以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照して遊技機の全体構成について説明する。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠アセンブリ2、ガラス枠ユニット4、受け皿ユニット6及びプラ枠アセンブリ7(遊技機枠)を備えている。このうち外枠アセンブリ2は、木材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠アセンブリ2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。
その他のガラス枠ユニット4や受け皿ユニット6、プラ枠アセンブリ7は外枠アセンブリ2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみてプラ枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応してガラス枠ユニット4及び外枠アセンブリ2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠アセンブリ2に対してガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともにガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受け皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動してプラ枠アセンブリ7とともにガラス枠ユニット4及び受け皿ユニット6の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠アセンブリ2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、プラ枠アセンブリ7は施錠されたままでガラス枠ユニット4の施錠だけが解除され、ガラス枠ユニット4が開放可能となる。ガラス枠ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。またガラス枠ユニット4を開放すると、受け皿ユニット6のロック機構(図示していない)が露出する。この状態でロック機構を解除すると、受け皿ユニット6をプラ枠アセンブリ7に対して前面側へ開放することができる。
またパチンコ機1は、遊技用ユニットとして遊技盤8を備えている。遊技盤8は、ガラス枠ユニット4の背後(内側)で上記のプラ枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤8は、例えばガラス枠ユニット4を前面側へ開放した状態でプラ枠アセンブリ7に対して着脱可能である。ガラス枠ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、ガラス枠ユニット4の裏側に図示しないヒンジ機構を介して開閉式に取り付けられる。遊技盤8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。ガラス枠ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と遊技盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受け皿ユニット6は、全体的に外枠アセンブリ2から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また受け皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受け皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受け皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。なお、パチンコ機1を現金機とする場合、貸出操作部14は搭載されない。
また、受け皿ユニット6の前面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きレバー6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きボタン6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きレバー6dを例えば左方向へスライドさせることで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また遊技者は、下皿球抜きボタン6eを例えば押し込み操作することで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受け皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤8の左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。
〔盤面の構成〕
遊技領域8a内には、始動ゲート20や普通入賞口22,24、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30、非確変選択ゲート31等が設置されている。遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で無作為に始動ゲート20や非確変選択ゲート31を通過したり、あるいは、普通入賞口22,24や上始動入賞口26、作動時の可変始動入賞装置28に入賞(入球)したりする。始動ゲート20又は非確変選択ゲート31を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、入賞した遊技球は遊技板に形成された貫通穴を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。
なお、上記の可変始動入賞装置28は、所定の条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って下始動入賞口28aへの入賞を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば左右一対の可動片28bを有しており、これら可動片28bは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図示のように先端が上を向いた状態で左右の可動片28bは閉位置にあり、このとき下始動入賞口28aへの入賞は不能(遊技球が流入できる隙間がない状態)となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、左右の可動片28bはそれぞれ閉位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、下始動入賞口28aの開口幅を左右に拡大する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の流入が可能な状態となり、下始動入賞口28aへの入賞を発生させる。なお、遊技盤8に設置されている障害釘の配列(ゲージ)は、基本的に可変始動入賞装置28に向けて遊技球の流下を案内しやすい態様となっているが、必ず遊技球が可変始動入賞装置28に流入するというわけではなく、あくまで流入は無作為に発生する。
また上記の可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が非当選以外の態様で停止表示された場合)に作動し、大入賞口(参照符号なし)への入賞を可能にする(特別電動役物、特別入賞事象発生手段)。可変入賞装置30は、例えば1つの開閉部材30aを有しており、この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。図示のように盤面に沿った状態で開閉部材30aは閉位置(閉鎖状態又は閉止状態)にあり、このとき大入賞口への入賞は常に不能(大入賞口は閉塞中)である。可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むようにして変位し、大入賞口を開放する(開放状態)。この間に可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない状態となり、大入賞口への入賞という事象を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは大入賞口への遊技球の流入を案内する部材としても機能する。
〔非確変領域〕
上述した非確変選択ゲート31には、非確変領域(参照符号なし)が設けられている。非確変領域は、例えば大当り遊技中に遊技球を通過させると、その大当りの契機となった当選時の図柄(当選図柄)が確率変動機能を作動させるもの(いわゆる確変図柄)であったとしても、大当り遊技終了後に確率変動機能を非作動とし、低確率状態とするものである。逆に非確変領域は、大当りの契機となった当選図柄が確率変動機能を作動させるもの(確変図柄)であった場合、大当り遊技中に遊技球を通過させないことで、大当り遊技終了後に確率変動機能を作動させ、高確率状態とするものである。したがって換言すれば、このような非確変領域を有した非確変選択ゲート31は、大当り遊技終了後に高確率状態とするか否かを決定するための構造物に該当する。なお、本実施形態における非確変選択ゲート31を用いた遊技性については、さらに詳しく後述するものとする。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。また、上始動入賞口26や可変始動入賞装置28、可変入賞装置30に入賞した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
また遊技盤8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33と普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が設けられている(普通図柄表示手段、特別図柄表示手段、抽選要素記憶手段)。このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。
図3は、遊技盤8の一部(窓4a内の右下位置)を拡大して示す正面図である。第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。なお第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0〜4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、上記の上始動入賞口26に遊技球が流入するごとに、入賞が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入賞を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、上記の可変始動入賞装置28(下始動入賞口)に遊技球が流入するごとに、入賞が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入賞を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で上始動入賞口26に遊技球が流入しても表示態様は変化しない。また第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28(下始動入賞口)に遊技球が流入しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入賞の回数を表している。
また遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a、確率変動状態表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38dにそれぞれ対応する3つのLEDが含まれている。なお、大当り種別表示ランプ38bは未使用(ブランク)である。ただし、11ラウンド以外のラウンド数を有する大当り(例えば2ラウンド大当り等)を搭載する場合には、大当り種別表示ランプ38bを使用する。また本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤8に取り付けられている。
〔遊技盤のその他の構成:図1を参照〕
また遊技盤8には、その中央位置に演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。なお、遊技盤8にベニヤ板でなく透明板(例えばアクリル板)を用いる場合、透明板の前面や背後に配置された各種の装飾体(可動体や発光体を含む)による装飾性が付加される。
演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40fが形成されており、このとき転動ステージ40eから球放出路40fに流下した遊技球は、その真下にある上始動入賞口26に流入しやすくなる。
なお本実施形態では、演出ユニット40により遊技領域8aが左側部分(第1遊技領域)と右側部分(第2遊技領域)とに大きく分かれている。このような遊技領域8aの構成上、上述した始動ゲート20に遊技球を通過させたり、上始動入賞口26や下始動入賞口28a、左下位置の普通入賞口22,24等に遊技球を入賞させたりするには、遊技領域8aの左側部分に遊技球を打ち込む(いわゆる「左打ち」する)必要がある。逆に、上述した非確変選択ゲート31に遊技球を通過させるには、遊技領域8aの右側部分に遊技球を打ち込む(いわゆる「右打ち」する)必要がある。
その他に演出ユニット40には、演出用の可動体として装飾体400が付属している。装飾体400は、例えばハート型を象った装飾部品であり、図1に示される状態では液晶表示器42の表示画面より上方位置で演出ユニット40に格納されている。装飾体400は、図1に示されない装飾体モータやリンク機構等の働きにより、演出ユニット40に格納された位置から下降して、その全体が液晶表示器42の表示画面より手前の位置まで移動することができる。また、装飾体400には図1に示されない装飾体ランプが設けられており、装飾体400は、装飾体ランプの点灯・点滅により発光演出を行うことができる。このような装飾体400は、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行するものとなる。このような装飾体400を用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別のインパクトを持たせることができる。
〔枠前面の構成〕
ガラス枠ユニット4には、演出用の構成要素としてガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50がガラスユニット8を取り巻くようにして複数の箇所に設置されている。また、受け皿ユニット6には受け皿ランプ52が設置されており、この受け皿ランプ52とガラス枠トップランプ46,48及びガラス枠サイドランプ50とは、外見上、パチンコ機1の前面において一体的につながっているかのようにデザインされている。
上述した各種ランプ46〜52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。またガラス枠ユニット4の上部には、左右一対のガラス枠上スピーカ54とその中央にガラス枠中スピーカ55が内蔵されており、そして受け皿ユニット6には、下皿6cの右側に受け皿スピーカ56が内蔵されている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45(個別情報受付手段)が設置されている。遊技者は、この演出切替ボタン45を操作することで演出内容(例えば液晶表示部42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(各種の予告演出、確変昇格演出等)を発生させたりすることができる。
さらに演出切替ボタン45の周囲には、演出切替ボタン45を取り囲むようにジョグダイアル45aが設置されている(個別情報受付手段)。遊技者は、このジョグダイアル45aを回転させることで、例えば液晶表示部42に表示される操作メニューを通じてパスワード等の個別情報を入力することができる。あるいは、遊技中の演出上で遊技者にジョグダイアル45aの回転操作が要求された場合、遊技者は実際にジョグダイアル45aを回転操作することで、演出上の要求に応じることができる。
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図4)に基づいてさらに後述する。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aはプラ枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受け皿ユニット6に向けて案内する。
また上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのインタフェースであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。またアース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図4は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、大当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また遊技盤8には、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82、カウントスイッチ84及び非確変領域スイッチ95が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82は、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28(下始動入賞口28a)への遊技球の入賞を検出するためのものである。またカウントスイッチ84は、可変入賞装置30(大入賞口)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、非確変領域スイッチ95は、非確変選択ゲート31に設けられた非確変領域を遊技球が通過したことを検出するためのものである(選択事象発生手段)。同様に遊技盤8には、普通入賞口22,24への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、ここでは全ての普通入賞口22,24について共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば盤面の左右で別々の入賞口スイッチ86を設置し、左側の入賞口スイッチ86では盤面の左側に位置する普通入賞口22,24に対する遊技球の入賞を検出し、右側の入賞口スイッチ86では盤面の右側に位置する普通入賞口24に対する遊技球の入賞を検出することとしてもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類78〜86,95の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお遊技盤8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、カウントスイッチ84、入賞口スイッチ86及び非確変領域スイッチ95からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また遊技盤8には、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90が設けられている。これらソレノイド88,90は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、可変入賞装置30を開閉動作(作動)させる。なお、これらソレノイド88,90についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に上記のガラス枠ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また上記のプラ枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。ガラス枠ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また外枠アセンブリ2からプラ枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号からガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお主制御CPU72は、ガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている(特別特典付与手段)。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受け皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
またパチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
またパチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受け皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受け皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8に向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。またタッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受け皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受け皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。またCRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。またCRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
またパチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
演出制御装置124と上記の主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50,受け皿ランプ52の他に、遊技盤8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここでは受け皿ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受け皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、受け皿ランプ52については受け皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
