以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照しつつパチンコ機1の全体構成について説明する。
〔全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面、遊技盤)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
また、受皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受皿ユニット6の右下部には、ハンドルユニット16が設置されている。遊技者はこのハンドルユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面、遊技盤)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の前面部にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニットを取り巻くようにして配置されている。
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54,55が組み込まれている。一方、外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ56が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また、受皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45が設置されている(操作入力手段)。遊技者は、この演出切替ボタン45を押し込み操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
さらに、演出切替ボタン45の周囲には、演出切替ボタン45を取り囲むようにジョグダイアル45aが設置されている(操作入力手段、回転型セレクター)。遊技者は、このジョグダイアル45aを回転させることで、例えば液晶表示器42に表示される演出内容を変化させることができる。
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。
払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受皿ユニット6に向けて案内する。
また、外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
図3は、遊技盤ユニット8を単独で示す正面図である。遊技盤ユニット8は、ベースとなる遊技板8bを備えており、この遊技板8bの前面側に遊技領域8aが形成されている。遊技板8bは、例えば透明樹脂板で構成されており、遊技盤ユニット8が内枠アセンブリ7に固定された状態で、遊技板8bの前面はガラスユニットに平行となる。遊技板8bの前面には、略円形状に設置された発射レール(参照符号なし)の内側に遊技領域8aが形成されている。
遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。遊技領域8aの左側部分は、通常遊技状態(低確率非時間短縮状態)で使用される第1遊技領域(左打ち領域)であり、遊技領域8aの右側部分は、特殊遊技状態(大当り遊技状態、小当り遊技状態、低確率時間短縮状態、高確率時間短縮状態等)で使用される第2遊技領域(右打ち領域、特定の領域)である。なお、遊技領域8aの左側部分は、高確率非時間短縮状態(有利遊技状態)においても使用される。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に中始動入賞口26、始動ゲート20、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等が分布して設置されている。
このうち、中始動入賞口26は、遊技領域8aの下部分の中央に配置されている。始動ゲート20、可変始動入賞装置28、第2可変入賞装置31及び第1可変入賞装置30は、遊技領域8aの右側部分に上からこの順番で配置されている。ここで、第1可変入賞装置30は、中始動入賞口26の右側に配置されており、第2可変入賞装置31は、第1可変入賞装置30の右上に配置されている。さらに、左側の3つの普通入賞口22は遊技領域8aの左側部分に配置されており、右側の1つの普通入賞口24(所定の入賞口)は可変始動入賞装置28の下方に配置されている。
また、可変始動入賞装置28の上方には、4つの障害釘が配置されており、さらにその上方には入球口19a及び放出口19bが配置されている。入球口19aと放出口19bとは図示しない裏側の連絡通路によって連結されている。入球口19aに入球した遊技球は、この連絡通路を通って減速・整流され、放出口19bから放出される。
さらに、始動ゲート20の右側にはアウト口19c(所定の入球口)が配置されている。放出口19bから放出された遊技球は、基本的には真っ直ぐに落下して始動ゲート20を通過するが、障害釘によって右側に弾かれた場合にはアウト口19cに入球する。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で中始動入賞口26、普通入賞口22,24に入球したり、始動ゲート20を通過したり、作動時の可変始動入賞装置28や開放動作時の第1可変入賞装置30、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする。ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、主に中始動入賞口26に入球するか、普通入賞口22に入球する可能性がある。一方、遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、入球口19aに入球して放出口19bから放出され、主に始動ゲート20を通過するか、作動時の可変始動入賞装置28に入球するか、開放動作時の第1可変入賞装置30に入球するか、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球するか、普通入賞口24に入球する可能性がある。始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、中始動入賞口26、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31、アウト口19cに入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通孔を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
ここで、本実施形態では、遊技領域8a(盤面)の構成上、中始動入賞口26や普通入賞口22に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の左側部分の領域(左打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「左打ち」を実行する)必要がある。
一方、可変始動入賞装置28や、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31、普通入賞口24に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の右側部分の領域(右打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「右打ち」を実行する)必要がある。
本実施形態において、可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で所定の停止表示時間にわたり停止表示された場合)に作動し、それに伴って右始動入賞口28a(所定の入球口)への入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28には、舌片型(ベロタイプ)の開閉部材28bが設けられている。図示の状態にて、開閉部材28bは、盤面より奥に引っ込んだ位置(待避位置)にあり、遊技球が右始動入賞口28aに入球することを不能又は困難にしている。一方、開閉部材28bが盤面より手前側へ突出した位置(駆動位置)に移動すると、開閉部材28bは上方から流下してくる遊技球を受け止め、右始動入賞口28aに遊技球を案内する(右始動入賞口28aへの入球が可能又は容易となる)。なお、可変始動入賞装置28は、開閉部材がその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むように変位して、右始動入賞口を開放する装置であってもよい。
第1可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当り又は小当りの態様で停止表示された場合)であって所定の第1条件(例えば大当り遊技の1ラウンド目から5ラウンド目、又は、7ラウンド目から16ラウンド目であるという条件、小当り遊技の開放状態であるという条件)が満たされた場合に作動し、第1大入賞口30bへの入球を可能にする(特別電動役物、第1特別入球事象発生手段)。
第1可変入賞装置30は、中始動入賞口26の右側に配置された装置であり(いわゆる下アタッカ)、例えば1つの開閉部材30aを有している。第1可変入賞装置30は、開閉部材30aが盤面の内部にスライドするタイプの装置である(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材30aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材30aの上面を転動することになるため、第1大入賞口30bへの入球は不能又は困難(第1大入賞口30bは閉塞中)である。そして、第1可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aが盤面の内部に引き込まれ、第1大入賞口30bを開放する(開放状態)。この間に第1可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない(可能又は容易な)状態となり、第1大入賞口30bへの入球という事象を発生させることができる。
第2可変入賞装置31は、第1可変入賞装置30と同様に規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合)であって、所定の第2条件(例えば大当り遊技の6ラウンド目であるという条件)が満たされた場合に作動し、第2大入賞口31b(特定の入賞口)への入球を可能にする(特別電動役物、第2特別入球事象発生手段)。
第2可変入賞装置31は、第1可変入賞装置30の右上に配置された装置であり(いわゆる上アタッカ)、例えば1つの開閉部材31aを有している。第2可変入賞装置31は、開閉部材31aが盤面の内部にスライドするタイプの装置である(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材31aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材31aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材31aの上面を転動することになるため、第2大入賞口31bへの入球は不能又は困難(第2大入賞口31bは閉塞中)である。そして、第2可変入賞装置31が作動すると、開閉部材31aが盤面の内部に引き込まれ、第2大入賞口31bを開放する(開放状態)。この間に第2可変入賞装置31は遊技球の流入が不能ではない(可能又は容易な)状態となり、第2大入賞口31bへの入球という事象を発生させることができる。
また、第2可変入賞装置31の内部には、第2可変入賞装置31に入球した遊技球を誘導するための誘導通路31cが配置されている。誘導通路31cは、第2大入賞口31bから下方に延び、そこから左に曲がって左下方に延びた後、再び下方に延びている。
そして、誘導通路31cの上流には、第2カウントスイッチ85が配置されており、誘導通路31cの中流には、確変領域用羽根部材31d及び確変領域用孔31eが配置されており、誘導通路31cの下流には、排出口31fが配置されている。
第2可変入賞装置31に入球した遊技球は、最初に第2カウントスイッチ85にて入球したことが検出される。ここで、確変領域用羽根部材31dを作動させる確変領域ソレノイドがONとなっている場合には、確変領域用羽根部材31dが起き上がって遊技球を確変領域用孔31eに導く。一方、確変領域用羽根部材31dを作動させる確変領域ソレノイドがOFFとなっている場合には、確変領域用羽根部材31dが起き上がらないため、遊技球は確変領域用羽根部材31dの上部を通り抜けて、排出口31fに導かれる。
〔確変領域(特定領域)〕
また、確変領域用孔31eの内部には、確変領域(参照符号なし)が設けられている。確変領域は、第2可変入賞装置31が閉鎖状態である場合は遊技球が通過不能な領域であり、第2可変入賞装置31が開放状態である場合であって確変領域用羽根部材31dが作動している場合は遊技球が通過可能な領域である。
確変領域用羽根部材31dは、大当り遊技中に第2可変入賞装置31が開放する際に作動する。確変領域用羽根部材31dの動作パターンは、ラウンドの開始と同時に短期間(例えば0.1秒)にわたり演出領域を開放し、その後に数秒(2〜3秒程度)閉鎖した後に確変領域を長期間(例えば20秒程度)にわたってロング開放するパターンである。なお、ラウンドの開始と同時に実行される短期開放では遊技球は確変領域用羽根部材31dまで到達しないので、この作動によって遊技球が確変領域に導かれることはない。また、確変領域用羽根部材31dが動作しても、第2可変入賞装置31がショート開放する場合には、遊技球が確変領域を通過することはない。
遊技盤ユニット8には、その中央位置から右側部分にかけて演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。また、本実施形態のように遊技板8bが透明樹脂板(例えばアクリル板)である場合、前面側だけでなく遊技板8bの背後に配置された各種の装飾体(可動体や発光体を含む)による装飾性を付加することができる。
その他に演出ユニット40の内部には、演出用の可動体40f(例えば女性キャラクターが搭乗している乗り物を模した装飾物)とともに駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。これら可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40kが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40kに案内された遊技球は、その真下にある中始動入賞口26に流入しやすくなる。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、各種入賞口に入球(入賞)しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、普通入賞口22,24や中始動入賞口26、右始動入賞口28a、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31、アウト口19cに入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
図4は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の左下位置)を拡大して示す正面図である。すなわち遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の左下位置に普通図柄表示装置33及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35及び遊技状態表示装置38が設けられている。このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により、対応する第1特別図柄又は第2特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。なお、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0〜4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、中始動入賞口26に遊技球が入球するごとに、中始動入賞口26に遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、可変始動入賞装置28に遊技球が入球するごとに、右始動入賞口28aに遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で中始動入賞口26に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また、遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b,38c、確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定ランプ38fにそれぞれ対応するLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図5は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31にそれぞれ対応して中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84及び第2カウントスイッチ85が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82は、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28a)への遊技球の入球を検出するためのものである。また、第1カウントスイッチ84は、第1可変入賞装置30(第1大入賞口)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、確変領域スイッチ95は、第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過したことを検出するためのスイッチである(検出手段)。
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22への遊技球の入球を検出する第1入賞口スイッチ86と、普通入賞口24への遊技球の入球を検出する第2入賞口スイッチ81とが装備されている。なお、左側の3つの普通入賞口22については、共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば3つの入賞口スイッチを設置して、各普通入賞口22に対する遊技球の入球を個別に検出してもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81、確変領域スイッチ95からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上述したように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89にはパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び確変領域の上流にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び確変領域用ソレノイド99が設けられている。これらソレノイド88,90,97,99は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31を開閉動作(作動)させたり、確変領域用羽根部材31dを可動させたりする。なお、これらソレノイド88,90,97,99についてもパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って受皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに、下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上述したように遊技領域8aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置するハンドルユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がハンドルユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして、発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
受皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120にCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。また、CRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、CRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126が回路基板(複合サブ制御基板)上に装備されている。演出制御CPU126は、図示しないCPUコアとともにRAM130等の半導体メモリを内蔵したLSIとして構成されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
演出制御装置124には、演出制御プロセッサとして機能する上で必要となる制御ROM180及びウォッチドックタイマIC(WDTIC)188が装備されている。制御ROM180には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されている。演出制御CPU126は、図示しないCPUバスを介して制御ROM180にアクセスし、制御ROM180に格納されたプログラムを実行することにより演出を制御する。ウォッチドックタイマIC188は、演出制御装置124で実行される制御が正常になされているか(想定時間内に処理が完了しているか)を監視するタイマであり、演出制御CPU126のリセット端子に接続されている。ウォッチドックタイマIC188の監視タイマをクリアするための信号(クリアパルス)が監視時間内に入力されなかった場合、ウォッチドックタイマIC188は演出制御CPU126に対しリセットパルスを出力する。これにより、演出制御装置124が強制的にリセットされることとなる。
演出制御装置124は、演出表示プロセッサとしても機能する。そのため、演出制御装置124にはさらに、VDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)とCGROM(画像・音声ROM)190が装備されている。VDP152には、主に描画素材を展開する際に用いられるVRAM156が内蔵されている。VRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。VDP152は、演出制御CPU126とともにワンチップに統合されており、図示しないCGバスを介してCGROM190に接続されている。CGROM190には、演出画面を構成する描画素材の画像データや演出の進行とともに出力される音声データが格納されている。
演出制御CPU126は、制御ROM180に格納されたプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上述したように各種ランプ46〜53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)に基づいて演出用の画像表示を制御するための詳細な制御信号をVDP152に対し出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいてCGROM190にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらに、VDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
演出制御装置124にはこれらの他に、演出に関わる機能として、バックアップデータ用の記憶領域であるSRAM182、時刻管理を行うリアルタイムクロック(RTC)184、そしてSRAM182及びリアルタイムクロック184に対しバックアップ電源を供給するリチウム電池186が搭載されている。リチウム電池186は、電源制御ユニット162から演出制御装置124に対し駆動電力が供給されている間に、この電力を蓄えて自身を充電する。SRAM182及びリアルタイムクロック184は、リチウム電池186に接続されており、電源制御ユニット162からの演出制御装置124への駆動電力の供給が断たれた場合にはリチウム電池186により駆動可能となる。したがって、SRAM182及びリアルタイムクロック184は、電源制御ユニット162からの電力供給が断たれた場合でも、リチウム電池186の充電が切れるまでの期間(例えば、約1か月半)は動作を継続するため、SRAM182は、電源断の状況下においても暫くは格納されている情報を保持することができる。
なお、演出制御プログラムは、容易に消去されるべきではないセキュリティや監視、不具合等に関する情報をSRAM182に保存することができる構成となっている。これにより、例えば、演出制御装置124で何らかの不具合が発生した場合に、パチンコ機1を回収(又は設置状態で点検)し、SRAM182に保持されている情報を解析することにより不具合の要因調査を進めることが可能となる。
また、演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバやクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路等の周辺ICが装備されている他、ドライバIC132や音声IC134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ドライバIC132や音声IC134に指令を与えて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
演出制御装置124と主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバ(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
ドライバIC132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このドライバIC132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお、各種ランプには、ガラス枠トップランプ46やガラス枠装飾ランプ48,50,52の他に、遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここではガラス枠装飾ランプ52がサブ接続基板136に接続されている例を挙げているが、受皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、ガラス枠装飾ランプ52については受け皿電飾基板を介してドライバIC132に接続される構成であってもよい。
また、音声IC134は、サウンドジェネレータであり、図示しないCGバスやアンプに接続されている。音声IC134は、CGバスを介しCGROM190にアクセスして音声データを読み出し、これをデコードしてアンプを経由しガラス枠上スピーカ54,55及び外枠スピーカ56に出力することにより、ステレオ2ch又はモノラル2chの音声再生(2より大きいch数でもよい)を実現する。
