JP2021037240A - 遊技機 - Google Patents

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Toshihiko Kito
俊彦 鬼頭
武臣 井本
Takeomi Imoto
武臣 井本
充慶 後藤
Mitsuyoshi Goto
充慶 後藤
貴紀 澄川
Takanori Sumikawa
貴紀 澄川
大輔 薗田
Daisuke Sonoda
大輔 薗田
暢紘 鈴木
Nobuhiro Suzuki
暢紘 鈴木
隆志 関
Takashi Seki
隆志 関
久哲 村井
Hisaaki Murai
久哲 村井
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Abstract

【課題】斬新な遊技性を発揮する。【解決手段】ボタン連打演出の実行中に、現在のインデックス(NowIndex)と変動最大値(MaxIndex)との乖離が一定数以上になった場合、乖離幅が指定された範囲以下になるまで抽選結果に関わらず現在のインデックスを更新(+1)している。また、レバー部材の操作により、強制的に現在のインデックスを固定最大値まで進行させている。これにより、現在のインデックスを進める抽選に連続して当選しなかった場合、正しくプッシュボタンを押下しているにも関わらず、シナリオが進行しないということがなくなる。また、プッシュボタンの有効時間が終了する間際に、一度だけプッシュボタンを押下すれば最終的な結果とほぼ同等の演出が見られてしまうことを防ぐことができる。さらに、プッシュボタンを連打又は長押ししたくない遊技者は、レバー部材を操作することでいち早く最終結果を確認することができる。【選択図】図68

Description

本発明は、遊技を実行する遊技機に関する。
従来、始動入賞口に遊技球が入球したことを条件として大当り抽選が実行され、大当り抽選の結果に基づいて特別図柄が変動表示される遊技機がある。このような遊技機では、大当り抽選が実行されると、特別図柄表示装置において特別図柄の変動表示が実行され、変動時間が終了すると、特別図柄表示装置において特別図柄が停止表示される。そして、特別図柄表示装置に、大当りに対応する図柄が停止表示されると、大当り遊技が実行される。
また、近年では、操作手段を備える遊技機が多くなってきている。例えば、特許文献1には、連打カウンタ値が閾値に達すると、演出終了タイマの残り時間が残っている場合でも、カウントダウン演出が開始される内容が記載されている。
また、従来、遊技の制御や遊技に伴う演出の制御には、様々な手法が採用されている(例えば、特許文献2を参照。)。
また、特許文献3には、電源投入を検出した場合、所定条件成立までの間に単色発光部の同時点灯数を制限しながら多色発光部を1回以上点灯させる制御を実行する遊技機が記載されている。
また、特許文献4には、動作範囲同士が互いに干渉する複数の可動役物を含んだグループ内の1つでも所定位置が検出されない不具合があったとき、各可動役物同士が物理的に干渉することのない動作シーケンスに従って、当該グループ内の全ての可動役物をそれぞれの初期位置に復帰動作させる制御を実行する遊技機が記載されている。
また、特許文献5には、いわゆる1種2種混合機のゲーム性を有する遊技機が記載されている。
特開2013−180137号公報 特開2016−165643号公報 特開2018−171305号公報 特開2017−185205号公報 特開2015−208334号公報
近年では遊技性の低下を抑えることが望まれている。
そこで、本発明は、遊技性の低下を抑える技術の提供を課題とする。
上述したように、操作手段を備えることにより、様々な遊技性が発揮される。
しかし、近年では、いずれも似通った遊技性を有する遊技機ばかりが提案されており、斬新な遊技性が望まれている。
本発明は、斬新な遊技性を発揮することができる技術の提供を課題とする。
限られた資源の範囲内で制御を確実に行うためには、制御の手法に更なる改善が求められる。
本発明は、制御の手法に特徴を有した遊技機の提供を課題とする。
近年では、いずれも似通った遊技機ばかりが提案されており、斬新な遊技機が望まれている。
本発明は、斬新な遊技機を提供することを課題とする。
〔解決手段A群〕
本発明は、上述した課題を解決するため以下の解決手段を採用する。なお、以下の解決手段及び括弧書中の文言はあくまで例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。また、本発明は、以下の解決手段に示す各発明特定事項を少なくとも1つ含む発明とすることができる。さらに、以下の解決手段に示す各発明特定事項には、発明特定事項を限定する要素を追加して下位概念化することができ、発明特定事項を限定する要素を削除して上位概念化することもできる。
解決手段1:本解決手段の遊技機は、操作入力を受け付け可能な操作手段と、前記操作手段を利用して、演出の段階を第1段階から最終段階まで段階的に進行させる段階演出を実行可能とする段階演出実行手段と、前記操作手段の操作を有効とする有効時間が開始してから終了するまでにおいて、所定の条件が満たされていなければ、第1進行態様によって前記段階演出の演出の段階を進め、前記所定の条件が満たされていれば、前記第1進行態様とは異なる第2進行態様によって前記段階演出の演出の段階を進める進行演出を実行可能とする進行演出実行手段とを備えることを特徴とする遊技機である。
本解決手段の遊技機は、以下の構成を備えている。
(1)操作入力(遊技者による操作、1回押し、連打、長押し等)を受け付け可能な操作手段(プッシュボタン、レバー部材、十字ボタン等)が設けられている。
(2)上記(1)の操作手段を利用して、演出の段階を第1段階から最終段階まで段階的に進行させる段階演出(ボタン演出、ボタン押下演出、ボタン連打演出、ボタン長押し演出、レバー部材操作演出等)を実行可能とする。
段階演出は、演出の段階が最終段階に到達する演出であってもよく、最終段階に到達しない演出であってもよい。また、段階演出は、演出の段階が1段階ずつ進行しない演出(1つ飛ばし等の任意の段階に進行する演出)であってもよい。
段階演出では、演出の段階が最終段階に到達すれば成功とし、演出の段階が最終段階に到達しなければ失敗とすることができる。成功となる場合、失敗となる場合と比較して遊技者にとって有利な演出(大当りとなる演出、当選の期待度を示唆する演出、別の演出に発展する演出、リーチ演出、確変昇格演出、ラウンド継続演出等)を実行することができる。
(3)上記(1)の操作手段の操作を有効とする有効時間が開始してから終了するまでにおいて、所定の条件が満たされていなければ(レバー部材が操作されていなければ、MaxIndexとNowIndexの乖離が一定数以上でなければ)、第1進行態様によって段階演出の演出の段階を進め、所定の条件が満たされていれば(レバー部材が操作されていれば、MaxIndexとNowIndexの乖離が一定数以上であれば)、第1進行態様とは異なる第2進行態様によって段階演出の演出の段階を進める進行演出を実行可能とする。
ここで、「異なる」とは、段階演出の段階の進行具合が異なる態様(例えば、一方は1段階ずつ進行するが、他方は1段階ずつ進行しない態様)であってもよく、段階演出の段階の進行具合は異ならないが進行タイミングが異なる態様(例えば、一方は1段階ずつ進行し、他方も1段階ずつ進行するが、進行する時間的なタイミングが異なる態様)であってもよい。
本解決手段によれば、所定の条件が満たされているか否かによって、段階演出の進行具合が異なる内容となるため、段階演出の進行具合が1種類しか存在しない方式と比較して、演出のバリエーションを増加させることができ、結果として、斬新な遊技性を発揮することができる。
解決手段2:本解決手段の遊技機は、上述したいずれかの解決手段において、前記操作手段は、第1操作手段及び第2操作手段を備え、前記進行演出実行手段は、前記第1操作手段が操作されると、前記進行演出を実行可能とし、前記第2操作手段が操作されると、前記段階演出の最終的な結果を報知する特別報知演出を実行可能とすることを特徴とする遊技機である。
本解決手段では、以下の特徴が追加される。
(1)操作手段は、第1操作手段(プッシュボタン)及び第2操作手段(レバー部材)を備えている。
(2)進行演出実行手段は、第1操作手段が操作されると、進行演出を実行可能とする。
(3)進行演出実行手段は、第2操作手段が操作されると、段階演出の最終的な結果を報知する特別報知演出を実行可能とする。特別報知演出を実行する場合、進行演出を実行してから特別報知演出を実行してもよく、進行演出を実行せずに特別報知演出を実行してもよい。特別報知演出では、成功の結果又は失敗の結果を報知可能である。
本解決手段によれば、第1操作手段を操作するか第2操作手段を操作するかによって演出の内容が異なる内容となるため、いずれの操作手段を操作しても同一の演出が実行される方式や、いずれかの操作手段しか操作することができない方式と比較して、演出のバリエーションを増加させることができ、結果として、斬新な遊技性を発揮することができる。
また、本解決手段によれば、第2操作手段を操作すれば、段階演出の最終的な結果が報知されるので、遊技者は、いち早く最終的な結果を確認することができる。
解決手段3:本解決手段の遊技機は、上述したいずれかの解決手段において、前記第1進行態様は、前記有効時間の経過に応じて、前記段階演出の演出の段階を1段階ずつ次の段階に進める態様であり、前記第2進行態様は、前記有効時間の経過とは無関係に、前記段階演出の演出の段階を1段階ずつ次の段階に進める態様であることを特徴とする遊技機である。
本解決手段では、以下の特徴が追加される。
(1)第1進行態様は、有効時間の経過に応じて、段階演出の演出の段階を1段階ずつ次の段階に進める態様である。
(2)第2進行態様は、有効時間の経過とは無関係に、段階演出の演出の段階を1段階ずつ次の段階に進める態様である。
本解決手段によれば、有効時間の経過に応じて、段階演出の演出の段階を1段階ずつ次の段階に進めたり、有効時間の経過とは無関係に、段階演出の演出の段階を1段階ずつ次の段階に進めたりするので、有効時間の経過具合がどのようなものであっても、段階演出の演出の段階を確実に1段階ずつ次の段階に進めることができ、結果として、斬新な遊技性を発揮することができる。
〔解決手段B群〕
本発明は、上述した課題を解決するため以下の解決手段を採用する。なお、以下の括弧書中の文言はあくまで例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。また、本発明は、以下の解決手段に示す各発明特定事項を少なくとも1つ含む発明とすることができる。さらに、以下の解決手段に示す各発明特定事項には、発明特定事項を限定する要素を追加して下位概念化することができ、発明特定事項を限定する要素を削除して上位概念化することもできる。
解決手段1:本解決手段の遊技機は、演出動作を実行する演出動作実行手段と、前記演出動作実行手段に実行させる演出動作を一意に特定するための演出動作命令を発行する演出制御手段と、前記演出動作命令を記憶可能な記憶手段と、前記演出動作命令を参照して1以上の前記演出動作命令と対応付けられた1つの演出動作を特定し、所定の条件を満たさない場合には、前記特定された演出動作を前記演出動作実行手段に実行させる一方、前記所定の条件を満たす場合には、前記特定された演出動作の少なくとも一部を制限して前記演出動作実行手段に実行させることを可能とする演出動作制御手段とを備えている。
本解決手段の遊技機は、以下の特徴を有している。
(1)遊技球が発射されると、障害釘や風車、構造物等に案内されながら遊技領域内を流下し、その過程で何らかの領域を通過したり、各種の入球口に入球したりする。遊技領域内で発生するこれらの事象に応じて、遊技の進行が制御される。
(2)遊技の進行に伴い、演出動作実行手段により各種の演出動作が実行される。演出動作実行手段は、演出動作を実行するデバイスであり、例えば、液晶表示器、スピーカ、ランプや可動体等がこれに該当する。
(3)演出の進行は、演出制御手段により制御される。具体的には、演出制御手段によって上記(2)の演出動作実行手段に実行させる演出動作を一意に特定するための演出動作命令(例えば、コマンド)が発行され、これにより、演出に関する指示がなされる。
(4)上記(3)の演出動作命令は、記憶手段(例えば、RAM)により一時的に記憶されうる。
(5)上記(2)の演出動作実行手段による演出動作の実行は、演出動作制御手段により制御される。具体的には、演出動作制御手段は、先ず演出動作命令を参照する。参照は、上記(4)の記憶手段に記憶された演出動作命令を対象として行ってもよいし、或いは、記憶手段に記憶された後に転送等がなされた演出動作命令を対象として行ってもよい。いずれにしても、演出動作制御手段は、演出制御手段により発行されたものと同一の演出動作命令を参照する。その上で、1以上の演出動作命令と対応付けられた1つの演出動作を特定して上記(2)の演出動作実行手段に実行させる。すなわち、演出動作命令と演出動作とは、1対1で対応付けられる場合もあれば、多対1で対応付けられる場合もある。
また、演出動作制御手段は、所定の条件(例えば、異常やエラー等の発生)を満たさない場合には、特定された演出動作を演出動作実行手段に実行させる。これに対し、所定の条件を満たす場合(例えば、異常やエラー等が発生した場合)には、特定された演出動作の少なくとも一部を制限して演出動作実行手段に実行させることが可能である。このような制御の結果として、一部が制限される場合には、特定された演出動作のうち制限されていない部分のみが演出動作実行手段により実行され、全部が制限される場合には、特定された演出動作は一切実行されないこととなる。
デバイス(演出実行手段)に実行させる演出動作の内容は、先ず、全体としての指示(演出制御手段による指示)がなされ、その指示に基づいてデバイス側の制御手段(演出動作制御手段)でさらなる演出抽選が行われて抽選結果に基づき最終的に決定される、すなわち、全体としての指示に対してランダムな要素が加味された内容に決定されるのが一般的である。この場合には、デバイス側の制御手段による制御は複雑化し易い。
これに対し、本解決手段においては、デバイス側の制御手段はさらなる演出抽選を行うことなく、演出動作命令と対応付けられた演出動作をデバイスに実行させる。したがって、本解決手段によれば、デバイス側の制御手段による制御を簡潔に実装することができ、結果として演出動作の実行を効率よく制御することができる。
解決手段2:本解決手段の遊技機は、解決手段1において、複数種類の前記演出動作実行手段と、個々の前記演出動作実行手段に対応する複数種類の前記演出動作制御手段とを備えており、複数種類の前記演出動作制御手段は、それぞれが対応する前記演出動作実行手段に対し、同一の前記演出動作命令に対応付けられた個々の前記演出動作実行手段に固有の演出動作を実行させることが可能である。
本解決手段には、以下の特徴が追加される。
(6)上記(2)の演出実行手段として、複数種類のデバイス(例えば、液晶表示器、スピーカ、ランプや可動体等のうち複数のデバイス)が設けられている。
(7)また、上記(5)の演出動作制御手段として、各種類のデバイスに対応して複数種類の演出動作制御手段(例えば、複数種類のデバイスが液晶表示器とスピーカである場合には、液晶表示器に対応する表示制御部とスピーカに対応する音声制御部)が設けられている。
(8)上記(7)の複数種類の演出動作制御手段は、それぞれが対応する演出動作実行手段に対し、同一の演出動作命令に対応付けられた個々の演出動作実行手段に固有の演出動作を実行させる(例えば、演出動作命令が「会話予告1」である場合には、液晶表示器には「会話予告1」に対応付けられた演出画像の表示を実行させ、スピーカには「会話予告1」に対応付けられた音声の出力を実行させる)ことができる。なお、状況によっては、いずれかの演出動作実行手段は演出動作を実行しなくてもよい。例えば、複数種類のうちいずれかの演出動作実行手段には関係のない演出動作命令が発行された場合には、その演出動作実行手段は、演出動作命令に沿った演出動作を実行しない。
本解決手段によれば、複数種類のデバイスに対し、同一の演出動作命令と対応付けられた個々のデバイスに固有の演出動作を実行させることができるため、同一の演出動作命令により複数種類のデバイスの動作をまとめて制御することができ、演出動作の実行をさらに効率よく制御することができる。
解決手段3:本解決手段の遊技機は、解決手段1又は2において、遊技中に抽選契機が発生すると、所定の抽選を実行する抽選実行手段と、前記所定の抽選が実行されると、抽選結果に応じて決定された変動時間にわたり図柄を変動表示させた後に停止表示させる図柄表示手段と、前記図柄の変動時間内に、前記図柄に対応して表示される所定の演出図柄を変動させ、その変動中に前記演出図柄を1回又は複数回にわたり擬似的に停止させることが可能な擬似変動演出を実行する擬似変動演出実行手段とをさらに備え、前記記憶手段は、前記擬似変動演出に関連して発行される演出命令を一時的に記憶する擬似用領域を有している。
本解決手段には、以下の特徴が追加される。
(9)遊技中に抽選契機が発生すると(始動入賞口に遊技球が入球すると)、抽選実行手段により所定の抽選(特別図柄抽選)が実行される。
(10)上記(9)の所定の抽選が実行されると、図柄表示手段により、抽選結果に応じて決定された変動時間にわたって図柄(特別図柄)が変動表示された後に停止表示される。図柄の停止表示態様は、所定の抽選の結果を表すものとなる。
(11)上記(10)の変動時間内に、擬似変動演出実行手段により擬似変動演出が実行され、図柄に対応して表示される所定の演出図柄(例えば、液晶表示器に表示される演出図柄)が変動表示される。また、この変動表示中には、演出図柄が1回又は複数回にわたって擬似的に停止されうる。言い換えると、擬似変動演出の実行中には、演出図柄の変動表示が擬似的に停止される場合があり、演出図柄が擬似的に停止されるまでの変動を擬似変動と捉えると、図柄の変動中には、0回以上の擬似変動がなされた後に最終的な変動(本変動)がなされることとなる。
(12)上記(4)の記憶手段には、擬似用領域が設けられる。この擬似用領域には、上記(11)の擬似変動演出に関連して発行される演出命令が一時的に記憶される。
図柄の変動開始前には、変動開始後に実行される演出、すなわち擬似変動演出(擬似変動及び本変動)に関連して実行される様々な演出の内容が演出抽選等の結果に応じて決定され、決定された演出の内容に対応する演出命令が発行される。本解決手段によれば、記憶手段に擬似用領域が設けられるため、擬似変動演出に関連して発行される演出命令を擬似用領域に一旦記憶させることができる。
解決手段4:本解決手段の遊技機は、解決手段3において、前記演出制御手段は、特徴の異なる演出が実行される複数の演出モードのうちいずれかにおける演出に関して前記演出命令を発行し、前記記憶手段は、前記演出モードにおいて実行されうる前記擬似変動演出における擬似的な停止の最大回数に応じた数分の前記擬似用領域を前記演出モード別に有している。
(13)特徴の異なる演出が実行される複数の演出モード(例えば、地球モード及び宇宙モード)が用意されており、いずれかの演出モード(例えば、遊技者により選択された演出モード)における演出に関する演出命令が、上記(3)の演出制御手段により発行される。
(14)上記(4)の記憶手段には、上記(12)の擬似用領域が上記(13)の演出モード別に設けられる。具体的には、個々の演出モードにおいて実行されうる上記(11)の擬似変動演出における擬似的な停止の最大回数(例えば、地球モードでは6回、宇宙モードでは30回)に応じた数分の擬似用領域(例えば、各モードにおける擬似的な停止の最大回数に1を加算した個数の擬似用領域:地球モードに対しては7個の擬似用領域、宇宙モードに対しては31個の擬似用領域)が、それぞれ設けられる。
本解決手段においては、擬似用領域が演出モード別に設けられ、各演出モードに対して擬似的な停止の回数に応じた個数の擬似用領域が設けられる。したがって、本解決手段によれば、擬似用領域内の構造を各演出モードでの使用に適した構造とすることができるとともに、擬似用領域を各演出モードでの使用に適した数分だけ確保することができるため、擬似用領域のために不必要な領域を確保することなく記憶手段の内部領域の使用量を最小限に抑制することができる。また、各演出モードにおいて擬似用領域のために確保される領域のサイズが最小限に抑制されることから、擬似用領域の初期化を短時間で行うことができ、制御処理の効率を向上させることが可能となる。
〔解決手段C群〕
本発明は、上述した課題を解決するため以下の解決手段を採用する。なお、以下の解決手段及び括弧書中の文言はあくまで例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。また、本発明は、以下の解決手段に示す各発明特定事項を少なくとも1つ含む発明とすることができる。さらに、以下の解決手段に示す各発明特定事項には、発明特定事項を限定する要素を追加して下位概念化することができ、発明特定事項を限定する要素を削除して上位概念化することもできる。
解決手段1:本解決手段の遊技機は、第1演出を実行可能な第1演出実行手段と、前記第1演出と同時期に実行されると演出進行に係る所定条件を満たす第2演出を実行可能な第2演出実行手段と、前記第1演出の終了後に前記第2演出を開始可能とする演出制御手段とを備える遊技機である。
本解決手段の遊技機は、以下の構成を備えている。
(1)第1演出を実行可能な第1演出実行手段が設けられている。第1演出は、第1位置から第2位置に可動体を可動させる可動演出、発光手段(ランプ、LED)を発光(虹色点灯、単色点灯)させる発光演出、又は、遊技機に設けられる所定の操作部材や可動体、特定部位を振動させる若しくは特定部位から風や音を出力する強調演出の少なくとも1つを含む演出である。
(2)第2演出を実行可能な第2演出実行手段が設けられている。第2演出は、上記(1)の第1演出とは異なる種類の可動演出、発光演出、又は、強調演出の少なくとも1つを含む演出である。第2演出は、第1演出と同時期に実行されると演出進行に係る所定条件(動作支障の成立)を満たす演出である。
(3)可動演出又は強調演出の少なくともいずれかに係る第1演出と同時期に実行されると演出進行に係る所定条件(動作支障の成立)を満たす発光演出(第2演出)について、第1演出の終了後(例えば、動作終了に達したことを示す物理的検出後)に第2演出を開始(実行制限)可能とする。
また、発光演出又は強調演出の少なくともいずれかに係る第1演出と同時期に実行されると演出進行に係る所定条件(動作支障の成立)を満たす可動演出(第2演出)について、第1演出の終了後(例えば、電流低下に達したことを示す電流検出後)に第2演出を開始(実行制限)可能とする。
さらに、可動演出又は発光演出の少なくともいずれかに係る第1演出と同時期に実行されると演出進行に係る所定条件(動作支障の成立)を満たす強調演出(第2演出)について、第1演出の終了後に第2演出を開始(実行制限)可能とする。
つまり、演出制御手段(中央演算処理装置)は、可動演出、発光演出又は強調演出の少なくともいずれかに係る第1演出の終了となった確認の判定後に、第1演出とは異なる種類の可動演出、発光演出又は強調演出の第2演出を開始可能とする。なお、第2演出は、第1演出と同種の演出であってもよい。
本解決手段によれば、第1演出の終了後に第2演出を開始可能とするため、第1演出の実行中に第2演出が開始されて演出進行に係る所定条件を満たす(例えば、所定の電流値制限を超える、遊技機の動作障害や故障等の異常が発生する、演出の視認性が低下する)ような状況が発生することがなくなる。これにより、遊技機の品質を向上させつつ、所定条件を満たすこと(例えば、電流値制限の問題等)を回避することができ、結果として、斬新な遊技機を提供することができる。
解決手段2:本解決手段の遊技機は、上述したいずれかの解決手段において、前記第1演出は、第1位置から第2位置に可動体を可動させる可動演出であり、前記第2演出は、発光手段を発光させる発光演出であり、前記可動体が前記第2位置にあることを検出する検出手段を備え、前記演出制御手段は、前記可動体が前記第1位置から前記第2位置に移動し、前記検出手段による前記検出がされた場合に、前記可動演出が終了したものとして、前記発光演出を開始可能とすることを特徴とする遊技機である。
本解決手段では、以下の特徴が追加される。
(1)第1演出は、第1位置(原点位置)から第2位置(可動位置)に可動体を可動させる可動演出である。
(2)第2演出は、発光手段(ランプ、LED)を発光させる発光演出である。
(3)可動体が第2位置にあることを検出する検出手段(フォトセンサ)を備える。
(4)演出制御手段は、可動体が第1位置から第2位置に移動し、上記(3)の検出手段により可動体が第2位置にあることが検出された場合に、可動演出が終了したものとして、発光演出を開始可能とする。
本解決手段によれば、検出手段により可動体が第2位置にあることの検出がされることに基づいて遊技者への報知(可動演出)として成立し得る可動位置を越えた最大可動位置まで移動した場合(第2押込動作の達成時)に、可動演出が終了したものとして、通常とは異なる特定の発光演出(例えば、通常と比較して遊技者に強くアピールする強発光)を開始可能とするため、実際に可動体が第2位置に移動したという事実に基づいて該特定の発光演出を開始することができる。このため、モータに関する所定ステップ数の動作後や所定時間の経過後に発光演出を開始する方式(制御処理の実行に基づく命令監視)と比較すると、検出手段による物理的な検出監視(ON/OFFに基づくフラグ制御)により確実に可動演出が終了してから上述の発光演出を開始することができるという利点がある。これにより、より一層、遊技機の品質を向上させつつ、所定条件を満たすこと(電流値制限の問題)を確実に回避することができ、結果として、斬新な遊技機を提供することができる。
〔解決手段D群〕
本発明は、上述した課題を解決するため以下の解決手段を採用する。なお、以下の解決手段及び括弧書中の文言はあくまで例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。また、本発明は、以下の解決手段に示す各発明特定事項を少なくとも1つ含む発明とすることができる。さらに、以下の解決手段に示す各発明特定事項には、発明特定事項を限定する要素を追加して下位概念化することができ、発明特定事項を限定する要素を削除して上位概念化することもできる。
解決手段1:本解決手段の遊技機は、遊技中に抽選契機が発生すると、所定の抽選を実行する抽選実行手段と、前記所定の抽選が実行された場合、所定の変動時間にわたって図柄を変動表示させた後に、前記所定の抽選の結果に応じた態様で前記図柄の停止表示を可能とする図柄表示手段と、前記図柄の変動表示中に所定動作を行い得る可動体と、前記可動体が配置されている位置を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記可動体が所定位置にあるか否かの判断処理を実行し、前記可動体が前記所定位置にないと判断した場合、前記可動体を前記所定位置に移動させる移動処理を実行可能とする可動体制御手段とを備え、前記判断処理は、前記図柄の変動表示の開始から前記図柄の停止表示の終了までの間に、互いに異なる判断契機に基づいて実行可能とされることを特徴とする遊技機である。
本解決手段の遊技機は、以下の構成を備えている。
(1)遊技中に抽選契機が発生すると(始動入賞口に遊技球が入球すると)、所定の抽選(特別図柄抽選)を実行する。
(2)上記(1)の所定の抽選が実行された場合、所定の変動時間にわたって図柄(特別図柄)を変動表示させた後に、上記(1)の所定の抽選の結果に応じた態様で図柄の停止表示を可能とする。
(3)図柄の変動表示中に所定動作を行い得る可動体が設けられている。
(4)上記(3)の可動体が配置されている位置を検出する検出手段(例えば、可動体の原点位置及び可動位置に配置されたフォトセンサ)が設けられている。
(5)上記(4)の検出手段の検出結果に基づいて、上記(3)の可動体が所定位置にあるか否かの判断処理を実行し、上記(3)の可動体が所定位置にないと判断した場合、上記(3)の可動体を所定位置に移動させる移動処理を実行可能とする。所定位置とは、遊技状態に応じた規定の位置(正しい位置)である。所定位置は、第1位置(初期位置)又は第2位置(可動位置)である。
(6)上記(5)の判断処理は、図柄の変動表示の開始から図柄の停止表示の終了までの間に、互いに異なる判断契機に基づいて実行可能とされる。判断処理は、複数回の判断契機に基づいて複数回実行される。
判断処理は、図柄の変動表示中に1回実行し、図柄の停止表示中に1回実行してもよい。
また、判断処理は、図柄の変動表示中に2回実行し、図柄の停止表示中に実行しないようにしてもよい。
さらに、判断処理は、図柄の変動表示中に実行せず、図柄の停止表示中に2回実行してもよい。
なお、判断処理の実行回数は、2回に限定されるものではなく、3回以上であってもよい。
本解決手段によれば、1回の図柄の変動遊技(図柄の変動表示の開始から図柄の停止表示の終了までの間)において、判断処理を複数回実行可能とするため、1回の図柄の変動遊技において、通常状態(初期設定)中の特定態様に係る特定位置(例えば、図柄変動の開始時の非演出位置)に可動体を一義的に配置補正してから、特定状態(動物モード)中の所定態様に係る所定位置に配置補正させる1回の判断処理しか実行しない方式と比較して正常な遊技を提供する(処理ミスを抑制する)ことができるだけでなく、互いに異なる判断契機(例えば、1回の図柄変動内の序盤と終盤)に応じた判断処理の専門性を向上させたり、1回の図柄変動内の判断契機となるときの判断処理で用いるデータ量を軽減可能としたりすることができ(遊技状態の種別変化に対応可能な判断処理の汎用化を図ることができ)、結果として、斬新な遊技機を提供することができる。
解決手段2:本解決手段の遊技機は、上述したいずれかの解決手段において、前記移動処理として、所定態様に係る予め定められた第1位置に前記可動体を移動可能な第1移動処理を実行可能とする第1移動処理実行手段と、前記移動処理として、特定態様に係る予め定められた第2位置に前記可動体を移動可能な第2移動処理を実行可能とする第2移動処理実行手段とを備え、前記可動体制御手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記可動体が前記第1位置又は前記第2位置に基づく前記所定位置にあるか否かの判断処理を実行し、前記可動体が前記所定位置にないと判断した場合、前記互いに異なる判断契機に基づいて前記第1移動処理又は前記第2移動処理を実行可能とすることを特徴とする遊技機である。
本解決手段では、以下の特徴が追加される。
(1)移動処理として、所定態様に係る予め定められた第1位置(位置A、初期位置)に可動体を移動可能な第1移動処理(第1補正処理)を実行可能とする。
(2)移動処理として、特定態様に係る予め定められた第2位置(位置B、可動位置)に可動体を移動可能な第2移動処理(第2補正処理)を実行可能とする。
(3)検出手段の検出結果に基づいて、可動体が第1位置又は第2位置に基づく所定位置にあるか否かの判断処理を実行し、可動体が所定位置にないと判断した場合、互いに異なる判断契機に基づいて第1移動処理又は第2移動処理を実行可能とする。
本解決手段によれば、図柄の変動表示の開始から図柄の停止表示の終了までの間に、互いに異なる判断契機に基づいて第1移動処理又は第2移動処理をそれぞれ実行可能とするため、判断状況に応じた移動処理を効率よく実行することができる。
その他の解決手段:本解決手段の遊技機は、上述したいずれかの解決手段において、前記可動体は、複数あり、前記第1移動処理は、複数の前記可動体のうち特定の可動体を前記所定位置に移動可能な処理であり、前記第2移動処理は、全ての可動体又は前記特定の可動体以外の可動体を前記特定位置に移動可能な処理であることを特徴とする遊技機である。
本解決手段では、以下の特徴が追加される。
(1)可動体は、複数ある。
(2)第1移動処理は、複数の前記可動体のうち特定の可動体を所定位置に移動可能な処理である。
(3)第2移動処理は、全ての可動体又は特定の可動体以外の可動体を特定位置に移動可能な処理である。
第1移動処理を実行可能な判断契機は、図柄変動の終了時(抽選結果の報知時)とすることで、所定演出に基づいて変位させた一又は複数の可動体、又は、特定の可動体以外の可動体を図柄変動の開始時の特定位置へ復帰させる確実化が図れる(次回の図柄変動前に初期化補正を行える)ので、好適である。
第2移動処理を実行可能な時期は、第2位置(位置B)から第1位置(位置A)に移動させるのに要する時間よりも後(変動開始後45フレーム経過後)にすることで、第1移動処理の実行(補正)と特定の演出中に基づく第2移動処理の実行との重畳処理を回避することができ好適である。
その他の解決手段:本解決手段の遊技機は、上述したいずれかの解決手段において、前記可動体は、複数あり、複数の前記可動体のうち特定の可動体は、第1位置から第2位置まで可動可能であり、第1状態では前記第1位置にあり、第2状態では前記第2位置にあり、前記可動体制御手段は、前記第1状態である場合、前記判断処理として、前記特定の可動体が前記第1位置に配置されているか否かの第1判断処理を実行し、前記特定の可動体が前記第1位置に配置されていないと判断した場合、前記移動処理として、前記特定の可動体を前記第1位置に移動させる第1移動処理を実行可能であり、前記第2状態である場合、前記判断処理として、前記特定の可動体が前記第2位置に配置されているか否かの第2判断処理を実行し、前記特定の可動体が前記第2位置に配置されていないと判断した場合、前記移動処理として、前記特定の可動体を前記第2位置に移動させる第2移動処理を実行可能であり、前記第1状態である場合、複数の前記可動体の各可動体に実行させる動作を規定した第1テーブルに基づいて、前記第1移動処理を実行可能であり、前記第2状態である場合、複数の前記可動体のうち前記特定の可動体の動作を制限した前記第1テーブルに基づいて、前記第1移動処理を実行可能であり、かつ、前記第1テーブルにおいて動作を制限した前記特定の可動体の動作を対象にした第2テーブルに基づいて、前記第2移動処理を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
本解決手段では、以下の特徴が追加される。
(1)可動体は、複数ある。
(2)複数の可動体のうち特定の可動体(上可動体、下可動体)は、第1位置(原点位置、初期位置)から第2位置(可動位置、出現位置)まで可動可能であり、第1状態(通常モード)では第1位置にあり、第2状態(動物モード)では第2位置にある。
(3)第1状態である場合、判断処理として、特定の可動体が第1位置に配置されているか否かの第1判断処理を実行し、特定の可動体が第1位置に配置されていないと判断した場合、移動処理として、特定の可動体を第1位置に移動させる第1移動処理を実行可能である。
(4)第2状態である場合、判断処理として、特定の可動体が第2位置に配置されているか否かの第2判断処理を実行し、特定の可動体が第2位置に配置されていないと判断した場合、移動処理として、特定の可動体を第2位置に移動させる第2移動処理を実行可能である。
(5)第1状態である場合、複数の可動体の各可動体に実行させる動作を規定した第1テーブル(第1補正テーブル)に基づいて、第1移動処理を実行可能である。
(6)第2状態である場合、複数の可動体のうち特定の可動体の動作を制限した第1テーブルに基づいて、第1移動処理を実行可能であり、かつ、第1テーブルにおいて動作を制限した特定の可動体の動作を対象にした第2テーブル(第2補正テーブル)に基づいて、第2移動処理を実行可能である。
本解決手段によれば、第1状態であるか第2状態であるかによって、判断処理や移動処理の内容を異ならせることができるため、それぞれの状態に即した判断処理や移動処理を実行することができる。
また、本解決手段によれば、第1状態であっても第2状態であっても、第1テーブルは共通して用いられるテーブルであるため、テーブルの共通化によりデータ量を削減することができる。
〔解決手段E群〕
本発明は、上述した課題を解決するため以下の解決手段を採用する。なお、以下の解決手段及び括弧書中の文言はあくまで例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。また、本発明は、以下の解決手段に示す各発明特定事項を少なくとも1つ含む発明とすることができる。さらに、以下の解決手段に示す各発明特定事項には、発明特定事項を限定する要素を追加して下位概念化することができ、発明特定事項を限定する要素を削除して上位概念化することもできる。
解決手段1:本解決手段の遊技機は、所定の抽選に関する抽選要素を取得する抽選要素取得手段と、前記抽選要素を記憶可能な抽選要素記憶手段と、前記抽選要素を用いて前記所定の抽選を実行する抽選実行手段と、所定の移行条件が満たされると、第1状態から第2状態に移行可能とする状態移行手段と、前記抽選要素記憶手段の状態が特別な状態であれば、前記第1状態と前記第2状態とで、共通演出を実行可能とする演出実行手段とを備える遊技機である。
本解決手段の遊技機は、以下の構成を備えている。
(1)所定の抽選(特別図柄抽選)に関する抽選要素(特別図柄の大当り乱数、変動パターン決定乱数等)を取得する。
(2)上記(1)の抽選要素を記憶可能な抽選要素記憶手段が設けられている。抽選要素は、例えば所定の上限数まで(1つの図柄につき4個又は1個まで)記憶することができる。
(3)上記(2)の抽選要素を用いて所定の抽選を実行する。
(4)所定の移行条件が満たされた場合(時間短縮状態に移行する当選図柄に該当した場合、高確率状態に移行する当選図柄に該当した場合)、第1状態から第2状態に移行可能とする(通常状態よりも有利な有利状態に移行可能とする)。
第1状態(通常状態)とは、遊技に関して所定の条件が適用される状態であることが好ましい。
また、第2状態(有利状態)とは、所定の条件よりも有利な条件が適用される状態であることが好ましい。第2状態は、高確率状態(特別図柄抽選の当選確率が高確率である状態)又は時間短縮状態(普通図柄抽選の当選確率が高確率である状態、電チューサポート状態等)のうち少なくとも1つの状態を含む状態であることが好ましい。
(5)上記(2)の抽選要素記憶手段が特別な状態であれば(抽選要素の記憶の状態が特別な状態であれば、第2特別図柄に関する記憶数が規定数以上(例えば1以上)であれば)、第1状態と第2状態とで、共通演出(共通した内容の演出)を実行可能とする。
共通演出は、同一の背景画像を用いるモードであることが好ましい。この理由は、第2状態が終了しても、第2状態で実行しているモードが継続しているかのような印象を遊技者に対して強く与えることができるからである。
なお、共通演出は、完全に共通する演出であってもよく、少なくとも一部の要素(例えば、背景画像やモード、ステージ、BGM、登場するキャラクター等)が共通する演出であってもよい。
本解決手段によれば、抽選要素記憶手段の状態が特別な状態であれば、第1状態と第2状態とで、共通演出を実行可能とするため、遊技状態が第2状態から第1状態に移行したとしても、遊技者に対しては第2状態が継続しているかのような印象を与えることができる。これにより、遊技者の遊技意欲を向上させることができ、結果として、斬新な遊技機を提供することができる。
解決手段2:本解決手段の遊技機は、上述したいずれかの解決手段において、前記演出実行手段は、前記抽選要素記憶手段の状態が前記特別な状態でなければ、前記第1状態と前記第2状態とで、非共通演出を実行可能とすることを特徴とする遊技機である。
本解決手段では、抽選要素記憶手段の状態が特別な状態でなければ(第2特別図柄に関する記憶数が規定数未満(例えば0)であれば)、第1状態と第2状態とで、非共通演出(異なる内容の演出)を実行可能とする。
本解決手段によれば、抽選要素記憶手段の状態に応じて、共通演出が実行されたり非共通演出が実行されたりするため、共通演出の実行を望んでいる遊技者に対しては、記憶を貯めようとする動機を与えることができる。これにより、遊技者の遊技意欲を向上させることができ、結果として、斬新な遊技機を提供することができる。
本発明によれば、遊技性の低下を抑えることができる。
本発明によれば、斬新な遊技性を発揮することができる。
本発明の遊技機によれば、制御の手法に特徴を有した遊技機を提供することができる。
本発明によれば、斬新な遊技機を提供することができる。
〔図1〜図86:実施形態A〕パチンコ機の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 遊技盤ユニットを単独で示す正面図である。 第2可変入賞装置31の詳細を示す図である。 第2可変入賞装置31の詳細を示す図である。 スタート装置400の詳細を示す図である。 スタート装置400の詳細を示す図である。 スタート装置400の詳細を示す図である。 スタート装置400の詳細を示す図である。 スタート装置400の詳細を示す図である。 スタート装置400の詳細を示す図である。 スタート装置400の詳細を示す図である。 遊技盤ユニットの一部を拡大して示す正面図である。 パチンコ機に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。 リセットスタート処理の手順例を示すフローチャート(1/2)である。 リセットスタート処理の手順例を示すフローチャート(2/2)である。 電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。 割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。 スイッチ入力イベント処理の手順例を示すフローチャートである。 第1特別図柄記憶更新処理の手順例を示すフローチャートである。 第2特別図柄記憶更新処理の手順例を示すフローチャートである。 取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。 特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。 特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。 特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。 第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。 第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。 第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルの一例を示す図である。 特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。 表示出力管理処理の構成例を示すフローチャートである。 可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。 大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。 大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。 大当り時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。 小当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。 小当り時開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。 大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。 第2大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。 特定領域開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。 特定領域通過時処理の手順例を示すフローチャートである。 特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。 第1大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。 大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。 終了処理の手順例を示すフローチャートである。 ソレノイド管理処理の手順例を示すフローチャートである。 スタート装置右ソレノイド481及びスタート装置左ソレノイド491の可動パターンを示すタイミングチャートである。 通常モードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。 通常モードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。 ドライブモードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。 ドライブモードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。 特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である(1/2)。 特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である(2/2)。 非時間短縮状態での普通図柄抽選の結果が当り図柄2に該当した場合の演出例について示す連続図である(1/4)。 非時間短縮状態での普通図柄抽選の結果が当り図柄2に該当した場合の演出例について示す連続図である(2/4)。 非時間短縮状態での普通図柄抽選の結果が当り図柄2に該当した場合の演出例について示す連続図である(3/4)。 非時間短縮状態での普通図柄抽選の結果が当り図柄2に該当した場合の演出例について示す連続図である(4/4)。 大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である(1/2)。 大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である(2/2)。 ドライブモードの演出例を示す連続図である(1/3)。 ドライブモードの演出例を示す連続図である(2/3)。 ドライブモードの演出例を示す連続図である(3/3)。 非時間短縮状態でのドライブモードにおいて第2特別図柄が変動する際の演出例を示す連続図である(1/2)。 非時間短縮状態でのドライブモードにおいて第2特別図柄が変動する際の演出例を示す連続図である(2/2)。 リーチ演出中に実行されるボタン連打演出の第1演出例を示す図である(1/4)。 リーチ演出中に実行されるボタン連打演出の第1演出例を示す図である(2/4)。 リーチ演出中に実行されるボタン連打演出の第1演出例を示す図である(3/4)。 リーチ演出中に実行されるボタン連打演出の第1演出例を示す図である(4/4)。 リーチ演出中に実行されるボタン連打演出の第2演出例を示す図である。 リーチ演出中に実行されるボタン連打演出の第3演出例を示す図である。 演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。 作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。 演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。 演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。 演出図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。 可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。 時短中及び擬似時短中その他演出処理の手順例を示すフローチャートである。 ボタン連打演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。 ボタン連打演出選択処理の手順例を示すフローチャートである。 ボタン連打演出開始時処理の手順例を示すフローチャートである。 ボタン連打演出実行中処理の手順例を示すフローチャートである。 ボタン押下処理の手順例を示すフローチャートである。 レバー入力処理の手順例を示すフローチャートである。 ボタン連打演出終了時処理の手順例を示すフローチャートである。 ボタン連打演出の成功シナリオ及び失敗シナリオの一例を示す図である。 成功シナリオの動作イメージを示す図である。 失敗シナリオの動作イメージを示す図である。 〔図87〜図164:実施形態B〕パチンコ機の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 遊技盤ユニットを単独で示す正面図である。 第2可変入賞装置31の詳細を示す図である。 第2可変入賞装置31の詳細を示す図である。 遊技盤ユニットの一部を拡大して示す正面図である。 パチンコ機に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。 演出制御装置内の機能構成を示すブロック図である。 リセットスタート処理の手順例を示すフローチャート(1/2)である。 リセットスタート処理の手順例を示すフローチャート(2/2)である。 リセットスタート処理の第2手順例を示すフローチャートである。 準備中処理の手順例を示すフローチャートである。 電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。 割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。 スイッチ入力イベント処理の手順例を示すフローチャートである。 第1特別図柄記憶更新処理の手順例を示すフローチャートである。 第2特別図柄記憶更新処理の手順例を示すフローチャートである。 取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。 特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。 特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。 特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。 第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。 第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。 第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルの一例を示す図である。 特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。 変動パターンテーブルの一覧を示す図である。 非時間短縮状態からの大当りで大当り遊技の変動が第1特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。 非時間短縮状態からの大当りで大当り遊技後の変動が第2特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。 時間短縮状態からの大当りで大当り遊技の変動が第1特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。 時間短縮状態からの大当りで大当り遊技後の変動が第2特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。 表示出力管理処理の構成例を示すフローチャートである。 可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。 大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。 大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。 大当り時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。 小当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。 小当り時開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。 大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。 第2大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。 特定領域開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。 特定領域通過時処理の手順例を示すフローチャートである。 特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。 第1大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。 大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。 終了処理の手順例を示すフローチャートである。 通常モードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。 時間短縮状態のドライブモードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。 非時間短縮状態のドライブモードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。 特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である(1/2)。 特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である(2/2)。 大当り時に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である(1/3)。 大当り時に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である(2/3)。 大当り時に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である(3/3)。 大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である(1/2)。 大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である(2/2)。 ドライブモードの演出例を示す連続図である(1/3)。 ドライブモードの演出例を示す連続図である(2/3)。 ドライブモードの演出例を示す連続図である(3/3)。 非時間短縮状態でのドライブモードにおいて第2特別図柄が変動する際の演出例を示す連続図である(1/2)。 非時間短縮状態でのドライブモードにおいて第2特別図柄が変動する際の演出例を示す連続図である(2/2)。 遊技状態と発射方向に関する遊技の流れを示す図である。 演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。 作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。 演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。 ドライブモードにおいて選択されうる2つの演出モードを比較して示す表である。 演出制御装置におけるRAMの使用態様を説明する図である。 実行用領域、地球モード用擬似領域及び宇宙モード用擬似領域の使用態様を説明する図である。 特別図柄の変動開始後の各時点における実行用領域の使用例を示す図である。 実行用領域に格納されたコマンドの流れを説明する図である。 比較例としての演出制御装置におけるRAMの使用態様を説明する図である。 RAMの使用態様に関して実施形態と比較例とを比較して示す表である。 演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。 演出図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。 可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。 時短中及び擬似時短中その他演出処理の手順例を示すフローチャートである。 ドラムユニット演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。 連荘状態即終了対策の特殊変動パターンの遷移例を示す図である。 イレギュラー打ちを考慮した特殊変動パターンの遷移例を示す図である。 〔図165〜図269:実施形態C〕パチンコ機の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 遊技盤ユニットを単独で示す正面図である。 複数の可動体が可動位置にある様子を示す図である。 各可動体が原点位置にある様子を示す図である。 各可動体が原点位置にあるが、中前左可動体40f6だけが可動位置にある様子を示す図である。 中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が可動位置にある様子を示す図である。 中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が原点位置にある様子を示す図である。 中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が可動位置にある様子を示す図である。 中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が原点位置にある様子を示す図である。 中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が可動位置にある様子を示す図である。 上可動体40f1及び下可動体40f2が可動位置にある様子を示す図である。 上可動体40f1及び下可動体40f2が可動位置にある様子を示す図である。 第2可変入賞装置31の詳細を示す図である。 第2可変入賞装置31の詳細を示す図である。 遊技盤ユニットの一部を拡大して示す正面図である。 パチンコ機に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。 演出制御装置内の機能構成を示すブロック図である。 リセットスタート処理の第1手順例を示すフローチャート(1/2)である。 リセットスタート処理の第1手順例を示すフローチャート(2/2)である。 リセットスタート処理の第2手順例を示すフローチャートである。 準備中処理の手順例を示すフローチャートである。 電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。 割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。 スイッチ入力イベント処理の手順例を示すフローチャートである。 第1特別図柄記憶更新処理の手順例を示すフローチャートである。 第2特別図柄記憶更新処理の手順例を示すフローチャートである。 取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。 特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。 特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。 特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。 第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。 第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。 第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルの一例を示す図である。 特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。 変動パターンテーブルの一覧を示す図である。 非時間短縮状態からの大当りで大当り遊技の変動が第1特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。 非時間短縮状態からの大当りで大当り遊技後の変動が第2特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。 時間短縮状態からの大当りで大当り遊技の変動が第1特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。 時間短縮状態からの大当りで大当り遊技後の変動が第2特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。 表示出力管理処理の構成例を示すフローチャートである。 可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。 大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。 大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。 大当り時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。 小当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。 小当り時開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。 大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。 第2大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。 特定領域開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。 特定領域通過時処理の手順例を示すフローチャートである。 特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。 第1大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。 大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。 終了処理の手順例を示すフローチャートである。 通常モードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。 時間短縮状態のドライブモードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。 非時間短縮状態のドライブモードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。 非時間短縮状態の動物モードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。 特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である(1/2)。 特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である(2/2)。 大当り時に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である(1/3)。 大当り時に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である(2/3)。 大当り時に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である(3/3)。 大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である(1/2)。 大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である(2/2)。 ドライブモードの演出例を示す連続図である(1/3)。 ドライブモードの演出例を示す連続図である(2/3)。 ドライブモードの演出例を示す連続図である(3/3)。 非時間短縮状態でのドライブモードにおいて第2特別図柄が変動する際の演出例を示す連続図である(1/2)。 非時間短縮状態でのドライブモードにおいて第2特別図柄が変動する際の演出例を示す連続図である(2/2)。 ドライブモードの概要を示す図である。 記憶消化区間において第1特別図柄のはずれ変動が実行される際の演出例を示す図である。 記憶消化区間で選択される第1特別図柄の変動パターンと、即止め防止区間で選択される第1特別図柄の変動パターンとの相違を示す図である。 通常モードにおいて実行される第1補正処理の流れを示す図である。 動物モードにおいて実行される第2補正処理の流れを示す図である。 決め役物動作の演出例を示す図である(1/4)。 決め役物動作の演出例を示す図である(2/4)。 決め役物動作の演出例を示す図である(3/4)。 決め役物動作の演出例を示す図である(4/4)。 メッセージの登録方法を示す図である。 比較例のタイミングチャートを示す図である。 本実施形態のタイミングチャートを示す図である。 遊技状態と発射方向に関する遊技の流れを示す図である。 演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。 作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。 演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。 演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。 はずれ時変動演出パターン選択処理の手順例を示すフローチャートである。 モード演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。 演出図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。 可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。 大当り時可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。 小当り時可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。 時短中及び擬似時短中その他演出処理の手順例を示すフローチャートである。 システム動作処理の手順例を示すフローチャートである。 補正処理の手順例を示すフローチャートである。 モータと可動体との関係を示す図である。 本実施形態の変動確定時に実行する第1補正処理において参照する第1補正テーブルを示す図である。 本実施形態の変動開始後所定時間経過後に実行する第2補正処理において参照する第2補正テーブルを示す図である。 比較例の変動確定時に実行する補正処理において参照する補正テーブルを示す図である。 可動体制御部処理の手順例を示すフローチャートである。 ランプ制御部処理の手順例を示すフローチャートである。 連荘状態即終了対策の特殊変動パターンの遷移例を示す図である。 イレギュラー打ちを考慮した特殊変動パターンの遷移例を示す図である。 〔図270〜図365:実施形態D〕パチンコ機の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 遊技盤ユニットを単独で示す正面図である。 複数の可動体が可動位置にある様子を示す図である。 各可動体が原点位置にある様子を示す図である。 各可動体が原点位置にあるが、中前左可動体40f6だけが可動位置にある様子を示す図である。 中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が可動位置にある様子を示す図である。 中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が原点位置にある様子を示す図である。 中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が可動位置にある様子を示す図である。 中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が原点位置にある様子を示す図である。 中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が可動位置にある様子を示す図である。 上可動体40f1及び下可動体40f2が可動位置にある様子を示す図である。 上可動体40f1及び下可動体40f2が可動位置にある様子を示す図である。 第2可変入賞装置31の詳細を示す図である。 第2可変入賞装置31の詳細を示す図である。 遊技盤ユニットの一部を拡大して示す正面図である。 パチンコ機に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。 演出制御装置内の機能構成を示すブロック図である。 リセットスタート処理の第1手順例を示すフローチャート(1/2)である。 リセットスタート処理の第1手順例を示すフローチャート(2/2)である。 リセットスタート処理の第2手順例を示すフローチャートである。 準備中処理の手順例を示すフローチャートである。 電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。 割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。 スイッチ入力イベント処理の手順例を示すフローチャートである。 第1特別図柄記憶更新処理の手順例を示すフローチャートである。 第2特別図柄記憶更新処理の手順例を示すフローチャートである。 取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。 特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。 特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。 特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。 第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。 第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。 第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルの一例を示す図である。 特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。 変動パターンテーブルの一覧を示す図である。 非時間短縮状態からの大当りで大当り遊技の変動が第1特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。 非時間短縮状態からの大当りで大当り遊技後の変動が第2特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。 時間短縮状態からの大当りで大当り遊技の変動が第1特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。 時間短縮状態からの大当りで大当り遊技後の変動が第2特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。 表示出力管理処理の構成例を示すフローチャートである。 可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。 大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。 大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。 大当り時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。 小当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。 小当り時開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。 大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。 第2大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。 特定領域開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。 特定領域通過時処理の手順例を示すフローチャートである。 特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。 第1大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。 大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。 終了処理の手順例を示すフローチャートである。 通常モードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。 時間短縮状態のドライブモードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。 非時間短縮状態のドライブモードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。 非時間短縮状態の動物モードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。 特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である(1/2)。 特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である(2/2)。 大当り時に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である(1/3)。 大当り時に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である(2/3)。 大当り時に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である(3/3)。 大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である(1/2)。 大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である(2/2)。 ドライブモードの演出例を示す連続図である(1/3)。 ドライブモードの演出例を示す連続図である(2/3)。 ドライブモードの演出例を示す連続図である(3/3)。 非時間短縮状態でのドライブモードにおいて第2特別図柄が変動する際の演出例を示す連続図である(1/2)。 非時間短縮状態でのドライブモードにおいて第2特別図柄が変動する際の演出例を示す連続図である(2/2)。 ドライブモードの概要を示す図である。 記憶消化区間において第1特別図柄のはずれ変動が実行される際の演出例を示す図である。 記憶消化区間で選択される第1特別図柄の変動パターンと、即止め防止区間で選択される第1特別図柄の変動パターンとの相違を示す図である。 通常モードにおいて実行される第1補正処理の流れを示す図である。 動物モードにおいて実行される第2補正処理の流れを示す図である。 遊技状態と発射方向に関する遊技の流れを示す図である。 演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。 作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。 演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。 演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。 はずれ時変動演出パターン選択処理の手順例を示すフローチャートである。 モード演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。 演出図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。 可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。 大当り時可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。 小当り時可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。 時短中及び擬似時短中その他演出処理の手順例を示すフローチャートである。 システム動作処理の手順例を示すフローチャートである。 補正処理の手順例を示すフローチャートである。 モータと可動体との関係を示す図である。 本実施形態の変動確定時に実行する第1補正処理において参照する第1補正テーブルを示す図である。 本実施形態の変動開始後所定時間経過後に実行する第2補正処理において参照する第2補正テーブルを示す図である。 比較例の変動確定時に実行する補正処理において参照する補正テーブルを示す図である。 連荘状態即終了対策の特殊変動パターンの遷移例を示す図である。 イレギュラー打ちを考慮した特殊変動パターンの遷移例を示す図である。 〔図366〜図443:実施形態E〕パチンコ機の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 遊技盤ユニットを単独で示す正面図である。 第2可変入賞装置31の詳細を示す図である。 第2可変入賞装置31の詳細を示す図である。 遊技盤ユニットの一部を拡大して示す正面図である。 パチンコ機に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。 リセットスタート処理の第1手順例を示すフローチャート(1/2)である。 リセットスタート処理の第1手順例を示すフローチャート(2/2)である。 リセットスタート処理の第2手順例を示すフローチャートである。 準備中処理の手順例を示すフローチャートである。 電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。 割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。 スイッチ入力イベント処理の手順例を示すフローチャートである。 第1特別図柄記憶更新処理の手順例を示すフローチャートである。 第2特別図柄記憶更新処理の手順例を示すフローチャートである。 取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。 特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。 特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。 特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。 第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。 第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。 第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルの一例を示す図である。 特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。 変動パターンテーブルの一覧を示す図である。 非時間短縮状態からの大当りで大当り遊技の変動が第1特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。 非時間短縮状態からの大当りで大当り遊技後の変動が第2特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。 時間短縮状態からの大当りで大当り遊技の変動が第1特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。 時間短縮状態からの大当りで大当り遊技後の変動が第2特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。 表示出力管理処理の構成例を示すフローチャートである。 可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。 大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。 大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。 大当り時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。 小当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。 小当り時開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。 大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。 第2大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。 特定領域開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。 特定領域通過時処理の手順例を示すフローチャートである。 特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。 第1大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。 大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。 終了処理の手順例を示すフローチャートである。 通常モードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。 時間短縮状態のドライブモードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。 非時間短縮状態のドライブモードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。 非時間短縮状態の動物モードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。 特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である(1/2)。 特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である(2/2)。 大当り時に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である(1/3)。 大当り時に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である(2/3)。 大当り時に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である(3/3)。 大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である(1/2)。 大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である(2/2)。 ドライブモードの演出例を示す連続図である(1/3)。 ドライブモードの演出例を示す連続図である(2/3)。 ドライブモードの演出例を示す連続図である(3/3)。 非時間短縮状態でのドライブモードにおいて第2特別図柄が変動する際の演出例を示す連続図である(1/2)。 非時間短縮状態でのドライブモードにおいて第2特別図柄が変動する際の演出例を示す連続図である(2/2)。 ドライブモードの概要を示す図である。 記憶消化区間において第1特別図柄のはずれ変動が実行される際の演出例を示す図である。 記憶消化区間で選択される第1特別図柄の変動パターンと、即止め防止区間で選択される第1特別図柄の変動パターンとの相違を示す図である。 遊技状態と発射方向に関する遊技の流れを示す図である。 演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。 作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。 演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。 演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。 はずれ時変動演出パターン選択処理の手順例を示すフローチャートである。 モード演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。 演出図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。 可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。 大当り時可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。 小当り時可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。 時短中及び擬似時短中その他演出処理の手順例を示すフローチャートである。 ドラムユニット演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。 連荘状態即終了対策の特殊変動パターンの遷移例を示す図である。 イレギュラー打ちを考慮した特殊変動パターンの遷移例を示す図である。
本発明は、以下に〔実施形態A〕、〔実施形態B〕・・・等の複数を提示する。これら複数の実施形態(〔実施形態A〕、〔実施形態B〕・・・等として大きく区別されるもの)は、それぞれ単独の実施形態であり、各実施形態の説明に用いる用語、符号、手順(ステップ番号)、手段名等は、図示するものを含め、一の実施形態の説明で用いるものと他の実施形態の説明で用いるものが同一となっている場合があるが、一の実施形態の説明で用いる場合はあくまで当該一の実施形態単独についてのものである。例えば、説明冒頭で〔実施形態A〕を提示した場合、以降の説明で用いる用語は〔実施形態A〕についての用語であり、その他の〔実施形態B〕等の説明に用いているものではないことを意味する。同様に、説明冒頭で別の〔実施形態B〕を提示した場合は〔実施形態B〕の説明に用いる用語であり、その他の〔実施形態A〕、〔実施形態C〕等の説明に用いるものではないことを意味する。また、説明中で「本実施形態」、「一実施形態」、「他の実施形態」、「その他の形態」等という場合についても同様に、一の実施形態の説明で用いる場合はあくまで当該一の実施形態単独についてのものである。なお、提示した複数の実施形態については、各実施形態の構成を互いに組み合わせることも可能であり、複数の実施形態間で各構成の組み合わせを排除するものではない。したがって、一の実施形態の構成を他の実施形態の構成と組み合わせた態様も本発明は包含するものとする。
〔実施形態A〕
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば、遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照しつつ遊技機の全体構成について説明する。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1は、CRユニットに接続する機種であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態のパチンコ機1は、CRユニットに接続する機種を例に挙げているが、CRユニットに接続しない機種であってもよい。
また、受皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の前面部にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニット(参照符号なし)を取り巻くようにして配置されている。ガラス枠装飾ランプ52は、プッシュボタン45aに内蔵されているボタンランプを含んでいる。
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54,55が組み込まれている。一方、外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ56が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
〔操作手段〕
また、受皿ユニット6の中央には、上皿6bから前面側上方へ突出するようにして操作ユニット45が設置されている(操作手段)。操作ユニット45は、その中央部に円形のプッシュボタン45aが配置されており、プッシュボタン45aの左側には、棒状のレバー部材45bが配置されている。操作ユニット45は、演出上で示される様々な場面で操作を受け付けることが可能である。演出上のある場面では、遊技者によってプッシュボタン45aが押下され、別の場面では、遊技者によってレバー部材45bが手前側に引き込まれる。遊技者は、各種の態様で操作ユニット45を操作することにより、演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。操作ユニット45(プッシュボタン45a及びレバー部材45b)は、遊技者による操作入力を受け付け可能な操作手段である。本実施形態では、プッシュボタン45aは第1操作手段であり、レバー部材45bは第2操作手段である。
また、プッシュボタン45aの周囲には、プッシュボタン45aを取り囲むようにして、リング状部45cが設置されている。リング状部45cは、プッシュボタン45aやレバー部材45bとは異なり、装飾用として設けられた部材であり、レバー部材45bの引き込み操作に連動して反時計回りに回転する。また、リング状部45cは、周方向に一定の間隔で区切られてなる複数のセルを有している。これらのセルは、遊技者による操作を受け付けることはできないが、遊技者に対し操作方法を知らせる場面で有効活用される。
遊技者に何らかの操作を要求する場合、操作ユニット45の操作方法を表す縮小版画像(ボタン画像)が液晶表示器42の画面に表示される。このとき、指定した操作を行うことが可能な時間(操作有効時間)を合わせて遊技者に知らせるために、縮小版画像におけるリング状部45cは各セルがあたかもランプであるかのように表現される。より具体的には、縮小版画像中のリング状部では、操作可能な状態になると全てのセルが点灯して表示され、残り時間の減少にともないセルが1つずつ消灯していく。そして、残り時間がなくなると全てのセルが消灯する。実際のリング状部45cは光源を有しておらず、液晶画面に表示された縮小版画像に表されたリング状部のように点灯/消灯することはないが、縮小版画像中のリング状部の点灯/消灯をこのように切り替えることにより、遊技者に対して操作の残り時間を感覚的に把握させることができる。なお、リング状部45cに、光源(LED)を配置するようにしてもよい。
さらに、プッシュボタン45aは、遊技の進行過程で所定の契機が発生すると、上方に突出することが可能である。プッシュボタン45aはその内部にボタンランプ(光源)を有している。プッシュボタン45aは、通常時はデフォルト色(例えば白色)で発光するが、当選の期待度が高い場合は、有色(青色や赤色)で発光することがあり、突出時にはさらにカラフルに発光することができる。プッシュボタン45aが突出することにより、突出時のボタンの押し込み操作が特別に重要なものであることを遊技者に認識させることができる。
なお、本実施形態では、プッシュボタン45a及びレバー部材45bは、同じ操作ユニット45に搭載されているが、プッシュボタン45aとレバー部材45bとがそれぞれ独立した操作手段として設けられていてもよい。また、これらの操作手段は、近接した位置に配置されていてもよく、離れた位置に配置されていてもよい。
さらに、プッシュボタン45aやレバー部材45bとは別の操作部材(第3操作手段)を配置してもよい。別の操作部材としては、例えば、遊技機の奥方向に押し込むような操作を行うものや、遊技機の手前方向に引くような動作を行うものである。
また、操作ユニット45の右側には、十字キーボタン44が設置されている。十字キーボタン44は、例えば押し込み式の4つのボタンによって構成されている。具体的には、十字キーボタン44は、遊技者から見て遊技機側に配置された上ボタン、右側に配置された右ボタン、遊技者側に配置された下ボタン、左側に配置された左ボタンによって構成されている。遊技者は、この十字キーボタン44を押し込み操作することで、遊技環境を設定したり、遊技者の個人データを遊技機に入力したりすることができる。また、遊技者は、この十字キーボタン44の上ボタンを押し込み操作することで、オートボタン機能のONとOFFを切り替えることができる。
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図14)に基づいてさらに後述する。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受皿ユニット6に向けて案内する。
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
〔盤面の構成〕
図3は、遊技盤ユニット8を単独で示した正面図である。遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分(第1領域、左打ち領域)、右側部分(第2領域、右打ち領域)及び下部分に大きく分かれている。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺にスタート装置400、始動ゲート20、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等が分布して設置されている。このうち、スタート装置400は遊技領域8aの左側部分の下部中央に位置している。なお、スタート装置400の詳細は後述する。また、遊技領域8aの右側部分には、始動ゲート20、普通入賞口25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31が上からこの順番に配置されている。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で始動ゲート20を通過したり、スタート装置400に入球したり、普通入賞口22,25に入球(入賞)したり、あるいは、開放動作時の可変始動入賞装置28や開放動作時の第1可変入賞装置30、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする。ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、スタート装置400又は普通入賞口22に入球する可能性がある。遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、始動ゲート20を通過したり、普通入賞口25に入球したり、開放動作時の可変始動入賞装置28に入球したり、開放動作時の第1可変入賞装置30に入球したり、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする可能性がある。
本実施形態において、可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って右始動入賞口28bへの入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば左右一対の開閉部材28aを有しており、これら開閉部材28aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図3中に示されるように、左右の開閉部材28aは各先端が上を向いた状態で閉鎖位置にあり、このとき右始動入賞口28bへの入球は困難(遊技球が入球できる隙間がない状態)となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、左右の開閉部材28aはそれぞれ閉鎖位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、左右に開口幅を拡大して右始動入賞口28bを開放する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の入球が可能な状態となり、右始動入賞口28bへの入球を発生させることができる(可変始動入賞手段)。なお、このとき開閉部材28aは右始動入賞口28bへの遊技球の入球を案内する部材としても機能する。また、遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に可変始動入賞装置28(開放時の右始動入賞口28b)へ向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が開放動作時の可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に必ず入球するというわけではなく、あくまで入球は無作為に発生する。
また、可変始動入賞装置28は、非時間短縮状態(所定の遊技状態)では満たされ難い条件であり、時間短縮状態(有利遊技状態)では非時間短縮状態よりも満たされやすい条件である所定の作動条件(普通図柄が当選の態様で停止表示されて普通電動役物がロング開放するというという条件)が満たされない場合は右始動入賞口28bへの遊技球の入球が困難となる入球困難状態とする一方、所定の作動条件が満たされた場合は入球困難状態よりも右始動入賞口28bへの遊技球の入球を容易とする入球容易状態へ移行する。可変始動入賞装置28は、非時間短縮状態で普通図柄が当選の態様で停止表示された場合にはショート開放(0.1秒開放)し、時間短縮状態で普通図柄が当選の態様で停止表示された場合にはロング開放(1.0秒〜6.0秒開放)する。
第1可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合、又は、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合)に作動し、第1大入賞口30bへの入球を可能にする(特別電動役物、第1特別入球事象発生手段)。
第1可変入賞装置30(アタッカ)は、可変始動入賞装置28の下部に配置された装置であり、1つの開閉部材30aを有している。この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復して開閉動作する。図示のように盤面に沿った状態で開閉部材30aは閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき第1大入賞口30bへの入球は困難である。第1可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むようにして変位し、第1大入賞口30bを開放する(開放状態)。この間に第1可変入賞装置30は遊技球の流入が可能な状態となり、第1大入賞口30bへの入賞という事象を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは第1大入賞口30bへの遊技球の流入を案内する部材としても機能する。
第2可変入賞装置31は、特別な条件が満たされた場合(特別図柄が小当りの態様で停止表示された場合)に作動し、第2大入賞口31bへの入球を可能にする(特別電動役物、第2特別入賞事象発生手段)。なお、第2可変入賞装置31は、特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合に作動してもよい。
第2可変入賞装置31は、演出ユニット40の右側に配置された装置であり、例えば1つの開閉部材31aを有している。第2可変入賞装置31は、開閉部材31aが盤面の内部にスライドするタイプの装置を採用している(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材31aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材31aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材31aの上面を転動することになるため、第2大入賞口31bへの入球は困難(第2大入賞口31bは閉塞中)である。そして、第2可変入賞装置31が作動すると、開閉部材31aが盤面の内部に引き込まれ、第2大入賞口31bを開放する(開放状態)。この間に第2可変入賞装置31は遊技球の流入が困難ではない状態となり、第2大入賞口31bへの入球という事象を発生させることができる。
〔特定領域〕
また、第2可変入賞装置31の内部には、特定領域31xが設けられている。特定領域31xは、第2可変入賞装置31が閉鎖状態である場合は遊技球が通過困難な領域であり、第2可変入賞装置31が開放状態である場合であって特定領域用スライド部材31cが盤面の内部に引き込まれている状態である場合に遊技球が通過可能な領域である。なお、第2可変入賞装置31の詳細は後述する。
また、特に図示してはいないが、第2可変入賞装置31(開閉部材31a)には、遊技球が転動するスピードを低下させる遊技球転動スピード低下部を形成してもよい。遊技球転動スピード低下部は、開閉部材31aの傾斜を緩やかにしたり、開閉部材31a上の遊技球が通過する位置に、遊技球をジグザグに進行させるための交互に出っ張る突起を形成することにより実現することができる。これにより、小当り遊技中に多くの遊技球を第2可変入賞装置31に入球させることができる。
その他、スタート装置400の内部にはアウト口32が形成されており、各種入賞口に入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、スタート装置400の各始動入賞口、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)、第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b、特定領域)に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
図4及び図5は、第2可変入賞装置31の詳細を示す図である。
第2可変入賞装置31は、スライド式の開閉部材31aの下方に第2大入賞口31bが配置されている。第2大入賞口31bの内部は左側に下り傾斜となっており、左側の端部にて下方に通路が延びている。下方に延びた通路には第2カウントスイッチ85が配置されており、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31に入球した遊技球の数をカウントする。
そして、下方に延びた通路は、その先で2つのルートに分かれている。一方の第1通路31dは、特定領域31xに向かって下方に延びており、他方の第2通路31eは、排出孔31yに向かって下方に延びている。
第1通路31dには、特定領域用スライド部材31cが配置されており、第1通路31dの下流には特定領域31xが配置されている。なお、特定領域31xの内部には、不図示の特定領域スイッチが配置されている。
一方、第2通路31eには、特別な部材は配置されておらず、第2通路31eの下流には排出孔31yが配置されている。
特定領域用スライド部材31cは、特殊な条件が満たされた場合(第2可変入賞装置31が作動してから第1時間経過後第2時間経過前の間)に作動し、特定領域31xへの遊技球の通過を可能にする。特定領域用スライド部材31cは、例えば図示しない特定領域ソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面の前後方向に沿ってスライドする。例えば、第1時間経過後は第2可変入賞装置31が作動してから0.2秒経過後であり、第2時間経過後は、第2可変入賞装置31が作動してから1.8秒経過後である。
特定領域ソレノイドがOFFの状態であると、特定領域用スライド部材31cは第1通路31dを塞いでいるため、遊技球が特定領域31xを通過することは困難となっている。一方、特定領域ソレノイドがONの状態になると、特定領域用スライド部材31cは盤面の内側に引き込まれるため、遊技球が特定領域31xを通過することが容易となる。
次に、第2可変入賞装置31の動作を説明する。
図4中(A)に示すように、スライド式の開閉部材31aは、盤面の内側に引き込まれており、遊技球が第2大入賞口31bに入球している。図示の例では、4個の遊技球が第2大入賞口31bに向かって進行している。ここでは、1個目の遊技球が第2カウントスイッチ85により検出されている状態である。
図4中(B)に示すように、1個目の遊技球が特定領域用スライド部材31cに到達している。2個目及び3個目の遊技球は、第2カウントスイッチ85に向かって進んでいる。4個目の遊技球は、第2大入賞口31bに入球しかけている。
図4中(C)に示すように、この時点では、特定領域用スライド部材31cが内側に引き込まれていないため(非作動中であるため)、1個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cによって進行方向が右側に変更され、第2通路31eに向かう。この場合、1個目の遊技球は、排出孔31yにより回収される。
図5中(D)に示すように、この時点で特定領域用スライド部材31cが盤面の内側に引き込まれたものとする(動作中)。この場合、2個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cの手前側を通り抜けて、第1通路31dに進行する。そして、2個目の遊技球は、特定領域31xを通過して、特定領域スイッチにより検出される。
図5中(E)に示すように、3個目の遊技球も、特定領域用スライド部材31cの手前側を通り抜けて、第1通路31dに進行する。この場合、3個目の遊技球は、特定領域31xを通過して、特定領域スイッチに検出される。
図5中(F)に示すように、この時点で、特定領域用スライド部材31cの動作が終了し、特定領域用スライド部材31cが盤面の前方側に突出したものとする。この場合、4個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cによって右方向に案内され、第2通路31eに進行する。そして、4個目の遊技球は、排出孔31yにより回収される。
図6〜図12は、スタート装置400の詳細を示す図である。
図6は、スタート装置400の斜視図である。
図6に示すように、スタート装置400は、ベース部材410、カバー部材420、通過口430、右可動装置480、左可動装置490等を備えている。
ベース部材410は、スタート装置400の土台となる部材であり、ネジ等の締結部材により遊技盤ユニット8に取り付けられる。
カバー部材420は、ベース部材410の前面側に取り付けられる部材であり、その内部に各種始動入賞口やアウト口が配置される。
通過口430は、カバー部材420の上部中央に配置されており、遊技球がスタート装置400に入球するための(遊技球が通過可能な)入口である。
右可動装置480は、ベース部材410の後方右側に取り付けられており、スタート装置400の右羽根部材438(図7参照)を可動させるための装置である。
左可動装置490は、ベース部材410の後方左側に取り付けられており、スタート装置400の左羽根部材442(図7参照)を可動させるための装置である。
図7及び図8は、スタート装置400の内部構造を示す図である。
ここで、図7は、スタート装置400の羽根部材(右羽根部材438及び左羽根部材442)が閉鎖している状態を示しており、図8は、スタート装置400の羽根部材が開放している状態を示している。
図7に示すように、通過口430の下方には、右下方向に傾斜した案内通路432が形成されている。
案内通路432の右下には、1穴のクルーン部材434が配置されている。クルーン部材434は、上方側に大きな開口を有するすり鉢状の部材であり、底面に遊技球が1つ通過可能な開口が形成されている。
クルーン部材434の下方には、左下方向に傾斜した案内通路436が形成されている。
案内通路436の左下には、右羽根部材438が配置されている。
右羽根部材438の左下には、左下方向に傾斜した案内通路440が形成されている。
案内通路440の左下には、左羽根部材442が配置されている。
左羽根部材442の左下には、左下方向に傾斜した案内通路444が形成されている。
スタート装置右始動入賞口450、スタート装置中始動入賞口452及びスタート装置左始動入賞口454は、遊技球が入球可能な入球口である。
右羽根部材438及び左羽根部材442は、スタート装置右始動入賞口450、スタート装置中始動入賞口452及びスタート装置左始動入賞口454への入球に影響を与える動作が可能(開閉可能、可動可能)可動可能な可動体である。
また、右羽根部材438及び左羽根部材442は、スタート装置右始動入賞口450及びスタート装置中始動入賞口452の上方(上流)に配置され、遊技球がスタート装置右始動入賞口450又はスタート装置中始動入賞口452に進入するか否か(通過するか否か)に影響を与える部材である。
右羽根部材438は、右羽根部材438を作動させるソレノイドがONとなっている場合、上方に起き上がって開放状態に移行し、遊技球をスタート装置右始動入賞口450に導く。一方、右羽根部材438は、右羽根部材438を作動させるソレノイドがOFFとなっている場合、起き上がらずに閉鎖状態を維持し、遊技球は右羽根部材438の上部を通り抜けて、案内通路440に導かれる。
また、左羽根部材442は、左羽根部材442を作動させるソレノイドがONとなっている場合、上方に起き上がって開放状態に移行し、遊技球をスタート装置中始動入賞口452に導く。一方、左羽根部材442は、左羽根部材442を作動させるソレノイドがOFFとなっている場合、起き上がらずに閉鎖状態を維持し、遊技球は左羽根部材442の上部を通り抜けて、案内通路444に導かれる。
右羽根部材438及び左羽根部材442は、本部材の中央付近に挿入されている可動ピンが上方に押し上げられることにより、可動ピンが後方に配置されたガイド溝に沿って移動し、左側の回転軸を中心に回転して開放状態に移行する(図8参照)。
右羽根部材438の下方には、スタート装置右始動入賞口450が配置されている。スタート装置右始動入賞口450は、通過口430に入球した遊技球が進入可能(通過可能)であり第1特別図柄抽選の抽選契機(所定の契機)を発生可能とする契機発生領域である。
左羽根部材442の下方には、スタート装置中始動入賞口452が配置されている。スタート装置中始動入賞口452は、通過口430に入球した遊技球が進入可能(通過可能)であり第1特別図柄抽選の抽選契機(所定の契機)を発生可能とする契機発生領域である。
案内通路444の左下には、スタート装置左始動入賞口454が配置されている。スタート装置左始動入賞口454は、通過口430に入球した遊技球が進入可能(通過可能)であり普通図柄抽選の抽選契機(所定の契機)を発生可能とする契機発生領域である。
スタート装置右始動入賞口450の右側には、右下方向に傾斜した案内通路462が形成されている。
案内通路462の右下には、アウト口32が配置されている。このアウト口32の右側には、左下方向に傾斜した案内通路460が形成されている。
スタート装置右始動入賞口450の左側には、左下方向に傾斜した案内通路464が形成されている。
案内通路464の左下には、アウト口32が配置されている。
スタート装置中始動入賞口452の右側には、右下方向に傾斜した案内通路466が形成されている。
スタート装置中始動入賞口452の左側には、左下方向に傾斜した案内通路468が形成されている。
案内通路468の左下には、アウト口32が配置されている。
スタート装置左始動入賞口454の右側には、右下方向に傾斜した案内通路470が形成されている。
スタート装置左始動入賞口454の左側には、左下方向に傾斜した案内通路472が形成されている。
案内通路472の左下には、アウト口32が配置されている。このアウト口32の左側には、右下方向に傾斜した案内通路474が形成されている。
スタート装置右始動入賞口450、スタート装置中始動入賞口452及びスタート装置左始動入賞口454の下方には、スタート装置電飾基板476が配置されている。
スタート装置電飾基板476には、3つのランプ(LED)478が配置されており、各始動入賞口に遊技球が入球すると、対応するランプが点灯するようになっている。
次に、スタート装置400の内部での遊技球の流れを説明する。
図9に示すように、通過口430に入球した遊技球は、クルーン部材434を経由して右羽根部材438に導かれる。
そして、右羽根部材438及び左羽根部材442が閉鎖している場合、遊技球は、右羽根部材438及び左羽根部材442の上を通過して、最終的には、スタート装置左始動入賞口454に入球する。
スタート装置左始動入賞口454には、スタート装置左始動入賞口スイッチが配置されているため、スタート装置左始動入賞口スイッチによって遊技球の入球が検出される。
一方、右羽根部材438又は左羽根部材442が開放している場合も途中までは、右羽根部材438又は左羽根部材442が閉鎖している場合と同様の遊技球の流れとなる。
つまり、図10に示すように、通過口430に入球した遊技球は、クルーン部材434を経由して右羽根部材438に導かれる。
そして、右羽根部材438又は左羽根部材442が開放している場合、遊技球は、右羽根部材438又は左羽根部材442の位置で落下して、最終的には、スタート装置右始動入賞口450又はスタート装置中始動入賞口452に入球する。
スタート装置右始動入賞口450には、スタート装置右始動入賞口スイッチが配置されているため、スタート装置右始動入賞口スイッチによって遊技球の入球が検出される。
また、スタート装置中始動入賞口452には、スタート装置中始動入賞口スイッチが配置されているため、スタート装置中始動入賞口スイッチによって遊技球の入球が検出される。
ここで、遊技球がスタート装置400の通過口430に入球した場合、スタート装置右始動入賞口450、スタート装置中始動入賞口452、スタート装置左始動入賞口454のいずれかに必ず入球するわけではなく、場合によってはアウト口32に入球することもある。また、アウト口32には、スタート装置400の通過口430に入球した遊技球だけでなく、スタート装置400の通過口430に入球しなかった遊技球が側面側から入球することもある。
なお、右羽根部材438及び左羽根部材442は、同時に開放状態に移行させる例で説明しているが、同時に開放状態に移行させないようにすることもできる。
図11及び図12は、スタート装置400の側面図である。
ここで、図11は、羽根部材(例えば図10の右羽根部材438)が閉鎖している状態を示しており、図12は、羽根部材が開放している状態を示している。
上述したように、右可動装置480は、ベース部材410の後方右側に取り付けられており、スタート装置400の右羽根部材438を可動させるための装置である。
また、右可動装置480は、スタート装置右ソレノイド481、コイル部材482、フラッパー部材483、アーム部材484、フック部材485、バネ部材486等を備えている。なお、フック部材485は、アーム部材484の一部として構成してもよい(フック部材485とアーム部材484とは、同一部品であってもよい)。
主制御装置によってスタート装置右ソレノイド481が通電されると、コイル部材482が励磁され、板状のフラッパー部材483がコイル部材482に引き付けられる。
フラッパー部材483とアーム部材484とは、連結されており、フラッパー部材483が上方に移動すると、アーム部材484も上方に移動する。また、アーム部材484の先端には、円弧状のフック部材485が連結されている。このため、フラッパー部材483及びアーム部材484の移動にともなって、フック部材485も上方に移動する(図12参照)。
そして、フック部材485が上方に移動すると、フック部材485が、右羽根部材438に挿入されている可動ピン487を押し上げ、右羽根部材438が閉鎖状態から開放状態に移行する(図10参照)。この場合、コイル部材482と、フラッパー部材483とは、不図示のストッパによって、互いに接触しないようになっている(図12参照)。
また、スタート装置右ソレノイド481が通電されていない状態では、バネ部材486(あるいは、バネ部材486及びフラッパー部材483の自重)によって、フラッパー部材483は、コイル部材482から離れた位置に配置されるようになっている(図11参照)。
なお、ここでは、右可動装置480について説明したが、左可動装置490についても同様の構成を採用している。
〔スタート装置の特徴〕
特定の入賞領域への入賞を制限するために開閉部材を設けているような入賞装置ユニットに関するものは、従来技術として多々存在しているが、本実施形態のように、始動入賞口に備えた開閉部材が、電源投入時から常時開閉動作をし続けるとともに、その開閉によって始動入賞率を安定させるような構成は存在しない。
スタート装置400は、通過口430に入球した遊技球を、特別図柄の始動入賞口と普通図柄の始動入賞口(入賞口、作動口)に振り分けることで、「各種の図柄をランダムに変動させる」機能を有する。
以下、スタート装置400における遊技球の流れの詳細を説明する。
(1)スタート装置400の上部に通過口430を構え、そこから入球した遊技球は、1穴のクルーン部材434に向かい、クルーン部材434から排出されるまでの時間に、不規則な時間を与える。これにより、どつき等の振動に対するゴトを回避することができる。なお、スタート装置400に振動センサや磁石センサ、電波センサを取り付け、各種ゴトへの対策を強化することもできる。クルーン部材434は、多少の遊びを備えてスタート装置400に取り付けられており、外部からの衝撃(ドツキ等)を遊びによって吸収できるため、振動による影響を避けることができる。
(2)クルーン部材434から排出された遊技球は、スロープ状の案内通路に導かれ、その案内経路の途中に配置された常時一定で開閉する右羽根部材438及び左羽根部材442の開閉状態によって次のように球経路が変化する。
(a)右羽根部材438又は左羽根部材442が開放している場合、遊技球は、スロープから落下し、下に構える特別図柄の始動入賞口に向かう。
(b)右羽根部材438又は左羽根部材442が閉鎖している場合、遊技球は、右羽根部材438又は左羽根部材442の上を通過する。なお、スタート装置400には、羽根部材を2個搭載することで、特別図柄の始動入賞口に入賞するチャンスを2回与えている。
(3)右羽根部材438又は左羽根部材442に拾われなかった遊技球は、最終的に、普通図柄の始動入賞口(普通図柄が変動する普通図柄作動口)に向かう。
また、スタート装置400は、以下の特徴を併せ持つものである。
特別図柄の始動入賞口及び普通図柄の始動入賞口の左右には、アウト口を配置しており、一般的な機種にある盤面最下部のアウト口は削除している。
右羽根部材438及び左羽根部材442は、常時可動するため、スタート装置400のアクチュエーターには、一般的に用いられるプッシュ・プル式のソレノイドではなく、フラッパー式のソレノイドを搭載して摩耗による劣化を防いでいる。
また、遊技者にとっては、スタート装置400に入球した遊技球がどう振り分けられるのかについて、目で追わないといけないことから、これを視覚的に分かりやすく報知するために、特別図柄の始動入賞口及び普通図柄の始動入賞口の下部にランプ(LED)を配置し、入賞タイミングで光らせる機能を持たせている。
そして、このような構成のスタート装置400を採用することにより、以下のような効果を発揮することができる。
(1)クルーン部材434を搭載することにより、スタート装置400に入球した遊技球が開閉している右羽根部材438又は左羽根部材442に向かうタイミングに不規則性を与え、遊技者に対して遊技球の動きによって高揚感を増長させ、かつ、右羽根部材438又は左羽根部材442の開放のタイミングに合わせて遊技球を発射する、いわゆる攻略打ちの対策が可能となる。
(2)アウト口をスタート装置400に搭載することにより、盤面下部に配置されたアウト口の領域をスタート装置400にあてがうことができ、スタート装置400とアウト口を一体化してコンパクト化を図ることが可能であるとともに、盤面下部の有効活用が可能となる。
(3)フラッパー式のソレノイドを採用することにより、ソレノイド自体の摩耗を防ぎ、常時可動に耐えうる耐久性を確保することができる。
(4)特別図柄の始動入賞口及び普通図柄の始動入賞口の下部にランプ(LED)を配置し、入賞タイミングで光らせることにより、入賞したことを効果的に遊技者に報知することができる。
図13は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の左下位置)を拡大して示す正面図である。
遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33(普通図柄表示手段)及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34(第1図柄表示手段)、第2特別図柄表示装置35(第2図柄表示手段)、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が設けられている。
このうち普通図柄表示装置33は、例えば3つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、上記の始動ゲート20を遊技球が通過すると、又は、スタート装置左始動入賞口454に遊技球が入球すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えば7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段、第1図柄表示手段、第2図柄表示手段)。その他、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0〜4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプが点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして、2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、スタート装置右始動入賞口450又はスタート装置中始動入賞口452に遊技球が入球するごとに、入球が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、上記の可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に遊技球が入球するごとに、入球が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄(第1図柄)が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で、スタート装置右始動入賞口450又はスタート装置中始動入賞口452に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄(第2図柄)が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また、遊技状態表示装置38には、例えば、大当り種別表示ランプ38a,38b,38c、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定表示ランプ38fにそれぞれ対応する6つのLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
〔遊技盤のその他の構成:図3を参照〕
上記の演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側上部には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄(本図柄)や、第4図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されている。球案内通路40dは、演出ユニット40の裏側を通って下方の転動ステージ40eに接続されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40kが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40kに案内された遊技球は、その真下にあるスタート装置400の通過口430に流入しやすくなる。
その他に演出ユニット40の上部中央の内部には、演出用の可動体40f(例えばハート型の装飾物)とともに図示しない駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。このような可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
また、液晶表示器42の下部には、7セグ表示装置200が配置されている。7セグ表示装置200には、3つの7セグメントLEDが配置されている。7セグ表示装置200は、特別図柄の変動中に7セグ演出図柄を変動表示したり、大当り遊技中の演出を表示したりする。
さらに、7セグ表示装置200の右下には、記憶表示装置300が配置されている。記憶表示装置300は、内蔵するLEDの発光(点灯や消灯等)により記憶に関する演出を実行することができる。
記憶表示装置300には、第1特別図柄記憶表示領域M1、第2特別図柄記憶表示領域M2、当該記憶表示領域X1、演出表示領域X2が設けられている。
第1特別図柄記憶表示領域M1には、4つの白色LEDが配置されており、LEDの点灯数が第1特別図柄の記憶数(第1特別図柄作動記憶ランプ34aの表示数)に対応している。
第2特別図柄記憶表示領域M2には、4つの白色LEDが配置されており、LEDの点灯数が第2特別図柄の記憶数(第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示数)に対応している。
当該記憶表示領域X1には、1つのフルカラーLEDが配置されており、LEDが点灯していることで、特別図柄が変動中であることを示している。
演出表示領域X2には、1つ又は複数のフルカラーLEDが配置されており、LEDの点灯色によって、特別図柄抽選の当選の期待度が高まることを示している。演出表示領域X2は、内部的に抽選されたLEDの色(保留色)と同じ色で点灯するため、遊技者に分かりやすい告知を行うことができる。
記憶の色変化演出を実行する場合、本来であれば対象となるLEDの点灯色を変化させるが、本実施形態では、第1特別図柄記憶表示領域M1及び第2特別図柄記憶表示領域M2に白色LEDを配置している。このため、第1特別図柄記憶表示領域M1及び第2特別図柄記憶表示領域M2では、色変化演出を実行することができない。このため、記憶の色変化演出を実行する場合、演出表示領域X2の点灯色を変化させることによって、色変化演出の代わりとしている。ただし、この場合、どの記憶が対象となっているか分かりづらくなるため、対象となるLEDは点滅表示させることが好ましい。
なお、第1特別図柄記憶表示領域M1及び第2特別図柄記憶表示領域M2にフルカラーLEDを配置して、色変化演出を実行するようにしてもよい。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図14は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、スタート装置左始動入賞口454には、遊技球の入球を検出するためのスタート装置左始動入賞口スイッチ78aが設けられている。
また、遊技盤ユニット8には、スタート装置中始動入賞口452、スタート装置右始動入賞口450、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31にそれぞれ対応してスタート装置中始動入賞口スイッチ80、スタート装置右始動入賞口スイッチ81、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84及び第2カウントスイッチ85が装備されている。
スタート装置中始動入賞口スイッチ80、スタート装置右始動入賞口スイッチ81、右始動入賞口スイッチ82は、それぞれスタート装置中始動入賞口452、スタート装置中始動入賞口452、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)への遊技球の入賞を検出するためのものである。また、第1カウントスイッチ84は第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。
他にも、特定領域31xに対応して特定領域スイッチ83が装備されている。第2大入賞口31bの内部の特定領域31xに対応する位置には、特定領域スイッチ83が備えられており、特定領域スイッチ83は、遊技球が特定領域31xを通過したことを検出する。
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22,25への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、ここでは全ての普通入賞口22,25について共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば、盤面の左右で別々の入賞口スイッチ86を設置し、左側の入賞口スイッチ86では盤面の左側に位置する普通入賞口22,25に対する遊技球の入賞を検出し、右側の入賞口スイッチ86では盤面の右側に位置する普通入賞口25に対する遊技球の入賞を検出することとしてもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類の入賞検出信号や通過検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、スタート装置左始動入賞口スイッチ78a、特定領域スイッチ83、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号や通過検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び特定領域31xにそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び特定領域ソレノイド99が設けられている。さらに、遊技盤ユニット8には、スタート装置右始動入賞口450(右可動装置480)及びスタート装置中始動入賞口452(左可動装置490)にそれぞれ対応して、スタート装置右ソレノイド481及びスタート装置左ソレノイド491が設けられている。これらソレノイド88,90,97,99,481,491は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31、特定領域31x、スタート装置右始動入賞口450及びスタート装置中始動入賞口452を開閉させる。なお、これらソレノイド88,90,97,99,481,491についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に上記の一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、上記の内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている(特別特典付与手段)。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。また、CRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、CRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また、演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
演出制御装置124と上記の主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお、各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46やガラス枠装飾ランプ48,50,52の他に、遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここではガラス枠装飾ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受皿ユニット6に受皿電飾基板を設置し、ガラス枠装飾ランプ52については受皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
また、音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、ガラス枠上スピーカ54,55及び外枠スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56に印加されている。また、ガラス枠電飾基板136には、上記のプッシュボタン45a及びレバー部材45bが接続されており、遊技者がプッシュボタン45aやレバー部材45bを操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。さらにまた、ガラス枠電飾基板136には、上記の十字キーボタン44が接続されており、遊技者が十字キーボタン44を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136にプッシュボタン45a、レバー部材45b及び十字キーボタン44を接続した例を挙げているが、上記の受皿電飾基板を設置する場合、プッシュボタン45a、レバー部材45b及び十字キーボタン44は受皿電飾基板に接続されていてもよい。その他、遊技盤ユニット8にはパネル電飾基板138が設置されており、このパネル電飾基板138には盤面ランプ53の他に可動体モータ57が接続されている。可動体モータ57は、例えば図示しないリンク機構を介して上記の可動体40fを駆動する。ランプ駆動回路132からの駆動信号は、パネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53及び可動体モータ57にそれぞれ印加される。なお、可動体モータ57は、ソレノイドであってもよい。
また、ガラス枠電飾基板136には、ボタンモータ45dが接続されている。
ボタンモータ45dは、プッシュボタン45aを昇降させるステッピングモータであり、操作ユニット45を制御する不図示の操作ユニット制御装置によって駆動される。操作ユニット制御装置は、演出制御装置124から送信される駆動信号に基づいてボタンモータ45dを駆動することにより、プッシュボタン45aを通常の状態(初期位置)又は突出した状態(最大可動位置)のいずれかに変位させることができる。
また、演出制御装置124には、7セグ表示装置200及び記憶表示装置300が接続されている。7セグ表示装置200及び記憶表示装置300は、これらの装置を制御する不図示の制御装置(ドライバ、IC)によって駆動される。演出制御装置124(演出制御CPU126)は、不図示の制御装置を通じて7セグ表示装置200及び記憶表示装置300を制御する。
上記の液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤ユニット8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、VDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なお、VRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46〜53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらにVDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上記のように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、リセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図15及び図16は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1〜2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また、主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また、主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタコマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また、主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図16に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして、主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)、及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図18中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図18中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、上記のように、本実施形態において大当り決定乱数及び当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図18)を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込管理処理の内容については後述する。
〔電源断発生チェック処理〕
図17は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また、主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして、主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(図15)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図18は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、スタート装置左始動入賞口スイッチ78a、スタート装置中始動入賞口スイッチ80、スタート装置右始動入賞口スイッチ81、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、入賞口スイッチ86、特定領域スイッチ83からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、スタート装置左始動入賞口スイッチ78a、スタート装置中始動入賞口スイッチ80、スタート装置右始動入賞口スイッチ81、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、特定領域スイッチ83からの通過検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、スタート装置中始動入賞口スイッチ80又はスタート装置右始動入賞口スイッチ81から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は、第1特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機、第1抽選契機、第1特別図柄抽選の抽選契機)となる事象が発生したと判定する。
また、右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は、第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機、第2抽選契機、第2特別図柄抽選の抽選契機)となる事象が発生したと判定する。
さらに、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、又は、スタート装置左始動入賞口スイッチ78aから入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は、普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。
いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、スタート装置中始動入賞口スイッチ80、スタート装置右始動入賞口スイッチ81又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また、普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(普通図柄抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
また、本実施形態では、普通図柄表示装置33の3つのLEDを順番に点灯及び消灯させることで、普通図柄の変動表示を行い、上下3つのLEDのうち、例えば上のLEDを点灯させた状態で非当選時の停止表示を行い、下の2つのLEDのいずれかを点灯させた状態で当選時の停止表示を行うことができる。下の2つのLEDのうち、いずれのLEDを点灯させるかについては、主制御CPU72は当り時の抽選によって決定する当り時停止図柄番号に基づいて、普通図柄表示装置33による停止図柄(当り図柄)の表示態様を決定する。
例えば、非時間短縮状態において普通図柄の当選確率を略1分の1としている場合、2種類存在している当り図柄1と当り図柄2との振分率は、「1300:1」である。つまり、普通図柄の当選図柄としての当り図柄1に該当する確率は「1299/1300」であり、普通図柄の当選図柄としての当り図柄2に該当する確率は「1/1300」である。そして、当り図柄1に該当した場合は、可変始動入賞装置28はショート開放(0.1秒開放)するため、遊技球が可変始動入賞装置28に入球することは困難である。一方、当り図柄2に該当した場合は、可変始動入賞装置28がロング開放(6.0秒開放)するため、非時間短縮状態であっても可変始動入賞装置28に遊技球を入球させるチャンスが発生する。
このような当選図柄の振分率の設定により、本実施形態では、普通図柄が1300回変動すると、1回程度の割合で可変始動入賞装置28がロング開放することになる。なお、時間短縮状態においては、当り図柄1又は当り図柄2のいずれに該当しても、可変始動入賞装置28がロング開放する。この場合は、当り図柄1と当り図柄2とで開放パターンを異ならせることができる。また、主制御CPU72は、非時間短縮状態において可変始動入賞装置28をロング開放させる場合、演出制御装置124に対して可変始動入賞装置ロング開放開始コマンドを送信する。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ78a,80,81,82,84,85,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。賞球数は、遊技の仕様に応じて任意に設定することができる。例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応する始動入賞口の賞球数は4個であり、普通図柄に対応する始動入賞口の賞球数は1個であり、第1大入賞口及び第2大入賞口の賞球数は15個であり、普通入賞口の賞球数は4個である。なお、賞球数に関する情報を賞球内容コマンドとして演出制御装置124に送信することもできる。
〔賞球数及び獲得遊技球数について〕
第1特別図柄の始動口の賞球数及び第2特別図柄の始動口の賞球数は、それぞれ1個以上の規定数に設定されている。また、第1特別図柄の始動口と第2特別図柄の始動口とでは、賞球数を異ならせてもよい。さらに、特別図柄の当選確率や、総獲得遊技球数の期待値(初当りから時間短縮状態が終了するまでの一連の期間に得られる平均出球数)に基づいて、最低賞球数を設定してもよい。さらにまた、特別図柄の当選確率、総獲得遊技球数の期待値、大入賞口の開放回数、大入賞口の開放時間、大入賞口の最大入賞数、大入賞口の賞球数が規定の条件を満たした場合、1回の大当りによる獲得遊技球数が最大の獲得遊技球数の1/4未満となる大当りを設定してもよい。
ステップS207a:主制御CPU72は、ソレノイド管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、電源投入時から常時可動するスタート装置右ソレノイド481及びスタート装置左ソレノイド491の動作を制御する。詳細は、図45において後述する。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータ(外部機器)に対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」〜「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」〜「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」〜「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS209:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS205)や普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお、駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また、主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び特定領域ソレノイド99の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS213:そして、主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお、本実施形態では、ステップS205〜ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして、主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図19は、スイッチ入力イベント処理(図18中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応するスタート装置中始動入賞口スイッチ80又はスタート装置右始動入賞口スイッチ81から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の第1大入賞口30bに対応する第1カウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS19に進んで第1大入賞口カウント処理を実行する。第1大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの第1可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS20に進む。
ステップS20:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の第2大入賞口31bに対応する第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS21に進んで第2大入賞口カウント処理を実行する。第2大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中(小当り遊技中)に第2可変入賞装置31への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78又はスタート装置左始動入賞口スイッチ78aから検出信号が入力されたか否かを確認する。この検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72はステップS24を実行する。一方、検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS26に進む。
ステップS24:主制御CPU72は、普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄抽選に必要となる各種乱数値(普通図柄当り乱数等)を取得する。また、主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして、主制御CPU72は、取得した各種乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。次に、主制御CPU72は、ステップS26を実行する。
ステップS26:主制御CPU72は、第2大入賞口31b内の特定領域31xに対応する特定領域スイッチ83から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS28に進んで特定領域予備フラグをONにする処理を実行する。一方、通過検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図18)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図20は、第1特別図柄記憶更新処理(図19中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。ここで、RAM76の乱数記憶領域は、第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する8つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図19)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図18中のステップS210)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第1抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、抽選要素取得手段)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして、主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(第1抽選要素記憶手段、抽選要素記憶手段)。複数のセクションには順番(例えば第1〜第4)が設定されており、現段階で第1〜第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2〜第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の特別遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37,S38を実行する。大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37,S38をスキップしてステップS38aに進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS37:大当り中以外の場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する(先読み処理実行手段)。この処理は、先のステップS32〜S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数、大当り図柄乱数及び変動パターン決定乱数に基づいて、特別図柄抽選の結果や変動時間を事前(変動開始前)に判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。この処理において、第1特別図柄の事前判定の結果を特図先判定演出コマンド(先読み情報)の下位バイト分にセットする。
ステップS38:取得時演出判定処理を実行すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする(先読み処理実行手段)。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分(当否に関する情報や変動時間に関する情報)は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされるので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS38a:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」〜「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」〜「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」〜「04H」となったことを表している。なお、上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS39:そして、主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理では、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンドが演出制御装置124に対して送信される(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えるか、もしくは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図19)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
次に図21は、第2特別図柄記憶更新処理(図19中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば4とする)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図19)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図20)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図18中のステップS210)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第2抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図20)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図20)と同様である。
ステップS44:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、抽選要素取得手段)。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図20)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第2特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(第2抽選要素記憶手段、抽選要素記憶手段)。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図20)と同様である。
ステップS45a:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。そして、大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS46,S47を実行する。逆に大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS46,S47をスキップしてステップS48に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、同じく大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS46:大当り中以外である場合(ステップS45a:No)、次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する(先読み処理実行手段)。この処理は、先のステップS42〜S44でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである。この処理において、第2特別図柄の事前判定の結果を特図先判定演出コマンドの下位バイト分にセットする。
ステップS47:取得時演出判定処理を実行すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする(先読み処理実行手段)。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS46)においてセットされるので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS48:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお、先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS49:そして、主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して特図先判定演出コマンドや作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置124に対して送信される(記憶数通知手段)。また、以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図19)に復帰する。
〔取得時演出判定処理〕
図22は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理及び第2特別図柄記憶更新処理(図20中のステップS37,図21中のステップS46)においてこの取得時演出判定処理を実行する(事前判定手段、先読み処理実行手段)。上述したように、この処理は第1特別図柄(スタート装置中始動入賞口452又はスタート装置右始動入賞口450への入球時)、第2特別図柄(可変始動入賞装置28への入球時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンド(先判定情報)の下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(図20中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図21中のステップS45)でRAM76に記憶されているものである。
ステップS54:そして、主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段、事前判定手段)。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお、比較値(下限値)は、パチンコ機1における特別図柄抽選の大当り確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS80に進む。
ステップS80:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段、先読み処理実行手段)。この処理では、主制御CPU72は、はずれ時の変動時間について変動パターン先判定コマンド(先読み情報)を生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、特に「時間短縮機能」の作動時における変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。例えば、現在の状態が「時間短縮機能」の作動時であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものである場合、主制御CPU72は「時短中非短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。なお、リーチ変動の場合はさらに、リーチモード乱数から「リーチグループ(リーチの種類)」をも判断し、その結果から変動パターン先判定コマンドを生成することとしてもよい。一方、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「時短中短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。あるいは、現在の状態が「時間短縮機能」の非作動時(低確率状態)であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものである場合、主制御CPU72は「通常はずれリーチ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。一方、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「通常はずれ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。なお、この処理において、主制御CPU72は、小当り時の変動パターンについて、上述したはずれ時の処理と同様に変動パターン先判定コマンドを生成してもよい。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は取得時演出判定処理を終了し、呼び出し元の第1特別図柄記憶更新処理(図20)又は第2特別図柄記憶更新処理(図21)に復帰する。一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
ステップS74:主制御CPU72は、大当り図柄種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(図20中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図21中のステップS45)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、ステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果からいずれの当選図柄に該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS78に進む。
ステップS78:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットする。特別図柄先判定値は、例えば「時間短縮状態に移行しない図柄」に該当する場合は「00H」がセットされ、「時間短縮状態に移行する図柄」に該当する場合は「01H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
ステップS79:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段、先読み処理実行手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り時の変動時間について、上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、例えば大当り時のリーチ変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(図20)又は第2特別図柄記憶更新処理(図21)に復帰する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理(図18)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図23は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000〜ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において大当り又は小当りの態様(非当選以外の態様)で特別図柄が停止表示された場合に選択される。なお、特別図柄の停止表示される態様に応じて、大当り遊技又は小当り遊技が開始される。
〔大当り遊技〕
例えば、特別図柄が3ラウンド大当りの態様で停止表示されると、大当り遊技(遊技者にとって有利な特別遊技)が実行される。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、第1大入賞口ソレノイド90が一定時間(例えば29秒間又は10個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば3回)にわたって励磁され、これにより第1可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に第1可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に第1可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で3回あれば、これらを「3ラウンド」と総称することがある。本実施形態では、3ラウンド大当りについては、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられている。なお、大当りの種類として3ラウンド大当りだけでなく、その他のラウンド数の大当りを設けてもよい。
また、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の第1可変入賞装置30の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また、主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図18中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(時間短縮状態)を変化させる(時間短縮状態移行手段)。「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、普通図柄の作動抽選の抽選確率が通常確率(低確率)から高確率に設定され、また、普通図柄の変動時間が短縮されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長されて開放回数が増加する(いわゆる電チューサポートが行われる)。なお、いわゆる2種遊技機の要素を含む遊技機(例えば、1種2種混合機や2種遊技機、すなわち、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過することによって大当り遊技が実行される遊技機)においては、普通図柄の作動抽選の当選確率を高確率状態に移行させないようにしてもよい。この場合、普通図柄の作動抽選の当選確率は、時間短縮機能の作動の有無に関わらずに一定の確率(例えば略1分の1)とし、可変始動入賞装置28の開放パターンで入賞の容易さと困難さを調整することができる。
遊技状態としては、少なくとも通常遊技状態(第1状態)及び通常遊技状態とは異なる時間短縮状態(第2状態)がある。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、時間短縮状態への移行条件が満たされると(所定の移行条件が満たされると、特別図柄が大当りの態様で停止表示されると)、通常遊技状態(第1状態)から時間短縮状態(第2状態)に移行させることができる(状態移行手段)。
〔小当り〕
また、本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当りの遊技が行われて第2可変入賞装置31が開閉動作する(特例遊技実行手段)。例えば、特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、小当り遊技(遊技者にとって有利な特殊遊技)が実行される。小当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、第2大入賞口ソレノイド97が一定時間(例えば1.8秒間又は10個の入賞をカウントするまで)、予め設定された作動回数(例えば1回又は複数回)にわたって励磁され、これにより第2可変入賞装置31が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の作動)。この間に第2可変入賞装置31に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、ある程度の賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。
また、小当り遊技中の可変入賞装置管理処理においては、特定領域ソレノイド99が一定時間(例えば1.6秒間)、予め設定された作動回数(例えば1回)にわたって励磁され、これにより特定領域用スライド部材31cが決まったパターンで開閉動作する。この間に特定領域31xに遊技球を通過させることで、遊技者には、大当り遊技を開始する機会が与えられる。すなわち、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過するか否かで、可変入賞装置管理処理において大当り遊技を開始するか否かが決定される。本実施形態では、小当りについては、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられており、遊技球が特定領域31xを通過すると、当選種類に応じた大当り遊技が開始される。
また、特定領域31xを遊技球が通過せずに小当りの遊技が終了しても、「時間短縮機能」が作動することもないので、「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。なお、「時間短縮状態」で小当りに当選した場合には、その小当り遊技終了後に「時間短縮状態」が終了するようにしてもよい。
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、複数の当選種類として、「2ラウンド大当り」、「3ラウンド大当り1,2」、「4ラウンド大当り」、「7ラウンド大当り」、「10ラウンド大当り」が設けられている。「2ラウンド大当り」及び「3ラウンド大当り1,2」は特別図柄が大当りの態様で停止表示した際に開始されるのに対し、「4ラウンド大当り」、「7ラウンド大当り」及び「10ラウンド大当り」は特別図柄が小当りの態様で停止表示し、かつ、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過した際に開始される。なお、「4ラウンド大当り」、「7ラウンド大当り」及び「10ラウンド大当り」のうち1ラウンド目では第2可変入賞装置31が作動し、残りのラウンドでは第1可変入賞装置30が作動する。
上記の当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「3ラウンド大当り1」は「第1当選図柄」の大当りに対応し、「3ラウンド大当り2」は「第2当選図柄」の大当りに対応し、「2ラウンド大当り」は「第3当選図柄」の大当りに対応する。また、「10ラウンド大当り」は「第4当選図柄」の小当り(特定領域31x通過時の大当り)に対応し、「7ラウンド大当り」は「第5当選図柄」の小当り(特定領域31x通過時の大当り)に対応し、「4ラウンド大当り」は「第6当選図柄」の小当り(特定領域31x通過時の大当り)に対応する。このため以下では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔第1当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が「第1当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが3ラウンド目まで継続する。このため、「第1当選図柄」の大当り遊技は、3ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。また、第1大入賞口30bは、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される(以下、同様)。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=6回)。
〔第2当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が「第2当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが3ラウンド目まで継続する。このため、「第2当選図柄」の大当り遊技は、3ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=100回)。
〔第3当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第3当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが2ラウンド目まで継続する。このため、「第3当選図柄」の大当り遊技は、2ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=100回)。
〔第4当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第4当選図柄」の態様で停止表示されると、小当り遊技が実行され、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過すると、小当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。この場合、2ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第4当選図柄」に該当した場合の大当り遊技は、9ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=6回)。
〔第5当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第5当選図柄」の態様で停止表示されると、小当り遊技が実行され、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過すると、小当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。この場合、2ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが7ラウンド目まで継続する。このため、「第5当選図柄」に該当した場合の大当り遊技は、6ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=6回)。
〔第6当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第6当選図柄」の態様で停止表示されると、小当り遊技が実行され、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過すると、小当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。この場合、2ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが4ラウンド目まで継続する。このため、「第6当選図柄」に該当した場合の大当り遊技は、3ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=6回)。
このように、本実施形態では、いずれの当選図柄に該当しても、大当り遊技終了後には、「時間短縮状態」に移行する。なお、複数ある当選図柄のうち一部の当選図柄に限って「時間短縮状態」に移行するようにしてもよい。
なお、このように内部抽選で小当りに当選し、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に当選図柄の種類に応じて時間短縮状態に移行する遊技機は、いわゆる1種2種混合タイプの遊技機と呼ばれている。
このように、左打ち領域(第1領域)に遊技球を発射して、大当り(所定の第1当選)に該当すると、主制御CPU72は、大当り遊技(第1遊技)を実行可能とする(第1遊技実行手段)。
また、右打ち領域(第2領域)に遊技球を発射して、小当り(所定の第2当選)に該当すると、主制御CPU72は、大当り遊技に繋がる可能性がある小当り遊技(第2遊技)を実行可能とする(第2遊技実行手段)。
さらに、左打ち領域(第1領域)に遊技球を発射して、普通図柄抽選での当り図柄2当選(所定の第3当選)に該当すると、主制御CPU72は、小当り当選(所定の第2当選)に繋がる可能性がある可変始動入賞装置28の開放遊技(第3遊技)を実行可能とする(第3遊技実行手段)。
〔特別図柄変動前処理〕
図24は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図18中のステップS212)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお、復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する(第2抽選優先実行手段)。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数等)のうち、第2特別図柄に対応する方を優先的に読み出す(いわゆる優先消化)。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば(第1特別図柄のみが該当)、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。第2特別図柄に対応する乱数が記憶されていない場合、主制御CPU72は第1特別図柄に対応する乱数を読み出して一時記憶領域に保存する。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。その結果、本実施形態では第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示が優先的に行われることになる。なお、このような特別図柄別の優先順位を設けることなく、単純に記憶された順番で乱数が読み出される制御を採用してもよい(いわゆる順消化)。また、この処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち、乱数のシフトを行った方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図18中のステップS210)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図25は、上記の特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動前処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」より大であった場合(図24中のステップS2100:Yes)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する作動記憶が残存しているか否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第2特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が1以上である場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2212に進む。
ステップS2212:主制御CPU72は、記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第2特別図柄を指定する。この指定は、例えば対象図柄指定値として「02H」をセットすることで行われる。
ステップS2214:一方、第2特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が0である場合(ステップS2210:No)、主制御CPU72は記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第1特別図柄を指定する。この場合の指定は、例えば対象図柄指定値として「01H」をセットすることで行われる。
ステップS2216:上記のステップS2212又はステップS2214のいずれかで指定した対象の特別図柄について、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
ステップS2218:次いで主制御CPU72は、対象の特別図柄について作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、今回の記憶エリアをシフトする対象が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(−1)する。
ステップS2220:そして、主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から「変動開始時作動記憶数」を設定する。なお、ここでは第1特別図柄と第2特別図柄の両方について、作動記憶カウンタの値を加算した上で「変動開始時作動記憶数」を設定してもよい。
ステップS2222:また、主制御CPU72は、今回の記憶エリアをシフトする対象の特別図柄が第2特別図柄であるか否かを確認する。
ステップS2224:対象が第2特別図柄であった場合(ステップS2222:Yes)、主制御CPU72は第2特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」〜「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。つまり、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」〜「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」〜「1」(コマンド表記は「13H」〜「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」〜「0」(コマンド表記は「12H」〜「10H」)となったことを表している。なお、上記の先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS2226:なお、今回の対象が第1特別図柄であった場合(ステップS2222:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。この場合のコマンドは、先行値が第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BBH」)となる以外は上記と同じである。
ステップS2228:そして、主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2224又はステップS2226でセットした作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図24)に復帰する。
〔図24:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(第1抽選実行手段、第2抽選実行手段、抽選実行手段)。このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(第1抽選実行手段、第2抽選実行手段、抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。「小当り」は、第2可変入賞装置31のみを作動させる条件を満たすものとして位置付けられている(条件装置を作動させる条件は満たさない)。さらに、「小当り」中に遊技球が特定領域31xを通過すると、「大当り」に発展させるものとして位置付けられている(条件装置を作動させる条件を満たす)。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
本実施形態では、第1特別図柄抽選においては、大当りの当選確率が319分の1に設定され、小当りには当選しない設定になっている。また、第2特別図柄抽選においては、大当りに当選する確率は同一の319分の1に設定され、小当りに当選する確率は6分の1に設定されている。したがって、第2特別図柄抽選においては、大当りよりも小当りに当選しやすくなっている。これらの大当りの当選確率や小当りの当選確率を満たすべく、大当り値の範囲や小当り値の範囲が主制御CPU72により設定され、読み出した乱数値と比較される。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図18中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、図示しない変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、はずれ時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン選択手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。変動パターンには、通常変動(非リーチ変動)、リーチ変動、スーパーリーチ変動等といった様々な変動パターンが含まれている(大当り時や小当り時も同様)。なお、選択された特別図柄の変動パターンに関する情報は、特殊変動であるか否かという情報も含めて変動パターンコマンドとして演出制御装置に送信される(大当り時や小当り時についても同様である。)。
ここで、はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。また、「時間短縮状態」でなくとも、リーチ演出を実行する変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個〜3個)」に基づいて短縮される場合がある(例えば、変動表示開始時作動記憶数0個→12.5秒程度、変動表示開始時作動記憶数1個→8秒程度、変動表示開始時作動記憶数2個→5秒程度、変動表示開始時作動記憶数3個→2.5秒程度)。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。そして、主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
変動パターンには、非リーチ変動パターン、リーチ変動パターン、スーパーリーチ変動パターン等といった様々な変動パターンが含まれている(大当り時や小当り時も同様)。なお、変動パターン選択テーブルは、変動開始時作動記憶数に応じて異なるテーブル内容としてもよく、変動開始時作動記憶数に関わらずに共通のテーブル内容としてもよく、当選時には当選種類に応じたテーブル内容としてもよい。
ここで、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンでは、設定される変動時間の長さが大きく異なっている。すなわち、「非リーチ変動パターン」は基本的に短い変動時間(例えば変動開始時作動記憶数に応じて3.0秒〜29.0秒程度)に対応するものであるのに対し、「リーチ変動パターン」はそれよりも長い変動時間(例えば30.0秒〜150.0秒程度)に対応するものである。
変動パターンは、擬似連続予告演出(擬似連)が実行される変動パターンである場合もある。擬似連続予告演出とは、1回の特別図柄の変動中に、演出図柄が擬似的に1回又は複数回変動する演出である。
ここで、擬似1の変動(擬似1:1回目の擬似的な変動)とは、演出図柄の擬似的な変動が1回実行される変動であり、擬似2の変動(擬似2:2回目の擬似的な変動)とは、演出図柄の擬似的な変動が2回実行される変動である。また、擬似3の変動(擬似3:3回目の擬似的な変動)とは、演出図柄の擬似的な変動が3回実行される変動であり、擬似4の変動(擬似4:4回目の擬似的な変動)とは、演出図柄の擬似的な変動が4回実行される変動である。
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、3種類の当選図柄が用意されている。第1特別図柄に関する内訳は、「第1当選図柄」又は「第2当選図柄」であり、第2特別図柄に関する内訳は、「第3当選図柄」だけである。なお、これらの当選図柄の各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば、「第1当選図柄」であれば、「第1当選図柄A」、「第1当選図柄B」、「第1当選図柄C」、・・・といった具合である。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の選択比率が異なっている。このため主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであるか、第2特別図柄に対応するものであるかによって選択する当選図柄を区別している。
〔第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図26は、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、この第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「99」,「1」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第1当選図柄」、「第2当選図柄」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する大当り時には、「第1当選図柄」が選択される割合は100分の99(=99%)であり、「第2当選図柄」が選択される割合は100分の1(=1%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。
いずれにしても、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」,「02H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「第1当選図柄」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第1当選図柄」に該当した場合、通常中(非時間短縮状態)であるか時短中(時間短縮状態)であるかに関わらず、時短回数は6回(又は10回)付与される。
また、「第2当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は100回(又は104回)付与される。なお、時短回数は、上記の値に限定されることなく1〜5回であってもよく、7回以上(11回以上)であってもよい。
ここで、「6回(又は10回)」とは、第2特別図柄の合計変動回数が6回となるか、第1特別図柄及び第2特別図柄の合計変動回数が10回となると、時間短縮状態が終了することを意味している。
また、「100回(又は104回)」とは、第2特別図柄の合計変動回数が100回となるか、第1特別図柄及び第2特別図柄の合計変動回数が104回となると、時間短縮状態が終了することを意味している。
〔第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図27は、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、この第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「100」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第3当選図柄」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する大当り時においては、「第3当選図柄」が選択される割合は100分の100(=100%)である。
今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「第3当選図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第3当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は100回(又は104回)付与される。
〔図24:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、大当り時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「第2当選図柄」又は「第3当選図柄」である場合、主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域にある遊技状態フラグとしての時間短縮機能作動フラグをON(01H)にセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段)。なお、主制御CPU72は、非時間短縮状態で「第1当選図柄」に該当した場合、時間短縮機能作動フラグをOFF(00H)にリセットし、時間短縮状態で「第1当選図柄」に該当した場合、時間短縮機能作動フラグの値をON(01H)にセットする。
また、ステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時停止図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお、本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。また、本実施形態では第1特別図柄に関しては小当りが設定されておらず、第2特別図柄に関してのみ設定されている。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では小当り時に選択的に決定される当選図柄として、3種類の当選図柄が用意されている。3種類の内訳は、「第4当選図柄」、「第5当選図柄」、「第6当選図柄」である。なお、これらの当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば、「第4当選図柄」であれば、「第4当選図柄A」、「第4当選図柄B」、「第4当選図柄C」、・・・といった具合である。
〔第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブル〕
図28は、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は、この第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「50」,「14」,「36」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第4当選図柄」、「第5当選図柄」、「第6当選図柄」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する小当り時においては、「第4当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)であり、「第5当選図柄」が選択される割合は100分の14(=14%)であり、「第6当選図柄」が選択される割合は100分の36(=36%)である。
今回の小当りの結果、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の小当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「02H」,「03H」,「04H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の小当りの結果、当選図柄として「第4当選図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H02H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての小当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、小当り遊技中に特定領域31xを遊技球が通過して大当り遊技が開始され、その大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第4当選図柄」、「第5当選図柄」又は「第6当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は6回(又は10回)付与される。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル、及び、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルを用いることにより、主制御CPU72は、非時間短縮状態又は時間短縮状態で「第1当選図柄〜第6当選図柄」に該当した場合(第4当選図柄〜第6当選図柄については大当り遊技が実行された場合に限る。)には、時間短縮状態への移行条件が満たされるものとすることができる(移行条件設定手段)。
