唆演出は、遊技状態が時間短縮状態である場合には継続して実行される。
なお、液晶の背景画像に連動させて、ドラムユニット200のバックライトを所定の色で発光させるようにしてもよい。
〔特別図柄の変動開始〕
図142中(B):第1特別図柄での初当り時には第1特別図柄の記憶が貯まっていることが多く、第2特別図柄の記憶が貯まっていないのが一般的である。図示の例では、第1特別図柄の記憶(マーカM1)が4つ貯まっている。このため、このような状況でドライブモードに突入した場合には、第1特別図柄が変動表示される。なお、第1特別図柄の記憶が貯まっていない場合には、遊技者が右打ちを実行することにより、最初に第2特別図柄の変動が実行される。そして、第1特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴ってドラムユニット200が回転を開始し、液晶表示器42の演出図柄Hzや第4図柄Z1についても変動を開始する。ここでは、第1特別図柄に関する内部抽選において、はずれに該当したものとする。
〔第1特別図柄の変動終了〕
図142中(C):第1特別図柄がはずれの態様で停止表示されると、ドラムユニット200の擬似演出図柄、液晶表示器42の演出図柄Hz、液晶表示器42の第4図柄Z1についてもはずれの態様で停止表示される。この間に遊技者が右打ちを実行し、複数の遊技球が始動ゲート20を通過し、可変始動入賞装置28が開放して1個の遊技球が右始動入賞口28bに入球したものとする。この場合、第2特別図柄の記憶(マーカM2)が1個貯まる。
ここでは、第1特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されない。具体的には、残り回数の表示は、残り2回のままである。
図143中(D):第1特別図柄及び第2特別図柄の記憶は、入賞順に消化されるため、この後は、第1特別図柄の残りの3個の記憶が消化される。そして、第1特別図柄の残りの記憶の消化が終了すると、次は、第2特別図柄の記憶を用いて内部抽選が実行される。そして、第2特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴ってドラムユニット200が回転を開始し、液晶表示器42の演出図柄Hzや第4図柄Z2についても変動を開始する。ここでは、第2特別図柄に関する内部抽選において、小当りに当選したものとする。
〔小当り開始、第2大入賞口開放〕
図143中(E):そして、第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、ドラムユニット200の擬似演出図柄(「チェリー図柄」-「チェリー図柄」-「チェリー図柄」の組み合わせ)、液晶表示器42の演出図柄Hz(「5」-「2」-「6」の組み合わせ)、液晶表示器42の第4図柄Z2(緑色表示色)についても小当りの態様で停止表示される。これにより、小当り遊技が開始され、第2大入賞口31bが開放される。そうすると、女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げて画面右側に進んでいく演出が実行される。また、例えば、第2特別図柄の変動中に遊技者が右打ちを実行し、遊技球が始動ゲート20を通過し、可変始動入賞装置28が開放して1個の遊技球が右始動入賞口28bに入球したものとする。この場合、第2特別図柄の記憶(マーカM2)が1個貯まる。
ここでは、第2特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されている。具体的には、残り回数の表示は、残り1回となっている。
図143中(F):小当り遊技が開始されると、仙人のキャラクターが「右下のアタッカを狙うのじゃ」という台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して、第2可変入賞装置31に遊技球を入球させなくてはならないということを伝達することができる。
〔特定領域通過〕
図144中(G):小当り遊技により第2可変入賞装置31が開放状態に移行し、遊技球が特定領域31xを通過し、小当り時の当選図柄が第6当選図柄であったものとする。この例では、自動車に乗っている女性キャラクターが、Vの文字が描かれたハートマークを掲げ、「やったね!BIG BONUSよ!!」といったセリフを発する演出が実行される。これにより、遊技球が特定領域31xを通過したこと、及び、これから大当り遊技(BIG BONUS)が開始されることを遊技者に教示することができる。
〔小当り終了、大当り遊技開始〕
図144中(H):その後、小当り遊技が終了し、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)が閉鎖される。また、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過したことで、大当り遊技が開始されることとなる。この例では、大当り遊技特有の女性キャラクターが登場し、「BIG BONUS」といった文字情報が表示され、女性キャラクターが同様のセリフを発する演出が実行される。また、表示画面には、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、そのまま右打ちで大当り遊技が進行することを遊技者に教示することができる。
その後、上記と同様の大当り遊技中の演出が開始され、大当り遊技が進行する。例えば、第2特別図柄に関する小当り時の当選図柄が第6当選図柄に該当している場合、実質的に9ラウンド分の出球(小当り遊技を含めると10ラウンド分の出球)を獲得することができる。なお、ドライブモードにて大当り遊技が実行される場合は、ドライブモードでの当選時専用の大役中演出を実行してもよい。
図145及び図146は、非時間短縮状態でのドライブモードにおいて第2特別図柄が変動する際の演出例を示す連続図である。このような状況が発生するのは、主に時間短縮状態の最終変動で「第4当選図柄」の大当り又は「第6当選図柄」の小当りに該当して大当り遊技が実行され、かつ、第2特別図柄の記憶が蓄積されている場合である。
ここでは、第2特別図柄の記憶は1個存在しているものとする。このため、時短中演出は継続して実行されている。また、残り回数表示演出として、「残り1回」の情報が表示されている。ただし、右打ち示唆演出は実行されていない。
〔特別図柄の変動表示中〕
図145中(A):非時間短縮状態でのドライブモードで第2特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴ってドラムユニット200が回転を開始し、液晶表示器42の演出図柄Hzや第4図柄Z2についても変動を開始する。
〔変動表示演出の継続〕
図145中(B):非時間短縮状態でのドライブモードで第2特別図柄の変動表示が継続して実行されている。また、それに伴ってドラムユニット200の回転が継続し、液晶表示器42の演出図柄Hzや第4図柄Z2についても変動を継続する。なお、ここでの状況は、時間短縮状態ではないため、始動ゲート20を通過させても可変始動入賞装置28がロング開放する確率は低い。このため、基本的には第2特別図柄の記憶を貯めることはできない。よって、このような非時間短縮状態でのドライブモードは、第2特別図柄が最大で1回変動するチャンスゾーンとなる。
〔停止表示演出〕
図145中(C):ここでは、第2特別図柄に関する内部抽選において、小当りに当選したものとする。そして、第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、ドラムユニット200の擬似演出図柄(「チェリー図柄」-「チェリー図柄」-「チェリー図柄」の組み合わせ)、液晶表示器42の演出図柄Hz(「2」-「2」-「3」の組み合わせ)、液晶表示器42の第4図柄Z2(緑色表示色)についても小当りの態様で停止表示される。この場合、動物のキャラクターが「7の数字が表示されたマーク」を掲げる演出が実行される。
ここでは、第2特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されている。具体的には、残り回数の表示は、残り0回となっている。
〔小当り開始、第2大入賞口開放〕
図146中(D):そして、小当り遊技が開始されると、第2大入賞口31bが開放されるとともに、女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げて画面右側に進んでいく演出が実行される。この際、動物のキャラクターを置き去りにする演出が実行される。
〔特定領域通過〕
図146中(E):小当り遊技により第2可変入賞装置31が開放状態に移行し、遊技球が特定領域31xを通過し、小当り時の当選図柄が第6当選図柄であったものとする。この例では、自動車に乗っている女性キャラクターが、Vの文字が描かれたハートマークを掲げ、「やったね!BIG BONUSよ!!」といったセリフを発する演出が実行される。これにより、遊技球が特定領域31xを通過したこと、及び、これから大当り遊技(BIG BONUS)が開始されることを遊技者に教示することができる。
〔小当り終了、大当り遊技開始〕
図146中(F):その後、小当り遊技が終了し、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)が閉鎖される。また、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過したことで、大当り遊技が開始されることとなる。この例では、大当り遊技特有の女性キャラクターが登場し、「BIG BONUS」といった文字情報が表示され、女性キャラクターが同様のセリフを発する演出が実行される。また、表示画面には、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、そのまま右打ちで大当り遊技が進行することを遊技者に教示することができる。その後、上記と同様の大当り遊技中の演出が開始され、大当り遊技が進行する。そして、非時間短縮状態のドライブモードで第6当選図柄に該当して大当り遊技が実行された場合、大当り遊技の終了後には、通常モードに移行する。
図147は、遊技状態と発射方向に関する遊技の流れを示す図である。
以下の遊技の流れは、連荘状態が最短で終了する際の遊技の流れである。
具体的には、非時間短縮状態において「第1当選種類(時短有り)」の大当りに当選し、時間短縮状態において「第6当選種類(時短無し)」の小当りに当選し、非時間短縮状態において「第6当選種類(時短無し)」の小当りに当選する場合の遊技の流れである。
遊技状態は、No1~No13の順番で進行する。
〔No1〕
「遊技状態」は「第1特別図柄変動」であり、「発射方向」は「左打ち」である。
遊技の開始時は、第1特別図柄を変動させて、大当りを目指す。
〔No2〕
「遊技状態」は「大当り(初当り、大当り1回目)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。ここでは、「第1当選種類(時短有り)」の大当りに当選したものとする。
〔No3〕
「遊技状態」は「時間短縮状態」であり、「発射方向」は「右打ち」である。
非時間短縮状態から時間短縮状態に遊技状態が移行すると、発射方向は、右打ちとなる。
〔No4〕
「遊技状態」は「第1特別図柄変動(ショート変動)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。初当り時に貯まっている第1特別図柄の記憶は、高速消化される。
〔No5〕
「遊技状態」は「第2特別図柄変動(時間短縮状態、記憶+1)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。第2特別図柄の変動中には、第2特別図柄の記憶を1つ貯めることができる。
〔No6〕
「遊技状態」は「第2特別図柄停止(時間短縮状態終了)」であり、「発射方向」は「左打ち」である。第2特別図柄の停止時に、遊技状態が時間短縮状態から非時間短縮状態に移行すると、発射方向は、右打ちから左打ちに切り替わる。
〔No7〕
「遊技状態」は「第1特別図柄の記憶増加」であり、「発射方向」は「左打ち」である。第1特別図柄の記憶は、最大で4個まで貯まる。
〔No8〕
「遊技状態」は「小当り経由の大当り(大当り2回目)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。小当り遊技中や大当り遊技中の発射方向は、右打ちとなる。ここでは、「第6当選種類(時短無し)」の小当りに当選したものとする。
〔No9〕
「遊技状態」は「第2特別図柄変動(非時間短縮状態)」であり、「発射方向」は「左打ち」である。ここでは、第2特別図柄の記憶を増加させることができない。
〔No10〕
「遊技状態」は「第1特別図柄の記憶増加」であり、「発射方向」は「左打ち」である。第1特別図柄の記憶は、最大で4個まで貯まる。
〔No11〕
「遊技状態」は「第2特別図柄停止」であり、「発射方向」は「左打ち」である。発射方向は、左打ちの状態が継続される。
〔No12〕
「遊技状態」は「小当り経由の大当り(大当り3回目)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。小当り遊技中や大当り遊技中の発射方向は、右打ちとなる。ここでは、「第6当選種類(時短無し)」の小当りに当選したものとする。
〔No13〕
「遊技状態」は「1セット分(3回分)の大当り終了」であり、「発射方向」は「左打ち」である。この場合、通常モードに移行する。このように、2回連続で、時短無しの当選図柄(例えば、「第6当選種類(時短無し)」)に該当すると、連荘状態は終了となる。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した変動表示演出やリーチ演出、リーチ発生前予告演出、記憶数表示演出、大役中演出、液晶表示器42やドラムユニット200を用いた演出、時短中演出、右打ち示唆演出、残り回数表示演出等は、いずれも以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
演出制御装置124は、図94を参照しながら述べたように、演出制御プロセッサ(全体制御部)としての機能と演出再生プロセッサ(個別制御部)としての機能を有しており、これらの機能が連携することにより、各デバイスの動作(液晶表示器42による画面表示、スピーカ54,55,56による音声出力、各種ランプ46~52及び盤面ランプ53等による発光、可動体モータ57による各種可動体の動作等)を制御して、パチンコ機1での演出再生を実現させる。
そこで、説明の便宜のため、以降の説明においては、演出制御CPU126が演出制御プロセッサ(全体制御部)として機能する場合の動作主体を「演出制御部210」と称し、演出再生プロセッサ(個別制御部)として機能する場合の動作主体については、制御対象とするデバイスに応じて適宜「表示制御部220」、「音声制御部222」、「ランプ制御部224」、「可動体制御部226」又は「入力制御部228」と称する。なお、演出再生プロセッサ(個別制御部)として機能するこれらの制御部220,222,224,226,228を総括して「各個別制御部」と称する場合がある。また、演出再生に関する時間の管理を行う動作主体を「時間管理部230」又は「ACT」と称することとする。
演出制御の大まかな流れとしては、先ず、演出制御部210が、主制御装置70から送信された演出コマンドを受信すると、この内容に応じて演出の再生を指示するコマンドをRAM130(記憶手段)内の所定の領域に出力する(演出制御手段)。演出制御部210が出力したコマンドは、時間管理部230により所定のタイミングで各個別制御部に対して送信される。これを受けて各個別制御部は、コマンドを参照し、コマンドの内容に基づいて各デバイスに対し具体的な指示を行い、各デバイスの動作を制御する(演出動作制御手段)。このような制御の結果として、各デバイスによる演出動作が実行される(演出動作実行手段)。すなわち、演出制御部210により出力されるコマンドは、各デバイスの演出動作を一意に特定するものである(演出動作命令)。
なお、各個別制御部は、各デバイスの演出動作を制御するに際し、受信した1つのコマンドにより、又は、複数のコマンドを組み合わせることにより、1つの演出動作を特定可能である。また、時間管理部230は、各個別制御部に対するコマンドの送信とともに、又は、コマンドの送信に代えて、コマンドの内容に対応付けられた演出動作の詳細が定義されている制御テーブルを起動することも可能である。制御テーブルが起動された場合には、各個別制御部は、制御テーブルの内容を解析し、その内容に基づいて各デバイスに対する具体的な指示を行うこととなる。
図148は、演出制御部210により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御部210は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs~数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、時短中及び擬似時短中その他演出処理(ステップS402a)、ドラムユニット演出管理処理(ステップS403)、特殊変動中演出管理処理(ステップS403a)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御部210は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御部210は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば、特図先判定演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止時コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、発射位置指定コマンド、エラー通知コマンド、大当り終了演出コマンド、変動パターン先判定コマンド、停止表示時間終了コマンド、回数切りカウンタコマンド、各種のエラーコマンド、特殊変動回数指定コマンド等がある。
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御部210は上述した記憶数表示演出や、マーカM1を用いた先読み予告演出の実行を制御する。なお、作動記憶演出管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御部210は演出図柄Hzや第4図柄Z1,Z2を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作時の演出内容を制御したりする。また、この処理において演出制御部210は、各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出等)の演出パターンを選択する。このように、演出図柄管理処理において、演出制御部210は、液晶表示器42に表示する演出内容(演出図柄Hz、第4図柄Z1,Z2、マーカM1,M2、大役中演出等に関する演出内容、各種予告演出の内容)を決定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS402a:演出制御部210は、時短中及び擬似時短中その他演出処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、右打ち示唆演出及び残り回数表示演出等に関する演出内容を決定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS403:ドラムユニット演出管理処理では、演出制御部210は演出図柄管理処理にて決定した演出内容に基づいて、ドラムユニット200を制御する処理を実行する。このように、ドラムユニット演出管理処理において、演出制御部210は、ドラムユニット200に表示する演出内容(擬似演出図柄に関する演出内容、ドラムユニット200の可動に関する内容)を決定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS403a:特殊変動中演出管理処理において、演出制御部210は、特殊変動回数指定コマンドに基づいて特殊変動中演出を実行するか否かを判断し、実行すると判断した場合にはどのような内容の特殊変動中演出を実行するかを決定する処理を実行する。
具体的には、演出制御部210は、短い時間(数秒程度)の特殊変動パターンが選択されている場合には、非リーチ演出(例えば、演出図柄を高速変動させる演出)を実行する演出パターンを選択し、長い時間(数十秒程度)の特殊変動パターンが選択されている場合には、リーチ演出等を実行する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS404:表示出力処理では、先ず演出制御部210が、表示制御部220に対して演出内容(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示するコマンドを出力する。これを受けて表示制御部220は、コマンドの内容に基づいてVDP152に対し具体的な描画の指示を行い、液晶表示器42による表示動作を制御する。
ステップS406:ランプ駆動処理では、先ず演出制御部210が、ランプ制御部224に対して演出内容を指示するコマンドを出力する。これを受けてランプ制御部224は、コマンドの内容に基づいてLEDドライバ198を中継しドライバIC132に対して具体的な駆動信号を出力し、各種ランプ46~52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、先ず演出制御部210が、音声制御部222に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示するコマンドを出力する。これを受けて音声制御部222は、コマンドの内容に基づいて音声IC134に対し具体的な出力内容の指示を行い、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音(効果音、BGM等)を出力させる。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御部210はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば、先ず演出制御部210が、可動体制御部226に対して演出内容を指示するコマンドを出力する。これを受けて可動体制御部226は、コマンドの内容に基づいてSMC199に対し具体的な制御内容を指示する。これを受けてSMC199は、可動体制御部226からの指示に基づいて可動体40fの作動パターンを作成し、これに応じた制御信号をドライバICに出力して、可動体40fを駆動させる。可動体40fは可動体モータ57を駆動源として動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御部210はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される演出図柄管理処理の内容について説明する。
〔作動記憶演出管理処理〕
図149は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS700:先ず演出制御部210は、主制御CPU72から作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS700:Yes)、演出制御部210はステップS702を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS700:No)、演出制御部210はステップS702を実行しない。
ステップS702:演出制御部210は、作動記憶数増加時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、第1特別図柄に対応したマーカM1又は第2特別図柄に対応したマーカM2を表示させる演出を選択する。
ステップS704:演出制御部210は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS704:Yes)、演出制御部210はステップS706を実行する。なお、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS704:No)、演出制御部210はステップS706を実行しない。
ステップS706:演出制御部210は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、内部抽選により消費した抽選要素に対応するマーカM1又はマーカM2を消滅させるとともに、内部抽選により消費していない残りのマーカM1,M2を左方向にスライドさせる演出を選択する。
以上の手順を終えると、演出制御部210は、演出制御処理(図148)に復帰する。
〔演出図柄管理処理〕
図150は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御部210は次に実行するべき処理(ステップS502~ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御部210は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御部210は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御部210は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また、可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(図105中のステップS5000)が選択された場合にのみジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502~ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御部210は演出図柄Hz及び第4図柄Z1,Z2を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。また、この処理において、演出制御部210は各種の条件(抽選結果、当選種類(当選図柄の種類)、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(リーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御部210は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御部210は必要に応じて各個別制御部に対する指示を行う。例えば、変動表示演出の実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合には、遊技者による演出ボタンの操作の有無を入力制御部228に監視させるとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)をコマンドにより各個別制御部に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御部210は内部抽選の結果に応じた停止表示演出の内容を制御すべく、各個別制御部に対し指示を行う。例えば、演出制御部210は、各個別制御部に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行をコマンドにより指示する。これを受けて、例えば表示制御部220は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御部210は小当り遊技中又は大当り中の演出内容を制御する。この処理において、演出制御部210は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容を選択する。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
〔ドライブモードにおける2つの演出モードの比較〕
図151は、ドライブモードにおいて選択されうる2つの演出モードを比較して示す表である。上述したように、本実施形態では、ドライブモードにおいて2つの演出モード(地球モード及び宇宙モード)が用意されており、ドライブモード滞在中には、遊技者により選択されたいずれか一方の演出モードにて各種の演出が実行される。
2つの演出モードは、演出の特徴(見せ方や傾向)が大きく異なっている。先ず、地球モードにおいては、会話予告やステップアップ予告、ミニキャラ予告、カットイン予告等の多種多様な予告演出が実行されうる。これに対し、宇宙モードにおいては、演出が図柄の動きを中心に構成されており、特別図柄の1回の変動中にあたかも特別図柄が多くの回数にわたって変動しているかのように見せる演出が実行される(擬似変動演出実行手段。以下、特別図柄の1回の変動中に連続して実行される擬似的な変動を「擬似連」と称する。)。すなわち、宇宙モードにおいては、図柄の見せ方を多様に変化させることで予告的な表現がなされ、予告演出そのものはほとんど実行されない。
したがって、両者を比較してみると、地球モードにおいては、予告演出の発生頻度が高く、これに伴って演出制御部210により出力されるコマンド(演出に関する指定情報)の数も多くなり、最大で1146種類ものコマンドが出力されうるものの、擬似連は最大でも7回しか発生しない。これに対し、宇宙モードにおいては、予告演出の発生頻度が低く、これに伴って演出制御部210により出力されるコマンドの数も少なくなり、出力されうるコマンドは最大でもわずか46種類であるが、擬似連は最大で31回も発生しうる。
このように、地球モードと宇宙モードとでは、コマンドの数や擬似連の回数が大きく異なっている。演出制御の過程では、RAM130に様々な情報が格納されるが、RAM130の容量は限られているため、演出の実行を効率よく制御するためには、RAM130内の領域の使い方を工夫する必要がある。
なお、上述した擬似連の発生回数には、本変動分の1回が含まれており、擬似連を構成する複数回の擬似的な変動(擬似変動)のうち、最後の擬似変動は本変動に該当する。例えば、擬似連の発生回数が3回である場合には、1回目及び2回目の擬似変動は見かけ上の変動であり、3回目の擬似変動は本変動となる。また、図示されていないが、通常モードにおいては、地球モードと同様に様々な予告演出が実行される(出力されうるコマンドの種類は地球モードにおける種類の範囲内に収まる)が、図柄の変動は本変動のみで構成され、見かけ上の変動は発生しない。
〔演出制御装置におけるRAMの使用態様:実施形態〕
図152は、RAM130(演出制御CPU126の内蔵RAM)の使用態様を説明する図である。
本実施形態においては、各演出モードでの演出を制御する上で、RAM130の内部に実行用領域240、地球モード用擬似領域250及び宇宙モード用擬似領域260が設けられる。これらの領域はいずれも、演出制御部210により出力されるコマンドを一時的に格納するための記憶領域であるが、このうち、地球モード用擬似領域250及び宇宙モード用擬似領域260は、特別図柄の変動開始前に決定される演出の内容に対応して出力される各種のコマンドをひとまず格納しておくために用いられる。これに対し、実行用領域240は、演出実行前の所定のタイミングでその演出に対応するコマンドを格納するために用いられ、地球モード用擬似領域250又は宇宙モード用擬似領域260の一部に格納されているコマンドが書き移して格納される。以下、各領域の構成を詳細に説明する。
地球モード用擬似領域250は、ドライブモードにおいて地球モードが選択されている場合に用いられる記憶領域である。上述したように、地球モードでは擬似連が最大で7回発生するため、これに合わせて地球モード用擬似領域250には、1回目の擬似変動(擬似1)用としての擬似領域250-1から7回目の擬似変動(擬似7)用としての擬似領域250-7までの、合計7個の擬似領域が設けられる。また、地球モードでは最大で1146種類のコマンドが出力されるため、擬似領域250-1~250-7は、それぞれの内部に1146個の格納エリアを有している。したがって、地球モード用擬似領域250全体での格納エリアの数は、合計8022個(=1146×7)である。
なお、通常モードにおいては、上述したように見かけ上の変動がなく本変動のみで構成され、また、出力されうるコマンドの種類は地球モードにおける種類の範囲内に収まるため、別途通常モード用の記憶領域を設けなくても、地球モード用擬似領域250に全てのコマンドを格納することが可能である。したがって、通常モードにおいては、地球モード用擬似領域250が使用される。つまり、地球モード用擬似領域250は、地球モードと通常モードとで兼用される。
また、宇宙モード用擬似領域260は、ドライブモードにおいて宇宙モードが選択されている場合に用いられる記憶領域である。上述したように、宇宙モードでは擬似連が最大で31回発生するため、これに合わせて宇宙モード用擬似領域260には、1回目の擬似変動(擬似1)用としての擬似領域260-1から31回目の擬似変動(擬似31)用としての擬似領域260-31までの、合計31個の擬似領域が設けられる。また、宇宙モードでは最大で46種類のコマンドが出力されるため、擬似領域260-1~260-31は、それぞれの内部に46個の格納エリアを有している。したがって、宇宙モード用擬似領域260全体での格納エリアの数は、合計1426個(=46×31)である。
特別図柄の変動開始前には、上記の演出図柄変動前処理(図150中のステップS502)において、演出制御部210が演出抽選の結果等に応じて実行する演出の演出パターンを決定する。このとき、演出制御部210は、演出パターンに対応する内容の様々なコマンドを地球モード用擬似領域250又は宇宙モード用擬似領域260の所定のエリアに格納する。例えば、地球モードにおける1回目の擬似変動に関連する演出の演出パターンに対応する内容のコマンドは、地球モード用擬似領域250-1(擬似1用)の所定のエリアに格納され、宇宙モードにおける5回目の擬似変動に関連する演出の演出パターンに対応する内容のコマンドは、宇宙モード用擬似領域260-5(擬似5用)の所定のエリアに格納されることとなる。
そして、実行用領域240は、演出が実行される前、すなわち、これから実行される演出(構築すべき演出)に対応するコマンドが、各個別制御部に送信される前の所定のタイミングで格納される記憶領域であり、内部に1146個の格納エリアを有している。実行用領域240には、地球モード用擬似領域250及び宇宙モード用擬似領域260に格納されうる全ての種類のコマンドを格納することが可能である。特別図柄の変動開始前には、地球モード用擬似領域250又は宇宙モード用擬似領域260に様々なコマンドが予め格納されており、実行用領域240には、これらの擬似領域から実行タイミングに即したコマンドが書き移されて格納される。
このように、本実施形態においては、擬似領域がモード別に異なる構造で設けられている。また、地球モード用擬似領域250と宇宙モード用擬似領域260とを合わせた擬似領域全体での格納エリアの数は、合計9448個(=8022+1426)となる。
なお、実行用領域240、地球モード用擬似領域250及び宇宙モード用擬似領域260の実体は、例えば配列変数であり、各領域内の格納エリアの番号は、配列内の位置(配列のインデックス番号)を示している。
図153は、実行用領域240、地球モード用擬似領域250及び宇宙モード用擬似領域260の使用態様を説明する図である。発明の理解を容易とするために、ここでは、各領域内において、コマンドの格納先となるエリアがコマンドの種類毎に固定されているものとして説明する。
図153中(A):実行用領域240の使用例が示されている。実行用領域240が有する1146個の格納エリアのうち、例えば、エリア1-10の10個の格納エリアには、会話予告に関するコマンドが格納される。会話予告を実行するに際しては、表示色や登場するキャラクター、キャラクターが発する台詞等の情報が指定されるが、これらの情報に対応する個々のコマンドが、エリア1-10の所定のエリアに個別に格納されることとなる。例えば、エリア1には表示色を指定するコマンドが格納され、エリア2には登場するキャラクターを指定するコマンドが格納される。なお、必ずしも全ての格納エリアにコマンドが格納されるものではなく、指定のない情報に対応する格納エリアにはコマンドは格納されない。
他の格納エリアについても同様であり、例えば、エリア11-20の10個の格納エリアには、ステップアップ予告に関するコマンドが格納され、エリア21-30の10個の格納エリアには、ミニキャラ予告に関するコマンドが格納される。また、例えば、エリア1101-1105の5個の格納エリアには、変動動作(図柄の動作)に関するコマンドが格納され、エリア1106-1110の5個の格納エリアには、図柄(停止の出目)に関するコマンドが格納され、エリア1111-1120の10個の格納エリアには、変動詳細(SPリーチの指定等)に関するコマンドが格納され、エリア1121-1130の10個の格納エリアには、保留溜め区間(遊技者に作動記憶をチャージさせる区間に行う演出)に関するコマンドが格納され、エリア1131-1135の5個の格納エリアには、デバイス系予告(液晶表示器42による演出とは関連しない予告)に関するコマンドが格納され、エリア1136-1146の11個の格納エリアには、イレギュラー関連(通常でない打ち方がなされた場合の対応)に関するコマンドが格納される。
図153中(B):地球モード用擬似領域250-1~250-7の使用例が示されている。地球モード用擬似領域250-1~250-7は、いずれも実行用領域240と同様の構造を有しており、各擬似領域250-1~250-7が有する1146個の格納エリアの使われ方も実行用領域240と同様である。したがって、各擬似領域250-1~250-7に格納された個々のコマンドは、演出実行前の所定のタイミングで、実行用領域240内の同じエリア番号の格納エリアに書き移して格納されることとなる。
図153中(C):宇宙モード用擬似領域260-1~260-31の使用例が示されている。宇宙モード用擬似領域260-1~260-31は、それぞれ46個の格納エリアを有しており、これらの格納エリアの使われ方は、実行用領域240における格納エリア1101-1146の使われ方と同様である。すなわち、格納エリア1-5の5個の格納エリアには、変動動作に関するコマンドが格納され、エリア6-10の5個の格納エリアには、図柄に関するコマンドが格納され、エリア11-20の10個の格納エリアには、変動詳細に関するコマンドが格納され、エリア21-30の10個の格納エリアには、保留溜め区間に関するコマンドが格納され、エリア31-35の5個の格納エリアには、デバイス系予告に関するコマンドが格納され、エリア36-46の11個の格納エリアには、イレギュラー関連に関するコマンドが格納される。
また、各擬似領域260-1~260-31に格納された個々のコマンドは、演出実行前の所定のタイミングで、元のエリア番号に「1100」を加算したエリア番号を有する実行用領域240内の格納エリアに書き移して格納される。例えば、各擬似領域260-1~260-31のエリア1に格納されたコマンドは、演出実行前の所定のタイミングで実行用領域240内のエリア1101に書き移して格納されることとなる。
なお、上記の使用態様はあくまで一例として挙げたものであり、これに限定されない。また、上記では説明の便宜上、コマンドの格納先となるエリアがコマンドの種類毎に固定されているものとして説明したが、各領域にコマンドが格納される直前にその格納先となるエリアが動的に決定されてもよい。つまり、各領域内でいずれの種類のコマンドがいずれの格納エリアに格納されているかが何らかの方法で管理されており(特定の種類のコマンドを各領域から取得可能であり)、地球モード用擬似領域250から実行用領域240に対して、又は、宇宙モード用擬似領域260から実行用領域240に対して、それぞれコマンドを書き移して格納する際に、書き移されるコマンドの種類に応じて実行用領域240内の適切な格納エリアにそのコマンドを格納することが可能な構成であればよく、その場合には、各領域内において各コマンドがいずれの格納エリアに格納されても構わない。
図154は、特別図柄の変動開始後の各時点における実行用領域240の使用例を示す図である。ここでは、ドライブモードにおいて地球モードが選択されている場合を例に挙げる。以下、時系列に沿って説明する。
図154中(A):特別図柄の変動開始前における地球モード用擬似領域250の状態が示されている。特別図柄の変動開始前に実行された演出抽選の結果等に応じて、地球モード用擬似領域250には変動開始後に実行される演出に関するコマンドが格納される。例えば、演出抽選により、擬似連が3回まで実行されること、また、擬似連を構成する各擬似変動に合わせて会話予告、ステップアップ予告、ミニキャラ予告が実行されること等が決定される。そして、決定された演出の内容に対応するコマンドが、地球モード用擬似領域250-1(擬似1用)、地球モード用擬似領域250-2(擬似2用)、地球モード用擬似領域250-3(擬似3用)内の所定の領域に格納される。
図154中(B):擬似1(1回目の擬似変動)の開始直前における実行用領域240の状態が示されている。擬似1においては、「会話予告(弱)」、「ステップアップ予告(第1段階)」を実行することが予め決定されており、地球モード用擬似領域250-1(擬似1用)には、これらの演出に対応するコマンドが格納されている。したがって、擬似1の開始直前には、地球モード用擬似領域250-1(擬似1用)の内容が実行用領域240にコピーされ、擬似1で実行される演出に対応するコマンドが実行用領域240の所定の格納エリアに格納されている。
なお、実行用領域240に格納されたコマンドは、所定のタイミングでACTにより各個別制御部に送信され、これによりコマンドが格納されていた格納エリアはクリアされる(空の状態となる)。なお、格納エリアのクリアは、このタイミングでは行わずに、後述する各擬似領域の全体を初期化するタイミングでまとめて行ってもよい。また、実行用領域240に格納されたコマンドのその後の流れについては、次の図面を参照しながら詳しく後述する。
図154中(C):擬似2(2回目の擬似変動)の開始直前における実行用領域240の状態が示されている。擬似2においては、「会話予告(強)」、「ステップアップ予告(第2段階)」、「ミニキャラ予告(弱)」を実行することが予め決定されており、地球モード用擬似領域250-2(擬似2用)には、これらの演出に対応するコマンドが格納されている。したがって、擬似2の開始直前には、地球モード用擬似領域250-2(擬似2用)の内容が実行用領域240にコピーされ、擬似2で実行される演出に対応するコマンドが実行用領域240の所定の格納エリアに格納されている。
図154中(D):擬似3(3回目の擬似変動、すなわち本変動)の開始直前における実行用領域240の状態が示されている。擬似3においては、「ステップアップ予告(第3段階)」、「ミニキャラ予告(強)」を実行することが予め決定されており、地球モード用擬似領域250-3(擬似3用)には、これらの演出に対応するコマンドが格納されている。したがって、擬似3の開始直前には、地球モード用擬似領域250-2(擬似2用)の内容が実行用領域240にコピーされ、擬似3で実行される演出に対応するコマンドが実行用領域240の所定の格納エリアに格納されている。
図154中(E):特別図柄の確定後における実行用領域240の状態が示されている。確定後には、次変動での使用に備えて、地球モード用擬似領域250全体(擬似1用~擬似7用)が初期化される。なお、擬似領域全体を初期化するタイミングは、確定後に限定されない。例えば、変動開始前(各擬似領域に次変動用のコマンドを格納する前)やいわゆる客待ち状態中に、擬似領域全体の初期化を行ってもよい。
なお、図154中(A)に示される特別図柄の変動開始前には、変動開始前に実行された演出抽選の結果等に応じたコマンドが各擬似領域の所定の格納エリアに格納されているが、コマンドは、状況に応じて特別図柄の変動開始後にも格納されうる。例えば、変動開始後に追加の演出抽選が実行された場合には、そのタイミングで適宜コマンドが格納される。また、例えば、作動記憶の数に変化が生じた場合等に出力されるコマンドのように、各擬似変動の開始タイミングとは連動せずに即時での指示が必要とされるものについては、擬似領域250,260を介することなく、実行用領域240に直接格納されてもよい。
また、各擬似領域の初期化は、地球モード用擬似領域250全体又は宇宙モード用擬似領域260全体を対象とせずに、1個ずつ随時行ってもよい。例えば、個々の擬似領域から実行用領域240へのコピーを終えた直後に個別に初期化を行ってもよい。
図155は、実行用領域240に格納されたコマンドの流れを説明する図である。発明の理解を容易とするため、図155には、演出制御装置124内でコマンドの受け渡しに関わるブロックのみを抜き出して図示している。また、ここでは、ドライブモードにおいて地球モードが選択されている場合の擬似1における「ステップアップ予告(第1段階)」に対応するコマンドの流れを例に挙げる。以下、コマンドの流れを時系列に沿って説明する。
先ず、演出制御部210が、(1)特別図柄の変動開始前に演出抽選を実行し、その結果等に応じて、(2)実行する演出に対応するコマンドを地球モード用擬似領域250の所定のエリアに格納する。ここで、各コマンドは、例えば4バイトで構成されている。また、「ステップアップ予告(第1段階)」に対応するコマンドは「0x01040101」である。したがって、演出制御部210により地球モード用擬似領域250にコマンドが格納されると、地球モード用擬似領域250-1(擬似1用)の所定のエリア(例えば「エリア11」)にはコマンド「0x01040101」が格納される。
また、擬似1の開始直前には、(3)地球モード用擬似領域250-1(擬似1用)の内容が実行用領域240にコピーされる。これにより、実行用領域240の所定の格納エリア(例えば「エリア11」)に、コマンド「0x01040101」が格納される。そして、時間管理部230(ACT)が所定のタイミングで、(4)実行用領域240に格納されている各コマンドを各個別制御部(表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224、可動体制御部226)に対して送信する。これにより、「ステップアップ予告(第1段階)」に対応するコマンド「0x01040101」が各個別制御部に送信される。
各個別制御部にはメールボックスが設けられており、ACTから送信されたコマンドはそれぞれのメールボックスで受信される。本実施形態においては、各個別制御部がタイマ割込の発生毎にメールボックスを確認するよう構成されている。メールボックスを確認し、コマンドを受信している場合には、(5)各個別制御部が受信したコマンドを参照する。そして、(6)コマンドの内容に基づいて、演出デバイスに対する具体的な指示を行い、演出デバイスの動作を制御する。
より具体的には、表示制御部220はVDP152に対し具体的な指示を行って液晶表示器42の画面表示を制御し、音声制御部222は音声IC134に対し具体的な指示を行ってスピーカ54,55,56からの音声出力を制御し、ランプ制御部224はLEDドライバ198に対し具体的な指示を行って各種ランプ46~52や盤面ランプ53等の発光を制御し、可動体制御部226はSMC199に対し具体的な指示を行って可動体40fやドラムユニット200の動作を制御する。このようにして演出制御装置124の内部でコマンド「0x01040101」が上流側から下流側へと流されていくことにより、擬似1において「ステップアップ予告(第1段階)」の演出が構築され、演出デバイス(液晶表示器、スピーカ、ランプ、可動体)により「ステップアップ予告(第1段階)」の演出動作が実行されることとなる。
このように、本実施形態においては、演出制御部210により出力されたコマンドに一意に対応付けられた演出動作が各演出デバイスにより実行される。上記の例は、コマンドと演出動作が1対1で対応付けられている場合の例であるが、対応付けの態様はこれに限定されず、コマンドと動作演出が多対1で対応付けられ、複数のコマンドの組み合わせと対応付けられた演出動作が各演出デバイスにより実行されてもよい。
また、本実施形態においては、各個別制御部による演出デバイスの制御は、原則として、演出制御部210により出力されたコマンドに基づいてなされ、演出デバイスに対しコマンドと異なる指示がなされることはない。但し、特定の条件下においては、各個別制御部がコマンドとは異なる指示を行ってもよい。例えば、演出制御部210により「通常用の演出図柄コマンド」が出力された場合に、表示制御部220が、ゾーン滞在中であるか否かを判断し、ゾーン滞在中であれば、コマンドのうち「演出図柄コマンド」の部分を踏まえつつ、ゾーン用の演出図柄コマンドに対応した演出画像を表示するよう、VDP152に対し指示を行うことも可能である。
なお、コマンドのサイズは、4バイトに限定されない。また、各個別制御部によるメールボックスの確認は、タイマ割込の発生毎に行わずに、別の方法で行ってもよい。例えば、メールボックスでコマンドを受信するとその旨を表す信号が入力される構成とし、この信号入力を契機として各個別制御部がメールボックスの確認を行ってもよい。さらに、上記の手順(4)において、ACTは、コマンドの内容に対応して設けられた制御テーブルを制御ROM180から読み出して起動することも可能である。ACTにより制御テーブルが起動された場合には、各個別制御部は、上記の手順(5)において、起動された制御テーブルに定義されている演出動作を解析した上で、上記の手順(6)において、演出デバイスに対する具体的な指示を行うこととなる。
上記の例は、通常時(所定の条件を満たさない場合)における動作の例であるが、所定の条件を満たす場合(例えば、何らかのエラーや異常等が発生した場合)には、コマンドにより指定された演出動作を演出デバイスに実行させないことや、コマンドにより指定された演出動作の一部を制限して実行させることも可能である。例えば、液晶表示器42の画面の暗転中には、「図柄停止」のコマンドを無視して音声制御部222がスピーカからの図柄停止音の出力を中断(消音)させるよう制御したり、或いは、エラー発生時には、ランプ制御部224が「演出A」のコマンドを無視して演出A用のランプ発光パターンを実行させないように制御してもよい。
また、コマンドの内容によっては、必ずしも全ての演出デバイスがそのコマンドに対応する演出動作を実行しない場合もありうる。例えば、各個別制御部がデバイス系予告(液晶表示器42による演出とは関連しない予告)に関するコマンドを受信した場合に、少なくとも液晶表示器42はデバイス系予告には関与しないため、少なくとも液晶表示器42にはこのコマンドに対する演出動作が存在せず、したがって、表示制御部220はこのコマンドに基づいた液晶表示器42の画面表示の制御を行わない。
〔演出制御装置におけるRAMの使用態様:比較例〕
図156は、比較例としてのRAM130´の使用態様を説明する図である。
比較例においては、RAM130´の内部に実行用領域240´及び共通擬似領域250´が設けられる。このうち、実行用領域240´は、上述した実施形態における実行用領域240と同一の用途で設けられており、同一の構造を有している。これに対し、共通擬似領域250´は、実施形態における地球モード用擬似領域250の用途と宇宙モード用擬似領域260の用途とを兼ねた領域として設けられており、地球モード用擬似領域250とも宇宙モード用擬似領域260とも異なった、いわば両者の最小公倍数的な構造が採られている。
より具体的には、擬似連の最大発生回数が地球モードにおいては7回であるのに対し宇宙モードにおいては31回であることを踏まえ、いずれのモードにおいても利用可能となるよう、共通擬似領域250´は合計31個設けられる(共通擬似領域250´-1~250´-31)。また、出力され得るコマンドの最大数が地球モードにおいては1146種類であるのに対し宇宙モードにおいては46種類であることを踏まえ、いずれのモードにおいても利用可能となるよう、個々の共通擬似領域250´の内部には、格納エリアが1146個設けられる。したがって、比較例における共通擬似領域250´全体での格納エリアの数は、合計35526個(=1146×31個)となる。共通擬似領域250´をこのような構造とすることにより、地球モードにおいても宇宙モードにおいても、そして地球モードにおいても、演出制御部210が出力する全てのコマンドを共通擬似領域250´に格納することができる。
しかしながら、共通擬似領域250´が地球モードで使用される場合には、擬似連は最大でも7回しか発生しないため、この場合には、共通擬似領域250´-8~250´-31、すなわち24個の擬似領域(合計27504個の格納エリア、共通擬似領域250´全体の約77.4%に相当)は全く使用されない状態となる。また、共通擬似領域250´が宇宙モードで使用される場合には、コマンドが最大でも46種類しか出力されないため、この場合には、共通擬似領域250´-1~250´-31の各々におけるエリア47-1146の1100個の格納エリア(合計34100個の格納エリア、共通擬似領域250´全体の約96.0%に相当)は全く使用されない状態となる。このように、共通擬似領域250´には、使用されない格納エリアが数多く存在していて無駄が多く、限られたRAM130´の容量を有効に活用できていない。
〔実施形態の優位性〕
図157は、RAMの使用態様に関して実施形態と比較例とを比較して示す表である。
図152を参照しながら説明したように、実施形態においては、擬似領域がモード別に異なる構造で設けられ、地球モードにおいては地球モード用擬似領域250が用いられる一方、宇宙モードにおいては宇宙モード用擬似領域260が用いられる。また、地球モード用擬似領域250全体では格納エリアが8022個(=1146×7)確保される一方、宇宙モード用擬似領域260全体では格納エリアが1426個(=46×31)確保される。したがって、地球モード用擬似領域250と宇宙モード用擬似領域260とを合わせた擬似領域全体としては、9448個(=8022+1426)の格納エリアが確保されることとなる。
これに対し、図156を参照しながら説明したように、比較例においては、共通擬似領域250´がモード間共通の領域として設けられ、地球モードと宇宙モードとで共通擬似領域250´が兼用される。そして、共通擬似領域250´全体としては、35526個(=1146×31個)の格納エリアが確保されることとなる。
したがって、実施形態と比較例とで擬似領域によるRAMの消費量を比較してみると、実施形態の方が圧倒的に少なく、実施例におけるRAMの消費量は比較例の約26.6%である。このことから、実施形態においては比較例の1/4程度にまでRAMの消費量が抑制されていることが分かる。
また、各擬似領域の初期化に要する時間を、格納エリア1個当たりの所要時間が同一であるという想定の下で比較してみる。実施形態においては、擬似領域がモード別に設けられるため、使用された方の擬似領域(地球モード用擬似領域250又は宇宙モード用擬似領域260のいずれか一方)のみを初期化すれば済むのに対し、比較例においては、モードによって未使用の格納エリアや未使用の擬似領域が存在していても共通擬似領域250´全体を初期化しなければならないため、実施形態の方が初期化を圧倒的に短時間で済ませることが可能である。より具体的には、実施形態においては、地球モードでは比較例の約22.6%の時間で地球モード用擬似領域250全体を初期化することができ、また、宇宙モードでは比較例の約4.0%の時間で宇宙モード用擬似領域260全体を初期化することができる。
以上のように、実施形態によれば、擬似領域内には最小限必要とされる数の格納エリアが確保される(不要な格納エリアは確保されない)ため、RAM130の消費量を大幅に抑制することができ、RAM130の限られた容量を有効に活用することが可能となる。また、実施形態によれば、擬似領域の初期化に要する時間を大幅に短縮することができ、演出制御CPU126における制御処理の効率を向上させることが可能となる。これらの比較結果から、実施形態の優位性は明らかである。
〔演出図柄変動前処理〕
次に図158は、上記の演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御部210は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御部210は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
なお、客待ち状態を表す演出には、「遊技に対するのめり込みに注意しましょう」といった遊技に対するのめり込みを防止する内容を表示するようにしてもよい。このようにすることで、適切なタイミングで簡単に、のめり込み防止に関する演出を実行することができ、遊技者の不利益を軽減することができる。
以上の手順を終えると、演出制御部210は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御部210はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図148中のステップS404)、ランプ駆動処理(図148中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御部210は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御部210は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御部210はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御部210は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御部210はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また、今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御部210は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御部210は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。
また、演出パターン番号を選択すると、演出制御部210は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄Hz及び第4図柄Z1,Z2の変動スケジュール(変動時間)、停止表示の態様等を決定する。
例えば、演出制御部210は、時間短縮状態での第2特別図柄の小当り変動時には、「ドライブモード」の状態で演出図柄Hz及び第4図柄Z2を変動させ、最終的に小当りに対応する演出図柄Hz及び第4図柄Z2を停止表示させる演出パターンを選択する処理を実行する。
一方、演出制御部210は、非時間短縮状態での第2特別図柄の小当り変動時には、例えば「ドライブモード」を継続させた状態又は通常モードの状態で演出図柄Hz及び第4図柄Z2を変動させ、最終的に小当りに対応する演出図柄Hz及び第4図柄Z2を停止表示させる演出パターンを選択する処理を実行する。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、大当りに該当した場合、演出制御部210はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御部210はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御部210は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。なお、大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御部210はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御部210は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御部210がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドに基づいて決定される。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御部210は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄Hz及び第4図柄Z1,Z2の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」-「2」-「4」等)を決定する。なお、このようなはずれ時の演出決定手法は、大当り時も同様である。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御部210は次にステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御部210は、予告選択処理を実行する(予告演出実行手段)。この処理では、演出制御部210は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当り又は小当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は非当選時よりも高く設定されている。
ステップS616:演出制御部210は、モード演出管理処理を実行する(有利遊技状態演出実行手段)。この処理において、演出制御部210は、滞在モードに応じた背景画像を選択する処理を実行する。例えば、演出制御部210は、原則として、内部状態が非時間短縮状態である場合には、通常モードに対応する背景画像を選択する処理を実行し、内部状態が時間短縮状態である場合には、ドライブモード(より具体的には、地球モード及び宇宙モードのうち遊技者により選択されたモード。初期状態では、例えば地球モードが選択されている。)に対応する背景画像を選択する処理(時短中演出を選択する処理)を実行する。
ただし、演出制御部210は、例外として、内部状態が非時間短縮状態である場合であっても、時間短縮状態から非時間短縮状態に移行した際に第2特別図柄の記憶が存在している場合には、ドライブモードに対応する背景画像を選択する(有利遊技状態演出実行手段、有利遊技状態演出継続実行手段)。なお、このような例外的な処理は、後述する演出図柄停止表示中処理において実行する。
ところで、上記のステップS608,ステップS610,ステップS612において変動演出の演出パターン等を決定し、上記のステップS614において予告演出の内容を決定すると、演出制御部210は、これらの演出の内容に対応した各種のコマンドを、ひとまず擬似領域に格納する。このとき、ドライブモードで地球モードが選択されている場合、又は、通常モードである場合には、演出制御部210は、地球モード用擬似領域250内の所定の格納エリアに個々のコマンドを格納する。一方、ドライブモードで宇宙モードが選択されている場合には、演出制御部210は、宇宙モード用擬似領域260内の所定の格納エリアに個々のコマンドを格納する。その上で、演出制御部210は、擬似1の開始直前に擬似1用の領域(地球モード用擬似領域250-1、又は、宇宙モード用擬似領域260-1)の内容を実行用領域240にコピーして、図柄の変動開始に備えることとなる。
以上の手順を終えると、演出制御部210は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図150中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び停止表示演出が実行されるとともに(図柄演出実行手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。その他、ここで選択された背景(滞在)モードパターンに基づいて、各種の滞在モード演出が実行される。
〔演出図柄停止表示中処理〕
図159は、演出図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS650:演出制御部210は、内部状態が時短中(時間短縮状態)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、状態指定コマンドを確認することにより、内部状態を確認することができる。なお、内部状態は、変動パターンコマンドにより確認することもできる(以下、同様)。
その結果、内部状態が時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS652を実行し、内部状態が時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS656を実行する。
ステップS652:演出制御部210は、時短最終変動であるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、回数切りカウンタコマンドを確認することにより、時短最終変動であるか否かを確認することができる。例えば、第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値が「1」から「0」に切り替わる際の変動であれば、演出制御部210は、時短最終変動であると判断することができる。
その結果、時短最終変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS654を実行し、時短最終変動であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS666を実行する。
ステップS654:演出制御部210は、擬似時短カウンタに第2特別図柄の記憶数を設定する処理を実行する。擬似時短カウンタはRAM130に記憶されており、例えば、第2特別図柄の記憶数が「0」である場合は、擬似時短カウンタに「0」が設定され、第2特別図柄の記憶数が「1」である場合は、擬似時短カウンタに「1」が設定される。
この処理を終えると、演出制御部210はステップS666を実行する。
ステップS656:演出制御部210は、滞在背景が通常背景であるか否か、すなわち、液晶表示器42に表示している背景画像が通常モードに対応する背景画像であるか否かを確認する。
その結果、滞在背景が通常背景であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS666を実行し、滞在背景が通常背景であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS658を実行する。
ステップS658:演出制御部210は、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であるか否かを確認する。
その結果、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS660を実行し、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であることを確認できない場合(No)、すなわち、擬似時短カウンタの値が0である場合、演出制御部210はステップS664を実行する。
ステップS660:演出制御部210は、滞在背景を擬似時短背景に設定する処理を実行する。擬似時短背景は、右打ち表示がされないドライブモードの背景である。
このような処理を実行することにより、演出制御部210は、時間短縮状態(有利遊技状態)が終了して非時間短縮状態(所定の遊技状態)に移行した場合であっても、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値である場合(特別な条件が満たされている場合)は、時短中演出(有利遊技状態演出)を継続して実行することができる(有利遊技状態演出継続実行手段)。
ステップS662:演出制御部210は、擬似時短カウンタを1減算する処理を実行する。
ステップS664:演出制御部210は、滞在背景を通常背景に設定する処理を実行する。通常背景は、通常モードの背景である。
ステップS666:演出制御部210は、その他処理を実行する。その他処理においては、上述したように、演出制御部210は、内部抽選の結果に応じた態様の停止表示演出の内容を制御する。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出図柄管理処理(図150)に復帰する。
〔可変入賞装置作動時処理〕
図160は、可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS800:演出制御部210は、今回の変動の結果が大当りであったか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、抽選結果コマンドを確認し、大当り時に対応するものであるのか小当り時に対応するものであるのかを確認する。この確認の結果、今回の変動の結果が大当りであった場合(Yes)、演出制御部210は次にステップS802を実行する。一方、今回の変動の結果が大当りではなかった場合(No)、すなわち、小当りであった場合、演出制御部210は次にステップS804を実行する。
ステップS802:演出制御部210は、大当り時可変入賞装置作動時処理を実行する。この処理では、演出制御部210は大当り遊技開始時から大当り遊技終了時までの間に実行する演出パターンを選択する。
具体的には、演出制御部210は、選択した演出パターンに対応する演出内容を各個別制御部に対して指示する。これを受けて、例えば表示制御部220は、VDP152に対し、液晶表示器42に表示する大役中演出として、予めCGROM190に記憶されている大当り時の演出パターンに対応する各種の演出画像を、当選図柄に応じて読み出すよう指示する。
ステップS804:演出制御部210は、小当り時可変入賞装置作動時処理を実行する。この処理では、演出制御部210は小当り開始時から小当り終了時までの間に実行する演出パターンを選択する。
具体的には、演出制御部210は、小当り遊技の開始時に小当り遊技が開始したことを示す演出パターン及び右打ちを示唆する演出パターンを選択し、また、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過した場合には、特定領域通過時の演出パターンを選択して、これらの演出パターンに対応する演出内容を各個別制御部に対して指示する。これを受けて、例えば表示制御部220は、VDP152に対し、小当り遊技の開始時に、女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げる様子を表した演出画像及び右打ちを示唆する演出画像を読み出すよう指示し、また、特定領域通過時には、自動車に乗っている女性キャラクターがVの文字が描かれたハートマークを掲げる様子を表した演出画像を読み出すよう指示する。
以上の手順を終えると、演出制御部210は演出図柄管理処理(図150)に復帰する。
〔時短中及び擬似時短中その他演出処理〕
図161は、時短中及び擬似時短中その他演出処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ここで、時短中(時短)とは、時間短縮状態であり、擬似時短中(擬似時短)とは、非時間短縮状態において時短中の背景画像を表示している状態(非時間短縮状態でのドライブモード)である。
ステップS850:演出制御部210は、内部状態が時短中(時間短縮状態)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、状態指定コマンドを確認することにより、内部状態を確認することができる。
その結果、内部状態が時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS852及びステップS854を実行し、内部状態が時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS856を実行する。
ステップS852:演出制御部210は、残りの時短回数に基づく残り回数表示処理を実行する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、回数切りカウンタコマンドを確認し、第2回数切りカウンタ値に「1」を加えた値を残り回数として表示する演出パターンを選択する処理を実行する。これにより、時短中においては、残り回数表示演出の残り回数として「残り2回」又は「残り1回」の値が表示される。
ステップS854:演出制御部210は、右打ち示唆演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御部210は液晶表示器42の画面上部で右打ち示唆演出に対応する画像を表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS855:演出制御部210は、右打ち強調演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御部210は、右打ち強調演出を実行する必要が発生した場合、例えば、時間短縮状態に移行したにも関わらず、遊技者が左打ちを継続している場合(特に、第1特別図柄の5変動目又は10変動目)、液晶表示器42の画面上部で右打ちを強調する演出に対応する画像を表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS856:演出制御部210は、内部状態が擬似時短中であるか否かを確認する。演出制御部210は、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値である場合に、擬似時短中であると判断することができる。
その結果、内部状態が擬似時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS858を実行し、内部状態が擬似時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御部210は演出制御処理(図148)に復帰する。
ステップS858:演出制御部210は、擬似時短カウンタに基づく残り回数表示処理を実行する。具体的には、演出制御部210は擬似時短カウンタの値を残り回数として表示する演出パターンを選択する処理を実行する。これにより、擬似時短中においては、残り回数表示演出の残り回数として「残り1回(ラスト)」の値が表示される。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出制御処理(図148)に復帰する。
〔ドラムユニット演出管理処理〕
図162は、ドラムユニット演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS900:演出制御部210は、可動体動作スケジュール決定処理を実行する。具体的には、演出制御部210は、演出図柄管理処理(図148のステップS402)によって決定された演出パターン(演出パターン番号等)に基づいて、ドラムユニット200の動作スケジュール(変動態様、停止態様等)を決定する処理を実行する。
動作スケジュールを決定した場合、演出制御部210は、決定した動作スケジュールを、RAM130の動作スケジュール格納バッファに保存する。また、動作スケジュールを決定した場合、演出制御部210は、RAM130のドラムユニット動作中フラグをONにする処理を実行し、決定したスケジュールを全て実行した場合にドラムユニット動作中フラグをOFFにする処理を実行する。
動作スケジュールは、リール(各可動体)毎に設定されており、例えば、左リール201であれば、変動開始から変動終了まで順番に「加速」→「等速」→「減速」→「停止」等といった内容になる。この中で、「加速」及び「減速」には複数の速度変化があり、「等速」の中にも複数の速度変化がある場合がある(例えば、「低速等速」、「中速等速」、「高速等速」等)。
本実施形態では、モータ(リール)の設定速度は複数の速度(例えば100種類程度の速度)が用意されており、不図示の複数の可動体データテーブルには様々な設定情報(モータのステップ数、モータの設定速度、モータの動作に要する時間、モータの励磁方法、モータの励磁する相を指定する相指定情報等)が格納されている。各可動体データテーブルには、それぞれ異なる設定情報が格納されている。
可動体制御部226は、ドラムユニット(可動体ユニット)200の動作スケジュールに基づいて、どの順番でかつどのタイミングでいずれの可動体データテーブルを参照するかを決定する。参照中の可動体データテーブルに格納されている可動体データは、不図示の可動体データ設定領域に格納されることにより、ドラムユニット200のドライバ(IC)に送信される。ドラムユニット200のドライバは、可動体データに基づいて各リールを駆動する。
可動体制御部226は、基本的には、各リールの速度を変化する場合に、新たな可動体データを可動体データ設定領域に上書きする(参照中の可動体データテーブルを切り替える)ことになるが、各リールの速度を維持している場合にも、新たな可動体データを可動体データ設定領域に上書きする(参照中の可動体データテーブルを切り替えない)ことがある。
これは、一定の速度を維持する場合に、特別図柄の変動秒数に応じた数の可動体データテーブルを用意してしまうと、特別図柄の変動秒数に応じた数の可動体データテーブルが必要となり、可動体データテーブルの容量が多くなってしまうためである。
そして、演出パターンに対応するドラムユニット200の動作スケジュールとしては、以下のようなものがある。
例えば、演出パターンが非リーチはずれ演出に対応する演出パターンである場合、可動体制御部226は、変動開始時に左リール201、中リール202、右リール203の回転を開始し、所定時間経過後に左リール201を停止し、次に、右リール203を停止し、最後に中リール202を停止する、といった動作スケジュールとなる。なお、停止目は、任意のはずれ目や、演出図柄Hzの停止目に対応するはずれ目とすることができる。
一方、演出パターンがリーチ演出(大当り変動、小当り変動、はずれ変動)に対応する演出パターンである場合、可動体制御部226は、変動開始時に左リール201、中リール202、右リール203の回転を開始し、所定時間経過後に左リール201を停止し、次に、右リール203を停止し、リーチ状態を発生させ、最後に中リール202を停止する、といった動作スケジュールとなる。停止目は、演出図柄Hzの停止目に対応する停止目(大当りに対応する同色の7図柄の三つ揃いの当選目、小当りに対応するチェリー図柄の三つ揃いの当選目、はずれに対応する中リール202の1コマずれのはずれ目)とすることができる。
いずれにしても、演出制御部210は、この可動体動作スケジュール決定処理において、演出図柄管理処理によって決定された演出パターンに基づいて、ドラムユニット200の動作スケジュールを決定する。また、可動体制御部226は、決定された動作スケジュールに基づいて演出中に参照する可動体データテーブル(減速シーケンス、制御コードを追加した減速シーケンス、加速シーケンス、駆動開始シーケンス、駆動停止シーケンス等)の内容及び順番を決定する。
ステップS902:演出制御部210(又は可動体制御部226)は、可動体データ設定開始処理を実行する。この処理は、演出の実行中に可動体データの設定が開始される際、つまり、可動体データの上書きが発生する際にだけ実行される。
具体的には、演出制御部210(又は可動体制御部226)は、現在参照している可動体データテーブルの可動体データに、次に参照する予定の可動体データテーブルの可動体データを上書きする処理、つまり、次に参照する予定の可動体データテーブルに格納されている可動体データを可動体データ設定領域に格納する処理を実行したり、可動体データの終端であるか否かを判定し(次に参照する予定の可動体データテーブルが存在しているか否かを確認し)、可動体データの終端であると判断するまで可動体データテーブルに格納されている可動体データを可動体データ設定領域に格納する処理を実行したりする処理を実行する。
以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出制御処理(図148)に復帰する。
図163は、連荘状態即終了対策の特殊変動パターンの遷移例を示す図である。
図中(A)は、発射方向に遷移に従わずに遊技を行った場合の特殊変動パターンの遷移例を示している。
例えば、時間短縮状態が終了して非時間短縮状態に移行し、その非時間短縮状態において第2特別図柄の記憶を消化している場合(左打ち状態中)に、特別図柄の記憶を1個も貯めず、第2特別図柄の記憶で小当り又は大当りとなり、その大当り遊技の終了に時間短縮状態に移行した場合、すなわち、第2特別図柄の記憶消化中に遊技球の発射を止めていた場合、特殊変動テーブルの遷移は、以下のようになる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「1変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルD(第2特別図柄)」が選択される。なお、ここで選択されるテーブルは、「変動パターンテーブルE(第2特別図柄)」であってもよい。
具体的には、大当り遊技終了後の1変動目は、第2特別図柄の記憶消化後の第2特別図柄の変動(変動時間は120秒)となる。液晶表示器42では、例えば、第2特別図柄専用のリーチ変動(リーチ演出)を実行することができる。
図中(B)は、発射方向に遷移に従って遊技を行った場合の特殊変動パターンの遷移例を示している。
例えば、時間短縮状態が終了して非時間短縮状態に移行し、その非時間短縮状態において第2特別図柄の記憶を消化している場合(左打ち状態中)に、特別図柄の記憶を4個貯め、第2特別図柄の記憶で小当り又は大当りとなり、その大当り遊技の終了に時間短縮状態に移行した場合、すなわち、第2特別図柄の記憶消化中に左打ちをして第1特別図柄の記憶を4個貯めていた場合、特殊変動テーブルの遷移は、以下のようになる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「1~4変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルD(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の1~4変動目は、第2特別図柄の記憶消化後の第1特別図柄の変動(変動時間は90~120秒程度)となる。液晶表示器42では、例えば、第1特別図柄専用のリーチ変動を実行することができる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「5変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルD(第2特別図柄)」が選択される。なお、ここで選択されるテーブルは、「変動パターンテーブルE(第2特別図柄)」であってもよい。
具体的には、大当り遊技終了後の5変動目は、第2特別図柄の記憶消化後の第2特別図柄の変動(変動時間は120秒)となる。液晶表示器42では、例えば、第2特別図柄専用のリーチ変動を実行することができる。
図中(B)に示す打ち方を実行することにより、連荘状態即終了(連荘状態がすぐに終了してしまう状況)を回避することができる。
図164は、イレギュラー打ちを考慮した特殊変動パターンの遷移例を示す図である。
図中(A)は、発射方向に従って遊技を行った場合の特殊変動パターンの遷移例を示している。
例えば、初当り前に第1特別図柄の記憶が4個貯まっている状態で、大当り遊技終了後の時間短縮状態で右打ちを継続した場合、すなわち、第1特別図柄の記憶が全て消化され、第2特別図柄の記憶を貯めた場合、特殊変動テーブルの遷移は、以下のようになる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「1~4変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルC(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の1~4変動目は、初当り後の第1特別図柄の残りの記憶を消化するための短変動(変動時間は1.0秒)となる。液晶表示器42では、例えば、演出図柄を高速で変動させることができる。この場合、リーチ演出は実行しない。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「5変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルC(第2特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の5変動目(初当り後の第2特別図柄の1変動目)は、長変動(変動時間は120秒)となる。
図中(B)は、発射方向に従わずに遊技を行った場合の特殊変動パターンの遷移例を示している。
例えば、初当り前に第1特別図柄の記憶が4個貯まっている状態で、大当り遊技終了後の時間短縮状態で右打ち中であるにも関わらず、左打ちを継続した場合、すなわち、第1特別図柄の記憶が全て消化され、さらに第1特別図柄の記憶を貯め続けて時間短縮状態が終了(パンク)する場合、特殊変動テーブルの遷移は、以下のようになる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「1~4変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルC(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の1~4変動目は、初当り後の第1特別図柄の残りの記憶を消化するための短変動(変動時間は1.0秒)となる。液晶表示器42では、例えば、演出図柄を高速で変動させることができる。この場合、リーチ演出は実行しない。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「5変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルG(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、初当り後の第1特別図柄の5変動目は、長変動(変動時間は13.5秒)となる。液晶表示器42では、例えば、可変始動入賞装置28(電チュー)に遊技球を入賞させるように促す演出(右打ちを促す演出)を実行することができる(1回目)。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「6~9変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルC(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の6~9変動目は、初当り後の第1特別図柄の追加された残りの記憶を消化するための短変動(変動時間は1.0秒)となる。液晶表示器42では、例えば、演出図柄を高速で変動させることができる。この場合、リーチ演出は実行しない。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「10変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルG(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、初当り後の第1特別図柄の10変動目は、長変動(変動時間は13.5秒)となる。液晶表示器42では、例えば、可変始動入賞装置28(電チュー)に遊技球を入賞させるように促す演出(右打ちを促す演出)を実行することができる(2回目)。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「11変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルA(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、初当り後の第1特別図柄の11変動目は、変動パターンテーブルAに含まれる変動パターンに基づく変動となる。なお、時短終了(パンク)後は、通常状態(非時間短縮状態、通常モード)へ移行する。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)本実施形態によれば、演出制御部210により実行用領域240に格納されたコマンドがACTにより各個別制御部(表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224、可動体制御部226等)に送信され、各個別制御部により同一のコマンドに基づいて各演出デバイスの動作が制御されるため、同一のコマンドで複数の演出デバイスの動作を一意に指定し制御することができる。
(2)本実施形態によれば、実行用領域240とは別に擬似領域が設けられるため、演出制御部210により出力される各種のコマンドを、実行用領域240に格納される前の段階で一時的に格納しておくことができる。
(3)本実施形態によれば、演出の特徴(見せ方や傾向)が異なる各演出モードにおける演出を制御するために出力されるコマンドの格納に適した構造を有する擬似領域として、地球モード用には地球モード用擬似領域250が設けられ、宇宙モード用には宇宙モード用擬似領域260が設けられるため、RAMの使用量を抑制することができる。
(4)本実施形態によれば、各演出モードに適した構造として、各演出モードで出力されうるコマンドの最大数に応じた格納エリアを有する擬似領域が、擬似連の最大回数に応じた個数だけ設けられる。具体的には、地球モード用には、1146個の格納エリアを有する地球モード用擬似領域250が7個設けられ(地球モード用擬似領域250-1~250-7)、宇宙モード用には、46個の格納エリアを有する宇宙モード用擬似領域260が31個設けられるため(宇宙モード用擬似領域260-1~260-31)、いずれのモードにおいても、不必要な領域を確保することなくRAMの使用量を最小限に抑制することができる。
(5)本実施形態によれば、各演出モードにおいて使用される擬似領域のサイズ(擬似領域内の格納エリアの総数)が最小限に抑制されるため、擬似領域の使用後に行う初期化処理を短時間で行うことができ、演出制御CPU126における制御処理の効率を向上させることが可能となる。
(6)本実施形態によれば、各演出モードにおいて使用される擬似領域のサイズ(擬似領域内の格納エリアの総数)が最小限に抑制されるため、RAM130の残りの領域をその他の処理に割くことができ、RAM130の限られた容量を有効に活用することが可能となる。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様は例示であり、上述した演出の態様に限定されるものではない。
上述した実施形態では、演出制御部210がコマンドを実行用領域240に格納し、このコマンドをACTが所定のタイミングで各個別制御部(表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224、可動体制御部226)に対し送信しているが、コマンドの送信態様は、これに限定されない。例えば、演出制御部210が出力したコマンドを実行用領域240に格納することなく直接的に各個別制御部(表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224、可動体制御部226)に対して送信する構成としてもよい。或いは、ACTによるコマンドの送信を行わずに、各個別制御部が実行用領域240に格納されたコマンドを直接的に参照してもよい。
上述した実施形態では、擬似連の最大回数に応じた個数の擬似領域が設けられ、各回の擬似変動に関連して実行される演出に対応するコマンドが各回用の擬似領域に格納される(例えば、1回目の擬似変動に関連して実行される演出に対応するコマンドが擬似1用領域に格納される)例を説明したが、擬似領域の使用態様はこれに限定されない。例えば、擬似連が最大回数まで実行されない変動において、加算尺(変動時間の調整)が発生する場合に、その加算尺の区間に実行される演出に対応するコマンドの格納に擬似領域を使用したり、或いは、リーチが複数回発生する場合に、リーチの各回に擬似領域を1個ずつ使用したりすることも可能である。
上述した実施形態では、いわゆる1種2種混合機に本発明を適用する例で説明したが、いわゆる1種遊技機(特定領域を備えていない遊技機)に本発明を適用してもよい。
また、本発明は、確率変動機能を備える遊技機にも適用することができ、この場合には、いわゆるループタイプ(確変回数に実質的な上限を設定しないタイプ)の遊技機に適用することもでき、STタイプ(確変回数に実質的な上限を設定するタイプ)の遊技機に適用することもできる。
さらに、本発明は、確変領域を有する遊技機に適用することもでき、確変領域を有しない遊技機に適用することもできる。
さらにまた、本発明は、「第1特別図柄及び第2特別図柄の同時回し」を採用していない遊技機に適用することもでき、同時回しを採用している遊技機に適用することもできる。
上述した実施形態では、ドラムユニット200を備える遊技機の例で説明したが、ドラムユニット200を備えていない遊技機であってもよい。
また、ドラムユニット200は、7セグ表示器(例えば、複数の7セグ表示器を備える装置、演出図柄を表示する7セグ表示器)に変更してもよく、液晶表示器に変更してもよい。
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。
〔実施形態C〕
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図165は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図166は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば、遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図165及び図166を参照しつつ遊技機の全体構成について説明する。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図165中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図166では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図165に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1は、カードユニットに接続する機種であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないカードユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、カードユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態のパチンコ機1は、カードユニットに接続する機種を例に挙げているが、現金機(カードユニットに接続しない機種)であってもよい。
また、受皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の前面部にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニット(参照符号なし)を取り巻くようにして配置されている。
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54,55が組み込まれている。一方、外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ56が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また、受皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45(操作入力受付手段)が設置されている。演出切替ボタン45は、例えば押し込み式の円形状ボタンとその周囲に回転式のジョグリング(ジョグダイアル)を組み合わせた形態である。遊技者は、この演出切替ボタン45を押し込み操作又は回転操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
〔裏側の構成〕
図166に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等の各種のユニットに加え、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図181)に基づいてさらに後述する。
主制御基板ユニット170には、主制御装置が内蔵されており、主制御装置には、性能表示モニタ140が接続されている。性能表示モニタ140は、パチンコ機1を裏側から見て、主制御基板ユニット170の左上の領域で視認可能なように主制御装置に配置されており、4つの7セグメントLEDを備えている。4個の7セグメントLEDは左右方向に並べて配置されており、それぞれの7セグメントLEDは、10進数のアラビア数字を表示することができる7つのセグメントと、その右下に位置するドットセグメントとによって構成されている。性能表示モニタ140は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースを通じて視認可能である。
また、主制御装置には、RAMクリアスイッチ304及び設定キー用鍵穴306が設けられている。RAMクリアスイッチ304は、RAMクリア、すなわち主制御装置内に装備されているRAM(RWM)の初期化を行う際に用いられるスイッチであり、本実施形態においては、設定変更用のスイッチとしても兼用される。設定キー用鍵穴306は、パチンコ機1の遊技に関する設定を変更又は参照する上で必要とされる設定キーを差し込むための鍵穴である。
RAMクリアスイッチ304は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースに形成された貫通孔を通じて押下可能に設けられている。なお、RAMクリアスイッチ304は、透明ケース外に配置されていてもよい。また、設定キー用鍵穴306は、キーシリンダが透明ケースを貫通した状態(透明ケースがキーシリンダの周囲を囲んだ状態)で設けられている。したがって、透明ケースが封止されたままの状態で設定キーを差し込み、回転させることが可能である。
なお、図166に示した性能表示モニタ140、RAMクリアスイッチ304及び設定キー用鍵穴306の配設位置は、あくまで一例であり、任意の位置に配置することができる。また、RAMクリアスイッチ304及び設定キー用鍵穴306は、主制御装置の外側に設けられて主制御装置に接続される構成としてもよい。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受皿ユニット6に向けて案内する。
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
〔盤面の構成〕
図167は、遊技盤ユニット8を単独で示した正面図である。遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に中始動入賞口26、始動ゲート20、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等が分布して設置されている。このうち中始動入賞口26は遊技領域8aの下部分の中央に位置している。遊技領域8aの右側部分(いわゆる右打ち領域)には、始動ゲート20、普通入賞口25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31が上からこの順番に配置されている。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で始動ゲート20を通過したり、中始動入賞口26、普通入賞口22,25に入球(入賞)したり、あるいは、開放動作時の可変始動入賞装置28や開放動作時の第1可変入賞装置30、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする。ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、中始動入賞口26又は普通入賞口22に入球する可能性がある。遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、始動ゲート20を通過したり、普通入賞口25に入球したり、開放動作時の可変始動入賞装置28に入球したり、開放動作時の第1可変入賞装置30に入球したり、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする可能性がある。中始動入賞口26、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31に入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通穴を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
本実施形態において、可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って右始動入賞口28bへの入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば左右一対の開閉部材28aを有しており、これら開閉部材28aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図167中に示されるように、左右の開閉部材28aは各先端が上を向いた状態で閉鎖位置にあり、このとき右始動入賞口28bへの入球は困難(遊技球が入球できる隙間がない状態)となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、左右の開閉部材28aはそれぞれ閉鎖位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、左右に開口幅を拡大して右始動入賞口28bを開放する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の入球が可能な状態となり、右始動入賞口28bへの入球を発生させることができる(可変始動入賞手段)。なお、このとき開閉部材28aは右始動入賞口28bへの遊技球の入球を案内する部材としても機能する。また、遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に可変始動入賞装置28(開放時の右始動入賞口28b)へ向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が開放動作時の可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に必ず入球するというわけではなく、あくまで入球は無作為に発生する。
また、可変始動入賞装置28は、非時間短縮状態(所定の遊技状態)では満たされ難い条件であり、時間短縮状態(有利遊技状態)では非時間短縮状態よりも満たされやすい条件である所定の作動条件(普通図柄が当選の態様で停止表示されて普通電動役物がロング開放するというという条件)が満たされない場合は右始動入賞口28bへの遊技球の入球が困難となる入球困難状態とする一方、所定の作動条件が満たされた場合は入球困難状態よりも右始動入賞口28bへの遊技球の入球を容易とする入球容易状態へ移行する。可変始動入賞装置28は、非時間短縮状態で普通図柄が当選の態様で停止表示された場合にはショート開放(0.1秒開放)し、時間短縮状態で普通図柄が当選の態様で停止表示された場合にはロング開放(1.0秒~6.0秒開放)する。
第1可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合、又は、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合)に作動し、第1大入賞口30bへの入球を可能にする(特別電動役物、特別入賞事象発生手段)。第1可変入賞装置30は、例えば1つの開閉部材30aを有している。この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、閉位置から開放位置に向けて変位する。図示のように先端が上を向いた状態で開閉部材30aは閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき第1大入賞口30bへの入球は困難(第1大入賞口30bは閉塞中)である。第1可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして右方向へ倒れ込むようにして変位し、第1大入賞口30bを開放する(開放状態)。この間に第1可変入賞装置30は遊技球の流入が可能な状態となり、第1大入賞口30bへの入球という事象を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは第1大入賞口30bへの遊技球の流入を案内する部材としても機能する。遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に第1可変入賞装置30(作動時の第1大入賞口30b)に向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が作動時の第1可変入賞装置30に必ず入球するというわけではなく、あくまで入球は無作為に発生する。
第2可変入賞装置31は、特別な条件が満たされた場合(特別図柄が小当りの態様で停止表示された場合)に作動し、第2大入賞口31bへの入球を可能にする(特別電動役物、第2特別入賞事象発生手段)。なお、第2可変入賞装置31は、特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合に作動してもよい。
第2可変入賞装置31は、演出ユニット40の右側に配置された装置であり、例えば1つの開閉部材31aを有している。上記の第1可変入賞装置30は、開閉部材30aが右方向へ倒れこむタイプの装置(片羽根のチューリップ式のアタッカ)を採用しているが、第2可変入賞装置31は、開閉部材31aが盤面の内部にスライドするタイプの装置を採用している(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材31aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材31aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材31aの上面を転動することになるため、第2大入賞口31bへの入球は困難(第2大入賞口31bは閉塞中)である。そして、第2可変入賞装置31が作動すると、開閉部材31aが盤面の内部に引き込まれ、第2大入賞口31bを開放する(開放状態)。この間に第2可変入賞装置31は遊技球の流入が困難ではない状態となり、第2大入賞口31bへの入球という事象を発生させることができる。
〔特定領域〕
また、第2可変入賞装置31の内部には、特定領域31xが設けられている。特定領域31xは、第2可変入賞装置31が閉鎖状態である場合は遊技球が通過困難な領域であり、第2可変入賞装置31が開放状態である場合であって特定領域用スライド部材31cが盤面の内部に引き込まれている状態である場合に遊技球が通過可能な領域である。なお、第2可変入賞装置31の詳細は後述する。
また、特に図示してはいないが、第2可変入賞装置31(開閉部材31a)には、遊技球が転動するスピードを低下させる遊技球転動スピード低下部を形成してもよい。遊技球転動スピード低下部は、開閉部材31aの傾斜を緩やかにしたり、開閉部材31a上の遊技球が通過する位置に、遊技球をジグザグに進行させるための交互に出っ張る突起を形成することにより実現することができる。これにより、小当り遊技中に多くの遊技球を第2可変入賞装置31に入球させることができる。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、中始動入賞口26、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)、第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b、特定領域)に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
〔遊技盤のその他の構成〕
演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品(参照符号なし)を備えている。装飾部品はその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側上部には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄(本図柄)や、第4図柄、記憶マーカ(保留表示)をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されている。球案内通路40dは、演出ユニット40の裏側を通って下方の転動ステージ40eに接続されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40kが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40kに案内された遊技球は、その真下にある中始動入賞口26に流入しやすくなる。
その他に演出ユニット40の液晶表示器42の周囲には、演出用の可動体40f(40f1~40f8)とともに図示しない駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40f(40f1~40f8)は、特別図柄の変動表示中に所定動作を行い得る可動体である。なお、図167は全ての可動体が原点位置にある状態を図示しており、視認することができない可動体もある。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。このような可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
図168は、複数の可動体が可動位置にある様子を示す図である。
具体的には、中後可動体40f8が原点位置から240度時計回りに回転し、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7を移動させる3本のアーム51aが中央に可動した状態を示している。
上可動体40f1は、横長形状の可動体であり、可動すると中央部分だけが下降してVの字状に折れ曲がるように可動する。なお、上可動体40f1は、単純に昇降する可動体であってもよい。
下可動体40f2は、文字情報等が表示された横長形状の可動体であり、原点位置から上方向の可動位置に移動可能な可動体である。
左可動体40f3は、円弧状の可動体であり、原点位置から右方向の可動位置に移動可能な可動体である。
右可動体40f4は、円弧状の可動体であり、原点位置から左方向の可動位置に移動可能な可動体である。
中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7は、ハート形状の可動体である。
中後可動体40f8は、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7の土台となる円環状の可動体であり、原点位置から時計回りに240度回転した可動位置まで移動可能である。
中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7は、それぞれ単独で回転することができる。
中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7が液晶表示器42の中央に集まることにより、1つの大きな造形物を形成することができる。
図169は、各可動体が原点位置にある様子を示す図である。
各可動体が原点位置にある場合、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7は、中後可動体40f8と前後方向で重なる位置に配置される。
各可動体が原点位置にある場合、中前右可動体40f5は液晶表示器42の左下に配置され、中前左可動体40f6は液晶表示器42の左上に配置され、中前上可動体40f7は液晶表示器42の右下に配置される。
全ての可動体には、原点位置と可動位置にセンサ(遮光板を利用したフォトセンサ)が配置されており、演出制御装置は、このセンサに基づいて可動体が原点位置にあるのか、可動位置にあるのかを把握することができる。このようなセンサは、可動体が配置されている位置を検出する検出手段である。
例えば、中後可動体40f8を例に挙げて説明すると、中後可動体40f8の右上の位置及び右下の位置には、中後可動体40f8とともに可動する2つの遮光板51bが取り付けらており、一方の遮光板51bが原点位置フォトセンサ51cの光を遮っていれば、中後可動体40f8が原点位置にあるもとし、他方の遮光板51bが可動位置フォトセンサ51dの光を遮っていれば、中後可動体40f8が可動位置にあるもとしている。
図170は、各可動体が原点位置にあるが、中前左可動体40f6だけが可動位置にある様子を示す図である。
正常な遊技を行っていれば、中前左可動体40f6だけが可動する状態は存在しないが、何かしらの不具合が発生した場合(例えば、回転機構のロックが外れた場合)、中前左可動体40f6だけが可動することがある。このように正常でない状態が発生した場合には、後述する第1補正処理や第2補正処理が実行される可能性がある。
図171は、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が可動位置にある様子を示す図である。
中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が可動位置にある場合、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7は、中後可動体40f8の中心に向かって移動し(液晶表示器42の中央の方向に向かって移動し)、中後可動体40f8と前後方向で重ならない位置に配置される。
具体的には、3本のアーム51aが中央に集まり、かつ、中後可動体40f8が原点位置から時計回りに240度回転した状態となる。
そして、このような演出は、例えば、当選時の変動表示演出の最終段階(いわゆる決め役物動作の実行時)において実行することができる。
図172は、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が原点位置にある様子を示す図である。
本図では、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8のみを抜き出して図示している。
中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、及び、中前上可動体40f7は、中後可動体40f8と前後方向で重なるようにして配置されている。
図173は、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7が可動位置にある様子を示す図である。
本図では、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8のみを抜き出して図示している。なお、中後可動体40f8は、原点位置にある。
中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、及び、中前上可動体40f7は、中後可動体40f8の内部に配置されている。
3本のアーム51aは、リンク機構やカム機構等の機械的な機構を介して、それぞれの可動体を可動するためのモータと連結されている。
そして、各モータが可動すると、機械的な機構を介して3本のアーム51aが動作し、3本のアーム51aのそれぞれの先端に配置されている中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、及び、中前上可動体40f7が液晶表示器42の中央に向かって移動する。
具体的には、図中左上には、中前左可動体昇降モータ57iが配置されており、この中前左可動体昇降モータ57iが可動すると、図中左上に配置されたアーム51aが可動し、中前左可動体40f6が液晶表示器42の中央に向かって移動する。
また、図中右上には、中前上可動体昇降モータ57jが配置されており、この中前上可動体昇降モータ57jが可動すると、図中右上に配置されたアーム51aが可動し、中前上可動体40f7が液晶表示器42の中央に向かって移動する。
さらに、図中下部には、中前右可動体昇降モータ57hが配置されており、この中前右可動体昇降モータ57hが可動すると、図中下部に配置されたアーム51aが可動し、中前右可動体40f5が液晶表示器42の中央に向かって移動する。
さらにこの状態で、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7を回転させるモータが可動すると、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7は回転する。
図174は、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が原点位置にある様子を示す図である。
本図では、遊技盤ユニット8の後側の部分(裏箱部分)のみを示している。
中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が原点位置にある場合、上可動体40f1、下可動体40f2、左可動体40f3、及び、右可動体40f4は視認可能であるが、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8は、ほとんど視認することができない。
なお、図中右上には、上可動体昇降モータ57aが配置されており、この上可動体昇降モータ57aが可動すると、上可動体40f1が液晶表示器の中央に向かって移動する。
図175は、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が可動位置にある様子を示す図である。
本図では、遊技盤ユニット8の後側の部分(裏箱部分)のみを示している。
中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が可動位置にある場合、上可動体40f1、下可動体40f2、左可動体40f3、及び、右可動体40f4は視認可能であり、それに加えて、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、及び、中前上可動体40f7も、中後可動体40f8の中央付近に移動するため、視認可能な状態となる。
図176は、上可動体40f1及び下可動体40f2が可動位置にある様子を示す図である。
具体的には、上可動体40f1が原点位置から可動位置に移動しており、下可動体40f2が原点位置から可動位置に移動した状態を示している。
上述したように、上可動体40f1は、可動すると中央部分だけが下降してVの字状に折れ曲がるように変形しながら可動し、下可動体40f2は、変形することなく、原点位置から上方向の可動位置に可動する。
上可動体40f1は、中央部分の上下可動体52a、上下可動体52aから左側方向に延びる左アーム52b、及び、上下可動体52aから右側方向に延びる右アーム52cにより構成されている。
上下可動体52aが原点位置にある場合、左アーム52b及び右アーム52cは傾かずに水平に配置されており、上下可動体52aが可動位置に移動すると、左アーム52b及び右アーム52cは、上下可動体52aに引っ張られることにより、それぞれ上下可動体52aに向かって傾くように配置される。
図177は、上可動体40f1及び下可動体40f2が可動位置にある様子を示す図である。
本図では、遊技盤ユニット8の後側の部分(裏箱部分)のみを示している。
左アーム52bの左端部、及び、右アーム52cの右端部には、それぞれ挿入ピン52dが配置されており、この挿入ピン52dが後方に配置された構造物のガイド溝52eに挿入されている。
これにより、左アーム52bの左端部、及び、右アーム52cの右端部は、単純に傾くだけでなく、ガイド溝52eの長さの範囲内で左右方向に移動可能となっている。
このため、上下可動体52aが可動位置に移動した場合、左アーム52b及び右アーム52cは、上下可動体52aに向かって中央方向に移動しながら傾くことになる。
上可動体40f1及び下可動体40f2が可動位置にある場合、上可動体40f1及び下可動体40f2が原点位置にある場合と比較して、液晶表示器の表示領域は狭められる。これにより、遊技者の注目を集めた状態で各種の演出を実行することができる。
図178及び図179は、第2可変入賞装置31の詳細を示す図である。
第2可変入賞装置31は、スライド式の開閉部材31aの下方に第2大入賞口31bが配置されている。第2大入賞口31bの内部は左側に下り傾斜となっており、左側の端部にて下方に通路が延びている。下方に延びた通路には第2カウントスイッチ85が配置されており、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31に入球した遊技球の数をカウントする。
そして、下方に延びた通路は、その先で2つのルートに分かれている。一方の第1通路31dは、そのまま下方に延びており、他方の第2通路31eは左側に分岐する。
第1通路31dには、特定領域用スライド部材31cが配置されており、第1通路31dの下流には特定領域31xが配置されている。なお、特定領域31xの内部には、不図示の特定領域スイッチが配置されている。
一方、第2通路31eには、特別な部材は配置されておらず、第2通路31eの下流には排出孔31yが配置されている。
特定領域用スライド部材31cは、特殊な条件が満たされた場合(第2可変入賞装置31が作動してから第1時間経過後第2時間経過前の間)に作動し、特定領域31xへの遊技球の通過を可能にする。特定領域用スライド部材31cは、例えば図示しない特定領域ソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面の前後方向に沿ってスライドする。例えば、第1時間経過後は第2可変入賞装置31が作動してから0.2秒経過後であり、第2時間経過後は、第2可変入賞装置31が作動してから1.8秒経過後である。
特定領域ソレノイドがOFFの状態であると、特定領域用スライド部材31cは第1通路31dを塞いでいるため、遊技球が特定領域31xを通過することは困難となっている。一方、特定領域ソレノイドがONの状態になると、特定領域用スライド部材31cは盤面の内側に引き込まれるため、遊技球が特定領域31xを通過することが容易となる。
次に、第2可変入賞装置31の動作を説明する。
図178中(A)に示すように、スライド式の開閉部材31aは、盤面の内側に引き込まれており、遊技球が第2大入賞口31bに入球している。図示の例では、4個の遊技球が第2大入賞口31bに向かって進行している。ここでは、1個目の遊技球が第2カウントスイッチ85により検出される直前の状態である。
図178中(B)に示すように、1個目の遊技球が特定領域用スライド部材31cに到達している。2個目及び3個目の遊技球は、第2カウントスイッチ85に向かって進んでいる。4個目の遊技球は、第2大入賞口31bに入球しかけている。
図178中(C)に示すように、この時点では、特定領域用スライド部材31cが内側に引き込まれていないため(非作動中であるため)、1個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cによって進行方向が左側に変更され、第2通路31eを進行する。この場合、1個目の遊技球は、排出孔31yにより回収される。
図179中(D)に示すように、この時点で特定領域用スライド部材31cが盤面の内側に引き込まれたものとする(動作中)。この場合、2個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cの手前側を通り抜けて、第1通路31dに進行する。そして、2個目の遊技球は、特定領域31xを通過して、特定領域スイッチにより検出される。
図179中(E)に示すように、3個目の遊技球も、特定領域用スライド部材31cの手前側を通り抜けて、第1通路31dに進行する。この場合、3個目の遊技球は、特定領域31xを通過して、特定領域スイッチに検出される。
図179中(F)に示すように、この時点で、特定領域用スライド部材31cの動作が終了し、特定領域用スライド部材31cが盤面の前方側に突出したものとする。この場合、4個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cによって左側に案内され、第2通路31eに進行する。そして、4個目の遊技球は、排出孔31yにより回収される。
図180は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の左下位置)を拡大して示す正面図である。
遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33(普通図柄表示手段)及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34(第1図柄表示手段)、第2特別図柄表示装置35(第2図柄表示手段)、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が設けられている。
このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0~4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、上記の始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えば7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段、第1図柄表示手段、第2図柄表示手段)。その他、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、0~4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプが点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして、2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
一方、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えば1つのランプ(LED)の消灯又は点灯の組み合わせで構成される表示態様により、1個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、1つのランプを消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示する。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、上記の中始動入賞口26に遊技球が入球するごとに、入球が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に遊技球が入球すると、入球が発生したことを記憶する意味で増加後の表示態様へと変化し(最大1個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されると、減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄(第1図柄)が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で中始動入賞口26に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄(第2図柄)が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個又は最大1個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また、遊技状態表示装置38には、例えば、大当り種別表示ランプ38a,38b、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定表示ランプ38fにそれぞれ対応する6つのLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図181は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0~65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、RAM76の初期化に用いられるRAMクリアスイッチ304や、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
さらに、主制御装置70には、設定変更装置300及び設定キースイッチ302が設けられている。主制御装置70(主制御CPU72)は、設定変更装置300を動作させることにより設定を変更する。設定変更装置300は、設定(少なくとも特別図柄抽選の当選確率に関する設定)を切り替える装置であり、パチンコ機1に備えられたRAMクリアスイッチ304等の操作により作動する。また、設定とは、作動確率の組み合わせをいう。さらに、作動確率とは、条件装置が作動することとなる(大当り遊技が実行されることとなる)特別図柄の組み合わせが表示される確率をいう。設定キースイッチ302は、設定を切り替える上で必須となる設定キーの回転に伴い、その回転状態を示す信号(ON/OFF)を入力する入力装置である。設定の変更には、様々な手法を採用することができるが、例えば、以下の手順で行うことができる。
(1)まず、パチンコ機1の電源をOFFにする。
(2)ついで、専用キー(ドアキー)でパチンコ機1の扉を開ける。具体的には、専用キーをシリンダ錠6aの鍵穴に差し込んで右方向に回転し、内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4を開放する。
(3)パチンコ機1の裏側には、設定キーを挿入するための設定キー用鍵穴306と、RAMクリアスイッチ304とが設けられているため、設定キー用鍵穴306に設定キーを挿入し、設定キーを右方向に回転する。
(4)そして、パチンコ機1の電源をONにする。
(5)これにより、設定キーが変更位置に回転されたことを示す信号(ON)が設定キースイッチ302により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が可能な状態となる。このとき、図示しないロック機構により安全ロックが掛けられる。したがって、設定キーは、元の位置に戻されない限りは抜き取ることが不可能となる。
ここで、設定キーを右方向に回転した状態で、RAMクリアスイッチ304をONにしながら、電源をONにすると、設定が変更な状態となる。一方、設定キーを右方向に回転した状態で、RAMクリアスイッチ304をONにせずに、電源をONにすると、設定の参照が可能な状態となる。
(6)設定の変更が可能な状態において、RAMクリアスイッチ304を任意の回数だけ押下することにより、予め設けられた複数段階のうちいずれかの段階に設定を変更することができる。また、設定値は、例えば、専用の7セグメントLED、遊技状態表示装置38(特別図柄表示装置等)、性能表示モニタ140に表示することができる。
(7)スロット機の場合、目的の設定に達したら、レバーON処理が必要になるが、パチンコ機1にはレバーが存在しないため、レバーON処理の代わりの代替処理(例えば、設定キーを左方向に回転する処理、不図示の設定変更確定ボタンをONにする処理等)を実行したり、レバーON処理を省略したりしてもよい。本実施形態では、目的の設定に達したら、設定キーを反時計回りに回転させて元の位置に戻す。この操作により、設定キーが元の位置に戻されたことを示す信号(OFF)が設定キースイッチ302により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が確定する。
(8)そして、設定の変更が確定すると、設定キー用鍵穴306から設定キーを抜き取ることができる状態となる。また、設定の変更が確定したことに伴い、専用の7セグメントLED、遊技状態表示装置38、性能表示モニタ140に設定値を表示している場合には、その表示が消える。
(9)最後に、パチンコ機1の扉を閉める。これにより、設定の変更が完了する。設定の変更が完了すると、通常の遊技が開始される。
設定が変更された場合、主制御CPU72は、変更後の設定値をRAM76の設定値バッファに記憶する。設定値バッファは、バックアップの対象となるメモリ領域とすることができる。
〔設定変更の詳細〕
設定変更の詳細は、以下の通りである。
「設定キーON」、「内枠開放状態」、かつ、「RAMクリアスイッチ押下状態」で電源を投入すると、RAMクリア後、設定変更中の状態(設定変更モード)となる。
設定変更中の状態では、メイン表示器(遊技状態表示装置38に含まれる各種ランプ)の表示はなく、遊技球の発射や遊技球の賞球等は一切できない状態となる。
この場合、性能表示モニタ200の左側2つの7セグメントLED(識別セグ)に「rn.」が表示され、右側2つの7セグメントLED(比率セグ)に「-1」のように設定値が表示される。また、RAMクリアスイッチを押下すると、設定値が1~6の範囲で変化する。
そして、「設定キーOFF」にすると、設定確定となり、比率セグの表示は「空欄(非表示)1」のように「-」のセグが消灯する(非表示となる)。
この状態で、内枠閉鎖となった場合(実際には閉鎖状態が100ms継続した場合)、設定変更中の状態は終了となり、一旦、電源断前の状態に移行してから、遊技可能状態に移行する。
本実施形態では、RAMクリアスイッチ304と設定変更スイッチとを兼用している例で説明しているが、RAMクリアスイッチ304とは別に設定変更スイッチを別途設けてもよい。
〔設定確認の詳細〕
設定確認(設定参照)の詳細は、以下の通りである。
「設定キーON」、「内枠開放状態」、かつ、「RAMクリアスイッチ押下でない状態」で電源を投入すると、設定確認中の状態(設定確認モード)となる。
設定変更中の状態と同様に、設定確認中の状態では、メイン表示器の表示はなく、遊技球の発射や遊技球の賞球等は一切できない状態となる。
この場合、性能表示モニタの左側2つの7セグメントLED(識別セグ)に「rn.」が表示され、右側2つの7セグメントLED(比率セグ)に「空欄(非表示)1」のように設定値が表示される。また、設定確認中の状態では、RAMクリアスイッチを押下しても、設定値は変化しない。
この状態で、「設定キーOFF」、かつ、「内枠閉鎖状態」となった場合(実際には閉鎖状態が100ms継続した場合)、設定確認中の状態は終了となり、一旦、電源断前の状態に移行してから、遊技可能状態に移行する。
なお、本実施形態では、遊技可能状態で設定確認を行うことはできないが、遊技可能状態で設定確認を実行可能にしてもよい。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31にそれぞれ対応して中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84及び第2カウントスイッチ85が装備されている。各始動入賞口スイッチ80、82は始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)への遊技球の入賞を検出するためのものである。また、カウントスイッチ84は第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。
他にも、特定領域31xに対応して特定領域スイッチ83が装備されている。第2大入賞口31bの内部の特定領域31xに対応する位置には、特定領域スイッチ83が備えられており、特定領域スイッチ83は、遊技球が特定領域31xを通過したことを検出する。
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22,25への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、ここでは全ての普通入賞口22,25について共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば、盤面の左右で別々の入賞口スイッチ86を設置し、左側の入賞口スイッチ86では盤面の左側に位置する普通入賞口22,25に対する遊技球の入賞を検出し、右側の入賞口スイッチ86では盤面の右側に位置する普通入賞口25に対する遊技球の入賞を検出することとしてもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類80、82、83、84、85、86の入賞検出信号や通過検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、特定領域スイッチ83、カウントスイッチ84、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号や通過検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、主制御装置70には、パネル中継端子板87を介して、性能表示モニタ140が接続されている。性能表示モニタ140は、遊技球が各入賞口(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)に入球することによって払い出される賞球数を、遊技領域に発射した遊技球の数を示すアウト数(アウトスイッチ141で検出された遊技球の数)で除算して算出されるベースを表示するためのモニタである。ベースは、遊技を進行させる制御に用いられる使用領域とは別の領域(使用外領域)を用いて予め設定された区間ごとに算出され、現在の区間のベースと、前回の区間のベースとが、予め設定された間隔ごとに切り替わって表示される。性能表示モニタ140は、主制御CPU72からの制御信号に基づいてその表示動作が制御される。主制御CPU72は、ベースの算出状況に応じて性能表示モニタ140に対する制御信号を出力し、各7セグメントの点灯状態を制御する。
なお、性能表示モニタ140は、パネル中継端子板87を介して主制御装置70に接続する例で説明しているが、パネル中継端子板87を介さずに主制御装置70に接続してもよく、主制御装置70の内部の構成として性能表示モニタ140を配置してもよい。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び特定領域31xにそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び特定領域ソレノイド99が設けられている。これらソレノイド88,90,97,99は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び特定領域31xを開閉させる。なお、これらソレノイド88,90,97,99についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に上記の一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、上記の内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている(特別特典付与手段)。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のカードユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに送信される。また、カードユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、カードユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてRAM(RWM)130やeDRAM131等の半導体メモリが内蔵されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
その他にも演出制御装置124には、VDP152やドライバIC132、音声IC134等の演出を実現する上で必要となる様々な機能部品が搭載されている。このうちVDP152は、液晶表示器42の画面上で再生される演出画面を描画するためのプロセッサである。ドライバIC132は、ランプ46~52や盤面ランプ53、可動体モータ57等のデバイスを制御するICを搭載している。また、音声IC134は、スピーカ54,55,56からの出力を制御する。なお、演出制御装置124の内部の構成については、別の図を用いて詳しく後述する。
演出制御装置124と上記の主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にサブ接続基板136が設置されており、ドライバIC132や音声IC134からの駆動信号はサブ接続基板136を経由して各種ランプ46~52やスピーカ54,55,56に印加されている。また、サブ接続基板136には、上記の演出切替ボタン45やジョグダイアル45aの他に図示しない音量調整スイッチが接続されており、遊技者がこれらの操作部材を操作すると、それらの接点信号がサブ接続基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではサブ接続基板136に各操作部材を接続した例を挙げているが、上記の受皿電飾基板を設置する場合、各操作部材は受皿電飾基板に接続されていてもよい。
その他、遊技盤ユニット8にはドライバ基板138が設置されており、このドライバ基板138には、盤面ランプ53、可動体モータ57及び可動体センサ58が接続されている。可動体モータ57は、例えば図示しないリンク機構を介して上記の可動体40fを駆動する。本実施形態では、可動体モータ57(57a~57k)として11個のモータが設置されている。11個のモータは、図示可能な範囲で図示しているが、視認不能な部分に設置されているモータに関しては図262の一覧表に表示している。可動体センサ58は、例えば可動体40fの原点位置(第1位置)や可動位置(出現位置)等に設けられたフォトセンサであり、可動体40f(又は可動体40fに取り付けられた遮光板)を検出すると検出信号を出力する。本実施形態では、可動体モータ57として複数のモータが設けられており、可動体センサ58として複数のセンサが設けられている。ドライバIC132からの駆動信号は、ドライバ基板138を経由して盤面ランプ53及び可動体モータ57にそれぞれ印加される。なお、可動体モータ57は、ソレノイドであってもよい。
上記の液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上記のように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
〔演出制御装置の内部構成〕
図182は、演出制御装置124の内部の機能構成を示すブロック図である。
上述したように、演出制御装置124は遊技の進行に伴い演出を制御する演出制御プロセッサとしての役割を有している。そのため演出制御装置124には、演出制御CPU126に加え、演出制御装置124が演出制御プロセッサとして機能する上で必要となる制御ROM180及びウォッチドッグタイマIC(WDTIC)188が装備されている。制御ROM180には、演出の制御に関する基本的なプログラムやテーブル等が格納されている。演出制御CPU126は、図示しないCPUバスを介して制御ROM180にアクセスし、制御ROM180に格納されたプログラムを実行することにより演出を制御する。ウォッチドッグタイマIC188は、演出制御装置124で実行される制御が正常になされているか(想定時間内に処理が完了しているか)を監視するタイマであり、演出制御CPU126のリセット端子に接続されている。ウォッチドッグタイマIC188の監視タイマをクリアするための信号(クリアパルス)が所定時間内に入力されなかった場合、ウォッチドッグタイマIC188は演出制御CPU126に対しリセット起動させるための信号(リセットパルス)を出力する。これにより、演出制御装置124が強制的にリセット起動されることとなる。
演出制御装置124にはこれらの他にも、演出に関わる機能として、バックアップデータ用の記憶領域であるSRAM182、所定周波数のクロック信号を生成する水晶発振器181、時刻管理を行うリアルタイムクロック(RTC)184、SRAM182及びリアルタイムクロック184に対しバックアップ電源を供給するリチウム電池186、図示しない入出力ドライバやカウンタ/タイマ回路等の周辺IC等が装備されている。リチウム電池186は、電源制御ユニット162から演出制御装置124に対し駆動電力が供給されている間に、この電力を蓄えて自身を充電する。SRAM182及びリアルタイムクロック184は、リチウム電池186に接続されており、電源制御ユニット162からの演出制御装置124への駆動電力の供給が断たれた場合にはリチウム電池186により駆動可能となる。したがって、SRAM182及びリアルタイムクロック184は、電源制御ユニット162からの電力供給が断たれた場合でも、リチウム電池186の充電が切れるまでの期間(例えば、約1か月半)は動作を継続するため、SRAM182は、電源断の状況下においても暫くは格納されている情報を保持することができる。
なお、演出制御プログラムは、容易に消去されるべきでないセキュリティや監視、不具合等に関する情報をSRAM182に保存するよう構成されている。これにより、例えば、演出制御装置124で何らかの不具合が発生した場合に、パチンコ機1を回収(又は設置状態で点検)し、SRAM182に保持されている情報を解析することにより不具合の要因調査を進めることが可能となる。
ところで、演出制御CPU126が制御ROM180に格納されたプログラムに沿って実行する演出の制御により、最終的には、液晶表示器42、各種ランプ46~53やスピーカ54,55,56等のデバイスの動作が制御される。この演出制御の流れは、大きくみると「全体制御(再生指示)」と「個別制御(再生制御)」の2つの段階に分けられる。演出制御CPU126は、先ず主制御装置70から送信される演出コマンドを受信し、演出コマンドの内容に応じた演出の再生を各デバイスに対して間接的に指示する(全体制御)。次に、演出制御CPU126は指示内容を各デバイスに適したより具体的な表現に変換した指示データを生成し、演出制御CPU126と各デバイスとの間を中継する各制御デバイス134,152,198,199に送信する(個別制御)。その結果として、各制御デバイス134,152,198,199により指示データに基づく各デバイスの制御がなされ、パチンコ機1における各デバイスを用いた演出再生(画面表示、音声出力、ランプ発光、可動体動作等)が実現される。
このように、演出制御CPU126は、演出制御の段階に応じて異なる機能を有しており、これらの機能は演出制御CPU126のリソースを使い分けた複数のタスクとして実現されている。演出制御CPU126により実行される個々の機能に対応するタスクは、演出制御部210、表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224、可動体制御部226、入力制御部228、時間管理部(ACT)230等として示されている。以下の説明では、個々のタスクを演出制御処理の動作主体として扱うものとする。
先ず、全体制御の段階では、演出制御CPU126内の演出制御部210が動作主体となり、演出の時間進行を管理する時間管理部(ACT)230を用いて演出全体の流れを制御する。また、個別制御の段階では、制御対象とされるデバイスに応じて演出制御CPU126内の表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224、可動体制御部226又は入力制御部228が動作主体となる。なお、演出制御部210が各制御デバイス134,152,198,199等を直接的に制御する構成としてもよい。
演出制御装置124は、全体制御の段階では演出制御プロセッサとして機能するのに対し、個別制御の段階では演出再生プロセッサとして機能する。そのため、演出制御装置124にはさらに、CGROM(画像・音声ROM)190とともに、演出の再生に用いられる各種のデバイスを制御するためのVDP152(演出表示制御基板)、音声IC134、LEDドライバ198、SMC(シリアル制御コントローラ)199及びドライバIC132が装備されている。
CGROM190は、演出画面を構成する描画素材(動画像データ)や演出の進行とともに出力される音声素材(音声データ)を所定の圧縮アルゴリズムにより圧縮された状態で格納している。CGROM190は、図示しないCGバスを介してVDP152や音声IC134に接続されている。
VDP152は、演出画像の描画専用のプロセッサであり、演出制御CPU126とともにワンチップに統合されている。また、VDP152はVRAM156及び描画素材デコーダ157を内蔵している。このうちVRAM156は、主に描画素材を展開する際に用いられ、描画素材デコーダ157は、圧縮された状態の描画素材を解凍(復号)する際に用いられる。VDP152は、先ず表示制御部220から送信された指示内容を解析し、CGバスを介してCGROM190から必要な描画素材を読み出してVRAM156に転送する。そして、読み出した描画素材を描画素材デコーダ157で復号してVRAM156上で演出画像の描画を行い、演出画像を1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開する。ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動することにより、演出画面の再生が実現される。
音声IC134は、演出の実行中に再生される効果音やBGM等の音声を生成するサウンドジェネレータであり、VDP152と同様に演出制御CPU126とワンチップに統合されている。音声IC134は、図示しないアンプや外部DRAM、CGバスに接続されている。また、音声IC134には、圧縮された状態の音声素材を解凍(復号)する音声素材デコーダ135が内蔵されている。音声IC134は、先ず音声制御部222から送信された指示内容を解析し、CGバスを介してCGROM190から必要な音声素材を読み出す。そして、読み出した音声素材を外部DRAM上で音声素材デコーダ135を用いて復号する。アンプを経由して各種スピーカに復号した音声を出力することにより、ステレオ2ch又はモノラル2chの音声再生(より大きなチャンネル数としてもよい)を実現する。また、音声IC134は、音量調整スイッチが操作された場合に入力される接点信号に基づいて、各種スピーカの出力音量を調整する。
LEDドライバ198は、パチンコ機1の前面側に設けられた各種ランプの演出の実行にともなう点灯パターン及び輝度パターンを制御する。LEDドライバ198においては、アドレス指定同期シリアル方式が採用されている。LEDドライバ198は、先ずランプ制御部224から送信された指示内容に基づいて点灯パターン及び輝度パターンの制御を行い、これに応じた駆動データをドライバIC132に転送する。
SMC199は、演出ユニット40の内部に設けられた演出用の各種可動体の駆動源となるモータの駆動パターンを制御するとともに、可動体用のセンサにより出力された検出信号を中継して可動体制御部226に受け渡す。SMC199もまた、演出制御CPU126とワンチップに統合されている。SMC199においては、クロック同期式シリアル方式が採用されている。可動体の駆動に際し、SMC199は、先ず可動体制御部226から送信された指示内容に基づいて可動体用のモータの駆動パターンを生成し、これをドライバIC132に転送する。なお、ここではSMC199をモータの駆動パターン生成にのみ用いているが、SMC199はモータだけでなくランプの点灯パターンや輝度パターンを生成することもできるため、上述したLEDドライバ198に代えてSMC199を適用し、SMC199がランプ及びモータの両方のデータパターンを生成する構成とすることも可能である。
ドライバIC132は、LEDドライバ198やSMC199から転送された駆動データに基づいてランプやモータに対し印加する駆動電圧の制御を行う。ドライバIC132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、各種ランプや可動体モータに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その動作を管理することにより、ランプや可動体を用いた演出再生を実現する。なお、各種ランプには、ガラス枠トップランプ46やガラス枠装飾ランプ48,50,52の他に、操作ユニット60の各部位に内蔵された光源や遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は、演出ユニット40に内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等に内蔵されるLEDに相当するものである。
この他にドライバIC132は、演出切替ボタン45やジョグダイアル45a等の操作部材が遊技者により操作された場合に入力される接点信号を、入力制御部228を経由して演出制御部210に転送する。演出制御部210は、転送される接点信号の内容に基づいて、再生する演出内容を適宜変化させる。
ここで、表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224、可動体制御部226、入力制御部228は、演出制御部210を介して、メッセージ(制御信号)の送受信をすることもできるが、演出制御部210を介さずに、メッセージの送受信をすることもできる。
例えば、可動体制御部226を例にして説明すると、可動体制御部226は、演出制御部210を介さずに、表示制御部220や音声制御部222、ランプ制御部224、入力制御部228に対して、直接、メッセージを送信することができる。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、リセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図183及び図184は、リセットスタート処理の第1手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1~2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また、主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、不図示のRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また、主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタコマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また、主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図184に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして、主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)、及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図188中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図188中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、上記のように、本実施形態において大当り決定乱数及び当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図188)を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込管理処理の内容については後述する。
図185は、リセットスタート処理の第2手順例を示すフローチャートである。なお、リセットスタート処理の第1手順例と同様の処理については、重複する説明を省略する。また、図184の処理は、第1手順例と第2手順例とで同様である。
リセットスタート処理の第2手順例では、リセットスタート処理の第1手順例と比較して、準備中処理(ステップS112a)が追加されている点が異なっている。
具体的には、ステップS106で肯定(Yes)と判断された場合、ステップS107で否定(No)と判断された場合、又は、ステップS108で否定(No)と判断された場合は、準備中処理(ステップS112a)が実行される。
なお、準備中処理(ステップS112a)の実行タイミングは、このようなタイミングに限定されるものではなく、リセットスタート処理の中の任意のタイミングで実行することができる。つまり、RAMクリアスイッチを押下した状態で電源投入した場合に、「準備中」→「遊技可能状態(メインループに移行した状態)」と移行するように制御されていればよい。
ステップS112a:準備中処理では、主制御CPU72は、RAMクリア時に必要となる各種動作を制御する。なお、処理の詳細は、後述する。
そして、準備中処理(ステップS112a)が終了すると、主制御CPU72は、RAMクリア処理(ステップS113)を実行する。なお、これ以降の処理は、第1手順例の処理と同様である。
図186は、準備中処理の手順例を示すフローチャートである。
ステップS125:主制御CPU72は、準備中動作制御処理を実行する。準備中動作制御処理の詳細は、後述する。
ステップS126:主制御CPU72は、RAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。
その結果、RAMクリアスイッチが操作されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、リセットスタート処理(図185)に復帰する。一方、RAMクリアスイッチが操作されていることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS125の処理を実行する。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、RAMクリアスイッチが押下されるまで、ステップS125の準備中動作制御処理を継続して実行することができる。
〔準備中動作制御処理〕
準備中動作制御処理の動作内容の詳細は、以下の通りである。
主制御CPU72は、準備中動作制御処理において、以下に示す状態及び動作内容のうち、少なくとも1つの状態及び動作を採用した内容の処理を実行することができる。
(1)準備中は、RAMクリアスイッチを押下した状態で電源投入した際に移行する状態である。準備中には、再度RAMクリアスイッチが押下されるまで滞在する。「準備中」の状態で、RAMクリアスイッチが押下されると、「遊技可能状態」へ移行する。
(2)準備中では、主制御装置70(主制御CPU72)で管理する可動体(主制御装置70に接続されている可動体)を可動制御し、可動体が正常に動作するか否かの可動確認を行うことができる。
具体的には、特別電動役物(アタッカ)、特別電動役物の内部の可動体(確変領域や特定領域を開放する可動体や、2種系の場合は常時回転の回転体、規定の契機により可動する可動体、及び、これらに付随する機構やソレノイド、モータ等)、普通電動役物(電動チューリップ)を一定の動作で可動制御する。
可動制御は、例えば、「0.4秒ON→0.4秒OFF」を複数回繰り返す可動パターンにより、ソレノイドやモータを動作させることにより実行する。
可動制御は、準備中において最初から最後まで継続して実行してもよく、所定回数や所定時間を上限として実行してもよい。
(3)準備中は、外部から準備中であることが明確に分かるようにすることができる。この場合、例えば、液晶表示器の表示画面に、「準備中です」「遊技できません」「RAMクリアスイッチを押下すると終了します」「演出ボタン押下で演出設定変更」等といった情報を表示することができる。この場合、合わせて、「準備中です」等の音声出力を繰り返し実行してもよい。
(4)準備中は、演出ボタンの操作により、演出に関する設定を変更することができるようにしてもよい。例えば、演出切替ボタン(演出ボタン)を押下すると液晶表示器の表示画面が切り替わり、日時の設定、音量設定(1~5段階)、演出頻度設定(1~3段階)、演出種類設定等が選択できるようにすることができる。
(5)準備中は、遊技球の発射制御ができないようにしてもよい。これは、主制御装置70から払出制御装置92へ「発射許可信号」を送信していることを条件に、発射制御基板108では、遊技球の発射をすることができるからである。主制御装置70は、「割込管理処理(タイマ割込み処理)」内で「発射許可信号」を送信する処理を行うことができるが、準備中は「割込管理処理(タイマ割込み処理)」がまだ実行されていない期間であるため発射ができない状態となる。
(6)準備中処理のプログラム(各種可動体を動作させるプログラム)は、使用領域内に実装(配置)することができる。使用領域とは、遊技の進行を制御するために使用可能な容量が遊技機規則で定められている領域であり、領域外の領域とは、使用可能な容量の計算に含めない領域である。
(7)準備中の期間は、準備中であることを示す外部情報を、外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に対して出力するようにしてもよい。
(8)準備中は、メインループに移行する前(割込管理処理(タイマ割込み処理)が実行される前)の段階である。このため、準備中においては、統合表示基板89の表示(メインセグ)は消灯状態とすることができる。また、準備中においては、遊技可能状態中に判定可能なエラー(例えば、磁気エラー、電波エラー、振動エラー、大入賞口不正入賞エラー等)を判定しないようにすることができる。さらに、準備中は、賞球の払出、特別図柄の変動、普通図柄の変動を実行しないようにすることができる。
(9)RAMクリアスイッチを押下した状態で電源投入した場合は、「準備中」を示すコマンドを主制御装置から演出制御装置に送信することができる。また、再度RAMクリアスイッチが押下され、準備中が終了する場合には、「準備中終了」を示すコマンドを主制御装置から演出制御装置に送信することができる。なお、この場合、メインループに移行する前に、主制御装置から演出制御装置にコマンドを送信するようにしてもよい。
準備中の段階では、RAMクリア処理は実行されておらず、準備中にRAMクリアスイッチが押下されたことを条件に、RAMクリア処理を実行することができる。ただし、RAMクリア処理の実行後に準備中に移行させ、その後、メインループに移行するようにしてもよい。
このような構成を採用する経緯として、以下のような課題がある。
従来の遊技機は、特別電動役物、普通電動役物の動作確認が、任意のタイミングで(特に、RAMクリアをする際の電源投入時に)行えないため、不具合が通常の遊技中に急に発覚するおそれがある。
そして、上記のような構成を採用することにより、以下のような効果を発揮することができる。
(1)電源投入時に、各種電動役物が動作可能か否かを確認することができるため、遊技中に各種電動役物が動作しないという不具合を防ぎ、正常に遊技を行うことができる。
(2)正常に遊技を行うことができるので、遊技が途切れる事態を防ぐことができ、遊技に対する興趣の低下を防ぐことができる。
(3)事前に(遊技前に)不具合を解決できるため、遊技中の不具合の確認処理を無くすことができ、制御上の処理負荷の軽減にも貢献することができる。
(4)準備中(動作確認中)に演出設定も実行することができるため、効率的な遊技を提供することができる。
上記の構成から以下の技術的な内容を抽出することができる。
(1)所定の操作部材(RAMクリアスイッチ)と、可動体(電動役物、駆動源、ソレノイド、モータ等)と、前記所定の操作部材が操作されている状態で電源が投入された場合、可動体が正常に動作するか否かを確認するために、可動体を一定の動作パターンで動作させる可動体動作手段とを備える遊技機である。
(2)上記(1)の構成において、可動体動作手段は、再び、所定の操作部材が操作されるまで、可動体を一定の動作パターンで動作させ続けることが好ましい。
〔電源断発生チェック処理〕
図187は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また、主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして、主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(図183)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図188は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB~Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A~L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、入賞口スイッチ86、特定領域スイッチ83からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、特定領域スイッチ83からの通過検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機、第1抽選契機、第2抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS204a:主制御CPU72は、設定変更処理(設定関連処理)を実行する。この処理を実行することにより、主制御CPU72は、設定値を変更する際に実行される設定変更処理又は設定値を確認する際に実行される設定確認処理の少なくとも一方を含む設定関連処理を実行することができる(設定関連処理実行手段)。なお、設定変更状態や設定確認状態でない場合には(通常遊技状態である場合には)、本処理を実行しないようにすることができる。また、通常遊技状態である場合には、ベースを算出し、算出したベースを性能表示モニタ200に表示する処理を実行することができる。主制御CPU72は、遊技球が各入賞口(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)に入球することによって払い出される賞球数を、遊技領域に発射した遊技球の数を示すアウト数(アウトスイッチで検出された遊技球の数)で除算することによりベースを算出することができる(ベース算出手段、ベース関連処理実行手段)。
本処理において設定変更処理(設定関連処理)を実際に実行した場合、主制御CPU72は、サブコマンドとして、「設定関連終了指定コマンド」を生成する処理を実行する。「設定関連終了指定コマンド」には、設定関連処理(設定変更に関する処理又は設定確認に関する処理)が終了したという情報や、設定値の情報を含ませることができる。生成された「設定関連終了指定コマンド」は、演出制御装置124に送信される。
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また、普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(普通図柄抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,82,84,85,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
〔賞球数及び獲得遊技球数について〕
第1特別図柄の始動口の賞球数及び第2特別図柄の始動口の賞球数は、それぞれ1個以上の規定数に設定されている。また、第1特別図柄の始動口と第2特別図柄の始動口とでは、賞球数を異ならせてもよい。さらに、特別図柄の当選確率や、総獲得遊技球数の期待値(初当りから時間短縮状態が終了するまでの一連の期間に得られる平均出球数)に基づいて、最低賞球数を設定してもよい。さらにまた、特別図柄の当選確率、総獲得遊技球数の期待値、大入賞口の開放回数、大入賞口の開放時間、大入賞口の最大入賞数、大入賞口の賞球数が所定の条件を満たした場合、1回の大当りによる獲得遊技球数が最大の獲得遊技球数の1/4未満となる大当りを設定してもよい。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータ(外部機器)に対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」~「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」~「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」~「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS209:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS205)や普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお、駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また、主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び特定領域ソレノイド99の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS213:そして、主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお、本実施形態では、ステップS205~ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして、主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A~L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。なお、割込管理処理では、主制御CPU72は、各種エラーを検出する図示しないセンサやスイッチ等に基づいて、各種エラー(磁気エラー、電波エラー、振動エラー、大入賞口不正入賞エラー等)を判定することができる。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図189は、スイッチ入力イベント処理(図188中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する中始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の第1大入賞口30bに対応する第1カウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS19に進んで第1大入賞口カウント処理を実行する。第1大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの第1可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS20に進む。
ステップS20:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の第2大入賞口31bに対応する第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS21に進んで第2大入賞口カウント処理を実行する。第2大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中(小当り遊技中)に第2可変入賞装置31への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72はステップS24を実行する。一方、通過検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS26に進む。
ステップS24:主制御CPU72は、普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また、主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして、主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。次に、主制御CPU72は、ステップS26を実行する。
ステップS26:主制御CPU72は、第2大入賞口31b内の特定領域31xに対応する特定領域スイッチ83から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS28に進んで特定領域予備フラグをONにする処理を実行する。一方、通過検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図188)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図190は、第1特別図柄記憶更新処理(図189中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。ここで、RAM76の乱数記憶領域は、第1特別図柄及び第2特別図柄で共通で使用する5つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。ただし、第1特別図柄に関しては、4つのセクションしか使用できず、第2特別図柄に関しては、1つのセクションしか使用できない。したがって、セクションに空きがあっても、第1特別図柄に関してすでに4つのセクションを使用している場合、それ以上第1特別図柄の各乱数が記憶されることはない。これと同様に、セクションに空きがあっても、第2特別図柄に関してすでに1つのセクションを使用している場合、それ以上第2特別図柄の各乱数が記憶されることはない。セクションが5つである理由は、第1特別図柄の最大記憶数(4個)と、第2特別図柄の最大記憶数(1個)とを合計した数のセクションが必要だからである。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図189)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図188中のステップS210)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第1抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、抽選要素取得手段)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして、主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(第1抽選要素記憶手段、抽選要素記憶手段)。複数のセクションには順番(例えば第1~第5)が設定されており、現段階で第1~第5の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2~第5セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の特別遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37,S38を実行する。大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37,S38をスキップしてステップS38aに進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS37:大当り中以外の場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する(先読み処理実行手段)。この処理は、先のステップS32~S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数、大当り図柄乱数及び変動パターン決定乱数に基づいて、特別図柄抽選の結果や変動時間を事前(変動開始前)に判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。この処理において、第1特別図柄の事前判定の結果を特図先判定演出コマンド(先読み情報)の下位バイト分にセットする。
ステップS38:取得時演出判定処理を実行すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする(先読み処理実行手段)。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分(当否に関する情報や変動時間に関する情報)は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされるので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS38a:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」~「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」~「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」~「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」~「04H」となったことを表している。なお、上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS39:そして、主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理では、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンドが演出制御装置124に対して送信される(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えるか、もしくは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図189)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
次に図191は、第2特別図柄記憶更新処理(図189中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば1とする)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図189)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図190)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図188中のステップS210)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第2抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図190)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図190)と同様である。
ステップS44:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、抽選要素取得手段)。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図190)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄及び第2特別図柄で共通で使用する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(第2抽選要素記憶手段、抽選要素記憶手段)。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図190)と同様である。
ステップS45a:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。そして、大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS46,S47を実行する。逆に大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS46,S47をスキップしてステップS48に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、同じく大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS46:大当り中以外である場合(ステップS45a:No)、次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する(先読み処理実行手段)。この処理は、先のステップS42~S44でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである。この処理において、第2特別図柄の事前判定の結果を特図先判定演出コマンドの下位バイト分にセットする。
ステップS47:取得時演出判定処理を実行すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする(先読み処理実行手段)。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS46)においてセットされるので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS48:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」~「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお、先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS49:そして、主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して特図先判定演出コマンドや作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置124に対して送信される(記憶数通知手段)。また、以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図189)に復帰する。
〔取得時演出判定処理〕
図192は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理及び第2特別図柄記憶更新処理(図190中のステップS37,図191中のステップS46)においてこの取得時演出判定処理を実行する(事前判定手段、先読み処理実行手段)。上述したように、この処理は第1特別図柄(中始動入賞口26への入球時)、第2特別図柄(可変始動入賞装置28への入球時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンド(先判定情報)の下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(図190中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図191中のステップS45)でRAM76に記憶されているものである。
ステップS54:そして、主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段、事前判定手段)。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお、比較値(下限値)は、パチンコ機1における特別図柄抽選の大当り確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS80に進む。
ステップS80:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段、先読み処理実行手段)。この処理では、主制御CPU72は、はずれ時の変動時間について変動パターン先判定コマンド(先読み情報)を生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、特に「時間短縮機能」の作動時における変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。例えば、現在の状態が「時間短縮機能」の作動時であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものである場合、主制御CPU72は「時短中非短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。なお、リーチ変動の場合はさらに、リーチモード乱数から「リーチグループ(リーチの種類)」をも判断し、その結果から変動パターン先判定コマンドを生成することとしてもよい。一方、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「時短中短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。あるいは、現在の状態が「時間短縮機能」の非作動時(低確率状態)であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものである場合、主制御CPU72は「通常はずれリーチ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。一方、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「通常はずれ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。なお、この処理において、主制御CPU72は、小当り時の変動パターンについて、上述したはずれ時の処理と同様に変動パターン先判定コマンドを生成してもよい。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は取得時演出判定処理を終了し、呼び出し元の第1特別図柄記憶更新処理(図190)又は第2特別図柄記憶更新処理(図191)に復帰する。一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
ステップS74:主制御CPU72は、大当り図柄種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(図190中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図191中のステップS45)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、ステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果からいずれの当選図柄に該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS78に進む。
ステップS78:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットする。特別図柄先判定値は、例えば「時間短縮状態に移行しない図柄」に該当する場合は「00H」がセットされ、「時間短縮状態に移行する図柄」に該当する場合は「01H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
ステップS79:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段、先読み処理実行手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り時の変動時間について、上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、例えば大当り時のリーチ変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(図190)又は第2特別図柄記憶更新処理(図191)に復帰する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理(図188)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図193は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000~ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番~7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において大当り又は小当りの態様(非当選以外の態様)で特別図柄が停止表示された場合に選択される。なお、特別図柄の停止表示される態様に応じて、大当り遊技又は小当り遊技が開始される。
〔大当り遊技〕
例えば、特別図柄が10ラウンド大当りの態様で停止表示されると、大当り遊技(遊技者にとって有利な特別遊技)が実行される。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、第1大入賞口ソレノイド90が一定時間(例えば29秒間又は10個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば10回)にわたって励磁され、これにより第1可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に第1可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に第1可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で10回あれば、これらを「10ラウンド」と総称することがある。本実施形態では、10ラウンド大当りについては、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられている。なお、大当りの種類として10ラウンド大当りだけでなく、その他のラウンド数の大当りを設けてもよい。
また、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の第1可変入賞装置30の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また、主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図188中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(時間短縮状態)を変化させる(時間短縮状態移行手段、有利状態移行手段)。「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、普通図柄の作動抽選の抽選確率が通常確率(低確率)から高確率に設定され、また、普通図柄の変動時間が短縮されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長されて開放回数が増加する(いわゆる電チューサポートが行われる)。なお、いわゆる2種遊技機の要素を含む遊技機(例えば、1種2種混合機や2種遊技機、すなわち、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過することによって大当り遊技が実行される遊技機)においては、普通図柄の作動抽選の当選確率を高確率状態に移行させないようにしてもよい。この場合、普通図柄の作動抽選の当選確率は、時間短縮機能の作動の有無に関わらずに一定の確率(例えば略1分の1)とし、可変始動入賞装置28の開放パターンで入賞の容易さと困難さを調整することができる。
〔小当り〕
また、本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当りの遊技が行われて第2可変入賞装置31が開閉動作する(特例遊技実行手段)。例えば、特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、小当り遊技(遊技者にとって有利な特殊遊技)が実行される。小当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、第2大入賞口ソレノイド97が一定時間(例えば1.8秒間又は10個の入賞をカウントするまで)、予め設定された作動回数(例えば1回又は複数回)にわたって励磁され、これにより第2可変入賞装置31が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の作動)。この間に第2可変入賞装置31に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、ある程度の賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。
また、小当り遊技中の可変入賞装置管理処理においては、特定領域ソレノイド99が一定時間(例えば1.6秒間)、予め設定された作動回数(例えば1回)にわたって励磁され、これにより特定領域用スライド部材31cが決まったパターンで開閉動作する。この間に特定領域31xに遊技球を通過させることで、遊技者には、大当り遊技を開始する機会が与えられる。すなわち、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過するか否かで、可変入賞装置管理処理において大当り遊技を開始するか否かが決定される。本実施形態では、小当りについては、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられており、遊技球が特定領域31xを通過すると、当選種類に応じた大当り遊技が開始される。
また、特定領域31xを遊技球が通過せずに小当りの遊技が終了しても、「時間短縮機能」が作動することもないので、「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。なお、「時間短縮状態」で小当りに当選した場合には、その小当り遊技終了後に「時間短縮状態」が終了するようにしてもよい。
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、複数の当選種類として「10ラウンド大当り1~6」が設けられている。「10ラウンド大当り1~4」は、特別図柄が大当りの態様で停止表示した際に開始され、「10ラウンド大当り5,6」は、特別図柄が小当りの態様で停止表示し、かつ、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過した際に開始される。なお、「10ラウンド大当り5,6」によって大当りが実行される場合(小当り経由で大当りが実行される場合)、1ラウンド目では第2可変入賞装置31が作動し、残りのラウンドでは第1可変入賞装置30が作動する。
上記の当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「10ラウンド大当り1」は「第1当選図柄」の大当りに対応し、「10ラウンド大当り2」は「第2当選図柄」の大当りに対応する。また、「10ラウンド大当り3」は「第3当選図柄」の大当りに対応し、「10ラウンド大当り4」は「第4当選図柄」の大当りに対応する。さらに、「10ラウンド大当り5」は「第5当選図柄」の小当り(特定領域31x通過時の大当り)に対応し、「10ラウンド大当り6」は「第6当選図柄」の小当り(特定領域31x通過時の大当り)に対応する。このため以下では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔第1当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が「第1当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第1当選図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。また、第1大入賞口30bは、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される(以下、同様)。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=1回又は10回)。
〔第2当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が「第2当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第2当選図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」は作動しない。
〔第3当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第3当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第3当選図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=1回又は10回)。
〔第4当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第4当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第4当選図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」は作動しない。
〔第5当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第5当選図柄」の態様で停止表示されると、小当り遊技が実行され、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過すると、小当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。この場合、2ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第5当選図柄」に該当した場合の大当り遊技は、9ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=1回又は10回)。
〔第6当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第6当選図柄」の態様で停止表示されると、小当り遊技が実行され、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過すると、小当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。この場合、2ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第6当選図柄」に該当した場合の大当り遊技は、9ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」は作動しない。
このように、本実施形態では、「第1当選図柄」、「第3当選図柄」又は「第5当選図柄」に該当した場合、大当り遊技終了後に「時間短縮状態」に移行する可能性がある。
なお、このように内部抽選で小当りに当選し、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に当選図柄の種類に応じて時間短縮状態に移行する遊技機は、いわゆる1種2種混合タイプの遊技機と呼ばれている。
〔特別図柄変動前処理〕
図194は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図188中のステップS212)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお、復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)を取得した順に読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。本実施形態では、RAM76の乱数記憶領域に記憶された(取得された)順に乱数が読み出される(入賞順消化)。なお、このような特別図柄別の入賞順消化の制御ではなく、第2特別図柄の消化を優先する優先消化の制御であってもよい。また、この処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち、乱数のシフトを行った方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図188中のステップS210)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図195は、上記の特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動前処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」より大であった場合(図194中のステップS2100:Yes)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:主制御CPU72は、乱数記憶領域を参照して、最も古い記憶が第2特別図柄に対応するものであるか否かを確認する。この確認は、RAM76の乱数記憶領域の第1セクションに、第2特別図柄に対応する乱数が記憶されているか否かを確認することにより実現することができる。このとき、最も古い記憶が第2特別図柄に対応するものであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2212を実行する。
ステップS2212:主制御CPU72は、対象特別図柄として第2特別図柄を指定する。この指定は、例えば対象図柄指定値として「02H」をセットすることで行われる。
ステップS2214:一方、最も古い記憶が第2特別図柄に対応するものであることを確認できない場合(ステップS2210:No)、すなわち、最も古い記憶が第1特別図柄に対応するものである場合、主制御CPU72は対象特別図柄として第1特別図柄を指定する。この場合の指定は、例えば対象図柄指定値として「01H」をセットすることで行われる。
ステップS2216:主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
ステップS2218:次いで主制御CPU72は、対象特別図柄について作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、今回の対象特別図柄が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(-1)する。
ステップS2220:そして、主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から「変動開始時作動記憶数」を設定する。なお、ここでは第1特別図柄と第2特別図柄の両方について、作動記憶カウンタの値を加算した上で「変動開始時作動記憶数」を設定してもよい。
ステップS2222:また、主制御CPU72は、対象特別図柄が第2特別図柄であるか否かを確認する。
ステップS2224:対象特別図柄が第2特別図柄であった場合(ステップS2222:Yes)、主制御CPU72は第2特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」~「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。つまり、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」~「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」~「1」(コマンド表記は「13H」~「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」~「0」(コマンド表記は「12H」~「10H」)となったことを表している。なお、上記の先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS2226:なお、今回の対象特別図柄が第1特別図柄であった場合(ステップS2222:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。この場合のコマンドは、先行値が第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BBH」)となる以外は上記と同じである。
ステップS2228:そして、主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2224又はステップS2226でセットした作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図194)に復帰する。
〔図194:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(第1抽選実行手段、第2抽選実行手段、抽選実行手段)。このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(第1抽選実行手段、第2抽選実行手段、抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。「小当り」は、第2可変入賞装置31のみを作動させる条件を満たすものとして位置付けられている(条件装置を作動させる条件は満たさない)。さらに、「小当り」中に遊技球が特定領域31xを通過すると、「大当り」に発展させるものとして位置付けられている(条件装置を作動させる条件を満たす)。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
本実施形態では、第1特別図柄抽選においては、大当りの当選確率が319分の1に設定され、小当りには当選しない設定になっている。なお、第1特別図柄抽選において、小当りに当選するようにしてもよい。また、第2特別図柄抽選においては、大当りに当選する確率は319分の1に設定され、小当りに当選する確率は319分の318(=略1/1)に設定され、はずれには該当しないようになっている。なお、第2特別図柄抽選において、はずれに該当するようにしてもよい。したがって、第2特別図柄抽選においては、大当りよりも小当りに当選しやすくなっている。これらの大当りの当選確率や小当りの当選確率を満たすべく、大当り値の範囲や小当り値の範囲が主制御CPU72により設定され、読み出した乱数値と比較される。
また、主制御CPU72は、非時間短縮状態(所定の遊技状態)において、第1特別図柄の抽選契機(第1抽選契機)よりも発生しにくい第2特別図柄の抽選契機(第2抽選契機)が発生すると、第2特別図柄抽選(第2抽選)を実行する(第2抽選実行手段)。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図188中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「-」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、図示しない変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、はずれ時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン選択手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。変動パターンには、通常変動(非リーチ変動)、リーチ変動、スーパーリーチ変動等といった様々な変動パターンが含まれている(大当り時や小当り時も同様)。なお、選択された特別図柄の変動パターンに関する情報は、特殊変動であるか否かという情報も含めて変動パターンコマンドとして演出制御装置に送信される(大当り時や小当り時についても同様である。)。
ここで、はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。また、「時間短縮状態」でなくとも、リーチ演出を実行する変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個~3個)」に基づいて短縮される場合がある(例えば、変動表示開始時作動記憶数0個→12.5秒程度、変動表示開始時作動記憶数1個→8秒程度、変動表示開始時作動記憶数2個→5秒程度、変動表示開始時作動記憶数3個→2.5秒程度)。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。そして、主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、4種類の当選図柄が用意されている。第1特別図柄に関する内訳は、「第1当選図柄」又は「第2当選図柄」であり、第2特別図柄に関する内訳は、「第3当選図柄」又は「第4当選図柄」である。なお、これらの当選図柄の各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば、「第1当選図柄」であれば、「第1当選図柄A」、「第1当選図柄B」、「第1当選図柄C」、・・・といった具合である。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の選択比率が異なっている。このため主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであるか、第2特別図柄に対応するものであるかによって選択する当選図柄を区別している。
〔第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図196は、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、この第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「52」,「48」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第1当選図柄」、「第2当選図柄」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する大当り時において、「第1当選図柄」が選択される割合は100分の52(=52%)であり、「第2当選図柄」が選択される割合は100分の48(=48%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。
いずれにしても、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」,「02H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「第1当選図柄」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第1当選図柄」に該当した場合、通常中(非時間短縮状態)であるか時短中(時間短縮状態)であるかに関わらず、時短回数は1回(又は10回)付与される。
また、「第2当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は0回付与される(付与されない)。なお、時短回数は、上記の値に限定されることなく2回以上(11回以上)であってもよい。
ここで、「1回(又は10回)」とは、第2特別図柄の合計変動回数が1回となるか、第1特別図柄及び第2特別図柄の合計変動回数が10回となると、時間短縮状態が終了することを意味している。
〔第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図197は、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、この第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「100」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第3当選図柄」、「第4当選図柄」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する大当り時において、「第3当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)であり、「第4当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)である。
今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「第3当選図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第3当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は1回(又は10回)付与される。
また、「第4当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は0回付与される(付与されない)。
〔図194:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、大当り時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「第1当選図柄」又は「第3当選図柄」である場合、主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域にある遊技状態フラグとしての時間短縮機能作動フラグをON(01H)にセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段、有利状態移行手段)。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、時間短縮状態に移行する当選図柄で当選すると(所定の条件が満たされると)、非時間短縮状態(第1状態)よりも有利な時間短縮状態(第2状態)に移行可能とする(有利状態移行手段)。
また、ステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時停止図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお、本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。また、本実施形態では第1特別図柄に関しては小当りが設定されておらず、第2特別図柄に関してのみ設定されている。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では小当り時に選択的に決定される当選図柄として、2種類の当選図柄が用意されている。2種類の内訳は、「第5当選図柄」及び「第6当選図柄」である。なお、これらの当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば、「第5当選図柄」であれば、「第5当選図柄A」、「第5当選図柄B」、「第5当選図柄C」、・・・といった具合である。
〔第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブル〕
図198は、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、この第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「50」,「50」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第5当選図柄」、「第6当選図柄」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する小当り時においては、「第5当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)であり、「第6当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)である。
今回の小当りの結果、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の小当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「03H」,「04H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の小当りの結果、当選図柄として「第5当選図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H03H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての小当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、小当り遊技中に特定領域31xを遊技球が通過して大当り遊技が開始され、その大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第5当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は1回(又は10回)付与される。
また、「第6当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は0回付与される(付与されない)。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル、及び、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルを用いることにより、主制御CPU72は、非時間短縮状態又は時間短縮状態で「第1当選図柄」、「第3当選図柄」又は「第5当選図柄」に該当した場合(第5当選図柄については大当り遊技が実行された場合に限る。)には、時間短縮状態への移行条件が満たされるものとすることができる(移行条件設定手段)。
〔図194:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2408:次に主制御CPU72は、変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、小当り時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン選択手段)。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。本実施形態では小当りは第2特別図柄抽選にのみ設定されており、小当り時には小当り時用の変動時間を有する変動パターンが選択される。なお、第1特別図柄抽選に小当りを設定してもよい。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図193:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして、主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また、特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図194中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドを生成する。図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に図199は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100a:主制御CPU72は、図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。なお、本処理は、特別図柄の停止表示時間中に1回だけ実行することが好ましい。また、特別図柄の変動中に変動中フラグをONに設定している場合には、主制御CPU72は、本処理で図柄変動中フラグをOFFに設定することができる。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして、主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図193中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、停止表示時間終了コマンドを生成する。停止表示時間終了コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。なお、「停止表示時間終了コマンド」とは、特別図柄の停止表示時間が終了(経過)したことを示すコマンドである。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「可変入賞装置管理処理」に設定する。なお、主制御CPU72は、本処理にて各種機能を非作動に設定する処理を実行する。具体的には、時間短縮機能を非作動とする。これにより、特別遊技(大役)が開始される前には、通常状態(非時間短縮状態)に移行されることになる。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして、小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4608:主制御CPU72は、特殊変動回数更新処理を実行する。この処理では、第1特別図柄の特殊変動回数、及び、第2特別図柄の特殊変動回数が両方とも0である場合、何も処理を実行しない。一方、第1特別図柄の特殊変動回数が1以上である場合であって、第1特別図柄が停止した場合、第1特別図柄の特殊変動回数をデクリメント(-1)する処理を実行する。また、第2特別図柄の特殊変動回数が1以上である場合であって、第2特別図柄が停止した場合、第2特別図柄の特殊変動回数をデクリメント(-1)する処理を実行する。第1特別図柄の特殊変動回数、及び、第2特別図柄の特殊変動回数は、大当り遊技の開始時にリセットされる。なお、第1特別図柄の特殊変動回数や、第2特別図柄の特殊変動回数が0であるか1以上であるかに関わらず、本処理を実行した場合、主制御CPU72は、第1特別図柄の特殊変動回数や、第2特別図柄の特殊変動回数の値を反映させた特殊変動回数指定コマンドを演出制御装置に送信することができる。
ステップS4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「時間短縮状態」に関するカウンタ値がRAM76の時短カウント領域にセットされている。本実施形態では、いわゆる回数切りの時間短縮機能を採用しており、「時間短縮状態」に移行させる場合、時間短縮状態に関する第1回数切りカウンタ値(第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の時短回数)は所定の数値(例えば10回)に設定され、時間短縮状態に関する第2回数切りカウンタ値(第2特別図柄の時短回数)は規定の数値(例えば1回)に設定される。なお、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値の情報は、回数切りカウンタコマンドによって演出制御装置124に通知(送信)される。
なお、時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値は、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値といったように2つのカウンタ値を設けずに、1つのカウンタ値だけで時間短縮状態を制御してもよい。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値(第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値)が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。具体的には、第2特別図柄の停止表示中である場合には、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値を両方ともデクリメントし、第1特別図柄の停止表示中である場合には、第1回数切りカウンタ値だけをデクリメントする。
ステップS4640:そして、主制御CPU72は、いずれかの回数切りカウンタ値(第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値)の減算結果が0であるか否かを判断する。減算の結果、いずれの回数切りカウンタ値も0でない場合(No)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、いずれかの回数切りカウンタ値が0である場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。本実施形態では、時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値は所定の数値(例えば1回又は10回)に設定される。時間短縮状態で1回の第2特別図柄のはずれ変動(特定領域未通過となった場合はその際の小当り変動を含む。)が実行されると、時間短縮機能作動フラグがリセットされる。一方、時間短縮状態で9回の第1特別図柄のはずれ変動が実行されても、時間短縮機能作動フラグはリセットされず、その後さらに時間短縮状態で1回の第1特別図柄又は第2特別図柄のはずれ変動が実行されると、時間短縮機能作動フラグがリセットされる。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態が終了する。なお、時間短縮機能作動フラグは、特別図柄の停止表示時間が経過した際にリセットする例で説明しているが、特別図柄の変動時間終了時(停止表示時間計測開始前)にリセットしてもよい。
そして、以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理に復帰する。
このように、時間短縮状態の終了条件(所定の終了条件)は、時間短縮状態に移行してからの第2特別図柄の変動回数が第1回数(例えば1回)に到達した場合、又は、時間短縮状態に移行してからの第1特別図柄の変動回数及び第2特別図柄の変動回数を合計した合計変動回数が第1回数よりも大きい第2回数(例えば10回)に到達した場合に満たされる条件となっている。
図200は、変動パターンテーブルの一覧を示す図である。
変動パターンテーブルには、7個の変動パターンテーブルA~Gが含まれている。
主制御CPU72は、遊技状態に応じて、7個の変動パターンテーブルA~Gのいずれかの変動パターンテーブルを選択可能とする。各変動パターンテーブルには、1又は複数の変動パターンが含まれている。例えば、変動パターンテーブルAが選択された場合、第1特別図柄と第2特別図柄とで、選択される変動パターンが異なることもある。この点は、他の変動パターンテーブルでも同様である。なお、図中の「遊技状態」は、大当り遊技終了後の遊技状態(移行先の遊技状態)を示している。ただし、図中の「遊技状態」は、大当り遊技開始前の遊技状態(移行前の遊技状態)であってもよい。
変動パターンテーブルAは、遊技状態が「時短無し(非時間短縮状態)」の場合に選択される。具体的には、通常状態時に選択される。なお、RAMクリア後も、本テーブルが選択される。
変動パターンテーブルBは、遊技状態が「時短無し」の場合に選択される。具体的には、通常状態時に選択される。変動パターンテーブルAと、変動パターンテーブルBとの違いは、変動パターンテーブルBが時間短縮状態が終了した後の規定変動数以内で(例えば30変動まで)選択されるテーブルとなっている点である。変動パターンテーブルBは、いわゆる即止め防止のテーブルである。
変動パターンテーブルCは、遊技状態が「時短有り(時間短縮状態)」の場合に選択される。具体的には、通常状態時の時短有り図柄当選時(「第1当選図柄」又は「第3当選図柄」の当選時)に、第1特別図柄が1~4、6~9変動した場合に選択される。本テーブルでは、第1特別図柄については、変動時間が短い変動パターン(例えば、1秒変動)が設定されており、第2特別図柄については、変動時間が長い変動パターン(例えば、120秒変動)が設定されている。
変動パターンテーブルDは、遊技状態が「時短有り」の場合に選択される。具体的には、時短状態時に選択される。本テーブルでは、第1特別図柄については、変動時間が長い変動パターン(例えば、90秒変動)が設定されている。
変動パターンテーブルEは、遊技状態が「時短無し」の場合に選択される。具体的には、通常状態時(残り1回=時間短縮状態終了後の第2特別図柄の1変動分の変動時)に選択される。本テーブルでは、第2特別図柄については、変動時間が長い変動パターン(例えば、120秒変動)が設定されている。
変動パターンテーブルFは、遊技状態が「時短無し」の場合に選択される。具体的には、変動パターンテーブルBの最終変動時に選択される。
変動パターンテーブルGは、遊技状態が「時短有り」の場合に選択される。具体的には、通常状態時の時短有り図柄当選時に、第1特別図柄が5、10変動した場合に選択される。本テーブルでは、第1特別図柄については、変動時間が長い変動パターン(例えば、13.5秒変動)が設定されている。
図201は、非時間短縮状態からの大当りで大当り遊技の変動が第1特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。
ここで、図中の「時短回数」は、第1回数切りカウンタ値(第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の時短回数)に設定する値を示している(図203においても同様)。
〔No1〕
「当選図柄」が「第1当選図柄(第1特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~4」、「6~9」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルC」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「5」、「10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルG」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No2〕
「当選図柄」が「第2当選図柄(第1特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No3〕
「当選図柄」が「第3当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No4〕
「当選図柄」が「第4当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No5(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No5(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
図202は、非時間短縮状態からの大当りで大当り遊技後の変動が第2特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。
なお、本実施形態では、第2特別図柄が変動した時点で大当り又は小当りとなるので、2変動目以降の特殊変動テーブルは存在しない。
ここで、図中の「第2特別図柄の時短回数」は、第2回数切りカウンタ値(第2特別図柄だけの時短回数)に設定する値を示している(図204においても同様)。
〔No1〕
「当選図柄」が「第1当選図柄(第1特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルC」となる。
〔No2〕
「当選図柄」が「第2当選図柄(第1特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
〔No3〕
「当選図柄」が「第3当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No4〕
「当選図柄」が「第4当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
〔No5(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No5(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
〔No6(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
図203は、時間短縮状態からの大当りで大当り遊技の変動が第1特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。
〔No1〕
「当選図柄」が「第1当選図柄(第1特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No2〕
「当選図柄」が「第2当選図柄(第1特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~5」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「6~19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No3〕
「当選図柄」が「第3当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No4〕
「当選図柄」が「第4当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~5」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「6~19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No5(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No5(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~5」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「6~19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
図204は、時間短縮状態からの大当りで大当り遊技後の変動が第2特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。
なお、図202と同様に、本実施形態では、第2特別図柄が変動した時点で大当り又は小当りとなるので、2変動目以降の特殊変動テーブルは存在しない。
〔No1〕
「当選図柄」が「第1当選図柄(第1特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No2〕
「当選図柄」が「第2当選図柄(第1特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
〔No3〕
「当選図柄」が「第3当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No4〕
「当選図柄」が「第4当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
〔No5(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No5(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
〔No6(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、連荘状態(第2状態)に移行して大当り遊技が実行される前は、連荘状態の第1特別図柄の変動時間(例えば1秒)を、非時間短縮状態(第1状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば2秒以上120秒未満)よりも相対的に短くすることを可能とする(変動時間決定手段)。
また、このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、連荘状態(第2状態)に移行して大当り遊技が実行された後は、連荘状態(第2状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば120秒以上)を、非時間短縮状態(第1状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば120秒未満)よりも相対的に長くすることを可能とする(変動時間決定手段)。
さらに、このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、第2特別図柄抽選(第2抽選)で当選して連荘状態に移行した際の第1特別図柄の変動時間(変動パターンテーブルD)を、第1特別図柄抽選(第1抽選)で当選して連荘状態に移行した際の第1特別図柄の変動時間(変動パターンテーブルC)よりも相対的に長くすることを可能とする(変動時間決定手段)。
このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、連荘状態(第2状態)に移行して大当り遊技が実行される前は、連荘状態の第1特別図柄の変動時間(例えば1秒)が、非時間短縮状態(第1状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば2秒以上120秒未満)よりも相対的に短くなるように変動時間を決定可能とする(変動時間決定手段)。
また、このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、連荘状態(第2状態)に移行して大当り遊技が実行された後は、連荘状態(第2状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば120秒以上)が、非時間短縮状態(第1状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば120秒未満)よりも相対的に長くなるように変動時間を決定可能とする(変動時間決定手段)。
さらに、このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、第2特別図柄抽選(第2抽選)で当選して連荘状態に移行した際の第1特別図柄の変動時間(変動パターンテーブルD)が、第1特別図柄抽選(第1抽選)で当選して連荘状態に移行した際の第1特別図柄の変動時間(変動パターンテーブルC)よりも相対的に長くなるように変動時間を決定可能とする(変動時間決定手段)。
〔表示出力管理処理〕
次に図205は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図188中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値に応じて時短状態表示ランプ38eの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38eに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。さらに、主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスに応じて発射位置指定表示ランプ38fの点灯を制御する。例えば、大当り遊技又は小当りの遊技により第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31が作動状態となる場合、主制御CPU72は発射位置指定表示ランプ38fに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。また、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は上記の時短状態表示ランプ38eに加えて、発射位置指定表示ランプ38fに対応するLEDに対しても点灯信号を出力する。なお、発射位置指定表示ランプ38fは、大当り遊技を経て「時間短縮状態」に移行する場合、大当り遊技開始から「時間短縮状態」が終了するまで点灯し、「時間短縮状態」の終了により非点灯(OFF)となる。
主制御CPU72は、左打ち状態であるか右打ち状態であるかを示す発射位置指定フラグ(0=左打ち状態、1=右打ち状態)によって発射位置を管理し、任意のタイミングで発射位置指定フラグの内容を含む発射位置指定コマンドを演出制御装置に送信することができる。ここで、演出制御装置に右打ち報知ランプが接続されている場合には、演出制御装置は、発射位置指定コマンドに基づいて右打ち報知ランプの点灯態様を制御することができる。非時間短縮状態は左打ち状態であり、時間短縮状態は右打ち状態である。大当り遊技中や小当り遊技中は、基本的には右打ち状態であるが、それぞれのエンディング時間中(終了時間中)は左打ち状態としてもよい。
時間短縮状態は、時間短縮状態での最終変動(はずれ変動、小当り変動又は大当り変動)の変動終了時(停止表示時間の開始時)に終了させることができる。この場合、時間短縮状態での最終変動の停止表示時間を最終変動以外の停止表示時間(0.5秒)よりも長い時間(15.0秒)に設定することができる。なお、時間短縮状態は、時間短縮状態での最終変動の停止表示時間の終了時に終了させてもよい。
また、主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38bの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38bのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数ステータスの値で指定された大当り図柄に対応するいずれかの表示ランプ38a,38bである。例えば、連続作動回数ステータスの値が「10ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「10ラウンド(10R)」を表すランプ38aに対して点灯信号を出力する。また、本実施形態では、10ラウンド大当り以外の大当りが存在しないが、10ラウンド大当り以外の大当りとして、例えば4ラウンド大当りが存在しており、連続作動回数ステータスの値が「4ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「4ラウンド(4R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。なお、本実施形態のように、大当りとして1種類の大当りしかない場合(10ラウンド大当りしかない場合)、大当り種別表示ランプを点灯させなくてもよい。
〔可変入賞装置管理処理〕
次に、可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図206は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200~ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大入賞口開放パターン設定処理〕
図207は、大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時又は小当り時にそれぞれ第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5202:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。この確認の結果、大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5203を実行する。一方、大当りフラグの値(01H)がセットされていない場合(No)、すなわち、小当りフラグの値(01H)がセットされている場合、主制御CPU72は次にステップS5204を実行する。
ステップS5203:主制御CPU72は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理を実行する。この処理では、大当り時図柄別開放パターン設定テーブルに基づいて、大当り時の当選図柄に対応した大入賞口の開放パターンを設定するものである。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5205を実行する。
ステップS5204:主制御CPU72は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理を実行する。この処理では、小当り時図柄別開放パターン設定テーブルに基づいて、大入賞口の開放パターンを設定するものである。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5205を実行する。
ステップS5205:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔大当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図208は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5210:主制御CPU72は、条件装置及び役物連続作動装置を作動させる。ここで、「条件装置」とは、その作動が役物連続作動装置の作動に必要な条件とされる装置であり、「役物連続作動装置」とは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を連続して作動させることができる装置である。なお、「条件装置」や「役物連続作動装置」は制御上のフラグとすることもできる。したがって、この条件装置が作動していない限り、大当り遊技において第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31は作動しないことを表している。主制御CPU72は次にステップS5212を実行する。
ステップS5212:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、大当り図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、第1当選図柄に該当した場合、連続作動回数ステータスには「10ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5214を実行する。
ステップS5214:主制御CPU72は、大当り時図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時図柄別開放パターン設定テーブルを参照し、特別図柄に関する当選図柄の種類に対応した開放パターンを選択する。ここで、開放パターンとは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を作動させる設定を表し、例えば、実行ラウンド数、開放時間、インターバル時間等の設定を表している。主制御CPU72は次にステップS5216を実行する。
〔大当り時図柄別開放パターン設定テーブル〕
図209は、大当り時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この大当り時図柄別開放パターン設定テーブルは、特別図柄に関する異なる当選図柄別に、ラウンドごとの作動させる可変入賞装置(第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31)の開閉動作パターンを定めたものである。具体的には、当選図柄別に以下の大入賞口の開放パターンが定められている。
〔第1当選図柄〕
第1当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドであり、その内の10ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第1当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される(ただし、上限個数の入球が確認されると閉鎖される。以下、同様。)。したがって、第1当選図柄に該当した場合は、実質的に10ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第2当選図柄〕
第2当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドであり、その内の10ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第2当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第2当選図柄に該当した場合は、実質的に10ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第3当選図柄〕
第3当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドであり、その内の10ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第3当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第3当選図柄に該当した場合は、実質的に10ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第4当選図柄〕
第4当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドであり、その内の10ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第4当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第4当選図柄に該当した場合は、実質的に10ラウンド分の出球を獲得することができる。
以上のように、主制御CPU72は、上記大当り時図柄別開放パターン設定テーブルを参照して当選図柄の種類に対応する大入賞口の開放パターンを設定する。
〔図208:大当り時大入賞口開放パターン設定処理を参照〕
ステップS5216:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中のラウンド毎(1ラウンド~最終ラウンド)に作動させる可変入賞装置の種類を第1可変入賞装置30に設定する。なお、本実施形態においては、全ての大当り時の当選図柄(第1当選図柄~第3当選図柄)に対応する開放パターンが1ラウンド~最終ラウンドで第1大入賞口30bが開放されるため、第1可変入賞装置30の作動が設定される。主制御CPU72は次にステップS5218を実行する。
ステップS5218:主制御CPU72は、実行ラウンド数を設定する。具体的には、主制御CPU72は当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンド数を設定する。例えば、10ランド大当りに対応する開放パターンの実行ラウンド数としては、10ラウンドが設定される。主制御CPU72は次にステップS5220を実行する。
ステップS5220:主制御CPU72は、大当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド毎に大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、大当り時の当選図柄(第1当選図柄~第3当選図柄)に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、ラウンド毎に設定される。例えば、第1当選図柄であった場合、出球有りのラウンドについては第1大入賞口30bを開放する開放時間が29.0秒に設定される。したがって、開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。なお、開放タイマの値として0.5秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が困難な時間となる。主制御CPU72は次にステップS5222を実行する。
ステップS5222:主制御CPU72は、大当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、全ての大当り時の当選図柄(第1当選図柄~第3当選図柄)に対応する開放パターンのインターバルタイマとして1.0秒が設定される。例えば、1ラウンド目と2ラウンド目の間の第1大入賞口30bの開放が終了し一旦閉鎖状態になった後、1.0秒間程度のインターバルタイマが設定される。主制御CPU72は次にステップS5224を実行する。
ステップS5224:主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の処理(ステップS5218)で設定された実行ラウンド数に基づいて生成することができる。例えば、第1当選図柄に該当した場合、実行ラウンド数は「10ラウンド」となるため、連続作動回数コマンドは「10ラウンド」を表す値を含むコマンドとして生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大入賞口開放パターン設定処理(図207)に復帰する。
〔小当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図210は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5252:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、小当り遊技中を表す状態コマンドを生成する。小当り遊技中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5254を実行する。
ステップS5254:主制御CPU72は、小当り時開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時開放パターン設定テーブルを参照し、開放パターンを選択する。ここで、開放パターンとは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を作動させる設定を表し、例えば、開放回数、開放時間、インターバル時間、特定領域31xの開放時間等の設定を表している。主制御CPU72は次にステップS5256を実行する。
〔小当り時開放パターン設定テーブル〕
図211は、小当り時開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この小当り時開放パターン設定テーブルは、可変入賞装置(第2可変入賞装置31)の開閉動作パターンを定めたものである。なお、本実施形態では、小当り時に設定される開放パターンは1つであるが、当選図柄別に複数規定してもよい。
小当りに該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第2可変入賞装置31である。また、第2可変入賞装置31の開放回数は2回であり、その1回の開放時間は0.9秒である。なお、インターバル時間は例えば1.0秒程度に設定される。
特定領域31xの開放開始時間(特定領域ソレノイド99をONにして特定領域用スライド部材31cを作動させるタイミング)は、第2可変入賞装置31の開放開始から0.2秒後である。
また、特定領域31xの開放終了時間(特定領域ソレノイド99をOFFにして特定領域用スライド部材31cを非作動とするタイミング)は、第2可変入賞装置31の開放開始から1.8秒後である。
〔図210:小当り時大入賞口開放パターン設定処理を参照〕
ステップS5256:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は小当りに対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に作動させる可変入賞装置の種類を第2可変入賞装置31に設定する。主制御CPU72は次にステップS5258を実行する。
ステップS5258:主制御CPU72は、開放回数を設定する。具体的には、主制御CPU72は小当りに対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に実行する開放回数を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに対応する開放パターンの開放回数として2回が設定される。主制御CPU72は次にステップS5260を実行する。
ステップS5260:主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当り時に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、0.9秒が設定される。主制御CPU72は次にステップS5262を実行する。
ステップS5262:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、大入賞口の開放間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、インターバルタイマは所定時間(例えば1.0秒)に設定される。主制御CPU72は次にステップS5264を実行する。
ステップS5264:主制御CPU72は、特定領域31x(特定領域用スライド部材31c)の開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に特定領域31xの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、第2可変入賞装置31の開放開始から0.2秒後に特定領域31xが開放され、第2可変入賞装置31の開放開始から1.8秒後に特定領域31xが閉鎖される。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大入賞口開放パターン設定処理(図207)に復帰する。
〔大入賞口開閉動作処理〕
図212は、大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は主に、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5302:主制御CPU72は、現在の内部状態が「大役中」であるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファにアクセスし、制御上の内部状態フラグとして「大役中(大当り遊技中)」のフラグがセットされているか否かで、現在の内部状態が「大役中」であるか否かを確認する。なお、「大役中(大当り遊技中)」のフラグは、先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理中:ステップS5212)や後述する特定領域通過時処理中において主制御CPU72によりセットされる。この確認の結果、現在の内部状態が「大役中」である場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5306を実行する。一方、現在の内部状態が「大役中」ではない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5304を実行する。
ステップS5304:主制御CPU72は、第2大入賞口開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、第2大入賞口31bを開閉するために第2可変入賞装置31を作動させる(第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS5306:主制御CPU72は、第1大入賞口開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、第1大入賞口30bを開閉するために第1可変入賞装置30を作動させる(第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理(図206)に復帰する。
〔第2大入賞口開閉動作処理〕
図213は、第2大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5310:主制御CPU72は、主制御CPU72は、第2大入賞口31bを開放する。具体的には、第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第2可変入賞装置31が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。なお、本処理を実行した場合、主制御CPU72は、演出制御装置124に対して、小当り時のオープニングコマンドを送信することができる。小当り時のオープニングコマンドは、小当り中に1回だけ送信することが好ましい。
ステップS5312:主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図210中)のステップS5260やステップS5264)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。なお、この処理では、第2大入賞口31bの開放に関する開放タイマの他に、特定領域31xの開放に関する開放タイマ(開放開始時間、開放終了時間)についてのカウントダウンが行われる。主制御CPU72は次にステップS5314を実行する。
ステップS5314:主制御CPU72は、特定領域開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、特定領域31xを開閉するために特定領域用スライド部材31cを作動させる(特定領域ソレノイド99に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5316を実行する。
ステップS5316:主制御CPU72は、第2大入賞口31bの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理中の第2大入賞口31bについての開放タイマの値が0以下であるか否かを確認する。この確認の結果、第2大入賞口31bの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322を実行する。一方、第2大入賞口31bの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5318を実行する。
ステップS5318:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第2可変入賞装置31(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第2カウントスイッチ85から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。主制御CPU72は次にステップS5320を実行する。
ステップS5320:主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように小当り時の開放1回あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(No)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5310~ステップS5320の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5316で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5320でカウント数が所定数に達したことを確認すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322を実行する。なお、小当り時の開放は、開放タイマの値が短時間(例えば、1.8秒)に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5316で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5322:主制御CPU72は、第2大入賞口31bを閉鎖する。具体的には、第2大入賞口ソレノイド97に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより第2可変入賞装置31が開放状態から閉鎖状態に復帰する。主制御CPU72は次にステップS5324を実行する。
ステップS5324:主制御CPU72は、特定領域通過フラグがONであるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、特定領域通過フラグの値が01Hであるか否かにより、特定領域通過フラグがONであるか否かを確認する。この確認の結果、特定領域通過フラグがONである場合(Yes)、すなわち、小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過した場合、主制御CPU72は次にステップS5326を実行する。一方、特定領域通過フラグがONではない場合(No)、すなわち、小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過しなかった場合、主制御CPU72は次にステップS5327aを実行する。なお、特定領域通過フラグは、先の特定領域開閉動作処理(ステップS5314)の中でONに設定される可能性がある。
ステップS5326:主制御CPU72は、特定領域通過時処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過したことに基づき、条件装置や役物連続作動装置を作動させ、第1可変入賞装置30を連続作動させる処理、すなわち、大当り遊技を開始する処理を実行する(特殊遊技経由特別遊技実行手段、特別遊技実行手段)。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5328を実行する。
ステップS5327a:主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図210中)のステップS5262)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5327bに進む。なお、ここでは特に図示していないが、インターバル時間が経過するまでの間(インターバルタイマ値が0になるまでの間)、割り込み毎に主制御CPU72はステップS5327aから呼び出し元である可変入賞装置管理処理(図206)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5310からではなく直にステップS5327aを実行する。
ステップS5327b:主制御CPU72は、第2大入賞口開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、第2大入賞口開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5327c:主制御CPU72は、インクリメント後の第2大入賞口開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「1回の小当り中に第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、特にこのような開放パターンを採用していない場合には、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されているため、1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5328に進むことになる。
一方、「1回の小当り中に第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンを採用している場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5310~ステップS5327bまでの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5327bで開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(ステップS5327c;Yes)、主制御CPU72は次にステップS5328を実行する。
ステップS5328:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、大入賞口開閉動作処理(図212)に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔特定領域開閉動作処理〕
図214は、特定領域開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5330:主制御CPU72は、特定領域31xの開放時間が開始されたか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はカウントダウン処理(ステップS5312)においてカウントダウンされていた特定領域31xの開放に関する開放開始時間についての開放タイマの値が0であるか否かを確認することで、特定領域31xの開放時間が開始されたか否かを確認する。この確認の結果、特定領域31xの開放時間が開始された場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5332を実行する。一方、特定領域31xの開放時間が開始されていない場合(No)、又は、すでに開放されている場合、主制御CPU72は次にステップS5334を実行する。
ステップS5332:主制御CPU72は、特定領域31xを開放する。具体的には、特定領域ソレノイド99に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、特定領域用スライド部材31cが作動して特定領域31xが閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5334を実行する。
ステップS5334:主制御CPU72は、遊技球が特定領域31xを通過したか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76の記憶領域にアクセスし、特定領域予備フラグがONになっているか否かを確認する。この確認の結果、特定領域予備フラグがONになっていて、遊技球が特定領域31xを通過したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5336を実行する。一方、特定領域予備フラグがOFFになっていて、遊技球が特定領域31xを通過していないことを確認した場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5338を実行する。
ステップS5336:主制御CPU72は、特定領域通過フラグをONにセットする。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、特定領域通過フラグの値を01Hに設定する。主制御CPU72は次にステップS5338を実行する。なお、特定領域通過フラグや特定領域予備フラグは大当り遊技の終了時にリセットされる。
ステップS5338:主制御CPU72は、特定領域31xの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はカウントダウン処理(ステップS5312)においてカウントダウンされていた特定領域31xの開放に関する開放タイマの値が0であるか否かを確認することで、特定領域31xの開放時間が終了したか否かを確認する。この確認の結果、特定領域31xの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5340を実行する。一方、特定領域31xの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図213)に復帰する。
ステップS5340:主制御CPU72は、特定領域31xを閉鎖する。具体的には、特定領域ソレノイド99に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、特定領域用スライド部材31cが開放状態(作動状態)から閉鎖状態(非作動状態)に復帰する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図213)に復帰する。
〔特定領域通過時処理〕
図215は、特定領域通過時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5350:主制御CPU72は、小当りフラグをリセットする。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、小当りフラグの値を00Hにリセットする。主制御CPU72は次にステップS5352を実行する。
ステップS5352:主制御CPU72は、小当り遊技を終了させる。具体的には、主制御CPU72は内部状態フラグから「小当り遊技中」を消去し、制御処理上で小当り遊技を終了する(小当り終了)。主制御CPU72は次にステップS5354を実行する。
ステップS5354:主制御CPU72は、条件装置及び役物連続作動装置を作動させる。これにより、第1可変入賞装置30を連続して作動させることができ、大当り遊技を開始できることとなる。主制御CPU72は次にステップS5356を実行する。
ステップS5356:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、当選図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、第1当選図柄に該当した場合、連続作動回数ステータスには「10ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5358を実行する。
ステップS5358:主制御CPU72は、特定領域通過時図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルを参照し、小当りに該当した際の当選図柄の種類に対応した開放パターンを選択する。主制御CPU72は次にステップS5360を実行する。
ステップS5360:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中のラウンド毎(2ラウンド~最終ラウンド)に作動させる可変入賞装置の種類を第1可変入賞装置30に設定する。主制御CPU72は次にステップS5362を実行する。
ステップS5362:主制御CPU72は、実行ラウンド数を設定する。具体的には、主制御CPU72は小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンド数を設定する。例えば、第5当選図柄に対応する開放パターンの実行ラウンド数としては「10ラウンド」が設定される。主制御CPU72は次にステップS5364を実行する。
ステップS5364:主制御CPU72は、大当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド毎に大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄(第4当選図柄~第6当選図柄)に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、ラウンド毎に設定される。例えば、第4当選図柄であった場合、出球有りのラウンドについては第1大入賞口30bを開放する開放時間が29.0秒に設定される。したがって、開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。なお、開放タイマの値として0.5秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が困難な時間となる。主制御CPU72は次にステップS5366を実行する。
ステップS5366:主制御CPU72は、大当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに該当した際の当選図柄に対応する開放パターンのインターバルタイマとして1.0秒が設定される。例えば、2ラウンド目と3ラウンド目の間の第1大入賞口30bの開放が終了し一旦閉鎖状態になった後、1.0秒間程度のインターバルタイマが設定される。主制御CPU72は次にステップS5368を実行する。
ステップS5368:主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の処理(ステップS5362)で設定された実行ラウンド数に基づいて生成することができる。例えば、第5当選図柄に該当した場合、実行ラウンド数は「10ラウンド」となるため、連続作動回数コマンドは「10ラウンド」を表す値を含むコマンドとして生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5370を実行する。
ステップS5370:主制御CPU72は、特定領域通過時図柄別時間短縮機能設定処理を実行する。この処理では、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が「第5当選図柄」である場合、主制御CPU72は時間短縮機能作動フラグをONにセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段、有利状態移行手段)。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、時間短縮状態に移行する当選図柄で当選すると(所定の条件が満たされると)、非時間短縮状態(第1状態)よりも有利な時間短縮状態(第2状態)に移行可能とする(有利状態移行手段)。
ステップS5372:主制御CPU72は、特殊変動回数設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、当選図柄に応じて、第1特別図柄の特殊変動回数、及び、第2特別図柄の特殊変動回数を設定する。特殊変動回数の具体的な数値は、図201~図204において説明した通りである。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図213)の末尾のアドレスに復帰する。
〔特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブル〕
図216は、特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルは、小当りに該当した際の特別図柄に関する異なる当選図柄別に、ラウンドごとの第1可変入賞装置30の開閉動作パターンを定めたものである。具体的には、当選図柄別に以下の大入賞口の開放パターンが定められている。
〔第5当選図柄〕
第5当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドである。なお、この実行ラウンド数には、小当りで開放された第2可変入賞装置31の作動が含まれているため、これから開始される大当り遊技では10ラウンドから1ラウンド分が減算された9ラウンドが実質的な大当り遊技でのラウンド数となる(以下の第6当選図柄でも同様)。そして、各ラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が第5当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、小当りでの第2可変入賞装置31の開放を1ラウンド目としているため、2ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第5当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合は、実質的に9ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第6当選図柄〕
第6当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンド(実質的な大当り遊技でのラウンド数は9ラウンド)である。そして、各ラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が第6当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、小当りでの第2可変入賞装置31の開放を1ラウンド目としているため、2ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第6当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合は、実質的に9ラウンド分の出球を獲得することができる。
以上のように、主制御CPU72は、上記特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルを参照して小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄の種類に対応する大入賞口の開放パターンを設定することとなる。
〔第1大入賞口開閉動作処理〕
図217は、第1大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5380:主制御CPU72は、主制御CPU72は、第1大入賞口30bを開放する。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第1可変入賞装置30が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5382を実行する。なお、本処理を実行した場合、主制御CPU72は、演出制御装置124に対して、大当り時のオープニングコマンドを送信することができる。大当り時のオープニングコマンドは、大当り中に1回だけ送信することが好ましい。
ステップS5382:主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図208中)のステップS5220、又は、特定領域通過時処理(図215中)のステップS5364)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。主制御CPU72は次にステップS5386を実行する。
ステップS5386:主制御CPU72は、第1大入賞口30bの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の第1大入賞口30bについての開放タイマの値が0以下であるか否かを確認する。この確認の結果、第1大入賞口30bの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5392を実行する。一方、第1大入賞口30bの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5388を実行する。
ステップS5388:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第1可変入賞装置30(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第1カウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。主制御CPU72は次にステップS5390を実行する。
ステップS5390:主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5380~ステップS5390の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5386で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5390でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5392を実行する。なお、開放タイマの値が短時間(例えば、0.5秒)に設定されている場合、通常、主制御CPU72はステップS5390でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5386で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5392:主制御CPU72は、第1大入賞口30bを閉鎖する。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより第1可変入賞装置30が開放状態から閉鎖状態に復帰する。主制御CPU72は次にステップS5394を実行する。
ステップS5394:主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図208中)のステップS5222、又は、特定領域通過時処理(図215中)のステップS5366)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5395に進む。なお、ここでは特に図示していないが、インターバル時間が経過するまでの間(インターバルタイマ値が0になるまでの間)、割り込み毎に主制御CPU72はステップS5394から呼び出し元である可変入賞装置管理処理(図206)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5380からではなく直にステップS5394を実行する。
ステップS5395:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5396:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で第1可変入賞装置30を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、本実施形態では、特にこのような開放パターンを採用していないので、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがって、通常は1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5398に進むことになる。
なお、上記のように1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用した場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5380~ステップS5390までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5395で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5398に進むことになる。
ステップS5398:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、大入賞口開閉動作処理(図212)に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大入賞口閉鎖処理〕
図218は、大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大入賞口閉鎖処理は、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5401:先ず主制御CPU72は、現在の遊技が大役(大当り遊技)中であるか否かを確認し、大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5402を実行する。
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。なお、小当り遊技中に特定領域31xを遊技球が通過し、小当りの終了後に大当り遊技が開始された場合、小当り時の第2大入賞口31bの開放を1ラウンド目として扱い、大当り遊技が開始される1回目のラウンドは2ラウンド目として扱われる。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1~15)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の14、又は、15)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図206中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402~ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達するまでの間、第1可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔小当り時〕
これに対し、小当りの場合は以下の手順となる(特例作動実行手段)。
ステップS5411:主制御CPU72は現在の遊技が大役中でないことを確認すると(ステップS5401:No)、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS5413:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図210中のステップS5258)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS5416を実行する。
ステップS5416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図206中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5401~ステップS5413(No)を経てステップS5416、ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際の開放回数が設定した開放回数に達するまでの間、第2可変入賞装置31の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS5413:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5414を実行する。
ステップS5414,ステップS5412:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔終了処理〕
図219は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。この終了処理は、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5501a:主制御CPU72は、終了時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は終了時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
ステップS5501b:次に主制御CPU72は、終了時間(エンディング時間)が経過したか否かを確認する。具体的には、終了時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は終了時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して可変入賞装置管理処理(図206)に復帰する。
この後、時間の経過に伴って終了時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は終了時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS5502以降の処理を実行する。
なお、終了時間に関しては、大当りと小当りとで別の時間を設定してもよい。
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認し、大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5503を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:この場合、主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また、主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で大当り遊技を終了する(大役終了)。なお、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値をリセットする。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値が01Hであるか(セットされているか)否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図194中のステップS2414)や、先の特定領域通過時処理中の特定領域通過時図柄別時間短縮機能設定処理(図215中のステップS5370)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、時間短縮機能作動フラグの値が01Hである場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時短回数(例えば1回(又は10回))を設定する。設定した時短回数の値は、上記のようにRAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時短回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。本実施形態では、時短回数を管理するために、2種類の時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値(第1回数切りカウンタ値、第2回数切りカウンタ値)が用意されている。ここで、第1回数切りカウンタ値は、第1特別図柄又は第2特別図柄が1回変動する度にデクリメントされる変数であり、初期値として「10」が設定される。また、第2回数切りカウンタ値は、第2特別図柄が1回変動する度にデクリメント(1減算)される変数であり、初期値として「1」が設定される。なお、時間短縮機能作動フラグの値が01Hでない場合(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512及びステップS5513を実行しない。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、時間短縮状態への移行条件が満たされた場合(所定の移行条件が満たされた場合、時間短縮状態に移行させる当選図柄で当選した場合)、大当り遊技の終了後に、非時間短縮状態(所定の遊技状態)から非時間短縮状態と比較して有利な条件が適用された(普通図柄抽選の変動時間が短縮され、可変始動入賞装置の開放時間が延長されている)時間短縮状態(有利遊技状態)に移行させることができる(有利遊技状態移行手段)。
ステップS5513:主制御CPU72は、特殊変動回数設定処理を実行する。この処理は、図215のステップS5372の処理と同様である。
ここまでの手順は大当りの場合であるが、小当りの場合(ステップS5502:No)は以下の手順が実行される。
ステップS5520,ステップS5522:小当りの場合、主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また、内部状態フラグから「小当り遊技中」を消去する。なお、小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS5514:そして、主制御CPU72は、フラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS5516:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図193中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔ゲームフロー(その1)〕
図220は、通常モードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
パチンコ機1で遊技を開始する場合、〔F1〕通常モード(公園モード)から遊技が開始される。「通常モード」は、「非時間短縮状態」である。
〔F1〕通常モードでの遊技中に、遊技球が中始動入賞口26に入球すると、〔F2〕第1特別図柄が変動する。
〔F3〕第1特別図柄抽選で「はずれ」となると、〔F1〕通常モードの状態からやり直しとなる。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F5〕第1当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。〔F8〕ドライブモードは、「時間短縮状態」である。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F7〕第2当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F9〕動物モードに移行する。〔F9〕動物モードは、「非時間短縮状態」である。なお、〔F9〕動物モードの変動パターンは、〔F1〕通常モードと異ならせてもよく、〔F1〕通常モードと同一であってもよい。
〔ゲームフロー(その2)〕
図221は、時間短縮状態のドライブモードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F8〕時間短縮状態のドライブモードでの遊技中に、遊技球が右始動入賞口28bに入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していると)、〔F12〕第2特別図柄が変動する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F14〕第3当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F15〕第4当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F20〕非時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率318/319)」となり、〔F17〕第5当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率318/319)」となり、〔F19〕第6当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F20〕非時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔ゲームフロー(その3)〕
図222は、非時間短縮状態のドライブモードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F20〕非時間短縮状態のドライブモードでの遊技中に、遊技球が右始動入賞口28bに入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していると)、〔F12〕第2特別図柄が変動する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F14〕第3当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F15〕第4当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F9〕動物モードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率318/319)」となり、〔F17〕第5当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率318/319)」となり、〔F19〕第6当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F9〕動物モードに移行する。
このように、本実施形態では、一旦、時間短縮状態(連荘状態)に突入すると、第2特別図柄の時短1回分の変動と、第2特別図柄の1個の記憶分とで、合計2回の当り(大当り又は小当り)の機会を得ることできる。そして、その2回の機会のいずれかで、時短付きの当選図柄で当選すると、再び、時間短縮状態(連荘状態)に復帰する遊技性となっている。
〔ゲームフロー(その4)〕
図223は、動物モードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F9〕動物モードでの遊技中に、遊技球が中始動入賞口26に入球すると、〔F2〕第1特別図柄が変動する。
〔F3〕第1特別図柄抽選で「はずれ」となり、このような「はずれ」が規定回数連続すると(例えば、15回の変動が実行されると)、〔F20〕規定変動経過となり、〔F1〕通常モードに移行する。なお、第1特別図柄抽選で「大当り」となった場合は、図220のゲームフローと同様の流れとなる。
〔演出画像の例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像について、いくつかの例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)を決定し、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、上記のように第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。同様に、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示の態様は、やはり7セグメントLED等による記号的な図案であり、やはり「当選図柄」としての視覚的なインパクトに乏しい。そこでパチンコ機1では、液晶表示器42を用いた変動表示演出及び停止表示演出が行われている。
本実施形態では、液晶表示器42に、演出図柄、マーカM1、マーカM2、第4図柄Z1,Z2、滞在モードに対応する背景画像、予告演出に関する画像等を表示している。
液晶表示器42に表示される演出図柄には、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される。各演出図柄には、数字の「1」~「9」が表示されている。ここで、左演出図柄、中演出図柄、及び右演出図柄は、いずれも数字が「9」~「1」の降順に並んだ図柄列(演出図柄配列)を構成している。このような図柄列は、それぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
図224及び図225は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、液晶表示器42を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄)が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果が表示されたことを表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔変動表示前〕
図224中(A):例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の中央の領域には3本の演出図柄の列が表示されている。このとき第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄も停止表示された状態にある。
また、液晶表示器42の下部左側の領域には、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数を表すマーカ(図中に参照符号M1,M2を付す)が表示されるものとなっている。これらマーカM1,M2は、それぞれの表示個数が対応する第1特別図柄、第2特別図柄の作動記憶数(第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示数)を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。また、マーカM1,M2は、視覚的な判別を容易にするため第1特別図柄に対応するマーカM1が例えば円(○)の図形で表示され、第2特別図柄に対応するマーカM2が例えばハートの図形で表示されている。なお、図示の例では、マーカM1が4つとも点灯表示されることで第1特別図柄の作動記憶数が4個であることを表し、マーカM2が全て非表示(破線で示す)になることで第2特別図柄の作動記憶数が0個であることを表している。なお、第2特別図柄の作動記憶数の最大値は1個であるため、マーカM2は最大で1つしか点灯しない。
また、液晶表示器42の下部右側の領域には第4図柄(図中に参照符号Z1,Z2を付す)が表示されている。この第4図柄Z1,Z2は、上記の左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお、第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。第4図柄Z1は、第1特別図柄に対応しており、第4図柄Z2は、第2特別図柄に対応している。
また、第4図柄Z1,Z2については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に対応して停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が「大当り」や「小当り」であれば、それらに対応する態様(例えば青表示色や赤表示色等)で第4図柄Z1,Z2は停止表示される。
〔変動表示演出開始〕
図224中(B):例えば、第1特別図柄の変動開始に同期して、演出図柄がスクロールすることで変動表示演出が開始される(図柄演出実行手段)。なお、図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で表示している。
液晶表示器42の中央の領域には背景画像が表示されており、この背景画像は、公園の風景を表現したものである。このような背景画像は、演出上での滞在モードが例えば「通常モード」であることを表現している。「通常モード」は、非時間短縮状態である。この他にも演出上で各種のモードが設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている。これらモードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものである。ここでは特に図示していないが、この後、例えば液晶表示器42の表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
また、演出図柄の変動表示中、液晶表示器42の画面下部では第4図柄Z1が変動表示されており、第4図柄Z1は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
〔左演出図柄停止〕
図224中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に、演出図柄の左演出図柄が変動を停止する。この例では、演出図柄の左演出図柄として数字の「8」を表す演出図柄が停止している。
〔作動記憶数減少時の演出例〕
ここで、先の図224中(B)に示されているように、変動開始に伴って最も古い第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動して最も左側に位置していたマーカM1の表示個数が1個分減少されている。すなわち、それまでにマーカM1の作動記憶数が合計4個存在していたが、最も以前(古い)の記憶数表示であるマーカM1が非表示となり、内部抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、合計作動記憶数が3個に減少したことを演出上でも遊技者に教示することができ、また、いずれの特別図柄(この場合は第1特別図柄)に対応する作動記憶が消費されたかを分かりやすく教示することができる。
そして、図224中(C)の例においては、記憶順で先頭にあった作動記憶が消費されて残りが3個になったため、画面上に残った3つのマーカM1がそれぞれ1個分ずつ一方向(ここでは左方向)へずれていく演出が行われている。これにより、作動記憶数の変化の前後関係を正確に演出上で表現するとともに、遊技者に対して「作動記憶が消費されて1つ減った」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
〔右演出図柄停止〕
図225中(D):次に、演出図柄の右演出図柄として数字の「3」を表す演出図柄が停止している。
〔停止表示演出〕
図225中(E):第1特別図柄の停止表示に同期して、停止表示演出が実行される。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。図示の例では、演出図柄の中演出図柄として数字の「1」を表す演出図柄が停止している。この場合、演出図柄の組み合わせは「8」-「1」-「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
以上は、1回の変動ごとに行われる変動表示演出と停止表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
〔変動表示演出開始〕
図225中(F):第1特別図柄の作動記憶が存在している場合、停止表示時間が終了すると、次変動が開始される。この場合、第1特別図柄の変動開始に同期して、演出図柄がスクロールすることで変動表示演出が開始される。第1特別図柄の変動が開始されると、それに連動して最も左側に位置していたマーカM1の表示個数が1個分減少する。そして、このような変動表示演出と停止表示演出が繰り返し実行される。
〔大当り時の演出例〕
図226~図228は、大当り時に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である。ここではリーチ演出の他に、変動表示演出や停止表示演出及び予告演出が含まれるものとする。また、その他にも、変動表示演出中に実行される予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出)の一例を説明する。
以下のリーチ演出は、第1特別図柄表示装置34において大当り時の変動パターンによる変動表示が行われた後、例えば、第1特別図柄が「第1当選図柄」又は「第2当選図柄」の態様(例えば7セグメントLEDの「己」,「ヨ」,「口」,「巳」,「F」,「E」,「L」,「Γ」等)で停止表示されるまでに実行される(リーチ演出実行手段)。
〔変動表示演出〕
図226中(A):第1特別図柄(又は第2特別図柄)の変動開始に略同期して、演出図柄がスクロールすることで変動表示演出が開始される。
〔リーチ発生前予告演出(1段階目)〕
図226中(B):変動開始から所定時間が経過すると、液晶表示器42において、キャラクターの絵柄画像(絵札)を用いた1段階目のリーチ発生前予告演出が行われる。このリーチ発生前予告演出は、予め定められた順序にしたがって1段階から複数段階(例えば2~5段階)まで、段階的に態様の変化が進行していく予告演出である。このリーチ発生前予告演出で用いられる絵柄画像は、画面の左端から出現するようにして表示される(その他の出現の態様でもよい。)。なお、「リーチ発生前予告」は、リーチの可能性や大当りの可能性を予告する演出である。このような「リーチ発生前予告演出」を実行することで、遊技者に対して「リーチに発展するかも知れない=大当りの可能性が高まる」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ発生前予告演出(2段階目)〕
図226中(C):リーチ発生前予告演出の1段階目の態様が実行された後、続いてリーチ発生前予告演出の態様の変化が2段階目に進行する。ここでは2段階目のリーチ発生前予告演出として、先とは違うキャラクターの絵柄画像を用いた演出が行われている。具体的には、画面の右端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像の前面に重なって表示される。また、このとき表示される絵柄画像は、先に表示されていた絵柄画像よりもサイズが大きい。そして、絵柄画像で表現されたキャラクターが台詞(例えば「リーチになるよ」等)を発するという、音響出力による演出もあわせて行われる。
このような2つ目の絵柄画像を用いたリーチ発生前予告演出(2段階目)は、先の図226中(B)で行われたリーチ発生前予告演出(1段階目)からさらに一歩進んだ発展型である。このように発展していく「リーチ発生前予告演出」の態様を称して、一般的に「ステップアップ予告」等と表現することがある。ここではリーチ発生前予告演出で2段階目の絵柄画像が出現する例を挙げているが、3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示される演出態様であってもよい。また、例えば3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示されるごとに、そのサイズが拡大されるものとしてもよい。なお、この段階でも変動表示演出は継続されている。いずれにしても、リーチ発生前予告演出の態様の変化をより多くの段階まで進行させることにより、今回の変動で大当りになる可能性(期待度)が高いことを遊技者に示唆することができる(例えば、5段階目まで進行すると最大の期待度を示唆する等。)。
〔左演出図柄の停止〕
図227中(D):変動表示演出の中期にさしかかると、演出図柄の左演出図柄が変動を停止する。この例では、演出図柄の左演出図柄として数字の「7」を表す演出図柄が停止している。
〔リーチ状態の発生〕
図227中(E):そして、次に、演出図柄の右演出図柄が変動を停止する。この例では、演出図柄の右演出図柄として数字の「7」を表す演出図柄が停止している。これにより、演出図柄では、「7」-「変動中」-「7」のリーチ状態が発生している。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われる。リーチ状態の発生後、当選時やはずれ時のリーチ演出が実行される。
〔リーチ発生後予告演出〕
図227中(F):リーチ状態が発生して暫くすると、液晶表示器42において、例えば「ハート」の図形を表す画像が群をなして画面上を斜めに過ぎっていくリーチ発生後予告演出が行われる。この場合、突然、画面上に「ハート群」の画像が流れていくように表示されるため、これによって遊技者に対する視覚的な訴求力を高めることができる。このような視覚的に賑やかなリーチ発生後予告演出を実行することで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ演出の進行〕
図228中(G):リーチ発生後予告演出に続いて、液晶表示器42に、画面の左側に敵キャラクターとしての「かぼちゃのお化け」が出現し、画面の右側に味方キャラクターとしての「男性キャラクター」が出現し、画面の中央に「VS」の文字が出現する演出が行われる。
図228中(H):リーチ演出が終盤になると、「かぼちゃのお化け」が無数のパンチを繰り出し、「男性キャラクター」がチョップで応戦する演出が行われている。この状態で「男性キャラクター」が勝利すれば大当りとなり、「男性キャラクター」が敗北すればはずれとなる。
〔停止表示演出(当選時演出)〕
図228中(I):「勝利!!」の文字とともに、「男性キャラクター」が大きく表示され、「かぼちゃのお化け」が小さく表示されると、大当りであることを意味している。そして、特別図柄の停止表示に略同期して、演出図柄の中演出図柄が変動を停止する。この例では、演出図柄の中演出図柄として数字の「7」を表す演出図柄が停止している。第4図柄Z1は、大当りに対応する態様(例えば赤表示色)で停止表示されている。
なお、非当選時(はずれ時)は、「敗北・・」の文字とともに、「かぼちゃのお化け」が大きく表示され、「男性キャラクター」が小さく表示される。この場合、演出図柄の中演出図柄として数字の「7」以外の数字を表す演出図柄が停止される。
〔大役中演出〕
図229及び図230は、大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である。なお、以下の大役中演出は、液晶表示器42にて実行される演出である。
〔大当り遊技開始〕
図229中(A):大当り遊技が開始されると、例えば、画面内に「BIG BONUS」といった文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像(例えば女性キャラクター)が表示される。
〔大役中「右打ち」表示〕
また、本実施形態では遊技領域8a内の右側部分に第1可変入賞装置30が配置されているため、大役中は遊技球の発射位置(発射方向)として遊技領域8a内の右側部分を指定することとしている。このため、主制御CPU72による制御上で上記の発射位置指定表示ランプ38fが点灯表示されるとともに、「右打ち」を表す発射位置指定コマンドが演出制御装置124に送信される。これを受けて、演出制御CPU126による演出制御上で表示画面内に「右打ち」を促す案内情報(右方向を示す矢印、「右打ち」の文字等)が表示される)。
〔1ラウンド目〕
図229中(B):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、例えば、画面内の左上部に「BIG BONUS」の文字情報とともに、10個の○印が表示される。そして、そのうち1番左に位置する○印が赤色(斜線のハッチング)で表示され、残りの9個の○印は白色で表示される。これにより、出球を獲得できるのは10ラウンドであること、現在のラウンドがその10ラウンド中の1ラウンド目であること、及び、出球が獲得できるラウンドが1つ進行する毎に○印が赤色で表示されることを遊技者に教示することができる。
〔10ラウンド目〕
図229中(C):この後、大当り遊技が順調に進行し、例えば、10ラウンド目に移行すると、例えば、10個の全ての○印が赤色で表示される。これにより、この10ラウンド目で出球を獲得できる全てのラウンドが終了することを遊技者に教示することができる。
ここで、時間短縮状態に移行する当選図柄に該当している場合や、時間短縮状態に移行する当選図柄に該当していなくても第2特別図柄の記憶がある場合には、図示のように、花火が打ち上げられる花火演出(ドライブモードに移行することを示唆する演出)が実行される。なお、時間短縮状態に移行する当選図柄に該当していない場合や、第2特別図柄の記憶が無い場合には、花火演出は実行されない。花火演出は、任意のラウンドで実行することができる。
〔時間短縮状態突入演出〕
図230中(D):時間短縮状態に移行する場合、大当り遊技の終了時間(エンディング時間)を利用して「ドライブモード突入!」といった文字情報が表示される演出が実行される。これにより、これから「ドライブモード」が開始されることを遊技者に教示することができる。また、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、「ドライブモード」においても右打ちで遊技が進行することを遊技者に教示することができる。
ここで、エンディング演出中には、「プリペイドカードの取り忘れに注意しましょう」といったプリペイドカードの取り忘れを喚起する報知を行ったり、「遊技に対するのめり込みに注意しましょう」といった遊技に対するめり込みを防止する報知を実行するようにしてもよい。
〔大当り遊技終了、時間短縮状態〕
図230中(E):大当り遊技が終了し、内部状態(遊技状態)が時間短縮状態に設定されると、滞在モードが「ドライブモード」に設定され、背景画像が、女性が乗車した自動車が大地を走行する様子を表現した画像に変更される。これにより、現在の内部状態(遊技状態)が通常状態とは異なる時間短縮状態であることを遊技者に教示することができる。
〔時短中演出〕
このように、時間短縮状態で遊技が進行している場合には、時間短縮状態(有利遊技状態)に対応させた背景画像を表示する時短中演出(有利遊技状態演出)が実行される。
〔右打ち示唆演出〕
また、画面上部では、右打ち示唆演出が実行されている。右打ち示唆演出では、液晶表示器42の画面上部に帯状の領域を設け、その帯状の領域の中に右打ちの文字情報と右向きの矢印記号とを表示している。なお、このような右打ち示唆演出は、遊技状態が時間短縮状態である場合には継続して実行される。そして、このような演出を実行することにより、遊技者に対して「右打ち」を促すことができる。
〔残り回数表示演出〕
さらに、画面左下では、残り回数表示演出が実行されている。残り回数表示演出では、液晶表示器42の画面左下に長方形形状の領域を設け、その長方形形状の領域の中にドライブモードで遊技を進行することができる残り回数を表示している。なお、図示の例では、「残り2回」の情報が表示されている。残り回数は、時間短縮状態のドライブモード又は非時間短縮状態のドライブモードで第2特別図柄が変動して停止する度に1減算される。このため、残り回数は、時間短縮状態や非時間短縮状態で第1特別図柄が変動して停止しても減算されない。
〔ドライブモード(時間短縮状態)の演出例〕
図231~図233は、ドライブモードの演出例を示す連続図である。
図231中(A):ドライブモードでは、背景画像が、女性が乗車した自動車が大地を走行する様子を表現した画像に変更される。演出図柄の組み合わせは「7」-「7」-「7」の当選目である。これは、当選時の出目を表示している。また、画面上部では、右打ち示唆演出が実行されており、このような右打ち示唆演出は、遊技状態が時間短縮状態である場合には継続して実行される。
〔特別図柄の変動開始〕
図231中(B):第1特別図柄での初当り時には第1特別図柄の記憶が貯まっていることが多く、第2特別図柄の記憶が貯まっていないのが一般的である。図示の例では、第1特別図柄の記憶(マーカM1)が4つ貯まっている。このため、このような状況でドライブモードに突入した場合には、第1特別図柄が変動表示される。なお、第1特別図柄の記憶が貯まっていない場合には、遊技者が右打ちを実行することにより、最初に第2特別図柄の変動が実行される。そして、第1特別図柄の変動表示が開始されると、演出図柄や第4図柄Z1についても変動を開始する。ここでは、第1特別図柄に関する内部抽選において、はずれに該当したものとする。
〔第1特別図柄の変動終了〕
図231中(C):第1特別図柄がはずれの態様で停止表示されると、演出図柄及び第4図柄Z1についてもはずれの態様で停止表示される。この間に遊技者が右打ちを実行し、複数の遊技球が始動ゲート20を通過し、可変始動入賞装置28が開放して1個の遊技球が右始動入賞口28bに入球したものとする。この場合、第2特別図柄の記憶(マーカM2)が1個貯まる。
ここでは、第1特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されない。具体的には、残り回数の表示は、残り2回のままである。
図232中(D):第1特別図柄及び第2特別図柄の記憶は、入賞順に消化されるため、この後は、第1特別図柄の残りの3個の記憶が消化される。そして、第1特別図柄の残りの記憶の消化が終了すると、次は、第2特別図柄の記憶を用いて内部抽選が実行される。そして、第2特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴って演出図柄や第4図柄Z2についても変動を開始する。ここでは、第2特別図柄に関する内部抽選において、小当りに当選したものとする。
〔小当り開始、第2大入賞口開放〕
図232中(E):そして、第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、演出図柄(「5」-「2」-「6」の組み合わせ)、第4図柄Z2(緑色表示色)についても小当りの態様で停止表示される。これにより、小当り遊技が開始され、第2大入賞口31bが開放される。そうすると、女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げて画面右側に進んでいく演出が実行される。また、例えば、第2特別図柄の変動中に遊技者が右打ちを実行し、遊技球が始動ゲート20を通過し、可変始動入賞装置28が開放して1個の遊技球が右始動入賞口28bに入球したものとする。この場合、第2特別図柄の記憶(マーカM2)が1個貯まる。
ここでは、第2特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されている。具体的には、残り回数の表示は、残り1回となっている。
図232中(F):小当り遊技が開始されると、仙人のキャラクターが「右下のアタッカを狙うのじゃ」という台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して、第2可変入賞装置31に遊技球を入球させなくてはならないということを伝達することができる。なお、これ以降は、演出図柄を表示画面の右下に小さく表示することができる。
〔特定領域通過〕
図233中(G):小当り遊技により第2可変入賞装置31が開放状態に移行し、遊技球が特定領域31xを通過し、小当り時の当選図柄が第6当選図柄であったものとする。この例では、自動車に乗っている女性キャラクターが、Vの文字が描かれたハートマークを掲げ、「やったね!BIG BONUSよ!!」といったセリフを発する演出が実行される。これにより、遊技球が特定領域31xを通過したこと、及び、これから大当り遊技(BIG BONUS)が開始されることを遊技者に教示することができる。
〔小当り終了、大当り遊技開始〕
図233中(H):その後、小当り遊技が終了し、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)が閉鎖される。また、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過したことで、大当り遊技が開始されることとなる。この例では、大当り遊技特有の女性キャラクターが登場し、「BIG BONUS」といった文字情報が表示され、女性キャラクターが同様のセリフを発する演出が実行される。また、表示画面には、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、そのまま右打ちで大当り遊技が進行することを遊技者に教示することができる。
その後、上記と同様の大当り遊技中の演出が開始され、大当り遊技が進行する。例えば、第2特別図柄に関する小当り時の当選図柄が第6当選図柄に該当している場合、実質的に9ラウンド分の出球(小当り遊技を含めると10ラウンド分の出球)を獲得することができる。なお、ドライブモードにて大当り遊技が実行される場合は、ドライブモードでの当選時専用の大役中演出を実行してもよい。
図234及び図235は、非時間短縮状態でのドライブモードにおいて第2特別図柄が変動する際の演出例を示す連続図である。このような状況が発生するのは、主に時間短縮状態の最終変動で「第4当選図柄」の大当り又は「第6当選図柄」の小当りに該当して大当り遊技が実行され、かつ、第2特別図柄の記憶が蓄積されている場合である。
ここでは、第2特別図柄の記憶は1個存在しているものとする。このため、時短中演出は継続して実行されている。また、残り回数表示演出として、「残り1回」の情報が表示されている。ただし、右打ち示唆演出は実行されていない。
〔特別図柄の変動表示中〕
図234中(A):非時間短縮状態でのドライブモードで第2特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴って演出図柄や第4図柄Z2についても変動を開始する。
〔変動表示演出の継続〕
図234中(B):非時間短縮状態でのドライブモードで第2特別図柄の変動表示が継続して実行されている。また、演出図柄や第4図柄Z2についても変動を継続する。なお、ここでの状況は、時間短縮状態ではないため、始動ゲート20を通過させても可変始動入賞装置28がロング開放する確率は低い。このため、基本的には第2特別図柄の記憶を貯めることはできない。よって、このような非時間短縮状態でのドライブモードは、第2特別図柄が最大で1回変動するチャンスゾーンとなる。
〔停止表示演出〕
図234中(C):ここでは、第2特別図柄に関する内部抽選において、小当りに当選したものとする。そして、第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、演出図柄(「2」-「2」-「3」の組み合わせ)、第4図柄Z2(緑色表示色)についても小当りの態様で停止表示される。この場合、動物のキャラクターが「7の数字が表示されたマーク」を掲げる演出が実行される。なお、これ以降は、演出図柄を表示画面の右下に小さく表示することができる。
ここでは、第2特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されている。具体的には、残り回数の表示は、残り0回となっている。
〔小当り開始、第2大入賞口開放〕
図235中(D):そして、小当り遊技が開始されると、第2大入賞口31bが開放されるとともに、女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げて画面右側に進んでいく演出が実行される。この際、動物のキャラクターを置き去りにする演出が実行される。
〔特定領域通過〕
図235中(E):小当り遊技により第2可変入賞装置31が開放状態に移行し、遊技球が特定領域31xを通過し、小当り時の当選図柄が第6当選図柄であったものとする。この例では、自動車に乗っている女性キャラクターが、Vの文字が描かれたハートマークを掲げ、「やったね!BIG BONUSよ!!」といったセリフを発する演出が実行される。これにより、遊技球が特定領域31xを通過したこと、及び、これから大当り遊技(BIG BONUS)が開始されることを遊技者に教示することができる。
〔小当り終了、大当り遊技開始〕
図235中(F):その後、小当り遊技が終了し、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)が閉鎖される。また、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過したことで、大当り遊技が開始されることとなる。この例では、大当り遊技特有の女性キャラクターが登場し、「BIG BONUS」といった文字情報が表示され、女性キャラクターが同様のセリフを発する演出が実行される。また、表示画面には、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、そのまま右打ちで大当り遊技が進行することを遊技者に教示することができる。その後、上記と同様の大当り遊技中の演出が開始され、大当り遊技が進行する。そして、非時間短縮状態のドライブモードで第6当選図柄に該当して大当り遊技が実行された場合、大当り遊技の終了後には、動物モードに移行する。
図236は、ドライブモードの概要を示す図である。
第1演出例は、正常な遊技を行った場合の演出例を示しており、第2演出例は、イレギュラーな遊技を行った場合の演出例を示している。
〔第1演出例〕
図236中(A)の状態は、ドライブモードが残り2回である状態(少なくとも残り2回大当りが発生する可能性がある状態)であり、主制御装置70の遊技状態は、時間短縮状態である。
図236中(A)の状態で時短有り当りに該当すると、大当り遊技の終了後に、再度、図236中(A)の状態に移行する。
一方、図236中(A)の状態で時短無し当りに該当し、かつ、第2特別図柄の記憶が有る場合、大当り遊技の終了後に、図236中(B)の状態に移行する。
図236中(B)の状態は、ドライブモードが残り1回である状態(少なくとも残り1回大当りが発生する可能性がある状態)であり、主制御装置70の遊技状態は、非時間短縮状態(記憶消化区間)である。
図236中(B)の状態で時短有り当りに該当すると、大当り遊技の終了後に、図236中(A)の状態に移行する。
一方、図236中(B)の状態で時短無し当りに該当すると、大当り遊技の終了後に、図236中(C)の状態に移行する。
図236中(C)の状態は、動物モードであり、主制御装置70の遊技状態は、非時間短縮状態(即止め防止区間)である。動物モードは、規定回数の変動の経過により終了し、その後は通常モードに移行する。
〔第2演出例〕
図236中(D)の状態は、ドライブモードが残り2回である状態であり、主制御装置70の遊技状態は、時間短縮状態である。
図236中(D)の状態で時短無し当りに該当し、かつ、第2特別図柄の記憶が無い場合、大当り遊技の終了後に、図236中(E)の状態に移行する。
図236中(E)の状態は、動物モードであり、主制御装置70の遊技状態は、非時間短縮状態(記憶消化区間)である。ただし、この状態では、第2特別図柄の記憶が無いことから、第2特別図柄の記憶を消化することができず、いずれは、第1特別図柄の記憶を消化することになる。
〔ドライブモードの概要〕
ドライブモード(連荘状態)は、正常な遊技を行った場合、図236中(A)~(C)のように遷移する。
時間短縮状態で時短無し当りに当選すると、大当り遊技後には、主制御装置の遊技状態は、記憶消化区間となる。この際、本実施形態では、第2特別図柄の記憶が有る場合、1/1の確率で大当り(大当り又は小当り経由の大当り)となる。なお、第2特別図柄の記憶の上限は1個である。このため、第2特別図柄の記憶が有る場合は、ドライブモードの演出を継続させている(連荘継続のように見せている;図236中(A)~(C)参照)。
正常な遊技を行った場合には、時間短縮状態での大当り時に第2特別図柄の記憶があるため、このような状態の遷移となるが、時間短縮状態での時短無し当り時に、第2特別図柄の記憶が無い場合は、実質的にそこで連荘が終了する。
このため、本実施形態では、主制御装置の遊技状態が、記憶消化区間であっても、連荘継続ではない動物モードに移行させている(図236中(D)(E)参照)。
なお、当選時の第2特別図柄の記憶の有無は、大当り演出にも関係するため、第2特別図柄の記憶の有無の判定は、小当り又は大当りのオープニングコマンド受信時に行っている。
このため、第2特別図柄の記憶が無い状態で当選し、大当り遊技のラウンド中に、第2特別図柄の記憶が貯まった場合は、動物モードに移行させた後、記憶消化区間において、第2特別図柄の変動を行うようにしている。
図237は、記憶消化区間において第1特別図柄のはずれ変動が実行される際の演出例を示す図である。
第1演出例は、記憶消化区間において第1特別図柄のはずれ変動が実行されるが、第2特別図柄の記憶が有る場合の演出例を示している。
第2演出例は、記憶消化区間において第1特別図柄のはずれ変動が実行され、かつ、第2特別図柄の記憶が無い場合の演出例を示している。
〔第1演出例〕
図237中(A)の状態は、ドライブモードが残り1回である状態であり、主制御装置70の遊技状態は、非時間短縮状態(記憶消化区間)である。
図237中(A)の状態で、第1特別図柄のはずれ変動が実行されると、図237中(B)に示すようにリーチ演出(例えば、花火の打上げに成功するか否かの演出)が実行され、図237中(C)に示すように最終的にはずれとなる演出(例えば、花火の打上げに失敗する演出)が実行される。
〔第2演出例〕
図237中(D)の状態は、動物モードであり、主制御装置70の遊技状態は、非時間短縮状態(記憶消化区間)である。ただし、この状態では、第2特別図柄の記憶が無いことから、第2特別図柄の記憶を消化することができず、左打ちをすると、第1特別図柄が変動することになる。
この場合、第1特別図柄のはずれ変動の実行中には、図237中(E)に示すように、複数回の変動が擬似的に実行される特別な擬似変動演出が実行され、最終的にはずれとなる演出が実行される。特別な擬似変動演出では、変動時間(変動尺)に合わせて、変動開始アクションや変動停止アクションが複数回実行される。
記憶消化区間であるにも関わらず、見た目上の演出が動物モードである場合、第1特別図柄の変動については、変動時間が長い変動パターン(例えば、数十秒の変動)が設定される。
この際に、ドライブモードに移行させ、そこではずれ演出を行えば、見た目の整合性は取れるが、「ドライブモード=連荘中」という関係性があるため、遊技者が誤認する恐れがある。
そこで、本実施形態では、記憶消化区間であり、かつ、見た目上の演出が動物モードである際には、変動表示演出の内容を実行する際の抽選を切り替えて、変動開始と変動停止を変動尺分繰り返した後、はずれの態様で確定するような演出を実行することにより、見た目上の違和感が無いようにしている。
図238は、記憶消化区間で選択される第1特別図柄の変動パターンと、即止め防止区間で選択される第1特別図柄の変動パターンとの相違を示す図である。
図238中(A)に示すように、記憶消化区間の変動パターン選択テーブルでは、第1特別図柄抽選の結果がはずれである場合、選択される変動パターンとしては、長時間変動の変動パターンが選択される可能性がある。例えば、長時間変動の変動パターンは、56.0秒の変動時間を有する変動パターンである。
一方、図238中(B)に示すように、即止め防止区間の変動パターン選択テーブルでは、第1特別図柄抽選の結果がはずれである場合、選択される変動パターンとしては、第1短時間変動~第3短時間変動の変動パターンが選択される可能性がある。例えば、第1短時間変動の変動パターンは、20.0秒の変動時間を有する変動パターンであり、第2短時間変動の変動パターンは、13.5秒の変動時間を有する変動パターンであり、第3短時間変動の変動パターンは、6.0秒の変動時間を有する変動パターンである。
そして、今回問題としている第1特別図柄のはずれ変動は、図238中(A)に示す長時間変動であり、この変動は、記憶消化区間では選択されるが、即止め防止区間では選択されない。
このため、遊技状態が、記憶消化区間であり、見た目上のモードが即止め防止区間に対応する動物モードとなっている際は、演出の整合を取るために、上述したように、特別な擬似変動演出を実行している。
図239は、通常モードにおいて実行される第1補正処理の流れを示す図である。
第1補正処理は、特別図柄の変動確定時に実行される可能性がある処理である。
図239中(A):通常モードでは、上可動体40f1が原点位置にあり、下可動体40f2も原点位置にある。
図239中(B):通常モードにおいて、演出図柄が変動表示されている。そして、ここでは、何かしらの原因(故障や不具合等)で、上可動体40f1が原点位置から可動位置に移動したものとする。
図239中(C):この場合、通常モードでは、演出図柄が停止表示された際(変動確定時)に、第1補正処理が実行される。
第1補正処理は、変動確定時に、上可動体40f1又は下可動体40f2が可動位置にある場合には、可動位置にある上可動体40f1又は下可動体40f2を原点位置に移動させる処理である。
第1補正処理が実行されることにより、図示の例では、上可動体40f1が可動位置から原点位置に移動している。
図240は、動物モードにおいて実行される第2補正処理の流れを示す図である。
第2補正処理は、特別図柄の変動開始後一定時間経過後に実行される可能性がある処理である。
図240中(A):動物モードでは、上可動体40f1が可動位置にあり、下可動体40f2も可動位置にある。
図240中(B):動物モードにおいて、演出図柄が変動表示されている。そして、ここでは、何かしらの原因(故障や不具合、デモ演出の実行、遊技記録に関する演出の実行等)で、上可動体40f1及び下可動体40f2が可動位置から原点位置に移動したものとする。
図240中(C):この場合、動物モードでは、演出図柄が停止表示された際(変動確定時)に、第1補正処理が実行されない。このため、上可動体40f1及び下可動体40f2は、原点位置に滞在したままの状態である。
図240中(D):そして、動物モードでは、演出図柄が変動開始してから一定時間経過後(変動開始後)に、第2補正処理が実行される。
第2補正処理は、変動開始後一定時間経過後に、上可動体40f1又は下可動体40f2が原点位置にある場合には、原点位置にある上可動体40f1又は下可動体40f2を可動位置に移動させる処理である。
第2補正処理が実行されることにより、図示の例では、上可動体40f1及び下可動体40f2が原点位置から可動位置に移動している。
図241~図244は、決め役物動作の演出例を示す図である。決め役物動作では、複数の可動体が可動する。
図241中(A):図示の例では、終盤のリーチ演出が実行されており、「かぼちゃのお化け」が無数のパンチを繰り出し、「男性キャラクター」がチョップで応戦する演出が行われている。この状態で「男性キャラクター」が勝利すれば大当りとなり、「男性キャラクター」が敗北すればはずれとなる。なお、マーカM1,M2、第4図柄Z1,Z2は、図示を省略している。
図241中(B):画面の中央には、演出切替ボタン45を模したボタン画像が表示されている。今回の変動が当選の変動である場合、遊技者が演出切替ボタン45を押下すると、以下に示す決め役物動作が実行される。一方、今回の変動がはずれの変動である場合、遊技者が演出切替ボタン45を押下しても、以下に示す決め役物動作は実行されない。
〔決め役物動作〕
図242中(C):遊技者が演出切替ボタン45を押下したことを契機として、中前右可動体昇降モータ57h、中前左可動体昇降モータ57i及び中前上可動体昇降モータ57jが可動する。これにより、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7が画面の中央の方向に移動する。
また、合わせて、中前右可動体回転モータ57e、中前左可動体回転モータ57f及び中前上可動体回転モータ57gが可動する。これにより、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7が回転する。
さらに、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7の土台となる中後可動体回転モータ57kが可動する。これにより、中後可動体40f8(図169参照)が回転する。
これにより、ハート形状の中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7が回転しながら、土台部分となる中後可動体40f8も回転し、最終的な1つの大きな造形物を形成するための動作が開始する。なお、表示画面には、決め役物動作用の特別なエフェクトの画像を表示するようにしてもよい。
図242中(D):図示の例では、ハート形状の中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7が回転しながら、土台部分となる中後可動体40f8も回転している。最終的な1つの大きな造形物は、少しずつ形成されている状態である。
図243中(E):図示の例では、ハート形状の中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7が回転しながら、土台部分となる中後可動体40f8も回転している。最終的な1つの大きな造形物は、半分程度形成されている状態である。
図243中(F):図示の例では、ハート形状の中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7が回転しながら、土台部分となる中後可動体40f8も回転している。最終的な1つの大きな造形物は、大部分が形成されている状態である。
図244中(G):図示の例では、ハート形状の中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7が最終的な可動位置まで移動し、土台部分となる中後可動体40f8も最終的な可動位置まで移動している。最終的な1つの大きな造形物は、完成している状態(ハート役物が完成している状態)である。なお、この際、上可動体40f1及び下可動体40f2も合わせて可動させてもよい。
〔虹色点灯演出〕
そして、決め役物動作が最終段階まで移行すると、上可動体40f1、下可動体40f2、右可動体40f4及び左可動体40f3に内蔵されているLEDが虹色点灯する虹色点灯演出が実行される。なお、その他のランプ(盤面ランプや枠ランプ)も虹色点灯させてもよい。
図244中(H):そして、虹色点灯演出が実行された状態で一定時間が経過すると、各可動体が原点位置に戻り、停止表示演出が実行される。停止表示演出では、演出図柄が当選の態様(「7」-「7」-「7」)で停止される。
〔可動体動作とランプの電流値制限の対策〕
(1)決め役物動作概要
一部の大当り時に発生する決め役物動作は、上述したような、ハート形状の可動体(中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7)が回転しながら、土台部分の可動体(中後可動体40f8)も回転し、最終的な1つの大きな造形物を形成する動作である。
(2)決め役物動作時の動作制限
図242及び図243に示す「動作1」~「動作4」の区間は、土台となる中後可動体40f8が回転している状態である。そして、この区間では、電流値制限の問題により、ランプの点灯を制限している(虹色点灯させないようにしている)。
「動作1」~「動作4」の区間において点灯可能なランプは、以下の通りである。
(a)ハート形状の可動体に内蔵されたランプ
(b)枠(ボタン)、及び枠の一部のランプ
(c)特別なランプ(例えば一発告知系で使用するランプ)
(3)仕様及び問題点と電流値対策
〔仕様〕
決め役物動作が完成したら(図244に示す動作5の状態に移行したら)、ランプを虹色点灯させて祝福感を表現する。
つまり、土台となる中後可動体40f8が回転中である場合は、虹色点灯ができないが、土台となる中後可動体40f8が停止した後は、虹色点灯を行うことができる。
図245は、メッセージの登録方法を示す図である。
図245に示すように、ランプ、可動体ともにメッセージに紐づいて、一定フレーム数経過後に再生するようにデータを登録する。なお、このメッセージの登録方法は、説明のための図であり、本実施形態においてそのまま実行されるものではない。
例えば、ランプ制御部は、決め役物動作実行メッセージの受信後20F経過後に出現用データを再生し、メッセージ受信後120F経過後に完成時用データを再生し、メッセージ受信後270F経過後に格納用データを再生する処理を実行する。
一方、可動体制御部は、決め役物動作実行メッセージの受信後20F経過後に出現用データを再生し、メッセージ受信後270F経過後に格納用データを再生する処理を実行する。
このように、基本的には、一定時間の経過後に(時間管理で)データを再生するようにしているが、可動体に関しては、完成までの時間が、常に一定ではない。この理由は、以下に示す可動体の制御方法によるものである。
〔可動体の制御方法〕
出現時の可動体データは、以下のように作成する。
(a)原点位置から可動位置まで(可動位置センサが遮光になるまで)、可動体(中後可動体40f8)を出現させる。例えば、1086×2.5倍のステップ数を動作させるが(中後可動体回転モータ57kを動作させるが)、可動位置センサが遮光状態になったら次登録の動作(以下の(b))に移行する。なお、2.5倍は、マージンである。
(b)遮光状態になったら、80ステップ動かし、ハート役物の完成位置まで移動させる。
本来であれば、992+80=1072ステップ動作させることで可動位置まで動作させることが可能と思われるが、バックラッシュや他の影響等で想定より多くのステップ数が必要となることがあり、ステップ数を固定すると、可動体が可動位置まで移動しないことがある。そのため、可動位置センサでの検知後、次登録の動作を行うようにすることで、理論値より多くのステップ数を要した場合であっても、可動位置まで確実に可動体を動作させることが可能となる。
図246は、比較例のタイミングチャートを示す図である。
中後可動体40f8は、原点位置から可動位置まで移動可能であり、さらに可動位置を越えた最大可動位置まで移動可能である。原点位置から最大可動位置までは1090(1086)ステップ動作させる必要がある。なお、ステップ数の括弧外の数値は、ステップ数の推奨値であり、括弧内の数値はステップ数の設計値である。
原点位置から60(58)ステップまでは、第1押込動作に必要なステップ数であり、この間は、原点位置センサは遮光状態(ON)となり、60(58)ステップを越えると、原点位置センサは通光状態(OFF)となる。
原点位置から992(992)ステップまでは、可動位置センサは通光状態(OFF)となり、その後の80(80)ステップは、第2押込動作に必要なステップ数であり、992(992)ステップから94(90)ステップ進むと、最大可動位置に到達する。
なお、第1押込動作及び第2押込動作は、可動体は急に停止しないため、減速シーケンスを適用する部分である。
〔可動体とランプの制御方法による問題点〕
上述したように、ランプはメッセージ受信後、登録したタイミングで点灯するが、可動体は、完成位置までの動作時間に変化がある。
このため、可動体動作として、想定より多くのステップ数がかかった場合、ランプは、土台となる可動体が動いているにも関わらず点灯してしまい、電流値制限が守れなくなる可能性がある。
〔電流値制限〕
電流値制限の詳細は、以下の通りである。
本実施形態では、5V、12V、18V、37Vといった4つの電圧群が存在している。そして、このような電流群のいずれかに可動体とランプが割り当てられており、合計の消費電力が300VAを超えた時点で「電流値制限に該当する(問題あり)」と判断している。
このように、電流値制限の値(上限値)は、300VAである。そして、可動体による決め役物動作(第1演出、可動演出)と、LEDによる虹色点灯演出(第2演出、発光演出)とを同時に実行すると、300VAを超える。
図247は、本実施形態のタイミングチャートを示す図である。
動作内容は、比較例のタイミングチャートと同様であるが、本実施形態のタイミングチャートでは、中後可動体40f8が可動位置に到達すると、中後可動体40f8に対応する中後可動体回転モータ57kを励磁維持後に停止させ、このタイミングで決め役物完成フラグをONにする。
決め役物完成フラグをONにするタイミングは、中後可動体40f8の可動位置センサが遮光状態になったタイミングであってもよく、中後可動体40f8の可動位置センサが遮光状態になってから第2押込動作に必要となる一定時間経過後であってもよい。
〔対策〕
そして、本実施形態では、電流値制限を守るために、土台となる中後可動体40f8の動作が停止した後に、可動体制御部からランプ制御部に、決め役物完成メッセージを送信することで、土台となる中後可動体40f8の動作中にランプが虹色点灯することがないようにしている。
〔詳細手順〕
本実施形態の制御上の詳細手順は、以下の通りである。
手順1:メッセージを1つ追加し、ランプ制御部の完成時用データに関しては、追加した決め役物完成メッセージに基づいて実行するようにする。
手順2:土台となる中後可動体40f8の動作停止後に(中後可動体40f8の可動位置センサ検出時に)、決め役物完成フラグをONに設定する。
手順3:可動体制御部は、1F毎に決め役物完成フラグがONであるか否か監視する。
手順4:決め役物完成フラグがONである場合は、ランプ制御部用の決め役物完成メッセージを送信し、決め役物完成フラグをOFFに設定する。
このようにすることで、一定タイミングでランプを再生せず、可動体動作が確実に終了した後にランプデータを再生することができるため、可動体の動作とランプの虹色点灯といった複合を回避することができ、電流値制限を守ることができる。
図248は、遊技状態と発射方向に関する遊技の流れを示す図である。
以下の遊技の流れは、連荘状態が最短で終了する際の遊技の流れである。
具体的には、非時間短縮状態において「第1当選種類(時短有り)」の大当りに当選し、時間短縮状態において「第6当選種類(時短無し)」の小当りに当選し、非時間短縮状態において「第6当選種類(時短無し)」の小当りに当選する場合の遊技の流れである。
遊技状態は、No1~No13の順番で進行する。
〔No1〕
「遊技状態」は「第1特別図柄変動」であり、「発射方向」は「左打ち」である。
遊技の開始時は、第1特別図柄を変動させて、大当りを目指す。
〔No2〕
「遊技状態」は「大当り(初当り、大当り1回目)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。ここでは、「第1当選種類(時短有り)」の大当りに当選したものとする。
〔No3〕
「遊技状態」は「時間短縮状態」であり、「発射方向」は「右打ち」である。
非時間短縮状態から時間短縮状態に遊技状態が移行すると、発射方向は、右打ちとなる。
〔No4〕
「遊技状態」は「第1特別図柄変動(ショート変動)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。初当り時に貯まっている第1特別図柄の記憶は、高速消化される。
〔No5〕
「遊技状態」は「第2特別図柄変動(時間短縮状態、記憶+1)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。第2特別図柄の変動中には、第2特別図柄の記憶を1つ貯めることができる。
〔No6〕
「遊技状態」は「第2特別図柄停止(時間短縮状態終了)」であり、「発射方向」は「左打ち」である。第2特別図柄の停止時に、遊技状態が時間短縮状態から非時間短縮状態に移行すると、発射方向は、右打ちから左打ちに切り替わる。
〔No7〕
「遊技状態」は「第1特別図柄の記憶増加」であり、「発射方向」は「左打ち」である。第1特別図柄の記憶は、最大で4個まで貯まる。
〔No8〕
「遊技状態」は「小当り経由の大当り(大当り2回目)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。小当り遊技中や大当り遊技中の発射方向は、右打ちとなる。ここでは、「第6当選種類(時短無し)」の小当りに当選したものとする。
〔No9〕
「遊技状態」は「第2特別図柄変動(非時間短縮状態)」であり、「発射方向」は「左打ち」である。ここでは、第2特別図柄の記憶を増加させることができない。
〔No10〕
「遊技状態」は「第1特別図柄の記憶増加」であり、「発射方向」は「左打ち」である。第1特別図柄の記憶は、最大で4個まで貯まる。
〔No11〕
「遊技状態」は「第2特別図柄停止」であり、「発射方向」は「左打ち」である。発射方向は、左打ちの状態が継続される。
〔No12〕
「遊技状態」は「小当り経由の大当り(大当り3回目)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。小当り遊技中や大当り遊技中の発射方向は、右打ちとなる。ここでは、「第6当選種類(時短無し)」の小当りに当選したものとする。
〔No13〕
「遊技状態」は「1セット分(3回分)の大当り終了」であり、「発射方向」は「左打ち」である。この場合、動物モードに移行する。このように、2回連続で、時短無しの当選図柄(例えば、「第6当選種類(時短無し)」)に該当すると、連荘状態は終了となる。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した変動表示演出やリーチ演出、リーチ発生前予告演出、記憶数表示演出、大役中演出、液晶表示器42を用いた演出、時短中演出、右打ち示唆演出、残り回数表示演出等は、いずれも以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
演出制御装置124は、上述したように、演出制御プロセッサ(全体制御部)としての機能と演出再生プロセッサ(個別制御部)としての機能を有しており、これらの機能が連携することにより、各デバイスの動作(液晶表示器42による画面表示、スピーカ54,55,56による音声出力、各種ランプ46~52及び盤面ランプ53等による発光、可動体モータ57による各種可動体の動作等)を制御して、パチンコ機1での演出再生を実現させる。
そこで、説明の便宜のため、以降の説明においては、演出制御CPU126が演出制御プロセッサ(全体制御部)として機能する場合の動作主体を「演出制御部210」と称し、演出再生プロセッサ(個別制御部)として機能する場合の動作主体については、制御対象とするデバイスに応じて適宜「表示制御部220」、「音声制御部222」、「ランプ制御部224」、「可動体制御部226」又は「入力制御部228」と称する。なお、演出再生プロセッサ(個別制御部)として機能するこれらの制御部220,222,224,226,228を総括して「各個別制御部」と称する場合がある。また、演出再生に関する時間の管理を行う動作主体を「時間管理部230」又は「ACT」と称することとする。
演出制御の大まかな流れとしては、先ず、演出制御部210が、主制御装置70から送信された演出コマンドを受信すると、この内容に応じて演出の再生を指示するメッセージをRAM130内の所定の領域に出力する。演出制御部210が出力したメッセージは、時間管理部230により所定のタイミングで各個別制御部に対して送信される。これを受けて各個別制御部は、メッセージの内容に基づいて各デバイスに対し具体的な指示を行い、各デバイスの動作を制御する。このような制御の結果として、各デバイスによる演出が実行される。
なお、時間管理部230は、各個別制御部に対するメッセージの送信とともに、又は、メッセージの送信に代えて、メッセージの内容に対応付けられた演出内容の詳細が定義されている制御テーブルを起動することも可能である。制御テーブルが起動された場合には、各個別制御部は、制御テーブルの内容を解析し、その内容に基づいて各デバイスに対する具体的な指示を行うこととなる。
図249は、演出制御部210により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御部210は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs~数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、時短中及び擬似時短中その他演出処理(ステップS402a)、システム動作処理(ステップS403)、特殊変動中演出管理処理(ステップS403a)、表示出力処理(ステップS404)、可動体制御部処理(ステップS405)、ランプ制御部処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)及び演出乱数更新処理(ステップS410)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御部210は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御部210は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば、特図先判定演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、発射位置指定コマンド、エラー通知コマンド、大当り終了演出コマンド、変動パターン先判定コマンド、停止表示時間終了コマンド、回数切りカウンタコマンド、各種のエラーコマンド、特殊変動回数指定コマンド、大当り時のオープニングコマンド、小当り時のオープニングコマンド、設定関連終了指定コマンド等がある。
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御部210は上述した記憶数表示演出や、マーカM1を用いた先読み予告演出の実行を制御する。なお、作動記憶演出管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御部210は演出図柄や第4図柄Z1,Z2を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作時の演出内容を制御したりする。また、この処理において演出制御部210は、各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出等)の演出パターンを選択する。このように、演出図柄管理処理において、演出制御部210は、液晶表示器42に表示する演出内容(演出図柄、第4図柄Z1,Z2、マーカM1,M2、大役中演出等に関する演出内容、各種予告演出の内容)を決定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS402a:演出制御部210は、時短中及び擬似時短中その他演出処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、右打ち示唆演出及び残り回数表示演出等に関する演出内容を決定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS403:システム動作処理において、演出制御部210は、システム動作に関する処理(イニシャル処理、リトライ処理、補正処理)を実行する。なお、処理の詳細は、後述する。
ステップS403a:特殊変動中演出管理処理において、演出制御部210は、特殊変動回数指定コマンドに基づいて特殊変動中演出を実行するか否かを判断し、実行すると判断した場合にはどのような内容の特殊変動中演出を実行するかを決定する処理を実行する。なお、本処理は、演出図柄変動前処理において実行してもよい。
具体的には、演出制御部210は、短い時間(数秒程度)の特殊変動パターンが選択されている場合には、非リーチ演出(例えば、演出図柄を高速変動させる演出)を実行する演出パターンを選択し、長い時間(数十秒程度)の特殊変動パターンが選択されている場合には、リーチ演出等を実行する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS404:表示出力処理では、先ず演出制御部210が、表示制御部220に対して演出内容(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示するメッセージを出力する。これを受けて表示制御部220は、メッセージの内容に基づいてVDP152に対し具体的な描画の指示を行い、液晶表示器42による表示動作を制御する。
ステップS405:可動体制御部処理では、例えば、先ず演出制御部210が、可動体制御部226に対して演出内容を指示するメッセージを出力する。これを受けて可動体制御部226は、メッセージの内容に基づいてSMC199に対し具体的な制御内容を指示する。これを受けてSMC199は、可動体制御部226からの指示に基づいて可動体40fの作動パターンを作成し、これに応じた制御信号をドライバICに出力して、可動体40fを駆動させる。可動体40fは可動体モータ57を駆動源として動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う。
ステップS406:ランプ制御部処理では、先ず演出制御部210が、ランプ制御部224に対して演出内容を指示するメッセージを出力する。これを受けてランプ制御部224は、メッセージの内容に基づいてLEDドライバ198を中継しドライバIC132に対して具体的な駆動信号を出力し、各種ランプ46~52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、先ず演出制御部210が、音声制御部222に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示するメッセージを出力する。これを受けて音声制御部222は、メッセージの内容に基づいて音声IC134に対し具体的な出力内容の指示を行い、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音(効果音、BGM等)を出力させる。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御部210はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御部210はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される演出図柄管理処理の内容について説明する。
〔作動記憶演出管理処理〕
図250は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS700:先ず演出制御部210は、主制御CPU72から作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS700:Yes)、演出制御部210はステップS702を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS700:No)、演出制御部210はステップS702を実行しない。
ステップS702:演出制御部210は、作動記憶数増加時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、第1特別図柄に対応したマーカM1又は第2特別図柄に対応したマーカM2を表示させる演出を選択する。
ステップS704:演出制御部210は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS704:Yes)、演出制御部210はステップS706を実行する。なお、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS704:No)、演出制御部210はステップS706を実行しない。
ステップS706:演出制御部210は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、内部抽選により消費した抽選要素に対応するマーカM1又はマーカM2を消滅させるとともに、内部抽選により消費していない残りのマーカM1,M2を左方向にスライドさせる演出を選択する。
以上の手順を終えると、演出制御部210は、演出制御処理(図249)に復帰する。
〔演出図柄管理処理〕
図251は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御部210は次に実行するべき処理(ステップS502~ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御部210は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御部210は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御部210は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また、可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(図193中のステップS5000)が選択された場合にのみジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502~ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御部210は演出図柄及び第4図柄Z1,Z2を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。また、この処理において、演出制御部210は各種の条件(抽選結果、当選種類(当選図柄の種類)、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(リーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御部210は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御部210は必要に応じて各個別制御部に対する指示を行う。例えば、変動表示演出の実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合には、遊技者による演出ボタンの操作の有無を入力制御部228に監視させるとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)を各個別制御部に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御部210は内部抽選の結果に応じた停止表示演出の内容を制御すべく、各個別制御部に対し指示を行う。例えば、演出制御部210は、各個別制御部に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けて、例えば表示制御部220は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御部210は小当り遊技中又は大当り中の演出内容を制御する。この処理において、演出制御部210は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容を選択する。なお、大当り遊技の終了後等に動物モードに移行する場合、演出制御部210は、上可動体40f1及び下可動体40f2を原点位置から可動位置に移動させる動作パターンを選択することができる。このような動作パターンは大当り遊技の終了時に選択してもよく、特別図柄の変動開始時に選択してもよい。
〔演出図柄変動前処理〕
次に図252は、上記の演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御部210は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御部210は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
なお、客待ち状態を表す演出には、「遊技に対するのめり込みに注意しましょう」といった遊技に対するのめり込みを防止する内容を表示するようにしてもよい。このようにすることで、適切なタイミングで簡単に、のめり込み防止に関する演出を実行することができ、遊技者の不利益を軽減することができる。
デモ演出では、遊技方法や遊技説明に関する演出を実行したり(デモムービーを表示したり)、遊技記録に関する演出(所定のコードやパスワード等を用いて遊技記録を保存することができる演出)を実行したりすることができ、この際に、演出制御部210は、上可動体40f1及び下可動体40f2が可動位置にある場合には原点位置に戻す動作パターンを選択することができる。
以上の手順を終えると、演出制御部210は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御部210はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図249中のステップS404)等においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御部210は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御部210は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御部210はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御部210は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御部210はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また、今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御部210は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御部210は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。
また、演出パターン番号を選択すると、演出制御部210は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄及び第4図柄Z1,Z2の変動スケジュール(変動時間)、停止表示の態様等を決定する。
例えば、演出制御部210は、時間短縮状態での第2特別図柄の小当り変動時には、「ドライブモード」の状態で演出図柄及び第4図柄Z2を変動させ、最終的に小当りに対応する演出図柄及び第4図柄Z2を停止表示させる演出パターンを選択する処理を実行する。
一方、演出制御部210は、非時間短縮状態での第2特別図柄の小当り変動時には、例えば「ドライブモード」を継続させた状態又は通常モードの状態で演出図柄及び第4図柄Z2を変動させ、最終的に小当りに対応する演出図柄及び第4図柄Z2を停止表示させる演出パターンを選択する処理を実行する。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、大当りに該当した場合、演出制御部210はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御部210はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御部210は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。なお、大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御部210はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御部210は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御部210がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドに基づいて決定される。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御部210は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄及び第4図柄Z1,Z2の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」-「2」-「4」等)を決定する。なお、このようなはずれ時の演出決定手法は、大当り時も同様である。
ここで、演出制御部210は、はずれ時や大当り時、小当り時において、決め役物動作を実行するか否かを変動パターンや所定の演出抽選等に基づいて決定し、決め役物動作を実行すると決定した場合には、決め役物動作に対応する演出パターンを選択するとともに、制御対象とされるデバイス(例えばランプ制御部224や可動体制御部226等)に対して、決め役物動作実行メッセージを送信する処理を実行する。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御部210は次にステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御部210は、予告選択処理を実行する(予告演出実行手段)。この処理では、演出制御部210は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当り又は小当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は非当選時よりも高く設定されている。
ステップS616:演出制御部210は、モード演出管理処理を実行する(有利遊技状態演出実行手段)。この処理において、演出制御部210は、滞在モードに応じた背景画像を選択する処理を実行する。例えば、演出制御部210は、原則として、内部状態が非時間短縮状態である場合には、通常モードに対応する背景画像を選択する処理を実行し、内部状態が時間短縮状態である場合には、ドライブモードに対応する背景画像を選択する処理(時短中演出を選択する処理)を実行する。
ただし、演出制御部210は、例外として、内部状態が非時間短縮状態である場合であっても、時間短縮状態から非時間短縮状態に移行した際に第2特別図柄の記憶が存在している場合には、ドライブモードに対応する背景画像を選択する(有利遊技状態演出実行手段、有利遊技状態演出継続実行手段)。なお、このような例外的な処理は、後述する演出図柄停止表示中処理において実行する。
以上の手順を終えると、演出制御部210は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図251中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び停止表示演出が実行されるとともに(図柄演出実行手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。その他、ここで選択された背景(滞在)モードパターンに基づいて、各種の滞在モード演出が実行される。
〔はずれ時変動演出パターン選択処理〕
図253は、はずれ時変動演出パターン選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS620:演出制御部210は、現在の状態が記憶消化区間であるか否かを確認する。記憶消化区間とは、時間短縮状態の終了後に移行した非時間短縮状態において、第2特別図柄の記憶を消化するための区間である。記憶消化区間は、例えば、大当り遊技の終了後、第2特別図柄の1回目の変動区間、及び、第1特別図柄の1~4回目の変動区間である。なお、記憶消化区間が終了した後には、動物モード用の即止め防止区間が設定される。
記憶消化区間と即止め防止区間は、主制御装置だけで管理してもよく、演出制御装置だけで管理してもよく、両装置で管理してもよい。例えば、記憶消化区間は、記憶消化区間滞在フラグにより管理することができる。記憶消化区間滞在フラグは、大当り遊技終了時にONに設定し、大当り遊技の終了後、第2特別図柄の1回目の変動区間が終了する際、又は、第1特別図柄の5回目の変動区間が開始する際にOFFに設定する。一方、即止め防止区間は、記憶消化区間滞在フラグをONからOFFに設定したタイミングでONに設定し、即止め防止区間がONに設定されている状態で規定回数の特別図柄の変動が終了した際にOFFに設定する。
正常に遊技を行っている場合(時間短縮状態で右打ちを継続している場合)、記憶消化区間では第2特別図柄の記憶を消化することになるが、正常に遊技を行っていない場合(時間短縮状態で右打ちを継続していない場合)、記憶消化区間では第1特別図柄の記憶を消化することもあり得る。
その結果、現在の状態が記憶消化区間であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS621を実行し、現在の状態が記憶消化区間であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS625を実行する。
ステップS621:演出制御部210は、今回の変動が第1特別図柄の変動であるか否かを確認する。
その結果、今回の変動が第1特別図柄の変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS622を実行し、今回の変動が第1特別図柄の変動であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS625を実行する。
ステップS622:演出制御部210は、第2特別図柄の記憶が無いか否かを確認する。
その結果、第2特別図柄の記憶が無いことを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS623を実行し、第2特別図柄の記憶が無いことを確認できない場合(No)、すなわち、第2特別図柄の記憶が有ることを確認した場合、演出制御部210はステップS624を実行する。
ステップS623:演出制御部210は、特別な擬似変動演出を選択する処理を実行する。特別な擬似変動演出は、変動時間に合わせて、変動開始アクションや変動停止アクションが複数回実行される演出である。
ステップS624:演出制御部210は、リーチはずれ演出を選択する処理を実行する。演出制御部210は、例えば、花火の打上げに成功するか否かの演出を実行し、最終的に、花火の打上げに失敗する演出を選択する。
ステップS625:演出制御部210は、滞在モード及び変動パターンに応じたはずれ演出を選択する処理を実行する。演出制御部210は、例えば、単なるはずれ演出を選択したり、リーチ演出を実行してはずれとする演出を選択したりする。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出図柄変動前処理(図252)に復帰する。
〔モード演出管理処理〕
図254は、モード演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS630:演出制御部210は、現在の遊技状態が時間短縮状態であるか否かを確認する。
その結果、現在の遊技状態が時間短縮状態であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS634を実行し、現在の遊技状態が時間短縮状態であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS631を実行する。
ステップS631:演出制御部210は、現在の状態が記憶消化区間であるか否かを確認する。
その結果、現在の状態が記憶消化区間であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS632を実行し、現在の状態が記憶消化区間であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS633を実行する。
ステップS632:演出制御部210は、第2特別図柄の記憶が無いか否かを確認する。
その結果、第2特別図柄の記憶が無いことを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS635を実行し、第2特別図柄の記憶が無いことを確認できない場合(No)、すなわち、第2特別図柄の記憶が有ることを確認した場合、演出制御部210はステップS634を実行する。
ステップS633:演出制御部210は、大当り遊技後の規定回数以内(例えば15回以内)の変動であるか否かを確認する。
その結果、大当り遊技後の規定回数以内の変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS635を実行し、大当り遊技後の規定回数以内の変動であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS636を実行する。
ステップS634:演出制御部210は、ドライブモード用の背景画像を選択する処理を実行する。
ステップS635:演出制御部210は、動物モード用の背景画像を選択する処理を実行する。
ステップS636:演出制御部210は、通常モード用の背景画像を選択する処理を実行する。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出図柄変動前処理(図252)に復帰する。
このような処理を実行することにより、演出制御部210は、第2特別図柄の記憶が有れば(抽選要素の記憶の状態が特別な状態であれば)、非時間短縮状態(通常状態)と時間短縮状態(有利状態)とで、共通した内容のドライブモード演出(共通演出)を実行可能とする(演出実行手段)。
また、このような処理を実行することにより、演出制御部210は、第2特別図柄の記憶が無ければ(抽選要素の記憶の状態が特別な状態でなければ)、非時間短縮状態(通常状態)と時間短縮状態(有利状態)とで、異なる内容のドライブモード演出(非共通演出)と動物モード演出(非共通演出)を実行可能とする(演出実行手段)。
〔演出図柄停止表示中処理〕
図255は、演出図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS650:演出制御部210は、内部状態が時短中(時間短縮状態)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、状態指定コマンドを確認することにより、内部状態を確認することができる。なお、内部状態は、変動パターンコマンドにより確認することもできる(以下、同様)。
その結果、内部状態が時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS652を実行し、内部状態が時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS656を実行する。
ステップS652:演出制御部210は、時短最終変動であるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、回数切りカウンタコマンドを確認することにより、時短最終変動であるか否かを確認することができる。例えば、第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値が「1」から「0」に切り替わる際の変動であれば、演出制御部210は、時短最終変動であると判断することができる。
その結果、時短最終変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS654を実行し、時短最終変動であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS666を実行する。
ステップS654:演出制御部210は、擬似時短カウンタに第2特別図柄の記憶数を設定する処理を実行する。擬似時短カウンタはRAM130に記憶されており、例えば、第2特別図柄の記憶数が「0」である場合は、擬似時短カウンタに「0」が設定され、第2特別図柄の記憶数が「1」である場合は、擬似時短カウンタに「1」が設定される。
この処理を終えると、演出制御部210はステップS666を実行する。
ステップS656:演出制御部210は、滞在背景が通常背景であるか否か、すなわち、液晶表示器42に表示している背景画像が通常モードに対応する背景画像であるか否かを確認する。
その結果、滞在背景が通常背景であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS666を実行し、滞在背景が通常背景であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS658を実行する。
ステップS658:演出制御部210は、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であるか否かを確認する。
その結果、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS660を実行し、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であることを確認できない場合(No)、すなわち、擬似時短カウンタの値が0である場合、演出制御部210はステップS664を実行する。
ステップS660:演出制御部210は、滞在背景を擬似時短背景に設定する処理を実行する。擬似時短背景は、右打ち表示がされないドライブモードの背景である。
このような処理を実行することにより、演出制御部210は、時間短縮状態(有利遊技状態)が終了して非時間短縮状態(所定の遊技状態)に移行した場合であっても、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値である場合(特別な条件が満たされている場合)は、時短中演出(有利遊技状態演出)を継続して実行することができる(有利遊技状態演出継続実行手段)。
ステップS662:演出制御部210は、擬似時短カウンタを1減算する処理を実行する。
ステップS664:演出制御部210は、滞在背景を通常背景に設定する処理を実行する。通常背景は、通常モードの背景である。
ステップS666:演出制御部210は、その他処理を実行する。その他処理においては、上述したように、演出制御部210は、内部抽選の結果に応じた態様の停止表示演出の内容を制御する。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出図柄管理処理(図251)に復帰する。
〔可変入賞装置作動時処理〕
図256は、可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS800:演出制御部210は、今回の変動の結果が大当りであったか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、抽選結果コマンドを確認し、大当り時に対応するものであるのか小当り時に対応するものであるのかを確認する。この確認の結果、今回の変動の結果が大当りであった場合(Yes)、演出制御部210は次にステップS802を実行する。一方、今回の変動の結果が大当りではなかった場合(No)、すなわち、小当りであった場合、演出制御部210は次にステップS804を実行する。
ステップS802:演出制御部210は、大当り時可変入賞装置作動時処理を実行する。この処理では、演出制御部210は大当り遊技開始時から大当り遊技終了時までの間に実行する演出パターンを選択する。
具体的には、演出制御部210は、選択した演出パターンに対応する演出内容を各個別制御部に対して指示する。これを受けて、例えば表示制御部220は、VDP152に対し、液晶表示器42に表示する大役中演出として、予めCGROM190に記憶されている大当り時の演出パターンに対応する各種の演出画像を、当選図柄に応じて読み出すよう指示する。
ステップS804:演出制御部210は、小当り時可変入賞装置作動時処理を実行する。この処理では、演出制御部210は小当り開始時から小当り終了時までの間に実行する演出パターンを選択する。
具体的には、演出制御部210は、小当り遊技の開始時に小当り遊技が開始したことを示す演出パターン及び右打ちを示唆する演出パターンを選択し、また、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過した場合には、特定領域通過時の演出パターンを選択して、これらの演出パターンに対応する演出内容を各個別制御部に対して指示する。これを受けて、例えば表示制御部220は、VDP152に対し、小当り遊技の開始時に、女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げる様子を表した演出画像及び右打ちを示唆する演出画像を読み出すよう指示し、また、特定領域通過時には、自動車に乗っている女性キャラクターがVの文字が描かれたハートマークを掲げる様子を表した演出画像を読み出すよう指示する。
以上の手順を終えると、演出制御部210は演出図柄管理処理(図251)に復帰する。
〔大当り時可変入賞装置作動時処理〕
図257は、大当り時可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS810:演出制御部210は、大当り時のオープニングコマンドを受信したか否かを確認する処理を実行する。
その結果、大当り時のオープニングコマンドを受信したことを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS811を実行し、大当り時のオープニングコマンドを受信したことを確認できない場合(No)、演出制御部210は、可変入賞装置作動時処理(図256)に復帰する。
ステップS811:演出制御部210は、第2特別図柄の記憶が無いか否かを確認する。
その結果、第2特別図柄の記憶が無いことを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS812を実行し、第2特別図柄の記憶が無いことを確認できない場合(No)、すなわち、第2特別図柄の記憶が有ることを確認した場合、演出制御部210はステップS814を実行する。
ステップS812:演出制御部210は、今回の大当りが時間短縮状態に移行する当選図柄であるか否かを確認する。
その結果、今回の大当りが時間短縮状態に移行する当選図柄であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS814実行し、今回の大当りが時間短縮状態に移行する当選図柄であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS813を実行する。
ステップS813:演出制御部210は、第1選択テーブルから大当り演出を選択する処理を実行する。第1選択テーブルに含まれている大当り演出は、花火演出(ドライブモードに移行することを示唆する演出)を含まない大当り演出である。
ステップS814:演出制御部210は、第2選択テーブルから大当り演出を選択する処理を実行する。第2選択テーブルに含まれている大当り演出は、花火演出を含む大当り演出である。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出図柄変動前処理(図252)に復帰する。
〔小当り時可変入賞装置作動時処理〕
図258は、小当り時可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS820:演出制御部210は、小当り時のオープニングコマンドを受信したか否かを確認する処理を実行する。
その結果、小当り時のオープニングコマンドを受信したことを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS821を実行し、小当り時のオープニングコマンドを受信したことを確認できない場合(No)、演出制御部210は、可変入賞装置作動時処理(図256)に復帰する。
ステップS821:演出制御部210は、第2特別図柄の記憶が無いか否かを確認する。
その結果、第2特別図柄の記憶が無いことを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS822を実行し、第2特別図柄の記憶が無いことを確認できない場合(No)、すなわち、第2特別図柄の記憶が有ることを確認した場合、演出制御部210はステップS824を実行する。
ステップS822:演出制御部210は、今回の小当りが時間短縮状態に移行する大当りに繋がる当選図柄であるか否かを確認する。
その結果、今回の小当りが時間短縮状態に移行する大当りに繋がる当選図柄であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS824実行し、今回の小当りが時間短縮状態に移行する大当りに繋がる当選図柄であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS823を実行する。
ステップS823:演出制御部210は、第3選択テーブルから大当り演出を選択する処理を実行する。第3選択テーブルに含まれている小当り演出は、ドライブモードに移行することを示唆する演出を含まない小当り演出である。
ステップS824:演出制御部210は、第4選択テーブルから大当り演出を選択する処理を実行する。第4選択テーブルに含まれている小当り演出は、ドライブモードに移行することを示唆する演出を含む小当り演出である。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出図柄変動前処理(図252)に復帰する。
〔時短中及び擬似時短中その他演出処理〕
図259は、時短中及び擬似時短中その他演出処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ここで、時短中(時短)とは、時間短縮状態であり、擬似時短中(擬似時短)とは、非時間短縮状態において時短中の背景画像を表示している状態(非時間短縮状態でのドライブモード)である。
ステップS850:演出制御部210は、内部状態が時短中(時間短縮状態)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、状態指定コマンドを確認することにより、内部状態を確認することができる。
その結果、内部状態が時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS852及びステップS854を実行し、内部状態が時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS856を実行する。
ステップS852:演出制御部210は、残りの時短回数に基づく残り回数表示処理を実行する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、回数切りカウンタコマンドを確認し、第2回数切りカウンタ値に「1」を加えた値を残り回数として表示する演出パターンを選択する処理を実行する。これにより、時短中においては、残り回数表示演出の残り回数として「残り2回」又は「残り1回」の値が表示される。
ステップS854:演出制御部210は、右打ち示唆演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御部210は液晶表示器42の画面上部で右打ち示唆演出に対応する画像を表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS855:演出制御部210は、右打ち強調演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御部210は、右打ち強調演出を実行する必要が発生した場合、例えば、時間短縮状態に移行したにも関わらず、遊技者が左打ちを継続している場合(特に、第1特別図柄の5変動目又は10変動目)、液晶表示器42の画面上部で右打ちを強調する演出に対応する画像を表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS856:演出制御部210は、内部状態が擬似時短中であるか否かを確認する。演出制御部210は、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値である場合に、擬似時短中であると判断することができる。
その結果、内部状態が擬似時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS858を実行し、内部状態が擬似時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御部210は演出制御処理(図249)に復帰する。
ステップS858:演出制御部210は、擬似時短カウンタに基づく残り回数表示処理を実行する。具体的には、演出制御部210は擬似時短カウンタの値を残り回数として表示する演出パターンを選択する処理を実行する。これにより、擬似時短中においては、残り回数表示演出の残り回数として「残り1回(ラスト)」の値が表示される。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出制御処理(図249)に復帰する。
〔システム動作処理〕
図260は、システム動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS902:演出制御部210は、イニシャル処理を実行する。イニシャル処理は、電源投入時に1回だけ実行することができる。演出制御部210は、イニシャル処理において、全ての可動体を一通り動作させ、各可動体が正常に動作するか否かを確認する。
全ての可動体には、原点位置と可動位置にセンサが配置されている。
演出制御部210は、所定の可動体について原点位置のセンサで検出した後に、原点位置から可動位置に可動体を可動させ、可動位置のセンサで検出した後に、可動位置から原点位置に可動体を可動させ、最終的に、原点位置のセンサで検出できれば、可動体が正常に動作すると判断することができる。
なお、可動体によっては、原点位置と可動位置との間の位置にさらに別のセンサを配置してもよく、原点位置のみ、又は、可動位置のみにセンサを配置するようにしてもよい。
ステップS904:演出制御部210は、リトライ処理を実行する。リトライ処理は、可動体の動作後に実行することができる。例えば、所定の可動体を可動位置に移動させる動作を実行した場合、その後に可動体を原点位置に戻す動作を実行するが、可動体を原点位置に戻した際に原点位置にあるセンサで可動体を検出できない場合には、可動体を再度可動させるリトライ動作を実行する。演出制御部210は、リトライ処理において、可動体が正しい位置に戻ってきていない場合に、対象となる可動体を再度可動させ、正しい位置に戻ってきているか否かを確認する。
ステップS906:演出制御部210は、補正処理を実行する。補正処理は、規定の契機が発生した場合に実行する。演出制御部210は、補正処理において、可動体が正しい位置にない場合に、対象となる可動体を可動させ、正しい位置に移動させる処理を実行する。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出制御処理(図249)に復帰する。
〔補正処理〕
図261は、補正処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS910:演出制御部210は、現在の遊技状態が変動確定時であるか否かを確認する。変動確定時であるか否かは、図柄停止コマンドを受信してから停止表示時間終了コマンドを受信するまでの期間とすることができる。
その結果、現在の遊技状態が変動確定時であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS911を実行し、現在の遊技状態が変動確定時であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS912を実行する。
ステップS911:演出制御部210は、現在のモードが動物モードであるか否かを確認する。動物モードであるか否かは、動物モード用の背景画像を選択しているか否かにより確認することができる。
その結果、現在のモードが動物モードであることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS914を実行し、現在のモードが動物モードであることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS915を実行する。
ステップS912:演出制御部210は、現在の遊技状態が変動開始後一定時間経過後(例えば、変動開始後45フレーム(1.5秒)経過後)の状態であるか否かを確認する。変動開始後一定時間経過後の状態であるか否かは、変動開始時からの経過時間をカウント(計時)することにより確認することができる。
その結果、現在の遊技状態が変動開始後一定時間経過後の状態であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS913を実行し、現在の遊技状態が変動開始後一定時間経過後の状態であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はシステム動作処理(図260)に復帰する。
ステップS913:演出制御部210は、現在のモードが動物モードであるか否かを確認する。動物モードであるか否かは、動物モード用の背景画像を選択しているか否かにより確認することができる。
その結果、現在のモードが動物モードであることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS916を実行し、現在のモードが動物モードであることを確認できない場合(No)、演出制御部210はシステム動作処理(図260)に復帰する。
ステップS914:演出制御部210は、一部の可動体の動作を制限した第1補正テーブルに基づいて第1補正処理を実行する。
具体的には、演出制御部210は、後述する第1補正テーブルの「No.1~No.3」の動作を制限した第1補正テーブル、すなわち、第1補正テーブルの「No.1~No.3」の動作を実行せず(無視しており)、第1補正テーブルの「No.4~No.7」の動作しか実行しない第1補正テーブルに基づいて第1補正処理を実行する。
ステップS915:演出制御部210は、第1補正テーブルに基づいて第1補正処理を実行する。
具体的には、演出制御部210は、後述する第1補正テーブルの「No.1~No.7」の動作を実行可能な第1補正テーブルに基づいて第1補正処理を実行する。
第1補正処理を実行する場合、演出制御部210は、可動体制御部226に対して第1補正処理用のメッセージ(第1補正メッセージ)を送信し、可動体制御部226は受信したメッセージに基づいて可動体の位置を補正する。
ステップS916:演出制御部210は、第2補正テーブルに基づいて第2補正処理を実行する。
具体的には、演出制御部210は、後述する第2補正テーブルの「No.1~No.3」の動作を実行可能な第2補正テーブルに基づいて第2補正処理を実行する。
第2補正処理を実行する場合、演出制御部210は、可動体制御部226に対して第2補正処理用のメッセージ(第2補正メッセージ)を送信し、可動体制御部226は受信したメッセージに基づいて可動体の位置を補正する。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、システム動作処理(図260)に復帰する。
このような処理を実行することにより、演出制御部210は、フォトセンサからの信号(検出手段の検出結果)に基づいて、上可動体40f1又は下可動体40f2が所定位置又は特定位置のうち予め定められた規定位置(正しい位置)に配置されているか否かの判断処理(第1補正テーブル又は第2補正テーブルを参照した判断処理)を実行し、上可動体40f1又は下可動体40f2が原点位置又は可動位置に配置されていないと判断した場合、上可動体40f1又は下可動体40f2を原点位置又は可動位置に移動させる移動処理として、第1補正テーブルを用いた第1移動処理又は第2補正テーブルを用いた第2移動処理を実行可能とする(可動体制御手段)。
第1移動処理は、複数の可動体のうち特定の可動体(上可動体40f1又は下可動体40f2)を所定位置(位置A、可動位置)に移動可能な処理である。
第2移動処理は、全ての可動体又は特定の可動体以外の可動体(左可動体40f3、右可動体40f4、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、及び、中前上可動体40f7、中後可動体40f8)を特定位置(位置B、初期位置)に移動可能な処理である。
また、演出制御部210は、特別図柄の変動表示の開始から特別図柄の停止表示の終了までの間に、互いに異なる各判断契機に基づいて第1移動処理又は第2移動処理をそれぞれ実行可能とする(可動体制御手段)。第1移動処理を実行するか第2移動処理を実行するかについての判断処理は、複数回実行される。なお、本実施形態では、複数回は2回であるが、3回以上であってもよい。
さらに、このような処理を実行することにより、演出制御部210は、通常モード(第1状態)である場合、判断処理として、上可動体40f1又は下可動体40f2が原点位置に配置されているか否かの第1判断処理(第1補正テーブルを参照した判断処理)を実行し、上可動体40f1又は下可動体40f2が原点位置に配置されていないと判断した場合、移動処理として、上可動体40f1又は下可動体40f2を原点位置に移動させる第1移動処理(第1補正テーブルを用いた移動処理)を実行可能である(可動体制御手段)。
さらにまた、このような処理を実行することにより、演出制御部210は、動物モード(第2状態)である場合、判断処理として、上可動体40f1又は下可動体40f2が可動位置に配置されているか否かの第2判断処理(第2補正テーブルを参照した判断処理)を実行し、上可動体40f1又は下可動体40f2が可動位置に配置されていないと判断した場合、移動処理として、上可動体40f1又は下可動体40f2を可動位置に移動させる第2移動処理(第2補正テーブルを用いた移動処理)を実行可能である(可動体制御手段)。
このような処理を実行することにより、演出制御部210は、特別図柄の変動が1回実行される際の特別図柄の変動時間の開始から特別図柄の停止表示時間の終了までの期間に、通常モード(第1状態)において上可動体40f1又は下可動体40f2が原点位置(第1位置)に配置されていない場合に上可動体40f1又は下可動体40f2を原点位置に移動させる第1補正処理、及び、動物モード(第2状態)において上可動体40f1又は下可動体40f2が可動位置(第2位置)に配置されていない場合に上可動体40f1又は下可動体40f2を可動位置に移動させる第2補正処理を実行可能である(可動体制御手段)。
また、このような処理を実行することにより、演出制御部210は、通常モード(第1状態)である場合、複数の可動体の各可動体に実行させる動作を規定した第1補正テーブル(第1テーブル)に基づいて、第1補正処理(第1移動処理)を実行可能であり、動物モード(第2状態)である場合、複数の可動体のうち上可動体40f1又は下可動体40f2の動作を制限した第1補正テーブルに基づいて、第1補正処理(第1移動処理)を実行可能であり、かつ、第1補正テーブルにおいて動作を制限した上可動体40f1又は下可動体40f2の動作を対象にした第2補正テーブル(第2テーブル)に基づいて、第2補正処理(第2移動処理)を実行可能である。
また、このような処理を実行することにより、演出制御部210は、所定態様に係る予め定められた所定位置(位置A、可動位置)に、上可動体40f1又は下可動体40f2等を移動可能な第1移動処理を実行可能とする(第1移動処理実行手段)。
さらに、このような処理を実行することにより、演出制御部210は、特定態様に係る予め定められた特定位置(位置B、初期位置)に、上可動体40f1又は下可動体40f2等を移動可能な第2移動処理を実行可能とする(第2移動処理実行手段)。
図262は、モータと可動体との関係を示す図である。
図中のモータは、可動体モータ57として存在している複数のモータに含まれている。
〔No.1〕
上可動体昇降モータ57aは、上可動体40f1を昇降させるためのモータである。
上可動体40f1(特定の可動体)は、原点位置(第1位置、液晶表示器42の上方側に配置された位置)から可動位置(第2位置、液晶表示器42の中央側に移動して配置された位置)まで可動可能であり、通常モード(第1状態)では原点位置にあり、動物モード(第2状態)では可動位置にある。
〔No.2〕
下可動体昇降モータ57bは、下可動体40f2を昇降させるためのモータである。
下可動体40f2(特定の可動体)は、原点位置(第1位置、液晶表示器42の下方側に配置された位置)から可動位置(第2位置、液晶表示器42の中央側に移動して配置された位置)まで可動可能であり、通常モード(第1状態)では原点位置にあり、動物モード(第2状態)では可動位置にある。
〔No.3〕
左可動体モータ57cは、左可動体40f3を左右方向に可動させるためのモータである。
左可動体40f3は、原点位置(液晶表示器42の左側に配置された位置)から可動位置(液晶表示器42の中央側に移動して配置された位置)まで可動可能であり、左可動体40f3を用いた演出を実行しない場合には原点位置にあり、左可動体40f3を用いた演出を実行する場合には可動位置にある。
〔No.4〕
右可動体モータ57dは、右可動体40f4を左右方向に可動させるためのモータである。
右可動体40f4は、原点位置(液晶表示器42の右側に配置された位置)から可動位置(液晶表示器42の中央側に移動して配置された位置)まで可動可能であり、右可動体40f4を用いた演出を実行しない場合には原点位置にあり、右可動体40f4を用いた演出を実行する場合には可動位置にある。
〔No.5〕
中前右可動体回転モータ57eは、中前右可動体40f5を回転させるためのモータである。
中前右可動体40f5は、液晶表示器42の中央付近への移動中又は液晶表示器42の中央付近に移動した状態で回転可能である。
〔No.6〕
中前左可動体回転モータ57fは、中前左可動体40f6を回転させるためのモータである。
中前左可動体40f6は、液晶表示器42の中央付近への移動中又は液晶表示器42の中央付近に移動した状態で回転可能である。
〔No.7〕
中前上可動体回転モータ57gは、中前上可動体40f7を回転させるためのモータである。
中前上可動体40f7は、液晶表示器42の中央付近への移動中又は液晶表示器42の中央付近に移動した状態で回転可能である。
〔No.8〕
中前右可動体昇降モータ57hは、中前右可動体40f5を昇降させるためのモータである。
中前右可動体40f5は、原点位置(中後可動体40f8と前後方向で重なる位置)から可動位置(中後可動体40f8と前後方向で重ならない位置)まで可動可能であり、中前右可動体40f5を用いた演出を実行しない場合には原点位置にあり、中前右可動体40f5を用いた演出を実行する場合には可動位置にある。
〔No.9〕
中前左可動体昇降モータ57iは、中前左可動体40f6を昇降させるためのモータである。
中前左可動体40f6は、原点位置(中後可動体40f8と前後方向で重なる位置)から可動位置(中後可動体40f8と前後方向で重ならない位置)まで可動可能であり、中前左可動体40f6を用いた演出を実行しない場合には原点位置にあり、中前左可動体40f6を用いた演出を実行する場合には可動位置にある。
〔No.10〕
中前上可動体昇降モータ57jは、中前上可動体40f7を昇降させるためのモータである。
中前上可動体40f7は、原点位置(中後可動体40f8と前後方向で重なる位置)から可動位置(中後可動体40f8と前後方向で重ならない位置)まで可動可能であり、中前上可動体40f7を用いた演出を実行しない場合には原点位置にあり、中前上可動体40f7を用いた演出を実行する場合には可動位置にある。
〔No.11〕
中後可動体回転モータ57kは、中後可動体40f8を回転させるためのモータである。
中後可動体40f8は、原点位置から可動位置(原点位置から240度程度回転した位置)まで可動可能であり、中後可動体40f8を用いた演出を実行しない場合には原点位置にあり、中後可動体40f8を用いた演出を実行する場合には可動位置にある。
図263は、本実施形態の変動確定時に実行する第1補正処理において参照する第1補正テーブルを示す図である。
本テーブルは、補正処理(図261)のステップS914及びステップS915において参照される。
〔No.1〕
「ハート役物」が「○」であり、「上可動体」が「×」であり、「下可動体」が「○」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「○」である場合、「上可動体補正」の動作パターンが選択される。「上可動体補正」の動作パターンは、上可動体40f1を可動位置から原点位置に移動させるパターンである。
〔No.2〕
「ハート役物」が「○」であり、「上可動体」が「○」であり、「下可動体」が「×」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「○」である場合、「下可動体補正」の動作パターンが選択される。「下可動体補正」の動作パターンは、下可動体40f2を可動位置から原点位置に移動させるパターンである。
〔No.3〕
「ハート役物」が「○」であり、「上可動体」が「×」であり、「下可動体」が「×」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「○」である場合、「上下可動体補正」の動作パターンが選択される。「上下可動体補正」の動作パターンは、上可動体40f1及び下可動体40f2を可動位置から原点位置に移動させるパターンである。
〔No.4〕
「ハート役物」が「○」であり、「上可動体」が「○」であり、「下可動体」が「○」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「×」である場合、「左右可動体補正」の動作パターンが選択される。「左右可動体補正」の動作パターンは、左可動体40f3及び右可動体40f4を可動位置から原点位置に移動させるパターンである。
〔No.5〕
「ハート役物」が「○」であり、「上可動体」が「×」であり、「下可動体」が「×」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「×」である場合、「上下左右可動体補正」の動作パターンが選択される。「上下左右可動体補正」の動作パターンは、上可動体40f1、下可動体40f2、左可動体40f3及び右可動体40f4を可動位置から原点位置に移動させるパターンである。
〔No.6〕
「ハート役物」が「×」であり、「上可動体」が「○」であり、「下可動体」が「○」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「○」である場合、「ハート役物補正」の動作パターンが選択される。「ハート役物補正」の動作パターンは、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8を可動位置から原点位置に移動させるパターンである。
〔No.7〕
「ハート役物」が「-」であり、「上可動体」が「-」であり、「下可動体」が「-」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「-」である場合、「全可動体補正」の動作パターンが選択される。「全可動体補正」の動作パターンは、上可動体40f1、下可動体40f2、左可動体40f3、右可動体40f4、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8を可動位置から原点位置に移動させるパターンである。
〔システム動作について〕
前提として、システム動作は、イニシャル処理、リトライ処理、補正処理の動作があり、それぞれ動作テーブルを作成してそれぞれの処理を実行する。
補正処理を例にあげると、本図に示すように、それぞれの可動体センサの状況によって、動作を切り替える仕組みとなっている。
ここで、各可動体の原点位置のセンサで可動体を検出できている場合は「○」とし、原点位置のセンサで可動体を検出できていない場合は「×」としている。なお、「-」は、No.1~6には該当しないが複数の可動体が「×」である状態を示している。
また、「ハート役物」は、図262のNo.5~11の可動体としている。「ハート役物」が「×」の場合とは、図262のNo.5~11の可動体の1つでも、原点位置のセンサで可動体を検出できていない状態である。
ここでは、No.1を例として説明する。
No.1の状態は、上可動体40f1のみ原点位置のセンサで検出できていない状況である。この場合、上可動体40f1を補正する(正しい位置に移動させる)動作パターン(上可動体補正)が選択される。「上可動体補正」の動作パターンが選択されると、上可動体40f1を原点位置に移動させる処理が実行される。
図264は、本実施形態の変動開始後所定時間経過後に実行する第2補正処理において参照する第2補正テーブルを示す図である。
本テーブルは、補正処理(図261)のステップS916において参照される。
〔No.1〕
「ハート役物」が「○」であり、「上可動体」が「×」であり、「下可動体」が「○」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「○」である場合、「下可動体特別補正」の動作パターンが選択される。「下可動体特別補正」の動作パターンは、下可動体40f2を原点位置から可動位置に移動させるパターンである。
〔No.2〕
「ハート役物」が「○」であり、「上可動体」が「○」であり、「下可動体」が「×」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「○」である場合、「上可動体特別補正」の動作パターンが選択される。「上可動体特別補正」の動作パターンは、上可動体40f1を原点位置から可動位置に移動させるパターンである。
〔No.3〕
「ハート役物」が「○」であり、「上可動体」が「○」であり、「下可動体」が「○」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「○」である場合、「上下可動体特別補正」の動作パターンが選択される。「上下可動体特別補正」の動作パターンは、上可動体40f1及び下可動体40f2を原点位置から可動位置に移動させるパターンである。
ここでは、No.1を例として説明する。
No.1の状態では、上可動体40f1のみ原点位置のセンサで検出できていない状況である。また、No.1の状態では、下可動体40f2が原点位置のセンサで検出できている状況である。
動物モードでは、上可動体40f1及び下可動体40f2を可動位置に移動させる必要があるため、ここでは、下可動体40f2を補正する(正しい位置に移動させる)動作パターン(下可動体特別補正)が選択される。「下可動体特別補正」の動作パターンが選択されると、下可動体40f2を可動位置に移動させる処理が実行される。
図265は、比較例の変動確定時に実行する補正処理において参照する補正テーブルを示す図である。
〔No.1〕~〔No.7〕は、第1補正テーブルの動作(図263)と同様である。
〔No.8〕~〔No.14〕は、〔No.1〕~〔No.7〕の動作と同様であるが、その後に、「動物モード位置形成」の動作を実行するようになっている。
本実施形態では、可動体の原点位置が2パターンあり、これを比較例の補正テーブルで対応しようとすると、2倍の動作パターンを用意する必要がある。
具体的には、ステージ情報という追加情報によって、さらにテーブルを分ける必要があり、データ数が多くなり、管理がしにくくなる。
このため、本実施形態では、補正処理(補正動作)の実行タイミングを2つ設けることにより、データ数の削減を行っている。
〔実現手段〕
(A)本実施形態の第1補正処理では、図263に記載したテーブルを用いる。
(B)補正処理の実行タイミングを2つ設けることで、データ数を単純に増やすことを抑える。
1つ目の第1補正処理の実行タイミングは、変動確定時である。
これにより、原則として、各可動体を通常モードの位置に戻すことができる。なお、ここでは、図263に記載したテーブルを用いる。
2つ目の第2補正処理の実行タイミングは、変動開始後一定時間経過後(変動開始後45フレーム経過後)である。
動物モードの変動開始時のみ、第2補正処理用の(補正タイミング2用の)メッセージを送信し、そのタイミングで上可動体40f1や下可動体40f2が出現していなかった場合は、上可動体40f1や下可動体40f2を出現させる。
第2補正処理の実行タイミングを変動開始後45フレーム経過後(約1.5秒後)としている理由は、本実施形態の上可動体40f1や下可動体40f2が可動位置から原点位置に戻る時間が30F程度(約1.0秒)かかり、戻り動作中に出現動作を行わないようにするための時間を確保するためである。
〔可動体制御部処理〕
図266は、可動体制御部処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。本処理は、可動体制御部226が実行する。
ステップS920:可動体制御部226は、決め役物動作実行メッセージを受信したか否かを確認する。決め役物動作実行メッセージは、演出制御部210から可動体制御部226に対して送信される。
その結果、決め役物動作実行メッセージを受信したことを確認した場合(Yes)、可動体制御部226はステップS921を実行し、決め役物動作実行メッセージを受信したことを確認できない場合(No)、可動体制御部226はステップS922を実行する。
ステップS921:可動体制御部226は、決め役物動作関連演出選択処理を実行する。具体的には、可動体制御部226は、決め役物動作実行メッセージの受信後20F経過後に出現用データを再生し、メッセージ受信後270F経過後に格納用データを再生する処理を実行する。つまり、可動体制御部226は、図245に示す出現用データ再生及び格納用データ再生を実行する。出現用データの再生は、センサ管理としているが、格納用データの再生は、ランプの点灯部分を限定しているため、時間管理としている。なお、ランプの点灯部分を限定していない場合、格納用データの再生もセンサ管理とするようにしてもよい。
このような処理を実行することにより、可動体制御部226は、各種可動体による決め役物動作(第1演出)を実行可能である(第1演出実行手段)。
また、このような処理を実行することにより、可動体制御部226は、原点位置(第1位置)から可動位置(第2位置)に中後可動体40f8を可動させる可動演出を実行可能である(可動演出実行手段)。
ステップS922:可動体制御部226は、中後可動体の可動位置センサから検出信号が入力されたか否かを確認する。
その結果、中後可動体の可動位置センサから検出信号が入力されたことを確認した場合(Yes)、可動体制御部226はステップS923を実行し、中後可動体の可動位置センサから検出信号が入力されたことを確認できない場合(No)、可動体制御部226はステップS928を実行する。
ステップS923:可動体制御部226は、決め役物完成フラグをONに設定する処理を実行する。
ステップS924:可動体制御部226は、1フレームが経過したか否かを確認する。1フレームが経過したか否かは、本処理(可動体制御部処理)の開始時からの経過時間をカウント(計時)することにより確認することができる。
その結果、1フレームが経過したことを確認した場合(Yes)、可動体制御部226はステップS925を実行し、1フレームが経過したことを確認できない場合(No)、可動体制御部226はステップS928を実行する。1フレームの経過を待たない制御を採用する場合には、本処理を実行しないようにすることも可能である。
ステップS925:可動体制御部226は、決め役物完成フラグがONであるか否かを確認する。
その結果、決め役物完成フラグがONであることを確認した場合(Yes)、可動体制御部226はステップS926を実行し、決め役物完成フラグがONであることを確認できない場合(No)、可動体制御部226はステップS928を実行する。
ステップS926:可動体制御部226は、ランプ制御部224に対して、ランプ制御部用の決め役物完成メッセージを送信する処理を実行する。
ステップS927:可動体制御部226は、決め役物完成フラグをOFFに設定する処理を実行する。なお、決め役物完成フラグは、一定フレーム経過後にOFFにしてもよい。
ステップS928:可動体制御部226は、その他処理を実行する。具体的には、可動体制御部226は、演出制御部210から送信されてきたメッセージに基づいて、各種可動体を可動させる処理を実行する。
そして、以上の処理を終えると、可動体制御部226は、演出制御処理(図249)に復帰する。
〔ランプ制御部処理〕
図267は、ランプ制御部処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。本処理は、ランプ制御部224が実行する。
ステップS930:ランプ制御部224は、決め役物動作実行メッセージを受信したか否かを確認する。決め役物動作実行メッセージは、演出制御部210からランプ制御部224に対して送信される。
その結果、決め役物動作実行メッセージを受信したことを確認した場合(Yes)、ランプ制御部224はステップS931を実行し、決め役物動作実行メッセージを受信したことを確認できない場合(No)、ランプ制御部224はステップS932を実行する。
ステップS931:ランプ制御部224は、決め役物動作関連演出選択処理を実行する。具体的には、ランプ制御部224は、決め役物動作実行メッセージの受信後20F経過後に出現用データを再生し、メッセージ受信後270F経過後に格納用データを再生する処理を実行する。つまり、ランプ制御部224は、図245に示す出現用データ再生及び格納用データ再生を実行する。
このような処理を実行することにより、ランプ制御部224は、各種可動体による決め役物動作(第1演出)と同時期に実行されると演出進行に係る所定条件を満たす虹色点灯演出(第2演出)を実行可能である(第2演出実行手段)。
また、このような処理を実行することにより、ランプ制御部224は、各種ランプ(発光手段)を発光させる虹色点灯演出(発光演出)を実行可能である(発光演出実行手段)。
ステップS932:ランプ制御部224は、ランプ制御部用の決め役物完成メッセージを受信したか否かを確認する。ランプ制御部用の決め役物完成メッセージは、可動体制御部226からランプ制御部224に対して送信される。
その結果、ランプ制御部用の決め役物完成メッセージを受信したことを確認した場合(Yes)、ランプ制御部224はステップS933を実行し、ランプ制御部用の決め役物完成メッセージを受信したことを確認できない場合(No)、ランプ制御部224はステップS934を実行する。
ステップS933:ランプ制御部224は、虹色点灯演出選択処理を実行する。具体的には、ランプ制御部224は、各種ランプ(LED)を虹色に発光させる発光パターンを選択する処理を実行する。
このような処理を実行することにより、ランプ制御部224は、各種可動体による決め役物動作(第1演出)の終了後に虹色点灯演出(第2演出)を実行可能とする(演出制御手段)。
また、このような処理を実行することにより、ランプ制御部224は、決め役物動作(可動演出)と同時期に実行されると演出進行に係る所定条件を満たす(動作支障の成立、所定の電流値制限に該当する)虹色点灯演出(第2演出)について、決め役物動作(可動演出)の終了後に開始(実行制限)可能とすることができる(演出制御手段)。
ここで、各種可動体による決め役物動作(第1演出)は、原点位置(第1位置)から可動位置(第2位置)に中後可動体40f8(可動体)を可動させる可動演出を含む。虹色点灯演出(第2演出)は、各種ランプ(発光手段)を発光させる発光演出を含む。
また、このような処理を実行することにより、ランプ制御部224は、中後可動体40f8(可動体)が原点位置(第1位置)から可動位置(第2位置)に移動し、中後可動体40f8の可動位置センサ(検出手段)により中後可動体40f8が可動位置にあることが検出された場合に、各種可動体による決め役物動作(第1演出)が終了したものとして、虹色点灯演出(第2演出)を開始可能とする(演出制御手段)。
ステップS934:ランプ制御部224は、その他処理を実行する。具体的には、可動体制御部226は、演出制御部210から送信されてきたメッセージに基づいて、各種ランプを発光させる処理を実行する。
そして、以上の処理を終えると、ランプ制御部224は、演出制御処理(図249)に復帰する。
図268は、連荘状態即終了対策の特殊変動パターンの遷移例を示す図である。
図中(A)は、発射方向の遷移に従わずに遊技を行った場合の特殊変動パターンの遷移例を示している。
例えば、時間短縮状態が終了して非時間短縮状態に移行し、その非時間短縮状態において第2特別図柄の記憶を消化している場合(左打ち状態中)に、特別図柄の記憶を1個も貯めず、第2特別図柄の記憶で小当り又は大当りとなり、その大当り遊技の終了に時間短縮状態に移行した場合、すなわち、第2特別図柄の記憶消化中に遊技球の発射を止めていた場合、特殊変動テーブルの遷移は、以下のようになる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「1変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルD(第2特別図柄)」が選択される。なお、ここで選択されるテーブルは、「変動パターンテーブルE(第2特別図柄)」であってもよい。
具体的には、大当り遊技終了後の1変動目は、第2特別図柄の記憶消化後の第2特別図柄の変動(変動時間は120秒)となる。液晶表示器42では、例えば、第2特別図柄専用のリーチ変動(リーチ演出)を実行することができる。
図中(B)は、発射方向の遷移に従って遊技を行った場合の特殊変動パターンの遷移例を示している。
例えば、時間短縮状態が終了して非時間短縮状態に移行し、その非時間短縮状態において第2特別図柄の記憶を消化している場合(左打ち状態中)に、特別図柄の記憶を4個貯め、第2特別図柄の記憶で小当り又は大当りとなり、その大当り遊技の終了に時間短縮状態に移行した場合、すなわち、第2特別図柄の記憶消化中に左打ちをして第1特別図柄の記憶を4個貯めていた場合、特殊変動テーブルの遷移は、以下のようになる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「1~4変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルD(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の1~4変動目は、第2特別図柄の記憶消化後の第1特別図柄の変動(変動時間は90~120秒程度)となる。液晶表示器42では、例えば、第1特別図柄専用のリーチ変動を実行することができる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「5変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルD(第2特別図柄)」が選択される。なお、ここで選択されるテーブルは、「変動パターンテーブルE(第2特別図柄)」であってもよい。
具体的には、大当り遊技終了後の5変動目は、第2特別図柄の記憶消化後の第2特別図柄の変動(変動時間は120秒)となる。液晶表示器42では、例えば、第2特別図柄専用のリーチ変動を実行することができる。
図中(B)に示す打ち方を実行することにより、連荘状態即終了(連荘状態がすぐに終了してしまう状況)を回避することができる。
図269は、イレギュラー打ちを考慮した特殊変動パターンの遷移例を示す図である。
図中(A)は、発射方向に従って遊技を行った場合の特殊変動パターンの遷移例を示している。
例えば、初当り前に第1特別図柄の記憶が4個貯まっている状態で、大当り遊技終了後の時間短縮状態で右打ちを継続した場合、すなわち、第1特別図柄の記憶が全て消化され、第2特別図柄の記憶を貯めた場合、特殊変動テーブルの遷移は、以下のようになる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「1~4変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルC(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の1~4変動目は、初当り後の第1特別図柄の残りの記憶を消化するための短変動(変動時間は1.0秒)となる。液晶表示器42では、例えば、演出図柄を高速で変動させることができる。この場合、リーチ演出は実行しない。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「5変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルC(第2特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の5変動目(初当り後の第2特別図柄の1変動目)は、長変動(変動時間は120秒)となる。
図中(B)は、発射方向に従わずに遊技を行った場合の特殊変動パターンの遷移例を示している。
例えば、初当り前に第1特別図柄の記憶が4個貯まっている状態で、大当り遊技終了後の時間短縮状態で右打ち中であるにも関わらず、左打ちを継続した場合、すなわち、第1特別図柄の記憶が全て消化され、さらに第1特別図柄の記憶を貯め続けて時間短縮状態が終了(パンク)する場合、特殊変動テーブルの遷移は、以下のようになる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「1~4変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルC(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の1~4変動目は、初当り後の第1特別図柄の残りの記憶を消化するための短変動(変動時間は1.0秒)となる。液晶表示器42では、例えば、演出図柄を高速で変動させることができる。この場合、リーチ演出は実行しない。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「5変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルG(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、初当り後の第1特別図柄の5変動目は、長変動(変動時間は13.5秒)となる。液晶表示器42では、例えば、可変始動入賞装置28(電チュー)に遊技球を入賞させるように促す演出(右打ちを促す演出)を実行することができる(1回目)。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「6~9変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルC(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の6~9変動目は、初当り後の第1特別図柄の追加された残りの記憶を消化するための短変動(変動時間は1.0秒)となる。液晶表示器42では、例えば、演出図柄を高速で変動させることができる。この場合、リーチ演出は実行しない。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「10変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルG(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、初当り後の第1特別図柄の10変動目は、長変動(変動時間は13.5秒)となる。液晶表示器42では、例えば、可変始動入賞装置28(電チュー)に遊技球を入賞させるように促す演出(右打ちを促す演出)を実行することができる(2回目)。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「11変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルA(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、初当り後の第1特別図柄の11変動目は、変動パターンテーブルAに含まれる変動パターンに基づく変動となる。なお、時短終了(パンク)後は、通常状態(非時間短縮状態、通常モード)へ移行する。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)本実施形態によれば、各種可動体による決め役物動作(第1演出)の終了後に虹色点灯演出(第2演出)を開始させるため、各種可動体による決め役物動作の実行中に虹色点灯演出が開始されて所定の電流値制限を超えるような状況が発生することがなくなる。これにより、遊技機の品質を向上させつつ、電流値制限の問題を回避することができ、結果として、斬新な遊技機を提供することができる。
(2)本実施形態によれば、中後可動体40f8の可動位置センサにより中後可動体40f8が可動位置にあることが検出されると、各種可動体による決め役物動作(第1演出)が終了したものとして、虹色点灯演出(第2演出)を開始可能とするため、実際に中後可動体40f8が可動位置に移動したという事実をもって虹色点灯演出を開始することができる。このため、モータに関する所定ステップ数の動作後や所定時間の経過後に虹色点灯演出を実行する方式と比較して、より正確に各種可動体による決め役物動作が終了してから虹色点灯演出を開始することができる。これにより、より一層、遊技機の品質を向上させつつ、電流値制限の問題を確実に回避することができ、結果として、斬新な遊技機を提供することができる。
(3)本実施形態の各種可動体による決め役物動作(第1演出)は、ランプ(LED)に点灯制限(電流値制限)がある。決め役物動作が完全に出現する動作終了後(土台となる役物である中後可動体40f8が停止した後)は、ランプの点灯制限が解除される。なお、決め役物動作が完成位置に至った場合は、遊技機(盤面や扉などの発光部)全休のランプを用いて、虹色点灯等で祝福させたい。ランプは基本的には、メッセージ受信後、一定タイミングで点灯するような仕組みとなっている。
〔問題点〕
決め役物の構成となる円環(土台)部に関する可動体(中後可動体40f8)は、原点位置の原点位置センサと可動位置の可動位置センサがあり、可動体(中後可動体40f8)を可動する可動体データは、可動位置センサの検出後、可動体(中後可動体40f8)を押し込むというデータ構成になっている。
このため、可動体(中後可動体40f8)が引っ掛かる等の原因により、役物動作が想定していたステップ数より、時間がかかるケースがある。この場合、ランプを、メッセージ受信後から一定時間経過後のタイミングで点灯させると、決め役物(ハート役物)の土台となる可動体(中後可動体40f8)の動作中にランプが点灯し、電流値制限を越える可能性がある。
そこで、本実施形態では、可動体(中後可動体40f8)の可動位置センサの検出に基づいて決め役物完成フラグをONに設定している。
そして、1F毎に役物完成フラグを監視し、役物完成フラグがONである場合はランプ制御部224側に決め役物完成メッセージを送信し、決め役物完成フラグをOFFに設定する。ランプ制御部は、役物完成メッセージの受信を契機として、虹色点灯演出を実行する。なお、決め役物完成フラグは、一定時間経過後(例えば、動作終了の2フレーム後)にOFFにするようにしてもよい。
これにより、品質の向上と電流値制限の問題の両方を解決することができる。
(4)本実施形態では、強役物(特別な可動体)が動作中となり、その後、強役物の動作の終了となるときに(可動位置センサ検出時に)、決め役物完成フラグをONとし、決め役物完成フラグがONであるという条件判定に基づいて複数個のLED点灯(虹色点灯態様)を実行可能とすることで、電流値制限を越えないようにしている。
つまり、動作時間が必ずしも一定とならない可動体に、動作終了である情報を持たせ、可動体が動作終了となるまでLEDの点灯又はLEDの点灯数を制限し、規定の電流値制限を越えないようにしている。
発光装置(LED制御基板、ランプ制御部)は、役物装置(可動体制御部)から直接メッセージを送信可能となる通信路が設けられており、決め役物完成メッセージを受信していなければ、虹色点灯タイミングになったとしても、LEDを点灯させない。
(5)本実施形態では、所定点灯メッセージの受信に基づいて所定態様(虹色点灯)とさせるLED点灯の実行タイミングであっても、可動体動作(役物演出)に応じて行っていたLED点灯の現状維持又は非実行となるよう制限し、可動体動作の処理終了を確実に待った所定タイミング(役物戻り位置の押込み完了、決め役物完成メッセージの受信)となるときに所定態様(虹色点灯)のLED点灯の実行を許可する。
(6)本実施形態では、「役物動作中を示す情報があるときは(役物動作中であるときは)、LED点灯を現状維持とする(LED点灯態様の更新を制限する)」という点がポイントである。
(7)本実施形態では、決め役物完成メッセージを受信していない場合は、役物演出に応じたLED点灯態様を現状維持とする制限をさせ、信頼度報知をさせるLED点灯の実行契機であっても、決め役物完成メッセージを受信してから又は受信後一定時間経過(役物戻り位置の押込み完了)していることを条件にしてLED点灯を許可させる。
(8)本実施形態では、LED点灯に係る信頼度報知の態様は、高信頼度に応じた発光となるよう多数個のLEDを用いた特別発光態様である。つまり、多数個のLEDの発光は、遊技機全体で虹色点灯させる態様であり、電流値制限を越えやすい。
(9)本実施形態では、LED点灯をさせる第1制御処理部(LED回路基部、ランプ制御部)と、可動体の位置検知をさせる第2制御処理部(役物回路基部、可動体制御部)との間を繋ぐ信号の通信路(メッセージの送受信が可能な機能)を設け、この通信路を介して可動体の動作中と動作終了のセンサ検知信号に関する情報をやり取りさせることでLED点灯の制限制御を行っている。
(10)本実施形態では、第1演出(可動体を可動させる演出)及び第2演出(LEDを虹色点灯させる演出)の実行情報を含む演出制御の情報(メッセージ)に基づいて、可動体とLED点灯をそれぞれ実行させ得る演出制御手段を備え、演出制御手段は、第1演出の実行中において第1演出の実行終了に関する終了情報(決め役物完成メッセージ)を取得した場合に、予め定められたLED点灯の態様更新(虹色点灯)に関する第2演出を実行可能とする。
(11)本実施形態では、演出制御の情報(ステップ数)に基づく第1動作位置(機構上の動作終了の見倣し部位)よりも多く動作させた第2動作位置(動作完了の押し込み部位)に、可動体を到違させ得た場合(中後可動体の可動位置センサ検出及びその後の押込動作の終了)に基づいて終了情報を生成可能とする。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様は例示であり、上述した演出の態様に限定されるものではない。
上述した実施形態では、いわゆる1種2種混合機に本発明を適用する例で説明したが、いわゆる1種遊技機(特定領域を備えていない遊技機)に本発明を適用してもよい。
また、本発明は、確率変動機能を備える遊技機にも適用することができ、この場合には、いわゆるループタイプ(確変回数に実質的な上限を設定しないタイプ)の遊技機に適用することもでき、STタイプ(確変回数に実質的な上限を設定するタイプ)の遊技機に適用することもできる。
さらに、本発明は、確変領域を有する遊技機に適用することもでき、確変領域を有しない遊技機に適用することもできる。
さらにまた、本発明は、「第1特別図柄及び第2特別図柄の同時回し」を採用していない遊技機に適用することもでき、同時回しを採用している遊技機に適用することもできる。
本発明は、設定付きパチンコ機に適用することもできる。
また、本発明は、性能表示モニタを備えるパチンコ機に適用することもできる。
上述した実施形態では、変動確定時に第1補正処理を実行し、変動開始後一定時間経過後に第2補正処理を実行する例で説明したが、変動確定時に第2補正処理を実行し、変動開始後一定時間経過後に第1補正処理を実行してもよく、変動確定時に第1補正処理及び第2補正処理を実行してもよく、変動開始後一定時間経過後に第1補正処理及び第2補正処理を実行してもよい。
本発明は、補正処理に適用する例で説明したが、イニシャル処理やリトライ処理といったその他の処理にも適用することもできる。
上述した実施形態では、第1演出が可動体による演出であり、第2演出がランプによる演出の例で説明したが、第1演出がランプによる演出であり、第2演出が可動体による演出であってもよく、第1演出及び第2演出が可動体による演出であってもよく、第1演出及び第2演出がランプによる演出であってもよい。
上述した実施形態は、以下の変形も可能である。
(1)第1特別図柄の記憶の有無により、第2特別図柄の変動パターン選択テーブルを異ならせてもよい。
例えば、第1特別図柄の記憶が有る場合、第2特別図柄の変動パターンを決定する際には、長時間(数十秒~数分)の変動パターンを選択可能な変動パターン選択テーブルを参照する。
一方、第1特別図柄の記憶が無い場合、第2特別図柄の変動パターンを決定する際には、短時間(数秒)の変動パターンを選択可能な変動パターン選択テーブルを参照する。
(2)連荘中(時間短縮状態、ドライブモード中)に、第1特別図柄の記憶を溜めさせる状態(左打ち状態)を発生させるようにしてもよい。
例えば、大当りのエンディング時間は、左打ち状態になる。つまり、大当り遊技のオープニングから最終ラウンドの終了時までは右打ち状態となり、大当り遊技のエンディング中のみ左打ち状態となる。
また、小当り変動の確定時間中(停止表示時間の開始から終了まで)は、左打ち状態になる。時間短縮状態は、小当り変動の確定時間の開始時にOFFにすることができ、これにより、小当り変動の確定時間中は、非時間短縮状態となる。
さらに、「大当り変動確定時間(1秒程度、0.5秒から数秒程度)≒はずれ変動確定時間(1秒程度、0.5秒から数秒程度)<小当り変動確定時間(15秒程度、数十秒程度)」とすることができる。この場合、小当り変動の確定時間は、大当りやはずれと比較して長くなるため、非時間短縮状態となる時間を長く確保することができる。
(3)「左打ち状態」や「右打ち状態」の定義は、以下のようにすることができる。
主制御装置で、左打ち状態か右打ち状態かを記憶する領域(例えば、発射位置指定フラグを格納する領域)を持ち、記憶の内容が左打ちを示す値(0)であれば「左打ち状態」であり、記憶の内容が左打ちを示す値でなければ「右打ち状態」である。「左打ち状態」は、非時間短縮状態(電チューサポートが行われていない状態)や、大当り遊技のエンディング中である。それ以外の状態は、「右打ち状態」である。
主制御装置は、左打ち状態か右打ち状態かによって、演出制御装置に、現在の発射位置の状態を伝達するコマンドを送信する。このようなコマンドは、「電源投入時」及び「右打ち状態から左打ち状態への切り替わり時」に左打ち状態を示すコマンドを送信してもよく、左打ち状態中は定期的に左打ち状態のコマンドを送信してもよい。
左打ち状態中において、演出制御装置は、主制御装置からのコマンドに基づき、右打ち報知ランプを消灯状態にすることができる。また、左打ち状態中において、演出制御装置は、液晶表示器に表示する右打ち指示表示を非表示にすることができる。さらに、左打ち状態中において、演出制御装置は、右打ち領域にあるセンサ(始動ゲート20のゲートスイッチ76等)で遊技球の通過を検出した場合、左打ちを促す演出、例えば、「左打ちに戻してください」の表示、及び、音声出力を実行することができる。ただし、時間短縮状態が終了した後は、盤面上の残り球を考慮して、所定数の変動を行うまでこのような演出を実行しないようにすることができる。
大当りのエンディング中や、小当り変動確定時間中を左打ち状態にすることで、第1特別図柄の記憶を定期的に貯めることができ、これにより、連荘中の第2特別図柄の変動を長くすることができる。これにより、連荘状態が極端に短い時間で終了して遊技者の遊技意欲が減退することを回避することができる。一方、連荘中に左打ちをしなければ、第2特別図柄の変動が短い状態となるため、遊技者は迅速に連荘状態を消化することができる。
上述した実施形態の遊技機は、1種2種混合機のゲーム性を有する遊技機であるため、非時間短縮状態における可変始動入賞装置28(普通電動役物)の開放中の入賞はエラーと判断し、エラー報知を行うようにしてもよい。
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能である。
〔実施形態D〕
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図270は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図271は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば、遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図270及び図271を参照しつつ遊技機の全体構成について説明する。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図270中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図271では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図270に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1は、カードユニットに接続する機種であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないカードユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、カードユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態のパチンコ機1は、カードユニットに接続する機種を例に挙げているが、現金機(カードユニットに接続しない機種)であってもよい。
また、受皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の前面部にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニット(参照符号なし)を取り巻くようにして配置されている。
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54,55が組み込まれている。一方、外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ56が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また、受皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45(操作入力受付手段)が設置されている。演出切替ボタン45は、例えば押し込み式の円形状ボタンとその周囲に回転式のジョグリング(ジョグダイアル)を組み合わせた形態である。遊技者は、この演出切替ボタン45を押し込み操作又は回転操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
〔裏側の構成〕
図271に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等の各種のユニットに加え、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図286)に基づいてさらに後述する。
主制御基板ユニット170には、主制御装置が内蔵されており、主制御装置には、性能表示モニタ140が接続されている。性能表示モニタ140は、パチンコ機1を裏側から見て、主制御基板ユニット170の左上の領域で視認可能なように主制御装置に配置されており、4つの7セグメントLEDを備えている。4個の7セグメントLEDは左右方向に並べて配置されており、それぞれの7セグメントLEDは、10進数のアラビア数字を表示することができる7つのセグメントと、その右下に位置するドットセグメントとによって構成されている。性能表示モニタ140は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースを通じて視認可能である。
また、主制御装置には、RAMクリアスイッチ304及び設定キー用鍵穴306が設けられている。RAMクリアスイッチ304は、RAMクリア、すなわち主制御装置内に装備されているRAM(RWM)の初期化を行う際に用いられるスイッチであり、本実施形態においては、設定変更用のスイッチとしても兼用される。設定キー用鍵穴306は、パチンコ機1の遊技に関する設定を変更又は参照する上で必要とされる設定キーを差し込むための鍵穴である。
RAMクリアスイッチ304は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースに形成された貫通孔を通じて押下可能に設けられている。なお、RAMクリアスイッチ304は、透明ケース外に配置されていてもよい。また、設定キー用鍵穴306は、キーシリンダが透明ケースを貫通した状態(透明ケースがキーシリンダの周囲を囲んだ状態)で設けられている。したがって、透明ケースが封止されたままの状態で設定キーを差し込み、回転させることが可能である。
なお、図271に示した性能表示モニタ140、RAMクリアスイッチ304及び設定キー用鍵穴306の配設位置は、あくまで一例であり、任意の位置に配置することができる。また、RAMクリアスイッチ304及び設定キー用鍵穴306は、主制御装置の外側に設けられて主制御装置に接続される構成としてもよい。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受皿ユニット6に向けて案内する。
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
〔盤面の構成〕
図272は、遊技盤ユニット8を単独で示した正面図である。遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に中始動入賞口26、始動ゲート20、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等が分布して設置されている。このうち中始動入賞口26は遊技領域8aの下部分の中央に位置している。遊技領域8aの右側部分(いわゆる右打ち領域)には、始動ゲート20、普通入賞口25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31が上からこの順番に配置されている。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で始動ゲート20を通過したり、中始動入賞口26、普通入賞口22,25に入球(入賞)したり、あるいは、開放動作時の可変始動入賞装置28や開放動作時の第1可変入賞装置30、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする。ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、中始動入賞口26又は普通入賞口22に入球する可能性がある。遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、始動ゲート20を通過したり、普通入賞口25に入球したり、開放動作時の可変始動入賞装置28に入球したり、開放動作時の第1可変入賞装置30に入球したり、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする可能性がある。中始動入賞口26、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31に入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通穴を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
本実施形態において、可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って右始動入賞口28bへの入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば左右一対の開閉部材28aを有しており、これら開閉部材28aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図272中に示されるように、左右の開閉部材28aは各先端が上を向いた状態で閉鎖位置にあり、このとき右始動入賞口28bへの入球は困難(遊技球が入球できる隙間がない状態)となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、左右の開閉部材28aはそれぞれ閉鎖位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、左右に開口幅を拡大して右始動入賞口28bを開放する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の入球が可能な状態となり、右始動入賞口28bへの入球を発生させることができる(可変始動入賞手段)。なお、このとき開閉部材28aは右始動入賞口28bへの遊技球の入球を案内する部材としても機能する。また、遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に可変始動入賞装置28(開放時の右始動入賞口28b)へ向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が開放動作時の可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に必ず入球するというわけではなく、あくまで入球は無作為に発生する。
また、可変始動入賞装置28は、非時間短縮状態(所定の遊技状態)では満たされ難い条件であり、時間短縮状態(有利遊技状態)では非時間短縮状態よりも満たされやすい条件である所定の作動条件(普通図柄が当選の態様で停止表示されて普通電動役物がロング開放するというという条件)が満たされない場合は右始動入賞口28bへの遊技球の入球が困難となる入球困難状態とする一方、所定の作動条件が満たされた場合は入球困難状態よりも右始動入賞口28bへの遊技球の入球を容易とする入球容易状態へ移行する。可変始動入賞装置28は、非時間短縮状態で普通図柄が当選の態様で停止表示された場合にはショート開放(0.1秒開放)し、時間短縮状態で普通図柄が当選の態様で停止表示された場合にはロング開放(1.0秒~6.0秒開放)する。
第1可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合、又は、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合)に作動し、第1大入賞口30bへの入球を可能にする(特別電動役物、特別入賞事象発生手段)。第1可変入賞装置30は、例えば1つの開閉部材30aを有している。この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、閉位置から開放位置に向けて変位する。図示のように先端が上を向いた状態で開閉部材30aは閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき第1大入賞口30bへの入球は困難(第1大入賞口30bは閉塞中)である。第1可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして右方向へ倒れ込むようにして変位し、第1大入賞口30bを開放する(開放状態)。この間に第1可変入賞装置30は遊技球の流入が可能な状態となり、第1大入賞口30bへの入球という事象を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは第1大入賞口30bへの遊技球の流入を案内する部材としても機能する。遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に第1可変入賞装置30(作動時の第1大入賞口30b)に向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が作動時の第1可変入賞装置30に必ず入球するというわけではなく、あくまで入球は無作為に発生する。
第2可変入賞装置31は、特別な条件が満たされた場合(特別図柄が小当りの態様で停止表示された場合)に作動し、第2大入賞口31bへの入球を可能にする(特別電動役物、第2特別入賞事象発生手段)。なお、第2可変入賞装置31は、特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合に作動してもよい。
第2可変入賞装置31は、演出ユニット40の右側に配置された装置であり、例えば1つの開閉部材31aを有している。上記の第1可変入賞装置30は、開閉部材30aが右方向へ倒れこむタイプの装置(片羽根のチューリップ式のアタッカ)を採用しているが、第2可変入賞装置31は、開閉部材31aが盤面の内部にスライドするタイプの装置を採用している(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材31aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材31aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材31aの上面を転動することになるため、第2大入賞口31bへの入球は困難(第2大入賞口31bは閉塞中)である。そして、第2可変入賞装置31が作動すると、開閉部材31aが盤面の内部に引き込まれ、第2大入賞口31bを開放する(開放状態)。この間に第2可変入賞装置31は遊技球の流入が困難ではない状態となり、第2大入賞口31bへの入球という事象を発生させることができる。
〔特定領域〕
また、第2可変入賞装置31の内部には、特定領域31xが設けられている。特定領域31xは、第2可変入賞装置31が閉鎖状態である場合は遊技球が通過困難な領域であり、第2可変入賞装置31が開放状態である場合であって特定領域用スライド部材31cが盤面の内部に引き込まれている状態である場合に遊技球が通過可能な領域である。なお、第2可変入賞装置31の詳細は後述する。
また、特に図示してはいないが、第2可変入賞装置31(開閉部材31a)には、遊技球が転動するスピードを低下させる遊技球転動スピード低下部を形成してもよい。遊技球転動スピード低下部は、開閉部材31aの傾斜を緩やかにしたり、開閉部材31a上の遊技球が通過する位置に、遊技球をジグザグに進行させるための交互に出っ張る突起を形成したりすることにより実現することができる。これにより、小当り遊技中に多くの遊技球を第2可変入賞装置31に入球させることができる。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、中始動入賞口26、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)、第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b、特定領域)に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
〔遊技盤のその他の構成〕
演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品(参照符号なし)を備えている。装飾部品はその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側上部には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄(本図柄)や、第4図柄、記憶マーカ(保留表示)をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されている。球案内通路40dは、演出ユニット40の裏側を通って下方の転動ステージ40eに接続されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40kが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40kに案内された遊技球は、その真下にある中始動入賞口26に流入しやすくなる。
その他に演出ユニット40の液晶表示器42の周囲には、演出用の可動体40f(40f1~40f8)とともに図示しない駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40f(40f1~40f8)は、特別図柄の変動表示中に所定動作を行い得る可動体である。なお、図272は全ての可動体が原点位置にある状態を図示しており、視認することができない可動体もある。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。このような可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
図273は、複数の可動体が可動位置にある様子を示す図である。
具体的には、中後可動体40f8が原点位置から240度時計回りに回転し、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7を移動させる3本のアーム51aが中央に可動した状態を示している。
上可動体40f1は、横長形状の可動体であり、可動すると中央部分だけが下降してVの字状に折れ曲がるように可動する。なお、上可動体40f1は、単純に昇降する可動体であってもよい。
下可動体40f2は、文字情報等が表示された横長形状の可動体であり、原点位置から上方向の可動位置に移動可能な可動体である。
左可動体40f3は、円弧状の可動体であり、原点位置から右方向の可動位置に移動可能な可動体である。
右可動体40f4は、円弧状の可動体であり、原点位置から左方向の可動位置に移動可能な可動体である。
中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7は、ハート形状の可動体である。
中後可動体40f8は、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7の土台となる円環状の可動体であり、原点位置から時計回りに240度回転した可動位置まで移動可能である。
中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7は、それぞれ単独で回転することができる。
中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7が液晶表示器42の中央に集まることにより、1つの大きな造形物を形成することができる。
図274は、各可動体が原点位置にある様子を示す図である。
各可動体が原点位置にある場合、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7は、中後可動体40f8と前後方向で重なる位置に配置される。
各可動体が原点位置にある場合、中前右可動体40f5は液晶表示器42の左下に配置され、中前左可動体40f6は液晶表示器42の左上に配置され、中前上可動体40f7は液晶表示器42の右下に配置される。
全ての可動体には、原点位置と可動位置にセンサ(遮光板を利用したフォトセンサ)が配置されており、演出制御装置は、このセンサに基づいて可動体が原点位置にあるのか、可動位置にあるのかを把握することができる。このようなセンサは、可動体が配置されている位置を検出する検出手段である。
例えば、中後可動体40f8を例に挙げて説明すると、中後可動体40f8の右上の位置及び右下の位置には、中後可動体40f8とともに可動する2つの遮光板51bが取り付けらており、一方の遮光板51bが原点位置フォトセンサ51cの光を遮っていれば、中後可動体40f8が原点位置にあるもとし、他方の遮光板51bが可動位置フォトセンサ51dの光を遮っていれば、中後可動体40f8が可動位置にあるもとしている。
図275は、各可動体が原点位置にあるが、中前左可動体40f6だけが可動位置にある様子を示す図である。
正常な遊技を行っていれば、中前左可動体40f6だけが可動する状態は存在しないが、何かしらの不具合が発生した場合(例えば、回転機構のロックが外れた場合)、中前左可動体40f6だけが可動することがある。このように正常でない状態が発生した場合には、後述する第1補正処理や第2補正処理が実行される可能性がある。
図276は、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が可動位置にある様子を示す図である。
中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が可動位置にある場合、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7は、中後可動体40f8の中心に向かって移動し(液晶表示器42の中央の方向に向かって移動し)、中後可動体40f8と前後方向で重ならない位置に配置される。
具体的には、3本のアーム51aが中央に集まり、かつ、中後可動体40f8が原点位置から時計回りに240度回転した状態となる。
そして、このような演出は、例えば、当選時の変動表示演出の最終段階(いわゆる決め役物動作の実行時)において実行することができる。