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にサブ接続基板136が設置されており、ドライバIC132や音声IC134からの駆動信号はサブ接続基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56に印加されている。また、サブ接続基板136には、演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がサブ接続基板136を通じて演出制御装置124に入力される。さらに、サブ接続基板136には、ジョグダイアル45aが接続されており、遊技者がジョグダイアル45aを回転させると、その回転信号がサブ接続基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではサブ接続基板136に演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aを接続した例を挙げているが、受け皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aは受け皿電飾基板に接続されていてもよい。
その他、遊技盤ユニット8にはドライバ基板138が設置されており、このドライバ基板138には盤面ランプ53の他に可動体モータ57が接続されている。可動体モータ57は、例えば図示しないリンク機構を介して可動体40fを駆動する。ドライバIC132からの駆動信号は、ドライバ基板138を経由して盤面ランプ53及び可動体モータ57にそれぞれ印加される。
液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上述したように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔主制御装置におけるリセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御装置70においては主制御CPU72がリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、リセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するために主制御装置70において実行されるメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図6及び図7は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1〜2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また、主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また、主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、特図先判定演出コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタ残数コマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また、主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図7に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97、確変領域用ソレノイド99等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして、主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)、及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図12中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図12中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、本実施形態において大当り決定乱数及び当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図12)を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込管理処理の内容については後述する。
〔演出制御装置におけるスタート(メイン)処理:第1実施形態〕
一方、演出制御装置124においては、パチンコ機1への電源投入に伴い演出制御CPU126がスタート処理を開始する。スタート処理は、演出制御装置124内の各種情報のクリア等を行うことにより、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、スタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した演出表示を保証するために演出制御装置において実行されるメイン処理として位置づけられる。
なお、上述したように、演出制御装置124においては、確実に保持すべき情報は制御プログラムによる通常時の制御処理の過程でSRAM182に格納されるため、主制御装置70の場合とは異なり、電源遮断時に別途バックアップ情報の保存を行う必要がない。したがって、演出制御CPU126は、電源投入時にバックアップ情報に基づく復旧処理を行わない。
図8は、演出制御装置124への電源投入時に実行されるスタート処理の手順例を示すフローチャートである。図8中(A)はスタート処理全体を示し、図8中(B)はスタート処理のうちメインループの中で実行される処理を示している。
図8中(A)は、演出制御装置124において実行されるスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、演出制御CPU126が実行する処理について、各手順を追って説明する。
ステップS300:演出制御CPU126は、CPUのリセットを解除する。演出制御CPU126は、演出制御装置124における正常な動作を保証するために、演出制御装置124への電源投入後にCPUにリセットをかけ、出力電圧が動作保証レベルまで正常に立ち上がり周辺回路が安定するまでの間、リセット状態を継続させる。こうすることにより、演出制御装置124が安定していない状態でプログラムが作動するのを回避することができる。CPUのリセットが解除されると、これを契機として演出制御装置124における制御プログラムの実行が開始される。
ステップS310:演出制御CPU126は、初期化処理を実行する。初期化処理においては、演出制御装置124内のメインメモリ(RAM130、VRAM156)のクリアや、コマンドバッファのクリア等が行われる。
ステップS320:演出制御CPU126は、コマンド受信開始処理を実行する。コマンド受信開始処理においては、コマンド入出力ポートに対する周波数の設定や、割込の許可等が行われる。これらの処理を終えると、主制御装置70から演出制御装置124に対し送信される各種コマンドの受信が可能となる。
ステップS330:演出制御CPU126は、演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理においては、遊技の進行に伴い実行される演出の制御が行なわれる。なお、演出制御メイン処理の内容については、さらに後述する。
図8中(A)に示されるように、ステップS330は無限ループの中に組み込まれている。したがって、演出制御CPU126は、演出制御メイン処理を1回実行し終えると再び次の演出制御メイン処理の実行を開始し、パチンコ機1への電力供給が維持されている限り、演出制御メイン処理を繰り返し実行し続ける。このように、演出制御メイン処理は文字通り、演出制御装置124において実行されるメイン処理として位置づけられる。
図8中(B)は、演出制御装置124において実行される演出制御メイン処理の手順例を示すフローチャートである。以下、演出制御CPU126が実行する処理について、各手順を追って説明する。
ステップS340:演出制御CPU126は、各デバイス処理を実行する。各デバイス処理は、遊技の進行に伴い実行される演出の実体に相当する処理である。各デバイス処理においては、液晶表示器42への画像表示制御、スピーカ54〜56への音声出力制御、ランプ46〜53や可動体モータ57の駆動制御等、演出制御装置124に直接的又は間接的に接続された各デバイスを制御することにより、演出内容が構築され演出が具現化される。
ステップS350:演出制御CPU126は、ウォッチドッククリア処理を実行する。ウォッチドッククリア処理においては、演出制御装置124に装備されているウォッチドックタイマIC188に対するクリアパルスの出力や、クリアパルスの出力間隔の計測等が行われる。なお、ウォッチドッククリア処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、スタート処理(図8中(A))に復帰して、再び演出制御メイン処理を実行する。なお、演出制御メイン処理は、演出制御装置124が正常な状態においては、ほぼ一定の間隔で実行される。例えば、正常時には演出制御メイン処理が33ms毎(別途実行されるタイマ割込処理から復帰している間)に呼び出され、その間に各ステップの処理が一巡する。したがって、演出制御メイン処理の各ステップS340,S350が遅滞なく一巡した場合には、演出制御CPU126は、次に演出制御メイン処理を呼び出すまでの残り時間に待機処理を行い、その間はスタート処理を待機(スリープ)状態に遷移させる。残り時間の消化に伴い、演出制御CPU126は待機処理を終了してスタート処理を再開させ、次の演出制御メイン処理を呼び出すこととなる。
〔ウォッチドッククリア処理:第1実施形態〕
図9は、ウォッチドッククリア処理の手順例を示すフローチャートである。以下、演出制御CPU126が実行する処理について、各手順を追って説明する。
ステップS352:演出制御CPU126は、前回分の時間計測を終了する(実行時間計測手段)。この処理は、後述するステップS356に対応している。前回分の時間計測とは、ウォッチドッククリア処理が前回実行された際にステップS356で開始された時間計測を指し、本ステップS352においては、この時間計測が終了される。演出制御CPU126は、計測終了時のタイマ値を取得して計測開始時のタイマ値との差分により前回分の計測時間を算出し、この値をRAM130に一時保存する。
なお、時間計測の詳細については、ステップS356以降で述べることとする。また、パチンコ機1への電源投入後に最初に実行されるウォッチドッククリア処理においては、前回分の時間計測の開始がなされておらず計測開始時のタイマ値が得られないため、前回分の計測時間は「0」となる。
ステップS354:演出制御CPU126は、ウォッチドックタイマIC188に対しクリアパルスを出力する(監視クリア手段)。ウォッチドックタイマIC188がクリアパルスの入力を検知すると、ウォッチドックタイマIC188に内蔵された監視タイマは、この時点までのカウント(経過時間)をクリアし、再びカウントアップを開始する(時間監視手段)。なお、この監視タイマは、パチンコ機1への電源投入後に最初に実行されるウォッチドッククリア処理の中で出力されるクリアパルスの入力検知を契機として、その作動を開始する。
ステップS356:演出制御CPU126は、今回分の時間計測を開始する(実行時間計測手段)。今回分の時間計測とは、前回分の時間計測(ステップS352)を終え、再度のクリアパルス出力(ステップS342)がなされた直後に新たに実行される時間計測を指す。ここで開始される時間計測は、ウォッチドッククリア処理が次回実行される際にステップS352で終了されることとなる。なお、時間計測にはCPUタイマが用いられる。演出制御CPU126は、計測開始時のタイマ値をRAM130に一時保存する。
ステップS358:演出制御CPU126は、ステップS352で一時保存された前回分の計測時間が規定値以下(例えば、400ms以下)であるか否かを確認する(計測結果判定手段)。前回分の計測時間が規定値を超えている場合(No)、演出制御CPU126はステップS360を実行する。
ステップS360:演出制御CPU126は、前回分の計測時間がSRAM182に保存されている値、すなわち過去の計測時間を超えているか否かを確認する(計測結果判定手段)。前回分の計測時間が保存値を超えている場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS362を実行する。
ステップS362:演出制御CPU126は、SRAM182に保存されている値を前回分の計測時間で更新し、上書き保存する(計測結果保存手段)。これにより、SRAM182は常に、演出制御装置124における計測時間の最大値を記憶していることになる。
以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、スタート処理に復帰する。
〔ウォッチドッククリア処理:第2実施形態〕
図10は、異なる実施形態の演出制御装置124におけるウォッチドッククリア処理の手順例を示すフローチャートである。以下、演出制御CPU126が実行する処理について、各手順を追って説明する。
図10中のステップS372からステップS376までの各処理は、図9中のステップS352からステップS356までの各処理に対応し、内容も一致している。したがって、演出制御CPU126は、本実施形態においても、前回分の時間計測終了(ステップS372)から今回分の時間計測開始(S376)までの間は、前述した第1実施形態と同じ処理を実行する。
ステップS378:演出制御CPU126は、前回分の計測時間がSRAM182に保存されている値、すなわち過去の計測時間を超えているか否かを確認する(計測結果判定手段)。前回分の計測時間が保存値を超えている場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS380を実行する。
ステップS380:演出制御CPU126は、SRAM182に保存されている値を前回分の計測時間で更新し、上書き保存する(計測結果保存手段)。
以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、スタート処理に復帰する。
〔WDTICに対するクリアパルス出力間隔の適正化〕
このようにして、ウォッチドッククリア処理においては、クリアパルスの出力(図9中のステップS354、図10中のステップS374)を挟んでその直前に前回分の時間計測が終了され、直後に今回分の時間計測が開始されることにより、連続する2回のウォッチドッククリア処理に跨ってクリアパルスが出力されてから次のクリアパルスが出力されるまでの経過時間が毎回計測される。つまり、演出制御CPU126は、演出制御メイン処理(図8)が一巡する毎に、ウォッチドックタイマIC188に対するクリアパルスの出力を行うと同時にその出力間隔の計測を行っている。計測された出力間隔は、別途タイマ割込処理を挟んで演出制御メイン処理が一巡するのに要した時間と言い換えることもできる。
ウォッチドックタイマIC188が自身に内蔵された監視タイマのカウントアップを開始してから演出制御CPU126に対しリセットパルスを出力するまでの時間(監視時間)は、IC部品の個体差によりばらつきがある。例えば、IC部品の仕様として監視時間の平均値が1.6秒と示されていても、実際にはリセットパルスを0.6秒後に出力する個体もあれば、3.0秒後に出力する個体もある。演出制御CPU126からのクリアパルス出力により監視タイマがクリアされ再びカウントアップを開始した後で、何らかの要因により監視時間を経過しても次のクリアパルスが出力されなかった場合、ウォッチドックタイマIC188は演出制御装置124に対しリセットパルスを出力する(演出制御装置リセット手段)。これにより、演出制御装置124は強制的にリセットされる。
ところで、監視時間を経過しても演出制御CPU126が次のクリアパルスを出力しなかった(できなかった)理由が、例えば演出制御装置124における演出制御プログラムの暴走等により処理が著しく遅延したことに起因している場合、ウォッチドックタイマIC188の動作は見張り番としての本来の役割を果たすものであって、期待通りの動作といえる。これに対し、クリアパルスの出力間隔が適切でないことに起因している場合は、演出制御装置124には異常が発生していないにも関わらず強制リセットされることとなり、パチンコ機1にとっては致命的な事態といえる。このような不必要な強制リセットを発生させないためには、演出制御CPU126はクリアパルスを適切な時間内に出力する必要がある。
上述したように、演出制御メイン処理(図8)は正常な状態においては一定の間隔で呼び出され、その間に制御処理が一巡するよう設計されている。例えば、演出制御メイン処理は33msに一回ずつ呼び出され、次の呼び出しまでに処理が一巡する。ここで、例えば、各デバイス処理(図8中のステップS340)においてメモリアクセスや外部デバイスとの通信等に長い時間を要した場合には、演出制御メイン処理が一巡するまでに通常より長い時間を要し、ウォッチドッククリア処理(図8中のステップS350)の開始も通常より遅くなる。その結果、クリアパルスの出力間隔が想定を超える時間となる。
そこで、演出制御CPU126は、クリアパルスの出力間隔を適正化する上での判断材料を得るために、実際の所要時間(前回のクリアパルス出力直後から次回のクリアパルス出力直前までの経過時間)を計測し、その最大値をSRAM182に保存している。
ウォッチドックタイマIC188の仕様として、監視時間(リセットパルスが出力されるまでの時間)が例えば0.6秒〜3.0秒と想定されている場合、クリアパルスは監視タイマがカウントアップを開始してから0.6秒を経過しないうちに出力する必要がある。また、上述した監視時間の幅はあくまで想定上のものであり、実際には監視時間が0.6秒よりも短い個体が存在する可能性もある。その場合には、演出制御CPU126は、その監視時間よりも短い時間内にクリアパルスを出力しなければならない。
上述した実施形態によれば、演出制御装置124において計測されたクリアパルスの出力間隔のうち最大値が常にSRAM182に保持されるため、演出制御装置124における最悪状況下でのクリアパルス出力間隔を確認することができる。したがって、保存された最大値とウォッチドックタイマIC188の監視時間とを考慮することにより、クリアパルスの出力間隔を適正な状態に近づけ、不必要な強制リセットの発生を極力回避することが可能となる。
〔実施形態の比較〕
第1実施形態のウォッチドッククリア処理(図9)においては、まず前回分の計測時間と規定値との比較を行う(ステップS358)。前回分の計測時間が規定値を超えている場合は、さらにSRAM182に保存されている値との比較を行い(ステップS360)、保存値を超えている場合は、SRAM182の保存値を前回分の計測時間で更新する(ステップS362)。ここで、規定値としては、ウォッチドックタイマIC188の監視時間として想定されている最短時間(上述の例の場合は0.6秒)に余裕を持たせたより短い時間(例えば0.4秒)が適用される。
したがって、第1実施形態によれば、計測時間が規定値以下である場合にはSRAM182に保存されている値を参照する処理が発生しないため、SRAM182の読み出しを必要最小限に抑えることができ、演出制御CPU126による処理速度の向上や処理負荷の軽減に寄与することが可能となる。
これに対し、第2実施形態のウォッチドッククリア処理(図10)においては、前回分の計測時間と規定値との比較に基づく分岐処理が省略されている。そのため、第2実施形態においては、前回分の計測時間が規定時以下であるか否かに関わらず、SRAM182に保存されている値との比較を毎回実行し(ステップS378)、前回分の計測時間が保存値を超えている場合は、SRAM182の保存値を前回分の計測時間で更新する(ステップS380)。
したがって、第2実施形態によれば、計測時間が規定値以下の場合でもSRAM182に保存されている値を超えていれば過去の最大値としてSRAM182に保存されるため、より現実に即した値をSRAM182に保持させることが可能となる。
また、いずれの実施形態においても、計測時間の最大値がバックアップ用の記憶領域であるSRAM182に保持されるため、パチンコ機1が市場に流通した後で、何らかの不具合や故障等により回収された場合に、このパチンコ機1における過去のクリアパルス出力間隔の最大値をSRAM182の保存値から確認することができる。したがって、この情報を不具合発生時の状況の解析等に役立てたり、今後の遊技機開発に活かしたりすることが可能となる。
なお、上述した実施形態においては、ウォッチドッククリア処理(図9,図10)を演出制御メイン処理(図8)の1ステップとして構成し、メインループの一環でクリアパルスの出力間隔を計測することにより、演出制御装置124において実行されるメインループ内の処理が一巡するのに要した時間を計測しているが、こうした用途に限定されない。ウォッチドッククリア処理は、メインループに限らず実行時間の監視を要する各種処理に対して適用することにより、監視対象となる処理の実行に要した時間を計測することが可能である。
ここまで演出制御CPU126が実行する処理について説明してきたが、以下は再度、主制御CPU72が実行する処理の説明に戻る。
〔電源断発生チェック処理〕
図11は、電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
ステップS134:主制御CPU72は、上述したチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
ステップS136:主制御CPU72は、普通電動役物ソレノイド88や第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97、確変領域用ソレノイド99に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS144:次に主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また、主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして、主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(図6)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図12は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78及び確変領域スイッチ95からの通過検出信号や、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また、普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(作動抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,81,82,84,85,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
また、主制御CPU72は、賞球払出処理において、演出制御装置124に対して賞球個数の内容を伝達する賞球内容コマンドを出力する。第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31に対応する第1カウントスイッチ84又は第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力された場合、第1利益(遊技球15個分)に対応する賞球内容コマンドを生成する。また、普通入賞口24に対応する第2入賞口スイッチ81から入賞検出信号が入力された場合、第2利益(遊技球10個分)に対応する賞球内容コマンドを生成する。賞球内容コマンドは、演出制御出力処理(図12中ステップS212)において演出制御装置124に送信される。
〔賞球数及び獲得遊技球数について〕
第1特別図柄の始動口の賞球数及び第2特別図柄の始動口の賞球数は、それぞれ1個以上の規定数に設定されている。また、第1特別図柄の始動口と第2特別図柄の始動口とでは、賞球数を異ならせてもよい。さらに、特別図柄の当選確率や、総獲得遊技球数の期待値(初当りから時間短縮状態が終了するまでの一連の期間に得られる平均出球数)に基づいて、最低賞球数を設定してもよい。さらにまた、特別図柄の当選確率、総獲得遊技球数の期待値、大入賞口の開放回数、大入賞口の開放時間、大入賞口の最大入賞数、大入賞口の賞球数が所定の条件を満たした場合、1回の大当りによる獲得遊技球数が最大の獲得遊技球数の1/4未満となる大当りを設定してもよい。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」〜「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」〜「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」〜「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS209:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS205)や普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお、駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また、主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び確変領域用ソレノイド99の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS213:そして、主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお、本実施形態では、ステップS205〜ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして、主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図13は、スイッチ入力イベント処理(図12中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する中始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の第1大入賞口に対応する第1カウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS20に進んで第1大入賞口カウント処理を実行する。第1大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの第1可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS21aに進む。
ステップS21a:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の第2大入賞口に対応する第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS21bに進んで第2大入賞口カウント処理を実行する。第2大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に第2可変入賞装置31への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS24に進んで普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また、主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして、主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS26に進む。