〔図24:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2408:次に主制御CPU72は、変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、小当り時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン選択手段)。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。本実施形態では小当りは第2特別図柄抽選にのみ設定されており、小当り時には小当り時用の変動時間を有する変動パターンが選択される。なお、第1特別図柄抽選に小当りを設定してもよい。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図23:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして、主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また、特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図24中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に図29は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして、主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図23中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドを生成する。図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。なお、「停止表示時間終了コマンド」とは、特別図柄の停止表示時間が終了(経過)したことを示すコマンドである。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「可変入賞装置管理処理」に設定する。なお、主制御CPU72は、本処理にて各種機能を非作動に設定する処理を実行する。具体的には、時間短縮機能を非作動とする。これにより、特別遊技(大役)が開始される前には、通常状態(非時間短縮状態)に移行されることになる。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして、小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「時間短縮状態」に関するカウンタ値がRAM76の時短カウント領域にセットされている。本実施形態では、いわゆる回数切りの時間短縮機能を採用しており、「時間短縮状態」に移行させる場合、時間短縮状態に関する第1回数切りカウンタ値は所定の数値(例えば6回又は100回)に設定され、時間短縮状態に関する第2回数切りカウンタ値は規定の数値(例えば10回又は104回)に設定される。なお、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値の情報は、回数切りカウンタコマンドによって演出制御装置124に通知(送信)される。
なお、時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値は、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値といったように2つのカウンタ値を設けずに、1つのカウンタ値だけで時間短縮状態を制御してもよい。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値(第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値)が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。具体的には、第2特別図柄の停止表示中である場合には、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値を両方ともデクリメントし、第1特別図柄の停止表示中である場合には、第2回数切りカウンタ値だけをデクリメントする。
ステップS4640:そして、主制御CPU72は、いずれかの回数切りカウンタ値(第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値)の減算結果が0であるか否かを判断する。減算の結果、いずれの回数切りカウンタ値も0でない場合(No)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、いずれかの回数切りカウンタ値が0である場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。本実施形態では、時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値は所定の数値(例えば6回)に設定される。このため、時間短縮状態で6回の第2特別図柄のはずれ変動(特定領域未通過となった場合はその際の小当り変動を含む。)が実行されると、時間短縮機能作動フラグがリセットされる。一方、時間短縮状態で6回の第1特別図柄のはずれ変動が実行されても、時間短縮機能作動フラグはリセットされず、その後さらに時間短縮状態で4回の第1特別図柄又は第2特別図柄のはずれ変動が実行されると、時間短縮機能作動フラグがリセットされる。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態が終了する。なお、時間短縮機能作動フラグは、特別図柄の停止表示時間が経過した際にリセットする例で説明しているが、特別図柄の変動時間終了時(停止表示時間計測開始前)にリセットしてもよい。
そして、以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理に復帰する。
このように、時間短縮状態の終了条件(所定の終了条件)は、時間短縮状態に移行してからの第2特別図柄の変動回数が第1回数(例えば6回)に到達した場合、又は、時間短縮状態に移行してからの第1特別図柄の変動回数及び第2特別図柄の変動回数を合計した合計変動回数が第1回数よりも大きい第2回数(例えば10回)に到達した場合に満たされる条件となっている。
〔表示出力管理処理〕
次に図30は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図18中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値に応じて時短状態表示ランプ38eの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38eに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。さらに、主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスに応じて発射位置指定表示ランプ38fの点灯を制御する。例えば、大当り遊技又は小当りの遊技により第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31が作動状態となる場合、主制御CPU72は発射位置指定表示ランプ38fに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。また、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は上記の時短状態表示ランプ38eに加えて、発射位置指定表示ランプ38fに対応するLEDに対しても点灯信号を出力する。なお、発射位置指定表示ランプ38fは、大当り遊技を経て「時間短縮状態」に移行する場合、大当り遊技開始から「時間短縮状態」が終了するまで点灯し、「時間短縮状態」の終了により非点灯(OFF)となる。
また、主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38b,38cの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は上記の連続作動回数ステータスの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38b,38cに対する点灯信号(コモン出力用データ)を生成する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数ステータスの値で指定された大当り図柄に対応する表示ランプ38a,38b,38cの組み合わせである。例えば、連続作動回数ステータスの値が「10ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「10ラウンド」を表す点灯パターンに対応するランプ(例えば、表示ランプ38a,38b,38cの全てのランプ)に対する点灯信号を生成する。また、連続作動回数ステータスの値が「2ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「2ラウンド」を表す点灯パターンに対応するランプ(例えば、ランプ38aのみ)に対する点灯信号を生成する。3つの表示ランプ38a,38b,38cでは、6通りの点灯パターンを表示することができるので、本実施形態の5種類の大当りに対応させることができる。なお、ラウンド数に対応する点灯パターンの詳細は、遊技者に明確に伝達しておくために、表示ランプ38a,38b,38cの周辺に表示しておくことが好ましい。
〔可変入賞装置管理処理〕
次に、可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図31は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200〜ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大入賞口開放パターン設定処理〕
図32は、大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時又は小当り時にそれぞれ第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5202:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。この確認の結果、大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5203を実行する。一方、大当りフラグの値(01H)がセットされていない場合(No)、すなわち、小当りフラグの値(01H)がセットされている場合、主制御CPU72は次にステップS5204を実行する。
ステップS5203:主制御CPU72は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理を実行する。この処理では、大当り時図柄別開放パターン設定テーブルに基づいて、大当り時の当選図柄に対応した大入賞口の開放パターンを設定するものである。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5205を実行する。
ステップS5204:主制御CPU72は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理を実行する。この処理では、小当り時図柄別開放パターン設定テーブルに基づいて、大入賞口の開放パターンを設定するものである。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5205を実行する。
ステップS5205:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔大当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図33は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5210:主制御CPU72は、条件装置及び役物連続作動装置を作動させる。ここで、「条件装置」とは、その作動が役物連続作動装置の作動に必要な条件とされる装置であり、「役物連続作動装置」とは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を連続して作動させることができる装置である。なお、「条件装置」や「役物連続作動装置」は制御上のフラグとすることもできる。したがって、この条件装置が作動していない限り、大当り遊技において第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31は作動しないことを表している。主制御CPU72は次にステップS5212を実行する。
ステップS5212:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、大当り図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、第1当選図柄又は第2当選図柄に該当した場合、連続作動回数ステータスには「3ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5214を実行する。
ステップS5214:主制御CPU72は、大当り時図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時図柄別開放パターン設定テーブルを参照し、特別図柄に関する当選図柄の種類に対応した開放パターンを選択する。ここで、開放パターンとは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を作動させる設定を表し、例えば、実行ラウンド数、開放時間、インターバル時間等の設定を表している。主制御CPU72は次にステップS5216を実行する。
〔大当り時図柄別開放パターン設定テーブル〕
図34は、大当り時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この大当り時図柄別開放パターン設定テーブルは、特別図柄に関する異なる当選図柄別に、ラウンドごとの作動させる可変入賞装置(第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31)の開閉動作パターンを定めたものである。具体的には、当選図柄別に以下の大入賞口の開放パターンが定められている。
〔第1当選図柄〕
第1当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は3ラウンドであり、その内の3ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第1当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から3ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される(ただし、上限個数の入球が確認されると閉鎖される。以下、同様。)。したがって、第1当選図柄に該当した場合は、実質的に3ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第2当選図柄〕
第2当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は3ラウンドであり、その内の3ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第2当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から3ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第2当選図柄に該当した場合は、実質的に3ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第3当選図柄〕
第3当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は2ラウンドであり、その内の2ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第3当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から2ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第3当選図柄に該当した場合は、実質的に2ラウンド分の出球を獲得することができる。
以上のように、主制御CPU72は、上記大当り時図柄別開放パターン設定テーブルを参照して当選図柄の種類に対応する大入賞口の開放パターンを設定する。
〔図33:大当り時大入賞口開放パターン設定処理を参照〕
ステップS5216:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中のラウンド毎(1ラウンド〜最終ラウンド)に作動させる可変入賞装置の種類を第1可変入賞装置30に設定する。なお、本実施形態においては、全ての大当り時の当選図柄(第1当選図柄〜第3当選図柄)に対応する開放パターンが1ラウンド〜最終ラウンドで第1大入賞口30bが開放されるため、第1可変入賞装置30の作動が設定される。主制御CPU72は次にステップS5218を実行する。
ステップS5218:主制御CPU72は、実行ラウンド数を設定する。具体的には、主制御CPU72は当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンド数を設定する。例えば、3ランド大当り(第1当選図柄及び第2当選図柄)に対応する開放パターンの実行ラウンド数としては、3ラウンドが設定される。主制御CPU72は次にステップS5220を実行する。
ステップS5220:主制御CPU72は、大当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド毎に大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、大当り時の当選図柄(第1当選図柄〜第3当選図柄)に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、ラウンド毎に設定される。例えば、第1当選図柄であった場合、出球有りのラウンドについては第1大入賞口30bを開放する開放時間が29.0秒に設定される。したがって、開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。なお、開放タイマの値として0.5秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が困難な時間となる。主制御CPU72は次にステップS5222を実行する。
ステップS5222:主制御CPU72は、大当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、全ての大当り時の当選図柄(第1当選図柄〜第3当選図柄)に対応する開放パターンのインターバルタイマとして1.0秒が設定される。例えば、1ラウンド目と2ラウンド目の間の第1大入賞口30bの開放が終了し一旦閉鎖状態になった後、1.0秒間程度のインターバルタイマが設定される。主制御CPU72は次にステップS5224を実行する。
ステップS5224:主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の処理(ステップS5218)で設定された実行ラウンド数に基づいて生成することができる。例えば、第1当選図柄又は第2当選図柄に該当した場合、実行ラウンド数は「3ラウンド」となるため、連続作動回数コマンドは「3ラウンド」を表す値を含むコマンドとして生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大入賞口開放パターン設定処理(図32)に復帰する。
〔小当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図35は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5252:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、小当り遊技中を表す状態コマンドを生成する。小当り遊技中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5254を実行する。
ステップS5254:主制御CPU72は、小当り時開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時開放パターン設定テーブルを参照し、開放パターンを選択する。ここで、開放パターンとは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を作動させる設定を表し、例えば、開放回数、開放時間、インターバル時間、特定領域31xの開放時間等の設定を表している。主制御CPU72は次にステップS5256を実行する。
〔小当り時開放パターン設定テーブル〕
図36は、小当り時開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この小当り時開放パターン設定テーブルは、可変入賞装置(第2可変入賞装置31)の開閉動作パターンを定めたものである。なお、本実施形態では、小当り時に設定される開放パターンは1つであるが、当選図柄別に複数規定してもよい。
小当りに該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第2可変入賞装置31である。また、第2可変入賞装置31の開放回数は2回であり、その1回の開放時間は0.9秒である。なお、インターバル時間は例えば1.0秒程度に設定される。
特定領域31xの開放開始時間(特定領域ソレノイド99をONにして特定領域用スライド部材31cを作動させるタイミング)は、第2可変入賞装置31の開放開始から0.2秒後である。
また、特定領域31xの開放終了時間(特定領域ソレノイド99をOFFにして特定領域用スライド部材31cを非作動とするタイミング)は、第2可変入賞装置31の開放開始から1.8秒後である。
〔図35:小当り時大入賞口開放パターン設定処理を参照〕
ステップS5256:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は小当りに対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に作動させる可変入賞装置の種類を第2可変入賞装置31に設定する。主制御CPU72は次にステップS5258を実行する。
ステップS5258:主制御CPU72は、開放回数を設定する。具体的には、主制御CPU72は小当りに対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に実行する開放回数を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに対応する開放パターンの開放回数として2回が設定される。主制御CPU72は次にステップS5260を実行する。
ステップS5260:主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当り時に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、0.9秒が設定される。主制御CPU72は次にステップS5262を実行する。
ステップS5262:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、大入賞口の開放間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、インターバルタイマは所定時間(例えば1.0秒)に設定される。主制御CPU72は次にステップS5264を実行する。
ステップS5264:主制御CPU72は、特定領域31x(特定領域用スライド部材31c)の開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に特定領域31xの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、第2可変入賞装置31の開放開始から0.2秒後に特定領域31xが開放され、第2可変入賞装置31の開放開始から1.8秒後に特定領域31xが閉鎖される。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大入賞口開放パターン設定処理(図32)に復帰する。
〔大入賞口開閉動作処理〕
図37は、大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は主に、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5302:主制御CPU72は、現在の内部状態が「大役中」であるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファにアクセスし、制御上の内部状態フラグとして「大役中(大当り遊技中)」のフラグがセットされているか否かで、現在の内部状態が「大役中」であるか否かを確認する。なお、「大役中(大当り遊技中)」のフラグは、先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理中:ステップS5212)や後述する特定領域通過時処理中において主制御CPU72によりセットされる。この確認の結果、現在の内部状態が「大役中」である場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5306を実行する。一方、現在の内部状態が「大役中」ではない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5304を実行する。
ステップS5304:主制御CPU72は、第2大入賞口開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、第2大入賞口31bを開閉するために第2可変入賞装置31を作動させる(第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS5306:主制御CPU72は、第1大入賞口開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、第1大入賞口30bを開閉するために第1可変入賞装置30を作動させる(第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理(図31)に復帰する。
〔第2大入賞口開閉動作処理〕
図38は、第2大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5310:主制御CPU72は、主制御CPU72は、第2大入賞口31bを開放する。具体的には、第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第2可変入賞装置31が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。
ステップS5312:主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図35中)のステップS5260やステップS5264)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。なお、この処理では、第2大入賞口31bの開放に関する開放タイマの他に、特定領域31xの開放に関する開放タイマ(開放開始時間、開放終了時間)についてのカウントダウンが行われる。主制御CPU72は次にステップS5314を実行する。
ステップS5314:主制御CPU72は、特定領域開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、特定領域31xを開閉するために特定領域用スライド部材31cを作動させる(特定領域ソレノイド99に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5316を実行する。
ステップS5316:主制御CPU72は、第2大入賞口31bの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理中の第2大入賞口31bについての開放タイマの値が0以下であるか否かを確認する。この確認の結果、第2大入賞口31bの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322を実行する。一方、第2大入賞口31bの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5318を実行する。
ステップS5318:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第2可変入賞装置31(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第2カウントスイッチ85から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。主制御CPU72は次にステップS5320を実行する。
ステップS5320:主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように小当り時の開放1回あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(No)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5310〜ステップS5320の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5316で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5320でカウント数が所定数に達したことを確認すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322を実行する。なお、小当り時の開放は、開放タイマの値が短時間(例えば、1.8秒)に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5316で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5322:主制御CPU72は、第2大入賞口31bを閉鎖する。具体的には、第2大入賞口ソレノイド97に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより第2可変入賞装置31が開放状態から閉鎖状態に復帰する。主制御CPU72は次にステップS5324を実行する。
ステップS5324:主制御CPU72は、特定領域通過フラグがONであるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、特定領域通過フラグの値が01Hであるか否かにより、特定領域通過フラグがONであるか否かを確認する。この確認の結果、特定領域通過フラグがONである場合(Yes)、すなわち、小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過した場合、主制御CPU72は次にステップS5326を実行する。一方、特定領域通過フラグがONではない場合(No)、すなわち、小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過しなかった場合、主制御CPU72は次にステップS5327aを実行する。なお、特定領域通過フラグは、先の特定領域開閉動作処理(ステップS5314)の中でONに設定される可能性がある。
ステップS5326:主制御CPU72は、特定領域通過時処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過したことに基づき、条件装置や役物連続作動装置を作動させ、第1可変入賞装置30を連続作動させる処理、すなわち、大当り遊技を開始する処理を実行する(特殊遊技経由特別遊技実行手段、特別遊技実行手段)。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5328を実行する。
ステップS5327a:主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図35中)のステップS5262)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5327bに進む。なお、ここでは特に図示していないが、インターバル時間が経過するまでの間(インターバルタイマ値が0になるまでの間)、割り込み毎に主制御CPU72はステップS5327aから呼び出し元である可変入賞装置管理処理(図31)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5310からではなく直にステップS5327aを実行する。
ステップS5327b:主制御CPU72は、第2大入賞口開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、第2大入賞口開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5327c:主制御CPU72は、インクリメント後の第2大入賞口開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「1回の小当り中に第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、特にこのような開放パターンを採用していない場合には、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されているため、1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5328に進むことになる。
一方、「1回の小当り中に第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンを採用している場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5310〜ステップS5327bまでの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5327bで開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(ステップS5327c;Yes)、主制御CPU72は次にステップS5328を実行する。
ステップS5328:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、大入賞口開閉動作処理(図37)に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔特定領域開閉動作処理〕
図39は、特定領域開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5330:主制御CPU72は、特定領域31xの開放時間が開始されたか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はカウントダウン処理(ステップS5312)においてカウントダウンされていた特定領域31xの開放に関する開放開始時間についての開放タイマの値が0であるか否かを確認することで、特定領域31xの開放時間が開始されたか否かを確認する。この確認の結果、特定領域31xの開放時間が開始された場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5332を実行する。一方、特定領域31xの開放時間が開始されていない場合(No)、又は、すでに開放されている場合、主制御CPU72は次にステップS5334を実行する。
ステップS5332:主制御CPU72は、特定領域31xを開放する。具体的には、特定領域ソレノイド99に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、特定領域用スライド部材31cが作動して特定領域31xが閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5334を実行する。
ステップS5334:主制御CPU72は、遊技球が特定領域31xを通過したか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76の記憶領域にアクセスし、特定領域予備フラグがONになっているか否かを確認する。この確認の結果、特定領域予備フラグがONになっていて、遊技球が特定領域31xを通過したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5336を実行する。一方、特定領域予備フラグがOFFになっていて、遊技球が特定領域31xを通過していないことを確認した場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5338を実行する。
ステップS5336:主制御CPU72は、特定領域通過フラグをONにセットする。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、特定領域通過フラグの値を01Hに設定する。主制御CPU72は次にステップS5338を実行する。なお、特定領域通過フラグや特定領域予備フラグは大当り遊技の終了時にリセットされる。
ステップS5338:主制御CPU72は、特定領域31xの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はカウントダウン処理(ステップS5312)においてカウントダウンされていた特定領域31xの開放に関する開放タイマの値が0であるか否かを確認することで、特定領域31xの開放時間が終了したか否かを確認する。この確認の結果、特定領域31xの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5340を実行する。一方、特定領域31xの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図38)に復帰する。
ステップS5340:主制御CPU72は、特定領域31xを閉鎖する。具体的には、特定領域ソレノイド99に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、特定領域用スライド部材31cが開放状態(作動状態)から閉鎖状態(非作動状態)に復帰する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図38)に復帰する。
〔特定領域通過時処理〕
図40は、特定領域通過時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5350:主制御CPU72は、小当りフラグをリセットする。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、小当りフラグの値を00Hにリセットする。主制御CPU72は次にステップS5352を実行する。
ステップS5352:主制御CPU72は、小当り遊技を終了させる。具体的には、主制御CPU72は内部状態フラグから「小当り遊技中」を消去し、制御処理上で小当り遊技を終了する(小当り終了)。主制御CPU72は次にステップS5354を実行する。
ステップS5354:主制御CPU72は、条件装置及び役物連続作動装置を作動させる。これにより、第1可変入賞装置30を連続して作動させることができ、大当り遊技を開始できることとなる。主制御CPU72は次にステップS5356を実行する。
ステップS5356:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、当選図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、第1当選図柄又は第2当選図柄に該等した場合、連続作動回数ステータスには「3ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5358を実行する。
ステップS5358:主制御CPU72は、特定領域通過時図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルを参照し、小当りに該当した際の当選図柄の種類に対応した開放パターンを選択する。主制御CPU72は次にステップS5360を実行する。
ステップS5360:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中のラウンド毎(2ラウンド〜最終ラウンド)に作動させる可変入賞装置の種類を第1可変入賞装置30に設定する。主制御CPU72は次にステップS5362を実行する。
ステップS5362:主制御CPU72は、実行ラウンド数を設定する。具体的には、主制御CPU72は小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンド数を設定する。例えば、第4当選図柄に対応する開放パターンの実行ラウンド数としては「10ラウンド」が設定される。主制御CPU72は次にステップS5364を実行する。
ステップS5364:主制御CPU72は、大当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド毎に大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄(第4当選図柄〜第6当選図柄)に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、ラウンド毎に設定される。例えば、第4当選図柄であった場合、出球有りのラウンドについては第1大入賞口30bを開放する開放時間が29.0秒に設定される。したがって、開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。なお、開放タイマの値として0.5秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が困難な時間となる。主制御CPU72は次にステップS5366を実行する。
ステップS5366:主制御CPU72は、大当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄(第4当選図柄〜第6当選図柄)に対応する開放パターンのインターバルタイマとして1.0秒が設定される。例えば、2ラウンド目と3ラウンド目の間の第1大入賞口30bの開放が終了し一旦閉鎖状態になった後、1.0秒間程度のインターバルタイマが設定される。主制御CPU72は次にステップS5368を実行する。
ステップS5368:主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の処理(ステップS5362)で設定された実行ラウンド数に基づいて生成することができる。例えば、第4当選図柄に該当した場合、実行ラウンド数は「10ラウンド」となるため、連続作動回数コマンドは「10ラウンド」を表す値を含むコマンドとして生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5370を実行する。
ステップS5370:主制御CPU72は、特定領域通過時図柄別時間短縮機能設定処理を実行する。この処理では、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が「第4当選図柄」〜「第6当選図柄」である場合、主制御CPU72は時間短縮機能作動フラグをONにセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段)。なお、本実施形態では、「第4当選図柄」〜「第6当選図柄」に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、必ず時間短縮状態に移行させているが、例えば、特定の当選図柄だけ時間短縮状態に移行させるようにしてもよい。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図38)に復帰する。
〔特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブル〕
図41は、特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルは、小当りに該当した際の特別図柄に関する異なる当選図柄別に、ラウンドごとの第1可変入賞装置30の開閉動作パターンを定めたものである。具体的には、当選図柄別に以下の大入賞口の開放パターンが定められている。
〔第4当選図柄〕
第4当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドである。なお、この実行ラウンド数には、小当りで開放された第2可変入賞装置31の作動が含まれているため、これから開始される大当り遊技では10ラウンドから1ラウンド分が減算された9ラウンドが実質的な大当り遊技でのラウンド数となる(以下、第5当選図柄、第6当選図柄においても同様)。また、9ラウンドのうち9ラウンド分が出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が第4当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、小当りでの第2可変入賞装置31の開放を1ラウンド目としているため、2ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第4当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合は、実質的に9ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第5当選図柄〕
第5当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は7ラウンド(実質的な大当り遊技でのラウンド数は6ラウンド)であり、その内の6ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が第5当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、小当りでの第2可変入賞装置31の開放を1ラウンド目としているため、2ラウンド目から7ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第5当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合は、実質的に6ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第6当選図柄〕
第6当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は4ラウンド(実質的な大当り遊技でのラウンド数は3ラウンド)であり、その内の3ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒であり、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が第6当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、2ラウンド目から4ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第6当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合は、実質的に3ラウンド分の出球を獲得することができる。
以上のように、主制御CPU72は、上記特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルを参照して小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄の種類に対応する大入賞口の開放パターンを設定することとなる。
〔第1大入賞口開閉動作処理〕
図42は、第1大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5380:主制御CPU72は、主制御CPU72は、第1大入賞口30bを開放する。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第1可変入賞装置30が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5382を実行する。
ステップS5382:主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図33中)のステップS5220、又は、特定領域通過時処理(図40中)のステップS5364)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。主制御CPU72は次にステップS5386を実行する。
ステップS5386:主制御CPU72は、第1大入賞口30bの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の第1大入賞口30bについての開放タイマの値が0以下であるか否かを確認する。この確認の結果、第1大入賞口30bの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5392を実行する。一方、第1大入賞口30bの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5388を実行する。
ステップS5388:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第1可変入賞装置30(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第1カウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。主制御CPU72は次にステップS5390を実行する。
ステップS5390:主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5380〜ステップS5390の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5386で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5390でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5392を実行する。なお、開放タイマの値が短時間(例えば、0.5秒)に設定されている場合、通常、主制御CPU72はステップS5390でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5386で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5392:主制御CPU72は、第1大入賞口30bを閉鎖する。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより第1可変入賞装置30が開放状態から閉鎖状態に復帰する。主制御CPU72は次にステップS5394を実行する。
ステップS5394:主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図33中)のステップS5222、又は、特定領域通過時処理(図40中)のステップS5366)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5395に進む。なお、ここでは特に図示していないが、インターバル時間が経過するまでの間(インターバルタイマ値が0になるまでの間)、割り込み毎に主制御CPU72はステップS5394から呼び出し元である可変入賞装置管理処理(図31)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5380からではなく直にステップS5394を実行する。
ステップS5395:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5396:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で第1可変入賞装置30を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、本実施形態では、特にこのような開放パターンを採用していないので、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがって、通常は1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5398に進むことになる。
なお、上記のように1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用した場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5380〜ステップS5390までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5395で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5398に進むことになる。
ステップS5398:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、大入賞口開閉動作処理(図37)に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大入賞口閉鎖処理〕
図43は、大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大入賞口閉鎖処理は、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5401:先ず主制御CPU72は、現在の遊技が大役(大当り遊技)中であるか否かを確認し、大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5402を実行する。
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。なお、小当り遊技中に特定領域31xを遊技球が通過し、小当りの終了後に大当り遊技が開始された場合、小当り時の第2大入賞口31bの開放を1ラウンド目として扱い、大当り遊技が開始される1回目のラウンドは2ラウンド目として扱われる。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1〜15)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の14、又は、15)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図31中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402〜ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達するまでの間、第1可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔小当り時〕
これに対し、小当りの場合は以下の手順となる(特例作動実行手段)。
ステップS5411:主制御CPU72は現在の遊技が大役中でないことを確認すると(ステップS5401:No)、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS5413:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図35中のステップS5258)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS5416を実行する。
ステップS5416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図31中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5401〜ステップS5413(No)を経てステップS5416、ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際の開放回数が設定した開放回数に達するまでの間、第2可変入賞装置31の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS5413:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5414を実行する。
ステップS5414,ステップS5412:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔終了処理〕
図44は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。この終了処理は、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認し、大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5503を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:この場合、主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また、主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で大当り遊技を終了する(大役終了)。なお、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値をリセットする。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値が01Hであるか(セットされているか)否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図24中のステップS2414)や、先の特定領域通過時処理中の特定領域通過時図柄別時間短縮機能設定処理(図40中のステップS5370)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、時間短縮機能作動フラグの値が01Hである場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時短回数(例えば6回(又は10回)、100回(又は104回))を設定する。設定した時短回数の値は、上記のようにRAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時短回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。本実施形態では、時短回数を管理するために、2種類の時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値(第1回数切りカウンタ値、第2回数切りカウンタ値)が用意されている。ここで、第1回数切りカウンタ値は、第2特別図柄が1回変動する度にデクリメント(1減算)される変数であり、初期値として「6」又は「100」が設定される。また、第2回数切りカウンタ値は、第1特別図柄又は第2特別図柄が1回変動する度にデクリメントされる変数であり、初期値として「10」又は「104」が設定される。なお、時間短縮機能作動フラグの値が01Hでない場合(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512を実行しない。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、時間短縮状態への移行条件が満たされた場合(所定の移行条件が満たされた場合、時間短縮状態に移行させる当選図柄で当選した場合)、大当り遊技の終了後に、非時間短縮状態(所定の遊技状態)から非時間短縮状態と比較して有利な条件が適用された(普通図柄抽選の変動時間が短縮され、可変始動入賞装置の開放時間が延長されている)時間短縮状態(有利遊技状態)に移行させることができる(有利遊技状態移行手段)。
ここまでの手順は大当りの場合であるが、小当りの場合(ステップS5502:No)は以下の手順が実行される。
ステップS5520,ステップS5522:小当りの場合、主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また、内部状態フラグから「小当り遊技中」を消去する。なお、小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS5514:そして、主制御CPU72は、フラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS5516:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図23中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔ソレノイド管理処理〕
図45は、ソレノイド管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。本処理は、図18のステップS207aの詳細な説明である。
ステップS2800:主制御CPU72は、電源投入時動作が完了しているか否かを確認する。パチンコ機1の電源投入直後であり、スタート装置右ソレノイド481及びスタート装置左ソレノイド491について電源投入時の動作が完了していなければ(No)、主制御CPU72はステップS2810を実行する。
ステップS2810:主制御CPU72は、電源投入時動作処理を実行する。この処理では、スタート装置右ソレノイド481及びスタート装置左ソレノイド491を所定の可動パターン(動作パターン)で動作させる。これにより、スタート装置400の左羽根部材442及び右羽根部材438は、パチンコ機1の電源投入時から電源遮断時まで一定の可動パターンに基づいて動作する。そして、電源投入時動作が完了すると、先のステップS2800で動作完了(Yes)と判定されるため、以後はステップS2810がスキップされる。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、割込管理処理(図18)に復帰する。
図46は、スタート装置右ソレノイド481及びスタート装置左ソレノイド491の可動パターンを示すタイミングチャートである。
〔時刻t0〕
スタート装置右ソレノイド481は、非作動である。
スタート装置左ソレノイド491は、非作動である。
〔時刻t1〕
スタート装置右ソレノイド481が作動する。
スタート装置左ソレノイド491は、非作動である。
〔時刻t2〕
スタート装置右ソレノイド481が作動を終了して、非作動となる。
スタート装置左ソレノイド491は、非作動である。
〔時刻t3〕
スタート装置右ソレノイド481は、非作動である。
スタート装置左ソレノイド491が作動する。
〔時刻t4〕
スタート装置右ソレノイド481は、非作動である。
スタート装置左ソレノイド491が作動を終了して、非作動となる。
〔時刻t5〕
スタート装置右ソレノイド481は、非作動である。
スタート装置左ソレノイド491は、非作動である。
時刻t0から時刻t1までの時間T1は例えば50msである。
時刻t1から時刻t2までの時間T2は例えば100msである。
時刻t2から時刻t3までの時間T3は例えば50msである。
時刻t3から時刻t4までの時間T4は例えば100msである。
時刻t4から時刻t5までの時間T5は例えば500msである。
そして、時刻t0から時刻t5までの時間TAが、1サイクル(例えば800ms)となっており、この1サイクルの可動パターンが電源投入時から電源遮断時まで繰り返して実行される。なお、1サイクルの可動パターンを複数種類用意し、その複数種類の可動パターンを繰り返して実行するようにしてもよい。
このような可動パターンを適用することにより、スタート装置400に入球した遊技球を第1特別図柄の始動入賞口(スタート装置中始動入賞口452又はスタート装置右始動入賞口450)に入球させつつ、それよりも多くの遊技球を普通図柄の始動入賞口(スタート装置左始動入賞口454)には入球させるようにすることができる。
具体的には、1分間に12個の遊技球がスタート装置400の通過口430に入球したものとすると、平均して、そのうちの2個の遊技球がスタート装置右始動入賞口450に入球し、さらに2個の遊技球がスタート装置中始動入賞口452に入球し、残りの8個の遊技球がスタート装置左始動入賞口454に入球する。
また、このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、通常遊技状態(第1状態)において左羽根部材442(可動体)及び右羽根部材438(可動体)を所定の可動パターンで動作可能とし、時間短縮状態(第2状態)においても左羽根部材442及び右羽根部材438を所定の可動パターンで動作可能とすることができる(制御手段)。
〔ゲームフロー(その1)〕
図47は、通常モードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
パチンコ機1で遊技を開始する場合、〔F1〕通常モード(公園モード)から遊技が開始される。「通常モード」は、「非時間短縮状態」である。
〔F1〕通常モードでの遊技中に、遊技球がスタート装置中始動入賞口452又はスタート装置右始動入賞口450に入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していない状態で、第1特別図柄の記憶が存在していると)、〔F2〕第1特別図柄が変動する。
〔F3〕第1特別図柄抽選で「はずれ」となると、〔F1〕通常モードの状態からやり直しとなる。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F5〕第1当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。〔F8〕ドライブモードは、「時間短縮状態」である。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F7〕第2当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
このように、通常モード(非時間短縮状態)に滞在している状態で、第1特別図柄抽選で大当りした場合、どのような当選図柄に該当していても、大当り遊技の終了後は、ドライブモードに移行する。
〔ゲームフロー(その2)〕
図48は、通常モードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F1〕通常モードでの遊技中に、遊技球が右始動入賞口28bに入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していると)、〔F12〕第2特別図柄が変動する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「はずれ」となると、〔F1〕通常モードの状態からやり直しとなる。
〔F14〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F15〕第3当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率1/6)」となり、〔F17〕第4当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率1/6)」となり、〔F19〕第5当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率1/6)」となり、〔F20〕第6当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔ゲームフロー(その3)〕
図49は、ドライブモードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F8〕ドライブモードでの遊技中に、遊技球がスタート装置400のスタート装置左始動入賞口454又はスタート装置400のスタート装置中始動入賞口452に入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していない状態で、第1特別図柄の記憶が存在していると)、〔F2〕第1特別図柄が変動する。なお、ドライブモードは、非時間短縮状態である場合もある。
〔F3〕第1特別図柄抽選で「はずれ」となると、〔F8〕ドライブモードの状態からやり直しとなる。ただし、時間短縮状態が終了する時短最終変動である場合は、このはずれ変動の終了によって、通常モードに移行する。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F5〕第1当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F7〕第2当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
このように、ドライブモード(時間短縮状態)に滞在している状態で、第1特別図柄抽選で大当りした場合、どのような当選図柄に該当していても、大当り遊技の終了後は、ドライブモードに移行する。
〔ゲームフロー(その4)〕
図50は、ドライブモードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F8〕ドライブモードでの遊技中に、遊技球が右始動入賞口28bに入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していると)、〔F12〕第2特別図柄が変動する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「はずれ」となると、〔F8〕ドライブモードの状態からやり直しとなる。ただし、時間短縮状態が終了する時短最終変動である場合は、このはずれ変動の終了によって、通常モードに移行する。
〔F14〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F15〕第3当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率1/6)」となり、〔F17〕第4当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率1/6)」となり、〔F19〕第5当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率1/6)」となり、〔F20〕第6当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
このように、第2特別図柄抽選で当選した場合は、通常モード(非時間短縮状態)に滞在していても、ドライブモード(時間短縮状態)に滞在していても、大当り遊技の終了後は、ドライブモードに移行する。
〔演出画像の例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像及び7セグ表示装置200の表示態様について、いくつかの例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)を決定し、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、上記のように第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。同様に、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示の態様は、7セグメントLED等による記号的な図案であり、「当選図柄」としての視覚的なインパクトに乏しい。そこでパチンコ機1では、液晶表示器42及び7セグ表示装置200を用いた変動表示演出及び停止表示演出が行われている。
本実施形態では、液晶表示器42に、演出図柄Hz(本図柄)、第4図柄Z1,Z2、滞在モードに対応する背景画像、予告演出に関する画像等を表示しており、7セグ表示装置200に、7セグ演出図柄を表示している。
液晶表示器42に表示される演出図柄Hzには、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される。各演出図柄には、数字の「1」〜「9」が表示されている。ここで、左演出図柄、中演出図柄、及び右演出図柄は、いずれも数字が「9」〜「1」の降順に並んだ図柄列(演出図柄配列)を構成している。このような図柄列は、それぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
7セグ表示装置200に表示される7セグ演出図柄には、例えば左側の7セグ演出図柄、中央の7セグ演出図柄、右側の7セグ演出図柄の3つが含まれており、これらは7セグ表示装置200の表示領域上で左・中・右に並んで表示される。各演出図柄には、数字の「1」〜「9」が表示されている。ここで、各7セグ演出図柄は、いずれも数字が「9」〜「1」の降順に並んだ図柄列(演出図柄配列)を構成している。このような図柄列は、それぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
図51及び図52は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、液晶表示器42及び7セグ表示装置200を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄)が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果が表示されたことを表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔変動表示前〕
図51中(A):例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の上部右側の領域には3本の演出図柄Hzの列が表示されている。このとき第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄Hzも停止表示された状態にある。
また、液晶表示器42の上部右側の領域には第4図柄(図中に参照符号Z1,Z2を付す)が表示されている。この第4図柄Z1,Z2は、上記の左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄Hzの変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお、第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。第4図柄Z1は、第1特別図柄に対応しており、第4図柄Z2は、第2特別図柄に対応している。
また、第4図柄Z1,Z2については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に対応して停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が「大当り」や「小当り」であれば、それらに対応する態様(例えば青表示色や赤表示色等)で第4図柄Z1,Z2は停止表示される。
7セグ表示装置200では、7セグ演出図柄がはずれの態様(「4」−「6」−「7」)で停止表示されている。
また、記憶表示装置300では、第1特別図柄記憶表示領域M1のLEDが4つとも点灯しているため、第1特別図柄の作動記憶数が4個であることを表し、第2特別図柄記憶表示領域M2のLEDが全て消灯しているため、第2特別図柄の作動記憶数が0個であることを表している。
〔変動表示演出開始〕
図51中(B):例えば、第1特別図柄の変動開始に同期して、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄の変動が開始されるとともに、液晶表示器42の演出図柄Hzがスクロール変動することで変動表示演出が開始される。なお、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄の変動表示、及び、液晶表示器42の演出図柄Hzの変動表示は単に下向きの矢印で表示している。
液晶表示器42の中央の領域には背景画像が表示されており、この背景画像は、公園の風景を表現したものである。このような背景画像は、演出上での滞在モードが例えば「通常モード」であることを表現している。「通常モード」は、非時間短縮状態である。この他にも演出上で各種のモードが設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている。これらモードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものである。ここでは特に図示していないが、この後、例えば液晶表示器42の表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
また、特別図柄の変動表示中において、液晶表示器42の画面下部では第4図柄Z1が変動表示されており、第4図柄Z1は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
〔作動記憶数減少時の演出例〕
変動開始に伴って第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動して第1特別図柄記憶表示領域M1のLEDの点灯数が4個から3個に減少する。これにより、第1特別図柄の記憶が3個に減少したことを演出上でも遊技者に教示することができ、また、いずれの特別図柄(この場合は第1特別図柄)に対応する記憶が消費されたかを分かりやすく教示することができる。
また、変動開始前は、当該記憶表示領域X1のLEDは点灯していないが、変動開始後は、当該記憶表示領域X1のLEDが点灯し、特別図柄(演出図柄)の変動が停止表示されるまで点灯し続ける。
〔左演出図柄停止〕
図51中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に、7セグ表示装置200の左側の7セグ演出図柄と、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄が変動を停止する。この例では、7セグ表示装置200の左側の7セグ演出図柄として数字の「8」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄として数字の「8」を表す演出図柄が停止している。
〔右演出図柄停止〕
図52中(D):次に、7セグ表示装置200の右側の7セグ演出図柄として数字の「3」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの右演出図柄として数字の「3」を表す演出図柄が停止している。
〔停止表示演出〕
図52中(E):第1特別図柄の停止表示に同期して、停止表示演出が実行される。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄も、液晶表示器42の演出図柄Hzも同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、7セグ表示装置200の中央の7セグ演出図柄として数字の「1」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄として数字の「1」を表す演出図柄が停止している。この場合、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄及び液晶表示器42の演出図柄Hzの組み合わせは、ともに「8」−「1」−「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
また、停止表示演出が行われると、当該記憶表示領域X1のLEDが消灯する。これにより、遊技者に対して「特別図柄の変動が終了した」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
以上は、1回の変動ごとに行われる変動表示演出と停止表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
〔当り図柄2に該当した場合の演出例〕
図53〜図56は、非時間短縮状態での普通図柄抽選の結果が当り図柄2に該当した場合の演出例について示す連続図である。
〔変動表示演出開始前〕
図53中(A):7セグ表示装置200では、7セグ演出図柄がはずれの態様(「9」ー「1」ー「6」)で停止表示されている。また、液晶表示器42では、演出図柄Hzがはずれの態様(「9」ー「1」ー「6」)で停止表示されている。
また、記憶表示装置300では、第1特別図柄記憶表示領域M1のLEDが1つ点灯しているため、第1特別図柄の作動記憶数が1個であることを表し、第2特別図柄記憶表示領域M2のLEDが全て消灯しているため、第2特別図柄の作動記憶数が0個であることを表している。
〔変動表示演出開始〕
図53中(B):第1特別図柄の変動開始とともに、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄の変動が開始されるとともに、液晶表示器42の演出図柄Hzがスクロール変動することで変動表示演出が開始される。変動開始に伴って第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動して第1特別図柄記憶表示領域M1のLEDの点灯数が1個から0個に減少する。なお、ここでの第1特別図柄の変動は、はずれとなる変動パターンが選択されているものとする。
〔アニマルチャンス演出〕
また、図示の例では、画面の左上位置から動物のキャラクターが出現する演出が実行されている。この演出は、普通図柄表示装置33において、普通図柄が当り図柄2の態様で停止表示された際に実行される。この場合、非時間短縮状態であるにも関わらず、可変始動入賞装置28がロング開放(6.0秒開放)する。
〔予告演出の発生(1段階目)〕
図53中(C):変動開始からしばらくすると、画面内に何らかのキャラクターを表示した絵柄画像が出現し、画面の中央に停止する態様で予告演出が実行される。この例では、例えば画面の左側から絵柄画像が出現し、そのまま画面の中央へ移動していく態様で演出が行われている。
また、アニマルチャンス演出は継続しており、動物のキャラクターが「アニマルチャンス 右打ちしてね」という台詞を発する演出が実行されている。図示の例では、可変始動入賞装置28が作動しており、遊技球が可変始動入賞装置28に向かって流下している。
〔予告演出の発生(2段階目)〕
図54中(D):1段階目の予告演出に続けて、2段階目の予告演出が実行される。図示の例では、画面の右端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像の前面に重なって表示される。このような予告演出を実行することにより、遊技者に対してはリーチになるかもしれないという期待感を抱かせることができる。
また、アニマルチャンス演出は継続しており、動物のキャラクターが「アニマルチャンス 右打ちしてね」という台詞を発する演出が実行されている。図示の例では、可変始動入賞装置28が作動して遊技球が入球している。
〔左演出図柄停止〕
図54中(E):予告演出に続けて、7セグ表示装置200の左側の7セグ演出図柄として数字の「2」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄として数字の「2」を表す演出図柄が停止している。
また、遊技球が、可変始動入賞装置28に入球すると、第2特別図柄の記憶が1個増加するため、第2特別図柄記憶表示領域M2のLEDが1つ点灯する。
可変始動入賞装置28は、一定時間(6.0秒)が経過するか、規定数(例えば1個)の入賞で非作動となる。図示の例では、1個の遊技球が可変始動入賞装置28に入球したため、可変始動入賞装置28は閉鎖している。可変始動入賞装置28が閉鎖すると、アニマルチャンス演出は終了する。なお、規定数は2個以上であってもよい。
〔右演出図柄停止〕
図54中(F):次に、7セグ表示装置200の右側の7セグ演出図柄として数字の「4」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの右演出図柄として数字の「4」を表す演出図柄が停止している。
〔停止表示演出〕
図55中(G):第1特別図柄の停止表示に同期して、停止表示演出が実行される。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄も、液晶表示器42の演出図柄Hzも同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。図示の例では、7セグ表示装置200の中央の7セグ演出図柄として数字の「3」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄として数字の「3」を表す演出図柄が停止している。
〔変動表示演出開始〕
図55中(H):第2特別図柄の変動開始とともに、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄の変動が開始され、液晶表示器42の演出図柄Hzがスクロール変動することで変動表示演出が開始される。変動開始に伴って第2特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動して第2特別図柄記憶表示領域M2のLEDの点灯数が1個から0個に減少する。なお、ここでの第2特別図柄の変動は、小当り当選に対応する変動パターンが選択されているものとする。ここで、第2特別図柄の優先消化の制御を採用している場合は、第2特別図柄の記憶が優先的に消化される。一方、特別図柄の順消化の制御を採用している場合は、記憶の順番に特別図柄の変動が実行される。図示の例では、第1特別図柄の記憶が存在していないため、いずれの制御を採用していても、第2特別図柄の変動が実行される。
〔左演出図柄停止〕
図55中(I):変動開始から一定時間経過後に、7セグ表示装置200の左側の7セグ演出図柄として数字の「5」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄として数字の「5」を表す演出図柄が停止している。
〔右演出図柄停止〕
図56中(J):次に、7セグ表示装置200の右側の7セグ演出図柄として数字の「2」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの右演出図柄として数字の「2」を表す演出図柄が停止している。
〔中演出図柄停止〕
図56中(K):第2特別図柄の停止表示に同期して、停止表示演出が実行される。今回の内部抽選の結果が小当り当選であって、第2特別図柄が小当りの態様で停止表示される場合、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄も、液晶表示器42の演出図柄Hzも同様に小当りの態様で停止表示演出が行われる。図示の例では、7セグ表示装置200の中央の7セグ演出図柄としてアルファベットの「A」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄としてアルファベットの「A」を表す演出図柄が停止している。また、液晶表示器42には、動物のキャラクターが大きく表示されている。これにより、遊技者に対して「アニマルチャンスを経由して小当りに該当した」ということを伝達することができる。また、第4図柄Z2については、小当りに対応する態様で停止表示されている。そして、この後は、小当り遊技が実行される。
〔大役中演出〕
図57及び図58は、大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である。なお、以下の大役中演出は、液晶表示器42にて実行される演出である。
〔大当り遊技開始〕
図57中(A):大当り遊技が開始されると、例えば、画面内に「BIG BONUS」といった文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像(例えば女性キャラクター)が表示される。
〔大役中「右打ち」表示〕
また、本実施形態では遊技領域8a内の右側部分に第1可変入賞装置30が配置されているため、大役中は遊技球の発射位置(発射方向)として遊技領域8a内の右側部分を指定することとしている。このため、主制御CPU72による制御上で上記の発射位置指定表示ランプ38fが点灯表示されるとともに、「右打ち」を表す発射位置指定コマンドが演出制御装置124に送信される。これを受けて、演出制御CPU126による演出制御上で表示画面内に「右打ち」を促す案内情報(右方向を示す矢印、「右打ち」の文字等)が表示される)。
〔1ラウンド目〕
図57中(B):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、例えば、画面内の左上部に「BIG BONUS」の文字情報とともに、3つの○印が表示される。そして、そのうち1番左に位置する○印が赤色(斜線のハッチング)で表示され、残りの2つの○印は白色で表示される。これにより、出球を獲得できるのは3ラウンドであること、現在のラウンドがその3ラウンド中の1ラウンド目であること、及び、出球が獲得できるラウンドが1つ進行する毎に○印が赤色で表示されることを遊技者に教示することができる。
ここで、「○印」の数は、当選図柄に応じて増加する。例えば、当選図柄が「第1当選図柄」又は「第2当選図柄」である場合には、「○印」の数は「3個」であるが、当選図柄が「第3当選図柄」である場合には、「○印」の数は「2個」である。また、当選図柄が「第4当選図柄」である場合には、「○印」の数は「9個」であり、当選図柄が「第5当選図柄」である場合には、「○印」の数は「6個」であり、当選図柄が「第6当選図柄」である場合には、「○印」の数は「3個」である。
〔3ラウンド目〕
図57中(C):この後、大当り遊技が順調に進行し、例えば、3ラウンド目に移行すると、例えば、3つの全ての○印が赤色で表示される。これにより、この3ラウンド目で出球を獲得できる全てのラウンドが終了することを遊技者に教示することができる。
〔時間短縮状態突入演出〕
図58中(D):そして、大当り遊技の終了時間(エンディング時間)を利用して「ドライブモード突入!」といった文字情報が表示される演出が実行される。これにより、これから「ドライブモード」が開始されることを遊技者に教示することができる。また、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、「ドライブモード」においても右打ちで遊技が進行することを遊技者に教示することができる。
ここで、エンディング演出中には、「プリペイドカードの取り忘れに注意しましょう」といったプリペイドカードの取り忘れを喚起する報知を行ったり、「遊技に対するのめり込みに注意しましょう」といった遊技に対するめり込みを防止する報知を実行するようにしてもよい。
〔大当り遊技終了、時間短縮状態〕
図58中(E):大当り遊技が終了し、内部状態(遊技状態)が時間短縮状態に設定されると、滞在モードが「ドライブモード」に設定され、背景画像が、女性が乗車した自動車が大地を走行する様子を表現した画像に変更される。これにより、現在の内部状態(遊技状態)が通常状態とは異なる時間短縮状態であることを遊技者に教示することができる。
〔時短中演出〕
このように、時間短縮状態で遊技が進行している場合には、時間短縮状態(有利遊技状態)に対応させた背景画像を表示する時短中演出(有利遊技状態演出)が実行される。
〔右打ち示唆演出〕
また、画面上部では、右打ち示唆演出が実行されている。右打ち示唆演出では、液晶表示器42の画面左上に右打ちの文字情報と右向きの矢印記号とを表示している。なお、このような右打ち示唆演出は、遊技状態が時間短縮状態である場合には継続して実行してもよく、時間短縮状態の開始時にだけ実行してもよい。そして、このような演出を実行することにより、遊技者に対して「右打ち」を促すことができる。
〔残り回数表示演出〕
さらに、液晶表示器42の画面左下では、残り回数表示演出が実行されている。残り回数表示演出では、液晶表示器42の画面左下に長方形形状の領域を設け、その長方形形状の領域の中にドライブモードで遊技を進行することができる残り回数を表示している。なお、図示の例では、「残り10回」の情報が表示されている。残り回数は、時間短縮状態で第2特別図柄が変動して停止する度に1減算され、非時間短縮状態で第2特別図柄が変動して停止する度に1減算される。このため、残り回数は、時間短縮状態や非時間短縮状態で第1特別図柄が変動して停止しても減算されない。
〔ドライブモード(時間短縮状態)の演出例〕
図59〜図61は、ドライブモードの演出例を示す連続図である。
図59中(A):ドライブモードでは、背景画像が、女性が乗車した自動車が大地を走行する様子を表現した画像に変更される。7セグ表示装置200に表示された7セグ演出図柄の組み合わせは「7」−「7」−「7」の当選目であり、液晶表示器42の演出図柄Hzの組み合わせは「7」−「7」−「7」の当選目である。これは、当選時の出目を表示している。また、画面上部では、右打ち示唆演出が実行されており、このような右打ち示唆演出は、遊技状態が時間短縮状態である場合には継続して実行される。
〔特別図柄の変動開始〕
図59中(B):第1特別図柄での初当り時には第1特別図柄の記憶が貯まっていることが多く、第2特別図柄の記憶が貯まっていないのが一般的である。図示の例では、第1特別図柄の記憶が1つ貯まっている(第1特別図柄記憶表示領域M1のLEDが1個点灯している)。このため、このような状況でドライブモードに突入した場合には、第1特別図柄が変動表示される。なお、第1特別図柄の記憶が貯まっていない場合には、遊技者が右打ちを実行することにより、最初に第2特別図柄の変動が実行される。そして、第1特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴って7セグ表示装置200の7セグ演出図柄が変動を開始し、液晶表示器42の演出図柄Hzや第4図柄Z1についても変動を開始する。ここでは、第1特別図柄に関する内部抽選において、はずれに該当したものとする。
〔第1特別図柄の変動終了〕
図59中(C):第1特別図柄がはずれの態様で停止表示されると、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄、液晶表示器42の演出図柄Hz、液晶表示器42の第4図柄Z1についてもはずれの態様で停止表示される。この間に遊技者が右打ちを実行し、複数の遊技球が始動ゲート20を通過し、可変始動入賞装置28が開放して4個の遊技球が右始動入賞口28bに入球したものとする。この場合、第2特別図柄の記憶が4個貯まる(第2特別図柄表示領域M2のLEDが4つとも点灯する)。
ここでは、第1特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されない。具体的には、残り回数の表示は、残り10回のままである。
図60中(D):第2特別図柄の記憶は、第1特別図柄の記憶よりも優先して消化されるため、次は、第2特別図柄の記憶を用いて内部抽選が実行される。そして、第2特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴って7セグ表示装置200の7セグ演出図柄が変動を開始し、液晶表示器42の演出図柄Hzや第4図柄Z2についても変動を開始する。ここでは、第2特別図柄に関する内部抽選において、小当りに当選したものとする。
〔小当り開始、第2大入賞口開放〕
図60中(E):そして、第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄(「5」−「2」−「6」の組み合わせ)、液晶表示器42の演出図柄Hz(「5」−「2」−「6」の組み合わせ)、液晶表示器42の第4図柄Z2(緑色表示色)についても小当りの態様で停止表示される。これにより、小当り遊技が開始され、第2大入賞口31bが開放される。そうすると、女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げて画面右側に進んでいく演出が実行される。
ここでは、第2特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されている。具体的には、残り回数の表示は、残り9回となっている。
図60中(F):小当り遊技が開始されると、仙人のキャラクターが「右下のアタッカを狙うのじゃ」という台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して、第2可変入賞装置31に遊技球を入球させなくてはならないということを伝達することができる。
〔特定領域通過〕
図61中(G):小当り遊技により第2可変入賞装置31が開放状態に移行し、遊技球が特定領域31xを通過し、小当り時の当選図柄が第6当選図柄であったものとする。この例では、自動車に乗っている女性キャラクターが、Vの文字が描かれたハートマークを掲げ、「やったね!BIG BONUSよ!!」といったセリフを発する演出が実行される。これにより、遊技球が特定領域31xを通過したこと、及び、これから大当り遊技(BIG BONUS)が開始されることを遊技者に教示することができる。
〔小当り終了、大当り遊技開始〕
図61中(H):その後、小当り遊技が終了し、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)が閉鎖される。また、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過したことで、大当り遊技が開始されることとなる。この例では、大当り遊技特有の女性キャラクターが登場し、「BIG BONUS」といった文字情報が表示され、女性キャラクターが同様のセリフを発する演出が実行される。また、表示画面には、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、そのまま右打ちで大当り遊技が進行することを遊技者に教示することができる。
その後、上記図57中(B)に進み、上記と同様の大当り遊技中の演出が開始され、大当り遊技が進行する。例えば、第2特別図柄に関する小当り時の当選図柄が第6当選図柄に該当している場合、実質的に3ラウンド分の出球を獲得することができる。なお、ドライブモードにて大当り遊技が実行される場合は、ドライブモードでの当選時専用の大役中演出を実行してもよい。
図62及び図63は、非時間短縮状態でのドライブモードにおいて第2特別図柄が変動する際の演出例を示す連続図である。このような状況が発生するのは、主に時間短縮状態の最終変動ではずれとなりながらも、第2特別図柄の記憶が蓄積されている場合である。
ここでは、第2特別図柄の変動開始前は、第2特別図柄の記憶が4個存在しているものとする。このため、時短中演出は継続して実行されている。また、残り回数表示演出として、「残り4回」の情報が表示されている。ただし、右打ち示唆演出は実行されていない。
〔特別図柄の変動表示中〕
図62中(A):非時間短縮状態でのドライブモードで第2特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴って7セグ表示装置200の7セグ演出図柄が変動を開始し、液晶表示器42の演出図柄Hzや第4図柄Z2についても変動を開始する。なお、ここでの状況は、時間短縮状態ではないため、始動ゲート20を通過させても普通図柄抽選にて当選する確率は低い。このため、可変始動入賞装置28が開放状態に移行することは困難であり、基本的には第2特別図柄の記憶を貯めることはできない。よって、このような非時間短縮状態でのドライブモードは、第2特別図柄が最大で4回変動するチャンスゾーンとなる。
〔停止表示演出〕
図62中(B):ここでは、第2特別図柄に関する内部抽選において、小当りに当選したものとする。そして、第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄(「2」−「2」−「3」の組み合わせ)、液晶表示器42の演出図柄Hz(「2」−「2」−「3」の組み合わせ)、液晶表示器42の第4図柄Z2(緑色表示色)についても小当りの態様で停止表示される。この場合、動物のキャラクターが「7の数字が表示されたマーク」を掲げる演出が実行される。
ここでは、第2特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されている。具体的には、残り回数の表示は、残り3回となっている。
〔小当り開始、第2大入賞口開放〕
図62中(C):そして、小当り遊技が開始されると、第2大入賞口31bが開放されるとともに、女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げて画面右側に進んでいく演出が実行される。この際、動物のキャラクターを置き去りにする演出が実行される。
〔特定領域通過〕
図63中(D):小当り遊技により第2可変入賞装置31が開放状態に移行し、遊技球が特定領域31xを通過し、小当り時の当選図柄が第4当選図柄であったものとする。この例では、自動車に乗っている女性キャラクターが、Vの文字が描かれたハートマークを掲げ、「やったね!BIG BONUSよ!!」といったセリフを発する演出が実行される。これにより、遊技球が特定領域31xを通過したこと、及び、これから大当り遊技(BIG BONUS)が開始されることを遊技者に教示することができる。
〔小当り終了、大当り遊技開始〕
図63中(E):その後、小当り遊技が終了し、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)が閉鎖される。また、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過したことで、大当り遊技が開始されることとなる。この例では、大当り遊技特有の女性キャラクターが登場し、「BIG BONUS」といった文字情報が表示され、女性キャラクターが同様のセリフを発する演出が実行される。また、表示画面には、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、そのまま右打ちで大当り遊技が進行することを遊技者に教示することができる。その後、上記図57中(B)に進み、上記と同様の大当り遊技中の演出が開始され、大当り遊技が進行する。
図64〜図67は、リーチ演出中に実行されるボタン連打演出の第1演出例を示す図である。第1演出例は、遊技者が順当にプッシュボタン45aを押下(連打)した場合の演出例である。プッシュボタン45aは、長押しすることで、連打をしているかのような操作入力を受け付けるようにしてもよく、遊技開始時や遊技中に遊技者が自動押下機能を設定することで、プッシュボタン45aを押下しなくても操作入力を受け付けるようにしてもよい。
図64中(A):7セグ表示装置200及び液晶表示器42による変動表示演出が実行されている。
図64中(B):変動開始時から一定時間が経過すると、リーチ演出が実行される。図示の例では、演出図柄Hz及び7セグ演出図柄がリーチ状態(テンパイ)の態様で表示されている(「5」−「変動中」−「5」)。
図64中(C):リーチ演出が進行している。図示の例では、画面の左側に味方キャラクター(女性キャラクター)が表示され、画面の右側に敵キャラクター(動物キャラクター)が表示され、中央に「VS」の文字情報が表示されている。この状況で、味方キャラクターが勝利すれば、大当りとなる。
〔SU1〕
図65中(D):リーチ状態が発生してから一定時間が経過すると、ボタン連打演出が開始される。具体的には、画面の中央に、プッシュボタン45aを模したボタン画像が表示される。ボタン画像の周囲には、ボタン画像を取り囲むようにしてボタン連打演出の有効時間の経過を示す時間メータが表示されており、ここではその1マスが約1秒に対応している。図示の例では、8マスの時間メータが全て有色の画像で表示されているため、プッシュボタン45aの押下がこれから8秒間程度有効になる。つまり、ボタン連打演出の有効時間は8秒である。なお、時間メータの各マスは、1秒経過するごとに1マスずつ減少していく。
また、画面の下部には、4個のマスを有する横長の棒状のメータMが表示されている。メータMは、敵キャラクターの残りの体力を示す体力メータとなっている。メータMの有色部分が全てなくなると、敵キャラクターの残りの体力がなくなるため、味方キャラクターの勝利となる。
ボタン連打演出の実行中に、遊技者がプッシュボタン45aを1回押下し、メータMを進行させる条件が満たされると、メータ値Mの有色部分が減少する演出(進行演出)が実行される。なお、画面の上部には、「連打」の台詞を発する動物のキャラクターが表示されている。「SU1」は、ボタン連打演出の第1段階である。
〔SU2〕
図65中(E):そして、遊技者がプッシュボタン45aの連打を開始し、ここではメータMを1つだけ進行させる条件が満たされたものとする。この場合、メータMの有色部分が1マス分だけ減少する演出が実行される。「SU2」は、ボタン連打演出の第2段階である。なお、遊技者がプッシュボタン45aを押下すると、味方キャラクターが攻撃を行う画像が表示され、プッシュボタン45aの押下に応じた効果音が出力され、ボタン画像の上部にプッシュボタン45aの押下を実行していることを示す拳の画像が表示される。
また、図示の例では、8マスの時間メータのうち、6マス分が有色の画像で表示されているため、プッシュボタン45aの有効時間は、残り6秒程度である。
〔SU3〕
図65中(F):遊技者がプッシュボタン45aの連打を継続しており、ここではメータMをさらに1つだけ進行させる条件が満たされたものとする。この場合、メータMの有色部分がさらに1マス分だけ減少する演出が実行される。「SU3」は、ボタン連打演出の第3段階である。
また、図示の例では、8マスの時間メータのうち、4マス分が有色の画像で表示されているため、プッシュボタン45aの有効時間は、残り4秒程度である。
〔SU4〕
図66中(G):遊技者がプッシュボタン45aの連打を継続しており、ここではメータMをさらに1つだけ進行させる条件が満たされたものとする。この場合、メータMの有色部分がさらに1マス分だけ減少する演出が実行される。「SU4」は、ボタン連打演出の第4段階である。
また、図示の例では、8マスの時間メータのうち、2マス分が有色の画像で表示されているため、プッシュボタン45aの有効時間は、残り2秒程度である。
〔成功〕
図66中(H):遊技者がプッシュボタン45aの連打を継続しており、ここではメータMをさらに1つだけ進行させる条件が満たされたものとする。この場合、メータMの有色部分がさらに1マス分だけ減少する演出が実行される。「成功」は、ボタン連打演出の最終段階である。
これにより、メータMの有色部分は、全て消滅する。この場合、画面の中央に可動体40fが落下する役物落下演出が実行されるとともに、メータMに「成功」の文字情報が表示される。
なお、プッシュボタン45aの有効時間を示す時間メータは、非表示となっている。
図66中(I):ボタン連打演出において成功の結果が得られると、今回の変動が大当りであることを示す当選時演出が実行される。図示の例では、味方キャラクターが大きく表示され、敵キャラクターが去っていく演出が実行されている。この場合、第1特別図柄、演出図柄Hz、7セグ演出図柄及び第4図柄1は、当選の態様で停止表示される。
以上は、ボタン連打演出が成功となる場合の演出例であるが、ボタン連打演出が失敗となる場合は、以下のような演出例となる。
〔SU4〕
図67中(J):遊技者がプッシュボタン45aの連打を継続しており、ここではメータMをさらに1つだけ進行させる条件が満たされたものとする。この場合、メータMの有色部分がさらに1マス分だけ減少する演出が実行される。「SU4」は、ボタン連打演出の第4段階である。
また、図示の例では、8マスの時間メータのうち、2マス分が有色の画像で表示されているため、プッシュボタン45aの有効時間は、残り2秒程度である。
〔失敗〕
図67中(K):遊技者がプッシュボタン45aの連打を継続しており、ここではメータMをさらに1つだけ進行させる条件が満たされないものとする。この場合、メータMの有色部分が維持される演出が実行される。
これにより、メータMの有色部分は、1マス分だけ残る。この場合、役物落下演出は実行されず、敵キャラクターが味方キャラクターの攻撃を弾き飛ばす演出が実行され、メータMに「失敗」の文字情報が表示される。
なお、このような失敗の演出は、有効時間が終了する前に実行してもよく、有効時間が終了するのと同時、又は、有効時間が終了した後に実行してもよい。
図67中(L):ボタン連打演出において失敗の結果が得られると、今回の変動がはずれであることを示すはずれ時演出が実行される。図示の例では、味方キャラクターが小さく表示され、敵キャラクターが大きく表示される演出が実行されている。この場合、第1特別図柄、演出図柄Hz、7セグ演出図柄及び第4図柄1は、はずれの態様で停止表示される。
図68は、リーチ演出中に実行されるボタン連打演出の第2演出例を示す図である。第2演出例は、遊技者が順当にプッシュボタン45aを押下しなかった場合の演出例である。
〔SU1〕
図68中(A):リーチ状態が発生してから一定時間が経過しており、ボタン連打演出が実行されている。しかし、ここでは、遊技者は、プッシュボタン45aを押下していないものとする。
また、図示の例では、8マスの時間メータが全て有色の画像で表示されているため、プッシュボタン45aの有効時間は、残り8秒程度である。
〔SU1〕
図68中(B):遊技者がプッシュボタン45aを押下しなければ、メータMの有色部分が減少することはない。ただし、ボタン連打演出の有効時間は、徐々に少なくなっている。
図示の例では、8マスの時間メータのうち、2マス分が有色の画像で表示されているため、プッシュボタン45aの有効時間は、残り2秒程度である。
〔SU2〕
図68中(C):そして、ボタン連打演出の有効時間が終了する直前で、遊技者がプッシュボタン45aの連打を開始したものとする。そうすると、後述するMaxIndexとNowIndexとの乖離の関係で、メータMを1つだけ進行させる条件が、強制的に満たされる。この場合、メータMの有色部分が1マス分だけ減少する演出が実行される。
このように、有効時間が終了する直前で、遊技者がプッシュボタン45aの連打を開始しても、有効時間が終了するまでは、ボタン連打演出の段階は、1段階ずつしか進行しない。なお、この後、有効時間が終了すると、当選時の演出又ははずれ時の演出が実行される。
図69は、リーチ演出中に実行されるボタン連打演出の第3演出例を示す図である。第3演出例は、遊技者がレバー部材45bを操作した場合の演出例である。
〔SU1〕
図69中(A):リーチ状態が発生してから一定時間が経過しており、ボタン連打演出が実行されている。しかし、ここでは、遊技者は、プッシュボタン45aを押下していないものとする。
図示の例では、8マスの時間メータが全て有色の画像で表示されているため、プッシュボタン45aの有効時間は、残り8秒程度である。
図69中(B):ここでは、遊技者が、プッシュボタン45aの代わりに、レバー部材45bを操作したものとする。
〔成功〕
図69中(C):レバー部材45bを操作すると、遊技者はいきなり最終結果を知ることができる。
成功シナリオが選択されている場合、画面の中央に可動体40fが落下する役物落下演出が実行されるとともに、メータMに「成功」の文字情報が表示される特別報知演出が実行される。そして、この後は、有効時間が経過するまでは、このような特別報知演出が継続して実行され、有効時間の経過後に、当選時の演出(演出図柄を3つ揃いさせる演出等)が実行される。
なお、失敗シナリオが選択されている場合、役物落下演出は実行されず、敵キャラクターが味方キャラクターの攻撃を弾き飛ばす演出が実行され、メータMに「失敗」の文字情報が表示される特別報知演出が実行される。そして、この後は、有効時間が経過するまでは、このような特別報知演出が継続して実行され、有効時間の経過後に、はずれ時の演出(演出図柄を3つ揃いさせない演出等)が実行される。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した変動表示演出やリーチ演出、リーチ発生前予告演出、大役中演出、液晶表示器42や7セグ表示装置200、記憶表示装置300を用いた演出、時短中演出、右打ち示唆演出、残り回数表示演出、ボタン連打演出等は、いずれも以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
図70は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs〜数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、時短中及び擬似時短中その他演出処理(ステップS402a)、7セグ表示装置演出管理処理(ステップS403)、普通図柄演出管理処理(ステップS403a)、ボタン連打演出管理処理(ステップS403b)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば、特図先判定演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止時コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、発射位置指定コマンド、エラー通知コマンド、大当り終了演出コマンド、変動パターン先判定コマンド、停止表示時間終了コマンド、回数切りカウンタコマンド、各種のエラーコマンド、可変始動入賞装置ロング開放開始コマンド等がある。
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御CPU126は、記憶表示装置300を用いた演出の実行を制御する。なお、作動記憶演出管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄Hzや第4図柄Z1,Z2を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作時の演出内容を制御したりする。また、この処理において演出制御CPU126は、各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出等)の演出パターンを選択する。このように、演出図柄管理処理において、演出制御CPU126は、液晶表示器42に表示する演出内容(演出図柄Hz、第4図柄Z1,Z2、大役中演出等に関する演出内容、各種予告演出の内容)を決定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS402a:演出制御CPU126は、時短中及び擬似時短中その他演出処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、右打ち示唆演出及び残り回数表示演出等に関する演出内容を決定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS403:7セグ表示装置演出管理処理では、演出制御CPU126は、演出図柄管理処理にて決定した演出内容に基づいて、7セグ表示装置200を制御する処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、7セグ表示装置200に表示する演出内容(7セグ演出図柄に関する内容)を決定する処理を実行する。演出図柄Hzと7セグ演出図柄は、基本的に同じ動作をするようにすることが好ましいが、異なる動作をするようにしてもよい。異なる動作をするように場合は、例えば、演出図柄Hzと7セグ演出図柄が停止するタイミングを異ならせてもよいし、停止する図柄を異ならせてもよい。
ステップS403a:普通図柄演出管理処理では、演出制御CPU126は第2特別図柄に対するチャンス状態が発生した場合の演出(アニマルチャンス演出)を制御する。具体的には、可変始動入賞装置ロング開放開始コマンドを受信してから可変始動入賞装置28が閉鎖するまでの間において、演出制御CPU126は、アニマルチャンス演出を実行する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS403b:ボタン連打演出管理処理では、演出制御CPU126は、ボタン連打演出に関する内容を制御する処理を実行する。
本処理を実行することにより、演出制御CPU126は、プッシュボタン45aやレバー部材45bを利用して、演出の段階を第1段階から最終段階まで段階的に進行させるボタン連打演出(段階演出)を実行可能とする(段階演出実行手段)。
また、本処理を実行することにより、演出制御CPU126は、プッシュボタン45aやレバー部材45bの操作を有効とする有効時間が開始してから終了するまでにおいて、所定の条件が満たされていなければ(レバー部材が操作されていなければ、後述するMaxIndexとNowIndexの乖離が一定数以上でなければ)、第1進行態様によってボタン連打演出の演出の段階を進め、所定の条件が満たされていれば(レバー部材が操作されていれば、後述するMaxIndexとNowIndexの乖離が一定数以上であれば)、第1進行態様とは異なる第2進行態様によってボタン連打演出の演出の段階を進める進行演出を実行可能とする(進行演出実行手段)。
第1進行態様は、有効時間の経過に応じて、ボタン連打演出の演出の段階を1段階ずつ次の段階に進める態様である。
MaxIndexとNowIndexの乖離が一定数以上である場合の第2進行態様は、有効時間の経過とは無関係に、ボタン連打演出の演出の段階を1段階ずつ次の段階に進める態様である。
レバー部材が操作されている場合に実行される第2進行態様は、特別報知演出を実行する態様である(進行演出実行手段)。
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(演出実行手段)。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば演出制御CPU126は可動体40fの駆動用ICに対して制御信号を出力する。可動体40fは可動体モータ57を駆動源として動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される演出図柄管理処理の内容について説明する。
〔作動記憶演出管理処理〕
図71は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS700:先ず演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS700:Yes)、演出制御CPU126はステップS702を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS700:No)、演出制御CPU126はステップS702を実行しない。
ステップS702:演出制御CPU126は、作動記憶数増加時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、第1特別図柄記憶表示領域M1のLED又は第2特別図柄記憶表示領域M2のLEDを1つ点灯させる演出を選択する。なお、本処理において、演出制御CPU126は、色変化演出(例えば、当該記憶表示領域X1のLEDの表示色や、演出表示領域X2のLEDの表示色)の演出パターンや演出シナリオを決定することができる。
ステップS704:演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS704:Yes)、演出制御CPU126はステップS706を実行する。なお、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS704:No)、演出制御CPU126はステップS706を実行しない。
ステップS706:演出制御CPU126は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、内部抽選により消費した抽選要素に対応する第1特別図柄記憶表示領域M1のLED又は第2特別図柄記憶表示領域M2のLEDを1つ消灯させる演出を選択するとともに、当該記憶表示領域X1のLEDを点灯させる演出を選択する。なお、当該記憶表示領域X1のLEDは、特別図柄の変動が終了した時点で消灯させる演出を選択する。また、演出表示領域X2のLEDを点灯させている場合には、演出表示領域X2のLEDも、特別図柄の変動が終了した時点で消灯させる演出を選択する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(図70)に復帰する。
〔演出図柄管理処理〕
図72は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502〜ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また、可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(図23中のステップS5000)が選択された場合にのみジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502〜ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は演出図柄Hz及び第4図柄Z1,Z2を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。また、この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(抽選結果、当選種類(当選図柄の種類)、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(リーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、変動表示演出の実行中にプッシュボタン45aやレバー部材45bを用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン連打演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた停止表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は小当り遊技中又は大当り中の演出内容を制御する。この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容を選択する。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
〔演出図柄変動前処理〕
図73は、演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
なお、客待ち状態を表す演出には、「遊技に対するのめり込みに注意しましょう」といった遊技に対するのめり込みを防止する内容を表示するようにしてもよい。このようにすることで、適切なタイミングで簡単に、のめり込み防止に関する演出を実行することができ、遊技者の不利益を軽減することができる。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図70中のステップS404)、ランプ駆動処理(図70中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御CPU126は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また、今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御CPU126は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御CPU126は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。
また、演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄Hz及び第4図柄Z1,Z2の変動スケジュール(変動時間)、停止表示の態様等を決定する。
例えば、演出制御CPU126は、時間短縮状態での第2特別図柄の小当り変動時には、「ドライブモード」の状態で演出図柄Hz、7セグ演出図柄及び第4図柄Z2を変動させ、最終的に小当りに対応する演出図柄Hz、7セグ演出図柄及び第4図柄Z2を停止表示させる演出パターンを選択する処理を実行する。
一方、演出制御CPU126は、非時間短縮状態での第2特別図柄の小当り変動時には、例えば「ドライブモード」を継続させた状態又は通常モードの状態で演出図柄Hz、7セグ演出図柄及び第4図柄Z2を変動させ、最終的に小当りに対応する演出図柄Hz、7セグ演出図柄及び第4図柄Z2を停止表示させる演出パターンを選択する処理を実行する。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、大当りに該当した場合、演出制御CPU126はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御CPU126は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。なお、大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。例えば、リーチ演出に対応する変動パターン(リーチ変動パターンやスーパーリーチ変動パターン等)が選択されている場合、演出制御CPU126は、味方キャラクターと敵キャラクターとを対戦させるリーチ演出を選択することができる。なお、この点は、はずれ時や小当り時も同様である。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御CPU126はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御CPU126は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御CPU126がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドに基づいて決定される。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄Hz及び第4図柄Z1,Z2の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」−「2」−「4」等)を決定する。なお、このようなはずれ時の演出決定手法は、大当り時も同様である。
小当り時、大当り時、はずれ時の変動演出パターンを決定する際には、擬似連続予告演出(擬似連)の演出パターンも合わせて決定することができる。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は次にステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御CPU126は、予告選択処理を実行する(予告演出実行手段)。この処理では、演出制御CPU126は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当り又は小当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は非当選時よりも高く設定されている。
ステップS616:演出制御CPU126は、モード演出管理処理を実行する(有利遊技状態演出実行手段)。この処理において、演出制御CPU126は、滞在モードに応じた背景画像を選択する処理を実行する。例えば、演出制御CPU126は、原則として、内部状態が非時間短縮状態である場合には、通常モードに対応する背景画像を選択する処理を実行し、内部状態が時間短縮状態である場合には、ドライブモードに対応する背景画像を選択する処理(時短中演出を選択する処理)を実行する。
ただし、演出制御CPU126は、例外として、内部状態が非時間短縮状態である場合であっても、時間短縮状態から非時間短縮状態に移行した際に第2特別図柄の記憶が存在している場合には、ドライブモードに対応する背景画像を選択する(有利遊技状態演出実行手段、有利遊技状態演出継続実行手段)。なお、このような例外的な処理は、後述する演出図柄停止表示中処理において実行する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図72中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び停止表示演出が実行されるとともに(図柄演出実行手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。その他、ここで選択された背景(滞在)モードパターンに基づいて、各種の滞在モード演出が実行される。
〔演出図柄停止表示中処理〕
図74は、演出図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS650:演出制御CPU126は、内部状態が時短中(時間短縮状態)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、状態指定コマンドを確認することにより、内部状態を確認することができる。なお、内部状態は、変動パターンコマンドにより確認することもできる(以下、同様)。
その結果、内部状態が時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS652を実行し、内部状態が時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS656を実行する。
ステップS652:演出制御CPU126は、時短最終変動であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、回数切りカウンタコマンドを確認することにより、時短最終変動であるか否かを確認することができる。例えば、第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値が「1」から「0」に切り替わる際の変動であれば、演出制御CPU126は、時短最終変動であると判断することができる。
その結果、時短最終変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS654を実行し、時短最終変動であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS666を実行する。
ステップS654:演出制御CPU126は、擬似時短カウンタに第2特別図柄の記憶数を設定する処理を実行する。擬似時短カウンタはRAM130に記憶されており、例えば、第2特別図柄の記憶数が「0」である場合は、擬似時短カウンタに「0」が設定され、第2特別図柄の記憶数が「1」である場合は、擬似時短カウンタに「1」が設定され、第2特別図柄の記憶数が「4」である場合は、擬似時短カウンタに「4」が設定される。
この処理を終えると、演出制御CPU126はステップS666を実行する。
ステップS656:演出制御CPU126は、滞在背景が通常背景であるか否か、すなわち、液晶表示器42に表示している背景画像が通常モードに対応する背景画像であるか否かを確認する。
その結果、滞在背景が通常背景であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS666を実行し、滞在背景が通常背景であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS658を実行する。
ステップS658:演出制御CPU126は、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であるか否かを確認する。
その結果、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS660を実行し、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であることを確認できない場合(No)、すなわち、擬似時短カウンタの値が0である場合、演出制御CPU126はステップS664を実行する。
ステップS660:演出制御CPU126は、滞在背景を擬似時短背景に設定する処理を実行する。擬似時短背景は、右打ち表示がされないドライブモードの背景である。
このような処理を実行することにより、演出制御CPU126は、時間短縮状態(有利遊技状態)が終了して非時間短縮状態(所定の遊技状態)に移行した場合であっても、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値である場合(特別な条件が満たされている場合)は、時短中演出(有利遊技状態演出)を継続して実行することができる(有利遊技状態演出継続実行手段)。
ステップS662:演出制御CPU126は、擬似時短カウンタを1減算する処理を実行する。
ステップS664:演出制御CPU126は、滞在背景を通常背景に設定する処理を実行する。通常背景は、通常モードの背景である。
ステップS666:演出制御CPU126は、その他処理を実行する。その他処理においては、上述したように、演出制御CPU126は、内部抽選の結果に応じた態様の停止表示演出の内容を制御する。
そして、以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出図柄管理処理(図72)に復帰する。
〔可変入賞装置作動時処理〕
図75は、可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS800:演出制御CPU126は、今回の変動の結果が大当りであったか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、抽選結果コマンドを確認し、大当り時に対応するものであるのか小当り時に対応するものであるのかを確認する。この確認の結果、今回の変動の結果が大当りであった場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS802を実行する。一方、今回の変動の結果が大当りではなかった場合(No)、すなわち、小当りであった場合、演出制御CPU126は次にステップS804を実行する。
ステップS802:演出制御CPU126は、大当り時可変入賞装置作動時処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は大当り遊技開始時から大当り遊技終了時までの間に実行する演出パターンを選択する。
具体的には、演出制御CPU126は、液晶表示器42に表示する大役中演出として、予め演出表示制御装置144(VDP152)の画像ROM154に記憶されている大当り時の演出パターンに関する各種画像データを、当選図柄に応じて読み出す処理を実行する。
ステップS804:演出制御CPU126は、小当り時可変入賞装置作動時処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は小当り開始時から小当り終了時までの間に実行する演出パターンを選択する。
具体的には、演出制御CPU126は、小当り遊技の開始時に小当り遊技が開始したことを示す演出パターン(例えば女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げる演出)を選択し、右打ちを示唆する演出を選択し、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過した場合には、特定領域通過時の演出パターン(自動車に乗っている女性キャラクターがVの文字が描かれたハートマークを掲げる演出)を選択する処理を実行する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(図72)に復帰する。
〔時短中及び擬似時短中その他演出処理〕
図76は、時短中及び擬似時短中その他演出処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ここで、時短中(時短)とは、時間短縮状態であり、擬似時短中(擬似時短)とは、非時間短縮状態において時短中の背景画像を表示している状態(非時間短縮状態でのドライブモード)である。
ステップS850:演出制御CPU126は、内部状態が時短中(時間短縮状態)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、状態指定コマンドを確認することにより、内部状態を確認することができる。
その結果、内部状態が時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS852及びステップS854を実行し、内部状態が時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS856を実行する。
ステップS852:演出制御CPU126は、残りの時短回数に基づく残り回数表示処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、回数切りカウンタコマンドを確認し、第2回数切りカウンタ値に「4」を加えた値を残り回数として表示する演出パターンを選択する処理を実行する。これにより、時短中においては、残り回数表示演出の残り回数として「残り10回〜残り5回」又は「残り100回〜残り5回」の値が表示される。
ステップS854:演出制御CPU126は、右打ち示唆演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は液晶表示器42の画面上部で右打ち示唆演出に対応する画像を表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS855:演出制御CPU126は、右打ち強調演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、右打ち強調演出を実行する必要が発生した場合、例えば、時間短縮状態に移行したにも関わらず、遊技者が左打ちを継続している場合、液晶表示器42の画面上部で右打ちを強調する演出に対応する画像を表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS856:演出制御CPU126は、内部状態が擬似時短中であるか否かを確認する。演出制御CPU126は、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値である場合に、擬似時短中であると判断することができる。
その結果、内部状態が擬似時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS858を実行し、内部状態が擬似時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は演出制御処理(図70)に復帰する。
ステップS858:演出制御CPU126は、擬似時短カウンタに基づく残り回数表示処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は擬似時短カウンタの値を残り回数として表示する演出パターンを選択する処理を実行する。これにより、擬似時短中においては、残り回数表示演出の残り回数として「残り4回〜残り1回(ラスト)」の値が表示される。
そして、以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(図70)に復帰する。
〔ボタン連打演出管理処理〕
図77は、ボタン連打演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS860:演出制御CPU126は、現在の状態が変動開始前の状態(変動開始時、演出図柄変動前処理を実行するタイミング)であるか否かを確認する。
その結果、現在の状態が変動開始前の状態であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS861を実行する。一方、現在の状態が変動開始前の状態であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS862を実行する。
ステップS861:演出制御CPU126は、ボタン連打演出選択処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は、ボタン連打演出を実行するか否かを判断し、実行すると判断した場合には、ボタン連打演出の演出内容を決定する。
具体的には、演出制御CPU126は、変動パターンや変動表示演出、予告演出の内容等に基づいてボタン連打演出を実行するか否かを決定する処理を実行する。ボタン連打演出を実行すると決定した場合には、どのような内容のボタン連打演出をどのようなタイミングやスケジュールで実行するかを決定する処理を実行する。
ステップS862:演出制御CPU126は、現在の状態がボタン連打演出の開始時であるか否かを確認する。ボタン連打演出の開始時とは、実際にボタン連打演出が開始されるタイミングのことである。ボタン連打演出の開始時であるか否かは、ボタン連打演出の実行タイミングを参照しながら、変動開始時からの経過時間をカウントすることにより、確認することができる。
その結果、現在の状態がボタン連打演出の開始時であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS863を実行する。一方、現在の状態がボタン連打演出の開始時であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は、ステップS864を実行する。
ステップS863:演出制御CPU126は、ボタン連打演出開始時処理を実行する。
この処理において、演出制御CPU126は、ボタン連打演出の開始時に表示する演出の内容を選択したり、ボタンの有効時間を設定したりする処理を実行する。
ステップS864:演出制御CPU126は、現在の状態がボタン連打演出の実行中であるか否かを確認する。ボタン連打演出の実行中とは、実際にボタン連打演出が実行されている最中のことである。ボタン連打演出の実行中であるか否かは、ボタン連打演出の実行タイミングを参照しながら、変動開始時からの経過時間をカウントすることにより、確認することができる。
その結果、現在の状態がボタン連打演出の実行中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS865を実行する。一方、現在の状態がボタン連打演出の実行中であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は、ステップS866を実行する。
ステップS865:演出制御CPU126は、ボタン連打演出実行中処理を実行する。
この処理において、ボタン連打演出の実行中に表示する演出の内容を選択する処理を実行する。
ステップS866:演出制御CPU126は、現在の状態がボタン連打演出の終了時であるか否かを確認する。ボタン連打演出の終了時とは、実際にボタン連打演出が終了するタイミングのことである。ボタン連打演出の終了時であるか否かは、ボタン連打演出の実行タイミングを参照しながら、変動開始時からの経過時間をカウントすることにより、確認することができる。
その結果、現在の状態がボタン連打演出の終了時であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS867を実行する。一方、現在の状態がボタン連打演出の終了時であることを確認できない場合(No)、演出制御処理(図70)に復帰する。
ステップS867:演出制御CPU126は、ボタン連打演出終了時処理を実行する。
この処理において、ボタン連打演出の終了時に表示する演出の内容を選択する処理を実行する。
そして、以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(図70)に復帰する。
〔ボタン連打演出選択処理〕
図78は、ボタン連打演出選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS870:演出制御CPU126は、ボタン連打演出の演出実行条件を満たすか否かを確認する処理を実行する。ボタン連打演出の演出実行条件は、例えば、所定時間以上の変動時間を有する変動パターンが選択されていたり、味方キャラクターと敵キャラクターとが対戦するリーチ演出(リーチ変動パターン等)が選択されていたりする場合に、満たされる条件とすることができる。なお、リーチ演出が選択されていなくても、ボタン連打演出を実行してもよい。
その結果、ボタン連打演出の演出実行条件を満たすことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS872を実行する。一方、ボタン連打演出の演出実行条件を満たすことを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はボタン連打演出管理処理(図77)に復帰する。
ステップS872:演出制御CPU126は、今回の変動が大当りに対応する変動であるか否かを確認する処理を実行する。
その結果、今回の変動が大当りに対応する変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS874を実行する。一方、今回の変動が大当りに対応する変動であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS876を実行する。
ステップS874:演出制御CPU126は、成功シナリオ選択処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は、ボタン連打演出において成功の結果を報知するための成功シナリオを選択する処理を実行する。なお、複数の成功シナリオが格納されている成功シナリオテーブルが存在する場合には、その中からいずれか1つの成功シナリオを選択する。
ステップS876:演出制御CPU126は、失敗シナリオ選択処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は、ボタン連打演出において失敗の結果を報知するための失敗シナリオを選択する処理を実行する。なお、複数の失敗シナリオが格納されている失敗シナリオテーブルが存在する場合には、その中からいずれか1つの失敗シナリオを選択する。
そして、以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、ボタン連打演出管理処理(図77)に復帰する。
〔ボタン連打演出開始時処理〕
図79は、ボタン連打演出開始時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS877:演出制御CPU126は、ボタン連打演出のシナリオ設定処理を実行する。この処理では、図78のステップS874又はステップS876の処理で選択された成功シナリオ又は失敗シナリオをセットする処理を実行する。本処理でセットされたシナリオに基づいてボタン連打演出が実行される。
ステップS878:演出制御CPU126は、有効時間設定処理を実行する。本実施形態では、プッシュボタンの有効時間は8秒(240フレーム)である。有効時間は、ボタン連打演出の開始時から、時間の経過とともに減算され、0秒になると有効時間は終了する。有効時間の経過具合は、ボタン画像の周囲に表示される時間メータによって表示する。
ステップS879:演出制御CPU126は、ボタン連打演出開始時演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、ボタン連打演出の開始時の演出として、ボタン画像を表示したり、時間メータを表示したり、メータMを表示したりする演出パターンを選択する処理を実行する。
この場合、表示するボタン画像に関しては、当選の期待度に応じて、複数のボタン画像パターンの中からいずれかのボタン画像パターンを選択するようにしてもよい。これにより、ボタン画像として、形状は同一であるが、色彩や大きさが異なるものを表示することができる。
以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、ボタン連打演出管理処理(図77)に復帰する。
〔ボタン連打演出実行中処理〕
図80は、ボタン連打演出実行中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS880:演出制御CPU126は、ボタンが押下されたか否かを確認する処理を実行する。ボタンが押下されたか否かは、プッシュボタン45aからの接点信号が演出制御装置124に入力されたか否かにより確認することができる。
その結果、ボタンが押下されたことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS881を実行する。一方、ボタンが押下されたことを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS882を実行する。
ステップS881:演出制御CPU126は、ボタン押下処理を実行する。具体的には、プッシュボタン45aが押下された際に実行する演出の内容を決定する処理を実行する。
ステップS882:演出制御CPU126は、レバー入力がされたか否かを確認する処理を実行する。レバー入力がされたか否かは、レバー部材45bからの接点信号が演出制御装置124に入力されたか否かにより確認することができる。
その結果、レバー入力がされたことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS883を実行する。一方、レバー入力がされたことを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はボタン連打演出管理処理(図77)に復帰する。
ステップS883:演出制御CPU126は、レバー入力処理を実行する。具体的には、レバー部材45bが操作された際に実行する演出の内容を決定する処理を実行する。
以上の処理を終えると、演出制御CPU126はボタン連打演出管理処理(図77)に復帰する。
〔ボタン押下処理〕
図81は、ボタン押下処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS910:演出制御CPU126は、有効時間の開始時からの経過フレーム数から、参照しているシナリオのIndexの現時点での「変動最大値(MaxIndex)」を算出する処理を実行する。有効時間の開始時からの経過フレーム数は、ボタン連打演出の有効時間の開始時から、経過フレーム数をカウントすることにより、確認することができる。
「変動最大値(MaxIndex)」は、参照しているシナリオにもよるが、基本的には、時間の経過とともに大きな値に更新されていく値である。
例えば、参照しているシナリオが成功シナリオであると仮定すると、「経過フレーム数」が「60フレーム」である場合、「MaxIndex」は「4」であり、「経過フレーム数」が「120フレーム」である場合、「MaxIndex」は「8」である(図84中(A)参照)。
ステップS911:演出制御CPU126は、NowIndex<MaxIndexであるか否かを確認する処理を実行する。
「NowIndex」とは、現在のIndexを示す値である。「NowIndex」は、ボタンの押下に応じて大きな値に更新されていく可能性がある。
「NowIndex」は、最大で「NowIndex=MaxIndex」となることがある。しかし、「NowIndex>MaxIndex」となることはない。つまり、どんなにボタンを押下しても、「NowIndex」が「MaxIndex」を超える値となることはない。
「NowIndex」は、操作手段の操作入力に応じて更新されていく可能性がある第1変数であり、「MaxIndex」は、時間の経過に応じて更新されていく可能性がある第2変数である。
そして、NowIndex<MaxIndexであることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS912を実行する。一方、NowIndex<MaxIndexであることを確認できない場合(No)、すなわち、「NowIndex=MaxIndex」である場合、演出制御CPU126はステップS916を実行する。
「NowIndex=MaxIndex」である場合に、ステップS912を実行しない理由は、「NowIndex=MaxIndex」である場合は、現時点で演出の段階が最大限まで進行していることから、ステップS912のステップ更新抽選を実行しないようにするためである。
ステップS912:演出制御CPU126は、ステップ更新抽選に当選したか、又は、MaxIndexとNowIndexの乖離が一定数(例えば6)以上であるか否かを確認する処理を実行する。ステップ更新抽選は、所定の当選確率に基づく抽選(例えば、1/2〜1/10等の確率で当選する抽選)とすることができる。
その結果、ステップ更新抽選に当選したか、又は、MaxIndexとNowIndexの乖離が一定数以上であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS913を実行する。一方、ステップ更新抽選に当選したか、又は、MaxIndexとNowIndexの乖離が一定数以上であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS916を実行する。
ステップS913:演出制御CPU126は、NowIndexをインクリメントする処理を実行する(NowIndex+1)。
ステップS914:演出制御CPU126は、NowIndexのシナリオの内容が成功であるか否かを確認する処理を実行する。NowIndexのシナリオの内容が成功であるか否かは、NowIndexの値が「15」であるか否かによって確認することができる。
具体的には、演出制御CPU126は、NowIndexの値が「15」である場合にはNowIndexのシナリオの内容が成功であると判断し、NowIndexの値が「15」未満である場合にはNowIndexのシナリオの内容が成功でないと判断することができる。
その結果、NowIndexのシナリオの内容が成功であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS915を実行する。一方、NowIndexのシナリオの内容が成功であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS916を実行する。
ステップS915:演出制御CPU126は、成功時の処理を実行する。具体的には、役物落下演出を実行しつつ、メータMに成功の文字情報を表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS916:演出制御CPU126は、入力時の処理を実行する(進行演出実行手段)。具体的には、成功時ではない入力時の演出を実行する演出パターンを選択する処理を実行する。入力時の処理としては、ボタン押下に対応するエフェクト(味方キャラクターが攻撃を行う画像、ボタン画像の上部における拳の画像等)を表示する演出パターンを選択したり、ボタン入力時の効果音を出力する演出パターンを選択したりする処理を実行する。
また、演出の段階が切り替わる際(例えばSU1→SU2となる際)にはメータ値Mの有色部分を減少させる進行演出の演出パターンを選択したり、演出の段階が切り替わらない際には、メータ値Mの有色部分を維持する演出の演出パターンを選択したりする。
以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、ボタン連打演出実行中処理(図80)に復帰する。
〔レバー入力処理〕
図82は、レバー入力処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS920:演出制御CPU126は、NowIndexに参照シナリオのIndexの固定最大値を格納する処理を実行する。参照シナリオのIndexの固定最大値とは、有効時間の開始時からの経過フレーム数とは関係なく、参照シナリオのIndexの最も大きい値を意味している。つまり、変動最大値(MaxIndex)は、時間の経過に応じて値が変動していくが、固定最大値は、時間の経過に関わらずに、固定されている。
例えば、参照しているシナリオが「成功シナリオ」である場合、参照シナリオのIndexの固定最大値は「15」であるため(図84中(A)参照)、「NowIndex」には「15」を格納する処理を実行する。
一方、参照しているシナリオが「失敗シナリオ」である場合、参照シナリオのIndexの固定最大値は「14」であるため(図84中(B)参照)、「NowIndex」には「14」を格納する処理を実行する。
ステップS921:演出制御CPU126は、NowIndexのシナリオの内容が成功であるか否かを確認する処理を実行する。確認方法は、ステップS914で説明した通りである。
その結果、NowIndexのシナリオの内容が成功であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS922を実行する。一方、NowIndexのシナリオの内容が成功であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS923を実行する。
ステップS922:演出制御CPU126は、成功時の処理を実行する。具体的には、役物落下演出を実行しつつ、メータMに成功の文字情報を表示する演出パターン(成功時の特別報知演出の演出パターン)を選択する処理を実行する。
ステップS923:演出制御CPU126は、失敗時の処理を実行する。具体的には、役物落下演出を実行せず、敵キャラクターが味方キャラクターの攻撃を弾き飛ばす演出を実行し、メータMに失敗の文字情報を表示する演出パターン(失敗時の特別報知演出の演出パターン)を選択する処理を実行する。
なお、成功時の処理や失敗時の処理によって選択した演出パターンは、有効時間が終了するまで継続して実行し続けることができる(以下同様)。
以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、ボタン連打演出実行中処理(図80)に復帰する。
そして、図81や図82の処理を実行することにより、演出制御CPU126は、プッシュボタン45aが操作されると、進行演出を実行可能とし、レバー部材45bが操作されると、ボタン連打演出の最終的な結果を報知する特別報知演出を実行可能とする(進行演出実行手段)。
〔ボタン連打演出終了時処理〕
図83は、ボタン連打演出終了時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS930:演出制御CPU126は、現在参照しているシナリオ(参照シナリオ)が成功シナリオであるか否かを確認する処理を実行する。
その結果、参照シナリオが成功シナリオであることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS931を実行する。一方、参照シナリオが成功シナリオであることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS932を実行する。
ステップS931:演出制御CPU126は、成功時の処理が実行済みであるか否かを確認する処理を実行する。成功時の処理が実行済みであるか否かは、成功時の処理の実行時に、成功時処理実行済みフラグをセットすることにより確認することができる。なお、成功時処理実行済みフラグは、ボタン連打演出の終了時や変動終了時等にリセットすることができる。
その結果、成功時の処理が実行済みであることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はボタン連打演出管理処理(図77)に復帰する。一方、成功時の処理が実行済みであることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS933を実行する。
ステップS932:演出制御CPU126は、失敗時の処理が実行済みであるか否かを確認する処理を実行する。失敗時の処理が実行済みであるか否かは、失敗時の処理の実行時に、失敗時処理実行済みフラグをセットすることにより確認することができる。なお、失敗時処理実行済みフラグは、ボタン連打演出の終了時や変動終了時等にリセットすることができる。
その結果、失敗時の処理が実行済みであることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はボタン連打演出管理処理(図77)に復帰する。一方、失敗時の処理が実行済みであることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS934を実行する。
ステップS933:演出制御CPU126は、成功時の処理を実行する。具体的には、役物落下演出を実行しつつ、メータMに成功の文字情報を表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS934:演出制御CPU126は、失敗時の処理を実行する。具体的には、役物落下演出を実行せず、敵キャラクターが味方キャラクターの攻撃を弾き飛ばす演出を実行し、メータMに失敗の文字情報を表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、ボタン連打演出管理処理(図77)に復帰する。
図84は、ボタン連打演出の成功シナリオ及び失敗シナリオの一例を示す図である。
演出制御CPU126は、選択したシナリオを参照しながら、ボタン連打演出の内容を制御する。
各シナリオは、シナリオを管理する情報として、「フレーム数」、「シナリオ詳細」及び「Index」により構成されている。
「フレーム数」は、有効時間中の経過時間を表している。ボタン連打演出の有効時間(ボタン有効時間)は、「フレーム数=0」から開始して、「フレーム数=240」で終了する。
「シナリオ詳細」は、ボタン連打演出の演出の段階を表している。「SU1」〜「SU4」は、ボタン連打演出の第1段階〜第4段階に対応しており、「成功」は、ボタン連打演出の最終段階に対応しており、「失敗」は、ボタン連打演出の非最終段階に対応している。
「Index」は、シナリオを管理する内部的な変数である。「Index」は、「0」から始まり、成功シナリオの場合は「15」で終わり、失敗シナリオの場合は「14」で終わる。
このように、ボタン連打演出では、成功シナリオが選択された場合であっても、失敗シナリオが選択された場合であっても、「フレーム数」が「0」の時点から有効時間が開始し、「フレーム数」が「240」の時点で有効時間が終了する。
有効時間は、プッシュボタン45aやレバー部材45bの操作を有効とする時間である。このため、ボタン連打演出の有効時間内(有効時間中)に、プッシュボタン45aやレバー部材45bを操作すると、その操作は、ボタン連打演出の内容に影響を及ぼすが、有効時間外(有効時間が始まる前や有効時間が終了した後)に、プッシュボタン45aやレバー部材45bを操作しても、その操作は、ボタン連打演出の内容に影響を及ぼさない。
〔(A)成功シナリオ〕
成功シナリオの詳細は、以下の通りである。
「フレーム数」は、「0」から「240」まで、15フレームごとに設定されている。
「シナリオ詳細」は、「SU1」〜「SU4」、「成功」がある。
「Index」は、「0」から「15」まで、1段階ずつ設定されている。
「シナリオ詳細」の「SU1」は、「フレーム数」の「0,15」と、「Index」の「0,1」に対応している。
「シナリオ詳細」の「SU2」は、「フレーム数」の「30〜90」と、「Index」の「2〜6」に対応している。
「シナリオ詳細」の「SU3」は、「フレーム数」の「105〜150」と、「Index」の「7〜10」に対応している。
「シナリオ詳細」の「SU4」は、「フレーム数」の「165〜210」と、「Index」の「11〜14」に対応している。
「シナリオ詳細」の「成功」は、「フレーム数」の「225,240」と、「Index」の「15」に対応している。
例えば、成功シナリオが選択されている状況において、「フレーム数」が「15」である場合、「MaxIndex」は「1」となるため、この場合、ボタン連打演出は、「SU1」まで進行可能である。
〔(B)失敗シナリオ〕
失敗シナリオの詳細は、以下の通りである。
「フレーム数」は、「0」から「240」まで、15フレームごとに設定されている。この点は、成功シナリオと同様である。
「シナリオ詳細」は、「SU1」〜「SU4」、「失敗」がある。
「Index」は、「0」から「14」まで、1段階ずつ設定されている。ただし、「Index」の最後の部分は(図中右側は)、「14」→「14」となっており、失敗シナリオは、「Index」が「15」に移行しないようになっている。
「シナリオ詳細」の「SU1」は、「フレーム数」の「0,15」と、「Index」の「0,1」に対応している。
「シナリオ詳細」の「SU2」は、「フレーム数」の「30〜90」と、「Index」の「2〜6」に対応している。
「シナリオ詳細」の「SU3」は、「フレーム数」の「105〜150」と、「Index」の「7〜10」に対応している。
「シナリオ詳細」の「SU4」は、「フレーム数」の「165〜225」と、「Index」の「11〜14(2つの14)」に対応している。
「シナリオ詳細」の「失敗」は、「フレーム数」の「240」に対応している。
例えば、失敗シナリオが選択されている状況において、「フレーム数」が「165」である場合、「MaxIndex」は「11」となるため、この場合、ボタン連打演出は、「SU4」まで進行可能である。
なお、これらのシナリオはあくまで一例であり、その他のシナリオを用意してもよい。
図85は、成功シナリオの動作イメージを示す図である。成功シナリオが選択されている場合、ボタン連打演出は、以下のような演出態様として実行される。
〔(A)連打〕
ここでは、有効時間の開始時からプッシュボタン45aを連打し続けたものとする。また、プッシュボタン45aの押下時に実行されるステップ更新抽選では、必ず当選しているものとする。
「フレーム数」が「0,15」の状態では、「Index」は「0,1」となるため、「シナリオ詳細」は「SU1(ボタン連打演出の第1段階)」となる。
「フレーム数」が「30〜90」の状態では、「Index」は「2〜6」となるため、「シナリオ詳細」は「SU2(ボタン連打演出の第2段階)」となる。
「フレーム数」が「105〜150」の状態では、「Index」は「7〜10」となり、「シナリオ詳細」は「SU3(ボタン連打演出の第3段階)」となる。
「フレーム数」が「165〜210」の状態では、「Index」は「11〜14」となり、「シナリオ詳細」は「SU4(ボタン連打演出の第4段階)」となる。
「フレーム数」が「225」の状態では、「Index」は「15」となり、「シナリオ詳細」は「成功(ボタン連打演出の最終段階)」となる。
「フレーム数」が「240」の状態では、「Index」は存在せず、「シナリオ詳細」は「成功」となる。
このような演出の進行態様は、有効時間の経過に応じて、ボタン連打演出の演出の段階を1段階ずつ次の段階に進める成功時の第1進行態様である。
〔(B)225フレームから押下開始〕
ここでは、有効時間の開始時からはプッシュボタン45aを押下せず、「フレーム数」が「225」の状態でプッシュボタン45aの連打を開始したものとする。また、プッシュボタン45aの押下時に実行されるステップ更新抽選には、当選しなかったものとする。
この場合、「フレーム数」が「0〜210」の状態では、「Index」は「0〜14」となり、「シナリオ詳細」は「SU1(ボタン連打演出の第1段階)」となる。
「フレーム数」が「225」の状態では、「Index」は「15」となり、「シナリオ詳細」は「SU2(ボタン連打演出の第2段階)」となる。
「フレーム数」が「240」の状態では、「Index」は存在せず、「シナリオ詳細」は「成功(ボタン連打演出の最終段階)」となる。
このような演出の進行態様は、MaxIndexとNowIndexの乖離が一定数以上である場合において、有効時間の経過とは無関係に、ボタン連打演出の演出の段階を1段階ずつ次の段階に進める成功時の第2進行態様である。
〔(C)30フレームでレバー入力〕
ここでは、有効時間の開始時からはプッシュボタン45aを押下せず、「フレーム数」が「30」の状態でレバー部材45bを操作したものとする。
この場合、「フレーム数」が「0,15」の状態では、「Index」は「0,1」となり、「シナリオ詳細」は「SU1(ボタン連打演出の第1段階)」となる。
「フレーム数」が「30〜225」の状態では、「Index」は「0〜15」となり、「シナリオ詳細」は「成功(ボタン連打演出の最終段階)」となる。
「フレーム数」が「240」の状態では、「Index」は存在せず、「シナリオ詳細」は「成功」となる。
このような演出の進行態様は、レバー部材が操作されている場合において、特別報知演出を実行する成功時の第2進行態様である。
図86は、失敗シナリオの動作イメージを示す図である。失敗シナリオが選択されている場合、ボタン連打演出は、以下のような演出態様として実行される。
〔(A)連打〕
ここでは、有効時間の開始時からプッシュボタン45aを連打し続けたものとする。また、プッシュボタン45aの押下時に実行されるステップ更新抽選では、必ず当選しているものとする。
この場合、「フレーム数」が「0,15」の状態では、「Index」は「0,1」となり、「シナリオ詳細」は「SU1(ボタン連打演出の第1段階)」となる。
「フレーム数」が「30〜90」の状態では、「Index」は「2〜6」となり、「シナリオ詳細」は「SU2(ボタン連打演出の第2段階)」となる。
「フレーム数」が「105〜150」の状態では、「Index」は「7〜10」となり、「シナリオ詳細」は「SU3(ボタン連打演出の第3段階)」となる。
「フレーム数」が「165〜225」の状態では、「Index」は「11〜14」となり、「シナリオ詳細」は「SU4(ボタン連打演出の第4段階)」となる。
「フレーム数」が「240」の状態では、「Index」は存在せず、「シナリオ詳細」は「失敗(ボタン連打演出の非最終段階)」である。
このような演出の進行態様は、有効時間の経過に応じて、ボタン連打演出の演出の段階を1段階ずつ次の段階に進める失敗時の第1進行態様である。
〔(B)225フレームから押下開始〕
ここでは、有効時間の開始時からはプッシュボタン45aを押下せず、「フレーム数」が「225」の状態でプッシュボタン45aの連打を開始したものとする。また、プッシュボタン45aの押下時に実行されるステップ更新抽選には、当選しなかったものとする。
この場合、「フレーム数」が「0〜210」の状態では、「Index」は「0〜14」となり、「シナリオ詳細」は「SU1(ボタン連打演出の第1段階)」となる。
「フレーム数」が「225」の状態では、「Index」は「14」となり、「シナリオ詳細」は「SU2(ボタン連打演出の第2段階)」となる。
「フレーム数」が「240」の状態では、「Index」は存在せず、「シナリオ詳細」は「失敗(ボタン連打演出の非最終段階)」である。
このような演出の進行態様は、MaxIndexとNowIndexの乖離が一定数以上である場合において、有効時間の経過とは無関係に、ボタン連打演出の演出の段階を1段階ずつ次の段階に進める失敗時の第2進行態様である。
〔(C)30フレームでレバー入力〕
ここでは、有効時間の開始時からはプッシュボタン45aを押下せず、「フレーム数」が「30」の状態でレバー部材45bを操作したものとする。
この場合、「フレーム数」が「0,15」の状態では、「Index」は「0,1」となり、「シナリオ詳細」は「SU1(ボタン連打演出の第1段階)」となる。
「フレーム数」が「30〜225」の状態では、「Index」は「0〜14」となり、「シナリオ詳細」は「失敗(ボタン連打演出の非最終段階)」となる。
「フレーム数」が「240」の状態では、「Index」は存在せず、「シナリオ詳細」は「失敗」である。
このような演出の進行態様は、レバー部材が操作されている場合において、特別報知演出を実行する失敗時の第2進行態様である。
そして、演出制御CPU126は、上述した成功シナリオや失敗シナリオを参照しながら、各種操作手段の操作状況を監視することで、図85や図86に示すようなボタン連打演出の演出態様を制御することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)本実施形態によれば、所定の条件が満たされているか否か(レバー部材45bが操作されているか否か、MaxIndexとNowIndexの乖離が一定数以上であるか否か)によって、ボタン連打演出の進行具合が異なる内容となるため、ボタン連打演出の進行具合が1種類しか存在しない方式と比較して、演出のバリエーションを増加させることができ、結果として、斬新な遊技性を発揮することができる。
(2)本実施形態によれば、プッシュボタン45aを操作するかレバー部材45bを操作するかによってボタン連打演出の内容が異なる内容となるため、いずれの操作手段を操作しても同一の演出が実行される方式や、いずれかの操作手段しか操作することができない方式と比較して、演出のバリエーションを増加させることができ、結果として、斬新な遊技性を発揮することができる。
(3)本実施形態によれば、ボタン連打演出の実行中にレバー部材45bを操作すれば、ボタン連打演出の最終的な結果が報知されるので、遊技者は、いち早く最終的な結果を確認することができる。
(4)本実施形態によれば、有効時間の経過に応じて、ボタン連打演出の演出の段階を1段階ずつ次の段階に進めたり、有効時間の経過とは無関係に、ボタン連打演出の演出の段階を1段階ずつ次の段階に進めたりするので、有効時間の経過具合がどのようなものであっても、ボタン連打演出の演出の段階を確実に1段階ずつ次の段階に進めることができ、結果として、斬新な遊技性を発揮することができる。
(5)本実施形態では、プッシュボタン45aの有効時間が終了する間際(直前)に、一度だけプッシュボタン45aを押下すれば、最終的な結果とほぼ同等の演出が見られてしまうというような状況を回避することを1つの課題としている。また、ボタン連打演出の途中で最終的な結果を知りたい場合には、遊技者は、何度もプッシュボタン45aを押下しなければならず、このような状況を回避することも1つの課題としている。
〔前提条件〕
そこで、本実施形態において、演出制御装置(演出制御CPU)では、現在参照している予め抽選済みのシナリオのインデックス(Index、演出内容の段階)を保持し、ボタン連打演出の開始時からのフレーム数で参照できるインデックスの変動最大値(MaxIndex)を決定することでシナリオの進行を管理している。
また、プッシュボタン45aの押下ごとに現在のインデックス(NowIndex)を進めるか否かを抽選により決定し、当選しなかった場合は、現在の状態を保持する(NowIndexの値を維持する)ようにしている。
そして、このような制御処理を採用している場合、現在のインデックス(NowIndex)を進める抽選に連続して当選しなかった場合、正しくプッシュボタン45aを押下しているにも関わらず、シナリオが進行しない事態が発生してしまう。このため、現在のインデックス(NowIndex)と変動最大値(MaxIndex)との乖離が一定数以上になった場合は、その乖離幅が指定された範囲以下になるまで抽選結果に関わらずインデックスを更新(NowIndexをインクリメント)している。さらに、レバー部材45bの操作により、このような処理に係わらず、強制的に現在のインデックス(NowIndex)を固定最大値まで進行させている。
このような処理を採用することにより、正しくプッシュボタン45aを押下しているにも関わらず、シナリオが進行しないということがなくなる。また、プッシュボタン45aの有効時間が終了する間際に、一度だけプッシュボタン45aを押下すれば最終的な結果とほぼ同等の演出が見られてしまうことを防ぐことができる。さらに、プッシュボタン45aを連打又は長押ししたくない遊技者は、レバー部材45bを操作することでいち早くボタン連打演出の最終結果を確認することができる。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様は例示であり、上述した演出の態様に限定されるものではない。
上述した実施形態では、いわゆる1種2種混合機に本発明を適用する例で説明したが、いわゆる1種遊技機(特定領域を備えていない遊技機)に本発明を適用してもよい。
また、本発明は、確率変動機能を備える遊技機にも適用することができ、この場合には、いわゆるループタイプ(確変回数に実質的な上限を設定しないタイプ)の遊技機に適用することもでき、STタイプ(確変回数に実質的な上限を設定するタイプ)の遊技機に適用することもできる。
さらに、本発明は、確変領域を有する遊技機に適用することもでき、確変領域を有しない遊技機に適用することもできる。
さらにまた、本発明は、「第1特別図柄及び第2特別図柄の同時回し」を採用していない遊技機に適用することもでき、同時回しを採用している遊技機に適用することもできる。
上述した実施形態では、7セグ表示装置200を備える遊技機の例で説明したが、7セグ表示装置200を備えていない遊技機であってもよい。
また、7セグ表示装置200は、ドラムユニット(例えば、3列のリールを備える装置)に変更してもよく、液晶表示器に変更してもよい。
本発明は、設定変更装置を備えるパチンコ機に適用することもできる。
また、本発明は、性能表示モニタを備えるパチンコ機に適用することもできる。
段階演出は、ボタン連打演出の例で説明したが、ボタン長押し演出であってもよい。
段階演出は、変動中に実行する例で説明したが、大当り遊技中や小当り遊技中に実行してもよい。
段階演出は、リーチ演出中に実行する例で説明したが、リーチ演出中以外の場面で(例えば予告演出の実行中に)実行してもよい。
段階演出は、メータ値が減少していく演出の例で説明したが、メータ値が増加していく演出であってもよい。
段階演出は、メータを利用しない演出であってもよい。この場合、例えば、所定の演出要素を大きくしたり、小さくしたりする演出を実行することができる。
段階演出は、オートボタン機能(遊技者がプッシュボタンを押下しなくても、プッシュボタンが押下されたものとされる機能)によって実行される演出であってもよい。
上述した実施形態では、第1操作手段がプッシュボタン45aであり、第2操作手段がレバー部材45bである例で説明したが、第1操作手段がレバー部材45bであり、第2操作手段がプッシュボタン45aであってもよい。
所定の条件は、演出上の所定の抽選に当選した場合、第2進行態様によって進行演出を実行するか否かの抽選に当選した場合等に満たされる条件であってもよい。
上述した実施形態は、以下のような変形も可能である。
(1)レバー部材45bに対するレバー入力が検出されると、それ以降はボタン押下処理を無効に(実行しないように)してもよい。
(2)プッシュボタン45aに対するボタン入力の有効時間開始タイミングと、レバー部材45bに対するレバー入力の有効時間開始タイミングとを異ならせてもよい。この場合、レバー部材45bに対するレバー入力の有効時間開始タイミングは、プッシュボタン45aに対するボタン入力の有効時間開始タイミングから所定フレーム(所定時間)が経過したときに有効となるようにしてもよい。
(3)操作有効時間が短いシナリオ(演出時間が短い演出、数秒程度の演出)を実行する場合には、最初から、レバー部材45bに対するレバー入力を無効とするようにしてもよい。つまり、レバー入力は受け付けず、ボタン入力のみを受け付けるシナリオパターン(演出パターン)を有していてもよい。
(4)進行演出実行手段は、遊技状態が有利遊技状態(高確率状態や時間短縮状態)の方が、通常状態(低確率状態や非時間短縮状態)のときよりも、所定の条件が満たされやすくなるようにしてもよい。また、進行演出実行手段は、遊技状態が有利遊技状態(高確率状態や時間短縮状態)の方が、通常状態(低確率状態や非時間短縮状態)のときよりも、所定の条件が満たされにくくするようにしてもよい。
本発明は、パチンコ機だけでなく、スロット機にも適用可能である。
この場合、第1操作手段をプッシュボタンとし、第2操作手段をベットボタンとすることができる。
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。
〔実施形態B〕
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図87は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図88は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば、遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図87及び図88を参照しつつ遊技機の全体構成について説明する。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図87中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図88では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図87に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1は、カードユニットに接続する機種であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないカードユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、カードユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態のパチンコ機1は、カードユニットに接続する機種を例に挙げているが、現金機(カードユニットに接続しない機種)であってもよい。
また、受皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の前面部にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニット(参照符号なし)を取り巻くようにして配置されている。
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54,55が組み込まれている。一方、外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ56が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また、受皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45(操作入力受付手段)が設置されている。演出切替ボタン45は、例えば押し込み式の円形状ボタンとその周囲に回転式のジョグリング(ジョグダイアル)を組み合わせた形態である。遊技者は、この演出切替ボタン45を押し込み操作又は回転操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
〔裏側の構成〕
図88に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等の各種のユニットに加え、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図93)に基づいてさらに後述する。
主制御基板ユニット170には、主制御装置が内蔵されており、主制御装置には、性能表示モニタ140が接続されている。性能表示モニタ140は、パチンコ機1を裏側から見て、主制御基板ユニット170の左上の領域で視認可能なように主制御装置に配置されており、4つの7セグメントLEDを備えている。4個の7セグメントLEDは左右方向に並べて配置されており、それぞれの7セグメントLEDは、10進数のアラビア数字を表示することができる7つのセグメントと、その右下に位置するドットセグメントとによって構成されている。性能表示モニタ140は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースを通じて視認可能である。
また、主制御装置には、RAMクリアスイッチ304及び設定キー用鍵穴306が設けられている。RAMクリアスイッチ304は、RAMクリア、すなわち主制御装置内に装備されているRAM(RWM)の初期化を行う際に用いられるスイッチであり、本実施形態においては、設定変更用のスイッチとしても兼用される。設定キー用鍵穴306は、パチンコ機1の遊技に関する設定を変更又は参照する上で必要とされる設定キーを差し込むための鍵穴である。
RAMクリアスイッチ304は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースに形成された貫通孔を通じて押下可能に設けられている。なお、RAMクリアスイッチ304は、透明ケース外に配置されていてもよい。また、設定キー用鍵穴306は、キーシリンダが透明ケースを貫通した状態(透明ケースがキーシリンダの周囲を囲んだ状態)で設けられている。したがって、透明ケースが封止されたままの状態で設定キーを差し込み、回転させることが可能である。
なお、図88に示した性能表示モニタ140、RAMクリアスイッチ304及び設定キー用鍵穴306の配設位置は、あくまで一例であり、任意の位置に配置することができる。また、RAMクリアスイッチ304及び設定キー用鍵穴306は、主制御装置の外側に設けられて主制御装置に接続される構成としてもよい。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受皿ユニット6に向けて案内する。
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
〔盤面の構成〕
図89は、遊技盤ユニット8を単独で示した正面図である。遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に中始動入賞口26、始動ゲート20、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等が分布して設置されている。このうち中始動入賞口26は遊技領域8aの下部分の中央に位置している。遊技領域8aの右側部分(いわゆる右打ち領域)には、始動ゲート20、普通入賞口25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31が上からこの順番に配置されている。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で始動ゲート20を通過したり、中始動入賞口26、普通入賞口22,25に入球(入賞)したり、あるいは、開放動作時の可変始動入賞装置28や開放動作時の第1可変入賞装置30、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする。ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、中始動入賞口26又は普通入賞口22に入球する可能性がある。遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、始動ゲート20を通過したり、普通入賞口25に入球したり、開放動作時の可変始動入賞装置28に入球したり、開放動作時の第1可変入賞装置30に入球したり、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする可能性がある。中始動入賞口26、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31に入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通穴を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
本実施形態において、可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って右始動入賞口28bへの入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば左右一対の開閉部材28aを有しており、これら開閉部材28aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図89中に示されるように、左右の開閉部材28aは各先端が上を向いた状態で閉鎖位置にあり、このとき右始動入賞口28bへの入球は困難(遊技球が入球できる隙間がない状態)となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、左右の開閉部材28aはそれぞれ閉鎖位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、左右に開口幅を拡大して右始動入賞口28bを開放する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の入球が可能な状態となり、右始動入賞口28bへの入球を発生させることができる(可変始動入賞手段)。なお、このとき開閉部材28aは右始動入賞口28bへの遊技球の入球を案内する部材としても機能する。また、遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に可変始動入賞装置28(開放時の右始動入賞口28b)へ向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が開放動作時の可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に必ず入球するというわけではなく、あくまで入球は無作為に発生する。
また、可変始動入賞装置28は、非時間短縮状態(所定の遊技状態)では満たされ難い条件であり、時間短縮状態(有利遊技状態)では非時間短縮状態よりも満たされやすい条件である所定の作動条件(普通図柄が当選の態様で停止表示されて普通電動役物がロング開放するというという条件)が満たされない場合は右始動入賞口28bへの遊技球の入球が困難となる入球困難状態とする一方、所定の作動条件が満たされた場合は入球困難状態よりも右始動入賞口28bへの遊技球の入球を容易とする入球容易状態へ移行する。可変始動入賞装置28は、非時間短縮状態で普通図柄が当選の態様で停止表示された場合にはショート開放(0.1秒開放)し、時間短縮状態で普通図柄が当選の態様で停止表示された場合にはロング開放(1.0秒〜6.0秒開放)する。
第1可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合、又は、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合)に作動し、第1大入賞口30bへの入球を可能にする(特別電動役物、特別入賞事象発生手段)。第1可変入賞装置30は、例えば1つの開閉部材30aを有している。この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、閉位置から開放位置に向けて変位する。図示のように先端が上を向いた状態で開閉部材30aは閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき第1大入賞口30bへの入球は困難(第1大入賞口30bは閉塞中)である。第1可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして右方向へ倒れ込むようにして変位し、第1大入賞口30bを開放する(開放状態)。この間に第1可変入賞装置30は遊技球の流入が可能な状態となり、第1大入賞口30bへの入球という事象を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは第1大入賞口30bへの遊技球の流入を案内する部材としても機能する。遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に第1可変入賞装置30(作動時の第1大入賞口30b)に向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が作動時の第1可変入賞装置30に必ず入球するというわけではなく、あくまで入球は無作為に発生する。
第2可変入賞装置31は、特別な条件が満たされた場合(特別図柄が小当りの態様で停止表示された場合)に作動し、第2大入賞口31bへの入球を可能にする(特別電動役物、第2特別入賞事象発生手段)。なお、第2可変入賞装置31は、特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合に作動してもよい。
第2可変入賞装置31は、演出ユニット40の右側に配置された装置であり、例えば1つの開閉部材31aを有している。上記の第1可変入賞装置30は、開閉部材30aが右方向へ倒れこむタイプの装置(片羽根のチューリップ式のアタッカ)を採用しているが、第2可変入賞装置31は、開閉部材31aが盤面の内部にスライドするタイプの装置を採用している(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材31aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材31aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材31aの上面を転動することになるため、第2大入賞口31bへの入球は困難(第2大入賞口31bは閉塞中)である。そして、第2可変入賞装置31が作動すると、開閉部材31aが盤面の内部に引き込まれ、第2大入賞口31bを開放する(開放状態)。この間に第2可変入賞装置31は遊技球の流入が困難ではない状態となり、第2大入賞口31bへの入球という事象を発生させることができる。
〔特定領域〕
また、第2可変入賞装置31の内部には、特定領域31xが設けられている。特定領域31xは、第2可変入賞装置31が閉鎖状態である場合は遊技球が通過困難な領域であり、第2可変入賞装置31が開放状態である場合であって特定領域用スライド部材31cが盤面の内部に引き込まれている状態である場合に遊技球が通過可能な領域である。なお、第2可変入賞装置31の詳細は後述する。
また、特に図示してはいないが、第2可変入賞装置31(開閉部材31a)には、遊技球が転動するスピードを低下させる遊技球転動スピード低下部を形成してもよい。遊技球転動スピード低下部は、開閉部材31aの傾斜を緩やかにしたり、開閉部材31a上の遊技球が通過する位置に、遊技球をジグザグに進行させるための交互に出っ張る突起を形成したりすることにより実現することができる。これにより、小当り遊技中に多くの遊技球を第2可変入賞装置31に入球させることができる。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、中始動入賞口26、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)、第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b、特定領域)に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
図90及び図91は、第2可変入賞装置31の詳細を示す図である。
第2可変入賞装置31は、スライド式の開閉部材31aの下方に第2大入賞口31bが配置されている。第2大入賞口31bの内部は左側に下り傾斜となっており、左側の端部にて下方に通路が延びている。下方に延びた通路には第2カウントスイッチ85が配置されており、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31に入球した遊技球の数をカウントする。
そして、下方に延びた通路は、その先で2つのルートに分かれている。一方の第1通路31dは、そのまま下方に延びており、他方の第2通路31eは左側に分岐する。
第1通路31dには、特定領域用スライド部材31cが配置されており、第1通路31dの下流には特定領域31xが配置されている。なお、特定領域31xの内部には、不図示の特定領域スイッチが配置されている。
一方、第2通路31eには、特別な部材は配置されておらず、第2通路31eの下流には排出孔31yが配置されている。
特定領域用スライド部材31cは、特殊な条件が満たされた場合(第2可変入賞装置31が作動してから第1時間経過後第2時間経過前の間)に作動し、特定領域31xへの遊技球の通過を可能にする。特定領域用スライド部材31cは、例えば図示しない特定領域ソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面の前後方向に沿ってスライドする。例えば、第1時間経過後は第2可変入賞装置31が作動してから0.2秒経過後であり、第2時間経過後は、第2可変入賞装置31が作動してから1.8秒経過後である。