また音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、上スピーカ54及び下スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態ではガラス枠ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56に印加されている。またガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。さらにガラス枠電飾基板136には、上記のジョグダイアル45aが接続されており、遊技者がジョグダイアル45aを回転させると、その回転信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aを接続した例を挙げているが、上記の受け皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aは受け皿電飾基板に接続されていてもよい。
その他、遊技盤8にはパネル電飾基板138が設置されており、ランプ駆動回路132からの駆動信号がパネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53に印加されている。また上記の装飾体モータ402及び装飾体ランプ404は、パネル電飾基板138を介して演出制御装置124(演出制御CPU126)に接続されている。上記のように装飾体モータ402は、図示しないリンク機構等を介して装飾体400を昇降させることができる。また装飾体ランプ404は、例えばLEDの発光により装飾体400を装飾的に発光させることができる。
上記の液晶表示器42は遊技盤8の裏側に設置されており、遊技盤8に形成された略矩形の開口を通じてのその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば例陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。またVDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なおVRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46〜53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらにVDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
その他、プラ枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また上記のように電源制御ユニット164は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。またリセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図5及び図6は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1〜2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、特図先判定演出コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタ残数コマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図6に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、普通図柄に対応する当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図8中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図8中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお上記のように、本実施形態において大当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図8)を実行した場合の残り時間で行われる。なお割込管理処理の内容については後述する。
〔電源断発生チェック処理〕
図7は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なおバックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(図5)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図8は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数、普通図柄当り決定乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82、カウントスイッチ84、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82、非確変領域スイッチ95からの入賞検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する(選択事象発生手段)。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、上始動入賞口スイッチ80又は下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。またゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、上始動入賞口スイッチ80又は下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変入賞装置30の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(作動抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,82,84,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」〜「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」〜「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」〜「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS209:また主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS205)や普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS213:そして主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお本実施形態では、ステップS205〜ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図9は、スイッチ入力イベント処理(図8中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する上始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、大入賞口に対応するカウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS20に進んで大入賞口カウント処理を実行する。大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS24に進んで普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS26に進む。
ステップS26:主制御CPU72は、非確変選択ゲート31に設けられた非確変領域スイッチ95から検出信号が入力されたか否かを確認する。この検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS28に進んで非確変領域通過時処理を実行する。非確変領域通過時処理の内容については、別のフローチャートを用いて後述する。一方、検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図11)に復帰する。
〔非確変領域通過時処理〕
図10は、非確変領域通過時処理(図9中のステップS28)の手順例を示すフローチャートである。以下、非確変領域通過時処理について順を追って説明する。
ステップS28a:ここでは先ず、主制御CPU72は確率変動機能作動時フラグの値を参照し、フラグがON(=1)になっているか否かを確認する。確率変動機能作動時フラグの値は、例えばRAM76のフラグ領域に格納されており、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかに対応する大当り抽選で当選が得られ、そのときの当選図柄が確率変動機能を作動させるもの(確変図柄)に決定された場合にON(=1)となる。また確率変動機能作動時フラグは、大当り遊技の終了時(終了処理)にリセットされる。したがって、仮に確率変動機能作動時フラグがON(=1)になっているとすれば、それは確変図柄での当選から大当り遊技終了までの間の時期となる。
いずれにしても、実際に確率変動機能作動時フラグがON(=1)になっていなければ(No)、主制御CPU72はステップS28dに進む。
ステップS28d:この場合、主制御CPU72はスイッチ入力をキャンセルする。具体的には、非確変領域スイッチ95からの検出信号を破棄(ビットキャンセル)し、スイッチ入力がなかったものとする。
一方、実際に確率変動機能作動時フラグがON(=1)になっていれば(ステップS28a:Yes)、主制御CPU72は次にステップS28bに進む。
ステップS28b:この場合、主制御CPU72は現在の特別遊技管理ステータスを確認し、その値が大当り遊技中を示すものであるか(大当り遊技中であるか)否かを確認する。大当り遊技中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS28cを実行する。なお、特別遊技管理ステータスについてはさらに後述する。
ステップS28c:そして、主制御CPU72は非確変選択フラグをON(=1)にする。非確変選択フラグもまた、RAM76のフラグ領域内にその値が格納されており、ここでは該当するアドレスに非確変選択フラグの値として「1」を格納する。なお、ここで非確変選択フラグをONにした場合に影響する処理の内容はさらに後述する。
これに対し、確率変動機能作動時フラグがON(=1)になっていることを確認した場合(ステップS28b:Yes)であっても、現在の特別遊技管理ステータスが大当り遊技中を示すものでなかった場合(ステップS28c:No)、主制御CPU72はステップS28dに進み、スイッチ入力をキャンセルする。
なお、ステップS28c又はステップS28dのいずれかを実行すると、主制御CPU72は呼び出し元のスイッチ入力イベント処理に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図11は、第1特別図柄記憶更新処理(図9中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。すなわち、RAM76の乱数記憶領域は各図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)別で4つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図9)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図8中のステップS210)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行ってもよい。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる。複数のセクションには順番(例えば第1〜第4)が設定されており、現段階で第1〜第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2〜第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS37:主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS32〜S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。なお、本実施形態においては、現在の遊技状態(特別遊技管理ステータス)が大当り中であっても、先読みによる演出を実行するため、この処理を実行する。また、具体的な処理の内容については別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS38:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS38a:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」〜「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」〜「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」〜「04H」となったことを表している。なお上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS39:そして主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えるか、もしくは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図9)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
次に図12は、第2特別図柄記憶更新処理(図9中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば4とする)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図9)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図11)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図8中のステップS210)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図11)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図11)と同様である。
ステップS44:また主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図11)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、リーチモード乱数及び変動パターン決定乱数をともに第2特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図11)と同様である。
ステップS46:主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS42〜S44でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである。なお、本実施形態においては、現在の遊技状態(特別遊技管理ステータス)が大当り中であっても、第2特別図柄に関しても先読みによる演出を実行するため、この処理を実行する。また、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS47:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS46)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS48:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS49:そして主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して特図先判定演出コマンドや作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置24に対して送信する準備が行われる(記憶数通知手段)。また以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図9)に復帰する。
〔取得時演出判定処理〕
図13は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理及び第2特別図柄記憶更新処理(図11中のステップS37,図12中のステップS46)においてこの取得時演出判定処理を実行する(先判定実行手段)。上記のように、この処理は第1特別図柄(上始動入賞口26への入賞時)、第2特別図柄(可変始動入賞装置28への入賞時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンド(先判定情報)の下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(図11中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図12中のステップS45)でRAM76に記憶されているものである。
ステップS54:そして主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお比較値(下限値)は、パチンコ機1における内部抽選の当選確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS80に進む。
ステップS80:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、はずれ時の変動時間について上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、変動時間(又は変動パターン番号)やリーチ変動の有無の判定情報が反映される。なお、リーチ変動の場合はさらに、リーチモード乱数から「リーチグループ(リーチの種類)」をも判断し、その結果から変動パターン先判定コマンドを生成することとしてもよい。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、上記のように演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は取得時演出判定処理を終了し、呼び出し元の第1特別図柄記憶更新処理(図11)又は第2特別図柄記憶更新処理(図12)に復帰する。一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS56に進む。
ステップS56:主制御CPU72は、先判定結果による特別遊技実行予定フラグがONであるか否かを確認する。先判定結果による特別遊技実行予定フラグは、未だ特別図柄の変動は開始されていないが、これまでに記憶されている大当り決定乱数の中に当選値がある場合にセットされるものである。具体的には、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合、特別遊技実行予定フラグに例えば「01H」がセットされる。この値は、記憶内の大当り決定乱数が実際に用いられて内部抽選が実行された場合に、大当りとなって特別遊技が実行されることを表すものである。一方、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値がない場合、特別遊技実行予定フラグに例えば「00H」がセットされる。この値は、記憶内の大当り決定乱数が用いられて内部抽選が実行されても、大当りとならずにはずれとなって特別遊技が実行されないことを表すものである。
主制御CPU72は、特別遊技実行予定フラグがセットされていないことを確認した場合(ステップS56:No)、次にステップS66を実行する。
ステップS66:この場合、主制御CPU72は次に低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。なお低確率時用比較値もまた、パチンコ機1における低確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
ステップS68:次に主制御CPU72は、「現在の確率状態フラグ」をロードする。この確率状態フラグは、現在の内部状態が高確率(確変中)であるか否かを表すものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。現在の確率状態が高確率(確変中)であれば、状態フラグとして値「01H」がセットされており、低確率(通常中)であれば、状態フラグの値はリセットされている(「00H」)。
ステップS70:そして主制御CPU72は、ロードした現在の特別図柄確率状態フラグが高確率を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行する。
ステップS64:主制御CPU72は、高確率時用比較値をセットする。これにより、先のステップS66でセットされた低確率時用比較値が書き換えられることになる。なお、高確率時用比較値は、パチンコ機1における高確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
このように、先判定結果による特別遊技実行予定フラグが未だセットされていない場合であって、現在の内部状態が高確率の場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72を実行することになる。これに対し、先のステップS70で現在の確率状態フラグが高確率を表すものでないことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72を実行する。
ステップS72:主制御CPU72は、先のステップS52でロードした乱数が当り値の範囲外であるか否かを判定する。すなわち、主制御CPU72は状態別でセットした比較値から大当り決定乱数値を減算する。そして主制御CPU72は、同様にフラグレジスタの値から演算結果が負の値(<0)であるか否かを判別し、その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72は上記のはずれ時変動パターン情報事前判定処理(ステップS80)を実行する。これに対し、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
ステップS74:主制御CPU72は、大当り図柄種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(図11中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図12中のステップS45)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、上記のステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果から大当り種別としていずれの当選図柄に該当するかを判別する。なお、本実施形態における大当り種別としての当選図柄の種類についてはさらに後述する。いずれにしても主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS76に進む。
ステップS76:主制御CPU72は、先判定結果による特別遊技実行予定フラグをセットする。具体的には、主制御CPU72は特別遊技実行予定フラグに値「01H」をセットする。これにより、次回以降の処理ではステップS56において「特別遊技実行予定フラグがONである」と判定されることになる。