図277は、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が原点位置にある様子を示す図である。
本図では、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8のみを抜き出して図示している。
中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、及び、中前上可動体40f7は、中後可動体40f8と前後方向で重なるようにして配置されている。
図278は、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7が可動位置にある様子を示す図である。
本図では、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8のみを抜き出して図示している。なお、中後可動体40f8は、原点位置にある。
中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、及び、中前上可動体40f7は、中後可動体40f8の内部に配置されている。
3本のアーム51aは、リンク機構やカム機構等の機械的な機構を介して、それぞれの可動体を可動するためのモータと連結されている。
そして、各モータが可動すると、機械的な機構を介して3本のアーム51aが動作し、3本のアーム51aのそれぞれの先端に配置されている中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、及び、中前上可動体40f7が液晶表示器42の中央に向かって移動する。
具体的には、図中左上には、中前左可動体昇降モータ57iが配置されており、この中前左可動体昇降モータ57iが可動すると、図中左上に配置されたアーム51aが可動し、中前左可動体40f6が液晶表示器42の中央に向かって移動する。
また、図中右上には、中前上可動体昇降モータ57jが配置されており、この中前上可動体昇降モータ57jが可動すると、図中右上に配置されたアーム51aが可動し、中前上可動体40f7が液晶表示器42の中央に向かって移動する。
さらに、図中下部には、中前右可動体昇降モータ57hが配置されており、この中前右可動体昇降モータ57hが可動すると、図中下部に配置されたアーム51aが可動し、中前右可動体40f5が液晶表示器42の中央に向かって移動する。
さらにこの状態で、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7を回転させるモータが可動すると、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7は回転する。
図279は、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が原点位置にある様子を示す図である。
本図では、遊技盤ユニット8の後側の部分(裏箱部分)のみを示している。
中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が原点位置にある場合、上可動体40f1、下可動体40f2、左可動体40f3、及び、右可動体40f4は視認可能であるが、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8は、ほとんど視認することができない。
なお、図中右上には、上可動体昇降モータ57aが配置されており、この上可動体昇降モータ57aが可動すると、上可動体40f1が液晶表示器の中央に向かって移動する。
図280は、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が可動位置にある様子を示す図である。
本図では、遊技盤ユニット8の後側の部分(裏箱部分)のみを示している。
中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が可動位置にある場合、上可動体40f1、下可動体40f2、左可動体40f3、及び、右可動体40f4は視認可能であり、それに加えて、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、及び、中前上可動体40f7も、中後可動体40f8の中央付近に移動するため、視認可能な状態となる。
図281は、上可動体40f1及び下可動体40f2が可動位置にある様子を示す図である。
具体的には、上可動体40f1が原点位置から可動位置に移動しており、下可動体40f2が原点位置から可動位置に移動した状態を示している。
上述したように、上可動体40f1は、可動すると中央部分だけが下降してVの字状に折れ曲がるように変形しながら可動し、下可動体40f2は、変形することなく、原点位置から上方向の可動位置に可動する。
上可動体40f1は、中央部分の上下可動体52a、上下可動体52aから左側方向に延びる左アーム52b、及び、上下可動体52aから右側方向に延びる右アーム52cにより構成されている。
上下可動体52aが原点位置にある場合、左アーム52b及び右アーム52cは傾かずに水平に配置されており、上下可動体52aが可動位置に移動すると、左アーム52b及び右アーム52cは、上下可動体52aに引っ張られることにより、それぞれ上下可動体52aに向かって傾くように配置される。
図282は、上可動体40f1及び下可動体40f2が可動位置にある様子を示す図である。
本図では、遊技盤ユニット8の後側の部分(裏箱部分)のみを示している。
左アーム52bの左端部、及び、右アーム52cの右端部には、それぞれ挿入ピン52dが配置されており、この挿入ピン52dが後方に配置された構造物のガイド溝52eに挿入されている。
これにより、左アーム52bの左端部、及び、右アーム52cの右端部は、単純に傾くだけでなく、ガイド溝52eの長さの範囲内で左右方向に移動可能となっている。
このため、上下可動体52aが可動位置に移動した場合、左アーム52b及び右アーム52cは、上下可動体52aに向かって中央方向に移動しながら傾くことになる。
上可動体40f1及び下可動体40f2が可動位置にある場合、上可動体40f1及び下可動体40f2が原点位置にある場合と比較して、液晶表示器の表示領域は狭められる。これにより、遊技者の注目を集めた状態で各種の演出を実行することができる。
図283及び図284は、第2可変入賞装置31の詳細を示す図である。
第2可変入賞装置31は、スライド式の開閉部材31aの下方に第2大入賞口31bが配置されている。第2大入賞口31bの内部は左側に下り傾斜となっており、左側の端部にて下方に通路が延びている。下方に延びた通路には第2カウントスイッチ85が配置されており、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31に入球した遊技球の数をカウントする。
そして、下方に延びた通路は、その先で2つのルートに分かれている。一方の第1通路31dは、そのまま下方に延びており、他方の第2通路31eは左側に分岐する。
第1通路31dには、特定領域用スライド部材31cが配置されており、第1通路31dの下流には特定領域31xが配置されている。なお、特定領域31xの内部には、不図示の特定領域スイッチが配置されている。
一方、第2通路31eには、特別な部材は配置されておらず、第2通路31eの下流には排出孔31yが配置されている。
特定領域用スライド部材31cは、特殊な条件が満たされた場合(第2可変入賞装置31が作動してから第1時間経過後第2時間経過前の間)に作動し、特定領域31xへの遊技球の通過を可能にする。特定領域用スライド部材31cは、例えば図示しない特定領域ソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面の前後方向に沿ってスライドする。例えば、第1時間経過後は第2可変入賞装置31が作動してから0.2秒経過後であり、第2時間経過後は、第2可変入賞装置31が作動してから1.8秒経過後である。
特定領域ソレノイドがOFFの状態であると、特定領域用スライド部材31cは第1通路31dを塞いでいるため、遊技球が特定領域31xを通過することは困難となっている。一方、特定領域ソレノイドがONの状態になると、特定領域用スライド部材31cは盤面の内側に引き込まれるため、遊技球が特定領域31xを通過することが容易となる。
次に、第2可変入賞装置31の動作を説明する。
図283中(A)に示すように、スライド式の開閉部材31aは、盤面の内側に引き込まれており、遊技球が第2大入賞口31bに入球している。図示の例では、4個の遊技球が第2大入賞口31bに向かって進行している。ここでは、1個目の遊技球が第2カウントスイッチ85により検出される直前の状態である。
図283中(B)に示すように、1個目の遊技球が特定領域用スライド部材31cに到達している。2個目及び3個目の遊技球は、第2カウントスイッチ85に向かって進んでいる。4個目の遊技球は、第2大入賞口31bに入球しかけている。
図283中(C)に示すように、この時点では、特定領域用スライド部材31cが内側に引き込まれていないため(非作動中であるため)、1個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cによって進行方向が左側に変更され、第2通路31eを進行する。この場合、1個目の遊技球は、排出孔31yにより回収される。
図284中(D)に示すように、この時点で特定領域用スライド部材31cが盤面の内側に引き込まれたものとする(動作中)。この場合、2個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cの手前側を通り抜けて、第1通路31dに進行する。そして、2個目の遊技球は、特定領域31xを通過して、特定領域スイッチにより検出される。
図284中(E)に示すように、3個目の遊技球も、特定領域用スライド部材31cの手前側を通り抜けて、第1通路31dに進行する。この場合、3個目の遊技球は、特定領域31xを通過して、特定領域スイッチに検出される。
図284中(F)に示すように、この時点で、特定領域用スライド部材31cの動作が終了し、特定領域用スライド部材31cが盤面の前方側に突出したものとする。この場合、4個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cによって左側に案内され、第2通路31eに進行する。そして、4個目の遊技球は、排出孔31yにより回収される。
図285は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の左下位置)を拡大して示す正面図である。
遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33(普通図柄表示手段)及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34(第1図柄表示手段)、第2特別図柄表示装置35(第2図柄表示手段)、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が設けられている。
このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0~4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、上記の始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えば7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段、第1図柄表示手段、第2図柄表示手段)。その他、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、0~4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプが点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして、2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
一方、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えば1つのランプ(LED)の消灯又は点灯の組み合わせで構成される表示態様により、1個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、1つのランプを消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示する。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、上記の中始動入賞口26に遊技球が入球するごとに、入球が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に遊技球が入球すると、入球が発生したことを記憶する意味で増加後の表示態様へと変化し(最大1個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されると、減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄(第1図柄)が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で中始動入賞口26に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄(第2図柄)が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個又は最大1個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また、遊技状態表示装置38には、例えば、大当り種別表示ランプ38a,38b、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定表示ランプ38fにそれぞれ対応する6つのLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図286は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0~65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、RAM76の初期化に用いられるRAMクリアスイッチ304や、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
さらに、主制御装置70には、設定変更装置300及び設定キースイッチ302が設けられている。主制御装置70(主制御CPU72)は、設定変更装置300を動作させることにより設定を変更する。設定変更装置300は、設定(少なくとも特別図柄抽選の当選確率に関する設定)を切り替える装置であり、パチンコ機1に備えられたRAMクリアスイッチ304等の操作により作動する。また、設定とは、作動確率の組み合わせをいう。さらに、作動確率とは、条件装置が作動することとなる(大当り遊技が実行されることとなる)特別図柄の組み合わせが表示される確率をいう。設定キースイッチ302は、設定を切り替える上で必須となる設定キーの回転に伴い、その回転状態を示す信号(ON/OFF)を入力する入力装置である。設定の変更には、様々な手法を採用することができるが、例えば、以下の手順で行うことができる。
(1)まず、パチンコ機1の電源をOFFにする。
(2)ついで、専用キー(ドアキー)でパチンコ機1の扉を開ける。具体的には、専用キーをシリンダ錠6aの鍵穴に差し込んで右方向に回転し、内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4を開放する。
(3)パチンコ機1の裏側には、設定キーを挿入するための設定キー用鍵穴306と、RAMクリアスイッチ304とが設けられているため、設定キー用鍵穴306に設定キーを挿入し、設定キーを右方向に回転する。
(4)そして、パチンコ機1の電源をONにする。
(5)これにより、設定キーが変更位置に回転されたことを示す信号(ON)が設定キースイッチ302により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が可能な状態となる。このとき、図示しないロック機構により安全ロックが掛けられる。したがって、設定キーは、元の位置に戻されない限りは抜き取ることが不可能となる。
ここで、設定キーを右方向に回転した状態で、RAMクリアスイッチ304をONにしながら、電源をONにすると、設定が変更な状態となる。一方、設定キーを右方向に回転した状態で、RAMクリアスイッチ304をONにせずに、電源をONにすると、設定の参照が可能な状態となる。
(6)設定の変更が可能な状態において、RAMクリアスイッチ304を任意の回数だけ押下することにより、予め設けられた複数段階のうちいずれかの段階に設定を変更することができる。また、設定値は、例えば、専用の7セグメントLED、遊技状態表示装置38(特別図柄表示装置等)、性能表示モニタ140に表示することができる。
(7)スロット機の場合、目的の設定に達したら、レバーON処理が必要になるが、パチンコ機1にはレバーが存在しないため、レバーON処理の代わりの代替処理(例えば、設定キーを左方向に回転する処理、不図示の設定変更確定ボタンをONにする処理等)を実行したり、レバーON処理を省略したりしてもよい。本実施形態では、目的の設定に達したら、設定キーを反時計回りに回転させて元の位置に戻す。この操作により、設定キーが元の位置に戻されたことを示す信号(OFF)が設定キースイッチ302により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が確定する。
(8)そして、設定の変更が確定すると、設定キー用鍵穴306から設定キーを抜き取ることができる状態となる。また、設定の変更が確定したことに伴い、専用の7セグメントLED、遊技状態表示装置38、性能表示モニタ140に設定値を表示している場合には、その表示が消える。
(9)最後に、パチンコ機1の扉を閉める。これにより、設定の変更が完了する。設定の変更が完了すると、通常の遊技が開始される。
設定が変更された場合、主制御CPU72は、変更後の設定値をRAM76の設定値バッファに記憶する。設定値バッファは、バックアップの対象となるメモリ領域とすることができる。
〔設定変更の詳細〕
設定変更の詳細は、以下の通りである。
「設定キーON」、「内枠開放状態」、かつ、「RAMクリアスイッチ押下状態」で電源を投入すると、RAMクリア後、設定変更中の状態(設定変更モード)となる。
設定変更中の状態では、メイン表示器(遊技状態表示装置38に含まれる各種ランプ)の表示はなく、遊技球の発射や遊技球の賞球等は一切できない状態となる。
この場合、性能表示モニタ200の左側2つの7セグメントLED(識別セグ)に「rn.」が表示され、右側2つの7セグメントLED(比率セグ)に「-1」のように設定値が表示される。また、RAMクリアスイッチを押下すると、設定値が1~6の範囲で変化する。
そして、「設定キーOFF」にすると、設定確定となり、比率セグの表示は「空欄(非表示)1」のように「-」のセグが消灯する(非表示となる)。
この状態で、内枠閉鎖となった場合(実際には閉鎖状態が100ms継続した場合)、設定変更中の状態は終了となり、一旦、電源断前の状態に移行してから、遊技可能状態に移行する。
本実施形態では、RAMクリアスイッチ304と設定変更スイッチとを兼用している例で説明しているが、RAMクリアスイッチ304とは別に設定変更スイッチを別途設けてもよい。
〔設定確認の詳細〕
設定確認(設定参照)の詳細は、以下の通りである。
「設定キーON」、「内枠開放状態」、かつ、「RAMクリアスイッチ押下でない状態」で電源を投入すると、設定確認中の状態(設定確認モード)となる。
設定変更中の状態と同様に、設定確認中の状態では、メイン表示器の表示はなく、遊技球の発射や遊技球の賞球等は一切できない状態となる。
この場合、性能表示モニタの左側2つの7セグメントLED(識別セグ)に「rn.」が表示され、右側2つの7セグメントLED(比率セグ)に「空欄(非表示)1」のように設定値が表示される。また、設定確認中の状態では、RAMクリアスイッチを押下しても、設定値は変化しない。
この状態で、「設定キーOFF」、かつ、「内枠閉鎖状態」となった場合(実際には閉鎖状態が100ms継続した場合)、設定確認中の状態は終了となり、一旦、電源断前の状態に移行してから、遊技可能状態に移行する。
なお、本実施形態では、遊技可能状態で設定確認を行うことはできないが、遊技可能状態で設定確認を実行可能にしてもよい。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31にそれぞれ対応して中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84及び第2カウントスイッチ85が装備されている。各始動入賞口スイッチ80、82は始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)への遊技球の入賞を検出するためのものである。また、カウントスイッチ84は第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。
他にも、特定領域31xに対応して特定領域スイッチ83が装備されている。第2大入賞口31bの内部の特定領域31xに対応する位置には、特定領域スイッチ83が備えられており、特定領域スイッチ83は、遊技球が特定領域31xを通過したことを検出する。
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22,25への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、ここでは全ての普通入賞口22,25について共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば、盤面の左右で別々の入賞口スイッチ86を設置し、左側の入賞口スイッチ86では盤面の左側に位置する普通入賞口22,25に対する遊技球の入賞を検出し、右側の入賞口スイッチ86では盤面の右側に位置する普通入賞口25に対する遊技球の入賞を検出することとしてもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類80、82、83、84、85、86の入賞検出信号や通過検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、特定領域スイッチ83、カウントスイッチ84、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号や通過検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、主制御装置70には、パネル中継端子板87を介して、性能表示モニタ140が接続されている。性能表示モニタ140は、遊技球が各入賞口(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)に入球することによって払い出される賞球数を、遊技領域に発射した遊技球の数を示すアウト数(アウトスイッチ141で検出された遊技球の数)で除算して算出されるベースを表示するためのモニタである。ベースは、遊技を進行させる制御に用いられる使用領域とは別の領域(使用外領域)を用いて予め設定された区間ごとに算出され、現在の区間のベースと、前回の区間のベースとが、予め設定された間隔ごとに切り替わって表示される。性能表示モニタ140は、主制御CPU72からの制御信号に基づいてその表示動作が制御される。主制御CPU72は、ベースの算出状況に応じて性能表示モニタ140に対する制御信号を出力し、各7セグメントの点灯状態を制御する。
なお、性能表示モニタ140は、パネル中継端子板87を介して主制御装置70に接続する例で説明しているが、パネル中継端子板87を介さずに主制御装置70に接続してもよく、主制御装置70の内部の構成として性能表示モニタ140を配置してもよい。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び特定領域31xにそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び特定領域ソレノイド99が設けられている。これらソレノイド88,90,97,99は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び特定領域31xを開閉させる。なお、これらソレノイド88,90,97,99についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に上記の一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、上記の内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている(特別特典付与手段)。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のカードユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに送信される。また、カードユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、カードユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてRAM(RWM)130やeDRAM131等の半導体メモリが内蔵されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
その他にも演出制御装置124には、VDP152やドライバIC132、音声IC134等の演出を実現する上で必要となる様々な機能部品が搭載されている。このうちVDP152は、液晶表示器42の画面上で再生される演出画面を描画するためのプロセッサである。ドライバIC132は、ランプ46~52や盤面ランプ53、可動体モータ57等のデバイスを制御するICを搭載している。また、音声IC134は、スピーカ54,55,56からの出力を制御する。なお、演出制御装置124の内部の構成については、別の図を用いて詳しく後述する。
演出制御装置124と上記の主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にサブ接続基板136が設置されており、ドライバIC132や音声IC134からの駆動信号はサブ接続基板136を経由して各種ランプ46~52やスピーカ54,55,56に印加されている。また、サブ接続基板136には、上記の演出切替ボタン45やジョグダイアル45aの他に図示しない音量調整スイッチが接続されており、遊技者がこれらの操作部材を操作すると、それらの接点信号がサブ接続基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではサブ接続基板136に各操作部材を接続した例を挙げているが、上記の受皿電飾基板を設置する場合、各操作部材は受皿電飾基板に接続されていてもよい。
その他、遊技盤ユニット8にはドライバ基板138が設置されており、このドライバ基板138には、盤面ランプ53、可動体モータ57及び可動体センサ58が接続されている。可動体モータ57は、例えば図示しないリンク機構を介して上記の可動体40fを駆動する。本実施形態では、可動体モータ57(57a~57k)として11個のモータが設置されている。11個のモータは、図示可能な範囲で図示しているが、視認不能な部分に設置されているモータに関しては図360の一覧表に表示している。可動体センサ58は、例えば可動体40fの原点位置(第1位置)や可動位置(出現位置)等に設けられたフォトセンサであり、可動体40f(又は可動体40fに取り付けられた遮光板)を検出すると検出信号を出力する。本実施形態では、可動体モータ57として複数のモータが設けられており、可動体センサ58として複数のセンサが設けられている。ドライバIC132からの駆動信号は、ドライバ基板138を経由して盤面ランプ53及び可動体モータ57にそれぞれ印加される。なお、可動体モータ57は、ソレノイドであってもよい。
上記の液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上記のように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
〔演出制御装置の内部構成〕
図287は、演出制御装置124の内部の機能構成を示すブロック図である。
上述したように、演出制御装置124は遊技の進行に伴い演出を制御する演出制御プロセッサとしての役割を有している。そのため演出制御装置124には、演出制御CPU126に加え、演出制御装置124が演出制御プロセッサとして機能する上で必要となる制御ROM180及びウォッチドッグタイマIC(WDTIC)188が装備されている。制御ROM180には、演出の制御に関する基本的なプログラムやテーブル等が格納されている。演出制御CPU126は、図示しないCPUバスを介して制御ROM180にアクセスし、制御ROM180に格納されたプログラムを実行することにより演出を制御する。ウォッチドッグタイマIC188は、演出制御装置124で実行される制御が正常になされているか(想定時間内に処理が完了しているか)を監視するタイマであり、演出制御CPU126のリセット端子に接続されている。ウォッチドッグタイマIC188の監視タイマをクリアするための信号(クリアパルス)が所定時間内に入力されなかった場合、ウォッチドッグタイマIC188は演出制御CPU126に対しリセット起動させるための信号(リセットパルス)を出力する。これにより、演出制御装置124が強制的にリセット起動されることとなる。
演出制御装置124にはこれらの他にも、演出に関わる機能として、バックアップデータ用の記憶領域であるSRAM182、所定周波数のクロック信号を生成する水晶発振器181、時刻管理を行うリアルタイムクロック(RTC)184、SRAM182及びリアルタイムクロック184に対しバックアップ電源を供給するリチウム電池186、図示しない入出力ドライバやカウンタ/タイマ回路等の周辺IC等が装備されている。リチウム電池186は、電源制御ユニット162から演出制御装置124に対し駆動電力が供給されている間に、この電力を蓄えて自身を充電する。SRAM182及びリアルタイムクロック184は、リチウム電池186に接続されており、電源制御ユニット162からの演出制御装置124への駆動電力の供給が断たれた場合にはリチウム電池186により駆動可能となる。したがって、SRAM182及びリアルタイムクロック184は、電源制御ユニット162からの電力供給が断たれた場合でも、リチウム電池186の充電が切れるまでの期間(例えば、約1か月半)は動作を継続するため、SRAM182は、電源断の状況下においても暫くは格納されている情報を保持することができる。
なお、演出制御プログラムは、容易に消去されるべきでないセキュリティや監視、不具合等に関する情報をSRAM182に保存するよう構成されている。これにより、例えば、演出制御装置124で何らかの不具合が発生した場合に、パチンコ機1を回収(又は設置状態で点検)し、SRAM182に保持されている情報を解析することにより不具合の要因調査を進めることが可能となる。
ところで、演出制御CPU126が制御ROM180に格納されたプログラムに沿って実行する演出の制御により、最終的には、液晶表示器42、各種ランプ46~53やスピーカ54,55,56等のデバイスの動作が制御される。この演出制御の流れは、大きくみると「全体制御(再生指示)」と「個別制御(再生制御)」の2つの段階に分けられる。演出制御CPU126は、先ず主制御装置70から送信される演出コマンドを受信し、演出コマンドの内容に応じた演出の再生を各デバイスに対して間接的に指示する(全体制御)。次に、演出制御CPU126は指示内容を各デバイスに適したより具体的な表現に変換した指示データを生成し、演出制御CPU126と各デバイスとの間を中継する各制御デバイス134,152,198,199に送信する(個別制御)。その結果として、各制御デバイス134,152,198,199により指示データに基づく各デバイスの制御がなされ、パチンコ機1における各デバイスを用いた演出再生(画面表示、音声出力、ランプ発光、可動体動作等)が実現される。
このように、演出制御CPU126は、演出制御の段階に応じて異なる機能を有しており、これらの機能は演出制御CPU126のリソースを使い分けた複数のタスクとして実現されている。演出制御CPU126により実行される個々の機能に対応するタスクは、演出制御部210、表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224、可動体制御部226、入力制御部228、時間管理部(ACT)230等として示されている。以下の説明では、個々のタスクを演出制御処理の動作主体として扱うものとする。
先ず、全体制御の段階では、演出制御CPU126内の演出制御部210が動作主体となり、演出の時間進行を管理する時間管理部(ACT)230を用いて演出全体の流れを制御する。また、個別制御の段階では、制御対象とされるデバイスに応じて演出制御CPU126内の表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224、可動体制御部226又は入力制御部228が動作主体となる。なお、演出制御部210が各制御デバイス134,152,198,199等を直接的に制御する構成としてもよい。
演出制御装置124は、全体制御の段階では演出制御プロセッサとして機能するのに対し、個別制御の段階では演出再生プロセッサとして機能する。そのため、演出制御装置124にはさらに、CGROM(画像・音声ROM)190とともに、演出の再生に用いられる各種のデバイスを制御するためのVDP152(演出表示制御基板)、音声IC134、LEDドライバ198、SMC(シリアル制御コントローラ)199及びドライバIC132が装備されている。
CGROM190は、演出画面を構成する描画素材(動画像データ)や演出の進行とともに出力される音声素材(音声データ)を所定の圧縮アルゴリズムにより圧縮された状態で格納している。CGROM190は、図示しないCGバスを介してVDP152や音声IC134に接続されている。
VDP152は、演出画像の描画専用のプロセッサであり、演出制御CPU126とともにワンチップに統合されている。また、VDP152はVRAM156及び描画素材デコーダ157を内蔵している。このうちVRAM156は、主に描画素材を展開する際に用いられ、描画素材デコーダ157は、圧縮された状態の描画素材を解凍(復号)する際に用いられる。VDP152は、先ず表示制御部220から送信された指示内容を解析し、CGバスを介してCGROM190から必要な描画素材を読み出してVRAM156に転送する。そして、読み出した描画素材を描画素材デコーダ157で復号してVRAM156上で演出画像の描画を行い、演出画像を1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開する。ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動することにより、演出画面の再生が実現される。
音声IC134は、演出の実行中に再生される効果音やBGM等の音声を生成するサウンドジェネレータであり、VDP152と同様に演出制御CPU126とワンチップに統合されている。音声IC134は、図示しないアンプや外部DRAM、CGバスに接続されている。また、音声IC134には、圧縮された状態の音声素材を解凍(復号)する音声素材デコーダ135が内蔵されている。音声IC134は、先ず音声制御部222から送信された指示内容を解析し、CGバスを介してCGROM190から必要な音声素材を読み出す。そして、読み出した音声素材を外部DRAM上で音声素材デコーダ135を用いて復号する。アンプを経由して各種スピーカに復号した音声を出力することにより、ステレオ2ch又はモノラル2chの音声再生(より大きなチャンネル数としてもよい)を実現する。また、音声IC134は、音量調整スイッチが操作された場合に入力される接点信号に基づいて、各種スピーカの出力音量を調整する。
LEDドライバ198は、パチンコ機1の前面側に設けられた各種ランプの演出の実行にともなう点灯パターン及び輝度パターンを制御する。LEDドライバ198においては、アドレス指定同期シリアル方式が採用されている。LEDドライバ198は、先ずランプ制御部224から送信された指示内容に基づいて点灯パターン及び輝度パターンの制御を行い、これに応じた駆動データをドライバIC132に転送する。
SMC199は、演出ユニット40の内部に設けられた演出用の各種可動体の駆動源となるモータの駆動パターンを制御するとともに、可動体用のセンサにより出力された検出信号を中継して可動体制御部226に受け渡す。SMC199もまた、演出制御CPU126とワンチップに統合されている。SMC199においては、クロック同期式シリアル方式が採用されている。可動体の駆動に際し、SMC199は、先ず可動体制御部226から送信された指示内容に基づいて可動体用のモータの駆動パターンを生成し、これをドライバIC132に転送する。なお、ここではSMC199をモータの駆動パターン生成にのみ用いているが、SMC199はモータだけでなくランプの点灯パターンや輝度パターンを生成することもできるため、上述したLEDドライバ198に代えてSMC199を適用し、SMC199がランプ及びモータの両方のデータパターンを生成する構成とすることも可能である。
ドライバIC132は、LEDドライバ198やSMC199から転送された駆動データに基づいてランプやモータに対し印加する駆動電圧の制御を行う。ドライバIC132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、各種ランプや可動体モータに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その動作を管理することにより、ランプや可動体を用いた演出再生を実現する。なお、各種ランプには、ガラス枠トップランプ46やガラス枠装飾ランプ48,50,52の他に、操作ユニット60の各部位に内蔵された光源や遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は、演出ユニット40に内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等に内蔵されるLEDに相当するものである。
この他にドライバIC132は、演出切替ボタン45やジョグダイアル45a等の操作部材が遊技者により操作された場合に入力される接点信号を、入力制御部228を経由して演出制御部210に転送する。演出制御部210は、転送される接点信号の内容に基づいて、再生する演出内容を適宜変化させる。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、リセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図288及び図289は、リセットスタート処理の第1手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1~2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また、主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、不図示のRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また、主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタコマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また、主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図289に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして、主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)、及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図293中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が一巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図293中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、上記のように、本実施形態において大当り決定乱数及び当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図293)を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込管理処理の内容については後述する。
図290は、リセットスタート処理の第2手順例を示すフローチャートである。なお、リセットスタート処理の第1手順例と同様の処理については、重複する説明を省略する。また、図289の処理は、第1手順例と第2手順例とで同様である。
リセットスタート処理の第2手順例では、リセットスタート処理の第1手順例と比較して、準備中処理(ステップS112a)が追加されている点が異なっている。
具体的には、ステップS106で肯定(Yes)と判断された場合、ステップS107で否定(No)と判断された場合、又は、ステップS108で否定(No)と判断された場合は、準備中処理(ステップS112a)が実行される。
なお、準備中処理(ステップS112a)の実行タイミングは、このようなタイミングに限定されるものではなく、リセットスタート処理の中の任意のタイミングで実行することができる。つまり、RAMクリアスイッチを押下した状態で電源投入した場合に、「準備中」→「遊技可能状態(メインループに移行した状態)」と移行するように制御されていればよい。
ステップS112a:準備中処理では、主制御CPU72は、RAMクリア時に必要となる各種動作を制御する。なお、処理の詳細は、後述する。
そして、準備中処理(ステップS112a)が終了すると、主制御CPU72は、RAMクリア処理(ステップS113)を実行する。なお、これ以降の処理は、第1手順例の処理と同様である。
図291は、準備中処理の手順例を示すフローチャートである。
ステップS125:主制御CPU72は、準備中動作制御処理を実行する。準備中動作制御処理の詳細は、後述する。
ステップS126:主制御CPU72は、RAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。
その結果、RAMクリアスイッチが操作されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、リセットスタート処理(図290)に復帰する。一方、RAMクリアスイッチが操作されていることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS125の処理を実行する。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、RAMクリアスイッチが押下されるまで、ステップS125の準備中動作制御処理を継続して実行することができる。
〔準備中動作制御処理〕
準備中動作制御処理の動作内容の詳細は、以下の通りである。
主制御CPU72は、準備中動作制御処理において、以下に示す状態及び動作内容のうち、少なくとも1つの状態及び動作を採用した内容の処理を実行することができる。
(1)準備中は、RAMクリアスイッチを押下した状態で電源投入した際に移行する状態である。準備中には、再度RAMクリアスイッチが押下されるまで滞在する。「準備中」の状態で、RAMクリアスイッチが押下されると、「遊技可能状態」へ移行する。
(2)準備中では、主制御装置70(主制御CPU72)で管理する可動体(主制御装置70に接続されている可動体)を可動制御し、可動体が正常に動作するか否かの可動確認を行うことができる。
具体的には、特別電動役物(アタッカ)、特別電動役物の内部の可動体(確変領域や特定領域を開放する可動体や、2種系の場合は常時回転の回転体、規定の契機により可動する可動体、及び、これらに付随する機構やソレノイド、モータ等)、普通電動役物(電動チューリップ)を一定の動作で可動制御する。
可動制御は、例えば、「0.4秒ON→0.4秒OFF」を複数回繰り返す可動パターンにより、ソレノイドやモータを動作させることにより実行する。
可動制御は、準備中において最初から最後まで継続して実行してもよく、所定回数や所定時間を上限として実行してもよい。
(3)準備中は、外部から準備中であることが明確に分かるようにすることができる。この場合、例えば、液晶表示器の表示画面に、「準備中です」「遊技できません」「RAMクリアスイッチを押下すると終了します」「演出ボタン押下で演出設定変更」等といった情報を表示することができる。この場合、合わせて、「準備中です」等の音声出力を繰り返し実行してもよい。
(4)準備中は、演出ボタンの操作により、演出に関する設定を変更することができるようにしてもよい。例えば、演出切替ボタン(演出ボタン)を押下すると液晶表示器の表示画面が切り替わり、日時の設定、音量設定(1~5段階)、演出頻度設定(1~3段階)、演出種類設定等が選択できるようにすることができる。
(5)準備中は、遊技球の発射制御ができないようにしてもよい。これは、主制御装置70から払出制御装置92へ「発射許可信号」を送信していることを条件に、発射制御基板108では、遊技球の発射をすることができるからである。主制御装置70は、「割込管理処理(タイマ割込み処理)」内で「発射許可信号」を送信する処理を行うことができるが、準備中は「割込管理処理(タイマ割込み処理)」がまだ実行されていない期間であるため発射ができない状態となる。
(6)準備中処理のプログラム(各種可動体を動作させるプログラム)は、使用領域内に実装(配置)することができる。使用領域とは、遊技の進行を制御するために使用可能な容量が遊技機規則で定められている領域であり、領域外の領域とは、使用可能な容量の計算に含めない領域である。
(7)準備中の期間は、準備中であることを示す外部情報を、外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に対して出力するようにしてもよい。
(8)準備中は、メインループに移行する前(割込管理処理(タイマ割込み処理)が実行される前)の段階である。このため、準備中においては、統合表示基板89の表示(メインセグ)は消灯状態とすることができる。また、準備中においては、遊技可能状態中に判定可能なエラー(例えば、磁気エラー、電波エラー、振動エラー、大入賞口不正入賞エラー等)を判定しないようにすることができる。さらに、準備中は、賞球の払出、特別図柄の変動、普通図柄の変動を実行しないようにすることができる。
(9)RAMクリアスイッチを押下した状態で電源投入した場合は、「準備中」を示すコマンドを主制御装置から演出制御装置に送信することができる。また、再度RAMクリアスイッチが押下され、準備中が終了する場合には、「準備中終了」を示すコマンドを主制御装置から演出制御装置に送信することができる。なお、この場合、メインループに移行する前に、主制御装置から演出制御装置にコマンドを送信するようにしてもよい。
準備中の段階では、RAMクリア処理は実行されておらず、準備中にRAMクリアスイッチが押下されたことを条件に、RAMクリア処理を実行することができる。ただし、RAMクリア処理の実行後に準備中に移行させ、その後、メインループに移行するようにしてもよい。
このような構成を採用する経緯として、以下のような課題がある。
従来の遊技機は、特別電動役物、普通電動役物の動作確認が、任意のタイミングで(特に、RAMクリアをする際の電源投入時に)行えないため、不具合が通常の遊技中に急に発覚するおそれがある。
そして、上記のような構成を採用することにより、以下のような効果を発揮することができる。
(1)電源投入時に、各種電動役物が動作可能か否かを確認することができるため、遊技中に各種電動役物が動作しないという不具合を防ぎ、正常に遊技を行うことができる。
(2)正常に遊技を行うことができるので、遊技が途切れる事態を防ぐことができ、遊技に対する興趣の低下を防ぐことができる。
(3)事前に(遊技前に)不具合を解決できるため、遊技中の不具合の確認処理を無くすことができ、制御上の処理負荷の軽減にも貢献することができる。
(4)準備中(動作確認中)に演出設定も実行することができるため、効率的な遊技を提供することができる。
上記の構成から以下の技術的な内容を抽出することができる。
(1)所定の操作部材(RAMクリアスイッチ)と、可動体(電動役物、駆動源、ソレノイド、モータ等)と、前記所定の操作部材が操作されている状態で電源が投入された場合、可動体が正常に動作するか否かを確認するために、可動体を一定の動作パターンで動作させる可動体動作手段とを備える遊技機である。
(2)上記(1)の構成において、可動体動作手段は、再び、所定の操作部材が操作されるまで、可動体を一定の動作パターンで動作させ続けることが好ましい。
〔電源断発生チェック処理〕
図292は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また、主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして、主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(図288)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図293は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB~Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A~L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、入賞口スイッチ86、特定領域スイッチ83からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、特定領域スイッチ83からの通過検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機、第1抽選契機、第2抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS204a:主制御CPU72は、設定変更処理(設定関連処理)を実行する。この処理を実行することにより、主制御CPU72は、設定値を変更する際に実行される設定変更処理又は設定値を確認する際に実行される設定確認処理の少なくとも一方を含む設定関連処理を実行することができる(設定関連処理実行手段)。なお、設定変更状態や設定確認状態でない場合には(通常遊技状態である場合には)、本処理を実行しないようにすることができる。また、通常遊技状態である場合には、ベースを算出し、算出したベースを性能表示モニタ200に表示する処理を実行することができる。主制御CPU72は、遊技球が各入賞口(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)に入球することによって払い出される賞球数を、遊技領域に発射した遊技球の数を示すアウト数(アウトスイッチで検出された遊技球の数)で除算することによりベースを算出することができる(ベース算出手段、ベース関連処理実行手段)。
本処理において設定変更処理(設定関連処理)を実際に実行した場合、主制御CPU72は、サブコマンドとして、「設定関連終了指定コマンド」を生成する処理を実行する。「設定関連終了指定コマンド」には、設定関連処理(設定変更に関する処理又は設定確認に関する処理)が終了したという情報や、設定値の情報を含ませることができる。生成された「設定関連終了指定コマンド」は、演出制御装置124に送信される。
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また、普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(普通図柄抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,82,84,85,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
〔賞球数及び獲得遊技球数について〕
第1特別図柄の始動口の賞球数及び第2特別図柄の始動口の賞球数は、それぞれ1個以上の規定数に設定されている。また、第1特別図柄の始動口と第2特別図柄の始動口とでは、賞球数を異ならせてもよい。さらに、特別図柄の当選確率や、総獲得遊技球数の期待値(初当りから時間短縮状態が終了するまでの一連の期間に得られる平均出球数)に基づいて、最低賞球数を設定してもよい。さらにまた、特別図柄の当選確率、総獲得遊技球数の期待値、大入賞口の開放回数、大入賞口の開放時間、大入賞口の最大入賞数、大入賞口の賞球数が所定の条件を満たした場合、1回の大当りによる獲得遊技球数が最大の獲得遊技球数の1/4未満となる大当りを設定してもよい。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータ(外部機器)に対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」~「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」~「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」~「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS209:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS205)や普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお、駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また、主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び特定領域ソレノイド99の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS213:そして、主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお、本実施形態では、ステップS205~ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして、主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A~L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。なお、割込管理処理では、主制御CPU72は、各種エラーを検出する図示しないセンサやスイッチ等に基づいて、各種エラー(磁気エラー、電波エラー、振動エラー、大入賞口不正入賞エラー等)を判定することができる。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図294は、スイッチ入力イベント処理(図293中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する中始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の第1大入賞口30bに対応する第1カウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS19に進んで第1大入賞口カウント処理を実行する。第1大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの第1可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS20に進む。
ステップS20:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の第2大入賞口31bに対応する第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS21に進んで第2大入賞口カウント処理を実行する。第2大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中(小当り遊技中)に第2可変入賞装置31への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72はステップS24を実行する。一方、通過検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS26に進む。
ステップS24:主制御CPU72は、普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また、主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして、主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。次に、主制御CPU72は、ステップS26を実行する。
ステップS26:主制御CPU72は、第2大入賞口31b内の特定領域31xに対応する特定領域スイッチ83から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS28に進んで特定領域予備フラグをONにする処理を実行する。一方、通過検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図293)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図295は、第1特別図柄記憶更新処理(図294中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。ここで、RAM76の乱数記憶領域は、第1特別図柄及び第2特別図柄で共通で使用する5つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。ただし、第1特別図柄に関しては、4つのセクションしか使用できず、第2特別図柄に関しては、1つのセクションしか使用できない。したがって、セクションに空きがあっても、第1特別図柄に関してすでに4つのセクションを使用している場合、それ以上第1特別図柄の各乱数が記憶されることはない。これと同様に、セクションに空きがあっても、第2特別図柄に関してすでに1つのセクションを使用している場合、それ以上第2特別図柄の各乱数が記憶されることはない。セクションが5つである理由は、第1特別図柄の最大記憶数(4個)と、第2特別図柄の最大記憶数(1個)とを合計した数のセクションが必要だからである。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図294)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図293中のステップS210)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第1抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、抽選要素取得手段)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして、主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(第1抽選要素記憶手段、抽選要素記憶手段)。複数のセクションには順番(例えば第1~第5)が設定されており、現段階で第1~第5の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2~第5セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の特別遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37,S38を実行する。大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37,S38をスキップしてステップS38aに進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS37:大当り中以外の場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する(先読み処理実行手段)。この処理は、先のステップS32~S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数、大当り図柄乱数及び変動パターン決定乱数に基づいて、特別図柄抽選の結果や変動時間を事前(変動開始前)に判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。この処理において、第1特別図柄の事前判定の結果を特図先判定演出コマンド(先読み情報)の下位バイト分にセットする。
ステップS38:取得時演出判定処理を実行すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする(先読み処理実行手段)。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分(当否に関する情報や変動時間に関する情報)は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされるので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS38a:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」~「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」~「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」~「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」~「04H」となったことを表している。なお、上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS39:そして、主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理では、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンドが演出制御装置124に対して送信される(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えるか、もしくは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図294)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
次に図296は、第2特別図柄記憶更新処理(図294中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば1とする)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図294)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図295)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図293中のステップS210)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第2抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図295)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図295)と同様である。
ステップS44:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、抽選要素取得手段)。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図295)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄及び第2特別図柄で共通で使用する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(第2抽選要素記憶手段、抽選要素記憶手段)。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図295)と同様である。
ステップS45a:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。そして、大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS46,S47を実行する。逆に大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS46,S47をスキップしてステップS48に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、同じく大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS46:大当り中以外である場合(ステップS45a:No)、次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する(先読み処理実行手段)。この処理は、先のステップS42~S44でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである。この処理において、第2特別図柄の事前判定の結果を特図先判定演出コマンドの下位バイト分にセットする。
ステップS47:取得時演出判定処理を実行すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする(先読み処理実行手段)。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS46)においてセットされるので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS48:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」~「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお、先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS49:そして、主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して特図先判定演出コマンドや作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置124に対して送信される(記憶数通知手段)。また、以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図294)に復帰する。
〔取得時演出判定処理〕
図297は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理及び第2特別図柄記憶更新処理(図295中のステップS37,図296中のステップS46)においてこの取得時演出判定処理を実行する(事前判定手段、先読み処理実行手段)。上述したように、この処理は第1特別図柄(中始動入賞口26への入球時)、第2特別図柄(可変始動入賞装置28への入球時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンド(先判定情報)の下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(図295中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図296中のステップS45)でRAM76に記憶されているものである。
ステップS54:そして、主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段、事前判定手段)。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお、比較値(下限値)は、パチンコ機1における特別図柄抽選の大当り確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS80に進む。
ステップS80:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段、先読み処理実行手段)。この処理では、主制御CPU72は、はずれ時の変動時間について変動パターン先判定コマンド(先読み情報)を生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、特に「時間短縮機能」の作動時における変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。例えば、現在の状態が「時間短縮機能」の作動時であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものである場合、主制御CPU72は「時短中非短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。なお、リーチ変動の場合はさらに、リーチモード乱数から「リーチグループ(リーチの種類)」をも判断し、その結果から変動パターン先判定コマンドを生成することとしてもよい。一方、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「時短中短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。あるいは、現在の状態が「時間短縮機能」の非作動時(低確率状態)であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものである場合、主制御CPU72は「通常はずれリーチ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。一方、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「通常はずれ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。なお、この処理において、主制御CPU72は、小当り時の変動パターンについて、上述したはずれ時の処理と同様に変動パターン先判定コマンドを生成してもよい。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は取得時演出判定処理を終了し、呼び出し元の第1特別図柄記憶更新処理(図295)又は第2特別図柄記憶更新処理(図296)に復帰する。一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
ステップS74:主制御CPU72は、大当り図柄種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(図295中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図296中のステップS45)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、ステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果からいずれの当選図柄に該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS78に進む。
ステップS78:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットする。特別図柄先判定値は、例えば「時間短縮状態に移行しない図柄」に該当する場合は「00H」がセットされ、「時間短縮状態に移行する図柄」に該当する場合は「01H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
ステップS79:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段、先読み処理実行手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り時の変動時間について、上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、例えば大当り時のリーチ変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(図295)又は第2特別図柄記憶更新処理(図296)に復帰する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理(図293)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図298は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000~ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番~7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において大当り又は小当りの態様(非当選以外の態様)で特別図柄が停止表示された場合に選択される。なお、特別図柄の停止表示される態様に応じて、大当り遊技又は小当り遊技が開始される。
〔大当り遊技〕
例えば、特別図柄が10ラウンド大当りの態様で停止表示されると、大当り遊技(遊技者にとって有利な特別遊技)が実行される。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、第1大入賞口ソレノイド90が一定時間(例えば29秒間又は10個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば10回)にわたって励磁され、これにより第1可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に第1可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に第1可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で10回あれば、これらを「10ラウンド」と総称することがある。本実施形態では、10ラウンド大当りについては、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられている。なお、大当りの種類として10ラウンド大当りだけでなく、その他のラウンド数の大当りを設けてもよい。
また、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の第1可変入賞装置30の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また、主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図293中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(時間短縮状態)を変化させる(時間短縮状態移行手段、有利状態移行手段)。「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、普通図柄の作動抽選の抽選確率が通常確率(低確率)から高確率に設定され、また、普通図柄の変動時間が短縮されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長されて開放回数が増加する(いわゆる電チューサポートが行われる)。なお、いわゆる2種遊技機の要素を含む遊技機(例えば、1種2種混合機や2種遊技機、すなわち、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過することによって大当り遊技が実行される遊技機)においては、普通図柄の作動抽選の当選確率を高確率状態に移行させないようにしてもよい。この場合、普通図柄の作動抽選の当選確率は、時間短縮機能の作動の有無に関わらずに一定の確率(例えば略1分の1)とし、可変始動入賞装置28の開放パターンで入賞の容易さと困難さを調整することができる。
〔小当り〕
また、本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当りの遊技が行われて第2可変入賞装置31が開閉動作する(特例遊技実行手段)。例えば、特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、小当り遊技(遊技者にとって有利な特殊遊技)が実行される。小当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、第2大入賞口ソレノイド97が一定時間(例えば1.8秒間又は10個の入賞をカウントするまで)、予め設定された作動回数(例えば1回又は複数回)にわたって励磁され、これにより第2可変入賞装置31が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の作動)。この間に第2可変入賞装置31に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、ある程度の賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。
また、小当り遊技中の可変入賞装置管理処理においては、特定領域ソレノイド99が一定時間(例えば1.6秒間)、予め設定された作動回数(例えば1回)にわたって励磁され、これにより特定領域用スライド部材31cが決まったパターンで開閉動作する。この間に特定領域31xに遊技球を通過させることで、遊技者には、大当り遊技を開始する機会が与えられる。すなわち、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過するか否かで、可変入賞装置管理処理において大当り遊技を開始するか否かが決定される。本実施形態では、小当りについては、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられており、遊技球が特定領域31xを通過すると、当選種類に応じた大当り遊技が開始される。
また、特定領域31xを遊技球が通過せずに小当りの遊技が終了しても、「時間短縮機能」が作動することもないので、「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。なお、「時間短縮状態」で小当りに当選した場合には、その小当り遊技終了後に「時間短縮状態」が終了するようにしてもよい。
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、複数の当選種類として「10ラウンド大当り1~6」が設けられている。「10ラウンド大当り1~4」は、特別図柄が大当りの態様で停止表示した際に開始され、「10ラウンド大当り5,6」は、特別図柄が小当りの態様で停止表示し、かつ、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過した際に開始される。なお、「10ラウンド大当り5,6」によって大当りが実行される場合(小当り経由で大当りが実行される場合)、1ラウンド目では第2可変入賞装置31が作動し、残りのラウンドでは第1可変入賞装置30が作動する。
上記の当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「10ラウンド大当り1」は「第1当選図柄」の大当りに対応し、「10ラウンド大当り2」は「第2当選図柄」の大当りに対応する。また、「10ラウンド大当り3」は「第3当選図柄」の大当りに対応し、「10ラウンド大当り4」は「第4当選図柄」の大当りに対応する。さらに、「10ラウンド大当り5」は「第5当選図柄」の小当り(特定領域31x通過時の大当り)に対応し、「10ラウンド大当り6」は「第6当選図柄」の小当り(特定領域31x通過時の大当り)に対応する。このため以下では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔第1当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が「第1当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第1当選図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。また、第1大入賞口30bは、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される(以下、同様)。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=1回又は10回)。
〔第2当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が「第2当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第2当選図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」は作動しない。
〔第3当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第3当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第3当選図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=1回又は10回)。
〔第4当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第4当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第4当選図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」は作動しない。
〔第5当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第5当選図柄」の態様で停止表示されると、小当り遊技が実行され、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過すると、小当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。この場合、2ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第5当選図柄」に該当した場合の大当り遊技は、9ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=1回又は10回)。
〔第6当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第6当選図柄」の態様で停止表示されると、小当り遊技が実行され、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過すると、小当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。この場合、2ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第6当選図柄」に該当した場合の大当り遊技は、9ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」は作動しない。
このように、本実施形態では、「第1当選図柄」、「第3当選図柄」又は「第5当選図柄」に該当した場合、大当り遊技終了後に「時間短縮状態」に移行する可能性がある。
なお、このように内部抽選で小当りに当選し、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に当選図柄の種類に応じて時間短縮状態に移行する遊技機は、いわゆる1種2種混合タイプの遊技機と呼ばれている。
〔特別図柄変動前処理〕
図299は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図293中のステップS212)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお、復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)を取得した順に読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。本実施形態では、RAM76の乱数記憶領域に記憶された(取得された)順に乱数が読み出される(入賞順消化)。なお、このような特別図柄別の入賞順消化の制御ではなく、第2特別図柄の消化を優先する優先消化の制御であってもよい。また、この処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち、乱数のシフトを行った方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図293中のステップS210)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図300は、上記の特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動前処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」より大であった場合(図299中のステップS2100:Yes)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:主制御CPU72は、乱数記憶領域を参照して、最も古い記憶が第2特別図柄に対応するものであるか否かを確認する。この確認は、RAM76の乱数記憶領域の第1セクションに、第2特別図柄に対応する乱数が記憶されているか否かを確認することにより実現することができる。このとき、最も古い記憶が第2特別図柄に対応するものであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2212を実行する。
ステップS2212:主制御CPU72は、対象特別図柄として第2特別図柄を指定する。この指定は、例えば対象図柄指定値として「02H」をセットすることで行われる。
ステップS2214:一方、最も古い記憶が第2特別図柄に対応するものであることを確認できない場合(ステップS2210:No)、すなわち、最も古い記憶が第1特別図柄に対応するものである場合、主制御CPU72は対象特別図柄として第1特別図柄を指定する。この場合の指定は、例えば対象図柄指定値として「01H」をセットすることで行われる。
ステップS2216:主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
ステップS2218:次いで主制御CPU72は、対象特別図柄について作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、今回の対象特別図柄が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(-1)する。
ステップS2220:そして、主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から「変動開始時作動記憶数」を設定する。なお、ここでは第1特別図柄と第2特別図柄の両方について、作動記憶カウンタの値を加算した上で「変動開始時作動記憶数」を設定してもよい。
ステップS2222:また、主制御CPU72は、対象特別図柄が第2特別図柄であるか否かを確認する。
ステップS2224:対象特別図柄が第2特別図柄であった場合(ステップS2222:Yes)、主制御CPU72は第2特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」~「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。つまり、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」~「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」~「1」(コマンド表記は「13H」~「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」~「0」(コマンド表記は「12H」~「10H」)となったことを表している。なお、上記の先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS2226:なお、今回の対象特別図柄が第1特別図柄であった場合(ステップS2222:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。この場合のコマンドは、先行値が第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BBH」)となる以外は上記と同じである。
ステップS2228:そして、主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2224又はステップS2226でセットした作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図299)に復帰する。
〔図299:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(第1抽選実行手段、第2抽選実行手段、抽選実行手段)。このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(第1抽選実行手段、第2抽選実行手段、抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。「小当り」は、第2可変入賞装置31のみを作動させる条件を満たすものとして位置付けられている(条件装置を作動させる条件は満たさない)。さらに、「小当り」中に遊技球が特定領域31xを通過すると、「大当り」に発展させるものとして位置付けられている(条件装置を作動させる条件を満たす)。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
本実施形態では、第1特別図柄抽選においては、大当りの当選確率が319分の1に設定され、小当りには当選しない設定になっている。なお、第1特別図柄抽選において、小当りに当選するようにしてもよい。また、第2特別図柄抽選においては、大当りに当選する確率は319分の1に設定され、小当りに当選する確率は319分の318(=略1/1)に設定され、はずれには該当しないようになっている。なお、第2特別図柄抽選において、はずれに該当するようにしてもよい。したがって、第2特別図柄抽選においては、大当りよりも小当りに当選しやすくなっている。これらの大当りの当選確率や小当りの当選確率を満たすべく、大当り値の範囲や小当り値の範囲が主制御CPU72により設定され、読み出した乱数値と比較される。
また、主制御CPU72は、非時間短縮状態(所定の遊技状態)において、第1特別図柄の抽選契機(第1抽選契機)よりも発生しにくい第2特別図柄の抽選契機(第2抽選契機)が発生すると、第2特別図柄抽選(第2抽選)を実行する(第2抽選実行手段)。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図293中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「-」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、図示しない変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、はずれ時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン選択手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。変動パターンには、通常変動(非リーチ変動)、リーチ変動、スーパーリーチ変動等といった様々な変動パターンが含まれている(大当り時や小当り時も同様)。なお、選択された特別図柄の変動パターンに関する情報は、特殊変動であるか否かという情報も含めて変動パターンコマンドとして演出制御装置に送信される(大当り時や小当り時についても同様である。)。
ここで、はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。また、「時間短縮状態」でなくとも、リーチ演出を実行する変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個~3個)」に基づいて短縮される場合がある(例えば、変動表示開始時作動記憶数0個→12.5秒程度、変動表示開始時作動記憶数1個→8秒程度、変動表示開始時作動記憶数2個→5秒程度、変動表示開始時作動記憶数3個→2.5秒程度)。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。そして、主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、4種類の当選図柄が用意されている。第1特別図柄に関する内訳は、「第1当選図柄」又は「第2当選図柄」であり、第2特別図柄に関する内訳は、「第3当選図柄」又は「第4当選図柄」である。なお、これらの当選図柄の各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば、「第1当選図柄」であれば、「第1当選図柄A」、「第1当選図柄B」、「第1当選図柄C」、・・・といった具合である。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の選択比率が異なっている。このため主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであるか、第2特別図柄に対応するものであるかによって選択する当選図柄を区別している。
〔第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図301は、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、この第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「52」,「48」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第1当選図柄」、「第2当選図柄」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する大当り時において、「第1当選図柄」が選択される割合は100分の52(=52%)であり、「第2当選図柄」が選択される割合は100分の48(=48%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。
いずれにしても、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」,「02H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「第1当選図柄」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第1当選図柄」に該当した場合、通常中(非時間短縮状態)であるか時短中(時間短縮状態)であるかに関わらず、時短回数は1回(又は10回)付与される。
また、「第2当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は0回付与される(付与されない)。なお、時短回数は、上記の値に限定されることなく2回以上(11回以上)であってもよい。
ここで、「1回(又は10回)」とは、第2特別図柄の合計変動回数が1回となるか、第1特別図柄及び第2特別図柄の合計変動回数が10回となると、時間短縮状態が終了することを意味している。
〔第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図302は、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、この第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「100」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第3当選図柄」、「第4当選図柄」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する大当り時において、「第3当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)であり、「第4当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)である。
今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「第3当選図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第3当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は1回(又は10回)付与される。
また、「第4当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は0回付与される(付与されない)。
〔図299:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、大当り時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「第1当選図柄」又は「第3当選図柄」である場合、主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域にある遊技状態フラグとしての時間短縮機能作動フラグをON(01H)にセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段、有利状態移行手段)。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、時間短縮状態に移行する当選図柄で当選すると(所定の条件が満たされると)、非時間短縮状態(第1状態)よりも有利な時間短縮状態(第2状態)に移行可能とする(有利状態移行手段)。
また、ステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時停止図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお、本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。また、本実施形態では第1特別図柄に関しては小当りが設定されておらず、第2特別図柄に関してのみ設定されている。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では小当り時に選択的に決定される当選図柄として、2種類の当選図柄が用意されている。2種類の内訳は、「第5当選図柄」及び「第6当選図柄」である。なお、これらの当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば、「第5当選図柄」であれば、「第5当選図柄A」、「第5当選図柄B」、「第5当選図柄C」、・・・といった具合である。
〔第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブル〕
図303は、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、この第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「50」,「50」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第5当選図柄」、「第6当選図柄」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する小当り時においては、「第5当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)であり、「第6当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)である。
今回の小当りの結果、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の小当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「03H」,「04H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の小当りの結果、当選図柄として「第5当選図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H03H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての小当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、小当り遊技中に特定領域31xを遊技球が通過して大当り遊技が開始され、その大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第5当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は1回(又は10回)付与される。
また、「第6当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は0回付与される(付与されない)。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル、及び、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルを用いることにより、主制御CPU72は、非時間短縮状態又は時間短縮状態で「第1当選図柄」、「第3当選図柄」又は「第5当選図柄」に該当した場合(第5当選図柄については大当り遊技が実行された場合に限る。)には、時間短縮状態への移行条件が満たされるものとすることができる(移行条件設定手段)。
〔図299:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2408:次に主制御CPU72は、変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、小当り時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン選択手段)。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。本実施形態では小当りは第2特別図柄抽選にのみ設定されており、小当り時には小当り時用の変動時間を有する変動パターンが選択される。なお、第1特別図柄抽選に小当りを設定してもよい。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図298:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして、主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また、特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図299中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドを生成する。図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に図304は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100a:主制御CPU72は、図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。なお、本処理は、特別図柄の停止表示時間中に1回だけ実行することが好ましい。また、特別図柄の変動中に変動中フラグをONに設定している場合には、主制御CPU72は、本処理で図柄変動中フラグをOFFに設定することができる。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして、主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図298中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、停止表示時間終了コマンドを生成する。停止表示時間終了コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。なお、「停止表示時間終了コマンド」とは、特別図柄の停止表示時間が終了(経過)したことを示すコマンドである。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「可変入賞装置管理処理」に設定する。なお、主制御CPU72は、本処理にて各種機能を非作動に設定する処理を実行する。具体的には、時間短縮機能を非作動とする。これにより、特別遊技(大役)が開始される前には、通常状態(非時間短縮状態)に移行されることになる。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして、小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4608:主制御CPU72は、特殊変動回数更新処理を実行する。この処理では、第1特別図柄の特殊変動回数、及び、第2特別図柄の特殊変動回数が両方とも0である場合、何も処理を実行しない。一方、第1特別図柄の特殊変動回数が1以上である場合であって、第1特別図柄が停止した場合、第1特別図柄の特殊変動回数をデクリメント(-1)する処理を実行する。また、第2特別図柄の特殊変動回数が1以上である場合であって、第2特別図柄が停止した場合、第2特別図柄の特殊変動回数をデクリメント(-1)する処理を実行する。第1特別図柄の特殊変動回数、及び、第2特別図柄の特殊変動回数は、大当り遊技の開始時にリセットされる。なお、第1特別図柄の特殊変動回数や、第2特別図柄の特殊変動回数が0であるか1以上であるかに関わらず、本処理を実行した場合、主制御CPU72は、第1特別図柄の特殊変動回数や、第2特別図柄の特殊変動回数の値を反映させた特殊変動回数指定コマンドを演出制御装置に送信することができる。
ステップS4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「時間短縮状態」に関するカウンタ値がRAM76の時短カウント領域にセットされている。本実施形態では、いわゆる回数切りの時間短縮機能を採用しており、「時間短縮状態」に移行させる場合、時間短縮状態に関する第1回数切りカウンタ値(第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の時短回数)は所定の数値(例えば10回)に設定され、時間短縮状態に関する第2回数切りカウンタ値(第2特別図柄の時短回数)は規定の数値(例えば1回)に設定される。なお、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値の情報は、回数切りカウンタコマンドによって演出制御装置124に通知(送信)される。
なお、時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値は、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値といったように2つのカウンタ値を設けずに、1つのカウンタ値だけで時間短縮状態を制御してもよい。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値(第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値)が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。具体的には、第2特別図柄の停止表示中である場合には、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値を両方ともデクリメントし、第1特別図柄の停止表示中である場合には、第1回数切りカウンタ値だけをデクリメントする。
ステップS4640:そして、主制御CPU72は、いずれかの回数切りカウンタ値(第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値)の減算結果が0であるか否かを判断する。減算の結果、いずれの回数切りカウンタ値も0でない場合(No)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、いずれかの回数切りカウンタ値が0である場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。本実施形態では、時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値は所定の数値(例えば1回又は10回)に設定される。時間短縮状態で1回の第2特別図柄のはずれ変動(特定領域未通過となった場合はその際の小当り変動を含む。)が実行されると、時間短縮機能作動フラグがリセットされる。一方、時間短縮状態で9回の第1特別図柄のはずれ変動が実行されても、時間短縮機能作動フラグはリセットされず、その後さらに時間短縮状態で1回の第1特別図柄又は第2特別図柄のはずれ変動が実行されると、時間短縮機能作動フラグがリセットされる。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態が終了する。なお、時間短縮機能作動フラグは、特別図柄の停止表示時間が経過した際にリセットする例で説明しているが、特別図柄の変動時間終了時(停止表示時間計測開始前)にリセットしてもよい。
そして、以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理に復帰する。
このように、時間短縮状態の終了条件(所定の終了条件)は、時間短縮状態に移行してからの第2特別図柄の変動回数が第1回数(例えば1回)に到達した場合、又は、時間短縮状態に移行してからの第1特別図柄の変動回数及び第2特別図柄の変動回数を合計した合計変動回数が第1回数よりも大きい第2回数(例えば10回)に到達した場合に満たされる条件となっている。
図305は、変動パターンテーブルの一覧を示す図である。
変動パターンテーブルには、7個の変動パターンテーブルA~Gが含まれている。
主制御CPU72は、遊技状態に応じて、7個の変動パターンテーブルA~Gのいずれかの変動パターンテーブルを選択可能とする。各変動パターンテーブルには、1又は複数の変動パターンが含まれている。例えば、変動パターンテーブルAが選択された場合、第1特別図柄と第2特別図柄とで、選択される変動パターンが異なることもある。この点は、他の変動パターンテーブルでも同様である。なお、図中の「遊技状態」は、大当り遊技終了後の遊技状態(移行先の遊技状態)を示している。ただし、図中の「遊技状態」は、大当り遊技開始前の遊技状態(移行前の遊技状態)であってもよい。
変動パターンテーブルAは、遊技状態が「時短無し(非時間短縮状態)」の場合に選択される。具体的には、通常状態時に選択される。なお、RAMクリア後も、本テーブルが選択される。
変動パターンテーブルBは、遊技状態が「時短無し」の場合に選択される。具体的には、通常状態時に選択される。変動パターンテーブルAと、変動パターンテーブルBとの違いは、変動パターンテーブルBが、時間短縮状態が終了した後の規定変動数以内で(例えば30変動まで)選択されるテーブルとなっている点である。変動パターンテーブルBは、いわゆる即止め防止のテーブルである。
変動パターンテーブルCは、遊技状態が「時短有り(時間短縮状態)」の場合に選択される。具体的には、通常状態時の時短有り図柄当選時(「第1当選図柄」又は「第3当選図柄」の当選時)に、第1特別図柄が1~4、6~9変動した場合に選択される。本テーブルでは、第1特別図柄については、変動時間が短い変動パターン(例えば、1秒変動)が設定されており、第2特別図柄については、変動時間が長い変動パターン(例えば、120秒変動)が設定されている。
変動パターンテーブルDは、遊技状態が「時短有り」の場合に選択される。具体的には、時短状態時に選択される。本テーブルでは、第1特別図柄については、変動時間が長い変動パターン(例えば、90秒変動)が設定されている。
変動パターンテーブルEは、遊技状態が「時短無し」の場合に選択される。具体的には、通常状態時(残り1回=時間短縮状態終了後の第2特別図柄の1変動分の変動時)に選択される。本テーブルでは、第2特別図柄については、変動時間が長い変動パターン(例えば、120秒変動)が設定されている。
変動パターンテーブルFは、遊技状態が「時短無し」の場合に選択される。具体的には、変動パターンテーブルBの最終変動時に選択される。
変動パターンテーブルGは、遊技状態が「時短有り」の場合に選択される。具体的には、通常状態時の時短有り図柄当選時に、第1特別図柄が5、10変動した場合に選択される。本テーブルでは、第1特別図柄については、変動時間が長い変動パターン(例えば、13.5秒変動)が設定されている。
図306は、非時間短縮状態からの大当りで大当り遊技の変動が第1特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。
ここで、図中の「時短回数」は、第1回数切りカウンタ値(第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の時短回数)に設定する値を示している(図308においても同様)。
〔No1〕
「当選図柄」が「第1当選図柄(第1特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~4」、「6~9」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルC」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「5」、「10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルG」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No2〕
「当選図柄」が「第2当選図柄(第1特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No3〕
「当選図柄」が「第3当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No4〕
「当選図柄」が「第4当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No5(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No5(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
図307は、非時間短縮状態からの大当りで大当り遊技後の変動が第2特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。
なお、本実施形態では、第2特別図柄が変動した時点で大当り又は小当りとなるので、2変動目以降の特殊変動テーブルは存在しない。
ここで、図中の「第2特別図柄の時短回数」は、第2回数切りカウンタ値(第2特別図柄だけの時短回数)に設定する値を示している(図309においても同様)。
〔No1〕
「当選図柄」が「第1当選図柄(第1特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルC」となる。
〔No2〕
「当選図柄」が「第2当選図柄(第1特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
〔No3〕
「当選図柄」が「第3当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No4〕
「当選図柄」が「第4当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
〔No5(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No5(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
〔No6(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
図308は、時間短縮状態からの大当りで大当り遊技の変動が第1特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。
〔No1〕
「当選図柄」が「第1当選図柄(第1特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No2〕
「当選図柄」が「第2当選図柄(第1特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~5」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「6~19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No3〕
「当選図柄」が「第3当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No4〕
「当選図柄」が「第4当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~5」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「6~19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No5(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No5(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~5」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「6~19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
図309は、時間短縮状態からの大当りで大当り遊技後の変動が第2特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。
なお、図307と同様に、本実施形態では、第2特別図柄が変動した時点で大当り又は小当りとなるので、2変動目以降の特殊変動テーブルは存在しない。
〔No1〕
「当選図柄」が「第1当選図柄(第1特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No2〕
「当選図柄」が「第2当選図柄(第1特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
〔No3〕
「当選図柄」が「第3当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No4〕
「当選図柄」が「第4当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
〔No5(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No5(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
〔No6(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、連荘状態(第2状態)に移行して大当り遊技が実行される前は、連荘状態の第1特別図柄の変動時間(例えば1秒)を、非時間短縮状態(第1状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば2秒以上120秒未満)よりも相対的に短くすることを可能とする(変動時間決定手段)。
また、このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、連荘状態(第2状態)に移行して大当り遊技が実行された後は、連荘状態(第2状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば120秒以上)を、非時間短縮状態(第1状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば120秒未満)よりも相対的に長くすることを可能とする(変動時間決定手段)。
さらに、このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、第2特別図柄抽選(第2抽選)で当選して連荘状態に移行した際の第1特別図柄の変動時間(変動パターンテーブルD)を、第1特別図柄抽選(第1抽選)で当選して連荘状態に移行した際の第1特別図柄の変動時間(変動パターンテーブルC)よりも相対的に長くすることを可能とする(変動時間決定手段)。
このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、連荘状態(第2状態)に移行して大当り遊技が実行される前は、連荘状態の第1特別図柄の変動時間(例えば1秒)が、非時間短縮状態(第1状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば2秒以上120秒未満)よりも相対的に短くなるように変動時間を決定可能とする(変動時間決定手段)。
また、このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、連荘状態(第2状態)に移行して大当り遊技が実行された後は、連荘状態(第2状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば120秒以上)が、非時間短縮状態(第1状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば120秒未満)よりも相対的に長くなるように変動時間を決定可能とする(変動時間決定手段)。
さらに、このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、第2特別図柄抽選(第2抽選)で当選して連荘状態に移行した際の第1特別図柄の変動時間(変動パターンテーブルD)が、第1特別図柄抽選(第1抽選)で当選して連荘状態に移行した際の第1特別図柄の変動時間(変動パターンテーブルC)よりも相対的に長くなるように変動時間を決定可能とする(変動時間決定手段)。
〔表示出力管理処理〕
次に図310は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図293中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値に応じて時短状態表示ランプ38eの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38eに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。さらに、主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスに応じて発射位置指定表示ランプ38fの点灯を制御する。例えば、大当り遊技又は小当りの遊技により第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31が作動状態となる場合、主制御CPU72は発射位置指定表示ランプ38fに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。また、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は上記の時短状態表示ランプ38eに加えて、発射位置指定表示ランプ38fに対応するLEDに対しても点灯信号を出力する。なお、発射位置指定表示ランプ38fは、大当り遊技を経て「時間短縮状態」に移行する場合、大当り遊技開始から「時間短縮状態」が終了するまで点灯し、「時間短縮状態」の終了により非点灯(OFF)となる。
主制御CPU72は、左打ち状態であるか右打ち状態であるかを示す発射位置指定フラグ(0=左打ち状態、1=右打ち状態)によって発射位置を管理し、任意のタイミングで発射位置指定フラグの内容を含む発射位置指定コマンドを演出制御装置に送信することができる。ここで、演出制御装置に右打ち報知ランプが接続されている場合には、演出制御装置は、発射位置指定コマンドに基づいて右打ち報知ランプの点灯態様を制御することができる。非時間短縮状態は左打ち状態であり、時間短縮状態は右打ち状態である。大当り遊技中や小当り遊技中は、基本的には右打ち状態であるが、それぞれのエンディング時間中(終了時間中)は左打ち状態としてもよい。
時間短縮状態は、時間短縮状態での最終変動(はずれ変動、小当り変動又は大当り変動)の変動終了時(停止表示時間の開始時)に終了させることができる。この場合、時間短縮状態での最終変動の停止表示時間を最終変動以外の停止表示時間(0.5秒)よりも長い時間(15.0秒)に設定することができる。なお、時間短縮状態は、時間短縮状態での最終変動の停止表示時間の終了時に終了させてもよい。
また、主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38bの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38bのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数ステータスの値で指定された大当り図柄に対応するいずれかの表示ランプ38a,38bである。例えば、連続作動回数ステータスの値が「10ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「10ラウンド(10R)」を表すランプ38aに対して点灯信号を出力する。また、本実施形態では、10ラウンド大当り以外の大当りが存在しないが、10ラウンド大当り以外の大当りとして、例えば4ラウンド大当りが存在しており、連続作動回数ステータスの値が「4ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「4ラウンド(4R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。なお、本実施形態のように、大当りとして1種類の大当りしかない場合(10ラウンド大当りしかない場合)、大当り種別表示ランプを点灯させなくてもよい。
〔可変入賞装置管理処理〕
次に、可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図311は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200~ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大入賞口開放パターン設定処理〕
図312は、大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時又は小当り時にそれぞれ第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5202:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。この確認の結果、大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5203を実行する。一方、大当りフラグの値(01H)がセットされていない場合(No)、すなわち、小当りフラグの値(01H)がセットされている場合、主制御CPU72は次にステップS5204を実行する。
ステップS5203:主制御CPU72は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理を実行する。この処理では、大当り時図柄別開放パターン設定テーブルに基づいて、大当り時の当選図柄に対応した大入賞口の開放パターンを設定するものである。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5205を実行する。
ステップS5204:主制御CPU72は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理を実行する。この処理では、小当り時図柄別開放パターン設定テーブルに基づいて、大入賞口の開放パターンを設定するものである。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5205を実行する。
ステップS5205:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔大当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図313は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5210:主制御CPU72は、条件装置及び役物連続作動装置を作動させる。ここで、「条件装置」とは、その作動が役物連続作動装置の作動に必要な条件とされる装置であり、「役物連続作動装置」とは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を連続して作動させることができる装置である。なお、「条件装置」や「役物連続作動装置」は制御上のフラグとすることもできる。したがって、この条件装置が作動していない限り、大当り遊技において第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31は作動しないことを表している。主制御CPU72は次にステップS5212を実行する。
ステップS5212:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、大当り図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、第1当選図柄に該当した場合、連続作動回数ステータスには「10ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5214を実行する。
ステップS5214:主制御CPU72は、大当り時図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時図柄別開放パターン設定テーブルを参照し、特別図柄に関する当選図柄の種類に対応した開放パターンを選択する。ここで、開放パターンとは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を作動させる設定を表し、例えば、実行ラウンド数、開放時間、インターバル時間等の設定を表している。主制御CPU72は次にステップS5216を実行する。
〔大当り時図柄別開放パターン設定テーブル〕
図314は、大当り時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この大当り時図柄別開放パターン設定テーブルは、特別図柄に関する異なる当選図柄別に、ラウンドごとの作動させる可変入賞装置(第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31)の開閉動作パターンを定めたものである。具体的には、当選図柄別に以下の大入賞口の開放パターンが定められている。
〔第1当選図柄〕
第1当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドであり、その内の10ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第1当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される(ただし、上限個数の入球が確認されると閉鎖される。以下、同様。)。したがって、第1当選図柄に該当した場合は、実質的に10ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第2当選図柄〕
第2当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドであり、その内の10ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第2当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第2当選図柄に該当した場合は、実質的に10ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第3当選図柄〕
第3当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドであり、その内の10ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第3当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第3当選図柄に該当した場合は、実質的に10ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第4当選図柄〕
第4当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドであり、その内の10ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第4当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第4当選図柄に該当した場合は、実質的に10ラウンド分の出球を獲得することができる。
以上のように、主制御CPU72は、上記大当り時図柄別開放パターン設定テーブルを参照して当選図柄の種類に対応する大入賞口の開放パターンを設定する。
〔図313:大当り時大入賞口開放パターン設定処理を参照〕
ステップS5216:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中のラウンド毎(1ラウンド~最終ラウンド)に作動させる可変入賞装置の種類を第1可変入賞装置30に設定する。なお、本実施形態においては、全ての大当り時の当選図柄(第1当選図柄~第3当選図柄)に対応する開放パターンが1ラウンド~最終ラウンドで第1大入賞口30bが開放されるため、第1可変入賞装置30の作動が設定される。主制御CPU72は次にステップS5218を実行する。
ステップS5218:主制御CPU72は、実行ラウンド数を設定する。具体的には、主制御CPU72は当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンド数を設定する。例えば、10ランド大当りに対応する開放パターンの実行ラウンド数としては、10ラウンドが設定される。主制御CPU72は次にステップS5220を実行する。
ステップS5220:主制御CPU72は、大当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド毎に大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、大当り時の当選図柄(第1当選図柄~第3当選図柄)に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、ラウンド毎に設定される。例えば、第1当選図柄であった場合、出球有りのラウンドについては第1大入賞口30bを開放する開放時間が29.0秒に設定される。したがって、開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。なお、開放タイマの値として0.5秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が困難な時間となる。主制御CPU72は次にステップS5222を実行する。
ステップS5222:主制御CPU72は、大当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、全ての大当り時の当選図柄(第1当選図柄~第3当選図柄)に対応する開放パターンのインターバルタイマとして1.0秒が設定される。例えば、1ラウンド目と2ラウンド目の間の第1大入賞口30bの開放が終了し一旦閉鎖状態になった後、1.0秒間程度のインターバルタイマが設定される。主制御CPU72は次にステップS5224を実行する。
ステップS5224:主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の処理(ステップS5218)で設定された実行ラウンド数に基づいて生成することができる。例えば、第1当選図柄に該当した場合、実行ラウンド数は「10ラウンド」となるため、連続作動回数コマンドは「10ラウンド」を表す値を含むコマンドとして生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大入賞口開放パターン設定処理(図312)に復帰する。
〔小当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図315は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5252:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、小当り遊技中を表す状態コマンドを生成する。小当り遊技中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5254を実行する。
ステップS5254:主制御CPU72は、小当り時開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時開放パターン設定テーブルを参照し、開放パターンを選択する。ここで、開放パターンとは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を作動させる設定を表し、例えば、開放回数、開放時間、インターバル時間、特定領域31xの開放時間等の設定を表している。主制御CPU72は次にステップS5256を実行する。
〔小当り時開放パターン設定テーブル〕
図316は、小当り時開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この小当り時開放パターン設定テーブルは、可変入賞装置(第2可変入賞装置31)の開閉動作パターンを定めたものである。なお、本実施形態では、小当り時に設定される開放パターンは1つであるが、当選図柄別に複数規定してもよい。
小当りに該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第2可変入賞装置31である。また、第2可変入賞装置31の開放回数は2回であり、その1回の開放時間は0.9秒である。なお、インターバル時間は例えば1.0秒程度に設定される。
特定領域31xの開放開始時間(特定領域ソレノイド99をONにして特定領域用スライド部材31cを作動させるタイミング)は、第2可変入賞装置31の開放開始から0.2秒後である。
また、特定領域31xの開放終了時間(特定領域ソレノイド99をOFFにして特定領域用スライド部材31cを非作動とするタイミング)は、第2可変入賞装置31の開放開始から1.8秒後である。
〔図315:小当り時大入賞口開放パターン設定処理を参照〕
ステップS5256:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は小当りに対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に作動させる可変入賞装置の種類を第2可変入賞装置31に設定する。主制御CPU72は次にステップS5258を実行する。
ステップS5258:主制御CPU72は、開放回数を設定する。具体的には、主制御CPU72は小当りに対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に実行する開放回数を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに対応する開放パターンの開放回数として2回が設定される。主制御CPU72は次にステップS5260を実行する。
ステップS5260:主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当り時に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、0.9秒が設定される。主制御CPU72は次にステップS5262を実行する。
ステップS5262:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、大入賞口の開放間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、インターバルタイマは所定時間(例えば1.0秒)に設定される。主制御CPU72は次にステップS5264を実行する。
ステップS5264:主制御CPU72は、特定領域31x(特定領域用スライド部材31c)の開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に特定領域31xの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、第2可変入賞装置31の開放開始から0.2秒後に特定領域31xが開放され、第2可変入賞装置31の開放開始から1.8秒後に特定領域31xが閉鎖される。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大入賞口開放パターン設定処理(図312)に復帰する。
〔大入賞口開閉動作処理〕
図317は、大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は主に、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5302:主制御CPU72は、現在の内部状態が「大役中」であるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファにアクセスし、制御上の内部状態フラグとして「大役中(大当り遊技中)」のフラグがセットされているか否かで、現在の内部状態が「大役中」であるか否かを確認する。なお、「大役中(大当り遊技中)」のフラグは、先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理中:ステップS5212)や後述する特定領域通過時処理中において主制御CPU72によりセットされる。この確認の結果、現在の内部状態が「大役中」である場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5306を実行する。一方、現在の内部状態が「大役中」ではない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5304を実行する。
ステップS5304:主制御CPU72は、第2大入賞口開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、第2大入賞口31bを開閉するために第2可変入賞装置31を作動させる(第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS5306:主制御CPU72は、第1大入賞口開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、第1大入賞口30bを開閉するために第1可変入賞装置30を作動させる(第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理(図311)に復帰する。
〔第2大入賞口開閉動作処理〕
図318は、第2大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5310:主制御CPU72は、主制御CPU72は、第2大入賞口31bを開放する。具体的には、第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第2可変入賞装置31が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。なお、本処理を実行した場合、主制御CPU72は、演出制御装置124に対して、小当り時のオープニングコマンドを送信することができる。小当り時のオープニングコマンドは、小当り中に1回だけ送信することが好ましい。
ステップS5312:主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図315中)のステップS5260やステップS5264)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。なお、この処理では、第2大入賞口31bの開放に関する開放タイマの他に、特定領域31xの開放に関する開放タイマ(開放開始時間、開放終了時間)についてのカウントダウンが行われる。主制御CPU72は次にステップS5314を実行する。
ステップS5314:主制御CPU72は、特定領域開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、特定領域31xを開閉するために特定領域用スライド部材31cを作動させる(特定領域ソレノイド99に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5316を実行する。
ステップS5316:主制御CPU72は、第2大入賞口31bの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理中の第2大入賞口31bについての開放タイマの値が0以下であるか否かを確認する。この確認の結果、第2大入賞口31bの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322を実行する。一方、第2大入賞口31bの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5318を実行する。
ステップS5318:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第2可変入賞装置31(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第2カウントスイッチ85から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。主制御CPU72は次にステップS5320を実行する。
ステップS5320:主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように小当り時の開放1回あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(No)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5310~ステップS5320の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5316で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5320でカウント数が所定数に達したことを確認すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322を実行する。なお、小当り時の開放は、開放タイマの値が短時間(例えば、1.8秒)に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5316で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5322:主制御CPU72は、第2大入賞口31bを閉鎖する。具体的には、第2大入賞口ソレノイド97に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより第2可変入賞装置31が開放状態から閉鎖状態に復帰する。主制御CPU72は次にステップS5324を実行する。
ステップS5324:主制御CPU72は、特定領域通過フラグがONであるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、特定領域通過フラグの値が01Hであるか否かにより、特定領域通過フラグがONであるか否かを確認する。この確認の結果、特定領域通過フラグがONである場合(Yes)、すなわち、小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過した場合、主制御CPU72は次にステップS5326を実行する。一方、特定領域通過フラグがONではない場合(No)、すなわち、小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過しなかった場合、主制御CPU72は次にステップS5327aを実行する。なお、特定領域通過フラグは、先の特定領域開閉動作処理(ステップS5314)の中でONに設定される可能性がある。
ステップS5326:主制御CPU72は、特定領域通過時処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過したことに基づき、条件装置や役物連続作動装置を作動させ、第1可変入賞装置30を連続作動させる処理、すなわち、大当り遊技を開始する処理を実行する(特殊遊技経由特別遊技実行手段、特別遊技実行手段)。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5328を実行する。
ステップS5327a:主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図315中)のステップS5262)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5327bに進む。なお、ここでは特に図示していないが、インターバル時間が経過するまでの間(インターバルタイマ値が0になるまでの間)、割り込み毎に主制御CPU72はステップS5327aから呼び出し元である可変入賞装置管理処理(図311)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5310からではなく直にステップS5327aを実行する。
ステップS5327b:主制御CPU72は、第2大入賞口開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、第2大入賞口開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5327c:主制御CPU72は、インクリメント後の第2大入賞口開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「1回の小当り中に第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、特にこのような開放パターンを採用していない場合には、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されているため、1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5328に進むことになる。
一方、「1回の小当り中に第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンを採用している場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5310~ステップS5327bまでの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5327bで開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(ステップS5327c;Yes)、主制御CPU72は次にステップS5328を実行する。
ステップS5328:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、大入賞口開閉動作処理(図317)に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔特定領域開閉動作処理〕
図319は、特定領域開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5330:主制御CPU72は、特定領域31xの開放時間が開始されたか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はカウントダウン処理(ステップS5312)においてカウントダウンされていた特定領域31xの開放に関する開放開始時間についての開放タイマの値が0であるか否かを確認することで、特定領域31xの開放時間が開始されたか否かを確認する。この確認の結果、特定領域31xの開放時間が開始された場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5332を実行する。一方、特定領域31xの開放時間が開始されていない場合(No)、又は、すでに開放されている場合、主制御CPU72は次にステップS5334を実行する。
ステップS5332:主制御CPU72は、特定領域31xを開放する。具体的には、特定領域ソレノイド99に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、特定領域用スライド部材31cが作動して特定領域31xが閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5334を実行する。
ステップS5334:主制御CPU72は、遊技球が特定領域31xを通過したか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76の記憶領域にアクセスし、特定領域予備フラグがONになっているか否かを確認する。この確認の結果、特定領域予備フラグがONになっていて、遊技球が特定領域31xを通過したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5336を実行する。一方、特定領域予備フラグがOFFになっていて、遊技球が特定領域31xを通過していないことを確認した場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5338を実行する。
ステップS5336:主制御CPU72は、特定領域通過フラグをONにセットする。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、特定領域通過フラグの値を01Hに設定する。主制御CPU72は次にステップS5338を実行する。なお、特定領域通過フラグや特定領域予備フラグは大当り遊技の終了時にリセットされる。
ステップS5338:主制御CPU72は、特定領域31xの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はカウントダウン処理(ステップS5312)においてカウントダウンされていた特定領域31xの開放に関する開放タイマの値が0であるか否かを確認することで、特定領域31xの開放時間が終了したか否かを確認する。この確認の結果、特定領域31xの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5340を実行する。一方、特定領域31xの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図318)に復帰する。
ステップS5340:主制御CPU72は、特定領域31xを閉鎖する。具体的には、特定領域ソレノイド99に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、特定領域用スライド部材31cが開放状態(作動状態)から閉鎖状態(非作動状態)に復帰する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図318)に復帰する。
〔特定領域通過時処理〕
図320は、特定領域通過時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5350:主制御CPU72は、小当りフラグをリセットする。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、小当りフラグの値を00Hにリセットする。主制御CPU72は次にステップS5352を実行する。
ステップS5352:主制御CPU72は、小当り遊技を終了させる。具体的には、主制御CPU72は内部状態フラグから「小当り遊技中」を消去し、制御処理上で小当り遊技を終了する(小当り終了)。主制御CPU72は次にステップS5354を実行する。
ステップS5354:主制御CPU72は、条件装置及び役物連続作動装置を作動させる。これにより、第1可変入賞装置30を連続して作動させることができ、大当り遊技を開始できることとなる。主制御CPU72は次にステップS5356を実行する。
ステップS5356:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、当選図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、第1当選図柄に該当した場合、連続作動回数ステータスには「10ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5358を実行する。
ステップS5358:主制御CPU72は、特定領域通過時図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルを参照し、小当りに該当した際の当選図柄の種類に対応した開放パターンを選択する。主制御CPU72は次にステップS5360を実行する。
ステップS5360:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中のラウンド毎(2ラウンド~最終ラウンド)に作動させる可変入賞装置の種類を第1可変入賞装置30に設定する。主制御CPU72は次にステップS5362を実行する。
ステップS5362:主制御CPU72は、実行ラウンド数を設定する。具体的には、主制御CPU72は小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンド数を設定する。例えば、第5当選図柄に対応する開放パターンの実行ラウンド数としては「10ラウンド」が設定される。主制御CPU72は次にステップS5364を実行する。
ステップS5364:主制御CPU72は、大当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド毎に大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄(第4当選図柄~第6当選図柄)に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、ラウンド毎に設定される。例えば、第4当選図柄であった場合、出球有りのラウンドについては第1大入賞口30bを開放する開放時間が29.0秒に設定される。したがって、開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。なお、開放タイマの値として0.5秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が困難な時間となる。主制御CPU72は次にステップS5366を実行する。
ステップS5366:主制御CPU72は、大当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに該当した際の当選図柄に対応する開放パターンのインターバルタイマとして1.0秒が設定される。例えば、2ラウンド目と3ラウンド目の間の第1大入賞口30bの開放が終了し一旦閉鎖状態になった後、1.0秒間程度のインターバルタイマが設定される。主制御CPU72は次にステップS5368を実行する。
ステップS5368:主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の処理(ステップS5362)で設定された実行ラウンド数に基づいて生成することができる。例えば、第5当選図柄に該当した場合、実行ラウンド数は「10ラウンド」となるため、連続作動回数コマンドは「10ラウンド」を表す値を含むコマンドとして生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5370を実行する。
ステップS5370:主制御CPU72は、特定領域通過時図柄別時間短縮機能設定処理を実行する。この処理では、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が「第5当選図柄」である場合、主制御CPU72は時間短縮機能作動フラグをONにセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段、有利状態移行手段)。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、時間短縮状態に移行する当選図柄で当選すると(所定の条件が満たされると)、非時間短縮状態(第1状態)よりも有利な時間短縮状態(第2状態)に移行可能とする(有利状態移行手段)。
ステップS5372:主制御CPU72は、特殊変動回数設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、当選図柄に応じて、第1特別図柄の特殊変動回数、及び、第2特別図柄の特殊変動回数を設定する。特殊変動回数の具体的な数値は、図306~図309において説明した通りである。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図318)の末尾のアドレスに復帰する。
〔特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブル〕
図321は、特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルは、小当りに該当した際の特別図柄に関する異なる当選図柄別に、ラウンドごとの第1可変入賞装置30の開閉動作パターンを定めたものである。具体的には、当選図柄別に以下の大入賞口の開放パターンが定められている。
〔第5当選図柄〕
第5当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドである。なお、この実行ラウンド数には、小当りで開放された第2可変入賞装置31の作動が含まれているため、これから開始される大当り遊技では10ラウンドから1ラウンド分が減算された9ラウンドが実質的な大当り遊技でのラウンド数となる(以下の第6当選図柄でも同様)。そして、各ラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が第5当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、小当りでの第2可変入賞装置31の開放を1ラウンド目としているため、2ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第5当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合は、実質的に9ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第6当選図柄〕
第6当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンド(実質的な大当り遊技でのラウンド数は9ラウンド)である。そして、各ラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が第6当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、小当りでの第2可変入賞装置31の開放を1ラウンド目としているため、2ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第6当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合は、実質的に9ラウンド分の出球を獲得することができる。
以上のように、主制御CPU72は、上記特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルを参照して小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄の種類に対応する大入賞口の開放パターンを設定することとなる。
〔第1大入賞口開閉動作処理〕
図322は、第1大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5380:主制御CPU72は、主制御CPU72は、第1大入賞口30bを開放する。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第1可変入賞装置30が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5382を実行する。なお、本処理を実行した場合、主制御CPU72は、演出制御装置124に対して、大当り時のオープニングコマンドを送信することができる。大当り時のオープニングコマンドは、大当り中に1回だけ送信することが好ましい。
ステップS5382:主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図313中)のステップS5220、又は、特定領域通過時処理(図320中)のステップS5364)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。主制御CPU72は次にステップS5386を実行する。
ステップS5386:主制御CPU72は、第1大入賞口30bの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の第1大入賞口30bについての開放タイマの値が0以下であるか否かを確認する。この確認の結果、第1大入賞口30bの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5392を実行する。一方、第1大入賞口30bの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5388を実行する。
ステップS5388:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第1可変入賞装置30(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第1カウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。主制御CPU72は次にステップS5390を実行する。
ステップS5390:主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5380~ステップS5390の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5386で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5390でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5392を実行する。なお、開放タイマの値が短時間(例えば、0.5秒)に設定されている場合、通常、主制御CPU72はステップS5390でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5386で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5392:主制御CPU72は、第1大入賞口30bを閉鎖する。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより第1可変入賞装置30が開放状態から閉鎖状態に復帰する。主制御CPU72は次にステップS5394を実行する。
ステップS5394:主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図313中)のステップS5222、又は、特定領域通過時処理(図320中)のステップS5366)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5395に進む。なお、ここでは特に図示していないが、インターバル時間が経過するまでの間(インターバルタイマ値が0になるまでの間)、割り込み毎に主制御CPU72はステップS5394から呼び出し元である可変入賞装置管理処理(図311)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5380からではなく直にステップS5394を実行する。
ステップS5395:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5396:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で第1可変入賞装置30を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、本実施形態では、特にこのような開放パターンを採用していないので、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがって、通常は1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5398に進むことになる。
なお、上記のように1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用した場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5380~ステップS5390までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5395で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5398に進むことになる。
ステップS5398:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、大入賞口開閉動作処理(図317)に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大入賞口閉鎖処理〕
図323は、大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大入賞口閉鎖処理は、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5401:先ず主制御CPU72は、現在の遊技が大役(大当り遊技)中であるか否かを確認し、大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5402を実行する。
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。なお、小当り遊技中に特定領域31xを遊技球が通過し、小当りの終了後に大当り遊技が開始された場合、小当り時の第2大入賞口31bの開放を1ラウンド目として扱い、大当り遊技が開始される1回目のラウンドは2ラウンド目として扱われる。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1~15)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の14、又は、15)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図311中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402~ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達するまでの間、第1可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔小当り時〕
これに対し、小当りの場合は以下の手順となる(特例作動実行手段)。
ステップS5411:主制御CPU72は現在の遊技が大役中でないことを確認すると(ステップS5401:No)、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS5413:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図315中のステップS5258)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS5416を実行する。
ステップS5416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図311中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5401~ステップS5413(No)を経てステップS5416、ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際の開放回数が設定した開放回数に達するまでの間、第2可変入賞装置31の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS5413:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5414を実行する。
ステップS5414,ステップS5412:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔終了処理〕
図324は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。この終了処理は、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5501a:主制御CPU72は、終了時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は終了時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
ステップS5501b:次に主制御CPU72は、終了時間(エンディング時間)が経過したか否かを確認する。具体的には、終了時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は終了時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して可変入賞装置管理処理(図311)に復帰する。
この後、時間の経過に伴って終了時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は終了時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS5502以降の処理を実行する。
なお、終了時間に関しては、大当りと小当りとで別の時間を設定してもよい。
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認し、大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5503を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:この場合、主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また、主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で大当り遊技を終了する(大役終了)。なお、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値をリセットする。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値が01Hであるか(セットされているか)否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図299中のステップS2414)や、先の特定領域通過時処理中の特定領域通過時図柄別時間短縮機能設定処理(図320中のステップS5370)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、時間短縮機能作動フラグの値が01Hである場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時短回数(例えば1回(又は10回))を設定する。設定した時短回数の値は、上記のようにRAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時短回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。本実施形態では、時短回数を管理するために、2種類の時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値(第1回数切りカウンタ値、第2回数切りカウンタ値)が用意されている。ここで、第1回数切りカウンタ値は、第1特別図柄又は第2特別図柄が1回変動する度にデクリメントされる変数であり、初期値として「10」が設定される。また、第2回数切りカウンタ値は、第2特別図柄が1回変動する度にデクリメント(1減算)される変数であり、初期値として「1」が設定される。なお、時間短縮機能作動フラグの値が01Hでない場合(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512及びステップS5513を実行しない。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、時間短縮状態への移行条件が満たされた場合(所定の移行条件が満たされた場合、時間短縮状態に移行させる当選図柄で当選した場合)、大当り遊技の終了後に、非時間短縮状態(所定の遊技状態)から非時間短縮状態と比較して有利な条件が適用された(普通図柄抽選の変動時間が短縮され、可変始動入賞装置の開放時間が延長されている)時間短縮状態(有利遊技状態)に移行させることができる(有利遊技状態移行手段)。
ステップS5513:主制御CPU72は、特殊変動回数設定処理を実行する。この処理は、図320のステップS5372の処理と同様である。
ここまでの手順は大当りの場合であるが、小当りの場合(ステップS5502:No)は以下の手順が実行される。
ステップS5520,ステップS5522:小当りの場合、主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また、内部状態フラグから「小当り遊技中」を消去する。なお、小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS5514:そして、主制御CPU72は、フラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS5516:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図298中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔ゲームフロー(その1)〕
図325は、通常モードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
パチンコ機1で遊技を開始する場合、〔F1〕通常モード(公園モード)から遊技が開始される。「通常モード」は、「非時間短縮状態」である。
〔F1〕通常モードでの遊技中に、遊技球が中始動入賞口26に入球すると、〔F2〕第1特別図柄が変動する。
〔F3〕第1特別図柄抽選で「はずれ」となると、〔F1〕通常モードの状態からやり直しとなる。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F5〕第1当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。〔F8〕ドライブモードは、「時間短縮状態」である。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F7〕第2当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F9〕動物モードに移行する。〔F9〕動物モードは、「非時間短縮状態」である。なお、〔F9〕動物モードの変動パターンは、〔F1〕通常モードと異ならせてもよく、〔F1〕通常モードと同一であってもよい。
〔ゲームフロー(その2)〕
図326は、時間短縮状態のドライブモードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F8〕時間短縮状態のドライブモードでの遊技中に、遊技球が右始動入賞口28bに入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していると)、〔F12〕第2特別図柄が変動する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F14〕第3当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F15〕第4当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F20〕非時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率318/319)」となり、〔F17〕第5当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率318/319)」となり、〔F19〕第6当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F20〕非時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔ゲームフロー(その3)〕
図327は、非時間短縮状態のドライブモードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F20〕非時間短縮状態のドライブモードでの遊技中に、遊技球が右始動入賞口28bに入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していると)、〔F12〕第2特別図柄が変動する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F14〕第3当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F15〕第4当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F9〕動物モードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率318/319)」となり、〔F17〕第5当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率318/319)」となり、〔F19〕第6当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F9〕動物モードに移行する。
このように、本実施形態では、一旦、時間短縮状態(連荘状態)に突入すると、第2特別図柄の時短1回分の変動と、第2特別図柄の1個の記憶分とで、合計2回の当り(大当り又は小当り)の機会を得ることできる。そして、その2回の機会のいずれかで、時短付きの当選図柄で当選すると、再び、時間短縮状態(連荘状態)に復帰する遊技性となっている。
〔ゲームフロー(その4)〕
図328は、動物モードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F9〕動物モードでの遊技中に、遊技球が中始動入賞口26に入球すると、〔F2〕第1特別図柄が変動する。
〔F3〕第1特別図柄抽選で「はずれ」となり、このような「はずれ」が規定回数連続すると(例えば、15回の変動が実行されると)、〔F20〕規定変動経過となり、〔F1〕通常モードに移行する。なお、第1特別図柄抽選で「大当り」となった場合は、図325のゲームフローと同様の流れとなる。
〔演出画像の例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像について、いくつかの例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)を決定し、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、上記のように第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。同様に、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示の態様は、やはり7セグメントLED等による記号的な図案であり、やはり「当選図柄」としての視覚的なインパクトに乏しい。そこでパチンコ機1では、液晶表示器42を用いた変動表示演出及び停止表示演出が行われている。
本実施形態では、液晶表示器42に、演出図柄、マーカM1、マーカM2、第4図柄Z1,Z2、滞在モードに対応する背景画像、予告演出に関する画像等を表示している。
液晶表示器42に表示される演出図柄には、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される。各演出図柄には、数字の「1」~「9」が表示されている。ここで、左演出図柄、中演出図柄、及び右演出図柄は、いずれも数字が「9」~「1」の降順に並んだ図柄列(演出図柄配列)を構成している。このような図柄列は、それぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
図329及び図330は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、液晶表示器42を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄)が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果が表示されたことを表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔変動表示前〕
図329中(A):例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の中央の領域には3本の演出図柄の列が表示されている。このとき第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄も停止表示された状態にある。
また、液晶表示器42の下部左側の領域には、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数を表すマーカ(図中に参照符号M1,M2を付す)が表示されるものとなっている。これらマーカM1,M2は、それぞれの表示個数が対応する第1特別図柄、第2特別図柄の作動記憶数(第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示数)を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。また、マーカM1,M2は、視覚的な判別を容易にするため第1特別図柄に対応するマーカM1が例えば円(○)の図形で表示され、第2特別図柄に対応するマーカM2が例えばハートの図形で表示されている。なお、図示の例では、マーカM1が4つとも点灯表示されることで第1特別図柄の作動記憶数が4個であることを表し、マーカM2が全て非表示(破線で示す)になることで第2特別図柄の作動記憶数が0個であることを表している。なお、第2特別図柄の作動記憶数の最大値は1個であるため、マーカM2は最大で1つしか点灯しない。
また、液晶表示器42の下部右側の領域には第4図柄(図中に参照符号Z1,Z2を付す)が表示されている。この第4図柄Z1,Z2は、上記の左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお、第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。第4図柄Z1は、第1特別図柄に対応しており、第4図柄Z2は、第2特別図柄に対応している。
また、第4図柄Z1,Z2については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に対応して停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が「大当り」や「小当り」であれば、それらに対応する態様(例えば青表示色や赤表示色等)で第4図柄Z1,Z2は停止表示される。
〔変動表示演出開始〕
図329中(B):例えば、第1特別図柄の変動開始に同期して、演出図柄がスクロールすることで変動表示演出が開始される(図柄演出実行手段)。なお、図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で表示している。
液晶表示器42の中央の領域には背景画像が表示されており、この背景画像は、公園の風景を表現したものである。このような背景画像は、演出上での滞在モードが例えば「通常モード」であることを表現している。「通常モード」は、非時間短縮状態である。この他にも演出上で各種のモードが設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている。これらモードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものである。ここでは特に図示していないが、この後、例えば液晶表示器42の表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
また、演出図柄の変動表示中、液晶表示器42の画面下部では第4図柄Z1が変動表示されており、第4図柄Z1は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
〔左演出図柄停止〕
図329中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に、演出図柄の左演出図柄が変動を停止する。この例では、演出図柄の左演出図柄として数字の「8」を表す演出図柄が停止している。
〔作動記憶数減少時の演出例〕
ここで、先の図329中(B)に示されているように、変動開始に伴って最も古い第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動して最も左側に位置していたマーカM1の表示個数が1個分減少されている。すなわち、それまでにマーカM1の作動記憶数が合計4個存在していたが、最も以前(古い)の記憶数表示であるマーカM1が非表示となり、内部抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、合計作動記憶数が3個に減少したことを演出上でも遊技者に教示することができ、また、いずれの特別図柄(この場合は第1特別図柄)に対応する作動記憶が消費されたかを分かりやすく教示することができる。
そして、図329中(C)の例においては、記憶順で先頭にあった作動記憶が消費されて残りが3個になったため、画面上に残った3つのマーカM1がそれぞれ1個分ずつ一方向(ここでは左方向)へずれていく演出が行われている。これにより、作動記憶数の変化の前後関係を正確に演出上で表現するとともに、遊技者に対して「作動記憶が消費されて1つ減った」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
〔右演出図柄停止〕
図330中(D):次に、演出図柄の右演出図柄として数字の「3」を表す演出図柄が停止している。
〔停止表示演出〕
図330中(E):第1特別図柄の停止表示に同期して、停止表示演出が実行される。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。図示の例では、演出図柄の中演出図柄として数字の「1」を表す演出図柄が停止している。この場合、演出図柄の組み合わせは「8」-「1」-「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
以上は、1回の変動ごとに行われる変動表示演出と停止表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
〔変動表示演出開始〕
図330中(F):第1特別図柄の作動記憶が存在している場合、停止表示時間が終了すると、次変動が開始される。この場合、第1特別図柄の変動開始に同期して、演出図柄がスクロールすることで変動表示演出が開始される。第1特別図柄の変動が開始されると、それに連動して最も左側に位置していたマーカM1の表示個数が1個分減少する。そして、このような変動表示演出と停止表示演出が繰り返し実行される。
〔大当り時の演出例〕
図331~図333は、大当り時に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である。ここではリーチ演出の他に、変動表示演出や停止表示演出及び予告演出が含まれるものとする。また、その他にも、変動表示演出中に実行される予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出)の一例を説明する。
以下のリーチ演出は、第1特別図柄表示装置34において大当り時の変動パターンによる変動表示が行われた後、例えば、第1特別図柄が「第1当選図柄」又は「第2当選図柄」の態様(例えば7セグメントLEDの「己」,「ヨ」,「口」,「巳」,「F」,「E」,「L」,「Γ」等)で停止表示されるまでに実行される(リーチ演出実行手段)。
〔変動表示演出〕
図331中(A):第1特別図柄(又は第2特別図柄)の変動開始に略同期して、演出図柄がスクロールすることで変動表示演出が開始される。
〔リーチ発生前予告演出(1段階目)〕
図331中(B):変動開始から所定時間が経過すると、液晶表示器42において、キャラクターの絵柄画像(絵札)を用いた1段階目のリーチ発生前予告演出が行われる。このリーチ発生前予告演出は、予め定められた順序にしたがって1段階から複数段階(例えば2~5段階)まで、段階的に態様の変化が進行していく予告演出である。このリーチ発生前予告演出で用いられる絵柄画像は、画面の左端から出現するようにして表示される(その他の出現の態様でもよい。)。なお、「リーチ発生前予告」は、リーチの可能性や大当りの可能性を予告する演出である。このような「リーチ発生前予告演出」を実行することで、遊技者に対して「リーチに発展するかも知れない=大当りの可能性が高まる」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ発生前予告演出(2段階目)〕
図331中(C):リーチ発生前予告演出の1段階目の態様が実行された後、続いてリーチ発生前予告演出の態様の変化が2段階目に進行する。ここでは2段階目のリーチ発生前予告演出として、先とは違うキャラクターの絵柄画像を用いた演出が行われている。具体的には、画面の右端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像の前面に重なって表示される。また、このとき表示される絵柄画像は、先に表示されていた絵柄画像よりもサイズが大きい。そして、絵柄画像で表現されたキャラクターが台詞(例えば「リーチになるよ」等)を発するという、音響出力による演出もあわせて行われる。
このような2つ目の絵柄画像を用いたリーチ発生前予告演出(2段階目)は、先の図331中(B)で行われたリーチ発生前予告演出(1段階目)からさらに一歩進んだ発展型である。このように発展していく「リーチ発生前予告演出」の態様を称して、一般的に「ステップアップ予告」等と表現することがある。ここではリーチ発生前予告演出で2段階目の絵柄画像が出現する例を挙げているが、3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示される演出態様であってもよい。また、例えば3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示されるごとに、そのサイズが拡大されるものとしてもよい。なお、この段階でも変動表示演出は継続されている。いずれにしても、リーチ発生前予告演出の態様の変化をより多くの段階まで進行させることにより、今回の変動で大当りになる可能性(期待度)が高いことを遊技者に示唆することができる(例えば、5段階目まで進行すると最大の期待度を示唆する等。)。
〔左演出図柄の停止〕
図332中(D):変動表示演出の中期にさしかかると、演出図柄の左演出図柄が変動を停止する。この例では、演出図柄の左演出図柄として数字の「7」を表す演出図柄が停止している。
〔リーチ状態の発生〕
図332中(E):そして、次に、演出図柄の右演出図柄が変動を停止する。この例では、演出図柄の右演出図柄として数字の「7」を表す演出図柄が停止している。これにより、演出図柄では、「7」-「変動中」-「7」のリーチ状態が発生している。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われる。リーチ状態の発生後、当選時やはずれ時のリーチ演出が実行される。
〔リーチ発生後予告演出〕
図332中(F):リーチ状態が発生して暫くすると、液晶表示器42において、例えば「ハート」の図形を表す画像が群をなして画面上を斜めに過ぎっていくリーチ発生後予告演出が行われる。この場合、突然、画面上に「ハート群」の画像が流れていくように表示されるため、これによって遊技者に対する視覚的な訴求力を高めることができる。このような視覚的に賑やかなリーチ発生後予告演出を実行することで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ演出の進行〕
図333中(G):リーチ発生後予告演出に続いて、液晶表示器42に、画面の左側に敵キャラクターとしての「かぼちゃのお化け」が出現し、画面の右側に味方キャラクターとしての「男性キャラクター」が出現し、画面の中央に「VS」の文字が出現する演出が行われる。
図333中(H):リーチ演出が終盤になると、「かぼちゃのお化け」が無数のパンチを繰り出し、「男性キャラクター」がチョップで応戦する演出が行われている。この状態で「男性キャラクター」が勝利すれば大当りとなり、「男性キャラクター」が敗北すればはずれとなる。
〔停止表示演出(当選時演出)〕
図333中(I):「勝利!!」の文字とともに、「男性キャラクター」が大きく表示され、「かぼちゃのお化け」が小さく表示されると、大当りであることを意味している。そして、特別図柄の停止表示に略同期して、演出図柄の中演出図柄が変動を停止する。この例では、演出図柄の中演出図柄として数字の「7」を表す演出図柄が停止している。第4図柄Z1は、大当りに対応する態様(例えば赤表示色)で停止表示されている。
なお、非当選時(はずれ時)は、「敗北・・」の文字とともに、「かぼちゃのお化け」が大きく表示され、「男性キャラクター」が小さく表示される。この場合、演出図柄の中演出図柄として数字の「7」以外の数字を表す演出図柄が停止される。
〔大役中演出〕
図334及び図335は、大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である。なお、以下の大役中演出は、液晶表示器42にて実行される演出である。
〔大当り遊技開始〕
図334中(A):大当り遊技が開始されると、例えば、画面内に「BIG BONUS」といった文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像(例えば女性キャラクター)が表示される。
〔大役中「右打ち」表示〕
また、本実施形態では遊技領域8a内の右側部分に第1可変入賞装置30が配置されているため、大役中は遊技球の発射位置(発射方向)として遊技領域8a内の右側部分を指定することとしている。このため、主制御CPU72による制御上で上記の発射位置指定表示ランプ38fが点灯表示されるとともに、「右打ち」を表す発射位置指定コマンドが演出制御装置124に送信される。これを受けて、演出制御CPU126による演出制御上で表示画面内に「右打ち」を促す案内情報(右方向を示す矢印、「右打ち」の文字等)が表示される)。
〔1ラウンド目〕
図334中(B):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、例えば、画面内の左上部に「BIG BONUS」の文字情報とともに、10個の○印が表示される。そして、そのうち1番左に位置する○印が赤色(斜線のハッチング)で表示され、残りの9個の○印は白色で表示される。これにより、出球を獲得できるのは10ラウンドであること、現在のラウンドがその10ラウンド中の1ラウンド目であること、及び、出球が獲得できるラウンドが1つ進行する毎に○印が赤色で表示されることを遊技者に教示することができる。
〔10ラウンド目〕
図334中(C):この後、大当り遊技が順調に進行し、例えば、10ラウンド目に移行すると、例えば、10個の全ての○印が赤色で表示される。これにより、この10ラウンド目で出球を獲得できる全てのラウンドが終了することを遊技者に教示することができる。
ここで、時間短縮状態に移行する当選図柄に該当している場合や、時間短縮状態に移行する当選図柄に該当していなくても第2特別図柄の記憶がある場合には、図示のように、花火が打ち上げられる花火演出(ドライブモードに移行することを示唆する演出)が実行される。なお、時間短縮状態に移行する当選図柄に該当していない場合や、第2特別図柄の記憶が無い場合には、花火演出は実行されない。花火演出は、任意のラウンドで実行することができる。
〔時間短縮状態突入演出〕
図335中(D):時間短縮状態に移行する場合、大当り遊技の終了時間(エンディング時間)を利用して「ドライブモード突入!」といった文字情報が表示される演出が実行される。これにより、これから「ドライブモード」が開始されることを遊技者に教示することができる。また、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、「ドライブモード」においても右打ちで遊技が進行することを遊技者に教示することができる。
ここで、エンディング演出中には、「プリペイドカードの取り忘れに注意しましょう」といったプリペイドカードの取り忘れを喚起する報知を行ったり、「遊技に対するのめり込みに注意しましょう」といった遊技に対するめり込みを防止する報知を実行したりするようにしてもよい。
〔大当り遊技終了、時間短縮状態〕
図335中(E):大当り遊技が終了し、内部状態(遊技状態)が時間短縮状態に設定されると、滞在モードが「ドライブモード」に設定され、背景画像が、女性が乗車した自動車が大地を走行する様子を表現した画像に変更される。これにより、現在の内部状態(遊技状態)が通常状態とは異なる時間短縮状態であることを遊技者に教示することができる。
〔時短中演出〕
このように、時間短縮状態で遊技が進行している場合には、時間短縮状態(有利遊技状態)に対応させた背景画像を表示する時短中演出(有利遊技状態演出)が実行される。
〔右打ち示唆演出〕
また、画面上部では、右打ち示唆演出が実行されている。右打ち示唆演出では、液晶表示器42の画面上部に帯状の領域を設け、その帯状の領域の中に右打ちの文字情報と右向きの矢印記号とを表示している。なお、このような右打ち示唆演出は、遊技状態が時間短縮状態である場合には継続して実行される。そして、このような演出を実行することにより、遊技者に対して「右打ち」を促すことができる。
〔残り回数表示演出〕
さらに、画面左下では、残り回数表示演出が実行されている。残り回数表示演出では、液晶表示器42の画面左下に長方形形状の領域を設け、その長方形形状の領域の中にドライブモードで遊技を進行することができる残り回数を表示している。なお、図示の例では、「残り2回」の情報が表示されている。残り回数は、時間短縮状態のドライブモード又は非時間短縮状態のドライブモードで第2特別図柄が変動して停止する度に1減算される。このため、残り回数は、時間短縮状態や非時間短縮状態で第1特別図柄が変動して停止しても減算されない。
〔ドライブモード(時間短縮状態)の演出例〕
図336~図338は、ドライブモードの演出例を示す連続図である。
図336中(A):ドライブモードでは、背景画像が、女性が乗車した自動車が大地を走行する様子を表現した画像に変更される。演出図柄の組み合わせは「7」-「7」-「7」の当選目である。これは、当選時の出目を表示している。また、画面上部では、右打ち示唆演出が実行されており、このような右打ち示唆演出は、遊技状態が時間短縮状態である場合には継続して実行される。
〔特別図柄の変動開始〕
図336中(B):第1特別図柄での初当り時には第1特別図柄の記憶が貯まっていることが多く、第2特別図柄の記憶が貯まっていないのが一般的である。図示の例では、第1特別図柄の記憶(マーカM1)が4つ貯まっている。このため、このような状況でドライブモードに突入した場合には、第1特別図柄が変動表示される。なお、第1特別図柄の記憶が貯まっていない場合には、遊技者が右打ちを実行することにより、最初に第2特別図柄の変動が実行される。そして、第1特別図柄の変動表示が開始されると、演出図柄や第4図柄Z1についても変動を開始する。ここでは、第1特別図柄に関する内部抽選において、はずれに該当したものとする。
〔第1特別図柄の変動終了〕
図336中(C):第1特別図柄がはずれの態様で停止表示されると、演出図柄及び第4図柄Z1についてもはずれの態様で停止表示される。この間に遊技者が右打ちを実行し、複数の遊技球が始動ゲート20を通過し、可変始動入賞装置28が開放して1個の遊技球が右始動入賞口28bに入球したものとする。この場合、第2特別図柄の記憶(マーカM2)が1個貯まる。
ここでは、第1特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されない。具体的には、残り回数の表示は、残り2回のままである。
図337中(D):第1特別図柄及び第2特別図柄の記憶は、入賞順に消化されるため、この後は、第1特別図柄の残りの3個の記憶が消化される。そして、第1特別図柄の残りの記憶の消化が終了すると、次は、第2特別図柄の記憶を用いて内部抽選が実行される。そして、第2特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴って演出図柄や第4図柄Z2についても変動を開始する。ここでは、第2特別図柄に関する内部抽選において、小当りに当選したものとする。
〔小当り開始、第2大入賞口開放〕
図337中(E):そして、第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、演出図柄(「5」-「2」-「6」の組み合わせ)、第4図柄Z2(緑色表示色)についても小当りの態様で停止表示される。これにより、小当り遊技が開始され、第2大入賞口31bが開放される。そうすると、女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げて画面右側に進んでいく演出が実行される。また、例えば、第2特別図柄の変動中に遊技者が右打ちを実行し、遊技球が始動ゲート20を通過し、可変始動入賞装置28が開放して1個の遊技球が右始動入賞口28bに入球したものとする。この場合、第2特別図柄の記憶(マーカM2)が1個貯まる。
ここでは、第2特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されている。具体的には、残り回数の表示は、残り1回となっている。
図337中(F):小当り遊技が開始されると、仙人のキャラクターが「右下のアタッカを狙うのじゃ」という台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して、第2可変入賞装置31に遊技球を入球させなくてはならないということを伝達することができる。なお、これ以降は、演出図柄を表示画面の右下に小さく表示することができる。
〔特定領域通過〕
図338中(G):小当り遊技により第2可変入賞装置31が開放状態に移行し、遊技球が特定領域31xを通過し、小当り時の当選図柄が第6当選図柄であったものとする。この例では、自動車に乗っている女性キャラクターが、Vの文字が描かれたハートマークを掲げ、「やったね!BIG BONUSよ!!」といったセリフを発する演出が実行される。これにより、遊技球が特定領域31xを通過したこと、及び、これから大当り遊技(BIG BONUS)が開始されることを遊技者に教示することができる。
〔小当り終了、大当り遊技開始〕
図338中(H):その後、小当り遊技が終了し、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)が閉鎖される。また、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過したことで、大当り遊技が開始されることとなる。この例では、大当り遊技特有の女性キャラクターが登場し、「BIG BONUS」といった文字情報が表示され、女性キャラクターが同様のセリフを発する演出が実行される。また、表示画面には、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、そのまま右打ちで大当り遊技が進行することを遊技者に教示することができる。
その後、上記と同様の大当り遊技中の演出が開始され、大当り遊技が進行する。例えば、第2特別図柄に関する小当り時の当選図柄が第6当選図柄に該当している場合、実質的に9ラウンド分の出球(小当り遊技を含めると10ラウンド分の出球)を獲得することができる。なお、ドライブモードにて大当り遊技が実行される場合は、ドライブモードでの当選時専用の大役中演出を実行してもよい。
図339及び図340は、非時間短縮状態でのドライブモードにおいて第2特別図柄が変動する際の演出例を示す連続図である。このような状況が発生するのは、主に時間短縮状態の最終変動で「第4当選図柄」の大当り又は「第6当選図柄」の小当りに該当して大当り遊技が実行され、かつ、第2特別図柄の記憶が蓄積されている場合である。
ここでは、第2特別図柄の記憶は1個存在しているものとする。このため、時短中演出は継続して実行されている。また、残り回数表示演出として、「残り1回」の情報が表示されている。ただし、右打ち示唆演出は実行されていない。
〔特別図柄の変動表示中〕
図339中(A):非時間短縮状態でのドライブモードで第2特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴って演出図柄や第4図柄Z2についても変動を開始する。
〔変動表示演出の継続〕
図339中(B):非時間短縮状態でのドライブモードで第2特別図柄の変動表示が継続して実行されている。また、演出図柄や第4図柄Z2についても変動を継続する。なお、ここでの状況は、時間短縮状態ではないため、始動ゲート20を通過させても可変始動入賞装置28がロング開放する確率は低い。このため、基本的には第2特別図柄の記憶を貯めることはできない。よって、このような非時間短縮状態でのドライブモードは、第2特別図柄が最大で1回変動するチャンスゾーンとなる。
〔停止表示演出〕
図339中(C):ここでは、第2特別図柄に関する内部抽選において、小当りに当選したものとする。そして、第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、演出図柄(「2」-「2」-「3」の組み合わせ)、第4図柄Z2(緑色表示色)についても小当りの態様で停止表示される。この場合、動物のキャラクターが「7の数字が表示されたマーク」を掲げる演出が実行される。なお、これ以降は、演出図柄を表示画面の右下に小さく表示することができる。
ここでは、第2特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されている。具体的には、残り回数の表示は、残り0回となっている。
〔小当り開始、第2大入賞口開放〕
図340中(D):そして、小当り遊技が開始されると、第2大入賞口31bが開放されるとともに、女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げて画面右側に進んでいく演出が実行される。この際、動物のキャラクターを置き去りにする演出が実行される。
〔特定領域通過〕
図340中(E):小当り遊技により第2可変入賞装置31が開放状態に移行し、遊技球が特定領域31xを通過し、小当り時の当選図柄が第6当選図柄であったものとする。この例では、自動車に乗っている女性キャラクターが、Vの文字が描かれたハートマークを掲げ、「やったね!BIG BONUSよ!!」といったセリフを発する演出が実行される。これにより、遊技球が特定領域31xを通過したこと、及び、これから大当り遊技(BIG BONUS)が開始されることを遊技者に教示することができる。
〔小当り終了、大当り遊技開始〕
図340中(F):その後、小当り遊技が終了し、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)が閉鎖される。また、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過したことで、大当り遊技が開始されることとなる。この例では、大当り遊技特有の女性キャラクターが登場し、「BIG BONUS」といった文字情報が表示され、女性キャラクターが同様のセリフを発する演出が実行される。また、表示画面には、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、そのまま右打ちで大当り遊技が進行することを遊技者に教示することができる。その後、上記と同様の大当り遊技中の演出が開始され、大当り遊技が進行する。そして、非時間短縮状態のドライブモードで第6当選図柄に該当して大当り遊技が実行された場合、大当り遊技の終了後には、動物モードに移行する。
図341は、ドライブモードの概要を示す図である。
第1演出例は、正常な遊技を行った場合の演出例を示しており、第2演出例は、イレギュラーな遊技を行った場合の演出例を示している。
〔第1演出例〕
図341中(A)の状態は、ドライブモードが残り2回である状態(少なくとも残り2回大当りが発生する可能性がある状態)であり、主制御装置70の遊技状態は、時間短縮状態である。
図341中(A)の状態で時短有り当りに該当すると、大当り遊技の終了後に、再度、図341中(A)の状態に移行する。
一方、図341中(A)の状態で時短無し当りに該当し、かつ、第2特別図柄の記憶が有る場合、大当り遊技の終了後に、図341中(B)の状態に移行する。
図341中(B)の状態は、ドライブモードが残り1回である状態(少なくとも残り1回大当りが発生する可能性がある状態)であり、主制御装置70の遊技状態は、非時間短縮状態(記憶消化区間)である。
図341中(B)の状態で時短有り当りに該当すると、大当り遊技の終了後に、図341中(A)の状態に移行する。
一方、図341中(B)の状態で時短無し当りに該当すると、大当り遊技の終了後に、図341中(C)の状態に移行する。
図341中(C)の状態は、動物モードであり、主制御装置70の遊技状態は、非時間短縮状態(即止め防止区間)である。動物モードは、規定回数の変動の経過により終了し、その後は通常モードに移行する。
〔第2演出例〕
図341中(D)の状態は、ドライブモードが残り2回である状態であり、主制御装置70の遊技状態は、時間短縮状態である。
図341中(D)の状態で時短無し当りに該当し、かつ、第2特別図柄の記憶が無い場合、大当り遊技の終了後に、図341中(E)の状態に移行する。
図341中(E)の状態は、動物モードであり、主制御装置70の遊技状態は、非時間短縮状態(記憶消化区間)である。ただし、この状態では、第2特別図柄の記憶が無いことから、第2特別図柄の記憶を消化することができず、いずれは、第1特別図柄の記憶を消化することになる。
〔ドライブモードの概要〕
ドライブモード(連荘状態)は、正常な遊技を行った場合、図341中(A)~(C)のように遷移する。
時間短縮状態で時短無し当りに当選すると、大当り遊技後には、主制御装置の遊技状態は、記憶消化区間となる。この際、本実施形態では、第2特別図柄の記憶が有る場合、1/1の確率で大当り(大当り又は小当り経由の大当り)となる。なお、第2特別図柄の記憶の上限は1個である。このため、第2特別図柄の記憶が有る場合は、ドライブモードの演出を継続させている(連荘継続のように見せている;図341中(A)~(C)参照)。
正常な遊技を行った場合には、時間短縮状態での大当り時に第2特別図柄の記憶があるため、このような状態の遷移となるが、時間短縮状態での時短無し当り時に、第2特別図柄の記憶が無い場合は、実質的にそこで連荘が終了する。
このため、本実施形態では、主制御装置の遊技状態が、記憶消化区間であっても、連荘継続ではない動物モードに移行させている(図341中(D)(E)参照)。
なお、当選時の第2特別図柄の記憶の有無は、大当り演出にも関係するため、第2特別図柄の記憶の有無の判定は、小当り又は大当りのオープニングコマンド受信時に行っている。
このため、第2特別図柄の記憶が無い状態で当選し、大当り遊技のラウンド中に、第2特別図柄の記憶が貯まった場合は、動物モードに移行させた後、記憶消化区間において、第2特別図柄の変動を行うようにしている。
図342は、記憶消化区間において第1特別図柄のはずれ変動が実行される際の演出例を示す図である。
第1演出例は、記憶消化区間において第1特別図柄のはずれ変動が実行されるが、第2特別図柄の記憶が有る場合の演出例を示している。
第2演出例は、記憶消化区間において第1特別図柄のはずれ変動が実行され、かつ、第2特別図柄の記憶が無い場合の演出例を示している。
〔第1演出例〕
図342中(A)の状態は、ドライブモードが残り1回である状態であり、主制御装置70の遊技状態は、非時間短縮状態(記憶消化区間)である。
図342中(A)の状態で、第1特別図柄のはずれ変動が実行されると、図342中(B)に示すようにリーチ演出(例えば、花火の打上げに成功するか否かの演出)が実行され、図342中(C)に示すように最終的にはずれとなる演出(例えば、花火の打上げに失敗する演出)が実行される。
〔第2演出例〕
図342中(D)の状態は、動物モードであり、主制御装置70の遊技状態は、非時間短縮状態(記憶消化区間)である。ただし、この状態では、第2特別図柄の記憶が無いことから、第2特別図柄の記憶を消化することができず、左打ちをすると、第1特別図柄が変動することになる。
この場合、第1特別図柄のはずれ変動の実行中には、図342中(E)に示すように、複数回の変動が擬似的に実行される特別な擬似変動演出が実行され、最終的にはずれとなる演出が実行される。特別な擬似変動演出では、変動時間(変動尺)に合わせて、変動開始アクションや変動停止アクションが複数回実行される。
記憶消化区間であるにも関わらず、見た目上の演出が動物モードである場合、第1特別図柄の変動については、変動時間が長い変動パターン(例えば、数十秒の変動)が設定される。
この際に、ドライブモードに移行させ、そこではずれ演出を行えば、見た目の整合性は取れるが、「ドライブモード=連荘中」という関係性があるため、遊技者が誤認する恐れがある。
そこで、本実施形態では、記憶消化区間であり、かつ、見た目上の演出が動物モードである際には、変動表示演出の内容を実行する際の抽選を切り替えて、変動開始と変動停止を変動尺分繰り返した後、はずれの態様で確定するような演出を実行することにより、見た目上の違和感が無いようにしている。
図343は、記憶消化区間で選択される第1特別図柄の変動パターンと、即止め防止区間で選択される第1特別図柄の変動パターンとの相違を示す図である。
図343中(A)に示すように、記憶消化区間の変動パターン選択テーブルでは、第1特別図柄抽選の結果がはずれである場合、選択される変動パターンとしては、長時間変動の変動パターンが選択される可能性がある。例えば、長時間変動の変動パターンは、56.0秒の変動時間を有する変動パターンである。
一方、図343中(B)に示すように、即止め防止区間の変動パターン選択テーブルでは、第1特別図柄抽選の結果がはずれである場合、選択される変動パターンとしては、第1短時間変動~第3短時間変動の変動パターンが選択される可能性がある。例えば、第1短時間変動の変動パターンは、20.0秒の変動時間を有する変動パターンであり、第2短時間変動の変動パターンは、13.5秒の変動時間を有する変動パターンであり、第3短時間変動の変動パターンは、6.0秒の変動時間を有する変動パターンである。
そして、今回問題としている第1特別図柄のはずれ変動は、図343中(A)に示す長時間変動であり、この変動は、記憶消化区間では選択されるが、即止め防止区間では選択されない。
このため、遊技状態が、記憶消化区間であり、見た目上のモードが即止め防止区間に対応する動物モードとなっている際は、演出の整合を取るために、上述したように、特別な擬似変動演出を実行している。
図344は、通常モードにおいて実行される第1補正処理の流れを示す図である。
第1補正処理は、特別図柄の変動確定時に実行される可能性がある処理である。
図344中(A):通常モードでは、上可動体40f1が原点位置にあり、下可動体40f2も原点位置にある。
図344中(B):通常モードにおいて、演出図柄が変動表示されている。そして、ここでは、何かしらの原因(故障や不具合等)で、上可動体40f1が原点位置から可動位置に移動したものとする。
図344中(C):この場合、通常モードでは、演出図柄が停止表示された際(変動確定時)に、第1補正処理が実行される。
第1補正処理は、変動確定時に、上可動体40f1又は下可動体40f2が可動位置にある場合には、可動位置にある上可動体40f1又は下可動体40f2を原点位置に移動させる処理である。
第1補正処理が実行されることにより、図示の例では、上可動体40f1が可動位置から原点位置に移動している。
図345は、動物モードにおいて実行される第2補正処理の流れを示す図である。
第2補正処理は、特別図柄の変動開始後一定時間経過後に実行される可能性がある処理である。
図345中(A):動物モードでは、上可動体40f1が可動位置にあり、下可動体40f2も可動位置にある。
図345中(B):動物モードにおいて、演出図柄が変動表示されている。そして、ここでは、何かしらの原因(故障や不具合、デモ演出の実行、遊技記録に関する演出の実行等)で、上可動体40f1及び下可動体40f2が可動位置から原点位置に移動したものとする。
図345中(C):この場合、動物モードでは、演出図柄が停止表示された際(変動確定時)に、第1補正処理が実行されない。このため、上可動体40f1及び下可動体40f2は、原点位置に滞在したままの状態である。
図345中(D):そして、動物モードでは、演出図柄が変動開始してから一定時間経過後(変動開始後)に、第2補正処理が実行される。
第2補正処理は、変動開始後一定時間経過後に、上可動体40f1又は下可動体40f2が原点位置にある場合には、原点位置にある上可動体40f1又は下可動体40f2を可動位置に移動させる処理である。
第2補正処理が実行されることにより、図示の例では、上可動体40f1及び下可動体40f2が原点位置から可動位置に移動している。
図346は、遊技状態と発射方向に関する遊技の流れを示す図である。
以下の遊技の流れは、連荘状態が最短で終了する際の遊技の流れである。
具体的には、非時間短縮状態において「第1当選種類(時短有り)」の大当りに当選し、時間短縮状態において「第6当選種類(時短無し)」の小当りに当選し、非時間短縮状態において「第6当選種類(時短無し)」の小当りに当選する場合の遊技の流れである。
遊技状態は、No1~No13の順番で進行する。
〔No1〕
「遊技状態」は「第1特別図柄変動」であり、「発射方向」は「左打ち」である。
遊技の開始時は、第1特別図柄を変動させて、大当りを目指す。
〔No2〕
「遊技状態」は「大当り(初当り、大当り1回目)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。ここでは、「第1当選種類(時短有り)」の大当りに当選したものとする。
〔No3〕
「遊技状態」は「時間短縮状態」であり、「発射方向」は「右打ち」である。
非時間短縮状態から時間短縮状態に遊技状態が移行すると、発射方向は、右打ちとなる。
〔No4〕
「遊技状態」は「第1特別図柄変動(ショート変動)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。初当り時に貯まっている第1特別図柄の記憶は、高速消化される。
〔No5〕
「遊技状態」は「第2特別図柄変動(時間短縮状態、記憶+1)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。第2特別図柄の変動中には、第2特別図柄の記憶を1つ貯めることができる。
〔No6〕
「遊技状態」は「第2特別図柄停止(時間短縮状態終了)」であり、「発射方向」は「左打ち」である。第2特別図柄の停止時に、遊技状態が時間短縮状態から非時間短縮状態に移行すると、発射方向は、右打ちから左打ちに切り替わる。
〔No7〕
「遊技状態」は「第1特別図柄の記憶増加」であり、「発射方向」は「左打ち」である。第1特別図柄の記憶は、最大で4個まで貯まる。
〔No8〕
「遊技状態」は「小当り経由の大当り(大当り2回目)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。小当り遊技中や大当り遊技中の発射方向は、右打ちとなる。ここでは、「第6当選種類(時短無し)」の小当りに当選したものとする。
〔No9〕
「遊技状態」は「第2特別図柄変動(非時間短縮状態)」であり、「発射方向」は「左打ち」である。ここでは、第2特別図柄の記憶を増加させることができない。
〔No10〕
「遊技状態」は「第1特別図柄の記憶増加」であり、「発射方向」は「左打ち」である。第1特別図柄の記憶は、最大で4個まで貯まる。
〔No11〕
「遊技状態」は「第2特別図柄停止」であり、「発射方向」は「左打ち」である。発射方向は、左打ちの状態が継続される。
〔No12〕
「遊技状態」は「小当り経由の大当り(大当り3回目)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。小当り遊技中や大当り遊技中の発射方向は、右打ちとなる。ここでは、「第6当選種類(時短無し)」の小当りに当選したものとする。
〔No13〕
「遊技状態」は「1セット分(3回分)の大当り終了」であり、「発射方向」は「左打ち」である。この場合、動物モードに移行する。このように、2回連続で、時短無しの当選図柄(例えば、「第6当選種類(時短無し)」)に該当すると、連荘状態は終了となる。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した変動表示演出やリーチ演出、リーチ発生前予告演出、記憶数表示演出、大役中演出、液晶表示器42を用いた演出、時短中演出、右打ち示唆演出、残り回数表示演出等は、いずれも以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
演出制御装置124は、上述したように、演出制御プロセッサ(全体制御部)としての機能と演出再生プロセッサ(個別制御部)としての機能を有しており、これらの機能が連携することにより、各デバイスの動作(液晶表示器42による画面表示、スピーカ54,55,56による音声出力、各種ランプ46~52及び盤面ランプ53等による発光、可動体モータ57による各種可動体の動作等)を制御して、パチンコ機1での演出再生を実現させる。
そこで、説明の便宜のため、以降の説明においては、演出制御CPU126が演出制御プロセッサ(全体制御部)として機能する場合の動作主体を「演出制御部210」と称し、演出再生プロセッサ(個別制御部)として機能する場合の動作主体については、制御対象とするデバイスに応じて適宜「表示制御部220」、「音声制御部222」、「ランプ制御部224」、「可動体制御部226」又は「入力制御部228」と称する。なお、演出再生プロセッサ(個別制御部)として機能するこれらの制御部220,222,224,226,228を総括して「各個別制御部」と称する場合がある。また、演出再生に関する時間の管理を行う動作主体を「時間管理部230」又は「ACT」と称することとする。
演出制御の大まかな流れとしては、先ず、演出制御部210が、主制御装置70から送信された演出コマンドを受信すると、この内容に応じて演出の再生を指示するメッセージをRAM130内の所定の領域に出力する。演出制御部210が出力したメッセージは、時間管理部230により所定のタイミングで各個別制御部に対して送信される。これを受けて各個別制御部は、メッセージの内容に基づいて各デバイスに対し具体的な指示を行い、各デバイスの動作を制御する。このような制御の結果として、各デバイスによる演出が実行される。
なお、時間管理部230は、各個別制御部に対するメッセージの送信とともに、又は、メッセージの送信に代えて、メッセージの内容に対応付けられた演出内容の詳細が定義されている制御テーブルを起動することも可能である。制御テーブルが起動された場合には、各個別制御部は、制御テーブルの内容を解析し、その内容に基づいて各デバイスに対する具体的な指示を行うこととなる。
図347は、演出制御部210により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御部210は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs~数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、時短中及び擬似時短中その他演出処理(ステップS402a)、システム動作処理(ステップS403)、特殊変動中演出管理処理(ステップS403a)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御部210は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御部210は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば、特図先判定演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、発射位置指定コマンド、エラー通知コマンド、大当り終了演出コマンド、変動パターン先判定コマンド、停止表示時間終了コマンド、回数切りカウンタコマンド、各種のエラーコマンド、特殊変動回数指定コマンド、大当り時のオープニングコマンド、小当り時のオープニングコマンド、設定関連終了指定コマンド等がある。
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御部210は上述した記憶数表示演出や、マーカM1を用いた先読み予告演出の実行を制御する。なお、作動記憶演出管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御部210は演出図柄や第4図柄Z1,Z2を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作時の演出内容を制御したりする。また、この処理において演出制御部210は、各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出等)の演出パターンを選択する。このように、演出図柄管理処理において、演出制御部210は、液晶表示器42に表示する演出内容(演出図柄、第4図柄Z1,Z2、マーカM1,M2、大役中演出等に関する演出内容、各種予告演出の内容)を決定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS402a:演出制御部210は、時短中及び擬似時短中その他演出処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、右打ち示唆演出及び残り回数表示演出等に関する演出内容を決定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS403:システム動作処理において、演出制御部210は、システム動作に関する処理(イニシャル処理、リトライ処理、補正処理)を実行する。なお、処理の詳細は、後述する。
ステップS403a:特殊変動中演出管理処理において、演出制御部210は、特殊変動回数指定コマンドに基づいて特殊変動中演出を実行するか否かを判断し、実行すると判断した場合にはどのような内容の特殊変動中演出を実行するかを決定する処理を実行する。なお、本処理は、演出図柄変動前処理において実行してもよい。
具体的には、演出制御部210は、短い時間(数秒程度)の特殊変動パターンが選択されている場合には、非リーチ演出(例えば、演出図柄を高速変動させる演出)を実行する演出パターンを選択し、長い時間(数十秒程度)の特殊変動パターンが選択されている場合には、リーチ演出等を実行する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS404:表示出力処理では、先ず演出制御部210が、表示制御部220に対して演出内容(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示するメッセージを出力する。これを受けて表示制御部220は、メッセージの内容に基づいてVDP152に対し具体的な描画の指示を行い、液晶表示器42による表示動作を制御する。
ステップS406:ランプ駆動処理では、先ず演出制御部210が、ランプ制御部224に対して演出内容を指示するメッセージを出力する。これを受けてランプ制御部224は、メッセージの内容に基づいてLEDドライバ198を中継しドライバIC132に対して具体的な駆動信号を出力し、各種ランプ46~52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、先ず演出制御部210が、音声制御部222に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示するメッセージを出力する。これを受けて音声制御部222は、メッセージの内容に基づいて音声IC134に対し具体的な出力内容の指示を行い、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音(効果音、BGM等)を出力させる。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御部210はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば、先ず演出制御部210が、可動体制御部226に対して演出内容を指示するメッセージを出力する。これを受けて可動体制御部226は、メッセージの内容に基づいてSMC199に対し具体的な制御内容を指示する。これを受けてSMC199は、可動体制御部226からの指示に基づいて可動体40fの作動パターンを作成し、これに応じた制御信号をドライバICに出力して、可動体40fを駆動させる。可動体40fは可動体モータ57を駆動源として動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御部210はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される演出図柄管理処理の内容について説明する。
〔作動記憶演出管理処理〕
図348は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS700:先ず演出制御部210は、主制御CPU72から作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS700:Yes)、演出制御部210はステップS702を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS700:No)、演出制御部210はステップS702を実行しない。
ステップS702:演出制御部210は、作動記憶数増加時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、第1特別図柄に対応したマーカM1又は第2特別図柄に対応したマーカM2を表示させる演出を選択する。
ステップS704:演出制御部210は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS704:Yes)、演出制御部210はステップS706を実行する。なお、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS704:No)、演出制御部210はステップS706を実行しない。
ステップS706:演出制御部210は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、内部抽選により消費した抽選要素に対応するマーカM1又はマーカM2を消滅させるとともに、内部抽選により消費していない残りのマーカM1,M2を左方向にスライドさせる演出を選択する。
以上の手順を終えると、演出制御部210は、演出制御処理(図347)に復帰する。
〔演出図柄管理処理〕
図349は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御部210は次に実行するべき処理(ステップS502~ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御部210は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御部210は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御部210は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また、可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(図298中のステップS5000)が選択された場合にのみジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502~ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御部210は演出図柄及び第4図柄Z1,Z2を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。また、この処理において、演出制御部210は各種の条件(抽選結果、当選種類(当選図柄の種類)、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(リーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御部210は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御部210は必要に応じて各個別制御部に対する指示を行う。例えば、変動表示演出の実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合には、遊技者による演出ボタンの操作の有無を入力制御部228に監視させるとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)を各個別制御部に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御部210は内部抽選の結果に応じた停止表示演出の内容を制御すべく、各個別制御部に対し指示を行う。例えば、演出制御部210は、各個別制御部に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けて、例えば表示制御部220は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御部210は小当り遊技中又は大当り中の演出内容を制御する。この処理において、演出制御部210は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容を選択する。なお、大当り遊技の終了後等に動物モードに移行する場合、演出制御部210は、上可動体40f1及び下可動体40f2を原点位置から可動位置に移動させる動作パターンを選択することができる。このような動作パターンは大当り遊技の終了時に選択してもよく、特別図柄の変動開始時に選択してもよい。
〔演出図柄変動前処理〕
次に図350は、上記の演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御部210は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御部210は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
なお、客待ち状態を表す演出には、「遊技に対するのめり込みに注意しましょう」といった遊技に対するのめり込みを防止する内容を表示するようにしてもよい。このようにすることで、適切なタイミングで簡単に、のめり込み防止に関する演出を実行することができ、遊技者の不利益を軽減することができる。
デモ演出では、遊技方法や遊技説明に関する演出を実行したり(デモムービーを表示したり)、遊技記録に関する演出(所定のコードやパスワード等を用いて遊技記録を保存することができる演出)を実行したりすることができ、この際に、演出制御部210は、上可動体40f1及び下可動体40f2が可動位置にある場合には原点位置に戻す動作パターンを選択することができる。
以上の手順を終えると、演出制御部210は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御部210はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図347中のステップS404)、ランプ駆動処理(図347中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御部210は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御部210は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御部210はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御部210は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御部210はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また、今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御部210は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御部210は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。
また、演出パターン番号を選択すると、演出制御部210は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄及び第4図柄Z1,Z2の変動スケジュール(変動時間)、停止表示の態様等を決定する。
例えば、演出制御部210は、時間短縮状態での第2特別図柄の小当り変動時には、「ドライブモード」の状態で演出図柄及び第4図柄Z2を変動させ、最終的に小当りに対応する演出図柄及び第4図柄Z2を停止表示させる演出パターンを選択する処理を実行する。
一方、演出制御部210は、非時間短縮状態での第2特別図柄の小当り変動時には、例えば「ドライブモード」を継続させた状態又は通常モードの状態で演出図柄及び第4図柄Z2を変動させ、最終的に小当りに対応する演出図柄及び第4図柄Z2を停止表示させる演出パターンを選択する処理を実行する。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、大当りに該当した場合、演出制御部210はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御部210はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御部210は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。なお、大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御部210はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御部210は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御部210がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドに基づいて決定される。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御部210は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄及び第4図柄Z1,Z2の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」-「2」-「4」等)を決定する。なお、このようなはずれ時の演出決定手法は、大当り時も同様である。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御部210は次にステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御部210は、予告選択処理を実行する(予告演出実行手段)。この処理では、演出制御部210は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当り又は小当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は非当選時よりも高く設定されている。
ステップS616:演出制御部210は、モード演出管理処理を実行する(有利遊技状態演出実行手段)。この処理において、演出制御部210は、滞在モードに応じた背景画像を選択する処理を実行する。例えば、演出制御部210は、原則として、内部状態が非時間短縮状態である場合には、通常モードに対応する背景画像を選択する処理を実行し、内部状態が時間短縮状態である場合には、ドライブモードに対応する背景画像を選択する処理(時短中演出を選択する処理)を実行する。
ただし、演出制御部210は、例外として、内部状態が非時間短縮状態である場合であっても、時間短縮状態から非時間短縮状態に移行した際に第2特別図柄の記憶が存在している場合には、ドライブモードに対応する背景画像を選択する(有利遊技状態演出実行手段、有利遊技状態演出継続実行手段)。なお、このような例外的な処理は、後述する演出図柄停止表示中処理において実行する。
以上の手順を終えると、演出制御部210は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図349中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び停止表示演出が実行されるとともに(図柄演出実行手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。その他、ここで選択された背景(滞在)モードパターンに基づいて、各種の滞在モード演出が実行される。
〔はずれ時変動演出パターン選択処理〕
図351は、はずれ時変動演出パターン選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS620:演出制御部210は、現在の状態が記憶消化区間であるか否かを確認する。記憶消化区間とは、時間短縮状態の終了後に移行した非時間短縮状態において、第2特別図柄の記憶を消化するための区間である。記憶消化区間は、例えば、大当り遊技の終了後、第2特別図柄の1回目の変動区間、及び、第1特別図柄の1~4回目の変動区間である。なお、記憶消化区間が終了した後には、動物モード用の即止め防止区間が設定される。
記憶消化区間と即止め防止区間は、主制御装置だけで管理してもよく、演出制御装置だけで管理してもよく、両装置で管理してもよい。例えば、記憶消化区間は、記憶消化区間滞在フラグにより管理することができる。記憶消化区間滞在フラグは、大当り遊技終了時にONに設定し、大当り遊技の終了後、第2特別図柄の1回目の変動区間が終了する際、又は、第1特別図柄の5回目の変動区間が開始する際にOFFに設定する。一方、即止め防止区間は、記憶消化区間滞在フラグをONからOFFに設定したタイミングでONに設定し、即止め防止区間がONに設定されている状態で規定回数の特別図柄の変動が終了した際にOFFに設定する。
正常に遊技を行っている場合(時間短縮状態で右打ちを継続している場合)、記憶消化区間では第2特別図柄の記憶を消化することになるが、正常に遊技を行っていない場合(時間短縮状態で右打ちを継続していない場合)、記憶消化区間では第1特別図柄の記憶を消化することもあり得る。
その結果、現在の状態が記憶消化区間であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS621を実行し、現在の状態が記憶消化区間であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS625を実行する。
ステップS621:演出制御部210は、今回の変動が第1特別図柄の変動であるか否かを確認する。
その結果、今回の変動が第1特別図柄の変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS622を実行し、今回の変動が第1特別図柄の変動であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS625を実行する。
ステップS622:演出制御部210は、第2特別図柄の記憶が無いか否かを確認する。
その結果、第2特別図柄の記憶が無いことを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS623を実行し、第2特別図柄の記憶が無いことを確認できない場合(No)、すなわち、第2特別図柄の記憶が有ることを確認した場合、演出制御部210はステップS624を実行する。
ステップS623:演出制御部210は、特別な擬似変動演出を選択する処理を実行する。特別な擬似変動演出は、変動時間に合わせて、変動開始アクションや変動停止アクションが複数回実行される演出である。
ステップS624:演出制御部210は、リーチはずれ演出を選択する処理を実行する。演出制御部210は、例えば、花火の打上げに成功するか否かの演出を実行し、最終的に、花火の打上げに失敗する演出を選択する。
ステップS625:演出制御部210は、滞在モード及び変動パターンに応じたはずれ演出を選択する処理を実行する。演出制御部210は、例えば、単なるはずれ演出を選択したり、リーチ演出を実行してはずれとする演出を選択したりする。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出図柄変動前処理(図350)に復帰する。
〔モード演出管理処理〕
図352は、モード演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS630:演出制御部210は、現在の遊技状態が時間短縮状態であるか否かを確認する。
その結果、現在の遊技状態が時間短縮状態であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS634を実行し、現在の遊技状態が時間短縮状態であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS631を実行する。
ステップS631:演出制御部210は、現在の状態が記憶消化区間であるか否かを確認する。
その結果、現在の状態が記憶消化区間であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS632を実行し、現在の状態が記憶消化区間であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS633を実行する。
ステップS632:演出制御部210は、第2特別図柄の記憶が無いか否かを確認する。
その結果、第2特別図柄の記憶が無いことを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS635を実行し、第2特別図柄の記憶が無いことを確認できない場合(No)、すなわち、第2特別図柄の記憶が有ることを確認した場合、演出制御部210はステップS634を実行する。
ステップS633:演出制御部210は、大当り遊技後の規定回数以内(例えば15回以内)の変動であるか否かを確認する。
その結果、大当り遊技後の規定回数以内の変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS635を実行し、大当り遊技後の規定回数以内の変動であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS636を実行する。
ステップS634:演出制御部210は、ドライブモード用の背景画像を選択する処理を実行する。
ステップS635:演出制御部210は、動物モード用の背景画像を選択する処理を実行する。
ステップS636:演出制御部210は、通常モード用の背景画像を選択する処理を実行する。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出図柄変動前処理(図350)に復帰する。
このような処理を実行することにより、演出制御部210は、第2特別図柄の記憶が有れば(抽選要素の記憶の状態が特別な状態であれば)、非時間短縮状態(通常状態)と時間短縮状態(有利状態)とで、共通した内容のドライブモード演出(共通演出)を実行可能とする(演出実行手段)。
また、このような処理を実行することにより、演出制御部210は、第2特別図柄の記憶が無ければ(抽選要素の記憶の状態が特別な状態でなければ)、非時間短縮状態(通常状態)と時間短縮状態(有利状態)とで、異なる内容のドライブモード演出(非共通演出)と動物モード演出(非共通演出)を実行可能とする(演出実行手段)。
〔演出図柄停止表示中処理〕
図353は、演出図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS650:演出制御部210は、内部状態が時短中(時間短縮状態)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、状態指定コマンドを確認することにより、内部状態を確認することができる。なお、内部状態は、変動パターンコマンドにより確認することもできる(以下、同様)。
その結果、内部状態が時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS652を実行し、内部状態が時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS656を実行する。
ステップS652:演出制御部210は、時短最終変動であるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、回数切りカウンタコマンドを確認することにより、時短最終変動であるか否かを確認することができる。例えば、第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値が「1」から「0」に切り替わる際の変動であれば、演出制御部210は、時短最終変動であると判断することができる。
その結果、時短最終変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS654を実行し、時短最終変動であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS666を実行する。
ステップS654:演出制御部210は、擬似時短カウンタに第2特別図柄の記憶数を設定する処理を実行する。擬似時短カウンタはRAM130に記憶されており、例えば、第2特別図柄の記憶数が「0」である場合は、擬似時短カウンタに「0」が設定され、第2特別図柄の記憶数が「1」である場合は、擬似時短カウンタに「1」が設定される。
この処理を終えると、演出制御部210はステップS666を実行する。
ステップS656:演出制御部210は、滞在背景が通常背景であるか否か、すなわち、液晶表示器42に表示している背景画像が通常モードに対応する背景画像であるか否かを確認する。
その結果、滞在背景が通常背景であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS666を実行し、滞在背景が通常背景であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS658を実行する。
ステップS658:演出制御部210は、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であるか否かを確認する。
その結果、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS660を実行し、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であることを確認できない場合(No)、すなわち、擬似時短カウンタの値が0である場合、演出制御部210はステップS664を実行する。
ステップS660:演出制御部210は、滞在背景を擬似時短背景に設定する処理を実行する。擬似時短背景は、右打ち表示がされないドライブモードの背景である。
このような処理を実行することにより、演出制御部210は、時間短縮状態(有利遊技状態)が終了して非時間短縮状態(所定の遊技状態)に移行した場合であっても、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値である場合(特別な条件が満たされている場合)は、時短中演出(有利遊技状態演出)を継続して実行することができる(有利遊技状態演出継続実行手段)。
ステップS662:演出制御部210は、擬似時短カウンタを1減算する処理を実行する。
ステップS664:演出制御部210は、滞在背景を通常背景に設定する処理を実行する。通常背景は、通常モードの背景である。
ステップS666:演出制御部210は、その他処理を実行する。その他処理においては、上述したように、演出制御部210は、内部抽選の結果に応じた態様の停止表示演出の内容を制御する。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出図柄管理処理(図349)に復帰する。
〔可変入賞装置作動時処理〕
図354は、可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS800:演出制御部210は、今回の変動の結果が大当りであったか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、抽選結果コマンドを確認し、大当り時に対応するものであるのか小当り時に対応するものであるのかを確認する。この確認の結果、今回の変動の結果が大当りであった場合(Yes)、演出制御部210は次にステップS802を実行する。一方、今回の変動の結果が大当りではなかった場合(No)、すなわち、小当りであった場合、演出制御部210は次にステップS804を実行する。
ステップS802:演出制御部210は、大当り時可変入賞装置作動時処理を実行する。この処理では、演出制御部210は大当り遊技開始時から大当り遊技終了時までの間に実行する演出パターンを選択する。
具体的には、演出制御部210は、選択した演出パターンに対応する演出内容を各個別制御部に対して指示する。これを受けて、例えば表示制御部220は、VDP152に対し、液晶表示器42に表示する大役中演出として、予めCGROM190に記憶されている大当り時の演出パターンに対応する各種の演出画像を、当選図柄に応じて読み出すよう指示する。
ステップS804:演出制御部210は、小当り時可変入賞装置作動時処理を実行する。この処理では、演出制御部210は小当り開始時から小当り終了時までの間に実行する演出パターンを選択する。
具体的には、演出制御部210は、小当り遊技の開始時に小当り遊技が開始したことを示す演出パターン及び右打ちを示唆する演出パターンを選択し、また、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過した場合には、特定領域通過時の演出パターンを選択して、これらの演出パターンに対応する演出内容を各個別制御部に対して指示する。これを受けて、例えば表示制御部220は、VDP152に対し、小当り遊技の開始時に、女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げる様子を表した演出画像及び右打ちを示唆する演出画像を読み出すよう指示し、また、特定領域通過時には、自動車に乗っている女性キャラクターがVの文字が描かれたハートマークを掲げる様子を表した演出画像を読み出すよう指示する。
以上の手順を終えると、演出制御部210は演出図柄管理処理(図349)に復帰する。
〔大当り時可変入賞装置作動時処理〕
図355は、大当り時可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS810:演出制御部210は、大当り時のオープニングコマンドを受信したか否かを確認する処理を実行する。
その結果、大当り時のオープニングコマンドを受信したことを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS811を実行し、大当り時のオープニングコマンドを受信したことを確認できない場合(No)、演出制御部210は、可変入賞装置作動時処理(図354)に復帰する。
ステップS811:演出制御部210は、第2特別図柄の記憶が無いか否かを確認する。
その結果、第2特別図柄の記憶が無いことを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS812を実行し、第2特別図柄の記憶が無いことを確認できない場合(No)、すなわち、第2特別図柄の記憶が有ることを確認した場合、演出制御部210はステップS814を実行する。
ステップS812:演出制御部210は、今回の大当りが時間短縮状態に移行する当選図柄であるか否かを確認する。
その結果、今回の大当りが時間短縮状態に移行する当選図柄であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS814実行し、今回の大当りが時間短縮状態に移行する当選図柄であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS813を実行する。
ステップS813:演出制御部210は、第1選択テーブルから大当り演出を選択する処理を実行する。第1選択テーブルに含まれている大当り演出は、花火演出(ドライブモードに移行することを示唆する演出)を含まない大当り演出である。
ステップS814:演出制御部210は、第2選択テーブルから大当り演出を選択する処理を実行する。第2選択テーブルに含まれている大当り演出は、花火演出を含む大当り演出である。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出図柄変動前処理(図350)に復帰する。
〔小当り時可変入賞装置作動時処理〕
図356は、小当り時可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS820:演出制御部210は、小当り時のオープニングコマンドを受信したか否かを確認する処理を実行する。
その結果、小当り時のオープニングコマンドを受信したことを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS821を実行し、小当り時のオープニングコマンドを受信したことを確認できない場合(No)、演出制御部210は、可変入賞装置作動時処理(図354)に復帰する。
ステップS821:演出制御部210は、第2特別図柄の記憶が無いか否かを確認する。
その結果、第2特別図柄の記憶が無いことを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS822を実行し、第2特別図柄の記憶が無いことを確認できない場合(No)、すなわち、第2特別図柄の記憶が有ることを確認した場合、演出制御部210はステップS824を実行する。
ステップS822:演出制御部210は、今回の小当りが時間短縮状態に移行する大当りに繋がる当選図柄であるか否かを確認する。
その結果、今回の小当りが時間短縮状態に移行する大当りに繋がる当選図柄であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS824実行し、今回の小当りが時間短縮状態に移行する大当りに繋がる当選図柄であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS823を実行する。
ステップS823:演出制御部210は、第3選択テーブルから大当り演出を選択する処理を実行する。第3選択テーブルに含まれている小当り演出は、ドライブモードに移行することを示唆する演出を含まない小当り演出である。
ステップS824:演出制御部210は、第4選択テーブルから大当り演出を選択する処理を実行する。第4選択テーブルに含まれている小当り演出は、ドライブモードに移行することを示唆する演出を含む小当り演出である。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出図柄変動前処理(図350)に復帰する。
〔時短中及び擬似時短中その他演出処理〕
図357は、時短中及び擬似時短中その他演出処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ここで、時短中(時短)とは、時間短縮状態であり、擬似時短中(擬似時短)とは、非時間短縮状態において時短中の背景画像を表示している状態(非時間短縮状態でのドライブモード)である。
ステップS850:演出制御部210は、内部状態が時短中(時間短縮状態)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、状態指定コマンドを確認することにより、内部状態を確認することができる。
その結果、内部状態が時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS852及びステップS854を実行し、内部状態が時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS856を実行する。
ステップS852:演出制御部210は、残りの時短回数に基づく残り回数表示処理を実行する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、回数切りカウンタコマンドを確認し、第2回数切りカウンタ値に「1」を加えた値を残り回数として表示する演出パターンを選択する処理を実行する。これにより、時短中においては、残り回数表示演出の残り回数として「残り2回」又は「残り1回」の値が表示される。
ステップS854:演出制御部210は、右打ち示唆演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御部210は液晶表示器42の画面上部で右打ち示唆演出に対応する画像を表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS855:演出制御部210は、右打ち強調演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御部210は、右打ち強調演出を実行する必要が発生した場合、例えば、時間短縮状態に移行したにも関わらず、遊技者が左打ちを継続している場合(特に、第1特別図柄の5変動目又は10変動目)、液晶表示器42の画面上部で右打ちを強調する演出に対応する画像を表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS856:演出制御部210は、内部状態が擬似時短中であるか否かを確認する。演出制御部210は、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値である場合に、擬似時短中であると判断することができる。
その結果、内部状態が擬似時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS858を実行し、内部状態が擬似時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御部210は演出制御処理(図347)に復帰する。
ステップS858:演出制御部210は、擬似時短カウンタに基づく残り回数表示処理を実行する。具体的には、演出制御部210は擬似時短カウンタの値を残り回数として表示する演出パターンを選択する処理を実行する。これにより、擬似時短中においては、残り回数表示演出の残り回数として「残り1回(ラスト)」の値が表示される。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出制御処理(図347)に復帰する。
〔システム動作処理〕
図358は、システム動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS902:演出制御部210は、イニシャル処理を実行する。イニシャル処理は、電源投入時に1回だけ実行することができる。演出制御部210は、イニシャル処理において、全ての可動体を一通り動作させ、各可動体が正常に動作するか否かを確認する。
全ての可動体には、原点位置と可動位置にセンサが配置されている。
演出制御部210は、所定の可動体について原点位置のセンサで検出した後に、原点位置から可動位置に可動体を可動させ、可動位置のセンサで検出した後に、可動位置から原点位置に可動体を可動させ、最終的に、原点位置のセンサで検出できれば、可動体が正常に動作すると判断することができる。
なお、可動体によっては、原点位置と可動位置との間の位置にさらに別のセンサを配置してもよく、原点位置のみ、又は、可動位置のみにセンサを配置するようにしてもよい。
ステップS904:演出制御部210は、リトライ処理を実行する。リトライ処理は、可動体の動作後に実行することができる。例えば、所定の可動体を可動位置に移動させる動作を実行した場合、その後に可動体を原点位置に戻す動作を実行するが、可動体を原点位置に戻した際に原点位置にあるセンサで可動体を検出できない場合には、可動体を再度可動させるリトライ動作を実行する。演出制御部210は、リトライ処理において、可動体が正しい位置に戻ってきていない場合に、対象となる可動体を再度可動させ、正しい位置に戻ってきているか否かを確認する。
ステップS906:演出制御部210は、補正処理を実行する。補正処理は、規定の契機が発生した場合に実行する。演出制御部210は、補正処理において、可動体が正しい位置にない場合に、対象となる可動体を可動させ、正しい位置に移動させる処理を実行する。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出制御処理(図347)に復帰する。
〔補正処理〕
図359は、補正処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS910:演出制御部210は、現在の遊技状態が変動確定時であるか否かを確認する。変動確定時であるか否かは、図柄停止コマンドを受信してから停止表示時間終了コマンドを受信するまでの期間とすることができる。
その結果、現在の遊技状態が変動確定時であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS911を実行し、現在の遊技状態が変動確定時であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS912を実行する。
ステップS911:演出制御部210は、現在のモードが動物モードであるか否かを確認する。動物モードであるか否かは、動物モード用の背景画像を選択しているか否かにより確認することができる。
その結果、現在のモードが動物モードであることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS914を実行し、現在のモードが動物モードであることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS915を実行する。
ステップS912:演出制御部210は、現在の遊技状態が変動開始後一定時間経過後(例えば、変動開始後45フレーム(1.5秒)経過後)の状態であるか否かを確認する。変動開始後一定時間経過後の状態であるか否かは、変動開始時からの経過時間をカウント(計時)することにより確認することができる。
その結果、現在の遊技状態が変動開始後一定時間経過後の状態であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS913を実行し、現在の遊技状態が変動開始後一定時間経過後の状態であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はシステム動作処理(図358)に復帰する。
ステップS913:演出制御部210は、現在のモードが動物モードであるか否かを確認する。動物モードであるか否かは、動物モード用の背景画像を選択しているか否かにより確認することができる。
その結果、現在のモードが動物モードであることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS916を実行し、現在のモードが動物モードであることを確認できない場合(No)、演出制御部210はシステム動作処理(図358)に復帰する。
ステップS914:演出制御部210は、一部の可動体の動作を制限した第1補正テーブルに基づいて第1補正処理を実行する。
具体的には、演出制御部210は、後述する第1補正テーブルの「No.1~No.3」の動作を制限した第1補正テーブル、すなわち、第1補正テーブルの「No.1~No.3」の動作を実行せず(無視しており)、第1補正テーブルの「No.4~No.7」の動作しか実行しない第1補正テーブルに基づいて第1補正処理を実行する。
ステップS915:演出制御部210は、第1補正テーブルに基づいて第1補正処理を実行する。
具体的には、演出制御部210は、後述する第1補正テーブルの「No.1~No.7」の動作を実行可能な第1補正テーブルに基づいて第1補正処理を実行する。
第1補正処理を実行する場合、演出制御部210は、可動体制御部226に対して第1補正処理用のメッセージ(第1補正メッセージ)を送信し、可動体制御部226は受信したメッセージに基づいて可動体の位置を補正する。
ステップS916:演出制御部210は、第2補正テーブルに基づいて第2補正処理を実行する。
具体的には、演出制御部210は、後述する第2補正テーブルの「No.1~No.3」の動作を実行可能な第2補正テーブルに基づいて第2補正処理を実行する。
第2補正処理を実行する場合、演出制御部210は、可動体制御部226に対して第2補正処理用のメッセージ(第2補正メッセージ)を送信し、可動体制御部226は受信したメッセージに基づいて可動体の位置を補正する。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、システム動作処理(図358)に復帰する。
このような処理を実行することにより、演出制御部210は、フォトセンサからの信号(検出手段の検出結果)に基づいて、上可動体40f1又は下可動体40f2が所定位置又は特定位置のうち予め定められた規定位置(正しい位置)に配置されているか否かの判断処理(第1補正テーブル又は第2補正テーブルを参照した判断処理)を実行し、上可動体40f1又は下可動体40f2が原点位置又は可動位置に配置されていないと判断した場合、上可動体40f1又は下可動体40f2を原点位置又は可動位置に移動させる移動処理として、第1補正テーブルを用いた第1移動処理又は第2補正テーブルを用いた第2移動処理を実行可能とする(可動体制御手段)。
第1移動処理は、全ての可動体又は特定の可動体以外の可動体(左可動体40f3、右可動体40f4、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、及び、中前上可動体40f7、中後可動体40f8)を第1位置(位置A、初期位置)に移動可能な処理である。
第2移動処理は、複数の可動体のうち特定の可動体(上可動体40f1又は下可動体40f2)を第2位置(位置B、可動位置)に移動可能な処理である。
また、演出制御部210は、特別図柄の変動表示の開始から特別図柄の停止表示の終了までの間に、互いに異なる各判断契機に基づいて第1移動処理又は第2移動処理をそれぞれ実行可能とする(可動体制御手段)。第1移動処理を実行するか第2移動処理を実行するかについての判断処理は、複数回実行される。なお、本実施形態では、複数回は2回であるが、3回以上であってもよい。
さらに、このような処理を実行することにより、演出制御部210は、通常モード(第1状態)である場合、判断処理として、上可動体40f1又は下可動体40f2が原点位置に配置されているか否かの第1判断処理(第1補正テーブルを参照した判断処理)を実行し、上可動体40f1又は下可動体40f2が原点位置に配置されていないと判断した場合、移動処理として、上可動体40f1又は下可動体40f2を原点位置に移動させる第1移動処理(第1補正テーブルを用いた移動処理)を実行可能である(可動体制御手段)。
さらにまた、このような処理を実行することにより、演出制御部210は、動物モード(第2状態)である場合、判断処理として、上可動体40f1又は下可動体40f2が可動位置に配置されているか否かの第2判断処理(第2補正テーブルを参照した判断処理)を実行し、上可動体40f1又は下可動体40f2が可動位置に配置されていないと判断した場合、移動処理として、上可動体40f1又は下可動体40f2を可動位置に移動させる第2移動処理(第2補正テーブルを用いた移動処理)を実行可能である(可動体制御手段)。
このような処理を実行することにより、演出制御部210は、特別図柄の変動が1回実行される際の特別図柄の変動時間の開始から特別図柄の停止表示時間の終了までの期間に、通常モード(第1状態)において上可動体40f1又は下可動体40f2が原点位置(第1位置)に配置されていない場合に上可動体40f1又は下可動体40f2を原点位置に移動させる第1補正処理、及び、動物モード(第2状態)において上可動体40f1又は下可動体40f2が可動位置(第2位置)に配置されていない場合に上可動体40f1又は下可動体40f2を可動位置に移動させる第2補正処理を実行可能である(可動体制御手段)。
また、このような処理を実行することにより、演出制御部210は、通常モード(第1状態)である場合、複数の可動体の各可動体に実行させる動作を規定した第1補正テーブル(第1テーブル)に基づいて、第1補正処理(第1移動処理)を実行可能であり、動物モード(第2状態)である場合、複数の可動体のうち上可動体40f1又は下可動体40f2の動作を制限した第1補正テーブルに基づいて、第1補正処理(第1移動処理)を実行可能であり、かつ、第1補正テーブルにおいて動作を制限した上可動体40f1又は下可動体40f2の動作を対象にした第2補正テーブル(第2テーブル)に基づいて、第2補正処理(第2移動処理)を実行可能である。
また、このような処理を実行することにより、演出制御部210は、所定態様に係る予め定められた第1位置(位置A、初期位置)に、上可動体40f1又は下可動体40f2等を移動可能な第1補正処理(第1移動処理)を実行可能とする(第1移動処理実行手段)。
さらに、このような処理を実行することにより、演出制御部210は、特定態様に係る予め定められた第2位置(位置B、可動位置)に、上可動体40f1又は下可動体40f2等を移動可能な第2補正処理(第2移動処理)を実行可能とする(第2移動処理実行手段)。
このような処理を実行することにより、演出制御部210は、フォトセンサからの信号(検出手段の検出結果)に基づいて、上可動体40f1又は下可動体40fが所定位置にあるか否かの判断処理を実行し、上可動体40f1又は下可動体40fが所定位置にないと判断した場合、上可動体40f1又は下可動体40fを所定位置に移動させる補正処理(移動処理)を実行可能とする(可動体制御手段)。
また、演出制御部210は、フォトセンサからの信号(検出手段の検出結果)に基づいて、上可動体40f1又は下可動体40fが第1位置又は第2位置に基づく所定位置にあるか否かの判断処理を実行し、上可動体40f1又は下可動体40fが所定位置にないと判断した場合、互いに異なる判断契機に基づいて第1補正処理又は第2補正処理を実行可能とする(可動体制御手段)。
そして、このような判断処理は、特別図柄の変動表示の開始から特別図柄の停止表示の終了までの間に、互いに異なる判断契機に基づいて複数回実行可能とされる。複数回の判断契機は、変動開始時と変動停止時との2回であるが、3回以上であってもよい。
図360は、モータと可動体との関係を示す図である。
図中のモータは、可動体モータ57として存在している複数のモータに含まれている。
〔No.1〕
上可動体昇降モータ57aは、上可動体40f1を昇降させるためのモータである。
上可動体40f1(特定の可動体)は、原点位置(第1位置、液晶表示器42の上方側に配置された位置)から可動位置(第2位置、液晶表示器42の中央側に移動して配置された位置)まで可動可能であり、通常モード(第1状態)では原点位置にあり、動物モード(第2状態)では可動位置にある。
〔No.2〕
下可動体昇降モータ57bは、下可動体40f2を昇降させるためのモータである。
下可動体40f2(特定の可動体)は、原点位置(第1位置、液晶表示器42の下方側に配置された位置)から可動位置(第2位置、液晶表示器42の中央側に移動して配置された位置)まで可動可能であり、通常モード(第1状態)では原点位置にあり、動物モード(第2状態)では可動位置にある。
〔No.3〕
左可動体モータ57cは、左可動体40f3を左右方向に可動させるためのモータである。
左可動体40f3は、原点位置(液晶表示器42の左側に配置された位置)から可動位置(液晶表示器42の中央側に移動して配置された位置)まで可動可能であり、左可動体40f3を用いた演出を実行しない場合には原点位置にあり、左可動体40f3を用いた演出を実行する場合には可動位置にある。
〔No.4〕
右可動体モータ57dは、右可動体40f4を左右方向に可動させるためのモータである。
右可動体40f4は、原点位置(液晶表示器42の右側に配置された位置)から可動位置(液晶表示器42の中央側に移動して配置された位置)まで可動可能であり、右可動体40f4を用いた演出を実行しない場合には原点位置にあり、右可動体40f4を用いた演出を実行する場合には可動位置にある。
〔No.5〕
中前右可動体回転モータ57eは、中前右可動体40f5を回転させるためのモータである。
中前右可動体40f5は、液晶表示器42の中央付近への移動中又は液晶表示器42の中央付近に移動した状態で回転可能である。
〔No.6〕
中前左可動体回転モータ57fは、中前左可動体40f6を回転させるためのモータである。
中前左可動体40f6は、液晶表示器42の中央付近への移動中又は液晶表示器42の中央付近に移動した状態で回転可能である。
〔No.7〕
中前上可動体回転モータ57gは、中前上可動体40f7を回転させるためのモータである。
中前上可動体40f7は、液晶表示器42の中央付近への移動中又は液晶表示器42の中央付近に移動した状態で回転可能である。
〔No.8〕
中前右可動体昇降モータ57hは、中前右可動体40f5を昇降させるためのモータである。
中前右可動体40f5は、原点位置(中後可動体40f8と前後方向で重なる位置)から可動位置(中後可動体40f8と前後方向で重ならない位置)まで可動可能であり、中前右可動体40f5を用いた演出を実行しない場合には原点位置にあり、中前右可動体40f5を用いた演出を実行する場合には可動位置にある。
〔No.9〕
中前左可動体昇降モータ57iは、中前左可動体40f6を昇降させるためのモータである。
中前左可動体40f6は、原点位置(中後可動体40f8と前後方向で重なる位置)から可動位置(中後可動体40f8と前後方向で重ならない位置)まで可動可能であり、中前左可動体40f6を用いた演出を実行しない場合には原点位置にあり、中前左可動体40f6を用いた演出を実行する場合には可動位置にある。
〔No.10〕
中前上可動体昇降モータ57jは、中前上可動体40f7を昇降させるためのモータである。
中前上可動体40f7は、原点位置(中後可動体40f8と前後方向で重なる位置)から可動位置(中後可動体40f8と前後方向で重ならない位置)まで可動可能であり、中前上可動体40f7を用いた演出を実行しない場合には原点位置にあり、中前上可動体40f7を用いた演出を実行する場合には可動位置にある。
〔No.11〕
中後可動体回転モータ57kは、中後可動体40f8を回転させるためのモータである。
中後可動体40f8は、原点位置から可動位置(原点位置から240度程度回転した位置)まで可動可能であり、中後可動体40f8を用いた演出を実行しない場合には原点位置にあり、中後可動体40f8を用いた演出を実行する場合には可動位置にある。
図361は、本実施形態の変動確定時に実行する第1補正処理において参照する第1補正テーブルを示す図である。
本テーブルは、補正処理(図359)のステップS914及びステップS915において参照される。
〔No.1〕
「ハート役物」が「○」であり、「上可動体」が「×」であり、「下可動体」が「○」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「○」である場合、「上可動体補正」の動作パターンが選択される。「上可動体補正」の動作パターンは、上可動体40f1を可動位置から原点位置に移動させるパターンである。
〔No.2〕
「ハート役物」が「○」であり、「上可動体」が「○」であり、「下可動体」が「×」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「○」である場合、「下可動体補正」の動作パターンが選択される。「下可動体補正」の動作パターンは、下可動体40f2を可動位置から原点位置に移動させるパターンである。
〔No.3〕
「ハート役物」が「○」であり、「上可動体」が「×」であり、「下可動体」が「×」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「○」である場合、「上下可動体補正」の動作パターンが選択される。「上下可動体補正」の動作パターンは、上可動体40f1及び下可動体40f2を可動位置から原点位置に移動させるパターンである。
〔No.4〕
「ハート役物」が「○」であり、「上可動体」が「○」であり、「下可動体」が「○」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「×」である場合、「左右可動体補正」の動作パターンが選択される。「左右可動体補正」の動作パターンは、左可動体40f3及び右可動体40f4を可動位置から原点位置に移動させるパターンである。
〔No.5〕
「ハート役物」が「○」であり、「上可動体」が「×」であり、「下可動体」が「×」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「×」である場合、「上下左右可動体補正」の動作パターンが選択される。「上下左右可動体補正」の動作パターンは、上可動体40f1、下可動体40f2、左可動体40f3及び右可動体40f4を可動位置から原点位置に移動させるパターンである。
〔No.6〕
「ハート役物」が「×」であり、「上可動体」が「○」であり、「下可動体」が「○」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「○」である場合、「ハート役物補正」の動作パターンが選択される。「ハート役物補正」の動作パターンは、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8を可動位置から原点位置に移動させるパターンである。
〔No.7〕
「ハート役物」が「-」であり、「上可動体」が「-」であり、「下可動体」が「-」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「-」である場合、「全可動体補正」の動作パターンが選択される。「全可動体補正」の動作パターンは、上可動体40f1、下可動体40f2、左可動体40f3、右可動体40f4、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8を可動位置から原点位置に移動させるパターンである。
〔システム動作について〕
前提として、システム動作は、イニシャル処理、リトライ処理、補正処理の動作があり、それぞれ動作テーブルを作成してそれぞれの処理を実行する。
補正処理を例にあげると、本図に示すように、それぞれの可動体センサの状況によって、動作を切り替える仕組みとなっている。
ここで、各可動体の原点位置のセンサで可動体を検出できている場合は「○」とし、原点位置のセンサで可動体を検出できていない場合は「×」としている。なお、「-」は、No.1~6には該当しないが複数の可動体が「×」である状態を示している。
また、「ハート役物」は、図360のNo.5~11の可動体としている。「ハート役物」が「×」の場合とは、図360のNo.5~11の可動体の1つでも、原点位置のセンサで可動体を検出できていない状態である。
ここでは、No.1を例として説明する。
No.1の状態は、上可動体40f1のみ原点位置のセンサで検出できていない状況である。この場合、上可動体40f1を補正する(正しい位置に移動させる)動作パターン(上可動体補正)が選択される。「上可動体補正」の動作パターンが選択されると、上可動体40f1を原点位置に移動させる処理が実行される。
図362は、本実施形態の変動開始後所定時間経過後に実行する第2補正処理において参照する第2補正テーブルを示す図である。
本テーブルは、補正処理(図359)のステップS916において参照される。
〔No.1〕
「ハート役物」が「○」であり、「上可動体」が「×」であり、「下可動体」が「○」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「○」である場合、「下可動体特別補正」の動作パターンが選択される。「下可動体特別補正」の動作パターンは、下可動体40f2を原点位置から可動位置に移動させるパターンである。
〔No.2〕
「ハート役物」が「○」であり、「上可動体」が「○」であり、「下可動体」が「×」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「○」である場合、「上可動体特別補正」の動作パターンが選択される。「上可動体特別補正」の動作パターンは、上可動体40f1を原点位置から可動位置に移動させるパターンである。
〔No.3〕
「ハート役物」が「○」であり、「上可動体」が「○」であり、「下可動体」が「○」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「○」である場合、「上下可動体特別補正」の動作パターンが選択される。「上下可動体特別補正」の動作パターンは、上可動体40f1及び下可動体40f2を原点位置から可動位置に移動させるパターンである。
ここでは、No.1を例として説明する。
No.1の状態では、上可動体40f1のみ原点位置のセンサで検出できていない状況である。また、No.1の状態では、下可動体40f2が原点位置のセンサで検出できている状況である。
動物モードでは、上可動体40f1及び下可動体40f2を可動位置に移動させる必要があるため、ここでは、下可動体40f2を補正する(正しい位置に移動させる)動作パターン(下可動体特別補正)が選択される。「下可動体特別補正」の動作パターンが選択されると、下可動体40f2を可動位置に移動させる処理が実行される。
図363は、比較例の変動確定時に実行する補正処理において参照する補正テーブルを示す図である。
〔No.1〕~〔No.7〕は、第1補正テーブルの動作(図361)と同様である。
〔No.8〕~〔No.14〕は、〔No.1〕~〔No.7〕の動作と同様であるが、その後に、「動物モード位置形成」の動作を実行するようになっている。
本実施形態では、可動体の原点位置が2パターンあり、これを比較例の補正テーブルで対応しようとすると、2倍の動作パターンを用意する必要がある。
具体的には、ステージ情報という追加情報によって、さらにテーブルを分ける必要があり、データ数が多くなり、管理がしにくくなる。
このため、本実施形態では、補正処理(補正動作)の実行タイミングを2つ設けることにより、データ数の削減を行っている。
〔実現手段〕
(A)本実施形態の第1補正処理では、図361に記載したテーブルを用いる。
(B)補正処理の実行タイミングを2つ設けることで、データ数を単純に増やすことを抑える。
1つ目の第1補正処理の実行タイミングは、変動確定時である。
これにより、原則として、各可動体を通常モードの位置に戻すことができる。なお、ここでは、図361に記載したテーブルを用いる。
2つ目の第2補正処理の実行タイミングは、変動開始後一定時間経過後(変動開始後45フレーム経過後)である。
動物モードの変動開始時のみ、第2補正処理用の(補正タイミング2用の)メッセージを送信し、そのタイミングで上可動体40f1や下可動体40f2が出現していなかった場合は、上可動体40f1や下可動体40f2を出現させる。
第2補正処理の実行タイミングを変動開始後45フレーム経過後(約1.5秒後)としている理由は、本実施形態の上可動体40f1や下可動体40f2が可動位置から原点位置に戻る時間が30F程度(約1.0秒)かかり、戻り動作中に出現動作を行わないようにするための時間を確保するためである。
図364は、連荘状態即終了対策の特殊変動パターンの遷移例を示す図である。
図中(A)は、発射方向の遷移に従わずに遊技を行った場合の特殊変動パターンの遷移例を示している。
例えば、時間短縮状態が終了して非時間短縮状態に移行し、その非時間短縮状態において第2特別図柄の記憶を消化している場合(左打ち状態中)に、特別図柄の記憶を1個も貯めず、第2特別図柄の記憶で小当り又は大当りとなり、その大当り遊技の終了に時間短縮状態に移行した場合、すなわち、第2特別図柄の記憶消化中に遊技球の発射を止めていた場合、特殊変動テーブルの遷移は、以下のようになる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「1変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルD(第2特別図柄)」が選択される。なお、ここで選択されるテーブルは、「変動パターンテーブルE(第2特別図柄)」であってもよい。
具体的には、大当り遊技終了後の1変動目は、第2特別図柄の記憶消化後の第2特別図柄の変動(変動時間は120秒)となる。液晶表示器42では、例えば、第2特別図柄専用のリーチ変動(リーチ演出)を実行することができる。
図中(B)は、発射方向の遷移に従って遊技を行った場合の特殊変動パターンの遷移例を示している。
例えば、時間短縮状態が終了して非時間短縮状態に移行し、その非時間短縮状態において第2特別図柄の記憶を消化している場合(左打ち状態中)に、特別図柄の記憶を4個貯め、第2特別図柄の記憶で小当り又は大当りとなり、その大当り遊技の終了に時間短縮状態に移行した場合、すなわち、第2特別図柄の記憶消化中に左打ちをして第1特別図柄の記憶を4個貯めていた場合、特殊変動テーブルの遷移は、以下のようになる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「1~4変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルD(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の1~4変動目は、第2特別図柄の記憶消化後の第1特別図柄の変動(変動時間は90~120秒程度)となる。液晶表示器42では、例えば、第1特別図柄専用のリーチ変動を実行することができる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「5変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルD(第2特別図柄)」が選択される。なお、ここで選択されるテーブルは、「変動パターンテーブルE(第2特別図柄)」であってもよい。
具体的には、大当り遊技終了後の5変動目は、第2特別図柄の記憶消化後の第2特別図柄の変動(変動時間は120秒)となる。液晶表示器42では、例えば、第2特別図柄専用のリーチ変動を実行することができる。
図中(B)に示す打ち方を実行することにより、連荘状態即終了(連荘状態がすぐに終了してしまう状況)を回避することができる。
図365は、イレギュラー打ちを考慮した特殊変動パターンの遷移例を示す図である。
図中(A)は、発射方向に従って遊技を行った場合の特殊変動パターンの遷移例を示している。
例えば、初当り前に第1特別図柄の記憶が4個貯まっている状態で、大当り遊技終了後の時間短縮状態で右打ちを継続した場合、すなわち、第1特別図柄の記憶が全て消化され、第2特別図柄の記憶を貯めた場合、特殊変動テーブルの遷移は、以下のようになる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「1~4変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルC(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の1~4変動目は、初当り後の第1特別図柄の残りの記憶を消化するための短変動(変動時間は1.0秒)となる。液晶表示器42では、例えば、演出図柄を高速で変動させることができる。この場合、リーチ演出は実行しない。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「5変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルC(第2特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の5変動目(初当り後の第2特別図柄の1変動目)は、長変動(変動時間は120秒)となる。
図中(B)は、発射方向に従わずに遊技を行った場合の特殊変動パターンの遷移例を示している。
例えば、初当り前に第1特別図柄の記憶が4個貯まっている状態で、大当り遊技終了後の時間短縮状態で右打ち中であるにも関わらず、左打ちを継続した場合、すなわち、第1特別図柄の記憶が全て消化され、さらに第1特別図柄の記憶を貯め続けて時間短縮状態が終了(パンク)する場合、特殊変動テーブルの遷移は、以下のようになる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「1~4変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルC(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の1~4変動目は、初当り後の第1特別図柄の残りの記憶を消化するための短変動(変動時間は1.0秒)となる。液晶表示器42では、例えば、演出図柄を高速で変動させることができる。この場合、リーチ演出は実行しない。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「5変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルG(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、初当り後の第1特別図柄の5変動目は、長変動(変動時間は13.5秒)となる。液晶表示器42では、例えば、可変始動入賞装置28(電チュー)に遊技球を入賞させるように促す演出(右打ちを促す演出)を実行することができる(1回目)。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「6~9変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルC(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の6~9変動目は、初当り後の第1特別図柄の追加された残りの記憶を消化するための短変動(変動時間は1.0秒)となる。液晶表示器42では、例えば、演出図柄を高速で変動させることができる。この場合、リーチ演出は実行しない。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「10変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルG(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、初当り後の第1特別図柄の10変動目は、長変動(変動時間は13.5秒)となる。液晶表示器42では、例えば、可変始動入賞装置28(電チュー)に遊技球を入賞させるように促す演出(右打ちを促す演出)を実行することができる(2回目)。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「11変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルA(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、初当り後の第1特別図柄の11変動目は、変動パターンテーブルAに含まれる変動パターンに基づく変動となる。なお、時短終了(パンク)後は、通常状態(非時間短縮状態、通常モード)へ移行する。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)本実施形態によれば、1回の特別図柄の変動遊技(特別図柄の変動表示の開始から特別図柄の停止表示の終了までの間)において、上可動体40f1又は下可動体40f2が正しい位置に配置されているか否かの判断処理を複数回実行可能とするため、1回の特別図柄の変動遊技において、通常状態(初期設定)中の特定態様に係る特定位置(例えば、図柄変動の開始時の非演出位置)に可動体を一義的に配置補正してから、特定状態(動物モード)中の所定態様に係る所定位置に配置補正させる1回の補正処理しか実行しない方式と比較して正常な遊技を提供する(処理ミスを抑制する)ことができるだけでなく、互いに異なる各判断契機(例えば、1回の図柄変動内の序盤と終盤)に応じた補正処理の専門性を向上させたり、1回の図柄変動内の判断契機となるときの判断処理で用いるデータ量を軽減可能とさせたりすることができ(遊技状態の種別変化に対応可能な判断処理の汎用化を図ることができ)、結果として、斬新な遊技機を提供することができる。
(2)本実施形態によれば、特別図柄の変動表示の開始から特別図柄の停止表示の終了までの間に、互いに異なる各判断契機に基づいて第1補正処理(第1移動処理)又は第2補正処理(第2移動処理)をそれぞれ実行可能とするため、判断状況に応じた補正処理を効率よく実行することができる。
(3)本実施形態によれば、通常モード(第1状態)であるか動物モード(第2状態)であるかによって、補正処理に関する処理である判断処理や移動処理の内容を異ならせることができるため、それぞれの状態に即した判断処理や移動処理を実行することができる。
(4)本実施形態によれば、通常モード(第1状態)であっても動物モード(第2状態)であっても、第1補正テーブルは共通して用いられるテーブルであるため、テーブルの共通化によりデータ量を削減することができる。
(5)本実施形態では、初当り時に時短に移行しなかった場合や時短抜け後は、動物モードに移行する。動物モードでは、上可動体40f1と下可動体40f2が出現し、特別図柄の複数の変動に跨って上可動体40f1と下可動体40f2が出現したままとなってステージを形成する。
〔問題点〕
可動体が複数ある場合、システム動作(イニシャル処理、補正処理、リトライ処理)の全ての動作パターンを用意すると、可動体データ数(動作パターンのデータ数)が増えてしまい、管理が難しくなる。
そこで、本実施形態では、補正処理を実行するタイミングを2つ設けている(変動確定時、及び、動物モードの変動開始後一定時間経過後)。
そして、通常モードでは、原点位置(基本ステージの位置)に戻る動作パターンによる第1補正処理を実行し、動物モードでは、補正動作の終了時間に相当する変動開始後45フレーム経過後に、上可動体と下可動体を出現させる動作パターンによる第2補正処理を実行する(可動体レイアウト形成用の第2補正メッセージを送信する)。
これにより、データ数が少なくなるので、管理がしやすくなる。
また、本実施形態では、動物モード中の客待ちデモ突入時(デモ演出の実行時)や、遊技記録に関する演出の実行時、遊技環境変更演出の実行時等に上可動体と下可動体の出現を戻す仕様であるが、動物モード中の変動開始後一定時間経過後に第2補正処理を実行するため、上可動体及び下可動体の出現・格納を繰り返すなどの複雑な動作を行う必要がなくなる。
(6)本実施形態では、可動体の位置補正に関するシステム動作(初期化補正)を1パターンのみとする共通化をし、図柄変動遊技の開始前に第1補正メッセージを送信して可動体のシステム動作(初期化)をさせ、図柄変動の序盤において第2補正メッセージを送信し、当該図柄変動の実行ベースの演出態様(モード)に応じた動作位置へ可動体を移動可能とさせる。そして、各モード状態に応じて動作位置が異なる可動体仕様に対し、補正タイミングを基本契機(変動確定時)とは異なる別契機(変動中)とし得る管理処理を設け、システム動作のパターン管理を減少可能とする。
(7)本実施形態では、可動体位置補正の命令タイミングについて、図柄変動の確定時(共通仕様)と、図柄変動の開始後の所定契機時(状態別対応)の複数パターンを用意している。
(8)本実施形態では、復帰処理(システム動作)に基づいて、図柄変動の開始時には可動体を第1位置(初期位置)に維持させ、図柄変動の実行中の所定契機で、可動体を演出態様(図柄変動の実行ベースのモード状態)に応じた第2位置(可動位置)へと移動させている。
(9)本実施形態では、第1補正メッセージや第2補正メッセージの送信(システム動作)を行う判定条件は、システム的なエラー発生時の条件だけではなく、「デモ演出の実行時や、遊技記録に関する演出の実行時」に係る条件を含む。
(10)本実施形態では、第2補正メッセージを送信するタイミングは、変動開始からシステム動作の処理終了までに要する時間(変動開始45フレーム)より後となる所定契機である。
(11)本実施形態では、可動体(可動役物)の位置制御(メッセージ)に関する処理として、可動体を原点位置に移動させる第1処理と、遊技状態(動物モード)に応じた可動位置(非原点位置)に移動させる第2処理とが設けられ、1遊技(図柄変動)に係る第1契機(変動終了)に基づいて第1処理が実行可能とされ、1遊技後の第2契機(図柄変動の開始)に基づいて第2処理が実行可能とされる。
(12)本実施形態では、複数の可動体と、切替え可能な複数の遊技状態(通常モード及び動物モード)とが設けられ、所定遊技状態(通常モード)の場合、複数の可動体の動作毎(第1補正テーブル、第1テーブル)に応じた位置制御をさせる第1補正処理を実行可能とし、特定遊技状態(動物モード)の場合、一部の可動体の実行規制(上可動体と下可動体の初期化制限)をしたこと(第1補正テーブル、第1テーブル)に基づく位置制御をさせる第1補正処理を実行可能とし、規制された一部の可動体を対象にした位置制御をさせる第2補正処理を実行可能とする。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様は例示であり、上述した演出の態様に限定されるものではない。
上述した実施形態では、いわゆる1種2種混合機に本発明を適用する例で説明したが、いわゆる1種遊技機(特定領域を備えていない遊技機)に本発明を適用してもよい。
また、本発明は、確率変動機能を備える遊技機にも適用することができ、この場合には、いわゆるループタイプ(確変回数に実質的な上限を設定しないタイプ)の遊技機に適用することもでき、STタイプ(確変回数に実質的な上限を設定するタイプ)の遊技機に適用することもできる。
さらに、本発明は、確変領域を有する遊技機に適用することもでき、確変領域を有しない遊技機に適用することもできる。
さらにまた、本発明は、「第1特別図柄及び第2特別図柄の同時回し」を採用していない遊技機に適用することもでき、同時回しを採用している遊技機に適用することもできる。
本発明は、設定付きパチンコ機に適用することもできる。
また、本発明は、性能表示モニタを備えるパチンコ機に適用することもできる。
上述した実施形態では、変動確定時に第1補正処理を実行し、変動開始後一定時間経過後に第2補正処理を実行する例で説明したが、変動確定時に第2補正処理を実行し、変動開始後一定時間経過後に第1補正処理を実行してもよく、変動確定時に第1補正処理及び第2補正処理を実行してもよく、変動開始後一定時間経過後に第1補正処理及び第2補正処理を実行してもよい。
本発明は、補正処理に適用する例で説明したが、イニシャル処理やリトライ処理といったその他の処理にも適用することもできる。
上述した実施形態は、以下の変形も可能である。
(1)第1特別図柄の記憶の有無により、第2特別図柄の変動パターン選択テーブルを異ならせてもよい。
例えば、第1特別図柄の記憶が有る場合、第2特別図柄の変動パターンを決定する際には、長時間(数十秒~数分)の変動パターンを選択可能な変動パターン選択テーブルを参照する。
一方、第1特別図柄の記憶が無い場合、第2特別図柄の変動パターンを決定する際には、短時間(数秒)の変動パターンを選択可能な変動パターン選択テーブルを参照する。
(2)連荘中(時間短縮状態、ドライブモード中)に、第1特別図柄の記憶を溜めさせる状態(左打ち状態)を発生させるようにしてもよい。
例えば、大当りのエンディング時間は、左打ち状態になる。つまり、大当り遊技のオープニングから最終ラウンドの終了時までは右打ち状態となり、大当り遊技のエンディング中のみ左打ち状態となる。
また、小当り変動の確定時間中(停止表示時間の開始から終了まで)は、左打ち状態になる。時間短縮状態は、小当り変動の確定時間の開始時にOFFにすることができ、これにより、小当り変動の確定時間中は、非時間短縮状態となる。
さらに、「大当り変動確定時間(1秒程度、0.5秒から数秒程度)≒はずれ変動確定時間(1秒程度、0.5秒から数秒程度)<小当り変動確定時間(15秒程度、数十秒程度)」とすることができる。この場合、小当り変動の確定時間は、大当りやはずれと比較して長くなるため、非時間短縮状態となる時間を長く確保することができる。
(3)「左打ち状態」や「右打ち状態」の定義は、以下のようにすることができる。
主制御装置で、左打ち状態か右打ち状態かを記憶する領域(例えば、発射位置指定フラグを格納する領域)を持ち、記憶の内容が左打ちを示す値(0)であれば「左打ち状態」であり、記憶の内容が左打ちを示す値でなければ「右打ち状態」である。「左打ち状態」は、非時間短縮状態(電チューサポートが行われていない状態)や、大当り遊技のエンディング中である。それ以外の状態は、「右打ち状態」である。
主制御装置は、左打ち状態か右打ち状態かによって、演出制御装置に、現在の発射位置の状態を伝達するコマンドを送信する。このようなコマンドは、「電源投入時」及び「右打ち状態から左打ち状態への切り替わり時」に左打ち状態を示すコマンドを送信してもよく、左打ち状態中は定期的に左打ち状態のコマンドを送信してもよい。
左打ち状態中において、演出制御装置は、主制御装置からのコマンドに基づき、右打ち報知ランプを消灯状態にすることができる。また、左打ち状態中において、演出制御装置は、液晶表示器に表示する右打ち指示表示を非表示にすることができる。さらに、左打ち状態中において、演出制御装置は、右打ち領域にあるセンサ(始動ゲート20のゲートスイッチ76等)で遊技球の通過を検出した場合、左打ちを促す演出、例えば、「左打ちに戻してください」の表示、及び、音声出力を実行することができる。ただし、時間短縮状態が終了した後は、盤面上の残り球を考慮して、所定数の変動を行うまでこのような演出を実行しないようにすることができる。
大当りのエンディング中や、小当り変動確定時間中を左打ち状態にすることで、第1特別図柄の記憶を定期的に貯めることができ、これにより、連荘中の第2特別図柄の変動を長くすることができる。これにより、連荘状態が極端に短い時間で終了して遊技者の遊技意欲が減退することを回避することができる。一方、連荘中に左打ちをしなければ、第2特別図柄の変動が短い状態となるため、遊技者は迅速に連荘状態を消化することができる。
上述した実施形態の遊技機は、1種2種混合機のゲーム性を有する遊技機であるため、非時間短縮状態における可変始動入賞装置28(普通電動役物)の開放中の入賞はエラーと判断し、エラー報知を行うようにしてもよい。
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能である。
〔実施形態E〕
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図366は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図367は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば、遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図366及び図367を参照しつつ遊技機の全体構成について説明する。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図366中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図367では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図366に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1は、カードユニットに接続する機種であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないカードユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、カードユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態のパチンコ機1は、カードユニットに接続する機種を例に挙げているが、現金機(カードユニットに接続しない機種)であってもよい。
また、受皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の前面部にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニット(参照符号なし)を取り巻くようにして配置されている。
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54,55が組み込まれている。一方、外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ56が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また、受皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45(操作入力受付手段)が設置されている。演出切替ボタン45は、例えば押し込み式の円形状ボタンとその周囲に回転式のジョグリング(ジョグダイアル)を組み合わせた形態である。遊技者は、この演出切替ボタン45を押し込み操作又は回転操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
〔裏側の構成〕
図367に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図372)に基づいてさらに後述する。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受皿ユニット6に向けて案内する。
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
〔盤面の構成〕
図368は、遊技盤ユニット8を単独で示した正面図である。遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に中始動入賞口26、始動ゲート20、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等が分布して設置されている。このうち中始動入賞口26は遊技領域8aの下部分の中央に位置している。遊技領域8aの右側部分(いわゆる右打ち領域)には、始動ゲート20、普通入賞口25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31が上からこの順番に配置されている。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で始動ゲート20を通過したり、中始動入賞口26、普通入賞口22,25に入球(入賞)したり、あるいは、開放動作時の可変始動入賞装置28や開放動作時の第1可変入賞装置30、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする。ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、中始動入賞口26又は普通入賞口22に入球する可能性がある。遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、始動ゲート20を通過したり、普通入賞口25に入球したり、開放動作時の可変始動入賞装置28に入球したり、開放動作時の第1可変入賞装置30に入球したり、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする可能性がある。中始動入賞口26、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31に入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通穴を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
本実施形態において、可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って右始動入賞口28bへの入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば左右一対の開閉部材28aを有しており、これら開閉部材28aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図368中に示されるように、左右の開閉部材28aは各先端が上を向いた状態で閉鎖位置にあり、このとき右始動入賞口28bへの入球は困難(遊技球が入球できる隙間がない状態)となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、左右の開閉部材28aはそれぞれ閉鎖位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、左右に開口幅を拡大して右始動入賞口28bを開放する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の入球が可能な状態となり、右始動入賞口28bへの入球を発生させることができる(可変始動入賞手段)。なお、このとき開閉部材28aは右始動入賞口28bへの遊技球の入球を案内する部材としても機能する。また、遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に可変始動入賞装置28(開放時の右始動入賞口28b)へ向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が開放動作時の可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に必ず入球するというわけではなく、あくまで入球は無作為に発生する。
また、可変始動入賞装置28は、非時間短縮状態(所定の遊技状態)では満たされ難い条件であり、時間短縮状態(有利遊技状態)では非時間短縮状態よりも満たされやすい条件である所定の作動条件(普通図柄が当選の態様で停止表示されて普通電動役物がロング開放するというという条件)が満たされない場合は右始動入賞口28bへの遊技球の入球が困難となる入球困難状態とする一方、所定の作動条件が満たされた場合は入球困難状態よりも右始動入賞口28bへの遊技球の入球を容易とする入球容易状態へ移行する。可変始動入賞装置28は、非時間短縮状態で普通図柄が当選の態様で停止表示された場合にはショート開放(0.1秒開放)し、時間短縮状態で普通図柄が当選の態様で停止表示された場合にはロング開放(1.0秒~6.0秒開放)する。
第1可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合、又は、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合)に作動し、第1大入賞口30bへの入球を可能にする(特別電動役物、特別入賞事象発生手段)。第1可変入賞装置30は、例えば1つの開閉部材30aを有している。この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、閉位置から開放位置に向けて変位する。図示のように先端が上を向いた状態で開閉部材30aは閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき第1大入賞口30bへの入球は困難(第1大入賞口30bは閉塞中)である。第1可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして右方向へ倒れ込むようにして変位し、第1大入賞口30bを開放する(開放状態)。この間に第1可変入賞装置30は遊技球の流入が可能な状態となり、第1大入賞口30bへの入球という事象を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは第1大入賞口30bへの遊技球の流入を案内する部材としても機能する。遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に第1可変入賞装置30(作動時の第1大入賞口30b)に向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が作動時の第1可変入賞装置30に必ず入球するというわけではなく、あくまで入球は無作為に発生する。
第2可変入賞装置31は、特別な条件が満たされた場合(特別図柄が小当りの態様で停止表示された場合)に作動し、第2大入賞口31bへの入球を可能にする(特別電動役物、第2特別入賞事象発生手段)。なお、第2可変入賞装置31は、特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合に作動してもよい。
第2可変入賞装置31は、演出ユニット40の右側に配置された装置であり、例えば1つの開閉部材31aを有している。上記の第1可変入賞装置30は、開閉部材30aが右方向へ倒れこむタイプの装置(片羽根のチューリップ式のアタッカ)を採用しているが、第2可変入賞装置31は、開閉部材31aが盤面の内部にスライドするタイプの装置を採用している(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材31aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材31aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材31aの上面を転動することになるため、第2大入賞口31bへの入球は困難(第2大入賞口31bは閉塞中)である。そして、第2可変入賞装置31が作動すると、開閉部材31aが盤面の内部に引き込まれ、第2大入賞口31bを開放する(開放状態)。この間に第2可変入賞装置31は遊技球の流入が困難ではない状態となり、第2大入賞口31bへの入球という事象を発生させることができる。
〔特定領域〕
また、第2可変入賞装置31の内部には、特定領域31xが設けられている。特定領域31xは、第2可変入賞装置31が閉鎖状態である場合は遊技球が通過困難な領域であり、第2可変入賞装置31が開放状態である場合であって特定領域用スライド部材31cが盤面の内部に引き込まれている状態である場合に遊技球が通過可能な領域である。なお、第2可変入賞装置31の詳細は後述する。
また、特に図示してはいないが、第2可変入賞装置31(開閉部材31a)には、遊技球が転動するスピードを低下させる遊技球転動スピード低下部を形成してもよい。遊技球転動スピード低下部は、開閉部材31aの傾斜を緩やかにしたり、開閉部材31a上の遊技球が通過する位置に、遊技球をジグザグに進行させるための交互に出っ張る突起を形成することにより実現することができる。これにより、小当り遊技中に多くの遊技球を第2可変入賞装置31に入球させることができる。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、中始動入賞口26、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)、第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b、特定領域)に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
図369及び図370は、第2可変入賞装置31の詳細を示す図である。
第2可変入賞装置31は、スライド式の開閉部材31aの下方に第2大入賞口31bが配置されている。第2大入賞口31bの内部は左側に下り傾斜となっており、左側の端部にて下方に通路が延びている。下方に延びた通路には第2カウントスイッチ85が配置されており、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31に入球した遊技球の数をカウントする。
そして、下方に延びた通路は、その先で2つのルートに分かれている。一方の第1通路31dは、そのまま下方に延びており、他方の第2通路31eは左側に分岐する。
第1通路31dには、特定領域用スライド部材31cが配置されており、第1通路31dの下流には特定領域31xが配置されている。なお、特定領域31xの内部には、不図示の特定領域スイッチが配置されている。
一方、第2通路31eには、特別な部材は配置されておらず、第2通路31eの下流には排出孔31yが配置されている。
特定領域用スライド部材31cは、特殊な条件が満たされた場合(第2可変入賞装置31が作動してから第1時間経過後第2時間経過前の間)に作動し、特定領域31xへの遊技球の通過を可能にする。特定領域用スライド部材31cは、例えば図示しない特定領域ソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面の前後方向に沿ってスライドする。例えば、第1時間経過後は第2可変入賞装置31が作動してから0.2秒経過後であり、第2時間経過後は、第2可変入賞装置31が作動してから1.8秒経過後である。
特定領域ソレノイドがOFFの状態であると、特定領域用スライド部材31cは第1通路31dを塞いでいるため、遊技球が特定領域31xを通過することは困難となっている。一方、特定領域ソレノイドがONの状態になると、特定領域用スライド部材31cは盤面の内側に引き込まれるため、遊技球が特定領域31xを通過することが容易となる。
次に、第2可変入賞装置31の動作を説明する。
図369中(A)に示すように、スライド式の開閉部材31aは、盤面の内側に引き込まれており、遊技球が第2大入賞口31bに入球している。図示の例では、4個の遊技球が第2大入賞口31bに向かって進行している。ここでは、1個目の遊技球が第2カウントスイッチ85により検出される直前の状態である。
図369中(B)に示すように、1個目の遊技球が特定領域用スライド部材31cに到達している。2個目及び3個目の遊技球は、第2カウントスイッチ85に向かって進んでいる。4個目の遊技球は、第2大入賞口31bに入球しかけている。
図369中(C)に示すように、この時点では、特定領域用スライド部材31cが内側に引き込まれていないため(非作動中であるため)、1個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cによって進行方向が左側に変更され、第2通路31eを進行する。この場合、1個目の遊技球は、排出孔31yにより回収される。
図370中(D)に示すように、この時点で特定領域用スライド部材31cが盤面の内側に引き込まれたものとする(動作中)。この場合、2個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cの手前側を通り抜けて、第1通路31dに進行する。そして、2個目の遊技球は、特定領域31xを通過して、特定領域スイッチにより検出される。
図370中(E)に示すように、3個目の遊技球も、特定領域用スライド部材31cの手前側を通り抜けて、第1通路31dに進行する。この場合、3個目の遊技球は、特定領域31xを通過して、特定領域スイッチに検出される。
図370中(F)に示すように、この時点で、特定領域用スライド部材31cの動作が終了し、特定領域用スライド部材31cが盤面の前方側に突出したものとする。この場合、4個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cによって左側に案内され、第2通路31eに進行する。そして、4個目の遊技球は、排出孔31yにより回収される。
図371は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の左下位置)を拡大して示す正面図である。
遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33(普通図柄表示手段)及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34(第1図柄表示手段)、第2特別図柄表示装置35(第2図柄表示手段)、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が設けられている。
このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0~4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、上記の始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えば7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段、第1図柄表示手段、第2図柄表示手段)。その他、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、0~4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプが点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして、2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
一方、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えば1つのランプ(LED)の消灯又は点灯の組み合わせで構成される表示態様により、1個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、1つのランプを消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示する。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、上記の中始動入賞口26に遊技球が入球するごとに、入球が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に遊技球が入球すると、入球が発生したことを記憶する意味で増加後の表示態様へと変化し(最大1個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されると、減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄(第1図柄)が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で中始動入賞口26に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄(第2図柄)が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個又は最大1個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また、遊技状態表示装置38には、例えば、大当り種別表示ランプ38a,38b、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定表示ランプ38fにそれぞれ対応する6つのLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
〔遊技盤のその他の構成:図368を参照〕
上記の演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側上部には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄(本図柄)や、第4図柄、記憶マーカ(保留表示)をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。
さらに、演出ユニット40の内側下部にはドラムユニット200が設置されている。
ドラムユニット200は、左リール201、中リール202、右リール203を備えており、各リールには擬似演出図柄(7図柄やパンダ図柄、チェリー図柄等)が表示されている。例えば、同色の7図柄が、有効ラインとなる中段ラインに表示されると、特別図柄抽選にて大当りの結果が得られたことを表している。ドラムユニット200の各リールは、複数の可動速度で可動可能な可動体である。
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されている。球案内通路40dは、演出ユニット40の裏側を通って下方の転動ステージ40eに接続されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40kが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40kに案内された遊技球は、その真下にある中始動入賞口26に流入しやすくなる。
その他に演出ユニット40の上部中央の内部には、演出用の可動体40f(例えばハート型の装飾物)とともに図示しない駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。このような可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図372は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0~65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31にそれぞれ対応して中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84及び第2カウントスイッチ85が装備されている。各始動入賞口スイッチ80、82は始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)への遊技球の入賞を検出するためのものである。また、第1カウントスイッチ84は第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。
他にも、特定領域31xに対応して特定領域スイッチ83が装備されている。第2大入賞口31bの内部の特定領域31xに対応する位置には、特定領域スイッチ83が備えられており、特定領域スイッチ83は、遊技球が特定領域31xを通過したことを検出する。
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22,25への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、ここでは全ての普通入賞口22,25について共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば、盤面の左右で別々の入賞口スイッチ86を設置し、左側の入賞口スイッチ86では盤面の左側に位置する普通入賞口22,25に対する遊技球の入賞を検出し、右側の入賞口スイッチ86では盤面の右側に位置する普通入賞口25に対する遊技球の入賞を検出することとしてもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類80、82、83、84、85、86の入賞検出信号や通過検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、特定領域スイッチ83、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号や通過検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び特定領域31xにそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び特定領域ソレノイド99が設けられている。これらソレノイド88,90,97,99は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び特定領域31xを開閉させる。なお、これらソレノイド88,90,97,99についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に上記の一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、上記の内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている(特別特典付与手段)。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のカードユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに送信される。また、カードユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、カードユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また、演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46~52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
演出制御装置124と上記の主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお、各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46やガラス枠装飾ランプ48,50,52の他に、遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここではガラス枠装飾ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受皿ユニット6に受皿電飾基板を設置し、ガラス枠装飾ランプ52については受皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
また、音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、ガラス枠上スピーカ54,55及び外枠スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46~52やスピーカ54,55,56に印加されている。また、ガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45を接続した例を挙げているが、上記の受皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45は受皿電飾基板に接続されていてもよい。その他、遊技盤ユニット8にはパネル電飾基板138が設置されており、このパネル電飾基板138には盤面ランプ53の他に可動体モータ57が接続されている。可動体モータ57は、例えば図示しないリンク機構を介して上記の可動体40fを駆動する。ランプ駆動回路132からの駆動信号は、パネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53及び可動体モータ57にそれぞれ印加される。なお、可動体モータ57は、ソレノイドであってもよい。
〔ドラムユニット〕
また、演出制御装置124には、ドラムユニット200が接続されている。
ドラムユニット200は、同軸に配置された左リール201、中リール202、及び、右リール203を備えている。
左リール201、中リール202、及び、右リール203は、それぞれ円環状に形成されており、その周囲には複数の擬似演出図柄が間隔をおいて一列に付されたリール帯が巻かれている。左リール201、中リール202、及び、右リール203は、その中心に回転軸があり、回転軸を中心に回転又は逆回転させることができる。
また、ドラムユニット200には、各リールに対応する不図示のステッピングモータ(以下、単にモータと記載することもある。)と、各リールに対応する不図示の位置検出機構とが設けられている。位置検出機構は、ステッピングモータの内部に配置されていてもよく、ステッピングモータの外部に配置されていてもよい。位置検出機構は、例えば、遮光板とフォトセンサ等により構成することができる。
ステッピングモータは、ドラムユニット200を制御する不図示のドラムユニット制御装置(ドライバ、IC)によって駆動される。ドラムユニット制御装置は、演出制御装置124から送信される可動体データに応じて各リールを駆動する。また、ドラムユニット制御装置は、位置検出機構により検出された各リールの位置(例えば、原点位置)の検出に応じて、検出信号を演出制御装置124に送信する。
そして、演出制御装置124は、ドラムユニット制御装置から送信されてくる検出信号に基づいて、各リールに対応するステッピングモータに対して送信する可動体データを生成し、各リールの動作を制御する。
ステッピングモータは、1相励磁と2相励磁とを交互に繰り返して各リール(可動体)を駆動(1-2相励磁駆動)するモータであり、ステッピングモータには、4つのコイル(コイル1~コイル4)が含まれている。
上記の液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤ユニット8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、VDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なお、VRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46~53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらにVDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上記のように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、リセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図373及び図374は、リセットスタート処理の第1手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1~2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また、主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、不図示のRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また、主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタコマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また、主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図374に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして、主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)、及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図378中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図378中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、上記のように、本実施形態において大当り決定乱数及び当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図378)を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込管理処理の内容については後述する。
図375は、リセットスタート処理の第2手順例を示すフローチャートである。なお、リセットスタート処理の第1手順例と同様の処理については、重複する説明を省略する。また、図374の処理は、第1手順例と第2手順例とで同様である。
リセットスタート処理の第2手順例では、リセットスタート処理の第1手順例と比較して、準備中処理(ステップS112a)が追加されている点が異なっている。
具体的には、ステップS106で肯定(Yes)と判断された場合、ステップS107で否定(No)と判断された場合、又は、ステップS108で否定(No)と判断された場合は、準備中処理(ステップS112a)が実行される。
なお、準備中処理(ステップS112a)の実行タイミングは、このようなタイミングに限定されるものではなく、リセットスタート処理の中の任意のタイミングで実行することができる。つまり、RAMクリアスイッチを押下した状態で電源投入した場合に、「準備中」→「遊技可能状態(メインループに移行した状態)」と移行するように制御されていればよい。
ステップS112a:準備中処理では、主制御CPU72は、RAMクリア時に必要となる各種動作を制御する。なお、処理の詳細は、後述する。
そして、準備中処理(ステップS112a)が終了すると、主制御CPU72は、RAMクリア処理(ステップS113)を実行する。なお、これ以降の処理は、第1手順例の処理と同様である。
図376は、準備中処理の手順例を示すフローチャートである。
ステップS125:主制御CPU72は、準備中動作制御処理を実行する。準備中動作制御処理の詳細は、後述する。
ステップS126:主制御CPU72は、RAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。
その結果、RAMクリアスイッチが操作されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、リセットスタート処理(図375)に復帰する。一方、RAMクリアスイッチが操作されていることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS125の処理を実行する。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、RAMクリアスイッチが押下されるまで、ステップS125の準備中動作制御処理を継続して実行することができる。
〔準備中動作制御処理〕
準備中動作制御処理の動作内容の詳細は、以下の通りである。
主制御CPU72は、準備中動作制御処理において、以下に示す状態及び動作内容のうち、少なくとも1つの状態及び動作を採用した内容の処理を実行することができる。
(1)準備中は、RAMクリアスイッチを押下した状態で電源投入した際に移行する状態である。準備中には、再度RAMクリアスイッチが押下されるまで滞在する。「準備中」の状態で、RAMクリアスイッチが押下されると、「遊技可能状態」へ移行する。
(2)準備中では、主制御装置70(主制御CPU72)で管理する可動体(主制御装置70に接続されている可動体)を可動制御し、可動体が正常に動作するか否かの可動確認を行うことができる。
具体的には、特別電動役物(アタッカ)、特別電動役物の内部の可動体(確変領域や特定領域を開放する可動体や、2種系の場合は常時回転の回転体、規定の契機により可動する可動体、及び、これらに付随する機構やソレノイド、モータ等)、普通電動役物(電動チューリップ)を一定の動作で可動制御する。
可動制御は、例えば、「0.4秒ON→0.4秒OFF」を複数回繰り返す可動パターンにより、ソレノイドやモータを動作させることにより実行する。
可動制御は、準備中において最初から最後まで継続して実行してもよく、所定回数や所定時間を上限として実行してもよい。
(3)準備中は、外部から準備中であることが明確に分かるようにすることができる。この場合、例えば、液晶表示器の表示画面に、「準備中です」「遊技できません」「RAMクリアスイッチを押下すると終了します」「演出ボタン押下で演出設定変更」等といった情報を表示することができる。この場合、合わせて、「準備中です」等の音声出力を繰り返し実行してもよい。
(4)準備中は、演出ボタンの操作により、演出に関する設定を変更することができるようにしてもよい。例えば、演出切替ボタン(演出ボタン)を押下すると液晶表示器の表示画面が切り替わり、日時の設定、音量設定(1~5段階)、演出頻度設定(1~3段階)、演出種類設定等が選択できるようにすることができる。
(5)準備中は、遊技球の発射制御ができないようにしてもよい。これは、主制御装置70から払出制御装置92へ「発射許可信号」を送信していることを条件に、発射制御基板108では、遊技球の発射をすることができるからである。主制御装置70は、「割込管理処理(タイマ割込み処理)」内で「発射許可信号」を送信する処理を行うことができるが、準備中は「割込管理処理(タイマ割込み処理)」がまだ実行されていない期間であるため発射ができない状態となる。
(6)準備中処理のプログラム(各種可動体を動作させるプログラム)は、使用領域内に実装(配置)することができる。使用領域とは、遊技の進行を制御するために使用可能な容量が遊技機規則で定められている領域であり、領域外の領域とは、使用可能な容量の計算に含めない領域である。
(7)準備中の期間は、準備中であることを示す外部情報を、外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に対して出力するようにしてもよい。
(8)準備中は、メインループに移行する前(割込管理処理(タイマ割込み処理)が実行される前)の段階である。このため、準備中においては、統合表示基板89の表示(メインセグ)は消灯状態とすることができる。また、準備中においては、遊技可能状態中に判定可能なエラー(例えば、磁気エラー、電波エラー、振動エラー、大入賞口不正入賞エラー等)を判定しないようにすることができる。さらに、準備中は、賞球の払出、特別図柄の変動、普通図柄の変動を実行しないようにすることができる。
(9)RAMクリアスイッチを押下した状態で電源投入した場合は、「準備中」を示すコマンドを主制御装置から演出制御装置に送信することができる。また、再度RAMクリアスイッチが押下され、準備中が終了する場合には、「準備中終了」を示すコマンドを主制御装置から演出制御装置に送信することができる。なお、この場合、メインループに移行する前に、主制御装置から演出制御装置にコマンドを送信するようにしてもよい。
準備中の段階では、RAMクリア処理は実行されておらず、準備中にRAMクリアスイッチが押下されたことを条件に、RAMクリア処理を実行することができる。ただし、RAMクリア処理の実行後に準備中に移行させ、その後、メインループに移行するようにしてもよい。
このような構成を採用する経緯として、以下のような課題がある。
従来の遊技機は、特別電動役物、普通電動役物の動作確認が、任意のタイミングで(特に、RAMクリアをする際の電源投入時に)行えないため、不具合が通常の遊技中に急に発覚するおそれがある。
そして、上記のような構成を採用することにより、以下のような効果を発揮することができる。
(1)電源投入時に、各種電動役物が動作可能か否かを確認することができるため、遊技中に各種電動役物が動作しないという不具合を防ぎ、正常に遊技を行うことができる。
(2)正常に遊技を行うことができるので、遊技が途切れる事態を防ぐことができ、遊技に対する興趣の低下を防ぐことができる。
(3)事前に(遊技前に)不具合を解決できるため、遊技中の不具合の確認処理を無くすことができ、制御上の処理負荷の軽減にも貢献することができる。
(4)準備中(動作確認中)に演出設定も実行することができるため、効率的な遊技を提供することができる。
上記の構成から以下の技術的な内容を抽出することができる。
(1)所定の操作部材(RAMクリアスイッチ)と、可動体(電動役物、駆動源、ソレノイド、モータ等)と、前記所定の操作部材が操作されている状態で電源が投入された場合、可動体が正常に動作するか否かを確認するために、可動体を一定の動作パターンで動作させる可動体動作手段とを備える遊技機である。
(2)上記(1)の構成において、可動体動作手段は、再び、所定の操作部材が操作されるまで、可動体を一定の動作パターンで動作させ続けることが好ましい。
〔電源断発生チェック処理〕
図377は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また、主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして、主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(図373)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図378は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB~Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A~L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、入賞口スイッチ86、特定領域スイッチ83からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、特定領域スイッチ83からの通過検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機、第1抽選契機、第2抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また、普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(普通図柄抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,82,84,85,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
〔賞球数及び獲得遊技球数について〕
第1特別図柄の始動口の賞球数及び第2特別図柄の始動口の賞球数は、それぞれ1個以上の規定数に設定されている。また、第1特別図柄の始動口と第2特別図柄の始動口とでは、賞球数を異ならせてもよい。さらに、特別図柄の当選確率や、総獲得遊技球数の期待値(初当りから時間短縮状態が終了するまでの一連の期間に得られる平均出球数)に基づいて、最低賞球数を設定してもよい。さらにまた、特別図柄の当選確率、総獲得遊技球数の期待値、大入賞口の開放回数、大入賞口の開放時間、大入賞口の最大入賞数、大入賞口の賞球数が所定の条件を満たした場合、1回の大当りによる獲得遊技球数が最大の獲得遊技球数の1/4未満となる大当りを設定してもよい。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータ(外部機器)に対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」~「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」~「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」~「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS209:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS205)や普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお、駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また、主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び特定領域ソレノイド99の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS213:そして、主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお、本実施形態では、ステップS205~ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして、主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A~L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。なお、割込管理処理では、主制御CPU72は、各種エラーを検出する図示しないセンサやスイッチ等に基づいて、各種エラー(磁気エラー、電波エラー、振動エラー、大入賞口不正入賞エラー等)を判定することができる。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図379は、スイッチ入力イベント処理(図378中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する中始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の第1大入賞口30bに対応する第1カウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS19に進んで第1大入賞口カウント処理を実行する。第1大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの第1可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS20に進む。
ステップS20:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の第2大入賞口31bに対応する第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS21に進んで第2大入賞口カウント処理を実行する。第2大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中(小当り遊技中)に第2可変入賞装置31への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72はステップS24を実行する。一方、通過検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS26に進む。
ステップS24:主制御CPU72は、普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また、主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして、主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。次に、主制御CPU72は、ステップS26を実行する。
ステップS26:主制御CPU72は、第2大入賞口31b内の特定領域31xに対応する特定領域スイッチ83から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS28に進んで特定領域予備フラグをONにする処理を実行する。一方、通過検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図378)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図380は、第1特別図柄記憶更新処理(図379中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。ここで、RAM76の乱数記憶領域は、第1特別図柄及び第2特別図柄で共通で使用する5つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。ただし、第1特別図柄に関しては、4つのセクションしか使用できず、第2特別図柄に関しては、1つのセクションしか使用できない。したがって、セクションに空きがあっても、第1特別図柄に関してすでに4つのセクションを使用している場合、それ以上第1特別図柄の各乱数が記憶されることはない。これと同様に、セクションに空きがあっても、第2特別図柄に関してすでに1つのセクションを使用している場合、それ以上第2特別図柄の各乱数が記憶されることはない。セクションが5つである理由は、第1特別図柄の最大記憶数(4個)と、第2特別図柄の最大記憶数(1個)とを合計した数のセクションが必要だからである。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図379)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図378中のステップS210)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第1抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、抽選要素取得手段)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして、主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(第1抽選要素記憶手段、抽選要素記憶手段)。複数のセクションには順番(例えば第1~第5)が設定されており、現段階で第1~第5の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2~第5セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の特別遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37,S38を実行する。大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37,S38をスキップしてステップS38aに進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS37:大当り中以外の場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する(先読み処理実行手段)。この処理は、先のステップS32~S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数、大当り図柄乱数及び変動パターン決定乱数に基づいて、特別図柄抽選の結果や変動時間を事前(変動開始前)に判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。この処理において、第1特別図柄の事前判定の結果を特図先判定演出コマンド(先読み情報)の下位バイト分にセットする。
ステップS38:取得時演出判定処理を実行すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする(先読み処理実行手段)。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分(当否に関する情報や変動時間に関する情報)は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされるので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS38a:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」~「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」~「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」~「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」~「04H」となったことを表している。なお、上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS39:そして、主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理では、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンドが演出制御装置124に対して送信される(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えるか、もしくは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図379)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
次に図381は、第2特別図柄記憶更新処理(図379中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば1とする)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図379)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図380)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図378中のステップS210)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第2抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図380)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図380)と同様である。
ステップS44:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、抽選要素取得手段)。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図380)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄及び第2特別図柄で共通で使用する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(第2抽選要素記憶手段、抽選要素記憶手段)。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図380)と同様である。
ステップS45a:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。そして、大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS46,S47を実行する。逆に大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS46,S47をスキップしてステップS48に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、同じく大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS46:大当り中以外である場合(ステップS45a:No)、次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する(先読み処理実行手段)。この処理は、先のステップS42~S44でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである。この処理において、第2特別図柄の事前判定の結果を特図先判定演出コマンドの下位バイト分にセットする。
ステップS47:取得時演出判定処理を実行すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする(先読み処理実行手段)。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS46)においてセットされるので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS48:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」~「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお、先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS49:そして、主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して特図先判定演出コマンドや作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置124に対して送信される(記憶数通知手段)。また、以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図379)に復帰する。
〔取得時演出判定処理〕
図382は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理及び第2特別図柄記憶更新処理(図380中のステップS37,図381中のステップS46)においてこの取得時演出判定処理を実行する(事前判定手段、先読み処理実行手段)。上述したように、この処理は第1特別図柄(中始動入賞口26への入球時)、第2特別図柄(可変始動入賞装置28への入球時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンド(先判定情報)の下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(図380中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図381中のステップS45)でRAM76に記憶されているものである。
ステップS54:そして、主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段、事前判定手段)。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお、比較値(下限値)は、パチンコ機1における特別図柄抽選の大当り確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS80に進む。
ステップS80:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段、先読み処理実行手段)。この処理では、主制御CPU72は、はずれ時の変動時間について変動パターン先判定コマンド(先読み情報)を生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、特に「時間短縮機能」の作動時における変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。例えば、現在の状態が「時間短縮機能」の作動時であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものである場合、主制御CPU72は「時短中非短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。なお、リーチ変動の場合はさらに、リーチモード乱数から「リーチグループ(リーチの種類)」をも判断し、その結果から変動パターン先判定コマンドを生成することとしてもよい。一方、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「時短中短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。あるいは、現在の状態が「時間短縮機能」の非作動時(低確率状態)であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものである場合、主制御CPU72は「通常はずれリーチ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。一方、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「通常はずれ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。なお、この処理において、主制御CPU72は、小当り時の変動パターンについて、上述したはずれ時の処理と同様に変動パターン先判定コマンドを生成してもよい。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は取得時演出判定処理を終了し、呼び出し元の第1特別図柄記憶更新処理(図380)又は第2特別図柄記憶更新処理(図381)に復帰する。一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
ステップS74:主制御CPU72は、大当り図柄種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(図380中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図381中のステップS45)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、ステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果からいずれの当選図柄に該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS78に進む。
ステップS78:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットする。特別図柄先判定値は、例えば「時間短縮状態に移行しない図柄」に該当する場合は「00H」がセットされ、「時間短縮状態に移行する図柄」に該当する場合は「01H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
ステップS79:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段、先読み処理実行手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り時の変動時間について、上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、例えば大当り時のリーチ変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(図380)又は第2特別図柄記憶更新処理(図381)に復帰する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理(図378)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図383は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000~ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番~7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において大当り又は小当りの態様(非当選以外の態様)で特別図柄が停止表示された場合に選択される。なお、特別図柄の停止表示される態様に応じて、大当り遊技又は小当り遊技が開始される。
〔大当り遊技〕
例えば、特別図柄が10ラウンド大当りの態様で停止表示されると、大当り遊技(遊技者にとって有利な特別遊技)が実行される。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、第1大入賞口ソレノイド90が一定時間(例えば29秒間又は10個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば10回)にわたって励磁され、これにより第1可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に第1可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に第1可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で10回あれば、これらを「10ラウンド」と総称することがある。本実施形態では、10ラウンド大当りについては、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられている。なお、大当りの種類として10ラウンド大当りだけでなく、その他のラウンド数の大当りを設けてもよい。
また、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の第1可変入賞装置30の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また、主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図378中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(時間短縮状態)を変化させる(時間短縮状態移行手段、状態移行手段)。「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、普通図柄の作動抽選の抽選確率が通常確率(低確率)から高確率に設定され、また、普通図柄の変動時間が短縮されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長されて開放回数が増加する(いわゆる電チューサポートが行われる)。なお、いわゆる2種遊技機の要素を含む遊技機(例えば、1種2種混合機や2種遊技機、すなわち、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過することによって大当り遊技が実行される遊技機)においては、普通図柄の作動抽選の当選確率を高確率状態に移行させないようにしてもよい。この場合、普通図柄の作動抽選の当選確率は、時間短縮機能の作動の有無に関わらずに一定の確率(例えば略1分の1)とし、可変始動入賞装置28の開放パターンで入賞の容易さと困難さを調整することができる。
〔小当り〕
また、本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当りの遊技が行われて第2可変入賞装置31が開閉動作する(特例遊技実行手段)。例えば、特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、小当り遊技(遊技者にとって有利な特殊遊技)が実行される。小当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、第2大入賞口ソレノイド97が一定時間(例えば1.8秒間又は10個の入賞をカウントするまで)、予め設定された作動回数(例えば1回又は複数回)にわたって励磁され、これにより第2可変入賞装置31が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の作動)。この間に第2可変入賞装置31に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、ある程度の賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。
また、小当り遊技中の可変入賞装置管理処理においては、特定領域ソレノイド99が一定時間(例えば1.6秒間)、予め設定された作動回数(例えば1回)にわたって励磁され、これにより特定領域用スライド部材31cが決まったパターンで開閉動作する。この間に特定領域31xに遊技球を通過させることで、遊技者には、大当り遊技を開始する機会が与えられる。すなわち、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過するか否かで、可変入賞装置管理処理において大当り遊技を開始するか否かが決定される。本実施形態では、小当りについては、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられており、遊技球が特定領域31xを通過すると、当選種類に応じた大当り遊技が開始される。
また、特定領域31xを遊技球が通過せずに小当りの遊技が終了しても、「時間短縮機能」が作動することもないので、「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。なお、「時間短縮状態」で小当りに当選した場合には、その小当り遊技終了後に「時間短縮状態」が終了するようにしてもよい。
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、複数の当選種類として「10ラウンド大当り1~6」が設けられている。「10ラウンド大当り1~4」は、特別図柄が大当りの態様で停止表示した際に開始され、「10ラウンド大当り5,6」は、特別図柄が小当りの態様で停止表示し、かつ、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過した際に開始される。なお、「10ラウンド大当り5,6」によって大当りが実行される場合(小当り経由で大当りが実行される場合)、1ラウンド目では第2可変入賞装置31が作動し、残りのラウンドでは第1可変入賞装置30が作動する。
上記の当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「10ラウンド大当り1」は「第1当選図柄」の大当りに対応し、「10ラウンド大当り2」は「第2当選図柄」の大当りに対応する。また、「10ラウンド大当り3」は「第3当選図柄」の大当りに対応し、「10ラウンド大当り4」は「第4当選図柄」の大当りに対応する。さらに、「10ラウンド大当り5」は「第5当選図柄」の小当り(特定領域31x通過時の大当り)に対応し、「10ラウンド大当り6」は「第6当選図柄」の小当り(特定領域31x通過時の大当り)に対応する。このため以下では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔第1当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が「第1当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第1当選図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。また、第1大入賞口30bは、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される(以下、同様)。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=1回又は10回)。
〔第2当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が「第2当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第2当選図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」は作動しない。
〔第3当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第3当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第3当選図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=1回又は10回)。
〔第4当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第4当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第4当選図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」は作動しない。
〔第5当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第5当選図柄」の態様で停止表示されると、小当り遊技が実行され、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過すると、小当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。この場合、2ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第5当選図柄」に該当した場合の大当り遊技は、9ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=1回又は10回)。
〔第6当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第6当選図柄」の態様で停止表示されると、小当り遊技が実行され、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過すると、小当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。この場合、2ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第6当選図柄」に該当した場合の大当り遊技は、9ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」は作動しない。
このように、本実施形態では、「第1当選図柄」、「第3当選図柄」又は「第5当選図柄」に該当した場合、大当り遊技終了後に「時間短縮状態」に移行する可能性がある。
なお、このように内部抽選で小当りに当選し、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に当選図柄の種類に応じて時間短縮状態に移行する遊技機は、いわゆる1種2種混合タイプの遊技機と呼ばれている。
〔特別図柄変動前処理〕
図384は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図378中のステップS212)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお、復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)を取得した順に読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。本実施形態では、RAM76の乱数記憶領域に記憶された(取得された)順に乱数が読み出される(入賞順消化)。なお、このような特別図柄別の入賞順消化の制御ではなく、第2特別図柄の消化を優先する優先消化の制御であってもよい。また、この処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち、乱数のシフトを行った方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図378中のステップS210)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図385は、上記の特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動前処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」より大であった場合(図384中のステップS2100:Yes)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:主制御CPU72は、乱数記憶領域を参照して、最も古い記憶が第2特別図柄に対応するものであるか否かを確認する。この確認は、RAM76の乱数記憶領域の第1セクションに、第2特別図柄に対応する乱数が記憶されているか否かを確認することにより実現することができる。このとき、最も古い記憶が第2特別図柄に対応するものであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2212を実行する。
ステップS2212:主制御CPU72は、対象特別図柄として第2特別図柄を指定する。この指定は、例えば対象図柄指定値として「02H」をセットすることで行われる。
ステップS2214:一方、最も古い記憶が第2特別図柄に対応するものであることを確認できない場合(ステップS2210:No)、すなわち、最も古い記憶が第1特別図柄に対応するものである場合、主制御CPU72は対象特別図柄として第1特別図柄を指定する。この場合の指定は、例えば対象図柄指定値として「01H」をセットすることで行われる。
ステップS2216:主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
ステップS2218:次いで主制御CPU72は、対象特別図柄について作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、今回の対象特別図柄が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(-1)する。
ステップS2220:そして、主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から「変動開始時作動記憶数」を設定する。なお、ここでは第1特別図柄と第2特別図柄の両方について、作動記憶カウンタの値を加算した上で「変動開始時作動記憶数」を設定してもよい。
ステップS2222:また、主制御CPU72は、対象特別図柄が第2特別図柄であるか否かを確認する。
ステップS2224:対象特別図柄が第2特別図柄であった場合(ステップS2222:Yes)、主制御CPU72は第2特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」~「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。つまり、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」~「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」~「1」(コマンド表記は「13H」~「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」~「0」(コマンド表記は「12H」~「10H」)となったことを表している。なお、上記の先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS2226:なお、今回の対象特別図柄が第1特別図柄であった場合(ステップS2222:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。この場合のコマンドは、先行値が第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BBH」)となる以外は上記と同じである。
ステップS2228:そして、主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2224又はステップS2226でセットした作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図384)に復帰する。
〔図384:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(第1抽選実行手段、第2抽選実行手段、抽選実行手段)。このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(第1抽選実行手段、第2抽選実行手段、抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。「小当り」は、第2可変入賞装置31のみを作動させる条件を満たすものとして位置付けられている(条件装置を作動させる条件は満たさない)。さらに、「小当り」中に遊技球が特定領域31xを通過すると、「大当り」に発展させるものとして位置付けられている(条件装置を作動させる条件を満たす)。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
本実施形態では、第1特別図柄抽選においては、大当りの当選確率が319分の1に設定され、小当りには当選しない設定になっている。なお、第1特別図柄抽選において、小当りに当選するようにしてもよい。また、第2特別図柄抽選においては、大当りに当選する確率は319分の1に設定され、小当りに当選する確率は319分の318(=略1/1)に設定され、はずれには該当しないようになっている。なお、第2特別図柄抽選において、はずれに該当するようにしてもよい。したがって、第2特別図柄抽選においては、大当りよりも小当りに当選しやすくなっている。これらの大当りの当選確率や小当りの当選確率を満たすべく、大当り値の範囲や小当り値の範囲が主制御CPU72により設定され、読み出した乱数値と比較される。
また、主制御CPU72は、非時間短縮状態(所定の遊技状態)において、第1特別図柄の抽選契機(第1抽選契機)よりも発生しにくい第2特別図柄の抽選契機(第2抽選契機)が発生すると、第2特別図柄抽選(第2抽選)を実行する(第2抽選実行手段)。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図378中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「-」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、図示しない変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、はずれ時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン選択手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。変動パターンには、通常変動(非リーチ変動)、リーチ変動、スーパーリーチ変動等といった様々な変動パターンが含まれている(大当り時や小当り時も同様)。なお、選択された特別図柄の変動パターンに関する情報は、特殊変動であるか否かという情報も含めて変動パターンコマンドとして演出制御装置に送信される(大当り時や小当り時についても同様である。)。
ここで、はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。また、「時間短縮状態」でなくとも、リーチ演出を実行する変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個~3個)」に基づいて短縮される場合がある(例えば、変動表示開始時作動記憶数0個→12.5秒程度、変動表示開始時作動記憶数1個→8秒程度、変動表示開始時作動記憶数2個→5秒程度、変動表示開始時作動記憶数3個→2.5秒程度)。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。そして、主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、4種類の当選図柄が用意されている。第1特別図柄に関する内訳は、「第1当選図柄」又は「第2当選図柄」であり、第2特別図柄に関する内訳は、「第3当選図柄」又は「第4当選図柄」である。なお、これらの当選図柄の各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば、「第1当選図柄」であれば、「第1当選図柄A」、「第1当選図柄B」、「第1当選図柄C」、・・・といった具合である。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の選択比率が異なっている。このため主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであるか、第2特別図柄に対応するものであるかによって選択する当選図柄を区別している。
〔第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図386は、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、この第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「52」,「48」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第1当選図柄」、「第2当選図柄」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する大当り時において、「第1当選図柄」が選択される割合は100分の52(=52%)であり、「第2当選図柄」が選択される割合は100分の48(=48%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。
いずれにしても、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」,「02H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「第1当選図柄」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第1当選図柄」に該当した場合、通常中(非時間短縮状態)であるか時短中(時間短縮状態)であるかに関わらず、時短回数は1回(又は10回)付与される。
また、「第2当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は0回付与される(付与されない)。なお、時短回数は、上記の値に限定されることなく2回以上(11回以上)であってもよい。
ここで、「1回(又は10回)」とは、第2特別図柄の合計変動回数が1回となるか、第1特別図柄及び第2特別図柄の合計変動回数が10回となると、時間短縮状態が終了することを意味している。
〔第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図387は、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、この第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「100」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第3当選図柄」、「第4当選図柄」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する大当り時において、「第3当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)であり、「第4当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)である。
今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「第3当選図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第3当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は1回(又は10回)付与される。
また、「第4当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は0回付与される(付与されない)。
〔図384:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、大当り時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「第1当選図柄」又は「第3当選図柄」である場合、主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域にある遊技状態フラグとしての時間短縮機能作動フラグをON(01H)にセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段、状態移行手段)。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、時間短縮状態に移行する当選図柄で当選すると(所定の条件が満たされると)、非時間短縮状態(第1状態)から時間短縮状態(第2状態)に移行可能とする(状態移行手段)。
また、ステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時停止図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお、本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。また、本実施形態では第1特別図柄に関しては小当りが設定されておらず、第2特別図柄に関してのみ設定されている。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では小当り時に選択的に決定される当選図柄として、2種類の当選図柄が用意されている。2種類の内訳は、「第5当選図柄」及び「第6当選図柄」である。なお、これらの当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば、「第5当選図柄」であれば、「第5当選図柄A」、「第5当選図柄B」、「第5当選図柄C」、・・・といった具合である。
〔第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブル〕
図388は、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、この第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「50」,「50」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第5当選図柄」、「第6当選図柄」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する小当り時においては、「第5当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)であり、「第6当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)である。
今回の小当りの結果、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の小当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「03H」,「04H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の小当りの結果、当選図柄として「第5当選図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H03H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての小当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、小当り遊技中に特定領域31xを遊技球が通過して大当り遊技が開始され、その大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第5当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は1回(又は10回)付与される。
また、「第6当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は0回付与される(付与されない)。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル、及び、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルを用いることにより、主制御CPU72は、非時間短縮状態又は時間短縮状態で「第1当選図柄」、「第3当選図柄」又は「第5当選図柄」に該当した場合(第5当選図柄については大当り遊技が実行された場合に限る。)には、時間短縮状態への移行条件が満たされるものとすることができる(移行条件設定手段)。
〔図384:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2408:次に主制御CPU72は、変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、小当り時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン選択手段)。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。本実施形態では小当りは第2特別図柄抽選にのみ設定されており、小当り時には小当り時用の変動時間を有する変動パターンが選択される。なお、第1特別図柄抽選に小当りを設定してもよい。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図383:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして、主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また、特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図384中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に図389は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして、主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図383中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドを生成する。図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。なお、「停止表示時間終了コマンド」とは、特別図柄の停止表示時間が終了(経過)したことを示すコマンドである。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「可変入賞装置管理処理」に設定する。なお、主制御CPU72は、本処理にて各種機能を非作動に設定する処理を実行する。具体的には、時間短縮機能を非作動とする。これにより、特別遊技(大役)が開始される前には、通常状態(非時間短縮状態)に移行されることになる。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして、小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4608:主制御CPU72は、特殊変動回数更新処理を実行する。この処理では、第1特別図柄の特殊変動回数、及び、第2特別図柄の特殊変動回数が両方とも0である場合、何も処理を実行しない。一方、第1特別図柄の特殊変動回数が1以上である場合であって、第1特別図柄が停止した場合、第1特別図柄の特殊変動回数をデクリメント(-1)する処理を実行する。また、第2特別図柄の特殊変動回数が1以上である場合であって、第2特別図柄が停止した場合、第2特別図柄の特殊変動回数をデクリメント(-1)する処理を実行する。第1特別図柄の特殊変動回数、及び、第2特別図柄の特殊変動回数は、大当り遊技の開始時にリセットされる。なお、第1特別図柄の特殊変動回数や、第2特別図柄の特殊変動回数が0であるか1以上であるかに関わらず、本処理を実行した場合、主制御CPU72は、第1特別図柄の特殊変動回数や、第2特別図柄の特殊変動回数の値を反映させた特殊変動回数指定コマンドを演出制御装置に送信することができる。
ステップS4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「時間短縮状態」に関するカウンタ値がRAM76の時短カウント領域にセットされている。本実施形態では、いわゆる回数切りの時間短縮機能を採用しており、「時間短縮状態」に移行させる場合、時間短縮状態に関する第1回数切りカウンタ値(第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の時短回数)は所定の数値(例えば10回)に設定され、時間短縮状態に関する第2回数切りカウンタ値(第2特別図柄の時短回数)は規定の数値(例えば1回)に設定される。なお、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値の情報は、回数切りカウンタコマンドによって演出制御装置124に通知(送信)される。
なお、時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値は、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値といったように2つのカウンタ値を設けずに、1つのカウンタ値だけで時間短縮状態を制御してもよい。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値(第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値)が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。具体的には、第2特別図柄の停止表示中である場合には、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値を両方ともデクリメントし、第1特別図柄の停止表示中である場合には、第1回数切りカウンタ値だけをデクリメントする。
ステップS4640:そして、主制御CPU72は、いずれかの回数切りカウンタ値(第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値)の減算結果が0であるか否かを判断する。減算の結果、いずれの回数切りカウンタ値も0でない場合(No)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、いずれかの回数切りカウンタ値が0である場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。本実施形態では、時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値は所定の数値(例えば1回又は10回)に設定される。時間短縮状態で1回の第2特別図柄のはずれ変動(特定領域未通過となった場合はその際の小当り変動を含む。)が実行されると、時間短縮機能作動フラグがリセットされる。一方、時間短縮状態で9回の第1特別図柄のはずれ変動が実行されても、時間短縮機能作動フラグはリセットされず、その後さらに時間短縮状態で1回の第1特別図柄又は第2特別図柄のはずれ変動が実行されると、時間短縮機能作動フラグがリセットされる。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態が終了する。なお、時間短縮機能作動フラグは、特別図柄の停止表示時間が経過した際にリセットする例で説明しているが、特別図柄の変動時間終了時(停止表示時間計測開始前)にリセットしてもよい。
そして、以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理に復帰する。
このように、時間短縮状態の終了条件(所定の終了条件)は、時間短縮状態に移行してからの第2特別図柄の変動回数が第1回数(例えば1回)に到達した場合、又は、時間短縮状態に移行してからの第1特別図柄の変動回数及び第2特別図柄の変動回数を合計した合計変動回数が第1回数よりも大きい第2回数(例えば10回)に到達した場合に満たされる条件となっている。
図390は、変動パターンテーブルの一覧を示す図である。
変動パターンテーブルには、7個の変動パターンテーブルA~Gが含まれている。
主制御CPU72は、遊技状態に応じて、7個の変動パターンテーブルA~Gのいずれかの変動パターンテーブルを選択可能とする。各変動パターンテーブルには、1又は複数の変動パターンが含まれている。例えば、変動パターンテーブルAが選択された場合、第1特別図柄と第2特別図柄とで、選択される変動パターンが異なることもある。この点は、他の変動パターンテーブルでも同様である。なお、図中の「遊技状態」は、大当り遊技終了後の遊技状態(移行先の遊技状態)を示している。ただし、図中の「遊技状態」は、大当り遊技開始前の遊技状態(移行前の遊技状態)であってもよい。
変動パターンテーブルAは、遊技状態が「時短無し(非時間短縮状態)」の場合に選択される。具体的には、通常状態時に選択される。なお、RAMクリア後も、本テーブルが選択される。
変動パターンテーブルBは、遊技状態が「時短無し」の場合に選択される。具体的には、通常状態時に選択される。変動パターンテーブルAと、変動パターンテーブルBとの違いは、変動パターンテーブルBが時間短縮状態が終了した後の規定変動数以内で(例えば30変動まで)選択されるテーブルとなっている点である。変動パターンテーブルBは、いわゆる即止め防止のテーブルである。
変動パターンテーブルCは、遊技状態が「時短有り(時間短縮状態)」の場合に選択される。具体的には、通常状態時の時短有り図柄当選時(「第1当選図柄」又は「第3当選図柄」の当選時)に、第1特別図柄が1~4、6~9変動した場合に選択される。本テーブルでは、第1特別図柄については、変動時間が短い変動パターン(例えば、1秒変動)が設定されており、第2特別図柄については、変動時間が長い変動パターン(例えば、120秒変動)が設定されている。
変動パターンテーブルDは、遊技状態が「時短有り」の場合に選択される。具体的には、時短状態時に選択される。本テーブルでは、第1特別図柄については、変動時間が長い変動パターン(例えば、90秒変動)が設定されている。
変動パターンテーブルEは、遊技状態が「時短無し」の場合に選択される。具体的には、通常状態時(残り1回=時間短縮状態終了後の第2特別図柄の1変動分の変動時)に選択される。本テーブルでは、第2特別図柄については、変動時間が長い変動パターン(例えば、120秒変動)が設定されている。
変動パターンテーブルFは、遊技状態が「時短無し」の場合に選択される。具体的には、変動パターンテーブルBの最終変動時に選択される。
変動パターンテーブルGは、遊技状態が「時短有り」の場合に選択される。具体的には、通常状態時の時短有り図柄当選時に、第1特別図柄が5、10変動した場合に選択される。本テーブルでは、第1特別図柄については、変動時間が長い変動パターン(例えば、13.5秒変動)が設定されている。
図391は、非時間短縮状態からの大当りで大当り遊技の変動が第1特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。
ここで、図中の「時短回数」は、第1回数切りカウンタ値(第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の時短回数)に設定する値を示している(図393においても同様)。
〔No1〕
「当選図柄」が「第1当選図柄(第1特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~4」、「6~9」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルC」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「5」、「10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルG」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No2〕
「当選図柄」が「第2当選図柄(第1特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No3〕
「当選図柄」が「第3当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No4〕
「当選図柄」が「第4当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No5(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No5(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
図392は、非時間短縮状態からの大当りで大当り遊技後の変動が第2特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。
なお、本実施形態では、第2特別図柄が変動した時点で大当り又は小当りとなるので、2変動目以降の特殊変動テーブルは存在しない。
ここで、図中の「第2特別図柄の時短回数」は、第2回数切りカウンタ値(第2特別図柄だけの時短回数)に設定する値を示している(図394においても同様)。
〔No1〕
「当選図柄」が「第1当選図柄(第1特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルC」となる。
〔No2〕
「当選図柄」が「第2当選図柄(第1特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
〔No3〕
「当選図柄」が「第3当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No4〕
「当選図柄」が「第4当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
〔No5(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No5(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
〔No6(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
図393は、時間短縮状態からの大当りで大当り遊技の変動が第1特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。
〔No1〕
「当選図柄」が「第1当選図柄(第1特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No2〕
「当選図柄」が「第2当選図柄(第1特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~5」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「6~19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No3〕
「当選図柄」が「第3当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No4〕
「当選図柄」が「第4当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~5」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「6~19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No5(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No5(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1~5」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「6~19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
図394は、時間短縮状態からの大当りで大当り遊技後の変動が第2特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。
なお、図392と同様に、本実施形態では、第2特別図柄が変動した時点で大当り又は小当りとなるので、2変動目以降の特殊変動テーブルは存在しない。
〔No1〕
「当選図柄」が「第1当選図柄(第1特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No2〕
「当選図柄」が「第2当選図柄(第1特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
〔No3〕
「当選図柄」が「第3当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No4〕
「当選図柄」が「第4当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
〔No5(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No5(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
〔No6(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、連荘状態(第2状態)に移行して大当り遊技が実行される前は、連荘状態の第1特別図柄の変動時間(例えば1秒)を、非時間短縮状態(第1状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば2秒以上120秒未満)よりも相対的に短くすることを可能とする(変動時間決定手段)。
また、このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、連荘状態(第2状態)に移行して大当り遊技が実行された後は、連荘状態(第2状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば120秒以上)を、非時間短縮状態(第1状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば120秒未満)よりも相対的に長くすることを可能とする(変動時間決定手段)。
さらに、このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、第2特別図柄抽選(第2抽選)で当選して連荘状態に移行した際の第1特別図柄の変動時間(変動パターンテーブルD)を、第1特別図柄抽選(第1抽選)で当選して連荘状態に移行した際の第1特別図柄の変動時間(変動パターンテーブルC)よりも相対的に長くすることを可能とする(変動時間決定手段)。
このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、連荘状態(第2状態)に移行して大当り遊技が実行される前は、連荘状態の第1特別図柄の変動時間(例えば1秒)が、非時間短縮状態(第1状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば2秒以上120秒未満)よりも相対的に短くなるように変動時間を決定可能とする(変動時間決定手段)。
また、このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、連荘状態(第2状態)に移行して大当り遊技が実行された後は、連荘状態(第2状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば120秒以上)が、非時間短縮状態(第1状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば120秒未満)よりも相対的に長くなるように変動時間を決定可能とする(変動時間決定手段)。
さらに、このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、第2特別図柄抽選(第2抽選)で当選して連荘状態に移行した際の第1特別図柄の変動時間(変動パターンテーブルD)が、第1特別図柄抽選(第1抽選)で当選して連荘状態に移行した際の第1特別図柄の変動時間(変動パターンテーブルC)よりも相対的に長くなるように変動時間を決定可能とする(変動時間決定手段)。
〔表示出力管理処理〕
次に図395は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図378中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値に応じて時短状態表示ランプ38eの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38eに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。さらに、主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスに応じて発射位置指定表示ランプ38fの点灯を制御する。例えば、大当り遊技又は小当りの遊技により第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31が作動状態となる場合、主制御CPU72は発射位置指定表示ランプ38fに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。また、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は上記の時短状態表示ランプ38eに加えて、発射位置指定表示ランプ38fに対応するLEDに対しても点灯信号を出力する。なお、発射位置指定表示ランプ38fは、大当り遊技を経て「時間短縮状態」に移行する場合、大当り遊技開始から「時間短縮状態」が終了するまで点灯し、「時間短縮状態」の終了により非点灯(OFF)となる。
主制御CPU72は、左打ち状態であるか右打ち状態であるかを示す発射位置指定フラグ(0=左打ち状態、1=右打ち状態)によって発射位置を管理し、任意のタイミングで発射位置指定フラグの内容を含む発射位置指定コマンドを演出制御装置に送信することができる。ここで、演出制御装置に右打ち報知ランプが接続されている場合には、演出制御装置は、発射位置指定コマンドに基づいて右打ち報知ランプの点灯態様を制御することができる。非時間短縮状態は左打ち状態であり、時間短縮状態は右打ち状態である。大当り遊技中や小当り遊技中は、基本的には右打ち状態であるが、それぞれのエンディング時間中(終了時間中)は左打ち状態としてもよい。
時間短縮状態は、時間短縮状態での最終変動(はずれ変動、小当り変動又は大当り変動)の変動終了時(停止表示時間の開始時)に終了させることができる。この場合、時間短縮状態での最終変動の停止表示時間を最終変動以外の停止表示時間(0.5秒)よりも長い時間(15.0秒)に設定することができる。なお、時間短縮状態は、時間短縮状態での最終変動の停止表示時間の終了時に終了させてもよい。
また、主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38bの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38bのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数ステータスの値で指定された大当り図柄に対応するいずれかの表示ランプ38a,38bである。例えば、連続作動回数ステータスの値が「10ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「10ラウンド(10R)」を表すランプ38aに対して点灯信号を出力する。また、本実施形態では、10ラウンド大当り以外の大当りが存在しないが、10ラウンド大当り以外の大当りとして、例えば4ラウンド大当りが存在しており、連続作動回数ステータスの値が「4ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「4ラウンド(4R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。なお、本実施形態のように、大当りとして1種類の大当りしかない場合(10ラウンド大当りしかない場合)、大当り種別表示ランプを点灯させなくてもよい。
〔可変入賞装置管理処理〕
次に、可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図396は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200~ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大入賞口開放パターン設定処理〕
図397は、大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時又は小当り時にそれぞれ第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5202:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。この確認の結果、大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5203を実行する。一方、大当りフラグの値(01H)がセットされていない場合(No)、すなわち、小当りフラグの値(01H)がセットされている場合、主制御CPU72は次にステップS5204を実行する。
ステップS5203:主制御CPU72は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理を実行する。この処理では、大当り時図柄別開放パターン設定テーブルに基づいて、大当り時の当選図柄に対応した大入賞口の開放パターンを設定するものである。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5205を実行する。
ステップS5204:主制御CPU72は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理を実行する。この処理では、小当り時図柄別開放パターン設定テーブルに基づいて、大入賞口の開放パターンを設定するものである。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5205を実行する。
ステップS5205:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔大当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図398は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5210:主制御CPU72は、条件装置及び役物連続作動装置を作動させる。ここで、「条件装置」とは、その作動が役物連続作動装置の作動に必要な条件とされる装置であり、「役物連続作動装置」とは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を連続して作動させることができる装置である。なお、「条件装置」や「役物連続作動装置」は制御上のフラグとすることもできる。したがって、この条件装置が作動していない限り、大当り遊技において第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31は作動しないことを表している。主制御CPU72は次にステップS5212を実行する。
ステップS5212:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、大当り図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、第1当選図柄に該当した場合、連続作動回数ステータスには「10ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5214を実行する。
ステップS5214:主制御CPU72は、大当り時図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時図柄別開放パターン設定テーブルを参照し、特別図柄に関する当選図柄の種類に対応した開放パターンを選択する。ここで、開放パターンとは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を作動させる設定を表し、例えば、実行ラウンド数、開放時間、インターバル時間等の設定を表している。主制御CPU72は次にステップS5216を実行する。
〔大当り時図柄別開放パターン設定テーブル〕
図399は、大当り時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この大当り時図柄別開放パターン設定テーブルは、特別図柄に関する異なる当選図柄別に、ラウンドごとの作動させる可変入賞装置(第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31)の開閉動作パターンを定めたものである。具体的には、当選図柄別に以下の大入賞口の開放パターンが定められている。
〔第1当選図柄〕
第1当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドであり、その内の10ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第1当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される(ただし、上限個数の入球が確認されると閉鎖される。以下、同様。)。したがって、第1当選図柄に該当した場合は、実質的に10ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第2当選図柄〕
第2当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドであり、その内の10ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第2当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第2当選図柄に該当した場合は、実質的に10ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第3当選図柄〕
第3当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドであり、その内の10ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第3当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第3当選図柄に該当した場合は、実質的に10ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第4当選図柄〕
第4当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドであり、その内の10ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第4当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第4当選図柄に該当した場合は、実質的に10ラウンド分の出球を獲得することができる。
以上のように、主制御CPU72は、上記大当り時図柄別開放パターン設定テーブルを参照して当選図柄の種類に対応する大入賞口の開放パターンを設定する。
〔図398:大当り時大入賞口開放パターン設定処理を参照〕
ステップS5216:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中のラウンド毎(1ラウンド~最終ラウンド)に作動させる可変入賞装置の種類を第1可変入賞装置30に設定する。なお、本実施形態においては、全ての大当り時の当選図柄(第1当選図柄~第3当選図柄)に対応する開放パターンが1ラウンド~最終ラウンドで第1大入賞口30bが開放されるため、第1可変入賞装置30の作動が設定される。主制御CPU72は次にステップS5218を実行する。
ステップS5218:主制御CPU72は、実行ラウンド数を設定する。具体的には、主制御CPU72は当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンド数を設定する。例えば、10ランド大当りに対応する開放パターンの実行ラウンド数としては、10ラウンドが設定される。主制御CPU72は次にステップS5220を実行する。
ステップS5220:主制御CPU72は、大当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド毎に大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、大当り時の当選図柄(第1当選図柄~第3当選図柄)に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、ラウンド毎に設定される。例えば、第1当選図柄であった場合、出球有りのラウンドについては第1大入賞口30bを開放する開放時間が29.0秒に設定される。したがって、開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。なお、開放タイマの値として0.5秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が困難な時間となる。主制御CPU72は次にステップS5222を実行する。
ステップS5222:主制御CPU72は、大当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、全ての大当り時の当選図柄(第1当選図柄~第3当選図柄)に対応する開放パターンのインターバルタイマとして1.0秒が設定される。例えば、1ラウンド目と2ラウンド目の間の第1大入賞口30bの開放が終了し一旦閉鎖状態になった後、1.0秒間程度のインターバルタイマが設定される。主制御CPU72は次にステップS5224を実行する。
ステップS5224:主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の処理(ステップS5218)で設定された実行ラウンド数に基づいて生成することができる。例えば、第1当選図柄に該当した場合、実行ラウンド数は「10ラウンド」となるため、連続作動回数コマンドは「10ラウンド」を表す値を含むコマンドとして生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大入賞口開放パターン設定処理(図397)に復帰する。
〔小当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図400は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5252:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、小当り遊技中を表す状態コマンドを生成する。小当り遊技中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5254を実行する。
ステップS5254:主制御CPU72は、小当り時開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時開放パターン設定テーブルを参照し、開放パターンを選択する。ここで、開放パターンとは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を作動させる設定を表し、例えば、開放回数、開放時間、インターバル時間、特定領域31xの開放時間等の設定を表している。主制御CPU72は次にステップS5256を実行する。
〔小当り時開放パターン設定テーブル〕
図401は、小当り時開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この小当り時開放パターン設定テーブルは、可変入賞装置(第2可変入賞装置31)の開閉動作パターンを定めたものである。なお、本実施形態では、小当り時に設定される開放パターンは1つであるが、当選図柄別に複数規定してもよい。
小当りに該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第2可変入賞装置31である。また、第2可変入賞装置31の開放回数は2回であり、その1回の開放時間は0.9秒である。なお、インターバル時間は例えば1.0秒程度に設定される。
特定領域31xの開放開始時間(特定領域ソレノイド99をONにして特定領域用スライド部材31cを作動させるタイミング)は、第2可変入賞装置31の開放開始から0.2秒後である。
また、特定領域31xの開放終了時間(特定領域ソレノイド99をOFFにして特定領域用スライド部材31cを非作動とするタイミング)は、第2可変入賞装置31の開放開始から1.8秒後である。
〔図400:小当り時大入賞口開放パターン設定処理を参照〕
ステップS5256:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は小当りに対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に作動させる可変入賞装置の種類を第2可変入賞装置31に設定する。主制御CPU72は次にステップS5258を実行する。
ステップS5258:主制御CPU72は、開放回数を設定する。具体的には、主制御CPU72は小当りに対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に実行する開放回数を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに対応する開放パターンの開放回数として2回が設定される。主制御CPU72は次にステップS5260を実行する。
ステップS5260:主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当り時に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、0.9秒が設定される。主制御CPU72は次にステップS5262を実行する。
ステップS5262:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、大入賞口の開放間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、インターバルタイマは所定時間(例えば1.0秒)に設定される。主制御CPU72は次にステップS5264を実行する。
ステップS5264:主制御CPU72は、特定領域31x(特定領域用スライド部材31c)の開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に特定領域31xの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、第2可変入賞装置31の開放開始から0.2秒後に特定領域31xが開放され、第2可変入賞装置31の開放開始から1.8秒後に特定領域31xが閉鎖される。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大入賞口開放パターン設定処理(図397)に復帰する。
〔大入賞口開閉動作処理〕
図402は、大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は主に、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5302:主制御CPU72は、現在の内部状態が「大役中」であるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファにアクセスし、制御上の内部状態フラグとして「大役中(大当り遊技中)」のフラグがセットされているか否かで、現在の内部状態が「大役中」であるか否かを確認する。なお、「大役中(大当り遊技中)」のフラグは、先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理中:ステップS5212)や後述する特定領域通過時処理中において主制御CPU72によりセットされる。この確認の結果、現在の内部状態が「大役中」である場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5306を実行する。一方、現在の内部状態が「大役中」ではない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5304を実行する。
ステップS5304:主制御CPU72は、第2大入賞口開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、第2大入賞口31bを開閉するために第2可変入賞装置31を作動させる(第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS5306:主制御CPU72は、第1大入賞口開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、第1大入賞口30bを開閉するために第1可変入賞装置30を作動させる(第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理(図396)に復帰する。
〔第2大入賞口開閉動作処理〕
図403は、第2大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5310:主制御CPU72は、主制御CPU72は、第2大入賞口31bを開放する。具体的には、第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第2可変入賞装置31が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。なお、本処理を実行した場合、主制御CPU72は、演出制御装置124に対して、小当り時のオープニングコマンドを送信することができる。小当り時のオープニングコマンドは、小当り中に1回だけ送信することが好ましい。
ステップS5312:主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図400中)のステップS5260やステップS5264)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。なお、この処理では、第2大入賞口31bの開放に関する開放タイマの他に、特定領域31xの開放に関する開放タイマ(開放開始時間、開放終了時間)についてのカウントダウンが行われる。主制御CPU72は次にステップS5314を実行する。
ステップS5314:主制御CPU72は、特定領域開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、特定領域31xを開閉するために特定領域用スライド部材31cを作動させる(特定領域ソレノイド99に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5316を実行する。
ステップS5316:主制御CPU72は、第2大入賞口31bの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理中の第2大入賞口31bについての開放タイマの値が0以下であるか否かを確認する。この確認の結果、第2大入賞口31bの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322を実行する。一方、第2大入賞口31bの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5318を実行する。
ステップS5318:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第2可変入賞装置31(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第2カウントスイッチ85から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。主制御CPU72は次にステップS5320を実行する。
ステップS5320:主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように小当り時の開放1回あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(No)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5310~ステップS5320の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5316で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5320でカウント数が所定数に達したことを確認すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322を実行する。なお、小当り時の開放は、開放タイマの値が短時間(例えば、1.8秒)に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5316で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5322:主制御CPU72は、第2大入賞口31bを閉鎖する。具体的には、第2大入賞口ソレノイド97に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより第2可変入賞装置31が開放状態から閉鎖状態に復帰する。主制御CPU72は次にステップS5324を実行する。
ステップS5324:主制御CPU72は、特定領域通過フラグがONであるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、特定領域通過フラグの値が01Hであるか否かにより、特定領域通過フラグがONであるか否かを確認する。この確認の結果、特定領域通過フラグがONである場合(Yes)、すなわち、小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過した場合、主制御CPU72は次にステップS5326を実行する。一方、特定領域通過フラグがONではない場合(No)、すなわち、小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過しなかった場合、主制御CPU72は次にステップS5327aを実行する。なお、特定領域通過フラグは、先の特定領域開閉動作処理(ステップS5314)の中でONに設定される可能性がある。
ステップS5326:主制御CPU72は、特定領域通過時処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過したことに基づき、条件装置や役物連続作動装置を作動させ、第1可変入賞装置30を連続作動させる処理、すなわち、大当り遊技を開始する処理を実行する(特殊遊技経由特別遊技実行手段、特別遊技実行手段)。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5328を実行する。
ステップS5327a:主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図400中)のステップS5262)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5327bに進む。なお、ここでは特に図示していないが、インターバル時間が経過するまでの間(インターバルタイマ値が0になるまでの間)、割り込み毎に主制御CPU72はステップS5327aから呼び出し元である可変入賞装置管理処理(図396)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5310からではなく直にステップS5327aを実行する。
ステップS5327b:主制御CPU72は、第2大入賞口開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、第2大入賞口開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5327c:主制御CPU72は、インクリメント後の第2大入賞口開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「1回の小当り中に第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、特にこのような開放パターンを採用していない場合には、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されているため、1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5328に進むことになる。
一方、「1回の小当り中に第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンを採用している場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5310~ステップS5327bまでの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5327bで開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(ステップS5327c;Yes)、主制御CPU72は次にステップS5328を実行する。
ステップS5328:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、大入賞口開閉動作処理(図402)に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔特定領域開閉動作処理〕
図404は、特定領域開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5330:主制御CPU72は、特定領域31xの開放時間が開始されたか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はカウントダウン処理(ステップS5312)においてカウントダウンされていた特定領域31xの開放に関する開放開始時間についての開放タイマの値が0であるか否かを確認することで、特定領域31xの開放時間が開始されたか否かを確認する。この確認の結果、特定領域31xの開放時間が開始された場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5332を実行する。一方、特定領域31xの開放時間が開始されていない場合(No)、又は、すでに開放されている場合、主制御CPU72は次にステップS5334を実行する。
ステップS5332:主制御CPU72は、特定領域31xを開放する。具体的には、特定領域ソレノイド99に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、特定領域用スライド部材31cが作動して特定領域31xが閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5334を実行する。
ステップS5334:主制御CPU72は、遊技球が特定領域31xを通過したか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76の記憶領域にアクセスし、特定領域予備フラグがONになっているか否かを確認する。この確認の結果、特定領域予備フラグがONになっていて、遊技球が特定領域31xを通過したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5336を実行する。一方、特定領域予備フラグがOFFになっていて、遊技球が特定領域31xを通過していないことを確認した場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5338を実行する。
ステップS5336:主制御CPU72は、特定領域通過フラグをONにセットする。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、特定領域通過フラグの値を01Hに設定する。主制御CPU72は次にステップS5338を実行する。なお、特定領域通過フラグや特定領域予備フラグは大当り遊技の終了時にリセットされる。
ステップS5338:主制御CPU72は、特定領域31xの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はカウントダウン処理(ステップS5312)においてカウントダウンされていた特定領域31xの開放に関する開放タイマの値が0であるか否かを確認することで、特定領域31xの開放時間が終了したか否かを確認する。この確認の結果、特定領域31xの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5340を実行する。一方、特定領域31xの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図403)に復帰する。
ステップS5340:主制御CPU72は、特定領域31xを閉鎖する。具体的には、特定領域ソレノイド99に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、特定領域用スライド部材31cが開放状態(作動状態)から閉鎖状態(非作動状態)に復帰する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図403)に復帰する。
〔特定領域通過時処理〕
図405は、特定領域通過時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5350:主制御CPU72は、小当りフラグをリセットする。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、小当りフラグの値を00Hにリセットする。主制御CPU72は次にステップS5352を実行する。
ステップS5352:主制御CPU72は、小当り遊技を終了させる。具体的には、主制御CPU72は内部状態フラグから「小当り遊技中」を消去し、制御処理上で小当り遊技を終了する(小当り終了)。主制御CPU72は次にステップS5354を実行する。
ステップS5354:主制御CPU72は、条件装置及び役物連続作動装置を作動させる。これにより、第1可変入賞装置30を連続して作動させることができ、大当り遊技を開始できることとなる。主制御CPU72は次にステップS5356を実行する。
ステップS5356:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、当選図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、第1当選図柄に該当した場合、連続作動回数ステータスには「10ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5358を実行する。
ステップS5358:主制御CPU72は、特定領域通過時図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルを参照し、小当りに該当した際の当選図柄の種類に対応した開放パターンを選択する。主制御CPU72は次にステップS5360を実行する。
ステップS5360:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中のラウンド毎(2ラウンド~最終ラウンド)に作動させる可変入賞装置の種類を第1可変入賞装置30に設定する。主制御CPU72は次にステップS5362を実行する。
ステップS5362:主制御CPU72は、実行ラウンド数を設定する。具体的には、主制御CPU72は小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンド数を設定する。例えば、第5当選図柄に対応する開放パターンの実行ラウンド数としては「10ラウンド」が設定される。主制御CPU72は次にステップS5364を実行する。
ステップS5364:主制御CPU72は、大当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド毎に大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄(第4当選図柄~第6当選図柄)に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、ラウンド毎に設定される。例えば、第4当選図柄であった場合、出球有りのラウンドについては第1大入賞口30bを開放する開放時間が29.0秒に設定される。したがって、開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。なお、開放タイマの値として0.5秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が困難な時間となる。主制御CPU72は次にステップS5366を実行する。
ステップS5366:主制御CPU72は、大当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに該当した際の当選図柄に対応する開放パターンのインターバルタイマとして1.0秒が設定される。例えば、2ラウンド目と3ラウンド目の間の第1大入賞口30bの開放が終了し一旦閉鎖状態になった後、1.0秒間程度のインターバルタイマが設定される。主制御CPU72は次にステップS5368を実行する。
ステップS5368:主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の処理(ステップS5362)で設定された実行ラウンド数に基づいて生成することができる。例えば、第5当選図柄に該当した場合、実行ラウンド数は「10ラウンド」となるため、連続作動回数コマンドは「10ラウンド」を表す値を含むコマンドとして生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5370を実行する。
ステップS5370:主制御CPU72は、特定領域通過時図柄別時間短縮機能設定処理を実行する。この処理では、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が「第5当選図柄」である場合、主制御CPU72は時間短縮機能作動フラグをONにセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段、状態移行手段)。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、時間短縮状態に移行する当選図柄で当選すると(所定の条件が満たされると)、非時間短縮状態(第1状態)から時間短縮状態(第2状態)に移行可能とする(状態移行手段)。
ステップS5372:主制御CPU72は、特殊変動回数設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、当選図柄に応じて、第1特別図柄の特殊変動回数、及び、第2特別図柄の特殊変動回数を設定する。特殊変動回数の具体的な数値は、図391~図394において説明した通りである。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図403)の末尾のアドレスに復帰する。
〔特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブル〕