特定領域ソレノイドがOFFの状態であると、特定領域用スライド部材31cは第1通路31dを塞いでいるため、遊技球が特定領域31xを通過することは困難となっている。一方、特定領域ソレノイドがONの状態になると、特定領域用スライド部材31cは盤面の内側に引き込まれるため、遊技球が特定領域31xを通過することが容易となる。
次に、第2可変入賞装置31の動作を説明する。
図90中(A)に示すように、スライド式の開閉部材31aは、盤面の内側に引き込まれており、遊技球が第2大入賞口31bに入球している。図示の例では、4個の遊技球が第2大入賞口31bに向かって進行している。ここでは、1個目の遊技球が第2カウントスイッチ85により検出される直前の状態である。
図90中(B)に示すように、1個目の遊技球が特定領域用スライド部材31cに到達している。2個目及び3個目の遊技球は、第2カウントスイッチ85に向かって進んでいる。4個目の遊技球は、第2大入賞口31bに入球しかけている。
図90中(C)に示すように、この時点では、特定領域用スライド部材31cが内側に引き込まれていないため(非作動中であるため)、1個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cによって進行方向が左側に変更され、第2通路31eを進行する。この場合、1個目の遊技球は、排出孔31yにより回収される。
図91中(D)に示すように、この時点で特定領域用スライド部材31cが盤面の内側に引き込まれたものとする(動作中)。この場合、2個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cの手前側を通り抜けて、第1通路31dに進行する。そして、2個目の遊技球は、特定領域31xを通過して、特定領域スイッチにより検出される。
図91中(E)に示すように、3個目の遊技球も、特定領域用スライド部材31cの手前側を通り抜けて、第1通路31dに進行する。この場合、3個目の遊技球は、特定領域31xを通過して、特定領域スイッチに検出される。
図91中(F)に示すように、この時点で、特定領域用スライド部材31cの動作が終了し、特定領域用スライド部材31cが盤面の前方側に突出したものとする。この場合、4個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cによって左側に案内され、第2通路31eに進行する。そして、4個目の遊技球は、排出孔31yにより回収される。
図92は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の左下位置)を拡大して示す正面図である。
遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33(普通図柄表示手段)及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34(第1図柄表示手段)、第2特別図柄表示装置35(第2図柄表示手段)、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が設けられている。
このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、上記の始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えば7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段、第1図柄表示手段、第2図柄表示手段)。その他、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、0〜4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプが点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして、2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
一方、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えば1つのランプ(LED)の消灯又は点灯の組み合わせで構成される表示態様により、1個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、1つのランプを消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示する。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、上記の中始動入賞口26に遊技球が入球するごとに、入球が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に遊技球が入球すると、入球が発生したことを記憶する意味で増加後の表示態様へと変化し(最大1個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されると、減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄(第1図柄)が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で中始動入賞口26に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄(第2図柄)が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個又は最大1個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また、遊技状態表示装置38には、例えば、大当り種別表示ランプ38a,38b、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定表示ランプ38fにそれぞれ対応する6つのLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
〔遊技盤のその他の構成:図89を参照〕
上記の演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側上部には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄(本図柄)や、第4図柄、記憶マーカ(保留表示)をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。
さらに、演出ユニット40の内側下部にはドラムユニット200が設置されている。
ドラムユニット200は、左リール201、中リール202、右リール203を備えており、各リールには擬似演出図柄(7図柄やパンダ図柄、チェリー図柄等)が表示されている。例えば、同色の7図柄が、有効ラインとなる中段ラインに表示されると、特別図柄抽選にて大当りの結果が得られたことを表している。ドラムユニット200の各リールは、複数の可動速度で可動可能な可動体である。
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されている。球案内通路40dは、演出ユニット40の裏側を通って下方の転動ステージ40eに接続されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40kが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40kに案内された遊技球は、その真下にある中始動入賞口26に流入しやすくなる。
その他に演出ユニット40の上部中央の内部には、演出用の可動体40f(例えばハート型の装飾物)とともに図示しない駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。このような可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図93は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、RAM76の初期化に用いられるRAMクリアスイッチ304や、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
さらに、主制御装置70には、設定変更装置300及び設定キースイッチ302が設けられている。主制御装置70(主制御CPU72)は、設定変更装置300を動作させることにより設定を変更する。設定変更装置300は、設定(少なくとも特別図柄抽選の当選確率に関する設定)を切り替える装置であり、パチンコ機1に備えられたRAMクリアスイッチ304等の操作により作動する。また、設定とは、作動確率の組み合わせをいう。さらに、作動確率とは、条件装置が作動することとなる(大当り遊技が実行されることとなる)特別図柄の組み合わせが表示される確率をいう。設定キースイッチ302は、設定を切り替える上で必須となる設定キーの回転に伴い、その回転状態を示す信号(ON/OFF)を入力する入力装置である。設定の変更には、様々な手法を採用することができるが、例えば、以下の手順で行うことができる。
(1)まず、パチンコ機1の電源をOFFにする。
(2)ついで、専用キー(ドアキー)でパチンコ機1の扉を開ける。具体的には、専用キーをシリンダ錠6aの鍵穴に差し込んで右方向に回転し、内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4を開放する。
(3)パチンコ機1の裏側には、設定キーを挿入するための設定キー用鍵穴306と、RAMクリアスイッチ304とが設けられているため、設定キー用鍵穴306に設定キーを挿入し、設定キーを右方向に回転する。
(4)そして、パチンコ機1の電源をONにする。
(5)これにより、設定キーが変更位置に回転されたことを示す信号(ON)が設定キースイッチ302により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が可能な状態となる。このとき、図示しないロック機構により安全ロックが掛けられる。したがって、設定キーは、元の位置に戻されない限りは抜き取ることが不可能となる。
ここで、設定キーを右方向に回転した状態で、RAMクリアスイッチ304をONにしながら、電源をONにすると、設定が変更な状態となる。一方、設定キーを右方向に回転した状態で、RAMクリアスイッチ304をONにせずに、電源をONにすると、設定の参照が可能な状態となる。
(6)設定の変更が可能な状態において、RAMクリアスイッチ304を任意の回数だけ押下することにより、予め設けられた複数段階のうちいずれかの段階に設定を変更することができる。また、設定値は、例えば、専用の7セグメントLED、遊技状態表示装置38(特別図柄表示装置等)、性能表示モニタ140に表示することができる。
(7)スロット機の場合、目的の設定に達したら、レバーON処理が必要になるが、パチンコ機1にはレバーが存在しないため、レバーON処理の代わりの代替処理(例えば、設定キーを左方向に回転する処理、不図示の設定変更確定ボタンをONにする処理等)を実行したり、レバーON処理を省略したりしてもよい。本実施形態では、目的の設定に達したら、設定キーを反時計回りに回転させて元の位置に戻す。この操作により、設定キーが元の位置に戻されたことを示す信号(OFF)が設定キースイッチ302により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が確定する。
(8)そして、設定の変更が確定すると、設定キー用鍵穴306から設定キーを抜き取ることができる状態となる。また、設定の変更が確定したことに伴い、専用の7セグメントLED、遊技状態表示装置38、性能表示モニタ140に設定値を表示している場合には、その表示が消える。
(9)最後に、パチンコ機1の扉を閉める。これにより、設定の変更が完了する。設定の変更が完了すると、通常の遊技が開始される。
設定が変更された場合、主制御CPU72は、変更後の設定値をRAM76の設定値バッファに記憶する。設定値バッファは、バックアップの対象となるメモリ領域とすることができる。
なお、ここではRAMクリアスイッチ304を押下して設定をいずれかの段階に変更する構成としているが、RAMクリアスイッチ304を設定の変更に兼用せずに、専用の設定変更スイッチを別途設ける構成としてもよい。この場合、上記の手順(6)において、別途設けた設定変更スイッチを任意の回数だけ押下することとなる。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31にそれぞれ対応して中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84及び第2カウントスイッチ85が装備されている。各始動入賞口スイッチ80、82は始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)への遊技球の入賞を検出するためのものである。また、カウントスイッチ84は第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。
他にも、特定領域31xに対応して特定領域スイッチ83が装備されている。第2大入賞口31bの内部の特定領域31xに対応する位置には、特定領域スイッチ83が備えられており、特定領域スイッチ83は、遊技球が特定領域31xを通過したことを検出する。
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22,25への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、ここでは全ての普通入賞口22,25について共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば、盤面の左右で別々の入賞口スイッチ86を設置し、左側の入賞口スイッチ86では盤面の左側に位置する普通入賞口22,25に対する遊技球の入賞を検出し、右側の入賞口スイッチ86では盤面の右側に位置する普通入賞口25に対する遊技球の入賞を検出することとしてもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類80、82、83、84、85、86の入賞検出信号や通過検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、特定領域スイッチ83、カウントスイッチ84、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号や通過検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、主制御装置70には、パネル中継端子板87を介して、性能表示モニタ140が接続されている。性能表示モニタ140は、遊技球が各入賞口(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)に入球することによって払い出される賞球数を、遊技領域に発射した遊技球の数を示すアウト数(アウトスイッチ141で検出された遊技球の数)で除算して算出されるベースを表示するためのモニタである。ベースは、遊技を進行させる制御に用いられる使用領域とは別の領域(使用外領域)を用いて予め設定された区間ごとに算出され、現在の区間のベースと、前回の区間のベースとが、予め設定された間隔ごとに切り替わって表示される。性能表示モニタ140は、主制御CPU72からの制御信号に基づいてその表示動作が制御される。主制御CPU72は、ベースの算出状況に応じて性能表示モニタ140に対する制御信号を出力し、各7セグメントの点灯状態を制御する。
なお、性能表示モニタ140は、パネル中継端子板87を介して主制御装置70に接続する例で説明しているが、パネル中継端子板87を介さずに主制御装置70に接続してもよく、主制御装置70の内部の構成として性能表示モニタ140を配置してもよい。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び特定領域31xにそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び特定領域ソレノイド99が設けられている。これらソレノイド88,90,97,99は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び特定領域31xを開閉させる。なお、これらソレノイド88,90,97,99についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に上記の一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、上記の内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている(特別特典付与手段)。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のカードユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに送信される。また、カードユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、カードユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてRAM(RWM)130やeDRAM131等の半導体メモリが内蔵されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
その他にも演出制御装置124には、VDP152やドライバIC132、音声IC134等の演出を実現する上で必要となる様々な機能部品が搭載されている。このうちVDP152は、液晶表示器42の画面上で再生される演出画面を描画するためのプロセッサである。ドライバIC132は、ランプ46〜52や盤面ランプ53、可動体モータ57等のデバイスを制御するICを搭載している。また、音声IC134は、スピーカ54,55,56からの出力を制御する。なお、演出制御装置124の内部の構成については、別の図を用いて詳しく後述する。
演出制御装置124と上記の主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にサブ接続基板136が設置されており、ドライバIC132や音声IC134からの駆動信号はサブ接続基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56に印加されている。また、サブ接続基板136には、上記の演出切替ボタン45やジョグダイアル45aの他に図示しない音量調整スイッチが接続されており、遊技者がこれらの操作部材を操作すると、それらの接点信号がサブ接続基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではサブ接続基板136に各操作部材を接続した例を挙げているが、上記の受皿電飾基板を設置する場合、各操作部材は受皿電飾基板に接続されていてもよい。
その他、遊技盤ユニット8にはドライバ基板138が設置されており、このドライバ基板138には、盤面ランプ53、可動体モータ57及び可動体センサ58が接続されている。可動体モータ57は、例えば図示しないリンク機構を介して上記の可動体40fを駆動する。可動体センサ58は、例えば可動体40fの原点位置(初期位置)等に設けられたフォトセンサであり、可動体40fを検出すると検出信号を出力する。ドライバIC132からの駆動信号は、ドライバ基板138を経由して盤面ランプ53及び可動体モータ57にそれぞれ印加される。なお、可動体モータ57は、ソレノイドであってもよい。
〔ドラムユニット〕
また、ドライバ基板138には、ドラムユニット200が接続されている。
ドラムユニット200は、同軸に配置された左リール201、中リール202、及び、右リール203を備えている。
左リール201、中リール202、及び、右リール203は、それぞれ円環状に形成されており、その周囲には複数の擬似演出図柄が間隔をおいて一列に付されたリール帯が巻かれている。左リール201、中リール202、及び、右リール203は、その中心に回転軸があり、回転軸を中心に回転又は逆回転させることができる。
また、ドラムユニット200には、各リールに対応する不図示のステッピングモータ(以下、単にモータと記載することもある。)と、各リールに対応する不図示の位置検出機構とが設けられている。位置検出機構は、ステッピングモータの内部に配置されていてもよく、ステッピングモータの外部に配置されていてもよい。位置検出機構は、例えば、遮光板とフォトセンサ等により構成することができる。
ステッピングモータは、ドラムユニット200を制御する不図示のドラムユニット制御装置(ドライバ、IC)によって駆動される。ドラムユニット制御装置は、演出制御装置124から送信される可動体データに応じて各リールを駆動する。また、ドラムユニット制御装置は、位置検出機構により検出された各リールの位置(例えば、原点位置)の検出に応じて、検出信号をドライバ基板138を介して演出制御装置124に送信する。
そして、演出制御装置124は、ドラムユニット制御装置から送信されてくる検出信号に基づいて、各リールに対応するステッピングモータに対して送信する可動体データを生成し、各リールの動作を制御する。
ステッピングモータは、1相励磁と2相励磁とを交互に繰り返して各リール(可動体)を駆動(1−2相励磁駆動)するモータであり、ステッピングモータには、4つのコイル(コイル1〜コイル4)が含まれている。
上記の液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上記のように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
〔演出制御装置の内部構成〕
図94は、演出制御装置124の内部の機能構成を示すブロック図である。
上述したように、演出制御装置124は遊技の進行に伴い演出を制御する演出制御プロセッサとしての役割を有している。そのため演出制御装置124には、演出制御CPU126に加え、演出制御装置124が演出制御プロセッサとして機能する上で必要となる制御ROM180及びウォッチドッグタイマIC(WDTIC)188が装備されている。制御ROM180には、演出の制御に関する基本的なプログラムやテーブル等が格納されている。演出制御CPU126は、図示しないCPUバスを介して制御ROM180にアクセスし、制御ROM180に格納されたプログラムを実行することにより演出を制御する。ウォッチドッグタイマIC188は、演出制御装置124で実行される制御が正常になされているか(想定時間内に処理が完了しているか)を監視するタイマであり、演出制御CPU126のリセット端子に接続されている。ウォッチドッグタイマIC188の監視タイマをクリアするための信号(クリアパルス)が所定時間内に入力されなかった場合、ウォッチドッグタイマIC188は演出制御CPU126に対しリセット起動させるための信号(リセットパルス)を出力する。これにより、演出制御装置124が強制的にリセット起動されることとなる。
演出制御装置124にはこれらの他にも、演出に関わる機能として、バックアップデータ用の記憶領域であるSRAM182、所定周波数のクロック信号を生成する水晶発振器181、時刻管理を行うリアルタイムクロック(RTC)184、SRAM182及びリアルタイムクロック184に対しバックアップ電源を供給するリチウム電池186、図示しない入出力ドライバやカウンタ/タイマ回路等の周辺IC等が装備されている。リチウム電池186は、電源制御ユニット162から演出制御装置124に対し駆動電力が供給されている間に、この電力を蓄えて自身を充電する。SRAM182及びリアルタイムクロック184は、リチウム電池186に接続されており、電源制御ユニット162からの演出制御装置124への駆動電力の供給が断たれた場合にはリチウム電池186により駆動可能となる。したがって、SRAM182及びリアルタイムクロック184は、電源制御ユニット162からの電力供給が断たれた場合でも、リチウム電池186の充電が切れるまでの期間(例えば、約1か月半)は動作を継続するため、SRAM182は、電源断の状況下においても暫くは格納されている情報を保持することができる。
なお、演出制御プログラムは、容易に消去されるべきでないセキュリティや監視、不具合等に関する情報をSRAM182に保存するよう構成されている。これにより、例えば、演出制御装置124で何らかの不具合が発生した場合に、パチンコ機1を回収(又は設置状態で点検)し、SRAM182に保持されている情報を解析することにより不具合の要因調査を進めることが可能となる。
ところで、演出制御CPU126が制御ROM180に格納されたプログラムに沿って実行する演出の制御により、最終的には、液晶表示器42、各種ランプ46〜53やスピーカ54,55,56等のデバイスの動作が制御される。この演出制御の流れは、大きくみると「全体制御(再生指示)」と「個別制御(再生制御)」の2つの段階に分けられる。演出制御CPU126は、先ず主制御装置70から送信される演出コマンドを受信し、演出コマンドの内容に応じた演出の再生を各デバイスに対して間接的に指示する(全体制御)。次に、演出制御CPU126は指示内容を各デバイスに適したより具体的な表現に変換した指示データを生成し、演出制御CPU126と各デバイスとの間を中継する各制御デバイス134,152,198,199に送信する(個別制御)。その結果として、各制御デバイス134,152,198,199により指示データに基づく各デバイスの制御がなされ、パチンコ機1における各デバイスを用いた演出再生(画面表示、音声出力、ランプ発光、可動体動作等)が実現される。
このように、演出制御CPU126は、演出制御の段階に応じて異なる機能を有しており、これらの機能は演出制御CPU126のリソースを使い分けた複数のタスクとして実現されている。図94においては、演出制御CPU126により実行される個々の機能に対応するタスクが、演出制御部210、表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224、可動体制御部226、入力制御部228、時間管理部(ACT)230等として示されている。以下の説明では、個々のタスクを演出制御処理の動作主体として扱うものとする。
先ず、全体制御の段階では、演出制御CPU126内の演出制御部210が動作主体となり、演出の時間進行を管理する時間管理部(ACT)230を用いて演出全体の流れを制御する。また、個別制御の段階では、制御対象とされるデバイスに応じて演出制御CPU126内の表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224、可動体制御部226又は入力制御部228が動作主体となる。なお、演出制御部210が各制御デバイス134,152,198,199等を直接的に制御する構成としてもよい。
演出制御装置124は、全体制御の段階では演出制御プロセッサとして機能するのに対し、個別制御の段階では演出再生プロセッサとして機能する。そのため、演出制御装置124にはさらに、CGROM(画像・音声ROM)190とともに、演出の再生に用いられる各種のデバイスを制御するためのVDP152(演出表示制御基板)、音声IC134、LEDドライバ198、SMC(シリアル制御コントローラ)199及びドライバIC132が装備されている。
CGROM190は、演出画面を構成する描画素材(動画像データ)や演出の進行とともに出力される音声素材(音声データ)を所定の圧縮アルゴリズムにより圧縮された状態で格納している。CGROM190は、図示しないCGバスを介してVDP152や音声IC134に接続されている。
VDP152は、演出画像の描画専用のプロセッサであり、演出制御CPU126とともにワンチップに統合されている。また、VDP152はVRAM156及び描画素材デコーダ157を内蔵している。このうちVRAM156は、主に描画素材を展開する際に用いられ、描画素材デコーダ157は、圧縮された状態の描画素材を解凍(復号)する際に用いられる。VDP152は、先ず表示制御部220から送信された指示内容を解析し、CGバスを介してCGROM190から必要な描画素材を読み出してVRAM156に転送する。そして、読み出した描画素材を描画素材デコーダ157で復号してVRAM156上で演出画像の描画を行い、演出画像を1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開する。ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動することにより、演出画面の再生が実現される。
音声IC134は、演出の実行中に再生される効果音やBGM等の音声を生成するサウンドジェネレータであり、VDP152と同様に演出制御CPU126とワンチップに統合されている。音声IC134は、図示しないアンプや外部DRAM、CGバスに接続されている。また、音声IC134には、圧縮された状態の音声素材を解凍(復号)する音声素材デコーダ135が内蔵されている。音声IC134は、先ず音声制御部222から送信された指示内容を解析し、CGバスを介してCGROM190から必要な音声素材を読み出す。そして、読み出した音声素材を外部DRAM上で音声素材デコーダ135を用いて復号する。アンプを経由して各種スピーカに復号した音声を出力することにより、ステレオ2ch又はモノラル2chの音声再生(より大きなチャンネル数としてもよい)を実現する。また、音声IC134は、音量調整スイッチが操作された場合に入力される接点信号に基づいて、各種スピーカの出力音量を調整する。
LEDドライバ198は、パチンコ機1の前面側に設けられた各種ランプの演出の実行にともなう点灯パターン及び輝度パターンを制御する。LEDドライバ198においては、アドレス指定同期シリアル方式が採用されている。LEDドライバ198は、先ずランプ制御部224から送信された指示内容に基づいて点灯パターン及び輝度パターンの制御を行い、これに応じた駆動データをドライバIC132に転送する。
SMC199は、演出ユニット40の内部に設けられた演出用の各種可動体の駆動源となるモータの駆動パターンを制御するとともに、可動体用のセンサにより出力された検出信号を中継して可動体制御部226に受け渡す。SMC199もまた、演出制御CPU126とワンチップに統合されている。SMC199においては、クロック同期式シリアル方式が採用されている。可動体の駆動に際し、SMC199は、先ず可動体制御部226から送信された指示内容に基づいて可動体用のモータの駆動パターンを生成し、これをドライバIC132に転送する。なお、ここではSMC199をモータの駆動パターン生成にのみ用いているが、SMC199はモータだけでなくランプの点灯パターンや輝度パターンを生成することもできるため、上述したLEDドライバ198に代えてSMC199を適用し、SMC199がランプ及びモータの両方のデータパターンを生成する構成とすることも可能である。
ドライバIC132は、LEDドライバ198やSMC199から転送された駆動データに基づいてランプやモータに対し印加する駆動電圧の制御を行う。ドライバIC132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、各種ランプや可動体モータに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その動作を管理することにより、ランプや可動体を用いた演出再生を実現する。なお、各種ランプには、ガラス枠トップランプ46やガラス枠装飾ランプ48,50,52の他に、操作ユニット60の各部位に内蔵された光源や遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は、演出ユニット40に内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等に内蔵されるLEDに相当するものである。
この他にドライバIC132は、演出切替ボタン45やジョグダイアル45a等の操作部材が遊技者により操作された場合に入力される接点信号を、入力制御部228を経由して演出制御部210に転送する。演出制御部210は、転送される接点信号の内容に基づいて、再生する演出内容を適宜変化させる。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、リセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図95及び図96は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1〜2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また、主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また、主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタコマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また、主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図96に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして、主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)、及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図100中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が一巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図100中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、上記のように、本実施形態において大当り決定乱数及び当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図100)を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込管理処理の内容については後述する。
図97は、リセットスタート処理の第2手順例を示すフローチャートである。なお、リセットスタート処理の第1手順例と同様の処理については、重複する説明を省略する。また、図96の処理は、第1手順例と第2手順例とで同様である。
リセットスタート処理の第2手順例では、リセットスタート処理の第1手順例と比較して、準備中処理(ステップS112a)が追加されている点が異なっている。
具体的には、ステップS106で肯定(Yes)と判断された場合、ステップS107で否定(No)と判断された場合、又は、ステップS108で否定(No)と判断された場合は、準備中処理(ステップS112a)が実行される。
なお、準備中処理(ステップS112a)の実行タイミングは、このようなタイミングに限定されるものではなく、リセットスタート処理の中の任意のタイミングで実行することができる。つまり、RAMクリアスイッチを押下した状態で電源投入した場合に、「準備中」→「遊技可能状態(メインループに移行した状態)」と移行するように制御されていればよい。
ステップS112a:準備中処理では、主制御CPU72は、RAMクリア時に必要となる各種動作を制御する。なお、処理の詳細は、後述する。
そして、準備中処理(ステップS112a)が終了すると、主制御CPU72は、RAMクリア処理(ステップS113)を実行する。なお、これ以降の処理は、第1手順例の処理と同様である。
図98は、準備中処理の手順例を示すフローチャートである。
ステップS125:主制御CPU72は、準備中動作制御処理を実行する。準備中動作制御処理の詳細は、後述する。
ステップS126:主制御CPU72は、RAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。
その結果、RAMクリアスイッチが操作されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、リセットスタート処理(図97)に復帰する。一方、RAMクリアスイッチが操作されていることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS125の処理を実行する。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、RAMクリアスイッチが押下されるまで、ステップS126準備中動作制御処理を継続して実行することができる。
〔準備中動作制御処理〕
準備中動作制御処理の動作内容の詳細は、以下の通りである。
主制御CPU72は、準備中動作制御処理において、以下に示す状態及び動作内容のうち、少なくとも1つの状態及び動作を採用した内容の処理を実行することができる。
(1)準備中は、RAMクリアスイッチを押下した状態で電源投入した際に移行する状態である。準備中には、再度RAMクリアスイッチが押下されるまで滞在する。「準備中」の状態で、RAMクリアスイッチが押下されると、「遊技可能状態」へ移行する。
(2)準備中では、主制御装置70(主制御CPU72)で管理する可動体(主制御装置70に接続されている可動体)を可動制御し、可動体が正常に動作するか否かの可動確認を行うことができる。
具体的には、特別電動役物(アタッカ)、特別電動役物の内部の可動体(確変領域や特定領域を開放する可動体や、2種系の場合は常時回転の回転体、規定の契機により可動する可動体、及び、これらに付随する機構やソレノイド、モータ等)、普通電動役物(電動チューリップ)を一定の動作で可動制御する。
可動制御は、例えば、「0.4秒ON→0.4秒OFF」を複数回繰り返す可動パターンにより、ソレノイドやモータを動作させることにより実行する。
可動制御は、準備中において最初から最後まで継続して実行してもよく、所定回数や所定時間を上限として実行してもよい。
(3)準備中は、外部から準備中であることが明確に分かるようにすることができる。この場合、例えば、液晶表示器の表示画面に、「準備中です」「遊技できません」「RAMクリアスイッチを押下すると終了します」「演出ボタン押下で演出設定変更」等といった情報を表示することができる。この場合、合わせて、「準備中です」等の音声出力を繰り返し実行してもよい。
(4)準備中は、演出ボタンの操作により、演出に関する設定を変更することができるようにしてもよい。例えば、演出切替ボタン(演出ボタン)を押下すると液晶表示器の表示画面が切り替わり、日時の設定、音量設定(1〜5段階)、演出頻度設定(1〜3段階)、演出種類設定等が選択できるようにすることができる。
(5)準備中は、遊技球の発射制御ができないようにしてもよい。これは、主制御装置70から払出制御装置92へ「発射許可信号」を送信していることを条件に、発射制御基板108では、遊技球の発射をすることができるからである。主制御装置70は、「割込管理処理(タイマ割込み処理)」内で「発射許可信号」を送信する処理を行うことができるが、準備中は「割込管理処理(タイマ割込み処理)」がまだ実行されていない期間であるため発射ができない状態となる。
(6)準備中処理のプログラム(各種可動体を動作させるプログラム)は、使用領域内に実装(配置)することができる。使用領域とは、遊技の進行を制御するために使用可能な容量が遊技機規則で定められている領域であり、領域外の領域とは、使用可能な容量の計算に含めない領域である。
(7)準備中の期間は、準備中であることを示す外部情報を、外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に対して出力するようにしてもよい。
(8)準備中は、メインループに移行する前(割込管理処理(タイマ割込み処理)が実行される前)の段階である。このため、準備中においては、統合表示基板89の表示(メインセグ)は消灯状態とすることができる。また、準備中においては、遊技可能状態中に判定可能なエラー(例えば、磁気エラー、電波エラー、振動エラー、大入賞口不正入賞エラー等)を判定しないようにすることができる。さらに、準備中は、賞球の払出、特別図柄の変動、普通図柄の変動を実行しないようにすることができる。
(9)RAMクリアスイッチを押下した状態で電源投入した場合は、「準備中」を示すコマンドを主制御装置から演出制御装置に送信することができる。また、再度RAMクリアスイッチが押下され、準備中が終了する場合には、「準備中終了」を示すコマンドを主制御装置から演出制御装置に送信することができる。なお、この場合、メインループに移行する前に、主制御装置から演出制御装置にコマンドを送信するようにしてもよい。
準備中の段階では、RAMクリア処理は実行されておらず、準備中にRAMクリアスイッチが押下されたことを条件に、RAMクリア処理を実行することができる。ただし、RAMクリア処理の実行後に準備中に移行させ、その後、メインループに移行するようにしてもよい。
このような構成を採用する経緯として、以下のような課題がある。
従来の遊技機は、特別電動役物、普通電動役物の動作確認が、任意のタイミングで(特に、RAMクリアをする際の電源投入時に)行えないため、不具合が通常の遊技中に急に発覚するおそれがある。
そして、上記のような構成を採用することにより、以下のような効果を発揮することができる。
(1)電源投入時に、各種電動役物が動作可能か否かを確認することができるため、遊技中に各種電動役物が動作しないという不具合を防ぎ、正常に遊技を行うことができる。
(2)正常に遊技を行うことができるので、遊技が途切れる事態を防ぐことができ、遊技に対する興趣の低下を防ぐことができる。
(3)事前に(遊技前に)不具合を解決できるため、遊技中の不具合の確認処理を無くすことができ、制御上の処理負荷の軽減にも貢献することができる。
(4)準備中(動作確認中)に演出設定も実行することができるため、効率的な遊技を提供することができる。
上記の構成から以下の技術的な内容を抽出することができる。
(1)所定の操作部材(RAMクリアスイッチ)と、可動体(電動役物、駆動源、ソレノイド、モータ等)と、前記所定の操作部材が操作されている状態で電源が投入された場合、可動体が正常に動作するか否かを確認するために、可動体を一定の動作パターンで動作させる可動体動作手段とを備える遊技機である。
(2)上記(1)の構成において、可動体動作手段は、再び、所定の操作部材が操作されるまで、可動体を一定の動作パターンで動作させ続けることが好ましい。
〔電源断発生チェック処理〕
図99は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また、主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして、主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(図95)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図100は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、入賞口スイッチ86、特定領域スイッチ83からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、特定領域スイッチ83からの通過検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機、第1抽選契機、第2抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また、普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(普通図柄抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,82,84,85,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
〔賞球数及び獲得遊技球数について〕
第1特別図柄の始動口の賞球数及び第2特別図柄の始動口の賞球数は、それぞれ1個以上の規定数に設定されている。また、第1特別図柄の始動口と第2特別図柄の始動口とでは、賞球数を異ならせてもよい。さらに、特別図柄の当選確率や、総獲得遊技球数の期待値(初当りから時間短縮状態が終了するまでの一連の期間に得られる平均出球数)に基づいて、最低賞球数を設定してもよい。さらにまた、特別図柄の当選確率、総獲得遊技球数の期待値、大入賞口の開放回数、大入賞口の開放時間、大入賞口の最大入賞数、大入賞口の賞球数が所定の条件を満たした場合、1回の大当りによる獲得遊技球数が最大の獲得遊技球数の1/4未満となる大当りを設定してもよい。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータ(外部機器)に対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」〜「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」〜「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」〜「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS209:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS205)や普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお、駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また、主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び特定領域ソレノイド99の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS213:そして、主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお、本実施形態では、ステップS205〜ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして、主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。なお、割込管理処理では、主制御CPU72は、各種エラーを検出する図示しないセンサやスイッチ等に基づいて、各種エラー(磁気エラー、電波エラー、振動エラー、大入賞口不正入賞エラー等)を判定することができる。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図101は、スイッチ入力イベント処理(図100中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する中始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の第1大入賞口30bに対応する第1カウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS19に進んで第1大入賞口カウント処理を実行する。第1大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの第1可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS20に進む。
ステップS20:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の第2大入賞口31bに対応する第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS21に進んで第2大入賞口カウント処理を実行する。第2大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中(小当り遊技中)に第2可変入賞装置31への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72はステップS24を実行する。一方、通過検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS26に進む。
ステップS24:主制御CPU72は、普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また、主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして、主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。次に、主制御CPU72は、ステップS26を実行する。
ステップS26:主制御CPU72は、第2大入賞口31b内の特定領域31xに対応する特定領域スイッチ83から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS28に進んで特定領域予備フラグをONにする処理を実行する。一方、通過検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図100)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図102は、第1特別図柄記憶更新処理(図101中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。ここで、RAM76の乱数記憶領域は、第1特別図柄及び第2特別図柄で共通で使用する5つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。ただし、第1特別図柄に関しては、4つのセクションしか使用できず、第2特別図柄に関しては、1つのセクションしか使用できない。したがって、セクションに空きがあっても、第1特別図柄に関してすでに4つのセクションを使用している場合、それ以上第1特別図柄の各乱数が記憶されることはない。これと同様に、セクションに空きがあっても、第2特別図柄に関してすでに1つのセクションを使用している場合、それ以上第2特別図柄の各乱数が記憶されることはない。セクションが5つである理由は、第1特別図柄の最大記憶数(4個)と、第2特別図柄の最大記憶数(1個)とを合計した数のセクションが必要だからである。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図101)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図100中のステップS210)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第1抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、抽選要素取得手段)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして、主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(第1抽選要素記憶手段、抽選要素記憶手段)。複数のセクションには順番(例えば第1〜第5)が設定されており、現段階で第1〜第5の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2〜第5セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の特別遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37,S38を実行する。大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37,S38をスキップしてステップS38aに進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS37:大当り中以外の場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する(先読み処理実行手段)。この処理は、先のステップS32〜S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数、大当り図柄乱数及び変動パターン決定乱数に基づいて、特別図柄抽選の結果や変動時間を事前(変動開始前)に判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。この処理において、第1特別図柄の事前判定の結果を特図先判定演出コマンド(先読み情報)の下位バイト分にセットする。
ステップS38:取得時演出判定処理を実行すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする(先読み処理実行手段)。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分(当否に関する情報や変動時間に関する情報)は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされるので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS38a:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」〜「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」〜「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」〜「04H」となったことを表している。なお、上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS39:そして、主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理では、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンドが演出制御装置124に対して送信される(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えるか、もしくは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図101)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
次に図103は、第2特別図柄記憶更新処理(図101中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば1とする)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図101)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図102)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図100中のステップS210)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第2抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図102)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図102)と同様である。
ステップS44:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、抽選要素取得手段)。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図102)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄及び第2特別図柄で共通で使用する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(第2抽選要素記憶手段、抽選要素記憶手段)。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図102)と同様である。
ステップS45a:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。そして、大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS46,S47を実行する。逆に大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS46,S47をスキップしてステップS48に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、同じく大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS46:大当り中以外である場合(ステップS45a:No)、次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する(先読み処理実行手段)。この処理は、先のステップS42〜S44でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである。この処理において、第2特別図柄の事前判定の結果を特図先判定演出コマンドの下位バイト分にセットする。
ステップS47:取得時演出判定処理を実行すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする(先読み処理実行手段)。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS46)においてセットされるので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS48:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお、先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS49:そして、主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して特図先判定演出コマンドや作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置124に対して送信される(記憶数通知手段)。また、以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図101)に復帰する。
〔取得時演出判定処理〕
図104は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理及び第2特別図柄記憶更新処理(図102中のステップS37,図103中のステップS46)においてこの取得時演出判定処理を実行する(事前判定手段、先読み処理実行手段)。上述したように、この処理は第1特別図柄(中始動入賞口26への入球時)、第2特別図柄(可変始動入賞装置28への入球時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンド(先判定情報)の下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(図102中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図103中のステップS45)でRAM76に記憶されているものである。
ステップS54:そして、主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段、事前判定手段)。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお、比較値(下限値)は、パチンコ機1における特別図柄抽選の大当り確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS80に進む。
ステップS80:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段、先読み処理実行手段)。この処理では、主制御CPU72は、はずれ時の変動時間について変動パターン先判定コマンド(先読み情報)を生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、特に「時間短縮機能」の作動時における変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。例えば、現在の状態が「時間短縮機能」の作動時であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものである場合、主制御CPU72は「時短中非短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。なお、リーチ変動の場合はさらに、リーチモード乱数から「リーチグループ(リーチの種類)」をも判断し、その結果から変動パターン先判定コマンドを生成することとしてもよい。一方、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「時短中短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。あるいは、現在の状態が「時間短縮機能」の非作動時(低確率状態)であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものである場合、主制御CPU72は「通常はずれリーチ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。一方、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「通常はずれ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。なお、この処理において、主制御CPU72は、小当り時の変動パターンについて、上述したはずれ時の処理と同様に変動パターン先判定コマンドを生成してもよい。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は取得時演出判定処理を終了し、呼び出し元の第1特別図柄記憶更新処理(図102)又は第2特別図柄記憶更新処理(図103)に復帰する。一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
ステップS74:主制御CPU72は、大当り図柄種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(図102中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図103中のステップS45)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、ステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果からいずれの当選図柄に該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS78に進む。
ステップS78:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットする。特別図柄先判定値は、例えば「時間短縮状態に移行しない図柄」に該当する場合は「00H」がセットされ、「時間短縮状態に移行する図柄」に該当する場合は「01H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
ステップS79:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段、先読み処理実行手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り時の変動時間について、上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、例えば大当り時のリーチ変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(図102)又は第2特別図柄記憶更新処理(図103)に復帰する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理(図100)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図105は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000〜ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において大当り又は小当りの態様(非当選以外の態様)で特別図柄が停止表示された場合に選択される。なお、特別図柄の停止表示される態様に応じて、大当り遊技又は小当り遊技が開始される。
〔大当り遊技〕
例えば、特別図柄が10ラウンド大当りの態様で停止表示されると、大当り遊技(遊技者にとって有利な特別遊技)が実行される。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、第1大入賞口ソレノイド90が一定時間(例えば29秒間又は10個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば10回)にわたって励磁され、これにより第1可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に第1可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に第1可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で10回あれば、これらを「10ラウンド」と総称することがある。本実施形態では、10ラウンド大当りについては、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられている。なお、大当りの種類として10ラウンド大当りだけでなく、その他のラウンド数の大当りを設けてもよい。
また、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の第1可変入賞装置30の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また、主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図100中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(時間短縮状態)を変化させる(時間短縮状態移行手段)。「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、普通図柄の作動抽選の抽選確率が通常確率(低確率)から高確率に設定され、また、普通図柄の変動時間が短縮されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長されて開放回数が増加する(いわゆる電チューサポートが行われる)。なお、いわゆる2種遊技機の要素を含む遊技機(例えば、1種2種混合機や2種遊技機、すなわち、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過することによって大当り遊技が実行される遊技機)においては、普通図柄の作動抽選の当選確率を高確率状態に移行させないようにしてもよい。この場合、普通図柄の作動抽選の当選確率は、時間短縮機能の作動の有無に関わらずに一定の確率(例えば略1分の1)とし、可変始動入賞装置28の開放パターンで入賞の容易さと困難さを調整することができる。
〔小当り〕
また、本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当りの遊技が行われて第2可変入賞装置31が開閉動作する(特例遊技実行手段)。例えば、特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、小当り遊技(遊技者にとって有利な特殊遊技)が実行される。小当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、第2大入賞口ソレノイド97が一定時間(例えば1.8秒間又は10個の入賞をカウントするまで)、予め設定された作動回数(例えば1回又は複数回)にわたって励磁され、これにより第2可変入賞装置31が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の作動)。この間に第2可変入賞装置31に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、ある程度の賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。
また、小当り遊技中の可変入賞装置管理処理においては、特定領域ソレノイド99が一定時間(例えば1.6秒間)、予め設定された作動回数(例えば1回)にわたって励磁され、これにより特定領域用スライド部材31cが決まったパターンで開閉動作する。この間に特定領域31xに遊技球を通過させることで、遊技者には、大当り遊技を開始する機会が与えられる。すなわち、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過するか否かで、可変入賞装置管理処理において大当り遊技を開始するか否かが決定される。本実施形態では、小当りについては、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられており、遊技球が特定領域31xを通過すると、当選種類に応じた大当り遊技が開始される。
また、特定領域31xを遊技球が通過せずに小当りの遊技が終了しても、「時間短縮機能」が作動することもないので、「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。なお、「時間短縮状態」で小当りに当選した場合には、その小当り遊技終了後に「時間短縮状態」が終了するようにしてもよい。
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、複数の当選種類として「10ラウンド大当り1〜6」が設けられている。「10ラウンド大当り1〜4」は、特別図柄が大当りの態様で停止表示した際に開始され、「10ラウンド大当り5,6」は、特別図柄が小当りの態様で停止表示し、かつ、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過した際に開始される。なお、「10ラウンド大当り5,6」によって大当りが実行される場合(小当り経由で大当りが実行される場合)、1ラウンド目では第2可変入賞装置31が作動し、残りのラウンドでは第1可変入賞装置30が作動する。
上記の当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「10ラウンド大当り1」は「第1当選図柄」の大当りに対応し、「10ラウンド大当り2」は「第2当選図柄」の大当りに対応する。また、「10ラウンド大当り3」は「第3当選図柄」の大当りに対応し、「10ラウンド大当り4」は「第4当選図柄」の大当りに対応する。さらに、「10ラウンド大当り5」は「第5当選図柄」の小当り(特定領域31x通過時の大当り)に対応し、「10ラウンド大当り6」は「第6当選図柄」の小当り(特定領域31x通過時の大当り)に対応する。このため以下では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔第1当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が「第1当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第1当選図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。また、第1大入賞口30bは、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される(以下、同様)。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=1回又は10回)。
〔第2当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が「第2当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第2当選図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」は作動しない。
〔第3当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第3当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第3当選図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=1回又は10回)。
〔第4当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第4当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第4当選図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」は作動しない。
〔第5当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第5当選図柄」の態様で停止表示されると、小当り遊技が実行され、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過すると、小当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。この場合、2ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第5当選図柄」に該当した場合の大当り遊技は、9ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=1回又は10回)。
〔第6当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第6当選図柄」の態様で停止表示されると、小当り遊技が実行され、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過すると、小当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。この場合、2ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第6当選図柄」に該当した場合の大当り遊技は、9ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」は作動しない。
このように、本実施形態では、「第1当選図柄」、「第3当選図柄」又は「第5当選図柄」に該当した場合、大当り遊技終了後に「時間短縮状態」に移行する可能性がある。
なお、このように内部抽選で小当りに当選し、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に当選図柄の種類に応じて時間短縮状態に移行する遊技機は、いわゆる1種2種混合タイプの遊技機と呼ばれている。
〔特別図柄変動前処理〕
図106は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図100中のステップS212)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお、復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)を取得した順に読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。本実施形態では、RAM76の乱数記憶領域に記憶された(取得された)順に乱数が読み出される(入賞順消化)。なお、このような特別図柄別の入賞順消化の制御ではなく、第2特別図柄の消化を優先する優先消化の制御であってもよい。また、この処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち、乱数のシフトを行った方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図100中のステップS210)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図107は、上記の特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動前処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」より大であった場合(図106中のステップS2100:Yes)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:主制御CPU72は、乱数記憶領域を参照して、最も古い記憶が第2特別図柄に対応するものであるか否かを確認する。この確認は、RAM76の乱数記憶領域の第1セクションに、第2特別図柄に対応する乱数が記憶されているか否かを確認することにより実現することができる。このとき、最も古い記憶が第2特別図柄に対応するものであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2212を実行する。
ステップS2212:主制御CPU72は、対象特別図柄として第2特別図柄を指定する。この指定は、例えば対象図柄指定値として「02H」をセットすることで行われる。
ステップS2214:一方、最も古い記憶が第2特別図柄に対応するものであることを確認できない場合(ステップS2210:No)、すなわち、最も古い記憶が第1特別図柄に対応するものである場合、主制御CPU72は対象特別図柄として第1特別図柄を指定する。この場合の指定は、例えば対象図柄指定値として「01H」をセットすることで行われる。
ステップS2216:主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
ステップS2218:次いで主制御CPU72は、対象特別図柄について作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、今回の対象特別図柄が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(−1)する。
ステップS2220:そして、主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から「変動開始時作動記憶数」を設定する。なお、ここでは第1特別図柄と第2特別図柄の両方について、作動記憶カウンタの値を加算した上で「変動開始時作動記憶数」を設定してもよい。
ステップS2222:また、主制御CPU72は、対象特別図柄が第2特別図柄であるか否かを確認する。
ステップS2224:対象特別図柄が第2特別図柄であった場合(ステップS2222:Yes)、主制御CPU72は第2特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」〜「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。つまり、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」〜「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」〜「1」(コマンド表記は「13H」〜「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」〜「0」(コマンド表記は「12H」〜「10H」)となったことを表している。なお、上記の先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS2226:なお、今回の対象特別図柄が第1特別図柄であった場合(ステップS2222:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。この場合のコマンドは、先行値が第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BBH」)となる以外は上記と同じである。
ステップS2228:そして、主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2224又はステップS2226でセットした作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図106)に復帰する。
〔図106:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(第1抽選実行手段、第2抽選実行手段、抽選実行手段)。このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(第1抽選実行手段、第2抽選実行手段、抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。「小当り」は、第2可変入賞装置31のみを作動させる条件を満たすものとして位置付けられている(条件装置を作動させる条件は満たさない)。さらに、「小当り」中に遊技球が特定領域31xを通過すると、「大当り」に発展させるものとして位置付けられている(条件装置を作動させる条件を満たす)。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
本実施形態では、第1特別図柄抽選においては、大当りの当選確率が319分の1に設定され、小当りには当選しない設定になっている。なお、第1特別図柄抽選において、小当りに当選するようにしてもよい。また、第2特別図柄抽選においては、大当りに当選する確率は319分の1に設定され、小当りに当選する確率は319分の318(=略1/1)に設定され、はずれには該当しないようになっている。なお、第2特別図柄抽選において、はずれに該当するようにしてもよい。したがって、第2特別図柄抽選においては、大当りよりも小当りに当選しやすくなっている。これらの大当りの当選確率や小当りの当選確率を満たすべく、大当り値の範囲や小当り値の範囲が主制御CPU72により設定され、読み出した乱数値と比較される。
また、主制御CPU72は、非時間短縮状態(所定の遊技状態)において、第1特別図柄の抽選契機(第1抽選契機)よりも発生しにくい第2特別図柄の抽選契機(第2抽選契機)が発生すると、第2特別図柄抽選(第2抽選)を実行する(第2抽選実行手段)。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図100中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、図示しない変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、はずれ時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン選択手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。変動パターンには、通常変動(非リーチ変動)、リーチ変動、スーパーリーチ変動等といった様々な変動パターンが含まれている(大当り時や小当り時も同様)。なお、選択された特別図柄の変動パターンに関する情報は、特殊変動であるか否かという情報も含めて変動パターンコマンドとして演出制御装置に送信される(大当り時や小当り時についても同様である。)。
ここで、はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。また、「時間短縮状態」でなくとも、リーチ演出を実行する変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個〜3個)」に基づいて短縮される場合がある(例えば、変動表示開始時作動記憶数0個→12.5秒程度、変動表示開始時作動記憶数1個→8秒程度、変動表示開始時作動記憶数2個→5秒程度、変動表示開始時作動記憶数3個→2.5秒程度)。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。そして、主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、4種類の当選図柄が用意されている。第1特別図柄に関する内訳は、「第1当選図柄」又は「第2当選図柄」であり、第2特別図柄に関する内訳は、「第3当選図柄」又は「第4当選図柄」である。なお、これらの当選図柄の各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば、「第1当選図柄」であれば、「第1当選図柄A」、「第1当選図柄B」、「第1当選図柄C」、・・・といった具合である。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の選択比率が異なっている。このため主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであるか、第2特別図柄に対応するものであるかによって選択する当選図柄を区別している。
〔第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図108は、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、この第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「52」,「48」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第1当選図柄」、「第2当選図柄」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する大当り時において、「第1当選図柄」が選択される割合は100分の52(=52%)であり、「第2当選図柄」が選択される割合は100分の48(=48%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。
いずれにしても、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」,「02H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「第1当選図柄」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第1当選図柄」に該当した場合、通常中(非時間短縮状態)であるか時短中(時間短縮状態)であるかに関わらず、時短回数は1回(又は10回)付与される。
また、「第2当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は0回付与される(付与されない)。なお、時短回数は、上記の値に限定されることなく2回以上(11回以上)であってもよい。
ここで、「1回(又は10回)」とは、第2特別図柄の合計変動回数が1回となるか、第1特別図柄及び第2特別図柄の合計変動回数が10回となると、時間短縮状態が終了することを意味している。
〔第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図109は、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、この第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「100」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第3当選図柄」、「第4当選図柄」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する大当り時において、「第3当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)であり、「第4当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)である。
今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「第3当選図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第3当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は1回(又は10回)付与される。
また、「第4当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は0回付与される(付与されない)。
〔図106:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、大当り時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「第1当選図柄」又は「第3当選図柄」である場合、主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域にある遊技状態フラグとしての時間短縮機能作動フラグをON(01H)にセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段)。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、時間短縮状態に移行する当選図柄で当選すると(特別な条件が満たされると)、非時間短縮状態(第1状態)から、複数回の前記特別遊技が実行可能となる連荘状態(時間短縮状態及び非時間短縮状態にて第2特別図柄を変動させることができる状態:第2状態、特別状態)に移行可能とする(状態移行手段)。
また、ステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時停止図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお、本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。また、本実施形態では第1特別図柄に関しては小当りが設定されておらず、第2特別図柄に関してのみ設定されている。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では小当り時に選択的に決定される当選図柄として、2種類の当選図柄が用意されている。2種類の内訳は、「第5当選図柄」及び「第6当選図柄」である。なお、これらの当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば、「第5当選図柄」であれば、「第5当選図柄A」、「第5当選図柄B」、「第5当選図柄C」、・・・といった具合である。
〔第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブル〕
図110は、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、この第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「50」,「50」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第5当選図柄」、「第6当選図柄」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する小当り時においては、「第5当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)であり、「第6当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)である。
今回の小当りの結果、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の小当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「03H」,「04H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の小当りの結果、当選図柄として「第5当選図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H03H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての小当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、小当り遊技中に特定領域31xを遊技球が通過して大当り遊技が開始され、その大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第5当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は1回(又は10回)付与される。
また、「第6当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は0回付与される(付与されない)。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル、及び、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルを用いることにより、主制御CPU72は、非時間短縮状態又は時間短縮状態で「第1当選図柄」、「第3当選図柄」又は「第5当選図柄」に該当した場合(第5当選図柄については大当り遊技が実行された場合に限る。)には、時間短縮状態への移行条件が満たされるものとすることができる(移行条件設定手段)。
〔図106:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2408:次に主制御CPU72は、変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、小当り時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン選択手段)。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。本実施形態では小当りは第2特別図柄抽選にのみ設定されており、小当り時には小当り時用の変動時間を有する変動パターンが選択される。なお、第1特別図柄抽選に小当りを設定してもよい。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図105:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして、主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また、特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図106中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に図111は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして、主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図105中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドを生成する。図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。なお、「停止表示時間終了コマンド」とは、特別図柄の停止表示時間が終了(経過)したことを示すコマンドである。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「可変入賞装置管理処理」に設定する。なお、主制御CPU72は、本処理にて各種機能を非作動に設定する処理を実行する。具体的には、時間短縮機能を非作動とする。これにより、特別遊技(大役)が開始される前には、通常状態(非時間短縮状態)に移行されることになる。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして、小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4608:主制御CPU72は、特殊変動回数更新処理を実行する。この処理では、第1特別図柄の特殊変動回数、及び、第2特別図柄の特殊変動回数が両方とも0である場合、何も処理を実行しない。一方、第1特別図柄の特殊変動回数が1以上である場合であって、第1特別図柄が停止した場合、第1特別図柄の特殊変動回数をデクリメント(−1)する処理を実行する。また、第2特別図柄の特殊変動回数が1以上である場合であって、第2特別図柄が停止した場合、第2特別図柄の特殊変動回数をデクリメント(−1)する処理を実行する。第1特別図柄の特殊変動回数、及び、第2特別図柄の特殊変動回数は、大当り遊技の開始時にリセットされる。なお、第1特別図柄の特殊変動回数や、第2特別図柄の特殊変動回数が0であるか1以上であるかに関わらず、本処理を実行した場合、主制御CPU72は、第1特別図柄の特殊変動回数や、第2特別図柄の特殊変動回数の値を反映させた特殊変動回数指定コマンドを演出制御装置に送信することができる。
ステップS4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「時間短縮状態」に関するカウンタ値がRAM76の時短カウント領域にセットされている。本実施形態では、いわゆる回数切りの時間短縮機能を採用しており、「時間短縮状態」に移行させる場合、時間短縮状態に関する第1回数切りカウンタ値(第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の時短回数)は所定の数値(例えば10回)に設定され、時間短縮状態に関する第2回数切りカウンタ値(第2特別図柄の時短回数)は規定の数値(例えば1回)に設定される。なお、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値の情報は、回数切りカウンタコマンドによって演出制御装置124に通知(送信)される。
なお、時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値は、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値といったように2つのカウンタ値を設けずに、1つのカウンタ値だけで時間短縮状態を制御してもよい。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値(第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値)が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。具体的には、第2特別図柄の停止表示中である場合には、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値を両方ともデクリメントし、第1特別図柄の停止表示中である場合には、第1回数切りカウンタ値だけをデクリメントする。
ステップS4640:そして、主制御CPU72は、いずれかの回数切りカウンタ値(第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値)の減算結果が0であるか否かを判断する。減算の結果、いずれの回数切りカウンタ値も0でない場合(No)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、いずれかの回数切りカウンタ値が0である場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。本実施形態では、時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値は所定の数値(例えば1回又は10回)に設定される。時間短縮状態で1回の第2特別図柄のはずれ変動(特定領域未通過となった場合はその際の小当り変動を含む。)が実行されると、時間短縮機能作動フラグがリセットされる。一方、時間短縮状態で9回の第1特別図柄のはずれ変動が実行されても、時間短縮機能作動フラグはリセットされず、その後さらに時間短縮状態で1回の第1特別図柄又は第2特別図柄のはずれ変動が実行されると、時間短縮機能作動フラグがリセットされる。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態が終了する。なお、時間短縮機能作動フラグは、特別図柄の停止表示時間が経過した際にリセットする例で説明しているが、特別図柄の変動時間終了時(停止表示時間計測開始前)にリセットしてもよい。
そして、以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理に復帰する。
このように、時間短縮状態の終了条件(所定の終了条件)は、時間短縮状態に移行してからの第2特別図柄の変動回数が第1回数(例えば1回)に到達した場合、又は、時間短縮状態に移行してからの第1特別図柄の変動回数及び第2特別図柄の変動回数を合計した合計変動回数が第1回数よりも大きい第2回数(例えば10回)に到達した場合に満たされる条件となっている。
〔表示出力管理処理〕
次に図117は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図100中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値に応じて時短状態表示ランプ38eの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38eに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。さらに、主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスに応じて発射位置指定表示ランプ38fの点灯を制御する。例えば、大当り遊技又は小当りの遊技により第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31が作動状態となる場合、主制御CPU72は発射位置指定表示ランプ38fに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。また、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は上記の時短状態表示ランプ38eに加えて、発射位置指定表示ランプ38fに対応するLEDに対しても点灯信号を出力する。なお、発射位置指定表示ランプ38fは、大当り遊技を経て「時間短縮状態」に移行する場合、大当り遊技開始から「時間短縮状態」が終了するまで点灯し、「時間短縮状態」の終了により非点灯(OFF)となる。
時間短縮状態は、時間短縮状態での最終変動(はずれ変動、小当り変動又は大当り変動)の変動終了時(停止表示時間の開始時)に終了させることができる。この場合、時間短縮状態での最終変動の停止表示時間を最終変動以外の停止表示時間(0.5秒)よりも長い時間(15.0秒)に設定することができる。なお、時間短縮状態は、時間短縮状態での最終変動の停止表示時間の終了時に終了させてもよい。
また、主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38bの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38bのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数ステータスの値で指定された大当り図柄に対応するいずれかの表示ランプ38a,38bである。例えば、連続作動回数ステータスの値が「10ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「10ラウンド(10R)」を表すランプ38aに対して点灯信号を出力する。また、本実施形態では、10ラウンド大当り以外の大当りが存在しないが、10ラウンド大当り以外の大当りとして、例えば4ラウンド大当りが存在しており、連続作動回数ステータスの値が「4ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「4ラウンド(4R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。なお、本実施形態のように、大当りとして1種類の大当りしかない場合(10ラウンド大当りしかない場合)、大当り種別表示ランプを点灯させなくてもよい。
図112は、変動パターンテーブルの一覧を示す図である。
変動パターンテーブルには、7個の変動パターンテーブルA〜Gが含まれている。
主制御CPU72は、遊技状態に応じて、7個の変動パターンテーブルA〜Gのいずれかの変動パターンテーブルを選択可能とする。各変動パターンテーブルには、1又は複数の変動パターンが含まれている。例えば、変動パターンテーブルAが選択された場合、第1特別図柄と第2特別図柄とで、選択される変動パターンが異なることもある。この点は、他の変動パターンテーブルでも同様である。なお、図中の「遊技状態」は、大当り遊技終了後の遊技状態(移行先の遊技状態)を示している。ただし、図中の「遊技状態」は、大当り遊技開始前の遊技状態(移行前の遊技状態)であってもよい。
変動パターンテーブルAは、遊技状態が「時短無し(非時間短縮状態)」の場合に選択される。具体的には、通常状態時に選択される。なお、RAMクリア後も、本テーブルが選択される。
変動パターンテーブルBは、遊技状態が「時短無し」の場合に選択される。具体的には、通常状態時に選択される。変動パターンテーブルAと、変動パターンテーブルBとの違いは、変動パターンテーブルBが時間短縮状態が終了した後の規定変動数以内で(例えば30変動まで)選択されるテーブルとなっている点である。変動パターンテーブルBは、いわゆる即ヤメ防止のテーブルである。
変動パターンテーブルCは、遊技状態が「時短有り(時間短縮状態)」の場合に選択される。具体的には、通常状態時の時短有り図柄当選時(「第1当選図柄」又は「第3当選図柄」の当選時)に、第1特別図柄が1〜4、6〜9変動した場合に選択される。本テーブルでは、第1特別図柄については、変動時間が短い変動パターン(例えば、1秒変動)が設定されており、第2特別図柄については、変動時間が長い変動パターン(例えば、120秒変動)が設定されている。
変動パターンテーブルDは、遊技状態が「時短有り」の場合に選択される。具体的には、時短状態時に選択される。本テーブルでは、第1特別図柄については、変動時間が長い変動パターン(例えば、90秒変動)が設定されている。
変動パターンテーブルEは、遊技状態が「時短無し」の場合に選択される。具体的には、通常状態時(残り1回=時間短縮状態終了後の第2特別図柄の1変動分の変動時)に選択される。本テーブルでは、第2特別図柄については、変動時間が長い変動パターン(例えば、120秒変動)が設定されている。
変動パターンテーブルFは、遊技状態が「時短無し」の場合に選択される。具体的には、変動パターンテーブルBの最終変動時に選択される。
変動パターンテーブルGは、遊技状態が「時短有り」の場合に選択される。具体的には、通常状態時の時短有り図柄当選時に、第1特別図柄が5、10変動した場合に選択される。本テーブルでは、第1特別図柄については、変動時間が長い変動パターン(例えば、13.5秒変動)が設定されている。
図113は、非時間短縮状態からの大当りで大当り遊技の変動が第1特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。
ここで、図中の「時短回数」は、第1回数切りカウンタ値(第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の時短回数)に設定する値を示している(図115においても同様)。
〔No1〕
「当選図柄」が「第1当選図柄(第1特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜4」、「6〜9」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルC」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「5」、「10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルG」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No2〕
「当選図柄」が「第2当選図柄(第1特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No3〕
「当選図柄」が「第3当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No4〕
「当選図柄」が「第4当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No5(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No5(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
図114は、非時間短縮状態からの大当りで大当り遊技後の変動が第2特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。
なお、本実施形態では、第2特別図柄が変動した時点で大当り又は小当りとなるので、2変動目以降の特殊変動テーブルは存在しない。
ここで、図中の「第2特別図柄の時短回数」は、第2回数切りカウンタ値(第2特別図柄だけの時短回数)に設定する値を示している(図116においても同様)。
〔No1〕
「当選図柄」が「第1当選図柄(第1特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルC」となる。
〔No2〕
「当選図柄」が「第2当選図柄(第1特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
〔No3〕
「当選図柄」が「第3当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No4〕
「当選図柄」が「第4当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
〔No5(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No5(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
〔No6(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
図115は、時間短縮状態からの大当りで大当り遊技の変動が第1特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。
〔No1〕
「当選図柄」が「第1当選図柄(第1特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No2〕
「当選図柄」が「第2当選図柄(第1特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜5」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「6〜19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No3〕
「当選図柄」が「第3当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No4〕
「当選図柄」が「第4当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜5」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「6〜19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No5(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No5(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜5」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「6〜19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
図116は、時間短縮状態からの大当りで大当り遊技後の変動が第2特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。
なお、図114と同様に、本実施形態では、第2特別図柄が変動した時点で大当り又は小当りとなるので、2変動目以降の特殊変動テーブルは存在しない。
〔No1〕
「当選図柄」が「第1当選図柄(第1特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No2〕
「当選図柄」が「第2当選図柄(第1特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
〔No3〕
「当選図柄」が「第3当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No4〕
「当選図柄」が「第4当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
〔No5(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No5(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
〔No6(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、連荘状態(第2状態)に移行して大当り遊技が実行される前は、連荘状態の第1特別図柄の変動時間(例えば1秒)を、非時間短縮状態(第1状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば2秒以上120秒未満)よりも相対的に短くすることを可能とする(変動時間決定手段)。
また、このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、連荘状態(第2状態)に移行して大当り遊技が実行された後は、連荘状態(第2状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば120秒以上)を、非時間短縮状態(第1状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば120秒未満)よりも相対的に長くすることを可能とする(変動時間決定手段)。
さらに、このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、第2特別図柄抽選(第2抽選)で当選して連荘状態に移行した際の第1特別図柄の変動時間(変動パターンテーブルD)を、第1特別図柄抽選(第1抽選)で当選して連荘状態に移行した際の第1特別図柄の変動時間(変動パターンテーブルC)よりも相対的に長くすることを可能とする(変動時間決定手段)。
このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、連荘状態(第2状態)に移行して大当り遊技が実行される前は、連荘状態の第1特別図柄の変動時間(例えば1秒)が、非時間短縮状態(第1状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば2秒以上120秒未満)よりも相対的に短くなるように変動時間を決定可能とする(変動時間決定手段)。
また、このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、連荘状態(第2状態)に移行して大当り遊技が実行された後は、連荘状態(第2状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば120秒以上)が、非時間短縮状態(第1状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば120秒未満)よりも相対的に長くなるように変動時間を決定可能とする(変動時間決定手段)。
さらに、このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、第2特別図柄抽選(第2抽選)で当選して連荘状態に移行した際の第1特別図柄の変動時間(変動パターンテーブルD)が、第1特別図柄抽選(第1抽選)で当選して連荘状態に移行した際の第1特別図柄の変動時間(変動パターンテーブルC)よりも相対的に長くなるように変動時間を決定可能とする(変動時間決定手段)。
〔可変入賞装置管理処理〕
次に、可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図118は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200〜ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大入賞口開放パターン設定処理〕
図119は、大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時又は小当り時にそれぞれ第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5202:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。この確認の結果、大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5203を実行する。一方、大当りフラグの値(01H)がセットされていない場合(No)、すなわち、小当りフラグの値(01H)がセットされている場合、主制御CPU72は次にステップS5204を実行する。
ステップS5203:主制御CPU72は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理を実行する。この処理では、大当り時図柄別開放パターン設定テーブルに基づいて、大当り時の当選図柄に対応した大入賞口の開放パターンを設定するものである。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5205を実行する。
ステップS5204:主制御CPU72は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理を実行する。この処理では、小当り時図柄別開放パターン設定テーブルに基づいて、大入賞口の開放パターンを設定するものである。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5205を実行する。
ステップS5205:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔大当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図120は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5210:主制御CPU72は、条件装置及び役物連続作動装置を作動させる。ここで、「条件装置」とは、その作動が役物連続作動装置の作動に必要な条件とされる装置であり、「役物連続作動装置」とは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を連続して作動させることができる装置である。なお、「条件装置」や「役物連続作動装置」は制御上のフラグとすることもできる。したがって、この条件装置が作動していない限り、大当り遊技において第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31は作動しないことを表している。主制御CPU72は次にステップS5212を実行する。
ステップS5212:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、大当り図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、第1当選図柄に該当した場合、連続作動回数ステータスには「10ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5214を実行する。
ステップS5214:主制御CPU72は、大当り時図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時図柄別開放パターン設定テーブルを参照し、特別図柄に関する当選図柄の種類に対応した開放パターンを選択する。ここで、開放パターンとは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を作動させる設定を表し、例えば、実行ラウンド数、開放時間、インターバル時間等の設定を表している。主制御CPU72は次にステップS5216を実行する。
〔大当り時図柄別開放パターン設定テーブル〕
図121は、大当り時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この大当り時図柄別開放パターン設定テーブルは、特別図柄に関する異なる当選図柄別に、ラウンドごとの作動させる可変入賞装置(第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31)の開閉動作パターンを定めたものである。具体的には、当選図柄別に以下の大入賞口の開放パターンが定められている。
〔第1当選図柄〕
第1当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドであり、その内の10ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第1当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される(ただし、上限個数の入球が確認されると閉鎖される。以下、同様。)。したがって、第1当選図柄に該当した場合は、実質的に10ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第2当選図柄〕
第2当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドであり、その内の10ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第2当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第2当選図柄に該当した場合は、実質的に10ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第3当選図柄〕
第3当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドであり、その内の10ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第3当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第3当選図柄に該当した場合は、実質的に10ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第4当選図柄〕
第4当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドであり、その内の10ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第4当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第4当選図柄に該当した場合は、実質的に10ラウンド分の出球を獲得することができる。
以上のように、主制御CPU72は、上記大当り時図柄別開放パターン設定テーブルを参照して当選図柄の種類に対応する大入賞口の開放パターンを設定する。
〔図120:大当り時大入賞口開放パターン設定処理を参照〕
ステップS5216:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中のラウンド毎(1ラウンド〜最終ラウンド)に作動させる可変入賞装置の種類を第1可変入賞装置30に設定する。なお、本実施形態においては、全ての大当り時の当選図柄(第1当選図柄〜第3当選図柄)に対応する開放パターンが1ラウンド〜最終ラウンドで第1大入賞口30bが開放されるため、第1可変入賞装置30の作動が設定される。主制御CPU72は次にステップS5218を実行する。
ステップS5218:主制御CPU72は、実行ラウンド数を設定する。具体的には、主制御CPU72は当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンド数を設定する。例えば、10ランド大当りに対応する開放パターンの実行ラウンド数としては、10ラウンドが設定される。主制御CPU72は次にステップS5220を実行する。
ステップS5220:主制御CPU72は、大当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド毎に大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、大当り時の当選図柄(第1当選図柄〜第3当選図柄)に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、ラウンド毎に設定される。例えば、第1当選図柄であった場合、出球有りのラウンドについては第1大入賞口30bを開放する開放時間が29.0秒に設定される。したがって、開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。なお、開放タイマの値として0.5秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が困難な時間となる。主制御CPU72は次にステップS5222を実行する。
ステップS5222:主制御CPU72は、大当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、全ての大当り時の当選図柄(第1当選図柄〜第3当選図柄)に対応する開放パターンのインターバルタイマとして1.0秒が設定される。例えば、1ラウンド目と2ラウンド目の間の第1大入賞口30bの開放が終了し一旦閉鎖状態になった後、1.0秒間程度のインターバルタイマが設定される。主制御CPU72は次にステップS5224を実行する。
ステップS5224:主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の処理(ステップS5218)で設定された実行ラウンド数に基づいて生成することができる。例えば、第1当選図柄に該当した場合、実行ラウンド数は「10ラウンド」となるため、連続作動回数コマンドは「10ラウンド」を表す値を含むコマンドとして生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大入賞口開放パターン設定処理(図119)に復帰する。
〔小当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図122は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5252:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、小当り遊技中を表す状態コマンドを生成する。小当り遊技中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5254を実行する。
ステップS5254:主制御CPU72は、小当り時開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時開放パターン設定テーブルを参照し、開放パターンを選択する。ここで、開放パターンとは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を作動させる設定を表し、例えば、開放回数、開放時間、インターバル時間、特定領域31xの開放時間等の設定を表している。主制御CPU72は次にステップS5256を実行する。
〔小当り時開放パターン設定テーブル〕
図123は、小当り時開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この小当り時開放パターン設定テーブルは、可変入賞装置(第2可変入賞装置31)の開閉動作パターンを定めたものである。なお、本実施形態では、小当り時に設定される開放パターンは1つであるが、当選図柄別に複数規定してもよい。
小当りに該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第2可変入賞装置31である。また、第2可変入賞装置31の開放回数は2回であり、その1回の開放時間は0.9秒である。なお、インターバル時間は例えば1.0秒程度に設定される。
特定領域31xの開放開始時間(特定領域ソレノイド99をONにして特定領域用スライド部材31cを作動させるタイミング)は、第2可変入賞装置31の開放開始から0.2秒後である。
また、特定領域31xの開放終了時間(特定領域ソレノイド99をOFFにして特定領域用スライド部材31cを非作動とするタイミング)は、第2可変入賞装置31の開放開始から1.8秒後である。
〔図122:小当り時大入賞口開放パターン設定処理を参照〕
ステップS5256:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は小当りに対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に作動させる可変入賞装置の種類を第2可変入賞装置31に設定する。主制御CPU72は次にステップS5258を実行する。
ステップS5258:主制御CPU72は、開放回数を設定する。具体的には、主制御CPU72は小当りに対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に実行する開放回数を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに対応する開放パターンの開放回数として2回が設定される。主制御CPU72は次にステップS5260を実行する。
ステップS5260:主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当り時に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、0.9秒が設定される。主制御CPU72は次にステップS5262を実行する。
ステップS5262:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、大入賞口の開放間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、インターバルタイマは所定時間(例えば1.0秒)に設定される。主制御CPU72は次にステップS5264を実行する。
ステップS5264:主制御CPU72は、特定領域31x(特定領域用スライド部材31c)の開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に特定領域31xの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、第2可変入賞装置31の開放開始から0.2秒後に特定領域31xが開放され、第2可変入賞装置31の開放開始から1.8秒後に特定領域31xが閉鎖される。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大入賞口開放パターン設定処理(図119)に復帰する。
〔大入賞口開閉動作処理〕
図124は、大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は主に、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5302:主制御CPU72は、現在の内部状態が「大役中」であるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファにアクセスし、制御上の内部状態フラグとして「大役中(大当り遊技中)」のフラグがセットされているか否かで、現在の内部状態が「大役中」であるか否かを確認する。なお、「大役中(大当り遊技中)」のフラグは、先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理中:ステップS5212)や後述する特定領域通過時処理中において主制御CPU72によりセットされる。この確認の結果、現在の内部状態が「大役中」である場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5306を実行する。一方、現在の内部状態が「大役中」ではない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5304を実行する。
ステップS5304:主制御CPU72は、第2大入賞口開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、第2大入賞口31bを開閉するために第2可変入賞装置31を作動させる(第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS5306:主制御CPU72は、第1大入賞口開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、第1大入賞口30bを開閉するために第1可変入賞装置30を作動させる(第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理(図118)に復帰する。
〔第2大入賞口開閉動作処理〕
図125は、第2大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5310:主制御CPU72は、主制御CPU72は、第2大入賞口31bを開放する。具体的には、第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第2可変入賞装置31が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。
ステップS5312:主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図122中)のステップS5260やステップS5264)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。なお、この処理では、第2大入賞口31bの開放に関する開放タイマの他に、特定領域31xの開放に関する開放タイマ(開放開始時間、開放終了時間)についてのカウントダウンが行われる。主制御CPU72は次にステップS5314を実行する。
ステップS5314:主制御CPU72は、特定領域開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、特定領域31xを開閉するために特定領域用スライド部材31cを作動させる(特定領域ソレノイド99に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5316を実行する。
ステップS5316:主制御CPU72は、第2大入賞口31bの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理中の第2大入賞口31bについての開放タイマの値が0以下であるか否かを確認する。この確認の結果、第2大入賞口31bの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322を実行する。一方、第2大入賞口31bの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5318を実行する。
ステップS5318:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第2可変入賞装置31(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第2カウントスイッチ85から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。主制御CPU72は次にステップS5320を実行する。
ステップS5320:主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように小当り時の開放1回あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(No)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5310〜ステップS5320の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5316で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5320でカウント数が所定数に達したことを確認すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322を実行する。なお、小当り時の開放は、開放タイマの値が短時間(例えば、1.8秒)に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5316で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5322:主制御CPU72は、第2大入賞口31bを閉鎖する。具体的には、第2大入賞口ソレノイド97に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより第2可変入賞装置31が開放状態から閉鎖状態に復帰する。主制御CPU72は次にステップS5324を実行する。
ステップS5324:主制御CPU72は、特定領域通過フラグがONであるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、特定領域通過フラグの値が01Hであるか否かにより、特定領域通過フラグがONであるか否かを確認する。この確認の結果、特定領域通過フラグがONである場合(Yes)、すなわち、小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過した場合、主制御CPU72は次にステップS5326を実行する。一方、特定領域通過フラグがONではない場合(No)、すなわち、小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過しなかった場合、主制御CPU72は次にステップS5327aを実行する。なお、特定領域通過フラグは、先の特定領域開閉動作処理(ステップS5314)の中でONに設定される可能性がある。
ステップS5326:主制御CPU72は、特定領域通過時処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過したことに基づき、条件装置や役物連続作動装置を作動させ、第1可変入賞装置30を連続作動させる処理、すなわち、大当り遊技を開始する処理を実行する(特殊遊技経由特別遊技実行手段、特別遊技実行手段)。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5328を実行する。
ステップS5327a:主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図122中)のステップS5262)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5327bに進む。なお、ここでは特に図示していないが、インターバル時間が経過するまでの間(インターバルタイマ値が0になるまでの間)、割り込み毎に主制御CPU72はステップS5327aから呼び出し元である可変入賞装置管理処理(図118)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5310からではなく直にステップS5327aを実行する。
ステップS5327b:主制御CPU72は、第2大入賞口開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、第2大入賞口開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5327c:主制御CPU72は、インクリメント後の第2大入賞口開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「1回の小当り中に第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、特にこのような開放パターンを採用していない場合には、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されているため、1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5328に進むことになる。
一方、「1回の小当り中に第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンを採用している場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5310〜ステップS5327bまでの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5327bで開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(ステップS5327c;Yes)、主制御CPU72は次にステップS5328を実行する。
ステップS5328:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、大入賞口開閉動作処理(図124)に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔特定領域開閉動作処理〕
図126は、特定領域開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5330:主制御CPU72は、特定領域31xの開放時間が開始されたか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はカウントダウン処理(ステップS5312)においてカウントダウンされていた特定領域31xの開放に関する開放開始時間についての開放タイマの値が0であるか否かを確認することで、特定領域31xの開放時間が開始されたか否かを確認する。この確認の結果、特定領域31xの開放時間が開始された場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5332を実行する。一方、特定領域31xの開放時間が開始されていない場合(No)、又は、すでに開放されている場合、主制御CPU72は次にステップS5334を実行する。
ステップS5332:主制御CPU72は、特定領域31xを開放する。具体的には、特定領域ソレノイド99に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、特定領域用スライド部材31cが作動して特定領域31xが閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5334を実行する。
ステップS5334:主制御CPU72は、遊技球が特定領域31xを通過したか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76の記憶領域にアクセスし、特定領域予備フラグがONになっているか否かを確認する。この確認の結果、特定領域予備フラグがONになっていて、遊技球が特定領域31xを通過したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5336を実行する。一方、特定領域予備フラグがOFFになっていて、遊技球が特定領域31xを通過していないことを確認した場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5338を実行する。
ステップS5336:主制御CPU72は、特定領域通過フラグをONにセットする。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、特定領域通過フラグの値を01Hに設定する。主制御CPU72は次にステップS5338を実行する。なお、特定領域通過フラグや特定領域予備フラグは大当り遊技の終了時にリセットされる。
ステップS5338:主制御CPU72は、特定領域31xの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はカウントダウン処理(ステップS5312)においてカウントダウンされていた特定領域31xの開放に関する開放タイマの値が0であるか否かを確認することで、特定領域31xの開放時間が終了したか否かを確認する。この確認の結果、特定領域31xの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5340を実行する。一方、特定領域31xの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図125)に復帰する。
ステップS5340:主制御CPU72は、特定領域31xを閉鎖する。具体的には、特定領域ソレノイド99に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、特定領域用スライド部材31cが開放状態(作動状態)から閉鎖状態(非作動状態)に復帰する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図125)に復帰する。
〔特定領域通過時処理〕
図127は、特定領域通過時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5350:主制御CPU72は、小当りフラグをリセットする。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、小当りフラグの値を00Hにリセットする。主制御CPU72は次にステップS5352を実行する。
ステップS5352:主制御CPU72は、小当り遊技を終了させる。具体的には、主制御CPU72は内部状態フラグから「小当り遊技中」を消去し、制御処理上で小当り遊技を終了する(小当り終了)。主制御CPU72は次にステップS5354を実行する。
ステップS5354:主制御CPU72は、条件装置及び役物連続作動装置を作動させる。これにより、第1可変入賞装置30を連続して作動させることができ、大当り遊技を開始できることとなる。主制御CPU72は次にステップS5356を実行する。
ステップS5356:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、当選図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、第1当選図柄に該当した場合、連続作動回数ステータスには「10ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5358を実行する。
ステップS5358:主制御CPU72は、特定領域通過時図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルを参照し、小当りに該当した際の当選図柄の種類に対応した開放パターンを選択する。主制御CPU72は次にステップS5360を実行する。
ステップS5360:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中のラウンド毎(2ラウンド〜最終ラウンド)に作動させる可変入賞装置の種類を第1可変入賞装置30に設定する。主制御CPU72は次にステップS5362を実行する。
ステップS5362:主制御CPU72は、実行ラウンド数を設定する。具体的には、主制御CPU72は小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンド数を設定する。例えば、第5当選図柄に対応する開放パターンの実行ラウンド数としては「10ラウンド」が設定される。主制御CPU72は次にステップS5364を実行する。
ステップS5364:主制御CPU72は、大当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド毎に大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄(第4当選図柄〜第6当選図柄)に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、ラウンド毎に設定される。例えば、第4当選図柄であった場合、出球有りのラウンドについては第1大入賞口30bを開放する開放時間が29.0秒に設定される。したがって、開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。なお、開放タイマの値として0.5秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が困難な時間となる。主制御CPU72は次にステップS5366を実行する。
ステップS5366:主制御CPU72は、大当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに該当した際の当選図柄に対応する開放パターンのインターバルタイマとして1.0秒が設定される。例えば、2ラウンド目と3ラウンド目の間の第1大入賞口30bの開放が終了し一旦閉鎖状態になった後、1.0秒間程度のインターバルタイマが設定される。主制御CPU72は次にステップS5368を実行する。
ステップS5368:主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の処理(ステップS5362)で設定された実行ラウンド数に基づいて生成することができる。例えば、第5当選図柄に該当した場合、実行ラウンド数は「10ラウンド」となるため、連続作動回数コマンドは「10ラウンド」を表す値を含むコマンドとして生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5370を実行する。
ステップS5370:主制御CPU72は、特定領域通過時図柄別時間短縮機能設定処理を実行する。この処理では、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が「第5当選図柄」である場合、主制御CPU72は時間短縮機能作動フラグをONにセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段)。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、時間短縮状態に移行する当選図柄で当選すると(特別な条件が満たされると)、非時間短縮状態(第1状態)から、複数回の大当り遊技(特別遊技)が実行可能となる連荘状態(時間短縮状態及び非時間短縮状態にて第2特別図柄を変動させることができる状態:第2状態)に移行可能とする(状態移行手段)。
ステップS5372:主制御CPU72は、特殊変動回数設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、当選図柄に応じて、第1特別図柄の特殊変動回数、及び、第2特別図柄の特殊変動回数を設定する。特殊変動回数の具体的な数値は、図113〜図116において説明した通りである。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図125)の末尾のアドレスに復帰する。
〔特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブル〕
図128は、特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルは、小当りに該当した際の特別図柄に関する異なる当選図柄別に、ラウンドごとの第1可変入賞装置30の開閉動作パターンを定めたものである。具体的には、当選図柄別に以下の大入賞口の開放パターンが定められている。
〔第5当選図柄〕
第5当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドである。なお、この実行ラウンド数には、小当りで開放された第2可変入賞装置31の作動が含まれているため、これから開始される大当り遊技では10ラウンドから1ラウンド分が減算された9ラウンドが実質的な大当り遊技でのラウンド数となる(以下の第6当選図柄でも同様)。そして、各ラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が第5当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、小当りでの第2可変入賞装置31の開放を1ラウンド目としているため、2ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第5当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合は、実質的に9ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第6当選図柄〕
第6当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンド(実質的な大当り遊技でのラウンド数は9ラウンド)である。そして、各ラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が第6当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、小当りでの第2可変入賞装置31の開放を1ラウンド目としているため、2ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第6当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合は、実質的に9ラウンド分の出球を獲得することができる。
以上のように、主制御CPU72は、上記特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルを参照して小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄の種類に対応する大入賞口の開放パターンを設定することとなる。
〔第1大入賞口開閉動作処理〕
図129は、第1大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5380:主制御CPU72は、主制御CPU72は、第1大入賞口30bを開放する。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第1可変入賞装置30が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5382を実行する。
ステップS5382:主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図120中)のステップS5220、又は、特定領域通過時処理(図127中)のステップS5364)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。主制御CPU72は次にステップS5386を実行する。
ステップS5386:主制御CPU72は、第1大入賞口30bの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の第1大入賞口30bについての開放タイマの値が0以下であるか否かを確認する。この確認の結果、第1大入賞口30bの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5392を実行する。一方、第1大入賞口30bの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5388を実行する。
ステップS5388:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第1可変入賞装置30(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第1カウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。主制御CPU72は次にステップS5390を実行する。
ステップS5390:主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5380〜ステップS5390の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5386で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5390でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5392を実行する。なお、開放タイマの値が短時間(例えば、0.5秒)に設定されている場合、通常、主制御CPU72はステップS5390でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5386で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5392:主制御CPU72は、第1大入賞口30bを閉鎖する。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより第1可変入賞装置30が開放状態から閉鎖状態に復帰する。主制御CPU72は次にステップS5394を実行する。
ステップS5394:主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図120中)のステップS5222、又は、特定領域通過時処理(図127中)のステップS5366)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5395に進む。なお、ここでは特に図示していないが、インターバル時間が経過するまでの間(インターバルタイマ値が0になるまでの間)、割り込み毎に主制御CPU72はステップS5394から呼び出し元である可変入賞装置管理処理(図118)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5380からではなく直にステップS5394を実行する。
ステップS5395:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5396:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で第1可変入賞装置30を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、本実施形態では、特にこのような開放パターンを採用していないので、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがって、通常は1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5398に進むことになる。
なお、上記のように1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用した場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5380〜ステップS5390までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5395で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5398に進むことになる。
ステップS5398:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、大入賞口開閉動作処理(図124)に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大入賞口閉鎖処理〕
図130は、大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大入賞口閉鎖処理は、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5401:先ず主制御CPU72は、現在の遊技が大役(大当り遊技)中であるか否かを確認し、大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5402を実行する。
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。なお、小当り遊技中に特定領域31xを遊技球が通過し、小当りの終了後に大当り遊技が開始された場合、小当り時の第2大入賞口31bの開放を1ラウンド目として扱い、大当り遊技が開始される1回目のラウンドは2ラウンド目として扱われる。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1〜15)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の14、又は、15)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図118中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402〜ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達するまでの間、第1可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔小当り時〕
これに対し、小当りの場合は以下の手順となる(特例作動実行手段)。
ステップS5411:主制御CPU72は現在の遊技が大役中でないことを確認すると(ステップS5401:No)、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS5413:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図122中のステップS5258)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS5416を実行する。
ステップS5416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図118中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5401〜ステップS5413(No)を経てステップS5416、ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際の開放回数が設定した開放回数に達するまでの間、第2可変入賞装置31の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS5413:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5414を実行する。
ステップS5414,ステップS5412:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔終了処理〕
図131は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。この終了処理は、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認し、大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5503を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:この場合、主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また、主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で大当り遊技を終了する(大役終了)。なお、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値をリセットする。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値が01Hであるか(セットされているか)否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図106中のステップS2414)や、先の特定領域通過時処理中の特定領域通過時図柄別時間短縮機能設定処理(図127中のステップS5370)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、時間短縮機能作動フラグの値が01Hである場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時短回数(例えば1回(又は10回))を設定する。設定した時短回数の値は、上記のようにRAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時短回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。本実施形態では、時短回数を管理するために、2種類の時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値(第1回数切りカウンタ値、第2回数切りカウンタ値)が用意されている。ここで、第1回数切りカウンタ値は、第1特別図柄又は第2特別図柄が1回変動する度にデクリメントされる変数であり、初期値として「10」が設定される。また、第2回数切りカウンタ値は、第2特別図柄が1回変動する度にデクリメント(1減算)される変数であり、初期値として「1」が設定される。なお、時間短縮機能作動フラグの値が01Hでない場合(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512及びステップS5513を実行しない。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、時間短縮状態への移行条件が満たされた場合(所定の移行条件が満たされた場合、時間短縮状態に移行させる当選図柄で当選した場合)、大当り遊技の終了後に、非時間短縮状態(所定の遊技状態)から非時間短縮状態と比較して有利な条件が適用された(普通図柄抽選の変動時間が短縮され、可変始動入賞装置の開放時間が延長されている)時間短縮状態(有利遊技状態)に移行させることができる(有利遊技状態移行手段)。
ステップS5513:主制御CPU72は、特殊変動回数設定処理を実行する。この処理は、図127のステップS5372の処理と同様である。
ここまでの手順は大当りの場合であるが、小当りの場合(ステップS5502:No)は以下の手順が実行される。
ステップS5520,ステップS5522:小当りの場合、主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また、内部状態フラグから「小当り遊技中」を消去する。なお、小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS5514:そして、主制御CPU72は、フラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS5516:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図105中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔ゲームフロー(その1)〕
図132は、通常モードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
パチンコ機1で遊技を開始する場合、〔F1〕通常モード(公園モード)から遊技が開始される。「通常モード」は、「非時間短縮状態」である。
〔F1〕通常モードでの遊技中に、遊技球が中始動入賞口26に入球すると、〔F2〕第1特別図柄が変動する。
〔F3〕第1特別図柄抽選で「はずれ」となると、〔F1〕通常モードの状態からやり直しとなる。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F5〕第1当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。〔F8〕このときのドライブモードは、「時間短縮状態」である。本実施形態では、ドライブモードにおいて、演出の見せ方が異なる2つの演出モードが用意されており、遊技者がいずれか一方を選択可能な構成とされている。2つの演出モードとは、具体的には、女性のキャラクターが乗車した自動車が大地を走行する様子を表した背景画像が表示される地球ドライブモード(以下、「地球モード」と略称する。)と、異星人が搭乗した宇宙船が宇宙空間を遊泳する様子を表した背景画像が表示される宇宙ドライブモード(以下、「宇宙モード」と略称する。)の2つである。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F7〕第2当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F1〕通常モードに移行する。
〔ゲームフロー(その2)〕
図133は、時間短縮状態のドライブモードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F8〕時間短縮状態のドライブモードでの遊技中に、遊技球が右始動入賞口28bに入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していると)、〔F12〕第2特別図柄が変動する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F14〕第3当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F15〕第4当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F20〕非時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率318/319)」となり、〔F17〕第5当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率318/319)」となり、〔F19〕第6当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F20〕非時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔ゲームフロー(その3)〕
図134は、非時間短縮状態のドライブモードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F20〕非時間短縮状態のドライブモードでの遊技中に、遊技球が右始動入賞口28bに入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していると)、〔F12〕第2特別図柄が変動する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F14〕第3当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F15〕第4当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F1〕通常モードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率318/319)」となり、〔F17〕第5当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率318/319)」となり、〔F19〕第6当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F1〕通常モードに移行する。
このように、本実施形態では、一旦、時間短縮状態(連荘状態)に突入すると、第2特別図柄の時短1回分の変動と、第2特別図柄の1個の記憶分とで、合計2回の当り(大当り又は小当り)の機会を得ることできる。そして、その2回の機会のいずれかで、時短付きの当選図柄で当選すると、再び、時間短縮状態(連荘状態)に復帰する遊技性となっている。したがって、これら2回の機会において連続して時短無しの当選図柄に該当しない限りは、ドライブモードに滞在し続けることができる。
〔演出画像の例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像及びドラムユニット200の動作について、いくつかの例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)を決定し、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、上記のように第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。同様に、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示の態様は、やはり7セグメントLED等による記号的な図案であり、やはり「当選図柄」としての視覚的なインパクトに乏しい。そこでパチンコ機1では、液晶表示器42及びドラムユニット200を用いた変動表示演出及び停止表示演出が行われている。
本実施形態では、液晶表示器42に、演出図柄Hz(本図柄)、マーカM1、マーカM2、第4図柄Z1,Z2、滞在モードに対応する背景画像、予告演出に関する画像等を表示しており、ドラムユニット200に、7図柄等の擬似演出図柄を表示している。
液晶表示器42に表示される演出図柄Hzには、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される。各演出図柄には、数字の「1」〜「9」が表示されている。ここで、左演出図柄、中演出図柄、及び右演出図柄は、いずれも数字が「9」〜「1」の降順に並んだ図柄列(演出図柄配列)を構成している。このような図柄列は、それぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
ドラムユニット200に表示される擬似演出図柄には、左リール201に表示される擬似左演出図柄、中リール202に表示される擬似中演出図柄、右リール203に表示される擬似右演出図柄の3つが含まれており、これらはドラムユニット200の表示領域上で左・中・右に並んで表示される。各リールには、7図柄やパンダ図柄、チェリー図柄が含まれており、各リールが回転することにより、擬似演出図柄が変動表示される。
図135及び図136は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、液晶表示器42及びドラムユニット200を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄)が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果が表示されたことを表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔変動表示前〕
図135中(A):例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の下部右側の領域には3本の演出図柄Hzの列が表示されている。このとき第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄Hzも停止表示された状態にある。
また、液晶表示器42の下部左側の領域には、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数を表すマーカ(図中に参照符号M1,M2を付す)が表示されるものとなっている。これらマーカM1,M2は、それぞれの表示個数が対応する第1特別図柄、第2特別図柄の作動記憶数(第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示数)を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。また、マーカM1,M2は、視覚的な判別を容易にするため第1特別図柄に対応するマーカM1が例えば円(○)の図形で表示され、第2特別図柄に対応するマーカM2が例えばハートの図形で表示されている。なお、図示の例では、マーカM1が4つとも点灯表示されることで第1特別図柄の作動記憶数が4個であることを表し、マーカM2が全て非表示(破線で示す)になることで第2特別図柄の作動記憶数が0個であることを表している。なお、第2特別図柄の作動記憶数の最大値は1個であるため、マーカM2は最大で1つしか点灯しない。
また、液晶表示器42の下部右側の領域には第4図柄(図中に参照符号Z1,Z2を付す)が表示されている。この第4図柄Z1,Z2は、上記の左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄Hzの変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお、第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。第4図柄Z1は、第1特別図柄に対応しており、第4図柄Z2は、第2特別図柄に対応している。
また、第4図柄Z1,Z2については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に対応して停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が「大当り」や「小当り」であれば、それらに対応する態様(例えば青表示色や赤表示色等)で第4図柄Z1,Z2は停止表示される。
一方、ドラムユニット200の中段の有効ライン上には、「はずれ」に対応する「パンダ図柄」が表示されている。
〔変動表示演出開始〕
図135中(B):例えば、第1特別図柄の変動開始に同期して、ドラムユニット200の各リールが回転を開始するとともに、液晶表示器42の演出図柄Hzがスクロール変動することで変動表示演出が開始される(図柄演出実行手段)。なお、図中、ドラムユニット200の擬似演出図柄の変動表示、及び、演出図柄Hzの変動表示は単に下向きの矢印で表示している。
液晶表示器42の中央の領域には背景画像が表示されており、この背景画像は、公園の風景を表現したものである。このような背景画像は、演出上での滞在モードが例えば「通常モード」であることを表現している。「通常モード」は、非時間短縮状態である。この他にも演出上で各種のモードが設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている。これらモードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものである。ここでは特に図示していないが、この後、例えば液晶表示器42の表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
また、演出図柄Hzの変動表示中、液晶表示器42の画面下部では第4図柄Z1が変動表示されており、第4図柄Z1は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
〔左演出図柄停止〕
図135中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に、ドラムユニット200の左リール201の擬似左演出図柄と、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄が変動を停止する。この例では、ドラムユニット200の左リール201の中段位置に擬似左演出図柄として「緑色の7図柄」が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄として数字の「8」を表す演出図柄が停止している。
〔作動記憶数減少時の演出例〕
ここで、先の図135中(B)に示されているように、変動開始に伴って最も古い第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動して最も左側に位置していたマーカM1の表示個数が1個分減少されている。すなわち、それまでにマーカM1の作動記憶数が合計4個存在していたが、最も以前(古い)の記憶数表示であるマーカM1が非表示となり、内部抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、合計作動記憶数が3個に減少したことを演出上でも遊技者に教示することができ、また、いずれの特別図柄(この場合は第1特別図柄)に対応する作動記憶が消費されたかを分かりやすく教示することができる。
そして、図135中(C)の例においては、記憶順で先頭にあった作動記憶が消費されて残りが3個になったため、画面上に残った3つのマーカM1がそれぞれ1個分ずつ一方向(ここでは左方向)へずれていく演出が行われている。これにより、作動記憶数の変化の前後関係を正確に演出上で表現するとともに、遊技者に対して「作動記憶が消費されて1つ減った」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
〔右演出図柄停止〕
図136中(D):次に、ドラムユニット200の右リール203の中段位置に擬似右演出図柄として「パンダ図柄」が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの右演出図柄として数字の「3」を表す演出図柄が停止している。
〔停止表示演出〕
図136中(E):第1特別図柄の停止表示に同期して、停止表示演出が実行される。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、ドラムユニット200の擬似演出図柄も、液晶表示器42の演出図柄Hzも同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、ドラムユニット200の中リール202の中段位置に擬似中演出図柄として「パンダ図柄」が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄として数字の「1」を表す演出図柄が停止している。この場合、ドラムユニット200の中段の有効ライン上に表示された擬似演出図柄の組み合わせは「緑色の7図柄」−「パンダ図柄」−「パンダ図柄」のはずれ目であり、液晶表示器42の演出図柄Hzの組み合わせは「8」−「1」−「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
以上は、1回の変動ごとに行われる変動表示演出と停止表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
〔大当り時の演出例〕
図137〜図139は、大当り時に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である。ここではリーチ演出の他に、変動表示演出や停止表示演出及び予告演出が含まれるものとする。また、その他にも、変動表示演出中に実行される予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出)の一例を説明する。
以下のリーチ演出は、第1特別図柄表示装置34において大当り時の変動パターンによる変動表示が行われた後、例えば、第1特別図柄が「第1当選図柄」又は「第2当選図柄」の態様(例えば7セグメントLEDの「己」,「ヨ」,「口」,「巳」,「F」,「E」,「L」,「Γ」等)で停止表示されるまでに実行される(リーチ演出実行手段)。
〔変動表示演出〕
図137中(A):第1特別図柄(又は第2特別図柄)の変動開始に略同期して、ドラムユニット200の各リールが回転を開始するとともに、液晶表示器42の演出図柄Hzがスクロール変動することで変動表示演出が開始される。
〔リーチ発生前予告演出(1段階目)〕
図137中(B):変動開始から所定時間が経過すると、液晶表示器42において、キャラクターの絵柄画像(絵札)を用いた1段階目のリーチ発生前予告演出が行われる。このリーチ発生前予告演出は、予め定められた順序にしたがって1段階から複数段階(例えば2〜5段階)まで、段階的に態様の変化が進行していく予告演出である。このリーチ発生前予告演出で用いられる絵柄画像は、画面の左端から出現するようにして表示される(その他の出現の態様でもよい。)。なお、「リーチ発生前予告」は、リーチの可能性や大当りの可能性を予告する演出である。このような「リーチ発生前予告演出」を実行することで、遊技者に対して「リーチに発展するかも知れない=大当りの可能性が高まる」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ発生前予告演出(2段階目)〕
図137中(C):リーチ発生前予告演出の1段階目の態様が実行された後、続いてリーチ発生前予告演出の態様の変化が2段階目に進行する。ここでは2段階目のリーチ発生前予告演出として、先とは違うキャラクターの絵柄画像を用いた演出が行われている。具体的には、画面の右端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像の前面に重なって表示される。また、このとき表示される絵柄画像は、先に表示されていた絵柄画像よりもサイズが大きい。そして、絵柄画像で表現されたキャラクターが台詞(例えば「リーチになるよ」等)を発するという、音響出力による演出もあわせて行われる。
このような2つ目の絵柄画像を用いたリーチ発生前予告演出(2段階目)は、先の図137中(B)で行われたリーチ発生前予告演出(1段階目)からさらに一歩進んだ発展型である。このように発展していく「リーチ発生前予告演出」の態様を称して、一般的に「ステップアップ予告」等と表現することがある。ここではリーチ発生前予告演出で2段階目の絵柄画像が出現する例を挙げているが、3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示される演出態様であってもよい。また、例えば3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示されるごとに、そのサイズが拡大されるものとしてもよい。なお、この段階でも変動表示演出は継続されている。いずれにしても、リーチ発生前予告演出の態様の変化をより多くの段階まで進行させることにより、今回の変動で大当りになる可能性(期待度)が高いことを遊技者に示唆することができる(例えば、5段階目まで進行すると最大の期待度を示唆する等。)。
〔左演出図柄の停止〕
図138中(D):変動表示演出の中期にさしかかると、ドラムユニット200の左リール201の擬似左演出図柄と、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄が変動を停止する。この例では、ドラムユニット200の左リール201の中段位置に擬似左演出図柄として「赤色の7図柄」が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄として数字の「7」を表す演出図柄が停止している。
〔リーチ状態の発生〕
図138中(E):そして、次に、ドラムユニット200の右リール203の擬似右演出図柄と、液晶表示器42の演出図柄Hzの右演出図柄が変動を停止する。この例では、ドラムユニット200の右リール203の中段位置に擬似右演出図柄として「赤色の7図柄」が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの右演出図柄として数字の「7」を表す演出図柄が停止している。これにより、ドラムユニット200の擬似演出図柄では、「赤色の7図柄」−「変動中」−「赤色の7図柄」のリーチ状態が発生しており、液晶表示器42の演出図柄Hzでは、「7」−「変動中」−「7」のリーチ状態が発生している。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われる。リーチ状態の発生後、当選時のリーチ演出が実行される。なお、液晶表示器42の演出図柄Hzに関しては、明確なリーチ状態を発生させずに、「変動中」−「変動中」−「変動中」の表示状態としてもよい。
〔リーチ発生後予告演出〕
図138中(F):リーチ状態が発生して暫くすると、液晶表示器42において、例えば「ハート」の図形を表す画像が群をなして画面上を斜めに過ぎっていくリーチ発生後予告演出が行われる。この場合、突然、画面上に「ハート群」の画像が流れていくように表示されるため、これによって遊技者に対する視覚的な訴求力を高めることができる。このような視覚的に賑やかなリーチ発生後予告演出を実行することで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ演出の進行〕
図139中(G):リーチ発生後予告演出に続いて、液晶表示器42に、画面の左側に敵キャラクターとしての「かぼちゃのお化け」が出現し、画面の右側に味方キャラクターとしての「男性キャラクター」が出現し、画面の中央に「VS」の文字が出現する演出が行われる。
図139中(H):リーチ演出が終盤になると、「かぼちゃのお化け」が無数のパンチを繰り出し、「男性キャラクター」がチョップで応戦する演出が行われている。この状態で「男性キャラクター」が勝利すれば大当りとなり、「男性キャラクター」が敗北すればはずれとなる。
〔停止表示演出(当選時演出)〕
図139中(I):「勝利!!」の文字とともに、「男性キャラクター」が大きく表示され、「かぼちゃのお化け」が小さく表示されると、大当りであることを意味している。そして、特別図柄の停止表示に略同期して、ドラムユニット200の中リール202の擬似中演出図柄と、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄が変動を停止する。この例では、ドラムユニット200の中リール202の中段位置に擬似右演出図柄として「赤色の7図柄」が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄として数字の「7」を表す演出図柄が停止している。第4図柄Z1は、大当りに対応する態様(例えば赤表示色)で停止表示されている。
なお、非当選時(はずれ時)は、「敗北・・」の文字とともに、「かぼちゃのお化け」が大きく表示され、「男性キャラクター」が小さく表示される。この場合、ドラムユニット200の中リール202の中段位置に擬似右演出図柄として「パンダ図柄」が停止され、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄として数字の「7」以外の数字を表す演出図柄が停止される。
〔大役中演出〕
図140及び図141は、大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である。なお、以下の大役中演出は、液晶表示器42にて実行される演出である。
〔大当り遊技開始〕
図140中(A):大当り遊技が開始されると、例えば、画面内に「BIG BONUS」といった文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像(例えば女性キャラクター)が表示される。
〔大役中「右打ち」表示〕
また、本実施形態では遊技領域8a内の右側部分に第1可変入賞装置30が配置されているため、大役中は遊技球の発射位置(発射方向)として遊技領域8a内の右側部分を指定することとしている。このため、主制御CPU72による制御上で上記の発射位置指定表示ランプ38fが点灯表示されるとともに、「右打ち」を表す発射位置指定コマンドが演出制御装置124に送信される。これを受けて、演出制御CPU126による演出制御上で表示画面内に「右打ち」を促す案内情報(右方向を示す矢印、「右打ち」の文字等)が表示される)。
〔1ラウンド目〕
図140中(B):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、例えば、画面内の左上部に「BIG BONUS」の文字情報とともに、10個の○印が表示される。そして、そのうち1番左に位置する○印が赤色(斜線のハッチング)で表示され、残りの9個の○印は白色で表示される。これにより、出球を獲得できるのは10ラウンドであること、現在のラウンドがその10ラウンド中の1ラウンド目であること、及び、出球が獲得できるラウンドが1つ進行する毎に○印が赤色で表示されることを遊技者に教示することができる。
〔10ラウンド目〕
図140中(C):この後、大当り遊技が順調に進行し、例えば、10ラウンド目に移行すると、例えば、10個の全ての○印が赤色で表示される。これにより、この10ラウンド目で出球を獲得できる全てのラウンドが終了することを遊技者に教示することができる。
〔時間短縮状態突入演出〕
図141中(D):そして、大当り遊技の終了時間(エンディング時間)を利用して「ドライブモード突入!」といった文字情報が表示される演出が実行される。これにより、これから「ドライブモード」が開始されることを遊技者に教示することができる。また、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、「ドライブモード」においても右打ちで遊技が進行することを遊技者に教示することができる。
ここで、エンディング演出中には、「プリペイドカードの取り忘れに注意しましょう」といったプリペイドカードの取り忘れを喚起する報知を行ったり、「遊技に対するのめり込みに注意しましょう」といった遊技に対するめり込みを防止する報知を実行したりするようにしてもよい。
〔大当り遊技終了、時間短縮状態〕
図141中(E):大当り遊技が終了し、内部状態(遊技状態)が時間短縮状態に設定されると、滞在モードが「ドライブモード」に設定され、背景画像が、女性が乗車した自動車が大地を走行する様子を表現した画像に変更される。これにより、現在の内部状態(遊技状態)が通常状態とは異なる時間短縮状態であることを遊技者に教示することができる。
〔時短中演出〕
このように、時間短縮状態で遊技が進行している場合には、時間短縮状態(有利遊技状態)に対応させた背景画像を表示する時短中演出(有利遊技状態演出)が実行される。
〔右打ち示唆演出〕
また、画面上部では、右打ち示唆演出が実行されている。右打ち示唆演出では、液晶表示器42の画面上部に帯状の領域を設け、その帯状の領域の中に右打ちの文字情報と右向きの矢印記号とを表示している。なお、このような右打ち示唆演出は、遊技状態が時間短縮状態である場合には継続して実行される。そして、このような演出を実行することにより、遊技者に対して「右打ち」を促すことができる。
〔残り回数表示演出〕
さらに、画面左下では、残り回数表示演出が実行されている。残り回数表示演出では、液晶表示器42の画面左下に長方形形状の領域を設け、その長方形形状の領域の中にドライブモードで遊技を進行することができる残り回数を表示している。なお、図示の例では、「残り2回」の情報が表示されている。残り回数は、時間短縮状態のドライブモード又は非時間短縮状態のドライブモードで第2特別図柄が変動して停止する度に1減算される。このため、残り回数は、時間短縮状態や非時間短縮状態で第1特別図柄が変動して停止しても減算されない。
〔ドライブモード(時間短縮状態)の演出例〕
図142〜図144は、ドライブモードの演出例を示す連続図である。