ステップS26:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の内部に設けられた確変領域に対応する確変領域スイッチ95から検出信号が入力されたか否かを確認する。この検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS28に進んで確変領域通過時処理を実行する。確変領域通過時処理として、主制御CPU72は、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする処理を実行する(高確率状態移行手段、確率変動機能作動手段、有利遊技状態移行手段、特別状態移行手段)。この確率変動機能作動フラグは、大当り遊技の終了後、当選の結果が得られずに特別図柄が所定回数(170回)変動するとリセットされる。また、確変領域通過時処理として、主制御CPU72は、確変領域通過コマンドを生成する。確変領域通過コマンドは、演出制御出力処理(図12中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。なお、主制御CPU72は、特定の有効時間内(例えば、大当り遊技中に確変領域用ソレノイド99を作動させている時間内)に限って確変領域通過時処理を実行することにしてもよい。一方、検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図12)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図14は、第1特別図柄記憶更新処理(図13中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。ここで、RAM76の乱数記憶領域は、第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する8つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図13)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図12中のステップS210)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第1抽選要素取得手段、抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、要素取得手段)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして、主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(記憶手段、抽選要素記憶手段)。複数のセクションには順番(例えば第1〜第4)が設定されており、現段階で第1〜第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2〜第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の特別遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37,S38を実行する。大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37,S38をスキップしてステップS38aに進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS37:大当り中以外の場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS32〜S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。なお、具体的な処理の内容については別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS38:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS38a:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」〜「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」〜「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」〜「04H」となったことを表している。なお、先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS39:そして、主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである。
そして、以上の処理を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図13)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
次に図15は、第2特別図柄記憶更新処理(図13中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば4とする)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図13)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図14)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図12中のステップS210)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第2抽選要素取得手段、抽選要素取得手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図14)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図14)と同様である。
ステップS44:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、要素取得手段)。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図14)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第2特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(記憶手段)。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図14)と同様である。
ステップS45a:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。そして、大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS46,S47を実行する。逆に大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS46,S47をスキップしてステップS48に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、同じく大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS46:大当り中以外である場合(ステップS45a:No)、次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS42〜S44でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS47:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS46)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS48:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお、先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS49:そして、主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して特図先判定演出コマンドや作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置124に対して送信する準備が行われる。
そして、以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図13)に復帰する。
〔取得時演出判定処理〕
図16は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理及び第2特別図柄記憶更新処理(図14中のステップS37,図15中のステップS46)においてこの取得時演出判定処理を実行する(事前判定手段)。上述したように、この処理は第1特別図柄(中始動入賞口26への入球時)、第2特別図柄(可変始動入賞装置28への入球時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンド(先判定情報)の下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(図14中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図15中のステップS45)でRAM76に記憶されているものである。
ステップS54:そして、主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段、事前判定手段)。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお、比較値(下限値)は、パチンコ機1における内部抽選の当選確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS80に進む。
ステップS80:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段)。この処理では、主制御CPU72は、はずれ時の変動時間について変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、特に「時間短縮機能」の作動時における変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。例えば、現在の状態が「時間短縮機能」の作動時であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものである場合、主制御CPU72は「時短中非短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。なお、リーチ変動の場合はさらに、リーチモード乱数から「リーチグループ(リーチの種類)」をも判断し、その結果から変動パターン先判定コマンドを生成することとしてもよい。一方、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「時短中短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。あるいは、現在の状態が「時間短縮機能」の非作動時(低確率状態)であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものである場合、主制御CPU72は「通常はずれリーチ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。一方、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「通常はずれ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。なお、この処理において、主制御CPU72は、小当り時の変動パターンについて、上述したはずれ時の処理と同様に変動パターン先判定コマンドを生成していもよい。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72はステップS82の判定結果管理処理を実行した後に取得時演出判定処理を終了し、呼び出し元の第1特別図柄記憶更新処理(図14)又は第2特別図柄記憶更新処理(図15)に復帰する。一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS56に進む。
ステップS56:主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされているか否かを確認する。先判定結果による確率状態予定フラグは、未だ変動は開始されていないが、これまで記憶されている大当り決定乱数の中に当選値がある場合にセットされるものである。具体的には、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合、これと組になる大当り図柄乱数が「確変領域通過可能図柄(12ラウンド通常図柄以外のいずれかの確変図柄)」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「A0H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、高確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。一方、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合であって、これと組になる大当り図柄乱数が「非確変(通常)図柄」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「01H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、通常(低)確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。なお、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値が未だ存在しなければ、フラグ値はリセット(00H)されている。また、確率状態予定フラグの値は、例えばRAM76のフラグ領域に格納されている。なお、ここでは「確率状態予定フラグ」を用いて厳密に事前の当り判定を行う例を挙げているが、単純に現在の確率状態に基づいて事前の当り判定を行う場合、このステップS56と以降のステップS58,ステップS60,ステップS62,ステップS76等を省略してもよい。
主制御CPU72は、未だ確率状態予定フラグがセットされていなければ(ステップS56:No)、次にステップS66を実行する。
ステップS66:この場合、主制御CPU72は次に低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。なお、低確率時用比較値もまた、パチンコ機1における低確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
ステップS68:次に主制御CPU72は、「現在の確率状態フラグ」をロードする。この確率状態フラグは、現在の内部状態が高確率(確変中)であるか否かを表すものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。現在の確率状態が高確率(確変中)であれば、状態フラグとして値「01H」がセットされており、低確率(通常中)であれば、状態フラグの値はリセットされている(「00H」)。
ステップS70:そして、主制御CPU72は、ロードした現在の特別図柄確率状態フラグが高確率を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行する。
ステップS64:主制御CPU72は、高確率時用比較値をセットする。これにより、先のステップS66でセットされた低確率時用比較値が書き換えられることになる。なお、高確率時用比較値は、パチンコ機1における高確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが未だセットされていない場合であって、現在の内部状態が高確率の場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72を実行することになる。これに対し、先のステップS70で現在の確率状態フラグが高確率を表すものでないことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72を実行する。
ステップS72:主制御CPU72は、先のステップS52でロードした乱数が当り値の範囲外であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段)。すなわち、主制御CPU72は状態別でセットした比較値から大当り決定乱数値を減算する。そして、主制御CPU72は、同様にフラグレジスタの値から演算結果が負の値(<0)であるか否かを判別し、その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理(ステップS80)を実行する。これに対し、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
ステップS74:主制御CPU72は、大当り図柄種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(図14中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図15中のステップS45)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、ステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果から大当り種別として「確変領域通過困難図柄(12ラウンド通常図柄)」又は「確変領域通過可能図柄」のいずれに該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS76に進む。
ステップS76:そして、主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグの値をセットする。具体的には、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値が「確変領域通過困難図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「01H」をセットする。一方、特別図柄先判定値が「確変領域通過可能図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「A0H」をセットする。これにより、次回以降の処理ではステップS56において「フラグセット済み」と判定されることになる。
ステップS78:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットする。特別図柄先判定値は、例えば「確変領域通過困難図柄」に該当する場合は「01H」がセットされ、「確変領域通過可能図柄」に該当する場合は「A0H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
ステップS79:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り時の変動時間について、上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、例えば大当り時のリーチ変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされる前(内部初当り前)における手順である。これに対し、先のステップS76を経て確率状態予定フラグがセットされた場合、以下の手順が実行される。ただし、現在の確率状態だけで事前の当り判定を行う場合、以下のステップS56,ステップS58,ステップS60,ステップS62、及びステップS76を実行する必要はない。
ステップS56:主制御CPU72は、既に確率状態予定フラグに値がセットされていることを確認すると(Yes)、次にステップS58を実行する。
ステップS58:主制御CPU72は、先ず低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。
ステップS60:次に主制御CPU72は、「確率状態予定フラグ」をロードする。確率状態予定フラグは、直前の先判定結果に基づきそれ以降の先判定において確率状態を予定的に設定するためのものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。直前の先判定結果に基づく確率状態が高確率(確変)に移行する予定であれば、確率状態予定フラグの値として「A0H」がセットされており、逆に直前の先判定結果に基づく確率状態が低確率(通常)に戻る予定であれば、確率状態予定フラグの値として「01H」がセットされている。
ステップS62:そして、主制御CPU72は、ロードした確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率の予定を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行し、高確率時用比較値をセットする。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが既にセットされており、その値が高確率を予定するものである場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72以降を実行することになる。これに対し、先のステップS62で確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでなく、通常(低)確率の予定を表すものであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72以降を実行する。これにより本実施形態では、先判定結果に基づくその後の内部状態の変化(通常確率状態→高確率状態、高確率状態→通常確率状態)を考慮した上で、事前の大当り判定を行うことができる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(図14)又は第2特別図柄記憶更新処理(図15)に復帰する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理(図12)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図17は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、大当り時可変入賞装置管理処理(ステップS5000)、小当り時可変入賞装置管理処理(ステップS6000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000〜ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:大当り時可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において大当りの態様で特別図柄が停止表示された場合に選択される。特別図柄が大当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生する。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が大当り時可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。大当り時可変入賞装置管理処理においては、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97が一定時間(例えば29秒間若しくは0.1秒間又は10個の遊技球の入球をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば16回等)にわたって励磁され、これにより第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31が決まったパターンで開閉動作する。この間に第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で16回あれば、これらを「16ラウンド」と総称することがある。
本実施形態では、1ラウンド目から5ラウンド目まで、及び、7ラウンド目から16ラウンド目までは第1可変入賞装置30を開閉動作させ、6ラウンド目では第2可変入賞装置31を開閉動作させている。
また、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また、主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図12中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ、時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる(高確率時間短縮状態移行手段、有利遊技状態移行手段、特別状態移行手段)。「高確率状態」では確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常よりも例えば10倍程度に高くなる(特定遊技状態移行手段、高確率状態移行手段、高確率状態設定手段)。また、「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、普通図柄の作動抽選が高確率になり、また、普通図柄の変動時間が短縮されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長されて開放回数が増加する(いわゆる電チューサポートが行われる)。なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については、制御上でいずれか一方だけに移行する場合もあれば、これら両方に合わせて移行する場合もある。
ステップS6000:小当り時可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において小当りの態様で特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から小当り遊技状態に移行する契機が発生する。小当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が小当り時可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。小当り遊技においては、第1可変入賞装置30が所定の開放時間(例えば、0.1秒)で所定回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、第1大入賞口への入賞はほとんど発生しない。
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、複数の当選種類として、以下の当選種類が設けられている。
(1)「6ラウンド確変大当り1」
(2)「6ラウンド確変大当り2」
(3)「12ラウンド確変大当り1(実質4ラウンド)」
(4)「12ラウンド確変大当り2(実質9ラウンド)」
(5)「12ラウンド通常大当り(実質9ラウンド)」
(6)「16ラウンド確変大当り」
なお、本実施形態において、6ラウンド、12ラウンド、16ラウンド以外の大当りが設けられていてもよい。
当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「6ラウンド確変大当り1」は「6ラウンド確変図柄1」の大当りに対応し、「6ラウンド確変大当り2」は「6ラウンド確変図柄2」の大当りに対応する。また、「12ラウンド確変大当り1」は「12ラウンド確変図柄1」の大当りに対応し、「12ラウンド確変大当り2」は「12ラウンド確変図柄2」の大当りに対応する。さらに、「12ラウンド通常大当り」は「12ラウンド通常図柄」の大当りに対応し、「16ラウンド確変大当り」は「16ラウンド確変図柄」の大当りに対応する。このため以下では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔可変入賞装置の開放動作パターン〕
図18は、可変入賞装置の開放動作パターンを示す図である。各当選図柄に対応する大入賞口及び確変領域の開放について内容を説明する。
〔6ラウンド確変図柄1〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「6ラウンド確変図柄1」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から5ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。また、6ラウンド目では、第2可変入賞装置31の第2大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。このため、「6ラウンド確変図柄1」の大当り遊技は、実質的に6ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