図406は、特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルは、小当りに該当した際の特別図柄に関する異なる当選図柄別に、ラウンドごとの第1可変入賞装置30の開閉動作パターンを定めたものである。具体的には、当選図柄別に以下の大入賞口の開放パターンが定められている。
〔第5当選図柄〕
第5当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドである。なお、この実行ラウンド数には、小当りで開放された第2可変入賞装置31の作動が含まれているため、これから開始される大当り遊技では10ラウンドから1ラウンド分が減算された9ラウンドが実質的な大当り遊技でのラウンド数となる(以下の第6当選図柄でも同様)。そして、各ラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が第5当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、小当りでの第2可変入賞装置31の開放を1ラウンド目としているため、2ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第5当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合は、実質的に9ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第6当選図柄〕
第6当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンド(実質的な大当り遊技でのラウンド数は9ラウンド)である。そして、各ラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が第6当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、小当りでの第2可変入賞装置31の開放を1ラウンド目としているため、2ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第6当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合は、実質的に9ラウンド分の出球を獲得することができる。
以上のように、主制御CPU72は、上記特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルを参照して小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄の種類に対応する大入賞口の開放パターンを設定することとなる。
〔第1大入賞口開閉動作処理〕
図407は、第1大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5380:主制御CPU72は、主制御CPU72は、第1大入賞口30bを開放する。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第1可変入賞装置30が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5382を実行する。なお、本処理を実行した場合、主制御CPU72は、演出制御装置124に対して、大当り時のオープニングコマンドを送信することができる。大当り時のオープニングコマンドは、大当り中に1回だけ送信することが好ましい。
ステップS5382:主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図398中)のステップS5220、又は、特定領域通過時処理(図405中)のステップS5364)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。主制御CPU72は次にステップS5386を実行する。
ステップS5386:主制御CPU72は、第1大入賞口30bの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の第1大入賞口30bについての開放タイマの値が0以下であるか否かを確認する。この確認の結果、第1大入賞口30bの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5392を実行する。一方、第1大入賞口30bの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5388を実行する。
ステップS5388:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第1可変入賞装置30(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第1カウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。主制御CPU72は次にステップS5390を実行する。
ステップS5390:主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5380~ステップS5390の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5386で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5390でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5392を実行する。なお、開放タイマの値が短時間(例えば、0.5秒)に設定されている場合、通常、主制御CPU72はステップS5390でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5386で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5392:主制御CPU72は、第1大入賞口30bを閉鎖する。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより第1可変入賞装置30が開放状態から閉鎖状態に復帰する。主制御CPU72は次にステップS5394を実行する。
ステップS5394:主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図398中)のステップS5222、又は、特定領域通過時処理(図405中)のステップS5366)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5395に進む。なお、ここでは特に図示していないが、インターバル時間が経過するまでの間(インターバルタイマ値が0になるまでの間)、割り込み毎に主制御CPU72はステップS5394から呼び出し元である可変入賞装置管理処理(図396)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5380からではなく直にステップS5394を実行する。
ステップS5395:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5396:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で第1可変入賞装置30を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、本実施形態では、特にこのような開放パターンを採用していないので、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがって、通常は1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5398に進むことになる。
なお、上記のように1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用した場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5380~ステップS5390までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5395で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5398に進むことになる。
ステップS5398:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、大入賞口開閉動作処理(図402)に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大入賞口閉鎖処理〕
図408は、大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大入賞口閉鎖処理は、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5401:先ず主制御CPU72は、現在の遊技が大役(大当り遊技)中であるか否かを確認し、大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5402を実行する。
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。なお、小当り遊技中に特定領域31xを遊技球が通過し、小当りの終了後に大当り遊技が開始された場合、小当り時の第2大入賞口31bの開放を1ラウンド目として扱い、大当り遊技が開始される1回目のラウンドは2ラウンド目として扱われる。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1~15)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の14、又は、15)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図396中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402~ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達するまでの間、第1可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔小当り時〕
これに対し、小当りの場合は以下の手順となる(特例作動実行手段)。
ステップS5411:主制御CPU72は現在の遊技が大役中でないことを確認すると(ステップS5401:No)、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS5413:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図400中のステップS5258)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS5416を実行する。
ステップS5416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図396中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5401~ステップS5413(No)を経てステップS5416、ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際の開放回数が設定した開放回数に達するまでの間、第2可変入賞装置31の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS5413:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5414を実行する。
ステップS5414,ステップS5412:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔終了処理〕
図409は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。この終了処理は、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5501a:主制御CPU72は、終了時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は終了時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
ステップS5501b:次に主制御CPU72は、終了時間(エンディング時間)が経過したか否かを確認する。具体的には、終了時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は終了時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して可変入賞装置管理処理(図396)に復帰する。
この後、時間の経過に伴って終了時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は終了時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS5502以降の処理を実行する。
なお、終了時間に関しては、大当りと小当りとで別の時間を設定してもよい。
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認し、大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5503を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:この場合、主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また、主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で大当り遊技を終了する(大役終了)。なお、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値をリセットする。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値が01Hであるか(セットされているか)否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図384中のステップS2414)や、先の特定領域通過時処理中の特定領域通過時図柄別時間短縮機能設定処理(図405中のステップS5370)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、時間短縮機能作動フラグの値が01Hである場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時短回数(例えば1回(又は10回))を設定する。設定した時短回数の値は、上記のようにRAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時短回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。本実施形態では、時短回数を管理するために、2種類の時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値(第1回数切りカウンタ値、第2回数切りカウンタ値)が用意されている。ここで、第1回数切りカウンタ値は、第1特別図柄又は第2特別図柄が1回変動する度にデクリメントされる変数であり、初期値として「10」が設定される。また、第2回数切りカウンタ値は、第2特別図柄が1回変動する度にデクリメント(1減算)される変数であり、初期値として「1」が設定される。なお、時間短縮機能作動フラグの値が01Hでない場合(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512及びステップS5513を実行しない。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、時間短縮状態への移行条件が満たされた場合(所定の移行条件が満たされた場合、時間短縮状態に移行させる当選図柄で当選した場合)、大当り遊技の終了後に、非時間短縮状態(所定の遊技状態)から非時間短縮状態と比較して有利な条件が適用された(普通図柄抽選の変動時間が短縮され、可変始動入賞装置の開放時間が延長されている)時間短縮状態(有利遊技状態)に移行させることができる(有利遊技状態移行手段)。
ステップS5513:主制御CPU72は、特殊変動回数設定処理を実行する。この処理は、図405のステップS5372の処理と同様である。
ここまでの手順は大当りの場合であるが、小当りの場合(ステップS5502:No)は以下の手順が実行される。
ステップS5520,ステップS5522:小当りの場合、主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また、内部状態フラグから「小当り遊技中」を消去する。なお、小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS5514:そして、主制御CPU72は、フラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS5516:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図383中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔ゲームフロー(その1)〕
図410は、通常モードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
パチンコ機1で遊技を開始する場合、〔F1〕通常モード(公園モード)から遊技が開始される。「通常モード」は、「非時間短縮状態」である。
〔F1〕通常モードでの遊技中に、遊技球が中始動入賞口26に入球すると、〔F2〕第1特別図柄が変動する。
〔F3〕第1特別図柄抽選で「はずれ」となると、〔F1〕通常モードの状態からやり直しとなる。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F5〕第1当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。〔F8〕ドライブモードは、「時間短縮状態」である。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F7〕第2当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F9〕動物モードに移行する。〔F9〕動物モードは、「非時間短縮状態」である。なお、〔F9〕動物モードの変動パターンは、〔F1〕通常モードと異ならせてもよく、〔F1〕通常モードと同一であってもよい。
〔ゲームフロー(その2)〕
図411は、時間短縮状態のドライブモードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F8〕時間短縮状態のドライブモードでの遊技中に、遊技球が右始動入賞口28bに入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していると)、〔F12〕第2特別図柄が変動する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F14〕第3当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F15〕第4当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F20〕非時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率318/319)」となり、〔F17〕第5当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率318/319)」となり、〔F19〕第6当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F20〕非時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔ゲームフロー(その3)〕
図412は、非時間短縮状態のドライブモードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F20〕非時間短縮状態のドライブモードでの遊技中に、遊技球が右始動入賞口28bに入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していると)、〔F12〕第2特別図柄が変動する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F14〕第3当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F15〕第4当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F9〕動物モードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率318/319)」となり、〔F17〕第5当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率318/319)」となり、〔F19〕第6当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F9〕動物モードに移行する。
このように、本実施形態では、一旦、時間短縮状態(連荘状態)に突入すると、第2特別図柄の時短1回分の変動と、第2特別図柄の1個の記憶分とで、合計2回の当り(大当り又は小当り)の機会を得ることできる。そして、その2回の機会のいずれかで、時短付きの当選図柄で当選すると、再び、時間短縮状態(連荘状態)に復帰する遊技性となっている。
〔ゲームフロー(その4)〕
図413は、動物モードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F9〕動物モードでの遊技中に、遊技球が中始動入賞口26に入球すると、〔F2〕第1特別図柄が変動する。
〔F3〕第1特別図柄抽選で「はずれ」となり、このような「はずれ」が規定回数連続すると(例えば、15回の変動が実行されると)、〔F20〕規定変動経過となり、〔F1〕通常モードに移行する。なお、第1特別図柄抽選で「大当り」となった場合は、図410のゲームフローと同様の流れとなる。
〔演出画像の例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像及びドラムユニット200の動作について、いくつかの例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)を決定し、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、上記のように第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。同様に、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示の態様は、やはり7セグメントLED等による記号的な図案であり、やはり「当選図柄」としての視覚的なインパクトに乏しい。そこでパチンコ機1では、液晶表示器42及びドラムユニット200を用いた変動表示演出及び停止表示演出が行われている。
本実施形態では、液晶表示器42に、演出図柄Hz(本図柄)、マーカM1、マーカM2、第4図柄Z1,Z2、滞在モードに対応する背景画像、予告演出に関する画像等を表示しており、ドラムユニット200に、7図柄等の擬似演出図柄を表示している。
液晶表示器42に表示される演出図柄Hzには、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される。各演出図柄には、数字の「1」~「9」が表示されている。ここで、左演出図柄、中演出図柄、及び右演出図柄は、いずれも数字が「9」~「1」の降順に並んだ図柄列(演出図柄配列)を構成している。このような図柄列は、それぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
ドラムユニット200に表示される擬似演出図柄には、左リール201に表示される擬似左演出図柄、中リール202に表示される擬似中演出図柄、右リール203に表示される擬似右演出図柄の3つが含まれており、これらはドラムユニット200の表示領域上で左・中・右に並んで表示される。各リールには、7図柄やパンダ図柄、チェリー図柄が含まれており、各リールが回転することにより、擬似演出図柄が変動表示される。
図414及び図415は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、液晶表示器42及びドラムユニット200を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄)が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果が表示されたことを表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔変動表示前〕
図414中(A):例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の下部右側の領域には3本の演出図柄Hzの列が表示されている。このとき第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄Hzも停止表示された状態にある。
また、液晶表示器42の下部左側の領域には、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数を表すマーカ(図中に参照符号M1,M2を付す)が表示されるものとなっている。これらマーカM1,M2は、それぞれの表示個数が対応する第1特別図柄、第2特別図柄の作動記憶数(第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示数)を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。また、マーカM1,M2は、視覚的な判別を容易にするため第1特別図柄に対応するマーカM1が例えば円(○)の図形で表示され、第2特別図柄に対応するマーカM2が例えばハートの図形で表示されている。なお、図示の例では、マーカM1が4つとも点灯表示されることで第1特別図柄の作動記憶数が4個であることを表し、マーカM2が全て非表示(破線で示す)になることで第2特別図柄の作動記憶数が0個であることを表している。なお、第2特別図柄の作動記憶数の最大値は1個であるため、マーカM2は最大で1つしか点灯しない。
また、液晶表示器42の下部右側の領域には第4図柄(図中に参照符号Z1,Z2を付す)が表示されている。この第4図柄Z1,Z2は、上記の左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄Hzの変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお、第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。第4図柄Z1は、第1特別図柄に対応しており、第4図柄Z2は、第2特別図柄に対応している。
また、第4図柄Z1,Z2については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に対応して停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が「大当り」や「小当り」であれば、それらに対応する態様(例えば青表示色や赤表示色等)で第4図柄Z1,Z2は停止表示される。
一方、ドラムユニット200の中段の有効ライン上には、「はずれ」に対応する「パンダ図柄」が表示されている。
〔変動表示演出開始〕
図414中(B):例えば、第1特別図柄の変動開始に同期して、ドラムユニット200の各リールが回転を開始するとともに、液晶表示器42の演出図柄Hzがスクロール変動することで変動表示演出が開始される(図柄演出実行手段)。なお、図中、ドラムユニット200の擬似演出図柄の変動表示、及び、演出図柄Hzの変動表示は単に下向きの矢印で表示している。
液晶表示器42の中央の領域には背景画像が表示されており、この背景画像は、公園の風景を表現したものである。このような背景画像は、演出上での滞在モードが例えば「通常モード」であることを表現している。「通常モード」は、非時間短縮状態である。この他にも演出上で各種のモードが設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている。これらモードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものである。ここでは特に図示していないが、この後、例えば液晶表示器42の表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
また、演出図柄Hzの変動表示中、液晶表示器42の画面下部では第4図柄Z1が変動表示されており、第4図柄Z1は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
〔左演出図柄停止〕
図414中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に、ドラムユニット200の左リール201の擬似左演出図柄と、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄が変動を停止する。この例では、ドラムユニット200の左リール201の中段位置に擬似左演出図柄として「緑色の7図柄」が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄として数字の「8」を表す演出図柄が停止している。
〔作動記憶数減少時の演出例〕
ここで、先の図414中(B)に示されているように、変動開始に伴って最も古い第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動して最も左側に位置していたマーカM1の表示個数が1個分減少されている。すなわち、それまでにマーカM1の作動記憶数が合計4個存在していたが、最も以前(古い)の記憶数表示であるマーカM1が非表示となり、内部抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、合計作動記憶数が3個に減少したことを演出上でも遊技者に教示することができ、また、いずれの特別図柄(この場合は第1特別図柄)に対応する作動記憶が消費されたかを分かりやすく教示することができる。
そして、図414中(C)の例においては、記憶順で先頭にあった作動記憶が消費されて残りが3個になったため、画面上に残った3つのマーカM1がそれぞれ1個分ずつ一方向(ここでは左方向)へずれていく演出が行われている。これにより、作動記憶数の変化の前後関係を正確に演出上で表現するとともに、遊技者に対して「作動記憶が消費されて1つ減った」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
〔右演出図柄停止〕
図415中(D):次に、ドラムユニット200の右リール203の中段位置に擬似右演出図柄として「パンダ図柄」が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの右演出図柄として数字の「3」を表す演出図柄が停止している。
〔停止表示演出〕
図415中(E):第1特別図柄の停止表示に同期して、停止表示演出が実行される。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、ドラムユニット200の擬似演出図柄も、液晶表示器42の演出図柄Hzも同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、ドラムユニット200の中リール202の中段位置に擬似中演出図柄として「パンダ図柄」が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄として数字の「1」を表す演出図柄が停止している。この場合、ドラムユニット200の中段の有効ライン上に表示された擬似演出図柄の組み合わせは「緑色の7図柄」-「パンダ図柄」-「パンダ図柄」のはずれ目であり、液晶表示器42の演出図柄Hzの組み合わせは「8」-「1」-「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
以上は、1回の変動ごとに行われる変動表示演出と停止表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
〔大当り時の演出例〕
図416~図418は、大当り時に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である。ここではリーチ演出の他に、変動表示演出や停止表示演出及び予告演出が含まれるものとする。また、その他にも、変動表示演出中に実行される予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出)の一例を説明する。
以下のリーチ演出は、第1特別図柄表示装置34において大当り時の変動パターンによる変動表示が行われた後、例えば、第1特別図柄が「第1当選図柄」又は「第2当選図柄」の態様(例えば7セグメントLEDの「己」,「ヨ」,「口」,「巳」,「F」,「E」,「L」,「Γ」等)で停止表示されるまでに実行される(リーチ演出実行手段)。
〔変動表示演出〕
図416中(A):第1特別図柄(又は第2特別図柄)の変動開始に略同期して、ドラムユニット200の各リールが回転を開始するとともに、液晶表示器42の演出図柄Hzがスクロール変動することで変動表示演出が開始される。
〔リーチ発生前予告演出(1段階目)〕
図416中(B):変動開始から所定時間が経過すると、液晶表示器42において、キャラクターの絵柄画像(絵札)を用いた1段階目のリーチ発生前予告演出が行われる。このリーチ発生前予告演出は、予め定められた順序にしたがって1段階から複数段階(例えば2~5段階)まで、段階的に態様の変化が進行していく予告演出である。このリーチ発生前予告演出で用いられる絵柄画像は、画面の左端から出現するようにして表示される(その他の出現の態様でもよい。)。なお、「リーチ発生前予告」は、リーチの可能性や大当りの可能性を予告する演出である。このような「リーチ発生前予告演出」を実行することで、遊技者に対して「リーチに発展するかも知れない=大当りの可能性が高まる」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ発生前予告演出(2段階目)〕
図416中(C):リーチ発生前予告演出の1段階目の態様が実行された後、続いてリーチ発生前予告演出の態様の変化が2段階目に進行する。ここでは2段階目のリーチ発生前予告演出として、先とは違うキャラクターの絵柄画像を用いた演出が行われている。具体的には、画面の右端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像の前面に重なって表示される。また、このとき表示される絵柄画像は、先に表示されていた絵柄画像よりもサイズが大きい。そして、絵柄画像で表現されたキャラクターが台詞(例えば「リーチになるよ」等)を発するという、音響出力による演出もあわせて行われる。
このような2つ目の絵柄画像を用いたリーチ発生前予告演出(2段階目)は、先の図416中(B)で行われたリーチ発生前予告演出(1段階目)からさらに一歩進んだ発展型である。このように発展していく「リーチ発生前予告演出」の態様を称して、一般的に「ステップアップ予告」等と表現することがある。ここではリーチ発生前予告演出で2段階目の絵柄画像が出現する例を挙げているが、3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示される演出態様であってもよい。また、例えば3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示されるごとに、そのサイズが拡大されるものとしてもよい。なお、この段階でも変動表示演出は継続されている。いずれにしても、リーチ発生前予告演出の態様の変化をより多くの段階まで進行させることにより、今回の変動で大当りになる可能性(期待度)が高いことを遊技者に示唆することができる(例えば、5段階目まで進行すると最大の期待度を示唆する等。)。
〔左演出図柄の停止〕
図417中(D):変動表示演出の中期にさしかかると、ドラムユニット200の左リール201の擬似左演出図柄と、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄が変動を停止する。この例では、ドラムユニット200の左リール201の中段位置に擬似左演出図柄として「赤色の7図柄」が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄として数字の「7」を表す演出図柄が停止している。
〔リーチ状態の発生〕
図417中(E):そして、次に、ドラムユニット200の右リール203の擬似右演出図柄と、液晶表示器42の演出図柄Hzの右演出図柄が変動を停止する。この例では、ドラムユニット200の右リール203の中段位置に擬似右演出図柄として「赤色の7図柄」が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの右演出図柄として数字の「7」を表す演出図柄が停止している。これにより、ドラムユニット200の擬似演出図柄では、「赤色の7図柄」-「変動中」-「赤色の7図柄」のリーチ状態が発生しており、液晶表示器42の演出図柄Hzでは、「7」-「変動中」-「7」のリーチ状態が発生している。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われる。リーチ状態の発生後、当選時のリーチ演出が実行される。なお、液晶表示器42の演出図柄Hzに関しては、明確なリーチ状態を発生させずに、「変動中」-「変動中」-「変動中」の表示状態としてもよい。
〔リーチ発生後予告演出〕
図417中(F):リーチ状態が発生して暫くすると、液晶表示器42において、例えば「ハート」の図形を表す画像が群をなして画面上を斜めに過ぎっていくリーチ発生後予告演出が行われる。この場合、突然、画面上に「ハート群」の画像が流れていくように表示されるため、これによって遊技者に対する視覚的な訴求力を高めることができる。このような視覚的に賑やかなリーチ発生後予告演出を実行することで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ演出の進行〕
図418中(G):リーチ発生後予告演出に続いて、液晶表示器42に、画面の左側に敵キャラクターとしての「かぼちゃのお化け」が出現し、画面の右側に味方キャラクターとしての「男性キャラクター」が出現し、画面の中央に「VS」の文字が出現する演出が行われる。
図418中(H):リーチ演出が終盤になると、「かぼちゃのお化け」が無数のパンチを繰り出し、「男性キャラクター」がチョップで応戦する演出が行われている。この状態で「男性キャラクター」が勝利すれば大当りとなり、「男性キャラクター」が敗北すればはずれとなる。
〔停止表示演出(当選時演出)〕
図418中(I):「勝利!!」の文字とともに、「男性キャラクター」が大きく表示され、「かぼちゃのお化け」が小さく表示されると、大当りであることを意味している。そして、特別図柄の停止表示に略同期して、ドラムユニット200の中リール202の擬似中演出図柄と、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄が変動を停止する。この例では、ドラムユニット200の中リール202の中段位置に擬似右演出図柄として「赤色の7図柄」が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄として数字の「7」を表す演出図柄が停止している。第4図柄Z1は、大当りに対応する態様(例えば赤表示色)で停止表示されている。
なお、非当選時(はずれ時)は、「敗北・・」の文字とともに、「かぼちゃのお化け」が大きく表示され、「男性キャラクター」が小さく表示される。この場合、ドラムユニット200の中リール202の中段位置に擬似右演出図柄として「パンダ図柄」が停止され、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄として数字の「7」以外の数字を表す演出図柄が停止される。
〔大役中演出〕
図419及び図420は、大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である。なお、以下の大役中演出は、液晶表示器42にて実行される演出である。
〔大当り遊技開始〕
図419中(A):大当り遊技が開始されると、例えば、画面内に「BIG BONUS」といった文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像(例えば女性キャラクター)が表示される。
〔大役中「右打ち」表示〕
また、本実施形態では遊技領域8a内の右側部分に第1可変入賞装置30が配置されているため、大役中は遊技球の発射位置(発射方向)として遊技領域8a内の右側部分を指定することとしている。このため、主制御CPU72による制御上で上記の発射位置指定表示ランプ38fが点灯表示されるとともに、「右打ち」を表す発射位置指定コマンドが演出制御装置124に送信される。これを受けて、演出制御CPU126による演出制御上で表示画面内に「右打ち」を促す案内情報(右方向を示す矢印、「右打ち」の文字等)が表示される)。
〔1ラウンド目〕
図419中(B):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、例えば、画面内の左上部に「BIG BONUS」の文字情報とともに、10個の○印が表示される。そして、そのうち1番左に位置する○印が赤色(斜線のハッチング)で表示され、残りの9個の○印は白色で表示される。これにより、出球を獲得できるのは10ラウンドであること、現在のラウンドがその10ラウンド中の1ラウンド目であること、及び、出球が獲得できるラウンドが1つ進行する毎に○印が赤色で表示されることを遊技者に教示することができる。
〔10ラウンド目〕
図419中(C):この後、大当り遊技が順調に進行し、例えば、10ラウンド目に移行すると、例えば、10個の全ての○印が赤色で表示される。これにより、この10ラウンド目で出球を獲得できる全てのラウンドが終了することを遊技者に教示することができる。
ここで、時間短縮状態に移行する当選図柄に該当している場合や、時間短縮状態に移行する当選図柄に該当していなくても第2特別図柄の記憶がある場合には、図示のように、花火が打ち上げられる花火演出(ドライブモードに移行することを示唆する演出)が実行される。なお、時間短縮状態に移行する当選図柄に該当していない場合や、第2特別図柄の記憶が無い場合には、花火演出は実行されない。花火演出は、任意のラウンドで実行することができる。
〔時間短縮状態突入演出〕
図420中(D):時間短縮状態に移行する場合、大当り遊技の終了時間(エンディング時間)を利用して「ドライブモード突入!」といった文字情報が表示される演出が実行される。これにより、これから「ドライブモード」が開始されることを遊技者に教示することができる。また、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、「ドライブモード」においても右打ちで遊技が進行することを遊技者に教示することができる。
ここで、エンディング演出中には、「プリペイドカードの取り忘れに注意しましょう」といったプリペイドカードの取り忘れを喚起する報知を行ったり、「遊技に対するのめり込みに注意しましょう」といった遊技に対するめり込みを防止する報知を実行するようにしてもよい。
〔大当り遊技終了、時間短縮状態〕
図420中(E):大当り遊技が終了し、内部状態(遊技状態)が時間短縮状態に設定されると、滞在モードが「ドライブモード」に設定され、背景画像が、女性が乗車した自動車が大地を走行する様子を表現した画像に変更される。これにより、現在の内部状態(遊技状態)が通常状態とは異なる時間短縮状態であることを遊技者に教示することができる。
〔時短中演出〕
このように、時間短縮状態で遊技が進行している場合には、時間短縮状態(有利遊技状態)に対応させた背景画像を表示する時短中演出(有利遊技状態演出)が実行される。
〔右打ち示唆演出〕
また、画面上部では、右打ち示唆演出が実行されている。右打ち示唆演出では、液晶表示器42の画面上部に帯状の領域を設け、その帯状の領域の中に右打ちの文字情報と右向きの矢印記号とを表示している。なお、このような右打ち示唆演出は、遊技状態が時間短縮状態である場合には継続して実行される。そして、このような演出を実行することにより、遊技者に対して「右打ち」を促すことができる。
〔残り回数表示演出〕
さらに、画面左下では、残り回数表示演出が実行されている。残り回数表示演出では、液晶表示器42の画面左下に長方形形状の領域を設け、その長方形形状の領域の中にドライブモードで遊技を進行することができる残り回数を表示している。なお、図示の例では、「残り2回」の情報が表示されている。残り回数は、時間短縮状態のドライブモード又は非時間短縮状態のドライブモードで第2特別図柄が変動して停止する度に1減算される。このため、残り回数は、時間短縮状態や非時間短縮状態で第1特別図柄が変動して停止しても減算されない。
〔ドライブモード(時間短縮状態)の演出例〕
図421~図423は、ドライブモードの演出例を示す連続図である。
図421中(A):ドライブモードでは、背景画像が、女性が乗車した自動車が大地を走行する様子を表現した画像に変更される。ドラムユニット200の中段の有効ライン上に表示された擬似演出図柄の組み合わせは「赤色の7図柄」-「赤色の7図柄」-「赤色の7図柄」の当選目であり、液晶表示器42の演出図柄Hzの組み合わせは「7」-「7」-「7」の当選目である。これは、当選時の出目を表示している。また、画面上部では、右打ち示唆演出が実行されており、このような右打ち示唆演出は、遊技状態が時間短縮状態である場合には継続して実行される。
なお、液晶の背景画像に連動させて、ドラムユニット200のバックライトを所定の色で発光させるようにしてもよい。
〔特別図柄の変動開始〕
図421中(B):第1特別図柄での初当り時には第1特別図柄の記憶が貯まっていることが多く、第2特別図柄の記憶が貯まっていないのが一般的である。図示の例では、第1特別図柄の記憶(マーカM1)が4つ貯まっている。このため、このような状況でドライブモードに突入した場合には、第1特別図柄が変動表示される。なお、第1特別図柄の記憶が貯まっていない場合には、遊技者が右打ちを実行することにより、最初に第2特別図柄の変動が実行される。そして、第1特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴ってドラムユニット200が回転を開始し、液晶表示器42の演出図柄Hzや第4図柄Z1についても変動を開始する。ここでは、第1特別図柄に関する内部抽選において、はずれに該当したものとする。
〔第1特別図柄の変動終了〕
図421中(C):第1特別図柄がはずれの態様で停止表示されると、ドラムユニット200の擬似演出図柄、液晶表示器42の演出図柄Hz、液晶表示器42の第4図柄Z1についてもはずれの態様で停止表示される。この間に遊技者が右打ちを実行し、複数の遊技球が始動ゲート20を通過し、可変始動入賞装置28が開放して1個の遊技球が右始動入賞口28bに入球したものとする。この場合、第2特別図柄の記憶(マーカM2)が1個貯まる。
ここでは、第1特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されない。具体的には、残り回数の表示は、残り2回のままである。
図422中(D):第1特別図柄及び第2特別図柄の記憶は、入賞順に消化されるため、この後は、第1特別図柄の残りの3個の記憶が消化される。そして、第1特別図柄の残りの記憶の消化が終了すると、次は、第2特別図柄の記憶を用いて内部抽選が実行される。そして、第2特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴ってドラムユニット200が回転を開始し、液晶表示器42の演出図柄Hzや第4図柄Z2についても変動を開始する。ここでは、第2特別図柄に関する内部抽選において、小当りに当選したものとする。
〔小当り開始、第2大入賞口開放〕
図422中(E):そして、第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、ドラムユニット200の擬似演出図柄(「チェリー図柄」-「チェリー図柄」-「チェリー図柄」の組み合わせ)、液晶表示器42の演出図柄Hz(「5」-「2」-「6」の組み合わせ)、液晶表示器42の第4図柄Z2(緑色表示色)についても小当りの態様で停止表示される。これにより、小当り遊技が開始され、第2大入賞口31bが開放される。そうすると、女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げて画面右側に進んでいく演出が実行される。また、例えば、第2特別図柄の変動中に遊技者が右打ちを実行し、遊技球が始動ゲート20を通過し、可変始動入賞装置28が開放して1個の遊技球が右始動入賞口28bに入球したものとする。この場合、第2特別図柄の記憶(マーカM2)が1個貯まる。
ここでは、第2特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されている。具体的には、残り回数の表示は、残り1回となっている。
図422中(F):小当り遊技が開始されると、仙人のキャラクターが「右下のアタッカを狙うのじゃ」という台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して、第2可変入賞装置31に遊技球を入球させなくてはならないということを伝達することができる。
〔特定領域通過〕
図423中(G):小当り遊技により第2可変入賞装置31が開放状態に移行し、遊技球が特定領域31xを通過し、小当り時の当選図柄が第6当選図柄であったものとする。この例では、自動車に乗っている女性キャラクターが、Vの文字が描かれたハートマークを掲げ、「やったね!BIG BONUSよ!!」といったセリフを発する演出が実行される。これにより、遊技球が特定領域31xを通過したこと、及び、これから大当り遊技(BIG BONUS)が開始されることを遊技者に教示することができる。
〔小当り終了、大当り遊技開始〕
図423中(H):その後、小当り遊技が終了し、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)が閉鎖される。また、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過したことで、大当り遊技が開始されることとなる。この例では、大当り遊技特有の女性キャラクターが登場し、「BIG BONUS」といった文字情報が表示され、女性キャラクターが同様のセリフを発する演出が実行される。また、表示画面には、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、そのまま右打ちで大当り遊技が進行することを遊技者に教示することができる。
その後、上記と同様の大当り遊技中の演出が開始され、大当り遊技が進行する。例えば、第2特別図柄に関する小当り時の当選図柄が第6当選図柄に該当している場合、実質的に9ラウンド分の出球(小当り遊技を含めると10ラウンド分の出球)を獲得することができる。なお、ドライブモードにて大当り遊技が実行される場合は、ドライブモードでの当選時専用の大役中演出を実行してもよい。
図424及び図425は、非時間短縮状態でのドライブモードにおいて第2特別図柄が変動する際の演出例を示す連続図である。このような状況が発生するのは、主に時間短縮状態の最終変動で「第4当選図柄」の大当り又は「第6当選図柄」の小当りに該当して大当り遊技が実行され、かつ、第2特別図柄の記憶が蓄積されている場合である。
ここでは、第2特別図柄の記憶は1個存在しているものとする。このため、時短中演出は継続して実行されている。また、残り回数表示演出として、「残り1回」の情報が表示されている。ただし、右打ち示唆演出は実行されていない。
〔特別図柄の変動表示中〕
図424中(A):非時間短縮状態でのドライブモードで第2特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴ってドラムユニット200が回転を開始し、液晶表示器42の演出図柄Hzや第4図柄Z2についても変動を開始する。
〔変動表示演出の継続〕
図424中(B):非時間短縮状態でのドライブモードで第2特別図柄の変動表示が継続して実行されている。また、それに伴ってドラムユニット200の回転が継続し、液晶表示器42の演出図柄Hzや第4図柄Z2についても変動を継続する。なお、ここでの状況は、時間短縮状態ではないため、始動ゲート20を通過させても可変始動入賞装置28がロング開放する確率は低い。このため、基本的には第2特別図柄の記憶を貯めることはできない。よって、このような非時間短縮状態でのドライブモードは、第2特別図柄が最大で1回変動するチャンスゾーンとなる。
〔停止表示演出〕
図424中(C):ここでは、第2特別図柄に関する内部抽選において、小当りに当選したものとする。そして、第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、ドラムユニット200の擬似演出図柄(「チェリー図柄」-「チェリー図柄」-「チェリー図柄」の組み合わせ)、液晶表示器42の演出図柄Hz(「2」-「2」-「3」の組み合わせ)、液晶表示器42の第4図柄Z2(緑色表示色)についても小当りの態様で停止表示される。この場合、動物のキャラクターが「7の数字が表示されたマーク」を掲げる演出が実行される。
ここでは、第2特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されている。具体的には、残り回数の表示は、残り0回となっている。
〔小当り開始、第2大入賞口開放〕
図425中(D):そして、小当り遊技が開始されると、第2大入賞口31bが開放されるとともに、女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げて画面右側に進んでいく演出が実行される。この際、動物のキャラクターを置き去りにする演出が実行される。
〔特定領域通過〕
図425中(E):小当り遊技により第2可変入賞装置31が開放状態に移行し、遊技球が特定領域31xを通過し、小当り時の当選図柄が第6当選図柄であったものとする。この例では、自動車に乗っている女性キャラクターが、Vの文字が描かれたハートマークを掲げ、「やったね!BIG BONUSよ!!」といったセリフを発する演出が実行される。これにより、遊技球が特定領域31xを通過したこと、及び、これから大当り遊技(BIG BONUS)が開始されることを遊技者に教示することができる。
〔小当り終了、大当り遊技開始〕
図425中(F):その後、小当り遊技が終了し、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)が閉鎖される。また、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過したことで、大当り遊技が開始されることとなる。この例では、大当り遊技特有の女性キャラクターが登場し、「BIG BONUS」といった文字情報が表示され、女性キャラクターが同様のセリフを発する演出が実行される。また、表示画面には、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、そのまま右打ちで大当り遊技が進行することを遊技者に教示することができる。その後、上記と同様の大当り遊技中の演出が開始され、大当り遊技が進行する。そして、非時間短縮状態のドライブモードで第6当選図柄に該当して大当り遊技が実行された場合、大当り遊技の終了後には、動物モードに移行する。
図426は、ドライブモードの概要を示す図である。
第1演出例は、正常な遊技を行った場合の演出例を示しており、第2演出例は、イレギュラーな遊技を行った場合の演出例を示している。
〔第1演出例〕
図426中(A)の状態は、ドライブモードが残り2回である状態(少なくとも残り2回大当りが発生する可能性がある状態)であり、主制御装置70の遊技状態は、時間短縮状態である。
図426中(A)の状態で時短有り当りに該当すると、大当り遊技の終了後に、再度、図426中(A)の状態に移行する。
一方、図426中(A)の状態で時短無し当りに該当し、かつ、第2特別図柄の記憶が有る場合、大当り遊技の終了後に、図426中(B)の状態に移行する。
図426中(B)の状態は、ドライブモードが残り1回である状態(少なくとも残り1回大当りが発生する可能性がある状態)であり、主制御装置70の遊技状態は、非時間短縮状態(記憶消化区間)である。
図426中(B)の状態で時短有り当りに該当すると、大当り遊技の終了後に、図426中(A)の状態に移行する。
一方、図426中(B)の状態で時短無し当りに該当すると、大当り遊技の終了後に、図426中(C)の状態に移行する。
図426中(C)の状態は、動物モードであり、主制御装置70の遊技状態は、非時間短縮状態(即止め防止区間)である。動物モードは、規定回数の変動の経過により終了し、その後は通常モードに移行する。
〔第2演出例〕
図426中(D)の状態は、ドライブモードが残り2回である状態であり、主制御装置70の遊技状態は、時間短縮状態である。
図426中(D)の状態で時短無し当りに該当し、かつ、第2特別図柄の記憶が無い場合、大当り遊技の終了後に、図426中(E)の状態に移行する。
図426中(E)の状態は、動物モードであり、主制御装置70の遊技状態は、非時間短縮状態(記憶消化区間)である。ただし、この状態では、第2特別図柄の記憶が無いことから、第2特別図柄の記憶を消化することができず、いずれは、第1特別図柄の記憶を消化することになる。
〔ドライブモードの概要〕
ドライブモード(連荘状態)は、正常な遊技を行った場合、図426中(A)~(C)のように遷移する。
時間短縮状態で時短無し当りに当選すると、大当り遊技後には、主制御装置の遊技状態は、記憶消化区間となる。この際、本実施形態では、第2特別図柄の記憶が有る場合、1/1の確率で大当り(大当り又は小当り経由の大当り)となる。なお、第2特別図柄の記憶の上限は1個である。このため、第2特別図柄の記憶が有る場合は、ドライブモードの演出を継続させている(連荘継続のように見せている;図426中(A)~(C)参照)。
正常な遊技を行った場合には、時間短縮状態での大当り時に第2特別図柄の記憶があるため、このような状態の遷移となるが、時間短縮状態での時短無し当り時に、第2特別図柄の記憶が無い場合は、実質的にそこで連荘が終了する。
このため、本実施形態では、主制御装置の遊技状態が、記憶消化区間であっても、連荘継続ではない動物モードに移行させている(図426中(D)(E)参照)。
なお、当選時の第2特別図柄の記憶の有無は、大当り演出にも関係するため、第2特別図柄の記憶の有無の判定は、小当り又は大当りのオープニングコマンド受信時に行っている。
このため、第2特別図柄の記憶が無い状態で当選し、大当り遊技のラウンド中に、第2特別図柄の記憶が貯まった場合は、動物モードに移行させた後、記憶消化区間において、第2特別図柄の変動を行うようにしている。
図427は、記憶消化区間において第1特別図柄のはずれ変動が実行される際の演出例を示す図である。
第1演出例は、記憶消化区間において第1特別図柄のはずれ変動が実行されるが、第2特別図柄の記憶が有る場合の演出例を示している。
第2演出例は、記憶消化区間において第1特別図柄のはずれ変動が実行され、かつ、第2特別図柄の記憶が無い場合の演出例を示している。
〔第1演出例〕
図427中(A)の状態は、ドライブモードが残り1回である状態であり、主制御装置70の遊技状態は、非時間短縮状態(記憶消化区間)である。
図427中(A)の状態で、第1特別図柄のはずれ変動が実行されると、図427中(B)に示すようにリーチ演出(例えば、花火の打上げに成功するか否かの演出)が実行され、図427中(C)に示すように最終的にはずれとなる演出(例えば、花火の打上げに失敗する演出)が実行される。
〔第2演出例〕
図427中(D)の状態は、動物モードであり、主制御装置70の遊技状態は、非時間短縮状態(記憶消化区間)である。ただし、この状態では、第2特別図柄の記憶が無いことから、第2特別図柄の記憶を消化することができず、左打ちをすると、第1特別図柄が変動することになる。
この場合、第1特別図柄のはずれ変動の実行中には、図427中(E)に示すように、複数回の変動が擬似的に実行される特別な擬似変動演出が実行され、最終的にはずれとなる演出が実行される。特別な擬似変動演出では、変動時間(変動尺)に合わせて、変動開始アクションや変動停止アクションが複数回実行される。
記憶消化区間であるにも関わらず、見た目上の演出が動物モードである場合、第1特別図柄の変動については、変動時間が長い変動パターン(例えば、数十秒の変動)が設定される。
この際に、ドライブモードに移行させ、そこではずれ演出を行えば、見た目の整合性は取れるが、「ドライブモード=連荘中」という関係性があるため、遊技者が誤認する恐れがある。
そこで、本実施形態では、記憶消化区間であり、かつ、見た目上の演出が動物モードである際には、変動表示演出の内容を実行する際の抽選を切り替えて、変動開始と変動停止を変動尺分繰り返した後、はずれの態様で確定するような演出を実行することにより、見た目上の違和感が無いようにしている。
図428は、記憶消化区間で選択される第1特別図柄の変動パターンと、即止め防止区間で選択される第1特別図柄の変動パターンとの相違を示す図である。
図428中(A)に示すように、記憶消化区間の変動パターン選択テーブルでは、第1特別図柄抽選の結果がはずれである場合、選択される変動パターンとしては、長時間変動の変動パターンが選択される可能性がある。例えば、長時間変動の変動パターンは、56.0秒の変動時間を有する変動パターンである。
一方、図428中(B)に示すように、即止め防止区間の変動パターン選択テーブルでは、第1特別図柄抽選の結果がはずれである場合、選択される変動パターンとしては、第1短時間変動~第3短時間変動の変動パターンが選択される可能性がある。例えば、第1短時間変動の変動パターンは、20.0秒の変動時間を有する変動パターンであり、第2短時間変動の変動パターンは、13.5秒の変動時間を有する変動パターンであり、第3短時間変動の変動パターンは、6.0秒の変動時間を有する変動パターンである。
そして、今回問題としている第1特別図柄のはずれ変動は、図428中(A)に示す長時間変動であり、この変動は、記憶消化区間では選択されるが、即止め防止区間では選択されない。
このため、遊技状態が、記憶消化区間であり、見た目上のモードが即止め防止区間に対応する動物モードとなっている際は、演出の整合を取るために、上述したように、特別な擬似変動演出を実行している。
図429は、遊技状態と発射方向に関する遊技の流れを示す図である。
以下の遊技の流れは、連荘状態が最短で終了する際の遊技の流れである。
具体的には、非時間短縮状態において「第1当選種類(時短有り)」の大当りに当選し、時間短縮状態において「第6当選種類(時短無し)」の小当りに当選し、非時間短縮状態において「第6当選種類(時短無し)」の小当りに当選する場合の遊技の流れである。
遊技状態は、No1~No13の順番で進行する。
〔No1〕
「遊技状態」は「第1特別図柄変動」であり、「発射方向」は「左打ち」である。
遊技の開始時は、第1特別図柄を変動させて、大当りを目指す。
〔No2〕
「遊技状態」は「大当り(初当り、大当り1回目)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。ここでは、「第1当選種類(時短有り)」の大当りに当選したものとする。
〔No3〕
「遊技状態」は「時間短縮状態」であり、「発射方向」は「右打ち」である。
非時間短縮状態から時間短縮状態に遊技状態が移行すると、発射方向は、右打ちとなる。
〔No4〕
「遊技状態」は「第1特別図柄変動(ショート変動)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。初当り時に貯まっている第1特別図柄の記憶は、高速消化される。
〔No5〕
「遊技状態」は「第2特別図柄変動(時間短縮状態、記憶+1)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。第2特別図柄の変動中には、第2特別図柄の記憶を1つ貯めることができる。
〔No6〕
「遊技状態」は「第2特別図柄停止(時間短縮状態終了)」であり、「発射方向」は「左打ち」である。第2特別図柄の停止時に、遊技状態が時間短縮状態から非時間短縮状態に移行すると、発射方向は、右打ちから左打ちに切り替わる。
〔No7〕
「遊技状態」は「第1特別図柄の記憶増加」であり、「発射方向」は「左打ち」である。第1特別図柄の記憶は、最大で4個まで貯まる。
〔No8〕
「遊技状態」は「小当り経由の大当り(大当り2回目)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。小当り遊技中や大当り遊技中の発射方向は、右打ちとなる。ここでは、「第6当選種類(時短無し)」の小当りに当選したものとする。
〔No9〕
「遊技状態」は「第2特別図柄変動(非時間短縮状態)」であり、「発射方向」は「左打ち」である。ここでは、第2特別図柄の記憶を増加させることができない。
〔No10〕
「遊技状態」は「第1特別図柄の記憶増加」であり、「発射方向」は「左打ち」である。第1特別図柄の記憶は、最大で4個まで貯まる。
〔No11〕
「遊技状態」は「第2特別図柄停止」であり、「発射方向」は「左打ち」である。発射方向は、左打ちの状態が継続される。
〔No12〕
「遊技状態」は「小当り経由の大当り(大当り3回目)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。小当り遊技中や大当り遊技中の発射方向は、右打ちとなる。ここでは、「第6当選種類(時短無し)」の小当りに当選したものとする。
〔No13〕
「遊技状態」は「1セット分(3回分)の大当り終了」であり、「発射方向」は「左打ち」である。この場合、動物モードに移行する。このように、2回連続で、時短無しの当選図柄(例えば、「第6当選種類(時短無し)」)に該当すると、連荘状態は終了となる。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した変動表示演出やリーチ演出、リーチ発生前予告演出、記憶数表示演出、大役中演出、液晶表示器42やドラムユニット200を用いた演出、時短中演出、右打ち示唆演出、残り回数表示演出等は、いずれも以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
図430は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs~数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、時短中及び擬似時短中その他演出処理(ステップS402a)、ドラムユニット演出管理処理(ステップS403)、特殊変動中演出管理処理(ステップS403a)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば、特図先判定演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止時コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、発射位置指定コマンド、エラー通知コマンド、大当り終了演出コマンド、変動パターン先判定コマンド、停止表示時間終了コマンド、回数切りカウンタコマンド、各種のエラーコマンド、特殊変動回数指定コマンド、大当り時のオープニングコマンド、小当り時のオープニングコマンド等がある。
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御CPU126は上述した記憶数表示演出や、マーカM1を用いた先読み予告演出の実行を制御する。なお、作動記憶演出管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄Hzや第4図柄Z1,Z2を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作時の演出内容を制御したりする。また、この処理において演出制御CPU126は、各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出等)の演出パターンを選択する。このように、演出図柄管理処理において、演出制御CPU126は、液晶表示器42に表示する演出内容(演出図柄Hz、第4図柄Z1,Z2、マーカM1,M2、大役中演出等に関する演出内容、各種予告演出の内容)を決定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS402a:演出制御CPU126は、時短中及び擬似時短中その他演出処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、右打ち示唆演出及び残り回数表示演出等に関する演出内容を決定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS403:ドラムユニット演出管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄管理処理にて決定した演出内容に基づいて、ドラムユニット200を制御する処理を実行する。このように、ドラムユニット演出管理処理において、演出制御CPU126は、ドラムユニット200に表示する演出内容(擬似演出図柄に関する演出内容、ドラムユニット200の可動に関する内容)を決定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS403a:特殊変動中演出管理処理において、演出制御CPU126は、特殊変動回数指定コマンドに基づいて特殊変動中演出を実行するか否かを判断し、実行すると判断した場合にはどのような内容の特殊変動中演出を実行するかを決定する処理を実行する。なお、本処理は、演出図柄変動前処理において実行してもよい。
具体的には、演出制御CPU126は、短い時間(数秒程度)の特殊変動パターンが選択されている場合には、非リーチ演出(例えば、演出図柄を高速変動させる演出)を実行する演出パターンを選択し、長い時間(数十秒程度)の特殊変動パターンが選択されている場合には、リーチ演出等を実行する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(演出実行手段)。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46~52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば演出制御CPU126は可動体40fの駆動用ICに対して制御信号を出力する。可動体40fは可動体モータ57を駆動源として動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う。
なお、この処理において、演出制御CPU126は、ドラムユニット200の演出管理(ドラムユニット200を制御する処理)をするようにしてもよい。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される演出図柄管理処理の内容について説明する。
〔作動記憶演出管理処理〕
図431は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS700:先ず演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS700:Yes)、演出制御CPU126はステップS702を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS700:No)、演出制御CPU126はステップS702を実行しない。
ステップS702:演出制御CPU126は、作動記憶数増加時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、第1特別図柄に対応したマーカM1又は第2特別図柄に対応したマーカM2を表示させる演出を選択する。
ステップS704:演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS704:Yes)、演出制御CPU126はステップS706を実行する。なお、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS704:No)、演出制御CPU126はステップS706を実行しない。
ステップS706:演出制御CPU126は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、内部抽選により消費した抽選要素に対応するマーカM1又はマーカM2を消滅させる演出を実行するとともに、内部抽選により消費していない残りのマーカM1,M2を左方向にスライドさせる演出を実行する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(図430)に復帰する。
〔演出図柄管理処理〕
図432は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502~ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また、可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(図383中のステップS5000)が選択された場合にのみジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502~ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は演出図柄Hz及び第4図柄Z1,Z2を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。また、この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(抽選結果、当選種類(当選図柄の種類)、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(リーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、変動表示演出の実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた停止表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は小当り遊技中又は大当り中の演出内容を制御する。この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容を選択する。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
〔演出図柄変動前処理〕
次に図433は、上記の演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
なお、客待ち状態を表す演出には、「遊技に対するのめり込みに注意しましょう」といった遊技に対するのめり込みを防止する内容を表示するようにしてもよい。このようにすることで、適切なタイミングで簡単に、のめり込み防止に関する演出を実行することができ、遊技者の不利益を軽減することができる。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図430中のステップS404)、ランプ駆動処理(図430中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御CPU126は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また、今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御CPU126は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御CPU126は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。
また、演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄Hz及び第4図柄Z1,Z2の変動スケジュール(変動時間)、停止表示の態様等を決定する。
例えば、演出制御CPU126は、時間短縮状態での第2特別図柄の小当り変動時には、「ドライブモード」の状態で演出図柄Hz及び第4図柄Z2を変動させ、最終的に小当りに対応する演出図柄Hz及び第4図柄Z2を停止表示させる演出パターンを選択する処理を実行する。
一方、演出制御CPU126は、非時間短縮状態での第2特別図柄の小当り変動時には、例えば「ドライブモード」を継続させた状態又は通常モードの状態で演出図柄Hz及び第4図柄Z2を変動させ、最終的に小当りに対応する演出図柄Hz及び第4図柄Z2を停止表示させる演出パターンを選択する処理を実行する。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、大当りに該当した場合、演出制御CPU126はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御CPU126は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。なお、大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御CPU126はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御CPU126は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御CPU126がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドに基づいて決定される。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄Hz及び第4図柄Z1,Z2の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」-「2」-「4」等)を決定する。なお、このようなはずれ時の演出決定手法は、大当り時も同様である。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は次にステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御CPU126は、予告選択処理を実行する(予告演出実行手段)。この処理では、演出制御CPU126は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当り又は小当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は非当選時よりも高く設定されている。
ステップS616:演出制御CPU126は、モード演出管理処理を実行する(有利遊技状態演出実行手段)。この処理において、演出制御CPU126は、滞在モードに応じた背景画像を選択する処理を実行する。例えば、演出制御CPU126は、原則として、内部状態が非時間短縮状態である場合には、通常モードに対応する背景画像を選択する処理を実行し、内部状態が時間短縮状態である場合には、ドライブモードに対応する背景画像を選択する処理(時短中演出を選択する処理)を実行する。
ただし、演出制御CPU126は、例外として、内部状態が非時間短縮状態である場合であっても、時間短縮状態から非時間短縮状態に移行した際に第2特別図柄の記憶が存在している場合には、ドライブモードに対応する背景画像を選択する(有利遊技状態演出実行手段、有利遊技状態演出継続実行手段)。なお、このような例外的な処理は、後述する演出図柄停止表示中処理において実行する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図432中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び停止表示演出が実行されるとともに(図柄演出実行手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。その他、ここで選択された背景(滞在)モードパターンに基づいて、各種の滞在モード演出が実行される。
〔はずれ時変動演出パターン選択処理〕
図434は、はずれ時変動演出パターン選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS620:演出制御CPU126は、現在の状態が記憶消化区間であるか否かを確認する。記憶消化区間とは、時間短縮状態の終了後に移行した非時間短縮状態において、第2特別図柄の記憶を消化するための区間である。記憶消化区間は、例えば、大当り遊技の終了後、第2特別図柄の1回目の変動区間、及び、第1特別図柄の1~4回目の変動区間である。なお、記憶消化区間が終了した後には、動物モード用の即止め防止区間が設定される。
記憶消化区間と即止め防止区間は、主制御装置だけで管理してもよく、演出制御装置だけで管理してもよく、両装置で管理してもよい。例えば、記憶消化区間は、記憶消化区間滞在フラグにより管理することができる。記憶消化区間滞在フラグは、大当り遊技終了時にONに設定し、大当り遊技の終了後、第2特別図柄の1回目の変動区間が終了する際、又は、第1特別図柄の5回目の変動区間が開始する際にOFFに設定する。一方、即止め防止区間は、記憶消化区間滞在フラグをONからOFFに設定したタイミングでONに設定し、即止め防止区間がONに設定されている状態で規定回数の特別図柄の変動が終了した際にOFFに設定する。
正常に遊技を行っている場合(時間短縮状態で右打ちを継続している場合)、記憶消化区間では第2特別図柄の記憶を消化することになるが、正常に遊技を行っていない場合(時間短縮状態で右打ちを継続していない場合)、記憶消化区間では第1特別図柄の記憶を消化することもあり得る。
その結果、現在の状態が記憶消化区間であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS621を実行し、現在の状態が記憶消化区間であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS625を実行する。
ステップS621:演出制御CPU126は、今回の変動が第1特別図柄の変動であるか否かを確認する。
その結果、今回の変動が第1特別図柄の変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS622を実行し、今回の変動が第1特別図柄の変動であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS625を実行する。
ステップS622:演出制御CPU126は、第2特別図柄の記憶が無いか否かを確認する。
その結果、第2特別図柄の記憶が無いことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS623を実行し、第2特別図柄の記憶が無いことを確認できない場合(No)、すなわち、第2特別図柄の記憶が有ることを確認した場合、演出制御CPU126はステップS624を実行する。
ステップS623:演出制御CPU126は、特別な擬似変動演出を選択する処理を実行する。特別な擬似変動演出は、変動時間に合わせて、変動開始アクションや変動停止アクションが複数回実行される演出である。
ステップS624:演出制御CPU126は、リーチはずれ演出を選択する処理を実行する。演出制御CPU126は、例えば、花火の打上げに成功するか否かの演出を実行し、最終的に、花火の打上げに失敗する演出を選択する。
ステップS625:演出制御CPU126は、滞在モード及び変動パターンに応じたはずれ演出を選択する処理を実行する。演出制御CPU126は、例えば、単なるはずれ演出を選択したり、リーチ演出を実行してはずれとする演出を選択したりする。
そして、以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出図柄変動前処理(図433)に復帰する。
〔モード演出管理処理〕
図435は、モード演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS630:演出制御CPU126は、現在の遊技状態が時間短縮状態であるか否かを確認する。
その結果、現在の遊技状態が時間短縮状態であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS634を実行し、現在の遊技状態が時間短縮状態であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS631を実行する。
ステップS631:演出制御CPU126は、現在の状態が記憶消化区間であるか否かを確認する。
その結果、現在の状態が記憶消化区間であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS632を実行し、現在の状態が記憶消化区間であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS633を実行する。
ステップS632:演出制御CPU126は、第2特別図柄の記憶が無いか否かを確認する。
その結果、第2特別図柄の記憶が無いことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS635を実行し、第2特別図柄の記憶が無いことを確認できない場合(No)、すなわち、第2特別図柄の記憶が有ることを確認した場合、演出制御CPU126はステップS634を実行する。
ステップS633:演出制御CPU126は、大当り遊技後の規定回数以内(例えば15回以内)の変動であるか否かを確認する。
その結果、大当り遊技後の規定回数以内の変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS635を実行し、大当り遊技後の規定回数以内の変動であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS636を実行する。
ステップS634:演出制御CPU126は、ドライブモード用の背景画像を選択する処理を実行する。
ステップS635:演出制御CPU126は、動物モード用の背景画像を選択する処理を実行する。
ステップS636:演出制御CPU126は、通常モード用の背景画像を選択する処理を実行する。
そして、以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出図柄変動前処理(図433)に復帰する。
このような処理を実行することにより、演出制御CPU126は、第2特別図柄の記憶が有れば(抽選要素記憶手段の状態が特別な状態であれば、抽選要素の記憶の状態が特別な状態であれば)、非時間短縮状態(第1状態、通常状態)と時間短縮状態(第2状態、有利状態)とで、共通した内容のドライブモード演出(共通演出)を実行可能とする(演出実行手段)。
また、このような処理を実行することにより、演出制御CPU126は、第2特別図柄の記憶が無ければ(抽選要素記憶手段の状態が特別な状態でなければ、抽選要素の記憶の状態が特別な状態でなければ)、非時間短縮状態(第1状態、通常状態)と時間短縮状態(第2状態、有利状態)とで、異なる内容のドライブモード演出(非共通演出)と動物モード演出(非共通演出)を実行可能とする(演出実行手段)。
〔演出図柄停止表示中処理〕
図436は、演出図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS650:演出制御CPU126は、内部状態が時短中(時間短縮状態)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、状態指定コマンドを確認することにより、内部状態を確認することができる。なお、内部状態は、変動パターンコマンドにより確認することもできる(以下、同様)。
その結果、内部状態が時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS652を実行し、内部状態が時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS656を実行する。
ステップS652:演出制御CPU126は、時短最終変動であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、回数切りカウンタコマンドを確認することにより、時短最終変動であるか否かを確認することができる。例えば、第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値が「1」から「0」に切り替わる際の変動であれば、演出制御CPU126は、時短最終変動であると判断することができる。
その結果、時短最終変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS654を実行し、時短最終変動であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS666を実行する。
ステップS654:演出制御CPU126は、擬似時短カウンタに第2特別図柄の記憶数を設定する処理を実行する。擬似時短カウンタはRAM130に記憶されており、例えば、第2特別図柄の記憶数が「0」である場合は、擬似時短カウンタに「0」が設定され、第2特別図柄の記憶数が「1」である場合は、擬似時短カウンタに「1」が設定される。
この処理を終えると、演出制御CPU126はステップS666を実行する。
ステップS656:演出制御CPU126は、滞在背景が通常背景であるか否か、すなわち、液晶表示器42に表示している背景画像が通常モードに対応する背景画像であるか否かを確認する。
その結果、滞在背景が通常背景であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS666を実行し、滞在背景が通常背景であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS658を実行する。
ステップS658:演出制御CPU126は、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であるか否かを確認する。
その結果、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS660を実行し、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であることを確認できない場合(No)、すなわち、擬似時短カウンタの値が0である場合、演出制御CPU126はステップS664を実行する。
ステップS660:演出制御CPU126は、滞在背景を擬似時短背景に設定する処理を実行する。擬似時短背景は、右打ち表示がされないドライブモードの背景である。
このような処理を実行することにより、演出制御CPU126は、時間短縮状態(有利遊技状態)が終了して非時間短縮状態(所定の遊技状態)に移行した場合であっても、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値である場合(特別な条件が満たされている場合)は、時短中演出(有利遊技状態演出)を継続して実行することができる(有利遊技状態演出継続実行手段)。
ステップS662:演出制御CPU126は、擬似時短カウンタを1減算する処理を実行する。
ステップS664:演出制御CPU126は、滞在背景を通常背景に設定する処理を実行する。通常背景は、通常モードの背景である。
ステップS666:演出制御CPU126は、その他処理を実行する。その他処理においては、上述したように、演出制御CPU126は、内部抽選の結果に応じた態様の停止表示演出の内容を制御する。
そして、以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出図柄管理処理(図432)に復帰する。
〔可変入賞装置作動時処理〕
図437は、可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS800:演出制御CPU126は、今回の変動の結果が大当りであったか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、抽選結果コマンドを確認し、大当り時に対応するものであるのか小当り時に対応するものであるのかを確認する。この確認の結果、今回の変動の結果が大当りであった場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS802を実行する。一方、今回の変動の結果が大当りではなかった場合(No)、すなわち、小当りであった場合、演出制御CPU126は次にステップS804を実行する。
ステップS802:演出制御CPU126は、大当り時可変入賞装置作動時処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は大当り遊技開始時から大当り遊技終了時までの間に実行する演出パターンを選択する。
具体的には、演出制御CPU126は、液晶表示器42に表示する大役中演出として、予め演出表示制御装置144(VDP152)の画像ROM154に記憶されている大当り時の演出パターンに関する各種画像データを、当選図柄に応じて読み出す処理を実行する。
ステップS804:演出制御CPU126は、小当り時可変入賞装置作動時処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は小当り開始時から小当り終了時までの間に実行する演出パターンを選択する。
具体的には、演出制御CPU126は、小当り遊技の開始時に小当り遊技が開始したことを示す演出パターン(例えば女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げる演出)を選択し、右打ちを示唆する演出を選択し、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過した場合には、特定領域通過時の演出パターン(自動車に乗っている女性キャラクターがVの文字が描かれたハートマークを掲げる演出)を選択する処理を実行する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(図432)に復帰する。
〔大当り時可変入賞装置作動時処理〕
図438は、大当り時可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS810:演出制御CPU126は、大当り時のオープニングコマンドを受信したか否かを確認する処理を実行する。
その結果、大当り時のオープニングコマンドを受信したことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS811を実行し、大当り時のオープニングコマンドを受信したことを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は、可変入賞装置作動時処理(図437)に復帰する。
ステップS811:演出制御CPU126は、第2特別図柄の記憶が無いか否かを確認する。
その結果、第2特別図柄の記憶が無いことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS812を実行し、第2特別図柄の記憶が無いことを確認できない場合(No)、すなわち、第2特別図柄の記憶が有ることを確認した場合、演出制御CPU126はステップS814を実行する。
ステップS812:演出制御CPU126は、今回の大当りが時間短縮状態に移行する当選図柄であるか否かを確認する。
その結果、今回の大当りが時間短縮状態に移行する当選図柄であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS814実行し、今回の大当りが時間短縮状態に移行する当選図柄であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS813を実行する。
ステップS813:演出制御CPU126は、第1選択テーブルから大当り演出を選択する処理を実行する。第1選択テーブルに含まれている大当り演出は、花火演出(ドライブモードに移行することを示唆する演出)を含まない大当り演出である。
ステップS814:演出制御CPU126は、第2選択テーブルから大当り演出を選択する処理を実行する。第2選択テーブルに含まれている大当り演出は、花火演出を含む大当り演出である。
そして、以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出図柄変動前処理(図433)に復帰する。
〔小当り時可変入賞装置作動時処理〕
図439は、小当り時可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS820:演出制御CPU126は、小当り時のオープニングコマンドを受信したか否かを確認する処理を実行する。
その結果、小当り時のオープニングコマンドを受信したことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS821を実行し、小当り時のオープニングコマンドを受信したことを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は、可変入賞装置作動時処理(図437)に復帰する。
ステップS821:演出制御CPU126は、第2特別図柄の記憶が無いか否かを確認する。
その結果、第2特別図柄の記憶が無いことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS822を実行し、第2特別図柄の記憶が無いことを確認できない場合(No)、すなわち、第2特別図柄の記憶が有ることを確認した場合、演出制御CPU126はステップS824を実行する。
ステップS822:演出制御CPU126は、今回の小当りが時間短縮状態に移行する大当りに繋がる当選図柄であるか否かを確認する。
その結果、今回の小当りが時間短縮状態に移行する大当りに繋がる当選図柄であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS824実行し、今回の小当りが時間短縮状態に移行する大当りに繋がる当選図柄であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS823を実行する。
ステップS823:演出制御CPU126は、第3選択テーブルから大当り演出を選択する処理を実行する。第3選択テーブルに含まれている小当り演出は、ドライブモードに移行することを示唆する演出を含まない小当り演出である。
ステップS824:演出制御CPU126は、第4選択テーブルから大当り演出を選択する処理を実行する。第4選択テーブルに含まれている小当り演出は、ドライブモードに移行することを示唆する演出を含む小当り演出である。
そして、以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出図柄変動前処理(図433)に復帰する。
〔時短中及び擬似時短中その他演出処理〕
図440は、時短中及び擬似時短中その他演出処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ここで、時短中(時短)とは、時間短縮状態であり、擬似時短中(擬似時短)とは、非時間短縮状態において時短中の背景画像を表示している状態(非時間短縮状態でのドライブモード)である。
ステップS850:演出制御CPU126は、内部状態が時短中(時間短縮状態)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、状態指定コマンドを確認することにより、内部状態を確認することができる。
その結果、内部状態が時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS852及びステップS854を実行し、内部状態が時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS856を実行する。
ステップS852:演出制御CPU126は、残りの時短回数に基づく残り回数表示処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、回数切りカウンタコマンドを確認し、第2回数切りカウンタ値に「1」を加えた値を残り回数として表示する演出パターンを選択する処理を実行する。これにより、時短中においては、残り回数表示演出の残り回数として「残り2回」又は「残り1回」の値が表示される。
ステップS854:演出制御CPU126は、右打ち示唆演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は液晶表示器42の画面上部で右打ち示唆演出に対応する画像を表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS855:演出制御CPU126は、右打ち強調演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、右打ち強調演出を実行する必要が発生した場合、例えば、時間短縮状態に移行したにも関わらず、遊技者が左打ちを継続している場合(特に、第1特別図柄の5変動目又は10変動目)、液晶表示器42の画面上部で右打ちを強調する演出に対応する画像を表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS856:演出制御CPU126は、内部状態が擬似時短中であるか否かを確認する。演出制御CPU126は、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値である場合に、擬似時短中であると判断することができる。
その結果、内部状態が擬似時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS858を実行し、内部状態が擬似時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は演出制御処理(図430)に復帰する。
ステップS858:演出制御CPU126は、擬似時短カウンタに基づく残り回数表示処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は擬似時短カウンタの値を残り回数として表示する演出パターンを選択する処理を実行する。これにより、擬似時短中においては、残り回数表示演出の残り回数として「残り1回(ラスト)」の値が表示される。
そして、以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(図430)に復帰する。
〔ドラムユニット演出管理処理〕
図441は、ドラムユニット演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS900:演出制御CPU126は、可動体動作スケジュール決定処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、演出図柄管理処理(図430のステップS402)によって決定された演出パターン(演出パターン番号等)に基づいて、ドラムユニット200の動作スケジュール(変動態様、停止態様等)を決定する処理を実行する。
動作スケジュールを決定した場合、演出制御CPU126は、決定した動作スケジュールを、RAM130の動作スケジュール格納バッファに保存する。また、動作スケジュールを決定した場合、演出制御CPU126は、RAM130のドラムユニット動作中フラグをONにする処理を実行し、決定したスケジュールを全て実行した場合にドラムユニット動作中フラグをOFFにする処理を実行する。
動作スケジュールは、リール(各可動体)毎に設定されており、例えば、左リール201であれば、変動開始から変動終了まで順番に「加速」→「等速」→「減速」→「停止」等といった内容になる。この中で、「加速」及び「減速」には複数の速度変化があり、「等速」の中にも複数の速度変化がある場合がある(例えば、「低速等速」、「中速等速」、「高速等速」等)。
本実施形態では、モータ(リール)の設定速度は複数の速度(例えば100種類程度の速度)が用意されており、不図示の複数の可動体データテーブルには様々な設定情報(モータのステップ数、モータの設定速度、モータの動作に要する時間、モータの励磁方法、モータの励磁する相を指定する相指定情報等)が格納されている。各可動体データテーブルには、それぞれ異なる設定情報が格納されている。
演出制御CPU126は、ドラムユニット(可動体ユニット)200の動作スケジュールに基づいて、どの順番でかつどのタイミングでいずれの可動体データテーブルを参照するかを決定する。参照中の可動体データテーブルに格納されている可動体データは、不図示の可動体データ設定領域に格納されることにより、ドラムユニット200のドライバ(IC)に送信される。ドラムユニット200のドライバは、可動体データに基づいて各リールを駆動する。
演出制御CPU126は、基本的には、各リールの速度を変化する場合に、新たな可動体データを可動体データ設定領域に上書きする(参照中の可動体データテーブルを切り替える)ことになるが、各リールの速度を維持している場合にも、新たな可動体データを可動体データ設定領域に上書きする(参照中の可動体データテーブルを切り替えない)ことがある。
これは、一定の速度を維持する場合に、特別図柄の変動秒数に応じた数の可動体データテーブルを用意してしまうと、特別図柄の変動秒数に応じた数の可動体データテーブルが必要となり、可動体データテーブルの容量が多くなってしまうためである。
そして、演出パターンに対応するドラムユニット200の動作スケジュールとしては、以下のようなものがある。
例えば、演出パターンが非リーチはずれ演出に対応する演出パターンである場合、演出制御CPU126は、変動開始時に左リール201、中リール202、右リール203の回転を開始し、所定時間経過後に左リール201を停止し、次に、右リール203を停止し、最後に中リール202を停止する、といった動作スケジュールとなる。なお、停止目は、任意のはずれ目や、演出図柄Hzの停止目に対応するはずれ目とすることができる。
一方、演出パターンがリーチ演出(大当り変動、小当り変動、はずれ変動)に対応する演出パターンである場合、演出制御CPU126は、変動開始時に左リール201、中リール202、右リール203の回転を開始し、所定時間経過後に左リール201を停止し、次に、右リール203を停止し、リーチ状態を発生させ、最後に中リール202を停止する、といった動作スケジュールとなる。停止目は、演出図柄Hzの停止目に対応する停止目(大当りに対応する同色の7図柄の三つ揃いの当選目、小当りに対応するチェリー図柄の三つ揃いの当選目、はずれに対応する中リール202の1コマずれのはずれ目)とすることができる。
いずれにしても、演出制御CPU126は、この可動体動作スケジュール決定処理において、演出図柄管理処理によって決定された演出パターンに基づいて、ドラムユニット200の動作スケジュールを決定し、決定した動作スケジュールに基づいて演出中に参照する可動体データテーブル(減速シーケンス、制御コードを追加した減速シーケンス、加速シーケンス、駆動開始シーケンス、駆動停止シーケンス等)の内容及び順番を決定する。
ステップS902:演出制御CPU126は、可動体データ設定開始処理を実行する。この処理は、演出の実行中に可動体データの設定が開始される際、つまり、可動体データの上書きが発生する際にだけ実行される。
具体的には、演出制御CPU126は、現在参照している可動体データテーブルの可動体データに、次に参照する予定の可動体データテーブルの可動体データを上書きする処理、つまり、次に参照する予定の可動体データテーブルに格納されている可動体データを可動体データ設定領域に格納する処理を実行したり、可動体データの終端であるか否かを判定し(次に参照する予定の可動体データテーブルが存在しているか否かを確認し)、可動体データの終端であると判断するまで可動体データテーブルに格納されている可動体データを可動体データ設定領域に格納する処理を実行したりする処理を実行する。
以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(図430)に復帰する。
図442は、連荘状態即終了対策の特殊変動パターンの遷移例を示す図である。
図中(A)は、発射方向の遷移に従わずに遊技を行った場合の特殊変動パターンの遷移例を示している。
例えば、時間短縮状態が終了して非時間短縮状態に移行し、その非時間短縮状態において第2特別図柄の記憶を消化している場合(左打ち状態中)に、特別図柄の記憶を1個も貯めず、第2特別図柄の記憶で小当り又は大当りとなり、その大当り遊技の終了に時間短縮状態に移行した場合、すなわち、第2特別図柄の記憶消化中に遊技球の発射を止めていた場合、特殊変動テーブルの遷移は、以下のようになる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「1変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルD(第2特別図柄)」が選択される。なお、ここで選択されるテーブルは、「変動パターンテーブルE(第2特別図柄)」であってもよい。
具体的には、大当り遊技終了後の1変動目は、第2特別図柄の記憶消化後の第2特別図柄の変動(変動時間は120秒)となる。液晶表示器42では、例えば、第2特別図柄専用のリーチ変動(リーチ演出)を実行することができる。
図中(B)は、発射方向の遷移に従って遊技を行った場合の特殊変動パターンの遷移例を示している。
例えば、時間短縮状態が終了して非時間短縮状態に移行し、その非時間短縮状態において第2特別図柄の記憶を消化している場合(左打ち状態中)に、特別図柄の記憶を4個貯め、第2特別図柄の記憶で小当り又は大当りとなり、その大当り遊技の終了に時間短縮状態に移行した場合、すなわち、第2特別図柄の記憶消化中に左打ちをして第1特別図柄の記憶を4個貯めていた場合、特殊変動テーブルの遷移は、以下のようになる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「1~4変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルD(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の1~4変動目は、第2特別図柄の記憶消化後の第1特別図柄の変動(変動時間は90~120秒程度)となる。液晶表示器42では、例えば、第1特別図柄専用のリーチ変動を実行することができる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「5変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルD(第2特別図柄)」が選択される。なお、ここで選択されるテーブルは、「変動パターンテーブルE(第2特別図柄)」であってもよい。
具体的には、大当り遊技終了後の5変動目は、第2特別図柄の記憶消化後の第2特別図柄の変動(変動時間は120秒)となる。液晶表示器42では、例えば、第2特別図柄専用のリーチ変動を実行することができる。
図中(B)に示す打ち方を実行することにより、連荘状態即終了(連荘状態がすぐに終了してしまう状況)を回避することができる。
図443は、イレギュラー打ちを考慮した特殊変動パターンの遷移例を示す図である。
図中(A)は、発射方向に従って遊技を行った場合の特殊変動パターンの遷移例を示している。
例えば、初当り前に第1特別図柄の記憶が4個貯まっている状態で、大当り遊技終了後の時間短縮状態で右打ちを継続した場合、すなわち、第1特別図柄の記憶が全て消化され、第2特別図柄の記憶を貯めた場合、特殊変動テーブルの遷移は、以下のようになる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「1~4変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルC(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の1~4変動目は、初当り後の第1特別図柄の残りの記憶を消化するための短変動(変動時間は1.0秒)となる。液晶表示器42では、例えば、演出図柄を高速で変動させることができる。この場合、リーチ演出は実行しない。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「5変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルC(第2特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の5変動目(初当り後の第2特別図柄の1変動目)は、長変動(変動時間は120秒)となる。
図中(B)は、発射方向に従わずに遊技を行った場合の特殊変動パターンの遷移例を示している。
例えば、初当り前に第1特別図柄の記憶が4個貯まっている状態で、大当り遊技終了後の時間短縮状態で右打ち中であるにも関わらず、左打ちを継続した場合、すなわち、第1特別図柄の記憶が全て消化され、さらに第1特別図柄の記憶を貯め続けて時間短縮状態が終了(パンク)する場合、特殊変動テーブルの遷移は、以下のようになる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「1~4変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルC(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の1~4変動目は、初当り後の第1特別図柄の残りの記憶を消化するための短変動(変動時間は1.0秒)となる。液晶表示器42では、例えば、演出図柄を高速で変動させることができる。この場合、リーチ演出は実行しない。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「5変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルG(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、初当り後の第1特別図柄の5変動目は、長変動(変動時間は13.5秒)となる。液晶表示器42では、例えば、可変始動入賞装置28(電チュー)に遊技球を入賞させるように促す演出(右打ちを促す演出)を実行することができる(1回目)。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「6~9変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルC(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の6~9変動目は、初当り後の第1特別図柄の追加された残りの記憶を消化するための短変動(変動時間は1.0秒)となる。液晶表示器42では、例えば、演出図柄を高速で変動させることができる。この場合、リーチ演出は実行しない。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「10変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルG(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、初当り後の第1特別図柄の10変動目は、長変動(変動時間は13.5秒)となる。液晶表示器42では、例えば、可変始動入賞装置28(電チュー)に遊技球を入賞させるように促す演出(右打ちを促す演出)を実行することができる(2回目)。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「11変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルA(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、初当り後の第1特別図柄の11変動目は、変動パターンテーブルAに含まれる変動パターンに基づく変動となる。なお、時短終了(パンク)後は、通常状態(非時間短縮状態、通常モード)へ移行する。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)本実施形態によれば、第2特別図柄の記憶が有れば(抽選要素の記憶の状態が特別な状態であれば)、非時間短縮状態(通常状態)と時間短縮状態(有利状態)とで、共通した内容のドライブモード演出(共通演出)を実行可能とするため、遊技状態が時間短縮状態から非時間短縮状態に移行したとしても、遊技者に対しては時間短縮状態が継続しているかのような印象を与えることができる。これにより、遊技者の遊技意欲を向上させることができ、結果として、斬新な遊技機を提供することができる。
(2)本実施形態によれば、記憶の状態に応じて、ドライブモード演出(共通演出)が実行されたり動物モード演出(非共通演出)が実行されたりするため、ドライブモード演出の実行を望んでいる遊技者に対しては、記憶を貯めようとする動機を与えることができる。これにより、遊技者の遊技意欲を向上させることができ、結果として、斬新な遊技機を提供することができる。
(3)本実施形態では、時間短縮状態において、第2特別図柄の記憶を1個だけ貯めることができる構成を採用している。そして、第2特別図柄の記憶は、小当り以上(小当り又は大当り)となる。このため、時間短縮状態から非時間短縮状態に移行すると、第2特別図柄の記憶を消化する変動が1変動だけあり、この際の演出上のモード(ステージ)は、時間短縮状態と同じものになる(ドライブモード演出)。
〔問題点〕
時間短縮状態に移行している最中は、第2特別図柄の記憶を貯める区間となり、この区間で第2特別図柄の記憶を貯めることができなかった場合、主制御装置の遊技状態としては、第2特別図柄の記憶消化区間となるが、第2特別図柄の記憶の消化ができないため、遊技状態と1対1で演出上のモードを選択すると、演出が成り立たなくなる。
そこで、本実施形態では、主制御装置の遊技状態だけでなく、記憶に関する情報(保留情報)も加味することで、イレギュラー時にも違和感の無い状態遷移を実現している。
具体的には、時間短縮状態での時短無し当りの小当りのオープニングコマンド又は大当りのオープニングコマンド受信時に、第2特別図柄の記憶が存在するか否かでその後の展開を分岐させている。より詳細には、第2特別図柄の記憶が有る場合、連荘継続の大役演出(花火演出を含む大当り演出)を実行し、ドライブモード(連荘状態モード)に移行させている。一方、第2特別図柄の記憶が無い場合、連荘終了の大役演出(花火演出を含まない大当り演出)を実行し、動物モード(連荘終了モード)に移行させている。なお、オープニングコマンド受信より後に第2特別図柄の記憶が発生した際は、動物モード(連荘終了モード)へ遷移した後に、記憶消化区間の第2特別図柄の変動が開始される(動物モードで小当り又は大当りが発生する)。
このような制御内容を採用することにより、主制御装置の遊技状態だけでなく、記憶の個数も加味してモード(ステージ)を移行させることができ、本実施形態の特殊な連荘仕様を遊技者に分かり易く伝えることができる。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様は例示であり、上述した演出の態様に限定されるものではない。
上述した実施形態では、いわゆる1種2種混合機に本発明を適用する例で説明したが、いわゆる1種遊技機(特定領域を備えていない遊技機)に本発明を適用してもよい。
また、本発明は、確率変動機能を備える遊技機にも適用することができ、この場合には、いわゆるループタイプ(確変回数に実質的な上限を設定しないタイプ)の遊技機に適用することもでき、STタイプ(確変回数に実質的な上限を設定するタイプ)の遊技機に適用することもできる。
さらに、本発明は、確変領域を有する遊技機に適用することもでき、確変領域を有しない遊技機に適用することもできる。
さらにまた、本発明は、「第1特別図柄及び第2特別図柄の同時回し」を採用していない遊技機に適用することもでき、同時回しを採用している遊技機に適用することもできる。
上述した実施形態では、ドラムユニット200を備える遊技機の例で説明したが、ドラムユニット200を備えていない遊技機であってもよい。
また、ドラムユニット200は、7セグ表示器(例えば、複数の7セグ表示器を備える装置、演出図柄を表示する7セグ表示器)に変更してもよく、液晶表示器に変更してもよい。
本発明は、設定付きパチンコ機に適用することもできる。
また、本発明は、性能表示モニタを備えるパチンコ機に適用することもできる。
上述した実施形態では、第2特別図柄の記憶が有る状態を特別な状態とし、第2特別図柄の記憶が無い状態を特別な状態でないとしたが、第2特別図柄の記憶が無い状態を特別な状態とし、第2特別図柄の記憶が有る状態を特別な状態でないとしてもよい。
上述した実施形態では、第2特別図柄の記憶が有る状態を特別な状態とし、第2特別図柄の記憶が無い状態を特別な状態でないとしたが、第2特別図柄の記憶が規定数以上である状態を特別な状態とし、第2特別図柄の記憶が規定数未満である状態を特別な状態でないとしてもよい。
上述した実施形態では、第2特別図柄の記憶が有る状態を特別な状態とし、第2特別図柄の記憶が無い状態を特別な状態でないとしたが、第1特別図柄の記憶が有る状態を特別な状態とし、第1特別図柄の記憶が無い状態を特別な状態でないとしてもよい。また、第1特別図柄の記憶が規定数以上である状態を特別な状態とし、第1特別図柄の記憶が規定数未満である状態を特別な状態でないとしてもよい。さらに、第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の記憶が規定数以上である状態を特別な状態とし、第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の記憶が規定数未満である状態を特別な状態でないとしてもよい。
上述した実施形態は、以下の変形も可能である。
(1)第1特別図柄の記憶の有無により、第2特別図柄の変動パターン選択テーブルを異ならせてもよい。
例えば、第1特別図柄の記憶が有る場合、第2特別図柄の変動パターンを決定する際には、長時間(数十秒~数分)の変動パターンを選択可能な変動パターン選択テーブルを参照する。
一方、第1特別図柄の記憶が無い場合、第2特別図柄の変動パターンを決定する際には、短時間(数秒)の変動パターンを選択可能な変動パターン選択テーブルを参照する。
(2)連荘中(時間短縮状態、ドライブモード中)に、第1特別図柄の記憶を溜めさせる状態(左打ち状態)を発生させるようにしてもよい。
例えば、大当りのエンディング時間は、左打ち状態になる。つまり、大当り遊技のオープニングから最終ラウンドの終了時までは右打ち状態となり、大当り遊技のエンディング中のみ左打ち状態となる。
また、小当り変動の確定時間中(停止表示時間の開始から終了まで)は、左打ち状態になる。時間短縮状態は、小当り変動の確定時間の開始時にOFFにすることができ、これにより、小当り変動の確定時間中は、非時間短縮状態となる。
さらに、「大当り変動確定時間(1秒程度、0.5秒から数秒程度)≒はずれ変動確定時間(1秒程度、0.5秒から数秒程度)<小当り変動確定時間(15秒程度、数十秒程度)」とすることができる。この場合、小当り変動の確定時間は、大当りやはずれと比較して長くなるため、非時間短縮状態となる時間を長く確保することができる。
(3)「左打ち状態」や「右打ち状態」の定義は、以下のようにすることができる。
主制御装置で、左打ち状態か右打ち状態かを記憶する領域(例えば、発射位置指定フラグを格納する領域)を持ち、記憶の内容が左打ちを示す値(0)であれば「左打ち状態」であり、記憶の内容が左打ちを示す値でなければ「右打ち状態」である。「左打ち状態」は、非時間短縮状態(電チューサポートが行われていない状態)や、大当り遊技のエンディング中である。それ以外の状態は、「右打ち状態」である。
主制御装置は、左打ち状態か右打ち状態かによって、演出制御装置に、現在の発射位置の状態を伝達するコマンドを送信する。このようなコマンドは、「電源投入時」及び「右打ち状態から左打ち状態への切り替わり時」に左打ち状態を示すコマンドを送信してもよく、左打ち状態中は定期的に左打ち状態のコマンドを送信してもよい。
左打ち状態中において、演出制御装置は、主制御装置からのコマンドに基づき、右打ち報知ランプを消灯状態にすることができる。また、左打ち状態中において、演出制御装置は、液晶表示器に表示する右打ち指示表示を非表示にすることができる。さらに、左打ち状態中において、演出制御装置は、右打ち領域にあるセンサ(始動ゲート20のゲートスイッチ76等)で遊技球の通過を検出した場合、左打ちを促す演出、例えば、「左打ちに戻してください」の表示、及び、音声出力を実行することができる。ただし、時間短縮状態が終了した後は、盤面上の残り球を考慮して、所定数の変動を行うまでこのような演出を実行しないようにすることができる(つまり、所定数の変動を行うまでは、右打ち報知ランプや発射位置指定表示ランプが消灯、右打指示表示(「右打ち」を促す案内情報)が非表示、かつ、左打ちを促す演出の実行が制限された状態となる)。
大当りのエンディング中や、小当り変動確定時間中を左打ち状態にすることで、第1特別図柄の記憶を定期的に貯めることができ、これにより、連荘中の第2特別図柄の変動を長くすることができる。これにより、連荘状態が極端に短い時間で終了して遊技者の遊技意欲が減退することを回避することができる。一方、連荘中に左打ちをしなければ、第2特別図柄の変動が短い状態となるため、遊技者は迅速に連荘状態を消化することができる。
上述した実施形態の遊技機は、1種2種混合機のゲーム性を有する遊技機であるため、非時間短縮状態における可変始動入賞装置28(普通電動役物)の開放中の入賞はエラーと判断し、エラー報知を行うようにしてもよい。
上述した実施形態は、以下の変形も可能である。
(1)外部情報について
大当り中及び時短中において出力される外部情報信号(例えば「大当り1」~「大当り5」のうちの「大当り4」をその信号とする)を持つ場合は、以下の制御内容を適用することができる。
(a)「大当り遊技状態」から「通常状態」に移行するときに、第2特別図柄の記憶数が0であれば、大当り遊技のエンディング時間の経過後に、「大当り4」の信号出力をONからOFFにしてもよい。
(b)「大当り遊技状態」から「通常状態」に移行するときに、第2特別図柄の記憶数が1以上であれば、大当り遊技のエンディング時間の経過後も、「大当り4」の信号出力をONのまま維持してもよい。また、第2特別図柄の記憶にハズレ変動(非当選となる抽選要素)が含まれていた場合は、第2特別図柄のハズレ変動を消化するまで「大当り4」の信号出力を維持し、第2特別図柄のハズレ変動を消化した後(変動の終了後)に「大当り4」の信号出力をOFFにしてもよい。
(2)特殊変動について
上述した実施形態では、変動パターンテーブルE(時短無し)で選択される変動パターンについて、第2特別図柄の場合に120秒の変動時間が設定される例で説明したが、第1特別図柄についても長時間の変動パターンが選択されるように制御してもよい(例えば、320秒以上の変動時間でもよいし、100秒を超える程度の変動時間でもよい。)。
変動パターンテーブルB(時短無し、即止め防止区間)で選択される変動パターンについて、第1特別図柄の場合に13秒、6秒などの短めの変動時間(数秒程度の変動時間)を有する変動パターンが選択されるようにしてもよい。
(3)上述した実施形態では、第1状態は通常状態であり、第2状態は時間短縮状態の例で説明したが、遊技機(機種構成)によっては、第1状態や第2状態は、別の状態であってもよく、例えば、第1状態が潜伏状態(高確率非時間短縮状態)であり、第2状態が時間短縮状態(低確率時間短縮状態)であってもよく、第1状態が時間短縮状態であり、第2状態が潜伏状態であってもよい。
(4)上述した実施形態では、第2特別図柄の記憶がある場合に共通演出を実行する例で説明したが、遊技機(機種構成)によっては、第2特別図柄の記憶の情報が特定の情報であること(所定の大当り、所定の小当りであること等)を条件に共通演出を実行し、第2特別図柄の記憶の情報が特定の情報でないこと(所定のハズレであること、第2特別図柄の記憶が全てはずれであること等)を条件に共通演出を実行しない構成でもよい。
(5)上述した実施形態では、第2特別図柄の記憶がある場合に共通演出を実行する例で説明したが、遊技機(機種構成)によっては、第2特別図柄の記憶がない場合に共通演出を実行し、第2特別図柄の記憶がある場合に共通演出を実行しない構成としてもよい。
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能である。
〔実施形態F〕
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図444は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図445は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば、遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図444及び図445を参照しつつ遊技機の全体構成について説明する。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図444中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図445では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図444に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1は、CRユニットに接続する機種であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態のパチンコ機1は、CRユニットに接続する機種を例に挙げているが、現金機(CRユニットに接続しない機種)であってもよい。
また、受皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(操作手段)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の前面部にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニット(参照符号なし)を取り巻くようにして配置されている。
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54,55が組み込まれている。一方、外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ56が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また、受皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45(操作入力受付手段)が設置されている。演出切替ボタン45は、例えば押し込み式の円形状ボタンとその周囲に回転式のジョグリング(ジョグダイアル)を組み合わせた形態である。遊技者は、この演出切替ボタン45を押し込み操作又は回転操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
その他に受け皿ユニット6の上面には、貸出操作部14に隣接して方向キー66が設置されている。方向キー66は上下左右の方向を示す4つのキースイッチを十字形状に配列したものであり、各方向別のキースイッチは独立して押し込み操作可能である。遊技者は演出上の様々な場面で方向キー66を押し込み操作することで、液晶表示器の画面上に表示されるカーソル等を任意に移動させることができる。
〔裏側の構成〕
図445に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図458)に基づいてさらに後述する。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受皿ユニット6に向けて案内する。
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
〔盤面の構成〕
図446は、遊技盤ユニット8を単独で示した正面図である。遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分(第1領域、左打ち領域)、右側部分(第2領域、右打ち領域)及び下部分に大きく分かれている。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺にスタート装置400、始動ゲート20、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等が分布して設置されている。このうち、スタート装置400は遊技領域8aの左側部分の下部中央に位置している。なお、スタート装置400の詳細は後述する。また、遊技領域8aの右側部分には、始動ゲート20、普通入賞口25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31が上からこの順番に配置されている。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で始動ゲート20を通過したり、スタート装置400に入球したり、普通入賞口22,25に入球(入賞)したり、あるいは、開放動作時の可変始動入賞装置28や開放動作時の第1可変入賞装置30、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする。ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、スタート装置400又は普通入賞口22に入球する可能性がある。遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、始動ゲート20を通過したり、普通入賞口25に入球したり、開放動作時の可変始動入賞装置28に入球したり、開放動作時の第1可変入賞装置30に入球したり、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする可能性がある。
本実施形態において、可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って右始動入賞口28bへの入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば左右一対の開閉部材28aを有しており、これら開閉部材28aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図446中に示されるように、左右の開閉部材28aは各先端が上を向いた状態で閉鎖位置にあり、このとき右始動入賞口28bへの入球は困難(遊技球が入球できる隙間がない状態)となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、左右の開閉部材28aはそれぞれ閉鎖位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、左右に開口幅を拡大して右始動入賞口28bを開放する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の入球が可能な状態となり、右始動入賞口28bへの入球を発生させることができる(可変始動入賞手段)。なお、このとき開閉部材28aは右始動入賞口28bへの遊技球の入球を案内する部材としても機能する。また、遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に可変始動入賞装置28(開放時の右始動入賞口28b)へ向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が開放動作時の可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に必ず入球するというわけではなく、あくまで入球は無作為に発生する。
また、可変始動入賞装置28は、非時間短縮状態(所定の遊技状態)では満たされ難い条件であり、時間短縮状態(有利遊技状態)では非時間短縮状態よりも満たされやすい条件である所定の作動条件(普通図柄が当選の態様で停止表示されて普通電動役物がロング開放するというという条件)が満たされない場合は右始動入賞口28bへの遊技球の入球が困難となる入球困難状態とする一方、所定の作動条件が満たされた場合は入球困難状態よりも右始動入賞口28bへの遊技球の入球を容易とする入球容易状態へ移行する。可変始動入賞装置28は、非時間短縮状態で普通図柄が当選の態様で停止表示された場合にはショート開放(0.1秒開放)し、時間短縮状態で普通図柄が当選の態様で停止表示された場合にはロング開放(1.0秒~6.0秒開放)する。
第1可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合、又は、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合)に作動し、第1大入賞口30bへの入球を可能にする(特別電動役物、第1特別入球事象発生手段)。
第1可変入賞装置30(アタッカ)は、可変始動入賞装置28の下部に配置された装置であり、1つの開閉部材30aを有している。この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復して開閉動作する。図示のように盤面に沿った状態で開閉部材30aは閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき第1大入賞口30bへの入球は困難である。第1可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むようにして変位し、第1大入賞口30bを開放する(開放状態)。この間に第1可変入賞装置30は遊技球の流入が可能な状態となり、第1大入賞口30bへの入賞という事象を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは第1大入賞口30bへの遊技球の流入を案内する部材としても機能する。
第2可変入賞装置31は、特別な条件が満たされた場合(特別図柄が小当りの態様で停止表示された場合)に作動し、第2大入賞口31bへの入球を可能にする(特別電動役物、第2特別入賞事象発生手段)。なお、第2可変入賞装置31は、特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合に作動してもよい。
第2可変入賞装置31は、演出ユニット40の右側に配置された装置であり、例えば1つの開閉部材31aを有している。第2可変入賞装置31は、開閉部材31aが盤面の内部にスライドするタイプの装置を採用している(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材31aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材31aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材31aの上面を転動することになるため、第2大入賞口31bへの入球は困難(第2大入賞口31bは閉塞中)である。そして、第2可変入賞装置31が作動すると、開閉部材31aが盤面の内部に引き込まれ、第2大入賞口31bを開放する(開放状態)。この間に第2可変入賞装置31は遊技球の流入が困難ではない状態となり、第2大入賞口31bへの入球という事象を発生させることができる。
〔特定領域〕
また、第2可変入賞装置31の内部には、特定領域31xが設けられている。特定領域31xは、第2可変入賞装置31が閉鎖状態である場合は遊技球が通過困難な領域であり、第2可変入賞装置31が開放状態である場合であって特定領域用スライド部材31cが盤面の内部に引き込まれている状態である場合に遊技球が通過可能な領域である。なお、第2可変入賞装置31の詳細は後述する。
また、特に図示してはいないが、第2可変入賞装置31(開閉部材31a)には、遊技球が転動するスピードを低下させる遊技球転動スピード低下部を形成してもよい。遊技球転動スピード低下部は、開閉部材31aの傾斜を緩やかにしたり、開閉部材31a上の遊技球が通過する位置に、遊技球をジグザグに進行させるための交互に出っ張る突起を形成することにより実現することができる。これにより、小当り遊技中に多くの遊技球を第2可変入賞装置31に入球させることができる。
その他、スタート装置400の内部にはアウト口32が形成されており、各種入賞口に入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、スタート装置400の各始動入賞口、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)、第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b、特定領域)に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
図447及び図448は、第2可変入賞装置31の詳細を示す図である。
第2可変入賞装置31は、スライド式の開閉部材31aの下方に第2大入賞口31bが配置されている。第2大入賞口31bの内部は左側に下り傾斜となっており、左側の端部にて下方に通路が延びている。下方に延びた通路には第2カウントスイッチ85が配置されており、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31に入球した遊技球の数をカウントする。
そして、下方に延びた通路は、その先で2つのルートに分かれている。一方の第1通路31dは、特定領域31xに向かって下方に延びており、他方の第2通路31eは、排出孔31yに向かって下方に延びている。
第1通路31dには、特定領域用スライド部材31cが配置されており、第1通路31dの下流には特定領域31xが配置されている。なお、特定領域31xの内部には、不図示の特定領域スイッチが配置されている。
一方、第2通路31eには、特別な部材は配置されておらず、第2通路31eの下流には排出孔31yが配置されている。
特定領域用スライド部材31cは、特殊な条件が満たされた場合(第2可変入賞装置31が作動してから第1時間経過後第2時間経過前の間)に作動し、特定領域31xへの遊技球の通過を可能にする。特定領域用スライド部材31cは、例えば図示しない特定領域ソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面の前後方向に沿ってスライドする。例えば、第1時間経過後は第2可変入賞装置31が作動してから0.2秒経過後であり、第2時間経過後は、第2可変入賞装置31が作動してから1.8秒経過後である。
特定領域ソレノイドがOFFの状態であると、特定領域用スライド部材31cは第1通路31dを塞いでいるため、遊技球が特定領域31xを通過することは困難となっている。一方、特定領域ソレノイドがONの状態になると、特定領域用スライド部材31cは盤面の内側に引き込まれるため、遊技球が特定領域31xを通過することが容易となる。
次に、第2可変入賞装置31の動作を説明する。
図447中(A)に示すように、スライド式の開閉部材31aは、盤面の内側に引き込まれており、遊技球が第2大入賞口31bに入球している。図示の例では、4個の遊技球が第2大入賞口31bに向かって進行している。ここでは、1個目の遊技球が第2カウントスイッチ85により検出されている状態である。
図447中(B)に示すように、1個目の遊技球が特定領域用スライド部材31cに到達している。2個目及び3個目の遊技球は、第2カウントスイッチ85に向かって進んでいる。4個目の遊技球は、第2大入賞口31bに入球しかけている。
図447中(C)に示すように、この時点では、特定領域用スライド部材31cが内側に引き込まれていないため(非作動中であるため)、1個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cによって進行方向が右側に変更され、第2通路31eに向かう。この場合、1個目の遊技球は、排出孔31yにより回収される。
図448中(D)に示すように、この時点で特定領域用スライド部材31cが盤面の内側に引き込まれたものとする(動作中)。この場合、2個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cの手前側を通り抜けて、第1通路31dに進行する。そして、2個目の遊技球は、特定領域31xを通過して、特定領域スイッチにより検出される。
図448中(E)に示すように、3個目の遊技球も、特定領域用スライド部材31cの手前側を通り抜けて、第1通路31dに進行する。この場合、3個目の遊技球は、特定領域31xを通過して、特定領域スイッチに検出される。
図448中(F)に示すように、この時点で、特定領域用スライド部材31cの動作が終了し、特定領域用スライド部材31cが盤面の前方側に突出したものとする。この場合、4個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cによって右方向に案内され、第2通路31eに進行する。そして、4個目の遊技球は、排出孔31yにより回収される。
図449~図455は、スタート装置400の詳細を示す図である。
図449は、スタート装置400の斜視図である。
図449に示すように、スタート装置400は、ベース部材410、カバー部材420、通過口430、右可動装置480、左可動装置490等を備えている。
ベース部材410は、スタート装置400の土台となる部材であり、ネジ等の締結部材により遊技盤ユニット8に取り付けられる。
カバー部材420は、ベース部材410の前面側に取り付けられる部材であり、その内部に各種始動入賞口やアウト口が配置される。
通過口430は、カバー部材420の上部中央に配置されており、遊技球がスタート装置400に入球するための(遊技球が通過可能な)入口である。
右可動装置480は、ベース部材410の後方右側に取り付けられており、スタート装置400の右羽根部材438(図450参照)を可動させるための装置である。
左可動装置490は、ベース部材410の後方左側に取り付けられており、スタート装置400の左羽根部材442(図450参照)を可動させるための装置である。
図450及び図451は、スタート装置400の内部構造を示す図である。
ここで、図450は、スタート装置400の羽根部材(右羽根部材438及び左羽根部材442)が閉鎖している状態を示しており、図451は、スタート装置400の羽根部材が開放している状態を示している。
図450に示すように、通過口430の下方には、右下方向に傾斜した案内通路432が形成されている。
案内通路432の右下には、1穴のクルーン部材434が配置されている。クルーン部材434は、上方側に大きな開口を有するすり鉢状の部材であり、底面に遊技球が1つ通過可能な開口が形成されている。
クルーン部材434の下方には、左下方向に傾斜した案内通路436が形成されている。
案内通路436の左下には、右羽根部材438が配置されている。
右羽根部材438の左下には、左下方向に傾斜した案内通路440が形成されている。
案内通路440の左下には、左羽根部材442が配置されている。
左羽根部材442の左下には、左下方向に傾斜した案内通路444が形成されている。
スタート装置右始動入賞口450、スタート装置中始動入賞口452及びスタート装置左始動入賞口454は、遊技球が入球可能な入球口である。
右羽根部材438及び左羽根部材442は、スタート装置右始動入賞口450、スタート装置中始動入賞口452及びスタート装置左始動入賞口454への入球に影響を与える動作が可能(開閉可能、可動可能)な可動体である。
また、右羽根部材438及び左羽根部材442は、スタート装置右始動入賞口450及びスタート装置中始動入賞口452の上方(上流)に配置され、遊技球がスタート装置右始動入賞口450又はスタート装置中始動入賞口452に進入するか否か(通過するか否か)に影響を与える部材である。
右羽根部材438は、右羽根部材438を作動させるソレノイドがONとなっている場合、上方に起き上がって開放状態に移行し、遊技球をスタート装置右始動入賞口450に導く。一方、右羽根部材438は、右羽根部材438を作動させるソレノイドがOFFとなっている場合、起き上がらずに閉鎖状態を維持し、遊技球は右羽根部材438の上部を通り抜けて、案内通路440に導かれる。
また、左羽根部材442は、左羽根部材442を作動させるソレノイドがONとなっている場合、上方に起き上がって開放状態に移行し、遊技球をスタート装置中始動入賞口452に導く。一方、左羽根部材442は、左羽根部材442を作動させるソレノイドがOFFとなっている場合、起き上がらずに閉鎖状態を維持し、遊技球は左羽根部材442の上部を通り抜けて、案内通路444に導かれる。
右羽根部材438及び左羽根部材442は、本部材の中央付近に挿入されている可動ピンが上方に押し上げられることにより、可動ピンが後方に配置されたガイド溝に沿って移動し、左側の回転軸を中心に回転して開放状態に移行する(図451参照)。
右羽根部材438の下方には、スタート装置右始動入賞口450が配置されている。スタート装置右始動入賞口450は、通過口430に入球した遊技球が進入可能(通過可能)であり第1特別図柄抽選の抽選契機(所定の契機)を発生可能とする契機発生領域である。
左羽根部材442の下方には、スタート装置中始動入賞口452が配置されている。スタート装置中始動入賞口452は、通過口430に入球した遊技球が進入可能(通過可能)であり第1特別図柄抽選の抽選契機(所定の契機)を発生可能とする契機発生領域である。
案内通路444の左下には、スタート装置左始動入賞口454が配置されている。スタート装置左始動入賞口454は、通過口430に入球した遊技球が進入可能(通過可能)であり普通図柄抽選の抽選契機(所定の契機)を発生可能とする契機発生領域である。
スタート装置右始動入賞口450の右側には、右下方向に傾斜した案内通路462が形成されている。
案内通路462の右下には、アウト口32が配置されている。このアウト口32の右側には、左下方向に傾斜した案内通路460が形成されている。
スタート装置右始動入賞口450の左側には、左下方向に傾斜した案内通路464が形成されている。
案内通路464の左下には、アウト口32が配置されている。
スタート装置中始動入賞口452の右側には、右下方向に傾斜した案内通路466が形成されている。
スタート装置中始動入賞口452の左側には、左下方向に傾斜した案内通路468が形成されている。
案内通路468の左下には、アウト口32が配置されている。
スタート装置左始動入賞口454の右側には、右下方向に傾斜した案内通路470が形成されている。
スタート装置左始動入賞口454の左側には、左下方向に傾斜した案内通路472が形成されている。
案内通路472の左下には、アウト口32が配置されている。このアウト口32の左側には、右下方向に傾斜した案内通路474が形成されている。
スタート装置右始動入賞口450、スタート装置中始動入賞口452及びスタート装置左始動入賞口454の下方には、スタート装置電飾基板476が配置されている。
スタート装置電飾基板476には、3つのランプ(LED)478が配置されており、各始動入賞口に遊技球が入球すると、対応するランプが点灯するようになっている。
次に、スタート装置400の内部での遊技球の流れを説明する。
図452に示すように、通過口430に入球した遊技球は、クルーン部材434を経由して右羽根部材438に導かれる。
そして、右羽根部材438及び左羽根部材442が閉鎖している場合、遊技球は、右羽根部材438及び左羽根部材442の上を通過して、最終的には、スタート装置左始動入賞口454に入球する。
スタート装置左始動入賞口454には、スタート装置左始動入賞口スイッチが配置されているため、スタート装置左始動入賞口スイッチによって遊技球の入球が検出される。
一方、右羽根部材438又は左羽根部材442が開放している場合も途中までは、右羽根部材438又は左羽根部材442が閉鎖している場合と同様の遊技球の流れとなる。
つまり、図453に示すように、通過口430に入球した遊技球は、クルーン部材434を経由して右羽根部材438に導かれる。
そして、右羽根部材438又は左羽根部材442が開放している場合、遊技球は、右羽根部材438又は左羽根部材442の位置で落下して、最終的には、スタート装置右始動入賞口450又はスタート装置中始動入賞口452に入球する。
スタート装置右始動入賞口450には、スタート装置右始動入賞口スイッチが配置されているため、スタート装置右始動入賞口スイッチによって遊技球の入球が検出される。
また、スタート装置中始動入賞口452には、スタート装置中始動入賞口スイッチが配置されているため、スタート装置中始動入賞口スイッチによって遊技球の入球が検出される。
ここで、遊技球がスタート装置400の通過口430に入球した場合、スタート装置右始動入賞口450、スタート装置中始動入賞口452、スタート装置左始動入賞口454のいずれかに必ず入球するわけではなく、場合によってはアウト口32に入球することもある。また、アウト口32には、スタート装置400の通過口430に入球した遊技球だけでなく、スタート装置400の通過口430に入球しなかった遊技球が側面側から入球することもある。
なお、右羽根部材438及び左羽根部材442は、同時に開放状態に移行させる例で説明しているが、同時に開放状態に移行させないようにすることもできる。
図454及び図455は、スタート装置400の側面図である。
ここで、図454は、羽根部材(例えば図453の右羽根部材438)が閉鎖している状態を示しており、図455は、羽根部材が開放している状態を示している。
上述したように、右可動装置480は、ベース部材410の後方右側に取り付けられており、スタート装置400の右羽根部材438を可動させるための装置である。
また、右可動装置480は、スタート装置右ソレノイド481、コイル部材482、フラッパー部材483、アーム部材484、フック部材485、バネ部材486等を備えている。なお、フック部材485は、アーム部材484の一部として構成してもよい(フック部材485とアーム部材484とは、同一部品であってもよい)。
主制御装置によってスタート装置右ソレノイド481が通電されると、コイル部材482が励磁され、板状のフラッパー部材483がコイル部材482に引き付けられる。
フラッパー部材483とアーム部材484とは、連結されており、フラッパー部材483が上方に移動すると、アーム部材484も上方に移動する。また、アーム部材484の先端には、円弧状のフック部材485が連結されている。このため、フラッパー部材483及びアーム部材484の移動にともなって、フック部材485も上方に移動する(図455参照)。
そして、フック部材485が上方に移動すると、フック部材485が、右羽根部材438に挿入されている可動ピン487を押し上げ、右羽根部材438が閉鎖状態から開放状態に移行する(図453参照)。この場合、コイル部材482と、フラッパー部材483とは、不図示のストッパによって、互いに接触しないようになっている(図455参照)。
また、スタート装置右ソレノイド481が通電されていない状態では、バネ部材486(あるいは、バネ部材486及びフラッパー部材483の自重)によって、フラッパー部材483は、コイル部材482から離れた位置に配置されるようになっている(図454参照)。
なお、ここでは、右可動装置480について説明したが、左可動装置490についても同様の構成を採用している。
〔スタート装置の特徴〕
特定の入賞領域への入賞を制限するために開閉部材を設けているような入賞装置ユニットに関するものは、従来技術として多々存在しているが、本実施形態のように、始動入賞口に備えた開閉部材が、電源投入時から常時開閉動作をし続けるとともに、その開閉によって始動入賞率を安定させるような構成は存在しない。
スタート装置400は、通過口430に入球した遊技球を、特別図柄の始動入賞口と普通図柄の始動入賞口(入賞口、作動口)に振り分けることで、「各種の図柄をランダムに変動させる」機能を有する。
以下、スタート装置400における遊技球の流れの詳細を説明する。
(1)スタート装置400の上部に通過口430を構え、そこから入球した遊技球は、1穴のクルーン部材434に向かい、クルーン部材434から排出されるまでの時間に、不規則な時間を与える。これにより、どつき等の振動に対するゴトを回避することができる。なお、スタート装置400に振動センサや磁石センサ、電波センサを取り付け、各種ゴトへの対策を強化することもできる。クルーン部材434は、多少の遊びを備えてスタート装置400に取り付けられており、外部からの衝撃(ドツキ等)を遊びによって吸収できるため、振動による影響を避けることができる。
(2)クルーン部材434から排出された遊技球は、スロープ状の案内通路に導かれ、その案内経路の途中に配置された常時一定で開閉する右羽根部材438及び左羽根部材442の開閉状態によって次のように球経路が変化する。
(a)右羽根部材438又は左羽根部材442が開放している場合、遊技球は、スロープから落下し、下に構える特別図柄の始動入賞口に向かう。
(b)右羽根部材438又は左羽根部材442が閉鎖している場合、遊技球は、右羽根部材438又は左羽根部材442の上を通過する。なお、スタート装置400には、羽根部材を2個搭載することで、特別図柄の始動入賞口に入賞するチャンスを2回与えている。
(3)右羽根部材438又は左羽根部材442に拾われなかった遊技球は、最終的に、普通図柄の始動入賞口(普通図柄が変動する普通図柄作動口)に向かう。
また、スタート装置400は、以下の特徴を併せ持つものである。
特別図柄の始動入賞口及び普通図柄の始動入賞口の左右には、アウト口を配置しており、一般的な機種にある盤面最下部のアウト口は削除している。
右羽根部材438及び左羽根部材442は、常時可動するため、スタート装置400のアクチュエーターには、一般的に用いられるプッシュ・プル式のソレノイドではなく、フラッパー式のソレノイドを搭載して摩耗による劣化を防いでいる。
また、遊技者にとっては、スタート装置400に入球した遊技球がどう振り分けられるのかについて、目で追わないといけないことから、これを視覚的に分かりやすく報知するために、特別図柄の始動入賞口及び普通図柄の始動入賞口の下部にランプ(LED)を配置し、入賞タイミングで光らせる機能を持たせている。
そして、このような構成のスタート装置400を採用することにより、以下のような効果を発揮することができる。
(1)クルーン部材434を搭載することにより、スタート装置400に入球した遊技球が開閉している右羽根部材438又は左羽根部材442に向かうタイミングに不規則性を与え、遊技者に対して遊技球の動きによって高揚感を増長させ、かつ、右羽根部材438又は左羽根部材442の開放のタイミングに合わせて遊技球を発射する、いわゆる攻略打ちの対策が可能となる。
(2)アウト口をスタート装置400に搭載することにより、盤面下部に配置されたアウト口の領域をスタート装置400にあてがうことができ、スタート装置400とアウト口を一体化してコンパクト化を図ることが可能であるとともに、盤面下部の有効活用が可能となる。
(3)フラッパー式のソレノイドを採用することにより、ソレノイド自体の摩耗を防ぎ、常時可動に耐えうる耐久性を確保することができる。
(4)特別図柄の始動入賞口及び普通図柄の始動入賞口の下部にランプ(LED)を配置し、入賞タイミングで光らせることにより、入賞したことを効果的に遊技者に報知することができる。
図456は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の左下位置)を拡大して示す正面図である。
遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33(普通図柄表示手段)及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34(第1図柄表示手段)、第2特別図柄表示装置35(第2図柄表示手段)、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が設けられている。
このうち普通図柄表示装置33は、例えば3つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0~4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、上記の始動ゲート20を遊技球が通過すると、又は、スタート装置左始動入賞口454に遊技球が入球すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えば7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段、第1図柄表示手段、第2図柄表示手段)。その他、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0~4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプが点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして、2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、スタート装置右始動入賞口450又はスタート装置中始動入賞口452に遊技球が入球するごとに、入球が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、上記の可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に遊技球が入球するごとに、入球が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄(第1図柄)が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で、スタート装置右始動入賞口450又はスタート装置中始動入賞口452に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄(第2図柄)が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また、遊技状態表示装置38には、例えば、大当り種別表示ランプ38a,38b,38c、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定表示ランプ38fにそれぞれ対応する6つのLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
〔遊技盤のその他の構成:図446を参照〕
上記の演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側上部には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄(本図柄)や、第4図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されている。球案内通路40dは、演出ユニット40の裏側を通って下方の転動ステージ40eに接続されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40kが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40kに案内された遊技球は、その真下にあるスタート装置400の通過口430に流入しやすくなる。
その他に演出ユニット40の上部中央の内部には、演出用の可動体40f(例えばハート型の装飾物)とともに図示しない駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。このような可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは異なる訴求力を発揮することができる。
また、液晶表示器42の下部には、7セグ表示装置200が配置されている(可動体)。7セグ表示装置200には、3つの7セグメントLEDが配置されている。7セグ表示装置200は、特別図柄の変動中に7セグ演出図柄を変動表示したり、大当り遊技中の演出を表示したりする。また、7セグ表示装置200は、表示装置であると同時に、演出用の可動体としての役割も担っており、7セグ表示装置200には図示しない専用の駆動源(例えばモータやソレノイド)や位置センサ(例えばフォトセンサ)が搭載されている。なお、7セグ表示装置200の詳細については、次の図面を参照しながら詳しく後述する。
さらに、7セグ表示装置200の右下には、記憶表示装置300が配置されている。記憶表示装置300は、内蔵するLEDの発光(点灯や消灯等)により記憶に関する演出を実行することができる。
記憶表示装置300には、第1特別図柄記憶表示領域M1、第2特別図柄記憶表示領域M2、当該記憶表示領域X1、演出表示領域X2が設けられている。
第1特別図柄記憶表示領域M1には、4つの白色LEDが配置されており、LEDの点灯数が第1特別図柄の記憶数(第1特別図柄作動記憶ランプ34aの表示数)に対応している。
第2特別図柄記憶表示領域M2には、4つの白色LEDが配置されており、LEDの点灯数が第2特別図柄の記憶数(第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示数)に対応している。
当該記憶表示領域X1には、1つのフルカラーLEDが配置されており、LEDが点灯していることで、特別図柄が変動中であることを示している。
演出表示領域X2には、1つ又は複数のフルカラーLEDが配置されており、LEDの点灯色によって、特別図柄抽選の当選の期待度が高まることを示している。演出表示領域X2は、内部的に抽選されたLEDの色(保留色)と同じ色で点灯するため、遊技者に分かりやすい告知を行うことができる。
記憶の色変化演出を実行する場合、本来であれば対象となるLEDの点灯色を変化させるが、本実施形態では、第1特別図柄記憶表示領域M1及び第2特別図柄記憶表示領域M2に白色LEDを配置している。このため、第1特別図柄記憶表示領域M1及び第2特別図柄記憶表示領域M2では、色変化演出を実行することができない。このため、記憶の色変化演出を実行する場合、演出表示領域X2の点灯色を変化させることによって、色変化演出の代わりとしている。ただし、この場合、どの記憶が対象となっているか分かりづらくなるため、対象となるLEDは点滅表示させることが好ましい。
なお、第1特別図柄記憶表示領域M1及び第2特別図柄記憶表示領域M2にフルカラーLEDを配置して、色変化演出を実行するようにしてもよい。
〔7セグ表示装置の位置〕
図457は、7セグ表示装置200及びその周辺を拡大して示す図である。
7セグ表示装置200は、乗り物を模した形状をなしており、荷台の側面(サイドパネル)に相当する部位に3つの7セグメントLEDが配置されている。また、上述したように、7セグ表示装置200は、表示装置としての役割に加え、可動体としての役割を有している。可動体としての7セグ表示装置200は、原点の位置で静止したり、原点から上下方向や左右方向、前後方向に変位して静止したり、或いは、いずれかの位置で振動(小刻みな動作)したり回転したりすることが可能である。なお、7セグ表示装置200が変位する方向は上記以外(例えば斜め方向)でもよいし、変位に際して7セグ表示装置200が回転する態様であってもよい。ここでは、7セグ表示装置200が滞在する代表的な2つの位置について説明する。
図457中(A):7セグ表示装置200が原点の位置に静止している状態を表している(以下、この位置を「上昇位置」と称する。)。上昇位置においては、7セグ表示装置200は、その下端部が転動ステージ40eの奥側に隠れているものの、7セグメントLEDの部分については概ね全体が転動ステージ40eの上方に現れている。したがって、上昇位置にある7セグ表示装置200は、7セグメントLEDに表示されている内容を遊技者に視認させることができる。また、転動ステージ40eの手前側及び奥側を区画する壁部はいずれも半透明又は透明な部材で形成されているため、転動ステージ40eの奥側に隠れている7セグ表示装置200の下端部についても、これらの壁部を通してうっすらと(又は容易に)視認させることが可能である。
図457中(B):7セグ表示装置200が最大限まで下降した位置に静止している状態を表している(以下、この位置を「下降位置」と称する。)。下降位置においては、7セグ表示装置200は、ほぼ全体が転動ステージ40eの奥側に隠れている。したがって、下降位置にある7セグ表示装置200は、7セグメントLEDに表示されている内容を完全な状態で遊技者に視認させることは困難である。
このように、7セグ表示装置200は、演出上で特別な変化が生じない場面では上昇位置に静止している。これに対し、遊技者がカスタム設定メニューの操作を行っている場合や、特別図柄の変動に伴う演出がスーパーリーチに発展した場合等には、7セグ表示装置200は、液晶表示器42の画面の視認性を高めるために下降位置に退避する。また、演出の実行過程で遊技者を演出に注目させたい場面で実行される演出(例えば、予告演出等)の一部として、7セグ表示装置200は、上昇位置で振動したり、或いは上昇位置よりもさらに上方に変位して静止したり振動したりする。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図458は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0~65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、スタート装置左始動入賞口454には、遊技球の入球を検出するためのスタート装置左始動入賞口スイッチ78aが設けられている。
また、遊技盤ユニット8には、スタート装置中始動入賞口452、スタート装置右始動入賞口450、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31にそれぞれ対応してスタート装置中始動入賞口スイッチ80、スタート装置右始動入賞口スイッチ81、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84及び第2カウントスイッチ85が装備されている。
スタート装置中始動入賞口スイッチ80、スタート装置右始動入賞口スイッチ81、右始動入賞口スイッチ82は、それぞれスタート装置中始動入賞口452、スタート装置中始動入賞口452、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)への遊技球の入賞を検出するためのものである。また、第1カウントスイッチ84は第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。
他にも、特定領域31xに対応して特定領域スイッチ83が装備されている。第2大入賞口31bの内部の特定領域31xに対応する位置には、特定領域スイッチ83が備えられており、特定領域スイッチ83は、遊技球が特定領域31xを通過したことを検出する。
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22,25への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、ここでは全ての普通入賞口22,25について共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば、盤面の左右で別々の入賞口スイッチ86を設置し、左側の入賞口スイッチ86では盤面の左側に位置する普通入賞口22,25に対する遊技球の入賞を検出し、右側の入賞口スイッチ86では盤面の右側に位置する普通入賞口25に対する遊技球の入賞を検出することとしてもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類の入賞検出信号や通過検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、スタート装置左始動入賞口スイッチ78a、特定領域スイッチ83、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号や通過検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び特定領域31xにそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び特定領域ソレノイド99が設けられている。さらに、遊技盤ユニット8には、スタート装置右始動入賞口450(右可動装置480)及びスタート装置中始動入賞口452(左可動装置490)にそれぞれ対応して、スタート装置右ソレノイド481及びスタート装置左ソレノイド491が設けられている。これらソレノイド88,90,97,99,481,491は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31、特定領域31x、スタート装置右始動入賞口450及びスタート装置中始動入賞口452を開閉させる。なお、これらソレノイド88,90,97,99,481,491についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に上記の一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、上記の内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている(特別特典付与手段)。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する(操作検知手段)。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
なお、タッチセンサ114からの検出信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される他に、発射中継端子板118、遊技球等貸出装置接続端子板120及び払出制御装置92を経由して主制御装置70にも送信される。なお、主制御装置70に対しては、タッチセンサ114からの検出信号を、発射中継端子板118、発射制御基板108及び払出制御装置92を順に経由して送信する構成としてもよい。
また、受皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。また、CRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、CRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また、演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46~52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
演出制御装置124と上記の主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお、各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46やガラス枠装飾ランプ48,50,52の他に、遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここではガラス枠装飾ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受皿ユニット6に受皿電飾基板を設置し、ガラス枠装飾ランプ52については受皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
また、音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、ガラス枠上スピーカ54,55及び外枠スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46~52やスピーカ54,55,56に印加されている。また、ガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45やジョグダイアル45a、方向キー66等(操作手段)の操作を行うと、それらに対応する接点信号が出力され(操作検知手段)、ガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45を接続した例を挙げているが、上記の受皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45は受皿電飾基板に接続されていてもよい。その他、遊技盤ユニット8にはパネル電飾基板138が設置されており、このパネル電飾基板138には盤面ランプ53の他に可動体モータ57が接続されている。可動体モータ57は、例えば図示しないリンク機構を介して上記の可動体40fを駆動する。ランプ駆動回路132からの駆動信号は、パネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53及び可動体モータ57にそれぞれ印加される。なお、可動体モータ57は、ソレノイドであってもよい。
また、演出制御装置124には、7セグ表示装置200及び記憶表示装置300が接続されている。7セグ表示装置200及び記憶表示装置300は、これらの装置を制御する不図示の制御装置(ドライバ、IC)によって駆動される。演出制御装置124(演出制御CPU126)は、不図示の制御装置を通じて7セグ表示装置200及び記憶表示装置300を制御する。
上記の液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤ユニット8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、VDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なお、VRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46~53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらにVDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上記のように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、リセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図459及び図460は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1~2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また、主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また、主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタコマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また、主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図460に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして、主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)、及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図462中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図462中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、上記のように、本実施形態において大当り決定乱数及び当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図462)を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込管理処理の内容については後述する。
〔電源断発生チェック処理〕
図461は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また、主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして、主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(図459)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図462は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB~Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A~L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、スタート装置左始動入賞口スイッチ78a、スタート装置中始動入賞口スイッチ80、スタート装置右始動入賞口スイッチ81、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、入賞口スイッチ86、特定領域スイッチ83からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、スタート装置左始動入賞口スイッチ78a、スタート装置中始動入賞口スイッチ80、スタート装置右始動入賞口スイッチ81、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、特定領域スイッチ83からの通過検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、スタート装置中始動入賞口スイッチ80又はスタート装置右始動入賞口スイッチ81から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は、第1特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機、第1抽選契機、第1特別図柄抽選の抽選契機)となる事象が発生したと判定する。
また、右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は、第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機、第2抽選契機、第2特別図柄抽選の抽選契機)となる事象が発生したと判定する。
さらに、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、又は、スタート装置左始動入賞口スイッチ78aから入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は、普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。
いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、スタート装置中始動入賞口スイッチ80、スタート装置右始動入賞口スイッチ81又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また、普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(普通図柄抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
また、本実施形態では、普通図柄表示装置33の3つのLEDを順番に点灯及び消灯させることで、普通図柄の変動表示を行い、上下3つのLEDのうち、例えば上のLEDを点灯させた状態で非当選時の停止表示を行い、下の2つのLEDのいずれかを点灯させた状態で当選時の停止表示を行うことができる。下の2つのLEDのうち、いずれのLEDを点灯させるかについては、主制御CPU72は当り時の抽選によって決定する当り時停止図柄番号に基づいて、普通図柄表示装置33による停止図柄(当り図柄)の表示態様を決定する。
例えば、非時間短縮状態において普通図柄の当選確率を略1分の1としている場合、2種類存在している当り図柄1と当り図柄2との振分率は、「1300:1」である。つまり、当り図柄1に該当する確率は「1299/1300」であり、当り図柄2に該当する確率は「1/1300」である。そして、当り図柄1に該当した場合は、可変始動入賞装置28はショート開放(0.1秒開放)するため、遊技球が可変始動入賞装置28に入球することは困難である。一方、当り図柄2に該当した場合は、可変始動入賞装置28がロング開放(6.0秒開放)するため、非時間短縮状態であっても可変始動入賞装置28に遊技球を入球させるチャンスが発生する。
このような当選図柄の振分率の設定により、本実施形態では、普通図柄が1300回変動すると、1回程度の割合で可変始動入賞装置28がロング開放することになる。なお、時間短縮状態においては、当り図柄1又は当り図柄2のいずれに該当しても、可変始動入賞装置28がロング開放する。この場合は、当り図柄1と当り図柄2とで開放パターンを異ならせることができる。また、主制御CPU72は、非時間短縮状態において可変始動入賞装置28をロング開放させる場合、演出制御装置124に対して可変始動入賞装置ロング開放開始コマンドを送信する。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ78a,80,81,82,84,85,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。賞球数は、遊技の仕様に応じて任意に設定することができる。例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応する始動入賞口の賞球数は4個であり、普通図柄に対応する始動入賞口の賞球数は1個であり、第1大入賞口及び第2大入賞口の賞球数は15個であり、普通入賞口の賞球数は4個である。なお、賞球数に関する情報を賞球内容コマンドとして演出制御装置124に送信することもできる。
ステップS207a:主制御CPU72は、ソレノイド管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、電源投入時から常時可動するスタート装置右ソレノイド481及びスタート装置左ソレノイド491の動作を制御する。詳細は、図489において後述する。
〔賞球数及び獲得遊技球数について〕
第1特別図柄の始動口の賞球数及び第2特別図柄の始動口の賞球数は、それぞれ1個以上の規定数に設定されている。また、第1特別図柄の始動口と第2特別図柄の始動口とでは、賞球数を異ならせてもよい。さらに、特別図柄の当選確率や、総獲得遊技球数の期待値(初当りから時間短縮状態が終了するまでの一連の期間に得られる平均出球数)に基づいて、最低賞球数を設定してもよい。さらにまた、特別図柄の当選確率、総獲得遊技球数の期待値、大入賞口の開放回数、大入賞口の開放時間、大入賞口の最大入賞数、大入賞口の賞球数が所定の条件を満たした場合、1回の大当りによる獲得遊技球数が最大の獲得遊技球数の1/4未満となる大当りを設定してもよい。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータ(外部機器)に対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」~「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」~「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」~「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS209:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS205)や普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお、駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また、主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び特定領域ソレノイド99の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS213:そして、主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお、本実施形態では、ステップS205~ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして、主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A~L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図463は、スイッチ入力イベント処理(図462中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応するスタート装置中始動入賞口スイッチ80又はスタート装置右始動入賞口スイッチ81から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の第1大入賞口30bに対応する第1カウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS19に進んで第1大入賞口カウント処理を実行する。第1大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの第1可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS20に進む。
ステップS20:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の第2大入賞口31bに対応する第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS21に進んで第2大入賞口カウント処理を実行する。第2大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中(小当り遊技中)に第2可変入賞装置31への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78又はスタート装置左始動入賞口スイッチ78aから検出信号が入力されたか否かを確認する。この検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72はステップS24を実行する。一方、検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS26に進む。
ステップS24:主制御CPU72は、普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄抽選に必要となる各種乱数値(普通図柄当り乱数等)を取得する。また、主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして、主制御CPU72は、取得した各種乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。次に、主制御CPU72は、ステップS26を実行する。
ステップS26:主制御CPU72は、第2大入賞口31b内の特定領域31xに対応する特定領域スイッチ83から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS28に進んで特定領域予備フラグをONにする処理を実行する。一方、通過検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図462)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図464は、第1特別図柄記憶更新処理(図463中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。ここで、RAM76の乱数記憶領域は、第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する8つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図463)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図462中のステップS210)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第1抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、抽選要素取得手段)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして、主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(第1抽選要素記憶手段、抽選要素記憶手段)。複数のセクションには順番(例えば第1~第4)が設定されており、現段階で第1~第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2~第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の特別遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37,S38を実行する。大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37,S38をスキップしてステップS38aに進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS37:大当り中以外の場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する(先読み処理実行手段)。この処理は、先のステップS32~S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数、大当り図柄乱数及び変動パターン決定乱数に基づいて、特別図柄抽選の結果や変動時間を事前(変動開始前)に判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。この処理において、第1特別図柄の事前判定の結果を特図先判定演出コマンド(先読み情報)の下位バイト分にセットする。
ステップS38:取得時演出判定処理を実行すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする(先読み処理実行手段)。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分(当否に関する情報や変動時間に関する情報)は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされるので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS38a:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」~「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」~「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」~「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」~「04H」となったことを表している。なお、上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS39:そして、主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理では、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンドが演出制御装置124に対して送信される(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えるか、もしくは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図463)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
次に図465は、第2特別図柄記憶更新処理(図463中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば4とする)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図463)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図464)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図462中のステップS210)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第2抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図464)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図464)と同様である。
ステップS44:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、抽選要素取得手段)。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図464)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第2特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(第2抽選要素記憶手段、抽選要素記憶手段)。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図464)と同様である。
ステップS45a:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。そして、大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS46,S47を実行する。逆に大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS46,S47をスキップしてステップS48に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、同じく大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS46:大当り中以外である場合(ステップS45a:No)、次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する(先読み処理実行手段)。この処理は、先のステップS42~S44でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである。この処理において、第2特別図柄の事前判定の結果を特図先判定演出コマンドの下位バイト分にセットする。
ステップS47:取得時演出判定処理を実行すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする(先読み処理実行手段)。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS46)においてセットされるので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS48:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」~「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお、先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS49:そして、主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して特図先判定演出コマンドや作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置124に対して送信される(記憶数通知手段)。また、以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図463)に復帰する。
〔取得時演出判定処理〕
図466は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理及び第2特別図柄記憶更新処理(図464中のステップS37,図465中のステップS46)においてこの取得時演出判定処理を実行する(事前判定手段、先読み処理実行手段)。上述したように、この処理は第1特別図柄(スタート装置中始動入賞口452又はスタート装置右始動入賞口450への入球時)、第2特別図柄(可変始動入賞装置28への入球時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンド(先判定情報)の下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(図464中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図465中のステップS45)でRAM76に記憶されているものである。
ステップS54:そして、主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段、事前判定手段)。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお、比較値(下限値)は、パチンコ機1における特別図柄抽選の大当り確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS80に進む。
ステップS80:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段、先読み処理実行手段)。この処理では、主制御CPU72は、はずれ時の変動時間について変動パターン先判定コマンド(先読み情報)を生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、特に「時間短縮機能」の作動時における変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。例えば、現在の状態が「時間短縮機能」の作動時であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものである場合、主制御CPU72は「時短中非短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。なお、リーチ変動の場合はさらに、リーチモード乱数から「リーチグループ(リーチの種類)」をも判断し、その結果から変動パターン先判定コマンドを生成することとしてもよい。一方、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「時短中短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。あるいは、現在の状態が「時間短縮機能」の非作動時(低確率状態)であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものである場合、主制御CPU72は「通常はずれリーチ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。一方、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「通常はずれ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。なお、この処理において、主制御CPU72は、小当り時の変動パターンについて、上述したはずれ時の処理と同様に変動パターン先判定コマンドを生成してもよい。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は取得時演出判定処理を終了し、呼び出し元の第1特別図柄記憶更新処理(図464)又は第2特別図柄記憶更新処理(図465)に復帰する。一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
ステップS74:主制御CPU72は、大当り図柄種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(図464中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図465中のステップS45)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、ステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果からいずれの当選図柄に該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS78に進む。
ステップS78:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットする。特別図柄先判定値は、例えば「時間短縮状態に移行しない図柄」に該当する場合は「00H」がセットされ、「時間短縮状態に移行する図柄」に該当する場合は「01H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
ステップS79:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段、先読み処理実行手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り時の変動時間について、上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、例えば大当り時のリーチ変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(図464)又は第2特別図柄記憶更新処理(図465)に復帰する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理(図462)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図467は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000~ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番~7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において大当り又は小当りの態様(非当選以外の態様)で特別図柄が停止表示された場合に選択される。なお、特別図柄の停止表示される態様に応じて、大当り遊技又は小当り遊技が開始される。
〔大当り遊技〕
例えば、特別図柄が3ラウンド大当りの態様で停止表示されると、大当り遊技(遊技者にとって有利な特別遊技)が実行される。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、第1大入賞口ソレノイド90が一定時間(例えば29秒間又は10個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば3回)にわたって励磁され、これにより第1可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に第1可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に第1可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で3回あれば、これらを「3ラウンド」と総称することがある。本実施形態では、3ラウンド大当りについては、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられている。なお、大当りの種類として3ラウンド大当りだけでなく、その他のラウンド数の大当りを設けてもよい。
また、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の第1可変入賞装置30の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また、主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図462中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(時間短縮状態)を変化させる(時間短縮状態移行手段)。「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、普通図柄の作動抽選の抽選確率が通常確率(低確率)から高確率に設定され、また、普通図柄の変動時間が短縮されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長されて開放回数が増加する(いわゆる電チューサポートが行われる)。なお、いわゆる2種遊技機の要素を含む遊技機(例えば、1種2種混合機や2種遊技機、すなわち、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過することによって大当り遊技が実行される遊技機)においては、普通図柄の作動抽選の当選確率を高確率状態に移行させないようにしてもよい。この場合、普通図柄の作動抽選の当選確率は、時間短縮機能の作動の有無に関わらずに一定の確率(例えば略1分の1)とし、可変始動入賞装置28の開放パターンで入賞の容易さと困難さを調整することができる。
遊技状態としては、少なくとも通常遊技状態(第1状態)及び通常遊技状態とは異なる時間短縮状態(第2状態)がある。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、時間短縮状態への移行条件が満たされると(所定の移行条件が満たされると、特別図柄が大当りの態様で停止表示されると)、通常遊技状態(第1状態)から時間短縮状態(第2状態)に移行させることができる(状態移行手段)。
〔小当り〕
また、本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当りの遊技が行われて第2可変入賞装置31が開閉動作する(特例遊技実行手段)。例えば、特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、小当り遊技(遊技者にとって有利な特殊遊技)が実行される。小当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、第2大入賞口ソレノイド97が一定時間(例えば1.8秒間又は10個の入賞をカウントするまで)、予め設定された作動回数(例えば1回又は複数回)にわたって励磁され、これにより第2可変入賞装置31が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の作動)。この間に第2可変入賞装置31に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、ある程度の賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。
また、小当り遊技中の可変入賞装置管理処理においては、特定領域ソレノイド99が一定時間(例えば1.6秒間)、予め設定された作動回数(例えば1回)にわたって励磁され、これにより特定領域用スライド部材31cが決まったパターンで開閉動作する。この間に特定領域31xに遊技球を通過させることで、遊技者には、大当り遊技を開始する機会が与えられる。すなわち、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過するか否かで、可変入賞装置管理処理において大当り遊技を開始するか否かが決定される。本実施形態では、小当りについては、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられており、遊技球が特定領域31xを通過すると、当選種類に応じた大当り遊技が開始される。
また、特定領域31xを遊技球が通過せずに小当りの遊技が終了しても、「時間短縮機能」が作動することもないので、「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。なお、「時間短縮状態」で小当りに当選した場合には、その小当り遊技終了後に「時間短縮状態」が終了するようにしてもよい。
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、複数の当選種類として、「2ラウンド大当り」、「3ラウンド大当り1,2」、「4ラウンド大当り」、「7ラウンド大当り」、「10ラウンド大当り」が設けられている。「2ラウンド大当り」及び「3ラウンド大当り1,2」は特別図柄が大当りの態様で停止表示した際に開始されるのに対し、「4ラウンド大当り」、「7ラウンド大当り」及び「10ラウンド大当り」は特別図柄が小当りの態様で停止表示し、かつ、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過した際に開始される。なお、「4ラウンド大当り」、「7ラウンド大当り」及び「10ラウンド大当り」のうち1ラウンド目では第2可変入賞装置31が作動し、残りのラウンドでは第1可変入賞装置30が作動する。
上記の当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「3ラウンド大当り1」は「第1当選図柄」の大当りに対応し、「3ラウンド大当り2」は「第2当選図柄」の大当りに対応し、「2ラウンド大当り」は「第3当選図柄」の大当りに対応する。また、「10ラウンド大当り」は「第4当選図柄」の小当り(特定領域31x通過時の大当り)に対応し、「7ラウンド大当り」は「第5当選図柄」の小当り(特定領域31x通過時の大当り)に対応し、「4ラウンド大当り」は「第6当選図柄」の小当り(特定領域31x通過時の大当り)に対応する。このため以下では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔第1当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が「第1当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが3ラウンド目まで継続する。このため、「第1当選図柄」の大当り遊技は、3ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。また、第1大入賞口30bは、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される(以下、同様)。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=6回)。
〔第2当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が「第2当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが3ラウンド目まで継続する。このため、「第2当選図柄」の大当り遊技は、3ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=100回)。
〔第3当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第3当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが2ラウンド目まで継続する。このため、「第3当選図柄」の大当り遊技は、2ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=100回)。
〔第4当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第4当選図柄」の態様で停止表示されると、小当り遊技が実行され、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過すると、小当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。この場合、2ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第4当選図柄」に該当した場合の大当り遊技は、9ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=6回)。
〔第5当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第5当選図柄」の態様で停止表示されると、小当り遊技が実行され、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過すると、小当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。この場合、2ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが7ラウンド目まで継続する。このため、「第5当選図柄」に該当した場合の大当り遊技は、6ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=6回)。
〔第6当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第6当選図柄」の態様で停止表示されると、小当り遊技が実行され、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過すると、小当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。この場合、2ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが4ラウンド目まで継続する。このため、「第6当選図柄」に該当した場合の大当り遊技は、3ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=6回)。
このように、本実施形態では、いずれの当選図柄に該当しても、大当り遊技終了後には、「時間短縮状態」に移行する。なお、複数ある当選図柄のうち一部の当選図柄に限って「時間短縮状態」に移行するようにしてもよい。
なお、このように内部抽選で小当りに当選し、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に当選図柄の種類に応じて時間短縮状態に移行する遊技機は、いわゆる1種2種混合タイプの遊技機と呼ばれている。
このように、左打ち領域(第1領域)に遊技球を発射して、大当り(所定の第1当選)に該当すると、主制御CPU72は、大当り遊技(第1遊技)を実行可能とする(第1遊技実行手段)。
また、右打ち領域(第2領域)に遊技球を発射して、小当り(所定の第2当選)に該当すると、主制御CPU72は、大当り遊技に繋がる可能性がある小当り遊技(第2遊技)を実行可能とする(第2遊技実行手段)。
さらに、左打ち領域(第1領域)に遊技球を発射して、普通図柄抽選での当り図柄2当選(所定の第3当選)に該当すると、主制御CPU72は、小当り当選(所定の第2当選)に該当する可能性がある可変始動入賞装置28の開放遊技(第3遊技)を実行可能とする(第3遊技実行手段)。
〔特別図柄変動前処理〕
図468は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図462中のステップS212)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお、復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する(第2抽選優先実行手段)。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数等)のうち、第2特別図柄に対応する方を優先的に読み出す(いわゆる優先消化)。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば(第1特別図柄のみが該当)、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。第2特別図柄に対応する乱数が記憶されていない場合、主制御CPU72は第1特別図柄に対応する乱数を読み出して一時記憶領域に保存する。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。その結果、本実施形態では第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示が優先的に行われることになる。なお、このような特別図柄別の優先順位を設けることなく、単純に記憶された順番で乱数が読み出される制御を採用してもよい(いわゆる順消化)。また、この処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち、乱数のシフトを行った方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図462中のステップS210)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図469は、上記の特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動前処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」より大であった場合(図468中のステップS2100:Yes)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する作動記憶が残存しているか否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第2特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が1以上である場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2212に進む。
ステップS2212:主制御CPU72は、記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第2特別図柄を指定する。この指定は、例えば対象図柄指定値として「02H」をセットすることで行われる。
ステップS2214:一方、第2特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が0である場合(ステップS2210:No)、主制御CPU72は記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第1特別図柄を指定する。この場合の指定は、例えば対象図柄指定値として「01H」をセットすることで行われる。
ステップS2216:上記のステップS2212又はステップS2214のいずれかで指定した対象の特別図柄について、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
ステップS2218:次いで主制御CPU72は、対象の特別図柄について作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、今回の記憶エリアをシフトする対象が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(-1)する。
ステップS2220:そして、主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から「変動開始時作動記憶数」を設定する。なお、ここでは第1特別図柄と第2特別図柄の両方について、作動記憶カウンタの値を加算した上で「変動開始時作動記憶数」を設定してもよい。
ステップS2222:また、主制御CPU72は、今回の記憶エリアをシフトする対象の特別図柄が第2特別図柄であるか否かを確認する。
ステップS2224:対象が第2特別図柄であった場合(ステップS2222:Yes)、主制御CPU72は第2特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」~「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。つまり、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」~「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」~「1」(コマンド表記は「13H」~「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」~「0」(コマンド表記は「12H」~「10H」)となったことを表している。なお、上記の先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS2226:なお、今回の対象が第1特別図柄であった場合(ステップS2222:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。この場合のコマンドは、先行値が第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BBH」)となる以外は上記と同じである。
ステップS2228:そして、主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2224又はステップS2226でセットした作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図468)に復帰する。
〔図468:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(第1抽選実行手段、第2抽選実行手段、抽選実行手段)。このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(第1抽選実行手段、第2抽選実行手段、抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。「小当り」は、第2可変入賞装置31のみを作動させる条件を満たすものとして位置付けられている(条件装置を作動させる条件は満たさない)。さらに、「小当り」中に遊技球が特定領域31xを通過すると、「大当り」に発展させるものとして位置付けられている(条件装置を作動させる条件を満たす)。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
本実施形態では、第1特別図柄抽選においては、大当りの当選確率が319分の1に設定され、小当りには当選しない設定になっている。また、第2特別図柄抽選においては、大当りに当選する確率は同一の319分の1に設定され、小当りに当選する確率は6分の1に設定されている。したがって、第2特別図柄抽選においては、大当りよりも小当りに当選しやすくなっている。これらの大当りの当選確率や小当りの当選確率を満たすべく、大当り値の範囲や小当り値の範囲が主制御CPU72により設定され、読み出した乱数値と比較される。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図462中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「-」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、図示しない変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、はずれ時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン選択手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。変動パターンには、通常変動(非リーチ変動)、リーチ変動、スーパーリーチ変動等といった様々な変動パターンが含まれている(大当り時や小当り時も同様)。なお、選択された特別図柄の変動パターンに関する情報は、特殊変動であるか否かという情報も含めて変動パターンコマンドとして演出制御装置に送信される(大当り時や小当り時についても同様である。)。
ここで、はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。また、「時間短縮状態」でなくとも、リーチ演出を実行する変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個~3個)」に基づいて短縮される場合がある(例えば、変動表示開始時作動記憶数0個→12.5秒程度、変動表示開始時作動記憶数1個→8秒程度、変動表示開始時作動記憶数2個→5秒程度、変動表示開始時作動記憶数3個→2.5秒程度)。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。そして、主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
変動パターンには、非リーチ変動パターン、リーチ変動パターン、スーパーリーチ変動パターン等といった様々な変動パターンが含まれている(大当り時や小当り時も同様)。なお、変動パターン選択テーブルは、変動開始時作動記憶数に応じて異なるテーブル内容としてもよく、変動開始時作動記憶数に関わらずに共通のテーブル内容としてもよく、当選時には当選種類に応じたテーブル内容としてもよい。
ここで、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンでは、設定される変動時間の長さが大きく異なっている。すなわち、「非リーチ変動パターン」は基本的に短い変動時間(例えば変動開始時作動記憶数に応じて3.0秒~29.0秒程度)に対応するものであるのに対し、「リーチ変動パターン」はそれよりも長い変動時間(例えば30.0秒~150.0秒程度)に対応するものである。
変動パターンは、擬似連続予告演出(擬似連)が実行される変動パターンである場合もある。擬似連続予告演出とは、1回の特別図柄の変動中に、演出図柄が擬似的に1回又は複数回変動する演出である。
ここで、擬似1の変動(擬似1:1回目の擬似的な変動)とは、演出図柄の擬似的な変動が1回実行される変動であり、擬似2の変動(擬似2:2回目の擬似的な変動)とは、演出図柄の擬似的な変動が2回実行される変動である。また、擬似3の変動(擬似3:3回目の擬似的な変動)とは、演出図柄の擬似的な変動が3回実行される変動であり、擬似4の変動(擬似4:4回目の擬似的な変動)とは、演出図柄の擬似的な変動が4回実行される変動である。
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、3種類の当選図柄が用意されている。第1特別図柄に関する内訳は、「第1当選図柄」又は「第2当選図柄」であり、第2特別図柄に関する内訳は、「第3当選図柄」だけである。なお、これらの当選図柄の各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば、「第1当選図柄」であれば、「第1当選図柄A」、「第1当選図柄B」、「第1当選図柄C」、・・・といった具合である。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の選択比率が異なっている。このため主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであるか、第2特別図柄に対応するものであるかによって選択する当選図柄を区別している。
〔第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図470は、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、この第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「99」,「1」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第1当選図柄」、「第2当選図柄」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する大当り時には、「第1当選図柄」が選択される割合は100分の99(=99%)であり、「第2当選図柄」が選択される割合は100分の1(=1%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。
いずれにしても、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」,「02H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「第1当選図柄」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第1当選図柄」に該当した場合、通常中(非時間短縮状態)であるか時短中(時間短縮状態)であるかに関わらず、時短回数は6回(又は10回)付与される。
また、「第2当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は100回(又は104回)付与される。なお、時短回数は、上記の値に限定されることなく1~5回であってもよく、7回以上(11回以上)であってもよい。
ここで、「6回(又は10回)」とは、第2特別図柄の合計変動回数が6回となるか、第1特別図柄及び第2特別図柄の合計変動回数が10回となると、時間短縮状態が終了することを意味している。
また、「100回(又は104回)」とは、第2特別図柄の合計変動回数が100回となるか、第1特別図柄及び第2特別図柄の合計変動回数が104回となると、時間短縮状態が終了することを意味している。
〔第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図471は、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、この第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「100」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第3当選図柄」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する大当り時においては、「第3当選図柄」が選択される割合は100分の100(=100%)である。
今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「第3当選図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第3当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は100回(又は104回)付与される。
〔図468:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、大当り時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「第2当選図柄」又は「第3当選図柄」である場合、主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域にある遊技状態フラグとしての時間短縮機能作動フラグをON(01H)にセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段)。なお、主制御CPU72は、非時間短縮状態で「第1当選図柄」に該当した場合、時間短縮機能作動フラグをOFF(00H)にリセットし、時間短縮状態で「第1当選図柄」に該当した場合、時間短縮機能作動フラグの値をON(01H)にセットする。
また、ステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時停止図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお、本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。また、本実施形態では第1特別図柄に関しては小当りが設定されておらず、第2特別図柄に関してのみ設定されている。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では小当り時に選択的に決定される当選図柄として、3種類の当選図柄が用意されている。3種類の内訳は、「第4当選図柄」、「第5当選図柄」、「第6当選図柄」である。なお、これらの当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば、「第4当選図柄」であれば、「第4当選図柄A」、「第4当選図柄B」、「第4当選図柄C」、・・・といった具合である。
〔第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブル〕
図472は、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は、この第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「50」,「14」,「36」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第4当選図柄」、「第5当選図柄」、「第6当選図柄」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する小当り時においては、「第4当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)であり、「第5当選図柄」が選択される割合は100分の14(=14%)であり、「第6当選図柄」が選択される割合は100分の36(=36%)である。
今回の小当りの結果、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の小当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「02H」,「03H」,「04H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の小当りの結果、当選図柄として「第4当選図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H02H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての小当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、小当り遊技中に特定領域31xを遊技球が通過して大当り遊技が開始され、その大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第4当選図柄」、「第5当選図柄」又は「第6当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は6回(又は10回)付与される。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル、及び、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルを用いることにより、主制御CPU72は、非時間短縮状態又は時間短縮状態で「第1当選図柄~第6当選図柄」に該当した場合(第4当選図柄~第6当選図柄については大当り遊技が実行された場合に限る。)には、時間短縮状態への移行条件が満たされるものとすることができる(移行条件設定手段)。
〔図468:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2408:次に主制御CPU72は、変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、小当り時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン選択手段)。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。本実施形態では小当りは第2特別図柄抽選にのみ設定されており、小当り時には小当り時用の変動時間を有する変動パターンが選択される。なお、第1特別図柄抽選に小当りを設定してもよい。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図467:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして、主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定するとともに、図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理(図462中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
また、特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図468中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。主制御CPU72は、特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は、確定コマンドを生成するとともに、図柄変動中フラグを消去する。生成された確定コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に図473は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして、主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図467中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、確定コマンドを生成する。確定コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。なお、「確定コマンド」とは、特別図柄が確定したこと(特別図柄の停止表示時間が経過したこと)を示すコマンドである。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「可変入賞装置管理処理」に設定する。なお、主制御CPU72は、本処理にて各種機能を非作動に設定する処理を実行する。具体的には、時間短縮機能を非作動とする。これにより、特別遊技(大役)が開始される前には、通常状態(非時間短縮状態)に移行されることになる。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして、小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「時間短縮状態」に関するカウンタ値がRAM76の時短カウント領域にセットされている。本実施形態では、いわゆる回数切りの時間短縮機能を採用しており、「時間短縮状態」に移行させる場合、時間短縮状態に関する第1回数切りカウンタ値は所定の数値(例えば6回又は100回)に設定され、時間短縮状態に関する第2回数切りカウンタ値は規定の数値(例えば10回又は104回)に設定される。なお、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値の情報は、回数切りカウンタコマンドによって演出制御装置124に通知(送信)される。
なお、時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値は、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値といったように2つのカウンタ値を設けずに、1つのカウンタ値だけで時間短縮状態を制御してもよい。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値(第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値)が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。具体的には、第2特別図柄の停止表示中である場合には、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値を両方ともデクリメントし、第1特別図柄の停止表示中である場合には、第2回数切りカウンタ値だけをデクリメントする。
ステップS4640:そして、主制御CPU72は、いずれかの回数切りカウンタ値(第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値)の減算結果が0であるか否かを判断する。減算の結果、いずれの回数切りカウンタ値も0でない場合(No)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、いずれかの回数切りカウンタ値が0である場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。本実施形態では、時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値は所定の数値(例えば6回)に設定される。このため、時間短縮状態で6回の第2特別図柄のはずれ変動(特定領域未通過となった場合はその際の小当り変動を含む。)が実行されると、時間短縮機能作動フラグがリセットされる。一方、時間短縮状態で6回の第1特別図柄のはずれ変動が実行されても、時間短縮機能作動フラグはリセットされず、その後さらに時間短縮状態で4回の第1特別図柄又は第2特別図柄のはずれ変動が実行されると、時間短縮機能作動フラグがリセットされる。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態が終了する。なお、時間短縮機能作動フラグは、特別図柄の停止表示時間が経過した際にリセットする例で説明しているが、特別図柄の変動時間終了時(停止表示時間計測開始前)にリセットしてもよい。
そして、以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理に復帰する。
このように、時間短縮状態の終了条件(所定の終了条件)は、時間短縮状態に移行してからの第2特別図柄の変動回数が第1回数(例えば6回)に到達した場合、又は、時間短縮状態に移行してからの第1特別図柄の変動回数及び第2特別図柄の変動回数を合計した合計変動回数が第1回数よりも大きい第2回数(例えば10回)に到達した場合に満たされる条件となっている。
〔表示出力管理処理〕
次に図474は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図462中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値に応じて時短状態表示ランプ38eの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38eに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。さらに、主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスに応じて発射位置指定表示ランプ38fの点灯を制御する。例えば、大当り遊技又は小当りの遊技により第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31が作動状態となる場合、主制御CPU72は発射位置指定表示ランプ38fに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。また、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は上記の時短状態表示ランプ38eに加えて、発射位置指定表示ランプ38fに対応するLEDに対しても点灯信号を出力する。なお、発射位置指定表示ランプ38fは、大当り遊技を経て「時間短縮状態」に移行する場合、大当り遊技開始から「時間短縮状態」が終了するまで点灯し、「時間短縮状態」の終了により非点灯(OFF)となる。
また、主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38b,38cの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は上記の連続作動回数ステータスの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38b,38cに対する点灯信号(コモン出力用データ)を生成する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数ステータスの値で指定された大当り図柄に対応する表示ランプ38a,38b,38cの組み合わせである。例えば、連続作動回数ステータスの値が「10ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「10ラウンド」を表す点灯パターンに対応するランプ(例えば、表示ランプ38a,38b,38cの全てのランプ)に対する点灯信号を生成する。また、連続作動回数ステータスの値が「2ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「2ラウンド」を表す点灯パターンに対応するランプ(例えば、ランプ38aのみ)に対する点灯信号を生成する。3つの表示ランプ38a,38b,38cでは、6通りの点灯パターンを表示することができるので、本実施形態の5種類の大当りに対応させることができる。なお、ラウンド数に対応する点灯パターンの詳細は、遊技者に明確に伝達しておくために、表示ランプ38a,38b,38cの周辺に表示しておくことが好ましい。
〔可変入賞装置管理処理〕
次に、可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図475は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200~ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大入賞口開放パターン設定処理〕
図476は、大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時又は小当り時にそれぞれ第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5202:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。この確認の結果、大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5203を実行する。一方、大当りフラグの値(01H)がセットされていない場合(No)、すなわち、小当りフラグの値(01H)がセットされている場合、主制御CPU72は次にステップS5204を実行する。
ステップS5203:主制御CPU72は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理を実行する。この処理では、大当り時図柄別開放パターン設定テーブルに基づいて、大当り時の当選図柄に対応した大入賞口の開放パターンを設定するものである。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5205を実行する。
ステップS5204:主制御CPU72は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理を実行する。この処理では、小当り時図柄別開放パターン設定テーブルに基づいて、大入賞口の開放パターンを設定するものである。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5205を実行する。
ステップS5205:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔大当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図477は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5210:主制御CPU72は、条件装置及び役物連続作動装置を作動させる。ここで、「条件装置」とは、その作動が役物連続作動装置の作動に必要な条件とされる装置であり、「役物連続作動装置」とは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を連続して作動させることができる装置である。なお、「条件装置」や「役物連続作動装置」は制御上のフラグとすることもできる。したがって、この条件装置が作動していない限り、大当り遊技において第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31は作動しないことを表している。主制御CPU72は次にステップS5212を実行する。
ステップS5212:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、大当り図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、第1当選図柄又は第2当選図柄に該当した場合、連続作動回数ステータスには「3ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5214を実行する。
ステップS5214:主制御CPU72は、大当り時図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時図柄別開放パターン設定テーブルを参照し、特別図柄に関する当選図柄の種類に対応した開放パターンを選択する。ここで、開放パターンとは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を作動させる設定を表し、例えば、実行ラウンド数、開放時間、インターバル時間等の設定を表している。主制御CPU72は次にステップS5216を実行する。
〔大当り時図柄別開放パターン設定テーブル〕
図478は、大当り時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この大当り時図柄別開放パターン設定テーブルは、特別図柄に関する異なる当選図柄別に、ラウンドごとの作動させる可変入賞装置(第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31)の開閉動作パターンを定めたものである。具体的には、当選図柄別に以下の大入賞口の開放パターンが定められている。
〔第1当選図柄〕
第1当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は3ラウンドであり、その内の3ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第1当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から3ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される(ただし、上限個数の入球が確認されると閉鎖される。以下、同様。)。したがって、第1当選図柄に該当した場合は、実質的に3ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第2当選図柄〕
第2当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は3ラウンドであり、その内の3ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第2当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から3ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第2当選図柄に該当した場合は、実質的に3ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第3当選図柄〕
第3当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は2ラウンドであり、その内の2ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第3当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から2ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第3当選図柄に該当した場合は、実質的に2ラウンド分の出球を獲得することができる。
以上のように、主制御CPU72は、上記大当り時図柄別開放パターン設定テーブルを参照して当選図柄の種類に対応する大入賞口の開放パターンを設定する。
〔図477:大当り時大入賞口開放パターン設定処理を参照〕
ステップS5216:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中のラウンド毎(1ラウンド~最終ラウンド)に作動させる可変入賞装置の種類を第1可変入賞装置30に設定する。なお、本実施形態においては、全ての大当り時の当選図柄(第1当選図柄~第3当選図柄)に対応する開放パターンが1ラウンド~最終ラウンドで第1大入賞口30bが開放されるため、第1可変入賞装置30の作動が設定される。主制御CPU72は次にステップS5218を実行する。
ステップS5218:主制御CPU72は、実行ラウンド数を設定する。具体的には、主制御CPU72は当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンド数を設定する。例えば、3ランド大当り(第1当選図柄及び第2当選図柄)に対応する開放パターンの実行ラウンド数としては、3ラウンドが設定される。主制御CPU72は次にステップS5220を実行する。
ステップS5220:主制御CPU72は、大当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド毎に大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、大当り時の当選図柄(第1当選図柄~第3当選図柄)に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、ラウンド毎に設定される。例えば、第1当選図柄であった場合、出球有りのラウンドについては第1大入賞口30bを開放する開放時間が29.0秒に設定される。したがって、開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。なお、開放タイマの値として0.5秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が困難な時間となる。主制御CPU72は次にステップS5222を実行する。
ステップS5222:主制御CPU72は、大当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、全ての大当り時の当選図柄(第1当選図柄~第3当選図柄)に対応する開放パターンのインターバルタイマとして1.0秒が設定される。例えば、1ラウンド目と2ラウンド目の間の第1大入賞口30bの開放が終了し一旦閉鎖状態になった後、1.0秒間程度のインターバルタイマが設定される。主制御CPU72は次にステップS5224を実行する。
ステップS5224:主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の処理(ステップS5218)で設定された実行ラウンド数に基づいて生成することができる。例えば、第1当選図柄又は第2当選図柄に該当した場合、実行ラウンド数は「3ラウンド」となるため、連続作動回数コマンドは「3ラウンド」を表す値を含むコマンドとして生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大入賞口開放パターン設定処理(図476)に復帰する。
〔小当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図479は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5252:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、小当り遊技中を表す状態コマンドを生成する。小当り遊技中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5254を実行する。
ステップS5254:主制御CPU72は、小当り時開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時開放パターン設定テーブルを参照し、開放パターンを選択する。ここで、開放パターンとは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を作動させる設定を表し、例えば、開放回数、開放時間、インターバル時間、特定領域31xの開放時間等の設定を表している。主制御CPU72は次にステップS5256を実行する。
〔小当り時開放パターン設定テーブル〕
図480は、小当り時開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この小当り時開放パターン設定テーブルは、可変入賞装置(第2可変入賞装置31)の開閉動作パターンを定めたものである。なお、本実施形態では、小当り時に設定される開放パターンは1つであるが、当選図柄別に複数規定してもよい。
小当りに該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第2可変入賞装置31である。また、第2可変入賞装置31の開放回数は2回であり、その1回の開放時間は0.9秒である。なお、インターバル時間は例えば1.0秒程度に設定される。
特定領域31xの開放開始時間(特定領域ソレノイド99をONにして特定領域用スライド部材31cを作動させるタイミング)は、第2可変入賞装置31の開放開始から0.2秒後である。
また、特定領域31xの開放終了時間(特定領域ソレノイド99をOFFにして特定領域用スライド部材31cを非作動とするタイミング)は、第2可変入賞装置31の開放開始から1.8秒後である。
〔図479:小当り時大入賞口開放パターン設定処理を参照〕
ステップS5256:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は小当りに対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に作動させる可変入賞装置の種類を第2可変入賞装置31に設定する。主制御CPU72は次にステップS5258を実行する。
ステップS5258:主制御CPU72は、開放回数を設定する。具体的には、主制御CPU72は小当りに対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に実行する開放回数を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに対応する開放パターンの開放回数として2回が設定される。主制御CPU72は次にステップS5260を実行する。
ステップS5260:主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当り時に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、0.9秒が設定される。主制御CPU72は次にステップS5262を実行する。
ステップS5262:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、大入賞口の開放間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、インターバルタイマは所定時間(例えば1.0秒)に設定される。主制御CPU72は次にステップS5264を実行する。
ステップS5264:主制御CPU72は、特定領域31x(特定領域用スライド部材31c)の開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に特定領域31xの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、第2可変入賞装置31の開放開始から0.2秒後に特定領域31xが開放され、第2可変入賞装置31の開放開始から1.8秒後に特定領域31xが閉鎖される。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大入賞口開放パターン設定処理(図476)に復帰する。
〔大入賞口開閉動作処理〕
図481は、大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は主に、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5302:主制御CPU72は、現在の内部状態が「大役中」であるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファにアクセスし、制御上の内部状態フラグとして「大役中(大当り遊技中)」のフラグがセットされているか否かで、現在の内部状態が「大役中」であるか否かを確認する。なお、「大役中(大当り遊技中)」のフラグは、先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理中:ステップS5212)や後述する特定領域通過時処理中において主制御CPU72によりセットされる。この確認の結果、現在の内部状態が「大役中」である場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5306を実行する。一方、現在の内部状態が「大役中」ではない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5304を実行する。
ステップS5304:主制御CPU72は、第2大入賞口開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、第2大入賞口31bを開閉するために第2可変入賞装置31を作動させる(第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS5306:主制御CPU72は、第1大入賞口開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、第1大入賞口30bを開閉するために第1可変入賞装置30を作動させる(第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理(図475)に復帰する。
〔第2大入賞口開閉動作処理〕
図482は、第2大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5310:主制御CPU72は、主制御CPU72は、第2大入賞口31bを開放する。具体的には、第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第2可変入賞装置31が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。
ステップS5312:主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図479中)のステップS5260やステップS5264)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。なお、この処理では、第2大入賞口31bの開放に関する開放タイマの他に、特定領域31xの開放に関する開放タイマ(開放開始時間、開放終了時間)についてのカウントダウンが行われる。主制御CPU72は次にステップS5314を実行する。
ステップS5314:主制御CPU72は、特定領域開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、特定領域31xを開閉するために特定領域用スライド部材31cを作動させる(特定領域ソレノイド99に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5316を実行する。
ステップS5316:主制御CPU72は、第2大入賞口31bの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理中の第2大入賞口31bについての開放タイマの値が0以下であるか否かを確認する。この確認の結果、第2大入賞口31bの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322を実行する。一方、第2大入賞口31bの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5318を実行する。
ステップS5318:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第2可変入賞装置31(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第2カウントスイッチ85から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。主制御CPU72は次にステップS5320を実行する。
ステップS5320:主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように小当り時の開放1回あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(No)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5310~ステップS5320の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5316で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5320でカウント数が所定数に達したことを確認すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322を実行する。なお、小当り時の開放は、開放タイマの値が短時間(例えば、1.8秒)に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5316で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5322:主制御CPU72は、第2大入賞口31bを閉鎖する。具体的には、第2大入賞口ソレノイド97に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより第2可変入賞装置31が開放状態から閉鎖状態に復帰する。主制御CPU72は次にステップS5324を実行する。
ステップS5324:主制御CPU72は、特定領域通過フラグがONであるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、特定領域通過フラグの値が01Hであるか否かにより、特定領域通過フラグがONであるか否かを確認する。この確認の結果、特定領域通過フラグがONである場合(Yes)、すなわち、小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過した場合、主制御CPU72は次にステップS5326を実行する。一方、特定領域通過フラグがONではない場合(No)、すなわち、小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過しなかった場合、主制御CPU72は次にステップS5327aを実行する。なお、特定領域通過フラグは、先の特定領域開閉動作処理(ステップS5314)の中でONに設定される可能性がある。
ステップS5326:主制御CPU72は、特定領域通過時処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過したことに基づき、条件装置や役物連続作動装置を作動させ、第1可変入賞装置30を連続作動させる処理、すなわち、大当り遊技を開始する処理を実行する(特殊遊技経由特別遊技実行手段、特別遊技実行手段)。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5328を実行する。
ステップS5327a:主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図479中)のステップS5262)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5327bに進む。なお、ここでは特に図示していないが、インターバル時間が経過するまでの間(インターバルタイマ値が0になるまでの間)、割り込み毎に主制御CPU72はステップS5327aから呼び出し元である可変入賞装置管理処理(図475)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5310からではなく直にステップS5327aを実行する。
ステップS5327b:主制御CPU72は、第2大入賞口開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、第2大入賞口開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5327c:主制御CPU72は、インクリメント後の第2大入賞口開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「1回の小当り中に第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、特にこのような開放パターンを採用していない場合には、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されているため、1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5328に進むことになる。
一方、「1回の小当り中に第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンを採用している場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5310~ステップS5327bまでの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5327bで開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(ステップS5327c;Yes)、主制御CPU72は次にステップS5328を実行する。
ステップS5328:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、大入賞口開閉動作処理(図481)に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔特定領域開閉動作処理〕
図483は、特定領域開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5330:主制御CPU72は、特定領域31xの開放時間が開始されたか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はカウントダウン処理(ステップS5312)においてカウントダウンされていた特定領域31xの開放に関する開放開始時間についての開放タイマの値が0であるか否かを確認することで、特定領域31xの開放時間が開始されたか否かを確認する。この確認の結果、特定領域31xの開放時間が開始された場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5332を実行する。一方、特定領域31xの開放時間が開始されていない場合(No)、又は、すでに開放されている場合、主制御CPU72は次にステップS5334を実行する。
ステップS5332:主制御CPU72は、特定領域31xを開放する。具体的には、特定領域ソレノイド99に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、特定領域用スライド部材31cが作動して特定領域31xが閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5334を実行する。
ステップS5334:主制御CPU72は、遊技球が特定領域31xを通過したか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76の記憶領域にアクセスし、特定領域予備フラグがONになっているか否かを確認する。この確認の結果、特定領域予備フラグがONになっていて、遊技球が特定領域31xを通過したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5336を実行する。一方、特定領域予備フラグがOFFになっていて、遊技球が特定領域31xを通過していないことを確認した場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5338を実行する。
ステップS5336:主制御CPU72は、特定領域通過フラグをONにセットする。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、特定領域通過フラグの値を01Hに設定する。主制御CPU72は次にステップS5338を実行する。なお、特定領域通過フラグや特定領域予備フラグは大当り遊技の終了時にリセットされる。
ステップS5338:主制御CPU72は、特定領域31xの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はカウントダウン処理(ステップS5312)においてカウントダウンされていた特定領域31xの開放に関する開放タイマの値が0であるか否かを確認することで、特定領域31xの開放時間が終了したか否かを確認する。この確認の結果、特定領域31xの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5340を実行する。一方、特定領域31xの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図482)に復帰する。
ステップS5340:主制御CPU72は、特定領域31xを閉鎖する。具体的には、特定領域ソレノイド99に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、特定領域用スライド部材31cが開放状態(作動状態)から閉鎖状態(非作動状態)に復帰する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図482)に復帰する。
〔特定領域通過時処理〕
図484は、特定領域通過時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5350:主制御CPU72は、小当りフラグをリセットする。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、小当りフラグの値を00Hにリセットする。主制御CPU72は次にステップS5352を実行する。
ステップS5352:主制御CPU72は、小当り遊技を終了させる。具体的には、主制御CPU72は内部状態フラグから「小当り遊技中」を消去し、制御処理上で小当り遊技を終了する(小当り終了)。主制御CPU72は次にステップS5354を実行する。
ステップS5354:主制御CPU72は、条件装置及び役物連続作動装置を作動させる。これにより、第1可変入賞装置30を連続して作動させることができ、大当り遊技を開始できることとなる。主制御CPU72は次にステップS5356を実行する。
ステップS5356:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、当選図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、第1当選図柄又は第2当選図柄に該等した場合、連続作動回数ステータスには「3ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5358を実行する。
ステップS5358:主制御CPU72は、特定領域通過時図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルを参照し、小当りに該当した際の当選図柄の種類に対応した開放パターンを選択する。主制御CPU72は次にステップS5360を実行する。
ステップS5360:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中のラウンド毎(2ラウンド~最終ラウンド)に作動させる可変入賞装置の種類を第1可変入賞装置30に設定する。主制御CPU72は次にステップS5362を実行する。
ステップS5362:主制御CPU72は、実行ラウンド数を設定する。具体的には、主制御CPU72は小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンド数を設定する。例えば、第4当選図柄に対応する開放パターンの実行ラウンド数としては「10ラウンド」が設定される。主制御CPU72は次にステップS5364を実行する。
ステップS5364:主制御CPU72は、大当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド毎に大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄(第4当選図柄~第6当選図柄)に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、ラウンド毎に設定される。例えば、第4当選図柄であった場合、出球有りのラウンドについては第1大入賞口30bを開放する開放時間が29.0秒に設定される。したがって、開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。なお、開放タイマの値として0.5秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が困難な時間となる。主制御CPU72は次にステップS5366を実行する。
ステップS5366:主制御CPU72は、大当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄(第4当選図柄~第6当選図柄)に対応する開放パターンのインターバルタイマとして1.0秒が設定される。例えば、2ラウンド目と3ラウンド目の間の第1大入賞口30bの開放が終了し一旦閉鎖状態になった後、1.0秒間程度のインターバルタイマが設定される。主制御CPU72は次にステップS5368を実行する。
ステップS5368:主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の処理(ステップS5362)で設定された実行ラウンド数に基づいて生成することができる。例えば、第4当選図柄に該当した場合、実行ラウンド数は「10ラウンド」となるため、連続作動回数コマンドは「10ラウンド」を表す値を含むコマンドとして生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5370を実行する。
ステップS5370:主制御CPU72は、特定領域通過時図柄別時間短縮機能設定処理を実行する。この処理では、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が「第4当選図柄」~「第6当選図柄」である場合、主制御CPU72は時間短縮機能作動フラグをONにセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段)。なお、本実施形態では、「第4当選図柄」~「第6当選図柄」に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、必ず時間短縮状態に移行させているが、例えば、特定の当選図柄だけ時間短縮状態に移行させるようにしてもよい。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図482)に復帰する。
〔特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブル〕
図485は、特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルは、小当りに該当した際の特別図柄に関する異なる当選図柄別に、ラウンドごとの第1可変入賞装置30の開閉動作パターンを定めたものである。具体的には、当選図柄別に以下の大入賞口の開放パターンが定められている。
〔第4当選図柄〕
第4当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドである。なお、この実行ラウンド数には、小当りで開放された第2可変入賞装置31の作動が含まれているため、これから開始される大当り遊技では10ラウンドから1ラウンド分が減算された9ラウンドが実質的な大当り遊技でのラウンド数となる(以下、第5当選図柄、第6当選図柄においても同様)。また、9ラウンドのうち9ラウンド分が出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が第4当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、小当りでの第2可変入賞装置31の開放を1ラウンド目としているため、2ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第4当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合は、実質的に9ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第5当選図柄〕
第5当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は7ラウンド(実質的な大当り遊技でのラウンド数は6ラウンド)であり、その内の6ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が第5当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、小当りでの第2可変入賞装置31の開放を1ラウンド目としているため、2ラウンド目から7ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第5当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合は、実質的に6ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第6当選図柄〕
第6当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は4ラウンド(実質的な大当り遊技でのラウンド数は3ラウンド)であり、その内の3ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒であり、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が第6当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、2ラウンド目から4ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第6当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合は、実質的に3ラウンド分の出球を獲得することができる。
以上のように、主制御CPU72は、上記特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルを参照して小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄の種類に対応する大入賞口の開放パターンを設定することとなる。
〔第1大入賞口開閉動作処理〕
図486は、第1大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5380:主制御CPU72は、主制御CPU72は、第1大入賞口30bを開放する。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第1可変入賞装置30が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5382を実行する。
ステップS5382:主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図477中)のステップS5220、又は、特定領域通過時処理(図484中)のステップS5364)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。主制御CPU72は次にステップS5386を実行する。
ステップS5386:主制御CPU72は、第1大入賞口30bの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の第1大入賞口30bについての開放タイマの値が0以下であるか否かを確認する。この確認の結果、第1大入賞口30bの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5392を実行する。一方、第1大入賞口30bの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5388を実行する。
ステップS5388:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第1可変入賞装置30(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第1カウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。主制御CPU72は次にステップS5390を実行する。
ステップS5390:主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5380~ステップS5390の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5386で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5390でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5392を実行する。なお、開放タイマの値が短時間(例えば、0.5秒)に設定されている場合、通常、主制御CPU72はステップS5390でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5386で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5392:主制御CPU72は、第1大入賞口30bを閉鎖する。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより第1可変入賞装置30が開放状態から閉鎖状態に復帰する。主制御CPU72は次にステップS5394を実行する。
ステップS5394:主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図477中)のステップS5222、又は、特定領域通過時処理(図484中)のステップS5366)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5395に進む。なお、ここでは特に図示していないが、インターバル時間が経過するまでの間(インターバルタイマ値が0になるまでの間)、割り込み毎に主制御CPU72はステップS5394から呼び出し元である可変入賞装置管理処理(図475)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5380からではなく直にステップS5394を実行する。
ステップS5395:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5396:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で第1可変入賞装置30を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、本実施形態では、特にこのような開放パターンを採用していないので、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがって、通常は1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5398に進むことになる。
なお、上記のように1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用した場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5380~ステップS5390までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5395で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5398に進むことになる。
ステップS5398:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、大入賞口開閉動作処理(図481)に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大入賞口閉鎖処理〕
図487は、大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大入賞口閉鎖処理は、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5401:先ず主制御CPU72は、現在の遊技が大役(大当り遊技)中であるか否かを確認し、大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5402を実行する。
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。なお、小当り遊技中に特定領域31xを遊技球が通過し、小当りの終了後に大当り遊技が開始された場合、小当り時の第2大入賞口31bの開放を1ラウンド目として扱い、大当り遊技が開始される1回目のラウンドは2ラウンド目として扱われる。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1~15)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の14、又は、15)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図475中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402~ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達するまでの間、第1可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔小当り時〕
これに対し、小当りの場合は以下の手順となる(特例作動実行手段)。
ステップS5411:主制御CPU72は現在の遊技が大役中でないことを確認すると(ステップS5401:No)、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS5413:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図479中のステップS5258)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS5416を実行する。
ステップS5416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図475中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5401~ステップS5413(No)を経てステップS5416、ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際の開放回数が設定した開放回数に達するまでの間、第2可変入賞装置31の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS5413:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5414を実行する。
ステップS5414,ステップS5412:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔終了処理〕
図488は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。この終了処理は、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認し、大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5503を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:この場合、主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また、主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で大当り遊技を終了する(大役終了)。なお、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値をリセットする。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値が01Hであるか(セットされているか)否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図468中のステップS2414)や、先の特定領域通過時処理中の特定領域通過時図柄別時間短縮機能設定処理(図484中のステップS5370)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、時間短縮機能作動フラグの値が01Hである場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時短回数(例えば6回(又は10回)、100回(又は104回))を設定する。設定した時短回数の値は、上記のようにRAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時短回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。本実施形態では、時短回数を管理するために、2種類の時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値(第1回数切りカウンタ値、第2回数切りカウンタ値)が用意されている。ここで、第1回数切りカウンタ値は、第2特別図柄が1回変動する度にデクリメント(1減算)される変数であり、初期値として「6」又は「100」が設定される。また、第2回数切りカウンタ値は、第1特別図柄又は第2特別図柄が1回変動する度にデクリメントされる変数であり、初期値として「10」又は「104」が設定される。なお、時間短縮機能作動フラグの値が01Hでない場合(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512を実行しない。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、時間短縮状態への移行条件が満たされた場合(所定の移行条件が満たされた場合、時間短縮状態に移行させる当選図柄で当選した場合)、大当り遊技の終了後に、非時間短縮状態(所定の遊技状態)から非時間短縮状態と比較して有利な条件が適用された(普通図柄抽選の変動時間が短縮され、可変始動入賞装置の開放時間が延長されている)時間短縮状態(有利遊技状態)に移行させることができる(有利遊技状態移行手段)。
ここまでの手順は大当りの場合であるが、小当りの場合(ステップS5502:No)は以下の手順が実行される。
ステップS5520,ステップS5522:小当りの場合、主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また、内部状態フラグから「小当り遊技中」を消去する。なお、小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS5514:そして、主制御CPU72は、フラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS5516:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図467中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔ソレノイド管理処理〕
図489は、ソレノイド管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。本処理は、図462のステップS207aの詳細な説明である。
ステップS2800:主制御CPU72は、電源投入時動作が完了しているか否かを確認する。パチンコ機1の電源投入直後であり、スタート装置右ソレノイド481及びスタート装置左ソレノイド491について電源投入時の動作が完了していなければ(No)、主制御CPU72はステップS2810を実行する。
ステップS2810:主制御CPU72は、電源投入時動作処理を実行する。この処理では、スタート装置右ソレノイド481及びスタート装置左ソレノイド491を所定の可動パターンで動作させる。これにより、スタート装置400の左羽根部材442及び右羽根部材438は、パチンコ機1の電源投入時から電源遮断時まで一定の可動パターンに基づいて動作する。そして、電源投入時動作が完了すると、先のステップS2800で動作完了(Yes)と判定されるため、以後はステップS2810がスキップされる。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、割込管理処理(図462)に復帰する。
図490は、スタート装置右ソレノイド481及びスタート装置左ソレノイド491の可動パターンを示すタイミングチャートである。
〔時刻t0〕
スタート装置右ソレノイド481は、非作動である。
スタート装置左ソレノイド491は、非作動である。
〔時刻t1〕
スタート装置右ソレノイド481が作動する。
スタート装置左ソレノイド491は、非作動である。
〔時刻t2〕
スタート装置右ソレノイド481が作動を終了して、非作動となる。
スタート装置左ソレノイド491は、非作動である。
〔時刻t3〕
スタート装置右ソレノイド481は、非作動である。
スタート装置左ソレノイド491が作動する。
〔時刻t4〕
スタート装置右ソレノイド481は、非作動である。
スタート装置左ソレノイド491が作動を終了して、非作動となる。
〔時刻t5〕
スタート装置右ソレノイド481は、非作動である。
スタート装置左ソレノイド491は、非作動である。
時刻t0から時刻t1までの時間T1は例えば50msである。
時刻t1から時刻t2までの時間T2は例えば100msである。
時刻t2から時刻t3までの時間T3は例えば50msである。
時刻t3から時刻t4までの時間T4は例えば100msである。
時刻t4から時刻t5までの時間T5は例えば500msである。
そして、時刻t0から時刻t5までの時間TAが、1サイクル(例えば800ms)となっており、この1サイクルの可動パターンが電源投入時から電源遮断時まで繰り返して実行される。なお、1サイクルの可動パターンを複数種類用意し、その複数種類の可動パターンを繰り返して実行するようにしてもよい。
このような可動パターンを適用することにより、スタート装置400に入球した遊技球を第1特別図柄の始動入賞口(スタート装置中始動入賞口452又はスタート装置右始動入賞口450)に入球させつつ、それよりも多くの遊技球を普通図柄の始動入賞口(スタート装置左始動入賞口454)には入球させるようにすることができる。
具体的には、1分間に12個の遊技球がスタート装置400の通過口430に入球したものとすると、平均して、そのうちの2個の遊技球がスタート装置右始動入賞口450に入球し、さらに2個の遊技球がスタート装置中始動入賞口452に入球し、残りの8個の遊技球がスタート装置左始動入賞口454に入球する。
また、このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、通常遊技状態(第1状態)において左羽根部材442(可動体)及び右羽根部材438(可動体)を所定の可動パターンで動作可能とし、時間短縮状態(第2状態)においても左羽根部材442及び右羽根部材438を所定の可動パターンで動作可能とすることができる(制御手段)。
〔ゲームフロー(その1)〕
図491は、通常モードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
パチンコ機1で遊技を開始する場合、〔F1〕通常モード(公園モード)から遊技が開始される。「通常モード」は、「非時間短縮状態」である。
〔F1〕通常モードでの遊技中に、遊技球がスタート装置中始動入賞口452又はスタート装置右始動入賞口450に入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していない状態で、第1特別図柄の記憶が存在していると)、〔F2〕第1特別図柄が変動する。
〔F3〕第1特別図柄抽選で「はずれ」となると、〔F1〕通常モードの状態からやり直しとなる。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F5〕第1当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。〔F8〕ドライブモードは、「時間短縮状態」である。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F7〕第2当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
このように、通常モード(非時間短縮状態)に滞在している状態で、第1特別図柄抽選で大当りした場合、どのような当選図柄に該当していても、大当り遊技の終了後は、ドライブモードに移行する。
〔ゲームフロー(その2)〕
図492は、通常モードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F1〕通常モードでの遊技中に、遊技球が右始動入賞口28bに入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していると)、〔F12〕第2特別図柄が変動する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「はずれ」となると、〔F1〕通常モードの状態からやり直しとなる。
〔F14〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F15〕第3当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率1/6)」となり、〔F17〕第4当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率1/6)」となり、〔F19〕第5当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率1/6)」となり、〔F20〕第6当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔ゲームフロー(その3)〕
図493は、ドライブモードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F8〕ドライブモードでの遊技中に、遊技球がスタート装置400のスタート装置左始動入賞口454又はスタート装置400のスタート装置中始動入賞口452に入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していない状態で、第1特別図柄の記憶が存在していると)、〔F2〕第1特別図柄が変動する。なお、ドライブモードは、非時間短縮状態である場合もある。
〔F3〕第1特別図柄抽選で「はずれ」となると、〔F8〕ドライブモードの状態からやり直しとなる。ただし、時間短縮状態が終了する時短最終変動である場合は、このはずれ変動の終了によって、通常モードに移行する。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F5〕第1当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F7〕第2当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
このように、ドライブモード(時間短縮状態)に滞在している状態で、第1特別図柄抽選で大当りした場合、どのような当選図柄に該当していても、大当り遊技の終了後は、ドライブモードに移行する。
〔ゲームフロー(その4)〕
図494は、ドライブモードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F8〕ドライブモードでの遊技中に、遊技球が右始動入賞口28bに入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していると)、〔F12〕第2特別図柄が変動する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「はずれ」となると、〔F8〕ドライブモードの状態からやり直しとなる。ただし、時間短縮状態が終了する時短最終変動である場合は、このはずれ変動の終了によって、通常モードに移行する。
〔F14〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F15〕第3当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率1/6)」となり、〔F17〕第4当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率1/6)」となり、〔F19〕第5当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率1/6)」となり、〔F20〕第6当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
このように、第2特別図柄抽選で当選した場合は、通常モード(非時間短縮状態)に滞在していても、ドライブモード(時間短縮状態)に滞在していても、大当り遊技の終了後は、ドライブモードに移行する。
〔演出画像の例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像及び7セグ表示装置200の表示態様について、いくつかの例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)を決定し、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、上記のように第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。同様に、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示の態様は、7セグメントLED等による記号的な図案であり、「当選図柄」としての視覚的なインパクトに乏しい。そこでパチンコ機1では、液晶表示器42及び7セグ表示装置200を用いた変動表示演出及び停止表示演出が行われている。
本実施形態では、液晶表示器42に、演出図柄Hz(本図柄)、第4図柄Z1,Z2、滞在モードに対応する背景画像、予告演出に関する画像等を表示しており、7セグ表示装置200に、7セグ演出図柄を表示している。
液晶表示器42に表示される演出図柄Hzには、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される。各演出図柄には、数字の「1」~「9」が表示されている。ここで、左演出図柄、中演出図柄、及び右演出図柄は、いずれも数字が「9」~「1」の降順に並んだ図柄列(演出図柄配列)を構成している。このような図柄列は、それぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
7セグ表示装置200に表示される7セグ演出図柄には、例えば左側の7セグ演出図柄、中央の7セグ演出図柄、右側の7セグ演出図柄の3つが含まれており、これらは7セグ表示装置200の表示領域上で左・中・右に並んで表示される。各演出図柄には、数字の「1」~「9」が表示されている。ここで、各7セグ演出図柄は、いずれも数字が「9」~「1」の降順に並んだ図柄列(演出図柄配列)を構成している。このような図柄列は、それぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
図495及び図496は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、液晶表示器42及び7セグ表示装置200を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄)が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果が表示されたことを表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔変動表示前〕
図495中(A):例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の上部右側の領域には3本の演出図柄Hzの列が表示されている。このとき第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄Hzも停止表示された状態にある。
また、液晶表示器42の上部右側の領域には第4図柄(図中に参照符号Z1,Z2を付す)が表示されている。この第4図柄Z1,Z2は、上記の左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄Hzの変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお、第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。第4図柄Z1は、第1特別図柄に対応しており、第4図柄Z2は、第2特別図柄に対応している。
また、第4図柄Z1,Z2については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に対応して停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が「大当り」や「小当り」であれば、それらに対応する態様(例えば青表示色や赤表示色等)で第4図柄Z1,Z2は停止表示される。
7セグ表示装置200では、7セグ演出図柄がはずれの態様(「4」-「6」-「7」)で停止表示されている。
また、記憶表示装置300では、第1特別図柄記憶表示領域M1のLEDが4つとも点灯しているため、第1特別図柄の作動記憶数が4個であることを表し、第2特別図柄記憶表示領域M2のLEDが全て消灯しているため、第2特別図柄の作動記憶数が0個であることを表している。
〔変動表示演出開始〕
図495中(B):例えば、第1特別図柄の変動開始に同期して、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄の変動が開始されるとともに、液晶表示器42の演出図柄Hzがスクロール変動することで変動表示演出が開始される。なお、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄の変動表示、及び、液晶表示器42の演出図柄Hzの変動表示は単に下向きの矢印で表示している。
液晶表示器42の中央の領域には背景画像が表示されており、この背景画像は、公園の風景を表現したものである。このような背景画像は、演出上での滞在モードが例えば「通常モード」であることを表現している。「通常モード」は、非時間短縮状態である。この他にも演出上で各種のモードが設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている。これらモードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものである。ここでは特に図示していないが、この後、例えば液晶表示器42の表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
また、特別図柄の変動表示中において、液晶表示器42の画面下部では第4図柄Z1が変動表示されており、第4図柄Z1は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
〔作動記憶数減少時の演出例〕
変動開始に伴って第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動して第1特別図柄記憶表示領域M1のLEDの点灯数が4個から3個に減少する。これにより、第1特別図柄の記憶が3個に減少したことを演出上でも遊技者に教示することができ、また、いずれの特別図柄(この場合は第1特別図柄)に対応する記憶が消費されたかを分かりやすく教示することができる。
また、変動開始前は、当該記憶表示領域X1のLEDは点灯していないが、変動開始後は、当該記憶表示領域X1のLEDが点灯し、特別図柄(演出図柄)の変動が停止表示されるまで点灯し続ける。
〔左演出図柄停止〕
図495中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に、7セグ表示装置200の左側の7セグ演出図柄と、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄が変動を停止する。この例では、7セグ表示装置200の左側の7セグ演出図柄として数字の「8」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄として数字の「8」を表す演出図柄が停止している。
〔右演出図柄停止〕
図496中(D):次に、7セグ表示装置200の右側の7セグ演出図柄として数字の「3」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの右演出図柄として数字の「3」を表す演出図柄が停止している。
〔停止表示演出〕
図496中(E):第1特別図柄の停止表示に同期して、停止表示演出が実行される。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄も、液晶表示器42の演出図柄Hzも同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、7セグ表示装置200の中央の7セグ演出図柄として数字の「1」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄として数字の「1」を表す演出図柄が停止している。この場合、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄及び液晶表示器42の演出図柄Hzの組み合わせは、ともに「8」-「1」-「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
また、停止表示演出が行われると、当該記憶表示領域X1のLEDが消灯する。これにより、遊技者に対して「特別図柄の変動が終了した」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
以上は、1回の変動ごとに行われる変動表示演出と停止表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
〔当り図柄2に該当した場合の演出例〕
図497~図500は、非時間短縮状態での普通図柄抽選の結果が当り図柄2に該当した場合の演出例について示す連続図である。
〔変動表示演出開始前〕
図497中(A):7セグ表示装置200では、7セグ演出図柄がはずれの態様(「9」-「1」-「6」)で停止表示されている。また、液晶表示器42では、演出図柄Hzがはずれの態様(「9」-「1」-「6」)で停止表示されている。
また、記憶表示装置300では、第1特別図柄記憶表示領域M1のLEDが1つ点灯しているため、第1特別図柄の作動記憶数が1個であることを表し、第2特別図柄記憶表示領域M2のLEDが全て消灯しているため、第2特別図柄の作動記憶数が0個であることを表している。
〔変動表示演出開始〕
図497中(B):第1特別図柄の変動開始とともに、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄の変動が開始されるとともに、液晶表示器42の演出図柄Hzがスクロール変動することで変動表示演出が開始される。変動開始に伴って第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動して第1特別図柄記憶表示領域M1のLEDの点灯数が1個から0個に減少する。なお、ここでの第1特別図柄の変動は、はずれとなる変動パターンが選択されているものとする。
〔アニマルチャンス演出〕
また、図示の例では、画面の左上位置から動物のキャラクターが出現する演出が実行されている。この演出は、普通図柄表示装置33において、普通図柄が当り図柄2の態様で停止表示された際に実行される。この場合、非時間短縮状態であるにも関わらず、可変始動入賞装置28がロング開放(6.0秒開放)する。
〔予告演出の発生(1段階目)〕
図497中(C):変動開始からしばらくすると、画面内に何らかのキャラクターを表示した絵柄画像が出現し、画面の中央に停止する態様で予告演出が実行される。この例では、例えば画面の左側から絵柄画像が出現し、そのまま画面の中央へ移動していく態様で演出が行われている。
また、アニマルチャンス演出は継続しており、動物のキャラクターが「アニマルチャンス 右打ちしてね」という台詞を発する演出が実行されている。図示の例では、可変始動入賞装置28が作動しており、遊技球が可変始動入賞装置28に向かって流下している。
〔予告演出の発生(2段階目)〕
図498中(D):1段階目の予告演出に続けて、2段階目の予告演出が実行される。図示の例では、画面の右端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像の前面に重なって表示される。このような予告演出を実行することにより、遊技者に対してはリーチになるかもしれないという期待感を抱かせることができる。
また、アニマルチャンス演出は継続しており、動物のキャラクターが「アニマルチャンス 右打ちしてね」という台詞を発する演出が実行されている。図示の例では、可変始動入賞装置28が作動して遊技球が入球している。
〔左演出図柄停止〕
図498中(E):予告演出に続けて、7セグ表示装置200の左側の7セグ演出図柄として数字の「2」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄として数字の「2」を表す演出図柄が停止している。
また、遊技球が、可変始動入賞装置28に入球すると、第2特別図柄の記憶が1個増加するため、第2特別図柄記憶表示領域M2のLEDが1つ点灯する。
可変始動入賞装置28は、一定時間(6.0秒)が経過するか、規定数(例えば1個)の入賞で非作動となる。図示の例では、1個の遊技球が可変始動入賞装置28に入球したため、可変始動入賞装置28は閉鎖している。可変始動入賞装置28が閉鎖すると、アニマルチャンス演出は終了する。なお、規定数は2個以上であってもよい。
〔右演出図柄停止〕
図498中(F):次に、7セグ表示装置200の右側の7セグ演出図柄として数字の「4」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの右演出図柄として数字の「4」を表す演出図柄が停止している。
〔停止表示演出〕
図499中(G):第1特別図柄の停止表示に同期して、停止表示演出が実行される。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄も、液晶表示器42の演出図柄Hzも同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。図示の例では、7セグ表示装置200の中央の7セグ演出図柄として数字の「3」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄として数字の「3」を表す演出図柄が停止している。
〔変動表示演出開始〕
図499中(H):第2特別図柄の変動開始とともに、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄の変動が開始され、液晶表示器42の演出図柄Hzがスクロール変動することで変動表示演出が開始される。変動開始に伴って第2特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動して第2特別図柄記憶表示領域M2のLEDの点灯数が1個から0個に減少する。なお、ここでの第2特別図柄の変動は、小当り当選に対応する変動パターンが選択されているものとする。ここで、第2特別図柄の優先消化の制御を採用している場合は、第2特別図柄の記憶が優先的に消化される。一方、特別図柄の順消化の制御を採用している場合は、記憶の順番に特別図柄の変動が実行される。図示の例では、第1特別図柄の記憶が存在していないため、いずれの制御を採用していても、第2特別図柄の変動が実行される。
〔左演出図柄停止〕
図499中(I):変動開始から一定時間経過後に、7セグ表示装置200の左側の7セグ演出図柄として数字の「5」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄として数字の「5」を表す演出図柄が停止している。
〔右演出図柄停止〕
図500中(J):次に、7セグ表示装置200の右側の7セグ演出図柄として数字の「2」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの右演出図柄として数字の「2」を表す演出図柄が停止している。
〔中演出図柄停止〕
図500中(K):第2特別図柄の停止表示に同期して、停止表示演出が実行される。今回の内部抽選の結果が小当り当選であって、第2特別図柄が小当りの態様で停止表示される場合、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄も、液晶表示器42の演出図柄Hzも同様に小当りの態様で停止表示演出が行われる。図示の例では、7セグ表示装置200の中央の7セグ演出図柄としてアルファベットの「A」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄としてアルファベットの「A」を表す演出図柄が停止している。また、液晶表示器42には、動物のキャラクターが大きく表示されている。これにより、遊技者に対して「アニマルチャンスを経由して小当りに該当した」ということを伝達することができる。また、第4図柄Z2については、小当りに対応する態様で停止表示されている。そして、この後は、小当り遊技が実行される。
〔大役中演出〕
図501及び図502は、大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である。なお、以下の大役中演出は、液晶表示器42にて実行される演出である。
〔大当り遊技開始〕
図501中(A):大当り遊技が開始されると、例えば、画面内に「BIG BONUS」といった文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像(例えば女性キャラクター)が表示される。
〔大役中「右打ち」表示〕
また、本実施形態では遊技領域8a内の右側部分に第1可変入賞装置30が配置されているため、大役中は遊技球の発射位置(発射方向)として遊技領域8a内の右側部分を指定することとしている。このため、主制御CPU72による制御上で上記の発射位置指定表示ランプ38fが点灯表示されるとともに、「右打ち」を表す発射位置指定コマンドが演出制御装置124に送信される。これを受けて、演出制御CPU126による演出制御上で表示画面内に「右打ち」を促す案内情報(右方向を示す矢印、「右打ち」の文字等)が表示される)。
〔1ラウンド目〕
図501中(B):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、例えば、画面内の左上部に「BIG BONUS」の文字情報とともに、3つの○印が表示される。そして、そのうち1番左に位置する○印が赤色(斜線のハッチング)で表示され、残りの2つの○印は白色で表示される。これにより、出球を獲得できるのは3ラウンドであること、現在のラウンドがその3ラウンド中の1ラウンド目であること、及び、出球が獲得できるラウンドが1つ進行する毎に○印が赤色で表示されることを遊技者に教示することができる。
ここで、「○印」の数は、当選図柄に応じて増加する。例えば、当選図柄が「第1当選図柄」又は「第2当選図柄」である場合には、「○印」の数は「3個」であるが、当選図柄が「第3当選図柄」である場合には、「○印」の数は「2個」である。また、当選図柄が「第4当選図柄」である場合には、「○印」の数は「9個」であり、当選図柄が「第5当選図柄」である場合には、「○印」の数は「6個」であり、当選図柄が「第6当選図柄」である場合には、「○印」の数は「3個」である。
〔3ラウンド目〕
図501中(C):この後、大当り遊技が順調に進行し、例えば、3ラウンド目に移行すると、例えば、3つの全ての○印が赤色で表示される。これにより、この3ラウンド目で出球を獲得できる全てのラウンドが終了することを遊技者に教示することができる。
〔時間短縮状態突入演出〕
図502中(D):そして、大当り遊技の終了時間(エンディング時間)を利用して「ドライブモード突入!」といった文字情報が表示される演出が実行される。これにより、これから「ドライブモード」が開始されることを遊技者に教示することができる。また、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、「ドライブモード」においても右打ちで遊技が進行することを遊技者に教示することができる。
ここで、エンディング演出中には、「プリペイドカードの取り忘れに注意しましょう」といったプリペイドカードの取り忘れを喚起する報知を行ったり、「遊技に対するのめり込みに注意しましょう」といった遊技に対するめり込みを防止する報知を実行するようにしてもよい。
〔大当り遊技終了、時間短縮状態〕
図502中(E):大当り遊技が終了し、内部状態(遊技状態)が時間短縮状態に設定されると、滞在モードが「ドライブモード」に設定され、背景画像が、女性が乗車した自動車が大地を走行する様子を表現した画像に変更される。これにより、現在の内部状態(遊技状態)が通常状態とは異なる時間短縮状態であることを遊技者に教示することができる。
〔時短中演出〕
このように、時間短縮状態で遊技が進行している場合には、時間短縮状態(有利遊技状態)に対応させた背景画像を表示する時短中演出(有利遊技状態演出)が実行される。
〔右打ち示唆演出〕
また、画面上部では、右打ち示唆演出が実行されている。右打ち示唆演出では、液晶表示器42の画面左上に右打ちの文字情報と右向きの矢印記号とを表示している。なお、このような右打ち示唆演出は、遊技状態が時間短縮状態である場合には継続して実行してもよく、時間短縮状態の開始時にだけ実行してもよい。そして、このような演出を実行することにより、遊技者に対して「右打ち」を促すことができる。
〔残り回数表示演出〕
さらに、液晶表示器42の画面左下では、残り回数表示演出が実行されている。残り回数表示演出では、液晶表示器42の画面左下に長方形形状の領域を設け、その長方形形状の領域の中にドライブモードで遊技を進行することができる残り回数を表示している。なお、図示の例では、「残り10回」の情報が表示されている。残り回数は、時間短縮状態で第2特別図柄が変動して停止する度に1減算され、非時間短縮状態で第2特別図柄が変動して停止する度に1減算される。このため、残り回数は、時間短縮状態や非時間短縮状態で第1特別図柄が変動して停止しても減算されない。
〔ドライブモード(時間短縮状態)の演出例〕
図503~図505は、ドライブモードの演出例を示す連続図である。
図503中(A):ドライブモードでは、背景画像が、女性が乗車した自動車が大地を走行する様子を表現した画像に変更される。7セグ表示装置200に表示された7セグ演出図柄の組み合わせは「7」-「7」-「7」の当選目であり、液晶表示器42の演出図柄Hzの組み合わせは「7」-「7」-「7」の当選目である。これは、当選時の出目を表示している。また、画面上部では、右打ち示唆演出が実行されており、このような右打ち示唆演出は、遊技状態が時間短縮状態である場合には継続して実行される。
〔特別図柄の変動開始〕
図503中(B):第1特別図柄での初当り時には第1特別図柄の記憶が貯まっていることが多く、第2特別図柄の記憶が貯まっていないのが一般的である。図示の例では、第1特別図柄の記憶が1つ貯まっている(第1特別図柄記憶表示領域M1のLEDが1個点灯している)。このため、このような状況でドライブモードに突入した場合には、第1特別図柄が変動表示される。なお、第1特別図柄の記憶が貯まっていない場合には、遊技者が右打ちを実行することにより、最初に第2特別図柄の変動が実行される。そして、第1特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴って7セグ表示装置200の7セグ演出図柄が変動を開始し、液晶表示器42の演出図柄Hzや第4図柄Z1についても変動を開始する。ここでは、第1特別図柄に関する内部抽選において、はずれに該当したものとする。
〔第1特別図柄の変動終了〕
図503中(C):第1特別図柄がはずれの態様で停止表示されると、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄、液晶表示器42の演出図柄Hz、液晶表示器42の第4図柄Z1についてもはずれの態様で停止表示される。この間に遊技者が右打ちを実行し、複数の遊技球が始動ゲート20を通過し、可変始動入賞装置28が開放して4個の遊技球が右始動入賞口28bに入球したものとする。この場合、第2特別図柄の記憶が4個貯まる(第2特別図柄表示領域M2のLEDが4つとも点灯する)。
ここでは、第1特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されない。具体的には、残り回数の表示は、残り10回のままである。
図504中(D):第2特別図柄の記憶は、第1特別図柄の記憶よりも優先して消化されるため、次は、第2特別図柄の記憶を用いて内部抽選が実行される。そして、第2特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴って7セグ表示装置200の7セグ演出図柄が変動を開始し、液晶表示器42の演出図柄Hzや第4図柄Z2についても変動を開始する。ここでは、第2特別図柄に関する内部抽選において、小当りに当選したものとする。
〔小当り開始、第2大入賞口開放〕
図504中(E):そして、第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄(「5」-「2」-「6」の組み合わせ)、液晶表示器42の演出図柄Hz(「5」-「2」-「6」の組み合わせ)、液晶表示器42の第4図柄Z2(緑色表示色)についても小当りの態様で停止表示される。これにより、小当り遊技が開始され、第2大入賞口31bが開放される。そうすると、女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げて画面右側に進んでいく演出が実行される。
ここでは、第2特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されている。具体的には、残り回数の表示は、残り9回となっている。
図504中(F):小当り遊技が開始されると、仙人のキャラクターが「右下のアタッカを狙うのじゃ」という台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して、第2可変入賞装置31に遊技球を入球させなくてはならないということを伝達することができる。
〔特定領域通過〕
図505中(G):小当り遊技により第2可変入賞装置31が開放状態に移行し、遊技球が特定領域31xを通過し、小当り時の当選図柄が第6当選図柄であったものとする。この例では、自動車に乗っている女性キャラクターが、Vの文字が描かれたハートマークを掲げ、「やったね!BIG BONUSよ!!」といったセリフを発する演出が実行される。これにより、遊技球が特定領域31xを通過したこと、及び、これから大当り遊技(BIG BONUS)が開始されることを遊技者に教示することができる。
〔小当り終了、大当り遊技開始〕
図505中(H):その後、小当り遊技が終了し、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)が閉鎖される。また、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過したことで、大当り遊技が開始されることとなる。この例では、大当り遊技特有の女性キャラクターが登場し、「BIG BONUS」といった文字情報が表示され、女性キャラクターが同様のセリフを発する演出が実行される。また、表示画面には、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、そのまま右打ちで大当り遊技が進行することを遊技者に教示することができる。
その後、上記図501中(B)に進み、上記と同様の大当り遊技中の演出が開始され、大当り遊技が進行する。例えば、第2特別図柄に関する小当り時の当選図柄が第6当選図柄に該当している場合、実質的に3ラウンド分の出球を獲得することができる。なお、ドライブモードにて大当り遊技が実行される場合は、ドライブモードでの当選時専用の大役中演出を実行してもよい。
図506及び図507は、非時間短縮状態でのドライブモードにおいて第2特別図柄が変動する際の演出例を示す連続図である。このような状況が発生するのは、主に時間短縮状態の最終変動ではずれとなりながらも、第2特別図柄の記憶が蓄積されている場合である。
ここでは、第2特別図柄の変動開始前は、第2特別図柄の記憶が4個存在しているものとする。このため、時短中演出は継続して実行されている。また、残り回数表示演出として、「残り4回」の情報が表示されている。ただし、右打ち示唆演出は実行されていない。
〔特別図柄の変動表示中〕
図506中(A):非時間短縮状態でのドライブモードで第2特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴って7セグ表示装置200の7セグ演出図柄が変動を開始し、液晶表示器42の演出図柄Hzや第4図柄Z2についても変動を開始する。なお、ここでの状況は、時間短縮状態ではないため、始動ゲート20を通過させても普通図柄抽選にて当選する確率は低い。このため、可変始動入賞装置28が開放状態に移行することは困難であり、基本的には第2特別図柄の記憶を貯めることはできない。よって、このような非時間短縮状態でのドライブモードは、第2特別図柄が最大で4回変動するチャンスゾーンとなる。
〔停止表示演出〕
図506中(B):ここでは、第2特別図柄に関する内部抽選において、小当りに当選したものとする。そして、第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄(「2」-「2」-「3」の組み合わせ)、液晶表示器42の演出図柄Hz(「2」-「2」-「3」の組み合わせ)、液晶表示器42の第4図柄Z2(緑色表示色)についても小当りの態様で停止表示される。この場合、動物のキャラクターが「7の数字が表示されたマーク」を掲げる演出が実行される。
ここでは、第2特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されている。具体的には、残り回数の表示は、残り3回となっている。
〔小当り開始、第2大入賞口開放〕
図506中(C):そして、小当り遊技が開始されると、第2大入賞口31bが開放されるとともに、女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げて画面右側に進んでいく演出が実行される。この際、動物のキャラクターを置き去りにする演出が実行される。
〔特定領域通過〕
図507中(D):小当り遊技により第2可変入賞装置31が開放状態に移行し、遊技球が特定領域31xを通過し、小当り時の当選図柄が第4当選図柄であったものとする。この例では、自動車に乗っている女性キャラクターが、Vの文字が描かれたハートマークを掲げ、「やったね!BIG BONUSよ!!」といったセリフを発する演出が実行される。これにより、遊技球が特定領域31xを通過したこと、及び、これから大当り遊技(BIG BONUS)が開始されることを遊技者に教示することができる。
〔小当り終了、大当り遊技開始〕
図507中(E):その後、小当り遊技が終了し、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)が閉鎖される。また、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過したことで、大当り遊技が開始されることとなる。この例では、大当り遊技特有の女性キャラクターが登場し、「BIG BONUS」といった文字情報が表示され、女性キャラクターが同様のセリフを発する演出が実行される。また、表示画面には、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、そのまま右打ちで大当り遊技が進行することを遊技者に教示することができる。その後、上記図501中(B)に進み、上記と同様の大当り遊技中の演出が開始され、大当り遊技が進行する。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した変動表示演出やリーチ演出、リーチ発生前予告演出、大役中演出、液晶表示器42や7セグ表示装置200、記憶表示装置300を用いた演出、時短中演出、右打ち示唆演出、残り回数表示演出等は、いずれも以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
図508は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs~数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、時短中及び擬似時短中その他演出処理(ステップS402a)、7セグ表示装置演出管理処理(ステップS403)、普通図柄演出管理処理(ステップS403a)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば、特図先判定演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止コマンド、確定コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、発射位置指定コマンド、エラー通知コマンド、大当り終了演出コマンド、変動パターン先判定コマンド、回数切りカウンタコマンド、各種のエラーコマンド、可変始動入賞装置ロング開放開始コマンド、ハンドル検知コマンド等がある。
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御CPU126は、記憶表示装置300を用いた演出の実行を制御する。なお、作動記憶演出管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄Hzや第4図柄Z1,Z2を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作時の演出内容を制御したりする。また、この処理において演出制御CPU126は、各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出等)の演出パターンを選択する。このように、演出図柄管理処理において、演出制御CPU126は、液晶表示器42に表示する演出内容(演出図柄Hz、第4図柄Z1,Z2、大役中演出等に関する演出内容、各種予告演出の内容)を決定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS402a:演出制御CPU126は、時短中及び擬似時短中その他演出処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、右打ち示唆演出及び残り回数表示演出等に関する演出内容を決定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS403:7セグ表示装置演出管理処理では、演出制御CPU126は、演出図柄管理処理にて決定した演出内容に基づいて、7セグ表示装置200を制御する処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、7セグ表示装置200に表示する演出内容(7セグ演出図柄に関する内容)を決定する処理を実行する。演出図柄Hzと7セグ演出図柄は、基本的に同じ動作をするようにすることが好ましいが、異なる動作をするようにしてもよい。異なる動作をするように場合は、例えば、演出図柄Hzと7セグ演出図柄が停止するタイミングを異ならせてもよいし、停止する図柄を異ならせてもよい。
ステップS403a:普通図柄演出管理処理では、演出制御CPU126は第2特別図柄に対するチャンス状態が発生した場合の演出(アニマルチャンス演出)を制御する。具体的には、可変始動入賞装置ロング開放開始コマンドを受信してから可変始動入賞装置28が閉鎖するまでの間において、演出制御CPU126は、アニマルチャンス演出を実行する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(演出実行手段)。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46~52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば演出制御CPU126は可動体40fの駆動用ICに対して制御信号を出力する。可動体40fは可動体モータ57を駆動源として動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される演出図柄管理処理の内容について説明する。
〔作動記憶演出管理処理〕
図509は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS700:先ず演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS700:Yes)、演出制御CPU126はステップS702を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS700:No)、演出制御CPU126はステップS702を実行しない。
ステップS702:演出制御CPU126は、作動記憶数増加時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、第1特別図柄記憶表示領域M1のLED又は第2特別図柄記憶表示領域M2のLEDを1つ点灯させる演出を選択する。なお、本処理において、演出制御CPU126は、色変化演出(例えば、当該記憶表示領域X1のLEDの表示色や、演出表示領域X2のLEDの表示色)の演出パターンや演出シナリオを決定することができる。
ステップS704:演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS704:Yes)、演出制御CPU126はステップS706を実行する。なお、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS704:No)、演出制御CPU126はステップS706を実行しない。
ステップS706:演出制御CPU126は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、内部抽選により消費した抽選要素に対応する第1特別図柄記憶表示領域M1のLED又は第2特別図柄記憶表示領域M2のLEDを1つ消灯させる演出を選択するとともに、当該記憶表示領域X1のLEDを点灯させる演出を選択する。なお、当該記憶表示領域X1のLEDは、特別図柄の変動が終了した時点で消灯させる演出を選択する。また、演出表示領域X2のLEDを点灯させている場合には、演出表示領域X2のLEDも、特別図柄の変動が終了した時点で消灯させる演出を選択する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(図508)に復帰する。
〔演出図柄管理処理〕
図510は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502~ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また、可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(図467中のステップS5000)が選択された場合にのみジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502~ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は演出図柄Hz及び第4図柄Z1,Z2を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。また、この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(抽選結果、当選種類(当選図柄の種類)、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(リーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、変動表示演出の実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた停止表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は小当り遊技中又は大当り中の演出内容を制御する。この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容を選択する。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
〔演出図柄変動前処理〕
次に図511は、上記の演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御CPU126は、デモ管理処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、デモに関する状態を管理するとともに、その状態に応じて、実行するデモ演出の内容を制御する。
ここで、「デモ演出」とは、パチンコ機1の遊技が本稼働していない状況下(いわゆる客待ち状態である場合の他に、第1及び第2特別図柄作動記憶数が0かつ第1及び第2特別図柄が変動しておらず、グリップユニット16から遊技者の手が離れたまま所定時間が経過したことにより一時的に遊技が中断されている場合等)において実行されるデモンストレーション演出のことである。演出制御CPU126は、デモに関する状態に応じ、デモ演出として確定画面(図柄停止状態を示す画面)を表示するか、或いは、デモムービーを再生する。
ところで、デモ管理処理については、大別して2つの実施形態が想定されている。いずれも、パチンコ機1の遊技が本稼働していない状態に遷移した後の段階に応じてデモ演出の内容を制御するものであるが、そのうち一方は、遊技者による操作を特に優先して制御を行う実施形態である(第1実施形態)。これに対し、他方は、機種説明を効果的に行うことを特に優先して制御を行う実施形態である(第2実施形態)。各実施形態におけるデモ管理処理の具体的な内容については、別のフローチャートを参照しながら詳しく後述する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図508中のステップS404)、ランプ駆動処理(図508中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御CPU126は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また、今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御CPU126は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御CPU126は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。
また、演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄Hz及び第4図柄Z1,Z2の変動スケジュール(変動時間)、停止表示の態様等を決定する。
例えば、演出制御CPU126は、時間短縮状態での第2特別図柄の小当り変動時には、「ドライブモード」の状態で演出図柄Hz、7セグ演出図柄及び第4図柄Z2を変動させ、最終的に小当りに対応する演出図柄Hz、7セグ演出図柄及び第4図柄Z2を停止表示させる演出パターンを選択する処理を実行する。
一方、演出制御CPU126は、非時間短縮状態での第2特別図柄の小当り変動時には、例えば「ドライブモード」を継続させた状態又は通常モードの状態で演出図柄Hz、7セグ演出図柄及び第4図柄Z2を変動させ、最終的に小当りに対応する演出図柄Hz、7セグ演出図柄及び第4図柄Z2を停止表示させる演出パターンを選択する処理を実行する。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、大当りに該当した場合、演出制御CPU126はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御CPU126は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。なお、大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御CPU126はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御CPU126は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御CPU126がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドに基づいて決定される。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄Hz及び第4図柄Z1,Z2の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」-「2」-「4」等)を決定する。なお、このようなはずれ時の演出決定手法は、大当り時も同様である。
小当り時、大当り時、はずれ時の変動演出パターンを決定する際には、擬似連続予告演出(擬似連)の演出パターンも合わせて決定することができる。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は次にステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御CPU126は、予告選択処理を実行する(予告演出実行手段)。この処理では、演出制御CPU126は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当り又は小当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は非当選時よりも高く設定されている。
ステップS616:演出制御CPU126は、モード演出管理処理を実行する(有利遊技状態演出実行手段)。この処理において、演出制御CPU126は、滞在モードに応じた背景画像を選択する処理を実行する。例えば、演出制御CPU126は、原則として、内部状態が非時間短縮状態である場合には、通常モードに対応する背景画像を選択する処理を実行し、内部状態が時間短縮状態である場合には、ドライブモードに対応する背景画像を選択する処理(時短中演出を選択する処理)を実行する。
ただし、演出制御CPU126は、例外として、内部状態が非時間短縮状態である場合であっても、時間短縮状態から非時間短縮状態に移行した際に第2特別図柄の記憶が存在している場合には、ドライブモードに対応する背景画像を選択する(有利遊技状態演出実行手段、有利遊技状態演出継続実行手段)。なお、このような例外的な処理は、後述する演出図柄停止表示中処理において実行する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図510中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び停止表示演出が実行されるとともに(図柄演出実行手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。その他、ここで選択された背景(滞在)モードパターンに基づいて、各種の滞在モード演出が実行される。
〔デモ管理処理(第1実施形態)〕
図512は、第1実施形態におけるデモ管理処理の手順例を示すフローチャートである。
デモ管理処理は、デモ演出として表示/再生する内容を制御するとともにデモに関する状態を管理する処理であり(演出制御手段)、演出図柄変動前処理の過程(図511中のステップS602)で呼び出されて実行される。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS300:演出制御CPU126は、待機時間カウンタ更新処理を実行する。ここで、「待機時間カウンタ」とは、所定の状態に遷移した後の経過時間を管理する上で用いられるカウンタのことである。待機時間カウンタの値は、例えばRAM130のカウンタ領域に記憶され、パチンコ機1への電源投入時には、初期値として「0」がセットされる。この処理では、演出制御CPU126は、待機時間カウンタの値をカウントアップする。
ステップS302:演出制御CPU126は、デモ状態が「待機A」であるか否かを確認する。ここで、「デモ状態」とは、デモに関する現在の状態のことであり、本実施形態においては、「待機A」の他に「ムービー再生」及び「待機B」を合わせて全部で3種類のデモ状態が設けられている。デモ状態は、演出制御CPU126によりフラグとして管理され、RAM130のフラグ領域に記憶される。また、パチンコ機1への電源投入時には、デモ状態の初期値として「待機A」がセットされる。
この処理では、演出制御CPU126は、該当するフラグ(デモ状態フラグ)の値に基づいて、デモ状態が「待機A」であるか否かを確認する。確認の結果、デモ状態が「待機A」である場合には(ステップS302:Yes)、演出制御CPU126は、ステップS310を実行する。一方、デモ状態が「待機A」でない場合には(ステップS302:No)、演出制御CPU126は、ステップS330を実行する。
ステップS310:演出制御CPU126は、操作インタフェース(以下、「操作I/F」と略称する場合がある。)を出現させる処理が既に実行されているか否かを確認する。ここで、「操作インタフェース」とは、音量や輝度の調整やカスタム設定メニューの表示等の操作を案内する簡易なインタフェースのことであり、所定の条件下で液晶表示器42の画面右下(所定領域)に表示される。
確認の結果、操作I/Fを出現させる処理が既に実行されている場合には(ステップS310:Yes)、演出制御CPU126は、ステップS320を実行する。一方、操作I/Fを出現させる処理が未だ実行されていない場合には(ステップS310:No)、演出制御CPU126は、ステップS312を実行する。
ステップS312:演出制御CPU126は、最後に図柄が確定してから30秒が経過したか否かを確認する。なお、パチンコ機1において電源投入後に一度も遊技がなされていない状態(いわゆる朝一状態)である場合には、確定画面が表示されてから30秒が経過したか否かを確認する。確認の結果、30秒が経過している場合には(ステップS312:Yes)、演出制御CPU126は、ステップS314を実行する。一方、未だ30秒が経過していない場合には(ステップS312:No)、演出制御CPU126は、ステップS318を実行する。
ステップS314:演出制御CPU126は、操作I/Fを出現させる処理を実行する。これにより、操作I/Fが液晶表示器42の画面右下に表示される。
ステップS316:演出制御CPU126は、デモ時可動体管理処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、デモ状態に応じて可動体(7セグ表示装置200)を制御する。なお、デモ時可動体管理処理の具体的な内容については、別のフローチャートを参照しながら詳しく後述する。
ステップS318:演出制御CPU126は、確定画面を表示する。具体的には、演出制御CPU126は、朝一状態でない場合には、最後に特別図柄が確定した際の演出図柄Hz及びこれに応じた確定画面を液晶表示器42に表示する。これに対し、朝一状態である場合には、演出制御CPU126は、固定の図柄(例えば、「2」-「4」-「6」のはずれ目)による演出図柄Hz及びこれに応じた固定の確定画面を液晶表示器42に表示する。
ステップS320:演出制御CPU126は、待機時間カウンタの値に基づいて、デモ状態が「待機A」に遷移してから所定時間(例えば、120秒)が経過したか否かを確認する。確認の結果、「待機A」に遷移してから所定時間が未だ経過していない場合には(ステップS320:No)、演出制御CPU126は、ステップS318を実行して確定画面の表示を継続する。一方、所定時間が経過した場合には(ステップS320:Yes)、演出制御CPU126は、ステップS322を実行する。
ステップS322:演出制御CPU126は、デモ状態を「ムービー再生」に更新する。
ステップS324:演出制御CPU126は、デモ時可動体管理処理を実行する。具体的には、前ステップS322で更新されたデモ状態(「ムービー再生」)に応じて可動体(7セグ表示装置200)を制御する。
ステップS326:演出制御CPU126は、客待ちデモムービーの再生を開始する。ここで、「客待ちデモムービー」とは、パチンコ機1において実行される遊技のデモンストレーションをコンパクトにまとめて構成された映像のことであり、例えば、1分程度の長さで構成されている。客待ちデモムービーは、一般的な遊技機でいわゆる客待ち状態において再生される映像に相当するものである。
ステップS330:演出制御CPU126は、デモ状態が「待機B」であるか否かを確認する。確認の結果、デモ状態が「待機B」である場合には(ステップS330:Yes)、演出制御CPU126は、ステップS332を実行する。一方、デモ状態が「待機B」でない場合には(ステップS330:No)、演出制御CPU126は、ステップS340を実行する。
ステップS332:演出制御CPU126は、待機時間カウンタの値に基づいて、デモ状態が「待機B」に遷移してから所定時間(例えば、120秒)が経過したか否かを確認する。確認の結果、「待機B」に遷移してから所定時間が未だ経過していない場合には(ステップS332:No)、演出制御CPU126は、ステップS318を実行して確定画面の表示を継続する。一方、所定時間が経過した場合には(ステップS332:Yes)、演出制御CPU126は、ステップS322を実行してデモ状態を「ムービー再生」に更新する。
ステップS340:演出制御CPU126は、客待ちデモムービーが再生中であるか否かを確認する。確認の結果、客待ちデモムービーが再生中である場合には(ステップS340:Yes)、演出制御CPU126は、呼び出し元の処理に復帰する。これにより、客待ちデモムービーの再生がそのまま継続されることとなる。一方、客待ちデモムービーが再生中でない場合、すなわち再生が終了している場合には(ステップS340:No)、演出制御CPU126は、ステップS342を実行する。
ステップS342:演出制御CPU126は、デモ状態を「待機B」に更新する。
ステップS344:演出制御CPU126は、デモ時可動体管理処理を実行する。具体的には、前ステップS342で更新されたデモ状態(「待機B」)に応じて可動体(7セグ表示装置200)を制御する。
ステップS346:演出制御CPU126は、待機時間カウンタの値を「0」にリセットする。その上で、演出制御CPU126は、ステップS318を実行して確定画面を表示する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、呼び出し元の演出図柄変動前処理(図511)に復帰する。
なお、操作I/Fを出現させるタイミングは、図柄の確定から30秒後に限定されず、これとは異なるタイミングで出現させてもよい。また、操作I/Fの表示位置は、画面右下に限定されず、その他の位置でもよい。
デモ状態の「待機A」については、操作I/Fの表示有無に応じて2つの状態(例えば、「待機A1(操作I/F表示有の状態)」及び「待機A2(操作I/F表示無の状態)」の2つ)に細分化し、各状態で制御を異ならせてもよい。
また、上記の例においては、デモ状態の「待機B」では常に操作I/Fが表示されているが、「待機B」に操作I/Fが表示されない状態を設けてもよい。すなわち、「待機B」についても、操作I/Fの表示有無に応じて2つの状態(例えば、「待機B1(操作I/F表示有の状態)」及び「待機B2(操作I/F表示無の状態)」の2つ)に細分化し、各状態で制御を異ならせてもよい。
また、客待ちデモムービーを再生する際には、「遊技に対するのめり込みに注意しましょう」といった、遊技に対するのめり込みを防止する文言を合わせて表示するようにしてもよい。このように構成することで、のめり込み防止に関する注意喚起を適切なタイミングで簡潔に行うことができ、遊技者の不利益を軽減することができる。
〔デモ時可動体管理処理〕
図513は、デモ時可動体管理処理の手順例を示すフローチャートである。
デモ時可動体管理処理は、デモ演出中の可動体(7セグ表示装置200)の動作及び可動体に設けられた7セグメントLEDの点灯態様を、デモ状態に応じて制御する処理である(可動体制御手段)。デモ時可動体管理処理は、デモ管理処理の過程で操作I/Fを出現させる処理やデモ状態の更新に伴って(図512中のステップS316,S324,S344)、或いは、後述する操作検知時処理の過程でデモ状態のリセットに伴って(図514中のステップS372)、それぞれ呼び出されて実行される。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS350:演出制御CPU126は、デモ状態が「ムービー再生」であるか否かを確認する。確認の結果、デモ状態が「ムービー再生」である場合には(ステップS350:Yes)、演出制御CPU126は、ステップS352を実行する。一方、デモ状態が「ムービー再生」でない場合には(ステップS350:No)、演出制御CPU126は、ステップS356を実行する。
ステップS352:演出制御CPU126は、7セグ表示装置200が上昇位置にいないか否かを確認する。演出制御CPU126は、7セグ表示装置200に搭載されている位置センサからの検出信号に基づいて、7セグ表示装置200の位置を確認することができる。確認の結果、7セグ表示装置200が上昇位置にいる場合には(ステップS352:No)、演出制御CPU126は、呼び出し元の処理に復帰する。これにより、7セグ表示装置200は上昇位置にいる状態のまま維持される。一方、7セグ表示装置200が上昇位置にいない場合には(ステップS352:Yes)、演出制御CPU126は、ステップS354を実行する。
ステップS354:演出制御CPU126は、7セグ表示装置200を上昇位置まで変位させて振動させるとともに、7セグメントLEDをデモ態様(例えば、当り目にもはずれ目にも該当しない、笑顔を模した絵文字の態様)で点灯させる。
ステップS356:演出制御CPU126は、デモ状態が「待機B」であるか否かを確認する。確認の結果、デモ状態が「待機B」である場合には(ステップS356:Yes)、演出制御CPU126は、ステップS357を実行する。一方、デモ状態が「待機B」でない場合、すなわちデモ状態が「待機A」である場合には(ステップS356:No)、演出制御CPU126は、演出制御CPU126は、ステップS360を実行する。
ステップS357:演出制御CPU126は、7セグ表示装置200が静止していないか否かを確認する。確認の結果、7セグ表示装置200が静止している場合には(ステップS357:No)、演出制御CPU126は、呼び出し元の処理に復帰する。これにより、7セグ表示装置200は上昇位置に静止した状態のまま維持される。一方、7セグ表示装置200が静止していない場合には(ステップS357:Yes)、演出制御CPU126は、ステップS358を実行する。
ステップS358:演出制御CPU126は、7セグ表示装置200を静止させる。これにより、7セグ表示装置200は上昇位置に静止した状態となる。
ステップS360:演出制御CPU126は、7セグ表示装置200が下降位置にいないか否かを確認する。確認の結果、7セグ表示装置200が下降位置にいる場合には(ステップS360:No)、演出制御CPU126は、呼び出し元の処理に復帰する。これにより、7セグ表示装置200は下降位置に静止した状態のまま維持される。一方、7セグ表示装置200が下降位置にいない場合には(ステップS360:Yes)、演出制御CPU126は、ステップS362を実行する。
ステップS362:7セグ表示装置200を下降位置まで変位させて静止させるとともに、7セグメントLEDを消灯させる。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、呼び出し元のデモ管理処理(図512)に復帰する。
このような制御により、7セグ表示装置200は、デモ状態が「待機A」から「ムービー再生」に更新されると上昇位置に変位して振動し、続いてデモ状態が「待機B」に更新されると振動が停止し、それ以降は、デモ状態が「待機A」にリセットされない限り上昇位置に静止し続ける。そして、デモ状態が「待機A」にリセットされると、7セグ表示装置200は、下降位置に変位して静止することとなる。
なお、デモ状態の「ムービー再生」については、可動体(7セグ表示装置200)の動作状態(振動の有無)に応じて2つの状態(例えば、「ムービー再生1(振動状態)」及び「ムービー再生2(静止状態)」の2つ)に細分化し、各状態で制御を異ならせることも可能である。
〔操作検知時処理〕
図514は、操作検知時処理の手順例を示すフローチャートである。
操作検知時処理は、パチンコ機1の遊技が本稼働していない状況下での(図柄の変動待ち状態である間における)遊技者による操作の検知、具体的には、ハンドル検知がなされた(主制御CPU72からハンドル検知コマンドを受信した)こと、又は、演出切替ボタン45やジョグダイアル45a、方向キー66等の操作検知がなされた(各種操作手段から接点信号が出力された)ことを契機として呼び出されて実行される処理である(演出制御手段)。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS370:演出制御CPU126は、デモ状態リセット処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、待機時間カウンタ及びデモ状態のリセットを行う。なお、デモ状態リセット処理の具体的な内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
ステップS372:演出制御CPU126は、デモ時可動体管理処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、前ステップS370でリセットされたデモ状態に応じて可動体(7セグ表示装置200)を制御する。
ステップS374:演出制御CPU126は、液晶表示器42に確定画面を表示する。なお、客待ちデモムービーが再生されている間に操作検知がなされた場合には、演出制御CPU126は、客待ちデモムービーの再生を中断した上で、確定画面の表示を行う。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、呼び出し元の処理に復帰する。
〔デモ状態リセット処理(第1実施形態)〕
図515は、デモ状態リセット処理の手順例を示すフローチャートである。
デモ状態リセット処理は、パチンコ機1の遊技が本稼働していない状況下で、デモ演出用コマンドを最初に受信したこと、又は、遊技者による操作の検知がなされたことを契機として呼び出されて実行される処理である(演出制御手段)。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS380:演出制御CPU126は、待機時間カウンタの値を「0」にリセットする。
ステップS382:演出制御CPU126は、デモ状態を「待機A」にリセットする。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、呼び出し元の処理に復帰する。
〔電源投入直後におけるデモ状態の変化(第1実施形態)〕
図516は、第1実施形態の電源投入直後におけるデモ状態の変化、及びこれに伴う液晶表示器42の画面(液晶画面)や7セグ表示装置200(可動体)の変化の一例を示すタイミングチャートである。なお、図中の「入力センサ」のON/OFFとは、発射ハンドルへの接触や、演出切替ボタン45や方向キー66等の各種操作手段の操作を示す信号の出力有無、すなわち遊技者による操作の検知有無を表している。また、図示した各項目における帯の長さの相対比は、実際の時間の長さの相対比とは一致しない。以下、時系列に沿って説明する。
〔時刻t0〕
図516中(A):液晶画面には、固定の確定画面が表示される。
図516中(B):このとき、デモ状態には、初期値として「待機A」がセットされている。
図516中(C),(D):この時点では、操作I/Fは未だ表示されていない。また、可動体は上昇位置にあり、7セグメントLEDは固定の図柄を表す態様で点灯している。
図516中(E):また、入力センサがOFFであることから、発射ハンドルが触られておらず、各種操作手段の操作もなされていないことが分かる。
〔時刻t1〕
図516中(C),(D):時刻t0(確定画面の表示)から30秒が経過すると、操作I/Fが液晶画面の右下に表示される。また、操作I/Fの表示に同期して、可動体が下降位置に変位して静止するとともに、7セグメントLEDが消灯する。これにより、液晶画面に表示された操作I/Fの視認性が高められる。
図516中(B):このとき、デモ状態は「待機A」のまま変化しない。
〔時刻t2〕
図516中(B):時刻t0(確定画面の表示)から所定時間(例えば、120秒)が経過すると、デモ状態は「ムービー再生」に更新される。
図516中(A),(C):デモ状態の更新に伴い、液晶画面では、客待ちデモムービーの再生が開始される。客待ちデモムービーの再生は、操作I/Fが表示されるレイヤよりも手前側で実行されるため、客待ちデモムービーの再生中は、操作I/Fが視認不可能な状態となる。
図516中(D):このとき、可動体が上昇位置に変位して振動するとともに、7セグメントLEDがデモ態様での点灯を開始する。
〔時刻t3〕
図516中(B):客待ちデモムービーの再生が終了すると、デモ状態は「待機B」に更新される。
図516中(A),(C):デモ状態の更新に伴い、液晶画面には、再び固定の確定画面が表示される。また、手前側のレイヤで実行されていた客待ちデモムービーの再生が終了するため、操作I/Fが再び表示される(視認可能な状態に戻る)。
図516中(D):このとき、可動体の振動が停止する。したがって、可動体は上昇位置に静止して、7セグメントLEDはデモ態様で点灯し続ける。
〔時刻t4〕
図516中(B):時刻t3(確定画面の表示)から所定時間(例えば、120秒)が経過すると、デモ状態は再び「ムービー再生」に更新される。
図516中(A),(C):デモ状態の更新に伴い、液晶画面では、再び客待ちデモムービーの再生が開始される。これにより、操作I/Fは再び視認不可能な状態となる。
図516中(D):このとき、可動体の状態は変化しない。したがって、可動体は上昇位置に静止し続け、7セグメントLEDはデモ態様で点灯し続ける。
これ以降は、入力センサがOFFである限り、すなわち発射ハンドルが触られるか、又は、各種操作手段が操作されるまでの間は、デモ状態が「ムービー再生」と「待機B」との間での遷移を繰り返す。これにより、液晶画面では、客待ちデモムービーが再生された後に所定時間にわたって確定画面が表示されるという一連の流れが繰り返される。また、その流れの間は、可動体は上昇位置に静止し、7セグメントLEDはデモ態様での点灯を継続する。
〔時刻t5〕
図516中(E):しばらくして、客待ちデモムービーの再生中に、入力センサがONになる。このことから、発射ハンドルが触られたか、又は、各種操作手段が操作されたことが分かる。
図516中(B):入力センサがONになったことに伴い、デモ状態は「待機A」にリセットされる。
図516中(A),(C):デモ状態のリセットに伴い、客待ちデモムービーの再生が中断され、液晶画面には、再び固定の確定画面が表示される。これにより、操作I/Fが再び表示される(視認可能な状態に戻る)。
図516中(D):また、操作I/Fの表示に同期して、可動体が再び下降位置に変位して静止するとともに、7セグメントLEDが消灯する。これにより、液晶画面に表示された操作I/Fの視認性が高められる。
〔時刻t6~t7〕
図516中(E):少し経過すると、入力センサが再びONになる。このことから、発射ハンドルが触られたか、又は、各種操作手段が操作されたことが分かる。
図516中(B):このとき、デモ状態は「待機A」のまま変化しない。
図516中(A),(C),(D):したがって、液晶画面には確定画面及び操作I/Fが表示され続ける。また、可動体は、下降位置に静止して7セグメントLEDが消灯したままの状態で維持される。
〔時刻t8〕
図516中(B):時刻t7(入力センサがOFFになった時点=操作の検知がなされなくなった時点)から所定時間(例えば、120秒)が経過すると、デモ状態は「ムービー再生」に更新される。
図516中(A),(C):デモ状態の更新に伴い、液晶画面では、客待ちデモムービーの再生が開始される。これにより、操作I/Fは再び視認不可能な状態となる。
図516中(D):このとき、可動体が再び上昇位置に変位して振動するとともに、7セグメントLEDがデモ態様での点灯を開始する。
〔遊技中の休憩前後におけるデモ状態の変化(第1実施形態)〕
図517は、第1実施形態の遊技中の休憩前後におけるデモ状態の変化、及びこれに伴う液晶表示器42の画面(液晶画面)や7セグ表示装置200(可動体)の変化の一例を示すタイミングチャートである。なお、タイミングチャートの見方については、図516と同様である。以下、時系列に沿って説明する。
〔時刻t0〕
図517中(F):図柄が変動している。
図517中(A):図柄の変動に伴い、液晶画面には、変動画面が表示されている。
図517中(C),(D):遊技の実行中には、操作I/Fは表示されない。また、可動体の動作は、遊技の進行状況に応じて随時変化するが、時刻t0の時点では、可動体は上昇位置に静止しており、7セグメントLEDでは7セグ演出図柄の変動表示がなされている。
図517中(E):また、入力センサがONであることから、発射ハンドルが握られているか、又は、各種操作手段が操作されている、すなわち遊技が行われていることが分かる。
図517中(B):このとき、デモ状態は、今回の遊技が開始された際(変動開始時)にクリアされたままである(デモ状態フラグには値がセットされていない)。
〔時刻t1〕
図517中(F):図柄が停止(確定)する。
図517中(A):図柄の停止(確定)に伴い、液晶画面には、確定画面が表示される。
図517中(E):また、入力センサが依然としてONであることから、遊技が継続されていることが分かる。
〔時刻t2〕
図517中(A):液晶画面には、依然として確定画面が表示されている。
図517中(E):入力センサがOFFになる。このことから、発射ハンドル又は各種操作手段の操作がなされなくなった、すなわち遊技が行われなくなったことが分かる。
図517中(B):入力センサがOFFになったことに伴い、デモ演出用コマンドが最初に受信されると、デモ状態が「待機A」にリセットされる。
〔時刻t3〕
図517中(C),(D):時刻t1(図柄の確定)から30秒が経過すると、操作I/Fが液晶画面の右下に表示される。また、操作I/Fの表示に同期して、可動体が下降位置に変位して静止するとともに、7セグメントLEDが消灯する。これにより、液晶画面に表示された操作I/Fの視認性が高められる。
図517中(B):このとき、デモ状態は、「待機A」のまま変化しない。
〔時刻t4〕
図517中(B):時刻t2(入力センサがOFFになった時点=操作の検知がなされなくなった時点)から所定時間(例えば、120秒)が経過すると、デモ状態は「ムービー再生」に更新される。
図517中(A),(C):デモ状態の更新に伴い、液晶画面では、客待ちデモムービーの再生が開始される。客待ちデモムービーの再生は、操作I/Fが表示されるレイヤよりも手前側で実行されるため、客待ちデモムービーの再生中は、操作I/Fが視認不可能な状態となる。
図517中(D):このとき、可動体が上昇位置に変位して振動するとともに、7セグメントLEDがデモ態様での点灯を開始する。
〔時刻t5〕
図517中(B):客待ちデモムービーの再生が終了すると、デモ状態は「待機B」に更新される。
図517中(A),(C):デモ状態の更新に伴い、液晶画面には、再び確定画面が表示される。また、手前側のレイヤで実行されていた客待ちデモムービーの再生が終了したため、操作I/Fが再び表示される(視認可能な状態に戻る)。
図517中(D):このとき、可動体の振動が停止する。したがって、可動体は上昇位置に静止して、7セグメントLEDはデモ態様で点灯し続ける。
〔時刻t6〕
図517中(B):時刻t5(確定画面の表示)から所定時間(例えば、120秒)が経過すると、デモ状態は再び「ムービー再生」に更新される。
図517中(A),(C):デモ状態の更新に伴い、液晶画面では、再び客待ちデモムービーの再生が開始される。これにより、操作I/Fは再び視認不可能な状態となる。
図517中(D):このとき、可動体の状態は変化しない。したがって、可動体は上昇位置に静止し続け、7セグメントLEDはデモ態様で点灯し続ける。
〔時刻t7〕
図517中(B):客待ちデモムービーの再生が終了すると、デモ状態は「待機B」に更新される。
図517中(A),(C):デモ状態の更新に伴い、液晶画面には、再び確定画面が表示される。また、手前側のレイヤで実行されていた客待ちデモムービーの再生が終了したため、操作I/Fが再び表示される(視認可能な状態に戻る)。
図517中(D):このとき、可動体の状態は変化しない。したがって、可動体は上昇位置に静止し続け、7セグメントLEDはデモ態様で点灯し続ける。
〔時刻t8〕
図517中(E):少し経過して、確定画面の表示中に、入力センサがONになる。このことから、発射ハンドルが触られたか、又は、各種操作手段が操作されたことが分かる。
図517中(B):入力センサがONになったことに伴い、デモ状態は「待機A」にリセットされる。
図517中(A),(C),(D):デモ状態のリセットに同期して、可動体が再び下降位置に変位して静止するとともに、7セグメントLEDが消灯する。これにより、液晶画面に表示されている操作I/Fの視認性が高められる。
〔時刻t9〕
図517中(F):図柄が変動を開始する。
図517中(A),(C):図柄の変動開始に伴い、液晶画面には、変動画面が表示されるとともに、操作I/Fは表示されなくなる。
図517中(D):また、図柄の変動開始に伴い、可動体は、上昇位置に変位して静止するとともに、7セグメントLEDでは7セグ演出図柄の変動表示が開始される。可動体が上昇位置に変位することにより、7セグ演出図柄の視認性が高められる。
図517中(B):このとき、デモ状態はクリアされる(デモ状態フラグには値がセットされない)。
以上のように、第1実施形態においては、デモ状態は、一度「待機A」を経た後に「ムービー再生」→「待機B」→「ムービー再生」→「待機B」→‥という具合に、「ムービー再生」と「待機B」との間での遷移を繰り返す。また、デモ状態が「ムービー再生」又は「待機B」である間に入力センサがONになる(操作の検知がなされる)と、デモ状態が「待機A」にリセットされる。そして、入力センサがOFFになってから(操作の検知がなされなくなってから)所定時間が経過すると、デモ状態は再び「ムービー再生」に更新され、入力センサがONにならない限りは、再び「ムービー再生」と「待機B」との間での遷移を繰り返す。
このとき、可動体(7セグ表示装置200)の動作はデモ状態に応じて変化する。先ず、デモ状態が「待機A」から「ムービー再生」に更新されると、可動体は、上昇位置に変位して振動するとともに7セグメントLEDがデモ態様で点灯する。続いて、デモ状態が「待機B」に更新されると、可動体の振動が停止する。これ以降は、デモ状態が「待機A」にリセットされるまで、すなわち入力センサがONにならない限りは、可動体は上昇位置に静止してデモ態様での点灯を継続する。これに対し、入力センサがONになると、デモ状態が「待機A」にリセットされ、これに伴い可動体は、下降位置に変位して静止するとともに、7セグメントLEDが消灯する。
なお、デモ状態に応じた可動体の動作態様は、上記の例に限定されない。例えば、上記の例では、デモ状態が「ムービー再生」と「待機B」との間での遷移を繰り返す際に、初回の「ムービー再生」においてのみ可動体を上昇位置で振動させ、それ以降は可動体を上昇位置で静止させる態様としているが、これに代えて、デモ状態が「ムービー再生」である場合には常に可動体を上昇位置で振動させ、デモ状態が「待機B」である場合には常に可動体を上昇位置で静止させる態様としてもよい。また、可動体を上昇位置で振動させる場合と上昇位置で静止させる場合とで、7セグメントLEDの点灯態様を異ならせてもよい。
〔デモ演出中の可動体の動作〕
図518及び図519は、デモ演出中の可動体(7セグ表示装置200)の動作例を説明する連続図である。以下、時系列に沿って説明する。
図518中(A):図柄の確定直後には、液晶表示器42の画面右上の演出図柄Hz及び7セグ表示装置200の7セグ演出図柄がはずれの態様(例えば、「4」-「1」-「5」)で停止表示されている。このとき、7セグ表示装置200は、確定した7セグ演出図柄を確実に視認可能とするために、上昇位置で静止している。また、液晶表示器42には、確定画面が表示されている。確定画面は、例えば、「通常モード」であることを表す背景画像と、公園に咲いた花が野鳥に啄まれて荒らされている様子を表した画像等で構成されている。
図518中(B):図柄の確定から30秒が経過すると、液晶表示器42の画面右下に操作インタフェースIFが表示される。また、操作インタフェースIFの表示に同期して、7セグ表示装置200が下降位置に変位して静止するとともに、7セグメントLEDが消灯する。7セグ表示装置200が下降することにより、遊技者に操作インタフェースIFの全体を確実に視認させることができる。
操作インタフェースIFは、例えば、上部エリア、左下エリア及び右下エリアの3つのエリアで構成されている。これらのうち、上部エリアには、「カスタム設定メニュー」との文字とともに、演出切替ボタン45を模した画像に押し込み方向を示す矢印が表示されている。このような表示により、演出切替ボタン45を押し込み操作すればカスタム設定メニューの表示が可能である、ということを遊技者に案内することができる。
また、左下部エリアには、「音量」との文字とともに、方向キー66のうち下方向のキースイッチが染色された状態を模した画像が表示され、その下には現在の設定状況(最高音量)を示すインジケータが表示されている。このような表示により、方向キー66の下方向のキースイッチを押し込み操作すれば音量を下げられる、ということを遊技者に案内することができる。
そして、右下部エリアには、「明るさ」との文字とともに、方向キー66のうち右方向のキースイッチが染色された状態を模した画像が表示され、その下には現在の設定状況(最高輝度)を示すインジケータが表示されている。このような表示により、方向キー66の右方向のキースイッチを押し込み操作すれば明るさの調整が可能な状態に切り替えられる(フォーカスを左下部エリアから右下部エリアに切り替えられる)、ということを遊技者に案内することができる。なお、この状態で方向キー66の右方向のキースイッチを押し込み操作すると、右下部エリア内の方向キー66の画像における染色は右方向のキースイッチから下方向のキースイッチに切り替わり、これに伴って、左下部エリア内の方向キー66の画像における染色は、下方向のキースイッチから左方向のキースイッチに切り替わる。そして、この状態で方向キー66の下方向のキースイッチを押し込み操作すると、明るさを1段階ずつ下げることができる。
なお、上記の操作インタフェースIFの構成は、飽くまで一例として示したものであり、これに限定されることなく適宜変更することが可能である。
図518中(C):発射ハンドル又は各種操作手段の操作がなされないまま図柄の確定から所定時間(例えば、120秒)が経過すると、液晶表示器42の画面では、客待ちデモムービーの再生が開始される。客待ちデモムービーの再生中は、操作インタフェースIFが視認不可能となる。また、再生の開始に同期して、7セグ表示装置200が上昇位置に変位して振動するとともに、7セグメントLEDがデモ態様での点灯を開始する。7セグ表示装置200がこのように動作することにより、遊技者を7セグ表示装置200の動作で惹き付けながら客待ちデモムービーに注目させることができる。
図519中(D):客待ちデモムービーの再生が終了すると、液晶表示器42には、再び確定画面が表示され、7セグ表示装置200の振動が停止する。また、客待ちデモムービーの再生中には視認不可能となっていた操作インタフェースIFが再び視認可能な状態となる。しかしながら、7セグ表示装置200は上昇位置に静止しているため、操作インタフェースIFの一部は7セグ表示装置200の背後に遮蔽された状態となる。
図519中(E):発射ハンドルが握られると、7セグ表示装置200が下降位置に変位して静止するとともに、7セグメントLEDが消灯する。7セグ表示装置200が下降することにより、遊技者に操作インタフェースIFの全体を確実に視認させることができる。なお、図519中(D)の状態で各種操作手段の操作がなされた場合には、上記の可動体の動作とともに、操作の内容に応じた表示がなされる。例えば、演出切替ボタン45の押し込み操作がなされた場合には、カスタム設定メニューが液晶画面に表示されることとなる。
図519中(F):デモ演出中に、例えば、スタート装置右始動入賞口450又はスタート装置中始動入賞口452に遊技球が1つ入球すると、第1特別図柄が変動を開始する。第1特別図柄の変動開始に伴い、液晶表示器42には、変動画面が表示される。具体的には、画面右上では、第1特別図柄に対応する第4図柄Z1が変動表示を開始するとともに演出図柄Hzがスクロール変動する。また、直前まで画面右下に表示されていた操作インタフェースIFは非表示となり、背景には「通常モード」であることを表す背景画像が表示される。そして、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄も変動表示を開始し、記憶表示装置300では、当該記憶表示領域X1のLEDが点灯する。
なお、変動開始に伴い操作インタフェースIFは表示されなくなるが、各種操作手段の操作を行うことにより、音量や輝度を調整したり、カスタム設定メニューを表示したりすることが可能である。
このように、第1実施形態においては、デモ演出中に液晶表示器42の画面右下に操作インタフェースIFが表示されるが、客待ちデモムービーの再生中(デモ状態が「ムービー再生」である間)は操作インタフェースIFが視認不可能となる。また、客待ちデモムービーの再生開始以降は、7セグ表示装置200が上昇位置に滞在して7セグメントLEDがデモ態様で点灯する。7セグ表示装置200をこのように動作させることにより、遊技者に対する訴求力を高めてデモ演出を一段と魅力的なものとすることができ、7セグ表示装置200の動作で遊技者を惹き付けながら、客待ちデモムービーに注目させることができる。
客待ちデモムービーの再生後は、可動体の動作は維持された状態で、再び確定画面が表示される。その後は、発射ハンドル又は各種操作手段の操作がなされない限り、確定画面が所定時間にわたり表示されて(デモ状態が「待機B」)、客待ちデモムービーが再生される(デモ状態が「ムービー再生」)、という一連の流れが繰り返される。
そして、この一連の流れの過程で発射ハンドル又は各種操作手段の操作がなされると、確定画面が表示されるとともに可動体が下降位置に静止して7セグメントLEDが消灯する(デモ状態が「待機A」)。7セグ表示装置200をこのように動作させることにより、液晶画面に表示された操作インタフェースIFが7セグ表示装置200に遮蔽されることなく、その全体が視認可能となる。したがって、何らかの操作を行った遊技者、すなわち遊技を開始又は再開したとみられる遊技者に対して、操作インタフェースIFの全体を確実に視認させることができ、パチンコ機1において遊技に関する設定を行うための操作方法を効果的に案内することが可能となる。
以上のように、第1実施形態によれば、デモ演出の内容(液晶表示器42の画面に表示される内容、7セグ表示装置200の動作)がデモ状態に応じて制御されるため、遊技者に対する訴求力の強化(魅力あるデモ演出の実現)と遊技者にとっての利便性の向上(視認性や操作性の向上)とを両立させることができ、7セグ表示装置200を用いてデモ演出を効果的に実行することが可能となる。
〔デモ管理処理(第2実施形態)〕
図520は、第2実施形態におけるデモ管理処理の手順例を示すフローチャートである。
デモ管理処理は、デモ演出として表示/再生する内容を制御するとともにデモに関する状態を管理する処理であり、演出図柄変動前処理の過程(図511中のステップS602)で呼び出されて実行される。第2実施形態においては、デモムービーが2種類(客待ちデモムービー、機種説明デモムービー)用意されており、デモ状態及びその他の情報に基づいて再生するデモムービーが決定される。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS900:演出制御CPU126は、デモ状態が「確定画面ループ」であるか否かを確認する。第2実施形態においては、デモ状態は、「確定画面ループ」の他に「客待ちデモムービー再生前」及び「客待ちデモムービー再生後」を合わせて全部で3種類が設けられている。デモ状態は、演出制御CPU126によりフラグとして管理され、RAM130のフラグ領域に記憶されている。また、パチンコ機1への電源投入時には、初期値として「客待ちデモムービー再生前」がセットされる。
この処理では、演出制御CPU126は、該当するフラグ(デモ状態フラグ)の値に基づいて、デモ状態が「確定画面ループ」であるか否かを確認する。確認の結果、デモ状態が「確定画面ループ」である場合(ステップS900:Yes)、演出制御CPU126は、ステップS902を実行する。一方、デモ状態が「確定画面ループ」でない場合(ステップS900:No)、演出制御CPU126は、ステップS910を実行する。
ステップS902:演出制御CPU126は、液晶表示器42に確定画面を表示する。なお、朝一状態である場合には、パチンコ機1において電源投入後に一度も遊技がなされていない状態(いわゆる朝一状態)である場合には、固定の図柄(例えば、「2」-「4」-「6」のはずれ目)による確定画面が表示されるのに対し、朝一状態でない場合には、特別図柄の変動が最後に停止した際の図柄による確定画面が表示される。
ステップS904:演出制御CPU126は、デモ状態更新処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、遊技者がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れているかに応じてデモ状態を更新する。なお、デモ状態更新処理の具体的な内容については、次のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS910:演出制御CPU126は、デモムービー再生許可フラグが「True」であるか否かを確認する。ここで、デモムービー再生許可フラグとは、デモムービーの再生可否(再生を許可するか否か)を示す値を管理するフラグのことであり、RAM130のフラグ領域に記憶されている。また、パチンコ機1への電源投入時には、初期値として「True」がセットされる。デモムービー再生許可フラグは、値が「True」であればデモムービーの再生が許可される(新たなデモムービーの再生が可能である)ことを示す一方、値が「False」であればデモムービーの再生が許可されない(新たなデモムービーの再生が不可能である)ことを示す。
確認の結果、デモムービー再生許可フラグが「True」である、すなわちデモムービーの再生が許可される(新たなデモムービーの再生が可能である)場合には(ステップS910:Yes)、演出制御CPU126は、ステップS912を実行する。一方、デモムービー再生許可フラグが「False」である、すなわちデモムービーの再生が許可されない(新たなデモムービーの再生が不可能である)場合には(ステップS910:No)、演出制御CPU126は、ステップS920を実行する。これにより、(デモ管理処理の呼び出し前から)デモムービーが再生されている場合には、新たなデモムービーの再生は不可能とされるため、そのまま再生が継続されることとなる。
ステップS912:演出制御CPU126は、デモ状態が「客待ちデモムービー再生前」であるか否かを確認する。デモ状態が「客待ちデモムービー再生前」である場合(ステップS912:Yes)、演出制御CPU126は、ステップS914を実行する。一方、デモ状態が「客待ちデモムービー再生前」でない場合(ステップS912:No)、演出制御CPU126は、ステップS920を実行する。
ステップS914:演出制御CPU126は、ハンドルが非検知となってから、すなわち遊技者がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れなくなってから(タッチセンサ114により検出信号が出力されなくなってから)、所定時間(例えば、1分)が経過したか否かを確認する。タッチセンサ114による検出信号の出力有無は、主制御CPU72からハンドル検知コマンドを受信しているか否かに基づいて確認することができる。また、ハンドル検知コマンドを最後に受信してからの経過時間が、例えばRAM130に記憶されたタイマ変数で管理されており、このタイマ変数に基づいて、ハンドルが非検知となってからの経過時間を確認することができる。
確認の結果、ハンドルが非検知となってから所定時間が経過している場合には(ステップS914:Yes)、演出制御CPU126は、ステップS916を実行する。一方、ハンドル非検知から所定時間が経過していない場合には(ステップS914:No)、演出制御CPU126は、ステップS902を実行する。
ステップS916:演出制御CPU126は、客待ちデモムービーの再生を開始する。
ステップS918:演出制御CPU126は、デモ状態を「客待ちデモムービー再生後」に更新する。
ステップS920:演出制御CPU126は、デモムービー再生許可フラグに「False」をセットする。これにより、客待ちデモムービーが再生されている間は、新たな(別の)デモムービーの再生が不可能となる。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、呼び出し元の演出図柄変動前処理(図511)に復帰する。
〔デモ状態更新処理〕
図521は、デモ状態更新処理の手順例を示すフローチャートである。
デモ状態更新処理は、デモ状態が「確定画面ループ」又は「客待ちデモムービー再生前」のいずれかである場合に実行される。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS940:演出制御CPU126は、デモ状態が「客待ちデモムービー再生前」であるか否かを確認する。デモ状態が「客待ちデモムービー再生前」である場合には(ステップS940:Yes)、演出制御CPU126は、ステップS942を実行する。一方、デモ状態が「客待ちデモムービー再生前」でない場合には(ステップS940:No)、演出制御CPU126は、ステップS946を実行する。
ステップS942:演出制御CPU126は、ハンドルが検知されているか、すなわち遊技者がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れている(タッチセンサ114により検出信号が出力されたため、これを契機として主制御CPU72からハンドル検知コマンドを受信している)か否かを確認する。ハンドルが検知されている場合(ステップS942:Yes)、演出制御CPU126は、ステップS944を実行する。一方、ハンドルが検知されていない場合(ステップS942:No)、演出制御CPU126は、呼び出し元のデモ管理処理(図520)に復帰する。
ステップS944:演出制御CPU126は、デモ状態を「確定画面ループ」に更新する。
ステップS946:演出制御CPU126は、ハンドルが非検知であるか、すなわち遊技者がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていない状態である(タッチセンサ114により検出信号が出力されていないため、主制御CPU72からハンドル検知コマンドを受信していない)か否かを確認する。ハンドルが非検知である場合(ステップS946:Yes)、演出制御CPU126は、ステップS948を実行する。一方、ハンドルが非検知でない場合(ステップS946:No)、演出制御CPU126は、呼び出し元のデモ管理処理(図520)に復帰する。
ステップS948:演出制御CPU126は、デモ状態を「客待ちデモムービー再生前」に更新する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、呼び出し元のデモ管理処理(図520)に復帰する。
このようにして、デモ状態は、「客待ちデモムービー再生前」である場合にハンドルが検知されると、「確定画面ループ」に移行し、「確定画面ループ」である場合にハンドルが検知されなくなると、再び「客待ちデモムービー再生前」に移行することとなる。
〔ハンドル検知時処理〕
図522は、ハンドル検知時処理の手順例を示すフローチャートである。
ハンドル検知時処理は、パチンコ機1の遊技が本稼働していない状況下で(図柄の変動待ち状態である間に)、ハンドル検知がなされた(主制御CPU72からハンドル検知コマンドを受信した)ことを契機として呼び出されて実行される処理である。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS960:演出制御CPU126は、デモ状態が「客待ちデモムービー再生後」であるか否かを確認する。デモ状態が「客待ちデモムービー再生後」である場合(ステップS960:Yes)、演出制御CPU126は、ステップS962を実行する。一方、デモ状態が「客待ちデモムービー再生後」でない場合(ステップS960:No)、演出制御CPU126は、ステップS970を実行する。
ステップS962:演出制御CPU126は、デモムービー再生許可フラグが「True」であるか否かを確認する。デモムービー再生許可フラグが「True」である、すなわちデモムービーの再生が可能である場合には(ステップS962:Yes)、演出制御CPU126は、ステップS964を実行する。一方、デモムービー再生許可フラグが「False」である、すなわちデモムービーの再生が不可能である場合には(ステップS962:No)、演出制御CPU126は、呼び出し元の処理に復帰する。
ステップS964:演出制御CPU126は、機種説明デモムービーの再生を開始する。ここで、「機種説明デモムービー」とは、パチンコ機1において実行される遊技の特徴やゲーム性、キーポイント等を説明する内容で構成された映像のことであり、例えば15~30秒程度の長さで構成されている。なお、機種説明デモムービーの構成例については、別の図面を参照しながら詳しく後述する。
ステップS966:演出制御CPU126は、デモムービー再生許可フラグに「False」をセットする。これにより、機種説明デモムービーが再生されている間は新たな(別の)デモムービーの再生が不可能となる。
ステップS970:演出制御CPU126は、デモ状態が「客待ちデモムービー再生前」であるか否かを確認する。デモ状態が「客待ちデモムービー再生前」である場合(ステップS970:Yes)、演出制御CPU126は、ステップS972を実行する。一方、デモ状態が「客待ちデモムービー再生前」でない場合(ステップS970:No)、演出制御CPU126は、呼び出し元の処理に復帰する。
ステップS972:演出制御CPU126は、デモ状態を「確定画面ループ」に更新する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、呼び出し元の処理に復帰する。
なお、機種説明デモムービーの再生を開始する条件として、上記の他に、遊技に関するカスタム設定メニューが表示されていないことや、パチンコ機1が節電モード中でないこと等を加えてもよい。
また、上述した手順においては、ハンドル検知がなされた時のデモ状態が「客待ちデモムービー再生後」であり(ステップS960:Yes)、かつ、デモムービー再生許可フラグが「True」である場合に(ステップS962:Yes)、機種説明デモムービーの再生を開始しているが(ステップS964)、これに代えて、ステップS962を削除し、デモムービー再生許可フラグが「True」である場合には、無条件に(デモムービー再生許可フラグを確認することなく)機種説明デモムービーの再生を開始してもよい。このような構成とした場合、確定画面の表示中にハンドル検知がなされると、確定画面から切り替わって機種説明デモムービーの再生が開始される。また、客待ちデモムービーの再生中にハンドル検知がなされると、客待ちデモムービーの再生が途中で終了して機種説明デモムービーの再生が開始されることとなる。
〔デモ状態リセット処理(第2実施形態)〕
図523は、第2実施形態のデモ状態リセット処理の手順例を示すフローチャートである。
第2実施形態のデモ状態リセット処理は、デモ状態を初期値の「客待ちデモムービー再生前」にリセットする処理であり、パチンコ機1の遊技が本稼働していない状況下でデモ演出用コマンドを最初に受信した時や、機種説明デモムービーの再生が終了した時の他に、機種説明デモムービーの再生途中に普通図柄又は特別図柄の変動が開始されたり、或いは、遊技に関するカスタム設定メニューが表示されたりしたことを契機として呼び出されて実行される。
ステップS980:演出制御CPU126は、デモ状態を「客待ちデモムービー再生前」にリセットする。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、呼び出し元の処理に復帰する。
このようにして、機種説明デモムービーの再生中に、普通図柄又は特別図柄の変動が開始されたり、或いは、カスタム設定メニューが表示されたりした場合には、機種説明デモムービーの再生は途中で終了し、デモ状態がリセットされることとなる。
〔再生許可フラグリセット処理〕
図524は、再生許可フラグリセット処理の手順例を示すフローチャートである。
再生許可フラグリセット処理は、デモムービー再生許可フラグを初期値の「True」にリセットする処理であり、パチンコ機1の遊技が本稼働していない状況下でデモ演出用コマンドを最初に受信した時や、デモムービー(客待ちデモムービー、機種説明デモムービー)の再生が終了した時に呼び出されて実行される。
ステップS990:演出制御CPU126は、デモムービー再生許可フラグを「True」にリセットする。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、呼び出し元の処理に復帰する。
なお、再生許可フラグリセット処理を、デモムービーの再生終了時に実行するのに代えて、デモムービーの再生終了後に行われる確定画面の表示を契機として実行してもよい。
〔電源投入直後におけるデモ状態の変化(第2実施形態)〕
図525は、第2実施形態の電源投入直後における液晶表示器42の画面(液晶画面)とデモに関する状態の時間の経過に伴う変化の一例を示すタイミングチャートである。なお、図示した各項目における帯の長さの相対比は、実際の時間の長さの相対比とは一致しない。以下、時系列に沿って説明する。
〔時刻t0〕
図525中(A):液晶画面には、固定の図柄による確定画面が表示されている。
図525中(B),(C):このとき、デモ状態には初期値として「客待ちデモムービー再生前」がセットされており、デモムービー再生許可フラグには初期値として「True」がセットされている。
図525中(D):また、タッチセンサ114が検出信号を出力していないことから、発射ハンドルが触られていないことが分かる。
〔時刻t1〕
図525中(A):時刻t0から所定時間(例えば、1分)が経過すると、液晶画面では、客待ちデモムービーの再生が開始される。
図525中(B),(C):客待ちデモムービーの再生開始に伴い、デモ状態は「客待ちデモムービー再生後」に更新され、デモムービー再生許可フラグには「False」がセットされる。
〔時刻t2〕
図525中(A):客待ちデモムービーの再生が終了し、液晶画面には、再び確定画面が表示される。
図525中(C):客待ちデモムービーの再生終了に伴い、デモムービー再生許可フラグには「True」がセットされる。
図525中(B):このとき、デモ状態は変化しない。
図525中(D):また、タッチセンサ114は依然として検出信号を出力していない。
これ以降、発射ハンドルが触られるまでの間(タッチセンサ114により検出信号が出力されない間)は、確定画面が表示された後に客待ちデモムービーが再生されるという流れが繰り返される。
〔時刻t3〕
図525中(D):しばらくして、タッチセンサ114は検出信号を出力する。このことから、発射ハンドルが触られたことが分かる。
図525中(B),(C):このとき、デモ状態は「客待ちデモムービー再生後」であり、(機種説明デモムービーの再生を開始する前の時点では)デモムービー再生許可フラグは「True」である。
図525中(A):したがって、液晶画面では、機種説明デモムービーの再生が開始される。
図525中(C):機種説明デモムービーの再生開始に伴い、デモムービー再生許可フラグには「False」がセットされる。
図525中(B):このとき、デモ状態は変化しない。
〔時刻t4,t5〕
図525中(A):液晶画面では、機種説明デモムービーが再生されている。
図525中(D):その最中に、タッチセンサ114は検出信号を断続的に出力する。このことから、発射ハンドルが触られたり離されたりしたことが分かる。
図525中(B),(C):このとき、デモ状態及びデモムービー再生許可フラグは変化しない。
〔時刻t6〕
図525中(A):機種説明デモムービーの再生が終了し、液晶画面には、再び確定画面が表示される。
図525中(B),(C):機種説明デモムービーの再生終了に伴い、デモ状態は「客待ちデモムービー再生前」にリセットされ、デモムービー再生許可フラグは「True」にリセットされる。
〔時刻t7〕
図525中(A):時刻t6から所定時間(例えば、1分)が経過すると、液晶画面では、再び客待ちデモムービーの再生が開始される。
図525中(B),(C):客待ちデモムービーの再生開始に伴い、デモ状態は「客待ちデモムービー再生後」に更新され、デモムービー再生許可フラグには「False」がセットされる。
このように、第2実施形態における電源投入直後には、確定画面が表示された後に客待ちデモムービーが再生されるという流れが繰り返される。そして、遊技する台を選んでいる遊技者がハンドルを手で握るなどして、確定画面が表示されている間に発射ハンドルが触られると、機種説明デモムービーが再生される。そして、機種説明デモムービーの再生終了後には、デモ状態が「客待ちデモ再生前」にリセットされる。したがって、機種説明デモムービーの再生終了後に確定画面が表示されている間に発射ハンドルが触られたとしても、ここでは機種説明デモムービーは再生されない。
〔遊技中の休憩前後におけるデモ状態の変化(第2実施形態)〕
図526は、第2実施形態の遊技中の休憩前後における液晶表示器42の画面とデモに関する状態の時間の経過に伴う変化の一例を示すタイミングチャートである。なお、図示した各項目における帯の長さの相対比は、実際の時間の長さの相対比とは一致しない。以下、時系列に沿って説明する。
〔時刻t0〕
図526中(E):図柄が変動している。
図526中(A):図柄の変動に伴い、液晶画面には、変動画面が表示されている。
図526中(D):また、タッチセンサ114が検出信号を出力していることから、発射ハンドルが握られていることが分かる。
図526中(B),(C):このとき、デモ状態及びデモムービー再生許可フラグには、今回の遊技が開始される前にセットされた値のままである(値は空ではない)。
〔時刻t1〕
図526中(E):図柄が停止(確定)する。
図526中(A):図柄の停止(確定)に伴い、液晶画面には、確定画面が表示される。
図526中(C):確定画面の表示に伴い、デモムービー再生許可フラグには「True」がセットされる。
図526中(D):このとき、タッチセンサ114が引き続き検出信号を出力していることから、発射ハンドルが握られたままである、すなわち遊技球の発射が継続されていることが分かる。
図526中(B):そのため、デモ状態は、確定画面の表示に伴って一旦「客待ちデモムービー再生前」に更新された直後に(1回の割込処理内で)「確定画面ループ」に更新される。
〔時刻t2〕
図526中(D):タッチセンサ114が検出信号を出力しなくなる。このことから、発射ハンドルから遊技者の手が離されたことが分かる。
図526中(B):タッチセンサ114が検出信号を出力しなくなったことに伴い、デモ状態は「客待ちデモムービー再生前」に更新される。
図526中(A):このとき、液晶画面には、確定画面が引き続き表示される。
図526中(C):また、ムービー再生許可フラグは変化しない。
〔時刻t3〕
図526中(A):時刻t2から所定時間(例えば、1分)が経過すると、液晶画面では、客待ちデモムービーの再生が開始される。
図526中(B),(C):客待ちデモムービーの再生開始に伴い、デモ状態は「客待ちデモムービー再生後」に更新され、デモムービー再生許可フラグには「False」がセットされる。
〔時刻t4〕
図526中(A):客待ちデモムービーの再生が終了し、液晶画面には、再び確定画面が表示される。ここでは、時刻t1で停止した図柄による確定画面が表示される。
図526中(C):客待ちデモムービーの再生終了に伴い、デモムービー再生許可フラグには「True」がセットされる。
図526中(B):このとき、デモ状態は変化しない。
図526中(D):また、タッチセンサ114は依然として検出信号を出力していない。このことから、遊技者が遊技を再開していない(未だ席に戻っていない)ことが分かる。
これ以降、発射ハンドルが再び握られるまでの間(タッチセンサ114により検出信号が出力されない間)は、確定画面が表示された後に客待ちデモムービーが再生されるという流れが繰り返される。
〔時刻t5〕
図526中(D):しばらくして、タッチセンサ114が再び検出信号を出力し始める。このことから、発射ハンドルが再び握られた(遊技者が席に戻って遊技を再開した)ことが分かる。
図526中(B),(C):このとき、デモ状態は「客待ちデモムービー再生後」であり、(機種説明デモムービーの再生を開始する前の時点では)デモムービー再生許可フラグは「True」である。
図526中(A):したがって、液晶画面では、機種説明デモムービーの再生が開始される。
図526中(C):機種説明デモムービーの再生開始に伴い、デモムービー再生許可フラグには「False」がセットされる。
図526中(B):このとき、デモ状態は変化しない。
〔時刻t6〕
図526中(E):図柄が変動を開始する。
図526中(A):図柄の変動開始に伴い、機種説明デモムービーが再生途中で終了され、液晶画面には、変動画面が表示される。
図526中(B):また、デモ状態は「客待ちデモムービー再生前」に更新される。
図526中(C):このとき、デモムービー再生許可フラグは変化しない。
このように、第2実施形態における遊技中の休憩前後には、先ず、休憩に入る前は、ハンドルから遊技者の手が離れるまでの間は、デモ状態が「確定画面ループ」となり、最後に変動が停止した後はしばらく確定画面が表示されるため、変動が停止した直後に客待ちデモムービーが再生されることはない。また、休憩から戻った後は、確定画面が表示されている間にハンドルが握られると機種説明デモムービーが再生され、遊技が再開されてもその再生は継続されるが、普通図柄又は特別図柄の変動が開始されると、液晶画面の表示が変動画面に切り替わり、機種説明デモムービーの再生は途中で終了となる。
なお、第2実施形態の説明においては、発明の理解を容易とするために、第1実施形態において液晶表示器42の画面に表示される操作インタフェースや可動体(7セグ表示装置200)の制御については敢えて触れていないが、第2実施形態においても、上述した制御に加えて、操作インタフェースを表示したり、可動体の動作を状況に応じて変化させたりすることが可能である。
例えば、図柄の確定から30秒経過後に、液晶画面に操作インタフェースを表示するとともに可動体を下降位置に静止させて7セグメントLEDを消灯させ、客待ちデモムービーの再生開始に伴って、可動体を上昇位置に静止させて7セグメントLEDをデモ態様で点灯させ、それ以降は操作の検知がなされるまで可動体の状態を維持し、デモ状態が「客待ちデモ再生後」に遷移した後は、例えば、発射ハンドルが握られた場合には、可動体の状態を維持したまま機種説明デモムービーの再生を開始するのに対し、演出切替ボタン45や方向キー66等の各種操作手段が操作された場合には、液晶画面に確定画面を表示して可動体を下降位置に静止させる、という具合に、いずれの操作がなされたかに応じて制御を異ならせることも可能である。
〔機種説明デモムービーの構成例〕
図527は、機種説明デモムービーの構成例を示す連続図である。以下、流れに沿って説明する。
図527中(A):液晶表示器42の画面の中央部に、「偉人」とのタイトル文字が大きく表示される。
図527中(B):少し経過すると、画面の上部に「大当り確率」との文字が表示されるとともに、その下に「1/319」との数字が大きく表示される。また、画面の右下には、「※低確時」との文字が比較的小さく表示される。このような表示により、低確時(非時間短縮状態)における大当り確率が「1/319」であることを遊技者に報知することができる。
図527中(C):さらに少し経過すると、画面の上部に「継続率 83.8%」との文字が表示されるとともに、その右下に「※特図445に限る」との文字が比較的小さく表示される。また、画面の下部に「10R大当りは 1500発」との文字が表示されるとともに、その右下に「※出玉は設計値」との文字が比較的小さく表示される。このような表示により、第2特別図柄を変動させて行う遊技における継続率が「83.8%」であり、10R大当りに該当した場合に得られる出玉の総数が最大1500発であることを遊技者に報知することができる。
図527中(D):さらに経過すると、画面には「偉人チャレンジ発生で大チャンス」との文字が大きく表示される。このような表示により、遊技中に「偉人チャレンジ」という演出が実行されたら大きなチャンスに発展する可能性があるということを遊技者に認識させることができる。
図527中(E):さらに画面が切り替わり、画面の中央部には偉人を思わせるキャラクターの顔を表した画像が表示されるとともに、その上部には「83.8%の刺激に応えよ!」とのキャッチコピーが表示される。このような表示により、パチンコ機1における遊技のイメージを遊技者に直感的に伝えることができる。
このように、機種説明デモムービーは、複数の段階(例えば、図527中(A)~(E)の5段階)に分けて構成されている。また、機種説明デモムービーでは、これらの内容に加え、遊技中に実行される演出例が報知される。演出例は、数秒程度の長さに分割されており、機種説明デモムービーの各段階に合わせて順番に少しずつ報知がなされる。このような態様とすることにより、途中で機種説明デモムービーの再生が終了して内容が途切れた場合でも、遊技者に違和感を与えることなく遊技の内容を報知することができる。
ところで、機種説明デモムービーは、上述したように例えば15~30秒程度の長さで構成されており、例えば1分程度の長さで構成されている客待ちデモムービーと比較して短めである。この長さは、機種説明デモムービーがハンドル検知を契機として再生されるものであり、開始(或いは再開)された遊技において図柄が変動するとそれ以降は画面が切り替わってムービーが再生されなくなることを踏まえ、できるだけムービー全体を再生し切れるように考慮した上で決定されている。また、機種説明デモムービーをこの程度の短い時間で構成することにより、演出例を報知している最中にムービーの再生が終了する(内容が途切れる)ようなケースの発生を極力防止することができる。
なお、上記の構成はあくまで一例として挙げたものであり、一部の内容を変更して構成してもよいし、更なる内容が加えて構成することも可能である。
〔演出図柄停止表示中処理〕
図528は、演出図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS650:演出制御CPU126は、内部状態が時短中(時間短縮状態)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、状態指定コマンドを確認することにより、内部状態を確認することができる。なお、内部状態は、変動パターンコマンドにより確認することもできる(以下、同様)。
その結果、内部状態が時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS652を実行し、内部状態が時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS656を実行する。
ステップS652:演出制御CPU126は、時短最終変動であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、回数切りカウンタコマンドを確認することにより、時短最終変動であるか否かを確認することができる。例えば、第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値が「1」から「0」に切り替わる際の変動であれば、演出制御CPU126は、時短最終変動であると判断することができる。
その結果、時短最終変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS654を実行し、時短最終変動であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS666を実行する。
ステップS654:演出制御CPU126は、擬似時短カウンタに第2特別図柄の記憶数を設定する処理を実行する。擬似時短カウンタはRAM130に記憶されており、例えば、第2特別図柄の記憶数が「0」である場合は、擬似時短カウンタに「0」が設定され、第2特別図柄の記憶数が「1」である場合は、擬似時短カウンタに「1」が設定され、第2特別図柄の記憶数が「4」である場合は、擬似時短カウンタに「4」が設定される。
この処理を終えると、演出制御CPU126はステップS666を実行する。
ステップS656:演出制御CPU126は、滞在背景が通常背景であるか否か、すなわち、液晶表示器42に表示している背景画像が通常モードに対応する背景画像であるか否かを確認する。
その結果、滞在背景が通常背景であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS666を実行し、滞在背景が通常背景であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS658を実行する。
ステップS658:演出制御CPU126は、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であるか否かを確認する。
その結果、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS660を実行し、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であることを確認できない場合(No)、すなわち、擬似時短カウンタの値が0である場合、演出制御CPU126はステップS664を実行する。
ステップS660:演出制御CPU126は、滞在背景を擬似時短背景に設定する処理を実行する。擬似時短背景は、右打ち表示がされないドライブモードの背景である。
このような処理を実行することにより、演出制御CPU126は、時間短縮状態(有利遊技状態)が終了して非時間短縮状態(所定の遊技状態)に移行した場合であっても、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値である場合(特別な条件が満たされている場合)は、時短中演出(有利遊技状態演出)を継続して実行することができる(有利遊技状態演出継続実行手段)。
ステップS662:演出制御CPU126は、擬似時短カウンタを1減算する処理を実行する。
ステップS664:演出制御CPU126は、滞在背景を通常背景に設定する処理を実行する。通常背景は、通常モードの背景である。
ステップS666:演出制御CPU126は、その他処理を実行する。その他処理においては、上述したように、演出制御CPU126は、内部抽選の結果に応じた態様の停止表示演出の内容を制御する。
そして、以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出図柄管理処理(図510)に復帰する。
〔可変入賞装置作動時処理〕
図529は、可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS800:演出制御CPU126は、今回の変動の結果が大当りであったか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、抽選結果コマンドを確認し、大当り時に対応するものであるのか小当り時に対応するものであるのかを確認する。この確認の結果、今回の変動の結果が大当りであった場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS802を実行する。一方、今回の変動の結果が大当りではなかった場合(No)、すなわち、小当りであった場合、演出制御CPU126は次にステップS804を実行する。
ステップS802:演出制御CPU126は、大当り時可変入賞装置作動時処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は大当り遊技開始時から大当り遊技終了時までの間に実行する演出パターンを選択する。
具体的には、演出制御CPU126は、液晶表示器42に表示する大役中演出として、予め演出表示制御装置144(VDP152)の画像ROM154に記憶されている大当り時の演出パターンに関する各種画像データを、当選図柄に応じて読み出す処理を実行する。
ステップS804:演出制御CPU126は、小当り時可変入賞装置作動時処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は小当り開始時から小当り終了時までの間に実行する演出パターンを選択する。
具体的には、演出制御CPU126は、小当り遊技の開始時に小当り遊技が開始したことを示す演出パターン(例えば女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げる演出)を選択し、右打ちを示唆する演出を選択し、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過した場合には、特定領域通過時の演出パターン(自動車に乗っている女性キャラクターがVの文字が描かれたハートマークを掲げる演出)を選択する処理を実行する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(図510)に復帰する。
〔時短中及び擬似時短中その他演出処理〕
図530は、時短中及び擬似時短中その他演出処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ここで、時短中(時短)とは、時間短縮状態であり、擬似時短中(擬似時短)とは、非時間短縮状態において時短中の背景画像を表示している状態(非時間短縮状態でのドライブモード)である。
ステップS850:演出制御CPU126は、内部状態が時短中(時間短縮状態)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、状態指定コマンドを確認することにより、内部状態を確認することができる。
その結果、内部状態が時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS852及びステップS854を実行し、内部状態が時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS856を実行する。
ステップS852:演出制御CPU126は、残りの時短回数に基づく残り回数表示処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、回数切りカウンタコマンドを確認し、第2回数切りカウンタ値に「4」を加えた値を残り回数として表示する演出パターンを選択する処理を実行する。これにより、時短中においては、残り回数表示演出の残り回数として「残り10回~残り5回」又は「残り100回~残り5回」の値が表示される。
ステップS854:演出制御CPU126は、右打ち示唆演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は液晶表示器42の画面上部で右打ち示唆演出に対応する画像を表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS855:演出制御CPU126は、右打ち強調演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、右打ち強調演出を実行する必要が発生した場合、例えば、時間短縮状態に移行したにも関わらず、遊技者が左打ちを継続している場合、液晶表示器42の画面上部で右打ちを強調する演出に対応する画像を表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS856:演出制御CPU126は、内部状態が擬似時短中であるか否かを確認する。演出制御CPU126は、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値である場合に、擬似時短中であると判断することができる。
その結果、内部状態が擬似時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS858を実行し、内部状態が擬似時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は演出制御処理(図508)に復帰する。
ステップS858:演出制御CPU126は、擬似時短カウンタに基づく残り回数表示処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は擬似時短カウンタの値を残り回数として表示する演出パターンを選択する処理を実行する。これにより、擬似時短中においては、残り回数表示演出の残り回数として「残り4回~残り1回(ラスト)」の値が表示される。
そして、以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(図508)に復帰する。
図531は、本実施形態のゲーム性の概要を示す図である。
上述した新規なスタート装置400と以下に示すゲーム性とを掛け合わせたゲーム性により、従来の遊技機で不可能だったゲーム性を実現することができる。
本実施形態では、スタート装置400のスタート装置左始動入賞口454を普通図柄の始動入賞口としており、スタート装置400のスタート装置中始動入賞口452を第1特別図柄の始動入賞口としており、スタート装置400のスタート装置右始動入賞口450を第1特別図柄の始動入賞口としている。
一般的に知られているヘソのような入球口430に入球した遊技球を、2つの第1特別図柄の始動入賞口又は普通図柄の始動入賞口に振り分ける。普通図柄の始動入賞口に遊技球が入球し、普通図柄が当り図柄2の態様で停止表示された場合には、可変始動入賞装置28がロング開放(6.0秒開放)する。
また、1種2種混合機特有の第2特別図柄の小当り確率の甘さ(1/5~1/6程度)を連動させ、「可変始動入賞装置28への入賞(第2特別図柄の記憶)=チャンス状態(激熱)」とすることでジャックポット的な要素を付加している。
このように、通常時に(非時間短縮状態で)、「普通図柄変動→当り図柄2当選→可変始動入賞装置28開放→可変始動入賞装置28入賞→第2特別図柄変動→小当り当選」というゲーム性を付加することにより、第1特別図柄で大当りに該当する場合と、第2特別図柄で大当りする場合とで2種類の演出の見せ方を行うことができる。
また、第1特別図柄で大当りに該当した場合には、時間短縮状態に移行しない当選図柄を設け、第2特別図柄で小当り経由の大当り又は単純な大当りに該当した場合は、時間短縮状態に移行することを確定させるようにすることもできる。これにより、普通図柄変動を契機とする大当りは、プレミアム的な大当りにするなどの差別化を行うことができる。
以上説明したように、上記の実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)第1実施形態によれば、デモ演出の内容、すなわち液晶表示器42の表示、可動体の動作や可動体に設けられたLEDの点灯態様等が3つのデモ状態(待機A、ムービー再生、待機B)及び操作の検知有無に基づいて制御されるため、デモ演出の実行制御を効率よく簡潔に行うことができる。
(2)第1実施形態によれば、デモ状態が「待機A」から「ムービー再生」に更新されるのに伴って客待ちデモムービーの再生が開始され、可動体(7セグ表示装置200)が上昇位置に変位して振動するとともに、可動体に設けられたLED(7セグメントLED)がデモ態様で点灯するため、遊技者に対する訴求力を一段と高めることができ、可動体の動作により遊技者を惹き付けながら客待ちデモムービーに注目させることができる。
(3)第1実施形態によれば、客待ちデモムービーの再生と確定画面の表示との一連の流れを繰り返す過程で操作の検知がなされると、液晶表示器42の画面には確定画面とともに操作インタフェースが表示され、これに伴って可動体が下降位置に変位して静止するとともに可動体に設けられたLEDが消灯するため、操作を行った遊技者、すなわち遊技を開始又は再開したとみられる遊技者に対し、操作インタフェースを可動体に遮蔽されない状態で確実に視認させることができ、遊技に関する設定を行うための操作方法を効果的に案内することができる。また、可動体の位置が変化して確定画面が表示されることで、パチンコ機1で遊技を開始できる状態が整っていることを遊技者に直感的に認識させることができる。
(4)第2実施形態によれば、デモ演出として再生されるデモムービーが2種類用意されており(客待ちデモムービー、機種説明デモムービー)、デモに関する状態や発射ハンドルの操作状況等に応じてデモ演出の内容が制御されるため、実行されるデモ演出が一様になることを防止することができる上に、機種説明デモムービーの再生によって、遊技に関する有益な情報(遊技の特徴やゲーム性等)を遊技者に報知することができる。
(5)第2実施形態によれば、デモに関する状態が2種類のフラグで管理されており(デモ状態フラグ、デモムービー再生許可フラグ)、これらのフラグの内容とタッチセンサ114による検出有無に応じて主制御CPU72から送信されるハンドル検知コマンドの内容とに基づいて、デモ演出として表示/再生される内容が制御されるため、デモ演出の実行制御を効率よく簡潔に行うことができる。
(6)第2実施形態によれば、機種説明デモムービーの再生が終了するとデモ状態が「客待ちデモムービー再生前」にリセットされるため、機種説明デモムービーの再生終了後に確定画面が表示されている間にハンドル検知がなされたとしても、このときは機種説明デモムービーは再生されない。したがって、機種説明デモムービーが確定画面を挟んで連続的に再生されるのを回避することができ、これにより、同じ内容のムービーが仮に連続再生されるとした場合に遊技者に対し与える虞のある不快感や煩わしさを未然に回避することができる。
本発明は上述した実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。実施形態で挙げた演出の態様は例示であり、上述した演出の態様に限定されるものではない。
上述した第1実施形態では、操作の検知がなされてデモ状態が「待機A」に遷移した場合に、操作インタフェースのある待機画面が表示されるが、この構成を一部変形し、先ず操作インタフェースのない待機画面を表示し、そこから所定時間の経過後に操作インタフェースを表示してもよい。
上述した第1実施形態では、デモ演出の内容が3つのデモ状態(待機A、ムービー再生、待機B)及び操作の検知有無に基づいて制御されているが、デモ状態の種類は3つに限定されない。例えば、「待機A」を操作インタフェースの表示有無に応じて2種類の状態(「待機A1」及び「待機A2」)に細分化し、4つのデモ状態(待機A1、待機A2、ムービー再生、待機B)に基づいて制御を行ってもよい。
このような構成とした場合には、先ず「待機A1」に遷移すると、これを契機として待機画面が表示され、「待機A1」の状態で操作の検知がなされないまま所定時間が経過すると「待機A2」に遷移し、これを契機として待機画面に加えて操作インタフェースが表示され、「待機A2」の状態で操作の検知がなされないまま所定時間が経過すると「ムービー再生」に遷移し、これを契機として客待ちデモムービーが再生される。ここで、「ムービー再生」の状態で操作の検知がなされないまま客待ちデモムービーの再生が終了(再生時間が経過)すると、「待機B」に遷移して待機画面が表示され、「待機B」の状態で操作の検知がなされないまま所定時間が経過すると、再び「ムービー再生」に遷移して客待ちデモムービーが再生される。これに対し、「ムービー再生」又は「待機B」の状態で操作の検知がなされると、再び「待機A2」に遷移して待機画面及び操作インタフェースが表示される。そして、上記の流れが繰り返されることで、デモ演出の内容が制御されることとなる。なお、「ムービー再生」又は「待機B」の状態で操作の検知がなされた場合に、「待機A2」に代えて「待機A1」に遷移させ、先ずは操作インタフェースのない待機画面を表示してもよい。
上述した実施形態では、発射ハンドル(グリップユニット16)又は演出切替ボタン45や方向キー66等の各種操作手段の操作が検知された場合に操作検知時処理を実行しているが、これらの操作手段に加えて、球貸ボタン10や返却ボタン12の操作がなされた場合にも同様に、操作検知時処理を実行してもよい。
上述した実施形態では、デモ状態に応じて制御する可動体を7セグ表示装置200としているが、制御する可動体はこれに限定されず、別の可動体の動作をデモ状態に応じて変化させてもよいし、複数の可動体の動作をデモ状態に応じて複合的に変化させてもよい。また、遊技盤ユニット8に設けられた可動体に限定されず、外枠ユニット2又は一体扉ユニット4に設けられた可動構造物を制御の対象としてもよい。また、言うまでもなく、スピーカからの出力内容や各種ランプの点灯態様についてもデモ状態に応じて変化させることが可能である。
上述した実施形態では、いわゆる1種2種混合機に本発明を適用する例で説明したが、いわゆる1種遊技機(特定領域を備えていない遊技機)に本発明を適用してもよい。
また、本発明は、確率変動機能を備える遊技機にも適用することができ、この場合には、いわゆるループタイプ(確変回数に実質的な上限を設定しないタイプ)の遊技機に適用することもでき、STタイプ(確変回数に実質的な上限を設定するタイプ)の遊技機に適用することもできる。
さらに、本発明は、確変領域を有する遊技機に適用することもでき、確変領域を有しない遊技機に適用することもできる。
さらにまた、本発明は、「第1特別図柄及び第2特別図柄の同時回し」を採用していない遊技機に適用することもでき、同時回しを採用している遊技機に適用することもできる。
上述した実施形態では、7セグ表示装置200を備える遊技機の例で説明したが、7セグ表示装置200を備えていない遊技機であってもよい。
また、7セグ表示装置200は、ドラムユニット(例えば、3列のリールを備える装置)に変更してもよく、液晶表示器に変更してもよい。
本発明は、設定付きパチンコ機に適用することもできる。
また、本発明は、性能表示モニタを備えるパチンコ機に適用することもできる。
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。
〔実施形態G〕
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図532は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図533は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図532及び図533を参照しつつパチンコ機1の全体構成について説明する。
〔全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受け皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図532中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図533では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図532に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受け皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受け皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面、遊技盤)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受け皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受け皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1はカードユニットに接続する機種であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受け皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受け皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないカードユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、カードユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではカードユニットに接続する遊技機を例に挙げているが、カードユニットに接続しない遊技機であってもよい。
また、受け皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受け皿ユニット6の右下部には、ハンドルユニット16が設置されている。遊技者はこのハンドルユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面、遊技盤)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受け皿ユニット6の前面部にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニットを取り巻くようにして配置されている。
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54,55が組み込まれている。一方、外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ56が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また、受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45が設置されている。遊技者は、この演出切替ボタン45を押し込み操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
さらに、演出切替ボタン45の周囲には、演出切替ボタン45を取り囲むようにジョグダイアル45aが設置されている(回転型セレクター)。遊技者は、このジョグダイアル45aを回転させることで、例えば液晶表示器42に表示される演出内容を変化させることができる。
〔裏側の構成〕
図533に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。
主制御基板ユニット170には、主制御装置が内蔵されており、主制御装置には、性能表示モニタ200が接続されている。
性能表示モニタ200は、パチンコ機1を裏側から見て、主制御基板ユニット170の左上の領域で視認可能なように主制御装置に配置されており、4つの7セグメントLED201~204を備えている。
性能表示モニタ200(ベース表示装置)は、ベースを表示する。また、性能表示モニタ200は、設定値を表示する。
4つの7セグメントLED201~204は、左右方向に並べて配置されており、それぞれの7セグメントLEDは、10進数のアラビア数字を表示することができる7つのセグメントと、その右下に位置するドットセグメントとによって構成されている。
性能表示モニタ200は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースを通じて、視認可能である。
また、主制御装置には、RAMクリアスイッチ304及び設定キー用鍵穴306が設けられている。RAMクリアスイッチ304は、RAMクリア(RAM76の初期化)、すなわち、主制御装置内に装備されているRAM(RWM)の初期化を行う際に用いられるスイッチである。また、設定キー用鍵穴306は、設定の変更や設定の参照を行う上で必要とされる設定キーを差し込むための鍵穴である。
RAMクリアスイッチ304は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースに形成された貫通孔を通じて押下可能に設けられている。なお、RAMクリアスイッチ304は、透明ケース外に配置されていてもよい。また、設定キー用鍵穴306は、キーシリンダが透明ケースを貫通した状態(透明ケースがキーシリンダの周囲を囲んだ状態)で設けられている。このため、透明ケースが封止されたままの状態で設定キーを差し込み、回転させることが可能である。
RAMクリアスイッチ304は、RAMクリアを行うためのスイッチであり、RAMクリアスイッチ304を押下した状態で電源を投入すると、RAMクリア信号が主制御装置70及び払出制御装置92に入力され、RAMクリア処理が実行される。なお、RAMクリアスイッチ304は、電源制御ユニット162に設けられていてもよい。また、RAMクリア信号を払出制御装置92には入力させず、主制御装置70がRAMクリア信号の入力を受け付けると、主制御装置70が払出制御装置92に対してRAMクリアコマンドを送信する構成としてもよい。
なお、図533に示した性能表示モニタ200やRAMクリアスイッチ304、設定キー用鍵穴306の配置位置は、あくまで一例であり、任意の位置に配置することができる。また、性能表示モニタ200やRAMクリアスイッチ304、設定キー用鍵穴306は、主制御装置の外側に設けられて主制御装置に接続される構成としてもよい。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受け皿ユニット6に向けて案内する。
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
図534は、遊技盤ユニット8を単独で示す正面図である。遊技盤ユニット8は、ベースとなる遊技板8bを備えており、この遊技板8bの前面側に遊技領域8aが形成されている。遊技板8bは、例えば透明樹脂板で構成されており、遊技盤ユニット8が内枠アセンブリ7に固定された状態で、遊技板8bの前面はガラスユニットに平行となる。遊技板8bの前面には、略円形状に設置された発射レール(参照符号なし)の内側に上記の遊技領域8aが形成されている。
遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。
遊技領域8aの左側部分は、第1遊技状態(例えば、低確率非時間短縮状態、左打ち状態等)で使用する第1遊技領域(左打ち領域)である。遊技領域8aの右側部分は、第2遊技状態(例えば、大当り遊技状態、小当り遊技状態、低確率時間短縮状態、高確率時間短縮状態、高確率非時間短縮状態、右打ち状態、小当りラッシュ状態等)で使用する第2遊技領域(右打ち領域)である。
また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に、始動ゲート20、普通入賞口22、中始動入賞口26、右上始動入賞口27、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等が分布して設置されている。
このうち、中始動入賞口26は、遊技領域8aの下部分の中央に配置されている。また、3つの普通入賞口22は、遊技領域8aの左下に配置されている。さらに、始動ゲート20、右上始動入賞口27、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31は、遊技領域8aの右側部分に上からこの順番で配置されている。
遊技領域8a内に発射された遊技球は、その流下の過程で始動ゲート20を通過したり、普通入賞口22、中始動入賞口26、右上始動入賞口27に入球したり、開放動作時の可変始動入賞装置28や開放動作時の第1可変入賞装置30、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする。
遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、主に、普通入賞口22に入球するか、中始動入賞口26に入球する可能性がある。一方、遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、主に、始動ゲート20を通過するか、右上始動入賞口27に入球するか、開放動作時の可変始動入賞装置28に入球するか、開放動作時の第1可変入賞装置30に入球するか、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球する可能性がある。
始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、普通入賞口22、中始動入賞口26、右上始動入賞口27、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31に入球した遊技球は遊技板8b(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通孔を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って右下始動入賞口28bへの入球を可能にする(普通電動役物、特殊電動役物)。可変始動入賞装置28は、左右一対の開閉部材28aを有しており、これらの開閉部材28aは、図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図示のように先端が上を向いた状態で左右の開閉部材28aは閉位置にあり、このとき右下始動入賞口28bへの入球は困難(不能)な状態となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、左右の開閉部材28aはそれぞれ閉位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、可変始動入賞装置28の開口幅を左右に拡大する。この間に右下始動入賞口28bに対しては遊技球の流入が容易な状態となる。なお、可変始動入賞装置28は、開閉部材が盤面より奥に引っ込んだ位置から手前側へ突出した位置に移動する舌片型(ベロタイプ)の装置や、開閉部材の下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むように変位する装置であってもよい。
可変始動入賞装置28は、非時間短縮状態(通常状態)では所定の頻度(例えば、普通図柄抽選における6万分の1の確率)で右下始動入賞口28b(始動入賞口)を開放する開放状態に移行可能であり、時間短縮状態(有利状態)では所定の頻度よりも高い頻度(例えば、普通図柄抽選における略1分の1の確率)で開放状態に移行可能な特殊電動役物である。
第1可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合)に作動し、第1大入賞口30bへの入球を可能にする(特別電動役物、第1特別入球事象発生手段)。なお、第1可変入賞装置30は、小当り時に作動してもよい。
第1可変入賞装置30は、可変始動入賞装置28の下流に配置された装置であり(上アタッカ、大当り用アタッカ、Vアタッカ、確変領域付きのアタッカ)、例えば1つの開閉部材30aを有している。第1可変入賞装置30は、開閉部材30aが盤面の内部にスライドするタイプの装置である(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材30aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材30aの上面を転動することになるため、第1大入賞口30bへの入球は不能(第1大入賞口30bは閉塞中)である。そして、第1可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aが盤面の内部に引き込まれ、第1大入賞口30bを開放する(開放状態)。この間に第1可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない状態となり、第1大入賞口30bへの入球という事象を発生させることができる。
また、第1可変入賞装置30の内部には、第1可変入賞装置30に入球した遊技球を誘導するための誘導通路30cが配置されている。誘導通路30cは、第1大入賞口30bの入口から下方に向かって延びている。
そして、誘導通路30cの上流には、第1カウントスイッチ84が配置されており、誘導通路30cの中流には、確変領域羽根部材30d及び確変領域用孔30eが配置されており、誘導通路30cの下流には、排出口30fが配置されている。
第1可変入賞装置30に入球した遊技球は、最初に第1カウントスイッチ84にて入球したことが検出される。ここで、確変領域羽根部材30dを作動させる確変領域ソレノイドがONとなっている場合には、確変領域羽根部材30dが盤面の前方側に移動して遊技球を確変領域用孔30eに導く。一方、確変領域羽根部材30dを作動させる確変領域ソレノイドがOFFとなっている場合には、確変領域羽根部材30dが盤面の後方側に退避しているため、遊技球は確変領域羽根部材30dの前方側を通り抜けて、排出口30fに向かう。
〔確変領域(特定領域、確率変動機能作動領域)〕
また、確変領域用孔30eの内部には、確変領域(参照符号なし)が設けられている。確変領域は、第1可変入賞装置30が閉鎖状態である場合は遊技球が通過不能な領域であり、第1可変入賞装置30が開放状態である場合であって確変領域羽根部材30dが作動している場合は遊技球が通過可能な領域である。
確変領域羽根部材30dは、大当り遊技中に作動する可能性がある。確変領域羽根部材30dの動作パターンは、ラウンドの開始と同時に短期間(例えば0.1秒)にわたり確変領域を開放し、その後に数秒(2~3秒程度)閉鎖した後に確変領域を長期間(例えば20秒程度)にわたってロング開放するロング開放パターンと、ラウンドの開始と同時に短期間(例えば0.1秒)にわたり確変領域を開放するだけのショート開放するショート開放パターンとのいずれかを適用する。いずれの動作パターンにより確変領域羽根部材30dを動作させるかについては、当選図柄によって選択することができる。具体的には、確変図柄での当選時には確変領域をロング開放するロング開放パターンが選択され、通常図柄での当選時には確変領域をショート開放するショート開放パターンが選択される。
なお、確変領域羽根部材30dの動作パターンは、確変領域羽根部材30dがロング開放するパターンのみを適用し、第1可変入賞装置30がショート開放してラウンドが終了する際には、確変領域羽根部材30dがロング開放する機会を消滅させるようにしてもよい。また、ラウンドの開始と同時に実行される短期開放では遊技球は確変領域羽根部材30dまで到達しないので、この作動によって遊技球が確変領域に導かれることは困難である。
そして、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、大当り遊技の終了後に低確率状態から高確率状態に移行される。なお、この際、非時間短縮状態から時間短縮状態に合わせて移行させてもよい(高確率時間短縮状態)。一方、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、大当り遊技の終了後に低確率状態に移行する。なお、この際、非時間短縮状態から時間短縮状態に合わせて移行させてもよい(低確率時間短縮状態)。
第2可変入賞装置31(アタッカ)は、特別な条件が満たされた場合(特別図柄が小当りの態様で停止表示された場合)に作動し、第2大入賞口31bへの入球を可能にする(特別電動役物、第2特別入球事象発生手段)。なお、第2可変入賞装置31は、大当り時に作動してもよい。
第2可変入賞装置31は、第1可変入賞装置30の下流に配置された装置であり(下アタッカ、小当り用アタッカ)、1つの開閉部材31aを有している。第2可変入賞装置31は、開閉部材31aが盤面の内部にスライドするタイプの装置である(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材31aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材31aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材31aの上面を転動することになるため、第2大入賞口31bへの入球は困難(第2大入賞口31bは閉塞中)である。そして、第2可変入賞装置31が作動すると、開閉部材31aが盤面の内部に引き込まれ、第2大入賞口31bを開放する(開放状態)。この間に第2可変入賞装置31は遊技球の流入が困難ではない状態となり、第2大入賞口31bへの入球という事象を発生させることができる。
また、第2可変入賞装置31の内部には、第2可変入賞装置31に入球した遊技球を内部に誘導するための誘導通路31cが配置されている。誘導通路31cは、2つのルートに分岐しており、各ルートには、それぞれ第2カウントスイッチ85が配置されている。
第2可変入賞装置31に入球した遊技球は、いずれかの第2カウントスイッチ85にて入球が検出され、最終的には、排出口31fに導かれて内部に回収される。
また、第2可変入賞装置31の開閉部材31aの上部には、遊技球の移動する速度を減速するための複数の突起21が配置されている。複数の突起21は、遊技盤ユニットの前後方向(奥行き方向)に対して前方側及び後方側といったように交互に配置されている。
例えば、前方側の突起は、遊技盤ユニットの前方側(例えば、表側透明部材のカバーの裏側の面)に配置されており、後方側の突起は、遊技盤ユニットの後方側(例えば、裏側透明部材のカバーの表側の面)に配置されている。
このように、複数の突起21は、遊技盤ユニット8の前後方向(奥行き方向)に対して交互に配置されているため、無作為に流下する遊技球をジグザグに進行させることができ、遊技球の減速効果を向上させることができる。
なお、複数の突起21は、第2可変入賞装置31の開閉部材31aの上部以外にも、遊技球の減速を必要とする箇所に、適宜配置することができる。
遊技盤ユニット8には、その中央位置に上記の演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品等(図示しないものも含まれる)を備えている。装飾部品はその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。
その他に演出ユニット40の内部には、演出用の可動体40f(例えば炎を模した装飾物)とともに駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。これら可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40kが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40kに案内された遊技球は、その真下にある中始動入賞口26に流入しやすくなる。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、各種入賞口に入球(入賞)しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、普通入賞口22や中始動入賞口26、右上始動入賞口27、右下始動入賞口28b、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
図535は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の左下位置)を拡大して示す正面図である。すなわち遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の左下位置に普通図柄表示装置33及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35及び遊技状態表示装置38が設けられている。
このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0~4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、上記の始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により、対応する第1特別図柄又は第2特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(第1図柄表示手段、第2図柄表示手段)。なお、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0~4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、中始動入賞口26又は可変始動入賞装置28(右下始動入賞口28b)に遊技球が入球するごとに、中始動入賞口26又は可変始動入賞装置28(右下始動入賞口28b)に遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、右上始動入賞口27に遊技球が入球するごとに、右上始動入賞口27に遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で中始動入賞口26又は可変始動入賞装置28(右下始動入賞口28b)に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で右上始動入賞口27に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また、遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b、確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定ランプ38fにそれぞれ対応するLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図536は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0~65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
さらに、主制御装置70には、設定変更装置300、設定キースイッチ302、RAMクリアスイッチ304が設けられている。主制御装置70(主制御CPU72)は、設定変更装置300を動作させることにより設定を変更する。設定変更装置300は、設定を切り替える(特別図柄抽選の当選確率に関する複数段階の設定値をいずれかの設定値に変更可能な)装置であり、パチンコ機1に備えられたRAMクリアスイッチ304等の操作により作動する(設定変更手段)。また、設定とは、作動確率の組み合わせをいう。さらに、作動確率とは、条件装置が作動することとなる(大当り遊技が実行されることとなる)特別図柄の組み合わせが表示される確率をいう。設定キースイッチ302は、設定を切り替える上で必須となる設定キーの回転に伴い、その回転状態を示す信号(ON/OFF)を入力する入力装置である。設定の変更の手順は、様々な手法を採用することができるが、例えば、以下の手順で行うことができる。
(1)まず、パチンコ機1の電源をOFFにする。
(2)ついで、専用キー(ドアキー)でパチンコ機1の扉を開ける。具体的には、専用キーをシリンダ錠6aの鍵穴に差し込んで右方向に回転し、内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4を開放する。
(3)パチンコ機1には、設定キーを挿入するための設定キー用鍵穴306と、RAMクリアスイッチ304とが設けられているため、設定キー用鍵穴306に設定キーを挿入し、設定キーを右方向に回転する。
(4)そして、パチンコ機1の電源をONにする。