図142中(A):ドライブモードでは、背景画像が、女性が乗車した自動車が大地を走行する様子を表現した画像に変更される。ドラムユニット200の中段の有効ライン上に表示された擬似演出図柄の組み合わせは「赤色の7図柄」−「赤色の7図柄」−「赤色の7図柄」の当選目であり、液晶表示器42の演出図柄Hzの組み合わせは「7」−「7」−「7」の当選目である。これは、当選時の出目を表示している。また、画面上部では、右打ち示唆演出が実行されており、このような右打ち示唆演出は、遊技状態が時間短縮状態である場合には継続して実行される。
なお、液晶の背景画像に連動させて、ドラムユニット200のバックライトを所定の色で発光させるようにしてもよい。
〔特別図柄の変動開始〕
図142中(B):第1特別図柄での初当り時には第1特別図柄の記憶が貯まっていることが多く、第2特別図柄の記憶が貯まっていないのが一般的である。図示の例では、第1特別図柄の記憶(マーカM1)が4つ貯まっている。このため、このような状況でドライブモードに突入した場合には、第1特別図柄が変動表示される。なお、第1特別図柄の記憶が貯まっていない場合には、遊技者が右打ちを実行することにより、最初に第2特別図柄の変動が実行される。そして、第1特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴ってドラムユニット200が回転を開始し、液晶表示器42の演出図柄Hzや第4図柄Z1についても変動を開始する。ここでは、第1特別図柄に関する内部抽選において、はずれに該当したものとする。
〔第1特別図柄の変動終了〕
図142中(C):第1特別図柄がはずれの態様で停止表示されると、ドラムユニット200の擬似演出図柄、液晶表示器42の演出図柄Hz、液晶表示器42の第4図柄Z1についてもはずれの態様で停止表示される。この間に遊技者が右打ちを実行し、複数の遊技球が始動ゲート20を通過し、可変始動入賞装置28が開放して1個の遊技球が右始動入賞口28bに入球したものとする。この場合、第2特別図柄の記憶(マーカM2)が1個貯まる。
ここでは、第1特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されない。具体的には、残り回数の表示は、残り2回のままである。
図143中(D):第1特別図柄及び第2特別図柄の記憶は、入賞順に消化されるため、この後は、第1特別図柄の残りの3個の記憶が消化される。そして、第1特別図柄の残りの記憶の消化が終了すると、次は、第2特別図柄の記憶を用いて内部抽選が実行される。そして、第2特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴ってドラムユニット200が回転を開始し、液晶表示器42の演出図柄Hzや第4図柄Z2についても変動を開始する。ここでは、第2特別図柄に関する内部抽選において、小当りに当選したものとする。
〔小当り開始、第2大入賞口開放〕
図143中(E):そして、第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、ドラムユニット200の擬似演出図柄(「チェリー図柄」−「チェリー図柄」−「チェリー図柄」の組み合わせ)、液晶表示器42の演出図柄Hz(「5」−「2」−「6」の組み合わせ)、液晶表示器42の第4図柄Z2(緑色表示色)についても小当りの態様で停止表示される。これにより、小当り遊技が開始され、第2大入賞口31bが開放される。そうすると、女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げて画面右側に進んでいく演出が実行される。また、例えば、第2特別図柄の変動中に遊技者が右打ちを実行し、遊技球が始動ゲート20を通過し、可変始動入賞装置28が開放して1個の遊技球が右始動入賞口28bに入球したものとする。この場合、第2特別図柄の記憶(マーカM2)が1個貯まる。
ここでは、第2特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されている。具体的には、残り回数の表示は、残り1回となっている。
図143中(F):小当り遊技が開始されると、仙人のキャラクターが「右下のアタッカを狙うのじゃ」という台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して、第2可変入賞装置31に遊技球を入球させなくてはならないということを伝達することができる。
〔特定領域通過〕
図144中(G):小当り遊技により第2可変入賞装置31が開放状態に移行し、遊技球が特定領域31xを通過し、小当り時の当選図柄が第6当選図柄であったものとする。この例では、自動車に乗っている女性キャラクターが、Vの文字が描かれたハートマークを掲げ、「やったね!BIG BONUSよ!!」といったセリフを発する演出が実行される。これにより、遊技球が特定領域31xを通過したこと、及び、これから大当り遊技(BIG BONUS)が開始されることを遊技者に教示することができる。
〔小当り終了、大当り遊技開始〕
図144中(H):その後、小当り遊技が終了し、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)が閉鎖される。また、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過したことで、大当り遊技が開始されることとなる。この例では、大当り遊技特有の女性キャラクターが登場し、「BIG BONUS」といった文字情報が表示され、女性キャラクターが同様のセリフを発する演出が実行される。また、表示画面には、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、そのまま右打ちで大当り遊技が進行することを遊技者に教示することができる。
その後、上記と同様の大当り遊技中の演出が開始され、大当り遊技が進行する。例えば、第2特別図柄に関する小当り時の当選図柄が第6当選図柄に該当している場合、実質的に9ラウンド分の出球(小当り遊技を含めると10ラウンド分の出球)を獲得することができる。なお、ドライブモードにて大当り遊技が実行される場合は、ドライブモードでの当選時専用の大役中演出を実行してもよい。
図145及び図146は、非時間短縮状態でのドライブモードにおいて第2特別図柄が変動する際の演出例を示す連続図である。このような状況が発生するのは、主に時間短縮状態の最終変動で「第4当選図柄」の大当り又は「第6当選図柄」の小当りに該当して大当り遊技が実行され、かつ、第2特別図柄の記憶が蓄積されている場合である。
ここでは、第2特別図柄の記憶は1個存在しているものとする。このため、時短中演出は継続して実行されている。また、残り回数表示演出として、「残り1回」の情報が表示されている。ただし、右打ち示唆演出は実行されていない。
〔特別図柄の変動表示中〕
図145中(A):非時間短縮状態でのドライブモードで第2特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴ってドラムユニット200が回転を開始し、液晶表示器42の演出図柄Hzや第4図柄Z2についても変動を開始する。
〔変動表示演出の継続〕
図145中(B):非時間短縮状態でのドライブモードで第2特別図柄の変動表示が継続して実行されている。また、それに伴ってドラムユニット200の回転が継続し、液晶表示器42の演出図柄Hzや第4図柄Z2についても変動を継続する。なお、ここでの状況は、時間短縮状態ではないため、始動ゲート20を通過させても可変始動入賞装置28がロング開放する確率は低い。このため、基本的には第2特別図柄の記憶を貯めることはできない。よって、このような非時間短縮状態でのドライブモードは、第2特別図柄が最大で1回変動するチャンスゾーンとなる。
〔停止表示演出〕
図145中(C):ここでは、第2特別図柄に関する内部抽選において、小当りに当選したものとする。そして、第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、ドラムユニット200の擬似演出図柄(「チェリー図柄」−「チェリー図柄」−「チェリー図柄」の組み合わせ)、液晶表示器42の演出図柄Hz(「2」−「2」−「3」の組み合わせ)、液晶表示器42の第4図柄Z2(緑色表示色)についても小当りの態様で停止表示される。この場合、動物のキャラクターが「7の数字が表示されたマーク」を掲げる演出が実行される。
ここでは、第2特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されている。具体的には、残り回数の表示は、残り0回となっている。
〔小当り開始、第2大入賞口開放〕
図146中(D):そして、小当り遊技が開始されると、第2大入賞口31bが開放されるとともに、女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げて画面右側に進んでいく演出が実行される。この際、動物のキャラクターを置き去りにする演出が実行される。
〔特定領域通過〕
図146中(E):小当り遊技により第2可変入賞装置31が開放状態に移行し、遊技球が特定領域31xを通過し、小当り時の当選図柄が第6当選図柄であったものとする。この例では、自動車に乗っている女性キャラクターが、Vの文字が描かれたハートマークを掲げ、「やったね!BIG BONUSよ!!」といったセリフを発する演出が実行される。これにより、遊技球が特定領域31xを通過したこと、及び、これから大当り遊技(BIG BONUS)が開始されることを遊技者に教示することができる。
〔小当り終了、大当り遊技開始〕
図146中(F):その後、小当り遊技が終了し、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)が閉鎖される。また、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過したことで、大当り遊技が開始されることとなる。この例では、大当り遊技特有の女性キャラクターが登場し、「BIG BONUS」といった文字情報が表示され、女性キャラクターが同様のセリフを発する演出が実行される。また、表示画面には、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、そのまま右打ちで大当り遊技が進行することを遊技者に教示することができる。その後、上記と同様の大当り遊技中の演出が開始され、大当り遊技が進行する。そして、非時間短縮状態のドライブモードで第6当選図柄に該当して大当り遊技が実行された場合、大当り遊技の終了後には、通常モードに移行する。
図147は、遊技状態と発射方向に関する遊技の流れを示す図である。
以下の遊技の流れは、連荘状態が最短で終了する際の遊技の流れである。
具体的には、非時間短縮状態において「第1当選種類(時短有り)」の大当りに当選し、時間短縮状態において「第6当選種類(時短無し)」の小当りに当選し、非時間短縮状態において「第6当選種類(時短無し)」の小当りに当選する場合の遊技の流れである。
遊技状態は、No1〜No13の順番で進行する。
〔No1〕
「遊技状態」は「第1特別図柄変動」であり、「発射方向」は「左打ち」である。
遊技の開始時は、第1特別図柄を変動させて、大当りを目指す。
〔No2〕
「遊技状態」は「大当り(初当り、大当り1回目)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。ここでは、「第1当選種類(時短有り)」の大当りに当選したものとする。
〔No3〕
「遊技状態」は「時間短縮状態」であり、「発射方向」は「右打ち」である。
非時間短縮状態から時間短縮状態に遊技状態が移行すると、発射方向は、右打ちとなる。
〔No4〕
「遊技状態」は「第1特別図柄変動(ショート変動)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。初当り時に貯まっている第1特別図柄の記憶は、高速消化される。
〔No5〕
「遊技状態」は「第2特別図柄変動(時間短縮状態、記憶+1)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。第2特別図柄の変動中には、第2特別図柄の記憶を1つ貯めることができる。
〔No6〕
「遊技状態」は「第2特別図柄停止(時間短縮状態終了)」であり、「発射方向」は「左打ち」である。第2特別図柄の停止時に、遊技状態が時間短縮状態から非時間短縮状態に移行すると、発射方向は、右打ちから左打ちに切り替わる。
〔No7〕
「遊技状態」は「第1特別図柄の記憶増加」であり、「発射方向」は「左打ち」である。第1特別図柄の記憶は、最大で4個まで貯まる。
〔No8〕
「遊技状態」は「小当り経由の大当り(大当り2回目)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。小当り遊技中や大当り遊技中の発射方向は、右打ちとなる。ここでは、「第6当選種類(時短無し)」の小当りに当選したものとする。
〔No9〕
「遊技状態」は「第2特別図柄変動(非時間短縮状態)」であり、「発射方向」は「左打ち」である。ここでは、第2特別図柄の記憶を増加させることができない。
〔No10〕
「遊技状態」は「第1特別図柄の記憶増加」であり、「発射方向」は「左打ち」である。第1特別図柄の記憶は、最大で4個まで貯まる。
〔No11〕
「遊技状態」は「第2特別図柄停止」であり、「発射方向」は「左打ち」である。発射方向は、左打ちの状態が継続される。
〔No12〕
「遊技状態」は「小当り経由の大当り(大当り3回目)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。小当り遊技中や大当り遊技中の発射方向は、右打ちとなる。ここでは、「第6当選種類(時短無し)」の小当りに当選したものとする。
〔No13〕
「遊技状態」は「1セット分(3回分)の大当り終了」であり、「発射方向」は「左打ち」である。この場合、通常モードに移行する。このように、2回連続で、時短無しの当選図柄(例えば、「第6当選種類(時短無し)」)に該当すると、連荘状態は終了となる。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した変動表示演出やリーチ演出、リーチ発生前予告演出、記憶数表示演出、大役中演出、液晶表示器42やドラムユニット200を用いた演出、時短中演出、右打ち示唆演出、残り回数表示演出等は、いずれも以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
演出制御装置124は、図94を参照しながら述べたように、演出制御プロセッサ(全体制御部)としての機能と演出再生プロセッサ(個別制御部)としての機能を有しており、これらの機能が連携することにより、各デバイスの動作(液晶表示器42による画面表示、スピーカ54,55,56による音声出力、各種ランプ46〜52及び盤面ランプ53等による発光、可動体モータ57による各種可動体の動作等)を制御して、パチンコ機1での演出再生を実現させる。
そこで、説明の便宜のため、以降の説明においては、演出制御CPU126が演出制御プロセッサ(全体制御部)として機能する場合の動作主体を「演出制御部210」と称し、演出再生プロセッサ(個別制御部)として機能する場合の動作主体については、制御対象とするデバイスに応じて適宜「表示制御部220」、「音声制御部222」、「ランプ制御部224」、「可動体制御部226」又は「入力制御部228」と称する。なお、演出再生プロセッサ(個別制御部)として機能するこれらの制御部220,222,224,226,228を総括して「各個別制御部」と称する場合がある。また、演出再生に関する時間の管理を行う動作主体を「時間管理部230」又は「ACT」と称することとする。
演出制御の大まかな流れとしては、先ず、演出制御部210が、主制御装置70から送信された演出コマンドを受信すると、この内容に応じて演出の再生を指示するコマンドをRAM130(記憶手段)内の所定の領域に出力する(演出制御手段)。演出制御部210が出力したコマンドは、時間管理部230により所定のタイミングで各個別制御部に対して送信される。これを受けて各個別制御部は、コマンドを参照し、コマンドの内容に基づいて各デバイスに対し具体的な指示を行い、各デバイスの動作を制御する(演出動作制御手段)。このような制御の結果として、各デバイスによる演出動作が実行される(演出動作実行手段)。すなわち、演出制御部210により出力されるコマンドは、各デバイスの演出動作を一意に特定するものである(演出動作命令)。
なお、各個別制御部は、各デバイスの演出動作を制御するに際し、受信した1つのコマンドにより、又は、複数のコマンドを組み合わせることにより、1つの演出動作を特定可能である。また、時間管理部230は、各個別制御部に対するコマンドの送信とともに、又は、コマンドの送信に代えて、コマンドの内容に対応付けられた演出動作の詳細が定義されている制御テーブルを起動することも可能である。制御テーブルが起動された場合には、各個別制御部は、制御テーブルの内容を解析し、その内容に基づいて各デバイスに対する具体的な指示を行うこととなる。
図148は、演出制御部210により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御部210は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs〜数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、時短中及び擬似時短中その他演出処理(ステップS402a)、ドラムユニット演出管理処理(ステップS403)、特殊変動中演出管理処理(ステップS403a)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御部210は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御部210は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば、特図先判定演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止時コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、発射位置指定コマンド、エラー通知コマンド、大当り終了演出コマンド、変動パターン先判定コマンド、停止表示時間終了コマンド、回数切りカウンタコマンド、各種のエラーコマンド、特殊変動回数指定コマンド等がある。
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御部210は上述した記憶数表示演出や、マーカM1を用いた先読み予告演出の実行を制御する。なお、作動記憶演出管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御部210は演出図柄Hzや第4図柄Z1,Z2を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作時の演出内容を制御したりする。また、この処理において演出制御部210は、各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出等)の演出パターンを選択する。このように、演出図柄管理処理において、演出制御部210は、液晶表示器42に表示する演出内容(演出図柄Hz、第4図柄Z1,Z2、マーカM1,M2、大役中演出等に関する演出内容、各種予告演出の内容)を決定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS402a:演出制御部210は、時短中及び擬似時短中その他演出処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、右打ち示唆演出及び残り回数表示演出等に関する演出内容を決定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS403:ドラムユニット演出管理処理では、演出制御部210は演出図柄管理処理にて決定した演出内容に基づいて、ドラムユニット200を制御する処理を実行する。このように、ドラムユニット演出管理処理において、演出制御部210は、ドラムユニット200に表示する演出内容(擬似演出図柄に関する演出内容、ドラムユニット200の可動に関する内容)を決定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS403a:特殊変動中演出管理処理において、演出制御部210は、特殊変動回数指定コマンドに基づいて特殊変動中演出を実行するか否かを判断し、実行すると判断した場合にはどのような内容の特殊変動中演出を実行するかを決定する処理を実行する。
具体的には、演出制御部210は、短い時間(数秒程度)の特殊変動パターンが選択されている場合には、非リーチ演出(例えば、演出図柄を高速変動させる演出)を実行する演出パターンを選択し、長い時間(数十秒程度)の特殊変動パターンが選択されている場合には、リーチ演出等を実行する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS404:表示出力処理では、先ず演出制御部210が、表示制御部220に対して演出内容(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示するコマンドを出力する。これを受けて表示制御部220は、コマンドの内容に基づいてVDP152に対し具体的な描画の指示を行い、液晶表示器42による表示動作を制御する。
ステップS406:ランプ駆動処理では、先ず演出制御部210が、ランプ制御部224に対して演出内容を指示するコマンドを出力する。これを受けてランプ制御部224は、コマンドの内容に基づいてLEDドライバ198を中継しドライバIC132に対して具体的な駆動信号を出力し、各種ランプ46〜52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、先ず演出制御部210が、音声制御部222に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示するコマンドを出力する。これを受けて音声制御部222は、コマンドの内容に基づいて音声IC134に対し具体的な出力内容の指示を行い、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音(効果音、BGM等)を出力させる。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御部210はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば、先ず演出制御部210が、可動体制御部226に対して演出内容を指示するコマンドを出力する。これを受けて可動体制御部226は、コマンドの内容に基づいてSMC199に対し具体的な制御内容を指示する。これを受けてSMC199は、可動体制御部226からの指示に基づいて可動体40fの作動パターンを作成し、これに応じた制御信号をドライバICに出力して、可動体40fを駆動させる。可動体40fは可動体モータ57を駆動源として動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御部210はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される演出図柄管理処理の内容について説明する。
〔作動記憶演出管理処理〕
図149は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS700:先ず演出制御部210は、主制御CPU72から作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS700:Yes)、演出制御部210はステップS702を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS700:No)、演出制御部210はステップS702を実行しない。
ステップS702:演出制御部210は、作動記憶数増加時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、第1特別図柄に対応したマーカM1又は第2特別図柄に対応したマーカM2を表示させる演出を選択する。
ステップS704:演出制御部210は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS704:Yes)、演出制御部210はステップS706を実行する。なお、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS704:No)、演出制御部210はステップS706を実行しない。
ステップS706:演出制御部210は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、内部抽選により消費した抽選要素に対応するマーカM1又はマーカM2を消滅させるとともに、内部抽選により消費していない残りのマーカM1,M2を左方向にスライドさせる演出を選択する。
以上の手順を終えると、演出制御部210は、演出制御処理(図148)に復帰する。
〔演出図柄管理処理〕
図150は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御部210は次に実行するべき処理(ステップS502〜ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御部210は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御部210は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御部210は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また、可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(図105中のステップS5000)が選択された場合にのみジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502〜ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御部210は演出図柄Hz及び第4図柄Z1,Z2を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。また、この処理において、演出制御部210は各種の条件(抽選結果、当選種類(当選図柄の種類)、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(リーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御部210は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御部210は必要に応じて各個別制御部に対する指示を行う。例えば、変動表示演出の実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合には、遊技者による演出ボタンの操作の有無を入力制御部228に監視させるとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)をコマンドにより各個別制御部に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御部210は内部抽選の結果に応じた停止表示演出の内容を制御すべく、各個別制御部に対し指示を行う。例えば、演出制御部210は、各個別制御部に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行をコマンドにより指示する。これを受けて、例えば表示制御部220は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御部210は小当り遊技中又は大当り中の演出内容を制御する。この処理において、演出制御部210は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容を選択する。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
〔ドライブモードにおける2つの演出モードの比較〕
図151は、ドライブモードにおいて選択されうる2つの演出モードを比較して示す表である。上述したように、本実施形態では、ドライブモードにおいて2つの演出モード(地球モード及び宇宙モード)が用意されており、ドライブモード滞在中には、遊技者により選択されたいずれか一方の演出モードにて各種の演出が実行される。
2つの演出モードは、演出の特徴(見せ方や傾向)が大きく異なっている。先ず、地球モードにおいては、会話予告やステップアップ予告、ミニキャラ予告、カットイン予告等の多種多様な予告演出が実行されうる。これに対し、宇宙モードにおいては、演出が図柄の動きを中心に構成されており、特別図柄の1回の変動中にあたかも特別図柄が多くの回数にわたって変動しているかのように見せる演出が実行される(擬似変動演出実行手段。以下、特別図柄の1回の変動中に連続して実行される擬似的な変動を「擬似連」と称する。)。すなわち、宇宙モードにおいては、図柄の見せ方を多様に変化させることで予告的な表現がなされ、予告演出そのものはほとんど実行されない。
したがって、両者を比較してみると、地球モードにおいては、予告演出の発生頻度が高く、これに伴って演出制御部210により出力されるコマンド(演出に関する指定情報)の数も多くなり、最大で1146種類ものコマンドが出力されうるものの、擬似連は最大でも7回しか発生しない。これに対し、宇宙モードにおいては、予告演出の発生頻度が低く、これに伴って演出制御部210により出力されるコマンドの数も少なくなり、出力されうるコマンドは最大でもわずか46種類であるが、擬似連は最大で31回も発生しうる。
このように、地球モードと宇宙モードとでは、コマンドの数や擬似連の回数が大きく異なっている。演出制御の過程では、RAM130に様々な情報が格納されるが、RAM130の容量は限られているため、演出の実行を効率よく制御するためには、RAM130内の領域の使い方を工夫する必要がある。
なお、上述した擬似連の発生回数には、本変動分の1回が含まれており、擬似連を構成する複数回の擬似的な変動(擬似変動)のうち、最後の擬似変動は本変動に該当する。例えば、擬似連の発生回数が3回である場合には、1回目及び2回目の擬似変動は見かけ上の変動であり、3回目の擬似変動は本変動となる。また、図示されていないが、通常モードにおいては、地球モードと同様に様々な予告演出が実行される(出力されうるコマンドの種類は地球モードにおける種類の範囲内に収まる)が、図柄の変動は本変動のみで構成され、見かけ上の変動は発生しない。
〔演出制御装置におけるRAMの使用態様:実施形態〕
図152は、RAM130(演出制御CPU126の内蔵RAM)の使用態様を説明する図である。
本実施形態においては、各演出モードでの演出を制御する上で、RAM130の内部に実行用領域240、地球モード用擬似領域250及び宇宙モード用擬似領域260が設けられる。これらの領域はいずれも、演出制御部210により出力されるコマンドを一時的に格納するための記憶領域であるが、このうち、地球モード用擬似領域250及び宇宙モード用擬似領域260は、特別図柄の変動開始前に決定される演出の内容に対応して出力される各種のコマンドをひとまず格納しておくために用いられる。これに対し、実行用領域240は、演出実行前の所定のタイミングでその演出に対応するコマンドを格納するために用いられ、地球モード用擬似領域250又は宇宙モード用擬似領域260の一部に格納されているコマンドが書き移して格納される。以下、各領域の構成を詳細に説明する。
地球モード用擬似領域250は、ドライブモードにおいて地球モードが選択されている場合に用いられる記憶領域である。上述したように、地球モードでは擬似連が最大で7回発生するため、これに合わせて地球モード用擬似領域250には、1回目の擬似変動(擬似1)用としての擬似領域250−1から7回目の擬似変動(擬似7)用としての擬似領域250−7までの、合計7個の擬似領域が設けられる。また、地球モードでは最大で1146種類のコマンドが出力されるため、擬似領域250−1〜250−7は、それぞれの内部に1146個の格納エリアを有している。したがって、地球モード用擬似領域250全体での格納エリアの数は、合計8022個(=1146×7)である。
なお、通常モードにおいては、上述したように見かけ上の変動がなく本変動のみで構成され、また、出力されうるコマンドの種類は地球モードにおける種類の範囲内に収まるため、別途通常モード用の記憶領域を設けなくても、地球モード用擬似領域250に全てのコマンドを格納することが可能である。したがって、通常モードにおいては、地球モード用擬似領域250が使用される。つまり、地球モード用擬似領域250は、地球モードと通常モードとで兼用される。
また、宇宙モード用擬似領域260は、ドライブモードにおいて宇宙モードが選択されている場合に用いられる記憶領域である。上述したように、宇宙モードでは擬似連が最大で31回発生するため、これに合わせて宇宙モード用擬似領域260には、1回目の擬似変動(擬似1)用としての擬似領域260−1から31回目の擬似変動(擬似31)用としての擬似領域260−31までの、合計31個の擬似領域が設けられる。また、宇宙モードでは最大で46種類のコマンドが出力されるため、擬似領域260−1〜260−31は、それぞれの内部に46個の格納エリアを有している。したがって、宇宙モード用擬似領域260全体での格納エリアの数は、合計1426個(=46×31)である。
特別図柄の変動開始前には、上記の演出図柄変動前処理(図150中のステップS502)において、演出制御部210が演出抽選の結果等に応じて実行する演出の演出パターンを決定する。このとき、演出制御部210は、演出パターンに対応する内容の様々なコマンドを地球モード用擬似領域250又は宇宙モード用擬似領域260の所定のエリアに格納する。例えば、地球モードにおける1回目の擬似変動に関連する演出の演出パターンに対応する内容のコマンドは、地球モード用擬似領域250−1(擬似1用)の所定のエリアに格納され、宇宙モードにおける5回目の擬似変動に関連する演出の演出パターンに対応する内容のコマンドは、宇宙モード用擬似領域260−5(擬似5用)の所定のエリアに格納されることとなる。
そして、実行用領域240は、演出が実行される前、すなわち、これから実行される演出(構築すべき演出)に対応するコマンドが、各個別制御部に送信される前の所定のタイミングで格納される記憶領域であり、内部に1146個の格納エリアを有している。実行用領域240には、地球モード用擬似領域250及び宇宙モード用擬似領域260に格納されうる全ての種類のコマンドを格納することが可能である。特別図柄の変動開始前には、地球モード用擬似領域250又は宇宙モード用擬似領域260に様々なコマンドが予め格納されており、実行用領域240には、これらの擬似領域から実行タイミングに即したコマンドが書き移されて格納される。
このように、本実施形態においては、擬似領域がモード別に異なる構造で設けられている。また、地球モード用擬似領域250と宇宙モード用擬似領域260とを合わせた擬似領域全体での格納エリアの数は、合計9448個(=8022+1426)となる。
なお、実行用領域240、地球モード用擬似領域250及び宇宙モード用擬似領域260の実体は、例えば配列変数であり、各領域内の格納エリアの番号は、配列内の位置(配列のインデックス番号)を示している。
図153は、実行用領域240、地球モード用擬似領域250及び宇宙モード用擬似領域260の使用態様を説明する図である。発明の理解を容易とするために、ここでは、各領域内において、コマンドの格納先となるエリアがコマンドの種類毎に固定されているものとして説明する。
図153中(A):実行用領域240の使用例が示されている。実行用領域240が有する1146個の格納エリアのうち、例えば、エリア1−10の10個の格納エリアには、会話予告に関するコマンドが格納される。会話予告を実行するに際しては、表示色や登場するキャラクター、キャラクターが発する台詞等の情報が指定されるが、これらの情報に対応する個々のコマンドが、エリア1−10の所定のエリアに個別に格納されることとなる。例えば、エリア1には表示色を指定するコマンドが格納され、エリア2には登場するキャラクターを指定するコマンドが格納される。なお、必ずしも全ての格納エリアにコマンドが格納されるものではなく、指定のない情報に対応する格納エリアにはコマンドは格納されない。
他の格納エリアについても同様であり、例えば、エリア11−20の10個の格納エリアには、ステップアップ予告に関するコマンドが格納され、エリア21−30の10個の格納エリアには、ミニキャラ予告に関するコマンドが格納される。また、例えば、エリア1101−1105の5個の格納エリアには、変動動作(図柄の動作)に関するコマンドが格納され、エリア1106−1110の5個の格納エリアには、図柄(停止の出目)に関するコマンドが格納され、エリア1111−1120の10個の格納エリアには、変動詳細(SPリーチの指定等)に関するコマンドが格納され、エリア1121−1130の10個の格納エリアには、保留溜め区間(遊技者に作動記憶をチャージさせる区間に行う演出)に関するコマンドが格納され、エリア1131−1135の5個の格納エリアには、デバイス系予告(液晶表示器42による演出とは関連しない予告)に関するコマンドが格納され、エリア1136−1146の11個の格納エリアには、イレギュラー関連(通常でない打ち方がなされた場合の対応)に関するコマンドが格納される。
図153中(B):地球モード用擬似領域250−1〜250−7の使用例が示されている。地球モード用擬似領域250−1〜250−7は、いずれも実行用領域240と同様の構造を有しており、各擬似領域250−1〜250−7が有する1146個の格納エリアの使われ方も実行用領域240と同様である。したがって、各擬似領域250−1〜250−7に格納された個々のコマンドは、演出実行前の所定のタイミングで、実行用領域240内の同じエリア番号の格納エリアに書き移して格納されることとなる。
図153中(C):宇宙モード用擬似領域260−1〜260−31の使用例が示されている。宇宙モード用擬似領域260−1〜260−31は、それぞれ46個の格納エリアを有しており、これらの格納エリアの使われ方は、実行用領域240における格納エリア1101−1146の使われ方と同様である。すなわち、格納エリア1−5の5個の格納エリアには、変動動作に関するコマンドが格納され、エリア6−10の5個の格納エリアには、図柄に関するコマンドが格納され、エリア11−20の10個の格納エリアには、変動詳細に関するコマンドが格納され、エリア21−30の10個の格納エリアには、保留溜め区間に関するコマンドが格納され、エリア31−35の5個の格納エリアには、デバイス系予告に関するコマンドが格納され、エリア36−46の11個の格納エリアには、イレギュラー関連に関するコマンドが格納される。
また、各擬似領域260−1〜260−31に格納された個々のコマンドは、演出実行前の所定のタイミングで、元のエリア番号に「1100」を加算したエリア番号を有する実行用領域240内の格納エリアに書き移して格納される。例えば、各擬似領域260−1〜260−31のエリア1に格納されたコマンドは、演出実行前の所定のタイミングで実行用領域240内のエリア1101に書き移して格納されることとなる。
なお、上記の使用態様はあくまで一例として挙げたものであり、これに限定されない。また、上記では説明の便宜上、コマンドの格納先となるエリアがコマンドの種類毎に固定されているものとして説明したが、各領域にコマンドが格納される直前にその格納先となるエリアが動的に決定されてもよい。つまり、各領域内でいずれの種類のコマンドがいずれの格納エリアに格納されているかが何らかの方法で管理されており(特定の種類のコマンドを各領域から取得可能であり)、地球モード用擬似領域250から実行用領域240に対して、又は、宇宙モード用擬似領域260から実行用領域240に対して、それぞれコマンドを書き移して格納する際に、書き移されるコマンドの種類に応じて実行用領域240内の適切な格納エリアにそのコマンドを格納することが可能な構成であればよく、その場合には、各領域内において各コマンドがいずれの格納エリアに格納されても構わない。
図154は、特別図柄の変動開始後の各時点における実行用領域240の使用例を示す図である。ここでは、ドライブモードにおいて地球モードが選択されている場合を例に挙げる。以下、時系列に沿って説明する。
図154中(A):特別図柄の変動開始前における地球モード用擬似領域250の状態が示されている。特別図柄の変動開始前に実行された演出抽選の結果等に応じて、地球モード用擬似領域250には変動開始後に実行される演出に関するコマンドが格納される。例えば、演出抽選により、擬似連が3回まで実行されること、また、擬似連を構成する各擬似変動に合わせて会話予告、ステップアップ予告、ミニキャラ予告が実行されること等が決定される。そして、決定された演出の内容に対応するコマンドが、地球モード用擬似領域250−1(擬似1用)、地球モード用擬似領域250−2(擬似2用)、地球モード用擬似領域250−3(擬似3用)内の所定の領域に格納される。
図154中(B):擬似1(1回目の擬似変動)の開始直前における実行用領域240の状態が示されている。擬似1においては、「会話予告(弱)」、「ステップアップ予告(第1段階)」を実行することが予め決定されており、地球モード用擬似領域250−1(擬似1用)には、これらの演出に対応するコマンドが格納されている。したがって、擬似1の開始直前には、地球モード用擬似領域250−1(擬似1用)の内容が実行用領域240にコピーされ、擬似1で実行される演出に対応するコマンドが実行用領域240の所定の格納エリアに格納されている。
なお、実行用領域240に格納されたコマンドは、所定のタイミングでACTにより各個別制御部に送信され、これによりコマンドが格納されていた格納エリアはクリアされる(空の状態となる)。なお、格納エリアのクリアは、このタイミングでは行わずに、後述する各擬似領域の全体を初期化するタイミングでまとめて行ってもよい。また、実行用領域240に格納されたコマンドのその後の流れについては、次の図面を参照しながら詳しく後述する。
図154中(C):擬似2(2回目の擬似変動)の開始直前における実行用領域240の状態が示されている。擬似2においては、「会話予告(強)」、「ステップアップ予告(第2段階)」、「ミニキャラ予告(弱)」を実行することが予め決定されており、地球モード用擬似領域250−2(擬似2用)には、これらの演出に対応するコマンドが格納されている。したがって、擬似2の開始直前には、地球モード用擬似領域250−2(擬似2用)の内容が実行用領域240にコピーされ、擬似2で実行される演出に対応するコマンドが実行用領域240の所定の格納エリアに格納されている。
図154中(D):擬似3(3回目の擬似変動、すなわち本変動)の開始直前における実行用領域240の状態が示されている。擬似3においては、「ステップアップ予告(第3段階)」、「ミニキャラ予告(強)」を実行することが予め決定されており、地球モード用擬似領域250−3(擬似3用)には、これらの演出に対応するコマンドが格納されている。したがって、擬似3の開始直前には、地球モード用擬似領域250−2(擬似2用)の内容が実行用領域240にコピーされ、擬似3で実行される演出に対応するコマンドが実行用領域240の所定の格納エリアに格納されている。
図154中(E):特別図柄の確定後における実行用領域240の状態が示されている。確定後には、次変動での使用に備えて、地球モード用擬似領域250全体(擬似1用〜擬似7用)が初期化される。なお、擬似領域全体を初期化するタイミングは、確定後に限定されない。例えば、変動開始前(各擬似領域に次変動用のコマンドを格納する前)やいわゆる客待ち状態中に、擬似領域全体の初期化を行ってもよい。
なお、図154中(A)に示される特別図柄の変動開始前には、変動開始前に実行された演出抽選の結果等に応じたコマンドが各擬似領域の所定の格納エリアに格納されているが、コマンドは、状況に応じて特別図柄の変動開始後にも格納されうる。例えば、変動開始後に追加の演出抽選が実行された場合には、そのタイミングで適宜コマンドが格納される。また、例えば、作動記憶の数に変化が生じた場合等に出力されるコマンドのように、各擬似変動の開始タイミングとは連動せずに即時での指示が必要とされるものについては、擬似領域250,260を介することなく、実行用領域240に直接格納されてもよい。
また、各擬似領域の初期化は、地球モード用擬似領域250全体又は宇宙モード用擬似領域260全体を対象とせずに、1個ずつ随時行ってもよい。例えば、個々の擬似領域から実行用領域240へのコピーを終えた直後に個別に初期化を行ってもよい。
図155は、実行用領域240に格納されたコマンドの流れを説明する図である。発明の理解を容易とするため、図155には、演出制御装置124内でコマンドの受け渡しに関わるブロックのみを抜き出して図示している。また、ここでは、ドライブモードにおいて地球モードが選択されている場合の擬似1における「ステップアップ予告(第1段階)」に対応するコマンドの流れを例に挙げる。以下、コマンドの流れを時系列に沿って説明する。
先ず、演出制御部210が、(1)特別図柄の変動開始前に演出抽選を実行し、その結果等に応じて、(2)実行する演出に対応するコマンドを地球モード用擬似領域250の所定のエリアに格納する。ここで、各コマンドは、例えば4バイトで構成されている。また、「ステップアップ予告(第1段階)」に対応するコマンドは「0x01040101」である。したがって、演出制御部210により地球モード用擬似領域250にコマンドが格納されると、地球モード用擬似領域250−1(擬似1用)の所定のエリア(例えば「エリア11」)にはコマンド「0x01040101」が格納される。
また、擬似1の開始直前には、(3)地球モード用擬似領域250−1(擬似1用)の内容が実行用領域240にコピーされる。これにより、実行用領域240の所定の格納エリア(例えば「エリア11」)に、コマンド「0x01040101」が格納される。そして、時間管理部230(ACT)が所定のタイミングで、(4)実行用領域240に格納されている各コマンドを各個別制御部(表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224、可動体制御部226)に対して送信する。これにより、「ステップアップ予告(第1段階)」に対応するコマンド「0x01040101」が各個別制御部に送信される。
各個別制御部にはメールボックスが設けられており、ACTから送信されたコマンドはそれぞれのメールボックスで受信される。本実施形態においては、各個別制御部がタイマ割込の発生毎にメールボックスを確認するよう構成されている。メールボックスを確認し、コマンドを受信している場合には、(5)各個別制御部が受信したコマンドを参照する。そして、(6)コマンドの内容に基づいて、演出デバイスに対する具体的な指示を行い、演出デバイスの動作を制御する。
より具体的には、表示制御部220はVDP152に対し具体的な指示を行って液晶表示器42の画面表示を制御し、音声制御部222は音声IC134に対し具体的な指示を行ってスピーカ54,55,56からの音声出力を制御し、ランプ制御部224はLEDドライバ198に対し具体的な指示を行って各種ランプ46〜52や盤面ランプ53等の発光を制御し、可動体制御部226はSMC199に対し具体的な指示を行って可動体40fやドラムユニット200の動作を制御する。このようにして演出制御装置124の内部でコマンド「0x01040101」が上流側から下流側へと流されていくことにより、擬似1において「ステップアップ予告(第1段階)」の演出が構築され、演出デバイス(液晶表示器、スピーカ、ランプ、可動体)により「ステップアップ予告(第1段階)」の演出動作が実行されることとなる。
このように、本実施形態においては、演出制御部210により出力されたコマンドに一意に対応付けられた演出動作が各演出デバイスにより実行される。上記の例は、コマンドと演出動作が1対1で対応付けられている場合の例であるが、対応付けの態様はこれに限定されず、コマンドと動作演出が多対1で対応付けられ、複数のコマンドの組み合わせと対応付けられた演出動作が各演出デバイスにより実行されてもよい。
また、本実施形態においては、各個別制御部による演出デバイスの制御は、原則として、演出制御部210により出力されたコマンドに基づいてなされ、演出デバイスに対しコマンドと異なる指示がなされることはない。但し、特定の条件下においては、各個別制御部がコマンドとは異なる指示を行ってもよい。例えば、演出制御部210により「通常用の演出図柄コマンド」が出力された場合に、表示制御部220が、ゾーン滞在中であるか否かを判断し、ゾーン滞在中であれば、コマンドのうち「演出図柄コマンド」の部分を踏まえつつ、ゾーン用の演出図柄コマンドに対応した演出画像を表示するよう、VDP152に対し指示を行うことも可能である。
なお、コマンドのサイズは、4バイトに限定されない。また、各個別制御部によるメールボックスの確認は、タイマ割込の発生毎に行わずに、別の方法で行ってもよい。例えば、メールボックスでコマンドを受信するとその旨を表す信号が入力される構成とし、この信号入力を契機として各個別制御部がメールボックスの確認を行ってもよい。さらに、上記の手順(4)において、ACTは、コマンドの内容に対応して設けられた制御テーブルを制御ROM180から読み出して起動することも可能である。ACTにより制御テーブルが起動された場合には、各個別制御部は、上記の手順(5)において、起動された制御テーブルに定義されている演出動作を解析した上で、上記の手順(6)において、演出デバイスに対する具体的な指示を行うこととなる。
上記の例は、通常時(所定の条件を満たさない場合)における動作の例であるが、所定の条件を満たす場合(例えば、何らかのエラーや異常等が発生した場合)には、コマンドにより指定された演出動作を演出デバイスに実行させないことや、コマンドにより指定された演出動作の一部を制限して実行させることも可能である。例えば、液晶表示器42の画面の暗転中には、「図柄停止」のコマンドを無視して音声制御部222がスピーカからの図柄停止音の出力を中断(消音)させるよう制御したり、或いは、エラー発生時には、ランプ制御部224が「演出A」のコマンドを無視して演出A用のランプ発光パターンを実行させないように制御してもよい。
また、コマンドの内容によっては、必ずしも全ての演出デバイスがそのコマンドに対応する演出動作を実行しない場合もありうる。例えば、各個別制御部がデバイス系予告(液晶表示器42による演出とは関連しない予告)に関するコマンドを受信した場合に、少なくとも液晶表示器42はデバイス系予告には関与しないため、少なくとも液晶表示器42にはこのコマンドに対する演出動作が存在せず、したがって、表示制御部220はこのコマンドに基づいた液晶表示器42の画面表示の制御を行わない。
〔演出制御装置におけるRAMの使用態様:比較例〕
図156は、比較例としてのRAM130´の使用態様を説明する図である。
比較例においては、RAM130´の内部に実行用領域240´及び共通擬似領域250´が設けられる。このうち、実行用領域240´は、上述した実施形態における実行用領域240と同一の用途で設けられており、同一の構造を有している。これに対し、共通擬似領域250´は、実施形態における地球モード用擬似領域250の用途と宇宙モード用擬似領域260の用途とを兼ねた領域として設けられており、地球モード用擬似領域250とも宇宙モード用擬似領域260とも異なった、いわば両者の最小公倍数的な構造が採られている。
より具体的には、擬似連の最大発生回数が地球モードにおいては7回であるのに対し宇宙モードにおいては31回であることを踏まえ、いずれのモードにおいても利用可能となるよう、共通擬似領域250´は合計31個設けられる(共通擬似領域250´−1〜250´−31)。また、出力され得るコマンドの最大数が地球モードにおいては1146種類であるのに対し宇宙モードにおいては46種類であることを踏まえ、いずれのモードにおいても利用可能となるよう、個々の共通擬似領域250´の内部には、格納エリアが1146個設けられる。したがって、比較例における共通擬似領域250´全体での格納エリアの数は、合計35526個(=1146×31個)となる。共通擬似領域250´をこのような構造とすることにより、地球モードにおいても宇宙モードにおいても、そして地球モードにおいても、演出制御部210が出力する全てのコマンドを共通擬似領域250´に格納することができる。
しかしながら、共通擬似領域250´が地球モードで使用される場合には、擬似連は最大でも7回しか発生しないため、この場合には、共通擬似領域250´−8〜250´−31、すなわち24個の擬似領域(合計27504個の格納エリア、共通擬似領域250´全体の約77.4%に相当)は全く使用されない状態となる。また、共通擬似領域250´が宇宙モードで使用される場合には、コマンドが最大でも46種類しか出力されないため、この場合には、共通擬似領域250´−1〜250´−31の各々におけるエリア47−1146の1100個の格納エリア(合計34100個の格納エリア、共通擬似領域250´全体の約96.0%に相当)は全く使用されない状態となる。このように、共通擬似領域250´には、使用されない格納エリアが数多く存在していて無駄が多く、限られたRAM130´の容量を有効に活用できていない。
〔実施形態の優位性〕
図157は、RAMの使用態様に関して実施形態と比較例とを比較して示す表である。
図152を参照しながら説明したように、実施形態においては、擬似領域がモード別に異なる構造で設けられ、地球モードにおいては地球モード用擬似領域250が用いられる一方、宇宙モードにおいては宇宙モード用擬似領域260が用いられる。また、地球モード用擬似領域250全体では格納エリアが8022個(=1146×7)確保される一方、宇宙モード用擬似領域260全体では格納エリアが1426個(=46×31)確保される。したがって、地球モード用擬似領域250と宇宙モード用擬似領域260とを合わせた擬似領域全体としては、9448個(=8022+1426)の格納エリアが確保されることとなる。
これに対し、図156を参照しながら説明したように、比較例においては、共通擬似領域250´がモード間共通の領域として設けられ、地球モードと宇宙モードとで共通擬似領域250´が兼用される。そして、共通擬似領域250´全体としては、35526個(=1146×31個)の格納エリアが確保されることとなる。
したがって、実施形態と比較例とで擬似領域によるRAMの消費量を比較してみると、実施形態の方が圧倒的に少なく、実施例におけるRAMの消費量は比較例の約26.6%である。このことから、実施形態においては比較例の1/4程度にまでRAMの消費量が抑制されていることが分かる。
また、各擬似領域の初期化に要する時間を、格納エリア1個当たりの所要時間が同一であるという想定の下で比較してみる。実施形態においては、擬似領域がモード別に設けられるため、使用された方の擬似領域(地球モード用擬似領域250又は宇宙モード用擬似領域260のいずれか一方)のみを初期化すれば済むのに対し、比較例においては、モードによって未使用の格納エリアや未使用の擬似領域が存在していても共通擬似領域250´全体を初期化しなければならないため、実施形態の方が初期化を圧倒的に短時間で済ませることが可能である。より具体的には、実施形態においては、地球モードでは比較例の約22.6%の時間で地球モード用擬似領域250全体を初期化することができ、また、宇宙モードでは比較例の約4.0%の時間で宇宙モード用擬似領域260全体を初期化することができる。
以上のように、実施形態によれば、擬似領域内には最小限必要とされる数の格納エリアが確保される(不要な格納エリアは確保されない)ため、RAM130の消費量を大幅に抑制することができ、RAM130の限られた容量を有効に活用することが可能となる。また、実施形態によれば、擬似領域の初期化に要する時間を大幅に短縮することができ、演出制御CPU126における制御処理の効率を向上させることが可能となる。これらの比較結果から、実施形態の優位性は明らかである。
〔演出図柄変動前処理〕
次に図158は、上記の演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御部210は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御部210は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
なお、客待ち状態を表す演出には、「遊技に対するのめり込みに注意しましょう」といった遊技に対するのめり込みを防止する内容を表示するようにしてもよい。このようにすることで、適切なタイミングで簡単に、のめり込み防止に関する演出を実行することができ、遊技者の不利益を軽減することができる。
以上の手順を終えると、演出制御部210は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御部210はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図148中のステップS404)、ランプ駆動処理(図148中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御部210は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御部210は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御部210はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御部210は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御部210はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また、今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御部210は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御部210は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。
また、演出パターン番号を選択すると、演出制御部210は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄Hz及び第4図柄Z1,Z2の変動スケジュール(変動時間)、停止表示の態様等を決定する。
例えば、演出制御部210は、時間短縮状態での第2特別図柄の小当り変動時には、「ドライブモード」の状態で演出図柄Hz及び第4図柄Z2を変動させ、最終的に小当りに対応する演出図柄Hz及び第4図柄Z2を停止表示させる演出パターンを選択する処理を実行する。
一方、演出制御部210は、非時間短縮状態での第2特別図柄の小当り変動時には、例えば「ドライブモード」を継続させた状態又は通常モードの状態で演出図柄Hz及び第4図柄Z2を変動させ、最終的に小当りに対応する演出図柄Hz及び第4図柄Z2を停止表示させる演出パターンを選択する処理を実行する。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、大当りに該当した場合、演出制御部210はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御部210はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御部210は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。なお、大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御部210はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御部210は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御部210がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドに基づいて決定される。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御部210は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄Hz及び第4図柄Z1,Z2の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」−「2」−「4」等)を決定する。なお、このようなはずれ時の演出決定手法は、大当り時も同様である。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御部210は次にステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御部210は、予告選択処理を実行する(予告演出実行手段)。この処理では、演出制御部210は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当り又は小当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は非当選時よりも高く設定されている。
ステップS616:演出制御部210は、モード演出管理処理を実行する(有利遊技状態演出実行手段)。この処理において、演出制御部210は、滞在モードに応じた背景画像を選択する処理を実行する。例えば、演出制御部210は、原則として、内部状態が非時間短縮状態である場合には、通常モードに対応する背景画像を選択する処理を実行し、内部状態が時間短縮状態である場合には、ドライブモード(より具体的には、地球モード及び宇宙モードのうち遊技者により選択されたモード。初期状態では、例えば地球モードが選択されている。)に対応する背景画像を選択する処理(時短中演出を選択する処理)を実行する。
ただし、演出制御部210は、例外として、内部状態が非時間短縮状態である場合であっても、時間短縮状態から非時間短縮状態に移行した際に第2特別図柄の記憶が存在している場合には、ドライブモードに対応する背景画像を選択する(有利遊技状態演出実行手段、有利遊技状態演出継続実行手段)。なお、このような例外的な処理は、後述する演出図柄停止表示中処理において実行する。
ところで、上記のステップS608,ステップS610,ステップS612において変動演出の演出パターン等を決定し、上記のステップS614において予告演出の内容を決定すると、演出制御部210は、これらの演出の内容に対応した各種のコマンドを、ひとまず擬似領域に格納する。このとき、ドライブモードで地球モードが選択されている場合、又は、通常モードである場合には、演出制御部210は、地球モード用擬似領域250内の所定の格納エリアに個々のコマンドを格納する。一方、ドライブモードで宇宙モードが選択されている場合には、演出制御部210は、宇宙モード用擬似領域260内の所定の格納エリアに個々のコマンドを格納する。その上で、演出制御部210は、擬似1の開始直前に擬似1用の領域(地球モード用擬似領域250−1、又は、宇宙モード用擬似領域260−1)の内容を実行用領域240にコピーして、図柄の変動開始に備えることとなる。
以上の手順を終えると、演出制御部210は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図150中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び停止表示演出が実行されるとともに(図柄演出実行手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。その他、ここで選択された背景(滞在)モードパターンに基づいて、各種の滞在モード演出が実行される。
〔演出図柄停止表示中処理〕
図159は、演出図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS650:演出制御部210は、内部状態が時短中(時間短縮状態)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、状態指定コマンドを確認することにより、内部状態を確認することができる。なお、内部状態は、変動パターンコマンドにより確認することもできる(以下、同様)。
その結果、内部状態が時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS652を実行し、内部状態が時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS656を実行する。
ステップS652:演出制御部210は、時短最終変動であるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、回数切りカウンタコマンドを確認することにより、時短最終変動であるか否かを確認することができる。例えば、第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値が「1」から「0」に切り替わる際の変動であれば、演出制御部210は、時短最終変動であると判断することができる。
その結果、時短最終変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS654を実行し、時短最終変動であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS666を実行する。
ステップS654:演出制御部210は、擬似時短カウンタに第2特別図柄の記憶数を設定する処理を実行する。擬似時短カウンタはRAM130に記憶されており、例えば、第2特別図柄の記憶数が「0」である場合は、擬似時短カウンタに「0」が設定され、第2特別図柄の記憶数が「1」である場合は、擬似時短カウンタに「1」が設定される。
この処理を終えると、演出制御部210はステップS666を実行する。
ステップS656:演出制御部210は、滞在背景が通常背景であるか否か、すなわち、液晶表示器42に表示している背景画像が通常モードに対応する背景画像であるか否かを確認する。
その結果、滞在背景が通常背景であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS666を実行し、滞在背景が通常背景であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS658を実行する。
ステップS658:演出制御部210は、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であるか否かを確認する。
その結果、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS660を実行し、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であることを確認できない場合(No)、すなわち、擬似時短カウンタの値が0である場合、演出制御部210はステップS664を実行する。
ステップS660:演出制御部210は、滞在背景を擬似時短背景に設定する処理を実行する。擬似時短背景は、右打ち表示がされないドライブモードの背景である。
このような処理を実行することにより、演出制御部210は、時間短縮状態(有利遊技状態)が終了して非時間短縮状態(所定の遊技状態)に移行した場合であっても、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値である場合(特別な条件が満たされている場合)は、時短中演出(有利遊技状態演出)を継続して実行することができる(有利遊技状態演出継続実行手段)。
ステップS662:演出制御部210は、擬似時短カウンタを1減算する処理を実行する。
ステップS664:演出制御部210は、滞在背景を通常背景に設定する処理を実行する。通常背景は、通常モードの背景である。
ステップS666:演出制御部210は、その他処理を実行する。その他処理においては、上述したように、演出制御部210は、内部抽選の結果に応じた態様の停止表示演出の内容を制御する。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出図柄管理処理(図150)に復帰する。
〔可変入賞装置作動時処理〕
図160は、可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS800:演出制御部210は、今回の変動の結果が大当りであったか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、抽選結果コマンドを確認し、大当り時に対応するものであるのか小当り時に対応するものであるのかを確認する。この確認の結果、今回の変動の結果が大当りであった場合(Yes)、演出制御部210は次にステップS802を実行する。一方、今回の変動の結果が大当りではなかった場合(No)、すなわち、小当りであった場合、演出制御部210は次にステップS804を実行する。
ステップS802:演出制御部210は、大当り時可変入賞装置作動時処理を実行する。この処理では、演出制御部210は大当り遊技開始時から大当り遊技終了時までの間に実行する演出パターンを選択する。
具体的には、演出制御部210は、選択した演出パターンに対応する演出内容を各個別制御部に対して指示する。これを受けて、例えば表示制御部220は、VDP152に対し、液晶表示器42に表示する大役中演出として、予めCGROM190に記憶されている大当り時の演出パターンに対応する各種の演出画像を、当選図柄に応じて読み出すよう指示する。
ステップS804:演出制御部210は、小当り時可変入賞装置作動時処理を実行する。この処理では、演出制御部210は小当り開始時から小当り終了時までの間に実行する演出パターンを選択する。
具体的には、演出制御部210は、小当り遊技の開始時に小当り遊技が開始したことを示す演出パターン及び右打ちを示唆する演出パターンを選択し、また、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過した場合には、特定領域通過時の演出パターンを選択して、これらの演出パターンに対応する演出内容を各個別制御部に対して指示する。これを受けて、例えば表示制御部220は、VDP152に対し、小当り遊技の開始時に、女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げる様子を表した演出画像及び右打ちを示唆する演出画像を読み出すよう指示し、また、特定領域通過時には、自動車に乗っている女性キャラクターがVの文字が描かれたハートマークを掲げる様子を表した演出画像を読み出すよう指示する。
以上の手順を終えると、演出制御部210は演出図柄管理処理(図150)に復帰する。
〔時短中及び擬似時短中その他演出処理〕
図161は、時短中及び擬似時短中その他演出処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ここで、時短中(時短)とは、時間短縮状態であり、擬似時短中(擬似時短)とは、非時間短縮状態において時短中の背景画像を表示している状態(非時間短縮状態でのドライブモード)である。
ステップS850:演出制御部210は、内部状態が時短中(時間短縮状態)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、状態指定コマンドを確認することにより、内部状態を確認することができる。
その結果、内部状態が時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS852及びステップS854を実行し、内部状態が時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS856を実行する。
ステップS852:演出制御部210は、残りの時短回数に基づく残り回数表示処理を実行する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、回数切りカウンタコマンドを確認し、第2回数切りカウンタ値に「1」を加えた値を残り回数として表示する演出パターンを選択する処理を実行する。これにより、時短中においては、残り回数表示演出の残り回数として「残り2回」又は「残り1回」の値が表示される。
ステップS854:演出制御部210は、右打ち示唆演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御部210は液晶表示器42の画面上部で右打ち示唆演出に対応する画像を表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS855:演出制御部210は、右打ち強調演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御部210は、右打ち強調演出を実行する必要が発生した場合、例えば、時間短縮状態に移行したにも関わらず、遊技者が左打ちを継続している場合(特に、第1特別図柄の5変動目又は10変動目)、液晶表示器42の画面上部で右打ちを強調する演出に対応する画像を表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS856:演出制御部210は、内部状態が擬似時短中であるか否かを確認する。演出制御部210は、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値である場合に、擬似時短中であると判断することができる。
その結果、内部状態が擬似時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS858を実行し、内部状態が擬似時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御部210は演出制御処理(図148)に復帰する。
ステップS858:演出制御部210は、擬似時短カウンタに基づく残り回数表示処理を実行する。具体的には、演出制御部210は擬似時短カウンタの値を残り回数として表示する演出パターンを選択する処理を実行する。これにより、擬似時短中においては、残り回数表示演出の残り回数として「残り1回(ラスト)」の値が表示される。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出制御処理(図148)に復帰する。
〔ドラムユニット演出管理処理〕
図162は、ドラムユニット演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS900:演出制御部210は、可動体動作スケジュール決定処理を実行する。具体的には、演出制御部210は、演出図柄管理処理(図148のステップS402)によって決定された演出パターン(演出パターン番号等)に基づいて、ドラムユニット200の動作スケジュール(変動態様、停止態様等)を決定する処理を実行する。
動作スケジュールを決定した場合、演出制御部210は、決定した動作スケジュールを、RAM130の動作スケジュール格納バッファに保存する。また、動作スケジュールを決定した場合、演出制御部210は、RAM130のドラムユニット動作中フラグをONにする処理を実行し、決定したスケジュールを全て実行した場合にドラムユニット動作中フラグをOFFにする処理を実行する。
動作スケジュールは、リール(各可動体)毎に設定されており、例えば、左リール201であれば、変動開始から変動終了まで順番に「加速」→「等速」→「減速」→「停止」等といった内容になる。この中で、「加速」及び「減速」には複数の速度変化があり、「等速」の中にも複数の速度変化がある場合がある(例えば、「低速等速」、「中速等速」、「高速等速」等)。
本実施形態では、モータ(リール)の設定速度は複数の速度(例えば100種類程度の速度)が用意されており、不図示の複数の可動体データテーブルには様々な設定情報(モータのステップ数、モータの設定速度、モータの動作に要する時間、モータの励磁方法、モータの励磁する相を指定する相指定情報等)が格納されている。各可動体データテーブルには、それぞれ異なる設定情報が格納されている。
可動体制御部226は、ドラムユニット(可動体ユニット)200の動作スケジュールに基づいて、どの順番でかつどのタイミングでいずれの可動体データテーブルを参照するかを決定する。参照中の可動体データテーブルに格納されている可動体データは、不図示の可動体データ設定領域に格納されることにより、ドラムユニット200のドライバ(IC)に送信される。ドラムユニット200のドライバは、可動体データに基づいて各リールを駆動する。
可動体制御部226は、基本的には、各リールの速度を変化する場合に、新たな可動体データを可動体データ設定領域に上書きする(参照中の可動体データテーブルを切り替える)ことになるが、各リールの速度を維持している場合にも、新たな可動体データを可動体データ設定領域に上書きする(参照中の可動体データテーブルを切り替えない)ことがある。
これは、一定の速度を維持する場合に、特別図柄の変動秒数に応じた数の可動体データテーブルを用意してしまうと、特別図柄の変動秒数に応じた数の可動体データテーブルが必要となり、可動体データテーブルの容量が多くなってしまうためである。
そして、演出パターンに対応するドラムユニット200の動作スケジュールとしては、以下のようなものがある。
例えば、演出パターンが非リーチはずれ演出に対応する演出パターンである場合、可動体制御部226は、変動開始時に左リール201、中リール202、右リール203の回転を開始し、所定時間経過後に左リール201を停止し、次に、右リール203を停止し、最後に中リール202を停止する、といった動作スケジュールとなる。なお、停止目は、任意のはずれ目や、演出図柄Hzの停止目に対応するはずれ目とすることができる。
一方、演出パターンがリーチ演出(大当り変動、小当り変動、はずれ変動)に対応する演出パターンである場合、可動体制御部226は、変動開始時に左リール201、中リール202、右リール203の回転を開始し、所定時間経過後に左リール201を停止し、次に、右リール203を停止し、リーチ状態を発生させ、最後に中リール202を停止する、といった動作スケジュールとなる。停止目は、演出図柄Hzの停止目に対応する停止目(大当りに対応する同色の7図柄の三つ揃いの当選目、小当りに対応するチェリー図柄の三つ揃いの当選目、はずれに対応する中リール202の1コマずれのはずれ目)とすることができる。
いずれにしても、演出制御部210は、この可動体動作スケジュール決定処理において、演出図柄管理処理によって決定された演出パターンに基づいて、ドラムユニット200の動作スケジュールを決定する。また、可動体制御部226は、決定された動作スケジュールに基づいて演出中に参照する可動体データテーブル(減速シーケンス、制御コードを追加した減速シーケンス、加速シーケンス、駆動開始シーケンス、駆動停止シーケンス等)の内容及び順番を決定する。
ステップS902:演出制御部210(又は可動体制御部226)は、可動体データ設定開始処理を実行する。この処理は、演出の実行中に可動体データの設定が開始される際、つまり、可動体データの上書きが発生する際にだけ実行される。
具体的には、演出制御部210(又は可動体制御部226)は、現在参照している可動体データテーブルの可動体データに、次に参照する予定の可動体データテーブルの可動体データを上書きする処理、つまり、次に参照する予定の可動体データテーブルに格納されている可動体データを可動体データ設定領域に格納する処理を実行したり、可動体データの終端であるか否かを判定し(次に参照する予定の可動体データテーブルが存在しているか否かを確認し)、可動体データの終端であると判断するまで可動体データテーブルに格納されている可動体データを可動体データ設定領域に格納する処理を実行したりする処理を実行する。
以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出制御処理(図148)に復帰する。
図163は、連荘状態即終了対策の特殊変動パターンの遷移例を示す図である。
図中(A)は、発射方向に遷移に従わずに遊技を行った場合の特殊変動パターンの遷移例を示している。
例えば、時間短縮状態が終了して非時間短縮状態に移行し、その非時間短縮状態において第2特別図柄の記憶を消化している場合(左打ち状態中)に、特別図柄の記憶を1個も貯めず、第2特別図柄の記憶で小当り又は大当りとなり、その大当り遊技の終了に時間短縮状態に移行した場合、すなわち、第2特別図柄の記憶消化中に遊技球の発射を止めていた場合、特殊変動テーブルの遷移は、以下のようになる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「1変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルD(第2特別図柄)」が選択される。なお、ここで選択されるテーブルは、「変動パターンテーブルE(第2特別図柄)」であってもよい。
具体的には、大当り遊技終了後の1変動目は、第2特別図柄の記憶消化後の第2特別図柄の変動(変動時間は120秒)となる。液晶表示器42では、例えば、第2特別図柄専用のリーチ変動(リーチ演出)を実行することができる。
図中(B)は、発射方向に遷移に従って遊技を行った場合の特殊変動パターンの遷移例を示している。
例えば、時間短縮状態が終了して非時間短縮状態に移行し、その非時間短縮状態において第2特別図柄の記憶を消化している場合(左打ち状態中)に、特別図柄の記憶を4個貯め、第2特別図柄の記憶で小当り又は大当りとなり、その大当り遊技の終了に時間短縮状態に移行した場合、すなわち、第2特別図柄の記憶消化中に左打ちをして第1特別図柄の記憶を4個貯めていた場合、特殊変動テーブルの遷移は、以下のようになる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「1〜4変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルD(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の1〜4変動目は、第2特別図柄の記憶消化後の第1特別図柄の変動(変動時間は90〜120秒程度)となる。液晶表示器42では、例えば、第1特別図柄専用のリーチ変動を実行することができる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「5変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルD(第2特別図柄)」が選択される。なお、ここで選択されるテーブルは、「変動パターンテーブルE(第2特別図柄)」であってもよい。
具体的には、大当り遊技終了後の5変動目は、第2特別図柄の記憶消化後の第2特別図柄の変動(変動時間は120秒)となる。液晶表示器42では、例えば、第2特別図柄専用のリーチ変動を実行することができる。
図中(B)に示す打ち方を実行することにより、連荘状態即終了(連荘状態がすぐに終了してしまう状況)を回避することができる。
図164は、イレギュラー打ちを考慮した特殊変動パターンの遷移例を示す図である。
図中(A)は、発射方向に従って遊技を行った場合の特殊変動パターンの遷移例を示している。
例えば、初当り前に第1特別図柄の記憶が4個貯まっている状態で、大当り遊技終了後の時間短縮状態で右打ちを継続した場合、すなわち、第1特別図柄の記憶が全て消化され、第2特別図柄の記憶を貯めた場合、特殊変動テーブルの遷移は、以下のようになる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「1〜4変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルC(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の1〜4変動目は、初当り後の第1特別図柄の残りの記憶を消化するための短変動(変動時間は1.0秒)となる。液晶表示器42では、例えば、演出図柄を高速で変動させることができる。この場合、リーチ演出は実行しない。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「5変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルC(第2特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の5変動目(初当り後の第2特別図柄の1変動目)は、長変動(変動時間は120秒)となる。
図中(B)は、発射方向に従わずに遊技を行った場合の特殊変動パターンの遷移例を示している。
例えば、初当り前に第1特別図柄の記憶が4個貯まっている状態で、大当り遊技終了後の時間短縮状態で右打ち中であるにも関わらず、左打ちを継続した場合、すなわち、第1特別図柄の記憶が全て消化され、さらに第1特別図柄の記憶を貯め続けて時間短縮状態が終了(パンク)する場合、特殊変動テーブルの遷移は、以下のようになる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「1〜4変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルC(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の1〜4変動目は、初当り後の第1特別図柄の残りの記憶を消化するための短変動(変動時間は1.0秒)となる。液晶表示器42では、例えば、演出図柄を高速で変動させることができる。この場合、リーチ演出は実行しない。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「5変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルG(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、初当り後の第1特別図柄の5変動目は、長変動(変動時間は13.5秒)となる。液晶表示器42では、例えば、可変始動入賞装置28(電チュー)に遊技球を入賞させるように促す演出(右打ちを促す演出)を実行することができる(1回目)。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「6〜9変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルC(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の6〜9変動目は、初当り後の第1特別図柄の追加された残りの記憶を消化するための短変動(変動時間は1.0秒)となる。液晶表示器42では、例えば、演出図柄を高速で変動させることができる。この場合、リーチ演出は実行しない。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「10変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルG(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、初当り後の第1特別図柄の10変動目は、長変動(変動時間は13.5秒)となる。液晶表示器42では、例えば、可変始動入賞装置28(電チュー)に遊技球を入賞させるように促す演出(右打ちを促す演出)を実行することができる(2回目)。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「11変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルA(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、初当り後の第1特別図柄の11変動目は、変動パターンテーブルAに含まれる変動パターンに基づく変動となる。なお、時短終了(パンク)後は、通常状態(非時間短縮状態、通常モード)へ移行する。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)本実施形態によれば、演出制御部210により実行用領域240に格納されたコマンドがACTにより各個別制御部(表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224、可動体制御部226等)に送信され、各個別制御部により同一のコマンドに基づいて各演出デバイスの動作が制御されるため、同一のコマンドで複数の演出デバイスの動作を一意に指定し制御することができる。
(2)本実施形態によれば、実行用領域240とは別に擬似領域が設けられるため、演出制御部210により出力される各種のコマンドを、実行用領域240に格納される前の段階で一時的に格納しておくことができる。
(3)本実施形態によれば、演出の特徴(見せ方や傾向)が異なる各演出モードにおける演出を制御するために出力されるコマンドの格納に適した構造を有する擬似領域として、地球モード用には地球モード用擬似領域250が設けられ、宇宙モード用には宇宙モード用擬似領域260が設けられるため、RAMの使用量を抑制することができる。
(4)本実施形態によれば、各演出モードに適した構造として、各演出モードで出力されうるコマンドの最大数に応じた格納エリアを有する擬似領域が、擬似連の最大回数に応じた個数だけ設けられる。具体的には、地球モード用には、1146個の格納エリアを有する地球モード用擬似領域250が7個設けられ(地球モード用擬似領域250−1〜250−7)、宇宙モード用には、46個の格納エリアを有する宇宙モード用擬似領域260が31個設けられるため(宇宙モード用擬似領域260−1〜260−31)、いずれのモードにおいても、不必要な領域を確保することなくRAMの使用量を最小限に抑制することができる。
(5)本実施形態によれば、各演出モードにおいて使用される擬似領域のサイズ(擬似領域内の格納エリアの総数)が最小限に抑制されるため、擬似領域の使用後に行う初期化処理を短時間で行うことができ、演出制御CPU126における制御処理の効率を向上させることが可能となる。
(6)本実施形態によれば、各演出モードにおいて使用される擬似領域のサイズ(擬似領域内の格納エリアの総数)が最小限に抑制されるため、RAM130の残りの領域をその他の処理に割くことができ、RAM130の限られた容量を有効に活用することが可能となる。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様は例示であり、上述した演出の態様に限定されるものではない。
上述した実施形態では、演出制御部210がコマンドを実行用領域240に格納し、このコマンドをACTが所定のタイミングで各個別制御部(表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224、可動体制御部226)に対し送信しているが、コマンドの送信態様は、これに限定されない。例えば、演出制御部210が出力したコマンドを実行用領域240に格納することなく直接的に各個別制御部(表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224、可動体制御部226)に対して送信する構成としてもよい。或いは、ACTによるコマンドの送信を行わずに、各個別制御部が実行用領域240に格納されたコマンドを直接的に参照してもよい。
上述した実施形態では、擬似連の最大回数に応じた個数の擬似領域が設けられ、各回の擬似変動に関連して実行される演出に対応するコマンドが各回用の擬似領域に格納される(例えば、1回目の擬似変動に関連して実行される演出に対応するコマンドが擬似1用領域に格納される)例を説明したが、擬似領域の使用態様はこれに限定されない。例えば、擬似連が最大回数まで実行されない変動において、加算尺(変動時間の調整)が発生する場合に、その加算尺の区間に実行される演出に対応するコマンドの格納に擬似領域を使用したり、或いは、リーチが複数回発生する場合に、リーチの各回に擬似領域を1個ずつ使用したりすることも可能である。
上述した実施形態では、いわゆる1種2種混合機に本発明を適用する例で説明したが、いわゆる1種遊技機(特定領域を備えていない遊技機)に本発明を適用してもよい。
また、本発明は、確率変動機能を備える遊技機にも適用することができ、この場合には、いわゆるループタイプ(確変回数に実質的な上限を設定しないタイプ)の遊技機に適用することもでき、STタイプ(確変回数に実質的な上限を設定するタイプ)の遊技機に適用することもできる。
さらに、本発明は、確変領域を有する遊技機に適用することもでき、確変領域を有しない遊技機に適用することもできる。
さらにまた、本発明は、「第1特別図柄及び第2特別図柄の同時回し」を採用していない遊技機に適用することもでき、同時回しを採用している遊技機に適用することもできる。
上述した実施形態では、ドラムユニット200を備える遊技機の例で説明したが、ドラムユニット200を備えていない遊技機であってもよい。
また、ドラムユニット200は、7セグ表示器(例えば、複数の7セグ表示器を備える装置、演出図柄を表示する7セグ表示器)に変更してもよく、液晶表示器に変更してもよい。
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。
〔実施形態C〕
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図165は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図166は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば、遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図165及び図166を参照しつつ遊技機の全体構成について説明する。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図165中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図166では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図165に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1は、カードユニットに接続する機種であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないカードユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、カードユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態のパチンコ機1は、カードユニットに接続する機種を例に挙げているが、現金機(カードユニットに接続しない機種)であってもよい。
また、受皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の前面部にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニット(参照符号なし)を取り巻くようにして配置されている。
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54,55が組み込まれている。一方、外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ56が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また、受皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45(操作入力受付手段)が設置されている。演出切替ボタン45は、例えば押し込み式の円形状ボタンとその周囲に回転式のジョグリング(ジョグダイアル)を組み合わせた形態である。遊技者は、この演出切替ボタン45を押し込み操作又は回転操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
〔裏側の構成〕
図166に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等の各種のユニットに加え、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図181)に基づいてさらに後述する。
主制御基板ユニット170には、主制御装置が内蔵されており、主制御装置には、性能表示モニタ140が接続されている。性能表示モニタ140は、パチンコ機1を裏側から見て、主制御基板ユニット170の左上の領域で視認可能なように主制御装置に配置されており、4つの7セグメントLEDを備えている。4個の7セグメントLEDは左右方向に並べて配置されており、それぞれの7セグメントLEDは、10進数のアラビア数字を表示することができる7つのセグメントと、その右下に位置するドットセグメントとによって構成されている。性能表示モニタ140は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースを通じて視認可能である。
また、主制御装置には、RAMクリアスイッチ304及び設定キー用鍵穴306が設けられている。RAMクリアスイッチ304は、RAMクリア、すなわち主制御装置内に装備されているRAM(RWM)の初期化を行う際に用いられるスイッチであり、本実施形態においては、設定変更用のスイッチとしても兼用される。設定キー用鍵穴306は、パチンコ機1の遊技に関する設定を変更又は参照する上で必要とされる設定キーを差し込むための鍵穴である。
RAMクリアスイッチ304は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースに形成された貫通孔を通じて押下可能に設けられている。なお、RAMクリアスイッチ304は、透明ケース外に配置されていてもよい。また、設定キー用鍵穴306は、キーシリンダが透明ケースを貫通した状態(透明ケースがキーシリンダの周囲を囲んだ状態)で設けられている。したがって、透明ケースが封止されたままの状態で設定キーを差し込み、回転させることが可能である。
なお、図166に示した性能表示モニタ140、RAMクリアスイッチ304及び設定キー用鍵穴306の配設位置は、あくまで一例であり、任意の位置に配置することができる。また、RAMクリアスイッチ304及び設定キー用鍵穴306は、主制御装置の外側に設けられて主制御装置に接続される構成としてもよい。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受皿ユニット6に向けて案内する。
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
〔盤面の構成〕
図167は、遊技盤ユニット8を単独で示した正面図である。遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に中始動入賞口26、始動ゲート20、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等が分布して設置されている。このうち中始動入賞口26は遊技領域8aの下部分の中央に位置している。遊技領域8aの右側部分(いわゆる右打ち領域)には、始動ゲート20、普通入賞口25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31が上からこの順番に配置されている。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で始動ゲート20を通過したり、中始動入賞口26、普通入賞口22,25に入球(入賞)したり、あるいは、開放動作時の可変始動入賞装置28や開放動作時の第1可変入賞装置30、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする。ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、中始動入賞口26又は普通入賞口22に入球する可能性がある。遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、始動ゲート20を通過したり、普通入賞口25に入球したり、開放動作時の可変始動入賞装置28に入球したり、開放動作時の第1可変入賞装置30に入球したり、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする可能性がある。中始動入賞口26、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31に入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通穴を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
本実施形態において、可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って右始動入賞口28bへの入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば左右一対の開閉部材28aを有しており、これら開閉部材28aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図167中に示されるように、左右の開閉部材28aは各先端が上を向いた状態で閉鎖位置にあり、このとき右始動入賞口28bへの入球は困難(遊技球が入球できる隙間がない状態)となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、左右の開閉部材28aはそれぞれ閉鎖位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、左右に開口幅を拡大して右始動入賞口28bを開放する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の入球が可能な状態となり、右始動入賞口28bへの入球を発生させることができる(可変始動入賞手段)。なお、このとき開閉部材28aは右始動入賞口28bへの遊技球の入球を案内する部材としても機能する。また、遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に可変始動入賞装置28(開放時の右始動入賞口28b)へ向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が開放動作時の可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に必ず入球するというわけではなく、あくまで入球は無作為に発生する。
また、可変始動入賞装置28は、非時間短縮状態(所定の遊技状態)では満たされ難い条件であり、時間短縮状態(有利遊技状態)では非時間短縮状態よりも満たされやすい条件である所定の作動条件(普通図柄が当選の態様で停止表示されて普通電動役物がロング開放するというという条件)が満たされない場合は右始動入賞口28bへの遊技球の入球が困難となる入球困難状態とする一方、所定の作動条件が満たされた場合は入球困難状態よりも右始動入賞口28bへの遊技球の入球を容易とする入球容易状態へ移行する。可変始動入賞装置28は、非時間短縮状態で普通図柄が当選の態様で停止表示された場合にはショート開放(0.1秒開放)し、時間短縮状態で普通図柄が当選の態様で停止表示された場合にはロング開放(1.0秒〜6.0秒開放)する。
第1可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合、又は、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合)に作動し、第1大入賞口30bへの入球を可能にする(特別電動役物、特別入賞事象発生手段)。第1可変入賞装置30は、例えば1つの開閉部材30aを有している。この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、閉位置から開放位置に向けて変位する。図示のように先端が上を向いた状態で開閉部材30aは閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき第1大入賞口30bへの入球は困難(第1大入賞口30bは閉塞中)である。第1可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして右方向へ倒れ込むようにして変位し、第1大入賞口30bを開放する(開放状態)。この間に第1可変入賞装置30は遊技球の流入が可能な状態となり、第1大入賞口30bへの入球という事象を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは第1大入賞口30bへの遊技球の流入を案内する部材としても機能する。遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に第1可変入賞装置30(作動時の第1大入賞口30b)に向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が作動時の第1可変入賞装置30に必ず入球するというわけではなく、あくまで入球は無作為に発生する。
第2可変入賞装置31は、特別な条件が満たされた場合(特別図柄が小当りの態様で停止表示された場合)に作動し、第2大入賞口31bへの入球を可能にする(特別電動役物、第2特別入賞事象発生手段)。なお、第2可変入賞装置31は、特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合に作動してもよい。
第2可変入賞装置31は、演出ユニット40の右側に配置された装置であり、例えば1つの開閉部材31aを有している。上記の第1可変入賞装置30は、開閉部材30aが右方向へ倒れこむタイプの装置(片羽根のチューリップ式のアタッカ)を採用しているが、第2可変入賞装置31は、開閉部材31aが盤面の内部にスライドするタイプの装置を採用している(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材31aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材31aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材31aの上面を転動することになるため、第2大入賞口31bへの入球は困難(第2大入賞口31bは閉塞中)である。そして、第2可変入賞装置31が作動すると、開閉部材31aが盤面の内部に引き込まれ、第2大入賞口31bを開放する(開放状態)。この間に第2可変入賞装置31は遊技球の流入が困難ではない状態となり、第2大入賞口31bへの入球という事象を発生させることができる。
〔特定領域〕
また、第2可変入賞装置31の内部には、特定領域31xが設けられている。特定領域31xは、第2可変入賞装置31が閉鎖状態である場合は遊技球が通過困難な領域であり、第2可変入賞装置31が開放状態である場合であって特定領域用スライド部材31cが盤面の内部に引き込まれている状態である場合に遊技球が通過可能な領域である。なお、第2可変入賞装置31の詳細は後述する。
また、特に図示してはいないが、第2可変入賞装置31(開閉部材31a)には、遊技球が転動するスピードを低下させる遊技球転動スピード低下部を形成してもよい。遊技球転動スピード低下部は、開閉部材31aの傾斜を緩やかにしたり、開閉部材31a上の遊技球が通過する位置に、遊技球をジグザグに進行させるための交互に出っ張る突起を形成することにより実現することができる。これにより、小当り遊技中に多くの遊技球を第2可変入賞装置31に入球させることができる。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、中始動入賞口26、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)、第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b、特定領域)に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
〔遊技盤のその他の構成〕
演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品(参照符号なし)を備えている。装飾部品はその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側上部には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄(本図柄)や、第4図柄、記憶マーカ(保留表示)をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されている。球案内通路40dは、演出ユニット40の裏側を通って下方の転動ステージ40eに接続されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40kが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40kに案内された遊技球は、その真下にある中始動入賞口26に流入しやすくなる。
その他に演出ユニット40の液晶表示器42の周囲には、演出用の可動体40f(40f1〜40f8)とともに図示しない駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40f(40f1〜40f8)は、特別図柄の変動表示中に所定動作を行い得る可動体である。なお、図167は全ての可動体が原点位置にある状態を図示しており、視認することができない可動体もある。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。このような可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
図168は、複数の可動体が可動位置にある様子を示す図である。
具体的には、中後可動体40f8が原点位置から240度時計回りに回転し、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7を移動させる3本のアーム51aが中央に可動した状態を示している。
上可動体40f1は、横長形状の可動体であり、可動すると中央部分だけが下降してVの字状に折れ曲がるように可動する。なお、上可動体40f1は、単純に昇降する可動体であってもよい。
下可動体40f2は、文字情報等が表示された横長形状の可動体であり、原点位置から上方向の可動位置に移動可能な可動体である。
左可動体40f3は、円弧状の可動体であり、原点位置から右方向の可動位置に移動可能な可動体である。
右可動体40f4は、円弧状の可動体であり、原点位置から左方向の可動位置に移動可能な可動体である。
中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7は、ハート形状の可動体である。
中後可動体40f8は、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7の土台となる円環状の可動体であり、原点位置から時計回りに240度回転した可動位置まで移動可能である。
中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7は、それぞれ単独で回転することができる。
中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7が液晶表示器42の中央に集まることにより、1つの大きな造形物を形成することができる。
図169は、各可動体が原点位置にある様子を示す図である。
各可動体が原点位置にある場合、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7は、中後可動体40f8と前後方向で重なる位置に配置される。
各可動体が原点位置にある場合、中前右可動体40f5は液晶表示器42の左下に配置され、中前左可動体40f6は液晶表示器42の左上に配置され、中前上可動体40f7は液晶表示器42の右下に配置される。
全ての可動体には、原点位置と可動位置にセンサ(遮光板を利用したフォトセンサ)が配置されており、演出制御装置は、このセンサに基づいて可動体が原点位置にあるのか、可動位置にあるのかを把握することができる。このようなセンサは、可動体が配置されている位置を検出する検出手段である。
例えば、中後可動体40f8を例に挙げて説明すると、中後可動体40f8の右上の位置及び右下の位置には、中後可動体40f8とともに可動する2つの遮光板51bが取り付けらており、一方の遮光板51bが原点位置フォトセンサ51cの光を遮っていれば、中後可動体40f8が原点位置にあるもとし、他方の遮光板51bが可動位置フォトセンサ51dの光を遮っていれば、中後可動体40f8が可動位置にあるもとしている。
図170は、各可動体が原点位置にあるが、中前左可動体40f6だけが可動位置にある様子を示す図である。
正常な遊技を行っていれば、中前左可動体40f6だけが可動する状態は存在しないが、何かしらの不具合が発生した場合(例えば、回転機構のロックが外れた場合)、中前左可動体40f6だけが可動することがある。このように正常でない状態が発生した場合には、後述する第1補正処理や第2補正処理が実行される可能性がある。
図171は、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が可動位置にある様子を示す図である。
中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が可動位置にある場合、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7は、中後可動体40f8の中心に向かって移動し(液晶表示器42の中央の方向に向かって移動し)、中後可動体40f8と前後方向で重ならない位置に配置される。
具体的には、3本のアーム51aが中央に集まり、かつ、中後可動体40f8が原点位置から時計回りに240度回転した状態となる。
そして、このような演出は、例えば、当選時の変動表示演出の最終段階(いわゆる決め役物動作の実行時)において実行することができる。
図172は、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が原点位置にある様子を示す図である。
本図では、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8のみを抜き出して図示している。
中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、及び、中前上可動体40f7は、中後可動体40f8と前後方向で重なるようにして配置されている。
図173は、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7が可動位置にある様子を示す図である。
本図では、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8のみを抜き出して図示している。なお、中後可動体40f8は、原点位置にある。
中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、及び、中前上可動体40f7は、中後可動体40f8の内部に配置されている。
3本のアーム51aは、リンク機構やカム機構等の機械的な機構を介して、それぞれの可動体を可動するためのモータと連結されている。
そして、各モータが可動すると、機械的な機構を介して3本のアーム51aが動作し、3本のアーム51aのそれぞれの先端に配置されている中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、及び、中前上可動体40f7が液晶表示器42の中央に向かって移動する。
具体的には、図中左上には、中前左可動体昇降モータ57iが配置されており、この中前左可動体昇降モータ57iが可動すると、図中左上に配置されたアーム51aが可動し、中前左可動体40f6が液晶表示器42の中央に向かって移動する。
また、図中右上には、中前上可動体昇降モータ57jが配置されており、この中前上可動体昇降モータ57jが可動すると、図中右上に配置されたアーム51aが可動し、中前上可動体40f7が液晶表示器42の中央に向かって移動する。
さらに、図中下部には、中前右可動体昇降モータ57hが配置されており、この中前右可動体昇降モータ57hが可動すると、図中下部に配置されたアーム51aが可動し、中前右可動体40f5が液晶表示器42の中央に向かって移動する。
さらにこの状態で、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7を回転させるモータが可動すると、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7は回転する。
図174は、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が原点位置にある様子を示す図である。
本図では、遊技盤ユニット8の後側の部分(裏箱部分)のみを示している。
中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が原点位置にある場合、上可動体40f1、下可動体40f2、左可動体40f3、及び、右可動体40f4は視認可能であるが、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8は、ほとんど視認することができない。
なお、図中右上には、上可動体昇降モータ57aが配置されており、この上可動体昇降モータ57aが可動すると、上可動体40f1が液晶表示器の中央に向かって移動する。
図175は、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が可動位置にある様子を示す図である。
本図では、遊技盤ユニット8の後側の部分(裏箱部分)のみを示している。
中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が可動位置にある場合、上可動体40f1、下可動体40f2、左可動体40f3、及び、右可動体40f4は視認可能であり、それに加えて、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、及び、中前上可動体40f7も、中後可動体40f8の中央付近に移動するため、視認可能な状態となる。
図176は、上可動体40f1及び下可動体40f2が可動位置にある様子を示す図である。
具体的には、上可動体40f1が原点位置から可動位置に移動しており、下可動体40f2が原点位置から可動位置に移動した状態を示している。
上述したように、上可動体40f1は、可動すると中央部分だけが下降してVの字状に折れ曲がるように変形しながら可動し、下可動体40f2は、変形することなく、原点位置から上方向の可動位置に可動する。
上可動体40f1は、中央部分の上下可動体52a、上下可動体52aから左側方向に延びる左アーム52b、及び、上下可動体52aから右側方向に延びる右アーム52cにより構成されている。
上下可動体52aが原点位置にある場合、左アーム52b及び右アーム52cは傾かずに水平に配置されており、上下可動体52aが可動位置に移動すると、左アーム52b及び右アーム52cは、上下可動体52aに引っ張られることにより、それぞれ上下可動体52aに向かって傾くように配置される。
図177は、上可動体40f1及び下可動体40f2が可動位置にある様子を示す図である。
本図では、遊技盤ユニット8の後側の部分(裏箱部分)のみを示している。
左アーム52bの左端部、及び、右アーム52cの右端部には、それぞれ挿入ピン52dが配置されており、この挿入ピン52dが後方に配置された構造物のガイド溝52eに挿入されている。
これにより、左アーム52bの左端部、及び、右アーム52cの右端部は、単純に傾くだけでなく、ガイド溝52eの長さの範囲内で左右方向に移動可能となっている。
このため、上下可動体52aが可動位置に移動した場合、左アーム52b及び右アーム52cは、上下可動体52aに向かって中央方向に移動しながら傾くことになる。
上可動体40f1及び下可動体40f2が可動位置にある場合、上可動体40f1及び下可動体40f2が原点位置にある場合と比較して、液晶表示器の表示領域は狭められる。これにより、遊技者の注目を集めた状態で各種の演出を実行することができる。
図178及び図179は、第2可変入賞装置31の詳細を示す図である。
第2可変入賞装置31は、スライド式の開閉部材31aの下方に第2大入賞口31bが配置されている。第2大入賞口31bの内部は左側に下り傾斜となっており、左側の端部にて下方に通路が延びている。下方に延びた通路には第2カウントスイッチ85が配置されており、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31に入球した遊技球の数をカウントする。
そして、下方に延びた通路は、その先で2つのルートに分かれている。一方の第1通路31dは、そのまま下方に延びており、他方の第2通路31eは左側に分岐する。
第1通路31dには、特定領域用スライド部材31cが配置されており、第1通路31dの下流には特定領域31xが配置されている。なお、特定領域31xの内部には、不図示の特定領域スイッチが配置されている。
一方、第2通路31eには、特別な部材は配置されておらず、第2通路31eの下流には排出孔31yが配置されている。
特定領域用スライド部材31cは、特殊な条件が満たされた場合(第2可変入賞装置31が作動してから第1時間経過後第2時間経過前の間)に作動し、特定領域31xへの遊技球の通過を可能にする。特定領域用スライド部材31cは、例えば図示しない特定領域ソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面の前後方向に沿ってスライドする。例えば、第1時間経過後は第2可変入賞装置31が作動してから0.2秒経過後であり、第2時間経過後は、第2可変入賞装置31が作動してから1.8秒経過後である。
特定領域ソレノイドがOFFの状態であると、特定領域用スライド部材31cは第1通路31dを塞いでいるため、遊技球が特定領域31xを通過することは困難となっている。一方、特定領域ソレノイドがONの状態になると、特定領域用スライド部材31cは盤面の内側に引き込まれるため、遊技球が特定領域31xを通過することが容易となる。
次に、第2可変入賞装置31の動作を説明する。
図178中(A)に示すように、スライド式の開閉部材31aは、盤面の内側に引き込まれており、遊技球が第2大入賞口31bに入球している。図示の例では、4個の遊技球が第2大入賞口31bに向かって進行している。ここでは、1個目の遊技球が第2カウントスイッチ85により検出される直前の状態である。
図178中(B)に示すように、1個目の遊技球が特定領域用スライド部材31cに到達している。2個目及び3個目の遊技球は、第2カウントスイッチ85に向かって進んでいる。4個目の遊技球は、第2大入賞口31bに入球しかけている。
図178中(C)に示すように、この時点では、特定領域用スライド部材31cが内側に引き込まれていないため(非作動中であるため)、1個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cによって進行方向が左側に変更され、第2通路31eを進行する。この場合、1個目の遊技球は、排出孔31yにより回収される。
図179中(D)に示すように、この時点で特定領域用スライド部材31cが盤面の内側に引き込まれたものとする(動作中)。この場合、2個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cの手前側を通り抜けて、第1通路31dに進行する。そして、2個目の遊技球は、特定領域31xを通過して、特定領域スイッチにより検出される。
図179中(E)に示すように、3個目の遊技球も、特定領域用スライド部材31cの手前側を通り抜けて、第1通路31dに進行する。この場合、3個目の遊技球は、特定領域31xを通過して、特定領域スイッチに検出される。
図179中(F)に示すように、この時点で、特定領域用スライド部材31cの動作が終了し、特定領域用スライド部材31cが盤面の前方側に突出したものとする。この場合、4個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cによって左側に案内され、第2通路31eに進行する。そして、4個目の遊技球は、排出孔31yにより回収される。
図180は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の左下位置)を拡大して示す正面図である。
遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33(普通図柄表示手段)及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34(第1図柄表示手段)、第2特別図柄表示装置35(第2図柄表示手段)、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が設けられている。
このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、上記の始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えば7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段、第1図柄表示手段、第2図柄表示手段)。その他、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、0〜4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプが点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして、2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
一方、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えば1つのランプ(LED)の消灯又は点灯の組み合わせで構成される表示態様により、1個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、1つのランプを消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示する。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、上記の中始動入賞口26に遊技球が入球するごとに、入球が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に遊技球が入球すると、入球が発生したことを記憶する意味で増加後の表示態様へと変化し(最大1個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されると、減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄(第1図柄)が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で中始動入賞口26に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄(第2図柄)が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個又は最大1個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また、遊技状態表示装置38には、例えば、大当り種別表示ランプ38a,38b、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定表示ランプ38fにそれぞれ対応する6つのLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図181は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、RAM76の初期化に用いられるRAMクリアスイッチ304や、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
さらに、主制御装置70には、設定変更装置300及び設定キースイッチ302が設けられている。主制御装置70(主制御CPU72)は、設定変更装置300を動作させることにより設定を変更する。設定変更装置300は、設定(少なくとも特別図柄抽選の当選確率に関する設定)を切り替える装置であり、パチンコ機1に備えられたRAMクリアスイッチ304等の操作により作動する。また、設定とは、作動確率の組み合わせをいう。さらに、作動確率とは、条件装置が作動することとなる(大当り遊技が実行されることとなる)特別図柄の組み合わせが表示される確率をいう。設定キースイッチ302は、設定を切り替える上で必須となる設定キーの回転に伴い、その回転状態を示す信号(ON/OFF)を入力する入力装置である。設定の変更には、様々な手法を採用することができるが、例えば、以下の手順で行うことができる。
(1)まず、パチンコ機1の電源をOFFにする。
(2)ついで、専用キー(ドアキー)でパチンコ機1の扉を開ける。具体的には、専用キーをシリンダ錠6aの鍵穴に差し込んで右方向に回転し、内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4を開放する。
(3)パチンコ機1の裏側には、設定キーを挿入するための設定キー用鍵穴306と、RAMクリアスイッチ304とが設けられているため、設定キー用鍵穴306に設定キーを挿入し、設定キーを右方向に回転する。
(4)そして、パチンコ機1の電源をONにする。
(5)これにより、設定キーが変更位置に回転されたことを示す信号(ON)が設定キースイッチ302により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が可能な状態となる。このとき、図示しないロック機構により安全ロックが掛けられる。したがって、設定キーは、元の位置に戻されない限りは抜き取ることが不可能となる。
ここで、設定キーを右方向に回転した状態で、RAMクリアスイッチ304をONにしながら、電源をONにすると、設定が変更な状態となる。一方、設定キーを右方向に回転した状態で、RAMクリアスイッチ304をONにせずに、電源をONにすると、設定の参照が可能な状態となる。
(6)設定の変更が可能な状態において、RAMクリアスイッチ304を任意の回数だけ押下することにより、予め設けられた複数段階のうちいずれかの段階に設定を変更することができる。また、設定値は、例えば、専用の7セグメントLED、遊技状態表示装置38(特別図柄表示装置等)、性能表示モニタ140に表示することができる。
(7)スロット機の場合、目的の設定に達したら、レバーON処理が必要になるが、パチンコ機1にはレバーが存在しないため、レバーON処理の代わりの代替処理(例えば、設定キーを左方向に回転する処理、不図示の設定変更確定ボタンをONにする処理等)を実行したり、レバーON処理を省略したりしてもよい。本実施形態では、目的の設定に達したら、設定キーを反時計回りに回転させて元の位置に戻す。この操作により、設定キーが元の位置に戻されたことを示す信号(OFF)が設定キースイッチ302により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が確定する。
(8)そして、設定の変更が確定すると、設定キー用鍵穴306から設定キーを抜き取ることができる状態となる。また、設定の変更が確定したことに伴い、専用の7セグメントLED、遊技状態表示装置38、性能表示モニタ140に設定値を表示している場合には、その表示が消える。
(9)最後に、パチンコ機1の扉を閉める。これにより、設定の変更が完了する。設定の変更が完了すると、通常の遊技が開始される。
設定が変更された場合、主制御CPU72は、変更後の設定値をRAM76の設定値バッファに記憶する。設定値バッファは、バックアップの対象となるメモリ領域とすることができる。
〔設定変更の詳細〕
設定変更の詳細は、以下の通りである。
「設定キーON」、「内枠開放状態」、かつ、「RAMクリアスイッチ押下状態」で電源を投入すると、RAMクリア後、設定変更中の状態(設定変更モード)となる。
設定変更中の状態では、メイン表示器(遊技状態表示装置38に含まれる各種ランプ)の表示はなく、遊技球の発射や遊技球の賞球等は一切できない状態となる。
この場合、性能表示モニタ200の左側2つの7セグメントLED(識別セグ)に「rn.」が表示され、右側2つの7セグメントLED(比率セグ)に「−1」のように設定値が表示される。また、RAMクリアスイッチを押下すると、設定値が1〜6の範囲で変化する。
そして、「設定キーOFF」にすると、設定確定となり、比率セグの表示は「空欄(非表示)1」のように「−」のセグが消灯する(非表示となる)。
この状態で、内枠閉鎖となった場合(実際には閉鎖状態が100ms継続した場合)、設定変更中の状態は終了となり、一旦、電源断前の状態に移行してから、遊技可能状態に移行する。
本実施形態では、RAMクリアスイッチ304と設定変更スイッチとを兼用している例で説明しているが、RAMクリアスイッチ304とは別に設定変更スイッチを別途設けてもよい。
〔設定確認の詳細〕
設定確認(設定参照)の詳細は、以下の通りである。
「設定キーON」、「内枠開放状態」、かつ、「RAMクリアスイッチ押下でない状態」で電源を投入すると、設定確認中の状態(設定確認モード)となる。
設定変更中の状態と同様に、設定確認中の状態では、メイン表示器の表示はなく、遊技球の発射や遊技球の賞球等は一切できない状態となる。
この場合、性能表示モニタの左側2つの7セグメントLED(識別セグ)に「rn.」が表示され、右側2つの7セグメントLED(比率セグ)に「空欄(非表示)1」のように設定値が表示される。また、設定確認中の状態では、RAMクリアスイッチを押下しても、設定値は変化しない。
この状態で、「設定キーOFF」、かつ、「内枠閉鎖状態」となった場合(実際には閉鎖状態が100ms継続した場合)、設定確認中の状態は終了となり、一旦、電源断前の状態に移行してから、遊技可能状態に移行する。
なお、本実施形態では、遊技可能状態で設定確認を行うことはできないが、遊技可能状態で設定確認を実行可能にしてもよい。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31にそれぞれ対応して中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84及び第2カウントスイッチ85が装備されている。各始動入賞口スイッチ80、82は始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)への遊技球の入賞を検出するためのものである。また、カウントスイッチ84は第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。
他にも、特定領域31xに対応して特定領域スイッチ83が装備されている。第2大入賞口31bの内部の特定領域31xに対応する位置には、特定領域スイッチ83が備えられており、特定領域スイッチ83は、遊技球が特定領域31xを通過したことを検出する。
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22,25への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、ここでは全ての普通入賞口22,25について共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば、盤面の左右で別々の入賞口スイッチ86を設置し、左側の入賞口スイッチ86では盤面の左側に位置する普通入賞口22,25に対する遊技球の入賞を検出し、右側の入賞口スイッチ86では盤面の右側に位置する普通入賞口25に対する遊技球の入賞を検出することとしてもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類80、82、83、84、85、86の入賞検出信号や通過検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、特定領域スイッチ83、カウントスイッチ84、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号や通過検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、主制御装置70には、パネル中継端子板87を介して、性能表示モニタ140が接続されている。性能表示モニタ140は、遊技球が各入賞口(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)に入球することによって払い出される賞球数を、遊技領域に発射した遊技球の数を示すアウト数(アウトスイッチ141で検出された遊技球の数)で除算して算出されるベースを表示するためのモニタである。ベースは、遊技を進行させる制御に用いられる使用領域とは別の領域(使用外領域)を用いて予め設定された区間ごとに算出され、現在の区間のベースと、前回の区間のベースとが、予め設定された間隔ごとに切り替わって表示される。性能表示モニタ140は、主制御CPU72からの制御信号に基づいてその表示動作が制御される。主制御CPU72は、ベースの算出状況に応じて性能表示モニタ140に対する制御信号を出力し、各7セグメントの点灯状態を制御する。
なお、性能表示モニタ140は、パネル中継端子板87を介して主制御装置70に接続する例で説明しているが、パネル中継端子板87を介さずに主制御装置70に接続してもよく、主制御装置70の内部の構成として性能表示モニタ140を配置してもよい。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び特定領域31xにそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び特定領域ソレノイド99が設けられている。これらソレノイド88,90,97,99は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び特定領域31xを開閉させる。なお、これらソレノイド88,90,97,99についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に上記の一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、上記の内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている(特別特典付与手段)。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のカードユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに送信される。また、カードユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、カードユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてRAM(RWM)130やeDRAM131等の半導体メモリが内蔵されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
その他にも演出制御装置124には、VDP152やドライバIC132、音声IC134等の演出を実現する上で必要となる様々な機能部品が搭載されている。このうちVDP152は、液晶表示器42の画面上で再生される演出画面を描画するためのプロセッサである。ドライバIC132は、ランプ46〜52や盤面ランプ53、可動体モータ57等のデバイスを制御するICを搭載している。また、音声IC134は、スピーカ54,55,56からの出力を制御する。なお、演出制御装置124の内部の構成については、別の図を用いて詳しく後述する。
演出制御装置124と上記の主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にサブ接続基板136が設置されており、ドライバIC132や音声IC134からの駆動信号はサブ接続基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56に印加されている。また、サブ接続基板136には、上記の演出切替ボタン45やジョグダイアル45aの他に図示しない音量調整スイッチが接続されており、遊技者がこれらの操作部材を操作すると、それらの接点信号がサブ接続基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではサブ接続基板136に各操作部材を接続した例を挙げているが、上記の受皿電飾基板を設置する場合、各操作部材は受皿電飾基板に接続されていてもよい。
その他、遊技盤ユニット8にはドライバ基板138が設置されており、このドライバ基板138には、盤面ランプ53、可動体モータ57及び可動体センサ58が接続されている。可動体モータ57は、例えば図示しないリンク機構を介して上記の可動体40fを駆動する。本実施形態では、可動体モータ57(57a〜57k)として11個のモータが設置されている。11個のモータは、図示可能な範囲で図示しているが、視認不能な部分に設置されているモータに関しては図262の一覧表に表示している。可動体センサ58は、例えば可動体40fの原点位置(第1位置)や可動位置(出現位置)等に設けられたフォトセンサであり、可動体40f(又は可動体40fに取り付けられた遮光板)を検出すると検出信号を出力する。本実施形態では、可動体モータ57として複数のモータが設けられており、可動体センサ58として複数のセンサが設けられている。ドライバIC132からの駆動信号は、ドライバ基板138を経由して盤面ランプ53及び可動体モータ57にそれぞれ印加される。なお、可動体モータ57は、ソレノイドであってもよい。
上記の液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上記のように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
〔演出制御装置の内部構成〕
図182は、演出制御装置124の内部の機能構成を示すブロック図である。
上述したように、演出制御装置124は遊技の進行に伴い演出を制御する演出制御プロセッサとしての役割を有している。そのため演出制御装置124には、演出制御CPU126に加え、演出制御装置124が演出制御プロセッサとして機能する上で必要となる制御ROM180及びウォッチドッグタイマIC(WDTIC)188が装備されている。制御ROM180には、演出の制御に関する基本的なプログラムやテーブル等が格納されている。演出制御CPU126は、図示しないCPUバスを介して制御ROM180にアクセスし、制御ROM180に格納されたプログラムを実行することにより演出を制御する。ウォッチドッグタイマIC188は、演出制御装置124で実行される制御が正常になされているか(想定時間内に処理が完了しているか)を監視するタイマであり、演出制御CPU126のリセット端子に接続されている。ウォッチドッグタイマIC188の監視タイマをクリアするための信号(クリアパルス)が所定時間内に入力されなかった場合、ウォッチドッグタイマIC188は演出制御CPU126に対しリセット起動させるための信号(リセットパルス)を出力する。これにより、演出制御装置124が強制的にリセット起動されることとなる。
演出制御装置124にはこれらの他にも、演出に関わる機能として、バックアップデータ用の記憶領域であるSRAM182、所定周波数のクロック信号を生成する水晶発振器181、時刻管理を行うリアルタイムクロック(RTC)184、SRAM182及びリアルタイムクロック184に対しバックアップ電源を供給するリチウム電池186、図示しない入出力ドライバやカウンタ/タイマ回路等の周辺IC等が装備されている。リチウム電池186は、電源制御ユニット162から演出制御装置124に対し駆動電力が供給されている間に、この電力を蓄えて自身を充電する。SRAM182及びリアルタイムクロック184は、リチウム電池186に接続されており、電源制御ユニット162からの演出制御装置124への駆動電力の供給が断たれた場合にはリチウム電池186により駆動可能となる。したがって、SRAM182及びリアルタイムクロック184は、電源制御ユニット162からの電力供給が断たれた場合でも、リチウム電池186の充電が切れるまでの期間(例えば、約1か月半)は動作を継続するため、SRAM182は、電源断の状況下においても暫くは格納されている情報を保持することができる。
なお、演出制御プログラムは、容易に消去されるべきでないセキュリティや監視、不具合等に関する情報をSRAM182に保存するよう構成されている。これにより、例えば、演出制御装置124で何らかの不具合が発生した場合に、パチンコ機1を回収(又は設置状態で点検)し、SRAM182に保持されている情報を解析することにより不具合の要因調査を進めることが可能となる。
ところで、演出制御CPU126が制御ROM180に格納されたプログラムに沿って実行する演出の制御により、最終的には、液晶表示器42、各種ランプ46〜53やスピーカ54,55,56等のデバイスの動作が制御される。この演出制御の流れは、大きくみると「全体制御(再生指示)」と「個別制御(再生制御)」の2つの段階に分けられる。演出制御CPU126は、先ず主制御装置70から送信される演出コマンドを受信し、演出コマンドの内容に応じた演出の再生を各デバイスに対して間接的に指示する(全体制御)。次に、演出制御CPU126は指示内容を各デバイスに適したより具体的な表現に変換した指示データを生成し、演出制御CPU126と各デバイスとの間を中継する各制御デバイス134,152,198,199に送信する(個別制御)。その結果として、各制御デバイス134,152,198,199により指示データに基づく各デバイスの制御がなされ、パチンコ機1における各デバイスを用いた演出再生(画面表示、音声出力、ランプ発光、可動体動作等)が実現される。
このように、演出制御CPU126は、演出制御の段階に応じて異なる機能を有しており、これらの機能は演出制御CPU126のリソースを使い分けた複数のタスクとして実現されている。演出制御CPU126により実行される個々の機能に対応するタスクは、演出制御部210、表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224、可動体制御部226、入力制御部228、時間管理部(ACT)230等として示されている。以下の説明では、個々のタスクを演出制御処理の動作主体として扱うものとする。
先ず、全体制御の段階では、演出制御CPU126内の演出制御部210が動作主体となり、演出の時間進行を管理する時間管理部(ACT)230を用いて演出全体の流れを制御する。また、個別制御の段階では、制御対象とされるデバイスに応じて演出制御CPU126内の表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224、可動体制御部226又は入力制御部228が動作主体となる。なお、演出制御部210が各制御デバイス134,152,198,199等を直接的に制御する構成としてもよい。
演出制御装置124は、全体制御の段階では演出制御プロセッサとして機能するのに対し、個別制御の段階では演出再生プロセッサとして機能する。そのため、演出制御装置124にはさらに、CGROM(画像・音声ROM)190とともに、演出の再生に用いられる各種のデバイスを制御するためのVDP152(演出表示制御基板)、音声IC134、LEDドライバ198、SMC(シリアル制御コントローラ)199及びドライバIC132が装備されている。
CGROM190は、演出画面を構成する描画素材(動画像データ)や演出の進行とともに出力される音声素材(音声データ)を所定の圧縮アルゴリズムにより圧縮された状態で格納している。CGROM190は、図示しないCGバスを介してVDP152や音声IC134に接続されている。
VDP152は、演出画像の描画専用のプロセッサであり、演出制御CPU126とともにワンチップに統合されている。また、VDP152はVRAM156及び描画素材デコーダ157を内蔵している。このうちVRAM156は、主に描画素材を展開する際に用いられ、描画素材デコーダ157は、圧縮された状態の描画素材を解凍(復号)する際に用いられる。VDP152は、先ず表示制御部220から送信された指示内容を解析し、CGバスを介してCGROM190から必要な描画素材を読み出してVRAM156に転送する。そして、読み出した描画素材を描画素材デコーダ157で復号してVRAM156上で演出画像の描画を行い、演出画像を1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開する。ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動することにより、演出画面の再生が実現される。
音声IC134は、演出の実行中に再生される効果音やBGM等の音声を生成するサウンドジェネレータであり、VDP152と同様に演出制御CPU126とワンチップに統合されている。音声IC134は、図示しないアンプや外部DRAM、CGバスに接続されている。また、音声IC134には、圧縮された状態の音声素材を解凍(復号)する音声素材デコーダ135が内蔵されている。音声IC134は、先ず音声制御部222から送信された指示内容を解析し、CGバスを介してCGROM190から必要な音声素材を読み出す。そして、読み出した音声素材を外部DRAM上で音声素材デコーダ135を用いて復号する。アンプを経由して各種スピーカに復号した音声を出力することにより、ステレオ2ch又はモノラル2chの音声再生(より大きなチャンネル数としてもよい)を実現する。また、音声IC134は、音量調整スイッチが操作された場合に入力される接点信号に基づいて、各種スピーカの出力音量を調整する。
LEDドライバ198は、パチンコ機1の前面側に設けられた各種ランプの演出の実行にともなう点灯パターン及び輝度パターンを制御する。LEDドライバ198においては、アドレス指定同期シリアル方式が採用されている。LEDドライバ198は、先ずランプ制御部224から送信された指示内容に基づいて点灯パターン及び輝度パターンの制御を行い、これに応じた駆動データをドライバIC132に転送する。
SMC199は、演出ユニット40の内部に設けられた演出用の各種可動体の駆動源となるモータの駆動パターンを制御するとともに、可動体用のセンサにより出力された検出信号を中継して可動体制御部226に受け渡す。SMC199もまた、演出制御CPU126とワンチップに統合されている。SMC199においては、クロック同期式シリアル方式が採用されている。可動体の駆動に際し、SMC199は、先ず可動体制御部226から送信された指示内容に基づいて可動体用のモータの駆動パターンを生成し、これをドライバIC132に転送する。なお、ここではSMC199をモータの駆動パターン生成にのみ用いているが、SMC199はモータだけでなくランプの点灯パターンや輝度パターンを生成することもできるため、上述したLEDドライバ198に代えてSMC199を適用し、SMC199がランプ及びモータの両方のデータパターンを生成する構成とすることも可能である。
ドライバIC132は、LEDドライバ198やSMC199から転送された駆動データに基づいてランプやモータに対し印加する駆動電圧の制御を行う。ドライバIC132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、各種ランプや可動体モータに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その動作を管理することにより、ランプや可動体を用いた演出再生を実現する。なお、各種ランプには、ガラス枠トップランプ46やガラス枠装飾ランプ48,50,52の他に、操作ユニット60の各部位に内蔵された光源や遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は、演出ユニット40に内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等に内蔵されるLEDに相当するものである。
この他にドライバIC132は、演出切替ボタン45やジョグダイアル45a等の操作部材が遊技者により操作された場合に入力される接点信号を、入力制御部228を経由して演出制御部210に転送する。演出制御部210は、転送される接点信号の内容に基づいて、再生する演出内容を適宜変化させる。
ここで、表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224、可動体制御部226、入力制御部228は、演出制御部210を介して、メッセージ(制御信号)の送受信をすることもできるが、演出制御部210を介さずに、メッセージの送受信をすることもできる。
例えば、可動体制御部226を例にして説明すると、可動体制御部226は、演出制御部210を介さずに、表示制御部220や音声制御部222、ランプ制御部224、入力制御部228に対して、直接、メッセージを送信することができる。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、リセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図183及び図184は、リセットスタート処理の第1手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1〜2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また、主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、不図示のRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また、主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタコマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また、主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図184に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして、主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)、及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図188中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図188中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、上記のように、本実施形態において大当り決定乱数及び当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図188)を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込管理処理の内容については後述する。
図185は、リセットスタート処理の第2手順例を示すフローチャートである。なお、リセットスタート処理の第1手順例と同様の処理については、重複する説明を省略する。また、図184の処理は、第1手順例と第2手順例とで同様である。
リセットスタート処理の第2手順例では、リセットスタート処理の第1手順例と比較して、準備中処理(ステップS112a)が追加されている点が異なっている。
具体的には、ステップS106で肯定(Yes)と判断された場合、ステップS107で否定(No)と判断された場合、又は、ステップS108で否定(No)と判断された場合は、準備中処理(ステップS112a)が実行される。
なお、準備中処理(ステップS112a)の実行タイミングは、このようなタイミングに限定されるものではなく、リセットスタート処理の中の任意のタイミングで実行することができる。つまり、RAMクリアスイッチを押下した状態で電源投入した場合に、「準備中」→「遊技可能状態(メインループに移行した状態)」と移行するように制御されていればよい。
ステップS112a:準備中処理では、主制御CPU72は、RAMクリア時に必要となる各種動作を制御する。なお、処理の詳細は、後述する。
そして、準備中処理(ステップS112a)が終了すると、主制御CPU72は、RAMクリア処理(ステップS113)を実行する。なお、これ以降の処理は、第1手順例の処理と同様である。
図186は、準備中処理の手順例を示すフローチャートである。
ステップS125:主制御CPU72は、準備中動作制御処理を実行する。準備中動作制御処理の詳細は、後述する。
ステップS126:主制御CPU72は、RAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。
その結果、RAMクリアスイッチが操作されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、リセットスタート処理(図185)に復帰する。一方、RAMクリアスイッチが操作されていることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS125の処理を実行する。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、RAMクリアスイッチが押下されるまで、ステップS125の準備中動作制御処理を継続して実行することができる。
〔準備中動作制御処理〕
準備中動作制御処理の動作内容の詳細は、以下の通りである。
主制御CPU72は、準備中動作制御処理において、以下に示す状態及び動作内容のうち、少なくとも1つの状態及び動作を採用した内容の処理を実行することができる。
(1)準備中は、RAMクリアスイッチを押下した状態で電源投入した際に移行する状態である。準備中には、再度RAMクリアスイッチが押下されるまで滞在する。「準備中」の状態で、RAMクリアスイッチが押下されると、「遊技可能状態」へ移行する。
(2)準備中では、主制御装置70(主制御CPU72)で管理する可動体(主制御装置70に接続されている可動体)を可動制御し、可動体が正常に動作するか否かの可動確認を行うことができる。
具体的には、特別電動役物(アタッカ)、特別電動役物の内部の可動体(確変領域や特定領域を開放する可動体や、2種系の場合は常時回転の回転体、規定の契機により可動する可動体、及び、これらに付随する機構やソレノイド、モータ等)、普通電動役物(電動チューリップ)を一定の動作で可動制御する。
可動制御は、例えば、「0.4秒ON→0.4秒OFF」を複数回繰り返す可動パターンにより、ソレノイドやモータを動作させることにより実行する。
可動制御は、準備中において最初から最後まで継続して実行してもよく、所定回数や所定時間を上限として実行してもよい。
(3)準備中は、外部から準備中であることが明確に分かるようにすることができる。この場合、例えば、液晶表示器の表示画面に、「準備中です」「遊技できません」「RAMクリアスイッチを押下すると終了します」「演出ボタン押下で演出設定変更」等といった情報を表示することができる。この場合、合わせて、「準備中です」等の音声出力を繰り返し実行してもよい。
(4)準備中は、演出ボタンの操作により、演出に関する設定を変更することができるようにしてもよい。例えば、演出切替ボタン(演出ボタン)を押下すると液晶表示器の表示画面が切り替わり、日時の設定、音量設定(1〜5段階)、演出頻度設定(1〜3段階)、演出種類設定等が選択できるようにすることができる。
(5)準備中は、遊技球の発射制御ができないようにしてもよい。これは、主制御装置70から払出制御装置92へ「発射許可信号」を送信していることを条件に、発射制御基板108では、遊技球の発射をすることができるからである。主制御装置70は、「割込管理処理(タイマ割込み処理)」内で「発射許可信号」を送信する処理を行うことができるが、準備中は「割込管理処理(タイマ割込み処理)」がまだ実行されていない期間であるため発射ができない状態となる。
(6)準備中処理のプログラム(各種可動体を動作させるプログラム)は、使用領域内に実装(配置)することができる。使用領域とは、遊技の進行を制御するために使用可能な容量が遊技機規則で定められている領域であり、領域外の領域とは、使用可能な容量の計算に含めない領域である。
(7)準備中の期間は、準備中であることを示す外部情報を、外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に対して出力するようにしてもよい。
(8)準備中は、メインループに移行する前(割込管理処理(タイマ割込み処理)が実行される前)の段階である。このため、準備中においては、統合表示基板89の表示(メインセグ)は消灯状態とすることができる。また、準備中においては、遊技可能状態中に判定可能なエラー(例えば、磁気エラー、電波エラー、振動エラー、大入賞口不正入賞エラー等)を判定しないようにすることができる。さらに、準備中は、賞球の払出、特別図柄の変動、普通図柄の変動を実行しないようにすることができる。
(9)RAMクリアスイッチを押下した状態で電源投入した場合は、「準備中」を示すコマンドを主制御装置から演出制御装置に送信することができる。また、再度RAMクリアスイッチが押下され、準備中が終了する場合には、「準備中終了」を示すコマンドを主制御装置から演出制御装置に送信することができる。なお、この場合、メインループに移行する前に、主制御装置から演出制御装置にコマンドを送信するようにしてもよい。
準備中の段階では、RAMクリア処理は実行されておらず、準備中にRAMクリアスイッチが押下されたことを条件に、RAMクリア処理を実行することができる。ただし、RAMクリア処理の実行後に準備中に移行させ、その後、メインループに移行するようにしてもよい。
このような構成を採用する経緯として、以下のような課題がある。
従来の遊技機は、特別電動役物、普通電動役物の動作確認が、任意のタイミングで(特に、RAMクリアをする際の電源投入時に)行えないため、不具合が通常の遊技中に急に発覚するおそれがある。
そして、上記のような構成を採用することにより、以下のような効果を発揮することができる。
(1)電源投入時に、各種電動役物が動作可能か否かを確認することができるため、遊技中に各種電動役物が動作しないという不具合を防ぎ、正常に遊技を行うことができる。
(2)正常に遊技を行うことができるので、遊技が途切れる事態を防ぐことができ、遊技に対する興趣の低下を防ぐことができる。
(3)事前に(遊技前に)不具合を解決できるため、遊技中の不具合の確認処理を無くすことができ、制御上の処理負荷の軽減にも貢献することができる。
(4)準備中(動作確認中)に演出設定も実行することができるため、効率的な遊技を提供することができる。
上記の構成から以下の技術的な内容を抽出することができる。
(1)所定の操作部材(RAMクリアスイッチ)と、可動体(電動役物、駆動源、ソレノイド、モータ等)と、前記所定の操作部材が操作されている状態で電源が投入された場合、可動体が正常に動作するか否かを確認するために、可動体を一定の動作パターンで動作させる可動体動作手段とを備える遊技機である。
(2)上記(1)の構成において、可動体動作手段は、再び、所定の操作部材が操作されるまで、可動体を一定の動作パターンで動作させ続けることが好ましい。
〔電源断発生チェック処理〕
図187は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また、主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして、主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(図183)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図188は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、入賞口スイッチ86、特定領域スイッチ83からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、特定領域スイッチ83からの通過検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機、第1抽選契機、第2抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS204a:主制御CPU72は、設定変更処理(設定関連処理)を実行する。この処理を実行することにより、主制御CPU72は、設定値を変更する際に実行される設定変更処理又は設定値を確認する際に実行される設定確認処理の少なくとも一方を含む設定関連処理を実行することができる(設定関連処理実行手段)。なお、設定変更状態や設定確認状態でない場合には(通常遊技状態である場合には)、本処理を実行しないようにすることができる。また、通常遊技状態である場合には、ベースを算出し、算出したベースを性能表示モニタ200に表示する処理を実行することができる。主制御CPU72は、遊技球が各入賞口(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)に入球することによって払い出される賞球数を、遊技領域に発射した遊技球の数を示すアウト数(アウトスイッチで検出された遊技球の数)で除算することによりベースを算出することができる(ベース算出手段、ベース関連処理実行手段)。
本処理において設定変更処理(設定関連処理)を実際に実行した場合、主制御CPU72は、サブコマンドとして、「設定関連終了指定コマンド」を生成する処理を実行する。「設定関連終了指定コマンド」には、設定関連処理(設定変更に関する処理又は設定確認に関する処理)が終了したという情報や、設定値の情報を含ませることができる。生成された「設定関連終了指定コマンド」は、演出制御装置124に送信される。
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また、普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(普通図柄抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,82,84,85,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
〔賞球数及び獲得遊技球数について〕
第1特別図柄の始動口の賞球数及び第2特別図柄の始動口の賞球数は、それぞれ1個以上の規定数に設定されている。また、第1特別図柄の始動口と第2特別図柄の始動口とでは、賞球数を異ならせてもよい。さらに、特別図柄の当選確率や、総獲得遊技球数の期待値(初当りから時間短縮状態が終了するまでの一連の期間に得られる平均出球数)に基づいて、最低賞球数を設定してもよい。さらにまた、特別図柄の当選確率、総獲得遊技球数の期待値、大入賞口の開放回数、大入賞口の開放時間、大入賞口の最大入賞数、大入賞口の賞球数が所定の条件を満たした場合、1回の大当りによる獲得遊技球数が最大の獲得遊技球数の1/4未満となる大当りを設定してもよい。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータ(外部機器)に対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」〜「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」〜「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」〜「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS209:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS205)や普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお、駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また、主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び特定領域ソレノイド99の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS213:そして、主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお、本実施形態では、ステップS205〜ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして、主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。なお、割込管理処理では、主制御CPU72は、各種エラーを検出する図示しないセンサやスイッチ等に基づいて、各種エラー(磁気エラー、電波エラー、振動エラー、大入賞口不正入賞エラー等)を判定することができる。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図189は、スイッチ入力イベント処理(図188中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する中始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の第1大入賞口30bに対応する第1カウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS19に進んで第1大入賞口カウント処理を実行する。第1大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの第1可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS20に進む。
ステップS20:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の第2大入賞口31bに対応する第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS21に進んで第2大入賞口カウント処理を実行する。第2大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中(小当り遊技中)に第2可変入賞装置31への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72はステップS24を実行する。一方、通過検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS26に進む。
ステップS24:主制御CPU72は、普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また、主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして、主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。次に、主制御CPU72は、ステップS26を実行する。
ステップS26:主制御CPU72は、第2大入賞口31b内の特定領域31xに対応する特定領域スイッチ83から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS28に進んで特定領域予備フラグをONにする処理を実行する。一方、通過検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図188)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図190は、第1特別図柄記憶更新処理(図189中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。ここで、RAM76の乱数記憶領域は、第1特別図柄及び第2特別図柄で共通で使用する5つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。ただし、第1特別図柄に関しては、4つのセクションしか使用できず、第2特別図柄に関しては、1つのセクションしか使用できない。したがって、セクションに空きがあっても、第1特別図柄に関してすでに4つのセクションを使用している場合、それ以上第1特別図柄の各乱数が記憶されることはない。これと同様に、セクションに空きがあっても、第2特別図柄に関してすでに1つのセクションを使用している場合、それ以上第2特別図柄の各乱数が記憶されることはない。セクションが5つである理由は、第1特別図柄の最大記憶数(4個)と、第2特別図柄の最大記憶数(1個)とを合計した数のセクションが必要だからである。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図189)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図188中のステップS210)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第1抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、抽選要素取得手段)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして、主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(第1抽選要素記憶手段、抽選要素記憶手段)。複数のセクションには順番(例えば第1〜第5)が設定されており、現段階で第1〜第5の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2〜第5セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の特別遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37,S38を実行する。大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37,S38をスキップしてステップS38aに進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS37:大当り中以外の場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する(先読み処理実行手段)。この処理は、先のステップS32〜S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数、大当り図柄乱数及び変動パターン決定乱数に基づいて、特別図柄抽選の結果や変動時間を事前(変動開始前)に判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。この処理において、第1特別図柄の事前判定の結果を特図先判定演出コマンド(先読み情報)の下位バイト分にセットする。
ステップS38:取得時演出判定処理を実行すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする(先読み処理実行手段)。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分(当否に関する情報や変動時間に関する情報)は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされるので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS38a:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」〜「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」〜「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」〜「04H」となったことを表している。なお、上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS39:そして、主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理では、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンドが演出制御装置124に対して送信される(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えるか、もしくは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図189)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
次に図191は、第2特別図柄記憶更新処理(図189中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば1とする)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図189)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図190)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図188中のステップS210)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第2抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図190)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図190)と同様である。
ステップS44:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、抽選要素取得手段)。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図190)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄及び第2特別図柄で共通で使用する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(第2抽選要素記憶手段、抽選要素記憶手段)。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図190)と同様である。
ステップS45a:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。そして、大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS46,S47を実行する。逆に大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS46,S47をスキップしてステップS48に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、同じく大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS46:大当り中以外である場合(ステップS45a:No)、次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する(先読み処理実行手段)。この処理は、先のステップS42〜S44でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである。この処理において、第2特別図柄の事前判定の結果を特図先判定演出コマンドの下位バイト分にセットする。
ステップS47:取得時演出判定処理を実行すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする(先読み処理実行手段)。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS46)においてセットされるので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS48:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお、先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS49:そして、主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して特図先判定演出コマンドや作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置124に対して送信される(記憶数通知手段)。また、以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図189)に復帰する。
〔取得時演出判定処理〕
図192は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理及び第2特別図柄記憶更新処理(図190中のステップS37,図191中のステップS46)においてこの取得時演出判定処理を実行する(事前判定手段、先読み処理実行手段)。上述したように、この処理は第1特別図柄(中始動入賞口26への入球時)、第2特別図柄(可変始動入賞装置28への入球時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンド(先判定情報)の下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(図190中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図191中のステップS45)でRAM76に記憶されているものである。
ステップS54:そして、主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段、事前判定手段)。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお、比較値(下限値)は、パチンコ機1における特別図柄抽選の大当り確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS80に進む。
ステップS80:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段、先読み処理実行手段)。この処理では、主制御CPU72は、はずれ時の変動時間について変動パターン先判定コマンド(先読み情報)を生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、特に「時間短縮機能」の作動時における変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。例えば、現在の状態が「時間短縮機能」の作動時であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものである場合、主制御CPU72は「時短中非短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。なお、リーチ変動の場合はさらに、リーチモード乱数から「リーチグループ(リーチの種類)」をも判断し、その結果から変動パターン先判定コマンドを生成することとしてもよい。一方、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「時短中短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。あるいは、現在の状態が「時間短縮機能」の非作動時(低確率状態)であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものである場合、主制御CPU72は「通常はずれリーチ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。一方、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「通常はずれ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。なお、この処理において、主制御CPU72は、小当り時の変動パターンについて、上述したはずれ時の処理と同様に変動パターン先判定コマンドを生成してもよい。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は取得時演出判定処理を終了し、呼び出し元の第1特別図柄記憶更新処理(図190)又は第2特別図柄記憶更新処理(図191)に復帰する。一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
ステップS74:主制御CPU72は、大当り図柄種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(図190中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図191中のステップS45)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、ステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果からいずれの当選図柄に該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS78に進む。
ステップS78:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットする。特別図柄先判定値は、例えば「時間短縮状態に移行しない図柄」に該当する場合は「00H」がセットされ、「時間短縮状態に移行する図柄」に該当する場合は「01H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
ステップS79:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段、先読み処理実行手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り時の変動時間について、上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、例えば大当り時のリーチ変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(図190)又は第2特別図柄記憶更新処理(図191)に復帰する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理(図188)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図193は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000〜ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において大当り又は小当りの態様(非当選以外の態様)で特別図柄が停止表示された場合に選択される。なお、特別図柄の停止表示される態様に応じて、大当り遊技又は小当り遊技が開始される。
〔大当り遊技〕
例えば、特別図柄が10ラウンド大当りの態様で停止表示されると、大当り遊技(遊技者にとって有利な特別遊技)が実行される。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、第1大入賞口ソレノイド90が一定時間(例えば29秒間又は10個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば10回)にわたって励磁され、これにより第1可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に第1可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に第1可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で10回あれば、これらを「10ラウンド」と総称することがある。本実施形態では、10ラウンド大当りについては、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられている。なお、大当りの種類として10ラウンド大当りだけでなく、その他のラウンド数の大当りを設けてもよい。
また、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の第1可変入賞装置30の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また、主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図188中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(時間短縮状態)を変化させる(時間短縮状態移行手段、有利状態移行手段)。「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、普通図柄の作動抽選の抽選確率が通常確率(低確率)から高確率に設定され、また、普通図柄の変動時間が短縮されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長されて開放回数が増加する(いわゆる電チューサポートが行われる)。なお、いわゆる2種遊技機の要素を含む遊技機(例えば、1種2種混合機や2種遊技機、すなわち、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過することによって大当り遊技が実行される遊技機)においては、普通図柄の作動抽選の当選確率を高確率状態に移行させないようにしてもよい。この場合、普通図柄の作動抽選の当選確率は、時間短縮機能の作動の有無に関わらずに一定の確率(例えば略1分の1)とし、可変始動入賞装置28の開放パターンで入賞の容易さと困難さを調整することができる。
〔小当り〕
また、本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当りの遊技が行われて第2可変入賞装置31が開閉動作する(特例遊技実行手段)。例えば、特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、小当り遊技(遊技者にとって有利な特殊遊技)が実行される。小当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、第2大入賞口ソレノイド97が一定時間(例えば1.8秒間又は10個の入賞をカウントするまで)、予め設定された作動回数(例えば1回又は複数回)にわたって励磁され、これにより第2可変入賞装置31が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の作動)。この間に第2可変入賞装置31に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、ある程度の賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。
また、小当り遊技中の可変入賞装置管理処理においては、特定領域ソレノイド99が一定時間(例えば1.6秒間)、予め設定された作動回数(例えば1回)にわたって励磁され、これにより特定領域用スライド部材31cが決まったパターンで開閉動作する。この間に特定領域31xに遊技球を通過させることで、遊技者には、大当り遊技を開始する機会が与えられる。すなわち、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過するか否かで、可変入賞装置管理処理において大当り遊技を開始するか否かが決定される。本実施形態では、小当りについては、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられており、遊技球が特定領域31xを通過すると、当選種類に応じた大当り遊技が開始される。
また、特定領域31xを遊技球が通過せずに小当りの遊技が終了しても、「時間短縮機能」が作動することもないので、「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。なお、「時間短縮状態」で小当りに当選した場合には、その小当り遊技終了後に「時間短縮状態」が終了するようにしてもよい。
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、複数の当選種類として「10ラウンド大当り1〜6」が設けられている。「10ラウンド大当り1〜4」は、特別図柄が大当りの態様で停止表示した際に開始され、「10ラウンド大当り5,6」は、特別図柄が小当りの態様で停止表示し、かつ、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過した際に開始される。なお、「10ラウンド大当り5,6」によって大当りが実行される場合(小当り経由で大当りが実行される場合)、1ラウンド目では第2可変入賞装置31が作動し、残りのラウンドでは第1可変入賞装置30が作動する。
上記の当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「10ラウンド大当り1」は「第1当選図柄」の大当りに対応し、「10ラウンド大当り2」は「第2当選図柄」の大当りに対応する。また、「10ラウンド大当り3」は「第3当選図柄」の大当りに対応し、「10ラウンド大当り4」は「第4当選図柄」の大当りに対応する。さらに、「10ラウンド大当り5」は「第5当選図柄」の小当り(特定領域31x通過時の大当り)に対応し、「10ラウンド大当り6」は「第6当選図柄」の小当り(特定領域31x通過時の大当り)に対応する。このため以下では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔第1当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が「第1当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第1当選図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。また、第1大入賞口30bは、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される(以下、同様)。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=1回又は10回)。
〔第2当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が「第2当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第2当選図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」は作動しない。
〔第3当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第3当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第3当選図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=1回又は10回)。
〔第4当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第4当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第4当選図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」は作動しない。
〔第5当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第5当選図柄」の態様で停止表示されると、小当り遊技が実行され、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過すると、小当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。この場合、2ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第5当選図柄」に該当した場合の大当り遊技は、9ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=1回又は10回)。