ステップS78:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットする。特別図柄先判定値は、例えば今回の大当り遊技終了後の「時短なし図柄」に該当する場合は「01H」がセットされ、「時短あり図柄」に該当する場合は「A0H」がセットされる。なお、ここでいう「時短なし図柄」や「時短あり図柄」についてはさらに後述するものとする。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
ステップS79:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン情報事前判定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時の変動時間について、上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、例えば大当り時のリーチ変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、上記のように演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上は、先判定結果による特別遊技実行予定フラグがセットされる前(内部初当り前)における手順である。これに対し、先のステップS76を経て特別遊技実行予定フラグがセットされた場合、以下の手順が実行される。
ステップS56:主制御CPU72は、既に特別遊技実行予定フラグがONにセットされていることを確認すると(Yes)、次にステップS58を実行する。
ステップS58:主制御CPU72は、低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。
このように、先判定結果による特別遊技実行予定フラグが既にセットされている場合、その特別遊技が終了するまでは内部状態が低確率状態に移行するか高確率状態に移行するかが未確定の状態となるため、低確率時(通常時)用比較値を用いて次のステップS72以降を実行することになる。したがって、次のステップS72においては、低確率状態に移行されても高確率状態に移行されても当選となる大当り決定乱数(すなわち、いかなる状態に移行されても当選となる大当り決定乱数)であれば(No)、ステップS74以降が実行され、低確率状態に移行された場合は当選とはならないが高確率状態に移行された場合は当選となる大当り決定乱数であれば(Yes)、ステップS80が実行されることになる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(図11)又は第2特別図柄記憶更新処理(図12)に復帰する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理(図8)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図14は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000〜ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、特別図柄停止表示中処理が完了すると、特別遊技管理ステータスは「03H」に更新され、また、当選時(小当り時を含む)に可変入賞装置管理処理(ステップS5000)が選択される場合はひとまず特別遊技管理ステータスは「04H」に更新される。このように、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において当りの態様(非当選以外の態様)で特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄が「11ラウンド確変出玉あり」の大当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生する。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、大入賞口ソレノイド90が一定時間(例えば29秒間又は9個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば11回)にわたって励磁され、これにより可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。ただし、停止図柄が「11ラウンド確変出玉なし」の大当りであった場合、同じく通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生するが、可変入賞装置管理処理においては、大入賞口ソレノイド90が短時間(例えば0.1秒間)で連続作動回数(例えば11回)にわたって励磁され、これにより可変入賞装置30が入賞は不能でなくとも困難となるパターンで開閉動作する。したがって、この間は可変入賞装置30に対して遊技球を入賞させることが事実上困難であり、遊技者は、ほとんど賞球を獲得することができないが、可変入賞装置30が開閉動作するという意味で特別な条件が適用された特別遊技の機会が与えられることになる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で11回あれば、これらを「11ラウンド」と総称することがある。
また、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の可変入賞装置30の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図8中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動時フラグ、時間短縮機能作動時フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる。「高確率状態」では確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常の低確率よりも高くなる(確率状態設定手段、高確率状態移行手段)。なお本実施形態では、「低確率状態」での当選確率が例えば256分の1程度であり、「高確率状態」での当選確率は例えば49.99分の1程度である。
また「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、特別図柄の変動時間が通常の長さ(例えば、2秒〜12秒程度;ただし、リーチ変動を行う場合を除く。)に設定される非時間短縮状態から、この非時間短縮状態に比較して変動時間が短縮された長さ(例えば、1.5秒程度)に設定される状態に移行される。また、時間短縮機能作動中は特別図柄の変動時間が短縮されることに加えて、普通図柄の当選確率が高確率(例えば低確率で65536分の1→1.1分の1程度)になり、また、普通図柄の変動時間が短縮(例えば非作動時で10秒程度→1秒程度に短縮)されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長(例えば非作動時で0.1秒程度→1.7秒程度に延長)され、さらに開放回数が増加(例えば、非作動時で1回→3回に増加)するため、遊技球の発射が長時間(普通図柄の作動記憶が全て途絶えて可変始動入賞装置28が作動を停止する程度の時間)にわたって途切れない限り、第2特別図柄の作動記憶が途切れにくくなっている(いわゆる電チューサポート)。なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については、制御上で「時間短縮状態」だけに移行する場合もあれば、これら両方に合わせて移行する場合もある。
〔当選種類〕
本実施形態では、当選種類として「11ラウンド確変出玉あり大当りA」、「11ラウンド確変出玉なし大当りA」、「11ラウンド確変出玉なし大当りB」、「11ラウンド確変出玉あり大当りB」及び「11ラウンド確変出玉あり大当りC」の5種類が設けられている(これ以上があってもよい)。
〔特図種類別当選種類〕
特別図柄抽選(大当り抽選)の当選時にいずれの当選種類に該当したかは、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の最終停止図柄の態様によって表される。このため当選種類を「当選図柄」ともいい、上記の各当選種類はそれぞれ、「11ラウンド確変出玉あり図柄A」、「11ラウンド確変出玉なし図柄A」、「11ラウンド確変出玉なし図柄B」、「11ラウンド確変出玉あり図柄B」及び「11ラウンド確変出玉あり図柄C」とも呼称される。このうち「11ラウンド確変出玉あり図柄A」、「11ラウンド確変出玉なし図柄A」及び「11ラウンド確変出玉なし図柄B」の3種類は、第1特別図柄に対応する当選図柄である。残りの「11ラウンド確変出玉あり図柄B」及び「11ラウンド確変出玉あり図柄C」の2種類は、第2特別図柄に対応する当選図柄である。なお、以下の説明では「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔11ラウンド確変出玉あり図柄A,B,C〕
上記の特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が「11ラウンド確変出玉あり図柄A」の態様で停止表示されるか、第2特別図柄が「11ラウンド確変出玉あり図柄B」又は「11ラウンド確変出玉あり図柄C」のいずれかの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて可変入賞装置30の大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが11ラウンド目まで継続する。このため「11ラウンド確変出玉あり図柄A」、「11ラウンド確変出玉あり図柄B」、「11ラウンド確変出玉あり図柄C」の各大当り遊技は、概ね11ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。なお可変入賞装置30の大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば9回=遊技球9個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。
〔11ラウンド確変出玉なし図柄A,B〕
一方、上記の特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が「11ラウンド確変出玉なし図柄A」又は「11ラウンド確変出玉なし図柄B」のいずれかの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。ただし、この場合は1ラウンド目から極端に短い時間(例えば最長で0.1秒程度の開放時間=遊技球の発射間隔である0.6秒程度より短い時間)だけ可変入賞装置30の大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが11ラウンド目まで継続する。このような短時間での開放動作が可変入賞装置30により行われても、大入賞口の開放中に入賞が発生することは困難(ただし不可能ではない)となる。このため「11ラウンド確変出玉なし図柄A」及び「11ラウンド確変出玉なし図柄B」の各大当り遊技は、ほとんど出玉(賞球)を遊技者に付与することがない大当りとなる。なお、この場合でも可変入賞装置30の大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば9回=遊技球9個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止されるが、実質的に0.1秒程度の開放時間で9個の入賞が発生することは困難である。
〔非確変領域非通過時〕
いずれの当選図柄に該当した場合であっても、大当り遊技中の遊技者の選択に起因して非確変選択ゲート31に遊技球を通過させなかった場合、大当り遊技の終了後に「確率変動機能」が作動し、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。ただし本実施形態では、「高確率状態」に連続して移行できる回数に上限(リミッタ)が設定されており、上限回数(リミッタ)を超えて大当り遊技終了後に連続して「高確率状態」に移行することはない。したがって、大当り遊技中に非確変選択ゲート31に遊技球を通過させなかった場合であっても、大当り遊技を挟んで「高確率状態」に連続して移行された回数が上限回数(リミッタ)に到達すると、次回大当り遊技の終了後は強制的に「低確率状態」に復帰される。
〔非確変領域通過時〕
一方、いずれの当選図柄に該当した場合であっても、大当り遊技中の遊技者の選択に起因して非確変選択ゲート31に遊技球を通過させた場合、本来なら大当り遊技の終了後に作動するはずであった「確率変動機能」が非作動となり、「高確率状態」ではなく「低確率状態」が維持(大当り遊技開始前が「高確率状態」の場合は復帰)される。したがって本実施形態では、遊技者が大当り遊技終了後の「高確率状態」移行を所望しない場合、自らの選択により大当り遊技中に非確変選択ゲート31に遊技球を通過させることで、大当り遊技終了後の遊技状態として「低確率状態」を積極的に選択することが可能となっている。このような非確変選択ゲート31の通過による「低確率状態」の選択は、「高確率状態」の上限回数(リミッタ)に到達する前であれば有効である。したがって遊技者は、初回の大当り遊技中に非確変選択ゲート31に遊技球を通過させ、敢えて大当り遊技終了後に「高確率状態」ではなく「低確率状態」を選択することもできるし、2回目以降で上限回数に到達する前の大当り遊技中に非確変選択ゲート31に遊技球を通過させ、「高確率状態」を上限回数まで連続させることなく途中で終了させ、「低確率状態」に復帰させることを選択することもできる。なお、このような非確変選択ゲート31の通過による遊技性についてはさらに後述する。
〔時間短縮機能の作動〕
本実施形態では、大当り遊技終了後に時間短縮機能を作動させる場合があり、時間短縮機能を作動させると、「時間短縮状態」に移行する得点が遊技者に付与される。ただし本実施形態では、「時間短縮状態」に移行させるか否か、また、移行させる場合は何回の変動までとするか(時短回数)の決定を各種の条件に基づいて行っている。ここで各種の条件には、(1)当選図柄、(2)上限回数(リミッタ)到達/未到達、(3)大当り遊技中の非確変選択有無、(4)当選時の内部確率状態(特別図柄及び普通図柄)、等が含まれる。なお、これら条件(1)〜(4)に基づく「時間短縮状態」の移行についてはさらに後述する。
〔小当り〕
また本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当りの遊技が行われて可変入賞装置30が開閉動作する(特例遊技実行手段)。すなわち、先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、通常確率状態又は高確率状態の中で小当りの遊技(可変入賞装置30が作動する遊技)が実行される(なお、本実施形態では、第2特別図柄に関しては小当りを設定していない)。このような小当りの遊技では可変入賞装置30が所定回数(例えば11回)だけ開閉動作するものの、大入賞口への入賞はほとんど発生しない。また小当りの遊技が終了しても、「確率変動機能」が作動することはなく、また、「時間短縮機能」が作動することもないので、「高確率状態」や「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。また、「高確率状態」で小当りに当選しても、その小当りの遊技終了後に「高確率状態」が終了することはないし、「時間短縮状態」で小当りに当選しても、その小当りの遊技終了後に「時間短縮状態」が終了することもない(上限回数に達した場合を除く。)。なお、本実施形態では、小当りを設定する遊技仕様としているが、小当りを設定しない遊技仕様とすることもできる。
〔特別図柄変動前処理〕
図15は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図8中のステップS212)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)を取得した順に読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。本実施形態では、RAM76の乱数記憶領域に記憶された(取得された)順に乱数が読み出される。またこの処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち、乱数のシフトを行った方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図8中のステップS210)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。このとき設定される大当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なり、高確率状態では通常確率状態よりも大当り値の範囲が約10倍程度に拡大される。そして、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「高確率状態」や「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。ただし「小当り」は、「大当り」と同様に可変入賞装置30を作動させる条件を満たすものとして位置付けられている。なお、このとき設定される小当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なっていてもよいし、同じでもよい。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図8中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
なお本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン決定手段、変動時間決定手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。「時間短縮状態」であれば、基本的にリーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は短縮された時間(例えば1.5秒程度)に設定される。また「時間短縮状態」でなくとも、リーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個〜3個)」や第1特別図柄及び第2特別図柄の合計作動記憶数に基づいて短縮される場合がある。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。第1主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
本実施形態では、内部抽選の結果、非当選に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させてはずれとしたり、「リーチ演出」を発生させずにはずれとしたりする制御を行うこととしている。そして、「はずれ時変動パターン選択テーブル」には、予め複数種類の演出、例えば「非リーチ演出」、「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、非当選に該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。
〔はずれ時変動パターン選択テーブルの例〕
図16は、はずれ時変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。
この選択テーブルは、はずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「1」〜「8」が割り当てられている。
変動パターン番号「1」〜「3」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「4」〜「8」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。なお、このような変動パターン選択テーブルは、取得時演出判定処理(図13)の事前判定処理においても使用される(大当り時も同様)。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「2」を選択する。
〔図15:特別図柄変動前処理を参照〕
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、上記のように5種類が用意されている。5種類の内訳は、「11ラウンド確変出玉あり図柄A」、「11ラウンド確変出玉なし図柄A」、「11ラウンド確変出玉なし図柄B」、「11ラウンド確変出玉あり図柄B」、「11ラウンド確変出玉あり図柄C」である。なお、5種類の当選図柄の各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば「11ラウンド確変出玉あり図柄A」であれば、「11ラウンド確変出玉あり図柄A1」、「11ラウンド確変出玉あり図柄A2」、「11ラウンド確変出玉あり図柄A3」、・・・といった具合である。
また本実施形態では、上記のように第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の割り当てが異なっている。すなわち、第1特別図柄に対応する内部抽選の大当り時には、「11ラウンド確変出玉あり図柄A」、「11ラウンド確変出玉なし図柄A」又は「11ラウンド確変出玉なし図柄B」のいずれかが選択される。
一方、第2特別図柄に対応する内部抽選の大当り時には、「11ラウンド確変出玉あり図柄B」又は「11ラウンド確変出玉あり図柄C」のいずれかが選択されることになる。このため主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであるか、第2特別図柄に対応するものであるかによって当選図柄として選択可能な対象を区別している。
〔大当り時停止図柄選択テーブル〕
図17は、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、図17に示されるテーブル中、「特図種類」の第1特別図柄に対応する欄を参照して当選図柄の種類を決定する(当選種類決定手段)。一方、主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、同テーブル中の第2特別図柄に対応する欄を参照して当選図柄の種類を決定する(当選種類決定手段)。
大当り時停止図柄選択テーブル中、左端カラムには「特図種類」が示されており、見出し段を除く最上段から3段目までが第1特別図柄に対応する行となっており、4段目及び5段目が第2特別図柄に対応する行となっている。左から2番目のカラムには「当選図柄」が示されており、その右隣のカラムには当選図柄別の振分値が示されている。
〔第1特別図柄大当り時停止図柄〕
このうち、最上段から3段目までの各振分値「35」,「42」,「23」は、第1特別図柄の大当り時停止図柄を決定する際に分母を100とした場合の割合(選択比率)に相当するものである。したがって、第1特別図柄に対応する大当り時には、「11ラウンド確変出玉あり図柄A」が選択される割合は100分の35(=35%)であり、「11ラウンド確変出玉なし図柄A」が選択される割合は100分の42(=42%)であり、「11ラウンド確変出玉なし図柄B」が選択される割合は100分の23(=23%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。したがって、全体として第1特別図柄について「確変図柄」の選択比率は100%であるが、「出玉あり図柄」の選択比率は35%であることが分かる。
〔第2特別図柄大当り時停止図柄〕