(5)これにより、設定キーが変更位置に回転されたことを示す信号(ON)が設定キースイッチ302により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が可能な状態となる。このとき、図示しないロック機構により安全ロックが掛けられる。したがって、設定キーは、元の位置に戻されない限りは抜き取ることが不可能となる。
ここで、設定キーを右方向に回転した状態で、RAMクリアスイッチ304をONにしながら、電源をONにすると、設定値が変更可能な状態となる(設定変更状態)。一方、設定キーを右方向に回転した状態で、RAMクリアスイッチ304をONにせずに、電源をONにすると、設定値が確認可能な状態となる(設定確認状態、設定参照状態)。
(6)設定の変更が可能な状態において、RAMクリアスイッチ304を任意の回数だけ押下することにより、例えば、6段階のうちのいずれかの段階に設定を変更することができる。
設定値は、例えば、性能表示モニタ200や、専用の7セグセグメントLED、遊技状態表示装置38(特別図柄表示装置等)に表示することができる。
(7)スロット機の場合、目的の設定に達したら、レバーON処理が必要になるが、パチンコ機1にはレバーが存在しないため、レバーON処理の代わりの代替処理(例えば、設定キーを左方向に回転する処理、不図示の設定変更確定ボタンをONにする処理等)を実行したり、レバーON処理を省略したりしてもよい。本実施形態では、目的の設定に達したら、設定キーを反時計回りに回転させて元の位置に戻す。この操作により、設定キーが元の位置に戻されたことを示す信号(OFF)が設定キースイッチ302により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が確定する。
(8)そして、設定の変更が確定すると、設定キーを設定キー用鍵穴から抜き取ることができる状態となる。この動作により、性能表示モニタ200や、専用の7セグセグメントLED、遊技状態表示装置38等に設定値を表示している場合には、その表示が消える。
(9)最後に、パチンコ機1の扉を閉める。これにより、設定の変更が完了する。設定の変更が完了すると、通常の遊技が開始される。
設定が変更された場合、主制御CPU72は、変更後の設定値をRAM76の設定値バッファに記憶する。設定値バッファは、バックアップの対象となるメモリ領域とすることができる。
〔設定変更の詳細〕
設定変更の詳細は、以下の通りである。
「設定キーON」、「内枠開放状態」、かつ、「RAMクリアスイッチ押下状態」で電源を投入すると、RAMクリア後、設定変更中の状態(設定変更モード)となる。
設定変更中の状態では、メイン表示器(遊技状態表示装置38に含まれる各種ランプ)の表示はなく、遊技球の発射や遊技球の賞球等は一切できない状態となる。
この場合、性能表示モニタ200の左側2つの7セグメントLED(識別セグ)に「rn.」が表示され、右側2つの7セグメントLED(比率セグ)に「-1」のように設定値が表示される。また、RAMクリアスイッチを押下すると、設定値が1~6の範囲で変化する。
そして、「設定キーOFF」にすると、設定確定となり、比率セグの表示は「空欄(非表示)1」のように「-」のセグが消灯する(非表示となる)。
この状態で、内枠閉鎖となった場合(実際には閉鎖状態が100ms継続した場合)、設定変更中の状態は終了となり、一旦、電源断前の状態に移行してから、遊技可能状態に移行する。
本実施形態では、RAMクリアスイッチ304と設定変更スイッチとを兼用している例で説明しているが、RAMクリアスイッチ304とは別に設定変更スイッチを別途設けてもよい。
〔設定確認の詳細〕
設定確認(設定参照)の詳細は、以下の通りである。
「設定キーON」、「内枠開放状態」、かつ、「RAMクリアスイッチ押下でない状態」で電源を投入すると、設定確認中の状態(設定確認モード)となる。
設定変更中の状態と同様に、設定確認中の状態では、メイン表示器の表示はなく、遊技球の発射や遊技球の賞球等は一切できない状態となる。
この場合、性能表示モニタの左側2つの7セグメントLED(識別セグ)に「rn.」が表示され、右側2つの7セグメントLED(比率セグ)に「空欄(非表示)1」のように設定値が表示される。また、設定確認中の状態では、RAMクリアスイッチを押下しても、設定値は変化しない。
この状態で、「設定キーOFF」、かつ、「内枠閉鎖状態」となった場合(実際には閉鎖状態が100ms継続した場合)、設定確認中の状態は終了となり、一旦、電源断前の状態に移行してから、遊技可能状態に移行する。
なお、本実施形態では、遊技可能状態で設定確認を行うことはできないが、遊技可能状態で設定確認を実行可能にしてもよい。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右下始動入賞口28b)、右上始動入賞口27、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31にそれぞれ対応して中始動入賞口スイッチ80、右下始動入賞口スイッチ82、右上始動入賞口スイッチ83、第1カウントスイッチ84及び第2カウントスイッチ85が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82,83は、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右下始動入賞口28b)、右上始動入賞口27への遊技球の入球を検出するためのものである。また、第1カウントスイッチ84は、第1可変入賞装置30(第1大入賞口)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。なお、2つの第2カウントスイッチ85については、共通のスイッチを用いる構成を例に挙げているが、2つのスイッチを設置して、遊技球の入球を個別に検出してもよい。さらにまた、確変領域スイッチ95aは、第1可変入賞装置30の内部に配置された確変領域を遊技球が通過したことを検出するためのスイッチである。
また、遊技盤ユニット8には、普通入賞口22への遊技球の入球を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、3つの普通入賞口22については、共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば3つの入賞口スイッチを設置して、各普通入賞口22に対する遊技球の入球を個別に検出してもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態では中始動入賞口スイッチ80、右下始動入賞口スイッチ82、右上始動入賞口スイッチ83からの検出信号は遊技者の利益に最も直接的に影響を及ぼす信号であるため、特に中継物を介することなく主制御装置70に送信されており、その他の検出信号はパネル中継端子板87を経由して主制御装置70に送信されている。パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
また、遊技盤ユニット8には、アウトスイッチ99が設けられている。遊技盤ユニット8には、普通入賞口22、中始動入賞口26、右上始動入賞口27、右下始動入賞口28b、第1大入賞口30b、第2大入賞口31b、アウト口32を通過した遊技球を合流させる合流通路が形成されており、この合流通路にアウトスイッチ99が設けられている。アウトスイッチ99は、合流通路を通過する遊技球を検出するものであり、遊技球を検出するたびに検出信号が主制御装置70に入力される。主制御装置70は、アウトスイッチ99から入力される検出信号に基づいて、アウト球の数を計数する。ここで、遊技領域8aに発射された遊技球は、必ず、合流通路を通過してパチンコ機1の外部に排出されることから、アウトスイッチ99は、遊技領域8aに発射された発射球数、つまり、遊技領域8aから排出される排出数(アウト球数)を計数する。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、主制御装置70には、パネル中継端子板87を介して、性能表示モニタ200が接続されている。性能表示モニタ200は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作が制御される。主制御CPU72は、ベースの算出状況に応じて性能表示モニタ200に対する制御信号を出力し、7セグメント201~204の点灯状態を制御する。
なお、性能表示モニタ200は、パネル中継端子板87を介して主制御装置70に接続する例で説明しているが、パネル中継端子板87を介さずに主制御装置70に接続してもよく、主制御装置70の内部の構成として性能表示モニタ200を配置してもよい。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び確変領域の上流の領域にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び確変領域ソレノイド95bが設けられている。これらソレノイド88,90,97,95bは主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31を開閉動作(作動)させたり、確変領域羽根部材30dを可動させたりする。なお、これらソレノイド88,90,97,95bについても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に上記の一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、上記の内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受け皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに、下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受け皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受け皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のハンドルユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がハンドルユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして、発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受け皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のカードユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受け皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに送信される。また、カードユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、カードユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また、演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46~52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
演出制御装置124と上記の主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお、各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46やガラス枠装飾ランプ48,50,52の他に、遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここではガラス枠装飾ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受け皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、ガラス枠装飾ランプ52については受け皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
また、音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、スピーカ54,55,56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46~52やスピーカ54,55,56に印加されている。また、ガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。さらに、ガラス枠電飾基板136には、上記のジョグダイアル45aが接続されており、遊技者がジョグダイアル45aを回転させると、その回転信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aを接続した例を挙げているが、上記の受け皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aは受け皿電飾基板に接続されていてもよい。
その他、遊技盤ユニット8にはパネル電飾基板138が設置されており、このパネル電飾基板138には盤面ランプ53の他に可動体モータ57が接続されている。可動体モータ57は、例えば図示しないリンク機構を介して上記の可動体40fを駆動する。ランプ駆動回路132からの駆動信号は、パネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53及び可動体モータ57にそれぞれ印加される。
上記の液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤ユニット8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、VDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なお、VRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46~53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらに、VDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上記のように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。
図537は、設定値と特別図柄抽選の当選確率との関係を示す図である。
設定値が「1」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/319」である。
設定値が「2」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/313」である。
設定値が「3」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/308」である。
設定値が「4」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/299」である。
設定値が「5」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/291」である。
設定値が「6」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/273」である。
設定値が「1」である場合、特別図柄抽選の当選確率(高確率状態)は、「1/72」である。
設定値が「2」である場合、特別図柄抽選の当選確率(高確率状態)は、「1/70」である。
設定値が「3」である場合、特別図柄抽選の当選確率(高確率状態)は、「1/68」である。
設定値が「4」である場合、特別図柄抽選の当選確率(高確率状態)は、「1/67」である。
設定値が「5」である場合、特別図柄抽選の当選確率(高確率状態)は、「1/65」である。
設定値が「6」である場合、特別図柄抽選の当選確率(高確率状態)は、「1/62」である。
このように、設定値が大きい値であるほど、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、大きな値となっているため、遊技者にとって有利な状況となる。
なお、図示の例では、特別図柄抽選の当選確率は、低確率状態及び高確率状態で設定差を設ける例で説明したが、低確率状態のみ又は高確率状態のみで設定差を設けてもよい。また、設定に関しては、大当り確率だけでなく、小当り確率に設定差を設けてもよい。さらに、その他の項目(例えば、高確率状態への移行率、時間短縮状態への移行率、確変回数、時短回数、特殊変動回数等)に設定差を設けてもよい。
続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、リセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図538及び図539は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1~2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また、主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また、主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、特図先判定演出コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタ値コマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また、主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図539に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97、確変領域ソレノイド95b等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして、主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)、及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図541中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が一巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図541中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、上記のように、本実施形態において大当り決定乱数及び当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図541)を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込管理処理の内容については後述する。
〔電源断発生チェック処理〕
図540は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように普通電動役物ソレノイド88や第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97、確変領域ソレノイド95bに対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また、主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして、主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(図538)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図541は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB~Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A~L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたもの(図539中のステップS120)と同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78及び確変領域スイッチ95aからの通過検出信号や、中始動入賞口スイッチ80、右下始動入賞口スイッチ82、右上始動入賞口スイッチ83、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、中始動入賞口スイッチ80、右下始動入賞口スイッチ82、右上始動入賞口スイッチ83からの入賞検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、中始動入賞口スイッチ80、右下始動入賞口スイッチ82又は右上始動入賞口スイッチ83から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、中始動入賞口スイッチ80、右下始動入賞口スイッチ82又は右上始動入賞口スイッチ83から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS204a:主制御CPU72は、設定変更処理(設定関連処理)を実行する。この処理を実行することにより、主制御CPU72は、設定値を変更する際に実行される設定変更処理又は設定値を確認する際に実行される設定確認処理の少なくとも一方を含む設定関連処理を実行することができる(設定関連処理実行手段)。なお、設定変更状態や設定確認状態でない場合には(通常遊技状態である場合には)、本処理を実行しないようにすることができる。また、通常遊技状態である場合には、ベースを算出し、算出したベースを性能表示モニタ200に表示する処理を実行することができる。主制御CPU72は、遊技球が各入賞口(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)に入球することによって払い出される賞球数を、遊技領域に発射した遊技球の数を示すアウト数(アウトスイッチで検出された遊技球の数)で除算することによりベースを算出することができる(ベース算出手段、ベース関連処理実行手段)。
本処理において設定変更処理(設定関連処理)を実際に実行した場合、主制御CPU72は、サブコマンドとして、「設定関連終了指定コマンド」を生成する処理を実行する。「設定関連終了指定コマンド」には、設定関連処理(設定変更に関する処理又は設定確認に関する処理)が終了したという情報や、設定値の情報を含ませることができる。生成された「設定関連終了指定コマンド」は、演出制御装置124に送信される。
ステップS205,ステップS206a,ステップS206b:主制御CPU72は、割込管理処理中において及び普通図柄遊技処理、第1特別図柄遊技処理及び第2特別図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち普通図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(作動抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
また、第1特別図柄遊技処理(ステップS206a)では、主制御CPU72は第1特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり(第1抽選実行手段、抽選実行手段)、第1特別図柄表示装置34による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31の作動を制御したりする。また、第2特別図柄遊技処理(ステップS206b)では、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり(第2抽選実行手段、抽選実行手段)、第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて第2可変入賞装置31の作動を制御したりする。なお、第1特別図柄遊技処理及び第2特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,81,82,83,84,85,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
主制御CPU72は、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する場合、又は、払い出しを開始してから払い出し中であると予測される時間が経過するまでの期間(例えば数秒間)にわたり、演出制御装置124に対して、遊技球の払い出し中であることを示す払い出し中コマンド送信することができる。
また、主制御CPU72は、賞球払出処理において、演出制御装置124に対して賞球個数の内容を伝達する賞球内容コマンドを出力する。第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31に対応する第1カウントスイッチ84又は第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力された場合、第1利益(遊技球10個分)に対応する賞球内容コマンドを生成する。また、普通入賞口22に対応する入賞口スイッチ86から入賞検出信号が入力された場合、第2利益(遊技球5個分)に対応する賞球内容コマンドを生成する。賞球内容コマンドは、演出制御出力処理(図541中ステップS212)において演出制御装置124に送信される。
〔賞球数及び獲得遊技球数について〕
第1特別図柄の始動口の賞球数及び第2特別図柄の始動口の賞球数は、それぞれ1個以上の規定数に設定されている。また、第1特別図柄の始動口と第2特別図柄の始動口とでは、賞球数を異ならせてもよい。さらに、特別図柄抽選の当選確率や、総獲得遊技球数の期待値(初当りから時間短縮状態が終了するまでの一連の期間に得られる平均出球数)に基づいて、最低賞球数を設定してもよい。さらにまた、特別図柄抽選の当選確率、総獲得遊技球数の期待値、大入賞口の開放回数、大入賞口の開放時間、大入賞口の最大入賞数、大入賞口の賞球数が所定の条件を満たした場合、1回の大当りによる獲得遊技球数が最大の獲得遊技球数の1/4未満となる大当りを設定してもよい。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。ポート出力要求バッファに格納された外部情報信号は、外部端子板160を介してデータ表示装置やホールコンピュータに送信される。
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」~「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」~「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」~「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS209:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、変動時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の普通図柄遊技処理(ステップS205)や第1特別図柄遊技処理(ステップS206a)、第2特別図柄遊技処理(ステップS206b)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお、駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また、主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び確変領域ソレノイド95bの各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS213:そして、主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお、本実施形態では、ステップS205~ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして、主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A~L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図542は、スイッチ入力イベント処理(図541中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS11に進んで普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また、主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして、主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。一方、通過検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS12に進む。
ステップS12:主制御CPU72は、中始動入賞口26に対応する中始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力されたか否か(抽選契機が発生したか否か)を確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS13に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:主制御CPU72は、右下始動入賞口28bに対応する右下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力されたか否か(抽選契機が発生したか否か)を確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS15に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS16に進む。なお、本実施形態では、右下始動入賞口28bは、第2特別図柄に対応する始動口としているが、第1特別図柄に対応する始動口としてもよい。
ステップS16:主制御CPU72は、右上始動入賞口27に対応する右上始動入賞口スイッチ83から入賞検出信号が入力されたか否か(抽選契機が発生したか否か)を確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS17に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の第1大入賞口に対応する第1カウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS19に進んで第1大入賞口カウント処理を実行する。第1大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの第1可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS20に進む。
ステップS20:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の第2大入賞口に対応する第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS21に進んで第2大入賞口カウント処理を実行する。第2大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に第2可変入賞装置31への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22を実行する。
ステップS22:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の内部に設けられた確変領域に対応する確変領域スイッチ95aから検出信号が入力されたか否かを確認する。この検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS23に進んで確変領域通過時処理を実行する。
確変領域通過時処理として、主制御CPU72は、確変領域通過フラグをONにセットする処理を実行する。確変領域通過フラグがONにセットされている場合、主制御CPU72は、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする処理を実行する(高確率状態移行手段、確率変動機能作動手段、有利遊技状態移行手段、特別状態移行手段)。確率変動機能作動フラグのセットは、本処理で実行してもよく、大当り時終了処理で実行してもよい。なお、確変領域通過フラグがONにセットされている場合であっても、リミッタ到達時である場合(例えば大当り遊技開始時のリミッタ回数=1である場合)、主制御CPU72は、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットしないようにすることができる。
確変領域通過フラグは、大当り遊技の終了時にリセットする。また、確率変動機能作動フラグは、次の大当り遊技が開始されるか、大当り遊技の終了後に当選の結果が得られずに特別図柄が所定回数(10000回)変動するとリセットされる。
確変領域通過時処理として、主制御CPU72は、確変領域通過コマンドを生成する。確変領域通過コマンドは、演出制御装置124に送信される。なお、主制御CPU72は、特定の有効時間内(例えば、大当り遊技中に確変領域ソレノイド95bを作動させている時間内)に限って確変領域通過時処理を実行することにしてもよい。一方、検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図541)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図543は、第1特別図柄記憶更新処理の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。ここで、RAM76の乱数記憶領域は、第1特別図柄用の4つのセクションと、第2特別図柄用の4つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図542)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図541中のステップS210)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第1抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして、主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(記憶手段、抽選要素記憶手段)。複数のセクションには順番(例えば第1~第4)が設定されており、現段階で第1~第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2~第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の特別遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37,S38を実行する。大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37,S38をスキップしてステップS38aに進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS37:大当り中以外の場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS32~S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。なお、具体的な処理の内容については別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS38:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS38a:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」~「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」~「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」~「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」~「04H」となったことを表している。なお、上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS39:そして、主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えるか、もしくは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図542)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
図544は、第2特別図柄記憶更新処理の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば4とする)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図542)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図543)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図541中のステップS210)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして、主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第2抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図543)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図543)と同様である。
ステップS44:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段)。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図543)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第2特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(記憶手段、抽選要素記憶手段)。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図543)と同様である。
ステップS45a:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。そして、大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS46,S47を実行する。逆に大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS46,S47をスキップしてステップS48に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、同じく大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS46:大当り中以外である場合(ステップS45a:No)、次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS42~S44でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS47:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS46)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS48:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」~「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお、先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS49:そして、主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して特図先判定演出コマンドや作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置124に対して送信する準備が行われる(記憶数通知手段)。また、以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図542)に復帰する。
〔取得時演出判定処理〕
図545は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理及び第2特別図柄記憶更新処理(図543中のステップS37,図544中のステップS46)においてこの取得時演出判定処理を実行する(先判定実行手段)。上記のように、この処理は第1特別図柄(中始動入賞口26又は可変始動入賞装置28(右下始動入賞口28b)への入球時)、第2特別図柄(右上始動入賞口27への入球時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンド(先判定情報)の下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(図543中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図544中のステップS45)でRAM76に記憶されているものである。
ステップS54:そして、主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段、事前判定手段)。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお、比較値(下限値)は、パチンコ機1における内部抽選の当選確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS80に進む。
ステップS80:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段)。この処理では、主制御CPU72は、はずれ時の変動時間について上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、特に「変動時間短縮機能」の作動時における変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。例えば、現在の状態が「変動時間短縮機能」の作動時であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものである場合、主制御CPU72は「時短中非短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。なお、リーチ変動の場合はさらに、リーチモード乱数から「リーチグループ(リーチの種類)」をも判断し、その結果から変動パターン先判定コマンドを生成することとしてもよい。一方、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「時短中短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。あるいは、現在の状態が「変動時間短縮機能」の非作動時であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものである場合、主制御CPU72は「通常はずれリーチ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。一方、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「通常はずれ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、上記のように演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。なお、この処理において、主制御CPU72は、小当り時の変動パターンについて、上述したはずれ時の処理と同様に変動パターン先判定コマンドを生成してもよい。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は呼び出し元の第1特別図柄記憶更新処理(図543)又は第2特別図柄記憶更新処理(図544)に復帰する。一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS56に進む。
ステップS56:主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされているか否かを確認する。先判定結果による確率状態予定フラグは、未だ変動は開始されていないが、これまで記憶されている大当り決定乱数の中に当選値がある場合にセットされるものである。具体的には、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合、これと組になる大当り図柄乱数が「確変図柄(10ラウンド確変図柄1~3)」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「A0H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、高確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。一方、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合であって、これと組になる大当り図柄乱数が「通常図柄(10ラウンド通常図柄)」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「01H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、通常(低)確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。なお、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値が未だ存在しなければ、フラグ値はリセット(00H)されている。また、確率状態予定フラグの値は、例えばRAM76のフラグ領域に格納されている。なお、ここでは「確率状態予定フラグ」を用いて厳密に事前の当り判定を行う例を挙げているが、単純に現在の確率状態に基づいて事前の当り判定を行う場合、このステップS56と以降のステップS58,ステップS60,ステップS62,ステップS76等を省略してもよい。
主制御CPU72は、未だ確率状態予定フラグがセットされていなければ(ステップS56:No)、次にステップS66を実行する。
ステップS66:この場合、主制御CPU72は次に低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。なお、低確率時用比較値もまた、パチンコ機1における低確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
ステップS68:次に主制御CPU72は、「現在の確率状態フラグ」をロードする。この確率状態フラグは、現在の内部状態が高確率(確変中)であるか否かを表すものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。現在の確率状態が高確率(確変中)であれば、状態フラグとして値「01H」がセットされており、低確率(通常中)であれば、状態フラグの値はリセットされている(「00H」)。
ステップS70:そして、主制御CPU72は、ロードした現在の特別図柄確率状態フラグが高確率を表すものでないか否かを確認し(≠01H)、その結果、高確率を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行する。
ステップS64:主制御CPU72は、高確率時用比較値をセットする。これにより、先のステップS66でセットされた低確率時用比較値が書き換えられることになる。なお、高確率時用比較値は、パチンコ機1における高確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが未だセットされていない場合であって、現在の内部状態が高確率の場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72を実行することになる。これに対し、先のステップS70で現在の確率状態フラグが高確率を表すものでないことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72を実行する。
ステップS72:主制御CPU72は、先のステップS52でロードした乱数が当り値の範囲外であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段)。すなわち、主制御CPU72は状態別でセットした比較値から大当り決定乱数値を減算する。そして、主制御CPU72は、同様にフラグレジスタの値から演算結果が負の値(<0)であるか否かを判別し、その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72は上記のはずれ時変動パターン情報事前判定処理(ステップS80)を実行する。これに対し、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
ステップS74:主制御CPU72は、大当り図柄種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(図543中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図544中のステップS45)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、上記のステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果から大当り種別として「確変図柄」又は「通常図柄」のいずれに該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS76に進む。
ステップS76:そして、主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグの値をセットする。具体的には、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値が「通常図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「01H」をセットする。一方、特別図柄先判定値が「確変図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「A0H」をセットする。これにより、次回以降の処理ではステップS56において「フラグセット済み」と判定されることになる。
ステップS78:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットする。特別図柄先判定値は、例えば「通常図柄」に該当する場合は「01H」がセットされ、「確変図柄」に該当する場合は「A0H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
ステップS79:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り時の変動時間について、上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、例えば大当り時のリーチ変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、上記のように演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされる前(内部初当り前)における手順である。これに対し、先のステップS76を経て確率状態予定フラグがセットされた場合、以下の手順が実行される。ただし、上記のように現在の確率状態だけで事前の当り判定を行う場合、以下のステップS56,ステップS58,ステップS60,ステップS62、及びステップS76を実行する必要はない。
ステップS56:主制御CPU72は、既に確率状態予定フラグに値がセットされていることを確認すると(Yes)、次にステップS58を実行する。
ステップS58:主制御CPU72は、先ず低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。
ステップS60:次に主制御CPU72は、「確率状態予定フラグ」をロードする。確率状態予定フラグは、上記のように直前の先判定結果に基づきそれ以降の先判定において確率状態を予定的に設定するためのものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。直前の先判定結果に基づく確率状態が高確率(確変)に移行する予定であれば、上記のように確率状態予定フラグの値として「A0H」がセットされており、逆に直前の先判定結果に基づく確率状態が低確率(通常)に戻る予定であれば、確率状態予定フラグの値として「01H」がセットされている。
ステップS62:そして、主制御CPU72は、ロードした確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでないか否かを確認し(≠01H)、その結果、高確率の予定を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行し、高確率時用比較値をセットする。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが既にセットされており、その値が高確率を予定するものである場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72以降を実行することになる。これに対し、先のステップS62で確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでなく、通常(低)確率の予定を表すものであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72以降を実行する。これにより本実施形態では、先判定結果に基づくその後の内部状態の変化(通常確率状態→高確率状態、高確率状態→通常確率状態)を考慮した上で、事前の大当り判定を行うことができる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(図543)又は第2特別図柄記憶更新処理(図544)に復帰する。
〔第1特別図柄及び第2特別図柄の並行変動〕
次に、第1特別図柄遊技処理及び第2特別図柄遊技処理の詳細について説明する。本実施形態では、第1特別図柄及び第2特別図柄について、それぞれに対応する内部抽選を別個に実行することで、第1特別図柄表示装置34による第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄表示装置35による第2特別図柄の変動表示とを並行して行うことが可能である(図柄並行変動手段)。このため、本実施形態では、第1特別図柄及び第2特別図柄のそれぞれについて、主制御CPU72による制御上で第1特別図柄遊技処理及び第2特別図柄遊技処理を別個に(1割り込み周期に1回ずつ)実行することとしている。
〔第1特別図柄遊技処理〕
図546は、第1特別図柄遊技処理の手順例を示すフローチャートである。
第1特別図柄遊技処理は、はじめに内部状態フラグが「大役開始(大当り遊技中)」であるか否かを確認する手順(ステップS1000a)を有している。
ステップS1000a:主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する遊技状態(内部状態)が「大役開始(大当り遊技中)」であるか否かを確認する。この確認は、第2特別図柄に関してこれまでに行われた処理の進行状況(第2特別図柄遊技管理ステータスの値)に基づいて行うことができる。本実施形態においてこの確認を行っているのは、他方の第2特別図柄に関して大当り遊技中である場合、第1特別図柄に関する遊技を進行させないこととしているからである。
現時点で、特に第2特別図柄に関して大当り遊技中(第2特別図柄遊技管理ステータスが大当り中の値)でなければ(No)、主制御CPU72は次のステップS1000bの処理を実行する。
また、第1特別図柄遊技処理は、RAM76に記憶されている変動時間計測一時停止中フラグがONであり、かつ、遊技状態が小当り中であるか否かを確認する手順(ステップS1000b)を有している。なお、変動時間計測一時停止中フラグがONである場合は変動時間の計測が一時停止中であることを意味しており、変動時間計測一時停止中フラグがOFFである場合は変動時間の計測が一時停止中でないことを意味している。
ステップS1000b:主制御CPU72は、RAM76に記憶されている変動時間計測一時停止中フラグがONであり、かつ、遊技状態が小当り中であるか否かを確認する。本実施形態においてこの確認を行っているのは、他方の第2特別図柄に関して小当り遊技中であり、かつ、第1図柄が変動中である場合、第1特別図柄の変動時間の計測を一時停止させることとしているからである。
現時点で、変動時間計測一時停止中フラグがONでない、又は、変動時間計測一時停止中フラグがONであったとしても遊技状態が小当り中でなければ(No)、主制御CPU72は次のステップS1000b1以降の処理を実行する。ステップS1000b1~ステップS6000は、それぞれ第1特別図柄遊技処理の根幹となるプログラムモジュールである。主制御CPU72はこれら根幹となるステップS1000b1~ステップS6000の処理を通じて、第1特別図柄に対応する遊技の進行状況を具体的に制御することができる。
一方、変動時間計測一時停止中フラグがONであり、かつ、小当り遊技中である場合(Yes)、主制御CPU72はステップS7000の処理を実行する。
第1特別図柄遊技処理の根幹部分には、特別遊技特別図柄判別フラグ更新処理(ステップS1000b1)、実行選択処理(ステップS1000c)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、大当り時可変入賞装置管理処理(ステップS5000)、小当り時可変入賞装置管理処理(ステップS6000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群が含まれている。ここでは先ず、各処理に沿って第1特別図柄遊技処理の根幹部分に関して基本的な流れを説明する。
ステップS1000b1:主制御CPU72は、特別遊技特別図柄判別フラグ更新処理を実行する。主制御CPU72は、この処理において、第1特別図柄及び第2特別図柄のうちいずれの特別図柄を処理の対象とするかについての処理対象図柄を決定する処理を実行する。ここで、特別遊技特別図柄判別フラグとは、処理対象図柄を特定するフラグであり、RAM76に記憶されている。具体的には、主制御CPU72は、特別遊技特別図柄判別フラグの値に第1特別図柄に対応する値(例えば「0」)を設定する処理を実行する。
ステップS1000c:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000~ステップS6000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、戻り先のアドレスとして第1特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(第1特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ第1特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(第1特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。また、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(第1特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(第1特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は第1特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。具体的には、ここで大当り判定(第1抽選実行手段、抽選実行手段)や変動パターンの決定を行い、大当りの場合はあわせて当選種別の判定を行う。また、当選種別の判定に伴い、主制御CPU72は「時間短縮状態」及び「高確率状態」に関する回数切りカウンタを設定したりする。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番~7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって第1特別図柄の変動表示が行われる。
また、この処理ではスキップ機能を作動させるか否かの判定処理も行われ、先の大当り判定において、例えば、第1特別図柄が大当りの変動中であり、かつ、第2特別図柄が非当選に該当した場合、第2特別図柄に対してスキップ機能が作動される。このスキップ機能の作動により、第2特別図柄の非当選の変動を強制的に終了させる処理が行われる。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより第1特別図柄の停止表示が行われる。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS5000:大当り時可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において大当りの態様で第1特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、第1特別図柄が大当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生する。第1特別図柄に関して大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000c)においてジャンプ先が大当り時可変入賞装置管理処理にセットされ、第1特別図柄の変動表示は行われない。大当り時可変入賞装置管理処理においては、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97が一定時間(例えば29秒間又は10個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば10回)にわたって励磁され、これにより第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で10回あれば、これを「10ラウンド」と総称する。
主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また、主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで第1特別図柄に関して大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ、変動時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる(高確率状態移行手段、時間短縮状態移行手段、低確率時間短縮状態移行手段、高確率非時間短縮状態移行手段)。「高確率状態」では確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常よりも例えば10倍程度に高くなる。また、「時間短縮状態」では変動時間短縮機能が作動し、普通図柄の作動抽選が高確率になり、普通図柄の変動時間が短縮されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長されて開放回数が増加する(いわゆる電チューサポートが行われる)。なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については、制御上でいずれか一方だけに移行する場合もあれば、これら両方に合わせて移行する場合もある。
本実施形態において、「時間短縮状態」とは、変動時間短縮機能が作動することにより、普通図柄又は特別図柄の変動時間が短縮され、普通図柄の作動抽選の当選確率が高確率になり、可変始動入賞装置28の開放時間が延長される状態(開放延長機能作動)を意味している。
また、「非時間短縮状態」とは、変動時間短縮機能が非作動となることにより、普通図柄又は特別図柄の変動時間が短縮されず、普通図柄の作動抽選の当選確率が低確率になり、可変始動入賞装置28の開放時間が延長されない状態(開放延長機能非作動)を意味している。
ステップS6000:小当り時可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において小当りの態様で第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示された場合に選択される。第1特別図柄又は第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から小当り遊技状態に移行する契機が発生する。小当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000c)においてジャンプ先が小当り時可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。小当り遊技では第2可変入賞装置31が所定の開放時間で所定回数にわたり開閉動作する。
ステップS7000:変動時間計測一時停止中処理は、第1特別図柄の変動を停止させずに維持する処理である。主制御CPU72は、第2特別図柄に関して小当り遊技中であり、かつ、第1特別図柄が変動中である場合に、第1特別図柄表示装置34の駆動制御を行う。第1特別図柄表示装置34の駆動制御としては、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番~7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する処理を実行し、これによって第1特別図柄が停止されない状態が維持される。なお、第1特別図柄の変動時間の計測を一時的に停止した場合、小当り遊技の終了後には、変動時間の計測が再開される。なお、主制御CPU72は、第2特別図柄に関して小当り遊技中であると判断しても、第1特別図柄が変動中でない場合には、変動時間計測一時停止中処理を実行しない。また、変動時間の計測は、一時停止ではなく、強制終了であってもよい。
〔第2特別図柄遊技処理〕
図547は、第2特別図柄遊技処理の手順例を示すフローチャートである。
第2特別図柄遊技処理は、はじめに他方の第1特別図柄に関して大当り中であるか否かを確認する手順(ステップS1900a)を有している。
ステップS1900a:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する遊技状態が「大当り遊技中」であるか否かを確認する。この確認もまた、上記のように第1特別図柄遊技管理ステータスの値に基づいて行うことができる。なお、この判定には「小当り遊技中」であるか否かの判定を加えてもよい。
現時点で、第1特別図柄に関して大当り遊技中(第1特別図柄遊技管理ステータスが大当り中の値)でなければ(No)、主制御CPU72は次のステップS1900a1以降の処理を実行する。ステップS1900a1~ステップS6900は、それぞれ第2特別図柄遊技処理の根幹となるプログラムモジュールである。主制御CPU72はこれら根幹となるステップS1900a1~ステップS6900の処理を通じて、第2特別図柄に対応する遊技の進行状況を具体的に制御することができる。
先の第1特別図柄遊技処理において説明したように、第2特別図柄遊技処理の根幹部分についても、特別遊技特別図柄判別フラグ更新処理(ステップS1900a1)、実行選択処理(ステップS1900b)、特別図柄変動前処理(ステップS2900)、特別図柄変動中処理(ステップS3900)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4900)、大当り時可変入賞装置管理処理(ステップS5900)、小当り時可変入賞装置管理処理(ステップS6900)のサブルーチン(プログラムモジュール)群が含まれている。なお、第1特別図柄遊技処理と同様の内容は、説明を適宜省略する。
ステップS1900a1:主制御CPU72は、特別遊技特別図柄判別フラグ更新処理を実行する。主制御CPU72は、この処理において、第1特別図柄及び第2特別図柄のうちいずれの特別図柄を処理の対象とするかについての処理対象図柄を決定する処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、特別遊技特別図柄判別フラグの値に第2特別図柄に対応する値(例えば「1」)を設定する処理を実行する。
ステップS1900b:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2900~ステップS6900のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、戻り先のアドレスとして第2特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
ここでも同様に、いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(第2特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ第2特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(第2特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2900)を選択する。また、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(第2特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3900)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(第2特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4900)を選択する。
ステップS2900:第2特別図柄遊技処理における特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は第2特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う(第2抽選実行手段、抽選実行手段)。
ステップS3900:また、特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。
ステップS4900:第2特別図柄遊技処理における特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力し、これにより第2特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5900:大当り時可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において大当りの態様で第2特別図柄が停止表示された場合に選択される。ここでも同様に、当選種類に応じた態様で第2特別図柄の停止表示態様が決定される。また、主制御CPU72は、大当り時可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の第2可変入賞装置31の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで第2特別図柄に関して大当り遊技(大役)を終了する。
そして、第2特別図柄に関して大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ、変動時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態を変化させる。
ステップS6900:小当り時可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において小当りの態様で第2特別図柄が停止表示された場合に選択される(特殊遊技実行手段)。例えば、第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から小当り遊技状態に移行する契機が発生する。小当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が小当り時可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。小当り遊技では第2可変入賞装置31が所定の開放時間で所定回数にわたり開閉動作する。
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、複数の当選種類として、(1)「10ラウンド確変大当り1」、(2)「10ラウンド確変大当り2」、(3)「10ラウンド確変大当り3」、(4)「10ラウンド通常大当り」が設けられている。なお、10ラウンド以外の大当りを設定してもよい。
上記の当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「10ラウンド確変大当り1」は「10ラウンド確変図柄1」の大当りに対応し、「10ラウンド確変大当り2」は「10ラウンド確変図柄2」の大当りに対応する。また、「10ラウンド確変大当り3」は「10ラウンド確変図柄3」の大当りに対応し、「10ラウンド通常大当り」は「10ラウンド通常図柄」の大当りに対応する。このため以下では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔可変入賞装置の開放動作パターン〕
図548は、可変入賞装置の開放動作パターンを示す図である。各当選図柄に対応する大入賞口及び確変領域の開放について内容を説明する。
〔10ラウンド確変図柄1〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「10ラウンド確変図柄1」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。
この場合、1ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放(例えば29.0秒開放)し、確変領域ソレノイドがONとなって確変領域がロング開放する。このため、遊技球は確変領域を通過する可能性がある。1ラウンド目に第1可変入賞装置30の内部に配置された確変領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する。
また、2ラウンド目~10ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。確変領域ソレノイドはOFFであるため、確変領域は開放しない。
このため、「10ラウンド確変図柄1」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
さらに、「10ラウンド確変図柄1」に該当した場合は、大当り遊技の終了後に、「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する。
このように、「10ラウンド確変図柄1」は、高確率時間短縮状態に移行させる当選図柄である。
〔10ラウンド確変図柄2〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「10ラウンド確変図柄2」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。
この場合、1ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放(例えば29.0秒開放)し、確変領域ソレノイドがONとなって確変領域がロング開放する。このため、遊技球は確変領域を通過する可能性がある。1ラウンド目に第1可変入賞装置30の内部に配置された確変領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する。
また、2ラウンド目~10ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。確変領域ソレノイドはOFFであるため、確変領域は開放しない。
このため、「10ラウンド確変図柄2」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
さらに、「10ラウンド確変図柄2」に該当した場合は、大当り遊技の終了後に、「時間短縮機能」を作動させないことで、「非時間短縮状態」に移行する。
このように、「10ラウンド確変図柄2」は、高確率非時間短縮状態に移行させる当選図柄である。
〔10ラウンド確変図柄3〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「10ラウンド確変図柄3」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。
この場合、1ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放(例えば29.0秒開放)し、確変領域ソレノイドがONとなって確変領域がロング開放する。このため、遊技球は確変領域を通過する可能性がある。1ラウンド目に第1可変入賞装置30の内部に配置された確変領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する。
また、2ラウンド目~10ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。確変領域ソレノイドはOFFであるため、確変領域は開放しない。
このため、「10ラウンド確変図柄3」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
さらに、非時間短縮状態で「10ラウンド確変図柄3」に該当した場合は、大当り遊技の終了後に、「時間短縮機能」を作動させないことで、「非時間短縮状態」に移行する。一方、時間短縮状態で「10ラウンド確変図柄3」に該当した場合は、大当り遊技の終了後に、「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する。
このように、「10ラウンド確変図柄3」は、当選時の遊技状態に応じて、高確率非時間短縮状態又は高確率時間短縮状態に移行させる当選図柄である。
〔10ラウンド通常図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「10ラウンド通常図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。
この場合、1ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。ただし、確変領域ソレノイドはONとなるが、確変領域はロング開放しない。このため、遊技球は確変領域を通過することは困難である。このため、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」は作動されず、「低確率状態」に移行する。
また、2ラウンド目~10ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。確変領域ソレノイドはOFFであるため、確変領域は開放しない。
このため、「10ラウンド通常図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
さらに、「10ラウンド通常図柄」に該当した場合は、大当り遊技の終了後に、「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する。
このように、「10ラウンド通常図柄」は、低確率時間短縮状態に移行させる当選図柄である。
ここで、第1可変入賞装置30の第1大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される。また、第2可変入賞装置31の第2大入賞口も同様に、1ラウンド内に(1回の小当り遊技中に)規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される。
いずれにしても、当選図柄が「いずれかの確変図柄」に該当し、かつ、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過すると、大当り遊技の終了後には、「高確率時間短縮状態」又は「高確率非時間短縮状態」に移行する。一方、当選図柄が「10ラウンド通常図柄」に該当すると、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過することは困難であるため、大当り遊技の終了後には、「低確率時間短縮状態」に移行する。なお、当選図柄が「いずれかの確変図柄」に該当しても、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなければ、大当り遊技の終了後には、「低確率時間短縮状態」又は「低確率非時間短縮状態」に移行する。
また、本テーブルに示す動作パターンにおいては、オープニング時間は共通の「10.0秒」となっており、ラウンド間インターバル時間は共通の「1.5秒」となっており、エンディング時間は共通の「8.0秒」となっている。なお、オープニング時間とは、大当り遊技の開始時に設定される開始時間のことであり、ラウンド間インターバル時間とは、ラウンドとラウンドとの間に設定される待機時間のことであり、エンディング時間とは、大当り遊技の終了時(最終ラウンドが終了した後)に設定される終了時間のことである。ラウンド間インターバル時間は、最終ラウンドにおいても設定される。
〔小当り〕
また、本実施形態では、第2特別図柄の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当り遊技が行われて第2可変入賞装置31が開閉動作する(特例遊技実行手段)。より詳細には、先の特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、小当り遊技(第2可変入賞装置31が作動する遊技)が実行される。このような小当り遊技では、第2可変入賞装置31が所定の開放パターンで動作するため(例えば、0.5秒×1回開放)、第2大入賞口への入賞は一定数発生(平均して1.7個程度発生)する。
なお、小当り遊技が終了しても、「確率変動機能」が作動することはなく、また、「時間短縮機能」が作動することもないので、「高確率状態」や「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない。また、「高確率状態」で小当りに当選しても、その小当り遊技終了後に「高確率状態」が終了することはない。なお、小当り当選によって、「時間短縮状態」を終了させるようにしてもよい。
〔特別図柄変動前処理〕
図549は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。なお、以下に挙げる特別図柄変動前処理の内容は、第1特別図柄遊技処理(図546)及び第2特別図柄遊技処理(図547)において共通とすることができる。ただし、以下の手順を第1特別図柄遊技処理に適用する場合は制御の対象を第1特別図柄とし、第2特別図柄遊技処理に適用する場合は制御の対象を第2特別図柄とすることとする。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2090:先ず主制御CPU72は、RAM76に記憶されている変動時間計測一時停止中フラグがONであるか否かを確認する処理を実行する。
変動時間計測一時停止中フラグがONであると判断した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS2092を実行する。
ステップS2092:主制御CPU72は、停止図柄読出処理を実行する。この処理において、RAM76に退避している停止図柄の情報を読み出す。そして、読み出した停止図柄の情報に基づいて、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2094:主制御CPU72は、残変動時間読出処理を実行する。この処理において、RAM76に退避している変動タイマの値(残りの変動時間の値)を読み出す。そして、主制御CPU72は、読み出した変動タイマの値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
ステップS2096:次に主制御CPU72は、特別図柄再変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の再変動開始フラグをセットする。そして、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する再変動開始コマンドを生成する。この再変動開始コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2098:主制御CPU72は、RAM76に記憶されている変動時間計測一時停止中フラグをOFFにする処理を実行する。これにより、変動時間の計測が一時停止中であるという状況が解除されることになる。
そして、以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000又はステップS3900)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
一方、先のステップS2090にて、変動時間計測一時停止中フラグがONであることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、次にステップS2100を実行する。
ステップS2100:主制御CPU72は、制御対象の特別図柄作動記憶数(第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数)が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。対象図柄の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2150に進む。
ステップS2150:主制御CPU72は、他方の特別図柄作動記憶数が0であるか否かを確認する。すなわち、制御の対象が第1特別図柄であれば、第2特別図柄作動記憶数が0であるか否かを確認し、制御の対象が第2特別図柄であれば、第1特別図柄作動記憶数が0であるか否かを確認する。この確認もまた、特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。そして、他方の特別図柄作動記憶数が0であった場合(Yes)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72は、いずれの始動入賞口にも所定の時間入賞がなかったかを確認し、所定の時間入賞がなかったことを確認した場合、デモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は第1特別図柄遊技処理(図546)又は第2特別図柄遊技処理(図547)に復帰する。なお、復帰時は、各特別図柄遊技処理の末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
一方、他方の特別図柄作動記憶数が0でなかった場合(ステップS2150:No)、主制御CPU72はデモ設定処理を実行することなく第1特別図柄遊技処理(図546)又は第2特別図柄遊技処理(図547)に復帰する。
これに対し、制御対象の特別図柄作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(ステップS2100:Yes)、主制御CPU72は次にステップS2160を実行する。
ステップS2160:主制御CPU72は、他方の特別図柄に関して、大当りフラグ又は小当りフラグに値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグ又は小当りフラグは、内部抽選により大当り又は小当りに該当した際にセットされるフラグであり、大当り遊技の終了又は小当り遊技の終了の際にリセットされる。したがって、この処理における確認は、他方の特別図柄に関する内部抽選の結果が大当り又は小当りに当選しているか否かの確認である。なお、他方の特別図柄の変動表示が実行されていない場合は、大当りフラグ又は小当りフラグがセットされていないため、確認の結果は必然的にNoとなる。また、ここでは、判定内容を「大当り又は小当り」としているが、「大当り」のみ又は「小当り」のみとしてもよい。
この処理において、他方の特別図柄に関する大当りフラグ又は小当りフラグに値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2202を実行する。これに対して、他方の特別図柄に関する大当りフラグ又は小当りフラグに値(01H)がセットされていない場合、すなわち、値が「00H」である場合(No)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)のうち、制御対象の特別図柄に対応する方を読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。また、この処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち制御対象となる方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aのうち、制御対象となる方について記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値(大当り決定乱数値)が含まれるか否かを判断する(第1抽選実行手段、第2抽選実行手段、抽選実行手段)。このとき設定される大当り値の範囲は、低確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なり、高確率状態では低確率状態よりも大当り値の範囲が約10倍程度に拡大される。そして、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグに「01H」をセットする。このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、遊技中に抽選契機が発生すると、現在設定されている設定値に対応する当選確率で特別図柄抽選(所定の抽選)を実行することができる(抽選実行手段)。
ステップS2302:主制御CPU72は、小当り判定処理(内部抽選)を実行する。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。
ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「高確率状態」又は「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。ただし「小当り」は、第2可変入賞装置31を作動させる条件を満たすものとして位置付けられている。読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグに「01H」をセットする。
なお、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが(非当選以外規定手段)、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
ステップS2202:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、先のステップS2200と同様の処理が行われるため、説明は省略する。主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。
一方、小当り判定処理が終了すると(ステップS2302)、主制御CPU72は次にステップS2400を実行する。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402に進み、大当りフラグに値(01H)がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2410を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の小当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404に進む。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「-」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、制御の対象となる特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン決定手段)。変動パターン番号は、制御対象の特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。変動パターンには、非リーチ変動、リーチ変動、スーパーリーチ変動等といった様々な変動パターンが含まれている(大当り時や小当り時も同様)。なお、選択された特別図柄の変動パターンに関する情報は、変動パターンコマンドとして演出制御装置に送信される。
ここで、はずれ時の変動時間は、上記の「高確率状態」や「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「高確率状態」や「時間短縮状態」であるか否かを確認する。例えば「時間短縮状態」であれば、はずれ時の変動時間は短縮された時間(例えば4~12秒程度)に設定される。
また、「時間短縮状態」でなくとも、リーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個~3個)」に基づいて短縮される場合がある。ただし、特殊変動パターンが選択される場合、記憶数によって変動時間は変化しない。はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
本実施形態では、第1特別図柄による内部抽選の結果、非当選に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させてはずれとしたり、「リーチ演出」を発生させずにはずれとしたりする制御を行うこととしている。そして、「はずれ時変動パターン選択テーブル」には、予め複数種類の演出、例えば「非リーチ演出」、「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、非当選に該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出、ストーリーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。
〔第1特別図柄はずれ時変動パターン選択テーブルの例〕
図550は、第1特別図柄はずれ時変動パターン選択テーブル(低確率非時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、第1特別図柄抽選における低確率非時間短縮状態でのはずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「1」~「8」が割り当てられている。
変動パターン番号「1」~「5」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「6」~「8」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。なお、変動パターン選択テーブルは、変動開始時作動記憶数に応じて異なるテーブル内容としてもよい(以下、同様)。
ここで、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンでは、設定される変動時間の長さが大きく異なっている。すなわち、「非リーチ変動パターン」は基本的に短い変動時間(例えば作動記憶数に応じて3.0秒~12.0秒程度)に対応するものであるのに対し、「リーチ変動パターン」はその倍以上の長い変動時間(例えば30秒~150秒程度)に対応するものである。
変動パターンは、擬似連続予告演出が実行される変動パターンである場合もある(以下の変動パターン選択テーブルでも同様)。擬似連続予告演出とは、1回の特別図柄の変動中に、演出図柄が擬似的に1回又は複数回変動する演出である。
ここで、擬似1の変動(擬似1:1回目の擬似的な変動)とは、演出図柄の擬似的な変動が1回実行される変動であり、擬似2の変動(擬似2:2回目の擬似的な変動)とは、演出図柄の擬似的な変動が2回実行される変動である。また、擬似3の変動(擬似3:3回目の擬似的な変動)とは、演出図柄の擬似的な変動が3回実行される変動であり、擬似4の変動(擬似4:4回目の擬似的な変動)とは、演出図柄の擬似的な変動が4回実行される変動である。
そして、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「2」を選択する。
図551は、第1特別図柄はずれ時変動パターン選択テーブル(低確率時間短縮状態・高確率時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、第1特別図柄抽選における低確率時間短縮状態又は高確率時間短縮状態でのはずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「21」~「28」が割り当てられている。
変動パターン番号「21」~「25」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「26」~「28」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「22」を選択する。
図552は、第1特別図柄はずれ時変動パターン選択テーブル(高確率非時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、第1特別図柄における高確率非時間短縮状態でのはずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「41」~「48」が割り当てられている。
変動パターン番号「41」~「48」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応している。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「42」を選択する。
図553は、第2特別図柄はずれ時変動パターン選択テーブル(低確率非時間短縮)を示す図である。
この選択テーブルは、第2特別図柄抽選における低確率非時間短縮でのはずれ時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。
本テーブルでは、すべて同一の変動パターン(変動時間は規定時間(例えば数秒~数時間程度の時間))を設定しており、この選択テーブルでは、予め定められた1つの変動パターン(非リーチはずれ変動パターン51)を選択するテーブル構成としている(変動時間規定手段)。
したがって、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値がいずれの値であっても、変動パターン番号として「51」を選択する。
図554は、第2特別図柄はずれ時変動パターン選択テーブル(低確率時間短縮状態・高確率時間短縮状態・高確率非時間短縮状態)である。
この選択テーブルは、低確率時間短縮状態、高確率時間短縮状態又は高確率非時間短縮状態における第2特別図柄でのはずれ時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。
本テーブルでは、すべて同一の変動パターン(変動時間は例えば0.5~10.0秒程度)を設定しており、この選択テーブルでは、予め定められた1つの変動パターン(非リーチはずれ変動パターン52)を選択するテーブル構成としている。
したがって、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値がいずれの値であっても、変動パターン番号として「52」を選択する。
〔図549:特別図柄変動前処理を参照〕
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、大きく分けて4種類が用意されている。4種類の内訳は、「10ラウンド確変図柄1」、「10ラウンド確変図柄2」、「10ラウンド確変図柄3」及び「10ラウンド通常図柄」である。なお、各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば「10ラウンド確変図柄1」であれば、「10ラウンド確変図柄1a」、「10ラウンド確変図柄1b」、「10ラウンド確変図柄1c」等である。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の選択比率が異なっている。このため主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであるか、第2特別図柄に対応するものであるかによって選択する当選図柄を区別している。
〔第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図555は、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、この第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「30」,「30」,「40」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「10ラウンド確変図柄1」、「10ラウンド確変図柄2」、「10ラウンド通常図柄」が示されている。第1特別図柄に対応する大当り時には、「10ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の30(=30%)であり、「10ラウンド確変図柄2」が選択される割合は100分の30(=30%)であり、「10ラウンド通常図柄」が選択される割合は100分の40(=40%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。
いずれにしても、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」,「02H」,「03H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「10ラウンド確変図柄1」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔確変回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右から2番目のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される確変回数の値が示されている。
〔リミッタ非到達時〕
本実施形態では、「10ラウンド確変図柄1」又は「10ラウンド確変図柄2」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、確変回数は10000回付与される。なお、「10ラウンド確変図柄1」又は「10ラウンド確変図柄2」に該当したものの、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、確変回数は付与されない(0回が付与される)。
〔リミッタ到達時〕
リミッタ到達時は、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過したとしても、確変回数は付与されない。
一方、「10ラウンド通常図柄」に該当した場合、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過することは困難となっているため、確変回数は付与されない。
〔時短回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右カラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数(限度回数)の値が示されている。
〔非時短中(非時間短縮状態)での当選〕
本実施形態では、「10ラウンド確変図柄1」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、時短回数は10000回付与される。なお、「10ラウンド確変図柄1」に該当したものの、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、時短回数は100回付与される。
また、「10ラウンド確変図柄2」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、時短回数は付与されない。これにより小当りラッシュ状態(潜伏確変状態)に移行する。なお、「10ラウンド確変図柄2」に該当したものの、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、時短回数は100回付与される。
一方、「10ラウンド通常図柄」に該当した場合、時短回数は100回付与される。
〔時短中(時間短縮状態)での当選〕
時短中に当選した場合は、通常中に当選した場合と同様の時短回数が付与される。なお、通常中に当選した場合と異なる時短回数を付与してもよい。
〔第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図556は、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、この第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、振分値「100」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、振分値に対応する「10ラウンド確変図柄3」が示されている。第2特別図柄に対応する大当り時においては、「10ラウンド確変図柄3」が選択される割合は100分の100(=100%)である。
今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、MODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「10ラウンド確変図柄3」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔確変回数〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右から2番目のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される確変回数の値が示されている。
〔リミッタ非到達時〕
本実施形態では、「10ラウンド確変図柄3」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、確変回数は10000回付与される。なお、「10ラウンド確変図柄3」に該当したものの、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、確変回数は付与されない。
〔リミッタ到達時〕
リミッタ到達時は、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過したとしても、確変回数は付与されない。
〔時短回数〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右カラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数(限度回数)の値が示されている。
〔非時短中(非時間短縮状態)での当選〕
非時短中(非時間短縮状態)において「10ラウンド確変図柄3」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、時短回数は付与されない。
なお、「10ラウンド確変図柄3」に該当したものの、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、時短回数は100回付与される。また、「10ラウンド確変図柄3」に該当したものの、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、時短回数を付与しないようにしてもよい(時短回数は0回であってもよい)。
〔時短中(時間短縮状態)での当選〕
時短中(時間短縮状態)において「10ラウンド確変図柄3」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、時短回数は10000回付与される。
なお、非時短中及び時短中のいずれであっても、リミッタ到達時は、遊技球が確変領域を通過しても、確変回数が付与されることはないので、時短回数は100回付与される。
図557は、小当りの当選図柄、小当りの当選確率及び小当り遊技の開放パターンを示す図である。
第1特別図柄抽選では、小当りに該当することはない。
第2特別図柄抽選では、小当りに該当する可能性があり、この場合は、当選図柄として小当り図柄が選択される。
第1特別図柄抽選の小当り確率は0であり、第2特別図柄抽選の小当り確率は略1/1(例えば317/319)である。なお、大当り確率は、1/319とすることができる。大当りや小当りの当選確率は、遊技の仕様に応じて適宜変更することができる。第2特別図柄抽選には、はずれを設定することもできる。
第2特別図柄抽選で小当りに該当した場合は、所定の開放パターン(0.5秒×1回開放)に基づいて小当り遊技が実行される。第2可変入賞装置31は、小当りに該当した場合、所定の開放パターンに基づいて第2大入賞口31bを開放する開放状態に移行可能な電動役物となっている。
小当り時の第2可変入賞装置31の開放パターンは、1回開放パターンに限定されるものではなく、2回開放パターンや3回開放パターン等の開放パターンを設定してもよい。
ただし、小当り遊技は、いずれの開放パターンを設定したとしても、一定時間以内(例えば1.8秒以内)に終了する。
〔図549:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
本実施形態では、内部抽選の結果、大当りに該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させて大当りとする制御を行っている。そして、「大当り時変動パターン選択テーブル」には、複数種類の「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、大当りに該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。また、変動時間短縮機能が作動している状態での当選時には、長い変動時間を有する変動パターンを選択せずに、短い変動時間を有する変動パターン(リーチ演出を行わない変動パターン)を選択してもよい。
〔大当り時変動パターン選択テーブルの例〕
図558は、第1特別図柄大当り時変動パターン選択テーブル(低確率非時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、第1特別図柄抽選における低確率非時間短縮状態での当選時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。なお、本実施形態では、大当りの種類(当選図柄)によって変動パターンを区別していないが、それぞれの大当りで専用の変動パターン選択テーブルを用いてもよい(以下、同様)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「61」~「68」が割り当てられている。
変動パターン番号「61」~「68」は、いずれもリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応している。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「62」を選択する。
図559は、第2特別図柄大当り時変動パターン選択テーブル(低確率非時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、第2特別図柄抽選における低確率非時間短縮状態での当選時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「71」~「78」が割り当てられている。
変動パターン番号「71」~「78」は、いずれもリーチ演出が行われずに当りとなる変動パターンに対応している。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「72」を選択する。
図560は、第1特別図柄大当り時変動パターン選択テーブル(低確率時間短縮状態・高確率時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、第1特別図柄抽選における低確率時間短縮状態又は高確率時間短縮状態での当選時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「81」~「88」が割り当てられている。
変動パターン番号「81」~「88」は、いずれもリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応している。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「82」を選択する。
図561は、第2特別図柄大当り時変動パターン選択テーブル(低確率時間短縮状態・高確率時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、第2特別図柄抽選における低確率時間短縮状態又は高確率時間短縮状態での当選時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「91」~「98」が割り当てられている。
変動パターン番号「91」~「98」は、いずれもリーチ演出が行われずに当りとなる変動パターンに対応している。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「92」を選択する。
図562は、第1特別図柄大当り時変動パターン選択テーブル(高確率非時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、第1特別図柄抽選における高確率非時間短縮状態での当選時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。
本テーブルでは、すべて同一の変動パターン(変動時間は例えば0.5~10.0秒程度)を設定しており、この選択テーブルでは、予め定められた1つの変動パターン(非リーチ当り変動パターン101)を選択するテーブル構成としている。
したがって、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値がいずれの値であっても、変動パターン番号として「101」を選択する。
図563は、第2特別図柄大当り時変動パターン選択テーブル(高確率非時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、第2特別図柄抽選における高確率非時間短縮状態での当選時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。
本テーブルでは、すべて同一の変動パターン(変動時間は例えば0.5~10.0秒程度)を設定しており、この選択テーブルでは、予め定められた1つの変動パターン(非リーチ当り変動パターン102)を選択するテーブル構成としている。
したがって、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値がいずれの値であっても、変動パターン番号として「102」を選択する。
〔図549:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。
この処理では、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「10ラウンド確変図柄1」、「10ラウンド確変図柄3(時短中当選に限る)」又は「10ラウンド通常図柄」である場合、主制御CPU72はRAM76のフラグ領域に格納されている遊技状態フラグとしての変動時間短縮機能作動フラグに値(01H)をセットする(時間短縮状態移行手段、変動時間短縮機能作動手段、有利状態移行手段)。
また、ステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時特別図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお、本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
〔小当り時の当選図柄〕
小当り時の当選図柄は「1回開放の小当り図柄」の1種類だけとしてもよく、これ以外に例えば「2回開放の小当り図柄」や「3回開放の小当り図柄」等の別の種類を用意してもよい。内部抽選の結果としての「小当り」は、「2ラウンド(2回開放)以上」の規定にとらわれることなく、「1回開放の小当り図柄」を設けることができる。
ステップS2408:次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン選択手段)。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。なお、本実施形態では小当りの場合にリーチ変動パターンを選択することもできるし、はずれ通常変動時と同等の変動パターンを選択することもできる。
図564は、第2特別図柄小当り時変動パターン選択テーブル(低確率非時間短縮)を示す図である。
この選択テーブルは、第2特別図柄抽選における低確率非時間短縮での小当り時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。
本テーブルでは、すべて同一の変動パターン(変動時間は規定時間(例えば数分~数時間程度の時間))を設定しており、この選択テーブルでは、予め定められた1つの変動パターン(非リーチ小当り変動パターン201)を選択するテーブル構成としている(変動時間規定手段)。
したがって、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値がいずれの値であっても、変動パターン番号として「201」を選択する。
図565は、第2特別図柄小当り時変動パターン選択テーブル(低確率時間短縮状態・高確率時間短縮状態・高確率非時間短縮状態)である。
この選択テーブルは、低確率時間短縮状態、高確率時間短縮状態又は高確率非時間短縮状態における第2特別図柄での小当り時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。
本テーブルでは、すべて同一の変動パターン(変動時間は例えば0.5~10.0秒程度)を設定しており、この選択テーブルでは、予め定められた1つの変動パターン(非リーチ小当り変動パターン202)を選択するテーブル構成としている。
したがって、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値がいずれの値であっても、変動パターン番号として「202」を選択する。
〔図549:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2416:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値管理処理を実行する。この処理において、主制御CPU72は、回数切りカウンタ値の値を更新する処理を実行する。なお、処理の詳細は後述する。また、このような処理は、特別図柄停止表示中処理の中で実行してもよい。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000又はステップS3900)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図546、図547:特別図柄変動中処理〕
特別図柄変動中処理(ステップS3000又はステップS3900)では、主制御CPU72は上記のようにしてセットされた変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして、主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで制御の対象となる特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000又はステップS4900)を次のジャンプ先に設定する。
また、この処理ではスキップ機能を作動させるか否かの判定処理も行われ、先の特別図柄変動前処理の大当り判定又は小当り判定において、一方の特別図柄がはずれの変動中であり、かつ、他方の特別図柄が大当り又は小当りに該当したと判断された場合に、一方の特別図柄に対してスキップ機能が作動される。このスキップ機能の作動により一方の特別図柄の変動表示が強制的に終了する。
〔図546、図547:特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄停止表示中処理(ステップS4000又はステップS4900)では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図549中のステップS2092,ステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
ここで、上記の大当り判定処理(ステップS2300)と小当り判定処理(ステップS2302)の実行条件について簡単に説明する。
〔内部抽選対応表〕
図566は、内部抽選の対応表を示す図である。
内部抽選の対応表には、該当する特別図柄が内部抽選の大当り抽選(大当り判定処理)や小当り抽選(小当り判定処理)を実行する際に、他方の特別図柄の状態に基づいて、実行するか否かが決定されることが表されている。
他方の特別図柄が「大当り変動中(大当りフラグが01Hである際の変動表示中)」である場合、当該特別図柄の内部抽選においては、大当り抽選及び小当り抽選は実行されない。したがって、当該特別図柄の内部抽選における結果は、「はずれ」が該当することになる。
また、同様に、他方の特別図柄が「小当り変動中(小当りフラグが01Hである際の変動表示中)」である場合、当該特別図柄の内部抽選においては、大当り抽選及び小当り抽選は実行しないようにしてもよい。この場合、当該特別図柄の内部抽選における結果は、「はずれ」に該当することになる。なお、「小当り変動中(小当りフラグが01Hである際の変動表示中)」である場合は、大当り抽選及び小当り抽選を実行する方式を採用してもよい。
一方、他方の特別図柄が「はずれ変動中(大当りフラグや小当りフラグが00Hである際の変動表示中)」である場合、当該特別図柄の内部抽選においては、大当り抽選が先ずは実行され、そこで大当りに該当しなければ小当り抽選が実行される。したがって、当該特別図柄の内部抽選における結果は、「大当り」、「小当り」又は「はずれ」のいずれかに該当することになる。なお、はずれ変動中には、変動待ち中や停止表示が含まれる。
このように、一方の特別図柄が「大当り変動中」(又は「小当り変動中」)である場合、他方の特別図柄においては大当り抽選又は小当り抽選が実行されないことになり、結果として、大当り遊技や小当り遊技は実行されない。すなわち、一方の特別図柄が「大当り変動中」(又は「小当り変動中」)である場合、他方の特別図柄については、実質的に大当り又は小当りの無抽選状態となる。
〔回数切りカウンタ値管理処理〕
図567は、回数切りカウンタ値管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に従って説明する。
ステップS2420:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値をロードする処理を実行する。「回数切りカウンタ値」は、「高確率状態」や「時間短縮状態」においてそれぞれのカウンタ値がRAM76の確変カウント領域、時短カウント領域にセットされている。本実施形態では、「高確率非時間短縮状態」に移行させる場合、高確率状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば10000回)に設定されるが、時間短縮状態に関する回数切りカウンタは設定されない。また、「低確率時間短縮状態」に移行させる場合、高確率状態に関する回数切りカウンタは設定されず、時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば100回)に設定される。さらに、「高確率時間短縮状態」に移行させる場合、高確率状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば10000回)に設定され、時間短縮状態に関する回数切りカウンタも所定の数値(例えば10000回)に設定される。
ステップS2422:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、回数切りカウンタ値コマンド(時短回数指定コマンド、特殊回数指定コマンド、ST回数指定コマンド等)を生成してから、主制御CPU72は次にステップS2424を実行する。
ステップS2424:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。
ステップS2426:そして、主制御CPU72は、その減算結果が0であるか否かを判断する。減算の結果、回数切りカウンタの値が0である場合(Yes)、主制御CPU72はステップS2428を実行する。これに対し、回数切りカウンタの値が0でない場合(No)、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図549)に復帰する。
ステップS2428:主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする処理を実行する。本実施形態では、「高確率非時間短縮状態」に移行される場合、高確率状態に関する回数切りカウンタが所定の数値(例えば10000回)に設定されるため、この場合にリセットされるのは、確率変動機能作動フラグだけである。また、「低確率時間短縮状態」に移行される場合、時間短縮状態に関する回数切りカウンタが所定の数値(例えば100回)に設定されるため、この場合にリセットされるのは、変動時間短縮機能作動フラグだけである。なお、「高確率時間短縮状態」に移行される場合、時間短縮状態に関する回数切りカウンタが所定の数値(例えば10000回)に設定され、高確率状態に関する回数切りカウンタも所定の数値(例えば10000回)に設定されるため、この場合にリセットされるのは、確率変動機能作動フラグ及び変動時間短縮機能作動フラグであるが、当選の結果が得られずに特別図柄が10000回変動する状況が発生する確率は極めて低い。
そして、以上の処理を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図549)に復帰する。
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図568は、上記の特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。特別図柄記憶エリアシフト処理の内容は、第1特別図柄の処理と第2特別図柄の処理とにおいて共通とすることができる。ただし、以下の手順を第1特別図柄に適用する場合は制御の対象を第1特別図柄とし、第2特別図柄に適用する場合は制御の対象を第2特別図柄とすることとする。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:先ず主制御CPU72は、制御対象の特別図柄に対応するRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べた通りである。
ステップS2212:また、主制御CPU72は、制御対象の特別図柄について作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、制御対象の特別図柄が第1特別図柄であれば、主制御CPU72は第1特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(-1)し、制御対象の特別図柄が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(-1)する。
ステップS2214:次に主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から、制御対象の特別図柄について「変動開始時作動記憶数」を設定する。
ステップS2216:また、主制御CPU72は、制御対象の特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」~「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。すなわち、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」~「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」~「1」(コマンド表記は「13H」~「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」~「0」(コマンド表記は「12H」~「10H」)となったことを表している。なお、上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。制御対象が第2特別図柄であれば、先行値は第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BCH」)となる。
ステップS2218:そして主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2216でセットした制御対象となる特別図柄についての作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図549)に復帰する。
図569は、特別図柄変動中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。以下に挙げる特別図柄変動中処理の内容は、第1特別図柄遊技処理(図546)及び第2特別図柄遊技処理(図547)において共通とすることができる。すなわち、以下の手順を第1特別図柄遊技処理に適用する場合は制御の対象を第1特別図柄とし、第2特別図柄遊技処理に適用する場合は制御の対象を第2特別図柄とする。
ステップS3100:主制御CPU72は、制御対象の特別図柄について変動タイマの値を減算(割込周期に対応する値をデクリメント)する。
ステップS3200:そして主制御CPU72は、今回減算した変動タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、変動タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ変動表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図546中のステップS1000b又は図547中のステップS1900b)からジャンプして特別図柄変動表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、変動タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は変動表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS3300を実行する。
ステップS3300:主制御CPU72は、制御対象の特別図柄に関して、大当りフラグに値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグに値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS3400を実行する。一方、大当りフラグに値(01H)がセットされていない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS3600を実行する。
ステップS3400:主制御CPU72は、他方の特別図柄が変動表示中であるか否かを確認する。この確認処理は、対象の特別図柄の大当り時の変動表示が終了することに伴い、他方の特別図柄に対してスキップ機能を作動させる(他方のはずれ変動を強制的に終了させる)必要があるか否かを確認するために実行される。そして、他方の特別図柄が変動表示中であることを確認した場合(Yes)、他方の特別図柄に対してスキップ機能を作動させる必要があるとして、主制御CPU72は次にステップS3500を実行する。一方、他方の特別図柄が変動表示中であることを確認できない場合(No)、他方の特別図柄は変動表示されておらず、スキップ機能を作動させる必要がないため、主制御CPU72は次にステップS3600を実行する。
ステップS3500:主制御CPU72は、他方の特別図柄に対してスキップ機能を作動させる処理を実行する。すなわち、主制御CPU72は、他方の特別図柄に関する変動表示を終了させる処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、他方の特別図柄に関する変動タイマの値に0をセットする。
ステップS3600:主制御CPU72は、特別図柄変動終了処理を実行する。この処理では、制御対象の特別図柄の変動表示が終了することに伴い、RAM76のフラグ領域に特別図柄の図柄停止表示中フラグに値(01H)をセットする。また、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000又はステップS4900)を次のジャンプ先に設定する。以上の手順を終えると、第1特別図柄遊技処理(図546)又は第2特別図柄遊技処理(図547)に復帰する。
ここで、本実施形態の遊技機の大当り抽選確率は、以下のように設定されている。
例えば、遊技状態が通常状態(特別図柄抽選の当選確率が低確率状態)である際の大当り確率は319分の1程度に設定されている。また、遊技状態が有利状態(特別図柄抽選の当選確率が高確率状態)である際の大当り確率は100分の1程度に設定されている。
〔スキップ機能及び変動時間計測一時停止機能〕
以下、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35において変動表示を途中で強制的に停止させるスキップ機能と、第1特別図柄表示装置34の変動時間の計測を一時的に停止させる機能について具体的に説明する。
図570は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示の変化を示すタイミングチャートである。
このうち図570中(A)は、「スキップ機能及び変動時間計測一時停止機能未作動例」を示しており、第2特別図柄が大当り時の変動表示中に、第1特別図柄がはずれに対応する変動表示を開始した場合に、スキップ機能及び変動時間計測一時停止機能が作動しない際の各変動表示の変化を示すタイミングチャートである。
また、図570中(B)は、「変動時間計測一時停止機能作動例」を示しており、第2特別図柄が小当り時の変動表示中に、第1特別図柄がはずれに対応する変動表示を開始した場合に、変動時間計測一時停止機能が作動する際の各変動表示の変化を示すタイミングチャートである。
さらに、図570中(C)は、「スキップ機能作動例」を示しており、第2特別図柄がはずれ時の変動表示中に、第1特別図柄が大当りに対応する変動表示を開始した場合に、スキップ機能が作動する各際の各変動表示の変化を示すタイミングチャートである。これら(A)~(C)のタイミングチャートを例に挙げてスキップ機能及び変動時間計測一時停止機能について説明する。
〔図570中(A):各機能未作動例〕
時刻t0におけるそれぞれの特別図柄の状態は、第1特別図柄については変動待ち状態であり、第2特別図柄については大当り時の変動表示中であることを表している。
そして、時刻t1において、第1特別図柄に対応する始動入賞口に遊技球が入賞したことを契機に、第1特別図柄に関する内部抽選が実行され、その内部抽選の結果に基づいて第1特別図柄表示装置34において変動表示が開始される。ここで、第2特別図柄が大当り時の変動表示中であることから、第1特別図柄に関する内部抽選では大当り抽選及び小当り抽選は行われない。したがって、内部抽選の結果ははずれが該当することとなる。図示の例では、第1特別図柄に関する内部抽選の結果としてはずれ(非当選)が選択され、第1特別図柄に関する変動時間がt1~t2間に設定され、変動表示が時刻t2に終了される設定が行われている。具体的には、時刻t1~t2までの時間が第1特別図柄に関する変動タイマにセットされる。変動タイマは変動表示を実行することができる時間を表しており、変動表示を実行した時間だけ変動タイマから減算され、変動タイマが0になった時点で変動表示が終了する。
次に、時刻t2において、第1特別図柄に関する変動タイマが0になったことから、第1特別図柄に関する変動表示が終了し、はずれに対応する態様で第1特別図柄が停止表示する。なお、停止表示した第1特別図柄に関する内部抽選の結果は、非当選であるため、ここでは第2特別図柄に対してスキップ機能が作動しない。したがって、第2特別図柄に関する変動表示は続行される。すなわち、第2特別図柄(大当り時)に関する変動タイマは置き換えられることはない。
以上のように、本実施形態では、一方の特別図柄において大当り時(小当り時でもよい)の変動表示中に、他方の特別図柄に関する始動入賞口に遊技球が入賞したとしても、他方の特別図柄に関する内部抽選のうち大当り抽選は実行していない。すなわち、一方の特別図柄が大当り時の変動表示中である場合、他方の特別図柄については無抽選状態となる。
〔図570中(B):変動時間計測一時停止機能作動例〕
時刻t0におけるそれぞれの特別図柄の状態は、第1特別図柄については変動待ち状態であり、第2特別図柄については小当り時の変動表示中であることを表している。
そして、時刻t1において、第1特別図柄に対応する始動入賞口に遊技球が入賞したことを契機に、第1特別図柄に関する内部抽選が実行され、その内部抽選の結果に基づいて第1特別図柄表示装置34において変動表示が開始される。ここで、第2特別図柄が小当り時の変動表示中であることから、第1特別図柄に関する内部抽選では大当り抽選又は小当り抽選は実行されない。したがって、内部抽選の結果ははずれが該当することとなる。図示の例では、第1特別図柄に関する内部抽選の結果としてはずれが選択され、第1特別図柄に関する変動時間がt1~t2間に設定され、変動表示が時刻t2に終了される設定が行われている。具体的には、時刻t1~t2までの時間が第1特別図柄に関する変動タイマにセットされる。変動タイマは変動表示を実行することができる時間を表しており、変動表示を実行した時間だけ変動タイマから減算され、変動タイマが0になった時点で変動表示が終了する。
ただし、ここでは、時刻t1~t2の間の時刻である時刻txにて、第2特別図柄の小当り時の変動が終了したものとする。そうすると、時刻tx以降に第2特別図柄に関する小当り遊技が実行される。ここでは、仮に、時刻txから時刻t2まで小当り遊技が実行されたものとする。そうすると、変動時間計測一時停止機能が作動し、第1特別図柄の変動時間の計測が一時停止される。そして、時刻t2にて小当り遊技が終了したことを契機として、残りの変動時間の計測が再開される。
以上のように、本実施形態では、一方の特別図柄において小当り時の変動表示中に、他方の特別図柄に関する始動入賞口に遊技球が入賞したとしても、他方の特別図柄に関する内部抽選のうち大当り抽選及び小当り抽選は実行されない。そして、一方の特別図柄による小当り遊技が開始されると、他方の特別図柄の変動時間の計測は一時停止され、その後小当り遊技が終了した後に他方の特別図柄の変動時間の計測が再開される。なお、小当り変動中には、小当り抽選や大当り抽選を行ってもよい。
〔図570中(C):スキップ機能作動例〕
時刻t0におけるそれぞれの特別図柄の状態は、第1特別図柄については変動待ち状態であり、第2特別図柄についてははずれ時の変動表示中であることを表している。
そして、時刻t1において、第1特別図柄に対応する始動入賞口に遊技球が入賞したことを契機に、第1特別図柄に関する内部抽選が実行され、その内部抽選の結果に基づいて第1特別図柄表示装置34において変動表示が開始される。ここで、第2特別図柄がはずれ時の変動表示中であることから、第1特別図柄に関する内部抽選では大当り抽選が先ず実行され、大当りに該当しなかった場合に小当り抽選が行われる。すなわち、第1特別図柄については大当り抽選実行可能な状態であることを表している。したがって、内部抽選の結果は大当り、小当り又ははずれが該当することとなる。なお、第1特別図柄抽選で小当りが選択されない場合は、大当り又ははずれが該当する。図示の例では、第1特別図柄に関する内部抽選の結果として大当りが選択され、第1特別図柄に関する変動時間がt1~t2間に設定され、変動表示が時刻t2に終了される設定が行われている。具体的には、時刻t1~t2までの時間が第1特別図柄に関する変動タイマにセットされる。変動タイマは変動表示を実行することができる時間を表しており、変動表示を実行した時間だけ変動タイマから減算され、変動タイマが0になった時点で変動表示が終了する。
次に、時刻t2において、第1特別図柄に関する変動タイマが0になったことから、第1特別図柄に関する変動表示が終了し、大当りに対応する態様で第1特別図柄が停止表示する。なお、停止表示した第1特別図柄に関する内部抽選の結果が大当りであり、さらに、第2特別図柄に関する変動表示が実行中であることから、スキップ機能が作動する。そして、このスキップ機能の作動により、第2特別図柄に関するはずれ時又は小当り時の変動表示は終了される(強制終了手段)。具体的には、第2特別図柄に関する変動タイマが0に置き換えられる。したがって、設定されていた変動時間はスキップされることになる。なお、スキップされた第2特別図柄に関するはずれ時の変動表示は、図570中(B)の動作例とは異なり、再度実行されることはない。
以上のように、本実施形態では、一方の特別図柄においてはずれ時の変動表示中に、他方の特別図柄に関する始動入賞口に遊技球が入賞すると、他方の特別図柄に関する内部抽選では大当り抽選又は小当り抽選が実行される。すなわち、一方の特別図柄が大当り時又は小当り時の変動表示中ではない場合、他方の特別図柄については大当り抽選又は小当り抽選が可能な状態であることを表している。例えば、上記のように第2特別図柄にはずれ時の変動表示中や第2特別図柄が変動待ち状態である際に、第1特別図柄に対応する始動入賞口に遊技球が入賞すると、第1特別図柄に関する内部抽選のうち先ず大当り抽選が実行され、次に小当り抽選が実行される。また、一方の特別図柄(第2特別図柄)に関するはずれ時又は小当り時の変動表示中に、他方の特別図柄(第1特別図柄)に関する大当り時の変動表示が開始され変動時間経過後に終了した場合、その一方の特別図柄(第2特別図柄)の変動表示はスキップされることとなり、強制的に変動表示を終了させることができる。
〔特別図柄停止表示中処理〕
図571は、特別図柄停止表示中処理(図546中のステップS4000又は図547中のステップS4900)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。以下に挙げる特別図柄停止表示中処理の内容もまた、第1特別図柄遊技処理及び第2特別図柄遊技処理において共通とすることができる。すなわち、以下の手順を第1特別図柄遊技処理に適用する場合は制御の対象を第1特別図柄とし、第2特別図柄遊技処理に適用する場合は制御の対象を第2特別図柄とする。
ステップS4100:主制御CPU72は、制御対象の特別図柄について停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして、主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図546中のステップS1000c又は図547中のステップS1900b)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドを生成する。図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。なお、「停止表示時間終了コマンド」とは、特別図柄の停止表示時間が終了(経過)したことを示すコマンドである。
ステップS4300:主制御CPU72は、小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。
ステップS4603:そして、小当りフラグの値(01H)がセットされていることを確認した場合(ステップS4300:Yes)、主制御CPU72は、他方の特別図柄が変動表示中であるか否かを確認する。この確認処理は、対象の特別図柄の小当り時の変動表示が終了することに伴い、他方の特別図柄に対して変動時間計測一時停止機能を作動させる必要があるか否かを確認するために実行される。
そして、他方の特別図柄が変動表示中であることを確認した場合(Yes)、他方の特別図柄に対して変動時間計測一時停止機能を作動させる必要があるとして、主制御CPU72は次にステップS4604a及びステップS4604bを実行する。一方、他方の特別図柄が変動表示中であることを確認できない場合(No)、他方の特別図柄は変動表示されておらず、変動時間計測一時停止機能を作動させる必要がないとして、主制御CPU72は次にステップS4605を実行する。
ステップS4604a:主制御CPU72は、他方の特別図柄に対して変動時間計測一時停止機能を作動させる処理、すなわち、他方の特別図柄の変動情報を退避する処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、第1特別図柄の変動時間の計測を一時的に停止するために、現時点の変動タイマの値(残りの変動時間の値)及び停止図柄の情報をRAM76に退避する処理を実行する。
ステップS4604b:主制御CPU72は、RAM76に記憶されている変動時間計測一時停止中フラグをONにする処理を実行する(変動時間計測一時停止手段)。これにより、変動時間の計測が一時停止中であるという状況となる。
ステップS4605:主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして小当り時可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4606:そして、主制御CPU72は、制御対象の特別図柄について制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、制御対象の特別図柄について小当り遊技中を表す状態コマンドを生成する。小当り遊技中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4600:次に主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、制御対象の特別図柄についてジャンプテーブルのジャンプ先を「大当り時可変入賞装置管理処理」に設定する。なお、主制御CPU72は、本処理にて各種機能を非作動に設定する処理を実行する。具体的には、確率変動機能を非作動とし、変動時間短縮機能を非作動とする。これにより、特別遊技(大役)が開始される前には、低確率非時間短縮状態に移行されることになる。
ステップS4400:そして、主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、大当り図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、大当り図柄の種類が「10ラウンド確変図柄1~3」又は「10ラウンド通常図柄」である場合、連続作動回数ステータスには「10ラウンド」に対応する値がセットされる。また、主制御CPU72は、制御対象の特別図柄について大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4500:そして、主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の大当り時停止図柄決定処理(図549中のステップS2410)で決定された大当り図柄の種類(停止図柄番号)に基づいて生成することができる。例えば、大当り図柄の種類が「10ラウンド確変図柄1~3」又は「10ラウンド通常図柄」である場合、連続作動回数コマンドは「10ラウンド」を表す値として生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、非当選時の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において小当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
そして、大当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
そして、ステップS4500、ステップS4602又はステップS4606の処理を終えると、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理(図546又は図547)に復帰する。
〔表示出力管理処理〕
図572は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図541中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグ又は変動時間短縮機能作動フラグの値に応じてそれぞれ確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38eの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において確率変動機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は確率変動状態表示ランプ38dに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお、確率変動状態表示ランプ38dは、特別図柄に関する大当り遊技が開始されるまで、もしくは、特別図柄の変動表示が規定回数行われた後に確率変動機能がOFFにされるまで点灯しつづけ、その後非表示に(消灯)切り替えられる。一方、変動時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38eに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。さらに、主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスに応じて発射位置指定ランプ38fの点灯を制御する。この場合、主制御CPU72は、遊技の進行状況(特別遊技管理ステータス等の値や内部状態)に応じて遊技球の発射方向を決定する(発射方向決定手段)。例えば、遊技状態が左打ち遊技状態(低確率非時間短縮状態である場合)には、主制御CPU72は、第1遊技領域(左打ち領域)に遊技球を発射すべきであると決定する。これに対して、遊技状態が右打ち遊技状態(低確率時間短縮状態である場合、高確率時間短縮状態である場合、高確率非時間短縮状態である場合、大当り遊技状態である場合、小当り遊技状態である場合)には、主制御CPU72は、第2遊技領域(右打ち領域)に遊技球を発射すべきであると決定する。そして、主制御CPU72は、遊技状態が右打ち遊技状態であると判断した場合、発射位置指定ランプ38fに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお、この処理において、主制御CPU72は、発射位置指定コマンドを生成する処理を実行する。発射位置指定コマンドには、遊技状態が左打ち遊技状態であるか、遊技状態が右打ち遊技状態であるかを識別する情報が含まれている。生成された発射位置指定コマンドは、演出制御装置に送信される。
また、主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38bの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は上記の連続作動回数ステータスの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38bのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数ステータスの値で指定された大当り図柄に対応するいずれかの表示ランプ38a,38bである。例えば、連続作動回数ステータスの値が「10ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「10ラウンド(10R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。また、本実施形態では、10ラウンド大当り以外の大当りが存在しないが、10ラウンド大当り以外の大当りとして、例えば4ラウンド大当りが存在しており、連続作動回数ステータスの値が「4ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「4ラウンド(4R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。なお、本実施形態のように、大当りとして1種類の大当りしかない場合(10ラウンド大当りしかない場合)、大当り種別表示ランプを点灯させなくてもよい。
〔大当り時可変入賞装置管理処理〕
次に、大当り時可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。
図573は、大当り時可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。大当り時可変入賞装置管理処理は、大当り時遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、大当り時終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:大当り時遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200~ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして大当り時可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大当り時大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大当り時大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大当り時大入賞口開閉動作処理及び大当り時大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
主制御CPU72は、大当り遊技中である場合、演出制御装置124に対して、大当り遊技中であることを示す大当り遊技中コマンド送信することができる。
〔大当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図574は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5204:主制御CPU72は、図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は今回の該当する当選図柄に応じて大入賞口の開放パターン(ラウンドごとの開放回数及び各開放の時間)やラウンド間のインターバル時間、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)、確変領域ソレノイド95bの作動パターン、オープニング時間、エンディング時間を選択する。当選図柄別の大入賞口の開放パターンや確変領域ソレノイド95bの作動パターン、ラウンド間のインターバル時間、オープニング時間、エンディング時間については、図548に示す大当り中の可変入賞装置の動作パターンで説明した通りである。なお、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)は基本的には10個程度であるが、極端な短時間(0.1秒程度)の開放中に入賞が発生することはほとんどない(不能ではないが極めて困難である)。
ステップS5206:主制御CPU72は、先の大当り時停止図柄決定処理(図549中のステップS2410)で選択した大当り時の当選図柄に基づき、今回の大当り遊技における実行ラウンド数を設定する。具体的には、当選図柄として「10ラウンド確変図柄1~3」又は「10ラウンド通常図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を10回に設定する。ここで設定した実行ラウンド数は、プログラム上で対応する値を用いて例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5208:次に主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターン及び確変領域ソレノイド95bの作動パターンに基づき、大当り時開放タイマ及び確変領域タイマ(確変領域の開放時間をカウントするタイマ)を設定する。ここで設定したタイマの値は、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開放時間や確変領域の開放時間となる。なお、大当り時開放タイマ及び確変領域タイマの値として20.0~29.0秒程度の時間が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入球や確変領域の通過が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。一方、大当り時開放タイマ及び確変領域タイマの値として0.1秒が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入球や確変領域の通過が不能ではなくとも、ほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射制御基板セット174による遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5210:そして、主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターン及び確変領域ソレノイド95bの作動パターンに基づき、大当り時インターバルタイマ及び確変領域インターバルタイマ(確変領域を一時的に閉鎖させるための待ち時間をカウントするタイマ)を設定する。ここで設定したタイマの値は、大当り中のラウンド間での待機時間又は確変領域の一時的な閉鎖時間となる。
ステップS5212:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口開閉動作処理に設定し、大当り時可変入賞装置管理処理(図573)に復帰する。
〔大当り時大入賞口開閉動作処理〕
図575は、大当り時大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5301:主制御CPU72は、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認する。具体的には、以下のステップS5314で設定する大入賞口インターバルタイマが既に動作中であるか否かを確認することにより、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認することができる。
その結果、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5314を実行する。一方、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS5302を実行する。
ステップS5302:主制御CPU72は、第1大入賞口又は第2大入賞口を開放させる。具体的には、図548に示す大当り中の可変入賞装置の動作パターンに基づいて、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。
ステップS5303:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図574中のステップS5208)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5303a:主制御CPU72は、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認する。具体的には、以下のステップS5314で設定する確変領域インターバルタイマが既に動作中であるか否かを確認することにより、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認することができる。
その結果、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5314を実行する。一方、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS5304を実行する。
ステップS5304:主制御CPU72は、確変領域開放処理を実行する。具体的には、図548に示す大当り中の可変入賞装置の動作パターンに基づいて、確変領域ソレノイド95bに対して印加する駆動信号を出力する。これにより、確変領域羽根部材30dが開放して、第1可変入賞装置30の内部に配置された確変領域へ遊技球を案内することができる状態となる。
ステップS5305:次に主制御CPU72は、確変領域タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図574中のステップS5208)で設定した確変領域タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5306:続いて主制御CPU72は、大入賞口開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS5307aを実行する。
ステップS5307a:続いて主制御CPU72は、確変領域開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の確変領域タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72はステップS5308を実行する。
一方、確変領域タイマの値が0以下になっている場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5307bを実行する。
ステップS5307b:確変領域閉鎖処理を実行する。具体的には、確変領域ソレノイド95bに対して印加している駆動信号の出力を停止する処理を実行する。これにより、確変領域羽根部材30dが閉鎖して、第1可変入賞装置30の内部に配置された確変領域へ遊技球を案内することができない状態となる。
ステップS5308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31(開放中の第1大入賞口又は第2大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第1カウントスイッチ84又は第2カウントスイッチ85から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS5310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、開放1回(大当り中の1ラウンド)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72はステップS5301~ステップS5310の手順を繰り返し実行する。
ステップS5306で大入賞口開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。
ステップS5312:主制御CPU72は、第1大入賞口又は第2大入賞口を閉鎖させる。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が開放状態から閉鎖状態に移行する。
ステップS5313:主制御CPU72は、確変領域閉鎖処理を実行する。具体的には、確変領域ソレノイド95bに対して印加している駆動信号の出力を停止する処理を実行する。これにより、確変領域羽根部材30dが閉鎖して、第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域へ遊技球を案内することができない状態となる。
ステップS5314:次に主制御CPU72は、インターバルタイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図574中のステップS5210)で設定した大入賞口インターバルタイマ及び確変領域インターバルタイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5315:主制御CPU72は、大入賞口インターバル時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の大入賞口インターバルタイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ大入賞口インターバルタイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理(図574)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大当り時大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5301からジャンプして直にステップS5314を実行する。一方、カウントダウン処理後の大入賞口インターバルタイマの値が0以下になったことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5318を実行する。
ステップS5318:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5320:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、このような開放パターンを採用していない場合には、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定される。したがって、大当り遊技中の各ラウンドでは1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
一方、1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用している場合には、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、ステップS5301~ステップS5320までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5318で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
ステップS5322:主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口閉鎖処理に設定し、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大当り時大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大当り時大入賞口閉鎖処理〕
図576は、大当り時大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大当り時大入賞口閉鎖処理は、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1~15)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の1~15)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大当り時大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、大当り時可変入賞装置管理処理(図573)に復帰する。
主制御CPU72が次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、大当り時遊技プロセス選択処理(図573中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大当り時大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大当り時大入賞口開閉動作処理の実行後は大当り時大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大当り時大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402~ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数(10回)に達するまでの間、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を大当り時終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、大当り時可変入賞装置管理処理(図573)に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は大当り時終了処理が選択されることになる。
〔大当り時終了処理〕
図577は、大当り時終了処理の手順例を示すフローチャートである。この大当り時終了処理は、大当り時の第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5501:主制御CPU72は、大当り時終了時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時終了時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
ステップS5502:次に主制御CPU72は、大当り時終了時間が経過したか否かを確認する。具体的には、大当り時終了時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は大当り時終了時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して大当り時可変入賞装置管理処理(図573)に復帰する。
この後、時間の経過に伴って大当り時終了時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は大当り時終了時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS5503以降を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また、主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で内部状態としての大役終了を宣言する。なお、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値をリセットする。
ステップS5506:次に主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグに値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図549中のステップS2414)でセットされるものである。
ステップS5508:確率変動機能作動フラグに値がセットされている場合(ステップS5506:Yes)、主制御CPU72は確変回数(例えば10000回)を設定する。設定した確変回数の値は、例えばRAM76の確変カウンタ領域に格納されて上記の回数切りカウンタ値となる。ここで設定した確変回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動(内部抽選)を高確率状態で行う上限回数となる。本実施形態では、高確率状態に実質的な上限を設けていないため、確変回数が0回まで減算される確率は低い。なお、確率変動機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5506:No)、主制御CPU72はステップS5508を実行しない。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、変動時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図549中のステップS2414)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、変動時間短縮機能作動フラグに値がセットされている場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時短回数(例えば100回又は10000回)を設定する。設定した時短回数の値は、上記のようにRAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時短回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。なお、変動時間短縮機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512を実行しない。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、変動時間短縮機能作動フラグがONである場合(所定の移行条件が満たされると)、遊技に関して所定の条件(電チューサポートが行われていない状態)が適用される非時間短縮状態(通常状態、非入賞容易状態)と比較して有利な条件(電チューサポートが行われている状態)が適用される時間短縮状態(有利状態、入賞容易状態)に移行させることができる(有利状態移行手段)。
ステップS5513:主制御CPU72は、リミッタ管理処理を実行する。なお、処理の詳細は後述する。
ステップS5514:そして、主制御CPU72は、各種のフラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、確率変動機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「高確率中」を表す状態指定コマンドを生成し、変動時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS5516:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図546中のステップS1000c,図547中のステップS1900b)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理(図573)に復帰する。
〔リミッタ管理処理〕
図578は、リミッタ管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5600:主制御CPU72は、今回の当選がいずれかの確変図柄(10ラウンド確変図柄1~3)での当選であるか否かを確認する。
その結果、今回の当選がいずれかの確変図柄での当選であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS5602を実行する。一方、今回の当選がいずれかの確変図柄での当選であることを確認した場合、主制御CPU72は、ステップS5603aを実行する。
ステップS5602:主制御CPU72は、リミッタ回数をリセット(0にセット)する処理を実行する。ここで、リミッタ回数は、高確率状態に連続して移行させることが可能な連続回数、すなわち、特別遊技(大当り遊技)を連続して実行することが可能な連続回数を示している。なお、本実施形態では、初当りを含めて4回の大当り遊技をワンセットとする遊技仕様を採用しており、リミッタ回数の値は、「0」~「3」のいずれかの値をとる。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、高確率状態に連続して移行させることが可能なリミッタ回数(連続回数)を設定することができる(連続回数設定手段)。
ここで、主制御CPU72は、所定のタイミングにおいて(例えば、変動開始時、変動終了時、大当り開始時、大当り終了時、リミッタ回数更新時等に)、演出制御装置124に、リミッタ回数の値を含むリミッタ回数コマンドを送信することができる。
ステップS5603a:主制御CPU72は、今回の当選が低確率状態での当選であるか否か(当選時の内部状態が低確率非時間短縮状態又は低確率時間短縮状態であるか否か)を確認する。
その結果、今回の当選が低確率状態での当選であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS5603bを実行する。一方、今回の当選が低確率状態での当選であることを確認できない場合(No)、すなわち、今回の当選が高確率状態での当選である場合、主制御CPU72は、ステップS5604を実行する。
ステップS5603b:主制御CPU72は、リミッタ回数設定処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、リミッタ回数に「4」を設定する処理を実行する。なお、制御上、リミッタ回数は一時的に「4」が設定されるが、次の処理で直ぐに減算されて「3」になる。
ステップS5604:主制御CPU72は、リミッタ回数を減算(-1)する処理を実行する。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、内部抽選で当選したことに基づいて、リミッタ回数を更新することができる(連続回数更新手段)。
ステップS5606:主制御CPU72は、「リミッタ回数」の値と、規定値(例えば「0」)とが一致しているか否かを確認する。
その結果、「リミッタ回数」の値と、規定値とが一致していることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS5608を実行する。一方、「リミッタ回数」の値と、規定値とが一致していることを確認できない場合、主制御CPU72は、大当り時終了処理(図577)に復帰する。
ステップS5608:主制御CPU72は、低確率状態への移行処理を実行する。
本処理において、主制御CPU72は、高確率状態(有利遊技状態)への移行に係わる制限を行う規定値到達時処理を実行する(規定値到達時処理実行手段)。
具体的には、主制御CPU72は、確変回数に10000回が設定されていたとしてもその確変回数を0回に設定することにより、高確率状態(有利遊技状態)に移行しない当選図柄に該当したものとする規定値到達時処理(つまり、当選図柄は変更せずに高確率時間短縮状態に移行させない処理)を実行する(規定値到達時処理実行手段)。
規定値到達時処理は、高確率縮状態に移行する当選図柄に該当した場合であっても高確率状態に移行しない当選図柄に該当したものとする処理(つまり、当選図柄を変更する処理)であってもよい。また、規定値到達時処理は、規定値到達時には高確率状態に移行する当選図柄を選択不能とする処理、つまり、高確率状態に移行しない当選図柄だけを選択可能とする処理(大当りの内訳(当選図柄選択テーブルの内訳)を全部高確率状態に移行しない当選図柄とする処理)であってもよい。
これにより、リミッタ到達時には低確率状態に強制的に移行される。
ステップS5610:主制御CPU72は、リミッタ回数をリセットする処理を実行する。これにより、リミッタ回数が「0回」にリセットされる。なお、本処理が実行される場合は、ステップS5604の減算処理において、既にリミッタ回数は「0回」にリセットされているため、本処理を実行しないようにしてもよい。
そして、以上の処理を終えると、主制御CPU72は、大当り時終了処理(図577)に復帰する。
〔小当り時可変入賞装置管理処理〕
次に、小当り時可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。
図579は、小当り時可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。小当り時可変入賞装置管理処理は、小当り時遊技プロセス選択処理(ステップS6100)、小当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS6200)、小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)、小当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS6400)、小当り時終了処理(ステップS6500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS6100:小当り時遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS6200~ステップS6500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして小当り時可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第2可変入賞装置31の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS6200)を選択する。一方、既に小当り時大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)を選択し、小当り時大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として小当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS6400)を選択する。また、設定された連続作動回数にわたって小当り時大入賞口開閉動作処理及び小当り時大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時終了処理(ステップS6500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔小当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図580は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、小当り時に第2可変入賞装置31を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS6212:主制御CPU72は、「小当り時開放パターン」を設定する。本実施形態では、所定の開放パターン(0.5秒×1回開放となる開放パターン)を設定している。なお、「小当り」については「ラウンド」という概念がないことから、「開放パターン」についても「1回目の開放」、「2回目の開放」といった表記となる。
ステップS6214:主制御CPU72は、先のステップS6212で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大入賞口の開放回数を設定する。ここで設定した開放回数は、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS6216:次に主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、第2可変入賞装置31を作動する際の1回あたりの開放時間となる。
ステップS6218:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、小当り時に第2可変入賞装置31を複数回にわたり開閉動作させる際の1回ごとの待機時間となるが、このタイマ値は、開閉部材31aの上面に遊技球が隙間なく並ぶ程度の時間(例えば、2秒程度)に設定される。
ステップS6220:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を小当り時大入賞口開閉動作処理に設定し、小当り時可変入賞装置管理処理(図579)に復帰する。そして、主制御CPU72は、次に小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)を実行する。
主制御CPU72は、小当り遊技中である場合、演出制御装置124に対して、小当り遊技中であることを示す小当り遊技中コマンド送信することができる。
〔小当り時大入賞口開閉動作処理〕
図581は、小当り時大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、小当り時に第2可変入賞装置31の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS6301:主制御CPU72は、インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認する。具体的には、以下のステップS6314で設定するインターバルタイマが既に動作中であるか否かを確認することにより、インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認することができる。
その結果、インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS6314を実行する。一方、インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS6302を実行する。
ステップS6302:主制御CPU72は、第2大入賞口31bを開放させる。具体的には、第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第2可変入賞装置31が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。
ステップS6304:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図580中のステップS6216)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS6306:続いて主制御CPU72は、開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS6308を実行する。
ステップS6308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第2可変入賞装置31(開放中の第2大入賞口31b)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第2カウントスイッチ85から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS6310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、1回の開放で(1回の小当り遊技で)許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は小当り時可変入賞装置管理処理(図579)に復帰する。そして、次に小当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が小当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS6301~ステップS6310の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS6306で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS6310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS6312を実行する。
ステップS6312:主制御CPU72は、第2大入賞口31bを閉鎖させる。具体的には、第2大入賞口ソレノイド97に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、第2可変入賞装置31が開放状態から閉鎖状態に復帰する。
ステップS6314:次に主制御CPU72は、インターバルタイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図580中のステップS6218)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。
ステップS6315:主制御CPU72は、インターバル時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後のインターバルタイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だインターバルタイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は小当り時可変入賞装置管理処理(図579)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで小当り時大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS6301からジャンプして直にステップS6314を実行する。一方、カウントダウン処理後のインターバルタイマの値が0以下になったことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS6316を実行する。
ステップS6316:主制御CPU72は次のジャンプ先を小当り時大入賞口閉鎖処理に設定し、小当り時可変入賞装置管理処理(図579)に復帰する。そして、次に小当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に小当り時大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔小当り時大入賞口閉鎖処理〕
図582は、小当り時大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この小当り時大入賞口閉鎖処理は、第2可変入賞装置31の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS6412:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS6414:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図580中のステップS6214)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS6416を実行する。
ステップS6416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を小当り時大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS6430:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、小当り時可変入賞装置管理処理(図579)に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、小当り時遊技プロセス選択処理(図579中のステップS6100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である小当り時大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、小当り時大入賞口開閉動作処理の実行後に、主制御CPU72は再び小当り時大入賞口閉鎖処理を実行し、実際の開放回数が設定した開放回数(例えば1回や複数回等)に達するまでの間、第2可変入賞装置31の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS6414:Yes)、主制御CPU72は次にステップS6418を実行する。
ステップS6418,ステップS6420:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を小当り時終了処理に設定する。
ステップS6430:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、小当り時可変入賞装置管理処理(図579)に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は小当り時終了処理が選択されることになる。
〔小当り時終了処理〕
図583は、小当り時終了処理の手順例を示すフローチャートである。この小当り時終了処理は、小当り時の第2可変入賞装置31の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS6502:主制御CPU72は、小当り時終了時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時終了時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
ステップS6504:次に主制御CPU72は、小当り時終了時間が経過したか否かを確認する。具体的には、小当り時終了時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は小当り時終了時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して小当り時可変入賞装置管理処理(図579)に復帰する。
この後、時間の経過に伴って小当り時終了時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は小当り時終了時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS6506以降を実行する。
ステップS6506,ステップS6508:主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また、内部状態フラグから「小当り遊技中」を消去して小当り遊技を終了させる。なお、小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS6510:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を小当り時大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS6512:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図546中のステップS1000c,図547中のステップS1900b)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は小当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔ゲームフロー〕
図584は、本実施形態のパチンコ機1で展開されるゲームフローについて説明する図である。
パチンコ機1で遊技を開始する場合、〔F1〕通常モードから遊技が開始される。〔F1〕「通常モード」は、特別図柄抽選の当選確率は「低確率状態」であり、かつ、普通図柄抽選の当選確率は「低確率状態」である(低確率非時間短縮状態)。〔F1〕通常モードでは、中始動入賞口26に遊技球を入球させることにより、第1特別図柄が変動を開始して遊技が進行していく。
〔F1〕通常モードにて、〔F2〕「10ラウンド通常図柄」に当選すると、〔F3〕10ラウンド大当り遊技(ノーマルボーナス演出)が実行され、大当り遊技の終了後に、〔F4〕海岸モードに移行する。
〔F4〕海岸モードは、特別図柄抽選の当選確率は「低確率状態」であり、かつ、普通図柄抽選の当選確率は「高確率状態」である(低確率時間短縮状態)。〔F4〕海岸モードにて、当選の結果が得られずに〔F5〕特別図柄が100回変動すると、〔F1〕通常モードに移行する。
〔F4〕海岸モードでは、可変始動入賞装置28が高頻度で作動し、主に、第2特別図柄が変動する。第2特別図柄抽選では、大当りに該当しなければ、略小当りに該当するが、低確率時間短縮状態である海岸モードでは、可変始動入賞装置28が高頻度で作動することにより、その下流の小当り遊技を実行する第2可変入賞装置31には遊技球がほとんど到達しないようになっている。
〔F1〕通常モードにて、〔F6〕「10ラウンド確変図柄1」に当選すると、〔F7〕10ラウンド大当り遊技(スペシャルボーナス演出)が実行され、大当り遊技の終了後に、〔F8〕花火モードに移行する。
〔F8〕花火モードは、特別図柄抽選の当選確率は「高確率状態」であり、かつ、普通図柄抽選の当選確率は「高確率状態」である(高確率時間短縮状態)。〔F8〕花火モードにおいて、〔F9〕リミッタ到達となると(「10ラウンド確変図柄3」に3回該当して3回の大当り遊技が実行されると)、〔F4〕海岸モードに移行する。
〔F8〕花火モードでは、可変始動入賞装置28が高頻度で作動し、主に、第2特別図柄が変動する。第2特別図柄抽選では、大当りに該当しなければ、略小当りに該当するが、高確率時間短縮状態である花火モードでは、可変始動入賞装置28が高頻度で作動することにより、その下流の小当り遊技を実行する第2可変入賞装置31には遊技球がほとんど到達しないようになっている。
〔F1〕通常モードにて、〔F10〕「10ラウンド確変図柄2」に当選すると、〔F11〕10ラウンド大当り遊技及び小当りラッシュ状態によるプレミアムボーナス演出が実行される。
小当りラッシュ状態は、特別図柄抽選の当選確率は「高確率状態」であり、かつ、普通図柄抽選の当選確率は「低確率状態」である(高確率非時間短縮状態)。プレミアムボーナス演出の実行中に、〔F12〕リミッタ到達となると(「10ラウンド確変図柄3」に3回該当して3回の大当り遊技が実行されると)、〔F4〕海岸モードに移行する。なお、プレミアムボーナス演出の実行中に、〔F12〕リミッタ到達となった場合には、〔F1〕通常モードに移行させるようにしてもよい。
高確率非時間短縮状態では、主に、第2特別図柄が変動するが、可変始動入賞装置28は高頻度で作動しないので、その下流の小当り遊技を実行する第2可変入賞装置31には、遊技球が頻繁に到達するようになっている。
なお、以上のゲームフローに関しては、代表的なゲームフローの一例を示したものであり遊技の流れをすべて網羅しているものではない。
〔演出画像の例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像について、いくつかの例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)を決定し、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、上記のように第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。そこでパチンコ機1では、演出図柄等を用いた変動表示演出を実行している。
通常モードで用いられる演出図柄には、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される。各演出図柄は、例えば数字の「1」~「9」とともにキャラクターが付された絵札をデザインしたものとなっている。ここで、左演出図柄、中演出図柄、及び右演出図柄は、いずれも数字が「9」~「1」の降順に並んだ図柄列を構成している。このような図柄列は、画面上の左領域・中領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
図585は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(結果表示演出)の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄とするが、第2特別図柄でもよい。)が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔変動表示前〕
図585中(A):例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の画面内には3本の演出図柄の列が大きく表示されている。このとき第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄も停止表示された状態にある。
〔記憶数表示演出〕
また、液晶表示器42の画面下部の変動前表示領域X1には、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数を表すマーカ(図中に参照符号M1,M2を付す)が表示されている。これらマーカM1,M2は、それぞれの表示個数が第1特別図柄、第2特別図柄の作動記憶数(第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示数)を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。
また、マーカM1,M2は、視覚的な判別を容易にするため第1特別図柄に対応するマーカM1が例えば円(○)の図形で表示され、第2特別図柄に対応するマーカM2が例えばハートの図形で表示されている。図示の例では、マーカM1が4つとも点灯表示されることで第1特別図柄の作動記憶数が4個であることを表し、マーカM2が全て非表示(破線で示す)となっていることで第2特別図柄の作動記憶数が0個であることを表している。
また、演出図柄の変動表示中、例えば液晶表示器42の画面右上には第4図柄(図中に参照符号Z1,Z2を付す)が表示されている。この第4図柄Z1,Z2は、左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお、第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。第4図柄Z1は、第1特別図柄に対応しており、第4図柄Z2は、第2特別図柄に対応している。
また、第4図柄Z1,Z2については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が例えば「15ラウンド大当り」であれば、それらに対応する態様(例えば赤表示色等)で第4図柄Z1,Z2は停止表示される。なお、第4図柄Z1,Z2は、液晶画面に表示するのではなく、盤面に配置されたLEDで表示してもよい。
〔変動表示演出開始〕
図585中(B):例えば第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される(演出実行手段)。すなわち、第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面内で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールする(流れる)ようにして変動表示演出が開始される。また、マーカM1,M2は、変動開始前は、液晶表示器42の下方部分における帯状部分の変動前表示領域X1に表示されているが、変動開始後は、液晶表示器42の左下部分に表示されている台座画像による変動中表示領域X2に移動して、特別図柄(演出図柄)の変動が停止表示されるまで表示され続ける(当該変動中記憶表示演出)。なお、図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。また、変動表示中、個々の演出図柄が透けた状態で表示(透過表示)されることにより、このとき表示画面内には演出図柄の背景となる画像(背景画像)が視認しやすい状態で表示されている。
この場合の背景画像は、例えば浴衣を着こなした女性キャラクターが長椅子に腰掛け、夕涼みでもするかのようにリラックスしている風景を表現したものである。このような背景画像は、演出上での滞在モードが例えば「通常モード」であることを表現している。本実施形態において「通常モード」は、時間短縮機能が非作動であり、また、確率変動機能も非作動である通常状態に対応するものとする。この他にも演出上で各種のモードが設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている(状態表示演出実行手段)。これらモードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものであったり、「高確率状態」に対応するものであったりする。ここでは特に図示していないが、この後、例えば表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
また、演出図柄の変動表示中、液晶表示器42の画面右上では第4図柄Z1が変動表示されており、第4図柄Z1は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
〔左演出図柄停止〕
図585中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の左側位置に数字の「8」を表す演出図柄が停止したことを表している。なお、ここでは背景画像の図示を省略している(これ以降も同様)。
〔作動記憶数減少時の演出例〕
ここで、先の図585中(B)に示されているように、変動開始に伴って第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動してマーカM1の表示個数が1個分減少されている。例えば、それまでに作動記憶数が4個あったとすると、マーカM1において最も以前(古い)の記憶数表示が1個だけ変動中表示領域X2に移動され、内部抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、第1特別図柄に関して作動記憶数が消費されたということを演出上でも遊技者に教示することができる。
そして、図585中(C)の例においては、記憶順で先頭にあったマーカM1が変動中表示領域X2に移動することにより、変動前表示領域X1での表示が残り3個になったため、画面上に残った3つのマーカM1がそれぞれ1個分ずつ一方向(ここでは左方向)へずれていく演出が行われている。これにより、作動記憶数の変化の前後関係を正確に演出上で表現するとともに、遊技者に対して「作動記憶が消費されて1つ減った」ということや「作動記憶が消費されて特別図柄が変動中である」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
〔右演出図柄停止〕
図585中(D):左演出図柄に続いて、その後に右演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中側位置に数字の「3」を表す演出図柄が停止したことを表している。この時点で既にリーチ状態が発生しないことは確定しているので、今回の変動が非リーチ(通常)変動であるということが見た目上でほとんど明らかとなっている。なお、ここではすべりパターン等によるリーチ変動を除くものとする。「すべりパターン」とは、例えば一旦は数字の「7」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するというものである。あるいは、一旦は数字の「9」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が逆向きに1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するパターンもある。また、その他にも例えば「5」等の全くかけ離れた数字を表す演出図柄が一旦停止した後、画面上にキャラクターが出現して右演出図柄列を再変動させると、数字の「8」を表す演出図柄が停止してリーチに発展するといったパターンもある。
〔停止表示演出〕
図585中(E):第1特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面の中段位置に数字の「1」を表す演出図柄が停止したことを表しており、この場合、演出図柄の組み合わせは「8」-「1」-「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
また、停止表示演出が行われると、変動中表示領域X2に移動して表示を継続していたマーカM1も非表示となる。したがって、遊技者に対して「特別図柄の変動が終了した」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
以上は、1回の変動ごとに演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
また、上述した例は非当選時についてのものであるが、大当り(当選)時には変動表示演出中にリーチ演出が実行された後、停止表示演出において演出図柄が大当りの態様で停止表示される。このとき演出図柄の停止表示態様は、基本的には主制御CPU72によって内部的に選択された当選図柄(第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の停止表示態様)に対応させて選択される。
〔海岸モードの演出例〕
図586は、海岸モードの演出例を示す連続図である。
海岸モードは、「10ラウンド通常図柄」に該当した場合の大当り遊技の終了後等に移行される。海岸モードは、「低確率時間短縮状態」である。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
図586中(A):「海岸モード」の状態で演出図柄の変動表示が行われている。海岸モードの背景画像は、「砂浜」や「海」、「山」等の画像をモチーフとした背景画像となっている。また、液晶表示器42の画面右上では第4図柄Z2が変動表示されている。
図586中(B):そして、今回の変動は、小当りに当選しており、今回の変動が終了したことにより、すべての演出図柄が停止表示されている(「1」-「1」-「5」)。また、第4図柄Z2は、小当りの態様で停止表示されている。
図586中(C):そして、次回の変動が開始される。海岸モードにて大当りに当選した場合は、リーチ演出が実行されて大当りとなる。
〔花火モードの演出例〕
図587は、花火モードの演出例を示す連続図である。
花火モードは、「10ラウンド確変図柄1」に該当した場合の大当り遊技の終了後等に移行される。花火モードは、「高確率時間短縮状態」である。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
図587中(A):「花火モード」の状態で演出図柄の変動表示が行われている。花火モードの背景画像は、夜空に花火が打ち上げられている画像をモチーフとした背景画像となっている。また、液晶表示器42の画面右上では第4図柄Z2が変動表示されている。
図587中(B):そして、今回は小当りに当選しており、今回の変動が終了したことにより、すべての演出図柄が停止表示されている(「2」-「2」-「6」)。また、第4図柄Z2は、小当りの態様で停止表示されている。
図587中(C):そして、次回の変動が開始される。花火モードにて大当りに当選した場合は、リーチ演出が実行されて大当りとなる。
図588~図590は、プレミアムボーナス演出の第1演出例を示す連続図である。
第1演出例は、第1特別図柄の記憶に「10ラウンド通常図柄」に該当する記憶が存在しない場合の演出例である。
プレミアムボーナス演出は、「10ラウンド確変図柄2」や「10ラウンド確変図柄3」の当選に基づく大当り遊技状態と、2つの大当り遊技の間に移行する小当りラッシュ状態(小当りが頻繁に発生する状態)とを利用して、一連の大当りのような演出として実行される。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
図588中(A):初当り時(低確率非時間短縮状態からの大当り時)に「10ラウンド確変図柄2」に該当した場合、大当り遊技の実行中に、プレミアムボーナス演出が実行される。プレミアムボーナス演出では、プレミアムボーナスの文字情報とプレミアムボーナス専用のキャラクター等が表示される。
〔V入賞→保障出球数報知演出の実行〕
図588中(B):「10ラウンド確変図柄2」に該当した場合の1ラウンド目では確変領域がロング開放する。そして、遊技球が確変領域を通過すると、保障出球数報知演出が実行される。図示の例では、保障出球数報知演出として、3000の文字情報を表示する演出が実行されている。保障出球数報知演出が実行されるプレミアムボーナス演出は、連続した大当り遊技が実行されることを示唆する第1大当り演出(第1特別遊技演出、特別遊技演出、示唆特別遊技演出)である。
なお、保障出球数報知演出に代えて又は加えて、小当りラッシュ状態を含んだ一連の演出(例えば、遊技者に有利なゾーン等)に突入することを示唆する報知演出を実行してもよい。
ここで、3000の文字情報は、プレミアムボーナス演出で払い出される最低の遊技球の個数(=1回の大当りによる出球(1000個)×3回分の大当り)を意味している。本実施形態では、リミットを全て消化すると4000個の遊技球が払い出されるが、最後の大当りはエンディングボーナスとしているため、プレミアムボーナス演出では、少なくとも3000個の遊技球が払い出されることになる。
〔保障出球アイコン表示演出〕
図588中(C):保障出球数報知演出に続けて、保障出球アイコン表示演出が実行される。図示の例では、3000の文字情報が表示された保障出球アイコンが表示される。この保障出球アイコンは、画面上に一度大きく表示された後は、獲得出球が3000個に到達するまで、画面の左上に小さく表示され続ける。
なお、保障出球アイコンに代えて又は加えて、遊技者に有利な期間(ゾーン)であることを示唆するアイコンを表示するようにしてもよい。
〔刻み演出〕
図589中(D):プレミアムボーナス演出の実行中に、遊技球が第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)、又は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)に入球すると、遊技球が10個入球するごとに刻み演出が実行される。刻み演出は、001RUSH~999RUSHの表示態様で実行される。1RUSHは、10個の遊技球が大入賞口に入球したこと、すなわち、1ラウンド分の出球に相当する利益が得られたことを意味している。
〔獲得出球表示演出〕
また、表示画面の右下では、獲得出球表示演出が実行されている。図示の例では、「100/3000」の文字情報が表示されている。このような表示により、プレミアムボーナス演出では、3000個の遊技球の獲得が最低限保障されており(分母部分)、現時点までに100個の遊技球が払い出されている(分子部分)ということが表現されている。
図589中(E):刻み演出では、その後、大入賞口に遊技球が10個入球するごとに、002RUSH、003RUSHといったように文字情報の数字部分が更新されていく。
ここで、RUSHの数字部分の更新が、所定期間(時間)に連続して発生した場合には、後の表示(例えば2段階目の表示)を先の表示よりも拡大したり、後の表示の色を先の表示の色とは異なる色にしたりして、遊技者が認識しやすいような表示制御を実行してもよい。
図589中(F):大当り遊技が終了し、第2特別図柄の変動が開始しても、プレミアムボーナス演出は、継続して実行されている。ここでは、第2特別図柄の小当り変動が実行されている。演出図柄は、画面の中央下部で小さく変動表示されている。なお、第4図柄Z2も変動中の状態である。なお、第1特別図柄は停止中の状態である。
図590中(G):第2特別図柄の停止表示に略同期して、演出図柄が小当りの態様で停止表示され、第4図柄Z2も小当りの態様で停止表示される。第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、小当り遊技が開始される。小当り遊技が開始されると、第2可変入賞装置31が開放状態となり、第2大入賞口31bに遊技球を入球させることができる状態となる。そして、第2大入賞口31bに遊技球が入球すると、所定数の遊技球が払い出される。
〔刻み演出〕
ここでも刻み演出が実行されている。図示の例では、刻み演出は、011RUSHの表示態様で実行されている。また、表示画面の右下では、獲得出球表示演出が実行されている。図示の例では、「1100/3000」の文字情報が表示されている。
図590中(H):小当り遊技が終了すると、次変動が開始する。演出図柄及び第4図柄Z2は変動中の状態である。
図590中(I):第2特別図柄の停止表示に略同期して、演出図柄が大当りの態様で停止表示され、第4図柄Z2も大当りの態様で停止表示される。第2特別図柄が大当りの態様で停止表示されると、大当り遊技が開始される。大当り遊技が開始されても、プレミアムボーナス演出は継続して実行される。そして、プレミアムボーナス演出は、リミッタ到達となる最後の大当り遊技の直前の小当りラッシュ状態が終了するまで継続する。
図591は、プレミアムボーナス演出の第2演出例を示す連続図である。
第2演出例は、第1特別図柄の記憶に「10ラウンド通常図柄」に該当する記憶が存在する場合の演出例である。
図591中(A):初当り時(低確率非時間短縮状態からの大当り時)に「10ラウンド確変図柄2」に該当した場合、プレミアムボーナス演出が実行される。
〔V入賞→保障出球数報知演出の非実行〕
図591中(B):「10ラウンド確変図柄2」に該当した場合の1ラウンド目では確変領域がロング開放する。そして、遊技球が確変領域を通過すると、本来であれば、保障出球数報知演出が実行される。しかし、ここでは、第1特別図柄の記憶に「10ラウンド通常図柄」に該当する記憶があるため、保障出球数報知演出(3000の文字情報を表示する演出)は実行されない。保障出球数報知演出が実行されないプレミアムボーナス演出は、連続した大当り遊技が実行されることを示唆しない第2大当り演出(第2特別遊技演出、特別遊技演出、非示唆特別遊技演出)である。
〔その他の演出〕
図591中(C):この場合、保障出球アイコン表示演出や、獲得出球表示演出も実行しないようにすることができる。
図592及び図593は、プレミアムボーナス演出に関するその他の演出例を示す連続図である。
図592中(A):プレミアムボーナス演出の状態(小当りラッシュ状態)で遊技が進行している。画面の左上には、保障出球アイコンが表示され、画面の右下には獲得出球が表示されている(2900/3000)。
図592中(B):ここで、獲得出球が3000個に到達したものとする(3000/3000)。この場合、画面の左上の保障出球アイコンは非表示となる。保障出球アイコンの表示中は、保障期間が継続しているため、プレミアムボーナス演出が終了することはないが、保障出球アイコンが非表示になると、保障期間が終了するため、プレミアムボーナス演出は、いつ終了するか不明な状態(いつ終了してもおかしくない状態)となる。
〔特殊キャラクター表示演出〕
図592中(C)(D):保障出球アイコンが非表示になると、特殊キャラクターが表示される演出が実行される場合がある。図593中(C)に示すように、女性キャラクターが表示されると、少なくとも「5RUSH分(5ラウンド分のラウンド遊技)」が残存していることが確定する。また、図593中(D)に示すように、男性キャラクターが表示されると、少なくとも「8RUSH分(8ラウンド分のラウンド遊技)」が残存していることが確定する。
例えば、刻み演出を契機にして、男性キャラクターや女性キャラクターが表示されると、保障期間が継続するため(少なくとも5ラウンド分又は8ラウンド分は継続するため)、プレミアムボーナスが、第2又は第3のプレミアムボーナスへと次の段階へ進む(発展する、物語が進展する等)ように演出表示してもよい。
図593中(E):そして、初当りを含めて4回目の大当りに当選したものとする。演出図柄及び第4図柄Z2は、大当りの態様で停止表示されている。
図593中(F):この場合、エンディングボーナス演出が実行される。エンディングボーナス演出は、プレミアムボーナス演出が終了した後に実行される演出であり、リミッタ到達時の大当り遊技の実行中(最後の大当り遊技の実行中)に実行される。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した各種演出は、いずれも以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
図594は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs~数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、特殊ボーナス演出管理処理(ステップS403)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば特図先判定演出コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、回数切りカウンタ値コマンド、変動パターン先判定コマンド、停止表示時間終了コマンド、発射位置指定コマンド、払い出し中コマンド、大当り遊技中コマンド、小当り遊技中コマンド、賞球内容コマンド、設定関連終了指定コマンド、確変領域通過コマンド、リミッタ回数コマンド等がある。
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御CPU126は、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド等を参照しながら、記憶マーカ等を用いた記憶表示演出の実行を制御する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に基づいて演出図柄や第4図柄を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作時の演出内容を制御したりする(演出実行手段)。また、この処理において、演出制御CPU126は各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出等)の演出パターンを選択する。
ステップS403:特殊ボーナス演出管理処理では、演出制御CPU126は、特殊ボーナス演出(プレミアムボーナス演出、エンディングボーナス演出)の内容を制御する。なお、処理の詳細は、後述する。
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(演出実行手段)。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46~52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば演出制御CPU126は可動体40fの駆動用ICに対して制御信号を出力する。可動体40fは可動体モータ57を駆動源として動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う。
〔作動記憶演出管理処理〕
図595は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS700:演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS700:Yes)、演出制御CPU126はステップS702及びステップS703を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS700:No)、演出制御CPU126はステップS702及びステップS703を実行しない。
ステップS702:演出制御CPU126は、作動記憶数増加時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応したマーカM1,M2を表示させる演出を選択する。
ステップS703:演出制御CPU126は、先読み演出管理処理を実行する(先読み演出実行手段)。この処理では、演出制御CPU126は、先読み演出(マーカ変化演出、ゾーン演出、連続演出等)を実行するか否かについての判定処理を実行し、先読み演出を実行すると決定した場合には、先読み演出の具体的な内容を決定する処理を実行する。
具体的には、演出制御CPU126は、当該変動が到来したときに実行する演出内容や、当該変動よりも前の当該前変動で実行する演出内容(例えば、マーカ色変化演出の内容や、はずれ目停止演出の内容、ゾーン演出の内容、エフェクト演出の内容、連続演出の内容、その他の予告演出の内容及びこれらの演出のシナリオ)を決定する処理を実行する。決定した内容は、RAM130の先読み演出内容保持バッファに保持(記憶)され、当該変動に向けて実行される。演出制御CPU126は、先読み演出のシナリオが設定されてから、そのシナリオが終了するまでの間、先読み演出実行中フラグをONにする。先読み演出が実行中であるか否かは、先読み演出実行中フラグにより確認することができる。なお、当該変動とは、先読みの対象となる記憶(保留)が消費される際の変動である。
このような処理を実行することにより、演出制御CPU126は、先読み演出の実行条件が満たされた場合、1回又は複数回の特別図柄の変動に跨って実行される先読み演出を実行することができる(先読み演出実行手段)。
ステップS704:演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS704:Yes)、演出制御CPU126はステップS706を実行する。なお、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS704:No)、演出制御CPU126はステップS706を実行しない。
ステップS706:演出制御CPU126は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応したマーカM1,M2をスライドさせる演出、内部抽選により消費した抽選要素に対応するマーカを変動前表示領域X1から変動中表示領域X2に移動させる演出を選択する。なお、変動中表示領域X2に移動させた記憶マーカは変動終了時に消去する演出を選択する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(図594)に復帰する。
〔演出図柄管理処理〕
図596は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502~ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また、可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において大当り時可変入賞装置管理処理が選択された場合や小当り時可変入賞装置管理処理が選択された場合にジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502~ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。また、この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(抽選結果、当選種類、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(先読み予告演出パターン以外のリーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。また、本処理において、演出制御CPU126は、小当りに当選した場合の変動表示演出の内容を決定(選択)する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、演出図柄を用いた変動表示演出を実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた態様で演出図柄や動画像を用いた停止表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は小当り中又は大当り中の演出内容を制御する。この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(例えば当選種類や当選時の遊技状態)に応じて大役中演出の内容を選択する。例えば、「10ラウンド確変図柄1」に当選した場合、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、「10ラウンド確変図柄1」に対応する大役中演出パターンを選択し、これを演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。これにより、液晶表示器42の表示画面では大役中演出の画像が表示されるとともに、ラウンドの進行に伴って演出内容が変化していくことになる。また、大当り遊技中に、確変領域通過コマンドを受信した場合、演出制御CPU126は、遊技球が確変領域を通過したことを強調する演出を実行することができる。なお、「10ラウンド確変図柄2」や「10ラウンド確変図柄3」に当選した場合等には、プレミアムボーナス演出やエンディングボーナスに対応する大役中演出の画像を選択する処理を実行するが、このような処理は、本処理において実行してもよく、図594の特殊ボーナス演出管理処理(ステップS403)において実行してもよい。
〔演出図柄変動前処理〕
図597は、演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図594中のステップS404)、ランプ駆動処理(図594中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御CPU126は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また、今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御CPU126は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「C0H00H」~「D0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御CPU126は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。
また、演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチの種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様等を決定する。なお、ここで決定される演出図柄の種類は、全て「小当り時の図柄の組み合わせ」に該当するものとなっている。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、大当りに該当した場合、演出制御CPU126はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御CPU126は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「E0H00H」~「F0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。なお、変動パターンが擬似連続予告演出に対応する変動パターンである場合、演出制御CPU126は、変動表示演出の実行中に、擬似連続予告演出を実行する演出パターンを選択する処理を実行する(はずれ時も同様である)。擬似連続予告演出において、演出図柄を仮停止して再変動させる場合、中演出図柄に擬似連図柄を停止させることができる。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御CPU126はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御CPU126は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「A0H00H」~「A6H7FH」)に基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御CPU126がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドによって決まる。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」-「2」-「4」等)を決定する。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は次にステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御CPU126は、予告選択処理を実行する(予告演出実行手段)。この処理では、演出制御CPU126は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、高確率状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に小当りや大当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は比較的高く設定されている。
このように、演出制御CPU126は、予告演出を実行するか否かの抽選に当選した場合(規定の演出実行条件が満たされた場合)、変動表示演出(所定の演出)の実行中に当選の態様で演出図柄が停止表示されることを示唆する(所定の演出の成功の可否を示唆する、所定の演出に関する)予告演出を実行する(予告演出実行手段)。
また、演出制御CPU126は、この予告選択処理において予告演出を実行すると決定した場合には、変動表示中のいずれのタイミングで予告演出を開始するのかを決定する処理を実行する。なお、予告演出には、変動表示中に実行される各種の予告演出(ステップアップ予告演出、会話予告演出、カットイン予告演出、群予告演出、役物落下演出、次回予告演出、タイトル色変更演出)だけでなく、擬似連続予告演出や先読み予告演出、記憶マーカ変化予告演出等も含まれる。
ステップS616:演出制御CPU126は、モード演出管理処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は、滞在モードに応じた背景画像を選択する処理を実行する。例えば滞在モードが「通常モード(低確率非時間短縮状態)」である場合、演出制御CPU126は、女性キャラクターが長椅子に腰掛けている背景画像を選択する処理を実行する。また、滞在モードが「花火モード(高確率時間短縮状態)」である場合、演出制御CPU126は、花火をモチーフとした背景画像を選択する処理を実行する。さらに、滞在モードが「海岸モード(低確率時間短縮状態)」である場合、演出制御CPU126は、海岸をモチーフとした背景画像を選択する処理を実行する。なお、滞在モードが「高確率非時間短縮状態」である場合には、プレミアムボーナス演出に対応する背景画像を選択する処理を実行するが、このような処理は、本処理において実行してもよく、図594の特殊ボーナス演出管理処理(ステップS403)において実行してもよい。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図596中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び停止表示演出が実行されるとともに、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。
〔特殊ボーナス演出管理処理〕
図598は、特殊ボーナス演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS810:演出制御CPU126は、高確率非時間短縮状態に移行する大当り遊技中又は高確率非時間短縮状態であるか否かを確認する処理を実行する。
高確率非時間短縮状態に移行する大当り遊技中とは、低確率非時間短縮状態若しくは低確率時間短縮状態で「10ラウンド確変図柄2」に該当した場合の大当り遊技中、又は、高確率非時間短縮状態で「10ラウンド確変図柄3」に該当した場合の大当り遊技中である(ただし、リミッタ到達時の大当り遊技中を除く。)。
その結果、高確率非時間短縮状態に移行する大当り遊技中又は高確率非時間短縮状態であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS812を実行し、高確率非時間短縮状態に移行する大当り遊技中又は高確率非時間短縮状態であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は、ステップS826を実行する。
ステップS812:演出制御CPU126は、プレミアムボーナス演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、プレミアムボーナス演出の背景画像を表示したり、プレミアムボーナス演出で登場するキャラクターを表示したりする演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS814:演出制御CPU126は、初当り時のV入賞が発生したか否かを確認する処理を実行する。
初当り時のV入賞とは、低確率非時間短縮状態若しくは低確率時間短縮状態で「10ラウンド確変図柄2」に該当し、その大当り遊技中に、遊技球が確変領域を通過した場合(V入賞した場合)のことである。V入賞が発生したか否かは、確変領域通過コマンドにより確認することができる。
その結果、初当り時のV入賞が発生したことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS816を実行し、初当り時のV入賞が発生したことを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は、ステップS818を実行する。
ステップS816:演出制御CPU126は、初当り時V入賞発生時処理を実行する。なお、処理の詳細は、後述する。
ステップS818:演出制御CPU126は、刻み演出管理処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、プレミアムボーナス演出の実行中に、第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)、又は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)に、遊技球が10個入球するごとに、刻み演出を実行する。刻み演出では、刻み演出を実行するごとに、RUSHの文字情報の数字部分を更新表示(+1)する処理を実行する。
ステップS820:演出制御CPU126は、獲得出球管理処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、プレミアムボーナス演出の実行中に、第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)、又は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)に遊技球が入球するごとに、獲得出球表示演出で表示している分子部分の文字情報を更新表示(+10)する処理を実行する。文字情報の更新表示は、賞球内容コマンドに基づいて実行することができる。
ステップS822:演出制御CPU126は、保障出球アイコン管理処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、獲得出球表示演出で表示している分子部分の文字情報が規定値(3000)に到達した場合、保障出球アイコンを消去する演出パターンを選択する処理を実行する。なお、保障出球アイコンを最初に表示する処理は、ステップS816の初当り時V入賞発生時処理において実行する。
ステップS824:演出制御CPU126は、特殊キャラクター管理処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、獲得出球表示演出で表示している分子部分の文字情報が規定値(3000)に到達しており(保障出球アイコンを消去する演出を実行しており)、かつ、残りのRUSH数が一定数以上残存している場合、特殊キャラクターを表示するか否かの実行抽選を実行し、この実行抽選に当選した場合、特殊キャラクターを表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
残りのRUSH数が一定数以上残存している場合とは、初当りを含めて3回目の大当りを実行していない場合、初当りを含めて3回目の大当りを実行しているが少なくとも5ラウンド分又は少なくとも8ラウンド分のラウンド遊技が未実行である場合等とすることができる。
少なくとも5ラウンド分のラウンド遊技が未実行である場合には、特殊キャラクターとして女性キャラクターを表示する演出が選択可能であり、少なくとも8ラウンド分のラウンド遊技が未実行である場合には、特殊キャラクターとして女性キャラクター又は男性キャラクターを表示する演出が選択可能である。
なお、第2又は第3のプレミアムボーナスを実行する場合には、小当りラッシュの状況(獲得出球の状況、小当り回数の状況、変動回数の状況)によって、第2又は第3のプレミアムボーナスに移行する割合(抽選確率)を異ならせるようにしてもよい。
ステップS826:演出制御CPU126は、リミッタ到達時の大当り遊技中(高確率非時間短縮からの大当りであり、かつ、リミッタ回数=1である場合の大当り遊技中)であるか否かを確認する処理を実行する。
その結果、リミッタ到達時の大当り遊技中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS828を実行し、リミッタ到達時の大当り遊技中であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は、演出制御処理(図594)に復帰する。
ステップS828:演出制御CPU126は、エンディングボーナス演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、エンディングボーナス演出の背景画像を選択したり、エンディングボーナス演出で登場するキャラクターを表示したりする演出パターンを選択する処理を実行する。なお、エンディングボーナス演出では、プレミアムボーナス演出中及びエンディングボーナス演出中に獲得した合計獲得出球を表示するようにしてもよい。
以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(図594)に復帰する。
〔初当り時V入賞発生時処理〕
図599は、初当り時V入賞発生時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS840:演出制御CPU126は、第1特別図柄の記憶の内容を確認する処理を実行する。例えば、第1特別図柄の記憶数が1個である場合は、1個だけ第1特別図柄の記憶の内容を確認する。一方、第1特別図柄の記憶数が4個である場合は、全ての第1特別図柄の記憶の内容を確認する。記憶内容の確認は、変動パターン先判定コマンド等に基づいて実行することができる。
ステップS842:演出制御CPU126は、ステップS840において確認した第1特別図柄の記憶の中に、「10ラウンド通常図柄」に該当する記憶があるか否かを確認する処理を実行する。
その結果、「10ラウンド通常図柄」に該当する記憶があることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS846を実行し、「10ラウンド通常図柄」に該当する記憶があることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は、ステップS844を実行する。
ステップS844:演出制御CPU126は、保障出球数報知演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、保障出球数報知演出(3000の文字情報を表示する演出)を実行する演出パターン(図588中(B)に示す演出パターン)を選択するとともに、保障出球アイコンを表示する演出や獲得出球表示演出を実行する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS846:演出制御CPU126は、保障出球数報知演出非選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、保障出球数報知演出(3000の文字情報を表示する演出)を実行しない演出パターン(図591中(B)に示す演出パターン)を選択する。この場合、保障出球アイコン表示演出や、獲得出球表示演出も実行しない演出パターンを選択するようにしてもよい。
以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、特殊ボーナス演出管理処理(図598)に復帰する。
このような処理(図598及び図599に示す処理)を実行することにより、演出制御CPU126は、大当り遊技の実行中に、第1特別図柄の記憶の状態に応じて保障出球数報知演出を含む第1大当り演出、又は、保障出球数報知演出を含まない第2大当り演出(抽選要素の記憶の状態に応じて演出の内容が異なる特別遊技演出)を実行可能とする(特別遊技演出実行手段)。
また、このような処理を実行することにより、演出制御CPU126は、第1特別図柄の記憶に「10ラウンド通常図柄」に該当する記憶がない場合(抽選要素の記憶の状態が、連続した特別遊技を実行可能な状態であれば)、保障出球数報知演出を含む第1大当り演出(遊技者に有利な遊技状態が継続することを示唆する第1特別遊技演出、連続した特別遊技が実行されることを示唆する第1特別遊技演出)を実行し、第1特別図柄の記憶に「10ラウンド通常図柄」に該当する記憶がある場合(抽選要素の記憶の状態が、連続した特別遊技を実行不能な状態であれば)、保障出球数報知演出を含まない第2大当り演出(有利な遊技状態が継続することを示唆しない第2特別遊技演出、連続した特別遊技が実行されることを示唆しない第2特別遊技演出)を実行可能とする(特別遊技演出実行手段)。
さらに、このような処理を実行することにより、演出制御CPU126は、大当り遊技の実行中にV入賞(所定の事象)が発生したことを契機として、第1特別図柄の記憶の状態を確認可能とする(特別遊技演出実行手段)。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)本実施形態によれば、大当り遊技の実行中に、第1特別図柄の記憶の状態に応じて保障出球数報知演出を含む第1大当り演出、又は、保障出球数報知演出を含まない第2大当り演出を実行可能とするため、大当り遊技とは関連性の低い第1特別図柄の記憶の状態によって大当り演出の内容を変化させることができ、結果として、斬新な遊技機を提供することができる。
(2)本実施形態によれば、第1特別図柄の記憶の状態に基づいて、連続性を示唆する第1大当り演出を実行したり、連続性を示唆しない第2大当り演出を実行したりするため、第1大当り演出や第2大当り演出によって、大当り遊技が連続するか否かを遊技者に対して分かりやすく伝達することができる。
(3)本実施形態によれば、リミッタ機能を有する遊技機において、例外的に(イレギュラーとして)、大当り遊技が連続しない状況が発生した場合には(第1特別図柄の記憶に通常大当りが存在している場合には)、連続性を示唆しない第2大当り演出を実行することができるので、例外的な状況の発生時に遊技者が遊技機に対して不信感(大当り遊技中に3000と表示されたのにも関わらず3000個の遊技球が払い出されないことによる不信感)を抱くリスクを回避することができる。
(4)本実施形態によれば、大当り遊技の実行中にV入賞が発生したことを契機として、第1特別図柄の記憶の状態を確認するため、大当り遊技の開始時に第1特別図柄の記憶の状態を確認する方式と比較して、確認処理の実行時期を遅らせることができ、遅らせた分だけ長い間、イレギュラーの発生に対応することができる。
(5)同時回し機(小当りラッシュ)かつリミッタ機(セットタイプ)の遊技機において、初当りの確変大当り時にセット数による出球の最低保障を報知する際、主ではない特別図柄(第1特別図柄)の変動でのイレギュラーな大当りにより高確率状態が終了すると、最低保障の出球に届かない場合がある。
そこで、初当りの確変大当り中のV入賞が発生する際に、第1特別図柄の記憶の内容を確認し(高確率非時間短縮状態中のイレギュラー入賞を除き、高確率状態がイレギュラーで終了しないことを確認し)、最低保障となる出球数報知を行う。そして、第1特別図柄の記憶の内容を確認した際に、高確率状態がイレギュラーで終了する場合(第1特別図柄の記憶に通常大当りが存在する場合)は、最低保障となる出球数報知は行わない。これにより、イレギュラー発生時に、遊技者が機種に対して不信感を抱くリスクを回避することができる。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様は例示であり、上述した演出の態様に限定されるものではない。
上述した実施形態では、確変領域を有する遊技機に本発明を適用する例で説明したが、確変領域を有しない遊技機に本発明を適用してもよい。
上述した実施形態では、いわゆる同時回し機に本発明を適用する例で説明したが、非同時回し機に本発明を適用してもよい。
本発明は、リミッタ機能による大当りの連続発生時に適用可能であるが、リミッタ機能とは関係のない保留連による大当りの連続発生時にも適用可能である。
本発明は、大当りが連続して発生しない場合についても、適用可能である。
上述した実施形態では、第1特別図柄の記憶に通常図柄に該当する大当りがある場合とない場合とで大当り演出の内容を異ならせる例で説明したが、第2特別図柄の当選図柄に通常図柄が存在している遊技仕様である場合には、第2特別図柄の記憶に通常図柄に該当する大当りがある場合とない場合とで大当り演出の内容を異ならせるようにしてもよい。
上述した実施形態では、第2大当り演出(第2特別遊技演出)は、連続した大当り遊技が実行されることを示唆しない演出の例で説明したが、連続した大当り遊技が実行されることを示唆する演出であってもよい。
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらは適宜に変形可能である。
〔実施形態H〕
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図600は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図601は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図600及び図601を参照しつつパチンコ機1の全体構成について説明する。
〔全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図600中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図601では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図600に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面、遊技盤)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
〔球皿の構成〕
受皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
また、受皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受皿ユニット6の右下部には、ハンドルユニット16が設置されている。遊技者はこのハンドルユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面、遊技盤)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の上側位置にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニットを取り巻くようにして配置されている。
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54が組み込まれており、左右のガラス枠装飾ランプ52にはそれぞれガラス枠内スピーカ55が組み込まれている。一方、内枠アセンブリ7の右下位置(パチンコ機1の正面からみてハンドルユニット16の左上位置)には内枠スピーカ56が組み込まれており、また外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ58が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56,58は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
〔操作部材〕
また、受皿ユニット6の中央には、上皿6bから前面側上方へ突出するようにして操作ユニット60が設置されている(操作手段)。操作ユニット60は、その中央部に大きなプッシュボタン64を有しており、プッシュボタン64の左側にはハンドルレバー62を有している。操作ユニット60は、演出上で示される様々な場面で操作を受け付けることが可能である。演出上のある場面ではハンドルレバー62が遊技者によって手前側に引き込み操作されたり、別の場面ではプッシュボタン64が押し込み操作されたりする。遊技者は、各種の態様で操作ユニット60を操作することにより、演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
また、プッシュボタン64の周囲には、リング状部65がプッシュボタン64を取り囲むようにして設置されている。リング状部65は、ハンドルレバー62やプッシュボタン64とは異なり、装飾用として設けられた部材であり、ハンドルレバー62の引き込み操作に連動して反時計回りに回転動作する。また、リング状部65は、周方向に一定の間隔で区切られてなる複数のセルを有している。これらのセルは、遊技者による操作を受け付けることはできないが、遊技者に対し操作方法を知らせる場面で有効活用される。
遊技者に何らかの操作を要求する場合、操作ユニット60の操作方法を表す縮小版画像が液晶表示器42の画面に表示される。このとき、指定した操作を行うことが可能な時間(操作有効時間)を併せて遊技者に知らせるために、縮小版画像におけるリング状部65は各セルがあたかもランプであるかのように表現される。より具体的には、縮小版画像中のリング状部65は、操作可能な状態になると全てのセルが点灯しているように表され、残り時間の減少に伴いセルが1つずつ消灯していくように表され、残り時間がなくなると全てのセルが消灯したように表される。実際のリング状部65は光源を有しておらず、画面に表示された縮小版画像に表されたリング状部65のように点灯/消灯することはないが、縮小版画像中のリング状部65の点灯/消灯をこのようにして切り替えることにより、遊技者に対して操作の残り時間を感覚的に把握させることができる。
さらに、プッシュボタン64は、遊技の進行過程で所定の契機が発生すると、上方に大きく突出する構造に構成されている。プッシュボタン64の突出時には、通常時の約3倍の高さまで飛び出す。プッシュボタン64はその内部に光源を有している。プッシュボタン64は、通常時は1色(例えば青色)又は多色に発光するが、突出時にはさらにカラフルに発光して非常な存在感を発揮することができる。このようなプッシュボタン64の動作により、この場面で要求されているボタンの押し込み操作が特別に重要なものであることを遊技者に認識させることができる。
なお、本実施形態では、ハンドルレバー62及びプッシュボタン64は同じ操作ユニット60に搭載されているが、ハンドルレバー62とプッシュボタン64とがそれぞれ独立した操作部材として設けられていてもよい。また、これらの操作部材は、近接した位置に配置されていてもよく、離れた位置に配置されていてもよい。
その他に、受け皿ユニット6の上面には、貸出操作部14に隣接して方向キー66が設置されている。方向キー66は上下左右の方向を示す4つのキースイッチを十字形状に配列したものであり、各方向別のキースイッチは独立して押し込み操作可能である。遊技者は演出上の様々な場面で方向キー66を押し込み操作することで、液晶表示器の画面上に表示されるカーソル等を任意に移動させることができる。
〔裏側の構成〕
図601に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図604及び図605)を参照しながらさらに後述する。
主制御基板ユニット170には、主制御装置が内蔵されており、主制御装置には、性能表示モニタ200が接続されている。性能表示モニタ200は、パチンコ機1を裏側から見て、主制御基板ユニット170の左上の領域に視認可能な態様で主制御装置に配置されており、4つの7セグメントLEDを備えている。4個の7セグメントLEDは左右方向に並べて配置されており、それぞれの7セグメントLEDは、10進数のアラビア数字を表示することができる7つのセグメントと、その右下に位置するドットセグメントとによって構成されている。性能表示モニタ200は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースを通じて視認可能である。
また、主制御装置には、RAMクリアスイッチ304及び設定キー用鍵穴306が設けられている。RAMクリアスイッチ304は、RAMクリア、すなわち主制御装置内に装備されているRAM(RWM)の初期化を行う際に用いられるスイッチであり、本実施形態においては、設定変更用のスイッチとしても兼用される。設定キー用鍵穴306は、パチンコ機1の遊技に関する設定を変更又は参照する上で必要とされる設定キーを差し込むための鍵穴である。なお、設定の変更に関しては、別の図面を参照しながらさらに後述する。
RAMクリアスイッチ304は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースに形成された貫通孔を通じて押下可能に設けられている。なお、RAMクリアスイッチ304は、透明ケース外に配置されていてもよい。また、設定キー用鍵穴306は、キーシリンダが透明ケースを貫通した状態(透明ケースがキーシリンダの周囲を囲んだ状態)で設けられている。したがって、透明ケースが封止されたままの状態で設定キーを差し込み、回転させることが可能である。
なお、図601に示した性能表示モニタ200やRAMクリアスイッチ304、設定キー用鍵穴306の配設位置は、あくまで一例であり、任意の位置に配置することができる。また、性能表示モニタ200やRAMクリアスイッチ304、設定キー用鍵穴306は、主制御装置の外側に設けられて主制御装置に接続される構成としてもよい。
払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受皿ユニット6に向けて案内する。
また、外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
図602は、遊技盤ユニット8を単独で示す正面図である。遊技盤ユニット8は、ベースとなる遊技板8bを備えており、この遊技板8bの前面側に遊技領域8aが形成されている。遊技板8bは、例えば透明樹脂板で構成されており、遊技盤ユニット8が内枠アセンブリ7に固定された状態で、遊技板8bの前面はガラスユニットに平行となる。遊技板8bの前面には、略円形状に設置された発射レール(参照符号なし)の内側に遊技領域8aが形成されている。なお、発射レールは遊技板8bの左下隅位置から遊技板8bの右上隅位置まで時計回り方向に延びている。
遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。遊技領域8aの左側部分は、通常遊技状態(低確率非時間短縮状態)で使用される第1遊技領域(左打ち領域)であり、遊技領域8aの右側部分は、特殊遊技状態(大当り遊技状態、小当り遊技状態、低確率時間短縮状態、高確率時間短縮状態等)で使用される第2遊技領域(右打ち領域、特定の領域)である。なお、遊技領域8aの左側部分は、高確率非時間短縮状態(有利遊技状態)においても使用される。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に中始動入賞口26、始動ゲート20、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等が分布して設置されている。
このうち、中始動入賞口26は、遊技領域8aの下部分の中央に配置されている。始動ゲート20、可変始動入賞装置28、第2可変入賞装置31及び第1可変入賞装置30は、遊技領域8aの右側部分に上からこの順番で配置されている。ここで、第1可変入賞装置30は、中始動入賞口26の右側に配置されており、第2可変入賞装置31は、第1可変入賞装置30の右上に配置されている。さらに、左側の3つの普通入賞口22は遊技領域8aの左側部分に配置されており、右側の1つの普通入賞口24(所定の入賞口)は可変始動入賞装置28の下方に配置されている。
また、可変始動入賞装置28の上方には、4つの障害釘が配置されており、さらにその上方には入球口19a及び放出口19bが配置されている。入球口19aと放出口19bとは図示しない裏側の連絡通路によって連結されている。入球口19aに入球した遊技球は、この連絡通路を通って減速・整流され、放出口19bから放出される。
さらに、始動ゲート20の右側にはアウト口19c(所定の入球口)が配置されている。放出口19bから放出された遊技球は、基本的には真っ直ぐに落下して始動ゲート20を通過するが、障害釘によって右側に弾かれた場合にはアウト口19cに入球する。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で中始動入賞口26、普通入賞口22,24に入球したり、始動ゲート20を通過したり、作動時の可変始動入賞装置28や開放動作時の第1可変入賞装置30、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする。ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、主に中始動入賞口26に入球するか、普通入賞口22に入球する可能性がある。一方、遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、入球口19aに入球して放出口19bから放出され、主に始動ゲート20を通過するか、作動時の可変始動入賞装置28に入球するか、開放動作時の第1可変入賞装置30に入球するか、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球するか、普通入賞口24に入球する可能性がある。始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、中始動入賞口26、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31、アウト口19cに入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通孔を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
ここで、本実施形態では、遊技領域8a(盤面)の構成上、中始動入賞口26や普通入賞口22に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の左側部分の領域(左打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「左打ち」を実行する)必要がある。
一方、可変始動入賞装置28や、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31、普通入賞口24に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の右側部分の領域(右打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「右打ち」を実行する)必要がある。
本実施形態において、可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で所定の停止表示時間にわたり停止表示された場合)に作動し、それに伴って右始動入賞口28a(所定の入球口)への入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28には、舌片型(ベロタイプ)の開閉部材28bが設けられている。図示の状態にて、開閉部材28bは、盤面より奥に引っ込んだ位置(待避位置)にあり、遊技球が右始動入賞口28aに入球することを不能又は困難にしている。一方、開閉部材28bが盤面より手前側へ突出した位置(駆動位置)に移動すると、開閉部材28bは上方から流下してくる遊技球を受け止め、右始動入賞口28aに遊技球を案内する(右始動入賞口28aへの入球が可能又は容易となる)。なお、可変始動入賞装置28は、開閉部材がその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むように変位して、右始動入賞口を開放する装置であってもよい。
第1可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当り又は小当りの態様で停止表示された場合)であって所定の第1条件(例えば大当り遊技の1ラウンド目から5ラウンド目、又は、7ラウンド目から16ラウンド目であるという条件、小当り遊技の開放状態であるという条件)が満たされた場合に作動し、第1大入賞口30bへの入球を可能にする(特別電動役物、第1特別入球事象発生手段)。
第1可変入賞装置30は、中始動入賞口26の右側に配置された装置であり(いわゆる下アタッカ)、例えば1つの開閉部材30aを有している。第1可変入賞装置30は、開閉部材30aが盤面の内部にスライドするタイプの装置である(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材30aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材30aの上面を転動することになるため、第1大入賞口30bへの入球は不能又は困難(第1大入賞口30bは閉塞中)である。そして、第1可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aが盤面の内部に引き込まれ、第1大入賞口30bを開放する(開放状態)。この間に第1可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない(可能又は容易な)状態となり、第1大入賞口30bへの入球という事象を発生させることができる。
第2可変入賞装置31は、第1可変入賞装置30と同様に規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合)であって、所定の第2条件(例えば大当り遊技の6ラウンド目であるという条件)が満たされた場合に作動し、第2大入賞口31b(特定の入賞口)への入球を可能にする(特別電動役物、第2特別入球事象発生手段)。
第2可変入賞装置31は、第1可変入賞装置30の右上に配置された装置であり(いわゆる上アタッカ)、例えば1つの開閉部材31aを有している。第2可変入賞装置31は、開閉部材31aが盤面の内部にスライドするタイプの装置である(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材31aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材31aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材31aの上面を転動することになるため、第2大入賞口31bへの入球は不能又は困難(第2大入賞口31bは閉塞中)である。そして、第2可変入賞装置31が作動すると、開閉部材31aが盤面の内部に引き込まれ、第2大入賞口31bを開放する(開放状態)。この間に第2可変入賞装置31は遊技球の流入が不能ではない(可能又は容易な)状態となり、第2大入賞口31bへの入球という事象を発生させることができる。
また、第2可変入賞装置31の内部には、第2可変入賞装置31に入球した遊技球を誘導するための誘導通路31cが配置されている。誘導通路31cは、第2大入賞口31bから下方に延び、そこから左に曲がって左下方に延びた後、再び下方に延びている。
そして、誘導通路31cの上流には、第2カウントスイッチ85が配置されており、誘導通路31cの中流には、確変領域用羽根部材31d及び確変領域用孔31eが配置されており、誘導通路31cの下流には、排出口31fが配置されている。
第2可変入賞装置31に入球した遊技球は、最初に第2カウントスイッチ85にて入球したことが検出される。ここで、確変領域用羽根部材31dを作動させる確変領域ソレノイドがONとなっている場合には、確変領域用羽根部材31dが起き上がって遊技球を確変領域用孔31eに導く。一方、確変領域用羽根部材31dを作動させる確変領域ソレノイドがOFFとなっている場合には、確変領域用羽根部材31dが起き上がらないため、遊技球は確変領域用羽根部材31dの上部を通り抜けて、排出口31fに導かれる。
〔確変領域(特定領域)〕
また、確変領域用孔31eの内部には、確変領域(参照符号なし)が設けられている。確変領域は、第2可変入賞装置31が閉鎖状態である場合は遊技球が通過不能な領域であり、第2可変入賞装置31が開放状態である場合であって確変領域用羽根部材31dが作動している場合は遊技球が通過可能な領域である。
確変領域用羽根部材31dは、大当り遊技中に第2可変入賞装置31が開放する際に作動する。確変領域用羽根部材31dの動作パターンは、ラウンドの開始と同時に短期間(例えば0.1秒)にわたり演出領域を開放し、その後に数秒(2~3秒程度)閉鎖した後に確変領域を長期間(例えば20秒程度)にわたってロング開放するパターンである。なお、ラウンドの開始と同時に実行される短期開放では遊技球は確変領域用羽根部材31dまで到達しないので、この作動によって遊技球が確変領域に導かれることはない。また、確変領域用羽根部材31dが動作しても、第2可変入賞装置31がショート開放する場合には、遊技球が確変領域を通過することはない。
遊技盤ユニット8には、その中央位置から右側部分にかけて演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。また、本実施形態のように遊技板8bが透明樹脂板(例えばアクリル板)である場合、前面側だけでなく遊技板8bの背後に配置された各種の装飾体(可動体や発光体を含む)による装飾性を付加することができる。
その他に演出ユニット40の内部には、演出用の可動体40f(例えば女性キャラクターが搭乗している乗り物を模した装飾物)とともに駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。これら可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40kが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40kに案内された遊技球は、その真下にある中始動入賞口26に流入しやすくなる。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、各種入賞口に入球(入賞)しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、普通入賞口22,24や中始動入賞口26、右始動入賞口28a、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31、アウト口19cに入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
図603は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の左下位置)を拡大して示す正面図である。図示されるように、遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の左下位置に普通図柄表示装置33及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35及び遊技状態表示装置38が設けられている。
このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0~4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により、対応する第1特別図柄又は第2特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。なお、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0~4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして、2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、中始動入賞口26に遊技球が入球するごとに、中始動入賞口26に遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、可変始動入賞装置28に遊技球が入球するごとに、右始動入賞口28aに遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で中始動入賞口26に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また、遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b,38c、確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定ランプ38fにそれぞれ対応するLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
統合表示基板89に実装されたこれらのLEDランプは、その点灯又は消灯の切り替えを制御する目的で、異なる4つの制御領域(以下、「コモン」と称する)に区分けされている。見方を変えると、統合表示基板89には4つのコモンが存在し、個々のランプはいずれか1つのコモンに属している。本実施形態においてはダイナミック点灯方式が採用されており、ランプの駆動は割込周期(例えば4ms)の間隔をおいてコモン単位で順に行われる。したがって、統合表示基板89に実装された全てのランプが同時に駆動されることはない。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図604は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数回路75や割込コントローラ(割込CTR)192、パラレルI/Oポート79、タイマ回路(PTC)194、シリアル通信回路(SCU)196が装備されている。このうち乱数回路75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0~65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は主制御CPU72に入力される。また、割込コントローラ192は、パラレルI/Oポート79、タイマ回路194、シリアル通信回路196から各割込要求(XINT割込、PTC割込、SCU割込)を受け付け、これらの割込要求を優先順位に基づき制御する。その他にも主制御装置70には、図示しないクロック発生回路、様々な状態を監視し必要に応じてリセットを発生させるリセットコントローラ等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。なお、主制御装置70のI/Oポートはシリアル形式としてもよい。
さらに、主制御装置70には、設定変更装置300、設定キースイッチ302、RAMクリアスイッチ304が設けられている。主制御装置70(主制御CPU72)は、設定変更装置300を動作させることにより設定を変更する。設定変更装置300は、設定(少なくとも特別図柄抽選の当選確率に関する複数段階の設定値)を切り替える装置であり(設定変更手段)、RAMクリアスイッチ304等の操作により作動する。また、設定とは、作動確率の組み合わせをいう。さらに、作動確率とは、条件装置が作動することとなる(大当り遊技が実行されることとなる)特別図柄の組み合わせが表示される確率をいう。設定キースイッチ302は、設定を切り替える上で必須となる設定キーの回転に伴い、その回転状態を示す信号(ON/OFF)を入力する入力装置である。設定の変更の手順は、様々な手法を採用することができるが、例えば、以下の手順で行うことができる。
(1)まず、パチンコ機1の電源をOFFにする。
(2)次いで、専用キー(ドアキー)でパチンコ機1の扉を開ける。具体的には、専用キーをシリンダ錠6aの鍵穴に差し込んで右方向に回転し、内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4を開放する。
(3)パチンコ機1の裏側には、設定キーを挿入するための設定キー用鍵穴306と、RAMクリアスイッチ304とが設けられているため、設定キー用鍵穴306に設定キーを挿入し、設定キーを右方向に回転する。
(4)そして、パチンコ機1の電源をONにする。
(5)これにより、設定キーが変更位置に回転されたことを示す信号(ON)が設定キースイッチ302により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が可能な状態となる。このとき、図示しないロック機構により安全ロックが掛けられる。したがって、設定キーは、元の位置に戻されない限りは抜き取ることが不可能となる。
ここで、設定キーを右方向に回転した状態で、RAMクリアスイッチ304をONにしながら、電源をONにすると、設定の変更が可能な状態となる。一方、設定キーを右方向に回転した状態で、RAMクリアスイッチ304をONにせずに、電源をONにすると、設定の参照が可能な状態となる。
(6)設定の変更が可能な状態において、RAMクリアスイッチ304を任意の回数だけ押下することにより、予め設けられた複数段階のうちいずれかの段階に設定を変更することができる。
設定値は、例えば、専用の7セグメントLED、遊技状態表示装置38(特別図柄表示装置等)、性能表示モニタ200に表示することができる。
(7)スロット機の場合、目的の設定に達したら、レバーON処理が必要になるが、パチンコ機1にはレバーが存在しないため、レバーON処理の代わりの代替処理(例えば、設定キーを左方向に回転する処理、不図示の設定変更確定ボタンをONにする処理等)を実行したり、レバーON処理を省略したりしてもよい。本実施形態では、目的の設定に達したら、設定キーを反時計回りに回転させて元の位置に戻す。この操作により、設定キーが元の位置に戻されたことを示す信号(OFF)が設定キースイッチ302により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が確定する。
(8)そして、設定の変更が確定すると、設定キー用鍵穴306から設定キーを抜き取ることができる状態となる。また、設定の変更が確定したことに伴い、専用の7セグメントLED、遊技状態表示装置38、性能表示モニタ200に設定値を表示している場合には、その表示が消える。
(9)最後に、パチンコ機1の扉を閉める。これにより、設定の変更が完了する。設定の変更が完了すると、通常の遊技が開始される。
設定が変更された場合、主制御CPU72は、変更後の設定値をRAM76の設定値バッファに記憶する。設定値バッファは、バックアップの対象となるメモリ領域とすることができる。
〔設定変更状態〕
「設定キーON」、「内枠開放状態」、かつ、「RAMクリアスイッチ押下状態」で電源が投入されると、RAMクリア後、設定変更中の状態(設定変更状態、設定変更モード)に移行する。
設定変更中の状態では、メイン表示器(遊技状態表示装置38に含まれる各種ランプ)への表示はなされず、遊技球の発射や遊技球の賞球等は一切できない状態となる。また、性能表示モニタ200において、左側2つの7セグメントLED(識別セグ)に「rn.」が表示されるとともに、右側2つの7セグメントLED(比率セグ)に「-1」のように設定値が表示される。また、RAMクリアスイッチ304が押下されると、設定値が1~6の範囲で変化する。そして、「設定キーOFF」となると、設定が確定され、比率セグの表示は「空欄(非表示)1」のように「-」のセグが消灯する(非表示となる)。
この状態で、「内枠閉鎖状態」となった場合(実際には閉鎖状態が100ms継続した場合)には、設定変更中の状態が終了し、一旦、電源断前の状態に移行してから、遊技可能状態に移行する。
なお、本実施形態では、RAMクリアスイッチ304が設定変更スイッチを兼ねる構成としているが、RAMクリアスイッチ304を兼用せずに設定変更スイッチを別途設ける構成としてもよい。
〔設定確認状態〕
一方、「設定キーON」、「内枠開放状態」、かつ、「RAMクリアスイッチ押下でない状態」で電源が投入されると、設定確認中の状態(設定確認状態、設定確認モード)に移行する。
設定変更中の状態と同様に、設定確認中の状態では、メイン表示器への表示はなされず、遊技球の発射や遊技球の賞球等は一切できない状態となる。また、性能表示モニタにおいて、左側2つの7セグメントLED(識別セグ)に「rn.」が表示されるとともに、右側2つの7セグメントLED(比率セグ)に「空欄(非表示)1」のように設定値が表示される。なお、設定確認中の状態では、RAMクリアスイッチ304が押下されても設定値は変化しない。
この状態で、「設定キーOFF」、かつ、「内枠閉鎖状態」となった場合(実際には閉鎖状態が100ms継続した場合)には、設定確認中の状態が終了し、一旦、電源断前の状態に移行してから、遊技可能状態に移行する。
なお、本実施形態では、遊技可能状態で設定確認を行うことはできないが、遊技可能状態で設定確認を実行可能にしてもよい。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31にそれぞれ対応して中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84及び第2カウントスイッチ85が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82は、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28a)への遊技球の入球を検出するためのものである。また、第1カウントスイッチ84は、第1可変入賞装置30(第1大入賞口)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、確変領域スイッチ95は、第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過したことを検出するためのスイッチである(検出手段)。
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22への遊技球の入球を検出する第1入賞口スイッチ86と、普通入賞口24への遊技球の入球を検出する第2入賞口スイッチ81とが装備されている。なお、左側の3つの普通入賞口22については、共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば3つの入賞口スイッチを設置して、各普通入賞口22に対する遊技球の入球を個別に検出してもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81、確変領域スイッチ95からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上述したように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89にはパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、主制御装置70には、パネル中継端子板87を介して、性能表示モニタ200が接続されている。性能表示モニタ200は、遊技球が各入賞口(始動入賞口、普通入賞口)に入球することによって払い出される賞球数を、遊技領域に発射した遊技球の数を示すアウト数(アウトスイッチ99で検出された遊技球の数)で除算して算出されるベースを表示するためのモニタである。ベースは、遊技を進行させる制御に用いられる使用領域とは別の領域(使用外領域)を用いて予め設定された区間ごとに算出され、現在の区間のベースと、前回の区間のベースとが、予め設定された間隔ごとに切り替わって表示される。性能表示モニタ200は、主制御CPU72からの制御信号に基づいてその表示動作が制御される。主制御CPU72は、ベースの算出状況に応じて性能表示モニタ200に対する制御信号を出力し、各7セグメントの点灯状態を制御する。
なお、性能表示モニタ200は、パネル中継端子板87を介して主制御装置70に接続する例で説明しているが、パネル中継端子板87を介さずに主制御装置70に接続してもよく、主制御装置70の内部の構成として性能表示モニタ200を配置してもよい。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び確変領域の上流にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び確変領域用ソレノイド99が設けられている。これらソレノイド88,90,97,99は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31を開閉動作(作動)させたり、確変領域用羽根部材31dを可動させたりする。なお、これらソレノイド88,90,97,99についてもパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って受皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに、下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている(球発射手段)。また、受皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上述したように遊技領域8aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置するハンドルユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がハンドルユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして、発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
受皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120にCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。また、CRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、CRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126が回路基板(複合サブ制御基板)上に装備されている。演出制御CPU126は、図示しないCPUコアとともにRAM(RWM)130やeDRAM131等の半導体メモリを内蔵したLSIとして構成されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
その他にも演出制御装置124には、VDP152やドライバIC132、音声IC134等の演出を実現する上で必要となる様々な機能部品が搭載されている。このうちVDP152は、液晶表示器42の画面上で再生される演出画面を描画するためのプロセッサである。ドライバIC132は、ランプ46~52や盤面ランプ53、可動体モータ57等のデバイスを制御するICを搭載している。また、音声IC134は、スピーカ54,55,56,58の駆動を制御する。このような演出制御装置124の内部の機能構成については、次の図を参照しながら詳しく後述する。
演出制御装置124と主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種演出用のコマンド(以下、「演出コマンド」と称する。)のバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバ(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にサブ接続基板136が設置されており、ドライバIC132や音声IC134からの駆動信号はサブ接続基板136を経由して各種ランプ46~52やスピーカ54,55,56,58に印加されている。また、サブ接続基板136には、ハンドルレバー62、ボタンモータ63、プッシュボタン64、方向キー66の他に図示しない音量調整スイッチが接続されており、遊技者がこれらの操作部材を操作すると、それらの接点信号がサブ接続基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではサブ接続基板136に各操作部材62,64,66を接続した例を挙げているが、受け皿電飾基板を設置する場合、各操作部材62,64,66は受け皿電飾基板に接続されていてもよい。
ボタンモータ63は、プッシュボタン64に対応したステッピングモータであり、操作ユニット60を制御する不図示の操作ユニット制御装置によって駆動される(切替手段)。操作ユニット制御装置は、演出制御装置124から送信される駆動信号に基づいてボタンモータ63を駆動することにより、プッシュボタン64を通常の状態(初期位置)又は突出した状態(最大可動位置)のいずれかに切り替える(変位させる)。
その他、遊技盤ユニット8にはドライバ基板138が設置されており、このドライバ基板138には、盤面ランプ53、可動体モータ57及び可動体センサ59が接続されている。可動体モータ57は、例えば図示しないリンク機構を介して上記の可動体40fを駆動する。可動体センサ59は、例えば可動体40fの原点位置(初期位置)等に設けられたフォトセンサであり、可動体40fを検出すると検出信号を出力する。ドライバIC132からの駆動信号は、ドライバ基板138を経由して盤面ランプ53及び可動体モータ57にそれぞれ印加される。なお、可動体モータ57は、ソレノイドであってもよい。
液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上述したように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
〔演出制御装置の内部構成〕
図605は、演出制御装置124の内部の機能構成を示すブロック図である。
上述したように、演出制御装置124は遊技の進行に伴い演出を制御する演出制御プロセッサとしての役割を有している。そのため演出制御装置124には、演出制御CPU126に加え、演出制御装置124が演出制御プロセッサとして機能する上で必要となる制御ROM180及びウォッチドッグタイマIC(WDTIC)188が装備されている。制御ROM180には、演出の制御に関する基本的なプログラムやテーブル等が格納されている。演出制御CPU126は、図示しないCPUバスを介して制御ROM180にアクセスし、制御ROM180に格納されたプログラムを実行することにより演出を制御する。ウォッチドッグタイマIC188は、演出制御装置124で実行される制御が正常になされているか(想定時間内に処理が完了しているか)を監視するタイマであり、演出制御CPU126のリセット端子に接続されている。ウォッチドッグタイマIC188の監視タイマをクリアするための信号(クリアパルス)が所定時間内に入力されなかった場合、ウォッチドッグタイマIC188は演出制御CPU126に対しリセット起動させるための信号(リセットパルス)を出力する。これにより、演出制御装置124が強制的にリセット起動されることとなる。
演出制御装置124にはこれらの他にも、演出に関わる機能として、バックアップデータ用の記憶領域であるSRAM182、所定周波数のクロック信号を生成する水晶発振器181、時刻管理を行うリアルタイムクロック(RTC)184、SRAM182及びリアルタイムクロック184に対しバックアップ電源を供給するリチウム電池186、図示しない入出力ドライバやカウンタ/タイマ回路等の周辺IC等が装備されている。リチウム電池186は、電源制御ユニット162から演出制御装置124に対し駆動電力が供給されている間に、この電力を蓄えて自身を充電する。SRAM182及びリアルタイムクロック184は、リチウム電池186に接続されており、電源制御ユニット162からの演出制御装置124への駆動電力の供給が断たれた場合にはリチウム電池186により駆動可能となる。したがって、SRAM182及びリアルタイムクロック184は、電源制御ユニット162からの電力供給が断たれた場合でも、リチウム電池186の充電が切れるまでの期間(例えば、約1か月半)は動作を継続するため、SRAM182は、電源断の状況下においても暫くは格納されている情報を保持することができる。
なお、演出制御プログラムは、容易に消去されるべきではないセキュリティや監視、不具合等に関する情報をSRAM182に保存する構成となっている。これにより、例えば、演出制御装置124で何らかの不具合が発生した場合に、パチンコ機1を回収(又は設置状態で点検)し、SRAM182に保持されている情報を解析することにより不具合の要因調査を進めることが可能となる。
通常、演出制御CPU126が制御ROM180に格納されたプログラムに沿って実行する演出の制御には、上述したように液晶表示器42、各種ランプ46~53やスピーカ54,55,56,58等のデバイスを用いた演出の制御が含まれる。この演出制御の流れは、大きくみると「全体制御(再生指示)」と「個別制御(再生制御)」の2つの段階に分けられる。演出制御CPU126は、先ず主制御装置70から送信される演出コマンドを受信し、演出コマンドの内容に応じた演出の再生を各デバイスに対して間接的に指示する(全体制御)。次に、演出制御CPU126は指示内容を各デバイスに適したより具体的な表現に変換した指示データを生成し、演出制御CPU126と各デバイスとの間を中継する各制御デバイス134,152,198,199に送信する(個別制御)。その結果として、各制御デバイス134,152,198,199により指示データに基づく各デバイスの制御がなされ、パチンコ機1における各デバイスを用いた演出再生(画面表示、音声出力、ランプ発光、可動体変位等)が実現される。
このように、演出制御CPU126は、演出制御の段階に応じて異なる機能を有しており、これらの機能は演出制御CPU126のリソースを使い分けた複数のタスクとして実現されている。図605においては、演出制御CPU126により実行される個々の機能に対応するタスクが、演出制御部210(演出制御手段)、表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224(演出動作制御手段)、可動体制御部226(演出動作制御手段)、入力制御部228等として示されている。以下の説明では、個々のタスクを演出制御処理の動作主体として扱うものとする。
先ず、全体制御の段階では、演出制御CPU126内の演出制御部210が動作主体となる。また、個別制御の段階では、制御対象とされるデバイスに応じて演出制御CPU126内の表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224、可動体制御部226又は入力制御部228が各動作主体となる。なお、演出制御部210が各制御デバイス134,152,198,199等を直接的に制御する構成としてもよい。
演出制御装置124は、全体制御の段階では演出制御プロセッサとして機能するのに対し、個別制御の段階では演出再生プロセッサとして機能する。そのため、演出制御装置124にはさらに、液晶表示器42に表示される演出画面を描画するVDP152、演出に伴う音声を生成してスピーカから出力させる音声IC134、演出に用いられる画像や音声を記憶するCGROM(画像・音声ROM)190、CGROM190に記憶されているデータのロード先として用いられるDRAM191の他、演出の再生に用いられる各種デバイスを制御するための音声IC134、LEDドライバ198、SMC(シリアル制御コントローラ)199及びドライバIC132が装備されている。このうち、VDP152、音声IC134、SMC199は、演出制御CPU126とワンチップに統合されている。これらの回路を統合するチップ128には、図示しないPLL回路(位相同期回路)が搭載されている。水晶発振器181により生成されたクロック信号は、PLL回路により逓倍/分周されてから、チップ128上の各回路に入力する。
CGROM190は、演出画面を構成する描画素材(動画像データ)や演出の進行とともに出力される音声素材(音声データ)を所定の圧縮アルゴリズムにより圧縮された状態で格納している(第1記憶手段)。CGROM190の最大容量は64Gビットであり、そのうちの60Gビットが描画素材用として割り当てられ、4Gビットが音声素材用として割り当てられている。CGROM190は、図示しないCGバスを介してVDP152や音声IC134に接続されている。
ところで、本実施形態においては、CGROM190にはNAND型のSATA(Serial ATA)規格のROMが採用されている。NAND型ROMにおいては、データの読み出しはページ単位(例えば、1ページ=32Kバイト)で行われるが、CGROM190に記憶されている各種の描画素材や音声素材を演出に用いる際には、特定のアドレスから必要なデータだけをランダムアクセスにより読み出す必要がある。
そこで、NAND型のCGROM190の採用に伴い、本実施形態においては、さらにDRAM191を装備し、CGROM190からページ単位で読み出されたデータのロード先(一時保存先)として用いる構成としている(第2記憶手段)。これにより、VDP152や音声IC134は、DRAM191にロードされたデータの中からランダムアクセスにより必要な描画素材や音声素材を読み出すことが可能となる。なお、DRAM191には、DDR3(Double-Data-Rate3)規格のSDRAMが採用されている。DRAM191の最大容量は8Gビットであり、描画素材用、音声素材用として4Gビットずつ割り当てられている。また、DRAM191は、図示しないバスを介してVDP152や音声IC134に接続されている。
なお、上述したCGROM190及びDRAM191の最大容量や割り当て比は飽くまで一例であり、状況に応じて適宜変更が可能である。また、CGROM190は、描画素材用と音声素材用とで別体として設けてもよい。
VDP152は、演出画像の描画専用のプロセッサであり、演出制御CPU126とともに同一のチップ128に統合されている。また、VDP152は、プリロード回路154、描画回路155、VRAM156、描画素材デコーダ157、表示回路153を内蔵する。VDP152に表示制御部220からの指示(コマンド)が入力されると、プリロード回路154が必要な描画素材をCGROM190からDRAM191に事前に転送して保存(以下、「プリロード」と称する。)した上で、描画回路155がプリロードされた描画素材をデコーダ157を用いて解凍(復号)しながらVRAM156上で演出画像の描画を行い、演出画像を1フレーム(単位時間あたりの静止画像)毎にフレームバッファに展開する。そして、フレームバッファに展開された内容に基づいて表示回路153が液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動することにより、演出画面の再生が実現される。
なお、プリロード回路154によってなされる、NAND型のCGROM190からDRAM191へのデータのプリロード及びDRAM191内でのデータ転送の各態様については、別の図面を参照しながら詳しく後述する。
音声IC134は、演出の実行中に再生される効果音やBGM等の音声を生成するサウンドジェネレータであり、VDP152と同様に演出制御CPU126とともに同一のチップ128に統合されている。音声IC134は、図示しないアンプやDRAM191とは別の外部DRAMにも接続されている。また、音声IC134には、圧縮された状態の音声素材を解凍(復号)する音声素材デコーダ135が内蔵されている。音声IC134に音声制御部222からの指示が入力されると、音声IC134は、指示に沿ってDRAM191から必要な音声素材を読み出し、読み出した音声素材を外部DRAM上で音声素材デコーダ135を用いて復号しながら音声を生成し、生成した音声をアンプを経由してガラス枠上スピーカ54、ガラス枠内スピーカ55、内枠スピーカ56及び外枠スピーカ58に出力することにより、ステレオ2ch又はモノラル2chの音声再生を実現する(チャンネル数はこれに限定されない)。また、音声IC134は、音量調整スイッチが操作された場合に入力される接点信号に基づいて、各スピーカ54,55,56,58の出力音量を調整する。なお、本実施形態においては、音声IC134とアンプとの間にアンプIC193が装備されており、アンプIC193がアンプの設定や調整を行う。
ところで、音声IC134は、上述したように必要な音声素材をDRAM191から読み出しているが、これは、音声IC134にはVDP152のプリロード回路154に相当する機能が搭載されていないことと関係している。音声素材が必要となった段階で、音声IC134が仮にCGROM190からデータを読み出すとした場合には、ページ単位での読み出ししかできないため、特定の音声素材を読み出すことができず、音声の制御が困難となる。そこで、NAND型のCGROM190の採用に伴い、本実施形態においては、電源投入時にCGROM190に記憶されている全ての音声素材をDRAM191に転送する構成としている。これにより、音声IC134は、CGROM190からデータを読み出すことなく、DRAM191にロードされたデータの中からランダムアクセスにより必要な音声素材を読み出すことが可能となる。
LEDドライバ198は、パチンコ機1の前面側に設けられた各種ランプ46~53の演出の実行にともなう点灯パターン及び輝度パターンを制御する。LEDドライバ198においては、アドレス指定同期シリアル方式が採用されている。LEDドライバ198は、先ずランプ制御部224から送信された指示内容に基づいて点灯パターン及び輝度パターンの制御を行い、これに応じた駆動データをドライバIC132に転送する。
SMC199は、演出ユニット40の内部に設けられた演出用の各種可動体の駆動源となるモータ(例えば、可動体モータ57)の駆動パターンを制御するとともに、可動体用のセンサ(例えば、可動体センサ59)により出力された検出信号を中継して可動体制御部226に受け渡す。SMC199もまた、演出制御CPU126とともに同一のチップ128に統合されている。SMC199においては、クロック同期式シリアル方式が採用されている。可動体の駆動に際し、SMC199は、先ず可動体制御部226から送信された指示内容に基づいて可動体用のモータの駆動パターンを生成し、これをドライバIC132に転送する。なお、ここではSMC199をモータの駆動パターン生成にのみ用いているが、SMC199はモータだけでなくランプの点灯パターンや輝度パターンを生成することもできるため、上述したLEDドライバ198に代えてSMC199を適用し、SMC199がランプ及びモータの両方のデータパターンを生成する構成とすることも可能である。
ドライバIC132は、LEDドライバ198やSMC199から転送された駆動データに基づいてランプやモータに対し印加する駆動電圧の制御を行う。ドライバIC132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、各種ランプ46~53や可動体モータ57に印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その動作を管理することにより、ランプや可動体を用いた演出再生を実現する。なお、各種ランプには、ガラス枠トップランプ46やガラス枠装飾ランプ48,50,52の他に、操作ユニット60の各部位に内蔵された光源や遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は、演出ユニット40に内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等に内蔵されるLEDに相当するものである。また、ここではガラス枠装飾ランプ52がサブ接続基板136に接続されている例を挙げているが、受皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、ガラス枠装飾ランプ52については受け皿電飾基板を介してドライバIC132に接続される構成であってもよい。
この他にドライバIC132は、ハンドルレバー62やプッシュボタン64等の操作部材が遊技者により操作された場合に入力される接点信号を、入力制御部228を経由して演出制御部210に転送する。演出制御部210は、転送される接点信号の内容に基づいて、再生する演出内容を適宜変化させる。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。
〔設定値と特別図柄抽選の当選確率との関係〕
図606は、設定値と特別図柄抽選の当選確率との関係を示す図である。
設定値が「1」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/319」である。
設定値が「2」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/299」である。
設定値が「3」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/279」である。
設定値が「4」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/259」である。
設定値が「5」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/239」である。
設定値が「6」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/219」である。
設定値が「1」~「6」である場合、特別図柄抽選の当選確率(高確率状態)は、「1/100」である。
このように、設定値が大きい値であるほど、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、大きな値となっているため、遊技者にとって有利な状況となる。
なお、図示の例では、特別図柄抽選の当選確率は、低確率状態でのみ設定差を設ける例で説明したが、高確率状態でも設定差を設けてもよい。また、設定に関しては、大当り確率だけでなく、小当り確率に設定差を設けてもよい。さらに、その他の項目(例えば、高確率状態への移行率、時間短縮状態への移行率、確変回数、時短回数、特殊変動回数等)に設定差を設けてもよい。
続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔主制御装置におけるCPU初期化(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はCPU初期化処理を開始する。CPU初期化処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、CPU初期化処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図607及び図608は、CPU初期化処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS100:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、割込ベクタテーブルの設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタテーブルのアドレスを割込制御に使用するIレジスタ(割込ベクタレジスタ)にセットする。割込ベクタテーブルにはCPU初期化処理の実行中に発生した割込要求を制御する上で必要となる優先順位が定義されており、主制御CPU72は割込ベクタテーブルに定義された優先順位に基づき複数の割込要求を順番に実行することとなる。割込処理の制御については、詳しく後述する。
ステップS104:主制御CPU72は、RAMクリア信号(RAMクリアスイッチ304からの入力信号)を退避させる。より具体的には、RAMクリア信号が入力される入力ポートの値を2回連続して取得し、これらの値による論理和を入力ポート値として退避させておく。
ステップS106:主制御CPU72は、ここで待機処理を実行する。この処理は、電源投入後にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に電源断予告信号(電源の遮断が発生しつつあることを示す信号)のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら電源断予告信号の入力ポートをビットチェックする。電源断予告信号は、駆動電圧の電圧レベルを監視するICにより入力される。そして、ループカウンタが0になる前に電源断予告信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1~2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS108:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS110:主制御CPU72は、先のステップS104で退避させた入力ポート値の特定ビットをチェックすることによりRAMクリア信号を参照し、RAMクリアスイッチ304が操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチ304が操作されていなければ(No)、次にステップS112を実行する。
ステップS112:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断時に実行された処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A5H」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS114を実行する。なお、電源遮断時に実行される処理については、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS114:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS116を実行する。
ステップS116:主制御CPU72は、RAM76の一部領域の記憶内容をクリアする。RAM76の一部領域とは、電源復帰時にクリア対象とするバックアップ有効判定フラグのアドレスを基準とした連続する所定範囲内のワーク領域のことである。この領域の記憶内容をアドレス毎に(バイト単位で)クリアしつつ、保存されている有効なバックアップ情報はそのまま保持しておくことにより、主制御CPU72は電源遮断時の状態を復旧させることが可能となる(記憶復帰手段)。
ステップS118:主制御CPU72は、電源遮断から復帰して起動したことを示す電源復帰指定の演出コマンド(演出制御装置124に対し送信するべきコマンド)及び払出コマンド(払出制御装置92に対し送信するべきコマンド)をセットする。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチ304が操作されていた場合(ステップS110:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS112:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS114:No)、主制御CPU72はステップS120に移行する。
ステップS120:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタック領域は全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS122:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS124:主制御CPUは、RAMクリア起動したことを示すRAMクリア指定の演出コマンド(演出制御装置124に対するコマンド)及び払出コマンド(払出制御装置92に対するコマンド)をセットする。
ステップS126:次に主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、ステップS118でセットされた払出コマンド(電源復帰指定)又はステップS124でセットされた払出コマンド(RAMクリア指定)を、払出コマンドバッファに出力する。
ステップS128:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先ず、ステップS118でセットされた演出コマンド(電源復帰指定)又はステップS124でセットされた演出コマンド(RAMクリア指定)を演出コマンドバッファに出力する。主制御CPU72はさらに、演出制御に必要となるその他の各種演出コマンド(例えば、機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、特図先判定演出コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタ残数コマンド、特別遊技状態指定コマンド、発射位置指定コマンド等)をセットし、これらを演出コマンドバッファに出力する。このとき、主制御CPU72はこれらの演出コマンドに対し、電源復帰時とRAMクリア時とで異なる値をセットする。
例えば、電源復帰時には、バックアップ情報に基づいて各演出コマンドの値をセットする。これらの演出コマンドが後の演出コマンド送信処理(ステップS142)において演出制御装置124に対し送信されることにより、演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS130:主制御CPU72は、入力ポート処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は各入力ポートの内容を取得し、その値に対して所定の演算を行った結果を各入力ポートの状態フラグに格納する。この処理を終えると、主制御CPU72は次にステップS131に進む(接続記号A→A)。
ステップS131:主制御CPU72は、主コマンド許可信号を出力ポートの特定ビットにセットする。主コマンド許可信号とは、主制御装置70が自身へのコマンド送信を許可する旨を払出制御装置92に対し表明する信号である。主コマンド許可信号が払出制御装置92に入力されると、これを受けて払出制御装置92は、主制御装置70に対し払出コマンドの送信を許可する旨を表明する払出コマンド許可信号を入力することとなる。
ステップS132:主制御CPU72は、出力ポートの特定ビットをリセット(OFF)して発射許可信号をクリアする(特定出力情報クリア手段)。発射許可信号は電源遮断時におけるバックアップの対象に含まれる。したがって、主制御装置70(パチンコ機1)が電源復帰した場合、主制御CPU72はCPU初期化処理において電源復帰時のフローを実行し、バックアップ情報に基づいて主制御装置70を電源遮断時の状態に復帰させるが(ステップS116)、その一環で、発射許可信号も電源遮断時の状態に戻される。
発射許可信号は、RAM76に記憶されている特定の出力ポートバッファ(例えば、出力ポート3用のバッファ)のうち、特定のビット(例えば、ビット0)にセットされている。ただし、ここで対象とする出力ポートバッファのアドレスは、RAM76のアドレス空間のうち、ステップS116でクリア対象とした連続領域からは外れた場所に位置している。このため仮に、ステップS116の処理の一環で、クリア対象領域に加えて発射許可信号がセットされている特定アドレスの特定ビットの値をもクリアしようとすると、その具体的なアドレスを特定した上で、そのアドレスに記憶されている8ビットのデータのうちの特定ビットのデータのみをクリアしつつ残りの7ビット分のデータは維持するという例外的な処理を行わなければならず、RAM76の一部領域をクリアする処理の効率が非常に悪くなる。このような事情から、主制御CPU72は、先のステップS116では発射許可信号をクリアせずに他のバックアップ対象データと区別せず同様に取扱い、一旦は電源遮断時の状態に戻すこととしている。
しかしながら、主制御装置70においてバックアップ情報が戻された段階(ステップS116)では、払出制御装置92との通信が未だ確立しておらず、払出制御装置92が正常に起動しているか(主制御装置70からのコマンドによる指示を受け付けられるか)否かを確認できていない。発射許可信号がONの状態で電源が遮断された場合には、発射許可信号がONに戻されるため、結果として払出制御装置92の正常性が不明であるにもかかわらず遊技球を発射できるという状態が発生することとなる。ここで仮に、電源の遮断中に払出制御装置92が本来の検査適合していない改造品(例えば、賞球数が改変されたもの等)と交換され、その後の電源復帰により主制御装置70が起動した場合、発射許可信号がONに戻されることより遊技球の発射が可能となってしまう。このような状態は、セキュリティの観点から好ましくない。
そこで、本実施形態においては、電源復帰による起動であるかRAMクリア指定の起動であるかに関わらず、主制御CPU72がメインループに遷移する前の段階で発射許可信号を一度明示的にクリア(OFFにリセット)している。その後、払出制御装置92から主制御装置70に対し払出コマンド許可信号が入力されたことを主制御CPU72が確認し、その上で払出制御装置92に対して払出コマンドを送信したことを契機として、発射許可信号をONにセットする制御を採用している。このような制御を行うことにより、メインループの処理により遊技が開始(再開)しても主制御装置70と払出制御装置92との間の通信が確立しない限りは遊技球の発射が許可されないため、上述したような不正がなされた場合に遊技球の不正な発射を回避することができる。
ステップS133:主制御CPU72は、タイマ割込周期を設定する。より具体的には、主制御CPU72はタイマ割込周期(例えば、4ms)に相当する値をタイマ回路194のカウンタ設定レジスタに設定する。
ステップS134:主制御CPU72は、割込デイジーチェーンをリセットする。より具体的には、主制御CPU72は、割込処理の事前準備として、この後で説明するメインループの先頭アドレスをバックアップした上でRETI命令を実行する。この処理を行うことにより、これ以降に発生する割込処理を正常に開始させ、さらに割込処理の実行後にはメインループから処理を続行することが可能となる。
CPU初期化処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72はメインループ(以下に説明するステップS136~S146)に遷移する。電源制御ユニット162からの電力供給が保たれている限り、主制御CPU72はメインループを終始繰り返して実行する。
ステップS136,ステップS138:主制御CPU72は割込を禁止した上で、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)、及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別のタイマ割込処理(図611中のステップS212)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が一巡する毎にループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS138では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS136で割込を禁止した後にステップS138を実行しているのは、別のタイマ割込処理(図611中のステップS210)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、本実施形態において大当り決定乱数及び当り決定乱数は乱数回路75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。なお、タイマ割込処理については別の図面を用いて後述する。
ステップS140:主制御CPU72は、受信コマンド管理処理を実行する。この処理では、払出制御装置92から受信したデータを解析し、その結果に応じた処理を行う。主制御CPU72は、受信したコマンドが払出起動指定コマンドである場合には払出起動確認指定コマンドを払出コマンドバッファに出力する一方、そうでない場合は受信データが所定範囲内の値であるか(受信コマンドとして適切な値であるか)を確認した上で範囲外ならば払出エラー指定コマンドを演出コマンドバッファに出力し、さらに状況に応じて払出電波エラーフラグのセットを行う。
ステップS142:主制御CPU72は、演出コマンド送信処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、演出コマンドバッファに出力されている各演出コマンドの送信を行う。
なお、本実施形態においては、演出制御装置124において電源投入時に実行される処理のおおよその所要時間を考慮し、電源投入から9.0秒(検査時は2.5秒)が経過するのを待って演出コマンドの送信を行うこととしている。
ステップS144,ステップS146:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中に割込要求が発生し、主制御CPU72が各種割込処理を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込処理の内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
〔電源断時退避処理〕
次に、電源の遮断(以下、「電源断」と略称する)が発生した際に実行する処理について説明する。図609は、電源断時退避処理の手順例を示すフローチャートである。主制御装置70においては、電源断の発生とリセットの発生とが同一の監視IC(例えば、図示しないリセットコントローラに実装されたIC)によって監視されている。この監視ICは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に、パラレルI/Oポート79のXINT端子へ電源断予告信号を出力する。主制御CPU72は、XINT端子への電源断予告信号の入力(XINT割込)を契機として、電源断時退避処理(XINT割込処理、バックアップ手段)を実行する。以下、電源断時退避処理の各手順を追って説明する。
ステップS150,S152:主制御CPU72は、パラレルI/Oポート79の電源断検出スイッチ入力用ポートを読み込み、特定のビットをチェックして電源断予告信号を検出したか否かを確認する。電源断予告信号を検出したことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は割込を許可し、電源断時退避処理を終了してCPU初期化処理(図607~図608)のメインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。一方、電源断予告信号を検出したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS154に進む。
ステップS154:主制御CPU72は、普通電動役物ソレノイド88や第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97、確変領域用ソレノイド99に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS156,ステップS158:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS160:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS158:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS162:次に主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS164:また、主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「00H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS166:主制御CPU72は、ループカウンタに電源断予告信号のチェック回数をカウントするための所定の値をセットする。
ステップS168:主制御CPU72は、電源断予告信号を検出したか否かを確認する。電源断予告信号の確認方法は、上述したステップS150における方法と同じである。電源断予告信号を検出したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は再び前ステップS166に戻る。一方、電源断予告信号を検出したことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は次のステップS170に進む。
ステップS170:主制御CPU72は、ループカウンタの値を1減算する。
ステップS172:主制御CPU72は、ループカウンタの値が「0」であるか否かを確認する。ループカウンタの値が「0」であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS168に戻る。一方、ループカウンタの値が「0」であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS174に進む。
ステップS174:主制御CPU72は、電源断時退避処理からCPU初期化処理(図607)に移行する。このとき、CPU初期化処理への移行前にRETI命令は実行されないため、他の割込を禁止したままの状態でCPU初期化処理を開始することができる。
上述したステップS166~ステップS172の処理は、電源制御ユニット162からの電力供給の遮断に備えて実行されるいわば待機処理(経過観察処理)である。電源断予告信号が継続して検出される場合は、ステップS166~ステップS168が繰り返し実行されるため、ループカウンタが「0」になることはない。そのため、電力供給が持続する限り待機状態が継続されることとなる。一方、電源断予告信号の検出が一時的なもの(例えば、瞬間的な停電等による検出)であった場合は、ステップS168~ステップS172が繰り返し実行され、時間の経過とともにループカウンタが減算されていき、「0」になったことを契機としてCPU初期化処理に移行される。つまり、主制御CPU72は、電力供給が完全に断たれる前に先ずチェックサムの計算とその結果の保存を行って待機の態勢に入り、電力供給が遮断されつつある状況下では他の処理を実行させずに待機状態を維持して安全な状態で来るべき電力供給の遮断を迎えるのに対し、一時的な電源断が発生した後で安定的な電力供給が回復した状況下ではCPU初期化処理に移行してメイン処理を再開させる。このような待機処理の実行により、主制御装置70ひいてはパチンコ機1の安定した遊技動作を保証することが可能となる。
なお、電源制御ユニット162からの電力供給が遮断されると、主制御装置70への電力供給源は自動的にバックアップ用電源に切り替わる。主制御装置70は、電源断の発生後は図示しないバックアップ用電源回路(例えば、主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、電源断後も全てRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のCPU初期化処理(図607)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断発生時のバックアップ情報として復元される。
〔コマンド受信割込処理〕
次に、払出制御装置92からコマンドを受信した際に実行する処理について説明する。図610は、コマンド受信割込処理の手順例を示すフローチャートである。払出制御装置92は、遊技球の払い出しを開始したことを示す払出起動指定のコマンドを主制御装置70に対して送信する他に、遊技の進行に伴い賞球の払い出しに関わる各種装置(例えば、払出装置基板100や満タンスイッチ161等)から主制御装置70に対し送信されるコマンドの中継送信を行う。払出制御装置92により送信されるこれらのコマンドは、主制御装置70のシリアル通信回路196の特定チャネルの受信データレジスタにより受信される。主制御CPU72は、このコマンド受信(SCU割込)を契機として、コマンド受信割込処理(SCU割込処理)を実行する。以下、コマンド受信割込処理の各手順を追って説明する。
ステップS180:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたAレジスタ(アキュムレータ)とFレジスタ(フラグレジスタ)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後の各レジスタには、データ受信割込処理の過程で別の値を書き込むことができる。
ステップS182:次に主制御CPU72は、ステータスレジスタの特定ビットをチェックして受信データレジスタ(受信FIFO)にデータが有るか否かを確認する。受信データレジスタにデータがあることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS184に進む。一方、受信データレジスタにデータがあることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS186を実行する。
ステップS184:主制御CPU72は、データレジスタの内容を受信コマンドバッファに格納する。
ステップS186,S188:主制御CPU72は、ステップS180で退避させたA,Fレジスタの値を各レジスタに復帰させ、割込を許可した後、コマンド受信割込処理を終了してCPU初期化処理のメインループ(図608)に復帰する。
〔タイマ割込処理〕
次に、タイマ割込処理について説明する。図611は、タイマ割込処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、タイマ回路194により出力される割込要求(PTC割込)に基づき、所定時間(例えば、数ms)毎にタイマ割込処理(PTC割込処理)を実行する。以下、タイマ割込処理の各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたAFレジスタ(アキュムレータとフラグレジスタのペア)、BC,DE,HLレジスタ(汎用レジスタのペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後の各レジスタには、タイマ割込処理の過程で別の値を書き込むことができる。
ステップS202:次に主制御CPU72は、割込を許可する。ここで割込が許可されることにより、タイマ割込処理の次ステップ以降を実行している間に他の割込が発生することが可能となる。このように、タイマ割込処理は多重割込が許可されている。なお、割込要求信号の受付や多重割込の優先制御等は、割込コントローラ192により実行される。割込コントローラ192による割込管理については、改めて後述する。
ステップS204:主制御CPU72は、ダイナミックポート出力処理を実行する。この処理では、統合表示基板89に実装された各ランプの点灯をダイナミック点灯方式で制御するために、コモン単位でのポート出力を行う。より具体的には、主制御CPU72は、出力ポートをクリアした後に、選択されたコモンに対応するコモン出力要求バッファに出力された内容を出力ポートに格納する。
ステップS206:主制御CPU72は、ポート入力処理を実行する。この処理では、入力ポート情報に基づき最新のスイッチ状態を正確に取得するために、主制御CPU72はパラレルI/Oポート79から各種スイッチ信号の入力値と前回入力値の反転結果値との論理積を入力ポートオン検出フラグに格納する。この結果、入力ポートオン検出フラグの値(ON/OFF)により、各種スイッチ信号の前回からの変化を踏まえた正確な入力状態を把握することが可能となる。各種スイッチ信号には、具体的には、ゲートスイッチ78及び確変領域スイッチ95からの通過検出信号や、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81からの入賞検出信号等が含まれる。
ステップS208:主制御CPU72は、タイマ更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、遊技時間や普通電動役物の閉鎖時間を管理するタイマの他、外部情報用の各種タイマ、セキュリティ信号用タイマ等のカウンタを1減算して更新する。
ステップS210:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、CPU初期化処理の過程(図608のステップS138)で述べたものと同じである。
ステップS212:主制御CPU72は、当り図柄乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は特別図柄及び普通図柄の抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS214:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先のポート入力処理(ステップS206)で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81からの入賞検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS215:主制御CPU72は、設定変更処理(設定関連処理)を実行する。この処理では、設定値の変更や確認に伴う処理を実行する。なお、設定変更状態や設定確認状態でない場合、すなわち遊技可能状態である場合には、主制御CPU72は、本ステップをスキップして(設定変更処理を実行せずに)、代わりに、ベースを算出して性能表示モニタ200に表示する処理を実行することができる。主制御CPU72は、遊技球が各入賞口(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)に入球することによって払い出される賞球数を、遊技領域に発射した遊技球の数を示すアウト数(アウトスイッチで検出された遊技球の数)で除算することによりベースの算出が可能である。
また、本ステップにて設定変更処理(設定関連処理)を実行した場合には、主制御CPU72は、設定関連終了指定コマンドを生成する。ここで、「設定関連終了指定コマンド」とは、設定の変更又は確認に関連する処理が終了したことを伝える演出コマンドのことであり、設定関連終了指定コマンドには、この他に設定値の情報を含ませることができる。生成された設定関連終了指定コマンドは、メインループ内で実行される演出コマンド送信処理(図608中のステップS142)において演出制御装置124に送信される。
ステップS216,ステップS218:主制御CPU72は、特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これらの処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS216)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を決定したり、その表示結果に応じて第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また、普通図柄遊技処理(ステップS218)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を決定したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(作動抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS220:次に主制御CPU72は、状態管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、入賞頻度の異常(中始動入賞口26、普通入賞口22,24への入球数が異常に多い状態)やベース異常(遊技盤ユニット8の裏側へ回収された遊技球数、すなわち遊技領域8a内に打ち込まれた遊技球数よりも各入賞口22,24,26,28a,30b,31bへの入賞球数の合計の方が多い状態)等の危険度の高い状態が発生していないかのチェックを行う。異常状態を検知した場合、主制御CPU72は、遊技場のホールコンピュータに対してはセキュリティ信号の出力により、また、演出制御装置124に対しては所定の演出制御コマンドの送信により、異常が発生したことを報知する。
ステップS222:主制御CPU72は、入賞口スイッチ処理を実行する。この処理では、先のポート入力処理(ステップS206)において各種スイッチ80,81,82,84,85,86から入力された入賞検出信号に基づき格納した各入力ポートオン検出フラグがONの場合に、それぞれの対象となる賞球制御カウンタを1加算して更新する。
ステップS224:主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。詳細なフローは図示していないが、この処理では、主制御CPU72はまず払出コマンドバッファが空でないか(送信すべき払出コマンドがセットされているか)否かを確認し、空でない(払出コマンドがセットされている)場合は、払出コマンドバッファに出力された各種払出コマンドを払出制御装置92に対して送信する。例えば、電源投入時の起動モードを示す払出コマンドは、CPU初期化処理の過程でセットされ(図607中のステップS118、ステップS124)、払出コマンドバッファに出力される(図607中のステップS126)が、この起動モードを示す払出コマンドがここで送信される。一方、払出コマンドバッファが空である場合は、賞球の払い出しを指示するための処理に進む。主制御CPU72は賞球制御カウンタが0でないか否かを確認し、賞球制御カウンタが0でない場合は、このカウンタに対応する賞球個数を指示する賞球指定の払出コマンドを払出制御装置92に対して送信する。より具体的には、前ステップS222において更新された各賞球制御カウンタに対応する賞球指定の払出コマンドがここで送信される。なお、払出コマンドの送信は、払出制御装置92から主制御装置70に対し払出コマンド許可信号が入力されており、かつ、送信データレジスタ(送信FIFO)にセットされている払出コマンドの数が所定数未満である場合(より具体的には、前回以前に実行されたステップS224において送信FIFOにセットされた払出コマンドが送信済みであるか、又は、現在送信中であって送信FIFOに空きがある場合)にのみ実行される。
また、特に電源投入時のステップS224においては、CPU初期化処理の過程でセットされた払出コマンドが正常に送信された場合、主制御CPU72はこれを契機として発射許可信号をオンにする。具体的には、主制御CPU72は電源投入時に出力した払出コマンドバッファをクリアするとともに、出力ポートの特定ビットをセットすることで発射許可信号をオンにする(特定出力情報セット手段)。これにより電源投入後の正常動作を確認した上で遊技球の発射が許可され、この発射許可信号が払出制御装置92を介して発射制御基板108に送られることにより、遊技球の発射が可能な状態となる。
また、主制御CPU72は、賞球払出処理において、演出制御装置124に対して賞球個数の内容を伝達する賞球内容コマンドを出力する。第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31に対応する第1カウントスイッチ84又は第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力された場合、第1利益(遊技球15個分)に対応する賞球内容コマンドを生成する。また、普通入賞口24に対応する第2入賞口スイッチ81から入賞検出信号が入力された場合、第2利益(遊技球10個分)に対応する賞球内容コマンドを生成する。賞球内容コマンドは、後述するポート出力処理(ステップS236)において演出制御装置124に送信される。
〔賞球数及び獲得遊技球数について〕
第1特別図柄の始動口の賞球数及び第2特別図柄の始動口の賞球数は、それぞれ1個以上の規定数に設定されている。また、第1特別図柄の始動口と第2特別図柄の始動口とでは、賞球数を異ならせてもよい。さらに、特別図柄の当選確率や、総獲得遊技球数の期待値(初当りから時間短縮状態が終了するまでの一連の期間に得られる平均出球数)に基づいて、最低賞球数を設定してもよい。さらにまた、特別図柄の当選確率、総獲得遊技球数の期待値、大入賞口の開放回数、大入賞口の開放時間、大入賞口の最大入賞数、大入賞口の賞球数が所定の条件を満たした場合、1回の大当りによる獲得遊技球数が最大の獲得遊技球数の1/4未満となる大当りを設定してもよい。
ステップS226:主制御CPU72は、発射位置指定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず発射位置指定フラグを前回発射位置指定フラグにセットしてから発射位置指定フラグをクリアする。その上で、主制御CPU72は、可変入賞装置が作動中であるか又は時間短縮機能が作動中であれば発射位置指定フラグをONにし、さらに発射位置指定フラグと前回発射位置指定フラグが一致しなければ発射位置指定コマンドを生成する。生成された発射位置指定コマンドは、メインループ内で実行される演出コマンド送信処理(図608中のステップS142)において演出制御装置124に送信される。
ステップS228:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」~「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」~「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」~「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS230:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、発射位置指定、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS232:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を管理する上で必要となる処理を行う。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS216)や普通図柄遊技処理(ステップS218)において決定された図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等に対応する態様で各ランプを点灯させるための駆動信号を、バイトデータとして各コモン用のポート出力要求バッファに格納する。
なお、ここで各コモン用のポート出力要求バッファに格納されたバイトデータは、タイマ割込処理が発生する毎にダイナミックポート出力処理(ステップS204)において1コモンずつ順繰りに出力ポートに格納されてポート出力される。例えば、次回に実行されるタイマ割込処理ではコモン1用として格納されたバイトデータがポート出力され、次々回に実行されるタイマ割込処理ではコモン2用として格納されたバイトデータがポート出力される、という具合に各コモン用のポート出力要求バッファに格納されたバイトデータが1つずつ順番に処理されていく。これにより、所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)を構成する各ランプがコモン単位で順繰りに駆動され、ダイナミック点灯方式により点灯制御されることになる。
ステップS234:また、主制御CPU72は、ソレノイド出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び確変領域用ソレノイド99の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力要求バッファに格納する。
ステップS236:主制御CPU72は、ポート出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は各出力バッファ(ポート出力要求バッファ)に値が格納されているかを確認し、値が格納されている場合はポート出力する。例えば、前ステップS234でポート出力要求バッファに格納された各ソレノイド88,90,97,99の各駆動信号をポート出力する。この場合、各駆動信号が対応する各ソレノイド88,90,97,99に送信され、各ソレノイドに駆動信号に応じた動作をさせることが可能となる。
なお、本実施形態では、ステップS216~ステップS236の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理の一部として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS238:制御CPU72は、ステップS200で退避させたHL,DE,BC,AFレジスタの値を各レジスタに復帰させ、タイマ割込処理を終了してCPU初期化処理のメインループ(図608)に復帰する。
〔割込コントローラによる割込管理〕
以上に説明したように、主制御装置70においては、メイン制御プログラムであるCPU初期化処理(図607)の実行中に、XINT割込(電源断時退避処理(図609)の元となるパラレルI/Oポート79により出力される割込要求)、SCU割込(コマンド受信割込処理(図610)の元となるシリアル通信回路196により出力される割込要求)、PTC割込(タイマ割込処理(図611)の元となるタイマ回路194により出力される割込要求)が発生しうる。これらの割込要求は、主制御装置70に実装された割込コントローラ192によって管理/制御される。割込コントローラ192は、主制御CPU72の割込許可命令(EI命令)により割込要求の受付を許可し、割込禁止命令(DI命令)により割込要求の受付を禁止する、いわゆるマスカブル割込の制御を行っている。
XINT割込、SCU割込、PTC割込は、いずれも相互依存性のない独立した発生要因に基づいて生じるため、複数の割込要求が同時期に発生する場合も当然に考えられる。そこで、割込コントローラ192は、割込処理の重要度や処理効率等を考慮して予め定められた割込要求の優先順位に従って各割込要求を制御する。
より具体的には、割込要求(割込処理)の優先順位は割込ベクタテーブルに定義されており、XINT割込(電源断時退避処理)の優先度が最も低く、SCU割込(コマンド受信割込処理)の優先度が最も高く設定されている。割込ベクタテーブルの設定がCPU初期化処理の序盤(図607中のステップS102)になされることにより、割込コントローラ192はこれ以降のタイミングで発生する割込要求の優先制御を行うことができる。実際には、CPU初期化処理がメインループ(図608中のステップS136~S146)に遷移した後、割込が許可されてから(図608中のステップS144)割込が禁止されるまで(図608中のステップS136)の間にいずれかの割込要求が発生すると、割込コントローラ192は受け付けた割込要求を割込ベクタテーブルに設定された優先順位に基づいて制御する。例えば、XINT割込とPTC割込を同時に受け付けた場合、より優先度の高いPTC割込(タイマ割込処理)が先に処理される。タイマ割込処理が実行されている間、XINT割込は割込待ち状態となり、タイマ割込処理が終了した後で電源断時退避処理が実行される。
また、各割込み処理の手順例を改めて確認してみると、電源断時退避処理(図609)及びコマンド受信割込処理(図610)においては、それぞれの割込処理から復帰する直前(RETI命令を実行する直前)にはじめて割込が許可されるのに対し(図609中のステップS152、図610中のステップS188)、タイマ割込処理(図611)においては、割込処理の序盤に割込が許可され(図611中のステップS202)、その後で主要なステップが実行される。つまり、割込コントローラ192(主制御CPU72)は、電源断時退避処理及びコマンド受信割込処理の実行中には多重割込の実行を禁止する一方、タイマ割込処理の実行中には多重割込の実行を許可している。
このようにして優先順位に基づく割込要求の制御を行うことにより、割込コントローラ192は主制御装置70における多重割込の実行を可能としている。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図612は、スイッチ入力イベント処理(図611中のステップS214)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する中始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の第1大入賞口に対応する第1カウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS20に進んで第1大入賞口カウント処理を実行する。第1大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの第1可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS21aに進む。
ステップS21a:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の第2大入賞口に対応する第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS21bに進んで第2大入賞口カウント処理を実行する。第2大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に第2可変入賞装置31への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS24に進んで普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また、主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして、主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS26に進む。
ステップS26:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の内部に設けられた確変領域に対応する確変領域スイッチ95から検出信号が入力されたか否かを確認する。この検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS28に進んで確変領域通過時処理を実行する。確変領域通過時処理として、主制御CPU72は、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする処理を実行する(高確率状態移行手段、確率変動機能作動手段、有利遊技状態移行手段、特別状態移行手段)。この確率変動機能作動フラグは、大当り遊技の終了後、当選の結果が得られずに特別図柄が所定回数(170回)変動するとリセットされる。また、確変領域通過時処理として、主制御CPU72は、確変領域通過コマンドを生成する。確変領域通過コマンドは、メインループ内で実行される演出コマンド送信処理(図608中のステップS142)において演出制御装置124に送信される。なお、主制御CPU72は、特定の有効時間内(例えば、大当り遊技中に確変領域用ソレノイド99を作動させている時間内)に限って確変領域通過時処理を実行することにしてもよい。一方、検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はタイマ割込処理(図611)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図613は、第1特別図柄記憶更新処理(図612中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。ここで、RAM76の乱数記憶領域は、第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する8つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図612)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図611中のステップS232)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして、主制御CPU72は、乱数回路75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第1抽選要素取得手段、抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数回路75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、要素取得手段)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして、主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(記憶手段、抽選要素記憶手段)。複数のセクションには順番(例えば第1~第4)が設定されており、現段階で第1~第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2~第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の特別遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37,S38を実行する。大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37,S38をスキップしてステップS38aに進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS37:大当り中以外の場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS32~S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。なお、具体的な処理の内容については別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS38:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS38a:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」~「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」~「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」~「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」~「04H」となったことを表している。なお、先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS39:そして、主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである。
そして、以上の処理を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図612)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
次に図614は、第2特別図柄記憶更新処理(図612中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば4とする)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図612)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図613)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図611中のステップS232)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして、主制御CPU72は、乱数回路75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第2抽選要素取得手段、抽選要素取得手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図613)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図613)と同様である。
ステップS44:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、要素取得手段)。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図613)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第2特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(記憶手段)。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図613)と同様である。
ステップS45a:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。そして、大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS46,S47を実行する。逆に大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS46,S47をスキップしてステップS48に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、同じく大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS46:大当り中以外である場合(ステップS45a:No)、次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS42~S44でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS47:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS46)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS48:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」~「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお、先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS49:そして、主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して特図先判定演出コマンドや作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置124に対して送信する準備が行われる。
そして、以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図612)に復帰する。
〔取得時演出判定処理〕
図615は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理及び第2特別図柄記憶更新処理(図613中のステップS37,図614中のステップS46)においてこの取得時演出判定処理を実行する(事前判定手段)。上述したように、この処理は第1特別図柄(中始動入賞口26への入球時)、第2特別図柄(可変始動入賞装置28への入球時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンド(先判定情報)の下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(図613中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図614中のステップS45)でRAM76に記憶されているものである。
ステップS54:そして、主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段、事前判定手段)。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお、比較値(下限値)は、パチンコ機1における内部抽選の当選確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS80に進む。
ステップS80:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段)。この処理では、主制御CPU72は、はずれ時の変動時間について変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、特に「時間短縮機能」の作動時における変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。例えば、現在の状態が「時間短縮機能」の作動時であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものである場合、主制御CPU72は「時短中非短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。なお、リーチ変動の場合はさらに、リーチモード乱数から「リーチグループ(リーチの種類)」をも判断し、その結果から変動パターン先判定コマンドを生成することとしてもよい。一方、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「時短中短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。あるいは、現在の状態が「時間短縮機能」の非作動時(低確率状態)であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものである場合、主制御CPU72は「通常はずれリーチ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。一方、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「通常はずれ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。なお、この処理において、主制御CPU72は、小当り時の変動パターンについて、上述したはずれ時の処理と同様に変動パターン先判定コマンドを生成していてもよい。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は取得時演出判定処理を終了し、呼び出し元の第1特別図柄記憶更新処理(図613)又は第2特別図柄記憶更新処理(図614)に復帰する。一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS56に進む。
ステップS56:主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされているか否かを確認する。先判定結果による確率状態予定フラグは、未だ変動は開始されていないが、これまで記憶されている大当り決定乱数の中に当選値がある場合にセットされるものである。具体的には、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合、これと組になる大当り図柄乱数が「確変領域通過可能図柄(12ラウンド通常図柄以外のいずれかの確変図柄)」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「A0H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、高確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。一方、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合であって、これと組になる大当り図柄乱数が「非確変(通常)図柄」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「01H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、通常(低)確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。なお、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値が未だ存在しなければ、フラグ値はリセット(00H)されている。また、確率状態予定フラグの値は、例えばRAM76のフラグ領域に格納されている。なお、ここでは「確率状態予定フラグ」を用いて厳密に事前の当り判定を行う例を挙げているが、単純に現在の確率状態に基づいて事前の当り判定を行う場合、このステップS56と以降のステップS58,ステップS60,ステップS62,ステップS76等を省略してもよい。
主制御CPU72は、未だ確率状態予定フラグがセットされていなければ(ステップS56:No)、次にステップS66を実行する。
ステップS66:この場合、主制御CPU72は次に低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。なお、低確率時用比較値もまた、パチンコ機1における低確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
ステップS68:次に主制御CPU72は、「現在の確率状態フラグ」をロードする。この確率状態フラグは、現在の内部状態が高確率(確変中)であるか否かを表すものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。現在の確率状態が高確率(確変中)であれば、状態フラグとして値「01H」がセットされており、低確率(通常中)であれば、状態フラグの値はリセットされている(「00H」)。
ステップS70:そして、主制御CPU72は、ロードした現在の特別図柄確率状態フラグが高確率を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行する。
ステップS64:主制御CPU72は、高確率時用比較値をセットする。これにより、先のステップS66でセットされた低確率時用比較値が書き換えられることになる。なお、高確率時用比較値は、パチンコ機1における高確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが未だセットされていない場合であって、現在の内部状態が高確率の場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72を実行することになる。これに対し、先のステップS70で現在の確率状態フラグが高確率を表すものでないことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72を実行する。
ステップS72:主制御CPU72は、先のステップS52でロードした乱数が当り値の範囲外であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段)。すなわち、主制御CPU72は状態別でセットした比較値から大当り決定乱数値を減算する。そして、主制御CPU72は、同様にフラグレジスタの値から演算結果が負の値(<0)であるか否かを判別し、その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理(ステップS80)を実行する。これに対し、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
ステップS74:主制御CPU72は、大当り図柄種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(図613中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図614中のステップS45)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、ステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果から大当り種別として「確変領域通過困難図柄(12ラウンド通常図柄)」又は「確変領域通過可能図柄」のいずれに該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS76に進む。
ステップS76:そして、主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグの値をセットする。具体的には、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値が「確変領域通過困難図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「01H」をセットする。一方、特別図柄先判定値が「確変領域通過可能図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「A0H」をセットする。これにより、次回以降の処理ではステップS56において「フラグセット済み」と判定されることになる。
ステップS78:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットする。特別図柄先判定値は、例えば「確変領域通過困難図柄」に該当する場合は「01H」がセットされ、「確変領域通過可能図柄」に該当する場合は「A0H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
ステップS79:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り時の変動時間について、上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、例えば大当り時のリーチ変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされる前(内部初当り前)における手順である。これに対し、先のステップS76を経て確率状態予定フラグがセットされた場合、以下の手順が実行される。ただし、現在の確率状態だけで事前の当り判定を行う場合、以下のステップS56,ステップS58,ステップS60,ステップS62、及びステップS76を実行する必要はない。
ステップS56:主制御CPU72は、既に確率状態予定フラグに値がセットされていることを確認すると(Yes)、次にステップS58を実行する。
ステップS58:主制御CPU72は、先ず低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。
ステップS60:次に主制御CPU72は、「確率状態予定フラグ」をロードする。確率状態予定フラグは、直前の先判定結果に基づきそれ以降の先判定において確率状態を予定的に設定するためのものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。直前の先判定結果に基づく確率状態が高確率(確変)に移行する予定であれば、確率状態予定フラグの値として「A0H」がセットされており、逆に直前の先判定結果に基づく確率状態が低確率(通常)に戻る予定であれば、確率状態予定フラグの値として「01H」がセットされている。
ステップS62:そして、主制御CPU72は、ロードした確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率の予定を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行し、高確率時用比較値をセットする。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが既にセットされており、その値が高確率を予定するものである場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72以降を実行することになる。これに対し、先のステップS62で確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでなく、通常(低)確率の予定を表すものであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72以降を実行する。これにより本実施形態では、先判定結果に基づくその後の内部状態の変化(通常確率状態→高確率状態、高確率状態→通常確率状態)を考慮した上で、事前の大当り判定を行うことができる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(図613)又は第2特別図柄記憶更新処理(図614)に復帰する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、タイマ割込処理(図611)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図616は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、大当り時可変入賞装置管理処理(ステップS5000)、小当り時可変入賞装置管理処理(ステップS6000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000~ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番~7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:大当り時可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において大当りの態様で特別図柄が停止表示された場合に選択される。特別図柄が大当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生する。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が大当り時可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。大当り時可変入賞装置管理処理においては、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97が一定時間(例えば29秒間若しくは0.1秒間又は10個の遊技球の入球をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば16回等)にわたって励磁され、これにより第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31が決まったパターンで開閉動作する。この間に第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で16回あれば、これらを「16ラウンド」と総称することがある。
本実施形態では、1ラウンド目から5ラウンド目まで、及び、7ラウンド目から16ラウンド目までは第1可変入賞装置30を開閉動作させ、6ラウンド目では第2可変入賞装置31を開閉動作させている。
また、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また、主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出コマンド送信処理(図608中のステップS142)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ、時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる(高確率時間短縮状態移行手段、有利遊技状態移行手段、特別状態移行手段)。「高確率状態」では確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常よりも例えば10倍程度に高くなる(特定遊技状態移行手段、高確率状態移行手段、高確率状態設定手段)。また、「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、普通図柄の作動抽選が高確率になり、また、普通図柄の変動時間が短縮されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長されて開放回数が増加する(いわゆる電チューサポートが行われる)。なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については、制御上でいずれか一方だけに移行する場合もあれば、これら両方に合わせて移行する場合もある。
ステップS6000:小当り時可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において小当りの態様で特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から小当り遊技状態に移行する契機が発生する。小当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が小当り時可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。小当り遊技においては、第1可変入賞装置30が所定の開放時間(例えば、0.1秒)で所定回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、第1大入賞口への入賞はほとんど発生しない。
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、複数の当選種類として、以下の当選種類が設けられている。
(1)「6ラウンド確変大当り1」
(2)「6ラウンド確変大当り2」
(3)「12ラウンド確変大当り1(実質4ラウンド)」
(4)「12ラウンド確変大当り2(実質9ラウンド)」
(5)「12ラウンド通常大当り(実質9ラウンド)」
(6)「16ラウンド確変大当り」
なお、本実施形態において、6ラウンド、12ラウンド、16ラウンド以外の大当りが設けられていてもよい。
当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「6ラウンド確変大当り1」は「6ラウンド確変図柄1」の大当りに対応し、「6ラウンド確変大当り2」は「6ラウンド確変図柄2」の大当りに対応する。また、「12ラウンド確変大当り1」は「12ラウンド確変図柄1」の大当りに対応し、「12ラウンド確変大当り2」は「12ラウンド確変図柄2」の大当りに対応する。さらに、「12ラウンド通常大当り」は「12ラウンド通常図柄」の大当りに対応し、「16ラウンド確変大当り」は「16ラウンド確変図柄」の大当りに対応する。このため以下では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔可変入賞装置の開放動作パターン〕
図617は、可変入賞装置の開放動作パターンを示す図である。各当選図柄に対応する大入賞口及び確変領域の開放について内容を説明する。
〔6ラウンド確変図柄1〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「6ラウンド確変図柄1」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から5ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。また、6ラウンド目では、第2可変入賞装置31の第2大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。このため、「6ラウンド確変図柄1」の大当り遊技は、実質的に6ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
ここで、「6ラウンド確変図柄1」に該当した場合の6ラウンド目では、第2大入賞口がロング開放するため、遊技球は確変領域を通過する可能性がある。このため、「6ラウンド確変図柄1」に該当した場合であって、6ラウンド目に第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
さらに、「6ラウンド確変図柄1」に該当した場合は、確変領域の通過の有無に関わらず、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔6ラウンド確変図柄2〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「6ラウンド確変図柄2」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から5ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。また、6ラウンド目では、第2可変入賞装置31の第2大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。このため、「6ラウンド確変図柄2」の大当り遊技は、実質的に6ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
ここで、「6ラウンド確変図柄2」に該当した場合の6ラウンド目では、第2大入賞口がロング開放するため、遊技球は確変領域を通過する可能性がある。このため、「6ラウンド確変図柄2」に該当した場合であって、6ラウンド目に第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
さらに、「6ラウンド確変図柄2」に該当した場合は、確変領域の通過の有無に関わらず、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。なお、「6ラウンド確変図柄1」と「6ラウンド確変図柄2」との相違点は付与される時短回数の違いである(詳細は後述する)。
〔12ラウンド確変図柄1〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「12ラウンド確変図柄1」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目及び2ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がショート開放する(例えば0.1秒開放)。このため、「12ラウンド確変図柄1」に該当した場合の1ラウンド目及び2ラウンド目では、実質的な出玉(賞球)を遊技者に付与することなく終了する。また、3ラウンド目から5ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。また、6ラウンド目では、第2可変入賞装置31の第2大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。さらに、7ラウンド目から12ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がショート開放する(例えば0.1秒開放)。このため、「12ラウンド確変図柄1」に該当した場合の7ラウンド目から12ラウンド目では、実質的な出玉(賞球)を遊技者に付与することなく終了する。このため、「12ラウンド確変図柄1」の大当り遊技は、実質的に4ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
ここで、「12ラウンド確変図柄1」に該当した場合の6ラウンド目では、第2大入賞口がロング開放するため、遊技球は確変領域を通過する可能性がある。このため、「12ラウンド確変図柄1」に該当した場合であって、6ラウンド目に第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
さらに、「12ラウンド確変図柄1」に該当した場合は、確変領域の通過の有無に関わらず、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔12ラウンド確変図柄2〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「12ラウンド確変図柄2」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から5ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。また、6ラウンド目では、第2可変入賞装置31の第2大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。さらに、7ラウンド目から9ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。さらに、10ラウンド目から12ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がショート開放する(例えば0.1秒開放)。このため、「12ラウンド確変図柄2」に該当した場合の10ラウンド目から12ラウンド目では、実質的な出玉(賞球)を遊技者に付与することなく終了する。このため、「12ラウンド確変図柄2」の大当り遊技は、実質的に9ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
ここで、「12ラウンド確変図柄2」に該当した場合の6ラウンド目では、第2大入賞口がロング開放するため、遊技球は確変領域を通過する可能性がある。このため、「12ラウンド確変図柄2」に該当した場合であって、6ラウンド目に第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
さらに、「12ラウンド確変図柄2」に該当した場合は、確変領域の通過の有無に関わらず、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔12ラウンド通常図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「12ラウンド通常図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から5ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。また、6ラウンド目では、第2可変入賞装置31の第2大入賞口がショート開放する(例えば0.1秒開放)。さらに、7ラウンド目から10ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。さらに、10ラウンド目及び11ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がショート開放する(例えば0.1秒開放)。このため、「12ラウンド通常図柄」に該当した場合の10ラウンド目及び11ラウンド目では、実質的な出玉(賞球)を遊技者に付与することなく終了する。このため、「12ラウンド通常図柄」の大当り遊技は、実質的に9ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
ここで、「12ラウンド通常図柄」に該当した場合の6ラウンド目では、第2大入賞口がショート開放するため、遊技球が確変領域を通過することは困難(不可能)である。このため、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されることはなく、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与されることもない。
また、「12ラウンド通常図柄」に該当した場合は、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔16ラウンド確変図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「16ラウンド確変図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から5ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。また、6ラウンド目では、第2可変入賞装置31の第2大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。さらに、7ラウンド目から16ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。このため、「16ラウンド確変図柄」の大当り遊技は、実質的に16ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
ここで、「16ラウンド確変図柄」に該当した場合の6ラウンド目では、第2大入賞口がロング開放するため、遊技球は確変領域を通過する可能性がある。このため、「16ラウンド確変図柄」に該当した場合であって、6ラウンド目に第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
さらに、「16ラウンド確変図柄」に該当した場合は、確変領域の通過の有無に関わらず、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
ここで、第1可変入賞装置30の第1大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される。また、第2可変入賞装置31の第2大入賞口も同様に、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される。
いずれにしても、当選図柄が「12ラウンド通常図柄以外のいずれかの確変図柄」に該当し、かつ、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過すると、大当り遊技終了後に内部状態を「高確率時間短縮状態」に移行させる特典が遊技者に付与される。一方、当選図柄が「12ラウンド通常図柄」に該当すると、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過することは困難であるため、大当り遊技終了後に内部状態は「低確率時間短縮状態」に移行する。なお、当選図柄が「12ラウンド通常図柄以外のいずれかの確変図柄」に該当しても、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなければ、大当り遊技終了後に内部状態は「低確率時間短縮状態」に移行する。
また、本テーブルに示す動作パターンにおいては、ラウンド間インターバル時間は共通の「1.5秒」となっている。なお、ラウンド間インターバル時間とは、ラウンドとラウンドとの間に設定される待機時間のことである。
〔小当り〕
また、本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当り遊技が行われて第1可変入賞装置30が開閉動作する(特例遊技実行手段)。すなわち、先の特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、低確率状態又は高確率状態の中で小当り遊技(第1可変入賞装置30が作動する遊技)が実行される。このような小当り遊技では第1可変入賞装置30が所定回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、第1大入賞口への入賞はほとんど発生しない。また、小当り遊技が終了しても、「確率変動機能」が作動することはなく、また、「時間短縮機能」が作動することもないので、「高確率状態」や「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。また、「高確率状態」で小当りに当選しても、その小当り遊技終了後に「高確率状態」が終了することはないし、「時間短縮状態」で小当りに当選しても、その小当り遊技終了後に「時間短縮状態」が終了することもない(上限回数に達した場合を除く。)。なお、本実施形態では、小当りを設定する遊技仕様としているが、小当りを設定しない遊技仕様とすることもできる。
〔特別図柄変動前処理〕
図618は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、演出コマンド送信処理(図608中のステップS142)において演出制御装置124に送信される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお、復帰時は、上述したように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)のうち、第2特別図柄に対応する方を優先的に読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。第2特別図柄に対応する乱数が記憶されていない場合、主制御CPU72は第1特別図柄に対応する乱数を読み出して一時記憶領域に保存する。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。その結果、本実施形態では第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示が優先的に行われることになる。なお、このような特別図柄別の優先順位を設けることなく、単純に記憶された順番で乱数が読み出されるプログラムであってもよい。また、この処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち、乱数のシフトを行った方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、表示出力管理処理(図611中のステップS232)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(図柄抽選実行手段)。このとき設定される大当り値の範囲は、低確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なり、高確率状態では低確率状態よりも大当り値の範囲が約10倍程度に拡大される。また、大当り値の範囲は、現在の設定値によっても異なり、低設定の場合よりも高設定の場合の方が大当り値の範囲が広く設定される。このようにして、現在の設定値に対応した当選確率により特別図柄抽選(所定の抽選)が実行される。そして、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(図柄抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は「高確率状態」や「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。ただし「小当り」は、「大当り」と同様に第1可変入賞装置30を作動させる条件を満たすものとして位置付けられている。なお、このとき設定される小当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なっていてもよいし、同じでもよい。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出コマンド送信処理(図608中のステップS142)において演出制御装置124に送信される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「-」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン選択手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。はずれ時の変動時間は、「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。「時間短縮状態」であれば、基本的にリーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は短縮された時間(例えば、2.0秒程度)に設定される(短縮時変動時間決定手段)。また、「時間短縮状態」でなくとも、リーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個~3個)」に基づいて短縮される場合がある(例えば、変動表示開始時作動記憶数0個→12.5秒程度、変動表示開始時作動記憶数1個→8秒程度、変動表示開始時作動記憶数2個→5秒程度、変動表示開始時作動記憶数3個→2.5秒程度)。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
本実施形態では、内部抽選の結果、非当選に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させてはずれとしたり、「リーチ演出」を発生させずにはずれとしたりする制御を行うこととしている。そして、「はずれ時変動パターン選択テーブル」には、予め複数種類の演出、例えば「非リーチ演出」、「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、非当選に該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出、ストーリーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。
〔はずれ時変動パターン選択テーブルの例〕
図619は、はずれ時変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。
この選択テーブルは、はずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「1」~「8」が割り当てられている。
変動パターン番号「1」~「3」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「4」~「8」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。このうち、変動パターン番号「4」~「6」は、ノーマルリーチ後にはずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「7」は、スーパーリーチ後にはずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「8」は、ストーリーリーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。なお、変動パターン選択テーブルは、変動開始時作動記憶数や内部状態(低確率状態又は高確率状態、非時間短縮状態又は時間短縮状態)、当選図柄に応じて異なるテーブル内容としてもよい(以下、同様)。
ここで、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンでは、設定される変動時間の長さが大きく異なっている。すなわち、「非リーチ変動パターン」は基本的に短い変動時間(例えば作動記憶数に応じて2.0秒~13.0秒程度)に対応するものであるのに対し、「リーチ変動パターン」はその倍以上の長い変動時間(例えば30秒~150秒程度)に対応するものである。
そして、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「2」を選択する。
〔図618:特別図柄変動前処理を参照〕
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、大きく分けて6種類の当選図柄が用意されている。6種類の内訳は、「6ラウンド確変図柄1」、「6ラウンド確変図柄2」、「12ラウンド確変図柄1」、「12ラウンド確変図柄2」、「12ラウンド通常図柄」、「16ラウンド確変図柄」である。なお、各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば「6ラウンド確変図柄1」であれば、「6ラウンド確変図柄1a」、「6ラウンド確変図柄1b」、「6ラウンド確変図柄1c」、・・・といった具合である。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の選択比率が異なっている。このため主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであるか、第2特別図柄に対応するものであるかによって選択する当選図柄を区別している。
〔第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図620は、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、この第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「40」,「10」,「50」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「12ラウンド確変図柄1(実質4ラウンド)」、「12ラウンド確変図柄2(実質9ラウンド)」、「12ラウンド通常図柄(実質9ラウンド)」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する大当り時には、「12ラウンド確変図柄1(実質4ラウンド)」が選択される割合は100分の40(=40%)であり、「12ラウンド確変図柄2(実質9ラウンド)」が選択される割合は100分の10(=10%)であり、「12ラウンド通常大当り(実質9ラウンド)」が選択される割合は100分の50(=50%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。
いずれにしても、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」,「02H」,「03H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「12ラウンド確変図柄1」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔確変回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右から2番目のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される確変回数(ST回数)の値が示されている。
本実施形態では、「12ラウンド確変図柄1」又は「12ラウンド確変図柄2」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、確変回数は170回付与される。
一方、「12ラウンド通常図柄」に該当した場合、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過することは困難となっているため、確変回数は付与されない。なお、「12ラウンド確変図柄1」又は「12ラウンド確変図柄2」に該当したものの、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、確変回数は付与されない。
〔時短回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右カラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数(限度回数)の値が示されている。
本実施形態では、「12ラウンド確変図柄1」又は「12ラウンド確変図柄2」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、時短回数は170回付与される。
一方、「12ラウンド通常図柄」に該当した場合、時短回数は100回付与される。
なお、「12ラウンド確変図柄1」又は「12ラウンド確変図柄2」に該当したものの、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、時短回数は100回付与される。
〔第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図621は、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、この第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「60」,「20」,「20」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、振分値に対応する「16ラウンド確変図柄」、「6ラウンド確変図柄1」、「6ラウンド確変図柄2」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する大当り時においては、「16ラウンド確変図柄」が選択される割合は100分の60(=60%)であり、「6ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の20(=20%)であり、「6ラウンド確変図柄2」が選択される割合は100分の20(=20%)である。
今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、MODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」,「02H」,「03H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「16ラウンド確変図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔確変回数〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右から2番目のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される確変回数(ST回数)の値が示されている。
本実施形態では、「16ラウンド確変図柄」、「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、確変回数は170回付与される。なお、「16ラウンド確変図柄」、「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」に該当したものの、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、確変回数は付与されない。
〔時短回数〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右カラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数(限度回数)の値が示されている。
本実施形態では、「16ラウンド確変図柄」又は「6ラウンド確変図柄1」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、時短回数は170回付与される。
一方、「6ラウンド確変図柄2」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、時短回数は100回付与される。
なお、「16ラウンド確変図柄」、「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」に該当したものの、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、時短回数は100回付与される。
〔図618:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
本実施形態では、内部抽選の結果、大当りに該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させて大当りとする制御を行っている。そして、「大当り時変動パターン選択テーブル」には、複数種類の「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、大当りに該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。
ここで、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。また、時間短縮機能が作動している状態での当選時には、長い変動時間を有する変動パターンを選択せずに、短い変動時間を有する変動パターン(リーチ演出を行わない変動パターン)を選択してもよい。
〔大当り時変動パターン選択テーブルの例〕
図622は、大当り時変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。
この選択テーブルは、大当り時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「61」~「68」が割り当てられている。
変動パターン番号「61」~「68」は、いずれもリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応している。このうち、変動パターン番号「61」~「64」は、ストーリーリーチ後に当りとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「65」,「66」は、スーパーリーチ後に当りとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「67」,「68」は、ノーマルリーチ後に当りとなる変動パターンに対応している。なお、高確率時間短縮状態での当選時には、リーチ演出を実行せずに当りとなる変動パターンを設定してもよい。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「62」を選択する。
〔図618:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)がいずれの当選図柄であっても、遊技状態フラグとして時間短縮機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段、有利遊技状態移行手段、特別状態移行手段)。
また、ステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時特別図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお、本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では、小当り時の当選図柄は「1回開放小当り図柄」の1種類だけである。ただし、これ以外に例えば「2回開放小当り図柄」や「3回開放小当り図柄」等の別の種類が用意されていてもよい。内部抽選の結果としての「小当り」は、その後の状態が「高確率状態」や「時間短縮状態」に変化する契機とはならないため、この種のパチンコ機で必須となる「2ラウンド(2回開放)以上」の規定にとらわれることなく、「1回開放小当り図柄」を設けることができる。
ステップS2408:次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン選択手段)。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。なお、本実施形態では小当りの場合にリーチ変動パターンを選択することもできるし、はずれ通常変動時と同等の変動パターンを選択することもできる。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図616:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして、主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定するとともに、確定コマンドを生成する。ここで、「確定コマンド」とは、特別図柄が停止したことを示すコマンドである。確定コマンドは、メインループ内で実行される演出コマンド送信処理(図608中のステップS142)において演出制御装置124に送信される。
また、特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図618中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また、主制御CPU72は、停止表示時間終了コマンドを生成する。停止表示時間終了コマンドは、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図623は、特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動前処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」より大であった場合(図618中のステップS2100:Yes)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:主制御CPU72は、現在ある作動記憶の中で最も古いものが第1特別図柄に対応するものであるか否かを確認する。すなわち、RAM76の記憶エリアにアクセスし、その中で最も古い作動記憶が第1特別図柄に対応するものでなく、第2特別図柄に対応するものであれば(No)、主制御CPU72は次にステップS2212に進む。
ステップS2212:主制御CPU72は、記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第2特別図柄を指定する。この指定は、例えば対象図柄指定値として「02H」をセットすることで行われる。
ステップS2214:一方、最も古い作動記憶が第1特別図柄に対応するものであった場合(ステップS2210:Yes)、主制御CPU72は記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第1特別図柄を指定する。この場合の指定は、例えば対象図柄指定値として「01H」をセットすることで行われる。
ステップS2216:ステップS2212又はステップS2214のいずれかで指定した対象の特別図柄について、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
ステップS2218:次いで主制御CPU72は、対象の特別図柄について作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、今回の記憶エリアをシフトする対象が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(-1)する。
ステップS2220:そして、主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から「変動開始時作動記憶数」を設定する。なお、ここでは第1特別図柄と第2特別図柄の両方について、作動記憶カウンタの値を加算した上で「変動開始時作動記憶数」を設定してもよい。
ステップS2222:また、主制御CPU72は、今回の記憶エリアをシフトする対象の特別図柄が第2特別図柄であるか否かを確認する。
ステップS2224:対象が第2特別図柄であった場合(ステップS2222:Yes)、主制御CPU72は第2特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」~「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。つまり、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」~「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」~「1」(コマンド表記は「13H」~「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」~「0」(コマンド表記は「12H」~「10H」)となったことを表している。なお、先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS2226:なお、今回の対象が第1特別図柄であった場合(ステップS2222:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。この場合のコマンドは、先行値が第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BBH」)となる以外は上記と同じである。
ステップS2228:そして、主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2224又はステップS2226でセットした作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図618)に復帰する。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に図624は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして、主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図616中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、停止表示時間終了コマンドを生成する。停止表示時間終了コマンドは、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。なお、「停止表示時間終了コマンド」とは、特別図柄の停止表示時間が終了(経過)したことを示すコマンドである。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「大当り時可変入賞装置管理処理」に設定する。なお、主制御CPU72は、本処理にて各種機能を非作動に設定する処理を実行する。具体的には、確率変動機能を非作動とし、時間短縮機能を非作動とする。これにより、特別遊技(大役)が開始される前には、低確率非時間短縮状態に移行されることになる。
ステップS4400:そして、主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、大当り図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、大当り図柄の種類が「16ラウンド確変図柄」である場合、連続作動回数ステータスには「16ラウンド」に対応する値がセットされる。また、大当り図柄の種類が「12ラウンド確変図柄1,2」又は「12ラウンド通常図柄」である場合、連続作動回数ステータスには「12ラウンド」を表す値がセットされる。さらに、大当り図柄の種類が「6ラウンド確変図柄1,2」である場合、連続作動回数ステータスには「6ラウンド」を表す値がセットされる。そして、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4500:そして、主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の大当り時停止図柄決定処理(図618中のステップS2410)で決定された大当り図柄の種類(停止図柄番号)に基づいて生成することができる。例えば、大当り図柄の種類が「16ラウンド確変図柄」である場合、連続作動回数コマンドは「16ラウンド」を表す値として生成される。また、大当り図柄の種類が「12ラウンド確変図柄1,2」又は「12ラウンド通常図柄」である場合、連続作動回数コマンドは「12ラウンド」を表す値として生成される。さらに、大当り図柄の種類が「6ラウンド確変図柄1,2」である場合、連続作動回数コマンドは「6ラウンド」を表す値として生成される。生成された連続作動回数コマンドは、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして、小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして小当り時可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4606:そして、主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り中)」をセットする。また、主制御CPU72は、小当り中を表す状態コマンドを生成する。小当り中を表す状態コマンドは、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「高確率状態」や「時間短縮状態」においてそれぞれのカウンタ値がRAM76の確変カウント領域、時短カウント領域にセットされている。本実施形態では、いわゆる回数切り確変の機能を採用しているため、「高確率時間短縮状態」に移行させる場合、高確率状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば170回)に設定され、時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば170回又は100回)に設定される。また、「低確率時間短縮状態」に移行させる場合、高確率状態に関する回数切りカウンタは設定されず、時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば100回)に設定される。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、回数切りカウンタ値コマンドを生成してから、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。
ステップS4640:そして、主制御CPU72は、その減算結果が0でないか否かを判断する。減算の結果、回数切りカウンタの値が0でなかった場合(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、回数切りカウンタの値が0になった場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。本実施形態では、「6ラウンド確変図柄2以外のいずれかの確変図柄」に該当して「高確率時間短縮状態」に移行させる場合、高確率状態及び時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば170回)に設定されるため、リセットされるのは、確率変動機能作動フラグ及び時間短縮機能作動フラグである。
また、6ラウンド確変図柄2に該当して「高確率時間短縮状態」に移行させる場合、高確率状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば170回)に設定され、時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば100回)に設定される。このため、100変動目が終了した時点でリセットされるのは時間短縮機能作動フラグであり、170変動目が終了した時点でリセットされるのは確率変動機能作動フラグである(有利遊技状態移行手段、特別状態移行手段)。
さらに、「低確率時間短縮状態」に移行される場合、時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば100回)に設定されるため、リセットされるのは、時間短縮機能作動フラグだけである。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態や高確率状態が終了する。以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔表示出力管理処理〕
次に図625は、タイマ割込処理の中で実行される表示出力管理処理(図611中のステップS232)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグの値に応じてそれぞれ確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38eの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において確率変動機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は確率変動状態表示ランプ38dに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお、確率変動状態表示ランプ38dは、特別図柄に関する大当り遊技が開始されるまで、もしくは、特別図柄の変動表示が規定回数行われた後に確率変動機能がOFFにされるまで点灯しつづけ、その後非表示に(消灯)切り替えられる。一方、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38eに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。さらに、主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスに応じて発射位置指定ランプ38fの点灯を制御する。例えば、大当り遊技又は小当り遊技により第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が作動状態となる場合、主制御CPU72は発射位置指定ランプ38fに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。また、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38eに加えて、発射位置指定ランプ38fに対応するLEDに対しても点灯信号を出力する。なお、発射位置指定ランプ38fは、大当り遊技を経て「時間短縮状態」に移行する場合、大当り遊技開始から「時間短縮状態」が終了するまで点灯し、「時間短縮状態」の終了により非点灯(OFF)となる。
また、主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38b,38cの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38b,38cのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数ステータスの値で指定された大当り図柄に対応するいずれかの表示ランプ38a,38b,38cである。例えば、連続作動回数ステータスの値が「16ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「16ラウンド(16R)」を表すランプ38cに対して点灯信号を出力する。また、連続作動回数ステータスの値が「12ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「12ラウンド(12R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。さらに、連続作動回数ステータスの値が「6ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「6ラウンド(6R)」を表すランプ38aに対して点灯信号を出力する。
〔大当り時可変入賞装置管理処理〕
次に、大当り時可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図626は、大当り時可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。大当り時可変入賞装置管理処理は、大当り時遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、大当り時終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:大当り時遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200~ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして大当り時可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大当り時大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大当り時大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大当り時大入賞口開閉動作処理及び大当り時大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図627は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5204:主制御CPU72は、図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は今回の該当する当選図柄に応じて大入賞口の開放パターン(ラウンドごとの開放回数及び各開放の時間)やラウンド間のインターバル時間、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)、確変領域用ソレノイド99の作動パターンを選択する。当選図柄別の大入賞口の開放パターンや確変領域用ソレノイド99の作動パターン、ラウンド間のインターバル時間については、図617に示す大当り中の可変入賞装置の動作パターンで説明した通りである。なお、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)は基本的には10個程度であるが、極端な短時間(0.1秒程度)の開放中に入賞が発生することはほとんどない(不能ではないが極めて困難である)。
ステップS5206:主制御CPU72は、先の大当り時停止図柄決定処理(図618中のステップS2410)で選択した大当り時の当選図柄に基づき、今回の大当り遊技における実行ラウンド数を設定する。具体的には、当選図柄として「16ラウンド確変図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を16回に設定する。また、当選図柄として「12ラウンド確変図柄1,2」又は「12ラウンド通常図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を12回に設定する。さらに、当選図柄として「6ラウンド確変図柄1,2」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を6回に設定する。ここで設定した実行ラウンド数は、プログラム上で対応する値を用いて例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5208:次に主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターン及び確変領域用ソレノイド99の作動パターンに基づき、大当り時開放タイマ及び確変領域タイマ(確変領域の開放時間をカウントするタイマ)を設定する。ここで設定したタイマの値は、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開放時間や確変領域の開放時間となる。なお、大当り時開放タイマ及び確変領域タイマの値として20.0~29.0秒程度の時間が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入球や確変領域の通過が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。一方、大当り時開放タイマ及び確変領域タイマの値として0.1秒が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入球や確変領域の通過が不能ではなくとも、ほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射制御基板セット174による遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5210:そして、主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターン及び確変領域用ソレノイド99の作動パターンに基づき、大当り時インターバルタイマ及び確変領域インターバルタイマ(確変領域を一時的に閉鎖させるための待ち時間をカウントするタイマ)を設定する。ここで設定したタイマの値は、大当り中のラウンド間での待機時間又は確変領域の一時的な閉鎖時間となる。
ステップS5212:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口開閉動作処理に設定し、大当り時可変入賞装置管理処理(図626)に復帰する。
〔大当り時大入賞口開閉動作処理〕
図628は、大当り時大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5301:主制御CPU72は、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認する。具体的には、以下のステップS5314で設定する大入賞口インターバルタイマが既に動作中であるか否かを確認することにより、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認することができる。
その結果、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5314を実行する。一方、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS5302を実行する。
ステップS5302:主制御CPU72は、第1大入賞口又は第2大入賞口を開放させる。具体的には、図617に示す大当り中の可変入賞装置の動作パターンに基づいて、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。
ステップS5303:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図627中のステップS5208)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5303a:主制御CPU72は、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認する。具体的には、以下のステップS5314で設定する確変領域インターバルタイマが既に動作中であるか否かを確認することにより、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認することができる。
その結果、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5314を実行する。一方、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS5304を実行する。
ステップS5304:主制御CPU72は、確変領域開放処理を実行する。具体的には、図617に示す大当り中の可変入賞装置の動作パターンに基づいて、確変領域用ソレノイド99に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、確変領域用羽根部材31dが開放して、第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域へ遊技球を案内することができる状態となる。
ステップS5305:次に主制御CPU72は、確変領域タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図627中のステップS5208)で設定した確変領域タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5306:続いて主制御CPU72は、大入賞口開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS5307aを実行する。
ステップS5307a:続いて主制御CPU72は、確変領域開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の確変領域タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72はステップS5308を実行する。
一方、確変領域タイマの値が0以下になっている場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5307bを実行する。
ステップS5307b:確変領域閉鎖処理を実行する。具体的には、確変領域用ソレノイド99に対して印加している駆動信号の出力を停止する処理を実行する。これにより、確変領域用羽根部材31dが閉鎖して、第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域へ遊技球を案内することができない状態となる。
ステップS5308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31(開放中の第1大入賞口又は第2大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第1カウントスイッチ84又は第2カウントスイッチ85から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS5310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、開放1回(大当り中の1ラウンド)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72はステップS5301~ステップS5310の手順を繰り返し実行する。
ステップS5306で大入賞口開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。
ステップS5312:主制御CPU72は、第1大入賞口又は第2大入賞口を閉鎖させる。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が開放状態から閉鎖状態に移行する。
ステップS5313:主制御CPU72は、確変領域閉鎖処理を実行する。具体的には、確変領域用ソレノイド99に対して印加している駆動信号の出力を停止する処理を実行する。これにより、確変領域用羽根部材31dが閉鎖して、第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域へ遊技球を案内することができない状態となる。
ステップS5314:次に主制御CPU72は、インターバルタイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図627中のステップS5210)で設定した大入賞口インターバルタイマ及び確変領域インターバルタイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5315:主制御CPU72は、大入賞口インターバル時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の大入賞口インターバルタイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ大入賞口インターバルタイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理(図626)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大当り時大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5301からジャンプして直にステップS5314を実行する。一方、カウントダウン処理後の大入賞口インターバルタイマの値が0以下になったことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5318を実行する。
ステップS5318:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5320:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、本実施形態では、このような開放パターンを採用しておらず、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがって、大当り遊技中の各ラウンドでは1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
一方、1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用している場合には、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、ステップS5301~ステップS5320までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5318で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
ステップS5322:主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口閉鎖処理に設定し、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大当り時大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大当り時大入賞口閉鎖処理〕
図629は、大当り時大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大当り時大入賞口閉鎖処理は、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5402:主制御CPU72は、ラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1~15)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の1~15)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大当り時大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、大当り時遊技プロセス選択処理(図626中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大当り時大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大当り時大入賞口開閉動作処理の実行後は大当り時大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大当り時大入賞口閉鎖処理を実行し、ステップS5402~ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数(9回又は16回)に達するまでの間、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を大当り時終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は大当り時終了処理が選択されることになる。
〔大当り時終了処理〕
図630は、大当り時終了処理の手順例を示すフローチャートである。この大当り時終了処理は、大当り時の第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5501:主制御CPU72は、大当り時終了時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時終了時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
ステップS5502:次に主制御CPU72は、大当り時終了時間が経過したか否かを確認する。具体的には、大当り時終了時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は大当り時終了時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して大当り時可変入賞装置管理処理(図626)に復帰する。
この後、時間の経過に伴って大当り時終了時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は大当り時終了時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS5503以降を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また、主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で内部状態としての大役終了を宣言する。なお、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値をリセットする。
ステップS5506:次に主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先のスイッチ入力イベント処理(図612中のステップS28)でセットされるものである。
ステップS5508:確率変動機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5506:Yes)、主制御CPU72は確率変動回数(例えば170回)を設定する。設定した確率変動回数の値は、例えばRAM76の確変カウンタ領域に格納されて回数切りカウンタ値となる。ここで設定した確率変動回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動(内部抽選)を高確率状態で行う上限回数となる。本実施形態では、高確率状態に実質的な上限を設けているため、高確率状態で当選の結果が得られずに低確率状態に復帰する場合もある(いわゆる回数切り確変)。なお、確率変動機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5506:No)、主制御CPU72はステップS5508を実行しない。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図618中のステップS2414)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、時間短縮機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時短回数(例えば100回又は170回)を設定する。ここで、いずれの時短回数を設定するかについては、確率変動機能作動フラグの値に左右される。すなわち、主制御CPU72は確率変動機能作動フラグの値がセットされていれば時短回数として170回を設定し(高確率時間短縮状態移行手段、有利遊技状態移行手段)、確率変動機能作動フラグの値がセットされてなければ時短回数として100回を設定する(低確率時間短縮状態移行手段、有利遊技状態移行手段)。ただし、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグの値がセットされていたとしても、当選図柄が6ラウンド確変図柄2に該当している場合には、時短回数として100回を設定する(有利遊技状態移行手段、特別状態移行手段)。設定した時短回数の値は、RAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時短回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。なお、時間短縮機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512を実行しない。
ステップS5514:そして、主制御CPU72は、各種のフラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、確率変動機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「高確率中」を表す状態指定コマンドを生成し、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS5516:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図616中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔小当り時可変入賞装置管理処理〕
次に、小当り時可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図631は、小当り時可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。小当り時可変入賞装置管理処理は、小当り時遊技プロセス選択処理(ステップS6100)、小当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS6200)、小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)、小当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS6400)、小当り時終了処理(ステップS6500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS6100:小当り時遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS6200~ステップS6500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして小当り時可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS6200)を選択する。一方、既に小当り時大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)を選択し、小当り時大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として小当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS6400)を選択する。また、設定された連続作動回数にわたって小当り時大入賞口開閉動作処理及び小当り時大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時終了処理(ステップS6500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔小当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図632は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、小当り時に第1可変入賞装置30を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS6212:主制御CPU72は、「小当り時開放パターン」を設定する。本実施形態の場合、「小当り時開放パターン」については、例えば1回目と2回目とでそれぞれ「0.1秒開放」の開放パターンが設定される。なお、「小当り」については「ラウンド」という概念がないことから、「開放パターン」についても「1回目の開放」、「2回目の開放」といった表記となる。
ステップS6214:主制御CPU72は、先のステップS6212で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大入賞口の開放回数を例えば2回に設定する。ここで設定した開放回数は、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS6216:次に主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、第1可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお、本実施形態では、小当り時開放タイマの値として0.1秒が設定されており、このような開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞がほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射装置ユニットによる遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS6218:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、小当り時に第1可変入賞装置30を複数回にわたり開閉動作させる際の1回ごとの待機時間となるが、このタイマ値は例えば2秒程度に設定される。
ステップS6220:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を小当り時大入賞口開閉動作処理に設定し、小当り時可変入賞装置管理処理(図631)に復帰する。そして、主制御CPU72は、次に小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)を実行する。
〔小当り時大入賞口開閉動作処理〕
図633は、小当り時大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、小当り時に第1可変入賞装置30の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS6301:主制御CPU72は、インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認する。具体的には、以下のステップS6314で設定するインターバルタイマが既に動作中であるか否かを確認することにより、インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認することができる。
その結果、インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS6314を実行する。一方、インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS6302を実行する。
ステップS6302:主制御CPU72は、第1大入賞口を開放させる。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第1可変入賞装置30が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。
ステップS6304:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図632中のステップS6216)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS6306:続いて主制御CPU72は、開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS6308を実行する。
ステップS6308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第1可変入賞装置30(開放中の第1大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第1カウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS6310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、開放1回(小当り時の開放1回)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は小当り時可変入賞装置管理処理(図631)に復帰する。そして、次に小当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が小当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72はステップS6301~ステップS6310の手順を繰り返し実行する。
ステップS6306で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS6310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS6312を実行する。ここで、小当り時の開放は、開放タイマの値が短時間に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS6310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS6306で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS6312:主制御CPU72は、第1大入賞口を閉鎖させる。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、第1可変入賞装置30が開放状態から閉鎖状態に復帰する。
ステップS6314:次に主制御CPU72は、インターバルタイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図632中のステップS6218)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。
ステップS6315:主制御CPU72は、インターバル時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後のインターバルタイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だインターバルタイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は小当り時可変入賞装置管理処理(図631)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで小当り時大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS6301からジャンプして直にステップS6314を実行する。一方、カウントダウン処理後のインターバルタイマの値が0以下になったことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS6316を実行する。
ステップS6316:主制御CPU72は次のジャンプ先を小当り時大入賞口閉鎖処理に設定し、小当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に小当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に小当り時大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔小当り時大入賞口閉鎖処理〕
図634は、小当り時大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この小当り時大入賞口閉鎖処理は、第1可変入賞装置30の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS6412:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS6414:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の大入賞口開放パターン設定処理(図632中のステップS6214)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS6416を実行する。
ステップS6416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を小当り時大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS6430:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、小当り時可変入賞装置管理処理(図631)に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、小当り時遊技プロセス選択処理(図631中のステップS6100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である小当り時大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、小当り時大入賞口開閉動作処理の実行後に、主制御CPU72は再び小当り時大入賞口閉鎖処理を実行し、実際の開放回数が設定した開放回数(2回)に達するまでの間、第1可変入賞装置30の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS6414:Yes)、主制御CPU72は次にステップS6418を実行する。
ステップS6418,ステップS6420:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を小当り時終了処理に設定する。
ステップS6430:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、小当り時可変入賞装置管理処理(図631)に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は小当り時終了処理が選択されることになる。
〔小当り時終了処理〕
図635は、小当り時終了処理の手順例を示すフローチャートである。この小当り時終了処理は、小当り時の第1可変入賞装置30の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS6502:主制御CPU72は、小当り時終了時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時終了時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
ステップS6504:次に主制御CPU72は、小当り時終了時間が経過したか否かを確認する。具体的には、小当り時終了時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は小当り時終了時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して小当り時可変入賞装置管理処理(図631)に復帰する。
この後、時間の経過に伴って小当り時終了時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は小当り時終了時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS6506以降を実行する。
ステップS6506,ステップS6508:主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また、内部状態フラグから「小当り中」を消去して小当り遊技を終了させる。なお、小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS6510:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を小当り時大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS6512:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図616中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は小当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔ゲームフロー(その1)〕
図636は、通常モードにて「12ラウンド通常図柄」又は「12ラウンド確変図柄1,2」に該当した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
パチンコ機1で遊技を開始する場合、〔F1〕通常モードから遊技が開始される。「通常モード」は、特別図柄の当選確率は「低確率状態」であり、かつ、普通図柄の当選確率は「低確率状態」である。このように、〔F1〕通常モードは、「低確率非時間短縮状態」となるので、中始動入賞口26に遊技球を入球させることにより、第1特別図柄が変動を開始して遊技が進行していく。
〔F1〕通常モードにて、〔F2〕「12ラウンド通常図柄」の大当りに当選すると、〔F3〕12ラウンド大当り遊技(バトルボーナス)が実行され、〔F4〕大役中演出のバトルで敗北して、〔F5〕海岸モードに移行する。
〔F5〕海岸モードは、低確率時間短縮状態である。〔F5〕海岸モードにて、当選の結果が得られずに〔F6〕特別図柄が100回変動すると、〔F1〕通常モードに移行する。
〔F1〕通常モードにて、〔F7〕「12ラウンド確変図柄1,2」の大当りに当選すると、〔F3〕12ラウンド大当り遊技(バトルボーナス)が実行され、〔F8〕大役中演出のバトルで勝利する。
そして、〔F9〕12ラウンド大当り遊技の6ラウンド目で遊技球が確変領域を通過した場合(V入賞した場合)、〔F10〕V入賞が発生したことを示す演出が実行され、〔F11〕花火ラッシュに移行する。
〔F11〕花火ラッシュは、高確率時間短縮状態である。〔F11〕花火ラッシュにて、当選の結果が得られずに〔F12〕特別図柄が170回変動すると、〔F1〕通常モードに移行する。
一方、〔F13〕「12ラウンド確変図柄1,2」に該当したものの、大当り遊技の6ラウンド目で遊技球が確変領域を通過しなかった場合(V入賞しなかった場合)、〔F10〕V入賞が発生しなかったことを示す演出が実行され、〔F5〕海岸モードに移行する。
〔ゲームフロー(その2)〕
図637は、花火ラッシュ又は海岸モードにて「16ラウンド確変図柄」又は「6ラウンド確変図柄1,2」に該当した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F5〕海岸モード又は〔F11〕花火ラッシュにて〔G1〕「16ラウンド確変図柄」の大当りに当選すると、〔G2〕16ラウンド大当り遊技(スペシャルボーナス)が実行される。
そして、〔G3〕16ラウンド大当り遊技の6ラウンド目で遊技球が確変領域を通過した場合(V入賞した場合)、〔G4〕V入賞が発生したことを示す演出が実行され、大当り遊技の終了後に〔F11〕花火ラッシュに移行する。
一方、〔G5〕16ラウンド確変図柄に該当したものの、大当り遊技の6ラウンド目で遊技球が確変領域を通過しなかった場合(V入賞しなかった場合)、〔G6〕V入賞が発生しなかったことを示す演出が実行され、大当り遊技の終了後に〔F5〕海岸モードに移行する。