〔第6当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第6当選図柄」の態様で停止表示されると、小当り遊技が実行され、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過すると、小当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。この場合、2ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第6当選図柄」に該当した場合の大当り遊技は、9ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」は作動しない。
このように、本実施形態では、「第1当選図柄」、「第3当選図柄」又は「第5当選図柄」に該当した場合、大当り遊技終了後に「時間短縮状態」に移行する可能性がある。
なお、このように内部抽選で小当りに当選し、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に当選図柄の種類に応じて時間短縮状態に移行する遊技機は、いわゆる1種2種混合タイプの遊技機と呼ばれている。
〔特別図柄変動前処理〕
図194は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図188中のステップS212)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお、復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)を取得した順に読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。本実施形態では、RAM76の乱数記憶領域に記憶された(取得された)順に乱数が読み出される(入賞順消化)。なお、このような特別図柄別の入賞順消化の制御ではなく、第2特別図柄の消化を優先する優先消化の制御であってもよい。また、この処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち、乱数のシフトを行った方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図188中のステップS210)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図195は、上記の特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動前処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」より大であった場合(図194中のステップS2100:Yes)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:主制御CPU72は、乱数記憶領域を参照して、最も古い記憶が第2特別図柄に対応するものであるか否かを確認する。この確認は、RAM76の乱数記憶領域の第1セクションに、第2特別図柄に対応する乱数が記憶されているか否かを確認することにより実現することができる。このとき、最も古い記憶が第2特別図柄に対応するものであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2212を実行する。
ステップS2212:主制御CPU72は、対象特別図柄として第2特別図柄を指定する。この指定は、例えば対象図柄指定値として「02H」をセットすることで行われる。
ステップS2214:一方、最も古い記憶が第2特別図柄に対応するものであることを確認できない場合(ステップS2210:No)、すなわち、最も古い記憶が第1特別図柄に対応するものである場合、主制御CPU72は対象特別図柄として第1特別図柄を指定する。この場合の指定は、例えば対象図柄指定値として「01H」をセットすることで行われる。
ステップS2216:主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
ステップS2218:次いで主制御CPU72は、対象特別図柄について作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、今回の対象特別図柄が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(−1)する。
ステップS2220:そして、主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から「変動開始時作動記憶数」を設定する。なお、ここでは第1特別図柄と第2特別図柄の両方について、作動記憶カウンタの値を加算した上で「変動開始時作動記憶数」を設定してもよい。
ステップS2222:また、主制御CPU72は、対象特別図柄が第2特別図柄であるか否かを確認する。
ステップS2224:対象特別図柄が第2特別図柄であった場合(ステップS2222:Yes)、主制御CPU72は第2特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」〜「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。つまり、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」〜「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」〜「1」(コマンド表記は「13H」〜「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」〜「0」(コマンド表記は「12H」〜「10H」)となったことを表している。なお、上記の先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS2226:なお、今回の対象特別図柄が第1特別図柄であった場合(ステップS2222:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。この場合のコマンドは、先行値が第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BBH」)となる以外は上記と同じである。
ステップS2228:そして、主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2224又はステップS2226でセットした作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図194)に復帰する。
〔図194:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(第1抽選実行手段、第2抽選実行手段、抽選実行手段)。このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(第1抽選実行手段、第2抽選実行手段、抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。「小当り」は、第2可変入賞装置31のみを作動させる条件を満たすものとして位置付けられている(条件装置を作動させる条件は満たさない)。さらに、「小当り」中に遊技球が特定領域31xを通過すると、「大当り」に発展させるものとして位置付けられている(条件装置を作動させる条件を満たす)。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
本実施形態では、第1特別図柄抽選においては、大当りの当選確率が319分の1に設定され、小当りには当選しない設定になっている。なお、第1特別図柄抽選において、小当りに当選するようにしてもよい。また、第2特別図柄抽選においては、大当りに当選する確率は319分の1に設定され、小当りに当選する確率は319分の318(=略1/1)に設定され、はずれには該当しないようになっている。なお、第2特別図柄抽選において、はずれに該当するようにしてもよい。したがって、第2特別図柄抽選においては、大当りよりも小当りに当選しやすくなっている。これらの大当りの当選確率や小当りの当選確率を満たすべく、大当り値の範囲や小当り値の範囲が主制御CPU72により設定され、読み出した乱数値と比較される。
また、主制御CPU72は、非時間短縮状態(所定の遊技状態)において、第1特別図柄の抽選契機(第1抽選契機)よりも発生しにくい第2特別図柄の抽選契機(第2抽選契機)が発生すると、第2特別図柄抽選(第2抽選)を実行する(第2抽選実行手段)。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図188中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、図示しない変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、はずれ時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン選択手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。変動パターンには、通常変動(非リーチ変動)、リーチ変動、スーパーリーチ変動等といった様々な変動パターンが含まれている(大当り時や小当り時も同様)。なお、選択された特別図柄の変動パターンに関する情報は、特殊変動であるか否かという情報も含めて変動パターンコマンドとして演出制御装置に送信される(大当り時や小当り時についても同様である。)。
ここで、はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。また、「時間短縮状態」でなくとも、リーチ演出を実行する変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個〜3個)」に基づいて短縮される場合がある(例えば、変動表示開始時作動記憶数0個→12.5秒程度、変動表示開始時作動記憶数1個→8秒程度、変動表示開始時作動記憶数2個→5秒程度、変動表示開始時作動記憶数3個→2.5秒程度)。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。そして、主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、4種類の当選図柄が用意されている。第1特別図柄に関する内訳は、「第1当選図柄」又は「第2当選図柄」であり、第2特別図柄に関する内訳は、「第3当選図柄」又は「第4当選図柄」である。なお、これらの当選図柄の各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば、「第1当選図柄」であれば、「第1当選図柄A」、「第1当選図柄B」、「第1当選図柄C」、・・・といった具合である。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の選択比率が異なっている。このため主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであるか、第2特別図柄に対応するものであるかによって選択する当選図柄を区別している。
〔第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図196は、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、この第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「52」,「48」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第1当選図柄」、「第2当選図柄」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する大当り時において、「第1当選図柄」が選択される割合は100分の52(=52%)であり、「第2当選図柄」が選択される割合は100分の48(=48%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。
いずれにしても、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」,「02H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「第1当選図柄」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第1当選図柄」に該当した場合、通常中(非時間短縮状態)であるか時短中(時間短縮状態)であるかに関わらず、時短回数は1回(又は10回)付与される。
また、「第2当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は0回付与される(付与されない)。なお、時短回数は、上記の値に限定されることなく2回以上(11回以上)であってもよい。
ここで、「1回(又は10回)」とは、第2特別図柄の合計変動回数が1回となるか、第1特別図柄及び第2特別図柄の合計変動回数が10回となると、時間短縮状態が終了することを意味している。
〔第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図197は、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、この第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「100」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第3当選図柄」、「第4当選図柄」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する大当り時において、「第3当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)であり、「第4当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)である。
今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「第3当選図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第3当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は1回(又は10回)付与される。
また、「第4当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は0回付与される(付与されない)。
〔図194:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、大当り時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「第1当選図柄」又は「第3当選図柄」である場合、主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域にある遊技状態フラグとしての時間短縮機能作動フラグをON(01H)にセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段、有利状態移行手段)。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、時間短縮状態に移行する当選図柄で当選すると(所定の条件が満たされると)、非時間短縮状態(第1状態)よりも有利な時間短縮状態(第2状態)に移行可能とする(有利状態移行手段)。
また、ステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時停止図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお、本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。また、本実施形態では第1特別図柄に関しては小当りが設定されておらず、第2特別図柄に関してのみ設定されている。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では小当り時に選択的に決定される当選図柄として、2種類の当選図柄が用意されている。2種類の内訳は、「第5当選図柄」及び「第6当選図柄」である。なお、これらの当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば、「第5当選図柄」であれば、「第5当選図柄A」、「第5当選図柄B」、「第5当選図柄C」、・・・といった具合である。
〔第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブル〕
図198は、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、この第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「50」,「50」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第5当選図柄」、「第6当選図柄」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する小当り時においては、「第5当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)であり、「第6当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)である。
今回の小当りの結果、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の小当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「03H」,「04H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の小当りの結果、当選図柄として「第5当選図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H03H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての小当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、小当り遊技中に特定領域31xを遊技球が通過して大当り遊技が開始され、その大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第5当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は1回(又は10回)付与される。
また、「第6当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は0回付与される(付与されない)。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル、及び、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルを用いることにより、主制御CPU72は、非時間短縮状態又は時間短縮状態で「第1当選図柄」、「第3当選図柄」又は「第5当選図柄」に該当した場合(第5当選図柄については大当り遊技が実行された場合に限る。)には、時間短縮状態への移行条件が満たされるものとすることができる(移行条件設定手段)。
〔図194:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2408:次に主制御CPU72は、変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、小当り時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン選択手段)。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。本実施形態では小当りは第2特別図柄抽選にのみ設定されており、小当り時には小当り時用の変動時間を有する変動パターンが選択される。なお、第1特別図柄抽選に小当りを設定してもよい。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図193:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして、主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また、特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図194中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドを生成する。図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に図199は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100a:主制御CPU72は、図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。なお、本処理は、特別図柄の停止表示時間中に1回だけ実行することが好ましい。また、特別図柄の変動中に変動中フラグをONに設定している場合には、主制御CPU72は、本処理で図柄変動中フラグをOFFに設定することができる。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして、主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図193中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、停止表示時間終了コマンドを生成する。停止表示時間終了コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。なお、「停止表示時間終了コマンド」とは、特別図柄の停止表示時間が終了(経過)したことを示すコマンドである。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「可変入賞装置管理処理」に設定する。なお、主制御CPU72は、本処理にて各種機能を非作動に設定する処理を実行する。具体的には、時間短縮機能を非作動とする。これにより、特別遊技(大役)が開始される前には、通常状態(非時間短縮状態)に移行されることになる。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして、小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4608:主制御CPU72は、特殊変動回数更新処理を実行する。この処理では、第1特別図柄の特殊変動回数、及び、第2特別図柄の特殊変動回数が両方とも0である場合、何も処理を実行しない。一方、第1特別図柄の特殊変動回数が1以上である場合であって、第1特別図柄が停止した場合、第1特別図柄の特殊変動回数をデクリメント(−1)する処理を実行する。また、第2特別図柄の特殊変動回数が1以上である場合であって、第2特別図柄が停止した場合、第2特別図柄の特殊変動回数をデクリメント(−1)する処理を実行する。第1特別図柄の特殊変動回数、及び、第2特別図柄の特殊変動回数は、大当り遊技の開始時にリセットされる。なお、第1特別図柄の特殊変動回数や、第2特別図柄の特殊変動回数が0であるか1以上であるかに関わらず、本処理を実行した場合、主制御CPU72は、第1特別図柄の特殊変動回数や、第2特別図柄の特殊変動回数の値を反映させた特殊変動回数指定コマンドを演出制御装置に送信することができる。
ステップS4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「時間短縮状態」に関するカウンタ値がRAM76の時短カウント領域にセットされている。本実施形態では、いわゆる回数切りの時間短縮機能を採用しており、「時間短縮状態」に移行させる場合、時間短縮状態に関する第1回数切りカウンタ値(第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の時短回数)は所定の数値(例えば10回)に設定され、時間短縮状態に関する第2回数切りカウンタ値(第2特別図柄の時短回数)は規定の数値(例えば1回)に設定される。なお、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値の情報は、回数切りカウンタコマンドによって演出制御装置124に通知(送信)される。
なお、時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値は、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値といったように2つのカウンタ値を設けずに、1つのカウンタ値だけで時間短縮状態を制御してもよい。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値(第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値)が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。具体的には、第2特別図柄の停止表示中である場合には、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値を両方ともデクリメントし、第1特別図柄の停止表示中である場合には、第1回数切りカウンタ値だけをデクリメントする。
ステップS4640:そして、主制御CPU72は、いずれかの回数切りカウンタ値(第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値)の減算結果が0であるか否かを判断する。減算の結果、いずれの回数切りカウンタ値も0でない場合(No)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、いずれかの回数切りカウンタ値が0である場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。本実施形態では、時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値は所定の数値(例えば1回又は10回)に設定される。時間短縮状態で1回の第2特別図柄のはずれ変動(特定領域未通過となった場合はその際の小当り変動を含む。)が実行されると、時間短縮機能作動フラグがリセットされる。一方、時間短縮状態で9回の第1特別図柄のはずれ変動が実行されても、時間短縮機能作動フラグはリセットされず、その後さらに時間短縮状態で1回の第1特別図柄又は第2特別図柄のはずれ変動が実行されると、時間短縮機能作動フラグがリセットされる。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態が終了する。なお、時間短縮機能作動フラグは、特別図柄の停止表示時間が経過した際にリセットする例で説明しているが、特別図柄の変動時間終了時(停止表示時間計測開始前)にリセットしてもよい。
そして、以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理に復帰する。
このように、時間短縮状態の終了条件(所定の終了条件)は、時間短縮状態に移行してからの第2特別図柄の変動回数が第1回数(例えば1回)に到達した場合、又は、時間短縮状態に移行してからの第1特別図柄の変動回数及び第2特別図柄の変動回数を合計した合計変動回数が第1回数よりも大きい第2回数(例えば10回)に到達した場合に満たされる条件となっている。
図200は、変動パターンテーブルの一覧を示す図である。
変動パターンテーブルには、7個の変動パターンテーブルA〜Gが含まれている。
主制御CPU72は、遊技状態に応じて、7個の変動パターンテーブルA〜Gのいずれかの変動パターンテーブルを選択可能とする。各変動パターンテーブルには、1又は複数の変動パターンが含まれている。例えば、変動パターンテーブルAが選択された場合、第1特別図柄と第2特別図柄とで、選択される変動パターンが異なることもある。この点は、他の変動パターンテーブルでも同様である。なお、図中の「遊技状態」は、大当り遊技終了後の遊技状態(移行先の遊技状態)を示している。ただし、図中の「遊技状態」は、大当り遊技開始前の遊技状態(移行前の遊技状態)であってもよい。
変動パターンテーブルAは、遊技状態が「時短無し(非時間短縮状態)」の場合に選択される。具体的には、通常状態時に選択される。なお、RAMクリア後も、本テーブルが選択される。
変動パターンテーブルBは、遊技状態が「時短無し」の場合に選択される。具体的には、通常状態時に選択される。変動パターンテーブルAと、変動パターンテーブルBとの違いは、変動パターンテーブルBが時間短縮状態が終了した後の規定変動数以内で(例えば30変動まで)選択されるテーブルとなっている点である。変動パターンテーブルBは、いわゆる即止め防止のテーブルである。
変動パターンテーブルCは、遊技状態が「時短有り(時間短縮状態)」の場合に選択される。具体的には、通常状態時の時短有り図柄当選時(「第1当選図柄」又は「第3当選図柄」の当選時)に、第1特別図柄が1〜4、6〜9変動した場合に選択される。本テーブルでは、第1特別図柄については、変動時間が短い変動パターン(例えば、1秒変動)が設定されており、第2特別図柄については、変動時間が長い変動パターン(例えば、120秒変動)が設定されている。
変動パターンテーブルDは、遊技状態が「時短有り」の場合に選択される。具体的には、時短状態時に選択される。本テーブルでは、第1特別図柄については、変動時間が長い変動パターン(例えば、90秒変動)が設定されている。
変動パターンテーブルEは、遊技状態が「時短無し」の場合に選択される。具体的には、通常状態時(残り1回=時間短縮状態終了後の第2特別図柄の1変動分の変動時)に選択される。本テーブルでは、第2特別図柄については、変動時間が長い変動パターン(例えば、120秒変動)が設定されている。
変動パターンテーブルFは、遊技状態が「時短無し」の場合に選択される。具体的には、変動パターンテーブルBの最終変動時に選択される。
変動パターンテーブルGは、遊技状態が「時短有り」の場合に選択される。具体的には、通常状態時の時短有り図柄当選時に、第1特別図柄が5、10変動した場合に選択される。本テーブルでは、第1特別図柄については、変動時間が長い変動パターン(例えば、13.5秒変動)が設定されている。
図201は、非時間短縮状態からの大当りで大当り遊技の変動が第1特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。
ここで、図中の「時短回数」は、第1回数切りカウンタ値(第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の時短回数)に設定する値を示している(図203においても同様)。
〔No1〕
「当選図柄」が「第1当選図柄(第1特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜4」、「6〜9」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルC」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「5」、「10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルG」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No2〕
「当選図柄」が「第2当選図柄(第1特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No3〕
「当選図柄」が「第3当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No4〕
「当選図柄」が「第4当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No5(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No5(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
図202は、非時間短縮状態からの大当りで大当り遊技後の変動が第2特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。
なお、本実施形態では、第2特別図柄が変動した時点で大当り又は小当りとなるので、2変動目以降の特殊変動テーブルは存在しない。
ここで、図中の「第2特別図柄の時短回数」は、第2回数切りカウンタ値(第2特別図柄だけの時短回数)に設定する値を示している(図204においても同様)。
〔No1〕
「当選図柄」が「第1当選図柄(第1特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルC」となる。
〔No2〕
「当選図柄」が「第2当選図柄(第1特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
〔No3〕
「当選図柄」が「第3当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No4〕
「当選図柄」が「第4当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
〔No5(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No5(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
〔No6(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
図203は、時間短縮状態からの大当りで大当り遊技の変動が第1特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。
〔No1〕
「当選図柄」が「第1当選図柄(第1特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No2〕
「当選図柄」が「第2当選図柄(第1特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜5」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「6〜19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No3〕
「当選図柄」が「第3当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No4〕
「当選図柄」が「第4当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜5」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「6〜19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No5(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No5(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜5」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「6〜19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
図204は、時間短縮状態からの大当りで大当り遊技後の変動が第2特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。
なお、図202と同様に、本実施形態では、第2特別図柄が変動した時点で大当り又は小当りとなるので、2変動目以降の特殊変動テーブルは存在しない。
〔No1〕
「当選図柄」が「第1当選図柄(第1特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No2〕
「当選図柄」が「第2当選図柄(第1特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
〔No3〕
「当選図柄」が「第3当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No4〕
「当選図柄」が「第4当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
〔No5(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No5(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
〔No6(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、連荘状態(第2状態)に移行して大当り遊技が実行される前は、連荘状態の第1特別図柄の変動時間(例えば1秒)を、非時間短縮状態(第1状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば2秒以上120秒未満)よりも相対的に短くすることを可能とする(変動時間決定手段)。
また、このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、連荘状態(第2状態)に移行して大当り遊技が実行された後は、連荘状態(第2状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば120秒以上)を、非時間短縮状態(第1状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば120秒未満)よりも相対的に長くすることを可能とする(変動時間決定手段)。
さらに、このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、第2特別図柄抽選(第2抽選)で当選して連荘状態に移行した際の第1特別図柄の変動時間(変動パターンテーブルD)を、第1特別図柄抽選(第1抽選)で当選して連荘状態に移行した際の第1特別図柄の変動時間(変動パターンテーブルC)よりも相対的に長くすることを可能とする(変動時間決定手段)。
このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、連荘状態(第2状態)に移行して大当り遊技が実行される前は、連荘状態の第1特別図柄の変動時間(例えば1秒)が、非時間短縮状態(第1状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば2秒以上120秒未満)よりも相対的に短くなるように変動時間を決定可能とする(変動時間決定手段)。
また、このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、連荘状態(第2状態)に移行して大当り遊技が実行された後は、連荘状態(第2状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば120秒以上)が、非時間短縮状態(第1状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば120秒未満)よりも相対的に長くなるように変動時間を決定可能とする(変動時間決定手段)。
さらに、このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、第2特別図柄抽選(第2抽選)で当選して連荘状態に移行した際の第1特別図柄の変動時間(変動パターンテーブルD)が、第1特別図柄抽選(第1抽選)で当選して連荘状態に移行した際の第1特別図柄の変動時間(変動パターンテーブルC)よりも相対的に長くなるように変動時間を決定可能とする(変動時間決定手段)。
〔表示出力管理処理〕
次に図205は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図188中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値に応じて時短状態表示ランプ38eの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38eに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。さらに、主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスに応じて発射位置指定表示ランプ38fの点灯を制御する。例えば、大当り遊技又は小当りの遊技により第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31が作動状態となる場合、主制御CPU72は発射位置指定表示ランプ38fに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。また、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は上記の時短状態表示ランプ38eに加えて、発射位置指定表示ランプ38fに対応するLEDに対しても点灯信号を出力する。なお、発射位置指定表示ランプ38fは、大当り遊技を経て「時間短縮状態」に移行する場合、大当り遊技開始から「時間短縮状態」が終了するまで点灯し、「時間短縮状態」の終了により非点灯(OFF)となる。
主制御CPU72は、左打ち状態であるか右打ち状態であるかを示す発射位置指定フラグ(0=左打ち状態、1=右打ち状態)によって発射位置を管理し、任意のタイミングで発射位置指定フラグの内容を含む発射位置指定コマンドを演出制御装置に送信することができる。ここで、演出制御装置に右打ち報知ランプが接続されている場合には、演出制御装置は、発射位置指定コマンドに基づいて右打ち報知ランプの点灯態様を制御することができる。非時間短縮状態は左打ち状態であり、時間短縮状態は右打ち状態である。大当り遊技中や小当り遊技中は、基本的には右打ち状態であるが、それぞれのエンディング時間中(終了時間中)は左打ち状態としてもよい。
時間短縮状態は、時間短縮状態での最終変動(はずれ変動、小当り変動又は大当り変動)の変動終了時(停止表示時間の開始時)に終了させることができる。この場合、時間短縮状態での最終変動の停止表示時間を最終変動以外の停止表示時間(0.5秒)よりも長い時間(15.0秒)に設定することができる。なお、時間短縮状態は、時間短縮状態での最終変動の停止表示時間の終了時に終了させてもよい。
また、主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38bの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38bのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数ステータスの値で指定された大当り図柄に対応するいずれかの表示ランプ38a,38bである。例えば、連続作動回数ステータスの値が「10ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「10ラウンド(10R)」を表すランプ38aに対して点灯信号を出力する。また、本実施形態では、10ラウンド大当り以外の大当りが存在しないが、10ラウンド大当り以外の大当りとして、例えば4ラウンド大当りが存在しており、連続作動回数ステータスの値が「4ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「4ラウンド(4R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。なお、本実施形態のように、大当りとして1種類の大当りしかない場合(10ラウンド大当りしかない場合)、大当り種別表示ランプを点灯させなくてもよい。
〔可変入賞装置管理処理〕
次に、可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図206は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200〜ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大入賞口開放パターン設定処理〕
図207は、大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時又は小当り時にそれぞれ第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5202:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。この確認の結果、大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5203を実行する。一方、大当りフラグの値(01H)がセットされていない場合(No)、すなわち、小当りフラグの値(01H)がセットされている場合、主制御CPU72は次にステップS5204を実行する。
ステップS5203:主制御CPU72は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理を実行する。この処理では、大当り時図柄別開放パターン設定テーブルに基づいて、大当り時の当選図柄に対応した大入賞口の開放パターンを設定するものである。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5205を実行する。
ステップS5204:主制御CPU72は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理を実行する。この処理では、小当り時図柄別開放パターン設定テーブルに基づいて、大入賞口の開放パターンを設定するものである。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5205を実行する。
ステップS5205:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔大当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図208は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5210:主制御CPU72は、条件装置及び役物連続作動装置を作動させる。ここで、「条件装置」とは、その作動が役物連続作動装置の作動に必要な条件とされる装置であり、「役物連続作動装置」とは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を連続して作動させることができる装置である。なお、「条件装置」や「役物連続作動装置」は制御上のフラグとすることもできる。したがって、この条件装置が作動していない限り、大当り遊技において第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31は作動しないことを表している。主制御CPU72は次にステップS5212を実行する。
ステップS5212:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、大当り図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、第1当選図柄に該当した場合、連続作動回数ステータスには「10ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5214を実行する。
ステップS5214:主制御CPU72は、大当り時図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時図柄別開放パターン設定テーブルを参照し、特別図柄に関する当選図柄の種類に対応した開放パターンを選択する。ここで、開放パターンとは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を作動させる設定を表し、例えば、実行ラウンド数、開放時間、インターバル時間等の設定を表している。主制御CPU72は次にステップS5216を実行する。
〔大当り時図柄別開放パターン設定テーブル〕
図209は、大当り時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この大当り時図柄別開放パターン設定テーブルは、特別図柄に関する異なる当選図柄別に、ラウンドごとの作動させる可変入賞装置(第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31)の開閉動作パターンを定めたものである。具体的には、当選図柄別に以下の大入賞口の開放パターンが定められている。
〔第1当選図柄〕
第1当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドであり、その内の10ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第1当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される(ただし、上限個数の入球が確認されると閉鎖される。以下、同様。)。したがって、第1当選図柄に該当した場合は、実質的に10ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第2当選図柄〕
第2当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドであり、その内の10ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第2当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第2当選図柄に該当した場合は、実質的に10ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第3当選図柄〕
第3当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドであり、その内の10ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第3当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第3当選図柄に該当した場合は、実質的に10ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第4当選図柄〕
第4当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドであり、その内の10ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第4当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第4当選図柄に該当した場合は、実質的に10ラウンド分の出球を獲得することができる。
以上のように、主制御CPU72は、上記大当り時図柄別開放パターン設定テーブルを参照して当選図柄の種類に対応する大入賞口の開放パターンを設定する。
〔図208:大当り時大入賞口開放パターン設定処理を参照〕
ステップS5216:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中のラウンド毎(1ラウンド〜最終ラウンド)に作動させる可変入賞装置の種類を第1可変入賞装置30に設定する。なお、本実施形態においては、全ての大当り時の当選図柄(第1当選図柄〜第3当選図柄)に対応する開放パターンが1ラウンド〜最終ラウンドで第1大入賞口30bが開放されるため、第1可変入賞装置30の作動が設定される。主制御CPU72は次にステップS5218を実行する。
ステップS5218:主制御CPU72は、実行ラウンド数を設定する。具体的には、主制御CPU72は当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンド数を設定する。例えば、10ランド大当りに対応する開放パターンの実行ラウンド数としては、10ラウンドが設定される。主制御CPU72は次にステップS5220を実行する。
ステップS5220:主制御CPU72は、大当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド毎に大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、大当り時の当選図柄(第1当選図柄〜第3当選図柄)に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、ラウンド毎に設定される。例えば、第1当選図柄であった場合、出球有りのラウンドについては第1大入賞口30bを開放する開放時間が29.0秒に設定される。したがって、開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。なお、開放タイマの値として0.5秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が困難な時間となる。主制御CPU72は次にステップS5222を実行する。
ステップS5222:主制御CPU72は、大当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、全ての大当り時の当選図柄(第1当選図柄〜第3当選図柄)に対応する開放パターンのインターバルタイマとして1.0秒が設定される。例えば、1ラウンド目と2ラウンド目の間の第1大入賞口30bの開放が終了し一旦閉鎖状態になった後、1.0秒間程度のインターバルタイマが設定される。主制御CPU72は次にステップS5224を実行する。
ステップS5224:主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の処理(ステップS5218)で設定された実行ラウンド数に基づいて生成することができる。例えば、第1当選図柄に該当した場合、実行ラウンド数は「10ラウンド」となるため、連続作動回数コマンドは「10ラウンド」を表す値を含むコマンドとして生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大入賞口開放パターン設定処理(図207)に復帰する。
〔小当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図210は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5252:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、小当り遊技中を表す状態コマンドを生成する。小当り遊技中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5254を実行する。
ステップS5254:主制御CPU72は、小当り時開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時開放パターン設定テーブルを参照し、開放パターンを選択する。ここで、開放パターンとは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を作動させる設定を表し、例えば、開放回数、開放時間、インターバル時間、特定領域31xの開放時間等の設定を表している。主制御CPU72は次にステップS5256を実行する。
〔小当り時開放パターン設定テーブル〕
図211は、小当り時開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この小当り時開放パターン設定テーブルは、可変入賞装置(第2可変入賞装置31)の開閉動作パターンを定めたものである。なお、本実施形態では、小当り時に設定される開放パターンは1つであるが、当選図柄別に複数規定してもよい。
小当りに該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第2可変入賞装置31である。また、第2可変入賞装置31の開放回数は2回であり、その1回の開放時間は0.9秒である。なお、インターバル時間は例えば1.0秒程度に設定される。
特定領域31xの開放開始時間(特定領域ソレノイド99をONにして特定領域用スライド部材31cを作動させるタイミング)は、第2可変入賞装置31の開放開始から0.2秒後である。
また、特定領域31xの開放終了時間(特定領域ソレノイド99をOFFにして特定領域用スライド部材31cを非作動とするタイミング)は、第2可変入賞装置31の開放開始から1.8秒後である。
〔図210:小当り時大入賞口開放パターン設定処理を参照〕
ステップS5256:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は小当りに対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に作動させる可変入賞装置の種類を第2可変入賞装置31に設定する。主制御CPU72は次にステップS5258を実行する。
ステップS5258:主制御CPU72は、開放回数を設定する。具体的には、主制御CPU72は小当りに対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に実行する開放回数を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに対応する開放パターンの開放回数として2回が設定される。主制御CPU72は次にステップS5260を実行する。
ステップS5260:主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当り時に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、0.9秒が設定される。主制御CPU72は次にステップS5262を実行する。
ステップS5262:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、大入賞口の開放間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、インターバルタイマは所定時間(例えば1.0秒)に設定される。主制御CPU72は次にステップS5264を実行する。
ステップS5264:主制御CPU72は、特定領域31x(特定領域用スライド部材31c)の開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に特定領域31xの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、第2可変入賞装置31の開放開始から0.2秒後に特定領域31xが開放され、第2可変入賞装置31の開放開始から1.8秒後に特定領域31xが閉鎖される。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大入賞口開放パターン設定処理(図207)に復帰する。
〔大入賞口開閉動作処理〕
図212は、大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は主に、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5302:主制御CPU72は、現在の内部状態が「大役中」であるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファにアクセスし、制御上の内部状態フラグとして「大役中(大当り遊技中)」のフラグがセットされているか否かで、現在の内部状態が「大役中」であるか否かを確認する。なお、「大役中(大当り遊技中)」のフラグは、先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理中:ステップS5212)や後述する特定領域通過時処理中において主制御CPU72によりセットされる。この確認の結果、現在の内部状態が「大役中」である場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5306を実行する。一方、現在の内部状態が「大役中」ではない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5304を実行する。
ステップS5304:主制御CPU72は、第2大入賞口開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、第2大入賞口31bを開閉するために第2可変入賞装置31を作動させる(第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS5306:主制御CPU72は、第1大入賞口開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、第1大入賞口30bを開閉するために第1可変入賞装置30を作動させる(第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理(図206)に復帰する。
〔第2大入賞口開閉動作処理〕
図213は、第2大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5310:主制御CPU72は、主制御CPU72は、第2大入賞口31bを開放する。具体的には、第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第2可変入賞装置31が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。なお、本処理を実行した場合、主制御CPU72は、演出制御装置124に対して、小当り時のオープニングコマンドを送信することができる。小当り時のオープニングコマンドは、小当り中に1回だけ送信することが好ましい。
ステップS5312:主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図210中)のステップS5260やステップS5264)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。なお、この処理では、第2大入賞口31bの開放に関する開放タイマの他に、特定領域31xの開放に関する開放タイマ(開放開始時間、開放終了時間)についてのカウントダウンが行われる。主制御CPU72は次にステップS5314を実行する。
ステップS5314:主制御CPU72は、特定領域開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、特定領域31xを開閉するために特定領域用スライド部材31cを作動させる(特定領域ソレノイド99に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5316を実行する。
ステップS5316:主制御CPU72は、第2大入賞口31bの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理中の第2大入賞口31bについての開放タイマの値が0以下であるか否かを確認する。この確認の結果、第2大入賞口31bの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322を実行する。一方、第2大入賞口31bの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5318を実行する。
ステップS5318:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第2可変入賞装置31(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第2カウントスイッチ85から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。主制御CPU72は次にステップS5320を実行する。
ステップS5320:主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように小当り時の開放1回あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(No)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5310〜ステップS5320の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5316で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5320でカウント数が所定数に達したことを確認すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322を実行する。なお、小当り時の開放は、開放タイマの値が短時間(例えば、1.8秒)に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5316で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5322:主制御CPU72は、第2大入賞口31bを閉鎖する。具体的には、第2大入賞口ソレノイド97に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより第2可変入賞装置31が開放状態から閉鎖状態に復帰する。主制御CPU72は次にステップS5324を実行する。
ステップS5324:主制御CPU72は、特定領域通過フラグがONであるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、特定領域通過フラグの値が01Hであるか否かにより、特定領域通過フラグがONであるか否かを確認する。この確認の結果、特定領域通過フラグがONである場合(Yes)、すなわち、小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過した場合、主制御CPU72は次にステップS5326を実行する。一方、特定領域通過フラグがONではない場合(No)、すなわち、小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過しなかった場合、主制御CPU72は次にステップS5327aを実行する。なお、特定領域通過フラグは、先の特定領域開閉動作処理(ステップS5314)の中でONに設定される可能性がある。
ステップS5326:主制御CPU72は、特定領域通過時処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過したことに基づき、条件装置や役物連続作動装置を作動させ、第1可変入賞装置30を連続作動させる処理、すなわち、大当り遊技を開始する処理を実行する(特殊遊技経由特別遊技実行手段、特別遊技実行手段)。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5328を実行する。
ステップS5327a:主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図210中)のステップS5262)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5327bに進む。なお、ここでは特に図示していないが、インターバル時間が経過するまでの間(インターバルタイマ値が0になるまでの間)、割り込み毎に主制御CPU72はステップS5327aから呼び出し元である可変入賞装置管理処理(図206)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5310からではなく直にステップS5327aを実行する。
ステップS5327b:主制御CPU72は、第2大入賞口開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、第2大入賞口開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5327c:主制御CPU72は、インクリメント後の第2大入賞口開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「1回の小当り中に第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、特にこのような開放パターンを採用していない場合には、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されているため、1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5328に進むことになる。
一方、「1回の小当り中に第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンを採用している場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5310〜ステップS5327bまでの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5327bで開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(ステップS5327c;Yes)、主制御CPU72は次にステップS5328を実行する。
ステップS5328:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、大入賞口開閉動作処理(図212)に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔特定領域開閉動作処理〕
図214は、特定領域開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5330:主制御CPU72は、特定領域31xの開放時間が開始されたか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はカウントダウン処理(ステップS5312)においてカウントダウンされていた特定領域31xの開放に関する開放開始時間についての開放タイマの値が0であるか否かを確認することで、特定領域31xの開放時間が開始されたか否かを確認する。この確認の結果、特定領域31xの開放時間が開始された場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5332を実行する。一方、特定領域31xの開放時間が開始されていない場合(No)、又は、すでに開放されている場合、主制御CPU72は次にステップS5334を実行する。
ステップS5332:主制御CPU72は、特定領域31xを開放する。具体的には、特定領域ソレノイド99に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、特定領域用スライド部材31cが作動して特定領域31xが閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5334を実行する。
ステップS5334:主制御CPU72は、遊技球が特定領域31xを通過したか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76の記憶領域にアクセスし、特定領域予備フラグがONになっているか否かを確認する。この確認の結果、特定領域予備フラグがONになっていて、遊技球が特定領域31xを通過したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5336を実行する。一方、特定領域予備フラグがOFFになっていて、遊技球が特定領域31xを通過していないことを確認した場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5338を実行する。
ステップS5336:主制御CPU72は、特定領域通過フラグをONにセットする。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、特定領域通過フラグの値を01Hに設定する。主制御CPU72は次にステップS5338を実行する。なお、特定領域通過フラグや特定領域予備フラグは大当り遊技の終了時にリセットされる。
ステップS5338:主制御CPU72は、特定領域31xの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はカウントダウン処理(ステップS5312)においてカウントダウンされていた特定領域31xの開放に関する開放タイマの値が0であるか否かを確認することで、特定領域31xの開放時間が終了したか否かを確認する。この確認の結果、特定領域31xの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5340を実行する。一方、特定領域31xの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図213)に復帰する。
ステップS5340:主制御CPU72は、特定領域31xを閉鎖する。具体的には、特定領域ソレノイド99に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、特定領域用スライド部材31cが開放状態(作動状態)から閉鎖状態(非作動状態)に復帰する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図213)に復帰する。
〔特定領域通過時処理〕
図215は、特定領域通過時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5350:主制御CPU72は、小当りフラグをリセットする。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、小当りフラグの値を00Hにリセットする。主制御CPU72は次にステップS5352を実行する。
ステップS5352:主制御CPU72は、小当り遊技を終了させる。具体的には、主制御CPU72は内部状態フラグから「小当り遊技中」を消去し、制御処理上で小当り遊技を終了する(小当り終了)。主制御CPU72は次にステップS5354を実行する。
ステップS5354:主制御CPU72は、条件装置及び役物連続作動装置を作動させる。これにより、第1可変入賞装置30を連続して作動させることができ、大当り遊技を開始できることとなる。主制御CPU72は次にステップS5356を実行する。
ステップS5356:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、当選図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、第1当選図柄に該当した場合、連続作動回数ステータスには「10ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5358を実行する。
ステップS5358:主制御CPU72は、特定領域通過時図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルを参照し、小当りに該当した際の当選図柄の種類に対応した開放パターンを選択する。主制御CPU72は次にステップS5360を実行する。
ステップS5360:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中のラウンド毎(2ラウンド〜最終ラウンド)に作動させる可変入賞装置の種類を第1可変入賞装置30に設定する。主制御CPU72は次にステップS5362を実行する。
ステップS5362:主制御CPU72は、実行ラウンド数を設定する。具体的には、主制御CPU72は小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンド数を設定する。例えば、第5当選図柄に対応する開放パターンの実行ラウンド数としては「10ラウンド」が設定される。主制御CPU72は次にステップS5364を実行する。
ステップS5364:主制御CPU72は、大当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド毎に大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄(第4当選図柄〜第6当選図柄)に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、ラウンド毎に設定される。例えば、第4当選図柄であった場合、出球有りのラウンドについては第1大入賞口30bを開放する開放時間が29.0秒に設定される。したがって、開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。なお、開放タイマの値として0.5秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が困難な時間となる。主制御CPU72は次にステップS5366を実行する。
ステップS5366:主制御CPU72は、大当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに該当した際の当選図柄に対応する開放パターンのインターバルタイマとして1.0秒が設定される。例えば、2ラウンド目と3ラウンド目の間の第1大入賞口30bの開放が終了し一旦閉鎖状態になった後、1.0秒間程度のインターバルタイマが設定される。主制御CPU72は次にステップS5368を実行する。
ステップS5368:主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の処理(ステップS5362)で設定された実行ラウンド数に基づいて生成することができる。例えば、第5当選図柄に該当した場合、実行ラウンド数は「10ラウンド」となるため、連続作動回数コマンドは「10ラウンド」を表す値を含むコマンドとして生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5370を実行する。
ステップS5370:主制御CPU72は、特定領域通過時図柄別時間短縮機能設定処理を実行する。この処理では、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が「第5当選図柄」である場合、主制御CPU72は時間短縮機能作動フラグをONにセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段、有利状態移行手段)。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、時間短縮状態に移行する当選図柄で当選すると(所定の条件が満たされると)、非時間短縮状態(第1状態)よりも有利な時間短縮状態(第2状態)に移行可能とする(有利状態移行手段)。
ステップS5372:主制御CPU72は、特殊変動回数設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、当選図柄に応じて、第1特別図柄の特殊変動回数、及び、第2特別図柄の特殊変動回数を設定する。特殊変動回数の具体的な数値は、図201〜図204において説明した通りである。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図213)の末尾のアドレスに復帰する。
〔特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブル〕
図216は、特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルは、小当りに該当した際の特別図柄に関する異なる当選図柄別に、ラウンドごとの第1可変入賞装置30の開閉動作パターンを定めたものである。具体的には、当選図柄別に以下の大入賞口の開放パターンが定められている。
〔第5当選図柄〕
第5当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドである。なお、この実行ラウンド数には、小当りで開放された第2可変入賞装置31の作動が含まれているため、これから開始される大当り遊技では10ラウンドから1ラウンド分が減算された9ラウンドが実質的な大当り遊技でのラウンド数となる(以下の第6当選図柄でも同様)。そして、各ラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が第5当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、小当りでの第2可変入賞装置31の開放を1ラウンド目としているため、2ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第5当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合は、実質的に9ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第6当選図柄〕
第6当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンド(実質的な大当り遊技でのラウンド数は9ラウンド)である。そして、各ラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が第6当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、小当りでの第2可変入賞装置31の開放を1ラウンド目としているため、2ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第6当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合は、実質的に9ラウンド分の出球を獲得することができる。
以上のように、主制御CPU72は、上記特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルを参照して小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄の種類に対応する大入賞口の開放パターンを設定することとなる。
〔第1大入賞口開閉動作処理〕
図217は、第1大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5380:主制御CPU72は、主制御CPU72は、第1大入賞口30bを開放する。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第1可変入賞装置30が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5382を実行する。なお、本処理を実行した場合、主制御CPU72は、演出制御装置124に対して、大当り時のオープニングコマンドを送信することができる。大当り時のオープニングコマンドは、大当り中に1回だけ送信することが好ましい。
ステップS5382:主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図208中)のステップS5220、又は、特定領域通過時処理(図215中)のステップS5364)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。主制御CPU72は次にステップS5386を実行する。
ステップS5386:主制御CPU72は、第1大入賞口30bの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の第1大入賞口30bについての開放タイマの値が0以下であるか否かを確認する。この確認の結果、第1大入賞口30bの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5392を実行する。一方、第1大入賞口30bの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5388を実行する。
ステップS5388:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第1可変入賞装置30(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第1カウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。主制御CPU72は次にステップS5390を実行する。
ステップS5390:主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5380〜ステップS5390の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5386で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5390でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5392を実行する。なお、開放タイマの値が短時間(例えば、0.5秒)に設定されている場合、通常、主制御CPU72はステップS5390でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5386で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5392:主制御CPU72は、第1大入賞口30bを閉鎖する。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより第1可変入賞装置30が開放状態から閉鎖状態に復帰する。主制御CPU72は次にステップS5394を実行する。
ステップS5394:主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図208中)のステップS5222、又は、特定領域通過時処理(図215中)のステップS5366)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5395に進む。なお、ここでは特に図示していないが、インターバル時間が経過するまでの間(インターバルタイマ値が0になるまでの間)、割り込み毎に主制御CPU72はステップS5394から呼び出し元である可変入賞装置管理処理(図206)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5380からではなく直にステップS5394を実行する。
ステップS5395:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5396:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で第1可変入賞装置30を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、本実施形態では、特にこのような開放パターンを採用していないので、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがって、通常は1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5398に進むことになる。
なお、上記のように1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用した場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5380〜ステップS5390までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5395で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5398に進むことになる。
ステップS5398:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、大入賞口開閉動作処理(図212)に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大入賞口閉鎖処理〕
図218は、大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大入賞口閉鎖処理は、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5401:先ず主制御CPU72は、現在の遊技が大役(大当り遊技)中であるか否かを確認し、大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5402を実行する。
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。なお、小当り遊技中に特定領域31xを遊技球が通過し、小当りの終了後に大当り遊技が開始された場合、小当り時の第2大入賞口31bの開放を1ラウンド目として扱い、大当り遊技が開始される1回目のラウンドは2ラウンド目として扱われる。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1〜15)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の14、又は、15)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図206中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402〜ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達するまでの間、第1可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔小当り時〕
これに対し、小当りの場合は以下の手順となる(特例作動実行手段)。
ステップS5411:主制御CPU72は現在の遊技が大役中でないことを確認すると(ステップS5401:No)、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS5413:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図210中のステップS5258)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS5416を実行する。
ステップS5416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図206中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5401〜ステップS5413(No)を経てステップS5416、ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際の開放回数が設定した開放回数に達するまでの間、第2可変入賞装置31の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS5413:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5414を実行する。
ステップS5414,ステップS5412:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔終了処理〕
図219は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。この終了処理は、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5501a:主制御CPU72は、終了時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は終了時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
ステップS5501b:次に主制御CPU72は、終了時間(エンディング時間)が経過したか否かを確認する。具体的には、終了時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は終了時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して可変入賞装置管理処理(図206)に復帰する。
この後、時間の経過に伴って終了時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は終了時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS5502以降の処理を実行する。
なお、終了時間に関しては、大当りと小当りとで別の時間を設定してもよい。
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認し、大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5503を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:この場合、主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また、主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で大当り遊技を終了する(大役終了)。なお、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値をリセットする。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値が01Hであるか(セットされているか)否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図194中のステップS2414)や、先の特定領域通過時処理中の特定領域通過時図柄別時間短縮機能設定処理(図215中のステップS5370)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、時間短縮機能作動フラグの値が01Hである場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時短回数(例えば1回(又は10回))を設定する。設定した時短回数の値は、上記のようにRAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時短回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。本実施形態では、時短回数を管理するために、2種類の時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値(第1回数切りカウンタ値、第2回数切りカウンタ値)が用意されている。ここで、第1回数切りカウンタ値は、第1特別図柄又は第2特別図柄が1回変動する度にデクリメントされる変数であり、初期値として「10」が設定される。また、第2回数切りカウンタ値は、第2特別図柄が1回変動する度にデクリメント(1減算)される変数であり、初期値として「1」が設定される。なお、時間短縮機能作動フラグの値が01Hでない場合(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512及びステップS5513を実行しない。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、時間短縮状態への移行条件が満たされた場合(所定の移行条件が満たされた場合、時間短縮状態に移行させる当選図柄で当選した場合)、大当り遊技の終了後に、非時間短縮状態(所定の遊技状態)から非時間短縮状態と比較して有利な条件が適用された(普通図柄抽選の変動時間が短縮され、可変始動入賞装置の開放時間が延長されている)時間短縮状態(有利遊技状態)に移行させることができる(有利遊技状態移行手段)。
ステップS5513:主制御CPU72は、特殊変動回数設定処理を実行する。この処理は、図215のステップS5372の処理と同様である。
ここまでの手順は大当りの場合であるが、小当りの場合(ステップS5502:No)は以下の手順が実行される。
ステップS5520,ステップS5522:小当りの場合、主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また、内部状態フラグから「小当り遊技中」を消去する。なお、小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS5514:そして、主制御CPU72は、フラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS5516:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図193中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔ゲームフロー(その1)〕
図220は、通常モードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
パチンコ機1で遊技を開始する場合、〔F1〕通常モード(公園モード)から遊技が開始される。「通常モード」は、「非時間短縮状態」である。
〔F1〕通常モードでの遊技中に、遊技球が中始動入賞口26に入球すると、〔F2〕第1特別図柄が変動する。
〔F3〕第1特別図柄抽選で「はずれ」となると、〔F1〕通常モードの状態からやり直しとなる。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F5〕第1当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。〔F8〕ドライブモードは、「時間短縮状態」である。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F7〕第2当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F9〕動物モードに移行する。〔F9〕動物モードは、「非時間短縮状態」である。なお、〔F9〕動物モードの変動パターンは、〔F1〕通常モードと異ならせてもよく、〔F1〕通常モードと同一であってもよい。
〔ゲームフロー(その2)〕
図221は、時間短縮状態のドライブモードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F8〕時間短縮状態のドライブモードでの遊技中に、遊技球が右始動入賞口28bに入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していると)、〔F12〕第2特別図柄が変動する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F14〕第3当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F15〕第4当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F20〕非時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率318/319)」となり、〔F17〕第5当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率318/319)」となり、〔F19〕第6当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F20〕非時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔ゲームフロー(その3)〕
図222は、非時間短縮状態のドライブモードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F20〕非時間短縮状態のドライブモードでの遊技中に、遊技球が右始動入賞口28bに入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していると)、〔F12〕第2特別図柄が変動する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F14〕第3当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F15〕第4当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F9〕動物モードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率318/319)」となり、〔F17〕第5当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率318/319)」となり、〔F19〕第6当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F9〕動物モードに移行する。
このように、本実施形態では、一旦、時間短縮状態(連荘状態)に突入すると、第2特別図柄の時短1回分の変動と、第2特別図柄の1個の記憶分とで、合計2回の当り(大当り又は小当り)の機会を得ることできる。そして、その2回の機会のいずれかで、時短付きの当選図柄で当選すると、再び、時間短縮状態(連荘状態)に復帰する遊技性となっている。
〔ゲームフロー(その4)〕
図223は、動物モードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F9〕動物モードでの遊技中に、遊技球が中始動入賞口26に入球すると、〔F2〕第1特別図柄が変動する。
〔F3〕第1特別図柄抽選で「はずれ」となり、このような「はずれ」が規定回数連続すると(例えば、15回の変動が実行されると)、〔F20〕規定変動経過となり、〔F1〕通常モードに移行する。なお、第1特別図柄抽選で「大当り」となった場合は、図220のゲームフローと同様の流れとなる。
〔演出画像の例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像について、いくつかの例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)を決定し、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、上記のように第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。同様に、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示の態様は、やはり7セグメントLED等による記号的な図案であり、やはり「当選図柄」としての視覚的なインパクトに乏しい。そこでパチンコ機1では、液晶表示器42を用いた変動表示演出及び停止表示演出が行われている。
本実施形態では、液晶表示器42に、演出図柄、マーカM1、マーカM2、第4図柄Z1,Z2、滞在モードに対応する背景画像、予告演出に関する画像等を表示している。
液晶表示器42に表示される演出図柄には、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される。各演出図柄には、数字の「1」〜「9」が表示されている。ここで、左演出図柄、中演出図柄、及び右演出図柄は、いずれも数字が「9」〜「1」の降順に並んだ図柄列(演出図柄配列)を構成している。このような図柄列は、それぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
図224及び図225は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、液晶表示器42を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄)が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果が表示されたことを表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔変動表示前〕
図224中(A):例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の中央の領域には3本の演出図柄の列が表示されている。このとき第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄も停止表示された状態にある。
また、液晶表示器42の下部左側の領域には、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数を表すマーカ(図中に参照符号M1,M2を付す)が表示されるものとなっている。これらマーカM1,M2は、それぞれの表示個数が対応する第1特別図柄、第2特別図柄の作動記憶数(第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示数)を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。また、マーカM1,M2は、視覚的な判別を容易にするため第1特別図柄に対応するマーカM1が例えば円(○)の図形で表示され、第2特別図柄に対応するマーカM2が例えばハートの図形で表示されている。なお、図示の例では、マーカM1が4つとも点灯表示されることで第1特別図柄の作動記憶数が4個であることを表し、マーカM2が全て非表示(破線で示す)になることで第2特別図柄の作動記憶数が0個であることを表している。なお、第2特別図柄の作動記憶数の最大値は1個であるため、マーカM2は最大で1つしか点灯しない。
また、液晶表示器42の下部右側の領域には第4図柄(図中に参照符号Z1,Z2を付す)が表示されている。この第4図柄Z1,Z2は、上記の左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお、第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。第4図柄Z1は、第1特別図柄に対応しており、第4図柄Z2は、第2特別図柄に対応している。
また、第4図柄Z1,Z2については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に対応して停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が「大当り」や「小当り」であれば、それらに対応する態様(例えば青表示色や赤表示色等)で第4図柄Z1,Z2は停止表示される。
〔変動表示演出開始〕
図224中(B):例えば、第1特別図柄の変動開始に同期して、演出図柄がスクロールすることで変動表示演出が開始される(図柄演出実行手段)。なお、図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で表示している。
液晶表示器42の中央の領域には背景画像が表示されており、この背景画像は、公園の風景を表現したものである。このような背景画像は、演出上での滞在モードが例えば「通常モード」であることを表現している。「通常モード」は、非時間短縮状態である。この他にも演出上で各種のモードが設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている。これらモードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものである。ここでは特に図示していないが、この後、例えば液晶表示器42の表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
また、演出図柄の変動表示中、液晶表示器42の画面下部では第4図柄Z1が変動表示されており、第4図柄Z1は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
〔左演出図柄停止〕
図224中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に、演出図柄の左演出図柄が変動を停止する。この例では、演出図柄の左演出図柄として数字の「8」を表す演出図柄が停止している。
〔作動記憶数減少時の演出例〕
ここで、先の図224中(B)に示されているように、変動開始に伴って最も古い第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動して最も左側に位置していたマーカM1の表示個数が1個分減少されている。すなわち、それまでにマーカM1の作動記憶数が合計4個存在していたが、最も以前(古い)の記憶数表示であるマーカM1が非表示となり、内部抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、合計作動記憶数が3個に減少したことを演出上でも遊技者に教示することができ、また、いずれの特別図柄(この場合は第1特別図柄)に対応する作動記憶が消費されたかを分かりやすく教示することができる。
そして、図224中(C)の例においては、記憶順で先頭にあった作動記憶が消費されて残りが3個になったため、画面上に残った3つのマーカM1がそれぞれ1個分ずつ一方向(ここでは左方向)へずれていく演出が行われている。これにより、作動記憶数の変化の前後関係を正確に演出上で表現するとともに、遊技者に対して「作動記憶が消費されて1つ減った」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
〔右演出図柄停止〕
図225中(D):次に、演出図柄の右演出図柄として数字の「3」を表す演出図柄が停止している。
〔停止表示演出〕
図225中(E):第1特別図柄の停止表示に同期して、停止表示演出が実行される。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。図示の例では、演出図柄の中演出図柄として数字の「1」を表す演出図柄が停止している。この場合、演出図柄の組み合わせは「8」−「1」−「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
以上は、1回の変動ごとに行われる変動表示演出と停止表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
〔変動表示演出開始〕
図225中(F):第1特別図柄の作動記憶が存在している場合、停止表示時間が終了すると、次変動が開始される。この場合、第1特別図柄の変動開始に同期して、演出図柄がスクロールすることで変動表示演出が開始される。第1特別図柄の変動が開始されると、それに連動して最も左側に位置していたマーカM1の表示個数が1個分減少する。そして、このような変動表示演出と停止表示演出が繰り返し実行される。
〔大当り時の演出例〕
図226〜図228は、大当り時に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である。ここではリーチ演出の他に、変動表示演出や停止表示演出及び予告演出が含まれるものとする。また、その他にも、変動表示演出中に実行される予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出)の一例を説明する。
以下のリーチ演出は、第1特別図柄表示装置34において大当り時の変動パターンによる変動表示が行われた後、例えば、第1特別図柄が「第1当選図柄」又は「第2当選図柄」の態様(例えば7セグメントLEDの「己」,「ヨ」,「口」,「巳」,「F」,「E」,「L」,「Γ」等)で停止表示されるまでに実行される(リーチ演出実行手段)。
〔変動表示演出〕
図226中(A):第1特別図柄(又は第2特別図柄)の変動開始に略同期して、演出図柄がスクロールすることで変動表示演出が開始される。
〔リーチ発生前予告演出(1段階目)〕
図226中(B):変動開始から所定時間が経過すると、液晶表示器42において、キャラクターの絵柄画像(絵札)を用いた1段階目のリーチ発生前予告演出が行われる。このリーチ発生前予告演出は、予め定められた順序にしたがって1段階から複数段階(例えば2〜5段階)まで、段階的に態様の変化が進行していく予告演出である。このリーチ発生前予告演出で用いられる絵柄画像は、画面の左端から出現するようにして表示される(その他の出現の態様でもよい。)。なお、「リーチ発生前予告」は、リーチの可能性や大当りの可能性を予告する演出である。このような「リーチ発生前予告演出」を実行することで、遊技者に対して「リーチに発展するかも知れない=大当りの可能性が高まる」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ発生前予告演出(2段階目)〕
図226中(C):リーチ発生前予告演出の1段階目の態様が実行された後、続いてリーチ発生前予告演出の態様の変化が2段階目に進行する。ここでは2段階目のリーチ発生前予告演出として、先とは違うキャラクターの絵柄画像を用いた演出が行われている。具体的には、画面の右端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像の前面に重なって表示される。また、このとき表示される絵柄画像は、先に表示されていた絵柄画像よりもサイズが大きい。そして、絵柄画像で表現されたキャラクターが台詞(例えば「リーチになるよ」等)を発するという、音響出力による演出もあわせて行われる。
このような2つ目の絵柄画像を用いたリーチ発生前予告演出(2段階目)は、先の図226中(B)で行われたリーチ発生前予告演出(1段階目)からさらに一歩進んだ発展型である。このように発展していく「リーチ発生前予告演出」の態様を称して、一般的に「ステップアップ予告」等と表現することがある。ここではリーチ発生前予告演出で2段階目の絵柄画像が出現する例を挙げているが、3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示される演出態様であってもよい。また、例えば3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示されるごとに、そのサイズが拡大されるものとしてもよい。なお、この段階でも変動表示演出は継続されている。いずれにしても、リーチ発生前予告演出の態様の変化をより多くの段階まで進行させることにより、今回の変動で大当りになる可能性(期待度)が高いことを遊技者に示唆することができる(例えば、5段階目まで進行すると最大の期待度を示唆する等。)。
〔左演出図柄の停止〕
図227中(D):変動表示演出の中期にさしかかると、演出図柄の左演出図柄が変動を停止する。この例では、演出図柄の左演出図柄として数字の「7」を表す演出図柄が停止している。
〔リーチ状態の発生〕
図227中(E):そして、次に、演出図柄の右演出図柄が変動を停止する。この例では、演出図柄の右演出図柄として数字の「7」を表す演出図柄が停止している。これにより、演出図柄では、「7」−「変動中」−「7」のリーチ状態が発生している。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われる。リーチ状態の発生後、当選時やはずれ時のリーチ演出が実行される。
〔リーチ発生後予告演出〕
図227中(F):リーチ状態が発生して暫くすると、液晶表示器42において、例えば「ハート」の図形を表す画像が群をなして画面上を斜めに過ぎっていくリーチ発生後予告演出が行われる。この場合、突然、画面上に「ハート群」の画像が流れていくように表示されるため、これによって遊技者に対する視覚的な訴求力を高めることができる。このような視覚的に賑やかなリーチ発生後予告演出を実行することで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ演出の進行〕
図228中(G):リーチ発生後予告演出に続いて、液晶表示器42に、画面の左側に敵キャラクターとしての「かぼちゃのお化け」が出現し、画面の右側に味方キャラクターとしての「男性キャラクター」が出現し、画面の中央に「VS」の文字が出現する演出が行われる。
図228中(H):リーチ演出が終盤になると、「かぼちゃのお化け」が無数のパンチを繰り出し、「男性キャラクター」がチョップで応戦する演出が行われている。この状態で「男性キャラクター」が勝利すれば大当りとなり、「男性キャラクター」が敗北すればはずれとなる。
〔停止表示演出(当選時演出)〕
図228中(I):「勝利!!」の文字とともに、「男性キャラクター」が大きく表示され、「かぼちゃのお化け」が小さく表示されると、大当りであることを意味している。そして、特別図柄の停止表示に略同期して、演出図柄の中演出図柄が変動を停止する。この例では、演出図柄の中演出図柄として数字の「7」を表す演出図柄が停止している。第4図柄Z1は、大当りに対応する態様(例えば赤表示色)で停止表示されている。
なお、非当選時(はずれ時)は、「敗北・・」の文字とともに、「かぼちゃのお化け」が大きく表示され、「男性キャラクター」が小さく表示される。この場合、演出図柄の中演出図柄として数字の「7」以外の数字を表す演出図柄が停止される。
〔大役中演出〕
図229及び図230は、大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である。なお、以下の大役中演出は、液晶表示器42にて実行される演出である。
〔大当り遊技開始〕
図229中(A):大当り遊技が開始されると、例えば、画面内に「BIG BONUS」といった文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像(例えば女性キャラクター)が表示される。
〔大役中「右打ち」表示〕
また、本実施形態では遊技領域8a内の右側部分に第1可変入賞装置30が配置されているため、大役中は遊技球の発射位置(発射方向)として遊技領域8a内の右側部分を指定することとしている。このため、主制御CPU72による制御上で上記の発射位置指定表示ランプ38fが点灯表示されるとともに、「右打ち」を表す発射位置指定コマンドが演出制御装置124に送信される。これを受けて、演出制御CPU126による演出制御上で表示画面内に「右打ち」を促す案内情報(右方向を示す矢印、「右打ち」の文字等)が表示される)。
〔1ラウンド目〕
図229中(B):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、例えば、画面内の左上部に「BIG BONUS」の文字情報とともに、10個の○印が表示される。そして、そのうち1番左に位置する○印が赤色(斜線のハッチング)で表示され、残りの9個の○印は白色で表示される。これにより、出球を獲得できるのは10ラウンドであること、現在のラウンドがその10ラウンド中の1ラウンド目であること、及び、出球が獲得できるラウンドが1つ進行する毎に○印が赤色で表示されることを遊技者に教示することができる。
〔10ラウンド目〕
図229中(C):この後、大当り遊技が順調に進行し、例えば、10ラウンド目に移行すると、例えば、10個の全ての○印が赤色で表示される。これにより、この10ラウンド目で出球を獲得できる全てのラウンドが終了することを遊技者に教示することができる。
ここで、時間短縮状態に移行する当選図柄に該当している場合や、時間短縮状態に移行する当選図柄に該当していなくても第2特別図柄の記憶がある場合には、図示のように、花火が打ち上げられる花火演出(ドライブモードに移行することを示唆する演出)が実行される。なお、時間短縮状態に移行する当選図柄に該当していない場合や、第2特別図柄の記憶が無い場合には、花火演出は実行されない。花火演出は、任意のラウンドで実行することができる。
〔時間短縮状態突入演出〕
図230中(D):時間短縮状態に移行する場合、大当り遊技の終了時間(エンディング時間)を利用して「ドライブモード突入!」といった文字情報が表示される演出が実行される。これにより、これから「ドライブモード」が開始されることを遊技者に教示することができる。また、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、「ドライブモード」においても右打ちで遊技が進行することを遊技者に教示することができる。
ここで、エンディング演出中には、「プリペイドカードの取り忘れに注意しましょう」といったプリペイドカードの取り忘れを喚起する報知を行ったり、「遊技に対するのめり込みに注意しましょう」といった遊技に対するめり込みを防止する報知を実行するようにしてもよい。
〔大当り遊技終了、時間短縮状態〕
図230中(E):大当り遊技が終了し、内部状態(遊技状態)が時間短縮状態に設定されると、滞在モードが「ドライブモード」に設定され、背景画像が、女性が乗車した自動車が大地を走行する様子を表現した画像に変更される。これにより、現在の内部状態(遊技状態)が通常状態とは異なる時間短縮状態であることを遊技者に教示することができる。
〔時短中演出〕
このように、時間短縮状態で遊技が進行している場合には、時間短縮状態(有利遊技状態)に対応させた背景画像を表示する時短中演出(有利遊技状態演出)が実行される。
〔右打ち示唆演出〕
また、画面上部では、右打ち示唆演出が実行されている。右打ち示唆演出では、液晶表示器42の画面上部に帯状の領域を設け、その帯状の領域の中に右打ちの文字情報と右向きの矢印記号とを表示している。なお、このような右打ち示唆演出は、遊技状態が時間短縮状態である場合には継続して実行される。そして、このような演出を実行することにより、遊技者に対して「右打ち」を促すことができる。
〔残り回数表示演出〕
さらに、画面左下では、残り回数表示演出が実行されている。残り回数表示演出では、液晶表示器42の画面左下に長方形形状の領域を設け、その長方形形状の領域の中にドライブモードで遊技を進行することができる残り回数を表示している。なお、図示の例では、「残り2回」の情報が表示されている。残り回数は、時間短縮状態のドライブモード又は非時間短縮状態のドライブモードで第2特別図柄が変動して停止する度に1減算される。このため、残り回数は、時間短縮状態や非時間短縮状態で第1特別図柄が変動して停止しても減算されない。
〔ドライブモード(時間短縮状態)の演出例〕
図231〜図233は、ドライブモードの演出例を示す連続図である。
図231中(A):ドライブモードでは、背景画像が、女性が乗車した自動車が大地を走行する様子を表現した画像に変更される。演出図柄の組み合わせは「7」−「7」−「7」の当選目である。これは、当選時の出目を表示している。また、画面上部では、右打ち示唆演出が実行されており、このような右打ち示唆演出は、遊技状態が時間短縮状態である場合には継続して実行される。
〔特別図柄の変動開始〕
図231中(B):第1特別図柄での初当り時には第1特別図柄の記憶が貯まっていることが多く、第2特別図柄の記憶が貯まっていないのが一般的である。図示の例では、第1特別図柄の記憶(マーカM1)が4つ貯まっている。このため、このような状況でドライブモードに突入した場合には、第1特別図柄が変動表示される。なお、第1特別図柄の記憶が貯まっていない場合には、遊技者が右打ちを実行することにより、最初に第2特別図柄の変動が実行される。そして、第1特別図柄の変動表示が開始されると、演出図柄や第4図柄Z1についても変動を開始する。ここでは、第1特別図柄に関する内部抽選において、はずれに該当したものとする。
〔第1特別図柄の変動終了〕
図231中(C):第1特別図柄がはずれの態様で停止表示されると、演出図柄及び第4図柄Z1についてもはずれの態様で停止表示される。この間に遊技者が右打ちを実行し、複数の遊技球が始動ゲート20を通過し、可変始動入賞装置28が開放して1個の遊技球が右始動入賞口28bに入球したものとする。この場合、第2特別図柄の記憶(マーカM2)が1個貯まる。
ここでは、第1特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されない。具体的には、残り回数の表示は、残り2回のままである。
図232中(D):第1特別図柄及び第2特別図柄の記憶は、入賞順に消化されるため、この後は、第1特別図柄の残りの3個の記憶が消化される。そして、第1特別図柄の残りの記憶の消化が終了すると、次は、第2特別図柄の記憶を用いて内部抽選が実行される。そして、第2特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴って演出図柄や第4図柄Z2についても変動を開始する。ここでは、第2特別図柄に関する内部抽選において、小当りに当選したものとする。
〔小当り開始、第2大入賞口開放〕
図232中(E):そして、第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、演出図柄(「5」−「2」−「6」の組み合わせ)、第4図柄Z2(緑色表示色)についても小当りの態様で停止表示される。これにより、小当り遊技が開始され、第2大入賞口31bが開放される。そうすると、女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げて画面右側に進んでいく演出が実行される。また、例えば、第2特別図柄の変動中に遊技者が右打ちを実行し、遊技球が始動ゲート20を通過し、可変始動入賞装置28が開放して1個の遊技球が右始動入賞口28bに入球したものとする。この場合、第2特別図柄の記憶(マーカM2)が1個貯まる。
ここでは、第2特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されている。具体的には、残り回数の表示は、残り1回となっている。
図232中(F):小当り遊技が開始されると、仙人のキャラクターが「右下のアタッカを狙うのじゃ」という台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して、第2可変入賞装置31に遊技球を入球させなくてはならないということを伝達することができる。なお、これ以降は、演出図柄を表示画面の右下に小さく表示することができる。
〔特定領域通過〕
図233中(G):小当り遊技により第2可変入賞装置31が開放状態に移行し、遊技球が特定領域31xを通過し、小当り時の当選図柄が第6当選図柄であったものとする。この例では、自動車に乗っている女性キャラクターが、Vの文字が描かれたハートマークを掲げ、「やったね!BIG BONUSよ!!」といったセリフを発する演出が実行される。これにより、遊技球が特定領域31xを通過したこと、及び、これから大当り遊技(BIG BONUS)が開始されることを遊技者に教示することができる。
〔小当り終了、大当り遊技開始〕
図233中(H):その後、小当り遊技が終了し、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)が閉鎖される。また、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過したことで、大当り遊技が開始されることとなる。この例では、大当り遊技特有の女性キャラクターが登場し、「BIG BONUS」といった文字情報が表示され、女性キャラクターが同様のセリフを発する演出が実行される。また、表示画面には、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、そのまま右打ちで大当り遊技が進行することを遊技者に教示することができる。
その後、上記と同様の大当り遊技中の演出が開始され、大当り遊技が進行する。例えば、第2特別図柄に関する小当り時の当選図柄が第6当選図柄に該当している場合、実質的に9ラウンド分の出球(小当り遊技を含めると10ラウンド分の出球)を獲得することができる。なお、ドライブモードにて大当り遊技が実行される場合は、ドライブモードでの当選時専用の大役中演出を実行してもよい。
図234及び図235は、非時間短縮状態でのドライブモードにおいて第2特別図柄が変動する際の演出例を示す連続図である。このような状況が発生するのは、主に時間短縮状態の最終変動で「第4当選図柄」の大当り又は「第6当選図柄」の小当りに該当して大当り遊技が実行され、かつ、第2特別図柄の記憶が蓄積されている場合である。
ここでは、第2特別図柄の記憶は1個存在しているものとする。このため、時短中演出は継続して実行されている。また、残り回数表示演出として、「残り1回」の情報が表示されている。ただし、右打ち示唆演出は実行されていない。
〔特別図柄の変動表示中〕
図234中(A):非時間短縮状態でのドライブモードで第2特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴って演出図柄や第4図柄Z2についても変動を開始する。
〔変動表示演出の継続〕
図234中(B):非時間短縮状態でのドライブモードで第2特別図柄の変動表示が継続して実行されている。また、演出図柄や第4図柄Z2についても変動を継続する。なお、ここでの状況は、時間短縮状態ではないため、始動ゲート20を通過させても可変始動入賞装置28がロング開放する確率は低い。このため、基本的には第2特別図柄の記憶を貯めることはできない。よって、このような非時間短縮状態でのドライブモードは、第2特別図柄が最大で1回変動するチャンスゾーンとなる。
〔停止表示演出〕
図234中(C):ここでは、第2特別図柄に関する内部抽選において、小当りに当選したものとする。そして、第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、演出図柄(「2」−「2」−「3」の組み合わせ)、第4図柄Z2(緑色表示色)についても小当りの態様で停止表示される。この場合、動物のキャラクターが「7の数字が表示されたマーク」を掲げる演出が実行される。なお、これ以降は、演出図柄を表示画面の右下に小さく表示することができる。
ここでは、第2特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されている。具体的には、残り回数の表示は、残り0回となっている。
〔小当り開始、第2大入賞口開放〕
図235中(D):そして、小当り遊技が開始されると、第2大入賞口31bが開放されるとともに、女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げて画面右側に進んでいく演出が実行される。この際、動物のキャラクターを置き去りにする演出が実行される。
〔特定領域通過〕
図235中(E):小当り遊技により第2可変入賞装置31が開放状態に移行し、遊技球が特定領域31xを通過し、小当り時の当選図柄が第6当選図柄であったものとする。この例では、自動車に乗っている女性キャラクターが、Vの文字が描かれたハートマークを掲げ、「やったね!BIG BONUSよ!!」といったセリフを発する演出が実行される。これにより、遊技球が特定領域31xを通過したこと、及び、これから大当り遊技(BIG BONUS)が開始されることを遊技者に教示することができる。
〔小当り終了、大当り遊技開始〕
図235中(F):その後、小当り遊技が終了し、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)が閉鎖される。また、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過したことで、大当り遊技が開始されることとなる。この例では、大当り遊技特有の女性キャラクターが登場し、「BIG BONUS」といった文字情報が表示され、女性キャラクターが同様のセリフを発する演出が実行される。また、表示画面には、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、そのまま右打ちで大当り遊技が進行することを遊技者に教示することができる。その後、上記と同様の大当り遊技中の演出が開始され、大当り遊技が進行する。そして、非時間短縮状態のドライブモードで第6当選図柄に該当して大当り遊技が実行された場合、大当り遊技の終了後には、動物モードに移行する。
図236は、ドライブモードの概要を示す図である。
第1演出例は、正常な遊技を行った場合の演出例を示しており、第2演出例は、イレギュラーな遊技を行った場合の演出例を示している。
〔第1演出例〕
図236中(A)の状態は、ドライブモードが残り2回である状態(少なくとも残り2回大当りが発生する可能性がある状態)であり、主制御装置70の遊技状態は、時間短縮状態である。
図236中(A)の状態で時短有り当りに該当すると、大当り遊技の終了後に、再度、図236中(A)の状態に移行する。
一方、図236中(A)の状態で時短無し当りに該当し、かつ、第2特別図柄の記憶が有る場合、大当り遊技の終了後に、図236中(B)の状態に移行する。
図236中(B)の状態は、ドライブモードが残り1回である状態(少なくとも残り1回大当りが発生する可能性がある状態)であり、主制御装置70の遊技状態は、非時間短縮状態(記憶消化区間)である。
図236中(B)の状態で時短有り当りに該当すると、大当り遊技の終了後に、図236中(A)の状態に移行する。
一方、図236中(B)の状態で時短無し当りに該当すると、大当り遊技の終了後に、図236中(C)の状態に移行する。
図236中(C)の状態は、動物モードであり、主制御装置70の遊技状態は、非時間短縮状態(即止め防止区間)である。動物モードは、規定回数の変動の経過により終了し、その後は通常モードに移行する。
〔第2演出例〕
図236中(D)の状態は、ドライブモードが残り2回である状態であり、主制御装置70の遊技状態は、時間短縮状態である。
図236中(D)の状態で時短無し当りに該当し、かつ、第2特別図柄の記憶が無い場合、大当り遊技の終了後に、図236中(E)の状態に移行する。
図236中(E)の状態は、動物モードであり、主制御装置70の遊技状態は、非時間短縮状態(記憶消化区間)である。ただし、この状態では、第2特別図柄の記憶が無いことから、第2特別図柄の記憶を消化することができず、いずれは、第1特別図柄の記憶を消化することになる。
〔ドライブモードの概要〕
ドライブモード(連荘状態)は、正常な遊技を行った場合、図236中(A)〜(C)のように遷移する。
時間短縮状態で時短無し当りに当選すると、大当り遊技後には、主制御装置の遊技状態は、記憶消化区間となる。この際、本実施形態では、第2特別図柄の記憶が有る場合、1/1の確率で大当り(大当り又は小当り経由の大当り)となる。なお、第2特別図柄の記憶の上限は1個である。このため、第2特別図柄の記憶が有る場合は、ドライブモードの演出を継続させている(連荘継続のように見せている;図236中(A)〜(C)参照)。
正常な遊技を行った場合には、時間短縮状態での大当り時に第2特別図柄の記憶があるため、このような状態の遷移となるが、時間短縮状態での時短無し当り時に、第2特別図柄の記憶が無い場合は、実質的にそこで連荘が終了する。
このため、本実施形態では、主制御装置の遊技状態が、記憶消化区間であっても、連荘継続ではない動物モードに移行させている(図236中(D)(E)参照)。
なお、当選時の第2特別図柄の記憶の有無は、大当り演出にも関係するため、第2特別図柄の記憶の有無の判定は、小当り又は大当りのオープニングコマンド受信時に行っている。
このため、第2特別図柄の記憶が無い状態で当選し、大当り遊技のラウンド中に、第2特別図柄の記憶が貯まった場合は、動物モードに移行させた後、記憶消化区間において、第2特別図柄の変動を行うようにしている。
図237は、記憶消化区間において第1特別図柄のはずれ変動が実行される際の演出例を示す図である。
第1演出例は、記憶消化区間において第1特別図柄のはずれ変動が実行されるが、第2特別図柄の記憶が有る場合の演出例を示している。
第2演出例は、記憶消化区間において第1特別図柄のはずれ変動が実行され、かつ、第2特別図柄の記憶が無い場合の演出例を示している。
〔第1演出例〕
図237中(A)の状態は、ドライブモードが残り1回である状態であり、主制御装置70の遊技状態は、非時間短縮状態(記憶消化区間)である。
図237中(A)の状態で、第1特別図柄のはずれ変動が実行されると、図237中(B)に示すようにリーチ演出(例えば、花火の打上げに成功するか否かの演出)が実行され、図237中(C)に示すように最終的にはずれとなる演出(例えば、花火の打上げに失敗する演出)が実行される。
〔第2演出例〕
図237中(D)の状態は、動物モードであり、主制御装置70の遊技状態は、非時間短縮状態(記憶消化区間)である。ただし、この状態では、第2特別図柄の記憶が無いことから、第2特別図柄の記憶を消化することができず、左打ちをすると、第1特別図柄が変動することになる。
この場合、第1特別図柄のはずれ変動の実行中には、図237中(E)に示すように、複数回の変動が擬似的に実行される特別な擬似変動演出が実行され、最終的にはずれとなる演出が実行される。特別な擬似変動演出では、変動時間(変動尺)に合わせて、変動開始アクションや変動停止アクションが複数回実行される。
記憶消化区間であるにも関わらず、見た目上の演出が動物モードである場合、第1特別図柄の変動については、変動時間が長い変動パターン(例えば、数十秒の変動)が設定される。
この際に、ドライブモードに移行させ、そこではずれ演出を行えば、見た目の整合性は取れるが、「ドライブモード=連荘中」という関係性があるため、遊技者が誤認する恐れがある。
そこで、本実施形態では、記憶消化区間であり、かつ、見た目上の演出が動物モードである際には、変動表示演出の内容を実行する際の抽選を切り替えて、変動開始と変動停止を変動尺分繰り返した後、はずれの態様で確定するような演出を実行することにより、見た目上の違和感が無いようにしている。
図238は、記憶消化区間で選択される第1特別図柄の変動パターンと、即止め防止区間で選択される第1特別図柄の変動パターンとの相違を示す図である。
図238中(A)に示すように、記憶消化区間の変動パターン選択テーブルでは、第1特別図柄抽選の結果がはずれである場合、選択される変動パターンとしては、長時間変動の変動パターンが選択される可能性がある。例えば、長時間変動の変動パターンは、56.0秒の変動時間を有する変動パターンである。
一方、図238中(B)に示すように、即止め防止区間の変動パターン選択テーブルでは、第1特別図柄抽選の結果がはずれである場合、選択される変動パターンとしては、第1短時間変動〜第3短時間変動の変動パターンが選択される可能性がある。例えば、第1短時間変動の変動パターンは、20.0秒の変動時間を有する変動パターンであり、第2短時間変動の変動パターンは、13.5秒の変動時間を有する変動パターンであり、第3短時間変動の変動パターンは、6.0秒の変動時間を有する変動パターンである。
そして、今回問題としている第1特別図柄のはずれ変動は、図238中(A)に示す長時間変動であり、この変動は、記憶消化区間では選択されるが、即止め防止区間では選択されない。
このため、遊技状態が、記憶消化区間であり、見た目上のモードが即止め防止区間に対応する動物モードとなっている際は、演出の整合を取るために、上述したように、特別な擬似変動演出を実行している。
図239は、通常モードにおいて実行される第1補正処理の流れを示す図である。
第1補正処理は、特別図柄の変動確定時に実行される可能性がある処理である。
図239中(A):通常モードでは、上可動体40f1が原点位置にあり、下可動体40f2も原点位置にある。
図239中(B):通常モードにおいて、演出図柄が変動表示されている。そして、ここでは、何かしらの原因(故障や不具合等)で、上可動体40f1が原点位置から可動位置に移動したものとする。
図239中(C):この場合、通常モードでは、演出図柄が停止表示された際(変動確定時)に、第1補正処理が実行される。
第1補正処理は、変動確定時に、上可動体40f1又は下可動体40f2が可動位置にある場合には、可動位置にある上可動体40f1又は下可動体40f2を原点位置に移動させる処理である。
第1補正処理が実行されることにより、図示の例では、上可動体40f1が可動位置から原点位置に移動している。
図240は、動物モードにおいて実行される第2補正処理の流れを示す図である。
第2補正処理は、特別図柄の変動開始後一定時間経過後に実行される可能性がある処理である。
図240中(A):動物モードでは、上可動体40f1が可動位置にあり、下可動体40f2も可動位置にある。
図240中(B):動物モードにおいて、演出図柄が変動表示されている。そして、ここでは、何かしらの原因(故障や不具合、デモ演出の実行、遊技記録に関する演出の実行等)で、上可動体40f1及び下可動体40f2が可動位置から原点位置に移動したものとする。
図240中(C):この場合、動物モードでは、演出図柄が停止表示された際(変動確定時)に、第1補正処理が実行されない。このため、上可動体40f1及び下可動体40f2は、原点位置に滞在したままの状態である。
図240中(D):そして、動物モードでは、演出図柄が変動開始してから一定時間経過後(変動開始後)に、第2補正処理が実行される。
第2補正処理は、変動開始後一定時間経過後に、上可動体40f1又は下可動体40f2が原点位置にある場合には、原点位置にある上可動体40f1又は下可動体40f2を可動位置に移動させる処理である。
第2補正処理が実行されることにより、図示の例では、上可動体40f1及び下可動体40f2が原点位置から可動位置に移動している。
図241〜図244は、決め役物動作の演出例を示す図である。決め役物動作では、複数の可動体が可動する。
図241中(A):図示の例では、終盤のリーチ演出が実行されており、「かぼちゃのお化け」が無数のパンチを繰り出し、「男性キャラクター」がチョップで応戦する演出が行われている。この状態で「男性キャラクター」が勝利すれば大当りとなり、「男性キャラクター」が敗北すればはずれとなる。なお、マーカM1,M2、第4図柄Z1,Z2は、図示を省略している。
図241中(B):画面の中央には、演出切替ボタン45を模したボタン画像が表示されている。今回の変動が当選の変動である場合、遊技者が演出切替ボタン45を押下すると、以下に示す決め役物動作が実行される。一方、今回の変動がはずれの変動である場合、遊技者が演出切替ボタン45を押下しても、以下に示す決め役物動作は実行されない。
〔決め役物動作〕
図242中(C):遊技者が演出切替ボタン45を押下したことを契機として、中前右可動体昇降モータ57h、中前左可動体昇降モータ57i及び中前上可動体昇降モータ57jが可動する。これにより、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7が画面の中央の方向に移動する。
また、合わせて、中前右可動体回転モータ57e、中前左可動体回転モータ57f及び中前上可動体回転モータ57gが可動する。これにより、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7が回転する。
さらに、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7の土台となる中後可動体回転モータ57kが可動する。これにより、中後可動体40f8(図169参照)が回転する。
これにより、ハート形状の中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7が回転しながら、土台部分となる中後可動体40f8も回転し、最終的な1つの大きな造形物を形成するための動作が開始する。なお、表示画面には、決め役物動作用の特別なエフェクトの画像を表示するようにしてもよい。
図242中(D):図示の例では、ハート形状の中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7が回転しながら、土台部分となる中後可動体40f8も回転している。最終的な1つの大きな造形物は、少しずつ形成されている状態である。
図243中(E):図示の例では、ハート形状の中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7が回転しながら、土台部分となる中後可動体40f8も回転している。最終的な1つの大きな造形物は、半分程度形成されている状態である。
図243中(F):図示の例では、ハート形状の中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7が回転しながら、土台部分となる中後可動体40f8も回転している。最終的な1つの大きな造形物は、大部分が形成されている状態である。
図244中(G):図示の例では、ハート形状の中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7が最終的な可動位置まで移動し、土台部分となる中後可動体40f8も最終的な可動位置まで移動している。最終的な1つの大きな造形物は、完成している状態(ハート役物が完成している状態)である。なお、この際、上可動体40f1及び下可動体40f2も合わせて可動させてもよい。
〔虹色点灯演出〕
そして、決め役物動作が最終段階まで移行すると、上可動体40f1、下可動体40f2、右可動体40f4及び左可動体40f3に内蔵されているLEDが虹色点灯する虹色点灯演出が実行される。なお、その他のランプ(盤面ランプや枠ランプ)も虹色点灯させてもよい。
図244中(H):そして、虹色点灯演出が実行された状態で一定時間が経過すると、各可動体が原点位置に戻り、停止表示演出が実行される。停止表示演出では、演出図柄が当選の態様(「7」−「7」−「7」)で停止される。
〔可動体動作とランプの電流値制限の対策〕
(1)決め役物動作概要
一部の大当り時に発生する決め役物動作は、上述したような、ハート形状の可動体(中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7)が回転しながら、土台部分の可動体(中後可動体40f8)も回転し、最終的な1つの大きな造形物を形成する動作である。
(2)決め役物動作時の動作制限
図242及び図243に示す「動作1」〜「動作4」の区間は、土台となる中後可動体40f8が回転している状態である。そして、この区間では、電流値制限の問題により、ランプの点灯を制限している(虹色点灯させないようにしている)。
「動作1」〜「動作4」の区間において点灯可能なランプは、以下の通りである。
(a)ハート形状の可動体に内蔵されたランプ
(b)枠(ボタン)、及び枠の一部のランプ
(c)特別なランプ(例えば一発告知系で使用するランプ)
(3)仕様及び問題点と電流値対策
〔仕様〕
決め役物動作が完成したら(図244に示す動作5の状態に移行したら)、ランプを虹色点灯させて祝福感を表現する。
つまり、土台となる中後可動体40f8が回転中である場合は、虹色点灯ができないが、土台となる中後可動体40f8が停止した後は、虹色点灯を行うことができる。
図245は、メッセージの登録方法を示す図である。
図245に示すように、ランプ、可動体ともにメッセージに紐づいて、一定フレーム数経過後に再生するようにデータを登録する。なお、このメッセージの登録方法は、説明のための図であり、本実施形態においてそのまま実行されるものではない。
例えば、ランプ制御部は、決め役物動作実行メッセージの受信後20F経過後に出現用データを再生し、メッセージ受信後120F経過後に完成時用データを再生し、メッセージ受信後270F経過後に格納用データを再生する処理を実行する。
一方、可動体制御部は、決め役物動作実行メッセージの受信後20F経過後に出現用データを再生し、メッセージ受信後270F経過後に格納用データを再生する処理を実行する。
このように、基本的には、一定時間の経過後に(時間管理で)データを再生するようにしているが、可動体に関しては、完成までの時間が、常に一定ではない。この理由は、以下に示す可動体の制御方法によるものである。
〔可動体の制御方法〕
出現時の可動体データは、以下のように作成する。
(a)原点位置から可動位置まで(可動位置センサが遮光になるまで)、可動体(中後可動体40f8)を出現させる。例えば、1086×2.5倍のステップ数を動作させるが(中後可動体回転モータ57kを動作させるが)、可動位置センサが遮光状態になったら次登録の動作(以下の(b))に移行する。なお、2.5倍は、マージンである。
(b)遮光状態になったら、80ステップ動かし、ハート役物の完成位置まで移動させる。
本来であれば、992+80=1072ステップ動作させることで可動位置まで動作させることが可能と思われるが、バックラッシュや他の影響等で想定より多くのステップ数が必要となることがあり、ステップ数を固定すると、可動体が可動位置まで移動しないことがある。そのため、可動位置センサでの検知後、次登録の動作を行うようにすることで、理論値より多くのステップ数を要した場合であっても、可動位置まで確実に可動体を動作させることが可能となる。
図246は、比較例のタイミングチャートを示す図である。
中後可動体40f8は、原点位置から可動位置まで移動可能であり、さらに可動位置を越えた最大可動位置まで移動可能である。原点位置から最大可動位置までは1090(1086)ステップ動作させる必要がある。なお、ステップ数の括弧外の数値は、ステップ数の推奨値であり、括弧内の数値はステップ数の設計値である。
原点位置から60(58)ステップまでは、第1押込動作に必要なステップ数であり、この間は、原点位置センサは遮光状態(ON)となり、60(58)ステップを越えると、原点位置センサは通光状態(OFF)となる。
原点位置から992(992)ステップまでは、可動位置センサは通光状態(OFF)となり、その後の80(80)ステップは、第2押込動作に必要なステップ数であり、992(992)ステップから94(90)ステップ進むと、最大可動位置に到達する。
なお、第1押込動作及び第2押込動作は、可動体は急に停止しないため、減速シーケンスを適用する部分である。
〔可動体とランプの制御方法による問題点〕
上述したように、ランプはメッセージ受信後、登録したタイミングで点灯するが、可動体は、完成位置までの動作時間に変化がある。
このため、可動体動作として、想定より多くのステップ数がかかった場合、ランプは、土台となる可動体が動いているにも関わらず点灯してしまい、電流値制限が守れなくなる可能性がある。
〔電流値制限〕
電流値制限の詳細は、以下の通りである。
本実施形態では、5V、12V、18V、37Vといった4つの電圧群が存在している。そして、このような電流群のいずれかに可動体とランプが割り当てられており、合計の消費電力が300VAを超えた時点で「電流値制限に該当する(問題あり)」と判断している。
このように、電流値制限の値(上限値)は、300VAである。そして、可動体による決め役物動作(第1演出、可動演出)と、LEDによる虹色点灯演出(第2演出、発光演出)とを同時に実行すると、300VAを超える。
図247は、本実施形態のタイミングチャートを示す図である。
動作内容は、比較例のタイミングチャートと同様であるが、本実施形態のタイミングチャートでは、中後可動体40f8が可動位置に到達すると、中後可動体40f8に対応する中後可動体回転モータ57kを励磁維持後に停止させ、このタイミングで決め役物完成フラグをONにする。
決め役物完成フラグをONにするタイミングは、中後可動体40f8の可動位置センサが遮光状態になったタイミングであってもよく、中後可動体40f8の可動位置センサが遮光状態になってから第2押込動作に必要となる一定時間経過後であってもよい。
〔対策〕
そして、本実施形態では、電流値制限を守るために、土台となる中後可動体40f8の動作が停止した後に、可動体制御部からランプ制御部に、決め役物完成メッセージを送信することで、土台となる中後可動体40f8の動作中にランプが虹色点灯することがないようにしている。
〔詳細手順〕
本実施形態の制御上の詳細手順は、以下の通りである。
手順1:メッセージを1つ追加し、ランプ制御部の完成時用データに関しては、追加した決め役物完成メッセージに基づいて実行するようにする。
手順2:土台となる中後可動体40f8の動作停止後に(中後可動体40f8の可動位置センサ検出時に)、決め役物完成フラグをONに設定する。
手順3:可動体制御部は、1F毎に決め役物完成フラグがONであるか否か監視する。
手順4:決め役物完成フラグがONである場合は、ランプ制御部用の決め役物完成メッセージを送信し、決め役物完成フラグをOFFに設定する。
このようにすることで、一定タイミングでランプを再生せず、可動体動作が確実に終了した後にランプデータを再生することができるため、可動体の動作とランプの虹色点灯といった複合を回避することができ、電流値制限を守ることができる。
図248は、遊技状態と発射方向に関する遊技の流れを示す図である。
以下の遊技の流れは、連荘状態が最短で終了する際の遊技の流れである。
具体的には、非時間短縮状態において「第1当選種類(時短有り)」の大当りに当選し、時間短縮状態において「第6当選種類(時短無し)」の小当りに当選し、非時間短縮状態において「第6当選種類(時短無し)」の小当りに当選する場合の遊技の流れである。
遊技状態は、No1〜No13の順番で進行する。
〔No1〕
「遊技状態」は「第1特別図柄変動」であり、「発射方向」は「左打ち」である。
遊技の開始時は、第1特別図柄を変動させて、大当りを目指す。
〔No2〕
「遊技状態」は「大当り(初当り、大当り1回目)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。ここでは、「第1当選種類(時短有り)」の大当りに当選したものとする。
〔No3〕
「遊技状態」は「時間短縮状態」であり、「発射方向」は「右打ち」である。
非時間短縮状態から時間短縮状態に遊技状態が移行すると、発射方向は、右打ちとなる。
〔No4〕
「遊技状態」は「第1特別図柄変動(ショート変動)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。初当り時に貯まっている第1特別図柄の記憶は、高速消化される。
〔No5〕
「遊技状態」は「第2特別図柄変動(時間短縮状態、記憶+1)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。第2特別図柄の変動中には、第2特別図柄の記憶を1つ貯めることができる。
〔No6〕
「遊技状態」は「第2特別図柄停止(時間短縮状態終了)」であり、「発射方向」は「左打ち」である。第2特別図柄の停止時に、遊技状態が時間短縮状態から非時間短縮状態に移行すると、発射方向は、右打ちから左打ちに切り替わる。
〔No7〕
「遊技状態」は「第1特別図柄の記憶増加」であり、「発射方向」は「左打ち」である。第1特別図柄の記憶は、最大で4個まで貯まる。
〔No8〕
「遊技状態」は「小当り経由の大当り(大当り2回目)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。小当り遊技中や大当り遊技中の発射方向は、右打ちとなる。ここでは、「第6当選種類(時短無し)」の小当りに当選したものとする。
〔No9〕
「遊技状態」は「第2特別図柄変動(非時間短縮状態)」であり、「発射方向」は「左打ち」である。ここでは、第2特別図柄の記憶を増加させることができない。
〔No10〕
「遊技状態」は「第1特別図柄の記憶増加」であり、「発射方向」は「左打ち」である。第1特別図柄の記憶は、最大で4個まで貯まる。
〔No11〕
「遊技状態」は「第2特別図柄停止」であり、「発射方向」は「左打ち」である。発射方向は、左打ちの状態が継続される。
〔No12〕
「遊技状態」は「小当り経由の大当り(大当り3回目)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。小当り遊技中や大当り遊技中の発射方向は、右打ちとなる。ここでは、「第6当選種類(時短無し)」の小当りに当選したものとする。
〔No13〕
「遊技状態」は「1セット分(3回分)の大当り終了」であり、「発射方向」は「左打ち」である。この場合、動物モードに移行する。このように、2回連続で、時短無しの当選図柄(例えば、「第6当選種類(時短無し)」)に該当すると、連荘状態は終了となる。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した変動表示演出やリーチ演出、リーチ発生前予告演出、記憶数表示演出、大役中演出、液晶表示器42を用いた演出、時短中演出、右打ち示唆演出、残り回数表示演出等は、いずれも以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
演出制御装置124は、上述したように、演出制御プロセッサ(全体制御部)としての機能と演出再生プロセッサ(個別制御部)としての機能を有しており、これらの機能が連携することにより、各デバイスの動作(液晶表示器42による画面表示、スピーカ54,55,56による音声出力、各種ランプ46〜52及び盤面ランプ53等による発光、可動体モータ57による各種可動体の動作等)を制御して、パチンコ機1での演出再生を実現させる。
そこで、説明の便宜のため、以降の説明においては、演出制御CPU126が演出制御プロセッサ(全体制御部)として機能する場合の動作主体を「演出制御部210」と称し、演出再生プロセッサ(個別制御部)として機能する場合の動作主体については、制御対象とするデバイスに応じて適宜「表示制御部220」、「音声制御部222」、「ランプ制御部224」、「可動体制御部226」又は「入力制御部228」と称する。なお、演出再生プロセッサ(個別制御部)として機能するこれらの制御部220,222,224,226,228を総括して「各個別制御部」と称する場合がある。また、演出再生に関する時間の管理を行う動作主体を「時間管理部230」又は「ACT」と称することとする。
演出制御の大まかな流れとしては、先ず、演出制御部210が、主制御装置70から送信された演出コマンドを受信すると、この内容に応じて演出の再生を指示するメッセージをRAM130内の所定の領域に出力する。演出制御部210が出力したメッセージは、時間管理部230により所定のタイミングで各個別制御部に対して送信される。これを受けて各個別制御部は、メッセージの内容に基づいて各デバイスに対し具体的な指示を行い、各デバイスの動作を制御する。このような制御の結果として、各デバイスによる演出が実行される。
なお、時間管理部230は、各個別制御部に対するメッセージの送信とともに、又は、メッセージの送信に代えて、メッセージの内容に対応付けられた演出内容の詳細が定義されている制御テーブルを起動することも可能である。制御テーブルが起動された場合には、各個別制御部は、制御テーブルの内容を解析し、その内容に基づいて各デバイスに対する具体的な指示を行うこととなる。
図249は、演出制御部210により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御部210は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs〜数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、時短中及び擬似時短中その他演出処理(ステップS402a)、システム動作処理(ステップS403)、特殊変動中演出管理処理(ステップS403a)、表示出力処理(ステップS404)、可動体制御部処理(ステップS405)、ランプ制御部処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)及び演出乱数更新処理(ステップS410)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御部210は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御部210は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば、特図先判定演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、発射位置指定コマンド、エラー通知コマンド、大当り終了演出コマンド、変動パターン先判定コマンド、停止表示時間終了コマンド、回数切りカウンタコマンド、各種のエラーコマンド、特殊変動回数指定コマンド、大当り時のオープニングコマンド、小当り時のオープニングコマンド、設定関連終了指定コマンド等がある。
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御部210は上述した記憶数表示演出や、マーカM1を用いた先読み予告演出の実行を制御する。なお、作動記憶演出管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御部210は演出図柄や第4図柄Z1,Z2を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作時の演出内容を制御したりする。また、この処理において演出制御部210は、各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出等)の演出パターンを選択する。このように、演出図柄管理処理において、演出制御部210は、液晶表示器42に表示する演出内容(演出図柄、第4図柄Z1,Z2、マーカM1,M2、大役中演出等に関する演出内容、各種予告演出の内容)を決定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS402a:演出制御部210は、時短中及び擬似時短中その他演出処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、右打ち示唆演出及び残り回数表示演出等に関する演出内容を決定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS403:システム動作処理において、演出制御部210は、システム動作に関する処理(イニシャル処理、リトライ処理、補正処理)を実行する。なお、処理の詳細は、後述する。
ステップS403a:特殊変動中演出管理処理において、演出制御部210は、特殊変動回数指定コマンドに基づいて特殊変動中演出を実行するか否かを判断し、実行すると判断した場合にはどのような内容の特殊変動中演出を実行するかを決定する処理を実行する。なお、本処理は、演出図柄変動前処理において実行してもよい。
具体的には、演出制御部210は、短い時間(数秒程度)の特殊変動パターンが選択されている場合には、非リーチ演出(例えば、演出図柄を高速変動させる演出)を実行する演出パターンを選択し、長い時間(数十秒程度)の特殊変動パターンが選択されている場合には、リーチ演出等を実行する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS404:表示出力処理では、先ず演出制御部210が、表示制御部220に対して演出内容(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示するメッセージを出力する。これを受けて表示制御部220は、メッセージの内容に基づいてVDP152に対し具体的な描画の指示を行い、液晶表示器42による表示動作を制御する。
ステップS405:可動体制御部処理では、例えば、先ず演出制御部210が、可動体制御部226に対して演出内容を指示するメッセージを出力する。これを受けて可動体制御部226は、メッセージの内容に基づいてSMC199に対し具体的な制御内容を指示する。これを受けてSMC199は、可動体制御部226からの指示に基づいて可動体40fの作動パターンを作成し、これに応じた制御信号をドライバICに出力して、可動体40fを駆動させる。可動体40fは可動体モータ57を駆動源として動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う。
ステップS406:ランプ制御部処理では、先ず演出制御部210が、ランプ制御部224に対して演出内容を指示するメッセージを出力する。これを受けてランプ制御部224は、メッセージの内容に基づいてLEDドライバ198を中継しドライバIC132に対して具体的な駆動信号を出力し、各種ランプ46〜52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、先ず演出制御部210が、音声制御部222に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示するメッセージを出力する。これを受けて音声制御部222は、メッセージの内容に基づいて音声IC134に対し具体的な出力内容の指示を行い、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音(効果音、BGM等)を出力させる。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御部210はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御部210はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される演出図柄管理処理の内容について説明する。
〔作動記憶演出管理処理〕
図250は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS700:先ず演出制御部210は、主制御CPU72から作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS700:Yes)、演出制御部210はステップS702を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS700:No)、演出制御部210はステップS702を実行しない。
ステップS702:演出制御部210は、作動記憶数増加時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、第1特別図柄に対応したマーカM1又は第2特別図柄に対応したマーカM2を表示させる演出を選択する。
ステップS704:演出制御部210は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS704:Yes)、演出制御部210はステップS706を実行する。なお、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS704:No)、演出制御部210はステップS706を実行しない。
ステップS706:演出制御部210は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、内部抽選により消費した抽選要素に対応するマーカM1又はマーカM2を消滅させるとともに、内部抽選により消費していない残りのマーカM1,M2を左方向にスライドさせる演出を選択する。
以上の手順を終えると、演出制御部210は、演出制御処理(図249)に復帰する。
〔演出図柄管理処理〕
図251は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御部210は次に実行するべき処理(ステップS502〜ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御部210は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御部210は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御部210は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また、可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(図193中のステップS5000)が選択された場合にのみジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502〜ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御部210は演出図柄及び第4図柄Z1,Z2を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。また、この処理において、演出制御部210は各種の条件(抽選結果、当選種類(当選図柄の種類)、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(リーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御部210は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御部210は必要に応じて各個別制御部に対する指示を行う。例えば、変動表示演出の実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合には、遊技者による演出ボタンの操作の有無を入力制御部228に監視させるとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)を各個別制御部に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御部210は内部抽選の結果に応じた停止表示演出の内容を制御すべく、各個別制御部に対し指示を行う。例えば、演出制御部210は、各個別制御部に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けて、例えば表示制御部220は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御部210は小当り遊技中又は大当り中の演出内容を制御する。この処理において、演出制御部210は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容を選択する。なお、大当り遊技の終了後等に動物モードに移行する場合、演出制御部210は、上可動体40f1及び下可動体40f2を原点位置から可動位置に移動させる動作パターンを選択することができる。このような動作パターンは大当り遊技の終了時に選択してもよく、特別図柄の変動開始時に選択してもよい。
〔演出図柄変動前処理〕
次に図252は、上記の演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御部210は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御部210は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
なお、客待ち状態を表す演出には、「遊技に対するのめり込みに注意しましょう」といった遊技に対するのめり込みを防止する内容を表示するようにしてもよい。このようにすることで、適切なタイミングで簡単に、のめり込み防止に関する演出を実行することができ、遊技者の不利益を軽減することができる。
デモ演出では、遊技方法や遊技説明に関する演出を実行したり(デモムービーを表示したり)、遊技記録に関する演出(所定のコードやパスワード等を用いて遊技記録を保存することができる演出)を実行したりすることができ、この際に、演出制御部210は、上可動体40f1及び下可動体40f2が可動位置にある場合には原点位置に戻す動作パターンを選択することができる。
以上の手順を終えると、演出制御部210は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御部210はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図249中のステップS404)等においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御部210は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御部210は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御部210はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御部210は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御部210はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また、今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御部210は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御部210は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。
また、演出パターン番号を選択すると、演出制御部210は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄及び第4図柄Z1,Z2の変動スケジュール(変動時間)、停止表示の態様等を決定する。
例えば、演出制御部210は、時間短縮状態での第2特別図柄の小当り変動時には、「ドライブモード」の状態で演出図柄及び第4図柄Z2を変動させ、最終的に小当りに対応する演出図柄及び第4図柄Z2を停止表示させる演出パターンを選択する処理を実行する。
一方、演出制御部210は、非時間短縮状態での第2特別図柄の小当り変動時には、例えば「ドライブモード」を継続させた状態又は通常モードの状態で演出図柄及び第4図柄Z2を変動させ、最終的に小当りに対応する演出図柄及び第4図柄Z2を停止表示させる演出パターンを選択する処理を実行する。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、大当りに該当した場合、演出制御部210はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御部210はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御部210は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。なお、大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御部210はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御部210は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御部210がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドに基づいて決定される。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御部210は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄及び第4図柄Z1,Z2の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」−「2」−「4」等)を決定する。なお、このようなはずれ時の演出決定手法は、大当り時も同様である。
ここで、演出制御部210は、はずれ時や大当り時、小当り時において、決め役物動作を実行するか否かを変動パターンや所定の演出抽選等に基づいて決定し、決め役物動作を実行すると決定した場合には、決め役物動作に対応する演出パターンを選択するとともに、制御対象とされるデバイス(例えばランプ制御部224や可動体制御部226等)に対して、決め役物動作実行メッセージを送信する処理を実行する。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御部210は次にステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御部210は、予告選択処理を実行する(予告演出実行手段)。この処理では、演出制御部210は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当り又は小当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は非当選時よりも高く設定されている。
ステップS616:演出制御部210は、モード演出管理処理を実行する(有利遊技状態演出実行手段)。この処理において、演出制御部210は、滞在モードに応じた背景画像を選択する処理を実行する。例えば、演出制御部210は、原則として、内部状態が非時間短縮状態である場合には、通常モードに対応する背景画像を選択する処理を実行し、内部状態が時間短縮状態である場合には、ドライブモードに対応する背景画像を選択する処理(時短中演出を選択する処理)を実行する。
ただし、演出制御部210は、例外として、内部状態が非時間短縮状態である場合であっても、時間短縮状態から非時間短縮状態に移行した際に第2特別図柄の記憶が存在している場合には、ドライブモードに対応する背景画像を選択する(有利遊技状態演出実行手段、有利遊技状態演出継続実行手段)。なお、このような例外的な処理は、後述する演出図柄停止表示中処理において実行する。
以上の手順を終えると、演出制御部210は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図251中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び停止表示演出が実行されるとともに(図柄演出実行手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。その他、ここで選択された背景(滞在)モードパターンに基づいて、各種の滞在モード演出が実行される。
〔はずれ時変動演出パターン選択処理〕
図253は、はずれ時変動演出パターン選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS620:演出制御部210は、現在の状態が記憶消化区間であるか否かを確認する。記憶消化区間とは、時間短縮状態の終了後に移行した非時間短縮状態において、第2特別図柄の記憶を消化するための区間である。記憶消化区間は、例えば、大当り遊技の終了後、第2特別図柄の1回目の変動区間、及び、第1特別図柄の1〜4回目の変動区間である。なお、記憶消化区間が終了した後には、動物モード用の即止め防止区間が設定される。
記憶消化区間と即止め防止区間は、主制御装置だけで管理してもよく、演出制御装置だけで管理してもよく、両装置で管理してもよい。例えば、記憶消化区間は、記憶消化区間滞在フラグにより管理することができる。記憶消化区間滞在フラグは、大当り遊技終了時にONに設定し、大当り遊技の終了後、第2特別図柄の1回目の変動区間が終了する際、又は、第1特別図柄の5回目の変動区間が開始する際にOFFに設定する。一方、即止め防止区間は、記憶消化区間滞在フラグをONからOFFに設定したタイミングでONに設定し、即止め防止区間がONに設定されている状態で規定回数の特別図柄の変動が終了した際にOFFに設定する。
正常に遊技を行っている場合(時間短縮状態で右打ちを継続している場合)、記憶消化区間では第2特別図柄の記憶を消化することになるが、正常に遊技を行っていない場合(時間短縮状態で右打ちを継続していない場合)、記憶消化区間では第1特別図柄の記憶を消化することもあり得る。
その結果、現在の状態が記憶消化区間であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS621を実行し、現在の状態が記憶消化区間であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS625を実行する。
ステップS621:演出制御部210は、今回の変動が第1特別図柄の変動であるか否かを確認する。
その結果、今回の変動が第1特別図柄の変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS622を実行し、今回の変動が第1特別図柄の変動であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS625を実行する。
ステップS622:演出制御部210は、第2特別図柄の記憶が無いか否かを確認する。
その結果、第2特別図柄の記憶が無いことを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS623を実行し、第2特別図柄の記憶が無いことを確認できない場合(No)、すなわち、第2特別図柄の記憶が有ることを確認した場合、演出制御部210はステップS624を実行する。
ステップS623:演出制御部210は、特別な擬似変動演出を選択する処理を実行する。特別な擬似変動演出は、変動時間に合わせて、変動開始アクションや変動停止アクションが複数回実行される演出である。
ステップS624:演出制御部210は、リーチはずれ演出を選択する処理を実行する。演出制御部210は、例えば、花火の打上げに成功するか否かの演出を実行し、最終的に、花火の打上げに失敗する演出を選択する。
ステップS625:演出制御部210は、滞在モード及び変動パターンに応じたはずれ演出を選択する処理を実行する。演出制御部210は、例えば、単なるはずれ演出を選択したり、リーチ演出を実行してはずれとする演出を選択したりする。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出図柄変動前処理(図252)に復帰する。
〔モード演出管理処理〕
図254は、モード演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS630:演出制御部210は、現在の遊技状態が時間短縮状態であるか否かを確認する。
その結果、現在の遊技状態が時間短縮状態であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS634を実行し、現在の遊技状態が時間短縮状態であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS631を実行する。
ステップS631:演出制御部210は、現在の状態が記憶消化区間であるか否かを確認する。
その結果、現在の状態が記憶消化区間であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS632を実行し、現在の状態が記憶消化区間であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS633を実行する。
ステップS632:演出制御部210は、第2特別図柄の記憶が無いか否かを確認する。
その結果、第2特別図柄の記憶が無いことを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS635を実行し、第2特別図柄の記憶が無いことを確認できない場合(No)、すなわち、第2特別図柄の記憶が有ることを確認した場合、演出制御部210はステップS634を実行する。
ステップS633:演出制御部210は、大当り遊技後の規定回数以内(例えば15回以内)の変動であるか否かを確認する。
その結果、大当り遊技後の規定回数以内の変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS635を実行し、大当り遊技後の規定回数以内の変動であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS636を実行する。
ステップS634:演出制御部210は、ドライブモード用の背景画像を選択する処理を実行する。
ステップS635:演出制御部210は、動物モード用の背景画像を選択する処理を実行する。
ステップS636:演出制御部210は、通常モード用の背景画像を選択する処理を実行する。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出図柄変動前処理(図252)に復帰する。
このような処理を実行することにより、演出制御部210は、第2特別図柄の記憶が有れば(抽選要素の記憶の状態が特別な状態であれば)、非時間短縮状態(通常状態)と時間短縮状態(有利状態)とで、共通した内容のドライブモード演出(共通演出)を実行可能とする(演出実行手段)。
また、このような処理を実行することにより、演出制御部210は、第2特別図柄の記憶が無ければ(抽選要素の記憶の状態が特別な状態でなければ)、非時間短縮状態(通常状態)と時間短縮状態(有利状態)とで、異なる内容のドライブモード演出(非共通演出)と動物モード演出(非共通演出)を実行可能とする(演出実行手段)。
〔演出図柄停止表示中処理〕
図255は、演出図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS650:演出制御部210は、内部状態が時短中(時間短縮状態)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、状態指定コマンドを確認することにより、内部状態を確認することができる。なお、内部状態は、変動パターンコマンドにより確認することもできる(以下、同様)。
その結果、内部状態が時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS652を実行し、内部状態が時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS656を実行する。
ステップS652:演出制御部210は、時短最終変動であるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、回数切りカウンタコマンドを確認することにより、時短最終変動であるか否かを確認することができる。例えば、第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値が「1」から「0」に切り替わる際の変動であれば、演出制御部210は、時短最終変動であると判断することができる。
その結果、時短最終変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS654を実行し、時短最終変動であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS666を実行する。
ステップS654:演出制御部210は、擬似時短カウンタに第2特別図柄の記憶数を設定する処理を実行する。擬似時短カウンタはRAM130に記憶されており、例えば、第2特別図柄の記憶数が「0」である場合は、擬似時短カウンタに「0」が設定され、第2特別図柄の記憶数が「1」である場合は、擬似時短カウンタに「1」が設定される。
この処理を終えると、演出制御部210はステップS666を実行する。
ステップS656:演出制御部210は、滞在背景が通常背景であるか否か、すなわち、液晶表示器42に表示している背景画像が通常モードに対応する背景画像であるか否かを確認する。
その結果、滞在背景が通常背景であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS666を実行し、滞在背景が通常背景であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS658を実行する。
ステップS658:演出制御部210は、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であるか否かを確認する。
その結果、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS660を実行し、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であることを確認できない場合(No)、すなわち、擬似時短カウンタの値が0である場合、演出制御部210はステップS664を実行する。
ステップS660:演出制御部210は、滞在背景を擬似時短背景に設定する処理を実行する。擬似時短背景は、右打ち表示がされないドライブモードの背景である。
このような処理を実行することにより、演出制御部210は、時間短縮状態(有利遊技状態)が終了して非時間短縮状態(所定の遊技状態)に移行した場合であっても、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値である場合(特別な条件が満たされている場合)は、時短中演出(有利遊技状態演出)を継続して実行することができる(有利遊技状態演出継続実行手段)。
ステップS662:演出制御部210は、擬似時短カウンタを1減算する処理を実行する。
ステップS664:演出制御部210は、滞在背景を通常背景に設定する処理を実行する。通常背景は、通常モードの背景である。
ステップS666:演出制御部210は、その他処理を実行する。その他処理においては、上述したように、演出制御部210は、内部抽選の結果に応じた態様の停止表示演出の内容を制御する。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出図柄管理処理(図251)に復帰する。
〔可変入賞装置作動時処理〕
図256は、可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS800:演出制御部210は、今回の変動の結果が大当りであったか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、抽選結果コマンドを確認し、大当り時に対応するものであるのか小当り時に対応するものであるのかを確認する。この確認の結果、今回の変動の結果が大当りであった場合(Yes)、演出制御部210は次にステップS802を実行する。一方、今回の変動の結果が大当りではなかった場合(No)、すなわち、小当りであった場合、演出制御部210は次にステップS804を実行する。
ステップS802:演出制御部210は、大当り時可変入賞装置作動時処理を実行する。この処理では、演出制御部210は大当り遊技開始時から大当り遊技終了時までの間に実行する演出パターンを選択する。
具体的には、演出制御部210は、選択した演出パターンに対応する演出内容を各個別制御部に対して指示する。これを受けて、例えば表示制御部220は、VDP152に対し、液晶表示器42に表示する大役中演出として、予めCGROM190に記憶されている大当り時の演出パターンに対応する各種の演出画像を、当選図柄に応じて読み出すよう指示する。
ステップS804:演出制御部210は、小当り時可変入賞装置作動時処理を実行する。この処理では、演出制御部210は小当り開始時から小当り終了時までの間に実行する演出パターンを選択する。
具体的には、演出制御部210は、小当り遊技の開始時に小当り遊技が開始したことを示す演出パターン及び右打ちを示唆する演出パターンを選択し、また、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過した場合には、特定領域通過時の演出パターンを選択して、これらの演出パターンに対応する演出内容を各個別制御部に対して指示する。これを受けて、例えば表示制御部220は、VDP152に対し、小当り遊技の開始時に、女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げる様子を表した演出画像及び右打ちを示唆する演出画像を読み出すよう指示し、また、特定領域通過時には、自動車に乗っている女性キャラクターがVの文字が描かれたハートマークを掲げる様子を表した演出画像を読み出すよう指示する。
以上の手順を終えると、演出制御部210は演出図柄管理処理(図251)に復帰する。
〔大当り時可変入賞装置作動時処理〕
図257は、大当り時可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS810:演出制御部210は、大当り時のオープニングコマンドを受信したか否かを確認する処理を実行する。
その結果、大当り時のオープニングコマンドを受信したことを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS811を実行し、大当り時のオープニングコマンドを受信したことを確認できない場合(No)、演出制御部210は、可変入賞装置作動時処理(図256)に復帰する。
ステップS811:演出制御部210は、第2特別図柄の記憶が無いか否かを確認する。
その結果、第2特別図柄の記憶が無いことを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS812を実行し、第2特別図柄の記憶が無いことを確認できない場合(No)、すなわち、第2特別図柄の記憶が有ることを確認した場合、演出制御部210はステップS814を実行する。
ステップS812:演出制御部210は、今回の大当りが時間短縮状態に移行する当選図柄であるか否かを確認する。
その結果、今回の大当りが時間短縮状態に移行する当選図柄であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS814実行し、今回の大当りが時間短縮状態に移行する当選図柄であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS813を実行する。
ステップS813:演出制御部210は、第1選択テーブルから大当り演出を選択する処理を実行する。第1選択テーブルに含まれている大当り演出は、花火演出(ドライブモードに移行することを示唆する演出)を含まない大当り演出である。
ステップS814:演出制御部210は、第2選択テーブルから大当り演出を選択する処理を実行する。第2選択テーブルに含まれている大当り演出は、花火演出を含む大当り演出である。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出図柄変動前処理(図252)に復帰する。
〔小当り時可変入賞装置作動時処理〕
図258は、小当り時可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS820:演出制御部210は、小当り時のオープニングコマンドを受信したか否かを確認する処理を実行する。
その結果、小当り時のオープニングコマンドを受信したことを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS821を実行し、小当り時のオープニングコマンドを受信したことを確認できない場合(No)、演出制御部210は、可変入賞装置作動時処理(図256)に復帰する。
ステップS821:演出制御部210は、第2特別図柄の記憶が無いか否かを確認する。
その結果、第2特別図柄の記憶が無いことを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS822を実行し、第2特別図柄の記憶が無いことを確認できない場合(No)、すなわち、第2特別図柄の記憶が有ることを確認した場合、演出制御部210はステップS824を実行する。
ステップS822:演出制御部210は、今回の小当りが時間短縮状態に移行する大当りに繋がる当選図柄であるか否かを確認する。
その結果、今回の小当りが時間短縮状態に移行する大当りに繋がる当選図柄であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS824実行し、今回の小当りが時間短縮状態に移行する大当りに繋がる当選図柄であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS823を実行する。
ステップS823:演出制御部210は、第3選択テーブルから大当り演出を選択する処理を実行する。第3選択テーブルに含まれている小当り演出は、ドライブモードに移行することを示唆する演出を含まない小当り演出である。
ステップS824:演出制御部210は、第4選択テーブルから大当り演出を選択する処理を実行する。第4選択テーブルに含まれている小当り演出は、ドライブモードに移行することを示唆する演出を含む小当り演出である。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出図柄変動前処理(図252)に復帰する。
〔時短中及び擬似時短中その他演出処理〕
図259は、時短中及び擬似時短中その他演出処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ここで、時短中(時短)とは、時間短縮状態であり、擬似時短中(擬似時短)とは、非時間短縮状態において時短中の背景画像を表示している状態(非時間短縮状態でのドライブモード)である。
ステップS850:演出制御部210は、内部状態が時短中(時間短縮状態)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、状態指定コマンドを確認することにより、内部状態を確認することができる。
その結果、内部状態が時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS852及びステップS854を実行し、内部状態が時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS856を実行する。
ステップS852:演出制御部210は、残りの時短回数に基づく残り回数表示処理を実行する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、回数切りカウンタコマンドを確認し、第2回数切りカウンタ値に「1」を加えた値を残り回数として表示する演出パターンを選択する処理を実行する。これにより、時短中においては、残り回数表示演出の残り回数として「残り2回」又は「残り1回」の値が表示される。