次に、4段目と5段目の各振分値「23」,「77」は、第2特別図柄の大当り時停止図柄を決定する際に分母を100とした場合の割合(選択比率)に相当するものである。したがって、第2特別図柄に対応する大当り時には、「11ラウンド確変出玉あり図柄B」が選択される割合は100分の23(=23%)であり、「11ラウンド確変出玉あり図柄C」が選択される割合は100分の77(=77%)でる。ここでも同様に各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。したがって、全体として第2特別図柄について「確変図柄」の選択比率は100%であり、さらに「出玉あり図柄」の選択比率も100%であることが分かる。
〔変動時間短縮機能作動回数決定テーブル〕
また図17のテーブルは、大当り時停止図柄選択テーブルとしての構成に加えて、変動時間短縮機能作動回数決定テーブルとしての構成をも有している。変動時間短縮機能作動回数決定テーブルとしての構成には、上述した条件(1)〜(4)として停止図柄別・遊技状態別の条件が反映されている。以下、より詳細に説明する。
図17のテーブル中、左3つのカラムより右側は、大きく2つに区分されている。このうち一方(左半分)は「リミッタ未到達時遊技状態別時短回数」を示しており、他方(右半分)は「リミッタ到達時又は非確変選択時遊技状態別時短回数」を示している。各大区分には、さらに特別図柄及び普通図柄の状態別に4つの小区分が設けられており、各小区分は左から順に「特図低確率−普図非時短」、「特図低確率−普図時短」、「特図高確率−普図時短」、そして「特図高確率−普図非時短」となっている。このうち「特図低確率」は、特別図柄(大当り抽選)に関して「低確率状態」であることを意味しており、また「特図高確率」は特別図柄(大当り抽選)に関して「高確率状態」であることを意味している。そして「普図非時短」は、普通図柄(作動抽選)に関して「低確率状態(非時間短縮状態)」であることを意味し、「普図時短」は普通図柄(作動抽選)に関して「高確率状態(時間短縮状態)」であることを意味している。
主制御CPU72は、大当り遊技中に実行する制御処理(大当り後遊技状態管理処理)において、図17に示される変動時間短縮機能作動回数決定テーブルを参照し、当該大当り時の停止図柄や、遊技状態別の大区分及び小区分の各条件に基づいて最終的に大当り遊技終了後の時短回数(変動時間短縮機能の作動回数)を決定する。ここでは先ず、当選図柄別・遊技状態別の条件に応じて決定される時短回数について概略的に説明する。
〔リミッタ未到達時遊技状態別時短回数〕
例えば、今回の大当りが初回(初当り)から「高確率状態」の上限回数(リミッタ)に到達する前であり、大当り遊技中に非確変選択ゲート31を遊技球が通過しなかった場合、主制御CPU72は大当り時の当選図柄及び遊技状態に基づいて、図17のテーブルに示される時短回数を決定する。以下にいくつかの例を示す。
〔初当り時〕
初当り時は当然に「リミッタ未到達」であり、かつ、遊技状態は基本的に「特図低確率普図非時短」である。したがって、大当り遊技中に非確変選択ゲート31を遊技球が通過していなければ、第1特別図柄について大当り時の当選図柄が「11ラウンド確変出玉ありA」又は「11ラウンド確変出玉なしA」に該当する場合(合成比率77%)、主制御CPU72は時短回数をそれぞれ10000回(実質的に次回当りまで)に決定する。一方、大当り時の当選図柄が「11ラウンド確変出玉なしB」に該当する場合(比率23%)、主制御CPU72は時短回数を0回(時短なし)に決定する。なお、第2特別図柄で初当りすることは希であるが、仮にそうなった場合、第2特別図柄について大当り時の当選図柄が「11ラウンド確変出玉ありB」であれば(比率23%)、主制御CPU72は時短回数を10000回(実質的に次回当りまで)に決定する。一方、大当り時の当選図柄が「11ラウンド確変出玉ありC」に該当する場合(比率77%)、主制御CPU72は時短回数を0回(時短なし)に決定する。
〔大当り2回目からリミッタ到達前〕
次に、初当り後に「高確率状態」となり、そこから2回目に大当りした場合を想定する。本実施形態では確変リミッタ(上限回数)を例えば3回に設定しているため、大当り2回目では「リミッタ未到達」であり、かつ、遊技状態は77%で「特図高確率普図時短」であり、残り23%で「特図高確率普図非時短」である。大当り時の遊技状態が前者の場合、基本的に第2特別図柄で当選すると考えられる。したがって、大当り遊技中に非確変選択ゲート31を遊技球が通過していなければ、第2特別図柄についての当選図柄が「11ラウンド確変出玉ありB」又は「11ラウンド確変出玉ありC」のいずれに該当しても(合成比率100%)、主制御CPU72は時短回数を10000回(実質的に次回当りまで)に決定する(時間短縮状態決定手段)。なお、「特図高確率普図時短」から第1特別図柄で当選することはあまりないが、仮にそうなった場合、第1特別図柄について大当り時の当選図柄がいずれに該当しても、主制御CPU72は時短回数を10000回(実質的に次回当りまで)に決定する。
一方、大当り時の遊技状態が後者(23%で特図高確率普図非時短)の場合、基本的に第1特別図柄で当選すると考えられる。したがって、大当り遊技中に非確変選択ゲート31を遊技球が通過していなければ、第1特別図柄についての当選図柄がいずれに該当しても(合成比率100%)、主制御CPU72は時短回数を10000回(実質的に次回当りまで)に決定する。なお、「特図高確率普図非時短」から第2特別図柄で当選することは希であるが、仮にそうなった場合、第2特別図柄について大当り時の当選図柄がいずれに該当しても、主制御CPU72は時短回数を10000回(実質的に次回当りまで)に決定する。
〔リミッタ到達時又は非確変選択時〕
続いて、大当り後に連続して「高確率状態」となり、そのまま4回目に大当り(4連チャン)した場合を想定する。本実施形態では確変リミッタ(上限回数)を例えば3回に設定しているため、初当りを含めて大当り4回目で「リミッタ到達」となる。また、このときの遊技状態はほとんどの場合に「特図高確率普図時短」であり、基本的に第2特別図柄で当選していると考えられる。そしてリミッタ到達の場合、大当り遊技中に非確変選択ゲート31を遊技球が通過したか否かに関わらず、右半分の大区分を参照して時短回数が決定される。なお、リミッタ未到達時であっても、大当り遊技中に非確変選択ゲート31を遊技球が通過した場合も同様となる。
この場合、第2特別図柄についての当選図柄が「11ラウンド確変出玉ありB(第1当選種類)」に該当していた場合(比率23%)、主制御CPU72は時短回数を100回に決定する。一方、当選図柄が「11ラウンド確変出玉ありC(第2当選種類)」に該当していた場合(比率77%)、主制御CPU72は時短回数を0回(時短なし)に決定する(時間短縮状態決定手段)。なお、「特図高確率普図時短」から第1特別図柄で当選することはあまりないが、仮にそうなった場合、第1特別図柄について大当り時の当選図柄が「11ラウンド確変出玉なしB(第1当選種類)」に該当していた場合(比率23%)のみ、主制御CPU72は時短回数を100回に決定し、その他の「11ラウンド確変出玉ありA(第2当選種類)」又は「11ラウンド確変出玉なしA(第2当選種類)」に該当していた場合(合成比率77%)、主制御CPU72は時短回数を0回(時短なし)に決定する(時間短縮状態決定手段)。
ここで図17のテーブル中、右側の「リミッタ到達時又は非確変選択時遊技状態別時短回数」の大区分には、小区分として「特図低確率−普図非時短」、「特図低確率−普図時短」及び「特図高確率−普図非時短」も設けられているが、リミッタ到達時や非確変選択ゲート31の通過時にこれら3つの遊技状態に該当している状況はほとんど考えられないため、ここでは時短回数の図示だけにとどめ(図17中の網掛け部分)、その詳細な説明を省略する。
いずれにしても、以上のように主制御CPU72は図17の特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
また主制御CPU72は、この後の大当り遊技中の処理において、図17の停止図柄別遊技状態別変動時間短縮機能作動回数決定テーブルを参照し、各種条件(停止図柄別・遊技状態別)に基づいて大当り遊技終了後の時短回数を決定するが、この処理についてはさらに後述する。
〔図15:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
本実施形態では、内部抽選の結果、いずれの大当りに該当した場合についても、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させて大当りとする制御を行うこととしている。そして、「大当り当選時変動パターン選択テーブル」には、複数種類の「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。
〔大当り当選時変動パターン選択テーブルの例〕
図18は、大当り当選時変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。
この選択テーブルは、大当りに当選した場合に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。ここでも同様に、「比較値」には例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「13」〜「20」が割り当てられている。
変動パターン番号「13」〜「20」は、いずれもリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応している。各変動パターン番号別の違いは、演出上で発展し得るリーチ演出の種類であったり、具体的に設定される変動時間の長さであったりする。
ここでも同様に、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「14」を選択する。
〔図15:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)がいずれに該当する場合であっても、主制御CPU72はひとまず遊技状態フラグとして確率変動機能作動時フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(確率状態設定手段)。
またステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時特別図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では、小当り時の当選図柄は「11回開放小当り図柄」の1種類だけである。ただし、これ以外に例えば「1回開放小当り図柄」や「2回開放小当り図柄」等の別の種類が用意されていてもよい。上記のように内部抽選の結果としての「小当り」は、その後の状態が「高確率状態」や「時間短縮状態」に変化する契機とはならないため、この種のパチンコ機で必須となる「2ラウンド(2回開放)以上」の規定にとらわれることなく、「1回開放小当り図柄」を設けることができる。
ステップS2408:次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン決定手段、変動時間決定手段)。また主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。なお、本実施形態では小当りの場合に、はずれ変動時と同等の変動パターンを選択している。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第1特別図柄表示装置34による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図14:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図15中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図19は、上記の特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動前処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」より大であった場合(図15中のステップS2100:Yes)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:主制御CPU72は、優先して消費する方の第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」であるか否かを確認する。このとき、第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「1」以上であれば(No)、主制御CPU72は次にステップS2212に進む。
ステップS2212:主制御CPU72は、記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第2特別図柄を指定する。この指定は、例えば対象図柄指定値として「02H」をセットすることで行われる。
ステップS2214:一方、第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」であった場合(ステップS2210:Yes)、主制御CPU72は記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第1特別図柄を指定する。この場合の指定は、例えば対象図柄指定値として「01H」をセットすることで行われる。
ステップS2216:上記のステップS2212又はステップS2214のいずれかで指定した対象の特別図柄について、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
ステップS2218:上記のステップS2212又はステップS2214のいずれかで指定した対象特別図柄について、主制御CPU72は作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、今回の対象特別図柄が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(−1)する。
ステップS2220:そして主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から「変動開始時作動記憶数」を設定する。なお、ここでは第1特別図柄と第2特別図柄の両方について、作動記憶カウンタの値を加算した上で「変動開始時作動記憶数」を設定してもよい。
ステップS2222:また主制御CPU72は、今回の記憶エリアをシフトする対象の特別図柄が第2特別図柄であるか否かを確認する。
ステップS2224:対象が第2特別図柄であった場合(ステップS2222:Yes)、主制御CPU72は第2特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」〜「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。つまり、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」〜「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」〜「1」(コマンド表記は「13H」〜「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」〜「0」(コマンド表記は「12H」〜「10H」)となったことを表している。なお上記の先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS2226:なお、今回の対象が第1特別図柄であった場合(ステップS2222:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。この場合のコマンドは、先行値が第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BBH」)となる以外は上記と同じである。
ステップS2228:そして主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2224又はステップS2226でセットした作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図15)に復帰する。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に図20は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図13中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4320を実行する。
〔当選時〕
ステップS4320:主制御CPU72は、現在の遊技状態が特別図柄に関して「高確率状態」であるか否かを確認する。例えば、「低確率状態」からの初当り時には「高確率状態」でない(No)。したがって、主制御CPU72はステップS4330を実行する。
〔リミッタ回数設定〕
ステップS4330:この場合、主制御CPU72はリミッタ回数を設定する。本実施形態ではリミッタ回数(残数)として「3回」を設定する。ここで設定したリミッタ回数(残数)の値は、例えばRAM76のリミッタ領域に格納される。
これに対し、「高確率状態」に移行して2回目からの当選時には、主制御CPU72は先のステップS4320で「高確率状態」であることを確認する(Yes)。したがって、主制御CPU72はステップS4340を実行する。
〔リミッタ回数減算〕
ステップS4340:ここでは主制御CPU72は、既に設定したリミッタ回数を減算する。例えば、初当りを含めて「高確率状態」からの大当り2回目であれば、リミッタ回数が「3」から「2」に減算されることになる。また大当り3回目であれば、リミッタ回数は「2」から「1」に減算される。そして、初当りを含めて大当り4回目であれば、いよいよリミッタ回数は「1」から「0」に減算され、リミッタ到達(残り0回)となる。
ステップS4345:いずれにしても、主制御CPU72は初期設定後のリミッタ回数、又は減算後のリミッタ回数からリミッタ残数コマンドを生成する。ここで生成したリミッタ残数コマンドは、演出制御出力処理(図8中のステップS212)で演出制御装置124に送信される。
ステップS4350:そして主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「可変入賞装置管理処理」に設定する。
ステップS4355:また主制御CPU72は、回数切り機能作動時フラグをリセットする。これにより、大当り遊技開始前に変動時間短縮機能又は確率変動機能の少なくとも一方が作動していた場合、当該機能は非作動となる。
ステップS4400:そして主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また合わせて主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4500:そして主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の大当り時停止図柄決定処理(図15中のステップS2410)で決定された大当り図柄の種類(停止図柄番号)に基づいて生成することができる。本実施形態では、大当り図柄の種類がいずれも「11ラウンド確変図柄」であるため、連続作動回数コマンドは「11ラウンド」を表す値(最大回数)として生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4606:そして主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り中)」をセットする。また合わせて主制御CPU72は、小当り中を表す状態コマンドを生成する。小当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップ4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「高確率状態」や「時間短縮状態」においてそれぞれのカウンタ値がRAM76の確変カウント領域、時短カウント領域にセットされている。なお、ここでは「回数切り」としているが、「高確率状態」の場合の回数切りカウンタの値は、極端に膨大な値(例えば10000回以上)に設定することができる。このような膨大な値を設定することで、実質的に次回の当選が得られるまで「高確率状態」が継続することを確率的に保証することができる。なお、本実施形態では「高確率状態」ではなく単独の「時間短縮状態」だけである場合、回数切りカウンタは標準的な数値(例えば100回)に設定される。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、回数切りカウンタ値コマンドを生成してから、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。
ステップS4640:そして主制御CPU72は、その減算結果が0でないか否かを判断する。減算の結果、回数切りカウンタの値が0でなかった場合(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、回数切りカウンタの値が0になった場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。リセットされるのは、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグであるが、上記のように「高確率状態」で回数切りカウンタの値が0になることは実質的にはないため、実用上でリセットされるのは時間短縮機能作動フラグである。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態が終了する。以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔表示出力管理処理〕
次に図21は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図8中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶数表示ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグの値に応じてそれぞれ確率変動状態表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38dの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において確率変動機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は確率変動状態表示ランプ38cに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお確率変動状態表示ランプ38cは、この後に特別図柄の変動表示が行われると、確率変動機能作動フラグがセットされていても非表示に(消灯)切り替えられる。一方、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38dに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。
また主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38aの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は上記の連続作動回数コマンドの値に基づき、大当り種別表示ランプ38aに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数コマンドで指定された大当り図柄に対応する表示ランプ38aである。本実施形態では、連続作動回数コマンドの値が「11ラウンド」を指定するものであるため、主制御CPU72は「11ラウンド(11R)」を表すランプ38aに対して点灯信号を出力する。なお本実施形態のように、ラウンド数が1種類だけである場合、大当り種別表示ランプ38aを点灯させる制御を省略してもよい(ランプ38aを非点灯)。