〔F5〕海岸モード又は〔F11〕花火ラッシュにて〔G10〕「6ラウンド確変図柄1,2」の大当りに当選すると、〔G11〕6ラウンド大当り遊技(ノーマルボーナス演出)が実行される。
そして、〔G12〕6ラウンド大当り遊技の6ラウンド目で遊技球が確変領域を通過した場合(V入賞した場合)、〔G13〕V入賞が発生したことを示す演出が実行され、大当り遊技の終了後に〔F11〕花火ラッシュに移行する。
一方、〔G14〕「6ラウンド確変図柄1,2」に該当したものの、大当り遊技の6ラウンド目で遊技球が確変領域を通過しなかった場合(V入賞しなかった場合)、〔G15〕V入賞が発生しなかったことを示す演出が実行され、その後〔F5〕海岸モードに移行する。なお、特に図示していないが「6ラウンド確変図柄2」に該当し、花火ラッシュに移行して100変動が経過すると、通常モードに移行するが、内部的には高確率非時間短縮状態となっている。
なお、以上のゲームフローに関しては、代表的なゲームフローの一例を示したものであり遊技の流れをすべて網羅しているものではない。
〔演出画像の例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像について、いくつかの例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)を決定し、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。そこでパチンコ機1では、演出図柄を用いた変動表示演出が行われている。
演出図柄には、例えば上演出図柄、中演出図柄、下演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で上段・中段・下段に並べて表示される(図600参照)。演出図柄には、例えば数字の「1」~「9」とともにキャラクターが付された数字図柄と、各数字図柄の間に1つずつ配置されるブランク図柄とが含まれている。ここで、上演出図柄の図柄列においては、数字図柄が右から左へ昇順に配列されているのに対し、中演出図柄及び下演出図柄の各図柄列においては、いずれも数字図柄が右から左へ降順に配列されている。これらの図柄列は、画面上の上段・中段・下段でそれぞれ右から左へと横方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
ところで、本実施形態においては、演出図柄の列が縦方向にスクロールする態様で演出が進行する縦変動モードと、演出図柄の列が横方向にスクロールする態様で演出が進行する横変動モードの2種類の変動モードが設けられている。遊技者は、例えばデモ演出中に、液晶表示器42の画面に示された指示に沿って操作することにより、変動モードを切り替えることが可能である。図600に例示されている演出図柄は、横変動モードが選択されている場合に表示されるものである。以下、縦変動モードが選択されている場合の演出例と、横変動モードが選択されている場合の演出例とを、順を追って説明する。
図638は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(結果表示演出)の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄とするが、第2特別図柄でもよい。)が変動表示を開始してから、停止表示するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔変動表示前〕
図638中(A):例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の画面内には3本の演出図柄の列が大きく表示されている。このとき第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄も停止表示された状態にある。
〔記憶表示演出〕
また、液晶表示器42の画面下部の変動前表示領域X1には、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数を表すマーカ(図中に参照符号M1,M2を付す)が表示されている。これらマーカM1,M2は、それぞれの表示個数が第1特別図柄、第2特別図柄の作動記憶数(第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示数)を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。
また、マーカM1,M2は、視覚的な判別を容易にするため第1特別図柄に対応するマーカM1が例えば円(○)の図形で表示され、第2特別図柄に対応するマーカM2が例えばハートの図形で表示されている。図示の例では、マーカM1が4つとも点灯表示されることで第1特別図柄の作動記憶数が4個であることを表し、マーカM2が全て非表示(破線で示す)となっていることで第2特別図柄の作動記憶数が0個であることを表している(記憶表示演出)。
また、演出図柄の変動表示中、例えば液晶表示器42の画面右上には第4図柄(図中に参照符号Z1,Z2を付す)が表示されている。この第4図柄Z1,Z2は、左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお、第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。第4図柄Z1は、第1特別図柄に対応しており、第4図柄Z2は、第2特別図柄に対応している。
また、第4図柄Z1,Z2については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が「6ラウンド大当り」や「12ラウンド大当り」、「16ラウンド大当り」であれば、それらに対応する態様(例えば青表示色や赤表示色等)で第4図柄Z1,Z2は停止表示される。
〔変動表示演出開始〕
図638中(B):例えば第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される(図柄演出実行手段)。すなわち、第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面内で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールする(流れる)ようにして変動表示演出が開始される。また、マーカM1,M2は、変動開始前は、液晶表示器42の下方部分における帯状部分の変動前表示領域X1に表示されているが、変動開始後は、液晶表示器42の左下部分に表示されている台座画像による変動中表示領域X2に移動して、特別図柄(演出図柄)の変動が停止表示されるまで表示され続ける(記憶画像表示維持演出)。なお、図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。また、変動表示中、個々の演出図柄が透けた状態で表示(透過表示)されることにより、このとき表示画面内には演出図柄の背景となる画像(背景画像)が視認しやすい状態で表示されている。
この場合の背景画像は、例えば浴衣を着こなした女性キャラクターが長椅子に腰掛け、夕涼みでもするかのようにリラックスしている風景を表現したものである。このような背景画像は、演出上での滞在モードが例えば「通常モード」であることを表現している。本実施形態において「通常モード」は、時間短縮機能が非作動であり、また、確率変動機能も非作動である通常状態に対応するものとする。この他にも演出上で各種のモードが設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている(状態表示演出実行手段)。これらモードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものであったり、「高確率状態」に対応するものであったりする。ここでは特に図示していないが、この後、例えば表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
また、演出図柄の変動表示中、液晶表示器42の画面右上では第4図柄Z1が変動表示されており、第4図柄Z1は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
〔左図柄停止〕
図638中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の左側位置に数字の「8」を表す演出図柄が停止したことを表している。なお、ここでは背景画像の図示を省略している(これ以降も同様)。
〔作動記憶数減少時の演出例〕
ここで、先の図638中(B)に示されているように、変動開始に伴って第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動してマーカM1の表示個数が1個分減少されている。例えば、それまでに作動記憶数が4個あったとすると、マーカM1において最も以前(古い)の記憶数表示が1個だけ変動中表示領域X2に移動され、内部抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、第1特別図柄に関して作動記憶数が消費されたということを演出上でも遊技者に教示することができる。
そして、図638中(C)の例においては、記憶順で先頭にあったマーカM1が変動中表示領域X2に移動することにより、変動前表示領域X1での表示が残り3個になったため、画面上に残った3つのマーカM1がそれぞれ1個分ずつ一方向(ここでは左方向)へずれていく演出が行われている。これにより、作動記憶数の変化の前後関係を正確に演出上で表現するとともに、遊技者に対して「作動記憶が消費されて1つ減った」ということや「作動記憶が消費されて特別図柄が変動中である」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
〔右演出図柄停止〕
図638中(D):左演出図柄に続いて、その後に右演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中側位置に数字の「3」を表す演出図柄が停止したことを表している。この時点で既にリーチ状態が発生しないことは確定しているので、今回の変動が非リーチ(通常)変動であるということが見た目上でほとんど明らかとなっている。なお、ここではすべりパターン等によるリーチ変動を除くものとする。「すべりパターン」とは、例えば一旦は数字の「7」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するというものである。あるいは、一旦は数字の「9」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が逆向きに1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するパターンもある。また、その他にも例えば「5」等の全くかけ離れた数字を表す演出図柄が一旦停止した後、画面上にキャラクターが出現して右演出図柄列を再変動させると、数字の「8」を表す演出図柄が停止してリーチに発展するといったパターンもある。
〔停止表示演出〕
図638中(E):第1特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面の中段位置に数字の「1」を表す演出図柄が停止したことを表しており、この場合、演出図柄の組み合わせは「8」-「1」-「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
また、停止表示演出が行われると、変動中表示領域X2に移動して表示を継続していたマーカM1も非表示となる。したがって、遊技者に対して「特別図柄の変動が終了した」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
以上は、1回の変動ごとに演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
また、上述した例は非当選時についてのものであるが、大当り(当選)時には変動表示演出中にリーチ演出が実行された後、停止表示演出において演出図柄が大当りの態様で停止表示される。このとき演出図柄の停止表示態様は、基本的には主制御CPU72によって内部的に選択された当選図柄(第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の停止表示態様)に対応させて選択される。
〔大当り時の演出例〕
次に、大当り(当選)時の演出例を説明する。
図639は、特別図柄の変動表示中に実行されるスーパーリーチ演出の流れを示す連続図である。スーパーリーチ演出は、中程度の変動時間(例えば50~100秒)が選択された変動表示に伴い実行されるリーチ演出である。
なお、ここでは大当り時に実行されるスーパーリーチ演出の流れを説明するが、スーパーリーチ演出は大当り時だけでなくはずれ時においても割合は比較的低いが実行される。また、ここではリーチ演出の他に、変動表示演出や停止表示演出及び予告演出が含まれるものとする。その他にも、変動表示演出中に実行される予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出)の一例を説明する。
以下のリーチ演出は、例えば第1特別図柄表示装置34において大当り時の変動パターンによる変動表示が行われた後、第1特別図柄が大当りの態様(例えば7セグメントLEDの「己」,「ヨ」,「口」,「巳」,「F」,「E」,「L」,「Γ」等)で停止表示されるまでに実行される(リーチ演出実行手段)。なお、図639中、各演出図柄を数字のみに簡略化して示している。また、マーカM1,M2、第4図柄Z1,Z2、変動前表示領域X1及び変動中表示領域X2については図示を省略している(以下の図面でも同様)。以下、演出の流れに沿って説明する。
〔変動表示演出〕
図639中(A):例えば、第1特別図柄の変動開始に略同期して、液晶表示器42の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向(例えば上から下)にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。
〔リーチ発生前予告演出(1段階目)〕
図639中(B):次に、変動表示演出の比較的初期において、キャラクターの絵柄画像(絵札)を用いた1段階目のリーチ発生前予告演出が行われる。このリーチ発生前予告演出は、予め定められた順序にしたがって1段階目から複数段階目(例えば2~5段階目)まで、段階的に態様の変化が進行していく予告演出である。このリーチ発生前予告演出で用いられる絵柄画像は、画面上で変動表示されている演出図柄の手前に位置し、例えば画面の左端からひょっこりと出現するようにして表示される(その他の出現の態様でもよい。)。なお、ここでいう「リーチ発生前予告」とは、いずれかの演出図柄が停止表示される前にリーチの可能性や大当りの可能性を予告するという意味である。このような「リーチ発生前予告演出」を実行することで、遊技者に対して「リーチに発展するかも知れない=大当りの可能性が高まる」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ発生前予告演出(2段階目)〕
図639中(C):リーチ発生前予告演出の1段階目の態様が実行された後、続いてリーチ発生前予告演出の態様の変化が2段階目に進行する。ここでは2段階目のリーチ発生前予告演出として、先とは違うキャラクターの絵柄画像を用いた演出が行われている。具体的には、画面の右端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像の前面に重なって表示される。また、このとき表示される絵柄画像は、先に表示されていた絵柄画像よりもサイズが大きい。そして、絵柄画像で表現されたキャラクターが台詞(例えば「リーチになるよ」等)を発するという、音響出力による演出もあわせて行われる。
このような2つ目の絵柄画像を用いたリーチ発生前予告演出(2段階目)は、先の図639中(B)で行われたリーチ発生前予告演出(1段階目)からさらに一歩進んだ発展型である。このように発展していく「リーチ発生前予告演出」の態様を称して、一般的に「ステップアップ予告」等と表現することがある。ここではリーチ発生前予告演出で2段階目の絵柄画像が出現する例を挙げているが、3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示される演出態様であってもよい。また、例えば3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示されるごとに、そのサイズが拡大されるものとしてもよい。なお、この段階でも演出図柄の変動表示は継続されている。いずれにしても、リーチ発生前予告演出の態様の変化をより多くの段階まで進行させることにより、今回の変動で大当りになる可能性(期待度)が高いことを遊技者に示唆することができる(例えば、5段階目まで進行すると最大の期待度を示唆する等。)。
〔左演出図柄の停止〕
図639中(D):変動表示演出の中期にさしかかり、やがて左演出図柄の変動表示が停止される。なお、この時点で画面の左側位置に数字の「5」を表す演出図柄が停止している。
〔リーチ状態の発生〕
図639中(E):そして左演出図柄に続き、例えば右演出図柄の変動表示が停止される。この時点で、画面の右側位置に数字の「5」を表す演出図柄が停止していることから、「5」-「変動中」-「5」のリーチ状態が発生している。そして画面上には、リーチ状態となる1本のラインを強調する画像が合わせて表示される。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われる。
リーチ状態の発生後、当選時のリーチ演出が実行される(ただし、この時点では未だ当選の結果は表出されていない。)。リーチ演出では、テンパイした数字(ここでは「5」)に対応する演出図柄だけが画面上に表示され、それ以外は表示されなくなる。なお、このとき演出図柄が画面の四隅にそれぞれ縮小された状態で表示される場合もある。
〔リーチ発生後予告演出(1回目)〕
図639中(F):リーチ状態が発生して暫くすると、例えば「ハート」の図形を表す画像が群をなして画面上を斜めに過ぎっていくリーチ発生後予告演出(1回目)が行われる。この場合、突然、画面上に「ハート群」の画像が流れていくように表示されるため、これによって遊技者に対する視覚的な訴求力を高めることができる。このような視覚的に賑やかなリーチ予告発生後予告演出を実行することで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ演出の進行〕
図639中(G):1回目のリーチ発生後予告演出に続いて、例えば数字の「2」~「6」を表す画像が画面上で立体的な列を構成した状態で表示され、列の先頭(手前)から「2」、「3」、「4」・・・という順番に画面から数字の画像が消去されていく演出が行われる。このような演出もまた、数字の「5」が最後まで消去されずに残ると「大当り」であることを遊技者に示唆(暗示)したり、想起させたりする目的で行われる。また、数字の「4」まで消去されて「5」が画面手前に残ると「大当り」であり、そして数字の「5」も消去されてしまうと「はずれ」であることを意味する。なお、はずれの場合、数字の「5」が消去された後の画面上に例えば数字の「6」が表示される。したがって、この間、数字の「2」、「3」、「4」と順番に画像が消去されていくに連れて、遊技者の緊張感や期待感も高まっていくことになる。そして、実際に画面上で数字の「4」まで消去され、数字の「5」が画面上に残った状態で演出が進行すると、「大当り」の可能性が高まるため、そこで遊技者の緊張感も一気に高まる。
〔リーチ発生後予告演出(2回目)〕
図639中(H):リーチ演出が終盤に近付いたところで、突然、画面上にキャラクターの画像が大写しに割って入るようにして表示され、そのキャラクターが何らかの台詞を発するという内容(又は、無言で微笑むという内容でもよい)のリーチ発生後予告演出(2回目)が行われる。この時点で例えばリーチ演出の内容は、「数字の「5」が消去されずに残れば、そのまま「5」-「5」-「5」の大当りの可能性が高まる」という展開である。したがって、このタイミングで大きくキャラクターの画像を出現させることにより、遊技者に対して「大当りになるかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。
上記とは別のリーチ演出として、例えば「数字の「2」~「4」までが消去されてしまい、最後に数字の「5」が消去されずに残れば大当りになる」という展開もある。このようなタイミングでキャラクターの画像を出現させると、遊技者に対して「いよいよ大当りが近いかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔停止表示演出〕
図639中(I):そして、最後の中演出図柄が停止する。この例では、「5」を表す演出図柄を画面の中央に停止表示させることにより、遊技者に対して大当りであるということを伝達することができる。
図639中(J):そして、例えば第1特別図柄の停止表示に略同期して、演出図柄としての停止表示演出が行われる。演出図柄の停止表示演出は、例えば左・中・右演出図柄をそれぞれ初期の大きさに復元した状態で行われる。このような停止表示演出を行うことで、最終的な当選種類が演出上で確定したことを遊技者に対して教示することができる。逆に言えば、演出上で不明確な停止表示演出を行うことにより、いずれの当選図柄で当選したのかということを遊技者に対して非開示としておくことができる。
なお、内部抽選の結果が非当選であれば、今回の変動対象である第1特別図柄がはずれ図柄で停止表示されるため、演出図柄も同様にはずれの態様で停止表示演出が行われる。この場合、画面の中央には「5」以外の数字「4」や「6」を表示することで、残念ながら今回の変動では大当りにならなかったことを知らせる演出が行われる。なお、このような演出は「はずれリーチ演出」として実行されるものである。
〔「12ラウンド通常図柄」等に該当した場合の大役中演出の演出例〕
図640~図643は、「12ラウンド通常図柄」又は「12ラウンド確変図柄2」に該当した場合の大役中演出の演出例を部分的に示す連続図である。
本実施形態では、「12ラウンド通常図柄」に該当している場合、大役中演出にて味方キャラクターが敵キャラクターに敗北する演出が実行され、「12ラウンド確変図柄2」に該当している場合、味方キャラクターが敵キャラクターに勝利する演出が実行される。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
〔1ラウンド目〕
図640中(A):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、例えば画面内に「ROUND1」のラウンド数に対応する文字情報が表示されるとともに、大役中のバトル演出が開始される。図示の例では、画面の左側に敵キャラクターとなる傘のお化けの画像が表示され、画面の右側に味方キャラクターとなる女性キャラクターの画像が表示され、画面の中央に「VS」の文字の画像が表示される。これにより、遊技者に対してこれからバトル演出が開始されるということを教示することができる。
また、画面の右下隅位置には、今回の当選図柄に対応した演出図柄(ここでは「5」の演出図柄)が表示されている。このように、大当り遊技中も引き続き当選図柄(いわゆる「残し目」)を表示しておくことで、遊技者に対して「5の演出図柄で当選した」という情報を引き続き教示することができる。
〔2ラウンド目〕
図640中(B):大当り遊技の2ラウンド目が開始されると、大役中のバトル演出が具体的に進行する。図示の例では、傘のお化けが左側から右側に移動していく演出が行われている。そして、女性キャラクターが傘のお化けに驚いて逃げ出し、画面の右側へ消え去っていく演出が行われる。
〔3ラウンド目〕
図640中(C):大当り遊技の3ラウンド目が開始されると、大役中のバトル演出が具体的に進行する。図示の例では、女性キャラクターがうちわ(武器)を取り出し、そのうちわから炎(オーラ)が出現する演出が行われている。
〔4ラウンド目〕
図640中(D):そして、大当り遊技の4ラウンド目では、傘のお化けが口から長い舌を飛び出させる必殺技を繰り出し、女性キャラクターがその必殺技をうちわで迎え撃つ演出が行われている。この状態で傘のお化けが勝利すれば「12ラウンド通常図柄」で大当りしていたことを意味しており、女性キャラクターが勝利すれば「12ラウンド確変図柄2」で大当りしていたことを意味している。
〔5ラウンド目(12ラウンド通常図柄当選時)〕
図641中(E):「12ラウンド通常図柄」での当選の場合、5ラウンド目では敗北演出が実行される。具体的には、「敗北・・」の文字とともに、傘のお化けが大きく表示され、女性キャラクターが小さく表示される(味方キャラクター敗北演出)。
〔6ラウンド目(12ラウンド通常図柄当選時)〕
図641中(F):「12ラウンド通常図柄」での当選の場合、6ラウンド目では再挑戦促進演出が実行される。具体的には、女性キャラクターが「次は負けない!」といった台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して再度大当りを目指そうという意欲を与えることができる。なお、大当り遊技の7ラウンド目から12ラウンド目においても、6ラウンド目と同様の再挑戦促進演出が実行される。
なお、「12ラウンド通常図柄」で当選した場合の6ラウンド目では、第2可変入賞装置31が開放するが、開放時間は極端に短く設定されているため、遊技球が確変領域を通過することはない。
〔大役終了時〕
図641中(G):「12ラウンド通常図柄」での大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。図示の例では、画面内に「海岸モード突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「低確率時間短縮状態」の海岸モードに移行することを遊技者に教示することができる。
〔5ラウンド目(12ラウンド確変図柄2当選時)〕
図642中(H):一方、「12ラウンド確変図柄2」での当選の場合、5ラウンド目では勝利演出が実行される。具体的には、「勝利!!」の文字とともに、女性キャラクターが大きく表示され、傘のお化けが小さく表示される(味方キャラクター勝利演出)。
〔6ラウンド目(12ラウンド確変図柄2当選時)〕
図642中(I):「12ラウンド確変図柄2」での当選の場合、6ラウンド目では花火ラッシュチャレンジ演出が実行される。このチャレンジ演出に成功すると、「高確率時間短縮状態」である花火ラッシュに突入する。具体的には、仙人のキャラクターが「Vアタッカを狙うのじゃ!」といった台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して第2可変入賞装置31を狙うといった遊技性を伝達することができる。また、「12ラウンド確変図柄2」で当選した場合の6ラウンド目では、第2可変入賞装置31がロング開放するため、いままでのラウンドと同様に出球による利益が得られる。さらに、「12ラウンド確変図柄2」に当選した場合の6ラウンド目では、確変領域用ソレノイド99が確変領域をロング開放するように作動するため、第2可変入賞装置31に遊技球が入球すると、遊技球は確変領域用羽根部材31dに案内されて確変領域を通過する。
図642中(J):そして、遊技者が右打ちを継続することにより、遊技球が第2可変入賞装置31に入球して確変領域を通過すると、パンダのキャラクターがVマークを掲げる祝福演出が実行される。なお、大当り遊技の7ラウンド目から12ラウンド目においても、6ラウンド目と同様の祝福演出が実行される。
〔大役終了時〕
図642中(K):大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。図示の例では、画面内に「花火ラッシュ突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「高確率時間短縮状態」の花火ラッシュに移行することを遊技者に教示することができる。
以上は、「12ラウンド確変図柄2」に該当して、遊技球が無事に確変領域を通過した際の演出例であるが、「12ラウンド確変図柄2」に該当しても遊技球が確変領域を通過しなければ以下のような演出例となる。
〔5ラウンド目(12ラウンド確変図柄2当選時)〕
図643中(L):「12ラウンド確変図柄2」での当選の場合、5ラウンド目では勝利演出が実行される。具体的には、「勝利!!」の文字とともに、女性キャラクターが大きく表示され、傘のお化けが小さく表示される(味方キャラクター勝利演出)。
〔6ラウンド目(12ラウンド確変図柄2当選時)〕
図643中(M):「12ラウンド確変図柄2」での当選の場合、6ラウンド目では花火ラッシュチャレンジ演出が実行される。このチャレンジ演出に成功すると、「高確率時間短縮状態」である花火ラッシュに突入する。具体的には、仙人のキャラクターが「Vアタッカを狙うのじゃ!」といった台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して第2可変入賞装置31を狙うといった遊技性を伝達することができる。また、「12ラウンド確変図柄2」で当選した場合の6ラウンド目では、第2可変入賞装置31がロング開放するため、いままでのラウンドと同様に出球による利益が得られる。さらに、「12ラウンド確変図柄2」に当選した場合の6ラウンド目では確変領域用ソレノイド99が確変領域をロング開放するように作動するため、第2可変入賞装置31に遊技球が入球すると、遊技球は確変領域用羽根部材31dに案内されて確変領域を通過する。
ただし、ここでは何らかの理由(右打ちせず、球詰まり等)により、6ラウンド目が終了するまでに遊技球が第2可変入賞装置31に1つも入球しなかったものとする。この場合、遊技球は確変領域を通過することはない。
図643中(N):この場合は、パンダのキャラクターが「残念」という台詞を発する失敗演出が実行される。なお、大当り遊技の7ラウンド目から12ラウンド目においても、失敗演出が継続される。
〔大役終了時〕
図643中(O):「12ラウンド確変図柄2」での大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。図示の例では、画面内に「海岸モード突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「低確率時間短縮状態」の海岸モードに移行することを遊技者に教示することができる。
ここで、「12ラウンド確変図柄1」に該当した場合の演出例は特に図示していないが、「12ラウンド確変図柄2」に該当した場合と同様にバトル演出を実行して勝利演出を実行してもよく、バトル演出以外の演出を実行してもよい。「12ラウンド確変図柄2」に該当した場合も6ラウンド目で第2可変入賞装置31がロング開放するため、遊技球が確変領域を通過すると、花火ラッシュに突入する。なお、「12ラウンド確変図柄2」では実質的に4ラウンド分の出球を得ることができる。
〔花火ラッシュの演出例〕
図644は、花火ラッシュの演出例を示す連続図である。この花火ラッシュは、「12ラウンド通常図柄以外のいずれかの確変図柄」に当選し、かつ、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合の大当り遊技後に移行されるモードである。花火ラッシュは、高確率時間短縮状態である。ここでは一例として、花火ラッシュにおける縦変動モードによる演出例を取り上げる。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
図644中(A):例えば、大当り遊技終了後から1回目の変動表示が行われることで、「花火ラッシュ」の状態で演出図柄の変動表示が行われている。花火ラッシュの背景画像は、遊技者に対して花火のモチーフを深く印象付けるために、「夜空に花火が打ち上げられる情景」とともに「女性キャラクターが花火を観賞している様子」が表現された背景画像となっている。また、液晶表示器42の画面右上部では第4図柄Z2が変動表示されている。
図644中(B):そして、大当り遊技終了後から1回目の変動(非当選時)が終了したことにより、すべての演出図柄が停止表示されている(「3」-「1」-「7」)。また、第4図柄Z2は、非当選の態様(例えば白色表示色)で停止表示されている。
図644中(C):次回の変動が開始されると、大当り遊技終了後から2回目の変動表示が行われる。なお、花火ラッシュ(高確率時間短縮状態)では、可変始動入賞装置28の作動が高頻度で行われるため、遊技者が右打ちを継続する限り、第2特別図柄の変動表示に伴う演出図柄の変動表示が行われることが多い。また、花火ラッシュにて当選の結果が得られた場合は、リーチ演出が実行されて大当りとなる。
花火ラッシュにおいては、通常モードと同様に、変動前表示領域X1や変動中表示領域X2を表示して、マーカM1やマーカM2を表示してもよい。この点は、以下の海岸モードにおいても同様である。
〔大役中演出(ノーマルボーナス演出)〕
図645は、「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」に該当した場合の大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である。
〔1ラウンド〕
図645中(A):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、「大当り中」という遊技の進行状況に対応した内容の大役中演出が実行される。大役中演出では、例えば画面内に「ROUND1」のラウンド数に対応する文字情報が表示される。また、画面の右下隅位置には、今回の当選図柄に対応した演出図柄(ここでは2の演出図柄)が表示されている。このように、大当り遊技中も引き続き当選図柄(いわゆる「残し目」)を表示しておくことで、遊技者に対して「2の演出図柄で当選した」という情報を引き続き教示することができる。また、表示画面の下側の領域には、「ノーマルボーナス」の文字が表示され、画面の周囲には団扇や太鼓等といった祭りに関する画像が表示される。
〔6ラウンド〕
図645中(B):「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」での当選の場合、6ラウンド目において花火ラッシュチャレンジ演出が実行される。このチャレンジ演出に成功すると、高確率時間短縮状態である花火ラッシュに突入する。具体的には、女性のキャラクターが「Vアタッカを狙ってね」といった台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して第2可変入賞装置31を狙うといった遊技性を伝達することができる。また、「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」で当選した場合の6ラウンド目では、第2可変入賞装置31がロング開放するため、いままでのラウンドと同様に出球による利益が得られる。さらに、「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」に当選した場合の6ラウンド目では確変領域用ソレノイド99が確変領域をロング開放するように作動するため、第2可変入賞装置31に遊技球が入球すると、遊技球は確変領域用羽根部材31dに案内されて確変領域を通過する。
図645中(C):そして、遊技者が右打ちを継続することにより、遊技球が第2可変入賞装置31に入球して確変領域を通過すると、表示画面の右上にVマークが表示される祝福演出が実行される。
〔大役終了時〕
図645中(D):大当り遊技が終了するタイミングにおいて、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。図示の例では、画面内に「花火ラッシュ突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「高確率時間短縮状態」の花火ラッシュに移行することを遊技者に教示することができる。
〔大役中演出(スペシャルボーナス演出)〕
図646は、「16ラウンド確変図柄」に該当した場合の大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である。
〔1ラウンド〕
図646中(A):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、「大当り中」という遊技の進行状況に対応した内容の大役中演出が実行される。大役中演出では、例えば画面内に「ROUND1」のラウンド数に対応する文字情報が表示される。また、画面の右下隅位置には、今回の当選図柄に対応した演出図柄(ここでは7の演出図柄)が表示されている。このように、大当り遊技中も引き続き当選図柄(いわゆる「残し目」)を表示しておくことで、遊技者に対して「7の演出図柄で当選した」という情報を引き続き教示することができる。また、表示画面の下側の領域には、「スペシャルボーナス」の文字が表示され、画面の周囲には馬にまたがりピースサインを行う女性キャラクターの画像が表示される。
〔6ラウンド〕
図646中(B):「16ラウンド確変図柄」での当選の場合、6ラウンド目では花火ラッシュチャレンジ演出が実行される。このチャレンジ演出に成功すると、高確率時間短縮状態である花火ラッシュに突入する。具体的には、仙人のキャラクターが「Vアタッカを狙うのじゃ!」といった台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して第2可変入賞装置31を狙うといった遊技性を伝達することができる。また、「16ラウンド確変図柄」で当選した場合の6ラウンド目では、第2可変入賞装置31がロング開放するため、いままでのラウンドと同様に出球による利益が得られる。さらに、16ラウンド確変図柄に当選した場合の6ラウンド目では確変領域用ソレノイド99が確変領域をロング開放するように作動するため、第2可変入賞装置31に遊技球が入球すると、遊技球は確変領域用羽根部材31dに案内されて確変領域を通過する。
図646中(C):そして、遊技者が右打ちを継続することにより、遊技球が第2可変入賞装置31に入球して確変領域を通過すると、飛び上がった女性キャラクターの横にVマークが表示される祝福演出が実行される。
〔16ラウンド〕
図646中(D):この後、大当り遊技が順調に進行し、最終の16ラウンドに移行すると、画面内には「ROUND16」のラウンド数に対応する文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像が表示されている。また、画面の右下隅位置には、「残し目」としての演出図柄(7の演出図柄)が引き続き表示されている。
〔大役終了時〕
図646中(E):大当り遊技が終了するタイミングにおいて、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。図示の例では、画面内に「花火ラッシュ突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「高確率時間短縮状態」の花火ラッシュに移行することを遊技者に教示することができる。
〔海岸モードの演出例〕
図647は、海岸モードの演出例を示す連続図である。この海岸モードは、「12ラウンド通常図柄」に該当した場合の大当り遊技の終了後や、いずれかの確変図柄に該当したものの大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合の大当り遊技の終了後に移行されるモードである。海岸モードは、「低確率時間短縮状態」である。ここでは一例として、海岸モードにおける縦変動モードによる演出例を取り上げる。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
図647中(A):例えば、「12ラウンド通常図柄」での大当り遊技の終了後、1回目の変動表示が行われることで、「海岸モード」の状態で演出図柄の変動表示が行われている。海岸モードの背景画像は、海岸モードのコンセプトである癒しの印象を表現するために、「砂浜」や「海」、「山」等の画像をモチーフとした背景画像となっている。また、液晶表示器42の画面右上では第4図柄Z2が変動表示されている。
図647中(B):そして、今回の変動(非当選時)が終了したことにより、すべての演出図柄が停止表示されている(「1」-「1」-「5」)。また、第4図柄Z2は、非当選の態様(例えば白色表示色)で停止表示されている。
図647中(C):そして、次回の変動が開始される。この海岸モードは、当選の結果が得られずに特別図柄が100回変動すると終了となる。海岸モードが終了すると低確率非時間短縮状態の通常モードに移行する。なお、海岸モードにて当選の結果が得られた場合は、リーチ演出が実行されて大当りとなる。
次に、演出制御装置124の演出制御CPU126により実行される制御上の処理について説明する。
〔演出制御装置におけるCPU初期化処理〕
図648は、演出制御装置124におけるCPU初期化処理の手順例を示すフローチャートである。
演出制御装置124におけるCPU初期化処理は、演出制御装置124内の各種情報のクリア等を行ってパチンコ機1の初期状態を整える処理であり、演出制御装置124の起動時(より具体的には、パチンコ機1への電源投入時や、何らかの要因により演出制御装置124が再起動された場合等)に演出制御CPU126により実行される。CPU初期化処理の実行により、パチンコ機1における安定した演出の実現が保証される。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS300:演出制御CPU126は、CPUのリセットを解除する。演出制御CPU126は、演出制御装置124における正常な動作を保証するために、演出制御装置124への電源投入後にCPUにリセットをかけ、出力電圧が動作保証レベルまで正常に立ち上がり周辺回路が安定するまでの間、リセット状態を継続させる。こうすることにより、演出制御装置124が安定していない状態でプログラムが作動するのを回避することができる。CPUのリセットが解除されると、これを契機として演出制御装置124における制御プログラムの実行が開始される。
ステップS310:演出制御CPU126は、起動処理を実行する。起動処理においては、演出制御の実体に相当する各種の割込処理が開始される前に必要となる初期設定として、ハードウェアに関する初期設定やシステムの動作設定等が行われる。具体的には、例えば、演出制御CPU126の各レジスタやI/Oポート、演出制御CPU126に接続される各デバイスへのアクセスに関する設定等が行われる。
ステップS320:演出制御CPU126は、RAM初期化処理を実行する。RAM初期化処理においては、RAM130(メインメモリ)の初期化、制御プログラムの実行過程で利用される各種クラスの初期化、DRAM191の初期化、コマンドバッファのクリア等が行われる。
ステップS330:演出制御CPU126は、タスク実行前処理を実行する。ここで「タスク」とは、割込の発生に起因して実行される個々の処理のことをいう。タスク実行前処理では、タスクを実行するための事前準備が行われる。例えば、演出制御装置124にはパチンコ機1の裏側から視認可能な複数のLEDランプ(以下、「ステータスLED」と称する。)が設けられており、これらのLEDランプを用いて演出制御装置124の内部状態が複数の点灯パターンにより報知されるが、このステータスLEDの初期状態の設定はタスク実行前処理の中で行われる。その他にも、主制御装置70から送信される演出コマンドを受信する上で必要となるコマンド入出力ポートに対する周波数の設定や、RTC184のセットアップ、割込の許可等が行われる。タスク実行前処理が終了すると、ステータスLEDが初期化処理の完了を示す態様で点灯し、各種演出コマンドの受信が可能となるとともに、各種の割込が発生して演出制御に関するタスク(以下、「演出制御タスク」と称する。)が起床され得る状態に移行する。
なお、演出制御装置124では、予め設定された時間間隔で発生するタイマ割込や、演出制御装置124上で所定のイベントが発生したことに起因して発生するイベント割込等、種類の異なる多様な割込が発生し得る。以降の説明においては、一定の間隔で定期的に発生する割込(例えば、タイマ割込や一定の周期で発生するイベント割込等)のことを「定期割込」と称する。個々の割込には優先順位が予め設定されており、割込が発生すると、演出制御CPU126はこれを優先順位に従って制御しつつ対応する割込処理を実行することとなる。
ステップS340:演出制御CPU126は、演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理においては、遊技の進行に伴い実行される制御のうち、各種タスクでは実行されないその他の処理が行なわれる。なお、演出制御メイン処理の内容については、次の図面を用いてさらに後述する。
図648に示されるように、演出制御メイン処理は無限ループの中に組み込まれており、演出制御CPU126は、演出制御メイン処理を1回実行し終えると所定の実行間隔を置いてから次の演出制御メイン処理の実行を再び開始する。したがって、パチンコ機1への電力供給が維持されており、かつ演出制御装置124が再起動されない限り、演出制御CPU126は演出制御メイン処理を繰り返し実行し続ける。また、上記の無限ループ中には、様々な要因を契機として各種の割込が発生し、演出制御CPU126は発生した個々の割込に応じた処理を実行する。これらの処理において、液晶表示器42への画像表示制御、スピーカ54~58への音声出力制御、ランプ46~53や可動体モータ57の駆動制御等が行われて、演出制御装置124に接続された各デバイスが制御されることにより、演出内容が構築され演出が具現化される。
このように、図648に示される無限ループは演出制御装置124におけるメインループに相当し、演出制御メイン処理は文字通り、演出制御装置124において実行されるメイン処理として位置づけられる。そこで、以下の説明においては、図648に示される無限ループを「演出制御のメインループ」と称することとする。
ところで、本実施形態においては、上述したようにCGROM190にNAND型のSATA規格による64GビットのROMが採用されているが、NAND型ROMにおいては、電力供給の開始に伴いリフレッシュが実行される。リフレッシュは、NAND型ROMからのデータの読み出しを安定的に実行可能とするための動作であり、上記のRAM初期化処理とは同時並行で、演出制御CPU126からは独立して実行されることとなる。
そこで、演出制御CPU126は、RAM初期化処理の開始からの経過時間を経過時間タイマで管理し、RAM初期化処理が開始されてからCGROM190のリフレッシュに要すると見込まれる時間が経過するまで(経過時間タイマが切れるまで)の間は、CGROM190へのアクセスを発生させないように各種の制御を行う。なお、CGROM190のリフレッシュの所要時間は、2.8秒(64Gビットの場合)と想定されているが、本実施形態においては、仕様変更の可能性等も踏まえ、余裕をもたせて4.6秒を確保している。
〔演出制御メイン処理〕
図649は、演出制御メイン処理の手順例を示すフローチャートである。
演出制御メイン処理は、演出制御のメインループ中に組み込まれた処理であり、演出制御CPU126により一定の間隔で呼び出されて実行される。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS350:演出制御CPU126は、SATA準備中フラグが「True」であるか否かを確認する。ここで、「SATA準備中フラグ」とは、CGROM190のリフレッシュ及びその完了後に実行されるCGROM190からDRAM191への全ての音声素材(サウンドデータ)の転送が完了したか否か、言い換えると、CGROM190へのアクセスが許可されているか否かを示すフラグのことであり、例えばRAM130のフラグ領域に記憶されている。
SATA準備中フラグの「True」は、リフレッシュ及び転送が完了していること、すなわちCGROM190へのアクセスが許可されていることを示すものである。なお、電源投入時には、SATA準備中フラグには初期値として、リフレッシュ及び転送が完了していないこと、すなわちCGROM190へのアクセスが禁止されていることを示す値「False」がセットされている。
確認の結果、SATA準備中フラグが「False」である場合には(ステップS350:No)、演出制御CPU126は、ステップS360を実行する。一方、SATA準備中フラグが「True」である場合には(ステップS350:Yes)、演出制御CPU126は、ステップS360を実行することなくステップS370に進む。
ステップS360:演出制御CPU126は、サウンド関連処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、各種スピーカから音声出力を行う上で必要となる事前準備を行う。なお、サウンド関連処理の具体的な内容については、次のフローチャートを用いて後述する。
ステップS370:演出制御CPU126は、電圧制御監視処理を実行する。電圧制御監視処理においては、演出制御CPU126は、外部ドライバに供給している5V信号の遮断を一定時間で解除するための監視処理を行う。ランプや可動体等に対し同時に電圧が印可されると、突入電流によりランプや可動体等が過剰に発熱して誤作動や故障につながる虞がある。そこで、電圧を印加するタイミング(信号の解除タイミング)をずらして突入電流を分散させ、ランプや可動体等を発熱から保護している。
ステップS380:演出制御CPU126は、ウォッチドッグクリア処理を実行する。演出制御装置124には、演出制御CPU126に接続されたウォッチドッグタイマIC188及び演出制御CPU126の内蔵機能を利用したウォッチドッグタイマが装備されているのに加え、制御プログラムによりウォッチドッグタイマが実装されている。つまり、演出制御装置124では、3種類のウォッチドッグタイマが作動しており、各ウォッチドッグタイマが異なる監視時間により、定期割込が正常に発生しているか(定期割込の発生を契機として実行される定期割込処理が正常に実行されているか)否かを監視している。ウォッチドッグクリア処理においては、演出制御CPU126は、定期割込処理が正常に実行された場合に全てのウォッチドッグタイマのクリア等を実行する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、演出制御のメインループ(図648)に復帰して、再び演出制御メイン処理を実行する。なお、演出制御メイン処理は、演出制御装置124が正常な状態においては、ほぼ一定の間隔で実行される。例えば、正常時には演出制御メイン処理は、別途実行される割込処理から復帰している間にフレーム割込を契機として33.3ms毎(16.6ms間隔で発生するフレーム割込が2回発生する毎)に呼び出され、その間に各ステップの処理が一巡する。したがって、演出制御メイン処理の各ステップが遅滞なく一巡した場合には、演出制御CPU126は、次回の演出制御メイン処理を呼び出すまでの残り時間に待機処理を行い、その間はスタート処理を待機(スリープ)状態に遷移させる。残り時間の消化に伴い、演出制御CPU126は待機処理を終了してメインループに復帰し、次回の演出制御メイン処理を呼び出すこととなる。
〔サウンド関連処理〕
図650は、サウンド関連処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS362:演出制御CPU126は、CGROM190のリフレッシュ時間が経過したか否かを確認する。演出制御CPU126は、上記の経過時間タイマが切れていればリフレッシュ時間が経過しており、経過時間タイマに残り時間があれば未だリフレッシュ時間が経過していない、と判断することができる。確認の結果、CGROM190のリフレッシュ時間が経過した場合には(ステップS362:Yes)、演出制御CPU126は、ステップS364を実行する。一方、リフレッシュ時間が未だ経過していない場合には(ステップS362:No)、演出制御CPU126は、呼び出し元の処理に復帰する。
ステップS364:演出制御CPU126は、サウンドデータ転送処理を実行するとともに、これと同時並行でアンプ初期化処理を実行する。サウンドデータ転送処理においては、演出制御CPU126は、CGROM190に格納されている全ての音声素材をDRAM191に転送する(転送手段)。また、アンプ初期化処理においては、演出制御CPU126は、アンプIC193の初期化を行う。
ステップS366:演出制御CPU126は、SATA準備中フラグを「True」に更新する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、呼び出し元の演出制御メイン処理(図649)に復帰する。
〔演出制御装置における定期割込処理〕
図651は、演出制御装置124において実行される各種の定期割込処理(Vsync割込処理、フレーム割込処理、フェーズ割込処理)の手順例を示すフローチャートである。
演出制御装置124においては、演出制御のメインループ中に、所定の割込周期(例えば520μs~33.3ms周期)で発生する各種の定期割込に応じた定期割込処理が一定間隔毎に実行される。以下、定期割込処理毎に手順例に沿って説明する。
図651中(A):Vsync割込処理の手順例を示すフローチャートである。Vsync割込は、液晶表示器42の画面に表示される演出画像を切り替えるタイミングでVDP152から定期的に出力される画像信号(Vsync信号)の入力に基づく割込であり、本実施形態においては、1秒間に30回(30fps)、すなわち33.3ms間隔で1回ずつ発生する。演出制御CPU126は、Vsync割込の発生を契機としてVsync割込処理を実行する。Vsync割込処理により、液晶表示器42に表示される演出画像は一定の間隔で切り替えられる。
ステップS1300:演出制御CPU126は、Vsync割込監視フラグをセットし、フラグ値を「1」にする。Vsync割込監視フラグは、Vsync割込が正常に発生しているか否かを確認するために用いるフラグであり、RAM130に記憶される。
ステップS1302:演出制御CPU126は、Vsync割込制御処理を実行する。Vsync割込制御処理においては、VDP152に演出画像を描画させ液晶表示器42の画面に表示させる上で必要となる様々な処理が実行される。なお、Vsync割込制御処理の具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながら詳しく後述する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出制御のメインループ(図648)に復帰する。
図651中(B):フレーム割込処理の手順例を示すフローチャートである。フレーム割込は、1秒間に60回(60fps)、すなわち16.6ms間隔で1回ずつ発生する割込である。演出制御CPU126は、フレーム割込の発生を契機としてフレーム割込処理を実行する。
ステップS1310:演出制御CPU126は、フレーム割込監視フラグをセットし、フラグ値を「1」にする。フレーム割込監視フラグは、フレーム割込が正常に発生しているか否かを確認するために用いるフラグであり、RAM130に記憶される。
ステップS1312:演出制御CPU126は、フレーム割込制御処理を実行する。フレーム割込制御処理においては、フレーム割込処理に起因して実行される様々なタスクの制御が行なわれる。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出制御のメインループ(図648)に復帰する。
図651中(C):フェーズ割込処理の手順例を示すフローチャートである。フェーズ割込は、演出制御装置124の内部デバイスを制御するための割込であり、1秒間に1920回(1920fps)、すなわち520μs間隔で1回ずつ発生する。演出制御CPU126は、フェーズ割込の発生を契機としてフェーズ割込処理を実行する。
ステップS1320:演出制御CPU126は、フェーズ割込監視フラグをセットし、フラグ値を「1」にする。フェーズ割込監視フラグは、フェーズ割込が正常に発生しているか否かを確認するために用いるフラグであり、RAM130に記憶される。
ステップS1322:演出制御CPU126は、フェーズ割込制御処理を実行する。フェーズ割込制御処理においては、フェーズ割込に起因して実行される様々なタスクの制御が行われる。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出制御のメインループ(図648)に復帰する。
このように、いずれのタイマ割込処理においても、先ず、各割込処理用の監視フラグをセットがされ、その上で、割込に起因して実行される各種タスクの制御が行われる。
続いて、演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。
〔演出制御処理〕
演出制御装置124は、図605を参照しながら述べたように、演出制御プロセッサ(全体制御部)としての機能と演出再生プロセッサ(個別制御部)としての機能を有しており、これらの機能が連携することにより、各デバイスの動作(液晶画面の表示、スピーカからの音声出力、ランプによる発光、可動体の動作等)を制御して、パチンコ機1での演出再生を実現させる。
演出制御プロセッサとしての演出制御CPU126は、主制御装置70から送信される演出コマンドを受信し、この内容に応じて演出の再生を指示する各種のメッセージや制御テーブルを設定する。また、演出再生プロセッサとしての演出制御CPU126は、演出制御プロセッサにより設定されたメッセージや制御テーブルを解析し、その内容に基づき各デバイスに向けてより具体的な指示を行うことにより各デバイスの動作(液晶表示器42による画面表示、スピーカ54,55,56,58による音声出力、各種ランプ46~52及び盤面ランプ53等による発光、各種可動体の変位等)を制御して、パチンコ機1での演出再生を実現させる。これらの機能の実体は、演出制御CPU126の異なるリソースを割り当てて起床された個々のタスクである。
そこで、説明の便宜のため、これ以降の説明においては、演出制御CPU126が演出制御プロセッサとして機能する際に動作主体となるタスクを「演出制御部210」と称し、演出制御CPU126が演出再生プロセッサとして機能する際に動作主体となるタスクについては、制御対象とするデバイスに応じて適宜「表示制御部220」、「音声制御部222」、「ランプ制御部224」、「可動体制御部226」又は「入力制御部228」と称することとする。なお、演出再生プロセッサ(個別制御部)として機能するこれらのタスク(制御部220,222,224,226,228)を総括して「各個別制御部」と称する場合がある。また、各種ランプ46~52、盤面ランプ53や操作ユニット60の各部位に内蔵された光源等を総括して「各種ランプ」と称し、スピーカ54,55,56,58を総括して「各種スピーカ」と称する場合がある。
図652は、演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。
演出制御処理は、フレーム割込制御処理(図651中のステップS1312)の過程で呼び出されて、フレーム割込の発生を契機としてフレーム割込制御処理が16.6ms毎に実行されるうちの1回おきに、すなわち33.3ms毎に(1秒間に30回)実行される。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS390:演出制御部210は、SATA準備中フラグが「True」であるか否かを確認する。確認の結果、SATA準備中フラグが「True」である場合、すなわちCGROM190のリフレッシュ及び転送が完了している場合には(ステップS390:Yes)、演出制御部210は、ステップS392を実行する。一方、SATA準備中フラグが「False」である場合、すなわちCGROM190のリフレッシュ及び転送が未だ完了していない場合には(ステップS390:No)、演出制御部210は、ステップS394を実行する。
ステップS392:演出制御部210は、通常時演出制御処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、主制御装置70から送信された演出コマンドに基づいて演出の実行を制御する。なお、通常時演出制御処理の具体的な内容については、別のフローチャートを参照しながら詳しく後述する。
ステップS394:演出制御部210は、電源投入時演出制御処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、CGROM190のリフレッシュ及び転送が完了するまでの(CGROM190へのアクセスが禁止されている)区間における各演出デバイスの動作を制御する。なお、電源投入時演出制御処理の具体的な内容については、次のフローチャートを用いてさらに後述する。
〔電源投入時演出制御処理〕
図653は、電源投入時演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS395:演出制御部210は、今回の電源投入時演出制御処理の実行が電源投入後における最初の実行であるか否かを確認する。確認の結果、最初の実行である場合には(ステップS395:Yes)、演出制御部210は、ステップS396を実行する。一方、最初の実行でない場合には(ステップS395:No)、演出制御部210は、ステップS397を実行する。
ステップS396:演出制御部210は、SATA準備中デバイス制御処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、SATA準備中フラグが「True」になるまで、すなわちCGROM190のリフレッシュ及び転送が完了するまでの区間(SATA準備中の区間)における演出動作を指示するメールを各個別制御部に対して送信する。これを受けて、各個別制御部は、受信したメールの内容に基づいて各演出デバイスの動作を制御する。
例えば、表示制御部220は、SATA準備中の区間に対応した画像を表示するようVDP152に対し指示する。また、ランプ制御部224は、枠ランプ交互点滅用のデータの再生を開始する。これにより、液晶表示器42の画面に「画面表示復帰中」との文字が表された画像が表示され、全ての枠ランプ(ガラス枠トップランプ46、ガラス枠装飾ランプ48,50,52)が1秒おきに交互点滅することとなる。但し、SATA準備中は音声素材を利用することができないため、音声制御部222はスピーカの制御を行わない。そのため、各種スピーカからは音声が出力されず無音の状態のままとなる。
ステップS397:演出制御部210は、生産検査開始コマンドを受信したか否かを確認する。ここで、「生産検査開始コマンド」とは、検査時にのみ送信されうる演出コマンドであり、パチンコ機1において検査が開始されるタイミングで主制御装置70から送信される。演出制御部210は、RAM130のコマンドバッファ領域に生産検査開始コマンドが保存されていれば、生産検査開始コマンドを受信したと判断することができる。
確認の結果、生産検査開始コマンドを受信した場合には(ステップS397:Yes)、演出制御部210は、ステップS398を実行する。一方、生産検査開始コマンドを受信していない場合には(ステップS397:No)、演出制御部210は、呼び出し元の処理に復帰する。
ステップS398:演出制御部210は、検査時ランプ制御処理を実行する。この処理では、演出制御部210が、ランプ制御部224に対してSATA準備中の演出動作を停止するよう指示し、これを受けてランプ制御部224が、枠ランプ交互点滅用のデータの再生を終了させる。これにより、全ての枠ランプが消灯する。SATA準備中に各種ランプを消灯させることにより、SATA準備完了まで待機することなく、他のランプデータの検査を実施可能な状態に速やかに移行することができ、検査効率を向上させることが可能となる。
以上の手順を終えると、演出制御部210は、呼び出し元の演出制御処理(図652)に復帰する。
〔電源投入時に実行される処理及び状態の変化〕
図654は、パチンコ機1への電源投入時に演出制御装置124で実行される処理、及び、これに伴い演出制御装置124及び主制御装置70において生じる状態の変化を示すタイミングチャートである。以下、時系列に沿って説明する。
〔時刻t0〕
図654中(A):パチンコ機1(演出制御装置124)への電源投入に伴い、CPU初期化処理(図648)が開始され、先ず起動処理が実行される。電源投入から起動処理の完了までには、概ね1.0秒を要する。
〔時刻t1〕
図654中(A):起動処理が完了すると、続いてRAM初期化処理が実行される。RAM初期化処理の開始から演出制御タスクが起床され得る状態に移行するまで、すなわちCPU初期化処理が完了するまでには、概ね1.4秒を要する。
図654中(B):RAM初期化処理と並行して、CGROM190のリフレッシュが実行される。リフレッシュの所要時間には、余裕をもたせて4.6秒を確保している。
図654中(D):この時点では、主制御装置70から送信される演出コマンドを受信することはできない。
図654中(E):また、演出制御タスクは、未だ起床されておらず準備中の状態である。
図654中(F),(G):そして、SATA準備中フラグには、初期値としての「False」がセットされており、演出制御タスクによるCGROM190へアクセスは禁止されている。
〔時刻t2〕
図654中(A):CPU初期化処理が全て完了する。
図654中(B):このとき、CGROM190のリフレッシュは依然として実行されている(未だ完了していない)。
図654中(D):CPU初期化処理の完了に伴い、主制御装置70から送信される演出コマンドの受信が可能となる。
図654中(E):また、演出制御タスクが起床され、実行中の状態となる。
図654中(F),(G):SATA準備中フラグには、依然として初期値としての「False」がセットされており、演出制御タスクによるCGROM190へのアクセスは禁止されている。
なお、演出制御が開始されるのは演出制御タスクの起床後(時刻t2以降)であることから、以降の説明においては、SATA準備中フラグの値「False」が示す状態について、演出制御タスクの起床前を「初期状態」とし、起床後を「準備中」として扱うこととする。
〔時刻t4〕
図654中(B):CGROM190のリフレッシュの所要時間が経過する。これをもって、CGROM190のリフレッシュが完了したものとみなされる。
図654中(C):CGROM190のリフレッシュの完了に伴い、サウンド関連処理(図650)が開始され、CGROM190からのサウンドデータの転送とアンプの初期化が同時並行で実行される。サウンドデータの転送が完了するまでには、概ね3.2秒を要する。また、アンプの初期化が完了するまでには、概ね1.2秒を要する。
〔時刻t5〕
図654中(C):アンプの初期化が完了するが、サウンドデータの転送は依然として実行されている(未だ完了していない)。
図654中(F),(G):そのため、SATA準備中フラグは「False」のまま維持されており、演出制御タスクによるCGROM190へのアクセスは依然として禁止されている。
なお、サウンドデータの転送中にCGROM190から描画素材を読み出して描画を行うことは、技術的には可能である。しかしながら、転送処理と描画処理とを並行して実行すると各処理に遅延が生じる虞があるため、本実施形態においては、サウンドデータの転送中はCGROM190へのアクセスを禁止している。
〔時刻t6〕
図654中(C):サウンド関連処理が全て完了する。
図654中(F),(G):サウンド関連処理の完了に伴って、SATA準備中フラグが「True」に更新され、演出制御タスクによるCGROM190へのアクセスが許可される。
このように、演出制御装置124においては、CPU初期化処理の完了に伴って、時刻t2に(電源投入から2.4秒経過後に)演出コマンドの受信が可能となる。また、サウンド関連処理の完了に伴って、時刻t6に(電源投入から8.8秒経過後)に演出制御タスクによるCGROM190へのアクセスが許可される。
ところで、主制御装置70においても、パチンコ機1(主制御装置70)への電源投入に伴ってCPU初期化処理等が実行されるが、その所要時間は演出制御装置124における場合よりも短く、早い段階で演出制御装置124に対し演出コマンドの送信が可能になる。しかしながら、上述したように、演出制御装置124においては、時刻t6までの間(電源投入から8.8秒間)は演出制御タスクによるCGROM190へのアクセスが禁止されているため、主制御装置70からの演出コマンドに基づいて演出を実行することができない。また、演出制御装置124から主制御装置70に対する通信は許可されていないため、主制御装置70は演出制御装置124における処理の進行状況を知ることができない。
そこで、本実施形態においては、主制御装置70からの演出コマンドの送信は、所定時間が経過するのを待って開始される。具体的には、量産時においては、図654中(I)に示されるように、電源投入から9.0秒が経過した後に演出コマンドの送信が開始される。また、検査時においては、液晶表示器42への表示(CGROM190へのアクセス)を考慮することなく、各種ランプの検査を早い段階で開始可能とするため、図654中(H)に示されるように、電源投入から2.5秒が経過した後に演出コマンドの送信が開始される。
なお、図654は、パチンコ機1への電源投入時に実行される処理及び状態の変化を演出制御装置124と主制御装置70との時間の対応関係とともに示したものであるが、何らかの要因により演出制御装置124のみ再起動がなされた場合等には、演出制御装置124においてのみ、電源投入時の処理が実行され上述したシーケンスが生じる。このとき、主制御装置70は正常に動作しており、演出制御装置124の再起動がなされたことを知る術がないため、正常な動作として演出コマンドを送信し続ける。しかしながら、演出制御装置においては、SATA準備中フラグが「完了」を示す値「True」に更新されない限り、主制御装置70からの演出コマンドを受信しても、これらを無視して電源投入時の処理を実行することとなる。なお、電源投入時に演出制御装置124で実行される処理の変化については、別の図面を参照しながら詳しく後述する。
〔比較例における電源投入時に実行される処理及び状態の変化〕
図655は、比較例においてパチンコ機1´への電源投入時に演出制御装置124´で実行される処理及びこれに伴い演出制御装置124´及び主制御装置70´において生じる状態の変化を示すタイミングチャートである。なお、比較例においては、CGROM190´にNOR型のROMが採用されており、また、アンプIC193が装備されていないものとする。
図655(比較例)を図654(実施形態)と対比させてみると、比較例においては、CGROM190´がNOR型ROMであることから、リフレッシュは実行されず、サウンドデータを予めDRAM191´に転送しておく必要がないため、SATA準備中フラグの管理も不要である。また、アンプIC193が装備されていないことから、アンプの初期化をCPU初期化処理とは別個に行う必要もない。
したがって、演出制御装置124´においては、図655中(G´)に示されるように、CPU初期化処理の完了に伴って演出制御タスクによるCGROM190´へのアクセスが許可される。これに応じて、主制御装置70´においては、図655中(H´)及び(I´)に示されるように、検査時においても量産時においても、電源投入から2.5秒が経過した後に演出コマンドの送信が開始される。
〔電源投入時に実行される演出制御処理〕
図656は、パチンコ機1への電源投入時に演出制御装置124で実行される処理の変化の詳細を示すタイミングチャートである。なお、図656中に示される各時刻は、図654及び図655中に示された各時刻とは関連しない。以下、時系列に沿って説明する。
〔時刻t0〕
図656中(A):演出制御装置124への電源投入直後においては、SATA準備中フラグには初期値としての「False」がセットされており、フラグが示す状態は「初期状態」である。この状態では、演出制御タスクは未だ起床されていない。
図656中(B):また、この状態では、主制御装置70からの演出コマンドを受信することはできない。
図656中(C):タスクが起床されていないため、表示制御に関するメールを受信できない。そのため、液晶表示器42の制御がなされず、液晶画面は暗転した状態となる。
図656中(D):タスクが起床されていないため、音声制御に関するメールを受信できない。そのため、各種スピーカの制御がなされず、各種スピーカからは音声が出力されない無音の状態となる。
図656中(E):タスクが起床されていないため、ランプ制御に関するメールを受信できない。そのため、各種ランプの制御がなされず、各種ランプは全て消灯した状態となる。
〔時刻t1〕
図656中(A):演出制御タスクが起床され、SATA準備中フラグが示す状態は「準備中」に移行する。なお、以下の説明においては、SATA準備中フラグが「準備中」を示す区間を「SATA準備中(の区間)」と称することとする。
図656中(B):このとき、主制御装置70からの演出コマンドの受信が可能となるが、SATA準備中は、生産検査開始コマンドのみが受信されて処理され、その他の演出コマンドは受信されても全て破棄される。
図656中(C):タスクの起床により、表示制御に関するメールの受信が可能となるが、SATA準備中の動作を指示する最初のメールを除き、全てのメールが破棄される。これにより、SATA準備中の区間には、液晶画面に「画面表示復帰中」との文字が表された画像が表示される。
図656中(D):タスクの起床により、音声制御に関するメールの受信が可能となるが、SATA準備中は音声素材を読み出すことができずスピーカからの音声出力が不可能であるため、全てのメールが破棄される。これにより、SATA準備中の区間は、各種スピーカから音声が出力されない無音の状態が維持される。
図656中(E):タスクの起床により、ランプ制御に関するメールの受信が可能となるが、SATA準備中の動作を指示する最初のメールを除くと、生産検査開始コマンドに基づくメールのみが実行され、その他のメールは破棄される。これにより、SATA準備中の区間には、全ての枠ランプ(ガラス枠トップランプ46、ガラス枠装飾ランプ48,50,52)が交互点滅する。
なお、生産検査開始コマンドが受信された場合には、このコマンドに基づいて送信されたメールが実行され、全ての枠ランプが消灯する。そしてその後、パチンコ機1に接続された検査用PCやデバッグ環境等からのメールが受信されると、そのメールが実行されて対応するランプデータが再生される。このようにして、SATA準備完了まで待機することなく、速やかに他のランプデータの検査を実行することが可能となる。
〔時刻t2〕
図656中(A):SATA準備中フラグが「True」に更新され、フラグが示す状態は「完了」に移行する。
図656中(B):これを契機として、主制御装置70からの全ての演出コマンドが受信され処理されるようになる。
図656中(C):また、表示制御に関するメールが実行されるようになる。これにより、SATA準備完了直後には、液晶画面に「画面表示復帰中/そのまま遊技を続けてください」との文字が表された画像が表示される。
図656中(D):また、音声制御に関するメールが実行されるようになる。これにより、SATA準備完了後においては、受信メールの内容に応じた音声が各種スピーカから出力される。
図656中(E):また、ランプ制御に関する全てのメールが実行されるようになる。これにより、SATA準備完了直後には、受信メールの内容に応じて各種ランプが全て消灯した状態となる。
このように、SATA準備中の区間においては、液晶表示器42及び各種ランプを用いてSATA準備中の区間に固有の動作が実行される。これにより、パチンコ機1(演出制御装置124)が起動準備の段階にあることを確実に報知して、遊技場のスタッフや遊技者にそのことを認識させることができる。
〔描画処理におけるデータの流れ〕
図657は、描画処理におけるデータの流れをSATA準備中と通常時とで比較しながら概念的に示す図である。
図657中(A):SATA準備中の描画処理におけるデータの流れを示している。SATA準備中の描画処理とは、具体的には、演出制御装置124に電源が投入されてから、SATA準備中フラグが「完了」を示す「True」に更新された後に主制御装置70からの演出コマンドが受信されるまでの間になされうる描画処理のことである。
上述したように、本実施形態においては、SATA準備中にはCGROM190へのアクセスが禁止されることから、SATA準備中の区間に液晶表示器42の画面に表示すべき描画素材(具体的には、「画面表示復帰中」との文字からなる描画素材)については、制御ROM180に予め格納されている。そして、SATA準備中の描画処理においては、図657中(A)に示されるように、描画素材が先ず制御ROM180からDRAM191に転送され、DRAM191に転送された描画素材を用いてVRAM156に画像が描画されて、VRAM156に描画された画像が最終的に液晶表示器42の画面に表示される。
図657中(B):通常時の描画処理におけるデータの流れを示している。通常時の描画処理とは、SATA準備中以外に実行される描画処理のことである。通常時の描画処理においては、描画素材が先ずCGROM190からDRAM191に転送され、DRAM191に転送された描画素材を用いてVRAM156に画像が描画されて、VRAM156に描画された画像が液晶表示器42の画面に表示される。
なお、通常時の描画処理におけるデータ転送の具体的な態様については、別の図面を参照しながら詳しく後述する。また、描画処理に関しては、SATA準備中であっても通常時であっても、後述する図665~図667に示される共通の処理によって実行可能である。
〔電源投入時の演出デバイスの動作〕
図658は、演出制御装置124への電源投入後の時間の経過に伴う演出デバイスの動作例を示す連続図である。以下、時系列に沿って説明する。
図658中(A):初期状態においては、演出制御タスクが未だ起床されていないため、演出デバイスの制御が不可能である。したがって、液晶表示器42の画面は暗転しており、全てのランプは消灯しており、各種スピーカからは音声が出力されない。
図658中(B):SATA準備中の区間においては、演出制御装置124(パチンコ機1)が起動準備中の段階にあることを報知するための動作が指示される。この指示に応じて、液晶画面には「画面表示復帰中」との文字が表された画像が表示され、また、全ての枠ランプ(ガラス枠トップランプ46、ガラス枠装飾ランプ48,50,52)が1秒おきに交互点滅する。このとき、各種スピーカからは音声が出力されない。なお、SATA準備中に液晶画面に表示される画像は、制御ROM180から転送された描画素材を用いて描画されたものである。
図658中(C):SATA準備完了直後においては、演出制御装置124(パチンコ機1)が通常時の状態に戻りつつあることを報知するための動作が指示される。この指示に応じて、液晶画面には「画面表示復帰中/そのまま遊技を続けてください」との文字が表された画像が表示され、各種スピーカからはSATA準備完了時用の音声が出力される。また、直前まで交互点滅していた全ての枠ランプは消灯する。なお、SATA準備完了以降に液晶画面に表示される画像は、CGROM190から転送された描画素材を用いて描画されたものである。
その後、演出コマンド(例えば、RAMクリア指定コマンド又は電源復帰指定コマンド)が受信されると、これを契機として、演出制御CPU126により通常時の流れに沿って演出デバイスの制御がなされ、主制御装置70からの演出コマンドに基づいた演出が実行されることとなる。
続いて、通常時の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上記の演出例に沿って説明した変動表示演出やリーチ演出、予告演出、記憶表示演出、大役中演出等は、いずれも通常時演出制御処理を通じて制御されている。
〔通常時演出制御処理〕
図659は、通常時演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。
通常時演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、表示制御処理(ステップS404)、入力制御処理(ステップS405)、ランプ制御処理(ステップS406)、音声制御処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って通常時演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御部210は主制御CPU72から送信される演出コマンドを受信する。また、演出制御部210は受信した演出コマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出コマンドには、例えば特図先判定演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、確定コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、エラー通知コマンド、大当り終了演出コマンド、回数切りカウンタ値コマンド、変動パターン先判定コマンド、停止表示時間終了コマンド、確変領域通過コマンド、賞球内容コマンド、RAMクリア指定コマンド、電源復帰指定コマンド、設定関連終了指定コマンド、生産検査開始コマンド等がある。
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御部210は記憶表示演出や、マーカM1,M2を用いた先読み予告演出の実行を制御する。なお、作動記憶演出管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御部210は演出図柄を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作時の演出内容を制御したりする。また、この処理において、演出制御部210は各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出等)の演出パターンを選択する。なお、演出図柄管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS404:表示制御処理では、演出制御部210が、表示制御部220に対して演出内容(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号、当該保留消去等)を指示するメールを送信する。これを受けて表示制御部220は、受信したメールの内容に基づいてVDP152に対し描画に関する具体的な指示を行い、液晶表示器42による表示動作を制御する。
なお、表示制御部220による上記の描画に関する処理は、別途Vsync割込処理の過程(図651中のステップS1302)で呼び出されて、33.3ms毎に(1秒間に30回)実行される。描画に関する具体的な処理(Vsync割込制御処理)の内容については、別のフローチャートを参照しながら詳しく後述する。
ステップS405:入力制御処理では、先ず演出制御部210が、演出の進行に伴い遊技者による操作を要求する場面に同期させて、入力制御部228に対し操作ユニット60等の操作部材が遊技者により指定した態様で操作されるか否かの検出を指示する。より具体的には、演出制御部210は、制御ROM180に予め定義されているいずれかの入力制御テーブルを設定する。これを受けて入力制御部228は、設定された入力制御テーブルの内容を解析し、これに基づいて、いずれかの操作部材に対する操作の受付を可能とする期間を設定する。また、演出制御部210が指定した態様に合致する操作(遊技者に要求する操作)がなされるか否かを検出し、検出結果を出力して演出制御部210に返す。
ステップS406:ランプ制御処理では、先ず演出制御部210が、ランプ制御部224に対して演出内容を指示するメールを送信する。これを受けてランプ制御部224は、受信したメールの内容に基づいてLEDドライバ198を中継しドライバIC132に対して具体的な駆動信号を出力し、各種ランプ46~52、盤面ランプ53や操作ユニット60の各部位に内蔵された光源等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)させる。
ステップS408:音声制御処理では、先ず演出制御部210が、音声制御部222に対して演出内容を指示するメールを送信する。これを受けて音声制御部222は、受信したメールの内容に基づいて音声IC134に対し具体的な出力内容の指示を行い、スピーカ54,55,56,58から演出内容に応じた音(効果音、BGM等)を出力させる。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御部210はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば、先ず演出制御部210が、可動体制御部226に対して演出内容を指示するメールを送信する。これを受けて可動体制御部226は、受信したメールの内容に基づいてSMC199に対し具体的な制御内容の指示を行う。さらにSMC199は、可動体制御部226からの指示に基づいて各種可動体の作動パターンを作成し、これに応じた制御信号をドライバICに出力し、各種可動体を駆動させる。これにより、例えば、可動体40fは可動体モータ57を駆動源として動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う。
なお、上記の例においては、演出制御部210は各個別制御部に対して演出内容を指示するメッセージを出力しているが、メッセージの出力とともに、又は、メッセージの出力に代えて、メッセージの内容に対応付けられた演出動作の詳細が定義されている制御テーブルを起動する場合もある。制御テーブルが起動された場合には、各個別制御部は、制御テーブルの内容を解析し、その内容に基づいて各デバイスに対する具体的な指示を行うこととなる。
以上の通常時演出制御処理を通じて、演出制御部210はパチンコ機1における演出内容及び演出を再生する各デバイスの動作を統括的に制御することができる。そして、演出制御部210による演出の再生指示(メールの送信や制御テーブルの設定)は演出制御処理の過程で実行されるのに対し、その指示を受けて表示制御部220が行う描画に関する処理(液晶表示器42の制御)は、別途Vsync割込を契機として実行される。また、音声制御部222、ランプ制御部224、可動体制御部226による各演出デバイスの制御は、表示制御部220による描画に関する処理との同期をとって行われる。このような制御とすることにより、各デバイスによる演出再生を適切に同期させることができる。
〔表示制御処理に関わる機能構成〕
図660は、表示制御処理(図659中のステップS404)に関わる主な機能構成を示すブロック図である。
図660中(A):本実施形態において表示制御処理に関わる主な機能構成を示している。上述したように、本実施形態においては、NAND型のCGROM190が採用されているとともに、DDR3規格のDRAM191が搭載されている。NAND型ROMを採用した理由は、比較的安価であること、集積度が高い(回路規模が小さい)こと、その他市場動向等による。
本実施形態においては、主制御装置70(主制御CPU72)からの演出コマンドを受信すると、演出制御部210は、受信した演出コマンドの内容に応じた演出の実行を指示するメッセージを表示制御部220に対し設定する。これを受けて、(1)表示制御部220が、メッセージを解析し、VDP152に対し描画に関する具体的な指示を行う描画コマンドを構築する(コマンド構築処理)。構築された描画コマンドがVDP152に転送されると、先ず、(2)プリロード回路154が、必要な描画素材を含むページをNAND型のCGROM190からDRAM191の所定の領域に転送し一時保存(プリロード)する(プリロード処理、描画手段)。次に、(3)描画回路155が、DRAM191の所定の領域から描画素材を取得してデコーダ157を用いて解凍(復号)しながらVRAM156上に描画し、演出画像をフレーム単位でフレームバッファに展開する(転送/描画処理、描画手段)。そして、(4)表示回路153が、表示フレームバッファに展開された内容に基づいて液晶表示器42の各画素を駆動する(表示処理)。これにより、液晶表示器42の画面に演出画像が表示される。
このように、本実施形態においては、表示制御に関する処理が大きくみると図中の(1)~(4)の4つの工程で実行される。
図660中(B):比較例において表示制御処理に関わる主な機能構成を示している。比較例においては、CGROM190´がNOR型のROMで構成されている。NOR型のROMにおいては描画素材を直接ランダムリードすることが可能であるため、実施形態の場合とは異なり、ページリードしたデータをプリロードするためのDRAM191は搭載されていない。
比較例においては、主制御装置70(主制御CPU72)からの演出コマンドを受信すると、演出制御部210は、受信した演出コマンドの内容に応じた演出の実行を指示するメッセージを表示制御部220に対し設定する。これを受けて、(1)表示制御部220が、メッセージを解析し、VDP152に対し描画に関する具体的な指示を行う描画コマンドを構築する(コマンド構築処理)。構築された描画コマンドがVDP152に転送されると、(2)描画回路155が、NOR型のCGROM190´から描画素材を直接取得し、デコーダ157を用いて解凍(復号)しながらVRAM156上に描画して、演出画像をフレーム単位でフレームバッファに展開する(転送/描画処理)。そして、(3)表示回路153が、表示フレームバッファに展開された内容に基づいて液晶表示器42の各画素を駆動する(表示処理)。これにより、液晶表示器42の画面に演出画像が表示される。
このように、比較例においては、プリロード処理が不要であるため、表示制御に関する処理が大きくみると図中の(1)~(3)の3つの工程で実行される。そのため、工程の数だけでいえば、実施形態よりも比較例の方が少ない。しかしながら、NAND型ROMからの読み出し速度は非常に高速であり、NAND型ROMから1ページのデータを読み出す速度と、1ページと同じサイズのデータをNOR型ROMから読み出す速度とを単純比較すれば、NAND型ROMの方が高速(例えばビットレートで3~6倍等)である。また、本実施形態においては、DRAM191にプリロードしたデータを可能な限り再利用(複数回にわたり利用)する工夫を行っているため、CGROM190からの読み出し回数を減らしてデータの読み出し全体に要する処理時間をさらに短縮することが可能である。したがって、本実施形態は、比較例より工程が1つ増えてはいるものの、処理上の効率化が図られている上に、パチンコ機1の製造に要するコストの抑制に貢献できる点において、優位性があるといえる。
そこで、以下では、本実施形態においてデータの読み出しに関する処理をどのように効率化しているかについて説明する。
〔プリロード処理の態様〕
図661~図663は、プリロード処理の態様を具体例に沿って示す概略図である。
上述したように、本実施形態においては、NAND型のCGROM190(第1記憶手段)に記憶されている描画素材がプリロード回路154によってDRAM191(第2記憶手段)にプリロードされるが、プリロードされる領域として2種類の領域(第1プリロード領域、第2プリロード領域)が設けられている。
このうち、第1プリロード領域は、ページ単位で管理される領域であり、CGROM190からページ単位で読み出されたデータがそのままの形でロードされる(第2記憶手段の所定の領域)。一方、第2プリロード領域は、フレーム単位で管理される領域であり、第1又は第2プリロード領域に既にロードされているデータの中から部分的にデータ転送が行われる他、所定の状況下では、CGROM190からページ単位で読み出されたデータのロードがなされる(第2記憶手段の所定の領域とは別の領域)。これらの領域を使い分けることにより、CGROM190からの読み出し回数を最小限に抑制しつつ、DRAM191に既にプリロードされているデータを可能な限り再利用することを可能としている。
図661中(A):1フレーム目を描画するために行われるプリロードの例を示している。図示の例では、1フレーム目で画像A及び画像Cを用いて演出画像の描画が行われるものとする。
CGROM190において、画像Aはページ1に存在し、画像Cはページ3に存在しているが、CGROM190からはページ単位での読み出ししかできない。そこで、プリロード回路154により、先ず、CGROM190からDRAM191の第1プリロード領域に対して、ページ1及びページ3がプリロードされる。これにより、第1プリロード領域には、ページ1を構成する画像Aと画像Bの始端部、及び、ページ3を構成する画像Bの後端部と画像Cと画像Dの始端部がロードされている。その上で、プリロード回路154により、DRAM191の第1プリロード領域から第2プリロード領域に対して、1フレーム目の描画に必要な画像A及び画像Cがデータ転送される。
図662中(B):2フレーム目を描画するために行われるプリロードの例を示している。図示の例では、2フレーム目で画像B及び画像Cを用いて演出画像の描画が行われるものとする。
CGROM190において、画像Bはページ1~3に跨って存在しているが、画像Bの始端部を含むページ1及び画像Bの終端部を含むページ3は、既に第1プリロード領域にロードされているため、CGROM190からの読み出しが必要となるのは、画像Bの中間部をなすページ2のみである。そこで、プリロード回路154により、画像Bの始端部及び終端部については、第1プリロード領域から第2プリロード領域へのデータ転送がなされ、画像Bの中間部については、CGROM190からDRAM191の第2プリロード領域へのページ2のプリロードがなされる。このように、ページ全体が1つの画像の一部又は全部で構成されているページについては、第1プリロード領域ではなく第2プリロード領域にロードされる。また、画像Cについては、1フレーム目を描画する際に既に第2プリロード領域にデータ転送されているため、ここでは第2プリロード領域の1フレーム目用の領域から2フレーム目用の領域へのデータ転送がなされる。
図663中(C):3フレーム目を描画するために行われるプリロードの例を示している。図示の例では、3フレーム目で画像C、画像D及び画像Eを用いて演出画像の描画が行われるものとする。
CGROM190において、画像Dはページ3~4に跨って存在しているが、画像Dの始端部を含むページ3は、既に第1プリロード領域にロードされている。また、画像Eは画像Dの終端部を含むページ4に存在している。そのため、CGROM190からの読み出しが必要となるのは、ページ4のみである。そこで、プリロード回路154により、先ず、CGROM190からDRAM191の第1プリロード領域へのページ4のプリロードがなされる。その上で、プリロード回路154により、画像Cについては、第2プリロード領域の2フレーム目用の領域から3フレーム目用の領域へのデータ転送がなされ、画像D(始端部及び終端部)と画像Eについては、第1プリロード領域から第2プリロード領域へのデータ転送がなされる。
このようにして、プリロード処理においては、1ページ未満のサイズに収まる画像(例えば、画像A)については、先ず、その画像を含むページ全体がCGROM190から読み出されて第1プリロード領域にプリロードされ、その上で、画像Aのデータ領域のみが第1プリロード領域から第2プリロード領域にデータ転送される。また、画像の一部又は全部がページ全体をなす画像(例えば、画像B)については、ページ全体が1画像で構成されているページはCGROM190から第2プリロード領域にプリロードされる一方、その画像の他の部分(始端部又は終端部)を含むページは第1プリロード領域にプリロードされる。そして、前のフレームで使用された画像が次のフレームでも使用される場合には、第2プリロード領域内でのデータ転送が行われる。
〔プリロード領域の更新態様〕
図664は、プリロード領域の更新態様を示す模式図である。
図664中(A):第1プリロード領域の更新態様を示す模式図である。上述したように、第1プリロード領域はページ単位で管理されている。また、第1プリロード領域には、DRAM191の描画素材用として割り当てられた領域のうち約1割が割り当てられており、M個(例えば、1600個)のページを格納可能である。
第1プリロード領域には、CGROM190から読み出されたデータがページ単位で次々と保存されていき、保存したページ数がM個に達すると、古いデータから順に上書きされていく。見方を変えると、CGROM190から第1プリロード領域への過去M回のプリロードの中に必要な画像が含まれている場合には、CGROM190からの読み出しを行うことなく第1プリロード領域に保存されているデータを再利用することができる。
図664中(B):第2プリロード領域の更新態様を示す模式図である。上述したように、第2プリロード領域はフレーム単位で管理されている。また、第2プリロード領域には、DRAM191の描画素材用として割り当てられた領域のうち約9割が割り当てられており、N個のフレームの描画に必要なデータを格納可能である。例えば、DRAM191の最大容量が8Gビットでそのうち4Gビットが描画素材用として割り当てられており、16個のフレームの描画に必要なデータを格納可能とする場合には、1フレーム当たりの最大容量は約28Mバイトとなる。
第2プリロード領域には、フレームの描画に必要な全てのデータが次々と保存されていき、保存したフレーム数がN個に達すると、古いデータから順に上書きされる。見方を変えると、直近のN-1フレーム以内に、今回のフレームの描画に必要な画像が含まれている場合には、CGROM190からの読み出しを行うことなく、第2プリロード領域に保存されているデータを再利用することができる。なお、このとき、第1プリロード領域に保存されているデータを併せて再利用してもよい。
〔Vsync割込制御処理〕
図665は、Vsync割込制御処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS1400:表示制御部220は、遅延フラグをリセットする。ここで、「遅延フラグ」とは、液晶画面の描画に関わる処理に遅延が生じているか否かを示すフラグのことであり、例えばRAM130のフラグ領域に記憶されている。この処理では、表示制御部220は、遅延フラグを処理の遅延が生じていないことを示す値(「0」)にリセットする。
ステップS1402:表示制御部220は、コマンド構築状態が「終了」であるか否かを確認する。ここで、「コマンド構築状態」とは、コマンド構築処理に関する現在の状態のことであり、現在の状態を示す値は、コマンド構築状態フラグとして、例えばRAM130のフラグ領域に記憶されている。なお、コマンド構築状態は、「アイドル」、「開始」、「終了」の各状態を循環的に遷移する。つまり、コマンド構築状態フラグには、「アイドル」、「開始」、「終了」のいずれかを示す値がセットされている。
確認の結果、コマンド構築状態が「終了」である場合には(ステップS1402:Yes)、表示制御部220は、ステップS1406を実行する。一方、コマンド構築状態が「終了」でない場合には(ステップS1402:No)、表示制御部220は、ステップS1404を実行する。
ステップS1404:表示制御部220は、遅延フラグをセットする。具体的には、表示制御部220は、遅延フラグに処理の遅延が生じていることを示す値(「1」)をセットする(以下、同様)。
ステップS1406:表示制御部220は、プリロード状態が「終了」であるか否かを確認する。ここで、「プリロード状態」とは、プリロード処理に関する現在の状態のことであり、現在の状態を示す値は、プリロード状態フラグとして、例えばRAM130のフラグ領域に記憶されている。なお、プリロード状態は、「アイドル」、「開始」、「終了」の各状態を循環的に遷移する。つまり、プリロード状態フラグには、「アイドル」、「開始」、「終了」のいずれかを示す値がセットされている。
確認の結果、プリロード状態が「終了」である場合には(ステップS1406:Yes)、表示制御部220は、ステップS1410を実行する。一方、プリロード状態が「終了」でない場合には(ステップS1406:No)、表示制御部220は、ステップS1408を実行する。
ステップS1408:表示制御部220は、遅延フラグをセットする。
ステップS1410:表示制御部220は、転送/描画状態が「終了」であるか否かを確認する。ここで、「転送/描画状態」とは、転送/描画処理に関する現在の状態のことであり、現在の状態を示す値は、転送/描画状態フラグとして、例えばRAM130のフラグ領域に記憶されている。なお、転送/描画状態は、「アイドル」、「開始」、「終了」の各状態を循環的に遷移する。つまり、転送/描画状態フラグには、「アイドル」、「開始」、「終了」のいずれかを示す値がセットされている。
確認の結果、転送/描画状態が「終了」である場合には(ステップS1410:Yes)、表示制御部220は、ステップS1414を実行する。一方、転送/描画状態が「終了」でない場合には(ステップS1410:No)、表示制御部220は、ステップS1412を実行する。
ステップS1412:表示制御部220は、遅延フラグをセットする。
ステップS1414:表示制御部220は、遅延フラグがセットされていないか否かを確認する。遅延フラグがセットされていない場合には(ステップS1414:Yes)、表示制御部220は、ステップS1420を実行する。一方、遅延フラグがセットされている場合には(ステップS1414:No)、表示制御部220は、呼び出し元の処理に復帰する。
ステップS1420:表示制御部220は、表示フレームバッファを切り替える。この処理により切り替えられた表示フレームバッファの内容が、表示回路153によって液晶表示器42の画面に表示されることとなる。
ステップS1430:表示制御部220は、転送/描画状態を「アイドル」に更新する。
ステップS1432:表示制御部220は、転送/描画処理を開始させる。具体的には、表示制御部220は、VDP152の描画回路155に対して処理開始の指示を行う。このとき、指示を受けた描画回路155は、前フレームの転送/描画処理が終了しているか否かを確認し、前フレームの転送/描画処理が既に終了している場合には、現フレームでの転送/描画処理を実行する。一方、前フレームの転送/描画処理が未だ終了していない場合には、描画回路155は、処理開始の指示を無視して実行中の処理を継続する。つまり、描画回路155は、現フレームでの転送/描画処理は実行せずにスキップして次フレームに持ち越す。
ステップS1434:表示制御部220は、描画回路155の状態を参照し、転送/描画処理の開始に成功した(転送/描画処理が正常に開始された)か否かを確認する。表示制御部220は、例えば、描画回路155にて現フレームでの転送/描画処理が実行されていれば開始に成功したと判断する一方、描画回路155にて現フレームでの転送/描画処理がスキップされていれば開始に成功しなかったと判断することができる。
確認の結果、転送/描画処理の開始に成功した場合には(ステップS1434:Yes)、表示制御部220は、ステップS1436を実行する。一方、転送/描画処理の開始に成功しなかった場合には(ステップS1434:No)、表示制御部220は、ステップS1442を実行する。
ステップS1436:表示制御部220は、転送/描画状態を「開始」に更新する。
ステップS1440:表示制御部220は、プリロード状態を「アイドル」に更新する。
ステップS1442:表示制御部220は、プリロード処理を開始させる。具体的には、表示制御部220は、VDP152のプリロード回路154に対して処理開始の指示を行う。このとき、指示を受けたプリロード回路154は、前フレームのプリロード処理が終了しているか否かを確認し、前フレームのプリロード処理が既に終了している場合には、現フレームでのプリロード処理を実行する。一方、前フレームのプリロード処理が未だ終了していない場合には、プリロード回路154は、処理開始の指示を無視して実行中の処理を継続する。つまり、プリロード回路154は、現フレームでのプリロード処理は実行せずにスキップして次フレームに持ち越す。
ステップS1444:表示制御部220は、プリロード回路154の状態を参照し、プリロード処理の開始に成功した(プリロード処理が正常に開始された)か否かを確認する。表示制御部220は、例えば、プリロード回路154にて現フレームでのプリロード処理が実行されていれば開始に成功したと判断する一方、プリロード回路154にて現フレームでのプリロード処理がスキップされていれば開始に成功しなかったと判断することができる。
確認の結果、プリロード処理の開始に成功した場合には(ステップS1444:Yes)、表示制御部220は、ステップS1446を実行する。一方、プリロード処理の開始に成功しなかった場合には(ステップS1444:No)、表示制御部220は、ステップS1452を実行する。
ステップS1446:表示制御部220は、プリロード状態を「開始」に更新する。
ステップS1450:表示制御部220は、コマンド構築状態を「アイドル」に更新する。
ステップS1452:表示制御部220は、上位タスク起動処理を実行する。この処理では、表示制御部220は、コマンド構築状態が「アイドル」である場合に、上位側のタスク(上流工程の処理)として、コマンド構築処理を実行するとともに液晶表示器42以外の演出デバイスの制御を進行させる。なお、上位タスク起動処理の具体的な処理の内容については、次のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
以上の手順を終えると、表示制御部220は、呼び出し元の処理に復帰する。
〔上位タスク起動処理〕
図666は、上位タスク起動処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS1500:表示制御部220は、コマンド構築状態が「アイドル」であるか否かを確認する。コマンド構築状態が「アイドル」である場合には(ステップS1500:Yes)、表示制御部220は、ステップS1502を実行する。一方、コマンド構築状態が「アイドル」でない場合には(ステップS1500:No)、表示制御部220は、呼び出し元の処理に復帰する。
ステップS1502:表示制御部220は、コマンド構築状態を「開始」に更新する。
ステップS1504:表示制御部220は、コマンド構築処理を実行する。
ステップS1506:表示制御部220は、コマンド構築状態を「終了」に更新する。
ステップS1510:表示制御部220は、他デバイス制御進行処理を実行する。この処理では、液晶表示器42による画面表示に同期させてその他の演出デバイス(スピーカ、ランプ等)の制御を進行させる。
以上の手順を終えると、表示制御部220は、呼び出し元の処理に復帰する。
〔描画関連の割込処理〕
図667は、描画に関連する処理の終了時に発生する割込を契機として実行される処理(描画終了割込処理、プリロード終了割込処理)の手順例を示すフローチャートである。以下、割込処理毎に手順例に沿って説明する。
図667中(A):描画終了割込処理の手順例を示すフローチャートである。描画終了割込処理は、描画回路155により実行される転送/描画処理の終了時に発生する描画終了割込を契機として実行される処理である。
ステップS1600:表示制御部220は、転送/描画状態を「終了」に更新する。
以上の手順を終えると、表示制御部220は、メインループ(図648中(A))に復帰する。
図667中(B):プリロード終了割込処理の手順例を示すフローチャートである。プリロード終了割込処理は、プリロード回路154により実行されるプリロード処理の終了時に発生するプリロード終了割込を契機として実行される処理である。
ステップS1700:表示制御部220は、プリロード状態を「終了」に更新する。
以上の手順を終えると、表示制御部220は、メインループ(図648中(A))に復帰する。
このように、本実施形態においては、Vsync割込の発生を契機として実行されるVsync割込制御処理(図665)と、Vsync割込制御処理に所定のタイミングで実行される上位タスク起動処理(図666)、描画終了割込処理・プリロード終了割込処理(図667)により、演出画像の描画に関わる4つの工程(コマンド構築処理、プリロード処理、転送/描画処理、表示処理)が制御される。また、これと同時に、表示を除く3つの各工程に関する現在の状態が、それぞれ別のフラグ(コマンド構築状態フラグ、プリロード状態フラグ、転送/描画状態フラグ)で管理され、さらにこれらのフラグに基づいて、いずれかの工程に遅延が生じていないかが遅延フラグにより管理される。
各工程の現在の状態は、各工程の処理が正常に開始されると「開始」に更新され、各工程の処理が終了すると「終了」に更新され、次の工程の処理が正常に開始されると「アイドル」に更新される。上述したように、4つの工程は、コマンド構築処理→プリロード処理→転送/描画処理→表示処理の順で上流側から下流側へと進むため、コマンド構築処理からみた次の工程はプリロード処理であり、プリロード処理からみた次の工程は転送/描画処理であり、転送/描画処理からみた次の工程は表示処理である。したがって、例えば、プリロード処理が正常に開始された場合には(図665中のステップS1444:Yes)、コマンド構築状態は「アイドル」に更新される(図665中のステップS1450)。これに対し、プリロード処理が正常に開始されていない(開始に失敗している)場合には(図665中のステップS1444:No)、コマンド構築状態の更新はなされない。
そして、コマンド構築状態が「アイドル」である場合、すなわち、次工程であるプリロード処理が正常に開始されている場合には(図666中のステップS1500:Yes)、現フレームのコマンド構築処理を実行するとともに(図666中のステップS1504)、これに同期させて他の演出デバイスの制御を進行させる(図666中のステップS1510)。一方、コマンド構築状態が「アイドル」でない場合、すなわち、次工程であるプリロード処理の開始に失敗している場合には(図666中のステップS1500:No)、現フレームのコマンド構築処理は実行せず、他の演出デバイスの制御を進行させない。
このような制御とすることにより、次工程であるプリロード処理が開始に失敗している場合に、前フレームのコマンド構築処理で構築した描画コマンドがプリロード処理の対象となる前に現フレームのコマンド構築処理によって上書きされてしまうこと、すなわち描画コマンドの内容が次工程以降の処理によって具現化されることなく破棄されてしまことを、未然に回避することができる。また、コマンド構築処理がスキップされる場合には、他の演出デバイスの制御も進行されないため、液晶表示器42と他の演出デバイスとの間で処理の実行タイミングを適切に同期させることができる。したがって、本実施形態によれば、一部の工程に遅延が生じた場合でも、演出再生のタイミングのズレを未然に防止して、演出再生を自然な形で継続させることができる。
〔正常時における描画関連処理の実行タイミング〕
図668は、描画に関する処理(コマンド構築処理、プリロード処理、転送/描画処理、表示処理)の正常時における実行タイミングを示す図である。
図中の矢印に付されたフレーム数は、「±0フレーム」との文字が付された矢印の処理を起点とした場合に、他の矢印の処理が起点からみて何フレーム先に対する処理であるかを示している。例えば、図668においては、1フレーム目の表示処理を示す矢印には「±0フレーム」との文字が付されており、転送/描画処理を示す矢印には「+1フレーム」との文字が付されている。これは、1フレーム目の転送/描画処理が1フレーム目の表示処理からみて1フレーム先に対する(2フレーム目用の)処理であることを示している。
最初のVsync割込C1を契機として1フレーム目でVsync割込制御処理が実行されると、表示処理では現フレームに対する(1フレーム目用の)表示が実行され、転送/描画処理では次フレームに対する(2フレーム目用の)転送/描画が実行され、プリロード処理では2フレーム先に対する(3フレーム目用の)プリロードが実行され、コマンド構築処理では3フレーム先に対する(4フレーム目用の)コマンド構築が実行される。
2フレーム目以降も同様であり、各フレームでVsync割込制御処理が実行されると、表示処理では現フレームに対する表示が実行され、転送/描画処理では次フレームに対する転送/描画が実行され、プリロード処理では2フレーム先に対するプリロードが実行され、コマンド構築処理で3フレーム先に対するコマンド構築が実行される。
このように各処理が正常に実行されることにより、1フレーム目でコマンド構築が実行された内容は、4フレーム目で表示が実行される。
〔コマンド構築処理の遅延時における実行タイミング〕
図669は、描画に関する処理(コマンド構築処理、プリロード処理、転送/描画処理、表示処理)のうち、コマンド構築処理が遅延した場合における各処理の実行タイミングを示す図である。
図中の矢印に付されたフレーム数は、「±0フレーム」との文字が付された矢印の処理を起点とした場合に、他の矢印の処理が起点からみて何フレーム先に対する処理であるかを示している。例えば、図669においては、1フレーム目のコマンド構築処理を示す矢印には「±0フレーム」との文字が付されており、プリロード処理を示す矢印には「-1フレーム」との文字が付されている。これは、1フレーム目のプリロード処理が1フレーム目のコマンド構築処理からみて1つ前のフレームに対する(-1フレーム目用の)処理であることを示している。ここで、コマンド構築処理においては、上述したように3フレーム先に対する処理が行われるため、1フレーム目では4フレーム目用のコマンド構築が実行される。したがって、1フレーム目のプリロード処理においては、4フレーム目から1つ前のフレーム、すなわち3フレーム目用のプリロードが実行される(図670及び図671についても同様)。
最初のVsync割込C1を契機として1フレーム目でVsync割込制御処理が実行されると、表示処理では現フレームに対する(1フレーム目用の)表示が実行され、転送/描画処理では次フレームに対する(2フレーム目用の)転送/描画が実行され、プリロード処理では2フレーム先に対する(3フレーム目用の)プリロードが実行され、コマンド構築処理では3フレーム先に対する(4フレーム目用の)コマンド構築が実行される。
ここで、1フレーム目で開始された4フレーム目用のコマンド構築処理に遅延が発生し、処理がフレーム内で(33.3ms以内に)終了せずに2フレーム目までずれ込んだとする。この場合には、2フレーム目に実行されるVsync割込制御処理の冒頭で(図665中のステップS1404)、遅延フラグがセットされる。したがって、本来であれば2フレーム目で実行されるはずのコマンド構築処理、プリロード処理、転送/描画処理は、いずれもスキップされる。また、表示処理においては、表示フレームバッファの切り替えが行われないため、前フレームで表示されていた画面をそのまま表示し続ける。そして、遅延が発生していたコマンド構築処理が2フレーム目の途中で終了したことから、3フレーム目以降は正常時のフローに沿って各処理が実行される。このように、図669に図示した例においては、コマンド構築処理の遅延により2フレーム目で1フレーム分の処理がスキップされたため、結果として、4フレーム目用としてコマンド構築された内容は、1フレーム遅れて5フレーム目で表示が実行される。
前フレームで開始されたコマンド構築処理に遅延が生じた場合には、現フレームでプリロード処理の対象とするコマンドが未だ構築中の段階であるため、万全な状態でプリロード処理を実行することができない。そこで、本実施形態においては、コマンド構築処理が終了するフレームまで、コマンド構築処理、プリロード処理、転送/描画処理の新たな実行をスキップしつつ、表示フレームバッファの切り替えを行わずに同じ画面の表示を継続する。これにより、コマンド構築処理に遅延が生じた場合でも、各処理の実行タイミングを適切に制御して自然な演出画像を表示することができる。
〔プリロード処理の遅延時における実行タイミング〕
図670は、描画に関する処理(コマンド構築処理、プリロード処理、転送/描画処理、表示処理)のうち、プリロード処理が遅延した場合における各処理の実行タイミングを示す図である。
最初のVsync割込C1を契機として1フレーム目でVsync割込制御処理が実行されると、表示処理では現フレームに対する(1フレーム目用の)表示が実行され、転送/描画処理では次フレームに対する(2フレーム目用の)転送/描画が実行され、プリロード処理では2フレーム先に対する(3フレーム目用の)プリロードが実行され、コマンド構築処理では3フレーム先に対する(4フレーム目用の)コマンド構築が実行される。これらの処理は、いずれもフレーム内で終了している。
続いて、2回目のVsync割込C2を契機として2フレーム目でVsync割込制御処理が実行されると、表示処理では現フレームに対する(2フレーム目用の)表示が実行され、転送/描画処理では次フレームに対する(3フレーム目用の)転送/描画が実行され、プリロード処理では2フレーム先に対する(4フレーム目用の)プリロードが実行され、コマンド構築処理では3フレーム先に対する(5フレーム目用の)コマンド構築が実行される。
ここで、2フレーム目で開始された4フレーム目用のプリロード処理に遅延が発生し、処理がフレーム内で(33.3ms以内に)終了せずに3フレーム目までずれ込んだとする。この場合には、3フレーム目に実行されるVsync割込制御処理の冒頭で(図665中のステップS1408)、遅延フラグがセットされる。したがって、本来であれば3フレーム目で実行されるはずのコマンド構築処理、プリロード処理、転送/描画処理は、いずれもスキップされる。また、表示処理においては、表示フレームバッファの切り替えが行われないため、前フレームで表示されていた画面をそのまま表示し続ける。そして、遅延が発生していたプリロード処理が3フレーム目の途中で終了したことから、4フレーム目以降は正常時のフローに沿って各処理が実行される。このように、図670に図示した例においては、プリロード処理の遅延により3フレーム目で1フレーム分の処理がスキップされたため、結果として、4フレーム目用としてプリロードされた内容は、1フレーム遅れて5フレーム目で表示が実行される。
前フレームで開始されたプリロード処理に遅延が生じた場合には、現フレームで転送/描画処理の対象とする画像データが未だプリロード中の段階であるため、万全な状態で転送/描画処理を実行することができない。そこで、本実施形態においては、プリロード処理が終了するフレームまで、コマンド構築処理、プリロード処理、転送/描画処理の新たな実行をスキップしつつ、表示フレームバッファの切り替えを行わずに同じ画面の表示を継続する。これにより、プリロード処理に遅延が生じた場合でも、各処理の実行タイミングを適切に制御して自然な演出画像を表示することができる。
〔転送/描画処理の遅延時における実行タイミング〕
図671は、描画に関する処理(コマンド構築処理、プリロード処理、転送/描画処理、表示処理)のうち、転送/描画処理が遅延した場合における各処理の実行タイミングを示す図である。
最初のVsync割込C1を契機として1フレーム目でVsync割込制御処理が実行されると、表示処理では現フレームに対する(1フレーム目用の)表示が実行され、転送/描画処理では次フレームに対する(2フレーム目用の)転送/描画が実行され、プリロード処理では2フレーム先に対する(3フレーム目用の)プリロードが実行され、コマンド構築処理では3フレーム先に対する(4フレーム目用の)コマンド構築が実行される。これらの処理は、いずれもフレーム内で終了している。
続いて、2回目のVsync割込C2を契機として2フレーム目でVsync割込制御処理が実行されると、表示処理では現フレームに対する(2フレーム目用の)表示が実行され、転送/描画処理では次フレームに対する(3フレーム目用の)転送/描画が実行され、プリロード処理では2フレーム先に対する(4フレーム目用の)プリロードが実行され、コマンド構築処理では3フレーム先に対する(5フレーム目用の)コマンド構築が実行される。これらの処理についても、いずれもフレーム内で終了している。
続いて、3回目のVsync割込C3を契機として3フレーム目でVsync割込制御処理が実行されると、表示処理では現フレームに対する(3フレーム目用の)表示が実行され、転送/描画処理では次フレームに対する(4フレーム目用の)転送/描画が実行され、プリロード処理では2フレーム先に対する(5フレーム目用の)プリロードが実行され、コマンド構築処理では3フレーム先に対する(6フレーム目用の)コマンド構築が実行される。
ここで、3フレーム目で開始された4フレーム目用の転送/描画処理に遅延が発生し、処理がフレーム内で(33.3ms以内に)終了せずに4フレーム目までずれ込んだとする。この場合には、4フレーム目に実行されるVsync割込制御処理の冒頭で(図665中のステップS1412)、遅延フラグがセットされる。したがって、本来であれば4フレーム目で実行されるはずのコマンド構築処理、プリロード処理、転送/描画処理は、いずれもスキップされる。また、表示処理においては、表示フレームバッファの切り替えが行われないため、前フレームで表示されていた画面をそのまま表示し続ける。そして、遅延が発生していた転送/描画処理が4フレーム目の途中で終了したことから、5フレーム目以降は正常時のフローに沿って各処理が実行される。このように、図671に図示した例においては、転送/描画処理の遅延により4フレーム目で1フレーム分の処理がスキップされたため、結果として、4フレーム目用として転送/描画された内容は、1フレーム遅れて5フレーム目で表示が実行される。
前フレームで開始された転送/描画処理に遅延が生じた場合には、現フレームで表示処理の対象とする演出画像が未だ描画中の段階であるため、表示フレームバッファの切り替えを万全な状態で行うことができない。そこで、本実施形態においては、転送/描画処理が終了するフレームまで、コマンド構築処理、プリロード処理、転送/描画処理の新たな実行をスキップしつつ、表示フレームバッファの切り替えを行わずに同じ画面の表示を継続する。これにより、転送/描画処理に遅延が生じた場合でも、各処理の実行タイミングを適切に制御して自然な演出画像を表示することができる。
以上のように、本実施形態においては、各工程のいずれかの処理に遅延が生じた場合には、その処理が終了するまでの間、各工程の処理を新たに実行することなくスキップし、液晶表示器42の画面には同じ演出画像を表示し続ける。そして、遅延が生じていた処理が終了した後に(次のフレームで)実行されるVsync割込制御処理により、正常時のフローに沿って各工程の処理を再開する。
仮に、各工程のいずれかの処理に遅延が生じているにも拘らず、それを無視して各工程の処理を新たに実行してしまうと、各処理が不完全な状態で実行されることとなるため、結果として液晶表示器42の画面に乱れが生じてしまう。また、処理の途中でエラーが発生して処理が異常停止する虞がある。これに対し、本実施形態においては、各工程のいずれかの処理に遅延が生じた場合には、上記のような制御を実行することにより、各工程の処理の実行タイミングが適切に制御される。したがって、本実施形態によれば、画面に乱れが生じることや処理が異常停止することを未然に回避することができ、自然な演出画像を表示することができる。
なお、図669~図671に示した例においては、遅延が発生したコマンド構築処理、プリロード処理、転送/描画処理は、いずれも次フレームで処理が終了しているが、状況によっては、次フレームでも処理が終了せずさらに処理が長引く可能性もある。そのような場合には、遅延が発生した処理が終了するまで、各工程の処理の新たな実行をスキップしつつ、遅延が発生する前に表示された演出画像をそのまま表示し続けることとなる。
次に、通常時演出制御処理の中で実行される作動記憶演出管理処理の内容について説明する。
〔作動記憶演出管理処理〕
図672は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。
作動記憶演出管理処理は、主制御装置70において記憶されている抽選要素の数(作動記憶数)の増減に連動させて液晶表示器42の画面上になされる第1特別図柄及び第2特別図柄に対応したマーカM1,M2の表示を更新する処理であり(記憶表示演出実行手段)、通常時演出制御処理の過程(図659中のステップS401)で呼び出されて実行される。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS700:先ず演出制御部210は、主制御CPU72から作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS700:Yes)、演出制御部210はステップS702を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS700:No)、演出制御部210はステップS702を実行しない。
ステップS702:演出制御部210は、作動記憶数増加時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応したマーカM1,M2を表示させる演出を選択する。
ステップS704:演出制御部210は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS704:Yes)、演出制御部210はステップS706を実行する。なお、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS704:No)、演出制御部210はステップS706を実行しない。
ステップS706:演出制御部210は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応したマーカM1,M2をスライドさせる演出、内部抽選により消費した抽選要素に対応するマーカを変動前表示領域X1から変動中表示領域X2に移動させる演出を選択する。なお、変動中表示領域X2に移動させた記憶マーカは変動終了時に消去する演出を選択する。
以上の手順を終えると、演出制御部210は、通常時演出制御処理(図659)に復帰する。
〔演出図柄管理処理〕
図673は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御部210は次に実行するべき処理(ステップS502~ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御部210は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御部210は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御部210は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また、可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において大当り時可変入賞装置管理処理(図616中のステップS5000)が選択された場合や小当り時可変入賞装置管理処理(図616中のステップS6000)が選択された場合にジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502~ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御部210は演出図柄を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。また、この処理において、演出制御部210は各種の条件(抽選結果、当選種類、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(先読み予告演出パターン以外のリーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御部210は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御部210は必要に応じて表示制御部220に指示する制御情報を生成する。例えば、演出図柄を用いた変動表示演出を実行中に操作ユニット60を用いた演出を行う場合、遊技者による操作ユニット60の操作の有無を入力制御部228が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(操作契機演出、連打演出、連係操作演出等)の制御情報を表示制御部220に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御部210は内部抽選の結果に応じた態様で演出図柄や動画像を用いた停止表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御部210は表示制御部220に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けて表示制御部220は、VDP152を介して実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。なお、小当り時には、はずれと同様か近似した態様で停止表示演出を実行することができる。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御部210は小当り中又は大当り中の演出内容を制御する(特別遊技演出実行手段)。この処理において、演出制御部210は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容を選択する。例えば16ラウンド大当りの場合、演出制御部210は液晶表示器42に表示する演出内容として、16ラウンドの大役中演出パターンを選択し、これを表示制御部220に対して指示する。これにより、液晶表示器42の表示画面では大役中演出の画像が表示されるとともに、ラウンドの進行に伴って演出内容が変化していくことになる。
〔演出図柄変動前処理〕
図674は、演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御部210は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御部210は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1の遊技が本稼働していない状況下(第1及び第2特別図柄作動記憶数が0のいわゆる客待ち状態である場合の他に、第1及び第2特別図柄作動記憶数が0でハンドルユニット16から遊技者の手が離れたまま所定時間が経過したことにより一時的に遊技が中断されている場合等)において実行される演出の内容を規定したものである。なお、ここでは第1及び第2特別図柄が変動していないこと(停止表示)を条件に追加してもよい。
ステップS603:演出制御部210は、設定示唆演出管理処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、デモ演出の実行中における設定示唆演出の実行を制御する。
以上の手順を終えると、演出制御部210は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御部210はそのまま通常時演出制御処理に復帰し、続く表示制御処理(図659中のステップS404)、ランプ制御処理(図659中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御部210は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御部210は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御部210はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御部210は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御部210はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また、今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御部210は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「C0H00H」~「D0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御部210は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。
また、演出パターン番号を選択すると、演出制御部210は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチの種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様等を決定する。なお、ここで決定される演出図柄の種類は、全て「小当り時の図柄の組み合わせ」に該当するものとなっている。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、大当りに該当した場合、演出制御部210はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御部210はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御部210は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「E0H00H」~「F0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御部210はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御部210は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「A0H00H」~「A6H7FH」)に基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御部210がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドによって決まる。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御部210は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」-「2」-「4」等)を決定する。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御部210は次にステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御部210は、予告選択処理を実行する(予告演出実行手段)。この処理では、演出制御部210は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、高確率状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は比較的高く設定されている。
以上の手順を終えると、演出制御部210は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図673中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び停止表示演出が実行されるとともに(演出実行手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。
〔可変入賞装置作動時処理〕
図675は、可変入賞装置作動時処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置作動時処理は、実行選択処理(ステップS902)、可変入賞装置作動前処理(ステップS904)、可変入賞装置作動中処理(ステップS906)、可変入賞装置作動後処理(ステップS908)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って可変入賞装置作動時処理の基本的な流れを説明する。
ステップS902:実行選択処理において、演出制御部210は次に実行するべき処理(ステップS904~ステップS908のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、演出制御部210は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして可変入賞装置作動時処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ可変入賞装置作動前処理を開始していない状況であれば、演出制御部210は次のジャンプ先として可変入賞装置作動前処理(ステップS904)を選択する。また、既に可変入賞装置作動前処理が完了していれば、演出制御部210は次のジャンプ先として可変入賞装置作動中処理(ステップS906)を選択する。さらに、可変入賞装置作動中処理が完了していれば、演出制御部210は次のジャンプ先として可変入賞装置作動後処理(ステップS908)を選択する。
ステップS904:可変入賞装置作動前処理では、演出制御部210は大当り遊技中や小当り遊技中に実行する演出の内容を選択する処理を実行する。例えば、「12ラウンド通常図柄」での当選の場合は、味方キャラクターが敵キャラクターに敗北する演出を選択する処理を実行する。また、「12ラウンド確変図柄1,2」での当選の場合は、味方キャラクターが敵キャラクターに勝利する演出を選択する処理を実行する。さらに、「6ラウンド確変図柄1,2」での当選の場合は、ノーマルボーナス演出を選択する処理を実行する。さらにまた、「16ラウンド確変図柄」での当選の場合は、スペシャルボーナス演出を選択する処理を実行する。
ステップS906:可変入賞装置作動中処理では、演出制御部210は必要に応じて表示制御部220に指示する制御情報を生成する。例えば、大当り演出の実行中に操作ユニット60を用いた演出を行う場合、遊技者による操作ユニット60の操作の有無を入力制御部228に検出させるとともに、その結果に応じた演出内容(操作契機演出、連打演出、連係操作演出等)の制御情報を表示制御部220に対して指示する。また、この可変入賞装置作動中処理において、大当り遊技中に確変領域通過コマンドを受信した場合には、V入賞が発生したことを示す演出(図642中(J)等に示す演出)を選択する処理を実行する一方、大当り遊技中に確変領域通過コマンドを受信しなかった場合には、V入賞が発生しなかったことを示す演出(図643中(N)等に示す演出)を選択する処理を実行する。
ステップS908:可変入賞装置作動後処理では、演出制御部210は、可変入賞装置の終了時間の間に移行先のモードを遊技者に対して伝達する演出を実行する。例えば、演出制御部210は、当選図柄や確変領域の通過の有無に応じて海岸モード突入演出を実行したり、花火ラッシュ突入演出を実行したりする。具体的には、大当り遊技中に確変領域通過コマンドを受信した場合には、花火ラッシュに突入することを示す演出(図642中(K)等に示す演出)を選択する処理を実行し、大当り遊技中に確変領域通過コマンドを受信しなかった場合には、海岸モードに突入することを示す演出(図641中(G)等に示す演出)を選択する処理を実行する。
以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出図柄管理処理(図673)に復帰する。
以上説明したように、上述した実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)本実施形態によれば、CGROM190のリフレッシュ及びCGROM190からDRAM191へのデータ転送が行われるSATA準備中の区間において、液晶表示器42及び各種ランプを用いてこの区間に固有の動作が実行されるため、パチンコ機1(演出制御装置124)が起動準備の段階にあることを遊技場のスタッフや遊技者に確実に報知して認識させることができる。
(2)本実施形態によれば、SATA準備中の区間においては、主制御装置70から演出コマンドが送信されても、演出制御装置124においては生産検査開始コマンド以外は全て破棄され、演出コマンドに基づく演出制御はなされないため、SATA準備中に液晶表示器42及び各種ランプによる固有の動作の実行を継続させて、パチンコ機1(演出制御装置124)が起動準備の段階にあることの報知を最優先に行うことができる。
(3)本実施形態によれば、主制御装置70から演出制御装置124への演出コマンドの送信は、電源投入から所定時間(量産時は9.0秒、検査時は2.5秒)が経過するのを待って開始されるため、パチンコ機1への電源投入時に実行される処理のタイミングを主制御装置70と演出制御装置124とで適切に同期させることができる。
(4)本実施形態によれば、SATA準備中の区間に液晶表示器42の画面描画に用いられる描画素材は、予め制御ROM180に格納されており、SATA準備中にCGROM190に格納されている描画素材が用いられることはない(CGROM190へのアクセスはなされない)ため、SATA準備中に実行される描画処理、及び、CGROM190からDRAM191へのデータ転送処理のいずれについても、遅延なく円滑に進行させることができ、想定される時間内にデータ転送処理を完了させることができる。
(5)本実施形態によれば、SATA準備中の区間において主制御装置70から生産検査開始コマンドが送信された場合に、演出制御装置124においてはこのコマンドに基づいてランプの制御がなされるため、SATA準備中の各種ランプによる固有の動作(全ての枠ランプの交互点滅)を終了させて(全ての枠ランプを消灯させて)、SATA準備完了まで待機することなく他のランプデータの検査を実行可能な状態に速やかに移行することができ、検査効率を向上させることができる。
(6)本実施形態によれば、SATA準備中には液晶表示器42及び各種ランプを用いてこの区間に固有の動作が実行されその旨の報知がなされる。開発段階においては、液晶表示器42が装備されていない環境で開発や生産検査が実施される場合も想定されるが、そのような場合において、仮に液晶表示器42による画面表示のみで報知を行う構成とされていると、SATA準備中であるか否かを判断することが出来なくなる。これに対し、本実施形態によれば、液晶表示器42に加え各種ランプの動作によっても報知がなされるため、液晶表示器42が装備されていない環境であってもSATA準備中であるか否かを判断することが可能となる。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様や各種数値はあくまで例示であり、上述した内容に限定されるものではない。
上述した実施形態では、主制御装置70において量産時には電源投入から9.0秒が経過するのを待って演出コマンドの送信を開始しているが、送信開始までの待機時間は9.0秒に限定されず、CGROM190の仕様やそのうち音声素材用に割り当てられた領域のサイズ等に応じて適宜変更が可能である。また、検査時には電源投入から2.5秒が経過するのを待って演出コマンドの送信を開始しているが、これについても同様であり、状況に応じて適宜変更が可能である。
上述した実施形態では、SATA準備中の区間において液晶表示器42及び各種ランプを用いて報知を行っているが、報知に用いる演出デバイスはこれに限定されない。例えば、各種ランプに代えて、又は、各種ランプとともに、各種可動体を用いて報知を行ってもよい。
上述した実施形態では、Vsync割込を33.3ms間隔で1回ずつ(1秒間に30回)発生させる例で説明したが、これに限定されない。例えば、Vsync割込を16.6ms間隔で1回ずつ(1秒間に60回)発生させる構成としてもよい。また、その場合に、Vsync割込の発生を契機として実行される処理を、割込の発生を契機として毎回(1秒間に60回)実行される処理と、割込の発生の1回おきに(1秒間に30回)実行される処理とに、分けて構成することも可能である。
上述した実施形態では、確変領域を有する遊技機に本発明を適用する例で説明したが、確変領域を有しない遊技機に本発明を適用してもよい。また、いわゆる同時回し機に本発明を適用することも可能である。
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。
〔実施形態I〕
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図676は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図677は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図676及び図677を参照しつつパチンコ機1の全体構成について説明する。
〔全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図676中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図677では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図676に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面、遊技盤)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
〔球皿の構成〕
受皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
また、受皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受皿ユニット6の右下部には、ハンドルユニット16が設置されている。遊技者はこのハンドルユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面、遊技盤)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の上側位置にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニットを取り巻くようにして配置されている。
さらに、一体扉ユニット4には、その左上部にエラー報知ランプ45が設置されている。エラー報知ランプ45は、1個のフルカラーLEDを内蔵しており、パチンコ機1においてエラーが発生した場合に、その種類に応じた態様で発光してエラー報知を行う。ここでいう「エラー報知」とは、正常な遊技の状態でないことの報知を指し、具体的には、遊技の実行中にエラー(例えば、不正入賞エラーや入賞頻度異常エラー、球詰まりエラー等の遊技に直接的に関わるエラーや、いわゆるゴト行為により発生したとみられる電波エラー、磁気エラー等)が発生したことの報知に加え、保守に関する動作(例えば、設定変更や設定確認、RAMクリア等)が実行されたことの報知が含まれる。保守に関する動作が保守作業の過程で実行された(不正によるものでない)場合等は、厳密にはエラーではないが、これらも便宜上エラーとして扱うこととする。なお、エラー報知ランプ45やその他のデバイスを用いて行われるエラー報知の具体的な内容については、別の図面を用いてさらに後述する。
上述した各種ランプ45,46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54が組み込まれており、左右のガラス枠装飾ランプ52にはそれぞれガラス枠内スピーカ55が組み込まれている。一方、内枠アセンブリ7の右下位置(パチンコ機1の正面からみてハンドルユニット16の左上位置)には内枠スピーカ56が組み込まれており、また外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ58が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56,58は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
〔操作部材〕
また、受皿ユニット6の中央には、上皿6bから前面側上方へ突出するようにして操作ユニット60が設置されている(操作手段)。操作ユニット60は、その中央部に大きなプッシュボタン64を有しており、プッシュボタン64の左側にはハンドルレバー62を有している。操作ユニット60は、演出上で示される様々な場面で操作を受け付けることが可能である。演出上のある場面ではハンドルレバー62が遊技者によって手前側に引き込み操作されたり、別の場面ではプッシュボタン64が押し込み操作されたりする。遊技者は、各種の態様で操作ユニット60を操作することにより、演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
また、プッシュボタン64の周囲には、リング状部65がプッシュボタン64を取り囲むようにして設置されている。リング状部65は、ハンドルレバー62やプッシュボタン64とは異なり、装飾用として設けられた部材であり、ハンドルレバー62の引き込み操作に連動して反時計回りに回転動作する。また、リング状部65は、周方向に一定の間隔で区切られてなる複数のセルを有している。これらのセルは、遊技者による操作を受け付けることはできないが、遊技者に対し操作方法を知らせる場面で有効活用される。
遊技者に何らかの操作を要求する場合、操作ユニット60の操作方法を表す縮小版画像が液晶表示器42の画面に表示される。このとき、指定した操作を行うことが可能な時間(操作有効時間)を併せて遊技者に知らせるために、縮小版画像におけるリング状部65は各セルがあたかもランプであるかのように表現される。より具体的には、縮小版画像中のリング状部65は、操作可能な状態になると全てのセルが点灯しているように表され、残り時間の減少に伴いセルが1つずつ消灯していくように表され、残り時間がなくなると全てのセルが消灯したように表される。実際のリング状部65は光源を有しておらず、画面に表示された縮小版画像に表されたリング状部65のように点灯/消灯することはないが、縮小版画像中のリング状部65の点灯/消灯をこのようにして切り替えることにより、遊技者に対して操作の残り時間を感覚的に把握させることができる。
さらに、プッシュボタン64は、遊技の進行過程で所定の契機が発生すると、上方に大きく突出する構造に構成されている。プッシュボタン64の突出時には、通常時の約3倍の高さまで飛び出す。プッシュボタン64はその内部に光源を有している。プッシュボタン64は、通常時は1色(例えば青色)又は多色に発光するが、突出時にはさらにカラフルに発光して非常な存在感を発揮することができる。このようなプッシュボタン64の動作により、この場面で要求されているボタンの押し込み操作が特別に重要なものであることを遊技者に認識させることができる。
なお、本実施形態では、ハンドルレバー62及びプッシュボタン64は同じ操作ユニット60に搭載されているが、ハンドルレバー62とプッシュボタン64とがそれぞれ独立した操作部材として設けられていてもよい。また、これらの操作部材は、近接した位置に配置されていてもよく、離れた位置に配置されていてもよい。
その他に、受け皿ユニット6の上面には、貸出操作部14に隣接して方向キー66が設置されている。方向キー66は上下左右の方向を示す4つのキースイッチを十字形状に配列したものであり、各方向別のキースイッチは独立して押し込み操作可能である。遊技者は演出上の様々な場面で方向キー66を押し込み操作することで、液晶表示器の画面上に表示されるカーソル等を任意に移動させることができる。
〔裏側の構成〕
図677に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図680及び図681)を参照しながらさらに後述する。
主制御基板ユニット170には、主制御装置が内蔵されており、主制御装置には、性能表示モニタ200が接続されている。性能表示モニタ200は、パチンコ機1を裏側から見て、主制御基板ユニット170の左上の領域に視認可能な態様で主制御装置に配置されており、4つの7セグメントLEDを備えている。4個の7セグメントLEDは左右方向に並べて配置されており、それぞれの7セグメントLEDは、10進数のアラビア数字を表示することができる7つのセグメントと、その右下に位置するドットセグメントとによって構成されている。性能表示モニタ200は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースを通じて視認可能である。
また、主制御装置には、RAMクリアスイッチ304及び設定キー用鍵穴306が設けられている。RAMクリアスイッチ304は、RAMクリア、すなわち主制御装置内に装備されているRAM(RWM)の初期化を行う際に用いられるスイッチであり、本実施形態においては、設定変更用のスイッチとしても兼用される。設定キー用鍵穴306は、パチンコ機1の遊技に関する設定を変更又は参照する上で必要とされる設定キーを差し込むための鍵穴である。なお、設定の変更に関しては、別の図面を参照しながらさらに後述する。
RAMクリアスイッチ304は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースに形成された貫通孔を通じて押下可能に設けられている。なお、RAMクリアスイッチ304は、透明ケース外に配置されていてもよい。また、設定キー用鍵穴306は、キーシリンダが透明ケースを貫通した状態(透明ケースがキーシリンダの周囲を囲んだ状態)で設けられている。したがって、透明ケースが封止されたままの状態で設定キーを差し込み、回転させることが可能である。
なお、図677に示した性能表示モニタ200やRAMクリアスイッチ304、設定キー用鍵穴306の配設位置は、あくまで一例であり、任意の位置に配置することができる。また、性能表示モニタ200やRAMクリアスイッチ304、設定キー用鍵穴306は、主制御装置の外側に設けられて主制御装置に接続される構成としてもよい。
払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受皿ユニット6に向けて案内する。
また、外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
図678は、遊技盤ユニット8を単独で示す正面図である。遊技盤ユニット8は、ベースとなる遊技板8bを備えており、この遊技板8bの前面側に遊技領域8aが形成されている。遊技板8bは、例えば透明樹脂板で構成されており、遊技盤ユニット8が内枠アセンブリ7に固定された状態で、遊技板8bの前面はガラスユニットに平行となる。遊技板8bの前面には、略円形状に設置された発射レール(参照符号なし)の内側に遊技領域8aが形成されている。なお、発射レールは遊技板8bの左下隅位置から遊技板8bの右上隅位置まで時計回り方向に延びている。
遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。遊技領域8aの左側部分は、通常遊技状態(低確率非時間短縮状態)で使用される第1遊技領域(左打ち領域)であり、遊技領域8aの右側部分は、特殊遊技状態(大当り遊技状態、小当り遊技状態、低確率時間短縮状態、高確率時間短縮状態等)で使用される第2遊技領域(右打ち領域、特定の領域)である。なお、遊技領域8aの左側部分は、高確率非時間短縮状態(有利遊技状態)においても使用される。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に中始動入賞口26、始動ゲート20、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等が分布して設置されている。
このうち、中始動入賞口26は、遊技領域8aの下部分の中央に配置されている。始動ゲート20、可変始動入賞装置28、第2可変入賞装置31及び第1可変入賞装置30は、遊技領域8aの右側部分に上からこの順番で配置されている。ここで、第1可変入賞装置30は、中始動入賞口26の右側に配置されており、第2可変入賞装置31は、第1可変入賞装置30の右上に配置されている。さらに、左側の3つの普通入賞口22は遊技領域8aの左側部分に配置されており、右側の1つの普通入賞口24(所定の入賞口)は可変始動入賞装置28の下方に配置されている。
また、可変始動入賞装置28の上方には、4つの障害釘が配置されており、さらにその上方には入球口19a及び放出口19bが配置されている。入球口19aと放出口19bとは図示しない裏側の連絡通路によって連結されている。入球口19aに入球した遊技球は、この連絡通路を通って減速・整流され、放出口19bから放出される。
さらに、始動ゲート20の右側にはアウト口19c(所定の入球口)が配置されている。放出口19bから放出された遊技球は、基本的には真っ直ぐに落下して始動ゲート20を通過するが、障害釘によって右側に弾かれた場合にはアウト口19cに入球する。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で中始動入賞口26、普通入賞口22,24に入球したり、始動ゲート20を通過したり、作動時の可変始動入賞装置28や開放動作時の第1可変入賞装置30、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする。ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、主に中始動入賞口26に入球するか、普通入賞口22に入球する可能性がある。一方、遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、入球口19aに入球して放出口19bから放出され、主に始動ゲート20を通過するか、作動時の可変始動入賞装置28に入球するか、開放動作時の第1可変入賞装置30に入球するか、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球するか、普通入賞口24に入球する可能性がある。始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、中始動入賞口26、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31、アウト口19cに入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通孔を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
ここで、本実施形態では、遊技領域8a(盤面)の構成上、中始動入賞口26や普通入賞口22に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の左側部分の領域(左打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「左打ち」を実行する)必要がある。
一方、可変始動入賞装置28や、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31、普通入賞口24に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の右側部分の領域(右打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「右打ち」を実行する)必要がある。
本実施形態において、可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で所定の停止表示時間にわたり停止表示された場合)に作動し、それに伴って右始動入賞口28a(所定の入球口)への入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28には、舌片型(ベロタイプ)の開閉部材28bが設けられている。図示の状態にて、開閉部材28bは、盤面より奥に引っ込んだ位置(待避位置)にあり、遊技球が右始動入賞口28aに入球することを不能又は困難にしている。一方、開閉部材28bが盤面より手前側へ突出した位置(駆動位置)に移動すると、開閉部材28bは上方から流下してくる遊技球を受け止め、右始動入賞口28aに遊技球を案内する(右始動入賞口28aへの入球が可能又は容易となる)。なお、可変始動入賞装置28は、開閉部材がその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むように変位して、右始動入賞口を開放する装置であってもよい。
第1可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当り又は小当りの態様で停止表示された場合)であって所定の第1条件(例えば大当り遊技の1ラウンド目から5ラウンド目、又は、7ラウンド目から16ラウンド目であるという条件、小当り遊技の開放状態であるという条件)が満たされた場合に作動し、第1大入賞口30bへの入球を可能にする(特別電動役物、第1特別入球事象発生手段)。
第1可変入賞装置30は、中始動入賞口26の右側に配置された装置であり(いわゆる下アタッカ)、例えば1つの開閉部材30aを有している。第1可変入賞装置30は、開閉部材30aが盤面の内部にスライドするタイプの装置である(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材30aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材30aの上面を転動することになるため、第1大入賞口30bへの入球は不能又は困難(第1大入賞口30bは閉塞中)である。そして、第1可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aが盤面の内部に引き込まれ、第1大入賞口30bを開放する(開放状態)。この間に第1可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない(可能又は容易な)状態となり、第1大入賞口30bへの入球という事象を発生させることができる。
第2可変入賞装置31は、第1可変入賞装置30と同様に規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合)であって、所定の第2条件(例えば大当り遊技の6ラウンド目であるという条件)が満たされた場合に作動し、第2大入賞口31b(特定の入賞口)への入球を可能にする(特別電動役物、第2特別入球事象発生手段)。
第2可変入賞装置31は、第1可変入賞装置30の右上に配置された装置であり(いわゆる上アタッカ)、例えば1つの開閉部材31aを有している。第2可変入賞装置31は、開閉部材31aが盤面の内部にスライドするタイプの装置である(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材31aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材31aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材31aの上面を転動することになるため、第2大入賞口31bへの入球は不能又は困難(第2大入賞口31bは閉塞中)である。そして、第2可変入賞装置31が作動すると、開閉部材31aが盤面の内部に引き込まれ、第2大入賞口31bを開放する(開放状態)。この間に第2可変入賞装置31は遊技球の流入が不能ではない(可能又は容易な)状態となり、第2大入賞口31bへの入球という事象を発生させることができる。
また、第2可変入賞装置31の内部には、第2可変入賞装置31に入球した遊技球を誘導するための誘導通路31cが配置されている。誘導通路31cは、第2大入賞口31bから下方に延び、そこから左に曲がって左下方に延びた後、再び下方に延びている。
そして、誘導通路31cの上流には、第2カウントスイッチ85が配置されており、誘導通路31cの中流には、確変領域用羽根部材31d及び確変領域用孔31eが配置されており、誘導通路31cの下流には、排出口31fが配置されている。
第2可変入賞装置31に入球した遊技球は、最初に第2カウントスイッチ85にて入球したことが検出される。ここで、確変領域用羽根部材31dを作動させる確変領域ソレノイドがONとなっている場合には、確変領域用羽根部材31dが起き上がって遊技球を確変領域用孔31eに導く。一方、確変領域用羽根部材31dを作動させる確変領域ソレノイドがOFFとなっている場合には、確変領域用羽根部材31dが起き上がらないため、遊技球は確変領域用羽根部材31dの上部を通り抜けて、排出口31fに導かれる。
〔確変領域(特定領域)〕
また、確変領域用孔31eの内部には、確変領域(参照符号なし)が設けられている。確変領域は、第2可変入賞装置31が閉鎖状態である場合は遊技球が通過不能な領域であり、第2可変入賞装置31が開放状態である場合であって確変領域用羽根部材31dが作動している場合は遊技球が通過可能な領域である。
確変領域用羽根部材31dは、大当り遊技中に第2可変入賞装置31が開放する際に作動する。確変領域用羽根部材31dの動作パターンは、ラウンドの開始と同時に短期間(例えば0.1秒)にわたり演出領域を開放し、その後に数秒(2~3秒程度)閉鎖した後に確変領域を長期間(例えば20秒程度)にわたってロング開放するパターンである。なお、ラウンドの開始と同時に実行される短期開放では遊技球は確変領域用羽根部材31dまで到達しないので、この作動によって遊技球が確変領域に導かれることはない。また、確変領域用羽根部材31dが動作しても、第2可変入賞装置31がショート開放する場合には、遊技球が確変領域を通過することはない。
遊技盤ユニット8には、その中央位置から右側部分にかけて演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。また、本実施形態のように遊技板8bが透明樹脂板(例えばアクリル板)である場合、前面側だけでなく遊技板8bの背後に配置された各種の装飾体(可動体や発光体を含む)による装飾性を付加することができる。
その他に演出ユニット40の内部には、演出用の可動体40f(例えば女性キャラクターが搭乗している乗り物を模した装飾物)とともに駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。これら可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40kが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40kに案内された遊技球は、その真下にある中始動入賞口26に流入しやすくなる。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、各種入賞口に入球(入賞)しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、普通入賞口22,24や中始動入賞口26、右始動入賞口28a、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31、アウト口19cに入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
図679は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の左下位置)を拡大して示す正面図である。図示されるように、遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の左下位置に普通図柄表示装置33及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35及び遊技状態表示装置38が設けられている。
このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0~4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により、対応する第1特別図柄又は第2特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。なお、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0~4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして、2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、中始動入賞口26に遊技球が入球するごとに、中始動入賞口26に遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、可変始動入賞装置28に遊技球が入球するごとに、右始動入賞口28aに遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で中始動入賞口26に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また、遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b,38c、確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定ランプ38fにそれぞれ対応するLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
統合表示基板89に実装されたこれらのLEDランプは、その点灯又は消灯の切り替えを制御する目的で、異なる4つの制御領域(以下、「コモン」と称する)に区分けされている。見方を変えると、統合表示基板89には4つのコモンが存在し、個々のランプはいずれか1つのコモンに属している。本実施形態においてはダイナミック点灯方式が採用されており、ランプの駆動は割込周期(例えば4ms)の間隔をおいてコモン単位で順に行われる。したがって、統合表示基板89に実装された全てのランプが同時に駆動されることはない。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図680は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数回路75や割込コントローラ(割込CTR)192、パラレルI/Oポート79、タイマ回路(PTC)194、シリアル通信回路(SCU)196が装備されている。このうち乱数回路75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0~65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は主制御CPU72に入力される。また、割込コントローラ192は、パラレルI/Oポート79、タイマ回路194、シリアル通信回路196から各割込要求(XINT割込、PTC割込、SCU割込)を受け付け、これらの割込要求を優先順位に基づき制御する。その他にも主制御装置70には、図示しないクロック発生回路、様々な状態を監視し必要に応じてリセットを発生させるリセットコントローラ等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。なお、主制御装置70のI/Oポートはシリアル形式としてもよい。
さらに、主制御装置70には、設定変更装置300、設定キースイッチ302、RAMクリアスイッチ304が設けられている。主制御装置70(主制御CPU72)は、設定変更装置300を動作させることにより設定を変更する。設定変更装置300は、設定(少なくとも特別図柄抽選の当選確率に関する複数段階の設定値)を切り替える装置であり(設定変更手段)、RAMクリアスイッチ304等の操作により作動する。また、設定とは、作動確率の組み合わせをいう。さらに、作動確率とは、条件装置が作動することとなる(大当り遊技が実行されることとなる)特別図柄の組み合わせが表示される確率をいう。設定キースイッチ302は、設定を切り替える上で必須となる設定キーの回転に伴い、その回転状態を示す信号(ON/OFF)を入力する入力装置である。設定の変更の手順は、様々な手法を採用することができるが、例えば、以下の手順で行うことができる。
(1)まず、パチンコ機1の電源をOFFにする。
(2)次いで、専用キー(ドアキー)でパチンコ機1の扉を開ける。具体的には、専用キーをシリンダ錠6aの鍵穴に差し込んで右方向に回転し、内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4を開放する。
(3)パチンコ機1の裏側には、設定キーを挿入するための設定キー用鍵穴306と、RAMクリアスイッチ304とが設けられているため、設定キー用鍵穴306に設定キーを挿入し、設定キーを右方向に回転する。
(4)そして、パチンコ機1の電源をONにする。
(5)これにより、設定キーが変更位置に回転されたことを示す信号(ON)が設定キースイッチ302により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が可能な状態となる。このとき、図示しないロック機構により安全ロックが掛けられる。したがって、設定キーは、元の位置に戻されない限りは抜き取ることが不可能となる。
ここで、設定キーを右方向に回転した状態で、RAMクリアスイッチ304をONにしながら、電源をONにすると、設定の変更が可能な状態となる。一方、設定キーを右方向に回転した状態で、RAMクリアスイッチ304をONにせずに、電源をONにすると、設定の参照が可能な状態となる。
(6)設定の変更が可能な状態において、RAMクリアスイッチ304を任意の回数だけ押下することにより、予め設けられた複数段階のうちいずれかの段階に設定を変更することができる。
設定値は、例えば、専用の7セグメントLED、遊技状態表示装置38(特別図柄表示装置等)、性能表示モニタ200に表示することができる。
(7)スロット機の場合、目的の設定に達したら、レバーON処理が必要になるが、パチンコ機1にはレバーが存在しないため、レバーON処理の代わりの代替処理(例えば、設定キーを左方向に回転する処理、不図示の設定変更確定ボタンをONにする処理等)を実行したり、レバーON処理を省略したりしてもよい。本実施形態では、目的の設定に達したら、設定キーを反時計回りに回転させて元の位置に戻す。この操作により、設定キーが元の位置に戻されたことを示す信号(OFF)が設定キースイッチ302により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が確定する。
(8)そして、設定の変更が確定すると、設定キー用鍵穴306から設定キーを抜き取ることができる状態となる。また、設定の変更が確定したことに伴い、専用の7セグメントLED、遊技状態表示装置38、性能表示モニタ200に設定値を表示している場合には、その表示が消える。
(9)最後に、パチンコ機1の扉を閉める。これにより、設定の変更が完了する。設定の変更が完了すると、通常の遊技が開始される。
設定が変更された場合、主制御CPU72は、変更後の設定値をRAM76の設定値バッファに記憶する。設定値バッファは、バックアップの対象となるメモリ領域とすることができる。
〔設定変更状態〕
「設定キーON」、「内枠開放状態」、かつ、「RAMクリアスイッチ押下状態」で電源が投入されると、RAMクリア後、設定変更中の状態(設定変更状態、設定変更モード)に移行する。
設定変更中の状態では、メイン表示器(遊技状態表示装置38に含まれる各種ランプ)への表示はなされず、遊技球の発射や遊技球の賞球等は一切できない状態となる。また、性能表示モニタ200において、左側2つの7セグメントLED(識別セグ)に「rn.」が表示されるとともに、右側2つの7セグメントLED(比率セグ)に「-1」のように設定値が表示される。また、RAMクリアスイッチ304が押下されると、設定値が1~6の範囲で変化する。そして、「設定キーOFF」となると、設定が確定され、比率セグの表示は「空欄(非表示)1」のように「-」のセグが消灯する(非表示となる)。
この状態で、「内枠閉鎖状態」となった場合(実際には閉鎖状態が100ms継続した場合)には、設定変更中の状態が終了し、一旦、電源断前の状態に移行してから、遊技可能状態に移行する。
なお、本実施形態では、RAMクリアスイッチ304が設定変更スイッチを兼ねる構成としているが、RAMクリアスイッチ304を兼用せずに設定変更スイッチを別途設ける構成としてもよい。
〔設定確認状態〕
一方、「設定キーON」、「内枠開放状態」、かつ、「RAMクリアスイッチ押下でない状態」で電源が投入されると、設定確認中の状態(設定確認状態、設定確認モード)に移行する。
設定変更中の状態と同様に、設定確認中の状態では、メイン表示器への表示はなされず、遊技球の発射や遊技球の賞球等は一切できない状態となる。また、性能表示モニタにおいて、左側2つの7セグメントLED(識別セグ)に「rn.」が表示されるとともに、右側2つの7セグメントLED(比率セグ)に「空欄(非表示)1」のように設定値が表示される。なお、設定確認中の状態では、RAMクリアスイッチ304が押下されても設定値は変化しない。
この状態で、「設定キーOFF」、かつ、「内枠閉鎖状態」となった場合(実際には閉鎖状態が100ms継続した場合)には、設定確認中の状態が終了し、一旦、電源断前の状態に移行してから、遊技可能状態に移行する。
なお、本実施形態では、遊技可能状態で設定確認を行うことはできないが、遊技可能状態で設定確認を実行可能にしてもよい。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31にそれぞれ対応して中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84及び第2カウントスイッチ85が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82は、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28a)への遊技球の入球を検出するためのものである。また、第1カウントスイッチ84は、第1可変入賞装置30(第1大入賞口)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、確変領域スイッチ95は、第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過したことを検出するためのスイッチである(検出手段)。
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22への遊技球の入球を検出する第1入賞口スイッチ86と、普通入賞口24への遊技球の入球を検出する第2入賞口スイッチ81とが装備されている。なお、左側の3つの普通入賞口22については、共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば3つの入賞口スイッチを設置して、各普通入賞口22に対する遊技球の入球を個別に検出してもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81、確変領域スイッチ95からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上述したように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89にはパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、主制御装置70には、パネル中継端子板87を介して、性能表示モニタ200が接続されている。性能表示モニタ200は、遊技球が各入賞口(始動入賞口、普通入賞口)に入球することによって払い出される賞球数を、遊技領域に発射した遊技球の数を示すアウト数(アウトスイッチ99で検出された遊技球の数)で除算して算出されるベースを表示するためのモニタである。ベースは、遊技を進行させる制御に用いられる使用領域とは別の領域(使用外領域)を用いて予め設定された区間ごとに算出され、現在の区間のベースと、前回の区間のベースとが、予め設定された間隔ごとに切り替わって表示される。性能表示モニタ200は、主制御CPU72からの制御信号に基づいてその表示動作が制御される。主制御CPU72は、ベースの算出状況に応じて性能表示モニタ200に対する制御信号を出力し、各7セグメントの点灯状態を制御する。
なお、性能表示モニタ200は、パネル中継端子板87を介して主制御装置70に接続する例で説明しているが、パネル中継端子板87を介さずに主制御装置70に接続してもよく、主制御装置70の内部の構成として性能表示モニタ200を配置してもよい。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び確変領域の上流にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び確変領域用ソレノイド99が設けられている。これらソレノイド88,90,97,99は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31を開閉動作(作動)させたり、確変領域用羽根部材31dを可動させたりする。なお、これらソレノイド88,90,97,99についてもパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って受皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに、下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている(球発射手段)。また、受皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上述したように遊技領域8aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置するハンドルユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がハンドルユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして、発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
受皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120にCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。また、CRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、CRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126が回路基板(複合サブ制御基板)上に装備されている。演出制御CPU126は、図示しないCPUコアとともにRAM(RWM)130やeDRAM131等の半導体メモリを内蔵したLSIとして構成されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
その他にも演出制御装置124には、VDP152やドライバIC132、音声IC134等の演出を実現する上で必要となる様々な機能部品が搭載されている。このうちVDP152は、液晶表示器42の画面上で再生される演出画面を描画するためのプロセッサである。ドライバIC132は、ランプ46~52や盤面ランプ53、可動体モータ57等のデバイスを制御するICを搭載している。また、音声IC134は、スピーカ54,55,56,58の駆動を制御する。このような演出制御装置124の内部の機能構成については、次の図を参照しながら詳しく後述する。
演出制御装置124と主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種演出用のコマンド(以下、「演出コマンド」と称する。)のバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバ(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にサブ接続基板136が設置されており、ドライバIC132や音声IC134からの駆動信号はサブ接続基板136を経由して各種ランプ45~52やスピーカ54,55,56,58に印加されている。また、サブ接続基板136には、ハンドルレバー62、ボタンモータ63、プッシュボタン64、方向キー66の他に図示しない音量調整スイッチが接続されており、遊技者がこれらの操作部材を操作すると、それらの接点信号がサブ接続基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではサブ接続基板136に各操作部材62,64,66を接続した例を挙げているが、受け皿電飾基板を設置する場合、各操作部材62,64,66は受け皿電飾基板に接続されていてもよい。
ボタンモータ63は、プッシュボタン64に対応したステッピングモータであり、操作ユニット60を制御する不図示の操作ユニット制御装置によって駆動される(切替手段)。操作ユニット制御装置は、演出制御装置124から送信される駆動信号に基づいてボタンモータ63を駆動することにより、プッシュボタン64を通常の状態(初期位置)又は突出した状態(最大可動位置)のいずれかに切り替える(変位させる)。
その他、遊技盤ユニット8にはドライバ基板138が設置されており、このドライバ基板138には、盤面ランプ53、可動体モータ57及び可動体センサ59が接続されている。可動体モータ57は、例えば図示しないリンク機構を介して上記の可動体40fを駆動する。可動体センサ59は、例えば可動体40fの原点位置(初期位置)等に設けられたフォトセンサであり、可動体40fを検出すると検出信号を出力する。ドライバIC132からの駆動信号は、ドライバ基板138を経由して盤面ランプ53及び可動体モータ57にそれぞれ印加される。なお、可動体モータ57は、ソレノイドであってもよい。
液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上述したように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
〔演出制御装置の内部構成〕
図681は、演出制御装置124の内部の機能構成を示すブロック図である。
上述したように、演出制御装置124は遊技の進行に伴い演出を制御する演出制御プロセッサとしての役割を有している。そのため演出制御装置124には、演出制御CPU126に加え、演出制御装置124が演出制御プロセッサとして機能する上で必要となる制御ROM180及びウォッチドッグタイマIC(WDTIC)188が装備されている。制御ROM180には、演出の制御に関する基本的なプログラムやテーブル等が格納されている。演出制御CPU126は、図示しないCPUバスを介して制御ROM180にアクセスし、制御ROM180に格納されたプログラムを実行することにより演出を制御する。ウォッチドッグタイマIC188は、演出制御装置124で実行される制御が正常になされているか(想定時間内に処理が完了しているか)を監視するタイマであり、演出制御CPU126のリセット端子に接続されている。ウォッチドッグタイマIC188の監視タイマをクリアするための信号(クリアパルス)が所定時間内に入力されなかった場合、ウォッチドッグタイマIC188は演出制御CPU126に対しリセット起動させるための信号(リセットパルス)を出力する。これにより、演出制御装置124が強制的にリセット起動されることとなる。
演出制御装置124にはこれらの他にも、演出に関わる機能として、バックアップデータ用の記憶領域であるSRAM182、所定周波数のクロック信号を生成する水晶発振器181、時刻管理を行うリアルタイムクロック(RTC)184、SRAM182及びリアルタイムクロック184に対しバックアップ電源を供給するリチウム電池186、図示しない入出力ドライバやカウンタ/タイマ回路等の周辺IC等が装備されている。リチウム電池186は、電源制御ユニット162から演出制御装置124に対し駆動電力が供給されている間に、この電力を蓄えて自身を充電する。SRAM182及びリアルタイムクロック184は、リチウム電池186に接続されており、電源制御ユニット162からの演出制御装置124への駆動電力の供給が断たれた場合にはリチウム電池186により駆動可能となる。したがって、SRAM182及びリアルタイムクロック184は、電源制御ユニット162からの電力供給が断たれた場合でも、リチウム電池186の充電が切れるまでの期間(例えば、約1か月半)は動作を継続するため、SRAM182は、電源断の状況下においても暫くは格納されている情報を保持することができる。
なお、演出制御プログラムは、容易に消去されるべきではないセキュリティや監視、不具合等に関する情報をSRAM182に保存する構成となっている。これにより、例えば、演出制御装置124で何らかの不具合が発生した場合に、パチンコ機1を回収(又は設置状態で点検)し、SRAM182に保持されている情報を解析することにより不具合の要因調査を進めることが可能となる。
通常、演出制御CPU126が制御ROM180に格納されたプログラムに沿って実行する演出の制御には、上述したように液晶表示器42、各種ランプ45~53やスピーカ54,55,56,58等のデバイス(演出動作実行手段)を用いた演出の制御が含まれる。この演出制御の流れは、大きくみると「全体制御(再生指示)」と「個別制御(再生制御)」の2つの段階に分けられる。演出制御CPU126は、先ず主制御装置70から送信される演出コマンドを受信し、演出コマンドの内容に応じた演出の再生を各デバイスに対して間接的に指示する(全体制御)。次に、演出制御CPU126は指示内容を各デバイスに適したより具体的な表現に変換した指示データを生成し、演出制御CPU126と各デバイスとの間を中継する各制御デバイス134,152,198,199に送信する(個別制御)。その結果として、各制御デバイス134,152,198,199により指示データに基づく各デバイスの制御がなされ、パチンコ機1における各デバイスを用いた演出再生(画面表示、音声出力、ランプ発光、可動体変位等)が実現される。
このように、演出制御CPU126は、演出制御の段階に応じて異なる機能を有しており、これらの機能は演出制御CPU126のリソースを使い分けた複数のタスクとして実現されている(演出制御手段)。図681においては、演出制御CPU126により実行される個々の機能に対応するタスクが、演出制御部210、表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224、可動体制御部226、入力制御部228等として示されている。以下の説明では、個々のタスクを演出制御処理の動作主体として扱うものとする。
先ず、全体制御の段階では、演出制御CPU126内の演出制御部210が動作主体となる。また、個別制御の段階では、制御対象とされるデバイスに応じて演出制御CPU126内の表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224、可動体制御部226又は入力制御部228が各動作主体となる。なお、演出制御部210が各制御デバイス134,152,198,199等を直接的に制御する構成としてもよい。
演出制御装置124は、全体制御の段階では演出制御プロセッサとして機能するのに対し、個別制御の段階では演出再生プロセッサとして機能する。そのため、演出制御装置124にはさらに、液晶表示器42に表示される演出画面を描画するVDP152、演出に伴う音声を生成してスピーカから出力させる音声IC134、演出に用いられる画像や音声を記憶するCGROM(画像・音声ROM)190、CGROM190に記憶されているデータのロード先として用いられるDRAM191の他、演出の再生に用いられる各種デバイスを制御するための音声IC134、LEDドライバ198、SMC(シリアル制御コントローラ)199及びドライバIC132が装備されている。このうち、VDP152、音声IC134、SMC199は、演出制御CPU126とワンチップに統合されている。これらの回路を統合するチップ128には、図示しないPLL回路(位相同期回路)が搭載されている。水晶発振器181により生成されたクロック信号は、PLL回路により逓倍/分周されてから、チップ128上の各回路に入力する。
CGROM190は、演出画面を構成する描画素材(動画像データ)や演出の進行とともに出力される音声素材(音声データ)を所定の圧縮アルゴリズムにより圧縮された状態で格納している(第1記憶手段)。CGROM190の最大容量は64Gビットであり、そのうちの60Gビットが描画素材用として割り当てられ、4Gビットが音声素材用として割り当てられている。CGROM190は、図示しないCGバスを介してVDP152や音声IC134に接続されている。
ところで、本実施形態においては、CGROM190にはNAND型のSATA(Serial ATA)規格のROMが採用されている。NAND型ROMにおいては、データの読み出しはページ単位(例えば、1ページ=32Kバイト)で行われるが、CGROM190に記憶されている各種の描画素材や音声素材を演出に用いる際には、特定のアドレスから必要なデータだけをランダムアクセスにより読み出す必要がある。
そこで、NAND型のCGROM190の採用に伴い、本実施形態においては、さらにDRAM191を装備し、CGROM190からページ単位で読み出されたデータのロード先(一時保存先)として用いる構成としている(第2記憶手段)。これにより、VDP152や音声IC134は、DRAM191にロードされたデータの中からランダムアクセスにより必要な描画素材や音声素材を読み出すことが可能となる。なお、DRAM191には、DDR3(Double-Data-Rate3)規格のSDRAMが採用されている。DRAM191の最大容量は8Gビットであり、描画素材用、音声素材用として4Gビットずつ割り当てられている。また、DRAM191は、図示しないバスを介してVDP152や音声IC134に接続されている。
なお、上述したCGROM190及びDRAM191の最大容量や割り当て比は飽くまで一例であり、状況に応じて適宜変更が可能である。また、CGROM190は、描画素材用と音声素材用とで別体として設けてもよい。
VDP152は、演出画像の描画専用のプロセッサであり、演出制御CPU126とともに同一のチップ128に統合されている。また、VDP152は、プリロード回路154、描画回路155、VRAM156、描画素材デコーダ157、表示回路153を内蔵する。VDP152に表示制御部220からの指示(コマンド)が入力されると、プリロード回路154が必要な描画素材をCGROM190からDRAM191に事前に転送して保存(以下、「プリロード」と称する。)した上で、描画回路155がプリロードされた描画素材をデコーダ157を用いて解凍(復号)しながらVRAM156上で演出画像の描画を行い、演出画像を1フレーム(単位時間あたりの静止画像)毎にフレームバッファに展開する。そして、フレームバッファに展開された内容に基づいて表示回路153が液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動することにより、演出画面の再生が実現される。
なお、プリロード回路154によってなされる、NAND型のCGROM190からDRAM191へのデータのプリロード及びDRAM191内でのデータ転送の各態様については、別の図面を参照しながら詳しく後述する。
音声IC134は、演出の実行中に再生される効果音やBGM等の音声を生成するサウンドジェネレータであり、VDP152と同様に演出制御CPU126とともに同一のチップ128に統合されている。音声IC134は、図示しないアンプやDRAM191とは別の外部DRAMにも接続されている。また、音声IC134には、圧縮された状態の音声素材を解凍(復号)する音声素材デコーダ135が内蔵されている。音声IC134に音声制御部222からの指示が入力されると、音声IC134は、指示に沿ってDRAM191から必要な音声素材を読み出し、読み出した音声素材を外部DRAM上で音声素材デコーダ135を用いて復号しながら音声を生成し、生成した音声をアンプを経由してガラス枠上スピーカ54、ガラス枠内スピーカ55、内枠スピーカ56及び外枠スピーカ58に出力することにより、ステレオ2ch又はモノラル2chの音声再生を実現する(チャンネル数はこれに限定されない)。また、音声IC134は、音量調整スイッチが操作された場合に入力される接点信号に基づいて、各スピーカ54,55,56,58の出力音量を調整する。なお、本実施形態においては、音声IC134とアンプとの間にアンプIC193が装備されており、アンプIC193がアンプの設定や調整を行う。
ところで、音声IC134は、上述したように必要な音声素材をDRAM191から読み出しているが、これは、音声IC134にはVDP152のプリロード回路154に相当する機能が搭載されていないことと関係している。音声素材が必要となった段階で、音声IC134が仮にCGROM190からデータを読み出すとした場合には、ページ単位での読み出ししかできないため、特定の音声素材を読み出すことができず、音声の制御が困難となる。そこで、NAND型のCGROM190の採用に伴い、本実施形態においては、電源投入時にCGROM190に記憶されている全ての音声素材をDRAM191に転送する構成としている。これにより、音声IC134は、CGROM190からデータを読み出すことなく、DRAM191にロードされたデータの中からランダムアクセスにより必要な音声素材を読み出すことが可能となる。
LEDドライバ198は、パチンコ機1の前面側に設けられた各種ランプ45~53の演出の実行にともなう点灯パターン及び輝度パターンを制御する。LEDドライバ198においては、アドレス指定同期シリアル方式が採用されている。LEDドライバ198は、先ずランプ制御部224から送信された指示内容に基づいて点灯パターン及び輝度パターンの制御を行い、これに応じた駆動データをドライバIC132に転送する。
SMC199は、演出ユニット40の内部に設けられた演出用の各種可動体の駆動源となるモータ(例えば、可動体モータ57)の駆動パターンを制御するとともに、可動体用のセンサ(例えば、可動体センサ59)により出力された検出信号を中継して可動体制御部226に受け渡す。SMC199もまた、演出制御CPU126とともに同一のチップ128に統合されている。SMC199においては、クロック同期式シリアル方式が採用されている。可動体の駆動に際し、SMC199は、先ず可動体制御部226から送信された指示内容に基づいて可動体用のモータの駆動パターンを生成し、これをドライバIC132に転送する。なお、ここではSMC199をモータの駆動パターン生成にのみ用いているが、SMC199はモータだけでなくランプの点灯パターンや輝度パターンを生成することもできるため、上述したLEDドライバ198に代えてSMC199を適用し、SMC199がランプ及びモータの両方のデータパターンを生成する構成とすることも可能である。
ドライバIC132は、LEDドライバ198やSMC199から転送された駆動データに基づいてランプやモータに対し印加する駆動電圧の制御を行う。ドライバIC132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、各種ランプ45~53や可動体モータ57に印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その動作を管理することにより、ランプや可動体を用いた演出再生を実現する。なお、各種ランプには、一体扉ユニット4に設置されたガラス枠トップランプ46やガラス枠装飾ランプ48,50,52、エラー報知ランプ45の他に、操作ユニット60の各部位に内蔵された光源や遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は、演出ユニット40に内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等に内蔵されるLEDに相当するものである。また、ここではガラス枠装飾ランプ52がサブ接続基板136に接続されている例を挙げているが、受皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、ガラス枠装飾ランプ52については受け皿電飾基板を介してドライバIC132に接続される構成であってもよい。
この他にドライバIC132は、ハンドルレバー62やプッシュボタン64等の操作部材が遊技者により操作された場合に入力される接点信号を、入力制御部228を経由して演出制御部210に転送する。演出制御部210は、転送される接点信号の内容に基づいて、再生する演出内容を適宜変化させる。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。
〔設定値と特別図柄抽選の当選確率との関係〕
図682は、設定値と特別図柄抽選の当選確率との関係を示す図である。
設定値が「1」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/319」である。
設定値が「2」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/299」である。
設定値が「3」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/279」である。
設定値が「4」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/259」である。
設定値が「5」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/239」である。
設定値が「6」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/219」である。
設定値が「1」~「6」である場合、特別図柄抽選の当選確率(高確率状態)は、「1/100」である。
このように、設定値が大きい値であるほど、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、大きな値となっているため、遊技者にとって有利な状況となる。
なお、図示の例では、特別図柄抽選の当選確率は、低確率状態でのみ設定差を設ける例で説明したが、高確率状態でも設定差を設けてもよい。また、設定に関しては、大当り確率だけでなく、小当り確率に設定差を設けてもよい。さらに、その他の項目(例えば、高確率状態への移行率、時間短縮状態への移行率、確変回数、時短回数、特殊変動回数等)に設定差を設けてもよい。
続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔主制御装置におけるCPU初期化(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はCPU初期化処理を開始する。CPU初期化処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、CPU初期化処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図683及び図684は、CPU初期化処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS100:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、割込ベクタテーブルの設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタテーブルのアドレスを割込制御に使用するIレジスタ(割込ベクタレジスタ)にセットする。割込ベクタテーブルにはCPU初期化処理の実行中に発生した割込要求を制御する上で必要となる優先順位が定義されており、主制御CPU72は割込ベクタテーブルに定義された優先順位に基づき複数の割込要求を順番に実行することとなる。割込処理の制御については、詳しく後述する。
ステップS104:主制御CPU72は、RAMクリア信号(RAMクリアスイッチ304からの入力信号)を退避させる。より具体的には、RAMクリア信号が入力される入力ポートの値を2回連続して取得し、これらの値による論理和を入力ポート値として退避させておく。
ステップS106:主制御CPU72は、ここで待機処理を実行する。この処理は、電源投入後にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に電源断予告信号(電源の遮断が発生しつつあることを示す信号)のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら電源断予告信号の入力ポートをビットチェックする。電源断予告信号は、駆動電圧の電圧レベルを監視するICにより入力される。そして、ループカウンタが0になる前に電源断予告信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1~2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS108:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS110:主制御CPU72は、先のステップS104で退避させた入力ポート値の特定ビットをチェックすることによりRAMクリア信号を参照し、RAMクリアスイッチ304が操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチ304が操作されていなければ(No)、次にステップS112を実行する。
ステップS112:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断時に実行された処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A5H」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS114を実行する。なお、電源遮断時に実行される処理については、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS114:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS116を実行する。
ステップS116:主制御CPU72は、RAM76の一部領域の記憶内容をクリアする。RAM76の一部領域とは、電源復帰時にクリア対象とするバックアップ有効判定フラグのアドレスを基準とした連続する所定範囲内のワーク領域のことである。この領域の記憶内容をアドレス毎に(バイト単位で)クリアしつつ、保存されている有効なバックアップ情報はそのまま保持しておくことにより、主制御CPU72は電源遮断時の状態を復旧させることが可能となる(記憶復帰手段)。
ステップS118:主制御CPU72は、電源遮断から復帰して起動したことを示す電源復帰指定の演出コマンド(演出制御装置124に対し送信するべきコマンド)及び払出コマンド(払出制御装置92に対し送信するべきコマンド)をセットする。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチ304が操作されていた場合(ステップS110:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS112:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS114:No)、主制御CPU72はステップS120に移行する。
ステップS120:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタック領域は全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS122:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS124:主制御CPUは、RAMクリア起動したことを示すRAMクリア指定の演出コマンド(演出制御装置124に対するコマンド)及び払出コマンド(払出制御装置92に対するコマンド)をセットする。
ステップS126:次に主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、ステップS118でセットされた払出コマンド(電源復帰指定)又はステップS124でセットされた払出コマンド(RAMクリア指定)を、払出コマンドバッファに出力する。
ステップS128:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先ず、ステップS118でセットされた演出コマンド(電源復帰指定)又はステップS124でセットされた演出コマンド(RAMクリア指定)を演出コマンドバッファに出力する。主制御CPU72はさらに、演出制御に必要となるその他の各種演出コマンド(例えば、機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、特図先判定演出コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタ残数コマンド、特別遊技状態指定コマンド、発射位置指定コマンド等)をセットし、これらを演出コマンドバッファに出力する。このとき、主制御CPU72はこれらの演出コマンドに対し、電源復帰時とRAMクリア時とで異なる値をセットする。
例えば、電源復帰時には、バックアップ情報に基づいて各演出コマンドの値をセットする。これらの演出コマンドが後の演出コマンド送信処理(ステップS142)において演出制御装置124に対し送信されることにより、演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS130:主制御CPU72は、入力ポート処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は各入力ポートの内容を取得し、その値に対して所定の演算を行った結果を各入力ポートの状態フラグに格納する。この処理を終えると、主制御CPU72は次にステップS131に進む(接続記号A→A)。
ステップS131:主制御CPU72は、主コマンド許可信号を出力ポートの特定ビットにセットする。主コマンド許可信号とは、主制御装置70が自身へのコマンド送信を許可する旨を払出制御装置92に対し表明する信号である。主コマンド許可信号が払出制御装置92に入力されると、これを受けて払出制御装置92は、主制御装置70に対し払出コマンドの送信を許可する旨を表明する払出コマンド許可信号を入力することとなる。
ステップS132:主制御CPU72は、出力ポートの特定ビットをリセット(OFF)して発射許可信号をクリアする(特定出力情報クリア手段)。発射許可信号は電源遮断時におけるバックアップの対象に含まれる。したがって、主制御装置70(パチンコ機1)が電源復帰した場合、主制御CPU72はCPU初期化処理において電源復帰時のフローを実行し、バックアップ情報に基づいて主制御装置70を電源遮断時の状態に復帰させるが(ステップS116)、その一環で、発射許可信号も電源遮断時の状態に戻される。
発射許可信号は、RAM76に記憶されている特定の出力ポートバッファ(例えば、出力ポート3用のバッファ)のうち、特定のビット(例えば、ビット0)にセットされている。ただし、ここで対象とする出力ポートバッファのアドレスは、RAM76のアドレス空間のうち、ステップS116でクリア対象とした連続領域からは外れた場所に位置している。このため仮に、ステップS116の処理の一環で、クリア対象領域に加えて発射許可信号がセットされている特定アドレスの特定ビットの値をもクリアしようとすると、その具体的なアドレスを特定した上で、そのアドレスに記憶されている8ビットのデータのうちの特定ビットのデータのみをクリアしつつ残りの7ビット分のデータは維持するという例外的な処理を行わなければならず、RAM76の一部領域をクリアする処理の効率が非常に悪くなる。このような事情から、主制御CPU72は、先のステップS116では発射許可信号をクリアせずに他のバックアップ対象データと区別せず同様に取扱い、一旦は電源遮断時の状態に戻すこととしている。
しかしながら、主制御装置70においてバックアップ情報が戻された段階(ステップS116)では、払出制御装置92との通信が未だ確立しておらず、払出制御装置92が正常に起動しているか(主制御装置70からのコマンドによる指示を受け付けられるか)否かを確認できていない。発射許可信号がONの状態で電源が遮断された場合には、発射許可信号がONに戻されるため、結果として払出制御装置92の正常性が不明であるにもかかわらず遊技球を発射できるという状態が発生することとなる。ここで仮に、電源の遮断中に払出制御装置92が本来の検査適合していない改造品(例えば、賞球数が改変されたもの等)と交換され、その後の電源復帰により主制御装置70が起動した場合、発射許可信号がONに戻されることより遊技球の発射が可能となってしまう。このような状態は、セキュリティの観点から好ましくない。
そこで、本実施形態においては、電源復帰による起動であるかRAMクリア指定の起動であるかに関わらず、主制御CPU72がメインループに遷移する前の段階で発射許可信号を一度明示的にクリア(OFFにリセット)している。その後、払出制御装置92から主制御装置70に対し払出コマンド許可信号が入力されたことを主制御CPU72が確認し、その上で払出制御装置92に対して払出コマンドを送信したことを契機として、発射許可信号をONにセットする制御を採用している。このような制御を行うことにより、メインループの処理により遊技が開始(再開)しても主制御装置70と払出制御装置92との間の通信が確立しない限りは遊技球の発射が許可されないため、上述したような不正がなされた場合に遊技球の不正な発射を回避することができる。
ステップS133:主制御CPU72は、タイマ割込周期を設定する。より具体的には、主制御CPU72はタイマ割込周期(例えば、4ms)に相当する値をタイマ回路194のカウンタ設定レジスタに設定する。
ステップS134:主制御CPU72は、割込デイジーチェーンをリセットする。より具体的には、主制御CPU72は、割込処理の事前準備として、この後で説明するメインループの先頭アドレスをバックアップした上でRETI命令を実行する。この処理を行うことにより、これ以降に発生する割込処理を正常に開始させ、さらに割込処理の実行後にはメインループから処理を続行することが可能となる。
CPU初期化処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72はメインループ(以下に説明するステップS136~S146)に遷移する。電源制御ユニット162からの電力供給が保たれている限り、主制御CPU72はメインループを終始繰り返して実行する。
ステップS136,ステップS138:主制御CPU72は割込を禁止した上で、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)、及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別のタイマ割込処理(図687中のステップS212)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が一巡する毎にループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS138では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS136で割込を禁止した後にステップS138を実行しているのは、別のタイマ割込処理(図687中のステップS210)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、本実施形態において大当り決定乱数及び当り決定乱数は乱数回路75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。なお、タイマ割込処理については別の図面を用いて後述する。
ステップS140:主制御CPU72は、受信コマンド管理処理を実行する。この処理では、払出制御装置92から受信したデータを解析し、その結果に応じた処理を行う。主制御CPU72は、受信したコマンドが払出起動指定コマンドである場合には払出起動確認指定コマンドを払出コマンドバッファに出力する一方、そうでない場合は受信データが所定範囲内の値であるか(受信コマンドとして適切な値であるか)を確認した上で範囲外ならば払出エラー指定コマンドを演出コマンドバッファに出力し、さらに状況に応じて払出電波エラーフラグのセットを行う。
ステップS142:主制御CPU72は、演出コマンド送信処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、演出コマンドバッファに出力されている各演出コマンドの送信を行う。
なお、本実施形態においては、演出制御装置124において電源投入時に実行される処理のおおよその所要時間を考慮し、電源投入から9.0秒(検査時は2.5秒)が経過するのを待って演出コマンドの送信を行うこととしている。
ステップS144,ステップS146:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中に割込要求が発生し、主制御CPU72が各種割込処理を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込処理の内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
〔電源断時退避処理〕
次に、電源の遮断(以下、「電源断」と略称する)が発生した際に実行する処理について説明する。図685は、電源断時退避処理の手順例を示すフローチャートである。主制御装置70においては、電源断の発生とリセットの発生とが同一の監視IC(例えば、図示しないリセットコントローラに実装されたIC)によって監視されている。この監視ICは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に、パラレルI/Oポート79のXINT端子へ電源断予告信号を出力する。主制御CPU72は、XINT端子への電源断予告信号の入力(XINT割込)を契機として、電源断時退避処理(XINT割込処理、バックアップ手段)を実行する。以下、電源断時退避処理の各手順を追って説明する。
ステップS150,S152:主制御CPU72は、パラレルI/Oポート79の電源断検出スイッチ入力用ポートを読み込み、特定のビットをチェックして電源断予告信号を検出したか否かを確認する。電源断予告信号を検出したことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は割込を許可し、電源断時退避処理を終了してCPU初期化処理(図683~図684)のメインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。一方、電源断予告信号を検出したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS154に進む。
ステップS154:主制御CPU72は、普通電動役物ソレノイド88や第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97、確変領域用ソレノイド99に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS156,ステップS158:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS160:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS158:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS162:次に主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS164:また、主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「00H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS166:主制御CPU72は、ループカウンタに電源断予告信号のチェック回数をカウントするための所定の値をセットする。
ステップS168:主制御CPU72は、電源断予告信号を検出したか否かを確認する。電源断予告信号の確認方法は、上述したステップS150における方法と同じである。電源断予告信号を検出したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は再び前ステップS166に戻る。一方、電源断予告信号を検出したことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は次のステップS170に進む。
ステップS170:主制御CPU72は、ループカウンタの値を1減算する。
ステップS172:主制御CPU72は、ループカウンタの値が「0」であるか否かを確認する。ループカウンタの値が「0」であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS168に戻る。一方、ループカウンタの値が「0」であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS174に進む。
ステップS174:主制御CPU72は、電源断時退避処理からCPU初期化処理(図683)に移行する。このとき、CPU初期化処理への移行前にRETI命令は実行されないため、他の割込を禁止したままの状態でCPU初期化処理を開始することができる。
上述したステップS166~ステップS172の処理は、電源制御ユニット162からの電力供給の遮断に備えて実行されるいわば待機処理(経過観察処理)である。電源断予告信号が継続して検出される場合は、ステップS166~ステップS168が繰り返し実行されるため、ループカウンタが「0」になることはない。そのため、電力供給が持続する限り待機状態が継続されることとなる。一方、電源断予告信号の検出が一時的なもの(例えば、瞬間的な停電等による検出)であった場合は、ステップS168~ステップS172が繰り返し実行され、時間の経過とともにループカウンタが減算されていき、「0」になったことを契機としてCPU初期化処理に移行される。つまり、主制御CPU72は、電力供給が完全に断たれる前に先ずチェックサムの計算とその結果の保存を行って待機の態勢に入り、電力供給が遮断されつつある状況下では他の処理を実行させずに待機状態を維持して安全な状態で来るべき電力供給の遮断を迎えるのに対し、一時的な電源断が発生した後で安定的な電力供給が回復した状況下ではCPU初期化処理に移行してメイン処理を再開させる。このような待機処理の実行により、主制御装置70ひいてはパチンコ機1の安定した遊技動作を保証することが可能となる。
なお、電源制御ユニット162からの電力供給が遮断されると、主制御装置70への電力供給源は自動的にバックアップ用電源に切り替わる。主制御装置70は、電源断の発生後は図示しないバックアップ用電源回路(例えば、主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、電源断後も全てRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のCPU初期化処理(図683)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断発生時のバックアップ情報として復元される。
〔コマンド受信割込処理〕
次に、払出制御装置92からコマンドを受信した際に実行する処理について説明する。図686は、コマンド受信割込処理の手順例を示すフローチャートである。払出制御装置92は、遊技球の払い出しを開始したことを示す払出起動指定のコマンドを主制御装置70に対して送信する他に、遊技の進行に伴い賞球の払い出しに関わる各種装置(例えば、払出装置基板100や満タンスイッチ161等)から主制御装置70に対し送信されるコマンドの中継送信を行う。払出制御装置92により送信されるこれらのコマンドは、主制御装置70のシリアル通信回路196の特定チャネルの受信データレジスタにより受信される。主制御CPU72は、このコマンド受信(SCU割込)を契機として、コマンド受信割込処理(SCU割込処理)を実行する。以下、コマンド受信割込処理の各手順を追って説明する。
ステップS180:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたAレジスタ(アキュムレータ)とFレジスタ(フラグレジスタ)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後の各レジスタには、データ受信割込処理の過程で別の値を書き込むことができる。
ステップS182:次に主制御CPU72は、ステータスレジスタの特定ビットをチェックして受信データレジスタ(受信FIFO)にデータが有るか否かを確認する。受信データレジスタにデータがあることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS184に進む。一方、受信データレジスタにデータがあることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS186を実行する。
ステップS184:主制御CPU72は、データレジスタの内容を受信コマンドバッファに格納する。
ステップS186,S188:主制御CPU72は、ステップS180で退避させたA,Fレジスタの値を各レジスタに復帰させ、割込を許可した後、コマンド受信割込処理を終了してCPU初期化処理のメインループ(図684)に復帰する。
〔タイマ割込処理〕
次に、タイマ割込処理について説明する。図687は、タイマ割込処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、タイマ回路194により出力される割込要求(PTC割込)に基づき、所定時間(例えば、数ms)毎にタイマ割込処理(PTC割込処理)を実行する。以下、タイマ割込処理の各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたAFレジスタ(アキュムレータとフラグレジスタのペア)、BC,DE,HLレジスタ(汎用レジスタのペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後の各レジスタには、タイマ割込処理の過程で別の値を書き込むことができる。
ステップS202:次に主制御CPU72は、割込を許可する。ここで割込が許可されることにより、タイマ割込処理の次ステップ以降を実行している間に他の割込が発生することが可能となる。このように、タイマ割込処理は多重割込が許可されている。なお、割込要求信号の受付や多重割込の優先制御等は、割込コントローラ192により実行される。割込コントローラ192による割込管理については、改めて後述する。
ステップS204:主制御CPU72は、ダイナミックポート出力処理を実行する。この処理では、統合表示基板89に実装された各ランプの点灯をダイナミック点灯方式で制御するために、コモン単位でのポート出力を行う。より具体的には、主制御CPU72は、出力ポートをクリアした後に、選択されたコモンに対応するコモン出力要求バッファに出力された内容を出力ポートに格納する。
ステップS206:主制御CPU72は、ポート入力処理を実行する。この処理では、入力ポート情報に基づき最新のスイッチ状態を正確に取得するために、主制御CPU72はパラレルI/Oポート79から各種スイッチ信号の入力値と前回入力値の反転結果値との論理積を入力ポートオン検出フラグに格納する。この結果、入力ポートオン検出フラグの値(ON/OFF)により、各種スイッチ信号の前回からの変化を踏まえた正確な入力状態を把握することが可能となる。各種スイッチ信号には、具体的には、ゲートスイッチ78及び確変領域スイッチ95からの通過検出信号や、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81からの入賞検出信号等が含まれる。
ステップS208:主制御CPU72は、タイマ更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、遊技時間や普通電動役物の閉鎖時間を管理するタイマの他、外部情報用の各種タイマ、セキュリティ信号用タイマ等のカウンタを1減算して更新する。
ステップS210:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、CPU初期化処理の過程(図684のステップS138)で述べたものと同じである。
ステップS212:主制御CPU72は、当り図柄乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は特別図柄及び普通図柄の抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS214:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先のポート入力処理(ステップS206)で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81からの入賞検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS215:主制御CPU72は、設定変更処理(設定関連処理)を実行する。この処理では、設定値の変更や確認に伴う処理を実行する。なお、設定変更状態や設定確認状態でない場合、すなわち遊技可能状態である場合には、主制御CPU72は、本ステップをスキップして(設定変更処理を実行せずに)、代わりに、ベースを算出して性能表示モニタ200に表示する処理を実行することができる。主制御CPU72は、遊技球が各入賞口(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)に入球することによって払い出される賞球数を、遊技領域に発射した遊技球の数を示すアウト数(アウトスイッチで検出された遊技球の数)で除算することによりベースの算出が可能である。
また、本ステップにて設定変更処理(設定関連処理)を実行した場合には、主制御CPU72は、設定関連終了指定コマンドを生成する。ここで、「設定関連終了指定コマンド」とは、設定の変更又は確認に関連する処理が終了したことを伝える演出コマンドのことであり、設定関連終了指定コマンドには、この他に設定値の情報を含ませることができる。生成された設定関連終了指定コマンドは、メインループ内で実行される演出コマンド送信処理(図684中のステップS142)において演出制御装置124に送信される。
ステップS216,ステップS218:主制御CPU72は、特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これらの処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS216)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を決定したり、その表示結果に応じて第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また、普通図柄遊技処理(ステップS218)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を決定したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(作動抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS220:次に主制御CPU72は、状態管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、入賞頻度の異常(中始動入賞口26、普通入賞口22,24への入球数が異常に多い状態)やベース異常(遊技盤ユニット8の裏側へ回収された遊技球数、すなわち遊技領域8a内に打ち込まれた遊技球数よりも各入賞口22,24,26,28a,30b,31bへの入賞球数の合計の方が多い状態)等の危険度の高い状態が発生していないかのチェックを行う。異常状態を検知した場合、主制御CPU72は、遊技場のホールコンピュータに対してはセキュリティ信号の出力により、また、演出制御装置124に対しては所定の演出制御コマンドの送信により、異常が発生したことを報知する。
ステップS222:主制御CPU72は、入賞口スイッチ処理を実行する。この処理では、先のポート入力処理(ステップS206)において各種スイッチ80,81,82,84,85,86から入力された入賞検出信号に基づき格納した各入力ポートオン検出フラグがONの場合に、それぞれの対象となる賞球制御カウンタを1加算して更新する。
ステップS224:主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。詳細なフローは図示していないが、この処理では、主制御CPU72はまず払出コマンドバッファが空でないか(送信すべき払出コマンドがセットされているか)否かを確認し、空でない(払出コマンドがセットされている)場合は、払出コマンドバッファに出力された各種払出コマンドを払出制御装置92に対して送信する。例えば、電源投入時の起動モードを示す払出コマンドは、CPU初期化処理の過程でセットされ(図683中のステップS118、ステップS124)、払出コマンドバッファに出力される(図683中のステップS126)が、この起動モードを示す払出コマンドがここで送信される。一方、払出コマンドバッファが空である場合は、賞球の払い出しを指示するための処理に進む。主制御CPU72は賞球制御カウンタが0でないか否かを確認し、賞球制御カウンタが0でない場合は、このカウンタに対応する賞球個数を指示する賞球指定の払出コマンドを払出制御装置92に対して送信する。より具体的には、前ステップS222において更新された各賞球制御カウンタに対応する賞球指定の払出コマンドがここで送信される。なお、払出コマンドの送信は、払出制御装置92から主制御装置70に対し払出コマンド許可信号が入力されており、かつ、送信データレジスタ(送信FIFO)にセットされている払出コマンドの数が所定数未満である場合(より具体的には、前回以前に実行されたステップS224において送信FIFOにセットされた払出コマンドが送信済みであるか、又は、現在送信中であって送信FIFOに空きがある場合)にのみ実行される。
また、特に電源投入時のステップS224においては、CPU初期化処理の過程でセットされた払出コマンドが正常に送信された場合、主制御CPU72はこれを契機として発射許可信号をオンにする。具体的には、主制御CPU72は電源投入時に出力した払出コマンドバッファをクリアするとともに、出力ポートの特定ビットをセットすることで発射許可信号をオンにする(特定出力情報セット手段)。これにより電源投入後の正常動作を確認した上で遊技球の発射が許可され、この発射許可信号が払出制御装置92を介して発射制御基板108に送られることにより、遊技球の発射が可能な状態となる。
また、主制御CPU72は、賞球払出処理において、演出制御装置124に対して賞球個数の内容を伝達する賞球内容コマンドを出力する。第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31に対応する第1カウントスイッチ84又は第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力された場合、第1利益(遊技球15個分)に対応する賞球内容コマンドを生成する。また、普通入賞口24に対応する第2入賞口スイッチ81から入賞検出信号が入力された場合、第2利益(遊技球10個分)に対応する賞球内容コマンドを生成する。賞球内容コマンドは、後述するポート出力処理(ステップS236)において演出制御装置124に送信される。
〔賞球数及び獲得遊技球数について〕
第1特別図柄の始動口の賞球数及び第2特別図柄の始動口の賞球数は、それぞれ1個以上の規定数に設定されている。また、第1特別図柄の始動口と第2特別図柄の始動口とでは、賞球数を異ならせてもよい。さらに、特別図柄の当選確率や、総獲得遊技球数の期待値(初当りから時間短縮状態が終了するまでの一連の期間に得られる平均出球数)に基づいて、最低賞球数を設定してもよい。さらにまた、特別図柄の当選確率、総獲得遊技球数の期待値、大入賞口の開放回数、大入賞口の開放時間、大入賞口の最大入賞数、大入賞口の賞球数が所定の条件を満たした場合、1回の大当りによる獲得遊技球数が最大の獲得遊技球数の1/4未満となる大当りを設定してもよい。
ステップS226:主制御CPU72は、発射位置指定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず発射位置指定フラグを前回発射位置指定フラグにセットしてから発射位置指定フラグをクリアする。その上で、主制御CPU72は、可変入賞装置が作動中であるか又は時間短縮機能が作動中であれば発射位置指定フラグをONにし、さらに発射位置指定フラグと前回発射位置指定フラグが一致しなければ発射位置指定コマンドを生成する。生成された発射位置指定コマンドは、メインループ内で実行される演出コマンド送信処理(図684中のステップS142)において演出制御装置124に送信される。
ステップS228:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」~「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」~「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」~「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS230:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、発射位置指定、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS232:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を管理する上で必要となる処理を行う。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS216)や普通図柄遊技処理(ステップS218)において決定された図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等に対応する態様で各ランプを点灯させるための駆動信号を、バイトデータとして各コモン用のポート出力要求バッファに格納する。
なお、ここで各コモン用のポート出力要求バッファに格納されたバイトデータは、タイマ割込処理が発生する毎にダイナミックポート出力処理(ステップS204)において1コモンずつ順繰りに出力ポートに格納されてポート出力される。例えば、次回に実行されるタイマ割込処理ではコモン1用として格納されたバイトデータがポート出力され、次々回に実行されるタイマ割込処理ではコモン2用として格納されたバイトデータがポート出力される、という具合に各コモン用のポート出力要求バッファに格納されたバイトデータが1つずつ順番に処理されていく。これにより、所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)を構成する各ランプがコモン単位で順繰りに駆動され、ダイナミック点灯方式により点灯制御されることになる。
ステップS234:また、主制御CPU72は、ソレノイド出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び確変領域用ソレノイド99の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力要求バッファに格納する。
ステップS236:主制御CPU72は、ポート出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は各出力バッファ(ポート出力要求バッファ)に値が格納されているかを確認し、値が格納されている場合はポート出力する。例えば、前ステップS234でポート出力要求バッファに格納された各ソレノイド88,90,97,99の各駆動信号をポート出力する。この場合、各駆動信号が対応する各ソレノイド88,90,97,99に送信され、各ソレノイドに駆動信号に応じた動作をさせることが可能となる。
なお、本実施形態では、ステップS216~ステップS236の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理の一部として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS238:制御CPU72は、ステップS200で退避させたHL,DE,BC,AFレジスタの値を各レジスタに復帰させ、タイマ割込処理を終了してCPU初期化処理のメインループ(図684)に復帰する。
〔割込コントローラによる割込管理〕
以上に説明したように、主制御装置70においては、メイン制御プログラムであるCPU初期化処理(図683)の実行中に、XINT割込(電源断時退避処理(図685)の元となるパラレルI/Oポート79により出力される割込要求)、SCU割込(コマンド受信割込処理(図686)の元となるシリアル通信回路196により出力される割込要求)、PTC割込(タイマ割込処理(図687)の元となるタイマ回路194により出力される割込要求)が発生しうる。これらの割込要求は、主制御装置70に実装された割込コントローラ192によって管理/制御される。割込コントローラ192は、主制御CPU72の割込許可命令(EI命令)により割込要求の受付を許可し、割込禁止命令(DI命令)により割込要求の受付を禁止する、いわゆるマスカブル割込の制御を行っている。
XINT割込、SCU割込、PTC割込は、いずれも相互依存性のない独立した発生要因に基づいて生じるため、複数の割込要求が同時期に発生する場合も当然に考えられる。そこで、割込コントローラ192は、割込処理の重要度や処理効率等を考慮して予め定められた割込要求の優先順位に従って各割込要求を制御する。
より具体的には、割込要求(割込処理)の優先順位は割込ベクタテーブルに定義されており、XINT割込(電源断時退避処理)の優先度が最も低く、SCU割込(コマンド受信割込処理)の優先度が最も高く設定されている。割込ベクタテーブルの設定がCPU初期化処理の序盤(図683中のステップS102)になされることにより、割込コントローラ192はこれ以降のタイミングで発生する割込要求の優先制御を行うことができる。実際には、CPU初期化処理がメインループ(図684中のステップS136~S146)に遷移した後、割込が許可されてから(図684中のステップS144)割込が禁止されるまで(図684中のステップS136)の間にいずれかの割込要求が発生すると、割込コントローラ192は受け付けた割込要求を割込ベクタテーブルに設定された優先順位に基づいて制御する。例えば、XINT割込とPTC割込を同時に受け付けた場合、より優先度の高いPTC割込(タイマ割込処理)が先に処理される。タイマ割込処理が実行されている間、XINT割込は割込待ち状態となり、タイマ割込処理が終了した後で電源断時退避処理が実行される。
また、各割込み処理の手順例を改めて確認してみると、電源断時退避処理(図685)及びコマンド受信割込処理(図686)においては、それぞれの割込処理から復帰する直前(RETI命令を実行する直前)にはじめて割込が許可されるのに対し(図685中のステップS152、図686中のステップS188)、タイマ割込処理(図687)においては、割込処理の序盤に割込が許可され(図687中のステップS202)、その後で主要なステップが実行される。つまり、割込コントローラ192(主制御CPU72)は、電源断時退避処理及びコマンド受信割込処理の実行中には多重割込の実行を禁止する一方、タイマ割込処理の実行中には多重割込の実行を許可している。
このようにして優先順位に基づく割込要求の制御を行うことにより、割込コントローラ192は主制御装置70における多重割込の実行を可能としている。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図688は、スイッチ入力イベント処理(図687中のステップS214)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する中始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の第1大入賞口に対応する第1カウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS20に進んで第1大入賞口カウント処理を実行する。第1大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの第1可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS21aに進む。
ステップS21a:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の第2大入賞口に対応する第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS21bに進んで第2大入賞口カウント処理を実行する。第2大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に第2可変入賞装置31への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS24に進んで普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また、主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして、主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS26に進む。
ステップS26:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の内部に設けられた確変領域に対応する確変領域スイッチ95から検出信号が入力されたか否かを確認する。この検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS28に進んで確変領域通過時処理を実行する。確変領域通過時処理として、主制御CPU72は、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする処理を実行する(高確率状態移行手段、確率変動機能作動手段、有利遊技状態移行手段、特別状態移行手段)。この確率変動機能作動フラグは、大当り遊技の終了後、当選の結果が得られずに特別図柄が所定回数(170回)変動するとリセットされる。また、確変領域通過時処理として、主制御CPU72は、確変領域通過コマンドを生成する。確変領域通過コマンドは、メインループ内で実行される演出コマンド送信処理(図684中のステップS142)において演出制御装置124に送信される。なお、主制御CPU72は、特定の有効時間内(例えば、大当り遊技中に確変領域用ソレノイド99を作動させている時間内)に限って確変領域通過時処理を実行することにしてもよい。一方、検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はタイマ割込処理(図687)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図689は、第1特別図柄記憶更新処理(図688中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。ここで、RAM76の乱数記憶領域は、第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する8つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図688)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図687中のステップS232)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして、主制御CPU72は、乱数回路75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第1抽選要素取得手段、抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数回路75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、要素取得手段)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして、主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(記憶手段、抽選要素記憶手段)。複数のセクションには順番(例えば第1~第4)が設定されており、現段階で第1~第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2~第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の特別遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37,S38を実行する。大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37,S38をスキップしてステップS38aに進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS37:大当り中以外の場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS32~S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。なお、具体的な処理の内容については別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS38:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS38a:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」~「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」~「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」~「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」~「04H」となったことを表している。なお、先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS39:そして、主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである。
そして、以上の処理を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図688)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
次に図690は、第2特別図柄記憶更新処理(図688中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば4とする)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図688)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図689)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図687中のステップS232)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして、主制御CPU72は、乱数回路75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第2抽選要素取得手段、抽選要素取得手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図689)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図689)と同様である。
ステップS44:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、要素取得手段)。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図689)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第2特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(記憶手段)。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図689)と同様である。
ステップS45a:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。そして、大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS46,S47を実行する。逆に大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS46,S47をスキップしてステップS48に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、同じく大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS46:大当り中以外である場合(ステップS45a:No)、次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS42~S44でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS47:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS46)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS48:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」~「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお、先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS49:そして、主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して特図先判定演出コマンドや作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置124に対して送信する準備が行われる。
そして、以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図688)に復帰する。
〔取得時演出判定処理〕
図691は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理及び第2特別図柄記憶更新処理(図689中のステップS37,図690中のステップS46)においてこの取得時演出判定処理を実行する(事前判定手段)。上述したように、この処理は第1特別図柄(中始動入賞口26への入球時)、第2特別図柄(可変始動入賞装置28への入球時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンド(先判定情報)の下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(図689中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図690中のステップS45)でRAM76に記憶されているものである。
ステップS54:そして、主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段、事前判定手段)。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお、比較値(下限値)は、パチンコ機1における内部抽選の当選確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS80に進む。
ステップS80:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段)。この処理では、主制御CPU72は、はずれ時の変動時間について変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、特に「時間短縮機能」の作動時における変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。例えば、現在の状態が「時間短縮機能」の作動時であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものである場合、主制御CPU72は「時短中非短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。なお、リーチ変動の場合はさらに、リーチモード乱数から「リーチグループ(リーチの種類)」をも判断し、その結果から変動パターン先判定コマンドを生成することとしてもよい。一方、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「時短中短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。あるいは、現在の状態が「時間短縮機能」の非作動時(低確率状態)であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものである場合、主制御CPU72は「通常はずれリーチ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。一方、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「通常はずれ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。なお、この処理において、主制御CPU72は、小当り時の変動パターンについて、上述したはずれ時の処理と同様に変動パターン先判定コマンドを生成していてもよい。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は取得時演出判定処理を終了し、呼び出し元の第1特別図柄記憶更新処理(図689)又は第2特別図柄記憶更新処理(図690)に復帰する。一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS56に進む。
ステップS56:主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされているか否かを確認する。先判定結果による確率状態予定フラグは、未だ変動は開始されていないが、これまで記憶されている大当り決定乱数の中に当選値がある場合にセットされるものである。具体的には、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合、これと組になる大当り図柄乱数が「確変領域通過可能図柄(12ラウンド通常図柄以外のいずれかの確変図柄)」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「A0H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、高確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。一方、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合であって、これと組になる大当り図柄乱数が「非確変(通常)図柄」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「01H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、通常(低)確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。なお、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値が未だ存在しなければ、フラグ値はリセット(00H)されている。また、確率状態予定フラグの値は、例えばRAM76のフラグ領域に格納されている。なお、ここでは「確率状態予定フラグ」を用いて厳密に事前の当り判定を行う例を挙げているが、単純に現在の確率状態に基づいて事前の当り判定を行う場合、このステップS56と以降のステップS58,ステップS60,ステップS62,ステップS76等を省略してもよい。
主制御CPU72は、未だ確率状態予定フラグがセットされていなければ(ステップS56:No)、次にステップS66を実行する。
ステップS66:この場合、主制御CPU72は次に低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。なお、低確率時用比較値もまた、パチンコ機1における低確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
ステップS68:次に主制御CPU72は、「現在の確率状態フラグ」をロードする。この確率状態フラグは、現在の内部状態が高確率(確変中)であるか否かを表すものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。現在の確率状態が高確率(確変中)であれば、状態フラグとして値「01H」がセットされており、低確率(通常中)であれば、状態フラグの値はリセットされている(「00H」)。
ステップS70:そして、主制御CPU72は、ロードした現在の特別図柄確率状態フラグが高確率を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行する。
ステップS64:主制御CPU72は、高確率時用比較値をセットする。これにより、先のステップS66でセットされた低確率時用比較値が書き換えられることになる。なお、高確率時用比較値は、パチンコ機1における高確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが未だセットされていない場合であって、現在の内部状態が高確率の場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72を実行することになる。これに対し、先のステップS70で現在の確率状態フラグが高確率を表すものでないことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72を実行する。
ステップS72:主制御CPU72は、先のステップS52でロードした乱数が当り値の範囲外であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段)。すなわち、主制御CPU72は状態別でセットした比較値から大当り決定乱数値を減算する。そして、主制御CPU72は、同様にフラグレジスタの値から演算結果が負の値(<0)であるか否かを判別し、その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理(ステップS80)を実行する。これに対し、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
ステップS74:主制御CPU72は、大当り図柄種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(図689中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図690中のステップS45)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、ステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果から大当り種別として「確変領域通過困難図柄(12ラウンド通常図柄)」又は「確変領域通過可能図柄」のいずれに該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS76に進む。
ステップS76:そして、主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグの値をセットする。具体的には、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値が「確変領域通過困難図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「01H」をセットする。一方、特別図柄先判定値が「確変領域通過可能図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「A0H」をセットする。これにより、次回以降の処理ではステップS56において「フラグセット済み」と判定されることになる。
ステップS78:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットする。特別図柄先判定値は、例えば「確変領域通過困難図柄」に該当する場合は「01H」がセットされ、「確変領域通過可能図柄」に該当する場合は「A0H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
ステップS79:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り時の変動時間について、上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、例えば大当り時のリーチ変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされる前(内部初当り前)における手順である。これに対し、先のステップS76を経て確率状態予定フラグがセットされた場合、以下の手順が実行される。ただし、現在の確率状態だけで事前の当り判定を行う場合、以下のステップS56,ステップS58,ステップS60,ステップS62、及びステップS76を実行する必要はない。
ステップS56:主制御CPU72は、既に確率状態予定フラグに値がセットされていることを確認すると(Yes)、次にステップS58を実行する。
ステップS58:主制御CPU72は、先ず低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。
ステップS60:次に主制御CPU72は、「確率状態予定フラグ」をロードする。確率状態予定フラグは、直前の先判定結果に基づきそれ以降の先判定において確率状態を予定的に設定するためのものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。直前の先判定結果に基づく確率状態が高確率(確変)に移行する予定であれば、確率状態予定フラグの値として「A0H」がセットされており、逆に直前の先判定結果に基づく確率状態が低確率(通常)に戻る予定であれば、確率状態予定フラグの値として「01H」がセットされている。
ステップS62:そして、主制御CPU72は、ロードした確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率の予定を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行し、高確率時用比較値をセットする。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが既にセットされており、その値が高確率を予定するものである場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72以降を実行することになる。これに対し、先のステップS62で確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでなく、通常(低)確率の予定を表すものであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72以降を実行する。これにより本実施形態では、先判定結果に基づくその後の内部状態の変化(通常確率状態→高確率状態、高確率状態→通常確率状態)を考慮した上で、事前の大当り判定を行うことができる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(図689)又は第2特別図柄記憶更新処理(図690)に復帰する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、タイマ割込処理(図687)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図692は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、大当り時可変入賞装置管理処理(ステップS5000)、小当り時可変入賞装置管理処理(ステップS6000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000~ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番~7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:大当り時可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において大当りの態様で特別図柄が停止表示された場合に選択される。特別図柄が大当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生する。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が大当り時可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。大当り時可変入賞装置管理処理においては、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97が一定時間(例えば29秒間若しくは0.1秒間又は10個の遊技球の入球をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば16回等)にわたって励磁され、これにより第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31が決まったパターンで開閉動作する。この間に第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で16回あれば、これらを「16ラウンド」と総称することがある。
本実施形態では、1ラウンド目から5ラウンド目まで、及び、7ラウンド目から16ラウンド目までは第1可変入賞装置30を開閉動作させ、6ラウンド目では第2可変入賞装置31を開閉動作させている。
また、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また、主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出コマンド送信処理(図684中のステップS142)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ、時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる(高確率時間短縮状態移行手段、有利遊技状態移行手段、特別状態移行手段)。「高確率状態」では確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常よりも例えば10倍程度に高くなる(特定遊技状態移行手段、高確率状態移行手段、高確率状態設定手段)。また、「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、普通図柄の作動抽選が高確率になり、また、普通図柄の変動時間が短縮されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長されて開放回数が増加する(いわゆる電チューサポートが行われる)。なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については、制御上でいずれか一方だけに移行する場合もあれば、これら両方に合わせて移行する場合もある。
ステップS6000:小当り時可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において小当りの態様で特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から小当り遊技状態に移行する契機が発生する。小当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が小当り時可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。小当り遊技においては、第1可変入賞装置30が所定の開放時間(例えば、0.1秒)で所定回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、第1大入賞口への入賞はほとんど発生しない。
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、複数の当選種類として、以下の当選種類が設けられている。
(1)「6ラウンド確変大当り1」
(2)「6ラウンド確変大当り2」
(3)「12ラウンド確変大当り1(実質4ラウンド)」
(4)「12ラウンド確変大当り2(実質9ラウンド)」
(5)「12ラウンド通常大当り(実質9ラウンド)」
(6)「16ラウンド確変大当り」
なお、本実施形態において、6ラウンド、12ラウンド、16ラウンド以外の大当りが設けられていてもよい。
当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「6ラウンド確変大当り1」は「6ラウンド確変図柄1」の大当りに対応し、「6ラウンド確変大当り2」は「6ラウンド確変図柄2」の大当りに対応する。また、「12ラウンド確変大当り1」は「12ラウンド確変図柄1」の大当りに対応し、「12ラウンド確変大当り2」は「12ラウンド確変図柄2」の大当りに対応する。さらに、「12ラウンド通常大当り」は「12ラウンド通常図柄」の大当りに対応し、「16ラウンド確変大当り」は「16ラウンド確変図柄」の大当りに対応する。このため以下では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔可変入賞装置の開放動作パターン〕
図693は、可変入賞装置の開放動作パターンを示す図である。各当選図柄に対応する大入賞口及び確変領域の開放について内容を説明する。
〔6ラウンド確変図柄1〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「6ラウンド確変図柄1」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から5ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。また、6ラウンド目では、第2可変入賞装置31の第2大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。このため、「6ラウンド確変図柄1」の大当り遊技は、実質的に6ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
ここで、「6ラウンド確変図柄1」に該当した場合の6ラウンド目では、第2大入賞口がロング開放するため、遊技球は確変領域を通過する可能性がある。このため、「6ラウンド確変図柄1」に該当した場合であって、6ラウンド目に第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
さらに、「6ラウンド確変図柄1」に該当した場合は、確変領域の通過の有無に関わらず、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔6ラウンド確変図柄2〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「6ラウンド確変図柄2」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から5ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。また、6ラウンド目では、第2可変入賞装置31の第2大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。このため、「6ラウンド確変図柄2」の大当り遊技は、実質的に6ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
ここで、「6ラウンド確変図柄2」に該当した場合の6ラウンド目では、第2大入賞口がロング開放するため、遊技球は確変領域を通過する可能性がある。このため、「6ラウンド確変図柄2」に該当した場合であって、6ラウンド目に第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
さらに、「6ラウンド確変図柄2」に該当した場合は、確変領域の通過の有無に関わらず、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。なお、「6ラウンド確変図柄1」と「6ラウンド確変図柄2」との相違点は付与される時短回数の違いである(詳細は後述する)。
〔12ラウンド確変図柄1〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「12ラウンド確変図柄1」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目及び2ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がショート開放する(例えば0.1秒開放)。このため、「12ラウンド確変図柄1」に該当した場合の1ラウンド目及び2ラウンド目では、実質的な出玉(賞球)を遊技者に付与することなく終了する。また、3ラウンド目から5ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。また、6ラウンド目では、第2可変入賞装置31の第2大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。さらに、7ラウンド目から12ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がショート開放する(例えば0.1秒開放)。このため、「12ラウンド確変図柄1」に該当した場合の7ラウンド目から12ラウンド目では、実質的な出玉(賞球)を遊技者に付与することなく終了する。このため、「12ラウンド確変図柄1」の大当り遊技は、実質的に4ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
ここで、「12ラウンド確変図柄1」に該当した場合の6ラウンド目では、第2大入賞口がロング開放するため、遊技球は確変領域を通過する可能性がある。このため、「12ラウンド確変図柄1」に該当した場合であって、6ラウンド目に第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
さらに、「12ラウンド確変図柄1」に該当した場合は、確変領域の通過の有無に関わらず、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔12ラウンド確変図柄2〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「12ラウンド確変図柄2」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から5ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。また、6ラウンド目では、第2可変入賞装置31の第2大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。さらに、7ラウンド目から9ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。さらに、10ラウンド目から12ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がショート開放する(例えば0.1秒開放)。このため、「12ラウンド確変図柄2」に該当した場合の10ラウンド目から12ラウンド目では、実質的な出玉(賞球)を遊技者に付与することなく終了する。このため、「12ラウンド確変図柄2」の大当り遊技は、実質的に9ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
ここで、「12ラウンド確変図柄2」に該当した場合の6ラウンド目では、第2大入賞口がロング開放するため、遊技球は確変領域を通過する可能性がある。このため、「12ラウンド確変図柄2」に該当した場合であって、6ラウンド目に第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
さらに、「12ラウンド確変図柄2」に該当した場合は、確変領域の通過の有無に関わらず、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔12ラウンド通常図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「12ラウンド通常図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から5ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。また、6ラウンド目では、第2可変入賞装置31の第2大入賞口がショート開放する(例えば0.1秒開放)。さらに、7ラウンド目から10ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。さらに、10ラウンド目及び11ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がショート開放する(例えば0.1秒開放)。このため、「12ラウンド通常図柄」に該当した場合の10ラウンド目及び11ラウンド目では、実質的な出玉(賞球)を遊技者に付与することなく終了する。このため、「12ラウンド通常図柄」の大当り遊技は、実質的に9ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
ここで、「12ラウンド通常図柄」に該当した場合の6ラウンド目では、第2大入賞口がショート開放するため、遊技球が確変領域を通過することは困難(不可能)である。このため、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されることはなく、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与されることもない。
また、「12ラウンド通常図柄」に該当した場合は、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔16ラウンド確変図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「16ラウンド確変図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から5ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。また、6ラウンド目では、第2可変入賞装置31の第2大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。さらに、7ラウンド目から16ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。このため、「16ラウンド確変図柄」の大当り遊技は、実質的に16ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
ここで、「16ラウンド確変図柄」に該当した場合の6ラウンド目では、第2大入賞口がロング開放するため、遊技球は確変領域を通過する可能性がある。このため、「16ラウンド確変図柄」に該当した場合であって、6ラウンド目に第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
さらに、「16ラウンド確変図柄」に該当した場合は、確変領域の通過の有無に関わらず、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
ここで、第1可変入賞装置30の第1大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される。また、第2可変入賞装置31の第2大入賞口も同様に、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される。
いずれにしても、当選図柄が「12ラウンド通常図柄以外のいずれかの確変図柄」に該当し、かつ、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過すると、大当り遊技終了後に内部状態を「高確率時間短縮状態」に移行させる特典が遊技者に付与される。一方、当選図柄が「12ラウンド通常図柄」に該当すると、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過することは困難であるため、大当り遊技終了後に内部状態は「低確率時間短縮状態」に移行する。なお、当選図柄が「12ラウンド通常図柄以外のいずれかの確変図柄」に該当しても、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなければ、大当り遊技終了後に内部状態は「低確率時間短縮状態」に移行する。
また、本テーブルに示す動作パターンにおいては、ラウンド間インターバル時間は共通の「1.5秒」となっている。なお、ラウンド間インターバル時間とは、ラウンドとラウンドとの間に設定される待機時間のことである。
〔小当り〕
また、本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当り遊技が行われて第1可変入賞装置30が開閉動作する(特例遊技実行手段)。すなわち、先の特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、低確率状態又は高確率状態の中で小当り遊技(第1可変入賞装置30が作動する遊技)が実行される。このような小当り遊技では第1可変入賞装置30が所定回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、第1大入賞口への入賞はほとんど発生しない。また、小当り遊技が終了しても、「確率変動機能」が作動することはなく、また、「時間短縮機能」が作動することもないので、「高確率状態」や「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。また、「高確率状態」で小当りに当選しても、その小当り遊技終了後に「高確率状態」が終了することはないし、「時間短縮状態」で小当りに当選しても、その小当り遊技終了後に「時間短縮状態」が終了することもない(上限回数に達した場合を除く。)。なお、本実施形態では、小当りを設定する遊技仕様としているが、小当りを設定しない遊技仕様とすることもできる。
〔特別図柄変動前処理〕
図694は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、演出コマンド送信処理(図684中のステップS142)において演出制御装置124に送信される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお、復帰時は、上述したように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)のうち、第2特別図柄に対応する方を優先的に読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。第2特別図柄に対応する乱数が記憶されていない場合、主制御CPU72は第1特別図柄に対応する乱数を読み出して一時記憶領域に保存する。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。その結果、本実施形態では第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示が優先的に行われることになる。なお、このような特別図柄別の優先順位を設けることなく、単純に記憶された順番で乱数が読み出されるプログラムであってもよい。また、この処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち、乱数のシフトを行った方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、表示出力管理処理(図687中のステップS232)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(図柄抽選実行手段)。このとき設定される大当り値の範囲は、低確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なり、高確率状態では低確率状態よりも大当り値の範囲が約10倍程度に拡大される。また、大当り値の範囲は、現在の設定値によっても異なり、低設定の場合よりも高設定の場合の方が大当り値の範囲が広く設定される。このようにして、現在の設定値に対応した当選確率により特別図柄抽選(所定の抽選)が実行される。そして、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(図柄抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は「高確率状態」や「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。ただし「小当り」は、「大当り」と同様に第1可変入賞装置30を作動させる条件を満たすものとして位置付けられている。なお、このとき設定される小当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なっていてもよいし、同じでもよい。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出コマンド送信処理(図684中のステップS142)において演出制御装置124に送信される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「-」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン選択手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。はずれ時の変動時間は、「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。「時間短縮状態」であれば、基本的にリーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は短縮された時間(例えば、2.0秒程度)に設定される(短縮時変動時間決定手段)。また、「時間短縮状態」でなくとも、リーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個~3個)」に基づいて短縮される場合がある(例えば、変動表示開始時作動記憶数0個→12.5秒程度、変動表示開始時作動記憶数1個→8秒程度、変動表示開始時作動記憶数2個→5秒程度、変動表示開始時作動記憶数3個→2.5秒程度)。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
本実施形態では、内部抽選の結果、非当選に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させてはずれとしたり、「リーチ演出」を発生させずにはずれとしたりする制御を行うこととしている。そして、「はずれ時変動パターン選択テーブル」には、予め複数種類の演出、例えば「非リーチ演出」、「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、非当選に該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出、ストーリーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。
〔はずれ時変動パターン選択テーブルの例〕
図695は、はずれ時変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。
この選択テーブルは、はずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「1」~「8」が割り当てられている。
変動パターン番号「1」~「3」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「4」~「8」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。このうち、変動パターン番号「4」~「6」は、ノーマルリーチ後にはずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「7」は、スーパーリーチ後にはずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「8」は、ストーリーリーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。なお、変動パターン選択テーブルは、変動開始時作動記憶数や内部状態(低確率状態又は高確率状態、非時間短縮状態又は時間短縮状態)、当選図柄に応じて異なるテーブル内容としてもよい(以下、同様)。
ここで、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンでは、設定される変動時間の長さが大きく異なっている。すなわち、「非リーチ変動パターン」は基本的に短い変動時間(例えば作動記憶数に応じて2.0秒~13.0秒程度)に対応するものであるのに対し、「リーチ変動パターン」はその倍以上の長い変動時間(例えば30秒~150秒程度)に対応するものである。
そして、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「2」を選択する。
〔図694:特別図柄変動前処理を参照〕
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、大きく分けて6種類の当選図柄が用意されている。6種類の内訳は、「6ラウンド確変図柄1」、「6ラウンド確変図柄2」、「12ラウンド確変図柄1」、「12ラウンド確変図柄2」、「12ラウンド通常図柄」、「16ラウンド確変図柄」である。なお、各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば「6ラウンド確変図柄1」であれば、「6ラウンド確変図柄1a」、「6ラウンド確変図柄1b」、「6ラウンド確変図柄1c」、・・・といった具合である。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の選択比率が異なっている。このため主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであるか、第2特別図柄に対応するものであるかによって選択する当選図柄を区別している。
〔第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図696は、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、この第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「40」,「10」,「50」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「12ラウンド確変図柄1(実質4ラウンド)」、「12ラウンド確変図柄2(実質9ラウンド)」、「12ラウンド通常図柄(実質9ラウンド)」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する大当り時には、「12ラウンド確変図柄1(実質4ラウンド)」が選択される割合は100分の40(=40%)であり、「12ラウンド確変図柄2(実質9ラウンド)」が選択される割合は100分の10(=10%)であり、「12ラウンド通常大当り(実質9ラウンド)」が選択される割合は100分の50(=50%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。
いずれにしても、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」,「02H」,「03H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「12ラウンド確変図柄1」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔確変回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右から2番目のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される確変回数(ST回数)の値が示されている。
本実施形態では、「12ラウンド確変図柄1」又は「12ラウンド確変図柄2」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、確変回数は170回付与される。
一方、「12ラウンド通常図柄」に該当した場合、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過することは困難となっているため、確変回数は付与されない。なお、「12ラウンド確変図柄1」又は「12ラウンド確変図柄2」に該当したものの、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、確変回数は付与されない。
〔時短回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右カラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数(限度回数)の値が示されている。
本実施形態では、「12ラウンド確変図柄1」又は「12ラウンド確変図柄2」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、時短回数は170回付与される。
一方、「12ラウンド通常図柄」に該当した場合、時短回数は100回付与される。
なお、「12ラウンド確変図柄1」又は「12ラウンド確変図柄2」に該当したものの、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、時短回数は100回付与される。
〔第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図697は、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、この第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「60」,「20」,「20」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、振分値に対応する「16ラウンド確変図柄」、「6ラウンド確変図柄1」、「6ラウンド確変図柄2」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する大当り時においては、「16ラウンド確変図柄」が選択される割合は100分の60(=60%)であり、「6ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の20(=20%)であり、「6ラウンド確変図柄2」が選択される割合は100分の20(=20%)である。
今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、MODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」,「02H」,「03H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「16ラウンド確変図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔確変回数〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右から2番目のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される確変回数(ST回数)の値が示されている。
本実施形態では、「16ラウンド確変図柄」、「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、確変回数は170回付与される。なお、「16ラウンド確変図柄」、「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」に該当したものの、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、確変回数は付与されない。
〔時短回数〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右カラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数(限度回数)の値が示されている。
本実施形態では、「16ラウンド確変図柄」又は「6ラウンド確変図柄1」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、時短回数は170回付与される。
一方、「6ラウンド確変図柄2」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、時短回数は100回付与される。
なお、「16ラウンド確変図柄」、「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」に該当したものの、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、時短回数は100回付与される。
〔図694:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
本実施形態では、内部抽選の結果、大当りに該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させて大当りとする制御を行っている。そして、「大当り時変動パターン選択テーブル」には、複数種類の「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、大当りに該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。
ここで、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。また、時間短縮機能が作動している状態での当選時には、長い変動時間を有する変動パターンを選択せずに、短い変動時間を有する変動パターン(リーチ演出を行わない変動パターン)を選択してもよい。
〔大当り時変動パターン選択テーブルの例〕
図698は、大当り時変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。
この選択テーブルは、大当り時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「61」~「68」が割り当てられている。
変動パターン番号「61」~「68」は、いずれもリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応している。このうち、変動パターン番号「61」~「64」は、ストーリーリーチ後に当りとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「65」,「66」は、スーパーリーチ後に当りとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「67」,「68」は、ノーマルリーチ後に当りとなる変動パターンに対応している。なお、高確率時間短縮状態での当選時には、リーチ演出を実行せずに当りとなる変動パターンを設定してもよい。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「62」を選択する。
〔図694:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)がいずれの当選図柄であっても、遊技状態フラグとして時間短縮機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段、有利遊技状態移行手段、特別状態移行手段)。
また、ステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時特別図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお、本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では、小当り時の当選図柄は「1回開放小当り図柄」の1種類だけである。ただし、これ以外に例えば「2回開放小当り図柄」や「3回開放小当り図柄」等の別の種類が用意されていてもよい。内部抽選の結果としての「小当り」は、その後の状態が「高確率状態」や「時間短縮状態」に変化する契機とはならないため、この種のパチンコ機で必須となる「2ラウンド(2回開放)以上」の規定にとらわれることなく、「1回開放小当り図柄」を設けることができる。
ステップS2408:次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン選択手段)。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。なお、本実施形態では小当りの場合にリーチ変動パターンを選択することもできるし、はずれ通常変動時と同等の変動パターンを選択することもできる。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図692:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして、主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定するとともに、確定コマンドを生成する。ここで、「確定コマンド」とは、特別図柄が停止したことを示すコマンドである。確定コマンドは、メインループ内で実行される演出コマンド送信処理(図684中のステップS142)において演出制御装置124に送信される。
また、特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図694中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また、主制御CPU72は、停止表示時間終了コマンドを生成する。停止表示時間終了コマンドは、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図699は、特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動前処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」より大であった場合(図694中のステップS2100:Yes)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:主制御CPU72は、現在ある作動記憶の中で最も古いものが第1特別図柄に対応するものであるか否かを確認する。すなわち、RAM76の記憶エリアにアクセスし、その中で最も古い作動記憶が第1特別図柄に対応するものでなく、第2特別図柄に対応するものであれば(No)、主制御CPU72は次にステップS2212に進む。
ステップS2212:主制御CPU72は、記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第2特別図柄を指定する。この指定は、例えば対象図柄指定値として「02H」をセットすることで行われる。
ステップS2214:一方、最も古い作動記憶が第1特別図柄に対応するものであった場合(ステップS2210:Yes)、主制御CPU72は記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第1特別図柄を指定する。この場合の指定は、例えば対象図柄指定値として「01H」をセットすることで行われる。
ステップS2216:ステップS2212又はステップS2214のいずれかで指定した対象の特別図柄について、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
ステップS2218:次いで主制御CPU72は、対象の特別図柄について作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、今回の記憶エリアをシフトする対象が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(-1)する。
ステップS2220:そして、主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から「変動開始時作動記憶数」を設定する。なお、ここでは第1特別図柄と第2特別図柄の両方について、作動記憶カウンタの値を加算した上で「変動開始時作動記憶数」を設定してもよい。
ステップS2222:また、主制御CPU72は、今回の記憶エリアをシフトする対象の特別図柄が第2特別図柄であるか否かを確認する。
ステップS2224:対象が第2特別図柄であった場合(ステップS2222:Yes)、主制御CPU72は第2特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」~「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。つまり、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」~「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」~「1」(コマンド表記は「13H」~「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」~「0」(コマンド表記は「12H」~「10H」)となったことを表している。なお、先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS2226:なお、今回の対象が第1特別図柄であった場合(ステップS2222:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。この場合のコマンドは、先行値が第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BBH」)となる以外は上記と同じである。
ステップS2228:そして、主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2224又はステップS2226でセットした作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図694)に復帰する。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に図700は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして、主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図692中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、停止表示時間終了コマンドを生成する。停止表示時間終了コマンドは、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。なお、「停止表示時間終了コマンド」とは、特別図柄の停止表示時間が終了(経過)したことを示すコマンドである。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「大当り時可変入賞装置管理処理」に設定する。なお、主制御CPU72は、本処理にて各種機能を非作動に設定する処理を実行する。具体的には、確率変動機能を非作動とし、時間短縮機能を非作動とする。これにより、特別遊技(大役)が開始される前には、低確率非時間短縮状態に移行されることになる。
ステップS4400:そして、主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、大当り図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、大当り図柄の種類が「16ラウンド確変図柄」である場合、連続作動回数ステータスには「16ラウンド」に対応する値がセットされる。また、大当り図柄の種類が「12ラウンド確変図柄1,2」又は「12ラウンド通常図柄」である場合、連続作動回数ステータスには「12ラウンド」を表す値がセットされる。さらに、大当り図柄の種類が「6ラウンド確変図柄1,2」である場合、連続作動回数ステータスには「6ラウンド」を表す値がセットされる。そして、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4500:そして、主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の大当り時停止図柄決定処理(図694中のステップS2410)で決定された大当り図柄の種類(停止図柄番号)に基づいて生成することができる。例えば、大当り図柄の種類が「16ラウンド確変図柄」である場合、連続作動回数コマンドは「16ラウンド」を表す値として生成される。また、大当り図柄の種類が「12ラウンド確変図柄1,2」又は「12ラウンド通常図柄」である場合、連続作動回数コマンドは「12ラウンド」を表す値として生成される。さらに、大当り図柄の種類が「6ラウンド確変図柄1,2」である場合、連続作動回数コマンドは「6ラウンド」を表す値として生成される。生成された連続作動回数コマンドは、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして、小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして小当り時可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4606:そして、主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り中)」をセットする。また、主制御CPU72は、小当り中を表す状態コマンドを生成する。小当り中を表す状態コマンドは、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「高確率状態」や「時間短縮状態」においてそれぞれのカウンタ値がRAM76の確変カウント領域、時短カウント領域にセットされている。本実施形態では、いわゆる回数切り確変の機能を採用しているため、「高確率時間短縮状態」に移行させる場合、高確率状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば170回)に設定され、時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば170回又は100回)に設定される。また、「低確率時間短縮状態」に移行させる場合、高確率状態に関する回数切りカウンタは設定されず、時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば100回)に設定される。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、回数切りカウンタ値コマンドを生成してから、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。
ステップS4640:そして、主制御CPU72は、その減算結果が0でないか否かを判断する。減算の結果、回数切りカウンタの値が0でなかった場合(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、回数切りカウンタの値が0になった場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。本実施形態では、「6ラウンド確変図柄2以外のいずれかの確変図柄」に該当して「高確率時間短縮状態」に移行させる場合、高確率状態及び時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば170回)に設定されるため、リセットされるのは、確率変動機能作動フラグ及び時間短縮機能作動フラグである。
また、6ラウンド確変図柄2に該当して「高確率時間短縮状態」に移行させる場合、高確率状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば170回)に設定され、時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば100回)に設定される。このため、100変動目が終了した時点でリセットされるのは時間短縮機能作動フラグであり、170変動目が終了した時点でリセットされるのは確率変動機能作動フラグである(有利遊技状態移行手段、特別状態移行手段)。
さらに、「低確率時間短縮状態」に移行される場合、時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば100回)に設定されるため、リセットされるのは、時間短縮機能作動フラグだけである。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態や高確率状態が終了する。以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔表示出力管理処理〕
次に図701は、タイマ割込処理の中で実行される表示出力管理処理(図687中のステップS232)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグの値に応じてそれぞれ確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38eの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において確率変動機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は確率変動状態表示ランプ38dに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお、確率変動状態表示ランプ38dは、特別図柄に関する大当り遊技が開始されるまで、もしくは、特別図柄の変動表示が規定回数行われた後に確率変動機能がOFFにされるまで点灯しつづけ、その後非表示に(消灯)切り替えられる。一方、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38eに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。さらに、主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスに応じて発射位置指定ランプ38fの点灯を制御する。例えば、大当り遊技又は小当り遊技により第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が作動状態となる場合、主制御CPU72は発射位置指定ランプ38fに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。また、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38eに加えて、発射位置指定ランプ38fに対応するLEDに対しても点灯信号を出力する。なお、発射位置指定ランプ38fは、大当り遊技を経て「時間短縮状態」に移行する場合、大当り遊技開始から「時間短縮状態」が終了するまで点灯し、「時間短縮状態」の終了により非点灯(OFF)となる。
また、主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38b,38cの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38b,38cのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数ステータスの値で指定された大当り図柄に対応するいずれかの表示ランプ38a,38b,38cである。例えば、連続作動回数ステータスの値が「16ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「16ラウンド(16R)」を表すランプ38cに対して点灯信号を出力する。また、連続作動回数ステータスの値が「12ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「12ラウンド(12R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。さらに、連続作動回数ステータスの値が「6ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「6ラウンド(6R)」を表すランプ38aに対して点灯信号を出力する。
〔大当り時可変入賞装置管理処理〕
次に、大当り時可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図702は、大当り時可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。大当り時可変入賞装置管理処理は、大当り時遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、大当り時終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:大当り時遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200~ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして大当り時可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大当り時大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大当り時大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大当り時大入賞口開閉動作処理及び大当り時大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図703は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5204:主制御CPU72は、図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は今回の該当する当選図柄に応じて大入賞口の開放パターン(ラウンドごとの開放回数及び各開放の時間)やラウンド間のインターバル時間、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)、確変領域用ソレノイド99の作動パターンを選択する。当選図柄別の大入賞口の開放パターンや確変領域用ソレノイド99の作動パターン、ラウンド間のインターバル時間については、図693に示す大当り中の可変入賞装置の動作パターンで説明した通りである。なお、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)は基本的には10個程度であるが、極端な短時間(0.1秒程度)の開放中に入賞が発生することはほとんどない(不能ではないが極めて困難である)。
ステップS5206:主制御CPU72は、先の大当り時停止図柄決定処理(図694中のステップS2410)で選択した大当り時の当選図柄に基づき、今回の大当り遊技における実行ラウンド数を設定する。具体的には、当選図柄として「16ラウンド確変図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を16回に設定する。また、当選図柄として「12ラウンド確変図柄1,2」又は「12ラウンド通常図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を12回に設定する。さらに、当選図柄として「6ラウンド確変図柄1,2」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を6回に設定する。ここで設定した実行ラウンド数は、プログラム上で対応する値を用いて例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5208:次に主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターン及び確変領域用ソレノイド99の作動パターンに基づき、大当り時開放タイマ及び確変領域タイマ(確変領域の開放時間をカウントするタイマ)を設定する。ここで設定したタイマの値は、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開放時間や確変領域の開放時間となる。なお、大当り時開放タイマ及び確変領域タイマの値として20.0~29.0秒程度の時間が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入球や確変領域の通過が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。一方、大当り時開放タイマ及び確変領域タイマの値として0.1秒が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入球や確変領域の通過が不能ではなくとも、ほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射制御基板セット174による遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5210:そして、主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターン及び確変領域用ソレノイド99の作動パターンに基づき、大当り時インターバルタイマ及び確変領域インターバルタイマ(確変領域を一時的に閉鎖させるための待ち時間をカウントするタイマ)を設定する。ここで設定したタイマの値は、大当り中のラウンド間での待機時間又は確変領域の一時的な閉鎖時間となる。
ステップS5212:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口開閉動作処理に設定し、大当り時可変入賞装置管理処理(図702)に復帰する。
〔大当り時大入賞口開閉動作処理〕
図704は、大当り時大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5301:主制御CPU72は、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認する。具体的には、以下のステップS5314で設定する大入賞口インターバルタイマが既に動作中であるか否かを確認することにより、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認することができる。
その結果、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5314を実行する。一方、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS5302を実行する。
ステップS5302:主制御CPU72は、第1大入賞口又は第2大入賞口を開放させる。具体的には、図693に示す大当り中の可変入賞装置の動作パターンに基づいて、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。
ステップS5303:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図703中のステップS5208)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5303a:主制御CPU72は、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認する。具体的には、以下のステップS5314で設定する確変領域インターバルタイマが既に動作中であるか否かを確認することにより、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認することができる。
その結果、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5314を実行する。一方、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS5304を実行する。
ステップS5304:主制御CPU72は、確変領域開放処理を実行する。具体的には、図693に示す大当り中の可変入賞装置の動作パターンに基づいて、確変領域用ソレノイド99に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、確変領域用羽根部材31dが開放して、第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域へ遊技球を案内することができる状態となる。
ステップS5305:次に主制御CPU72は、確変領域タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図703中のステップS5208)で設定した確変領域タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5306:続いて主制御CPU72は、大入賞口開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS5307aを実行する。
ステップS5307a:続いて主制御CPU72は、確変領域開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の確変領域タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72はステップS5308を実行する。
一方、確変領域タイマの値が0以下になっている場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5307bを実行する。
ステップS5307b:確変領域閉鎖処理を実行する。具体的には、確変領域用ソレノイド99に対して印加している駆動信号の出力を停止する処理を実行する。これにより、確変領域用羽根部材31dが閉鎖して、第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域へ遊技球を案内することができない状態となる。
ステップS5308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31(開放中の第1大入賞口又は第2大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第1カウントスイッチ84又は第2カウントスイッチ85から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS5310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、開放1回(大当り中の1ラウンド)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72はステップS5301~ステップS5310の手順を繰り返し実行する。
ステップS5306で大入賞口開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。
ステップS5312:主制御CPU72は、第1大入賞口又は第2大入賞口を閉鎖させる。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が開放状態から閉鎖状態に移行する。
ステップS5313:主制御CPU72は、確変領域閉鎖処理を実行する。具体的には、確変領域用ソレノイド99に対して印加している駆動信号の出力を停止する処理を実行する。これにより、確変領域用羽根部材31dが閉鎖して、第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域へ遊技球を案内することができない状態となる。
ステップS5314:次に主制御CPU72は、インターバルタイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図703中のステップS5210)で設定した大入賞口インターバルタイマ及び確変領域インターバルタイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5315:主制御CPU72は、大入賞口インターバル時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の大入賞口インターバルタイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ大入賞口インターバルタイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理(図702)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大当り時大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5301からジャンプして直にステップS5314を実行する。一方、カウントダウン処理後の大入賞口インターバルタイマの値が0以下になったことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5318を実行する。
ステップS5318:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5320:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、本実施形態では、このような開放パターンを採用しておらず、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがって、大当り遊技中の各ラウンドでは1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
一方、1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用している場合には、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、ステップS5301~ステップS5320までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5318で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
ステップS5322:主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口閉鎖処理に設定し、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大当り時大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大当り時大入賞口閉鎖処理〕
図705は、大当り時大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大当り時大入賞口閉鎖処理は、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5402:主制御CPU72は、ラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1~15)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の1~15)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大当り時大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、大当り時遊技プロセス選択処理(図702中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大当り時大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大当り時大入賞口開閉動作処理の実行後は大当り時大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大当り時大入賞口閉鎖処理を実行し、ステップS5402~ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数(9回又は16回)に達するまでの間、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を大当り時終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は大当り時終了処理が選択されることになる。
〔大当り時終了処理〕
図706は、大当り時終了処理の手順例を示すフローチャートである。この大当り時終了処理は、大当り時の第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5501:主制御CPU72は、大当り時終了時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時終了時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
ステップS5502:次に主制御CPU72は、大当り時終了時間が経過したか否かを確認する。具体的には、大当り時終了時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は大当り時終了時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して大当り時可変入賞装置管理処理(図702)に復帰する。
この後、時間の経過に伴って大当り時終了時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は大当り時終了時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS5503以降を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また、主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で内部状態としての大役終了を宣言する。なお、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値をリセットする。
ステップS5506:次に主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先のスイッチ入力イベント処理(図688中のステップS28)でセットされるものである。
ステップS5508:確率変動機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5506:Yes)、主制御CPU72は確率変動回数(例えば170回)を設定する。設定した確率変動回数の値は、例えばRAM76の確変カウンタ領域に格納されて回数切りカウンタ値となる。ここで設定した確率変動回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動(内部抽選)を高確率状態で行う上限回数となる。本実施形態では、高確率状態に実質的な上限を設けているため、高確率状態で当選の結果が得られずに低確率状態に復帰する場合もある(いわゆる回数切り確変)。なお、確率変動機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5506:No)、主制御CPU72はステップS5508を実行しない。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図694中のステップS2414)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、時間短縮機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時短回数(例えば100回又は170回)を設定する。ここで、いずれの時短回数を設定するかについては、確率変動機能作動フラグの値に左右される。すなわち、主制御CPU72は確率変動機能作動フラグの値がセットされていれば時短回数として170回を設定し(高確率時間短縮状態移行手段、有利遊技状態移行手段)、確率変動機能作動フラグの値がセットされてなければ時短回数として100回を設定する(低確率時間短縮状態移行手段、有利遊技状態移行手段)。ただし、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグの値がセットされていたとしても、当選図柄が6ラウンド確変図柄2に該当している場合には、時短回数として100回を設定する(有利遊技状態移行手段、特別状態移行手段)。設定した時短回数の値は、RAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時短回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。なお、時間短縮機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512を実行しない。
ステップS5514:そして、主制御CPU72は、各種のフラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、確率変動機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「高確率中」を表す状態指定コマンドを生成し、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS5516:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図692中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔小当り時可変入賞装置管理処理〕
次に、小当り時可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図707は、小当り時可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。小当り時可変入賞装置管理処理は、小当り時遊技プロセス選択処理(ステップS6100)、小当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS6200)、小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)、小当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS6400)、小当り時終了処理(ステップS6500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS6100:小当り時遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS6200~ステップS6500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして小当り時可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS6200)を選択する。一方、既に小当り時大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)を選択し、小当り時大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として小当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS6400)を選択する。また、設定された連続作動回数にわたって小当り時大入賞口開閉動作処理及び小当り時大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時終了処理(ステップS6500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔小当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図708は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、小当り時に第1可変入賞装置30を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS6212:主制御CPU72は、「小当り時開放パターン」を設定する。本実施形態の場合、「小当り時開放パターン」については、例えば1回目と2回目とでそれぞれ「0.1秒開放」の開放パターンが設定される。なお、「小当り」については「ラウンド」という概念がないことから、「開放パターン」についても「1回目の開放」、「2回目の開放」といった表記となる。
ステップS6214:主制御CPU72は、先のステップS6212で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大入賞口の開放回数を例えば2回に設定する。ここで設定した開放回数は、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS6216:次に主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、第1可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお、本実施形態では、小当り時開放タイマの値として0.1秒が設定されており、このような開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞がほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射装置ユニットによる遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS6218:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、小当り時に第1可変入賞装置30を複数回にわたり開閉動作させる際の1回ごとの待機時間となるが、このタイマ値は例えば2秒程度に設定される。
ステップS6220:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を小当り時大入賞口開閉動作処理に設定し、小当り時可変入賞装置管理処理(図707)に復帰する。そして、主制御CPU72は、次に小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)を実行する。
〔小当り時大入賞口開閉動作処理〕
図709は、小当り時大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、小当り時に第1可変入賞装置30の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS6301:主制御CPU72は、インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認する。具体的には、以下のステップS6314で設定するインターバルタイマが既に動作中であるか否かを確認することにより、インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認することができる。
その結果、インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS6314を実行する。一方、インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS6302を実行する。
ステップS6302:主制御CPU72は、第1大入賞口を開放させる。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第1可変入賞装置30が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。
ステップS6304:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図708中のステップS6216)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS6306:続いて主制御CPU72は、開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS6308を実行する。
ステップS6308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第1可変入賞装置30(開放中の第1大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第1カウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS6310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、開放1回(小当り時の開放1回)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は小当り時可変入賞装置管理処理(図707)に復帰する。そして、次に小当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が小当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72はステップS6301~ステップS6310の手順を繰り返し実行する。
ステップS6306で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS6310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS6312を実行する。ここで、小当り時の開放は、開放タイマの値が短時間に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS6310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS6306で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS6312:主制御CPU72は、第1大入賞口を閉鎖させる。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、第1可変入賞装置30が開放状態から閉鎖状態に復帰する。
ステップS6314:次に主制御CPU72は、インターバルタイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図708中のステップS6218)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。
ステップS6315:主制御CPU72は、インターバル時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後のインターバルタイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だインターバルタイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は小当り時可変入賞装置管理処理(図707)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで小当り時大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS6301からジャンプして直にステップS6314を実行する。一方、カウントダウン処理後のインターバルタイマの値が0以下になったことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS6316を実行する。
ステップS6316:主制御CPU72は次のジャンプ先を小当り時大入賞口閉鎖処理に設定し、小当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に小当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に小当り時大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔小当り時大入賞口閉鎖処理〕
図710は、小当り時大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この小当り時大入賞口閉鎖処理は、第1可変入賞装置30の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS6412:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS6414:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の大入賞口開放パターン設定処理(図708中のステップS6214)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS6416を実行する。
ステップS6416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を小当り時大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS6430:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、小当り時可変入賞装置管理処理(図707)に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、小当り時遊技プロセス選択処理(図707中のステップS6100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である小当り時大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、小当り時大入賞口開閉動作処理の実行後に、主制御CPU72は再び小当り時大入賞口閉鎖処理を実行し、実際の開放回数が設定した開放回数(2回)に達するまでの間、第1可変入賞装置30の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS6414:Yes)、主制御CPU72は次にステップS6418を実行する。
ステップS6418,ステップS6420:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を小当り時終了処理に設定する。
ステップS6430:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、小当り時可変入賞装置管理処理(図707)に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は小当り時終了処理が選択されることになる。
〔小当り時終了処理〕
図711は、小当り時終了処理の手順例を示すフローチャートである。この小当り時終了処理は、小当り時の第1可変入賞装置30の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS6502:主制御CPU72は、小当り時終了時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時終了時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
ステップS6504:次に主制御CPU72は、小当り時終了時間が経過したか否かを確認する。具体的には、小当り時終了時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は小当り時終了時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して小当り時可変入賞装置管理処理(図707)に復帰する。
この後、時間の経過に伴って小当り時終了時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は小当り時終了時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS6506以降を実行する。
ステップS6506,ステップS6508:主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また、内部状態フラグから「小当り中」を消去して小当り遊技を終了させる。なお、小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS6510:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を小当り時大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS6512:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図692中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は小当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔ゲームフロー(その1)〕
図712は、通常モードにて「12ラウンド通常図柄」又は「12ラウンド確変図柄1,2」に該当した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
パチンコ機1で遊技を開始する場合、〔F1〕通常モードから遊技が開始される。「通常モード」は、特別図柄の当選確率は「低確率状態」であり、かつ、普通図柄の当選確率は「低確率状態」である。このように、〔F1〕通常モードは、「低確率非時間短縮状態」となるので、中始動入賞口26に遊技球を入球させることにより、第1特別図柄が変動を開始して遊技が進行していく。
〔F1〕通常モードにて、〔F2〕「12ラウンド通常図柄」の大当りに当選すると、〔F3〕12ラウンド大当り遊技(バトルボーナス)が実行され、〔F4〕大役中演出のバトルで敗北して、〔F5〕海岸モードに移行する。
〔F5〕海岸モードは、低確率時間短縮状態である。〔F5〕海岸モードにて、当選の結果が得られずに〔F6〕特別図柄が100回変動すると、〔F1〕通常モードに移行する。
〔F1〕通常モードにて、〔F7〕「12ラウンド確変図柄1,2」の大当りに当選すると、〔F3〕12ラウンド大当り遊技(バトルボーナス)が実行され、〔F8〕大役中演出のバトルで勝利する。
そして、〔F9〕12ラウンド大当り遊技の6ラウンド目で遊技球が確変領域を通過した場合(V入賞した場合)、〔F10〕V入賞が発生したことを示す演出が実行され、〔F11〕花火ラッシュに移行する。
〔F11〕花火ラッシュは、高確率時間短縮状態である。〔F11〕花火ラッシュにて、当選の結果が得られずに〔F12〕特別図柄が170回変動すると、〔F1〕通常モードに移行する。
一方、〔F13〕「12ラウンド確変図柄1,2」に該当したものの、大当り遊技の6ラウンド目で遊技球が確変領域を通過しなかった場合(V入賞しなかった場合)、〔F10〕V入賞が発生しなかったことを示す演出が実行され、〔F5〕海岸モードに移行する。
〔ゲームフロー(その2)〕
図713は、花火ラッシュ又は海岸モードにて「16ラウンド確変図柄」又は「6ラウンド確変図柄1,2」に該当した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F5〕海岸モード又は〔F11〕花火ラッシュにて〔G1〕「16ラウンド確変図柄」の大当りに当選すると、〔G2〕16ラウンド大当り遊技(スペシャルボーナス)が実行される。
そして、〔G3〕16ラウンド大当り遊技の6ラウンド目で遊技球が確変領域を通過した場合(V入賞した場合)、〔G4〕V入賞が発生したことを示す演出が実行され、大当り遊技の終了後に〔F11〕花火ラッシュに移行する。
一方、〔G5〕16ラウンド確変図柄に該当したものの、大当り遊技の6ラウンド目で遊技球が確変領域を通過しなかった場合(V入賞しなかった場合)、〔G6〕V入賞が発生しなかったことを示す演出が実行され、大当り遊技の終了後に〔F5〕海岸モードに移行する。
〔F5〕海岸モード又は〔F11〕花火ラッシュにて〔G10〕「6ラウンド確変図柄1,2」の大当りに当選すると、〔G11〕6ラウンド大当り遊技(ノーマルボーナス演出)が実行される。
そして、〔G12〕6ラウンド大当り遊技の6ラウンド目で遊技球が確変領域を通過した場合(V入賞した場合)、〔G13〕V入賞が発生したことを示す演出が実行され、大当り遊技の終了後に〔F11〕花火ラッシュに移行する。
一方、〔G14〕「6ラウンド確変図柄1,2」に該当したものの、大当り遊技の6ラウンド目で遊技球が確変領域を通過しなかった場合(V入賞しなかった場合)、〔G15〕V入賞が発生しなかったことを示す演出が実行され、その後〔F5〕海岸モードに移行する。なお、特に図示していないが「6ラウンド確変図柄2」に該当し、花火ラッシュに移行して100変動が経過すると、通常モードに移行するが、内部的には高確率非時間短縮状態となっている。
なお、以上のゲームフローに関しては、代表的なゲームフローの一例を示したものであり遊技の流れをすべて網羅しているものではない。
〔演出画像の例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像について、いくつかの例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)を決定し、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。そこでパチンコ機1では、演出図柄を用いた変動表示演出が行われている。
演出図柄には、例えば上演出図柄、中演出図柄、下演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で上段・中段・下段に並べて表示される(図676参照)。演出図柄には、例えば数字の「1」~「9」とともにキャラクターが付された数字図柄と、各数字図柄の間に1つずつ配置されるブランク図柄とが含まれている。ここで、上演出図柄の図柄列においては、数字図柄が右から左へ昇順に配列されているのに対し、中演出図柄及び下演出図柄の各図柄列においては、いずれも数字図柄が右から左へ降順に配列されている。これらの図柄列は、画面上の上段・中段・下段でそれぞれ右から左へと横方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
ところで、本実施形態においては、演出図柄の列が縦方向にスクロールする態様で演出が進行する縦変動モードと、演出図柄の列が横方向にスクロールする態様で演出が進行する横変動モードの2種類の変動モードが設けられている。遊技者は、例えばデモ演出中に、液晶表示器42の画面に示された指示に沿って操作することにより、変動モードを切り替えることが可能である。図676に例示されている演出図柄は、横変動モードが選択されている場合に表示されるものである。以下、縦変動モードが選択されている場合の演出例と、横変動モードが選択されている場合の演出例とを、順を追って説明する。
図714は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(結果表示演出)の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄とするが、第2特別図柄でもよい。)が変動表示を開始してから、停止表示するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔変動表示前〕
図714中(A):例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の画面内には3本の演出図柄の列が大きく表示されている。このとき第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄も停止表示された状態にある。
〔記憶表示演出〕
また、液晶表示器42の画面下部の変動前表示領域X1には、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数を表すマーカ(図中に参照符号M1,M2を付す)が表示されている。これらマーカM1,M2は、それぞれの表示個数が第1特別図柄、第2特別図柄の作動記憶数(第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示数)を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。
また、マーカM1,M2は、視覚的な判別を容易にするため第1特別図柄に対応するマーカM1が例えば円(○)の図形で表示され、第2特別図柄に対応するマーカM2が例えばハートの図形で表示されている。図示の例では、マーカM1が4つとも点灯表示されることで第1特別図柄の作動記憶数が4個であることを表し、マーカM2が全て非表示(破線で示す)となっていることで第2特別図柄の作動記憶数が0個であることを表している(記憶表示演出)。
また、演出図柄の変動表示中、例えば液晶表示器42の画面右上には第4図柄(図中に参照符号Z1,Z2を付す)が表示されている。この第4図柄Z1,Z2は、左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお、第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。第4図柄Z1は、第1特別図柄に対応しており、第4図柄Z2は、第2特別図柄に対応している。
また、第4図柄Z1,Z2については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が「6ラウンド大当り」や「12ラウンド大当り」、「16ラウンド大当り」であれば、それらに対応する態様(例えば青表示色や赤表示色等)で第4図柄Z1,Z2は停止表示される。
〔変動表示演出開始〕
図714中(B):例えば第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される(図柄演出実行手段)。すなわち、第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面内で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールする(流れる)ようにして変動表示演出が開始される。また、マーカM1,M2は、変動開始前は、液晶表示器42の下方部分における帯状部分の変動前表示領域X1に表示されているが、変動開始後は、液晶表示器42の左下部分に表示されている台座画像による変動中表示領域X2に移動して、特別図柄(演出図柄)の変動が停止表示されるまで表示され続ける(記憶画像表示維持演出)。なお、図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。また、変動表示中、個々の演出図柄が透けた状態で表示(透過表示)されることにより、このとき表示画面内には演出図柄の背景となる画像(背景画像)が視認しやすい状態で表示されている。
この場合の背景画像は、例えば浴衣を着こなした女性キャラクターが長椅子に腰掛け、夕涼みでもするかのようにリラックスしている風景を表現したものである。このような背景画像は、演出上での滞在モードが例えば「通常モード」であることを表現している。本実施形態において「通常モード」は、時間短縮機能が非作動であり、また、確率変動機能も非作動である通常状態に対応するものとする。この他にも演出上で各種のモードが設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている(状態表示演出実行手段)。これらモードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものであったり、「高確率状態」に対応するものであったりする。ここでは特に図示していないが、この後、例えば表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
また、演出図柄の変動表示中、液晶表示器42の画面右上では第4図柄Z1が変動表示されており、第4図柄Z1は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
〔左図柄停止〕
図714中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の左側位置に数字の「8」を表す演出図柄が停止したことを表している。なお、ここでは背景画像の図示を省略している(これ以降も同様)。
〔作動記憶数減少時の演出例〕
ここで、先の図714中(B)に示されているように、変動開始に伴って第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動してマーカM1の表示個数が1個分減少されている。例えば、それまでに作動記憶数が4個あったとすると、マーカM1において最も以前(古い)の記憶数表示が1個だけ変動中表示領域X2に移動され、内部抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、第1特別図柄に関して作動記憶数が消費されたということを演出上でも遊技者に教示することができる。
そして、図714中(C)の例においては、記憶順で先頭にあったマーカM1が変動中表示領域X2に移動することにより、変動前表示領域X1での表示が残り3個になったため、画面上に残った3つのマーカM1がそれぞれ1個分ずつ一方向(ここでは左方向)へずれていく演出が行われている。これにより、作動記憶数の変化の前後関係を正確に演出上で表現するとともに、遊技者に対して「作動記憶が消費されて1つ減った」ということや「作動記憶が消費されて特別図柄が変動中である」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
〔右演出図柄停止〕
図714中(D):左演出図柄に続いて、その後に右演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中側位置に数字の「3」を表す演出図柄が停止したことを表している。この時点で既にリーチ状態が発生しないことは確定しているので、今回の変動が非リーチ(通常)変動であるということが見た目上でほとんど明らかとなっている。なお、ここではすべりパターン等によるリーチ変動を除くものとする。「すべりパターン」とは、例えば一旦は数字の「7」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するというものである。あるいは、一旦は数字の「9」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が逆向きに1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するパターンもある。また、その他にも例えば「5」等の全くかけ離れた数字を表す演出図柄が一旦停止した後、画面上にキャラクターが出現して右演出図柄列を再変動させると、数字の「8」を表す演出図柄が停止してリーチに発展するといったパターンもある。
〔停止表示演出〕
図714中(E):第1特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面の中段位置に数字の「1」を表す演出図柄が停止したことを表しており、この場合、演出図柄の組み合わせは「8」-「1」-「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
また、停止表示演出が行われると、変動中表示領域X2に移動して表示を継続していたマーカM1も非表示となる。したがって、遊技者に対して「特別図柄の変動が終了した」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
以上は、1回の変動ごとに演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
また、上述した例は非当選時についてのものであるが、大当り(当選)時には変動表示演出中にリーチ演出が実行された後、停止表示演出において演出図柄が大当りの態様で停止表示される。このとき演出図柄の停止表示態様は、基本的には主制御CPU72によって内部的に選択された当選図柄(第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の停止表示態様)に対応させて選択される。
〔大当り時の演出例〕
次に、大当り(当選)時の演出例を説明する。
図715は、特別図柄の変動表示中に実行されるスーパーリーチ演出の流れを示す連続図である。スーパーリーチ演出は、中程度の変動時間(例えば50~100秒)が選択された変動表示に伴い実行されるリーチ演出である。
なお、ここでは大当り時に実行されるスーパーリーチ演出の流れを説明するが、スーパーリーチ演出は大当り時だけでなくはずれ時においても割合は比較的低いが実行される。また、ここではリーチ演出の他に、変動表示演出や停止表示演出及び予告演出が含まれるものとする。その他にも、変動表示演出中に実行される予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出)の一例を説明する。
以下のリーチ演出は、例えば第1特別図柄表示装置34において大当り時の変動パターンによる変動表示が行われた後、第1特別図柄が大当りの態様(例えば7セグメントLEDの「己」,「ヨ」,「口」,「巳」,「F」,「E」,「L」,「Γ」等)で停止表示されるまでに実行される(リーチ演出実行手段)。なお、図715中、各演出図柄を数字のみに簡略化して示している。また、マーカM1,M2、第4図柄Z1,Z2、変動前表示領域X1及び変動中表示領域X2については図示を省略している(以下の図面でも同様)。以下、演出の流れに沿って説明する。
〔変動表示演出〕
図715中(A):例えば、第1特別図柄の変動開始に略同期して、液晶表示器42の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向(例えば上から下)にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。
〔リーチ発生前予告演出(1段階目)〕
図715中(B):次に、変動表示演出の比較的初期において、キャラクターの絵柄画像(絵札)を用いた1段階目のリーチ発生前予告演出が行われる。このリーチ発生前予告演出は、予め定められた順序にしたがって1段階目から複数段階目(例えば2~5段階目)まで、段階的に態様の変化が進行していく予告演出である。このリーチ発生前予告演出で用いられる絵柄画像は、画面上で変動表示されている演出図柄の手前に位置し、例えば画面の左端からひょっこりと出現するようにして表示される(その他の出現の態様でもよい。)。なお、ここでいう「リーチ発生前予告」とは、いずれかの演出図柄が停止表示される前にリーチの可能性や大当りの可能性を予告するという意味である。このような「リーチ発生前予告演出」を実行することで、遊技者に対して「リーチに発展するかも知れない=大当りの可能性が高まる」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ発生前予告演出(2段階目)〕
図715中(C):リーチ発生前予告演出の1段階目の態様が実行された後、続いてリーチ発生前予告演出の態様の変化が2段階目に進行する。ここでは2段階目のリーチ発生前予告演出として、先とは違うキャラクターの絵柄画像を用いた演出が行われている。具体的には、画面の右端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像の前面に重なって表示される。また、このとき表示される絵柄画像は、先に表示されていた絵柄画像よりもサイズが大きい。そして、絵柄画像で表現されたキャラクターが台詞(例えば「リーチになるよ」等)を発するという、音響出力による演出もあわせて行われる。
このような2つ目の絵柄画像を用いたリーチ発生前予告演出(2段階目)は、先の図715中(B)で行われたリーチ発生前予告演出(1段階目)からさらに一歩進んだ発展型である。このように発展していく「リーチ発生前予告演出」の態様を称して、一般的に「ステップアップ予告」等と表現することがある。ここではリーチ発生前予告演出で2段階目の絵柄画像が出現する例を挙げているが、3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示される演出態様であってもよい。また、例えば3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示されるごとに、そのサイズが拡大されるものとしてもよい。なお、この段階でも演出図柄の変動表示は継続されている。いずれにしても、リーチ発生前予告演出の態様の変化をより多くの段階まで進行させることにより、今回の変動で大当りになる可能性(期待度)が高いことを遊技者に示唆することができる(例えば、5段階目まで進行すると最大の期待度を示唆する等。)。
〔左演出図柄の停止〕
図715中(D):変動表示演出の中期にさしかかり、やがて左演出図柄の変動表示が停止される。なお、この時点で画面の左側位置に数字の「5」を表す演出図柄が停止している。
〔リーチ状態の発生〕
図715中(E):そして左演出図柄に続き、例えば右演出図柄の変動表示が停止される。この時点で、画面の右側位置に数字の「5」を表す演出図柄が停止していることから、「5」-「変動中」-「5」のリーチ状態が発生している。そして画面上には、リーチ状態となる1本のラインを強調する画像が合わせて表示される。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われる。
リーチ状態の発生後、当選時のリーチ演出が実行される(ただし、この時点では未だ当選の結果は表出されていない。)。リーチ演出では、テンパイした数字(ここでは「5」)に対応する演出図柄だけが画面上に表示され、それ以外は表示されなくなる。なお、このとき演出図柄が画面の四隅にそれぞれ縮小された状態で表示される場合もある。
〔リーチ発生後予告演出(1回目)〕
図715中(F):リーチ状態が発生して暫くすると、例えば「ハート」の図形を表す画像が群をなして画面上を斜めに過ぎっていくリーチ発生後予告演出(1回目)が行われる。この場合、突然、画面上に「ハート群」の画像が流れていくように表示されるため、これによって遊技者に対する視覚的な訴求力を高めることができる。このような視覚的に賑やかなリーチ予告発生後予告演出を実行することで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ演出の進行〕
図715中(G):1回目のリーチ発生後予告演出に続いて、例えば数字の「2」~「6」を表す画像が画面上で立体的な列を構成した状態で表示され、列の先頭(手前)から「2」、「3」、「4」・・・という順番に画面から数字の画像が消去されていく演出が行われる。このような演出もまた、数字の「5」が最後まで消去されずに残ると「大当り」であることを遊技者に示唆(暗示)したり、想起させたりする目的で行われる。また、数字の「4」まで消去されて「5」が画面手前に残ると「大当り」であり、そして数字の「5」も消去されてしまうと「はずれ」であることを意味する。なお、はずれの場合、数字の「5」が消去された後の画面上に例えば数字の「6」が表示される。したがって、この間、数字の「2」、「3」、「4」と順番に画像が消去されていくに連れて、遊技者の緊張感や期待感も高まっていくことになる。そして、実際に画面上で数字の「4」まで消去され、数字の「5」が画面上に残った状態で演出が進行すると、「大当り」の可能性が高まるため、そこで遊技者の緊張感も一気に高まる。
〔リーチ発生後予告演出(2回目)〕
図715中(H):リーチ演出が終盤に近付いたところで、突然、画面上にキャラクターの画像が大写しに割って入るようにして表示され、そのキャラクターが何らかの台詞を発するという内容(又は、無言で微笑むという内容でもよい)のリーチ発生後予告演出(2回目)が行われる。この時点で例えばリーチ演出の内容は、「数字の「5」が消去されずに残れば、そのまま「5」-「5」-「5」の大当りの可能性が高まる」という展開である。したがって、このタイミングで大きくキャラクターの画像を出現させることにより、遊技者に対して「大当りになるかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。
上記とは別のリーチ演出として、例えば「数字の「2」~「4」までが消去されてしまい、最後に数字の「5」が消去されずに残れば大当りになる」という展開もある。このようなタイミングでキャラクターの画像を出現させると、遊技者に対して「いよいよ大当りが近いかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔停止表示演出〕
図715中(I):そして、最後の中演出図柄が停止する。この例では、「5」を表す演出図柄を画面の中央に停止表示させることにより、遊技者に対して大当りであるということを伝達することができる。
図715中(J):そして、例えば第1特別図柄の停止表示に略同期して、演出図柄としての停止表示演出が行われる。演出図柄の停止表示演出は、例えば左・中・右演出図柄をそれぞれ初期の大きさに復元した状態で行われる。このような停止表示演出を行うことで、最終的な当選種類が演出上で確定したことを遊技者に対して教示することができる。逆に言えば、演出上で不明確な停止表示演出を行うことにより、いずれの当選図柄で当選したのかということを遊技者に対して非開示としておくことができる。
なお、内部抽選の結果が非当選であれば、今回の変動対象である第1特別図柄がはずれ図柄で停止表示されるため、演出図柄も同様にはずれの態様で停止表示演出が行われる。この場合、画面の中央には「5」以外の数字「4」や「6」を表示することで、残念ながら今回の変動では大当りにならなかったことを知らせる演出が行われる。なお、このような演出は「はずれリーチ演出」として実行されるものである。
〔「12ラウンド通常図柄」等に該当した場合の大役中演出の演出例〕
図716~図719は、「12ラウンド通常図柄」又は「12ラウンド確変図柄2」に該当した場合の大役中演出の演出例を部分的に示す連続図である。
本実施形態では、「12ラウンド通常図柄」に該当している場合、大役中演出にて味方キャラクターが敵キャラクターに敗北する演出が実行され、「12ラウンド確変図柄2」に該当している場合、味方キャラクターが敵キャラクターに勝利する演出が実行される。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
〔1ラウンド目〕
図716中(A):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、例えば画面内に「ROUND1」のラウンド数に対応する文字情報が表示されるとともに、大役中のバトル演出が開始される。図示の例では、画面の左側に敵キャラクターとなる傘のお化けの画像が表示され、画面の右側に味方キャラクターとなる女性キャラクターの画像が表示され、画面の中央に「VS」の文字の画像が表示される。これにより、遊技者に対してこれからバトル演出が開始されるということを教示することができる。
また、画面の右下隅位置には、今回の当選図柄に対応した演出図柄(ここでは「5」の演出図柄)が表示されている。このように、大当り遊技中も引き続き当選図柄(いわゆる「残し目」)を表示しておくことで、遊技者に対して「5の演出図柄で当選した」という情報を引き続き教示することができる。
〔2ラウンド目〕
図716中(B):大当り遊技の2ラウンド目が開始されると、大役中のバトル演出が具体的に進行する。図示の例では、傘のお化けが左側から右側に移動していく演出が行われている。そして、女性キャラクターが傘のお化けに驚いて逃げ出し、画面の右側へ消え去っていく演出が行われる。
〔3ラウンド目〕
図716中(C):大当り遊技の3ラウンド目が開始されると、大役中のバトル演出が具体的に進行する。図示の例では、女性キャラクターがうちわ(武器)を取り出し、そのうちわから炎(オーラ)が出現する演出が行われている。
〔4ラウンド目〕
図716中(D):そして、大当り遊技の4ラウンド目では、傘のお化けが口から長い舌を飛び出させる必殺技を繰り出し、女性キャラクターがその必殺技をうちわで迎え撃つ演出が行われている。この状態で傘のお化けが勝利すれば「12ラウンド通常図柄」で大当りしていたことを意味しており、女性キャラクターが勝利すれば「12ラウンド確変図柄2」で大当りしていたことを意味している。
〔5ラウンド目(12ラウンド通常図柄当選時)〕
図717中(E):「12ラウンド通常図柄」での当選の場合、5ラウンド目では敗北演出が実行される。具体的には、「敗北・・」の文字とともに、傘のお化けが大きく表示され、女性キャラクターが小さく表示される(味方キャラクター敗北演出)。
〔6ラウンド目(12ラウンド通常図柄当選時)〕
図717中(F):「12ラウンド通常図柄」での当選の場合、6ラウンド目では再挑戦促進演出が実行される。具体的には、女性キャラクターが「次は負けない!」といった台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して再度大当りを目指そうという意欲を与えることができる。なお、大当り遊技の7ラウンド目から12ラウンド目においても、6ラウンド目と同様の再挑戦促進演出が実行される。
なお、「12ラウンド通常図柄」で当選した場合の6ラウンド目では、第2可変入賞装置31が開放するが、開放時間は極端に短く設定されているため、遊技球が確変領域を通過することはない。
〔大役終了時〕
図717中(G):「12ラウンド通常図柄」での大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。図示の例では、画面内に「海岸モード突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「低確率時間短縮状態」の海岸モードに移行することを遊技者に教示することができる。
〔5ラウンド目(12ラウンド確変図柄2当選時)〕
図718中(H):一方、「12ラウンド確変図柄2」での当選の場合、5ラウンド目では勝利演出が実行される。具体的には、「勝利!!」の文字とともに、女性キャラクターが大きく表示され、傘のお化けが小さく表示される(味方キャラクター勝利演出)。
〔6ラウンド目(12ラウンド確変図柄2当選時)〕
図718中(I):「12ラウンド確変図柄2」での当選の場合、6ラウンド目では花火ラッシュチャレンジ演出が実行される。このチャレンジ演出に成功すると、「高確率時間短縮状態」である花火ラッシュに突入する。具体的には、仙人のキャラクターが「Vアタッカを狙うのじゃ!」といった台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して第2可変入賞装置31を狙うといった遊技性を伝達することができる。また、「12ラウンド確変図柄2」で当選した場合の6ラウンド目では、第2可変入賞装置31がロング開放するため、いままでのラウンドと同様に出球による利益が得られる。さらに、「12ラウンド確変図柄2」に当選した場合の6ラウンド目では、確変領域用ソレノイド99が確変領域をロング開放するように作動するため、第2可変入賞装置31に遊技球が入球すると、遊技球は確変領域用羽根部材31dに案内されて確変領域を通過する。
図718中(J):そして、遊技者が右打ちを継続することにより、遊技球が第2可変入賞装置31に入球して確変領域を通過すると、パンダのキャラクターがVマークを掲げる祝福演出が実行される。なお、大当り遊技の7ラウンド目から12ラウンド目においても、6ラウンド目と同様の祝福演出が実行される。
〔大役終了時〕
図718中(K):大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。図示の例では、画面内に「花火ラッシュ突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「高確率時間短縮状態」の花火ラッシュに移行することを遊技者に教示することができる。
以上は、「12ラウンド確変図柄2」に該当して、遊技球が無事に確変領域を通過した際の演出例であるが、「12ラウンド確変図柄2」に該当しても遊技球が確変領域を通過しなければ以下のような演出例となる。
〔5ラウンド目(12ラウンド確変図柄2当選時)〕
図719中(L):「12ラウンド確変図柄2」での当選の場合、5ラウンド目では勝利演出が実行される。具体的には、「勝利!!」の文字とともに、女性キャラクターが大きく表示され、傘のお化けが小さく表示される(味方キャラクター勝利演出)。
〔6ラウンド目(12ラウンド確変図柄2当選時)〕
図719中(M):「12ラウンド確変図柄2」での当選の場合、6ラウンド目では花火ラッシュチャレンジ演出が実行される。このチャレンジ演出に成功すると、「高確率時間短縮状態」である花火ラッシュに突入する。具体的には、仙人のキャラクターが「Vアタッカを狙うのじゃ!」といった台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して第2可変入賞装置31を狙うといった遊技性を伝達することができる。また、「12ラウンド確変図柄2」で当選した場合の6ラウンド目では、第2可変入賞装置31がロング開放するため、いままでのラウンドと同様に出球による利益が得られる。さらに、「12ラウンド確変図柄2」に当選した場合の6ラウンド目では確変領域用ソレノイド99が確変領域をロング開放するように作動するため、第2可変入賞装置31に遊技球が入球すると、遊技球は確変領域用羽根部材31dに案内されて確変領域を通過する。
ただし、ここでは何らかの理由(右打ちせず、球詰まり等)により、6ラウンド目が終了するまでに遊技球が第2可変入賞装置31に1つも入球しなかったものとする。この場合、遊技球は確変領域を通過することはない。
図719中(N):この場合は、パンダのキャラクターが「残念」という台詞を発する失敗演出が実行される。なお、大当り遊技の7ラウンド目から12ラウンド目においても、失敗演出が継続される。
〔大役終了時〕
図719中(O):「12ラウンド確変図柄2」での大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。図示の例では、画面内に「海岸モード突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「低確率時間短縮状態」の海岸モードに移行することを遊技者に教示することができる。
ここで、「12ラウンド確変図柄1」に該当した場合の演出例は特に図示していないが、「12ラウンド確変図柄2」に該当した場合と同様にバトル演出を実行して勝利演出を実行してもよく、バトル演出以外の演出を実行してもよい。「12ラウンド確変図柄2」に該当した場合も6ラウンド目で第2可変入賞装置31がロング開放するため、遊技球が確変領域を通過すると、花火ラッシュに突入する。なお、「12ラウンド確変図柄2」では実質的に4ラウンド分の出球を得ることができる。
〔花火ラッシュの演出例〕
図720は、花火ラッシュの演出例を示す連続図である。この花火ラッシュは、「12ラウンド通常図柄以外のいずれかの確変図柄」に当選し、かつ、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合の大当り遊技後に移行されるモードである。花火ラッシュは、高確率時間短縮状態である。ここでは一例として、花火ラッシュにおける縦変動モードによる演出例を取り上げる。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
図720中(A):例えば、大当り遊技終了後から1回目の変動表示が行われることで、「花火ラッシュ」の状態で演出図柄の変動表示が行われている。花火ラッシュの背景画像は、遊技者に対して花火のモチーフを深く印象付けるために、「夜空に花火が打ち上げられる情景」とともに「女性キャラクターが花火を観賞している様子」が表現された背景画像となっている。また、液晶表示器42の画面右上部では第4図柄Z2が変動表示されている。
図720中(B):そして、大当り遊技終了後から1回目の変動(非当選時)が終了したことにより、すべての演出図柄が停止表示されている(「3」-「1」-「7」)。また、第4図柄Z2は、非当選の態様(例えば白色表示色)で停止表示されている。
図720中(C):次回の変動が開始されると、大当り遊技終了後から2回目の変動表示が行われる。なお、花火ラッシュ(高確率時間短縮状態)では、可変始動入賞装置28の作動が高頻度で行われるため、遊技者が右打ちを継続する限り、第2特別図柄の変動表示に伴う演出図柄の変動表示が行われることが多い。また、花火ラッシュにて当選の結果が得られた場合は、リーチ演出が実行されて大当りとなる。
花火ラッシュにおいては、通常モードと同様に、変動前表示領域X1や変動中表示領域X2を表示して、マーカM1やマーカM2を表示してもよい。この点は、以下の海岸モードにおいても同様である。
〔大役中演出(ノーマルボーナス演出)〕
図721は、「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」に該当した場合の大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である。
〔1ラウンド〕
図721中(A):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、「大当り中」という遊技の進行状況に対応した内容の大役中演出が実行される。大役中演出では、例えば画面内に「ROUND1」のラウンド数に対応する文字情報が表示される。また、画面の右下隅位置には、今回の当選図柄に対応した演出図柄(ここでは2の演出図柄)が表示されている。このように、大当り遊技中も引き続き当選図柄(いわゆる「残し目」)を表示しておくことで、遊技者に対して「2の演出図柄で当選した」という情報を引き続き教示することができる。また、表示画面の下側の領域には、「ノーマルボーナス」の文字が表示され、画面の周囲には団扇や太鼓等といった祭りに関する画像が表示される。
〔6ラウンド〕
図721中(B):「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」での当選の場合、6ラウンド目において花火ラッシュチャレンジ演出が実行される。このチャレンジ演出に成功すると、高確率時間短縮状態である花火ラッシュに突入する。具体的には、女性のキャラクターが「Vアタッカを狙ってね」といった台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して第2可変入賞装置31を狙うといった遊技性を伝達することができる。また、「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」で当選した場合の6ラウンド目では、第2可変入賞装置31がロング開放するため、いままでのラウンドと同様に出球による利益が得られる。さらに、「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」に当選した場合の6ラウンド目では確変領域用ソレノイド99が確変領域をロング開放するように作動するため、第2可変入賞装置31に遊技球が入球すると、遊技球は確変領域用羽根部材31dに案内されて確変領域を通過する。
図721中(C):そして、遊技者が右打ちを継続することにより、遊技球が第2可変入賞装置31に入球して確変領域を通過すると、表示画面の右上にVマークが表示される祝福演出が実行される。
〔大役終了時〕
図721中(D):大当り遊技が終了するタイミングにおいて、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。図示の例では、画面内に「花火ラッシュ突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「高確率時間短縮状態」の花火ラッシュに移行することを遊技者に教示することができる。
〔大役中演出(スペシャルボーナス演出)〕
図722は、「16ラウンド確変図柄」に該当した場合の大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である。
〔1ラウンド〕
図722中(A):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、「大当り中」という遊技の進行状況に対応した内容の大役中演出が実行される。大役中演出では、例えば画面内に「ROUND1」のラウンド数に対応する文字情報が表示される。また、画面の右下隅位置には、今回の当選図柄に対応した演出図柄(ここでは7の演出図柄)が表示されている。このように、大当り遊技中も引き続き当選図柄(いわゆる「残し目」)を表示しておくことで、遊技者に対して「7の演出図柄で当選した」という情報を引き続き教示することができる。また、表示画面の下側の領域には、「スペシャルボーナス」の文字が表示され、画面の周囲には馬にまたがりピースサインを行う女性キャラクターの画像が表示される。
〔6ラウンド〕
図722中(B):「16ラウンド確変図柄」での当選の場合、6ラウンド目では花火ラッシュチャレンジ演出が実行される。このチャレンジ演出に成功すると、高確率時間短縮状態である花火ラッシュに突入する。具体的には、仙人のキャラクターが「Vアタッカを狙うのじゃ!」といった台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して第2可変入賞装置31を狙うといった遊技性を伝達することができる。また、「16ラウンド確変図柄」で当選した場合の6ラウンド目では、第2可変入賞装置31がロング開放するため、いままでのラウンドと同様に出球による利益が得られる。さらに、16ラウンド確変図柄に当選した場合の6ラウンド目では確変領域用ソレノイド99が確変領域をロング開放するように作動するため、第2可変入賞装置31に遊技球が入球すると、遊技球は確変領域用羽根部材31dに案内されて確変領域を通過する。
図722中(C):そして、遊技者が右打ちを継続することにより、遊技球が第2可変入賞装置31に入球して確変領域を通過すると、飛び上がった女性キャラクターの横にVマークが表示される祝福演出が実行される。
〔16ラウンド〕
図722中(D):この後、大当り遊技が順調に進行し、最終の16ラウンドに移行すると、画面内には「ROUND16」のラウンド数に対応する文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像が表示されている。また、画面の右下隅位置には、「残し目」としての演出図柄(7の演出図柄)が引き続き表示されている。
〔大役終了時〕
図722中(E):大当り遊技が終了するタイミングにおいて、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。図示の例では、画面内に「花火ラッシュ突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「高確率時間短縮状態」の花火ラッシュに移行することを遊技者に教示することができる。
〔海岸モードの演出例〕
図723は、海岸モードの演出例を示す連続図である。この海岸モードは、「12ラウンド通常図柄」に該当した場合の大当り遊技の終了後や、いずれかの確変図柄に該当したものの大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合の大当り遊技の終了後に移行されるモードである。海岸モードは、「低確率時間短縮状態」である。ここでは一例として、海岸モードにおける縦変動モードによる演出例を取り上げる。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
図723中(A):例えば、「12ラウンド通常図柄」での大当り遊技の終了後、1回目の変動表示が行われることで、「海岸モード」の状態で演出図柄の変動表示が行われている。海岸モードの背景画像は、海岸モードのコンセプトである癒しの印象を表現するために、「砂浜」や「海」、「山」等の画像をモチーフとした背景画像となっている。また、液晶表示器42の画面右上では第4図柄Z2が変動表示されている。
図723中(B):そして、今回の変動(非当選時)が終了したことにより、すべての演出図柄が停止表示されている(「1」-「1」-「5」)。また、第4図柄Z2は、非当選の態様(例えば白色表示色)で停止表示されている。
図723中(C):そして、次回の変動が開始される。この海岸モードは、当選の結果が得られずに特別図柄が100回変動すると終了となる。海岸モードが終了すると低確率非時間短縮状態の通常モードに移行する。なお、海岸モードにて当選の結果が得られた場合は、リーチ演出が実行されて大当りとなる。
次に、演出制御装置124の演出制御CPU126により実行される制御上の処理について説明する。
〔演出制御装置におけるCPU初期化処理〕
図724は、演出制御装置124におけるCPU初期化処理の手順例を示すフローチャートである。
演出制御装置124におけるCPU初期化処理は、演出制御装置124内の各種情報のクリア等を行ってパチンコ機1の初期状態を整える処理であり、演出制御装置124の起動時(より具体的には、パチンコ機1への電源投入時や、何らかの要因により演出制御装置124が再起動された場合等)に演出制御CPU126により実行される。CPU初期化処理の実行により、パチンコ機1における安定した演出の実現が保証される。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS300:演出制御CPU126は、CPUのリセットを解除する。演出制御CPU126は、演出制御装置124における正常な動作を保証するために、演出制御装置124への電源投入後にCPUにリセットをかけ、出力電圧が動作保証レベルまで正常に立ち上がり周辺回路が安定するまでの間、リセット状態を継続させる。こうすることにより、演出制御装置124が安定していない状態でプログラムが作動するのを回避することができる。CPUのリセットが解除されると、これを契機として演出制御装置124における制御プログラムの実行が開始される。
ステップS310:演出制御CPU126は、起動処理を実行する。起動処理においては、演出制御の実体に相当する各種の割込処理が開始される前に必要となる初期設定として、ハードウェアに関する初期設定やシステムの動作設定等が行われる。具体的には、例えば、演出制御CPU126の各レジスタやI/Oポート、演出制御CPU126に接続される各デバイスへのアクセスに関する設定等が行われる。
ステップS320:演出制御CPU126は、RAM初期化処理を実行する。RAM初期化処理においては、RAM130(メインメモリ)の初期化、制御プログラムの実行過程で利用される各種クラスの初期化、DRAM191の初期化、コマンドバッファのクリア等が行われる。
ステップS330:演出制御CPU126は、タスク実行前処理を実行する。ここで「タスク」とは、割込の発生に起因して実行される個々の処理のことをいう。タスク実行前処理では、タスクを実行するための事前準備が行われる。例えば、演出制御装置124にはパチンコ機1の裏側から視認可能な複数のLEDランプ(以下、「ステータスLED」と称する。)が設けられており、これらのLEDランプを用いて演出制御装置124の内部状態が複数の点灯パターンにより報知されるが、このステータスLEDの初期状態の設定はタスク実行前処理の中で行われる。その他にも、主制御装置70から送信される演出コマンドを受信する上で必要となるコマンド入出力ポートに対する周波数の設定や、RTC184のセットアップ、割込の許可等が行われる。タスク実行前処理が終了すると、ステータスLEDが初期化処理の完了を示す態様で点灯し、各種演出コマンドの受信が可能となるとともに、各種の割込が発生して演出制御に関するタスク(以下、「演出制御タスク」と称する。)が起床されうる状態に移行する。
なお、演出制御装置124では、予め設定された時間間隔で発生するタイマ割込や、演出制御装置124上で所定のイベントが発生したことに起因して発生するイベント割込等、種類の異なる多様な割込が発生し得る。以降の説明においては、一定の間隔で定期的に発生する割込(例えば、タイマ割込や一定の周期で発生するイベント割込等)のことを「定期割込」と称する。個々の割込には優先順位が予め設定されており、割込が発生すると、演出制御CPU126はこれを優先順位に従って制御しつつ対応する割込処理を実行することとなる。
ステップS340:演出制御CPU126は、演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理においては、遊技の進行に伴い実行される制御のうち、各種タスクでは実行されないその他の処理が行なわれる。なお、演出制御メイン処理の内容については、次の図面を用いてさらに後述する。
図724に示されるように、演出制御メイン処理は無限ループの中に組み込まれており、演出制御CPU126は、演出制御メイン処理を1回実行し終えると所定の実行間隔を置いてから次の演出制御メイン処理の実行を再び開始する。したがって、パチンコ機1への電力供給が維持されており、かつ演出制御装置124が再起動されない限り、演出制御CPU126は演出制御メイン処理を繰り返し実行し続ける。また、上記の無限ループ中には、様々な要因を契機として各種の割込が発生し、演出制御CPU126は発生した個々の割込に応じた処理を実行する。これらの処理において、液晶表示器42への画像表示制御、スピーカ54~58への音声出力制御、ランプ45~53や可動体モータ57の駆動制御等が行われて、演出制御装置124に接続された各デバイスが制御されることにより、演出内容が構築され演出が具現化される。
このように、図724に示される無限ループは演出制御装置124におけるメインループに相当し、演出制御メイン処理は文字通り、演出制御装置124において実行されるメイン処理として位置づけられる。そこで、以下の説明においては、図724に示される無限ループを「演出制御のメインループ」と称することとする。
ところで、本実施形態においては、上述したようにCGROM190にNAND型のSATA規格による64GビットのROMが採用されているが、NAND型ROMにおいては、電力供給の開始に伴いリフレッシュが実行される。リフレッシュは、NAND型ROMからのデータの読み出しを安定的に実行可能とするための動作であり、上記のRAM初期化処理とは同時並行で、演出制御CPU126からは独立して実行されることとなる。
そこで、演出制御CPU126は、RAM初期化処理の開始からの経過時間を経過時間タイマで管理し、RAM初期化処理が開始されてからCGROM190のリフレッシュに要すると見込まれる時間が経過するまで(経過時間タイマが切れるまで)の間は、CGROM190へのアクセスを発生させないように各種の制御を行う。なお、CGROM190のリフレッシュの所要時間は、2.8秒(64Gビットの場合)と想定されているが、本実施形態においては、仕様変更の可能性等も踏まえ、余裕をもたせて4.6秒を確保している。
〔演出制御メイン処理〕
図725は、演出制御メイン処理の手順例を示すフローチャートである。
演出制御メイン処理は、演出制御のメインループ中に組み込まれた処理であり、演出制御CPU126により一定の間隔で呼び出されて実行される。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS350:演出制御CPU126は、SATA準備中フラグが「True」であるか否かを確認する。ここで、「SATA準備中フラグ」とは、CGROM190のリフレッシュ及びその完了後に実行されるCGROM190からDRAM191への全ての音声素材(サウンドデータ)の転送が完了したか否か、言い換えると、CGROM190へのアクセスが許可されているか否かを示すフラグのことであり、例えばRAM130のフラグ領域に記憶されている。
SATA準備中フラグの「True」は、リフレッシュ及び転送が完了していること、すなわちCGROM190へのアクセスが許可されていることを示すものである。なお、電源投入時には、SATA準備中フラグには初期値として、リフレッシュ及び転送が完了していないこと、すなわちCGROM190へのアクセスが禁止されていることを示す値「False」がセットされている。
確認の結果、SATA準備中フラグが「False」である場合には(ステップS350:No)、演出制御CPU126は、ステップS360を実行する。一方、SATA準備中フラグが「True」である場合には(ステップS350:Yes)、演出制御CPU126は、ステップS360を実行することなくステップS370に進む。
ステップS360:演出制御CPU126は、サウンド関連処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、各種スピーカから音声出力を行う上で必要となる事前準備を行う。なお、サウンド関連処理の具体的な内容については、次のフローチャートを用いて後述する。
ステップS370:演出制御CPU126は、電圧制御監視処理を実行する。電圧制御監視処理においては、演出制御CPU126は、外部ドライバに供給している5V信号の遮断を一定時間で解除するための監視処理を行う。ランプや可動体等に対し同時に電圧が印可されると、突入電流によりランプや可動体等が過剰に発熱して誤作動や故障につながる虞がある。そこで、電圧を印加するタイミング(信号の解除タイミング)をずらして突入電流を分散させ、ランプや可動体等を発熱から保護している。
ステップS380:演出制御CPU126は、ウォッチドッグクリア処理を実行する。演出制御装置124には、演出制御CPU126に接続されたウォッチドッグタイマIC188及び演出制御CPU126の内蔵機能を利用したウォッチドッグタイマが装備されているのに加え、制御プログラムによりウォッチドッグタイマが実装されている。つまり、演出制御装置124では、3種類のウォッチドッグタイマが作動しており、各ウォッチドッグタイマが異なる監視時間により、定期割込が正常に発生しているか(定期割込の発生を契機として実行される定期割込処理が正常に実行されているか)否かを監視している。ウォッチドッグクリア処理においては、演出制御CPU126は、定期割込処理が正常に実行された場合に全てのウォッチドッグタイマのクリア等を実行する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、演出制御のメインループ(図724)に復帰して、再び演出制御メイン処理を実行する。なお、演出制御メイン処理は、演出制御装置124が正常な状態においては、ほぼ一定の間隔で実行される。例えば、正常時には演出制御メイン処理は、別途実行される割込処理から復帰している間にフレーム割込を契機として33.3ms毎(16.6ms間隔で発生するフレーム割込が2回発生する毎)に呼び出され、その間に各ステップの処理が一巡する。したがって、演出制御メイン処理の各ステップが遅滞なく一巡した場合には、演出制御CPU126は、次回の演出制御メイン処理を呼び出すまでの残り時間に待機処理を行い、その間はスタート処理を待機(スリープ)状態に遷移させる。残り時間の消化に伴い、演出制御CPU126は待機処理を終了してメインループに復帰し、次回の演出制御メイン処理を呼び出すこととなる。
〔サウンド関連処理〕
図726は、サウンド関連処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS362:演出制御CPU126は、CGROM190のリフレッシュ時間が経過したか否かを確認する。演出制御CPU126は、上記の経過時間タイマが切れていればリフレッシュ時間が経過しており、経過時間タイマに残り時間があれば未だリフレッシュ時間が経過していない、と判断することができる。確認の結果、CGROM190のリフレッシュ時間が経過した場合には(ステップS362:Yes)、演出制御CPU126は、ステップS364を実行する。一方、リフレッシュ時間が未だ経過していない場合には(ステップS362:No)、演出制御CPU126は、呼び出し元の処理に復帰する。
ステップS364:演出制御CPU126は、サウンドデータ転送処理を実行するとともに、これと同時並行でアンプ初期化処理を実行する。サウンドデータ転送処理においては、演出制御CPU126は、CGROM190に格納されている全ての音声素材をDRAM191に転送する(転送手段)。また、アンプ初期化処理においては、演出制御CPU126は、アンプIC193の初期化を行う。
ステップS366:演出制御CPU126は、SATA準備中フラグを「True」に更新する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、呼び出し元の演出制御メイン処理(図725)に復帰する。
〔演出制御装置における定期割込処理〕
図727は、演出制御装置124において実行される各種の定期割込処理(Vsync割込処理、フレーム割込処理、フェーズ割込処理)の手順例を示すフローチャートである。
演出制御装置124においては、演出制御のメインループ中に、所定の割込周期(例えば520μs~33.3ms周期)で発生する各種の定期割込に応じた定期割込処理が一定間隔毎に実行される。以下、定期割込処理毎に手順例に沿って説明する。
図727中(A):Vsync割込処理の手順例を示すフローチャートである。Vsync割込は、液晶表示器42の画面に表示される演出画像を切り替えるタイミングでVDP152から定期的に出力される画像信号(Vsync信号)の入力に基づく割込であり、本実施形態においては、1秒間に30回(30fps)、すなわち33.3ms間隔で1回ずつ発生する。演出制御CPU126は、Vsync割込の発生を契機としてVsync割込処理を実行する。Vsync割込処理により、液晶表示器42に表示される演出画像は一定の間隔で切り替えられる。
ステップS1300:演出制御CPU126は、Vsync割込監視フラグをセットし、フラグ値を「1」にする。Vsync割込監視フラグは、Vsync割込が正常に発生しているか否かを確認するために用いるフラグであり、RAM130に記憶される。
ステップS1302:演出制御CPU126は、Vsync割込制御処理を実行する。Vsync割込制御処理においては、VDP152に演出画像を描画させ液晶表示器42の画面に表示させる上で必要となる様々な処理が実行される。なお、Vsync割込制御処理の具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながら詳しく後述する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出制御のメインループ(図724)に復帰する。
図727中(B):フレーム割込処理の手順例を示すフローチャートである。フレーム割込は、1秒間に60回(60fps)、すなわち16.6ms間隔で1回ずつ発生する割込である。演出制御CPU126は、フレーム割込の発生を契機としてフレーム割込処理を実行する。
ステップS1310:演出制御CPU126は、フレーム割込監視フラグをセットし、フラグ値を「1」にする。フレーム割込監視フラグは、フレーム割込が正常に発生しているか否かを確認するために用いるフラグであり、RAM130に記憶される。
ステップS1312:演出制御CPU126は、フレーム割込制御処理を実行する。フレーム割込制御処理においては、フレーム割込処理に起因して実行される様々なタスクの制御が行なわれる。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出制御のメインループ(図724)に復帰する。
図727中(C):フェーズ割込処理の手順例を示すフローチャートである。フェーズ割込は、演出制御装置124の内部デバイスを制御するための割込であり、1秒間に1920回(1920fps)、すなわち520μs間隔で1回ずつ発生する。演出制御CPU126は、フェーズ割込の発生を契機としてフェーズ割込処理を実行する。
ステップS1320:演出制御CPU126は、フェーズ割込監視フラグをセットし、フラグ値を「1」にする。フェーズ割込監視フラグは、フェーズ割込が正常に発生しているか否かを確認するために用いるフラグであり、RAM130に記憶される。
ステップS1322:演出制御CPU126は、フェーズ割込制御処理を実行する。フェーズ割込制御処理においては、フェーズ割込に起因して実行される様々なタスクの制御が行われる。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出制御のメインループ(図724)に復帰する。
このように、いずれのタイマ割込処理においても、先ず、各割込処理用の監視フラグをセットがされ、その上で、割込に起因して実行される各種タスクの制御が行われる。
続いて、演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。
〔演出制御処理〕
演出制御装置124は、図681を参照しながら述べたように、演出制御プロセッサ(全体制御部)としての機能と演出再生プロセッサ(個別制御部)としての機能を有しており、これらの機能が連携することにより、各デバイスの動作(液晶画面の表示、スピーカからの音声出力、ランプによる発光、可動体の動作等)を制御して、パチンコ機1での演出再生を実現させる。
演出制御プロセッサとしての演出制御CPU126は、主制御装置70から送信される演出コマンドを受信し、この内容に応じて演出の再生を指示する各種のメッセージや制御テーブルを設定する。また、演出再生プロセッサとしての演出制御CPU126は、演出制御プロセッサにより設定されたメッセージや制御テーブルを解析し、その内容に基づき各デバイスに向けてより具体的な指示を行うことにより各デバイスの動作(液晶表示器42による画面表示、スピーカ54,55,56,58による音声出力、各種ランプ45~52及び盤面ランプ53等による発光、各種可動体の変位等)を制御して、パチンコ機1での演出再生を実現させる。これらの機能の実体は、演出制御CPU126の異なるリソースを割り当てて起床された個々のタスクである。
そこで、説明の便宜のため、これ以降の説明においては、演出制御CPU126が演出制御プロセッサとして機能する際に動作主体となるタスクを「演出制御部210」と称し、演出制御CPU126が演出再生プロセッサとして機能する際に動作主体となるタスクについては、制御対象とするデバイスに応じて適宜「表示制御部220」、「音声制御部222」、「ランプ制御部224」、「可動体制御部226」又は「入力制御部228」と称することとする。なお、演出再生プロセッサ(個別制御部)として機能するこれらのタスク(制御部220,222,224,226,228)を総括して「各個別制御部」と称する場合がある。また、各種ランプ45~52、盤面ランプ53や操作ユニット60の各部位に内蔵された光源等を総括して「各種ランプ」と称し、スピーカ54,55,56,58を総括して「各種スピーカ」と称する場合がある。
図728は、演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。
演出制御処理は、フレーム割込制御処理(図727中のステップS1312)の過程で呼び出されて、フレーム割込の発生を契機としてフレーム割込制御処理が16.6ms毎に実行されるうちの1回おきに、すなわち33.3ms毎に(1秒間に30回)実行される(演出制御手段)。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS390:演出制御部210は、SATA準備中フラグが「True」であるか否かを確認する。確認の結果、SATA準備中フラグが「True」である場合、すなわちCGROM190のリフレッシュ及び転送が完了している場合には(ステップS390:Yes)、演出制御部210は、ステップS392を実行する。一方、SATA準備中フラグが「False」である場合、すなわちCGROM190のリフレッシュ及び転送が未だ完了していない場合には(ステップS390:No)、演出制御部210は、ステップS394を実行する。
ステップS392:演出制御部210は、通常時演出制御処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、主制御装置70から送信された演出コマンドに基づいて演出の実行を制御する。なお、通常時演出制御処理の具体的な内容については、別のフローチャートを参照しながら詳しく後述する。
ステップS394:演出制御部210は、電源投入時演出制御処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、CGROM190のリフレッシュ及び転送が完了するまでの(CGROM190へのアクセスが禁止されている)区間における各演出デバイスの動作を制御する。なお、電源投入時演出制御処理の具体的な内容については、次のフローチャートを用いてさらに後述する。
〔電源投入時演出制御処理〕
図729は、電源投入時演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS395:演出制御部210は、今回の電源投入時演出制御処理の実行が電源投入後における最初の実行であるか否かを確認する。確認の結果、最初の実行である場合には(ステップS395:Yes)、演出制御部210は、ステップS396を実行する。一方、最初の実行でない場合には(ステップS395:No)、演出制御部210は、ステップS397を実行する。
ステップS396:演出制御部210は、SATA準備中デバイス制御処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、SATA準備中フラグが「True」になるまで、すなわちCGROM190のリフレッシュ及び転送が完了するまでの区間(SATA準備中の区間)における演出動作を指示するメールを各個別制御部に対して送信する。これを受けて、各個別制御部は、受信したメールの内容に基づいて各演出デバイスの動作を制御する。
例えば、表示制御部220は、SATA準備中の区間に対応した画像を表示するようVDP152に対し指示する。また、ランプ制御部224は、枠ランプ交互点滅用のデータの再生を開始する。これにより、液晶表示器42の画面に「画面表示復帰中」との文字が表された画像が表示され、全ての枠ランプ(ガラス枠トップランプ46、ガラス枠装飾ランプ48,50,52)が1秒おきに交互点滅することとなる。但し、SATA準備中は音声素材を利用することができないため、音声制御部222はスピーカの制御を行わない。そのため、各種スピーカからは音声が出力されず無音の状態のままとなる。
ステップS397:演出制御部210は、生産検査開始コマンドを受信したか否かを確認する。ここで、「生産検査開始コマンド」とは、検査時にのみ送信されうる演出コマンドであり、パチンコ機1において検査が開始されるタイミングで主制御装置70から送信される。演出制御部210は、RAM130のコマンドバッファ領域に生産検査開始コマンドが保存されていれば、生産検査開始コマンドを受信したと判断することができる。
確認の結果、生産検査開始コマンドを受信した場合には(ステップS397:Yes)、演出制御部210は、ステップS398を実行する。一方、生産検査開始コマンドを受信していない場合には(ステップS397:No)、演出制御部210は、呼び出し元の処理に復帰する。
ステップS398:演出制御部210は、検査時ランプ制御処理を実行する。この処理では、演出制御部210が、ランプ制御部224に対してSATA準備中の演出動作を停止するよう指示し、これを受けてランプ制御部224が、枠ランプ交互点滅用のデータの再生を終了させる。これにより、全ての枠ランプが消灯する。SATA準備中に各種ランプを消灯させることにより、SATA準備完了まで待機することなく、他のランプデータの検査を実施可能な状態に速やかに移行することができ、検査効率を向上させることが可能となる。
以上の手順を終えると、演出制御部210は、呼び出し元の演出制御処理(図728)に復帰する。
〔電源投入時に実行される処理及び状態の変化〕
図730は、パチンコ機1への電源投入時に演出制御装置124で実行される処理、及び、これに伴い演出制御装置124及び主制御装置70において生じる状態の変化を示すタイミングチャートである。以下、時系列に沿って説明する。
〔時刻t0〕
図730中(A):パチンコ機1(演出制御装置124)への電源投入に伴い、CPU初期化処理(図724)が開始され、先ず起動処理が実行される。電源投入から起動処理の完了までには、概ね1.0秒を要する。
〔時刻t1〕
図730中(A):起動処理が完了すると、続いてRAM初期化処理が実行される。RAM初期化処理の開始から演出制御タスクが起床されうる状態に移行するまで、すなわちCPU初期化処理が完了するまでには、概ね1.4秒を要する。
図730中(B):RAM初期化処理と並行して、CGROM190のリフレッシュが実行される。リフレッシュの所要時間には、余裕をもたせて4.6秒を確保している。
図730中(D):この時点では、主制御装置70から送信される演出コマンドを受信することはできない。
図730中(E):また、演出制御タスクは、未だ起床されておらず準備中の状態である。
図730中(F),(G):そして、SATA準備中フラグには、初期値としての「False」がセットされており、演出制御タスクによるCGROM190へアクセスは禁止されている。
〔時刻t2〕
図730中(A):CPU初期化処理が全て完了する。
図730中(B):このとき、CGROM190のリフレッシュは依然として実行されている(未だ完了していない)。
図730中(D):CPU初期化処理の完了に伴い、主制御装置70から送信される演出コマンドの受信が可能となる。
図730中(E):また、演出制御タスクが起床され、実行中の状態となる。
図730中(F),(G):SATA準備中フラグには、依然として初期値としての「False」がセットされており、演出制御タスクによるCGROM190へのアクセスは禁止されている。
なお、演出制御が開始されるのは演出制御タスクの起床後(時刻t2以降)であることから、以降の説明においては、SATA準備中フラグの値「False」が示す状態について、演出制御タスクの起床前を「初期状態」とし、起床後を「準備中」として扱うこととする。
〔時刻t4〕
図730中(B):CGROM190のリフレッシュの所要時間が経過する。これをもって、CGROM190のリフレッシュが完了したものとみなされる。
図730中(C):CGROM190のリフレッシュの完了に伴い、サウンド関連処理(図726)が開始され、CGROM190からのサウンドデータの転送とアンプの初期化が同時並行で実行される。サウンドデータの転送が完了するまでには、概ね3.2秒を要する。また、アンプの初期化が完了するまでには、概ね1.2秒を要する。
〔時刻t5〕
図730中(C):アンプの初期化が完了するが、サウンドデータの転送は依然として実行されている(未だ完了していない)。
図730中(F),(G):そのため、SATA準備中フラグは「False」のまま維持されており、演出制御タスクによるCGROM190へのアクセスは依然として禁止されている。
なお、サウンドデータの転送中にCGROM190から描画素材を読み出して描画を行うことは、技術的には可能である。しかしながら、転送処理と描画処理とを並行して実行すると各処理に遅延が生じる虞があるため、本実施形態においては、サウンドデータの転送中はCGROM190へのアクセスを禁止している。
〔時刻t6〕
図730中(C):サウンド関連処理が全て完了する。
図730中(F),(G):サウンド関連処理の完了に伴って、SATA準備中フラグが「True」に更新され、演出制御タスクによるCGROM190へのアクセスが許可される。
このように、演出制御装置124においては、CPU初期化処理の完了に伴って、時刻t2に(電源投入から2.4秒経過後に)演出コマンドの受信が可能となる。また、サウンド関連処理の完了に伴って、時刻t6に(電源投入から8.8秒経過後)に演出制御タスクによるCGROM190へのアクセスが許可される。
ところで、主制御装置70においても、パチンコ機1(主制御装置70)への電源投入に伴ってCPU初期化処理等が実行されるが、その所要時間は演出制御装置124における場合よりも短く、早い段階で演出制御装置124に対し演出コマンドの送信が可能になる。しかしながら、上述したように、演出制御装置124においては、時刻t6までの間(電源投入から8.8秒間)は演出制御タスクによるCGROM190へのアクセスが禁止されているため、主制御装置70からの演出コマンドに基づいて演出を実行することができない。また、演出制御装置124から主制御装置70に対する通信は許可されていないため、主制御装置70は演出制御装置124における処理の進行状況を知ることができない。
そこで、本実施形態においては、主制御装置70からの演出コマンドの送信は、所定時間が経過するのを待って開始される。具体的には、量産時においては、図730中(I)に示されるように、電源投入から9.0秒が経過した後に演出コマンドの送信が開始される。また、検査時においては、液晶表示器42への表示(CGROM190へのアクセス)を考慮することなく、各種ランプの検査を早い段階で開始可能とするため、図730中(H)に示されるように、電源投入から2.5秒が経過した後に演出コマンドの送信が開始される。
なお、図730は、パチンコ機1への電源投入時に実行される処理及び状態の変化を演出制御装置124と主制御装置70との時間の対応関係とともに示したものであるが、何らかの要因により演出制御装置124のみ再起動がなされた場合等には、演出制御装置124においてのみ、電源投入時の処理が実行され上述したシーケンスが生じる。このとき、主制御装置70は正常に動作しており、演出制御装置124の再起動がなされたことを知る術がないため、正常な動作として演出コマンドを送信し続ける。しかしながら、演出制御装置においては、SATA準備中フラグが「完了」を示す値「True」に更新されない限り、主制御装置70からの演出コマンドを受信しても、これらを無視して電源投入時の処理を実行することとなる。なお、電源投入時に演出制御装置124で実行される処理の変化については、別の図面を参照しながら詳しく後述する。
〔比較例における電源投入時に実行される処理及び状態の変化〕
図731は、比較例においてパチンコ機1´への電源投入時に演出制御装置124´で実行される処理及びこれに伴い演出制御装置124´及び主制御装置70´において生じる状態の変化を示すタイミングチャートである。なお、比較例においては、CGROM190´にNOR型のROMが採用されており、また、アンプIC193が装備されていないものとする。
図731(比較例)を図730(実施形態)と対比させてみると、比較例においては、CGROM190´がNOR型ROMであることから、リフレッシュは実行されず、サウンドデータを予めDRAM191´に転送しておく必要がないため、SATA準備中フラグの管理も不要である。また、アンプIC193が装備されていないことから、アンプの初期化をCPU初期化処理とは別個に行う必要もない。
したがって、演出制御装置124´においては、図731中(G´)に示されるように、CPU初期化処理の完了に伴って演出制御タスクによるCGROM190´へのアクセスが許可される。これに応じて、主制御装置70´においては、図731中(H´)及び(I´)に示されるように、検査時においても量産時においても、電源投入から2.5秒が経過した後に演出コマンドの送信が開始される。
〔エラー報知の種類及び態様〕
ところで、上述したように、パチンコ機1において遊技に直接的に関わるエラーが発生したり、或いは保守に関する動作が実行されたりすると、エラー報知ランプ45やその他の演出デバイスを用いてエラー報知がなされる。以下では、パチンコ機1において実行されうるエラー報知の種類及び態様について、不正に関するものと払出に関するものとに分別して説明する。
図732~図734は、不正に関するエラー報知の構成例を示す図である。各図には、不正に関するエラーの種類、そのエラーが発生した場合になされる報知の態様、エラーの発生条件及び解除条件が、エラーの優先度の高い方から順にまとめられている。なお、各図中の「枠ランプ」とは、ガラス枠トップランプ46及びガラス枠装飾ランプ48,50,52のフルカラーLEDのことである。また、「音声報知」とは、各種スピーカからの音声出力による報知を指し、「液晶報知」とは、液晶表示器42の画面表示による報知を指す。以下、優先順位に沿って説明する。
優先順位「1」には、「SATA準備中」が指定されている。
「SATA準備中」は、パチンコ機1(演出制御装置124)の起動時に発生し、SATA準備完了後に解除されるエラーである。このエラーの発生時には、エラー報知ランプ45は消灯しており、枠ランプは白色で点滅し、盤面ランプ53は全て消灯する。また、音声報知はなされず、液晶画面には「画面表示復帰中」との文字が表示される。
優先順位「2」には、「設定変更」が指定されている。
「設定変更」は、設定変更の操作がなされると発生し、設定変更の操作が終了すると解除されるエラーである。このエラーの発生時には、エラー報知ランプ45は青色で点灯し、枠ランプは赤色で点灯し、盤面ランプ53は全て消灯する。また、各種スピーカからは弱い警告音とともに「設定変更中です」との音声が出力され、液晶画面には「設定変更中です」との文字が表示される。
優先順位「3」には、「メイン基板異常エラー」が指定されている。
「メイン基板異常エラー」は、RWM(RAM)の異常又は設定値の異常が検出されると発生し、設定変更がなされてRWM又は設定値が正常に復帰すると解除されるエラーである。つまり、エラーの解除には設定変更が必要となる。このエラーの発生時には、エラー報知ランプ45は青色で点灯し、枠ランプは赤色で点灯し、盤面ランプ53は全て消灯する。また、各種スピーカからは弱い警告音とともに「メイン基板異常エラーです」との音声が出力され、液晶画面には「メイン基板異常エラーです/係員を呼んでください」との文字が表示される。
優先順位「4」には、「バックアップ異常エラー」が指定されている。
「バックアップ異常エラー」は、バックアップの異常が検出されると発生し、設定変更がなされてRWM又は設定値が正常に復帰すると解除されるエラーである。つまり、エラーの解除には設定変更が必要となる。このエラーの発生時には、エラー報知ランプ45は青色で点灯し、枠ランプは赤色で点灯し、盤面ランプ53は全て消灯する。また、各種スピーカからは弱い警告音とともに「バックアップ異常エラーです」との音声が出力され、液晶画面には「バックアップ異常エラーです/係員を呼んでください」との文字が表示される。
優先順位「5」には、「RAMクリア」が指定されている。
「RAMクリア」は、RAMクリア時に発生し、31秒が経過すると解除されるエラーである。このエラーの発生時には、エラー報知ランプ45は青色で点灯し、枠ランプは赤色で点灯し、盤面ランプ53は全て消灯する。また、各種スピーカからは「メモリをクリアしました」との音声が出力される。そして、液晶画面にはデフォルトの画面(例えば、待機画面)が表示され、エラーに特化した表示はなされない。
優先順位「6」には、「設定確認」が指定されている。
「設定確認」は、設定確認の操作がなされると発生し、設定確認の操作が終了すると解除されるエラーである。このエラーの発生時には、エラー報知ランプ45は青色で点灯し、枠ランプは赤色で点灯し、盤面ランプ53は全て消灯する。また、各種スピーカからは弱い警告音とともに「設定確認中です」との音声が出力され、液晶画面には「設定確認中です」との文字が表示される。
優先順位「7」には、「アタッチメントID認証エラー」が指定されている。
「アタッチメントID認証エラー」は、アタッチメントID認証に不整合が生じると発生し、電力供給が遮断されると解除される(次回の電源断まで継続する)エラーである。ここで、「アタッチメントID」とは、パチンコ機1の組立後に外側から取り付けて用いられる着脱式の部品(アタッチメント)に割り当てられた固有の識別IDのことであり、実際に取り付けられたアタッチメントのIDが想定されるアタッチメントのIDと一致しない場合に「アタッチメントID認証エラー」が発生する。このエラーの発生時には、エラー報知ランプ45は青色で点灯し、枠ランプは赤色で点灯し、盤面ランプ53は全て消灯する。また、音声報知はなされず、液晶画面には「アタッチメントIDエラー」との文字が表示される。
優先順位「8」には、「不正入賞エラー」が指定されている。
「不正入賞エラー」は、特電当り動作以外に大入賞口入賞が5個以上、又は、普電当り動作以外に普電入賞が5個以上の検出がなされると発生し、60秒が経過すると解除されるエラーである。このエラーの発生時には、エラー報知ランプ45は青色で点灯し、枠ランプは赤色で点灯し、盤面ランプ53は全て消灯する。また、各種スピーカからは警告音とともに「不正入賞を検出しました」との音声が出力され、液晶画面には「不正入賞を検出しました」との文字が表示される。
優先順位「9」には、「入賞頻度異常エラー」が指定されている。
「入賞頻度異常エラー」は、始動口・普通入賞口・普図作動口(例えば、始動ゲート)のいずれかに対応するスイッチにおいて60秒間で所定個数以上の検出がなされると発生し、60秒が経過すると解除されるエラーである。このエラーの発生時には、エラー報知ランプ45は青色で点灯し、枠ランプは赤色で点灯し、盤面ランプ53は全て消灯する。また、各種スピーカからは警告音とともに「入賞頻度異常を検出しました」との音声が出力され、液晶画面には「入賞頻度異常を検出しました/エラーN/係員を呼んでください」との文字(「N」は異常を検出したスイッチに対応付けられた番号)が表示される。
優先順位「10」には、「大入賞口過剰入賞エラー」が指定されている。
「大入賞口過剰入賞エラー」は、1回の大役中に1ラウンドで規定入賞数+n個以上の入賞がm回検出、又は、大当り間に1回の小当りでn個以上の入賞がm回検出されると発生し(m、nは任意の数値)、60秒が経過すると解除されるエラーである。このエラーの発生時には、エラー報知ランプ45は青色で点灯し、枠ランプは赤色で点灯し、盤面ランプ53は全て消灯する。また、各種スピーカからは警告音とともに「過剰入賞を検出しました」との音声が出力され、液晶画面には「過剰入賞を検出しました」との文字が表示される。
優先順位「11」には、「電波エラー」が指定されている。
「電波エラー」は、電波又は電波センサの断線が検出されると発生し、検出されなくなってから60秒が経過すると解除されるエラーである。このエラーの発生時には、エラー報知ランプ45は青色で点灯し、枠ランプは赤色で点灯し、盤面ランプ53は全て消灯する。また、各種スピーカからは警告音とともに「電波を検出しました」との音声が出力され、液晶画面には「電波を検出しました/エラーN/係員を呼んでください」との文字(「N」は検出箇所に対応付けられた番号)が表示される。
優先順位「12」には、「磁気エラー」が指定されている。
「磁気エラー」は、磁気又は磁気センサ断線が検出されると発生し、電力供給が遮断されると解除される(次回の電源断まで継続する)エラーである。このエラーの発生時には、エラー報知ランプ45は青色で点灯し、枠ランプは赤色で点灯し、盤面ランプ53は全て消灯する。また、各種スピーカからは警告音とともに「磁石を検出しました」との音声が出力され、液晶画面には「磁石を検出しました/エラーN/係員を呼んでください」との文字(「N」は検出箇所に対応付けられた番号)が表示される。
優先順位「13」には、「確変領域異常通過エラー」が指定されている。
「確変領域異常通過エラー」は、確変領域ソレノイドがロング開放しない当り図柄にて確変領域への遊技球の通過が検出された場合に発生し、電力供給が遮断されると解除される(次回の電源断まで継続する)エラーである。このエラーの発生時には、エラー報知ランプ45は青色で点灯し、枠ランプは赤色で点灯し、盤面ランプ53は全て消灯する。また、音声報知はなされず、液晶画面には「確変領域異常通過を検出しました/係員を呼んで下さい」との文字が表示される。
優先順位「14」には、「大入賞口入出球不一致エラー」が指定されている。
「大入賞口入出球不一致エラー」は、確変領域又は特定領域のある大入賞口の入賞球数と排出球数(確変領域スイッチ又は特定領域スイッチの通過球数と排出口スイッチ通過球数との合計)が一致しない場合に発生し、60秒が経過すると解除されるエラーである。このエラーの発生時には、エラー報知ランプ45は青色で点灯し、枠ランプは赤色で点灯し、盤面ランプ53は全て消灯する。また、各種スピーカからは警告音とともに「入出球不一致を検出しました」との音声が出力され、液晶画面には「大入賞口入出球不一致を検出しました」との文字が表示される。
優先順位「15」には、「大入賞口異常排出エラー」が指定されている。
「大入賞口異常排出エラー」は、確変領域又は特定領域のある大入賞口に遊技球が入賞していないにもかかわらず確変領域若しくは特定領域又は排出口にて遊技球の通過が検出された場合に発生し、60秒が経過すると解除されるエラーである。このエラーの発生時には、エラー報知ランプ45は青色で点灯し、枠ランプは赤色で点灯し、盤面ランプ53は全て消灯する。また、各種スピーカからは警告音とともに「異常排出を検出しました」との音声が出力され、液晶画面には「大入賞口異常排出を検出しました」との文字が表示される。
優先順位「16」には、「振動エラー」が指定されている。
「振動エラー」は、振動エラーが検出されると発生し、60秒が経過すると解除されるエラーである。このエラーの発生時には、エラー報知ランプ45は青色で点灯し、枠ランプは赤色で点灯し、盤面ランプ53は全て消灯する。また、各種スピーカからは警告音とともに「振動を検出しました」との音声が出力され、液晶画面には「振動を検出しました」との文字が表示される。
優先順位「17」には、「始動口異常入賞エラー」が指定されている。
「始動口異常入賞エラー」は、始動口異常(同一始動口への5個以上の連続入賞)が検出されると発生し、60秒が経過すると解除されるエラーである。このエラーの発生時には、エラー報知ランプ45は青色で点灯し、枠ランプは赤色で点灯し、盤面ランプ53は全て消灯する。また、各種スピーカからは「始動口異常入賞を検出しました」との音声が出力され、液晶画面には「始動口異常入賞を検出しました」との文字が表示される。
優先順位「18」には、「扉解放エラー」が指定されている。
「扉解放エラー」は、一体扉ユニット4が開放されると発生し、閉鎖されると解除されるエラーである。このエラーの発生時には、エラー報知ランプ45は青色で点灯し、枠ランプは赤色で点灯し、盤面ランプ53は全て消灯する。また、各種スピーカからは警告音とともに「扉が開いています」との音声が出力され、液晶画面には「扉が開いています」との文字が表示される。なお、一体扉ユニット4の開放後は、約15秒間にわたり報知が継続される。
優先順位「19」には、「スイッチエラー」が指定されている。
「スイッチエラー」は、盤面近接スイッチエラー又はアウトスイッチエラーが検出されると発生し、盤面近接スイッチエラー又はアウトスイッチエラーの解除に伴って解除されるエラーである。このエラーの発生時には、エラー報知ランプ45は青色で点灯し、枠ランプは赤色で点灯し、盤面ランプ53は全て消灯する。また、各種スピーカからは警告音とともに「スイッチエラーです」との音声が出力され、液晶画面には「スイッチエラー/係員を呼んでください」との文字が表示される。
優先順位「20」には、「ベース異常エラー」が指定されている。
「ベース異常エラー」は、遊技の各状態における賞球数が所定の個数(通常状態ではm個、確変状態ではn個、時短状態ではp個、潜伏状態ではq個(m、n、p、qは任意の数値))を超えた場合に発生し、60秒が経過すると解除されるエラーである。このエラーの発生時には、エラー報知ランプ45は青色で点灯し、枠ランプは赤色で点灯し、盤面ランプ53は全て消灯する。また、各種スピーカからは警告音とともに「ベース異常を検出しました」との音声が出力され、液晶画面には「ベース異常を検出しました」との文字が表示される。
優先順位「21」には、「可動体エラー」が指定されている。
「可動体エラー」は、主制御装置70に接続されている可動体にエラーが検出されると発生し、検出されなくなると解除されるエラーである。このエラーの発生時には、エラー報知ランプ45は青色で点灯し、枠ランプは赤色で点灯し、盤面ランプ53は全て消灯する。また、各種スピーカからは警告音とともに「可動体エラーです」との音声が出力され、液晶画面には「可動体エラー/エラーN/係員を呼んでください」との文字(「N」は検出箇所に対応付けられた番号)が表示される。
優先順位「22」には、「アタッチメントID未接続エラー」が指定されている。
「アタッチメントID未接続エラー」は、上部アタッチメント又は入力装置アタッチメントの未接続エラーが検出されると発生し、電力供給が遮断されると解除される(次回の電源断まで継続する)エラーである。このエラーの発生時には、エラー報知ランプ45は青色で点灯し、枠ランプは赤色で点灯するが、盤面ランプ53による報知はなされない。また、音声報知はなされず、液晶画面には「アタッチメント開放エラー」との文字が表示される。
優先順位「23」には、「不正遊技警告・強」が指定されている。
「不正遊技警告・強」は、左打ち状態指定中に右始動口に合計n個入賞すると発生し、音声報知が3回繰り返されるか、又は、右打ち状態指定の発生に伴って解除されるエラーである。このエラーの発生時には、エラー報知ランプ45は青色で点灯し、枠ランプは赤色で点灯し、盤面ランプ53は全て消灯する。また、各種スピーカからは警告音とともに「左打ちに戻してください」との音声が出力され、液晶画面には「左打ちに戻してください」との文字が表示される。
優先順位「24」には、「不正遊技警告・弱」が指定されている。
「不正遊技警告・弱」は、左打ち状態指定中に右始動口に合計n個入賞すると発生し、音声報知が3回繰り返されるか、又は、右打ち状態指定の発生に伴って解除されるエラーである。このエラーの発生時には、エラー報知ランプ45、枠ランプ、盤面ランプ53による報知はなされず、各種スピーカから「左打ちに戻してください」との音声が出力される。また、液晶画面には「左打ちに戻してください」との文字が表示される。
優先順位「25」には、「満タンエラー」が指定されている。
「満タンエラー」は、満タンスイッチ161がオンになると発生し、オフになると解除されるエラーである。このエラーの発生時には、エラー報知ランプ45は青色で点灯するが、枠ランプ及び盤面ランプ53による報知はなされない。また、各種スピーカからは「球を抜いてください」との音声が出力され、液晶画面には「球を抜いてください」との文字が表示される。
優先順位「26」には、「確変領域未通過エラー」が指定されている。
「確変領域未通過エラー」は、確変領域ソレノイドがロング開放する当り図柄にて確変領域への遊技球の通過が検出されなかった場合に発生し、次回の条件装置作動又は電力供給の遮断に伴って解除される(次回の条件装置作動又は電源断まで継続する)エラーである。このエラーの発生時には、エラー報知ランプ45は青色で点灯し、枠ランプは緑色で点灯するが、盤面ランプ53による報知はなされない。また、音声報知及び液晶報知もなされない。
優先順位「27」には、「電断復帰」が指定されている。
「電断復帰」は、電断復帰時、すなわち電力供給の回復に伴って発生し、演出用可動体のイニシャル動作完了に伴って解除されるエラーである。このエラーの発生時には、エラー報知ランプ45は青色で点灯し、枠ランプは青色で点灯し、盤面ランプ53は全て消灯する。また、音声報知はなされない。そして、液晶画面にはデフォルトの画面(例えば、待機画面)が表示され、エラーに特化した表示はなされない。
優先順位「28」には、「演出可動体モータエラー」が指定されている。
「演出可動体モータエラー」は、演出用の各種可動体にエラーが検出されると発生し、電力供給が遮断されると解除される(次回の電源断まで継続する)エラーである。このエラーの発生時には、エラー報知ランプ45はエラーの検出箇所に応じて異なる態様で点灯する。具体的には、盤面(遊技盤ユニット8)に設けられた可動体にエラーが検出された場合には青色で点灯し、枠(外枠ユニット2又は一体扉ユニット4)に設けられた可動体にエラーが検出された場合には緑色で点灯し、両方でエラーが検出された場合には黄色で点灯する。また、枠ランプ及び盤面ランプ53による報知はなされず、音声報知及び液晶報知もなされない。
このように、本実施形態においては、不正に関して28種類のエラーが設けられており、エラーが発生すると、そのエラーに応じた態様で演出デバイスを動作させることによりエラー報知がなされる。また、不正に関するエラーのうち、優先順位が最も高い「SATA準備中」の報知が、他のエラーに優先して実行される。そして、「SATA準備中」の報知においては枠ランプが白色で点滅するが、この態様は他のエラーでは実行されない。また、不正に関するエラー報知のうち、「SATA準備中」の報知においてはエラー報知ランプ45が点灯しないが、他の大半のエラーにおいては、エラー報知ランプ45が青色で点灯する。
なお、上述した報知の構成はあくまで一例として挙げたものであり、これに限定されない。例えば、各種スピーカから出力される音声や液晶画面に表示される内容は、状況に応じて適宜変更してもよい。また、複数のエラー報知を連係的に実行することも可能である。例えば、「設定変更」のエラー報知の終了(設定変更の終了)に伴って「RAMクリア」のエラー報知を実行してもよい。
図735は、払出に関するエラー報知の構成例を示す図である。図の見方については、図732~図734と同様である。以下、優先順位に沿って説明する。
優先順位「1」には、「球詰まりエラー」が指定されている。
「球詰まりエラー」は、払出検知スイッチが50ms連続でオンになる(連続して検出信号が出力される)と発生し、50ms連続でオフになる(連続して検出信号が出力されない)と解除されるエラーである。このエラーの発生時には、エラー報知ランプ45は赤色で点灯するが、枠ランプ及び盤面ランプ53による報知はなされず、音声報知及び液晶報知もなされない。
優先順位「2」には、「払出計数スイッチエラー」が指定されている。
「払出計数スイッチエラー」は、払出計数スイッチエラー信号が300ms連続でオンになる(連続して検知される)と発生し、300ms連続でオフになる(連続して非検出になる)と解除されるエラーである。このエラーの発生時には、エラー報知ランプ45は高速で(例えば、100ms周期で)赤色で点滅するが、枠ランプ及び盤面ランプ53による報知はなされず、音声報知及び液晶報知もなされない。
優先順位「3」には、「払出中エラー」が指定されている。
「払出中エラー」は、払出動作後に払出個数が足りなかった場合や払出動作中に球詰まりエラー又は払出検知スイッチエラーが発生した場合に発生し、20秒が経過して払出検知スイッチがオフの状態で再払出時に1球以上を検出した場合に解除されるエラーである。このエラーの発生時には、エラー報知ランプ45は低速で(例えば、500ms周期で)赤色で点滅するが、枠ランプ及び盤面ランプ53による報知はなされず、音声報知及び液晶報知もなされない。
優先順位「4」には、「過剰賞球エラー」が指定されている。
「過剰賞球エラー」は、過剰賞球カウント(払出無し時における払出検知スイッチのオンエッジ回数)が10に達した場合に発生し、初期起動コマンドの受信時又はRAMクリア時に解除されるエラーである。このエラーの発生時には、エラー報知ランプ45は低速で(例えば、500ms周期で)赤色と緑色とに交互点滅するが、枠ランプ及び盤面ランプ53による報知はなされず、音声報知及び液晶報知もなされない。
このように、本実施形態においては、払出に関して4種類のエラーが設けられており、エラーが発生すると、そのエラーに応じた態様でエラー報知ランプ45を動作させることによりエラー報知がなされる一方、枠ランプ又は盤面ランプ53による報知、音声報知、液晶報知はいずれも実行されない。また、払出に関するエラー報知においては、いずれのエラーであっても、エラー報知ランプ45が赤色で点灯又は点滅する。
なお、払出に関するエラー(図735)と不正に関するエラー(図732~図734)とでは、払出に関するエラーの方が優先的に処理される。したがって、両方のエラーが同時に発生した場合には、払出に関するエラー報知が不正に関するエラーに優先して実行されることとなる。
〔電源投入時に実行される演出制御処理〕
図736は、パチンコ機1への電源投入時に演出制御装置124で実行される処理の変化の詳細を示すタイミングチャートである。なお、図736中に示される各時刻は、図730及び図731中に示された各時刻とは関連しない。また、図示された各時刻間の帯(線)の長さの相対比は、実際の時間の長さの相対比とは一致しない。以下、時系列に沿って説明する。
〔時刻t0〕
図736中(A):演出制御装置124への電源投入直後においては、SATA準備中フラグには初期値としての「False」がセットされており、フラグが示す状態は「初期状態」である。この状態では、演出制御タスクは未だ起床されていない。
図736中(B):また、この状態では、主制御装置70からの演出コマンドを受信することはできない。
図736中(C):タスクが起床されていないため、表示制御に関するメールを受信できない。そのため、液晶表示器42の制御がなされず、液晶画面は暗転した状態となる。
図736中(D):タスクが起床されていないため、音声制御に関するメールを受信できない。そのため、各種スピーカの制御がなされず、各種スピーカからは音声が出力されない無音の状態となる。
図736中(E):タスクが起床されていないため、ランプ制御に関するメールを受信できない。そのため、各種ランプの制御がなされず、各種ランプは全て消灯した状態となる。
〔時刻t1〕
図736中(A):演出制御タスクが起床され、SATA準備中フラグが示す状態は「準備中」に移行する。なお、以下の説明においては、SATA準備中フラグが「準備中」を示す区間を「SATA準備中(の区間)」と称することとする。
図736中(B):このとき、主制御装置70からの演出コマンドの受信が可能となるが、SATA準備中は、生産検査開始コマンドのみが処理され、その他の演出コマンドは受信しても処理されることなく破棄される。
図736中(C):タスクの起床により、表示制御に関するメールの受信が可能となるが、SATA準備中の動作を指示する最初のメールを除き、全てのメールが破棄される。これにより、SATA準備中の区間には、液晶画面に「画面表示復帰中」との文字が表された画像が表示される。
図736中(D):タスクの起床により、音声制御に関するメールの受信が可能となるが、SATA準備中は音声素材を読み出すことができずスピーカからの音声出力が不可能であるため、全てのメールが破棄される。これにより、SATA準備中の区間は、各種スピーカから音声が出力されない無音の状態が維持される。
図736中(E):タスクの起床により、ランプ制御に関するメールの受信が可能となるが、SATA準備中の動作を指示する最初のメールを除くと、生産検査開始コマンドに基づくメールのみが実行され、その他のメールは破棄される。これにより、SATA準備中の区間には、枠ランプ交互点滅用のデータが再生され、全ての枠ランプ(ガラス枠トップランプ46、ガラス枠装飾ランプ48,50,52)が白色で点滅する。
なお、生産検査開始コマンドを受信した場合には、このコマンドに基づいて送信されたメールが実行され、全ての枠ランプが消灯する。そしてその後、パチンコ機1に接続された検査用PCやデバッグ環境等からのメールが受信されると、そのメールが実行されて対応するランプデータが再生される。このようにして、SATA準備完了まで待機することなく、速やかに他のランプデータの検査を実行することが可能となる。
〔時刻t2〕
図736中(A):SATA準備中フラグが「True」に更新され、フラグが示す状態は「完了」に移行する。
図736中(B):これを契機として、主制御装置70からの全ての演出コマンドが受信され処理されるようになる。
図736中(C):また、表示制御に関するメールが実行されるようになる。これにより、SATA準備完了直後には、液晶画面に「画面表示復帰中/そのまま遊技を続けてください」との文字が表された画像が表示される。
図736中(D):また、音声制御に関するメールが実行されるようになる。これにより、SATA準備完了直後においては、受信メールの内容に応じて各種スピーカから音声が出力されない無音の状態が維持される。
図736中(E):また、ランプ制御に関する全てのメールが実行されるようになる。これにより、SATA準備完了直後には、受信メールの内容に応じて各種ランプが全て消灯した状態となる。
〔時刻t3〕
図736中(B):このタイミングで、主制御装置70から送信されたRAMクリア指定コマンド又は電源復帰指定コマンドを受信したとする。
図736中(C):RAMクリア指定コマンド又は電源復帰指定コマンドの受信時には、これに応じて送信された表示制御に関するメールが実行される。これにより、液晶画面にはデフォルト画面としての待機画面が表示される。
図736中(D):RAMクリア指定コマンド又は電源復帰指定コマンドの受信時には、これに応じて送信された音声制御に関するメールが実行される。これにより、RAMクリア指定コマンド受信時には、各種スピーカからRAMクリア時用の「メモリをクリアしました」との音声が出力される。一方、電源復帰指定コマンドの受信時(電断復帰中)には、音声出力はなされない。
図736中(E):RAMクリア指定コマンド又は電源復帰指定コマンドの受信時には、これに応じて送信されたランプ制御に関するメールが実行される。これにより、RAMクリア指定コマンド受信時には、RAMクリア点灯用のデータが再生され、エラー報知ランプ45が青色で点灯し、枠ランプが赤色で点灯し、盤面ランプ53が全て消灯したまま維持される。一方、電源復帰指定コマンドの受信時(電断復帰中)には、電断復帰点灯用のデータが再生され、エラー報知ランプ45及び枠ランプが青色で点灯し、盤面ランプ53は全て消灯したまま維持される。
〔時刻t4〕
図736中(B):このタイミングで、主制御装置70から送信された変動開始コマンド等の複数の演出コマンドを受信したとする。
図736中(C):変動開始コマンドの受信時には、これに応じて送信された表示制御に関するメールが実行される。これにより、メールに対応する機種固有の表示制御データが再生され、液晶画面には、例えば変動開始時用の画像が表示される。
図736中(D):変動開始コマンドの受信時には、これに応じて送信された音声制御に関するメールが実行される。これにより、メールに対応する機種固有の音声制御データが再生され、各種スピーカからは、例えば変動開始時用の音声が出力される。
図736中(E):変動開始コマンドの受信時には、これに応じて送信されたランプ制御に関するメールが実行される。これにより、メールに対応する機種固有のランプ制御データが再生され、各種ランプは、例えば変動開始時用の態様で点灯する。
このように、本実施形態においては、SATA準備中の区間において、液晶表示器42及び各種ランプを用いてSATA準備中の区間に固有の動作が実行される。これにより、パチンコ機1(演出制御装置124)が起動準備の段階にあることを確実に報知して、遊技場のスタッフや遊技者にそのことを認識させることができる。
また、SATA準備中は、主制御装置70から演出コマンドが送信されても、演出制御装置124においては、生産検査開始コマンド以外の演出コマンドは処理されることなく全て破棄される。つまり、SATA準備中に不正に関するエラーを示す演出コマンドが送信されても、その演出コマンドは一切処理されず、演出コマンドの内容に応じた演出制御(演出デバイスの動作制御)はなされない。これにより、演出デバイスを用いたSATA準備中であることの報知を最優先して実行することができ、不正に関する他のエラーがSATA準備中に発生したとしても、そのエラーの報知を行うことなく、起動準備の段階にあることを確実に報知することができる。
〔描画処理におけるデータの流れ〕
図737は、描画処理におけるデータの流れをSATA準備中と通常時とで比較しながら概念的に示す図である。
図737中(A):SATA準備中の描画処理におけるデータの流れを示している。SATA準備中の描画処理とは、具体的には、演出制御装置124に電源が投入されてから、SATA準備中フラグが「完了」を示す「True」に更新された後に主制御装置70からの演出コマンドが受信されるまでの間になされうる描画処理のことである。
上述したように、本実施形態においては、SATA準備中にはCGROM190へのアクセスが禁止されることから、SATA準備中の区間に液晶表示器42の画面に表示すべき描画素材(具体的には、「画面表示復帰中」との文字からなる描画素材)については、制御ROM180に予め格納されている。そして、SATA準備中の描画処理においては、図737中(A)に示されるように、描画素材が先ず制御ROM180からDRAM191に転送され、DRAM191に転送された描画素材を用いてVRAM156に画像が描画されて、VRAM156に描画された画像が最終的に液晶表示器42の画面に表示される。
図737中(B):通常時の描画処理におけるデータの流れを示している。通常時の描画処理とは、SATA準備中以外に実行される描画処理のことである。通常時の描画処理においては、描画素材が先ずCGROM190からDRAM191に転送され、DRAM191に転送された描画素材を用いてVRAM156に画像が描画されて、VRAM156に描画された画像が液晶表示器42の画面に表示される。
なお、通常時の描画処理におけるデータ転送の具体的な態様については、別の図面を参照しながら詳しく後述する。また、描画処理に関しては、SATA準備中であっても通常時であっても、後述する図746~図748に示される共通の処理によって実行可能である。
〔電源投入時の演出デバイスの動作〕
図738及び図739は、演出制御装置124への電源投入後の時間の経過に伴う演出デバイスの動作例を示す連続図である。以下、時系列に沿って説明する。
図738中(A):初期状態においては、演出制御タスクが未だ起床されていないため、演出デバイスの制御が不可能である。したがって、液晶表示器42の画面は暗転しており、全てのランプは消灯しており、各種スピーカからは音声が出力されない。
図738中(B):SATA準備中の区間においては、演出制御装置124(パチンコ機1)が起動準備中の段階にあることを報知するための動作が指示される。この指示に応じて、液晶画面には「画面表示復帰中」との文字が表された画像が表示され、また、全ての枠ランプ(ガラス枠トップランプ46、ガラス枠装飾ランプ48,50,52)が1秒おきに白色で点滅する。このとき、エラー報知ランプ45は消灯しており、各種スピーカからは音声が出力されない。なお、SATA準備中に液晶画面に表示される画像は、制御ROM180から転送された描画素材を用いて描画されたものである。
図738中(C):SATA準備完了直後においては、演出制御装置124(パチンコ機1)が通常時の状態に戻りつつあることを報知するための動作が指示される。この指示に応じて、液晶画面には「画面表示復帰中/そのまま遊技を続けてください」との文字が表された画像が表示されるが、各種スピーカからは依然として音声が出力されない状態が継続する。また、直前まで白色で点滅していた全ての枠ランプは消灯する。そして、エラー報知ランプ45は依然として消灯した状態を継続する。なお、SATA準備完了以降に液晶画面に表示される画像は、CGROM190から転送された描画素材を用いて描画されたものである。
その後、演出コマンドを受信すると、これを契機として、演出制御CPU126により通常時の流れに沿って演出デバイスの制御がなされ、主制御装置70からの演出コマンドに基づいた演出が実行されることとなる。
図739中(D):ここで、例えば、RAMクリア指定コマンドを受信すると、RAMクリアがなされたことを報知するための動作が指示される。この指示に応じて、液晶画面には、待機画面が表示され、各種スピーカからはRAMクリア時用の「メモリをクリアしました」との音声が出力される。また、エラー報知ランプ45は青色で点灯し、直前まで消灯していた全ての枠ランプは赤色で点灯する。なお、RAMクリア報知は31秒経過後に終了し、これに伴ってエラー報知ランプ45は消灯するとともに、その他の演出デバイスは、例えばデモ演出用の動作を実行する。これ以降、エラー報知ランプ45は、不正又は払出に関するエラーが発生しない限り、消灯した状態を継続することとなる。
図739中(E):その後、例えば、中始動入賞口26に2個の遊技球が連続して入球すると、これを契機として、入球及び変動開始に伴う様々な演出コマンドを受信する。そして、これらの演出コマンドに対応する動作が指示される。これらの指示に応じて、液晶画面には、3本の演出図柄列がスクロール表示されるとともに、第1特別図柄に対応する第4図柄Z1が変動表示され、2個のマーカM1のうち1個が変動中表示領域X2に表示され、もう1個が変動前表示領域X1に表示される。また、各種スピーカからは変動開始時用の音声が出力され、全ての枠ランプは変動開始時用の態様で点灯する。
続いて、通常時の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上記の演出例に沿って説明した変動表示演出やリーチ演出、予告演出、記憶表示演出、大役中演出等は、いずれも通常時演出制御処理を通じて制御されている。
〔通常時演出制御処理〕
図740は、通常時演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。
通常時演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、表示制御処理(ステップS404)、入力制御処理(ステップS405)、ランプ制御処理(ステップS406)、音声制御処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って通常時演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御部210は主制御CPU72から送信される演出コマンドを受信する。また、演出制御部210は受信した演出コマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出コマンドには、例えば特図先判定演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、確定コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、エラー通知コマンド、大当り終了演出コマンド、回数切りカウンタ値コマンド、変動パターン先判定コマンド、停止表示時間終了コマンド、確変領域通過コマンド、賞球内容コマンド、RAMクリア指定コマンド、電源復帰指定コマンド、設定関連終了指定コマンド、生産検査開始コマンド等がある。
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御部210は記憶表示演出や、マーカM1,M2を用いた先読み予告演出の実行を制御する。なお、作動記憶演出管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御部210は演出図柄を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作時の演出内容を制御したりする。また、この処理において、演出制御部210は各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出等)の演出パターンを選択する。なお、演出図柄管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS404:表示制御処理では、演出制御部210が、表示制御部220に対して演出内容(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号、当該保留消去等)を指示するメールを送信する。これを受けて表示制御部220は、受信したメールの内容に基づいてVDP152に対し描画に関する具体的な指示を行い、液晶表示器42による表示動作を制御する。
なお、表示制御部220による上記の描画に関する処理は、別途Vsync割込処理の過程(図727中のステップS1302)で呼び出されて、33.3ms毎に(1秒間に30回)実行される。描画に関する具体的な処理(Vsync割込制御処理)の内容については、別のフローチャートを参照しながら詳しく後述する。
ステップS405:入力制御処理では、先ず演出制御部210が、演出の進行に伴い遊技者による操作を要求する場面に同期させて、入力制御部228に対し操作ユニット60等の操作部材が遊技者により指定した態様で操作されるか否かの検出を指示する。より具体的には、演出制御部210は、制御ROM180に予め定義されているいずれかの入力制御テーブルを設定する。これを受けて入力制御部228は、設定された入力制御テーブルの内容を解析し、これに基づいて、いずれかの操作部材に対する操作の受付を可能とする期間を設定する。また、演出制御部210が指定した態様に合致する操作(遊技者に要求する操作)がなされるか否かを検出し、検出結果を出力して演出制御部210に返す。
ステップS406:ランプ制御処理では、先ず演出制御部210が、ランプ制御部224に対して演出内容を指示するメールを送信する。これを受けてランプ制御部224は、受信したメールの内容に基づいてLEDドライバ198を中継しドライバIC132に対して具体的な駆動信号を出力し、各種ランプ45~52、盤面ランプ53や操作ユニット60の各部位に内蔵された光源等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)させる。