ステップS854:演出制御部210は、右打ち示唆演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御部210は液晶表示器42の画面上部で右打ち示唆演出に対応する画像を表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS855:演出制御部210は、右打ち強調演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御部210は、右打ち強調演出を実行する必要が発生した場合、例えば、時間短縮状態に移行したにも関わらず、遊技者が左打ちを継続している場合(特に、第1特別図柄の5変動目又は10変動目)、液晶表示器42の画面上部で右打ちを強調する演出に対応する画像を表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS856:演出制御部210は、内部状態が擬似時短中であるか否かを確認する。演出制御部210は、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値である場合に、擬似時短中であると判断することができる。
その結果、内部状態が擬似時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS858を実行し、内部状態が擬似時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御部210は演出制御処理(図249)に復帰する。
ステップS858:演出制御部210は、擬似時短カウンタに基づく残り回数表示処理を実行する。具体的には、演出制御部210は擬似時短カウンタの値を残り回数として表示する演出パターンを選択する処理を実行する。これにより、擬似時短中においては、残り回数表示演出の残り回数として「残り1回(ラスト)」の値が表示される。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出制御処理(図249)に復帰する。
〔システム動作処理〕
図260は、システム動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS902:演出制御部210は、イニシャル処理を実行する。イニシャル処理は、電源投入時に1回だけ実行することができる。演出制御部210は、イニシャル処理において、全ての可動体を一通り動作させ、各可動体が正常に動作するか否かを確認する。
全ての可動体には、原点位置と可動位置にセンサが配置されている。
演出制御部210は、所定の可動体について原点位置のセンサで検出した後に、原点位置から可動位置に可動体を可動させ、可動位置のセンサで検出した後に、可動位置から原点位置に可動体を可動させ、最終的に、原点位置のセンサで検出できれば、可動体が正常に動作すると判断することができる。
なお、可動体によっては、原点位置と可動位置との間の位置にさらに別のセンサを配置してもよく、原点位置のみ、又は、可動位置のみにセンサを配置するようにしてもよい。
ステップS904:演出制御部210は、リトライ処理を実行する。リトライ処理は、可動体の動作後に実行することができる。例えば、所定の可動体を可動位置に移動させる動作を実行した場合、その後に可動体を原点位置に戻す動作を実行するが、可動体を原点位置に戻した際に原点位置にあるセンサで可動体を検出できない場合には、可動体を再度可動させるリトライ動作を実行する。演出制御部210は、リトライ処理において、可動体が正しい位置に戻ってきていない場合に、対象となる可動体を再度可動させ、正しい位置に戻ってきているか否かを確認する。
ステップS906:演出制御部210は、補正処理を実行する。補正処理は、規定の契機が発生した場合に実行する。演出制御部210は、補正処理において、可動体が正しい位置にない場合に、対象となる可動体を可動させ、正しい位置に移動させる処理を実行する。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出制御処理(図249)に復帰する。
〔補正処理〕
図261は、補正処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS910:演出制御部210は、現在の遊技状態が変動確定時であるか否かを確認する。変動確定時であるか否かは、図柄停止コマンドを受信してから停止表示時間終了コマンドを受信するまでの期間とすることができる。
その結果、現在の遊技状態が変動確定時であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS911を実行し、現在の遊技状態が変動確定時であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS912を実行する。
ステップS911:演出制御部210は、現在のモードが動物モードであるか否かを確認する。動物モードであるか否かは、動物モード用の背景画像を選択しているか否かにより確認することができる。
その結果、現在のモードが動物モードであることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS914を実行し、現在のモードが動物モードであることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS915を実行する。
ステップS912:演出制御部210は、現在の遊技状態が変動開始後一定時間経過後(例えば、変動開始後45フレーム(1.5秒)経過後)の状態であるか否かを確認する。変動開始後一定時間経過後の状態であるか否かは、変動開始時からの経過時間をカウント(計時)することにより確認することができる。
その結果、現在の遊技状態が変動開始後一定時間経過後の状態であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS913を実行し、現在の遊技状態が変動開始後一定時間経過後の状態であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はシステム動作処理(図260)に復帰する。
ステップS913:演出制御部210は、現在のモードが動物モードであるか否かを確認する。動物モードであるか否かは、動物モード用の背景画像を選択しているか否かにより確認することができる。
その結果、現在のモードが動物モードであることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS916を実行し、現在のモードが動物モードであることを確認できない場合(No)、演出制御部210はシステム動作処理(図260)に復帰する。
ステップS914:演出制御部210は、一部の可動体の動作を制限した第1補正テーブルに基づいて第1補正処理を実行する。
具体的には、演出制御部210は、後述する第1補正テーブルの「No.1〜No.3」の動作を制限した第1補正テーブル、すなわち、第1補正テーブルの「No.1〜No.3」の動作を実行せず(無視しており)、第1補正テーブルの「No.4〜No.7」の動作しか実行しない第1補正テーブルに基づいて第1補正処理を実行する。
ステップS915:演出制御部210は、第1補正テーブルに基づいて第1補正処理を実行する。
具体的には、演出制御部210は、後述する第1補正テーブルの「No.1〜No.7」の動作を実行可能な第1補正テーブルに基づいて第1補正処理を実行する。
第1補正処理を実行する場合、演出制御部210は、可動体制御部226に対して第1補正処理用のメッセージ(第1補正メッセージ)を送信し、可動体制御部226は受信したメッセージに基づいて可動体の位置を補正する。
ステップS916:演出制御部210は、第2補正テーブルに基づいて第2補正処理を実行する。
具体的には、演出制御部210は、後述する第2補正テーブルの「No.1〜No.3」の動作を実行可能な第2補正テーブルに基づいて第2補正処理を実行する。
第2補正処理を実行する場合、演出制御部210は、可動体制御部226に対して第2補正処理用のメッセージ(第2補正メッセージ)を送信し、可動体制御部226は受信したメッセージに基づいて可動体の位置を補正する。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、システム動作処理(図260)に復帰する。
このような処理を実行することにより、演出制御部210は、フォトセンサからの信号(検出手段の検出結果)に基づいて、上可動体40f1又は下可動体40f2が所定位置又は特定位置のうち予め定められた規定位置(正しい位置)に配置されているか否かの判断処理(第1補正テーブル又は第2補正テーブルを参照した判断処理)を実行し、上可動体40f1又は下可動体40f2が原点位置又は可動位置に配置されていないと判断した場合、上可動体40f1又は下可動体40f2を原点位置又は可動位置に移動させる移動処理として、第1補正テーブルを用いた第1移動処理又は第2補正テーブルを用いた第2移動処理を実行可能とする(可動体制御手段)。
第1移動処理は、複数の可動体のうち特定の可動体(上可動体40f1又は下可動体40f2)を所定位置(位置A、可動位置)に移動可能な処理である。
第2移動処理は、全ての可動体又は特定の可動体以外の可動体(左可動体40f3、右可動体40f4、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、及び、中前上可動体40f7、中後可動体40f8)を特定位置(位置B、初期位置)に移動可能な処理である。
また、演出制御部210は、特別図柄の変動表示の開始から特別図柄の停止表示の終了までの間に、互いに異なる各判断契機に基づいて第1移動処理又は第2移動処理をそれぞれ実行可能とする(可動体制御手段)。第1移動処理を実行するか第2移動処理を実行するかについての判断処理は、複数回実行される。なお、本実施形態では、複数回は2回であるが、3回以上であってもよい。
さらに、このような処理を実行することにより、演出制御部210は、通常モード(第1状態)である場合、判断処理として、上可動体40f1又は下可動体40f2が原点位置に配置されているか否かの第1判断処理(第1補正テーブルを参照した判断処理)を実行し、上可動体40f1又は下可動体40f2が原点位置に配置されていないと判断した場合、移動処理として、上可動体40f1又は下可動体40f2を原点位置に移動させる第1移動処理(第1補正テーブルを用いた移動処理)を実行可能である(可動体制御手段)。
さらにまた、このような処理を実行することにより、演出制御部210は、動物モード(第2状態)である場合、判断処理として、上可動体40f1又は下可動体40f2が可動位置に配置されているか否かの第2判断処理(第2補正テーブルを参照した判断処理)を実行し、上可動体40f1又は下可動体40f2が可動位置に配置されていないと判断した場合、移動処理として、上可動体40f1又は下可動体40f2を可動位置に移動させる第2移動処理(第2補正テーブルを用いた移動処理)を実行可能である(可動体制御手段)。
このような処理を実行することにより、演出制御部210は、特別図柄の変動が1回実行される際の特別図柄の変動時間の開始から特別図柄の停止表示時間の終了までの期間に、通常モード(第1状態)において上可動体40f1又は下可動体40f2が原点位置(第1位置)に配置されていない場合に上可動体40f1又は下可動体40f2を原点位置に移動させる第1補正処理、及び、動物モード(第2状態)において上可動体40f1又は下可動体40f2が可動位置(第2位置)に配置されていない場合に上可動体40f1又は下可動体40f2を可動位置に移動させる第2補正処理を実行可能である(可動体制御手段)。
また、このような処理を実行することにより、演出制御部210は、通常モード(第1状態)である場合、複数の可動体の各可動体に実行させる動作を規定した第1補正テーブル(第1テーブル)に基づいて、第1補正処理(第1移動処理)を実行可能であり、動物モード(第2状態)である場合、複数の可動体のうち上可動体40f1又は下可動体40f2の動作を制限した第1補正テーブルに基づいて、第1補正処理(第1移動処理)を実行可能であり、かつ、第1補正テーブルにおいて動作を制限した上可動体40f1又は下可動体40f2の動作を対象にした第2補正テーブル(第2テーブル)に基づいて、第2補正処理(第2移動処理)を実行可能である。
また、このような処理を実行することにより、演出制御部210は、所定態様に係る予め定められた所定位置(位置A、可動位置)に、上可動体40f1又は下可動体40f2等を移動可能な第1移動処理を実行可能とする(第1移動処理実行手段)。
さらに、このような処理を実行することにより、演出制御部210は、特定態様に係る予め定められた特定位置(位置B、初期位置)に、上可動体40f1又は下可動体40f2等を移動可能な第2移動処理を実行可能とする(第2移動処理実行手段)。
図262は、モータと可動体との関係を示す図である。
図中のモータは、可動体モータ57として存在している複数のモータに含まれている。
〔No.1〕
上可動体昇降モータ57aは、上可動体40f1を昇降させるためのモータである。
上可動体40f1(特定の可動体)は、原点位置(第1位置、液晶表示器42の上方側に配置された位置)から可動位置(第2位置、液晶表示器42の中央側に移動して配置された位置)まで可動可能であり、通常モード(第1状態)では原点位置にあり、動物モード(第2状態)では可動位置にある。
〔No.2〕
下可動体昇降モータ57bは、下可動体40f2を昇降させるためのモータである。
下可動体40f2(特定の可動体)は、原点位置(第1位置、液晶表示器42の下方側に配置された位置)から可動位置(第2位置、液晶表示器42の中央側に移動して配置された位置)まで可動可能であり、通常モード(第1状態)では原点位置にあり、動物モード(第2状態)では可動位置にある。
〔No.3〕
左可動体モータ57cは、左可動体40f3を左右方向に可動させるためのモータである。
左可動体40f3は、原点位置(液晶表示器42の左側に配置された位置)から可動位置(液晶表示器42の中央側に移動して配置された位置)まで可動可能であり、左可動体40f3を用いた演出を実行しない場合には原点位置にあり、左可動体40f3を用いた演出を実行する場合には可動位置にある。
〔No.4〕
右可動体モータ57dは、右可動体40f4を左右方向に可動させるためのモータである。
右可動体40f4は、原点位置(液晶表示器42の右側に配置された位置)から可動位置(液晶表示器42の中央側に移動して配置された位置)まで可動可能であり、右可動体40f4を用いた演出を実行しない場合には原点位置にあり、右可動体40f4を用いた演出を実行する場合には可動位置にある。
〔No.5〕
中前右可動体回転モータ57eは、中前右可動体40f5を回転させるためのモータである。
中前右可動体40f5は、液晶表示器42の中央付近への移動中又は液晶表示器42の中央付近に移動した状態で回転可能である。
〔No.6〕
中前左可動体回転モータ57fは、中前左可動体40f6を回転させるためのモータである。
中前左可動体40f6は、液晶表示器42の中央付近への移動中又は液晶表示器42の中央付近に移動した状態で回転可能である。
〔No.7〕
中前上可動体回転モータ57gは、中前上可動体40f7を回転させるためのモータである。
中前上可動体40f7は、液晶表示器42の中央付近への移動中又は液晶表示器42の中央付近に移動した状態で回転可能である。
〔No.8〕
中前右可動体昇降モータ57hは、中前右可動体40f5を昇降させるためのモータである。
中前右可動体40f5は、原点位置(中後可動体40f8と前後方向で重なる位置)から可動位置(中後可動体40f8と前後方向で重ならない位置)まで可動可能であり、中前右可動体40f5を用いた演出を実行しない場合には原点位置にあり、中前右可動体40f5を用いた演出を実行する場合には可動位置にある。
〔No.9〕
中前左可動体昇降モータ57iは、中前左可動体40f6を昇降させるためのモータである。
中前左可動体40f6は、原点位置(中後可動体40f8と前後方向で重なる位置)から可動位置(中後可動体40f8と前後方向で重ならない位置)まで可動可能であり、中前左可動体40f6を用いた演出を実行しない場合には原点位置にあり、中前左可動体40f6を用いた演出を実行する場合には可動位置にある。
〔No.10〕
中前上可動体昇降モータ57jは、中前上可動体40f7を昇降させるためのモータである。
中前上可動体40f7は、原点位置(中後可動体40f8と前後方向で重なる位置)から可動位置(中後可動体40f8と前後方向で重ならない位置)まで可動可能であり、中前上可動体40f7を用いた演出を実行しない場合には原点位置にあり、中前上可動体40f7を用いた演出を実行する場合には可動位置にある。
〔No.11〕
中後可動体回転モータ57kは、中後可動体40f8を回転させるためのモータである。
中後可動体40f8は、原点位置から可動位置(原点位置から240度程度回転した位置)まで可動可能であり、中後可動体40f8を用いた演出を実行しない場合には原点位置にあり、中後可動体40f8を用いた演出を実行する場合には可動位置にある。
図263は、本実施形態の変動確定時に実行する第1補正処理において参照する第1補正テーブルを示す図である。
本テーブルは、補正処理(図261)のステップS914及びステップS915において参照される。
〔No.1〕
「ハート役物」が「○」であり、「上可動体」が「×」であり、「下可動体」が「○」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「○」である場合、「上可動体補正」の動作パターンが選択される。「上可動体補正」の動作パターンは、上可動体40f1を可動位置から原点位置に移動させるパターンである。
〔No.2〕
「ハート役物」が「○」であり、「上可動体」が「○」であり、「下可動体」が「×」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「○」である場合、「下可動体補正」の動作パターンが選択される。「下可動体補正」の動作パターンは、下可動体40f2を可動位置から原点位置に移動させるパターンである。
〔No.3〕
「ハート役物」が「○」であり、「上可動体」が「×」であり、「下可動体」が「×」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「○」である場合、「上下可動体補正」の動作パターンが選択される。「上下可動体補正」の動作パターンは、上可動体40f1及び下可動体40f2を可動位置から原点位置に移動させるパターンである。
〔No.4〕
「ハート役物」が「○」であり、「上可動体」が「○」であり、「下可動体」が「○」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「×」である場合、「左右可動体補正」の動作パターンが選択される。「左右可動体補正」の動作パターンは、左可動体40f3及び右可動体40f4を可動位置から原点位置に移動させるパターンである。
〔No.5〕
「ハート役物」が「○」であり、「上可動体」が「×」であり、「下可動体」が「×」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「×」である場合、「上下左右可動体補正」の動作パターンが選択される。「上下左右可動体補正」の動作パターンは、上可動体40f1、下可動体40f2、左可動体40f3及び右可動体40f4を可動位置から原点位置に移動させるパターンである。
〔No.6〕
「ハート役物」が「×」であり、「上可動体」が「○」であり、「下可動体」が「○」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「○」である場合、「ハート役物補正」の動作パターンが選択される。「ハート役物補正」の動作パターンは、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8を可動位置から原点位置に移動させるパターンである。
〔No.7〕
「ハート役物」が「−」であり、「上可動体」が「−」であり、「下可動体」が「−」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「−」である場合、「全可動体補正」の動作パターンが選択される。「全可動体補正」の動作パターンは、上可動体40f1、下可動体40f2、左可動体40f3、右可動体40f4、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8を可動位置から原点位置に移動させるパターンである。
〔システム動作について〕
前提として、システム動作は、イニシャル処理、リトライ処理、補正処理の動作があり、それぞれ動作テーブルを作成してそれぞれの処理を実行する。
補正処理を例にあげると、本図に示すように、それぞれの可動体センサの状況によって、動作を切り替える仕組みとなっている。
ここで、各可動体の原点位置のセンサで可動体を検出できている場合は「○」とし、原点位置のセンサで可動体を検出できていない場合は「×」としている。なお、「−」は、No.1〜6には該当しないが複数の可動体が「×」である状態を示している。
また、「ハート役物」は、図262のNo.5〜11の可動体としている。「ハート役物」が「×」の場合とは、図262のNo.5〜11の可動体の1つでも、原点位置のセンサで可動体を検出できていない状態である。
ここでは、No.1を例として説明する。
No.1の状態は、上可動体40f1のみ原点位置のセンサで検出できていない状況である。この場合、上可動体40f1を補正する(正しい位置に移動させる)動作パターン(上可動体補正)が選択される。「上可動体補正」の動作パターンが選択されると、上可動体40f1を原点位置に移動させる処理が実行される。
図264は、本実施形態の変動開始後所定時間経過後に実行する第2補正処理において参照する第2補正テーブルを示す図である。
本テーブルは、補正処理(図261)のステップS916において参照される。
〔No.1〕
「ハート役物」が「○」であり、「上可動体」が「×」であり、「下可動体」が「○」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「○」である場合、「下可動体特別補正」の動作パターンが選択される。「下可動体特別補正」の動作パターンは、下可動体40f2を原点位置から可動位置に移動させるパターンである。
〔No.2〕
「ハート役物」が「○」であり、「上可動体」が「○」であり、「下可動体」が「×」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「○」である場合、「上可動体特別補正」の動作パターンが選択される。「上可動体特別補正」の動作パターンは、上可動体40f1を原点位置から可動位置に移動させるパターンである。
〔No.3〕
「ハート役物」が「○」であり、「上可動体」が「○」であり、「下可動体」が「○」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「○」である場合、「上下可動体特別補正」の動作パターンが選択される。「上下可動体特別補正」の動作パターンは、上可動体40f1及び下可動体40f2を原点位置から可動位置に移動させるパターンである。
ここでは、No.1を例として説明する。
No.1の状態では、上可動体40f1のみ原点位置のセンサで検出できていない状況である。また、No.1の状態では、下可動体40f2が原点位置のセンサで検出できている状況である。
動物モードでは、上可動体40f1及び下可動体40f2を可動位置に移動させる必要があるため、ここでは、下可動体40f2を補正する(正しい位置に移動させる)動作パターン(下可動体特別補正)が選択される。「下可動体特別補正」の動作パターンが選択されると、下可動体40f2を可動位置に移動させる処理が実行される。
図265は、比較例の変動確定時に実行する補正処理において参照する補正テーブルを示す図である。
〔No.1〕〜〔No.7〕は、第1補正テーブルの動作(図263)と同様である。
〔No.8〕〜〔No.14〕は、〔No.1〕〜〔No.7〕の動作と同様であるが、その後に、「動物モード位置形成」の動作を実行するようになっている。
本実施形態では、可動体の原点位置が2パターンあり、これを比較例の補正テーブルで対応しようとすると、2倍の動作パターンを用意する必要がある。
具体的には、ステージ情報という追加情報によって、さらにテーブルを分ける必要があり、データ数が多くなり、管理がしにくくなる。
このため、本実施形態では、補正処理(補正動作)の実行タイミングを2つ設けることにより、データ数の削減を行っている。
〔実現手段〕
(A)本実施形態の第1補正処理では、図263に記載したテーブルを用いる。
(B)補正処理の実行タイミングを2つ設けることで、データ数を単純に増やすことを抑える。
1つ目の第1補正処理の実行タイミングは、変動確定時である。
これにより、原則として、各可動体を通常モードの位置に戻すことができる。なお、ここでは、図263に記載したテーブルを用いる。
2つ目の第2補正処理の実行タイミングは、変動開始後一定時間経過後(変動開始後45フレーム経過後)である。
動物モードの変動開始時のみ、第2補正処理用の(補正タイミング2用の)メッセージを送信し、そのタイミングで上可動体40f1や下可動体40f2が出現していなかった場合は、上可動体40f1や下可動体40f2を出現させる。
第2補正処理の実行タイミングを変動開始後45フレーム経過後(約1.5秒後)としている理由は、本実施形態の上可動体40f1や下可動体40f2が可動位置から原点位置に戻る時間が30F程度(約1.0秒)かかり、戻り動作中に出現動作を行わないようにするための時間を確保するためである。
〔可動体制御部処理〕
図266は、可動体制御部処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。本処理は、可動体制御部226が実行する。
ステップS920:可動体制御部226は、決め役物動作実行メッセージを受信したか否かを確認する。決め役物動作実行メッセージは、演出制御部210から可動体制御部226に対して送信される。
その結果、決め役物動作実行メッセージを受信したことを確認した場合(Yes)、可動体制御部226はステップS921を実行し、決め役物動作実行メッセージを受信したことを確認できない場合(No)、可動体制御部226はステップS922を実行する。
ステップS921:可動体制御部226は、決め役物動作関連演出選択処理を実行する。具体的には、可動体制御部226は、決め役物動作実行メッセージの受信後20F経過後に出現用データを再生し、メッセージ受信後270F経過後に格納用データを再生する処理を実行する。つまり、可動体制御部226は、図245に示す出現用データ再生及び格納用データ再生を実行する。出現用データの再生は、センサ管理としているが、格納用データの再生は、ランプの点灯部分を限定しているため、時間管理としている。なお、ランプの点灯部分を限定していない場合、格納用データの再生もセンサ管理とするようにしてもよい。
このような処理を実行することにより、可動体制御部226は、各種可動体による決め役物動作(第1演出)を実行可能である(第1演出実行手段)。
また、このような処理を実行することにより、可動体制御部226は、原点位置(第1位置)から可動位置(第2位置)に中後可動体40f8を可動させる可動演出を実行可能である(可動演出実行手段)。
ステップS922:可動体制御部226は、中後可動体の可動位置センサから検出信号が入力されたか否かを確認する。
その結果、中後可動体の可動位置センサから検出信号が入力されたことを確認した場合(Yes)、可動体制御部226はステップS923を実行し、中後可動体の可動位置センサから検出信号が入力されたことを確認できない場合(No)、可動体制御部226はステップS928を実行する。
ステップS923:可動体制御部226は、決め役物完成フラグをONに設定する処理を実行する。
ステップS924:可動体制御部226は、1フレームが経過したか否かを確認する。1フレームが経過したか否かは、本処理(可動体制御部処理)の開始時からの経過時間をカウント(計時)することにより確認することができる。
その結果、1フレームが経過したことを確認した場合(Yes)、可動体制御部226はステップS925を実行し、1フレームが経過したことを確認できない場合(No)、可動体制御部226はステップS928を実行する。1フレームの経過を待たない制御を採用する場合には、本処理を実行しないようにすることも可能である。
ステップS925:可動体制御部226は、決め役物完成フラグがONであるか否かを確認する。
その結果、決め役物完成フラグがONであることを確認した場合(Yes)、可動体制御部226はステップS926を実行し、決め役物完成フラグがONであることを確認できない場合(No)、可動体制御部226はステップS928を実行する。
ステップS926:可動体制御部226は、ランプ制御部224に対して、ランプ制御部用の決め役物完成メッセージを送信する処理を実行する。
ステップS927:可動体制御部226は、決め役物完成フラグをOFFに設定する処理を実行する。なお、決め役物完成フラグは、一定フレーム経過後にOFFにしてもよい。
ステップS928:可動体制御部226は、その他処理を実行する。具体的には、可動体制御部226は、演出制御部210から送信されてきたメッセージに基づいて、各種可動体を可動させる処理を実行する。
そして、以上の処理を終えると、可動体制御部226は、演出制御処理(図249)に復帰する。
〔ランプ制御部処理〕
図267は、ランプ制御部処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。本処理は、ランプ制御部224が実行する。
ステップS930:ランプ制御部224は、決め役物動作実行メッセージを受信したか否かを確認する。決め役物動作実行メッセージは、演出制御部210からランプ制御部224に対して送信される。
その結果、決め役物動作実行メッセージを受信したことを確認した場合(Yes)、ランプ制御部224はステップS931を実行し、決め役物動作実行メッセージを受信したことを確認できない場合(No)、ランプ制御部224はステップS932を実行する。
ステップS931:ランプ制御部224は、決め役物動作関連演出選択処理を実行する。具体的には、ランプ制御部224は、決め役物動作実行メッセージの受信後20F経過後に出現用データを再生し、メッセージ受信後270F経過後に格納用データを再生する処理を実行する。つまり、ランプ制御部224は、図245に示す出現用データ再生及び格納用データ再生を実行する。
このような処理を実行することにより、ランプ制御部224は、各種可動体による決め役物動作(第1演出)と同時期に実行されると演出進行に係る所定条件を満たす虹色点灯演出(第2演出)を実行可能である(第2演出実行手段)。
また、このような処理を実行することにより、ランプ制御部224は、各種ランプ(発光手段)を発光させる虹色点灯演出(発光演出)を実行可能である(発光演出実行手段)。
ステップS932:ランプ制御部224は、ランプ制御部用の決め役物完成メッセージを受信したか否かを確認する。ランプ制御部用の決め役物完成メッセージは、可動体制御部226からランプ制御部224に対して送信される。
その結果、ランプ制御部用の決め役物完成メッセージを受信したことを確認した場合(Yes)、ランプ制御部224はステップS933を実行し、ランプ制御部用の決め役物完成メッセージを受信したことを確認できない場合(No)、ランプ制御部224はステップS934を実行する。
ステップS933:ランプ制御部224は、虹色点灯演出選択処理を実行する。具体的には、ランプ制御部224は、各種ランプ(LED)を虹色に発光させる発光パターンを選択する処理を実行する。
このような処理を実行することにより、ランプ制御部224は、各種可動体による決め役物動作(第1演出)の終了後に虹色点灯演出(第2演出)を実行可能とする(演出制御手段)。
また、このような処理を実行することにより、ランプ制御部224は、決め役物動作(可動演出)と同時期に実行されると演出進行に係る所定条件を満たす(動作支障の成立、所定の電流値制限に該当する)虹色点灯演出(第2演出)について、決め役物動作(可動演出)の終了後に開始(実行制限)可能とすることができる(演出制御手段)。
ここで、各種可動体による決め役物動作(第1演出)は、原点位置(第1位置)から可動位置(第2位置)に中後可動体40f8(可動体)を可動させる可動演出を含む。虹色点灯演出(第2演出)は、各種ランプ(発光手段)を発光させる発光演出を含む。
また、このような処理を実行することにより、ランプ制御部224は、中後可動体40f8(可動体)が原点位置(第1位置)から可動位置(第2位置)に移動し、中後可動体40f8の可動位置センサ(検出手段)により中後可動体40f8が可動位置にあることが検出された場合に、各種可動体による決め役物動作(第1演出)が終了したものとして、虹色点灯演出(第2演出)を開始可能とする(演出制御手段)。
ステップS934:ランプ制御部224は、その他処理を実行する。具体的には、可動体制御部226は、演出制御部210から送信されてきたメッセージに基づいて、各種ランプを発光させる処理を実行する。
そして、以上の処理を終えると、ランプ制御部224は、演出制御処理(図249)に復帰する。
図268は、連荘状態即終了対策の特殊変動パターンの遷移例を示す図である。
図中(A)は、発射方向の遷移に従わずに遊技を行った場合の特殊変動パターンの遷移例を示している。
例えば、時間短縮状態が終了して非時間短縮状態に移行し、その非時間短縮状態において第2特別図柄の記憶を消化している場合(左打ち状態中)に、特別図柄の記憶を1個も貯めず、第2特別図柄の記憶で小当り又は大当りとなり、その大当り遊技の終了に時間短縮状態に移行した場合、すなわち、第2特別図柄の記憶消化中に遊技球の発射を止めていた場合、特殊変動テーブルの遷移は、以下のようになる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「1変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルD(第2特別図柄)」が選択される。なお、ここで選択されるテーブルは、「変動パターンテーブルE(第2特別図柄)」であってもよい。
具体的には、大当り遊技終了後の1変動目は、第2特別図柄の記憶消化後の第2特別図柄の変動(変動時間は120秒)となる。液晶表示器42では、例えば、第2特別図柄専用のリーチ変動(リーチ演出)を実行することができる。
図中(B)は、発射方向の遷移に従って遊技を行った場合の特殊変動パターンの遷移例を示している。
例えば、時間短縮状態が終了して非時間短縮状態に移行し、その非時間短縮状態において第2特別図柄の記憶を消化している場合(左打ち状態中)に、特別図柄の記憶を4個貯め、第2特別図柄の記憶で小当り又は大当りとなり、その大当り遊技の終了に時間短縮状態に移行した場合、すなわち、第2特別図柄の記憶消化中に左打ちをして第1特別図柄の記憶を4個貯めていた場合、特殊変動テーブルの遷移は、以下のようになる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「1〜4変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルD(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の1〜4変動目は、第2特別図柄の記憶消化後の第1特別図柄の変動(変動時間は90〜120秒程度)となる。液晶表示器42では、例えば、第1特別図柄専用のリーチ変動を実行することができる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「5変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルD(第2特別図柄)」が選択される。なお、ここで選択されるテーブルは、「変動パターンテーブルE(第2特別図柄)」であってもよい。
具体的には、大当り遊技終了後の5変動目は、第2特別図柄の記憶消化後の第2特別図柄の変動(変動時間は120秒)となる。液晶表示器42では、例えば、第2特別図柄専用のリーチ変動を実行することができる。
図中(B)に示す打ち方を実行することにより、連荘状態即終了(連荘状態がすぐに終了してしまう状況)を回避することができる。
図269は、イレギュラー打ちを考慮した特殊変動パターンの遷移例を示す図である。
図中(A)は、発射方向に従って遊技を行った場合の特殊変動パターンの遷移例を示している。
例えば、初当り前に第1特別図柄の記憶が4個貯まっている状態で、大当り遊技終了後の時間短縮状態で右打ちを継続した場合、すなわち、第1特別図柄の記憶が全て消化され、第2特別図柄の記憶を貯めた場合、特殊変動テーブルの遷移は、以下のようになる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「1〜4変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルC(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の1〜4変動目は、初当り後の第1特別図柄の残りの記憶を消化するための短変動(変動時間は1.0秒)となる。液晶表示器42では、例えば、演出図柄を高速で変動させることができる。この場合、リーチ演出は実行しない。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「5変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルC(第2特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の5変動目(初当り後の第2特別図柄の1変動目)は、長変動(変動時間は120秒)となる。
図中(B)は、発射方向に従わずに遊技を行った場合の特殊変動パターンの遷移例を示している。
例えば、初当り前に第1特別図柄の記憶が4個貯まっている状態で、大当り遊技終了後の時間短縮状態で右打ち中であるにも関わらず、左打ちを継続した場合、すなわち、第1特別図柄の記憶が全て消化され、さらに第1特別図柄の記憶を貯め続けて時間短縮状態が終了(パンク)する場合、特殊変動テーブルの遷移は、以下のようになる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「1〜4変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルC(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の1〜4変動目は、初当り後の第1特別図柄の残りの記憶を消化するための短変動(変動時間は1.0秒)となる。液晶表示器42では、例えば、演出図柄を高速で変動させることができる。この場合、リーチ演出は実行しない。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「5変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルG(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、初当り後の第1特別図柄の5変動目は、長変動(変動時間は13.5秒)となる。液晶表示器42では、例えば、可変始動入賞装置28(電チュー)に遊技球を入賞させるように促す演出(右打ちを促す演出)を実行することができる(1回目)。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「6〜9変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルC(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の6〜9変動目は、初当り後の第1特別図柄の追加された残りの記憶を消化するための短変動(変動時間は1.0秒)となる。液晶表示器42では、例えば、演出図柄を高速で変動させることができる。この場合、リーチ演出は実行しない。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「10変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルG(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、初当り後の第1特別図柄の10変動目は、長変動(変動時間は13.5秒)となる。液晶表示器42では、例えば、可変始動入賞装置28(電チュー)に遊技球を入賞させるように促す演出(右打ちを促す演出)を実行することができる(2回目)。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「11変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルA(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、初当り後の第1特別図柄の11変動目は、変動パターンテーブルAに含まれる変動パターンに基づく変動となる。なお、時短終了(パンク)後は、通常状態(非時間短縮状態、通常モード)へ移行する。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)本実施形態によれば、各種可動体による決め役物動作(第1演出)の終了後に虹色点灯演出(第2演出)を開始させるため、各種可動体による決め役物動作の実行中に虹色点灯演出が開始されて所定の電流値制限を超えるような状況が発生することがなくなる。これにより、遊技機の品質を向上させつつ、電流値制限の問題を回避することができ、結果として、斬新な遊技機を提供することができる。
(2)本実施形態によれば、中後可動体40f8の可動位置センサにより中後可動体40f8が可動位置にあることが検出されると、各種可動体による決め役物動作(第1演出)が終了したものとして、虹色点灯演出(第2演出)を開始可能とするため、実際に中後可動体40f8が可動位置に移動したという事実をもって虹色点灯演出を開始することができる。このため、モータに関する所定ステップ数の動作後や所定時間の経過後に虹色点灯演出を実行する方式と比較して、より正確に各種可動体による決め役物動作が終了してから虹色点灯演出を開始することができる。これにより、より一層、遊技機の品質を向上させつつ、電流値制限の問題を確実に回避することができ、結果として、斬新な遊技機を提供することができる。
(3)本実施形態の各種可動体による決め役物動作(第1演出)は、ランプ(LED)に点灯制限(電流値制限)がある。決め役物動作が完全に出現する動作終了後(土台となる役物である中後可動体40f8が停止した後)は、ランプの点灯制限が解除される。なお、決め役物動作が完成位置に至った場合は、遊技機(盤面や扉などの発光部)全休のランプを用いて、虹色点灯等で祝福させたい。ランプは基本的には、メッセージ受信後、一定タイミングで点灯するような仕組みとなっている。
〔問題点〕
決め役物の構成となる円環(土台)部に関する可動体(中後可動体40f8)は、原点位置の原点位置センサと可動位置の可動位置センサがあり、可動体(中後可動体40f8)を可動する可動体データは、可動位置センサの検出後、可動体(中後可動体40f8)を押し込むというデータ構成になっている。
このため、可動体(中後可動体40f8)が引っ掛かる等の原因により、役物動作が想定していたステップ数より、時間がかかるケースがある。この場合、ランプを、メッセージ受信後から一定時間経過後のタイミングで点灯させると、決め役物(ハート役物)の土台となる可動体(中後可動体40f8)の動作中にランプが点灯し、電流値制限を越える可能性がある。
そこで、本実施形態では、可動体(中後可動体40f8)の可動位置センサの検出に基づいて決め役物完成フラグをONに設定している。
そして、1F毎に役物完成フラグを監視し、役物完成フラグがONである場合はランプ制御部224側に決め役物完成メッセージを送信し、決め役物完成フラグをOFFに設定する。ランプ制御部は、役物完成メッセージの受信を契機として、虹色点灯演出を実行する。なお、決め役物完成フラグは、一定時間経過後(例えば、動作終了の2フレーム後)にOFFにするようにしてもよい。
これにより、品質の向上と電流値制限の問題の両方を解決することができる。
(4)本実施形態では、強役物(特別な可動体)が動作中となり、その後、強役物の動作の終了となるときに(可動位置センサ検出時に)、決め役物完成フラグをONとし、決め役物完成フラグがONであるという条件判定に基づいて複数個のLED点灯(虹色点灯態様)を実行可能とすることで、電流値制限を越えないようにしている。
つまり、動作時間が必ずしも一定とならない可動体に、動作終了である情報を持たせ、可動体が動作終了となるまでLEDの点灯又はLEDの点灯数を制限し、規定の電流値制限を越えないようにしている。
発光装置(LED制御基板、ランプ制御部)は、役物装置(可動体制御部)から直接メッセージを送信可能となる通信路が設けられており、決め役物完成メッセージを受信していなければ、虹色点灯タイミングになったとしても、LEDを点灯させない。
(5)本実施形態では、所定点灯メッセージの受信に基づいて所定態様(虹色点灯)とさせるLED点灯の実行タイミングであっても、可動体動作(役物演出)に応じて行っていたLED点灯の現状維持又は非実行となるよう制限し、可動体動作の処理終了を確実に待った所定タイミング(役物戻り位置の押込み完了、決め役物完成メッセージの受信)となるときに所定態様(虹色点灯)のLED点灯の実行を許可する。
(6)本実施形態では、「役物動作中を示す情報があるときは(役物動作中であるときは)、LED点灯を現状維持とする(LED点灯態様の更新を制限する)」という点がポイントである。
(7)本実施形態では、決め役物完成メッセージを受信していない場合は、役物演出に応じたLED点灯態様を現状維持とする制限をさせ、信頼度報知をさせるLED点灯の実行契機であっても、決め役物完成メッセージを受信してから又は受信後一定時間経過(役物戻り位置の押込み完了)していることを条件にしてLED点灯を許可させる。
(8)本実施形態では、LED点灯に係る信頼度報知の態様は、高信頼度に応じた発光となるよう多数個のLEDを用いた特別発光態様である。つまり、多数個のLEDの発光は、遊技機全体で虹色点灯させる態様であり、電流値制限を越えやすい。
(9)本実施形態では、LED点灯をさせる第1制御処理部(LED回路基部、ランプ制御部)と、可動体の位置検知をさせる第2制御処理部(役物回路基部、可動体制御部)との間を繋ぐ信号の通信路(メッセージの送受信が可能な機能)を設け、この通信路を介して可動体の動作中と動作終了のセンサ検知信号に関する情報をやり取りさせることでLED点灯の制限制御を行っている。
(10)本実施形態では、第1演出(可動体を可動させる演出)及び第2演出(LEDを虹色点灯させる演出)の実行情報を含む演出制御の情報(メッセージ)に基づいて、可動体とLED点灯をそれぞれ実行させ得る演出制御手段を備え、演出制御手段は、第1演出の実行中において第1演出の実行終了に関する終了情報(決め役物完成メッセージ)を取得した場合に、予め定められたLED点灯の態様更新(虹色点灯)に関する第2演出を実行可能とする。
(11)本実施形態では、演出制御の情報(ステップ数)に基づく第1動作位置(機構上の動作終了の見倣し部位)よりも多く動作させた第2動作位置(動作完了の押し込み部位)に、可動体を到違させ得た場合(中後可動体の可動位置センサ検出及びその後の押込動作の終了)に基づいて終了情報を生成可能とする。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様は例示であり、上述した演出の態様に限定されるものではない。
上述した実施形態では、いわゆる1種2種混合機に本発明を適用する例で説明したが、いわゆる1種遊技機(特定領域を備えていない遊技機)に本発明を適用してもよい。
また、本発明は、確率変動機能を備える遊技機にも適用することができ、この場合には、いわゆるループタイプ(確変回数に実質的な上限を設定しないタイプ)の遊技機に適用することもでき、STタイプ(確変回数に実質的な上限を設定するタイプ)の遊技機に適用することもできる。
さらに、本発明は、確変領域を有する遊技機に適用することもでき、確変領域を有しない遊技機に適用することもできる。
さらにまた、本発明は、「第1特別図柄及び第2特別図柄の同時回し」を採用していない遊技機に適用することもでき、同時回しを採用している遊技機に適用することもできる。
本発明は、設定付きパチンコ機に適用することもできる。
また、本発明は、性能表示モニタを備えるパチンコ機に適用することもできる。
上述した実施形態では、変動確定時に第1補正処理を実行し、変動開始後一定時間経過後に第2補正処理を実行する例で説明したが、変動確定時に第2補正処理を実行し、変動開始後一定時間経過後に第1補正処理を実行してもよく、変動確定時に第1補正処理及び第2補正処理を実行してもよく、変動開始後一定時間経過後に第1補正処理及び第2補正処理を実行してもよい。
本発明は、補正処理に適用する例で説明したが、イニシャル処理やリトライ処理といったその他の処理にも適用することもできる。
上述した実施形態では、第1演出が可動体による演出であり、第2演出がランプによる演出の例で説明したが、第1演出がランプによる演出であり、第2演出が可動体による演出であってもよく、第1演出及び第2演出が可動体による演出であってもよく、第1演出及び第2演出がランプによる演出であってもよい。
上述した実施形態は、以下の変形も可能である。
(1)第1特別図柄の記憶の有無により、第2特別図柄の変動パターン選択テーブルを異ならせてもよい。
例えば、第1特別図柄の記憶が有る場合、第2特別図柄の変動パターンを決定する際には、長時間(数十秒〜数分)の変動パターンを選択可能な変動パターン選択テーブルを参照する。
一方、第1特別図柄の記憶が無い場合、第2特別図柄の変動パターンを決定する際には、短時間(数秒)の変動パターンを選択可能な変動パターン選択テーブルを参照する。
(2)連荘中(時間短縮状態、ドライブモード中)に、第1特別図柄の記憶を溜めさせる状態(左打ち状態)を発生させるようにしてもよい。
例えば、大当りのエンディング時間は、左打ち状態になる。つまり、大当り遊技のオープニングから最終ラウンドの終了時までは右打ち状態となり、大当り遊技のエンディング中のみ左打ち状態となる。
また、小当り変動の確定時間中(停止表示時間の開始から終了まで)は、左打ち状態になる。時間短縮状態は、小当り変動の確定時間の開始時にOFFにすることができ、これにより、小当り変動の確定時間中は、非時間短縮状態となる。
さらに、「大当り変動確定時間(1秒程度、0.5秒から数秒程度)≒はずれ変動確定時間(1秒程度、0.5秒から数秒程度)<小当り変動確定時間(15秒程度、数十秒程度)」とすることができる。この場合、小当り変動の確定時間は、大当りやはずれと比較して長くなるため、非時間短縮状態となる時間を長く確保することができる。
(3)「左打ち状態」や「右打ち状態」の定義は、以下のようにすることができる。
主制御装置で、左打ち状態か右打ち状態かを記憶する領域(例えば、発射位置指定フラグを格納する領域)を持ち、記憶の内容が左打ちを示す値(0)であれば「左打ち状態」であり、記憶の内容が左打ちを示す値でなければ「右打ち状態」である。「左打ち状態」は、非時間短縮状態(電チューサポートが行われていない状態)や、大当り遊技のエンディング中である。それ以外の状態は、「右打ち状態」である。
主制御装置は、左打ち状態か右打ち状態かによって、演出制御装置に、現在の発射位置の状態を伝達するコマンドを送信する。このようなコマンドは、「電源投入時」及び「右打ち状態から左打ち状態への切り替わり時」に左打ち状態を示すコマンドを送信してもよく、左打ち状態中は定期的に左打ち状態のコマンドを送信してもよい。
左打ち状態中において、演出制御装置は、主制御装置からのコマンドに基づき、右打ち報知ランプを消灯状態にすることができる。また、左打ち状態中において、演出制御装置は、液晶表示器に表示する右打ち指示表示を非表示にすることができる。さらに、左打ち状態中において、演出制御装置は、右打ち領域にあるセンサ(始動ゲート20のゲートスイッチ76等)で遊技球の通過を検出した場合、左打ちを促す演出、例えば、「左打ちに戻してください」の表示、及び、音声出力を実行することができる。ただし、時間短縮状態が終了した後は、盤面上の残り球を考慮して、所定数の変動を行うまでこのような演出を実行しないようにすることができる。
大当りのエンディング中や、小当り変動確定時間中を左打ち状態にすることで、第1特別図柄の記憶を定期的に貯めることができ、これにより、連荘中の第2特別図柄の変動を長くすることができる。これにより、連荘状態が極端に短い時間で終了して遊技者の遊技意欲が減退することを回避することができる。一方、連荘中に左打ちをしなければ、第2特別図柄の変動が短い状態となるため、遊技者は迅速に連荘状態を消化することができる。
上述した実施形態の遊技機は、1種2種混合機のゲーム性を有する遊技機であるため、非時間短縮状態における可変始動入賞装置28(普通電動役物)の開放中の入賞はエラーと判断し、エラー報知を行うようにしてもよい。
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能である。
〔実施形態D〕
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図270は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図271は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば、遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図270及び図271を参照しつつ遊技機の全体構成について説明する。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図270中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図271では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図270に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1は、カードユニットに接続する機種であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないカードユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、カードユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態のパチンコ機1は、カードユニットに接続する機種を例に挙げているが、現金機(カードユニットに接続しない機種)であってもよい。
また、受皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の前面部にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニット(参照符号なし)を取り巻くようにして配置されている。
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54,55が組み込まれている。一方、外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ56が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また、受皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45(操作入力受付手段)が設置されている。演出切替ボタン45は、例えば押し込み式の円形状ボタンとその周囲に回転式のジョグリング(ジョグダイアル)を組み合わせた形態である。遊技者は、この演出切替ボタン45を押し込み操作又は回転操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
〔裏側の構成〕
図271に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等の各種のユニットに加え、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図286)に基づいてさらに後述する。
主制御基板ユニット170には、主制御装置が内蔵されており、主制御装置には、性能表示モニタ140が接続されている。性能表示モニタ140は、パチンコ機1を裏側から見て、主制御基板ユニット170の左上の領域で視認可能なように主制御装置に配置されており、4つの7セグメントLEDを備えている。4個の7セグメントLEDは左右方向に並べて配置されており、それぞれの7セグメントLEDは、10進数のアラビア数字を表示することができる7つのセグメントと、その右下に位置するドットセグメントとによって構成されている。性能表示モニタ140は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースを通じて視認可能である。
また、主制御装置には、RAMクリアスイッチ304及び設定キー用鍵穴306が設けられている。RAMクリアスイッチ304は、RAMクリア、すなわち主制御装置内に装備されているRAM(RWM)の初期化を行う際に用いられるスイッチであり、本実施形態においては、設定変更用のスイッチとしても兼用される。設定キー用鍵穴306は、パチンコ機1の遊技に関する設定を変更又は参照する上で必要とされる設定キーを差し込むための鍵穴である。
RAMクリアスイッチ304は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースに形成された貫通孔を通じて押下可能に設けられている。なお、RAMクリアスイッチ304は、透明ケース外に配置されていてもよい。また、設定キー用鍵穴306は、キーシリンダが透明ケースを貫通した状態(透明ケースがキーシリンダの周囲を囲んだ状態)で設けられている。したがって、透明ケースが封止されたままの状態で設定キーを差し込み、回転させることが可能である。
なお、図271に示した性能表示モニタ140、RAMクリアスイッチ304及び設定キー用鍵穴306の配設位置は、あくまで一例であり、任意の位置に配置することができる。また、RAMクリアスイッチ304及び設定キー用鍵穴306は、主制御装置の外側に設けられて主制御装置に接続される構成としてもよい。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受皿ユニット6に向けて案内する。
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
〔盤面の構成〕
図272は、遊技盤ユニット8を単独で示した正面図である。遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に中始動入賞口26、始動ゲート20、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等が分布して設置されている。このうち中始動入賞口26は遊技領域8aの下部分の中央に位置している。遊技領域8aの右側部分(いわゆる右打ち領域)には、始動ゲート20、普通入賞口25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31が上からこの順番に配置されている。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で始動ゲート20を通過したり、中始動入賞口26、普通入賞口22,25に入球(入賞)したり、あるいは、開放動作時の可変始動入賞装置28や開放動作時の第1可変入賞装置30、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする。ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、中始動入賞口26又は普通入賞口22に入球する可能性がある。遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、始動ゲート20を通過したり、普通入賞口25に入球したり、開放動作時の可変始動入賞装置28に入球したり、開放動作時の第1可変入賞装置30に入球したり、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする可能性がある。中始動入賞口26、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31に入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通穴を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
本実施形態において、可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って右始動入賞口28bへの入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば左右一対の開閉部材28aを有しており、これら開閉部材28aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図272中に示されるように、左右の開閉部材28aは各先端が上を向いた状態で閉鎖位置にあり、このとき右始動入賞口28bへの入球は困難(遊技球が入球できる隙間がない状態)となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、左右の開閉部材28aはそれぞれ閉鎖位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、左右に開口幅を拡大して右始動入賞口28bを開放する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の入球が可能な状態となり、右始動入賞口28bへの入球を発生させることができる(可変始動入賞手段)。なお、このとき開閉部材28aは右始動入賞口28bへの遊技球の入球を案内する部材としても機能する。また、遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に可変始動入賞装置28(開放時の右始動入賞口28b)へ向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が開放動作時の可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に必ず入球するというわけではなく、あくまで入球は無作為に発生する。
また、可変始動入賞装置28は、非時間短縮状態(所定の遊技状態)では満たされ難い条件であり、時間短縮状態(有利遊技状態)では非時間短縮状態よりも満たされやすい条件である所定の作動条件(普通図柄が当選の態様で停止表示されて普通電動役物がロング開放するというという条件)が満たされない場合は右始動入賞口28bへの遊技球の入球が困難となる入球困難状態とする一方、所定の作動条件が満たされた場合は入球困難状態よりも右始動入賞口28bへの遊技球の入球を容易とする入球容易状態へ移行する。可変始動入賞装置28は、非時間短縮状態で普通図柄が当選の態様で停止表示された場合にはショート開放(0.1秒開放)し、時間短縮状態で普通図柄が当選の態様で停止表示された場合にはロング開放(1.0秒〜6.0秒開放)する。
第1可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合、又は、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合)に作動し、第1大入賞口30bへの入球を可能にする(特別電動役物、特別入賞事象発生手段)。第1可変入賞装置30は、例えば1つの開閉部材30aを有している。この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、閉位置から開放位置に向けて変位する。図示のように先端が上を向いた状態で開閉部材30aは閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき第1大入賞口30bへの入球は困難(第1大入賞口30bは閉塞中)である。第1可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして右方向へ倒れ込むようにして変位し、第1大入賞口30bを開放する(開放状態)。この間に第1可変入賞装置30は遊技球の流入が可能な状態となり、第1大入賞口30bへの入球という事象を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは第1大入賞口30bへの遊技球の流入を案内する部材としても機能する。遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に第1可変入賞装置30(作動時の第1大入賞口30b)に向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が作動時の第1可変入賞装置30に必ず入球するというわけではなく、あくまで入球は無作為に発生する。
第2可変入賞装置31は、特別な条件が満たされた場合(特別図柄が小当りの態様で停止表示された場合)に作動し、第2大入賞口31bへの入球を可能にする(特別電動役物、第2特別入賞事象発生手段)。なお、第2可変入賞装置31は、特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合に作動してもよい。
第2可変入賞装置31は、演出ユニット40の右側に配置された装置であり、例えば1つの開閉部材31aを有している。上記の第1可変入賞装置30は、開閉部材30aが右方向へ倒れこむタイプの装置(片羽根のチューリップ式のアタッカ)を採用しているが、第2可変入賞装置31は、開閉部材31aが盤面の内部にスライドするタイプの装置を採用している(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材31aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材31aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材31aの上面を転動することになるため、第2大入賞口31bへの入球は困難(第2大入賞口31bは閉塞中)である。そして、第2可変入賞装置31が作動すると、開閉部材31aが盤面の内部に引き込まれ、第2大入賞口31bを開放する(開放状態)。この間に第2可変入賞装置31は遊技球の流入が困難ではない状態となり、第2大入賞口31bへの入球という事象を発生させることができる。
〔特定領域〕
また、第2可変入賞装置31の内部には、特定領域31xが設けられている。特定領域31xは、第2可変入賞装置31が閉鎖状態である場合は遊技球が通過困難な領域であり、第2可変入賞装置31が開放状態である場合であって特定領域用スライド部材31cが盤面の内部に引き込まれている状態である場合に遊技球が通過可能な領域である。なお、第2可変入賞装置31の詳細は後述する。
また、特に図示してはいないが、第2可変入賞装置31(開閉部材31a)には、遊技球が転動するスピードを低下させる遊技球転動スピード低下部を形成してもよい。遊技球転動スピード低下部は、開閉部材31aの傾斜を緩やかにしたり、開閉部材31a上の遊技球が通過する位置に、遊技球をジグザグに進行させるための交互に出っ張る突起を形成したりすることにより実現することができる。これにより、小当り遊技中に多くの遊技球を第2可変入賞装置31に入球させることができる。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、中始動入賞口26、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)、第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b、特定領域)に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
〔遊技盤のその他の構成〕
演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品(参照符号なし)を備えている。装飾部品はその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側上部には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄(本図柄)や、第4図柄、記憶マーカ(保留表示)をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されている。球案内通路40dは、演出ユニット40の裏側を通って下方の転動ステージ40eに接続されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40kが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40kに案内された遊技球は、その真下にある中始動入賞口26に流入しやすくなる。
その他に演出ユニット40の液晶表示器42の周囲には、演出用の可動体40f(40f1〜40f8)とともに図示しない駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40f(40f1〜40f8)は、特別図柄の変動表示中に所定動作を行い得る可動体である。なお、図272は全ての可動体が原点位置にある状態を図示しており、視認することができない可動体もある。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。このような可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
図273は、複数の可動体が可動位置にある様子を示す図である。
具体的には、中後可動体40f8が原点位置から240度時計回りに回転し、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7を移動させる3本のアーム51aが中央に可動した状態を示している。
上可動体40f1は、横長形状の可動体であり、可動すると中央部分だけが下降してVの字状に折れ曲がるように可動する。なお、上可動体40f1は、単純に昇降する可動体であってもよい。
下可動体40f2は、文字情報等が表示された横長形状の可動体であり、原点位置から上方向の可動位置に移動可能な可動体である。
左可動体40f3は、円弧状の可動体であり、原点位置から右方向の可動位置に移動可能な可動体である。
右可動体40f4は、円弧状の可動体であり、原点位置から左方向の可動位置に移動可能な可動体である。
中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7は、ハート形状の可動体である。
中後可動体40f8は、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7の土台となる円環状の可動体であり、原点位置から時計回りに240度回転した可動位置まで移動可能である。
中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7は、それぞれ単独で回転することができる。
中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7が液晶表示器42の中央に集まることにより、1つの大きな造形物を形成することができる。
図274は、各可動体が原点位置にある様子を示す図である。
各可動体が原点位置にある場合、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7は、中後可動体40f8と前後方向で重なる位置に配置される。
各可動体が原点位置にある場合、中前右可動体40f5は液晶表示器42の左下に配置され、中前左可動体40f6は液晶表示器42の左上に配置され、中前上可動体40f7は液晶表示器42の右下に配置される。
全ての可動体には、原点位置と可動位置にセンサ(遮光板を利用したフォトセンサ)が配置されており、演出制御装置は、このセンサに基づいて可動体が原点位置にあるのか、可動位置にあるのかを把握することができる。このようなセンサは、可動体が配置されている位置を検出する検出手段である。
例えば、中後可動体40f8を例に挙げて説明すると、中後可動体40f8の右上の位置及び右下の位置には、中後可動体40f8とともに可動する2つの遮光板51bが取り付けらており、一方の遮光板51bが原点位置フォトセンサ51cの光を遮っていれば、中後可動体40f8が原点位置にあるもとし、他方の遮光板51bが可動位置フォトセンサ51dの光を遮っていれば、中後可動体40f8が可動位置にあるもとしている。
図275は、各可動体が原点位置にあるが、中前左可動体40f6だけが可動位置にある様子を示す図である。
正常な遊技を行っていれば、中前左可動体40f6だけが可動する状態は存在しないが、何かしらの不具合が発生した場合(例えば、回転機構のロックが外れた場合)、中前左可動体40f6だけが可動することがある。このように正常でない状態が発生した場合には、後述する第1補正処理や第2補正処理が実行される可能性がある。
図276は、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が可動位置にある様子を示す図である。
中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が可動位置にある場合、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7は、中後可動体40f8の中心に向かって移動し(液晶表示器42の中央の方向に向かって移動し)、中後可動体40f8と前後方向で重ならない位置に配置される。
具体的には、3本のアーム51aが中央に集まり、かつ、中後可動体40f8が原点位置から時計回りに240度回転した状態となる。
そして、このような演出は、例えば、当選時の変動表示演出の最終段階(いわゆる決め役物動作の実行時)において実行することができる。
図277は、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が原点位置にある様子を示す図である。
本図では、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8のみを抜き出して図示している。
中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、及び、中前上可動体40f7は、中後可動体40f8と前後方向で重なるようにして配置されている。
図278は、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7が可動位置にある様子を示す図である。
本図では、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8のみを抜き出して図示している。なお、中後可動体40f8は、原点位置にある。
中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、及び、中前上可動体40f7は、中後可動体40f8の内部に配置されている。
3本のアーム51aは、リンク機構やカム機構等の機械的な機構を介して、それぞれの可動体を可動するためのモータと連結されている。
そして、各モータが可動すると、機械的な機構を介して3本のアーム51aが動作し、3本のアーム51aのそれぞれの先端に配置されている中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、及び、中前上可動体40f7が液晶表示器42の中央に向かって移動する。
具体的には、図中左上には、中前左可動体昇降モータ57iが配置されており、この中前左可動体昇降モータ57iが可動すると、図中左上に配置されたアーム51aが可動し、中前左可動体40f6が液晶表示器42の中央に向かって移動する。
また、図中右上には、中前上可動体昇降モータ57jが配置されており、この中前上可動体昇降モータ57jが可動すると、図中右上に配置されたアーム51aが可動し、中前上可動体40f7が液晶表示器42の中央に向かって移動する。
さらに、図中下部には、中前右可動体昇降モータ57hが配置されており、この中前右可動体昇降モータ57hが可動すると、図中下部に配置されたアーム51aが可動し、中前右可動体40f5が液晶表示器42の中央に向かって移動する。
さらにこの状態で、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7を回転させるモータが可動すると、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6及び中前上可動体40f7は回転する。
図279は、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が原点位置にある様子を示す図である。
本図では、遊技盤ユニット8の後側の部分(裏箱部分)のみを示している。
中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が原点位置にある場合、上可動体40f1、下可動体40f2、左可動体40f3、及び、右可動体40f4は視認可能であるが、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8は、ほとんど視認することができない。
なお、図中右上には、上可動体昇降モータ57aが配置されており、この上可動体昇降モータ57aが可動すると、上可動体40f1が液晶表示器の中央に向かって移動する。
図280は、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が可動位置にある様子を示す図である。
本図では、遊技盤ユニット8の後側の部分(裏箱部分)のみを示している。
中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8が可動位置にある場合、上可動体40f1、下可動体40f2、左可動体40f3、及び、右可動体40f4は視認可能であり、それに加えて、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、及び、中前上可動体40f7も、中後可動体40f8の中央付近に移動するため、視認可能な状態となる。
図281は、上可動体40f1及び下可動体40f2が可動位置にある様子を示す図である。
具体的には、上可動体40f1が原点位置から可動位置に移動しており、下可動体40f2が原点位置から可動位置に移動した状態を示している。
上述したように、上可動体40f1は、可動すると中央部分だけが下降してVの字状に折れ曲がるように変形しながら可動し、下可動体40f2は、変形することなく、原点位置から上方向の可動位置に可動する。
上可動体40f1は、中央部分の上下可動体52a、上下可動体52aから左側方向に延びる左アーム52b、及び、上下可動体52aから右側方向に延びる右アーム52cにより構成されている。
上下可動体52aが原点位置にある場合、左アーム52b及び右アーム52cは傾かずに水平に配置されており、上下可動体52aが可動位置に移動すると、左アーム52b及び右アーム52cは、上下可動体52aに引っ張られることにより、それぞれ上下可動体52aに向かって傾くように配置される。
図282は、上可動体40f1及び下可動体40f2が可動位置にある様子を示す図である。
本図では、遊技盤ユニット8の後側の部分(裏箱部分)のみを示している。
左アーム52bの左端部、及び、右アーム52cの右端部には、それぞれ挿入ピン52dが配置されており、この挿入ピン52dが後方に配置された構造物のガイド溝52eに挿入されている。
これにより、左アーム52bの左端部、及び、右アーム52cの右端部は、単純に傾くだけでなく、ガイド溝52eの長さの範囲内で左右方向に移動可能となっている。
このため、上下可動体52aが可動位置に移動した場合、左アーム52b及び右アーム52cは、上下可動体52aに向かって中央方向に移動しながら傾くことになる。
上可動体40f1及び下可動体40f2が可動位置にある場合、上可動体40f1及び下可動体40f2が原点位置にある場合と比較して、液晶表示器の表示領域は狭められる。これにより、遊技者の注目を集めた状態で各種の演出を実行することができる。
図283及び図284は、第2可変入賞装置31の詳細を示す図である。
第2可変入賞装置31は、スライド式の開閉部材31aの下方に第2大入賞口31bが配置されている。第2大入賞口31bの内部は左側に下り傾斜となっており、左側の端部にて下方に通路が延びている。下方に延びた通路には第2カウントスイッチ85が配置されており、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31に入球した遊技球の数をカウントする。
そして、下方に延びた通路は、その先で2つのルートに分かれている。一方の第1通路31dは、そのまま下方に延びており、他方の第2通路31eは左側に分岐する。
第1通路31dには、特定領域用スライド部材31cが配置されており、第1通路31dの下流には特定領域31xが配置されている。なお、特定領域31xの内部には、不図示の特定領域スイッチが配置されている。
一方、第2通路31eには、特別な部材は配置されておらず、第2通路31eの下流には排出孔31yが配置されている。
特定領域用スライド部材31cは、特殊な条件が満たされた場合(第2可変入賞装置31が作動してから第1時間経過後第2時間経過前の間)に作動し、特定領域31xへの遊技球の通過を可能にする。特定領域用スライド部材31cは、例えば図示しない特定領域ソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面の前後方向に沿ってスライドする。例えば、第1時間経過後は第2可変入賞装置31が作動してから0.2秒経過後であり、第2時間経過後は、第2可変入賞装置31が作動してから1.8秒経過後である。
特定領域ソレノイドがOFFの状態であると、特定領域用スライド部材31cは第1通路31dを塞いでいるため、遊技球が特定領域31xを通過することは困難となっている。一方、特定領域ソレノイドがONの状態になると、特定領域用スライド部材31cは盤面の内側に引き込まれるため、遊技球が特定領域31xを通過することが容易となる。
次に、第2可変入賞装置31の動作を説明する。
図283中(A)に示すように、スライド式の開閉部材31aは、盤面の内側に引き込まれており、遊技球が第2大入賞口31bに入球している。図示の例では、4個の遊技球が第2大入賞口31bに向かって進行している。ここでは、1個目の遊技球が第2カウントスイッチ85により検出される直前の状態である。
図283中(B)に示すように、1個目の遊技球が特定領域用スライド部材31cに到達している。2個目及び3個目の遊技球は、第2カウントスイッチ85に向かって進んでいる。4個目の遊技球は、第2大入賞口31bに入球しかけている。
図283中(C)に示すように、この時点では、特定領域用スライド部材31cが内側に引き込まれていないため(非作動中であるため)、1個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cによって進行方向が左側に変更され、第2通路31eを進行する。この場合、1個目の遊技球は、排出孔31yにより回収される。
図284中(D)に示すように、この時点で特定領域用スライド部材31cが盤面の内側に引き込まれたものとする(動作中)。この場合、2個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cの手前側を通り抜けて、第1通路31dに進行する。そして、2個目の遊技球は、特定領域31xを通過して、特定領域スイッチにより検出される。
図284中(E)に示すように、3個目の遊技球も、特定領域用スライド部材31cの手前側を通り抜けて、第1通路31dに進行する。この場合、3個目の遊技球は、特定領域31xを通過して、特定領域スイッチに検出される。
図284中(F)に示すように、この時点で、特定領域用スライド部材31cの動作が終了し、特定領域用スライド部材31cが盤面の前方側に突出したものとする。この場合、4個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cによって左側に案内され、第2通路31eに進行する。そして、4個目の遊技球は、排出孔31yにより回収される。
図285は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の左下位置)を拡大して示す正面図である。
遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33(普通図柄表示手段)及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34(第1図柄表示手段)、第2特別図柄表示装置35(第2図柄表示手段)、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が設けられている。
このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、上記の始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えば7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段、第1図柄表示手段、第2図柄表示手段)。その他、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、0〜4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプが点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして、2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
一方、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えば1つのランプ(LED)の消灯又は点灯の組み合わせで構成される表示態様により、1個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、1つのランプを消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示する。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、上記の中始動入賞口26に遊技球が入球するごとに、入球が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に遊技球が入球すると、入球が発生したことを記憶する意味で増加後の表示態様へと変化し(最大1個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されると、減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄(第1図柄)が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で中始動入賞口26に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄(第2図柄)が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個又は最大1個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また、遊技状態表示装置38には、例えば、大当り種別表示ランプ38a,38b、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定表示ランプ38fにそれぞれ対応する6つのLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図286は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、RAM76の初期化に用いられるRAMクリアスイッチ304や、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
さらに、主制御装置70には、設定変更装置300及び設定キースイッチ302が設けられている。主制御装置70(主制御CPU72)は、設定変更装置300を動作させることにより設定を変更する。設定変更装置300は、設定(少なくとも特別図柄抽選の当選確率に関する設定)を切り替える装置であり、パチンコ機1に備えられたRAMクリアスイッチ304等の操作により作動する。また、設定とは、作動確率の組み合わせをいう。さらに、作動確率とは、条件装置が作動することとなる(大当り遊技が実行されることとなる)特別図柄の組み合わせが表示される確率をいう。設定キースイッチ302は、設定を切り替える上で必須となる設定キーの回転に伴い、その回転状態を示す信号(ON/OFF)を入力する入力装置である。設定の変更には、様々な手法を採用することができるが、例えば、以下の手順で行うことができる。
(1)まず、パチンコ機1の電源をOFFにする。
(2)ついで、専用キー(ドアキー)でパチンコ機1の扉を開ける。具体的には、専用キーをシリンダ錠6aの鍵穴に差し込んで右方向に回転し、内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4を開放する。
(3)パチンコ機1の裏側には、設定キーを挿入するための設定キー用鍵穴306と、RAMクリアスイッチ304とが設けられているため、設定キー用鍵穴306に設定キーを挿入し、設定キーを右方向に回転する。
(4)そして、パチンコ機1の電源をONにする。
(5)これにより、設定キーが変更位置に回転されたことを示す信号(ON)が設定キースイッチ302により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が可能な状態となる。このとき、図示しないロック機構により安全ロックが掛けられる。したがって、設定キーは、元の位置に戻されない限りは抜き取ることが不可能となる。
ここで、設定キーを右方向に回転した状態で、RAMクリアスイッチ304をONにしながら、電源をONにすると、設定が変更な状態となる。一方、設定キーを右方向に回転した状態で、RAMクリアスイッチ304をONにせずに、電源をONにすると、設定の参照が可能な状態となる。
(6)設定の変更が可能な状態において、RAMクリアスイッチ304を任意の回数だけ押下することにより、予め設けられた複数段階のうちいずれかの段階に設定を変更することができる。また、設定値は、例えば、専用の7セグメントLED、遊技状態表示装置38(特別図柄表示装置等)、性能表示モニタ140に表示することができる。
(7)スロット機の場合、目的の設定に達したら、レバーON処理が必要になるが、パチンコ機1にはレバーが存在しないため、レバーON処理の代わりの代替処理(例えば、設定キーを左方向に回転する処理、不図示の設定変更確定ボタンをONにする処理等)を実行したり、レバーON処理を省略したりしてもよい。本実施形態では、目的の設定に達したら、設定キーを反時計回りに回転させて元の位置に戻す。この操作により、設定キーが元の位置に戻されたことを示す信号(OFF)が設定キースイッチ302により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が確定する。
(8)そして、設定の変更が確定すると、設定キー用鍵穴306から設定キーを抜き取ることができる状態となる。また、設定の変更が確定したことに伴い、専用の7セグメントLED、遊技状態表示装置38、性能表示モニタ140に設定値を表示している場合には、その表示が消える。
(9)最後に、パチンコ機1の扉を閉める。これにより、設定の変更が完了する。設定の変更が完了すると、通常の遊技が開始される。
設定が変更された場合、主制御CPU72は、変更後の設定値をRAM76の設定値バッファに記憶する。設定値バッファは、バックアップの対象となるメモリ領域とすることができる。
〔設定変更の詳細〕
設定変更の詳細は、以下の通りである。
「設定キーON」、「内枠開放状態」、かつ、「RAMクリアスイッチ押下状態」で電源を投入すると、RAMクリア後、設定変更中の状態(設定変更モード)となる。
設定変更中の状態では、メイン表示器(遊技状態表示装置38に含まれる各種ランプ)の表示はなく、遊技球の発射や遊技球の賞球等は一切できない状態となる。
この場合、性能表示モニタ200の左側2つの7セグメントLED(識別セグ)に「rn.」が表示され、右側2つの7セグメントLED(比率セグ)に「−1」のように設定値が表示される。また、RAMクリアスイッチを押下すると、設定値が1〜6の範囲で変化する。
そして、「設定キーOFF」にすると、設定確定となり、比率セグの表示は「空欄(非表示)1」のように「−」のセグが消灯する(非表示となる)。
この状態で、内枠閉鎖となった場合(実際には閉鎖状態が100ms継続した場合)、設定変更中の状態は終了となり、一旦、電源断前の状態に移行してから、遊技可能状態に移行する。
本実施形態では、RAMクリアスイッチ304と設定変更スイッチとを兼用している例で説明しているが、RAMクリアスイッチ304とは別に設定変更スイッチを別途設けてもよい。
〔設定確認の詳細〕
設定確認(設定参照)の詳細は、以下の通りである。
「設定キーON」、「内枠開放状態」、かつ、「RAMクリアスイッチ押下でない状態」で電源を投入すると、設定確認中の状態(設定確認モード)となる。
設定変更中の状態と同様に、設定確認中の状態では、メイン表示器の表示はなく、遊技球の発射や遊技球の賞球等は一切できない状態となる。
この場合、性能表示モニタの左側2つの7セグメントLED(識別セグ)に「rn.」が表示され、右側2つの7セグメントLED(比率セグ)に「空欄(非表示)1」のように設定値が表示される。また、設定確認中の状態では、RAMクリアスイッチを押下しても、設定値は変化しない。
この状態で、「設定キーOFF」、かつ、「内枠閉鎖状態」となった場合(実際には閉鎖状態が100ms継続した場合)、設定確認中の状態は終了となり、一旦、電源断前の状態に移行してから、遊技可能状態に移行する。
なお、本実施形態では、遊技可能状態で設定確認を行うことはできないが、遊技可能状態で設定確認を実行可能にしてもよい。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31にそれぞれ対応して中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84及び第2カウントスイッチ85が装備されている。各始動入賞口スイッチ80、82は始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)への遊技球の入賞を検出するためのものである。また、カウントスイッチ84は第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。
他にも、特定領域31xに対応して特定領域スイッチ83が装備されている。第2大入賞口31bの内部の特定領域31xに対応する位置には、特定領域スイッチ83が備えられており、特定領域スイッチ83は、遊技球が特定領域31xを通過したことを検出する。
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22,25への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、ここでは全ての普通入賞口22,25について共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば、盤面の左右で別々の入賞口スイッチ86を設置し、左側の入賞口スイッチ86では盤面の左側に位置する普通入賞口22,25に対する遊技球の入賞を検出し、右側の入賞口スイッチ86では盤面の右側に位置する普通入賞口25に対する遊技球の入賞を検出することとしてもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類80、82、83、84、85、86の入賞検出信号や通過検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、特定領域スイッチ83、カウントスイッチ84、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号や通過検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、主制御装置70には、パネル中継端子板87を介して、性能表示モニタ140が接続されている。性能表示モニタ140は、遊技球が各入賞口(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)に入球することによって払い出される賞球数を、遊技領域に発射した遊技球の数を示すアウト数(アウトスイッチ141で検出された遊技球の数)で除算して算出されるベースを表示するためのモニタである。ベースは、遊技を進行させる制御に用いられる使用領域とは別の領域(使用外領域)を用いて予め設定された区間ごとに算出され、現在の区間のベースと、前回の区間のベースとが、予め設定された間隔ごとに切り替わって表示される。性能表示モニタ140は、主制御CPU72からの制御信号に基づいてその表示動作が制御される。主制御CPU72は、ベースの算出状況に応じて性能表示モニタ140に対する制御信号を出力し、各7セグメントの点灯状態を制御する。
なお、性能表示モニタ140は、パネル中継端子板87を介して主制御装置70に接続する例で説明しているが、パネル中継端子板87を介さずに主制御装置70に接続してもよく、主制御装置70の内部の構成として性能表示モニタ140を配置してもよい。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び特定領域31xにそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び特定領域ソレノイド99が設けられている。これらソレノイド88,90,97,99は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び特定領域31xを開閉させる。なお、これらソレノイド88,90,97,99についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に上記の一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、上記の内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている(特別特典付与手段)。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のカードユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに送信される。また、カードユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、カードユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてRAM(RWM)130やeDRAM131等の半導体メモリが内蔵されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
その他にも演出制御装置124には、VDP152やドライバIC132、音声IC134等の演出を実現する上で必要となる様々な機能部品が搭載されている。このうちVDP152は、液晶表示器42の画面上で再生される演出画面を描画するためのプロセッサである。ドライバIC132は、ランプ46〜52や盤面ランプ53、可動体モータ57等のデバイスを制御するICを搭載している。また、音声IC134は、スピーカ54,55,56からの出力を制御する。なお、演出制御装置124の内部の構成については、別の図を用いて詳しく後述する。
演出制御装置124と上記の主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にサブ接続基板136が設置されており、ドライバIC132や音声IC134からの駆動信号はサブ接続基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56に印加されている。また、サブ接続基板136には、上記の演出切替ボタン45やジョグダイアル45aの他に図示しない音量調整スイッチが接続されており、遊技者がこれらの操作部材を操作すると、それらの接点信号がサブ接続基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではサブ接続基板136に各操作部材を接続した例を挙げているが、上記の受皿電飾基板を設置する場合、各操作部材は受皿電飾基板に接続されていてもよい。
その他、遊技盤ユニット8にはドライバ基板138が設置されており、このドライバ基板138には、盤面ランプ53、可動体モータ57及び可動体センサ58が接続されている。可動体モータ57は、例えば図示しないリンク機構を介して上記の可動体40fを駆動する。本実施形態では、可動体モータ57(57a〜57k)として11個のモータが設置されている。11個のモータは、図示可能な範囲で図示しているが、視認不能な部分に設置されているモータに関しては図360の一覧表に表示している。可動体センサ58は、例えば可動体40fの原点位置(第1位置)や可動位置(出現位置)等に設けられたフォトセンサであり、可動体40f(又は可動体40fに取り付けられた遮光板)を検出すると検出信号を出力する。本実施形態では、可動体モータ57として複数のモータが設けられており、可動体センサ58として複数のセンサが設けられている。ドライバIC132からの駆動信号は、ドライバ基板138を経由して盤面ランプ53及び可動体モータ57にそれぞれ印加される。なお、可動体モータ57は、ソレノイドであってもよい。
上記の液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上記のように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
〔演出制御装置の内部構成〕
図287は、演出制御装置124の内部の機能構成を示すブロック図である。
上述したように、演出制御装置124は遊技の進行に伴い演出を制御する演出制御プロセッサとしての役割を有している。そのため演出制御装置124には、演出制御CPU126に加え、演出制御装置124が演出制御プロセッサとして機能する上で必要となる制御ROM180及びウォッチドッグタイマIC(WDTIC)188が装備されている。制御ROM180には、演出の制御に関する基本的なプログラムやテーブル等が格納されている。演出制御CPU126は、図示しないCPUバスを介して制御ROM180にアクセスし、制御ROM180に格納されたプログラムを実行することにより演出を制御する。ウォッチドッグタイマIC188は、演出制御装置124で実行される制御が正常になされているか(想定時間内に処理が完了しているか)を監視するタイマであり、演出制御CPU126のリセット端子に接続されている。ウォッチドッグタイマIC188の監視タイマをクリアするための信号(クリアパルス)が所定時間内に入力されなかった場合、ウォッチドッグタイマIC188は演出制御CPU126に対しリセット起動させるための信号(リセットパルス)を出力する。これにより、演出制御装置124が強制的にリセット起動されることとなる。
演出制御装置124にはこれらの他にも、演出に関わる機能として、バックアップデータ用の記憶領域であるSRAM182、所定周波数のクロック信号を生成する水晶発振器181、時刻管理を行うリアルタイムクロック(RTC)184、SRAM182及びリアルタイムクロック184に対しバックアップ電源を供給するリチウム電池186、図示しない入出力ドライバやカウンタ/タイマ回路等の周辺IC等が装備されている。リチウム電池186は、電源制御ユニット162から演出制御装置124に対し駆動電力が供給されている間に、この電力を蓄えて自身を充電する。SRAM182及びリアルタイムクロック184は、リチウム電池186に接続されており、電源制御ユニット162からの演出制御装置124への駆動電力の供給が断たれた場合にはリチウム電池186により駆動可能となる。したがって、SRAM182及びリアルタイムクロック184は、電源制御ユニット162からの電力供給が断たれた場合でも、リチウム電池186の充電が切れるまでの期間(例えば、約1か月半)は動作を継続するため、SRAM182は、電源断の状況下においても暫くは格納されている情報を保持することができる。
なお、演出制御プログラムは、容易に消去されるべきでないセキュリティや監視、不具合等に関する情報をSRAM182に保存するよう構成されている。これにより、例えば、演出制御装置124で何らかの不具合が発生した場合に、パチンコ機1を回収(又は設置状態で点検)し、SRAM182に保持されている情報を解析することにより不具合の要因調査を進めることが可能となる。
ところで、演出制御CPU126が制御ROM180に格納されたプログラムに沿って実行する演出の制御により、最終的には、液晶表示器42、各種ランプ46〜53やスピーカ54,55,56等のデバイスの動作が制御される。この演出制御の流れは、大きくみると「全体制御(再生指示)」と「個別制御(再生制御)」の2つの段階に分けられる。演出制御CPU126は、先ず主制御装置70から送信される演出コマンドを受信し、演出コマンドの内容に応じた演出の再生を各デバイスに対して間接的に指示する(全体制御)。次に、演出制御CPU126は指示内容を各デバイスに適したより具体的な表現に変換した指示データを生成し、演出制御CPU126と各デバイスとの間を中継する各制御デバイス134,152,198,199に送信する(個別制御)。その結果として、各制御デバイス134,152,198,199により指示データに基づく各デバイスの制御がなされ、パチンコ機1における各デバイスを用いた演出再生(画面表示、音声出力、ランプ発光、可動体動作等)が実現される。
このように、演出制御CPU126は、演出制御の段階に応じて異なる機能を有しており、これらの機能は演出制御CPU126のリソースを使い分けた複数のタスクとして実現されている。演出制御CPU126により実行される個々の機能に対応するタスクは、演出制御部210、表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224、可動体制御部226、入力制御部228、時間管理部(ACT)230等として示されている。以下の説明では、個々のタスクを演出制御処理の動作主体として扱うものとする。
先ず、全体制御の段階では、演出制御CPU126内の演出制御部210が動作主体となり、演出の時間進行を管理する時間管理部(ACT)230を用いて演出全体の流れを制御する。また、個別制御の段階では、制御対象とされるデバイスに応じて演出制御CPU126内の表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224、可動体制御部226又は入力制御部228が動作主体となる。なお、演出制御部210が各制御デバイス134,152,198,199等を直接的に制御する構成としてもよい。
演出制御装置124は、全体制御の段階では演出制御プロセッサとして機能するのに対し、個別制御の段階では演出再生プロセッサとして機能する。そのため、演出制御装置124にはさらに、CGROM(画像・音声ROM)190とともに、演出の再生に用いられる各種のデバイスを制御するためのVDP152(演出表示制御基板)、音声IC134、LEDドライバ198、SMC(シリアル制御コントローラ)199及びドライバIC132が装備されている。
CGROM190は、演出画面を構成する描画素材(動画像データ)や演出の進行とともに出力される音声素材(音声データ)を所定の圧縮アルゴリズムにより圧縮された状態で格納している。CGROM190は、図示しないCGバスを介してVDP152や音声IC134に接続されている。
VDP152は、演出画像の描画専用のプロセッサであり、演出制御CPU126とともにワンチップに統合されている。また、VDP152はVRAM156及び描画素材デコーダ157を内蔵している。このうちVRAM156は、主に描画素材を展開する際に用いられ、描画素材デコーダ157は、圧縮された状態の描画素材を解凍(復号)する際に用いられる。VDP152は、先ず表示制御部220から送信された指示内容を解析し、CGバスを介してCGROM190から必要な描画素材を読み出してVRAM156に転送する。そして、読み出した描画素材を描画素材デコーダ157で復号してVRAM156上で演出画像の描画を行い、演出画像を1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開する。ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動することにより、演出画面の再生が実現される。
音声IC134は、演出の実行中に再生される効果音やBGM等の音声を生成するサウンドジェネレータであり、VDP152と同様に演出制御CPU126とワンチップに統合されている。音声IC134は、図示しないアンプや外部DRAM、CGバスに接続されている。また、音声IC134には、圧縮された状態の音声素材を解凍(復号)する音声素材デコーダ135が内蔵されている。音声IC134は、先ず音声制御部222から送信された指示内容を解析し、CGバスを介してCGROM190から必要な音声素材を読み出す。そして、読み出した音声素材を外部DRAM上で音声素材デコーダ135を用いて復号する。アンプを経由して各種スピーカに復号した音声を出力することにより、ステレオ2ch又はモノラル2chの音声再生(より大きなチャンネル数としてもよい)を実現する。また、音声IC134は、音量調整スイッチが操作された場合に入力される接点信号に基づいて、各種スピーカの出力音量を調整する。
LEDドライバ198は、パチンコ機1の前面側に設けられた各種ランプの演出の実行にともなう点灯パターン及び輝度パターンを制御する。LEDドライバ198においては、アドレス指定同期シリアル方式が採用されている。LEDドライバ198は、先ずランプ制御部224から送信された指示内容に基づいて点灯パターン及び輝度パターンの制御を行い、これに応じた駆動データをドライバIC132に転送する。
SMC199は、演出ユニット40の内部に設けられた演出用の各種可動体の駆動源となるモータの駆動パターンを制御するとともに、可動体用のセンサにより出力された検出信号を中継して可動体制御部226に受け渡す。SMC199もまた、演出制御CPU126とワンチップに統合されている。SMC199においては、クロック同期式シリアル方式が採用されている。可動体の駆動に際し、SMC199は、先ず可動体制御部226から送信された指示内容に基づいて可動体用のモータの駆動パターンを生成し、これをドライバIC132に転送する。なお、ここではSMC199をモータの駆動パターン生成にのみ用いているが、SMC199はモータだけでなくランプの点灯パターンや輝度パターンを生成することもできるため、上述したLEDドライバ198に代えてSMC199を適用し、SMC199がランプ及びモータの両方のデータパターンを生成する構成とすることも可能である。
ドライバIC132は、LEDドライバ198やSMC199から転送された駆動データに基づいてランプやモータに対し印加する駆動電圧の制御を行う。ドライバIC132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、各種ランプや可動体モータに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その動作を管理することにより、ランプや可動体を用いた演出再生を実現する。なお、各種ランプには、ガラス枠トップランプ46やガラス枠装飾ランプ48,50,52の他に、操作ユニット60の各部位に内蔵された光源や遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は、演出ユニット40に内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等に内蔵されるLEDに相当するものである。
この他にドライバIC132は、演出切替ボタン45やジョグダイアル45a等の操作部材が遊技者により操作された場合に入力される接点信号を、入力制御部228を経由して演出制御部210に転送する。演出制御部210は、転送される接点信号の内容に基づいて、再生する演出内容を適宜変化させる。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、リセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図288及び図289は、リセットスタート処理の第1手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1〜2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また、主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、不図示のRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また、主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタコマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また、主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図289に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして、主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)、及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図293中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が一巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図293中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、上記のように、本実施形態において大当り決定乱数及び当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図293)を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込管理処理の内容については後述する。
図290は、リセットスタート処理の第2手順例を示すフローチャートである。なお、リセットスタート処理の第1手順例と同様の処理については、重複する説明を省略する。また、図289の処理は、第1手順例と第2手順例とで同様である。
リセットスタート処理の第2手順例では、リセットスタート処理の第1手順例と比較して、準備中処理(ステップS112a)が追加されている点が異なっている。
具体的には、ステップS106で肯定(Yes)と判断された場合、ステップS107で否定(No)と判断された場合、又は、ステップS108で否定(No)と判断された場合は、準備中処理(ステップS112a)が実行される。
なお、準備中処理(ステップS112a)の実行タイミングは、このようなタイミングに限定されるものではなく、リセットスタート処理の中の任意のタイミングで実行することができる。つまり、RAMクリアスイッチを押下した状態で電源投入した場合に、「準備中」→「遊技可能状態(メインループに移行した状態)」と移行するように制御されていればよい。
ステップS112a:準備中処理では、主制御CPU72は、RAMクリア時に必要となる各種動作を制御する。なお、処理の詳細は、後述する。
そして、準備中処理(ステップS112a)が終了すると、主制御CPU72は、RAMクリア処理(ステップS113)を実行する。なお、これ以降の処理は、第1手順例の処理と同様である。
図291は、準備中処理の手順例を示すフローチャートである。
ステップS125:主制御CPU72は、準備中動作制御処理を実行する。準備中動作制御処理の詳細は、後述する。
ステップS126:主制御CPU72は、RAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。
その結果、RAMクリアスイッチが操作されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、リセットスタート処理(図290)に復帰する。一方、RAMクリアスイッチが操作されていることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS125の処理を実行する。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、RAMクリアスイッチが押下されるまで、ステップS125の準備中動作制御処理を継続して実行することができる。
〔準備中動作制御処理〕
準備中動作制御処理の動作内容の詳細は、以下の通りである。
主制御CPU72は、準備中動作制御処理において、以下に示す状態及び動作内容のうち、少なくとも1つの状態及び動作を採用した内容の処理を実行することができる。
(1)準備中は、RAMクリアスイッチを押下した状態で電源投入した際に移行する状態である。準備中には、再度RAMクリアスイッチが押下されるまで滞在する。「準備中」の状態で、RAMクリアスイッチが押下されると、「遊技可能状態」へ移行する。
(2)準備中では、主制御装置70(主制御CPU72)で管理する可動体(主制御装置70に接続されている可動体)を可動制御し、可動体が正常に動作するか否かの可動確認を行うことができる。
具体的には、特別電動役物(アタッカ)、特別電動役物の内部の可動体(確変領域や特定領域を開放する可動体や、2種系の場合は常時回転の回転体、規定の契機により可動する可動体、及び、これらに付随する機構やソレノイド、モータ等)、普通電動役物(電動チューリップ)を一定の動作で可動制御する。
可動制御は、例えば、「0.4秒ON→0.4秒OFF」を複数回繰り返す可動パターンにより、ソレノイドやモータを動作させることにより実行する。
可動制御は、準備中において最初から最後まで継続して実行してもよく、所定回数や所定時間を上限として実行してもよい。
(3)準備中は、外部から準備中であることが明確に分かるようにすることができる。この場合、例えば、液晶表示器の表示画面に、「準備中です」「遊技できません」「RAMクリアスイッチを押下すると終了します」「演出ボタン押下で演出設定変更」等といった情報を表示することができる。この場合、合わせて、「準備中です」等の音声出力を繰り返し実行してもよい。
(4)準備中は、演出ボタンの操作により、演出に関する設定を変更することができるようにしてもよい。例えば、演出切替ボタン(演出ボタン)を押下すると液晶表示器の表示画面が切り替わり、日時の設定、音量設定(1〜5段階)、演出頻度設定(1〜3段階)、演出種類設定等が選択できるようにすることができる。
(5)準備中は、遊技球の発射制御ができないようにしてもよい。これは、主制御装置70から払出制御装置92へ「発射許可信号」を送信していることを条件に、発射制御基板108では、遊技球の発射をすることができるからである。主制御装置70は、「割込管理処理(タイマ割込み処理)」内で「発射許可信号」を送信する処理を行うことができるが、準備中は「割込管理処理(タイマ割込み処理)」がまだ実行されていない期間であるため発射ができない状態となる。
(6)準備中処理のプログラム(各種可動体を動作させるプログラム)は、使用領域内に実装(配置)することができる。使用領域とは、遊技の進行を制御するために使用可能な容量が遊技機規則で定められている領域であり、領域外の領域とは、使用可能な容量の計算に含めない領域である。
(7)準備中の期間は、準備中であることを示す外部情報を、外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に対して出力するようにしてもよい。
(8)準備中は、メインループに移行する前(割込管理処理(タイマ割込み処理)が実行される前)の段階である。このため、準備中においては、統合表示基板89の表示(メインセグ)は消灯状態とすることができる。また、準備中においては、遊技可能状態中に判定可能なエラー(例えば、磁気エラー、電波エラー、振動エラー、大入賞口不正入賞エラー等)を判定しないようにすることができる。さらに、準備中は、賞球の払出、特別図柄の変動、普通図柄の変動を実行しないようにすることができる。
(9)RAMクリアスイッチを押下した状態で電源投入した場合は、「準備中」を示すコマンドを主制御装置から演出制御装置に送信することができる。また、再度RAMクリアスイッチが押下され、準備中が終了する場合には、「準備中終了」を示すコマンドを主制御装置から演出制御装置に送信することができる。なお、この場合、メインループに移行する前に、主制御装置から演出制御装置にコマンドを送信するようにしてもよい。
準備中の段階では、RAMクリア処理は実行されておらず、準備中にRAMクリアスイッチが押下されたことを条件に、RAMクリア処理を実行することができる。ただし、RAMクリア処理の実行後に準備中に移行させ、その後、メインループに移行するようにしてもよい。
このような構成を採用する経緯として、以下のような課題がある。
従来の遊技機は、特別電動役物、普通電動役物の動作確認が、任意のタイミングで(特に、RAMクリアをする際の電源投入時に)行えないため、不具合が通常の遊技中に急に発覚するおそれがある。
そして、上記のような構成を採用することにより、以下のような効果を発揮することができる。
(1)電源投入時に、各種電動役物が動作可能か否かを確認することができるため、遊技中に各種電動役物が動作しないという不具合を防ぎ、正常に遊技を行うことができる。
(2)正常に遊技を行うことができるので、遊技が途切れる事態を防ぐことができ、遊技に対する興趣の低下を防ぐことができる。
(3)事前に(遊技前に)不具合を解決できるため、遊技中の不具合の確認処理を無くすことができ、制御上の処理負荷の軽減にも貢献することができる。
(4)準備中(動作確認中)に演出設定も実行することができるため、効率的な遊技を提供することができる。
上記の構成から以下の技術的な内容を抽出することができる。
(1)所定の操作部材(RAMクリアスイッチ)と、可動体(電動役物、駆動源、ソレノイド、モータ等)と、前記所定の操作部材が操作されている状態で電源が投入された場合、可動体が正常に動作するか否かを確認するために、可動体を一定の動作パターンで動作させる可動体動作手段とを備える遊技機である。
(2)上記(1)の構成において、可動体動作手段は、再び、所定の操作部材が操作されるまで、可動体を一定の動作パターンで動作させ続けることが好ましい。
〔電源断発生チェック処理〕
図292は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また、主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして、主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(図288)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図293は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、入賞口スイッチ86、特定領域スイッチ83からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、特定領域スイッチ83からの通過検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機、第1抽選契機、第2抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS204a:主制御CPU72は、設定変更処理(設定関連処理)を実行する。この処理を実行することにより、主制御CPU72は、設定値を変更する際に実行される設定変更処理又は設定値を確認する際に実行される設定確認処理の少なくとも一方を含む設定関連処理を実行することができる(設定関連処理実行手段)。なお、設定変更状態や設定確認状態でない場合には(通常遊技状態である場合には)、本処理を実行しないようにすることができる。また、通常遊技状態である場合には、ベースを算出し、算出したベースを性能表示モニタ200に表示する処理を実行することができる。主制御CPU72は、遊技球が各入賞口(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)に入球することによって払い出される賞球数を、遊技領域に発射した遊技球の数を示すアウト数(アウトスイッチで検出された遊技球の数)で除算することによりベースを算出することができる(ベース算出手段、ベース関連処理実行手段)。
本処理において設定変更処理(設定関連処理)を実際に実行した場合、主制御CPU72は、サブコマンドとして、「設定関連終了指定コマンド」を生成する処理を実行する。「設定関連終了指定コマンド」には、設定関連処理(設定変更に関する処理又は設定確認に関する処理)が終了したという情報や、設定値の情報を含ませることができる。生成された「設定関連終了指定コマンド」は、演出制御装置124に送信される。
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また、普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(普通図柄抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,82,84,85,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
〔賞球数及び獲得遊技球数について〕
第1特別図柄の始動口の賞球数及び第2特別図柄の始動口の賞球数は、それぞれ1個以上の規定数に設定されている。また、第1特別図柄の始動口と第2特別図柄の始動口とでは、賞球数を異ならせてもよい。さらに、特別図柄の当選確率や、総獲得遊技球数の期待値(初当りから時間短縮状態が終了するまでの一連の期間に得られる平均出球数)に基づいて、最低賞球数を設定してもよい。さらにまた、特別図柄の当選確率、総獲得遊技球数の期待値、大入賞口の開放回数、大入賞口の開放時間、大入賞口の最大入賞数、大入賞口の賞球数が所定の条件を満たした場合、1回の大当りによる獲得遊技球数が最大の獲得遊技球数の1/4未満となる大当りを設定してもよい。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータ(外部機器)に対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」〜「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」〜「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」〜「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS209:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS205)や普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお、駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また、主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び特定領域ソレノイド99の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS213:そして、主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお、本実施形態では、ステップS205〜ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして、主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。なお、割込管理処理では、主制御CPU72は、各種エラーを検出する図示しないセンサやスイッチ等に基づいて、各種エラー(磁気エラー、電波エラー、振動エラー、大入賞口不正入賞エラー等)を判定することができる。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図294は、スイッチ入力イベント処理(図293中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する中始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の第1大入賞口30bに対応する第1カウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS19に進んで第1大入賞口カウント処理を実行する。第1大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの第1可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS20に進む。
ステップS20:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の第2大入賞口31bに対応する第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS21に進んで第2大入賞口カウント処理を実行する。第2大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中(小当り遊技中)に第2可変入賞装置31への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72はステップS24を実行する。一方、通過検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS26に進む。
ステップS24:主制御CPU72は、普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また、主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして、主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。次に、主制御CPU72は、ステップS26を実行する。
ステップS26:主制御CPU72は、第2大入賞口31b内の特定領域31xに対応する特定領域スイッチ83から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS28に進んで特定領域予備フラグをONにする処理を実行する。一方、通過検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図293)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図295は、第1特別図柄記憶更新処理(図294中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。ここで、RAM76の乱数記憶領域は、第1特別図柄及び第2特別図柄で共通で使用する5つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。ただし、第1特別図柄に関しては、4つのセクションしか使用できず、第2特別図柄に関しては、1つのセクションしか使用できない。したがって、セクションに空きがあっても、第1特別図柄に関してすでに4つのセクションを使用している場合、それ以上第1特別図柄の各乱数が記憶されることはない。これと同様に、セクションに空きがあっても、第2特別図柄に関してすでに1つのセクションを使用している場合、それ以上第2特別図柄の各乱数が記憶されることはない。セクションが5つである理由は、第1特別図柄の最大記憶数(4個)と、第2特別図柄の最大記憶数(1個)とを合計した数のセクションが必要だからである。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図294)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図293中のステップS210)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第1抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、抽選要素取得手段)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして、主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(第1抽選要素記憶手段、抽選要素記憶手段)。複数のセクションには順番(例えば第1〜第5)が設定されており、現段階で第1〜第5の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2〜第5セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の特別遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37,S38を実行する。大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37,S38をスキップしてステップS38aに進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS37:大当り中以外の場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する(先読み処理実行手段)。この処理は、先のステップS32〜S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数、大当り図柄乱数及び変動パターン決定乱数に基づいて、特別図柄抽選の結果や変動時間を事前(変動開始前)に判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。この処理において、第1特別図柄の事前判定の結果を特図先判定演出コマンド(先読み情報)の下位バイト分にセットする。
ステップS38:取得時演出判定処理を実行すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする(先読み処理実行手段)。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分(当否に関する情報や変動時間に関する情報)は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされるので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS38a:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」〜「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」〜「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」〜「04H」となったことを表している。なお、上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS39:そして、主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理では、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンドが演出制御装置124に対して送信される(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えるか、もしくは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図294)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
次に図296は、第2特別図柄記憶更新処理(図294中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば1とする)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図294)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図295)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図293中のステップS210)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第2抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図295)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図295)と同様である。
ステップS44:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、抽選要素取得手段)。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図295)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄及び第2特別図柄で共通で使用する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(第2抽選要素記憶手段、抽選要素記憶手段)。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図295)と同様である。
ステップS45a:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。そして、大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS46,S47を実行する。逆に大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS46,S47をスキップしてステップS48に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、同じく大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS46:大当り中以外である場合(ステップS45a:No)、次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する(先読み処理実行手段)。この処理は、先のステップS42〜S44でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである。この処理において、第2特別図柄の事前判定の結果を特図先判定演出コマンドの下位バイト分にセットする。
ステップS47:取得時演出判定処理を実行すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする(先読み処理実行手段)。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS46)においてセットされるので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS48:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお、先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS49:そして、主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して特図先判定演出コマンドや作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置124に対して送信される(記憶数通知手段)。また、以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図294)に復帰する。
〔取得時演出判定処理〕
図297は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理及び第2特別図柄記憶更新処理(図295中のステップS37,図296中のステップS46)においてこの取得時演出判定処理を実行する(事前判定手段、先読み処理実行手段)。上述したように、この処理は第1特別図柄(中始動入賞口26への入球時)、第2特別図柄(可変始動入賞装置28への入球時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンド(先判定情報)の下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(図295中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図296中のステップS45)でRAM76に記憶されているものである。
ステップS54:そして、主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段、事前判定手段)。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお、比較値(下限値)は、パチンコ機1における特別図柄抽選の大当り確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS80に進む。
ステップS80:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段、先読み処理実行手段)。この処理では、主制御CPU72は、はずれ時の変動時間について変動パターン先判定コマンド(先読み情報)を生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、特に「時間短縮機能」の作動時における変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。例えば、現在の状態が「時間短縮機能」の作動時であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものである場合、主制御CPU72は「時短中非短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。なお、リーチ変動の場合はさらに、リーチモード乱数から「リーチグループ(リーチの種類)」をも判断し、その結果から変動パターン先判定コマンドを生成することとしてもよい。一方、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「時短中短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。あるいは、現在の状態が「時間短縮機能」の非作動時(低確率状態)であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものである場合、主制御CPU72は「通常はずれリーチ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。一方、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「通常はずれ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。なお、この処理において、主制御CPU72は、小当り時の変動パターンについて、上述したはずれ時の処理と同様に変動パターン先判定コマンドを生成してもよい。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は取得時演出判定処理を終了し、呼び出し元の第1特別図柄記憶更新処理(図295)又は第2特別図柄記憶更新処理(図296)に復帰する。一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
ステップS74:主制御CPU72は、大当り図柄種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(図295中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図296中のステップS45)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、ステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果からいずれの当選図柄に該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS78に進む。
ステップS78:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットする。特別図柄先判定値は、例えば「時間短縮状態に移行しない図柄」に該当する場合は「00H」がセットされ、「時間短縮状態に移行する図柄」に該当する場合は「01H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
ステップS79:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段、先読み処理実行手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り時の変動時間について、上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、例えば大当り時のリーチ変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(図295)又は第2特別図柄記憶更新処理(図296)に復帰する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理(図293)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図298は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000〜ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において大当り又は小当りの態様(非当選以外の態様)で特別図柄が停止表示された場合に選択される。なお、特別図柄の停止表示される態様に応じて、大当り遊技又は小当り遊技が開始される。
〔大当り遊技〕
例えば、特別図柄が10ラウンド大当りの態様で停止表示されると、大当り遊技(遊技者にとって有利な特別遊技)が実行される。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、第1大入賞口ソレノイド90が一定時間(例えば29秒間又は10個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば10回)にわたって励磁され、これにより第1可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に第1可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に第1可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で10回あれば、これらを「10ラウンド」と総称することがある。本実施形態では、10ラウンド大当りについては、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられている。なお、大当りの種類として10ラウンド大当りだけでなく、その他のラウンド数の大当りを設けてもよい。
また、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の第1可変入賞装置30の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また、主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図293中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(時間短縮状態)を変化させる(時間短縮状態移行手段、有利状態移行手段)。「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、普通図柄の作動抽選の抽選確率が通常確率(低確率)から高確率に設定され、また、普通図柄の変動時間が短縮されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長されて開放回数が増加する(いわゆる電チューサポートが行われる)。なお、いわゆる2種遊技機の要素を含む遊技機(例えば、1種2種混合機や2種遊技機、すなわち、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過することによって大当り遊技が実行される遊技機)においては、普通図柄の作動抽選の当選確率を高確率状態に移行させないようにしてもよい。この場合、普通図柄の作動抽選の当選確率は、時間短縮機能の作動の有無に関わらずに一定の確率(例えば略1分の1)とし、可変始動入賞装置28の開放パターンで入賞の容易さと困難さを調整することができる。
〔小当り〕
また、本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当りの遊技が行われて第2可変入賞装置31が開閉動作する(特例遊技実行手段)。例えば、特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、小当り遊技(遊技者にとって有利な特殊遊技)が実行される。小当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、第2大入賞口ソレノイド97が一定時間(例えば1.8秒間又は10個の入賞をカウントするまで)、予め設定された作動回数(例えば1回又は複数回)にわたって励磁され、これにより第2可変入賞装置31が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の作動)。この間に第2可変入賞装置31に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、ある程度の賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。
また、小当り遊技中の可変入賞装置管理処理においては、特定領域ソレノイド99が一定時間(例えば1.6秒間)、予め設定された作動回数(例えば1回)にわたって励磁され、これにより特定領域用スライド部材31cが決まったパターンで開閉動作する。この間に特定領域31xに遊技球を通過させることで、遊技者には、大当り遊技を開始する機会が与えられる。すなわち、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過するか否かで、可変入賞装置管理処理において大当り遊技を開始するか否かが決定される。本実施形態では、小当りについては、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられており、遊技球が特定領域31xを通過すると、当選種類に応じた大当り遊技が開始される。
また、特定領域31xを遊技球が通過せずに小当りの遊技が終了しても、「時間短縮機能」が作動することもないので、「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。なお、「時間短縮状態」で小当りに当選した場合には、その小当り遊技終了後に「時間短縮状態」が終了するようにしてもよい。
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、複数の当選種類として「10ラウンド大当り1〜6」が設けられている。「10ラウンド大当り1〜4」は、特別図柄が大当りの態様で停止表示した際に開始され、「10ラウンド大当り5,6」は、特別図柄が小当りの態様で停止表示し、かつ、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過した際に開始される。なお、「10ラウンド大当り5,6」によって大当りが実行される場合(小当り経由で大当りが実行される場合)、1ラウンド目では第2可変入賞装置31が作動し、残りのラウンドでは第1可変入賞装置30が作動する。
上記の当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「10ラウンド大当り1」は「第1当選図柄」の大当りに対応し、「10ラウンド大当り2」は「第2当選図柄」の大当りに対応する。また、「10ラウンド大当り3」は「第3当選図柄」の大当りに対応し、「10ラウンド大当り4」は「第4当選図柄」の大当りに対応する。さらに、「10ラウンド大当り5」は「第5当選図柄」の小当り(特定領域31x通過時の大当り)に対応し、「10ラウンド大当り6」は「第6当選図柄」の小当り(特定領域31x通過時の大当り)に対応する。このため以下では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔第1当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が「第1当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第1当選図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。また、第1大入賞口30bは、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される(以下、同様)。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=1回又は10回)。
〔第2当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が「第2当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第2当選図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」は作動しない。
〔第3当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第3当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第3当選図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=1回又は10回)。
〔第4当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第4当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第4当選図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」は作動しない。
〔第5当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第5当選図柄」の態様で停止表示されると、小当り遊技が実行され、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過すると、小当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。この場合、2ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第5当選図柄」に該当した場合の大当り遊技は、9ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=1回又は10回)。
〔第6当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第6当選図柄」の態様で停止表示されると、小当り遊技が実行され、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過すると、小当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。この場合、2ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第6当選図柄」に該当した場合の大当り遊技は、9ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」は作動しない。
このように、本実施形態では、「第1当選図柄」、「第3当選図柄」又は「第5当選図柄」に該当した場合、大当り遊技終了後に「時間短縮状態」に移行する可能性がある。
なお、このように内部抽選で小当りに当選し、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に当選図柄の種類に応じて時間短縮状態に移行する遊技機は、いわゆる1種2種混合タイプの遊技機と呼ばれている。
〔特別図柄変動前処理〕
図299は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図293中のステップS212)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお、復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)を取得した順に読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。本実施形態では、RAM76の乱数記憶領域に記憶された(取得された)順に乱数が読み出される(入賞順消化)。なお、このような特別図柄別の入賞順消化の制御ではなく、第2特別図柄の消化を優先する優先消化の制御であってもよい。また、この処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち、乱数のシフトを行った方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図293中のステップS210)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図300は、上記の特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動前処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」より大であった場合(図299中のステップS2100:Yes)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:主制御CPU72は、乱数記憶領域を参照して、最も古い記憶が第2特別図柄に対応するものであるか否かを確認する。この確認は、RAM76の乱数記憶領域の第1セクションに、第2特別図柄に対応する乱数が記憶されているか否かを確認することにより実現することができる。このとき、最も古い記憶が第2特別図柄に対応するものであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2212を実行する。
ステップS2212:主制御CPU72は、対象特別図柄として第2特別図柄を指定する。この指定は、例えば対象図柄指定値として「02H」をセットすることで行われる。
ステップS2214:一方、最も古い記憶が第2特別図柄に対応するものであることを確認できない場合(ステップS2210:No)、すなわち、最も古い記憶が第1特別図柄に対応するものである場合、主制御CPU72は対象特別図柄として第1特別図柄を指定する。この場合の指定は、例えば対象図柄指定値として「01H」をセットすることで行われる。
ステップS2216:主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
ステップS2218:次いで主制御CPU72は、対象特別図柄について作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、今回の対象特別図柄が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(−1)する。
ステップS2220:そして、主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から「変動開始時作動記憶数」を設定する。なお、ここでは第1特別図柄と第2特別図柄の両方について、作動記憶カウンタの値を加算した上で「変動開始時作動記憶数」を設定してもよい。
ステップS2222:また、主制御CPU72は、対象特別図柄が第2特別図柄であるか否かを確認する。
ステップS2224:対象特別図柄が第2特別図柄であった場合(ステップS2222:Yes)、主制御CPU72は第2特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」〜「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。つまり、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」〜「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」〜「1」(コマンド表記は「13H」〜「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」〜「0」(コマンド表記は「12H」〜「10H」)となったことを表している。なお、上記の先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS2226:なお、今回の対象特別図柄が第1特別図柄であった場合(ステップS2222:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。この場合のコマンドは、先行値が第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BBH」)となる以外は上記と同じである。
ステップS2228:そして、主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2224又はステップS2226でセットした作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図299)に復帰する。
〔図299:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(第1抽選実行手段、第2抽選実行手段、抽選実行手段)。このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(第1抽選実行手段、第2抽選実行手段、抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。「小当り」は、第2可変入賞装置31のみを作動させる条件を満たすものとして位置付けられている(条件装置を作動させる条件は満たさない)。さらに、「小当り」中に遊技球が特定領域31xを通過すると、「大当り」に発展させるものとして位置付けられている(条件装置を作動させる条件を満たす)。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
本実施形態では、第1特別図柄抽選においては、大当りの当選確率が319分の1に設定され、小当りには当選しない設定になっている。なお、第1特別図柄抽選において、小当りに当選するようにしてもよい。また、第2特別図柄抽選においては、大当りに当選する確率は319分の1に設定され、小当りに当選する確率は319分の318(=略1/1)に設定され、はずれには該当しないようになっている。なお、第2特別図柄抽選において、はずれに該当するようにしてもよい。したがって、第2特別図柄抽選においては、大当りよりも小当りに当選しやすくなっている。これらの大当りの当選確率や小当りの当選確率を満たすべく、大当り値の範囲や小当り値の範囲が主制御CPU72により設定され、読み出した乱数値と比較される。
また、主制御CPU72は、非時間短縮状態(所定の遊技状態)において、第1特別図柄の抽選契機(第1抽選契機)よりも発生しにくい第2特別図柄の抽選契機(第2抽選契機)が発生すると、第2特別図柄抽選(第2抽選)を実行する(第2抽選実行手段)。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図293中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、図示しない変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、はずれ時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン選択手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。変動パターンには、通常変動(非リーチ変動)、リーチ変動、スーパーリーチ変動等といった様々な変動パターンが含まれている(大当り時や小当り時も同様)。なお、選択された特別図柄の変動パターンに関する情報は、特殊変動であるか否かという情報も含めて変動パターンコマンドとして演出制御装置に送信される(大当り時や小当り時についても同様である。)。
ここで、はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。また、「時間短縮状態」でなくとも、リーチ演出を実行する変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個〜3個)」に基づいて短縮される場合がある(例えば、変動表示開始時作動記憶数0個→12.5秒程度、変動表示開始時作動記憶数1個→8秒程度、変動表示開始時作動記憶数2個→5秒程度、変動表示開始時作動記憶数3個→2.5秒程度)。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。そして、主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、4種類の当選図柄が用意されている。第1特別図柄に関する内訳は、「第1当選図柄」又は「第2当選図柄」であり、第2特別図柄に関する内訳は、「第3当選図柄」又は「第4当選図柄」である。なお、これらの当選図柄の各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば、「第1当選図柄」であれば、「第1当選図柄A」、「第1当選図柄B」、「第1当選図柄C」、・・・といった具合である。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の選択比率が異なっている。このため主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであるか、第2特別図柄に対応するものであるかによって選択する当選図柄を区別している。
〔第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図301は、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、この第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「52」,「48」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第1当選図柄」、「第2当選図柄」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する大当り時において、「第1当選図柄」が選択される割合は100分の52(=52%)であり、「第2当選図柄」が選択される割合は100分の48(=48%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。
いずれにしても、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」,「02H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「第1当選図柄」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第1当選図柄」に該当した場合、通常中(非時間短縮状態)であるか時短中(時間短縮状態)であるかに関わらず、時短回数は1回(又は10回)付与される。
また、「第2当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は0回付与される(付与されない)。なお、時短回数は、上記の値に限定されることなく2回以上(11回以上)であってもよい。
ここで、「1回(又は10回)」とは、第2特別図柄の合計変動回数が1回となるか、第1特別図柄及び第2特別図柄の合計変動回数が10回となると、時間短縮状態が終了することを意味している。
〔第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図302は、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、この第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「100」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第3当選図柄」、「第4当選図柄」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する大当り時において、「第3当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)であり、「第4当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)である。
今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「第3当選図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第3当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は1回(又は10回)付与される。
また、「第4当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は0回付与される(付与されない)。
〔図299:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、大当り時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「第1当選図柄」又は「第3当選図柄」である場合、主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域にある遊技状態フラグとしての時間短縮機能作動フラグをON(01H)にセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段、有利状態移行手段)。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、時間短縮状態に移行する当選図柄で当選すると(所定の条件が満たされると)、非時間短縮状態(第1状態)よりも有利な時間短縮状態(第2状態)に移行可能とする(有利状態移行手段)。
また、ステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時停止図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお、本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。また、本実施形態では第1特別図柄に関しては小当りが設定されておらず、第2特別図柄に関してのみ設定されている。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では小当り時に選択的に決定される当選図柄として、2種類の当選図柄が用意されている。2種類の内訳は、「第5当選図柄」及び「第6当選図柄」である。なお、これらの当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば、「第5当選図柄」であれば、「第5当選図柄A」、「第5当選図柄B」、「第5当選図柄C」、・・・といった具合である。
〔第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブル〕
図303は、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、この第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「50」,「50」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第5当選図柄」、「第6当選図柄」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する小当り時においては、「第5当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)であり、「第6当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)である。
今回の小当りの結果、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の小当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「03H」,「04H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の小当りの結果、当選図柄として「第5当選図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H03H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての小当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、小当り遊技中に特定領域31xを遊技球が通過して大当り遊技が開始され、その大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第5当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は1回(又は10回)付与される。
また、「第6当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は0回付与される(付与されない)。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル、及び、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルを用いることにより、主制御CPU72は、非時間短縮状態又は時間短縮状態で「第1当選図柄」、「第3当選図柄」又は「第5当選図柄」に該当した場合(第5当選図柄については大当り遊技が実行された場合に限る。)には、時間短縮状態への移行条件が満たされるものとすることができる(移行条件設定手段)。
〔図299:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2408:次に主制御CPU72は、変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、小当り時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン選択手段)。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。本実施形態では小当りは第2特別図柄抽選にのみ設定されており、小当り時には小当り時用の変動時間を有する変動パターンが選択される。なお、第1特別図柄抽選に小当りを設定してもよい。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図298:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして、主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また、特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図299中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドを生成する。図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に図304は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100a:主制御CPU72は、図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。なお、本処理は、特別図柄の停止表示時間中に1回だけ実行することが好ましい。また、特別図柄の変動中に変動中フラグをONに設定している場合には、主制御CPU72は、本処理で図柄変動中フラグをOFFに設定することができる。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして、主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図298中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、停止表示時間終了コマンドを生成する。停止表示時間終了コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。なお、「停止表示時間終了コマンド」とは、特別図柄の停止表示時間が終了(経過)したことを示すコマンドである。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「可変入賞装置管理処理」に設定する。なお、主制御CPU72は、本処理にて各種機能を非作動に設定する処理を実行する。具体的には、時間短縮機能を非作動とする。これにより、特別遊技(大役)が開始される前には、通常状態(非時間短縮状態)に移行されることになる。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして、小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4608:主制御CPU72は、特殊変動回数更新処理を実行する。この処理では、第1特別図柄の特殊変動回数、及び、第2特別図柄の特殊変動回数が両方とも0である場合、何も処理を実行しない。一方、第1特別図柄の特殊変動回数が1以上である場合であって、第1特別図柄が停止した場合、第1特別図柄の特殊変動回数をデクリメント(−1)する処理を実行する。また、第2特別図柄の特殊変動回数が1以上である場合であって、第2特別図柄が停止した場合、第2特別図柄の特殊変動回数をデクリメント(−1)する処理を実行する。第1特別図柄の特殊変動回数、及び、第2特別図柄の特殊変動回数は、大当り遊技の開始時にリセットされる。なお、第1特別図柄の特殊変動回数や、第2特別図柄の特殊変動回数が0であるか1以上であるかに関わらず、本処理を実行した場合、主制御CPU72は、第1特別図柄の特殊変動回数や、第2特別図柄の特殊変動回数の値を反映させた特殊変動回数指定コマンドを演出制御装置に送信することができる。
ステップS4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「時間短縮状態」に関するカウンタ値がRAM76の時短カウント領域にセットされている。本実施形態では、いわゆる回数切りの時間短縮機能を採用しており、「時間短縮状態」に移行させる場合、時間短縮状態に関する第1回数切りカウンタ値(第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の時短回数)は所定の数値(例えば10回)に設定され、時間短縮状態に関する第2回数切りカウンタ値(第2特別図柄の時短回数)は規定の数値(例えば1回)に設定される。なお、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値の情報は、回数切りカウンタコマンドによって演出制御装置124に通知(送信)される。
なお、時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値は、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値といったように2つのカウンタ値を設けずに、1つのカウンタ値だけで時間短縮状態を制御してもよい。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値(第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値)が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。具体的には、第2特別図柄の停止表示中である場合には、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値を両方ともデクリメントし、第1特別図柄の停止表示中である場合には、第1回数切りカウンタ値だけをデクリメントする。
ステップS4640:そして、主制御CPU72は、いずれかの回数切りカウンタ値(第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値)の減算結果が0であるか否かを判断する。減算の結果、いずれの回数切りカウンタ値も0でない場合(No)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、いずれかの回数切りカウンタ値が0である場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。本実施形態では、時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値は所定の数値(例えば1回又は10回)に設定される。時間短縮状態で1回の第2特別図柄のはずれ変動(特定領域未通過となった場合はその際の小当り変動を含む。)が実行されると、時間短縮機能作動フラグがリセットされる。一方、時間短縮状態で9回の第1特別図柄のはずれ変動が実行されても、時間短縮機能作動フラグはリセットされず、その後さらに時間短縮状態で1回の第1特別図柄又は第2特別図柄のはずれ変動が実行されると、時間短縮機能作動フラグがリセットされる。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態が終了する。なお、時間短縮機能作動フラグは、特別図柄の停止表示時間が経過した際にリセットする例で説明しているが、特別図柄の変動時間終了時(停止表示時間計測開始前)にリセットしてもよい。
そして、以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理に復帰する。
このように、時間短縮状態の終了条件(所定の終了条件)は、時間短縮状態に移行してからの第2特別図柄の変動回数が第1回数(例えば1回)に到達した場合、又は、時間短縮状態に移行してからの第1特別図柄の変動回数及び第2特別図柄の変動回数を合計した合計変動回数が第1回数よりも大きい第2回数(例えば10回)に到達した場合に満たされる条件となっている。
図305は、変動パターンテーブルの一覧を示す図である。
変動パターンテーブルには、7個の変動パターンテーブルA〜Gが含まれている。
主制御CPU72は、遊技状態に応じて、7個の変動パターンテーブルA〜Gのいずれかの変動パターンテーブルを選択可能とする。各変動パターンテーブルには、1又は複数の変動パターンが含まれている。例えば、変動パターンテーブルAが選択された場合、第1特別図柄と第2特別図柄とで、選択される変動パターンが異なることもある。この点は、他の変動パターンテーブルでも同様である。なお、図中の「遊技状態」は、大当り遊技終了後の遊技状態(移行先の遊技状態)を示している。ただし、図中の「遊技状態」は、大当り遊技開始前の遊技状態(移行前の遊技状態)であってもよい。
変動パターンテーブルAは、遊技状態が「時短無し(非時間短縮状態)」の場合に選択される。具体的には、通常状態時に選択される。なお、RAMクリア後も、本テーブルが選択される。
変動パターンテーブルBは、遊技状態が「時短無し」の場合に選択される。具体的には、通常状態時に選択される。変動パターンテーブルAと、変動パターンテーブルBとの違いは、変動パターンテーブルBが、時間短縮状態が終了した後の規定変動数以内で(例えば30変動まで)選択されるテーブルとなっている点である。変動パターンテーブルBは、いわゆる即止め防止のテーブルである。
変動パターンテーブルCは、遊技状態が「時短有り(時間短縮状態)」の場合に選択される。具体的には、通常状態時の時短有り図柄当選時(「第1当選図柄」又は「第3当選図柄」の当選時)に、第1特別図柄が1〜4、6〜9変動した場合に選択される。本テーブルでは、第1特別図柄については、変動時間が短い変動パターン(例えば、1秒変動)が設定されており、第2特別図柄については、変動時間が長い変動パターン(例えば、120秒変動)が設定されている。
変動パターンテーブルDは、遊技状態が「時短有り」の場合に選択される。具体的には、時短状態時に選択される。本テーブルでは、第1特別図柄については、変動時間が長い変動パターン(例えば、90秒変動)が設定されている。
変動パターンテーブルEは、遊技状態が「時短無し」の場合に選択される。具体的には、通常状態時(残り1回=時間短縮状態終了後の第2特別図柄の1変動分の変動時)に選択される。本テーブルでは、第2特別図柄については、変動時間が長い変動パターン(例えば、120秒変動)が設定されている。
変動パターンテーブルFは、遊技状態が「時短無し」の場合に選択される。具体的には、変動パターンテーブルBの最終変動時に選択される。
変動パターンテーブルGは、遊技状態が「時短有り」の場合に選択される。具体的には、通常状態時の時短有り図柄当選時に、第1特別図柄が5、10変動した場合に選択される。本テーブルでは、第1特別図柄については、変動時間が長い変動パターン(例えば、13.5秒変動)が設定されている。
図306は、非時間短縮状態からの大当りで大当り遊技の変動が第1特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。
ここで、図中の「時短回数」は、第1回数切りカウンタ値(第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の時短回数)に設定する値を示している(図308においても同様)。
〔No1〕
「当選図柄」が「第1当選図柄(第1特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜4」、「6〜9」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルC」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「5」、「10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルG」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No2〕
「当選図柄」が「第2当選図柄(第1特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No3〕
「当選図柄」が「第3当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No4〕
「当選図柄」が「第4当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No5(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No5(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
図307は、非時間短縮状態からの大当りで大当り遊技後の変動が第2特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。
なお、本実施形態では、第2特別図柄が変動した時点で大当り又は小当りとなるので、2変動目以降の特殊変動テーブルは存在しない。
ここで、図中の「第2特別図柄の時短回数」は、第2回数切りカウンタ値(第2特別図柄だけの時短回数)に設定する値を示している(図309においても同様)。
〔No1〕
「当選図柄」が「第1当選図柄(第1特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルC」となる。
〔No2〕
「当選図柄」が「第2当選図柄(第1特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
〔No3〕
「当選図柄」が「第3当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No4〕
「当選図柄」が「第4当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
〔No5(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No5(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
〔No6(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
図308は、時間短縮状態からの大当りで大当り遊技の変動が第1特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。
〔No1〕
「当選図柄」が「第1当選図柄(第1特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No2〕
「当選図柄」が「第2当選図柄(第1特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜5」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「6〜19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No3〕
「当選図柄」が「第3当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No4〕
「当選図柄」が「第4当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜5」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「6〜19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No5(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No5(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜5」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「6〜19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
図309は、時間短縮状態からの大当りで大当り遊技後の変動が第2特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。
なお、図307と同様に、本実施形態では、第2特別図柄が変動した時点で大当り又は小当りとなるので、2変動目以降の特殊変動テーブルは存在しない。
〔No1〕
「当選図柄」が「第1当選図柄(第1特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No2〕
「当選図柄」が「第2当選図柄(第1特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
〔No3〕
「当選図柄」が「第3当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No4〕
「当選図柄」が「第4当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
〔No5(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No5(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
〔No6(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、連荘状態(第2状態)に移行して大当り遊技が実行される前は、連荘状態の第1特別図柄の変動時間(例えば1秒)を、非時間短縮状態(第1状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば2秒以上120秒未満)よりも相対的に短くすることを可能とする(変動時間決定手段)。
また、このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、連荘状態(第2状態)に移行して大当り遊技が実行された後は、連荘状態(第2状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば120秒以上)を、非時間短縮状態(第1状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば120秒未満)よりも相対的に長くすることを可能とする(変動時間決定手段)。
さらに、このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、第2特別図柄抽選(第2抽選)で当選して連荘状態に移行した際の第1特別図柄の変動時間(変動パターンテーブルD)を、第1特別図柄抽選(第1抽選)で当選して連荘状態に移行した際の第1特別図柄の変動時間(変動パターンテーブルC)よりも相対的に長くすることを可能とする(変動時間決定手段)。
このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、連荘状態(第2状態)に移行して大当り遊技が実行される前は、連荘状態の第1特別図柄の変動時間(例えば1秒)が、非時間短縮状態(第1状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば2秒以上120秒未満)よりも相対的に短くなるように変動時間を決定可能とする(変動時間決定手段)。
また、このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、連荘状態(第2状態)に移行して大当り遊技が実行された後は、連荘状態(第2状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば120秒以上)が、非時間短縮状態(第1状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば120秒未満)よりも相対的に長くなるように変動時間を決定可能とする(変動時間決定手段)。
さらに、このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、第2特別図柄抽選(第2抽選)で当選して連荘状態に移行した際の第1特別図柄の変動時間(変動パターンテーブルD)が、第1特別図柄抽選(第1抽選)で当選して連荘状態に移行した際の第1特別図柄の変動時間(変動パターンテーブルC)よりも相対的に長くなるように変動時間を決定可能とする(変動時間決定手段)。