ここで、「6ラウンド確変図柄1」に該当した場合の6ラウンド目では、第2大入賞口がロング開放するため、遊技球は確変領域を通過する可能性がある。このため、「6ラウンド確変図柄1」に該当した場合であって、6ラウンド目に第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
さらに、「6ラウンド確変図柄1」に該当した場合は、確変領域の通過の有無に関わらず、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔6ラウンド確変図柄2〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「6ラウンド確変図柄2」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から5ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。また、6ラウンド目では、第2可変入賞装置31の第2大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。このため、「6ラウンド確変図柄2」の大当り遊技は、実質的に6ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
ここで、「6ラウンド確変図柄2」に該当した場合の6ラウンド目では、第2大入賞口がロング開放するため、遊技球は確変領域を通過する可能性がある。このため、「6ラウンド確変図柄2」に該当した場合であって、6ラウンド目に第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
さらに、「6ラウンド確変図柄2」に該当した場合は、確変領域の通過の有無に関わらず、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。なお、「6ラウンド確変図柄1」と「6ラウンド確変図柄2」との相違点は付与される時短回数の違いである(詳細は後述する)。
〔12ラウンド確変図柄1〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「12ラウンド確変図柄1」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目及び2ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がショート開放する(例えば0.1秒開放)。このため、「12ラウンド確変図柄1」に該当した場合の1ラウンド目及び2ラウンド目では、実質的な出玉(賞球)を遊技者に付与することなく終了する。また、3ラウンド目から5ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。また、6ラウンド目では、第2可変入賞装置31の第2大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。さらに、7ラウンド目から12ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がショート開放する(例えば0.1秒開放)。このため、「12ラウンド確変図柄1」に該当した場合の7ラウンド目から12ラウンド目では、実質的な出玉(賞球)を遊技者に付与することなく終了する。このため、「12ラウンド確変図柄1」の大当り遊技は、実質的に4ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
ここで、「12ラウンド確変図柄1」に該当した場合の6ラウンド目では、第2大入賞口がロング開放するため、遊技球は確変領域を通過する可能性がある。このため、「12ラウンド確変図柄1」に該当した場合であって、6ラウンド目に第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
さらに、「12ラウンド確変図柄1」に該当した場合は、確変領域の通過の有無に関わらず、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔12ラウンド確変図柄2〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「12ラウンド確変図柄2」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から5ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。また、6ラウンド目では、第2可変入賞装置31の第2大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。さらに、7ラウンド目から9ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。さらに、10ラウンド目から12ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がショート開放する(例えば0.1秒開放)。このため、「12ラウンド確変図柄2」に該当した場合の10ラウンド目から12ラウンド目では、実質的な出玉(賞球)を遊技者に付与することなく終了する。このため、「12ラウンド確変図柄2」の大当り遊技は、実質的に9ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
ここで、「12ラウンド確変図柄2」に該当した場合の6ラウンド目では、第2大入賞口がロング開放するため、遊技球は確変領域を通過する可能性がある。このため、「12ラウンド確変図柄2」に該当した場合であって、6ラウンド目に第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
さらに、「12ラウンド確変図柄2」に該当した場合は、確変領域の通過の有無に関わらず、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔12ラウンド通常図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「12ラウンド通常図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から5ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。また、6ラウンド目では、第2可変入賞装置31の第2大入賞口がショート開放する(例えば0.1秒開放)。さらに、7ラウンド目から10ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。さらに、10ラウンド目及び11ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がショート開放する(例えば0.1秒開放)。このため、「12ラウンド通常図柄」に該当した場合の10ラウンド目及び11ラウンド目では、実質的な出玉(賞球)を遊技者に付与することなく終了する。このため、「12ラウンド通常図柄」の大当り遊技は、実質的に9ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
ここで、「12ラウンド通常図柄」に該当した場合の6ラウンド目では、第2大入賞口がショート開放するため、遊技球が確変領域を通過することは困難(不可能)である。このため、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されることはなく、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与されることもない。
また、「12ラウンド通常図柄」に該当した場合は、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔16ラウンド確変図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「16ラウンド確変図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から5ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。また、6ラウンド目では、第2可変入賞装置31の第2大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。さらに、7ラウンド目から16ラウンド目では、第1可変入賞装置30の第1大入賞口がロング開放する(例えば29.0秒開放)。このため、「16ラウンド確変図柄」の大当り遊技は、実質的に16ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。
ここで、「16ラウンド確変図柄」に該当した場合の6ラウンド目では、第2大入賞口がロング開放するため、遊技球は確変領域を通過する可能性がある。このため、「16ラウンド確変図柄」に該当した場合であって、6ラウンド目に第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
さらに、「16ラウンド確変図柄」に該当した場合は、確変領域の通過の有無に関わらず、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
ここで、第1可変入賞装置30の第1大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される。また、第2可変入賞装置31の第2大入賞口も同様に、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される。
いずれにしても、当選図柄が「12ラウンド通常図柄以外のいずれかの確変図柄」に該当し、かつ、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過すると、大当り遊技終了後に内部状態を「高確率時間短縮状態」に移行させる特典が遊技者に付与される。一方、当選図柄が「12ラウンド通常図柄」に該当すると、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過することは困難であるため、大当り遊技終了後に内部状態は「低確率時間短縮状態」に移行する。なお、当選図柄が「12ラウンド通常図柄以外のいずれかの確変図柄」に該当しても、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなければ、大当り遊技終了後に内部状態は「低確率時間短縮状態」に移行する。
また、本テーブルに示す動作パターンにおいては、ラウンド間インターバル時間は共通の「1.5秒」となっている。なお、ラウンド間インターバル時間とは、ラウンドとラウンドとの間に設定される待機時間のことである。
〔小当り〕
また、本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当り遊技が行われて第1可変入賞装置30が開閉動作する(特例遊技実行手段)。すなわち、先の特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、通常確率状態又は高確率状態の中で小当り遊技(第1可変入賞装置30が作動する遊技)が実行される。このような小当り遊技では第1可変入賞装置30が所定回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、第1大入賞口への入賞はほとんど発生しない。また、小当り遊技が終了しても、「確率変動機能」が作動することはなく、また、「時間短縮機能」が作動することもないので、「高確率状態」や「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。また、「高確率状態」で小当りに当選しても、その小当り遊技終了後に「高確率状態」が終了することはないし、「時間短縮状態」で小当りに当選しても、その小当り遊技終了後に「時間短縮状態」が終了することもない(上限回数に達した場合を除く。)。なお、本実施形態では、小当りを設定する遊技仕様としているが、小当りを設定しない遊技仕様とすることもできる。
〔特別図柄変動前処理〕
図19は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、演出制御出力処理(図12中のステップS212)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお、復帰時は、上述したように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)のうち、第2特別図柄に対応する方を優先的に読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。第2特別図柄に対応する乱数が記憶されていない場合、主制御CPU72は第1特別図柄に対応する乱数を読み出して一時記憶領域に保存する。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。その結果、本実施形態では第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示が優先的に行われることになる。なお、このような特別図柄別の優先順位を設けることなく、単純に記憶された順番で乱数が読み出されるプログラムであってもよい。また、この処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち、乱数のシフトを行った方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、表示出力管理処理(図12中のステップS210)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。このとき設定される大当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なり、高確率状態では通常確率状態よりも大当り値の範囲が約10倍程度に拡大される。そして、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は「高確率状態」や「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。ただし「小当り」は、「大当り」と同様に第1可変入賞装置30を作動させる条件を満たすものとして位置付けられている。なお、このとき設定される小当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なっていてもよいし、同じでもよい。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図12中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン選択手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。はずれ時の変動時間は、「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。「時間短縮状態」であれば、基本的にリーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は短縮された時間(例えば、2.0秒程度)に設定される(短縮時変動時間決定手段)。また、「時間短縮状態」でなくとも、リーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個〜3個)」に基づいて短縮される場合がある(例えば、変動表示開始時作動記憶数0個→12.5秒程度、変動表示開始時作動記憶数1個→8秒程度、変動表示開始時作動記憶数2個→5秒程度、変動表示開始時作動記憶数3個→2.5秒程度)。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
本実施形態では、内部抽選の結果、非当選に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させてはずれとしたり、「リーチ演出」を発生させずにはずれとしたりする制御を行うこととしている。そして、「はずれ時変動パターン選択テーブル」には、予め複数種類の演出、例えば「非リーチ演出」、「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、非当選に該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。
〔はずれ時変動パターン選択テーブルの例〕
図20は、はずれ時変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。
この選択テーブルは、はずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「1」〜「8」が割り当てられている。
変動パターン番号「1」〜「5」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「6」〜「8」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。ここで、変動パターン番号「8」は、特定の変動パターンとすることができる。特定の変動パターンは、当選期待度高いリーチ演出(例えばスーパーリーチ演出等)が選択される変動パターンである。なお、変動パターン選択テーブルは、変動開始時作動記憶数や内部状態(低確率状態又は高確率状態、非時間短縮状態又は時間短縮状態)、当選図柄に応じて異なるテーブル内容としてもよい(以下、同様)。
ここで、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンでは、設定される変動時間の長さが大きく異なっている。すなわち、「非リーチ変動パターン」は基本的に短い変動時間(例えば作動記憶数に応じて2.0秒〜13.0秒程度)に対応するものであるのに対し、「リーチ変動パターン」はその倍以上の長い変動時間(例えば30秒〜150秒程度)に対応するものである。
そして、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「2」を選択する。
〔図19:特別図柄変動前処理を参照〕
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、大きく分けて6種類の当選図柄が用意されている。6種類の内訳は、「6ラウンド確変図柄1」、「6ラウンド確変図柄2」、「12ラウンド確変図柄1」、「12ラウンド確変図柄2」、「12ラウンド通常図柄」、「16ラウンド確変図柄」である。なお、各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば「6ラウンド確変図柄1」であれば、「6ラウンド確変図柄1a」、「6ラウンド確変図柄1b」、「6ラウンド確変図柄1c」、・・・といった具合である。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の選択比率が異なっている。このため主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであるか、第2特別図柄に対応するものであるかによって選択する当選図柄を区別している。
〔第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図21は、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、この第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「40」,「10」,「50」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「12ラウンド確変図柄1(実質4ラウンド)」、「12ラウンド確変図柄2(実質9ラウンド)」、「12ラウンド通常図柄(実質9ラウンド)」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する大当り時には、「12ラウンド確変図柄1(実質4ラウンド)」が選択される割合は100分の40(=40%)であり、「12ラウンド確変図柄2(実質9ラウンド)」が選択される割合は100分の10(=10%)であり、「12ラウンド通常大当り(実質9ラウンド)」が選択される割合は100分の50(=50%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。
いずれにしても、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」,「02H」,「03H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「12ラウンド確変図柄1」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔確変回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右から2番目のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される確変回数(ST回数)の値が示されている。
本実施形態では、「12ラウンド確変図柄1」又は「12ラウンド確変図柄2」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、確変回数は170回付与される。
一方、「12ラウンド通常図柄」に該当した場合、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過することは困難となっているため、確変回数は付与されない。なお、「12ラウンド確変図柄1」又は「12ラウンド確変図柄2」に該当したものの、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、確変回数は付与されない。
〔時短回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右カラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数(限度回数)の値が示されている。
本実施形態では、「12ラウンド確変図柄1」又は「12ラウンド確変図柄2」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、時短回数は170回付与される。
一方、「12ラウンド通常図柄」に該当した場合、時短回数は100回付与される。
なお、「12ラウンド確変図柄1」又は「12ラウンド確変図柄2」に該当したものの、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、時短回数は100回付与される。
〔第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図22は、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、この第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「60」,「20」,「20」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、振分値に対応する「16ラウンド確変図柄」、「6ラウンド確変図柄1」、「6ラウンド確変図柄2」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する大当り時においては、「16ラウンド確変図柄」が選択される割合は100分の60(=60%)であり、「6ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の20(=20%)であり、「6ラウンド確変図柄2」が選択される割合は100分の20(=20%)である。
今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、MODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」,「02H」,「03H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「16ラウンド確変図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔確変回数〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右から2番目のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される確変回数(ST回数)の値が示されている。
本実施形態では、「16ラウンド確変図柄」、「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、確変回数は170回付与される。なお、「16ラウンド確変図柄」、「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」に該当したものの、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、確変回数は付与されない。
〔時短回数〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右カラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数(限度回数)の値が示されている。
本実施形態では、「16ラウンド確変図柄」又は「6ラウンド確変図柄1」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、時短回数は170回付与される。
一方、「6ラウンド確変図柄2」に該当し、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合、時短回数は100回付与される。
なお、「16ラウンド確変図柄」、「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」に該当したものの、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合、時短回数は100回付与される。
〔図19:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
本実施形態では、内部抽選の結果、大当りに該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させて大当りとする制御を行っている。そして、「大当り時変動パターン選択テーブル」には、複数種類の「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、大当りに該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。
ここで、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。また、時間短縮機能が作動している状態での当選時には、長い変動時間を有する変動パターンを選択せずに、短い変動時間を有する変動パターン(リーチ演出を行わない変動パターン)を選択してもよい。
〔大当り時変動パターン選択テーブルの例〕
図23は、大当り時変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。
この選択テーブルは、大当り時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「61」〜「68」が割り当てられている。