〔可変入賞装置管理処理〕
次に、可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図22は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200〜ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ可変入賞装置30の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大入賞口開放パターン設定処理〕
図23は、大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時又は小当り時にそれぞれ可変入賞装置30賞を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5202:主制御CPU72は、現在の遊技状態が大役中、つまりRAM76のフラグ領域に大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5204に進む。一方、大当りフラグの値がセットされていなければ(No)、主制御CPU72はステップS5212に進む。なお、この手順は小当りフラグの値を参照する内容に書き換えてもよい(ただしYes/Noの論理は逆となる。)。
〔大当り時の手順〕
先ず、大当り時の手順は以下となる。
ステップS5204:主制御CPU72は、図柄別開放パターン設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は今回の該当する当選図柄に応じて大入賞口の開放パターン(ラウンドごとの開放回数及び各開放の時間、閉鎖時間)やラウンド間のインターバル時間、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)を設定する。なお開放パターンについては、先の特別図柄遊技処理(図14)において〔当選種類〕の項目で説明した通りである。またラウンド間のインターバル時間は、「出玉あり図柄」については数秒(例えば2秒〜2.5秒)程度に設定され、「出玉なし図柄」については1秒以下(例えば0.5秒)程度に設定されるものとする。
ステップS5206:主制御CPU72は、先の大当り時停止図柄決定処理(図15中のステップS2410)で選択した大当り時当選図柄に基づき、今回の大当り遊技における実行ラウンド数を設定する。本実施形態では、当選図柄として「11ラウンド図柄」が選択されるため、主制御CPU72は実行ラウンド数を11回に設定する。ここで設定した実行ラウンド数は、プログラム上で対応する値(11回なら「10」)として、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5208:次に主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお、大当り時開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。一方、大当り開放タイマの値として0.1秒が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞が不能ではなくとも、ほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射制御基板セット174による遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5210:そして主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、大当り中のラウンド間での待機時間となる。
ステップS5220:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔小当り時の手順〕
ステップS5212:一方、小当りの場合(ステップS5202:No)、主制御CPU72は、「小当り時開放パターン」を設定する。本実施形態の場合、「小当り時開放パターン」については、例えば1回目と2回目とでそれぞれ「0.1秒開放」の開放パターンが設定される。なお「小当り」については「ラウンド」という概念がないことから、「開放パターン」についても「1回目の開放」、「2回目の開放」といった表記となる。
ステップS5214:主制御CPU72は、先のステップS5212で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大入賞口の開放回数を例えば2回に設定する。ここで設定した開放回数は、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5216:次に主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお本実施形態では、上記のように小当り時開放タイマの値として0.1秒が設定されており、このような開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞がほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射装置ユニットによる遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5218:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、小当り時に可変入賞装置30を複数回にわたり開閉動作させる際の1回ごとの待機時間となるが、このタイマ値は例えば2秒程度に設定される。
ステップS5220:小当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。そして主制御CPU72は、次に大入賞口開閉動作処理を実行する。
〔大入賞口開閉動作処理〕
図24は、大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は主に、可変入賞装置30の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5302:主制御CPU72は、大入賞口を開放させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、可変入賞装置30が作動して閉止状態から開放状態に移行する。
ステップS5304:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大入賞口開放パターン設定処理(図23中のステップS5208又はステップS5216)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5306:続いて主制御CPU72は、開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS5308を実行する。
ステップS5308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に可変入賞装置30(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内にカウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS5310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(9個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド、小当り時の1回)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5302〜ステップS5310の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5306で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。なお、小当り時の開放は、開放タイマの値が短時間に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5306で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5312:主制御CPU72は、大入賞口を閉止させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、可変入賞装置30が開放状態から閉止状態に復帰する。
ステップS5314:次に主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の大入賞口開放パターン設定処理(図23中のステップS5210又はステップS5218)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5316に進む。
ステップS5316:主制御CPU72は、大役中(大当り遊技中)であるか否かを確認する。現在の遊技が大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5318を実行する。これに対し、現在の遊技が小当りであれば(No)、主制御CPU72は次にステップS5322に進む。
ステップS5318:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5320:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で可変入賞装置30を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお本実施形態では、特にこのような開放パターンを採用していないので、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがって、通常は1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
なお、上記のように1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用した場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5302〜ステップS5320までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5318で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
ステップS5322:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大入賞口閉鎖処理〕
図25は、大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大入賞口閉鎖処理は、可変入賞装置30の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5401:先ず主制御CPU72は、現在の遊技が大役(大当り遊技)中であるか否かを確認し、大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5402を実行する。
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1〜11)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の1〜11)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図22中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402〜ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数(7回又は16回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔小当り時〕
これに対し、小当りの場合は以下の手順となる(特例作動実行手段)。
ステップS5411:主制御CPU72は現在の遊技が大役中でないことを確認すると(ステップS5401:No)、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS5413:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の大入賞口開放パターン設定処理(図23中のステップS5214)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS5416を実行する。
ステップS5416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図22中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5401〜ステップS5413(No)を経てステップS5416、ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際の開放回数が設定した開放回数(例えば11回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS5413:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5414を実行する。
ステップS5414,ステップS5412:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔終了処理〕
図26は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。この終了処理は、可変入賞装置30の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認し、大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5503を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:この場合、主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で内部状態としての大役終了を宣言する。
ステップS5505:また主制御CPU72は、ここで連続作動回数コマンドを消去する。
ステップS5600:主制御CPU72は、大当り後遊技状態管理処理を実行する。この処理において、主制御CPU72は、大当り遊技終了後の確率変動回数を設定したり、時間短縮回数を設定したりする処理を実行する。なお、大当り後遊技状態管理処理の詳細については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS5514:そして主制御CPU72は、各種のフラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、確率変動機能作動フラグ(「高確率状態」に対応する回数切り機能作動時フラグ)がセットされていれば、内部状態として「高確率中」を表す状態指定コマンドを生成し、時間短縮機能作動フラグ(「時間短縮状態」に対応する回数切り機能作動時フラグ)がセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ここまでの手順は大当りの場合であるが、小当りの場合(ステップS5502:No)は以下の手順が実行される。
ステップS5520,ステップS5522:小当りの場合、主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また内部状態フラグから「小当り中」を消去する。なお小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS5516:いずれにしても、以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図14中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔大当り後遊技状態管理処理〕
図27は、上記の大当り後遊技状態管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5602:主制御CPU72は、RAM76のリミッタ領域を確認し、リミッタ回数(残数)が「0」より大きいか否かを確認する。リミッタ到達前であれば、リミッタ回数は未だ「0」に達していないので(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5604を実行する。
ステップS5604:主制御CPU72は、非確変選択フラグがON(=1)になっているか否かを確認する。ここで非確変選択フラグの値は、上述した非確変領域通過時処理(図10)においてONにされているか、もしくはデフォルトでOFF(=0)になっている。本実施形態においては、リミッタ到達前(ステップS5602:Yes)の大当り遊技中に非確変選択ゲート31を遊技球が通過していなければ、デフォルトで非確変選択フラグがOFF(=0)になっている。したがって非確変選択ゲート31非通過時にデフォルトでOFFの場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5606を実行する。
〔非確変選択フラグOFF時〕
ステップS5606:主制御CPU72は、「高確率状態」に対応する回数切り機能作動時フラグをセットする。
ステップS5608:また主制御CPU72は、確率変動回数(10000回)を設定する。これにより、大当り遊技終了後は確率変動機能が作動し、「高確率状態」に移行させることができる(確率状態設定手段としての処理)。
〔リミッタ未到達時遊技状態別時短回数の設定〕
ステップS5610:ここで主制御CPU72は、停止図柄別リミッタ未到達時遊技状態別時短回数をセットする。停止図柄別リミッタ未到達時遊技状態別時短回数は、上述した変動時間短縮機能作動回数決定テーブル(図17)に基づいて設定することができる。なお、具体的な時短回数の設定例についてはさらに後述する。
〔非確変選択フラグON時〕
以上は、リミッタ到達前(ステップS5602:Yes)の大当り遊技中に非確変選択ゲート31を遊技球が通過していない場合の手順であるが、遊技者自身の選択に起因して非確変選択ゲート31に遊技球を通過させた場合、非確変選択フラグはON(=1)になっている。したがって非確変選択ゲート31の通過により非確変選択フラグがONである場合(ステップS5604:Yes)、主制御CPU72はステップS5612を実行する。なお、非確変選択フラグがONである場合はステップS5606が実行されないため、大当り遊技終了後は「高確率状態」に移行することなく「低確率状態」となる(低確率状態選択復帰手段)。
〔非確変選択時遊技状態別時短回数の設定〕
ステップS5612:この場合、主制御CPU72は、停止図柄別非確変選択時遊技状態別時短回数をセットする。停止図柄別非確変選択時遊技状態別時短回数もまた、上述した変動時間短縮機能作動回数決定テーブル(図17)に基づいて設定することができる。ここでも同様に、具体的な時短回数の設定例についてはさらに後述する。
〔リミッタ到達時〕
一方、「高確率状態」に移行して大当り4回目(初当りを含む)まで継続すると、上記のように内部的にリミッタ到達となる。この場合、先のステップS5602で主制御CPU72はリミッタ回数(残数)が「0」であると判断(No)し、ステップS5614を実行する。
〔リミッタ到達時遊技状態別時短回数の設定〕
ステップS5614:この場合、主制御CPU72は、停止図柄別リミッタ到達時遊技状態別時短回数をセットする。停止図柄別リミッタ到達時遊技状態別時短回数もまた、上述した変動時間短縮機能作動回数決定テーブル(図17)に基づいて設定することができる。同様に、具体的な時短回数の設定例についてはさらに後述する。
ステップS5616:主制御CPU72はステップS5610,S5612,S5614のいずれかを実行すると、セットした時短回数(10000回、100回、0回)が0回より大きいか否かを確認する。つまり、セットした時短回数が「10000回」又は「100回」の場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5618を実行する。なお、セットした時短回数が「0回」であれば(No)、主制御CPU72はステップS5618を実行しない。
ステップS5618:主制御CPU72は、「時間短縮状態」に関して回数切り機能作動時フラグをセットする。これにより、大当り遊技終了後は時間短縮機能が作動し、「時間短縮状態」に移行させることができる(時間短縮状態移行手段としての処理)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は終了処理に復帰する。
〔設定される時短回数の具体例〕
図28から図30は、大当り後遊技状態管理処理を通じて設定される大当り後時短回数の具体例を示す図である。これら図28,図29,図30に示す具体例は、図17に示す変動時間短縮機能作動回数決定テーブルの該当箇所を部分的に抜粋したものである。以下、具体例について説明する。
〔初回大当り後時短回数セット例〕
図28は、初回大当り後時短回数セット例を示す図である。上記のように初回の大当りは、通常遊技中の「特図低確率−普図非時短」から得られる場合がほとんどである。したがって、ここでは特図種類として第1特別図柄を挙げ、特図低確率非時短中からの当選図柄別に設定される時短回数の具体例を示している。
基本的に、初回大当り時に遊技者が非確変選択ゲート31に遊技球を通過させる(大当り後の非確変を選択する)ことはあまり考えられない。このため、初回大当り時は合成比率77%で時短回数が10000回に設定される。ただし、初回大当り時は比率23%で「11ラウンド確変出玉なしB」の当選図柄に振り分けられるため、この場合は時短回数が0回に設定される結果、大当り遊技終了後は「特図高確率−普図非時短」となる。なお図28中、網掛けを施した部分は希なケース(非確変選択ゲート31通過時)であり、ここではその詳細を省略する。
〔リミッタ未到達時大当り後時短回数セット例〕
次に図29は、大当り2回目以降でリミッタ未到達時の大当り後時短回数セット例を示す図である。上記のように2回目以降の大当りは、確変中の「特図高確率−普図時短」から得られる場合がほとんどである。したがって、ここでは特図種類として第2特別図柄をメイン(上位)に挙げ、特図高確率時短中からの当選図柄別に設定される時短回数の具体例を示している。
リミッタ未到達時の大当り中は、遊技者が自らの選択によって非確変選択ゲート31に遊技球を通過させる(大当り後の非確変を敢えて選択する:非確変選択)場合がある。本実施形態では、このようなリミッタ未到達時の「非確変選択」により、敢えて「残りの大当り(例えば1回分)を捨てて時短中の引き戻しに賭ける」という遊技性を実現している。以下、この点について説明する。
図29中の見出し段を除く最上段に示されているように、リミッタ未到達時(リミッタ到達前)の大当り時に当選図柄が「11ラウンド確変出玉ありB」に該当していた場合、大当り中に遊技者が敢えて「非確変選択」を行うと、大当り終了後は「低確率状態」となるが(低確率状態選択復帰手段)、変動100回の「時間短縮状態」が付加されることになる(図中網掛け部分の「BET可能パターン」)。このような「非確変選択」による賭けは、リミッタ未到達時の大当り中23%で有効となり、仮に賭けで成功した場合は再度、4回連続の大当りを獲得することが可能になる。「賭けで成功する」とは、大当り遊技終了後の時短100回中に「低確率状態」で大当りを引き戻すことである。これにより、リミッタ回数が再度3回に設定されるため、そこから初回を含めて大当りを4連続させることが可能となる。