ステップS408:音声制御処理では、先ず演出制御部210が、音声制御部222に対して演出内容を指示するメールを送信する。これを受けて音声制御部222は、受信したメールの内容に基づいて音声IC134に対し具体的な出力内容の指示を行い、スピーカ54,55,56,58から演出内容に応じた音(効果音、BGM等)を出力させる。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御部210はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば、先ず演出制御部210が、可動体制御部226に対して演出内容を指示するメールを送信する。これを受けて可動体制御部226は、受信したメールの内容に基づいてSMC199に対し具体的な制御内容の指示を行う。さらにSMC199は、可動体制御部226からの指示に基づいて各種可動体の作動パターンを作成し、これに応じた制御信号をドライバICに出力し、各種可動体を駆動させる。これにより、例えば、可動体40fは可動体モータ57を駆動源として動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う。
なお、上記の例においては、演出制御部210は各個別制御部に対して演出内容を指示するメッセージを出力しているが、メッセージの出力とともに、又は、メッセージの出力に代えて、メッセージの内容に対応付けられた演出動作の詳細が定義されている制御テーブルを起動する場合もある。制御テーブルが起動された場合には、各個別制御部は、制御テーブルの内容を解析し、その内容に基づいて各デバイスに対する具体的な指示を行うこととなる。
以上の通常時演出制御処理を通じて、演出制御部210はパチンコ機1における演出内容及び演出を再生する各デバイスの動作を統括的に制御することができる。そして、演出制御部210による演出の再生指示(メールの送信や制御テーブルの設定)は演出制御処理の過程で実行されるのに対し、その指示を受けて表示制御部220が行う描画に関する処理(液晶表示器42の制御)は、別途Vsync割込を契機として実行される。また、音声制御部222、ランプ制御部224、可動体制御部226による各演出デバイスの制御は、表示制御部220による描画に関する処理との同期をとって行われる。このような制御とすることにより、各デバイスによる演出再生を適切に同期させることができる。
〔表示制御処理に関わる機能構成〕
図741は、表示制御処理(図740中のステップS404)に関わる主な機能構成を示すブロック図である。
図741中(A):本実施形態において表示制御処理に関わる主な機能構成を示している。上述したように、本実施形態においては、NAND型のCGROM190が採用されているとともに、DDR3規格のDRAM191が搭載されている。NAND型ROMを採用した理由は、比較的安価であること、集積度が高い(回路規模が小さい)こと、その他市場動向等による。
本実施形態においては、主制御装置70(主制御CPU72)からの演出コマンドを受信すると、演出制御部210は、受信した演出コマンドの内容に応じた演出の実行を指示するメッセージを表示制御部220に対し設定する。これを受けて、(1)表示制御部220が、メッセージを解析し、VDP152に対し描画に関する具体的な指示を行う描画コマンドを構築する(コマンド構築処理)。構築された描画コマンドがVDP152に転送されると、先ず、(2)プリロード回路154が、必要な描画素材を含むページをNAND型のCGROM190からDRAM191の所定の領域に転送し一時保存(プリロード)する(プリロード処理、描画手段)。次に、(3)描画回路155が、DRAM191の所定の領域から描画素材を取得してデコーダ157を用いて解凍(復号)しながらVRAM156上に描画し、演出画像をフレーム単位でフレームバッファに展開する(転送/描画処理、描画手段)。そして、(4)表示回路153が、表示フレームバッファに展開された内容に基づいて液晶表示器42の各画素を駆動する(表示処理)。これにより、液晶表示器42の画面に演出画像が表示される。
このように、本実施形態においては、表示制御に関する処理が大きくみると図中の(1)~(4)の4つの工程で実行される。
図741中(B):比較例において表示制御処理に関わる主な機能構成を示している。比較例においては、CGROM190´がNOR型のROMで構成されている。NOR型のROMにおいては描画素材を直接ランダムリードすることが可能であるため、実施形態の場合とは異なり、ページリードしたデータをプリロードするためのDRAM191は搭載されていない。
比較例においては、主制御装置70(主制御CPU72)からの演出コマンドを受信すると、演出制御部210は、受信した演出コマンドの内容に応じた演出の実行を指示するメッセージを表示制御部220に対し設定する。これを受けて、(1)表示制御部220が、メッセージを解析し、VDP152に対し描画に関する具体的な指示を行う描画コマンドを構築する(コマンド構築処理)。構築された描画コマンドがVDP152に転送されると、(2)描画回路155が、NOR型のCGROM190´から描画素材を直接取得し、デコーダ157を用いて解凍(復号)しながらVRAM156上に描画して、演出画像をフレーム単位でフレームバッファに展開する(転送/描画処理)。そして、(3)表示回路153が、表示フレームバッファに展開された内容に基づいて液晶表示器42の各画素を駆動する(表示処理)。これにより、液晶表示器42の画面に演出画像が表示される。
このように、比較例においては、プリロード処理が不要であるため、表示制御に関する処理が大きくみると図中の(1)~(3)の3つの工程で実行される。そのため、工程の数だけでいえば、実施形態よりも比較例の方が少ない。しかしながら、NAND型ROMからの読み出し速度は非常に高速であり、NAND型ROMから1ページのデータを読み出す速度と、1ページと同じサイズのデータをNOR型ROMから読み出す速度とを単純比較すれば、NAND型ROMの方が高速(例えばビットレートで3~6倍等)である。また、本実施形態においては、DRAM191にプリロードしたデータを可能な限り再利用(複数回にわたり利用)する工夫を行っているため、CGROM190からの読み出し回数を減らしてデータの読み出し全体に要する処理時間をさらに短縮することが可能である。したがって、本実施形態は、比較例より工程が1つ増えてはいるものの、処理上の効率化が図られている上に、パチンコ機1の製造に要するコストの抑制に貢献できる点において、優位性があるといえる。
そこで、以下では、本実施形態においてデータの読み出しに関する処理をどのように効率化しているかについて説明する。
〔プリロード処理の態様〕
図742~図744は、プリロード処理の態様を具体例に沿って示す概略図である。
上述したように、本実施形態においては、NAND型のCGROM190(第1記憶手段)に記憶されている描画素材がプリロード回路154によってDRAM191(第2記憶手段)にプリロードされるが、プリロードされる領域として2種類の領域(第1プリロード領域、第2プリロード領域)が設けられている。
このうち、第1プリロード領域は、ページ単位で管理される領域であり、CGROM190からページ単位で読み出されたデータがそのままの形でロードされる(第2記憶手段の所定の領域)。一方、第2プリロード領域は、フレーム単位で管理される領域であり、第1又は第2プリロード領域に既にロードされているデータの中から部分的にデータ転送が行われる他、所定の状況下では、CGROM190からページ単位で読み出されたデータのロードがなされる(第2記憶手段の所定の領域とは別の領域)。これらの領域を使い分けることにより、CGROM190からの読み出し回数を最小限に抑制しつつ、DRAM191に既にプリロードされているデータを可能な限り再利用することを可能としている。
図742中(A):1フレーム目を描画するために行われるプリロードの例を示している。図示の例では、1フレーム目で画像A及び画像Cを用いて演出画像の描画が行われるものとする。
CGROM190において、画像Aはページ1に存在し、画像Cはページ3に存在しているが、CGROM190からはページ単位での読み出ししかできない。そこで、プリロード回路154により、先ず、CGROM190からDRAM191の第1プリロード領域に対して、ページ1及びページ3がプリロードされる。これにより、第1プリロード領域には、ページ1を構成する画像Aと画像Bの始端部、及び、ページ3を構成する画像Bの後端部と画像Cと画像Dの始端部がロードされている。その上で、プリロード回路154により、DRAM191の第1プリロード領域から第2プリロード領域に対して、1フレーム目の描画に必要な画像A及び画像Cがデータ転送される。
図743中(B):2フレーム目を描画するために行われるプリロードの例を示している。図示の例では、2フレーム目で画像B及び画像Cを用いて演出画像の描画が行われるものとする。
CGROM190において、画像Bはページ1~3に跨って存在しているが、画像Bの始端部を含むページ1及び画像Bの終端部を含むページ3は、既に第1プリロード領域にロードされているため、CGROM190からの読み出しが必要となるのは、画像Bの中間部をなすページ2のみである。そこで、プリロード回路154により、画像Bの始端部及び終端部については、第1プリロード領域から第2プリロード領域へのデータ転送がなされ、画像Bの中間部については、CGROM190からDRAM191の第2プリロード領域へのページ2のプリロードがなされる。このように、ページ全体が1つの画像の一部又は全部で構成されているページについては、第1プリロード領域ではなく第2プリロード領域にロードされる。また、画像Cについては、1フレーム目を描画する際に既に第2プリロード領域にデータ転送されているため、ここでは第2プリロード領域の1フレーム目用の領域から2フレーム目用の領域へのデータ転送がなされる。
図744中(C):3フレーム目を描画するために行われるプリロードの例を示している。図示の例では、3フレーム目で画像C、画像D及び画像Eを用いて演出画像の描画が行われるものとする。
CGROM190において、画像Dはページ3~4に跨って存在しているが、画像Dの始端部を含むページ3は、既に第1プリロード領域にロードされている。また、画像Eは画像Dの終端部を含むページ4に存在している。そのため、CGROM190からの読み出しが必要となるのは、ページ4のみである。そこで、プリロード回路154により、先ず、CGROM190からDRAM191の第1プリロード領域へのページ4のプリロードがなされる。その上で、プリロード回路154により、画像Cについては、第2プリロード領域の2フレーム目用の領域から3フレーム目用の領域へのデータ転送がなされ、画像D(始端部及び終端部)と画像Eについては、第1プリロード領域から第2プリロード領域へのデータ転送がなされる。
このようにして、プリロード処理においては、1ページ未満のサイズに収まる画像(例えば、画像A)については、先ず、その画像を含むページ全体がCGROM190から読み出されて第1プリロード領域にプリロードされ、その上で、画像Aのデータ領域のみが第1プリロード領域から第2プリロード領域にデータ転送される。また、画像の一部又は全部がページ全体をなす画像(例えば、画像B)については、ページ全体が1画像で構成されているページはCGROM190から第2プリロード領域にプリロードされる一方、その画像の他の部分(始端部又は終端部)を含むページは第1プリロード領域にプリロードされる。そして、前のフレームで使用された画像が次のフレームでも使用される場合には、第2プリロード領域内でのデータ転送が行われる。
〔プリロード領域の更新態様〕
図745は、プリロード領域の更新態様を示す模式図である。
図745中(A):第1プリロード領域の更新態様を示す模式図である。上述したように、第1プリロード領域はページ単位で管理されている。また、第1プリロード領域には、DRAM191の描画素材用として割り当てられた領域のうち約1割が割り当てられており、M個(例えば、1600個)のページを格納可能である。
第1プリロード領域には、CGROM190から読み出されたデータがページ単位で次々と保存されていき、保存したページ数がM個に達すると、古いデータから順に上書きされていく。見方を変えると、CGROM190から第1プリロード領域への過去M回のプリロードの中に必要な画像が含まれている場合には、CGROM190からの読み出しを行うことなく第1プリロード領域に保存されているデータを再利用することができる。
図745中(B):第2プリロード領域の更新態様を示す模式図である。上述したように、第2プリロード領域はフレーム単位で管理されている。また、第2プリロード領域には、DRAM191の描画素材用として割り当てられた領域のうち約9割が割り当てられており、N個のフレームの描画に必要なデータを格納可能である。例えば、DRAM191の最大容量が8Gビットでそのうち4Gビットが描画素材用として割り当てられており、16個のフレームの描画に必要なデータを格納可能とする場合には、1フレーム当たりの最大容量は約28Mバイトとなる。
第2プリロード領域には、フレームの描画に必要な全てのデータが次々と保存されていき、保存したフレーム数がN個に達すると、古いデータから順に上書きされる。見方を変えると、直近のN-1フレーム以内に、今回のフレームの描画に必要な画像が含まれている場合には、CGROM190からの読み出しを行うことなく、第2プリロード領域に保存されているデータを再利用することができる。なお、このとき、第1プリロード領域に保存されているデータを併せて再利用してもよい。
〔Vsync割込制御処理〕
図746は、Vsync割込制御処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS1400:表示制御部220は、遅延フラグをリセットする。ここで、「遅延フラグ」とは、液晶画面の描画に関わる処理に遅延が生じているか否かを示すフラグのことであり、例えばRAM130のフラグ領域に記憶されている。この処理では、表示制御部220は、遅延フラグを処理の遅延が生じていないことを示す値(「0」)にリセットする。
ステップS1402:表示制御部220は、コマンド構築状態が「終了」であるか否かを確認する。ここで、「コマンド構築状態」とは、コマンド構築処理に関する現在の状態のことであり、現在の状態を示す値は、コマンド構築状態フラグとして、例えばRAM130のフラグ領域に記憶されている。なお、コマンド構築状態は、「アイドル」、「開始」、「終了」の各状態を循環的に遷移する。つまり、コマンド構築状態フラグには、「アイドル」、「開始」、「終了」のいずれかを示す値がセットされている。
確認の結果、コマンド構築状態が「終了」である場合には(ステップS1402:Yes)、表示制御部220は、ステップS1406を実行する。一方、コマンド構築状態が「終了」でない場合には(ステップS1402:No)、表示制御部220は、ステップS1404を実行する。
ステップS1404:表示制御部220は、遅延フラグをセットする。具体的には、表示制御部220は、遅延フラグに処理の遅延が生じていることを示す値(「1」)をセットする(以下、同様)。
ステップS1406:表示制御部220は、プリロード状態が「終了」であるか否かを確認する。ここで、「プリロード状態」とは、プリロード処理に関する現在の状態のことであり、現在の状態を示す値は、プリロード状態フラグとして、例えばRAM130のフラグ領域に記憶されている。なお、プリロード状態は、「アイドル」、「開始」、「終了」の各状態を循環的に遷移する。つまり、プリロード状態フラグには、「アイドル」、「開始」、「終了」のいずれかを示す値がセットされている。
確認の結果、プリロード状態が「終了」である場合には(ステップS1406:Yes)、表示制御部220は、ステップS1410を実行する。一方、プリロード状態が「終了」でない場合には(ステップS1406:No)、表示制御部220は、ステップS1408を実行する。
ステップS1408:表示制御部220は、遅延フラグをセットする。
ステップS1410:表示制御部220は、転送/描画状態が「終了」であるか否かを確認する。ここで、「転送/描画状態」とは、転送/描画処理に関する現在の状態のことであり、現在の状態を示す値は、転送/描画状態フラグとして、例えばRAM130のフラグ領域に記憶されている。なお、転送/描画状態は、「アイドル」、「開始」、「終了」の各状態を循環的に遷移する。つまり、転送/描画状態フラグには、「アイドル」、「開始」、「終了」のいずれかを示す値がセットされている。
確認の結果、転送/描画状態が「終了」である場合には(ステップS1410:Yes)、表示制御部220は、ステップS1414を実行する。一方、転送/描画状態が「終了」でない場合には(ステップS1410:No)、表示制御部220は、ステップS1412を実行する。
ステップS1412:表示制御部220は、遅延フラグをセットする。
ステップS1414:表示制御部220は、遅延フラグがセットされていないか否かを確認する。遅延フラグがセットされていない場合には(ステップS1414:Yes)、表示制御部220は、ステップS1420を実行する。一方、遅延フラグがセットされている場合には(ステップS1414:No)、表示制御部220は、呼び出し元の処理に復帰する。
ステップS1420:表示制御部220は、表示フレームバッファを切り替える。この処理により切り替えられた表示フレームバッファの内容が、表示回路153によって液晶表示器42の画面に表示されることとなる。
ステップS1430:表示制御部220は、転送/描画状態を「アイドル」に更新する。
ステップS1432:表示制御部220は、転送/描画処理を開始させる。具体的には、表示制御部220は、VDP152の描画回路155に対して処理開始の指示を行う。このとき、指示を受けた描画回路155は、前フレームの転送/描画処理が終了しているか否かを確認し、前フレームの転送/描画処理が既に終了している場合には、現フレームでの転送/描画処理を実行する。一方、前フレームの転送/描画処理が未だ終了していない場合には、描画回路155は、処理開始の指示を無視して実行中の処理を継続する。つまり、描画回路155は、現フレームでの転送/描画処理は実行せずにスキップして次フレームに持ち越す。
ステップS1434:表示制御部220は、描画回路155の状態を参照し、転送/描画処理の開始に成功した(転送/描画処理が正常に開始された)か否かを確認する。表示制御部220は、例えば、描画回路155にて現フレームでの転送/描画処理が実行されていれば開始に成功したと判断する一方、描画回路155にて現フレームでの転送/描画処理がスキップされていれば開始に成功しなかったと判断することができる。
確認の結果、転送/描画処理の開始に成功した場合には(ステップS1434:Yes)、表示制御部220は、ステップS1436を実行する。一方、転送/描画処理の開始に成功しなかった場合には(ステップS1434:No)、表示制御部220は、ステップS1442を実行する。
ステップS1436:表示制御部220は、転送/描画状態を「開始」に更新する。
ステップS1440:表示制御部220は、プリロード状態を「アイドル」に更新する。
ステップS1442:表示制御部220は、プリロード処理を開始させる。具体的には、表示制御部220は、VDP152のプリロード回路154に対して処理開始の指示を行う。このとき、指示を受けたプリロード回路154は、前フレームのプリロード処理が終了しているか否かを確認し、前フレームのプリロード処理が既に終了している場合には、現フレームでのプリロード処理を実行する。一方、前フレームのプリロード処理が未だ終了していない場合には、プリロード回路154は、処理開始の指示を無視して実行中の処理を継続する。つまり、プリロード回路154は、現フレームでのプリロード処理は実行せずにスキップして次フレームに持ち越す。
ステップS1444:表示制御部220は、プリロード回路154の状態を参照し、プリロード処理の開始に成功した(プリロード処理が正常に開始された)か否かを確認する。表示制御部220は、例えば、プリロード回路154にて現フレームでのプリロード処理が実行されていれば開始に成功したと判断する一方、プリロード回路154にて現フレームでのプリロード処理がスキップされていれば開始に成功しなかったと判断することができる。
確認の結果、プリロード処理の開始に成功した場合には(ステップS1444:Yes)、表示制御部220は、ステップS1446を実行する。一方、プリロード処理の開始に成功しなかった場合には(ステップS1444:No)、表示制御部220は、ステップS1452を実行する。
ステップS1446:表示制御部220は、プリロード状態を「開始」に更新する。
ステップS1450:表示制御部220は、コマンド構築状態を「アイドル」に更新する。
ステップS1452:表示制御部220は、上位タスク起動処理を実行する。この処理では、表示制御部220は、コマンド構築状態が「アイドル」である場合に、上位側のタスク(上流工程の処理)として、コマンド構築処理を実行するとともに液晶表示器42以外の演出デバイスの制御を進行させる。なお、上位タスク起動処理の具体的な処理の内容については、次のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
以上の手順を終えると、表示制御部220は、呼び出し元の処理に復帰する。
〔上位タスク起動処理〕
図747は、上位タスク起動処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS1500:表示制御部220は、コマンド構築状態が「アイドル」であるか否かを確認する。コマンド構築状態が「アイドル」である場合には(ステップS1500:Yes)、表示制御部220は、ステップS1502を実行する。一方、コマンド構築状態が「アイドル」でない場合には(ステップS1500:No)、表示制御部220は、呼び出し元の処理に復帰する。
ステップS1502:表示制御部220は、コマンド構築状態を「開始」に更新する。
ステップS1504:表示制御部220は、コマンド構築処理を実行する。
ステップS1506:表示制御部220は、コマンド構築状態を「終了」に更新する。
ステップS1510:表示制御部220は、他デバイス制御進行処理を実行する。この処理では、液晶表示器42による画面表示に同期させてその他の演出デバイス(スピーカ、ランプ等)の制御を進行させる。
以上の手順を終えると、表示制御部220は、呼び出し元の処理に復帰する。
〔描画関連の割込処理〕
図748は、描画に関連する処理の終了時に発生する割込を契機として実行される処理(描画終了割込処理、プリロード終了割込処理)の手順例を示すフローチャートである。以下、割込処理毎に手順例に沿って説明する。
図748中(A):描画終了割込処理の手順例を示すフローチャートである。描画終了割込処理は、描画回路155により実行される転送/描画処理の終了時に発生する描画終了割込を契機として実行される処理である。
ステップS1600:表示制御部220は、転送/描画状態を「終了」に更新する。
以上の手順を終えると、表示制御部220は、メインループ(図724中(A))に復帰する。
図748中(B):プリロード終了割込処理の手順例を示すフローチャートである。プリロード終了割込処理は、プリロード回路154により実行されるプリロード処理の終了時に発生するプリロード終了割込を契機として実行される処理である。
ステップS1700:表示制御部220は、プリロード状態を「終了」に更新する。
以上の手順を終えると、表示制御部220は、メインループ(図724中(A))に復帰する。
このように、本実施形態においては、Vsync割込の発生を契機として実行されるVsync割込制御処理(図746)と、Vsync割込制御処理に所定のタイミングで実行される上位タスク起動処理(図747)、描画終了割込処理・プリロード終了割込処理(図748)により、演出画像の描画に関わる4つの工程(コマンド構築処理、プリロード処理、転送/描画処理、表示処理)が制御される。また、これと同時に、表示を除く3つの各工程に関する現在の状態が、それぞれ別のフラグ(コマンド構築状態フラグ、プリロード状態フラグ、転送/描画状態フラグ)で管理され、さらにこれらのフラグに基づいて、いずれかの工程に遅延が生じていないかが遅延フラグにより管理される。
各工程の現在の状態は、各工程の処理が正常に開始されると「開始」に更新され、各工程の処理が終了すると「終了」に更新され、次の工程の処理が正常に開始されると「アイドル」に更新される。上述したように、4つの工程は、コマンド構築処理→プリロード処理→転送/描画処理→表示処理の順で上流側から下流側へと進むため、コマンド構築処理からみた次の工程はプリロード処理であり、プリロード処理からみた次の工程は転送/描画処理であり、転送/描画処理からみた次の工程は表示処理である。したがって、例えば、プリロード処理が正常に開始された場合には(図746中のステップS1444:Yes)、コマンド構築状態は「アイドル」に更新される(図746中のステップS1450)。これに対し、プリロード処理が正常に開始されていない(開始に失敗している)場合には(図746中のステップS1444:No)、コマンド構築状態の更新はなされない。
そして、コマンド構築状態が「アイドル」である場合、すなわち、次工程であるプリロード処理が正常に開始されている場合には(図747中のステップS1500:Yes)、現フレームのコマンド構築処理を実行するとともに(図747中のステップS1504)、これに同期させて他の演出デバイスの制御を進行させる(図747中のステップS1510)。一方、コマンド構築状態が「アイドル」でない場合、すなわち、次工程であるプリロード処理の開始に失敗している場合には(図747中のステップS1500:No)、現フレームのコマンド構築処理は実行せず、他の演出デバイスの制御を進行させない。
このような制御とすることにより、次工程であるプリロード処理が開始に失敗している場合に、前フレームのコマンド構築処理で構築した描画コマンドがプリロード処理の対象となる前に現フレームのコマンド構築処理によって上書きされてしまうこと、すなわち描画コマンドの内容が次工程以降の処理によって具現化されることなく破棄されてしまことを、未然に回避することができる。また、コマンド構築処理がスキップされる場合には、他の演出デバイスの制御も進行されないため、液晶表示器42と他の演出デバイスとの間で処理の実行タイミングを適切に同期させることができる。したがって、本実施形態によれば、一部の工程に遅延が生じた場合でも、演出再生のタイミングのズレを未然に防止して、演出再生を自然な形で継続させることができる。
〔正常時における描画関連処理の実行タイミング〕
図749は、描画に関する処理(コマンド構築処理、プリロード処理、転送/描画処理、表示処理)の正常時における実行タイミングを示す図である。
図中の矢印に付されたフレーム数は、「±0フレーム」との文字が付された矢印の処理を起点とした場合に、他の矢印の処理が起点からみて何フレーム先に対する処理であるかを示している。例えば、図749においては、1フレーム目の表示処理を示す矢印には「±0フレーム」との文字が付されており、転送/描画処理を示す矢印には「+1フレーム」との文字が付されている。これは、1フレーム目の転送/描画処理が1フレーム目の表示処理からみて1フレーム先に対する(2フレーム目用の)処理であることを示している。
最初のVsync割込C1を契機として1フレーム目でVsync割込制御処理が実行されると、表示処理では現フレームに対する(1フレーム目用の)表示が実行され、転送/描画処理では次フレームに対する(2フレーム目用の)転送/描画が実行され、プリロード処理では2フレーム先に対する(3フレーム目用の)プリロードが実行され、コマンド構築処理では3フレーム先に対する(4フレーム目用の)コマンド構築が実行される。
2フレーム目以降も同様であり、各フレームでVsync割込制御処理が実行されると、表示処理では現フレームに対する表示が実行され、転送/描画処理では次フレームに対する転送/描画が実行され、プリロード処理では2フレーム先に対するプリロードが実行され、コマンド構築処理で3フレーム先に対するコマンド構築が実行される。
このように各処理が正常に実行されることにより、1フレーム目でコマンド構築が実行された内容は、4フレーム目で表示が実行される。
〔コマンド構築処理の遅延時における実行タイミング〕
図750は、描画に関する処理(コマンド構築処理、プリロード処理、転送/描画処理、表示処理)のうち、コマンド構築処理が遅延した場合における各処理の実行タイミングを示す図である。
図中の矢印に付されたフレーム数は、「±0フレーム」との文字が付された矢印の処理を起点とした場合に、他の矢印の処理が起点からみて何フレーム先に対する処理であるかを示している。例えば、図750においては、1フレーム目のコマンド構築処理を示す矢印には「±0フレーム」との文字が付されており、プリロード処理を示す矢印には「-1フレーム」との文字が付されている。これは、1フレーム目のプリロード処理が1フレーム目のコマンド構築処理からみて1つ前のフレームに対する(-1フレーム目用の)処理であることを示している。ここで、コマンド構築処理においては、上述したように3フレーム先に対する処理が行われるため、1フレーム目では4フレーム目用のコマンド構築が実行される。したがって、1フレーム目のプリロード処理においては、4フレーム目から1つ前のフレーム、すなわち3フレーム目用のプリロードが実行される(図751及び図752についても同様)。
最初のVsync割込C1を契機として1フレーム目でVsync割込制御処理が実行されると、表示処理では現フレームに対する(1フレーム目用の)表示が実行され、転送/描画処理では次フレームに対する(2フレーム目用の)転送/描画が実行され、プリロード処理では2フレーム先に対する(3フレーム目用の)プリロードが実行され、コマンド構築処理では3フレーム先に対する(4フレーム目用の)コマンド構築が実行される。
ここで、1フレーム目で開始された4フレーム目用のコマンド構築処理に遅延が発生し、処理がフレーム内で(33.3ms以内に)終了せずに2フレーム目までずれ込んだとする。この場合には、2フレーム目に実行されるVsync割込制御処理の冒頭で(図746中のステップS1404)、遅延フラグがセットされる。したがって、本来であれば2フレーム目で実行されるはずのコマンド構築処理、プリロード処理、転送/描画処理は、いずれもスキップされる。また、表示処理においては、表示フレームバッファの切り替えが行われないため、前フレームで表示されていた画面をそのまま表示し続ける。そして、遅延が発生していたコマンド構築処理が2フレーム目の途中で終了したことから、3フレーム目以降は正常時のフローに沿って各処理が実行される。このように、図750に図示した例においては、コマンド構築処理の遅延により2フレーム目で1フレーム分の処理がスキップされたため、結果として、4フレーム目用としてコマンド構築された内容は、1フレーム遅れて5フレーム目で表示が実行される。
前フレームで開始されたコマンド構築処理に遅延が生じた場合には、現フレームでプリロード処理の対象とするコマンドが未だ構築中の段階であるため、万全な状態でプリロード処理を実行することができない。そこで、本実施形態においては、コマンド構築処理が終了するフレームまで、コマンド構築処理、プリロード処理、転送/描画処理の新たな実行をスキップしつつ、表示フレームバッファの切り替えを行わずに同じ画面の表示を継続する。これにより、コマンド構築処理に遅延が生じた場合でも、各処理の実行タイミングを適切に制御して自然な演出画像を表示することができる。
〔プリロード処理の遅延時における実行タイミング〕
図751は、描画に関する処理(コマンド構築処理、プリロード処理、転送/描画処理、表示処理)のうち、プリロード処理が遅延した場合における各処理の実行タイミングを示す図である。
最初のVsync割込C1を契機として1フレーム目でVsync割込制御処理が実行されると、表示処理では現フレームに対する(1フレーム目用の)表示が実行され、転送/描画処理では次フレームに対する(2フレーム目用の)転送/描画が実行され、プリロード処理では2フレーム先に対する(3フレーム目用の)プリロードが実行され、コマンド構築処理では3フレーム先に対する(4フレーム目用の)コマンド構築が実行される。これらの処理は、いずれもフレーム内で終了している。
続いて、2回目のVsync割込C2を契機として2フレーム目でVsync割込制御処理が実行されると、表示処理では現フレームに対する(2フレーム目用の)表示が実行され、転送/描画処理では次フレームに対する(3フレーム目用の)転送/描画が実行され、プリロード処理では2フレーム先に対する(4フレーム目用の)プリロードが実行され、コマンド構築処理では3フレーム先に対する(5フレーム目用の)コマンド構築が実行される。
ここで、2フレーム目で開始された4フレーム目用のプリロード処理に遅延が発生し、処理がフレーム内で(33.3ms以内に)終了せずに3フレーム目までずれ込んだとする。この場合には、3フレーム目に実行されるVsync割込制御処理の冒頭で(図746中のステップS1408)、遅延フラグがセットされる。したがって、本来であれば3フレーム目で実行されるはずのコマンド構築処理、プリロード処理、転送/描画処理は、いずれもスキップされる。また、表示処理においては、表示フレームバッファの切り替えが行われないため、前フレームで表示されていた画面をそのまま表示し続ける。そして、遅延が発生していたプリロード処理が3フレーム目の途中で終了したことから、4フレーム目以降は正常時のフローに沿って各処理が実行される。このように、図751に図示した例においては、プリロード処理の遅延により3フレーム目で1フレーム分の処理がスキップされたため、結果として、4フレーム目用としてプリロードされた内容は、1フレーム遅れて5フレーム目で表示が実行される。
前フレームで開始されたプリロード処理に遅延が生じた場合には、現フレームで転送/描画処理の対象とする画像データが未だプリロード中の段階であるため、万全な状態で転送/描画処理を実行することができない。そこで、本実施形態においては、プリロード処理が終了するフレームまで、コマンド構築処理、プリロード処理、転送/描画処理の新たな実行をスキップしつつ、表示フレームバッファの切り替えを行わずに同じ画面の表示を継続する。これにより、プリロード処理に遅延が生じた場合でも、各処理の実行タイミングを適切に制御して自然な演出画像を表示することができる。
〔転送/描画処理の遅延時における実行タイミング〕
図752は、描画に関する処理(コマンド構築処理、プリロード処理、転送/描画処理、表示処理)のうち、転送/描画処理が遅延した場合における各処理の実行タイミングを示す図である。
最初のVsync割込C1を契機として1フレーム目でVsync割込制御処理が実行されると、表示処理では現フレームに対する(1フレーム目用の)表示が実行され、転送/描画処理では次フレームに対する(2フレーム目用の)転送/描画が実行され、プリロード処理では2フレーム先に対する(3フレーム目用の)プリロードが実行され、コマンド構築処理では3フレーム先に対する(4フレーム目用の)コマンド構築が実行される。これらの処理は、いずれもフレーム内で終了している。
続いて、2回目のVsync割込C2を契機として2フレーム目でVsync割込制御処理が実行されると、表示処理では現フレームに対する(2フレーム目用の)表示が実行され、転送/描画処理では次フレームに対する(3フレーム目用の)転送/描画が実行され、プリロード処理では2フレーム先に対する(4フレーム目用の)プリロードが実行され、コマンド構築処理では3フレーム先に対する(5フレーム目用の)コマンド構築が実行される。これらの処理についても、いずれもフレーム内で終了している。
続いて、3回目のVsync割込C3を契機として3フレーム目でVsync割込制御処理が実行されると、表示処理では現フレームに対する(3フレーム目用の)表示が実行され、転送/描画処理では次フレームに対する(4フレーム目用の)転送/描画が実行され、プリロード処理では2フレーム先に対する(5フレーム目用の)プリロードが実行され、コマンド構築処理では3フレーム先に対する(6フレーム目用の)コマンド構築が実行される。
ここで、3フレーム目で開始された4フレーム目用の転送/描画処理に遅延が発生し、処理がフレーム内で(33.3ms以内に)終了せずに4フレーム目までずれ込んだとする。この場合には、4フレーム目に実行されるVsync割込制御処理の冒頭で(図746中のステップS1412)、遅延フラグがセットされる。したがって、本来であれば4フレーム目で実行されるはずのコマンド構築処理、プリロード処理、転送/描画処理は、いずれもスキップされる。また、表示処理においては、表示フレームバッファの切り替えが行われないため、前フレームで表示されていた画面をそのまま表示し続ける。そして、遅延が発生していた転送/描画処理が4フレーム目の途中で終了したことから、5フレーム目以降は正常時のフローに沿って各処理が実行される。このように、図752に図示した例においては、転送/描画処理の遅延により4フレーム目で1フレーム分の処理がスキップされたため、結果として、4フレーム目用として転送/描画された内容は、1フレーム遅れて5フレーム目で表示が実行される。
前フレームで開始された転送/描画処理に遅延が生じた場合には、現フレームで表示処理の対象とする演出画像が未だ描画中の段階であるため、表示フレームバッファの切り替えを万全な状態で行うことができない。そこで、本実施形態においては、転送/描画処理が終了するフレームまで、コマンド構築処理、プリロード処理、転送/描画処理の新たな実行をスキップしつつ、表示フレームバッファの切り替えを行わずに同じ画面の表示を継続する。これにより、転送/描画処理に遅延が生じた場合でも、各処理の実行タイミングを適切に制御して自然な演出画像を表示することができる。
以上のように、本実施形態においては、各工程のいずれかの処理に遅延が生じた場合には、その処理が終了するまでの間、各工程の処理を新たに実行することなくスキップし、液晶表示器42の画面には同じ演出画像を表示し続ける。そして、遅延が生じていた処理が終了した後に(次のフレームで)実行されるVsync割込制御処理により、正常時のフローに沿って各工程の処理を再開する。
仮に、各工程のいずれかの処理に遅延が生じているにも拘らず、それを無視して各工程の処理を新たに実行してしまうと、各処理が不完全な状態で実行されることとなるため、結果として液晶表示器42の画面に乱れが生じてしまう。また、処理の途中でエラーが発生して処理が異常停止する虞がある。これに対し、本実施形態においては、各工程のいずれかの処理に遅延が生じた場合には、上記のような制御を実行することにより、各工程の処理の実行タイミングが適切に制御される。したがって、本実施形態によれば、画面に乱れが生じることや処理が異常停止することを未然に回避することができ、自然な演出画像を表示することができる。
なお、図750~図752に示した例においては、遅延が発生したコマンド構築処理、プリロード処理、転送/描画処理は、いずれも次フレームで処理が終了しているが、状況によっては、次フレームでも処理が終了せずさらに処理が長引く可能性もある。そのような場合には、遅延が発生した処理が終了するまで、各工程の処理の新たな実行をスキップしつつ、遅延が発生する前に表示された演出画像をそのまま表示し続けることとなる。
次に、通常時演出制御処理の中で実行される作動記憶演出管理処理の内容について説明する。
〔作動記憶演出管理処理〕
図753は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。
作動記憶演出管理処理は、主制御装置70において記憶されている抽選要素の数(作動記憶数)の増減に連動させて液晶表示器42の画面上になされる第1特別図柄及び第2特別図柄に対応したマーカM1,M2の表示を更新する処理であり(記憶表示演出実行手段)、通常時演出制御処理の過程(図740中のステップS401)で呼び出されて実行される。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS700:先ず演出制御部210は、主制御CPU72から作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS700:Yes)、演出制御部210はステップS702を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS700:No)、演出制御部210はステップS702を実行しない。
ステップS702:演出制御部210は、作動記憶数増加時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応したマーカM1,M2を表示させる演出を選択する。
ステップS704:演出制御部210は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS704:Yes)、演出制御部210はステップS706を実行する。なお、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS704:No)、演出制御部210はステップS706を実行しない。
ステップS706:演出制御部210は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応したマーカM1,M2をスライドさせる演出、内部抽選により消費した抽選要素に対応するマーカを変動前表示領域X1から変動中表示領域X2に移動させる演出を選択する。なお、変動中表示領域X2に移動させた記憶マーカは変動終了時に消去する演出を選択する。
以上の手順を終えると、演出制御部210は、通常時演出制御処理(図740)に復帰する。
〔演出図柄管理処理〕
図754は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御部210は次に実行するべき処理(ステップS502~ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御部210は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御部210は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御部210は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また、可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において大当り時可変入賞装置管理処理(図692中のステップS5000)が選択された場合や小当り時可変入賞装置管理処理(図692中のステップS6000)が選択された場合にジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502~ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御部210は演出図柄を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。また、この処理において、演出制御部210は各種の条件(抽選結果、当選種類、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(先読み予告演出パターン以外のリーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御部210は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御部210は必要に応じて表示制御部220に指示する制御情報を生成する。例えば、演出図柄を用いた変動表示演出を実行中に操作ユニット60を用いた演出を行う場合、遊技者による操作ユニット60の操作の有無を入力制御部228が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(操作契機演出、連打演出、連係操作演出等)の制御情報を表示制御部220に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御部210は内部抽選の結果に応じた態様で演出図柄や動画像を用いた停止表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御部210は表示制御部220に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けて表示制御部220は、VDP152を介して実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。なお、小当り時には、はずれと同様か近似した態様で停止表示演出を実行することができる。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御部210は小当り中又は大当り中の演出内容を制御する(特別遊技演出実行手段)。この処理において、演出制御部210は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容を選択する。例えば16ラウンド大当りの場合、演出制御部210は液晶表示器42に表示する演出内容として、16ラウンドの大役中演出パターンを選択し、これを表示制御部220に対して指示する。これにより、液晶表示器42の表示画面では大役中演出の画像が表示されるとともに、ラウンドの進行に伴って演出内容が変化していくことになる。
〔演出図柄変動前処理〕
図755は、演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御部210は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御部210は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1の遊技が本稼働していない状況下(第1及び第2特別図柄作動記憶数が0のいわゆる客待ち状態である場合の他に、第1及び第2特別図柄作動記憶数が0でハンドルユニット16から遊技者の手が離れたまま所定時間が経過したことにより一時的に遊技が中断されている場合等)において実行される演出の内容を規定したものである。なお、ここでは第1及び第2特別図柄が変動していないこと(停止表示)を条件に追加してもよい。
ステップS603:演出制御部210は、設定示唆演出管理処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、デモ演出の実行中における設定示唆演出の実行を制御する。
以上の手順を終えると、演出制御部210は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御部210はそのまま通常時演出制御処理に復帰し、続く表示制御処理(図740中のステップS404)、ランプ制御処理(図740中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御部210は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御部210は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御部210はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御部210は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御部210はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また、今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御部210は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「C0H00H」~「D0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御部210は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。
また、演出パターン番号を選択すると、演出制御部210は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチの種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様等を決定する。なお、ここで決定される演出図柄の種類は、全て「小当り時の図柄の組み合わせ」に該当するものとなっている。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、大当りに該当した場合、演出制御部210はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御部210はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御部210は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「E0H00H」~「F0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御部210はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御部210は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「A0H00H」~「A6H7FH」)に基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御部210がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドによって決まる。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御部210は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」-「2」-「4」等)を決定する。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御部210は次にステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御部210は、予告選択処理を実行する(予告演出実行手段)。この処理では、演出制御部210は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、高確率状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は比較的高く設定されている。
以上の手順を終えると、演出制御部210は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図754中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び停止表示演出が実行されるとともに(演出実行手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。
〔可変入賞装置作動時処理〕
図756は、可変入賞装置作動時処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置作動時処理は、実行選択処理(ステップS902)、可変入賞装置作動前処理(ステップS904)、可変入賞装置作動中処理(ステップS906)、可変入賞装置作動後処理(ステップS908)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って可変入賞装置作動時処理の基本的な流れを説明する。
ステップS902:実行選択処理において、演出制御部210は次に実行するべき処理(ステップS904~ステップS908のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、演出制御部210は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして可変入賞装置作動時処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ可変入賞装置作動前処理を開始していない状況であれば、演出制御部210は次のジャンプ先として可変入賞装置作動前処理(ステップS904)を選択する。また、既に可変入賞装置作動前処理が完了していれば、演出制御部210は次のジャンプ先として可変入賞装置作動中処理(ステップS906)を選択する。さらに、可変入賞装置作動中処理が完了していれば、演出制御部210は次のジャンプ先として可変入賞装置作動後処理(ステップS908)を選択する。
ステップS904:可変入賞装置作動前処理では、演出制御部210は大当り遊技中や小当り遊技中に実行する演出の内容を選択する処理を実行する。例えば、「12ラウンド通常図柄」での当選の場合は、味方キャラクターが敵キャラクターに敗北する演出を選択する処理を実行する。また、「12ラウンド確変図柄1,2」での当選の場合は、味方キャラクターが敵キャラクターに勝利する演出を選択する処理を実行する。さらに、「6ラウンド確変図柄1,2」での当選の場合は、ノーマルボーナス演出を選択する処理を実行する。さらにまた、「16ラウンド確変図柄」での当選の場合は、スペシャルボーナス演出を選択する処理を実行する。
ステップS906:可変入賞装置作動中処理では、演出制御部210は必要に応じて表示制御部220に指示する制御情報を生成する。例えば、大当り演出の実行中に操作ユニット60を用いた演出を行う場合、遊技者による操作ユニット60の操作の有無を入力制御部228に検出させるとともに、その結果に応じた演出内容(操作契機演出、連打演出、連係操作演出等)の制御情報を表示制御部220に対して指示する。また、この可変入賞装置作動中処理において、大当り遊技中に確変領域通過コマンドを受信した場合には、V入賞が発生したことを示す演出(図718中(J)等に示す演出)を選択する処理を実行する一方、大当り遊技中に確変領域通過コマンドを受信しなかった場合には、V入賞が発生しなかったことを示す演出(図719中(N)等に示す演出)を選択する処理を実行する。
ステップS908:可変入賞装置作動後処理では、演出制御部210は、可変入賞装置の終了時間の間に移行先のモードを遊技者に対して伝達する演出を実行する。例えば、演出制御部210は、当選図柄や確変領域の通過の有無に応じて海岸モード突入演出を実行したり、花火ラッシュ突入演出を実行したりする。具体的には、大当り遊技中に確変領域通過コマンドを受信した場合には、花火ラッシュに突入することを示す演出(図718中(K)等に示す演出)を選択する処理を実行し、大当り遊技中に確変領域通過コマンドを受信しなかった場合には、海岸モードに突入することを示す演出(図717中(G)等に示す演出)を選択する処理を実行する。
以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出図柄管理処理(図754)に復帰する。
以上説明したように、上述した本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)本実施形態によれば、CGROM190のリフレッシュ及びCGROM190からDRAM191へのデータ転送が行われる区間において、「SATA準備中」の報知が実行されるため、パチンコ機1(演出制御装置124)が起動準備の段階にあることを確実に報知して、遊技場のスタッフや遊技者にそのことを認識させることができる。
(2)本実施形態によれば、不正に関する複数のエラーのうち、「SATA準備中」の優先順位(優先度)が最も高く設定されており、SATA準備中の区間に主制御装置70から不正に関するエラーを示す演出コマンドが送信されても、演出制御装置124においては生産検査開始コマンド以外の演出コマンドは一切処理されず、したがって演出コマンドに基づく不正に関するエラーに対応した演出デバイスの動作制御はなされないため、不正に関する他のエラーが同時に発生したとしても「SATA準備中」の報知を最優先することができ、パチンコ機1(演出制御装置124)が起動準備の段階にあることの報知を確実に実行することができる。
(3)本実施形態によれば、不正に関する複数のエラーのうち、「SATA準備中」の報知においては、エラー報知ランプ45が消灯したまま枠ランプが白色で点滅するのに対し、他の大半のエラーにおいては、エラー報知ランプ45が青色で点灯しつつ枠ランプが赤色で点灯し、また、枠ランプの白色点滅は、他のエラー報知においては実行されることのない「SATA準備中」に専用の態様であるため、こうした各種ランプによる報知態様の明確な違いから、「SATA準備中」であることを識別させることができる。
(4)本実施形態によれば、保守に関する動作(例えば、設定変更や設定確認、RAMクリア等)が仮に遊技中に実行された場合に、そのことを各種ランプやその他の演出デバイスを用いて報知することができるため、周囲にいる遊技者や遊技場のスタッフにエラーが発生したこと(保守に関する動作が不正に実行された可能性があること)を気付かせて、報知がなされたパチンコ機1に何らかの形で対処させることができる。
(5)本実施形態においては、個々のエラーに対して予め優先順位が設定されており、複数のエラーが同時期に発生した場合には、優先順位(優先度)の高い方のエラーに関する報知が優先的に実行されるため、深刻度がより高いエラーに関する報知をより確実に実行することができる。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様や各種数値はあくまで例示であり、上述した内容に限定されるものではない。
上述した実施形態では、主制御装置70において量産時には電源投入から9.0秒が経過するのを待って演出コマンドの送信を開始しているが、送信開始までの待機時間は9.0秒に限定されず、CGROM190の仕様やそのうち音声素材用に割り当てられた領域のサイズ等に応じて適宜変更が可能である。また、検査時には電源投入から2.5秒が経過するのを待って演出コマンドの送信を開始しているが、これについても同様であり、状況に応じて適宜変更が可能である。
上述した実施形態では、SATA準備中の区間において液晶表示器42及び各種ランプを用いて報知を行っているが、報知に用いる演出デバイスはこれに限定されない。例えば、各種ランプに代えて、又は、各種ランプとともに、各種可動体を用いて報知を行ってもよい。
上述した実施形態では、Vsync割込を33.3ms間隔で1回ずつ(1秒間に30回)発生させる例で説明したが、これに限定されない。例えば、Vsync割込を16.6ms間隔で1回ずつ(1秒間に60回)発生させる構成としてもよい。また、その場合に、Vsync割込の発生を契機として実行される処理を、割込の発生を契機として毎回(1秒間に60回)実行される処理と、割込の発生の1回おきに(1秒間に30回)実行される処理とに、分けて構成することも可能である。
上述した実施形態では、確変領域を有する遊技機に本発明を適用する例で説明したが、確変領域を有しない遊技機に本発明を適用してもよい。また、いわゆる同時回し機に本発明を適用することも可能である。
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。
〔実施形態J〕
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図757は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図758は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図757及び図758を参照しつつパチンコ機1の全体構成について説明する。
〔全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受け皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図757中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図758では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図757に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受け皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受け皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面、遊技盤)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受け皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受け皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1はカードユニットに接続する機種であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受け皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受け皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないカードユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、カードユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではカードユニットに接続する遊技機を例に挙げているが、カードユニットに接続しない遊技機であってもよい。
また、受け皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受け皿ユニット6の右下部には、ハンドルユニット16が設置されている。遊技者はこのハンドルユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面、遊技盤)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受け皿ユニット6の前面部にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニットを取り巻くようにして配置されている。
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54,55が組み込まれている。一方、外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ56が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また、受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45が設置されている。遊技者は、この演出切替ボタン45を押し込み操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
さらに、演出切替ボタン45の周囲には、演出切替ボタン45を取り囲むようにジョグダイアル45aが設置されている(回転型セレクター)。遊技者は、このジョグダイアル45aを回転させることで、例えば液晶表示器42に表示される演出内容を変化させることができる。
〔裏側の構成〕
図758に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。
主制御基板ユニット170には、主制御装置が内蔵されており、主制御装置には、性能表示モニタ200が接続されている。
性能表示モニタ200は、パチンコ機1を裏側から見て、主制御基板ユニット170の左上の領域で視認可能なように主制御装置に配置されており、4つの7セグメントLED201~204を備えている。
性能表示モニタ200(ベース表示装置)は、ベースを表示する。また、性能表示モニタ200は、設定値を表示する。
4つの7セグメントLED201~204は、左右方向に並べて配置されており、それぞれの7セグメントLEDは、10進数のアラビア数字を表示することができる7つのセグメントと、その右下に位置するドットセグメントとによって構成されている。
性能表示モニタ200は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースを通じて、視認可能である。
また、主制御装置には、RAMクリアスイッチ304及び設定キー用鍵穴306が設けられている。RAMクリアスイッチ304は、RAMクリア(RAM76の初期化)、すなわち、主制御装置内に装備されているRAM(RWM)の初期化を行う際に用いられるスイッチである。また、設定キー用鍵穴306は、設定の変更や設定の参照を行う上で必要とされる設定キーを差し込むための鍵穴である。
RAMクリアスイッチ304は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースに形成された貫通孔を通じて押下可能に設けられている。なお、RAMクリアスイッチ304は、透明ケース外に配置されていてもよい。また、設定キー用鍵穴306は、キーシリンダが透明ケースを貫通した状態(透明ケースがキーシリンダの周囲を囲んだ状態)で設けられている。このため、透明ケースが封止されたままの状態で設定キーを差し込み、回転させることが可能である。
RAMクリアスイッチ304は、RAMクリアを行うためのスイッチであり、RAMクリアスイッチ304を押下した状態で電源を投入すると、RAMクリア信号が主制御装置70及び払出制御装置92に入力され、RAMクリア処理が実行される。なお、RAMクリアスイッチ304は、電源制御ユニット162に設けられていてもよい。また、RAMクリア信号を払出制御装置92には入力させず、主制御装置70がRAMクリア信号の入力を受け付けると、主制御装置70が払出制御装置92に対してRAMクリアコマンドを送信する構成としてもよい。
なお、図758に示した性能表示モニタ200やRAMクリアスイッチ304、設定キー用鍵穴306の配置位置は、あくまで一例であり、任意の位置に配置することができる。また、性能表示モニタ200やRAMクリアスイッチ304、設定キー用鍵穴306は、主制御装置の外側に設けられて主制御装置に接続される構成としてもよい。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受け皿ユニット6に向けて案内する。
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
図759は、遊技盤ユニット8を単独で示す正面図である。遊技盤ユニット8は、ベースとなる遊技板8bを備えており、この遊技板8bの前面側に遊技領域8aが形成されている。遊技板8bは、例えば透明樹脂板で構成されており、遊技盤ユニット8が内枠アセンブリ7に固定された状態で、遊技板8bの前面はガラスユニットに平行となる。遊技板8bの前面には、略円形状に設置された発射レール(参照符号なし)の内側に上記の遊技領域8aが形成されている。
遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。
遊技領域8aの左側部分は、第1遊技状態(例えば、低確率非時間短縮状態、左打ち状態等)で使用する第1遊技領域(左打ち領域)である。遊技領域8aの右側部分は、第2遊技状態(例えば、大当り遊技状態、小当り遊技状態、低確率時間短縮状態、高確率時間短縮状態、高確率非時間短縮状態、右打ち状態、小当りラッシュ状態等)で使用する第2遊技領域(右打ち領域)である。
また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に、始動ゲート20、普通入賞口22、中始動入賞口26、右上始動入賞口27、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等が分布して設置されている。
このうち、中始動入賞口26は、遊技領域8aの下部分の中央に配置されている。また、3つの普通入賞口22は、遊技領域8aの左下に配置されている。さらに、始動ゲート20、右上始動入賞口27、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31は、遊技領域8aの右側部分に上からこの順番で配置されている。
遊技領域8a内に発射された遊技球は、その流下の過程で始動ゲート20を通過したり、普通入賞口22、中始動入賞口26、右上始動入賞口27に入球したり、開放動作時の可変始動入賞装置28や開放動作時の第1可変入賞装置30、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする。
遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、主に、普通入賞口22に入球するか、中始動入賞口26に入球する可能性がある。一方、遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、主に、始動ゲート20を通過するか、右上始動入賞口27に入球するか、開放動作時の可変始動入賞装置28に入球するか、開放動作時の第1可変入賞装置30に入球するか、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球する可能性がある。
始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、普通入賞口22、中始動入賞口26、右上始動入賞口27、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31に入球した遊技球は遊技板8b(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通孔を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って右下始動入賞口28bへの入球を可能にする(普通電動役物、特殊電動役物)。可変始動入賞装置28は、左右一対の開閉部材28aを有しており、これらの開閉部材28aは、図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図示のように先端が上を向いた状態で左右の開閉部材28aは閉位置にあり、このとき右下始動入賞口28bへの入球は困難(不能)な状態となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、左右の開閉部材28aはそれぞれ閉位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、可変始動入賞装置28の開口幅を左右に拡大する。この間に右下始動入賞口28bに対しては遊技球の流入が容易な状態となる。なお、可変始動入賞装置28は、開閉部材が盤面より奥に引っ込んだ位置から手前側へ突出した位置に移動する舌片型(ベロタイプ)の装置や、開閉部材の下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むように変位する装置であってもよい。
可変始動入賞装置28は、非時間短縮状態(通常状態)では所定の頻度(例えば、普通図柄抽選における6万分の1の確率)で右下始動入賞口28b(始動入賞口)を開放する開放状態に移行可能であり、時間短縮状態(有利状態)では所定の頻度よりも高い頻度(例えば、普通図柄抽選における略1分の1の確率)で開放状態に移行可能な特殊電動役物である。
第1可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合)に作動し、第1大入賞口30bへの入球を可能にする(特別電動役物、第1特別入球事象発生手段)。なお、第1可変入賞装置30は、小当り時に作動してもよい。
第1可変入賞装置30は、可変始動入賞装置28の下流に配置された装置であり(上アタッカ、大当り用アタッカ、Vアタッカ、確変領域付きのアタッカ)、例えば1つの開閉部材30aを有している。第1可変入賞装置30は、開閉部材30aが盤面の内部にスライドするタイプの装置である(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材30aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材30aの上面を転動することになるため、第1大入賞口30bへの入球は不能(第1大入賞口30bは閉塞中)である。そして、第1可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aが盤面の内部に引き込まれ、第1大入賞口30bを開放する(開放状態)。この間に第1可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない状態となり、第1大入賞口30bへの入球という事象を発生させることができる。
また、第1可変入賞装置30の内部には、第1可変入賞装置30に入球した遊技球を誘導するための誘導通路30cが配置されている。誘導通路30cは、第1大入賞口30bの入口から下方に向かって延びている。
そして、誘導通路30cの上流には、第1カウントスイッチ84が配置されており、誘導通路30cの中流には、確変領域羽根部材30d及び確変領域用孔30eが配置されており、誘導通路30cの下流には、排出口30fが配置されている。
第1可変入賞装置30に入球した遊技球は、最初に第1カウントスイッチ84にて入球したことが検出される。ここで、確変領域羽根部材30dを作動させる確変領域ソレノイドがONとなっている場合には、確変領域羽根部材30dが盤面の前方側に移動して遊技球を確変領域用孔30eに導く。一方、確変領域羽根部材30dを作動させる確変領域ソレノイドがOFFとなっている場合には、確変領域羽根部材30dが盤面の後方側に退避しているため、遊技球は確変領域羽根部材30dの前方側を通り抜けて、排出口30fに向かう。
〔確変領域(特定領域、確率変動機能作動領域)〕
また、確変領域用孔30eの内部には、確変領域(参照符号なし)が設けられている。確変領域は、第1可変入賞装置30が閉鎖状態である場合は遊技球が通過不能な領域であり、第1可変入賞装置30が開放状態である場合であって確変領域羽根部材30dが作動している場合は遊技球が通過可能な領域である。
確変領域羽根部材30dは、大当り遊技中に作動する可能性がある。確変領域羽根部材30dの動作パターンは、ラウンドの開始と同時に短期間(例えば0.1秒)にわたり確変領域を開放し、その後に数秒(2~3秒程度)閉鎖した後に確変領域を長期間(例えば20秒程度)にわたってロング開放するロング開放パターンと、ラウンドの開始と同時に短期間(例えば0.1秒)にわたり確変領域を開放するだけのショート開放するショート開放パターンとのいずれかを適用する。いずれの動作パターンにより確変領域羽根部材30dを動作させるかについては、当選図柄によって選択することができる。具体的には、確変図柄での当選時には確変領域をロング開放するロング開放パターンが選択され、通常図柄での当選時には確変領域をショート開放するショート開放パターンが選択される。
なお、確変領域羽根部材30dの動作パターンは、確変領域羽根部材30dがロング開放するパターンのみを適用し、第1可変入賞装置30がショート開放してラウンドが終了する際には、確変領域羽根部材30dがロング開放する機会を消滅させるようにしてもよい。また、ラウンドの開始と同時に実行される短期開放では遊技球は確変領域羽根部材30dまで到達しないので、この作動によって遊技球が確変領域に導かれることは困難である。
そして、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、大当り遊技の終了後に低確率状態から高確率状態に移行される。なお、この際、非時間短縮状態から時間短縮状態に合わせて移行させてもよい(高確率時間短縮状態)。一方、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、大当り遊技の終了後に低確率状態に移行する。なお、この際、非時間短縮状態から時間短縮状態に合わせて移行させてもよい(低確率時間短縮状態)。
第2可変入賞装置31(アタッカ)は、特別な条件が満たされた場合(特別図柄が小当りの態様で停止表示された場合)に作動し、第2大入賞口31bへの入球を可能にする(特別電動役物、第2特別入球事象発生手段)。なお、第2可変入賞装置31は、大当り時に作動してもよい。
第2可変入賞装置31は、第1可変入賞装置30の下流に配置された装置であり(下アタッカ、小当り用アタッカ)、1つの開閉部材31aを有している。第2可変入賞装置31は、開閉部材31aが盤面の内部にスライドするタイプの装置である(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材31aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材31aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材31aの上面を転動することになるため、第2大入賞口31bへの入球は困難(第2大入賞口31bは閉塞中)である。そして、第2可変入賞装置31が作動すると、開閉部材31aが盤面の内部に引き込まれ、第2大入賞口31bを開放する(開放状態)。この間に第2可変入賞装置31は遊技球の流入が困難ではない状態となり、第2大入賞口31bへの入球という事象を発生させることができる。
また、第2可変入賞装置31の内部には、第2可変入賞装置31に入球した遊技球を内部に誘導するための誘導通路31cが配置されている。誘導通路31cは、2つのルートに分岐しており、各ルートには、それぞれ第2カウントスイッチ85が配置されている。
第2可変入賞装置31に入球した遊技球は、いずれかの第2カウントスイッチ85にて入球が検出され、最終的には、排出口31fに導かれて内部に回収される。
また、第2可変入賞装置31の開閉部材31aの上部には、遊技球の移動する速度を減速するための複数の突起21が配置されている。複数の突起21は、遊技盤ユニットの前後方向(奥行き方向)に対して前方側及び後方側といったように交互に配置されている。
例えば、前方側の突起は、遊技盤ユニットの前方側(例えば、表側透明部材のカバーの裏側の面)に配置されており、後方側の突起は、遊技盤ユニットの後方側(例えば、裏側透明部材のカバーの表側の面)に配置されている。
このように、複数の突起21は、遊技盤ユニット8の前後方向(奥行き方向)に対して交互に配置されているため、無作為に流下する遊技球をジグザグに進行させることができ、遊技球の減速効果を向上させることができる。
なお、複数の突起21は、第2可変入賞装置31の開閉部材31aの上部以外にも、遊技球の減速を必要とする箇所に、適宜配置することができる。
遊技盤ユニット8には、その中央位置に上記の演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品等(図示しないものも含まれる)を備えている。装飾部品はその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。液晶表示器42は、演出用の画像を複数の階層(レイヤ)に分けて表示することができる。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。
その他に演出ユニット40の内部には、演出用の可動体40f(例えば電車を模した装飾物)とともに駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。これら可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40kが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40kに案内された遊技球は、その真下にある中始動入賞口26に流入しやすくなる。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、各種入賞口に入球(入賞)しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、普通入賞口22や中始動入賞口26、右上始動入賞口27、右下始動入賞口28b、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
図760は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の左下位置)を拡大して示す正面図である。すなわち遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の左下位置に普通図柄表示装置33及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35及び遊技状態表示装置38が設けられている。
このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0~4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、上記の始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により、対応する第1特別図柄又は第2特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(第1図柄表示手段、第2図柄表示手段)。なお、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0~4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、中始動入賞口26又は可変始動入賞装置28(右下始動入賞口28b)に遊技球が入球するごとに、中始動入賞口26又は可変始動入賞装置28(右下始動入賞口28b)に遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、右上始動入賞口27に遊技球が入球するごとに、右上始動入賞口27に遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で中始動入賞口26又は可変始動入賞装置28(右下始動入賞口28b)に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で右上始動入賞口27に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また、遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b、確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定ランプ38fにそれぞれ対応するLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図761は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0~65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
さらに、主制御装置70には、設定変更装置300、設定キースイッチ302、RAMクリアスイッチ304が設けられている。主制御装置70(主制御CPU72)は、設定変更装置300を動作させることにより設定を変更する。設定変更装置300は、設定を切り替える(特別図柄抽選の当選確率に関する複数段階の設定値をいずれかの設定値に変更可能な)装置であり、パチンコ機1に備えられたRAMクリアスイッチ304等の操作により作動する(設定変更手段)。また、設定とは、作動確率の組み合わせをいう。さらに、作動確率とは、条件装置が作動することとなる(大当り遊技が実行されることとなる)特別図柄の組み合わせが表示される確率をいう。設定キースイッチ302は、設定を切り替える上で必須となる設定キーの回転に伴い、その回転状態を示す信号(ON/OFF)を入力する入力装置である。設定の変更の手順は、様々な手法を採用することができるが、例えば、以下の手順で行うことができる。
(1)まず、パチンコ機1の電源をOFFにする。
(2)ついで、専用キー(ドアキー)でパチンコ機1の扉を開ける。具体的には、専用キーをシリンダ錠6aの鍵穴に差し込んで右方向に回転し、内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4を開放する。
(3)パチンコ機1には、設定キーを挿入するための設定キー用鍵穴306と、RAMクリアスイッチ304とが設けられているため、設定キー用鍵穴306に設定キーを挿入し、設定キーを右方向に回転する。
(4)そして、パチンコ機1の電源をONにする。
(5)これにより、設定キーが変更位置に回転されたことを示す信号(ON)が設定キースイッチ302により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が可能な状態となる。このとき、図示しないロック機構により安全ロックが掛けられる。したがって、設定キーは、元の位置に戻されない限りは抜き取ることが不可能となる。
ここで、設定キーを右方向に回転した状態で、RAMクリアスイッチ304をONにしながら、電源をONにすると、設定値が変更可能な状態となる(設定変更状態)。一方、設定キーを右方向に回転した状態で、RAMクリアスイッチ304をONにせずに、電源をONにすると、設定値が確認可能な状態となる(設定確認状態、設定参照状態)。
(6)設定の変更が可能な状態において、RAMクリアスイッチ304を任意の回数だけ押下することにより、例えば、6段階のうちのいずれかの段階に設定を変更することができる。
設定値は、例えば、性能表示モニタ200や、専用の7セグセグメントLED、遊技状態表示装置38(特別図柄表示装置等)に表示することができる。
(7)スロット機の場合、目的の設定に達したら、レバーON処理が必要になるが、パチンコ機1にはレバーが存在しないため、レバーON処理の代わりの代替処理(例えば、設定キーを左方向に回転する処理、不図示の設定変更確定ボタンをONにする処理等)を実行したり、レバーON処理を省略したりしてもよい。本実施形態では、目的の設定に達したら、設定キーを反時計回りに回転させて元の位置に戻す。この操作により、設定キーが元の位置に戻されたことを示す信号(OFF)が設定キースイッチ302により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が確定する。
(8)そして、設定の変更が確定すると、設定キーを設定キー用鍵穴から抜き取ることができる状態となる。この動作により、性能表示モニタ200や、専用の7セグセグメントLED、遊技状態表示装置38等に設定値を表示している場合には、その表示が消える。
(9)最後に、パチンコ機1の扉を閉める。これにより、設定の変更が完了する。設定の変更が完了すると、通常の遊技が開始される。
設定が変更された場合、主制御CPU72は、変更後の設定値をRAM76の設定値バッファに記憶する。設定値バッファは、バックアップの対象となるメモリ領域とすることができる。
〔設定変更の詳細〕
設定変更の詳細は、以下の通りである。
「設定キーON」、「内枠開放状態」、かつ、「RAMクリアスイッチ押下状態」で電源を投入すると、RAMクリア後、設定変更中の状態(設定変更モード)となる。
設定変更中の状態では、メイン表示器(遊技状態表示装置38に含まれる各種ランプ)の表示はなく、遊技球の発射や遊技球の賞球等は一切できない状態となる。
この場合、性能表示モニタ200の左側2つの7セグメントLED(識別セグ)に「rn.」が表示され、右側2つの7セグメントLED(比率セグ)に「-1」のように設定値が表示される。また、RAMクリアスイッチを押下すると、設定値が1~6の範囲で変化する。
そして、「設定キーOFF」にすると、設定確定となり、比率セグの表示は「空欄(非表示)1」のように「-」のセグが消灯する(非表示となる)。
この状態で、内枠閉鎖となった場合(実際には閉鎖状態が100ms継続した場合)、設定変更中の状態は終了となり、一旦、電源断前の状態に移行してから、遊技可能状態に移行する。
本実施形態では、RAMクリアスイッチ304と設定変更スイッチとを兼用している例で説明しているが、RAMクリアスイッチ304とは別に設定変更スイッチを別途設けてもよい。
〔設定確認の詳細〕
設定確認(設定参照)の詳細は、以下の通りである。
「設定キーON」、「内枠開放状態」、かつ、「RAMクリアスイッチ押下でない状態」で電源を投入すると、設定確認中の状態(設定確認モード)となる。
設定変更中の状態と同様に、設定確認中の状態では、メイン表示器の表示はなく、遊技球の発射や遊技球の賞球等は一切できない状態となる。
この場合、性能表示モニタの左側2つの7セグメントLED(識別セグ)に「rn.」が表示され、右側2つの7セグメントLED(比率セグ)に「空欄(非表示)1」のように設定値が表示される。また、設定確認中の状態では、RAMクリアスイッチを押下しても、設定値は変化しない。
この状態で、「設定キーOFF」、かつ、「内枠閉鎖状態」となった場合(実際には閉鎖状態が100ms継続した場合)、設定確認中の状態は終了となり、一旦、電源断前の状態に移行してから、遊技可能状態に移行する。
なお、本実施形態では、遊技可能状態で設定確認を行うことはできないが、遊技可能状態で設定確認を実行可能にしてもよい。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右下始動入賞口28b)、右上始動入賞口27、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31にそれぞれ対応して中始動入賞口スイッチ80、右下始動入賞口スイッチ82、右上始動入賞口スイッチ83、第1カウントスイッチ84及び第2カウントスイッチ85が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82,83は、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右下始動入賞口28b)、右上始動入賞口27への遊技球の入球を検出するためのものである。また、第1カウントスイッチ84は、第1可変入賞装置30(第1大入賞口)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。なお、2つの第2カウントスイッチ85については、共通のスイッチを用いる構成を例に挙げているが、2つのスイッチを設置して、遊技球の入球を個別に検出してもよい。さらにまた、確変領域スイッチ95aは、第1可変入賞装置30の内部に配置された確変領域を遊技球が通過したことを検出するためのスイッチである。
また、遊技盤ユニット8には、普通入賞口22への遊技球の入球を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、3つの普通入賞口22については、共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば3つの入賞口スイッチを設置して、各普通入賞口22に対する遊技球の入球を個別に検出してもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態では中始動入賞口スイッチ80、右下始動入賞口スイッチ82、右上始動入賞口スイッチ83からの検出信号は遊技者の利益に最も直接的に影響を及ぼす信号であるため、特に中継物を介することなく主制御装置70に送信されており、その他の検出信号はパネル中継端子板87を経由して主制御装置70に送信されている。パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
また、遊技盤ユニット8には、アウトスイッチ99が設けられている。遊技盤ユニット8には、普通入賞口22、中始動入賞口26、右上始動入賞口27、右下始動入賞口28b、第1大入賞口30b、第2大入賞口31b、アウト口32を通過した遊技球を合流させる合流通路が形成されており、この合流通路にアウトスイッチ99が設けられている。アウトスイッチ99は、合流通路を通過する遊技球を検出するものであり、遊技球を検出するたびに検出信号が主制御装置70に入力される。主制御装置70は、アウトスイッチ99から入力される検出信号に基づいて、アウト球の数を計数する。ここで、遊技領域8aに発射された遊技球は、必ず、合流通路を通過してパチンコ機1の外部に排出されることから、アウトスイッチ99は、遊技領域8aに発射された発射球数、つまり、遊技領域8aから排出される排出数(アウト球数)を計数する。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、主制御装置70には、パネル中継端子板87を介して、性能表示モニタ200が接続されている。性能表示モニタ200は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作が制御される。主制御CPU72は、ベースの算出状況に応じて性能表示モニタ200に対する制御信号を出力し、7セグメント201~204の点灯状態を制御する。
なお、性能表示モニタ200は、パネル中継端子板87を介して主制御装置70に接続する例で説明しているが、パネル中継端子板87を介さずに主制御装置70に接続してもよく、主制御装置70の内部の構成として性能表示モニタ200を配置してもよい。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び確変領域の上流の領域にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び確変領域ソレノイド95bが設けられている。これらソレノイド88,90,97,95bは主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31を開閉動作(作動)させたり、確変領域羽根部材30dを可動させたりする。なお、これらソレノイド88,90,97,95bについても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に上記の一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、上記の内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受け皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに、下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受け皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受け皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のハンドルユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がハンドルユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして、発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受け皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のカードユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受け皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに送信される。また、カードユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、カードユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また、演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46~52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
演出制御装置124と上記の主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお、各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46やガラス枠装飾ランプ48,50,52の他に、遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここではガラス枠装飾ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受け皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、ガラス枠装飾ランプ52については受け皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
また、音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、スピーカ54,55,56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46~52やスピーカ54,55,56に印加されている。また、ガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。さらに、ガラス枠電飾基板136には、上記のジョグダイアル45aが接続されており、遊技者がジョグダイアル45aを回転させると、その回転信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aを接続した例を挙げているが、上記の受け皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aは受け皿電飾基板に接続されていてもよい。
その他、遊技盤ユニット8にはパネル電飾基板138が設置されており、このパネル電飾基板138には盤面ランプ53の他に可動体モータ57が接続されている。可動体モータ57は、例えば図示しないリンク機構を介して上記の可動体40fを駆動する。ランプ駆動回路132からの駆動信号は、パネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53及び可動体モータ57にそれぞれ印加される。
上記の液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤ユニット8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、VDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なお、VRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46~53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらに、VDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上記のように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。
図762は、設定値と特別図柄抽選の当選確率との関係を示す図である。
設定値が「1」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/319」である。
設定値が「2」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/313」である。
設定値が「3」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/308」である。
設定値が「4」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/299」である。
設定値が「5」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/291」である。
設定値が「6」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/273」である。
設定値が「1」である場合、特別図柄抽選の当選確率(高確率状態)は、「1/72」である。
設定値が「2」である場合、特別図柄抽選の当選確率(高確率状態)は、「1/70」である。
設定値が「3」である場合、特別図柄抽選の当選確率(高確率状態)は、「1/68」である。
設定値が「4」である場合、特別図柄抽選の当選確率(高確率状態)は、「1/67」である。
設定値が「5」である場合、特別図柄抽選の当選確率(高確率状態)は、「1/65」である。
設定値が「6」である場合、特別図柄抽選の当選確率(高確率状態)は、「1/62」である。
このように、設定値が大きい値であるほど、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、大きな値となっているため、遊技者にとって有利な状況となる。
なお、図示の例では、特別図柄抽選の当選確率は、低確率状態及び高確率状態で設定差を設ける例で説明したが、低確率状態のみ又は高確率状態のみで設定差を設けてもよい。また、設定に関しては、大当り確率だけでなく、小当り確率に設定差を設けてもよい。さらに、その他の項目(例えば、高確率状態への移行率、時間短縮状態への移行率、確変回数、時短回数、特殊変動回数等)に設定差を設けてもよい。
続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、リセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図763及び図764は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1~2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また、主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また、主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、特図先判定演出コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタ値コマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また、主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図764に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97、確変領域ソレノイド95b等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして、主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)、及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図766中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が一巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図766中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、上記のように、本実施形態において大当り決定乱数及び当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図766)を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込管理処理の内容については後述する。
〔電源断発生チェック処理〕
図765は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように普通電動役物ソレノイド88や第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97、確変領域ソレノイド95bに対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また、主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして、主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(図763)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図766は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB~Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A~L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたもの(図764中のステップS120)と同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78及び確変領域スイッチ95aからの通過検出信号や、中始動入賞口スイッチ80、右下始動入賞口スイッチ82、右上始動入賞口スイッチ83、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、中始動入賞口スイッチ80、右下始動入賞口スイッチ82、右上始動入賞口スイッチ83からの入賞検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、中始動入賞口スイッチ80、右下始動入賞口スイッチ82又は右上始動入賞口スイッチ83から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、中始動入賞口スイッチ80、右下始動入賞口スイッチ82又は右上始動入賞口スイッチ83から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS204a:主制御CPU72は、設定変更処理(設定関連処理)を実行する。この処理を実行することにより、主制御CPU72は、設定値を変更する際に実行される設定変更処理又は設定値を確認する際に実行される設定確認処理の少なくとも一方を含む設定関連処理を実行することができる(設定関連処理実行手段)。なお、設定変更状態や設定確認状態でない場合には(通常遊技状態である場合には)、本処理を実行しないようにすることができる。また、通常遊技状態である場合には、ベースを算出し、算出したベースを性能表示モニタ200に表示する処理を実行することができる。主制御CPU72は、遊技球が各入賞口(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)に入球することによって払い出される賞球数を、遊技領域に発射した遊技球の数を示すアウト数(アウトスイッチで検出された遊技球の数)で除算することによりベースを算出することができる(ベース算出手段、ベース関連処理実行手段)。
本処理において設定変更処理(設定関連処理)を実際に実行した場合、主制御CPU72は、サブコマンドとして、「設定関連終了指定コマンド」を生成する処理を実行する。「設定関連終了指定コマンド」には、設定関連処理(設定変更に関する処理又は設定確認に関する処理)が終了したという情報や、設定値の情報を含ませることができる。生成された「設定関連終了指定コマンド」は、演出制御装置124に送信される。
ステップS205,ステップS206a,ステップS206b:主制御CPU72は、割込管理処理中において及び普通図柄遊技処理、第1特別図柄遊技処理及び第2特別図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち普通図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(作動抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
また、第1特別図柄遊技処理(ステップS206a)では、主制御CPU72は第1特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり(第1抽選実行手段、抽選実行手段)、第1特別図柄表示装置34による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31の作動を制御したりする。また、第2特別図柄遊技処理(ステップS206b)では、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり(第2抽選実行手段、抽選実行手段)、第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて第2可変入賞装置31の作動を制御したりする。なお、第1特別図柄遊技処理及び第2特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,81,82,83,84,85,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
主制御CPU72は、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する場合、又は、払い出しを開始してから払い出し中であると予測される時間が経過するまでの期間(例えば数秒間)にわたり、演出制御装置124に対して、遊技球の払い出し中であることを示す払い出し中コマンド送信することができる。
また、主制御CPU72は、賞球払出処理において、演出制御装置124に対して賞球個数の内容を伝達する賞球内容コマンドを出力する。第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31に対応する第1カウントスイッチ84又は第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力された場合、第1利益(遊技球10個分)に対応する賞球内容コマンドを生成する。また、普通入賞口22に対応する入賞口スイッチ86から入賞検出信号が入力された場合、第2利益(遊技球5個分)に対応する賞球内容コマンドを生成する。賞球内容コマンドは、演出制御出力処理(図766中ステップS212)において演出制御装置124に送信される。
〔賞球数及び獲得遊技球数について〕
第1特別図柄の始動口の賞球数及び第2特別図柄の始動口の賞球数は、それぞれ1個以上の規定数に設定されている。また、第1特別図柄の始動口と第2特別図柄の始動口とでは、賞球数を異ならせてもよい。さらに、特別図柄抽選の当選確率や、総獲得遊技球数の期待値(初当りから時間短縮状態が終了するまでの一連の期間に得られる平均出球数)に基づいて、最低賞球数を設定してもよい。さらにまた、特別図柄抽選の当選確率、総獲得遊技球数の期待値、大入賞口の開放回数、大入賞口の開放時間、大入賞口の最大入賞数、大入賞口の賞球数が所定の条件を満たした場合、1回の大当りによる獲得遊技球数が最大の獲得遊技球数の1/4未満となる大当りを設定してもよい。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。ポート出力要求バッファに格納された外部情報信号は、外部端子板160を介してデータ表示装置やホールコンピュータに送信される。
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」~「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」~「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」~「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS209:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、変動時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の普通図柄遊技処理(ステップS205)や第1特別図柄遊技処理(ステップS206a)、第2特別図柄遊技処理(ステップS206b)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお、駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また、主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び確変領域ソレノイド95bの各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS213:そして、主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお、本実施形態では、ステップS205~ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして、主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A~L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図767は、スイッチ入力イベント処理(図766中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS11に進んで普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また、主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして、主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。一方、通過検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS12に進む。
ステップS12:主制御CPU72は、中始動入賞口26に対応する中始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力されたか否か(抽選契機が発生したか否か)を確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS13に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:主制御CPU72は、右下始動入賞口28bに対応する右下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力されたか否か(抽選契機が発生したか否か)を確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS15に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS16に進む。なお、本実施形態では、右下始動入賞口28bは、第2特別図柄に対応する始動口としているが、第1特別図柄に対応する始動口としてもよい。
ステップS16:主制御CPU72は、右上始動入賞口27に対応する右上始動入賞口スイッチ83から入賞検出信号が入力されたか否か(抽選契機が発生したか否か)を確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS17に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の第1大入賞口に対応する第1カウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS19に進んで第1大入賞口カウント処理を実行する。第1大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの第1可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS20に進む。
ステップS20:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の第2大入賞口に対応する第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS21に進んで第2大入賞口カウント処理を実行する。第2大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に第2可変入賞装置31への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22を実行する。
ステップS22:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の内部に設けられた確変領域に対応する確変領域スイッチ95aから検出信号が入力されたか否かを確認する。この検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS23に進んで確変領域通過時処理を実行する。
確変領域通過時処理として、主制御CPU72は、確変領域通過フラグをONにセットする処理を実行する。確変領域通過フラグがONにセットされている場合、主制御CPU72は、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする処理を実行する(高確率状態移行手段、確率変動機能作動手段、有利遊技状態移行手段、特別状態移行手段)。確率変動機能作動フラグのセットは、本処理で実行してもよく、大当り時終了処理で実行してもよい。なお、確変領域通過フラグがONにセットされている場合であっても、リミッタ到達時である場合(例えば大当り遊技開始時のリミッタ回数=1である場合)、主制御CPU72は、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットしないようにすることができる。
確変領域通過フラグは、大当り遊技の終了時にリセットする。また、確率変動機能作動フラグは、次の大当り遊技が開始されるか、大当り遊技の終了後に当選の結果が得られずに特別図柄が所定回数(10000回)変動するとリセットされる。
確変領域通過時処理として、主制御CPU72は、確変領域通過コマンドを生成する。確変領域通過コマンドは、演出制御装置124に送信される。なお、主制御CPU72は、特定の有効時間内(例えば、大当り遊技中に確変領域ソレノイド95bを作動させている時間内)に限って確変領域通過時処理を実行することにしてもよい。一方、検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図766)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図768は、第1特別図柄記憶更新処理の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。ここで、RAM76の乱数記憶領域は、第1特別図柄用の4つのセクションと、第2特別図柄用の4つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図767)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図766中のステップS210)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第1抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして、主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(記憶手段、抽選要素記憶手段)。複数のセクションには順番(例えば第1~第4)が設定されており、現段階で第1~第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2~第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の特別遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37,S38を実行する。大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37,S38をスキップしてステップS38aに進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS37:大当り中以外の場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS32~S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。なお、具体的な処理の内容については別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS38:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS38a:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」~「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」~「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」~「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」~「04H」となったことを表している。なお、上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS39:そして、主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えるか、もしくは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図767)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
図769は、第2特別図柄記憶更新処理の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば4とする)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図767)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図768)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図766中のステップS210)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして、主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第2抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図768)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図768)と同様である。
ステップS44:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段)。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図768)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第2特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(記憶手段、抽選要素記憶手段)。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図768)と同様である。
ステップS45a:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。そして、大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS46,S47を実行する。逆に大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS46,S47をスキップしてステップS48に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、同じく大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS46:大当り中以外である場合(ステップS45a:No)、次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS42~S44でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS47:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS46)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS48:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」~「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお、先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS49:そして、主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して特図先判定演出コマンドや作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置124に対して送信する準備が行われる(記憶数通知手段)。また、以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図767)に復帰する。
〔取得時演出判定処理〕
図770は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理及び第2特別図柄記憶更新処理(図768中のステップS37,図769中のステップS46)においてこの取得時演出判定処理を実行する(先判定実行手段)。上記のように、この処理は第1特別図柄(中始動入賞口26又は可変始動入賞装置28(右下始動入賞口28b)への入球時)、第2特別図柄(右上始動入賞口27への入球時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンド(先判定情報)の下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(図768中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図769中のステップS45)でRAM76に記憶されているものである。
ステップS54:そして、主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段、事前判定手段)。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお、比較値(下限値)は、パチンコ機1における内部抽選の当選確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS80に進む。
ステップS80:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段)。この処理では、主制御CPU72は、はずれ時の変動時間について上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、特に「変動時間短縮機能」の作動時における変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。例えば、現在の状態が「変動時間短縮機能」の作動時であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものである場合、主制御CPU72は「時短中非短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。なお、リーチ変動の場合はさらに、リーチモード乱数から「リーチグループ(リーチの種類)」をも判断し、その結果から変動パターン先判定コマンドを生成することとしてもよい。一方、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「時短中短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。あるいは、現在の状態が「変動時間短縮機能」の非作動時であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものである場合、主制御CPU72は「通常はずれリーチ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。一方、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「通常はずれ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、上記のように演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。なお、この処理において、主制御CPU72は、小当り時の変動パターンについて、上述したはずれ時の処理と同様に変動パターン先判定コマンドを生成してもよい。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は呼び出し元の第1特別図柄記憶更新処理(図768)又は第2特別図柄記憶更新処理(図769)に復帰する。一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS56に進む。
ステップS56:主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされているか否かを確認する。先判定結果による確率状態予定フラグは、未だ変動は開始されていないが、これまで記憶されている大当り決定乱数の中に当選値がある場合にセットされるものである。具体的には、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合、これと組になる大当り図柄乱数が「確変図柄(10ラウンド確変図柄1~3)」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「A0H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、高確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。一方、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合であって、これと組になる大当り図柄乱数が「通常図柄(10ラウンド通常図柄)」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「01H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、通常(低)確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。なお、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値が未だ存在しなければ、フラグ値はリセット(00H)されている。また、確率状態予定フラグの値は、例えばRAM76のフラグ領域に格納されている。なお、ここでは「確率状態予定フラグ」を用いて厳密に事前の当り判定を行う例を挙げているが、単純に現在の確率状態に基づいて事前の当り判定を行う場合、このステップS56と以降のステップS58,ステップS60,ステップS62,ステップS76等を省略してもよい。
主制御CPU72は、未だ確率状態予定フラグがセットされていなければ(ステップS56:No)、次にステップS66を実行する。
ステップS66:この場合、主制御CPU72は次に低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。なお、低確率時用比較値もまた、パチンコ機1における低確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
ステップS68:次に主制御CPU72は、「現在の確率状態フラグ」をロードする。この確率状態フラグは、現在の内部状態が高確率(確変中)であるか否かを表すものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。現在の確率状態が高確率(確変中)であれば、状態フラグとして値「01H」がセットされており、低確率(通常中)であれば、状態フラグの値はリセットされている(「00H」)。
ステップS70:そして、主制御CPU72は、ロードした現在の特別図柄確率状態フラグが高確率を表すものでないか否かを確認し(≠01H)、その結果、高確率を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行する。
ステップS64:主制御CPU72は、高確率時用比較値をセットする。これにより、先のステップS66でセットされた低確率時用比較値が書き換えられることになる。なお、高確率時用比較値は、パチンコ機1における高確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが未だセットされていない場合であって、現在の内部状態が高確率の場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72を実行することになる。これに対し、先のステップS70で現在の確率状態フラグが高確率を表すものでないことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72を実行する。
ステップS72:主制御CPU72は、先のステップS52でロードした乱数が当り値の範囲外であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段)。すなわち、主制御CPU72は状態別でセットした比較値から大当り決定乱数値を減算する。そして、主制御CPU72は、同様にフラグレジスタの値から演算結果が負の値(<0)であるか否かを判別し、その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72は上記のはずれ時変動パターン情報事前判定処理(ステップS80)を実行する。これに対し、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
ステップS74:主制御CPU72は、大当り図柄種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(図768中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図769中のステップS45)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、上記のステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果から大当り種別として「確変図柄」又は「通常図柄」のいずれに該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS76に進む。
ステップS76:そして、主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグの値をセットする。具体的には、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値が「通常図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「01H」をセットする。一方、特別図柄先判定値が「確変図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「A0H」をセットする。これにより、次回以降の処理ではステップS56において「フラグセット済み」と判定されることになる。
ステップS78:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットする。特別図柄先判定値は、例えば「通常図柄」に該当する場合は「01H」がセットされ、「確変図柄」に該当する場合は「A0H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
ステップS79:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り時の変動時間について、上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、例えば大当り時のリーチ変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、上記のように演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされる前(内部初当り前)における手順である。これに対し、先のステップS76を経て確率状態予定フラグがセットされた場合、以下の手順が実行される。ただし、上記のように現在の確率状態だけで事前の当り判定を行う場合、以下のステップS56,ステップS58,ステップS60,ステップS62、及びステップS76を実行する必要はない。
ステップS56:主制御CPU72は、既に確率状態予定フラグに値がセットされていることを確認すると(Yes)、次にステップS58を実行する。
ステップS58:主制御CPU72は、先ず低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。
ステップS60:次に主制御CPU72は、「確率状態予定フラグ」をロードする。確率状態予定フラグは、上記のように直前の先判定結果に基づきそれ以降の先判定において確率状態を予定的に設定するためのものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。直前の先判定結果に基づく確率状態が高確率(確変)に移行する予定であれば、上記のように確率状態予定フラグの値として「A0H」がセットされており、逆に直前の先判定結果に基づく確率状態が低確率(通常)に戻る予定であれば、確率状態予定フラグの値として「01H」がセットされている。
ステップS62:そして、主制御CPU72は、ロードした確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでないか否かを確認し(≠01H)、その結果、高確率の予定を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行し、高確率時用比較値をセットする。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが既にセットされており、その値が高確率を予定するものである場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72以降を実行することになる。これに対し、先のステップS62で確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでなく、通常(低)確率の予定を表すものであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72以降を実行する。これにより本実施形態では、先判定結果に基づくその後の内部状態の変化(通常確率状態→高確率状態、高確率状態→通常確率状態)を考慮した上で、事前の大当り判定を行うことができる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(図768)又は第2特別図柄記憶更新処理(図769)に復帰する。
〔第1特別図柄及び第2特別図柄の並行変動〕
次に、第1特別図柄遊技処理及び第2特別図柄遊技処理の詳細について説明する。本実施形態では、第1特別図柄及び第2特別図柄について、それぞれに対応する内部抽選を別個に実行することで、第1特別図柄表示装置34による第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄表示装置35による第2特別図柄の変動表示とを並行して行うことが可能である(図柄並行変動手段)。このため、本実施形態では、第1特別図柄及び第2特別図柄のそれぞれについて、主制御CPU72による制御上で第1特別図柄遊技処理及び第2特別図柄遊技処理を別個に(1割り込み周期に1回ずつ)実行することとしている。
〔第1特別図柄遊技処理〕
図771は、第1特別図柄遊技処理の手順例を示すフローチャートである。
第1特別図柄遊技処理は、はじめに内部状態フラグが「大役開始(大当り遊技中)」であるか否かを確認する手順(ステップS1000a)を有している。
ステップS1000a:主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する遊技状態(内部状態)が「大役開始(大当り遊技中)」であるか否かを確認する。この確認は、第2特別図柄に関してこれまでに行われた処理の進行状況(第2特別図柄遊技管理ステータスの値)に基づいて行うことができる。本実施形態においてこの確認を行っているのは、他方の第2特別図柄に関して大当り遊技中である場合、第1特別図柄に関する遊技を進行させないこととしているからである。
現時点で、特に第2特別図柄に関して大当り遊技中(第2特別図柄遊技管理ステータスが大当り中の値)でなければ(No)、主制御CPU72は次のステップS1000bの処理を実行する。
また、第1特別図柄遊技処理は、RAM76に記憶されている変動時間計測一時停止中フラグがONであり、かつ、遊技状態が小当り中であるか否かを確認する手順(ステップS1000b)を有している。なお、変動時間計測一時停止中フラグがONである場合は変動時間の計測が一時停止中であることを意味しており、変動時間計測一時停止中フラグがOFFである場合は変動時間の計測が一時停止中でないことを意味している。
ステップS1000b:主制御CPU72は、RAM76に記憶されている変動時間計測一時停止中フラグがONであり、かつ、遊技状態が小当り中であるか否かを確認する。本実施形態においてこの確認を行っているのは、他方の第2特別図柄に関して小当り遊技中であり、かつ、第1図柄が変動中である場合、第1特別図柄の変動時間の計測を一時停止させることとしているからである。
現時点で、変動時間計測一時停止中フラグがONでない、又は、変動時間計測一時停止中フラグがONであったとしても遊技状態が小当り中でなければ(No)、主制御CPU72は次のステップS1000b1以降の処理を実行する。ステップS1000b1~ステップS6000は、それぞれ第1特別図柄遊技処理の根幹となるプログラムモジュールである。主制御CPU72はこれら根幹となるステップS1000b1~ステップS6000の処理を通じて、第1特別図柄に対応する遊技の進行状況を具体的に制御することができる。
一方、変動時間計測一時停止中フラグがONであり、かつ、小当り遊技中である場合(Yes)、主制御CPU72はステップS7000の処理を実行する。
第1特別図柄遊技処理の根幹部分には、特別遊技特別図柄判別フラグ更新処理(ステップS1000b1)、実行選択処理(ステップS1000c)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、大当り時可変入賞装置管理処理(ステップS5000)、小当り時可変入賞装置管理処理(ステップS6000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群が含まれている。ここでは先ず、各処理に沿って第1特別図柄遊技処理の根幹部分に関して基本的な流れを説明する。
ステップS1000b1:主制御CPU72は、特別遊技特別図柄判別フラグ更新処理を実行する。主制御CPU72は、この処理において、第1特別図柄及び第2特別図柄のうちいずれの特別図柄を処理の対象とするかについての処理対象図柄を決定する処理を実行する。ここで、特別遊技特別図柄判別フラグとは、処理対象図柄を特定するフラグであり、RAM76に記憶されている。具体的には、主制御CPU72は、特別遊技特別図柄判別フラグの値に第1特別図柄に対応する値(例えば「0」)を設定する処理を実行する。
ステップS1000c:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000~ステップS6000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、戻り先のアドレスとして第1特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(第1特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ第1特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(第1特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。また、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(第1特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(第1特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は第1特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。具体的には、ここで大当り判定(第1抽選実行手段、抽選実行手段)や変動パターンの決定を行い、大当りの場合はあわせて当選種別の判定を行う。また、当選種別の判定に伴い、主制御CPU72は「時間短縮状態」及び「高確率状態」に関する回数切りカウンタを設定したりする。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番~7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって第1特別図柄の変動表示が行われる。
また、この処理ではスキップ機能を作動させるか否かの判定処理も行われ、先の大当り判定において、例えば、第1特別図柄が大当りの変動中であり、かつ、第2特別図柄が非当選に該当した場合、第2特別図柄に対してスキップ機能が作動される。このスキップ機能の作動により、第2特別図柄の非当選の変動を強制的に終了させる処理が行われる。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより第1特別図柄の停止表示が行われる。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS5000:大当り時可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において大当りの態様で第1特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、第1特別図柄が大当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生する。第1特別図柄に関して大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000c)においてジャンプ先が大当り時可変入賞装置管理処理にセットされ、第1特別図柄の変動表示は行われない。大当り時可変入賞装置管理処理においては、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97が一定時間(例えば29秒間又は10個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば10回)にわたって励磁され、これにより第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で10回あれば、これを「10ラウンド」と総称する。
主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また、主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで第1特別図柄に関して大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ、変動時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる(高確率状態移行手段、時間短縮状態移行手段、低確率時間短縮状態移行手段、高確率非時間短縮状態移行手段)。「高確率状態」では確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常よりも例えば10倍程度に高くなる。また、「時間短縮状態」では変動時間短縮機能が作動し、普通図柄の作動抽選が高確率になり、普通図柄の変動時間が短縮されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長されて開放回数が増加する(いわゆる電チューサポートが行われる)。なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については、制御上でいずれか一方だけに移行する場合もあれば、これら両方に合わせて移行する場合もある。
本実施形態において、「時間短縮状態」とは、変動時間短縮機能が作動することにより、普通図柄又は特別図柄の変動時間が短縮され、普通図柄の作動抽選の当選確率が高確率になり、可変始動入賞装置28の開放時間が延長される状態(開放延長機能作動)を意味している。
また、「非時間短縮状態」とは、変動時間短縮機能が非作動となることにより、普通図柄又は特別図柄の変動時間が短縮されず、普通図柄の作動抽選の当選確率が低確率になり、可変始動入賞装置28の開放時間が延長されない状態(開放延長機能非作動)を意味している。
ステップS6000:小当り時可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において小当りの態様で第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示された場合に選択される。第1特別図柄又は第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から小当り遊技状態に移行する契機が発生する。小当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000c)においてジャンプ先が小当り時可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。小当り遊技では第2可変入賞装置31が所定の開放時間で所定回数にわたり開閉動作する。
ステップS7000:変動時間計測一時停止中処理は、第1特別図柄の変動を停止させずに維持する処理である。主制御CPU72は、第2特別図柄に関して小当り遊技中であり、かつ、第1特別図柄が変動中である場合に、第1特別図柄表示装置34の駆動制御を行う。第1特別図柄表示装置34の駆動制御としては、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番~7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する処理を実行し、これによって第1特別図柄が停止されない状態が維持される。なお、第1特別図柄の変動時間の計測を一時的に停止した場合、小当り遊技の終了後には、変動時間の計測が再開される。なお、主制御CPU72は、第2特別図柄に関して小当り遊技中であると判断しても、第1特別図柄が変動中でない場合には、変動時間計測一時停止中処理を実行しない。また、変動時間の計測は、一時停止ではなく、強制終了であってもよい。
〔第2特別図柄遊技処理〕
図772は、第2特別図柄遊技処理の手順例を示すフローチャートである。
第2特別図柄遊技処理は、はじめに他方の第1特別図柄に関して大当り中であるか否かを確認する手順(ステップS1900a)を有している。
ステップS1900a:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する遊技状態が「大当り遊技中」であるか否かを確認する。この確認もまた、上記のように第1特別図柄遊技管理ステータスの値に基づいて行うことができる。なお、この判定には「小当り遊技中」であるか否かの判定を加えてもよい。
現時点で、第1特別図柄に関して大当り遊技中(第1特別図柄遊技管理ステータスが大当り中の値)でなければ(No)、主制御CPU72は次のステップS1900a1以降の処理を実行する。ステップS1900a1~ステップS6900は、それぞれ第2特別図柄遊技処理の根幹となるプログラムモジュールである。主制御CPU72はこれら根幹となるステップS1900a1~ステップS6900の処理を通じて、第2特別図柄に対応する遊技の進行状況を具体的に制御することができる。
先の第1特別図柄遊技処理において説明したように、第2特別図柄遊技処理の根幹部分についても、特別遊技特別図柄判別フラグ更新処理(ステップS1900a1)、実行選択処理(ステップS1900b)、特別図柄変動前処理(ステップS2900)、特別図柄変動中処理(ステップS3900)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4900)、大当り時可変入賞装置管理処理(ステップS5900)、小当り時可変入賞装置管理処理(ステップS6900)のサブルーチン(プログラムモジュール)群が含まれている。なお、第1特別図柄遊技処理と同様の内容は、説明を適宜省略する。
ステップS1900a1:主制御CPU72は、特別遊技特別図柄判別フラグ更新処理を実行する。主制御CPU72は、この処理において、第1特別図柄及び第2特別図柄のうちいずれの特別図柄を処理の対象とするかについての処理対象図柄を決定する処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、特別遊技特別図柄判別フラグの値に第2特別図柄に対応する値(例えば「1」)を設定する処理を実行する。
ステップS1900b:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2900~ステップS6900のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、戻り先のアドレスとして第2特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
ここでも同様に、いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(第2特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ第2特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(第2特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2900)を選択する。また、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(第2特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3900)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(第2特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4900)を選択する。
ステップS2900:第2特別図柄遊技処理における特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は第2特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う(第2抽選実行手段、抽選実行手段)。
ステップS3900:また、特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。
ステップS4900:第2特別図柄遊技処理における特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力し、これにより第2特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5900:大当り時可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において大当りの態様で第2特別図柄が停止表示された場合に選択される。ここでも同様に、当選種類に応じた態様で第2特別図柄の停止表示態様が決定される。また、主制御CPU72は、大当り時可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の第2可変入賞装置31の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで第2特別図柄に関して大当り遊技(大役)を終了する。
そして、第2特別図柄に関して大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ、変動時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態を変化させる。
ステップS6900:小当り時可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において小当りの態様で第2特別図柄が停止表示された場合に選択される(特殊遊技実行手段)。例えば、第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から小当り遊技状態に移行する契機が発生する。小当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が小当り時可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。小当り遊技では第2可変入賞装置31が所定の開放時間で所定回数にわたり開閉動作する。
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、複数の当選種類として、(1)「10ラウンド確変大当り1」、(2)「10ラウンド確変大当り2」、(3)「10ラウンド確変大当り3」、(4)「10ラウンド通常大当り」が設けられている。なお、10ラウンド以外の大当りを設定してもよい。
上記の当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「10ラウンド確変大当り1」は「10ラウンド確変図柄1」の大当りに対応し、「10ラウンド確変大当り2」は「10ラウンド確変図柄2」の大当りに対応する。また、「10ラウンド確変大当り3」は「10ラウンド確変図柄3」の大当りに対応し、「10ラウンド通常大当り」は「10ラウンド通常図柄」の大当りに対応する。このため以下では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔可変入賞装置の開放動作パターン〕
図773は、可変入賞装置の開放動作パターンを示す図である。各当選図柄に対応する大入賞口及び確変領域の開放について内容を説明する。
〔10ラウンド確変図柄1〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「10ラウンド確変図柄1」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。
この場合、1ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放(例えば29.0秒開放)し、確変領域ソレノイドがONとなって確変領域がロング開放する。このため、遊技球は確変領域を通過する可能性がある。1ラウンド目に第1可変入賞装置30の内部に配置された確変領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する。
また、2ラウンド目~10ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。確変領域ソレノイドはOFFであるため、確変領域は開放しない。
このため、「10ラウンド確変図柄1」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
さらに、「10ラウンド確変図柄1」に該当した場合は、大当り遊技の終了後に、「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する。
このように、「10ラウンド確変図柄1」は、高確率時間短縮状態に移行させる当選図柄である。
〔10ラウンド確変図柄2〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「10ラウンド確変図柄2」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。
この場合、1ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放(例えば29.0秒開放)し、確変領域ソレノイドがONとなって確変領域がロング開放する。このため、遊技球は確変領域を通過する可能性がある。1ラウンド目に第1可変入賞装置30の内部に配置された確変領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する。
また、2ラウンド目~10ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。確変領域ソレノイドはOFFであるため、確変領域は開放しない。
このため、「10ラウンド確変図柄2」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
さらに、「10ラウンド確変図柄2」に該当した場合は、大当り遊技の終了後に、「時間短縮機能」を作動させないことで、「非時間短縮状態」に移行する。
このように、「10ラウンド確変図柄2」は、高確率非時間短縮状態に移行させる当選図柄である。
〔10ラウンド確変図柄3〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「10ラウンド確変図柄3」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。
この場合、1ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放(例えば29.0秒開放)し、確変領域ソレノイドがONとなって確変領域がロング開放する。このため、遊技球は確変領域を通過する可能性がある。1ラウンド目に第1可変入賞装置30の内部に配置された確変領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する。
また、2ラウンド目~10ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。確変領域ソレノイドはOFFであるため、確変領域は開放しない。
このため、「10ラウンド確変図柄3」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
さらに、非時間短縮状態で「10ラウンド確変図柄3」に該当した場合は、大当り遊技の終了後に、「時間短縮機能」を作動させないことで、「非時間短縮状態」に移行する。一方、時間短縮状態で「10ラウンド確変図柄3」に該当した場合は、大当り遊技の終了後に、「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する。
このように、「10ラウンド確変図柄3」は、当選時の遊技状態に応じて、高確率非時間短縮状態又は高確率時間短縮状態に移行させる当選図柄である。
〔10ラウンド通常図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「10ラウンド通常図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。
この場合、1ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。ただし、確変領域ソレノイドはONとなるが、確変領域はロング開放しない。このため、遊技球は確変領域を通過することは困難である。このため、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」は作動されず、「低確率状態」に移行する。
また、2ラウンド目~10ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。確変領域ソレノイドはOFFであるため、確変領域は開放しない。
このため、「10ラウンド通常図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
さらに、「10ラウンド通常図柄」に該当した場合は、大当り遊技の終了後に、「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する。
このように、「10ラウンド通常図柄」は、低確率時間短縮状態に移行させる当選図柄である。
ここで、第1可変入賞装置30の第1大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される。また、第2可変入賞装置31の第2大入賞口も同様に、1ラウンド内に(1回の小当り遊技中に)規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される。
いずれにしても、当選図柄が「いずれかの確変図柄」に該当し、かつ、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過すると、大当り遊技の終了後には、「高確率時間短縮状態」又は「高確率非時間短縮状態」に移行する。一方、当選図柄が「10ラウンド通常図柄」に該当すると、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過することは困難であるため、大当り遊技の終了後には、「低確率時間短縮状態」に移行する。なお、当選図柄が「いずれかの確変図柄」に該当しても、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなければ、大当り遊技の終了後には、「低確率時間短縮状態」又は「低確率非時間短縮状態」に移行する。
また、本テーブルに示す動作パターンにおいては、オープニング時間は共通の「10.0秒」となっており、ラウンド間インターバル時間は共通の「1.5秒」となっており、エンディング時間は共通の「8.0秒」となっている。なお、オープニング時間とは、大当り遊技の開始時に設定される開始時間のことであり、ラウンド間インターバル時間とは、ラウンドとラウンドとの間に設定される待機時間のことであり、エンディング時間とは、大当り遊技の終了時(最終ラウンドが終了した後)に設定される終了時間のことである。ラウンド間インターバル時間は、最終ラウンドにおいても設定される。
〔小当り〕
また、本実施形態では、第2特別図柄の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当り遊技が行われて第2可変入賞装置31が開閉動作する(特例遊技実行手段)。より詳細には、先の特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、小当り遊技(第2可変入賞装置31が作動する遊技)が実行される。このような小当り遊技では、第2可変入賞装置31が所定の開放パターンで動作するため(例えば、0.5秒×1回開放)、第2大入賞口への入賞は一定数発生(平均して1.7個程度発生)する。
なお、小当り遊技が終了しても、「確率変動機能」が作動することはなく、また、「時間短縮機能」が作動することもないので、「高確率状態」や「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない。また、「高確率状態」で小当りに当選しても、その小当り遊技終了後に「高確率状態」が終了することはない。なお、小当り当選によって、「時間短縮状態」を終了させるようにしてもよい。
〔特別図柄変動前処理〕
図774は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。なお、以下に挙げる特別図柄変動前処理の内容は、第1特別図柄遊技処理(図771)及び第2特別図柄遊技処理(図772)において共通とすることができる。ただし、以下の手順を第1特別図柄遊技処理に適用する場合は制御の対象を第1特別図柄とし、第2特別図柄遊技処理に適用する場合は制御の対象を第2特別図柄とすることとする。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2090:先ず主制御CPU72は、RAM76に記憶されている変動時間計測一時停止中フラグがONであるか否かを確認する処理を実行する。
変動時間計測一時停止中フラグがONであると判断した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS2092を実行する。
ステップS2092:主制御CPU72は、停止図柄読出処理を実行する。この処理において、RAM76に退避している停止図柄の情報を読み出す。そして、読み出した停止図柄の情報に基づいて、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2094:主制御CPU72は、残変動時間読出処理を実行する。この処理において、RAM76に退避している変動タイマの値(残りの変動時間の値)を読み出す。そして、主制御CPU72は、読み出した変動タイマの値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
ステップS2096:次に主制御CPU72は、特別図柄再変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の再変動開始フラグをセットする。そして、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する再変動開始コマンドを生成する。この再変動開始コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2098:主制御CPU72は、RAM76に記憶されている変動時間計測一時停止中フラグをOFFにする処理を実行する。これにより、変動時間の計測が一時停止中であるという状況が解除されることになる。
そして、以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000又はステップS3900)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
一方、先のステップS2090にて、変動時間計測一時停止中フラグがONであることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、次にステップS2100を実行する。
ステップS2100:主制御CPU72は、制御対象の特別図柄作動記憶数(第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数)が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。対象図柄の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2150に進む。
ステップS2150:主制御CPU72は、他方の特別図柄作動記憶数が0であるか否かを確認する。すなわち、制御の対象が第1特別図柄であれば、第2特別図柄作動記憶数が0であるか否かを確認し、制御の対象が第2特別図柄であれば、第1特別図柄作動記憶数が0であるか否かを確認する。この確認もまた、特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。そして、他方の特別図柄作動記憶数が0であった場合(Yes)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72は、いずれの始動入賞口にも所定の時間入賞がなかったかを確認し、所定の時間入賞がなかったことを確認した場合、デモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は第1特別図柄遊技処理(図771)又は第2特別図柄遊技処理(図772)に復帰する。なお、復帰時は、各特別図柄遊技処理の末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
一方、他方の特別図柄作動記憶数が0でなかった場合(ステップS2150:No)、主制御CPU72はデモ設定処理を実行することなく第1特別図柄遊技処理(図771)又は第2特別図柄遊技処理(図772)に復帰する。
これに対し、制御対象の特別図柄作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(ステップS2100:Yes)、主制御CPU72は次にステップS2160を実行する。
ステップS2160:主制御CPU72は、他方の特別図柄に関して、大当りフラグ又は小当りフラグに値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグ又は小当りフラグは、内部抽選により大当り又は小当りに該当した際にセットされるフラグであり、大当り遊技の終了又は小当り遊技の終了の際にリセットされる。したがって、この処理における確認は、他方の特別図柄に関する内部抽選の結果が大当り又は小当りに当選しているか否かの確認である。なお、他方の特別図柄の変動表示が実行されていない場合は、大当りフラグ又は小当りフラグがセットされていないため、確認の結果は必然的にNoとなる。また、ここでは、判定内容を「大当り又は小当り」としているが、「大当り」のみ又は「小当り」のみとしてもよい。
この処理において、他方の特別図柄に関する大当りフラグ又は小当りフラグに値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2202を実行する。これに対して、他方の特別図柄に関する大当りフラグ又は小当りフラグに値(01H)がセットされていない場合、すなわち、値が「00H」である場合(No)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)のうち、制御対象の特別図柄に対応する方を読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。また、この処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち制御対象となる方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aのうち、制御対象となる方について記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値(大当り決定乱数値)が含まれるか否かを判断する(第1抽選実行手段、第2抽選実行手段、抽選実行手段)。このとき設定される大当り値の範囲は、低確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なり、高確率状態では低確率状態よりも大当り値の範囲が約10倍程度に拡大される。そして、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグに「01H」をセットする。このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、遊技中に抽選契機が発生すると、現在設定されている設定値に対応する当選確率で特別図柄抽選(所定の抽選)を実行することができる(抽選実行手段)。
ステップS2302:主制御CPU72は、小当り判定処理(内部抽選)を実行する。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。
ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「高確率状態」又は「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。ただし「小当り」は、第2可変入賞装置31を作動させる条件を満たすものとして位置付けられている。読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグに「01H」をセットする。
なお、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが(非当選以外規定手段)、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
ステップS2202:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、先のステップS2200と同様の処理が行われるため、説明は省略する。主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。
一方、小当り判定処理が終了すると(ステップS2302)、主制御CPU72は次にステップS2400を実行する。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402に進み、大当りフラグに値(01H)がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2410を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の小当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404に進む。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「-」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、制御の対象となる特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン決定手段)。変動パターン番号は、制御対象の特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。変動パターンには、非リーチ変動、リーチ変動、スーパーリーチ変動等といった様々な変動パターンが含まれている(大当り時や小当り時も同様)。なお、選択された特別図柄の変動パターンに関する情報は、変動パターンコマンドとして演出制御装置に送信される。
ここで、はずれ時の変動時間は、上記の「高確率状態」や「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「高確率状態」や「時間短縮状態」であるか否かを確認する。例えば「時間短縮状態」であれば、はずれ時の変動時間は短縮された時間(例えば4~12秒程度)に設定される。
また、「時間短縮状態」でなくとも、リーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個~3個)」に基づいて短縮される場合がある。ただし、特殊変動パターンが選択される場合、記憶数によって変動時間は変化しない。はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
本実施形態では、第1特別図柄による内部抽選の結果、非当選に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させてはずれとしたり、「リーチ演出」を発生させずにはずれとしたりする制御を行うこととしている。そして、「はずれ時変動パターン選択テーブル」には、予め複数種類の演出、例えば「非リーチ演出」、「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、非当選に該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出、ストーリーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。
〔第1特別図柄はずれ時変動パターン選択テーブルの例〕
図775は、第1特別図柄はずれ時変動パターン選択テーブル(低確率非時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、第1特別図柄抽選における低確率非時間短縮状態でのはずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「1」~「8」が割り当てられている。
変動パターン番号「1」~「5」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「6」~「8」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。なお、変動パターン選択テーブルは、変動開始時作動記憶数に応じて異なるテーブル内容としてもよい(以下、同様)。
ここで、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンでは、設定される変動時間の長さが大きく異なっている。すなわち、「非リーチ変動パターン」は基本的に短い変動時間(例えば作動記憶数に応じて3.0秒~12.0秒程度)に対応するものであるのに対し、「リーチ変動パターン」はその倍以上の長い変動時間(例えば30秒~150秒程度)に対応するものである。
変動パターンは、擬似連続予告演出が実行される変動パターンである場合もある(以下の変動パターン選択テーブルでも同様)。擬似連続予告演出とは、1回の特別図柄の変動中に、演出図柄が擬似的に1回又は複数回変動する演出である。
ここで、擬似1の変動(擬似1:1回目の擬似的な変動)とは、演出図柄の擬似的な変動が1回実行される変動であり、擬似2の変動(擬似2:2回目の擬似的な変動)とは、演出図柄の擬似的な変動が2回実行される変動である。また、擬似3の変動(擬似3:3回目の擬似的な変動)とは、演出図柄の擬似的な変動が3回実行される変動であり、擬似4の変動(擬似4:4回目の擬似的な変動)とは、演出図柄の擬似的な変動が4回実行される変動である。
そして、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「2」を選択する。
図776は、第1特別図柄はずれ時変動パターン選択テーブル(低確率時間短縮状態・高確率時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、第1特別図柄抽選における低確率時間短縮状態又は高確率時間短縮状態でのはずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「21」~「28」が割り当てられている。
変動パターン番号「21」~「25」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「26」~「28」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「22」を選択する。
図777は、第1特別図柄はずれ時変動パターン選択テーブル(高確率非時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、第1特別図柄における高確率非時間短縮状態でのはずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「41」~「48」が割り当てられている。
変動パターン番号「41」~「48」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応している。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「42」を選択する。
図778は、第2特別図柄はずれ時変動パターン選択テーブル(低確率非時間短縮)を示す図である。
この選択テーブルは、第2特別図柄抽選における低確率非時間短縮でのはずれ時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。
本テーブルでは、すべて同一の変動パターン(変動時間は規定時間(例えば数秒~数時間程度の時間))を設定しており、この選択テーブルでは、予め定められた1つの変動パターン(非リーチはずれ変動パターン51)を選択するテーブル構成としている(変動時間規定手段)。
したがって、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値がいずれの値であっても、変動パターン番号として「51」を選択する。
図779は、第2特別図柄はずれ時変動パターン選択テーブル(低確率時間短縮状態・高確率時間短縮状態・高確率非時間短縮状態)である。
この選択テーブルは、低確率時間短縮状態、高確率時間短縮状態又は高確率非時間短縮状態における第2特別図柄でのはずれ時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。
本テーブルでは、すべて同一の変動パターン(変動時間は例えば0.5~10.0秒程度)を設定しており、この選択テーブルでは、予め定められた1つの変動パターン(非リーチはずれ変動パターン52)を選択するテーブル構成としている。
したがって、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値がいずれの値であっても、変動パターン番号として「52」を選択する。
〔図774:特別図柄変動前処理を参照〕
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、大きく分けて4種類が用意されている。4種類の内訳は、「10ラウンド確変図柄1」、「10ラウンド確変図柄2」、「10ラウンド確変図柄3」及び「10ラウンド通常図柄」である。なお、各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば「10ラウンド確変図柄1」であれば、「10ラウンド確変図柄1a」、「10ラウンド確変図柄1b」、「10ラウンド確変図柄1c」等である。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の選択比率が異なっている。このため主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであるか、第2特別図柄に対応するものであるかによって選択する当選図柄を区別している。
〔第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図780は、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、この第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「30」,「30」,「40」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「10ラウンド確変図柄1」、「10ラウンド確変図柄2」、「10ラウンド通常図柄」が示されている。第1特別図柄に対応する大当り時には、「10ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の30(=30%)であり、「10ラウンド確変図柄2」が選択される割合は100分の30(=30%)であり、「10ラウンド通常図柄」が選択される割合は100分の40(=40%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。
いずれにしても、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」,「02H」,「03H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「10ラウンド確変図柄1」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔確変回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右から2番目のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される確変回数の値が示されている。
〔リミッタ非到達時〕
本実施形態では、「10ラウンド確変図柄1」又は「10ラウンド確変図柄2」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、確変回数は10000回付与される。なお、「10ラウンド確変図柄1」又は「10ラウンド確変図柄2」に該当したものの、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、確変回数は付与されない(0回が付与される)。
〔リミッタ到達時〕
リミッタ到達時は、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過したとしても、確変回数は付与されない。
一方、「10ラウンド通常図柄」に該当した場合、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過することは困難となっているため、確変回数は付与されない。
〔時短回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右カラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数(限度回数)の値が示されている。
〔非時短中(非時間短縮状態)での当選〕
本実施形態では、「10ラウンド確変図柄1」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、時短回数は10000回付与される。なお、「10ラウンド確変図柄1」に該当したものの、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、時短回数は100回付与される。
また、「10ラウンド確変図柄2」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、時短回数は付与されない。これにより小当りラッシュ状態(潜伏確変状態)に移行する。なお、「10ラウンド確変図柄2」に該当したものの、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、時短回数は100回付与される。
一方、「10ラウンド通常図柄」に該当した場合、時短回数は100回付与される。
〔時短中(時間短縮状態)での当選〕
時短中に当選した場合は、通常中に当選した場合と同様の時短回数が付与される。なお、通常中に当選した場合と異なる時短回数を付与してもよい。
〔第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図781は、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、この第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、振分値「100」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、振分値に対応する「10ラウンド確変図柄3」が示されている。第2特別図柄に対応する大当り時においては、「10ラウンド確変図柄3」が選択される割合は100分の100(=100%)である。
今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、MODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「10ラウンド確変図柄3」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔確変回数〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右から2番目のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される確変回数の値が示されている。
〔リミッタ非到達時〕
本実施形態では、「10ラウンド確変図柄3」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、確変回数は10000回付与される。なお、「10ラウンド確変図柄3」に該当したものの、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、確変回数は付与されない。
〔リミッタ到達時〕
リミッタ到達時は、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過したとしても、確変回数は付与されない。
〔時短回数〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右カラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数(限度回数)の値が示されている。
〔非時短中(非時間短縮状態)での当選〕
非時短中(非時間短縮状態)において「10ラウンド確変図柄3」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、時短回数は付与されない。
なお、「10ラウンド確変図柄3」に該当したものの、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、時短回数は100回付与される。また、「10ラウンド確変図柄3」に該当したものの、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、時短回数を付与しないようにしてもよい(時短回数は0回であってもよい)。
〔時短中(時間短縮状態)での当選〕
時短中(時間短縮状態)において「10ラウンド確変図柄3」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、時短回数は10000回付与される。
なお、非時短中及び時短中のいずれであっても、リミッタ到達時は、遊技球が確変領域を通過しても、確変回数が付与されることはないので、時短回数は100回付与される。
図782は、小当りの当選図柄、小当りの当選確率及び小当り遊技の開放パターンを示す図である。
第1特別図柄抽選では、小当りに該当することはない。
第2特別図柄抽選では、小当りに該当する可能性があり、この場合は、当選図柄として小当り図柄が選択される。
第1特別図柄抽選の小当り確率は0であり、第2特別図柄抽選の小当り確率は略1/1(例えば317/319)である。なお、大当り確率は、1/319とすることができる。大当りや小当りの当選確率は、遊技の仕様に応じて適宜変更することができる。第2特別図柄抽選には、はずれを設定することもできる。
第2特別図柄抽選で小当りに該当した場合は、所定の開放パターン(0.5秒×1回開放)に基づいて小当り遊技が実行される。第2可変入賞装置31は、小当りに該当した場合、所定の開放パターンに基づいて第2大入賞口31bを開放する開放状態に移行可能な電動役物となっている。
小当り時の第2可変入賞装置31の開放パターンは、1回開放パターンに限定されるものではなく、2回開放パターンや3回開放パターン等の開放パターンを設定してもよい。
ただし、小当り遊技は、いずれの開放パターンを設定したとしても、一定時間以内(例えば1.8秒以内)に終了する。
〔図774:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
本実施形態では、内部抽選の結果、大当りに該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させて大当りとする制御を行っている。そして、「大当り時変動パターン選択テーブル」には、複数種類の「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、大当りに該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。また、変動時間短縮機能が作動している状態での当選時には、長い変動時間を有する変動パターンを選択せずに、短い変動時間を有する変動パターン(リーチ演出を行わない変動パターン)を選択してもよい。
〔大当り時変動パターン選択テーブルの例〕
図783は、第1特別図柄大当り時変動パターン選択テーブル(低確率非時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、第1特別図柄抽選における低確率非時間短縮状態での当選時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。なお、本実施形態では、大当りの種類(当選図柄)によって変動パターンを区別していないが、それぞれの大当りで専用の変動パターン選択テーブルを用いてもよい(以下、同様)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「61」~「68」が割り当てられている。
変動パターン番号「61」~「68」は、いずれもリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応している。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「62」を選択する。
図784は、第2特別図柄大当り時変動パターン選択テーブル(低確率非時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、第2特別図柄抽選における低確率非時間短縮状態での当選時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「71」~「78」が割り当てられている。
変動パターン番号「71」~「78」は、いずれもリーチ演出が行われずに当りとなる変動パターンに対応している。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「72」を選択する。
図785は、第1特別図柄大当り時変動パターン選択テーブル(低確率時間短縮状態・高確率時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、第1特別図柄抽選における低確率時間短縮状態又は高確率時間短縮状態での当選時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「81」~「88」が割り当てられている。
変動パターン番号「81」~「88」は、いずれもリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応している。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「82」を選択する。
図786は、第2特別図柄大当り時変動パターン選択テーブル(低確率時間短縮状態・高確率時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、第2特別図柄抽選における低確率時間短縮状態又は高確率時間短縮状態での当選時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「91」~「98」が割り当てられている。
変動パターン番号「91」~「98」は、いずれもリーチ演出が行われずに当りとなる変動パターンに対応している。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「92」を選択する。
図787は、第1特別図柄大当り時変動パターン選択テーブル(高確率非時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、第1特別図柄抽選における高確率非時間短縮状態での当選時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。
本テーブルでは、すべて同一の変動パターン(変動時間は例えば0.5~10.0秒程度)を設定しており、この選択テーブルでは、予め定められた1つの変動パターン(非リーチ当り変動パターン101)を選択するテーブル構成としている。
したがって、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値がいずれの値であっても、変動パターン番号として「101」を選択する。
図788は、第2特別図柄大当り時変動パターン選択テーブル(高確率非時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、第2特別図柄抽選における高確率非時間短縮状態での当選時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。
本テーブルでは、すべて同一の変動パターン(変動時間は例えば0.5~10.0秒程度)を設定しており、この選択テーブルでは、予め定められた1つの変動パターン(非リーチ当り変動パターン102)を選択するテーブル構成としている。
したがって、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値がいずれの値であっても、変動パターン番号として「102」を選択する。
〔図774:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。
この処理では、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「10ラウンド確変図柄1」、「10ラウンド確変図柄3(時短中当選に限る)」又は「10ラウンド通常図柄」である場合、主制御CPU72はRAM76のフラグ領域に格納されている遊技状態フラグとしての変動時間短縮機能作動フラグに値(01H)をセットする(時間短縮状態移行手段、変動時間短縮機能作動手段、有利状態移行手段)。
また、ステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時特別図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお、本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
〔小当り時の当選図柄〕
小当り時の当選図柄は「1回開放の小当り図柄」の1種類だけとしてもよく、これ以外に例えば「2回開放の小当り図柄」や「3回開放の小当り図柄」等の別の種類を用意してもよい。内部抽選の結果としての「小当り」は、「2ラウンド(2回開放)以上」の規定にとらわれることなく、「1回開放の小当り図柄」を設けることができる。
ステップS2408:次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン選択手段)。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。なお、本実施形態では小当りの場合にリーチ変動パターンを選択することもできるし、はずれ通常変動時と同等の変動パターンを選択することもできる。
図789は、第2特別図柄小当り時変動パターン選択テーブル(低確率非時間短縮)を示す図である。
この選択テーブルは、第2特別図柄抽選における低確率非時間短縮での小当り時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。
本テーブルでは、すべて同一の変動パターン(変動時間は規定時間(例えば数分~数時間程度の時間))を設定しており、この選択テーブルでは、予め定められた1つの変動パターン(非リーチ小当り変動パターン201)を選択するテーブル構成としている(変動時間規定手段)。
したがって、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値がいずれの値であっても、変動パターン番号として「201」を選択する。
図790は、第2特別図柄小当り時変動パターン選択テーブル(低確率時間短縮状態・高確率時間短縮状態・高確率非時間短縮状態)である。
この選択テーブルは、低確率時間短縮状態、高確率時間短縮状態又は高確率非時間短縮状態における第2特別図柄での小当り時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。
本テーブルでは、すべて同一の変動パターン(変動時間は例えば0.5~10.0秒程度)を設定しており、この選択テーブルでは、予め定められた1つの変動パターン(非リーチ小当り変動パターン202)を選択するテーブル構成としている。
したがって、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値がいずれの値であっても、変動パターン番号として「202」を選択する。
〔図774:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2416:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値管理処理を実行する。この処理において、主制御CPU72は、回数切りカウンタ値の値を更新する処理を実行する。なお、処理の詳細は後述する。また、このような処理は、特別図柄停止表示中処理の中で実行してもよい。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000又はステップS3900)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図771、図772:特別図柄変動中処理〕
特別図柄変動中処理(ステップS3000又はステップS3900)では、主制御CPU72は上記のようにしてセットされた変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして、主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで制御の対象となる特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000又はステップS4900)を次のジャンプ先に設定する。
また、この処理ではスキップ機能を作動させるか否かの判定処理も行われ、先の特別図柄変動前処理の大当り判定又は小当り判定において、一方の特別図柄がはずれの変動中であり、かつ、他方の特別図柄が大当り又は小当りに該当したと判断された場合に、一方の特別図柄に対してスキップ機能が作動される。このスキップ機能の作動により一方の特別図柄の変動表示が強制的に終了する。
〔図771、図772:特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄停止表示中処理(ステップS4000又はステップS4900)では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図774中のステップS2092,ステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
ここで、上記の大当り判定処理(ステップS2300)と小当り判定処理(ステップS2302)の実行条件について簡単に説明する。
〔内部抽選対応表〕
図791は、内部抽選の対応表を示す図である。
内部抽選の対応表には、該当する特別図柄が内部抽選の大当り抽選(大当り判定処理)や小当り抽選(小当り判定処理)を実行する際に、他方の特別図柄の状態に基づいて、実行するか否かが決定されることが表されている。
他方の特別図柄が「大当り変動中(大当りフラグが01Hである際の変動表示中)」である場合、当該特別図柄の内部抽選においては、大当り抽選及び小当り抽選は実行されない。したがって、当該特別図柄の内部抽選における結果は、「はずれ」が該当することになる。
また、同様に、他方の特別図柄が「小当り変動中(小当りフラグが01Hである際の変動表示中)」である場合、当該特別図柄の内部抽選においては、大当り抽選及び小当り抽選は実行しないようにしてもよい。この場合、当該特別図柄の内部抽選における結果は、「はずれ」に該当することになる。なお、「小当り変動中(小当りフラグが01Hである際の変動表示中)」である場合は、大当り抽選及び小当り抽選を実行する方式を採用してもよい。
一方、他方の特別図柄が「はずれ変動中(大当りフラグや小当りフラグが00Hである際の変動表示中)」である場合、当該特別図柄の内部抽選においては、大当り抽選が先ずは実行され、そこで大当りに該当しなければ小当り抽選が実行される。したがって、当該特別図柄の内部抽選における結果は、「大当り」、「小当り」又は「はずれ」のいずれかに該当することになる。なお、はずれ変動中には、変動待ち中や停止表示が含まれる。
このように、一方の特別図柄が「大当り変動中」(又は「小当り変動中」)である場合、他方の特別図柄においては大当り抽選又は小当り抽選が実行されないことになり、結果として、大当り遊技や小当り遊技は実行されない。すなわち、一方の特別図柄が「大当り変動中」(又は「小当り変動中」)である場合、他方の特別図柄については、実質的に大当り又は小当りの無抽選状態となる。
〔回数切りカウンタ値管理処理〕
図792は、回数切りカウンタ値管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に従って説明する。
ステップS2420:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値をロードする処理を実行する。「回数切りカウンタ値」は、「高確率状態」や「時間短縮状態」においてそれぞれのカウンタ値がRAM76の確変カウント領域、時短カウント領域にセットされている。本実施形態では、「高確率非時間短縮状態」に移行させる場合、高確率状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば10000回)に設定されるが、時間短縮状態に関する回数切りカウンタは設定されない。また、「低確率時間短縮状態」に移行させる場合、高確率状態に関する回数切りカウンタは設定されず、時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば100回)に設定される。さらに、「高確率時間短縮状態」に移行させる場合、高確率状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば10000回)に設定され、時間短縮状態に関する回数切りカウンタも所定の数値(例えば10000回)に設定される。
ステップS2422:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、回数切りカウンタ値コマンド(時短回数指定コマンド、特殊回数指定コマンド、ST回数指定コマンド等)を生成してから、主制御CPU72は次にステップS2424を実行する。
ステップS2424:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。
ステップS2426:そして、主制御CPU72は、その減算結果が0であるか否かを判断する。減算の結果、回数切りカウンタの値が0である場合(Yes)、主制御CPU72はステップS2428を実行する。これに対し、回数切りカウンタの値が0でない場合(No)、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図774)に復帰する。
ステップS2428:主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする処理を実行する。本実施形態では、「高確率非時間短縮状態」に移行される場合、高確率状態に関する回数切りカウンタが所定の数値(例えば10000回)に設定されるため、この場合にリセットされるのは、確率変動機能作動フラグだけである。また、「低確率時間短縮状態」に移行される場合、時間短縮状態に関する回数切りカウンタが所定の数値(例えば100回)に設定されるため、この場合にリセットされるのは、変動時間短縮機能作動フラグだけである。なお、「高確率時間短縮状態」に移行される場合、時間短縮状態に関する回数切りカウンタが所定の数値(例えば10000回)に設定され、高確率状態に関する回数切りカウンタも所定の数値(例えば10000回)に設定されるため、この場合にリセットされるのは、確率変動機能作動フラグ及び変動時間短縮機能作動フラグであるが、当選の結果が得られずに特別図柄が10000回変動する状況が発生する確率は極めて低い。
そして、以上の処理を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図774)に復帰する。
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図793は、上記の特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。特別図柄記憶エリアシフト処理の内容は、第1特別図柄の処理と第2特別図柄の処理とにおいて共通とすることができる。ただし、以下の手順を第1特別図柄に適用する場合は制御の対象を第1特別図柄とし、第2特別図柄に適用する場合は制御の対象を第2特別図柄とすることとする。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:先ず主制御CPU72は、制御対象の特別図柄に対応するRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べた通りである。
ステップS2212:また、主制御CPU72は、制御対象の特別図柄について作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、制御対象の特別図柄が第1特別図柄であれば、主制御CPU72は第1特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(-1)し、制御対象の特別図柄が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(-1)する。
ステップS2214:次に主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から、制御対象の特別図柄について「変動開始時作動記憶数」を設定する。
ステップS2216:また、主制御CPU72は、制御対象の特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」~「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。すなわち、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」~「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」~「1」(コマンド表記は「13H」~「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」~「0」(コマンド表記は「12H」~「10H」)となったことを表している。なお、上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。制御対象が第2特別図柄であれば、先行値は第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BCH」)となる。
ステップS2218:そして主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2216でセットした制御対象となる特別図柄についての作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図774)に復帰する。
図794は、特別図柄変動中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。以下に挙げる特別図柄変動中処理の内容は、第1特別図柄遊技処理(図771)及び第2特別図柄遊技処理(図772)において共通とすることができる。すなわち、以下の手順を第1特別図柄遊技処理に適用する場合は制御の対象を第1特別図柄とし、第2特別図柄遊技処理に適用する場合は制御の対象を第2特別図柄とする。
ステップS3100:主制御CPU72は、制御対象の特別図柄について変動タイマの値を減算(割込周期に対応する値をデクリメント)する。
ステップS3200:そして主制御CPU72は、今回減算した変動タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、変動タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ変動表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図771中のステップS1000b又は図772中のステップS1900b)からジャンプして特別図柄変動表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、変動タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は変動表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS3300を実行する。
ステップS3300:主制御CPU72は、制御対象の特別図柄に関して、大当りフラグに値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグに値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS3400を実行する。一方、大当りフラグに値(01H)がセットされていない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS3600を実行する。
ステップS3400:主制御CPU72は、他方の特別図柄が変動表示中であるか否かを確認する。この確認処理は、対象の特別図柄の大当り時の変動表示が終了することに伴い、他方の特別図柄に対してスキップ機能を作動させる(他方のはずれ変動を強制的に終了させる)必要があるか否かを確認するために実行される。そして、他方の特別図柄が変動表示中であることを確認した場合(Yes)、他方の特別図柄に対してスキップ機能を作動させる必要があるとして、主制御CPU72は次にステップS3500を実行する。一方、他方の特別図柄が変動表示中であることを確認できない場合(No)、他方の特別図柄は変動表示されておらず、スキップ機能を作動させる必要がないため、主制御CPU72は次にステップS3600を実行する。
ステップS3500:主制御CPU72は、他方の特別図柄に対してスキップ機能を作動させる処理を実行する。すなわち、主制御CPU72は、他方の特別図柄に関する変動表示を終了させる処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、他方の特別図柄に関する変動タイマの値に0をセットする。
ステップS3600:主制御CPU72は、特別図柄変動終了処理を実行する。この処理では、制御対象の特別図柄の変動表示が終了することに伴い、RAM76のフラグ領域に特別図柄の図柄停止表示中フラグに値(01H)をセットする。また、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000又はステップS4900)を次のジャンプ先に設定する。以上の手順を終えると、第1特別図柄遊技処理(図771)又は第2特別図柄遊技処理(図772)に復帰する。
ここで、本実施形態の遊技機の大当り抽選確率は、以下のように設定されている。
例えば、遊技状態が通常状態(特別図柄抽選の当選確率が低確率状態)である際の大当り確率は319分の1程度に設定されている。また、遊技状態が有利状態(特別図柄抽選の当選確率が高確率状態)である際の大当り確率は100分の1程度に設定されている。
〔スキップ機能及び変動時間計測一時停止機能〕
以下、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35において変動表示を途中で強制的に停止させるスキップ機能と、第1特別図柄表示装置34の変動時間の計測を一時的に停止させる機能について具体的に説明する。
図795は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示の変化を示すタイミングチャートである。
このうち図795中(A)は、「スキップ機能及び変動時間計測一時停止機能未作動例」を示しており、第2特別図柄が大当り時の変動表示中に、第1特別図柄がはずれに対応する変動表示を開始した場合に、スキップ機能及び変動時間計測一時停止機能が作動しない際の各変動表示の変化を示すタイミングチャートである。
また、図795中(B)は、「変動時間計測一時停止機能作動例」を示しており、第2特別図柄が小当り時の変動表示中に、第1特別図柄がはずれに対応する変動表示を開始した場合に、変動時間計測一時停止機能が作動する際の各変動表示の変化を示すタイミングチャートである。
さらに、図795中(C)は、「スキップ機能作動例」を示しており、第2特別図柄がはずれ時の変動表示中に、第1特別図柄が大当りに対応する変動表示を開始した場合に、スキップ機能が作動する各際の各変動表示の変化を示すタイミングチャートである。これら(A)~(C)のタイミングチャートを例に挙げてスキップ機能及び変動時間計測一時停止機能について説明する。
〔図795中(A):各機能未作動例〕
時刻t0におけるそれぞれの特別図柄の状態は、第1特別図柄については変動待ち状態であり、第2特別図柄については大当り時の変動表示中であることを表している。
そして、時刻t1において、第1特別図柄に対応する始動入賞口に遊技球が入賞したことを契機に、第1特別図柄に関する内部抽選が実行され、その内部抽選の結果に基づいて第1特別図柄表示装置34において変動表示が開始される。ここで、第2特別図柄が大当り時の変動表示中であることから、第1特別図柄に関する内部抽選では大当り抽選及び小当り抽選は行われない。したがって、内部抽選の結果ははずれが該当することとなる。図示の例では、第1特別図柄に関する内部抽選の結果としてはずれ(非当選)が選択され、第1特別図柄に関する変動時間がt1~t2間に設定され、変動表示が時刻t2に終了される設定が行われている。具体的には、時刻t1~t2までの時間が第1特別図柄に関する変動タイマにセットされる。変動タイマは変動表示を実行することができる時間を表しており、変動表示を実行した時間だけ変動タイマから減算され、変動タイマが0になった時点で変動表示が終了する。
次に、時刻t2において、第1特別図柄に関する変動タイマが0になったことから、第1特別図柄に関する変動表示が終了し、はずれに対応する態様で第1特別図柄が停止表示する。なお、停止表示した第1特別図柄に関する内部抽選の結果は、非当選であるため、ここでは第2特別図柄に対してスキップ機能が作動しない。したがって、第2特別図柄に関する変動表示は続行される。すなわち、第2特別図柄(大当り時)に関する変動タイマは置き換えられることはない。
以上のように、本実施形態では、一方の特別図柄において大当り時(小当り時でもよい)の変動表示中に、他方の特別図柄に関する始動入賞口に遊技球が入賞したとしても、他方の特別図柄に関する内部抽選のうち大当り抽選は実行していない。すなわち、一方の特別図柄が大当り時の変動表示中である場合、他方の特別図柄については無抽選状態となる。
〔図795中(B):変動時間計測一時停止機能作動例〕
時刻t0におけるそれぞれの特別図柄の状態は、第1特別図柄については変動待ち状態であり、第2特別図柄については小当り時の変動表示中であることを表している。
そして、時刻t1において、第1特別図柄に対応する始動入賞口に遊技球が入賞したことを契機に、第1特別図柄に関する内部抽選が実行され、その内部抽選の結果に基づいて第1特別図柄表示装置34において変動表示が開始される。ここで、第2特別図柄が小当り時の変動表示中であることから、第1特別図柄に関する内部抽選では大当り抽選又は小当り抽選は実行されない。したがって、内部抽選の結果ははずれが該当することとなる。図示の例では、第1特別図柄に関する内部抽選の結果としてはずれが選択され、第1特別図柄に関する変動時間がt1~t2間に設定され、変動表示が時刻t2に終了される設定が行われている。具体的には、時刻t1~t2までの時間が第1特別図柄に関する変動タイマにセットされる。変動タイマは変動表示を実行することができる時間を表しており、変動表示を実行した時間だけ変動タイマから減算され、変動タイマが0になった時点で変動表示が終了する。
ただし、ここでは、時刻t1~t2の間の時刻である時刻txにて、第2特別図柄の小当り時の変動が終了したものとする。そうすると、時刻tx以降に第2特別図柄に関する小当り遊技が実行される。ここでは、仮に、時刻txから時刻t2まで小当り遊技が実行されたものとする。そうすると、変動時間計測一時停止機能が作動し、第1特別図柄の変動時間の計測が一時停止される。そして、時刻t2にて小当り遊技が終了したことを契機として、残りの変動時間の計測が再開される。
以上のように、本実施形態では、一方の特別図柄において小当り時の変動表示中に、他方の特別図柄に関する始動入賞口に遊技球が入賞したとしても、他方の特別図柄に関する内部抽選のうち大当り抽選及び小当り抽選は実行されない。そして、一方の特別図柄による小当り遊技が開始されると、他方の特別図柄の変動時間の計測は一時停止され、その後小当り遊技が終了した後に他方の特別図柄の変動時間の計測が再開される。なお、小当り変動中には、小当り抽選や大当り抽選を行ってもよい。
〔図795中(C):スキップ機能作動例〕
時刻t0におけるそれぞれの特別図柄の状態は、第1特別図柄については変動待ち状態であり、第2特別図柄についてははずれ時の変動表示中であることを表している。
そして、時刻t1において、第1特別図柄に対応する始動入賞口に遊技球が入賞したことを契機に、第1特別図柄に関する内部抽選が実行され、その内部抽選の結果に基づいて第1特別図柄表示装置34において変動表示が開始される。ここで、第2特別図柄がはずれ時の変動表示中であることから、第1特別図柄に関する内部抽選では大当り抽選が先ず実行され、大当りに該当しなかった場合に小当り抽選が行われる。すなわち、第1特別図柄については大当り抽選実行可能な状態であることを表している。したがって、内部抽選の結果は大当り、小当り又ははずれが該当することとなる。なお、第1特別図柄抽選で小当りが選択されない場合は、大当り又ははずれが該当する。図示の例では、第1特別図柄に関する内部抽選の結果として大当りが選択され、第1特別図柄に関する変動時間がt1~t2間に設定され、変動表示が時刻t2に終了される設定が行われている。具体的には、時刻t1~t2までの時間が第1特別図柄に関する変動タイマにセットされる。変動タイマは変動表示を実行することができる時間を表しており、変動表示を実行した時間だけ変動タイマから減算され、変動タイマが0になった時点で変動表示が終了する。
次に、時刻t2において、第1特別図柄に関する変動タイマが0になったことから、第1特別図柄に関する変動表示が終了し、大当りに対応する態様で第1特別図柄が停止表示する。なお、停止表示した第1特別図柄に関する内部抽選の結果が大当りであり、さらに、第2特別図柄に関する変動表示が実行中であることから、スキップ機能が作動する。そして、このスキップ機能の作動により、第2特別図柄に関するはずれ時又は小当り時の変動表示は終了される(強制終了手段)。具体的には、第2特別図柄に関する変動タイマが0に置き換えられる。したがって、設定されていた変動時間はスキップされることになる。なお、スキップされた第2特別図柄に関するはずれ時の変動表示は、図795中(B)の動作例とは異なり、再度実行されることはない。
以上のように、本実施形態では、一方の特別図柄においてはずれ時の変動表示中に、他方の特別図柄に関する始動入賞口に遊技球が入賞すると、他方の特別図柄に関する内部抽選では大当り抽選又は小当り抽選が実行される。すなわち、一方の特別図柄が大当り時又は小当り時の変動表示中ではない場合、他方の特別図柄については大当り抽選又は小当り抽選が可能な状態であることを表している。例えば、上記のように第2特別図柄にはずれ時の変動表示中や第2特別図柄が変動待ち状態である際に、第1特別図柄に対応する始動入賞口に遊技球が入賞すると、第1特別図柄に関する内部抽選のうち先ず大当り抽選が実行され、次に小当り抽選が実行される。また、一方の特別図柄(第2特別図柄)に関するはずれ時又は小当り時の変動表示中に、他方の特別図柄(第1特別図柄)に関する大当り時の変動表示が開始され変動時間経過後に終了した場合、その一方の特別図柄(第2特別図柄)の変動表示はスキップされることとなり、強制的に変動表示を終了させることができる。
〔特別図柄停止表示中処理〕
図796は、特別図柄停止表示中処理(図771中のステップS4000又は図772中のステップS4900)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。以下に挙げる特別図柄停止表示中処理の内容もまた、第1特別図柄遊技処理及び第2特別図柄遊技処理において共通とすることができる。すなわち、以下の手順を第1特別図柄遊技処理に適用する場合は制御の対象を第1特別図柄とし、第2特別図柄遊技処理に適用する場合は制御の対象を第2特別図柄とする。
ステップS4100:主制御CPU72は、制御対象の特別図柄について停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして、主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図771中のステップS1000c又は図772中のステップS1900b)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドを生成する。図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。なお、「停止表示時間終了コマンド」とは、特別図柄の停止表示時間が終了(経過)したことを示すコマンドである。
ステップS4300:主制御CPU72は、小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。
ステップS4603:そして、小当りフラグの値(01H)がセットされていることを確認した場合(ステップS4300:Yes)、主制御CPU72は、他方の特別図柄が変動表示中であるか否かを確認する。この確認処理は、対象の特別図柄の小当り時の変動表示が終了することに伴い、他方の特別図柄に対して変動時間計測一時停止機能を作動させる必要があるか否かを確認するために実行される。
そして、他方の特別図柄が変動表示中であることを確認した場合(Yes)、他方の特別図柄に対して変動時間計測一時停止機能を作動させる必要があるとして、主制御CPU72は次にステップS4604a及びステップS4604bを実行する。一方、他方の特別図柄が変動表示中であることを確認できない場合(No)、他方の特別図柄は変動表示されておらず、変動時間計測一時停止機能を作動させる必要がないとして、主制御CPU72は次にステップS4605を実行する。
ステップS4604a:主制御CPU72は、他方の特別図柄に対して変動時間計測一時停止機能を作動させる処理、すなわち、他方の特別図柄の変動情報を退避する処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、第1特別図柄の変動時間の計測を一時的に停止するために、現時点の変動タイマの値(残りの変動時間の値)及び停止図柄の情報をRAM76に退避する処理を実行する。
ステップS4604b:主制御CPU72は、RAM76に記憶されている変動時間計測一時停止中フラグをONにする処理を実行する(変動時間計測一時停止手段)。これにより、変動時間の計測が一時停止中であるという状況となる。
ステップS4605:主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして小当り時可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4606:そして、主制御CPU72は、制御対象の特別図柄について制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、制御対象の特別図柄について小当り遊技中を表す状態コマンドを生成する。小当り遊技中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4600:次に主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、制御対象の特別図柄についてジャンプテーブルのジャンプ先を「大当り時可変入賞装置管理処理」に設定する。なお、主制御CPU72は、本処理にて各種機能を非作動に設定する処理を実行する。具体的には、確率変動機能を非作動とし、変動時間短縮機能を非作動とする。これにより、特別遊技(大役)が開始される前には、低確率非時間短縮状態に移行されることになる。
ステップS4400:そして、主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、大当り図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、大当り図柄の種類が「10ラウンド確変図柄1~3」又は「10ラウンド通常図柄」である場合、連続作動回数ステータスには「10ラウンド」に対応する値がセットされる。また、主制御CPU72は、制御対象の特別図柄について大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4500:そして、主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の大当り時停止図柄決定処理(図774中のステップS2410)で決定された大当り図柄の種類(停止図柄番号)に基づいて生成することができる。例えば、大当り図柄の種類が「10ラウンド確変図柄1~3」又は「10ラウンド通常図柄」である場合、連続作動回数コマンドは「10ラウンド」を表す値として生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、非当選時の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において小当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
そして、大当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
そして、ステップS4500、ステップS4602又はステップS4606の処理を終えると、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理(図771又は図772)に復帰する。
〔表示出力管理処理〕
図797は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図766中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグ又は変動時間短縮機能作動フラグの値に応じてそれぞれ確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38eの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において確率変動機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は確率変動状態表示ランプ38dに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお、確率変動状態表示ランプ38dは、特別図柄に関する大当り遊技が開始されるまで、もしくは、特別図柄の変動表示が規定回数行われた後に確率変動機能がOFFにされるまで点灯しつづけ、その後非表示に(消灯)切り替えられる。一方、変動時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38eに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。さらに、主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスに応じて発射位置指定ランプ38fの点灯を制御する。この場合、主制御CPU72は、遊技の進行状況(特別遊技管理ステータス等の値や内部状態)に応じて遊技球の発射方向を決定する(発射方向決定手段)。例えば、遊技状態が左打ち遊技状態(低確率非時間短縮状態である場合)には、主制御CPU72は、第1遊技領域(左打ち領域)に遊技球を発射すべきであると決定する。これに対して、遊技状態が右打ち遊技状態(低確率時間短縮状態である場合、高確率時間短縮状態である場合、高確率非時間短縮状態である場合、大当り遊技状態である場合、小当り遊技状態である場合)には、主制御CPU72は、第2遊技領域(右打ち領域)に遊技球を発射すべきであると決定する。そして、主制御CPU72は、遊技状態が右打ち遊技状態であると判断した場合、発射位置指定ランプ38fに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお、この処理において、主制御CPU72は、発射位置指定コマンドを生成する処理を実行する。発射位置指定コマンドには、遊技状態が左打ち遊技状態であるか、遊技状態が右打ち遊技状態であるかを識別する情報が含まれている。生成された発射位置指定コマンドは、演出制御装置に送信される。
また、主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38bの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は上記の連続作動回数ステータスの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38bのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数ステータスの値で指定された大当り図柄に対応するいずれかの表示ランプ38a,38bである。例えば、連続作動回数ステータスの値が「10ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「10ラウンド(10R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。また、本実施形態では、10ラウンド大当り以外の大当りが存在しないが、10ラウンド大当り以外の大当りとして、例えば4ラウンド大当りが存在しており、連続作動回数ステータスの値が「4ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「4ラウンド(4R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。なお、本実施形態のように、大当りとして1種類の大当りしかない場合(10ラウンド大当りしかない場合)、大当り種別表示ランプを点灯させなくてもよい。
〔大当り時可変入賞装置管理処理〕
次に、大当り時可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。
図798は、大当り時可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。大当り時可変入賞装置管理処理は、大当り時遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、大当り時終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:大当り時遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200~ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして大当り時可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大当り時大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大当り時大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大当り時大入賞口開閉動作処理及び大当り時大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
主制御CPU72は、大当り遊技中である場合、演出制御装置124に対して、大当り遊技中であることを示す大当り遊技中コマンド送信することができる。
〔大当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図799は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5204:主制御CPU72は、図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は今回の該当する当選図柄に応じて大入賞口の開放パターン(ラウンドごとの開放回数及び各開放の時間)やラウンド間のインターバル時間、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)、確変領域ソレノイド95bの作動パターン、オープニング時間、エンディング時間を選択する。当選図柄別の大入賞口の開放パターンや確変領域ソレノイド95bの作動パターン、ラウンド間のインターバル時間、オープニング時間、エンディング時間については、図773に示す大当り中の可変入賞装置の動作パターンで説明した通りである。なお、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)は基本的には10個程度であるが、極端な短時間(0.1秒程度)の開放中に入賞が発生することはほとんどない(不能ではないが極めて困難である)。
ステップS5206:主制御CPU72は、先の大当り時停止図柄決定処理(図774中のステップS2410)で選択した大当り時の当選図柄に基づき、今回の大当り遊技における実行ラウンド数を設定する。具体的には、当選図柄として「10ラウンド確変図柄1~3」又は「10ラウンド通常図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を10回に設定する。ここで設定した実行ラウンド数は、プログラム上で対応する値を用いて例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5208:次に主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターン及び確変領域ソレノイド95bの作動パターンに基づき、大当り時開放タイマ及び確変領域タイマ(確変領域の開放時間をカウントするタイマ)を設定する。ここで設定したタイマの値は、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開放時間や確変領域の開放時間となる。なお、大当り時開放タイマ及び確変領域タイマの値として20.0~29.0秒程度の時間が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入球や確変領域の通過が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。一方、大当り時開放タイマ及び確変領域タイマの値として0.1秒が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入球や確変領域の通過が不能ではなくとも、ほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射制御基板セット174による遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5210:そして、主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターン及び確変領域ソレノイド95bの作動パターンに基づき、大当り時インターバルタイマ及び確変領域インターバルタイマ(確変領域を一時的に閉鎖させるための待ち時間をカウントするタイマ)を設定する。ここで設定したタイマの値は、大当り中のラウンド間での待機時間又は確変領域の一時的な閉鎖時間となる。
ステップS5212:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口開閉動作処理に設定し、大当り時可変入賞装置管理処理(図798)に復帰する。
〔大当り時大入賞口開閉動作処理〕
図800は、大当り時大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5301:主制御CPU72は、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認する。具体的には、以下のステップS5314で設定する大入賞口インターバルタイマが既に動作中であるか否かを確認することにより、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認することができる。
その結果、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5314を実行する。一方、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS5302を実行する。
ステップS5302:主制御CPU72は、第1大入賞口又は第2大入賞口を開放させる。具体的には、図773に示す大当り中の可変入賞装置の動作パターンに基づいて、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。
ステップS5303:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図799中のステップS5208)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5303a:主制御CPU72は、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認する。具体的には、以下のステップS5314で設定する確変領域インターバルタイマが既に動作中であるか否かを確認することにより、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認することができる。
その結果、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5314を実行する。一方、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS5304を実行する。
ステップS5304:主制御CPU72は、確変領域開放処理を実行する。具体的には、図773に示す大当り中の可変入賞装置の動作パターンに基づいて、確変領域ソレノイド95bに対して印加する駆動信号を出力する。これにより、確変領域羽根部材30dが開放して、第1可変入賞装置30の内部に配置された確変領域へ遊技球を案内することができる状態となる。
ステップS5305:次に主制御CPU72は、確変領域タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図799中のステップS5208)で設定した確変領域タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5306:続いて主制御CPU72は、大入賞口開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS5307aを実行する。
ステップS5307a:続いて主制御CPU72は、確変領域開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の確変領域タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72はステップS5308を実行する。
一方、確変領域タイマの値が0以下になっている場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5307bを実行する。
ステップS5307b:確変領域閉鎖処理を実行する。具体的には、確変領域ソレノイド95bに対して印加している駆動信号の出力を停止する処理を実行する。これにより、確変領域羽根部材30dが閉鎖して、第1可変入賞装置30の内部に配置された確変領域へ遊技球を案内することができない状態となる。
ステップS5308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31(開放中の第1大入賞口又は第2大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第1カウントスイッチ84又は第2カウントスイッチ85から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS5310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、開放1回(大当り中の1ラウンド)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72はステップS5301~ステップS5310の手順を繰り返し実行する。
ステップS5306で大入賞口開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。
ステップS5312:主制御CPU72は、第1大入賞口又は第2大入賞口を閉鎖させる。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が開放状態から閉鎖状態に移行する。
ステップS5313:主制御CPU72は、確変領域閉鎖処理を実行する。具体的には、確変領域ソレノイド95bに対して印加している駆動信号の出力を停止する処理を実行する。これにより、確変領域羽根部材30dが閉鎖して、第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域へ遊技球を案内することができない状態となる。
ステップS5314:次に主制御CPU72は、インターバルタイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図799中のステップS5210)で設定した大入賞口インターバルタイマ及び確変領域インターバルタイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5315:主制御CPU72は、大入賞口インターバル時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の大入賞口インターバルタイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ大入賞口インターバルタイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理(図799)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大当り時大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5301からジャンプして直にステップS5314を実行する。一方、カウントダウン処理後の大入賞口インターバルタイマの値が0以下になったことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5318を実行する。
ステップS5318:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5320:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、このような開放パターンを採用していない場合には、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定される。したがって、大当り遊技中の各ラウンドでは1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
一方、1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用している場合には、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、ステップS5301~ステップS5320までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5318で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
ステップS5322:主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口閉鎖処理に設定し、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大当り時大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大当り時大入賞口閉鎖処理〕
図801は、大当り時大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大当り時大入賞口閉鎖処理は、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1~15)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の1~15)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大当り時大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、大当り時可変入賞装置管理処理(図798)に復帰する。
主制御CPU72が次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、大当り時遊技プロセス選択処理(図798中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大当り時大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大当り時大入賞口開閉動作処理の実行後は大当り時大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大当り時大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402~ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数(10回)に達するまでの間、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を大当り時終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、大当り時可変入賞装置管理処理(図798)に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は大当り時終了処理が選択されることになる。
〔大当り時終了処理〕
図802は、大当り時終了処理の手順例を示すフローチャートである。この大当り時終了処理は、大当り時の第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5501:主制御CPU72は、大当り時終了時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時終了時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
ステップS5502:次に主制御CPU72は、大当り時終了時間が経過したか否かを確認する。具体的には、大当り時終了時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は大当り時終了時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して大当り時可変入賞装置管理処理(図798)に復帰する。
この後、時間の経過に伴って大当り時終了時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は大当り時終了時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS5503以降を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また、主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で内部状態としての大役終了を宣言する。なお、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値をリセットする。
ステップS5506:次に主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグに値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図774中のステップS2414)でセットされるものである。
ステップS5508:確率変動機能作動フラグに値がセットされている場合(ステップS5506:Yes)、主制御CPU72は確変回数(例えば10000回)を設定する。設定した確変回数の値は、例えばRAM76の確変カウンタ領域に格納されて上記の回数切りカウンタ値となる。ここで設定した確変回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動(内部抽選)を高確率状態で行う上限回数となる。本実施形態では、高確率状態に実質的な上限を設けていないため、確変回数が0回まで減算される確率は低い。なお、確率変動機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5506:No)、主制御CPU72はステップS5508を実行しない。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、変動時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図774中のステップS2414)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、変動時間短縮機能作動フラグに値がセットされている場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時短回数(例えば100回又は10000回)を設定する。設定した時短回数の値は、上記のようにRAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時短回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。なお、変動時間短縮機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512を実行しない。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、変動時間短縮機能作動フラグがONである場合(所定の移行条件が満たされると)、遊技に関して所定の条件(電チューサポートが行われていない状態)が適用される非時間短縮状態(通常状態、非入賞容易状態)と比較して有利な条件(電チューサポートが行われている状態)が適用される時間短縮状態(有利状態、入賞容易状態)に移行させることができる(有利状態移行手段)。
ステップS5513:主制御CPU72は、リミッタ管理処理を実行する。なお、処理の詳細は後述する。
ステップS5514:そして、主制御CPU72は、各種のフラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、確率変動機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「高確率中」を表す状態指定コマンドを生成し、変動時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS5516:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図771中のステップS1000c,図772中のステップS1900b)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理(図798)に復帰する。
〔リミッタ管理処理〕
図803は、リミッタ管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5600:主制御CPU72は、今回の当選がいずれかの確変図柄(10ラウンド確変図柄1~3)での当選であるか否かを確認する。
その結果、今回の当選がいずれかの確変図柄での当選であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS5602を実行する。一方、今回の当選がいずれかの確変図柄での当選であることを確認した場合、主制御CPU72は、ステップS5603aを実行する。
ステップS5602:主制御CPU72は、リミッタ回数をリセット(0にセット)する処理を実行する。ここで、リミッタ回数は、高確率状態に連続して移行させることが可能な連続回数、すなわち、特別遊技(大当り遊技)を連続して実行することが可能な連続回数を示している。なお、本実施形態では、初当りを含めて4回の大当り遊技をワンセットとする遊技仕様を採用しており、リミッタ回数の値は、「0」~「3」のいずれかの値をとる。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、高確率状態に連続して移行させることが可能なリミッタ回数(連続回数)を設定することができる(連続回数設定手段)。
ここで、主制御CPU72は、所定のタイミングにおいて(例えば、変動開始時、変動終了時、大当り開始時、大当り終了時、リミッタ回数更新時等に)、演出制御装置124に、リミッタ回数の値を含むリミッタ回数コマンドを送信することができる。
ステップS5603a:主制御CPU72は、今回の当選が低確率状態での当選であるか否か(当選時の内部状態が低確率非時間短縮状態又は低確率時間短縮状態であるか否か)を確認する。
その結果、今回の当選が低確率状態での当選であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS5603bを実行する。一方、今回の当選が低確率状態での当選であることを確認できない場合(No)、すなわち、今回の当選が高確率状態での当選である場合、主制御CPU72は、ステップS5604を実行する。
ステップS5603b:主制御CPU72は、リミッタ回数設定処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、リミッタ回数に「4」を設定する処理を実行する。なお、制御上、リミッタ回数は一時的に「4」が設定されるが、次の処理で直ぐに減算されて「3」になる。
ステップS5604:主制御CPU72は、リミッタ回数を減算(-1)する処理を実行する。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、内部抽選で当選したことに基づいて、リミッタ回数を更新することができる(連続回数更新手段)。
ステップS5606:主制御CPU72は、「リミッタ回数」の値と、規定値(例えば「0」)とが一致しているか否かを確認する。
その結果、「リミッタ回数」の値と、規定値とが一致していることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS5608を実行する。一方、「リミッタ回数」の値と、規定値とが一致していることを確認できない場合、主制御CPU72は、大当り時終了処理(図802)に復帰する。
ステップS5608:主制御CPU72は、低確率状態への移行処理を実行する。
本処理において、主制御CPU72は、高確率状態(有利遊技状態)への移行に係わる制限を行う規定値到達時処理を実行する(規定値到達時処理実行手段)。
具体的には、主制御CPU72は、確変回数に10000回が設定されていたとしてもその確変回数を0回に設定することにより、高確率状態(有利遊技状態)に移行しない当選図柄に該当したものとする規定値到達時処理(つまり、当選図柄は変更せずに高確率時間短縮状態に移行させない処理)を実行する(規定値到達時処理実行手段)。
規定値到達時処理は、高確率縮状態に移行する当選図柄に該当した場合であっても高確率状態に移行しない当選図柄に該当したものとする処理(つまり、当選図柄を変更する処理)であってもよい。また、規定値到達時処理は、規定値到達時には高確率状態に移行する当選図柄を選択不能とする処理、つまり、高確率状態に移行しない当選図柄だけを選択可能とする処理(大当りの内訳(当選図柄選択テーブルの内訳)を全部高確率状態に移行しない当選図柄とする処理)であってもよい。
これにより、リミッタ到達時には低確率状態に強制的に移行される。
ステップS5610:主制御CPU72は、リミッタ回数をリセットする処理を実行する。これにより、リミッタ回数が「0回」にリセットされる。なお、本処理が実行される場合は、ステップS5604の減算処理において、既にリミッタ回数は「0回」にリセットされているため、本処理を実行しないようにしてもよい。
そして、以上の処理を終えると、主制御CPU72は、大当り時終了処理(図802)に復帰する。
〔小当り時可変入賞装置管理処理〕
次に、小当り時可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。
図804は、小当り時可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。小当り時可変入賞装置管理処理は、小当り時遊技プロセス選択処理(ステップS6100)、小当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS6200)、小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)、小当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS6400)、小当り時終了処理(ステップS6500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS6100:小当り時遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS6200~ステップS6500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして小当り時可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第2可変入賞装置31の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS6200)を選択する。一方、既に小当り時大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)を選択し、小当り時大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として小当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS6400)を選択する。また、設定された連続作動回数にわたって小当り時大入賞口開閉動作処理及び小当り時大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時終了処理(ステップS6500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔小当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図805は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、小当り時に第2可変入賞装置31を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS6212:主制御CPU72は、「小当り時開放パターン」を設定する。本実施形態では、所定の開放パターン(0.5秒×1回開放となる開放パターン)を設定している。なお、「小当り」については「ラウンド」という概念がないことから、「開放パターン」についても「1回目の開放」、「2回目の開放」といった表記となる。
ステップS6214:主制御CPU72は、先のステップS6212で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大入賞口の開放回数を設定する。ここで設定した開放回数は、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS6216:次に主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、第2可変入賞装置31を作動する際の1回あたりの開放時間となる。
ステップS6218:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、小当り時に第2可変入賞装置31を複数回にわたり開閉動作させる際の1回ごとの待機時間となるが、このタイマ値は、開閉部材31aの上面に遊技球が隙間なく並ぶ程度の時間(例えば、2秒程度)に設定される。
ステップS6220:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を小当り時大入賞口開閉動作処理に設定し、小当り時可変入賞装置管理処理(図804)に復帰する。そして、主制御CPU72は、次に小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)を実行する。
主制御CPU72は、小当り遊技中である場合、演出制御装置124に対して、小当り遊技中であることを示す小当り遊技中コマンド送信することができる。
〔小当り時大入賞口開閉動作処理〕
図806は、小当り時大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、小当り時に第2可変入賞装置31の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS6301:主制御CPU72は、インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認する。具体的には、以下のステップS6314で設定するインターバルタイマが既に動作中であるか否かを確認することにより、インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認することができる。
その結果、インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS6314を実行する。一方、インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS6302を実行する。
ステップS6302:主制御CPU72は、第2大入賞口31bを開放させる。具体的には、第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第2可変入賞装置31が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。
ステップS6304:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図805中のステップS6216)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS6306:続いて主制御CPU72は、開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS6308を実行する。
ステップS6308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第2可変入賞装置31(開放中の第2大入賞口31b)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第2カウントスイッチ85から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS6310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、1回の開放で(1回の小当り遊技で)許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は小当り時可変入賞装置管理処理(図804)に復帰する。そして、次に小当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が小当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS6301~ステップS6310の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS6306で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS6310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS6312を実行する。
ステップS6312:主制御CPU72は、第2大入賞口31bを閉鎖させる。具体的には、第2大入賞口ソレノイド97に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、第2可変入賞装置31が開放状態から閉鎖状態に復帰する。
ステップS6314:次に主制御CPU72は、インターバルタイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図805中のステップS6218)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。
ステップS6315:主制御CPU72は、インターバル時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後のインターバルタイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だインターバルタイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は小当り時可変入賞装置管理処理(図804)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで小当り時大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS6301からジャンプして直にステップS6314を実行する。一方、カウントダウン処理後のインターバルタイマの値が0以下になったことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS6316を実行する。
ステップS6316:主制御CPU72は次のジャンプ先を小当り時大入賞口閉鎖処理に設定し、小当り時可変入賞装置管理処理(図804)に復帰する。そして、次に小当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に小当り時大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔小当り時大入賞口閉鎖処理〕
図807は、小当り時大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この小当り時大入賞口閉鎖処理は、第2可変入賞装置31の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS6412:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS6414:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図805中のステップS6214)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS6416を実行する。
ステップS6416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を小当り時大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS6430:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、小当り時可変入賞装置管理処理(図804)に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、小当り時遊技プロセス選択処理(図804中のステップS6100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である小当り時大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、小当り時大入賞口開閉動作処理の実行後に、主制御CPU72は再び小当り時大入賞口閉鎖処理を実行し、実際の開放回数が設定した開放回数(例えば1回や複数回等)に達するまでの間、第2可変入賞装置31の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS6414:Yes)、主制御CPU72は次にステップS6418を実行する。
ステップS6418,ステップS6420:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を小当り時終了処理に設定する。
ステップS6430:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、小当り時可変入賞装置管理処理(図804)に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は小当り時終了処理が選択されることになる。
〔小当り時終了処理〕
図808は、小当り時終了処理の手順例を示すフローチャートである。この小当り時終了処理は、小当り時の第2可変入賞装置31の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS6502:主制御CPU72は、小当り時終了時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時終了時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
ステップS6504:次に主制御CPU72は、小当り時終了時間が経過したか否かを確認する。具体的には、小当り時終了時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は小当り時終了時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して小当り時可変入賞装置管理処理(図804)に復帰する。
この後、時間の経過に伴って小当り時終了時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は小当り時終了時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS6506以降を実行する。
ステップS6506,ステップS6508:主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また、内部状態フラグから「小当り遊技中」を消去して小当り遊技を終了させる。なお、小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS6510:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を小当り時大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS6512:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図771中のステップS1000c,図772中のステップS1900b)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は小当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔ゲームフロー〕
図809は、本実施形態のパチンコ機1で展開されるゲームフローについて説明する図である。
パチンコ機1で遊技を開始する場合、〔F1〕通常モードから遊技が開始される。〔F1〕「通常モード」は、特別図柄抽選の当選確率は「低確率状態」であり、かつ、普通図柄抽選の当選確率は「低確率状態」である(低確率非時間短縮状態)。〔F1〕通常モードでは、中始動入賞口26に遊技球を入球させることにより、第1特別図柄が変動を開始して遊技が進行していく。
〔F1〕通常モードにて、〔F2〕「10ラウンド通常図柄」に当選すると、〔F3〕10ラウンド大当り遊技(ノーマルボーナス演出)が実行され、大当り遊技の終了後に、〔F4〕海岸モードに移行する。
〔F4〕海岸モードは、特別図柄抽選の当選確率は「低確率状態」であり、かつ、普通図柄抽選の当選確率は「高確率状態」である(低確率時間短縮状態)。〔F4〕海岸モードにて、当選の結果が得られずに〔F5〕特別図柄が100回変動すると、〔F1〕通常モードに移行する。
〔F4〕海岸モードでは、可変始動入賞装置28が高頻度で作動し、主に、第2特別図柄が変動する。第2特別図柄抽選では、大当りに該当しなければ、略小当りに該当するが、低確率時間短縮状態である海岸モードでは、可変始動入賞装置28が高頻度で作動することにより、その下流の小当り遊技を実行する第2可変入賞装置31には遊技球がほとんど到達しないようになっている。
〔F1〕通常モードにて、〔F6〕「10ラウンド確変図柄1」に当選すると、〔F7〕10ラウンド大当り遊技(スペシャルボーナス演出)が実行され、大当り遊技の終了後に、〔F8〕花火モードに移行する。
〔F8〕花火モードは、特別図柄抽選の当選確率は「高確率状態」であり、かつ、普通図柄抽選の当選確率は「高確率状態」である(高確率時間短縮状態)。〔F8〕花火モードにおいて、〔F9〕リミッタ到達となると(「10ラウンド確変図柄3」に3回該当して3回の大当り遊技が実行されると)、〔F4〕海岸モードに移行する。
〔F8〕花火モードでは、可変始動入賞装置28が高頻度で作動し、主に、第2特別図柄が変動する。第2特別図柄抽選では、大当りに該当しなければ、略小当りに該当するが、高確率時間短縮状態である花火モードでは、可変始動入賞装置28が高頻度で作動することにより、その下流の小当り遊技を実行する第2可変入賞装置31には遊技球がほとんど到達しないようになっている。
〔F1〕通常モードにて、〔F10〕「10ラウンド確変図柄2」に当選すると、〔F11〕10ラウンド大当り遊技及び小当りラッシュ状態によるプレミアムボーナス演出が実行される。
小当りラッシュ状態は、特別図柄抽選の当選確率は「高確率状態」であり、かつ、普通図柄抽選の当選確率は「低確率状態」である(高確率非時間短縮状態)。プレミアムボーナス演出の実行中に、〔F12〕リミッタ到達となると(「10ラウンド確変図柄3」に3回該当して3回の大当り遊技が実行されると)、〔F4〕海岸モードに移行する。なお、プレミアムボーナス演出の実行中に、〔F12〕リミッタ到達となった場合には、〔F1〕通常モードに移行させるようにしてもよい。
高確率非時間短縮状態では、主に、第2特別図柄が変動するが、可変始動入賞装置28は高頻度で作動しないので、その下流の小当り遊技を実行する第2可変入賞装置31には、遊技球が頻繁に到達するようになっている。
なお、以上のゲームフローに関しては、代表的なゲームフローの一例を示したものであり遊技の流れをすべて網羅しているものではない。
〔演出画像の例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像について、いくつかの例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)を決定し、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、上記のように第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。そこでパチンコ機1では、演出図柄等を用いた変動表示演出を実行している。
通常モードで用いられる演出図柄には、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される。各演出図柄は、例えば数字の「1」~「9」とともにキャラクターが付された絵札をデザインしたものとなっている。ここで、左演出図柄、中演出図柄、及び右演出図柄は、いずれも数字が「9」~「1」の降順に並んだ図柄列を構成している。このような図柄列は、画面上の左領域・中領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
図810は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(結果表示演出)の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄とするが、第2特別図柄でもよい。)が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔変動表示前〕
図810中(A):例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の画面内には3本の演出図柄の列が大きく表示されている。このとき第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄も停止表示された状態にある。
〔記憶数表示演出〕
また、液晶表示器42の画面下部の変動前表示領域X1には、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数を表すマーカ(図中に参照符号M1,M2を付す)が表示されている。これらマーカM1,M2は、それぞれの表示個数が第1特別図柄、第2特別図柄の作動記憶数(第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示数)を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。
また、マーカM1,M2は、視覚的な判別を容易にするため第1特別図柄に対応するマーカM1が例えば円(○)の図形で表示され、第2特別図柄に対応するマーカM2が例えばハートの図形で表示されている。図示の例では、マーカM1が4つとも点灯表示されることで第1特別図柄の作動記憶数が4個であることを表し、マーカM2が全て非表示(破線で示す)となっていることで第2特別図柄の作動記憶数が0個であることを表している。
また、演出図柄の変動表示中、例えば液晶表示器42の画面右上には第4図柄(図中に参照符号Z1,Z2を付す)が表示されている。この第4図柄Z1,Z2は、左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお、第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。第4図柄Z1は、第1特別図柄に対応しており、第4図柄Z2は、第2特別図柄に対応している。
また、第4図柄Z1,Z2については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が例えば「15ラウンド大当り」であれば、それらに対応する態様(例えば赤表示色等)で第4図柄Z1,Z2は停止表示される。なお、第4図柄Z1,Z2は、液晶画面に表示するのではなく、盤面に配置されたLEDで表示してもよい。
〔変動表示演出開始〕
図810中(B):例えば第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される(演出実行手段)。すなわち、第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面内で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールする(流れる)ようにして変動表示演出が開始される。また、マーカM1,M2は、変動開始前は、液晶表示器42の下方部分における帯状部分の変動前表示領域X1に表示されているが、変動開始後は、液晶表示器42の左下部分に表示されている台座画像による変動中表示領域X2に移動して、特別図柄(演出図柄)の変動が停止表示されるまで表示され続ける(当該変動中記憶表示演出)。なお、図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。また、変動表示中、個々の演出図柄が透けた状態で表示(透過表示)されることにより、このとき表示画面内には演出図柄の背景となる画像(背景画像)が視認しやすい状態で表示されている。
この場合の背景画像は、例えば浴衣を着こなした女性キャラクターが長椅子に腰掛け、夕涼みでもするかのようにリラックスしている風景を表現したものである。このような背景画像は、演出上での滞在モードが例えば「通常モード」であることを表現している。本実施形態において「通常モード」は、時間短縮機能が非作動であり、また、確率変動機能も非作動である通常状態に対応するものとする。この他にも演出上で各種のモードが設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている(状態表示演出実行手段)。これらモードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものであったり、「高確率状態」に対応するものであったりする。ここでは特に図示していないが、この後、例えば表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
また、演出図柄の変動表示中、液晶表示器42の画面右上では第4図柄Z1が変動表示されており、第4図柄Z1は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
〔左演出図柄停止〕
図810中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の左側位置に数字の「8」を表す演出図柄が停止したことを表している。なお、ここでは背景画像の図示を省略している(これ以降も同様)。
〔作動記憶数減少時の演出例〕
ここで、先の図810中(B)に示されているように、変動開始に伴って第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動してマーカM1の表示個数が1個分減少されている。例えば、それまでに作動記憶数が4個あったとすると、マーカM1において最も以前(古い)の記憶数表示が1個だけ変動中表示領域X2に移動され、内部抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、第1特別図柄に関して作動記憶数が消費されたということを演出上でも遊技者に教示することができる。
そして、図810中(C)の例においては、記憶順で先頭にあったマーカM1が変動中表示領域X2に移動することにより、変動前表示領域X1での表示が残り3個になったため、画面上に残った3つのマーカM1がそれぞれ1個分ずつ一方向(ここでは左方向)へずれていく演出が行われている。これにより、作動記憶数の変化の前後関係を正確に演出上で表現するとともに、遊技者に対して「作動記憶が消費されて1つ減った」ということや「作動記憶が消費されて特別図柄が変動中である」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
〔右演出図柄停止〕
図810中(D):左演出図柄に続いて、その後に右演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中側位置に数字の「3」を表す演出図柄が停止したことを表している。この時点で既にリーチ状態が発生しないことは確定しているので、今回の変動が非リーチ(通常)変動であるということが見た目上でほとんど明らかとなっている。なお、ここではすべりパターン等によるリーチ変動を除くものとする。「すべりパターン」とは、例えば一旦は数字の「7」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するというものである。あるいは、一旦は数字の「9」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が逆向きに1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するパターンもある。また、その他にも例えば「5」等の全くかけ離れた数字を表す演出図柄が一旦停止した後、画面上にキャラクターが出現して右演出図柄列を再変動させると、数字の「8」を表す演出図柄が停止してリーチに発展するといったパターンもある。
〔停止表示演出〕
図810中(E):第1特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面の中段位置に数字の「1」を表す演出図柄が停止したことを表しており、この場合、演出図柄の組み合わせは「8」-「1」-「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
また、停止表示演出が行われると、変動中表示領域X2に移動して表示を継続していたマーカM1も非表示となる。したがって、遊技者に対して「特別図柄の変動が終了した」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
以上は、1回の変動ごとに演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
また、上述した例は非当選時についてのものであるが、大当り(当選)時には変動表示演出中にリーチ演出が実行された後、停止表示演出において演出図柄が大当りの態様で停止表示される。このとき演出図柄の停止表示態様は、基本的には主制御CPU72によって内部的に選択された当選図柄(第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の停止表示態様)に対応させて選択される。
〔海岸モードの演出例〕
図811は、海岸モードの演出例を示す連続図である。
海岸モードは、「10ラウンド通常図柄」に該当した場合の大当り遊技の終了後等に移行される。海岸モードは、「低確率時間短縮状態」である。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
図811中(A):「海岸モード」の状態で演出図柄の変動表示が行われている。海岸モードの背景画像は、「砂浜」や「海」、「山」等の画像をモチーフとした背景画像となっている。また、液晶表示器42の画面右上では第4図柄Z2が変動表示されている。
図811中(B):そして、今回の変動は、小当りに当選しており、今回の変動が終了したことにより、すべての演出図柄が停止表示されている(「1」-「1」-「5」)。また、第4図柄Z2は、小当りの態様で停止表示されている。
図811中(C):そして、次回の変動が開始される。海岸モードにて大当りに当選した場合は、リーチ演出が実行されて大当りとなる。
〔花火モードの演出例〕
図812は、花火モードの演出例を示す連続図である。
花火モードは、「10ラウンド確変図柄1」に該当した場合の大当り遊技の終了後等に移行される。花火モードは、「高確率時間短縮状態」である。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
図812中(A):「花火モード」の状態で演出図柄の変動表示が行われている。花火モードの背景画像は、夜空に花火が打ち上げられている画像をモチーフとした背景画像となっている。また、液晶表示器42の画面右上では第4図柄Z2が変動表示されている。
図812中(B):そして、今回は小当りに当選しており、今回の変動が終了したことにより、すべての演出図柄が停止表示されている(「2」-「2」-「6」)。また、第4図柄Z2は、小当りの態様で停止表示されている。
図812中(C):そして、次回の変動が開始される。花火モードにて大当りに当選した場合は、リーチ演出が実行されて大当りとなる。
図813~図815は、プレミアムボーナス演出の第1演出例を示す連続図である。
第1演出例は、第1特別図柄の記憶に「10ラウンド通常図柄」に該当する記憶が存在しない場合の演出例である。
プレミアムボーナス演出は、「10ラウンド確変図柄2」や「10ラウンド確変図柄3」の当選に基づく大当り遊技状態と、2つの大当り遊技の間に移行する小当りラッシュ状態(小当りが頻繁に発生する状態)とを利用して、一連の大当りのような演出として実行される。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
図813中(A):初当り時(低確率非時間短縮状態からの大当り時)に「10ラウンド確変図柄2」に該当した場合、大当り遊技の実行中に、プレミアムボーナス演出が実行される。プレミアムボーナス演出では、プレミアムボーナスの文字情報とプレミアムボーナス専用のキャラクター等が表示される。
〔V入賞→保障出球数報知演出の実行〕
図813中(B):「10ラウンド確変図柄2」に該当した場合の1ラウンド目では確変領域がロング開放する。そして、遊技球が確変領域を通過すると、保障出球数報知演出が実行される。図示の例では、保障出球数報知演出として、3000の文字情報を表示する演出が実行されている。保障出球数報知演出が実行されるプレミアムボーナス演出は、連続した大当り遊技が実行されることを示唆する第1大当り演出(第1特別遊技演出)である。ここで、3000の文字情報は、プレミアムボーナス演出で払い出される最低の遊技球の個数(=1回の大当りによる出球(1000個)×3回分の大当り)を意味している。本実施形態では、リミットを全て消化すると4000個の遊技球が払い出されるが、最後の大当りはエンディングボーナスとしているため、プレミアムボーナス演出では、少なくとも3000個の遊技球が払い出されることになる。
〔保障出球アイコン表示演出〕
図813中(C):保障出球数報知演出に続けて、保障出球アイコン表示演出が実行される。図示の例では、3000の文字情報が表示された保障出球アイコンが表示される。この保障出球アイコンは、画面上に一度大きく表示された後は、獲得出球が3000個に到達するまで、画面の左上に小さく表示され続ける。
〔刻み演出〕
図814中(D):プレミアムボーナス演出の実行中に、遊技球が第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)、又は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)に入球すると、遊技球が10個入球するごとに刻み演出が実行される。刻み演出は、001RUSH~999RUSHの表示態様で実行される。1RUSHは、10個の遊技球が大入賞口に入球したこと、すなわち、1ラウンド分の出球に相当する利益が得られたことを意味している。
〔獲得出球表示演出〕
また、表示画面の右下では、獲得出球表示演出が実行されている。図示の例では、「100/3000」の文字情報が表示されている。このような表示により、プレミアムボーナス演出では、3000個の遊技球の獲得が最低限保障されており(分母部分)、現時点までに100個の遊技球が払い出されている(分子部分)ということが表現されている。
図814中(E):刻み演出では、その後、大入賞口に遊技球が10個入球するごとに、002RUSH、003RUSHといったように文字情報の数字部分が更新されていく。
図814中(F):大当り遊技が終了し、第2特別図柄の変動が開始しても、プレミアムボーナス演出は、継続して実行されている。ここでは、第2特別図柄の小当り変動が実行されている。演出図柄は、画面の中央下部で小さく変動表示されている。なお、第4図柄Z2も変動中の状態である。なお、第1特別図柄は停止中の状態である。
図815中(G):第2特別図柄の停止表示に略同期して、演出図柄が小当りの態様で停止表示され、第4図柄Z2も小当りの態様で停止表示される。第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、小当り遊技が開始される。小当り遊技が開始されると、第2可変入賞装置31が開放状態となり、第2大入賞口31bに遊技球を入球させることができる状態となる。そして、第2大入賞口31bに遊技球が入球すると、所定数の遊技球が払い出される。
〔刻み演出〕
ここでも刻み演出が実行されている。図示の例では、刻み演出は、011RUSHの表示態様で実行されている。また、表示画面の右下では、獲得出球表示演出が実行されている。図示の例では、「1100/3000」の文字情報が表示されている。
図815中(H):小当り遊技が終了すると、次変動が開始する。演出図柄及び第4図柄Z2は変動中の状態である。
図815中(I):第2特別図柄の停止表示に略同期して、演出図柄が大当りの態様で停止表示され、第4図柄Z2も大当りの態様で停止表示される。第2特別図柄が大当りの態様で停止表示されると、大当り遊技が開始される。大当り遊技が開始されても、プレミアムボーナス演出は継続して実行される。そして、プレミアムボーナス演出は、リミッタ到達となる最後の大当り遊技の直前の小当りラッシュ状態が終了するまで継続する。
図816は、プレミアムボーナス演出の第2演出例を示す連続図である。
第2演出例は、第1特別図柄の記憶に「10ラウンド通常図柄」に該当する記憶が存在する場合の演出例である。
図816中(A):初当り時(低確率非時間短縮状態からの大当り時)に「10ラウンド確変図柄2」に該当した場合、プレミアムボーナス演出が実行される。
〔V入賞→保障出球数報知演出の非実行〕
図816中(B):「10ラウンド確変図柄2」に該当した場合の1ラウンド目では確変領域がロング開放する。そして、遊技球が確変領域を通過すると、本来であれば、保障出球数報知演出が実行される。しかし、ここでは、第1特別図柄の記憶に「10ラウンド通常図柄」に該当する記憶があるため、保障出球数報知演出(3000の文字情報を表示する演出)は実行されない。保障出球数報知演出が実行されないプレミアムボーナス演出は、連続した大当り遊技が実行されることを示唆しない第2大当り演出(第2特別遊技演出)である。
〔その他の演出〕
図816中(C):この場合、保障出球アイコン表示演出や、獲得出球表示演出も実行しないようにすることができる。
図817及び図818は、プレミアムボーナス演出に関するその他の演出例を示す連続図である。
図817中(A):プレミアムボーナス演出の状態(小当りラッシュ状態)で遊技が進行している。画面の左上には、保障出球アイコンが表示され、画面の右下には獲得出球が表示されている(2900/3000)。
図817中(B):ここで、獲得出球が3000個に到達したものとする(3000/3000)。この場合、画面の左上の保障出球アイコンは非表示となる。保障出球アイコンの表示中は、保障期間が継続しているため、プレミアムボーナス演出が終了することはないが、保障出球アイコンが非表示になると、保障期間が終了するため、プレミアムボーナス演出は、いつ終了するか不明な状態(いつ終了してもおかしくない状態)となる。
〔特殊キャラクター表示演出〕
図817中(C)(D):保障出球アイコンが非表示になると、特殊キャラクターが表示される演出が実行される場合がある。図818中(C)に示すように、女性キャラクターが表示されると、少なくとも「5RUSH分(5ラウンド分のラウンド遊技)」が残存していることが確定する。また、図818中(D)に示すように、男性キャラクターが表示されると、少なくとも「8RUSH分(8ラウンド分のラウンド遊技)」が残存していることが確定する。
図818中(E):そして、初当りを含めて4回目の大当りに当選したものとする。演出図柄及び第4図柄Z2は、大当りの態様で停止表示されている。
図818中(F):この場合、エンディングボーナス演出が実行される。エンディングボーナス演出は、プレミアムボーナス演出が終了した後に実行される演出であり、リミッタ到達時の大当り遊技の実行中(最後の大当り遊技の実行中)に実行される。
〔リーチ演出の演出例〕
図819~図822は、リーチ演出の演出例を示す連続図である。リーチ演出の実行前(テンパイ前)や実行中(テンパイ後)には、各種予告演出が実行される。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
〔変動表示演出開始〕
図819中(A):第1特別図柄の変動開始に略同期して、液晶表示器42の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。なお、ここでは、リーチ演出後に大当りとなる演出パターンが選択されているものとする。
〔台詞予告演出〕
図819中(B):変動開始から一定時間が経過すると、台詞予告演出が実行される。図示の例では、動物のキャラクター(例えば、ヘビ)が「チャンス」という台詞を発する演出が実行されている。
〔リーチ状態の発生〕
図819中(C):左演出図柄及び右演出図柄が順番に又は同時に停止表示される。ここでは、画面の左側位置に数字の「5」を表す左演出図柄が停止表示され、画面の右側位置に数字の「5」を表す右演出図柄が停止表示されている。これにより、画面上に横一線状(1本のライン上)に数字の「5」-「変動中」-「5」のリーチ状態が発生している。そして画面上には、リーチ状態となる1本のラインを強調する画像が合わせて表示されるとともに、「リーチ!」という音声が出力される演出が実行される。
〔リーチ発生後予告演出〕
図820中(D):リーチ状態が発生して暫くすると、動物のキャラクター(例えば白熊)を表す画像が群をなして画面上を右から左に通過していくリーチ発生後予告演出(群予告演出)が行われる。
図820中(E):リーチ発生後予告演出が実行された後もリーチ演出は継続している。図示の例では、男性キャラクターが電車に乗って登場する演出が実行されている。なお、画面の中央上部位置では、演出図柄を縮小した状態で変動表示演出が実行されている(「5」-「変動中」-「5」)。
図820中(F):そして、電車が停止する演出が実行され、その電車の中から男性キャラクターが登場し、「私が相手だ!!」という台詞を発する演出が実行される。
図821中(G):これに続けて画面の左側に敵キャラクターとしての「かぼちゃのお化け」が出現し、画面の右側に味方キャラクターとしての「男性キャラクター」が出現し、画面の中央に「VS」の文字が出現する演出が行われる。これにより、遊技者に対してこれから戦いが始まるということを教示することができる。
図821中(H):そして、リーチ演出が終盤になると、「かぼちゃのお化け」が無数のパンチを繰り出し、「男性キャラクター」がチョップで応戦する演出が実行される。この状態で「男性キャラクター」が勝利すれば当りとなる展開である。
図821中(I):リーチ演出の最終段階になると、カットイン予告演出が実行される。図示の例では、画面上を左右にカットした領域の中に女性キャラクター等が表示されており、カットインの背景色は緑色となっている(弱カットイン)。なお、背景画像を赤色とした別の種類のカットイン予告演出が実行されることもある(強カットイン)。
〔決め役物演出〕
図822中(J):今回の変動が当選の変動である場合、変動中の最後の段階で決め役物演出が実行される。図示の例では、決め役物演出として、画面の中央に可動体40fが落下する演出が実行されている。なお、可動体40fは不図示のリンク機構やモータ等により昇降可能となっており、下降した状態で傾斜可能となっている。
〔当選時演出〕
図822中(K):その後、「勝利!!」の文字とともに、「男性キャラクター」が大きく表示され、「かぼちゃのお化け」が小さく表示されると、当り(当選)であることを意味している。画面の中央上部位置では、演出図柄を縮小した状態で停止表示演出が実行されている(「5」-「5」-「5」)。ただし、三つ揃いしたすべての演出図柄は、左右に揺れて表示されており、演出図柄の変動は完全には停止していない。このとき、第1特別図柄は変動中の状態であり、第4図柄Z1も変動表示されている。
図822中(L):第1特別図柄の停止表示に略同期して、演出図柄についても停止表示演出が行われる。演出図柄の停止表示演出は、揺れを伴わないで演出図柄を完全に停止させた状態で行われる。そして、この後は当選図柄に応じた大当り演出が実行される。
〔虹色フィルターの演出例〕
図823~図827は、虹色フィルターの演出例を示す連続図である。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
〔変動表示演出開始〕
図823中(A):第1特別図柄の変動開始に略同期して、液晶表示器42の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。なお、ここでは、リーチ演出後に大当りとなる演出パターンが選択されており、かつ、プレミアムボーナス演出が実行される大当り(「10ラウンド確変図柄2」の大当り)に該当しているものとする。
〔台詞予告演出〕
図823中(B):変動開始から一定時間が経過すると、台詞予告演出が実行される。図示の例では、動物のキャラクター(例えば、ヘビ)が「激熱」という台詞を発する演出が実行されている。
〔プレミアム演出〕
図823中(C):台詞予告演出が終了した後に、プレミアム演出が実行されている。図示の例では、虹色のオーラをまとったプレミアムキャラクター(例えば、犬)が、画面の右側から登場する演出が実行されている。なお、プレミアムキャラクターが表示されると、「大当り」かつ「10ラウンド確変図柄2当選」が確定する。つまり、プレミアム演出は、大当り確定演出である。
〔強調演出〕
図824中(D):プレミアムキャラクターが登場すると、プレミアムキャラクターの登場を強調する強調演出(アピールアクション)が実行される。図示の例では、表示画面が回転しながら後方に吸い込まれていくような演出が実行され、表示画面がある程度小さくなった時点で再び元の大きさに戻る演出が実行される。
〔虹色フィルター〕
図824中(E):ここで、表示画面の全体に、虹色フィルターが重ねて表示される。虹色フィルターは、透明又は半透明の虹色のフィルター(シート状の画像)である。
これにより、虹色フィルターよりも下位の階層で実行されている演出は、虹色フィルターを通して確認することができる。
具体的には、虹色のオーラをまとったプレミアムキャラクターが、画面の左側に移動していく演出が実行されており、このような演出は、虹色フィルターを通して確認することができる。なお、虹色フィルターは、プレミアム演出と同様に、大当り確定演出である。
〔情報表示演出〕
また、虹色フィルターを表示した場合、情報表示演出も合わせて実行する。情報表示演出は、この後に実行される大当り演出を示唆する文字情報(プレミアムボーナス接近中の文字情報)が表示された帯状の情報画像BIを表示する演出である。
ここで、第4図柄Z1,Z2(特別演出図柄)やマーカM1,M2(記憶画像)、変動前表示領域X1、変動中表示領域X2、情報画像BIは、虹色フィルターよりも上位の階層に表示されている。
一方、演出図柄や各種演出、背景画像等は、虹色フィルターよりも下位の階層に表示されている。
〔リーチ状態の発生〕
図824中(F):左演出図柄及び右演出図柄が順番に又は同時に停止表示される。ここでは、画面の左側位置に数字の「5」を表す左演出図柄が停止表示され、画面の右側位置に数字の「5」を表す右演出図柄が停止表示されている。これにより、画面上に横一線状(1本のライン上)に数字の「5」-「変動中」-「5」のリーチ状態が発生している。そして画面上には、リーチ状態となる1本のラインを強調する画像が合わせて表示されるとともに、「リーチ!」という音声が出力される演出が実行される。
演出図柄は、虹色フィルターよりも下位の階層に表示されている。このため、遊技者は、虹色フィルターを通して、演出図柄による変動表示演出を確認することができる。
〔リーチ発生後予告演出〕
図825中(G):リーチ状態が発生して暫くすると、動物のキャラクター(例えば白熊)を表す画像が群をなして画面上を右から左に通過していくリーチ発生後予告演出(群予告演出)が行われる。
リーチ発生後予告演出の画像は、虹色フィルターよりも下位の階層に表示されている。このため、遊技者は、虹色フィルターを通して、リーチ発生後予告演出を確認することができる。
図825中(H):リーチ発生後予告演出が実行された後もリーチ演出は継続している。図示の例では、男性キャラクターが電車に乗って登場する演出が実行されている。なお、画面の中央上部位置では、演出図柄を縮小した状態で変動表示演出が実行されている(「5」-「変動中」-「5」)。
図825中(I):そして、電車が停止する演出が実行され、その電車の中から男性キャラクターが登場し、「私が相手だ!!」という台詞を発する演出が実行される。
図826中(J):これに続けて画面の左側に敵キャラクターとしての「かぼちゃのお化け」が出現し、画面の右側に味方キャラクターとしての「男性キャラクター」が出現し、画面の中央に「VS」の文字が出現する演出が行われる。
図826中(K):そして、リーチ演出が終盤になると、「かぼちゃのお化け」が無数のパンチを繰り出し、「男性キャラクター」がチョップで応戦する演出が実行される。
そして、このような一連のリーチ演出に関する画像は、虹色フィルターよりも下位の階層に表示されている。このため、遊技者は、虹色フィルターを通して、リーチ演出を確認することができる。
図826中(L):リーチ演出の最終段階になると、カットイン予告演出が実行される。図示の例では、画面上を左右にカットした領域の中に女性キャラクター等が表示されており、カットインの背景色は緑色となっている(弱カットイン)。
カットイン予告演出の画像は、虹色フィルターよりも下位の階層に表示されている。このため、遊技者は、虹色フィルターを通して、カットイン予告演出を確認することができる。
〔決め役物演出〕
図827中(M):今回の変動が当選の変動である場合、変動中の最後の段階で決め役物演出が実行される。図示の例では、決め役物演出として、画面の中央に可動体40fが落下する演出が実行されている。
そして、決め役物演出が実行される段階で、虹色フィルター及び情報画像BIは非表示となる。なお、虹色フィルターや情報画像BIは、特別図柄の変動が終了するまで表示し続けてもよい。
〔当選時演出〕
図827中(N):その後、「勝利!!」の文字とともに、「男性キャラクター」が大きく表示され、「かぼちゃのお化け」が小さく表示されると、当り(当選)であることを意味している。画面の中央上部位置では、演出図柄を縮小した状態で停止表示演出が実行されている(「5」-「5」-「5」)。ただし、三つ揃いしたすべての演出図柄は、左右に揺れて表示されており、演出図柄の変動は完全には停止していない。このとき、第1特別図柄は変動中の状態であり、第4図柄Z1も変動表示されている。
決め役物演出が実行された段階で、虹色フィルターは非表示となっているため、演出図柄の視認性は向上している。
図827中(O):第1特別図柄の停止表示に略同期して、演出図柄についても停止表示演出が行われる。演出図柄の停止表示演出は、揺れを伴わないで演出図柄を完全に停止させた状態で行われる。そして、この後はプレミアムボーナス演出が実行される。
演出図柄が完全に停止する段階においても、虹色フィルターは非表示となっているため、演出図柄の停止表示演出は、視認性を向上させた状態で実行することができる。
図828及び図829は、各種画像を表示する階層を模式的に示す図である。
各種画像を表示する階層は、多数存在するが、ここでは説明の便宜上、5つの階層に分けて説明する。
ここでは、第1階層L1が最も上位の階層であり、第1階層L1よりも下位の階層が第2階層L2であり、第2階層L2よりも下位の階層が第3階層L3であり、第3階層L3よりも下位の階層が第4階層L4であり、第4階層L4よりも下位の階層が第5階層L5である。
図828中(A)に示すように、プレミアムキャラクターが登場した段階では、第1階層L1には、第4図柄Z1,Z2、マーカM1,M2、変動前表示領域X1、変動中表示領域X2が表示され、第2階層L2には、何も画像が表示されず、第3階層L3には、予告演出に関する画像(プレミアムキャラクターの画像)が表示され、第4階層L4には、演出図柄が表示され、第5階層L5には、背景画像が表示される。
なお、演出の内容や演出を実行する時期によっては、各画像がここで示した階層とは異なる階層に表示されることもある。例えば、演出図柄は、第4階層L4に表示されているが、演出の内容や演出を実行する時期によっては、第2階層L2と第3階層L3の間の階層に表示されることもある。
図828中(B)に示すように、強調演出が実行された段階では、第1階層L1には、第4図柄Z1,Z2、マーカM1,M2、変動前表示領域X1、変動中表示領域X2が表示され、第2階層L2には、何も画像が表示されず、第3階層L3には、強調演出に関する画像が表示され、第4階層L4には、演出図柄が表示され、第5階層L5には、背景画像が表示される。
図829中(C)に示すように、プレミアムキャラクターが左側に移動していく段階では、第1階層L1には、第4図柄Z1,Z2、マーカM1,M2、変動前表示領域X1、変動中表示領域X2、情報画像BIが表示され、第2階層L2には、虹色フィルターが表示され、第3階層L3には、予告演出に関する画像(プレミアムキャラクターの画像)が表示され、第4階層L4には、演出図柄が表示され、第5階層L5には、背景画像が表示される。
図829中(D)に示すように、プレミアムキャラクターが非表示となり、演出図柄がリーチ状態となる段階では、第1階層L1には、第4図柄Z1,Z2、マーカM1,M2、変動前表示領域X1、変動中表示領域X2、情報画像BIが表示され、第2階層L2には、虹色フィルターが表示され、第3階層L3には、何も画像が表示されず、第4階層L4には、リーチ状態の演出図柄が表示され、第5階層L5には、背景画像が表示される。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した各種演出は、いずれも以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
図830は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs~数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、特殊ボーナス演出管理処理(ステップS403)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば特図先判定演出コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、回数切りカウンタ値コマンド、変動パターン先判定コマンド、停止表示時間終了コマンド、発射位置指定コマンド、払い出し中コマンド、大当り遊技中コマンド、小当り遊技中コマンド、賞球内容コマンド、設定関連終了指定コマンド、確変領域通過コマンド、リミッタ回数コマンド等がある。
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御CPU126は、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド等を参照しながら、記憶マーカ等を用いた記憶表示演出の実行を制御する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に基づいて演出図柄や第4図柄を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作時の演出内容を制御したりする(演出実行手段)。また、この処理において、演出制御CPU126は各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出等)の演出パターンを選択する。
演出制御CPU126は、虹色フィルター(被覆画像)を表示する階層(第2階層)よりも下位の階層(第4階層)に、演出図柄を表示する演出パターンを選択する(演出図柄表示手段)。
また、演出制御CPU126は、虹色フィルターを表示する階層(第2階層)よりも上位の階層(第1階層)に、演出図柄と連動して変動する第4図柄Z1,Z2(特別演出図柄)を表示する演出パターンを選択する(特別表示手段)。なお、第4図柄は、3桁のミニ図柄であってもよい。
ステップS403:特殊ボーナス演出管理処理では、演出制御CPU126は、特殊ボーナス演出(プレミアムボーナス演出、エンディングボーナス演出)の内容を制御する。なお、処理の詳細は、後述する。
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(演出実行手段)。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46~52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば演出制御CPU126は可動体40fの駆動用ICに対して制御信号を出力する。可動体40fは可動体モータ57を駆動源として動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う。
〔作動記憶演出管理処理〕
図831は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS700:演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS700:Yes)、演出制御CPU126はステップS702及びステップS703を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS700:No)、演出制御CPU126はステップS702及びステップS703を実行しない。
ステップS702:演出制御CPU126は、作動記憶数増加時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応したマーカM1,M2を表示させる演出を選択する。
演出制御CPU126は、虹色フィルターを表示する階層(第2階層)よりも上位の階層(第1階層)に、マーカM1,M2(記憶画像、保留画像)及びこれに付随する画像(変動前表示領域X1及び変動中表示領域X2)を表示可能とする(特別表示手段)。マーカM1,M2は、演出図柄を変動させる要素となる画像(抽選要素の存在を示す画像、抽選要素の記憶に対応する画像)である。
ステップS703:演出制御CPU126は、先読み演出管理処理を実行する(先読み演出実行手段)。この処理では、演出制御CPU126は、先読み演出(マーカ変化演出、ゾーン演出、連続演出等)を実行するか否かについての判定処理を実行し、先読み演出を実行すると決定した場合には、先読み演出の具体的な内容を決定する処理を実行する。
具体的には、演出制御CPU126は、当該変動が到来したときに実行する演出内容や、当該変動よりも前の当該前変動で実行する演出内容(例えば、マーカ色変化演出の内容や、はずれ目停止演出の内容、ゾーン演出の内容、エフェクト演出の内容、連続演出の内容、その他の予告演出の内容及びこれらの演出のシナリオ)を決定する処理を実行する。決定した内容は、RAM130の先読み演出内容保持バッファに保持(記憶)され、当該変動に向けて実行される。演出制御CPU126は、先読み演出のシナリオが設定されてから、そのシナリオが終了するまでの間、先読み演出実行中フラグをONにする。先読み演出が実行中であるか否かは、先読み演出実行中フラグにより確認することができる。なお、当該変動とは、先読みの対象となる記憶(保留)が消費される際の変動である。
このような処理を実行することにより、演出制御CPU126は、先読み演出の実行条件が満たされた場合、1回又は複数回の特別図柄の変動に跨って実行される先読み演出を実行することができる(先読み演出実行手段)。
ステップS704:演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS704:Yes)、演出制御CPU126はステップS706を実行する。なお、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS704:No)、演出制御CPU126はステップS706を実行しない。
ステップS706:演出制御CPU126は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応したマーカM1,M2をスライドさせる演出、内部抽選により消費した抽選要素に対応するマーカを変動前表示領域X1から変動中表示領域X2に移動させる演出を選択する。なお、変動中表示領域X2に移動させた記憶マーカは変動終了時に消去する演出を選択する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(図830)に復帰する。
〔演出図柄管理処理〕
図832は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502~ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また、可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において大当り時可変入賞装置管理処理が選択された場合や小当り時可変入賞装置管理処理が選択された場合にジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502~ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。また、この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(抽選結果、当選種類、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(先読み予告演出パターン以外のリーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。また、本処理において、演出制御CPU126は、小当りに当選した場合の変動表示演出の内容を決定(選択)する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、演出図柄を用いた変動表示演出を実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた態様で演出図柄や動画像を用いた停止表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は小当り中又は大当り中の演出内容を制御する。この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(例えば当選種類や当選時の遊技状態)に応じて大役中演出の内容を選択する。例えば、「10ラウンド確変図柄1」に当選した場合、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、「10ラウンド確変図柄1」に対応する大役中演出パターンを選択し、これを演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。これにより、液晶表示器42の表示画面では大役中演出の画像が表示されるとともに、ラウンドの進行に伴って演出内容が変化していくことになる。また、大当り遊技中に、確変領域通過コマンドを受信した場合、演出制御CPU126は、遊技球が確変領域を通過したことを強調する演出を実行することができる。なお、「10ラウンド確変図柄2」や「10ラウンド確変図柄3」に当選した場合等には、プレミアムボーナス演出やエンディングボーナスに対応する大役中演出の画像を選択する処理を実行するが、このような処理は、本処理において実行してもよく、図830の特殊ボーナス演出管理処理(ステップS403)において実行してもよい。
〔演出図柄変動前処理〕
図833は、演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図830中のステップS404)、ランプ駆動処理(図830中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御CPU126は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また、今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御CPU126は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「C0H00H」~「D0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御CPU126は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。
また、演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチの種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様等を決定する。なお、ここで決定される演出図柄の種類は、全て「小当り時の図柄の組み合わせ」に該当するものとなっている。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、大当りに該当した場合、演出制御CPU126はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御CPU126は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「E0H00H」~「F0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。なお、変動パターンが擬似連続予告演出に対応する変動パターンである場合、演出制御CPU126は、変動表示演出の実行中に、擬似連続予告演出を実行する演出パターンを選択する処理を実行する(はずれ時も同様である)。擬似連続予告演出において、演出図柄を仮停止して再変動させる場合、中演出図柄に擬似連図柄を停止させることができる。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御CPU126はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御CPU126は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「A0H00H」~「A6H7FH」)に基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御CPU126がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドによって決まる。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ演出を実行する場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」-「2」-「4」等)を決定する。なお、このような制御内容は、大当り時や小当り時も同様である。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は次にステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御CPU126は、予告選択処理を実行する(予告演出実行手段)。この処理では、演出制御CPU126は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、高確率状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に小当りや大当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は比較的高く設定されている。
このように、演出制御CPU126は、予告演出を実行するか否かの抽選に当選した場合(規定の演出実行条件が満たされた場合)、変動表示演出(所定の演出)の実行中に当選の態様で演出図柄が停止表示されることを示唆する(所定の演出の成功の可否を示唆する、所定の演出に関する)予告演出を実行する(予告演出実行手段)。
また、演出制御CPU126は、この予告選択処理において予告演出を実行すると決定した場合には、変動表示中のいずれのタイミングで予告演出を開始するのかを決定する処理を実行する。なお、予告演出には、変動表示中に実行される各種の予告演出(ステップアップ予告演出、会話予告演出、カットイン予告演出、群予告演出、役物落下演出、次回予告演出、タイトル色変更演出)だけでなく、擬似連続予告演出や先読み予告演出、記憶マーカ変化予告演出等も含まれる。
ステップS616:演出制御CPU126は、モード演出管理処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は、滞在モードに応じた背景画像を選択する処理を実行する。例えば滞在モードが「通常モード(低確率非時間短縮状態)」である場合、演出制御CPU126は、女性キャラクターが長椅子に腰掛けている背景画像を選択する処理を実行する。また、滞在モードが「花火モード(高確率時間短縮状態)」である場合、演出制御CPU126は、花火をモチーフとした背景画像を選択する処理を実行する。さらに、滞在モードが「海岸モード(低確率時間短縮状態)」である場合、演出制御CPU126は、海岸をモチーフとした背景画像を選択する処理を実行する。なお、滞在モードが「高確率非時間短縮状態」である場合には、プレミアムボーナス演出に対応する背景画像を選択する処理を実行するが、このような処理は、本処理において実行してもよく、図830の特殊ボーナス演出管理処理(ステップS403)において実行してもよい。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図832中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び停止表示演出が実行されるとともに、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。
〔予告選択処理〕
図834は、予告選択処理の手順例を示すフローチャートである。
この予告選択処理において、演出制御CPU126は、変動パターンコマンドに基づいて各種予告演出を実行するか否かを決定するとともに、各種予告演出を実行すると決定した場合には演出内容を決定する処理を実行する。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS720:演出制御CPU126は、RAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、変動パターンコマンドをロードする。これにより、今回の変動がどのような種類の変動パターンであるかを確認することができる。
ステップS721:演出制御CPU126は、台詞予告演出抽選処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は、抽選により台詞予告演出を実行するか否かを決定し、台詞予告演出を実行すると決定した場合にはいずれの種類の台詞画像(例えば、チャンス、激熱等)を表示するかを決定する。なお、はずれ時よりも当選時の方が、当選期待度の高い台詞画像が選択される割合が高く設定されている。
ステップS722:演出制御CPU126は、カットイン予告演出抽選処理を実行する。演出制御CPU126は、リーチ演出を実行する場合にこの処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は、抽選によりカットイン予告演出を実行するか否かを決定し、カットイン予告演出を実行すると決定した場合にはいずれの種類のカットイン画像(例えば、弱カットイン、強カットイン等)を表示するかを決定する。なお、はずれ時よりも当選時の方が当選期待度の高いカットイン画像が選択される割合が高く設定されている。
ステップS723:演出制御CPU126は、プレミアム演出抽選処理を実行する。なお、処理の詳細は後述する。
ステップS724:演出制御CPU126は、その他の予告演出抽選処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は、上記の予告演出以外の予告演出(ステップアップ予告演出、群予告演出、擬似連続予告演出、ミニキャラ演出、ゾーン演出、マーカの色変化演出や形状変化演出、先読み演出、ボタン演出、エフェクト演出、決め役物演出等)を抽選により選択する処理を実行する。
以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出図柄変動前処理(図833)に復帰する。
〔プレミアム演出抽選処理〕
図835は、プレミアム演出抽選処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS730:演出制御CPU126は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する処理を実行する。大当りであるか否かは、変動パターンコマンドにより確認することができる。
その結果、今回の変動が大当りであることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS731を実行し、今回の変動が大当りであることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は、予告選択処理(図834)に復帰する。
ステップS731:演出制御CPU126は、今回の当選図柄が「10ラウンド確変図柄2」であるか否かを確認する処理を実行する。当選図柄は、停止図柄コマンドにより確認することができる。
その結果、今回の当選図柄が「10ラウンド確変図柄2」であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS732を実行し、今回の当選図柄が「10ラウンド確変図柄2」であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は、予告選択処理(図834)に復帰する。
ステップS732:演出制御CPU126は、演出実行抽選を実行し、この演出実行抽選に当選したか否かを確認する処理を実行する。演出実行抽選は、所定の確率(例えば、1/10の確率)で当選する抽選とすることができる。
その結果、演出実行抽選に当選したことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS733を実行し、演出実行抽選に当選したことを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は、予告選択処理(図834)に復帰する。
ステップS733:演出制御CPU126は、プレミアム演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、変動表示演出の実行中に、プレミアムキャラクターを表示し、一定時間経過後(例えば数秒経過後)にプレミアムキャラクターを非表示とする演出パターンを選択する処理を実行する。プレミアムキャラクターは、第3階層に表示する。
このような処理を実行することにより、演出制御CPU126は、所定契機でプレミアムキャラクター(特別画像)を表示し、一定時間経過後にプレミアムキャラクターを非表示とすることができる(特別画像表示手段)。
ステップS734:演出制御CPU126は、強調演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、プレミアムキャラクターを表示した後に強調演出を実行する演出パターンを選択する処理を実行する。強調演出に関する画像は、第3階層に表示する。
ステップS735:演出制御CPU126は、虹色フィルター演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、強調演出を実行した後に虹色フィルターを表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
虹色フィルターは、プレミアムキャラクターが表示されている間に表示することが好ましい。また、虹色フィルターは、プレミアムキャラクターを表示している階層(第3階層)よりも上位の階層(第2階層)に表示する。さらに、虹色フィルターは、強調演出を実行した後から決め役物演出が実行されるまで表示され続ける。さらに、虹色フィルターを表示した場合であっても、下位の階層(第3階層~第5階層)では、各種演出を実行し続ける。
このような処理を実行することにより、演出制御CPU126は、プレミアムキャラクターが表示されると、プレミアムキャラクターを表示している階層(第3階層)よりも上位の階層(第2階層)に、プレミアムキャラクターを覆う虹色フィルター(透明又は半透明の被覆画像)を表示可能とする(被覆画像表示手段)。
また、このような処理を実行することにより、演出制御CPU126は、虹色フィルターを表示した状態で、虹色フィルターを表示している階層(第2階層)よりも下位の階層(第3階層~第5階層)において時系列的に複数の演出(変動表示演出、予告演出、リーチ演出、背景画像を表示する演出等)を実行可能とする(演出実行手段)。
ステップS736:演出制御CPU126は、情報表示演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、虹色フィルターを表示した場合に情報表示演出(帯状の情報画像BIを表示する演出)を実行する演出パターンを選択する処理を実行する。情報画像BIは、第1階層に表示する。
このような処理を実行することにより、演出制御CPU126は、虹色フィルターを表示する階層(第2階層)よりも上位の階層(第1階層)に、情報画像BIを表示可能とする(特別表示手段)。
以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、予告選択処理(図834)に復帰する。
〔特殊ボーナス演出管理処理〕
図836は、特殊ボーナス演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS810:演出制御CPU126は、高確率非時間短縮状態に移行する大当り遊技中又は高確率非時間短縮状態であるか否かを確認する処理を実行する。
高確率非時間短縮状態に移行する大当り遊技中とは、低確率非時間短縮状態若しくは低確率時間短縮状態で「10ラウンド確変図柄2」に該当した場合の大当り遊技中、又は、高確率非時間短縮状態で「10ラウンド確変図柄3」に該当した場合の大当り遊技中である(ただし、リミッタ到達時の大当り遊技中を除く。)。
その結果、高確率非時間短縮状態に移行する大当り遊技中又は高確率非時間短縮状態であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS812を実行し、高確率非時間短縮状態に移行する大当り遊技中又は高確率非時間短縮状態であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は、ステップS826を実行する。
ステップS812:演出制御CPU126は、プレミアムボーナス演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、プレミアムボーナス演出の背景画像を表示したり、プレミアムボーナス演出で登場するキャラクターを表示したりする演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS814:演出制御CPU126は、初当り時のV入賞が発生したか否かを確認する処理を実行する。
初当り時のV入賞とは、低確率非時間短縮状態若しくは低確率時間短縮状態で「10ラウンド確変図柄2」に該当し、その大当り遊技中に、遊技球が確変領域を通過した場合(V入賞した場合)のことである。V入賞が発生したか否かは、確変領域通過コマンドにより確認することができる。
その結果、初当り時のV入賞が発生したことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS816を実行し、初当り時のV入賞が発生したことを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は、ステップS818を実行する。
ステップS816:演出制御CPU126は、初当り時V入賞発生時処理を実行する。なお、処理の詳細は、後述する。
ステップS818:演出制御CPU126は、刻み演出管理処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、プレミアムボーナス演出の実行中に、第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)、又は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)に、遊技球が10個入球するごとに、刻み演出を実行する。刻み演出では、刻み演出を実行するごとに、RUSHの文字情報の数字部分を更新表示(+1)する処理を実行する。
ステップS820:演出制御CPU126は、獲得出球管理処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、プレミアムボーナス演出の実行中に、第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)、又は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)に遊技球が入球するごとに、獲得出球表示演出で表示している分子部分の文字情報を更新表示(+10)する処理を実行する。文字情報の更新表示は、賞球内容コマンドに基づいて実行することができる。
ステップS822:演出制御CPU126は、保障出球アイコン管理処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、獲得出球表示演出で表示している分子部分の文字情報が規定値(3000)に到達した場合、保障出球アイコンを消去する演出パターンを選択する処理を実行する。なお、保障出球アイコンを最初に表示する処理は、ステップS816の初当り時V入賞発生時処理において実行する。
ステップS824:演出制御CPU126は、特殊キャラクター管理処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、獲得出球表示演出で表示している分子部分の文字情報が規定値(3000)に到達しており(保障出球アイコンを消去する演出を実行しており)、かつ、残りのRUSH数が一定数以上残存している場合、特殊キャラクターを表示するか否かの実行抽選を実行し、この実行抽選に当選した場合、特殊キャラクターを表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
残りのRUSH数が一定数以上残存している場合とは、初当りを含めて3回目の大当りを実行していない場合、初当りを含めて3回目の大当りを実行しているが少なくとも5ラウンド分又は少なくとも8ラウンド分のラウンド遊技が未実行である場合等とすることができる。
少なくとも5ラウンド分のラウンド遊技が未実行である場合には、特殊キャラクターとして女性キャラクターを表示する演出が選択可能であり、少なくとも8ラウンド分のラウンド遊技が未実行である場合には、特殊キャラクターとして女性キャラクター又は男性キャラクターを表示する演出が選択可能である。
ステップS826:演出制御CPU126は、リミッタ到達時の大当り遊技中(高確率非時間短縮からの大当りであり、かつ、リミッタ回数=1である場合の大当り遊技中)であるか否かを確認する処理を実行する。
その結果、リミッタ到達時の大当り遊技中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS828を実行し、リミッタ到達時の大当り遊技中であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は、演出制御処理(図830)に復帰する。
ステップS828:演出制御CPU126は、エンディングボーナス演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、エンディングボーナス演出の背景画像を選択したり、エンディングボーナス演出で登場するキャラクターを表示したりする演出パターンを選択する処理を実行する。なお、エンディングボーナス演出では、プレミアムボーナス演出中及びエンディングボーナス演出中に獲得した合計獲得出球を表示するようにしてもよい。
以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(図830)に復帰する。
〔初当り時V入賞発生時処理〕
図837は、初当り時V入賞発生時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS840:演出制御CPU126は、第1特別図柄の記憶の内容を確認する処理を実行する。例えば、第1特別図柄の記憶数が1個である場合は、1個だけ第1特別図柄の記憶の内容を確認する。一方、第1特別図柄の記憶数が4個である場合は、全ての第1特別図柄の記憶の内容を確認する。記憶内容の確認は、変動パターン先判定コマンド等に基づいて実行することができる。
ステップS842:演出制御CPU126は、ステップS840において確認した第1特別図柄の記憶の中に、「10ラウンド通常図柄」に該当する記憶があるか否かを確認する処理を実行する。
その結果、「10ラウンド通常図柄」に該当する記憶があることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS846を実行し、「10ラウンド通常図柄」に該当する記憶があることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は、ステップS844を実行する。
ステップS844:演出制御CPU126は、保障出球数報知演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、保障出球数報知演出(3000の文字情報を表示する演出)を実行する演出パターン(図813中(B)に示す演出パターン)を選択するとともに、保障出球アイコンを表示する演出や獲得出球表示演出を実行する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS846:演出制御CPU126は、保障出球数報知演出非選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、保障出球数報知演出(3000の文字情報を表示する演出)を実行しない演出パターン(図816中(B)に示す演出パターン)を選択する。この場合、保障出球アイコン表示演出や、獲得出球表示演出も実行しない演出パターンを選択するようにしてもよい。
以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、特殊ボーナス演出管理処理(図836)に復帰する。
このような処理(図836及び図837に示す処理)を実行することにより、演出制御CPU126は、大当り遊技の実行中に、第1特別図柄の記憶の状態に応じて保障出球数報知演出を含む第1大当り演出、又は、保障出球数報知演出を含まない第2大当り演出(抽選要素の記憶の状態に応じて演出の内容が異なる特別遊技演出)を実行可能とする(特別遊技演出実行手段)。
また、このような処理を実行することにより、演出制御CPU126は、第1特別図柄の記憶に「10ラウンド通常図柄」に該当する記憶がない場合(抽選要素の記憶の状態が、連続した特別遊技を実行可能な状態であれば)、保障出球数報知演出を含む第1大当り演出(連続した特別遊技が実行されることを示唆する第1特別遊技演出)を実行し、第1特別図柄の記憶に「10ラウンド通常図柄」に該当する記憶がある場合(抽選要素の記憶の状態が、連続した特別遊技を実行不能な状態であれば)、保障出球数報知演出を含まない第2大当り演出(連続した特別遊技が実行されることを示唆しない第2特別遊技演出)を実行可能とする(特別遊技演出実行手段)。
さらに、このような処理を実行することにより、演出制御CPU126は、大当り遊技の実行中にV入賞(所定の事象)が発生したことを契機として、第1特別図柄の記憶の状態を確認可能とする(特別遊技演出実行手段)。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)本実施形態によれば、虹色フィルターを表示した状態で、虹色フィルターを表示している階層よりも下位の階層において時系列的に複数の演出を実行可能とするため、虹色フィルターの表示を継続していても、遊技者は、虹色フィルターを見ながら、透明又は半透明の虹色フィルターを通して複数の演出も確認することができ、結果として、斬新な遊技機を提供することができる。
(2)本実施形態によれば、虹色フィルターを表示する階層よりも下位の階層に、演出図柄を表示するため、演出図柄の変動表示等が虹色フィルターの邪魔になることはなく、虹色フィルターの特別感を強調することができる。
(3)本実施形態によれば、虹色フィルターを表示する階層よりも上位の階層に、第4図柄Z1,Z2(特別演出図柄)を表示するため、抽選結果を表示する役割を果たす第4図柄Z1,Z2の視認性が低下することを回避することができる。
(4)本実施形態によれば、虹色フィルターを表示する階層よりも上位の階層にマーカM1,M2(記憶画像)を表示するため、マーカM1,M2に虹色フィルターの色が重なって、遊技者がマーカM1,M2が全て当選であると勘違してしまうことを回避することができる。
(5)本実施形態によれば、虹色フィルターを表示する階層よりも上位の階層に、情報画像BIを表示可能とするため、虹色フィルターの制約を受けることなく、遊技者にとって重要な情報を確実に伝達することができる。
(6)プレミアム演出(プレミアムキャラクターの表示)が一定時間で終了する場合、プレミアム演出を見逃す、又は、見ていても気付きにくいという問題がある。
そこで、本実施形態では、プレミアム演出とともに虹色フィルターを表示し、表示した虹色フィルターを非表示とする契機を変動終了(決め役物演出の実行まで)としている。そして、このような構成を採用することで、虹色フィルターを表示する契機となる演出(プレミアム演出)が発生し、虹色フィルターを表示した後、変動が終了するまでの長い間、虹色フィルターを表示することができる。これにより、プレミアム演出の実行後(虹色演出の出現後)に、虹色フィルターを表示画面に残した状態で複数の演出を実行することができ、大当り確定演出を変動終了まで楽しむことができるだけでなく、写真を撮り逃すこともなくなる(写真を撮る機会をより長く遊技者に提供することができる)。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様は例示であり、上述した演出の態様に限定されるものではない。
上述した実施形態では、確変領域を有する遊技機に本発明を適用する例で説明したが、確変領域を有しない遊技機に本発明を適用してもよい。
上述した実施形態では、いわゆる同時回し機に本発明を適用する例で説明したが、非同時回し機に本発明を適用してもよい。
上述した実施形態では、第1特別図柄の記憶に通常図柄に該当する大当りがある場合とない場合とで大当り演出の内容を異ならせる例で説明したが、第2特別図柄の当選図柄に通常図柄が存在している遊技仕様である場合には、第2特別図柄の記憶に通常図柄に該当する大当りがある場合とない場合とで大当り演出の内容を異ならせるようにしてもよい。
上述した実施形態では、特別画像は、大当り確定のプレミアムキャラクターの画像の例で説明したが、大当り確定ではない画像(特定の予告演出の画像や、特定のキャラクターの画像)であってもよい。
上述した実施形態では、被覆画像は、全画面に表示する虹色フィルターの例で説明したが、表示画面の一部に表示する画像(例えば、エフェクト等の画像)であってもよい。
上述した実施形態は、以下の変形も可能である。
(1)虹色フィルターよりも下位(下層)に表示可能な演出として、期待度によって表示物の形状(シルエット)が異なるキャラクター表示演出を実行してもよく、虹色フィルターよりも上位に表示可能な演出として、期待度によって表示物の形状(シルエット)が同一又は略同一のアイコン表示演出を実行してもよい。この場合、虹色フィルター演出よりも下位の演出は、虹色フィルターにより色が不明確になるが、シルエットの認識は阻害され難いため、ある租度正確に期待度を通知することができ、虹色フィルター演出よりも上位の演出は虹色フィルターにより色の認識が阻害されないため、シルエットではなく色で期待度を伝達することができる。
各演出の具体例は、以下の通りである。
(例1)キャラクター表示演出
キャラクターA、B、Cのいずれかのキャラクターが期待度(当選の期待度)に応じて表示される。それぞれのキャラクターは、形状や大きさが異なる。キャラクターA、B、Cで同様の色を含んでいてもよい。
(例2)アイコン表示演出
アイコンA、B、Cのいずれのアイコンが期待度に応じて表示される。アイコンによって色や模様が異なる。アイコンA、B、Cは、同一又は略同一の形状であってもよい。
(2)虹色フィルターで覆っている期間中に実行される演出の方が、虹色フィルターで覆っていない期間中に実行される演出よりも期待度が高いようにすることができる。
例えば、虹色フィルターによる演出の実行を決定した場合に、虹色フィルターの実行期間中に実行される演出選択について、期待度が高い演出が選ばれやすい比率にしておき、虹色フィルターの開始前の期間で実行される演出は期待度が低い演出が選ばれやすい比率にしてもよい。このように構成すれば、注目が集まるフィルター実行中に遊技者が見たい高期待度演出を集めることができ(高期待度演出を高頻度で実行することができ)、遊技の興趣を向上させることができる。
(3)虹色フィルター演出は、複数変動に跨って実行してもよい(複数変動に跨る先読み演出で実行してもよい)。例えば、1変動目の途中から虹色フィルターによる演出が開始し、2変動目、3変動目も虹色フィルターによる演出が実行される。この場合に、1変動目、2変動目については確定表示中(当否結果の表示を所定時間維持し続ける変動終了時の処理)の前後で虹色フィルターが実行されるが、確定表示中については虹色フィルターを表示しないようにしてもよい。これにより、虹色フィルターによる演出が、複数変動に跨って実行される場合であっても、途中の当否結果の報知を阻害しないようにすることができる。
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらは適宜に変形可能である。
〔実施形態K〕
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図838は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図839は、遊技盤ユニット8を視認可能に示したパチンコ機1の正面図である。さらに、図840は、遊技盤ユニット8を視認可能に示したパチンコ機1の上端を後方側に傾けた状態を示す図である。さらにまた、図841は、パチンコ機1の背面図である。
パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図838~図841を参照しつつパチンコ機1の全体構成について説明する。
ここで、本明細書では、パチンコ機1に相対するようにして着席した遊技者から見て左側を左とし、遊技者から見て右側を右とし、遊技者から見て上側を上とし、遊技者から見て下側を下とし、遊技者から見て手前側を前とし、遊技者から見て奥側を後として説明している。
〔全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図838中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図841では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図838に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8(図839参照)が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、図839に示すように、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(遊技球が流下する遊技領域、盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
〔球皿の構成〕
受皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1はカードユニットに接続する機種であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないカードユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、カードユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではカードユニットに接続する機種の例で説明しているが、パチンコ機1は現金機(カードユニットに接続しない機種)であってもよい。
また、受皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを後方へ押し込むことで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受皿ユニット6の右下部には、ハンドルユニット16が設置されている。遊技者はこのハンドルユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の上側位置にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニットを取り巻くようにして配置されている。
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54(図840参照)が組み込まれており、左右のガラス枠装飾ランプ52にはそれぞれガラス枠内スピーカ55が組み込まれている。一方、内枠アセンブリ7の右下位置(パチンコ機1の正面からみてハンドルユニット16の左上位置)には内枠スピーカ56が組み込まれており、また外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ58が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56,58は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
〔操作部材〕
また、受皿ユニット6の中央には、上皿6bから前面側上方へ突出するようにして操作ユニット60が設置されている(操作手段)。操作ユニット60は、その中央部に大きなプッシュボタン64を有しており、プッシュボタン64の左側にはハンドルレバー62を有している。操作ユニット60は、演出上で示される様々な場面で操作を受け付けることが可能である。演出上のある場面ではハンドルレバー62が遊技者によって手前側に引き込み操作されたり、別の場面ではプッシュボタン64が押し込み操作されたりする。遊技者は、各種の態様で操作ユニット60を操作することにより、演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
また、プッシュボタン64の周囲には、リング状部65がプッシュボタン64を取り囲むようにして設置されている。リング状部65は、ハンドルレバー62やプッシュボタン64とは異なり、装飾用として設けられた部材であり、ハンドルレバー62の引き込み操作に連動して反時計回りに回転動作する。また、リング状部65は、周方向に一定の間隔で区切られてなる複数のセルを有している。これらのセルは、遊技者による操作を受け付けることはできないが、遊技者に対し操作方法を知らせる場面で有効活用される。
遊技者に何らかの操作を要求する場合、操作ユニット60の操作方法を表す縮小版画像が液晶表示器42の画面に表示される。このとき、指定した操作を行うことが可能な時間(操作有効時間)を併せて遊技者に知らせるために、縮小版画像におけるリング状部65は各セルがあたかもランプであるかのように表現される。より具体的には、縮小版画像中のリング状部65は、操作可能な状態になると全てのセルが点灯しているように表され、残り時間の減少に伴いセルが1つずつ消灯していくように表され、残り時間がなくなると全てのセルが消灯したように表される。実際のリング状部65は光源を有しておらず、画面に表示された縮小版画像に表されたリング状部65のように点灯/消灯することはないが、縮小版画像中のリング状部65の点灯/消灯をこのようにして切り替えることにより、遊技者に対して操作の残り時間を感覚的に把握させることができる。
さらに、プッシュボタン64は、遊技の進行過程で所定の契機が発生すると、上方に大きく突出する構造に構成されている。プッシュボタン64の突出時には、通常時の約3倍の高さまで飛び出す。プッシュボタン64はその内部に光源を有している。プッシュボタン64は、通常時は1色(例えば青色)又は多色に発光するが、突出時にはさらにカラフルに発光して非常な存在感を発揮することができる。このようなプッシュボタン64の動作により、この場面で要求されているボタンの押し込み操作が特別に重要なものであることを遊技者に認識させることができる。
なお、本実施形態では、ハンドルレバー62及びプッシュボタン64は同じ操作ユニット60に搭載されているが、ハンドルレバー62とプッシュボタン64とがそれぞれ独立した操作部材として設けられていてもよい。また、これらの操作部材は、近接した位置に配置されていてもよく、離れた位置に配置されていてもよい。
その他に、受皿ユニット6の上面には、貸出操作部14に隣接して方向キー66が設置されている。方向キー66は上下左右の方向を示す4つのキースイッチを十字形状に配列したものであり、各方向別のキースイッチは独立して押し込み操作可能である。遊技者は演出上の様々な場面で方向キー66を押し込み操作することで、液晶表示器の画面上に表示されるカーソル等を任意に移動させることができる。
〔装飾ユニット〕
パチンコ機1の前方上部には、装飾ユニット400が取り付けられている。装飾ユニット400は、所定の取り付け部材(ネジやフック等の機械的な機構)によってパチンコ機1に着脱可能である。なお、装飾ユニット400は、パチンコ機1から取り外し不能なものであってもよい。
装飾ユニット400(装飾物)は、箱型の部材であり、光を透過する透明又は半透明の部材により構成されている。
装飾ユニット400は、上部に配置された本体部ユニット410と、本体部ユニット410の下部に配置された前ランプユニット420とを含んでいる。
本体部ユニット410は、所定の文字情報が表示された立方体形状の部材であり、後方の一体扉ユニット4に配置されたLED(ガラス枠トップランプ46)が発光することにより発光する。
また、前ランプユニット420は、円柱形状の部材に半球形状の部材が結合された部材であり、後方の遊技盤ユニット8に配置されたLED(盤面ランプ53)が発光することにより発光する。
円柱形状の部材は、上部球通路500の視認性を向上させるために、無色透明であることが好ましく、半球形状の部材は、演出効果を向上させるために、有色透明であることが好ましい。
図840に示すように、パチンコ機1の上端を後方側に傾けた状態でパチンコ機1を見ると(パチンコ機1の下方からパチンコ機1を見ると)、装飾ユニット400(前ランプユニット420)の後方に配置された上部球通路500が視認可能となる。上部球通路500は、遊技球を右打ち領域に導くための通路である。
上部球通路500は、遊技領域8aのうち、水平方向(前後方向)において装飾ユニット400(装飾物)が重なる第1領域である。
一方、上部球通路500以外の遊技領域8aは、遊技領域8aのうち、水平方向において装飾ユニット400が重ならない第2領域である。
〔裏側の構成〕
図841に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図847及び図848)を参照しながらさらに後述する。
主制御基板ユニット170には、主制御装置が内蔵されており、主制御装置には、性能表示モニタ200が接続されている。性能表示モニタ200は、パチンコ機1を裏側から見て、主制御基板ユニット170の左上の領域に視認可能な態様で主制御装置に配置されており、4つの7セグメントLEDを備えている。4個の7セグメントLEDは左右方向に並べて配置されており、それぞれの7セグメントLEDは、10進数のアラビア数字を表示することができる7つのセグメントと、その右下に位置するドットセグメントとによって構成されている。性能表示モニタ200は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースを通じて視認可能である。
また、主制御装置には、RAMクリアスイッチ304及び設定キー用鍵穴306が設けられている。RAMクリアスイッチ304は、RAMクリア、すなわち主制御装置内に装備されているRAM(RWM)の初期化を行う際に用いられるスイッチであり、本実施形態においては、設定変更用のスイッチとしても兼用される。設定キー用鍵穴306は、パチンコ機1の遊技に関する設定を変更又は参照する上で必要とされる設定キーを差し込むための鍵穴である。
RAMクリアスイッチ304は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースに形成された貫通孔を通じて押下可能に設けられている。なお、RAMクリアスイッチ304は、透明ケース外に配置されていてもよい。また、設定キー用鍵穴306は、キーシリンダが透明ケースを貫通した状態(透明ケースがキーシリンダの周囲を囲んだ状態)で設けられている。したがって、透明ケースが封止されたままの状態で設定キーを差し込み、回転させることが可能である。
なお、図841に示した性能表示モニタ200やRAMクリアスイッチ304、設定キー用鍵穴306の配設位置は、あくまで一例であり、任意の位置に配置することができる。また、性能表示モニタ200やRAMクリアスイッチ304、設定キー用鍵穴306は、主制御装置の外側に設けられて主制御装置に接続される構成としてもよい。
払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受皿ユニット6に向けて案内する。
また、外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
図842は、遊技盤ユニット8を単独で示す正面図である。遊技盤ユニット8は、ベースとなる遊技板8bを備えており、この遊技板8bの前面側に遊技領域8aが形成されている。遊技板8bは、例えば透明樹脂板で構成されており、遊技盤ユニット8が内枠アセンブリ7に固定された状態で、遊技板8bの前面はガラスユニットに平行となる。遊技板8bの前面には、略円形状に設置された発射レール(参照符号なし)の内側に遊技領域8aが形成されている。なお、発射レールは遊技板8bの左下隅位置から遊技板8bの右上隅位置まで時計回り方向に延びている。
遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。遊技領域8aの左側部分は、通常遊技状態(低確率非時間短縮状態)で使用される第1遊技領域(左打ち領域)であり、遊技領域8aの右側部分は、特殊遊技状態(大当り遊技状態、小当り遊技状態、低確率時間短縮状態、高確率時間短縮状態等)で使用される第2遊技領域(右打ち領域、特定の領域)である。なお、遊技領域8aの左側部分は、高確率非時間短縮状態(有利遊技状態)においても使用される。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に中始動入賞口26、始動ゲート20、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等が分布して設置されている。
このうち、中始動入賞口26は、遊技領域8aの下部分の中央に配置されている。始動ゲート20、可変始動入賞装置28、第2可変入賞装置31及び第1可変入賞装置30は、遊技領域8aの右側部分に上からこの順番で配置されている。ここで、第1可変入賞装置30は、中始動入賞口26の右側に配置されており、第2可変入賞装置31は、第1可変入賞装置30の右上に配置されている。さらに、左側の3つの普通入賞口22は遊技領域8aの左側部分に配置されており、右側の1つの普通入賞口24(所定の入賞口)は第1可変入賞装置30の左下に配置されている。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で中始動入賞口26、普通入賞口22,24に入球したり、始動ゲート20を通過したり、作動時の可変始動入賞装置28や開放動作時の第1可変入賞装置30、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする。ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、主に中始動入賞口26に入球するか、普通入賞口22に入球する可能性がある。一方、遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、主に始動ゲート20を通過するか、作動時の可変始動入賞装置28に入球するか、開放動作時の第1可変入賞装置30に入球するか、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球するか、普通入賞口24に入球する可能性がある。始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、中始動入賞口26、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31に入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通孔を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
ここで、本実施形態では、遊技領域8a(盤面)の構成上、中始動入賞口26や普通入賞口22に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の左側部分の領域(左打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「左打ち」を実行する)必要がある。
一方、可変始動入賞装置28や、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31、普通入賞口24に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の右側部分の領域(右打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「右打ち」を実行する)必要がある。
本実施形態において、可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で所定の停止表示時間にわたり停止表示された場合)に作動し、それに伴って右始動入賞口28a(所定の入球口)への入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28には、舌片型(ベロタイプ)の開閉部材28bが設けられている。図示の状態にて、開閉部材28bは、盤面より奥に引っ込んだ位置(待避位置)にあり、遊技球が右始動入賞口28aに入球することを不能又は困難にしている。一方、開閉部材28bが盤面より手前側へ突出した位置(駆動位置)に移動すると、開閉部材28bは上方から流下してくる遊技球を受け止め、右始動入賞口28aに遊技球を案内する(右始動入賞口28aへの入球が可能又は容易となる)。なお、可変始動入賞装置28は、開閉部材がその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むように変位して、右始動入賞口を開放する装置であってもよい。
第1可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当り又は小当りの態様で停止表示された場合)であって所定の第1条件(例えば大当り遊技の1ラウンド目から5ラウンド目、又は、7ラウンド目から10ラウンド目であるという条件、小当り遊技の開放状態であるという条件)が満たされた場合に作動し、第1大入賞口30bへの入球を可能にする(特別電動役物、第1特別入球事象発生手段)。
第1可変入賞装置30は、中始動入賞口26の右側に配置された装置であり(いわゆる下アタッカ)、例えば1つの開閉部材30aを有している。第1可変入賞装置30は、開閉部材30aが盤面の内部にスライドするタイプの装置である(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材30aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材30aの上面を転動することになるため、第1大入賞口30bへの入球は不能又は困難(第1大入賞口30bは閉塞中)である。そして、第1可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aが盤面の内部に引き込まれ、第1大入賞口30bを開放する(開放状態)。この間に第1可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない(可能又は容易な)状態となり、第1大入賞口30bへの入球という事象を発生させることができる。
第2可変入賞装置31は、第1可変入賞装置30と同様に規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合)であって、所定の第2条件(例えば大当り遊技の6ラウンド目であるという条件)が満たされた場合に作動し、第2大入賞口31b(特定の入賞口)への入球を可能にする(特別電動役物、第2特別入球事象発生手段)。
第2可変入賞装置31は、第1可変入賞装置30の右上に配置された装置であり(いわゆる上アタッカ)、例えば1つの開閉部材31aを有している。第2可変入賞装置31は、開閉部材31aが盤面の内部にスライドするタイプの装置である(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材31aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材31aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材31aの上面を転動することになるため、第2大入賞口31bへの入球は不能又は困難(第2大入賞口31bは閉塞中)である。そして、第2可変入賞装置31が作動すると、開閉部材31aが盤面の内部に引き込まれ、第2大入賞口31bを開放する(開放状態)。この間に第2可変入賞装置31は遊技球の流入が不能ではない(可能又は容易な)状態となり、第2大入賞口31bへの入球という事象を発生させることができる。
また、第2可変入賞装置31の内部には、第2可変入賞装置31に入球した遊技球を誘導するための誘導通路31cが配置されている。誘導通路31cは、第2大入賞口31bから下方に延び、そこから左に曲がって左下方に延びた後、再び下方に延びている。
そして、誘導通路31cの上流には、第2カウントスイッチ85が配置されており、誘導通路31cの中流には、確変領域用羽根部材31d及び確変領域用孔31eが配置されており、誘導通路31cの下流には、排出口31f(排出領域)が配置されている。
第2可変入賞装置31に入球した遊技球は、最初に第2カウントスイッチ85にて入球したことが検出される。ここで、確変領域用羽根部材31dを作動させる確変領域ソレノイドがONとなっている場合には、確変領域用羽根部材31dが起き上がって遊技球を確変領域用孔31eに導く。一方、確変領域用羽根部材31dを作動させる確変領域ソレノイドがOFFとなっている場合には、確変領域用羽根部材31dが起き上がらないため、遊技球は確変領域用羽根部材31dの上部を通り抜けて、排出口31fに導かれる。
〔確変領域(特定領域)〕
また、確変領域用孔31eの内部には、確変領域(参照符号なし)が設けられている。確変領域は、第2可変入賞装置31が閉鎖状態である場合は遊技球が通過不能な領域であり、第2可変入賞装置31が開放状態である場合であって確変領域用羽根部材31dが作動している場合は遊技球が通過可能な領域である。
確変領域用羽根部材31dは、大当り遊技中に作動する可能性がある。確変領域用羽根部材31dの動作パターンは、ラウンドの開始と同時に短期間(例えば0.1秒)にわたり確変領域を開放し、その後に数秒(2~3秒程度)閉鎖した後に確変領域を長期間(例えば20秒程度)にわたってロング開放するロング開放パターンと、ラウンドの開始と同時に短期間(例えば0.1秒)にわたり確変領域を開放するだけのショート開放するショート開放パターンとのいずれかを適用する。いずれの動作パターンにより確変領域用羽根部材31dを動作させるかについては、当選図柄によって選択することができる。具体的には、確変図柄での当選時には確変領域をロング開放するロング開放パターンが選択され、通常図柄での当選時には確変領域をショート開放するショート開放パターンが選択される。
なお、確変領域用羽根部材31dの動作パターンは、確変領域用羽根部材31dがロング開放するパターンのみを適用し、第1可変入賞装置30がショート開放してラウンドが終了する際には、確変領域用羽根部材31dがロング開放する機会を消滅させるようにしてもよい。また、ラウンドの開始と同時に実行される短期開放では遊技球は確変領域用羽根部材31dまで到達しないので、この作動によって遊技球が確変領域に導かれることは困難である。
そして、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、大当り遊技の終了後に低確率状態から高確率状態に移行される。なお、この際、非時間短縮状態から時間短縮状態に合わせて移行させてもよい(高確率時間短縮状態)。一方、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、大当り遊技の終了後に低確率状態に移行する。なお、この際、非時間短縮状態から時間短縮状態に合わせて移行させてもよい(低確率時間短縮状態)。
遊技盤ユニット8には、その中央位置から右側部分にかけて演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。また、本実施形態のように遊技板8bが透明樹脂板(例えばアクリル板)である場合、前面側だけでなく遊技板8bの背後に配置された各種の装飾体(可動体や発光体を含む)による装飾性を付加することができる。
その他に演出ユニット40の内部には、演出用の可動体40f(例えば蝶々を模した装飾物)とともに駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。これら可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40kが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40kに案内された遊技球は、その真下にある中始動入賞口26に流入しやすくなる。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、各種入賞口に入球(入賞)しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、普通入賞口22,24や中始動入賞口26、右始動入賞口28a、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
遊技盤ユニット8の上部には、後ランプユニット430が配置されている。そして、この後ランプユニット430は、前ランプユニット420と重なる位置に配置されている。
後ランプユニット430には、盤面ランプとしてのLED(不図示)が配置されており、このLEDが点灯することにより、前ランプユニット420が発光する。
図843は、遊技盤ユニット8及び装飾ユニット400のみを示す図である。なお、その他の部品は図示を省略している。
本図に示すように、装飾ユニット400は、遊技盤ユニット8の上部に配置され、装飾ユニット400の上端部は、遊技盤ユニット8からはみ出して配置される。このため、遊技者に対して大きなインパクトを与えることができる。
また、装飾ユニット400は、遊技盤ユニット8から前方に突出して配置されるため(ガラスユニットよりも前方に配置されるため)、この点でも遊技者に対して大きなインパクトを与えることができる。
図844は、図843のVII-VII断面図である。
本実施形態では、最も前方側に、装飾ユニット400の本体部ユニット410が配置され、本体部ユニット410の後方に、前ランプユニット420が配置される。そして、図示しないガラスユニットを挟んで、前ランプユニット420の後方に、遊技盤ユニット8の後ランプユニット430が配置される。
透明樹脂板の遊技板8bの前方側には、上部球通路500が配置され、遊技板8bの後方側であって上部球通路500に対応する位置には、上部球通路ランプL1~L9を有するLED基板600が配置されている。
上部球通路500は、装飾ユニット400の後方に配置されている。このため、上部球通路500は、視認不可能ではないが、暗くなりがちである。そこで、上部球通路500の背面に配置した上部球通路ランプL1~L9を点灯させることにより、上部球通路500が明るくなり、遊技球の視認性を向上させることができる。
上部球通路ランプL1~L9は、上部球通路500(第1領域)に対応する位置に配置された第1発光手段である。
一方、上部球通路ランプL1~L9以外の盤面ランプ53は、上部球通路500以外の遊技領域8a(第2領域)に対応する位置に配置された第2発光手段である。
図845は、LED基板600を示す図である。
LED基板600は、上部球通路ランプL1~L9(9個のLED)を点灯させる基板である。
図845中(A)に示すように、上部球通路ランプL1は、LED基板600の下部左側に配置されている。また、上部球通路ランプL2~L5は、LED基板600の上部中央左寄りに配置されている。さらに、上部球通路ランプL6~L9は、LED基板600の下部右側に配置されている。
なお、ランプを上下に分けて配置している理由は、上下方向から上部球通路500を照らしつつ、その他の構造物(例えばモータ)を避けながら、充分な光量を確保するためである。
そして、図845中(B)に示すように、上部球通路ランプL1~L9が点灯すると、その前方に配置されている上部球通路500は明るくなり、上部球通路500を通過している遊技球の視認性が向上する。
図846は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の左下位置)を拡大して示す正面図である。図示されるように、遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の左下位置に普通図柄表示装置33及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35及び遊技状態表示装置38が設けられている。
このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0~4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により、対応する第1特別図柄又は第2特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。なお、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0~4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして、2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、中始動入賞口26に遊技球が入球するごとに、中始動入賞口26に遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、可変始動入賞装置28に遊技球が入球するごとに、右始動入賞口28aに遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で中始動入賞口26に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また、遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b,38c、確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定ランプ38fにそれぞれ対応するLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
統合表示基板89に実装されたこれらのLEDランプは、その点灯又は消灯の切り替えを制御する目的で、異なる4つの制御領域(以下、「コモン」と称する)に区分けされている。見方を変えると、統合表示基板89には4つのコモンが存在し、個々のランプはいずれか1つのコモンに属している。本実施形態においてはダイナミック点灯方式が採用されており、ランプの駆動は割込周期(例えば4ms)の間隔をおいてコモン単位で順に行われる。したがって、統合表示基板89に実装された全てのランプが同時に駆動されることはない。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図847は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数回路75や割込コントローラ(割込CTR)192、パラレルI/Oポート79、タイマ回路(PTC)194、シリアル通信回路(SCU)196が装備されている。このうち乱数回路75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0~65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は主制御CPU72に入力される。また、割込コントローラ192は、パラレルI/Oポート79、タイマ回路194、シリアル通信回路196から各割込要求(XINT割込、PTC割込、SCU割込)を受け付け、これらの割込要求を優先順位に基づき制御する。その他にも主制御装置70には、図示しないクロック発生回路、様々な状態を監視し必要に応じてリセットを発生させるリセットコントローラ等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。なお、主制御装置70のI/Oポートはシリアル形式としてもよい。
さらに、主制御装置70には、設定変更装置300、設定キースイッチ302、RAMクリアスイッチ304が設けられている。主制御装置70(主制御CPU72)は、設定変更装置300を動作させることにより設定を変更する。設定変更装置300は、設定(少なくとも特別図柄抽選の当選確率に関する複数段階の設定値)を切り替える装置であり(設定変更手段)、RAMクリアスイッチ304等の操作により作動する。また、設定とは、作動確率の組み合わせをいう。さらに、作動確率とは、条件装置が作動することとなる(大当り遊技が実行されることとなる)特別図柄の組み合わせが表示される確率をいう。設定キースイッチ302は、設定を切り替える上で必須となる設定キーの回転に伴い、その回転状態を示す信号(ON/OFF)を入力する入力装置である。設定の変更の手順は、様々な手法を採用することができるが、例えば、以下の手順で行うことができる。
(1)まず、パチンコ機1の電源をOFFにする。
(2)次いで、専用キー(ドアキー)でパチンコ機1の扉を開ける。具体的には、専用キーをシリンダ錠6aの鍵穴に差し込んで右方向に回転し、内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4を開放する。
(3)パチンコ機1の裏側には、設定キーを挿入するための設定キー用鍵穴306と、RAMクリアスイッチ304とが設けられているため、設定キー用鍵穴306に設定キーを挿入し、設定キーを右方向に回転する。
(4)そして、パチンコ機1の電源をONにする。
(5)これにより、設定キーが変更位置に回転されたことを示す信号(ON)が設定キースイッチ302により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が可能な状態となる。このとき、図示しないロック機構により安全ロックが掛けられる。したがって、設定キーは、元の位置に戻されない限りは抜き取ることが不可能となる。
ここで、設定キーを右方向に回転した状態で、RAMクリアスイッチ304をONにしながら、電源をONにすると、設定の変更が可能な状態となる。一方、設定キーを右方向に回転した状態で、RAMクリアスイッチ304をONにせずに、電源をONにすると、設定の参照が可能な状態となる。
(6)設定の変更が可能な状態において、RAMクリアスイッチ304を任意の回数だけ押下することにより、予め設けられた複数段階のうちいずれかの段階に設定を変更することができる。
設定値は、例えば、専用の7セグメントLED、遊技状態表示装置38(特別図柄表示装置等)、性能表示モニタ200に表示することができる。
(7)スロット機の場合、目的の設定に達したら、レバーON処理が必要になるが、パチンコ機1にはレバーが存在しないため、レバーON処理の代わりの代替処理(例えば、設定キーを左方向に回転する処理、不図示の設定変更確定ボタンをONにする処理等)を実行したり、レバーON処理を省略したりしてもよい。本実施形態では、目的の設定に達したら、設定キーを反時計回りに回転させて元の位置に戻す。この操作により、設定キーが元の位置に戻されたことを示す信号(OFF)が設定キースイッチ302により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が確定する。
(8)そして、設定の変更が確定すると、設定キー用鍵穴306から設定キーを抜き取ることができる状態となる。また、設定の変更が確定したことに伴い、専用の7セグメントLED、遊技状態表示装置38、性能表示モニタ200に設定値を表示している場合には、その表示が消える。
(9)最後に、パチンコ機1の扉を閉める。これにより、設定の変更が完了する。設定の変更が完了すると、通常の遊技が開始される。
設定が変更された場合、主制御CPU72は、変更後の設定値をRAM76の設定値バッファに記憶する。設定値バッファは、バックアップの対象となるメモリ領域とすることができる。
〔設定変更状態〕
「設定キーON」、「内枠開放状態」、かつ、「RAMクリアスイッチ押下状態」で電源が投入されると、RAMクリア後、設定変更中の状態(設定変更状態、設定変更モード)に移行する。
設定変更中の状態では、メイン表示器(遊技状態表示装置38に含まれる各種ランプ)への表示はなされず、遊技球の発射や遊技球の賞球等は一切できない状態となる。また、性能表示モニタ200において、左側2つの7セグメントLED(識別セグ)に「rn.」が表示されるとともに、右側2つの7セグメントLED(比率セグ)に「-1」のように設定値が表示される。また、RAMクリアスイッチ304が押下されると、設定値が1~6の範囲で変化する。そして、「設定キーOFF」となると、設定が確定され、比率セグの表示は「空欄(非表示)1」のように「-」のセグが消灯する(非表示となる)。
この状態で、「内枠閉鎖状態」となった場合(実際には閉鎖状態が100ms継続した場合)には、設定変更中の状態が終了し、一旦、電源断前の状態に移行してから、遊技可能状態に移行する。
なお、本実施形態では、RAMクリアスイッチ304が設定変更スイッチを兼ねる構成としているが、RAMクリアスイッチ304を兼用せずに設定変更スイッチを別途設ける構成としてもよい。
〔設定確認状態〕
一方、「設定キーON」、「内枠開放状態」、かつ、「RAMクリアスイッチ押下でない状態」で電源が投入されると、設定確認中の状態(設定確認状態、設定確認モード)に移行する。
設定変更中の状態と同様に、設定確認中の状態では、メイン表示器への表示はなされず、遊技球の発射や遊技球の賞球等は一切できない状態となる。また、性能表示モニタにおいて、左側2つの7セグメントLED(識別セグ)に「rn.」が表示されるとともに、右側2つの7セグメントLED(比率セグ)に「空欄(非表示)1」のように設定値が表示される。なお、設定確認中の状態では、RAMクリアスイッチ304が押下されても設定値は変化しない。
この状態で、「設定キーOFF」、かつ、「内枠閉鎖状態」となった場合(実際には閉鎖状態が100ms継続した場合)には、設定確認中の状態が終了し、一旦、電源断前の状態に移行してから、遊技可能状態に移行する。
なお、本実施形態では、遊技可能状態で設定確認を行うことはできないが、遊技可能状態で設定確認を実行可能にしてもよい。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31にそれぞれ対応して中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84及び第2カウントスイッチ85が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82は、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28a)への遊技球の入球を検出するためのものである。また、第1カウントスイッチ84は、第1可変入賞装置30(第1大入賞口)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、確変領域スイッチ95は、第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過したことを検出するためのスイッチである(検出手段)。
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22への遊技球の入球を検出する第1入賞口スイッチ86と、普通入賞口24への遊技球の入球を検出する第2入賞口スイッチ81とが装備されている。なお、左側の3つの普通入賞口22については、共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば3つの入賞口スイッチを設置して、各普通入賞口22に対する遊技球の入球を個別に検出してもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81、確変領域スイッチ95からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上述したように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89にはパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、主制御装置70には、パネル中継端子板87を介して、性能表示モニタ200が接続されている。性能表示モニタ200は、遊技球が各入賞口(始動入賞口、普通入賞口)に入球することによって払い出される賞球数を、遊技領域に発射した遊技球の数を示すアウト数(アウトスイッチで検出された遊技球の数)で除算して算出されるベースを表示するためのモニタである。ベースは、遊技を進行させる制御に用いられる使用領域とは別の領域(使用外領域)を用いて予め設定された区間ごとに算出され、現在の区間のベースと、前回の区間のベースとが、予め設定された間隔ごとに切り替わって表示される。性能表示モニタ200は、主制御CPU72からの制御信号に基づいてその表示動作が制御される。主制御CPU72は、ベースの算出状況に応じて性能表示モニタ200に対する制御信号を出力し、各7セグメントの点灯状態を制御する。
遊技盤ユニット8には、全ての入賞口及びアウト口を通過した遊技球を合流させる合流通路が形成されており、この合流通路にアウトスイッチを設けることができる。アウトスイッチは、合流通路を通過する遊技球を検出するものであり、遊技球を検出するたびに検出信号が主制御装置70に入力される。主制御装置70は、アウトスイッチから入力される検出信号に基づいて、アウト球の数を計数することができる。遊技領域8aに発射された遊技球は、必ず、合流通路を通過してパチンコ機1の外部に排出されることから、アウトスイッチは、遊技領域8aに発射された発射球数、つまり、遊技領域8aから排出される排出数(アウト球数)を計数することができる。
なお、性能表示モニタ200は、パネル中継端子板87を介して主制御装置70に接続する例で説明しているが、パネル中継端子板87を介さずに主制御装置70に接続してもよく、主制御装置70の内部の構成として性能表示モニタ200を配置してもよい。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び確変領域の上流にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び確変領域用ソレノイド99が設けられている。これらソレノイド88,90,97,99は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31を開閉動作(作動)させたり、確変領域用羽根部材31dを可動させたりする。なお、これらソレノイド88,90,97,99についてもパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って受皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。払出計数スイッチ106の近傍には、払出検知スイッチを配置することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに、下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている(球発射手段)。また、受皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上述したように遊技領域8aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置するハンドルユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がハンドルユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして、発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
受皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120にカードユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに送信される。また、カードユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、カードユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126が回路基板(複合サブ制御基板)上に装備されている。演出制御CPU126は、図示しないCPUコアとともにRAM(RWM)130やeDRAM131等の半導体メモリを内蔵したLSIとして構成されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
その他にも演出制御装置124には、VDP152やドライバIC132、音声IC134等の演出を実現する上で必要となる様々な機能部品が搭載されている。このうちVDP152は、液晶表示器42の画面上で再生される演出画面を描画するためのプロセッサである。ドライバIC132は、ランプ46~52や盤面ランプ53、上部球通路ランプL1~L9、可動体モータ57等のデバイスを制御するICを搭載している。また、音声IC134は、スピーカ54,55,56,58の駆動を制御する。このような演出制御装置124の内部の機能構成については、次の図を参照しながら詳しく後述する。
演出制御装置124と主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種演出用のコマンド(以下、「演出コマンド」と称する。)のバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバ(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にサブ接続基板136が設置されており、ドライバIC132や音声IC134からの駆動信号はサブ接続基板136を経由して各種ランプ46~52やスピーカ54,55,56,58に印加されている。また、サブ接続基板136には、ハンドルレバー62、ボタンモータ63、プッシュボタン64、方向キー66の他に図示しない音量調整スイッチが接続されており、遊技者がこれらの操作部材を操作すると、それらの接点信号がサブ接続基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではサブ接続基板136に各操作部材62,64,66を接続した例を挙げているが、受皿電飾基板を設置する場合、各操作部材62,64,66は受皿電飾基板に接続されていてもよい。
ボタンモータ63は、プッシュボタン64に対応したステッピングモータであり、操作ユニット60を制御する不図示の操作ユニット制御装置によって駆動される(切替手段)。操作ユニット制御装置は、演出制御装置124から送信される駆動信号に基づいてボタンモータ63を駆動することにより、プッシュボタン64を通常の状態(初期位置)又は突出した状態(最大可動位置)のいずれかに切り替える(変位させる)。
その他、遊技盤ユニット8にはドライバ基板138が設置されており、このドライバ基板138には盤面ランプ53や上部球通路ランプL1~L9の他に可動体モータ57が接続されている。可動体モータ57は、例えば図示しないリンク機構を介して可動体40fを駆動する。ドライバIC132からの駆動信号は、ドライバ基板138を経由して盤面ランプ53、上部球通路ランプL1~L9及び可動体モータ57にそれぞれ印加される。
液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上述したように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
〔演出制御装置の内部構成〕
図848は、演出制御装置124の内部の機能構成を示すブロック図である。
上述したように、演出制御装置124は遊技の進行に伴い演出を制御する演出制御プロセッサとしての役割を有している。そのため演出制御装置124には、演出制御CPU126に加え、演出制御装置124が演出制御プロセッサとして機能する上で必要となる制御ROM180及びウォッチドッグタイマIC(WDTIC)188が装備されている。制御ROM180には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されている。演出制御CPU126は、図示しないCPUバスを介して制御ROM180にアクセスし、制御ROM180に格納されたプログラムを実行することにより演出を制御する。ウォッチドッグタイマIC188は、演出制御装置124で実行される制御が正常になされているか(想定時間内に処理が完了しているか)を監視するタイマであり、演出制御CPU126のリセット端子に接続されている。ウォッチドッグタイマIC188の監視タイマをクリアするための信号(クリアパルス)が所定時間内に入力されなかった場合、ウォッチドッグタイマIC188は演出制御CPU126に対しリセット起動させるための信号(リセットパルス)を出力する。これにより、演出制御装置124が強制的にリセット起動されることとなる。
演出制御装置124にはこれらの他にも、演出に関わる機能として、バックアップデータ用の記憶領域であるSRAM182、所定周波数のクロック信号を生成する水晶発振器181、時刻管理を行うリアルタイムクロック(RTC)184、SRAM182及びリアルタイムクロック184に対しバックアップ電源を供給するリチウム電池186、図示しない入出力ドライバやカウンタ/タイマ回路等の周辺IC等が装備されている。リチウム電池186は、電源制御ユニット162から演出制御装置124に対し駆動電力が供給されている間に、この電力を蓄えて自身を充電する。SRAM182及びリアルタイムクロック184は、リチウム電池186に接続されており、電源制御ユニット162からの演出制御装置124への駆動電力の供給が断たれた場合にはリチウム電池186により駆動可能となる。したがって、SRAM182及びリアルタイムクロック184は、電源制御ユニット162からの電力供給が断たれた場合でも、リチウム電池186の充電が切れるまでの期間(例えば、約1か月半)は動作を継続するため、SRAM182は、電源断の状況下においても暫くは格納されている情報を保持することができる。
なお、演出制御プログラムは、容易に消去されるべきではないセキュリティや監視、不具合等に関する情報をSRAM182に保存する構成となっている。これにより、例えば、演出制御装置124で何らかの不具合が発生した場合に、パチンコ機1を回収(又は設置状態で点検)し、SRAM182に保持されている情報を解析することにより不具合の要因調査を進めることが可能となる。
通常、演出制御CPU126が制御ROM180に格納されたプログラムに沿って実行する演出の制御には、上述したように液晶表示器42、各種ランプ46~53、上部球通路ランプL1~L9、スピーカ54,55,56,58等のデバイスを用いた演出の制御が含まれる。この演出制御の流れは、大きくみると「全体制御(再生指示)」と「個別制御(再生制御)」の2つの段階に分けられる。演出制御CPU126は、先ず主制御装置70から送信される演出コマンドを受信し、演出コマンドの内容に応じた演出の再生を各デバイスに対して間接的に指示する(全体制御)。次に、演出制御CPU126は指示内容を各デバイスに適したより具体的な表現に変換した指示データを生成し、演出制御CPU126と各デバイスとの間を中継する各制御デバイス134,152,198,199に送信する(個別制御)。その結果として、各制御デバイス134,152,198,199により指示データに基づく各デバイスの制御がなされ、パチンコ機1における各デバイスを用いた演出再生(画面表示、音声出力、ランプ発光、可動体変位等)が実現される。
このように、演出制御CPU126は、演出制御の段階に応じて異なる機能を有しており、これらの機能は演出制御CPU126のリソースを使い分けることにより実現されている。図847では、演出制御CPU126の内部リソースをいくつかの機能ブロックに分けたものが演出制御部210、表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224、モータ制御部226、入力制御部228等として示されている。以下の説明では、個々の機能ブロックを制御処理の動作主体として扱うものとする。
先ず、全体制御の段階では、演出制御CPU126内の演出制御部210が動作主体となる。また、個別制御の段階では、制御対象とされるデバイスに応じて演出制御CPU126内の表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224、モータ制御部226又は入力制御部228が各動作主体となる。なお、演出制御部210が各制御デバイス134,152,198,199等を直接的に制御する構成としてもよい。
演出制御装置124は、全体制御の段階では演出制御プロセッサとして機能するのに対し、個別制御の段階では演出再生プロセッサとして機能する。そのため、演出制御装置124にはさらに、VDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)やCGROM(画像・音声ROM)190の他、演出の再生に用いられる各種デバイスを制御するための音声IC134、LEDドライバ198、SMC(シリアル制御コントローラ)199及びドライバIC132が装備されている。
CGROM190は、演出画面を構成する描画素材(動画像データ)や演出の進行とともに出力される音声素材(音声データ)を所定の圧縮アルゴリズムにより圧縮された状態で格納している。CGROM190は、図示しないCGバスを介してVDP152や音声IC134に接続されている。
VDP152は、演出画像の描画専用のプロセッサであり、演出制御CPU126とともにワンチップに統合されている。また、VDP152はVRAM156及び描画素材デコーダ157を内蔵する。このうちVRAM156は、主に描画素材を展開する際に用いられ、描画素材デコーダ157は、圧縮された状態の描画素材を解凍(復号)する際に用いられる。VDP152は、先ず表示制御部220から送信された指示内容を解析し、CGバスを介してCGROM190から必要な描画素材を読み出してVRAM156に転送する。そして、読み出した描画素材を描画素材デコーダ157で復号してVRAM156上で演出画像の描画を行い、演出画像を1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開する。ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動することにより、演出画面の再生が実現される。
音声IC134は、演出の実行中に再生される効果音やBGM等の音声を生成するサウンドジェネレータであり、VDP152と同様に演出制御CPU126とワンチップに統合されている。音声IC134は、図示しないアンプや外部DRAM、CGバスに接続されている。また、音声IC134には、圧縮された状態の音声素材を解凍(復号)する音声素材デコーダ135が内蔵されている。音声IC134は、先ず音声制御部222から送信された指示内容を解析し、CGバスを介してCGROM190から必要な音声素材を読み出す。そして、読み出した音声素材を外部DRAM上で音声素材デコーダ135を用いて復号する。アンプを経由してガラス枠上スピーカ54、ガラス枠内スピーカ55、内枠スピーカ56及び外枠スピーカ58に復号した音声を出力することにより、ステレオ2ch又はモノラル2chの音声再生(より大きなチャンネル数としてもよい)を実現する。また、音声IC134は、音量調整スイッチが操作された場合に入力される接点信号に基づいて、各スピーカ54,55,56,58の出力音量を調整する。
LEDドライバ198は、パチンコ機1の前面側に設けられた各種ランプ46~53、上部球通路ランプL1~L9の点灯パターン及び輝度パターンを制御する。LEDドライバ198においては、アドレス指定同期シリアル方式が採用されている。LEDドライバ198は、先ずランプ制御部224から送信された指示内容に基づいて点灯パターン及び輝度パターンの制御を行い、これに応じた駆動データをドライバIC132に転送する。
SMC199は、演出ユニット40の内部に設けられた演出用の可動体40f等の駆動源となる可動体モータ57の駆動パターンを制御する。SMC199もまた、演出制御CPU126とワンチップに統合されている。SMC199においては、クロック同期式シリアル方式が採用されている。SMC199は、先ずモータ制御部226から送信された指示内容に基づいて駆動パターンを生成し、これをドライバIC132に転送する。なお、ここではSMC199をモータの駆動パターン生成にのみ用いているが、SMC199はモータだけでなくランプの点灯パターンや輝度パターンを生成することもできるため、上述したLEDドライバ198に代えてSMC199を適用し、SMC199がランプ及びモータの両方のデータパターンを生成する構成とすることも可能である。
ドライバIC132は、LEDドライバ198やSMC199から転送された駆動データに基づいてランプやモータに対し印加する駆動電圧の制御を行う。ドライバIC132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、各種ランプ46~53、上部球通路ランプL1~L9、可動体モータ57に印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その動作を管理することにより、ランプや可動体を用いた演出再生を実現する。なお、各種ランプには、ガラス枠トップランプ46やガラス枠装飾ランプ48,50,52の他に、操作ユニット60の各部位に内蔵された光源や遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53、上部球通路ランプL1~L9等が含まれる。盤面ランプ53は、演出ユニット40に内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等に内蔵されるLEDに相当するものである。上部球通路ランプL1~L9は、上部球通路500の後方に配置されるLEDに相当するものである。また、ここではガラス枠装飾ランプ52がサブ接続基板136に接続されている例を挙げているが、受皿ユニット6に受皿電飾基板を設置し、ガラス枠装飾ランプ52については受皿電飾基板を介してドライバIC132に接続される構成であってもよい。
この他にドライバIC132は、ハンドルレバー62やプッシュボタン64等の操作部材が遊技者により操作された場合に入力される接点信号を、入力制御部228を経由して演出制御部210に転送する。演出制御部210は、転送される接点信号の内容に基づいて、再生する演出内容を適宜変化させる。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。
〔設定値と特別図柄抽選の当選確率との関係〕
図849は、設定値と特別図柄抽選の当選確率との関係を示す図である。
設定値が「1」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/319」である。
設定値が「2」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/299」である。
設定値が「3」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/279」である。
設定値が「4」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/259」である。
設定値が「5」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/239」である。
設定値が「6」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/219」である。
設定値が「1」~「6」である場合、特別図柄抽選の当選確率(高確率状態)は、「1/100」である。
このように、設定値が大きい値であるほど、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、大きな値となっているため、遊技者にとって有利な状況となる。
なお、図示の例では、特別図柄抽選の当選確率は、低確率状態でのみ設定差を設ける例で説明したが、高確率状態でも設定差を設けてもよい。また、設定に関しては、大当り確率だけでなく、小当り確率に設定差を設けてもよい。さらに、その他の項目(例えば、高確率状態への移行率、時間短縮状態への移行率、確変回数、時短回数、特殊変動回数等)に設定差を設けてもよい。
続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔主制御装置におけるCPU初期化(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はCPU初期化処理を開始する。CPU初期化処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、CPU初期化処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図850及び図851は、CPU初期化処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS100:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、割込ベクタテーブルの設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタテーブルのアドレスを割込制御に使用するIレジスタ(割込ベクタレジスタ)にセットする。割込ベクタテーブルにはCPU初期化処理の実行中に発生した割込要求を制御する上で必要となる優先順位が定義されており、主制御CPU72は割込ベクタテーブルに定義された優先順位に基づき複数の割込要求を順番に実行することとなる。割込処理の制御については、詳しく後述する。
ステップS104:主制御CPU72は、RAMクリア信号(RAMクリアスイッチ304からの入力信号)を退避させる。より具体的には、RAMクリア信号が入力される入力ポートの値を2回連続して取得し、これらの値による論理和を入力ポート値として退避させておく。
ステップS106:主制御CPU72は、ここで待機処理を実行する。この処理は、電源投入後にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に電源断予告信号(電源の遮断が発生しつつあることを示す信号)のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら電源断予告信号の入力ポートをビットチェックする。電源断予告信号は、駆動電圧の電圧レベルを監視するICにより入力される。そして、ループカウンタが0になる前に電源断予告信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1~2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS108:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS110:主制御CPU72は、先のステップS104で退避させた入力ポート値の特定ビットをチェックすることによりRAMクリア信号を参照し、RAMクリアスイッチ304が操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチ304が操作されていなければ(No)、次にステップS112を実行する。
ステップS112:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断時に実行された処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A5H」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS114を実行する。なお、電源遮断時に実行される処理については、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS114:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS116を実行する。
ステップS116:主制御CPU72は、RAM76の一部領域の記憶内容をクリアする。RAM76の一部領域とは、電源復帰時にクリア対象とするバックアップ有効判定フラグのアドレスを基準とした連続する所定範囲内のワーク領域のことである。この領域の記憶内容をアドレス毎に(バイト単位で)クリアしつつ、保存されている有効なバックアップ情報はそのまま保持しておくことにより、主制御CPU72は電源遮断時の状態を復旧させることが可能となる(記憶復帰手段)。
ステップS118:主制御CPU72は、電源遮断から復帰して起動したことを示す電源復帰指定の演出コマンド(演出制御装置124に対し送信するべきコマンド)及び払出コマンド(払出制御装置92に対し送信するべきコマンド)をセットする。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチ304が操作されていた場合(ステップS110:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS112:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS114:No)、主制御CPU72はステップS120に移行する。
ステップS120:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタック領域は全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS122:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS124:主制御CPUは、RAMクリア起動したことを示すRAMクリア指定の演出コマンド(演出制御装置124に対するコマンド)及び払出コマンド(払出制御装置92に対するコマンド)をセットする。
ステップS126:次に主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、ステップS118でセットされた払出コマンド(電源復帰指定)又はステップS124でセットされた払出コマンド(RAMクリア指定)を、払出コマンドバッファに出力する。
ステップS128:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先ず、ステップS118でセットされた演出コマンド(電源復帰指定)又はステップS124でセットされた演出コマンド(RAMクリア指定)を演出コマンドバッファに出力する。主制御CPU72はさらに、演出制御に必要となるその他の各種演出コマンド(例えば、機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、特図先判定演出コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタ残数コマンド、特別遊技状態指定コマンド、発射位置指定コマンド等)をセットし、これらを演出コマンドバッファに出力する。このとき、主制御CPU72はこれらの演出コマンドに対し、電源復帰時とRAMクリア時とで異なる値をセットする。
例えば、電源復帰時には、バックアップ情報に基づいて各演出コマンドの値をセットする。これらの演出コマンドが後の演出コマンド送信処理(ステップS142)において演出制御装置124に対し送信されることにより、演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS130:主制御CPU72は、入力ポート処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は各入力ポートの内容を取得し、その値に対して所定の演算を行った結果を各入力ポートの状態フラグに格納する。この処理を終えると、主制御CPU72は次にステップS131に進む(接続記号A→A)。
ステップS131:主制御CPU72は、主コマンド許可信号を出力ポートの特定ビットにセットする。主コマンド許可信号とは、主制御装置70が自身へのコマンド送信を許可する旨を払出制御装置92に対し表明する信号である。主コマンド許可信号が払出制御装置92に入力されると、これを受けて払出制御装置92は、主制御装置70に対し払出コマンドの送信を許可する旨を表明する払出コマンド許可信号を入力することとなる。
ステップS132:主制御CPU72は、出力ポートの特定ビットをリセット(OFF)して発射許可信号をクリアする(特定出力情報クリア手段)。発射許可信号は電源遮断時におけるバックアップの対象に含まれる。したがって、主制御装置70(パチンコ機1)が電源復帰した場合、主制御CPU72はCPU初期化処理において電源復帰時のフローを実行し、バックアップ情報に基づいて主制御装置70を電源遮断時の状態に復帰させるが(ステップS116)、その一環で、発射許可信号も電源遮断時の状態に戻される。
発射許可信号は、RAM76に記憶されている特定の出力ポートバッファ(例えば、出力ポート3用のバッファ)のうち、特定のビット(例えば、ビット0)にセットされている。ただし、ここで対象とする出力ポートバッファのアドレスは、RAM76のアドレス空間のうち、ステップS116でクリア対象とした連続領域からは外れた場所に位置している。このため仮に、ステップS116の処理の一環で、クリア対象領域に加えて発射許可信号がセットされている特定アドレスの特定ビットの値をもクリアしようとすると、その具体的なアドレスを特定した上で、そのアドレスに記憶されている8ビットのデータのうちの特定ビットのデータのみをクリアしつつ残りの7ビット分のデータは維持するという例外的な処理を行わなければならず、RAM76の一部領域をクリアする処理の効率が非常に悪くなる。このような事情から、主制御CPU72は、先のステップS116では発射許可信号をクリアせずに他のバックアップ対象データと区別せず同様に取扱い、一旦は電源遮断時の状態に戻すこととしている。
しかしながら、主制御装置70においてバックアップ情報が戻された段階(ステップS116)では、払出制御装置92との通信が未だ確立しておらず、払出制御装置92が正常に起動しているか(主制御装置70からのコマンドによる指示を受け付けられるか)否かを確認できていない。発射許可信号がONの状態で電源が遮断された場合には、発射許可信号がONに戻されるため、結果として払出制御装置92の正常性が不明であるにもかかわらず遊技球を発射できるという状態が発生することとなる。ここで仮に、電源の遮断中に払出制御装置92が本来の検査適合していない改造品(例えば、賞球数が改変されたもの等)と交換され、その後の電源復帰により主制御装置70が起動した場合、発射許可信号がONに戻されることより遊技球の発射が可能となってしまう。このような状態は、セキュリティの観点から好ましくない。
そこで、本実施形態においては、電源復帰による起動であるかRAMクリア指定の起動であるかに関わらず、主制御CPU72がメインループに遷移する前の段階で発射許可信号を一度明示的にクリア(OFFにリセット)している。その後、払出制御装置92から主制御装置70に対し払出コマンド許可信号が入力されたことを主制御CPU72が確認し、その上で払出制御装置92に対して払出コマンドを送信したことを契機として、発射許可信号をONにセットする制御を採用している。このような制御を行うことにより、メインループの処理により遊技が開始(再開)しても主制御装置70と払出制御装置92との間の通信が確立しない限りは遊技球の発射が許可されないため、上述したような不正がなされた場合に遊技球の不正な発射を回避することができる。
ステップS133:主制御CPU72は、タイマ割込周期を設定する。より具体的には、主制御CPU72はタイマ割込周期(例えば、4ms)に相当する値をタイマ回路194のカウンタ設定レジスタに設定する。
ステップS134:主制御CPU72は、割込デイジーチェーンをリセットする。より具体的には、主制御CPU72は、割込処理の事前準備として、この後で説明するメインループの先頭アドレスをバックアップした上でRETI命令を実行する。この処理を行うことにより、これ以降に発生する割込処理を正常に開始させ、さらに割込処理の実行後にはメインループから処理を続行することが可能となる。
CPU初期化処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72はメインループ(以下に説明するステップS136~S146)に遷移する。電源制御ユニット162からの電力供給が保たれている限り、主制御CPU72はメインループを終始繰り返して実行する。
ステップS136,ステップS138:主制御CPU72は割込を禁止した上で、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)、及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別のタイマ割込処理(図854中のステップS212)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が一巡する毎にループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS138では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS136で割込を禁止した後にステップS138を実行しているのは、別のタイマ割込処理(図854中のステップS210)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、本実施形態において大当り決定乱数及び当り決定乱数は乱数回路75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。なお、タイマ割込処理については別の図面を用いて後述する。
ステップS140:主制御CPU72は、受信コマンド管理処理を実行する。この処理では、払出制御装置92から受信したデータを解析し、その結果に応じた処理を行う。主制御CPU72は、受信したコマンドが払出起動指定コマンドである場合には払出起動確認指定コマンドを払出コマンドバッファに出力する一方、そうでない場合は受信データが所定範囲内の値であるか(受信コマンドとして適切な値であるか)を確認した上で範囲外ならば払出エラー指定コマンドを演出コマンドバッファに出力し、さらに状況に応じて払出電波エラーフラグのセットを行う。
ステップS142:主制御CPU72は、演出コマンド送信処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、演出コマンドバッファに出力されている各演出コマンドの送信を行う。
ステップS144,ステップS146:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中に割込要求が発生し、主制御CPU72が各種割込処理を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込処理の内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
〔電源断時退避処理〕
次に、電源の遮断(以下、「電源断」と略称する)が発生した際に実行する処理について説明する。図852は、電源断時退避処理の手順例を示すフローチャートである。主制御装置70においては、電源断の発生とリセットの発生とが同一の監視IC(例えば、図示しないリセットコントローラに実装されたIC)によって監視されている。この監視ICは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に、パラレルI/Oポート79のXINT端子へ電源断予告信号を出力する。主制御CPU72は、XINT端子への電源断予告信号の入力(XINT割込)を契機として、電源断時退避処理(XINT割込処理、バックアップ手段)を実行する。以下、電源断時退避処理の各手順を追って説明する。
ステップS150,S152:主制御CPU72は、パラレルI/Oポート79の電源断検出スイッチ入力用ポートを読み込み、特定のビットをチェックして電源断予告信号を検出したか否かを確認する。電源断予告信号を検出したことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は割込を許可し、電源断時退避処理を終了してCPU初期化処理(図850~図851)のメインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。一方、電源断予告信号を検出したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS154に進む。
ステップS154:主制御CPU72は、普通電動役物ソレノイド88や第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97、確変領域用ソレノイド99に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS156,ステップS158:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS160:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS158:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS162:次に主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS164:また、主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「00H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS166:主制御CPU72は、ループカウンタに電源断予告信号のチェック回数をカウントするための所定の値をセットする。
ステップS168:主制御CPU72は、電源断予告信号を検出したか否かを確認する。電源断予告信号の確認方法は、上述したステップS150における方法と同じである。電源断予告信号を検出したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は再び前ステップS166に戻る。一方、電源断予告信号を検出したことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は次のステップS170に進む。
ステップS170:主制御CPU72は、ループカウンタの値を1減算する。
ステップS172:主制御CPU72は、ループカウンタの値が「0」であるか否かを確認する。ループカウンタの値が「0」であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS168に戻る。一方、ループカウンタの値が「0」であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS174に進む。
ステップS174:主制御CPU72は、電源断時退避処理からCPU初期化処理(図850)に移行する。このとき、CPU初期化処理への移行前にRETI命令は実行されないため、他の割込を禁止したままの状態でCPU初期化処理を開始することができる。
上述したステップS166~ステップS172の処理は、電源制御ユニット162からの電力供給の遮断に備えて実行されるいわば待機処理(経過観察処理)である。電源断予告信号が継続して検出される場合は、ステップS166~ステップS168が繰り返し実行されるため、ループカウンタが「0」になることはない。そのため、電力供給が持続する限り待機状態が継続されることとなる。一方、電源断予告信号の検出が一時的なもの(例えば、瞬間的な停電等による検出)であった場合は、ステップS168~ステップS172が繰り返し実行され、時間の経過とともにループカウンタが減算されていき、「0」になったことを契機としてCPU初期化処理に移行される。つまり、主制御CPU72は、電力供給が完全に断たれる前に先ずチェックサムの計算とその結果の保存を行って待機の態勢に入り、電力供給が遮断されつつある状況下では他の処理を実行させずに待機状態を維持して安全な状態で来るべき電力供給の遮断を迎えるのに対し、一時的な電源断が発生した後で安定的な電力供給が回復した状況下ではCPU初期化処理に移行してメイン処理を再開させる。このような待機処理の実行により、主制御装置70ひいてはパチンコ機1の安定した遊技動作を保証することが可能となる。
なお、電源制御ユニット162からの電力供給が遮断されると、主制御装置70への電力供給源は自動的にバックアップ用電源に切り替わる。主制御装置70は、電源断の発生後は図示しないバックアップ用電源回路(例えば、主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、電源断後も全てRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のCPU初期化処理(図850)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断発生時のバックアップ情報として復元される。
〔コマンド受信割込処理〕
次に、払出制御装置92からコマンドを受信した際に実行する処理について説明する。図853は、コマンド受信割込処理の手順例を示すフローチャートである。払出制御装置92は、遊技球の払い出しを開始したことを示す払出起動指定のコマンドを主制御装置70に対して送信する他に、遊技の進行に伴い賞球の払い出しに関わる各種装置(例えば、払出装置基板100や満タンスイッチ161等)から主制御装置70に対し送信されるコマンドの中継送信を行う。払出制御装置92により送信されるこれらのコマンドは、主制御装置70のシリアル通信回路196の特定チャネルの受信データレジスタにより受信される。主制御CPU72は、このコマンド受信(SCU割込)を契機として、コマンド受信割込処理(SCU割込処理)を実行する。以下、コマンド受信割込処理の各手順を追って説明する。
ステップS180:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたAレジスタ(アキュムレータ)とFレジスタ(フラグレジスタ)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後の各レジスタには、データ受信割込処理の過程で別の値を書き込むことができる。
ステップS182:次に主制御CPU72は、ステータスレジスタの特定ビットをチェックして受信データレジスタ(受信FIFO)にデータが有るか否かを確認する。受信データレジスタにデータがあることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS184に進む。一方、受信データレジスタにデータがあることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS186を実行する。
ステップS184:主制御CPU72は、データレジスタの内容を受信コマンドバッファに格納する。
ステップS186,S188:主制御CPU72は、ステップS180で退避させたA,Fレジスタの値を各レジスタに復帰させ、割込を許可した後、コマンド受信割込処理を終了してCPU初期化処理のメインループ(図851)に復帰する。
〔タイマ割込処理〕
次に、タイマ割込処理について説明する。図854は、タイマ割込処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、タイマ回路194により出力される割込要求(PTC割込)に基づき、所定時間(例えば、数ms)毎にタイマ割込処理(PTC割込処理)を実行する。以下、タイマ割込処理の各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたAFレジスタ(アキュムレータとフラグレジスタのペア)、BC,DE,HLレジスタ(汎用レジスタのペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後の各レジスタには、タイマ割込処理の過程で別の値を書き込むことができる。
ステップS202:次に主制御CPU72は、割込を許可する。ここで割込が許可されることにより、タイマ割込処理の次ステップ以降を実行している間に他の割込が発生することが可能となる。このように、タイマ割込処理は多重割込が許可されている。なお、割込要求信号の受付や多重割込の優先制御等は、割込コントローラ192により実行される。割込コントローラ192による割込管理については、改めて後述する。
ステップS204:主制御CPU72は、ダイナミックポート出力処理を実行する。この処理では、統合表示基板89に実装された各ランプの点灯をダイナミック点灯方式で制御するために、コモン単位でのポート出力を行う。より具体的には、主制御CPU72は、出力ポートをクリアした後に、選択されたコモンに対応するコモン出力要求バッファに出力された内容を出力ポートに格納する。
ステップS206:主制御CPU72は、ポート入力処理を実行する。この処理では、入力ポート情報に基づき最新のスイッチ状態を正確に取得するために、主制御CPU72はパラレルI/Oポート79から各種スイッチ信号の入力値と前回入力値の反転結果値との論理積を入力ポートオン検出フラグに格納する。この結果、入力ポートオン検出フラグの値(ON/OFF)により、各種スイッチ信号の前回からの変化を踏まえた正確な入力状態を把握することが可能となる。各種スイッチ信号には、具体的には、ゲートスイッチ78及び確変領域スイッチ95からの通過検出信号や、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81からの入賞検出信号等が含まれる。
ステップS208:主制御CPU72は、タイマ更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、遊技時間や普通電動役物の閉鎖時間を管理するタイマの他、外部情報用の各種タイマ、セキュリティ信号用タイマ等のカウンタを1減算して更新する。
ステップS210:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、CPU初期化処理の過程(図851のステップS138)で述べたものと同じである。
ステップS212:主制御CPU72は、当り図柄乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は特別図柄及び普通図柄の抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS214:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先のポート入力処理(ステップS206)で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81からの入賞検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS215:主制御CPU72は、設定変更処理(設定関連処理)を実行する。この処理では、設定値の変更や確認に伴う処理を実行する。なお、設定変更状態や設定確認状態でない場合、すなわち遊技可能状態である場合には、主制御CPU72は、本ステップをスキップして(設定変更処理を実行せずに)、代わりに、ベースを算出して性能表示モニタ200に表示する処理を実行することができる。主制御CPU72は、遊技球が各入賞口(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)に入球することによって払い出される賞球数を、遊技領域に発射した遊技球の数を示すアウト数(アウトスイッチで検出された遊技球の数)で除算することによりベースの算出が可能である。
また、本ステップにて設定変更処理(設定関連処理)を実行した場合には、主制御CPU72は、設定関連終了指定コマンドを生成する。ここで、「設定関連終了指定コマンド」とは、設定の変更又は確認に関連する処理が終了したことを伝える演出コマンドのことであり、設定関連終了指定コマンドには、この他に設定値の情報を含ませることができる。生成された設定関連終了指定コマンドは、メインループ内で実行される演出コマンド送信処理(図851中のステップS142)において演出制御装置124に送信される。
ステップS216,ステップS218:主制御CPU72は、特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これらの処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS216)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を決定したり、その表示結果に応じて第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また、普通図柄遊技処理(ステップS218)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を決定したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(作動抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS220:次に主制御CPU72は、状態管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、入賞頻度の異常(中始動入賞口26、普通入賞口22,24への入球数が異常に多い状態)やベース異常(遊技盤ユニット8の裏側へ回収された遊技球数、すなわち遊技領域8a内に打ち込まれた遊技球数よりも各入賞口22,24,26,28a,30b,31bへの入賞球数の合計の方が多い状態)等の危険度の高い状態が発生していないかのチェックを行う。異常状態を検知した場合、主制御CPU72は、遊技場のホールコンピュータに対してはセキュリティ信号の出力により、また、演出制御装置124に対しては所定の演出制御コマンドの送信により、異常が発生したことを報知する。
ステップS222:主制御CPU72は、入賞口スイッチ処理を実行する。この処理では、先のポート入力処理(ステップS206)において各種スイッチ80,81,82,84,85,86から入力された入賞検出信号に基づき格納した各入力ポートオン検出フラグがONの場合に、それぞれの対象となる賞球制御カウンタを1加算して更新する。
ステップS224:主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。詳細なフローは図示していないが、この処理では、主制御CPU72はまず払出コマンドバッファが空でないか(送信すべき払出コマンドがセットされているか)否かを確認し、空でない(払出コマンドがセットされている)場合は、払出コマンドバッファに出力された各種払出コマンドを払出制御装置92に対して送信する。例えば、電源投入時の起動モードを示す払出コマンドは、CPU初期化処理の過程でセットされ(図850中のステップS118、ステップS124)、払出コマンドバッファに出力される(図850中のステップS126)が、この起動モードを示す払出コマンドがここで送信される。一方、払出コマンドバッファが空である場合は、賞球の払い出しを指示するための処理に進む。主制御CPU72は賞球制御カウンタが0でないか否かを確認し、賞球制御カウンタが0でない場合は、このカウンタに対応する賞球個数を指示する賞球指定の払出コマンドを払出制御装置92に対して送信する。より具体的には、前ステップS222において更新された各賞球制御カウンタに対応する賞球指定の払出コマンドがここで送信される。なお、払出コマンドの送信は、払出制御装置92から主制御装置70に対し払出コマンド許可信号が入力されており、かつ、送信データレジスタ(送信FIFO)にセットされている払出コマンドの数が所定数未満である場合(より具体的には、前回以前に実行されたステップS224において送信FIFOにセットされた払出コマンドが送信済みであるか、又は、現在送信中であって送信FIFOに空きがある場合)にのみ実行される。
また、特に電源投入時のステップS224においては、CPU初期化処理の過程でセットされた払出コマンドが正常に送信された場合、主制御CPU72はこれを契機として発射許可信号をオンにする。具体的には、主制御CPU72は電源投入時に出力した払出コマンドバッファをクリアするとともに、出力ポートの特定ビットをセットすることで発射許可信号をオンにする(特定出力情報セット手段)。これにより電源投入後の正常動作を確認した上で遊技球の発射が許可され、この発射許可信号が払出制御装置92を介して発射制御基板108に送られることにより、遊技球の発射が可能な状態となる。
また、主制御CPU72は、賞球払出処理において、演出制御装置124に対して賞球個数の内容を伝達する賞球内容コマンドを出力する。第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31に対応する第1カウントスイッチ84又は第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力された場合、第1利益(遊技球15個分)に対応する賞球内容コマンドを生成する。また、普通入賞口24に対応する第2入賞口スイッチ81から入賞検出信号が入力された場合、第2利益(遊技球10個分)に対応する賞球内容コマンドを生成する。賞球内容コマンドは、後述するポート出力処理(ステップS236)において演出制御装置124に送信される。
〔賞球数及び獲得遊技球数について〕
第1特別図柄の始動口の賞球数及び第2特別図柄の始動口の賞球数は、それぞれ1個以上の規定数に設定されている。また、第1特別図柄の始動口と第2特別図柄の始動口とでは、賞球数を異ならせてもよい。さらに、特別図柄の当選確率や、総獲得遊技球数の期待値(初当りから時間短縮状態が終了するまでの一連の期間に得られる平均出球数)に基づいて、最低賞球数を設定してもよい。さらにまた、特別図柄の当選確率、総獲得遊技球数の期待値、大入賞口の開放回数、大入賞口の開放時間、大入賞口の最大入賞数、大入賞口の賞球数が所定の条件を満たした場合、1回の大当りによる獲得遊技球数が最大の獲得遊技球数の1/4未満となる大当りを設定してもよい。
ステップS226:主制御CPU72は、発射位置指定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず発射位置指定フラグを前回発射位置指定フラグにセットしてから発射位置指定フラグをクリアする。その上で、主制御CPU72は、可変入賞装置が作動中であるか又は時間短縮機能が作動中であれば発射位置指定フラグをONにし、さらに発射位置指定フラグと前回発射位置指定フラグが一致しなければ発射位置指定コマンドを生成する。生成された発射位置指定コマンドは、メインループ内で実行される演出コマンド送信処理(図851中のステップS142)において演出制御装置124に送信される。
ステップS227:主制御CPU72は、セキュリティ管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種の入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)に基づいて、不正な入賞が発生したか否かの判定や、過度な入賞が発生しているか否かの判定を行う。また、主制御CPU72は、図示しない磁気検出センサや振動検出センサ、電波検出センサ等からの入力信号に基づいて不正行為の監視を行う。そして、主制御CPU72は、このようなエラーが発生していると判定した場合、エラーコマンドを生成する。なお、主制御CPU72は、エラーに対応した対応処理を実行することができる。対応処理は、例えば、不正入賞による入賞検出信号のビットをONからOFFに書き換える処理や、警告音を発生させる処理、遊技停止等の処理である。なお、主制御CPU72で検出するエラーには、後述する図879~図884に示す各種エラーがある。主制御CPU72は、エラーを検出した場合、各種エラーに対応するエラーコマンドを演出制御装置に送信する。エラーには、不正等のエラーだけでなく、遊技機の状態(設定変更等の状態)が含まれることもある。
ステップS228:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」~「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」~「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」~「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS230:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、発射位置指定、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS232:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を管理する上で必要となる処理を行う。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS216)や普通図柄遊技処理(ステップS218)において決定された図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等に対応する態様で各ランプを点灯させるための駆動信号を、バイトデータとして各コモン用のポート出力要求バッファに格納する。
なお、ここで各コモン用のポート出力要求バッファに格納されたバイトデータは、タイマ割込処理が発生する毎にダイナミックポート出力処理(ステップS204)において1コモンずつ順繰りに出力ポートに格納されてポート出力される。例えば、次回に実行されるタイマ割込処理ではコモン1用として格納されたバイトデータがポート出力され、次々回に実行されるタイマ割込処理ではコモン2用として格納されたバイトデータがポート出力される、という具合に各コモン用のポート出力要求バッファに格納されたバイトデータが1つずつ順番に処理されていく。これにより、所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)を構成する各ランプがコモン単位で順繰りに駆動され、ダイナミック点灯方式により点灯制御されることになる。
ステップS234:また、主制御CPU72は、ソレノイド出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び確変領域用ソレノイド99の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力要求バッファに格納する。
ステップS236:主制御CPU72は、ポート出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は各出力バッファ(ポート出力要求バッファ)に値が格納されているかを確認し、値が格納されている場合はポート出力する。例えば、前ステップS234でポート出力要求バッファに格納された各ソレノイド88,90,97,99の各駆動信号をポート出力する。この場合、各駆動信号が対応する各ソレノイド88,90,97,99に送信され、各ソレノイドに駆動信号に応じた動作をさせることが可能となる。
なお、本実施形態では、ステップS216~ステップS236の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理の一部として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS238:制御CPU72は、ステップS200で退避させたHL,DE,BC,AFレジスタの値を各レジスタに復帰させ、タイマ割込処理を終了してCPU初期化処理のメインループ(図851)に復帰する。
〔割込コントローラによる割込管理〕
以上に説明したように、主制御装置70においては、メイン制御プログラムであるCPU初期化処理(図850)の実行中に、XINT割込(電源断時退避処理(図852)の元となるパラレルI/Oポート79により出力される割込要求)、SCU割込(コマンド受信割込処理(図853)の元となるシリアル通信回路196により出力される割込要求)、PTC割込(タイマ割込処理(図854)の元となるタイマ回路194により出力される割込要求)が発生しうる。これらの割込要求は、主制御装置70に実装された割込コントローラ192によって管理/制御される。割込コントローラ192は、主制御CPU72の割込許可命令(EI命令)により割込要求の受付を許可し、割込禁止命令(DI命令)により割込要求の受付を禁止する、いわゆるマスカブル割込の制御を行っている。
XINT割込、SCU割込、PTC割込は、いずれも相互依存性のない独立した発生要因に基づいて生じるため、複数の割込要求が同時期に発生する場合も当然に考えられる。そこで、割込コントローラ192は、割込処理の重要度や処理効率等を考慮して予め定められた割込要求の優先順位に従って各割込要求を制御する。
より具体的には、割込要求(割込処理)の優先順位は割込ベクタテーブルに定義されており、XINT割込(電源断時退避処理)の優先度が最も低く、SCU割込(コマンド受信割込処理)の優先度が最も高く設定されている。割込ベクタテーブルの設定がCPU初期化処理の序盤(図850中のステップS102)になされることにより、割込コントローラ192はこれ以降のタイミングで発生する割込要求の優先制御を行うことができる。実際には、CPU初期化処理がメインループ(図851中のステップS136~S146)に遷移した後、割込が許可されてから(図851中のステップS144)割込が禁止されるまで(図851中のステップS136)の間にいずれかの割込要求が発生すると、割込コントローラ192は受け付けた割込要求を割込ベクタテーブルに設定された優先順位に基づいて制御する。例えば、XINT割込とPTC割込を同時に受け付けた場合、より優先度の高いPTC割込(タイマ割込処理)が先に処理される。タイマ割込処理が実行されている間、XINT割込は割込待ち状態となり、タイマ割込処理が終了した後で電源断時退避処理が実行される。
また、各割込み処理の手順例を改めて確認してみると、電源断時退避処理(図852)及びコマンド受信割込処理(図853)においては、それぞれの割込処理から復帰する直前(RETI命令を実行する直前)にはじめて割込が許可されるのに対し(図852中のステップS152、図853中のステップS188)、タイマ割込処理(図854)においては、割込処理の序盤に割込が許可され(図854中のステップS202)、その後で主要なステップが実行される。つまり、割込コントローラ192(主制御CPU72)は、電源断時退避処理及びコマンド受信割込処理の実行中には多重割込の実行を禁止する一方、タイマ割込処理の実行中には多重割込の実行を許可している。
このようにして優先順位に基づく割込要求の制御を行うことにより、割込コントローラ192は主制御装置70における多重割込の実行を可能としている。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図855は、スイッチ入力イベント処理(図854中のステップS214)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する中始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の第1大入賞口に対応する第1カウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS20に進んで第1大入賞口カウント処理を実行する。第1大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの第1可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS21aに進む。
ステップS21a:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の第2大入賞口に対応する第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS21bに進んで第2大入賞口カウント処理を実行する。第2大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に第2可変入賞装置31への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS24に進んで普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また、主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして、主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS26に進む。
ステップS26:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の内部に設けられた確変領域に対応する確変領域スイッチ95から検出信号が入力されたか否かを確認する。この検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS28に進んで確変領域通過時処理を実行する。確変領域通過時処理として、主制御CPU72は、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする処理を実行する(高確率状態移行手段、確率変動機能作動手段、有利遊技状態移行手段、特別状態移行手段)。この確率変動機能作動フラグは、大当り遊技の終了後、当選の結果が得られずに特別図柄が所定回数(170回)変動するとリセットされる。また、確変領域通過時処理として、主制御CPU72は、確変領域通過コマンドを生成する。確変領域通過コマンドは、メインループ内で実行される演出コマンド送信処理(図851中のステップS142)において演出制御装置124に送信される。なお、主制御CPU72は、特定の有効時間内(例えば、大当り遊技中に確変領域用ソレノイド99を作動させている時間内)に限って確変領域通過時処理を実行することにしてもよい。一方、検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はタイマ割込処理(図854)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図856は、第1特別図柄記憶更新処理(図855中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。ここで、RAM76の乱数記憶領域は、第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する8つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図855)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図854中のステップS232)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして、主制御CPU72は、乱数回路75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第1抽選要素取得手段、抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数回路75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、要素取得手段)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして、主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(記憶手段、抽選要素記憶手段)。複数のセクションには順番(例えば第1~第4)が設定されており、現段階で第1~第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2~第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の特別遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37,S38を実行する。大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37,S38をスキップしてステップS38aに進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS37:大当り中以外の場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS32~S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。なお、具体的な処理の内容については別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS38:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS38a:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」~「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」~「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」~「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」~「04H」となったことを表している。なお、先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS39:そして、主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである。