変動パターン番号「61」〜「68」は、いずれもリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応している。ここで、変動パターン番号「61」は、特定の変動パターンとすることができる。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「62」を選択する。
〔図19:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)がいずれの当選図柄であっても、遊技状態フラグとして時間短縮機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段、有利遊技状態移行手段、特別状態移行手段)。
また、ステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時特別図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお、本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では、小当り時の当選図柄は「1回開放小当り図柄」の1種類だけである。ただし、これ以外に例えば「2回開放小当り図柄」や「3回開放小当り図柄」等の別の種類が用意されていてもよい。内部抽選の結果としての「小当り」は、その後の状態が「高確率状態」や「時間短縮状態」に変化する契機とはならないため、この種のパチンコ機で必須となる「2ラウンド(2回開放)以上」の規定にとらわれることなく、「1回開放小当り図柄」を設けることができる。
ステップS2408:次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン選択手段)。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。なお、本実施形態では小当りの場合にリーチ変動パターンを選択することもできるし、はずれ通常変動時と同等の変動パターンを選択することもできる。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図17:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして、主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また、特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図19中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図24は、特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動前処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」より大であった場合(図19中のステップS2100:Yes)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:主制御CPU72は、現在ある作動記憶の中で最も古いものが第1特別図柄に対応するものであるか否かを確認する。すなわち、RAM76の記憶エリアにアクセスし、その中で最も古い作動記憶が第1特別図柄に対応するものでなく、第2特別図柄に対応するものであれば(No)、主制御CPU72は次にステップS2212に進む。
ステップS2212:主制御CPU72は、記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第2特別図柄を指定する。この指定は、例えば対象図柄指定値として「02H」をセットすることで行われる。
ステップS2214:一方、最も古い作動記憶が第1特別図柄に対応するものであった場合(ステップS2210:Yes)、主制御CPU72は記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第1特別図柄を指定する。この場合の指定は、例えば対象図柄指定値として「01H」をセットすることで行われる。
ステップS2216:ステップS2212又はステップS2214のいずれかで指定した対象の特別図柄について、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
ステップS2218:次いで主制御CPU72は、対象の特別図柄について作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、今回の記憶エリアをシフトする対象が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(−1)する。
ステップS2220:そして、主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から「変動開始時作動記憶数」を設定する。なお、ここでは第1特別図柄と第2特別図柄の両方について、作動記憶カウンタの値を加算した上で「変動開始時作動記憶数」を設定してもよい。
ステップS2222:また、主制御CPU72は、今回の記憶エリアをシフトする対象の特別図柄が第2特別図柄であるか否かを確認する。
ステップS2224:対象が第2特別図柄であった場合(ステップS2222:Yes)、主制御CPU72は第2特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」〜「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。つまり、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」〜「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」〜「1」(コマンド表記は「13H」〜「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」〜「0」(コマンド表記は「12H」〜「10H」)となったことを表している。なお、先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS2226:なお、今回の対象が第1特別図柄であった場合(ステップS2222:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。この場合のコマンドは、先行値が第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BBH」)となる以外は上記と同じである。
ステップS2228:そして、主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2224又はステップS2226でセットした作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図19)に復帰する。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に図25は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして、主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図17中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドを生成する。図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。なお、「停止表示時間終了コマンド」とは、特別図柄の停止表示時間が終了(経過)したことを示すコマンドである。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「大当り時可変入賞装置管理処理」に設定する。なお、主制御CPU72は、本処理にて各種機能を非作動に設定する処理を実行する。具体的には、確率変動機能を非作動とし、時間短縮機能を非作動とする。これにより、特別遊技(大役)が開始される前には、低確率非時間短縮状態に移行されることになる。
ステップS4400:そして、主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、大当り図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、大当り図柄の種類が「16ラウンド確変図柄」である場合、連続作動回数ステータスには「16ラウンド」に対応する値がセットされる。また、大当り図柄の種類が「12ラウンド確変図柄1,2」又は「12ラウンド通常図柄」である場合、連続作動回数ステータスには「12ラウンド」を表す値がセットされる。さらに、大当り図柄の種類が「6ラウンド確変図柄1,2」である場合、連続作動回数ステータスには「6ラウンド」を表す値がセットされる。そして、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4500:そして、主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の大当り時停止図柄決定処理(図19中のステップS2410)で決定された大当り図柄の種類(停止図柄番号)に基づいて生成することができる。例えば、大当り図柄の種類が「16ラウンド確変図柄」である場合、連続作動回数コマンドは「16ラウンド」を表す値として生成される。また、大当り図柄の種類が「12ラウンド確変図柄1,2」又は「12ラウンド通常図柄」である場合、連続作動回数コマンドは「12ラウンド」を表す値として生成される。さらに、大当り図柄の種類が「6ラウンド確変図柄1,2」である場合、連続作動回数コマンドは「6ラウンド」を表す値として生成される。生成された連続作動回数コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして、小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして小当り時可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4606:そして、主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り中)」をセットする。また、主制御CPU72は、小当り中を表す状態コマンドを生成する。小当り中を表す状態コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「高確率状態」や「時間短縮状態」においてそれぞれのカウンタ値がRAM76の確変カウント領域、時短カウント領域にセットされている。本実施形態では、いわゆる回数切り確変の機能を採用しているため、「高確率時間短縮状態」に移行させる場合、高確率状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば170回)に設定され、時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば170回又は100回)に設定される。また、「低確率時間短縮状態」に移行させる場合、高確率状態に関する回数切りカウンタは設定されず、時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば100回)に設定される。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、回数切りカウンタ値コマンドを生成してから、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。
ステップS4640:そして、主制御CPU72は、その減算結果が0でないか否かを判断する。減算の結果、回数切りカウンタの値が0でなかった場合(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、回数切りカウンタの値が0になった場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。本実施形態では、「6ラウンド確変図柄2以外のいずれかの確変図柄」に該当して「高確率時間短縮状態」に移行させる場合、高確率状態及び時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば170回)に設定されるため、リセットされるのは、確率変動機能作動フラグ及び時間短縮機能作動フラグである。
また、6ラウンド確変図柄2に該当して「高確率時間短縮状態」に移行させる場合、高確率状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば170回)に設定され、時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば100回)に設定される。このため、100変動目が終了した時点でリセットされるのは時間短縮機能作動フラグであり、170変動目が終了した時点でリセットされるのは確率変動機能作動フラグである(有利遊技状態移行手段、特別状態移行手段)。
さらに、「低確率時間短縮状態」に移行される場合、時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば100回)に設定されるため、リセットされるのは、時間短縮機能作動フラグだけである。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態や高確率状態が終了する。以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔表示出力管理処理〕
次に図26は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図12中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグの値に応じてそれぞれ確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38eの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において確率変動機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は確率変動状態表示ランプ38dに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお、確率変動状態表示ランプ38dは、特別図柄に関する大当り遊技が開始されるまで、もしくは、特別図柄の変動表示が規定回数行われた後に確率変動機能がOFFにされるまで点灯しつづけ、その後非表示に(消灯)切り替えられる。一方、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38eに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。さらに、主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスに応じて発射位置指定ランプ38fの点灯を制御する。例えば、大当り遊技又は小当り遊技により第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が作動状態となる場合、主制御CPU72は発射位置指定ランプ38fに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。また、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38eに加えて、発射位置指定ランプ38fに対応するLEDに対しても点灯信号を出力する。なお、発射位置指定ランプ38fは、大当り遊技を経て「時間短縮状態」に移行する場合、大当り遊技開始から「時間短縮状態」が終了するまで点灯し、「時間短縮状態」の終了により非点灯(OFF)となる。
また、主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38b,38cの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38b,38cのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数ステータスの値で指定された大当り図柄に対応するいずれかの表示ランプ38a,38b,38cである。例えば、連続作動回数ステータスの値が「16ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「16ラウンド(16R)」を表すランプ38cに対して点灯信号を出力する。また、連続作動回数ステータスの値が「12ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「12ラウンド(12R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。さらに、連続作動回数ステータスの値が「6ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「6ラウンド(6R)」を表すランプ38aに対して点灯信号を出力する。
〔大当り時可変入賞装置管理処理〕
次に、大当り時可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図27は、大当り時可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。大当り時可変入賞装置管理処理は、大当り時遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、大当り時終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:大当り時遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200〜ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして大当り時可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大当り時大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大当り時大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大当り時大入賞口開閉動作処理及び大当り時大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図28は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5204:主制御CPU72は、図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は今回の該当する当選図柄に応じて大入賞口の開放パターン(ラウンドごとの開放回数及び各開放の時間)やラウンド間のインターバル時間、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)、確変領域用ソレノイド99の作動パターンを選択する。当選図柄別の大入賞口の開放パターンや確変領域用ソレノイド99の作動パターン、ラウンド間のインターバル時間については、図18に示す大当り中の可変入賞装置の動作パターンで説明した通りである。なお、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)は基本的には10個程度であるが、極端な短時間(0.1秒程度)の開放中に入賞が発生することはほとんどない(不能ではないが極めて困難である)。
ステップS5206:主制御CPU72は、先の大当り時停止図柄決定処理(図19中のステップS2410)で選択した大当り時の当選図柄に基づき、今回の大当り遊技における実行ラウンド数を設定する。具体的には、当選図柄として「16ラウンド確変図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を16回に設定する。また、当選図柄として「12ラウンド確変図柄1,2」又は「12ラウンド通常図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を12回に設定する。さらに、当選図柄として「6ラウンド確変図柄1,2」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を6回に設定する。ここで設定した実行ラウンド数は、プログラム上で対応する値を用いて例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5208:次に主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターン及び確変領域用ソレノイド99の作動パターンに基づき、大当り時開放タイマ及び確変領域タイマ(確変領域の開放時間をカウントするタイマ)を設定する。ここで設定したタイマの値は、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開放時間や確変領域の開放時間となる。なお、大当り時開放タイマ及び確変領域タイマの値として20.0〜29.0秒程度の時間が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入球や確変領域の通過が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。一方、大当り時開放タイマ及び確変領域タイマの値として0.1秒が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入球や確変領域の通過が不能ではなくとも、ほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射制御基板セット174による遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5210:そして、主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターン及び確変領域用ソレノイド99の作動パターンに基づき、大当り時インターバルタイマ及び確変領域インターバルタイマ(確変領域を一時的に閉鎖させるための待ち時間をカウントするタイマ)を設定する。ここで設定したタイマの値は、大当り中のラウンド間での待機時間又は確変領域の一時的な閉鎖時間となる。
ステップS5212:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口開閉動作処理に設定し、大当り時可変入賞装置管理処理(図27)に復帰する。
〔大当り時大入賞口開閉動作処理〕
図29は、大当り時大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5301:主制御CPU72は、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認する。具体的には、以下のステップS5314で設定する大入賞口インターバルタイマが既に動作中であるか否かを確認することにより、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認することができる。
その結果、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5314を実行する。一方、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS5302を実行する。
ステップS5302:主制御CPU72は、第1大入賞口又は第2大入賞口を開放させる。具体的には、図18に示す大当り中の可変入賞装置の動作パターンに基づいて、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。
ステップS5303:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図28中のステップS5208)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5303a:主制御CPU72は、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認する。具体的には、以下のステップS5314で設定する確変領域インターバルタイマが既に動作中であるか否かを確認することにより、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認することができる。
その結果、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5314を実行する。一方、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS5304を実行する。
ステップS5304:主制御CPU72は、確変領域開放処理を実行する。具体的には、図18に示す大当り中の可変入賞装置の動作パターンに基づいて、確変領域用ソレノイド99に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、確変領域用羽根部材31dが開放して、第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域へ遊技球を案内することができる状態となる。
ステップS5305:次に主制御CPU72は、確変領域タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図28中のステップS5208)で設定した確変領域タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5306:続いて主制御CPU72は、大入賞口開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS5307aを実行する。
ステップS5307a:続いて主制御CPU72は、確変領域開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の確変領域タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72はステップS5308を実行する。
一方、確変領域タイマの値が0以下になっている場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5307bを実行する。
ステップS5307b:確変領域閉鎖処理を実行する。具体的には、確変領域用ソレノイド99に対して印加している駆動信号の出力を停止する処理を実行する。これにより、確変領域用羽根部材31dが閉鎖して、第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域へ遊技球を案内することができない状態となる。
ステップS5308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31(開放中の第1大入賞口又は第2大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第1カウントスイッチ84又は第2カウントスイッチ85から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS5310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、開放1回(大当り中の1ラウンド)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72はステップS5301〜ステップS5310の手順を繰り返し実行する。
ステップS5306で大入賞口開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。
ステップS5312:主制御CPU72は、第1大入賞口又は第2大入賞口を閉鎖させる。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が開放状態から閉鎖状態に移行する。