なお、リミッタ未到達時の大当り(第2特別図柄)であっても、77%は「11ラウンド確変出玉ありC」に振り分けられるため、この場合は「非確変選択」による賭けは有効とならない。なぜなら、「11ラウンド確変出玉ありC」に該当した場合、大当り中に非確変選択ゲート31に遊技球を通過させてしまうと、大当り遊技終了後は時短回数が0回にセットされるため、「低確率状態」かつ「非時間短縮状態」となってしまうからである。なお図29には特図種類として第1特別図柄も挙げているが、特図高確率時短中に第1特別図柄で大当りすることは希なケースであるため、ここではその詳細を省略する。
〔リミッタ到達時大当り後時短回数セット例〕
図30は、初回を含む連続大当り4回目でリミッタ到達時の大当り後時短回数セット例を示す図である。リミッタ到達時の大当りもまた、確変中の「特図高確率−普図時短」から得られる場合がほとんどである。したがって、ここでも特図種類として第2特別図柄をメイン(上位)に挙げ、特図高確率時短中からの当選図柄別に設定される時短回数の具体例を示している。
リミッタ到達時は、大当り中に非確変選択ゲート31を遊技球が通過したか否かに関わらず、大当り遊技終了後は「低確率状態」となる。また、図30中の見出し段には「非確変選択せず」と「非確変選択」の2区分が示されているが、いずれの区分についてもセットされる時短回数は同じとなる。
リミッタ到達時は、大当り時に当選図柄が「11ラウンド確変出玉ありB」に該当していた場合、大当り終了後は「低確率状態」となっても、変動100回の「時間短縮状態」が付加される。ただし、この場合は上記の「非確変選択」による賭けではなく、当選図柄の振分比率(23%)によって運良く時短が付加されたことになる。すなわち、リミッタ到達時の大当り(第2特別図柄)の77%は「11ラウンド確変出玉ありC」に振り分けられるため、この場合は大当り遊技終了後に時短回数が0回にセットされ、「低確率状態」かつ「非時間短縮状態」に復帰することになる。なお図30には特図種類として第1特別図柄も挙げているが、特図高確率時短中に第1特別図柄で大当りすることは希なケースであるため、ここではその詳細を省略する。
〔ゲームフロー〕
図31は、パチンコ機1において展開されるゲームフローについて説明する図である。
パチンコ機1で遊技を開始する場合、〔F1〕通常モードから遊技が開始される。「通常モード」は、特別図柄の当選確率は「低確率状態」であり、かつ、「非時間短縮状態」である。〔F1〕通常モードは、非時間短縮状態であるため、基本的に上始動入賞口26で入賞を発生させることにより、第1特別図柄が変動を開始して遊技が進行していく。
〔F1〕通常モードにて、〔F2〕時短あり図柄当選すると、〔F3〕11ラウンド大当り遊技が実行される(ここでは便宜上、「11ラウンド確変出玉ありA」に当選したものとする。)。〔F1〕通常モードからの時短あり図柄当選である場合、特別図柄停止表示中処理(図20)においてリミッタ回数は「3回」に設定されており、大当り中はリミッタ未到達の状態となる。なお、振分比率23%で〔F2a〕時短なし図柄当選(「11ラウンド確変出玉なしB」に当選)することもあり、この場合は出玉なし大当り(ゲームフローに図示しない)を経た後、内部的に「高確率非時間短縮状態」となるが、見かけ上は〔F1〕通常モードに移行する。
〔非確変領域非通過時〕
〔F3〕11ラウンド出玉ありの大当り遊技中に遊技者が特に「右打ち」を行わず、非確変選択ゲート31に遊技球を通過させなかった場合(〔F4〕非確変選択せず)、大当り遊技終了後に〔F5〕「花火モード」に突入する。〔F5〕「花火モード」は、特別図柄の当選確率が「高確率状態」であり、かつ「時間短縮状態」である(高確率時間短縮状態)。〔F6〕「花火モード」は、所定の極大回数(10000回の変動回数)にわたって継続されるモードとなり、次の大当りが確率的に保証されている。
〔大当り2回目〕
〔F5〕「花火モード」からの当選(初回含めて2回目)は、〔F6〕高確率時短中大当りに該当し、この場合、特別図柄停止表示中処理(図20)においてリミッタ回数が減算されて「2回」に更新されるが、引き続き〔F3〕11ラウンド大当り遊技中はリミッタ未到達の状態となっている。
〔非確変領域非通過時〕
そして、〔F3〕11ラウンド出玉ありの大当り遊技中に遊技者が特に「右打ち」を行わず、非確変選択ゲート31に遊技球を通過させなければ(〔F4〕非確変選択せず)、大当り遊技終了後は引き続き〔F5〕「花火モード」に突入する。
以後、〔F5〕「花火モード」から初回含めて4回連続当選すると〔F6〕高確率時短中大当りとなり、その度ごとにリミッタ回数が減算される結果、4回目の〔F3〕11ラウンド出玉あり大当り遊技中にリミッタ回数(残数)が「0回」に到達している。
〔リミッタ到達時〕
〔F7〕リミッタ到達時は、遊技者が「右打ち」して非確変選択ゲート31に遊技球を通過させたか(非確変選択したか)否かに関係なく、大当り遊技終了後の〔F8〕77%は〔F1〕「通常モード」に復帰することになる。これは、上記のようにリミッタ到達時の77%で時短0回が設定されるためである。ただし、〔F7〕リミッタ到達時でも、大当り遊技終了後の〔F9〕23%は時短100回が設定され、この場合は〔F10〕ナイトモードに突入する。
〔F10〕ナイトモードは、特別図柄の当選確率は「低確率状態」であるが、「時間短縮状態」である。なお、〔F10〕ナイトモード中に当選の結果が得られずに〔F14〕100回時短が終了(特別図柄が100回変動)すると、〔F1〕通常モードに移行する。
一方、〔F10〕ナイトモードの間に〔F15〕時短中大当りすると、基本的に「11ラウンド確変出玉ありB」又は「11ラウンド確変出玉ありC」のいずれかに当選(合成比率100%)するため、〔F3〕11ラウンド出玉あり大当り遊技が実行される。この場合は〔F10〕ナイトモードからの初当りとなるため、リミッタ回数は改めて「3回」に設定され、新規にリミッタ未到達の状態でゲームフローを進行させることができる。なお本実施形態では、時短中の引き戻し確率が32%である(68%は〔F14〕100回時短(いわゆる「時短抜け」)により〔F1〕通常モードへ復帰。)。
ここまでのゲームフローから明らかなように、本実施形態では初当りから「非確変選択」をせずに4回連続して大当りすると(〔F1〕→〔F2〕→〔F3〕→〔F4〕→〔F5〕→〔F6〕→(〔F3〕→〔F4〕→〔F5〕→〔F6〕→〔F3〕)×3回)、〔F7〕リミッタ到達時となる。そして、この場合は〔F8〕77%で〔F1〕通常モードに戻り、最初のゲームフローからやり直しとなるか、〔F9〕23%で〔F10〕ナイトモードに突入できるかを運に任せることになる。したがって、初当りからリミッタ到達まで大当り出玉4回分を取りきってしまうと、比較的高い比率(77%)で大当りの連続性が途切れてしまうことになる。
〔リミッタ未到達時の非確変選択時〕
ところが、リミッタ未到達時(特にリミッタ回数が残り1回)の当選図柄が「11ラウンド確変出玉ありB」に該当していた場合、大当り遊技中に敢えて遊技者自らが〔F11〕非確変選択を行うと、〔F12〕23%のゲームフローが選択されて大当り遊技終了後は〔F10〕ナイトモードに突入することができる。この場合、残り1回分の大当り出玉を敢えて捨て、〔F15〕時短中大当りによって再度リミッタ3回(大当り4回分)を上積みできるかどうかに賭ける(BETする)ことができる。なお、〔F11〕非確変選択をしても、当選図柄が「11ラウンド確変出玉ありC」に該当していた場合、〔F13〕77%のゲームフローが選択されて〔F1〕通常モード復帰となるため、この場合は残り1回分の大当り出玉をみすみす放棄したことになるが、「11ラウンド確変出玉ありC」の当選時は〔F11〕非確変選択をしなければよい。
〔ゲームフローに合わせた演出〕
以上のように、リミッタ未到達時の〔F11〕非確変選択による「大当りのBET」が本実施形態で1つの大きなゲームフロー上の特徴となっているが、このようなゲームフローを実現するため、本実施形態ではゲームフローに合わせた演出を実行することとしている。
すなわち、ゲームフロー上の〔F1〕通常モードから〔F2〕時短あり図柄当選し、〔F3〕11ラウンド出玉あり大当りを経て、〔F4〕非確変選択せずに〔F5〕花火モードへ突入し、そして、リミッタ回数が残り「1回」となる大当り時に「11ラウンド確変出玉ありB」の当選図柄に該当した場合、上記のゲームフローを実現するため、以下の流れで演出が行われる。
〔F1〕通常モード中の演出例
〔F1〕通常モード中は、特別図柄(主に第1特別図柄)の変動に対応した図柄演出が遊技のメインとなる。すなわち、上記のようにパチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)を決定し、主に第1特別図柄(場合により第2特別図柄)による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、そのままでは見た目上の訴求力に乏しい。そこで〔F1〕通常モード中は、主に演出図柄を用いた変動表示演出が行われている。
演出図柄には、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される(図1参照)。各演出図柄は、例えば数字の「1」〜「9」とともにキャラクターが付された絵札をデザインしたものとなっている。このうち左演出図柄については、数字が「1」〜「9」の昇順に並んだ図柄列を構成しており、中演出図柄と右演出図柄については、いずれも数字が「9」〜「1」の降順に並んだ図柄列を構成している。このような図柄列は、画面上の左領域・中領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
図32は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄とするが、第2特別図柄でもよい。)が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔変動表示前〕
図32中(A):例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の画面内には3本の演出図柄の列が大きく表示されている。このとき第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄も停止表示された状態にある。
また液晶表示器42の画面下部には、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数を表すマーカ(図中に参照符号M1,M2を付す)が表示されるものとなっている。これらマーカM1,M2は、それぞれの表示個数が対応する第1特別図柄、第2特別図柄の作動記憶数(第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示数)を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。またマーカM1,M2は、視覚的な判別を容易にするため第1特別図柄に対応するマーカM1が例えば円(○)の図形で表示され、第2特別図柄に対応するマーカM2が例えばハートの図形で表示されている。なお図32中(A)の例では、マーカM1が4つとも点灯表示されることで第1特別図柄の作動記憶数が4個であることを表し、マーカM2が全て非表示(破線で示す)になることで第2特別図柄の作動記憶数が0個であることを表している(記憶数表示演出実行手段)。
また演出図柄の変動表示中、例えば液晶表示器42の画面下部には第4図柄(図中に参照符号Z1,Z2を付す)が表示されている。この第4図柄Z1,Z2は、上記の左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。第4図柄Z1は、第1特別図柄に対応しており、第4図柄Z2は、第2特別図柄に対応している。
また第4図柄Z1,Z2については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、結果表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が「11ラウンド確変出玉ありA」であれば、それらに対応する態様(例えば赤表示色等)で第4図柄Z1,Z2は停止表示される。
〔変動表示演出開始〕
図32中(B):例えば第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される(図柄演出実行手段)。すなわち、第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面内で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールする(流れる)ようにして変動表示演出が開始される。なお図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。また変動表示中、個々の演出図柄が透けた状態で表示(透過表示)されることにより、このとき表示画面内には演出図柄の背景となる画像(背景画像)が視認しやすい状態で表示されている。
この場合の背景画像は、例えば浴衣を着こなした女性キャラクターが長椅子に腰掛け、夕涼みでもするかのようにリラックスしている風景を表現したものである。このような背景画像は、現在のゲームフローが〔F1〕の「通常モード」中であることを表現している。この他にも演出上で各種のモードが設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている(状態表示演出実行手段)。これらモードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものであったり、「高確率状態」に対応するものであったりする。なお、内部状態別に対応するモードについてはさらに後述する。ここでは特に図示していないが、この後、例えば表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
また、演出図柄の変動表示中、液晶表示器42の画面下部では第4図柄Z1が変動表示されており、第4図柄Z1は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
〔左図柄停止〕
図32中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中段位置に数字の「8」を表す演出図柄が停止したことを表している。なお、ここでは背景画像の図示を省略している(これ以降も同様)。
〔作動記憶数減少時の演出例〕
ここで、先の図32中(B)に示されているように、変動開始に伴って第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動してマーカM1の表示個数が1個分減少されている。例えば、それまでに作動記憶数が4個あったとすると、マーカM1において最も以前(古い)の記憶数表示が1個だけ非表示となり、内部抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、第1特別図柄に関して作動記憶数が減少したことを演出上でも遊技者に教示することができる。
そして、図32中(C)の例においては、記憶順で先頭にあった作動記憶が消費されて残りが3個になったため、画面上に残った3つのマーカM1がそれぞれ1個分ずつ一方向(ここでは左方向)へずれていく演出が行われている。これにより、作動記憶数の変化の前後関係を正確に演出上で表現するとともに、遊技者に対して「作動記憶が消費されて1つ減った」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
〔右演出図柄停止〕
図32中(D):左演出図柄に続いて、その後に右演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中段位置に数字の「3」を表す演出図柄が停止したことを表している。この時点で既にリーチ状態が発生しないことは確定しているので、今回の変動が非リーチ(通常)変動であるということが見た目上でほとんど明らかとなっている。なお、ここではすべりパターン等によるリーチ変動を除くものとする。「すべりパターン」とは、例えば一旦は数字の「7」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するというものである。あるいは、一旦は数字の「9」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が逆向きに1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するパターンもある。またその他にも、例えば「5」等の全くかけ離れた数字を表す演出図柄が一旦停止した後、画面上にキャラクターが出現して右演出図柄列を再変動させると、数字の「8」を表す演出図柄が停止してリーチに発展するといったパターンもある。
〔停止表示演出〕
図32中(E):第1特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面の中段位置に数字の「1」を表す演出図柄が停止したことを表しており、この場合、演出図柄の組み合わせは「8」−「1」−「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
以上は、1回の変動ごとに演出図柄を用いて行われる変動表示演出と結果表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
また、上記の例は非当選時についてのものであるが、大当り(当選)時には変動表示演出中にリーチ演出が実行された後、結果表示演出において演出図柄が大当りの態様で停止表示される。このとき演出図柄の停止表示態様は、基本的には主制御CPU72によって内部的に選択された当選図柄(第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の停止表示態様)に対応させて選択される。
〔F2〕時短あり図柄当選時の演出例
図33は、「11ラウンド確変出玉ありA」の大当り(当選)時に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である。ここではリーチ演出の他に、変動表示演出や停止表示演出及び予告演出が含まれるものとする。その他にも、変動表示演出中に実行される予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出)の一例を説明する。
以下のリーチ演出は、第1特別図柄表示装置34において大当り時の変動パターンによる変動表示が行われた後、第1特別図柄が「11ラウンド確変出玉あり図柄A」の態様(例えば7セグメントLEDの「己」,「ヨ」,「口」,「巳」,「F」,「E」,「L」,「Γ」等)で停止表示されるまでに実行される。なお図33中、各演出図柄を数字のみに簡略化して示している。また上記のマーカM1,M2については、ここでの図示を省略している。以下、演出の流れに沿って説明する。
〔変動表示演出〕
図33中(A):第1特別図柄の変動開始に略同期して、液晶表示器42の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向(例えば上から下)にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。
〔リーチ発生前予告演出(1段階目)〕
図33中(B):次に、変動表示演出の比較的初期において、キャラクターの絵柄画像(絵札)を用いた1段階目のリーチ発生前予告演出が行われる。このリーチ発生前予告演出は、予め定められた順序にしたがって1段階から複数段階(例えば2〜5段階)まで、段階的に態様の変化が進行していく予告演出である。このリーチ発生前予告演出で用いられる絵柄画像は、画面上で変動表示されている演出図柄の手前に位置し、例えば画面の左端からひょっこりと出現するようにして表示される(その他の出現の態様でもよい。)。なお、ここでいう「リーチ発生前予告」とは、いずれかの演出図柄が停止表示される前にリーチの可能性や大当りの可能性を予告するという意味である。このような「リーチ発生前予告演出」を実行することで、遊技者に対して「リーチに発展するかも知れない=大当りの可能性が高まる」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ発生前予告演出(2段階目)〕
図33中(C):リーチ発生前予告演出の1段階目の態様が実行された後、続いてリーチ発生前予告演出の態様の変化が2段階目に進行する。ここでは2段階目のリーチ発生前予告演出として、先とは違うキャラクターの絵柄画像を用いた演出が行われている。具体的には、画面の右端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像の前面に重なって表示される。また、このとき表示される絵柄画像は、先に表示されていた絵柄画像よりもサイズが大きい。そして、絵柄画像で表現されたキャラクターが台詞(例えば「リーチになるよ」等)を発するという、音響出力による演出もあわせて行われる。
このような2つ目の絵柄画像を用いたリーチ発生前予告演出(2段階目)は、先の図33中(B)で行われたリーチ発生前予告演出(1段階目)からさらに一歩進んだ発展型である。このように発展していく「リーチ発生前予告演出」の態様を称して、一般的に「ステップアップ予告」等と表現することがある。ここではリーチ発生前予告演出で2段階目の絵柄画像が出現する例を挙げているが、3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示される演出態様であってもよい。また、例えば3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示されるごとに、そのサイズが拡大されるものとしてもよい。なお、この段階でも演出図柄の変動表示は継続されている。いずれにしても、リーチ発生前予告演出の態様の変化をより多くの段階まで進行させることにより、今回の変動で大当りになる可能性(期待度)が高いことを遊技者に示唆することができる(例えば、5段階目まで進行すると最大の期待度を示唆する等。)。
〔左演出図柄の停止〕
図33中(D):変動表示演出の中期にさしかかり、やがて左演出図柄の変動表示が停止される。なお、この時点で画面の左上段位置に数字の「6」を表す演出図柄が停止し、左下段位置には数字の「7」を表す演出図柄が停止している。
〔リーチ状態の発生〕
図33中(E):そして左演出図柄に続き、例えば右演出図柄の変動表示が停止される。この時点で、右下段位置には数字の「6」を表す演出図柄が停止しており、画面の右上段位置には数字の「7」を表す演出図柄が停止していることから、画面の対角線上(2本の斜めライン上)に数字の「6」−「変動中」−「6」と「7」−「変動中」−「7」の2種類のリーチ状態が発生している。そして画面上には、対角線上でリーチ状態となる2本の斜めラインを強調する画像が合わせて表示される。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われる。さらに、この例では中演出図柄について数字の「6」と「7」という2つの候補があるため(いわゆるダブルリーチ、ダブルテンパイ)、それだけ期待度の高いリーチ状態である。
リーチ状態の発生後、当選時のリーチ演出が実行される(ただし、この時点では未だ当選の結果は表出されていない。)。リーチ演出では、テンパイした数字(ここでは「6」と「7」)に対応する演出図柄だけが画面上に表示され、それ以外は表示されなくなる。なお、このとき演出図柄が画面の四隅にそれぞれ縮小された状態で表示される場合もある。
〔リーチ発生後予告演出(1回目)〕