そして、以上の処理を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図855)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
次に図857は、第2特別図柄記憶更新処理(図855中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば4とする)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図855)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図856)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図854中のステップS232)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして、主制御CPU72は、乱数回路75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第2抽選要素取得手段、抽選要素取得手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図856)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図856)と同様である。
ステップS44:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、要素取得手段)。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図856)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第2特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(記憶手段)。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図856)と同様である。
ステップS45a:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。そして、大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS46,S47を実行する。逆に大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS46,S47をスキップしてステップS48に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、同じく大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS46:大当り中以外である場合(ステップS45a:No)、次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS42~S44でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS47:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS46)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS48:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」~「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお、先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS49:そして、主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して特図先判定演出コマンドや作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置124に対して送信する準備が行われる。
そして、以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図855)に復帰する。
〔取得時演出判定処理〕
図858は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理及び第2特別図柄記憶更新処理(図856中のステップS37,図857中のステップS46)においてこの取得時演出判定処理を実行する(事前判定手段)。上述したように、この処理は第1特別図柄(中始動入賞口26への入球時)、第2特別図柄(可変始動入賞装置28への入球時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンド(先判定情報)の下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(図856中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図857中のステップS45)でRAM76に記憶されているものである。
ステップS54:そして、主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段、事前判定手段)。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお、比較値(下限値)は、パチンコ機1における内部抽選の当選確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS80に進む。
ステップS80:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段)。この処理では、主制御CPU72は、はずれ時の変動時間について変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、特に「時間短縮機能」の作動時における変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。例えば、現在の状態が「時間短縮機能」の作動時であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものである場合、主制御CPU72は「時短中非短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。なお、リーチ変動の場合はさらに、リーチモード乱数から「リーチグループ(リーチの種類)」をも判断し、その結果から変動パターン先判定コマンドを生成することとしてもよい。一方、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「時短中短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。あるいは、現在の状態が「時間短縮機能」の非作動時(低確率状態)であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものである場合、主制御CPU72は「通常はずれリーチ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。一方、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「通常はずれ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。なお、この処理において、主制御CPU72は、小当り時の変動パターンについて、上述したはずれ時の処理と同様に変動パターン先判定コマンドを生成していてもよい。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は取得時演出判定処理を終了し、呼び出し元の第1特別図柄記憶更新処理(図856)又は第2特別図柄記憶更新処理(図857)に復帰する。一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS56に進む。
ステップS56:主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされているか否かを確認する。先判定結果による確率状態予定フラグは、未だ変動は開始されていないが、これまで記憶されている大当り決定乱数の中に当選値がある場合にセットされるものである。具体的には、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合、これと組になる大当り図柄乱数が「確変領域通過可能図柄(8ラウンド通常図柄以外のいずれかの確変図柄)」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「A0H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、高確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。一方、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合であって、これと組になる大当り図柄乱数が「非確変(通常)図柄」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「01H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、通常(低)確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。なお、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値が未だ存在しなければ、フラグ値はリセット(00H)されている。また、確率状態予定フラグの値は、例えばRAM76のフラグ領域に格納されている。なお、ここでは「確率状態予定フラグ」を用いて厳密に事前の当り判定を行う例を挙げているが、単純に現在の確率状態に基づいて事前の当り判定を行う場合、このステップS56と以降のステップS58,ステップS60,ステップS62,ステップS76等を省略してもよい。
主制御CPU72は、未だ確率状態予定フラグがセットされていなければ(ステップS56:No)、次にステップS66を実行する。
ステップS66:この場合、主制御CPU72は次に低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。なお、低確率時用比較値もまた、パチンコ機1における低確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
ステップS68:次に主制御CPU72は、「現在の確率状態フラグ」をロードする。この確率状態フラグは、現在の内部状態が高確率(確変中)であるか否かを表すものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。現在の確率状態が高確率(確変中)であれば、状態フラグとして値「01H」がセットされており、低確率(通常中)であれば、状態フラグの値はリセットされている(「00H」)。
ステップS70:そして、主制御CPU72は、ロードした現在の特別図柄確率状態フラグが高確率を表すものでないか否かを確認し(≠01H)、その結果、高確率を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行する。
ステップS64:主制御CPU72は、高確率時用比較値をセットする。これにより、先のステップS66でセットされた低確率時用比較値が書き換えられることになる。なお、高確率時用比較値は、パチンコ機1における高確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが未だセットされていない場合であって、現在の内部状態が高確率の場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72を実行することになる。これに対し、先のステップS70で現在の確率状態フラグが高確率を表すものでないことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72を実行する。
ステップS72:主制御CPU72は、先のステップS52でロードした乱数が当り値の範囲外であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段)。すなわち、主制御CPU72は状態別でセットした比較値から大当り決定乱数値を減算する。そして、主制御CPU72は、同様にフラグレジスタの値から演算結果が負の値(<0)であるか否かを判別し、その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理(ステップS80)を実行する。これに対し、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
ステップS74:主制御CPU72は、大当り図柄種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(図856中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図857中のステップS45)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、ステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果から大当り種別として「確変領域通過困難図柄(8ラウンド通常図柄)」又は「確変領域通過可能図柄(8ラウンド通常図柄以外の確変図柄)」のいずれに該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS76に進む。
ステップS76:そして、主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグの値をセットする。具体的には、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値が「確変領域通過困難図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「01H」をセットする。一方、特別図柄先判定値が「確変領域通過可能図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「A0H」をセットする。これにより、次回以降の処理ではステップS56において「フラグセット済み」と判定されることになる。
ステップS78:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットする。特別図柄先判定値は、例えば「確変領域通過困難図柄」に該当する場合は「01H」がセットされ、「確変領域通過可能図柄」に該当する場合は「A0H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
ステップS79:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り時の変動時間について、上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、例えば大当り時のリーチ変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされる前(内部初当り前)における手順である。これに対し、先のステップS76を経て確率状態予定フラグがセットされた場合、以下の手順が実行される。ただし、現在の確率状態だけで事前の当り判定を行う場合、以下のステップS56,ステップS58,ステップS60,ステップS62、及びステップS76を実行する必要はない。
ステップS56:主制御CPU72は、既に確率状態予定フラグに値がセットされていることを確認すると(Yes)、次にステップS58を実行する。
ステップS58:主制御CPU72は、先ず低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。
ステップS60:次に主制御CPU72は、「確率状態予定フラグ」をロードする。確率状態予定フラグは、直前の先判定結果に基づきそれ以降の先判定において確率状態を予定的に設定するためのものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。直前の先判定結果に基づく確率状態が高確率(確変)に移行する予定であれば、確率状態予定フラグの値として「A0H」がセットされており、逆に直前の先判定結果に基づく確率状態が低確率(通常)に戻る予定であれば、確率状態予定フラグの値として「01H」がセットされている。
ステップS62:そして、主制御CPU72は、ロードした確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでないか否かを確認し(≠01H)、その結果、高確率の予定を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行し、高確率時用比較値をセットする。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが既にセットされており、その値が高確率を予定するものである場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72以降を実行することになる。これに対し、先のステップS62で確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでなく、通常(低)確率の予定を表すものであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72以降を実行する。これにより本実施形態では、先判定結果に基づくその後の内部状態の変化(通常確率状態→高確率状態、高確率状態→通常確率状態)を考慮した上で、事前の大当り判定を行うことができる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(図856)又は第2特別図柄記憶更新処理(図857)に復帰する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、タイマ割込処理(図854)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図859は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、大当り時可変入賞装置管理処理(ステップS5000)、小当り時可変入賞装置管理処理(ステップS6000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000~ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番~7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:大当り時可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において大当りの態様で特別図柄が停止表示された場合に選択される。特別図柄が大当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生する。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が大当り時可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。大当り時可変入賞装置管理処理においては、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97が一定時間(例えば29秒間若しくは0.1秒間又は10個の遊技球の入球をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば10回等)にわたって励磁され、これにより第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31が決まったパターンで開閉動作する。この間に第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で10回あれば、これらを「10ラウンド」と総称することがある。
本実施形態では、1ラウンド目から5ラウンド目まで、及び、7ラウンド目から10ラウンド目までは第1可変入賞装置30を開閉動作させ、6ラウンド目では第2可変入賞装置31を開閉動作させている。
また、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また、主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出コマンド送信処理(図851中のステップS142)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ、時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる(高確率時間短縮状態移行手段、有利遊技状態移行手段、特別状態移行手段)。「高確率状態」では確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常よりも例えば10倍程度に高くなる(特定遊技状態移行手段、高確率状態移行手段、高確率状態設定手段)。また、「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、普通図柄の作動抽選が高確率になり、また、普通図柄の変動時間が短縮されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長されて開放回数が増加する(いわゆる電チューサポートが行われる)。なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については、制御上でいずれか一方だけに移行する場合もあれば、これら両方に合わせて移行する場合もある。
ステップS6000:小当り時可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において小当りの態様で特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から小当り遊技状態に移行する契機が発生する。小当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が小当り時可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。小当り遊技においては、第1可変入賞装置30が所定の開放時間(例えば、0.1秒)で所定回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、第1大入賞口への入賞はほとんど発生しない。
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、複数の当選種類として、以下の当選種類が設けられている。
(1)「6ラウンド確変大当り1」
(2)「6ラウンド確変大当り2」
(3)「8ラウンド確変大当り1(実質4ラウンド)」
(4)「8ラウンド確変大当り2(実質8ラウンド)」
(5)「8ラウンド通常大当り(実質7ラウンド)」
(6)「10ラウンド確変大当り」
なお、本実施形態において、6ラウンド、8ラウンド、10ラウンド以外の大当りが設けられていてもよい。
当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「6ラウンド確変大当り1」は「6ラウンド確変図柄1」の大当りに対応し、「6ラウンド確変大当り2」は「6ラウンド確変図柄2」の大当りに対応する。また、「8ラウンド確変大当り1」は「8ラウンド確変図柄1」の大当りに対応し、「8ラウンド確変大当り2」は「8ラウンド確変図柄2」の大当りに対応する。さらに、「8ラウンド通常大当り」は「8ラウンド通常図柄」の大当りに対応し、「10ラウンド確変大当り」は「10ラウンド確変図柄」の大当りに対応する。このため以下では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔可変入賞装置の開放動作パターン〕
図860は、可変入賞装置の開放動作パターンを示す図である。各当選図柄に対応する大入賞口及び確変領域の開放について内容を説明する。
〔6ラウンド確変図柄1〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「6ラウンド確変図柄1」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から5ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。また、6ラウンド目では、第2可変入賞装置31の第2大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。このため、「6ラウンド確変図柄1」の大当り遊技は、実質的に6ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
ここで、「6ラウンド確変図柄1」に該当した場合の6ラウンド目では、第2大入賞口がロング開放するため、遊技球は確変領域を通過する可能性がある。このため、「6ラウンド確変図柄1」に該当した場合であって、6ラウンド目に第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
さらに、「6ラウンド確変図柄1」に該当した場合は、確変領域の通過の有無に関わらず、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔6ラウンド確変図柄2〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「6ラウンド確変図柄2」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から5ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。また、6ラウンド目では、第2可変入賞装置31の第2大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。このため、「6ラウンド確変図柄2」の大当り遊技は、実質的に6ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
ここで、「6ラウンド確変図柄2」に該当した場合の6ラウンド目では、第2大入賞口がロング開放するため、遊技球は確変領域を通過する可能性がある。このため、「6ラウンド確変図柄2」に該当した場合であって、6ラウンド目に第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
さらに、「6ラウンド確変図柄2」に該当した場合は、確変領域の通過の有無に関わらず、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。なお、「6ラウンド確変図柄1」と「6ラウンド確変図柄2」との相違点は付与される時短回数の違いである。
〔8ラウンド確変図柄1〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「8ラウンド確変図柄1」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目及び2ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がショート開放する(例えば0.1秒開放)。このため、「8ラウンド確変図柄1」に該当した場合の1ラウンド目及び2ラウンド目では、実質的な出球(賞球)を遊技者に付与することなく終了する。また、3ラウンド目から5ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。また、6ラウンド目では、第2可変入賞装置31の第2大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。さらに、7ラウンド目及び8ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がショート開放する(例えば0.1秒開放)。このため、「8ラウンド確変図柄1」に該当した場合の7ラウンド目及び8ラウンド目では、実質的な出球(賞球)を遊技者に付与することなく終了する。このため、「8ラウンド確変図柄1」の大当り遊技は、実質的に4ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
ここで、「8ラウンド確変図柄1」に該当した場合の6ラウンド目では、第2大入賞口がロング開放するため、遊技球は確変領域を通過する可能性がある。このため、「8ラウンド確変図柄1」に該当した場合であって、6ラウンド目に第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
さらに、「8ラウンド確変図柄1」に該当した場合は、確変領域の通過の有無に関わらず、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔8ラウンド確変図柄2〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「8ラウンド確変図柄2」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から5ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。また、6ラウンド目では、第2可変入賞装置31の第2大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。さらに、7ラウンド目及び8ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。このため、「8ラウンド確変図柄2」の大当り遊技は、実質的に8ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
ここで、「8ラウンド確変図柄2」に該当した場合の6ラウンド目では、第2大入賞口がロング開放するため、遊技球は確変領域を通過する可能性がある。このため、「8ラウンド確変図柄2」に該当した場合であって、6ラウンド目に第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
さらに、「8ラウンド確変図柄2」に該当した場合は、確変領域の通過の有無に関わらず、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔8ラウンド通常図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「8ラウンド通常図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から5ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。また、6ラウンド目では、第2可変入賞装置31の第2大入賞口がショート開放する(例えば0.1秒開放)。このため、「8ラウンド通常図柄」に該当した場合の6ラウンド目は、実質的な出球(賞球)を遊技者に付与することなく終了する。さらに、7ラウンド目及び8ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。このため、「8ラウンド通常図柄」の大当り遊技は、実質的に7ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
ここで、「8ラウンド通常図柄」に該当した場合の6ラウンド目では、第2大入賞口がショート開放するため、遊技球が確変領域を通過することは困難(不可能)である。このため、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されることはなく、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与されることもない。
また、「8ラウンド通常図柄」に該当した場合は、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔10ラウンド確変図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「10ラウンド確変図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から5ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。また、6ラウンド目では、第2可変入賞装置31の第2大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。さらに、7ラウンド目から10ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。このため、「10ラウンド確変図柄」の大当り遊技は、実質的に10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
ここで、「10ラウンド確変図柄」に該当した場合の6ラウンド目では、第2大入賞口がロング開放するため、遊技球は確変領域を通過する可能性がある。このため、「10ラウンド確変図柄」に該当した場合であって、6ラウンド目に第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
さらに、「10ラウンド確変図柄」に該当した場合は、確変領域の通過の有無に関わらず、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
ここで、第1可変入賞装置30の第1大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される。また、第2可変入賞装置31の第2大入賞口も同様に、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される。
いずれにしても、当選図柄が「8ラウンド通常図柄以外のいずれかの確変図柄」に該当し、かつ、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過すると、大当り遊技終了後に内部状態を「高確率時間短縮状態」に移行させる特典が遊技者に付与される。一方、当選図柄が「8ラウンド通常図柄」に該当すると、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過することは困難であるため、大当り遊技終了後に内部状態は「低確率時間短縮状態」に移行する。なお、当選図柄が「8ラウンド通常図柄以外のいずれかの確変図柄」に該当しても、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなければ、大当り遊技終了後に内部状態は「低確率時間短縮状態」に移行する。
また、本テーブルに示す動作パターンにおいては、ラウンド間インターバル時間は共通の「1.5秒」となっている。なお、ラウンド間インターバル時間とは、ラウンドとラウンドとの間に設定される待機時間のことである。
〔小当り〕
また、本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当り遊技が行われて第1可変入賞装置30が開閉動作する(特例遊技実行手段)。すなわち、先の特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、低確率状態又は高確率状態の中で小当り遊技(第1可変入賞装置30が作動する遊技)が実行される。このような小当り遊技では第1可変入賞装置30が所定回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、第1大入賞口への入賞はほとんど発生しない。また、小当り遊技が終了しても、「確率変動機能」が作動することはなく、また、「時間短縮機能」が作動することもないので、「高確率状態」や「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。また、「高確率状態」で小当りに当選しても、その小当り遊技終了後に「高確率状態」が終了することはないし、「時間短縮状態」で小当りに当選しても、その小当り遊技終了後に「時間短縮状態」が終了することもない(上限回数に達した場合を除く。)。なお、本実施形態では、小当りを設定する遊技仕様としているが、小当りを設定しない遊技仕様とすることもできる。
〔特別図柄変動前処理〕
図861は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、演出コマンド送信処理(図851中のステップS142)において演出制御装置124に送信される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお、復帰時は、上述したように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)のうち、第2特別図柄に対応する方を優先的に読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。第2特別図柄に対応する乱数が記憶されていない場合、主制御CPU72は第1特別図柄に対応する乱数を読み出して一時記憶領域に保存する。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。その結果、本実施形態では第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示が優先的に行われることになる。なお、このような特別図柄別の優先順位を設けることなく、単純に記憶された順番で乱数が読み出されるプログラムであってもよい。また、この処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち、乱数のシフトを行った方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、表示出力管理処理(図854中のステップS232)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(図柄抽選実行手段)。このとき設定される大当り値の範囲は、低確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なり、高確率状態では低確率状態よりも大当り値の範囲が約10倍程度に拡大される。また、大当り値の範囲は、現在の設定値によっても異なり、低設定の場合よりも高設定の場合の方が大当り値の範囲が広く設定される。このようにして、現在の設定値に対応した当選確率により特別図柄抽選(所定の抽選)が実行される。そして、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(図柄抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は「高確率状態」や「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。ただし「小当り」は、「大当り」と同様に第1可変入賞装置30を作動させる条件を満たすものとして位置付けられている。なお、このとき設定される小当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なっていてもよいし、同じでもよい。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出コマンド送信処理(図851中のステップS142)において演出制御装置124に送信される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「-」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン選択手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。はずれ時の変動時間は、「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。「時間短縮状態」であれば、基本的にリーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は短縮された時間(例えば、2.0秒程度)に設定される(短縮時変動時間決定手段)。また、「時間短縮状態」でなくとも、リーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個~3個)」に基づいて短縮される場合がある(例えば、変動表示開始時作動記憶数0個→12.5秒程度、変動表示開始時作動記憶数1個→8秒程度、変動表示開始時作動記憶数2個→5秒程度、変動表示開始時作動記憶数3個→2.5秒程度)。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
本実施形態では、内部抽選の結果、非当選に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させてはずれとしたり、「リーチ演出」を発生させずにはずれとしたりする制御を行うこととしている。そして、「はずれ時変動パターン選択テーブル」には、予め複数種類の演出、例えば「非リーチ演出」、「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、非当選に該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出、ストーリーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。
〔はずれ時変動パターン選択テーブルの例〕
図862は、はずれ時変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。
この選択テーブルは、はずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「1」~「8」が割り当てられている。
変動パターン番号「1」~「3」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「4」~「8」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。このうち、変動パターン番号「4」~「6」は、ノーマルリーチ後にはずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「7」は、スーパーリーチ後にはずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「8」は、ストーリーリーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。なお、変動パターン選択テーブルは、変動開始時作動記憶数や内部状態(低確率状態又は高確率状態、非時間短縮状態又は時間短縮状態)、当選図柄に応じて異なるテーブル内容としてもよい(以下、同様)。
ここで、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンでは、設定される変動時間の長さが大きく異なっている。すなわち、「非リーチ変動パターン」は基本的に短い変動時間(例えば作動記憶数に応じて2.0秒~13.0秒程度)に対応するものであるのに対し、「リーチ変動パターン」はその倍以上の長い変動時間(例えば30秒~150秒程度)に対応するものである。
そして、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「2」を選択する。
〔図861:特別図柄変動前処理を参照〕
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、大きく分けて6種類の当選図柄が用意されている。6種類の内訳は、「6ラウンド確変図柄1」、「6ラウンド確変図柄2」、「8ラウンド確変図柄1」、「8ラウンド確変図柄2」、「8ラウンド通常図柄」、「10ラウンド確変図柄」である。なお、各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば「6ラウンド確変図柄1」であれば、「6ラウンド確変図柄1a」、「6ラウンド確変図柄1b」、「6ラウンド確変図柄1c」等である。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の選択比率が異なっている。このため主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであるか、第2特別図柄に対応するものであるかによって選択する当選図柄を区別している。
〔第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図863は、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、この第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「40」,「10」,「50」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「8ラウンド確変図柄1(実質4ラウンド)」、「8ラウンド確変図柄2(実質8ラウンド)」、「8ラウンド通常図柄(実質7ラウンド)」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する大当り時には、「8ラウンド確変図柄1(実質4ラウンド)」が選択される割合は100分の40(=40%)であり、「8ラウンド確変図柄2(実質8ラウンド)」が選択される割合は100分の10(=10%)であり、「8ラウンド通常図柄(実質7ラウンド)」が選択される割合は100分の50(=50%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。
いずれにしても、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」,「02H」,「03H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「8ラウンド確変図柄1」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔確変回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右から2番目のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される確変回数(ST回数)の値が示されている。
本実施形態では、「8ラウンド確変図柄1」又は「8ラウンド確変図柄2」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、確変回数は170回付与される。
一方、「8ラウンド通常図柄」に該当した場合、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過することは困難となっているため、確変回数は付与されない。なお、「8ラウンド確変図柄1」又は「8ラウンド確変図柄2」に該当したものの、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、確変回数は付与されない。
〔時短回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右カラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数(限度回数)の値が示されている。
本実施形態では、「8ラウンド確変図柄1」又は「8ラウンド確変図柄2」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、時短回数は170回付与される。
一方、「8ラウンド通常図柄」に該当した場合、時短回数は100回付与される。
なお、「8ラウンド確変図柄1」又は「8ラウンド確変図柄2」に該当したものの、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、時短回数は100回付与される。
〔第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図864は、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、この第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「60」,「20」,「20」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、振分値に対応する「10ラウンド確変図柄」、「6ラウンド確変図柄1」、「6ラウンド確変図柄2」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する大当り時においては、「10ラウンド確変図柄」が選択される割合は100分の60(=60%)であり、「6ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の20(=20%)であり、「6ラウンド確変図柄2」が選択される割合は100分の20(=20%)である。
今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、MODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」,「02H」,「03H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「10ラウンド確変図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔確変回数〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右から2番目のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される確変回数(ST回数)の値が示されている。
本実施形態では、「10ラウンド確変図柄」、「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、確変回数は170回付与される。なお、「10ラウンド確変図柄」、「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」に該当したものの、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、確変回数は付与されない。
〔時短回数〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右カラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数(限度回数)の値が示されている。
本実施形態では、「10ラウンド確変図柄」又は「6ラウンド確変図柄1」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、時短回数は170回付与される。
一方、「6ラウンド確変図柄2」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、時短回数は100回付与される。
なお、「10ラウンド確変図柄」、「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」に該当したものの、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、時短回数は100回付与される。
〔図861:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
本実施形態では、内部抽選の結果、大当りに該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させて大当りとする制御を行っている。そして、「大当り時変動パターン選択テーブル」には、複数種類の「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、大当りに該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。
ここで、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。また、時間短縮機能が作動している状態での当選時には、長い変動時間を有する変動パターンを選択せずに、短い変動時間を有する変動パターン(リーチ演出を行わない変動パターン)を選択してもよい。
〔大当り時変動パターン選択テーブルの例〕
図865は、大当り時変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。
この選択テーブルは、大当り時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「61」~「68」が割り当てられている。
変動パターン番号「61」~「68」は、いずれもリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応している。このうち、変動パターン番号「61」~「64」は、ストーリーリーチ後に当りとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「65」,「66」は、スーパーリーチ後に当りとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「67」,「68」は、ノーマルリーチ後に当りとなる変動パターンに対応している。なお、高確率時間短縮状態での当選時には、リーチ演出を実行せずに当りとなる変動パターンを設定してもよい。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「62」を選択する。
〔図861:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)がいずれの当選図柄であっても、遊技状態フラグとして時間短縮機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段、有利遊技状態移行手段、特別状態移行手段)。
また、ステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時特別図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお、本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では、小当り時の当選図柄は「1回開放小当り図柄」の1種類だけである。ただし、これ以外に例えば「2回開放小当り図柄」や「3回開放小当り図柄」等の別の種類が用意されていてもよい。内部抽選の結果としての「小当り」は、その後の状態が「高確率状態」や「時間短縮状態」に変化する契機とはならないため、この種のパチンコ機で必須となる「2ラウンド(2回開放)以上」の規定にとらわれることなく、「1回開放小当り図柄」を設けることができる。
ステップS2408:次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン選択手段)。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。なお、本実施形態では小当りの場合にリーチ変動パターンを選択することもできるし、はずれ通常変動時と同等の変動パターンを選択することもできる。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図859:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして、主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定するとともに、確定コマンドを生成する。ここで、「確定コマンド」とは、特別図柄が停止したことを示すコマンドである。確定コマンドは、メインループ内で実行される演出コマンド送信処理(図851中のステップS142)において演出制御装置124に送信される。
また、特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図861中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また、主制御CPU72は、停止表示時間終了コマンドを生成する。停止表示時間終了コマンドは、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図866は、特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動前処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」より大であった場合(図861中のステップS2100:Yes)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:主制御CPU72は、現在ある作動記憶の中で最も古いものが第1特別図柄に対応するものであるか否かを確認する。すなわち、RAM76の記憶エリアにアクセスし、その中で最も古い作動記憶が第1特別図柄に対応するものでなく、第2特別図柄に対応するものであれば(No)、主制御CPU72は次にステップS2212に進む。
ステップS2212:主制御CPU72は、記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第2特別図柄を指定する。この指定は、例えば対象図柄指定値として「02H」をセットすることで行われる。
ステップS2214:一方、最も古い作動記憶が第1特別図柄に対応するものであった場合(ステップS2210:Yes)、主制御CPU72は記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第1特別図柄を指定する。この場合の指定は、例えば対象図柄指定値として「01H」をセットすることで行われる。
ステップS2216:ステップS2212又はステップS2214のいずれかで指定した対象の特別図柄について、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
ステップS2218:次いで主制御CPU72は、対象の特別図柄について作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、今回の記憶エリアをシフトする対象が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(-1)する。
ステップS2220:そして、主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から「変動開始時作動記憶数」を設定する。なお、ここでは第1特別図柄と第2特別図柄の両方について、作動記憶カウンタの値を加算した上で「変動開始時作動記憶数」を設定してもよい。
ステップS2222:また、主制御CPU72は、今回の記憶エリアをシフトする対象の特別図柄が第2特別図柄であるか否かを確認する。
ステップS2224:対象が第2特別図柄であった場合(ステップS2222:Yes)、主制御CPU72は第2特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」~「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。つまり、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」~「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」~「1」(コマンド表記は「13H」~「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」~「0」(コマンド表記は「12H」~「10H」)となったことを表している。なお、先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS2226:なお、今回の対象が第1特別図柄であった場合(ステップS2222:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。この場合のコマンドは、先行値が第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BBH」)となる以外は上記と同じである。
ステップS2228:そして、主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2224又はステップS2226でセットした作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図861)に復帰する。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に図867は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして、主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図859中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、停止表示時間終了コマンドを生成する。停止表示時間終了コマンドは、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。なお、「停止表示時間終了コマンド」とは、特別図柄の停止表示時間が終了(経過)したことを示すコマンドである。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「大当り時可変入賞装置管理処理」に設定する。なお、主制御CPU72は、本処理にて各種機能を非作動に設定する処理を実行する。具体的には、確率変動機能を非作動とし、時間短縮機能を非作動とする。これにより、特別遊技(大役)が開始される前には、低確率非時間短縮状態に移行されることになる。
ステップS4400:そして、主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、大当り図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、大当り図柄の種類が「10ラウンド確変図柄」である場合、連続作動回数ステータスには「10ラウンド」に対応する値がセットされる。また、大当り図柄の種類が「8ラウンド確変図柄1,2」又は「8ラウンド通常図柄」である場合、連続作動回数ステータスには「8ラウンド」を表す値がセットされる。さらに、大当り図柄の種類が「6ラウンド確変図柄1,2」である場合、連続作動回数ステータスには「6ラウンド」を表す値がセットされる。そして、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4500:そして、主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の大当り時停止図柄決定処理(図861中のステップS2410)で決定された大当り図柄の種類(停止図柄番号)に基づいて生成することができる。例えば、大当り図柄の種類が「10ラウンド確変図柄」である場合、連続作動回数コマンドは「10ラウンド」を表す値として生成される。また、大当り図柄の種類が「8ラウンド確変図柄1,2」又は「8ラウンド通常図柄」である場合、連続作動回数コマンドは「8ラウンド」を表す値として生成される。さらに、大当り図柄の種類が「6ラウンド確変図柄1,2」である場合、連続作動回数コマンドは「6ラウンド」を表す値として生成される。生成された連続作動回数コマンドは、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして、小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして小当り時可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4606:そして、主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り中)」をセットする。また、主制御CPU72は、小当り中を表す状態コマンドを生成する。小当り中を表す状態コマンドは、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「高確率状態」や「時間短縮状態」においてそれぞれのカウンタ値がRAM76の確変カウント領域、時短カウント領域にセットされている。本実施形態では、いわゆる回数切り確変の機能を採用しているため、「高確率時間短縮状態」に移行させる場合、高確率状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば170回)に設定され、時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば170回又は100回)に設定される。また、「低確率時間短縮状態」に移行させる場合、高確率状態に関する回数切りカウンタは設定されず、時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば100回)に設定される。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、回数切りカウンタ値コマンドを生成してから、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。
ステップS4640:そして、主制御CPU72は、その減算結果が0でないか否かを判断する。減算の結果、回数切りカウンタの値が0でなかった場合(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、回数切りカウンタの値が0になった場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。本実施形態では、「6ラウンド確変図柄2以外のいずれかの確変図柄」に該当して「高確率時間短縮状態」に移行させる場合、高確率状態及び時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば170回)に設定されるため、リセットされるのは、確率変動機能作動フラグ及び時間短縮機能作動フラグである。
また、6ラウンド確変図柄2に該当して「高確率時間短縮状態」に移行させる場合、高確率状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば170回)に設定され、時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば100回)に設定される。このため、100変動目が終了した時点でリセットされるのは時間短縮機能作動フラグであり、170変動目が終了した時点でリセットされるのは確率変動機能作動フラグである(有利遊技状態移行手段、特別状態移行手段)。
さらに、「低確率時間短縮状態」に移行される場合、時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば100回)に設定されるため、リセットされるのは、時間短縮機能作動フラグだけである。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態や高確率状態が終了する。以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔表示出力管理処理〕
次に図868は、タイマ割込処理の中で実行される表示出力管理処理(図854中のステップS232)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグの値に応じてそれぞれ確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38eの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において確率変動機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は確率変動状態表示ランプ38dに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお、確率変動状態表示ランプ38dは、特別図柄に関する大当り遊技が開始されるまで、もしくは、特別図柄の変動表示が規定回数行われた後に確率変動機能がOFFにされるまで点灯しつづけ、その後非表示に(消灯)切り替えられる。一方、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38eに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。さらに、主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスに応じて発射位置指定ランプ38fの点灯を制御する。例えば、大当り遊技又は小当り遊技により第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が作動状態となる場合、主制御CPU72は発射位置指定ランプ38fに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。また、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38eに加えて、発射位置指定ランプ38fに対応するLEDに対しても点灯信号を出力する。なお、発射位置指定ランプ38fは、大当り遊技を経て「時間短縮状態」に移行する場合、大当り遊技開始から「時間短縮状態」が終了するまで点灯し、「時間短縮状態」の終了により非点灯(OFF)となる。
また、主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38b,38cの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38b,38cのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数ステータスの値で指定された大当り図柄に対応するいずれかの表示ランプ38a,38b,38cである。例えば、連続作動回数ステータスの値が「10ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「10ラウンド(10R)」を表すランプ38cに対して点灯信号を出力する。また、連続作動回数ステータスの値が「8ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「8ラウンド(8R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。さらに、連続作動回数ステータスの値が「6ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「6ラウンド(6R)」を表すランプ38aに対して点灯信号を出力する。
〔大当り時可変入賞装置管理処理〕
次に、大当り時可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図869は、大当り時可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。大当り時可変入賞装置管理処理は、大当り時遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、大当り時終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:大当り時遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200~ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして大当り時可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大当り時大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大当り時大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大当り時大入賞口開閉動作処理及び大当り時大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図870は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5204:主制御CPU72は、図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は今回の該当する当選図柄に応じて大入賞口の開放パターン(ラウンドごとの開放回数及び各開放の時間)やラウンド間のインターバル時間、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)、確変領域用ソレノイド99の作動パターンを選択する。当選図柄別の大入賞口の開放パターンや確変領域用ソレノイド99の作動パターン、ラウンド間のインターバル時間については、図860に示す大当り中の可変入賞装置の動作パターンで説明した通りである。なお、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)は基本的には10個程度であるが、極端な短時間(0.1秒程度)の開放中に入賞が発生することはほとんどない(不能ではないが極めて困難である)。
ステップS5206:主制御CPU72は、先の大当り時停止図柄決定処理(図861中のステップS2410)で選択した大当り時の当選図柄に基づき、今回の大当り遊技における実行ラウンド数を設定する。具体的には、当選図柄として「10ラウンド確変図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を10回に設定する。また、当選図柄として「8ラウンド確変図柄1,2」又は「8ラウンド通常図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を8回に設定する。さらに、当選図柄として「6ラウンド確変図柄1,2」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を6回に設定する。ここで設定した実行ラウンド数は、プログラム上で対応する値を用いて例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5208:次に主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターン及び確変領域用ソレノイド99の作動パターンに基づき、大当り時開放タイマ及び確変領域タイマ(確変領域の開放時間をカウントするタイマ)を設定する。ここで設定したタイマの値は、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開放時間や確変領域の開放時間となる。なお、大当り時開放タイマ及び確変領域タイマの値として20.0~29.0秒程度の時間が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入球や確変領域の通過が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。一方、大当り時開放タイマ及び確変領域タイマの値として0.1秒が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入球や確変領域の通過が不能ではなくとも、ほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射制御基板セット174による遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5210:そして、主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターン及び確変領域用ソレノイド99の作動パターンに基づき、大当り時インターバルタイマ及び確変領域インターバルタイマ(確変領域を一時的に閉鎖させるための待ち時間をカウントするタイマ)を設定する。ここで設定したタイマの値は、大当り中のラウンド間での待機時間又は確変領域の一時的な閉鎖時間となる。
ステップS5212:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口開閉動作処理に設定し、大当り時可変入賞装置管理処理(図869)に復帰する。
〔大当り時大入賞口開閉動作処理〕
図871は、大当り時大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5301:主制御CPU72は、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認する。具体的には、以下のステップS5314で設定する大入賞口インターバルタイマが既に動作中であるか否かを確認することにより、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認することができる。
その結果、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5314を実行する。一方、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS5302を実行する。
ステップS5302:主制御CPU72は、第1大入賞口又は第2大入賞口を開放させる。具体的には、図860に示す大当り中の可変入賞装置の動作パターンに基づいて、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。
ステップS5303:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図870中のステップS5208)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5303a:主制御CPU72は、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認する。具体的には、以下のステップS5314で設定する確変領域インターバルタイマが既に動作中であるか否かを確認することにより、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認することができる。
その結果、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5314を実行する。一方、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS5304を実行する。
ステップS5304:主制御CPU72は、確変領域開放処理を実行する。具体的には、図860に示す大当り中の可変入賞装置の動作パターンに基づいて、確変領域用ソレノイド99に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、確変領域用羽根部材31dが開放して、第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域へ遊技球を案内することができる状態となる。
ステップS5305:次に主制御CPU72は、確変領域タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図870中のステップS5208)で設定した確変領域タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5306:続いて主制御CPU72は、大入賞口開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS5307aを実行する。
ステップS5307a:続いて主制御CPU72は、確変領域開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の確変領域タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72はステップS5308を実行する。
一方、確変領域タイマの値が0以下になっている場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5307bを実行する。
ステップS5307b:確変領域閉鎖処理を実行する。具体的には、確変領域用ソレノイド99に対して印加している駆動信号の出力を停止する処理を実行する。これにより、確変領域用羽根部材31dが閉鎖して、第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域へ遊技球を案内することができない状態となる。
ステップS5308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31(開放中の第1大入賞口又は第2大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第1カウントスイッチ84又は第2カウントスイッチ85から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS5310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、開放1回(大当り中の1ラウンド)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72はステップS5301~ステップS5310の手順を繰り返し実行する。
ステップS5306で大入賞口開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。
ステップS5312:主制御CPU72は、第1大入賞口又は第2大入賞口を閉鎖させる。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が開放状態から閉鎖状態に移行する。
ステップS5313:主制御CPU72は、確変領域閉鎖処理を実行する。具体的には、確変領域用ソレノイド99に対して印加している駆動信号の出力を停止する処理を実行する。これにより、確変領域用羽根部材31dが閉鎖して、第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域へ遊技球を案内することができない状態となる。
ステップS5314:次に主制御CPU72は、インターバルタイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図870中のステップS5210)で設定した大入賞口インターバルタイマ及び確変領域インターバルタイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5315:主制御CPU72は、大入賞口インターバル時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の大入賞口インターバルタイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ大入賞口インターバルタイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理(図869)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大当り時大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5301からジャンプして直にステップS5314を実行する。一方、カウントダウン処理後の大入賞口インターバルタイマの値が0以下になったことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5318を実行する。
ステップS5318:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5320:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、本実施形態では、このような開放パターンを採用しておらず、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがって、大当り遊技中の各ラウンドでは1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
一方、1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用している場合には、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、ステップS5301~ステップS5320までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5318で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
ステップS5322:主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口閉鎖処理に設定し、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大当り時大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大当り時大入賞口閉鎖処理〕
図872は、大当り時大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大当り時大入賞口閉鎖処理は、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5402:主制御CPU72は、ラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1~15)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の1~15)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大当り時大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、大当り時遊技プロセス選択処理(図869中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大当り時大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大当り時大入賞口開閉動作処理の実行後は大当り時大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大当り時大入賞口閉鎖処理を実行し、ステップS5402~ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数(6回、8回又は10回)に達するまでの間、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を大当り時終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は大当り時終了処理が選択されることになる。
〔大当り時終了処理〕
図873は、大当り時終了処理の手順例を示すフローチャートである。この大当り時終了処理は、大当り時の第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5501:主制御CPU72は、大当り時終了時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時終了時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
ステップS5502:次に主制御CPU72は、大当り時終了時間が経過したか否かを確認する。具体的には、大当り時終了時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は大当り時終了時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して大当り時可変入賞装置管理処理(図869)に復帰する。
この後、時間の経過に伴って大当り時終了時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は大当り時終了時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS5503以降を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また、主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で内部状態としての大役終了を宣言する。なお、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値をリセットする。
ステップS5506:次に主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先のスイッチ入力イベント処理(図855中のステップS28)でセットされるものである。
ステップS5508:確率変動機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5506:Yes)、主制御CPU72は確率変動回数(例えば170回)を設定する。設定した確率変動回数の値は、例えばRAM76の確変カウンタ領域に格納されて回数切りカウンタ値となる。ここで設定した確率変動回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動(内部抽選)を高確率状態で行う上限回数となる。本実施形態では、高確率状態に実質的な上限を設けているため、高確率状態で当選の結果が得られずに低確率状態に復帰する場合もある(いわゆる回数切り確変)。なお、確率変動機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5506:No)、主制御CPU72はステップS5508を実行しない。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図861中のステップS2414)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、時間短縮機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時短回数(例えば100回又は170回)を設定する。ここで、いずれの時短回数を設定するかについては、確率変動機能作動フラグの値に左右される。すなわち、主制御CPU72は確率変動機能作動フラグの値がセットされていれば時短回数として170回を設定し(高確率時間短縮状態移行手段、有利遊技状態移行手段)、確率変動機能作動フラグの値がセットされてなければ時短回数として100回を設定する(低確率時間短縮状態移行手段、有利遊技状態移行手段)。ただし、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグの値がセットされていたとしても、当選図柄が6ラウンド確変図柄2に該当している場合には、時短回数として100回を設定する(有利遊技状態移行手段、特別状態移行手段)。設定した時短回数の値は、RAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時短回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。なお、時間短縮機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512を実行しない。
ステップS5514:そして、主制御CPU72は、各種のフラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、確率変動機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「高確率中」を表す状態指定コマンドを生成し、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS5516:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図859中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔小当り時可変入賞装置管理処理〕
次に、小当り時可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図874は、小当り時可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。小当り時可変入賞装置管理処理は、小当り時遊技プロセス選択処理(ステップS6100)、小当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS6200)、小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)、小当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS6400)、小当り時終了処理(ステップS6500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS6100:小当り時遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS6200~ステップS6500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして小当り時可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS6200)を選択する。一方、既に小当り時大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)を選択し、小当り時大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として小当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS6400)を選択する。また、設定された連続作動回数にわたって小当り時大入賞口開閉動作処理及び小当り時大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時終了処理(ステップS6500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔小当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図875は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、小当り時に第1可変入賞装置30を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS6212:主制御CPU72は、「小当り時開放パターン」を設定する。本実施形態の場合、「小当り時開放パターン」については、例えば1回目と2回目とでそれぞれ「0.1秒開放」の開放パターンが設定される。なお、「小当り」については「ラウンド」という概念がないことから、「開放パターン」についても「1回目の開放」、「2回目の開放」といった表記となる。
ステップS6214:主制御CPU72は、先のステップS6212で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大入賞口の開放回数を例えば2回に設定する。ここで設定した開放回数は、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS6216:次に主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、第1可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお、本実施形態では、小当り時開放タイマの値として0.1秒が設定されており、このような開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞がほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射装置ユニットによる遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS6218:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、小当り時に第1可変入賞装置30を複数回にわたり開閉動作させる際の1回ごとの待機時間となるが、このタイマ値は例えば2秒程度に設定される。
ステップS6220:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を小当り時大入賞口開閉動作処理に設定し、小当り時可変入賞装置管理処理(図874)に復帰する。そして、主制御CPU72は、次に小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)を実行する。
〔小当り時大入賞口開閉動作処理〕
図876は、小当り時大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、小当り時に第1可変入賞装置30の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS6301:主制御CPU72は、インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認する。具体的には、以下のステップS6314で設定するインターバルタイマが既に動作中であるか否かを確認することにより、インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認することができる。
その結果、インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS6314を実行する。一方、インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS6302を実行する。
ステップS6302:主制御CPU72は、第1大入賞口を開放させる。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第1可変入賞装置30が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。
ステップS6304:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図875中のステップS6216)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS6306:続いて主制御CPU72は、開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS6308を実行する。
ステップS6308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第1可変入賞装置30(開放中の第1大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第1カウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS6310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、開放1回(小当り時の開放1回)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は小当り時可変入賞装置管理処理(図874)に復帰する。そして、次に小当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が小当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72はステップS6301~ステップS6310の手順を繰り返し実行する。
ステップS6306で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS6310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS6312を実行する。ここで、小当り時の開放は、開放タイマの値が短時間に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS6310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS6306で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS6312:主制御CPU72は、第1大入賞口を閉鎖させる。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、第1可変入賞装置30が開放状態から閉鎖状態に復帰する。
ステップS6314:次に主制御CPU72は、インターバルタイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図875中のステップS6218)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。
ステップS6315:主制御CPU72は、インターバル時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後のインターバルタイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だインターバルタイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は小当り時可変入賞装置管理処理(図874)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで小当り時大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS6301からジャンプして直にステップS6314を実行する。一方、カウントダウン処理後のインターバルタイマの値が0以下になったことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS6316を実行する。
ステップS6316:主制御CPU72は次のジャンプ先を小当り時大入賞口閉鎖処理に設定し、小当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に小当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に小当り時大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔小当り時大入賞口閉鎖処理〕
図877は、小当り時大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この小当り時大入賞口閉鎖処理は、第1可変入賞装置30の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS6412:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS6414:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の大入賞口開放パターン設定処理(図875中のステップS6214)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS6416を実行する。
ステップS6416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を小当り時大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS6430:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、小当り時可変入賞装置管理処理(図874)に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、小当り時遊技プロセス選択処理(図874中のステップS6100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である小当り時大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、小当り時大入賞口開閉動作処理の実行後に、主制御CPU72は再び小当り時大入賞口閉鎖処理を実行し、実際の開放回数が設定した開放回数(2回)に達するまでの間、第1可変入賞装置30の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS6414:Yes)、主制御CPU72は次にステップS6418を実行する。
ステップS6418,ステップS6420:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を小当り時終了処理に設定する。
ステップS6430:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、小当り時可変入賞装置管理処理(図874)に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は小当り時終了処理が選択されることになる。
〔小当り時終了処理〕
図878は、小当り時終了処理の手順例を示すフローチャートである。この小当り時終了処理は、小当り時の第1可変入賞装置30の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS6502:主制御CPU72は、小当り時終了時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時終了時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
ステップS6504:次に主制御CPU72は、小当り時終了時間が経過したか否かを確認する。具体的には、小当り時終了時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は小当り時終了時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して小当り時可変入賞装置管理処理(図874)に復帰する。
この後、時間の経過に伴って小当り時終了時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は小当り時終了時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS6506以降を実行する。
ステップS6506,ステップS6508:主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また、内部状態フラグから「小当り中」を消去して小当り遊技を終了させる。なお、小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS6510:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を小当り時大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS6512:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図859中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は小当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔不正等に関するエラー処理内容〕
図879~図883は、不正等に関するエラー処理内容の詳細について説明する図である。
本実施形態のパチンコ機1は、主制御装置70又は演出制御装置124によって、これらの図に記載された内容のエラー処理を実行する。なお、記載されたエラー処理の内容は、対応機種によっては実行されない内容もあり、処理によってはエラーではない処理も存在している。
まず、図中の上段の「優先順位」は、エラーを報知する際の優先度を示している。例えば、優先順位が1番の「設定変更」と、優先順位が2番の「メイン基板異常エラー」が同時に発生した場合、優先順位が高い設定変更の報知処理(ランプ点灯、音声報知、液晶報知)が実行される。ただし、報知処理以外の処理(例えばコマンド送信等の処理)は、優先順位に関わらず並行して実行することもできる。優先順位は、遊技の進行に影響を与える可能性が高いものに優先度の高い順番が振り当てられている。
「エラー名称」は、エラーの名前を示している。「ガラス枠上エラー報知LED」は、ガラス枠トップランプ46のLEDが該当する。なお、ガラス枠トップランプ46に複数のLEDが配置されている場合は、最も左上の1個のLEDとすることができる。
「ガラス枠装飾LED」は、ガラス枠トップランプ46のLED、左側のガラス枠装飾ランプ48のLED、右側のガラス枠装飾ランプ50のLED、左右のガラス枠装飾ランプ52のLEDが該当する。「G盤装飾LED」は、盤面ランプ53のLEDが該当する。
「音声報知」は、スピーカ54,55,56から出力される音声や警告音の内容を表している。「液晶報知」は、液晶表示器42に表示される文字情報等の内容を表している。
「エラー管理」は、いずれの制御装置(主制御装置又は演出制御装置)がエラーを管理するのかを示している。ただし、両方の制御装置でエラーを管理してもよい。
「エラー発生条件」は、どのような条件を満たした場合にそのエラーが発生したものとするかについての要件を表している。
「エラー解除条件」は、どのような条件を満たした場合に発生しているエラーが解除されるのかについての要件を表している。
「外部情報」は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて送信する信号の内容を表している。以下、優先順位の高い順に各エラーの内容を具体的に説明する。
〔設定変更〕
優先順位:1
ガラス枠左上エラー報知LED:青点灯
ガラス枠装飾LED:フルカラー部赤点灯(単色カラー部は点灯しない)
G盤装飾LED:全消灯
音声報知:警告音弱、及び、「設定変更中です」
液晶報知:「設定変更中です」
エラー管理:主制御装置
エラー発生条件:設定変更時(設定変更中)
エラー解除条件:設定変更終了時
外部情報:設定変更中出力(最低0.128秒出力)
備考:設定変更終了後はRAMクリア報知を規定時間(31秒間)実施する。その他エラー複合時はRAMクリア報知後に優先度に準じて報知する。
〔メイン基板異常エラー〕
優先順位:2
ガラス枠左上エラー報知LED:青点灯
ガラス枠装飾LED:フルカラー部赤点灯
G盤装飾LED:全消灯
音声報知:警告音弱、及び、「メイン基板異常エラーです」
液晶報知:「メイン基板異常エラーです 係員を呼んでください」
エラー管理:主制御装置
エラー発生条件:RAM(RWM)異常時、設定値異常時
エラー解除条件:設定変更かつRAM・設定値が正常復帰時
外部情報:エラー検知中出力
備考:エラー解除には設定変更が必要となる。
〔バックアップ異常エラー〕
優先順位:3
ガラス枠左上エラー報知LED:青点灯
ガラス枠装飾LED:フルカラー部赤点灯
G盤装飾LED:全消灯
音声報知:警告音弱、及び、「バックアップ異常エラーです」
液晶報知:「バックアップ異常エラーです 係員を呼んでください」
エラー管理:主制御装置
エラー発生条件:バックアップ異常エラー時
エラー解除条件:設定変更かつRAM・設定値が正常復帰時
外部情報:エラー検知中出力
備考:エラー解除には設定変更が必要となる。
〔RAMクリア〕
優先順位:4
ガラス枠左上エラー報知LED:青点灯
ガラス枠装飾LED:フルカラー部赤点灯
G盤装飾LED:全消灯
音声報知:「メモリをクリアしました」(機種に依存した音声とすることができる)
液晶報知:「無し」(デフォルト画面(通常遊技画面)の表示)
エラー管理:主制御装置
エラー発生条件:RAMクリア時
エラー解除条件:エラー発生から31秒間経過後
外部情報:0.128秒間出力(0.128秒間にわたりセキュリティ信号を出力する)
備考:無し
〔設定確認〕
優先順位:5
ガラス枠左上エラー報知LED:青点灯
ガラス枠装飾LED:フルカラー部赤点灯
G盤装飾LED:全消灯
音声報知:警告音弱、及び、「設定確認中です」
液晶報知:「設定確認中です」
エラー管理:主制御装置
エラー発生条件:設定確認時(設定確認中)
エラー解除条件:(1)設定確認終了、(2)設定確認開始から31秒以上が経過の条件のうち(1)及び(2)を満たした場合
外部情報:設定確認中出力(最低0.128秒出力)
備考:設定確認終了時に31秒経過していない場合は、液晶のみ復帰し音声・ランプは報知を継続する。設定確認終了後は電断復帰報知を実施する。その他エラー複合時は優先度に準じて報知する。
〔不正入賞エラー〕
優先順位:6
ガラス枠左上エラー報知LED:青点灯
ガラス枠装飾LED:フルカラー部赤点灯
G盤装飾LED:全消灯
音声報知:警告音及び「不正入賞を検出しました」
液晶報知:「不正入賞を検出しました」
エラー管理:主制御装置
エラー発生条件:(A)特別電動役物(第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31)の動作時以外に大入賞口に遊技球が5個以上入賞した場合、又は、(B)普通電動役物(可変始動入賞装置28)の当り動作以外に普通電動役物(右始動入賞口28a)に遊技球が5個以上入賞した場合
エラー解除条件:エラー発生から60秒間経過後
外部情報:0.128秒間出力
備考:上記の各条件数値設定は、機種に合わせて設定することができる。8個保留機種(少なくとも低確率非時間短縮状態で第1特別図柄の記憶と第2特別図柄の記憶とが交互に最大数まで貯まる可能性がある機種)では、上記(B)の普通電動役物不正入賞エラーは未使用とする。
〔入賞頻度異常エラー〕
優先順位:7
ガラス枠左上エラー報知LED:青点灯
ガラス枠装飾LED:フルカラー部赤点灯
G盤装飾LED:全消灯
音声報知:警告音及び「入賞頻度異常を検出しました」
液晶報知:「入賞頻度異常を検出しました 係員を呼んでください」
エラー管理:演出制御装置
エラー発生条件:60秒間で各入賞口に規定個数以上の遊技球の入球を検出
エラー解除条件:エラー発生から60秒間経過後
外部情報:無し
備考:液晶報知は、エラーが発生した入賞口を特定可能な表示とすることができる。
〔大入賞口過剰入賞エラー〕
優先順位:8
ガラス枠左上エラー報知LED:青点灯
ガラス枠装飾LED:フルカラー部赤点灯
G盤装飾LED:全消灯
音声報知:警告音及び「過剰入賞を検出しました」
液晶報知:「過剰入賞を検出しました」
エラー管理:演出制御装置
エラー発生条件:1回の大役中(大当り遊技中)に1ラウンドで「規定入賞数+規定数」個以上の入賞が2回発生した場合
エラー解除条件:エラー発生から60秒間経過後
外部情報:無し
備考:無し
〔電波エラー〕
優先順位:9
ガラス枠左上エラー報知LED:青点灯
ガラス枠装飾LED:フルカラー部赤点灯
G盤装飾LED:全消灯
音声報知:警告音及び「電波を検出しました」
液晶報知:「電波を検出しました 係員を呼んで下さい」
エラー管理:主制御装置
エラー発生条件:電波検出時又は電波センサ断線検出時
エラー解除条件:電波エラー解除後60秒間経過後
外部情報:エラー検出中出力(最低0.128秒出力)
備考:液晶報知は、電波エラーが発生した箇所を特定可能な表示とすることができる。エラー解除後60秒間はエラー報知を継続する。
〔磁気エラー〕
優先順位:10
ガラス枠左上エラー報知LED:青点灯
ガラス枠装飾LED:フルカラー部赤点灯
G盤装飾LED:全消灯
音声報知:警告音及び「磁石を検出しました」
液晶報知:「磁石を検出しました 係員を呼んでください」
エラー管理:主制御装置
エラー発生条件:磁気検出時又は磁気センサ断線検出時
エラー解除条件:電源断まで
外部情報:エラー検知中出力
備考:液晶報知は、磁気エラーが発生した箇所を特定可能な表示とすることができる。
〔確変領域異常通過エラー〕
優先順位:11
ガラス枠左上エラー報知LED:青点灯
ガラス枠装飾LED:フルカラー部赤点灯
G盤装飾LED:全消灯
音声報知:無し
エラー管理:主制御装置
液晶報知:「確変領域異常通過を検出しました 係員を呼んでください」
エラー発生条件:確変領域のある大入賞口のショート開放ラウンド中に確変領域への遊技球の通過を検知した場合
エラー解除条件:電源断まで
外部情報:エラー検知中出力
備考:確変領域を搭載しない機種では未使用
〔大入賞口入出球不一致エラー〕
優先順位:12
ガラス枠左上エラー報知LED:青点灯
ガラス枠装飾LED:フルカラー部赤点灯
G盤装飾LED:全消灯
音声報知:警告音及び「入出球不一致を検出しました」
液晶報知:「大入賞口入出球不一致を検出しました」
エラー管理:演出制御装置
エラー発生条件:確変領域のある大入賞口の入賞球と排出球(確変領域スイッチ95a(特定領域である場合は特定領域スイッチ)、及び、排出口スイッチの通過球数)が一致しない場合。第2可変入賞装置31の内部には、排出領域を遊技球が通過したことを検出するための排出口スイッチを設置することができる。
エラー解除条件:エラー発生から60秒間経過後
外部情報:無し
備考:確変領域又は特定領域を搭載しない機種では未使用
〔大入賞口異常排出エラー〕
優先順位:13
ガラス枠左上エラー報知LED:青点灯
ガラス枠装飾LED:フルカラー部赤点灯
G盤装飾LED:全消灯
音声報知:警告音+「異常排出を検出しました」
液晶報知:「大入賞口異常排出を検出しました」
エラー管理:演出制御装置
エラー発生条件:確変領域又は特定領域のある大入賞口に入賞していないにもかかわらず確変領域若しくは特定領域又は排出口への遊技球の通過を検知した場合
エラー解除条件:エラー発生から60秒間経過後
外部情報:無し
備考:確変領域又は特定領域を搭載しない機種では未使用
〔振動エラー〕
優先順位:14
ガラス枠左上エラー報知LED:青点灯
ガラス枠装飾LED:フルカラー部赤点灯
G盤装飾LED:全消灯
音声報知:警告音及び「振動を検出しました」
液晶報知:「振動を検出しました」
エラー管理:主制御装置
エラー発生条件:振動エラー発生時
エラー解除条件:エラー発生から60秒間経過後
外部情報:0.128秒間出力
備考:振動センサを搭載しない機種では未使用である。特別電動役物作動中のみ検出する。扉閉鎖後一定時間(5秒)に検出した場合は音声報知しない。
〔始動口異常入賞エラー〕
優先順位:15
ガラス枠左上エラー報知LED:青点灯
ガラス枠装飾LED:フルカラー部赤点灯
G盤装飾LED:全消灯
音声報知:「始動口異常入賞を検出しました」
液晶報知:「始動口異常入賞を検出しました」
エラー管理:主制御装置
エラー発生条件:始動口異常発生時(同一始動口への連続入賞数5個以上)
エラー解除条件:エラー発生から60秒間経過後
外部情報:0.128秒間出力
備考:8個保留機種ではない機種には未使用
〔扉開放エラー〕
優先順位:16
ガラス枠左上エラー報知LED:青点灯
ガラス枠装飾LED:フルカラー部赤点灯
G盤装飾LED:全消灯
音声報知:警告音及び「扉が開いています」(扉開放後、約15秒間必ず報知する)
液晶報知:「扉が開いています」
エラー管理:主制御装置
エラー発生条件:扉開放時
エラー解除条件:扉閉鎖時
外部情報:扉開放中出力
備考:扉閉鎖後、30秒間は扉開放エラーLED報知パターンを保持する。
〔スイッチエラー〕
優先順位:17
ガラス枠左上エラー報知LED:青点灯
ガラス枠装飾LED:フルカラー部赤点灯
G盤装飾LED:全消灯
音声報知:警告音及び「スイッチエラーです」
液晶報知:「スイッチエラー 係員を呼んでください」
エラー管理:主制御装置
エラー発生条件:盤面近接スイッチエラー発生時又はアウトスイッチエラー発生時
エラー解除条件:盤面近接スイッチエラー解除時又はアウトスイッチエラー解除時
外部情報:エラー検出中出力
備考:エラー要因(盤面近接スイッチ又はアウトスイッチ)を切り分ける場合は、アウト口に遊技球を10個入れ外部情報(アウト)の点灯有無で判断することができる(外部情報点灯時:盤面近接スイッチのエラー、外部情報非点灯時:アウトスイッチのエラー)。
〔ベース異常エラー〕
優先順位:18
ガラス枠左上エラー報知LED:青点灯
ガラス枠装飾LED:フルカラー部赤点灯
G盤装飾LED:全消灯
音声報知:警告音及び「ベース異常を検出しました」
液晶報知:「ベース異常を検出しました」
エラー管理:演出制御装置
エラー発生条件:大当り中を除く各遊技状態でアウトスイッチ100個間の賞球数が規定数を越えた場合
エラー解除条件:エラー発生から60秒間経過後
外部情報:無し
備考:無し
〔可動体エラー〕
優先順位:19
ガラス枠左上エラー報知LED:青点灯
ガラス枠装飾LED:フルカラー部赤点灯
G盤装飾LED:全消灯
音声報知:警告音及び「可動体エラーです」
液晶報知:「可動体エラー 係員を呼んでください」
エラー管理:主制御装置
エラー発生条件:主制御可動体エラー発生時
エラー解除条件:主制御可動体エラー解除時
外部情報:エラー検知中出力
備考:液晶報知は、エラーが発生した可動体を特定可能な表示とすることができる。
〔不正遊技警告「強」〕
優先順位:20
ガラス枠左上エラー報知LED:青点灯
ガラス枠装飾LED:フルカラー部赤点灯
G盤装飾LED:全消灯
音声報知:警告音及び「左打ちに戻してください」(機種に依存した音声とすることができる)
液晶報知:「左打ちに戻してください」
エラー管理:演出制御装置
エラー発生条件:電断復帰若しくは大当り終了後から左打ち状態指定中に始動口2(第2特別図柄に対応する始動口)に規定数の遊技球が入賞した場合(オーバー入賞含む、右打ち大当り遊技終了後3変動は除く等の機種固有追加条件有り)
エラー解除条件:警告音及び音声3回繰り返し又は右打ち状態指定発生まで
外部情報:無し
備考:無し
〔不正遊技警告「弱」〕
優先順位:21
ガラス枠左上エラー報知LED:無し(消灯)
ガラス枠装飾LED:通常の遊技通り(演出内容に応じた点灯)
G盤装飾LED:通常の遊技通り
音声報知:「左打ちに戻してください」(機種に依存した音声とすることができる)
液晶報知:「左打ちに戻してください」
エラー管理:演出制御装置
エラー発生条件:左打ち状態指定中に始動口2に規定数の遊技球が入賞した場合(右打ち大当り遊技終了後3変動は除く等の機種固有追加条件有り)
エラー解除条件:音声3回繰り返し又は右打ち状態指定発生まで
外部情報:無し
備考:無し
〔満タンエラー〕
優先順位:22
ガラス枠左上エラー報知LED:青点灯
ガラス枠装飾LED:通常の遊技通り
G盤装飾LED:通常の遊技通り
音声報知:「球を抜いてください」(機種に依存した音声とすることができる)
液晶報知:「球を抜いてください」
エラー管理:主制御装置
エラー発生条件:満タンエラー発生時
エラー解除条件:満タンエラー解除時
外部情報:無し
備考:音声報知は、エラー発生後30秒後から開始することができる。
〔確変領域未通過エラー〕
優先順位:14
ガラス枠左上エラー報知LED:青点灯
ガラス枠装飾LED:フルカラー部緑点灯
G盤装飾LED:通常の遊技通り
音声報知:無し
液晶報知:無し
エラー管理:演出制御装置
エラー発生条件:確変領域のある大入賞口のロング開放ラウンド中に確変領域への遊技球の通過を検知しなかった場合
エラー解除条件:次の条件装置作動又は電源断まで
外部情報:無し
備考:確変領域を搭載しない機種では未使用
〔電断復帰〕
優先順位:24
ガラス枠左上エラー報知LED:青点灯
ガラス枠装飾LED:フルカラー部青点灯
G盤装飾LED:全消灯
音声報知:無し
液晶報知:無し(デフォルト画面の表示)
エラー管理:主制御装置
エラー発生条件:電断復帰時
エラー解除条件:演出用可動体のイニシャル動作完了時
外部情報:無し
備考:演出用可動体のイニシャル動作時間は機種によって異なる。
〔演出可動体モータエラー〕
優先順位:25
ガラス枠左上エラー報知LED:盤面(遊技盤ユニット)にある可動体にエラーが発生している場合は青点灯とし、遊技機枠にある可動体にエラーが発生している場合は緑点灯とし、両方の可動体にエラーが発生している場合は黄色点灯とする。
ガラス枠装飾LED:通常の遊技通り
G盤装飾LED:通常の遊技通り
音声報知:無し
液晶報知:無し
エラー管理:演出制御装置
エラー発生条件:演出用可動体エラー発生時
エラー解除条件:電源断まで
外部情報:無し
備考:無し
〔払出に関するエラー処理内容〕
図884は、払出等に関するエラー処理内容の詳細について説明する図である。
本実施形態のパチンコ機1は、主制御装置70又は演出制御装置124によって、本図に記載された内容のエラー処理を実行する。なお、記載されたエラー処理の内容は、対応機種によっては実行されない内容もある。また、図中の上段の項目は、図879等の項目と同様である。以下、優先順位の高い順に各エラーの内容を具体的に説明する。
〔球詰まりエラー〕
優先順位:1
ガラス枠左上エラー報知LED:赤点灯
ガラス枠装飾LED:通常の遊技通り
G盤装飾LED:通常の遊技通り
音声報知:無し
液晶報知:無し
エラー管理:主制御装置
エラー発生条件:払出検知スイッチが50ms連続オン検知
エラー解除条件:払出検知スイッチが50ms連続オフ検知
外部情報:無し
備考:無し
〔払出計数スイッチエラー〕
優先順位:2
ガラス枠左上エラー報知LED:高速赤点滅(100ms周期)
ガラス枠装飾LED:通常の遊技通り
G盤装飾LED:通常の遊技通り
音声報知:無し
液晶報知:無し
エラー管理:主制御装置
エラー発生条件:払出計数スイッチからの払出計数スイッチエラー信号が300ms連続でオン検知
エラー解除条件:払出計数スイッチからの払出計数スイッチエラー信号が300ms連続でオフ検知
外部情報:無し
備考:無し
〔払出中エラー〕
優先順位:3
ガラス枠左上エラー報知LED:低速赤点滅(500ms周期)
ガラス枠装飾LED:通常の遊技通り
G盤装飾LED:通常の遊技通り
音声報知:無し
液晶報知:無し
エラー管理:主制御装置
エラー発生条件:払出動作後に払出個数が足りなかった場合や、払出動作中に球詰まりエラー、排出検知スイッチエラーが発生した場合
エラー解除条件:20秒経過及び払出検知スイッチ信号がオフの状態で、再払出時に払出検知スイッチが1球以上の遊技球を検出
外部情報:無し
備考:球詰まりエラーや払出検知スイッチエラーと重複する場合もある。
〔過剰賞球エラー〕
優先順位:4
ガラス枠左上エラー報知LED:低速交互赤緑点滅(500ms周期)
ガラス枠装飾LED:通常の遊技通り
G盤装飾LED:通常の遊技通り
音声報知:無し
液晶報知:無し
エラー管理:主制御装置
エラー発生条件:過剰賞球カウントが10に達した場合(払出無し時の払出検知スイッチオンエッジ回数により判定する)
エラー解除条件:初期起動コマンド受信時RAMクリア時
外部情報:無し
備考:復電起動(RAMクリアを伴わない電源再投入)や復電起動コマンドではエラー解除されない。
このように、図879~図883の不正等に関するエラー処理内容では、ガラス枠トップランプ46のLEDは基本的に青色で点灯し、図884の払出に関するエラー処理内容では、ガラス枠トップランプ46のLEDは赤色等で点灯、点滅するため、どのようなエラー種別が発生したのかを一見して分かりやすいランプ報知演出を実行することができる。
また、図879~図883の不正等に関するエラー処理内容と、図884の払出に関するエラー処理内容とが同時に発生した場合の優先順位は、いずれか一方の処理の方を高くすることができる。例えば、払出に関するエラー処理内容の方を高くした場合、不正等に関するエラー処理内容の優先順位が1番の設定変更が発生していても、払出に関するエラー処理内容の優先順位が4番の過剰賞球エラーが同時に発生した場合には、過剰賞球エラーに関するエラー報知演出が優先して実行される。
そして、このようなエラー処理は、例えば、主制御装置70側では、セキュリティ管理処理やその他の処理の中で実行され、演出制御装置124側では、後述するエラー演出管理処理やその他の処理の中で実行される。
〔ゲームフロー(その1)〕
図885は、通常モードにて「8ラウンド通常図柄」又は「8ラウンド確変図柄1,2」に該当した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
パチンコ機1で遊技を開始する場合、〔F1〕通常モードから遊技が開始される。「通常モード」は、特別図柄の当選確率は「低確率状態」であり、かつ、普通図柄の当選確率は「低確率状態」である。このように、〔F1〕通常モードは、「低確率非時間短縮状態」となるので、中始動入賞口26に遊技球を入球させることにより、第1特別図柄が変動を開始して遊技が進行していく。
〔F1〕通常モードにて、〔F2〕「8ラウンド通常図柄」の大当りに当選すると、〔F3〕8ラウンド大当り遊技(バトルボーナス)が実行され、〔F4〕大役中演出のバトルで敗北して、〔F5〕海岸モードに移行する。
〔F5〕海岸モードは、低確率時間短縮状態である。〔F5〕海岸モードにて、当選の結果が得られずに〔F6〕特別図柄が100回変動すると、〔F1〕通常モードに移行する。
〔F1〕通常モードにて、〔F7〕「8ラウンド確変図柄1,2」の大当りに当選すると、〔F3〕8ラウンド大当り遊技(バトルボーナス)が実行され、〔F8〕大役中演出のバトルで勝利する。
そして、〔F9〕大当り遊技の6ラウンド目で遊技球が確変領域を通過した場合(V入賞した場合)、〔F10〕V入賞が発生したことを示す演出が実行され、〔F11〕花火ラッシュに移行する。
〔F11〕花火ラッシュは、高確率時間短縮状態である。〔F11〕花火ラッシュにて、当選の結果が得られずに〔F12〕特別図柄が170回変動すると、〔F1〕通常モードに移行する。
一方、〔F13〕「8ラウンド確変図柄1,2」に該当したものの、大当り遊技の6ラウンド目で遊技球が確変領域を通過しなかった場合(V入賞しなかった場合)、〔F10〕V入賞が発生しなかったことを示す演出が実行され、〔F5〕海岸モードに移行する。
〔ゲームフロー(その2)〕
図886は、花火ラッシュ又は海岸モードにて「10ラウンド確変図柄」又は「6ラウンド確変図柄1,2」に該当した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F5〕海岸モード又は〔F11〕花火ラッシュにて〔G1〕「10ラウンド確変図柄」の大当りに当選すると、〔G2〕10ラウンド大当り遊技(スペシャルボーナス)が実行される。
そして、〔G3〕大当り遊技の6ラウンド目で遊技球が確変領域を通過した場合(V入賞した場合)、〔G4〕V入賞が発生したことを示す演出が実行され、大当り遊技の終了後に〔F11〕花火ラッシュに移行する。
一方、〔G5〕「10ラウンド確変図柄」に該当したものの、大当り遊技の6ラウンド目で遊技球が確変領域を通過しなかった場合(V入賞しなかった場合)、〔G6〕V入賞が発生しなかったことを示す演出が実行され、大当り遊技の終了後に〔F5〕海岸モードに移行する。
〔F5〕海岸モード又は〔F11〕花火ラッシュにて〔G10〕「6ラウンド確変図柄1,2」の大当りに当選すると、〔G11〕6ラウンド大当り遊技(ノーマルボーナス演出)が実行される。
そして、〔G12〕大当り遊技の6ラウンド目で遊技球が確変領域を通過した場合(V入賞した場合)、〔G13〕V入賞が発生したことを示す演出が実行され、大当り遊技の終了後に〔F11〕花火ラッシュに移行する。
一方、〔G14〕「6ラウンド確変図柄1,2」に該当したものの、大当り遊技の6ラウンド目で遊技球が確変領域を通過しなかった場合(V入賞しなかった場合)、〔G15〕V入賞が発生しなかったことを示す演出が実行され、その後〔F5〕海岸モードに移行する。なお、特に図示していないが「6ラウンド確変図柄2」に該当し、花火ラッシュに移行して100変動が経過すると、通常モードに移行するが、内部的には高確率非時間短縮状態となっている。
なお、以上のゲームフローに関しては、代表的なゲームフローの一例を示したものであり遊技の流れをすべて網羅しているものではない。
〔演出画像の例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像について、いくつかの例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)を決定し、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。そこでパチンコ機1では、演出図柄を用いた変動表示演出が行われている。
演出図柄には、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される(図838参照)。各演出図柄は、例えば数字の「1」~「9」とともにキャラクターが付された絵札をデザインしたものとなっている。ここで、左演出図柄、中演出図柄、及び右演出図柄は、いずれも数字が「9」~「1」の降順に並んだ図柄列を構成している。このような図柄列は、画面上の左領域・中領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
図887は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(結果表示演出)の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄とするが、第2特別図柄でもよい。)が変動表示を開始してから、停止表示するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔変動表示前〕
図887中(A):例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の画面内には3本の演出図柄の列が大きく表示されている。このとき第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄も停止表示された状態にある。
〔記憶表示演出〕
また、液晶表示器42の画面下部の変動前表示領域X1には、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数を表すマーカ(図中に参照符号M1,M2を付す)が表示されている。これらマーカM1,M2は、それぞれの表示個数が第1特別図柄、第2特別図柄の作動記憶数(第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示数)を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。
また、マーカM1,M2は、視覚的な判別を容易にするため第1特別図柄に対応するマーカM1が例えば円(○)の図形で表示され、第2特別図柄に対応するマーカM2が例えばハートの図形で表示されている。図示の例では、マーカM1が4つとも点灯表示されることで第1特別図柄の作動記憶数が4個であることを表し、マーカM2が全て非表示(破線で示す)となっていることで第2特別図柄の作動記憶数が0個であることを表している(記憶表示演出)。
また、演出図柄の変動表示中、例えば液晶表示器42の画面右上には第4図柄(図中に参照符号Z1,Z2を付す)が表示されている。この第4図柄Z1,Z2は、左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお、第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。第4図柄Z1は、第1特別図柄に対応しており、第4図柄Z2は、第2特別図柄に対応している。
また、第4図柄Z1,Z2については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が「6ラウンド大当り」や「8ラウンド大当り」、「10ラウンド大当り」であれば、それらに対応する態様(例えば青表示色や赤表示色等)で第4図柄Z1,Z2は停止表示される。
〔変動表示演出開始〕
図887中(B):例えば第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される(図柄演出実行手段)。すなわち、第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面内で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールする(流れる)ようにして変動表示演出が開始される。また、マーカM1,M2は、変動開始前は、液晶表示器42の下方部分における帯状部分の変動前表示領域X1に表示されているが、変動開始後は、液晶表示器42の左下部分に表示されている台座画像による変動中表示領域X2に移動して、特別図柄(演出図柄)の変動が停止表示されるまで表示され続ける(記憶画像表示維持演出)。なお、図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。また、変動表示中、個々の演出図柄が透けた状態で表示(透過表示)されることにより、このとき表示画面内には演出図柄の背景となる画像(背景画像)が視認しやすい状態で表示されている。
この場合の背景画像は、例えば浴衣を着こなした女性キャラクターが長椅子に腰掛け、夕涼みでもするかのようにリラックスしている風景を表現したものである。このような背景画像は、演出上での滞在モードが例えば「通常モード」であることを表現している。本実施形態において「通常モード」は、時間短縮機能が非作動であり、また、確率変動機能も非作動である通常状態に対応するものとする。この他にも演出上で各種のモードが設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている(状態表示演出実行手段)。これらモードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものであったり、「高確率状態」に対応するものであったりする。ここでは特に図示していないが、この後、例えば表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
また、演出図柄の変動表示中、液晶表示器42の画面右上では第4図柄Z1が変動表示されており、第4図柄Z1は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
〔左図柄停止〕
図887中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の左側位置に数字の「8」を表す演出図柄が停止したことを表している。なお、ここでは背景画像の図示を省略している(これ以降も同様)。
〔作動記憶数減少時の演出例〕
ここで、先の図887中(B)に示されているように、変動開始に伴って第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動してマーカM1の表示個数が1個分減少されている。例えば、それまでに作動記憶数が4個あったとすると、マーカM1において最も以前(古い)の記憶数表示が1個だけ変動中表示領域X2に移動され、内部抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、第1特別図柄に関して作動記憶数が消費されたということを演出上でも遊技者に教示することができる。
そして、図887中(C)の例においては、記憶順で先頭にあったマーカM1が変動中表示領域X2に移動することにより、変動前表示領域X1での表示が残り3個になったため、画面上に残った3つのマーカM1がそれぞれ1個分ずつ一方向(ここでは左方向)へずれていく演出が行われている。これにより、作動記憶数の変化の前後関係を正確に演出上で表現するとともに、遊技者に対して「作動記憶が消費されて1つ減った」ということや「作動記憶が消費されて特別図柄が変動中である」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
〔右演出図柄停止〕
図887中(D):左演出図柄に続いて、その後に右演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中側位置に数字の「3」を表す演出図柄が停止したことを表している。この時点で既にリーチ状態が発生しないことは確定しているので、今回の変動が非リーチ(通常)変動であるということが見た目上でほとんど明らかとなっている。なお、ここではすべりパターン等によるリーチ変動を除くものとする。「すべりパターン」とは、例えば一旦は数字の「7」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するというものである。あるいは、一旦は数字の「9」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が逆向きに1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するパターンもある。また、その他にも例えば「5」等の全くかけ離れた数字を表す演出図柄が一旦停止した後、画面上にキャラクターが出現して右演出図柄列を再変動させると、数字の「8」を表す演出図柄が停止してリーチに発展するといったパターンもある。
〔停止表示演出〕
図887中(E):第1特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面の中段位置に数字の「1」を表す演出図柄が停止したことを表しており、この場合、演出図柄の組み合わせは「8」-「1」-「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
また、停止表示演出が行われると、変動中表示領域X2に移動して表示を継続していたマーカM1も非表示となる。したがって、遊技者に対して「特別図柄の変動が終了した」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
以上は、1回の変動ごとに演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
また、上述した例は非当選時についてのものであるが、大当り(当選)時には変動表示演出中にリーチ演出が実行された後、停止表示演出において演出図柄が大当りの態様で停止表示される。このとき演出図柄の停止表示態様は、基本的には主制御CPU72によって内部的に選択された当選図柄(第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の停止表示態様)に対応させて選択される。
〔大当り時の演出例〕
次に、大当り(当選)時の演出例を説明する。
図888は、特別図柄の変動表示中に実行されるスーパーリーチ演出の流れを示す連続図である。スーパーリーチ演出は、中程度の変動時間(例えば50~100秒)が選択された変動表示に伴い実行されるリーチ演出である。
なお、ここでは大当り時に実行されるスーパーリーチ演出の流れを説明するが、スーパーリーチ演出は大当り時だけでなくはずれ時においても割合は比較的低いが実行される。また、ここではリーチ演出の他に、変動表示演出や停止表示演出及び予告演出が含まれるものとする。その他にも、変動表示演出中に実行される予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出)の一例を説明する。
以下のリーチ演出は、例えば第1特別図柄表示装置34において大当り時の変動パターンによる変動表示が行われた後、第1特別図柄が大当りの態様(例えば7セグメントLEDの「己」,「ヨ」,「口」,「巳」,「F」,「E」,「L」,「Γ」等)で停止表示されるまでに実行される(リーチ演出実行手段)。なお、図888中、各演出図柄を数字のみに簡略化して示している。また、マーカM1,M2、第4図柄Z1,Z2、変動前表示領域X1及び変動中表示領域X2については図示を省略している(以下の図面でも同様)。以下、演出の流れに沿って説明する。
〔変動表示演出〕
図888中(A):例えば、第1特別図柄の変動開始に略同期して、液晶表示器42の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向(例えば上から下)にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。
〔リーチ発生前予告演出(1段階目)〕
図888中(B):次に、変動表示演出の比較的初期において、キャラクターの絵柄画像(絵札)を用いた1段階目のリーチ発生前予告演出が行われる。このリーチ発生前予告演出は、予め定められた順序にしたがって1段階目から複数段階目(例えば2~5段階目)まで、段階的に態様の変化が進行していく予告演出である。このリーチ発生前予告演出で用いられる絵柄画像は、画面上で変動表示されている演出図柄の手前に位置し、例えば画面の左端からひょっこりと出現するようにして表示される(その他の出現の態様でもよい。)。なお、ここでいう「リーチ発生前予告」とは、いずれかの演出図柄が停止表示される前にリーチの可能性や大当りの可能性を予告するという意味である。このような「リーチ発生前予告演出」を実行することで、遊技者に対して「リーチに発展するかも知れない=大当りの可能性が高まる」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ発生前予告演出(2段階目)〕
図888中(C):リーチ発生前予告演出の1段階目の態様が実行された後、続いてリーチ発生前予告演出の態様の変化が2段階目に進行する。ここでは2段階目のリーチ発生前予告演出として、先とは違うキャラクターの絵柄画像を用いた演出が行われている。具体的には、画面の右端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像の前面に重なって表示される。また、このとき表示される絵柄画像は、先に表示されていた絵柄画像よりもサイズが大きい。そして、絵柄画像で表現されたキャラクターが台詞(例えば「リーチになるよ」等)を発するという、音響出力による演出もあわせて行われる。
このような2つ目の絵柄画像を用いたリーチ発生前予告演出(2段階目)は、先の図888中(B)で行われたリーチ発生前予告演出(1段階目)からさらに一歩進んだ発展型である。このように発展していく「リーチ発生前予告演出」の態様を称して、一般的に「ステップアップ予告」等と表現することがある。ここではリーチ発生前予告演出で2段階目の絵柄画像が出現する例を挙げているが、3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示される演出態様であってもよい。また、例えば3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示されるごとに、そのサイズが拡大されるものとしてもよい。なお、この段階でも演出図柄の変動表示は継続されている。いずれにしても、リーチ発生前予告演出の態様の変化をより多くの段階まで進行させることにより、今回の変動で大当りになる可能性(期待度)が高いことを遊技者に示唆することができる(例えば、5段階目まで進行すると最大の期待度を示唆する等。)。
〔左演出図柄の停止〕
図888中(D):変動表示演出の中期にさしかかり、やがて左演出図柄の変動表示が停止される。なお、この時点で画面の左側位置に数字の「5」を表す演出図柄が停止している。
〔リーチ状態の発生〕
図888中(E):そして左演出図柄に続き、例えば右演出図柄の変動表示が停止される。この時点で、画面の右側位置に数字の「5」を表す演出図柄が停止していることから、「5」-「変動中」-「5」のリーチ状態が発生している。そして画面上には、リーチ状態となる1本のラインを強調する画像が合わせて表示される。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われる。
リーチ状態の発生後、当選時のリーチ演出が実行される(ただし、この時点では未だ当選の結果は表出されていない。)。リーチ演出では、テンパイした数字(ここでは「5」)に対応する演出図柄だけが画面上に表示され、それ以外は表示されなくなる。なお、このとき演出図柄が画面の四隅にそれぞれ縮小された状態で表示される場合もある。
〔リーチ発生後予告演出(1回目)〕
図888中(F):リーチ状態が発生して暫くすると、例えばハートの図形を表す画像が群をなして画面上を斜めに通り過ぎていくリーチ発生後予告演出(1回目)が行われる。この場合、突然、画面上にハート群の画像が流れていくように表示されるため、これによって遊技者に対する視覚的な訴求力を高めることができる。このような視覚的に賑やかなリーチ予告発生後予告演出を実行することで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ演出の進行〕
図888中(G):1回目のリーチ発生後予告演出に続いて、例えば数字の「2」~「6」を表す画像が画面上で立体的な列を構成した状態で表示され、列の先頭(手前)から「2」、「3」、「4」・・・という順番に画面から数字の画像が消去されていく演出が行われる。このような演出もまた、数字の「5」が最後まで消去されずに残ると「大当り」であることを遊技者に示唆(暗示)したり、想起させたりする目的で行われる。また、数字の「4」まで消去されて「5」が画面手前に残ると「大当り」であり、そして数字の「5」も消去されてしまうと「はずれ」であることを意味する。なお、はずれの場合、数字の「5」が消去された後の画面上に例えば数字の「6」が表示される。したがって、この間、数字の「2」、「3」、「4」と順番に画像が消去されていくに連れて、遊技者の緊張感や期待感も高まっていくことになる。そして、実際に画面上で数字の「4」まで消去され、数字の「5」が画面上に残った状態で演出が進行すると、「大当り」の可能性が高まるため、そこで遊技者の緊張感も一気に高まる。
〔リーチ発生後予告演出(2回目)〕
図888中(H):リーチ演出が終盤に近付いたところで、突然、画面上にキャラクターの画像が大写しに割って入るようにして表示され、そのキャラクターが何らかの台詞を発するという内容(又は、無言で微笑むという内容でもよい)のリーチ発生後予告演出(2回目)が行われる。この時点で例えばリーチ演出の内容は、「数字の「5」が消去されずに残れば、そのまま「5」-「5」-「5」の大当りの可能性が高まる」という展開である。したがって、このタイミングで大きくキャラクターの画像を出現させることにより、遊技者に対して「大当りになるかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。
上記とは別のリーチ演出として、例えば「数字の「2」~「4」までが消去されてしまい、最後に数字の「5」が消去されずに残れば大当りになる」という展開もある。このようなタイミングでキャラクターの画像を出現させると、遊技者に対して「いよいよ大当りが近いかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔停止表示演出〕
図888中(I):そして、最後の中演出図柄が停止する。この例では、「5」を表す演出図柄を画面の中央に停止表示させることにより、遊技者に対して大当りであるということを伝達することができる。
図888中(J):そして、例えば第1特別図柄の停止表示に略同期して、演出図柄としての停止表示演出が行われる。演出図柄の停止表示演出は、例えば左・中・右演出図柄をそれぞれ初期の大きさに復元した状態で行われる。このような停止表示演出を行うことで、最終的な当選種類が演出上で確定したことを遊技者に対して教示することができる。逆に言えば、演出上で不明確な停止表示演出を行うことにより、いずれの当選図柄で当選したのかということを遊技者に対して非開示としておくことができる。
なお、内部抽選の結果が非当選であれば、今回の変動対象である第1特別図柄がはずれ図柄で停止表示されるため、演出図柄も同様にはずれの態様で停止表示演出が行われる。この場合、画面の中央には「5」以外の数字「4」や「6」を表示することで、残念ながら今回の変動では大当りにならなかったことを知らせる演出が行われる。なお、このような演出は「はずれリーチ演出」として実行されるものである。
〔「8ラウンド通常図柄」等に該当した場合の大役中演出の演出例〕
図889~図892は、「8ラウンド通常図柄」又は「8ラウンド確変図柄1,2」に該当した場合の大役中演出の演出例を部分的に示す連続図である。
本実施形態では、「8ラウンド通常図柄」に該当している場合、大役中演出にて味方キャラクターが敵キャラクターに敗北する演出が実行され、「8ラウンド確変図柄1,2」に該当している場合、味方キャラクターが敵キャラクターに勝利する演出が実行される。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
〔1ラウンド目〕
図889中(A):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、例えば画面内に「ROUND1」のラウンド数に対応する文字情報が表示されるとともに、大役中のバトル演出が開始される。図示の例では、画面の左側に敵キャラクターとなる傘のお化けの画像が表示され、画面の右側に味方キャラクターとなる女性キャラクターの画像が表示され、画面の中央に「VS」の文字の画像が表示される。これにより、遊技者に対してこれからバトル演出が開始されるということを教示することができる。
また、画面の右下隅位置には、今回の当選図柄に対応した演出図柄(ここでは「5」の演出図柄)が表示されている。このように、大当り遊技中も引き続き当選図柄(いわゆる「残し目」)を表示しておくことで、遊技者に対して「5の演出図柄で当選した」という情報を引き続き教示することができる。
〔2ラウンド目〕
図889中(B):大当り遊技の2ラウンド目が開始されると、大役中のバトル演出が具体的に進行する。図示の例では、傘のお化けが左側から右側に移動していく演出が行われている。そして、女性キャラクターが傘のお化けに驚いて逃げ出し、画面の右側へ消え去っていく演出が行われる。
〔3ラウンド目〕
図889中(C):大当り遊技の3ラウンド目が開始されると、大役中のバトル演出が具体的に進行する。図示の例では、女性キャラクターがうちわ(武器)を取り出し、そのうちわから炎(オーラ)が出現する演出が行われている。
〔4ラウンド目〕
図889中(D):そして、大当り遊技の4ラウンド目では、傘のお化けが口から長い舌を飛び出させる必殺技を繰り出し、女性キャラクターがその必殺技をうちわで迎え撃つ演出が行われている。この状態で傘のお化けが勝利すれば「8ラウンド通常図柄」で大当りしていたことを意味しており、女性キャラクターが勝利すれば「8ラウンド確変図柄1,2」で大当りしていたことを意味している。
〔5ラウンド目(8ラウンド通常図柄当選時)〕
図890中(E):「8ラウンド通常図柄」での当選の場合、5ラウンド目では敗北演出が実行される。具体的には、「敗北・・」の文字とともに、傘のお化けが大きく表示され、女性キャラクターが小さく表示される(味方キャラクター敗北演出)。
〔6ラウンド目(8ラウンド通常図柄当選時)〕
図890中(F):「8ラウンド通常図柄」での当選の場合、6ラウンド目では再挑戦促進演出が実行される。具体的には、女性キャラクターが「次は負けない!」といった台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して再度大当りを目指そうという意欲を与えることができる。なお、この後のラウンド遊技においても、6ラウンド目と同様の再挑戦促進演出が実行される。
なお、「8ラウンド通常図柄」で当選した場合の6ラウンド目では、第2可変入賞装置31が開放するが、開放時間は極端に短く設定されているため、遊技球が確変領域を通過することは困難である。
〔大役終了時〕
図890中(G):「8ラウンド通常図柄」での大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。図示の例では、画面内に「海岸モード突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「低確率時間短縮状態」の海岸モードに移行することを遊技者に教示することができる。
〔5ラウンド目(8ラウンド確変図柄1,2当選時)〕
図891中(H):一方、「8ラウンド確変図柄1,2」での当選の場合、5ラウンド目では勝利演出が実行される。具体的には、「勝利!!」の文字とともに、女性キャラクターが大きく表示され、傘のお化けが小さく表示される(味方キャラクター勝利演出)。
〔6ラウンド目(8ラウンド確変図柄1,2当選時)〕
図891中(I):「8ラウンド確変図柄1,2」での当選の場合、6ラウンド目では花火ラッシュチャレンジ演出が実行される。このチャレンジ演出に成功すると、「高確率時間短縮状態」である花火ラッシュに突入する。具体的には、仙人のキャラクターが「Vアタッカを狙うのじゃ!」といった台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して第2可変入賞装置31を狙うといった遊技性を伝達することができる。また、「8ラウンド確変図柄1,2」に当選した場合の6ラウンド目では、確変領域用ソレノイド99が確変領域をロング開放するように作動するため、第2可変入賞装置31に遊技球が入球すると、遊技球は確変領域用羽根部材31dに案内されて確変領域を通過する。
図891中(J):そして、遊技者が右打ちを継続することにより、遊技球が第2可変入賞装置31に入球して確変領域を通過すると、パンダのキャラクターがVマークを掲げる祝福演出が実行される。なお、この後のラウンド遊技においても、6ラウンド目と同様の祝福演出が実行される。
〔大役終了時〕
図891中(K):大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。図示の例では、画面内に「花火ラッシュ突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「高確率時間短縮状態」の花火ラッシュに移行することを遊技者に教示することができる。
以上は、「8ラウンド確変図柄1,2」に該当して、遊技球が無事に確変領域を通過した際の演出例であるが、「8ラウンド確変図柄1,2」に該当しても遊技球が確変領域を通過しなければ以下のような演出例となる。
〔5ラウンド目(8ラウンド確変図柄1,2当選時)〕
図892中(L):「8ラウンド確変図柄1,2」での当選の場合、5ラウンド目では勝利演出が実行される。具体的には、「勝利!!」の文字とともに、女性キャラクターが大きく表示され、傘のお化けが小さく表示される(味方キャラクター勝利演出)。
〔6ラウンド目(8ラウンド確変図柄1,2当選時)〕
図892中(M):「8ラウンド確変図柄1,2」での当選の場合、6ラウンド目では花火ラッシュチャレンジ演出が実行される。このチャレンジ演出に成功すると、「高確率時間短縮状態」である花火ラッシュに突入する。具体的には、仙人のキャラクターが「Vアタッカを狙うのじゃ!」といった台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して第2可変入賞装置31を狙うといった遊技性を伝達することができる。また、「8ラウンド確変図柄1,2」に当選した場合の6ラウンド目では確変領域用ソレノイド99が確変領域をロング開放するように作動するため、第2可変入賞装置31に遊技球が入球すると、遊技球は確変領域用羽根部材31dに案内されて確変領域を通過する。
ただし、ここでは何らかの理由(右打ちせず、球詰まり等)により、6ラウンド目が終了するまでに遊技球が第2可変入賞装置31に1つも入球しなかったものとする。この場合、遊技球は確変領域を通過することはない。
図892中(N):この場合は、パンダのキャラクターが「残念」という台詞を発する失敗演出が実行される。なお、この後のラウンド遊技においても、失敗演出が継続される。
〔大役終了時〕
図892中(O):「8ラウンド確変図柄1,2」での大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。図示の例では、画面内に「海岸モード突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「低確率時間短縮状態」の海岸モードに移行することを遊技者に教示することができる。
なお、「8ラウンド確変図柄1」に該当した場合は、「8ラウンド確変図柄2」に該当した場合よりも得られる利益が少ないため、バトル演出以外の演出を実行してもよい。
〔花火ラッシュの演出例〕
図893は、花火ラッシュの演出例を示す連続図である。この花火ラッシュは、「8ラウンド通常図柄以外のいずれかの確変図柄」に当選し、かつ、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合の大当り遊技後に移行されるモードである。花火ラッシュは、高確率時間短縮状態である。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
図893中(A):例えば、大当り遊技終了後から1回目の変動表示が行われることで、「花火ラッシュ」の状態で演出図柄の変動表示が行われている。花火ラッシュの背景画像は、遊技者に対して花火のモチーフを深く印象付けるために、「夜空に花火が打ち上げられる情景」とともに「女性キャラクターが花火を観賞している様子」が表現された背景画像となっている。また、液晶表示器42の画面右上部では第4図柄Z2が変動表示されている。
図893中(B):そして、大当り遊技終了後から1回目の変動(非当選時)が終了したことにより、すべての演出図柄が停止表示されている(「3」-「1」-「7」)。また、第4図柄Z2は、非当選の態様(例えば白色表示色)で停止表示されている。
図893中(C):次回の変動が開始されると、大当り遊技終了後から2回目の変動表示が行われる。なお、花火ラッシュ(高確率時間短縮状態)では、可変始動入賞装置28の作動が高頻度で行われるため、遊技者が右打ちを継続する限り、第2特別図柄の変動表示に伴う演出図柄の変動表示が行われることが多い。また、花火ラッシュにて当選の結果が得られた場合は、リーチ演出が実行されて大当りとなる。
花火ラッシュにおいては、通常モードと同様に、変動前表示領域X1や変動中表示領域X2を表示して、マーカM1やマーカM2を表示してもよい。この点は、以下の海岸モードにおいても同様である。
〔大役中演出(ノーマルボーナス演出)〕
図894は、「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」に該当した場合の大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である。
〔1ラウンド〕
図894中(A):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、「大当り中」という遊技の進行状況に対応した内容の大役中演出が実行される。大役中演出では、例えば画面内に「ROUND1」のラウンド数に対応する文字情報が表示される。また、画面の右下隅位置には、今回の当選図柄に対応した演出図柄(ここでは2の演出図柄)が表示されている。このように、大当り遊技中も引き続き当選図柄(いわゆる「残し目」)を表示しておくことで、遊技者に対して「2の演出図柄で当選した」という情報を引き続き教示することができる。また、表示画面の下側の領域には、「ノーマルボーナス」の文字が表示され、画面の周囲には団扇や太鼓等といった祭りに関する画像が表示される。
〔6ラウンド〕
図894中(B):「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」での当選の場合、6ラウンド目において花火ラッシュチャレンジ演出が実行される。このチャレンジ演出に成功すると、高確率時間短縮状態である花火ラッシュに突入する。具体的には、女性のキャラクターが「Vアタッカを狙ってね」といった台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して第2可変入賞装置31を狙うといった遊技性を伝達することができる。また、「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」に当選した場合の6ラウンド目では確変領域用ソレノイド99が確変領域をロング開放するように作動するため、第2可変入賞装置31に遊技球が入球すると、遊技球は確変領域用羽根部材31dに案内されて確変領域を通過する。
図894中(C):そして、遊技者が右打ちを継続することにより、遊技球が第2可変入賞装置31に入球して確変領域を通過すると、表示画面の右上にVマークが表示される祝福演出が実行される。
〔大役終了時〕
図894中(D):大当り遊技が終了するタイミングにおいて、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。図示の例では、画面内に「花火ラッシュ突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「高確率時間短縮状態」の花火ラッシュに移行することを遊技者に教示することができる。
〔大役中演出(スペシャルボーナス演出)〕
図895は、「10ラウンド確変図柄」に該当した場合の大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である。
〔1ラウンド〕
図895中(A):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、「大当り中」という遊技の進行状況に対応した内容の大役中演出が実行される。大役中演出では、例えば画面内に「ROUND1」のラウンド数に対応する文字情報が表示される。また、画面の右下隅位置には、今回の当選図柄に対応した演出図柄(ここでは7の演出図柄)が表示されている。このように、大当り遊技中も引き続き当選図柄(いわゆる「残し目」)を表示しておくことで、遊技者に対して「7の演出図柄で当選した」という情報を引き続き教示することができる。また、表示画面の下側の領域には、「スペシャルボーナス」の文字が表示され、画面の周囲には馬にまたがりピースサインを行う女性キャラクターの画像が表示される。
〔6ラウンド〕
図895中(B):「10ラウンド確変図柄」での当選の場合、6ラウンド目では花火ラッシュチャレンジ演出が実行される。このチャレンジ演出に成功すると、高確率時間短縮状態である花火ラッシュに突入する。具体的には、仙人のキャラクターが「Vアタッカを狙うのじゃ!」といった台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して第2可変入賞装置31を狙うといった遊技性を伝達することができる。また、「10ラウンド確変図柄」に当選した場合の6ラウンド目では確変領域用ソレノイド99が確変領域をロング開放するように作動するため、第2可変入賞装置31に遊技球が入球すると、遊技球は確変領域用羽根部材31dに案内されて確変領域を通過する。
図895中(C):そして、遊技者が右打ちを継続することにより、遊技球が第2可変入賞装置31に入球して確変領域を通過すると、飛び上がった女性キャラクターの横にVマークが表示される祝福演出が実行される。
〔10ラウンド〕
図895中(D):この後、大当り遊技が順調に進行し、最終の10ラウンドに移行すると、画面内には「ROUND10」のラウンド数に対応する文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像が表示されている。また、画面の右下隅位置には、「残し目」としての演出図柄(7の演出図柄)が引き続き表示されている。
〔大役終了時〕
図895中(E):大当り遊技が終了するタイミングにおいて、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。図示の例では、画面内に「花火ラッシュ突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「高確率時間短縮状態」の花火ラッシュに移行することを遊技者に教示することができる。
〔海岸モードの演出例〕
図896は、海岸モードの演出例を示す連続図である。この海岸モードは、「8ラウンド通常図柄」に該当した場合の大当り遊技の終了後や、いずれかの確変図柄に該当したものの大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合の大当り遊技の終了後に移行されるモードである。海岸モードは、「低確率時間短縮状態」である。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
図896中(A):例えば、「8ラウンド通常図柄」での大当り遊技の終了後、1回目の変動表示が行われることで、「海岸モード」の状態で演出図柄の変動表示が行われている。海岸モードの背景画像は、海岸モードのコンセプトである癒しの印象を表現するために、「砂浜」や「海」、「山」等の画像をモチーフとした背景画像となっている。また、液晶表示器42の画面右上では第4図柄Z2が変動表示されている。
図896中(B):そして、今回の変動(非当選時)が終了したことにより、すべての演出図柄が停止表示されている(「1」-「1」-「5」)。また、第4図柄Z2は、非当選の態様(例えば白色表示色)で停止表示されている。
図896中(C):そして、次回の変動が開始される。この海岸モードは、当選の結果が得られずに特別図柄が100回変動すると終了となる。海岸モードが終了すると低確率非時間短縮状態の通常モードに移行する。なお、海岸モードにて当選の結果が得られた場合は、リーチ演出が実行されて大当りとなる。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した変動表示演出やリーチ演出、予告演出、記憶表示演出、大役中演出等は、いずれも演出制御装置124で実行される以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
演出制御装置124は、上述したように演出制御プロセッサとしての機能と演出再生プロセッサとしての機能を有しており、各々に演出制御CPU126の異なるリソースを割り当てることによりこれら2つの機能を実現している。演出制御プロセッサとしての演出制御CPU126は、主制御装置70から送信される演出コマンドを受信し、この内容に応じて演出の再生を指示する各種の制御テーブルを設定する。また、演出再生プロセッサとしての演出制御CPU126は、演出制御プロセッサにより設定された制御テーブルを解析し、その内容に基づき各デバイスに向けてより具体的な指示を行うことにより各デバイスの動作(液晶表示器42による画面表示、スピーカ54,55,56,58による音声出力、各種ランプ46~52、盤面ランプ53及び上部球通路ランプL1~L9等による発光、可動体モータ57による各種可動体の変位等)を制御し、パチンコ機1での演出再生を実現させる。
そこで、説明の便宜のため、これ以降の説明においては、演出制御CPU126が演出制御プロセッサとして機能する場合の動作主体を「演出制御部210」と表現し、演出制御CPU126が演出表示プロセッサとして機能する場合の動作主体を内容に応じて適宜「表示制御部220」、「音声制御部222」、「ランプ制御部224」又は「モータ制御部226」と表現することとする。
図897は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs~数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、エラー演出管理処理(ステップS400a)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、ランプ演出管理処理(ステップS403)、表示出力処理(ステップS404)、入力制御処理(ステップS405)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御部210は主制御CPU72から送信される演出コマンドを受信する。また、演出制御部210は受信した演出コマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出コマンドには、例えば特図先判定演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、確定コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、各種のエラーコマンド、大当り終了演出コマンド、回数切りカウンタ値コマンド、変動パターン先判定コマンド、停止表示時間終了コマンド、確変領域通過コマンド、賞球内容コマンド、設定関連終了指定コマンド等がある。
ステップS400a:エラー演出管理処理において、演出制御CPU126は各種のエラーコマンドに基づいて、エラー演出を実行する演出パターンを選択する処理を実行する(エラー演出実行手段)。実行する演出の内容(音声報知及び液晶報知)は、図879~図884において説明した通りである。
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御部210は記憶表示演出や、マーカM1,M2を用いた先読み予告演出の実行を制御する。なお、作動記憶演出管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御部210は演出図柄を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作時の演出内容を制御したりする(演出実行手段)。また、この処理において、演出制御部210は各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出等)の演出パターンを選択する。なお、演出図柄管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS403:ランプ演出管理処理において、演出制御CPU126は、ランプ演出の演出内容を決定する処理を実行する。なお、処理の詳細は、後述する。
ステップS404:表示出力処理では、先ず演出制御部210が、表示制御部220に対して演出内容(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号、当該保留消去等)を指示するメッセージや制御テーブルを設定する。これを受けて表示制御部220は、設定されたメッセージや制御テーブルの内容に基づいてVDP152に対し具体的な描画の指示を行い、液晶表示器42による表示動作を制御する。
ステップS405:入力制御処理では、先ず演出制御部210が、演出の進行に伴い遊技者による操作を要求する場面に同期させて、入力制御部228に対し操作ユニット60等の操作部材が遊技者により指定した態様で操作されるか否かの検出を指示する。より具体的には、演出制御部210は、制御ROM180に予め定義されているいずれかの入力制御テーブルを設定する。これを受けて入力制御部228は、設定された入力制御テーブルの内容を解析し、これに基づいて、いずれかの操作部材に対する操作の受付を可能とする期間を設定する。また、演出制御部210が指定した態様に合致する操作(遊技者に要求する操作)がなされるか否かを検出し、検出結果を出力して演出制御部210に返す。
ステップS406:ランプ駆動処理では、先ず演出制御部210が、ランプ制御部224に対して演出内容を指示する制御テーブルを設定する。これを受けてランプ制御部224は、設定された制御テーブルの内容に基づいてLEDドライバ198を中継しドライバIC132に対して具体的な駆動信号を出力し、各種ランプ46~52、盤面ランプ53、上部球通路ランプL1~L9、操作ユニット60の各部位に内蔵された光源等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)させる。
ステップS408:音響駆動処理では、先ず演出制御部210が、音声制御部222に対して演出内容を指示する制御テーブルを設定する。これを受けて音声制御部222は、設定された制御テーブルの内容に基づいて音声IC134に対し具体的な出力内容の指示を行い、スピーカ54,55,56,58から演出内容に応じた音(効果音、BGM等)を出力させる。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御部210はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば、先ず演出制御部210が、モータ制御部226に対して演出内容を指示する制御テーブルを設定する。これを受けてモータ制御部226は、設定された制御テーブルの内容に基づいてSMC199に対し具体的な制御内容の指示を行う。さらにSMC199は、モータ制御部226からの指示に基づいて可動体40fの作動パターンを作成し、これに応じた制御信号をドライバICに出力し、可動体40fを駆動させる。可動体40fは可動体モータ57を駆動源として動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御部210はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。
〔作動記憶演出管理処理〕
図898は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。
作動記憶演出管理処理は、主制御装置70において記憶されている抽選要素の数(作動記憶数)の増減に連動させて液晶表示器42の画面上になされる第1特別図柄及び第2特別図柄に対応したマーカM1,M2の表示を更新する処理であり(記憶表示演出実行手段)、演出制御処理の過程(図897中のステップS401)で呼び出されて実行される。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS700:先ず演出制御部210は、主制御CPU72から作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS700:Yes)、演出制御部210はステップS702を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS700:No)、演出制御部210はステップS702を実行しない。
ステップS702:演出制御部210は、作動記憶数増加時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応したマーカM1,M2を表示させる演出を選択する。
ステップS704:演出制御部210は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS704:Yes)、演出制御部210はステップS706を実行する。なお、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS704:No)、演出制御部210はステップS706を実行しない。
ステップS706:演出制御部210は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応したマーカM1,M2をスライドさせる演出、内部抽選により消費した抽選要素に対応するマーカを変動前表示領域X1から変動中表示領域X2に移動させる演出を選択する。なお、変動中表示領域X2に移動させた記憶マーカは変動終了時に消去する演出を選択する。
以上の手順を終えると、演出制御部210は、演出制御処理(図897)に復帰する。
〔演出図柄管理処理〕
図899は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御部210は次に実行するべき処理(ステップS502~ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御部210は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御部210は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御部210は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また、可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において大当り時可変入賞装置管理処理(図859中のステップS5000)が選択された場合や小当り時可変入賞装置管理処理(図859中のステップS6000)が選択された場合にジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502~ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御部210は演出図柄を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。また、この処理において、演出制御部210は各種の条件(抽選結果、当選種類、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(先読み予告演出パターン以外のリーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御部210は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御部210は必要に応じて表示制御部220に指示する制御情報を生成する。例えば、演出図柄を用いた変動表示演出を実行中に操作ユニット60を用いた演出を行う場合、遊技者による操作ユニット60の操作の有無を入力制御部228が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(操作契機演出、連打演出、連係操作演出等)の制御情報を表示制御部220に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御部210は内部抽選の結果に応じた態様で演出図柄や動画像を用いた停止表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御部210は表示制御部220に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けて表示制御部220は、VDP152を介して実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。なお、小当り時には、はずれと同様か近似した態様で停止表示演出を実行することができる。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御部210は小当り中又は大当り中の演出内容を制御する(特別遊技演出実行手段)。この処理において、演出制御部210は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容を選択する。例えば、「10ラウンド確変図柄」に当選した場合、演出制御部210は液晶表示器42に表示する演出内容として、10ラウンドの大役中演出パターンを選択し、これを表示制御部220に対して指示する。これにより、液晶表示器42の表示画面では大役中演出の画像が表示されるとともに、ラウンドの進行に伴って演出内容が変化していくことになる。
〔演出図柄変動前処理〕
図900は、演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御部210は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御部210は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
以上の手順を終えると、演出制御部210は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御部210はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図897中のステップS404)、ランプ駆動処理(図897中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御部210は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御部210は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御部210はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御部210は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御部210はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また、今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御部210は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「C0H00H」~「D0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御部210は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。
また、演出パターン番号を選択すると、演出制御部210は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチの種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様等を決定する。なお、ここで決定される演出図柄の種類は、全て「小当り時の図柄の組み合わせ」に該当するものとなっている。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、大当りに該当した場合、演出制御部210はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御部210はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御部210は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「E0H00H」~「F0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御部210はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御部210は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「A0H00H」~「A6H7FH」)に基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御部210がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドによって決まる。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御部210は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」-「2」-「4」等)を決定する。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御部210は次にステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御部210は、予告選択処理を実行する(予告演出実行手段)。この処理では、演出制御部210は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、高確率状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は比較的高く設定されている。
ステップS616:演出制御部210は、モード演出管理処理を実行する。この処理において、演出制御部210は、滞在モードに応じた背景画像を選択する処理を実行する。例えば滞在モードが「通常モード(低確率非時間短縮状態)」である場合、演出制御部210は、女性キャラクターが長椅子に腰掛けている背景画像を選択する処理を実行する。また、滞在モードが「花火モード(高確率時間短縮状態)」である場合、演出制御部210は、花火をモチーフとした背景画像を選択する処理を実行する。さらに、滞在モードが「海岸モード(低確率時間短縮状態)」である場合、演出制御部210は、海岸をモチーフとした背景画像を選択する処理を実行する。なお、滞在モードが「高確率非時間短縮状態」である場合、演出制御部210は、通常モードに対応する背景画像を選択してもよく、通常モードとは別の背景画像を選択してもよい。
以上の手順を終えると、演出制御部210は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図899中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び停止表示演出が実行されるとともに(演出実行手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。
〔可変入賞装置作動時処理〕
図901は、可変入賞装置作動時処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置作動時処理は、実行選択処理(ステップS902)、可変入賞装置作動前処理(ステップS904)、可変入賞装置作動中処理(ステップS906)、可変入賞装置作動後処理(ステップS908)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って可変入賞装置作動時処理の基本的な流れを説明する。
ステップS902:実行選択処理において、演出制御部210は次に実行するべき処理(ステップS904~ステップS908のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、演出制御部210は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして可変入賞装置作動時処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ可変入賞装置作動前処理を開始していない状況であれば、演出制御部210は次のジャンプ先として可変入賞装置作動前処理(ステップS904)を選択する。また、既に可変入賞装置作動前処理が完了していれば、演出制御部210は次のジャンプ先として可変入賞装置作動中処理(ステップS906)を選択する。さらに、可変入賞装置作動中処理が完了していれば、演出制御部210は次のジャンプ先として可変入賞装置作動後処理(ステップS908)を選択する。
ステップS904:可変入賞装置作動前処理では、演出制御部210は大当り遊技中や小当り遊技中に実行する演出の内容を選択する処理を実行する。例えば、「8ラウンド通常図柄」での当選の場合は、味方キャラクターが敵キャラクターに敗北する演出を選択する処理を実行する。また、「8ラウンド確変図柄1,2」での当選の場合は、味方キャラクターが敵キャラクターに勝利する演出を選択する処理を実行する。さらに、「6ラウンド確変図柄1,2」での当選の場合は、ノーマルボーナス演出を選択する処理を実行する。さらにまた、「10ラウンド確変図柄」での当選の場合は、スペシャルボーナス演出を選択する処理を実行する。
ステップS906:可変入賞装置作動中処理では、演出制御部210は必要に応じて表示制御部220に指示する制御情報を生成する。例えば、大当り演出の実行中に操作ユニット60を用いた演出を行う場合、遊技者による操作ユニット60の操作の有無を入力制御部228に検出させるとともに、その結果に応じた演出内容(操作契機演出、連打演出、連係操作演出等)の制御情報を表示制御部220に対して指示する。また、この可変入賞装置作動中処理において、大当り遊技中に確変領域通過コマンドを受信した場合には、V入賞が発生したことを示す演出(図891中(J)等に示す演出)を選択する処理を実行する一方、大当り遊技中に確変領域通過コマンドを受信しなかった場合には、V入賞が発生しなかったことを示す演出(図892中(N)等に示す演出)を選択する処理を実行する。
ステップS908:可変入賞装置作動後処理では、演出制御部210は、可変入賞装置の終了時間の間に移行先のモードを遊技者に対して伝達する演出を実行する。例えば、演出制御部210は、当選図柄や確変領域の通過の有無に応じて海岸モード突入演出を実行したり、花火ラッシュ突入演出を実行したりする。具体的には、大当り遊技中に確変領域通過コマンドを受信した場合には、花火ラッシュに突入することを示す演出(図891中(K)等に示す演出)を選択する処理を実行し、大当り遊技中に確変領域通過コマンドを受信しなかった場合には、海岸モードに突入することを示す演出(図890中(G)等に示す演出)を選択する処理を実行する。
以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出図柄管理処理(図899)に復帰する。
〔ランプ演出管理処理〕
図902は、ランプ演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS810:演出制御部210は、上部球通路ランプ管理処理を実行する。具体的には、演出制御部210は、上部球通路ランプの点灯及び消灯を制御する処理を実行する。なお、処理の詳細は後述する。
ステップS820:演出制御部210は、その他ランプ管理処理を実行する。具体的には、演出制御部210は、上部球通路ランプ以外のランプ(各種ランプ46~52、盤面ランプ53等)の点灯及び消灯を制御する処理を実行する。なお、処理の詳細は後述する。
以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出制御処理(図897)に復帰する。
〔上部球通路ランプ管理処理〕
図903は、上部球通路ランプ管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS811:演出制御部210は、エラーが発生しているか否かを確認する処理を実行する。エラーが発生しているか否かは、エラーコマンドにより確認することができる。
その結果、エラーが発生していることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS812を実行し、エラーが発生していることを確認できない場合(No)、演出制御部210は、ステップS814を実行する。
ステップS811:演出制御部210は、特定のエラーが発生しているか否かを確認する処理を実行する。特定のエラーが発生しているか否かは、エラーコマンドにより確認することができる。特定のエラーは、「G盤装飾LED(盤面ランプ53のLED)」を消灯させるエラーとすることができる(図879~図884参照)。
その結果、特定のエラーが発生していることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS813を実行し、特定のエラーが発生していることを確認できない場合(No)、演出制御部210は、ステップS814を実行する。
ステップS813:演出制御部210は、上部球通路ランプ消灯処理を実行する。具体的には、上部球通路ランプを消灯させる制御パターンを選択する処理を実行する。
ステップS814:演出制御部210は、上部球通路ランプ点灯処理を実行する。具体的には、上部球通路ランプを点灯させる制御パターン(常時白発光させる制御パターン)を選択する処理を実行する。
以上の処理を終えると、演出制御部210は、ランプ演出管理処理(図902)に復帰する。
〔その他ランプ管理処理〕
図904は、その他ランプ管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS821:演出制御部210は、エラーが発生しているか否かを確認する処理を実行する。エラーが発生しているか否かは、エラーコマンドにより確認することができる。
その結果、エラーが発生していることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS822を実行し、エラーが発生していることを確認できない場合(No)、演出制御部210は、ステップS823を実行する。
ステップS822:演出制御部210は、エラーに応じたその他ランプ制御処理を実行する。具体的には、演出制御部210は、図879~図884において説明した通りの内容で、その他ランプを点灯させたり消灯させたりする処理を実行する。
ステップS823:演出制御部210は、演出内容に応じたその他ランプ制御処理を実行する。具体的には、演出制御部210は、選択している演出内容に応じた内容で(変動中であれば変動中に応じた態様で、大当り中であれば大当り遊技に応じた態様で、デモ演出中であればデモ演出中に応じた態様で)、その他ランプを点灯させたり消灯させたりする処理を実行する。
以上の処理を終えると、演出制御部210は、ランプ演出管理処理(図902)に復帰する。
このような処理を実行することにより、演出制御部210は、エラーが発生していない場合(所定の状態と判定された場合)、上部球通路ランプL1~L9(第1発光手段)の発光制御と、盤面ランプ53(第2発光手段)の発光制御とを異ならせる(一方は常時発光とし他方は演出内容に応じた発光とする)ことを可能とする(発光制御手段)。
また、このような処理を実行することにより、演出制御部210は、特定のエラーが発生している場合(所定の状態と判定されない場合)、上部球通路ランプL1~L9(第1発光手段)の発光制御と、盤面ランプ53(第2発光手段)の発光制御とを共通とする(いずれも消灯させる)ことを可能とする(発光制御手段)。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)本実施形態によれば、エラーが発生していない場合(所定の状態と判定された場合)、上部球通路ランプL1~L9(第1発光手段)の発光制御と、盤面ランプ53(第2発光手段)の発光制御とを異ならせることを可能とするため、装飾ユニット400(装飾物)を配置することによって暗くなる領域は明るくすることができ、装飾ユニット400を配置しない領域は演出の内容に応じた発光制御を実行することができる。このように、装飾ユニット400の配置の有無によって発光制御を柔軟に変更することにより、効率のよい発光制御を実行することができ、結果として、斬新な遊技機を提供することができる。
(2)本実施形態によれば、特定のエラーが発生していない場合(所定の状態と判定された場合)には、上部球通路ランプL1~L9(第1発光手段)の発光制御と、盤面ランプ53(第2発光手段)の発光制御とを異ならせているが、特定のエラーが発生している場合(所定の状態と判定されない場合)には、上部球通路ランプL1~L9(第1発光手段)の発光制御と、盤面ランプ53(第2発光手段)の発光制御とを共通としているため、一律に発光制御を異ならせている方式と比較して、状況に応じた柔軟な発光制御を実行することができ、結果として、斬新な遊技機を提供することができる。
(3)前方に向かって突出した装飾ユニット400の後方には、上部球通路500が配置されている。上部球通路500は、装飾ユニット400の透明部分を介して視認可能となっているが、装飾ユニット400の本体部ユニット410(上部追加意匠)により暗くなるため、遊技球の視認性が悪くなる可能性がある。そこで、上部球通路500の背面に、上部球通路ランプL1~L9を搭載して常時白発光させる。このように、上部球通路ランプL1~L9を常時白発光させることで、上部球通路500及びその周辺は明るくなり、上部球通路500及びこの通路を通過する遊技球の視認性が向上する。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様や各種数値はあくまで例示であり、上述した内容に限定されるものではない。
パチンコ機1は、省電力モード(例えば、一定時間にわたり遊技が行われない場合にLED等をOFFにして電力を抑えるモード)を搭載している遊技機であってもよい。そして、省電力モードがONになった場合には、上部球通路ランプを消灯してもよく、点灯させ続けてもよい。
上述した実施形態では、確変領域を有する遊技機に本発明を適用する例で説明したが、確変領域を有しない遊技機に本発明を適用してもよい。また、いわゆる同時回し機に本発明を適用することも可能である。
上述した実施形態は、以下の変形が可能である。
(1)装飾物が重なる第1領域(第1発光手段)は、遊技者が一番見やすいと感じる輝度に調整可能であれば、より視認性を確保できる。このため、第1領域(第1発光手段)は、遊技者の操作により輝度変更が可能としてもよい。
一方、装飾物が重ならない第2領域(第2発光手段)は、輝度の調整をしなくても遊技球の視認が容易である。このため、第2領域(第2発光手段)は、処理負荷軽減のために、遊技者による輝度変更ができないようにしてもよい。
(2)上述した実施形態では、エラー発生中は、第1発光手段(上部球通路ランプL1~L9)と第2発光手段(上部球通路ランプL1~L9以外の盤面ランプ53)の発光制御が共通になる例で説明したが、遊技機の演出出現の有無やモード設定が可能なメンテナンスモードを設け、メンテナンスモード中は発光制御を共通としてもよいし、特定の大当たり中又は全ての大当り中については、発光制御を共通としてもよい。
(3)発光制御を共通とする場合に、消灯状態に共通化させることに限らず、同じ輝度(輝度向上又は輝度低下)に共通化させる、同じ点滅パターンに共通化させる、同じ発光色に共通化させる等のように制御してもよい。
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能である。
〔実施形態L〕
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図905は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図906は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図905及び図906を参照しつつパチンコ機1の全体構成について説明する。
ここで、本明細書では、パチンコ機1に相対するようにして着席した遊技者から見て左側を左とし、遊技者から見て右側を右とし、遊技者から見て上側を上とし、遊技者から見て下側を下とし、遊技者から見て手前側を前とし、遊技者から見て奥側を後として説明している。
〔全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図905中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図906では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図905に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7(内枠体)に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面、遊技盤)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
また、受皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面、遊技盤)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の前面部にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ50,52等は、ガラスユニットを取り巻くようにして配置されている。
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54,55が組み込まれている。一方、外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ56が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また、受皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45(操作入力受付手段)が設置されている。演出切替ボタン45は、複数種類の操作(1回押下、複数回押下、連打、長押し等)が可能であり、操作入力を受け付ける。遊技者は、この演出切替ボタン45を押し込み操作(操作入力)することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
さらに、演出切替ボタン45の周囲には、演出切替ボタン45を取り囲むようにジョグダイアル45aが設置されている(操作入力受付手段、回転型セレクター)。遊技者は、このジョグダイアル45aを回転させることで、例えば液晶表示器42に表示される演出内容を変化させることができる。
〔裏側の構成〕
図906に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。
主制御基板ユニット170には、主制御装置が内蔵されており、主制御装置には、性能表示モニタ200が接続されている。
性能表示モニタ200は、パチンコ機1を裏側から見て、主制御基板ユニット170の左上の領域で視認可能なように主制御装置に配置されており、4つの7セグメントLED201~204を備えている。
4つの7セグメントLED201~204は、左右方向に並べて配置されており、それぞれの7セグメントLEDは、10進数のアラビア数字を表示することができる7つのセグメントと、その右下に位置するドットセグメントとによって構成されている。
性能表示モニタ200は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースを通じて、視認可能である。
また、主制御装置には、RAMクリアスイッチ304及び設定キー用鍵穴306が設けられている。RAMクリアスイッチ304は、RAMクリア(RAM76の初期化)、すなわち、主制御装置内に装備されているRAM(RWM)の初期化を行う際に用いられるスイッチである(設定操作手段)。また、設定キー用鍵穴306は、設定の変更や設定の参照を行う上で必要とされる設定キーを差し込むための鍵穴である。
RAMクリアスイッチ304は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースに形成された貫通孔を通じて押下可能に設けられている。なお、RAMクリアスイッチ304は、透明ケース外に配置されていてもよい。また、設定キー用鍵穴306は、キーシリンダが透明ケースを貫通した状態(透明ケースがキーシリンダの周囲を囲んだ状態)で設けられている(鍵操作手段、確定操作手段)。このため、透明ケースが封止されたままの状態で設定キーを差し込み、回転させることが可能である。
RAMクリアスイッチ304は、RAMクリアを行うためのスイッチであり、RAMクリアスイッチ304を押下した状態で電源を投入すると、RAMクリア信号が主制御装置70及び払出制御装置92に入力され、RAMクリア処理が実行される。なお、RAMクリアスイッチ304は、電源制御ユニット162に設けられていてもよい。また、RAMクリア信号を払出制御装置92には入力させず、主制御装置70がRAMクリア信号の入力を受け付けると、主制御装置70が払出制御装置92に対してRAMクリアコマンドを送信する構成としてもよい。
なお、図906に示した性能表示モニタ200やRAMクリアスイッチ304、設定キー用鍵穴306の配置位置は、あくまで一例であり、任意の位置に配置することができる。また、性能表示モニタ200やRAMクリアスイッチ304、設定キー用鍵穴306は、主制御装置の外側に設けられて主制御装置に接続される構成としてもよい。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受皿ユニット6に向けて案内する。
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
図907は、遊技盤ユニット8を単独で示す正面図である。遊技盤ユニット8は、ベースとなる遊技板8bを備えており、この遊技板8bの前面側に遊技領域8aが形成されている。遊技板8bは、例えば透明樹脂板で構成されており、遊技盤ユニット8が内枠アセンブリ7に固定された状態で、遊技板8bの前面はガラスユニットに平行となる。遊技板8bの前面には、略円形状に設置された発射レール(参照符号なし)の内側に上記の遊技領域8aが形成されている。
遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。遊技領域8aの左側部分は、通常遊技状態(低確率非時間短縮状態)又は潜伏確変状態(高確率非時間短縮状態)で使用される第1遊技領域(左打ち領域)であり、遊技領域8aの右側部分は、有利遊技状態(大当り遊技状態、小当り遊技状態、低確率時間短縮状態、高確率時間短縮状態等)で使用される第2遊技領域(右打ち領域、特定の領域)である。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に中始動入賞口26、始動ゲート20、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等が分布して設置されている。
このうち、中始動入賞口26は、遊技領域8aの下部分の中央に配置されている。
また、第2可変入賞装置31、始動ゲート20、第1可変入賞装置30及び可変始動入賞装置28は、遊技領域8aの右側部分に、上からこの順番で配置されている。
左側の3つの普通入賞口22は遊技領域8aの左側部分に配置されており、右側の1つの普通入賞口24(所定入賞口)は、始動ゲート20と第1可変入賞装置30との間に配置されている。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で中始動入賞口26、普通入賞口22,24に入球したり、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したり、始動ゲート20を通過したり、開放動作時の第1可変入賞装置30に入球したり、開放動作時の可変始動入賞装置28に入球したりする。
ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、主に中始動入賞口26に入球するか、普通入賞口22に入球する可能性がある。一方、遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、主に、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球するか、始動ゲート20を通過するか、普通入賞口24に入球するか、開放動作時の第1可変入賞装置30に入球するか、開放動作時の可変始動入賞装置28に入球する可能性がある。
始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、中始動入賞口26、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31に入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通孔を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
ここで、本実施形態では、遊技領域8a(盤面)の構成上、中始動入賞口26や普通入賞口22に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の左側部分の領域(左打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「左打ち」を実行する)必要がある。
一方、可変始動入賞装置28や、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31、普通入賞口24に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の右側部分の領域(右打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「右打ち」を実行する)必要がある。
可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って右始動入賞口28a(始動入賞口)への入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、1つの開閉部材28bを有しており、開閉部材28bは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。開閉部材28bは先端が上を向いた状態で閉止位置にあり、このとき右始動入賞口28aへの入球は不能(遊技球が入球できる隙間がない状態)となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、開閉部材28bは閉止位置から開放位置に向けて変位し(右方向に倒れこみ)、右始動入賞口28aを開放する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の入球が可能な状態となり、右始動入賞口28aへの入球を発生させることができる(可変始動入賞手段)。なお、このとき開閉部材28bは始動入賞口28aへの遊技球の入球を案内する部材としても機能する。
第1可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当り又は小当りの態様で停止表示された場合)であって所定の第1条件(例えば16ラウンド確変図柄1以外の当選図柄で当選したという条件、小当り遊技の開放状態であるという条件)が満たされた場合に作動し、第1大入賞口30b(上大入賞口)への入球を可能にする(特別電動役物、第1特別入球事象発生手段)。
第1可変入賞装置30は、1つの開閉部材30aを有しており、開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。開閉部材30aは先端が上を向いた状態で閉止位置にあり、このとき第1大入賞口30bへの入球は不能(遊技球が入球できる隙間がない状態)となっている。一方、第1可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aは閉止位置から開放位置に向けて変位し(左方向に倒れこみ)、第1大入賞口30bを開放する。この間に第1可変入賞装置30は遊技球の入球が可能な状態となり、第1大入賞口30bへの入球を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは第1大入賞口30bへの遊技球の入球を案内する部材としても機能する。
第2可変入賞装置31は、第1可変入賞装置30と同様に規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合)であって、所定の第2条件(例えば16ラウンド確変図柄1の当選図柄で当選したという条件)が満たされた場合に作動し、第2大入賞口31b(下大入賞口)への入球を可能にする(特別電動役物、第2特別入球事象発生手段)。
第2可変入賞装置31は、1つの開閉部材31aを有しており、開閉部材31aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。開閉部材31aは先端が上を向いた状態で閉止位置にあり、このとき第2大入賞口31bへの入球は不能(遊技球が入球できる隙間がない状態)となっている。一方、第2可変入賞装置31が作動すると、開閉部材31aは閉止位置から開放位置に向けて変位し(左方向に倒れこみ)、第2大入賞口31bを開放する。この間に第2可変入賞装置31は遊技球の入球が可能な状態となり、第2大入賞口31bへの入球を発生させることができる。なお、このとき開閉部材31aは第2大入賞口31bへの遊技球の入球を案内する部材としても機能する。
遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列や構造物の形状は、基本的に可変始動入賞装置28(開放時の右始動入賞口28a)や第1可変入賞装置30(開放時の第1大入賞口30b)、第2可変入賞装置31(開放時の第2大入賞口31b)へ向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が開放中の可変始動入賞装置28(右始動入賞口28a)や第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)に必ず入球するというわけではなく、あくまで入球は無作為に発生する。
遊技盤ユニット8には、その中央位置から右側部分にかけて上記の演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。また、遊技板8bが透明樹脂板(例えばアクリル板)である場合、前面側だけでなく遊技板8bの背後に配置された各種の装飾体(可動体や発光体を含む)による装飾性を付加することができる。
その他に演出ユニット40の内部には、演出用の可動体40f(例えば動物のキャラクター)とともに駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。これら可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40kが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40kに案内された遊技球は、その真下にある中始動入賞口26に流入しやすくなる。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、各種入賞口に入球(入賞)しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、普通入賞口22,24や中始動入賞口26、右始動入賞口28a、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
図908は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の右側位置)を拡大して示す正面図である。すなわち遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の右側位置に普通図柄表示装置33及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35及び遊技状態表示装置38が設けられている。このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0~4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、上記の始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により、対応する第1特別図柄又は第2特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。なお、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0~4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、中始動入賞口26に遊技球が入球するごとに、中始動入賞口26に遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、可変始動入賞装置28に遊技球が入球するごとに、右始動入賞口28aに遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で中始動入賞口26に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また、遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b,38c、確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定ランプ38fにそれぞれ対応するLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。
図909は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行(内容)を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数回路(乱数発生器)75や割込みコントローラ(割込みCTR)192、パラレルI/Oポート79、タイマ回路(PTC)194、シリアル通信回路(SCU)196が装備されている。このうち乱数回路75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0~65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は主制御CPU72に入力される。また、割込みコントローラ192は、パラレルI/Oポート79、タイマ回路194、シリアル通信回路196から各割込み要求(XINT割込み、PTC割込み、SCU割込み)を受け付け、これらの割込み要求を優先順位に基づき制御する。その他にも主制御装置70には、RAM76の初期化を行うためや設定変更等を行うためのRAMクリアスイッチ304や、パラレルI/Oポート79、図示しないクロック発生回路、様々な状態を監視し必要に応じてリセットを発生させるリセットコントローラ等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。なお、主制御装置70のI/Oポートはシリアル形式としてもよい。
さらに、主制御装置70には、設定変更装置300、設定キースイッチ302、RAMクリアスイッチ304が設けられている。主制御装置70(主制御CPU72)は、設定変更装置300を動作させることにより設定を変更する。設定変更装置300は、設定(少なくとも特別図柄抽選の当選確率に関する設定)を切り替える装置であり、パチンコ機1に備えられたRAMクリアスイッチ304等の操作により作動する(設定手段)。また、設定とは、作動確率の組み合わせをいう。さらに、作動確率とは、条件装置が作動することとなる(大当り遊技が実行されることとなる)特別図柄の組み合わせが表示される確率をいう。設定キースイッチ302は、設定を切り替える上で必須となる設定キーの回転に伴い、その回転状態を示す信号(ON/OFF)を入力する入力装置である。設定の変更の手順は、様々な手法を採用することができるが、例えば、以下の手順で行うことができる。
(1)まず、パチンコ機1の電源をOFFにする。
(2)ついで、専用キー(ドアキー)でパチンコ機1の扉を開ける。具体的には、専用キーをシリンダ錠6aの鍵穴に差し込んで右方向に回転し、内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4を開放する。
(3)パチンコ機1の内部には、設定キーを挿入するための設定キー用鍵穴と、RAMクリアスイッチ304とが設けられているため、設定キー用鍵穴に設定キーを挿入し、設定キーを右方向に回転する。
(4)そして、パチンコ機1の電源をONにする。
(5)これにより、設定キーが変更位置に回転されたことを示す信号(ON)が設定キースイッチ302により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が可能な状態となる。このとき、図示しないロック機構により安全ロックが掛けられる。したがって、設定キーは、元の位置に戻されない限りは抜き取ることが不可能となる。
ここで、設定キーを右方向に回転した状態で、RAMクリアスイッチ304をONにしながら、電源をONにすると、設定が変更な状態となる(設定変更状態)。一方、設定キーを右方向に回転した状態で、RAMクリアスイッチ304をONにせずに、電源をONにすると、設定の参照が可能な状態となる(設定参照状態)。
(6)設定の変更が可能な状態において、RAMクリアスイッチ304を任意の回数だけ押下することにより、例えば、6段階のうちのいずれかの段階に設定を変更することができる。
設定値は、例えば、性能表示モニタ200や、専用の7セグセグメントLED、遊技状態表示装置38(特別図柄表示装置等)に表示することができる。
(7)スロット機の場合、目的の設定に達したら、レバーON処理が必要になるが、パチンコ機1にはレバーが存在しないため、レバーON処理の代わりの代替処理(例えば、設定キーを左方向に回転する処理、不図示の設定変更確定ボタンをONにする処理等)を実行したり、レバーON処理を省略したりしてもよい。本実施形態では、目的の設定に達したら、設定キーを反時計回りに回転させて元の位置に戻す。この操作により、設定キーが元の位置に戻されたことを示す信号(OFF)が設定キースイッチ302により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が確定する。
(8)そして、設定の変更が確定すると、設定キーを設定キー用鍵穴から抜き取ることができる状態となる。この動作により、性能表示モニタ200や、専用の7セグセグメントLED、遊技状態表示装置38に設定値を表示している場合には、その表示が消える。
(9)最後に、パチンコ機1の扉を閉める。これにより、設定の変更が完了する。設定の変更が完了すると、通常の遊技が開始される。
設定が変更された場合、主制御CPU72は、変更後の設定値をRAM76の設定値バッファに記憶する。設定値バッファは、バックアップの対象となるメモリ領域とすることができる。
〔設定変更の概要〕
設定変更の概要は、以下の通りである。
「設定キーON」、「内枠開放状態」、かつ、「RAMクリアスイッチ押下状態」で電源を投入すると、RAMクリア後、設定変更中の状態(設定変更モード)となる。
設定変更中の状態では、メイン表示器(遊技状態表示装置38に含まれる各種ランプ)の表示はなく、遊技球の発射や遊技球の賞球等は一切できない状態となる。
この場合、性能表示モニタ200の左側2つの7セグメントLED(識別セグ)に「rn.」が表示され、右側2つの7セグメントLED(比率セグ)に「-1」のように設定値が表示される。また、RAMクリアスイッチを押下すると、設定値が1~6の範囲で変化する。
そして、「設定キーOFF」とすると、設定確定となり、比率セグの表示は「空欄(非表示)1」のように「-」のセグが消灯する(非表示となる)。
この状態で、内枠閉鎖となった場合(実際には閉鎖状態が100ms継続した場合)、設定変更中の状態は終了となり、一旦、電源断前の状態に移行してから、通常遊技状態に移行する。
本実施形態では、RAMクリアスイッチ304と設定変更スイッチとを兼用している例で説明しているが、RAMクリアスイッチ304とは別に設定変更スイッチを別途設けてもよい。
〔設定参照の概要〕
設定参照の概要は、以下の通りである。
「設定キーON」、「内枠開放状態」、かつ、「RAMクリアスイッチ押下でない状態」で電源を投入すると、設定参照中の状態(設定参照モード)となる。
設定変更中の状態と同様に、設定参照中の状態では、メイン表示器の表示はなく、遊技球の発射や遊技球の賞球等は一切できない状態となる。
この場合、性能表示モニタの左側2つの7セグメントLED(識別セグ)に「rn.」が表示され、右側2つの7セグメントLED(比率セグ)に「空欄(非表示)1」のように設定値が表示される。また、設定参照中の状態では、RAMクリアスイッチを押下しても、設定値は変化しない。
この状態で、「設定キーOFF」、かつ、「内枠閉鎖状態」となった場合(実際には閉鎖状態が100ms継続した場合)、設定参照中の状態は終了となり、一旦、電源断前の状態に移行してから、通常遊技状態に移行する。
なお、本実施形態では、通常遊技中に設定参照を行うことはできないが、通常遊技中に設定参照を実行可能にしてもよい。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31にそれぞれ対応して中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84及び第2カウントスイッチ85が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82は、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28a)への遊技球の入球を検出するためのものである。また、第1カウントスイッチ84は、第1可変入賞装置30(第1大入賞口)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22への遊技球の入球を検出する第1入賞口スイッチ86と、普通入賞口24への遊技球の入球を検出する第2入賞口スイッチ81とが装備されている。なお、左側の3つの普通入賞口22については、共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば3つの入賞口スイッチを設置して、各普通入賞口22に対する遊技球の入球を個別に検出してもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
また、遊技盤ユニット8には、アウトスイッチ99が設けられている。遊技盤ユニット8には、普通入賞口22,24、中始動入賞口26、右始動入賞口28a、第1大入賞口30b、第2大入賞口31b、アウト口32を通過した遊技球を合流させる合流通路が形成されており、この合流通路にアウトスイッチ99が設けられている。アウトスイッチ99は、合流通路を通過する遊技球を検出するものであり、遊技球を検出するたびに検出信号が主制御装置70に入力される。主制御装置70は、アウトスイッチ99から入力される検出信号に基づいて、アウト球の数を計数する。ここで、遊技領域8aに発射された遊技球は、必ず、合流通路を通過してパチンコ機1の外部に排出されることから、アウトスイッチ99は、遊技領域8aに発射された発射球数、つまり、遊技領域8aから排出される排出数(アウト球数)を計数する。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上述したように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89にはパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、主制御装置70には、パネル中継端子板87を介して、性能表示モニタ200が接続されている。性能表示モニタ200は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作が制御される。主制御CPU72は、ベースの算出状況に応じて性能表示モニタ200に対する制御信号を出力し、7セグメント201~204の点灯状態を制御する。
なお、性能表示モニタ200は、パネル中継端子板87を介して主制御装置70に接続する例で説明しているが、パネル中継端子板87を介さずに主制御装置70に接続してもよく、主制御装置70の内部の構成として性能表示モニタ200を配置してもよい。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31にそれぞれ対応して、普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90及び第2大入賞口ソレノイド97が設けられている。これらソレノイド88,90,97は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31を開閉動作(作動)させたり、確変領域用羽根部材31dを可動させたりする。なお、これらソレノイド88,90,97についてもパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている(検出手段)。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM(RAM)98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出制御装置92は、主制御装置70と通信可能であり、主制御装置70から送信される払出コマンドに基づいて遊技球を払い出す。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って受皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに、下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上述したように遊技領域8aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置するグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル、球発射装置)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして、発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
受皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120にCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。また、CRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、CRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126が回路基板(複合サブ制御基板)上に装備されている。演出制御CPU126は、図示しないCPUコアとともにRAM(RWM)130やeDRAM131等の半導体メモリを内蔵したLSIとして構成されている。演出制御装置124には、パチンコ機1において演出を実現する上で必要となる様々な機能が搭載されている。例えば、液晶表示器42の画面上で再生される演出画面を描画するためのVDP152や、視覚効果を生み出すランプ46~52、盤面ランプ53や可動体モータ57、ステータスLED58等のデバイスを制御するためのドライバIC132、音声を出力するスピーカ54,55,56を制御するための音声IC134等が装備されている。演出制御装置124の内部の機能構成については、別の図を用いて詳しく後述する。
演出制御装置124と主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種演出用のコマンド(以下、「サブコマンド」又は「演出コマンド」と称する。)のバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバ(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にサブ接続基板136が設置されており、ドライバIC132や音声IC134からの駆動信号はサブ接続基板136を経由して各種ランプ46~52やスピーカ54,55,56に印加されている。また、サブ接続基板136には、演出切替ボタン45や図示しない音量調整スイッチが接続されており、遊技者が演出切替ボタン45や音量調整スイッチを操作すると、それらの接点信号がサブ接続基板136を通じて演出制御装置124に入力される。さらに、サブ接続基板136には、ジョグダイアル45aが接続されており、遊技者がジョグダイアル45aを回転させると、その回転信号がサブ接続基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではサブ接続基板136に演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aを接続した例を挙げているが、受け皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aは受け皿電飾基板に接続されていてもよい。
その他、遊技盤ユニット8にはドライバ基板138が設置されており、このドライバ基板138には盤面ランプ53の他に可動体モータ57、ステータスLED58が接続されている。可動体モータ57は、例えば図示しないリンク機構を介して可動体40fを駆動する。ドライバIC132からの駆動信号は、ドライバ基板138を経由して盤面ランプ53、可動体モータ57及びステータスLED58にそれぞれ印加される。
液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上述したように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
〔演出制御装置の内部構成〕
図910は、演出制御装置124の内部の機能構成を示すブロック図である。
上述したように、演出制御装置124は遊技の進行に伴い演出を制御する演出制御プロセッサとしての役割を有している。そのため演出制御装置124には、演出制御CPU126に加え、演出制御装置124が演出制御プロセッサとして機能する上で必要となる制御ROM180及びウォッチドックタイマIC(WDTIC)188が装備されている。制御ROM180には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されている。演出制御CPU126は、図示しないCPUバスを介して制御ROM180にアクセスし、制御ROM180に格納されたプログラムを実行することにより演出を制御する。ウォッチドックタイマIC188は、演出制御装置124で実行される制御が正常になされているか(想定時間内に処理が完了しているか)を監視するタイマであり、演出制御CPU126のリセット端子に接続されている。ウォッチドックタイマIC188の監視タイマをクリアするための信号(クリアパルス)が所定時間内に入力されなかった場合、ウォッチドックタイマIC188は演出制御CPU126に対しリセット起動させるための信号(リセットパルス)を出力する。これにより、演出制御装置124が強制的にリセット起動される。
演出制御装置124にはこれらの他にも、演出に関わる機能として、バックアップデータ用の記憶領域であるSRAM182、所定周波数のクロック信号を生成する水晶発振器181、時刻管理を行うリアルタイムクロック(RTC)184、SRAM182及びRTC184に対しバックアップ電源を供給するリチウム電池186、図示しない入出力ドライバやカウンタ/タイマ回路等の周辺IC等が装備されている。リチウム電池186は、電源制御ユニット162から演出制御装置124に対し駆動電力が供給されている間に、この電力を蓄えて自身を充電する。SRAM182及びRTC184は、リチウム電池186に接続されており、電源制御ユニット162からの演出制御装置124への駆動電力の供給が断たれた場合にはリチウム電池186により駆動可能となる。したがって、SRAM182及びRTC184は、電源制御ユニット162からの電力供給が断たれた場合でも、リチウム電池186の充電が切れるまでの期間(例えば、約1か月半)は動作を継続するため、SRAM182は、電源断の状況下においても暫くは格納されている情報を保持することができる。
なお、演出制御プログラムは、容易に消去されるべきではないセキュリティや監視、不具合等に関する情報をSRAM182に保存するよう構成されている。これにより、例えば、演出制御装置124で何らかの不具合が発生した場合に、パチンコ機1を回収(又は設置状態で点検)し、SRAM182に保持されている情報を解析することにより不具合の要因調査を進めることが可能となる。
演出制御装置124は、遊技に関する演出の内容を制御する装置である。
RTC184は、シリアル通信等によって演出制御装置124と通信可能であり、現在時刻情報(所定の情報)を保持している装置である。また、RTC184は、遊技機が電断状態であるか否かに関わらずに現在時刻を計時し、現在時刻情報を更新する装置である。
ところで、演出制御CPU126が制御ROM180に格納されたプログラムに沿って実行する演出の制御には、上述したように液晶表示器42、各種ランプ46~53やスピーカ54,55,56、ステータスLED58等のデバイスを用いた演出の制御が含まれる。この演出制御の流れは、大きくみると「全体制御(再生指示)」と「個別制御(再生制御)」の2つの段階に分けられる。演出制御CPU126は、先ず主制御装置70から送信される演出コマンドを受信し、演出コマンドの内容に応じた演出の再生を各デバイスに対して間接的に指示する(全体制御)。次に、演出制御CPU126は指示内容を各デバイスに適したより具体的な表現に変換した指示データを生成し、演出制御CPU126と各デバイスとの間を中継する各制御デバイス134,152,198,199に送信する(個別制御)。その結果として、各制御デバイス134,152,198,199により指示データに基づく各デバイスの制御がなされ、パチンコ機1における各デバイスを用いた演出再生(画面表示、音声出力、ランプ発光、可動体変位等)が実現される。
このように、演出制御CPU126は、演出制御の段階に応じて異なる機能を有しており、これらの機能は演出制御CPU126のリソースを使い分けることにより実現されている。全体制御の段階では、演出制御CPU126内の演出制御部210が動作主体となる。また、個別制御の段階では、制御対象とされるデバイスに応じて演出制御CPU126内の表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224、モータ制御部226又はセンサ制御部228が各動作主体となる。なお、演出制御部210が各制御デバイス134,152,198,199を直接的に制御する構成としてもよい。
演出制御装置124は、全体制御の段階では演出制御プロセッサとして機能するのに対し、個別制御の段階では演出再生プロセッサとして機能する。そのため、演出制御装置124にはさらに、VDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)やCGROM(画像・音声ROM)190の他、演出の再生に用いられる各種デバイスを制御するための音声IC134、LEDドライバ198、SMC(シリアル制御コントローラ)199及びドライバIC132が装備されている。
CGROM190は、演出画面を構成する描画素材(動画像データ)や演出の進行とともに出力される音声素材(音声データ)を所定の圧縮アルゴリズムにより圧縮された状態で格納している。CGROM190は、図示しないCGバスを介してVDP152や音声IC134に接続されている。
VDP152は、演出画像の描画専用のプロセッサであり、演出制御CPU126とともにワンチップに統合されている。また、VDP152には、主に描画素材を展開する際に用いられるVRAM156と、圧縮された状態の描画素材を解凍(復号)する描画素材デコーダ157とが内蔵されている。VDP152は、先ず表示制御部220から送信された指示内容を解析し、CGバスを介してCGROM190から必要な描画素材を読み出しVRAM156に転送する。そして、読み出した描画素材を描画素材デコーダ157で復号してVRAM156上で演出画像の描画を行い、演出画像を1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開する。ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動することにより、演出画面の再生を実現する。
音声IC134は、演出の実行中に再生される効果音やBGM等の音声を生成するサウンドジェネレータであり、図示しないアンプや外部DRAM、CGバスに接続されている。また、音声IC134には、圧縮された状態の音声素材を解凍(復号)する音声素材デコーダ135が内蔵されている。音声IC134は、先ず音声制御部222から送信された指示内容を解析し、CGバスを介してCGROM190から必要な音声素材を読み出す。そして、読み出した音声素材を外部DRAM上で音声素材デコーダ135を用いて復号する。アンプを経由してガラス枠上スピーカ54,55及び外枠スピーカ56に復号した音声を出力することにより、ステレオ2ch又はモノラル2chの音声再生(より大きなチャンネル数としてもよい)を実現する。また、音声IC134は、音量調整スイッチが操作された場合に入力される接点信号に基づいて、各スピーカ54,55,56の出力音量を調整する。
LEDドライバ198は、パチンコ機1の前面側に設けられた各種ランプ46~53、ステータスLED58の点灯パターン及び輝度パターンを制御する。LEDドライバ198においては、アドレス指定同期シリアル方式が採用されている。LEDドライバ198は、先ずランプ制御部224から送信された指示内容に基づいて点灯パターン及び輝度パターンの制御を行い、これに応じた駆動データをドライバIC132に転送する。
SMC199は、演出ユニット40の内部に設けられた演出用の可動体40f等の駆動源となる可動体モータ57の駆動パターンを制御する。SMC199においては、クロック同期式シリアル方式が採用されている。SMC199は、先ずモータ制御部226から送信された指示内容に基づいて駆動パターンを生成し、これをドライバIC132に転送する。なお、ここではSMC199をモータの駆動パターン生成にのみ用いているが、SMC199はモータだけでなくランプの点灯パターンや輝度パターンを生成することもできるため、上述したLEDドライバ198に代えてSMC199を適用し、SMC199がランプ及びモータの両方のデータパターンを生成する構成とすることも可能である。
ドライバIC132は、LEDドライバ198やSMC199から転送された駆動データに基づいてランプやモータに対し印加する駆動電圧の制御を行う。ドライバIC132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、各種ランプ46~53や可動体モータ57、ステータスLED58に印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その動作を管理することにより、ランプや可動体を用いた演出再生を実現する。なお、各種ランプ46~53のうち盤面ランプ53は、演出ユニット40に内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等に内蔵されるLEDに相当するものである。ステータスLED58は、一又は複数のLEDにより構成されており、演出制御装置のステータスの状態(例えば、システム初期化前状態、システム初期化後状態、通常状態等)を点灯パターンによって示すランプである。また、ここではガラス枠装飾ランプ52がサブ接続基板136に接続されている例を挙げているが、受皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、ガラス枠装飾ランプ52については受け皿電飾基板を介してドライバIC132に接続される構成であってもよい。
この他にドライバIC132は、演出切替ボタン45やジョグダイアル45aが操作された場合に入力される接点信号を、センサ制御部228を経由して演出制御部210に転送する。演出制御部210は、転送される接点信号の内容に基づいて、再生する演出内容を適宜変化させる。
図911は、主制御CPU72が用いるメモリ領域のメモリマップを示す図である。
主制御CPU72が用いるメモリ領域は、ROM74に割り当てられたメモリ領域(0000H~2FFFH)と、RAM76に割り当てられたメモリ領域(F000H~F3FFH)とを含んでいる。
アドレス0000H~0BFFHの領域(第1領域)は、使用領域のプログラムコード(プログラム)を格納可能な領域である。使用領域のプログラムコードは、遊技の実行に必要となる(遊技の進行を制御するための)第1情報である。
アドレス0000H~0BFFHの領域(第1領域)には、使用領域のプログラムコード(第1情報)、及び、遊技の実行に必要とならないプログラムコード(第2情報)のうちの一部の情報である特別プログラムコード(特別情報)が格納されている。
アドレス0C00H~0FFFHの領域は、未使用の領域である。
アドレス1000H~1BFFHの領域(第1領域)は、使用領域のプログラムデータ(データ)を格納可能な領域である。使用領域のプログラムデータは、遊技の実行に必要となる第1情報である。
アドレス1000H~1BFFHの領域(第1領域)には、使用領域のプログラムデータ(第1情報)、及び、遊技の実行に必要とならないプログラムデータ(第2情報)のうちの一部の情報である特別プログラムデータ(特別情報)が格納されている。
アドレス1C00H~1FFFHの領域は、未使用の領域である。
アドレス2000H~2FFFHの領域(第2領域)は、領域外のプログラムコード・プログラムデータを格納可能な領域である。領域外のプログラムコード・プログラムデータは、遊技の実行に必要とならない(例えば、遊技機規則で定める試験を行うための処理や、性能表示モニタに関連する処理に関する)第2情報である。
アドレス2000H~2FFFHの領域(第2領域)には、遊技の実行に必要とならないプログラムコード・プログラムデータ(第2情報)のうちの残りの情報である非特別プログラムコード・非特別プログラムデータ(非特別情報)が格納されている。
アドレス3000H~EFFFHの領域は、未使用の領域である。
アドレスF000H~F1FFHの領域は、使用領域のワーク領域及びスタックRAMとして用いられる。
アドレスF200H~F3FFHの領域は、領域外のワーク領域及びスタックRAMとして用いられる。
これらの領域は、使用領域のプログラムが実行されている際や領域外のプログラムが実行されている際に、一時的に用いられる領域やデータを一時的に退避させるスタック領域として用いられる。
アドレスF400H~FFFFHの領域は、未使用の領域である。
ROM74のメモリ領域には、使用領域及び領域外以外に、プログラムのタイトル、バージョン等の任意のデータが格納される領域や、主制御CPU72がプログラムを実行するために必要な情報が格納されるプログラム管理領域を設けてもよい。
このように、本実施形態のROM74及びRAM76(記憶手段)は、遊技の実行に必要となるプログラムコード・プログラムデータ(第1情報)を格納可能な使用領域(第1領域)、及び、遊技の実行に必要とならないプログラムコード・プログラムデータ(第2情報)を格納可能な領域外(第2領域)を有する。
ここで、使用領域とは、遊技の進行を制御するために使用可能な容量が遊技機規則で定められている領域であり、領域外とは、使用可能な容量の計算に含めない領域である。
主制御装置70(主制御CPU72)は、遊技の実行に必要となるプログラムコード・プログラムデータ(第1情報)及び遊技の実行に必要とならないプログラムコード・プログラムデータ(第2情報)に基づいてパチンコ機1(遊技機)を制御する(制御手段)。
使用領域(第1領域)には、遊技の実行に必要となるプログラムコード・プログラムデータ(第1情報)、及び、遊技の実行に必要とならないプログラムコード・プログラムデータ(第2情報)のうちの一部の情報である特別プログラムコード・特別プログラムデータ(特別情報)が格納されている。
領域外(第2領域)には、遊技の実行に必要とならないプログラムコード・プログラムデータ(第2情報)のうちの残りの情報である非特別プログラムコード・非特別プログラムデータ(非特別情報)が格納されている。
特別プログラムコード・特別プログラムデータ(特別情報)は、遊技の内容が異なる複数種類の機種における各機種で異なる情報であり、非特別プログラムコード・非特別プログラムデータ(非特別情報)は、遊技の内容が異なる複数種類の機種における各機種で共通する情報である。
このため、遊技機の仕様を変更する場合には、特別プログラムコード・特別プログラムデータを変更する必要がある。一方、非特別プログラムコード・非特別プログラムデータは、遊技機の仕様を変更する場合であっても、変更する必要がない。
特別プログラムコード・特別プログラムデータ(特別情報)には、ベースを算出する処理のうち、遊技状態に基づいてベースを算出するか否かを判定する判定処理、及び、賞球数の値を確認する確認処理のうち少なくとも一方の処理に関する情報が含まれている。判定処理又は確認処理のいずれかは、非特別プログラムコード・非特別プログラムデータ(非特別情報)としてもよい。
本実施形態では、主制御CPU72の性能上、同一の命令(プログラムコード)を使用する場合であっても、使用領域で使用する場合と、領域外で使用する場合とで処理速度が異なることがある。例えば、使用領域ではLDQ命令(特殊ロード命令)を使用する場合、処理速度は速くなるが、領域外でLDQ命令を使用する場合、処理速度は速くならない。このため、領域外では処理速度が遅いLD命令(通常ロード命令)を使わざるを得ない。この理由は、LDQ命令を領域外で使用する場合、スタックポインタ、Qレジスタの退避、再設定、復帰処理を追加する必要があるため、処理速度がかえって遅くなってしまうからである。
このため、本実施形態では、領域外に関する処理を実行する場合よりも、使用領域に関する処理を実行する場合の方が処理速度が速い。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。
図912は、設定値と特別図柄抽選の当選確率との関係を示す図である。
設定値が「1」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/319」である。
設定値が「2」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/299」である。
設定値が「3」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/279」である。
設定値が「4」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/259」である。
設定値が「5」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/239」である。
設定値が「6」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/199」である。
設定値が「1」~「6」である場合、特別図柄抽選の当選確率(高確率状態)は、「1/32」である。
このように、設定値が大きい値であるほど、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、大きな値となっているため、遊技者にとって有利な状況となる。
なお、図示の例では、特別図柄抽選の当選確率は、低確率状態でのみ設定差を設ける例で説明したが、高確率状態でも設定差を設けてもよい。また、設定に関しては、大当り確率だけでなく、小当り確率に設定差を設けてもよい。さらに、その他の項目(例えば、高確率状態への移行率、時間短縮状態への移行率、確変回数、時短回数、特殊変動回数等)に設定差を設けてもよい。
図913は、設定キーの状態と、設定変更の可否及び挿抜の可否とを示す図である。
設定キーの状態がONである場合(右方向に回転している場合、設定キースイッチ302からの入力信号がONである場合)、設定変更(設定参照も含む)は可能であり、設定キーを抜くことは不能である。つまり、設定変更中や設定参照中は、設定キーを抜くことはできない。
一方、設定キーの状態がOFFである場合(左方向に回転している場合、設定キースイッチ302からの入力信号がOFFである場合)、設定変更(設定参照も含む)は不能であり、設定キーを抜くことは可能である。つまり、設定変更中や設定参照中でなければ、設定キーを抜くことができる。
なお、設定の変更が可能な状態(設定変更中、設定変更状態)又は設定の参照が可能な状態(設定参照中、設定参照状態)に移行するか否かは、電源投入時の設定キー等の状態に基づいて判断される。電源投入時に実行される制御処理の具体的な内容については、別のフローチャートを参照しながら詳しく後述する。
設定変更及び設定参照について、「設定キー」を用いず、例えばボタン操作のみで設定変更状態や設定参照状態に移行することが可能である場合、設定変更の権限がない者(例えばホールスタッフや悪意のある遊技者等)が、設定変更や設定参照を行うことが可能となり、設定漏洩等の危険がある。
そこで、設定変更及び設定参照に関しては、「設定キー(鍵)」の使用を必須の条件にしている。
「設定キー」の状態は、ON又はOFFの2状態である。「設定キー」の状態は、設定キースイッチ302からの信号により確認することができる。「設定キー」の操作によるON状態やOFF状態を維持する。
「設定キー」の状態がOFFである場合のみ、「設定キー」の挿抜が可能である。「設定キー」は、設定キー用鍵穴306に挿入可能である。
設定キー用鍵穴306は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケース内に存在し、透明ケースを開封せず操作可能である。
例えば、主制御装置70のプログラムコード内に、以下の条件分岐を含める。
設定変更中又は設定参照中への移行条件に、設定キーがONであることを含める。
設定変更中の設定確定状態への移行条件に、設定キーをONからOFFにしたことを含める。あるいは、単に「設定キーがOFF状態であること」を含める。
設定変更中又は設定参照中の終了条件に、設定キーがOFFであることを含める。
これにより、「設定キー」なしには、設定変更中又は設定参照中に移行することができず、また、設定値を確定することができないため、ホール責任者の意図しない設定変更や設定漏洩を防ぐことができる。
ところで、設定キー用鍵穴306は上述したようにパチンコ機1の裏側に設置された主制御基板ユニット170に設けられていることから、設定を変更又は参照する作業を行うには設定キーを差し込むために内枠を開放する必要があり、また設定の変更作業を終えるにはその後の遊技の開始に備えて内枠を閉鎖する必要がある。そこで、これらの要件を踏まえ、設定変更中又は設定参照中への移行条件や設定変更中の設定確定状態への移行条件に内枠の開放状態(内枠アセンブリ7が外枠ユニット2から開放されているか否か)を含めてもよい。
より具体的には、設定変更中又は設定参照中への移行条件に、内枠が開放されていることを含めてもよい。また、設定変更中の設定確定状態への移行条件(変更された設定を確定させるための条件)に、内枠が閉鎖されてから一定時間(例えば100ms)が経過したことを含めてもよい。このような条件に基づいて各状態への移行を行うことにより、ホール責任者の意図しない設定変更や設定漏洩をさらに確実に排除して、セキュリティの堅牢性を一段と高めることが可能となる。
続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔主制御装置におけるCPU初期化(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御装置70においては主制御CPU72がCPU初期化処理を開始する(起動制御手段)。CPU初期化処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、CPU初期化処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図914及び図915は、CPU初期化処理の第1手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS100:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、割込みベクタテーブルの設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込みベクタテーブルのアドレスを割込み制御に使用するIレジスタ(割込みベクタレジスタ)にセットする。割込みベクタテーブルにはCPU初期化処理の実行中に発生した割込み要求を制御する上で必要となる優先順位が定義されており、主制御CPU72は割込みベクタテーブルに定義された優先順位に基づき複数の割込み要求を順番に実行する。
ステップS104:主制御CPU72は、RAMクリア信号(RAMクリアスイッチ304からの入力信号)を退避させる。より具体的には、RAMクリア信号が入力される入力ポートの値を2回連続して取得し、これらの値による論理和を入力ポート値として退避させておく。
ステップS106:主制御CPU72は、ここで待機処理を実行する。この処理は、電源が安定するのを待つ処理であるとともに、演出制御装置124の起動を待つ処理である。主制御CPU72は、電源投入後にある程度の待機時間(例えば数千ms程度、3.1秒程度)を確保しておき、その間に電源断予告信号(電源の遮断が発生しつつあることを示す信号)のチェックを行う。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら電源断予告信号の入力ポートをビットチェックする。電源断予告信号は、駆動電圧の電圧レベルを監視するICにより入力される。そして、ループカウンタが0になる前に電源断予告信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1~2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS108:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS109:主制御CPU72は、内枠開放、かつ、設定キーがONであるか否かを確認する。内枠開放は、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号により確認することができる。なお、内枠開放は、ガラス枠開放スイッチ91や、図示しないその他の内枠開放スイッチ等からの接点信号により確認してもよい。また、設定キーがONであるか否かは、設定キースイッチ302からの入力信号によって確認することができる。
その結果、内枠開放、かつ、設定キーがONであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS110を実行する。一方、内枠開放、かつ、設定キーがONであることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS113を実行する(ページ内結合子1→1)。
ステップS110:主制御CPU72は、先のステップS104で退避させた入力ポート値の特定ビットをチェックすることによりRAMクリア信号を参照し、RAMクリアスイッチ304が押下されていたか否かを確認する。
その結果、RAMクリアスイッチ304が押下されていたことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS112を実行する。一方、RAMクリアスイッチ304が押下されていたことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS111aを実行する。
ステップS111a:主制御CPU72は、設定変更中フラグの値が「00H」であるか否かを確認する。
設定変更中フラグは、RAM76の設定値バッファに記憶されており、「00H」は通常遊技中であることを示しており、「01H」は設定変更中・確定前を示しており、「02H」は設定変更中・確定後を示しており、「03H」は設定参照中を示している。
設定値バッファには、設定値も格納されており、設定値バッファは、RAMクリア起動時であってもクリアしない。この理由は、「設定変更中に電源断し、RAMクリア起動した場合であっても、設定変更中の状態を継続する」及び「設定参照条件を満たした場合に設定変更中フラグを変更しても、チェックサムの値に影響を与えないため」である。
その結果、設定変更中フラグの値が「00H」であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS111bを実行する。一方、設定変更中フラグの値が「00H」であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS114を実行する(ページ内結合子2→2)。
ステップS111b:主制御CPU72は、設定変更中フラグに「03H」をセットする処理を実行する。次に、主制御CPU72は、ステップS114を実行する(ページ内結合子2→2)。
ステップS112:主制御CPU72は、設定変更中フラグに「01H」をセットする処理を実行する。次に、主制御CPU72は、ステップS120を実行する(ページ内結合子3→3)。
ステップS113:主制御CPU72は、RAMクリアスイッチ304が押下されていたか否かを確認する。
その結果、RAMクリアスイッチ304が押下されていたことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS120を実行する(ページ内結合子3→3)。一方、RAMクリアスイッチ304が押下されていたことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS114を実行する。
ステップS114:主制御CPU72は、バックアップフラグとチェックサムが正常か否かを確認する処理を実行する。
バックアップフラグに関して、主制御CPU72は、バックアップフラグがセットされているか否か(RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か)を確認する。前回の電源遮断時に実行された処理でバックアップが正常に終了し、バックアップフラグに特定の値(例えば「01H」)がセットされていれば、バックアップフラグが正常であると判断する。なお、バックアップフラグは、正常なバックアップ処理が実行された場合に特定の値がセットされる。
チェックサムに関して、主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてチェックサムを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域のうち、バックアップフラグ及びチェックサムバッファを除く全ての領域をチェックサムする。チェックサムの結果が正常であれば、主制御CPU72はチェックサムが正常であると判断する。
その結果、バックアップフラグとチェックサムが正常であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS116を実行する。一方、バックアップフラグとチェックサムが正常であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS120を実行する。
ステップS116:主制御CPU72は、電源復帰時の初期化処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、RAM76の一部領域の記憶内容をクリアする。RAM76の一部領域とは、電源復帰時にクリア対象とするメモリ領域である。
ステップS117:主制御CPU72は、バックアップの復帰処理を実行する(記憶復帰手段)。主制御CPU72は、保存されている有効なバックアップ情報を復帰させる。これにより、主制御CPU72は電源遮断時の状態を復旧させることができる。
ステップS118:主制御CPU72は、電源復帰時に演出制御装置124に対し送信するべきコマンド(例えば、電源遮断から復帰して起動したことを示す電源復帰指定コマンド)及び払出コマンド(払出制御装置92に対し送信するべきコマンド)をセットする。この処理を終えると、主制御CPU72は、次にステップS125を実行する。
ステップS120:主制御CPU72は、RAMクリア時の初期化処理(RAMクリア処理)を実行する(記憶消去手段)。具体的には、主制御CPU72は、RAMクリア時にクリア対象となるRAM76の使用領域の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタック領域は初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。なお、RAM76の領域外の記憶内容は、クリアしてもよいし、クリアしなくてもよい。設定変更中フラグの値に関しても、クリアしてもよいし、クリアしなくてもよい。設定変更中フラグの値をクリアすると、後述するステップS131aの判定が必ず否定(No)になってしまうため、後述するステップS131aの判定をRAMクリア前の状態に基づいて行う場合には、設定変更中フラグの値をクリアしないことが好ましい。また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS124:主制御CPU71は、RAMクリア時に演出制御装置124に対し送信するべきコマンド(例えば、RAMクリア起動したことを示すRAMクリア指定コマンド)及び払出コマンド(払出制御装置92に対するコマンド)をセットする。
ステップS125:主制御CPU71は、RAMクリア時、電源復帰時に共通の初期化処理を実行する。
ステップS126:次に主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、ステップS118でセットされた払出コマンド(電源復帰指定コマンド)又はステップS124でセットされた払出コマンド(RAMクリア指定コマンド)を、払出コマンドバッファに出力する。
ステップS128:主制御CPU72は、サブコマンド出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先ず、ステップS118でセットされた演出コマンド(電源復帰指定コマンド)又はステップS124でセットされた演出コマンド(RAMクリア指定コマンド)をサブコマンド送信用バッファに出力する。また、主制御CPU72は、演出制御に必要となるその他の各種演出コマンド(例えば、機種指定コマンド、状態指定コマンド、特図先判定演出コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタ値コマンド、普通遊技管理フェーズコマンド、特別遊技管理フェーズコマンド、発射位置指定コマンド等)をセットし、これらをサブコマンド送信用バッファに出力する。このとき、主制御CPU72はこれらの演出コマンドに対し、電源復帰時とRAMクリア時とで異なる値をセットすることもできる。
例えば、電源復帰時には、バックアップ情報に基づいて各演出コマンドの値をセットする。これらの演出コマンドが後のサブコマンド送信処理(ステップS144)において演出制御装置124に対して送信されることにより、演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS130:主制御CPU72は、入力ポート処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は各入力ポートの内容を取得し、その値に対して所定の演算を行った結果を各入力ポートの状態フラグに格納する。この処理を終えると、主制御CPU72は次にステップS131に進む(ページ外結合子A→A)。
ステップS131:主制御CPU72は、主コマンド許可信号(通信許可信号)をリセットする処理を実行する。主コマンド許可信号は、主制御CPU72(主制御装置70)及び払出制御CPU94(払出制御装置92)がそれぞれ独自に設定可能な信号である。
主制御装置70と払出制御装置92とは2本のラインで接続されており、1つ目のラインは信号用のラインであり、2つ目のラインはコマンド用のラインである。
例えば、主制御CPU72が主コマンド許可信号をセットすると、払出制御CPU94はコマンドの送信が可能となる。一方、払出制御CPU94が主コマンド許可信号をセットすると、主制御CPU72はコマンドの送信が可能となる。
ここでは、主制御CPU72は、主コマンド許可信号をリセットする処理を実行しているため、払出制御CPU94はコマンドの送信が不能な状態となる。
なお、払出制御装置92側の払出コマンド許可信号がリセットされていない場合、主制御装置70はコマンドを送信可能である。ただし、設定変更中や設定参照中は、払出コマンド(賞球コマンド)が生成されないようになっているため、払出制御装置92において遊技球が払い出されることはない。払出制御装置92において主コマンド許可信号を設定可能である場合、払出制御装置92側の払出コマンド許可信号は、払出制御装置92側の主コマンド許可信号であってもよい。
ここで、主制御装置70側の主コマンド許可信号をリセットすると、払出制御装置92は通信エラーとなる。通信エラーを回避するために、払出制御装置92と通信し、設定変更中であることを示すコマンドを送信する方法を採用してもよい。
主制御装置70側の主コマンド許可信号をセットせず、払出制御装置92と通信をしない方式を採用する際の利点として、払出制御装置92のソフトの変更が不要であることが挙げられる。
なお、発射許可信号をリセットすることにより、遊技球を発射させないようにすることもできる。
本実施形態では、主コマンド許可信号は、主制御CPU72(主制御装置70)及び払出制御CPU94(払出制御装置92)がそれぞれ独自に設定可能な信号であるという内容で説明しているが、主コマンド許可信号は、主制御装置70だけが設定可能であり、払出制御装置92は設定することができない信号とすることができる。この場合、払出制御装置92では、主コマンド許可信号の代わりに、払出コマンド許可信号(通信許可信号)を利用する。そして、払出制御装置92が払出コマンド許可信号をセットすることにより、主制御装置70は払出制御装置92に対してコマンドを送信可能な状態となり、払出制御装置92が払出コマンド許可信号をリセットすることにより、主制御装置70は払出制御装置92に対してコマンドを送信不能な状態となる。
ステップS131a:主制御CPU72は、設定変更中又は設定参照中であるか否かを確認する。具体的には、設定変更中フラグの値が「01H」、「02H」又は「03H」であるか否かを確認する。
その結果、設定変更中又は設定参照中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS131bを実行しないでステップS132を実行する。一方、設定変更中又は設定参照中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS131bを実行する。
ステップS131b:主制御CPU72は、出力ポートの特定ビットに主コマンド許可信号をセットする処理を実行する。これにより、払出制御装置92は、主制御装置70に対してコマンドを送信することができる状態となる。これにより、設定変更中又は設定参照中でなければ、遊技球の払い出しが可能となる。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、設定変更中又は設定参照中(設定関連処理の実行中)に、所定の禁止状態を設定することにより、払出制御装置92に遊技球の払い出しを実行させない禁止処理を実行することができる(禁止処理実行手段)。
払出制御装置92は、主制御装置70に対して払出起動コマンド(起動コマンド)を送信し、払出起動コマンドに対する起動確認コマンドを受信することにより払出可能状態となり、払出可能状態において主制御装置70から送信される払出コマンドに基づいて遊技球を払い出す。
また、このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、所定の禁止状態を設定することにより、払出制御装置92から主制御装置70に対して払出起動コマンドが送信されることを禁止し、払出制御装置92が払出可能状態となることを禁止し、払出制御装置92に遊技球の払い出しを実行させないことができる(禁止処理実行手段)。
さらに、このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、主制御装置70側の主コマンド許可信号(通信許可信号)をOFF(通信不許可)に設定することにより、所定の禁止状態(主制御装置70側の主コマンド許可信号がOFFである状態)とすることができる(禁止処理実行手段)。
ステップS132:主制御CPU72は、出力ポートの特定ビットをリセット(OFF)して発射許可信号をクリアする。発射許可信号は電源遮断時におけるバックアップの対象に含まれる。したがって、主制御装置70(パチンコ機1)が電源復帰した場合、発射許可信号も電源遮断時の状態に戻される。
発射許可信号は、RAM76に記憶されている特定の出力ポートバッファ(例えば、出力ポート3用のバッファ)のうち、特定のビット(例えば、ビット0)にセットされている。
ステップS133:主制御CPU72は、タイマ割込み周期を設定する。より具体的には、主制御CPU72は所定のタイマ割込み周期(例えば、4ms)に相当する値をタイマ回路194のカウンタ設定レジスタに設定する。
ステップS134:主制御CPU72は、割込みデイジーチェーンをリセットする。具体的には、主制御CPU72は、割込み処理の事前準備として、この後で説明するメインループ処理の先頭アドレスをバックアップした上でRETI命令を実行する。この処理を行うことにより、これ以降に発生する割込み処理を正常に開始させ、さらに割込み処理の実行後にはメインループ処理から処理を続行することが可能となる。
CPU初期化処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は、ステップS135のメインループ処理の実行を開始する。電源制御ユニット162からの電力供給が保たれている限り、主制御CPU72はメインループ処理を終始繰り返して実行する。
パチンコ機1に設定の機能(設定変更装置300)を追加すると、電源投入時の状態が増える。このとき、いくつかの操作によって、電源投入時の状態である「通常復帰(復電)」、「RAMクリア復帰(初期化)」、「設定参照モード(設定参照)」、「設定変更モード(設定変更)」を分ける必要がある。
本実施形態では、電源投入時の状態を4つに分けるため、設定キースイッチ302とRAMクリアスイッチ304といった2つの入力装置を用いて移行判定を行うようにしている。
4つの状態への移行条件は、以下の通りである。
(1)通常復掃
RAMクリアスイッチ:OFF
設定キースイッチ:OFF
(2)RAMクリア復帰
RAMクリアスイッチ:ON
設定キースイッチ:OFF
(3)設定参照モード
RAMクリアスイッチ:OFF
設定キースイッチ:ON
(4)設定変更モード
RAMクリアスイッチ:ON
設定キースイッチ:ON
このように、設定キースイッチ302とRAMクリアスイッチ304との操作によって4つの状態を分けることができる。
図916は、CPU初期化処理の第1手順例のコマンド送信タイミングを示す図である。
〔主制御装置〕
電源が投入されると、主制御装置70は、〔A01〕3.1秒のウエイトを行い、〔A02〕起動方法の判定を行う。
起動方法の判定により、主制御装置70は、〔A03〕初期化(RAMクリア)によって起動したり、〔A04〕復電(バックアップ情報の復帰)によって起動したり、〔A05〕設定変更によって起動したり、〔A06〕設定参照によって起動したりする。
そして、〔A03〕初期化、〔A04〕復電、〔A05〕設定変更又は〔A06〕設定参照の処理が終了すると、主制御装置70は、〔A07〕主コマンド許可信号をONにセットし、〔A08〕通常遊技に移行する。主コマンド許可信号をONにセットした後は、払出制御装置92からのコマンドを受信可能な状態になる。
〔払出制御装置〕
電源が投入されると、払出制御装置92は、〔B01〕0.1秒のウエイトを行い、〔B02〕電源投入時処理を実行する。電源投入時処理では、払出制御装置92は、払出制御装置92側の主コマンド許可信号をONにセットすることができる。
次に、払出制御装置92は、〔B03〕払出コマンド許可信号をONにセットし、〔B04〕起動コマンド送信待ち状態に移行する。起動コマンド送信待ち状態は、主制御装置70側で主コマンド許可信号がONにセットされるのを待っている状態であり、主制御装置70に対してコマンドを送信することができない状態である(主制御装置70へのコマンド送信不能状態)。
そして、主制御装置70において、主コマンド許可信号がONにセットされると(〔A07〕)、払出制御装置92は、主制御装置70に対してコマンドを送信することができる状態となり(主制御装置70へのコマンド送信可能状態)、〔C01〕払出制御装置92は、主制御装置70に対して払出起動コマンドを送信する。
払出起動コマンドを受信した主制御装置70は、それに応答するコマンドとして、〔C02〕起動確認コマンドを払出制御装置92に対して送信する。
これにより、払出制御装置92は、〔B05〕通常遊技状態に移行し、遊技球の払い出しが可能な状態となる。
設定変更中又は設定参照中は、遊技停止状態とすることができるため、払出制御装置92からのコマンド送信を禁止したい。
設定変更中又は設定参照中は、払出制御装置92からのコマンド送信を禁止するために、CPU初期化処理の第1手順例では、以下の方式を採用する。払出制御装置92から主制御装置70へ送信されるコマンドは、以下のように分類される。
(1)払出起動コマンド(払出動作許可の確認)
(2)エラー関連コマンド(払い出しに係るエラー(満タンエラー、故障エラー等)を演出制御装置で報知)
各コマンド受信時の主制御装置70の動作は、以下の通りである。
(3)上記(1)のコマンドを受信後、主制御装置70から払出制御装置92に払出動作許可用のコマンド(起動確認コマンド)を返す。
(4)上記(2)のコマンド受信後、演出制御装置124にエラーコマンドを送信する。
ここで、上記(4)は実行しても問題ないが、上記(3)は設定変更中又は設定参照中に払い出しの動作を行ってしまう可能性がある。
そこで、上記(3)を行わないために、「主コマンド許可信号」を使用し、コマンド送信を行わない方法を採用する。
主コマンド許可信号の使用方法は、以下の通りである。
払出制御装置92は、コマンド送信前に、主制御装置70側の「主コマンド許可信号」を確認する。主制御装置70側の「主コマンド許可信号」とは、主制御装置70のコマンド受信可能状態を示す信号である。
本実施形態では、設定変更中又は設定参照中は、主制御装置70側で「主コマンド許可信号」をオフ状態に設定し、払出制御装置92がコマンド送信を行わない状態を作る。
主制御装置70において、主コマンド許可信号をOFFに設定するのみで払い出し不能状態とすることができ、払出制御装置92側についてはソフト修正が不要となる。また、主制御装置70側は、設定変更中又は設定参照中にコマンド受信が発生することを考慮せず設計することができる。
図917及び図918は、CPU初期化処理の第2手順例を示すフローチャートである。
CPU初期化処理の第1手順例と、CPU初期化処理の第2手順例との異なる点は、図915のステップS131~ステップS131bが、図918のステップS181~ステップS181bに変更された点である。なお、ページ外結合子もBに変更されている。
よって、以下の説明では、図918のステップS181~ステップS181bについて説明し、その他の点の説明は省略する。
ステップS181:主制御CPU72は、出力ポートの特定ビットに主コマンド許可信号(通信許可信号)をセットする処理を実行する。これにより、払出制御装置92は、主制御装置70に対してコマンドを送信することができる状態となる。
ステップS181a:主制御CPU72は、設定変更中又は設定参照中であるか否かを確認する。具体的には、設定変更中フラグの値が「01H」、「02H」又は「03H」であるか否かを確認する。
その結果、設定変更中又は設定参照中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS181bを実行する。一方、設定変更中又は設定参照中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS132を実行する。
ステップS181b:主制御CPU72は、払出動作停止コマンドをセットする処理を実行する。払出制御装置92が払出動作停止コマンドを受信すると、払出制御装置92は、遊技球の払い出しができない状態となる。この場合、払出制御装置92は、主制御装置70に対してコマンドを送信することができない状態に移行してもよい。
払出動作停止コマンドは、メインループ処理に移行した後のタイマ割込み処理において送信される。
設定変更中又は設定変更中も、タイマ割込み処理を実行するが、通常遊技とは異なる処理ルートを実行する。この点は、CPU初期化処理の第1手順例でも同様である。
払出動作開始コマンドは、電源復帰時の電源復帰時初期化処理(CPU初期化処理)又はRAMクリア時の初期化処理(CPU初期化処理)においてセットすることができる。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、ステップS132を実行する。
図919は、CPU初期化処理の第2手順例のコマンド送信タイミングを示す図である。
なお、図中の点線は、タイマ割込みが可能な時期を示している。
〔主制御装置〕
電源が投入されると、主制御装置70は、〔D01〕3.1秒のウエイトを行い、〔D02〕起動方法の判定を行う。
起動方法の判定により、主制御装置70は、〔D03〕初期化(RAMクリア)によって起動したり、〔D04〕復電(バックアップ情報の復帰)によって起動したりして、〔D05〕主コマンド許可信号をONにセットする。主コマンド許可信号をONにセットした以降は、払出制御装置92からのコマンドを受信可能な状態になる。
また、起動方法の判定により、主制御装置70は、〔D06〕設定変更によって起動したり、〔D07〕設定参照によって起動したりする。
そして、〔D03〕初期化、〔D04〕復電、〔D06〕設定変更又は〔D07〕設定参照の処理が終了すると、主制御装置70は、〔D08〕通常遊技に移行する。
〔D08〕通常遊技においては、主制御装置70は、タイマ割込み処理を実行可能な状態となり、タイマ割込み処理の中で〔D09〕設定変更、〔D10〕設定参照又は〔D11〕通常遊技に関する処理が実行される。
〔払出制御装置〕
電源が投入されると、払出制御装置92は、〔E01〕0.1秒のウエイトを行い、〔E02〕電源投入時処理を実行する。電源投入時処理では、払出制御装置92は、払出制御装置92側の主コマンド許可信号をONにセットすることができる。
次に、払出制御装置92は、〔E03〕払出コマンド許可信号をONにセットし、〔E04〕起動コマンド送信待ち状態に移行する。起動コマンド送信待ち状態は、主制御装置70側で主コマンド許可信号がONにセットされるのを待っている状態であり、主制御装置70に対してコマンドを送信することができない状態である(主制御装置70へのコマンド送信不能状態)。
〔F01〕主制御装置70は、払出制御装置92側の主コマンド許可信号を確認し、払出制御装置92側の主コマンド許可信号がONにセットされている場合には、払出制御装置92に対して起動コマンドを送信する。
そして、主制御装置70において、主コマンド許可信号がONにセットされると(〔D05〕)、払出制御装置92は、主制御装置70に対してコマンドを送信することができる状態となり(主制御装置70へのコマンド送信可能状態)、〔F02〕払出制御装置92は、主制御装置70に対して払出起動コマンドを送信する。なお、〔F01〕の起動コマンド送信と、〔F02〕の払出起動コマンドの送信は順番が前後する可能性もある。
払出起動コマンドを受信した主制御装置70は、それに応答するコマンドとして、〔F03〕起動確認コマンドを払出制御装置92に対して送信する。これにより、払出制御装置92は、遊技球の払い出しが可能な状態となる。
〔F04〕主制御装置70は、設定変更又は設定参照で起動した場合(〔D06〕又は〔D07〕)、払出制御装置92に対して、払出動作停止コマンドを送信する。これにより、払出制御装置92は、遊技球の払い出しが不能な状態となる。
〔F05〕主制御装置70は、設定変更又は設定参照に関する処理が終了した場合、払出制御装置92に対して、払出動作開始コマンドを送信する。これにより、払出制御装置92は、遊技球の払い出しが可能な状態となる。
そして、払出制御装置92は、〔E05〕通常遊技状態に移行する。
〔E05〕通常遊技においては、払出制御装置92は、タイマ割込み処理を実行可能な状態となり、タイマ割込み処理の中で〔E06〕払い出し許可待ち又は〔E07〕通常遊技に関する処理が実行される。
〔G01〕払出制御装置92では、起動確認コマンド受信から5秒間、払い出し動作不可に設定されている。このため、その間に払出動作停止コマンドを受信することにより、払出制御装置92の払い出しが禁止される。つまり、一瞬は、払い出し許可状態になるが、5秒間のウエイトがあるので、この間は、遊技球が払い出されることはない。そして、5秒間のウエイトが終了する前に、払出動作停止コマンドを送信しているため、遊技球は払い出しされない状態になる。そして、この状態で、設定変更又は設定参照が実行される。なお、払出動作開始コマンドに関しては、受信後に2秒間のウエイトが設定される。
設定変更中又は設定参照中は、遊技停止状態とすることができるため、払出制御装置92の払出動作を禁止したい。
設定変更中又は設定参照中は、払出制御装置92の払出動作を禁止するために、CPU初期化処理の第2手順例では、以下の方式を採用する。払出制御装置92から主制御装置70へ送信されるコマンドは、以下のように分類される。
(1)払出起動コマンド(払出動作許可の確認)
(2)エラー関連コマンド(払い出しに係るエラーを演出制御装置で報知)
各コマンド受信時の主制御装置70の動作は、以下の通りである。
(3)上記(1)のコマンドを受信後、主制御装置70から払出制御装置92に払出動作許可用のコマンド(起動確認コマンド)を返す。
(4)上記(1)のコマンドを受信後、演出制御装置124にエラーコマンドを送信する。
ここで、上記(4)は実行しても問題ないが、上記(3)は設定変更中又は設定参照中に払い出しの動作を行ってしまう可能性がある。
そこで、上記(3)の起動確認コマンドが送信されてから実際に遊技球が払い出される前に、「設定変更・参照開始コマンド」を払出制御装置92に送信し、払出制御装置92が遊技球を払い出さないようにする方法を採用する。
設定変更・参照開始コマンド受信後の払出制御装置92側の動作は、以下の通りである。
設定変更・参照開始コマンドを受信した払出制御装置92は、払い出し停止状態とする。払い出し停止状態の解除は、設定変更・参照終了コマンドを契機とする。
ここで、「設定変更・参照開始コマンド」や、「設定変更・参照終了コマンド」を新規コマンドとして用意してもよいが、「払出動作開始コマンド」、「払出動作停止コマンド」を使用することもできる。
この場合、「設定変更・参照開始コマンド」=「払出動作停止コマンド」であり、「設定変更・参照終了コマンド」=「払出動作開始コマンド」である。
これにより、設定変更中又は設定参照中に意図しない払い出しを防ぐことができ、「払出動作開始コマンド」や「払出動作停止コマンド」を使用することにより、払出制御装置92のソフト修正が不要となる。
図920は、メインループ処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順について説明する。
メインループ処理では、乱数の更新(乱数のかきまぜ等)を行いつつ、以下の3種類の割込みの発生を待つ。
(1)シリアル通信受信割込み(払出制御装置からのコマンド受信時)
(2)タイマ割込み(4msに1回のタイマタイムアップ時)
(3)電源断予告時割込み(電源断による入力電圧降下時)
そして、遊技に係る処理の大半は、タイマ割込み処理にて実行される。
ステップS141:主制御CPU72は、割込み禁止処理を実行する。
ステップS142:主制御CPU72は、初期値乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)、及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、当選の種類を決定するための大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別のタイマ割込み処理(図926中のステップS205)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が一巡する毎にループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。
初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS142では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、本処理では、大当り図柄乱数の初期値を更新している。ステップS141で割込みを禁止した後にステップS142を実行している理由は、別のタイマ割込み処理(図926中のステップS205)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、大当り決定乱数及び当り決定乱数は、乱数回路75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込み周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS143:主制御CPU72は、主コマンド解析処理を実行する。この処理では、シリアル通信受信割込みで保存した払出制御装置92からのコマンドがある場合、払出制御装置92から受信したデータを解析し、その結果に応じた処理を行う。具体的には、主制御CPU72は、受信した主コマンドが払出起動指定コマンドである場合には払出起動確認指定コマンドを払出コマンドバッファに出力する一方、払出起動指定コマンドでない場合は受信した主コマンドが所定範囲内の値であるか(主コマンドとして適切な値であるか)を確認した上で範囲外であれば払出エラー指定コマンドをサブコマンド送信用バッファに出力し、さらに状況に応じて払出電波エラーフラグのセットを行う。
ステップS144:主制御CPU72は、サブコマンド送信処理を実行する。この処理では、サブコマンド送信用バッファに未送信のサブコマンド(演出コマンド)が残っている場合、主制御CPU72は、演出制御装置124に対して、サブコマンド送信用バッファに格納されているサブコマンドを送信する。
ステップS145:主制御CPU72は、性能表示モニタ集計除算処理を実行する。この処理は、領域外の処理である。この処理では、主制御CPU72は、性能表示モニタ200に表示するベースを算出する処理を実行する。この処理において、主制御CPU72は、除算タスクを利用することにより、遊技球が各入賞口(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)に入球することによって払い出される賞球数を、遊技領域に発射した遊技球の数を示すアウト数(アウトスイッチで検出された遊技球の数)で除算することによりベースを算出する(ベース算出手段)。なお、処理の詳細は、後述する。
ステップS146,ステップS147:主制御CPU72は割込みを許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。
そして、これらの一連の処理は、メインループ処理の実行中に割込み要求が発生し、主制御CPU72が各種割込み処理を実行した場合の残り時間で行われる。
図921は、シリアル通信受信割込みが発生した際に実行される処理の内容を示す図である。
シリアル通信受信割込みが発生した場合には、主制御CPU72は、シリアル通信受信割込み処理を実行する(ステップS136)。シリアル通信受信割込みは、払出制御装置92からのコマンド受信時に発生する。
図922は、タイマ割込みが発生した際に実行される処理の内容を示す図である。
タイマ割込みが発生した場合には、主制御CPU72は、タイマ割込み処理を実行する(ステップS137)。タイマ割込みは、タイマ割込み周期(例えば、4ms)に1回のタイマタイムアップ時に発生する。
図923は、電源断予告時割込みが発生した際に実行される処理の内容を示す図である。
電源断予告時割込みが発生した場合には、主制御CPU72は、電源断予告時割込み処理を実行する(ステップS138)。電源断予告時割込みは、電源断による入力電圧降下時に発生する。
そして、割込みの優先度は、「シリアル通信受信割込み」が「高」であり、「タイマ割込み」が「中」であり、「電源断予告時割込み」が「低」である。
このため、「タイマ割込み」が発生して「タイマ割込み処理」を実行している最中に、「シリアル通信受信割込み」が発生すると、割込みが禁止されていない限り、「シリアル通信受信割込み処理」を実行する。
一方、「タイマ割込み」が発生して「タイマ割込み処理」を実行している最中に、「電源断予告時割込み」が発生しても、その時点では「電源断予告時割込み処理」を実行せず、「タイマ割込み処理」が終了してから「電源断予告時割込み処理」を実行する。
なお、シリアル通信受信割込み処理(主コマンド受信割込み処理)、タイマ割込み処理等の各種割込み処理が終了した場合には、割込み元(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
電源断予告時割込み処理は、特殊な処理であるため、原則として割込み元には戻らない。通常は退避処理(チェックサムの算定、RWM(RAM)アクセスプロテクト等)を行った後、その場で電圧降下に伴うリセット発生を待つ。途中で電源供給が復帰した場合は、プログラムの先頭(例えば、CPU初期化処理)に戻る。なお、処理の先頭で割込み元に戻る場合もあるが、これは例外的な処理である。
〔シリアル通信受信割込み処理〕
図924は、シリアル通信受信割込み処理の手順例を示すフローチャートである。
シリアル通信受信割込み処理は、払出制御装置92からコマンドを受信した際に実行される。払出制御装置92は、起動したことを示す払出起動指定のコマンドを主制御装置70に対して送信する他に、遊技の進行に伴い賞球の払い出しに関わる各種装置(例えば、払出装置基板100や満タンスイッチ161等)から主制御装置70に対し送信されるコマンド(エラーコマンド等)の中継送信を行う。払出制御装置92により送信されるこれらのコマンドは、主制御装置70のシリアル通信回路196の特定チャネルの受信データレジスタにより受信される。主制御CPU72は、このコマンド受信(SCU割込み)を契機として、シリアル通信受信割込み処理(SCU割込み処理)を実行する。以下、シリアル通信受信割込み処理の各手順を追って説明する。
ステップS180:先ず主制御CPU72は、メインループ処理の実行中に使用していたAレジスタ(アキュムレータ)とFレジスタ(フラグレジスタ)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後の各レジスタには、データ受信割込み処理の実行中に別の値を書き込むことができる。
ステップS182:主制御CPU72は、受信エラーか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72は、ステータスレジスタの特定ビットをチェックして受信データレジスタ(受信FIFO)にデータが有るか否かを確認し、データが有る場合には正常なデータであるか否かを確認する。そして、データが無い場合や、データがあっても正常なデータでない場合には、主制御CPU72は、受信エラーであると判断する。
受信エラーであると判断した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS184を実行しない。一方、受信エラーでないと判断した場合(No)、主制御CPU72はステップS184を実行する。
ステップS184:主制御CPU72は、受信コマンド(主コマンド)をバッファ(受信コマンドバッファ)に保存する処理を実行する。保存した主コマンドは、メインループ処理の主コマンド解析処理で解析される。
この処理は、RAM76の使用領域のバッファを書き換える処理である。このため、領域外に関する処理を実行している最中に、シリアル通信受信割込みが発生すると、領域外に関する処理を実行しているのにも関わらず、使用領域のバッファを書き換えることになるため、遊技機規則に違反する可能性がある。
そこで、本実施形態では、シリアル通信受信割込み処理を実行する場合には、割込みを禁止してから(シリアル通信受信割込みを禁止してから)、シリアル通信受信割込み処理を実行するようにしている。
ステップS186,S188:主制御CPU72は、ステップS180で退避させたA,Fレジスタの値を各レジスタに復帰させ、割込みを許可した後、シリアル通信受信割込み処理を終了してメインループ処理(図920)の割込み元に復帰する。
〔電源断予告時割込み処理〕
図925は、電源断予告時割込み処理の手順例を示すフローチャートである。
電源断予告時割込み処理は、電源の遮断(以下、「電源断」と略称する。)が発生した際に実行される(バックアップ手段)。
主制御装置70においては、電源断の発生とリセットの発生とが同一の監視IC(例えば、図示しないリセットコントローラに実装されたIC)によって監視されている。この監視ICは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に、パラレルI/Oポート79のXINT端子へ電源断予告信号を出力する。主制御CPU72は、XINT端子への電源断予告信号の入力(XINT割込み)を契機として、電源断予告時割込み処理(XINT割込み処理)を実行する。
ステップS151,S152:主制御CPU72は、パラレルI/Oポート79の電源断検出スイッチ入力用ポートを読み込み、特定のビットをチェックして電源断予告信号を検出したか否かを確認する。電源断予告信号を検出したことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、電源断予告時割込み処理を終了してメインループ処理(図920)の割込み元に復帰する。一方、電源断予告信号を検出したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS153を実行する。
ステップS153:主制御CPU72は、全出力ポートをクリアする処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、普通電動役物ソレノイド88や第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS153の処理は、ステップS152において肯定(Yes)と判断された場合、又は、設定変更完了時に(図931のステップS330の実行によって)実行される処理である。
ステップS154:主制御CPU72は、チェックサムを算定し、保存する処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、RAM76のバックアップ対象領域のうち、バックアップフラグ及びチェックサムバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。そして、全領域についてサムの算出が完了すると、主制御CPU72はチェックサムバッファにサム結果値を保存する。
ステップS155:主制御CPU72は、バックアップフラグ領域に有効値(例えば「01」)を格納する。
ステップS156:主制御CPU72は、RAM(RWM)アクセスの禁止処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「00H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用領域及び領域外を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS157:主制御CPU72は、電源断予告信号を検出したか否かを確認する。電源断予告信号の確認方法は、上述したステップS152における方法と同じである。
電源断予告信号を検出したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は再びステップS157を実行する。一方、電源断予告信号を検出したことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は次のステップS158を実行する。
ステップS158:主制御CPU72は、電源断予告信号を検出していない状態(オフ状態)で所定時間(例えば、10ms)が経過したか否かを確認する。電源断予告信号を検出していない状態で所定時間が経過したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、プログラムの先頭に戻る。プログラムの先頭には、CPU初期化処理に関するプログラムが配置されているため、プログラムの先頭に戻るとは、CPU初期化処理を実行することを意味している。一方、電源断予告信号を検出していない状態で所定時間が経過したことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS157に戻り、これまでの処理を繰り返し実行する。このような処理を実行することにより、電源供給が復帰した(10ms連続で電源断予告信号がオフ状態となった)場合は、電源断予告時割込み処理のプログラム先頭に戻ることができる。
また、ステップS157,ステップS158の処理は、電源制御ユニット162からの電力供給の遮断に備えて実行される待機処理である。電源断予告信号が継続して検出される場合は、ステップS157,ステップS158が繰り返し実行されるため、電力供給が持続する限り待機状態が継続される。このように、主制御CPU72は、電力供給が完全に断たれる前に先ずチェックサムの計算とその結果の保存を行って待機の態勢に入り、電力供給が遮断されつつある状況下では他の処理を実行させずに待機状態を維持して安全な状態で来るべき電力供給の遮断を迎える(電圧降下によるリセット待ちの状態となる)。
なお、電源制御ユニット162からの電力供給が遮断されると、主制御装置70への電力供給源は自動的にバックアップ用電源に切り替わる。主制御装置70は、電源断の発生後は図示しないバックアップ用電源回路(例えば、主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76のバックアップ対象のメモリの内容は電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、電源断後も全てRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のCPU初期化処理でチェックサムの正常を確認した上で、電源断発生時のバックアップ情報として復元される。
〔タイマ割込み処理〕
図926は、タイマ割込み処理の手順例を示すフローチャートである。
主制御CPU72は、タイマ回路194により出力される割込み要求(PTC割込み)に基づき、所定時間(例えば、数ms)毎にタイマ割込み処理(PTC割込み処理)を実行する。以下、タイマ割込み処理の各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループ処理の実行中に使用していたAFレジスタ(アキュムレータとフラグレジスタのペア)、BC,DE,HLレジスタ(汎用レジスタのペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後の各レジスタには、タイマ割込み処理の実行中に別の値を書き込むことができる。
ステップS201:主制御CPU72は、割込みフラグ初期化処理を実行する。この処理では、タイマ割込みフラグをクリア(=0)にする処理を実行する。タイマ割込みフラグをクリアする理由は、タイマ割込みは、所定のタイマ割込み周期(例えば、4ms)で発生するが、所定のタイマ割込み周期でタイマ割込みフラグがセット(=1)されるからである。なお、タイマ割込みフラグがセットされている状態は、タイマ割込みの発生を許可しない状態となる。
ステップS201a:主制御CPU72は、割込み許可処理を実行する。ここで割込みが許可されることにより、タイマ割込み処理の次ステップ以降を実行している間に他の割込みが発生することが可能となる。
ステップS202:主制御CPU72は、ダイナミックポート出力処理を実行する。この処理では、統合表示基板89及び性能表示モニタ200に実装された各ランプの点灯をダイナミック点灯方式で制御するために、コモン単位でのポート出力を行う。具体的には、主制御CPU72は、出力ポートをクリアした後、選択されたコモンに対応するコモン用のポート出力バッファに、生成されたコモン出力用データを出力する。出力される内容は、前回のタイマ割込みで設定された内容である。
ここで、各コモン用のポート出力バッファに出力されるデータは、タイマ割込み処理が発生する毎に、このダイナミックポート出力処理において1コモンずつ順繰りにポート出力される。例えば、次回に実行されるタイマ割込み処理ではコモン1用として格納されたデータがポート出力され、次々回に実行されるタイマ割込み処理ではコモン2用として格納されたデータがポート出力される、という具合に各コモン用のポート出力バッファに格納されたデータが1つずつ順番に処理されていく。これにより、所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)や性能表示モニタを構成する各ランプがコモン単位で順繰りに駆動され、ダイナミック点灯方式により点灯制御される。
ステップS203:主制御CPU72は、ポート入力処理を実行する。この処理では、入力ポート情報に基づき最新のスイッチ状態を正確に取得するために、主制御CPU72は、パラレルI/Oポート79から各種スイッチ信号の入力値と前回入力値の反転結果値との論理積を入力ポートオン検出フラグに格納する。この結果、入力ポートオン検出フラグの値(ON/OFF)により、各種スイッチ信号の前回からの変化を踏まえた正確な入力状態を把握することが可能となる。各種スイッチ信号には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81からの入賞検出信号、不図示の不正検出スイッチ(磁気検出スイッチ、電波検出スイッチ、振動検出スイッチ等)からの検出信号等が含まれる。
ステップS204:主制御CPU72は、タイマ更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、遊技に用いる各種タイマ(図柄の変動時間・停止時間や電動役物の開放時間・閉鎖時間等を管理するタイマ)の他、外部情報用の各種タイマ、セキュリティ信号用タイマ等のカウンタを更新する処理(減算処理等)を実行する。
ステップS205:主制御CPU72は、初期値乱数更新処理を実行する。処理の内容は、メインループ処理の初期値乱数更新処理(図920のステップS142)と同様である。
ステップS206:主制御CPU72は、当り図柄乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は特別図柄及び普通図柄の抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS206a:主制御CPU72は、設定変更中又は設定参照中であるか否かを確認する。具体的には、設定変更中フラグの値が「01H」、「02H」又は「03H」であるか否かを確認する。
その結果、設定変更中又は設定参照中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS206bを実行する。一方、設定変更中又は設定参照中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS207を実行する。
このような判断処理を実行している理由は、設定変更中及び設定参照中である場合、通常の遊技に係る処理を実行しないようにするためである。そして、設定変更中又は設定参照中において、タイマ割込み処理内の通常の遊技に係る処理を実行しないことで、主制御装置70のプログラムの負荷を軽減することができる。
ステップS206b:主制御CPU72は、設定変更処理を実行する。この処理を実行することにより、主制御CPU72は、設定を変更する際に実行される設定変更処理又は設定を参照する際に実行される設定参照処理の少なくとも一方を含む設定関連処理を実行することができる(設定手段)。なお、処理の詳細は後述する。設定関連処理は、設定変更中又は設定参照中に実行される処理が含まれる。そして、設定変更処理を終えると、主制御CPU72は、ステップS217aを実行する。ステップS217aに移行する理由は、外部情報管理処理において外部信号(セキュリティ信号)を出力するためである。
ステップS207:主制御CPU72は、スイッチ管理処理を実行する。この処理では、先のポート入力処理(ステップS203)で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81からの入賞検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じた処理を実行する。なお、処理の詳細は後述する。
本実施形態では、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。
ステップS208:主制御CPU72は、加算数算定処理を実行する。本処理は、使用領域の処理である。この処理において、主制御CPU72は、遊技状態と、各スイッチ(アウトスイッチ99、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85等)の状態を確認し、ベース計算用に「領域外のRAMに加算すべき値(4msの間に発生した賞球数、アウト数等の加算数)」を算出する。具体的には、主制御CPU72は、発射球数A(通常アウト加算数)、発射球数B(総アウト加算数)、獲得球数(通常賞球加算数)の値を決定する処理を実行する。なお、処理の詳細は後述する。
ステップS209,ステップS210:主制御CPU72は、特別遊技管理処理及び普通遊技管理処理を実行する。これらの処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。
特別遊技管理処理(ステップS209)では、主制御CPU72は、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を決定したり、その表示結果に応じて第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31の作動を制御したりする。なお、処理の詳細は後述する。
また、普通遊技管理処理(ステップS210)では、主制御CPU72は、普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を決定したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ管理処理(ステップS207)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通遊技管理処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS211:主制御CPU72は、状態管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、入賞頻度の異常(中始動入賞口26、普通入賞口22,24への入球数が異常に多い状態)やベース異常(遊技盤ユニット8の裏側へ回収された遊技球数、すなわち遊技領域8a内に打ち込まれた遊技球数より各入賞口22,24,26,28a,30b,31bへの入賞球数の合計の方が多い状態)等のエラー状態が発生していないか否かのチェックを行う。エラー状態を検知した場合、主制御CPU72は、遊技場のホールコンピュータに対してはセキュリティ信号の出力により、また、演出制御装置124に対しては所定のエラーコマンドの送信により、異常が発生したことを通知する。なお、この処理において、主制御CPU72は、扉開放や不正検出(磁石、電波、振動等)に関するエラー処理を実行してもよい。
ステップS212:主制御CPU72は、入賞口スイッチ処理を実行する。この処理では、先のポート入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,81,82,84,85,86から入力された入賞検出信号に基づき格納した各入力ポートオン検出フラグがONの場合に、それぞれの対象となる賞球制御カウンタを1加算して更新する。
ステップS213:主制御CPU72は、払出制御管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はまず払出コマンドバッファが空でないか(送信すべき払出コマンドがセットされているか)否かを確認し、空でない(払出コマンドがセットされている)場合は、払出コマンドバッファに出力された各種払出コマンドを払出制御装置92に対して送信する。例えば、電源投入時の起動モードを示す払出コマンドは、CPU初期化処理の過程でセットされ、払出コマンドバッファに出力され、この起動モードを示す払出コマンドがこの処理で送信される。一方、払出コマンドバッファが空である場合は、賞球の払い出しを指示するための処理に進む。主制御CPU72は賞球制御カウンタが0でないか否かを確認し、賞球制御カウンタが0でない場合は、このカウンタに対応する賞球個数を指示する賞球指定の払出コマンドを払出制御装置92に対して送信する。より具体的には、各賞球制御カウンタに対応する賞球指定の払出コマンドがこの処理で送信される。なお、払出コマンドの送信は、払出制御装置92から主制御装置70に対し払出コマンド許可信号が入力されており、かつ、送信データレジスタ(送信FIFO)にセットされている払出コマンドの数が所定数未満である場合(より具体的には、送信FIFOにセットされた払出コマンドが送信済みであるか、又は、現在送信中であって送信FIFOに空きがある場合)に実行される。
また、特に電源投入時においては、CPU初期化処理の過程でセットされた払出コマンドが正常に送信された場合、主制御CPU72はこれを契機として発射許可信号をオンにする。具体的には、主制御CPU72は電源投入時に出力した払出コマンドバッファをクリアするとともに、出力ポートの特定ビットをセットすることで発射許可信号をオンにする。これにより、電源投入後の正常動作を確認した上で遊技球の発射が許可され、この発射許可信号が払出制御装置92を介して発射制御基板108に送られることにより、遊技球の発射が可能な状態となる。
また、主制御CPU72は、払出制御管理処理において、演出制御装置124に対して賞球個数の内容を伝達する賞球内容コマンドを出力する。第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31に対応する第1カウントスイッチ84又は第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力された場合、第1利益(例えば、遊技球15個分)に対応する賞球内容コマンドを生成する。なお、コマンドを生成するとは、コマンドをサブコマンド送信用バッファに格納することを意味する(以下、同様)。また、普通入賞口24に対応する第2入賞口スイッチ81から入賞検出信号が入力された場合、第2利益(例えば、遊技球10個分)に対応する賞球内容コマンドを生成する。賞球内容コマンドは、メインループ処理のサブコマンド送信処理(図920中のステップS144)において演出制御装置124に送信される。
〔賞球数及び獲得遊技球数について〕
第1特別図柄の始動口の賞球数及び第2特別図柄の始動口の賞球数は、それぞれ1個以上の規定数に設定されている。また、第1特別図柄の始動口と第2特別図柄の始動口とでは、賞球数を異ならせてもよい。さらに、特別図柄の当選確率や、総獲得遊技球数の期待値(初当りから時間短縮状態が終了するまでの一連の期間に得られる平均出球数)に基づいて、最低賞球数を設定してもよい。さらにまた、特別図柄の当選確率、総獲得遊技球数の期待値、大入賞口の開放回数、大入賞口の開放時間、大入賞口の最大入賞数、大入賞口の賞球数が所定の条件を満たした場合、1回の大当りによる獲得遊技球数が最大の獲得遊技球数の1/4未満となる大当りを設定してもよい。
ステップS214:主制御CPU72は、発射位置管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じて遊技球の発射位置を指定する処理を実行する。なお、本処理は、特別遊技管理処理の中で実行してもよい。また、発射位置管理処理の具体的な内容については、別の図面を参照しながら詳しく後述する。
ステップS215:主制御CPU72は、試験信号管理処理を実行する。この処理は、領域外の処理とすることができる。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、発射位置指定状態、大当り中、小当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中等)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS216:主制御CPU72は、LED表示設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等に含まれるLEDを点灯制御するためのコモン出力用データを生成する処理を実行する。なお、性能表示モニタ200に関連する処理は、性能表示モニタ制御処理において実行する。
より詳細には、主制御CPU72は、特別遊技管理処理(ステップS209)や普通遊技管理処理(ステップS210)において決定された図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等に基づいて、対応する態様で各ランプを点灯させるための駆動信号を、コモン出力用データとして生成する。
ステップS217:主制御CPU72は、ソレノイドデータ設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、特別遊技管理処理(ステップS209)や普通遊技管理処理(ステップS210)等において生成された普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90及び第2大入賞口ソレノイド97の各駆動信号、試験信号等を合わせて(合成して)ポート出力要求バッファに格納する。
ステップS217a:次に主制御CPU72は、外部情報管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、パチンコ機1の状態に応じて遊技場のホールコンピュータに送信する各種の外部情報信号をポート出力要求バッファに格納する。
ステップS217b:主制御CPU72は、ポート出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに値が格納されているかを確認し、格納されている場合には、それらの値をポート出力する。例えば、主制御CPU72は、ステップS217でポート出力要求バッファに格納された各ソレノイド88,90,97に対する駆動信号をポート出力する。これにより、各駆動信号が対応する各ソレノイド88,90,97に送信され、各ソレノイドは駆動信号に応じた動作を実行することとなる。また、主制御CPU72は、ステップS217aでポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(例えば、大当り情報やセキュリティ信号等)をポート出力する。これにより、外部情報信号が外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して送信されることとなる。
ステップS218:主制御CPU72は、割込み禁止処理を実行する。
ステップS218a:主制御CPU72は、レジスタ退避処理を実行する。
ステップS219:主制御CPU72は、性能表示モニタ制御処理を実行する。本処理は、領域外の処理である。この処理において、主制御CPU72は、性能表示モニタ200の表示内容の切替等の処理を実行したり、メインループ処理の性能表示モニタ集計除算処理(図920のステップS145)で算出されたベースの値を性能表示モニタ200に表示するための駆動信号を、コモン出力用データとして生成したりする処理を実行する。なお、処理の詳細は、後述する。
ステップS219a:主制御CPU72は、レジスタ復帰処理を実行する。これにより、ステップS218aの処理で退避されていたレジスタの値が復帰する。
ステップS220:主制御CPU72は、割込み許可処理を実行する。ここで割込みが許可されることにより、タイマ割込み処理の次ステップ以降を実行している間に他の割込みが発生することが可能となる。このように、タイマ割込み処理は多重割込みが許可されている。
なお、割込み要求信号の受付や多重割込みの優先制御等は、割込みコントローラ192により実行される。
ステップS222:主制御CPU72は、ステップS200で退避させたHL,DE,BC,AFレジスタの値を各レジスタに復帰させ、タイマ割込み処理を終了してCPU初期化処理のメインループ処理に復帰する。
〔割込みコントローラによる割込み管理〕
主制御装置70においては、メイン制御プログラムであるCPU初期化処理の実行中に、XINT割込み(電源断予告時割込み処理の元となるパラレルI/Oポート79により出力される割込み要求)、SCU割込み(シリアル通信受信割込み処理の元となるシリアル通信回路196により出力される割込み要求)、PTC割込み(タイマ割込み処理の元となるタイマ回路194により出力される割込み要求)が発生しうる。これらの割込み要求は、主制御装置70に実装された割込みコントローラ192によって管理されて制御される。割込みコントローラ192は、主制御CPU72の割込み許可命令(EI命令)により割込み要求の受付を許可し、割込み禁止命令(DI命令)により割込み要求の受付を禁止する制御(いわゆるマスカブル割込みの制御)を行っている。
XINT割込み、SCU割込み、PTC割込みは、いずれも相互依存性のない独立した発生要因に基づいて生じるため、複数の割込み要求が同時期に発生する場合も当然に考えられる。そこで、割込みコントローラ192は、割込み処理の重要度や処理効率等を考慮して予め定められた割込み要求の優先順位に従って各割込み要求を制御する。
より具体的には、割込み要求(割込み処理)の優先順位は割込みベクタテーブルに定義されており、XINT割込み(電源断予告時割込み処理)の優先度が最も低く、PTC割込み(タイマ割込み処理)の優先度が次に高く、SCU割込み(シリアル通信受信割込み処理)の優先度が最も高く設定されている(図921~図923参照)。
割込みベクタテーブルの設定がCPU初期化処理の序盤になされることにより、割込みコントローラ192はこれ以降のタイミングで発生する割込み要求の優先制御を行うことができる。実際には、CPU初期化処理がメインループ処理に遷移した後、割込みが許可されてから割込みが禁止されるまでの間にいずれかの割込み要求が発生すると、割込みコントローラ192は受け付けた割込み要求を割込みベクタテーブルに設定された優先順位に基づいて制御する。例えば、XINT割込みとPTC割込みを同時に受け付けた場合、より優先度の高いPTC割込み(タイマ割込み処理)が先に処理される。タイマ割込み処理が実行されている間、XINT割込みは割込み待ち状態となり、タイマ割込み処理が終了した後でXINT割込み(電源断予告時割込み処理)が実行される。
このようにして優先順位に基づく割込み要求の制御を行うことにより、割込みコントローラ192は主制御装置70における多重割込みの実行を可能としている。
〔ダイナミックポート出力処理〕
図927は、ダイナミックポート出力処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS160:主制御CPU72は、出力ポート0をクリアする処理を実行する。これにより、メイン表示器の表示がクリアされる。出力ポート0は、メイン表示器に関するデータを出力するポートである。
ステップS161:主制御CPU72は、出力ポート2をクリアする処理を実行する。これにより、性能表示モニタ200の表示がクリアされる。出力ポート2は、性能表示モニタ200に関するデータを出力するポートである。
ステップS160及びステップS161の処理を実行する理由は、ダイナミック点灯方式の場合、表示を消去しないと、コモンデータを参照するときに制御処理が暴走する可能性があるからである。
なお、ステップS160及びステップS161の処理の後には、ブランキング時間終了待ちの処理を実行することができる。この待ち時間により、表示データを消去して、一定時間が経過してからデータを出力することができる。この待ち時間も、制御処理が暴走することを回避するための待ち時間である。なお、この待ち時間の間に、以下のステップS162及びステップS163の処理を実行してもよい。
ステップS162:主制御CPU72は、コモンカウンタを0~3の範囲で更新する処理を実行する。これにより、出力対象のコモン番号が更新される。
ステップS163:主制御CPU72は、コモンカウンタに対応したコモンデータを取得する処理を実行する。これにより、出力対象のコモンに対応したデータを取得することができる。
ステップS164:主制御CPU72は、出力ポート1にコモンデータを出力する処理を実行する。出力ポート1にコモンデータを出力することにより、コモンを切り替えながら、コモンデータを出力することができる。出力ポート1は、コモンカウンタに対応したコモン番号(コモン0~3)を指定するデータを出力するポートである。
ステップS165:主制御CPU72は、コモンカウンタに応じた表示データを取得する処理を実行する。表示データは、使用領域のRAMに格納されている。
取得する表示データとしては、大きく分けて2つのデータがあり、1つ目のデータは、メイン表示器用のデータであり、2つ目のデータは、性能表示モニタ200用のデータである。
1つ目のメイン表示器用のデータは、LED表示設定処理(図964)において、コモン出力用データとして生成される。
2つ目の性能表示モニタ200用のデータは、性能表示モニタ制御処理(図968)の性能表示モニタ表示処理(ステップS646)においてベースを表示するためのデータとして生成される場合もあり、設定変更処理(図932)のステップS334~ステップS346において設定値を表示するためのデータとして生成される場合もある。
ここで、2つ目の性能表示モニタ200用のデータに関しては、ベースを表示する場合も、設定値を表示する場合も、共通のコモン0~3バッファに表示データがセットされるため、過去のデータは上書きされる。
そして、図927のステップS169の処理と図928のステップS173の処理とは、処理としては同一の処理であるが、図927のステップS169の処理を実行する場合には、共通のコモン0~3バッファに設定値に関するデータが格納されているため、性能表示モニタ200には設定値に関する内容が表示される。一方、図928のステップS173の処理を実行する場合には、共通のコモン0~3バッファにベースに関するデータが格納されているため、性能表示モニタ200にベースに関する内容が表示される。
ステップS166:主制御CPU72は、設定変更中又は設定参照中であるか否かを確認する。具体的には、設定変更中フラグの値が「01H」、「02H」又は「03H」であるか否かを確認する。
その結果、設定変更中又は設定参照中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS167aを実行する。一方、設定変更中又は設定参照中であることを確認できた場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS169を実行する。
ステップS167a:主制御CPU72は、出力ポート0に出力する処理を実行する。具体的には、メイン表示器の表示をセットする処理を実行する。これにより、指定したコモンで指定したデータが出力される。ここで出力されるデータは、LED表示設定処理により生成されたコモン出力用データであり、コモン出力用データをコモン用のポート出力バッファにセットすることにより、統合表示基板89に実装された各ランプの点灯をダイナミック点灯方式で制御することができる。
ステップS167b:主制御CPU72は、割込み禁止処理を実行する。
ステップS167c:主制御CPU72は、レジスタ退避処理を実行する。
ステップS168a:主制御CPU72は、性能表示モニタ出力処理を実行する。本処理は、領域外の処理である。このため、割込み禁止処理を実行してから本処理を実行する。この処理を実行することにより、指定したコモンで指定したデータが出力される。なお、処理の詳細は、後述する。
ステップS168b:主制御CPU72は、レジスタ復帰処理を実行する。
ステップS168c:主制御CPU72は、割込み許可処理を実行する。
ステップS169:主制御CPU72は、出力ポート2に出力する処理を実行する。具体的には、性能表示モニタ200の表示をセットする処理(ステップS165の処理で取得した表示データを出力ポート2に出力する処理)を実行する。本処理は、使用領域の処理である。本処理を実行することにより、設定変更中又は設定参照中において、性能表示モニタ200に設定値が表示される。なお、ステップS168aの処理以外の処理は、使用領域の処理とすることができる。
このような処理を実行することにより、通常遊技中は、使用領域のバッファ内容をメイン表示器に出力することができ、領域外のバッファ内容を性能表示モニタ200に出力することができる。一方、設定変更中及び設定参照中は、使用領域のバッファ内容を性能表示モニタ200に出力することができ、メイン表示器はすべてクリアし何も表示しないようにすることができる。
パチンコ機1において、メイン表示器に7セグメントLEDが存在しない場合(複数のドットLEDを幾何学的に配列している場合)がある。このような状況で、設定値を分かりやすく表示するためには、性能表示モニタ200の7セグメントLEDを使用する必要がある。このとき、領域外で処理を行うことに規則的な懸念(遊技に関する処理であるにも関わらず、使用領域で処理を行っていないという懸念)がある。
性能表示モニタ200に関する処理は、領域外で実行することが認められているので、基本的には、性能表示モニタ200の表示処理は領域外で実行する。
ただし、性能表示モニタの7セグメントLEDの表示処理の中でも、設定値を表示する処理は、遊技に関する処理に該当する可能性があるため、使用領域で実行する。
これにより、性能表示モニタ200に設定値を表示する処理を使用領域で実行することができ、規則的な懸念を回避することができる。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、タイマ割込み処理(図926)に復帰する。
〔性能表示モニタ出力処理〕
図928は、性能表示モニタ出力処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS170:主制御CPU72は、スタックポインタ退避処理を実行する。この処理により、使用領域のスタックポインタが退避される。
ステップS171:主制御CPU72は、領域外のスタックポインタを設定する処理を実行する。
ステップS172:主制御CPU72は、レジスタ退避処理を実行する。レジスタの退避は、領域外のスタックポインタを使用する。
ステップS173:主制御CPU72は、データを出力する処理を実行する。
具体的には、性能表示モニタ200の表示をセットする処理(図927のステップS165の処理で取得した表示データを出力ポート2に出力する処理)を実行する。本処理を実行することにより、通常遊技中において、性能表示モニタ200にベースが表示される。
本処理は、図927のステップS169と同様の処理であるが、出力ポート2に出力されるデータの内容(性能表示モニタ200に表示される内容)が異なっている。
本処理(ステップS173)では、図927のステップS165においてベースに関するデータが取得されるため、出力ポート2にベースに関するデータが出力され、性能表示モニタ200にベースに関する内容が表示される。
一方、図927のステップS169では、図927のステップS165において設定値に関するデータが取得されるため、出力ポート2に設定値に関するデータが出力され、性能表示モニタ200に設定値に関する内容が表示される。
コモンの出力は、使用領域に関する処理で実行しているため(共通のコモン番号を使用するため;図927中ステップS164参照)、本処理ではデータのみを出力する処理を実行する。これにより、指定したコモンで指定したデータが出力される。ここで出力されるデータは、性能表示モニタ表示処理により生成されたコモン出力用データであり、コモン出力用データ(ベース表示用データ)をコモン用のポート出力バッファにセットすることにより、性能表示モニタ200に実装された各ランプの点灯をダイナミック点灯方式で制御することができる。
具体的には、主制御CPU72は、前回のベース又は今回のベースのいずれか一方を、対応する識別子「bL.」又は「b6.」とともに予め設定された間隔ごとに切り替えて性能表示モニタ200に表示するためのコモン出力用データをポート出力バッファにセットする処理を実行する。ここでセットされたコモン出力用データ(駆動信号)に基づいて、性能表示モニタ200での表示内容が制御される。
ステップS166:主制御CPU72は、レジスタ復帰処理を実行する。
ステップS167:主制御CPU72は、スタックポインタ復帰処理を実行する。本処理を実行することにより、使用領域のスタックポインタに復帰後、使用領域に関する処理に戻ることになる。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、ダイナミックポート出力処理(図927)に復帰する。
図929は、タイマ割込み処理とダイナミックポート出力処理との関係を示す図である。
タイマ割込みは、シリアル通信受信割込みと比較して、割込み優先度が低い割込みとなっている(図921~図923参照)。
ここで、図中の太字の点線矢印は割込み禁止区間を示しており(点線矢印A1~A3)、図中の太字の実線矢印は割込み許可区間を示している(実線矢印B1~B3)。
タイマ割込み処理では、まず、レジスタ退避処理(S200)、及び、割込みフラグ初期化処理(S201)を実行する。この区間は、割込み禁止区間である(点線矢印A1参照)。
本実施形態の主制御CPU72(プログラム、アセンブラ)は、割込みが発生すると、自動的に、割込み禁止という命令を使った場合と同じ状態となる。このため、タイマ割込み処理が開始された場合、内部的には(ハードウェアとしては)、割込み禁止状態となっている。よって、割込みを許可するためには、割込み許可処理を実行する必要がある。
このため、タイマ割込み処理では、つぎに、割込み許可処理(S201a)を実行する。この処理を実行することにより、割込み許可区間が開始される(実線矢印B1参照)。
タイマ割込み処理からダイナミックポート出力処理(S202)が呼び出されると、ダイナミックポート出力処理では、出力ポート0をクリアする処理や出力ポート2をクリアする処理等が実行される(S160,S161)。この区間は、割込み許可区間である(実線矢印B1参照)。
ダイナミックポート出力処理では、つぎに、割込み禁止処理(S167b)を実行する。この処理を実行することにより、割込み禁止区間が開始される(点線矢印A2参照)。
ダイナミックポート出力処理では、さらに、レジスタ退避処理(S167c)、性能表示モニタ出力処理(S168a)、及び、レジスタ復帰処理(S168b)を実行する。この区間は、割込み禁止区間である(点線矢印A2参照)。
ダイナミックポート出力処理では、最後に、割込み許可処理(S168c)を実行する。この処理を実行することにより、割込み許可区間が開始される(実線矢印B2参照)。
ダイナミックポート出力処理からタイマ割込み処理に戻り、各種処理を実行する。この区間は、割込み許可区間である(実線矢印B2参照)。
タイマ割込み処理では、つぎに、割込み禁止処理(S218)を実行する。この処理を実行することにより、割込み禁止区間が開始される(点線矢印A3参照)。
タイマ割込み処理では、さらに、レジスタ退避処理(S218a)、性能表示モニタ制御処理(S219)、及び、レジスタ復帰処理(S219a)を実行する。この区間は、割込み禁止区間である(点線矢印A3参照)。
そして、タイマ割込み処理では、割込み許可処理(S220)を実行する。この処理を実行することにより、割込み許可区間が開始される(実線矢印B3参照)。
このように、本実施形態では、「タイマ割込み処理」より割込み優先度の高い「シリアル通信受信割込み処理」を設定しているため、「性能表示モニタ制御処理(S219)」及び「性能表示モニタ出力処理(S165)」は、割込み禁止にしてから処理を実行している。
このため、「性能表示モニタ制御処理(S219)」及び「性能表示モニタ出力処理(S165)」の実行中は、割込み優先度の高い「シリアル通信受信割込み」が発生した場合でも、割り込まれることなく「性能表示モニタ制御処理(S219)」及び「性能表示モニタ出力処理(S165)」が継続して実行される。
この場合、「性能表示モニタ制御処理」や「性能表示モニタ出力処理」が終了し、割込みが許可されたタイミングで「シリアル通信受信割込み処理」が実行される。割込みに関する受信データは、受信バッファに保存されているため、受信データを取り出すタイミングは遅れても、その後に受信データに関する処理が実行されるため問題は発生しない。
〔主制御CPU72の処理内容〕
主制御CPU72は、タイマ割込み処理(第1処理)を実行する(第1処理実行手段)。また、主制御CPU72は、タイマ割込み処理の実行中にシリアル通信受信割込み(所定の割込み)が発生した場合、タイマ割込み処理の実行を中断して、タイマ割込み処理とは異なるシリアル通信受信割込み処理(第2処理)を実行する(第2処理実行手段)。
タイマ割込み処理(第1処理)は、シリアル通信受信割込みを許可する割込み許可処理、及び、出球履歴を監視する処理であってシリアル通信受信割込みを許可しない割込み非許可処理を含む。
割込み許可処理は、使用領域に関する処理、例えば、「性能表示モニタ制御処理(S219)」及び「性能表示モニタ出力処理(S165)」を除いた処理(特別遊技管理処理等)である。
割込み非許可処理は、領域外に関する処理、例えば、「性能表示モニタ制御処理(S219)」及び「性能表示モニタ出力処理(S165)」である。
主制御CPU72は、割込み非許可処理を実行する場合、シリアル通信受信割込みを禁止している状態で割込み非許可処理を実行する(第1処理実行手段)。
また、主制御CPU72は、割込み非許可処理を実行する場合、割込み非許可処理を実行する前にシリアル通信受信割込みを禁止する処理を実行し、割込み非許可処理を実行し、割込み非許可処理を実行した後にシリアル通信受信割込みを許可する処理を実行する(第1処理実行手段)。
割込み非許可処理は、ベースを算出する処理のうちの一部の処理である。ベースを算出する処理のうちの一部の処理は、「性能表示モニタ制御処理(S219)」及び「性能表示モニタ出力処理(S165)」である。
図930は、タイマ割込み処理の変形形態を示す図である。
タイマ割込み処理は、図926に示す処理の順番で説明したが、以下のように変形することもできる。
タイマ割込み処理の処理順序は、〔1〕ダイナミックポート出力処理、〔2〕加算数算定処理(少なくとも入賞検出及び賞球数の算定)、〔3〕性能表示モニタ制御処理という順序とする。
〔1〕ダイナミックポート出力処理を最優先の処理としている理由は、コモンの切り替えタイミングとデータの表示時間を一定にするためである。このため、〔1〕ダイナミックポート出力処理は、タイマ割込み処理の前半(序盤)に行っている。
〔2〕加算数算定処理を次に優先する処理としている理由は、性能表示モニタ制御処理において、使用する賞球数・アウト数を使用領域内で事前に算出するため、加算数算定処理を性能表示モニタ制御処理よりも前に行う必要があるからである。
〔3〕性能表示モニタ制御処理を最後の優先順位としている理由は、性能表示モニタ制御処理は、加算数算定処理の終了後に実行する必要があるからである。
図中の〔A〕、〔B〕又は〔C〕に挿入する処理は、図926の配置例に限られずに、任意の処理(入力ポートの更新処理、入力ポートのエッジ検出処理、入賞口の判定処理、特別図柄に係る処理、普通図柄に係る処理、エラーに係る処理、外部出力に係る処理、試験信号出力に係る処理、ポート出力処理等)を挿入することができる。
この際、特別図柄に係る処理(特別遊技管理処理)を加算数算定処理より前に行うか後に行うかによって、算出されるベースの値は、異なる値となる。この理由は、加算数算定処理内で大当り中であるか否かの判定を行っているため、ベースの値の分母となるアウト数をカウントする場合とカウントしない場合とが存在するからである。
具体的には、特別図柄に係る処理が加算数算定処理より前の場合には、1回の割込み内で、特別図柄に係る処理で大当りとなり、かつ、アウトスイッチを検出していた場合、アウト数のカウントは行わない(アウトスイッチの検出は、大当たり中と判断してベースの計算から除外される)。
一方、特別図柄に係る処理が加算数算定処理より後の場合には、1回の割込み内で、特別図柄に係る処理で大当りとなり、かつ、アウトスイッチを検出していた場合、アウト数のカウントは行う(加算数算定処理の時点でまだ大当りとしていないため、アウトスイッチの検出は有効となり、ベースの計算から除外されない)。
このように、特別図柄に係る処理を加算数算定処理より前に配置するか後に配置するかによって、ベースの値は変化することになるが、特別図柄に係る処理は、遊技仕様や算出したいベースの内容に応じて、タイマ割込み処理の中の任意の場所に配置することができる。
図931及び図932は、設定変更処理の手順例を示すフローチャートである。
ステップS300:主制御CPU72は、設定値バッファをロードする処理を実行する。これにより、主制御CPU72は、現在の設定値を取得することができる。
ステップS302:主制御CPU72は、設定変更中、かつ、設定確定前であるか否かを確認する。具体的には、設定変更中フラグの値が「01H」であるか否かを確認する。
その結果、設定変更中、かつ、設定確定前であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS304を実行する。一方、設定変更中、かつ、設定確定前であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS308を実行する。
ステップS304:主制御CPU72は、RAMクリアスイッチ304が押下されたか否かを確認する。なお、本実施形態では、RAMクリアスイッチ304と設定変更スイッチとを兼用させているため、ここではRAMクリアスイッチ304の押下を確認しているが、RAMクリアスイッチ304と設定変更スイッチとを兼用させておらず、設定変更スイッチを別途設けている場合には、本処理で設定変更スイッチが押下されたか否かを確認する。
その結果、RAMクリアスイッチ304が押下されたことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS306を実行する。一方、RAMクリアスイッチ304が押下されていたことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS308を実行する。
ステップS306:主制御CPU72は、設定値に1を加算する処理を実行する。例えば、ステップS300にてロードした設定値が「0(設定1)」である場合、本処理を実行すると、設定値は「1(設定2)」となる。また、ステップS300にてロードした設定値が「1(設定2)」である場合、本処理を実行すると、設定値は「2(設定3)」となる。なお、ステップS300にてロードした設定値が「5(設定6)」である場合、本処理を実行すると、設定値は元に戻って「0(設定1)」となる。
ここで、ステップS300にてロードした設定値が「5(設定6)」である場合、本処理を実行することにより、設定値は元に戻らずに「6(範囲外)」とし、次のステップS308及びステップS310で「0(設定1)」に補正する処理を行ってもよい。
ステップS308:主制御CPU72は、設定値が「0(設定1)」~「5(設定6)」の範囲であるか否かを確認する。本処理は、意図しない設定値がセットされることを回避するための処理である。
その結果、設定値が「0(設定1)」~「5(設定6)」の範囲であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS312を実行する。一方、設定値が「0(設定1)」~「5(設定6)」の範囲であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS310を実行する。
ステップS310:主制御CPU72は、「0(設定1)」をセットする処理を実行する。これにより、意図しない設定値がセットされている場合には、「0(設定1)」をセットすることができる。
ステップS312:主制御CPU72は、設定変更中、かつ、設定確定前であるか否かを確認する。具体的には、設定変更中フラグの値が「01H」であるか否かを確認する。
その結果、設定変更中、かつ、設定確定前であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS314を実行する。一方、設定変更中、かつ、設定確定前であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS322を実行する(ページ内結合子1→1)。
ステップS312:主制御CPU72は、設定キーがONからOFFに変化したか否かを確認する。主制御CPU72は、設定キースイッチ302からの入力信号がONからOFFに変化した場合に、設定キーがONからOFFに変化したと判断することができる。
なお、本判断処理は、設定キー(設定キースイッチ302)がOFFであるかという判断処理であってもよい。
その結果、設定キーがONからOFFに変化したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS316を実行する。一方、設定キーがONからOFFに変化したことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS334を実行する(ページ外結合子C→C)。
ステップS316:主制御CPU72は、設定変更中フラグに「02H(設定変更中・確定後)」をセットする処理を実行する。
ステップS318:主制御CPU72は、サブコマンドとして、「設定確定指定コマンド」を生成する処理を実行する。「設定確定指定コマンド」には、設定が確定したという情報や、設定値の情報を含ませることができる。
ステップS320:主制御CPU72は、サブコマンドセット処理を実行する。この処理を実行することにより、「設定確定指定コマンド」がサブコマンド送信用バッファにセットされる。セットされた「設定確定指定コマンド」は、サブコマンド送信処理において、演出制御装置124に送信される。本処理を終了すると、主制御CPU72は、次に、ステップS332を実行する(ページ内結合子2→2)。
ステップS322:主制御CPU72は、設定キーがON又は内枠開放であるか否かを確認する。
その結果、設定キーがON又は内枠開放であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS332を実行する(ページ内結合子2→2)。一方、設定キーがON又は内枠開放であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS324を実行する。
ステップS324:主制御CPU72は、内枠閉鎖タイマを更新する処理を実行する。
この処理では、主制御CPU72は内枠(例えば内枠アセンブリ7)の閉鎖時に内枠閉鎖タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
ステップS324:主制御CPU72は、内枠閉鎖タイマがタイムアップしたか否かを確認する。具体的には、内枠閉鎖タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は内枠閉鎖タイマがタイムアップしていないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は、ステップS334を実行する(ページ外結合子C→C)。
この後、時間の経過に伴って内枠閉鎖タイマの値が0になると、主制御CPU72は、内枠閉鎖タイマがタイムアップしたと判断し(Yes)、ステップS328を実行する。
ステップS328:主制御CPU72は、設定変更中フラグをクリアする処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、設定変更中フラグに「0」をセットする処理を実行する。
ステップS330:主制御CPU72は、設定変更完了時の処理へ移行する処理を実行する。具体的には、ジャンプ命令によって図925のステップS152a(ステップS153)に移行する処理を実行する(ページ外結合子「設定変更完了時の処理へ移行」→「設定変更完了時」)。
このような処理を実行することにより、設定変更及び設定参照を終了した場合は、リセット状態へ移行する。具体的には、電源断時の退避処理にジャンプする。そして、ジャンプ先では、チェックサム計算後、電源供給を確認し、プログラムの先頭(CPU初期化処理)に戻る。これにより、プログラムの構成が「初期化→設定変更又は設定参照(仮のメインループ)→設定変更後の初期化→本来のメインループ」となるところを、「初期化→メインループ(通常遊技、設定変更及び設定参照)」と簡略化することができる。
ここで、パチンコ機1に設定の機能(設定変更装置300)を追加する場合、電源投入時の処理を、(1)初期化処理、(2)設定変更中のメインループ処理、(3)設定変更後の再初期化処理(表示器のクリア処理、RAMの再クリア処理、通常遊技への移行処理等)、(4)遊技中のメインループ処理という構成にする必要がある。
このように、設定の機能を追加すると、設定変更処理そのものに加え、設定変更処理の前後の処理も必要となるため、プログラムコード量が大幅に増加する。
そこで、本実施形態では、電源投入時の処理(CPU初期化処理の少なくとも一部の処理)と、電源断予告時の退避処理(電源断予告時割込み処理の少なくとも一部の処理)とを、設定変更終了後の処理として兼用するようにしている。
具体的には、タイマ割込み中に呼ばれる設定変更処理において、設定変更又は設定参照の終了条件を満たした場合に、タイマ割込み処理に戻らず、電源断予告時の退避処理(電源断予告時割込み処理の途中)へ移行する。
電源断予告時の退避処理では、全出力ポートのクリア、チェックサムの算定・保存を行い、その後は電源がONのままであることから、プログラム先頭(CPU初期化処理)に戻り、電源復帰時と同様の初期化処理を通じて通常の遊技状態に移行する。
このように、設定変更終了後の処理について、電源投入時の処理及び電源断予告時の退避処理を兼用することで、設定変更後の処理を専用のプログラムで行う場合と比較して、プログラムコードの増加量を抑えることができる。
ステップS332:主制御CPU72は、内枠閉鎖タイマをクリアする処理を実行する。そして、本処理を終えると、主制御CPU72は、次に、ステップS334を実行する(ページ外結合子C→C)。
ステップS334:主制御CPU72は、コモン0,1バッファに表示データ「rn.」をセットする処理を実行する。
ステップS336:主制御CPU72は、設定変更中、かつ、設定確定前であるか否かを確認する。具体的には、設定変更中フラグの値が「01H」であるか否かを確認する。
その結果、設定変更中、かつ、設定確定前であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS338を実行する。一方、設定変更中、かつ、設定確定前であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS340を実行する。
ステップS338:主制御CPU72は、コモン2バッファに表示データとして「-」に対応するデータをセットする処理を実行する。主制御CPU72は、次に、ステップS342を実行する。
ステップS340:主制御CPU72は、コモン2バッファに表示データとして「空欄(非表示)」に対応するデータをセットする処理を実行する。主制御CPU72は、次に、ステップS342を実行する。
ステップS342:主制御CPU72は、設定値バッファをロードする処理を実行する。これにより、主制御CPU72は、設定変更後等の設定値を取得することができる。
ステップS344:主制御CPU72は、設定値を表示データに変換する処理を実行する。
ステップS346:主制御CPU72は、コモン3バッファに表示データとして、ステップS344の処理によって変換された表示データをセットする処理を実行する。
例えば、設定値が「5(設定6)」であり、設定変更中、かつ、設定確定前である場合、性能表示モニタ200の4つの7セグメントLED201~204には、左側から順番に、「r」「n.」「-」「6」が表示される。また、設定値が「0(設定1)」であり、設定変更中、かつ、設定確定前でない場合、性能表示モニタ200の4つの7セグメントLED201~204には、左側から順番に、「r」「n.」「空欄(非表示)」「1」が表示される。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、タイマ割込み処理(図926)に復帰する。
〔スイッチ管理処理〕
図933は、スイッチ管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する中始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の第1大入賞口に対応する第1カウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS20に進んで第1大入賞口カウント処理を実行する。第1大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの第1可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS21aに進む。
ステップS21a:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の第2大入賞口に対応する第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS21bに進んで第2大入賞口カウント処理を実行する。第2大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に第2可変入賞装置31への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS24に進んで普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また、主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして、主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はタイマ割込み処理(図926)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図934は、第1特別図柄記憶更新処理(図933中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大個数(例えば4個)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。ここで、RAM76の乱数記憶領域は、第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する8つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば4)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ管理処理(図933)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数回路75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第1抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数回路75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして、主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(抽選要素取得手段、記憶手段)。複数のセクションには順番(例えば第1~第4)が設定されており、現段階で第1~第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2~第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の特別遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37,S38を実行する。大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37,S38をスキップしてステップS38aに進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS37:大当り中以外の場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS32~S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。なお、具体的な処理の内容については別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS38:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS38a:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」~「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」~「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」~「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」~「04H」となったことを表している。なお、上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS39:そして、主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えるか、もしくは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ管理処理(図933)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
図935は、第2特別図柄記憶更新処理(図933中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大個数(例えば4個)未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば4)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ管理処理(図933)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図934)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数回路75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第2抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図934)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図934)と同様である。
ステップS44:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段)。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図934)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第2特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(抽選要素取得手段、記憶手段)。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図934)と同様である。
ステップS45a:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。そして、大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS46,S47を実行する。逆に大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS46,S47をスキップしてステップS48に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、同じく大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS46:大当り中以外である場合(ステップS45a:No)、次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS42~S44でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS47:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS46)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS48:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」~「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお、先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS49:そして、主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して特図先判定演出コマンドや作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置124に対して送信する準備が行われる(記憶数通知手段)。また、以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ管理処理(図933)に復帰する。
〔取得時演出判定処理〕
図936は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理及び第2特別図柄記憶更新処理(図934中のステップS37,図935中のステップS46)においてこの取得時演出判定処理を実行する(先判定実行手段、先読み処理実行手段)。上記のように、この処理は第1特別図柄(中始動入賞口26への入球時)、第2特別図柄(可変始動入賞装置28への入球時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンド(先判定情報)の下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(図934中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図935中のステップS45)でRAM76に記憶されているものである。
ステップS54:そして、主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段)。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお、比較値(下限値)は、パチンコ機1における内部抽選の当選確率(設定値に応じた当選確率)に応じて設定される。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS80に進む。
ステップS80:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段)。この処理では、主制御CPU72は、はずれ時の変動時間について変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、特に「時間短縮機能」の作動時における変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。例えば、現在の状態が「時間短縮機能」の作動時であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものである場合、主制御CPU72は「時短中非短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。なお、リーチ変動の場合はさらに、リーチモード乱数から「リーチグループ(リーチの種類)」をも判断し、その結果から変動パターン先判定コマンドを生成することとしてもよい。一方、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「時短中短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。あるいは、現在の状態が「時間短縮機能」の非作動時(低確率状態)であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものである場合、主制御CPU72は「通常はずれリーチ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。一方、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「通常はずれ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、上記のように演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。なお、この処理において、主制御CPU72は、小当り時の変動パターンについて、上述したはずれ時の処理と同様に変動パターン先判定コマンドを生成してもよい。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は取得時演出判定処理を終了し、呼び出し元の第1特別図柄記憶更新処理(図933)又は第2特別図柄記憶更新処理(図934)に復帰する。一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS56に進む。
ステップS56:主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされているか否かを確認する。先判定結果による確率状態予定フラグは、未だ変動は開始されていないが、これまで記憶されている大当り決定乱数の中に当選値がある場合にセットされるものである。具体的には、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合、これと組になる大当り図柄乱数が「いずれかの確変図柄」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「A0H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、高確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。一方、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合であって、これと組になる大当り図柄乱数が「いずれかの通常図柄」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「01H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、通常(低)確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。なお、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値が未だ存在しなければ、フラグ値はリセット(00H)されている。また、確率状態予定フラグの値は、例えばRAM76のフラグ領域に格納されている。なお、ここでは「確率状態予定フラグ」を用いて厳密に事前の当り判定を行う例を挙げているが、単純に現在の確率状態に基づいて事前の当り判定を行う場合、このステップS56と以降のステップS58,ステップS60,ステップS62,ステップS76等を省略してもよい。
主制御CPU72は、未だ確率状態予定フラグがセットされていなければ(ステップS56:No)、次にステップS66を実行する。
ステップS66:この場合、主制御CPU72は次に低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。なお、低確率時用比較値もまた、パチンコ機1における低確率時の当選確率(設定値に応じた当選確率)に応じて設定される。
ステップS68:次に主制御CPU72は、「現在の確率状態フラグ」をロードする。この確率状態フラグは、現在の内部状態が高確率(確変中)であるか否かを表すものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。現在の確率状態が高確率(確変中)であれば、状態フラグとして値「01H」がセットされており、低確率(通常中)であれば、状態フラグの値はリセットされている(「00H」)。
ステップS70:そして、主制御CPU72は、ロードした現在の特別図柄確率状態フラグが高確率を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行する。
ステップS64:主制御CPU72は、高確率時用比較値をセットする。これにより、先のステップS66でセットされた低確率時用比較値が書き換えられることになる。なお、高確率時用比較値は、パチンコ機1における高確率時の当選確率(設定値に応じた当選確率)に応じて設定される。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが未だセットされていない場合であって、現在の内部状態が高確率の場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72を実行することになる。これに対し、先のステップS70で現在の確率状態フラグが高確率を表すものでないことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72を実行する。
ステップS72:主制御CPU72は、先のステップS52でロードした乱数が当り値の範囲外であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段)。すなわち、主制御CPU72は状態別でセットした比較値から大当り決定乱数値を減算する。そして、主制御CPU72は、同様にフラグレジスタの値から演算結果が負の値(<0)であるか否かを判別し、その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72は上記のはずれ時変動パターン情報事前判定処理(ステップS80)を実行する。これに対し、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
ステップS74:主制御CPU72は、大当り図柄種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(図934中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図935中のステップS45)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、上記のステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果から大当り種別として「確変図柄」又は「通常図柄」のいずれに該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS76に進む。
ステップS76:そして、主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグの値をセットする。具体的には、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値が「通常図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「01H」をセットする。一方、特別図柄先判定値が「確変図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「A0H」をセットする。これにより、次回以降の処理ではステップS56において「フラグセット済み」と判定されることになる。
ステップS78:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットする。特別図柄先判定値は、例えば「通常図柄」に該当する場合は「01H」がセットされ、「確変図柄」に該当する場合は「A0H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
ステップS79:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り時の変動時間について、変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、例えば大当り時のリーチ変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、上記のように演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされる前(内部初当り前)における手順である。これに対し、先のステップS76を経て確率状態予定フラグがセットされた場合、以下の手順が実行される。ただし、上記のように現在の確率状態だけで事前の当り判定を行う場合、以下のステップS56,ステップS58,ステップS60,ステップS62、及びステップS76を実行する必要はない。
ステップS56:主制御CPU72は、既に確率状態予定フラグに値がセットされていることを確認すると(Yes)、次にステップS58を実行する。
ステップS58:主制御CPU72は、先ず低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。
ステップS60:次に主制御CPU72は、「確率状態予定フラグ」をロードする。確率状態予定フラグは、上記のように直前の先判定結果に基づきそれ以降の先判定において確率状態を予定的に設定するためのものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。直前の先判定結果に基づく確率状態が高確率(確変)に移行する予定であれば、上記のように確率状態予定フラグの値として「A0H」がセットされており、逆に直前の先判定結果に基づく確率状態が低確率(通常)に戻る予定であれば、確率状態予定フラグの値として「01H」がセットされている。
ステップS62:そして、主制御CPU72は、ロードした確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率の予定を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行し、高確率時用比較値をセットする。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが既にセットされており、その値が高確率を予定するものである場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72以降を実行することになる。これに対し、先のステップS62で確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでなく、通常(低)確率の予定を表すものであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72以降を実行する。これにより本実施形態では、先判定結果に基づくその後の内部状態の変化(通常確率状態→高確率状態、高確率状態→通常確率状態)を考慮した上で、事前の大当り判定を行うことができる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(図934)又は第2特別図柄記憶更新処理(図935)に復帰する。
〔特別遊技管理処理〕
図937は、特別遊技管理処理の構成例を示すフローチャートである。
特別遊技管理処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、大当り時可変入賞装置管理処理(ステップS5000)、小当り時可変入賞装置管理処理(ステップS6000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別遊技管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000~ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして特別遊技管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番~7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を生成する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を生成するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:大当り時可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において大当りの態様で特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄が大当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生する。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が大当り時可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。大当り時可変入賞装置管理処理においては、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97が一定時間(例えば29秒間若しくは0.1秒間又は10個の遊技球の入球をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば16回)にわたって励磁され、これにより第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で16回あれば、これらを「16ラウンド」と総称することがある。
また、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また、主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、サブコマンド送信処理(図920中のステップS144)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ、時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる(高確率時間短縮状態移行手段、有利遊技状態移行手段)。「高確率状態」では確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常よりも例えば10倍程度に高くなる(特定遊技状態移行手段、高確率状態移行手段、高確率状態設定手段)。また、「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、上記のように普通図柄の作動抽選が高確率になり、また、普通図柄の変動時間が短縮されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長されて開放回数が増加する(いわゆる電チューサポートが行われる)。なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については、制御上でいずれか一方だけに移行する場合もあれば、これら両方に合わせて移行する場合もある。
ステップS6000:小当り時可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において小当りの態様で特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から小当り遊技状態に移行する契機が発生する。小当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が小当り時可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。小当り遊技においては、第1可変入賞装置30が所定の開放時間(例えば、0.1秒)で所定回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、第1大入賞口への入賞はほとんど発生しない。
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、例えば複数の当選種類として、以下の当選種類が設けられている。
(1)「4ラウンド確変大当り1」
(2)「7ラウンド通常大当り1」
(3)「7ラウンド確変大当り1」
(4)「7ラウンド確変大当り2」
(5)「7ラウンド確変大当り3」
(6)「10ラウンド確変大当り1」
(7)「13ラウンド通常大当り1」
(8)「13ラウンド確変大当り1」
(9)「13ラウンド確変大当り2」
(10)「13ラウンド確変大当り3」
(11)「16ラウンド確変大当り1」
(12)「16ラウンド確変大当り2」
(13)「16ラウンド確変大当り3」
なお、本実施形態において、これら以外の大当りが設けられていてもよい。
上記の当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「4ラウンド確変大当り1」は「4ラウンド確変図柄1」の大当りに対応し、「7ラウンド通常大当り1」は「7ラウンド通常図柄1」の大当りに対応し、「7ラウンド確変大当り1」は「7ラウンド確変図柄1」の大当りに対応し、「7ラウンド確変大当り2」は、「7ラウンド確変図柄2」の大当りに対応し、「7ラウンド確変大当り3」は、「7ラウンド確変図柄3」の大当りに対応し、「10ラウンド確変大当り1」は、「10ラウンド確変図柄1」の大当りに対応し、「13ラウンド通常大当り1」は、「13ラウンド通常図柄1」の大当りに対応し、「13ラウンド確変大当り1」は、「13ラウンド確変図柄1」の大当りに対応し、「13ラウンド確変大当り2」は、「13ラウンド確変図柄2」の大当りに対応し、「13ラウンド確変大当り3」は、「13ラウンド確変図柄3」の大当りに対応し、「16ラウンド確変大当り1」は、「16ラウンド確変図柄1」の大当りに対応し、「16ラウンド確変大当り2」は、「16ラウンド確変図柄2」の大当りに対応し、「16ラウンド確変大当り3」は、「16ラウンド確変図柄3」の大当りに対応する。このため以下では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔可変入賞装置の開放動作パターン〕
図938は、可変入賞装置の開放動作パターンを示す図である。以下、各当選図柄に対応する大入賞口の開放パターンについて説明する。
〔4ラウンド確変図柄1〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「4ラウンド確変図柄1」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目~4ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口(上大入賞口)がショート開放する(例えば0.06秒開放)。このため、「4ラウンド確変図柄1」の大当り遊技は、遊技者に対してほとんど出玉(賞球)を付与しない遊技となる。
〔7ラウンド通常図柄1〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「7ラウンド通常図柄1」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目~7ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口(上大入賞口)がロング開放する(例えば29.00秒開放)。このため、「7ラウンド通常図柄1」の大当り遊技は、7ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与する遊技となる。
〔7ラウンド確変図柄1〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「7ラウンド確変図柄1」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目~7ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口(上大入賞口)がショート開放する(例えば0.06秒開放)。このため、「7ラウンド確変図柄1」の大当り遊技は、遊技者に対してほとんど出玉(賞球)を付与しない遊技となる。
〔7ラウンド確変図柄2,3〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「7ラウンド確変図柄2,3」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目~7ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口(上大入賞口)がロング開放する(例えば29.00秒開放)。このため、「7ラウンド通常図柄2,3」の大当り遊技は、7ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与する遊技となる。
〔10ラウンド確変図柄1〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「10ラウンド確変図柄1」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目~10ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口(上大入賞口)がロング開放する(例えば29.00秒開放)。このため、「10ラウンド確変図柄1」の大当り遊技は、10ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与する遊技となる。
〔13ラウンド通常図柄1、13ラウンド確変図柄1,2〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「13ラウンド通常図柄1」又は「13ラウンド確変図柄1,2」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目~7ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口(上大入賞口)がロング開放する(例えば29.00秒開放)。また、8ラウンド目~13ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口(上大入賞口)がショート開放する(例えば0.06秒開放)。このため、「13ラウンド通常図柄1」又は「13ラウンド確変図柄1,2」の大当り遊技は、実質的に7ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与する遊技となる。
〔13ラウンド確変図柄3〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「13ラウンド確変図柄3」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目~13ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口(上大入賞口)がロング開放する(例えば29.00秒開放)。このため、「13ラウンド確変図柄3」の大当り遊技は、13ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与する遊技となる。
〔16ラウンド確変図柄1〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「16ラウンド確変図柄1」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目~16ラウンド目では、第2可変入賞装置31の第2大入賞口(下大入賞口)がロング開放する(例えば29.00秒開放)。このため、「16ラウンド確変図柄1」の大当り遊技は、16ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与する遊技となる。
〔16ラウンド確変図柄2,3〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「16ラウンド確変図柄2,3」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目~16ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口(上大入賞口)がロング開放する(例えば29.00秒開放)。このため、「16ラウンド確変図柄2,3」の大当り遊技は、16ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与する遊技となる。
そして、いずれかの確変図柄に該当した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。また、いずれかの当選図柄に該当した場合、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
ここで、第1可変入賞装置30の第1大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される。また、第2可変入賞装置31の第2大入賞口も同様に、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される。
いずれにしても、当選図柄がいずれかの「確変図柄」に該当すると、大当り遊技の終了後は、内部状態が「高確率時間短縮状態」に移行する。一方、当選図柄がいずれかの「通常図柄」に該当すると、大当り遊技の終了後は、内部状態が「低確率時間短縮状態」に移行する。
ところで、大当り遊技(特別遊技)は、オープニング時間(大当り遊技の開始時に大入賞口が開放するまでの時間として設定される開始時間)、複数のラウンド遊技(単位遊技)、ラウンド間インターバル時間(ラウンドとラウンドとの間に設定される待機時間)、及び、エンディング時間(大当り遊技の終了時(最終ラウンドの終了後)に設定される終了時間)により構成されている。
本実施形態においては、大当り遊技中のオープニング時間、ラウンド間インターバル時間、エンディング時間は、それぞれ共通の「5.0秒」、「1.5秒」、「7.0秒」に設定されている。なお、当選図柄に応じて、オープニング時間、ラウンド間インターバル時間、エンディング時間を様々に異ならせてもよい。
〔小当り〕
また、本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当り遊技が行われて第1可変入賞装置30が開閉動作する(特例遊技実行手段)。すなわち、先の特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、通常確率状態又は高確率状態の中で小当り遊技(第1可変入賞装置30が作動する遊技)が実行される。このような小当り遊技では第1可変入賞装置30が所定回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、第1大入賞口への入賞はほとんど発生しない。また、小当り遊技が終了しても、「確率変動機能」が作動することはなく、「時間短縮機能」が作動することもないので、「高確率状態」や「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。また、「高確率状態」で小当りに当選しても、その小当り遊技終了後に「高確率状態」が終了することはないし、「時間短縮状態」で小当りに当選しても、その小当り遊技終了後に「時間短縮状態」が終了することもない(上限回数に達した場合を除く。)。なお、本実施形態では、小当りを設定する遊技仕様としているが、小当りを設定しない遊技仕様とすることもできる。
〔特別図柄変動前処理〕
図939は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、サブコマンド送信処理(図920中のステップS144)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰する。なお、復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)のうち、第2特別図柄に対応する方を優先的に読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、別の一時記憶領域(例えば、当該変動用の乱数記憶領域)に保存される。第2特別図柄に対応する乱数が記憶されていない場合、主制御CPU72は第1特別図柄に対応する乱数を読み出して一時記憶領域に保存する。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。その結果、本実施形態では第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示が優先的に行われることになる。なお、このような特別図柄別の優先順位を設けることなく、単純に記憶された順番で乱数が読み出されるプログラムであってもよい。また、この処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち、乱数のシフトを行った方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。このとき設定される大当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なり、高確率状態では通常確率状態よりも大当り値の範囲が約10倍程度に拡大される。そして、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。ここで、大当り値の範囲は、設定値に応じて設定される。このため、低設定よりも高設定の方が、大当り値の範囲が広い範囲となる。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「高確率状態」や「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。ただし「小当り」は、「大当り」と同様に第1可変入賞装置30を作動させる条件を満たすものとして位置付けられている。なお、このとき設定される小当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なっていてもよいし、同じでもよい。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。小当りの当選確率に設定差を設ける場合、小当り値の範囲は、設定値に応じて設定される。このため、低設定よりも高設定の方が、小当り値の範囲が広い範囲となる。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、サブコマンド送信処理(図920中のステップS144)において演出制御装置124に送信される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「-」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン選択手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。「時間短縮状態」であれば、基本的にリーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は短縮された時間(例えば、2.0秒程度)に設定される。また、「時間短縮状態」でなくとも、リーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個~3個)」に基づいて短縮される場合がある(例えば、変動表示開始時作動記憶数0個→12.5秒程度、変動表示開始時作動記憶数1個→8秒程度、変動表示開始時作動記憶数2個→5秒程度、変動表示開始時作動記憶数3個→2.5秒程度)。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。なお、選択された特別図柄の変動パターンに関する情報は、変動パターンコマンドとして演出制御装置に送信される(当選時も同様)。
本実施形態では、内部抽選の結果、非当選に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させてはずれとしたり、「リーチ演出」を発生させずにはずれとしたりする制御を行うこととしている。そして、「はずれ時変動パターン選択テーブル」には、予め複数種類の演出、例えば「非リーチ演出」、「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、非当選に該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。
〔はずれ時変動パターン選択テーブルの例〕
図940は、はずれ時変動パターン選択テーブル(低確率・高確率非時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、低確率又は高確率非時間短縮状態でのはずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「1」~「8」が割り当てられている。
変動パターン番号「1」~「5」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「6」,「7」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「8」は、スーパーリーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。なお、変動パターン選択テーブルは、変動開始時作動記憶数に応じて異なるテーブル内容としてもよい(以下、同様)。
ここで、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンでは、設定される変動時間の長さが大きく異なっている。すなわち、「非リーチ変動パターン」は基本的に短い変動時間(例えば作動記憶数に応じて3.0秒~12.0秒程度)に対応するものであるのに対し、「リーチ変動パターン」はその倍以上の長い変動時間(例えば20秒~150秒程度)に対応するものである。
そして、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「2」を選択する。
図941は、はずれ時変動パターン選択テーブル(低確率時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、低確率時間短縮状態でのはずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「21」~「28」が割り当てられている。
変動パターン番号「21」~「25」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「26」~「28」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。ただし、変動パターン番号「21」~「25」は、時間短縮変動での非リーチ変動となるため、通常状態の変動時間よりも短縮した変動時間(例えば、2.0秒程度)が設定されている。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「22」を選択する。
図942は、はずれ時変動パターン選択テーブル(高確率時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、高確率時間短縮状態でのはずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「41」~「48」が割り当てられている。
変動パターン番号「41」~「45」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「46」~「48」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。ただし、変動パターン番号「41」~「45」は、高確率時間短縮状態での高速変動を実現するために、通常状態の変動時間よりも極端に短縮した変動時間(例えば、0.5秒~1.0秒程度)が設定されている。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「42」を選択する。
図943は、はずれ時変動パターン選択テーブル(特殊変動用)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、高確率時間短縮状態又は低確率時間短縮状態における第2特別図柄の内部抽選でのはずれ時(非当選に該当した場合)に、その時点での第1特別図柄の作動記憶数が最大個数(例えば4個)に達している場合に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。
また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「10」,「20」,「30」,「80」,「130」,「180」,「240」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「51」~「58」が割り当てられている。
変動パターン番号「51」~「53」は、リーチ演出が行われずにはずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「54」~「57」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「58」は、スーパーリーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。ただし、変動パターン番号「51」~「53」は、高確率時間短縮状態での高速変動を実現するために、通常状態の変動時間よりも極端に短縮した変動時間(例えば、0.5秒~1.0秒程度)が設定されている。また、変動パターン番号「54」~「58」については、変動パターン番号「51」~「53」と比較して長めの変動時間(例えば、10秒~150秒程度)が設定されている。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、主制御CPU72は、最初の比較値「10」と比較し、乱数値が比較値を超えているため、次の比較値「20」と乱数値を比較し、その後も同様にして次の比較値と乱数値とを比較していく。そして、比較値「240」と乱数値を比較すると、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は、対応する変動パターン番号として「57」を選択する。
図943に示されるように、特殊変動用のはずれ時変動パターン選択テーブルにおいては、変動時間が短い変動パターン「51」~「53」に対する乱数値の幅が狭く設定されている(乱数値0~30に対応)。これに対し、変動時間が長めの変動パターン「51」~「58」に対する乱数値の幅は広く設定されている(乱数値31~255に対応)。したがって、この選択テーブルを使用した場合には、変動時間が短い変動パターンは選択されにくい一方、変動時間が長めの変動パターンが選択され易くなる。
なお、特殊変動用のはずれ時変動パターン選択テーブルの内容は、このテーブルの使用時における第2特別図柄の作動記憶数等に応じて適宜調整を加えてもよい。
〔図939:特別図柄変動前処理を参照〕
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、大きく分けて13種類の当選図柄が用意されている。13種類の内訳は、以下の通りである。
(1)「4ラウンド確変図柄1」
(2)「7ラウンド通常図柄1」
(3)「7ラウンド確変図柄1」
(4)「7ラウンド確変図柄2」
(5)「7ラウンド確変図柄3」
(6)「10ラウンド確変図柄1」
(7)「13ラウンド通常図柄1」
(8)「13ラウンド確変図柄1」
(9)「13ラウンド確変図柄2」
(10)「13ラウンド確変図柄3」
(11)「16ラウンド確変図柄1」
(12)「16ラウンド確変図柄2」
(13)「16ラウンド確変図柄3」
なお、各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば「4ラウンド確変図柄1」であれば、「4ラウンド確変図柄1a」、「4ラウンド確変図柄1b」、「4ラウンド確変図柄1c」、・・・といった具合である。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の選択比率が異なっている。このため主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであるか、第2特別図柄に対応するものであるかによって選択する当選図柄を区別している。
〔第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図944は、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、この第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「35」,「3」,「22」,「24」,「4」,「12」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「13ラウンド通常図柄1」、「16ラウンド確変図柄1」、「13ラウンド確変図柄1」、「13ラウンド確変図柄2」、「7ラウンド確変図柄1」、「4ラウンド確変図柄1」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する大当り時には、「13ラウンド通常図柄1」が選択される割合は100分の35(=35%)であり、「16ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の3(=3%)であり、「13ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の22(=22%)である。また、「13ラウンド確変図柄2」が選択される割合は100分の24(=24%)であり、「7ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の4(=4%)であり、「4ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の12(=12%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。
いずれにしても、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」~「06H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「13ラウンド通常図柄1」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔確変回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右から2番目のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される確変回数(高確率状態の限度回数)の値が示されている。
「13ラウンド通常図柄1」に該当した場合、確変回数は付与されない(0回が付与される)。
一方、「16ラウンド確変図柄1」、「13ラウンド確変図柄1,2」、「7ラウンド確変図柄1」又は「4ラウンド確変図柄1」に該当した場合、確変回数は∞回、すなわち無限に付与される。したがって、これらの当選図柄のいずれかに該当した場合には、次に大当りに該当するまで高確率状態が継続することとなる。
〔時短回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右カラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数(時間短縮状態の限度回数)の値が示されている。
「13ラウンド通常図柄1」に該当した場合、特別図柄の当選確率が「低確率」又は「高確率」であっても、非時間短縮状態(非時短)又は時間短縮状態(時短)であっても、時短回数は100回付与される。
一方、「16ラウンド確変図柄1」、「13ラウンド確変図柄1」、「13ラウンド確変図柄2」、「7ラウンド確変図柄1」又は「4ラウンド確変図柄1」に該当した場合、特別図柄の当選確率が「低確率」又は「高確率」であっても、非時間短縮状態(非時短)又は時間短縮状態(時短)であっても、時短回数は∞回、すなわち無限に付与される。したがって、これらの当選図柄のいずれかに該当した場合には、次に大当りに該当するまで時間短縮状態が継続することとなる。
〔第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図945は、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、この第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「35」,「45」,「5」,「3」,「3」,「8」,「1」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、振分値に対応する「7ラウンド通常図柄1」、「16ラウンド確変図柄2」、「16ラウンド確変図柄3」、「13ラウンド確変図柄3」、「10ラウンド確変図柄1」、「7ラウンド確変図柄2」、「7ラウンド確変図柄3」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する大当り時においては、「7ラウンド通常図柄1」が選択される割合は100分の35(=35%)であり、「16ラウンド確変図柄2」が選択される割合は100分の45(=45%)であり、「16ラウンド確変図柄3」が選択される割合は100分の5(=5%)である。また、「13ラウンド確変図柄3」が選択される割合は100分の3(=3%)であり、「10ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の3(=3%)であり、「7ラウンド確変図柄2」が選択される割合は100分の8(=8%)であり、「7ラウンド確変図柄3」が選択される割合は100分の1(=1%)である。
今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、MODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」~「07H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「7ラウンド通常図柄1」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔確変回数〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右から2番目のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される確変回数の値が示されている。
「7ラウンド通常図柄1」に該当した場合、確変回数は付与されない(0回が付与される)。
一方、「16ラウンド確変図柄2」、「16ラウンド確変図柄3」、「13ラウンド確変図柄3」、「10ラウンド確変図柄1」、「7ラウンド確変図柄2」又は「7ラウンド確変図柄3」に該当した場合、確変回数は∞回、すなわち無限に付与される。したがって、これらの当選図柄のいずれかに該当した場合には、次に大当りに該当するまで高確率状態が継続することとなる。
〔時短回数〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右カラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。
「7ラウンド通常図柄1」に該当した場合、特別図柄の当選確率が「低確率」又は「高確率」であっても、非時間短縮状態(非時短)又は時間短縮状態(時短)であっても、時短回数は100回付与される。
一方、「16ラウンド確変図柄2」、「16ラウンド確変図柄3」、「13ラウンド確変図柄3」、「10ラウンド確変図柄1」、「7ラウンド確変図柄2」又は「7ラウンド確変図柄3」に該当した場合、特別図柄の当選確率が「低確率」又は「高確率」であっても、非時間短縮状態(非時短)又は時間短縮状態(時短)であっても、時短回数は∞回、すなわち無限に付与される。したがって、これらの当選図柄のいずれかに該当した場合には、次に大当りに該当するまで時間短縮状態が継続することとなる。
なお、図944及び図945に示されるように、本実施形態では、付与される確変回数は0回又は無限のいずれかであり、現実的な有限回数(例えば、100回等)が付与される当選図柄が設けられていないが、そのような当選図柄を設けてもよい。また、本実施形態では、特別図柄の当選確率が「高確率」であり、かつ、非時間短縮状態(非時短)という状態(いわゆる潜伏状態)は存在しないが、そのような状態を採用してもよい。
〔図939:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
本実施形態では、内部抽選の結果、大当りに該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させて大当りとする制御を行っている。そして、「大当り時変動パターン選択テーブル」には、複数種類の「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、大当りに該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。基本的には、ノーマルリーチ演出やロングリーチ演出等のリーチ演出よりもスーパーリーチ演出の方が、変動時間が長く当選の期待度も高い。また、時間短縮機能が作動している状態での当選時には、長い変動時間を有する変動パターンを選択せずに、短い変動時間を有する変動パターン(リーチ演出を行わない変動パターン)を選択してもよい。
〔大当り時変動パターン選択テーブルの例〕
図946は、大当り時変動パターン選択テーブル(低確率・高確率非時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、低確率又は高確率非時間短縮状態での当選時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。なお、本実施形態では、大当りの種類(当選図柄)によって変動パターンを区別していないが、それぞれの大当りで専用の変動パターン選択テーブルを用いてもよい(以下、同様)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「61」~「68」が割り当てられている。
変動パターン番号「61」~「66」は、スーパーリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「67」,「68」は、リーチ演出(スーパーリーチ演出以外のリーチ演出)が行われて当りとなる変動パターンに対応している。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「62」を選択する。
図947は、大当り時変動パターン選択テーブル(低確率時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、低確率時間短縮状態での当選時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「81」~「88」が割り当てられている。
変動パターン番号「81」,「82」は、スーパーリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「83」~「88」は、リーチ演出(スーパーリーチ演出以外のリーチ演出)が行われて当りとなる変動パターンに対応している。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「82」を選択する。
図948は、大当り時変動パターン選択テーブル(高確率時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、高確率時間短縮状態での当選時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「101」~「108」が割り当てられている。
変動パターン番号「101」,「102」は、スーパーリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「103」~「108」は、リーチ演出(スーパーリーチ演出以外のリーチ演出)が行われて当りとなる変動パターンに対応している。なお、高確率時間短縮状態での当選時には、リーチ演出が行われずに当りとなる変動パターンを設定してもよい。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「102」を選択する。
〔図939:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「いずれかの確変図柄」である場合、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(高確率状態移行手段、確率変動機能作動手段)。また、主制御CPU72は、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類が「いずれかの通常図柄」である場合、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値をリセットする(低確率状態設定手段、低確率状態移行手段、確率状態設定手段)。
また、主制御CPU72は、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「いずれの当選図柄」であっても、主制御CPU72は遊技状態フラグとして時間短縮機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段)。
また、ステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドは、サブコマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時特別図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお、本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では、小当り時の当選図柄は「2回開放小当り図柄」の1種類だけである。ただし、これ以外に例えば「1回開放小当り図柄」や「3回開放小当り図柄」等の別の種類が用意されていてもよい。上記のように内部抽選の結果としての「小当り」は、その後の状態が「高確率状態」や「時間短縮状態」に変化する契機とはならないため、この種のパチンコ機で必須となる「2ラウンド(2回開放)以上」の規定にとらわれることなく、「1回開放小当り図柄」を設けることができる。
ステップS2408:次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン選択手段)。なお、本実施形態では小当りの場合にリーチ変動パターンを選択することもできるし、はずれ通常変動時と同等の変動パターンを選択することもできる。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドは、サブコマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動を開始させる上で必要な処理を実行する。なお、特別図柄変動開始処理の具体的な内容については、別の図面を参照しながら詳しく後述する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別遊技管理処理に復帰する。
〔図937:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込みカウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして、主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また、特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図939中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、サブコマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
〔はずれ時変動パターン決定処理〕
図949は、はずれ時変動パターン決定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2600:主制御CPU72は、内部状態が時間短縮状態(低確率時間短縮状態、又は、高確率時間短縮状態)であり、かつ、第2特別図柄の抽選であり、かつ、第1特別図柄の作動記憶数が最大個数であるか否かを確認する。時間短縮状態であるか否かは、時間短縮機能作動フラグにより確認することができる。
確認の結果、時間短縮状態における第2特別図柄の抽選であり、かつ、第1特別図柄の作動記憶数が最大個数である場合には(ステップS2600:Yes)、主制御CPU72は、ステップS2606を実行する(変動時間決定手段)。一方、時間短縮状態であることを確認できないか、第1特別図柄の抽選であるか、又は第1特別図柄の作動記憶数が最大個数未満である場合には(ステップS2600:No)、主制御CPU72は、ステップS2602を実行する。
ステップS2602:主制御CPU72は、内部状態が高確率時間短縮状態であるか否かを確認する。内部状態は、確率変動機能作動フラグ及び時間短縮機能作動フラグにより確認することができる(以下、同様)。
その結果、内部状態が高確率時間短縮状態であることを確認した場合には(ステップS2602:Yes)、主制御CPU72は、ステップS2608を実行する。一方、内部状態が高確率時間短縮状態であることを確認できない場合には(ステップS2602:No)、主制御CPU72は、ステップS2604を実行する。
ステップS2604:主制御CPU72は、内部状態が低確率時間短縮状態であるか否かを確認する。その結果、内部状態が低確率時間短縮状態であることを確認した場合には(ステップS2604:Yes)、主制御CPU72は、ステップS2610を実行する。一方、内部状態が低確率時間短縮状態であることを確認できない場合には(ステップS2604:No)、主制御CPU72は、ステップS2612を実行する。
ステップS2606:主制御CPU72は、特殊変動用のはずれ時変動パターン選択テーブル(図943)を参照して、変動パターンを決定する処理を実行する。
ステップS2608:主制御CPU72は、高確率時間短縮状態用のはずれ時変動パターン選択テーブル(図942)を参照して、変動パターンを決定する処理を実行する。
ステップS2610:主制御CPU72は、低確率時間短縮状態用のはずれ時変動パターン選択テーブル(図941)を参照して、変動パターンを決定する処理を実行する。
ステップS2612:主制御CPU72は、非時間短縮状態用(低確率・高確率非時間短縮状態)のはずれ時変動パターン選択テーブル(図940)を参照して、変動パターンを決定する処理を実行する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は、特別図柄変動前処理(図939)に復帰する。
〔大当り時変動パターン決定処理〕
図950は、大当り時変動パターン決定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2712:主制御CPU72は、内部状態が高確率時間短縮状態であるか否かを確認する。その結果、内部状態が高確率時間短縮状態であることを確認した場合には(ステップS2712:Yes)、主制御CPU72は、ステップS2718を実行する。一方、内部状態が高確率時間短縮状態であることを確認できない場合には(ステップS2712:No)、主制御CPU72は、ステップS2714を実行する。
ステップS2714:主制御CPU72は、内部状態が低確率時間短縮状態であるか否かを確認する。その結果、内部状態が低確率時間短縮状態であることを確認した場合には(ステップS2714:Yes)、主制御CPU72は、ステップS2720を実行する。一方、内部状態が低確率時間短縮状態であることを確認できない場合には(ステップS2714:No)、主制御CPU72は、ステップS2722を実行する。
ステップS2718:主制御CPU72は、高確率時間短縮状態用の大当り時変動パターン選択テーブル(図948)を参照して、変動パターンを決定する処理を実行する。
ステップS2720:主制御CPU72は、低確率時間短縮状態用の大当り時変動パターン選択テーブル(図947)を参照して、変動パターンを決定する処理を実行する。
ステップS2720:主制御CPU72は、非時間短縮状態用の大当り時変動パターン選択テーブル(図946)を参照して、変動パターンを決定する処理を実行する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は、特別図柄変動前処理(図939)に復帰する。
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図951は、特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動前処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」より大であった場合(図939中のステップS2100:Yes)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する作動記憶が残存しているか否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第2特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が1以上である場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2212に進む。
ステップS2212:主制御CPU72は、記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第2特別図柄を指定する。この指定は、例えば対象図柄指定値として「02H」をセットすることで行われる。
ステップS2214:一方、第2特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が0である場合(ステップS2210:No)、主制御CPU72は記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第1特別図柄を指定する。この場合の指定は、例えば対象図柄指定値として「01H」をセットすることで行われる。
ステップS2216:上記のステップS2212又はステップS2214のいずれかで指定した対象の特別図柄について、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
ステップS2218:次いで主制御CPU72は、対象の特別図柄について作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、今回の記憶エリアをシフトする対象が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(-1)する。
ステップS2220:そして、主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から「変動開始時作動記憶数」を設定する。なお、ここでは第1特別図柄と第2特別図柄の両方について、作動記憶カウンタの値を加算した上で「変動開始時作動記憶数」を設定してもよい。
ステップS2222:また、主制御CPU72は、今回の記憶エリアをシフトする対象の特別図柄が第2特別図柄であるか否かを確認する。
ステップS2224:対象が第2特別図柄であった場合(ステップS2222:Yes)、主制御CPU72は第2特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」~「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。つまり、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」~「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」~「1」(コマンド表記は「13H」~「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」~「0」(コマンド表記は「12H」~「10H」)となったことを表している。なお、上記の先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS2226:なお、今回の対象が第1特別図柄であった場合(ステップS2222:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。この場合のコマンドは、先行値が第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BBH」)となる以外は上記と同じである。
ステップS2228:そして、主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2224又はステップS2226でセットした作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は、特別図柄変動前処理(図939)に復帰する。
〔特別図柄変動開始処理〕
図952は、特別図柄変動開始処理の手順例を示すフローチャートである。
特別図柄変動開始処理は、変動開始時に実行される処理であり(状態移行手段)、先の特別図柄変動前処理の過程で最後(図939中のステップS2415)に呼び出されて実行される。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2800:主制御CPU72は、変動タイマ及び停止図柄表示タイマをセットする。ここで、「変動タイマ」とは、先の変動パターン決定処理(図939中のステップS2405,S2408,S2412のいずれか)にて決定された変動パターンに対応する変動時間をカウントするためのタイマであり、「停止図柄表示タイマ」とは、図柄を停止表示させる時間をカウントするためのタイマである。これらのタイマは、例えばRAM76のカウンタ領域に格納される。
ステップS2802:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先の大当り判定処理(図939中のステップS2300)でセットされるものである。
確認の結果、大当りフラグの値(01H)がセットされている場合、すなわち大当りに該当している場合には(ステップS2802:Yes)、主制御CPU72は、ステップS2804を実行する。一方、大当りフラグの値(01H)がセットされていない場合、すなわち大当りに該当していない場合には(ステップS2802:No)、主制御CPU72は、ステップS2810を実行する。
ステップS2804:主制御CPU72は、確率変動機能を非作動とする。これにより、確率状態は「低確率状態」に移行されることとなる。
ステップS2806:主制御CPU72は、同期フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。ここで、「同期フラグ」とは、時短回数を確変回数(∞)に同期させる場合にセットされるフラグであり、例えばRAM76のフラグ領域に格納されている。同期フラグの値(01H)がセットされていれば、現実的な時短回数(回数切りカウンタ)がセットされておらず、次回大当りに該当するまで時間短縮状態が継続することを意味する。これに対し、同期フラグの値(01H)がセットされていなければ(値(00H)にリセットされていれば)、現実的な時短回数(回数切りカウンタ)がセットされていることを意味する。
確認の結果、同期フラグの値(01H)がセットされている場合には(ステップS2806:Yes)、主制御CPU72は、ステップS2808を実行する。一方、同期フラグの値がセットされていない場合には(ステップS2806:No)、主制御CPU72は、ステップS2810を実行する。
ステップS2808:主制御CPU72は、時間短縮機能を非作動とする。これにより、変動時間の短縮状態は「非時間短縮状態」に移行され、いわゆる電チューサポートが終了することとなる。
ステップS2810:主制御CPU72は、その他変動開始時処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、変動開始時に実行すべきその他の処理として、例えば、当該変動用の乱数記憶領域をゼロクリアし、特別遊技管理フェーズの値を「01H(特別図柄変動中状態)」に更新する。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。生成された変動開始コマンドは、サブコマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は、特別図柄変動前処理(図939)に復帰する。
このように、本実施形態においては、大当りに該当すると、大当り変動の開始時に確率変動機能が非作動とされる。また、時短回数が確変回数に同期して無限に(次回大当りまで)付与されている場合には、変動開始時に時間短縮機能も非作動とされて電チューサポート(以下、「電サポ」と略称する場合がある。)が終了する。すなわち、「高確率時間短縮状態」(第1状態)において大当りに該当した場合には、大当り変動の開始時に「低確率非時間短縮状態」(第2状態)に移行することとなる。
〔特別図柄停止表示中処理〕
図953は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込み周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして、主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰し、次の割込み周期においても実行選択処理(図937中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドを生成する。図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドは、サブコマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。なお、「停止表示時間終了コマンド」とは、特別図柄の停止表示時間が終了(経過)したことを示すコマンドである。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「大当り時可変入賞装置管理処理」に設定する。
ステップS4400:そして、主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、大当り図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、大当りの種類が「16ラウンド大当り」である場合、連続作動回数ステータスには「16ラウンド」に対応する値がセットされる。また、大当りの種類が「4ラウンド大当り」である場合、連続作動回数ステータスには「4ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、サブコマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4500:そして、主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の大当り時停止図柄決定処理(図939中のステップS2410)で決定された大当り図柄の種類(停止図柄番号)に基づいて生成することができる。例えば、大当りの種類が「16ラウンド大当り」である場合、連続作動回数コマンドは「16ラウンド」を表す値として生成される。また、大当り種類が「4ラウンド大当り」である場合、連続作動回数コマンドは「4ラウンド」を表す値として生成される。生成された連続作動回数コマンドは、サブコマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして、小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして小当り時可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4606:そして、主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り中)」をセットする。また、主制御CPU72は、小当り中を表す状態コマンドを生成する。小当り中を表す状態コマンドは、サブコマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4608:主制御CPU72は、同期フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。確認の結果、同期フラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰する。一方、同期フラグの値(01H)がセットされていない場合(No)、主制御CPU72は、次にステップS4610を実行する。
ステップS4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「高確率状態」や「時間短縮状態」においてそれぞれのカウンタ値がRAM76の確変カウント領域、時短カウント領域にセットされている。
本実施形態においては、回数切りカウンタに設定されている値は、当選図柄に応じた有限回数(例えば、10回、100回等)である。次回の当選が得られるまで「高確率状態」や「時間短縮状態」が継続する(確変回数や時短回数が無限に付与される)利益が得られる当選図柄に該当した場合には、回数切りカウンタには値が設定されず、その代わりに、確率変動機能作動フラグ、時間短縮状態作動フラグ及び同期フラグに基づいて制御がなされることとなる。
なお、確変回数や時短回数が無限に(次回大当りまで)付与される当選図柄に該当した場合においても、有限の確変回数や時短回数が付与される当選図柄に該当した場合と同様に、回数切りカウンタを設定して制御を行ってもよい。具体的には、回数切りカウンタに非常に大きな値(例えば10000回以上)を設定して制御を行ってもよい。確率の観点から、そのようなカウンタ値が減算されて0になること(10000回連続してはずれに該当すること)はほぼ有り得ないため、上記のような設定により、実質的に次回の当選が得られるまで「高確率状態」や「時間短縮状態」が継続することを、確率的に保障することが可能となる。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、回数切りカウンタ値コマンドを生成してから、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。
ステップS4640:そして、主制御CPU72は、その減算結果が0でないか否かを判断する。減算の結果、回数切りカウンタの値が0でなかった場合(Yes)、主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰する。これに対し、回数切りカウンタの値が0になった場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。本実施形態においては、ここでリセットされるのは、有限の時短回数が設定されていた回数切りカウンタの値が直前のステップS4640で0になった場合の時間短縮機能作動フラグのみである。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態が終了する。以上の手順を終えると、特別遊技管理処理に復帰する。
〔大当り時可変入賞装置管理処理〕
図954は、大当り時可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。
大当り時可変入賞装置管理処理は、大当り時遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、大当り時終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:大当り時遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200~ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして大当り時可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大当り時大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大当り時大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大当り時大入賞口開閉動作処理及び大当り時大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図955は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5204:主制御CPU72は、図柄別開放パターン設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は今回の該当する当選図柄に応じて大入賞口の開放パターン(ラウンドごとの開放回数及び各開放の時間)やラウンド間のインターバル時間、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)、オープニング時間、エンディング時間等を設定する。なお、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)は基本的には10個程度であるが、極端な短時間(0.1秒程度)の開放中に入賞が発生することはほとんどない(不能ではないが極めて困難である)。
ステップS5206:主制御CPU72は、先の大当り時停止図柄決定処理(図939中のステップS2410)で選択した大当り時の当選図柄に基づき、今回の大当り遊技における実行ラウンド数を設定する。具体的には、大当りの種類として「16ラウンド大当り」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を16回に設定する。また、大当りの種類として「4ラウンド大当り」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を4回に設定する。ここで設定した実行ラウンド数は、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5208:次に主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時の開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開放時間となる。なお、大当り時開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入球が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。一方、タイマの値として0.1秒が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入球が不能ではなくとも、ほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射制御基板セット174による遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5210:そして、主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大入賞口インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、大当り中のラウンド間での待機時間となる。
ステップS5212:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口開閉動作処理に設定し、大当り時可変入賞装置管理処理(図954)に復帰する。
〔大当り時大入賞口開閉動作処理〕
図956は、大当り時大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5301:主制御CPU72は、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認する。具体的には、以下のステップS5314で設定する大入賞口インターバルタイマが既に動作中であるか否かを確認することにより、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認することができる。
その結果、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5314を実行する。一方、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS5302を実行する。
ステップS5302:主制御CPU72は、第1大入賞口又は第2大入賞口を開放させる。具体的には、大当り中の可変入賞装置の動作パターンに基づいて、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を生成する。これにより、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。
第1大入賞口又は第2大入賞口を開放させた場合、主制御CPU72は、第1大入賞口開放コマンド又は第2大入賞口開放コマンドを生成する。第1大入賞口開放コマンド及び第2大入賞口開放コマンドは、演出制御装置124に送信される。
ステップS5303:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図955中のステップS5208)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5306:続いて主制御CPU72は、大入賞口開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS5308を実行する。
ステップS5308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31(開放中の第1大入賞口又は第2大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第1カウントスイッチ84又は第2カウントスイッチ85から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS5310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5301~ステップS5310の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5306で大入賞口開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。
ステップS5312:主制御CPU72は、第1大入賞口又は第2大入賞口を閉鎖させる。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97に印加するための駆動信号の生成を終了する。これにより、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が開放状態から閉鎖状態に移行する。
第1大入賞口又は第2大入賞口を閉鎖させた場合、主制御CPU72は、第1大入賞口閉鎖コマンド又は第2大入賞口閉鎖コマンドを生成する。第1大入賞口閉鎖コマンド及び第2大入賞口閉鎖コマンドは、演出制御装置124に送信される。
ステップS5314:次に主制御CPU72は、インターバルタイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図955中のステップS5210)で設定した大入賞口インターバルタイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5315:主制御CPU72は、大入賞口インターバル時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の大入賞口インターバルタイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ大入賞口インターバルタイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理(図954)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大当り時大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5301からジャンプして直にステップS5314を実行する。一方、カウントダウン処理後の大入賞口インターバルタイマの値が0以下になったことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5318を実行する。
ステップS5318:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5320:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。
1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用していない場合、各ラウンドでの「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定される。したがって、各ラウンドでは1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進む。
一方、1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用している場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。
この場合、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5301~ステップS5320までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5318で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
ステップS5322:主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口閉鎖処理に設定し、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大当り時大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大当り時大入賞口閉鎖処理〕
図957は、大当り時大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大当り時大入賞口閉鎖処理は、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1~16)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、サブコマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大当り時大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、大当り時遊技プロセス選択処理(図954中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大当り時大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大当り時大入賞口開閉動作処理の実行後は大当り時大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大当り時大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402~ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数(16回等)に達するまでの間、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を大当り時終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は大当り時終了処理が選択されることになる。
〔大当り時終了処理〕
図958は、大当り時終了処理の手順例を示すフローチャートである。この大当り時終了処理は、大当り時の第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動を終了する際の条件を整えるためのものである(状態移行手段)。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5501:主制御CPU72は、大当り時終了時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時終了時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
ステップS5502:次に主制御CPU72は、大当り時終了時間が経過したか否かを確認する。具体的には、大当り時終了時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は大当り時終了時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して大当り時可変入賞装置管理処理(図954)に復帰する。
この後、時間の経過に伴って大当り時終了時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は大当り時終了時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS5503以降を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また、主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で内部状態としての大役終了を宣言する。なお、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値をリセットする。
ステップS5506:次に主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図939中のステップS2414)でセットされるものである。
確認の結果、確率変動機能作動フラグの値がセットされていれば(ステップS5506:Yes)、主制御CPU72は、ステップS5508を実行する。一方、確率変動機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5506:No)、主制御CPU72は、ステップS5509に進む。
ステップS5508:主制御CPU72は確率変動機能を作動させる。
なお、回数切りカウンタを用いて制御を行う場合には、ここで確率変動回数(例えば10000回)を設定すればよい。この場合には、確率変動回数の値は、例えばRAM76の確変カウンタ領域に格納されて上記の回数切りカウンタ値となる。ここで設定した確率変動回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動(内部抽選)を高確率状態で行う上限回数となる。ただし、上記のように10000回程度の膨大な回数を設定した場合、そこまで非当選が続くことは確率的にほとんどないので(高確率時の当選確率が例えば32分の1~100分の1程度)、実質的には次回の当選まで高確率状態が続くことになる。これとは逆に、高確率状態に実質的な上限を設ける場合、確率変動回数は現実的な回数(例えば70回程度)に設定される(いわゆる回数切り確変)。
ステップS5509:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図939中のステップS2414)でセットされるものである。
確認の結果、時間短縮機能作動フラグの値がセットされていれば(ステップS5509:Yes)、主制御CPU72は、ステップS5510に進む。一方、時間短縮機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5510:No)、主制御CPU72は、次にステップS5514を実行する。
ステップS5510:さらに主制御CPU72は、付与された時短回数が∞回でないか否か(有限回数であるか否か)を確認する。確認の結果、付与された時短回数が∞回でない(有限回数である)場合には(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は、ステップS5512を実行する。一方、付与された時短回数が∞回である場合には(ステップS5510:No)、主制御CPU72は、ステップS5511を実行する。
ステップS5511:主制御CPU72は、同期フラグの値(01H)をセットするとともに、時短回数をゼロクリアする。
ステップS5512:主制御CPU72は、付与された有限の時短回数(例えば10回、100回等)を設定する。設定した時短回数の値は、上記のようにRAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時短回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。また、主制御CPU72は、同期フラグの値をリセット(00H)する。
ステップS5513:主制御CPU72は、時間短縮機能を作動させる。
ステップS5514:そして、主制御CPU72は、各種のフラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、確率変動機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「高確率中」を表す状態指定コマンドを生成し、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、サブコマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS5516:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして、主制御CPU72は、特別遊技管理処理の中の実行選択処理(図937中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理(図954)に復帰する。
〔小当り時可変入賞装置管理処理〕
図959は、小当り時可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。
小当り時可変入賞装置管理処理は、小当り時遊技プロセス選択処理(ステップS6100)、小当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS6200)、小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)、小当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS6400)、小当り時終了処理(ステップS6500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS6100:小当り時遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS6200~ステップS6500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして小当り時可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS6200)を選択する。一方、既に小当り時大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)を選択し、小当り時大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として小当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS6400)を選択する。また、設定された連続作動回数にわたって小当り時大入賞口開閉動作処理及び小当り時大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時終了処理(ステップS6500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔小当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図960は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、小当り時に第1可変入賞装置30を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS6212:主制御CPU72は、「小当り時開放パターン」を設定する。本実施形態の場合、「小当り時開放パターン」については、例えば1回目と2回目とでそれぞれ「0.1秒開放」の開放パターンが設定される。なお、「小当り」については「ラウンド」という概念がないことから、「開放パターン」についても「1回目の開放」、「2回目の開放」といった表記となる。
ステップS6214:主制御CPU72は、先のステップS6212で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大入賞口の開放回数を例えば2回に設定する。ここで設定した開放回数は、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS6216:次に主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、第1可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお、本実施形態では、上記のように小当り時開放タイマの値として0.1秒が設定されており、このような開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞がほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射装置ユニットによる遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS6218:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、小当り時に第1可変入賞装置30を複数回にわたり開閉動作させる際の1回ごとの待機時間となるが、このタイマ値は例えば2秒程度に設定される。
ステップS6220:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を小当り時大入賞口開閉動作処理に設定し、小当り時可変入賞装置管理処理(図959)に復帰する。そして、主制御CPU72は、次に小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)を実行する。
〔小当り時大入賞口開閉動作処理〕
図961は、小当り時大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、小当り時に第1可変入賞装置30の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS6301:主制御CPU72は、インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認する。具体的には、以下のステップS6314で設定するインターバルタイマが既に動作中であるか否かを確認することにより、インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認することができる。
その結果、インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS6314を実行する。一方、インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS6302を実行する。
ステップS6302:主制御CPU72は、第1大入賞口を開放させる。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を生成する。これにより、第1可変入賞装置30が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。