ステップS5313:主制御CPU72は、確変領域閉鎖処理を実行する。具体的には、確変領域用ソレノイド99に対して印加している駆動信号の出力を停止する処理を実行する。これにより、確変領域用羽根部材31dが閉鎖して、第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域へ遊技球を案内することができない状態となる。
ステップS5314:次に主制御CPU72は、インターバルタイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図28中のステップS5210)で設定した大入賞口インターバルタイマ及び確変領域インターバルタイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5315:主制御CPU72は、大入賞口インターバル時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の大入賞口インターバルタイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ大入賞口インターバルタイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理(図27)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大当り時大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5301からジャンプして直にステップS5314を実行する。一方、カウントダウン処理後の大入賞口インターバルタイマの値が0以下になったことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5318を実行する。
ステップS5318:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5320:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、本実施形態では、このような開放パターンを採用しておらず、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがって、大当り遊技中の各ラウンドでは1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
一方、1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用している場合には、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、ステップS5301〜ステップS5320までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5318で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
ステップS5322:主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口閉鎖処理に設定し、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大当り時大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大当り時大入賞口閉鎖処理〕
図30は、大当り時大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大当り時大入賞口閉鎖処理は、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5402:主制御CPU72は、ラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1〜15)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の1〜15)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大当り時大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、大当り時遊技プロセス選択処理(図27中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大当り時大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大当り時大入賞口開閉動作処理の実行後は大当り時大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大当り時大入賞口閉鎖処理を実行し、ステップS5402〜ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数(9回又は16回)に達するまでの間、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を大当り時終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は大当り時終了処理が選択されることになる。
〔大当り時終了処理〕
図31は、大当り時終了処理の手順例を示すフローチャートである。この大当り時終了処理は、大当り時の第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5501:主制御CPU72は、大当り時終了時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時終了時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
ステップS5502:次に主制御CPU72は、大当り時終了時間が経過したか否かを確認する。具体的には、大当り時終了時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は大当り時終了時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して大当り時可変入賞装置管理処理(図27)に復帰する。
この後、時間の経過に伴って大当り時終了時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は大当り時終了時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS5503以降を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また、主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で内部状態としての大役終了を宣言する。なお、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値をリセットする。
ステップS5506:次に主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先のスイッチ入力イベント処理(図13中のステップS28)でセットされるものである。
ステップS5508:確率変動機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5506:Yes)、主制御CPU72は確率変動回数(例えば170回)を設定する。設定した確率変動回数の値は、例えばRAM76の確変カウンタ領域に格納されて回数切りカウンタ値となる。ここで設定した確率変動回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動(内部抽選)を高確率状態で行う上限回数となる。本実施形態では、高確率状態に実質的な上限を設けているため、高確率状態で当選の結果が得られずに低確率状態に復帰する場合もある(いわゆる回数切り確変)。なお、確率変動機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5506:No)、主制御CPU72はステップS5508を実行しない。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図19中のステップS2414)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、時間短縮機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時短回数(例えば100回又は170回)を設定する。ここで、いずれの時短回数を設定するかについては、確率変動機能作動フラグの値に左右される。すなわち、主制御CPU72は確率変動機能作動フラグの値がセットされていれば時短回数として170回を設定し(高確率時間短縮状態移行手段、有利遊技状態移行手段)、確率変動機能作動フラグの値がセットされてなければ時短回数として100回を設定する(低確率時間短縮状態移行手段、有利遊技状態移行手段)。ただし、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグの値がセットされていたとしても、当選図柄が6ラウンド確変図柄2に該当している場合には、時短回数として100回を設定する(有利遊技状態移行手段、特別状態移行手段)。設定した時短回数の値は、RAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時短回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。なお、時間短縮機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512を実行しない。
ステップS5514:そして、主制御CPU72は、各種のフラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、確率変動機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「高確率中」を表す状態指定コマンドを生成し、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS5516:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図17中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔小当り時可変入賞装置管理処理〕
次に、小当り時可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図32は、小当り時可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。小当り時可変入賞装置管理処理は、小当り時遊技プロセス選択処理(ステップS6100)、小当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS6200)、小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)、小当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS6400)、小当り時終了処理(ステップS6500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS6100:小当り時遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS6200〜ステップS6500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして小当り時可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS6200)を選択する。一方、既に小当り時大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)を選択し、小当り時大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として小当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS6400)を選択する。また、設定された連続作動回数にわたって小当り時大入賞口開閉動作処理及び小当り時大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時終了処理(ステップS6500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔小当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図33は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、小当り時に第1可変入賞装置30を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS6212:主制御CPU72は、「小当り時開放パターン」を設定する。本実施形態の場合、「小当り時開放パターン」については、例えば1回目と2回目とでそれぞれ「0.1秒開放」の開放パターンが設定される。なお、「小当り」については「ラウンド」という概念がないことから、「開放パターン」についても「1回目の開放」、「2回目の開放」といった表記となる。
ステップS6214:主制御CPU72は、先のステップS6212で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大入賞口の開放回数を例えば2回に設定する。ここで設定した開放回数は、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS6216:次に主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、第1可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお、本実施形態では、小当り時開放タイマの値として0.1秒が設定されており、このような開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞がほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射装置ユニットによる遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS6218:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、小当り時に第1可変入賞装置30を複数回にわたり開閉動作させる際の1回ごとの待機時間となるが、このタイマ値は例えば2秒程度に設定される。
ステップS6220:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を小当り時大入賞口開閉動作処理に設定し、小当り時可変入賞装置管理処理(図32)に復帰する。そして、主制御CPU72は、次に小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)を実行する。
〔小当り時大入賞口開閉動作処理〕
図34は、小当り時大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、小当り時に第1可変入賞装置30の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS6301:主制御CPU72は、インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認する。具体的には、以下のステップS6314で設定するインターバルタイマが既に動作中であるか否かを確認することにより、インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認することができる。
その結果、インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS6314を実行する。一方、インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS6302を実行する。
ステップS6302:主制御CPU72は、第1大入賞口を開放させる。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第1可変入賞装置30が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。
ステップS6304:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図33中のステップS6216)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS6306:続いて主制御CPU72は、開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS6308を実行する。
ステップS6308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第1可変入賞装置30(開放中の第1大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第1カウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS6310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、開放1回(小当り時の開放1回)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は小当り時可変入賞装置管理処理(図32)に復帰する。そして、次に小当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が小当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72はステップS6301〜ステップS6310の手順を繰り返し実行する。
ステップS6306で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS6310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS6312を実行する。ここで、小当り時の開放は、開放タイマの値が短時間に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS6310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS6306で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS6312:主制御CPU72は、第1大入賞口を閉鎖させる。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、第1可変入賞装置30が開放状態から閉鎖状態に復帰する。
ステップS6314:次に主制御CPU72は、インターバルタイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図33中のステップS6218)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。
ステップS6315:主制御CPU72は、インターバル時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後のインターバルタイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だインターバルタイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は小当り時可変入賞装置管理処理(図32)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで小当り時大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS6301からジャンプして直にステップS6314を実行する。一方、カウントダウン処理後のインターバルタイマの値が0以下になったことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS6316を実行する。
ステップS6316:主制御CPU72は次のジャンプ先を小当り時大入賞口閉鎖処理に設定し、小当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に小当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に小当り時大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔小当り時大入賞口閉鎖処理〕
図35は、小当り時大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この小当り時大入賞口閉鎖処理は、第1可変入賞装置30の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS6412:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS6414:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の大入賞口開放パターン設定処理(図33中のステップS6214)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS6416を実行する。
ステップS6416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を小当り時大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS6430:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、小当り時可変入賞装置管理処理(図32)に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、小当り時遊技プロセス選択処理(図32中のステップS6100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である小当り時大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、小当り時大入賞口開閉動作処理の実行後に、主制御CPU72は再び小当り時大入賞口閉鎖処理を実行し、実際の開放回数が設定した開放回数(2回)に達するまでの間、第1可変入賞装置30の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS6414:Yes)、主制御CPU72は次にステップS6418を実行する。
ステップS6418,ステップS6420:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を小当り時終了処理に設定する。
ステップS6430:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、小当り時可変入賞装置管理処理(図32)に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は小当り時終了処理が選択されることになる。
〔小当り時終了処理〕
図36は、小当り時終了処理の手順例を示すフローチャートである。この小当り時終了処理は、小当り時の第1可変入賞装置30の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS6502:主制御CPU72は、小当り時終了時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時終了時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
ステップS6504:次に主制御CPU72は、小当り時終了時間が経過したか否かを確認する。具体的には、小当り時終了時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は小当り時終了時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して小当り時可変入賞装置管理処理(図32)に復帰する。
この後、時間の経過に伴って小当り時終了時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は小当り時終了時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS6506以降を実行する。
ステップS6506,ステップS6508:主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また、内部状態フラグから「小当り中」を消去して小当り遊技を終了させるる。なお、小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS6510:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を小当り時大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS6512:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図17中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は小当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔ゲームフロー(その1)〕
図37は、通常モードにて「12ラウンド通常図柄」又は「12ラウンド確変図柄1,2」に該当した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
パチンコ機1で遊技を開始する場合、〔F1〕通常モードから遊技が開始される。「通常モード」は、特別図柄の当選確率は「低確率状態」であり、かつ、普通図柄の当選確率は「低確率状態」である。このように、〔F1〕通常モードは、「低確率非時間短縮状態」となるので、中始動入賞口26に遊技球を入球させることにより、第1特別図柄が変動を開始して遊技が進行していく。
〔F1〕通常モードにて、〔F2〕「12ラウンド通常図柄」の大当りに当選すると、〔F3〕12ラウンド大当り遊技(バトルボーナス)が実行され、〔F4〕大役中演出のバトルで敗北して、〔F5〕海岸モードに移行する。
〔F5〕海岸モードは、低確率時間短縮状態である。〔F5〕海岸モードにて、当選の結果が得られずに〔F6〕特別図柄が100回変動すると、〔F1〕通常モードに移行する。
〔F1〕通常モードにて、〔F7〕「12ラウンド確変図柄1,2」の大当りに当選すると、〔F3〕12ラウンド大当り遊技(バトルボーナス)が実行され、〔F8〕大役中演出のバトルで勝利する。
そして、〔F9〕12ラウンド大当り遊技の6ラウンド目で遊技球が確変領域を通過した場合(V入賞した場合)、〔F10〕V入賞が発生したことを示す演出が実行され、〔F11〕花火ラッシュに移行する。
〔F11〕花火ラッシュは、高確率時間短縮状態である。〔F11〕花火ラッシュにて、当選の結果が得られずに〔F12〕特別図柄が170回変動すると、〔F1〕通常モードに移行する。
一方、〔F13〕「12ラウンド確変図柄1,2」に該当したものの、大当り遊技の6ラウンド目で遊技球が確変領域を通過しなかった場合(V入賞しなかった場合)、〔F10〕V入賞が発生しなかったことを示す演出が実行され、〔F5〕海岸モードに移行する。
〔ゲームフロー(その2)〕