図33中(F):リーチ状態が発生して暫くすると、例えば「ハート」の図形を表す画像が群をなして画面上を斜めに過ぎっていくリーチ発生後予告演出(1回目)が行われる。この場合、突然、画面上に「ハート群」の画像が流れていくように表示されるため、これによって遊技者に対する視覚的な訴求力を高めることができる。このような視覚的に賑やかなリーチ予告発生後予告演出を実行することで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ演出の進行〕
図33中(G):1回目のリーチ発生後予告演出に続いて、例えば数字の「2」〜「8」を表す画像が画面上で立体的な列を構成した状態で表示され、列の先頭(手前)から「2」、「3」、「4」・・・という順番に画面から数字の画像が消去されていく演出が行われる。このような演出もまた、数字の「6」又は「7」のいずれかが最後まで消去されずに残ると「大当り」であることを遊技者に示唆(暗示)したり、想起させたりする目的で行われる。また、数字の「5」まで消去されて「6」が画面手前に残ると「大当り」であり、数字の「6」まで消去されて「7」が画面手前に残っても「大当り」であるが、数字の「7」も消去されてしまうと「はずれ」であることを意味する。なおこの場合、数字の「7」が消去された後の画面上に例えば数字の「8」が表示される。したがって、この間、数字の「2」、「3」、「4」・・・と順番に画像が消去されていき、数字の「5」の順番が近付くに連れて、遊技者の緊張感や期待感も高まっていくことになる。この後、例えば画面上で数字の「4」までが消去されたとすると、いよいよ次に数字の「5」が消去されると、今度は「大当り」の可能性が高まるため、そこで遊技者の緊張感も一気に高まる。
〔リーチ発生後予告演出(2回目)〕
図33中(H):リーチ演出が終盤に近付いたところで、突然、画面上にキャラクターの画像が大写しに割って入るようにして表示され、そのキャラクターが何らかの台詞を発するという内容(又は、無言で微笑むという内容でもよい)のリーチ発生後予告演出(2回目)が行われる。この時点で例えばリーチ演出の内容は、「数字の「5」が消去されれば、次に「6」−「6」−「6」の大当りの可能性が高まる」という展開である。したがって、このタイミングで大きくキャラクターの画像を出現させることにより、遊技者に対して「大当りになるかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。
上記とは別のリーチ演出として、例えば「数字の「2」〜「6」までが消去されてしまい、最後に数字の「7」が消去されずに残れば、「7」−「7」−「7」の大当りになる」という展開もある。このようなタイミングでキャラクターの画像を出現させると、遊技者に対して「いよいよ大当りになるかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔結果表示演出〕
図33中(I):第1特別図柄の停止表示に略同期して、最後の中演出図柄が停止する。この例では、内部的には当選図柄が「11ラウンド確変出玉あり図柄A」に該当しており、演出上では数字の「6」を表す演出図柄を画面の中央に停止表示させている。なお、本実施形態では、当選図柄が全て確変図柄であるため、演出図柄が奇数であるか偶数であるかによってその後の遊技状態が変化するものではない。
図33中(J):そして、例えば第1特別図柄の停止表示に略同期して、演出図柄としての停止表示演出についても確定停止表示が行われる。演出図柄の確定停止表示は、例えば左・中・右演出図柄をそれぞれ初期の大きさに復元した状態で行われる。このような確定停止表示を行うことで、最終的な当選が演出上で確定したことを遊技者に対して教示することができる。また、この場合に第4図柄Zは、「11ラウンド確変出玉あり図柄A」に対応する態様(例えば赤表示色等)で停止表示される。
なお、「11ラウンド確変出玉なし図柄A」又は「11ラウンド確変出玉なし図柄B」のように、実質的に出玉のある大当り遊技は行われないが、「高確率状態」に移行する当選図柄の場合、あたかも非当選であったかのような演出(例えば「6」−「8」−「6」から再変動して「1」−「3」−「5」のチャンス目表示等)が行われる。
また、内部抽選の結果が非当選であれば、第1特別図柄がはずれ図柄で停止表示されるため、演出図柄も同様にはずれの態様で停止表示演出が行われる(図柄演出実行手段)。この場合、画面の中央には「6」や「7」以外の数字「5」や「8」を表示することで、残念ながら今回の変動では大当りにならなかったことを知らせる演出が行われる。なお、このような演出は「はずれリーチ演出」として実行されるものである。
次に、11ラウンド出玉あり大当り遊技中に実行される大役中演出について説明する。
ここで、本実施形態では、4回分の大当り遊技をワンセットとする遊技が展開される。そして、1回目(初回)及び2回目の大当り時(リミッタ未到達時)に実行される大役中演出、3回目の大当り時(リミッタ未到達時かつリミッタ残り回数2→1)に実行される大役中演出、4回目(リミッタ到達時)の大当り時に実行される大役中演出は、それぞれ異なる演出として実行することにしている。以下、1回目(2回目も共通)から4回目の大当り時に実行される大役中演出について順に説明する。
〔F3〕11ラウンド出玉あり大当り中の演出例
図34は、1回目(初回)の11ラウンド出玉あり大当り遊技中に実行される大役中演出の演出例を部分的に示す連続図である。なお、大役中演出の1回目と2回目は共通のものとする。
〔1ラウンド〕
図34中(A):ゲームフロー上で〔F3〕11ラウンド出玉あり大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、「大当り中」という遊技の進行状況に対応した内容の大役中演出が実行される。ここでは、例えば画面内に「ROUND1」のラウンド数に対応する文字情報が表示される。また画面の右下隅位置には、今回の当選図柄に対応した演出図柄(ここでは数字の「6」)が表示されている。このように、大当り遊技中も引き続き当選図柄(いわゆる「残し目」)を表示しておくことで、遊技者に対して「6の演出図柄で当選した」という情報を引き続き教示することができる。また、表示画面の中央部分には、大当り遊技中に登場する女性キャラクターが大きく表示されている。
図34中(B):大当り遊技が順調に進行し、例えば途中の6ラウンドに移行すると、画面内には「ROUND6」のラウンド数に対応する文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像が表示されている。また画面の右下隅位置には、上記の「残し目」としての演出図柄(数字の「6」)が表示されている。
特に図示していないが、この後、最終の11ラウンドまで進行すると、画面内には例えば「ROUND11」のラウンド数に対応する文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像が表示される。なお、「ROUND11」を「FINAL ROUND」と表示してもよい。
1回目(初回)又は2回目の大当り中において、遊技者が自らの操作によって「右打ち」を行い、非確変選択ゲート31に遊技球を通過させることも可能である。しかし、大当りの1回目や2回目にゲームフロー上で〔F11〕非確変選択をしても、遊技者にとってそれほどの利益が得られるわけではない。このため、1回目(初回)又は2回目の大当り時においては、非確変選択を案内する選択案内演出は実行せずに、遊技者に対して「左打ち」を促す演出画像を表示させ続ける。
特に図示していないが、「左打ち」を促す演出画像は、例えば画面内に大きく「左打ちしてね!」といった文字情報を表示するとともに、画面上でキャラクターが「左に打ってね」等の台詞を発する態様とすることができる。そして、ここでは1ラウンド目から11ラウンド目までの間に継続して「左打ち」が行われ、遊技球が非確変選択ゲート31を通過しなかった場合を想定する。
〔大役終了時〕
図34中(C):大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。この例では、例えば画面内に「花火モード突入」という文字情報が表示されている。このような終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「高確率状態」かつ「時間短縮状態」である〔F5〕花火モードにゲームフロー上で移行することを遊技者に教示することができる。
〔選択案内演出〕
図35から図37は、大当り3回目(リミッタ残り回数2→1)の11ラウンド出玉あり大当り中に実行される大役中演出の演出例を部分的に示す連続図である。なお、ここでは大当り3回目の当選図柄が「11ラウンド確変出玉ありB」に該当していた場合を想定する。大当り3回目の当選図柄が「11ラウンド確変出玉ありC」に該当していた場合、以下の演出例は実行されず、これまで(図34)と同様の大役中演出が実行される。
〔1ラウンド〕
図35中(A):ここでも同様に、大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、「大当り中」という遊技の進行状況に対応した内容の大役中演出が実行され、例えば画面内に「ROUND1」のラウンド数に対応する文字情報が表示されている。また画面の右下隅位置には、今回の当選図柄に対応した演出図柄(ここでは数字の「5」)が表示されている。また、表示画面の中央部分には、大当り遊技中に登場する女性キャラクターが大きく表示されている。
〔2ラウンド〕
図35中(B):11ラウンド大当り遊技の例えば2ラウンド目から6ラウンド目までの間に、上述した選択案内演出が実行される。ここで「選択案内演出」とは、大当り遊技中に非確変選択ゲート31(非確変領域)に遊技球を通過させることで、大当り遊技終了後に〔F10〕ナイトモード(低確率時間短縮状態)に移行させるか、もしくは非確変選択ゲート31に遊技球を通過させないことで最後(4回目)まで大当り出玉を取りきるかの選択が可能である旨を遊技者に案内する内容の遊技説明演出である。この選択案内演出により、今回の大当り中に遊技者が自らの操作に起因して「非確変選択」を行うと、残り1回分の大当りの権利を捨てて時短中の引き戻しに賭ける(BETする)ことができる旨が遊技者に説明されるため、本実施形態のパチンコ機1による遊技性の特徴を分かりやすく伝達することができる。
具体的には、11ラウンド大当り遊技の2ラウンド目において、例えば「大当り中に右打ちしてスルーを通過させると・・・」という台詞を発する女性キャラクターが表示される。これにより、遊技者に対して「右打ちした場合にどのようなゲームフローになるか」の説明がなされることを予告し、この後の選択案内演出に対する注意を喚起することができる。
〔3ラウンド〕
図35中(C):続く3ラウンド目では、「次回大当りの権利をBETして100回のナイトモードに突入するよ!」という台詞を発する女性キャラクターが表示される。これにより、今回の大当り中に「右打ち」して非確変選択ゲート31に遊技球を通過させれば、大当り遊技終了後は確実に100回の〔F10〕ナイトモード(低確率時間短縮状態)に移行するということを遊技者に対して教示することができる。
〔4ラウンド〕
図36中(D):11ラウンド大当り遊技の4ラウンド目では、例えば「大当り中に右打ちしなければ・・・」という台詞を発する女性キャラクターが表示される。これにより、遊技者に対して「逆に右打ちしない場合はどのようなゲームフローになるか」の説明がなされることを予告し、引き続きこの後の選択案内演出に対する注意を喚起することができる。
〔5ラウンド〕
図36中(E):続く5ラウンド目では、「次回の大当りで花火モードは終了するよ!」という台詞を発する女性キャラクターが表示される。これにより、大当り中に「右打ち」しないで非確変選択ゲート31に遊技球を通過させなければ、次回の大当り出玉を取りきった上で「高確率状態」が終了するということを遊技者に対して教示することができる。
〔6ラウンド〕
図36中(F):次の6ラウンド目では、例えば3人の女性キャラクターが横に並んで表示され、全員で「さあ!どうする?」といった台詞を発する演出が実行される。また、このときの背景画像は、稲妻又は爆発が発生したことが表現されたものとなっており、遊技者に対して遊技内容の選択が可能である旨をより強く印象付けることができる。
このような選択案内演出を受けて、いよいよ遊技者は「右打ち」するか否かを判断し、自らの選択で非確変選択ゲート31に遊技球を通過させないこととした(〔F4〕非確変選択せず)場合は最終ラウンドまで「左打ち」用の角度でグリップユニット16を握り続けることになる。一方、遊技者が自らの選択で非確変選択ゲート31に遊技球を通過させることとした(〔F11〕非確変選択時)場合、大当り遊技が終了するまでの間のどこかでグリップユニット16を大きく右方向に捻り、遊技球を遊技領域8aの右側部分に向けて打ち込むことで「右打ち」を実行する。なお、盤面の構成上、「右打ち」した場合に遊技球はある程度の高確率(3個に1個の割合)で非確変選択ゲート31を通過する。また、大当り中に「右打ち」しても、開放中の大入賞口に遊技球を入賞させることが可能であり、いわゆる「無駄球(死に球)」にはならない。
〔7ラウンド〕
図37中(G):そして、次の7ラウンド目以降になると、例えば3人の女性キャラクターが横に並んで表示され、先の会話の内容とは別の文言である「右打ちしないとナイトモードは運しだいだよ!」といった台詞を発する演出が実行されている。これにより、「今なら右打ちすると確実にナイトモードに突入するが、右打ちしないと次回ナイトモードの突入は振分抽選となる」という遊技性を分かりやすく遊技者に伝達することができる。
〔大役終了時(非確変領域通過せず)〕
図37中(H):遊技者が「右打ち」を実行せず、非確変選択ゲート31に遊技球を通過させなかった場合、11ラウンド大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。この例では、例えば画面内に「花火モード突入 これでラスト!」という文字情報が表示されている。このような終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後は最後の〔F5〕花火モードに移行し、次回の大当り後は〔F5〕花火モードには移行しないということを遊技者に教示することができる。
〔大役終了時(非確変領域通過)〕
図37中(I):一方、遊技者が「右打ち」を実行し、非確変選択ゲート31に遊技球を通過させた場合、11ラウンド大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。この例では、例えば画面内に「ナイトモード突入」という文字情報や「100回」という残りの変動回数を表す情報が表示されている。このような終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「低確率状態」であるが「時間短縮状態」であり、時短回数が「100回」に設定された〔F10〕ナイトモードに移行することを遊技者に教示することができる。
〔F7〕リミッタ到達時の演出例
図38は、リミッタ到達時(大当り4回目)の11ラウンド出玉あり大当り遊技中に実行される大役中演出の演出例を部分的に示す連続図である。この場合、3回目の大当り中に上記の「選択案内演出」が実行されたが、遊技者が「右打ち」を実行しなかったためリミッタ回数が残り0回となったか、あるいは、大当り3回目の当選図柄が「11ラウンド確変出玉ありC」に該当したため、選択案内演出が実行されずにそのままリミッタ回数が残り0回となったものと考えられる。
〔1ラウンド〕
図38中(A):11ラウンド出玉あり大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、ここまでと同様に「大当り中」という遊技の進行状況に対応した内容の大役中演出が実行される。ここでは、例えば画面内に「ROUND1」のラウンド数に対応する文字情報が表示される。また画面の右下隅位置には、今回の当選図柄に対応した演出図柄(ここでは数字の「2」)が表示されている。また、表示画面の中央部分には、大当り遊技中に登場する女性キャラクターが大きく表示されている。
〔6ラウンド〕
図38中(B):この後、大当り遊技が順調に進行し、最終の11ラウンドに移行する。このとき、画面内には「ROUND11」のラウンド数に対応する文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像が表示されている。また画面の右下隅位置には、上記の「残し目」としての演出図柄(数字の「2」)が表示されている。
ここで、リミッタ到達時(大当り4回目)の11ラウンド大当り遊技中に上記の選択案内演出は実行されない。これは、リミッタ到達時の11ラウンド出玉あり大当り遊技においては、たとえ非確変選択ゲート31に遊技球を通過させなかったとしても、大当り遊技の終了後は必ず「低確率状態」となり、その際に「時間短縮状態」となるか否かは必然的に振分抽選の結果に依存するからである。すなわち、仮にリミッタ到達時の大当り時に「11ラウンド確変出玉ありB」に該当していると、大当り遊技終了後は「時間短縮状態」となるが、それは振分抽選の結果によるものであって、大当り中に遊技者が「非確変選択したか否か」によってゲームフローが変化するわけではないからである。
したがって本実施形態では、リミッタ到達時の大当り遊技終了時は以下の演出を実行することとしている。すなわち、大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。大役終了演出の内容は、大当り時の当選図柄(時短あり図柄/時短なし図柄)に応じて選択される。
〔時短あり図柄の場合〕
図38中(C):当選図柄が「11ラウンド確変出玉あり図柄C」であった場合、上記のように時短回数は0回にセットされるため、ゲームフロー上は〔F1〕通常モードに復帰する。したがってこの場合、例えば画面内に「花火モード終了」といった文字情報が表示されるとともに、キャラクターが「またね!」等の台詞を発する演出が行われる。これにより、遊技者に対して「リミッタ到達により連チャンが終了した」ということを分かりやすく伝達することができる。
〔時短なし図柄〕
図38中(D):これに対し、当選図柄が「11ラウンド確変出玉あり図柄B」であった場合、上記のように時短回数は100回にセットされ、ゲームフロー上で〔F10〕ナイトモードに突入する。この場合、例えば画面内に「ナイトモード突入」や「100回」といった文字情報が表示されるとともに、キャラクターが「ラッキー!」等の台詞を発する演出が行われる。これにより、遊技者に対して「リミッタ到達により確変は終了したが、振分抽選の結果で100回時短が付加された」ということを分かりやすく伝達することができる。
〔花火モードの演出例〕
次に図39は、花火モードの演出例を示す連続図である。この花火モードは、初回から3回目までの11ラウンド大当り遊技中に「右打ち」を実行せず、非確変選択ゲート31に遊技球を通過させなかった場合に移行されるモードであり、「高確率状態」かつ「時間短縮状態」に該当する。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
図39中(A):例えば、大当り遊技終了後から1回目の変動表示が行われることで、「花火モード」の状態で演出図柄の変動表示が行われている。花火モードの背景画像は、遊技者に対して花火のモチーフを深く印象付けるために、「夜空に花火が打ち上げられる情景」とともに「女性キャラクターが花火を観賞している様子」が表現された背景画像となっている。
図39中(B):そして、大当り遊技終了後から1回目の変動(非当選時)が終了したことにより、すべての演出図柄が停止表示されている(「3」−「1」−「7」)。
図39中(C):次回の変動が開始されると、大当り遊技終了後から2回目の変動表示が行われる。そして、この「花火モード」は、次回の大当りまで継続される。なお花火モードは、実際には10000回の変動まで継続するモードであるが、花火モードがそこまで継続する確率は確率的に極めて低い(10000回の変動までに当選する確率の方が充分に高い。)。
また花火モード中の大当り演出に関しては、上述した各リーチ演出を経て大当りとしてもよいが、上述した各リーチ演出よりも短縮した特定のリーチ演出(例えば、特定の敵キャラクターと対戦し、その敵キャラクターに勝利したら大当りとなる演出等)を経て大当りとしてもよい。
〔F10〕ナイトモードの演出例
図40は、〔F10〕ナイトモードの演出例を示す連続図である。〔F10〕ナイトモードは、例えば3回目の大当り中に選択案内演出が発生し、遊技者が自らの選択によって非確変選択ゲート31に遊技球を通過させた場合、あるいは、リミッタ到達時の振分抽選で〔F9〕23%に該当した場合に移行されるモードであり、「低確率状態」かつ「時間短縮状態」が100回の変動に限って継続するモードである。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
図40中(A):例えば、大当り遊技終了後から1回目の変動表示が行われることで、「ナイトモード」の状態で演出図柄の変動表示が行われている。ナイトモードの背景画像は、夜間のビル街の画像をモチーフとした背景画像となっている。また画面の右上隅位置には、残りの変動回数として「100回(1回目の変動を含む)」を表す情報が表示されている。
図40中(B):そして、大当り遊技終了後から1回目の変動(非当選時)が終了したことにより、すべての演出図柄が停止表示されている(「4」−「8」−「1」)。
図40中(C):次回の変動が開始されると、大当り遊技終了後から2回目の変動表示が行われる。画面の右上隅位置では、1回目の変動が終了したことで、「ナイトモード」での残りの変動回数が「99回」に減少したことが示されている。そして、このナイトモードは、特別図柄(主に第2特別図柄)が100回変動表示されるまで継続され、〔F14〕100回時短の変動が終了した後には〔F1〕通常モードに移行される。また、ナイトモード中は「時間短縮状態」であるため、可変始動入賞装置28の作動が高頻度で行われる。このため、遊技球の打ち出しを停止しない限り、高頻度で第2特別図柄の変動表示に伴う演出図柄の変動表示が行われることになる。
〔選択案内演出による遊技性〕
図41及び図42は、選択案内演出を通じて実現されるゲームフロー上の遊技性について解説した図である。
〔非確変選択をしない場合〕
先ず図41は、3回目の大当り中に選択案内演出が実行されたものの、遊技者が自らの選択によって非確変選択ゲート31に遊技球を通過させなかった場合のゲームフローについて解説している。図41中(A)は、リミッタ到達までの当選図柄の変遷と大当り3回目までの「非確変選択せず」の結果を示している。また図41中(B)は、大当りの回数とリミッタ回数(残り)との関係を示している。そして図41中(C)は、初当りからリミッタ到達までの大当り出玉数の推移を示している。
図41中(A)に示されているように、初当りの当選図柄が「11ラウンド確変出玉あり図柄A」に該当すると、それによって大当り4回分の権利が発生する。すなわち、初当り時に「非確変選択」をせずに大当り遊技を終了することで、次回の時短中大当りで「11ラウンド確変出玉あり図柄B」又は「11ラウンド確変出玉あり図柄C」となる。
ここでは2回目の大当りが「11ラウンド確変出玉あり図柄C」となり、その大当り中にも「非確変選択」をしないことで、次に3回目の大当りとなる。ここで、図41中(B)に示されているようにリミッタ回数が「2回」から「1回」となり、当選図柄が「11ラウンド確変出玉あり図柄B」に該当しているため、3回目の大当り中に選択案内演出が実行されることになる。
しかし、図41中(A)に示されているように、3回目の大当り中に遊技者が「非確変選択」をしなかったため、図41中(B)に示すように、4回目の大当りでリミッタに到達する。この場合、4回目の大当り終了後に時短100回が付加されるかどうかは当選図柄の振分抽選に依存する。
ただし、図41中(C)に示されるように、リミッタ到達まで大当りを継続させたため、出玉数としては大当り4回分を確実に取りきることができている。
〔非確変選択時〕