ステップS6304:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図960中のステップS6216)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS6306:続いて主制御CPU72は、開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS6308を実行する。
ステップS6308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第1可変入賞装置30(開放中の第1大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第1カウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS6310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(小当り時の開放1回)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は小当り時可変入賞装置管理処理(図959)に復帰する。そして、次に小当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が小当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS6301~ステップS6310の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS6306で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS6310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS6312を実行する。ここで、小当り時の開放は、開放タイマの値が短時間に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS6310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS6306で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS6312:主制御CPU72は、第1大入賞口を閉鎖させる。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に印加するための駆動信号の生成を終了する。これにより、第1可変入賞装置30が開放状態から閉鎖状態に復帰する。
ステップS6314:次に主制御CPU72は、インターバルタイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図960中のステップS6218)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。
ステップS6315:主制御CPU72は、インターバル時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後のインターバルタイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だインターバルタイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は小当り時可変入賞装置管理処理(図959)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで小当り時大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS6301からジャンプして直にステップS6314を実行する。一方、カウントダウン処理後のインターバルタイマの値が0以下になったことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS6316を実行する。
ステップS6316:主制御CPU72は次のジャンプ先を小当り時大入賞口閉鎖処理に設定し、小当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に小当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に小当り時大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔小当り時大入賞口閉鎖処理〕
図962は、小当り時大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この小当り時大入賞口閉鎖処理は、第1可変入賞装置30の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS6412:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS6414:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の大入賞口開放パターン設定処理(図960中のステップS6214)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS6416を実行する。
ステップS6416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を小当り時大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS6430:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、小当り時可変入賞装置管理処理(図959)に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、小当り時遊技プロセス選択処理(図959中のステップS6100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である小当り時大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、小当り時大入賞口開閉動作処理の実行後に、主制御CPU72は再び小当り時大入賞口閉鎖処理を実行し、実際の開放回数が設定した開放回数(2回)に達するまでの間、第1可変入賞装置30の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS6414:Yes)、主制御CPU72は次にステップS6418を実行する。
ステップS6418,ステップS6420:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を小当り時終了処理に設定する。
ステップS6430:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、小当り時可変入賞装置管理処理(図959)に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は小当り時終了処理が選択されることになる。
〔小当り時終了処理〕
図963は、小当り時終了処理の手順例を示すフローチャートである。この小当り時終了処理は、小当り時の第1可変入賞装置30の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS6502:主制御CPU72は、小当り時終了時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時終了時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
ステップS6504:次に主制御CPU72は、小当り時終了時間が経過したか否かを確認する。具体的には、小当り時終了時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は小当り時終了時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して小当り時可変入賞装置管理処理(図959)に復帰する。
この後、時間の経過に伴って小当り時終了時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は小当り時終了時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS6506以降を実行する。
ステップS6506,ステップS6508:主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また、内部状態フラグから「小当り中」を消去して小当り遊技を終了させる。なお、大当りの場合、内部的な条件装置が作動するが(例えば、条件装置に対応するフラグがONになるが)、小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS6510:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を小当り時大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS6512:そして、主制御CPU72は、特別遊技管理処理の中の実行選択処理(図937中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は小当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔LED表示設定処理〕
図964は、LED表示設定処理の構成例を示すフローチャートである。
LED表示設定処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)及び作動記憶表示設定処理(ステップS1230)は、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号(コモン出力用データ)を生成する処理である。なお、生成されたコモン出力用データ(表示データ)は、使用領域のRAMに格納され、ダイナミックポート出力処理において出力される(以下、同様)。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)は、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号(コモン出力用データ)を生成する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグの値に応じてそれぞれ確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38eの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において確率変動機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は確率変動状態表示ランプ38dに対応するLEDに対する点灯信号(コモン出力用データ)を生成する。なお、確率変動状態表示ランプ38dは、特別図柄に関する大当り遊技が開始されるまで、もしくは、特別図柄の変動表示が規定回数行われた後に確率変動機能がOFFにされるまで点灯しつづけ、その後非表示に(消灯)切り替えられる。また、確率変動状態表示ランプ38dは、潜伏確変状態(高確率非時間短縮状態)に移行した場合には点灯しないが、潜伏確変状態で電源断の状態が発生し、RAMクリアされずに電源が復帰された場合には点灯する。一方、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38eに対応するLEDに対する点灯信号(コモン出力用データ)を生成する。さらに、主制御CPU72は、発射位置指定ステータスに応じて発射位置指定ランプ38fの点灯を制御する。例えば、大当り遊技又は小当り遊技により第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が作動状態となる場合(発射位置指定ステータスに「1」が設定されている場合)、主制御CPU72は発射位置指定ランプ38fに対応するLEDする点灯信号(コモン出力用データ)を生成する。一方、低確率非時間短縮状態での通常遊技中となる場合(発射位置指定ステータスに「0」が設定されている場合)、主制御CPU72は発射位置指定ランプ38fに対応するLEDに対する点灯信号(コモン出力用データ)を生成しない。また、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は上記の時短状態表示ランプ38eに加えて、発射位置指定ランプ38fに対応するLEDに対する点灯信号(コモン出力用データ)を生成する。なお、発射位置指定ランプ38fは、大当り遊技を経て「時間短縮状態」に移行する場合、大当り遊技開始から「時間短縮状態」が終了するまで点灯し、「時間短縮状態」の終了により非点灯(OFF)となる。
確率変動状態表示ランプ38dは、以下のいずれかの点灯方式を採用することができる。
(1)1つ目の点灯方式は、主に潜伏確変の機能を搭載している機種に用いる方式であり、確率変動状態(高確率状態)でも点灯せず、電源投入時に確率変動状態であった場合に点灯させる方式である。例えば、潜伏確変状態が存在している場合、潜伏確変状態に移行した場合には、確率変動状態表示ランプ38dは点灯しないようにすることができ、確変中(高確率時間短縮状態)にも点灯しないようにすることができる。
(2)2つ目の点灯方式は、主に潜伏確変の機能を搭載していない機種に用いる方式であり、確率変動状態である場合には、点灯させる点灯方式である。
これらの点灯方式は、遊技機の機種の仕様等によって、いずれか一方の点灯方式を採用することができる。
また、主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38b,38cの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は上記の連続作動回数ステータスの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38b,38cに対する点灯信号(コモン出力用データ)を生成する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数ステータスの値で指定された大当り図柄に対応する表示ランプ38a,38b,38cの組み合わせである。例えば、連続作動回数ステータスの値が「16ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「16ラウンド」を表す点灯パターンに対応するランプ(例えば、表示ランプ38a,38b,38cの全てのランプ)に対する点灯信号(コモン出力用データ)を生成する。また、連続作動回数ステータスの値が「4ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「4ラウンド」を表す点灯パターンに対応するランプ(例えば、ランプ38aのみ)に対する点灯信号(コモン出力用データ)を生成する。3つの表示ランプ38a,38b,38cでは、6通りの点灯パターンを表示することができるので、本実施形態の6種類の大当りに対応させることができる。なお、ラウンド数に対応する点灯パターンの詳細は、遊技者に明確に伝達しておくために、表示ランプ38a,38b,38cの周辺に表示しておくことが好ましい。
図965は、加算数算定処理の第1手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS602:主制御CPU72は、通常賞球加算数、通常アウト加算数及び総アウト加算数をクリアする処理を実行する。
通常賞球加算数は、通常賞球数に加算する値を示す変数である。通常アウト加算数は、通常アウト数に加算する値を示す変数である。総アウト加算数は、総アウト数に加算する値を示す変数である。
ステップS604:主制御CPU72は、アウトスイッチ99から検出信号が入力されたか否かを確認する。
その結果、検出信号が入力されたことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS606を実行する。一方、検出信号が入力されたことを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS608を実行する。
ステップS606:主制御CPU72は、総アウト加算数を1加算する処理を実行する。例えば、総アウト加算数の値が「0」である場合、総アウト加算数の値は「1」となる。
ステップS608:主制御CPU72は、特別遊技管理フェーズをロードする処理を実行する。なお、特別遊技管理フェーズの値は、後述する。
ステップS610:主制御CPU72は、大当り中であるか否かを確認する。大当り中であるか否かは、特別遊技管理フェーズの値(大当り中:特別遊技管理フェーズ=「03H」~「07H」)により確認することができる。
その結果、大当り中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はタイマ割込み処理(図926)に復帰する。一方、大当り中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS612を実行する。
ステップS612:主制御CPU72は、時短中であるか否かを確認する。時短中であるか否かは、時間短縮機能作動フラグにより確認することができる。
その結果、時短中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はタイマ割込み処理(図926)に復帰する。一方、時短中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS614を実行する。
ステップS614:主制御CPU72は、右打ち指示中であるか否かを確認する。右打ち指示中であるか否かは、発射位置指定ステータスにより確認することができる。
その結果、右打ち指示中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はタイマ割込み処理(図926)に復帰する。一方、右打ち指示中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS616を実行する。
ステップS614の処理を実行することにより、主制御CPU72は、発射位置指定ステータスの内容に基づいて(発射位置決定手段による決定内容に基づいて)、ベースを算出するか否かを決定することができる(ベース算出実行可否決定手段)。
また、ステップS610~ステップS614の処理を実行することにより、主制御CPU72は、大当り遊技の実行中である場合、時間短縮状態である場合、又は、第2遊技領域に遊技球を発射すべきであると決定されている場合のいずれかである場合、ベースを算出しないと決定することができる(ベース算出実行可否決定手段)。
さらに、ステップS610~ステップS614の処理を実行することにより、主制御CPU72は、大当り遊技の実行中でない場合、非時間短縮状態である場合、又は、第1遊技領域に遊技球を発射すべきであると決定されている場合のいずれかである場合、ベースを算出すると決定することができる(ベース算出実行可否決定手段)。
ステップS616:主制御CPU72は、アウトスイッチ99から検出信号が入力されたか否かを確認する。
その結果、検出信号が入力されたことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS618を実行する。一方、検出信号が入力されたことを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS620を実行する。
ステップS618:主制御CPU72は、通常アウト加算数を1加算する処理を実行する。例えば、通常アウト加算数の値が「0」である場合、通常アウト加算数の値は「1」となる。
ステップS620:主制御CPU72は、各入賞口スイッチ(例えば、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81)から検出信号が入力されたか否かを確認する。
その結果、検出信号が入力されたことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS622を実行する。一方、検出信号が入力されたことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、タイマ割込み処理(図926)に復帰する。
ステップS622:主制御CPU72は、今回の割込みで発生した全ての賞球数を通常賞球加算数に加算する処理を実行する。
例えば、通常アウト加算数の値が「0」であり、今回の割込みで、中始動入賞口26(中始動入賞口スイッチ80:賞球数=4個)、右始動入賞口28a(右始動入賞口スイッチ82:賞球数=1個)、普通入賞口22(第1入賞口スイッチ86:賞球数=3個)にそれぞれ遊技球が1個ずつ入球した場合、通常アウト加算数の値は「8(=4+1+3)」となる。賞球対象のスイッチ及び賞球数は使用領域に格納されている賞球数データに基づいて決定する。賞球対象のスイッチ及び賞球数は機種によって異なることがあるため、本処理は、機種に依存する処理である。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、タイマ割込み処理(図926)に復帰する。
図966は、加算数算定処理の第2手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。なお、第1手順例及び第2手順例については、いずれか一方の手順例を採用することができる。
ステップS630:主制御CPU72は、アウトスイッチ99から検出信号が入力されたか否かを確認する。
その結果、アウトスイッチ99から検出信号が入力されたことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS631を実行する。一方、アウトスイッチ99から検出信号が入力されたことを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS632を実行する。
ステップS631:主制御CPU72は、アウトスイッチ99から検出信号が入力されたことを確認した場合、発射球数B(総アウト加算数)に「1」を設定する。
ステップS632:主制御CPU72は、アウトスイッチ99から検出信号が入力されたことを確認できない場合、発射球数B(総アウト加算数)に「0」を設定する。
ステップS633:主制御CPU72は、遊技状態が特定の遊技状態であるか否かを確認する。特定の遊技状態であるか否かを判断している理由は、特定の遊技状態では、ベースの計算の基礎となる発射球数A及び獲得球数をカウントしないためである。
ここで、特定の遊技状態には、(1)大当り中、(2)時短中、(3)右打ち指示中のうち少なくとも1つの状態を含ませることができる。また、「(3)右打ち指示中」を含ませている理由は、特定の遊技状態に「小当りラッシュ状態中(第1特別図柄及び第2特別図柄の同時回しを採用しつつ、第2特別図柄の変動により小当りが頻繁に発生する状態中、つまり、高確率非時間短縮状態)」を含ませ、「潜伏確変中(高確率非時間短縮状態中)」を含ませないためである。
その結果、遊技状態が特定の遊技状態であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS634を実行する。一方、遊技状態が特定の遊技状態であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS635を実行する。
ステップS634:主制御CPU72は、発射球数A(通常アウト加算数)に「0」を設定し、獲得球数(通常賞球加算数)に「0」を設定する処理を実行する。そして、この処理を終えると、主制御CPU72は、タイマ割込み処理(図926)に復帰する。
ステップS635:主制御CPU72は、発射球数B(総アウト加算数)の値を、発射球数A(通常アウト加算数)にコピー(代入)する処理を実行する。
ステップS636:主制御CPU72は、入賞口へ入賞した遊技球による賞球数の合計を、獲得球数(通常賞球加算数)に設定する処理を実行する。賞球対象のスイッチ及び賞球数は使用領域に格納されている賞球数データに基づいて決定する。賞球対象のスイッチ及び賞球数は機種によって異なることがあるため、本処理は、機種に依存する処理である。
ここで、大入賞口については、大当り中がベースの計算から除外されているため、賞球数を算定する必要はないが、通常時の小当り中の賞球数をベースに含めたい場合には、大入賞口についても賞球数を算定することができる。
なお、「獲得球数」、「発射球数A」及び「発射球数B」は、いずれもRAM76の使用領域に格納されている変数である。
そして、この処理を終えると、主制御CPU72は、タイマ割込み処理(図926)に復帰する。
図967は、遊技状態と発射球数の関係を示す図である。
「遊技状態」が、「大当り中」、「時短中」又は「右打ち指示中」である場合、発射球数の値は、以下に示す値となる。
「アウトスイッチ検知時」は、「発射球数A」は「0」となり、「発射球数B」は「1」となる。
「アウトスイッチ非検知時」は、「発射球数A」は「0」となり、「発射球数B」は「0」となる。
「遊技状態」が、「通常中」又は「潜伏中(潜伏確変状態)」である場合、発射球数の値は、以下に示す値となる。
「アウトスイッチ検知時」は、「発射球数A」は「1」となり、「発射球数B」は「1」となる。
「アウトスイッチ非検知時」は、「発射球数A」は「0」となり、「発射球数B」は「0」となる。
図968は、性能表示モニタ制御処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS640:主制御CPU72は、スタックポインタ及び全レジスタを退避する処理を実行する。
ステップS642:主制御CPU72は、領域外RAMクリアチェック処理を実行する。この処理は、領域外の処理である。具体的には、主制御CPU72は、領域外で使用するRAMが初期化済みであるか否かを判定し、初期化済みでなければ初期化する処理を実行する。
ステップS643:主制御CPU72は、設定変更中又は設定参照中であるか否かを確認する。具体的には、設定変更中フラグの値が「01H」、「02H」又は「03H」であるか否かを確認する。
その結果、設定変更中又は設定参照中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS648を実行する。一方、設定変更中又は設定参照中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS644を実行する。
このような処理を実行することにより、メインループ中に呼ばれる領域外の処理と同様に、設定変更中又は設定参照中である場合、本来の性能表示モニタ200に関する処理を実行しないようにすることができる。
設定変更中又は設定参照中は、遊技停止状態とすることができる。この場合、性能表示モニタ200に係る本来の処理は行わない。このため、「設定変更中又は設定参照中は、領域外の処理を呼び出さない。」としてもよいが、使用領域のコード量が増えるので本実施形態では採用していない。つまり、「設定変更中又は設定参照中」であるかの判断処理を領域外で実行することにより、使用領域のコード量を削減することができる。このように、設定変更中又は設定参照中において、性能表示モニタ200に関連する処理を実行しないことでメインプログラムの負荷を軽減することができる。
ステップS644:主制御CPU72は、球数加算処理を実行する。この処理は、領域外の処理である。具体的には、主制御CPU72は、使用領域の処理として実行される「加算数算定処理」で算定した発射球数A(通常アウト加算数)、発射球数B(総アウト加算数)及び獲得球数(通常賞球加算数)を、RAM76の領域外に配置されている各種カウンタに加算する処理を実行する。
具体的には、主制御CPU72は、通常アウト数(通常アウトカウンタ)に発射球数A(通常アウト加算数)を加算する処理、総アウト数(総アウトカウンタ)に発射球数B(総アウト加算数)を加算する処理、通常賞球数(通常賞球数カウンタ)に獲得球数(通常賞球加算数)を加算する処理等を実行する。なお、処理の詳細は、後述する。
ステップS646:主制御CPU72は、性能表示モニタ表示処理を実行する。この処理は、領域外の処理である。具体的には、主制御CPU72は、性能表示モニタ200の点滅、表示内容変更、表示データの設定を行う。表示内容は、例えば、「0.3秒点灯、0.3秒点灯又は消灯(点滅時)」を8回繰り返すと(合計4.8秒が経過すると)、変更される。切り替える内容は、「現在計測中のベース」と「前回の6万発分の区間のベース」である。
そして、8回目の「点灯又は消灯」となるタイミング(表示開始から4.5秒経過時点)で、除算タスク(除算処理)の開始を設定する。以後、メインループ処理から呼び出される性能表示モニタ集計除算処理を通じて除算タスクが実行される。除算タスクでの計算は、遅くとも表示内容が変更となるタイミング(表示開始から4.8秒後、除算タスク開始から0.3秒後)には終了する処理となる。
また、この処理において、主制御CPU72は、ベースの値に基づいて、性能表示モニタ200に含まれるLEDを点灯制御するためのコモン出力用データを生成する処理を実行する。
例えば、「現在の区間のベースが30%」である場合、主制御CPU72は、コモン0,1バッファにコモン出力用データ(表示データ)として「bL.」に対応するデータをセットし、コモン2,3バッファにコモン出力用データ(表示データ)として「30」に対応するデータをセットする処理を実行する。
ステップS648:主制御CPU72は、スタックポインタ及び全レジスタを復帰する処理を実行する。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、タイマ割込み処理(図926)に復帰する。
図969は、球数加算処理の手順例を示すフローチャートである。
球数加算処理は、領域外の処理である。球数加算処理は、タイマ割込み処理によって呼び出される性能表示モニタ制御処理によって呼び出される。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS650:主制御CPU72は、通常賞球数カウンタ(通常賞球数)に獲得球数(通常賞球加算数)を加算する処理を実行する。例えば、通常賞球数カウンタの値が「100」であり、獲得球数の値が「8」である場合、通常賞球数カウンタの値は「108」となる。
ステップS652:主制御CPU72は、通常アウトカウンタ(通常アウト数)に発射球数A(通常アウト加算数)を加算する処理を実行する。例えば、通常アウトカウンタの値が「299」であり、発射球数Aの値が「0」である場合、通常アウトカウンタの値は「299」となる。
ステップS654:主制御CPU72は、総アウトカウンタ(総アウト数)に発射球数B(総アウト加算数)を加算する処理を実行する。例えば、総アウトカウンタの値が「299」であり、発射球数Bの値が「1」である場合、総アウトカウンタの値は「300」となる。
なお、「通常賞球数カウンタ」、「通常アウトカウンタ」及び「総アウトカウンタ」は、領域外のRAMに格納されている変数である。
また、「通常賞球数カウンタ」及び「通常アウトカウンタ」の値は、ベースの計算に使用し、「総アウトカウンタ」の値は、集計区間の更新に使用する。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、性能表示モニタ制御処理(図968)に復帰する。
図970は、性能表示モニタ集計除算処理の手順例を示すフローチャートである。
性能表示モニタ集計除算処理は、領域外の処理である。性能表示モニタ集計除算処理は、メインループ処理から呼び出される。
ステップS660:主制御CPU72は、スタックポインタ及び全レジスタを退避する処理を実行する。
ステップS661:主制御CPU72は、領域外RAMクリアチェック処理を実行する。この処理は、領域外の処理である。具体的には、主制御CPU72は、領域外で使用するRAMが初期化済みであるか否かを判定し、初期化済みでなければ初期化する処理を実行する。
ステップS662a:主制御CPU72は、設定変更中又は設定参照中であるか否かを確認する。具体的には、設定変更中フラグの値が「01H」、「02H」又は「03H」であるか否かを確認する。
その結果、設定変更中又は設定参照中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS668を実行する。一方、設定変更中又は設定参照中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS663を実行する。
設定変更中又は設定参照中は、遊技停止状態とすることができる。この場合、性能表示モニタ200に係る本来の処理は行わない。このため、「設定変更中又は設定参照中は、領域外の処理を呼び出さない。」としてもよいが、使用領域のコード量が増えるので本実施形態では採用していない。つまり、「設定変更中又は設定参照中」であるかの判断処理を領域外で実行することにより、使用領域のコード量を削減することができる。このように、設定変更中又は設定参照中において、性能表示モニタ200に関連する処理を実行しないことでメインプログラムの負荷を軽減することができる。
遊技停止状態は、いわゆる2種系の機種(特定領域を有する遊技機)に搭載されている、「遊技停止フラグ」を1種系の機種にも採用し、設定変更中及び設定参照中は遊技停止フラグをセットすることにより移行させることができる。
ステップS663:主制御CPU72は、区間変更であるか否か(ベースを表示するための区間が新たな区間に移行したか否か)、すなわち、総アウト数(総アウトカウンタ)の値が、60000にn(整数)を乗じて300を加算した値よりも大きい値であるか否かを確認する。なお、nは、現在の区間を示す値であり、初期値として1が設定される。
その結果、区間変更であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS664を実行する。一方、区間変更であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS666を実行する。
ステップS664:主制御CPU72は、通常賞球数の値(通常賞球数カウンタ)と、通常アウト数の値(通常アウトカウンタ)とを専用バッファに保存する処理を実行する。
また、主制御CPU72は、現在の区間を示す値nに1を加算して更新する処理を実行する。
なお、この処理では、ベースの値は保存しないことが好ましい。この理由は、総アウト数が一定の値(60000個)に到達し、ベースの表示区間を切り替えるときに、「通常賞球数÷通常アウト数×100の四捨五入」を計算して、結果を保存することも考えられるが、主制御CPU72でこの演算を行うのは時間がかかりすぎるからである。このため、本処理では、通常賞球数と通常アウト数を保存する処理だけを実行し、後の適切なタイミングで演算を行うのが最適な演算方法となる。これは、「最悪の場合の処理時間を短くする」という考え方に基づく計算方法であり、遊技機、特に、パチンコ機の動作安定上、重要な事項である。ただし、この処理で、主制御CPU72は、ベースの値を保存する処理(例えば、後述するステップS667において算出されていたベースの値を前回の区間のベースの値として記憶する処理)を実行してもよい。
ステップS665:主制御CPU72は、通常賞球数の値と通常アウト数の値とをクリアする処理を実行する。
本処理を終えると、主制御CPU72は、次に、ステップS668の処理を実行する。
ステップS666:主制御CPU72は、除算タスクの先頭番地を算定する処理を実行する。この処理を実行することにより、主制御CPU72は、除算タスクにおけるベースを算出する演算(除算、減算等の処理)を所定の処理量(例えば1ビット)だけ実行するようにすることができる。
上述した通り、主制御CPU72で除算処理を実行する場合には時間がかかるので、本実施形態では、除算処理を何回かに分けて実行している。
具体的には、以下に示す先頭番地が格納されたテーブルを用意して、今回実行すべきモジュールの先頭番地を算出し、プログラムカウンタ(PC)にその番地をセットすることにより、除算処理を少しずつ(細切れに、分割して)実行している。
(1)割算実行前の待機処理(の先頭番地)
(2)割算準備処理(の先頭番地)
(3)商の64の位を求める処理(の先頭番地)
(4)商の32の位を求める処理(の先頭番地)
(5)商の16の位を求める処理(の先頭番地)
(6)商の8の位を求める処理(の先頭番地)
(7)商の4の位を求める処理(の先頭番地)
(8)商の2の位を求める処理(の先頭番地)
(9)商の1の位を求める処理(の先頭番地)
(10)四捨五入を行う処理(の先頭番地)
(11)割算終了後の待機処理(の先頭番地)
例えば、上記(1)の「割算実行前の待機処理」は、次回タスク(次回タスク決定ステータス)に「0」が設定されている場合に実行され、上記(2)の「割算準備処理」は、次回タスクに「1」が設定されている場合に実行される。このような制御処理により、以下の除算タスクの内容を少しずつ実行することができる。なお、次回タスクの初期値は0である。
ステップS667:主制御CPU72は、除算タスクを実行する(呼び出す)処理を実行する。この処理は、領域外の処理である。除算タスクには、11個のタスク(除算タスク0~除算タスク10)があり、除算タスク0から除算タスク10までが順番に呼び出される。なお、除算タスクの内容は、後述する。
ステップS668:主制御CPU72は、スタックポインタ及び全レジスタを復帰する処理を実行する。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、メインループ処理(図920)に復帰する。
図971は、除算タスク1の処理の手順例を示すフローチャートである。
図972は、除算タスク2~8の処理の手順例を示すフローチャートである。
図973は、除算タスク9の処理の手順例を示すフローチャートである。
除算タスクは、0~10までがあり、除算タスクの先頭番地を算定する処理(S666)において次回タスクの値が参照され、実際に実行する除算タスクの先頭アドレスが指定される。以下、手順例に沿って説明する。
ここで、以下に説明する除算タスクの処理の内容は、1回の呼び出しでベースを算出する演算を1ビットずつ行う例で説明しているが、1回の呼び出しでベースを算出する演算を完了させてもよい。
また、ベースの演算の完了後には、領域外のRAMの値が異常でないかを監視するようにしてもよい。なお、除算タスクの開始(ベースの演算の開始)については、性能表示モニタ表示処理で設定するようにしてもよい。
次回タスクに「0」が設定されている場合、除算タスク0が実行される。除算タスク0の内容は特に図示していないが、割算実行前の待機処理が実行される。除算タスク0の最後の処理では、次回タスクに「1」が設定される。
次回タスクに「1」が設定されている場合、図971に示す除算タスク1が実行される。
以下、除算タスク1の処理の流れを説明する。
ステップS730:主制御CPU72は、整数(変数)を「128(2×64)」に初期化し、「128」を整数バッファにセーブする処理を実行する。
ステップS732:主制御CPU72は、通常アウト数の値をロードし、ロードした通常アウト数の値に整数「128」を乗算し、乗算した値を除数として除数バッファにセーブする処理を実行する。
ステップS734:主制御CPU72は、通常賞球数の値をロードし、ロードした通常賞球数の値に「2」及び「100」を乗算し、乗算した値を被除数として被除数バッファにセーブする処理を実行する。
ステップS736:主制御CPU72は、商を「0」に初期化し、「0」を商バッファにセーブする処理を実行する。
ステップS738:主制御CPU72は、次回タスクに「2」を設定する。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、性能表示モニタ集計除算処理(図970)に復帰する。
次回タスクに「2」~「8」が設定されている場合、図972に示す除算タスク2~8が実行される。
以下、除算タスク2~8の処理の流れを説明する。
ステップS740:主制御CPU72は、被除数バッファにセーブされた被除数が、除数バッファにセーブされた除数以上であるか否かを確認する。
その結果、被除数バッファにセーブされた被除数が、除数バッファにセーブされた除数以上であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS742を実行する。一方、被除数バッファにセーブされた被除数が、除数バッファにセーブされた除数以上であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS746を実行する。
ステップS742:主制御CPU72は、被除数バッファにセーブされた被除数から、除数バッファにセーブされた除数を減算し、減算結果を新たな被除数として被除数バッファにセーブする処理を実行する。
ステップS744:主制御CPU72は、商バッファにセーブされた商に、整数バッファに記憶された整数を加算し、加算結果を新たな商として商バッファにセーブする処理を実行する。
ステップS746:主制御CPU72は、除数バッファにセーブされた除数を「2」で除算し(右に1ビットシフトし)、除算結果を新たな除数として除数バッファにセーブする処理を実行する。
ステップS748:主制御CPU72は、整数バッファにセーブされた整数を「2」で除算し(右に1ビットシフトし)、除算結果を新たな整数として整数バッファにセーブする処理を実行する。
ステップS750:主制御CPU72は、今回タスク(現在の次回タスクの値)に1を加算した値を、次回タスクに設定する。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、性能表示モニタ集計除算処理(図970)に復帰する。
次回タスクに「9」が設定されている場合、図973に示す除算タスク9が実行される。
以下、除算タスク9の処理の流れを説明する。
ステップS752:主制御CPU72は、商バッファにセーブされた商の最下位ビットの値が「1」であるか否かを確認する処理を実行する。
その結果、商バッファにセーブされた商の最下位ビットの値が「1」であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS754を実行する。一方、商バッファにセーブされた商の最下位ビットの値が「1」であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS756を実行する。
ステップS754:主制御CPU72は、商バッファに記憶された商を「2」で除算し(右に1ビットシフトし)、除算結果に「1」を加算してベースバッファに記憶する処理を実行する。
ステップS756:主制御CPU72は、商バッファに記憶された商を「2」で除算し(右に1ビットシフトし)、除算結果をベースバッファに記憶する処理を実行する。
ステップS758:主制御CPU72は、次回タスクに「10(待機処理に対応する値)」を設定する。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、性能表示モニタ集計除算処理(図970)に復帰する。
次回タスクに「10」が設定されている場合、除算タスク10が実行される。除算タスク10の内容は特に図示していないが、割算実行後の待機処理が実行される。除算タスク10の最後の処理では、次回タスクに「0」が設定される。
次に、性能表示モニタ200の表示態様及び性能表示モニタ200に表示されるベース(ベース比率)の演算方法について説明する。
図974は、性能表示モニタ200の表示態様を説明する図である。
主制御装置70は、遊技状態が低確率非時間短縮状態である場合、高確率非時間短縮状態である場合、及び、左打ち指示中である場合のベースを性能表示モニタ200に表示する。ここで、ベースは、予め設定された区間ごと(例えば、総アウト数が60000個ごと)に算出される。ベース(百分率:%)は、ベース=通常賞球数÷通常アウト数×100によって算出することができる。
図974中(A)(B)に示すように、性能表示モニタ200には、現在の区間のベースと、前回の区間のベースとが、予め設定された間隔(例えば、数秒)ごとに切り替わって表示される。
性能表示モニタ200では、7セグメント201,202によって、現在の区間のベースであるか、前回の区間のベースであるかを識別するための識別子「bL.」又は「b6.」が表示される。また、性能表示モニタ200では、7セグメント203,204によって、識別子「bL.」又は「b6.」に対応するベースが2桁の数字情報で表示される。
例えば、現在の区間のベースが30%であるとすると、現在の区間のベースを表示する際には、図974中(A)に示すように、7セグメント201,202に「bL.」が表示され、7セグメント203,204に「30」が表示される。また、前回の区間のベースが38%であるとすると、前回の区間のベースを表示する際には、図974中(B)に示すように、7セグメント201,202に「b6.」が表示され、7セグメント203,204に「38」が表示される。
図975は、性能表示モニタ200に表示されるベースの区間を説明する図である。
ここで、パチンコ機1が製造されてからホール(遊技場)に設置されて遊技者による遊技が行われるまでの間には、製造時における検査や、ホールでの試運転(動作チェック)等が行われる。このような製造時における検査や、ホールでの試運転等でも遊技球が発射、排出されることになるが、この間のアウト球数及び排出数をカウントしてしまうと、遊技者による遊技が行われている間のベースを正確に算出することができなくなってしまうおそれがある。
そこで、図975中(A)に示すように、アウトスイッチ99によって検出されるアウト球数のトータル(合計数)が0~300の最初の区間(対象外区間)は、製造時における検査や、ホールでの試運転等、遊技者による遊技が行われる以前に検出されたアウト球数であるとみなしてベースを算出する対象から除外する。
同様に、アウト球数が0~300の区間で払い出された払出数もベースを算出する対象から除外する。この対象外区間中では、図975中(B)に示すように、現在の区間のベースを表示する際には、識別子「bL.」を点滅表示するとともに、ベースの値として「--」を点灯表示する。また、前回の区間は存在しないことから、前回の区間のベースを表示する際には、識別子「b6.」を点滅表示するとともに、ベースの値として「--」を点灯表示する。
そして、アウト球数が301~60300までを1回目の区間とし、1回目の区間では、ベースを随時(リアルタイムで)算出し、現在の区間のベースを表示する際には、識別子「bL.」を表示するともに、算出したベースの値を点灯表示する。このとき、アウト球数が301~6299までの間(当該区間におけるアウト球数が5999以下の間)は、識別子「bL.」を点滅表示することで、現在の区間のベースを算出する際のサンプルが少なく、ベースが安定していないことを報知する。その後、アウト球数が6300以上になる(当該区間におけるアウト球数が6000以上になる)と、識別子「bL.」を点灯表示することで、現在の区間のベースを算出する際のサンプルが多く、ベースが安定していることを報知する。
また、1回目の区間では、前回の区間は存在しないことから、前回の区間のベースを表示する際には、識別子「b6.」を点滅表示するとともに、ベースの値として「--」を点灯表示する。
また、アウト球数が60301~120300までの2回目の区間では、1回目の区間と同様に、ベースを随時(リアルタイムで)算出し、現在の区間のベースを表示する際には、アウト球数に応じて識別子「bL.」を点灯又は点滅表示するとともに、算出したベースを表示する。また、2回目の区間において、前回の区間のベースを表示する際には、識別子「b6.」を点灯表示するとともに、1回目の区間の最終的なベースを点灯表示する。
このように、アウト球数が最初の300個を除いた60000個ごと(n回目の区間ごと)に、リアルタイムで算出したベースを、現在の区間のベースとして表示するとともに、n-1回目の区間の最終的なベースを、前回の区間のベースとして表示する。
これにより、製造時における検査や、ホールでの試運転(動作チェック)等、遊技者による遊技が行われる前のアウト球数及び排出数を、ベースを算出する対象から除外することができ、ベースを正確に算出(表示)することができる。
なお、ベースを算出する際に、ベースが一時的に100%を超える場合もある。例えば、区間の最初の1球が中始動入賞口26に入球した場合、アウト球数は1であるのに対して、払出数は中始動入賞口26に入球したことにより得られる賞球数(例えば4)となり、ベースは400%となる。このような場合、性能表示モニタ200では、ベースを2桁の数字情報でしか表示できないことから、「99.」を点灯表示することで、ベースが100%を超えていることを報知する。
図976は、ベースの演算方法を説明する図である。
ここでは、通常賞球数が「3456」、通常アウト数が「10000」であるとしてベースを算出する方法を説明する。
上述したように、ベースは、区間ごとのアウト球数に対する排出数を最終的に百分率に換算した値である。そして、このような百分率の表示を行う場合、除算した結果に対し、小数点以下2桁のみが必要となる。
そして、このような百分率の値を算出する処理(「%換算する」処理)が、被乗数「100」を乗じることに相当する。したがって、ベース=通常賞球数÷通常アウト数×100といった式で表すことができる。しかし、通常賞球数≦通常アウト数となる場合、この式の順番通りに演算すると、小数点以下の値となってしまい、例えば、主制御装置70では演算不能となる。
そこで、演算順を変更し、ベース=通常賞球数×100÷通常アウト数といった順(まず、通常賞球数に被乗数を乗じて、その後、通常アウト数で除算する順)で演算を行う。こうすることで、小数点以下の演算を行うことなく、整数のみで演算結果を完結することが可能となる。
また、本実施形態では、百分率に換算した場合の小数点以下の値を四捨五入する。
しかし、主制御装置70は小数点以下の数字を扱うことができず、2進数で演算が行われるため、通常賞球数×被乗数「100」及び通常アウト数を先に2倍してベースの2倍の値を求める。そして、求めたベースの2倍の値(2進数)の最下位ビット(小数点以下の値に相当)が「1」であれば(小数点以下が0.5以上であれば)、求めたベースの2倍の値に「1」を加算した後に半分の値(右に1ビットシフト)にすることで小数点以下を切り上げ、求めたベースの2倍の値の最下位ビット(小数点以下の値に相当)が「0」であれば(小数点以下が0.5未満であれば)、求めたベースの2倍の値をそのまま半分の値(右にシフト)にすることで小数点以下を切り捨てる。これにより、小数点以下の値を四捨五入することができる。
具体的には、主制御装置70(主制御CPU72)では、除算を減算に置き換え、2×通常賞球数(3456)×100である被除数「691200」から、通常アウト数である除数「10000」に、2の累乗数を2倍した所定の整数「128(2×2の6乗)」を乗じた数を減算し、以降、整数を「64(2×2の5乗)」→「32(2×2の4乗)」→「16(2×2の3乗)」→「8(2×2の2乗)」→「4(2×2の1乗)」→「2(2×2の0乗)」→「1(2×2の-1乗)」の順に変更(右に1ビットシフト)して除数を乗じ、被除数から減算する。ここで、除数に乗じる整数を、2×64から開始しているのは、ベースの表示が0~99の範囲であり、ベースが100%以上の場合には「99.9」を表示する仕様のため、「2×128(2の7乗)」以上の数値を減算する必要がないからである。
具体的には、図976に示すように、1回目の演算において、被除数<除数なので、次に進む。そして、2回目の演算において、被除数≧除数なので、被除数「691200」から除数「64(2×32)×10000」を減算して被除数を「51200」に更新するとともに、商「0」に「64」を加えて商を「64(2進数で表すと1000000B)」に更新する。3回目~5回目の演算では、被除数<除数なので、次に進む。6回目の演算において、被除数≧除数なので、被除数「51200」から除数「4(2×2)×10000」を減算して被除数を「11200」に更新するとともに、商「64」に「4」を加えて商を「68(2進数で表すと1000100B)」に更新する。7回目の演算において、被除数<除数なので、次に進む。8回目の演算において、被除数≧除数なので、被除数「11200」から除数「1(2×0.5)×10000」を減算して被除数を「1200」に更新するとともに、商「68」に「1」を加えて商を「69(2進数で表すと1000101B)」に更新する。
その後、9回目の演算では、更新された商「69(2進数で表すと1000101B)」を2で除算(右に1ビットシフト)し、最終的なベースを求めることになる。このとき、単に2で除算すると商は「34.5」となるが、上記したように主制御装置70は小数点以下を扱うことができないので、商の最下位のビットが「1B」である場合、商「69」を右に1ビットシフトした後に、「1」を加算して商を「35(2進数で表すと0100011B)」とする。
かかる演算例により、加算、減算、乗算といった簡易な演算のみで、また、整数のみにより、除算を実現することが可能となる。また、ここでは、演算を9回繰り返せば足りるので、演算処理を迅速に行うことができる。さらに、ベースの小数点以下を四捨五入することができる。
〔発射位置管理処理〕
図977は、発射位置管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS1100:主制御CPU72は普通遊技管理フェーズの値が「03H」~「07H」であるか否かを確認する。
〔普通遊技管理フェーズ〕
主制御CPU72は、普通図柄に対応する遊技の進行状況(1)~(8)に応じて普通遊技管理フェーズの値(カギ括弧内)を以下のようにセットする。
(1)普通図柄変動待ち状態:「00H」
(2)普通図柄変動中状態:「01H」
(3)普通図柄停止図柄表示状態:「02H」
(4)可変始動入賞装置(普通電動役物)開放待ち状態:「03H」
(5)可変始動入賞装置(普通電動役物)開放状態:「04H」
(7)可変始動入賞装置(普通電動役物)閉鎖状態:「05H」
(8)可変始動入賞装置(普通電動役物)作動終了時間中状態:「06H」
(9)可変始動入賞装置(普通電動役物)閉鎖後有効状態:「07H」
ここで、主制御CPU72は、普通遊技管理フェーズの値を設定又は更新した場合、その値を反映させた普通遊技管理フェーズコマンドを生成する。普通遊技管理フェーズコマンドは、サブコマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
その結果、普通遊技管理フェーズの値が「03H」~「07H」であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS1140を実行する。一方、普通遊技管理フェーズの値が「03H」~「07H」であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS1110を実行する。
ステップS1110:主制御CPU72は特別遊技管理フェーズの値が「03H」~「07H」であるか否かを確認する。
〔特別遊技管理フェーズ〕
主制御CPU72は、特別図柄に対応する遊技の進行状況(1)~(8)に応じて特別遊技管理フェーズの値(カギ括弧内)を例えば以下のようにセットする。
(1)特別図柄変動待ち状態:「00H」
(2)特別図柄変動中状態:「01H」
(3)特別図柄停止図柄表示状態:「02H」
(4)可変入賞装置(特別電動役物)開放待ち状態:「03H」
(5)可変入賞装置(特別電動役物)開放状態:「04H」
(6)可変入賞装置(特別電動役物)閉鎖状態:「05H」
(7)可変入賞装置(特別電動役物)作動終了時間中状態:「06H」
(8)可変入賞装置(特別電動役物)閉鎖後有効状態:「07H」
ここで、主制御CPU72は、特別遊技管理フェーズの値を設定又は更新した場合、その値を反映させた特別遊技管理フェーズコマンドを生成する。特別遊技管理フェーズコマンドは、サブコマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
その結果、特別遊技管理フェーズの値が「03H」~「07H」、つまり、大当り遊技中又は小当り遊技中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS1140を実行する。一方、特別遊技管理フェーズの値が「03H」~「07H」であることを確認できない場合(No)、つまり、大当り遊技中又は小当り遊技中であることを確認できない場合、主制御CPU72はステップS1120を実行する。
ステップS1120:主制御CPU72は、内部状態が時間短縮状態であるか否かを確認する。時間短縮状態であるか否かは、時間短縮機能作動フラグにより確認することができる。
その結果、内部状態が時間短縮状態であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS1140を実行する。一方、内部状態が時間短縮状態であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS1130を実行する。
ステップS1130:主制御CPU72は、発射位置指定ステータスに左打ちに対応する値(0)をセットする。
ここで、「発射位置指定ステータス」とは、現在の遊技状態が左打ちに対応する遊技状態であるか、右打ちに対応する遊技状態であるかを保持する変数である。
具体的には、発射位置指定ステータスに「0」がセットされていれば現在の遊技状態が左打ちに対応する遊技状態(左打ち状態)であること示しており、発射位置指定ステータスに「1」がセットされていれば現在の遊技状態が右打ちに対応する遊技状態(右打ち状態)であること示している。
このため、主制御CPU72は、発射位置指定ステータスの値を参照すれば、現在の遊技状態が左打ちに対応する遊技状態であるか、右打ちに対応する遊技状態であるかを確認することができる。
また、発射位置指定ステータスの値は、RAM76に記憶されており、電源断の状態が発生した場合は、その値がバックアップされる。
ステップS1140:主制御CPU72は、発射位置指定ステータスに右打ちに対応する値(1)をセットする。
ステップS1150:ステップS1130又はステップS1140にて発射位置指定ステータスをセットすると、主制御CPU72は次に発射位置指定コマンドを生成する(発射位置指定情報通知手段)。ここで、主制御CPU72は、発射位置指定コマンドとして、発射位置指定ステータスの値を反映させたコマンドを生成する。具体的には、発射位置指定ステータスの値が左打ちを示す値(0)である場合、主制御CPU72は、左打ちを示す発射位置指定コマンドを生成する。これに対して、発射位置指定ステータスの値が右打ちを示す値(1)である場合、主制御CPU72は、右打ちを示す発射位置指定コマンドを生成する。ここで生成した発射位置指定コマンドは、サブコマンド送信処理において演出制御装置124に出力される。
以上の手順を終えると、主制御CPU72はタイマ割込み処理(図926)に復帰する。
〔非時間短縮状態でのゲームフロー〕
図978は、非時間短縮状態でのゲームフロー、より正確には、通常モードにて第1特別図柄抽選で当選が得られた場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
パチンコ機1で遊技を開始する場合、〔F1〕通常モードから遊技が開始される。「通常モード」は、特別図柄の当選確率は「低確率状態」であり、かつ、普通図柄の当選確率は「低確率状態」である(低確率非時間短縮状態)。〔F1〕通常モードでは、中始動入賞口26に遊技球を入球させることにより、第1特別図柄が変動を開始して遊技が進行していく。
〔F1〕通常モードにて、〔F2〕「13ラウンド通常図柄1」の大当りに当選すると、当選図柄に応じた大当り遊技が実行され、大当り遊技の終了後に、〔F3〕海岸モードに移行する。
〔F3〕海岸モードは、特別図柄の当選確率は「低確率状態」であり、かつ、普通図柄の当選確率は「高確率状態」である(低確率時間短縮状態)。〔F3〕海岸モードにて、当選の結果が得られずに〔F4〕特別図柄が100回変動すると、〔F1〕通常モードに移行する。
〔F1〕通常モードにて、〔F5〕「16ラウンド確変図柄1」、「13ラウンド確変図柄1」、「13ラウンド確変図柄2」、「7ラウンド確変図柄1」、「4ラウンド確変図柄1」の大当りに当選すると、当選図柄に応じた大当り遊技が実行され、大当り遊技の終了後に、〔F6〕花火ラッシュに移行する。
〔F6〕花火ラッシュは、特別図柄の当選確率は「高確率状態」であり、かつ、普通図柄の当選確率は「高確率状態」である(高確率時間短縮状態)。〔F6〕花火ラッシュでは、時短回数及び確変回数が無限(∞)であるため、次回大当りに該当するまで花火ラッシュが継続する。
〔時間短縮状態でのゲームフロー〕
図979は、時間短縮状態でのゲームフロー、より正確には、花火ラッシュ又は海岸モードにて第2特別図柄抽選で当選が得られた場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F3〕海岸モード又は〔F6〕花火ラッシュにて、〔G1〕「7ラウンド通常図柄1」の大当りに当選すると、当選図柄に応じた大当り遊技が実行され、大当り遊技の終了後に、〔F3〕海岸モードに移行する。
一方、〔F3〕海岸モード又は〔F6〕花火ラッシュにて、〔G2〕「16ラウンド確変図柄2」、「16ラウンド確変図柄3」、「13ラウンド確変図柄3」、「10ラウンド確変図柄1」、「7ラウンド確変図柄2」、「7ラウンド確変図柄3」の大当りに当選すると、当選図柄に応じた大当り遊技が実行され、大当り遊技の終了後に、〔F6〕花火ラッシュに移行する。
なお、以上のゲームフローに関しては、代表的なゲームフローの一例を示したものであり遊技の流れをすべて網羅しているものではない。
〔演出画像の例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像について、いくつかの例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)を決定し、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、上記のように第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。そこでパチンコ機1では、上記のように演出図柄を用いた変動表示演出が行われている。
演出図柄には、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される(図905参照)。各演出図柄は、例えば数字の「1」~「9」とともにキャラクターが付された絵札をデザインしたものとなっている。ここで、左演出図柄、中演出図柄、及び右演出図柄は、いずれも数字が「9」~「1」の降順に並んだ図柄列を構成している。このような図柄列は、画面上の左領域・中領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
図980は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(結果表示演出)の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄とするが、第2特別図柄でもよい。)が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔変動表示前〕
図980中(A):例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の画面内には3本の演出図柄の列が大きく表示されている。このとき第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄も停止表示された状態にある。
〔記憶数表示演出〕
また、液晶表示器42の画面下部の変動前表示領域X1には、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数を表すマーカ(図中に参照符号M1,M2を付す)が表示されている。これらマーカM1,M2は、それぞれの表示個数が第1特別図柄、第2特別図柄の作動記憶数(第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示数)を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。
また、マーカM1,M2は、視覚的な判別を容易にするため第1特別図柄に対応するマーカM1が例えば円(○)の図形で表示され、第2特別図柄に対応するマーカM2が例えばハートの図形で表示されている。図示の例では、マーカM1が4つとも点灯表示されることで第1特別図柄の作動記憶数が4個であることを表し、マーカM2が全て非表示(破線で示す)となっていることで第2特別図柄の作動記憶数が0個であることを表している。
また、演出図柄の変動表示中、例えば液晶表示器42の画面右上には第4図柄(図中に参照符号Z1,Z2を付す)が表示されている。この第4図柄Z1,Z2は、左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお、第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。第4図柄Z1は、第1特別図柄に対応しており、第4図柄Z2は、第2特別図柄に対応している。
また、第4図柄Z1,Z2については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が例えば「16ラウンド大当り」であれば、それらに対応する態様(例えば赤表示色等)で第4図柄Z1,Z2は停止表示される。なお、第4図柄Z1,Z2は、液晶画面に表示するのではなく、盤面に配置されたLEDで表示してもよい。
〔変動表示演出開始〕
図980中(B):例えば第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される(演出実行手段)。すなわち、第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面内で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールする(流れる)ようにして変動表示演出が開始される。また、マーカM1,M2は、変動開始前は、液晶表示器42の下方部分における帯状部分の変動前表示領域X1に表示されているが、変動開始後は、液晶表示器42の左下部分に表示されている台座画像による変動中表示領域X2に移動して、特別図柄(演出図柄)の変動が停止表示されるまで表示され続ける(当該変動中記憶表示演出)。なお、図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。また、変動表示中、個々の演出図柄が透けた状態で表示(透過表示)されることにより、このとき表示画面内には演出図柄の背景となる画像(背景画像)が視認しやすい状態で表示されている。
この場合の背景画像は、例えば浴衣を着こなした女性キャラクターが長椅子に腰掛け、夕涼みでもするかのようにリラックスしている風景を表現したものである。このような背景画像は、演出上での滞在モードが例えば「通常モード」であることを表現している。本実施形態において「通常モード」は、時間短縮機能が非作動であり、また、確率変動機能も非作動である通常状態に対応するものとする。この他にも演出上で各種のモードが設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている(状態表示演出実行手段)。これらモードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものであったり、「高確率状態」に対応するものであったりする。ここでは特に図示していないが、この後、例えば表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
また、演出図柄の変動表示中、液晶表示器42の画面右上では第4図柄Z1が変動表示されており、第4図柄Z1は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
〔左図柄停止〕
図980中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の左側位置に数字の「8」を表す演出図柄が停止したことを表している。なお、ここでは背景画像の図示を省略している(これ以降も同様)。
〔作動記憶数減少時の演出例〕
ここで、先の図980中(B)に示されているように、変動開始に伴って第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動してマーカM1の表示個数が1個分減少されている。例えば、それまでに作動記憶数が4個あったとすると、マーカM1において最も以前(古い)の記憶数表示が1個だけ変動中表示領域X2に移動され、内部抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、第1特別図柄に関して作動記憶数が消費されたということを演出上でも遊技者に教示することができる。
そして、図980中(C)の例においては、記憶順で先頭にあったマーカM1が変動中表示領域X2に移動することにより、変動前表示領域X1での表示が残り3個になったため、画面上に残った3つのマーカM1がそれぞれ1個分ずつ一方向(ここでは左方向)へずれていく演出が行われている。これにより、作動記憶数の変化の前後関係を正確に演出上で表現するとともに、遊技者に対して「作動記憶が消費されて1つ減った」ということや「作動記憶が消費されて特別図柄が変動中である」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
〔右演出図柄停止〕
図980中(D):左演出図柄に続いて、その後に右演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中側位置に数字の「3」を表す演出図柄が停止したことを表している。この時点で既にリーチ状態が発生しないことは確定しているので、今回の変動が非リーチ(通常)変動であるということが見た目上でほとんど明らかとなっている。なお、ここではすべりパターン等によるリーチ変動を除くものとする。「すべりパターン」とは、例えば一旦は数字の「7」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するというものである。あるいは、一旦は数字の「9」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が逆向きに1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するパターンもある。また、その他にも例えば「5」等の全くかけ離れた数字を表す演出図柄が一旦停止した後、画面上にキャラクターが出現して右演出図柄列を再変動させると、数字の「8」を表す演出図柄が停止してリーチに発展するといったパターンもある。
〔停止表示演出〕
図980中(E):第1特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面の中段位置に数字の「1」を表す演出図柄が停止したことを表しており、この場合、演出図柄の組み合わせは「8」-「1」-「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
また、停止表示演出が行われると、変動中表示領域X2に移動して表示を継続していたマーカM1も非表示となる。したがって、遊技者に対して「特別図柄の変動が終了した」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
以上は、1回の変動ごとに演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
また、上述した例は非当選時についてのものであるが、大当り(当選)時には変動表示演出中にリーチ演出が実行された後、停止表示演出において演出図柄が大当りの態様で停止表示される。このとき演出図柄の停止表示態様は、基本的には主制御CPU72によって内部的に選択された当選図柄(第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の停止表示態様)に対応させて選択される。
〔大当り時の演出例〕
図981は、大当り(当選)時に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である。なお、大当り時には当選図柄に応じて異なる演出を実行することができる。ここではリーチ演出の他に、変動表示演出や停止表示演出及び予告演出が含まれるものとする。その他にも、変動表示演出中に実行される予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出)の一例を説明する。
以下のリーチ演出は、例えば第1特別図柄表示装置34において大当り時の変動パターンによる変動表示が行われた後、第1特別図柄が大当りの態様(例えば7セグメントLEDの「己」,「ヨ」,「口」,「巳」,「F」,「E」,「L」,「Γ」等)で停止表示されるまでに実行される(リーチ演出実行手段)。なお、図981中、各演出図柄を数字のみに簡略化して示している。また、上記のマーカM1,M2及び第4図柄Z1,Z2については、ここでの図示を省略している。以下、演出の流れに沿って説明する。また、以下のリーチ演出は通常のリーチ演出であるが、選択された変動パターンに応じて、以下のリーチ演出とは別のスーパーリーチ演出(図示は省略)が実行される場合もある。
〔変動表示演出〕
図981中(A):例えば、第1特別図柄の変動開始に略同期して、液晶表示器42の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向(例えば上から下)にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。
〔リーチ発生前予告演出(1段階目)〕
図981中(B):次に、変動表示演出の比較的初期において、キャラクターの絵柄画像(絵札)を用いた1段階目のリーチ発生前予告演出が行われる。このリーチ発生前予告演出は、予め定められた順序にしたがって1段階から複数段階(例えば2~5段階)まで、段階的に態様の変化が進行していく予告演出である。このリーチ発生前予告演出で用いられる絵柄画像は、画面上で変動表示されている演出図柄の手前に位置し、例えば画面の左端からひょっこりと出現するようにして表示される(その他の出現の態様でもよい。)。なお、ここでいう「リーチ発生前予告」とは、いずれかの演出図柄が停止表示される前にリーチの可能性や大当りの可能性を予告するという意味である。このような「リーチ発生前予告演出」を実行することで、遊技者に対して「リーチに発展するかも知れない=大当りの可能性が高まる」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ発生前予告演出(2段階目)〕
図981中(C):リーチ発生前予告演出の1段階目の態様が実行された後、続いてリーチ発生前予告演出の態様の変化が2段階目に進行する。ここでは2段階目のリーチ発生前予告演出として、先とは違うキャラクターの絵柄画像を用いた演出が行われている。具体的には、画面の右端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像の前面に重なって表示される。また、このとき表示される絵柄画像は、先に表示されていた絵柄画像よりもサイズが大きい。そして、絵柄画像で表現されたキャラクターが台詞(例えば「リーチになるよ」等)を発するという、音響出力による演出もあわせて行われる。
このような2つ目の絵柄画像を用いたリーチ発生前予告演出(2段階目)は、先の図981中(B)で行われたリーチ発生前予告演出(1段階目)からさらに一歩進んだ発展型である。このように発展していく「リーチ発生前予告演出」の態様を称して、一般的に「ステップアップ予告」等と表現することがある。ここではリーチ発生前予告演出で2段階目の絵柄画像が出現する例を挙げているが、3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示される演出態様であってもよい。また、例えば3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示されるごとに、そのサイズが拡大されるものとしてもよい。なお、この段階でも演出図柄の変動表示は継続されている。いずれにしても、リーチ発生前予告演出の態様の変化をより多くの段階まで進行させることにより、今回の変動で大当りになる可能性(期待度)が高いことを遊技者に示唆することができる(例えば、5段階目まで進行すると最大の期待度を示唆する等。)。
〔左演出図柄の停止〕
図981中(D):変動表示演出の中期にさしかかり、やがて左演出図柄の変動表示が停止される。なお、この時点で画面の左側位置に数字の「5」を表す演出図柄が停止している。
〔リーチ状態の発生〕
図981中(E):そして左演出図柄に続き、例えば右演出図柄の変動表示が停止される。この時点で、画面の右側位置に数字の「5」を表す演出図柄が停止していることから、「5」-「変動中」-「5」のリーチ状態が発生している。そして画面上には、リーチ状態となる1本のラインを強調する画像が合わせて表示される。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われる。
リーチ状態の発生後、当選時のリーチ演出が実行される(ただし、この時点では未だ当選の結果は表出されていない。)。リーチ演出では、テンパイした数字(ここでは「5」)に対応する演出図柄だけが画面上に表示され、それ以外は表示されなくなる。なお、このとき演出図柄が画面の四隅にそれぞれ縮小された状態で表示される場合もある。
〔リーチ発生後予告演出(1回目)〕
図981中(F):リーチ状態が発生して暫くすると、例えば「ハート」の図形を表す画像が群をなして画面上を斜めに過ぎっていくリーチ発生後予告演出(1回目)が行われる。この場合、突然、画面上に「ハート群」の画像が流れていくように表示されるため、これによって遊技者に対する視覚的な訴求力を高めることができる。このような視覚的に賑やかなリーチ予告発生後予告演出を実行することで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ演出の進行〕
図981中(G):1回目のリーチ発生後予告演出に続いて、例えば数字の「2」~「6」を表す画像が画面上で立体的な列を構成した状態で表示され、列の先頭(手前)から「2」、「3」、「4」・・・という順番に画面から数字の画像が消去されていく演出が行われる。このような演出もまた、数字の「5」が最後まで消去されずに残ると「大当り」であることを遊技者に示唆(暗示)したり、想起させたりする目的で行われる。また、数字の「4」まで消去されて「5」が画面手前に残ると「大当り」であり、そして数字の「5」も消去されてしまうと「はずれ」であることを意味する。なお、はずれの場合、数字の「5」が消去された後の画面上に例えば数字の「6」が表示される。したがって、この間、数字の「2」、「3」、「4」と順番に画像が消去されていくに連れて、遊技者の緊張感や期待感も高まっていくことになる。そして、実際に画面上で数字の「4」まで消去され、数字の「5」が画面上に残った状態で演出が進行すると、「大当り」の可能性が高まるため、そこで遊技者の緊張感も一気に高まる。
〔リーチ発生後予告演出(2回目)〕
図981中(H):リーチ演出が終盤に近付いたところで、突然、画面上にキャラクターの画像が大写しに割って入るようにして表示され、そのキャラクターが何らかの台詞を発するという内容(又は、無言で微笑むという内容でもよい)のリーチ発生後予告演出(2回目)が行われる。この時点で例えばリーチ演出の内容は、「数字の「5」が消去されずに残れば、そのまま「5」-「5」-「5」の大当りの可能性が高まる」という展開である。したがって、このタイミングで大きくキャラクターの画像を出現させることにより、遊技者に対して「大当りになるかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。
上記とは別のリーチ演出として、例えば「数字の「2」~「4」までが消去されてしまい、最後に数字の「5」が消去されずに残れば大当りになる」という展開もある。このようなタイミングでキャラクターの画像を出現させると、遊技者に対して「いよいよ大当りが近いかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔中演出図柄停止〕
図981中(I):最後の中演出図柄が停止する。この例では、「5」を表す演出図柄が画面の中央に停止表示されている。
図981中(J):そして、例えば第1特別図柄の停止表示に略同期して、演出図柄としての停止表示演出についても停止表示が行われる。演出図柄の停止表示演出は、例えば左・中・右演出図柄をそれぞれ初期の大きさに復元した状態で行われる。このような停止表示演出を行うことで、最終的な当選種類が演出上で確定したことを遊技者に対して教示することができる。
また、内部抽選の結果が非当選であれば、今回の変動対象である第1特別図柄がはずれ図柄で停止表示されるため、演出図柄も同様にはずれの態様で停止表示演出が行われる。この場合、画面の中央には「5」以外の数字「4」や「6」を表示することで、残念ながら今回の変動では大当りにならなかったことを知らせる演出が行われる。なお、このような演出は「はずれリーチ演出」として実行されるものである。
〔第2特別図柄の大当り時の演出例〕
続いて、時間短縮状態における第2特別図柄の内部抽選で大当りに該当した場合(第2特別図柄の大当り時)に実行されるリーチ演出の例を説明する。
図982~図990は、第2特別図柄の大当り時の変動表示中(大当り変動中)に実行されるスーパーリーチ演出の演出例を示す連続図である。なお、ここでもリーチ演出の他に、変動表示演出や停止表示演出及び予告演出が含まれるものとする。以下、演出の流れに沿って説明する。
〔変動表示前〕
図982中(A):第2特別図柄の変動開始前には、直前に変動していた第2特別図柄の停止表示に合わせて、液晶表示器42の画面の中段位置に左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列がはずれ目(例えば「6」-「5」-「4」)で大きく停止表示されており、画面右下では第4図柄Z2がはずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。
〔右打ちの表示〕
また、時間短縮状態(高確率時間短縮状態又は低確率時間短縮状態、電サポ中)においては、画面右上に「右打ち」との文字情報とともに右向きの矢印記号が表示されている。この表示は、遊技領域8a内の右側部分に向けて遊技球を発射するよう指示しており、遊技者に対して「右打ちすることが有利(必要)な遊技状態であること」を報知するものである。
〔変動表示演出〕
図982中(B):第2特別図柄の変動開始に略同期して、液晶表示器42の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。また、演出図柄の変動表示中には、画面右下では第4図柄Z2が変動表示される。第4図柄Z2は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。背景画像は、夜空に花火が打ち上げられる情景が表現された「花火ラッシュ」の背景画像となっている。
〔停止表示演出〕
図982中(C):変動開始から程なくして(例えば1.0秒経過後)、画面の中段位置に左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列がはずれ目(例えば「2」-「3」-「8」)で大きく停止表示されるとともに、画面右下では第4図柄Z2がはずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
〔変動表示演出〕
図983中(D):第2特別図柄の変動開始に略同期して、液晶表示器42の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールするようにして変動表示演出が再び開始されるとともに、画面右下では第4図柄Z2が変動表示される。なお、今回の変動に伴う内部抽選では、大当りに該当したものとする。
〔左打ちの表示〕
本実施形態においては、上述したように、内部抽選で大当りに該当すると、その大当り変動の開始時に確率変動機能が非作動となる(図952中のステップS2804)。また、時短回数が確変回数と同期させて無限に(次回大当りまで)付与されていた場合には、さらに時間短縮機能も非作動となって(図952中のステップS2808)、電サポが終了する。
したがって、図983中(D)以降に示される今回の変動表示中は、内部状態が低確率非時間短縮状態となる。こうした内部状態の変化に伴い、直前まで画面右上に表示されていた「右打ち」との表示はなされなくなり、代わりに、「左打ちに戻して」との表示とともに左向きの矢印が表示される。この表示は、遊技領域8a内の左側部分に向けて遊技球を発射するよう指示しており、遊技者に対して「左打ちすべき遊技状態であること」を報知するものである。なお、「左打ちに戻して」との表示までは敢えて行うことなく「右打ち」との表示をなくすのみに留める態様(画面右上に方向を指示する表示を一切行わない態様)としてもよい。そのような態様によっても、遊技者に対して「右打ちすべき遊技状態でないこと」を報知することができる。
〔段階進行予告演出(1段階目)〕
図983中(E):次に、変動表示演出の実行中において、女性キャラクターSU1が画面の左上位置に出現する1段階目の段階進行予告演出(リーチ発生前予告演出)が行われる。この段階進行予告演出は、予め定められた順序にしたがって1段階から複数段階まで、段階的に態様の変化が進行していく予告演出である。この段階進行予告演出で用いられる絵柄画像は、液晶画面の隅位置に突然出現する態様により表示される。なお、ここでいう「段階進行予告演出」は、演出の進行具合に応じて、演出図柄が当選の態様で停止表示される可能性があることを示唆する内容の予告演出である。
〔段階進行予告演出(2段階目)〕
図983中(F):1段階目の段階進行予告演出に続けて、2段階目の段階進行予告演出が実行される。図示の例では、別の女性キャラクターSU2が画面の右上位置に追加で出現し、先に表示されていた女性キャラクターSU1とともに画面上に表示されている。
〔段階進行予告演出(3段階目)〕
図984中(G):2段階目の段階進行予告演出に続けて、3段階目の段階進行予告演出が実行される。図示の例では、画面の中央位置に新たな女性キャラクターSU3が大写しで登場し、先に表示されていた女性キャラクターSU1,SU2とともに画面上に表示されている。また、この時点では、画面の中段位置に数字の「1」を表す左演出図柄が停止表示されている。
〔リーチ状態の発生〕
図984中(H):左演出図柄に続いて、その後に右演出図柄が停止表示される。この時点では、画面の右位置に数字の「1」を表す右演出図柄が停止表示されている。右演出図柄が停止表示されることにより、画面上に横一線状(1本のライン上)に数字の「1」-「変動中」-「1」のリーチ状態が発生している。そして画面上には、リーチ状態となる1本のラインを強調する画像が合わせて表示される。
〔作動記憶の増加〕
また、このタイミングで中始動入賞口26に遊技球が1個入球し、変動前表示領域X1のマーカM1のうち最も左側のマーカが表示される。
〔リーチ発生後予告演出〕
図984中(I):リーチ状態が発生してから少し経つと、動物のキャラクター(例えばハト)を表す画像が群をなして画面上を右から左に通過していくリーチ発生後予告演出(群予告演出)が行われる。この群予告演出は、先に説明したハートの画像を用いた群予告演出よりも、大当りに対する期待度が高い演出である。
図985中(J):群予告演出において群をなして現れた動物のキャラクターが、画面上を右から左に通過する途中で突然停止する。これにより、本来なら動物のキャラクター群が画面を横切っていくであろうことを予想していた遊技者に対し、「果たして何が起きたのだろうか」という印象を抱かせ、演出の成り行きにより注目させることができる。
このとき、停止した動物のキャラクター群をある程度の間表示し続けて、画面が固まったような演出(フリーズ演出)を実行することも可能である。この場合には、未だ変動表示中である中演出図柄のスクロールも固まって(スクロールがフリーズして)表示される。本来であれば画面が停止するはずのない場面にフリーズ演出を適用することにより、遊技者に驚きや違和感と共に、何が起こるのだろうといった期待感を与えることができる。
なお、フリーズ演出が実行されている間も、第4図柄Z2は画面右下で変動表示され続ける。したがって、パチンコ機1に何らかの動作不良や誤作動が生じて画面が停止しているのではなく、遊技が正常に進行しており演出の一環であるということを遊技者に認識させると同時に、今後の展開に対する興味を強く惹き付けることができる。
〔スーパーリーチ演出の開始〕
図985中(K):画面が切り替わり、スーパーリーチ演出が開始される。図示の例では、やや強張った表情を浮かべた女性キャラクター3人がトラックの荷台に乗せられて国境付近を走行しながら登場する発展演出が実行されている。なお、画面の左上隅位置では、演出図柄を縮小した状態で変動表示演出が実行されている(「1」-「変動中」-「1」)。
図985中(L):さらに画面が切り替わり、高い壁の上に有刺鉄線が張り巡らされた背景画像が表示され、画面の中央部最前面には「壁撃破大作戦」とのタイトル画像が表示される。このような表示により、壁を撃破する内容の演出(以下、この演出を「撃破演出」と称する。)がこれから開始されようとしていることを遊技者に認識させることができる。
〔作動記憶の増加〕
また、このタイミングで中始動入賞口26に遊技球が1個入球し、変動前表示領域X1のマーカM1のうち左から2番目のマーカが表示される。これにより、第1特別図柄の作動記憶は合計2個となる。
図986中(M1):画面右上に大きく「作戦スタート!!/ひたすら連打して!!」との吹き出しが表示されるとともに、画面左下には「連打」との文字が付された演出切替ボタン45の縮小版画像(以下、「ボタン画像」と称する場合がある。)が表示されている。このような表示により、台詞への応答として演出切替ボタン45の連打操作が求められていることを遊技者に知らせることができる。
図986中(M2):遊技者が画面の指示に従って演出切替ボタン45を連打すると、連打操作に応じて撃破演出が進行する。画面上には、壁に向かって岩や石ころが次々と投げつけられ、大小様々な孔が形成されている様子が表されている。
図986中(M3):連打演出がさらに進行すると、壁に形成された孔はさらに増加する。また、画面中央部に大きく「手榴弾GET!!」との文字とともに手榴弾の画像が2個表示される。この表示により、手榴弾を2個入手できたこと、及び、この手榴弾が壁の撃破に使用されるであろうことを遊技者に知らせることができる。
〔作動記憶の増加〕
また、このタイミングで中始動入賞口26に遊技球が1個入球し、変動前表示領域X1のマーカM1のうち左から3番目のマーカが表示される。これにより、第1特別図柄の作動記憶は合計3個となる。
〔連係操作演出〕
図987中(M4):画面中央部の表示に続いて、早速入手した手榴弾を使って撃破を試みることを示唆する台詞「もうすぐ撃破だ☆まずはピンを抜いて!」とともに、画面左下には、演出切替ボタン45の周囲に設けられたジョグダイアル45aの回転操作を促す「回せ!」との文字が付されたボタン画像が表示される。ここで「ピン」とは、手榴弾に安全装置として装着されているピンのことである。手榴弾は、ピンを抜くことにより内部の発火機構が作動し、所定時間の経過後に爆発させることが可能となる。このとき、画面中央下部には、手榴弾を持つ右手とピンを抜こうとする左手の様子が併せて表されている。このような表示により、手榴弾の構造を知らない遊技者に対しても、台詞がどのような操作を意味しているのかを感覚的に把握させることができる。
図987中(M5):遊技者が画面の指示に従ってジョグダイアル45aを回転操作することにより、次の指示を示す台詞「投げて!」とともに、演出切替ボタン45の押し込み操作を促す「押せ!」との文字が付されたボタン画像が表示される。このとき、画面の中央下部には、ピンが抜かれた状態の手榴弾を持つ右手の様子が併せて表されている。こうした前後の操作により、この演出の実行中に手榴弾を投げるには、先ずジョグダイアル45aを回転させ(ピンを抜き)、その上で演出切替ボタン45を押し込む(手榴弾を投げる)という、連係した操作が必要であることを遊技者に認識させることができる。
図987中(M6):遊技者が画面の指示に従って演出切替ボタン45を押し込み操作することにより、手榴弾が壁に向かって投げつけられ、その結果として手榴弾が爆発し壁の左上部が撃破されるとともに、壁が崩れ落ちた部分の有刺鉄線が垂れ下がっている様子が表現されている。
〔作動記憶の増加〕
また、このタイミングで中始動入賞口26に遊技球がさらに1個入球し、変動前表示領域X1のマーカM1のうち最も右側のマーカが表示される。これにより、第1特別図柄の作動記憶は合計4個となり、最大個数に達する。
図988中(M7):続いて、残り1つとなった手榴弾を使うことを示唆する台詞「あと一発☆ピンを抜いて!」とともに、ジョグダイアル45aの回転操作を促す「回せ!」との文字が付されたボタン画像が表示される。また、画面の中央下部には、手榴弾を持つ右手とピンを抜こうとする左手の様子が併せて表されている。
図988中(M8):遊技者が画面の指示に従ってジョグダイアル45aを回転操作することにより、次の指示を示す台詞「思いきり投げて!」とともに、演出切替ボタン45の押し込み操作を促す「押せ!」との文字が付されたボタン画像が表示される。このとき、画面の中央下部には、ピンが抜かれた状態の手榴弾を持つ右手の様子が併せて表されている。
図988中(M9):遊技者が画面の指示に従って演出切替ボタン45を押し込み操作することにより、ピンが抜かれた状態で投げつけられた手榴弾が勢いよく壁の右部に向かって飛んでいく様子が表されている。このとき、画面上には台詞や操作指示は一切表示されていない。したがって、手榴弾が壁に到達するまでの間、最後の手榴弾が無事に爆発するだろうかと遊技者を不安と期待の入り混じった気持ちにさせ、撃破演出の結末に強く惹きつけることができる。
〔当選時演出〕
図989中(M10):直前まで物々しく立ちはだかっていた壁が最後の手榴弾により撃破され、これにより生じた瓦礫の山が背面側にうっすらと表示されている。また、その手前側には大きく「作戦成功!」との文字がくっきりと表示されるとともに、画面全体にキラキラと輝いたような装飾がなされており、当り(当選)であることが表されている。画面の左上隅位置では、演出図柄を縮小した状態で停止表示演出が実行されている(「1」-「1」-「1」)。ただし、三つ揃いしたすべての演出図柄は、左右に揺れて浮動表示されており、演出図柄の変動は完全には停止していない。このとき、第2特別図柄は変動中の状態であり、第4図柄Z2も変動表示されている。
なお、非当選時(はずれ時)は、「不完全撃破・・」や「作戦失敗・・・」等の文字とともに、一部又は全部が撃破されないまま残された壁の画像が表示され、画面の左上隅位置では、演出図柄を縮小した状態で停止表示演出が実行される(例えば「1」-「2」-「1」)。
図989中(N):そして、3人の女性キャラクターが両手を上げて「わーい!!」という喜びの台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して「高い壁を遂に撃破できた」という余韻を感じさせることができ、遊技者の満足感を向上させることができる。なお、この時点でも、三つ揃いしたすべての演出図柄は、左右に揺れて表示されており、演出図柄の変動は完全には停止していない。このとき、第2特別図柄は変動中の状態であり、第4図柄Z2も変動表示されている。
図989中(O):3人の女性キャラクターがにこやかな表情でトラックの荷台に再び乗り込み、勢いよく発車して画面の左側に消え去っていく演出が実行される。このとき、車の後方から煙が出現し、その煙の中に「再抽選」の文字が表示されている。これにより、遊技者に対してこれから再抽選演出が実行されるということを伝達することができる。ここでも、演出図柄の変動は完全には停止しておらず、第2特別図柄は変動中の状態であり、第4図柄Z2も変動表示されている。
〔再抽選演出〕
図990中(P):演出図柄が三つ揃いした場合、そこで大当りということは確定しているが、大当りの種類を最終的に伝達する再抽選演出が実行される。図示の例では、画面に上部に「再抽選」の文字情報が表示されている。これにより、遊技者に対しては、これから再抽選演出が開始され、「1の演出図柄」から「7の演出図柄」に変化するかもしれないといった期待感を与えることができる。
図990中(Q):三つ揃いした演出図柄が徐々に小さく表示されるとともに、三つ揃いした演出図柄が回転しながら画面上奥側に吸い込まれていく演出が実行される。
図990中(R):そして、3つの演出図柄がほとんど視認できなくなるレベルまで小さくなると、画面の中央下部に「PUSH」との文字が付された演出切替ボタン45の画像が表示され、遊技者に対して演出切替ボタン45の押し込み操作を促す演出が行われる。
〔再抽選失敗演出〕
図990中(S):ここで、再抽選演出に失敗する場合(例えば、「7ラウンド通常大当り1」に該当している場合)には、再抽選失敗演出が実行される。この場合、演出切替ボタン45の押し込み操作を契機として演出図柄が奥側から手前側に飛び出してくる演出が実行され、3つの演出図柄のすべてを表示しきれない程に演出図柄が拡大して表示されるが、この場合は演出図柄の数字は変更されない(「1」のまま)。
図990中(T):第1特別図柄の停止表示に略同期して、演出図柄についても停止表示演出が行われる。演出図柄の停止表示演出は、揺れを伴わないで演出図柄を完全に停止させた状態で行われる。また、第4図柄Z2については、当選種類(例えば、「7ラウンド通常大当り1」)に対応する態様(例えば青表示色等)で停止表示される。そして、この後には、当選種類に対応したバトルボーナス演出が実行される。
〔再抽選成功演出〕
図990中(U):これに対し、再抽選演出に成功する場合(例えば、「16ラウンド確変大当り3」に該当している場合)には、再抽選成功演出が実行される。この場合、演出切替ボタン45の押し込み操作を契機として可動体40fが落下する演出が実行される。
図990中(V):そして、第2特別図柄の停止表示に略同期して、演出図柄についても停止表示演出が行われる(「7」-「7」-「7」)。演出図柄の停止表示演出は、揺れを伴わずに演出図柄を完全に停止させた状態で行われる。また、第4図柄Z2については、当選種類(例えば、「16ラウンド確変大当り3」)に対応する態様(例えば赤表示色等)で停止表示される。そして、この後には、当選種類に対応した花火ボーナス演出が実行される。
このように、本実施形態においては、確変回数及び時短回数が無限に(次回大当りまで)付与されている状況下でなされた内部抽選で大当りに該当すると、その大当り変動の開始時に確率変動機能及び時間短縮機能が非作動となり、内部状態が低確率非時間短縮状態に移行するため、大当り変動中は電チューサポートが行われなくなる。これに伴い、それまで液晶表示器の画面右上に表示されていた右打ちを指示する表示がなされなくなり、大当り変動中には、左打ちに戻すよう指示する表示がなされる(或いは、方向を指示する表示がなされなくなる)。したがって、画面の表示に従って遊技者に遊技させることで、大当り変動中に遊技球を中始動入賞口26に入球させることができ、第1特別図柄の作動記憶を貯めさせることが可能となる。
なお、大当り変動の開始時に時間短縮機能が非作動となっても、特定の外部信号(大当り中及び時短中に出力が継続される、いわゆる連荘中であることを示す大当り信号)については、大当り変動中も継続して出力される。また、大当り変動中に方向を指示する表示を行わない場合には、右打ち領域に設けられた各種のスイッチにより遊技球の入球が検出されても左打ちに戻すよう指示する表示はなされないが、大当り変動中以外で時間短縮機能が非作動のときに右打ち領域に設けられた各種のスイッチにより遊技球の入球が検出された場合には、左打ちに戻すよう指示する表示がなされることとなる。
また、上記の演出例では、説明の便宜のため、1回の大当り変動中に第1特別図柄の作動記憶を4個貯めることが可能な長さの変動パターンに決定されたものとして説明したが、大当り変動の変動時間には様々なパターンが設けられており、上記の例よりも変動時間が短い変動パターンに決定される場合もある。いずれにしても、大当り変動中には、遊技者が画面の表示に従って一般的に想定される態様で遊技球を打ち込んでいれば、第1特別図柄の作動記憶を少なくとも1個は取得可能と考えられる。このような構成とすることにより、第2特別図柄の大当り変動がはずれ変動を挟みながら複数回実行されるうちに、第1特別図柄の作動記憶を最大個数まで貯めることが可能となる。
また、上記の演出例では、第1特別図柄の作動記憶が最大個数まで貯まった後も液晶表示器42の画面に変動前表示領域X1及び変動中表示領域X2が表示されているが、最大個数まで貯まった後に、変動前表示領域X1及び変動中表示領域X2をなくしてマーカM1,M2を非表示とし、第4図柄Z1,Z2のみを画面右下に表示させてもよい。
〔大当り変動後の演出例〕
図991及び図992は、第2特別図柄の大当り時に実行される大当り遊技から次変動にかけての演出例を示す連続図であり、図982~図990に示される大当り変動が停止した後の大当り遊技中に実行される演出、及び、大当り遊技の終了後に第2特別図柄の変動表示に伴って実行される演出の流れを表している。ここでは一例として、図990中に示される再抽選演出に成功した場合の図柄停止後の演出例を説明する。
〔花火ボーナス演出〕
図991中(A):当選種類(例えば、「16ラウンド確変大当り3」)に対応して、花火ボーナス演出が実行される。花火ボーナス演出の開始時には、液晶表示器42にオープニング画面が表示され、「花火ボーナス」との大きなタイトル文字に加え、その下には「右打ちしてね」との文字とともに右向きの矢印記号が表示される。また、花火ボーナス演出の実行中には、今回の当選図柄に対応した演出図柄(ここでは「7」の演出図柄)が表示される。このように、大当り遊技中も引き続き当選図柄(いわゆる「残し目」)を表示しておくことで、遊技者に対して「7の演出図柄で当選した」という情報を引き続き教示することができる。
〔第1ラウンド〕
図991中(B):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、「大当り中」という遊技の進行状況に対応した内容の大役中演出が実行される。このとき、画面左上に実行ラウンドに対応した「ROUND1」との文字情報が表示される。また、画面中央には馬にまたがる動物のキャラクターの画像が表示される。なお、大当り遊技中は、画面右上に「右打ち」の文字情報とともに右向きの矢印記号が表示される。
〔最終ラウンド〕
図991中(C):大当り遊技が順調に進行し、最終ラウンドに移行する。例えば、16ラウンド大当りが実行されている場合には、画面左上に実行ラウンドに対応した「ROUND16」との文字情報が表示される。また、画面中央には、馬にまたがる動物のキャラクターとともに、馬の向こう側から顔をのぞかせる別の動物キャラクターの画像が表示される。
〔大役終了時〕
図991中(D):大当り遊技が終了するタイミングにおいて、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。図示の例では、画面内に「花火ラッシュ突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「高確率時間短縮状態」の花火ラッシュに移行することを遊技者に教示することができる。
〔変動表示前〕
図992中(E):大当り遊技が終了すると、画面中段には、3本の演出図柄の列が表示され、前回の特別図柄の停止表示(「7」の演出図柄による大当りの態様)が再現されるとともに、画面右下の第4図柄Z2についても、この当選図柄に対応する態様(例えば赤表示色等)で停止表示される。また、花火ラッシュ(高確率時間短縮状態)に移行したことに伴い、画面右上に「右打ち」の文字情報とともに右向きの矢印が表示される。
〔変動表示演出〕
図992中(F):第2特別図柄の変動開始に略同期して、変動前表示領域X1に表示されているマーカM2のうち左側の1個が変動中表示領域X2に移動し、画面上で3本の演出図柄の列が縦方向にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。また、演出図柄の変動表示中は、画面右下では第4図柄Z2が変動表示される。このとき、背景には「花火ラッシュ」の背景画像が表示される。なお、今回の変動に伴う内部抽選では、はずれに該当したものとする。
図992中(G):変動前表示領域X1に表示されている残り1個のマーカM2が左方向に1個分ずれる演出が行われている。この時点では、いずれの演出図柄も依然として変動表示されている。
ところで、今回の変動に伴う内部抽選の実行時は、内部状態が高確率時間短縮状態であり、第2特別図柄の抽選であり、また、第1特別図柄の作動記憶が最大個数まで貯まっていたことから、このとき実行されたはずれ時変動パターン決定処理(図949)においては、特殊変動用のはずれ時変動パターン選択テーブル(図943)を用いて変動パターンが決定されている。上述したように、特殊変動用のはずれ時変動パターン選択テーブルは、変動時間が長めの変動パターンが選択され易く構成されていることから、変動時間が長めの変動パターンに決定される可能性が非常に高い。したがって、上記の図992中(F)で開始された変動表示演出は、高い確率で長めの変動時間(例えば、10秒~150秒程度)にわたって継続されることとなる。
このような構成とすることにより、時間短縮状態(電サポ中)であっても第2特別図柄のはずれ時の変動を敢えて低速化させることができ、高速に変動する場合と比較して、次に大当りに該当するまでの期間を長期化させることができる。したがって、本実施形態によれば、大当りに該当してから次の大当りに該当するまでの期間(当選が得られるまでの所要時間)をある程度の十分な長さで確保することができるため、単位時間当たりの獲得賞球数(総出玉数)ひいては出玉率を緩やかにして一定の範囲内に収め、射幸性をある程度のレベルまで抑制することが可能となる。
また、時間短縮状態(電サポ中)においては通常よりも短縮された変動時間となり、第2図柄の変動が次々と高速に進行していくのが一般的であるが、上記の構成においては、第1特別図柄の作動記憶が最大個数まで貯まっている場合には高い確率で変動時間が長めになることから、遊技者に新鮮な印象を与えることができ、遊技者を意外性から遊技に惹きつけることができる。
さらに、第1特別図柄の作動記憶数に応じて異なる変動パターン選択テーブルを用いて変動パターンが決定されるため、時間短縮状態(電サポ中)における第2特別図柄のはずれ変動の変動時間にバリエーションを持たせることができ、長さに応じて様々な演出を実行可能となり、結果として変動時間内に実行される演出の幅を拡げることが可能となる。
〔海岸モードの演出例〕
図993は、海岸モードの演出例を示す連続図である。
海岸モードは、非時間短縮状態にて「13ラウンド通常図柄1」に該当した場合、又は、時間短縮状態にて「7ラウンド通常図柄1」に該当した場合の大当り遊技の終了後に移行される。海岸モードは、「低確率時間短縮状態」である。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
図993中(A):「海岸モード」の状態で演出図柄の変動表示が行われている。海岸モードの背景画像は、海岸モードのコンセプトである癒しの印象を表現するために、「砂浜」や「海」、「山」等の画像をモチーフとした背景画像となっている。また、液晶表示器42の画面右下では第4図柄Z2が変動表示されている。
また、時短中(低確率時間短縮状態中)は、画面右上に「右打ち」の文字情報が表示されるとともに、遊技領域8a内の右側部分を指示する矢印記号が表示される(発射位置指定演出)。
図993中(B):そして、今回の変動(非当選時)が終了したことにより、すべての演出図柄が停止表示されている(「1」-「1」-「5」)。また、第4図柄Z2は、非当選の態様(例えば白色表示色)で停止表示されている。
図993中(C):そして、次回の変動が開始される。この海岸モードは、当選の結果が得られずに特別図柄が100回変動すると終了となる。海岸モードが終了すると低確率非時間短縮状態の通常モードに移行する。なお、海岸モードにて当選の結果が得られた場合は、リーチ演出が実行されて大当りとなる。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した変動表示演出やリーチ演出、リーチ発生前予告演出、記憶数表示演出、大役中演出等は、いずれも以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
図994は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しない演出制御装置のリセットスタート処理とは別にタイマ割込み処理の中で実行される。演出制御CPU126は、演出制御装置のリセットスタート処理の実行中に所定の割込み周期(例えば数十μs~数ms周期)でタイマ割込みを発生させ、タイマ割込み処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、発射位置指定演出管理処理(ステップS403)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば特図先判定演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止時コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、エラー通知コマンド、大当り終了演出コマンド、回数切りカウンタ値コマンド、変動パターン先判定コマンド、停止表示時間終了コマンド、賞球内容コマンド、発射位置指定コマンド、普通遊技管理フェーズコマンド、特別遊技管理フェーズコマンド、電源復帰指定コマンド、RAMクリア指定コマンド、設定確定指定コマンド等がある。
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御CPU126は記憶数表示演出や、マーカM1,M2を用いた先読み予告演出の実行を制御する。なお、作動記憶演出管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作時の演出内容を制御したりする。また、この処理において、演出制御CPU126は各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出等)の演出パターンを選択する。なお、演出図柄管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS403:発射位置指定演出管理処理では、演出制御CPU126は発射位置指定演出の内容を制御する。具体的には、演出制御CPU126は、発射位置指定コマンドの内容に基づいて遊技球の発射位置を指定する演出を実行する。なお、発射位置指定演出管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126はVDP152に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示する。これにより、VDP152は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(演出実行手段)。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はドライバIC132に対して制御信号を出力する。これを受けてドライバIC132は、制御信号に基づいて各種ランプ46~52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音声IC134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば演出制御CPU126は可動体40fの駆動用ICに対して制御信号を出力する。可動体40fは可動体モータ57を駆動源として動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される作動記憶演出管理処理の内容について説明する。
〔作動記憶演出管理処理〕
図995は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS700:先ず演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS700:Yes)、演出制御CPU126はステップS702及びステップS703を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS700:No)、演出制御CPU126はステップS702及びステップS703を実行しない。
ステップS702:演出制御CPU126は、作動記憶数増加時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応したマーカM1,M2を表示させる演出を選択する。
ステップS703:演出制御CPU126は、先読み演出管理処理を実行する(先読み演出実行手段)。この処理では、演出制御CPU126は、先読み演出(マーカ変化演出、ゾーン演出、連続演出等)を実行するか否かについての判定処理を実行し、先読み演出を実行すると決定した場合には、先読み演出の具体的な内容を決定する処理を実行する。
このような処理を実行することにより、演出制御CPU126は、先読み演出の実行条件が満たされた場合(特別な演出実行条件が満たされた場合)、複数回の特別図柄の変動に跨って実行される先読み演出を実行することができる(先読み演出実行手段)。
ステップS704:演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS704:Yes)、演出制御CPU126はステップS706を実行する。なお、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS704:No)、演出制御CPU126はステップS706を実行しない。
ステップS706:演出制御CPU126は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応したマーカM1,M2をスライドさせる演出、内部抽選により消費した抽選要素に対応するマーカを変動前表示領域X1から変動中表示領域X2に移動させる演出を選択する。なお、変動中表示領域X2に移動させた記憶マーカは変動終了時に消去する演出を選択する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(図994)に復帰する。
〔演出図柄管理処理〕
図996は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は(演出実行手段)、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502~ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また、可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において大当り時可変入賞装置管理処理(図937中のステップS5000)が選択された場合や小当り時可変入賞装置管理処理(図937中のステップS6000)が選択された場合にジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502~ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。また、この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(抽選結果、当選種類、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(先読み予告演出パターン以外のリーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じてVDP152に指示する制御情報を生成する。例えば、演出図柄を用いた変動表示演出を実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報をVDP152に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた態様で演出図柄や動画像を用いた停止表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126はVDP152に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けてVDP152は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(演出実行手段)。小当り時には、はずれと同様か近似した態様で停止表示演出を実行することができる。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は小当り中又は大当り中の演出内容を制御する。この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容を選択する。例えば16ラウンド大当りの場合、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、16ラウンドの大役中演出パターンを選択し、これをVDP152に対して指示する。これにより、液晶表示器42の表示画面では大役中演出の画像が表示されるとともに、ラウンドの進行に伴って演出内容が変化していくことになる。
〔演出図柄変動前処理〕
図997は、上記の演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS670:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS672を実行する。
ステップS672:演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図994中のステップS404)、ランプ駆動処理(図994中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS670においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS674を実行する。
ステップS674:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS682を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS676を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS676:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS674:No)、次に演出制御CPU126は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS680を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS678を実行する。なお、今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また、今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS678:演出制御CPU126は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「C0H00H」~「D0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御CPU126は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。
また、演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチの種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様等を決定する。なお、ここで決定される演出図柄の種類は、全て「小当り時の図柄の組み合わせ」に該当するものとなっている。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、大当りに該当した場合、演出制御CPU126はステップS676で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS680を実行する。
ステップS680:演出制御CPU126は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「E0H00H」~「F0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御CPU126はステップS674ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS682を実行する。
ステップS682:演出制御CPU126は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「A0H00H」~「A6H7FH」)に基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御CPU126がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドによって決まる。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」-「2」-「4」等)を決定する。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
以上のステップS678,ステップS680,ステップS682のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は次にステップS684を実行する。
ステップS684:演出制御CPU126は、予告選択処理を実行する(予告演出実行手段)。この処理では、演出制御CPU126は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、高確率状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は比較的高く設定されている。
このように、演出制御CPU126は、予告演出を実行するか否かの抽選に当選した場合(規定の演出実行条件が満たされた場合)、変動表示演出(所定の演出)の実行中に当選の態様で演出図柄が停止表示されることを示唆する(所定の演出の成功の可否を示唆する、所定の演出に関する)予告演出を実行する(予告演出実行手段)。
また、演出制御CPU126は、この予告選択処理において予告演出を実行すると決定した場合には、変動表示中のいずれのタイミングで予告演出を開始するのかを決定する処理を実行する。なお、予告演出には、変動表示中に実行される各種の予告演出(ステップアップ予告演出、会話予告演出、カットイン予告演出、群予告演出、役物落下演出、次回予告演出、タイトル色変更演出)だけでなく、擬似連続予告演出や先読み予告演出、記憶マーカ変化予告演出等も含まれる。
ステップS686:演出制御CPU126は、モード演出管理処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は、滞在モードに応じた背景画像を選択する処理を実行する。例えば滞在モードが「通常モード(低確率非時間短縮状態)」である場合、演出制御CPU126は、女性キャラクターが長椅子に腰掛けている背景画像を選択する処理を実行する。また、滞在モードが「花火ラッシュ(高確率時間短縮状態)」である場合、演出制御CPU126は、花火をモチーフとした背景画像を選択する処理を実行する。さらに、滞在モードが「海岸モード(低確率時間短縮状態)」である場合、演出制御CPU126は、海岸をモチーフとした背景画像を選択する処理を実行する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図996中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び停止表示演出が実行されるとともに(演出実行手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。
〔モード演出管理処理〕
図998は、モード演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS850:演出制御CPU126は、内部状態が時間短縮状態(低確率時間短縮状態、又は、高確率時間短縮状態)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、状態指定コマンドを確認して内部状態が時間短縮状態であるか否かを確認する。
その結果、内部状態が時間短縮状態であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS856を実行する。これに対して、内部状態が時間短縮状態であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS854を実行する。
ステップS854:演出制御CPU126は、前回の当選図柄が通常図柄であるか否か、より具体的には「7ラウンド通常図柄1」又は「13ラウンド通常図柄1」のいずれかであるか否かを確認する。前回の当選図柄がいずれの図柄に該当していたか、また前回の内部状態がいずれの状態であったかについての確認は、前回の当選時に当選図柄に関する情報や内部状態に関する情報をRAM130に記憶しておくことにより実現することができる。
その結果、前回の当選図柄が通常図柄であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS860を実行する。これに対して、前回の当選図柄が通常図柄であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS862を実行する。
ステップS856:演出制御CPU126は、通常モード用の背景画像を選択する処理を実行する。
ステップS860:演出制御CPU126は、花火ラッシュ用の背景画像を選択する処理を実行する。
ステップS862:演出制御CPU126は、海岸モード用の背景画像を選択する処理を実行する。
そして、ステップS856~ステップS862のいずれかの処理を終えると、演出制御CPU126は演出図柄変動前処理(図997)に復帰する。
〔可変入賞装置作動時処理〕
図999は、可変入賞装置作動時処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置作動時処理は、実行選択処理(ステップS902)、可変入賞装置作動前処理(ステップS904)、可変入賞装置作動中処理(ステップS906)、可変入賞装置作動後処理(ステップS908)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って可変入賞装置作動時処理の基本的な流れを説明する。
ステップS902:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS904~ステップS908のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして可変入賞装置作動時処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ可変入賞装置作動前処理を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として可変入賞装置作動前処理(ステップS904)を選択する。また、既に可変入賞装置作動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として可変入賞装置作動中処理(ステップS906)を選択する。さらに、可変入賞装置作動中処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として可変入賞装置作動後処理(ステップS908)を選択する。
ステップS904:可変入賞装置作動前処理では、演出制御CPU126は、大当り遊技中や小当り遊技中に実行する当選図柄に応じた演出の内容を選択する処理を実行する。例えば、「16ラウンド確変図柄2~3」に該当した場合には、演出制御CPU126は、花火ボーナス演出を選択する処理を実行する。
ステップS906:可変入賞装置作動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じてVDP152に指示する制御情報を生成する。例えば、大当り演出の実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報をVDP152に対して指示する。
ステップS908:可変入賞装置作動後処理では、演出制御CPU126は、可変入賞装置の終了時間の間に移行先のモードを遊技者に対して伝達する演出を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、当選図柄に応じて海岸モード突入演出を実行したり、花火ラッシュ突入演出を実行したりする。具体的には、当選時に「13ラウンド通常図柄1」、「7ラウンド通常図柄1」に該当している場合には、「海岸モード」に突入することを示す演出を選択する処理を実行し、いずれかの確変図柄に該当している場合には、花火ラッシュに突入することを示す演出を選択する処理を実行する。
〔発射位置指定演出管理処理〕
図1000は、発射位置指定演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。
発射位置指定演出管理処理は、発射位置指定コマンドの内容に基づいて遊技球を発射すべき位置を指定する演出を実行する処理であり(発射位置指定演出実行手段)、演出制御処理の過程(図994中のステップS403)で呼び出されて実行される。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS800:演出制御CPU126は、発射位置指定コマンドの情報を取得する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、発射位置指定コマンドの値を取得する。
ステップS802:演出制御CPU126は、取得した発射位置指定コマンドに基づいて発射位置指定ステータスを判定する。具体的には、演出制御CPU126は、発射位置指定コマンドの後続値が「00H」であれば、発射位置指定ステータスが「0」、すなわち左打ちに対応する遊技状態(左打ちを行うべき状態、以下「左打ち状態」と称する。)であり、後続値が「01H」であれば、発射位置指定ステータスが「1」、すなわち右打ちに対応する遊技状態(右打ちを行うべき状態、以下「右打ち状態」と称する。)であると判定する。
ここで、発射位置指定ステータスが「1」(右打ち状態)であると判定した場合には(ステップS802:Yes)、演出制御CPU126は、ステップS810を実行する。一方、発射位置指定ステータスが「0」(左打ち状態)であると判定した場合には、演出制御CPU126は、ステップS804に進む。
〔左打ち状態の場合〕
ステップS804:演出制御CPU126は、現時点で発射位置指定表示が実行されているか否かを確認する。ここで、「発射位置指定表示」とは、例えば液晶画面内の右上部等でなされる右打ちの表示(例えば、図982等)のことである。発射位置指定表示が実行されている場合には(ステップS804:Yes)、演出制御CPU126は、ステップS808を実行する。一方、発射位置指定表示が実行されていない場合には(ステップS804:No)、演出制御CPU126は、ステップS806に進む。
ステップS808:演出制御CPU126は、発射位置指定解除処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は発射位置指定表示の解除を指示する。ここで、「発射位置指定表示の解除」とは、例えば液晶画面内の右上部等でなされる右打ちの表示を終了させる処理のことである。なお、右打ち表示の終了に伴って、「左に戻してください」等の左打ちの表示(例えば、図983等)を指示したり、左打ちに対応するスピーカからの音声出力を指示したりすることも可能である。
ステップS806:演出制御CPU126は、発射位置指定表示の解除中であるか否かを確認する。上記の「発射位置指定表示の解除」はある程度の時間にわたり継続して行われるため、確認の結果、発射位置指定表示の解除中である場合には(ステップS806:Yes)、演出制御CPU126は、ステップS808を実行する。一方、発射位置指定表示の解除中でない場合には(ステップS806:No)、演出制御CPU126は、呼び出し元の処理に復帰する。
〔右打ち状態の場合〕
ステップS810:演出制御CPU126は、発射位置指定表示処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、液晶画面内の右上部等において右打ちの表示を実行するよう指示する。
ステップS814:そして、演出制御CPU126は、特定発射指定処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は「特定発射指定」についての指示を行う。ここで、「特定発射指定」とは、右始動入賞口28aへの入球による抽選契機の発生が可能であることを、例えば、液晶表示器42の画面内に大きく目立たせて行ったり、スピーカからその旨を認識し易い音声を出力したりすること(「右打ち」の強調報知)のことである。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出制御処理(図994)に復帰する。
このような処理により、本実施形態においては、電チューサポートが行われている間(電サポ中)及び大当り遊技中は、右打ちの表示(例えば、図982,図991,図992に示される演出)が実行される。これに対し、大当り変動中は、右打ちの表示が実行されなくなり、左打ちの表示(図983~図988に示される演出)が実行されるか、或いは方向の表示がなされなくなる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)本実施形態によれば、時短回数が確変回数に同期して次回大当りまで付与されている状況下での内部抽選において大当りに該当すると、大当り変動の開始時に確率変動機能及び時間短縮機能が非作動となって電チューサポートが終了し、これに伴って大当り変動中は右打ちを指示する表示が行われなくなるため、遊技者に画面の表示に従って遊技させることで、大当り変動中に第1特別図柄の作動記憶を貯めさせることができる。
(2)本実施形態によれば、時間短縮状態(電サポ中)における第2特別図柄の抽選ではずれに該当した場合に、その時点で貯まっている第1特別図柄の作動記憶が最大個数であるか否かに応じて変動パターンの決定に用いるテーブルが切り替えられるため、時間短縮状態(電サポ中)における第2特別図柄の変動時間にバリエーションを持たせることができ、変動時間内に実行される演出の幅を拡げることができる。
(3)本実施形態によれば、時間短縮状態(電サポ中)における第2特別図柄の抽選ではずれに該当した場合に、その時点で第1特別図柄の作動記憶が最大個数まで貯まっていると、変動時間が長めの変動パターンが選択され易く構成された特殊変動用のはずれ時変動パターン選択テーブルを用いて変動パターンが決定されるため、時間短縮状態(電サポ中)であっても第2特別図柄の変動を敢えて低速化させることができ、遊技者に新鮮な印象を与えて遊技者を意外性により遊技に惹きつけることができる。
(4)本実施形態によれば、時間短縮状態(電サポ中)であっても第2特別図柄のはずれ変動の変動時間が高い確率で長めに設定されるため、短い変動時間が設定される場合(図柄が高速に変動する場合)と比較して、大当りを引いてから次に大当りを引くまでの期間を長期化させ大当りを引くのに要する時間を十分な長さで確保することができる。したがって、単位時間当たりの総出玉数ひいては出玉率を一定の範囲内に収めることができ、射幸性をある程度のレベルまで抑制することが可能となる。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様は例示であり、上述した演出の態様に限定されるものではない。
上述した実施形態では、特殊変動用のはずれ時変動パターン選択テーブル(図943)を高確率時間短縮状態又は低確率時間短縮状態における第2特別図柄の抽選でのはずれに該当し、その時点での第1特別図柄の作動記憶数が最大個数(例えば4個)に達している場合に使用しているが、これに代えて、第1特別図柄の作動記憶数が所定個数以上(例えば3個以上)である場合に使用してもよい。
上述した実施形態では、発射位置を指定する表示(「右打ち」又は「左打ちに戻して」)を液晶表示器42の画面右上の一定の位置で行う演出例で説明したが、表示位置や表示態様はこれに限定されず、適宜変更が可能である。例えば、画面上縁部に帯領域を設け、発射位置を指示する文字列及び矢印が帯領域内で指示される方向に流れていく態様によるアニメーション表示を行ってもよい。さらに、発射位置を指定する演出は、液晶画面上での表示に限定されず、他の演出デバイスと連動させて行ってもよい。例えば、画面表示に連動させてスピーカから発射位置を指定する内容の音声出力を行ってもよい。
上述した実施形態においては、方向を指示する表示を液晶表示器の画面上で行っているが、方向を指示するLED(以下、「右打ちランプ」と称する。)を遊技者が視認し易い位置(例えば、液晶表示器42の隣や表示装置(メインセグ)の周辺等)に別途設けてもよい。また、右打ちランプを右打ち状態中に点灯させるよう制御することで、遊技状態を報知してもよい。また、大当り変動中に非時間短縮状態となっている期間は、液晶表示器42の画面に左打ちに戻すよう指示する表示を行わず、右打ちランプを消灯させることで遊技状態を示してもよい。
上述した実施形態では、いわゆるループタイプ(確変回数に実質的な上限を設定しないタイプ)の遊技機に本発明を適用する例で説明したが、STタイプ(確変回数に実質的な上限を設定するタイプ)の遊技機に本発明を適用してもよい。
上述した実施形態では、確変領域を有しない遊技機に本発明を適用する例で説明したが、確変領域を有する遊技機に本発明を適用してもよい。
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。
〔実施形態M〕
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1001は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図1002は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1001及び図1002を参照しつつパチンコ機1の全体構成について説明する。
〔全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1001中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図1002では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1001に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面、遊技盤)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
〔球皿の構成〕
受皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
また、受皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受皿ユニット6の右下部には、ハンドルユニット16が設置されている。遊技者はこのハンドルユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面、遊技盤)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の上側位置にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニットを取り巻くようにして配置されている。
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する(演出実行手段)。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54が組み込まれており、左右のガラス枠装飾ランプ52にはそれぞれガラス枠内スピーカ55が組み込まれている。一方、内枠アセンブリ7の右下位置(パチンコ機1の正面からみてハンドルユニット16の左上位置)には内枠スピーカ56が組み込まれており、また外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ58が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56,58は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである(演出実行手段)。
〔操作部材〕
また、受皿ユニット6の中央には、上皿6bから前面側上方へ突出するようにして操作ユニット60が設置されている(操作手段)。操作ユニット60は、その中央部に大きなプッシュボタン64を有しており、プッシュボタン64の左側にはハンドルレバー62を有している。操作ユニット60は、演出上で示される様々な場面で操作を受け付けることが可能である。演出上のある場面ではハンドルレバー62が遊技者によって手前側に引き込み操作されたり、別の場面ではプッシュボタン64が押し込み操作されたりする。遊技者は、各種の態様で操作ユニット60を操作することにより、演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
また、プッシュボタン64の周囲には、リング状部65がプッシュボタン64を取り囲むようにして設置されている。リング状部65は、ハンドルレバー62やプッシュボタン64とは異なり、装飾用として設けられた部材であり、ハンドルレバー62の引き込み操作に連動して反時計回りに回転動作する。また、リング状部65は、周方向に一定の間隔で区切られてなる複数のセルを有している。これらのセルは、遊技者による操作を受け付けることはできないが、遊技者に対し操作方法を知らせる場面で有効活用される。
遊技者に何らかの操作を要求する場合、操作ユニット60の操作方法を表す縮小版画像が液晶表示器42の画面に表示される。このとき、指定した操作を行うことが可能な時間(操作有効時間)を併せて遊技者に知らせるために、縮小版画像におけるリング状部65は各セルがあたかもランプであるかのように表現される。より具体的には、縮小版画像中のリング状部65は、操作可能な状態になると全てのセルが点灯しているように表され、残り時間の減少に伴いセルが1つずつ消灯していくように表され、残り時間がなくなると全てのセルが消灯したように表される。実際のリング状部65は光源を有しておらず、画面に表示された縮小版画像に表されたリング状部65のように点灯/消灯することはないが、縮小版画像中のリング状部65の点灯/消灯をこのようにして切り替えることにより、遊技者に対して操作の残り時間を感覚的に把握させることができる。
さらに、プッシュボタン64は、遊技の進行過程で所定の契機が発生すると、上方に大きく突出する構造に構成されている。プッシュボタン64の突出時には、通常時の約3倍の高さまで飛び出す。プッシュボタン64はその内部に光源を有している。プッシュボタン64は、通常時は1色(例えば青色)又は多色に発光するが、突出時にはさらにカラフルに発光して非常な存在感を発揮することができる。このようなプッシュボタン64の動作により、この場面で要求されているボタンの押し込み操作が特別に重要なものであることを遊技者に認識させることができる。
なお、本実施形態では、ハンドルレバー62及びプッシュボタン64は同じ操作ユニット60に搭載されているが、ハンドルレバー62とプッシュボタン64とがそれぞれ独立した操作部材として設けられていてもよい。また、これらの操作部材は、近接した位置に配置されていてもよく、離れた位置に配置されていてもよい。
その他に、受け皿ユニット6の上面には、貸出操作部14に隣接して方向キー66が設置されている。方向キー66は上下左右の方向を示す4つのキースイッチを十字形状に配列したものであり、各方向別のキースイッチは独立して押し込み操作可能である。遊技者は演出上の様々な場面で方向キー66を押し込み操作することで、液晶表示器の画面上に表示されるカーソル等を任意に移動させることができる。
〔裏側の構成〕
図1002に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図1005及び図1006)を参照しながらさらに後述する。
主制御基板ユニット170には、主制御装置が内蔵されており、主制御装置には、性能表示モニタ200が接続されている。性能表示モニタ200は、パチンコ機1を裏側から見て、主制御基板ユニット170の左上の領域に視認可能な態様で主制御装置に配置されており、4つの7セグメントLEDを備えている。4個の7セグメントLEDは左右方向に並べて配置されており、それぞれの7セグメントLEDは、10進数のアラビア数字を表示することができる7つのセグメントと、その右下に位置するドットセグメントとによって構成されている。性能表示モニタ200は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースを通じて視認可能である。
また、主制御装置には、RAMクリアスイッチ304及び設定キー用鍵穴306が設けられている。RAMクリアスイッチ304は、RAMクリア、すなわち主制御装置内に装備されているRAM(RWM)の初期化を行う際に用いられるスイッチであり、本実施形態においては、設定変更用のスイッチとしても兼用される。設定キー用鍵穴306は、パチンコ機1の遊技に関する設定を変更又は参照する上で必要とされる設定キーを差し込むための鍵穴である。
RAMクリアスイッチ304は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースに形成された貫通孔を通じて押下可能に設けられている。なお、RAMクリアスイッチ304は、透明ケース外に配置されていてもよい。また、設定キー用鍵穴306は、キーシリンダが透明ケースを貫通した状態(透明ケースがキーシリンダの周囲を囲んだ状態)で設けられている。したがって、透明ケースが封止されたままの状態で設定キーを差し込み、回転させることが可能である。
なお、図1002に示した性能表示モニタ200やRAMクリアスイッチ304、設定キー用鍵穴306の配設位置は、あくまで一例であり、任意の位置に配置することができる。また、性能表示モニタ200やRAMクリアスイッチ304、設定キー用鍵穴306は、主制御装置の外側に設けられて主制御装置に接続される構成としてもよい。
払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受皿ユニット6に向けて案内する。
また、外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
図1003は、遊技盤ユニット8を単独で示す正面図である。遊技盤ユニット8は、ベースとなる遊技板8bを備えており、この遊技板8bの前面側に遊技領域8aが形成されている。遊技板8bは、例えば透明樹脂板で構成されており、遊技盤ユニット8が内枠アセンブリ7に固定された状態で、遊技板8bの前面はガラスユニットに平行となる。遊技板8bの前面には、略円形状に設置された発射レール(参照符号なし)の内側に遊技領域8aが形成されている。なお、発射レールは遊技板8bの左下隅位置から遊技板8bの右上隅位置まで時計回り方向に延びている。
遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。遊技領域8aの左側部分は、通常遊技状態(低確率非時間短縮状態)で使用される第1遊技領域(左打ち領域)であり、遊技領域8aの右側部分は、特殊遊技状態(大当り遊技状態、小当り遊技状態、低確率時間短縮状態、高確率時間短縮状態等)で使用される第2遊技領域(右打ち領域、特定の領域)である。なお、遊技領域8aの左側部分は、高確率非時間短縮状態(有利遊技状態)においても使用される。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に中始動入賞口26、始動ゲート20、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等が分布して設置されている。
このうち、中始動入賞口26は、遊技領域8aの下部分の中央に配置されている。始動ゲート20、可変始動入賞装置28、第2可変入賞装置31及び第1可変入賞装置30は、遊技領域8aの右側部分に上からこの順番で配置されている。ここで、第1可変入賞装置30は、中始動入賞口26の右側に配置されており、第2可変入賞装置31は、第1可変入賞装置30の右上に配置されている。さらに、左側の3つの普通入賞口22は遊技領域8aの左側部分に配置されており、右側の1つの普通入賞口24(所定の入賞口)は可変始動入賞装置28の下方に配置されている。
また、可変始動入賞装置28の上方には、4つの障害釘が配置されており、さらにその上方には入球口19a及び放出口19bが配置されている。入球口19aと放出口19bとは図示しない裏側の連絡通路によって連結されている。入球口19aに入球した遊技球は、この連絡通路を通って減速・整流され、放出口19bから放出される。
さらに、始動ゲート20の右側にはアウト口19c(所定の入球口)が配置されている。放出口19bから放出された遊技球は、基本的には真っ直ぐに落下して始動ゲート20を通過するが、障害釘によって右側に弾かれた場合にはアウト口19cに入球する。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で中始動入賞口26、普通入賞口22,24に入球したり、始動ゲート20を通過したり、作動時の可変始動入賞装置28や開放動作時の第1可変入賞装置30、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする。ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、主に中始動入賞口26に入球するか、普通入賞口22に入球する可能性がある。一方、遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、入球口19aに入球して放出口19bから放出され、主に始動ゲート20を通過するか、作動時の可変始動入賞装置28に入球するか、開放動作時の第1可変入賞装置30に入球するか、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球するか、普通入賞口24に入球する可能性がある。始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、中始動入賞口26、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31、アウト口19cに入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通孔を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
ここで、本実施形態では、遊技領域8a(盤面)の構成上、中始動入賞口26や普通入賞口22に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の左側部分の領域(左打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「左打ち」を実行する)必要がある。
一方、可変始動入賞装置28や、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31、普通入賞口24に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の右側部分の領域(右打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「右打ち」を実行する)必要がある。
本実施形態において、可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で所定の停止表示時間にわたり停止表示された場合)に作動し、それに伴って右始動入賞口28a(所定の入球口)への入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28には、舌片型(ベロタイプ)の開閉部材28bが設けられている。図示の状態にて、開閉部材28bは、盤面より奥に引っ込んだ位置(待避位置)にあり、遊技球が右始動入賞口28aに入球することを不能又は困難にしている。一方、開閉部材28bが盤面より手前側へ突出した位置(駆動位置)に移動すると、開閉部材28bは上方から流下してくる遊技球を受け止め、右始動入賞口28aに遊技球を案内する(右始動入賞口28aへの入球が可能又は容易となる)。なお、可変始動入賞装置28は、開閉部材がその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むように変位して、右始動入賞口を開放する装置であってもよい。
第1可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当り又は小当りの態様で停止表示された場合)であって所定の第1条件(例えば大当り遊技の1ラウンド目から5ラウンド目、又は、7ラウンド目から16ラウンド目であるという条件、小当り遊技の開放状態であるという条件)が満たされた場合に作動し、第1大入賞口30bへの入球を可能にする(特別電動役物、第1特別入球事象発生手段)。
第1可変入賞装置30は、中始動入賞口26の右側に配置された装置であり(いわゆる下アタッカ)、例えば1つの開閉部材30aを有している。第1可変入賞装置30は、開閉部材30aが盤面の内部にスライドするタイプの装置である(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材30aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材30aの上面を転動することになるため、第1大入賞口30bへの入球は不能又は困難(第1大入賞口30bは閉塞中)である。そして、第1可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aが盤面の内部に引き込まれ、第1大入賞口30bを開放する(開放状態)。この間に第1可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない(可能又は容易な)状態となり、第1大入賞口30bへの入球という事象を発生させることができる。
第2可変入賞装置31は、第1可変入賞装置30と同様に規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合)であって、所定の第2条件(例えば大当り遊技の6ラウンド目であるという条件)が満たされた場合に作動し、第2大入賞口31b(特定の入賞口)への入球を可能にする(特別電動役物、第2特別入球事象発生手段)。
第2可変入賞装置31は、第1可変入賞装置30の右上に配置された装置であり(いわゆる上アタッカ)、例えば1つの開閉部材31aを有している。第2可変入賞装置31は、開閉部材31aが盤面の内部にスライドするタイプの装置である(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材31aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材31aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材31aの上面を転動することになるため、第2大入賞口31bへの入球は不能又は困難(第2大入賞口31bは閉塞中)である。そして、第2可変入賞装置31が作動すると、開閉部材31aが盤面の内部に引き込まれ、第2大入賞口31bを開放する(開放状態)。この間に第2可変入賞装置31は遊技球の流入が不能ではない(可能又は容易な)状態となり、第2大入賞口31bへの入球という事象を発生させることができる。
また、第2可変入賞装置31の内部には、第2可変入賞装置31に入球した遊技球を誘導するための誘導通路31cが配置されている。誘導通路31cは、第2大入賞口31bから下方に延び、そこから左に曲がって左下方に延びた後、再び下方に延びている。
そして、誘導通路31cの上流には、第2カウントスイッチ85が配置されており、誘導通路31cの中流には、確変領域用羽根部材31d及び確変領域用孔31eが配置されており、誘導通路31cの下流には、排出口31fが配置されている。
第2可変入賞装置31に入球した遊技球は、最初に第2カウントスイッチ85にて入球したことが検出される。ここで、確変領域用羽根部材31dを作動させる確変領域ソレノイドがONとなっている場合には、確変領域用羽根部材31dが起き上がって遊技球を確変領域用孔31eに導く。一方、確変領域用羽根部材31dを作動させる確変領域ソレノイドがOFFとなっている場合には、確変領域用羽根部材31dが起き上がらないため、遊技球は確変領域用羽根部材31dの上部を通り抜けて、排出口31fに導かれる。
〔確変領域(特定領域)〕
また、確変領域用孔31eの内部には、確変領域(参照符号なし)が設けられている。確変領域は、第2可変入賞装置31が閉鎖状態である場合は遊技球が通過不能な領域であり、第2可変入賞装置31が開放状態である場合であって確変領域用羽根部材31dが作動している場合は遊技球が通過可能な領域である。
確変領域用羽根部材31dは、大当り遊技中に第2可変入賞装置31が開放する際に作動する。確変領域用羽根部材31dの動作パターンは、ラウンドの開始と同時に短期間(例えば0.1秒)にわたり演出領域を開放し、その後に数秒(2~3秒程度)閉鎖した後に確変領域を長期間(例えば20秒程度)にわたってロング開放するパターンである。なお、ラウンドの開始と同時に実行される短期開放では遊技球は確変領域用羽根部材31dまで到達しないので、この作動によって遊技球が確変領域に導かれることはない。また、確変領域用羽根部材31dが動作しても、第2可変入賞装置31がショート開放する場合には、遊技球が確変領域を通過することはない。
遊技盤ユニット8には、その中央位置から右側部分にかけて演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される(演出実行手段)。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。また、本実施形態のように遊技板8bが透明樹脂板(例えばアクリル板)である場合、前面側だけでなく遊技板8bの背後に配置された各種の装飾体(可動体や発光体を含む)による装飾性を付加することができる。
その他に演出ユニット40の内部には、演出用の可動体40f(例えば女性キャラクターが搭乗している乗り物を模した装飾物)とともに駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。これら可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる(演出実行手段)。
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40kが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40kに案内された遊技球は、その真下にある中始動入賞口26に流入しやすくなる。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、各種入賞口に入球(入賞)しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、普通入賞口22,24や中始動入賞口26、右始動入賞口28a、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31、アウト口19cに入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
図1004は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の左下位置)を拡大して示す正面図である。図示されるように、遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の左下位置に普通図柄表示装置33及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35及び遊技状態表示装置38が設けられている。
このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0~4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により、対応する第1特別図柄又は第2特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。なお、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0~4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして、2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、中始動入賞口26に遊技球が入球するごとに、中始動入賞口26に遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、可変始動入賞装置28に遊技球が入球するごとに、右始動入賞口28aに遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で中始動入賞口26に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また、遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b,38c、確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定ランプ38fにそれぞれ対応するLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
統合表示基板89に実装されたこれらのLEDランプは、その点灯又は消灯の切り替えを制御する目的で、異なる4つの制御領域(以下、「コモン」と称する)に区分けされている。見方を変えると、統合表示基板89には4つのコモンが存在し、個々のランプはいずれか1つのコモンに属している。本実施形態においてはダイナミック点灯方式が採用されており、ランプの駆動は割込周期(例えば4ms)の間隔をおいてコモン単位で順に行われる。したがって、統合表示基板89に実装された全てのランプが同時に駆動されることはない。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図1005は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数回路75や割込コントローラ(割込CTR)192、パラレルI/Oポート79、タイマ回路(PTC)194、シリアル通信回路(SCU)196が装備されている。このうち乱数回路75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0~65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は主制御CPU72に入力される。また、割込コントローラ192は、パラレルI/Oポート79、タイマ回路194、シリアル通信回路196から各割込要求(XINT割込、PTC割込、SCU割込)を受け付け、これらの割込要求を優先順位に基づき制御する。その他にも主制御装置70には、図示しないクロック発生回路、様々な状態を監視し必要に応じてリセットを発生させるリセットコントローラ等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。なお、主制御装置70のI/Oポートはシリアル形式としてもよい。
さらに、主制御装置70には、設定変更装置300、設定キースイッチ302、RAMクリアスイッチ304が設けられている。なお、設定変更装置300は、1つの設定値を設定(例えば予め定められた所定値に設定)する設定装置300であってもよい。主制御装置70(主制御CPU72)は、設定変更装置300を動作させることにより設定を変更する。設定変更装置300は、設定(少なくとも特別図柄抽選の当選確率に関する複数段階の設定値又は1つの設定値)を切り替え、又は1つの値とする装置であり(設定手段、設定変更手段)、RAMクリアスイッチ304等の操作により作動する。また、設定とは、作動確率の組み合わせをいい、設定が1つの値である場合は当該設定値によって定められる作動確率をいう。さらに、作動確率とは、条件装置が作動することとなる(大当り遊技が実行されることとなる)特別図柄の組み合わせが表示される確率をいう。設定キースイッチ302は、設定を切り替える上で必須となる設定キーの回転に伴い、その回転状態を示す信号(ON/OFF)を入力する入力装置である。設定の変更の手順は、様々な手法を採用することができるが、例えば、以下の手順で行うことができる。
(1)まず、パチンコ機1の電源をOFFにする。
(2)次いで、専用キー(ドアキー)でパチンコ機1の扉を開ける。具体的には、専用キーをシリンダ錠6aの鍵穴に差し込んで右方向に回転し、内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4を開放する。
(3)パチンコ機1の裏側には、設定キーを挿入するための設定キー用鍵穴306と、RAMクリアスイッチ304とが設けられているため、設定キー用鍵穴306に設定キーを挿入し、設定キーを右方向に回転する。
(4)そして、パチンコ機1の電源をONにする。
(5)これにより、設定キーが変更位置に回転されたことを示す信号(ON)が設定キースイッチ302により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が可能な状態となる。このとき、図示しないロック機構により安全ロックが掛けられる。したがって、設定キーは、元の位置に戻されない限りは抜き取ることが不可能となる。
ここで、設定キーを右方向に回転した状態で、RAMクリアスイッチ304をONにしながら、電源をONにすると、設定の変更が可能な状態となる。一方、設定キーを右方向に回転した状態で、RAMクリアスイッチ304をONにせずに、電源をONにすると、設定の参照が可能な状態となる。
(6)設定の変更が可能な状態において、RAMクリアスイッチ304を任意の回数だけ押下することにより、予め設けられた複数段階のうちいずれかの段階に設定を変更することができる。
設定値は、例えば、専用の7セグメントLED、遊技状態表示装置38(特別図柄表示装置等)、性能表示モニタ200に表示することができる。
(7)スロット機の場合、目的の設定に達したら、レバーON処理が必要になるが、パチンコ機1にはレバーが存在しないため、レバーON処理の代わりの代替処理(例えば、設定キーを左方向に回転する処理、不図示の設定変更確定ボタンをONにする処理等)を実行したり、レバーON処理を省略したりしてもよい。本実施形態では、目的の設定に達したら、設定キーを反時計回りに回転させて元の位置に戻す。この操作により、設定キーが元の位置に戻されたことを示す信号(OFF)が設定キースイッチ302により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が確定する。
(8)そして、設定の変更が確定すると、設定キー用鍵穴306から設定キーを抜き取ることができる状態となる。また、設定の変更が確定したことに伴い、専用の7セグメントLED、遊技状態表示装置38、性能表示モニタ200に設定値を表示している場合には、その表示が消える。
(9)最後に、パチンコ機1の扉を閉める。これにより、設定の変更が完了する。設定の変更が完了すると、通常の遊技が開始される。
設定が変更された場合、主制御CPU72は、変更後の設定値をRAM76の設定値バッファに記憶する。設定値バッファは、バックアップの対象となるメモリ領域とすることができる。
〔設定変更状態〕
「設定キーON」、「内枠開放状態」、かつ、「RAMクリアスイッチ押下状態」で電源が投入されると、RAMクリア後、設定変更中の状態(設定変更状態、設定変更モード)に移行する。
設定変更中の状態では、メイン表示器(遊技状態表示装置38に含まれる各種ランプ)への表示はなされず、遊技球の発射や遊技球の賞球等は一切できない状態となる。また、性能表示モニタ200において、左側2つの7セグメントLED(識別セグ)に「rn.」が表示されるとともに、右側2つの7セグメントLED(比率セグ)に「-1」のように設定値が表示される。また、RAMクリアスイッチ304が押下されると、設定値が1~6の範囲で変化する。そして、「設定キーOFF」となると、設定が確定され、比率セグの表示は「空欄(非表示)1」のように「-」のセグが消灯する(非表示となる)。
この状態で、「内枠閉鎖状態」となった場合(実際には閉鎖状態が100ms継続した場合)には、設定変更中の状態が終了し、一旦、電源断前の状態に移行してから、遊技可能状態に移行する。
なお、本実施形態では、RAMクリアスイッチ304が設定変更スイッチを兼ねる構成としているが、RAMクリアスイッチ304を兼用せずに設定変更スイッチを別途設ける構成としてもよい。
〔設定確認状態〕
一方、「設定キーON」、「内枠開放状態」、かつ、「RAMクリアスイッチ押下でない状態」で電源が投入されると、設定確認中の状態(設定確認状態、設定確認モード)に移行する。
設定変更中の状態と同様に、設定確認中の状態では、メイン表示器への表示はなされず、遊技球の発射や遊技球の賞球等は一切できない状態となる。また、性能表示モニタにおいて、左側2つの7セグメントLED(識別セグ)に「rn.」が表示されるとともに、右側2つの7セグメントLED(比率セグ)に「空欄(非表示)1」のように設定値が表示される。なお、設定確認中の状態では、RAMクリアスイッチ304が押下されても設定値は変化しない。
この状態で、「設定キーOFF」、かつ、「内枠閉鎖状態」となった場合(実際には閉鎖状態が100ms継続した場合)には、設定確認中の状態が終了し、一旦、電源断前の状態に移行してから、遊技可能状態に移行する。
なお、本実施形態では、遊技可能状態で設定確認を行うことはできないが、遊技可能状態で設定確認を実行可能にしてもよい。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31にそれぞれ対応して中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84及び第2カウントスイッチ85が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82は、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28a)への遊技球の入球を検出するためのものである。また、第1カウントスイッチ84は、第1可変入賞装置30(第1大入賞口)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、確変領域スイッチ95は、第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過したことを検出するためのスイッチである(検出手段)。
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22への遊技球の入球を検出する第1入賞口スイッチ86と、普通入賞口24への遊技球の入球を検出する第2入賞口スイッチ81とが装備されている。なお、左側の3つの普通入賞口22については、共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば3つの入賞口スイッチを設置して、各普通入賞口22に対する遊技球の入球を個別に検出してもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81、確変領域スイッチ95からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上述したように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89にはパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、主制御装置70には、パネル中継端子板87を介して、性能表示モニタ200が接続されている。性能表示モニタ200は、遊技球が各入賞口(始動入賞口、普通入賞口)に入球することによって払い出される賞球数を、遊技領域に発射した遊技球の数を示すアウト数(アウトスイッチ99で検出された遊技球の数)で除算して算出されるベースを表示するためのモニタである。ベースは、遊技を進行させる制御に用いられる使用領域とは別の領域(使用外領域)を用いて予め設定された区間ごとに算出され、現在の区間のベースと、前回の区間のベースとが、予め設定された間隔ごとに切り替わって表示される。性能表示モニタ200は、主制御CPU72からの制御信号に基づいてその表示動作が制御される。主制御CPU72は、ベースの算出状況に応じて性能表示モニタ200に対する制御信号を出力し、各7セグメントの点灯状態を制御する。
なお、性能表示モニタ200は、パネル中継端子板87を介して主制御装置70に接続する例で説明しているが、パネル中継端子板87を介さずに主制御装置70に接続してもよく、主制御装置70の内部の構成として性能表示モニタ200を配置してもよい。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び確変領域の上流にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び確変領域用ソレノイド99が設けられている。これらソレノイド88,90,97,99は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31を開閉動作(作動)させたり、確変領域用羽根部材31dを可動させたりする。なお、これらソレノイド88,90,97,99についてもパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って受皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに、下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている(球発射手段)。また、受皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上述したように遊技領域8aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置するハンドルユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がハンドルユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして、発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
受皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120にCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。また、CRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、CRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126が回路基板(複合サブ制御基板)上に装備されている。演出制御CPU126は、図示しないCPUコアとともにRAM(RWM)130やeDRAM131等の半導体メモリを内蔵したLSIとして構成されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
その他にも演出制御装置124には、VDP152やドライバIC132、音声IC134等の演出を実現する上で必要となる様々な機能部品が搭載されている。このうちVDP152は、液晶表示器42の画面上で再生される演出画面を描画するためのプロセッサである。ドライバIC132は、ランプ46~52や盤面ランプ53、可動体モータ57等のデバイスを制御するICを搭載している。また、音声IC134は、スピーカ54,55,56,58の駆動を制御する。このような演出制御装置124の内部の機能構成については、次の図を参照しながら詳しく後述する。
演出制御装置124と主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種演出用のコマンド(以下、「演出コマンド」と称する。)のバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバ(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にサブ接続基板136が設置されており、ドライバIC132や音声IC134からの駆動信号はサブ接続基板136を経由して各種ランプ46~52やスピーカ54,55,56,58に印加されている。また、サブ接続基板136には、ハンドルレバー62、ボタンモータ63、プッシュボタン64、方向キー66の他に図示しない音量調整スイッチが接続されており、遊技者がこれらの操作部材を操作すると、それらの接点信号がサブ接続基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではサブ接続基板136に各操作部材62,64,66を接続した例を挙げているが、受け皿電飾基板を設置する場合、各操作部材62,64,66は受け皿電飾基板に接続されていてもよい。
ボタンモータ63は、プッシュボタン64に対応したステッピングモータであり、操作ユニット60を制御する不図示の操作ユニット制御装置によって駆動される(切替手段)。操作ユニット制御装置は、演出制御装置124から送信される駆動信号に基づいてボタンモータ63を駆動することにより、プッシュボタン64を通常の状態(初期位置)又は突出した状態(最大可動位置)のいずれかに切り替える(変位させる)。
その他、遊技盤ユニット8にはドライバ基板138が設置されており、このドライバ基板138には盤面ランプ53の他に可動体モータ57が接続されている。可動体モータ57は、例えば図示しないリンク機構を介して可動体40fを駆動する。ドライバIC132からの駆動信号は、ドライバ基板138を経由して盤面ランプ53及び可動体モータ57にそれぞれ印加される。
液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上述したように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
〔演出制御装置の内部構成〕
図1006は、演出制御装置124の内部の機能構成を示すブロック図である。
上述したように、演出制御装置124は遊技の進行に伴い演出を制御する演出制御プロセッサとしての役割を有している。そのため演出制御装置124には、演出制御CPU126に加え、演出制御装置124が演出制御プロセッサとして機能する上で必要となる制御ROM180及びウォッチドッグタイマIC(WDTIC)188が装備されている。制御ROM180には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されている。演出制御CPU126は、図示しないCPUバスを介して制御ROM180にアクセスし、制御ROM180に格納されたプログラムを実行することにより演出を制御する。ウォッチドッグタイマIC188は、演出制御装置124で実行される制御が正常になされているか(想定時間内に処理が完了しているか)を監視するタイマであり、演出制御CPU126のリセット端子に接続されている。ウォッチドッグタイマIC188の監視タイマをクリアするための信号(クリアパルス)が所定時間内に入力されなかった場合、ウォッチドッグタイマIC188は演出制御CPU126に対しリセット起動させるための信号(リセットパルス)を出力する。これにより、演出制御装置124が強制的にリセット起動されることとなる。
演出制御装置124にはこれらの他にも、演出に関わる機能として、バックアップデータ用の記憶領域であるSRAM182、所定周波数のクロック信号を生成する水晶発振器181、時刻管理を行うリアルタイムクロック(RTC)184、SRAM182及びリアルタイムクロック184に対しバックアップ電源を供給するリチウム電池186、図示しない入出力ドライバやカウンタ/タイマ回路等の周辺IC等が装備されている。リチウム電池186は、電源制御ユニット162から演出制御装置124に対し駆動電力が供給されている間に、この電力を蓄えて自身を充電する。SRAM182及びリアルタイムクロック184は、リチウム電池186に接続されており、電源制御ユニット162からの演出制御装置124への駆動電力の供給が断たれた場合にはリチウム電池186により駆動可能となる。したがって、SRAM182及びリアルタイムクロック184は、電源制御ユニット162からの電力供給が断たれた場合でも、リチウム電池186の充電が切れるまでの期間(例えば、約1か月半)は動作を継続するため、SRAM182は、電源断の状況下においても暫くは格納されている情報を保持することができる。
なお、演出制御プログラムは、容易に消去されるべきではないセキュリティや監視、不具合等に関する情報をSRAM182に保存する構成となっている。これにより、例えば、演出制御装置124で何らかの不具合が発生した場合に、パチンコ機1を回収(又は設置状態で点検)し、SRAM182に保持されている情報を解析することにより不具合の要因調査を進めることが可能となる。
通常、演出制御CPU126が制御ROM180に格納されたプログラムに沿って実行する演出の制御には、上述したように液晶表示器42、各種ランプ46~53やスピーカ54,55,56,58等のデバイスを用いた演出の制御が含まれる。この演出制御の流れは、大きくみると「全体制御(再生指示)」と「個別制御(再生制御)」の2つの段階に分けられる。演出制御CPU126は、先ず主制御装置70から送信される演出コマンドを受信し、演出コマンドの内容に応じた演出の再生を各デバイスに対して間接的に指示する(全体制御)。次に、演出制御CPU126は指示内容を各デバイスに適したより具体的な表現に変換した指示データを生成し、演出制御CPU126と各デバイスとの間を中継する各制御デバイス134,152,198,199に送信する(個別制御)。その結果として、各制御デバイス134,152,198,199により指示データに基づく各デバイスの制御がなされ、パチンコ機1における各デバイスを用いた演出再生(画面表示、音声出力、ランプ発光、可動体変位等)が実現される。
このように、演出制御CPU126は、演出制御の段階に応じて異なる機能を有しており、これらの機能は演出制御CPU126のリソースを使い分けることにより実現されている。図1005では、演出制御CPU126の内部リソースをいくつかの機能ブロックに分けたものが演出制御部210、表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224、モータ制御部226、入力制御部228等として示されている。以下の説明では、個々の機能ブロックを制御処理の動作主体として扱うものとする。
先ず、全体制御の段階では、演出制御CPU126内の演出制御部210が動作主体となる。また、個別制御の段階では、制御対象とされるデバイスに応じて演出制御CPU126内の表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224、モータ制御部226又は入力制御部228が各動作主体となる。なお、演出制御部210が各制御デバイス134,152,198,199等を直接的に制御する構成としてもよい。
演出制御装置124は、全体制御の段階では演出制御プロセッサとして機能するのに対し、個別制御の段階では演出再生プロセッサとして機能する。そのため、演出制御装置124にはさらに、VDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)やCGROM(画像・音声ROM)190の他、演出の再生に用いられる各種デバイスを制御するための音声IC134、LEDドライバ198、SMC(シリアル制御コントローラ)199及びドライバIC132が装備されている。
CGROM190は、演出画面を構成する描画素材(動画像データ)や演出の進行とともに出力される音声素材(音声データ)を所定の圧縮アルゴリズムにより圧縮された状態で格納している。CGROM190は、図示しないCGバスを介してVDP152や音声IC134に接続されている。
VDP152は、演出画像の描画専用のプロセッサであり、演出制御CPU126とともにワンチップに統合されている。また、VDP152はVRAM156及び描画素材デコーダ157を内蔵する。このうちVRAM156は、主に描画素材を展開する際に用いられ、描画素材デコーダ157は、圧縮された状態の描画素材を解凍(復号)する際に用いられる。VDP152は、先ず表示制御部220から送信された指示内容を解析し、CGバスを介してCGROM190から必要な描画素材を読み出してVRAM156に転送する。そして、読み出した描画素材を描画素材デコーダ157で復号してVRAM156上で演出画像の描画を行い、演出画像を1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開する。ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動することにより、演出画面の再生が実現される。
音声IC134は、演出の実行中に再生される効果音やBGM等の音声を生成するサウンドジェネレータであり、VDP152と同様に演出制御CPU126とワンチップに統合されている。音声IC134は、図示しないアンプや外部DRAM、CGバスに接続されている。また、音声IC134には、圧縮された状態の音声素材を解凍(復号)する音声素材デコーダ135が内蔵されている。音声IC134は、先ず音声制御部222から送信された指示内容を解析し、CGバスを介してCGROM190から必要な音声素材を読み出す。そして、読み出した音声素材を外部DRAM上で音声素材デコーダ135を用いて復号する。アンプを経由してガラス枠上スピーカ54、ガラス枠内スピーカ55、内枠スピーカ56及び外枠スピーカ58に復号した音声を出力することにより、ステレオ2ch又はモノラル2chの音声再生(より大きなチャンネル数としてもよい)を実現する。また、音声IC134は、音量調整スイッチが操作された場合に入力される接点信号に基づいて、各スピーカ54,55,56,58の出力音量を調整する。
LEDドライバ198は、パチンコ機1の前面側に設けられた各種ランプ46~53の演出の実行にともなう点灯パターン及び輝度パターンを制御する。LEDドライバ198においては、アドレス指定同期シリアル方式が採用されている。LEDドライバ198は、先ずランプ制御部224から送信された指示内容に基づいて点灯パターン及び輝度パターンの制御を行い、これに応じた駆動データをドライバIC132に転送する。
SMC199は、演出ユニット40の内部に設けられた演出用の可動体40f等の駆動源となる可動体モータ57の駆動パターンを制御する。SMC199もまた、演出制御CPU126とワンチップに統合されている。SMC199においては、クロック同期式シリアル方式が採用されている。SMC199は、先ずモータ制御部226から送信された指示内容に基づいて駆動パターンを生成し、これをドライバIC132に転送する。なお、ここではSMC199をモータの駆動パターン生成にのみ用いているが、SMC199はモータだけでなくランプの点灯パターンや輝度パターンを生成することもできるため、上述したLEDドライバ198に代えてSMC199を適用し、SMC199がランプ及びモータの両方のデータパターンを生成する構成とすることも可能である。
ドライバIC132は、LEDドライバ198やSMC199から転送された駆動データに基づいてランプやモータに対し印加する駆動電圧の制御を行う。ドライバIC132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、各種ランプ46~53や可動体モータ57に印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その動作を管理することにより、ランプや可動体を用いた演出再生を実現する。なお、各種ランプには、ガラス枠トップランプ46やガラス枠装飾ランプ48,50,52の他に、操作ユニット60の各部位に内蔵された光源や遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は、演出ユニット40に内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等に内蔵されるLEDに相当するものである。また、ここではガラス枠装飾ランプ52がサブ接続基板136に接続されている例を挙げているが、受皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、ガラス枠装飾ランプ52については受け皿電飾基板を介してドライバIC132に接続される構成であってもよい。
この他にドライバIC132は、ハンドルレバー62やプッシュボタン64等の操作部材が遊技者により操作された場合に入力される接点信号を、入力制御部228を経由して演出制御部210に転送する。演出制御部210は、転送される接点信号の内容に基づいて、再生する演出内容を適宜変化させる。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。
〔設定値と特別図柄抽選の当選確率との関係〕
図1007は、設定値と特別図柄抽選の当選確率との関係を示す図である。
〔低確率状態〕
以下は、低確率状態での特別図柄抽選の当選確率である。
設定値が「1」である場合、特別図柄抽選の当選確率は、「1/319」である。
設定値が「2」である場合、特別図柄抽選の当選確率は、「1/299」である。
設定値が「3」である場合、特別図柄抽選の当選確率は、「1/279」である。
設定値が「4」である場合、特別図柄抽選の当選確率は、「1/259」である。
設定値が「5」である場合、特別図柄抽選の当選確率は、「1/239」である。
設定値が「6」である場合、特別図柄抽選の当選確率は、「1/219」である。
〔高確率状態〕
以下は、高確率状態での特別図柄抽選の当選確率である。
設定値が「1」である場合、特別図柄抽選の当選確率は、「1/159.5」である。
設定値が「2」である場合、特別図柄抽選の当選確率は、「1/149.5」である。
設定値が「3」である場合、特別図柄抽選の当選確率は、「1/139.5」である。
設定値が「4」である場合、特別図柄抽選の当選確率は、「1/129.5」である。
設定値が「5」である場合、特別図柄抽選の当選確率は、「1/119.5」である。
設定値が「6」である場合、特別図柄抽選の当選確率は、「1/109.5」である。
このように、設定値が大きい値であるほど、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態及び高確率状態)は、大きな値となっているため、遊技者にとって有利な状況となる。
なお、図示の例では、特別図柄抽選の当選確率は、低確率状態及び高確率状態の両方でそれぞれ設定差を設ける例で説明したが、低確率状態のみ又は高確率状態のいずれかのみに設定差を設ける(例えば、設定値が「1」~「6」である場合、特別図柄抽選の当選確率は共通の「1/100」である等)こととしてもよい。また、設定に関しては、大当り確率だけでなく、小当り確率に設定差を設けてもよい。さらに、その他の項目(例えば、高確率状態への移行率、時間短縮状態への移行率、確変回数、時短回数、特殊変動回数等)に設定差を設けてもよい。
続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔主制御装置におけるCPU初期化(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はCPU初期化処理を開始する。CPU初期化処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、CPU初期化処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図1008及び図1009は、CPU初期化処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS100:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、割込ベクタテーブルの設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタテーブルのアドレスを割込制御に使用するIレジスタ(割込ベクタレジスタ)にセットする。割込ベクタテーブルにはCPU初期化処理の実行中に発生した割込要求を制御する上で必要となる優先順位が定義されており、主制御CPU72は割込ベクタテーブルに定義された優先順位に基づき複数の割込要求を順番に実行することとなる。割込処理の制御については、詳しく後述する。
ステップS104:主制御CPU72は、RAMクリア信号(RAMクリアスイッチ304からの入力信号)を退避させる。より具体的には、RAMクリア信号が入力される入力ポートの値を2回連続して取得し、これらの値による論理和を入力ポート値として退避させておく。
ステップS106:主制御CPU72は、ここで待機処理を実行する。この処理は、電源投入後にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に電源断予告信号(電源の遮断が発生しつつあることを示す信号)のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら電源断予告信号の入力ポートをビットチェックする。電源断予告信号は、駆動電圧の電圧レベルを監視するICにより入力される。そして、ループカウンタが0になる前に電源断予告信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1~2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS108:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS110:主制御CPU72は、先のステップS104で退避させた入力ポート値の特定ビットをチェックすることによりRAMクリア信号を参照し、RAMクリアスイッチ304が操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチ304が操作されていなければ(No)、次にステップS112を実行する。
ステップS112:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断時に実行された処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A5H」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS114を実行する。なお、電源遮断時に実行される処理については、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS114:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS116を実行する。
ステップS116:主制御CPU72は、RAM76の一部領域の記憶内容をクリアする。RAM76の一部領域とは、電源復帰時にクリア対象とするバックアップ有効判定フラグのアドレスを基準とした連続する所定範囲内のワーク領域のことである。この領域の記憶内容をアドレス毎に(バイト単位で)クリアしつつ、保存されている有効なバックアップ情報はそのまま保持しておくことにより、主制御CPU72は電源遮断時の状態を復旧させることが可能となる(記憶復帰手段)。
ステップS118:主制御CPU72は、電源遮断から復帰して起動したことを示す電源復帰指定の演出コマンド(演出制御装置124に対し送信するべきコマンド)及び払出コマンド(払出制御装置92に対し送信するべきコマンド)をセットする。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチ304が操作されていた場合(ステップS110:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS112:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS114:No)、主制御CPU72はステップS120に移行する。
ステップS120:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタック領域は全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS122:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS124:主制御CPUは、RAMクリア起動したことを示すRAMクリア指定の演出コマンド(演出制御装置124に対するコマンド)及び払出コマンド(払出制御装置92に対するコマンド)をセットする。
ステップS126:次に主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、ステップS118でセットされた払出コマンド(電源復帰指定)又はステップS124でセットされた払出コマンド(RAMクリア指定)を、払出コマンドバッファに出力する。
ステップS128:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先ず、ステップS118でセットされた演出コマンド(電源復帰指定)又はステップS124でセットされた演出コマンド(RAMクリア指定)を演出コマンドバッファに出力する。主制御CPU72はさらに、演出制御に必要となるその他の各種演出コマンド(例えば、機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、特図先判定演出コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタ残数コマンド、特別遊技状態指定コマンド、発射位置指定コマンド等)をセットし、これらを演出コマンドバッファに出力する。このとき、主制御CPU72はこれらの演出コマンドに対し、電源復帰時とRAMクリア時とで異なる値をセットする。
例えば、電源復帰時には、バックアップ情報に基づいて各演出コマンドの値をセットする。これらの演出コマンドが後の演出コマンド送信処理(ステップS142)において演出制御装置124に対し送信されることにより、演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS130:主制御CPU72は、入力ポート処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は各入力ポートの内容を取得し、その値に対して所定の演算を行った結果を各入力ポートの状態フラグに格納する。この処理を終えると、主制御CPU72は次にステップS131に進む(接続記号A→A)。
ステップS131:主制御CPU72は、主コマンド許可信号を出力ポートの特定ビットにセットする。主コマンド許可信号とは、主制御装置70が自身へのコマンド送信を許可する旨を払出制御装置92に対し表明する信号である。主コマンド許可信号が払出制御装置92に入力されると、これを受けて払出制御装置92は、主制御装置70に対し払出コマンドの送信を許可する旨を表明する払出コマンド許可信号を入力することとなる。
ステップS132:主制御CPU72は、出力ポートの特定ビットをリセット(OFF)して発射許可信号をクリアする(特定出力情報クリア手段)。発射許可信号は電源遮断時におけるバックアップの対象に含まれる。したがって、主制御装置70(パチンコ機1)が電源復帰した場合、主制御CPU72はCPU初期化処理において電源復帰時のフローを実行し、バックアップ情報に基づいて主制御装置70を電源遮断時の状態に復帰させるが(ステップS116)、その一環で、発射許可信号も電源遮断時の状態に戻される。
発射許可信号は、RAM76に記憶されている特定の出力ポートバッファ(例えば、出力ポート3用のバッファ)のうち、特定のビット(例えば、ビット0)にセットされている。ただし、ここで対象とする出力ポートバッファのアドレスは、RAM76のアドレス空間のうち、ステップS116でクリア対象とした連続領域からは外れた場所に位置している。このため仮に、ステップS116の処理の一環で、クリア対象領域に加えて発射許可信号がセットされている特定アドレスの特定ビットの値をもクリアしようとすると、その具体的なアドレスを特定した上で、そのアドレスに記憶されている8ビットのデータのうちの特定ビットのデータのみをクリアしつつ残りの7ビット分のデータは維持するという例外的な処理を行わなければならず、RAM76の一部領域をクリアする処理の効率が非常に悪くなる。このような事情から、主制御CPU72は、先のステップS116では発射許可信号をクリアせずに他のバックアップ対象データと区別せず同様に取扱い、一旦は電源遮断時の状態に戻すこととしている。
しかしながら、主制御装置70においてバックアップ情報が戻された段階(ステップS116)では、払出制御装置92との通信が未だ確立しておらず、払出制御装置92が正常に起動しているか(主制御装置70からのコマンドによる指示を受け付けられるか)否かを確認できていない。発射許可信号がONの状態で電源が遮断された場合には、発射許可信号がONに戻されるため、結果として払出制御装置92の正常性が不明であるにもかかわらず遊技球を発射できるという状態が発生することとなる。ここで仮に、電源の遮断中に払出制御装置92が本来の検査適合していない改造品(例えば、賞球数が改変されたもの等)と交換され、その後の電源復帰により主制御装置70が起動した場合、発射許可信号がONに戻されることより遊技球の発射が可能となってしまう。このような状態は、セキュリティの観点から好ましくない。
そこで、本実施形態においては、電源復帰による起動であるかRAMクリア指定の起動であるかに関わらず、主制御CPU72がメインループに遷移する前の段階で発射許可信号を一度明示的にクリア(OFFにリセット)している。その後、払出制御装置92から主制御装置70に対し払出コマンド許可信号が入力されたことを主制御CPU72が確認し、その上で払出制御装置92に対して払出コマンドを送信したことを契機として、発射許可信号をONにセットする制御を採用している。このような制御を行うことにより、メインループの処理により遊技が開始(再開)しても主制御装置70と払出制御装置92との間の通信が確立しない限りは遊技球の発射が許可されないため、上述したような不正がなされた場合に遊技球の不正な発射を回避することができる。
ステップS133:主制御CPU72は、タイマ割込周期を設定する。より具体的には、主制御CPU72はタイマ割込周期(例えば、4ms)に相当する値をタイマ回路194のカウンタ設定レジスタに設定する。
ステップS134:主制御CPU72は、割込デイジーチェーンをリセットする。より具体的には、主制御CPU72は、割込処理の事前準備として、この後で説明するメインループの先頭アドレスをバックアップした上でRETI命令を実行する。この処理を行うことにより、これ以降に発生する割込処理を正常に開始させ、さらに割込処理の実行後にはメインループから処理を続行することが可能となる。
CPU初期化処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72はメインループ(以下に説明するステップS136~S146)に遷移する。電源制御ユニット162からの電力供給が保たれている限り、主制御CPU72はメインループを終始繰り返して実行する。
ステップS136,ステップS138:主制御CPU72は割込を禁止した上で、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)、及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別のタイマ割込処理(図1012中のステップS212)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が一巡する毎にループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS138では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS136で割込を禁止した後にステップS138を実行しているのは、別のタイマ割込処理(図1012中のステップS210)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、本実施形態において大当り決定乱数及び当り決定乱数は乱数回路75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。なお、タイマ割込処理については別の図面を用いて後述する。
ステップS140:主制御CPU72は、受信コマンド管理処理を実行する。この処理では、払出制御装置92から受信したデータを解析し、その結果に応じた処理を行う。主制御CPU72は、受信したコマンドが払出起動指定コマンドである場合には払出起動確認指定コマンドを払出コマンドバッファに出力する一方、そうでない場合は受信データが所定範囲内の値であるか(受信コマンドとして適切な値であるか)を確認した上で範囲外ならば払出エラー指定コマンドを演出コマンドバッファに出力し、さらに状況に応じて払出電波エラーフラグのセットを行う。
ステップS142:主制御CPU72は、演出コマンド送信処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、演出コマンドバッファに出力されている各演出コマンドの送信を行う。
ステップS144,ステップS146:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中に割込要求が発生し、主制御CPU72が各種割込処理を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込処理の内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
〔電源断時退避処理〕
次に、電源の遮断(以下、「電源断」と略称する)が発生した際に実行する処理について説明する。図1010は、電源断時退避処理の手順例を示すフローチャートである。主制御装置70においては、電源断の発生とリセットの発生とが同一の監視IC(例えば、図示しないリセットコントローラに実装されたIC)によって監視されている。この監視ICは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に、パラレルI/Oポート79のXINT端子へ電源断予告信号を出力する。主制御CPU72は、XINT端子への電源断予告信号の入力(XINT割込)を契機として、電源断時退避処理(XINT割込処理、バックアップ手段)を実行する。以下、電源断時退避処理の各手順を追って説明する。
ステップS150,S152:主制御CPU72は、パラレルI/Oポート79の電源断検出スイッチ入力用ポートを読み込み、特定のビットをチェックして電源断予告信号を検出したか否かを確認する。電源断予告信号を検出したことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は割込を許可し、電源断時退避処理を終了してCPU初期化処理(図1008~図1009)のメインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。一方、電源断予告信号を検出したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS154に進む。
ステップS154:主制御CPU72は、普通電動役物ソレノイド88や第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97、確変領域用ソレノイド99に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS156,ステップS158:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS160:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS158:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS162:次に主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS164:また、主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「00H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS166:主制御CPU72は、ループカウンタに電源断予告信号のチェック回数をカウントするための所定の値をセットする。
ステップS168:主制御CPU72は、電源断予告信号を検出したか否かを確認する。電源断予告信号の確認方法は、上述したステップS150における方法と同じである。電源断予告信号を検出したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は再び前ステップS166に戻る。一方、電源断予告信号を検出したことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は次のステップS170に進む。
ステップS170:主制御CPU72は、ループカウンタの値を1減算する。
ステップS172:主制御CPU72は、ループカウンタの値が「0」であるか否かを確認する。ループカウンタの値が「0」であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS168に戻る。一方、ループカウンタの値が「0」であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS174に進む。
ステップS174:主制御CPU72は、電源断時退避処理からCPU初期化処理(図1008)に移行する。このとき、CPU初期化処理への移行前にRETI命令は実行されないため、他の割込を禁止したままの状態でCPU初期化処理を開始することができる。
上述したステップS166~ステップS172の処理は、電源制御ユニット162からの電力供給の遮断に備えて実行されるいわば待機処理(経過観察処理)である。電源断予告信号が継続して検出される場合は、ステップS166~ステップS168が繰り返し実行されるため、ループカウンタが「0」になることはない。そのため、電力供給が持続する限り待機状態が継続されることとなる。一方、電源断予告信号の検出が一時的なもの(例えば、瞬間的な停電等による検出)であった場合は、ステップS168~ステップS172が繰り返し実行され、時間の経過とともにループカウンタが減算されていき、「0」になったことを契機としてCPU初期化処理に移行される。つまり、主制御CPU72は、電力供給が完全に断たれる前に先ずチェックサムの計算とその結果の保存を行って待機の態勢に入り、電力供給が遮断されつつある状況下では他の処理を実行させずに待機状態を維持して安全な状態で来るべき電力供給の遮断を迎えるのに対し、一時的な電源断が発生した後で安定的な電力供給が回復した状況下ではCPU初期化処理に移行してメイン処理を再開させる。このような待機処理の実行により、主制御装置70ひいてはパチンコ機1の安定した遊技動作を保証することが可能となる。
なお、電源制御ユニット162からの電力供給が遮断されると、主制御装置70への電力供給源は自動的にバックアップ用電源に切り替わる。主制御装置70は、電源断の発生後は図示しないバックアップ用電源回路(例えば、主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、電源断後も全てRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のCPU初期化処理(図1008)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断発生時のバックアップ情報として復元される。
〔コマンド受信割込処理〕
次に、払出制御装置92からコマンドを受信した際に実行する処理について説明する。図1011は、コマンド受信割込処理の手順例を示すフローチャートである。払出制御装置92は、遊技球の払い出しを開始したことを示す払出起動指定のコマンドを主制御装置70に対して送信する他に、遊技の進行に伴い賞球の払い出しに関わる各種装置(例えば、払出装置基板100や満タンスイッチ161等)から主制御装置70に対し送信されるコマンドの中継送信を行う。払出制御装置92により送信されるこれらのコマンドは、主制御装置70のシリアル通信回路196の特定チャネルの受信データレジスタにより受信される。主制御CPU72は、このコマンド受信(SCU割込)を契機として、コマンド受信割込処理(SCU割込処理)を実行する。以下、コマンド受信割込処理の各手順を追って説明する。
ステップS180:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたAレジスタ(アキュムレータ)とFレジスタ(フラグレジスタ)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後の各レジスタには、データ受信割込処理の過程で別の値を書き込むことができる。
ステップS182:次に主制御CPU72は、ステータスレジスタの特定ビットをチェックして受信データレジスタ(受信FIFO)にデータが有るか否かを確認する。受信データレジスタにデータがあることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS184に進む。一方、受信データレジスタにデータがあることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS186を実行する。
ステップS184:主制御CPU72は、データレジスタの内容を受信コマンドバッファに格納する。
ステップS186,S188:主制御CPU72は、ステップS180で退避させたA,Fレジスタの値を各レジスタに復帰させ、割込を許可した後、コマンド受信割込処理を終了してCPU初期化処理のメインループ(図1009)に復帰する。
〔タイマ割込処理〕
次に、タイマ割込処理について説明する。図1012は、タイマ割込処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、タイマ回路194により出力される割込要求(PTC割込)に基づき、所定時間(例えば、数ms)毎にタイマ割込処理(PTC割込処理)を実行する。以下、タイマ割込処理の各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたAFレジスタ(アキュムレータとフラグレジスタのペア)、BC,DE,HLレジスタ(汎用レジスタのペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後の各レジスタには、タイマ割込処理の過程で別の値を書き込むことができる。
ステップS202:次に主制御CPU72は、割込を許可する。ここで割込が許可されることにより、タイマ割込処理の次ステップ以降を実行している間に他の割込が発生することが可能となる。このように、タイマ割込処理は多重割込が許可されている。なお、割込要求信号の受付や多重割込の優先制御等は、割込コントローラ192により実行される。割込コントローラ192による割込管理については、改めて後述する。
ステップS204:主制御CPU72は、ダイナミックポート出力処理を実行する。この処理では、統合表示基板89に実装された各ランプの点灯をダイナミック点灯方式で制御するために、コモン単位でのポート出力を行う。より具体的には、主制御CPU72は、出力ポートをクリアした後に、選択されたコモンに対応するコモン出力要求バッファに出力された内容を出力ポートに格納する。
ステップS206:主制御CPU72は、ポート入力処理を実行する。この処理では、入力ポート情報に基づき最新のスイッチ状態を正確に取得するために、主制御CPU72はパラレルI/Oポート79から各種スイッチ信号の入力値と前回入力値の反転結果値との論理積を入力ポートオン検出フラグに格納する。この結果、入力ポートオン検出フラグの値(ON/OFF)により、各種スイッチ信号の前回からの変化を踏まえた正確な入力状態を把握することが可能となる。各種スイッチ信号には、具体的には、ゲートスイッチ78及び確変領域スイッチ95からの通過検出信号や、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81からの入賞検出信号等が含まれる。
ステップS208:主制御CPU72は、タイマ更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、遊技時間や普通電動役物の閉鎖時間を管理するタイマの他、外部情報用の各種タイマ、セキュリティ信号用タイマ等のカウンタを1減算して更新する。
ステップS210:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、CPU初期化処理の過程(図1009のステップS138)で述べたものと同じである。
ステップS212:主制御CPU72は、当り図柄乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は特別図柄及び普通図柄の抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS214:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先のポート入力処理(ステップS206)で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81からの入賞検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS215:主制御CPU72は、設定変更処理(設定関連処理)を実行する。この処理では、設定値の変更や確認に伴う処理を実行する。なお、設定変更状態や設定確認状態でない場合、すなわち遊技可能状態である場合には、主制御CPU72は、本ステップをスキップして(設定変更処理を実行せずに)、代わりに、ベースを算出して性能表示モニタ200に表示する処理を実行することができる。主制御CPU72は、遊技球が各入賞口(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)に入球することによって払い出される賞球数を、遊技領域に発射した遊技球の数を示すアウト数(アウトスイッチで検出された遊技球の数)で除算することによりベースの算出が可能である。
また、本ステップにて設定変更処理(設定関連処理)を実行した場合には、主制御CPU72は、設定関連終了指定コマンドを生成する。ここで、「設定関連終了指定コマンド」とは、設定の変更又は確認に関連する処理が終了したことを伝える演出コマンドのことであり、設定関連終了指定コマンドには、この他に設定値の情報を含ませることができる。生成された設定関連終了指定コマンドは、メインループ内で実行される演出コマンド送信処理(図1009中のステップS142)において演出制御装置124に送信される。
ステップS216,ステップS218:主制御CPU72は、特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これらの処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS216)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を決定したり、その表示結果に応じて第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また、普通図柄遊技処理(ステップS218)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を決定したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(作動抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS220:次に主制御CPU72は、状態管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、入賞頻度の異常(中始動入賞口26、普通入賞口22,24への入球数が異常に多い状態)やベース異常(遊技盤ユニット8の裏側へ回収された遊技球数、すなわち遊技領域8a内に打ち込まれた遊技球数よりも各入賞口22,24,26,28a,30b,31bへの入賞球数の合計の方が多い状態)等の危険度の高い状態が発生していないかのチェックを行う。異常状態を検知した場合、主制御CPU72は、遊技場のホールコンピュータに対してはセキュリティ信号の出力により、また、演出制御装置124に対しては所定の演出制御コマンドの送信により、異常が発生したことを報知する。
ステップS222:主制御CPU72は、入賞口スイッチ処理を実行する。この処理では、先のポート入力処理(ステップS206)において各種スイッチ80,81,82,84,85,86から入力された入賞検出信号に基づき格納した各入力ポートオン検出フラグがONの場合に、それぞれの対象となる賞球制御カウンタを1加算して更新する。
ステップS224:主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。詳細なフローは図示していないが、この処理では、主制御CPU72はまず払出コマンドバッファが空でないか(送信すべき払出コマンドがセットされているか)否かを確認し、空でない(払出コマンドがセットされている)場合は、払出コマンドバッファに出力された各種払出コマンドを払出制御装置92に対して送信する。例えば、電源投入時の起動モードを示す払出コマンドは、CPU初期化処理の過程でセットされ(図1008中のステップS118、ステップS124)、払出コマンドバッファに出力される(図1008中のステップS126)が、この起動モードを示す払出コマンドがここで送信される。一方、払出コマンドバッファが空である場合は、賞球の払い出しを指示するための処理に進む。主制御CPU72は賞球制御カウンタが0でないか否かを確認し、賞球制御カウンタが0でない場合は、このカウンタに対応する賞球個数を指示する賞球指定の払出コマンドを払出制御装置92に対して送信する。より具体的には、前ステップS222において更新された各賞球制御カウンタに対応する賞球指定の払出コマンドがここで送信される。なお、払出コマンドの送信は、払出制御装置92から主制御装置70に対し払出コマンド許可信号が入力されており、かつ、送信データレジスタ(送信FIFO)にセットされている払出コマンドの数が所定数未満である場合(より具体的には、前回以前に実行されたステップS224において送信FIFOにセットされた払出コマンドが送信済みであるか、又は、現在送信中であって送信FIFOに空きがある場合)にのみ実行される。
また、特に電源投入時のステップS224においては、CPU初期化処理の過程でセットされた払出コマンドが正常に送信された場合、主制御CPU72はこれを契機として発射許可信号をオンにする。具体的には、主制御CPU72は電源投入時に出力した払出コマンドバッファをクリアするとともに、出力ポートの特定ビットをセットすることで発射許可信号をオンにする(特定出力情報セット手段)。これにより電源投入後の正常動作を確認した上で遊技球の発射が許可され、この発射許可信号が払出制御装置92を介して発射制御基板108に送られることにより、遊技球の発射が可能な状態となる。
また、主制御CPU72は、賞球払出処理において、演出制御装置124に対して賞球個数の内容を伝達する賞球内容コマンドを出力する。第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31に対応する第1カウントスイッチ84又は第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力された場合、第1利益(遊技球15個分)に対応する賞球内容コマンドを生成する。また、普通入賞口24に対応する第2入賞口スイッチ81から入賞検出信号が入力された場合、第2利益(遊技球10個分)に対応する賞球内容コマンドを生成する。賞球内容コマンドは、後述するポート出力処理(ステップS236)において演出制御装置124に送信される。
〔賞球数及び獲得遊技球数について〕
第1特別図柄の始動口の賞球数及び第2特別図柄の始動口の賞球数は、それぞれ1個以上の規定数に設定されている。また、第1特別図柄の始動口と第2特別図柄の始動口とでは、賞球数を異ならせてもよい。さらに、特別図柄の当選確率や、総獲得遊技球数の期待値(初当りから時間短縮状態が終了するまでの一連の期間に得られる平均出球数)に基づいて、最低賞球数を設定してもよい。さらにまた、特別図柄の当選確率、総獲得遊技球数の期待値、大入賞口の開放回数、大入賞口の開放時間、大入賞口の最大入賞数、大入賞口の賞球数が所定の条件を満たした場合、1回の大当りによる獲得遊技球数が最大の獲得遊技球数の1/4未満となる大当りを設定してもよい。
ステップS226:主制御CPU72は、発射位置指定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず発射位置指定フラグを前回発射位置指定フラグにセットしてから発射位置指定フラグをクリアする。その上で、主制御CPU72は、可変入賞装置が作動中であるか又は時間短縮機能が作動中であれば発射位置指定フラグをONにし、さらに発射位置指定フラグと前回発射位置指定フラグが一致しなければ発射位置指定コマンドを生成する。生成された発射位置指定コマンドは、メインループ内で実行される演出コマンド送信処理(図1009中のステップS142)において演出制御装置124に送信される。
ステップS228:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」~「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」~「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」~「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS230:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、発射位置指定、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS232:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を管理する上で必要となる処理を行う。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS216)や普通図柄遊技処理(ステップS218)において決定された図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等に対応する態様で各ランプを点灯させるための駆動信号を、バイトデータとして各コモン用のポート出力要求バッファに格納する。
なお、ここで各コモン用のポート出力要求バッファに格納されたバイトデータは、タイマ割込処理が発生する毎にダイナミックポート出力処理(ステップS204)において1コモンずつ順繰りに出力ポートに格納されてポート出力される。例えば、次回に実行されるタイマ割込処理ではコモン1用として格納されたバイトデータがポート出力され、次々回に実行されるタイマ割込処理ではコモン2用として格納されたバイトデータがポート出力される、という具合に各コモン用のポート出力要求バッファに格納されたバイトデータが1つずつ順番に処理されていく。これにより、所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)を構成する各ランプがコモン単位で順繰りに駆動され、ダイナミック点灯方式により点灯制御されることになる。
ステップS234:また、主制御CPU72は、ソレノイド出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び確変領域用ソレノイド99の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力要求バッファに格納する。
ステップS236:主制御CPU72は、ポート出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は各出力バッファ(ポート出力要求バッファ)に値が格納されているかを確認し、値が格納されている場合はポート出力する。例えば、前ステップS234でポート出力要求バッファに格納された各ソレノイド88,90,97,99の各駆動信号をポート出力する。この場合、各駆動信号が対応する各ソレノイド88,90,97,99に送信され、各ソレノイドに駆動信号に応じた動作をさせることが可能となる。
なお、本実施形態では、ステップS216~ステップS236の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理の一部として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS238:制御CPU72は、ステップS200で退避させたHL,DE,BC,AFレジスタの値を各レジスタに復帰させ、タイマ割込処理を終了してCPU初期化処理のメインループ(図1009)に復帰する。
〔割込コントローラによる割込管理〕
以上に説明したように、主制御装置70においては、メイン制御プログラムであるCPU初期化処理(図1008)の実行中に、XINT割込(電源断時退避処理(図1010)の元となるパラレルI/Oポート79により出力される割込要求)、SCU割込(コマンド受信割込処理(図1011)の元となるシリアル通信回路196により出力される割込要求)、PTC割込(タイマ割込処理(図1012)の元となるタイマ回路194により出力される割込要求)が発生しうる。これらの割込要求は、主制御装置70に実装された割込コントローラ192によって管理/制御される。割込コントローラ192は、主制御CPU72の割込許可命令(EI命令)により割込要求の受付を許可し、割込禁止命令(DI命令)により割込要求の受付を禁止する、いわゆるマスカブル割込の制御を行っている。
XINT割込、SCU割込、PTC割込は、いずれも相互依存性のない独立した発生要因に基づいて生じるため、複数の割込要求が同時期に発生する場合も当然に考えられる。そこで、割込コントローラ192は、割込処理の重要度や処理効率等を考慮して予め定められた割込要求の優先順位に従って各割込要求を制御する。
より具体的には、割込要求(割込処理)の優先順位は割込ベクタテーブルに定義されており、XINT割込(電源断時退避処理)の優先度が最も低く、SCU割込(コマンド受信割込処理)の優先度が最も高く設定されている。割込ベクタテーブルの設定がCPU初期化処理の序盤(図1008中のステップS102)になされることにより、割込コントローラ192はこれ以降のタイミングで発生する割込要求の優先制御を行うことができる。実際には、CPU初期化処理がメインループ(図1009中のステップS136~S146)に遷移した後、割込が許可されてから(図1009中のステップS144)割込が禁止されるまで(図1009中のステップS136)の間にいずれかの割込要求が発生すると、割込コントローラ192は受け付けた割込要求を割込ベクタテーブルに設定された優先順位に基づいて制御する。例えば、XINT割込とPTC割込を同時に受け付けた場合、より優先度の高いPTC割込(タイマ割込処理)が先に処理される。タイマ割込処理が実行されている間、XINT割込は割込待ち状態となり、タイマ割込処理が終了した後で電源断時退避処理が実行される。
また、各割込み処理の手順例を改めて確認してみると、電源断時退避処理(図1010)及びコマンド受信割込処理(図1011)においては、それぞれの割込処理から復帰する直前(RETI命令を実行する直前)にはじめて割込が許可されるのに対し(図1010中のステップS152、図1011中のステップS188)、タイマ割込処理(図1012)においては、割込処理の序盤に割込が許可され(図1012中のステップS202)、その後で主要なステップが実行される。つまり、割込コントローラ192(主制御CPU72)は、電源断時退避処理及びコマンド受信割込処理の実行中には多重割込の実行を禁止する一方、タイマ割込処理の実行中には多重割込の実行を許可している。
このようにして優先順位に基づく割込要求の制御を行うことにより、割込コントローラ192は主制御装置70における多重割込の実行を可能としている。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図1013は、スイッチ入力イベント処理(図1012中のステップS214)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する中始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の第1大入賞口に対応する第1カウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS20に進んで第1大入賞口カウント処理を実行する。第1大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの第1可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS21aに進む。
ステップS21a:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の第2大入賞口に対応する第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS21bに進んで第2大入賞口カウント処理を実行する。第2大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に第2可変入賞装置31への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS24に進んで普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また、主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして、主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS26に進む。
ステップS26:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の内部に設けられた確変領域に対応する確変領域スイッチ95から検出信号が入力されたか否かを確認する。この検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS28に進んで確変領域通過時処理を実行する。確変領域通過時処理として、主制御CPU72は、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする処理を実行する(高確率状態移行手段、確率変動機能作動手段、有利遊技状態移行手段、特別状態移行手段)。この確率変動機能作動フラグは、大当り遊技の終了後、当選の結果が得られずに特別図柄が所定回数(170回)変動するとリセットされる。また、確変領域通過時処理として、主制御CPU72は、確変領域通過コマンドを生成する。確変領域通過コマンドは、メインループ内で実行される演出コマンド送信処理(図1009中のステップS142)において演出制御装置124に送信される。なお、主制御CPU72は、特定の有効時間内(例えば、大当り遊技中に確変領域用ソレノイド99を作動させている時間内)に限って確変領域通過時処理を実行することにしてもよい。一方、検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はタイマ割込処理(図1012)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図1014は、第1特別図柄記憶更新処理(図1013中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。ここで、RAM76の乱数記憶領域は、第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する8つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図1013)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図1012中のステップS232)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして、主制御CPU72は、乱数回路75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第1抽選要素取得手段、抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数回路75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、要素取得手段)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして、主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(記憶手段、抽選要素記憶手段)。複数のセクションには順番(例えば第1~第4)が設定されており、現段階で第1~第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2~第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の特別遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37,S38を実行する。大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37,S38をスキップしてステップS38aに進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS37:大当り中以外の場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS32~S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。なお、具体的な処理の内容については別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS38:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS38a:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」~「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」~「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」~「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」~「04H」となったことを表している。なお、先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS39:そして、主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである。
そして、以上の処理を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図1013)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
次に図1015は、第2特別図柄記憶更新処理(図1013中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば4とする)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図1013)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図1014)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図1012中のステップS232)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして、主制御CPU72は、乱数回路75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第2抽選要素取得手段、抽選要素取得手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図1014)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図1014)と同様である。
ステップS44:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、要素取得手段)。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図1014)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第2特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(記憶手段)。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図1014)と同様である。
ステップS45a:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。そして、大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS46,S47を実行する。逆に大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS46,S47をスキップしてステップS48に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、同じく大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS46:大当り中以外である場合(ステップS45a:No)、次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS42~S44でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS47:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS46)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS48:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」~「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお、先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS49:そして、主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して特図先判定演出コマンドや作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置124に対して送信する準備が行われる。
そして、以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図1013)に復帰する。
〔取得時演出判定処理〕
図1016は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理及び第2特別図柄記憶更新処理(図1014中のステップS37,図1015中のステップS46)においてこの取得時演出判定処理を実行する(事前判定手段)。上述したように、この処理は第1特別図柄(中始動入賞口26への入球時)、第2特別図柄(可変始動入賞装置28への入球時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンド(先判定情報)の下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(図1014中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図1015中のステップS45)でRAM76に記憶されているものである。
ステップS54:そして、主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段、事前判定手段)。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお、比較値(下限値)は、パチンコ機1における内部抽選の当選確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS80に進む。
ステップS80:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段)。この処理では、主制御CPU72は、はずれ時の変動時間について変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、特に「時間短縮機能」の作動時における変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。例えば、現在の状態が「時間短縮機能」の作動時であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものである場合、主制御CPU72は「時短中非短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。なお、リーチ変動の場合はさらに、リーチモード乱数から「リーチグループ(リーチの種類)」をも判断し、その結果から変動パターン先判定コマンドを生成することとしてもよい。一方、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「時短中短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。あるいは、現在の状態が「時間短縮機能」の非作動時(低確率状態)であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものである場合、主制御CPU72は「通常はずれリーチ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。一方、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「通常はずれ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。なお、この処理において、主制御CPU72は、小当り時の変動パターンについて、上述したはずれ時の処理と同様に変動パターン先判定コマンドを生成していてもよい。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は取得時演出判定処理を終了し、呼び出し元の第1特別図柄記憶更新処理(図1014)又は第2特別図柄記憶更新処理(図1015)に復帰する。一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS56に進む。
ステップS56:主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされているか否かを確認する。先判定結果による確率状態予定フラグは、未だ変動は開始されていないが、これまで記憶されている大当り決定乱数の中に当選値がある場合にセットされるものである。具体的には、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合、これと組になる大当り図柄乱数が「確変領域通過可能図柄(12ラウンド通常図柄以外のいずれかの確変図柄)」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「A0H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、高確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。一方、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合であって、これと組になる大当り図柄乱数が「非確変(通常)図柄」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「01H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、通常(低)確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。なお、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値が未だ存在しなければ、フラグ値はリセット(00H)されている。また、確率状態予定フラグの値は、例えばRAM76のフラグ領域に格納されている。なお、ここでは「確率状態予定フラグ」を用いて厳密に事前の当り判定を行う例を挙げているが、単純に現在の確率状態に基づいて事前の当り判定を行う場合、このステップS56と以降のステップS58,ステップS60,ステップS62,ステップS76等を省略してもよい。
主制御CPU72は、未だ確率状態予定フラグがセットされていなければ(ステップS56:No)、次にステップS66を実行する。
ステップS66:この場合、主制御CPU72は次に低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。なお、低確率時用比較値もまた、パチンコ機1における低確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
ステップS68:次に主制御CPU72は、「現在の確率状態フラグ」をロードする。この確率状態フラグは、現在の内部状態が高確率(確変中)であるか否かを表すものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。現在の確率状態が高確率(確変中)であれば、状態フラグとして値「01H」がセットされており、低確率(通常中)であれば、状態フラグの値はリセットされている(「00H」)。
ステップS70:そして、主制御CPU72は、ロードした現在の特別図柄確率状態フラグが高確率を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行する。
ステップS64:主制御CPU72は、高確率時用比較値をセットする。これにより、先のステップS66でセットされた低確率時用比較値が書き換えられることになる。なお、高確率時用比較値は、パチンコ機1における高確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが未だセットされていない場合であって、現在の内部状態が高確率の場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72を実行することになる。これに対し、先のステップS70で現在の確率状態フラグが高確率を表すものでないことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72を実行する。
ステップS72:主制御CPU72は、先のステップS52でロードした乱数が当り値の範囲外であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段)。すなわち、主制御CPU72は状態別でセットした比較値から大当り決定乱数値を減算する。そして、主制御CPU72は、同様にフラグレジスタの値から演算結果が負の値(<0)であるか否かを判別し、その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理(ステップS80)を実行する。これに対し、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
ステップS74:主制御CPU72は、大当り図柄種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(図1014中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図1015中のステップS45)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、ステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果から大当り種別として「確変領域通過困難図柄(12ラウンド通常図柄)」又は「確変領域通過可能図柄」のいずれに該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS76に進む。
ステップS76:そして、主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグの値をセットする。具体的には、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値が「確変領域通過困難図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「01H」をセットする。一方、特別図柄先判定値が「確変領域通過可能図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「A0H」をセットする。これにより、次回以降の処理ではステップS56において「フラグセット済み」と判定されることになる。
ステップS78:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットする。特別図柄先判定値は、例えば「確変領域通過困難図柄」に該当する場合は「01H」がセットされ、「確変領域通過可能図柄」に該当する場合は「A0H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
ステップS79:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り時の変動時間について、上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、例えば大当り時のリーチ変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされる前(内部初当り前)における手順である。これに対し、先のステップS76を経て確率状態予定フラグがセットされた場合、以下の手順が実行される。ただし、現在の確率状態だけで事前の当り判定を行う場合、以下のステップS56,ステップS58,ステップS60,ステップS62、及びステップS76を実行する必要はない。
ステップS56:主制御CPU72は、既に確率状態予定フラグに値がセットされていることを確認すると(Yes)、次にステップS58を実行する。
ステップS58:主制御CPU72は、先ず低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。
ステップS60:次に主制御CPU72は、「確率状態予定フラグ」をロードする。確率状態予定フラグは、直前の先判定結果に基づきそれ以降の先判定において確率状態を予定的に設定するためのものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。直前の先判定結果に基づく確率状態が高確率(確変)に移行する予定であれば、確率状態予定フラグの値として「A0H」がセットされており、逆に直前の先判定結果に基づく確率状態が低確率(通常)に戻る予定であれば、確率状態予定フラグの値として「01H」がセットされている。
ステップS62:そして、主制御CPU72は、ロードした確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率の予定を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行し、高確率時用比較値をセットする。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが既にセットされており、その値が高確率を予定するものである場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72以降を実行することになる。これに対し、先のステップS62で確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでなく、通常(低)確率の予定を表すものであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72以降を実行する。これにより本実施形態では、先判定結果に基づくその後の内部状態の変化(通常確率状態→高確率状態、高確率状態→通常確率状態)を考慮した上で、事前の大当り判定を行うことができる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(図1014)又は第2特別図柄記憶更新処理(図1015)に復帰する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、タイマ割込処理(図1012)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図1017は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、大当り時可変入賞装置管理処理(ステップS5000)、小当り時可変入賞装置管理処理(ステップS6000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000~ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番~7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:大当り時可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において大当りの態様で特別図柄が停止表示された場合に選択される。特別図柄が大当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生する。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が大当り時可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。大当り時可変入賞装置管理処理においては、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97が一定時間(例えば29秒間若しくは0.1秒間又は10個の遊技球の入球をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば16回等)にわたって励磁され、これにより第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31が決まったパターンで開閉動作する。この間に第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で16回あれば、これらを「16ラウンド」と総称することがある。
本実施形態では、1ラウンド目から5ラウンド目まで、及び、7ラウンド目から16ラウンド目までは第1可変入賞装置30を開閉動作させ、6ラウンド目では第2可変入賞装置31を開閉動作させている。
また、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また、主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出コマンド送信処理(図1009中のステップS142)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ、時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる(高確率時間短縮状態移行手段、有利遊技状態移行手段、特別状態移行手段)。「高確率状態」では確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常よりも例えば10倍程度に高くなる(特定遊技状態移行手段、高確率状態移行手段、高確率状態設定手段)。また、「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、普通図柄の作動抽選が高確率になり、また、普通図柄の変動時間が短縮されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長されて開放回数が増加する(いわゆる電チューサポートが行われる)。なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については、制御上でいずれか一方だけに移行する場合もあれば、これら両方に合わせて移行する場合もある。
ステップS6000:小当り時可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において小当りの態様で特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から小当り遊技状態に移行する契機が発生する。小当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が小当り時可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。小当り遊技においては、第1可変入賞装置30が所定の開放時間(例えば、0.1秒)で所定回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、第1大入賞口への入賞はほとんど発生しない。
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、複数の当選種類として、以下の当選種類が設けられている。
(1)「6ラウンド確変大当り1」
(2)「6ラウンド確変大当り2」
(3)「12ラウンド確変大当り1(実質4ラウンド)」
(4)「12ラウンド確変大当り2(実質9ラウンド)」
(5)「12ラウンド通常大当り(実質9ラウンド)」
(6)「16ラウンド確変大当り」
なお、本実施形態において、6ラウンド、12ラウンド、16ラウンド以外の大当りが設けられていてもよい。
当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「6ラウンド確変大当り1」は「6ラウンド確変図柄1」の大当りに対応し、「6ラウンド確変大当り2」は「6ラウンド確変図柄2」の大当りに対応する。また、「12ラウンド確変大当り1」は「12ラウンド確変図柄1」の大当りに対応し、「12ラウンド確変大当り2」は「12ラウンド確変図柄2」の大当りに対応する。さらに、「12ラウンド通常大当り」は「12ラウンド通常図柄」の大当りに対応し、「16ラウンド確変大当り」は「16ラウンド確変図柄」の大当りに対応する。このため以下では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔可変入賞装置の開放動作パターン〕
図1018は、可変入賞装置の開放動作パターンを示す図である。各当選図柄に対応する大入賞口及び確変領域の開放について内容を説明する。
〔6ラウンド確変図柄1〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「6ラウンド確変図柄1」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から5ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。また、6ラウンド目では、第2可変入賞装置31の第2大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。このため、「6ラウンド確変図柄1」の大当り遊技は、実質的に6ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
ここで、「6ラウンド確変図柄1」に該当した場合の6ラウンド目では、第2大入賞口がロング開放するため、遊技球は確変領域を通過する可能性がある。このため、「6ラウンド確変図柄1」に該当した場合であって、6ラウンド目に第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
さらに、「6ラウンド確変図柄1」に該当した場合は、確変領域の通過の有無に関わらず、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔6ラウンド確変図柄2〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「6ラウンド確変図柄2」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から5ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。また、6ラウンド目では、第2可変入賞装置31の第2大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。このため、「6ラウンド確変図柄2」の大当り遊技は、実質的に6ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
ここで、「6ラウンド確変図柄2」に該当した場合の6ラウンド目では、第2大入賞口がロング開放するため、遊技球は確変領域を通過する可能性がある。このため、「6ラウンド確変図柄2」に該当した場合であって、6ラウンド目に第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
さらに、「6ラウンド確変図柄2」に該当した場合は、確変領域の通過の有無に関わらず、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。なお、「6ラウンド確変図柄1」と「6ラウンド確変図柄2」との相違点は付与される時短回数の違いである(詳細は後述する)。
〔12ラウンド確変図柄1〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「12ラウンド確変図柄1」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目及び2ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がショート開放する(例えば0.1秒開放)。このため、「12ラウンド確変図柄1」に該当した場合の1ラウンド目及び2ラウンド目では、実質的な出玉(賞球)を遊技者に付与することなく終了する。また、3ラウンド目から5ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。また、6ラウンド目では、第2可変入賞装置31の第2大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。さらに、7ラウンド目から12ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がショート開放する(例えば0.1秒開放)。このため、「12ラウンド確変図柄1」に該当した場合の7ラウンド目から12ラウンド目では、実質的な出玉(賞球)を遊技者に付与することなく終了する。このため、「12ラウンド確変図柄1」の大当り遊技は、実質的に4ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
ここで、「12ラウンド確変図柄1」に該当した場合の6ラウンド目では、第2大入賞口がロング開放するため、遊技球は確変領域を通過する可能性がある。このため、「12ラウンド確変図柄1」に該当した場合であって、6ラウンド目に第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
さらに、「12ラウンド確変図柄1」に該当した場合は、確変領域の通過の有無に関わらず、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔12ラウンド確変図柄2〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「12ラウンド確変図柄2」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から5ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。また、6ラウンド目では、第2可変入賞装置31の第2大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。さらに、7ラウンド目から9ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。さらに、10ラウンド目から12ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がショート開放する(例えば0.1秒開放)。このため、「12ラウンド確変図柄2」に該当した場合の10ラウンド目から12ラウンド目では、実質的な出玉(賞球)を遊技者に付与することなく終了する。このため、「12ラウンド確変図柄2」の大当り遊技は、実質的に9ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
ここで、「12ラウンド確変図柄2」に該当した場合の6ラウンド目では、第2大入賞口がロング開放するため、遊技球は確変領域を通過する可能性がある。このため、「12ラウンド確変図柄2」に該当した場合であって、6ラウンド目に第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
さらに、「12ラウンド確変図柄2」に該当した場合は、確変領域の通過の有無に関わらず、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔12ラウンド通常図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「12ラウンド通常図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から5ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。また、6ラウンド目では、第2可変入賞装置31の第2大入賞口がショート開放する(例えば0.1秒開放)。さらに、7ラウンド目から10ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。さらに、10ラウンド目及び11ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がショート開放する(例えば0.1秒開放)。このため、「12ラウンド通常図柄」に該当した場合の10ラウンド目及び11ラウンド目では、実質的な出玉(賞球)を遊技者に付与することなく終了する。このため、「12ラウンド通常図柄」の大当り遊技は、実質的に9ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
ここで、「12ラウンド通常図柄」に該当した場合の6ラウンド目では、第2大入賞口がショート開放するため、遊技球が確変領域を通過することは困難(不可能)である。このため、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されることはなく、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与されることもない。
また、「12ラウンド通常図柄」に該当した場合は、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔16ラウンド確変図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「16ラウンド確変図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から5ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。また、6ラウンド目では、第2可変入賞装置31の第2大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。さらに、7ラウンド目から16ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。このため、「16ラウンド確変図柄」の大当り遊技は、実質的に16ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
ここで、「16ラウンド確変図柄」に該当した場合の6ラウンド目では、第2大入賞口がロング開放するため、遊技球は確変領域を通過する可能性がある。このため、「16ラウンド確変図柄」に該当した場合であって、6ラウンド目に第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
さらに、「16ラウンド確変図柄」に該当した場合は、確変領域の通過の有無に関わらず、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
ここで、第1可変入賞装置30の第1大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される。また、第2可変入賞装置31の第2大入賞口も同様に、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される。
いずれにしても、当選図柄が「12ラウンド通常図柄以外のいずれかの確変図柄」に該当し、かつ、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過すると、大当り遊技終了後に内部状態を「高確率時間短縮状態」に移行させる特典が遊技者に付与される。一方、当選図柄が「12ラウンド通常図柄」に該当すると、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過することは困難であるため、大当り遊技終了後に内部状態は「低確率時間短縮状態」に移行する。なお、当選図柄が「12ラウンド通常図柄以外のいずれかの確変図柄」に該当しても、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなければ、大当り遊技終了後に内部状態は「低確率時間短縮状態」に移行する。
また、本テーブルに示す動作パターンにおいては、ラウンド間インターバル時間は共通の「1.5秒」となっている。なお、ラウンド間インターバル時間とは、ラウンドとラウンドとの間に設定される待機時間のことである。
〔小当り〕
また、本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当り遊技が行われて第1可変入賞装置30が開閉動作する(特例遊技実行手段)。すなわち、先の特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、低確率状態又は高確率状態の中で小当り遊技(第1可変入賞装置30が作動する遊技)が実行される。このような小当り遊技では第1可変入賞装置30が所定回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、第1大入賞口への入賞はほとんど発生しない。また、小当り遊技が終了しても、「確率変動機能」が作動することはなく、また、「時間短縮機能」が作動することもないので、「高確率状態」や「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。また、「高確率状態」で小当りに当選しても、その小当り遊技終了後に「高確率状態」が終了することはないし、「時間短縮状態」で小当りに当選しても、その小当り遊技終了後に「時間短縮状態」が終了することもない(上限回数に達した場合を除く。)。なお、本実施形態では、小当りを設定する遊技仕様としているが、小当りを設定しない遊技仕様とすることもできる。
〔特別図柄変動前処理〕
図1019は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、演出コマンド送信処理(図1009中のステップS142)において演出制御装置124に送信される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお、復帰時は、上述したように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)のうち、第2特別図柄に対応する方を優先的に読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。第2特別図柄に対応する乱数が記憶されていない場合、主制御CPU72は第1特別図柄に対応する乱数を読み出して一時記憶領域に保存する。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。その結果、本実施形態では第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示が優先的に行われることになる。なお、このような特別図柄別の優先順位を設けることなく、単純に記憶された順番で乱数が読み出されるプログラムであってもよい。また、この処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち、乱数のシフトを行った方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、表示出力管理処理(図1012中のステップS232)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(図柄抽選実行手段)。このとき設定される大当り値の範囲は、低確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なり、高確率状態では低確率状態よりも大当り値の範囲が約2倍程度(2倍~10倍程度でもよい)に拡大される。また、大当り値の範囲は、現在の設定値によっても異なり、低設定の場合よりも高設定の場合の方が大当り値の範囲が広く設定される。このようにして、現在の設定値に対応した当選確率により特別図柄抽選(所定の抽選)が実行される。そして、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(図柄抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は「高確率状態」や「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。ただし「小当り」は、「大当り」と同様に第1可変入賞装置30を作動させる条件を満たすものとして位置付けられている。なお、このとき設定される小当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なっていてもよいし、同じでもよい。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出コマンド送信処理(図1009中のステップS142)において演出制御装置124に送信される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「-」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン選択手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。はずれ時の変動時間は、「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。「時間短縮状態」であれば、基本的にリーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は短縮された時間(例えば、2.0秒程度)に設定される(短縮時変動時間決定手段)。また、「時間短縮状態」でなくとも、リーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個~3個)」に基づいて短縮される場合がある(例えば、変動表示開始時作動記憶数0個→12.5秒程度、変動表示開始時作動記憶数1個→8秒程度、変動表示開始時作動記憶数2個→5秒程度、変動表示開始時作動記憶数3個→2.5秒程度)。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
本実施形態では、内部抽選の結果、非当選に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させてはずれとしたり、「リーチ演出」を発生させずにはずれとしたりする制御を行うこととしている。そして、「はずれ時変動パターン選択テーブル」には、予め複数種類の演出、例えば「非リーチ演出」、「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、非当選に該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出、ストーリーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。
〔はずれ時変動パターン選択テーブルの例〕
図1020は、はずれ時変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。
この選択テーブルは、はずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「1」~「8」が割り当てられている。
変動パターン番号「1」~「3」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「4」~「8」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。このうち、変動パターン番号「4」~「6」は、ノーマルリーチ後にはずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「7」は、スーパーリーチ後にはずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「8」は、ストーリーリーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。なお、変動パターン選択テーブルは、変動開始時作動記憶数や内部状態(低確率状態又は高確率状態、非時間短縮状態又は時間短縮状態)、当選図柄に応じて異なるテーブル内容としてもよい(以下、同様)。
ここで、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンでは、設定される変動時間の長さが大きく異なっている。すなわち、「非リーチ変動パターン」は基本的に短い変動時間(例えば作動記憶数に応じて2.0秒~13.0秒程度)に対応するものであるのに対し、「リーチ変動パターン」はその倍以上の長い変動時間(例えば30秒~150秒程度)に対応するものである。
そして、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「2」を選択する。
〔図1019:特別図柄変動前処理を参照〕
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、大きく分けて6種類の当選図柄が用意されている。6種類の内訳は、「6ラウンド確変図柄1」、「6ラウンド確変図柄2」、「12ラウンド確変図柄1」、「12ラウンド確変図柄2」、「12ラウンド通常図柄」、「16ラウンド確変図柄」である。なお、各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば「6ラウンド確変図柄1」であれば、「6ラウンド確変図柄1a」、「6ラウンド確変図柄1b」、「6ラウンド確変図柄1c」、・・・といった具合である。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の選択比率が異なっている。このため主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであるか、第2特別図柄に対応するものであるかによって選択する当選図柄を区別している。
〔第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図1021は、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、この第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「38」,「10」,「50」,「2」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「12ラウンド確変図柄1(実質4ラウンド)」、「12ラウンド確変図柄2(実質9ラウンド)」、「12ラウンド通常図柄(実質9ラウンド)」、「16ラウンド確変図柄」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する大当り時には、「12ラウンド確変図柄1(実質4ラウンド)」が選択される割合は100分の38(=38%)であり、「12ラウンド確変図柄2(実質9ラウンド)」が選択される割合は100分の10(=10%)であり、「12ラウンド通常大当り(実質9ラウンド)」が選択される割合は100分の50(=50%)であり、「16ラウンド確変大当り(最大ラウンド)」が選択される割合は100分の2(=2%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。
いずれにしても、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」,「02H」,「03H」,「04H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「12ラウンド確変図柄1」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔確変回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右から2番目のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される確変回数(ST回数)の値が示されている。
本実施形態では、「12ラウンド確変図柄1」、「12ラウンド確変図柄2」又は「16ラウンド確変図柄」のいずれかに該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、確変回数は170回付与される。
一方、「12ラウンド通常図柄」に該当した場合、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過することは困難となっているため、確変回数は付与されない。なお、「12ラウンド確変図柄1」、「12ラウンド確変図柄2」又は「16ラウンド確変図柄」のいずれかに該当したものの、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、確変回数は付与されない。
〔時短回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右カラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数(限度回数)の値が示されている。
本実施形態では、「12ラウンド確変図柄1」、「12ラウンド確変図柄2」又は「16ラウンド確変図柄」のいずれかに該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、時短回数は170回付与される。
一方、「12ラウンド通常図柄」に該当した場合、時短回数は100回付与される。
なお、「12ラウンド確変図柄1」、「12ラウンド確変図柄2」又は「16ラウンド確変図柄」のいずれかに該当したものの、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、時短回数は100回付与される。あるいは、確変領域不通過の場合に確変回数は付与されないが、時短回数は170回付与されることとしてもよい。
〔第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図1022は、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、この第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「60」,「20」,「20」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、振分値に対応する「16ラウンド確変図柄」、「6ラウンド確変図柄1」、「6ラウンド確変図柄2」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する大当り時においては、「16ラウンド確変図柄」が選択される割合は100分の60(=60%)であり、「6ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の20(=20%)であり、「6ラウンド確変図柄2」が選択される割合は100分の20(=20%)である。
今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、MODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」,「02H」,「03H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「16ラウンド確変図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔確変回数〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右から2番目のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される確変回数(ST回数)の値が示されている。
本実施形態では、「16ラウンド確変図柄」、「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、確変回数は170回付与される。なお、「16ラウンド確変図柄」、「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」に該当したものの、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、確変回数は付与されない。
〔時短回数〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右カラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数(限度回数)の値が示されている。
本実施形態では、「16ラウンド確変図柄」又は「6ラウンド確変図柄1」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、時短回数は170回付与される。
一方、「6ラウンド確変図柄2」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、時短回数は100回付与される。
なお、「16ラウンド確変図柄」、「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」に該当したものの、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、時短回数は100回付与される。あるいは、確変領域不通過の場合に確変回数は付与されないが、時短回数は170回付与されることとしてもよい。
〔図1019:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
本実施形態では、内部抽選の結果、大当りに該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させて大当りとする制御を行っている。そして、「大当り時変動パターン選択テーブル」には、複数種類の「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、大当りに該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。
ここで、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。また、時間短縮機能が作動している状態での当選時には、長い変動時間を有する変動パターンを選択せずに、短い変動時間を有する変動パターン(リーチ演出を行わない変動パターン)を選択してもよい。
〔大当り時変動パターン選択テーブルの例〕
図1023は、大当り時変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。
この選択テーブルは、大当り時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「61」~「68」が割り当てられている。
変動パターン番号「61」~「68」は、いずれもリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応している。このうち、変動パターン番号「61」~「64」は、ストーリーリーチ後に当りとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「65」,「66」は、スーパーリーチ後に当りとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「67」,「68」は、ノーマルリーチ後に当りとなる変動パターンに対応している。あるいは、変動パターン番号「67」,「68」についても、スーパーリーチ後に当りとなる変動パターンやストーリーリーチ後に当りとなる変動パターンに対応していることとしてもよい。なお、高確率時間短縮状態での当選時には、リーチ演出を実行せずに当りとなる変動パターンを設定してもよい。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「62」を選択する。
〔図1019:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)がいずれの当選図柄であっても、遊技状態フラグとして時間短縮機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段、有利遊技状態移行手段、特別状態移行手段)。
また、ステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時特別図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお、本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では、小当り時の当選図柄は「1回開放小当り図柄」の1種類だけである。ただし、これ以外に例えば「2回開放小当り図柄」や「3回開放小当り図柄」等の別の種類が用意されていてもよい。内部抽選の結果としての「小当り」は、その後の状態が「高確率状態」や「時間短縮状態」に変化する契機とはならないため、この種のパチンコ機で必須となる「2ラウンド(2回開放)以上」の規定にとらわれることなく、「1回開放小当り図柄」を設けることができる。
ステップS2408:次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン選択手段)。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。なお、本実施形態では小当りの場合にリーチ変動パターンを選択することもできるし、はずれ通常変動時と同等の変動パターンを選択することもできる。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図1017:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして、主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定するとともに、確定コマンドを生成する。ここで、「確定コマンド」とは、特別図柄が停止したことを示すコマンドである。確定コマンドは、メインループ内で実行される演出コマンド送信処理(図1009中のステップS142)において演出制御装置124に送信される。
また、特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図1019中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また、主制御CPU72は、停止表示時間終了コマンドを生成する。停止表示時間終了コマンドは、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図1024は、特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動前処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」より大であった場合(図1019中のステップS2100:Yes)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:主制御CPU72は、現在ある作動記憶の中で最も古いものが第1特別図柄に対応するものであるか否かを確認する。すなわち、RAM76の記憶エリアにアクセスし、その中で最も古い作動記憶が第1特別図柄に対応するものでなく、第2特別図柄に対応するものであれば(No)、主制御CPU72は次にステップS2212に進む。
ステップS2212:主制御CPU72は、記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第2特別図柄を指定する。この指定は、例えば対象図柄指定値として「02H」をセットすることで行われる。
ステップS2214:一方、最も古い作動記憶が第1特別図柄に対応するものであった場合(ステップS2210:Yes)、主制御CPU72は記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第1特別図柄を指定する。この場合の指定は、例えば対象図柄指定値として「01H」をセットすることで行われる。
ステップS2216:ステップS2212又はステップS2214のいずれかで指定した対象の特別図柄について、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
ステップS2218:次いで主制御CPU72は、対象の特別図柄について作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、今回の記憶エリアをシフトする対象が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(-1)する。
ステップS2220:そして、主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から「変動開始時作動記憶数」を設定する。なお、ここでは第1特別図柄と第2特別図柄の両方について、作動記憶カウンタの値を加算した上で「変動開始時作動記憶数」を設定してもよい。
ステップS2222:また、主制御CPU72は、今回の記憶エリアをシフトする対象の特別図柄が第2特別図柄であるか否かを確認する。
ステップS2224:対象が第2特別図柄であった場合(ステップS2222:Yes)、主制御CPU72は第2特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」~「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。つまり、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」~「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」~「1」(コマンド表記は「13H」~「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」~「0」(コマンド表記は「12H」~「10H」)となったことを表している。なお、先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS2226:なお、今回の対象が第1特別図柄であった場合(ステップS2222:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。この場合のコマンドは、先行値が第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BBH」)となる以外は上記と同じである。
ステップS2228:そして、主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2224又はステップS2226でセットした作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図1019)に復帰する。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に図1025は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして、主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図1017中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、停止表示時間終了コマンドを生成する。停止表示時間終了コマンドは、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。なお、「停止表示時間終了コマンド」とは、特別図柄の停止表示時間が終了(経過)したことを示すコマンドである。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「大当り時可変入賞装置管理処理」に設定する。なお、主制御CPU72は、本処理にて各種機能を非作動に設定する処理を実行する。具体的には、確率変動機能を非作動とし、時間短縮機能を非作動とする。これにより、特別遊技(大役)が開始される前には、低確率非時間短縮状態に移行されることになる。
ステップS4400:そして、主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、大当り図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、大当り図柄の種類が「16ラウンド確変図柄」である場合、連続作動回数ステータスには「16ラウンド」に対応する値がセットされる。また、大当り図柄の種類が「12ラウンド確変図柄1,2」又は「12ラウンド通常図柄」である場合、連続作動回数ステータスには「12ラウンド」を表す値がセットされる。さらに、大当り図柄の種類が「6ラウンド確変図柄1,2」である場合、連続作動回数ステータスには「6ラウンド」を表す値がセットされる。そして、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4500:そして、主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の大当り時停止図柄決定処理(図1019中のステップS2410)で決定された大当り図柄の種類(停止図柄番号)に基づいて生成することができる。例えば、大当り図柄の種類が「16ラウンド確変図柄」である場合、連続作動回数コマンドは「16ラウンド」を表す値として生成される。また、大当り図柄の種類が「12ラウンド確変図柄1,2」又は「12ラウンド通常図柄」である場合、連続作動回数コマンドは「12ラウンド」を表す値として生成される。さらに、大当り図柄の種類が「6ラウンド確変図柄1,2」である場合、連続作動回数コマンドは「6ラウンド」を表す値として生成される。生成された連続作動回数コマンドは、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして、小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして小当り時可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4606:そして、主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り中)」をセットする。また、主制御CPU72は、小当り中を表す状態コマンドを生成する。小当り中を表す状態コマンドは、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「高確率状態」や「時間短縮状態」においてそれぞれのカウンタ値がRAM76の確変カウント領域、時短カウント領域にセットされている。本実施形態では、いわゆる回数切り確変の機能を採用しているため、「高確率時間短縮状態」に移行させる場合、高確率状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば170回)に設定され、時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば170回又は100回)に設定される。また、「低確率時間短縮状態」に移行させる場合、高確率状態に関する回数切りカウンタは設定されず、時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば100回)に設定される。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、回数切りカウンタ値コマンドを生成してから、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。
ステップS4640:そして、主制御CPU72は、その減算結果が0でないか否かを判断する。減算の結果、回数切りカウンタの値が0でなかった場合(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、回数切りカウンタの値が0になった場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。本実施形態では、「6ラウンド確変図柄2以外のいずれかの確変図柄」に該当して「高確率時間短縮状態」に移行させる場合、高確率状態及び時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば170回)に設定されるため、リセットされるのは、確率変動機能作動フラグ及び時間短縮機能作動フラグである。
また、6ラウンド確変図柄2に該当して「高確率時間短縮状態」に移行させる場合、高確率状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば170回)に設定され、時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば100回)に設定される。このため、100変動目が終了した時点でリセットされるのは時間短縮機能作動フラグであり、170変動目が終了した時点でリセットされるのは確率変動機能作動フラグである(有利遊技状態移行手段、特別状態移行手段)。
さらに、「低確率時間短縮状態」に移行される場合、時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば100回)に設定されるため、リセットされるのは、時間短縮機能作動フラグだけである。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態や高確率状態が終了する。以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔表示出力管理処理〕
次に図1026は、タイマ割込処理の中で実行される表示出力管理処理(図1012中のステップS232)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグの値に応じてそれぞれ確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38eの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において確率変動機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は確率変動状態表示ランプ38dに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお、確率変動状態表示ランプ38dは、特別図柄に関する大当り遊技が開始されるまで、もしくは、特別図柄の変動表示が規定回数行われた後に確率変動機能がOFFにされるまで点灯しつづけ、その後非表示に(消灯)切り替えられる。一方、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38eに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。さらに、主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスに応じて発射位置指定ランプ38fの点灯を制御する。例えば、大当り遊技又は小当り遊技により第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が作動状態となる場合、主制御CPU72は発射位置指定ランプ38fに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。また、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38eに加えて、発射位置指定ランプ38fに対応するLEDに対しても点灯信号を出力する。なお、発射位置指定ランプ38fは、大当り遊技を経て「時間短縮状態」に移行する場合、大当り遊技開始から「時間短縮状態」が終了するまで点灯し、「時間短縮状態」の終了により非点灯(OFF)となる。
また、主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38b,38cの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38b,38cのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数ステータスの値で指定された大当り図柄に対応するいずれかの表示ランプ38a,38b,38cである。例えば、連続作動回数ステータスの値が「16ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「16ラウンド(16R)」を表すランプ38cに対して点灯信号を出力する。また、連続作動回数ステータスの値が「12ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「12ラウンド(12R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。さらに、連続作動回数ステータスの値が「6ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「6ラウンド(6R)」を表すランプ38aに対して点灯信号を出力する。
〔大当り時可変入賞装置管理処理〕
次に、大当り時可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図1027は、大当り時可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。大当り時可変入賞装置管理処理は、大当り時遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、大当り時終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:大当り時遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200~ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして大当り時可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大当り時大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大当り時大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大当り時大入賞口開閉動作処理及び大当り時大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図1028は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5204:主制御CPU72は、図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は今回の該当する当選図柄に応じて大入賞口の開放パターン(ラウンドごとの開放回数及び各開放の時間)やラウンド間のインターバル時間、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)、確変領域用ソレノイド99の作動パターンを選択する。当選図柄別の大入賞口の開放パターンや確変領域用ソレノイド99の作動パターン、ラウンド間のインターバル時間については、図1018に示す大当り中の可変入賞装置の動作パターンで説明した通りである。なお、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)は基本的には10個程度であるが、極端な短時間(0.1秒程度)の開放中に入賞が発生することはほとんどない(不能ではないが極めて困難である)。
ステップS5206:主制御CPU72は、先の大当り時停止図柄決定処理(図1019中のステップS2410)で選択した大当り時の当選図柄に基づき、今回の大当り遊技における実行ラウンド数を設定する。具体的には、当選図柄として「16ラウンド確変図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を16回に設定する。また、当選図柄として「12ラウンド確変図柄1,2」又は「12ラウンド通常図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を12回に設定する。さらに、当選図柄として「6ラウンド確変図柄1,2」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を6回に設定する。ここで設定した実行ラウンド数は、プログラム上で対応する値を用いて例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5208:次に主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターン及び確変領域用ソレノイド99の作動パターンに基づき、大当り時開放タイマ及び確変領域タイマ(確変領域の開放時間をカウントするタイマ)を設定する。ここで設定したタイマの値は、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開放時間や確変領域の開放時間となる。なお、大当り時開放タイマ及び確変領域タイマの値として20.0~29.0秒程度の時間が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入球や確変領域の通過が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。一方、大当り時開放タイマ及び確変領域タイマの値として0.1秒が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入球や確変領域の通過が不能ではなくとも、ほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射制御基板セット174による遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5210:そして、主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターン及び確変領域用ソレノイド99の作動パターンに基づき、大当り時インターバルタイマ及び確変領域インターバルタイマ(確変領域を一時的に閉鎖させるための待ち時間をカウントするタイマ)を設定する。ここで設定したタイマの値は、大当り中のラウンド間での待機時間又は確変領域の一時的な閉鎖時間となる。
ステップS5212:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口開閉動作処理に設定し、大当り時可変入賞装置管理処理(図1027)に復帰する。
〔大当り時大入賞口開閉動作処理〕
図1029は、大当り時大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5301:主制御CPU72は、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認する。具体的には、以下のステップS5314で設定する大入賞口インターバルタイマが既に動作中であるか否かを確認することにより、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認することができる。
その結果、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5314を実行する。一方、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS5302を実行する。
ステップS5302:主制御CPU72は、第1大入賞口又は第2大入賞口を開放させる。具体的には、図1018に示す大当り中の可変入賞装置の動作パターンに基づいて、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。
ステップS5303:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図1028中のステップS5208)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5303a:主制御CPU72は、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認する。具体的には、以下のステップS5314で設定する確変領域インターバルタイマが既に動作中であるか否かを確認することにより、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認することができる。
その結果、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5314を実行する。一方、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS5304を実行する。
ステップS5304:主制御CPU72は、確変領域開放処理を実行する。具体的には、図1018に示す大当り中の可変入賞装置の動作パターンに基づいて、確変領域用ソレノイド99に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、確変領域用羽根部材31dが開放して、第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域へ遊技球を案内することができる状態となる。
ステップS5305:次に主制御CPU72は、確変領域タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図1028中のステップS5208)で設定した確変領域タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5306:続いて主制御CPU72は、大入賞口開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS5307aを実行する。
ステップS5307a:続いて主制御CPU72は、確変領域開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の確変領域タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72はステップS5308を実行する。
一方、確変領域タイマの値が0以下になっている場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5307bを実行する。
ステップS5307b:確変領域閉鎖処理を実行する。具体的には、確変領域用ソレノイド99に対して印加している駆動信号の出力を停止する処理を実行する。これにより、確変領域用羽根部材31dが閉鎖して、第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域へ遊技球を案内することができない状態となる。
ステップS5308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31(開放中の第1大入賞口又は第2大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第1カウントスイッチ84又は第2カウントスイッチ85から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS5310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、開放1回(大当り中の1ラウンド)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72はステップS5301~ステップS5310の手順を繰り返し実行する。
ステップS5306で大入賞口開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。
ステップS5312:主制御CPU72は、第1大入賞口又は第2大入賞口を閉鎖させる。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が開放状態から閉鎖状態に移行する。
ステップS5313:主制御CPU72は、確変領域閉鎖処理を実行する。具体的には、確変領域用ソレノイド99に対して印加している駆動信号の出力を停止する処理を実行する。これにより、確変領域用羽根部材31dが閉鎖して、第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域へ遊技球を案内することができない状態となる。
ステップS5314:次に主制御CPU72は、インターバルタイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図1028中のステップS5210)で設定した大入賞口インターバルタイマ及び確変領域インターバルタイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5315:主制御CPU72は、大入賞口インターバル時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の大入賞口インターバルタイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ大入賞口インターバルタイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理(図1027)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大当り時大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5301からジャンプして直にステップS5314を実行する。一方、カウントダウン処理後の大入賞口インターバルタイマの値が0以下になったことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5318を実行する。
ステップS5318:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5320:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、本実施形態では、このような開放パターンを採用しておらず、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがって、大当り遊技中の各ラウンドでは1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
一方、1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用している場合には、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、ステップS5301~ステップS5320までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5318で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
ステップS5322:主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口閉鎖処理に設定し、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大当り時大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大当り時大入賞口閉鎖処理〕
図1030は、大当り時大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大当り時大入賞口閉鎖処理は、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5402:主制御CPU72は、ラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1~15)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の1~15)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大当り時大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、大当り時遊技プロセス選択処理(図1027中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大当り時大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大当り時大入賞口開閉動作処理の実行後は大当り時大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大当り時大入賞口閉鎖処理を実行し、ステップS5402~ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数(9回又は16回)に達するまでの間、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を大当り時終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は大当り時終了処理が選択されることになる。
〔大当り時終了処理〕
図1031は、大当り時終了処理の手順例を示すフローチャートである。この大当り時終了処理は、大当り時の第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5501:主制御CPU72は、大当り時終了時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時終了時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
ステップS5502:次に主制御CPU72は、大当り時終了時間が経過したか否かを確認する。具体的には、大当り時終了時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は大当り時終了時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して大当り時可変入賞装置管理処理(図1027)に復帰する。
この後、時間の経過に伴って大当り時終了時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は大当り時終了時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS5503以降を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また、主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で内部状態としての大役終了を宣言する。なお、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値をリセットする。
ステップS5506:次に主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先のスイッチ入力イベント処理(図1013中のステップS28)でセットされるものである。
ステップS5508:確率変動機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5506:Yes)、主制御CPU72は確率変動回数(例えば170回)を設定する。設定した確率変動回数の値は、例えばRAM76の確変カウンタ領域に格納されて回数切りカウンタ値となる。ここで設定した確率変動回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動(内部抽選)を高確率状態で行う上限回数となる。本実施形態では、高確率状態に実質的な上限を設けているため、高確率状態で当選の結果が得られずに低確率状態に復帰する場合もある(いわゆる回数切り確変)。なお、確率変動機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5506:No)、主制御CPU72はステップS5508を実行しない。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図1019中のステップS2414)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、時間短縮機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時短回数(例えば100回又は170回)を設定する。ここで、いずれの時短回数を設定するかについては、確率変動機能作動フラグの値に左右される。すなわち、主制御CPU72は確率変動機能作動フラグの値がセットされていれば時短回数として170回を設定し(高確率時間短縮状態移行手段、有利遊技状態移行手段)、確率変動機能作動フラグの値がセットされてなければ時短回数として100回を設定する(低確率時間短縮状態移行手段、有利遊技状態移行手段)。ただし、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグの値がセットされていたとしても、当選図柄が6ラウンド確変図柄2に該当している場合には、時短回数として100回を設定する(有利遊技状態移行手段、特別状態移行手段)。設定した時短回数の値は、RAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時短回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。なお、時間短縮機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512を実行しない。
ステップS5514:そして、主制御CPU72は、各種のフラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、確率変動機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「高確率中」を表す状態指定コマンドを生成し、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出コマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS5516:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図1017中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔小当り時可変入賞装置管理処理〕
次に、小当り時可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図1032は、小当り時可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。小当り時可変入賞装置管理処理は、小当り時遊技プロセス選択処理(ステップS6100)、小当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS6200)、小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)、小当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS6400)、小当り時終了処理(ステップS6500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS6100:小当り時遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS6200~ステップS6500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして小当り時可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS6200)を選択する。一方、既に小当り時大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)を選択し、小当り時大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として小当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS6400)を選択する。また、設定された連続作動回数にわたって小当り時大入賞口開閉動作処理及び小当り時大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時終了処理(ステップS6500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔小当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図1033は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、小当り時に第1可変入賞装置30を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS6212:主制御CPU72は、「小当り時開放パターン」を設定する。本実施形態の場合、「小当り時開放パターン」については、例えば1回目と2回目とでそれぞれ「0.1秒開放」の開放パターンが設定される。なお、「小当り」については「ラウンド」という概念がないことから、「開放パターン」についても「1回目の開放」、「2回目の開放」といった表記となる。
ステップS6214:主制御CPU72は、先のステップS6212で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大入賞口の開放回数を例えば2回に設定する。ここで設定した開放回数は、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS6216:次に主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、第1可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお、本実施形態では、小当り時開放タイマの値として0.1秒が設定されており、このような開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞がほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射装置ユニットによる遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS6218:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、小当り時に第1可変入賞装置30を複数回にわたり開閉動作させる際の1回ごとの待機時間となるが、このタイマ値は例えば2秒程度に設定される。
ステップS6220:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を小当り時大入賞口開閉動作処理に設定し、小当り時可変入賞装置管理処理(図1032)に復帰する。そして、主制御CPU72は、次に小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)を実行する。
〔小当り時大入賞口開閉動作処理〕
図1034は、小当り時大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、小当り時に第1可変入賞装置30の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS6301:主制御CPU72は、インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認する。具体的には、以下のステップS6314で設定するインターバルタイマが既に動作中であるか否かを確認することにより、インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認することができる。
その結果、インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS6314を実行する。一方、インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS6302を実行する。
ステップS6302:主制御CPU72は、第1大入賞口を開放させる。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第1可変入賞装置30が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。
ステップS6304:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図1033中のステップS6216)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS6306:続いて主制御CPU72は、開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS6308を実行する。
ステップS6308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第1可変入賞装置30(開放中の第1大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第1カウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS6310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、開放1回(小当り時の開放1回)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は小当り時可変入賞装置管理処理(図1032)に復帰する。そして、次に小当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が小当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72はステップS6301~ステップS6310の手順を繰り返し実行する。
ステップS6306で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS6310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS6312を実行する。ここで、小当り時の開放は、開放タイマの値が短時間に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS6310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS6306で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS6312:主制御CPU72は、第1大入賞口を閉鎖させる。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、第1可変入賞装置30が開放状態から閉鎖状態に復帰する。
ステップS6314:次に主制御CPU72は、インターバルタイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図1033中のステップS6218)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。
ステップS6315:主制御CPU72は、インターバル時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後のインターバルタイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だインターバルタイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は小当り時可変入賞装置管理処理(図1032)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで小当り時大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS6301からジャンプして直にステップS6314を実行する。一方、カウントダウン処理後のインターバルタイマの値が0以下になったことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS6316を実行する。
ステップS6316:主制御CPU72は次のジャンプ先を小当り時大入賞口閉鎖処理に設定し、小当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に小当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に小当り時大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔小当り時大入賞口閉鎖処理〕
図1035は、小当り時大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この小当り時大入賞口閉鎖処理は、第1可変入賞装置30の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS6412:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS6414:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の大入賞口開放パターン設定処理(図1033中のステップS6214)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS6416を実行する。
ステップS6416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を小当り時大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS6430:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、小当り時可変入賞装置管理処理(図1032)に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、小当り時遊技プロセス選択処理(図1032中のステップS6100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である小当り時大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、小当り時大入賞口開閉動作処理の実行後に、主制御CPU72は再び小当り時大入賞口閉鎖処理を実行し、実際の開放回数が設定した開放回数(2回)に達するまでの間、第1可変入賞装置30の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS6414:Yes)、主制御CPU72は次にステップS6418を実行する。
ステップS6418,ステップS6420:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を小当り時終了処理に設定する。
ステップS6430:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、小当り時可変入賞装置管理処理(図1032)に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は小当り時終了処理が選択されることになる。
〔小当り時終了処理〕
図1036は、小当り時終了処理の手順例を示すフローチャートである。この小当り時終了処理は、小当り時の第1可変入賞装置30の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS6502:主制御CPU72は、小当り時終了時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時終了時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
ステップS6504:次に主制御CPU72は、小当り時終了時間が経過したか否かを確認する。具体的には、小当り時終了時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は小当り時終了時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して小当り時可変入賞装置管理処理(図1032)に復帰する。
この後、時間の経過に伴って小当り時終了時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は小当り時終了時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS6506以降を実行する。
ステップS6506,ステップS6508:主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また、内部状態フラグから「小当り中」を消去して小当り遊技を終了させる。なお、小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS6510:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を小当り時大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS6512:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図1017中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は小当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔ゲームフロー(その1)〕
図1037は、通常モードにて「12ラウンド通常図柄」、「12ラウンド確変図柄1,2」又は「16ラウンド確変図柄」のいずれかに該当した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
パチンコ機1で遊技を開始する場合、〔F1〕通常モードから遊技が開始される。「通常モード」は、特別図柄の当選確率は「低確率状態」であり、かつ、普通図柄の当選確率は「低確率状態」である。このように、〔F1〕通常モードは、「低確率非時間短縮状態」となるので、中始動入賞口26に遊技球を入球させることにより、第1特別図柄が変動を開始して遊技が進行していく。
〔F1〕通常モードにて、〔F2〕「12ラウンド通常図柄」の大当りに当選すると、〔F3〕12ラウンド大当り遊技(バトルボーナス)が実行され、〔F4〕大役中演出のバトルで敗北して、〔F5〕海岸モードに移行する。
〔F5〕海岸モードは、低確率時間短縮状態である。〔F5〕海岸モードにて、当選の結果が得られずに〔F6〕特別図柄が100回変動すると、〔F1〕通常モードに移行する。
〔F1〕通常モードにて、〔F7.1〕「12ラウンド確変図柄1,2」の大当りに当選すると、〔F3.1〕12ラウンド大当り遊技(バトルボーナス)が実行され、〔F8.1〕大役中演出のバトルで勝利する。
そして、〔F9〕12ラウンド大当り遊技の6ラウンド目で遊技球が確変領域を通過した場合(V入賞した場合)、〔F10〕V入賞が発生したことを示す演出が実行され、〔F11〕花火ラッシュに移行する。
〔F1〕通常モードにて、〔F7.2〕「16ラウンド確変図柄」の大当りに当選すると、〔F3.2〕16ラウンド大当り遊技(プレミアムボーナス)が実行され、〔F8.2〕大役中演出でV入賞(確変領域に遊技球を通過させること)を促す表示が行われる。
そして、〔F9〕16ラウンド大当り遊技の6ラウンド目で遊技球が確変領域を通過した場合(V入賞した場合)、〔F10〕V入賞が発生したことを示す演出が実行され、〔F11〕花火ラッシュに移行する。
なお、ここでは〔F10〕V入賞が発生したことを示す演出で画面内に数字の「5」を表す演出図柄が表示されている例にまとめているが、〔F7.2〕「16ラウンド確変図柄」の大当りに当選した場合の〔F3.2〕16ラウンド大当り遊技(プレミアムボーナス)からの流れでは、画面内に表示される演出図柄の態様は異なるもの(例えば、数字の「7」)となる。また、〔F10〕の演出の態様が別途16ラウンド大当り遊技(プレミアムボーナス)に専用のものであることとしてもよい(例えば図1038の〔G4〕)。
〔F11〕花火ラッシュは、高確率時間短縮状態である。〔F11〕花火ラッシュにて、当選の結果が得られずに〔F12〕特別図柄が170回変動すると、〔F1〕通常モードに移行する。
一方、〔F13〕「12ラウンド確変図柄1,2」又は「16ラウンド確変図柄」に該当したものの、大当り遊技の6ラウンド目で遊技球が確変領域を通過しなかった場合(V入賞しなかった場合)、〔F14〕V入賞が発生しなかったことを示す演出が実行され、〔F5〕海岸モードに移行する。ここでも〔F14〕の演出の態様が別途16ラウンド大当り遊技(プレミアムボーナス)に専用のものであるとしてもよい(例えば図1038の〔G6〕)。
〔ゲームフロー(その2)〕
図1038は、花火ラッシュ又は海岸モードにて「16ラウンド確変図柄」又は「6ラウンド確変図柄1,2」に該当した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F5〕海岸モード又は〔F11〕花火ラッシュにて〔G1〕「16ラウンド確変図柄」の大当りに当選すると、〔G2〕16ラウンド大当り遊技(スペシャルボーナス)が実行される。
そして、〔G3〕16ラウンド大当り遊技の6ラウンド目で遊技球が確変領域を通過した場合(V入賞した場合)、〔G4〕V入賞が発生したことを示す演出が実行され、大当り遊技の終了後に〔F11〕花火ラッシュに移行する。
一方、〔G5〕16ラウンド確変図柄に該当したものの、大当り遊技の6ラウンド目で遊技球が確変領域を通過しなかった場合(V入賞しなかった場合)、〔G6〕V入賞が発生しなかったことを示す演出が実行され、大当り遊技の終了後に〔F5〕海岸モードに移行する。
〔F5〕海岸モード又は〔F11〕花火ラッシュにて〔G10〕「6ラウンド確変図柄1,2」の大当りに当選すると、〔G11〕6ラウンド大当り遊技(ノーマルボーナス演出)が実行される。
そして、〔G12〕6ラウンド大当り遊技の6ラウンド目で遊技球が確変領域を通過した場合(V入賞した場合)、〔G13〕V入賞が発生したことを示す演出が実行され、大当り遊技の終了後に〔F11〕花火ラッシュに移行する。
一方、〔G14〕「6ラウンド確変図柄1,2」に該当したものの、大当り遊技の6ラウンド目で遊技球が確変領域を通過しなかった場合(V入賞しなかった場合)、〔G15〕V入賞が発生しなかったことを示す演出が実行され、その後〔F5〕海岸モードに移行する。なお、特に図示していないが「6ラウンド確変図柄2」に該当し、花火ラッシュに移行して100変動が経過すると、通常モードに移行するが、内部的には高確率非時間短縮状態となっている。
なお、以上のゲームフローに関しては、代表的なゲームフローの一例を示したものであり遊技の流れをすべて網羅しているものではない。
〔演出画像の例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像について、いくつかの例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)を決定し、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。そこでパチンコ機1では、演出図柄を用いた変動表示演出が行われている。
演出図柄には、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される(図1001参照)。各演出図柄は、例えば数字の「1」~「9」とともにキャラクターが付された絵札をデザインしたものとなっている。ここで、左演出図柄、中演出図柄、及び右演出図柄は、いずれも数字が「9」~「1」の降順に並んだ図柄列を構成している。このような図柄列は、画面上の左領域・中領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。また、通常は演出図柄として表示されることは殆どないが、特定の演出の実行時に表示される特定の演出図柄(例えば数字ではなく文字列とともにキャラクターが付された絵札)が含まれることとしてもよい。
図1039は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(結果表示演出)の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄とするが、第2特別図柄でもよい。)が変動表示を開始してから、停止表示するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔変動表示前〕
図1039中(A):例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の画面内には3本の演出図柄の列が大きく表示されている。このとき第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄も停止表示された状態にある。
〔記憶表示演出〕
また、液晶表示器42の画面下部の変動前表示領域X1には、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数を表すマーカ(図中に参照符号M1,M2を付す)が表示されている。これらマーカM1,M2は、それぞれの表示個数が第1特別図柄、第2特別図柄の作動記憶数(第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示数)を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。
また、マーカM1,M2は、視覚的な判別を容易にするため第1特別図柄に対応するマーカM1が例えば円(○)の図形で表示され、第2特別図柄に対応するマーカM2が例えばハートの図形で表示されている。図示の例では、マーカM1が4つとも点灯表示されることで第1特別図柄の作動記憶数が4個であることを表し、マーカM2が全て非表示(破線で示す)となっていることで第2特別図柄の作動記憶数が0個であることを表している(記憶表示演出)。
また、演出図柄の変動表示中、例えば液晶表示器42の画面右上には第4図柄(図中に参照符号Z1,Z2を付す)が表示されている。この第4図柄Z1,Z2は、左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお、第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。第4図柄Z1は、第1特別図柄に対応しており、第4図柄Z2は、第2特別図柄に対応している。
また、第4図柄Z1,Z2については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が「6ラウンド大当り」や「12ラウンド大当り」、「16ラウンド大当り」であれば、それらに対応する態様(例えば青表示色や赤表示色等)で第4図柄Z1,Z2は停止表示される。
〔変動表示演出開始〕
図1039中(B):例えば第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される(図柄演出実行手段)。すなわち、第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面内で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールする(流れる)ようにして変動表示演出が開始される。また、マーカM1,M2は、変動開始前は、液晶表示器42の下方部分における帯状部分の変動前表示領域X1に表示されているが、変動開始後は、液晶表示器42の左下部分に表示されている台座画像による変動中表示領域X2に移動して、特別図柄(演出図柄)の変動が停止表示されるまで表示され続ける(記憶画像表示維持演出)。なお、図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。また、変動表示中、個々の演出図柄が透けた状態で表示(透過表示)されることにより、このとき表示画面内には演出図柄の背景となる画像(背景画像)が視認しやすい状態で表示されている。
この場合の背景画像は、例えば浴衣を着こなした女性キャラクターが長椅子に腰掛け、夕涼みでもするかのようにリラックスしている風景を表現したものである。このような背景画像は、演出上での滞在モードが例えば「通常モード」であることを表現している。本実施形態において「通常モード」は、時間短縮機能が非作動であり、また、確率変動機能も非作動である通常状態に対応するものとする。この他にも演出上で各種のモードが設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている(状態表示演出実行手段)。これらモードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものであったり、「高確率状態」に対応するものであったりする。ここでは特に図示していないが、この後、例えば表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
また、演出図柄の変動表示中、液晶表示器42の画面右上では第4図柄Z1が変動表示されており、第4図柄Z1は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
〔左図柄停止〕
図1039中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の左側位置に数字の「8」を表す演出図柄が停止したことを表している。なお、ここでは背景画像の図示を省略している(これ以降も同様)。
〔作動記憶数減少時の演出例〕
ここで、先の図1039中(B)に示されているように、変動開始に伴って第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動してマーカM1の表示個数が1個分減少されている。例えば、それまでに作動記憶数が4個あったとすると、マーカM1において最も以前(古い)の記憶数表示が1個だけ変動中表示領域X2に移動され、内部抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、第1特別図柄に関して作動記憶数が消費されたということを演出上でも遊技者に教示することができる。
そして、図1039中(C)の例においては、記憶順で先頭にあったマーカM1が変動中表示領域X2に移動することにより、変動前表示領域X1での表示が残り3個になったため、画面上に残った3つのマーカM1がそれぞれ1個分ずつ一方向(ここでは左方向)へずれていく演出が行われている。これにより、作動記憶数の変化の前後関係を正確に演出上で表現するとともに、遊技者に対して「作動記憶が消費されて1つ減った」ということや「作動記憶が消費されて特別図柄が変動中である」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
〔右演出図柄停止〕
図1039中(D):左演出図柄に続いて、その後に右演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中側位置に数字の「3」を表す演出図柄が停止したことを表している。この時点で既にリーチ状態が発生しないことは確定しているので、今回の変動が非リーチ(通常)変動であるということが見た目上でほとんど明らかとなっている。なお、ここではすべりパターン等によるリーチ変動を除くものとする。「すべりパターン」とは、例えば一旦は数字の「7」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するというものである。あるいは、一旦は数字の「9」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が逆向きに1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するパターンもある。また、その他にも例えば「5」等の全くかけ離れた数字を表す演出図柄が一旦停止した後、画面上にキャラクターが出現して右演出図柄列を再変動させると、数字の「8」を表す演出図柄が停止してリーチに発展するといったパターンもある。
〔停止表示演出〕
図1039中(E):第1特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面の中段位置に数字の「1」を表す演出図柄が停止したことを表しており、この場合、演出図柄の組み合わせは「8」-「1」-「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
また、停止表示演出が行われると、変動中表示領域X2に移動して表示を継続していたマーカM1も非表示となる。したがって、遊技者に対して「特別図柄の変動が終了した」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
以上は、1回の変動ごとに演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
また、上述した例は非当選時についてのものであるが、大当り(当選)時には変動表示演出中にリーチ演出が実行された後、停止表示演出において演出図柄が大当りの態様で停止表示される。このとき演出図柄の停止表示態様は、基本的には主制御CPU72によって内部的に選択された当選図柄(第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の停止表示態様)に対応させて選択される。
〔大当り時の演出例〕
次に、大当り(当選)時の演出例を説明する。
図1040は、特別図柄の変動表示中に実行されるスーパーリーチ演出の流れを示す連続図である。スーパーリーチ演出は、中程度の変動時間(例えば50~100秒)が選択された変動表示に伴い実行されるリーチ演出である。
なお、ここでは大当り時に実行されるスーパーリーチ演出の流れを説明するが、スーパーリーチ演出は大当り時だけでなくはずれ時においても割合は比較的低いが実行される。また、ここではリーチ演出の他に、変動表示演出や停止表示演出及び予告演出が含まれるものとする。その他にも、変動表示演出中に実行される予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出)の一例を説明する。
以下のリーチ演出は、例えば第1特別図柄表示装置34において大当り時の変動パターンによる変動表示が行われた後、第1特別図柄が大当りの態様(例えば7セグメントLEDの「己」,「ヨ」,「口」,「巳」,「F」,「E」,「L」,「Γ」等)で停止表示されるまでに実行される(リーチ演出実行手段)。なお、図1040中、各演出図柄を数字のみに簡略化して示している。また、マーカM1,M2、第4図柄Z1,Z2、変動前表示領域X1及び変動中表示領域X2については図示を省略している(以下の図面でも同様)。以下、演出の流れに沿って説明する。
〔変動表示演出〕
図1040中(A):例えば、第1特別図柄の変動開始に略同期して、液晶表示器42の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向(例えば上から下)にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。
〔リーチ発生前予告演出(1段階目)〕
図1040中(B):次に、変動表示演出の比較的初期において、キャラクターの絵柄画像(絵札)を用いた1段階目のリーチ発生前予告演出が行われる。このリーチ発生前予告演出は、予め定められた順序にしたがって1段階目から複数段階目(例えば2~5段階目)まで、段階的に態様の変化が進行していく予告演出である。このリーチ発生前予告演出で用いられる絵柄画像は、画面上で変動表示されている演出図柄の手前に位置し、例えば画面の左端からひょっこりと出現するようにして表示される(その他の出現の態様でもよい。)。なお、ここでいう「リーチ発生前予告」とは、いずれかの演出図柄が停止表示される前にリーチの可能性や大当りの可能性を予告するという意味である。このような「リーチ発生前予告演出」を実行することで、遊技者に対して「リーチに発展するかも知れない=大当りの可能性が高まる」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ発生前予告演出(2段階目)〕
図1040中(C):リーチ発生前予告演出の1段階目の態様が実行された後、続いてリーチ発生前予告演出の態様の変化が2段階目に進行する。ここでは2段階目のリーチ発生前予告演出として、先とは違うキャラクターの絵柄画像を用いた演出が行われている。具体的には、画面の右端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像の前面に重なって表示される。また、このとき表示される絵柄画像は、先に表示されていた絵柄画像よりもサイズが大きい。そして、絵柄画像で表現されたキャラクターが台詞(例えば「リーチになるよ」等)を発するという、音響出力による演出もあわせて行われる。
このような2つ目の絵柄画像を用いたリーチ発生前予告演出(2段階目)は、先の図1040中(B)で行われたリーチ発生前予告演出(1段階目)からさらに一歩進んだ発展型である。このように発展していく「リーチ発生前予告演出」の態様を称して、一般的に「ステップアップ予告」等と表現することがある。ここではリーチ発生前予告演出で2段階目の絵柄画像が出現する例を挙げているが、3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示される演出態様であってもよい。また、例えば3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示されるごとに、そのサイズが拡大されるものとしてもよい。なお、この段階でも演出図柄の変動表示は継続されている。いずれにしても、リーチ発生前予告演出の態様の変化をより多くの段階まで進行させることにより、今回の変動で大当りになる可能性(期待度)が高いことを遊技者に示唆することができる(例えば、5段階目まで進行すると最大の期待度を示唆する等。)。
〔左演出図柄の停止〕
図1040中(D):変動表示演出の中期にさしかかり、やがて左演出図柄の変動表示が停止される。なお、この時点で画面の左側位置に数字の「5」を表す演出図柄が停止している。
〔リーチ状態の発生〕
図1040中(E):そして左演出図柄に続き、例えば右演出図柄の変動表示が停止される。この時点で、画面の右側位置に数字の「5」を表す演出図柄が停止していることから、「5」-「変動中」-「5」のリーチ状態が発生している。そして画面上には、リーチ状態となる1本のラインを強調する画像が合わせて表示される。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われる。
リーチ状態の発生後、当選時のリーチ演出が実行される(ただし、この時点では未だ当選の結果は表出されていない。)。リーチ演出では、テンパイした数字(ここでは「5」)に対応する演出図柄だけが画面上に表示され、それ以外は表示されなくなる。なお、このとき演出図柄が画面の四隅にそれぞれ縮小された状態で表示される場合もある。
〔リーチ発生後予告演出(1回目)〕
図1040中(F):リーチ状態が発生して暫くすると、例えばハートの図形を表す画像が群をなして画面上を斜めに通り過ぎていくリーチ発生後予告演出(1回目)が行われる。この場合、突然、画面上にハート群の画像が流れていくように表示されるため、これによって遊技者に対する視覚的な訴求力を高めることができる。このような視覚的に賑やかなリーチ予告発生後予告演出を実行することで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ演出の進行〕
図1040中(G):1回目のリーチ発生後予告演出に続いて、例えば数字の「2」~「6」を表す画像が画面上で立体的な列を構成した状態で表示され、列の先頭(手前)から「2」、「3」、「4」・・・という順番に画面から数字の画像が消去されていく演出が行われる。このような演出もまた、数字の「5」が最後まで消去されずに残ると「大当り」であることを遊技者に示唆(暗示)したり、想起させたりする目的で行われる。また、数字の「4」まで消去されて「5」が画面手前に残ると「大当り」であり、そして数字の「5」も消去されてしまうと「はずれ」であることを意味する。なお、はずれの場合、数字の「5」が消去された後の画面上に例えば数字の「6」が表示される。したがって、この間、数字の「2」、「3」、「4」と順番に画像が消去されていくに連れて、遊技者の緊張感や期待感も高まっていくことになる。そして、実際に画面上で数字の「4」まで消去され、数字の「5」が画面上に残った状態で演出が進行すると、「大当り」の可能性が高まるため、そこで遊技者の緊張感も一気に高まる。
〔リーチ発生後予告演出(2回目)〕
図1040中(H):リーチ演出が終盤に近付いたところで、突然、画面上にキャラクターの画像が大写しに割って入るようにして表示され、そのキャラクターが何らかの台詞を発するという内容(又は、無言で微笑むという内容でもよい)のリーチ発生後予告演出(2回目)が行われる。この時点で例えばリーチ演出の内容は、「数字の「5」が消去されずに残れば、そのまま「5」-「5」-「5」の大当りの可能性が高まる」という展開である。したがって、このタイミングで大きくキャラクターの画像を出現させることにより、遊技者に対して「大当りになるかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。
上記とは別のリーチ演出として、例えば「数字の「2」~「4」までが消去されてしまい、最後に数字の「5」が消去されずに残れば大当りになる」という展開もある。このようなタイミングでキャラクターの画像を出現させると、遊技者に対して「いよいよ大当りが近いかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔停止表示演出〕
図1040中(I):そして、最後の中演出図柄が停止する。この例では、「5」を表す演出図柄を画面の中央に停止表示させることにより、遊技者に対して大当りであるということを伝達することができる。
図1040中(J):そして、例えば第1特別図柄の停止表示に略同期して、演出図柄としての停止表示演出が行われる。演出図柄の停止表示演出は、例えば左・中・右演出図柄をそれぞれ初期の大きさに復元した状態で行われる。このような停止表示演出を行うことで、最終的な当選種類が演出上で確定したことを遊技者に対して教示することができる。逆に言えば、演出上で不明確な停止表示演出を行うことにより、いずれの当選図柄で当選したのかということを遊技者に対して非開示としておくことができる。
なお、内部抽選の結果が非当選であれば、今回の変動対象である第1特別図柄がはずれ図柄で停止表示されるため、演出図柄も同様にはずれの態様で停止表示演出が行われる。この場合、画面の中央には「5」以外の数字「4」や「6」を表示することで、残念ながら今回の変動では大当りにならなかったことを知らせる演出が行われる。なお、このような演出は「はずれリーチ演出」として実行されるものである。
〔特定演出の例〕
続いて、図柄の変動表示中から変動終了以降にかけて実行される特定の演出(以下、「特定演出」と称する。)が実行される際の流れを説明する。また、本実施形態において特定演出は、パチンコ機1の設定(設定値)にも関連する演出である。
図1041~図1048は、特別図柄の変動表示中に実行される特定演出の演出例を示す連続図である。なお、ここでは、変動時間の終盤に演出図柄が仮停止した後に当選種類の昇格が行われるかをジャッジする演出(図柄ジャッジ演出)を絡めて特定演出が実行される場合を例に挙げる。以下、演出の流れに沿って説明する。
〔変動表示演出前〕
図1041中(A):液晶表示器42の画面内には、3本の演出図柄の列が大きく停止表示されている(「8」-「6」-「7」)。また、画面の右上位置では、第4図柄Z1,Z2がはずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。背景画像は、女性キャラクターが長椅子に腰掛けている「通常モード」の背景画像となっている。
〔変動表示演出〕
図1041中(B):第1特別図柄の変動開始に略同期して、画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。また、演出図柄の変動表示中、画面右上では第4図柄Z1が変動表示されており、第4図柄Z1は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
〔左演出図柄の停止〕
図1041中(C):変動表示演出の中期にさしかかり、左演出図柄が停止表示される。図示の例では、画面の左位置に数字の「2」を表す左演出図柄が停止表示されている。なお、ここでは図示していないが、変動表示演出の初期から中期にかけて何らかの予告演出(例えば、ステップアップ予告、当該保留変化予告、ミニキャラクター出現予告、擬似連予告等のリーチ発生前予告演出)が実行される態様であってもよい。
〔右演出図柄の停止〕
図1042中(D):左演出図柄に続いて、右演出図柄が停止表示される。図示の例では、画面の右位置に数字の「2」を表す右演出図柄が停止表示されている。右演出図柄が停止表示されることにより、画面上に横一線状(1本のライン上)に数字の「2」-「変動中」-「2」のリーチ状態が発生している。そして画面上には、リーチ状態となる1本のラインを強調する画像が合わせて表示される。なお、今回の変動開始時に第1特別図柄の作動記憶数が4個であったにも関わらず、ここまで変動時間が短縮されていないことから、この時点で何らかのリーチ変動が行われている可能性が高いと言える。また、図示していないが、この後は中演出図柄がある程度の低速でスクロールダウンする動作が入るとともに、演出図柄の「2」が停止するか、通り過ぎてしまうかといった煽り演出が行われてもよい。また適宜、中演出図柄のスクロールライン上に数字とは別の図柄(例えば「チャンス」、「SUPER」等の文字やキャラクター画像を表す図柄)が混在していてもよい。
〔リーチ発生後予告演出〕
図1042中(E):リーチ状態が発生して暫くすると、動物のキャラクター(例えばハト)を表す画像が群をなして画面上を右から左に通過していくリーチ発生後予告演出(群予告演出)が実行される。このような群予告演出の実行により、遊技者に対して遊技に対する期待感を抱かせることができる。
図1042中(F):群予告演出において群をなして現れた動物のキャラクターが、画面上を右から左に通過する途中で突然停止する。これにより、本来なら動物のキャラクター群が画面を横切っていくであろうことを予想していた遊技者に対し、「果たして何が起きたのだろうか」という印象を抱かせ、演出の成り行きにさらに注目させることができる。
このとき、停止した動物のキャラクター群をある程度の間表示し続けて、画面が固まったような演出(フリーズ演出)を実行することも可能である。この場合には、未だ変動表示中である中演出図柄のスクロールも固まって(スクロールがフリーズして)表示される。本来であれば画面が停止するはずのない場面にフリーズ演出を適用することにより、遊技者に驚きや違和感と共に、何が起こるのだろうといった期待感を与えることができる。
なお、フリーズ演出が実行されている間も、第4図柄Z1は変動表示され続ける。したがって、パチンコ機1に何らかの動作不良や誤作動が生じて画面が停止しているのではなく、遊技が正常に進行しており演出の一環であるということを遊技者に認識させると同時に、今後の展開に対する興味を強く惹き付けることができる。
〔リーチ演出の発展〕
図1043中(G):リーチ発生後予告演出に続いて、画面の左側に敵キャラクターとしての「かぼちゃのお化け」が出現し、画面の右側に味方キャラクターとしての「男性キャラクター」が出現するストーリーリーチ演出が開始される。ストーリーリーチ演出の開始時(図示された場面)においては、画面の中央に「VS」の文字が表示される。この表示により、リーチ演出が発展したこと、そして、この後で画面の両側に表示された2つのキャラクターがバトルを繰り広げる演出が実行されることを、遊技者に認識させることができる。
このとき、これまで画面の中段に大きく表示されていた3本の演出図柄の列は、画面の左上隅位置に縮小した状態で表示され、変動表示演出が実行されている(「2」-「変動中」-「2」)。
図1043中(H):ストーリーリーチ演出の序盤では、「男性キャラクター」がファイティングポーズをとる姿が表現され、「かぼちゃのお化け」と「男性キャラクター」の間でバトルが開始されることを示唆する演出が行われる。ここでは、「かぼちゃのお化け」が「男性キャラクター」の敵という設定であるが、登場させる敵キャラクターの種類(強さ)によって大当りとなる可能性(期待度)を示唆してもよい。例えば、「かぼちゃのお化け」が中程度に手強い敵キャラクターであるとすると、そのときの期待度も中程度であるが、別の弱い敵キャラクター(例えば「提灯お化け」)が登場した場合、そのときの期待度が高くなり、反対に最強に手強い敵キャラクター(例えば「パンダお化け」)が登場した場合、見かけ上の期待度は低くなるといった具合である。
図1043中(I):ファイティングポーズに続いて、今度は「男性キャラクター」の目が血走るとともに全身から湯気(又はオーラ)が立っている様子が表現され、「男性キャラクター」がバトルに向けて気合を溜め込んでいることを表す演出が行われる。また、ここでの湯気(オーラ)の表示色(青、黄、緑、赤等)によって大当りに期待できる度合を表してもよい。
図1044中(J):ストーリーリーチ演出の中盤では、「かぼちゃのお化け」と「男性キャラクター」がついにバトルを開始し、双方が互角に戦う演出が行われる。
図1044中(K):ストーリーリーチ演出が終盤になると、「かぼちゃのお化け」が無数のパンチを繰り出し、「男性キャラクター」がチョップで応戦する演出が行われる。この状態で「男性キャラクター」が勝利すれば大当りとなり、「男性キャラクター」が敗北すればはずれとなる。このように目が離せないバトル演出の展開により、遊技者を遊技に惹き付けることができる。また、各キャラクターの繰り出す技に「弱攻撃」、「中攻撃」、「強攻撃」さらには「必殺技」といった段階的な概念を設定し、「男性キャラクター」については、より強い攻撃を繰り出すほど勝利期待度(=大当りとなる可能性)が高く、反対に「かぼちゃのお化け」についてはより強い攻撃を繰り出してくるほど敗北危険度(=大当りとならない可能性)が高いことを示唆してもよい。
〔カットイン予告〕
図1044中(L):バトルが繰り広げられている間に突然、画面全体に割り込むようにして、大きな緑色の文字と金貨が詰まった巾着袋とで構成された画像が表示される(カットイン予告)。表示された個々の文字は、その大きさや向きがバラバラであり、一瞥しただけでは何と書かれているのかを識別するのが困難であるが、よく見れば「一攫千金も夢じゃない」と書かれていると識別することが可能である。フレーズの内容はさておき、文字が緑色で表されていることから、今回はさほど期待できないかも知れないと遊技者に思わせることができる。
〔特定演出示唆演出〕
図1045中(M):カットイン予告が実行されている間に、福の神である「恵比須天」を模したキャラクターがにこやかな表情で鯛と釣竿を抱えており、その上から大判小判がじゃらじゃらと降ってくる様子を表した画像が、瞬間的に(例えば、0.5~1.0秒程度の短時間にわたり)、モノトーンでチラつく(ちらりと見える)態様で表示される(特定演出示唆演出)。いかにもご利益のありそうな画像が上記のような態様で表示されることにより、「諦めかけていたが、もしかしたらイケるのでは?!」と思わせ、遊技者に大きな期待感を抱かせることができる。なお、本実施形態では、このような特定演出示唆演出については、この後に特定演出が実行される可能性を示す意味を持つものとすることができる。
図1045中(N):少し経過すると、モノトーンでチラつく態様による画像の表示(特定演出示唆演出)は行われなくなる。このとき、画面上では、依然としてカットイン予告が実行されている。
〔ボタン演出〕
図1045中(O):画面全体が切り替わり、中央部にはプッシュボタン64を模した画像が表示される(ボタン演出)。また、ボタン画像の上部には、遊技者にボタンの押し込み操作を促す「押せ!」との文字が表示される。この表示により、プッシュボタン64の押し込み操作が要求されていることを遊技者に認識させることができる。なお、プッシュボタン64の押し込み操作が操作有効時間内になされなかった場合でも、自動的に押し込み操作がなされたものとして、この後の演出を実行してもよい。
〔強予告演出〕
図1046中(P):画面の表示に従って遊技者がプッシュボタン64を押し込み操作すると、画面全体が再び切り替わり、ボタン演出の実行前にチラつく態様で表示されていた「恵比須天」のキャラクターと大判小判とで構成された画像が、ここではカラーでくっきりとした態様で表示される(強予告演出)。この表示により、味方キャラクターである「男性のキャラクター」がバトルに勝利すること(大当りになること)を遊技者に直感させ、遊技者の期待感を高めてバトルの結末に遊技者を一段と惹きつけることができる。
図1046中(Q):特定演出の実行後にはバトル演出に戻り、敵キャラクターである「かぼちゃのお化け」が弱り切った表情を浮かべる様子を表した画像とともに、画面下部にはこのキャラクターの心の声と思われる「参りました・・・」との台詞が表示される。この表示により、味方のキャラクターである「男性のキャラクター」がバトルに勝利したこと(大当りになったこと)を遊技者に確信させることができる。また、このとき「かぼちゃのお化け」の画像の手前に数字の「2」の画像を揺れながら被せるようにして表示し、最終的に中演出図柄として数字の「2」が停止するということを視覚的に印象付けてもよい。
〔停止表示演出(当選時演出)〕
図1046中(R):「勝利!!」の文字とともに、「男性キャラクター」が大きく表示され、「かぼちゃのお化け」が小さく表示されると、大当りであることを意味している。そして、特別図柄の停止表示に略同期して、中演出図柄が停止表示され、3本の演出図柄が三つ揃いした状態となる。図示の例では、数字の「2」を表す中演出図柄が停止表示され、3本の演出図柄が「2」-「2」-「2」で三つ揃いしている。このとき3本の演出図柄「2」-「2」-「2」は画面中央に大きく被せて表示し、勝利の気分を高める効果音を出力させる態様となっているが、画面左上に表示される態様であってもよい。ただし、第1特別図柄の変動表示は未だ終了していない(変動中である)ため、演出図柄「2」-「2」-「2」の表示は、例えば僅かに上下に揺れ動く表示態様となっており、完全には停止していない。また、第4図柄Z1は、変動中の態様で表示されている。
なお、非当選時(はずれ時)には、「敗北・・」の文字とともに、上記の例とは反対に、「かぼちゃのお化け」が大きく表示され、「男性キャラクター」が小さく表示される。この場合には、中演出図柄は「2」以外の数字で停止表示され、第1特別図柄の停止表示とともに第4図柄Z1ははずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されることとなる。
〔図柄ジャッジ演出〕
図1047中(S):演出図柄が「2」-「2」-「2」のように三つ揃いした場合、そこで大当りということは確定しているが、「2」-「2」-「2」のような偶数の演出図柄の組み合わせは、大当りの種類(当選図柄)がそれほど利益の大きいものではないことを演出上で示している。これは、偶数=非確変大当り、奇数=確変大当りという概念が一般的に共有されているためである。そこで本実施形態では、大当りとなる場合に、一旦は「2」-「2」-「2」のような偶数の演出図柄で三つ揃いする演出を実行するが、その後に改めて「今回の大当りの種類がいずれであるか」を最終的に知らせる図柄ジャッジ演出を実行することとしている。このような演出は、いわゆる「再抽選演出」とも呼ばれるものである。図示の例では、画面に上部に「図柄ジャッジ」の文字情報が表示されている。これにより、遊技者に対しては、これから大当りの種類に関して最終判定する演出が開始され、「2の演出図柄」から「7の演出図柄」に変化するかもしれないし、場合によっては「特定演出図柄」に変化するかも知れないといった期待感を与えることができる。
図1047中(T):三つ揃いした演出図柄が徐々に小さく表示されるとともに、三つ揃いした演出図柄が回転しながら画面上奥側に吸い込まれていく演出が実行される。
図1047中(U):そして、3つの演出図柄がほとんど視認できなくなるほど小さくなり、その時点で、表示画面の下部にプッシュボタン64の画像が表示され、遊技者に対してプッシュボタン64の押し込み操作を促す演出が行われる。
〔図柄ジャッジ非昇格演出(再抽選失敗演出)〕
図1047中(V):図柄ジャッジで特に数字「2」から昇格して変化しない(再抽選演出に失敗する)場合、すなわち、12ラウンド通常大当り(12ラウンド確変大当りでもよい)に該当している場合には、図柄ジャッジ非昇格演出(再抽選失敗演出)が実行される。この場合、プッシュボタン64の押下を契機として演出図柄が奥側から手前側に飛び出してくる演出が実行され、3つの演出図柄のすべてを表示しきれない程に演出図柄が拡大して表示されるが、この場合は演出図柄の数字は変更されない(「2」のまま)。
図1047中(W):第1特別図柄の停止表示に略同期して、演出図柄についても停止表示演出が行われる。演出図柄の停止表示演出は、揺れを伴わないで演出図柄を完全に停止させた状態で行われる。また、第4図柄Z1については、12ラウンド通常大当りに対応する態様(例えば青表示色等)で停止表示される。そして、この後は12ラウンド大当りに対応したバトルボーナス演出が実行される。
〔図柄ジャッジ昇格演出(再抽選成功演出)〕
図1047中(X):一方、図柄ジャッジで数字「2」から昇格して変化する(再抽選演出に成功する)場合、すなわち、16ラウンド確変大当り(又は12ラウンド確変大当り)に該当している場合には、図柄ジャッジ昇格演出(再抽選成功演出)が実行される。この場合、プッシュボタン64の押下を契機として可動体40fが落下する演出が実行される。また、合わせて効果音も出力される。
図1049中(Y):そして、第1特別図柄の停止表示に略同期して、演出図柄についても停止表示演出が行われる(「7」-「7」-「7」)。演出図柄の停止表示演出は、揺れを伴わないで演出図柄を完全に停止させた状態で行われる。また、第4図柄Z1については、16ラウンド確変大当り(又は12ラウンド確変大当り)に対応する態様(例えば赤表示色等)で停止表示される。そして、この後は16ラウンド確変大当りに対応したスペシャルボーナス演出(又は12ラウンド確変大当りの場合のバトルボーテス演出)が実行される。
〔その他の図柄ジャッジ昇格演出〕
ここでは図示していないが、本実施形態では、図柄ジャッジ昇格演出(再抽選成功演出)の態様として以下のものがある。
例えば、内部的に12ラウンド確変大当りに該当している場合には、図1047中(U)から(V)への流れにおいて、プッシュボタン64の押下を契機として演出図柄が奥側から手前側に飛び出してくる演出が実行され、3つの演出図柄のすべてを表示しきれない程に演出図柄が拡大して表示されるが、この場合は演出図柄の数字が「2」から「3」に変更されているものとする。そして、図1047中(W)において、演出図柄は数字の「3」-「3」-「3」が三つ揃いして停止表示する態様に差し替えられる。これにより、図柄ジャッジにおいて停止図柄が偶数の「2」から奇数の「3」に昇格し、この後の大当り遊技の中でV入賞による確率変動状態への移行が可能になることを遊技者に知らせることができる。なお、図1047中(U)から(X)の流れから数字の「3」が表示されることとしてもよい。
〔図柄ジャッジ演出の実行頻度〕
以上のような図柄ジャッジ演出(非昇格及び昇格)の内容は、内部的にいずれの当選種類(大当り図柄)に該当しているかに大きく依存して決定されており、実行比率(実行頻度)に関して、パチンコ機1の設定(設定値)の違いによる差があまり設けられていない。したがって、数字の「2」、「3」、「7」を停止表示する図柄ジャッジ演出については、設定に殆ど関係なく均等な頻度で実行されることになる。
〔設定差のある図柄ジャッジ演出〕
これに対し、図柄ジャッジ演出の中でも、パチンコ機1の設定(設定値)に依存して実行される頻度が異なるものが本実施形態には用意されている。例えば、実行される頻度が設定に応じて異なり、特に高設定(設定が特定の値)である場合、その他の設定(設定が特定の値以外)である場合に比較して高い頻度で実行される図柄ジャッジ演出がある。以下、このような設定差のある図柄ジャッジ演出の例を説明する。
図1048中(U):先の図1047中(T)で三つ揃いした演出図柄が徐々に小さく表示されるとともに、三つ揃いした演出図柄が回転しながら画面上奥側に吸い込まれていく演出が実行されるのに続いて、3つの演出図柄がほとんど視認できなくなるほど小さくなる。この時点で、表示画面の下部にハンドルレバー62の画像が表示され、遊技者に対してハンドルレバー62を大きく引く操作を促す演出が行われる。
〔図柄ジャッジ昇格演出(特定の演出1)〕
図1048中(V):例えば、図柄ジャッジで数字「2」から昇格して変化する(再抽選演出に成功する)場合であり、かつ、内部的に16ラウンド確変大当りに該当している場合、特定演出の一態様として特定の図柄ジャッジ昇格演出(特定の演出1)が実行される。この場合、ハンドルレバー62の引く操作を契機として演出図柄が奥側から手前側に飛び出してくる演出が実行され、3つの演出図柄のすべてを表示しきれない程に演出図柄が拡大して表示されるとともに、演出図柄のキャラクターが数字の「2」とは異なるもの(別キャラクター)に変化している(特定演出実行手段)。これにより、遊技者に対して「何か違う図柄に昇格したかもしれない」との期待感を抱かせ、今後の演出に対する興味を引きつけることができる。
図1048中(W):そして、演出図柄は数字のものではなく、特定の態様である文字「峰子」-「峰子」-「峰子」が三つ揃いして停止表示する態様に大きく変化している(特定演出実行手段)。これにより、図柄ジャッジにおいて停止図柄が単なる偶数の「2」から特定の文字図柄である「峰子」に大きく昇格し、この後の大当り遊技の中でV入賞による確率変動状態への移行が可能になるとともに、最大ラウンド数の大当り遊技が実行されることを遊技者に知らせることができる。なお、文字の「峰子」は、例えば遊技中に実行される演出上で重要なポジションを担うキャラクターの名前とすることができる。また、ここでは演出図柄にキャラクターを合わせて表示しているが、文字の「峰子」の部分を全体に拡大表示した演出図柄を用いてもよい。
〔図柄ジャッジ昇格演出(特定の演出2)〕
図1048中(X):また、図柄ジャッジで数字「2」から昇格して変化する(再抽選演出に成功する)場合であり、かつ、内部的に16ラウンド確変大当りに該当している場合、特定演出の別の一態様として特定の図柄ジャッジ昇格演出(特定の演出2)が実行される。この場合、ハンドルレバー62の引く操作を契機として可動体40fが落下する演出が実行される。また、合わせて効果音も出力される。
図1048中(Y):そして、ここでも同様に演出図柄は数字のものではなく、特定の態様である文字「最強」-「最強」-「最強」が三つ揃いして停止表示する態様に大きく変化している(特定演出実行手段)。これにより、図柄ジャッジにおいて停止図柄が単なる偶数の「2」から特定の文字図柄である「最強」に大きく昇格し、この後の大当り遊技の中でV入賞による確率変動状態への移行が可能になるとともに、最大ラウンド数の大当り遊技が実行されることを遊技者に知らせることができる。なお、文字の「最強」は、この後の大当り遊技で実行されるラウンド数、及び大当り終了後に移行可能な遊技状態(いわゆるモード)が最高に有利な状態であることを表すものとすることができる。また、ここでも演出図柄にキャラクターを合わせて表示しているが、文字の「最強」の部分を全体に拡大表示した演出図柄を用いてもよい。
〔演出実行頻度の設定差〕
以上のような図柄ジャッジ昇格演出(特定の演出1,2)については、例えば以下のように実行される頻度に設定差を設けることができる。なお、以下でいう「高設定」は設定値が大きいことを意味し、「低設定」は設定値が小さいことを意味する。
(1)文字の「峰子」を用いた演出図柄を表示する特定の演出1は、高設定であるほど実行される頻度(出現頻度)が高く、低設定であるほど実行される頻度は低い。
(2)ただし、文字の「峰子」を用いた演出図柄を表示する特定の演出1は、低設定であっても極低い頻度で実行されることがある。
(3)文字の「最強」を用いた演出図柄を表示する特定の演出2は、最高設定(例えば設定6)である場合に比較的低い頻度で実行される。
(4)文字の「最強」を用いた演出図柄を表示する特定の演出2は、準最高設定(例えば設定5)である場合にも極低い頻度(上記(3)より低い頻度)で実行される。
(5)文字の「最強」を用いた演出図柄を表示する特定の演出2は、低設定(例えば設定1)である場合に殆ど実行されることがない。
以上のような設定差は一例であり、別の設定差が設けられていてもよい。したがって、以下でもよい。
(6)文字の「峰子」又は「最強」を用いた演出図柄を表示する特定の演出1,2は、設定が高い場合(設定4,5,6)に実行される頻度(出現頻度)が高く、設定が低い場合(設定1,2,3)に実行される頻度は低い。
(7)文字の「峰子」又は「最強」を用いた演出図柄を表示する特定の演出1,2は、偶数設定である場合(設定2,4,6)に実行される頻度(出現頻度)が高く、奇数設定である(設定1,3,5)場合に実行される頻度は低い。
(8)文字の「最強」を用いた演出図柄を表示する特定の演出2は、最高設定(例えば設定6)である場合にのみ実行され、それ以外の設定では実行されることがない。
(9)文字の「峰子」を用いた演出図柄を表示する特定の演出2は、準最高設定以下(例えば設定5以下)である場合に実行されるが、最高設定である場合は実行されない。
いずれにしても、文字「峰子」又は「最強」を用いた演出図柄を表示する図柄ジャッジ昇格演出には、実行される頻度(出現率)に設定差を設けることで、パチンコ機1の設定に対する推測の材料とすることができる。また、図柄ジャッジ非昇格演出及び図柄ジャッジ昇格演出で用いられた演出図柄は、特別図柄の変動表示が終了した以降も継続して表示される。以下、この点について、図柄ジャッジ非昇格演出後及び図柄ジャッジ昇格演出後に行われる大当り遊技中の演出例を含めて説明する。
〔「12ラウンド通常図柄」等に該当した場合の大役中演出の演出例〕
先ず、図柄ジャッジ非昇格演出が実行された後の大役中演出例を挙げる。
図1049~図1052は、「12ラウンド通常図柄」又は「12ラウンド確変図柄2」に該当した場合の大役中演出の演出例を部分的に示す連続図である。
本実施形態では、「12ラウンド通常図柄」に該当している場合、大役中演出にて味方キャラクターが敵キャラクターに敗北する演出が実行され、「12ラウンド確変図柄2」に該当している場合、味方キャラクターが敵キャラクターに勝利する演出が実行される。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
〔1ラウンド目〕
図1049中(A):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、例えば画面内に「ROUND1」のラウンド数に対応する文字情報が表示されるとともに、大役中のバトル演出が開始される。図示の例では、画面の左側に敵キャラクターとなる傘のお化けの画像が表示され、画面の右側に味方キャラクターとなる女性キャラクターの画像が表示され、画面の中央に「VS」の文字の画像が表示される。これにより、遊技者に対してこれからバトル演出が開始されるということを教示することができる。
また、画面の右下隅位置には、今回の当選図柄に対応した演出図柄(ここでは「2」の演出図柄)が表示されている。このように、大当り遊技中も引き続き図柄ジャッジ非昇格演出で用いられた当選時の演出図柄(いわゆる「残し目」)を表示しておくことで、遊技者に対して「「2」の演出図柄で当選した」という情報を引き続き教示することができる。
〔2ラウンド目〕
図1049中(B):大当り遊技の2ラウンド目が開始されると、大役中のバトル演出が具体的に進行する。図示の例では、傘のお化けが左側から右側に移動していく演出が行われている。そして、女性キャラクターが傘のお化けに驚いて逃げ出し、画面の右側へ消え去っていく演出が行われる。
〔3ラウンド目〕
図1049中(C):大当り遊技の3ラウンド目が開始されると、大役中のバトル演出が具体的に進行する。図示の例では、女性キャラクターがうちわ(武器)を取り出し、そのうちわから炎(オーラ)が出現する演出が行われている。
〔4ラウンド目〕
図1049中(D):そして、大当り遊技の4ラウンド目では、傘のお化けが口から長い舌を飛び出させる必殺技を繰り出し、女性キャラクターがその必殺技をうちわで迎え撃つ演出が行われている。この状態で傘のお化けが勝利すれば「12ラウンド通常図柄」で大当りしていたことを意味しており、女性キャラクターが勝利すれば「12ラウンド確変図柄2」で大当りしていたことを意味している。
〔5ラウンド目(12ラウンド通常図柄当選時)〕
図1050中(E):「12ラウンド通常図柄」での当選の場合、5ラウンド目では敗北演出が実行される。具体的には、「敗北・・」の文字とともに、傘のお化けが大きく表示され、女性キャラクターが小さく表示される(味方キャラクター敗北演出)。
〔6ラウンド目(12ラウンド通常図柄当選時)〕
図1050中(F):「12ラウンド通常図柄」での当選の場合、6ラウンド目では再挑戦促進演出が実行される。具体的には、女性キャラクターが「次は負けない!」といった台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して再度大当りを目指そうという意欲を与えることができる。なお、大当り遊技の7ラウンド目から12ラウンド目においても、6ラウンド目と同様の再挑戦促進演出が実行される。
なお、「12ラウンド通常図柄」で当選した場合の6ラウンド目では、第2可変入賞装置31が開放するが、開放時間は極端に短く設定されているため、遊技球が確変領域を通過することはない。
〔大役終了時〕
図1050中(G):「12ラウンド通常図柄」での大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。図示の例では、画面内に「海岸モード突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「低確率時間短縮状態」の海岸モードに移行することを遊技者に教示することができる。
〔5ラウンド目(12ラウンド確変図柄2当選時)〕
図1051中(H):一方、「12ラウンド確変図柄2」での当選の場合、5ラウンド目では勝利演出が実行される。具体的には、「勝利!!」の文字とともに、女性キャラクターが大きく表示され、傘のお化けが小さく表示される(味方キャラクター勝利演出)。
〔6ラウンド目(12ラウンド確変図柄2当選時)〕
図1051中(I):「12ラウンド確変図柄2」での当選の場合、6ラウンド目では花火ラッシュチャレンジ演出が実行される。このチャレンジ演出に成功すると、「高確率時間短縮状態」である花火ラッシュに突入する。具体的には、仙人のキャラクターが「Vアタッカを狙うのじゃ!」といった台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して第2可変入賞装置31を狙うといった遊技性を伝達することができる。また、「12ラウンド確変図柄2」で当選した場合の6ラウンド目では、第2可変入賞装置31がロング開放するため、いままでのラウンドと同様に出球による利益が得られる。さらに、「12ラウンド確変図柄2」に当選した場合の6ラウンド目では、確変領域用ソレノイド99が確変領域をロング開放するように作動するため、第2可変入賞装置31に遊技球が入球すると、遊技球は確変領域用羽根部材31dに案内されて確変領域を通過する。
図1051中(J):そして、遊技者が右打ちを継続することにより、遊技球が第2可変入賞装置31に入球して確変領域を通過すると、パンダのキャラクターがVマークを掲げる祝福演出が実行される。なお、大当り遊技の7ラウンド目から12ラウンド目においても、6ラウンド目と同様の祝福演出が実行される。また、演出図柄は数字の「2」が継続して表示されているものの、大当り遊技終了後は高確率時間短縮状態へ移行することになる。
〔大役終了時〕
図1051中(K):大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。図示の例では、画面内に「花火ラッシュ突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「高確率時間短縮状態」の花火ラッシュに移行することを遊技者に教示することができる。
以上は、「12ラウンド確変図柄2」に該当して、遊技球が無事に確変領域を通過した際の演出例であるが、「12ラウンド確変図柄2」に該当しても遊技球が確変領域を通過しなければ以下のような演出例となる。
〔5ラウンド目(12ラウンド確変図柄2当選時)〕
図1052中(L):「12ラウンド確変図柄2」での当選の場合、5ラウンド目では勝利演出が実行される。具体的には、「勝利!!」の文字とともに、女性キャラクターが大きく表示され、傘のお化けが小さく表示される(味方キャラクター勝利演出)。
〔6ラウンド目(12ラウンド確変図柄2当選時)〕
図1052中(M):「12ラウンド確変図柄2」での当選の場合、6ラウンド目では花火ラッシュチャレンジ演出が実行される。このチャレンジ演出に成功すると、「高確率時間短縮状態」である花火ラッシュに突入する。具体的には、仙人のキャラクターが「Vアタッカを狙うのじゃ!」といった台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して第2可変入賞装置31を狙うといった遊技性を伝達することができる。また、「12ラウンド確変図柄2」で当選した場合の6ラウンド目では、第2可変入賞装置31がロング開放するため、いままでのラウンドと同様に出球による利益が得られる。さらに、「12ラウンド確変図柄2」に当選した場合の6ラウンド目では確変領域用ソレノイド99が確変領域をロング開放するように作動するため、第2可変入賞装置31に遊技球が入球すると、遊技球は確変領域用羽根部材31dに案内されて確変領域を通過する。
ただし、ここでは何らかの理由(右打ちせず、球詰まり等)により、6ラウンド目が終了するまでに遊技球が第2可変入賞装置31に1つも入球しなかったものとする。この場合、遊技球は確変領域を通過することはない。
図1052中(N):この場合は、パンダのキャラクターが「残念」という台詞を発する失敗演出が実行される。なお、大当り遊技の7ラウンド目から12ラウンド目においても、失敗演出が継続される。
〔大役終了時〕
図1052中(O):「12ラウンド確変図柄2」での大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。図示の例では、画面内に「海岸モード突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「低確率時間短縮状態」の海岸モードに移行することを遊技者に教示することができる。
ここで、「12ラウンド確変図柄1」に該当した場合の演出例は特に図示していないが、「12ラウンド確変図柄2」に該当した場合と同様にバトル演出を実行して勝利演出を実行してもよく、バトル演出以外の演出を実行してもよい。「12ラウンド確変図柄2」に該当した場合も6ラウンド目で第2可変入賞装置31がロング開放するため、遊技球が確変領域を通過すると、花火ラッシュに突入する。なお、「12ラウンド確変図柄2」では実質的に4ラウンド分の出球を得ることができる。
〔花火ラッシュの演出例〕
図1053は、花火ラッシュの演出例を示す連続図である。この花火ラッシュは、「12ラウンド通常図柄以外のいずれかの確変図柄」に当選し、かつ、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合の大当り遊技後に移行されるモードである。花火ラッシュは、高確率時間短縮状態である。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
図1053中(A):例えば、大当り遊技終了後から1回目の変動表示が行われることで、「花火ラッシュ」の状態で演出図柄の変動表示が行われている。花火ラッシュの背景画像は、遊技者に対して花火のモチーフを深く印象付けるために、「夜空に花火が打ち上げられる情景」とともに「女性キャラクターが花火を観賞している様子」が表現された背景画像となっている。また、液晶表示器42の画面右上部では第4図柄Z2が変動表示されている。
図1053中(B):そして、大当り遊技終了後から1回目の変動(非当選時)が終了したことにより、すべての演出図柄が停止表示されている(「3」-「1」-「7」)。また、第4図柄Z2は、非当選の態様(例えば白色表示色)で停止表示されている。
図1053中(C):次回の変動が開始されると、大当り遊技終了後から2回目の変動表示が行われる。なお、花火ラッシュ(高確率時間短縮状態)では、可変始動入賞装置28の作動が高頻度で行われるため、遊技者が右打ちを継続する限り、第2特別図柄の変動表示に伴う演出図柄の変動表示が行われることが多い。また、花火ラッシュにて当選の結果が得られた場合は、リーチ演出が実行されて大当りとなる。
花火ラッシュにおいては、通常モードと同様に、変動前表示領域X1や変動中表示領域X2を表示して、マーカM1やマーカM2を表示してもよい。この点は、以下の海岸モードにおいても同様である。
〔大役中演出(ノーマルボーナス演出)〕
次に、変動表示中の演出(図示していない)で仮の停止表示時(図柄ジャッジ昇格演出前)に数字の「3」-「3」-「3」が表示され、図柄ジャッジ非昇格演出が実行された後の大役中演出例を挙げる。なお、仮の停止表示時に数字の「2」-「2」-「2」が表示され、図柄ジャッジ昇格演出で数字の「3」-「3」-「3」が表示された場合でもよい。
図1054は、「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」に該当した場合の大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である。
〔1ラウンド〕
図1054中(A):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、「大当り中」という遊技の進行状況に対応した内容の大役中演出が実行される。大役中演出では、例えば画面内に「ROUND1」のラウンド数に対応する文字情報が表示される。また、画面の右下隅位置には、今回の当選図柄に対応した演出図柄(ここでは「3」の演出図柄)が表示されている。このように、大当り遊技中も引き続き図柄ジャッジ非昇格演出で用いられた当選時の演出図柄(いわゆる「残し目」)を表示しておくことで、遊技者に対して「「3」の演出図柄で当選した」という情報を引き続き教示することができる。また、表示画面の下側の領域には、「ノーマルボーナス」の文字が表示され、画面の周囲には団扇や太鼓等といった祭りに関する画像が表示される。
〔6ラウンド〕
図1054中(B):「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」での当選の場合、6ラウンド目において花火ラッシュチャレンジ演出が実行される。このチャレンジ演出に成功すると、高確率時間短縮状態である花火ラッシュに突入する。具体的には、女性のキャラクターが「Vアタッカを狙ってね」といった台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して第2可変入賞装置31を狙うといった遊技性を伝達することができる。また、「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」で当選した場合の6ラウンド目では、第2可変入賞装置31がロング開放するため、いままでのラウンドと同様に出球による利益が得られる。さらに、「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」に当選した場合の6ラウンド目では確変領域用ソレノイド99が確変領域をロング開放するように作動するため、第2可変入賞装置31に遊技球が入球すると、遊技球は確変領域用羽根部材31dに案内されて確変領域を通過する。
図1054中(C):そして、遊技者が右打ちを継続することにより、遊技球が第2可変入賞装置31に入球して確変領域を通過すると、表示画面の右上にVマークが表示される祝福演出が実行される。
〔大役終了時〕
図1054中(D):大当り遊技が終了するタイミングにおいて、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。図示の例では、画面内に「花火ラッシュ突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「高確率時間短縮状態」の花火ラッシュに移行することを遊技者に教示することができる。
〔大役中演出(スペシャルボーナス演出)〕
次に、図柄ジャッジ昇格演出が実行された後の大役中演出例を挙げる。例えば、変動表示中の演出で仮の停止表示時(図柄ジャッジ昇格演出前)に数字の「2」-「2」-「2」が表示され、図柄ジャッジ昇格演出が実行されて数字の「7」-「7」-「7」が表示された場合、又は文字の「峰子」-「峰子」-「峰子」が表示された場合、もしくは文字の「最強」-「最強」-「最強」が表示された場合である。
図1055は、「16ラウンド確変図柄」に該当した場合の大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である。
〔1ラウンド〕
図1055中(A):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、「大当り中」という遊技の進行状況に対応した内容の大役中演出が実行される。大役中演出では、例えば画面内に「ROUND1」のラウンド数に対応する文字情報が表示される。また、表示画面の下側の領域には、「スペシャルボーナス」の文字が表示され、画面の周囲には馬にまたがりピースサインを行う女性キャラクターの画像が表示される。なお、大当り遊技の開始前に、例えば通常遊技状態(低確率非時間短縮状態)で第1特別図柄の変動表示が行われていた場合、ゲームフロー上は「プレミアムボーナス」となるため、表示画面の下側領域には「スペシャルボーナス」の文字が表示されることになる。したがって、ここでは花火ラッシュ突入後に第2特別図柄の変動表示が行われて図柄ジャッジ昇格演出が実行された後の大役中演出を例に挙げているものとする。
〔特定演出図柄の表示継続〕
また、画面の右下隅位置には、大当り遊技中も引き続き図柄ジャッジ昇格演出で用いられた当選時の演出図柄(いわゆる「残し目」)が表示されている。すなわち、今回の当選図柄に対応した演出図柄(ここでは「7」の演出図柄、「峰子」の演出図柄又は「最強」の演出図柄)が特別図柄の変動終了以降も継続的に表示されている(継続表示手段、表示継続手段)。このように、大当り遊技中も引き続き当選図柄を表示しておくことで、遊技者に対して「「7」の演出図柄、「峰子」の演出図柄又は「最強」の演出図柄で当選した」という情報を引き続き教示することができる。
〔6ラウンド〕
図1055中(B):「16ラウンド確変図柄」での当選の場合、6ラウンド目では花火ラッシュチャレンジ演出が実行される。このチャレンジ演出に成功すると、高確率時間短縮状態である花火ラッシュに突入する。具体的には、仙人のキャラクターが「Vアタッカを狙うのじゃ!」といった台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して第2可変入賞装置31を狙うといった遊技性を伝達することができる。また、「16ラウンド確変図柄」で当選した場合の6ラウンド目では、第2可変入賞装置31がロング開放するため、いままでのラウンドと同様に出球による利益が得られる。さらに、16ラウンド確変図柄に当選した場合の6ラウンド目では確変領域用ソレノイド99が確変領域をロング開放するように作動するため、第2可変入賞装置31に遊技球が入球すると、遊技球は確変領域用羽根部材31dに案内されて確変領域を通過する。なお、ここでも画面の右下隅位置には、当選時の演出図柄が「残し目」として継続して表示されている(継続表示手段、表示継続手段)。
図1055中(C):そして、遊技者が右打ちを継続することにより、遊技球が第2可変入賞装置31に入球して確変領域を通過すると、飛び上がった女性キャラクターの横にVマークが表示される祝福演出が実行される。同様に、画面の右下隅位置には当選時の演出図柄が「残し目」として継続して表示されている(継続表示手段、表示継続手段)。
〔16ラウンド〕
図1055中(D):この後、大当り遊技が順調に進行し、最終の16ラウンドに移行すると、画面内には「ROUND16」のラウンド数に対応する文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像が表示されている。また、画面の右下隅位置には、当選時の演出図柄が「残し目」として継続して表示されている(継続表示手段、表示継続手段)。
〔大役終了時〕
図1055中(E):大当り遊技が終了するタイミングにおいて、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。図示の例では、画面内に「花火ラッシュ突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「高確率時間短縮状態」の花火ラッシュに移行することを遊技者に教示することができる。なお、ここでも当選時の演出図柄を「残し目」として継続して表示してもよい(継続表示手段、表示継続手段)。
〔その他の特定演出図柄の表示継続例〕
以上のように、大役演出中に当選時の演出図柄を「残し目」として継続して表示している一例を挙げたが、特定の演出図柄の表示を継続する手法は以下の構成でもよい(継続表示手段、表示継続手段)。
(1)例えば、高確率時間短縮状態で大当りが連続している(いわゆる連荘している)場合、大役中演出の中でこれまでの当選時の演出図柄の履歴(変遷、経緯)を継続して表示する。具体的には、図1055中(A)~(E)の画面右側位置に、これまでの当選時の演出図柄を縦方向に並べて表示し続けてもよい。なお、具体的な態様例については別の図面を用いてさらに後述する。
(2)また、高確率時間短縮状態で大当りが連続している(いわゆる連荘している)場合、特別図柄が変動表示されている花火ラッシュ中も継続してこれまでの当選時の演出図柄の履歴(変遷、経緯)を継続して表示する。具体的には、図1053中(A)~(C)の画面右側位置に、これまでの当選時の演出図柄を縦方向に並べて表示し続けてもよい。
いずれにしても、特定の演出図柄(これまでの例では文字の「峰子」又は「最強」を用いた演出図柄)を特別図柄の変動中に表示するとともに、その表示を変動終了以降も継続させることで、出現率に設定差が設けられている特定の演出を遊技者に認識させる機会を確保することができる。これにより、設定が特定の値(例えば高設定)であることの推測(判断)に対する機会損失を抑え、遊技意欲の維持を図ることができる。
〔海岸モードの演出例〕
図1056は、海岸モードの演出例を示す連続図である。この海岸モードは、「12ラウンド通常図柄」に該当した場合の大当り遊技の終了後や、いずれかの確変図柄に該当したものの大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合の大当り遊技の終了後に移行されるモードである。海岸モードは、「低確率時間短縮状態」である。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
図1056中(A):例えば、「12ラウンド通常図柄」での大当り遊技の終了後、1回目の変動表示が行われることで、「海岸モード」の状態で演出図柄の変動表示が行われている。海岸モードの背景画像は、海岸モードのコンセプトである癒しの印象を表現するために、「砂浜」や「海」、「山」等の画像をモチーフとした背景画像となっている。また、液晶表示器42の画面右上では第4図柄Z2が変動表示されている。
図1056中(B):そして、今回の変動(非当選時)が終了したことにより、すべての演出図柄が停止表示されている(「1」-「1」-「5」)。また、第4図柄Z2は、非当選の態様(例えば白色表示色)で停止表示されている。
図1056中(C):そして、次回の変動が開始される。この海岸モードは、当選の結果が得られずに特別図柄が100回変動すると終了となる。海岸モードが終了すると低確率非時間短縮状態の通常モードに移行する。なお、海岸モードにて当選の結果が得られた場合は、リーチ演出が実行されて大当りとなる。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した変動表示演出やリーチ演出、予告演出、記憶表示演出、図柄ジャッジ演出(特定の演出)、大役中演出等は、いずれも演出制御装置124で実行される以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
演出制御装置124は、上述したように演出制御プロセッサとしての機能と演出再生プロセッサとしての機能を有しており、各々に演出制御CPU126の異なるリソースを割り当てることによりこれら2つの機能を実現している。演出制御プロセッサとしての演出制御CPU126は、主制御装置70から送信される演出コマンドを受信し、この内容に応じて演出の再生を指示する各種の制御テーブルを設定する。また、演出再生プロセッサとしての演出制御CPU126は、演出制御プロセッサにより設定された制御テーブルを解析し、その内容に基づき各デバイスに向けてより具体的な指示を行うことにより各デバイスの動作(液晶表示器42による画面表示、スピーカ54,55,56,58による音声出力、各種ランプ46~52及び盤面ランプ53等による発光、可動体モータ57による各種可動体の変位等)を制御し、パチンコ機1での演出再生を実現させる。
そこで、説明の便宜のため、これ以降の説明においては、演出制御CPU126が演出制御プロセッサとして機能する場合の動作主体を「演出制御部210」と表現し、演出制御CPU126が演出表示プロセッサとして機能する場合の動作主体を内容に応じて適宜「表示制御部220」、「音声制御部222」、「ランプ制御部224」又は「モータ制御部226」と表現することとする。
図1057は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs~数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、表示出力処理(ステップS404)、入力制御処理(ステップS405)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御部210は主制御CPU72から送信される演出コマンドを受信する。また、演出制御部210は受信した演出コマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出コマンドには、例えば特図先判定演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、確定コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、エラー通知コマンド、大当り終了演出コマンド、回数切りカウンタ値コマンド、変動パターン先判定コマンド、停止表示時間終了コマンド、確変領域通過コマンド、賞球内容コマンド、設定関連終了指定コマンド等がある。
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御部210は記憶表示演出や、マーカM1,M2を用いた先読み予告演出の実行を制御する。なお、作動記憶演出管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御部210は演出図柄を用いた変動表示演出や停止表示演出、図柄ジャッジ演出の内容を制御したり、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作時の演出内容を制御したりする(演出実行手段、特定演出実行手段、継続表示手段、表示継続手段)。また、この処理において、演出制御部210は各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出等)の演出パターンを選択する。なお、演出図柄管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS404:表示出力処理では、先ず演出制御部210が、表示制御部220に対して演出内容(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号、当該保留消去等)を指示するメッセージや制御テーブルを設定する。これを受けて表示制御部220は、設定されたメッセージや制御テーブルの内容に基づいてVDP152に対し具体的な描画の指示を行い、液晶表示器42による表示動作を制御する。
ステップS405:入力制御処理では、先ず演出制御部210が、演出の進行に伴い遊技者による操作を要求する場面に同期させて、入力制御部228に対し操作ユニット60等の操作部材が遊技者により指定した態様で操作されるか否かの検出を指示する。より具体的には、演出制御部210は、制御ROM180に予め定義されているいずれかの入力制御テーブルを設定する。これを受けて入力制御部228は、設定された入力制御テーブルの内容を解析し、これに基づいて、いずれかの操作部材に対する操作の受付を可能とする期間を設定する。また、演出制御部210が指定した態様に合致する操作(遊技者に要求する操作)がなされるか否かを検出し、検出結果を出力して演出制御部210に返す。
ステップS406:ランプ駆動処理では、先ず演出制御部210が、ランプ制御部224に対して演出内容を指示する制御テーブルを設定する。これを受けてランプ制御部224は、設定された制御テーブルの内容に基づいてLEDドライバ198を中継しドライバIC132に対して具体的な駆動信号を出力し、各種ランプ46~52、盤面ランプ53や操作ユニット60の各部位に内蔵された光源等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)させる。
ステップS408:音響駆動処理では、先ず演出制御部210が、音声制御部222に対して演出内容を指示する制御テーブルを設定する。これを受けて音声制御部222は、設定された制御テーブルの内容に基づいて音声IC134に対し具体的な出力内容の指示を行い、スピーカ54,55,56,58から演出内容に応じた音(効果音、BGM等)を出力させる。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御部210はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば、先ず演出制御部210が、モータ制御部226に対して演出内容を指示する制御テーブルを設定する。これを受けてモータ制御部226は、設定された制御テーブルの内容に基づいてSMC199に対し具体的な制御内容の指示を行う。さらにSMC199は、モータ制御部226からの指示に基づいて可動体40fの作動パターンを作成し、これに応じた制御信号をドライバICに出力し、可動体40fを駆動させる。可動体40fは可動体モータ57を駆動源として動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御部210はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される作動記憶演出管理処理の内容について説明する。
〔作動記憶演出管理処理〕
図1058は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。
作動記憶演出管理処理は、主制御装置70において記憶されている抽選要素の数(作動記憶数)の増減に連動させて液晶表示器42の画面上になされる第1特別図柄及び第2特別図柄に対応したマーカM1,M2の表示を更新する処理であり(記憶表示演出実行手段)、演出制御処理の過程(図1057中のステップS401)で呼び出されて実行される。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS700:先ず演出制御部210は、主制御CPU72から作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS700:Yes)、演出制御部210はステップS702を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS700:No)、演出制御部210はステップS702を実行しない。
ステップS702:演出制御部210は、作動記憶数増加時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応したマーカM1,M2を表示させる演出を選択する。
ステップS704:演出制御部210は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS704:Yes)、演出制御部210はステップS706を実行する。なお、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS704:No)、演出制御部210はステップS706を実行しない。
ステップS706:演出制御部210は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応したマーカM1,M2をスライドさせる演出、内部抽選により消費した抽選要素に対応するマーカを変動前表示領域X1から変動中表示領域X2に移動させる演出を選択する。なお、変動中表示領域X2に移動させた記憶マーカは変動終了時に消去する演出を選択する。
以上の手順を終えると、演出制御部210は、演出制御処理(図1057)に復帰する。
〔演出図柄管理処理〕
図1059は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御部210は次に実行するべき処理(ステップS502~ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御部210は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御部210は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御部210は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また、可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において大当り時可変入賞装置管理処理(図1017中のステップS5000)が選択された場合や小当り時可変入賞装置管理処理(図1017中のステップS6000)が選択された場合にジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502~ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御部210は演出図柄を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。また、この処理において、演出制御部210は各種の条件(抽選結果、当選種類、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(先読み予告演出パターン以外のリーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御部210は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御部210は必要に応じて表示制御部220に指示する制御情報を生成する。例えば、演出図柄を用いた変動表示演出を実行中に操作ユニット60を用いた演出を行う場合、遊技者による操作ユニット60の操作の有無を入力制御部228が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(操作契機演出、連打演出、連係操作演出等)の制御情報を表示制御部220に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御部210は内部抽選の結果に応じた態様で演出図柄や動画像を用いた停止表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御部210は表示制御部220に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けて表示制御部220は、VDP152を介して実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。なお、小当り時には、はずれと同様か近似した態様で停止表示演出を実行することができる。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御部210は小当り中又は大当り中の演出内容を制御する(特別遊技演出実行手段)。この処理において、演出制御部210は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容を選択する。例えば16ラウンド大当りの場合、演出制御部210は液晶表示器42に表示する演出内容として、16ラウンドの大役中演出パターンを選択し、これを表示制御部220に対して指示する。これにより、液晶表示器42の表示画面では大役中演出の画像が表示されるとともに、ラウンドの進行に伴って演出内容が変化していくことになる。
〔演出図柄変動前処理〕
図1060は、演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御部210は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御部210は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
以上の手順を終えると、演出制御部210は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御部210はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図1057中のステップS404)、ランプ駆動処理(図1057中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御部210は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御部210は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御部210はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御部210は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御部210はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また、今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御部210は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「C0H00H」~「D0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御部210は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。
また、演出パターン番号を選択すると、演出制御部210は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチの種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様等を決定する。なお、ここで決定される演出図柄の種類は、全て「小当り時の図柄の組み合わせ」に該当するものとなっている。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、大当りに該当した場合、演出制御部210はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御部210はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御部210は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は主制御CPU72から受信した設定関連終了指定コマンド(設定値やその変更の有無を表すコマンド)及び変動パターンコマンド(例えば、「E0H00H」~「F0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御部210はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御部210は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「A0H00H」~「A6H7FH」)に基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御部210がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドによって決まる。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御部210は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」-「2」-「4」等)を決定する。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御部210は次にステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御部210は、予告選択処理を実行する(予告演出実行手段)。この処理では、演出制御部210は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、高確率状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は比較的高く設定されている。
以上の手順を終えると、演出制御部210は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図1059中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び停止表示演出が実行されるとともに(演出実行手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。
〔大当り時変動演出パターン選択処理〕
図1061は、大当り時変動演出パターン選択処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、上記の演出図柄変動前処理の中(図1060中のステップS610)で実行されるものである。演出制御部210は、この処理の中で大当り時の変動表示中及び停止表示中における演出パターンを選択する。また、ここではパチンコ機1の設定(設定値)に応じた演出抽選(選択)が行われる。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS800:演出制御部210は、現在のパチンコ機1の設定値を参照する。具体的には、演出制御部210は、RAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、保存されている設定関連終了指定コマンドの値を取得(参照)する。
ステップS802:次に演出制御部210は、設定値別変動演出パターン抽選テーブル選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、参照した設定値(設定1~6のいずれか)に対応する変動演出パターン抽選テーブルを選択する。なお、設定値別の変動演出パターン抽選テーブルは、制御ROM180に予め定義されている。
ステップS804:演出制御部210は、選択した設定値別変動演出パターン抽選テーブルを用いて変動演出パターン抽選処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、大当り時変動パターンコマンドに対応付けられた大当り時変動演出パターン番号を選択し、最終的に演出パターン情報を生成する。なお、処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて説明する。
ステップS806:演出制御部210は、生成した演出パターン情報を保存する。ここで保存した演出パターン情報は、演出制御部210が表示制御部220に対して指示する制御情報の一つとなる。
以上の手順を実行すると、演出制御部210は、呼び出し元の処理に復帰する。
〔変動演出パターン抽選処理〕
図1062は、変動演出パターン抽選処理の手順例を示すフローチャートである。上記のように、この処理で演出制御部210は、設定値別変動演出パターン抽選テーブルを用いて演出抽選を実行する。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS900:演出制御部210は、テンパイ前演出パターン抽選を実行する。すなわち、今回の変動パターンコマンドに対応付けられている演出パターンのうち、演出図柄がテンパイ状態(リーチ状態)となる前までに実行される演出パターンを抽選により選択する。演出パターンとしては、例えば擬似連演出パターン、擬似連後巻き戻し演出パターン、リーチ発生煽り演出パターン等がある。
ステップS902:演出制御部210は、テンパイ後演出パターン抽選を実行する。ここでは、主にリーチ演出パターンの具体的な内容が選択される。リーチ演出パターンの内容としては、基本的に変動パターンコマンドで指定されたもの(スーパーリーチ、ストーリーリーチ等)が選択されるが、詳細なリーチ演出パターンの内容は、例えば先のステップS900で選択されたテンパイ前演出パターンの内容に関連付けられたものが選択されることとしてもよい。また、リーチ演出パターンには、先の演出例で挙げた図柄ジャッジ演出が行われるものが含まれる。
ステップS904:演出制御部210は、選択したテンパイ後演出パターンが図柄ジャッジ演出を含むものであるか否かを判定する。図柄ジャッジ演出を含む演出パターンである場合(Yes)、演出制御部210は、次にステップS906を実行する。なお、図柄ジャッジ演出を含まない演出パターンである場合(No)、演出制御部210は、ステップS906を実行しない。
ステップS906:演出制御部210は、図柄ジャッジ演出パターン抽選を実行する。ここでは、先の演出例で示した図柄ジャッジ演出の内容(図柄ジャッジ昇格演出/図柄ジャッジ非昇格演出)が選択される。具体的な選択例は、さらに別の図面を参照して後述する。
ステップS908:そして、演出制御部210は、変動演出パターン情報を生成する。生成される情報には、各種抽選で選択(決定)された演出パターンの内容(テンパイ前演出パターン、テンパイ後演出パターン、図柄ジャッジ演出パターン等の演出指定番号等)が含まれる。
以上の手順を終えると、演出制御部210は、呼び出し元の処理に復帰する。
〔当選図柄別設定値別図柄ジャッジ選択率〕
図1063は、当選図柄別設定値別図柄ジャッジ演出選択率を示す図である。ここでは、図柄ジャッジ演出の各内容(各演出パターン)に対し、現在のパチンコ機1の設定に応じてどのような選択率(%)が設定されているかを一覧表にしている。上記のように、演出制御部210による図柄ジャッジ演出パターン抽選(図1062中のステップS906)では、図1063の一覧表に定められた設定別の選択率で演出パターン抽選が行われている。
すなわち、図1063の左端カラムには、選択され得る図柄ジャッジ演出の内容が示されており、図1063の左端カラムから右側には、設定値(1~6)別の選択比率が数値で示されている。なお、一覧表には設定値1~6別にもカラムが示されているが、図1063の一覧表は、設定毎の選択率を各カラム内で縦方向に読むものではなく、選択率を設定毎に縦方向で合計しても100%にはならない点に留意する。すなわち、図1063の一覧表は、あくまで各段の図柄ジャッジ演出パターンに対する選択率の設定差を横方向に比較するためのものである。以下、具体的に説明する。
〔演出図柄「2」の選択率〕
図1063の見出し欄を除く最上段は、図柄ジャッジ演出で最終的に偶数図柄の「2」が表示される演出パターンの設定値別選択率を示している。最終的に偶数図柄の「2」が表示される演出パターンは、例えば図1047中(U)から(V),(M)への流れに沿って実行される演出である。このような演出パターンは、内部的に16ラウンド通常大当りに当選している場合に選択されることが多く、横方向で比較すると、設定1から設定4ではいずれも85%の選択率となっている。また、設定5では、選択率は82%と僅かに下がり、設定6では選択率が80%と最も低くなるが、それでも比較的選択率は全ての設定で高めである(有意な設定差はない)ことが分かる。なお、内部的に16ラウンド通常大当りに当選している場合でも、15%~20%の選択率でその他の内容の図柄ジャッジ演出が選択されることがあるが、基本的に偶数図柄の「2」が偶数図柄の「4」に変化する等といった内容であり、本実施形態では、通常大当り時に奇数図柄に昇格する演出パターンが選択されることはない(ただし、選択されてもよい)。また、設定5,6のマスに括弧書きで示したように、設定5,6についても選択率を85%に統一してもよい。
〔演出図柄「3」の選択率〕
図1063の見出し段を除く上から2段目は、図柄ジャッジ演出で最終的に奇数図柄の「3」が表示される演出パターンの設定値別選択率を示している。最終的に奇数図柄の「3」が表示される演出パターンは、例えば図1047中(U)に続く流れで演出図柄が「3」に昇格される演出である(図示していない)。このような演出パターンは、例えば内部的に12ラウンド確変大当り又は16ラウンド確変大当りに当選している場合(大当り終了後が花火モード時)に選択されることが多く、横方向で比較すると、設定1から設定3ではいずれも45%の選択率となっている。また、設定4では、選択率は50%と高くなり、設定5で選択率は55%、設定6で選択率が60%と最も高くなるが、選択率は全ての設定で中程度である(有意な設定差はない)ことが分かる。なお、内部的に12ラウンド確変大当りに当選している場合でも、55%~40%の選択率でその他の内容の図柄ジャッジ演出が選択されることがあり、この場合、偶数図柄の「2」が非昇格となる(再抽選失敗演出)演出パターン(図1047中(W))の他、奇数図柄の「5」に変化する等といった内容である(図示していない)。また、設定4~6のマスに括弧書きで示したように、設定4~6についても選択率を45%に統一してもよい。
〔演出図柄「7」の選択率〕
図1063の見出し段を除く上から3段目は、図柄ジャッジ演出で最終的に奇数図柄の「7」が表示される演出パターンの設定値別選択率を示している。最終的に奇数図柄の「7」が表示される演出パターンは、例えば図1047中(U)から(X),(Y)への流れで演出図柄が「7」に昇格される演出である。このような演出パターンは、例えば内部的に16ラウンド確変大当りに当選している場合(大当り終了後が花火モード時、かつ、大当り遊技が最大ラウンド時)に選択されることが多く、横方向で比較すると、設定1から設定3ではいずれも60%の選択率となっている。また、設定4では、選択率は65%と高くなり、設定5で選択率は70%、設定6で選択率が75%と最も高くなるが、選択率は全ての設定で中高程度である(有意な設定差はない)ことが分かる。なお、内部的に16ラウンド確変大当りに当選している場合でも、40%~20%の選択率でその他の内容の図柄ジャッジ演出が選択されることがあり、この場合、偶数図柄の「2」が非昇格となる(再抽選失敗演出)演出パターン(図1047中(W))の他、奇数図柄の「5」に変化する等といった内容である(図示していない)。あるいは、内部的に16ラウンド確変大当りに当選している場合、全ての設定で特定の文字図柄「峰子」に変化したり、特定の文字図柄の「最強」に変化したりする場合もあるが、これらについては設定差とともに後述する。また、設定4~6のマスに括弧書きで示したように、設定4~6についても選択率を60%に統一してもよい。
〔特定文字図柄「峰子」の選択率〕
図1063の見出し段を除く上から4段目は、図柄ジャッジ演出で最終的に文字図柄の「峰子」が表示される演出パターンの設定値別選択率を示している。最終的に文字図柄の「峰子」が表示される演出パターンは、例えば図1048中(U)から(V),(W)への流れで演出図柄が文字図柄の「峰子」に昇格される演出である。このような演出パターンは、例えば内部的に16ラウンド確変大当りに当選している場合(大当り終了後が花火モード時、かつ、大当り遊技が最大ラウンド時)に選択されることがあるが、選択率には有意な設定差が設けられている。文字図柄「峰子」の演出パターンは、高設定ほど選択率(出現率)が高く、低設定でも稀に選択される(出現する)。以下、設定差について説明する。
〔設定1,2〕
図1063の4段目を横方向で比較すると、設定1と設定2では選択率が1%しかなく、16ラウンド確変大当り時でも、設定2以下では、殆ど演出パターンとして選択されないことが分かる。これは、文字図柄「峰子」の図柄ジャッジ昇格演出の実行(出現)頻度が他の設定3以上に比較して低く設定されていることを意味する。逆に言えば、設定3以上である場合、設定2以下である場合に比較して文字図柄「峰子」の図柄ジャッジ昇格演出の実行(出現)頻度が高く設定されていることになる(特定演出実行手段)。
〔設定3〕
図1063の4段目を横方向で比較すると、設定3の選択率は2%と低いが、設定2以下の1%よりは高い。ただし、16ラウンド確変大当り時でも、設定3では依然として殆ど演出パターンとして選択されないことが分かる。これは、文字図柄「峰子」の図柄ジャッジ昇格演出の実行(出現)頻度が他の設定4以上に比較して低く設定されていることを意味する。逆に言えば、設定4以上である場合、設定3以下である場合に比較して文字図柄「峰子」の図柄ジャッジ昇格演出の実行(出現)頻度が高く設定されていることになる(特定演出実行手段)。
〔設定4〕
図1063の4段目を横方向で比較すると、設定4の選択率は3%となり、設定2以下の1%や設定3の2%より僅かに高い。したがって、16ラウンド確変大当り時には、設定4でもある程度は演出パターンとして選択されることが分かる。これは、文字図柄「峰子」の図柄ジャッジ昇格演出の実行(出現)頻度が他の設定5以上に比較して低く設定されていることを意味するが、設定5以上である場合、設定4以下である場合に比較して文字図柄「峰子」の図柄ジャッジ昇格演出の実行(出現)頻度が高く設定されていることになる(特定演出実行手段)。
〔設定5〕
図1063の4段目を横方向で比較すると、設定5の選択率は7%となり、設定2以下の1%や設定3の2%より高いし、設定4の3%と比較しても高い。したがって、16ラウンド確変大当り時には、設定5では比較的高頻度に演出パターンとして選択されることが分かる。これは、文字図柄「峰子」の図柄ジャッジ昇格演出の実行(出現)頻度が他の設定6に比較して低く設定されていることを意味するが、設定5である場合、設定4以下である場合に比較して文字図柄「峰子」の図柄ジャッジ昇格演出の実行(出現)頻度が高く設定されていることになる(特定演出実行手段)。
〔設定6〕
図1063の4段目を横方向で比較すると、設定6の選択率は10%となり、設定2以下の1%や設定3の2%より高いし、設定4の3%や設定5の7%と比較しても高い。したがって、最高設定6の場合、16ラウンド確変大当り時に演出パターンが最も高頻度で選択されることが分かる。これは、文字図柄「峰子」の図柄ジャッジ昇格演出の実行(出現)頻度が他の設定5以下に比較して高く設定されていることを意味する(特定演出実行手段)。
〔特定文字図柄「最強」の選択率〕
図1063の最下段は、図柄ジャッジ演出で最終的に文字図柄の「最強」が表示される演出パターンの設定値別選択率を示している。最終的に文字図柄の「最強」が表示される演出パターンは、例えば図1048中(U)から(X),(Y)への流れで演出図柄が文字図柄の「峰子」に昇格される演出である。このような演出パターンは、例えば内部的に16ラウンド確変大当りに当選している場合(大当り終了後が花火モード時、かつ、大当り遊技が最大ラウンド時)に選択されることがあるが、選択率には明確な設定差が設けられている。文字図柄「最強」の演出パターンは、最高設定で稀に選択され、準高設定でも極稀に選択されるが、低設定では選択されない。以下、設定差について説明する。
〔設定1~4〕
図1063の最下段を横方向で比較すると、設定1から設定4では選択率そのものが割り当てられていない。すなわち、16ラウンド確変大当り時でも、設定4以下では演出パターンとして選択される可能性がないことが分かる。これは、文字図柄「最強」の図柄ジャッジ昇格演出の実行(出現)頻度が他の設定5以上に比較して低く(0%に)設定されていることを意味する。逆に言えば、設定5以上である場合、設定4以下である場合に比較して文字図柄「最強」の図柄ジャッジ昇格演出の実行(出現)頻度が高く設定されていることになる(特定演出実行手段)。なお、設定1から設定4の選択率を極めて低い値(例えば0.1%程度)としてもよい。
〔設定5〕
図1063の最下段を横方向で比較すると、準高設定である設定5の選択率は5%となり、設定4以下より高い。したがって、16ラウンド確変大当り時には、設定5ではある程度の頻度で演出パターンとして選択されることが分かる。これは、文字図柄「最強」の図柄ジャッジ昇格演出の実行(出現)頻度が他の設定6に比較して低く設定されていることを意味するが、設定5である場合、設定4以下である場合に比較して文字図柄「最強」の図柄ジャッジ昇格演出の実行(出現)頻度が高く設定されていることになる(特定演出実行手段)。
〔設定6〕
図1063の4段目を横方向で比較すると、最高設定である設定6の選択率は15%と最大になり、設定5の5%と比較して3倍である。したがって、最高設定6の場合、16ラウンド確変大当り時に演出パターンが最も高頻度で選択されることが分かる。これは、文字図柄「最強」の図柄ジャッジ昇格演出の実行(出現)頻度が他の設定5以下に比較して高く設定されていることを意味する(特定演出実行手段)。
〔設定差のまとめ〕
以上のように、本実施形態では図柄ジャッジ演出の選択率について以下のような設定差が設けられていることになる。
(1)偶数図柄「2」が最終的に表示される図柄ジャッジ演出には、設定に応じて選択率が大きく異なる(低設定ほど極端に選択率が高い)といった有意な設定差が設けられていない。また、僅かな設定差を設けることなく、全ての設定1~6で選択率は同一であってもよい。
したがって、偶数図柄「2」が最終的に表示される図柄ジャッジ演出は、殆どパチンコ機1の設定値について推測の根拠とすることができない。
(2)奇数図柄「3」が最終的に表示される図柄ジャッジ演出には、設定に応じて選択率が大きく異なる(低設定ほど極端に選択率が高い)といった有意な設定差が設けられていない。また、僅かな設定差を設けることなく、全ての設定1~6で選択率は同一であってもよい。
したがって、奇数図柄「3」が最終的に表示される図柄ジャッジ演出は、殆どパチンコ機1の設定値について推測の根拠とすることができない。
(3)演出図柄「7」が最終的に表示される図柄ジャッジ演出には、設定に応じて選択率が大きく異なる(高設定ほど極端に選択率が高い)といった有意な設定差が設けられていない。また、僅かな設定差を設けることなく、全ての設定1~6で選択率は同一であってもよい。
したがって、演出図柄「7」が最終的に表示される図柄ジャッジ演出は、殆どパチンコ機1の設定値について推測の根拠とすることができない。
(4)文字図柄「峰子」が最終的に表示される図柄ジャッジ演出は、設定に応じて選択率が異なっており(高設定ほど選択率が高くなる)、そこには有意な設定差が設けられている。
したがって、文字図柄「峰子」が最終的に表示される図柄ジャッジ演出は、その出現率を観測していくことで、ある程度はパチンコ機1の設定値について推測の根拠とすることが可能である。
(5)文字図柄「最強」が最終的に表示される図柄ジャッジ演出は、設定に応じて選択率が異なっており(高設定ほど選択率が高く、低設定では全く選択されなくなる)、そこには明確な設定差が設けられている。
したがって、文字図柄「最強」が最終的に表示される図柄ジャッジ演出は、これが出現したことでパチンコ機1が高設定(設定5以上)であるとの推測を可能とするだけでなく、その出現率を観測していくことで、最高設定6であると推測させる根拠を強固にすることができる。
〔可変入賞装置作動時処理〕
図1064は、可変入賞装置作動時処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置作動時処理は、実行選択処理(ステップS902)、可変入賞装置作動前処理(ステップS904)、可変入賞装置作動中処理(ステップS906)、可変入賞装置作動後処理(ステップS908)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って可変入賞装置作動時処理の基本的な流れを説明する。
ステップS902:実行選択処理において、演出制御部210は次に実行するべき処理(ステップS904~ステップS908のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、演出制御部210は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして可変入賞装置作動時処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ可変入賞装置作動前処理を開始していない状況であれば、演出制御部210は次のジャンプ先として可変入賞装置作動前処理(ステップS904)を選択する。また、既に可変入賞装置作動前処理が完了していれば、演出制御部210は次のジャンプ先として可変入賞装置作動中処理(ステップS906)を選択する。さらに、可変入賞装置作動中処理が完了していれば、演出制御部210は次のジャンプ先として可変入賞装置作動後処理(ステップS908)を選択する。
ステップS904:可変入賞装置作動前処理では、演出制御部210は大当り遊技中や小当り遊技中に実行する演出の内容を選択する処理を実行する。例えば、「12ラウンド通常図柄」での当選の場合は、味方キャラクターが敵キャラクターに敗北する演出を選択する処理を実行する。また、「12ラウンド確変図柄1,2」での当選の場合は、味方キャラクターが敵キャラクターに勝利する演出を選択する処理を実行する。さらに、「6ラウンド確変図柄1,2」での当選の場合は、ノーマルボーナス演出を選択する処理を実行する。さらにまた、「16ラウンド確変図柄」での当選の場合は、プレミアムボーナス演出又はスペシャルボーナス演出を選択する処理を実行する。加えて、大当り遊技前の図柄変動演出で最終的に表示された演出図柄(例えば数字の「2」や「7」、文字の「峰子」や「最強」等)の表示を継続する演出パターンを選択する処理を実行する(表示継続手段、継続表示手段)。
ステップS906:可変入賞装置作動中処理では、演出制御部210は必要に応じて表示制御部220に指示する制御情報を生成する。例えば、大当り演出の実行中に操作ユニット60を用いた演出を行う場合、遊技者による操作ユニット60の操作の有無を入力制御部228に検出させるとともに、その結果に応じた演出内容(操作契機演出、連打演出、連係操作演出等)の制御情報を表示制御部220に対して指示する。また、この可変入賞装置作動中処理において、大当り遊技中に確変領域通過コマンドを受信した場合には、V入賞が発生したことを示す演出(図1051中(J)等に示す演出)を選択する処理を実行する一方、大当り遊技中に確変領域通過コマンドを受信しなかった場合には、V入賞が発生しなかったことを示す演出(図1052中(N)等に示す演出)を選択する処理を実行する。
ステップS908:可変入賞装置作動後処理では、演出制御部210は、可変入賞装置の終了時間の間に移行先のモードを遊技者に対して伝達する演出を実行する。例えば、演出制御部210は、当選図柄や確変領域の通過の有無に応じて海岸モード突入演出を実行したり、花火ラッシュ突入演出を実行したりする。具体的には、大当り遊技中に確変領域通過コマンドを受信した場合には、花火ラッシュに突入することを示す演出(図1051中(K)等に示す演出)を選択する処理を実行し、大当り遊技中に確変領域通過コマンドを受信しなかった場合には、海岸モードに突入することを示す演出(図1050中(G)等に示す演出)を選択する処理を実行する。
以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出図柄管理処理(図1059)に復帰する。
以上説明したように、上述した実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)本実施形態によれば、選択比率に設定差が設けられている特定の演出(図柄ジャッジ昇格演出)を図柄の変動表示中に実行し、当該特定の演出の表示を図柄の変動終了以降も表示し続けているので、特定の演出の表示が一瞬(何らかのタイミングのみ)で終了してしまうことがなく、特定の演出が実行された(実行されている)ことを遊技者に確実に認識させることができる。
(2)上記(1)により、演出の内容や出現傾向からパチンコ機1の設定を推測(判断)する機会の損失を抑えることができる。
(3)選択率(出現率)に設定差の演出をいわゆる「メイン演出」としており、「メイン演出」は、単なる予告演出や付随的演出(おまけ要素)とは異なり、遊技の主な内容(抽選に応じて行われる図柄の変動表示及び停止表示)に連動して内容が決定される演出であることから、遊技者の印象に残りやすいタイミングで実行することができる。
(4)したがって、遊技者本人が演出の内容を認識し易いだけでなく、周囲で別の台を打っている他の遊技者からも認識し易いという効果がある。
(5)上記(4)の効果は、同じ遊技場内に設置されている複数台のパチンコ機1について、ある特定のパチンコ機1の設定に対する推測要素を多数の遊技者が認識可能であることを意味する。したがって、パチンコ機1のある特定台で特定の演出(例えば文字図柄「最強」)が発生したことを目撃した他の遊技者に対し、その特定台が空き台となった場合に移動して遊技を開始しようとする強い動機付けを与えることができ、意欲の減退を抑えることができる。
(6)また、設定に応じて「メイン演出」の出現率(制御上の選択率)が異なるという技術が斬新であり、これによって斬新な遊技性を実現することができる。
(7)特定の演出を文字図柄の「峰子」や「最強」だけでなく、他の演出図柄の態様を増やすことで、より多様な遊技性の幅を広げることができる。
(8)また、設定に応じて特定の演出の実行頻度(出現率)をどのように異ならせるかのパターンを多様に変化させることで、設定の推測要素を幅広く拡張していくことができる。
〔特定の演出の表示継続態様〕
図1065は、特定の演出の表示が変動終了以降も継続される態様を具体的に示す図である。以下、表示継続の態様について説明する。
図1065中(A):例えば、高確率時間短縮状態で大当りが連続している(いわゆる連荘している)場合、今回の大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、今回の大当り遊技開始前に最終的に停止表示された演出図柄の「3」が画面右下隅位置に表示されるが、これに加えて、これまでの当選時の演出図柄の履歴(変遷、経緯)が継続して表示される。この例では、画面右側位置に過去4回の当選時の演出図柄の履歴(例えば「7」、「7」、「峰子」、「最強」等)が並べて表示されている(表示継続手段、継続表示手段)。
図1065中(B),(C):同様の表示が2ラウンド~6ラウンドも継続し、さらに7ラウンド目以降がある場合は、最終ラウンドまで表示が継続する(表示継続手段、継続表示手段)。
図1065中(D):この例では、大当り遊技終了画面で表示を一旦終了させているが、ここでも表示を継続してもよい。
〔その他の特定の演出の態様〕
図1066は、特定の演出の別態様を示す図である。ここでは、図柄の変動中に特定の演出が実行されるとともに、その表示が変動終了以降(次の変動中)も継続している例が挙げられている。
〔特定の演出の実行〕
図1066中(A):例えば、花火ラッシュ(高確率時間短縮状態)中での図柄の変動中に、画面内に特定の演出画像(例えば、「鈴」の画像)が画面の右側から出現し、中央を横切っていく表示が行われる。このような演出画像は、演出図柄の変動表示に合わせて何らかの予告(リーチ発生予告、保留変化予告等)を行う予告演出としての位置付けとなる。
図1066中(B):図柄の変動が終了し、演出図柄が画面中央に停止表示されている(ここでは「3」-「1」-「7」のはずれ目)。この間も、特定の演出画像が画面内を漂うように移動する様子が表示され続ける(継続表示手段、表示継続手段)。
図1066中(C):次の図柄の変動が開始しても、前回の図柄の変動中に出現した特定の演出画像が継続して表示されている。ここでは、特定の演出画像が続けて画面内を漂うように移動する様子が表示されている(継続表示手段、表示継続手段)。
このように、本実施形態では「メイン演出」だけでなく、予告演出を特定の演出として実行してもよい。この場合、特定の画像が高設定ほど出現しやすい(実行頻度が高い)として設定差を設けてもよいし、高設定ほど数多くの画像を用いた特定の演出が高頻度で実行されやすいといったように、設定差を設けることで同様の効果を得ることができる。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様や各種数値はあくまで例示であり、上述した内容に限定されるものではない。
上述した実施形態では、「図柄ジャッジ演出」として最終的に表示される演出図柄を例に挙げているが、特に図柄ジャッジ演出を実行することなく、リーチ演出の最終で停止表示される演出図柄を特定の演出としてもよい。また、演出図柄の「数字」や「文字」ではなく、「キャラクター」の画像を特定の演出として表示してもよい。
また、特定の演出は、図柄の変動中に実行可能であればどのような演出でもよく、例えば、特別図柄の停止表示前(未だ変動中)に大当りの種類(「スペシャルボーナス」、「プレミアムボーナス」等)の表示が行われる場合、このような表示を特定の演出としてもよい。これらのボーナス種類の表示は、大当り遊技中も継続して表示されることから、好適に特定の演出として実行することが可能である。また、ボーナス種類の表示を特定の演出とする場合に、以下の手法を採用してもよい。
(1)大当り遊技中及び大当り遊技後の所定回数(例えば10回)の変動中にかけてもボーナス種類の表示を継続してもよい。
(2)ボーナス種類の表示は、画像表示制御を行う場合の優先度(高いほど手前のレイヤに表示される)として、変動演出中に実行される期待度示唆の演出よりも高い優先度が設定されていてもよい。これにより、変動中の演出(期待度示唆の演出)でボーナス種類の表示が視認しにくくなることを防止することができる。
(3)ボーナス種類の表示は、画像表示制御を行う場合の優先度として、客待ち状態に実行されるデモムービーや遊技に関する注意喚起ムービーよりも低いものを設定してもよい。これにより、複数の変動を跨いでボーナス種類が表示される場合に途中で客待ち状態が間に挟まったとしても、ボーナス種類の表示は客待ち中の各種ムービーに対する視認性の妨げとならないし、遊技者が遊技中である変動中はボーナス種類を正確に表示することができる。
また、特定の演出として「メイン演出」の他に「予告演出」の各例を挙げたが、これらの演出例に限定されることはなく、遊技機において実行可能なあらゆる態様の演出の実行頻度(出現率)に設定差を設けることで、変動中から変動終了後に継続して特定の演出として表示することができる。
上述した実施形態では、特定の演出を液晶表示器42への演出画像の表示により実行しているが、これに限定されず、スピーカやランプ等の他の演出デバイスを用いて実行してもよいし、複数の演出デバイスを複合的に用いて実行することも可能である。例えば、特定の演出を枠ランプやスピーカを用いて実行する場合には、特定の演出の実行時に発光表示されるランプの位置や発光パターン、出力される音声が特定の演出の実行時に出力されることとなる。
上述した実施形態では、確変領域を有する遊技機に本発明を適用する例で説明したが、確変領域を有しない遊技機に本発明を適用してもよい。また、いわゆる同時回し機に本発明を適用することも可能である。
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。