〔表示出力管理処理〕
次に図310は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図293中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値に応じて時短状態表示ランプ38eの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38eに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。さらに、主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスに応じて発射位置指定表示ランプ38fの点灯を制御する。例えば、大当り遊技又は小当りの遊技により第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31が作動状態となる場合、主制御CPU72は発射位置指定表示ランプ38fに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。また、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は上記の時短状態表示ランプ38eに加えて、発射位置指定表示ランプ38fに対応するLEDに対しても点灯信号を出力する。なお、発射位置指定表示ランプ38fは、大当り遊技を経て「時間短縮状態」に移行する場合、大当り遊技開始から「時間短縮状態」が終了するまで点灯し、「時間短縮状態」の終了により非点灯(OFF)となる。
主制御CPU72は、左打ち状態であるか右打ち状態であるかを示す発射位置指定フラグ(0=左打ち状態、1=右打ち状態)によって発射位置を管理し、任意のタイミングで発射位置指定フラグの内容を含む発射位置指定コマンドを演出制御装置に送信することができる。ここで、演出制御装置に右打ち報知ランプが接続されている場合には、演出制御装置は、発射位置指定コマンドに基づいて右打ち報知ランプの点灯態様を制御することができる。非時間短縮状態は左打ち状態であり、時間短縮状態は右打ち状態である。大当り遊技中や小当り遊技中は、基本的には右打ち状態であるが、それぞれのエンディング時間中(終了時間中)は左打ち状態としてもよい。
時間短縮状態は、時間短縮状態での最終変動(はずれ変動、小当り変動又は大当り変動)の変動終了時(停止表示時間の開始時)に終了させることができる。この場合、時間短縮状態での最終変動の停止表示時間を最終変動以外の停止表示時間(0.5秒)よりも長い時間(15.0秒)に設定することができる。なお、時間短縮状態は、時間短縮状態での最終変動の停止表示時間の終了時に終了させてもよい。
また、主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38bの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38bのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数ステータスの値で指定された大当り図柄に対応するいずれかの表示ランプ38a,38bである。例えば、連続作動回数ステータスの値が「10ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「10ラウンド(10R)」を表すランプ38aに対して点灯信号を出力する。また、本実施形態では、10ラウンド大当り以外の大当りが存在しないが、10ラウンド大当り以外の大当りとして、例えば4ラウンド大当りが存在しており、連続作動回数ステータスの値が「4ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「4ラウンド(4R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。なお、本実施形態のように、大当りとして1種類の大当りしかない場合(10ラウンド大当りしかない場合)、大当り種別表示ランプを点灯させなくてもよい。
〔可変入賞装置管理処理〕
次に、可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図311は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200〜ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大入賞口開放パターン設定処理〕
図312は、大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時又は小当り時にそれぞれ第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5202:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。この確認の結果、大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5203を実行する。一方、大当りフラグの値(01H)がセットされていない場合(No)、すなわち、小当りフラグの値(01H)がセットされている場合、主制御CPU72は次にステップS5204を実行する。
ステップS5203:主制御CPU72は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理を実行する。この処理では、大当り時図柄別開放パターン設定テーブルに基づいて、大当り時の当選図柄に対応した大入賞口の開放パターンを設定するものである。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5205を実行する。
ステップS5204:主制御CPU72は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理を実行する。この処理では、小当り時図柄別開放パターン設定テーブルに基づいて、大入賞口の開放パターンを設定するものである。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5205を実行する。
ステップS5205:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔大当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図313は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5210:主制御CPU72は、条件装置及び役物連続作動装置を作動させる。ここで、「条件装置」とは、その作動が役物連続作動装置の作動に必要な条件とされる装置であり、「役物連続作動装置」とは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を連続して作動させることができる装置である。なお、「条件装置」や「役物連続作動装置」は制御上のフラグとすることもできる。したがって、この条件装置が作動していない限り、大当り遊技において第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31は作動しないことを表している。主制御CPU72は次にステップS5212を実行する。
ステップS5212:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、大当り図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、第1当選図柄に該当した場合、連続作動回数ステータスには「10ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5214を実行する。
ステップS5214:主制御CPU72は、大当り時図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時図柄別開放パターン設定テーブルを参照し、特別図柄に関する当選図柄の種類に対応した開放パターンを選択する。ここで、開放パターンとは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を作動させる設定を表し、例えば、実行ラウンド数、開放時間、インターバル時間等の設定を表している。主制御CPU72は次にステップS5216を実行する。
〔大当り時図柄別開放パターン設定テーブル〕
図314は、大当り時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この大当り時図柄別開放パターン設定テーブルは、特別図柄に関する異なる当選図柄別に、ラウンドごとの作動させる可変入賞装置(第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31)の開閉動作パターンを定めたものである。具体的には、当選図柄別に以下の大入賞口の開放パターンが定められている。
〔第1当選図柄〕
第1当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドであり、その内の10ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第1当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される(ただし、上限個数の入球が確認されると閉鎖される。以下、同様。)。したがって、第1当選図柄に該当した場合は、実質的に10ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第2当選図柄〕
第2当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドであり、その内の10ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第2当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第2当選図柄に該当した場合は、実質的に10ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第3当選図柄〕
第3当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドであり、その内の10ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第3当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第3当選図柄に該当した場合は、実質的に10ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第4当選図柄〕
第4当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドであり、その内の10ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第4当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第4当選図柄に該当した場合は、実質的に10ラウンド分の出球を獲得することができる。
以上のように、主制御CPU72は、上記大当り時図柄別開放パターン設定テーブルを参照して当選図柄の種類に対応する大入賞口の開放パターンを設定する。
〔図313:大当り時大入賞口開放パターン設定処理を参照〕
ステップS5216:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中のラウンド毎(1ラウンド〜最終ラウンド)に作動させる可変入賞装置の種類を第1可変入賞装置30に設定する。なお、本実施形態においては、全ての大当り時の当選図柄(第1当選図柄〜第3当選図柄)に対応する開放パターンが1ラウンド〜最終ラウンドで第1大入賞口30bが開放されるため、第1可変入賞装置30の作動が設定される。主制御CPU72は次にステップS5218を実行する。
ステップS5218:主制御CPU72は、実行ラウンド数を設定する。具体的には、主制御CPU72は当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンド数を設定する。例えば、10ランド大当りに対応する開放パターンの実行ラウンド数としては、10ラウンドが設定される。主制御CPU72は次にステップS5220を実行する。
ステップS5220:主制御CPU72は、大当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド毎に大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、大当り時の当選図柄(第1当選図柄〜第3当選図柄)に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、ラウンド毎に設定される。例えば、第1当選図柄であった場合、出球有りのラウンドについては第1大入賞口30bを開放する開放時間が29.0秒に設定される。したがって、開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。なお、開放タイマの値として0.5秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が困難な時間となる。主制御CPU72は次にステップS5222を実行する。
ステップS5222:主制御CPU72は、大当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、全ての大当り時の当選図柄(第1当選図柄〜第3当選図柄)に対応する開放パターンのインターバルタイマとして1.0秒が設定される。例えば、1ラウンド目と2ラウンド目の間の第1大入賞口30bの開放が終了し一旦閉鎖状態になった後、1.0秒間程度のインターバルタイマが設定される。主制御CPU72は次にステップS5224を実行する。
ステップS5224:主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の処理(ステップS5218)で設定された実行ラウンド数に基づいて生成することができる。例えば、第1当選図柄に該当した場合、実行ラウンド数は「10ラウンド」となるため、連続作動回数コマンドは「10ラウンド」を表す値を含むコマンドとして生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大入賞口開放パターン設定処理(図312)に復帰する。
〔小当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図315は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5252:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、小当り遊技中を表す状態コマンドを生成する。小当り遊技中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5254を実行する。
ステップS5254:主制御CPU72は、小当り時開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時開放パターン設定テーブルを参照し、開放パターンを選択する。ここで、開放パターンとは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を作動させる設定を表し、例えば、開放回数、開放時間、インターバル時間、特定領域31xの開放時間等の設定を表している。主制御CPU72は次にステップS5256を実行する。
〔小当り時開放パターン設定テーブル〕
図316は、小当り時開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この小当り時開放パターン設定テーブルは、可変入賞装置(第2可変入賞装置31)の開閉動作パターンを定めたものである。なお、本実施形態では、小当り時に設定される開放パターンは1つであるが、当選図柄別に複数規定してもよい。
小当りに該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第2可変入賞装置31である。また、第2可変入賞装置31の開放回数は2回であり、その1回の開放時間は0.9秒である。なお、インターバル時間は例えば1.0秒程度に設定される。
特定領域31xの開放開始時間(特定領域ソレノイド99をONにして特定領域用スライド部材31cを作動させるタイミング)は、第2可変入賞装置31の開放開始から0.2秒後である。
また、特定領域31xの開放終了時間(特定領域ソレノイド99をOFFにして特定領域用スライド部材31cを非作動とするタイミング)は、第2可変入賞装置31の開放開始から1.8秒後である。
〔図315:小当り時大入賞口開放パターン設定処理を参照〕
ステップS5256:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は小当りに対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に作動させる可変入賞装置の種類を第2可変入賞装置31に設定する。主制御CPU72は次にステップS5258を実行する。
ステップS5258:主制御CPU72は、開放回数を設定する。具体的には、主制御CPU72は小当りに対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に実行する開放回数を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに対応する開放パターンの開放回数として2回が設定される。主制御CPU72は次にステップS5260を実行する。
ステップS5260:主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当り時に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、0.9秒が設定される。主制御CPU72は次にステップS5262を実行する。
ステップS5262:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、大入賞口の開放間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、インターバルタイマは所定時間(例えば1.0秒)に設定される。主制御CPU72は次にステップS5264を実行する。
ステップS5264:主制御CPU72は、特定領域31x(特定領域用スライド部材31c)の開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に特定領域31xの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、第2可変入賞装置31の開放開始から0.2秒後に特定領域31xが開放され、第2可変入賞装置31の開放開始から1.8秒後に特定領域31xが閉鎖される。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大入賞口開放パターン設定処理(図312)に復帰する。
〔大入賞口開閉動作処理〕
図317は、大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は主に、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5302:主制御CPU72は、現在の内部状態が「大役中」であるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファにアクセスし、制御上の内部状態フラグとして「大役中(大当り遊技中)」のフラグがセットされているか否かで、現在の内部状態が「大役中」であるか否かを確認する。なお、「大役中(大当り遊技中)」のフラグは、先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理中:ステップS5212)や後述する特定領域通過時処理中において主制御CPU72によりセットされる。この確認の結果、現在の内部状態が「大役中」である場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5306を実行する。一方、現在の内部状態が「大役中」ではない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5304を実行する。
ステップS5304:主制御CPU72は、第2大入賞口開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、第2大入賞口31bを開閉するために第2可変入賞装置31を作動させる(第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS5306:主制御CPU72は、第1大入賞口開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、第1大入賞口30bを開閉するために第1可変入賞装置30を作動させる(第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理(図311)に復帰する。
〔第2大入賞口開閉動作処理〕
図318は、第2大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5310:主制御CPU72は、主制御CPU72は、第2大入賞口31bを開放する。具体的には、第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第2可変入賞装置31が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。なお、本処理を実行した場合、主制御CPU72は、演出制御装置124に対して、小当り時のオープニングコマンドを送信することができる。小当り時のオープニングコマンドは、小当り中に1回だけ送信することが好ましい。
ステップS5312:主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図315中)のステップS5260やステップS5264)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。なお、この処理では、第2大入賞口31bの開放に関する開放タイマの他に、特定領域31xの開放に関する開放タイマ(開放開始時間、開放終了時間)についてのカウントダウンが行われる。主制御CPU72は次にステップS5314を実行する。
ステップS5314:主制御CPU72は、特定領域開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、特定領域31xを開閉するために特定領域用スライド部材31cを作動させる(特定領域ソレノイド99に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5316を実行する。
ステップS5316:主制御CPU72は、第2大入賞口31bの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理中の第2大入賞口31bについての開放タイマの値が0以下であるか否かを確認する。この確認の結果、第2大入賞口31bの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322を実行する。一方、第2大入賞口31bの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5318を実行する。
ステップS5318:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第2可変入賞装置31(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第2カウントスイッチ85から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。主制御CPU72は次にステップS5320を実行する。
ステップS5320:主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように小当り時の開放1回あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(No)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5310〜ステップS5320の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5316で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5320でカウント数が所定数に達したことを確認すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322を実行する。なお、小当り時の開放は、開放タイマの値が短時間(例えば、1.8秒)に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5316で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5322:主制御CPU72は、第2大入賞口31bを閉鎖する。具体的には、第2大入賞口ソレノイド97に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより第2可変入賞装置31が開放状態から閉鎖状態に復帰する。主制御CPU72は次にステップS5324を実行する。
ステップS5324:主制御CPU72は、特定領域通過フラグがONであるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、特定領域通過フラグの値が01Hであるか否かにより、特定領域通過フラグがONであるか否かを確認する。この確認の結果、特定領域通過フラグがONである場合(Yes)、すなわち、小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過した場合、主制御CPU72は次にステップS5326を実行する。一方、特定領域通過フラグがONではない場合(No)、すなわち、小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過しなかった場合、主制御CPU72は次にステップS5327aを実行する。なお、特定領域通過フラグは、先の特定領域開閉動作処理(ステップS5314)の中でONに設定される可能性がある。
ステップS5326:主制御CPU72は、特定領域通過時処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過したことに基づき、条件装置や役物連続作動装置を作動させ、第1可変入賞装置30を連続作動させる処理、すなわち、大当り遊技を開始する処理を実行する(特殊遊技経由特別遊技実行手段、特別遊技実行手段)。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5328を実行する。
ステップS5327a:主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図315中)のステップS5262)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5327bに進む。なお、ここでは特に図示していないが、インターバル時間が経過するまでの間(インターバルタイマ値が0になるまでの間)、割り込み毎に主制御CPU72はステップS5327aから呼び出し元である可変入賞装置管理処理(図311)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5310からではなく直にステップS5327aを実行する。
ステップS5327b:主制御CPU72は、第2大入賞口開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、第2大入賞口開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5327c:主制御CPU72は、インクリメント後の第2大入賞口開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「1回の小当り中に第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、特にこのような開放パターンを採用していない場合には、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されているため、1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5328に進むことになる。
一方、「1回の小当り中に第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンを採用している場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5310〜ステップS5327bまでの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5327bで開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(ステップS5327c;Yes)、主制御CPU72は次にステップS5328を実行する。
ステップS5328:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、大入賞口開閉動作処理(図317)に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔特定領域開閉動作処理〕
図319は、特定領域開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5330:主制御CPU72は、特定領域31xの開放時間が開始されたか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はカウントダウン処理(ステップS5312)においてカウントダウンされていた特定領域31xの開放に関する開放開始時間についての開放タイマの値が0であるか否かを確認することで、特定領域31xの開放時間が開始されたか否かを確認する。この確認の結果、特定領域31xの開放時間が開始された場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5332を実行する。一方、特定領域31xの開放時間が開始されていない場合(No)、又は、すでに開放されている場合、主制御CPU72は次にステップS5334を実行する。
ステップS5332:主制御CPU72は、特定領域31xを開放する。具体的には、特定領域ソレノイド99に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、特定領域用スライド部材31cが作動して特定領域31xが閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5334を実行する。
ステップS5334:主制御CPU72は、遊技球が特定領域31xを通過したか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76の記憶領域にアクセスし、特定領域予備フラグがONになっているか否かを確認する。この確認の結果、特定領域予備フラグがONになっていて、遊技球が特定領域31xを通過したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5336を実行する。一方、特定領域予備フラグがOFFになっていて、遊技球が特定領域31xを通過していないことを確認した場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5338を実行する。
ステップS5336:主制御CPU72は、特定領域通過フラグをONにセットする。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、特定領域通過フラグの値を01Hに設定する。主制御CPU72は次にステップS5338を実行する。なお、特定領域通過フラグや特定領域予備フラグは大当り遊技の終了時にリセットされる。
ステップS5338:主制御CPU72は、特定領域31xの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はカウントダウン処理(ステップS5312)においてカウントダウンされていた特定領域31xの開放に関する開放タイマの値が0であるか否かを確認することで、特定領域31xの開放時間が終了したか否かを確認する。この確認の結果、特定領域31xの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5340を実行する。一方、特定領域31xの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図318)に復帰する。
ステップS5340:主制御CPU72は、特定領域31xを閉鎖する。具体的には、特定領域ソレノイド99に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、特定領域用スライド部材31cが開放状態(作動状態)から閉鎖状態(非作動状態)に復帰する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図318)に復帰する。
〔特定領域通過時処理〕
図320は、特定領域通過時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5350:主制御CPU72は、小当りフラグをリセットする。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、小当りフラグの値を00Hにリセットする。主制御CPU72は次にステップS5352を実行する。
ステップS5352:主制御CPU72は、小当り遊技を終了させる。具体的には、主制御CPU72は内部状態フラグから「小当り遊技中」を消去し、制御処理上で小当り遊技を終了する(小当り終了)。主制御CPU72は次にステップS5354を実行する。
ステップS5354:主制御CPU72は、条件装置及び役物連続作動装置を作動させる。これにより、第1可変入賞装置30を連続して作動させることができ、大当り遊技を開始できることとなる。主制御CPU72は次にステップS5356を実行する。
ステップS5356:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、当選図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、第1当選図柄に該当した場合、連続作動回数ステータスには「10ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5358を実行する。
ステップS5358:主制御CPU72は、特定領域通過時図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルを参照し、小当りに該当した際の当選図柄の種類に対応した開放パターンを選択する。主制御CPU72は次にステップS5360を実行する。
ステップS5360:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中のラウンド毎(2ラウンド〜最終ラウンド)に作動させる可変入賞装置の種類を第1可変入賞装置30に設定する。主制御CPU72は次にステップS5362を実行する。
ステップS5362:主制御CPU72は、実行ラウンド数を設定する。具体的には、主制御CPU72は小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンド数を設定する。例えば、第5当選図柄に対応する開放パターンの実行ラウンド数としては「10ラウンド」が設定される。主制御CPU72は次にステップS5364を実行する。
ステップS5364:主制御CPU72は、大当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド毎に大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄(第4当選図柄〜第6当選図柄)に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、ラウンド毎に設定される。例えば、第4当選図柄であった場合、出球有りのラウンドについては第1大入賞口30bを開放する開放時間が29.0秒に設定される。したがって、開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。なお、開放タイマの値として0.5秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が困難な時間となる。主制御CPU72は次にステップS5366を実行する。
ステップS5366:主制御CPU72は、大当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに該当した際の当選図柄に対応する開放パターンのインターバルタイマとして1.0秒が設定される。例えば、2ラウンド目と3ラウンド目の間の第1大入賞口30bの開放が終了し一旦閉鎖状態になった後、1.0秒間程度のインターバルタイマが設定される。主制御CPU72は次にステップS5368を実行する。
ステップS5368:主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の処理(ステップS5362)で設定された実行ラウンド数に基づいて生成することができる。例えば、第5当選図柄に該当した場合、実行ラウンド数は「10ラウンド」となるため、連続作動回数コマンドは「10ラウンド」を表す値を含むコマンドとして生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5370を実行する。
ステップS5370:主制御CPU72は、特定領域通過時図柄別時間短縮機能設定処理を実行する。この処理では、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が「第5当選図柄」である場合、主制御CPU72は時間短縮機能作動フラグをONにセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段、有利状態移行手段)。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、時間短縮状態に移行する当選図柄で当選すると(所定の条件が満たされると)、非時間短縮状態(第1状態)よりも有利な時間短縮状態(第2状態)に移行可能とする(有利状態移行手段)。
ステップS5372:主制御CPU72は、特殊変動回数設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、当選図柄に応じて、第1特別図柄の特殊変動回数、及び、第2特別図柄の特殊変動回数を設定する。特殊変動回数の具体的な数値は、図306〜図309において説明した通りである。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図318)の末尾のアドレスに復帰する。
〔特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブル〕
図321は、特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルは、小当りに該当した際の特別図柄に関する異なる当選図柄別に、ラウンドごとの第1可変入賞装置30の開閉動作パターンを定めたものである。具体的には、当選図柄別に以下の大入賞口の開放パターンが定められている。
〔第5当選図柄〕
第5当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドである。なお、この実行ラウンド数には、小当りで開放された第2可変入賞装置31の作動が含まれているため、これから開始される大当り遊技では10ラウンドから1ラウンド分が減算された9ラウンドが実質的な大当り遊技でのラウンド数となる(以下の第6当選図柄でも同様)。そして、各ラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が第5当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、小当りでの第2可変入賞装置31の開放を1ラウンド目としているため、2ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第5当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合は、実質的に9ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第6当選図柄〕
第6当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンド(実質的な大当り遊技でのラウンド数は9ラウンド)である。そして、各ラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が第6当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、小当りでの第2可変入賞装置31の開放を1ラウンド目としているため、2ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第6当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合は、実質的に9ラウンド分の出球を獲得することができる。
以上のように、主制御CPU72は、上記特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルを参照して小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄の種類に対応する大入賞口の開放パターンを設定することとなる。
〔第1大入賞口開閉動作処理〕
図322は、第1大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5380:主制御CPU72は、主制御CPU72は、第1大入賞口30bを開放する。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第1可変入賞装置30が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5382を実行する。なお、本処理を実行した場合、主制御CPU72は、演出制御装置124に対して、大当り時のオープニングコマンドを送信することができる。大当り時のオープニングコマンドは、大当り中に1回だけ送信することが好ましい。
ステップS5382:主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図313中)のステップS5220、又は、特定領域通過時処理(図320中)のステップS5364)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。主制御CPU72は次にステップS5386を実行する。
ステップS5386:主制御CPU72は、第1大入賞口30bの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の第1大入賞口30bについての開放タイマの値が0以下であるか否かを確認する。この確認の結果、第1大入賞口30bの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5392を実行する。一方、第1大入賞口30bの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5388を実行する。
ステップS5388:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第1可変入賞装置30(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第1カウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。主制御CPU72は次にステップS5390を実行する。
ステップS5390:主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5380〜ステップS5390の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5386で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5390でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5392を実行する。なお、開放タイマの値が短時間(例えば、0.5秒)に設定されている場合、通常、主制御CPU72はステップS5390でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5386で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5392:主制御CPU72は、第1大入賞口30bを閉鎖する。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより第1可変入賞装置30が開放状態から閉鎖状態に復帰する。主制御CPU72は次にステップS5394を実行する。
ステップS5394:主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図313中)のステップS5222、又は、特定領域通過時処理(図320中)のステップS5366)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5395に進む。なお、ここでは特に図示していないが、インターバル時間が経過するまでの間(インターバルタイマ値が0になるまでの間)、割り込み毎に主制御CPU72はステップS5394から呼び出し元である可変入賞装置管理処理(図311)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5380からではなく直にステップS5394を実行する。
ステップS5395:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5396:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で第1可変入賞装置30を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、本実施形態では、特にこのような開放パターンを採用していないので、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがって、通常は1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5398に進むことになる。
なお、上記のように1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用した場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5380〜ステップS5390までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5395で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5398に進むことになる。
ステップS5398:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、大入賞口開閉動作処理(図317)に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大入賞口閉鎖処理〕
図323は、大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大入賞口閉鎖処理は、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5401:先ず主制御CPU72は、現在の遊技が大役(大当り遊技)中であるか否かを確認し、大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5402を実行する。
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。なお、小当り遊技中に特定領域31xを遊技球が通過し、小当りの終了後に大当り遊技が開始された場合、小当り時の第2大入賞口31bの開放を1ラウンド目として扱い、大当り遊技が開始される1回目のラウンドは2ラウンド目として扱われる。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1〜15)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の14、又は、15)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図311中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402〜ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達するまでの間、第1可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔小当り時〕
これに対し、小当りの場合は以下の手順となる(特例作動実行手段)。
ステップS5411:主制御CPU72は現在の遊技が大役中でないことを確認すると(ステップS5401:No)、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS5413:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図315中のステップS5258)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS5416を実行する。
ステップS5416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図311中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5401〜ステップS5413(No)を経てステップS5416、ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際の開放回数が設定した開放回数に達するまでの間、第2可変入賞装置31の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS5413:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5414を実行する。
ステップS5414,ステップS5412:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔終了処理〕
図324は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。この終了処理は、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5501a:主制御CPU72は、終了時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は終了時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
ステップS5501b:次に主制御CPU72は、終了時間(エンディング時間)が経過したか否かを確認する。具体的には、終了時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は終了時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して可変入賞装置管理処理(図311)に復帰する。
この後、時間の経過に伴って終了時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は終了時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS5502以降の処理を実行する。
なお、終了時間に関しては、大当りと小当りとで別の時間を設定してもよい。
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認し、大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5503を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:この場合、主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また、主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で大当り遊技を終了する(大役終了)。なお、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値をリセットする。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値が01Hであるか(セットされているか)否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図299中のステップS2414)や、先の特定領域通過時処理中の特定領域通過時図柄別時間短縮機能設定処理(図320中のステップS5370)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、時間短縮機能作動フラグの値が01Hである場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時短回数(例えば1回(又は10回))を設定する。設定した時短回数の値は、上記のようにRAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時短回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。本実施形態では、時短回数を管理するために、2種類の時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値(第1回数切りカウンタ値、第2回数切りカウンタ値)が用意されている。ここで、第1回数切りカウンタ値は、第1特別図柄又は第2特別図柄が1回変動する度にデクリメントされる変数であり、初期値として「10」が設定される。また、第2回数切りカウンタ値は、第2特別図柄が1回変動する度にデクリメント(1減算)される変数であり、初期値として「1」が設定される。なお、時間短縮機能作動フラグの値が01Hでない場合(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512及びステップS5513を実行しない。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、時間短縮状態への移行条件が満たされた場合(所定の移行条件が満たされた場合、時間短縮状態に移行させる当選図柄で当選した場合)、大当り遊技の終了後に、非時間短縮状態(所定の遊技状態)から非時間短縮状態と比較して有利な条件が適用された(普通図柄抽選の変動時間が短縮され、可変始動入賞装置の開放時間が延長されている)時間短縮状態(有利遊技状態)に移行させることができる(有利遊技状態移行手段)。
ステップS5513:主制御CPU72は、特殊変動回数設定処理を実行する。この処理は、図320のステップS5372の処理と同様である。
ここまでの手順は大当りの場合であるが、小当りの場合(ステップS5502:No)は以下の手順が実行される。
ステップS5520,ステップS5522:小当りの場合、主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また、内部状態フラグから「小当り遊技中」を消去する。なお、小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS5514:そして、主制御CPU72は、フラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS5516:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図298中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔ゲームフロー(その1)〕
図325は、通常モードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
パチンコ機1で遊技を開始する場合、〔F1〕通常モード(公園モード)から遊技が開始される。「通常モード」は、「非時間短縮状態」である。
〔F1〕通常モードでの遊技中に、遊技球が中始動入賞口26に入球すると、〔F2〕第1特別図柄が変動する。
〔F3〕第1特別図柄抽選で「はずれ」となると、〔F1〕通常モードの状態からやり直しとなる。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F5〕第1当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。〔F8〕ドライブモードは、「時間短縮状態」である。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F7〕第2当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F9〕動物モードに移行する。〔F9〕動物モードは、「非時間短縮状態」である。なお、〔F9〕動物モードの変動パターンは、〔F1〕通常モードと異ならせてもよく、〔F1〕通常モードと同一であってもよい。
〔ゲームフロー(その2)〕
図326は、時間短縮状態のドライブモードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F8〕時間短縮状態のドライブモードでの遊技中に、遊技球が右始動入賞口28bに入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していると)、〔F12〕第2特別図柄が変動する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F14〕第3当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F15〕第4当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F20〕非時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率318/319)」となり、〔F17〕第5当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率318/319)」となり、〔F19〕第6当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F20〕非時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔ゲームフロー(その3)〕
図327は、非時間短縮状態のドライブモードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F20〕非時間短縮状態のドライブモードでの遊技中に、遊技球が右始動入賞口28bに入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していると)、〔F12〕第2特別図柄が変動する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F14〕第3当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F15〕第4当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F9〕動物モードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率318/319)」となり、〔F17〕第5当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率318/319)」となり、〔F19〕第6当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F9〕動物モードに移行する。
このように、本実施形態では、一旦、時間短縮状態(連荘状態)に突入すると、第2特別図柄の時短1回分の変動と、第2特別図柄の1個の記憶分とで、合計2回の当り(大当り又は小当り)の機会を得ることできる。そして、その2回の機会のいずれかで、時短付きの当選図柄で当選すると、再び、時間短縮状態(連荘状態)に復帰する遊技性となっている。
〔ゲームフロー(その4)〕
図328は、動物モードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F9〕動物モードでの遊技中に、遊技球が中始動入賞口26に入球すると、〔F2〕第1特別図柄が変動する。
〔F3〕第1特別図柄抽選で「はずれ」となり、このような「はずれ」が規定回数連続すると(例えば、15回の変動が実行されると)、〔F20〕規定変動経過となり、〔F1〕通常モードに移行する。なお、第1特別図柄抽選で「大当り」となった場合は、図325のゲームフローと同様の流れとなる。
〔演出画像の例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像について、いくつかの例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)を決定し、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、上記のように第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。同様に、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示の態様は、やはり7セグメントLED等による記号的な図案であり、やはり「当選図柄」としての視覚的なインパクトに乏しい。そこでパチンコ機1では、液晶表示器42を用いた変動表示演出及び停止表示演出が行われている。
本実施形態では、液晶表示器42に、演出図柄、マーカM1、マーカM2、第4図柄Z1,Z2、滞在モードに対応する背景画像、予告演出に関する画像等を表示している。
液晶表示器42に表示される演出図柄には、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される。各演出図柄には、数字の「1」〜「9」が表示されている。ここで、左演出図柄、中演出図柄、及び右演出図柄は、いずれも数字が「9」〜「1」の降順に並んだ図柄列(演出図柄配列)を構成している。このような図柄列は、それぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
図329及び図330は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、液晶表示器42を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄)が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果が表示されたことを表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔変動表示前〕
図329中(A):例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の中央の領域には3本の演出図柄の列が表示されている。このとき第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄も停止表示された状態にある。
また、液晶表示器42の下部左側の領域には、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数を表すマーカ(図中に参照符号M1,M2を付す)が表示されるものとなっている。これらマーカM1,M2は、それぞれの表示個数が対応する第1特別図柄、第2特別図柄の作動記憶数(第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示数)を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。また、マーカM1,M2は、視覚的な判別を容易にするため第1特別図柄に対応するマーカM1が例えば円(○)の図形で表示され、第2特別図柄に対応するマーカM2が例えばハートの図形で表示されている。なお、図示の例では、マーカM1が4つとも点灯表示されることで第1特別図柄の作動記憶数が4個であることを表し、マーカM2が全て非表示(破線で示す)になることで第2特別図柄の作動記憶数が0個であることを表している。なお、第2特別図柄の作動記憶数の最大値は1個であるため、マーカM2は最大で1つしか点灯しない。
また、液晶表示器42の下部右側の領域には第4図柄(図中に参照符号Z1,Z2を付す)が表示されている。この第4図柄Z1,Z2は、上記の左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお、第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。第4図柄Z1は、第1特別図柄に対応しており、第4図柄Z2は、第2特別図柄に対応している。
また、第4図柄Z1,Z2については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に対応して停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が「大当り」や「小当り」であれば、それらに対応する態様(例えば青表示色や赤表示色等)で第4図柄Z1,Z2は停止表示される。
〔変動表示演出開始〕
図329中(B):例えば、第1特別図柄の変動開始に同期して、演出図柄がスクロールすることで変動表示演出が開始される(図柄演出実行手段)。なお、図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で表示している。
液晶表示器42の中央の領域には背景画像が表示されており、この背景画像は、公園の風景を表現したものである。このような背景画像は、演出上での滞在モードが例えば「通常モード」であることを表現している。「通常モード」は、非時間短縮状態である。この他にも演出上で各種のモードが設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている。これらモードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものである。ここでは特に図示していないが、この後、例えば液晶表示器42の表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
また、演出図柄の変動表示中、液晶表示器42の画面下部では第4図柄Z1が変動表示されており、第4図柄Z1は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
〔左演出図柄停止〕
図329中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に、演出図柄の左演出図柄が変動を停止する。この例では、演出図柄の左演出図柄として数字の「8」を表す演出図柄が停止している。
〔作動記憶数減少時の演出例〕
ここで、先の図329中(B)に示されているように、変動開始に伴って最も古い第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動して最も左側に位置していたマーカM1の表示個数が1個分減少されている。すなわち、それまでにマーカM1の作動記憶数が合計4個存在していたが、最も以前(古い)の記憶数表示であるマーカM1が非表示となり、内部抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、合計作動記憶数が3個に減少したことを演出上でも遊技者に教示することができ、また、いずれの特別図柄(この場合は第1特別図柄)に対応する作動記憶が消費されたかを分かりやすく教示することができる。
そして、図329中(C)の例においては、記憶順で先頭にあった作動記憶が消費されて残りが3個になったため、画面上に残った3つのマーカM1がそれぞれ1個分ずつ一方向(ここでは左方向)へずれていく演出が行われている。これにより、作動記憶数の変化の前後関係を正確に演出上で表現するとともに、遊技者に対して「作動記憶が消費されて1つ減った」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
〔右演出図柄停止〕
図330中(D):次に、演出図柄の右演出図柄として数字の「3」を表す演出図柄が停止している。
〔停止表示演出〕
図330中(E):第1特別図柄の停止表示に同期して、停止表示演出が実行される。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。図示の例では、演出図柄の中演出図柄として数字の「1」を表す演出図柄が停止している。この場合、演出図柄の組み合わせは「8」−「1」−「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
以上は、1回の変動ごとに行われる変動表示演出と停止表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
〔変動表示演出開始〕
図330中(F):第1特別図柄の作動記憶が存在している場合、停止表示時間が終了すると、次変動が開始される。この場合、第1特別図柄の変動開始に同期して、演出図柄がスクロールすることで変動表示演出が開始される。第1特別図柄の変動が開始されると、それに連動して最も左側に位置していたマーカM1の表示個数が1個分減少する。そして、このような変動表示演出と停止表示演出が繰り返し実行される。
〔大当り時の演出例〕
図331〜図333は、大当り時に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である。ここではリーチ演出の他に、変動表示演出や停止表示演出及び予告演出が含まれるものとする。また、その他にも、変動表示演出中に実行される予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出)の一例を説明する。
以下のリーチ演出は、第1特別図柄表示装置34において大当り時の変動パターンによる変動表示が行われた後、例えば、第1特別図柄が「第1当選図柄」又は「第2当選図柄」の態様(例えば7セグメントLEDの「己」,「ヨ」,「口」,「巳」,「F」,「E」,「L」,「Γ」等)で停止表示されるまでに実行される(リーチ演出実行手段)。
〔変動表示演出〕
図331中(A):第1特別図柄(又は第2特別図柄)の変動開始に略同期して、演出図柄がスクロールすることで変動表示演出が開始される。
〔リーチ発生前予告演出(1段階目)〕
図331中(B):変動開始から所定時間が経過すると、液晶表示器42において、キャラクターの絵柄画像(絵札)を用いた1段階目のリーチ発生前予告演出が行われる。このリーチ発生前予告演出は、予め定められた順序にしたがって1段階から複数段階(例えば2〜5段階)まで、段階的に態様の変化が進行していく予告演出である。このリーチ発生前予告演出で用いられる絵柄画像は、画面の左端から出現するようにして表示される(その他の出現の態様でもよい。)。なお、「リーチ発生前予告」は、リーチの可能性や大当りの可能性を予告する演出である。このような「リーチ発生前予告演出」を実行することで、遊技者に対して「リーチに発展するかも知れない=大当りの可能性が高まる」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ発生前予告演出(2段階目)〕
図331中(C):リーチ発生前予告演出の1段階目の態様が実行された後、続いてリーチ発生前予告演出の態様の変化が2段階目に進行する。ここでは2段階目のリーチ発生前予告演出として、先とは違うキャラクターの絵柄画像を用いた演出が行われている。具体的には、画面の右端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像の前面に重なって表示される。また、このとき表示される絵柄画像は、先に表示されていた絵柄画像よりもサイズが大きい。そして、絵柄画像で表現されたキャラクターが台詞(例えば「リーチになるよ」等)を発するという、音響出力による演出もあわせて行われる。
このような2つ目の絵柄画像を用いたリーチ発生前予告演出(2段階目)は、先の図331中(B)で行われたリーチ発生前予告演出(1段階目)からさらに一歩進んだ発展型である。このように発展していく「リーチ発生前予告演出」の態様を称して、一般的に「ステップアップ予告」等と表現することがある。ここではリーチ発生前予告演出で2段階目の絵柄画像が出現する例を挙げているが、3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示される演出態様であってもよい。また、例えば3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示されるごとに、そのサイズが拡大されるものとしてもよい。なお、この段階でも変動表示演出は継続されている。いずれにしても、リーチ発生前予告演出の態様の変化をより多くの段階まで進行させることにより、今回の変動で大当りになる可能性(期待度)が高いことを遊技者に示唆することができる(例えば、5段階目まで進行すると最大の期待度を示唆する等。)。
〔左演出図柄の停止〕
図332中(D):変動表示演出の中期にさしかかると、演出図柄の左演出図柄が変動を停止する。この例では、演出図柄の左演出図柄として数字の「7」を表す演出図柄が停止している。
〔リーチ状態の発生〕
図332中(E):そして、次に、演出図柄の右演出図柄が変動を停止する。この例では、演出図柄の右演出図柄として数字の「7」を表す演出図柄が停止している。これにより、演出図柄では、「7」−「変動中」−「7」のリーチ状態が発生している。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われる。リーチ状態の発生後、当選時やはずれ時のリーチ演出が実行される。
〔リーチ発生後予告演出〕
図332中(F):リーチ状態が発生して暫くすると、液晶表示器42において、例えば「ハート」の図形を表す画像が群をなして画面上を斜めに過ぎっていくリーチ発生後予告演出が行われる。この場合、突然、画面上に「ハート群」の画像が流れていくように表示されるため、これによって遊技者に対する視覚的な訴求力を高めることができる。このような視覚的に賑やかなリーチ発生後予告演出を実行することで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ演出の進行〕
図333中(G):リーチ発生後予告演出に続いて、液晶表示器42に、画面の左側に敵キャラクターとしての「かぼちゃのお化け」が出現し、画面の右側に味方キャラクターとしての「男性キャラクター」が出現し、画面の中央に「VS」の文字が出現する演出が行われる。
図333中(H):リーチ演出が終盤になると、「かぼちゃのお化け」が無数のパンチを繰り出し、「男性キャラクター」がチョップで応戦する演出が行われている。この状態で「男性キャラクター」が勝利すれば大当りとなり、「男性キャラクター」が敗北すればはずれとなる。
〔停止表示演出(当選時演出)〕
図333中(I):「勝利!!」の文字とともに、「男性キャラクター」が大きく表示され、「かぼちゃのお化け」が小さく表示されると、大当りであることを意味している。そして、特別図柄の停止表示に略同期して、演出図柄の中演出図柄が変動を停止する。この例では、演出図柄の中演出図柄として数字の「7」を表す演出図柄が停止している。第4図柄Z1は、大当りに対応する態様(例えば赤表示色)で停止表示されている。
なお、非当選時(はずれ時)は、「敗北・・」の文字とともに、「かぼちゃのお化け」が大きく表示され、「男性キャラクター」が小さく表示される。この場合、演出図柄の中演出図柄として数字の「7」以外の数字を表す演出図柄が停止される。
〔大役中演出〕
図334及び図335は、大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である。なお、以下の大役中演出は、液晶表示器42にて実行される演出である。
〔大当り遊技開始〕
図334中(A):大当り遊技が開始されると、例えば、画面内に「BIG BONUS」といった文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像(例えば女性キャラクター)が表示される。
〔大役中「右打ち」表示〕
また、本実施形態では遊技領域8a内の右側部分に第1可変入賞装置30が配置されているため、大役中は遊技球の発射位置(発射方向)として遊技領域8a内の右側部分を指定することとしている。このため、主制御CPU72による制御上で上記の発射位置指定表示ランプ38fが点灯表示されるとともに、「右打ち」を表す発射位置指定コマンドが演出制御装置124に送信される。これを受けて、演出制御CPU126による演出制御上で表示画面内に「右打ち」を促す案内情報(右方向を示す矢印、「右打ち」の文字等)が表示される)。
〔1ラウンド目〕
図334中(B):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、例えば、画面内の左上部に「BIG BONUS」の文字情報とともに、10個の○印が表示される。そして、そのうち1番左に位置する○印が赤色(斜線のハッチング)で表示され、残りの9個の○印は白色で表示される。これにより、出球を獲得できるのは10ラウンドであること、現在のラウンドがその10ラウンド中の1ラウンド目であること、及び、出球が獲得できるラウンドが1つ進行する毎に○印が赤色で表示されることを遊技者に教示することができる。
〔10ラウンド目〕
図334中(C):この後、大当り遊技が順調に進行し、例えば、10ラウンド目に移行すると、例えば、10個の全ての○印が赤色で表示される。これにより、この10ラウンド目で出球を獲得できる全てのラウンドが終了することを遊技者に教示することができる。
ここで、時間短縮状態に移行する当選図柄に該当している場合や、時間短縮状態に移行する当選図柄に該当していなくても第2特別図柄の記憶がある場合には、図示のように、花火が打ち上げられる花火演出(ドライブモードに移行することを示唆する演出)が実行される。なお、時間短縮状態に移行する当選図柄に該当していない場合や、第2特別図柄の記憶が無い場合には、花火演出は実行されない。花火演出は、任意のラウンドで実行することができる。
〔時間短縮状態突入演出〕
図335中(D):時間短縮状態に移行する場合、大当り遊技の終了時間(エンディング時間)を利用して「ドライブモード突入!」といった文字情報が表示される演出が実行される。これにより、これから「ドライブモード」が開始されることを遊技者に教示することができる。また、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、「ドライブモード」においても右打ちで遊技が進行することを遊技者に教示することができる。
ここで、エンディング演出中には、「プリペイドカードの取り忘れに注意しましょう」といったプリペイドカードの取り忘れを喚起する報知を行ったり、「遊技に対するのめり込みに注意しましょう」といった遊技に対するめり込みを防止する報知を実行したりするようにしてもよい。
〔大当り遊技終了、時間短縮状態〕
図335中(E):大当り遊技が終了し、内部状態(遊技状態)が時間短縮状態に設定されると、滞在モードが「ドライブモード」に設定され、背景画像が、女性が乗車した自動車が大地を走行する様子を表現した画像に変更される。これにより、現在の内部状態(遊技状態)が通常状態とは異なる時間短縮状態であることを遊技者に教示することができる。
〔時短中演出〕
このように、時間短縮状態で遊技が進行している場合には、時間短縮状態(有利遊技状態)に対応させた背景画像を表示する時短中演出(有利遊技状態演出)が実行される。
〔右打ち示唆演出〕
また、画面上部では、右打ち示唆演出が実行されている。右打ち示唆演出では、液晶表示器42の画面上部に帯状の領域を設け、その帯状の領域の中に右打ちの文字情報と右向きの矢印記号とを表示している。なお、このような右打ち示唆演出は、遊技状態が時間短縮状態である場合には継続して実行される。そして、このような演出を実行することにより、遊技者に対して「右打ち」を促すことができる。
〔残り回数表示演出〕
さらに、画面左下では、残り回数表示演出が実行されている。残り回数表示演出では、液晶表示器42の画面左下に長方形形状の領域を設け、その長方形形状の領域の中にドライブモードで遊技を進行することができる残り回数を表示している。なお、図示の例では、「残り2回」の情報が表示されている。残り回数は、時間短縮状態のドライブモード又は非時間短縮状態のドライブモードで第2特別図柄が変動して停止する度に1減算される。このため、残り回数は、時間短縮状態や非時間短縮状態で第1特別図柄が変動して停止しても減算されない。
〔ドライブモード(時間短縮状態)の演出例〕
図336〜図338は、ドライブモードの演出例を示す連続図である。
図336中(A):ドライブモードでは、背景画像が、女性が乗車した自動車が大地を走行する様子を表現した画像に変更される。演出図柄の組み合わせは「7」−「7」−「7」の当選目である。これは、当選時の出目を表示している。また、画面上部では、右打ち示唆演出が実行されており、このような右打ち示唆演出は、遊技状態が時間短縮状態である場合には継続して実行される。
〔特別図柄の変動開始〕
図336中(B):第1特別図柄での初当り時には第1特別図柄の記憶が貯まっていることが多く、第2特別図柄の記憶が貯まっていないのが一般的である。図示の例では、第1特別図柄の記憶(マーカM1)が4つ貯まっている。このため、このような状況でドライブモードに突入した場合には、第1特別図柄が変動表示される。なお、第1特別図柄の記憶が貯まっていない場合には、遊技者が右打ちを実行することにより、最初に第2特別図柄の変動が実行される。そして、第1特別図柄の変動表示が開始されると、演出図柄や第4図柄Z1についても変動を開始する。ここでは、第1特別図柄に関する内部抽選において、はずれに該当したものとする。
〔第1特別図柄の変動終了〕
図336中(C):第1特別図柄がはずれの態様で停止表示されると、演出図柄及び第4図柄Z1についてもはずれの態様で停止表示される。この間に遊技者が右打ちを実行し、複数の遊技球が始動ゲート20を通過し、可変始動入賞装置28が開放して1個の遊技球が右始動入賞口28bに入球したものとする。この場合、第2特別図柄の記憶(マーカM2)が1個貯まる。
ここでは、第1特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されない。具体的には、残り回数の表示は、残り2回のままである。
図337中(D):第1特別図柄及び第2特別図柄の記憶は、入賞順に消化されるため、この後は、第1特別図柄の残りの3個の記憶が消化される。そして、第1特別図柄の残りの記憶の消化が終了すると、次は、第2特別図柄の記憶を用いて内部抽選が実行される。そして、第2特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴って演出図柄や第4図柄Z2についても変動を開始する。ここでは、第2特別図柄に関する内部抽選において、小当りに当選したものとする。
〔小当り開始、第2大入賞口開放〕
図337中(E):そして、第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、演出図柄(「5」−「2」−「6」の組み合わせ)、第4図柄Z2(緑色表示色)についても小当りの態様で停止表示される。これにより、小当り遊技が開始され、第2大入賞口31bが開放される。そうすると、女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げて画面右側に進んでいく演出が実行される。また、例えば、第2特別図柄の変動中に遊技者が右打ちを実行し、遊技球が始動ゲート20を通過し、可変始動入賞装置28が開放して1個の遊技球が右始動入賞口28bに入球したものとする。この場合、第2特別図柄の記憶(マーカM2)が1個貯まる。
ここでは、第2特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されている。具体的には、残り回数の表示は、残り1回となっている。
図337中(F):小当り遊技が開始されると、仙人のキャラクターが「右下のアタッカを狙うのじゃ」という台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して、第2可変入賞装置31に遊技球を入球させなくてはならないということを伝達することができる。なお、これ以降は、演出図柄を表示画面の右下に小さく表示することができる。
〔特定領域通過〕
図338中(G):小当り遊技により第2可変入賞装置31が開放状態に移行し、遊技球が特定領域31xを通過し、小当り時の当選図柄が第6当選図柄であったものとする。この例では、自動車に乗っている女性キャラクターが、Vの文字が描かれたハートマークを掲げ、「やったね!BIG BONUSよ!!」といったセリフを発する演出が実行される。これにより、遊技球が特定領域31xを通過したこと、及び、これから大当り遊技(BIG BONUS)が開始されることを遊技者に教示することができる。
〔小当り終了、大当り遊技開始〕
図338中(H):その後、小当り遊技が終了し、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)が閉鎖される。また、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過したことで、大当り遊技が開始されることとなる。この例では、大当り遊技特有の女性キャラクターが登場し、「BIG BONUS」といった文字情報が表示され、女性キャラクターが同様のセリフを発する演出が実行される。また、表示画面には、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、そのまま右打ちで大当り遊技が進行することを遊技者に教示することができる。
その後、上記と同様の大当り遊技中の演出が開始され、大当り遊技が進行する。例えば、第2特別図柄に関する小当り時の当選図柄が第6当選図柄に該当している場合、実質的に9ラウンド分の出球(小当り遊技を含めると10ラウンド分の出球)を獲得することができる。なお、ドライブモードにて大当り遊技が実行される場合は、ドライブモードでの当選時専用の大役中演出を実行してもよい。
図339及び図340は、非時間短縮状態でのドライブモードにおいて第2特別図柄が変動する際の演出例を示す連続図である。このような状況が発生するのは、主に時間短縮状態の最終変動で「第4当選図柄」の大当り又は「第6当選図柄」の小当りに該当して大当り遊技が実行され、かつ、第2特別図柄の記憶が蓄積されている場合である。
ここでは、第2特別図柄の記憶は1個存在しているものとする。このため、時短中演出は継続して実行されている。また、残り回数表示演出として、「残り1回」の情報が表示されている。ただし、右打ち示唆演出は実行されていない。
〔特別図柄の変動表示中〕
図339中(A):非時間短縮状態でのドライブモードで第2特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴って演出図柄や第4図柄Z2についても変動を開始する。
〔変動表示演出の継続〕
図339中(B):非時間短縮状態でのドライブモードで第2特別図柄の変動表示が継続して実行されている。また、演出図柄や第4図柄Z2についても変動を継続する。なお、ここでの状況は、時間短縮状態ではないため、始動ゲート20を通過させても可変始動入賞装置28がロング開放する確率は低い。このため、基本的には第2特別図柄の記憶を貯めることはできない。よって、このような非時間短縮状態でのドライブモードは、第2特別図柄が最大で1回変動するチャンスゾーンとなる。
〔停止表示演出〕
図339中(C):ここでは、第2特別図柄に関する内部抽選において、小当りに当選したものとする。そして、第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、演出図柄(「2」−「2」−「3」の組み合わせ)、第4図柄Z2(緑色表示色)についても小当りの態様で停止表示される。この場合、動物のキャラクターが「7の数字が表示されたマーク」を掲げる演出が実行される。なお、これ以降は、演出図柄を表示画面の右下に小さく表示することができる。
ここでは、第2特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されている。具体的には、残り回数の表示は、残り0回となっている。
〔小当り開始、第2大入賞口開放〕
図340中(D):そして、小当り遊技が開始されると、第2大入賞口31bが開放されるとともに、女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げて画面右側に進んでいく演出が実行される。この際、動物のキャラクターを置き去りにする演出が実行される。
〔特定領域通過〕
図340中(E):小当り遊技により第2可変入賞装置31が開放状態に移行し、遊技球が特定領域31xを通過し、小当り時の当選図柄が第6当選図柄であったものとする。この例では、自動車に乗っている女性キャラクターが、Vの文字が描かれたハートマークを掲げ、「やったね!BIG BONUSよ!!」といったセリフを発する演出が実行される。これにより、遊技球が特定領域31xを通過したこと、及び、これから大当り遊技(BIG BONUS)が開始されることを遊技者に教示することができる。
〔小当り終了、大当り遊技開始〕
図340中(F):その後、小当り遊技が終了し、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)が閉鎖される。また、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過したことで、大当り遊技が開始されることとなる。この例では、大当り遊技特有の女性キャラクターが登場し、「BIG BONUS」といった文字情報が表示され、女性キャラクターが同様のセリフを発する演出が実行される。また、表示画面には、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、そのまま右打ちで大当り遊技が進行することを遊技者に教示することができる。その後、上記と同様の大当り遊技中の演出が開始され、大当り遊技が進行する。そして、非時間短縮状態のドライブモードで第6当選図柄に該当して大当り遊技が実行された場合、大当り遊技の終了後には、動物モードに移行する。
図341は、ドライブモードの概要を示す図である。
第1演出例は、正常な遊技を行った場合の演出例を示しており、第2演出例は、イレギュラーな遊技を行った場合の演出例を示している。
〔第1演出例〕
図341中(A)の状態は、ドライブモードが残り2回である状態(少なくとも残り2回大当りが発生する可能性がある状態)であり、主制御装置70の遊技状態は、時間短縮状態である。
図341中(A)の状態で時短有り当りに該当すると、大当り遊技の終了後に、再度、図341中(A)の状態に移行する。
一方、図341中(A)の状態で時短無し当りに該当し、かつ、第2特別図柄の記憶が有る場合、大当り遊技の終了後に、図341中(B)の状態に移行する。
図341中(B)の状態は、ドライブモードが残り1回である状態(少なくとも残り1回大当りが発生する可能性がある状態)であり、主制御装置70の遊技状態は、非時間短縮状態(記憶消化区間)である。
図341中(B)の状態で時短有り当りに該当すると、大当り遊技の終了後に、図341中(A)の状態に移行する。
一方、図341中(B)の状態で時短無し当りに該当すると、大当り遊技の終了後に、図341中(C)の状態に移行する。
図341中(C)の状態は、動物モードであり、主制御装置70の遊技状態は、非時間短縮状態(即止め防止区間)である。動物モードは、規定回数の変動の経過により終了し、その後は通常モードに移行する。
〔第2演出例〕
図341中(D)の状態は、ドライブモードが残り2回である状態であり、主制御装置70の遊技状態は、時間短縮状態である。
図341中(D)の状態で時短無し当りに該当し、かつ、第2特別図柄の記憶が無い場合、大当り遊技の終了後に、図341中(E)の状態に移行する。
図341中(E)の状態は、動物モードであり、主制御装置70の遊技状態は、非時間短縮状態(記憶消化区間)である。ただし、この状態では、第2特別図柄の記憶が無いことから、第2特別図柄の記憶を消化することができず、いずれは、第1特別図柄の記憶を消化することになる。
〔ドライブモードの概要〕
ドライブモード(連荘状態)は、正常な遊技を行った場合、図341中(A)〜(C)のように遷移する。
時間短縮状態で時短無し当りに当選すると、大当り遊技後には、主制御装置の遊技状態は、記憶消化区間となる。この際、本実施形態では、第2特別図柄の記憶が有る場合、1/1の確率で大当り(大当り又は小当り経由の大当り)となる。なお、第2特別図柄の記憶の上限は1個である。このため、第2特別図柄の記憶が有る場合は、ドライブモードの演出を継続させている(連荘継続のように見せている;図341中(A)〜(C)参照)。
正常な遊技を行った場合には、時間短縮状態での大当り時に第2特別図柄の記憶があるため、このような状態の遷移となるが、時間短縮状態での時短無し当り時に、第2特別図柄の記憶が無い場合は、実質的にそこで連荘が終了する。
このため、本実施形態では、主制御装置の遊技状態が、記憶消化区間であっても、連荘継続ではない動物モードに移行させている(図341中(D)(E)参照)。
なお、当選時の第2特別図柄の記憶の有無は、大当り演出にも関係するため、第2特別図柄の記憶の有無の判定は、小当り又は大当りのオープニングコマンド受信時に行っている。
このため、第2特別図柄の記憶が無い状態で当選し、大当り遊技のラウンド中に、第2特別図柄の記憶が貯まった場合は、動物モードに移行させた後、記憶消化区間において、第2特別図柄の変動を行うようにしている。
図342は、記憶消化区間において第1特別図柄のはずれ変動が実行される際の演出例を示す図である。
第1演出例は、記憶消化区間において第1特別図柄のはずれ変動が実行されるが、第2特別図柄の記憶が有る場合の演出例を示している。
第2演出例は、記憶消化区間において第1特別図柄のはずれ変動が実行され、かつ、第2特別図柄の記憶が無い場合の演出例を示している。
〔第1演出例〕
図342中(A)の状態は、ドライブモードが残り1回である状態であり、主制御装置70の遊技状態は、非時間短縮状態(記憶消化区間)である。
図342中(A)の状態で、第1特別図柄のはずれ変動が実行されると、図342中(B)に示すようにリーチ演出(例えば、花火の打上げに成功するか否かの演出)が実行され、図342中(C)に示すように最終的にはずれとなる演出(例えば、花火の打上げに失敗する演出)が実行される。
〔第2演出例〕
図342中(D)の状態は、動物モードであり、主制御装置70の遊技状態は、非時間短縮状態(記憶消化区間)である。ただし、この状態では、第2特別図柄の記憶が無いことから、第2特別図柄の記憶を消化することができず、左打ちをすると、第1特別図柄が変動することになる。
この場合、第1特別図柄のはずれ変動の実行中には、図342中(E)に示すように、複数回の変動が擬似的に実行される特別な擬似変動演出が実行され、最終的にはずれとなる演出が実行される。特別な擬似変動演出では、変動時間(変動尺)に合わせて、変動開始アクションや変動停止アクションが複数回実行される。
記憶消化区間であるにも関わらず、見た目上の演出が動物モードである場合、第1特別図柄の変動については、変動時間が長い変動パターン(例えば、数十秒の変動)が設定される。
この際に、ドライブモードに移行させ、そこではずれ演出を行えば、見た目の整合性は取れるが、「ドライブモード=連荘中」という関係性があるため、遊技者が誤認する恐れがある。
そこで、本実施形態では、記憶消化区間であり、かつ、見た目上の演出が動物モードである際には、変動表示演出の内容を実行する際の抽選を切り替えて、変動開始と変動停止を変動尺分繰り返した後、はずれの態様で確定するような演出を実行することにより、見た目上の違和感が無いようにしている。
図343は、記憶消化区間で選択される第1特別図柄の変動パターンと、即止め防止区間で選択される第1特別図柄の変動パターンとの相違を示す図である。
図343中(A)に示すように、記憶消化区間の変動パターン選択テーブルでは、第1特別図柄抽選の結果がはずれである場合、選択される変動パターンとしては、長時間変動の変動パターンが選択される可能性がある。例えば、長時間変動の変動パターンは、56.0秒の変動時間を有する変動パターンである。
一方、図343中(B)に示すように、即止め防止区間の変動パターン選択テーブルでは、第1特別図柄抽選の結果がはずれである場合、選択される変動パターンとしては、第1短時間変動〜第3短時間変動の変動パターンが選択される可能性がある。例えば、第1短時間変動の変動パターンは、20.0秒の変動時間を有する変動パターンであり、第2短時間変動の変動パターンは、13.5秒の変動時間を有する変動パターンであり、第3短時間変動の変動パターンは、6.0秒の変動時間を有する変動パターンである。
そして、今回問題としている第1特別図柄のはずれ変動は、図343中(A)に示す長時間変動であり、この変動は、記憶消化区間では選択されるが、即止め防止区間では選択されない。
このため、遊技状態が、記憶消化区間であり、見た目上のモードが即止め防止区間に対応する動物モードとなっている際は、演出の整合を取るために、上述したように、特別な擬似変動演出を実行している。
図344は、通常モードにおいて実行される第1補正処理の流れを示す図である。
第1補正処理は、特別図柄の変動確定時に実行される可能性がある処理である。
図344中(A):通常モードでは、上可動体40f1が原点位置にあり、下可動体40f2も原点位置にある。
図344中(B):通常モードにおいて、演出図柄が変動表示されている。そして、ここでは、何かしらの原因(故障や不具合等)で、上可動体40f1が原点位置から可動位置に移動したものとする。
図344中(C):この場合、通常モードでは、演出図柄が停止表示された際(変動確定時)に、第1補正処理が実行される。
第1補正処理は、変動確定時に、上可動体40f1又は下可動体40f2が可動位置にある場合には、可動位置にある上可動体40f1又は下可動体40f2を原点位置に移動させる処理である。
第1補正処理が実行されることにより、図示の例では、上可動体40f1が可動位置から原点位置に移動している。
図345は、動物モードにおいて実行される第2補正処理の流れを示す図である。
第2補正処理は、特別図柄の変動開始後一定時間経過後に実行される可能性がある処理である。
図345中(A):動物モードでは、上可動体40f1が可動位置にあり、下可動体40f2も可動位置にある。
図345中(B):動物モードにおいて、演出図柄が変動表示されている。そして、ここでは、何かしらの原因(故障や不具合、デモ演出の実行、遊技記録に関する演出の実行等)で、上可動体40f1及び下可動体40f2が可動位置から原点位置に移動したものとする。
図345中(C):この場合、動物モードでは、演出図柄が停止表示された際(変動確定時)に、第1補正処理が実行されない。このため、上可動体40f1及び下可動体40f2は、原点位置に滞在したままの状態である。
図345中(D):そして、動物モードでは、演出図柄が変動開始してから一定時間経過後(変動開始後)に、第2補正処理が実行される。
第2補正処理は、変動開始後一定時間経過後に、上可動体40f1又は下可動体40f2が原点位置にある場合には、原点位置にある上可動体40f1又は下可動体40f2を可動位置に移動させる処理である。
第2補正処理が実行されることにより、図示の例では、上可動体40f1及び下可動体40f2が原点位置から可動位置に移動している。
図346は、遊技状態と発射方向に関する遊技の流れを示す図である。
以下の遊技の流れは、連荘状態が最短で終了する際の遊技の流れである。
具体的には、非時間短縮状態において「第1当選種類(時短有り)」の大当りに当選し、時間短縮状態において「第6当選種類(時短無し)」の小当りに当選し、非時間短縮状態において「第6当選種類(時短無し)」の小当りに当選する場合の遊技の流れである。
遊技状態は、No1〜No13の順番で進行する。
〔No1〕
「遊技状態」は「第1特別図柄変動」であり、「発射方向」は「左打ち」である。
遊技の開始時は、第1特別図柄を変動させて、大当りを目指す。
〔No2〕
「遊技状態」は「大当り(初当り、大当り1回目)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。ここでは、「第1当選種類(時短有り)」の大当りに当選したものとする。
〔No3〕
「遊技状態」は「時間短縮状態」であり、「発射方向」は「右打ち」である。
非時間短縮状態から時間短縮状態に遊技状態が移行すると、発射方向は、右打ちとなる。
〔No4〕
「遊技状態」は「第1特別図柄変動(ショート変動)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。初当り時に貯まっている第1特別図柄の記憶は、高速消化される。
〔No5〕
「遊技状態」は「第2特別図柄変動(時間短縮状態、記憶+1)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。第2特別図柄の変動中には、第2特別図柄の記憶を1つ貯めることができる。
〔No6〕
「遊技状態」は「第2特別図柄停止(時間短縮状態終了)」であり、「発射方向」は「左打ち」である。第2特別図柄の停止時に、遊技状態が時間短縮状態から非時間短縮状態に移行すると、発射方向は、右打ちから左打ちに切り替わる。
〔No7〕
「遊技状態」は「第1特別図柄の記憶増加」であり、「発射方向」は「左打ち」である。第1特別図柄の記憶は、最大で4個まで貯まる。
〔No8〕
「遊技状態」は「小当り経由の大当り(大当り2回目)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。小当り遊技中や大当り遊技中の発射方向は、右打ちとなる。ここでは、「第6当選種類(時短無し)」の小当りに当選したものとする。
〔No9〕
「遊技状態」は「第2特別図柄変動(非時間短縮状態)」であり、「発射方向」は「左打ち」である。ここでは、第2特別図柄の記憶を増加させることができない。
〔No10〕
「遊技状態」は「第1特別図柄の記憶増加」であり、「発射方向」は「左打ち」である。第1特別図柄の記憶は、最大で4個まで貯まる。
〔No11〕
「遊技状態」は「第2特別図柄停止」であり、「発射方向」は「左打ち」である。発射方向は、左打ちの状態が継続される。
〔No12〕
「遊技状態」は「小当り経由の大当り(大当り3回目)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。小当り遊技中や大当り遊技中の発射方向は、右打ちとなる。ここでは、「第6当選種類(時短無し)」の小当りに当選したものとする。
〔No13〕
「遊技状態」は「1セット分(3回分)の大当り終了」であり、「発射方向」は「左打ち」である。この場合、動物モードに移行する。このように、2回連続で、時短無しの当選図柄(例えば、「第6当選種類(時短無し)」)に該当すると、連荘状態は終了となる。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した変動表示演出やリーチ演出、リーチ発生前予告演出、記憶数表示演出、大役中演出、液晶表示器42を用いた演出、時短中演出、右打ち示唆演出、残り回数表示演出等は、いずれも以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
演出制御装置124は、上述したように、演出制御プロセッサ(全体制御部)としての機能と演出再生プロセッサ(個別制御部)としての機能を有しており、これらの機能が連携することにより、各デバイスの動作(液晶表示器42による画面表示、スピーカ54,55,56による音声出力、各種ランプ46〜52及び盤面ランプ53等による発光、可動体モータ57による各種可動体の動作等)を制御して、パチンコ機1での演出再生を実現させる。
そこで、説明の便宜のため、以降の説明においては、演出制御CPU126が演出制御プロセッサ(全体制御部)として機能する場合の動作主体を「演出制御部210」と称し、演出再生プロセッサ(個別制御部)として機能する場合の動作主体については、制御対象とするデバイスに応じて適宜「表示制御部220」、「音声制御部222」、「ランプ制御部224」、「可動体制御部226」又は「入力制御部228」と称する。なお、演出再生プロセッサ(個別制御部)として機能するこれらの制御部220,222,224,226,228を総括して「各個別制御部」と称する場合がある。また、演出再生に関する時間の管理を行う動作主体を「時間管理部230」又は「ACT」と称することとする。
演出制御の大まかな流れとしては、先ず、演出制御部210が、主制御装置70から送信された演出コマンドを受信すると、この内容に応じて演出の再生を指示するメッセージをRAM130内の所定の領域に出力する。演出制御部210が出力したメッセージは、時間管理部230により所定のタイミングで各個別制御部に対して送信される。これを受けて各個別制御部は、メッセージの内容に基づいて各デバイスに対し具体的な指示を行い、各デバイスの動作を制御する。このような制御の結果として、各デバイスによる演出が実行される。
なお、時間管理部230は、各個別制御部に対するメッセージの送信とともに、又は、メッセージの送信に代えて、メッセージの内容に対応付けられた演出内容の詳細が定義されている制御テーブルを起動することも可能である。制御テーブルが起動された場合には、各個別制御部は、制御テーブルの内容を解析し、その内容に基づいて各デバイスに対する具体的な指示を行うこととなる。
図347は、演出制御部210により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御部210は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs〜数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、時短中及び擬似時短中その他演出処理(ステップS402a)、システム動作処理(ステップS403)、特殊変動中演出管理処理(ステップS403a)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御部210は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御部210は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば、特図先判定演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、発射位置指定コマンド、エラー通知コマンド、大当り終了演出コマンド、変動パターン先判定コマンド、停止表示時間終了コマンド、回数切りカウンタコマンド、各種のエラーコマンド、特殊変動回数指定コマンド、大当り時のオープニングコマンド、小当り時のオープニングコマンド、設定関連終了指定コマンド等がある。
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御部210は上述した記憶数表示演出や、マーカM1を用いた先読み予告演出の実行を制御する。なお、作動記憶演出管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御部210は演出図柄や第4図柄Z1,Z2を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作時の演出内容を制御したりする。また、この処理において演出制御部210は、各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出等)の演出パターンを選択する。このように、演出図柄管理処理において、演出制御部210は、液晶表示器42に表示する演出内容(演出図柄、第4図柄Z1,Z2、マーカM1,M2、大役中演出等に関する演出内容、各種予告演出の内容)を決定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS402a:演出制御部210は、時短中及び擬似時短中その他演出処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、右打ち示唆演出及び残り回数表示演出等に関する演出内容を決定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS403:システム動作処理において、演出制御部210は、システム動作に関する処理(イニシャル処理、リトライ処理、補正処理)を実行する。なお、処理の詳細は、後述する。
ステップS403a:特殊変動中演出管理処理において、演出制御部210は、特殊変動回数指定コマンドに基づいて特殊変動中演出を実行するか否かを判断し、実行すると判断した場合にはどのような内容の特殊変動中演出を実行するかを決定する処理を実行する。なお、本処理は、演出図柄変動前処理において実行してもよい。
具体的には、演出制御部210は、短い時間(数秒程度)の特殊変動パターンが選択されている場合には、非リーチ演出(例えば、演出図柄を高速変動させる演出)を実行する演出パターンを選択し、長い時間(数十秒程度)の特殊変動パターンが選択されている場合には、リーチ演出等を実行する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS404:表示出力処理では、先ず演出制御部210が、表示制御部220に対して演出内容(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示するメッセージを出力する。これを受けて表示制御部220は、メッセージの内容に基づいてVDP152に対し具体的な描画の指示を行い、液晶表示器42による表示動作を制御する。
ステップS406:ランプ駆動処理では、先ず演出制御部210が、ランプ制御部224に対して演出内容を指示するメッセージを出力する。これを受けてランプ制御部224は、メッセージの内容に基づいてLEDドライバ198を中継しドライバIC132に対して具体的な駆動信号を出力し、各種ランプ46〜52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、先ず演出制御部210が、音声制御部222に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示するメッセージを出力する。これを受けて音声制御部222は、メッセージの内容に基づいて音声IC134に対し具体的な出力内容の指示を行い、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音(効果音、BGM等)を出力させる。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御部210はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば、先ず演出制御部210が、可動体制御部226に対して演出内容を指示するメッセージを出力する。これを受けて可動体制御部226は、メッセージの内容に基づいてSMC199に対し具体的な制御内容を指示する。これを受けてSMC199は、可動体制御部226からの指示に基づいて可動体40fの作動パターンを作成し、これに応じた制御信号をドライバICに出力して、可動体40fを駆動させる。可動体40fは可動体モータ57を駆動源として動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御部210はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される演出図柄管理処理の内容について説明する。
〔作動記憶演出管理処理〕
図348は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS700:先ず演出制御部210は、主制御CPU72から作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS700:Yes)、演出制御部210はステップS702を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS700:No)、演出制御部210はステップS702を実行しない。
ステップS702:演出制御部210は、作動記憶数増加時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、第1特別図柄に対応したマーカM1又は第2特別図柄に対応したマーカM2を表示させる演出を選択する。
ステップS704:演出制御部210は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS704:Yes)、演出制御部210はステップS706を実行する。なお、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS704:No)、演出制御部210はステップS706を実行しない。
ステップS706:演出制御部210は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は、内部抽選により消費した抽選要素に対応するマーカM1又はマーカM2を消滅させるとともに、内部抽選により消費していない残りのマーカM1,M2を左方向にスライドさせる演出を選択する。
以上の手順を終えると、演出制御部210は、演出制御処理(図347)に復帰する。
〔演出図柄管理処理〕
図349は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御部210は次に実行するべき処理(ステップS502〜ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御部210は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御部210は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御部210は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また、可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(図298中のステップS5000)が選択された場合にのみジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502〜ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御部210は演出図柄及び第4図柄Z1,Z2を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。また、この処理において、演出制御部210は各種の条件(抽選結果、当選種類(当選図柄の種類)、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(リーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御部210は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御部210は必要に応じて各個別制御部に対する指示を行う。例えば、変動表示演出の実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合には、遊技者による演出ボタンの操作の有無を入力制御部228に監視させるとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)を各個別制御部に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御部210は内部抽選の結果に応じた停止表示演出の内容を制御すべく、各個別制御部に対し指示を行う。例えば、演出制御部210は、各個別制御部に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けて、例えば表示制御部220は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御部210は小当り遊技中又は大当り中の演出内容を制御する。この処理において、演出制御部210は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容を選択する。なお、大当り遊技の終了後等に動物モードに移行する場合、演出制御部210は、上可動体40f1及び下可動体40f2を原点位置から可動位置に移動させる動作パターンを選択することができる。このような動作パターンは大当り遊技の終了時に選択してもよく、特別図柄の変動開始時に選択してもよい。
〔演出図柄変動前処理〕
次に図350は、上記の演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御部210は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御部210は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
なお、客待ち状態を表す演出には、「遊技に対するのめり込みに注意しましょう」といった遊技に対するのめり込みを防止する内容を表示するようにしてもよい。このようにすることで、適切なタイミングで簡単に、のめり込み防止に関する演出を実行することができ、遊技者の不利益を軽減することができる。
デモ演出では、遊技方法や遊技説明に関する演出を実行したり(デモムービーを表示したり)、遊技記録に関する演出(所定のコードやパスワード等を用いて遊技記録を保存することができる演出)を実行したりすることができ、この際に、演出制御部210は、上可動体40f1及び下可動体40f2が可動位置にある場合には原点位置に戻す動作パターンを選択することができる。
以上の手順を終えると、演出制御部210は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御部210はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図347中のステップS404)、ランプ駆動処理(図347中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御部210は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御部210は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御部210はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御部210は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御部210はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また、今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御部210は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御部210は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。
また、演出パターン番号を選択すると、演出制御部210は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄及び第4図柄Z1,Z2の変動スケジュール(変動時間)、停止表示の態様等を決定する。
例えば、演出制御部210は、時間短縮状態での第2特別図柄の小当り変動時には、「ドライブモード」の状態で演出図柄及び第4図柄Z2を変動させ、最終的に小当りに対応する演出図柄及び第4図柄Z2を停止表示させる演出パターンを選択する処理を実行する。
一方、演出制御部210は、非時間短縮状態での第2特別図柄の小当り変動時には、例えば「ドライブモード」を継続させた状態又は通常モードの状態で演出図柄及び第4図柄Z2を変動させ、最終的に小当りに対応する演出図柄及び第4図柄Z2を停止表示させる演出パターンを選択する処理を実行する。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、大当りに該当した場合、演出制御部210はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御部210はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御部210は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。なお、大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御部210はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御部210は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御部210は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御部210がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドに基づいて決定される。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御部210は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄及び第4図柄Z1,Z2の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」−「2」−「4」等)を決定する。なお、このようなはずれ時の演出決定手法は、大当り時も同様である。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御部210は次にステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御部210は、予告選択処理を実行する(予告演出実行手段)。この処理では、演出制御部210は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当り又は小当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は非当選時よりも高く設定されている。
ステップS616:演出制御部210は、モード演出管理処理を実行する(有利遊技状態演出実行手段)。この処理において、演出制御部210は、滞在モードに応じた背景画像を選択する処理を実行する。例えば、演出制御部210は、原則として、内部状態が非時間短縮状態である場合には、通常モードに対応する背景画像を選択する処理を実行し、内部状態が時間短縮状態である場合には、ドライブモードに対応する背景画像を選択する処理(時短中演出を選択する処理)を実行する。
ただし、演出制御部210は、例外として、内部状態が非時間短縮状態である場合であっても、時間短縮状態から非時間短縮状態に移行した際に第2特別図柄の記憶が存在している場合には、ドライブモードに対応する背景画像を選択する(有利遊技状態演出実行手段、有利遊技状態演出継続実行手段)。なお、このような例外的な処理は、後述する演出図柄停止表示中処理において実行する。
以上の手順を終えると、演出制御部210は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図349中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び停止表示演出が実行されるとともに(図柄演出実行手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。その他、ここで選択された背景(滞在)モードパターンに基づいて、各種の滞在モード演出が実行される。
〔はずれ時変動演出パターン選択処理〕
図351は、はずれ時変動演出パターン選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS620:演出制御部210は、現在の状態が記憶消化区間であるか否かを確認する。記憶消化区間とは、時間短縮状態の終了後に移行した非時間短縮状態において、第2特別図柄の記憶を消化するための区間である。記憶消化区間は、例えば、大当り遊技の終了後、第2特別図柄の1回目の変動区間、及び、第1特別図柄の1〜4回目の変動区間である。なお、記憶消化区間が終了した後には、動物モード用の即止め防止区間が設定される。
記憶消化区間と即止め防止区間は、主制御装置だけで管理してもよく、演出制御装置だけで管理してもよく、両装置で管理してもよい。例えば、記憶消化区間は、記憶消化区間滞在フラグにより管理することができる。記憶消化区間滞在フラグは、大当り遊技終了時にONに設定し、大当り遊技の終了後、第2特別図柄の1回目の変動区間が終了する際、又は、第1特別図柄の5回目の変動区間が開始する際にOFFに設定する。一方、即止め防止区間は、記憶消化区間滞在フラグをONからOFFに設定したタイミングでONに設定し、即止め防止区間がONに設定されている状態で規定回数の特別図柄の変動が終了した際にOFFに設定する。
正常に遊技を行っている場合(時間短縮状態で右打ちを継続している場合)、記憶消化区間では第2特別図柄の記憶を消化することになるが、正常に遊技を行っていない場合(時間短縮状態で右打ちを継続していない場合)、記憶消化区間では第1特別図柄の記憶を消化することもあり得る。
その結果、現在の状態が記憶消化区間であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS621を実行し、現在の状態が記憶消化区間であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS625を実行する。
ステップS621:演出制御部210は、今回の変動が第1特別図柄の変動であるか否かを確認する。
その結果、今回の変動が第1特別図柄の変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS622を実行し、今回の変動が第1特別図柄の変動であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS625を実行する。
ステップS622:演出制御部210は、第2特別図柄の記憶が無いか否かを確認する。
その結果、第2特別図柄の記憶が無いことを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS623を実行し、第2特別図柄の記憶が無いことを確認できない場合(No)、すなわち、第2特別図柄の記憶が有ることを確認した場合、演出制御部210はステップS624を実行する。
ステップS623:演出制御部210は、特別な擬似変動演出を選択する処理を実行する。特別な擬似変動演出は、変動時間に合わせて、変動開始アクションや変動停止アクションが複数回実行される演出である。
ステップS624:演出制御部210は、リーチはずれ演出を選択する処理を実行する。演出制御部210は、例えば、花火の打上げに成功するか否かの演出を実行し、最終的に、花火の打上げに失敗する演出を選択する。
ステップS625:演出制御部210は、滞在モード及び変動パターンに応じたはずれ演出を選択する処理を実行する。演出制御部210は、例えば、単なるはずれ演出を選択したり、リーチ演出を実行してはずれとする演出を選択したりする。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出図柄変動前処理(図350)に復帰する。
〔モード演出管理処理〕
図352は、モード演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS630:演出制御部210は、現在の遊技状態が時間短縮状態であるか否かを確認する。
その結果、現在の遊技状態が時間短縮状態であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS634を実行し、現在の遊技状態が時間短縮状態であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS631を実行する。
ステップS631:演出制御部210は、現在の状態が記憶消化区間であるか否かを確認する。
その結果、現在の状態が記憶消化区間であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS632を実行し、現在の状態が記憶消化区間であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS633を実行する。
ステップS632:演出制御部210は、第2特別図柄の記憶が無いか否かを確認する。
その結果、第2特別図柄の記憶が無いことを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS635を実行し、第2特別図柄の記憶が無いことを確認できない場合(No)、すなわち、第2特別図柄の記憶が有ることを確認した場合、演出制御部210はステップS634を実行する。
ステップS633:演出制御部210は、大当り遊技後の規定回数以内(例えば15回以内)の変動であるか否かを確認する。
その結果、大当り遊技後の規定回数以内の変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS635を実行し、大当り遊技後の規定回数以内の変動であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS636を実行する。
ステップS634:演出制御部210は、ドライブモード用の背景画像を選択する処理を実行する。
ステップS635:演出制御部210は、動物モード用の背景画像を選択する処理を実行する。
ステップS636:演出制御部210は、通常モード用の背景画像を選択する処理を実行する。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出図柄変動前処理(図350)に復帰する。
このような処理を実行することにより、演出制御部210は、第2特別図柄の記憶が有れば(抽選要素の記憶の状態が特別な状態であれば)、非時間短縮状態(通常状態)と時間短縮状態(有利状態)とで、共通した内容のドライブモード演出(共通演出)を実行可能とする(演出実行手段)。
また、このような処理を実行することにより、演出制御部210は、第2特別図柄の記憶が無ければ(抽選要素の記憶の状態が特別な状態でなければ)、非時間短縮状態(通常状態)と時間短縮状態(有利状態)とで、異なる内容のドライブモード演出(非共通演出)と動物モード演出(非共通演出)を実行可能とする(演出実行手段)。
〔演出図柄停止表示中処理〕
図353は、演出図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS650:演出制御部210は、内部状態が時短中(時間短縮状態)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、状態指定コマンドを確認することにより、内部状態を確認することができる。なお、内部状態は、変動パターンコマンドにより確認することもできる(以下、同様)。
その結果、内部状態が時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS652を実行し、内部状態が時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS656を実行する。
ステップS652:演出制御部210は、時短最終変動であるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、回数切りカウンタコマンドを確認することにより、時短最終変動であるか否かを確認することができる。例えば、第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値が「1」から「0」に切り替わる際の変動であれば、演出制御部210は、時短最終変動であると判断することができる。
その結果、時短最終変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS654を実行し、時短最終変動であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS666を実行する。
ステップS654:演出制御部210は、擬似時短カウンタに第2特別図柄の記憶数を設定する処理を実行する。擬似時短カウンタはRAM130に記憶されており、例えば、第2特別図柄の記憶数が「0」である場合は、擬似時短カウンタに「0」が設定され、第2特別図柄の記憶数が「1」である場合は、擬似時短カウンタに「1」が設定される。
この処理を終えると、演出制御部210はステップS666を実行する。
ステップS656:演出制御部210は、滞在背景が通常背景であるか否か、すなわち、液晶表示器42に表示している背景画像が通常モードに対応する背景画像であるか否かを確認する。
その結果、滞在背景が通常背景であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS666を実行し、滞在背景が通常背景であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS658を実行する。
ステップS658:演出制御部210は、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であるか否かを確認する。
その結果、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS660を実行し、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であることを確認できない場合(No)、すなわち、擬似時短カウンタの値が0である場合、演出制御部210はステップS664を実行する。
ステップS660:演出制御部210は、滞在背景を擬似時短背景に設定する処理を実行する。擬似時短背景は、右打ち表示がされないドライブモードの背景である。
このような処理を実行することにより、演出制御部210は、時間短縮状態(有利遊技状態)が終了して非時間短縮状態(所定の遊技状態)に移行した場合であっても、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値である場合(特別な条件が満たされている場合)は、時短中演出(有利遊技状態演出)を継続して実行することができる(有利遊技状態演出継続実行手段)。
ステップS662:演出制御部210は、擬似時短カウンタを1減算する処理を実行する。
ステップS664:演出制御部210は、滞在背景を通常背景に設定する処理を実行する。通常背景は、通常モードの背景である。
ステップS666:演出制御部210は、その他処理を実行する。その他処理においては、上述したように、演出制御部210は、内部抽選の結果に応じた態様の停止表示演出の内容を制御する。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出図柄管理処理(図349)に復帰する。
〔可変入賞装置作動時処理〕
図354は、可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS800:演出制御部210は、今回の変動の結果が大当りであったか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、抽選結果コマンドを確認し、大当り時に対応するものであるのか小当り時に対応するものであるのかを確認する。この確認の結果、今回の変動の結果が大当りであった場合(Yes)、演出制御部210は次にステップS802を実行する。一方、今回の変動の結果が大当りではなかった場合(No)、すなわち、小当りであった場合、演出制御部210は次にステップS804を実行する。
ステップS802:演出制御部210は、大当り時可変入賞装置作動時処理を実行する。この処理では、演出制御部210は大当り遊技開始時から大当り遊技終了時までの間に実行する演出パターンを選択する。
具体的には、演出制御部210は、選択した演出パターンに対応する演出内容を各個別制御部に対して指示する。これを受けて、例えば表示制御部220は、VDP152に対し、液晶表示器42に表示する大役中演出として、予めCGROM190に記憶されている大当り時の演出パターンに対応する各種の演出画像を、当選図柄に応じて読み出すよう指示する。
ステップS804:演出制御部210は、小当り時可変入賞装置作動時処理を実行する。この処理では、演出制御部210は小当り開始時から小当り終了時までの間に実行する演出パターンを選択する。
具体的には、演出制御部210は、小当り遊技の開始時に小当り遊技が開始したことを示す演出パターン及び右打ちを示唆する演出パターンを選択し、また、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過した場合には、特定領域通過時の演出パターンを選択して、これらの演出パターンに対応する演出内容を各個別制御部に対して指示する。これを受けて、例えば表示制御部220は、VDP152に対し、小当り遊技の開始時に、女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げる様子を表した演出画像及び右打ちを示唆する演出画像を読み出すよう指示し、また、特定領域通過時には、自動車に乗っている女性キャラクターがVの文字が描かれたハートマークを掲げる様子を表した演出画像を読み出すよう指示する。
以上の手順を終えると、演出制御部210は演出図柄管理処理(図349)に復帰する。
〔大当り時可変入賞装置作動時処理〕
図355は、大当り時可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS810:演出制御部210は、大当り時のオープニングコマンドを受信したか否かを確認する処理を実行する。
その結果、大当り時のオープニングコマンドを受信したことを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS811を実行し、大当り時のオープニングコマンドを受信したことを確認できない場合(No)、演出制御部210は、可変入賞装置作動時処理(図354)に復帰する。
ステップS811:演出制御部210は、第2特別図柄の記憶が無いか否かを確認する。
その結果、第2特別図柄の記憶が無いことを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS812を実行し、第2特別図柄の記憶が無いことを確認できない場合(No)、すなわち、第2特別図柄の記憶が有ることを確認した場合、演出制御部210はステップS814を実行する。
ステップS812:演出制御部210は、今回の大当りが時間短縮状態に移行する当選図柄であるか否かを確認する。
その結果、今回の大当りが時間短縮状態に移行する当選図柄であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS814実行し、今回の大当りが時間短縮状態に移行する当選図柄であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS813を実行する。
ステップS813:演出制御部210は、第1選択テーブルから大当り演出を選択する処理を実行する。第1選択テーブルに含まれている大当り演出は、花火演出(ドライブモードに移行することを示唆する演出)を含まない大当り演出である。
ステップS814:演出制御部210は、第2選択テーブルから大当り演出を選択する処理を実行する。第2選択テーブルに含まれている大当り演出は、花火演出を含む大当り演出である。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出図柄変動前処理(図350)に復帰する。
〔小当り時可変入賞装置作動時処理〕
図356は、小当り時可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS820:演出制御部210は、小当り時のオープニングコマンドを受信したか否かを確認する処理を実行する。
その結果、小当り時のオープニングコマンドを受信したことを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS821を実行し、小当り時のオープニングコマンドを受信したことを確認できない場合(No)、演出制御部210は、可変入賞装置作動時処理(図354)に復帰する。
ステップS821:演出制御部210は、第2特別図柄の記憶が無いか否かを確認する。
その結果、第2特別図柄の記憶が無いことを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS822を実行し、第2特別図柄の記憶が無いことを確認できない場合(No)、すなわち、第2特別図柄の記憶が有ることを確認した場合、演出制御部210はステップS824を実行する。
ステップS822:演出制御部210は、今回の小当りが時間短縮状態に移行する大当りに繋がる当選図柄であるか否かを確認する。
その結果、今回の小当りが時間短縮状態に移行する大当りに繋がる当選図柄であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS824実行し、今回の小当りが時間短縮状態に移行する大当りに繋がる当選図柄であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS823を実行する。
ステップS823:演出制御部210は、第3選択テーブルから大当り演出を選択する処理を実行する。第3選択テーブルに含まれている小当り演出は、ドライブモードに移行することを示唆する演出を含まない小当り演出である。
ステップS824:演出制御部210は、第4選択テーブルから大当り演出を選択する処理を実行する。第4選択テーブルに含まれている小当り演出は、ドライブモードに移行することを示唆する演出を含む小当り演出である。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出図柄変動前処理(図350)に復帰する。
〔時短中及び擬似時短中その他演出処理〕
図357は、時短中及び擬似時短中その他演出処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ここで、時短中(時短)とは、時間短縮状態であり、擬似時短中(擬似時短)とは、非時間短縮状態において時短中の背景画像を表示している状態(非時間短縮状態でのドライブモード)である。
ステップS850:演出制御部210は、内部状態が時短中(時間短縮状態)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、状態指定コマンドを確認することにより、内部状態を確認することができる。
その結果、内部状態が時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS852及びステップS854を実行し、内部状態が時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS856を実行する。
ステップS852:演出制御部210は、残りの時短回数に基づく残り回数表示処理を実行する。具体的には、演出制御部210はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、回数切りカウンタコマンドを確認し、第2回数切りカウンタ値に「1」を加えた値を残り回数として表示する演出パターンを選択する処理を実行する。これにより、時短中においては、残り回数表示演出の残り回数として「残り2回」又は「残り1回」の値が表示される。
ステップS854:演出制御部210は、右打ち示唆演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御部210は液晶表示器42の画面上部で右打ち示唆演出に対応する画像を表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS855:演出制御部210は、右打ち強調演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御部210は、右打ち強調演出を実行する必要が発生した場合、例えば、時間短縮状態に移行したにも関わらず、遊技者が左打ちを継続している場合(特に、第1特別図柄の5変動目又は10変動目)、液晶表示器42の画面上部で右打ちを強調する演出に対応する画像を表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS856:演出制御部210は、内部状態が擬似時短中であるか否かを確認する。演出制御部210は、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値である場合に、擬似時短中であると判断することができる。
その結果、内部状態が擬似時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS858を実行し、内部状態が擬似時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御部210は演出制御処理(図347)に復帰する。
ステップS858:演出制御部210は、擬似時短カウンタに基づく残り回数表示処理を実行する。具体的には、演出制御部210は擬似時短カウンタの値を残り回数として表示する演出パターンを選択する処理を実行する。これにより、擬似時短中においては、残り回数表示演出の残り回数として「残り1回(ラスト)」の値が表示される。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出制御処理(図347)に復帰する。
〔システム動作処理〕
図358は、システム動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS902:演出制御部210は、イニシャル処理を実行する。イニシャル処理は、電源投入時に1回だけ実行することができる。演出制御部210は、イニシャル処理において、全ての可動体を一通り動作させ、各可動体が正常に動作するか否かを確認する。
全ての可動体には、原点位置と可動位置にセンサが配置されている。
演出制御部210は、所定の可動体について原点位置のセンサで検出した後に、原点位置から可動位置に可動体を可動させ、可動位置のセンサで検出した後に、可動位置から原点位置に可動体を可動させ、最終的に、原点位置のセンサで検出できれば、可動体が正常に動作すると判断することができる。
なお、可動体によっては、原点位置と可動位置との間の位置にさらに別のセンサを配置してもよく、原点位置のみ、又は、可動位置のみにセンサを配置するようにしてもよい。
ステップS904:演出制御部210は、リトライ処理を実行する。リトライ処理は、可動体の動作後に実行することができる。例えば、所定の可動体を可動位置に移動させる動作を実行した場合、その後に可動体を原点位置に戻す動作を実行するが、可動体を原点位置に戻した際に原点位置にあるセンサで可動体を検出できない場合には、可動体を再度可動させるリトライ動作を実行する。演出制御部210は、リトライ処理において、可動体が正しい位置に戻ってきていない場合に、対象となる可動体を再度可動させ、正しい位置に戻ってきているか否かを確認する。
ステップS906:演出制御部210は、補正処理を実行する。補正処理は、規定の契機が発生した場合に実行する。演出制御部210は、補正処理において、可動体が正しい位置にない場合に、対象となる可動体を可動させ、正しい位置に移動させる処理を実行する。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、演出制御処理(図347)に復帰する。
〔補正処理〕
図359は、補正処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS910:演出制御部210は、現在の遊技状態が変動確定時であるか否かを確認する。変動確定時であるか否かは、図柄停止コマンドを受信してから停止表示時間終了コマンドを受信するまでの期間とすることができる。
その結果、現在の遊技状態が変動確定時であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS911を実行し、現在の遊技状態が変動確定時であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS912を実行する。
ステップS911:演出制御部210は、現在のモードが動物モードであるか否かを確認する。動物モードであるか否かは、動物モード用の背景画像を選択しているか否かにより確認することができる。
その結果、現在のモードが動物モードであることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS914を実行し、現在のモードが動物モードであることを確認できない場合(No)、演出制御部210はステップS915を実行する。
ステップS912:演出制御部210は、現在の遊技状態が変動開始後一定時間経過後(例えば、変動開始後45フレーム(1.5秒)経過後)の状態であるか否かを確認する。変動開始後一定時間経過後の状態であるか否かは、変動開始時からの経過時間をカウント(計時)することにより確認することができる。
その結果、現在の遊技状態が変動開始後一定時間経過後の状態であることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS913を実行し、現在の遊技状態が変動開始後一定時間経過後の状態であることを確認できない場合(No)、演出制御部210はシステム動作処理(図358)に復帰する。
ステップS913:演出制御部210は、現在のモードが動物モードであるか否かを確認する。動物モードであるか否かは、動物モード用の背景画像を選択しているか否かにより確認することができる。
その結果、現在のモードが動物モードであることを確認した場合(Yes)、演出制御部210はステップS916を実行し、現在のモードが動物モードであることを確認できない場合(No)、演出制御部210はシステム動作処理(図358)に復帰する。
ステップS914:演出制御部210は、一部の可動体の動作を制限した第1補正テーブルに基づいて第1補正処理を実行する。
具体的には、演出制御部210は、後述する第1補正テーブルの「No.1〜No.3」の動作を制限した第1補正テーブル、すなわち、第1補正テーブルの「No.1〜No.3」の動作を実行せず(無視しており)、第1補正テーブルの「No.4〜No.7」の動作しか実行しない第1補正テーブルに基づいて第1補正処理を実行する。
ステップS915:演出制御部210は、第1補正テーブルに基づいて第1補正処理を実行する。
具体的には、演出制御部210は、後述する第1補正テーブルの「No.1〜No.7」の動作を実行可能な第1補正テーブルに基づいて第1補正処理を実行する。
第1補正処理を実行する場合、演出制御部210は、可動体制御部226に対して第1補正処理用のメッセージ(第1補正メッセージ)を送信し、可動体制御部226は受信したメッセージに基づいて可動体の位置を補正する。
ステップS916:演出制御部210は、第2補正テーブルに基づいて第2補正処理を実行する。
具体的には、演出制御部210は、後述する第2補正テーブルの「No.1〜No.3」の動作を実行可能な第2補正テーブルに基づいて第2補正処理を実行する。
第2補正処理を実行する場合、演出制御部210は、可動体制御部226に対して第2補正処理用のメッセージ(第2補正メッセージ)を送信し、可動体制御部226は受信したメッセージに基づいて可動体の位置を補正する。
そして、以上の処理を終えると、演出制御部210は、システム動作処理(図358)に復帰する。
このような処理を実行することにより、演出制御部210は、フォトセンサからの信号(検出手段の検出結果)に基づいて、上可動体40f1又は下可動体40f2が所定位置又は特定位置のうち予め定められた規定位置(正しい位置)に配置されているか否かの判断処理(第1補正テーブル又は第2補正テーブルを参照した判断処理)を実行し、上可動体40f1又は下可動体40f2が原点位置又は可動位置に配置されていないと判断した場合、上可動体40f1又は下可動体40f2を原点位置又は可動位置に移動させる移動処理として、第1補正テーブルを用いた第1移動処理又は第2補正テーブルを用いた第2移動処理を実行可能とする(可動体制御手段)。
第1移動処理は、全ての可動体又は特定の可動体以外の可動体(左可動体40f3、右可動体40f4、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、及び、中前上可動体40f7、中後可動体40f8)を第1位置(位置A、初期位置)に移動可能な処理である。
第2移動処理は、複数の可動体のうち特定の可動体(上可動体40f1又は下可動体40f2)を第2位置(位置B、可動位置)に移動可能な処理である。
また、演出制御部210は、特別図柄の変動表示の開始から特別図柄の停止表示の終了までの間に、互いに異なる各判断契機に基づいて第1移動処理又は第2移動処理をそれぞれ実行可能とする(可動体制御手段)。第1移動処理を実行するか第2移動処理を実行するかについての判断処理は、複数回実行される。なお、本実施形態では、複数回は2回であるが、3回以上であってもよい。
さらに、このような処理を実行することにより、演出制御部210は、通常モード(第1状態)である場合、判断処理として、上可動体40f1又は下可動体40f2が原点位置に配置されているか否かの第1判断処理(第1補正テーブルを参照した判断処理)を実行し、上可動体40f1又は下可動体40f2が原点位置に配置されていないと判断した場合、移動処理として、上可動体40f1又は下可動体40f2を原点位置に移動させる第1移動処理(第1補正テーブルを用いた移動処理)を実行可能である(可動体制御手段)。
さらにまた、このような処理を実行することにより、演出制御部210は、動物モード(第2状態)である場合、判断処理として、上可動体40f1又は下可動体40f2が可動位置に配置されているか否かの第2判断処理(第2補正テーブルを参照した判断処理)を実行し、上可動体40f1又は下可動体40f2が可動位置に配置されていないと判断した場合、移動処理として、上可動体40f1又は下可動体40f2を可動位置に移動させる第2移動処理(第2補正テーブルを用いた移動処理)を実行可能である(可動体制御手段)。
このような処理を実行することにより、演出制御部210は、特別図柄の変動が1回実行される際の特別図柄の変動時間の開始から特別図柄の停止表示時間の終了までの期間に、通常モード(第1状態)において上可動体40f1又は下可動体40f2が原点位置(第1位置)に配置されていない場合に上可動体40f1又は下可動体40f2を原点位置に移動させる第1補正処理、及び、動物モード(第2状態)において上可動体40f1又は下可動体40f2が可動位置(第2位置)に配置されていない場合に上可動体40f1又は下可動体40f2を可動位置に移動させる第2補正処理を実行可能である(可動体制御手段)。
また、このような処理を実行することにより、演出制御部210は、通常モード(第1状態)である場合、複数の可動体の各可動体に実行させる動作を規定した第1補正テーブル(第1テーブル)に基づいて、第1補正処理(第1移動処理)を実行可能であり、動物モード(第2状態)である場合、複数の可動体のうち上可動体40f1又は下可動体40f2の動作を制限した第1補正テーブルに基づいて、第1補正処理(第1移動処理)を実行可能であり、かつ、第1補正テーブルにおいて動作を制限した上可動体40f1又は下可動体40f2の動作を対象にした第2補正テーブル(第2テーブル)に基づいて、第2補正処理(第2移動処理)を実行可能である。
また、このような処理を実行することにより、演出制御部210は、所定態様に係る予め定められた第1位置(位置A、初期位置)に、上可動体40f1又は下可動体40f2等を移動可能な第1補正処理(第1移動処理)を実行可能とする(第1移動処理実行手段)。
さらに、このような処理を実行することにより、演出制御部210は、特定態様に係る予め定められた第2位置(位置B、可動位置)に、上可動体40f1又は下可動体40f2等を移動可能な第2補正処理(第2移動処理)を実行可能とする(第2移動処理実行手段)。
このような処理を実行することにより、演出制御部210は、フォトセンサからの信号(検出手段の検出結果)に基づいて、上可動体40f1又は下可動体40fが所定位置にあるか否かの判断処理を実行し、上可動体40f1又は下可動体40fが所定位置にないと判断した場合、上可動体40f1又は下可動体40fを所定位置に移動させる補正処理(移動処理)を実行可能とする(可動体制御手段)。
また、演出制御部210は、フォトセンサからの信号(検出手段の検出結果)に基づいて、上可動体40f1又は下可動体40fが第1位置又は第2位置に基づく所定位置にあるか否かの判断処理を実行し、上可動体40f1又は下可動体40fが所定位置にないと判断した場合、互いに異なる判断契機に基づいて第1補正処理又は第2補正処理を実行可能とする(可動体制御手段)。
そして、このような判断処理は、特別図柄の変動表示の開始から特別図柄の停止表示の終了までの間に、互いに異なる判断契機に基づいて複数回実行可能とされる。複数回の判断契機は、変動開始時と変動停止時との2回であるが、3回以上であってもよい。
図360は、モータと可動体との関係を示す図である。
図中のモータは、可動体モータ57として存在している複数のモータに含まれている。
〔No.1〕
上可動体昇降モータ57aは、上可動体40f1を昇降させるためのモータである。
上可動体40f1(特定の可動体)は、原点位置(第1位置、液晶表示器42の上方側に配置された位置)から可動位置(第2位置、液晶表示器42の中央側に移動して配置された位置)まで可動可能であり、通常モード(第1状態)では原点位置にあり、動物モード(第2状態)では可動位置にある。
〔No.2〕
下可動体昇降モータ57bは、下可動体40f2を昇降させるためのモータである。
下可動体40f2(特定の可動体)は、原点位置(第1位置、液晶表示器42の下方側に配置された位置)から可動位置(第2位置、液晶表示器42の中央側に移動して配置された位置)まで可動可能であり、通常モード(第1状態)では原点位置にあり、動物モード(第2状態)では可動位置にある。
〔No.3〕
左可動体モータ57cは、左可動体40f3を左右方向に可動させるためのモータである。
左可動体40f3は、原点位置(液晶表示器42の左側に配置された位置)から可動位置(液晶表示器42の中央側に移動して配置された位置)まで可動可能であり、左可動体40f3を用いた演出を実行しない場合には原点位置にあり、左可動体40f3を用いた演出を実行する場合には可動位置にある。
〔No.4〕
右可動体モータ57dは、右可動体40f4を左右方向に可動させるためのモータである。
右可動体40f4は、原点位置(液晶表示器42の右側に配置された位置)から可動位置(液晶表示器42の中央側に移動して配置された位置)まで可動可能であり、右可動体40f4を用いた演出を実行しない場合には原点位置にあり、右可動体40f4を用いた演出を実行する場合には可動位置にある。
〔No.5〕
中前右可動体回転モータ57eは、中前右可動体40f5を回転させるためのモータである。
中前右可動体40f5は、液晶表示器42の中央付近への移動中又は液晶表示器42の中央付近に移動した状態で回転可能である。
〔No.6〕
中前左可動体回転モータ57fは、中前左可動体40f6を回転させるためのモータである。
中前左可動体40f6は、液晶表示器42の中央付近への移動中又は液晶表示器42の中央付近に移動した状態で回転可能である。
〔No.7〕
中前上可動体回転モータ57gは、中前上可動体40f7を回転させるためのモータである。
中前上可動体40f7は、液晶表示器42の中央付近への移動中又は液晶表示器42の中央付近に移動した状態で回転可能である。
〔No.8〕
中前右可動体昇降モータ57hは、中前右可動体40f5を昇降させるためのモータである。
中前右可動体40f5は、原点位置(中後可動体40f8と前後方向で重なる位置)から可動位置(中後可動体40f8と前後方向で重ならない位置)まで可動可能であり、中前右可動体40f5を用いた演出を実行しない場合には原点位置にあり、中前右可動体40f5を用いた演出を実行する場合には可動位置にある。
〔No.9〕
中前左可動体昇降モータ57iは、中前左可動体40f6を昇降させるためのモータである。
中前左可動体40f6は、原点位置(中後可動体40f8と前後方向で重なる位置)から可動位置(中後可動体40f8と前後方向で重ならない位置)まで可動可能であり、中前左可動体40f6を用いた演出を実行しない場合には原点位置にあり、中前左可動体40f6を用いた演出を実行する場合には可動位置にある。
〔No.10〕
中前上可動体昇降モータ57jは、中前上可動体40f7を昇降させるためのモータである。
中前上可動体40f7は、原点位置(中後可動体40f8と前後方向で重なる位置)から可動位置(中後可動体40f8と前後方向で重ならない位置)まで可動可能であり、中前上可動体40f7を用いた演出を実行しない場合には原点位置にあり、中前上可動体40f7を用いた演出を実行する場合には可動位置にある。
〔No.11〕
中後可動体回転モータ57kは、中後可動体40f8を回転させるためのモータである。
中後可動体40f8は、原点位置から可動位置(原点位置から240度程度回転した位置)まで可動可能であり、中後可動体40f8を用いた演出を実行しない場合には原点位置にあり、中後可動体40f8を用いた演出を実行する場合には可動位置にある。
図361は、本実施形態の変動確定時に実行する第1補正処理において参照する第1補正テーブルを示す図である。
本テーブルは、補正処理(図359)のステップS914及びステップS915において参照される。
〔No.1〕
「ハート役物」が「○」であり、「上可動体」が「×」であり、「下可動体」が「○」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「○」である場合、「上可動体補正」の動作パターンが選択される。「上可動体補正」の動作パターンは、上可動体40f1を可動位置から原点位置に移動させるパターンである。
〔No.2〕
「ハート役物」が「○」であり、「上可動体」が「○」であり、「下可動体」が「×」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「○」である場合、「下可動体補正」の動作パターンが選択される。「下可動体補正」の動作パターンは、下可動体40f2を可動位置から原点位置に移動させるパターンである。
〔No.3〕
「ハート役物」が「○」であり、「上可動体」が「×」であり、「下可動体」が「×」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「○」である場合、「上下可動体補正」の動作パターンが選択される。「上下可動体補正」の動作パターンは、上可動体40f1及び下可動体40f2を可動位置から原点位置に移動させるパターンである。
〔No.4〕
「ハート役物」が「○」であり、「上可動体」が「○」であり、「下可動体」が「○」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「×」である場合、「左右可動体補正」の動作パターンが選択される。「左右可動体補正」の動作パターンは、左可動体40f3及び右可動体40f4を可動位置から原点位置に移動させるパターンである。
〔No.5〕
「ハート役物」が「○」であり、「上可動体」が「×」であり、「下可動体」が「×」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「×」である場合、「上下左右可動体補正」の動作パターンが選択される。「上下左右可動体補正」の動作パターンは、上可動体40f1、下可動体40f2、左可動体40f3及び右可動体40f4を可動位置から原点位置に移動させるパターンである。
〔No.6〕
「ハート役物」が「×」であり、「上可動体」が「○」であり、「下可動体」が「○」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「○」である場合、「ハート役物補正」の動作パターンが選択される。「ハート役物補正」の動作パターンは、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8を可動位置から原点位置に移動させるパターンである。
〔No.7〕
「ハート役物」が「−」であり、「上可動体」が「−」であり、「下可動体」が「−」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「−」である場合、「全可動体補正」の動作パターンが選択される。「全可動体補正」の動作パターンは、上可動体40f1、下可動体40f2、左可動体40f3、右可動体40f4、中前右可動体40f5、中前左可動体40f6、中前上可動体40f7及び中後可動体40f8を可動位置から原点位置に移動させるパターンである。
〔システム動作について〕
前提として、システム動作は、イニシャル処理、リトライ処理、補正処理の動作があり、それぞれ動作テーブルを作成してそれぞれの処理を実行する。
補正処理を例にあげると、本図に示すように、それぞれの可動体センサの状況によって、動作を切り替える仕組みとなっている。
ここで、各可動体の原点位置のセンサで可動体を検出できている場合は「○」とし、原点位置のセンサで可動体を検出できていない場合は「×」としている。なお、「−」は、No.1〜6には該当しないが複数の可動体が「×」である状態を示している。
また、「ハート役物」は、図360のNo.5〜11の可動体としている。「ハート役物」が「×」の場合とは、図360のNo.5〜11の可動体の1つでも、原点位置のセンサで可動体を検出できていない状態である。
ここでは、No.1を例として説明する。
No.1の状態は、上可動体40f1のみ原点位置のセンサで検出できていない状況である。この場合、上可動体40f1を補正する(正しい位置に移動させる)動作パターン(上可動体補正)が選択される。「上可動体補正」の動作パターンが選択されると、上可動体40f1を原点位置に移動させる処理が実行される。
図362は、本実施形態の変動開始後所定時間経過後に実行する第2補正処理において参照する第2補正テーブルを示す図である。
本テーブルは、補正処理(図359)のステップS916において参照される。
〔No.1〕
「ハート役物」が「○」であり、「上可動体」が「×」であり、「下可動体」が「○」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「○」である場合、「下可動体特別補正」の動作パターンが選択される。「下可動体特別補正」の動作パターンは、下可動体40f2を原点位置から可動位置に移動させるパターンである。
〔No.2〕
「ハート役物」が「○」であり、「上可動体」が「○」であり、「下可動体」が「×」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「○」である場合、「上可動体特別補正」の動作パターンが選択される。「上可動体特別補正」の動作パターンは、上可動体40f1を原点位置から可動位置に移動させるパターンである。
〔No.3〕
「ハート役物」が「○」であり、「上可動体」が「○」であり、「下可動体」が「○」であり、「左可動体」及び「右可動体」が「○」である場合、「上下可動体特別補正」の動作パターンが選択される。「上下可動体特別補正」の動作パターンは、上可動体40f1及び下可動体40f2を原点位置から可動位置に移動させるパターンである。
ここでは、No.1を例として説明する。
No.1の状態では、上可動体40f1のみ原点位置のセンサで検出できていない状況である。また、No.1の状態では、下可動体40f2が原点位置のセンサで検出できている状況である。
動物モードでは、上可動体40f1及び下可動体40f2を可動位置に移動させる必要があるため、ここでは、下可動体40f2を補正する(正しい位置に移動させる)動作パターン(下可動体特別補正)が選択される。「下可動体特別補正」の動作パターンが選択されると、下可動体40f2を可動位置に移動させる処理が実行される。
図363は、比較例の変動確定時に実行する補正処理において参照する補正テーブルを示す図である。
〔No.1〕〜〔No.7〕は、第1補正テーブルの動作(図361)と同様である。
〔No.8〕〜〔No.14〕は、〔No.1〕〜〔No.7〕の動作と同様であるが、その後に、「動物モード位置形成」の動作を実行するようになっている。
本実施形態では、可動体の原点位置が2パターンあり、これを比較例の補正テーブルで対応しようとすると、2倍の動作パターンを用意する必要がある。
具体的には、ステージ情報という追加情報によって、さらにテーブルを分ける必要があり、データ数が多くなり、管理がしにくくなる。
このため、本実施形態では、補正処理(補正動作)の実行タイミングを2つ設けることにより、データ数の削減を行っている。
〔実現手段〕
(A)本実施形態の第1補正処理では、図361に記載したテーブルを用いる。
(B)補正処理の実行タイミングを2つ設けることで、データ数を単純に増やすことを抑える。
1つ目の第1補正処理の実行タイミングは、変動確定時である。
これにより、原則として、各可動体を通常モードの位置に戻すことができる。なお、ここでは、図361に記載したテーブルを用いる。
2つ目の第2補正処理の実行タイミングは、変動開始後一定時間経過後(変動開始後45フレーム経過後)である。
動物モードの変動開始時のみ、第2補正処理用の(補正タイミング2用の)メッセージを送信し、そのタイミングで上可動体40f1や下可動体40f2が出現していなかった場合は、上可動体40f1や下可動体40f2を出現させる。
第2補正処理の実行タイミングを変動開始後45フレーム経過後(約1.5秒後)としている理由は、本実施形態の上可動体40f1や下可動体40f2が可動位置から原点位置に戻る時間が30F程度(約1.0秒)かかり、戻り動作中に出現動作を行わないようにするための時間を確保するためである。
図364は、連荘状態即終了対策の特殊変動パターンの遷移例を示す図である。
図中(A)は、発射方向の遷移に従わずに遊技を行った場合の特殊変動パターンの遷移例を示している。
例えば、時間短縮状態が終了して非時間短縮状態に移行し、その非時間短縮状態において第2特別図柄の記憶を消化している場合(左打ち状態中)に、特別図柄の記憶を1個も貯めず、第2特別図柄の記憶で小当り又は大当りとなり、その大当り遊技の終了に時間短縮状態に移行した場合、すなわち、第2特別図柄の記憶消化中に遊技球の発射を止めていた場合、特殊変動テーブルの遷移は、以下のようになる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「1変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルD(第2特別図柄)」が選択される。なお、ここで選択されるテーブルは、「変動パターンテーブルE(第2特別図柄)」であってもよい。
具体的には、大当り遊技終了後の1変動目は、第2特別図柄の記憶消化後の第2特別図柄の変動(変動時間は120秒)となる。液晶表示器42では、例えば、第2特別図柄専用のリーチ変動(リーチ演出)を実行することができる。
図中(B)は、発射方向の遷移に従って遊技を行った場合の特殊変動パターンの遷移例を示している。
例えば、時間短縮状態が終了して非時間短縮状態に移行し、その非時間短縮状態において第2特別図柄の記憶を消化している場合(左打ち状態中)に、特別図柄の記憶を4個貯め、第2特別図柄の記憶で小当り又は大当りとなり、その大当り遊技の終了に時間短縮状態に移行した場合、すなわち、第2特別図柄の記憶消化中に左打ちをして第1特別図柄の記憶を4個貯めていた場合、特殊変動テーブルの遷移は、以下のようになる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「1〜4変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルD(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の1〜4変動目は、第2特別図柄の記憶消化後の第1特別図柄の変動(変動時間は90〜120秒程度)となる。液晶表示器42では、例えば、第1特別図柄専用のリーチ変動を実行することができる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「5変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルD(第2特別図柄)」が選択される。なお、ここで選択されるテーブルは、「変動パターンテーブルE(第2特別図柄)」であってもよい。
具体的には、大当り遊技終了後の5変動目は、第2特別図柄の記憶消化後の第2特別図柄の変動(変動時間は120秒)となる。液晶表示器42では、例えば、第2特別図柄専用のリーチ変動を実行することができる。
図中(B)に示す打ち方を実行することにより、連荘状態即終了(連荘状態がすぐに終了してしまう状況)を回避することができる。
図365は、イレギュラー打ちを考慮した特殊変動パターンの遷移例を示す図である。
図中(A)は、発射方向に従って遊技を行った場合の特殊変動パターンの遷移例を示している。
例えば、初当り前に第1特別図柄の記憶が4個貯まっている状態で、大当り遊技終了後の時間短縮状態で右打ちを継続した場合、すなわち、第1特別図柄の記憶が全て消化され、第2特別図柄の記憶を貯めた場合、特殊変動テーブルの遷移は、以下のようになる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「1〜4変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルC(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の1〜4変動目は、初当り後の第1特別図柄の残りの記憶を消化するための短変動(変動時間は1.0秒)となる。液晶表示器42では、例えば、演出図柄を高速で変動させることができる。この場合、リーチ演出は実行しない。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「5変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルC(第2特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の5変動目(初当り後の第2特別図柄の1変動目)は、長変動(変動時間は120秒)となる。
図中(B)は、発射方向に従わずに遊技を行った場合の特殊変動パターンの遷移例を示している。
例えば、初当り前に第1特別図柄の記憶が4個貯まっている状態で、大当り遊技終了後の時間短縮状態で右打ち中であるにも関わらず、左打ちを継続した場合、すなわち、第1特別図柄の記憶が全て消化され、さらに第1特別図柄の記憶を貯め続けて時間短縮状態が終了(パンク)する場合、特殊変動テーブルの遷移は、以下のようになる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「1〜4変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルC(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の1〜4変動目は、初当り後の第1特別図柄の残りの記憶を消化するための短変動(変動時間は1.0秒)となる。液晶表示器42では、例えば、演出図柄を高速で変動させることができる。この場合、リーチ演出は実行しない。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「5変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルG(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、初当り後の第1特別図柄の5変動目は、長変動(変動時間は13.5秒)となる。液晶表示器42では、例えば、可変始動入賞装置28(電チュー)に遊技球を入賞させるように促す演出(右打ちを促す演出)を実行することができる(1回目)。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「6〜9変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルC(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の6〜9変動目は、初当り後の第1特別図柄の追加された残りの記憶を消化するための短変動(変動時間は1.0秒)となる。液晶表示器42では、例えば、演出図柄を高速で変動させることができる。この場合、リーチ演出は実行しない。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「10変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルG(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、初当り後の第1特別図柄の10変動目は、長変動(変動時間は13.5秒)となる。液晶表示器42では、例えば、可変始動入賞装置28(電チュー)に遊技球を入賞させるように促す演出(右打ちを促す演出)を実行することができる(2回目)。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「11変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルA(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、初当り後の第1特別図柄の11変動目は、変動パターンテーブルAに含まれる変動パターンに基づく変動となる。なお、時短終了(パンク)後は、通常状態(非時間短縮状態、通常モード)へ移行する。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)本実施形態によれば、1回の特別図柄の変動遊技(特別図柄の変動表示の開始から特別図柄の停止表示の終了までの間)において、上可動体40f1又は下可動体40f2が正しい位置に配置されているか否かの判断処理を複数回実行可能とするため、1回の特別図柄の変動遊技において、通常状態(初期設定)中の特定態様に係る特定位置(例えば、図柄変動の開始時の非演出位置)に可動体を一義的に配置補正してから、特定状態(動物モード)中の所定態様に係る所定位置に配置補正させる1回の補正処理しか実行しない方式と比較して正常な遊技を提供する(処理ミスを抑制する)ことができるだけでなく、互いに異なる各判断契機(例えば、1回の図柄変動内の序盤と終盤)に応じた補正処理の専門性を向上させたり、1回の図柄変動内の判断契機となるときの判断処理で用いるデータ量を軽減可能とさせたりすることができ(遊技状態の種別変化に対応可能な判断処理の汎用化を図ることができ)、結果として、斬新な遊技機を提供することができる。
(2)本実施形態によれば、特別図柄の変動表示の開始から特別図柄の停止表示の終了までの間に、互いに異なる各判断契機に基づいて第1補正処理(第1移動処理)又は第2補正処理(第2移動処理)をそれぞれ実行可能とするため、判断状況に応じた補正処理を効率よく実行することができる。
(3)本実施形態によれば、通常モード(第1状態)であるか動物モード(第2状態)であるかによって、補正処理に関する処理である判断処理や移動処理の内容を異ならせることができるため、それぞれの状態に即した判断処理や移動処理を実行することができる。
(4)本実施形態によれば、通常モード(第1状態)であっても動物モード(第2状態)であっても、第1補正テーブルは共通して用いられるテーブルであるため、テーブルの共通化によりデータ量を削減することができる。
(5)本実施形態では、初当り時に時短に移行しなかった場合や時短抜け後は、動物モードに移行する。動物モードでは、上可動体40f1と下可動体40f2が出現し、特別図柄の複数の変動に跨って上可動体40f1と下可動体40f2が出現したままとなってステージを形成する。
〔問題点〕
可動体が複数ある場合、システム動作(イニシャル処理、補正処理、リトライ処理)の全ての動作パターンを用意すると、可動体データ数(動作パターンのデータ数)が増えてしまい、管理が難しくなる。
そこで、本実施形態では、補正処理を実行するタイミングを2つ設けている(変動確定時、及び、動物モードの変動開始後一定時間経過後)。
そして、通常モードでは、原点位置(基本ステージの位置)に戻る動作パターンによる第1補正処理を実行し、動物モードでは、補正動作の終了時間に相当する変動開始後45フレーム経過後に、上可動体と下可動体を出現させる動作パターンによる第2補正処理を実行する(可動体レイアウト形成用の第2補正メッセージを送信する)。
これにより、データ数が少なくなるので、管理がしやすくなる。
また、本実施形態では、動物モード中の客待ちデモ突入時(デモ演出の実行時)や、遊技記録に関する演出の実行時、遊技環境変更演出の実行時等に上可動体と下可動体の出現を戻す仕様であるが、動物モード中の変動開始後一定時間経過後に第2補正処理を実行するため、上可動体及び下可動体の出現・格納を繰り返すなどの複雑な動作を行う必要がなくなる。
(6)本実施形態では、可動体の位置補正に関するシステム動作(初期化補正)を1パターンのみとする共通化をし、図柄変動遊技の開始前に第1補正メッセージを送信して可動体のシステム動作(初期化)をさせ、図柄変動の序盤において第2補正メッセージを送信し、当該図柄変動の実行ベースの演出態様(モード)に応じた動作位置へ可動体を移動可能とさせる。そして、各モード状態に応じて動作位置が異なる可動体仕様に対し、補正タイミングを基本契機(変動確定時)とは異なる別契機(変動中)とし得る管理処理を設け、システム動作のパターン管理を減少可能とする。
(7)本実施形態では、可動体位置補正の命令タイミングについて、図柄変動の確定時(共通仕様)と、図柄変動の開始後の所定契機時(状態別対応)の複数パターンを用意している。
(8)本実施形態では、復帰処理(システム動作)に基づいて、図柄変動の開始時には可動体を第1位置(初期位置)に維持させ、図柄変動の実行中の所定契機で、可動体を演出態様(図柄変動の実行ベースのモード状態)に応じた第2位置(可動位置)へと移動させている。
(9)本実施形態では、第1補正メッセージや第2補正メッセージの送信(システム動作)を行う判定条件は、システム的なエラー発生時の条件だけではなく、「デモ演出の実行時や、遊技記録に関する演出の実行時」に係る条件を含む。
(10)本実施形態では、第2補正メッセージを送信するタイミングは、変動開始からシステム動作の処理終了までに要する時間(変動開始45フレーム)より後となる所定契機である。
(11)本実施形態では、可動体(可動役物)の位置制御(メッセージ)に関する処理として、可動体を原点位置に移動させる第1処理と、遊技状態(動物モード)に応じた可動位置(非原点位置)に移動させる第2処理とが設けられ、1遊技(図柄変動)に係る第1契機(変動終了)に基づいて第1処理が実行可能とされ、1遊技後の第2契機(図柄変動の開始)に基づいて第2処理が実行可能とされる。
(12)本実施形態では、複数の可動体と、切替え可能な複数の遊技状態(通常モード及び動物モード)とが設けられ、所定遊技状態(通常モード)の場合、複数の可動体の動作毎(第1補正テーブル、第1テーブル)に応じた位置制御をさせる第1補正処理を実行可能とし、特定遊技状態(動物モード)の場合、一部の可動体の実行規制(上可動体と下可動体の初期化制限)をしたこと(第1補正テーブル、第1テーブル)に基づく位置制御をさせる第1補正処理を実行可能とし、規制された一部の可動体を対象にした位置制御をさせる第2補正処理を実行可能とする。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様は例示であり、上述した演出の態様に限定されるものではない。
上述した実施形態では、いわゆる1種2種混合機に本発明を適用する例で説明したが、いわゆる1種遊技機(特定領域を備えていない遊技機)に本発明を適用してもよい。
また、本発明は、確率変動機能を備える遊技機にも適用することができ、この場合には、いわゆるループタイプ(確変回数に実質的な上限を設定しないタイプ)の遊技機に適用することもでき、STタイプ(確変回数に実質的な上限を設定するタイプ)の遊技機に適用することもできる。
さらに、本発明は、確変領域を有する遊技機に適用することもでき、確変領域を有しない遊技機に適用することもできる。
さらにまた、本発明は、「第1特別図柄及び第2特別図柄の同時回し」を採用していない遊技機に適用することもでき、同時回しを採用している遊技機に適用することもできる。
本発明は、設定付きパチンコ機に適用することもできる。
また、本発明は、性能表示モニタを備えるパチンコ機に適用することもできる。
上述した実施形態では、変動確定時に第1補正処理を実行し、変動開始後一定時間経過後に第2補正処理を実行する例で説明したが、変動確定時に第2補正処理を実行し、変動開始後一定時間経過後に第1補正処理を実行してもよく、変動確定時に第1補正処理及び第2補正処理を実行してもよく、変動開始後一定時間経過後に第1補正処理及び第2補正処理を実行してもよい。
本発明は、補正処理に適用する例で説明したが、イニシャル処理やリトライ処理といったその他の処理にも適用することもできる。
上述した実施形態は、以下の変形も可能である。
(1)第1特別図柄の記憶の有無により、第2特別図柄の変動パターン選択テーブルを異ならせてもよい。
例えば、第1特別図柄の記憶が有る場合、第2特別図柄の変動パターンを決定する際には、長時間(数十秒〜数分)の変動パターンを選択可能な変動パターン選択テーブルを参照する。
一方、第1特別図柄の記憶が無い場合、第2特別図柄の変動パターンを決定する際には、短時間(数秒)の変動パターンを選択可能な変動パターン選択テーブルを参照する。
(2)連荘中(時間短縮状態、ドライブモード中)に、第1特別図柄の記憶を溜めさせる状態(左打ち状態)を発生させるようにしてもよい。
例えば、大当りのエンディング時間は、左打ち状態になる。つまり、大当り遊技のオープニングから最終ラウンドの終了時までは右打ち状態となり、大当り遊技のエンディング中のみ左打ち状態となる。
また、小当り変動の確定時間中(停止表示時間の開始から終了まで)は、左打ち状態になる。時間短縮状態は、小当り変動の確定時間の開始時にOFFにすることができ、これにより、小当り変動の確定時間中は、非時間短縮状態となる。
さらに、「大当り変動確定時間(1秒程度、0.5秒から数秒程度)≒はずれ変動確定時間(1秒程度、0.5秒から数秒程度)<小当り変動確定時間(15秒程度、数十秒程度)」とすることができる。この場合、小当り変動の確定時間は、大当りやはずれと比較して長くなるため、非時間短縮状態となる時間を長く確保することができる。
(3)「左打ち状態」や「右打ち状態」の定義は、以下のようにすることができる。
主制御装置で、左打ち状態か右打ち状態かを記憶する領域(例えば、発射位置指定フラグを格納する領域)を持ち、記憶の内容が左打ちを示す値(0)であれば「左打ち状態」であり、記憶の内容が左打ちを示す値でなければ「右打ち状態」である。「左打ち状態」は、非時間短縮状態(電チューサポートが行われていない状態)や、大当り遊技のエンディング中である。それ以外の状態は、「右打ち状態」である。
主制御装置は、左打ち状態か右打ち状態かによって、演出制御装置に、現在の発射位置の状態を伝達するコマンドを送信する。このようなコマンドは、「電源投入時」及び「右打ち状態から左打ち状態への切り替わり時」に左打ち状態を示すコマンドを送信してもよく、左打ち状態中は定期的に左打ち状態のコマンドを送信してもよい。
左打ち状態中において、演出制御装置は、主制御装置からのコマンドに基づき、右打ち報知ランプを消灯状態にすることができる。また、左打ち状態中において、演出制御装置は、液晶表示器に表示する右打ち指示表示を非表示にすることができる。さらに、左打ち状態中において、演出制御装置は、右打ち領域にあるセンサ(始動ゲート20のゲートスイッチ76等)で遊技球の通過を検出した場合、左打ちを促す演出、例えば、「左打ちに戻してください」の表示、及び、音声出力を実行することができる。ただし、時間短縮状態が終了した後は、盤面上の残り球を考慮して、所定数の変動を行うまでこのような演出を実行しないようにすることができる。
大当りのエンディング中や、小当り変動確定時間中を左打ち状態にすることで、第1特別図柄の記憶を定期的に貯めることができ、これにより、連荘中の第2特別図柄の変動を長くすることができる。これにより、連荘状態が極端に短い時間で終了して遊技者の遊技意欲が減退することを回避することができる。一方、連荘中に左打ちをしなければ、第2特別図柄の変動が短い状態となるため、遊技者は迅速に連荘状態を消化することができる。
上述した実施形態の遊技機は、1種2種混合機のゲーム性を有する遊技機であるため、非時間短縮状態における可変始動入賞装置28(普通電動役物)の開放中の入賞はエラーと判断し、エラー報知を行うようにしてもよい。
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能である。
〔実施形態E〕
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図366は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図367は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば、遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図366及び図367を参照しつつ遊技機の全体構成について説明する。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図366中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図367では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図366に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1は、カードユニットに接続する機種であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないカードユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、カードユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態のパチンコ機1は、カードユニットに接続する機種を例に挙げているが、現金機(カードユニットに接続しない機種)であってもよい。
また、受皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の前面部にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニット(参照符号なし)を取り巻くようにして配置されている。
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54,55が組み込まれている。一方、外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ56が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また、受皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45(操作入力受付手段)が設置されている。演出切替ボタン45は、例えば押し込み式の円形状ボタンとその周囲に回転式のジョグリング(ジョグダイアル)を組み合わせた形態である。遊技者は、この演出切替ボタン45を押し込み操作又は回転操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
〔裏側の構成〕
図367に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図372)に基づいてさらに後述する。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受皿ユニット6に向けて案内する。
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
〔盤面の構成〕
図368は、遊技盤ユニット8を単独で示した正面図である。遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に中始動入賞口26、始動ゲート20、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等が分布して設置されている。このうち中始動入賞口26は遊技領域8aの下部分の中央に位置している。遊技領域8aの右側部分(いわゆる右打ち領域)には、始動ゲート20、普通入賞口25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31が上からこの順番に配置されている。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で始動ゲート20を通過したり、中始動入賞口26、普通入賞口22,25に入球(入賞)したり、あるいは、開放動作時の可変始動入賞装置28や開放動作時の第1可変入賞装置30、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする。ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、中始動入賞口26又は普通入賞口22に入球する可能性がある。遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、始動ゲート20を通過したり、普通入賞口25に入球したり、開放動作時の可変始動入賞装置28に入球したり、開放動作時の第1可変入賞装置30に入球したり、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする可能性がある。中始動入賞口26、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31に入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通穴を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