次に図42は、3回目の大当り中に選択案内演出が実行され、遊技者が自らの選択によって非確変選択ゲート31に遊技球を通過させた場合のゲームフローについて解説している。ここで、図42中(A)は当選図柄の変遷と各大当りでの「非確変選択せず」又は「非確変選択」の結果を示している。また図42中(B)は、各大当りでのリミッタ回数(残り)を示している。そして図42中(C)は、各大当りでの出玉数の推移を示している。
図42中(A)に示されているように、ここでも初当りの当選図柄が「11ラウンド確変出玉あり図柄A」に該当することで、先ずは大当り4回分の権利が発生している。ここでも同様に、初当り時は「非確変選択」をせずに大当り遊技を終了することで、次回の時短中大当りで「11ラウンド確変出玉あり図柄B」又は「11ラウンド確変出玉あり図柄C」となる。
そして、2回目の大当りが「11ラウンド確変出玉あり図柄C」となり、その大当り中にも「非確変選択」をしないことで、続いて3回目の大当りとなる。ここでも図42中(B)に示されているように、リミッタ回数は「2回」から「1回」となり、当選図柄が「11ラウンド確変出玉あり図柄B」に該当しているため、同様に3回目の大当り中は選択案内演出が実行されることになる。
そして、ここでは図42中(A)に示されているように、3回目の大当り中に遊技者が「非確変選択」を行ったため、図41中(B)に示すようにリミッタ未到達(リミッタ残り1回)のまま「高確率状態」は終了し、時短100回に移行している。
またこの場合、図41中(C)に示されるように、リミッタ未到達で次回の大当り出玉を捨てているため、出玉数の推移は大当り3回分で止まっている。
ただし、時短100回中に大当りを引き戻すことができれば、図42中(A)に示すように当選図柄は「11ラウンド確変出玉あり図柄B」又は「11ラウンド確変出玉あり図柄C」となる。したがって、図42中(B)に示すように、そこでリミッタ回数が再び3回に設定され、そこから4回分の大当りの権利をまた獲得することができる。
〔大当り権利のBET成功〕
この場合、図42中(C)に示されているように、大当り1回分の出玉(権利)を賭けて(BETして)時短100回を選択した結果、賭けに成功して出玉数を大当り5回分以降まで積み上げることができたことが分かる。
以上のように本実施形態のパチンコ機1は、大当り3回目の特定条件で選択案内演出を実行することにより、遊技者に(1)残り1回分の大当りの権利をBETして時短中の引き戻しに期待するか、あるいは、(2)リミッタ到達まで大当り4回分の出玉を取りきり、大当り後に時短が付くか否かは振分抽選の結果に期待するか、のいずれかを任意に選択できる機会を付与している。これにより、確変リミッタタイプの性能であっても、リミッタ到達までの大当り遊技を単調に継続させるのではなく、リミッタ到達までの間にゲームフロー上の選択肢を遊技者に与えることで、新たな趣向を持たせることができる。
〔先読みによる非確変選択示唆演出〕
図43は、大当り遊技中に実行される非確変選択示唆演出の例を示す連続図である。ここで「非確変選択示唆演出」とは、先読み機能を利用したナビゲーション演出であり、このようなナビゲーション演出を通じて遊技者に「非確変選択」を促し、意図的なリミッタの再設定(切り直し)を実現させることができる。
具体的には、大当り遊技中の先読みによる事前の判定結果が「低確率状態でも大当りとなる抽選要素の作動記憶が存在する」ものであった場合、大役中演出の実行中に「右打ち」を実行し、非確変選択ゲート31に遊技球を通過させて「非確変選択」する方が有益であることを示唆する内容の演出である。以下、演出例について説明する。
図43中(A):例えば、11ラウンド出玉あり大当り遊技の5ラウンド目において、「ここで確変を終了させれば・・・また4回分の権利がもらえるよ!」という台詞を発する女性キャラクターが表示される。
図43中(B):続いて、女性キャラクターにより「右打ちが」の文字を表示するパネルが掲げられる演出が実行される。これにより、遊技者に対して「右打ちがどうかしたのか?」といった強い興味を抱かせることができる。
図43中(C):そして、画面中央に表示されている女性キャラクターがパネルの表裏をひっくり返す演出が実行される。具体的には、「オススメ」の文字が表示されたパネルが表示される。このような演出により、遊技者に対しては、今回の大当り中に右打ちし、非確変選択ゲート31に遊技球を通過させた方が有利であるかもしれないことを想起させ、遊技者の利益の確保に資することができる。
このように、「非確変選択示唆演出」によって遊技者による遊技操作をアシストすることにより、結果として出玉数の向上を図ることができ、遊技性の幅を広げることができる。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した変動表示演出やリーチ演出、リーチ発生前予告演出、記憶数表示演出、大役中演出等の演出や、これに連動したモード移行演出、選択案内演出、非確変選択示唆演出等は、いずれも以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
図44は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs〜数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば特図先判定演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止時コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、エラー通知コマンド、大当り終了演出コマンド、変動パターン先判定コマンド、リミッタ残数コマンド等がある。
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御CPU126は上述した記憶数表示演出や、マーカM1,M2を用いた先読み予告演出の実行を制御する。なお、作動記憶演出管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出や結果表示演出の内容を制御したり、可変入賞装置30の開閉動作時の演出内容を制御したりする。またこの処理において、演出制御CPU126は各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後演出等)の演出パターンを選択する。なお、演出図柄管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(演出実行手段)。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば演出用に可動体がある場合、演出制御CPU126は可動体の駆動用ICに対して制御信号を出力する。特に図示していないが、可動体は例えばソレノイドやステッピングモータ等の駆動源によって動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行うものである。これらソレノイドやステッピングモータ等の駆動源は、例えば図4中のパネル電飾基板138に接続することができる。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される作動記憶演出管理処理の内容について説明する。
〔作動記憶演出管理処理〕
図45は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS700:先ず演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS702を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS702を実行しない。
ステップS702:演出制御CPU126は、作動記憶数増加時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応したマーカM1,M2を表示させる演出を選択する。
ステップS704:演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS706を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS706を実行しない。
ステップS706:演出制御CPU126は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応したマーカM1,M2をスライドさせる演出を選択する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(図44)に復帰する。
〔演出図柄管理処理〕
図46は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502〜ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(図14中のステップS5000)が選択された場合にのみジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502〜ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。またこの処理において、演出制御CPU126は各種の条件(抽選結果、当選種類、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(先読み予告演出パターン以外のリーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択する。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、演出図柄を用いた変動表示演出を実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた態様で演出図柄や動画像を用いた結果表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と結果表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、結果表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して結果表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。ただし本実施形態において、小当り時には、はずれと同様か近似した態様で結果表示演出を実行する。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は小当り中又は大当り中の演出内容を制御する。この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容を選択する。例えば11ラウンド大当りの場合、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、11ラウンドの大役中演出パターンを選択し、これを演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。これにより、液晶表示器42の表示画面では大当り中演出の画像が表示されるとともに、ラウンドの進行に伴って演出内容が変化していくことになる。ただし、本実施形態では選択案内演出を実行するため、リミッタ回数や当選図柄の条件によって異なる演出を選択している。具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
あるいは、「小当り」に該当していた場合、演出制御CPU126は例えばモード移行演出を実行させる制御を行う。
〔演出図柄変動前処理〕
図47は、上記の演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図44中のステップS404)、ランプ駆動処理(図44中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御CPU126は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御CPU126は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「C0H00H」〜「D0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御CPU126は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。
また演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチの種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様等を決定する。なお、ここで決定される演出図柄の種類は、全て「小当り時の図柄の組み合わせ」に該当するものとなっている。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、11ラウンド大当りに該当した場合、演出制御CPU126はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御CPU126は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「E0H00H」〜「F0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。ここで決定される演出図柄の種類は、上記の「大当りの組み合わせ」を構成するものである(例えば「6」−「6」−「6」)。なお、大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御CPU126はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御CPU126は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「A0H00H」〜「A6H7FH」)に基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御CPU126がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドに基づいて決まる。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」−「2」−「4」等)を決定する。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は次にステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御CPU126は、予告選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、高確率状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は比較的高く設定されている。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図46中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び結果表示演出が実行されるとともに(演出実行手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される(演出実行手段)。その他、ここで選択された背景(滞在)モードパターンに基づいて、各種の滞在モード演出が実行される(演出実行手段)。
〔可変入賞装置作動時処理〕
図48は、上記の可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS800:先ず演出制御CPU126は、リミッタ回数(残数)の値が「3」であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、リミッタ残数コマンドを確認することにより、リミッタ回数(残数)の値を確認することができる。なお、上記のようにリミッタ回数は初当り時において「3」に設定されるため、リミッタ回数が「3」であるということは、低確率状態からの初回の当選(初当り)を意味している。
リミッタ回数の値が「3」であることを確認した場合(ステップS800:Yes)、演出制御CPU126はステップS802を実行する。これに対して、リミッタ回数の値が「3」でないことを確認した場合(ステップS800:No)、演出制御CPU126はステップS804を実行する。
ステップS802:演出制御CPU126は、一般大役中演出選択処理を実行する(特別遊技演出実行手段)。この処理において、演出制御CPU126はラウンド数に応じた演出パターンを選択する。例えば、演出制御CPU126は、同一ラウンド内で最初に本ステップを実行する場合は、現在実行中のラウンドに対応する大役中演出パターンを選択する処理を実行する。一方、同一ラウンド内で2回目以降に本ステップを実行する場合は、同一ラウンド内で実行する大役中演出の演出パターンを選択する処理は既に終了しているため、演出制御CPU126は本処理をスキップする(以下の選択処理でも同様である)。なお、具体的には、演出制御CPU126は、リミッタ未到達時の大当り遊技中に実行される演出(図34等)を選択する処理を実行する。
これに対し、2回目以降の大当り時はリミッタ回数が減算されているため(ステップS800:No)、以下の手順となる。
ステップS804:すなわち演出制御CPU126は、リミッタ回数(残数)の値が「1」であるか否かを確認する。ここで、リミッタ回数(残数)が「1」であるということは、リミッタ未到達時であるが、初回を含めて3回目の当選であることを意味している。
リミッタ回数の値が「1」であることを確認した場合(ステップS804:Yes)、演出制御CPU126はステップS806を実行する。これに対し、リミッタ回数の値が「1」でないことを確認した場合(ステップS804:No)、演出制御CPU126はステップS802を実行する。なお、この手順でリミッタ回数の値が「1」でないということは、リミッタ回数の値が「3」でも「1」でもないことになるため、結果としてリミッタ回数の値が「2」であり、初回を含めて大当り2回目ということになる。
リミッタ回数が「1」であった場合(ステップS804:Yes)は以下の手順となる。
ステップS806:ここで演出制御CPU126は、作動記憶内の大当り決定乱数に低確率状態でも大当りとなる当選値が存在するか否かを確認する。ここでの確認は、主制御CPU72から受信した特図先判定演出コマンドに基づいて行うことができる。本実施形態では、主制御CPU72が大当り遊技中も取得時演出判定処理(図13)を実行しているため、大当り遊技中に大当り決定乱数の作動記憶が新たに追加された場合であっても、当該作動記憶についての特図先判定演出コマンドを演出制御CPU126で受信することができる。
確認の結果、現状の作動記憶内に低確率状態でも大当りとなる大当り決定乱数が存在しない場合(ステップS806:No)、演出制御CPU126はステップS810に進む。
ステップS810:そして演出制御CPU126は、今回の当選図柄が「11ラウンド確変出玉あり図柄B」であるか否かを確認する。この確認は、RAM130のコマンドバッファ領域に保存されている特別図柄停止図柄コマンドに基づいて行うことができる。確認の結果、「11ラウンド確変出玉あり図柄B」を表す特別図柄停止図柄コマンドが保存されていた場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS812を実行する。
ステップS812:この場合、演出制御CPU126は権利BET演出選択処理を実行する。この処理において演出制御CPU126は、選択案内演出(図35〜図37)を実行するための演出パターンを選択する。これにより、大当り遊技中のラウンド数の進行に応じて選択案内演出が実行される(選択案内演出実行手段)。
一方、ステップS806での確認の結果、現状の作動記憶内に低確率状態でも大当りとなる大当り決定乱数が存在していた場合(ステップS806:Yes)、演出制御CPU126はステップS808に進む。
ステップS808:この場合、演出制御CPU126は非確変選択示唆演出選択処理を実行する。この処理において演出制御CPU126は、非確変選択示唆演出(図43)を実行するための演出パターンを選択する。これにより、大当り遊技中のラウンド数の進行に応じて非確変選択示唆演出が実行されることになる(非確変選択示唆演出実行手段)。
ここで、一般大役中演出や選択案内演出、非確変選択示唆演出に用いる各種画像データは、例えば予め演出表示制御装置144(VDP152)の画像ROM154に記憶されており、演出制御CPU126は、大当り遊技の進行具合に基づいて各種画像データを適宜読み出すことにより各種演出を実行することができる。
以上の処理を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(図46)に復帰する。
なお、図48のフローチャートにおいて、ステップS800より前に(リミッタ残数に関係なく)ステップS806を実行してもよい。例えば、最初に演出制御CPU126がステップS806の判断を行い、作動記憶内に低確率状態でも当選となる大当り決定乱数が存在する場合(Yes)、そのままステップS808を実行することとしてもよい。一方、作動記憶内に低確率状態でも当選となる大当り決定乱数が存在しなければ(No)、演出制御CPU126はステップS800以降の手順を実行するものとする。また、ステップS804の判断で「リミッタ残数=1」であれば(Yes)、演出制御CPU126はステップS810に進むものとする。
上記の手順であれば、例えば初当り時(リミッタ残数=3)の大当り遊技中であっても、非確変選択ゲート31に遊技球を通過させる操作を遊技者が行えば、初当り(1回目)を消化後にまた4回分の大当りの権利が保証されるので、遊技者の利益を充分に確保することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、遊技者がグリップユニット16を操作して遊技球の打ち出しを継続するか停止するかを判断することにより、花火モード(高確率時間短縮状態)に移行させてワンセット分の出球を取りきるか、ワンセット分の出球を取りきらずに、ロングチャンスモード(第2低確率時間短縮状態)に移行させて連荘率を向上させるかを選択することができるので、遊技者に遊技内容を選択させる際に斬新な選択手法を提供することができる。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様は例示であり、上述した演出の態様に限定されるものではない。
一実施形態では、非確変領域を有した非確変選択ゲート31を用いて「非確変選択」を実現しているが、非確変領域を有した第2の可変入賞装置を盤面の右側部分に設置してもよい。この場合、例えば11ラウンド出玉あり遊技の最終ラウンドで第2の可変入賞装置を開閉動作させ、そこで遊技者が「右打ち」を実行して遊技球を入賞させることにより、リミッタ未到達時の大当り遊技中において「非確変選択」を実現することができる。
あるいは、非確変選択ゲート31に代えて確変領域を有した別のゲート(確変選択ゲート)を用いてもよい。この場合、大当り遊技中に遊技者が「右打ち」を実行し、確変選択ゲートに遊技球を通過させた場合は「非確変選択せず」となり、逆に「右打ち」を実行せずに確変選択ゲートに遊技球を通過させなかった場合は「非確変選択」を実現することができる。
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な設定値、リミッタ回数の設定値、当選図柄の種類や振り分けの比率、当選図柄別ラウンド数、時短回数等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。