図38は、花火ラッシュ又は海岸モードにて「16ラウンド確変図柄」又は「6ラウンド確変図柄1,2」に該当した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F5〕海岸モード又は〔F11〕花火ラッシュにて〔G1〕「16ラウンド確変図柄」の大当りに当選すると、〔G2〕16ラウンド大当り遊技(スペシャルボーナス)が実行される。
そして、〔G3〕16ラウンド大当り遊技の6ラウンド目で遊技球が確変領域を通過した場合(V入賞した場合)、〔G4〕V入賞が発生したことを示す演出が実行され、大当り遊技の終了後に〔F11〕花火ラッシュに移行する。
一方、〔G5〕16ラウンド確変図柄に該当したものの、大当り遊技の6ラウンド目で遊技球が確変領域を通過しなかった場合(V入賞しなかった場合)、〔G6〕V入賞が発生しなかったことを示す演出が実行され、大当り遊技の終了後に〔F5〕海岸モードに移行する。
〔F5〕海岸モード又は〔F11〕花火ラッシュにて〔G10〕「6ラウンド確変図柄1,2」の大当りに当選すると、〔G11〕6ラウンド大当り遊技(ノーマルボーナス演出)が実行される。
そして、〔G12〕6ラウンド大当り遊技の6ラウンド目で遊技球が確変領域を通過した場合(V入賞した場合)、〔G13〕V入賞が発生したことを示す演出が実行され、大当り遊技の終了後に〔F11〕花火ラッシュに移行する。
一方、〔G14〕「6ラウンド確変図柄1,2」に該当したものの、大当り遊技の6ラウンド目で遊技球が確変領域を通過しなかった場合(V入賞しなかった場合)、〔G15〕V入賞が発生しなかったことを示す演出が実行され、その後〔F5〕海岸モードに移行する。なお、特に図示していないが「6ラウンド確変図柄2」に該当し、花火ラッシュに移行して100変動が経過すると、通常モードに移行するが、内部的には高確率非時間短縮状態となっている。
なお、以上のゲームフローに関しては、代表的なゲームフローの一例を示したものであり遊技の流れをすべて網羅しているものではない。
〔演出画像の例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像について、いくつかの例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)を決定し、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。そこでパチンコ機1では、演出図柄を用いた変動表示演出が行われている。
演出図柄には、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される(図1参照)。各演出図柄は、例えば数字の「1」〜「9」とともにキャラクターが付された絵札をデザインしたものとなっている。ここで、左演出図柄、中演出図柄、及び右演出図柄は、いずれも数字が「9」〜「1」の降順に並んだ図柄列を構成している。このような図柄列は、画面上の左領域・中領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
図39は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(結果表示演出)の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄とするが、第2特別図柄でもよい。)が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔変動表示前〕
図39中(A):例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の画面内には3本の演出図柄の列が大きく表示されている。このとき第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄も停止表示された状態にある。
〔記憶表示演出〕
また、液晶表示器42の画面下部の変動前表示領域X1には、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数を表すマーカ(図中に参照符号M1,M2を付す)が表示されている。これらマーカM1,M2は、それぞれの表示個数が第1特別図柄、第2特別図柄の作動記憶数(第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示数)を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。
また、マーカM1,M2は、視覚的な判別を容易にするため第1特別図柄に対応するマーカM1が例えば円(○)の図形で表示され、第2特別図柄に対応するマーカM2が例えばハートの図形で表示されている。図示の例では、マーカM1が4つとも点灯表示されることで第1特別図柄の作動記憶数が4個であることを表し、マーカM2が全て非表示(破線で示す)となっていることで第2特別図柄の作動記憶数が0個であることを表している(記憶表示演出)。
また、演出図柄の変動表示中、例えば液晶表示器42の画面右上には第4図柄(図中に参照符号Z1,Z2を付す)が表示されている。この第4図柄Z1,Z2は、左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお、第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。第4図柄Z1は、第1特別図柄に対応しており、第4図柄Z2は、第2特別図柄に対応している。
また、第4図柄Z1,Z2については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が「6ラウンド大当り」や「12ラウンド大当り」、「16ラウンド大当り」であれば、それらに対応する態様(例えば青表示色や赤表示色等)で第4図柄Z1,Z2は停止表示される。
〔変動表示演出開始〕
図39中(B):例えば第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される(図柄演出実行手段)。すなわち、第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面内で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールする(流れる)ようにして変動表示演出が開始される。また、マーカM1,M2は、変動開始前は、液晶表示器42の下方部分における帯状部分の変動前表示領域X1に表示されているが、変動開始後は、液晶表示器42の左下部分に表示されている台座画像による変動中表示領域X2に移動して、特別図柄(演出図柄)の変動が停止表示されるまでて表示され続ける(記憶画像表示維持演出)。なお、図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。また、変動表示中、個々の演出図柄が透けた状態で表示(透過表示)されることにより、このとき表示画面内には演出図柄の背景となる画像(背景画像)が視認しやすい状態で表示されている。
この場合の背景画像は、例えば浴衣を着こなした女性キャラクターが長椅子に腰掛け、夕涼みでもするかのようにリラックスしている風景を表現したものである。このような背景画像は、演出上での滞在モードが例えば「通常モード」であることを表現している。本実施形態において「通常モード」は、時間短縮機能が非作動であり、また、確率変動機能も非作動である通常状態に対応するものとする。この他にも演出上で各種のモードが設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている(状態表示演出実行手段)。これらモードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものであったり、「高確率状態」に対応するものであったりする。ここでは特に図示していないが、この後、例えば表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
また、演出図柄の変動表示中、液晶表示器42の画面右上では第4図柄Z1が変動表示されており、第4図柄Z1は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
〔左図柄停止〕
図39中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の左側位置に数字の「8」を表す演出図柄が停止したことを表している。なお、ここでは背景画像の図示を省略している(これ以降も同様)。
〔作動記憶数減少時の演出例〕
ここで、先の図39中(B)に示されているように、変動開始に伴って第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動してマーカM1の表示個数が1個分減少されている。例えば、それまでに作動記憶数が4個あったとすると、マーカM1において最も以前(古い)の記憶数表示が1個だけ変動中表示領域X2に移動され、内部抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、第1特別図柄に関して作動記憶数が消費されたということを演出上でも遊技者に教示することができる。
そして、図39中(C)の例においては、記憶順で先頭にあったマーカM1が変動中表示領域X2に移動することにより、変動前表示領域X1での表示が残り3個になったため、画面上に残った3つのマーカM1がそれぞれ1個分ずつ一方向(ここでは左方向)へずれていく演出が行われている。これにより、作動記憶数の変化の前後関係を正確に演出上で表現するとともに、遊技者に対して「作動記憶が消費されて1つ減った」ということや「作動記憶が消費されて特別図柄が変動中である」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
〔右演出図柄停止〕
図39中(D):左演出図柄に続いて、その後に右演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中側位置に数字の「3」を表す演出図柄が停止したことを表している。この時点で既にリーチ状態が発生しないことは確定しているので、今回の変動が非リーチ(通常)変動であるということが見た目上でほとんど明らかとなっている。なお、ここではすべりパターン等によるリーチ変動を除くものとする。「すべりパターン」とは、例えば一旦は数字の「7」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するというものである。あるいは、一旦は数字の「9」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が逆向きに1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するパターンもある。また、その他にも例えば「5」等の全くかけ離れた数字を表す演出図柄が一旦停止した後、画面上にキャラクターが出現して右演出図柄列を再変動させると、数字の「8」を表す演出図柄が停止してリーチに発展するといったパターンもある。
〔停止表示演出〕
図39中(E):第1特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面の中段位置に数字の「1」を表す演出図柄が停止したことを表しており、この場合、演出図柄の組み合わせは「8」−「1」−「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
また、停止表示演出が行われると、変動中表示領域X2に移動して表示を継続していたマーカM1も非表示となる。したがって、遊技者に対して「特別図柄の変動が終了した」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
以上は、1回の変動ごとに演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
また、上述した例は非当選時についてのものであるが、大当り(当選)時には変動表示演出中にリーチ演出が実行された後、停止表示演出において演出図柄が大当りの態様で停止表示される。このとき演出図柄の停止表示態様は、基本的には主制御CPU72によって内部的に選択された当選図柄(第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の停止表示態様)に対応させて選択される。
〔大当り時の演出例〕
図40は、大当り(当選)時に実行されるリーチ演出(スーパーリーチ演出)の流れを示す連続図である。ここではリーチ演出の他に、変動表示演出や停止表示演出及び予告演出が含まれるものとする。その他にも、変動表示演出中に実行される予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出)の一例を説明する。
以下のリーチ演出は、例えば第1特別図柄表示装置34において大当り時の変動パターンによる変動表示が行われた後、第1特別図柄が大当りの態様(例えば7セグメントLEDの「己」,「ヨ」,「口」,「巳」,「F」,「E」,「L」,「Γ」等)で停止表示されるまでに実行される(リーチ演出実行手段)。なお、図40中、各演出図柄を数字のみに簡略化して示している。また、マーカM1,M2、第4図柄Z1,Z2、変動前表示領域X1及び変動中表示領域X2については図示を省略している(以下の図面でも同様)。以下、演出の流れに沿って説明する。
〔変動表示演出〕
図40中(A):例えば、第1特別図柄の変動開始に略同期して、液晶表示器42の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向(例えば上から下)にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。
〔リーチ発生前予告演出(1段階目)〕
図40中(B):次に、変動表示演出の比較的初期において、キャラクターの絵柄画像(絵札)を用いた1段階目のリーチ発生前予告演出が行われる。このリーチ発生前予告演出は、予め定められた順序にしたがって1段階目から複数段階目(例えば2〜5段階目)まで、段階的に態様の変化が進行していく予告演出である。このリーチ発生前予告演出で用いられる絵柄画像は、画面上で変動表示されている演出図柄の手前に位置し、例えば画面の左端からひょっこりと出現するようにして表示される(その他の出現の態様でもよい。)。なお、ここでいう「リーチ発生前予告」とは、いずれかの演出図柄が停止表示される前にリーチの可能性や大当りの可能性を予告するという意味である。このような「リーチ発生前予告演出」を実行することで、遊技者に対して「リーチに発展するかも知れない=大当りの可能性が高まる」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ発生前予告演出(2段階目)〕
図40中(C):リーチ発生前予告演出の1段階目の態様が実行された後、続いてリーチ発生前予告演出の態様の変化が2段階目に進行する。ここでは2段階目のリーチ発生前予告演出として、先とは違うキャラクターの絵柄画像を用いた演出が行われている。具体的には、画面の右端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像の前面に重なって表示される。また、このとき表示される絵柄画像は、先に表示されていた絵柄画像よりもサイズが大きい。そして、絵柄画像で表現されたキャラクターが台詞(例えば「リーチになるよ」等)を発するという、音響出力による演出もあわせて行われる。
このような2つ目の絵柄画像を用いたリーチ発生前予告演出(2段階目)は、先の図40中(B)で行われたリーチ発生前予告演出(1段階目)からさらに一歩進んだ発展型である。このように発展していく「リーチ発生前予告演出」の態様を称して、一般的に「ステップアップ予告」等と表現することがある。ここではリーチ発生前予告演出で2段階目の絵柄画像が出現する例を挙げているが、3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示される演出態様であってもよい。また、例えば3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示されるごとに、そのサイズが拡大されるものとしてもよい。なお、この段階でも演出図柄の変動表示は継続されている。いずれにしても、リーチ発生前予告演出の態様の変化をより多くの段階まで進行させることにより、今回の変動で大当りになる可能性(期待度)が高いことを遊技者に示唆することができる(例えば、5段階目まで進行すると最大の期待度を示唆する等。)。
〔左演出図柄の停止〕
図40中(D):変動表示演出の中期にさしかかり、やがて左演出図柄の変動表示が停止される。なお、この時点で画面の左側位置に数字の「5」を表す演出図柄が停止している。
〔リーチ状態の発生〕
図40中(E):そして左演出図柄に続き、例えば右演出図柄の変動表示が停止される。この時点で、画面の右側位置に数字の「5」を表す演出図柄が停止していることから、「5」−「変動中」−「5」のリーチ状態が発生している。そして画面上には、リーチ状態となる1本のラインを強調する画像が合わせて表示される。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われる。
リーチ状態の発生後、当選時のリーチ演出が実行される(ただし、この時点では未だ当選の結果は表出されていない。)。リーチ演出では、テンパイした数字(ここでは「5」)に対応する演出図柄だけが画面上に表示され、それ以外は表示されなくなる。なお、このとき演出図柄が画面の四隅にそれぞれ縮小された状態で表示される場合もある。
〔リーチ発生後予告演出(1回目)〕
図40中(F):リーチ状態が発生して暫くすると、例えば「ハート」の図形を表す画像が群をなして画面上を斜めに過ぎっていくリーチ発生後予告演出(1回目)が行われる。この場合、突然、画面上に「ハート群」の画像が流れていくように表示されるため、これによって遊技者に対する視覚的な訴求力を高めることができる。このような視覚的に賑やかなリーチ予告発生後予告演出を実行することで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ演出の進行〕
図40中(G):1回目のリーチ発生後予告演出に続いて、例えば数字の「2」〜「6」を表す画像が画面上で立体的な列を構成した状態で表示され、列の先頭(手前)から「2」、「3」、「4」・・・という順番に画面から数字の画像が消去されていく演出が行われる。このような演出もまた、数字の「5」が最後まで消去されずに残ると「大当り」であることを遊技者に示唆(暗示)したり、想起させたりする目的で行われる。また、数字の「4」まで消去されて「5」が画面手前に残ると「大当り」であり、そして数字の「5」も消去されてしまうと「はずれ」であることを意味する。なお、はずれの場合、数字の「5」が消去された後の画面上に例えば数字の「6」が表示される。したがって、この間、数字の「2」、「3」、「4」と順番に画像が消去されていくに連れて、遊技者の緊張感や期待感も高まっていくことになる。そして、実際に画面上で数字の「4」まで消去され、数字の「5」が画面上に残った状態で演出が進行すると、「大当り」の可能性が高まるため、そこで遊技者の緊張感も一気に高まる。
〔リーチ発生後予告演出(2回目)〕
図40中(H):リーチ演出が終盤に近付いたところで、突然、画面上にキャラクターの画像が大写しに割って入るようにして表示され、そのキャラクターが何らかの台詞を発するという内容(又は、無言で微笑むという内容でもよい)のリーチ発生後予告演出(2回目)が行われる。この時点で例えばリーチ演出の内容は、「数字の「5」が消去されずに残れば、そのまま「5」−「5」−「5」の大当りの可能性が高まる」という展開である。したがって、このタイミングで大きくキャラクターの画像を出現させることにより、遊技者に対して「大当りになるかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。
上記とは別のリーチ演出として、例えば「数字の「2」〜「4」までが消去されてしまい、最後に数字の「5」が消去されずに残れば大当りになる」という展開もある。このようなタイミングでキャラクターの画像を出現させると、遊技者に対して「いよいよ大当りが近いかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔停止表示演出〕
図40中(I):そして、最後の中演出図柄が停止する。この例では、「5」を表す演出図柄を画面の中央に停止表示させることにより、遊技者に対して大当りであるということを伝達することができる。
図40中(J):そして、例えば第1特別図柄の停止表示に略同期して、演出図柄としての停止表示演出が行われる。演出図柄の停止表示演出は、例えば左・中・右演出図柄をそれぞれ初期の大きさに復元した状態で行われる。このような停止表示演出を行うことで、最終的な当選種類が演出上で確定したことを遊技者に対して教示することができる。逆に言えば、演出上で不明確な停止表示演出を行うことにより、いずれの当選図柄で当選したのかということを遊技者に対して非開示としておくことができる。
なお、内部抽選の結果が非当選であれば、今回の変動対象である第1特別図柄がはずれ図柄で停止表示されるため、演出図柄も同様にはずれの態様で停止表示演出が行われる。この場合、画面の中央には「5」以外の数字「4」や「6」を表示することで、残念ながら今回の変動では大当りにならなかったことを知らせる演出が行われる。なお、このような演出は「はずれリーチ演出」として実行されるものである。
〔「12ラウンド通常図柄」等に該当した場合の大役中演出の演出例〕
図41〜図44は、「12ラウンド通常図柄」又は「12ラウンド確変図柄2」に該当した場合の大役中演出の演出例を部分的に示す連続図である。
本実施形態では、「12ラウンド通常図柄」に該当している場合、大役中演出にて味方キャラクターが敵キャラクターに敗北する演出が実行され、「12ラウンド確変図柄2」に該当している場合、味方キャラクターが敵キャラクターに勝利する演出が実行される。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
〔1ラウンド目〕
図41中(A):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、例えば画面内に「ROUND1」のラウンド数に対応する文字情報が表示されるとともに、大役中のバトル演出が開始される。図示の例では、画面の左側に敵キャラクターとなる傘のお化けの画像が表示され、画面の右側に味方キャラクターとなる女性キャラクターの画像が表示され、画面の中央に「VS」の文字の画像が表示される。これにより、遊技者に対してこれからバトル演出が開始されるということを教示することができる。
また、画面の右下隅位置には、今回の当選図柄に対応した演出図柄(ここでは「5」の演出図柄)が表示されている。このように、大当り遊技中も引き続き当選図柄(いわゆる「残し目」)を表示しておくことで、遊技者に対して「5の演出図柄で当選した」という情報を引き続き教示することができる。
〔2ラウンド目〕
図41中(B):大当り遊技の2ラウンド目が開始されると、大役中のバトル演出が具体的に進行する。図示の例では、傘のお化けが左側から右側に移動していく演出が行われている。そして、女性キャラクターが傘のお化けに驚いて逃げ出し、画面の右側へ消え去っていく演出が行われる。
〔3ラウンド目〕
図41中(C):大当り遊技の3ラウンド目が開始されると、大役中のバトル演出が具体的に進行する。図示の例では、女性キャラクターがうちわ(武器)を取り出し、そのうちわから炎(オーラ)が出現する演出が行われている。
〔4ラウンド目〕
図41中(D):そして、大当り遊技の4ラウンド目では、傘のお化けが口から長い舌を飛び出させる必殺技を繰り出し、女性キャラクターがその必殺技をうちわで迎え撃つ演出が行われている。この状態で傘のお化けが勝利すれば「12ラウンド通常図柄」で大当りしていたことを意味しており、女性キャラクターが勝利すれば「12ラウンド確変図柄2」で大当りしていたことを意味している。
〔5ラウンド目(12ラウンド通常図柄当選時)〕
図42中(E):「12ラウンド通常図柄」での当選の場合、5ラウンド目では敗北演出が実行される。具体的には、「敗北・・」の文字とともに、傘のお化けが大きく表示され、女性キャラクターが小さく表示される(味方キャラクター敗北演出)。
〔6ラウンド目(12ラウンド通常図柄当選時)〕
図42中(F):「12ラウンド通常図柄」での当選の場合、6ラウンド目では再挑戦促進演出が実行される。具体的には、女性キャラクターが「次は負けない!」といった台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して再度大当りを目指そうという意欲を与えることができる。なお、大当り遊技の7ラウンド目から12ラウンド目においても、6ラウンド目と同様の再挑戦促進演出が実行される。
なお、「12ラウンド通常図柄」で当選した場合の6ラウンド目では、第2可変入賞装置31が開放するが、開放時間は極端に短く設定されているため、遊技球が確変領域を通過することはない。
〔大役終了時〕
図42中(G):「12ラウンド通常図柄」での大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。図示の例では、画面内に「海岸モード突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「低確率時間短縮状態」の海岸モードに移行することを遊技者に教示することができる。
〔5ラウンド目(12ラウンド確変図柄2当選時)〕
図43中(H):一方、「12ラウンド確変図柄2」での当選の場合、5ラウンド目では勝利演出が実行される。具体的には、「勝利!!」の文字とともに、女性キャラクターが大きく表示され、傘のお化けが小さく表示される(味方キャラクター勝利演出)。
〔6ラウンド目(12ラウンド確変図柄2当選時)〕
図43中(I):「12ラウンド確変図柄2」での当選の場合、6ラウンド目では花火ラッシュチャレンジ演出が実行される。このチャレンジ演出に成功すると、「高確率時間短縮状態」である花火ラッシュに突入する。具体的には、仙人のキャラクターが「Vアタッカを狙うのじゃ!」といった台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して第2可変入賞装置31を狙うといった遊技性を伝達することができる。また、「12ラウンド確変図柄2」で当選した場合の6ラウンド目では、第2可変入賞装置31がロング開放するため、いままでのラウンドと同様に出球による利益が得られる。さらに、「12ラウンド確変図柄2」に当選した場合の6ラウンド目では、確変領域用ソレノイド99が確変領域をロング開放するように作動するため、第2可変入賞装置31に遊技球が入球すると、遊技球は確変領域用羽根部材31dに案内されて確変領域を通過する。
図43中(J):そして、遊技者が右打ちを継続することにより、遊技球が第2可変入賞装置31に入球して確変領域を通過すると、パンダのキャラクターがVマークを掲げる祝福演出が実行される。なお、大当り遊技の7ラウンド目から12ラウンド目においても、6ラウンド目と同様の祝福演出が実行される。
〔大役終了時〕
図43中(K):大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。図示の例では、画面内に「花火ラッシュ突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「高確率時間短縮状態」の花火ラッシュに移行することを遊技者に教示することができる。
以上は、「12ラウンド確変図柄2」に該当して、遊技球が無事に確変領域を通過した際の演出例であるが、「12ラウンド確変図柄2」に該当しても遊技球が確変領域を通過しなければ以下のような演出例となる。
〔5ラウンド目(12ラウンド確変図柄2当選時)〕
図44中(L):「12ラウンド確変図柄2」での当選の場合、5ラウンド目では勝利演出が実行される。具体的には、「勝利!!」の文字とともに、女性キャラクターが大きく表示され、傘のお化けが小さく表示される(味方キャラクター勝利演出)。
〔6ラウンド目(12ラウンド確変図柄2当選時)〕
図44中(M):「12ラウンド確変図柄2」での当選の場合、6ラウンド目では花火ラッシュチャレンジ演出が実行される。このチャレンジ演出に成功すると、「高確率時間短縮状態」である花火ラッシュに突入する。具体的には、仙人のキャラクターが「Vアタッカを狙うのじゃ!」といった台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して第2可変入賞装置31を狙うといった遊技性を伝達することができる。また、「12ラウンド確変図柄2」で当選した場合の6ラウンド目では、第2可変入賞装置31がロング開放するため、いままでのラウンドと同様に出球による利益が得られる。さらに、「12ラウンド確変図柄2」に当選した場合の6ラウンド目では確変領域用ソレノイド99が確変領域をロング開放するように作動するため、第2可変入賞装置31に遊技球が入球すると、遊技球は確変領域用羽根部材31dに案内されて確変領域を通過する。
ただし、ここでは何らかの理由(右打ちせず、球詰まり等)により、6ラウンド目が終了するまでに遊技球が第2可変入賞装置31に1つも入球しなかったものとする。この場合、遊技球は確変領域を通過することはない。
図44中(N):この場合は、パンダのキャラクターが「残念」という台詞を発する失敗演出が実行される。なお、大当り遊技の7ラウンド目から12ラウンド目においても、失敗演出が継続される。
〔大役終了時〕
図44中(O):「12ラウンド確変図柄2」での大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。図示の例では、画面内に「海岸モード突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「低確率時間短縮状態」の海岸モードに移行することを遊技者に教示することができる。
ここで、「12ラウンド確変図柄1」に該当した場合の演出例は特に図示していないが、「12ラウンド確変図柄2」に該当した場合と同様にバトル演出を実行して勝利演出を実行してもよく、バトル演出以外の演出を実行してもよい。「12ラウンド確変図柄2」に該当した場合も6ラウンド目で第2可変入賞装置31がロング開放するため、遊技球が確変領域を通過すると、花火ラッシュに突入する。なお、「12ラウンド確変図柄2」では実質的に4ラウンド分の出球を得ることができる。
〔花火ラッシュの演出例〕
図45は、花火ラッシュの演出例を示す連続図である。この花火ラッシュは、「12ラウンド通常図柄以外のいずれかの確変図柄」に当選し、かつ、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合の大当り遊技後に移行されるモードである。花火ラッシュは、高確率時間短縮状態である。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
図45中(A):例えば、大当り遊技終了後から1回目の変動表示が行われることで、「花火ラッシュ」の状態で演出図柄の変動表示が行われている。花火ラッシュの背景画像は、遊技者に対して花火のモチーフを深く印象付けるために、「夜空に花火が打ち上げられる情景」とともに「女性キャラクターが花火を観賞している様子」が表現された背景画像となっている。また、液晶表示器42の画面右上部では第4図柄Z2が変動表示されている。
図45中(B):そして、大当り遊技終了後から1回目の変動(非当選時)が終了したことにより、すべての演出図柄が停止表示されている(「3」−「1」−「7」)。また、第4図柄Z2は、非当選の態様(例えば白色表示色)で停止表示されている。
図45中(C):次回の変動が開始されると、大当り遊技終了後から2回目の変動表示が行われる。なお、花火ラッシュ(高確率時間短縮状態)では、可変始動入賞装置28の作動が高頻度で行われるため、遊技者が右打ちを継続する限り、第2特別図柄の変動表示に伴う演出図柄の変動表示が行われることが多い。また、花火ラッシュにて当選の結果が得られた場合は、リーチ演出が実行されて大当りとなる。
花火ラッシュにおいては、通常モードと同様に、変動前表示領域X1や変動中表示領域X2を表示して、マーカM1やマーカM2を表示してもよい。この点は、以下の海岸モードにおいても同様である。
〔大役中演出(ノーマルボーナス演出)〕
図46は、「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」に該当した場合の大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である。
〔1ラウンド〕
図46中(A):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、「大当り中」という遊技の進行状況に対応した内容の大役中演出が実行される。大役中演出では、例えば画面内に「ROUND1」のラウンド数に対応する文字情報が表示される。また、画面の右下隅位置には、今回の当選図柄に対応した演出図柄(ここでは2の演出図柄)が表示されている。このように、大当り遊技中も引き続き当選図柄(いわゆる「残し目」)を表示しておくことで、遊技者に対して「2の演出図柄で当選した」という情報を引き続き教示することができる。また、表示画面の下側の領域には、「ノーマルボーナス」の文字が表示され、画面の周囲には団扇や太鼓等といった祭りに関する画像が表示される。
〔6ラウンド〕
図46中(B):「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」での当選の場合、6ラウンド目において花火ラッシュチャレンジ演出が実行される。このチャレンジ演出に成功すると、高確率時間短縮状態である花火ラッシュに突入する。具体的には、女性のキャラクターが「Vアタッカを狙ってね」といった台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して第2可変入賞装置31を狙うといった遊技性を伝達することができる。また、「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」で当選した場合の6ラウンド目では、第2可変入賞装置31がロング開放するため、いままでのラウンドと同様に出球による利益が得られる。さらに、「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」に当選した場合の6ラウンド目では確変領域用ソレノイド99が確変領域をロング開放するように作動するため、第2可変入賞装置31に遊技球が入球すると、遊技球は確変領域用羽根部材31dに案内されて確変領域を通過する。
図46中(C):そして、遊技者が右打ちを継続することにより、遊技球が第2可変入賞装置31に入球して確変領域を通過すると、表示画面の右上にVマークが表示される祝福演出が実行される。
〔大役終了時〕
図46中(D):大当り遊技が終了するタイミングにおいて、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。図示の例では、画面内に「花火ラッシュ突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「高確率時間短縮状態」の花火ラッシュに移行することを遊技者に教示することができる。
〔大役中演出(スペシャルボーナス演出)〕
図47は、「16ラウンド確変図柄」に該当した場合の大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である。
〔1ラウンド〕
図47中(A):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、「大当り中」という遊技の進行状況に対応した内容の大役中演出が実行される。大役中演出では、例えば画面内に「ROUND1」のラウンド数に対応する文字情報が表示される。また、画面の右下隅位置には、今回の当選図柄に対応した演出図柄(ここでは7の演出図柄)が表示されている。このように、大当り遊技中も引き続き当選図柄(いわゆる「残し目」)を表示しておくことで、遊技者に対して「7の演出図柄で当選した」という情報を引き続き教示することができる。また、表示画面の下側の領域には、「スペシャルボーナス」の文字が表示され、画面の周囲には馬にまたがりピースサインを行う女性キャラクターの画像が表示される。
〔6ラウンド〕
図47中(B):「16ラウンド確変図柄」での当選の場合、6ラウンド目では花火ラッシュチャレンジ演出が実行される。このチャレンジ演出に成功すると、高確率時間短縮状態である花火ラッシュに突入する。具体的には、仙人のキャラクターが「Vアタッカを狙うのじゃ!」といった台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して第2可変入賞装置31を狙うといった遊技性を伝達することができる。また、「16ラウンド確変図柄」で当選した場合の6ラウンド目では、第2可変入賞装置31がロング開放するため、いままでのラウンドと同様に出球による利益が得られる。さらに、16ラウンド確変図柄に当選した場合の6ラウンド目では確変領域用ソレノイド99が確変領域をロング開放するように作動するため、第2可変入賞装置31に遊技球が入球すると、遊技球は確変領域用羽根部材31dに案内されて確変領域を通過する。
図47中(C):そして、遊技者が右打ちを継続することにより、遊技球が第2可変入賞装置31に入球して確変領域を通過すると、飛び上がった女性キャラクターの横にVマークが表示される祝福演出が実行される。
〔16ラウンド〕
図47中(D):この後、大当り遊技が順調に進行し、最終の16ラウンドに移行すると、画面内には「ROUND16」のラウンド数に対応する文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像が表示されている。また、画面の右下隅位置には、「残し目」としての演出図柄(7の演出図柄)が引き続き表示されている。
〔大役終了時〕
図47中(E):大当り遊技が終了するタイミングにおいて、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。図示の例では、画面内に「花火ラッシュ突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「高確率時間短縮状態」の花火ラッシュに移行することを遊技者に教示することができる。
〔海岸モードの演出例〕
図48は、海岸モードの演出例を示す連続図である。この海岸モードは、「12ラウンド通常図柄」に該当した場合の大当り遊技の終了後や、いずれかの確変図柄に該当したものの大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合の大当り遊技の終了後に移行されるモードである。海岸モードは、「低確率時間短縮状態」である。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
図48中(A):例えば、「12ラウンド通常図柄」での大当り遊技の終了後、1回目の変動表示が行われることで、「海岸モード」の状態で演出図柄の変動表示が行われている。海岸モードの背景画像は、海岸モードのコンセプトである癒しの印象を表現するために、「砂浜」や「海」、「山」等の画像をモチーフとした背景画像となっている。また、液晶表示器42の画面右上では第4図柄Z2が変動表示されている。
図48中(B):そして、今回の変動(非当選時)が終了したことにより、すべての演出図柄が停止表示されている(「1」−「1」−「5」)。また、第4図柄Z2は、非当選の態様(例えば白色表示色)で停止表示されている。
図48中(C):そして、次回の変動が開始される。この海岸モードは、当選の結果が得られずに特別図柄が100回変動すると終了となる。海岸モードが終了すると低確率非時間短縮状態の通常モードに移行する。なお、海岸モードにて当選の結果が得られた場合は、リーチ演出が実行されて大当りとなる。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した変動表示演出やリーチ演出、予告演出、記憶表示演出、大役中演出等は、いずれも以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
図49は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs〜数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば特図先判定演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、エラー通知コマンド、大当り終了演出コマンド、回数切りカウンタ値コマンド、変動パターン先判定コマンド、停止表示時間終了コマンド、確変領域通過コマンド、賞球内容コマンド等がある。
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御CPU126は記憶表示演出や、マーカM1,M2を用いた先読み予告演出の実行を制御する(記憶表示演出実行手段)。なお、作動記憶演出管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作時の演出内容を制御したりする(演出実行手段)。また、この処理において、演出制御CPU126は各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出等)の演出パターンを選択する。なお、演出図柄管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等の各種メッセージ)を送信する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は受信した各種メッセージに基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(演出実行手段)。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はドライバIC132に対して制御信号を出力する。これを受けてドライバIC132は、制御信号に基づいて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音声IC134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば演出制御CPU126は可動体40fの駆動用ICに対して制御信号を出力する。可動体40fは可動体モータ57を駆動源として動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される作動記憶演出管理処理の内容について説明する。
〔作動記憶演出管理処理〕
図50は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS700:先ず演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS700:Yes)、演出制御CPU126はステップS702を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS700:No)、演出制御CPU126はステップS702を実行しない。
ステップS702:演出制御CPU126は、作動記憶数増加時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応したマーカM1,M2を表示させる演出を選択する。
ステップS704:演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS704:Yes)、演出制御CPU126はステップS706を実行する。なお、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS704:No)、演出制御CPU126はステップS706を実行しない。
ステップS706:演出制御CPU126は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応したマーカM1,M2をスライドさせる演出、内部抽選により消費した抽選要素に対応するマーカを変動前表示領域X1から変動中表示領域X2に移動させる演出を選択する。なお、変動中表示領域X2に移動させた記憶マーカは変動終了時に消去する演出を選択する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(図49)に復帰する。
〔演出図柄管理処理〕
図54は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502〜ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また、可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において大当り時可変入賞装置管理処理(図17中のステップS5000)が選択された場合や小当り時可変入賞装置管理処理(図17中のステップS6000)が選択された場合にジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502〜ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。また、この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(抽選結果、当選種類、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(先読み予告演出パターン以外のリーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、演出図柄を用いた変動表示演出を実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた態様で演出図柄や動画像を用いた停止表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。なお、小当り時には、はずれと同様か近似した態様で停止表示演出を実行することができる。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は小当り中又は大当り中の演出内容を制御する(特別遊技演出実行手段)。この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容を選択する。例えば16ラウンド大当りの場合、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、16ラウンドの大役中演出パターンを選択し、これを演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。これにより、液晶表示器42の表示画面では大役中演出の画像が表示されるとともに、ラウンドの進行に伴って演出内容が変化していくことになる。
〔演出図柄変動前処理〕
図52は、演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図49中のステップS404)、ランプ駆動処理(図49中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御CPU126は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また、今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御CPU126は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「C0H00H」〜「D0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御CPU126は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。
また、演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチの種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様等を決定する。なお、ここで決定される演出図柄の種類は、全て「小当り時の図柄の組み合わせ」に該当するものとなっている。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、大当りに該当した場合、演出制御CPU126はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御CPU126は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「E0H00H」〜「F0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御CPU126はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御CPU126は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「A0H00H」〜「A6H7FH」)に基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御CPU126がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドによって決まる。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」−「2」−「4」等)を決定する。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は次にステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御CPU126は、予告選択処理を実行する(予告演出実行手段)。この処理では、演出制御CPU126は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、高確率状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は比較的高く設定されている。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図54中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び停止表示演出が実行されるとともに(演出実行手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。
〔可変入賞装置作動時処理〕
図53は、可変入賞装置作動時処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置作動時処理は、実行選択処理(ステップS902)、可変入賞装置作動前処理(ステップS904)、可変入賞装置作動中処理(ステップS906)、可変入賞装置作動後処理(ステップS908)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って可変入賞装置作動時処理の基本的な流れを説明する。
ステップS902:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS904〜ステップS908のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして可変入賞装置作動時処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ可変入賞装置作動前処理を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として可変入賞装置作動前処理(ステップS904)を選択する。また、既に可変入賞装置作動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として可変入賞装置作動中処理(ステップS906)を選択する。さらに、可変入賞装置作動中処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として可変入賞装置作動後処理(ステップS908)を選択する。
ステップS904:可変入賞装置作動前処理では、演出制御CPU126は大当り遊技中や小当り遊技中に実行する演出の内容を選択する処理を実行する。例えば、「12ラウンド通常図柄」での当選の場合は、味方キャラクターが敵キャラクターに敗北する演出を選択する処理を実行する。また、「12ラウンド確変図柄1,2」での当選の場合は、味方キャラクターが敵キャラクターに勝利する演出を選択する処理を実行する。さらに、「6ラウンド確変図柄1,2」での当選の場合は、ノーマルボーナス演出を選択する処理を実行する。さらにまた、「16ラウンド確変図柄」での当選の場合は、スペシャルボーナス演出を選択する処理を実行する。
ステップS906:可変入賞装置作動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、大当り演出の実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。また、この可変入賞装置作動中処理において、大当り遊技中に確変領域通過コマンドを受信した場合には、V入賞が発生したことを示す演出(図43中(J)等に示す演出)を選択する処理を実行する一方、大当り遊技中に確変領域通過コマンドを受信しなかった場合には、V入賞が発生しなかったことを示す演出(図44中(N)等に示す演出)を選択する処理を実行する。
ステップS908:可変入賞装置作動後処理では、演出制御CPU126は、可変入賞装置の終了時間の間に移行先のモードを遊技者に対して伝達する演出を実行する。例えば、演出制御CPU126は、当選図柄や確変領域の通過の有無に応じて海岸モード突入演出を実行したり、花火ラッシュ突入演出を実行したりする。具体的には、大当り遊技中に確変領域通過コマンドを受信した場合には、花火ラッシュに突入することを示す演出(図43中(K)等に示す演出)を選択する処理を実行し、大当り遊技中に確変領域通過コマンドを受信しなかった場合には、海岸モードに突入することを示す演出(図42中(G)等に示す演出)を選択する処理を実行する。
以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出図柄管理処理(図54)に復帰する。
以上説明したように、上述した実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)本実施形態によれば、演出制御装置124において実行される制御処理の過程で、より具体的にはメインループ内の処理(図8中(B)の演出制御メイン処理)が一巡する毎に、演出制御CPU126によるクリアパルスの出力間隔が計測され、その最大値が常に保持されるため、演出制御装置124における最悪状況下でのクリアパルス出力間隔を確認することができる。したがって、保存された値とウォッチドックタイマIC188の監視時間とを考慮することにより、クリアパルスの出力間隔を適正な状態に近づけ、不要な強制リセットの発生を極力回避することが可能となる。
(2)また、上述した実施形態では、計測されたクリアパルスの出力間隔の最大値がバックアップ用の記憶領域であるSRAM182に保存されるため、パチンコ機1への電力供給が遮断されたとしても、この値をある程度の期間に亘り保持し続けることができる。したがって、パチンコ機1の回収後にSRAM182に保存されている値を取り出し、この値をフィードバックすることによりクリアパルス出力間隔の適正化を図ることができる。また、SRAM182に保存されている値に基づき不具合発生時の状況を調査したり、今後の遊技機開発に活用したりすることが可能となる。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様や各種数値はあくまで例示であり、上述した内容に限定されるものではない。
上述した実施形態では、パチンコ機1における計測時間の最大値のみが保存される構成としたが、これに限定されない。例えば、記憶領域に余裕があれば、計測時間する度に毎回の結果を保存してもよいし、計測時間が所定の閾値を超えた場合にのみ保存することとしてもよい。このように構成することにより、計測時間の最大値のみならず計測時間が想定を超えたケースの発生頻度についても正確に把握することができるため、計測データの活用の幅を広げることが可能となる。
また、上述した実施形態では、計測時間がSRAM182に保存される構成としたが、これに限定されず、パチンコ機1への電力供給が遮断されても情報が消去されずに保持される記憶領域に保存されればよい。例えば、ハードディスク等の不揮発性の記憶媒体を用いることも可能である。
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。