本実施形態において、可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って右始動入賞口28bへの入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば左右一対の開閉部材28aを有しており、これら開閉部材28aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図368中に示されるように、左右の開閉部材28aは各先端が上を向いた状態で閉鎖位置にあり、このとき右始動入賞口28bへの入球は困難(遊技球が入球できる隙間がない状態)となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、左右の開閉部材28aはそれぞれ閉鎖位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、左右に開口幅を拡大して右始動入賞口28bを開放する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の入球が可能な状態となり、右始動入賞口28bへの入球を発生させることができる(可変始動入賞手段)。なお、このとき開閉部材28aは右始動入賞口28bへの遊技球の入球を案内する部材としても機能する。また、遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に可変始動入賞装置28(開放時の右始動入賞口28b)へ向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が開放動作時の可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に必ず入球するというわけではなく、あくまで入球は無作為に発生する。
また、可変始動入賞装置28は、非時間短縮状態(所定の遊技状態)では満たされ難い条件であり、時間短縮状態(有利遊技状態)では非時間短縮状態よりも満たされやすい条件である所定の作動条件(普通図柄が当選の態様で停止表示されて普通電動役物がロング開放するというという条件)が満たされない場合は右始動入賞口28bへの遊技球の入球が困難となる入球困難状態とする一方、所定の作動条件が満たされた場合は入球困難状態よりも右始動入賞口28bへの遊技球の入球を容易とする入球容易状態へ移行する。可変始動入賞装置28は、非時間短縮状態で普通図柄が当選の態様で停止表示された場合にはショート開放(0.1秒開放)し、時間短縮状態で普通図柄が当選の態様で停止表示された場合にはロング開放(1.0秒〜6.0秒開放)する。
第1可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合、又は、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合)に作動し、第1大入賞口30bへの入球を可能にする(特別電動役物、特別入賞事象発生手段)。第1可変入賞装置30は、例えば1つの開閉部材30aを有している。この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、閉位置から開放位置に向けて変位する。図示のように先端が上を向いた状態で開閉部材30aは閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき第1大入賞口30bへの入球は困難(第1大入賞口30bは閉塞中)である。第1可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして右方向へ倒れ込むようにして変位し、第1大入賞口30bを開放する(開放状態)。この間に第1可変入賞装置30は遊技球の流入が可能な状態となり、第1大入賞口30bへの入球という事象を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは第1大入賞口30bへの遊技球の流入を案内する部材としても機能する。遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に第1可変入賞装置30(作動時の第1大入賞口30b)に向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が作動時の第1可変入賞装置30に必ず入球するというわけではなく、あくまで入球は無作為に発生する。
第2可変入賞装置31は、特別な条件が満たされた場合(特別図柄が小当りの態様で停止表示された場合)に作動し、第2大入賞口31bへの入球を可能にする(特別電動役物、第2特別入賞事象発生手段)。なお、第2可変入賞装置31は、特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合に作動してもよい。
第2可変入賞装置31は、演出ユニット40の右側に配置された装置であり、例えば1つの開閉部材31aを有している。上記の第1可変入賞装置30は、開閉部材30aが右方向へ倒れこむタイプの装置(片羽根のチューリップ式のアタッカ)を採用しているが、第2可変入賞装置31は、開閉部材31aが盤面の内部にスライドするタイプの装置を採用している(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材31aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材31aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材31aの上面を転動することになるため、第2大入賞口31bへの入球は困難(第2大入賞口31bは閉塞中)である。そして、第2可変入賞装置31が作動すると、開閉部材31aが盤面の内部に引き込まれ、第2大入賞口31bを開放する(開放状態)。この間に第2可変入賞装置31は遊技球の流入が困難ではない状態となり、第2大入賞口31bへの入球という事象を発生させることができる。
〔特定領域〕
また、第2可変入賞装置31の内部には、特定領域31xが設けられている。特定領域31xは、第2可変入賞装置31が閉鎖状態である場合は遊技球が通過困難な領域であり、第2可変入賞装置31が開放状態である場合であって特定領域用スライド部材31cが盤面の内部に引き込まれている状態である場合に遊技球が通過可能な領域である。なお、第2可変入賞装置31の詳細は後述する。
また、特に図示してはいないが、第2可変入賞装置31(開閉部材31a)には、遊技球が転動するスピードを低下させる遊技球転動スピード低下部を形成してもよい。遊技球転動スピード低下部は、開閉部材31aの傾斜を緩やかにしたり、開閉部材31a上の遊技球が通過する位置に、遊技球をジグザグに進行させるための交互に出っ張る突起を形成することにより実現することができる。これにより、小当り遊技中に多くの遊技球を第2可変入賞装置31に入球させることができる。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、中始動入賞口26、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)、第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b、特定領域)に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
図369及び図370は、第2可変入賞装置31の詳細を示す図である。
第2可変入賞装置31は、スライド式の開閉部材31aの下方に第2大入賞口31bが配置されている。第2大入賞口31bの内部は左側に下り傾斜となっており、左側の端部にて下方に通路が延びている。下方に延びた通路には第2カウントスイッチ85が配置されており、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31に入球した遊技球の数をカウントする。
そして、下方に延びた通路は、その先で2つのルートに分かれている。一方の第1通路31dは、そのまま下方に延びており、他方の第2通路31eは左側に分岐する。
第1通路31dには、特定領域用スライド部材31cが配置されており、第1通路31dの下流には特定領域31xが配置されている。なお、特定領域31xの内部には、不図示の特定領域スイッチが配置されている。
一方、第2通路31eには、特別な部材は配置されておらず、第2通路31eの下流には排出孔31yが配置されている。
特定領域用スライド部材31cは、特殊な条件が満たされた場合(第2可変入賞装置31が作動してから第1時間経過後第2時間経過前の間)に作動し、特定領域31xへの遊技球の通過を可能にする。特定領域用スライド部材31cは、例えば図示しない特定領域ソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面の前後方向に沿ってスライドする。例えば、第1時間経過後は第2可変入賞装置31が作動してから0.2秒経過後であり、第2時間経過後は、第2可変入賞装置31が作動してから1.8秒経過後である。
特定領域ソレノイドがOFFの状態であると、特定領域用スライド部材31cは第1通路31dを塞いでいるため、遊技球が特定領域31xを通過することは困難となっている。一方、特定領域ソレノイドがONの状態になると、特定領域用スライド部材31cは盤面の内側に引き込まれるため、遊技球が特定領域31xを通過することが容易となる。
次に、第2可変入賞装置31の動作を説明する。
図369中(A)に示すように、スライド式の開閉部材31aは、盤面の内側に引き込まれており、遊技球が第2大入賞口31bに入球している。図示の例では、4個の遊技球が第2大入賞口31bに向かって進行している。ここでは、1個目の遊技球が第2カウントスイッチ85により検出される直前の状態である。
図369中(B)に示すように、1個目の遊技球が特定領域用スライド部材31cに到達している。2個目及び3個目の遊技球は、第2カウントスイッチ85に向かって進んでいる。4個目の遊技球は、第2大入賞口31bに入球しかけている。
図369中(C)に示すように、この時点では、特定領域用スライド部材31cが内側に引き込まれていないため(非作動中であるため)、1個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cによって進行方向が左側に変更され、第2通路31eを進行する。この場合、1個目の遊技球は、排出孔31yにより回収される。
図370中(D)に示すように、この時点で特定領域用スライド部材31cが盤面の内側に引き込まれたものとする(動作中)。この場合、2個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cの手前側を通り抜けて、第1通路31dに進行する。そして、2個目の遊技球は、特定領域31xを通過して、特定領域スイッチにより検出される。
図370中(E)に示すように、3個目の遊技球も、特定領域用スライド部材31cの手前側を通り抜けて、第1通路31dに進行する。この場合、3個目の遊技球は、特定領域31xを通過して、特定領域スイッチに検出される。
図370中(F)に示すように、この時点で、特定領域用スライド部材31cの動作が終了し、特定領域用スライド部材31cが盤面の前方側に突出したものとする。この場合、4個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cによって左側に案内され、第2通路31eに進行する。そして、4個目の遊技球は、排出孔31yにより回収される。
図371は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の左下位置)を拡大して示す正面図である。
遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33(普通図柄表示手段)及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34(第1図柄表示手段)、第2特別図柄表示装置35(第2図柄表示手段)、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が設けられている。
このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、上記の始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えば7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段、第1図柄表示手段、第2図柄表示手段)。その他、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、0〜4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプが点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして、2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
一方、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えば1つのランプ(LED)の消灯又は点灯の組み合わせで構成される表示態様により、1個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、1つのランプを消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示する。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、上記の中始動入賞口26に遊技球が入球するごとに、入球が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に遊技球が入球すると、入球が発生したことを記憶する意味で増加後の表示態様へと変化し(最大1個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されると、減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄(第1図柄)が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で中始動入賞口26に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄(第2図柄)が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個又は最大1個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また、遊技状態表示装置38には、例えば、大当り種別表示ランプ38a,38b、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定表示ランプ38fにそれぞれ対応する6つのLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
〔遊技盤のその他の構成:図368を参照〕
上記の演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側上部には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄(本図柄)や、第4図柄、記憶マーカ(保留表示)をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。
さらに、演出ユニット40の内側下部にはドラムユニット200が設置されている。
ドラムユニット200は、左リール201、中リール202、右リール203を備えており、各リールには擬似演出図柄(7図柄やパンダ図柄、チェリー図柄等)が表示されている。例えば、同色の7図柄が、有効ラインとなる中段ラインに表示されると、特別図柄抽選にて大当りの結果が得られたことを表している。ドラムユニット200の各リールは、複数の可動速度で可動可能な可動体である。
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されている。球案内通路40dは、演出ユニット40の裏側を通って下方の転動ステージ40eに接続されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40kが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40kに案内された遊技球は、その真下にある中始動入賞口26に流入しやすくなる。
その他に演出ユニット40の上部中央の内部には、演出用の可動体40f(例えばハート型の装飾物)とともに図示しない駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。このような可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図372は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31にそれぞれ対応して中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84及び第2カウントスイッチ85が装備されている。各始動入賞口スイッチ80、82は始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)への遊技球の入賞を検出するためのものである。また、第1カウントスイッチ84は第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。
他にも、特定領域31xに対応して特定領域スイッチ83が装備されている。第2大入賞口31bの内部の特定領域31xに対応する位置には、特定領域スイッチ83が備えられており、特定領域スイッチ83は、遊技球が特定領域31xを通過したことを検出する。
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22,25への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、ここでは全ての普通入賞口22,25について共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば、盤面の左右で別々の入賞口スイッチ86を設置し、左側の入賞口スイッチ86では盤面の左側に位置する普通入賞口22,25に対する遊技球の入賞を検出し、右側の入賞口スイッチ86では盤面の右側に位置する普通入賞口25に対する遊技球の入賞を検出することとしてもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類80、82、83、84、85、86の入賞検出信号や通過検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、特定領域スイッチ83、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号や通過検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び特定領域31xにそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び特定領域ソレノイド99が設けられている。これらソレノイド88,90,97,99は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び特定領域31xを開閉させる。なお、これらソレノイド88,90,97,99についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に上記の一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、上記の内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている(特別特典付与手段)。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のカードユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに送信される。また、カードユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、カードユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また、演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
演出制御装置124と上記の主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお、各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46やガラス枠装飾ランプ48,50,52の他に、遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここではガラス枠装飾ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受皿ユニット6に受皿電飾基板を設置し、ガラス枠装飾ランプ52については受皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
また、音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、ガラス枠上スピーカ54,55及び外枠スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56に印加されている。また、ガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45を接続した例を挙げているが、上記の受皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45は受皿電飾基板に接続されていてもよい。その他、遊技盤ユニット8にはパネル電飾基板138が設置されており、このパネル電飾基板138には盤面ランプ53の他に可動体モータ57が接続されている。可動体モータ57は、例えば図示しないリンク機構を介して上記の可動体40fを駆動する。ランプ駆動回路132からの駆動信号は、パネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53及び可動体モータ57にそれぞれ印加される。なお、可動体モータ57は、ソレノイドであってもよい。
〔ドラムユニット〕
また、演出制御装置124には、ドラムユニット200が接続されている。
ドラムユニット200は、同軸に配置された左リール201、中リール202、及び、右リール203を備えている。
左リール201、中リール202、及び、右リール203は、それぞれ円環状に形成されており、その周囲には複数の擬似演出図柄が間隔をおいて一列に付されたリール帯が巻かれている。左リール201、中リール202、及び、右リール203は、その中心に回転軸があり、回転軸を中心に回転又は逆回転させることができる。
また、ドラムユニット200には、各リールに対応する不図示のステッピングモータ(以下、単にモータと記載することもある。)と、各リールに対応する不図示の位置検出機構とが設けられている。位置検出機構は、ステッピングモータの内部に配置されていてもよく、ステッピングモータの外部に配置されていてもよい。位置検出機構は、例えば、遮光板とフォトセンサ等により構成することができる。
ステッピングモータは、ドラムユニット200を制御する不図示のドラムユニット制御装置(ドライバ、IC)によって駆動される。ドラムユニット制御装置は、演出制御装置124から送信される可動体データに応じて各リールを駆動する。また、ドラムユニット制御装置は、位置検出機構により検出された各リールの位置(例えば、原点位置)の検出に応じて、検出信号を演出制御装置124に送信する。
そして、演出制御装置124は、ドラムユニット制御装置から送信されてくる検出信号に基づいて、各リールに対応するステッピングモータに対して送信する可動体データを生成し、各リールの動作を制御する。
ステッピングモータは、1相励磁と2相励磁とを交互に繰り返して各リール(可動体)を駆動(1−2相励磁駆動)するモータであり、ステッピングモータには、4つのコイル(コイル1〜コイル4)が含まれている。
上記の液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤ユニット8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、VDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なお、VRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46〜53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらにVDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上記のように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、リセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図373及び図374は、リセットスタート処理の第1手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1〜2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また、主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、不図示のRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また、主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタコマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また、主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図374に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして、主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)、及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図378中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図378中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、上記のように、本実施形態において大当り決定乱数及び当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図378)を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込管理処理の内容については後述する。
図375は、リセットスタート処理の第2手順例を示すフローチャートである。なお、リセットスタート処理の第1手順例と同様の処理については、重複する説明を省略する。また、図374の処理は、第1手順例と第2手順例とで同様である。
リセットスタート処理の第2手順例では、リセットスタート処理の第1手順例と比較して、準備中処理(ステップS112a)が追加されている点が異なっている。
具体的には、ステップS106で肯定(Yes)と判断された場合、ステップS107で否定(No)と判断された場合、又は、ステップS108で否定(No)と判断された場合は、準備中処理(ステップS112a)が実行される。
なお、準備中処理(ステップS112a)の実行タイミングは、このようなタイミングに限定されるものではなく、リセットスタート処理の中の任意のタイミングで実行することができる。つまり、RAMクリアスイッチを押下した状態で電源投入した場合に、「準備中」→「遊技可能状態(メインループに移行した状態)」と移行するように制御されていればよい。
ステップS112a:準備中処理では、主制御CPU72は、RAMクリア時に必要となる各種動作を制御する。なお、処理の詳細は、後述する。
そして、準備中処理(ステップS112a)が終了すると、主制御CPU72は、RAMクリア処理(ステップS113)を実行する。なお、これ以降の処理は、第1手順例の処理と同様である。
図376は、準備中処理の手順例を示すフローチャートである。
ステップS125:主制御CPU72は、準備中動作制御処理を実行する。準備中動作制御処理の詳細は、後述する。
ステップS126:主制御CPU72は、RAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。
その結果、RAMクリアスイッチが操作されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、リセットスタート処理(図375)に復帰する。一方、RAMクリアスイッチが操作されていることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS125の処理を実行する。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、RAMクリアスイッチが押下されるまで、ステップS125の準備中動作制御処理を継続して実行することができる。
〔準備中動作制御処理〕
準備中動作制御処理の動作内容の詳細は、以下の通りである。
主制御CPU72は、準備中動作制御処理において、以下に示す状態及び動作内容のうち、少なくとも1つの状態及び動作を採用した内容の処理を実行することができる。
(1)準備中は、RAMクリアスイッチを押下した状態で電源投入した際に移行する状態である。準備中には、再度RAMクリアスイッチが押下されるまで滞在する。「準備中」の状態で、RAMクリアスイッチが押下されると、「遊技可能状態」へ移行する。
(2)準備中では、主制御装置70(主制御CPU72)で管理する可動体(主制御装置70に接続されている可動体)を可動制御し、可動体が正常に動作するか否かの可動確認を行うことができる。
具体的には、特別電動役物(アタッカ)、特別電動役物の内部の可動体(確変領域や特定領域を開放する可動体や、2種系の場合は常時回転の回転体、規定の契機により可動する可動体、及び、これらに付随する機構やソレノイド、モータ等)、普通電動役物(電動チューリップ)を一定の動作で可動制御する。
可動制御は、例えば、「0.4秒ON→0.4秒OFF」を複数回繰り返す可動パターンにより、ソレノイドやモータを動作させることにより実行する。
可動制御は、準備中において最初から最後まで継続して実行してもよく、所定回数や所定時間を上限として実行してもよい。
(3)準備中は、外部から準備中であることが明確に分かるようにすることができる。この場合、例えば、液晶表示器の表示画面に、「準備中です」「遊技できません」「RAMクリアスイッチを押下すると終了します」「演出ボタン押下で演出設定変更」等といった情報を表示することができる。この場合、合わせて、「準備中です」等の音声出力を繰り返し実行してもよい。
(4)準備中は、演出ボタンの操作により、演出に関する設定を変更することができるようにしてもよい。例えば、演出切替ボタン(演出ボタン)を押下すると液晶表示器の表示画面が切り替わり、日時の設定、音量設定(1〜5段階)、演出頻度設定(1〜3段階)、演出種類設定等が選択できるようにすることができる。
(5)準備中は、遊技球の発射制御ができないようにしてもよい。これは、主制御装置70から払出制御装置92へ「発射許可信号」を送信していることを条件に、発射制御基板108では、遊技球の発射をすることができるからである。主制御装置70は、「割込管理処理(タイマ割込み処理)」内で「発射許可信号」を送信する処理を行うことができるが、準備中は「割込管理処理(タイマ割込み処理)」がまだ実行されていない期間であるため発射ができない状態となる。
(6)準備中処理のプログラム(各種可動体を動作させるプログラム)は、使用領域内に実装(配置)することができる。使用領域とは、遊技の進行を制御するために使用可能な容量が遊技機規則で定められている領域であり、領域外の領域とは、使用可能な容量の計算に含めない領域である。
(7)準備中の期間は、準備中であることを示す外部情報を、外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に対して出力するようにしてもよい。
(8)準備中は、メインループに移行する前(割込管理処理(タイマ割込み処理)が実行される前)の段階である。このため、準備中においては、統合表示基板89の表示(メインセグ)は消灯状態とすることができる。また、準備中においては、遊技可能状態中に判定可能なエラー(例えば、磁気エラー、電波エラー、振動エラー、大入賞口不正入賞エラー等)を判定しないようにすることができる。さらに、準備中は、賞球の払出、特別図柄の変動、普通図柄の変動を実行しないようにすることができる。
(9)RAMクリアスイッチを押下した状態で電源投入した場合は、「準備中」を示すコマンドを主制御装置から演出制御装置に送信することができる。また、再度RAMクリアスイッチが押下され、準備中が終了する場合には、「準備中終了」を示すコマンドを主制御装置から演出制御装置に送信することができる。なお、この場合、メインループに移行する前に、主制御装置から演出制御装置にコマンドを送信するようにしてもよい。
準備中の段階では、RAMクリア処理は実行されておらず、準備中にRAMクリアスイッチが押下されたことを条件に、RAMクリア処理を実行することができる。ただし、RAMクリア処理の実行後に準備中に移行させ、その後、メインループに移行するようにしてもよい。
このような構成を採用する経緯として、以下のような課題がある。
従来の遊技機は、特別電動役物、普通電動役物の動作確認が、任意のタイミングで(特に、RAMクリアをする際の電源投入時に)行えないため、不具合が通常の遊技中に急に発覚するおそれがある。
そして、上記のような構成を採用することにより、以下のような効果を発揮することができる。
(1)電源投入時に、各種電動役物が動作可能か否かを確認することができるため、遊技中に各種電動役物が動作しないという不具合を防ぎ、正常に遊技を行うことができる。
(2)正常に遊技を行うことができるので、遊技が途切れる事態を防ぐことができ、遊技に対する興趣の低下を防ぐことができる。
(3)事前に(遊技前に)不具合を解決できるため、遊技中の不具合の確認処理を無くすことができ、制御上の処理負荷の軽減にも貢献することができる。
(4)準備中(動作確認中)に演出設定も実行することができるため、効率的な遊技を提供することができる。
上記の構成から以下の技術的な内容を抽出することができる。
(1)所定の操作部材(RAMクリアスイッチ)と、可動体(電動役物、駆動源、ソレノイド、モータ等)と、前記所定の操作部材が操作されている状態で電源が投入された場合、可動体が正常に動作するか否かを確認するために、可動体を一定の動作パターンで動作させる可動体動作手段とを備える遊技機である。
(2)上記(1)の構成において、可動体動作手段は、再び、所定の操作部材が操作されるまで、可動体を一定の動作パターンで動作させ続けることが好ましい。
〔電源断発生チェック処理〕
図377は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また、主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして、主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(図373)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図378は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、入賞口スイッチ86、特定領域スイッチ83からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、特定領域スイッチ83からの通過検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機、第1抽選契機、第2抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また、普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(普通図柄抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,82,84,85,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
〔賞球数及び獲得遊技球数について〕
第1特別図柄の始動口の賞球数及び第2特別図柄の始動口の賞球数は、それぞれ1個以上の規定数に設定されている。また、第1特別図柄の始動口と第2特別図柄の始動口とでは、賞球数を異ならせてもよい。さらに、特別図柄の当選確率や、総獲得遊技球数の期待値(初当りから時間短縮状態が終了するまでの一連の期間に得られる平均出球数)に基づいて、最低賞球数を設定してもよい。さらにまた、特別図柄の当選確率、総獲得遊技球数の期待値、大入賞口の開放回数、大入賞口の開放時間、大入賞口の最大入賞数、大入賞口の賞球数が所定の条件を満たした場合、1回の大当りによる獲得遊技球数が最大の獲得遊技球数の1/4未満となる大当りを設定してもよい。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータ(外部機器)に対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」〜「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」〜「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」〜「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS209:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS205)や普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお、駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また、主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び特定領域ソレノイド99の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS213:そして、主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお、本実施形態では、ステップS205〜ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして、主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。なお、割込管理処理では、主制御CPU72は、各種エラーを検出する図示しないセンサやスイッチ等に基づいて、各種エラー(磁気エラー、電波エラー、振動エラー、大入賞口不正入賞エラー等)を判定することができる。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図379は、スイッチ入力イベント処理(図378中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する中始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の第1大入賞口30bに対応する第1カウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS19に進んで第1大入賞口カウント処理を実行する。第1大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの第1可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS20に進む。
ステップS20:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の第2大入賞口31bに対応する第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS21に進んで第2大入賞口カウント処理を実行する。第2大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中(小当り遊技中)に第2可変入賞装置31への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72はステップS24を実行する。一方、通過検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS26に進む。
ステップS24:主制御CPU72は、普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また、主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして、主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。次に、主制御CPU72は、ステップS26を実行する。
ステップS26:主制御CPU72は、第2大入賞口31b内の特定領域31xに対応する特定領域スイッチ83から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS28に進んで特定領域予備フラグをONにする処理を実行する。一方、通過検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図378)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図380は、第1特別図柄記憶更新処理(図379中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。ここで、RAM76の乱数記憶領域は、第1特別図柄及び第2特別図柄で共通で使用する5つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。ただし、第1特別図柄に関しては、4つのセクションしか使用できず、第2特別図柄に関しては、1つのセクションしか使用できない。したがって、セクションに空きがあっても、第1特別図柄に関してすでに4つのセクションを使用している場合、それ以上第1特別図柄の各乱数が記憶されることはない。これと同様に、セクションに空きがあっても、第2特別図柄に関してすでに1つのセクションを使用している場合、それ以上第2特別図柄の各乱数が記憶されることはない。セクションが5つである理由は、第1特別図柄の最大記憶数(4個)と、第2特別図柄の最大記憶数(1個)とを合計した数のセクションが必要だからである。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図379)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図378中のステップS210)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第1抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、抽選要素取得手段)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして、主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(第1抽選要素記憶手段、抽選要素記憶手段)。複数のセクションには順番(例えば第1〜第5)が設定されており、現段階で第1〜第5の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2〜第5セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の特別遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37,S38を実行する。大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37,S38をスキップしてステップS38aに進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS37:大当り中以外の場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する(先読み処理実行手段)。この処理は、先のステップS32〜S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数、大当り図柄乱数及び変動パターン決定乱数に基づいて、特別図柄抽選の結果や変動時間を事前(変動開始前)に判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。この処理において、第1特別図柄の事前判定の結果を特図先判定演出コマンド(先読み情報)の下位バイト分にセットする。
ステップS38:取得時演出判定処理を実行すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする(先読み処理実行手段)。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分(当否に関する情報や変動時間に関する情報)は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされるので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS38a:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」〜「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」〜「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」〜「04H」となったことを表している。なお、上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS39:そして、主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理では、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンドが演出制御装置124に対して送信される(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えるか、もしくは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図379)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
次に図381は、第2特別図柄記憶更新処理(図379中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば1とする)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図379)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図380)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図378中のステップS210)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第2抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図380)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図380)と同様である。
ステップS44:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、抽選要素取得手段)。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図380)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄及び第2特別図柄で共通で使用する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(第2抽選要素記憶手段、抽選要素記憶手段)。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図380)と同様である。
ステップS45a:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。そして、大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS46,S47を実行する。逆に大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS46,S47をスキップしてステップS48に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、同じく大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS46:大当り中以外である場合(ステップS45a:No)、次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する(先読み処理実行手段)。この処理は、先のステップS42〜S44でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである。この処理において、第2特別図柄の事前判定の結果を特図先判定演出コマンドの下位バイト分にセットする。
ステップS47:取得時演出判定処理を実行すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする(先読み処理実行手段)。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS46)においてセットされるので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS48:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお、先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS49:そして、主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して特図先判定演出コマンドや作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置124に対して送信される(記憶数通知手段)。また、以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図379)に復帰する。
〔取得時演出判定処理〕
図382は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理及び第2特別図柄記憶更新処理(図380中のステップS37,図381中のステップS46)においてこの取得時演出判定処理を実行する(事前判定手段、先読み処理実行手段)。上述したように、この処理は第1特別図柄(中始動入賞口26への入球時)、第2特別図柄(可変始動入賞装置28への入球時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンド(先判定情報)の下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(図380中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図381中のステップS45)でRAM76に記憶されているものである。
ステップS54:そして、主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段、事前判定手段)。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお、比較値(下限値)は、パチンコ機1における特別図柄抽選の大当り確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS80に進む。
ステップS80:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段、先読み処理実行手段)。この処理では、主制御CPU72は、はずれ時の変動時間について変動パターン先判定コマンド(先読み情報)を生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、特に「時間短縮機能」の作動時における変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。例えば、現在の状態が「時間短縮機能」の作動時であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものである場合、主制御CPU72は「時短中非短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。なお、リーチ変動の場合はさらに、リーチモード乱数から「リーチグループ(リーチの種類)」をも判断し、その結果から変動パターン先判定コマンドを生成することとしてもよい。一方、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「時短中短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。あるいは、現在の状態が「時間短縮機能」の非作動時(低確率状態)であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものである場合、主制御CPU72は「通常はずれリーチ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。一方、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「通常はずれ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。なお、この処理において、主制御CPU72は、小当り時の変動パターンについて、上述したはずれ時の処理と同様に変動パターン先判定コマンドを生成してもよい。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は取得時演出判定処理を終了し、呼び出し元の第1特別図柄記憶更新処理(図380)又は第2特別図柄記憶更新処理(図381)に復帰する。一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
ステップS74:主制御CPU72は、大当り図柄種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(図380中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図381中のステップS45)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、ステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果からいずれの当選図柄に該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS78に進む。
ステップS78:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットする。特別図柄先判定値は、例えば「時間短縮状態に移行しない図柄」に該当する場合は「00H」がセットされ、「時間短縮状態に移行する図柄」に該当する場合は「01H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
ステップS79:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段、先読み処理実行手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り時の変動時間について、上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、例えば大当り時のリーチ変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(図380)又は第2特別図柄記憶更新処理(図381)に復帰する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理(図378)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図383は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000〜ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において大当り又は小当りの態様(非当選以外の態様)で特別図柄が停止表示された場合に選択される。なお、特別図柄の停止表示される態様に応じて、大当り遊技又は小当り遊技が開始される。
〔大当り遊技〕
例えば、特別図柄が10ラウンド大当りの態様で停止表示されると、大当り遊技(遊技者にとって有利な特別遊技)が実行される。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、第1大入賞口ソレノイド90が一定時間(例えば29秒間又は10個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば10回)にわたって励磁され、これにより第1可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に第1可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に第1可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で10回あれば、これらを「10ラウンド」と総称することがある。本実施形態では、10ラウンド大当りについては、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられている。なお、大当りの種類として10ラウンド大当りだけでなく、その他のラウンド数の大当りを設けてもよい。
また、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の第1可変入賞装置30の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また、主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図378中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(時間短縮状態)を変化させる(時間短縮状態移行手段、状態移行手段)。「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、普通図柄の作動抽選の抽選確率が通常確率(低確率)から高確率に設定され、また、普通図柄の変動時間が短縮されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長されて開放回数が増加する(いわゆる電チューサポートが行われる)。なお、いわゆる2種遊技機の要素を含む遊技機(例えば、1種2種混合機や2種遊技機、すなわち、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過することによって大当り遊技が実行される遊技機)においては、普通図柄の作動抽選の当選確率を高確率状態に移行させないようにしてもよい。この場合、普通図柄の作動抽選の当選確率は、時間短縮機能の作動の有無に関わらずに一定の確率(例えば略1分の1)とし、可変始動入賞装置28の開放パターンで入賞の容易さと困難さを調整することができる。
〔小当り〕
また、本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当りの遊技が行われて第2可変入賞装置31が開閉動作する(特例遊技実行手段)。例えば、特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、小当り遊技(遊技者にとって有利な特殊遊技)が実行される。小当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、第2大入賞口ソレノイド97が一定時間(例えば1.8秒間又は10個の入賞をカウントするまで)、予め設定された作動回数(例えば1回又は複数回)にわたって励磁され、これにより第2可変入賞装置31が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の作動)。この間に第2可変入賞装置31に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、ある程度の賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。
また、小当り遊技中の可変入賞装置管理処理においては、特定領域ソレノイド99が一定時間(例えば1.6秒間)、予め設定された作動回数(例えば1回)にわたって励磁され、これにより特定領域用スライド部材31cが決まったパターンで開閉動作する。この間に特定領域31xに遊技球を通過させることで、遊技者には、大当り遊技を開始する機会が与えられる。すなわち、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過するか否かで、可変入賞装置管理処理において大当り遊技を開始するか否かが決定される。本実施形態では、小当りについては、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられており、遊技球が特定領域31xを通過すると、当選種類に応じた大当り遊技が開始される。
また、特定領域31xを遊技球が通過せずに小当りの遊技が終了しても、「時間短縮機能」が作動することもないので、「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。なお、「時間短縮状態」で小当りに当選した場合には、その小当り遊技終了後に「時間短縮状態」が終了するようにしてもよい。
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、複数の当選種類として「10ラウンド大当り1〜6」が設けられている。「10ラウンド大当り1〜4」は、特別図柄が大当りの態様で停止表示した際に開始され、「10ラウンド大当り5,6」は、特別図柄が小当りの態様で停止表示し、かつ、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過した際に開始される。なお、「10ラウンド大当り5,6」によって大当りが実行される場合(小当り経由で大当りが実行される場合)、1ラウンド目では第2可変入賞装置31が作動し、残りのラウンドでは第1可変入賞装置30が作動する。
上記の当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「10ラウンド大当り1」は「第1当選図柄」の大当りに対応し、「10ラウンド大当り2」は「第2当選図柄」の大当りに対応する。また、「10ラウンド大当り3」は「第3当選図柄」の大当りに対応し、「10ラウンド大当り4」は「第4当選図柄」の大当りに対応する。さらに、「10ラウンド大当り5」は「第5当選図柄」の小当り(特定領域31x通過時の大当り)に対応し、「10ラウンド大当り6」は「第6当選図柄」の小当り(特定領域31x通過時の大当り)に対応する。このため以下では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔第1当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が「第1当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第1当選図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。また、第1大入賞口30bは、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される(以下、同様)。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=1回又は10回)。
〔第2当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が「第2当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第2当選図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」は作動しない。
〔第3当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第3当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第3当選図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=1回又は10回)。
〔第4当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第4当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第4当選図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」は作動しない。
〔第5当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第5当選図柄」の態様で停止表示されると、小当り遊技が実行され、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過すると、小当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。この場合、2ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第5当選図柄」に該当した場合の大当り遊技は、9ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=1回又は10回)。
〔第6当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第6当選図柄」の態様で停止表示されると、小当り遊技が実行され、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過すると、小当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。この場合、2ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第6当選図柄」に該当した場合の大当り遊技は、9ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」は作動しない。
このように、本実施形態では、「第1当選図柄」、「第3当選図柄」又は「第5当選図柄」に該当した場合、大当り遊技終了後に「時間短縮状態」に移行する可能性がある。
なお、このように内部抽選で小当りに当選し、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に当選図柄の種類に応じて時間短縮状態に移行する遊技機は、いわゆる1種2種混合タイプの遊技機と呼ばれている。
〔特別図柄変動前処理〕
図384は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図378中のステップS212)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお、復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)を取得した順に読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。本実施形態では、RAM76の乱数記憶領域に記憶された(取得された)順に乱数が読み出される(入賞順消化)。なお、このような特別図柄別の入賞順消化の制御ではなく、第2特別図柄の消化を優先する優先消化の制御であってもよい。また、この処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち、乱数のシフトを行った方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図378中のステップS210)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図385は、上記の特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動前処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」より大であった場合(図384中のステップS2100:Yes)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:主制御CPU72は、乱数記憶領域を参照して、最も古い記憶が第2特別図柄に対応するものであるか否かを確認する。この確認は、RAM76の乱数記憶領域の第1セクションに、第2特別図柄に対応する乱数が記憶されているか否かを確認することにより実現することができる。このとき、最も古い記憶が第2特別図柄に対応するものであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2212を実行する。
ステップS2212:主制御CPU72は、対象特別図柄として第2特別図柄を指定する。この指定は、例えば対象図柄指定値として「02H」をセットすることで行われる。
ステップS2214:一方、最も古い記憶が第2特別図柄に対応するものであることを確認できない場合(ステップS2210:No)、すなわち、最も古い記憶が第1特別図柄に対応するものである場合、主制御CPU72は対象特別図柄として第1特別図柄を指定する。この場合の指定は、例えば対象図柄指定値として「01H」をセットすることで行われる。
ステップS2216:主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
ステップS2218:次いで主制御CPU72は、対象特別図柄について作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、今回の対象特別図柄が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(−1)する。
ステップS2220:そして、主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から「変動開始時作動記憶数」を設定する。なお、ここでは第1特別図柄と第2特別図柄の両方について、作動記憶カウンタの値を加算した上で「変動開始時作動記憶数」を設定してもよい。
ステップS2222:また、主制御CPU72は、対象特別図柄が第2特別図柄であるか否かを確認する。
ステップS2224:対象特別図柄が第2特別図柄であった場合(ステップS2222:Yes)、主制御CPU72は第2特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」〜「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。つまり、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」〜「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」〜「1」(コマンド表記は「13H」〜「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」〜「0」(コマンド表記は「12H」〜「10H」)となったことを表している。なお、上記の先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS2226:なお、今回の対象特別図柄が第1特別図柄であった場合(ステップS2222:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。この場合のコマンドは、先行値が第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BBH」)となる以外は上記と同じである。
ステップS2228:そして、主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2224又はステップS2226でセットした作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図384)に復帰する。
〔図384:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(第1抽選実行手段、第2抽選実行手段、抽選実行手段)。このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(第1抽選実行手段、第2抽選実行手段、抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。「小当り」は、第2可変入賞装置31のみを作動させる条件を満たすものとして位置付けられている(条件装置を作動させる条件は満たさない)。さらに、「小当り」中に遊技球が特定領域31xを通過すると、「大当り」に発展させるものとして位置付けられている(条件装置を作動させる条件を満たす)。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
本実施形態では、第1特別図柄抽選においては、大当りの当選確率が319分の1に設定され、小当りには当選しない設定になっている。なお、第1特別図柄抽選において、小当りに当選するようにしてもよい。また、第2特別図柄抽選においては、大当りに当選する確率は319分の1に設定され、小当りに当選する確率は319分の318(=略1/1)に設定され、はずれには該当しないようになっている。なお、第2特別図柄抽選において、はずれに該当するようにしてもよい。したがって、第2特別図柄抽選においては、大当りよりも小当りに当選しやすくなっている。これらの大当りの当選確率や小当りの当選確率を満たすべく、大当り値の範囲や小当り値の範囲が主制御CPU72により設定され、読み出した乱数値と比較される。
また、主制御CPU72は、非時間短縮状態(所定の遊技状態)において、第1特別図柄の抽選契機(第1抽選契機)よりも発生しにくい第2特別図柄の抽選契機(第2抽選契機)が発生すると、第2特別図柄抽選(第2抽選)を実行する(第2抽選実行手段)。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図378中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、図示しない変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、はずれ時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン選択手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。変動パターンには、通常変動(非リーチ変動)、リーチ変動、スーパーリーチ変動等といった様々な変動パターンが含まれている(大当り時や小当り時も同様)。なお、選択された特別図柄の変動パターンに関する情報は、特殊変動であるか否かという情報も含めて変動パターンコマンドとして演出制御装置に送信される(大当り時や小当り時についても同様である。)。
ここで、はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。また、「時間短縮状態」でなくとも、リーチ演出を実行する変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個〜3個)」に基づいて短縮される場合がある(例えば、変動表示開始時作動記憶数0個→12.5秒程度、変動表示開始時作動記憶数1個→8秒程度、変動表示開始時作動記憶数2個→5秒程度、変動表示開始時作動記憶数3個→2.5秒程度)。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。そして、主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、4種類の当選図柄が用意されている。第1特別図柄に関する内訳は、「第1当選図柄」又は「第2当選図柄」であり、第2特別図柄に関する内訳は、「第3当選図柄」又は「第4当選図柄」である。なお、これらの当選図柄の各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば、「第1当選図柄」であれば、「第1当選図柄A」、「第1当選図柄B」、「第1当選図柄C」、・・・といった具合である。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の選択比率が異なっている。このため主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであるか、第2特別図柄に対応するものであるかによって選択する当選図柄を区別している。
〔第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図386は、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、この第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「52」,「48」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第1当選図柄」、「第2当選図柄」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する大当り時において、「第1当選図柄」が選択される割合は100分の52(=52%)であり、「第2当選図柄」が選択される割合は100分の48(=48%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。
いずれにしても、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」,「02H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「第1当選図柄」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第1当選図柄」に該当した場合、通常中(非時間短縮状態)であるか時短中(時間短縮状態)であるかに関わらず、時短回数は1回(又は10回)付与される。
また、「第2当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は0回付与される(付与されない)。なお、時短回数は、上記の値に限定されることなく2回以上(11回以上)であってもよい。
ここで、「1回(又は10回)」とは、第2特別図柄の合計変動回数が1回となるか、第1特別図柄及び第2特別図柄の合計変動回数が10回となると、時間短縮状態が終了することを意味している。
〔第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図387は、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、この第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「100」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第3当選図柄」、「第4当選図柄」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する大当り時において、「第3当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)であり、「第4当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)である。
今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「第3当選図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第3当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は1回(又は10回)付与される。
また、「第4当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は0回付与される(付与されない)。
〔図384:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、大当り時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「第1当選図柄」又は「第3当選図柄」である場合、主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域にある遊技状態フラグとしての時間短縮機能作動フラグをON(01H)にセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段、状態移行手段)。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、時間短縮状態に移行する当選図柄で当選すると(所定の条件が満たされると)、非時間短縮状態(第1状態)から時間短縮状態(第2状態)に移行可能とする(状態移行手段)。
また、ステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時停止図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお、本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。また、本実施形態では第1特別図柄に関しては小当りが設定されておらず、第2特別図柄に関してのみ設定されている。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では小当り時に選択的に決定される当選図柄として、2種類の当選図柄が用意されている。2種類の内訳は、「第5当選図柄」及び「第6当選図柄」である。なお、これらの当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば、「第5当選図柄」であれば、「第5当選図柄A」、「第5当選図柄B」、「第5当選図柄C」、・・・といった具合である。
〔第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブル〕
図388は、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、この第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「50」,「50」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第5当選図柄」、「第6当選図柄」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する小当り時においては、「第5当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)であり、「第6当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)である。
今回の小当りの結果、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の小当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「03H」,「04H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の小当りの結果、当選図柄として「第5当選図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H03H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての小当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、小当り遊技中に特定領域31xを遊技球が通過して大当り遊技が開始され、その大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第5当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は1回(又は10回)付与される。
また、「第6当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は0回付与される(付与されない)。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル、及び、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルを用いることにより、主制御CPU72は、非時間短縮状態又は時間短縮状態で「第1当選図柄」、「第3当選図柄」又は「第5当選図柄」に該当した場合(第5当選図柄については大当り遊技が実行された場合に限る。)には、時間短縮状態への移行条件が満たされるものとすることができる(移行条件設定手段)。
〔図384:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2408:次に主制御CPU72は、変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、小当り時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン選択手段)。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。本実施形態では小当りは第2特別図柄抽選にのみ設定されており、小当り時には小当り時用の変動時間を有する変動パターンが選択される。なお、第1特別図柄抽選に小当りを設定してもよい。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図383:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして、主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また、特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図384中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に図389は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして、主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図383中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドを生成する。図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。なお、「停止表示時間終了コマンド」とは、特別図柄の停止表示時間が終了(経過)したことを示すコマンドである。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「可変入賞装置管理処理」に設定する。なお、主制御CPU72は、本処理にて各種機能を非作動に設定する処理を実行する。具体的には、時間短縮機能を非作動とする。これにより、特別遊技(大役)が開始される前には、通常状態(非時間短縮状態)に移行されることになる。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして、小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4608:主制御CPU72は、特殊変動回数更新処理を実行する。この処理では、第1特別図柄の特殊変動回数、及び、第2特別図柄の特殊変動回数が両方とも0である場合、何も処理を実行しない。一方、第1特別図柄の特殊変動回数が1以上である場合であって、第1特別図柄が停止した場合、第1特別図柄の特殊変動回数をデクリメント(−1)する処理を実行する。また、第2特別図柄の特殊変動回数が1以上である場合であって、第2特別図柄が停止した場合、第2特別図柄の特殊変動回数をデクリメント(−1)する処理を実行する。第1特別図柄の特殊変動回数、及び、第2特別図柄の特殊変動回数は、大当り遊技の開始時にリセットされる。なお、第1特別図柄の特殊変動回数や、第2特別図柄の特殊変動回数が0であるか1以上であるかに関わらず、本処理を実行した場合、主制御CPU72は、第1特別図柄の特殊変動回数や、第2特別図柄の特殊変動回数の値を反映させた特殊変動回数指定コマンドを演出制御装置に送信することができる。
ステップS4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「時間短縮状態」に関するカウンタ値がRAM76の時短カウント領域にセットされている。本実施形態では、いわゆる回数切りの時間短縮機能を採用しており、「時間短縮状態」に移行させる場合、時間短縮状態に関する第1回数切りカウンタ値(第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の時短回数)は所定の数値(例えば10回)に設定され、時間短縮状態に関する第2回数切りカウンタ値(第2特別図柄の時短回数)は規定の数値(例えば1回)に設定される。なお、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値の情報は、回数切りカウンタコマンドによって演出制御装置124に通知(送信)される。
なお、時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値は、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値といったように2つのカウンタ値を設けずに、1つのカウンタ値だけで時間短縮状態を制御してもよい。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値(第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値)が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。具体的には、第2特別図柄の停止表示中である場合には、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値を両方ともデクリメントし、第1特別図柄の停止表示中である場合には、第1回数切りカウンタ値だけをデクリメントする。
ステップS4640:そして、主制御CPU72は、いずれかの回数切りカウンタ値(第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値)の減算結果が0であるか否かを判断する。減算の結果、いずれの回数切りカウンタ値も0でない場合(No)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、いずれかの回数切りカウンタ値が0である場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。本実施形態では、時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値は所定の数値(例えば1回又は10回)に設定される。時間短縮状態で1回の第2特別図柄のはずれ変動(特定領域未通過となった場合はその際の小当り変動を含む。)が実行されると、時間短縮機能作動フラグがリセットされる。一方、時間短縮状態で9回の第1特別図柄のはずれ変動が実行されても、時間短縮機能作動フラグはリセットされず、その後さらに時間短縮状態で1回の第1特別図柄又は第2特別図柄のはずれ変動が実行されると、時間短縮機能作動フラグがリセットされる。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態が終了する。なお、時間短縮機能作動フラグは、特別図柄の停止表示時間が経過した際にリセットする例で説明しているが、特別図柄の変動時間終了時(停止表示時間計測開始前)にリセットしてもよい。
そして、以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理に復帰する。
このように、時間短縮状態の終了条件(所定の終了条件)は、時間短縮状態に移行してからの第2特別図柄の変動回数が第1回数(例えば1回)に到達した場合、又は、時間短縮状態に移行してからの第1特別図柄の変動回数及び第2特別図柄の変動回数を合計した合計変動回数が第1回数よりも大きい第2回数(例えば10回)に到達した場合に満たされる条件となっている。
図390は、変動パターンテーブルの一覧を示す図である。
変動パターンテーブルには、7個の変動パターンテーブルA〜Gが含まれている。
主制御CPU72は、遊技状態に応じて、7個の変動パターンテーブルA〜Gのいずれかの変動パターンテーブルを選択可能とする。各変動パターンテーブルには、1又は複数の変動パターンが含まれている。例えば、変動パターンテーブルAが選択された場合、第1特別図柄と第2特別図柄とで、選択される変動パターンが異なることもある。この点は、他の変動パターンテーブルでも同様である。なお、図中の「遊技状態」は、大当り遊技終了後の遊技状態(移行先の遊技状態)を示している。ただし、図中の「遊技状態」は、大当り遊技開始前の遊技状態(移行前の遊技状態)であってもよい。
変動パターンテーブルAは、遊技状態が「時短無し(非時間短縮状態)」の場合に選択される。具体的には、通常状態時に選択される。なお、RAMクリア後も、本テーブルが選択される。
変動パターンテーブルBは、遊技状態が「時短無し」の場合に選択される。具体的には、通常状態時に選択される。変動パターンテーブルAと、変動パターンテーブルBとの違いは、変動パターンテーブルBが時間短縮状態が終了した後の規定変動数以内で(例えば30変動まで)選択されるテーブルとなっている点である。変動パターンテーブルBは、いわゆる即止め防止のテーブルである。
変動パターンテーブルCは、遊技状態が「時短有り(時間短縮状態)」の場合に選択される。具体的には、通常状態時の時短有り図柄当選時(「第1当選図柄」又は「第3当選図柄」の当選時)に、第1特別図柄が1〜4、6〜9変動した場合に選択される。本テーブルでは、第1特別図柄については、変動時間が短い変動パターン(例えば、1秒変動)が設定されており、第2特別図柄については、変動時間が長い変動パターン(例えば、120秒変動)が設定されている。
変動パターンテーブルDは、遊技状態が「時短有り」の場合に選択される。具体的には、時短状態時に選択される。本テーブルでは、第1特別図柄については、変動時間が長い変動パターン(例えば、90秒変動)が設定されている。
変動パターンテーブルEは、遊技状態が「時短無し」の場合に選択される。具体的には、通常状態時(残り1回=時間短縮状態終了後の第2特別図柄の1変動分の変動時)に選択される。本テーブルでは、第2特別図柄については、変動時間が長い変動パターン(例えば、120秒変動)が設定されている。
変動パターンテーブルFは、遊技状態が「時短無し」の場合に選択される。具体的には、変動パターンテーブルBの最終変動時に選択される。
変動パターンテーブルGは、遊技状態が「時短有り」の場合に選択される。具体的には、通常状態時の時短有り図柄当選時に、第1特別図柄が5、10変動した場合に選択される。本テーブルでは、第1特別図柄については、変動時間が長い変動パターン(例えば、13.5秒変動)が設定されている。
図391は、非時間短縮状態からの大当りで大当り遊技の変動が第1特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。
ここで、図中の「時短回数」は、第1回数切りカウンタ値(第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の時短回数)に設定する値を示している(図393においても同様)。
〔No1〕
「当選図柄」が「第1当選図柄(第1特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜4」、「6〜9」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルC」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「5」、「10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルG」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No2〕
「当選図柄」が「第2当選図柄(第1特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No3〕
「当選図柄」が「第3当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No4〕
「当選図柄」が「第4当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No5(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No5(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
図392は、非時間短縮状態からの大当りで大当り遊技後の変動が第2特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。
なお、本実施形態では、第2特別図柄が変動した時点で大当り又は小当りとなるので、2変動目以降の特殊変動テーブルは存在しない。
ここで、図中の「第2特別図柄の時短回数」は、第2回数切りカウンタ値(第2特別図柄だけの時短回数)に設定する値を示している(図394においても同様)。
〔No1〕
「当選図柄」が「第1当選図柄(第1特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルC」となる。
〔No2〕
「当選図柄」が「第2当選図柄(第1特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
〔No3〕
「当選図柄」が「第3当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No4〕
「当選図柄」が「第4当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
〔No5(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No5(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
〔No6(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
図393は、時間短縮状態からの大当りで大当り遊技の変動が第1特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。
〔No1〕
「当選図柄」が「第1当選図柄(第1特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No2〕
「当選図柄」が「第2当選図柄(第1特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜5」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「6〜19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No3〕
「当選図柄」が「第3当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No4〕
「当選図柄」が「第4当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜5」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「6〜19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No5(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「時短回数」は「10回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「10回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜10」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「11」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No5(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「20回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1〜5」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「6〜19」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルB」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「20」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルF」となる。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「21」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「時短回数」は「0回」となり、「第1特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第1特別図柄の変動回数が「1」以降である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
図394は、時間短縮状態からの大当りで大当り遊技後の変動が第2特別図柄である場合の変動パターンを示す図である。
なお、図392と同様に、本実施形態では、第2特別図柄が変動した時点で大当り又は小当りとなるので、2変動目以降の特殊変動テーブルは存在しない。
〔No1〕
「当選図柄」が「第1当選図柄(第1特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No2〕
「当選図柄」が「第2当選図柄(第1特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
〔No3〕
「当選図柄」が「第3当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No4〕
「当選図柄」が「第4当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」である場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
〔No5(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「第2特別図柄の時短回数」は「1回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルD」となる。
〔No5(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第5当選図柄(第2特別図柄・10R・時短1回)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
〔No6(特定領域通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「1回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルE」となる。
〔No6(特定領域非通過)〕
「当選図柄」が「第6当選図柄(第2特別図柄・10R・時短無し)」であり、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合、「第2特別図柄の時短回数」は「0回」となり、「第2特別図柄の特殊変動回数」は「0回」となる。
この場合に参照される変動パターンテーブルは以下の通りである。
大当り終了後からの第2特別図柄の変動回数が「1」である場合、参照される変動パターンテーブルは、「変動パターンテーブルA」となる。
このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、連荘状態(第2状態)に移行して大当り遊技が実行される前は、連荘状態の第1特別図柄の変動時間(例えば1秒)を、非時間短縮状態(第1状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば2秒以上120秒未満)よりも相対的に短くすることを可能とする(変動時間決定手段)。
また、このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、連荘状態(第2状態)に移行して大当り遊技が実行された後は、連荘状態(第2状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば120秒以上)を、非時間短縮状態(第1状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば120秒未満)よりも相対的に長くすることを可能とする(変動時間決定手段)。
さらに、このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、第2特別図柄抽選(第2抽選)で当選して連荘状態に移行した際の第1特別図柄の変動時間(変動パターンテーブルD)を、第1特別図柄抽選(第1抽選)で当選して連荘状態に移行した際の第1特別図柄の変動時間(変動パターンテーブルC)よりも相対的に長くすることを可能とする(変動時間決定手段)。
このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、連荘状態(第2状態)に移行して大当り遊技が実行される前は、連荘状態の第1特別図柄の変動時間(例えば1秒)が、非時間短縮状態(第1状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば2秒以上120秒未満)よりも相対的に短くなるように変動時間を決定可能とする(変動時間決定手段)。
また、このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、連荘状態(第2状態)に移行して大当り遊技が実行された後は、連荘状態(第2状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば120秒以上)が、非時間短縮状態(第1状態)の第1特別図柄の変動時間(例えば120秒未満)よりも相対的に長くなるように変動時間を決定可能とする(変動時間決定手段)。
さらに、このような変動パターンテーブルを採用することにより、主制御CPU72は、第2特別図柄抽選(第2抽選)で当選して連荘状態に移行した際の第1特別図柄の変動時間(変動パターンテーブルD)が、第1特別図柄抽選(第1抽選)で当選して連荘状態に移行した際の第1特別図柄の変動時間(変動パターンテーブルC)よりも相対的に長くなるように変動時間を決定可能とする(変動時間決定手段)。
〔表示出力管理処理〕
次に図395は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図378中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値に応じて時短状態表示ランプ38eの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38eに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。さらに、主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスに応じて発射位置指定表示ランプ38fの点灯を制御する。例えば、大当り遊技又は小当りの遊技により第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31が作動状態となる場合、主制御CPU72は発射位置指定表示ランプ38fに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。また、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は上記の時短状態表示ランプ38eに加えて、発射位置指定表示ランプ38fに対応するLEDに対しても点灯信号を出力する。なお、発射位置指定表示ランプ38fは、大当り遊技を経て「時間短縮状態」に移行する場合、大当り遊技開始から「時間短縮状態」が終了するまで点灯し、「時間短縮状態」の終了により非点灯(OFF)となる。
主制御CPU72は、左打ち状態であるか右打ち状態であるかを示す発射位置指定フラグ(0=左打ち状態、1=右打ち状態)によって発射位置を管理し、任意のタイミングで発射位置指定フラグの内容を含む発射位置指定コマンドを演出制御装置に送信することができる。ここで、演出制御装置に右打ち報知ランプが接続されている場合には、演出制御装置は、発射位置指定コマンドに基づいて右打ち報知ランプの点灯態様を制御することができる。非時間短縮状態は左打ち状態であり、時間短縮状態は右打ち状態である。大当り遊技中や小当り遊技中は、基本的には右打ち状態であるが、それぞれのエンディング時間中(終了時間中)は左打ち状態としてもよい。
時間短縮状態は、時間短縮状態での最終変動(はずれ変動、小当り変動又は大当り変動)の変動終了時(停止表示時間の開始時)に終了させることができる。この場合、時間短縮状態での最終変動の停止表示時間を最終変動以外の停止表示時間(0.5秒)よりも長い時間(15.0秒)に設定することができる。なお、時間短縮状態は、時間短縮状態での最終変動の停止表示時間の終了時に終了させてもよい。
また、主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38bの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38bのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数ステータスの値で指定された大当り図柄に対応するいずれかの表示ランプ38a,38bである。例えば、連続作動回数ステータスの値が「10ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「10ラウンド(10R)」を表すランプ38aに対して点灯信号を出力する。また、本実施形態では、10ラウンド大当り以外の大当りが存在しないが、10ラウンド大当り以外の大当りとして、例えば4ラウンド大当りが存在しており、連続作動回数ステータスの値が「4ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「4ラウンド(4R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。なお、本実施形態のように、大当りとして1種類の大当りしかない場合(10ラウンド大当りしかない場合)、大当り種別表示ランプを点灯させなくてもよい。
〔可変入賞装置管理処理〕
次に、可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図396は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200〜ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大入賞口開放パターン設定処理〕
図397は、大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時又は小当り時にそれぞれ第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5202:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。この確認の結果、大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5203を実行する。一方、大当りフラグの値(01H)がセットされていない場合(No)、すなわち、小当りフラグの値(01H)がセットされている場合、主制御CPU72は次にステップS5204を実行する。
ステップS5203:主制御CPU72は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理を実行する。この処理では、大当り時図柄別開放パターン設定テーブルに基づいて、大当り時の当選図柄に対応した大入賞口の開放パターンを設定するものである。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5205を実行する。
ステップS5204:主制御CPU72は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理を実行する。この処理では、小当り時図柄別開放パターン設定テーブルに基づいて、大入賞口の開放パターンを設定するものである。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5205を実行する。
ステップS5205:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔大当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図398は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5210:主制御CPU72は、条件装置及び役物連続作動装置を作動させる。ここで、「条件装置」とは、その作動が役物連続作動装置の作動に必要な条件とされる装置であり、「役物連続作動装置」とは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を連続して作動させることができる装置である。なお、「条件装置」や「役物連続作動装置」は制御上のフラグとすることもできる。したがって、この条件装置が作動していない限り、大当り遊技において第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31は作動しないことを表している。主制御CPU72は次にステップS5212を実行する。
ステップS5212:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、大当り図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、第1当選図柄に該当した場合、連続作動回数ステータスには「10ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5214を実行する。
ステップS5214:主制御CPU72は、大当り時図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時図柄別開放パターン設定テーブルを参照し、特別図柄に関する当選図柄の種類に対応した開放パターンを選択する。ここで、開放パターンとは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を作動させる設定を表し、例えば、実行ラウンド数、開放時間、インターバル時間等の設定を表している。主制御CPU72は次にステップS5216を実行する。
〔大当り時図柄別開放パターン設定テーブル〕
図399は、大当り時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この大当り時図柄別開放パターン設定テーブルは、特別図柄に関する異なる当選図柄別に、ラウンドごとの作動させる可変入賞装置(第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31)の開閉動作パターンを定めたものである。具体的には、当選図柄別に以下の大入賞口の開放パターンが定められている。
〔第1当選図柄〕
第1当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドであり、その内の10ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第1当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される(ただし、上限個数の入球が確認されると閉鎖される。以下、同様。)。したがって、第1当選図柄に該当した場合は、実質的に10ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第2当選図柄〕
第2当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドであり、その内の10ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第2当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第2当選図柄に該当した場合は、実質的に10ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第3当選図柄〕
第3当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドであり、その内の10ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第3当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第3当選図柄に該当した場合は、実質的に10ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第4当選図柄〕
第4当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドであり、その内の10ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第4当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第4当選図柄に該当した場合は、実質的に10ラウンド分の出球を獲得することができる。
以上のように、主制御CPU72は、上記大当り時図柄別開放パターン設定テーブルを参照して当選図柄の種類に対応する大入賞口の開放パターンを設定する。
〔図398:大当り時大入賞口開放パターン設定処理を参照〕
ステップS5216:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中のラウンド毎(1ラウンド〜最終ラウンド)に作動させる可変入賞装置の種類を第1可変入賞装置30に設定する。なお、本実施形態においては、全ての大当り時の当選図柄(第1当選図柄〜第3当選図柄)に対応する開放パターンが1ラウンド〜最終ラウンドで第1大入賞口30bが開放されるため、第1可変入賞装置30の作動が設定される。主制御CPU72は次にステップS5218を実行する。
ステップS5218:主制御CPU72は、実行ラウンド数を設定する。具体的には、主制御CPU72は当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンド数を設定する。例えば、10ランド大当りに対応する開放パターンの実行ラウンド数としては、10ラウンドが設定される。主制御CPU72は次にステップS5220を実行する。
ステップS5220:主制御CPU72は、大当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド毎に大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、大当り時の当選図柄(第1当選図柄〜第3当選図柄)に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、ラウンド毎に設定される。例えば、第1当選図柄であった場合、出球有りのラウンドについては第1大入賞口30bを開放する開放時間が29.0秒に設定される。したがって、開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。なお、開放タイマの値として0.5秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が困難な時間となる。主制御CPU72は次にステップS5222を実行する。
ステップS5222:主制御CPU72は、大当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、全ての大当り時の当選図柄(第1当選図柄〜第3当選図柄)に対応する開放パターンのインターバルタイマとして1.0秒が設定される。例えば、1ラウンド目と2ラウンド目の間の第1大入賞口30bの開放が終了し一旦閉鎖状態になった後、1.0秒間程度のインターバルタイマが設定される。主制御CPU72は次にステップS5224を実行する。
ステップS5224:主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の処理(ステップS5218)で設定された実行ラウンド数に基づいて生成することができる。例えば、第1当選図柄に該当した場合、実行ラウンド数は「10ラウンド」となるため、連続作動回数コマンドは「10ラウンド」を表す値を含むコマンドとして生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大入賞口開放パターン設定処理(図397)に復帰する。
〔小当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図400は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5252:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、小当り遊技中を表す状態コマンドを生成する。小当り遊技中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5254を実行する。
ステップS5254:主制御CPU72は、小当り時開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時開放パターン設定テーブルを参照し、開放パターンを選択する。ここで、開放パターンとは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を作動させる設定を表し、例えば、開放回数、開放時間、インターバル時間、特定領域31xの開放時間等の設定を表している。主制御CPU72は次にステップS5256を実行する。
〔小当り時開放パターン設定テーブル〕
図401は、小当り時開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この小当り時開放パターン設定テーブルは、可変入賞装置(第2可変入賞装置31)の開閉動作パターンを定めたものである。なお、本実施形態では、小当り時に設定される開放パターンは1つであるが、当選図柄別に複数規定してもよい。
小当りに該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第2可変入賞装置31である。また、第2可変入賞装置31の開放回数は2回であり、その1回の開放時間は0.9秒である。なお、インターバル時間は例えば1.0秒程度に設定される。
特定領域31xの開放開始時間(特定領域ソレノイド99をONにして特定領域用スライド部材31cを作動させるタイミング)は、第2可変入賞装置31の開放開始から0.2秒後である。
また、特定領域31xの開放終了時間(特定領域ソレノイド99をOFFにして特定領域用スライド部材31cを非作動とするタイミング)は、第2可変入賞装置31の開放開始から1.8秒後である。
〔図400:小当り時大入賞口開放パターン設定処理を参照〕
ステップS5256:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は小当りに対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に作動させる可変入賞装置の種類を第2可変入賞装置31に設定する。主制御CPU72は次にステップS5258を実行する。
ステップS5258:主制御CPU72は、開放回数を設定する。具体的には、主制御CPU72は小当りに対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に実行する開放回数を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに対応する開放パターンの開放回数として2回が設定される。主制御CPU72は次にステップS5260を実行する。
ステップS5260:主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当り時に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、0.9秒が設定される。主制御CPU72は次にステップS5262を実行する。
ステップS5262:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、大入賞口の開放間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、インターバルタイマは所定時間(例えば1.0秒)に設定される。主制御CPU72は次にステップS5264を実行する。
ステップS5264:主制御CPU72は、特定領域31x(特定領域用スライド部材31c)の開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に特定領域31xの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、第2可変入賞装置31の開放開始から0.2秒後に特定領域31xが開放され、第2可変入賞装置31の開放開始から1.8秒後に特定領域31xが閉鎖される。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大入賞口開放パターン設定処理(図397)に復帰する。
〔大入賞口開閉動作処理〕
図402は、大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は主に、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5302:主制御CPU72は、現在の内部状態が「大役中」であるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファにアクセスし、制御上の内部状態フラグとして「大役中(大当り遊技中)」のフラグがセットされているか否かで、現在の内部状態が「大役中」であるか否かを確認する。なお、「大役中(大当り遊技中)」のフラグは、先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理中:ステップS5212)や後述する特定領域通過時処理中において主制御CPU72によりセットされる。この確認の結果、現在の内部状態が「大役中」である場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5306を実行する。一方、現在の内部状態が「大役中」ではない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5304を実行する。
ステップS5304:主制御CPU72は、第2大入賞口開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、第2大入賞口31bを開閉するために第2可変入賞装置31を作動させる(第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS5306:主制御CPU72は、第1大入賞口開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、第1大入賞口30bを開閉するために第1可変入賞装置30を作動させる(第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理(図396)に復帰する。
〔第2大入賞口開閉動作処理〕
図403は、第2大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5310:主制御CPU72は、主制御CPU72は、第2大入賞口31bを開放する。具体的には、第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第2可変入賞装置31が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。なお、本処理を実行した場合、主制御CPU72は、演出制御装置124に対して、小当り時のオープニングコマンドを送信することができる。小当り時のオープニングコマンドは、小当り中に1回だけ送信することが好ましい。
ステップS5312:主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図400中)のステップS5260やステップS5264)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。なお、この処理では、第2大入賞口31bの開放に関する開放タイマの他に、特定領域31xの開放に関する開放タイマ(開放開始時間、開放終了時間)についてのカウントダウンが行われる。主制御CPU72は次にステップS5314を実行する。
ステップS5314:主制御CPU72は、特定領域開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、特定領域31xを開閉するために特定領域用スライド部材31cを作動させる(特定領域ソレノイド99に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5316を実行する。
ステップS5316:主制御CPU72は、第2大入賞口31bの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理中の第2大入賞口31bについての開放タイマの値が0以下であるか否かを確認する。この確認の結果、第2大入賞口31bの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322を実行する。一方、第2大入賞口31bの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5318を実行する。
ステップS5318:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第2可変入賞装置31(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第2カウントスイッチ85から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。主制御CPU72は次にステップS5320を実行する。
ステップS5320:主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように小当り時の開放1回あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(No)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5310〜ステップS5320の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5316で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5320でカウント数が所定数に達したことを確認すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322を実行する。なお、小当り時の開放は、開放タイマの値が短時間(例えば、1.8秒)に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5316で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5322:主制御CPU72は、第2大入賞口31bを閉鎖する。具体的には、第2大入賞口ソレノイド97に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより第2可変入賞装置31が開放状態から閉鎖状態に復帰する。主制御CPU72は次にステップS5324を実行する。
ステップS5324:主制御CPU72は、特定領域通過フラグがONであるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、特定領域通過フラグの値が01Hであるか否かにより、特定領域通過フラグがONであるか否かを確認する。この確認の結果、特定領域通過フラグがONである場合(Yes)、すなわち、小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過した場合、主制御CPU72は次にステップS5326を実行する。一方、特定領域通過フラグがONではない場合(No)、すなわち、小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過しなかった場合、主制御CPU72は次にステップS5327aを実行する。なお、特定領域通過フラグは、先の特定領域開閉動作処理(ステップS5314)の中でONに設定される可能性がある。
ステップS5326:主制御CPU72は、特定領域通過時処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過したことに基づき、条件装置や役物連続作動装置を作動させ、第1可変入賞装置30を連続作動させる処理、すなわち、大当り遊技を開始する処理を実行する(特殊遊技経由特別遊技実行手段、特別遊技実行手段)。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5328を実行する。
ステップS5327a:主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図400中)のステップS5262)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5327bに進む。なお、ここでは特に図示していないが、インターバル時間が経過するまでの間(インターバルタイマ値が0になるまでの間)、割り込み毎に主制御CPU72はステップS5327aから呼び出し元である可変入賞装置管理処理(図396)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5310からではなく直にステップS5327aを実行する。
ステップS5327b:主制御CPU72は、第2大入賞口開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、第2大入賞口開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5327c:主制御CPU72は、インクリメント後の第2大入賞口開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「1回の小当り中に第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、特にこのような開放パターンを採用していない場合には、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されているため、1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5328に進むことになる。
一方、「1回の小当り中に第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンを採用している場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5310〜ステップS5327bまでの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5327bで開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(ステップS5327c;Yes)、主制御CPU72は次にステップS5328を実行する。
ステップS5328:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、大入賞口開閉動作処理(図402)に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔特定領域開閉動作処理〕
図404は、特定領域開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5330:主制御CPU72は、特定領域31xの開放時間が開始されたか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はカウントダウン処理(ステップS5312)においてカウントダウンされていた特定領域31xの開放に関する開放開始時間についての開放タイマの値が0であるか否かを確認することで、特定領域31xの開放時間が開始されたか否かを確認する。この確認の結果、特定領域31xの開放時間が開始された場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5332を実行する。一方、特定領域31xの開放時間が開始されていない場合(No)、又は、すでに開放されている場合、主制御CPU72は次にステップS5334を実行する。
ステップS5332:主制御CPU72は、特定領域31xを開放する。具体的には、特定領域ソレノイド99に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、特定領域用スライド部材31cが作動して特定領域31xが閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5334を実行する。
ステップS5334:主制御CPU72は、遊技球が特定領域31xを通過したか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76の記憶領域にアクセスし、特定領域予備フラグがONになっているか否かを確認する。この確認の結果、特定領域予備フラグがONになっていて、遊技球が特定領域31xを通過したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5336を実行する。一方、特定領域予備フラグがOFFになっていて、遊技球が特定領域31xを通過していないことを確認した場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5338を実行する。
ステップS5336:主制御CPU72は、特定領域通過フラグをONにセットする。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、特定領域通過フラグの値を01Hに設定する。主制御CPU72は次にステップS5338を実行する。なお、特定領域通過フラグや特定領域予備フラグは大当り遊技の終了時にリセットされる。
ステップS5338:主制御CPU72は、特定領域31xの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はカウントダウン処理(ステップS5312)においてカウントダウンされていた特定領域31xの開放に関する開放タイマの値が0であるか否かを確認することで、特定領域31xの開放時間が終了したか否かを確認する。この確認の結果、特定領域31xの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5340を実行する。一方、特定領域31xの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図403)に復帰する。
ステップS5340:主制御CPU72は、特定領域31xを閉鎖する。具体的には、特定領域ソレノイド99に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、特定領域用スライド部材31cが開放状態(作動状態)から閉鎖状態(非作動状態)に復帰する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図403)に復帰する。
〔特定領域通過時処理〕
図405は、特定領域通過時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5350:主制御CPU72は、小当りフラグをリセットする。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、小当りフラグの値を00Hにリセットする。主制御CPU72は次にステップS5352を実行する。
ステップS5352:主制御CPU72は、小当り遊技を終了させる。具体的には、主制御CPU72は内部状態フラグから「小当り遊技中」を消去し、制御処理上で小当り遊技を終了する(小当り終了)。主制御CPU72は次にステップS5354を実行する。
ステップS5354:主制御CPU72は、条件装置及び役物連続作動装置を作動させる。これにより、第1可変入賞装置30を連続して作動させることができ、大当り遊技を開始できることとなる。主制御CPU72は次にステップS5356を実行する。
ステップS5356:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、当選図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、第1当選図柄に該当した場合、連続作動回数ステータスには「10ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5358を実行する。
ステップS5358:主制御CPU72は、特定領域通過時図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルを参照し、小当りに該当した際の当選図柄の種類に対応した開放パターンを選択する。主制御CPU72は次にステップS5360を実行する。
ステップS5360:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中のラウンド毎(2ラウンド〜最終ラウンド)に作動させる可変入賞装置の種類を第1可変入賞装置30に設定する。主制御CPU72は次にステップS5362を実行する。
ステップS5362:主制御CPU72は、実行ラウンド数を設定する。具体的には、主制御CPU72は小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンド数を設定する。例えば、第5当選図柄に対応する開放パターンの実行ラウンド数としては「10ラウンド」が設定される。主制御CPU72は次にステップS5364を実行する。
ステップS5364:主制御CPU72は、大当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド毎に大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄(第4当選図柄〜第6当選図柄)に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、ラウンド毎に設定される。例えば、第4当選図柄であった場合、出球有りのラウンドについては第1大入賞口30bを開放する開放時間が29.0秒に設定される。したがって、開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。なお、開放タイマの値として0.5秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が困難な時間となる。主制御CPU72は次にステップS5366を実行する。
ステップS5366:主制御CPU72は、大当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに該当した際の当選図柄に対応する開放パターンのインターバルタイマとして1.0秒が設定される。例えば、2ラウンド目と3ラウンド目の間の第1大入賞口30bの開放が終了し一旦閉鎖状態になった後、1.0秒間程度のインターバルタイマが設定される。主制御CPU72は次にステップS5368を実行する。
ステップS5368:主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の処理(ステップS5362)で設定された実行ラウンド数に基づいて生成することができる。例えば、第5当選図柄に該当した場合、実行ラウンド数は「10ラウンド」となるため、連続作動回数コマンドは「10ラウンド」を表す値を含むコマンドとして生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5370を実行する。
ステップS5370:主制御CPU72は、特定領域通過時図柄別時間短縮機能設定処理を実行する。この処理では、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が「第5当選図柄」である場合、主制御CPU72は時間短縮機能作動フラグをONにセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段、状態移行手段)。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、時間短縮状態に移行する当選図柄で当選すると(所定の条件が満たされると)、非時間短縮状態(第1状態)から時間短縮状態(第2状態)に移行可能とする(状態移行手段)。
ステップS5372:主制御CPU72は、特殊変動回数設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、当選図柄に応じて、第1特別図柄の特殊変動回数、及び、第2特別図柄の特殊変動回数を設定する。特殊変動回数の具体的な数値は、図391〜図394において説明した通りである。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図403)の末尾のアドレスに復帰する。
〔特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブル〕
図406は、特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルは、小当りに該当した際の特別図柄に関する異なる当選図柄別に、ラウンドごとの第1可変入賞装置30の開閉動作パターンを定めたものである。具体的には、当選図柄別に以下の大入賞口の開放パターンが定められている。
〔第5当選図柄〕
第5当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドである。なお、この実行ラウンド数には、小当りで開放された第2可変入賞装置31の作動が含まれているため、これから開始される大当り遊技では10ラウンドから1ラウンド分が減算された9ラウンドが実質的な大当り遊技でのラウンド数となる(以下の第6当選図柄でも同様)。そして、各ラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が第5当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、小当りでの第2可変入賞装置31の開放を1ラウンド目としているため、2ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第5当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合は、実質的に9ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第6当選図柄〕
第6当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンド(実質的な大当り遊技でのラウンド数は9ラウンド)である。そして、各ラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が第6当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、小当りでの第2可変入賞装置31の開放を1ラウンド目としているため、2ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第6当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合は、実質的に9ラウンド分の出球を獲得することができる。
以上のように、主制御CPU72は、上記特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルを参照して小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄の種類に対応する大入賞口の開放パターンを設定することとなる。
〔第1大入賞口開閉動作処理〕
図407は、第1大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5380:主制御CPU72は、主制御CPU72は、第1大入賞口30bを開放する。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第1可変入賞装置30が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5382を実行する。なお、本処理を実行した場合、主制御CPU72は、演出制御装置124に対して、大当り時のオープニングコマンドを送信することができる。大当り時のオープニングコマンドは、大当り中に1回だけ送信することが好ましい。
ステップS5382:主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図398中)のステップS5220、又は、特定領域通過時処理(図405中)のステップS5364)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。主制御CPU72は次にステップS5386を実行する。
ステップS5386:主制御CPU72は、第1大入賞口30bの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の第1大入賞口30bについての開放タイマの値が0以下であるか否かを確認する。この確認の結果、第1大入賞口30bの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5392を実行する。一方、第1大入賞口30bの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5388を実行する。
ステップS5388:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第1可変入賞装置30(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第1カウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。主制御CPU72は次にステップS5390を実行する。
ステップS5390:主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5380〜ステップS5390の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5386で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5390でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5392を実行する。なお、開放タイマの値が短時間(例えば、0.5秒)に設定されている場合、通常、主制御CPU72はステップS5390でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5386で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5392:主制御CPU72は、第1大入賞口30bを閉鎖する。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより第1可変入賞装置30が開放状態から閉鎖状態に復帰する。主制御CPU72は次にステップS5394を実行する。
ステップS5394:主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図398中)のステップS5222、又は、特定領域通過時処理(図405中)のステップS5366)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5395に進む。なお、ここでは特に図示していないが、インターバル時間が経過するまでの間(インターバルタイマ値が0になるまでの間)、割り込み毎に主制御CPU72はステップS5394から呼び出し元である可変入賞装置管理処理(図396)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5380からではなく直にステップS5394を実行する。
ステップS5395:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5396:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で第1可変入賞装置30を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、本実施形態では、特にこのような開放パターンを採用していないので、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがって、通常は1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5398に進むことになる。
なお、上記のように1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用した場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5380〜ステップS5390までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5395で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5398に進むことになる。
ステップS5398:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、大入賞口開閉動作処理(図402)に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大入賞口閉鎖処理〕
図408は、大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大入賞口閉鎖処理は、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5401:先ず主制御CPU72は、現在の遊技が大役(大当り遊技)中であるか否かを確認し、大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5402を実行する。
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。なお、小当り遊技中に特定領域31xを遊技球が通過し、小当りの終了後に大当り遊技が開始された場合、小当り時の第2大入賞口31bの開放を1ラウンド目として扱い、大当り遊技が開始される1回目のラウンドは2ラウンド目として扱われる。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1〜15)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の14、又は、15)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図396中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402〜ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達するまでの間、第1可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔小当り時〕
これに対し、小当りの場合は以下の手順となる(特例作動実行手段)。
ステップS5411:主制御CPU72は現在の遊技が大役中でないことを確認すると(ステップS5401:No)、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS5413:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図400中のステップS5258)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS5416を実行する。
ステップS5416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図396中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5401〜ステップS5413(No)を経てステップS5416、ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際の開放回数が設定した開放回数に達するまでの間、第2可変入賞装置31の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS5413:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5414を実行する。
ステップS5414,ステップS5412:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔終了処理〕
図409は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。この終了処理は、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5501a:主制御CPU72は、終了時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は終了時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
ステップS5501b:次に主制御CPU72は、終了時間(エンディング時間)が経過したか否かを確認する。具体的には、終了時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は終了時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して可変入賞装置管理処理(図396)に復帰する。
この後、時間の経過に伴って終了時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は終了時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS5502以降の処理を実行する。
なお、終了時間に関しては、大当りと小当りとで別の時間を設定してもよい。
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認し、大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5503を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:この場合、主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また、主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で大当り遊技を終了する(大役終了)。なお、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値をリセットする。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値が01Hであるか(セットされているか)否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図384中のステップS2414)や、先の特定領域通過時処理中の特定領域通過時図柄別時間短縮機能設定処理(図405中のステップS5370)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、時間短縮機能作動フラグの値が01Hである場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時短回数(例えば1回(又は10回))を設定する。設定した時短回数の値は、上記のようにRAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時短回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。本実施形態では、時短回数を管理するために、2種類の時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値(第1回数切りカウンタ値、第2回数切りカウンタ値)が用意されている。ここで、第1回数切りカウンタ値は、第1特別図柄又は第2特別図柄が1回変動する度にデクリメントされる変数であり、初期値として「10」が設定される。また、第2回数切りカウンタ値は、第2特別図柄が1回変動する度にデクリメント(1減算)される変数であり、初期値として「1」が設定される。なお、時間短縮機能作動フラグの値が01Hでない場合(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512及びステップS5513を実行しない。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、時間短縮状態への移行条件が満たされた場合(所定の移行条件が満たされた場合、時間短縮状態に移行させる当選図柄で当選した場合)、大当り遊技の終了後に、非時間短縮状態(所定の遊技状態)から非時間短縮状態と比較して有利な条件が適用された(普通図柄抽選の変動時間が短縮され、可変始動入賞装置の開放時間が延長されている)時間短縮状態(有利遊技状態)に移行させることができる(有利遊技状態移行手段)。
ステップS5513:主制御CPU72は、特殊変動回数設定処理を実行する。この処理は、図405のステップS5372の処理と同様である。
ここまでの手順は大当りの場合であるが、小当りの場合(ステップS5502:No)は以下の手順が実行される。
ステップS5520,ステップS5522:小当りの場合、主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また、内部状態フラグから「小当り遊技中」を消去する。なお、小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS5514:そして、主制御CPU72は、フラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS5516:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図383中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔ゲームフロー(その1)〕
図410は、通常モードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
パチンコ機1で遊技を開始する場合、〔F1〕通常モード(公園モード)から遊技が開始される。「通常モード」は、「非時間短縮状態」である。
〔F1〕通常モードでの遊技中に、遊技球が中始動入賞口26に入球すると、〔F2〕第1特別図柄が変動する。
〔F3〕第1特別図柄抽選で「はずれ」となると、〔F1〕通常モードの状態からやり直しとなる。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F5〕第1当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。〔F8〕ドライブモードは、「時間短縮状態」である。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F7〕第2当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F9〕動物モードに移行する。〔F9〕動物モードは、「非時間短縮状態」である。なお、〔F9〕動物モードの変動パターンは、〔F1〕通常モードと異ならせてもよく、〔F1〕通常モードと同一であってもよい。
〔ゲームフロー(その2)〕
図411は、時間短縮状態のドライブモードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F8〕時間短縮状態のドライブモードでの遊技中に、遊技球が右始動入賞口28bに入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していると)、〔F12〕第2特別図柄が変動する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F14〕第3当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F15〕第4当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F20〕非時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率318/319)」となり、〔F17〕第5当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率318/319)」となり、〔F19〕第6当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F20〕非時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔ゲームフロー(その3)〕
図412は、非時間短縮状態のドライブモードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F20〕非時間短縮状態のドライブモードでの遊技中に、遊技球が右始動入賞口28bに入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していると)、〔F12〕第2特別図柄が変動する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F14〕第3当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F15〕第4当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F9〕動物モードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率318/319)」となり、〔F17〕第5当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕時間短縮状態のドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率318/319)」となり、〔F19〕第6当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F9〕動物モードに移行する。
このように、本実施形態では、一旦、時間短縮状態(連荘状態)に突入すると、第2特別図柄の時短1回分の変動と、第2特別図柄の1個の記憶分とで、合計2回の当り(大当り又は小当り)の機会を得ることできる。そして、その2回の機会のいずれかで、時短付きの当選図柄で当選すると、再び、時間短縮状態(連荘状態)に復帰する遊技性となっている。
〔ゲームフロー(その4)〕
図413は、動物モードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F9〕動物モードでの遊技中に、遊技球が中始動入賞口26に入球すると、〔F2〕第1特別図柄が変動する。
〔F3〕第1特別図柄抽選で「はずれ」となり、このような「はずれ」が規定回数連続すると(例えば、15回の変動が実行されると)、〔F20〕規定変動経過となり、〔F1〕通常モードに移行する。なお、第1特別図柄抽選で「大当り」となった場合は、図410のゲームフローと同様の流れとなる。
〔演出画像の例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像及びドラムユニット200の動作について、いくつかの例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)を決定し、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、上記のように第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。同様に、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示の態様は、やはり7セグメントLED等による記号的な図案であり、やはり「当選図柄」としての視覚的なインパクトに乏しい。そこでパチンコ機1では、液晶表示器42及びドラムユニット200を用いた変動表示演出及び停止表示演出が行われている。
本実施形態では、液晶表示器42に、演出図柄Hz(本図柄)、マーカM1、マーカM2、第4図柄Z1,Z2、滞在モードに対応する背景画像、予告演出に関する画像等を表示しており、ドラムユニット200に、7図柄等の擬似演出図柄を表示している。
液晶表示器42に表示される演出図柄Hzには、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される。各演出図柄には、数字の「1」〜「9」が表示されている。ここで、左演出図柄、中演出図柄、及び右演出図柄は、いずれも数字が「9」〜「1」の降順に並んだ図柄列(演出図柄配列)を構成している。このような図柄列は、それぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
ドラムユニット200に表示される擬似演出図柄には、左リール201に表示される擬似左演出図柄、中リール202に表示される擬似中演出図柄、右リール203に表示される擬似右演出図柄の3つが含まれており、これらはドラムユニット200の表示領域上で左・中・右に並んで表示される。各リールには、7図柄やパンダ図柄、チェリー図柄が含まれており、各リールが回転することにより、擬似演出図柄が変動表示される。
図414及び図415は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、液晶表示器42及びドラムユニット200を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄)が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果が表示されたことを表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔変動表示前〕
図414中(A):例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の下部右側の領域には3本の演出図柄Hzの列が表示されている。このとき第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄Hzも停止表示された状態にある。
また、液晶表示器42の下部左側の領域には、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数を表すマーカ(図中に参照符号M1,M2を付す)が表示されるものとなっている。これらマーカM1,M2は、それぞれの表示個数が対応する第1特別図柄、第2特別図柄の作動記憶数(第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示数)を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。また、マーカM1,M2は、視覚的な判別を容易にするため第1特別図柄に対応するマーカM1が例えば円(○)の図形で表示され、第2特別図柄に対応するマーカM2が例えばハートの図形で表示されている。なお、図示の例では、マーカM1が4つとも点灯表示されることで第1特別図柄の作動記憶数が4個であることを表し、マーカM2が全て非表示(破線で示す)になることで第2特別図柄の作動記憶数が0個であることを表している。なお、第2特別図柄の作動記憶数の最大値は1個であるため、マーカM2は最大で1つしか点灯しない。
また、液晶表示器42の下部右側の領域には第4図柄(図中に参照符号Z1,Z2を付す)が表示されている。この第4図柄Z1,Z2は、上記の左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄Hzの変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお、第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。第4図柄Z1は、第1特別図柄に対応しており、第4図柄Z2は、第2特別図柄に対応している。
また、第4図柄Z1,Z2については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に対応して停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が「大当り」や「小当り」であれば、それらに対応する態様(例えば青表示色や赤表示色等)で第4図柄Z1,Z2は停止表示される。
一方、ドラムユニット200の中段の有効ライン上には、「はずれ」に対応する「パンダ図柄」が表示されている。
〔変動表示演出開始〕
図414中(B):例えば、第1特別図柄の変動開始に同期して、ドラムユニット200の各リールが回転を開始するとともに、液晶表示器42の演出図柄Hzがスクロール変動することで変動表示演出が開始される(図柄演出実行手段)。なお、図中、ドラムユニット200の擬似演出図柄の変動表示、及び、演出図柄Hzの変動表示は単に下向きの矢印で表示している。
液晶表示器42の中央の領域には背景画像が表示されており、この背景画像は、公園の風景を表現したものである。このような背景画像は、演出上での滞在モードが例えば「通常モード」であることを表現している。「通常モード」は、非時間短縮状態である。この他にも演出上で各種のモードが設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている。これらモードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものである。ここでは特に図示していないが、この後、例えば液晶表示器42の表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
また、演出図柄Hzの変動表示中、液晶表示器42の画面下部では第4図柄Z1が変動表示されており、第4図柄Z1は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
〔左演出図柄停止〕
図414中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に、ドラムユニット200の左リール201の擬似左演出図柄と、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄が変動を停止する。この例では、ドラムユニット200の左リール201の中段位置に擬似左演出図柄として「緑色の7図柄」が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄として数字の「8」を表す演出図柄が停止している。
〔作動記憶数減少時の演出例〕
ここで、先の図414中(B)に示されているように、変動開始に伴って最も古い第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動して最も左側に位置していたマーカM1の表示個数が1個分減少されている。すなわち、それまでにマーカM1の作動記憶数が合計4個存在していたが、最も以前(古い)の記憶数表示であるマーカM1が非表示となり、内部抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、合計作動記憶数が3個に減少したことを演出上でも遊技者に教示することができ、また、いずれの特別図柄(この場合は第1特別図柄)に対応する作動記憶が消費されたかを分かりやすく教示することができる。
そして、図414中(C)の例においては、記憶順で先頭にあった作動記憶が消費されて残りが3個になったため、画面上に残った3つのマーカM1がそれぞれ1個分ずつ一方向(ここでは左方向)へずれていく演出が行われている。これにより、作動記憶数の変化の前後関係を正確に演出上で表現するとともに、遊技者に対して「作動記憶が消費されて1つ減った」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
〔右演出図柄停止〕
図415中(D):次に、ドラムユニット200の右リール203の中段位置に擬似右演出図柄として「パンダ図柄」が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの右演出図柄として数字の「3」を表す演出図柄が停止している。
〔停止表示演出〕
図415中(E):第1特別図柄の停止表示に同期して、停止表示演出が実行される。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、ドラムユニット200の擬似演出図柄も、液晶表示器42の演出図柄Hzも同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、ドラムユニット200の中リール202の中段位置に擬似中演出図柄として「パンダ図柄」が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄として数字の「1」を表す演出図柄が停止している。この場合、ドラムユニット200の中段の有効ライン上に表示された擬似演出図柄の組み合わせは「緑色の7図柄」−「パンダ図柄」−「パンダ図柄」のはずれ目であり、液晶表示器42の演出図柄Hzの組み合わせは「8」−「1」−「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
以上は、1回の変動ごとに行われる変動表示演出と停止表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
〔大当り時の演出例〕
図416〜図418は、大当り時に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である。ここではリーチ演出の他に、変動表示演出や停止表示演出及び予告演出が含まれるものとする。また、その他にも、変動表示演出中に実行される予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出)の一例を説明する。
以下のリーチ演出は、第1特別図柄表示装置34において大当り時の変動パターンによる変動表示が行われた後、例えば、第1特別図柄が「第1当選図柄」又は「第2当選図柄」の態様(例えば7セグメントLEDの「己」,「ヨ」,「口」,「巳」,「F」,「E」,「L」,「Γ」等)で停止表示されるまでに実行される(リーチ演出実行手段)。
〔変動表示演出〕
図416中(A):第1特別図柄(又は第2特別図柄)の変動開始に略同期して、ドラムユニット200の各リールが回転を開始するとともに、液晶表示器42の演出図柄Hzがスクロール変動することで変動表示演出が開始される。
〔リーチ発生前予告演出(1段階目)〕
図416中(B):変動開始から所定時間が経過すると、液晶表示器42において、キャラクターの絵柄画像(絵札)を用いた1段階目のリーチ発生前予告演出が行われる。このリーチ発生前予告演出は、予め定められた順序にしたがって1段階から複数段階(例えば2〜5段階)まで、段階的に態様の変化が進行していく予告演出である。このリーチ発生前予告演出で用いられる絵柄画像は、画面の左端から出現するようにして表示される(その他の出現の態様でもよい。)。なお、「リーチ発生前予告」は、リーチの可能性や大当りの可能性を予告する演出である。このような「リーチ発生前予告演出」を実行することで、遊技者に対して「リーチに発展するかも知れない=大当りの可能性が高まる」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ発生前予告演出(2段階目)〕
図416中(C):リーチ発生前予告演出の1段階目の態様が実行された後、続いてリーチ発生前予告演出の態様の変化が2段階目に進行する。ここでは2段階目のリーチ発生前予告演出として、先とは違うキャラクターの絵柄画像を用いた演出が行われている。具体的には、画面の右端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像の前面に重なって表示される。また、このとき表示される絵柄画像は、先に表示されていた絵柄画像よりもサイズが大きい。そして、絵柄画像で表現されたキャラクターが台詞(例えば「リーチになるよ」等)を発するという、音響出力による演出もあわせて行われる。
このような2つ目の絵柄画像を用いたリーチ発生前予告演出(2段階目)は、先の図416中(B)で行われたリーチ発生前予告演出(1段階目)からさらに一歩進んだ発展型である。このように発展していく「リーチ発生前予告演出」の態様を称して、一般的に「ステップアップ予告」等と表現することがある。ここではリーチ発生前予告演出で2段階目の絵柄画像が出現する例を挙げているが、3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示される演出態様であってもよい。また、例えば3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示されるごとに、そのサイズが拡大されるものとしてもよい。なお、この段階でも変動表示演出は継続されている。いずれにしても、リーチ発生前予告演出の態様の変化をより多くの段階まで進行させることにより、今回の変動で大当りになる可能性(期待度)が高いことを遊技者に示唆することができる(例えば、5段階目まで進行すると最大の期待度を示唆する等。)。
〔左演出図柄の停止〕
図417中(D):変動表示演出の中期にさしかかると、ドラムユニット200の左リール201の擬似左演出図柄と、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄が変動を停止する。この例では、ドラムユニット200の左リール201の中段位置に擬似左演出図柄として「赤色の7図柄」が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄として数字の「7」を表す演出図柄が停止している。
〔リーチ状態の発生〕
図417中(E):そして、次に、ドラムユニット200の右リール203の擬似右演出図柄と、液晶表示器42の演出図柄Hzの右演出図柄が変動を停止する。この例では、ドラムユニット200の右リール203の中段位置に擬似右演出図柄として「赤色の7図柄」が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの右演出図柄として数字の「7」を表す演出図柄が停止している。これにより、ドラムユニット200の擬似演出図柄では、「赤色の7図柄」−「変動中」−「赤色の7図柄」のリーチ状態が発生しており、液晶表示器42の演出図柄Hzでは、「7」−「変動中」−「7」のリーチ状態が発生している。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われる。リーチ状態の発生後、当選時のリーチ演出が実行される。なお、液晶表示器42の演出図柄Hzに関しては、明確なリーチ状態を発生させずに、「変動中」−「変動中」−「変動中」の表示状態としてもよい。
〔リーチ発生後予告演出〕
図417中(F):リーチ状態が発生して暫くすると、液晶表示器42において、例えば「ハート」の図形を表す画像が群をなして画面上を斜めに過ぎっていくリーチ発生後予告演出が行われる。この場合、突然、画面上に「ハート群」の画像が流れていくように表示されるため、これによって遊技者に対する視覚的な訴求力を高めることができる。このような視覚的に賑やかなリーチ発生後予告演出を実行することで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ演出の進行〕
図418中(G):リーチ発生後予告演出に続いて、液晶表示器42に、画面の左側に敵キャラクターとしての「かぼちゃのお化け」が出現し、画面の右側に味方キャラクターとしての「男性キャラクター」が出現し、画面の中央に「VS」の文字が出現する演出が行われる。
図418中(H):リーチ演出が終盤になると、「かぼちゃのお化け」が無数のパンチを繰り出し、「男性キャラクター」がチョップで応戦する演出が行われている。この状態で「男性キャラクター」が勝利すれば大当りとなり、「男性キャラクター」が敗北すればはずれとなる。
〔停止表示演出(当選時演出)〕
図418中(I):「勝利!!」の文字とともに、「男性キャラクター」が大きく表示され、「かぼちゃのお化け」が小さく表示されると、大当りであることを意味している。そして、特別図柄の停止表示に略同期して、ドラムユニット200の中リール202の擬似中演出図柄と、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄が変動を停止する。この例では、ドラムユニット200の中リール202の中段位置に擬似右演出図柄として「赤色の7図柄」が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄として数字の「7」を表す演出図柄が停止している。第4図柄Z1は、大当りに対応する態様(例えば赤表示色)で停止表示されている。
なお、非当選時(はずれ時)は、「敗北・・」の文字とともに、「かぼちゃのお化け」が大きく表示され、「男性キャラクター」が小さく表示される。この場合、ドラムユニット200の中リール202の中段位置に擬似右演出図柄として「パンダ図柄」が停止され、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄として数字の「7」以外の数字を表す演出図柄が停止される。
〔大役中演出〕
図419及び図420は、大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である。なお、以下の大役中演出は、液晶表示器42にて実行される演出である。
〔大当り遊技開始〕
図419中(A):大当り遊技が開始されると、例えば、画面内に「BIG BONUS」といった文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像(例えば女性キャラクター)が表示される。
〔大役中「右打ち」表示〕
また、本実施形態では遊技領域8a内の右側部分に第1可変入賞装置30が配置されているため、大役中は遊技球の発射位置(発射方向)として遊技領域8a内の右側部分を指定することとしている。このため、主制御CPU72による制御上で上記の発射位置指定表示ランプ38fが点灯表示されるとともに、「右打ち」を表す発射位置指定コマンドが演出制御装置124に送信される。これを受けて、演出制御CPU126による演出制御上で表示画面内に「右打ち」を促す案内情報(右方向を示す矢印、「右打ち」の文字等)が表示される)。
〔1ラウンド目〕
図419中(B):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、例えば、画面内の左上部に「BIG BONUS」の文字情報とともに、10個の○印が表示される。そして、そのうち1番左に位置する○印が赤色(斜線のハッチング)で表示され、残りの9個の○印は白色で表示される。これにより、出球を獲得できるのは10ラウンドであること、現在のラウンドがその10ラウンド中の1ラウンド目であること、及び、出球が獲得できるラウンドが1つ進行する毎に○印が赤色で表示されることを遊技者に教示することができる。
〔10ラウンド目〕
図419中(C):この後、大当り遊技が順調に進行し、例えば、10ラウンド目に移行すると、例えば、10個の全ての○印が赤色で表示される。これにより、この10ラウンド目で出球を獲得できる全てのラウンドが終了することを遊技者に教示することができる。
ここで、時間短縮状態に移行する当選図柄に該当している場合や、時間短縮状態に移行する当選図柄に該当していなくても第2特別図柄の記憶がある場合には、図示のように、花火が打ち上げられる花火演出(ドライブモードに移行することを示唆する演出)が実行される。なお、時間短縮状態に移行する当選図柄に該当していない場合や、第2特別図柄の記憶が無い場合には、花火演出は実行されない。花火演出は、任意のラウンドで実行することができる。
〔時間短縮状態突入演出〕
図420中(D):時間短縮状態に移行する場合、大当り遊技の終了時間(エンディング時間)を利用して「ドライブモード突入!」といった文字情報が表示される演出が実行される。これにより、これから「ドライブモード」が開始されることを遊技者に教示することができる。また、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、「ドライブモード」においても右打ちで遊技が進行することを遊技者に教示することができる。
ここで、エンディング演出中には、「プリペイドカードの取り忘れに注意しましょう」といったプリペイドカードの取り忘れを喚起する報知を行ったり、「遊技に対するのめり込みに注意しましょう」といった遊技に対するめり込みを防止する報知を実行するようにしてもよい。
〔大当り遊技終了、時間短縮状態〕
図420中(E):大当り遊技が終了し、内部状態(遊技状態)が時間短縮状態に設定されると、滞在モードが「ドライブモード」に設定され、背景画像が、女性が乗車した自動車が大地を走行する様子を表現した画像に変更される。これにより、現在の内部状態(遊技状態)が通常状態とは異なる時間短縮状態であることを遊技者に教示することができる。
〔時短中演出〕
このように、時間短縮状態で遊技が進行している場合には、時間短縮状態(有利遊技状態)に対応させた背景画像を表示する時短中演出(有利遊技状態演出)が実行される。
〔右打ち示唆演出〕
また、画面上部では、右打ち示唆演出が実行されている。右打ち示唆演出では、液晶表示器42の画面上部に帯状の領域を設け、その帯状の領域の中に右打ちの文字情報と右向きの矢印記号とを表示している。なお、このような右打ち示唆演出は、遊技状態が時間短縮状態である場合には継続して実行される。そして、このような演出を実行することにより、遊技者に対して「右打ち」を促すことができる。
〔残り回数表示演出〕
さらに、画面左下では、残り回数表示演出が実行されている。残り回数表示演出では、液晶表示器42の画面左下に長方形形状の領域を設け、その長方形形状の領域の中にドライブモードで遊技を進行することができる残り回数を表示している。なお、図示の例では、「残り2回」の情報が表示されている。残り回数は、時間短縮状態のドライブモード又は非時間短縮状態のドライブモードで第2特別図柄が変動して停止する度に1減算される。このため、残り回数は、時間短縮状態や非時間短縮状態で第1特別図柄が変動して停止しても減算されない。
〔ドライブモード(時間短縮状態)の演出例〕
図421〜図423は、ドライブモードの演出例を示す連続図である。
図421中(A):ドライブモードでは、背景画像が、女性が乗車した自動車が大地を走行する様子を表現した画像に変更される。ドラムユニット200の中段の有効ライン上に表示された擬似演出図柄の組み合わせは「赤色の7図柄」−「赤色の7図柄」−「赤色の7図柄」の当選目であり、液晶表示器42の演出図柄Hzの組み合わせは「7」−「7」−「7」の当選目である。これは、当選時の出目を表示している。また、画面上部では、右打ち示唆演出が実行されており、このような右打ち示唆演出は、遊技状態が時間短縮状態である場合には継続して実行される。
なお、液晶の背景画像に連動させて、ドラムユニット200のバックライトを所定の色で発光させるようにしてもよい。
〔特別図柄の変動開始〕
図421中(B):第1特別図柄での初当り時には第1特別図柄の記憶が貯まっていることが多く、第2特別図柄の記憶が貯まっていないのが一般的である。図示の例では、第1特別図柄の記憶(マーカM1)が4つ貯まっている。このため、このような状況でドライブモードに突入した場合には、第1特別図柄が変動表示される。なお、第1特別図柄の記憶が貯まっていない場合には、遊技者が右打ちを実行することにより、最初に第2特別図柄の変動が実行される。そして、第1特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴ってドラムユニット200が回転を開始し、液晶表示器42の演出図柄Hzや第4図柄Z1についても変動を開始する。ここでは、第1特別図柄に関する内部抽選において、はずれに該当したものとする。
〔第1特別図柄の変動終了〕
図421中(C):第1特別図柄がはずれの態様で停止表示されると、ドラムユニット200の擬似演出図柄、液晶表示器42の演出図柄Hz、液晶表示器42の第4図柄Z1についてもはずれの態様で停止表示される。この間に遊技者が右打ちを実行し、複数の遊技球が始動ゲート20を通過し、可変始動入賞装置28が開放して1個の遊技球が右始動入賞口28bに入球したものとする。この場合、第2特別図柄の記憶(マーカM2)が1個貯まる。
ここでは、第1特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されない。具体的には、残り回数の表示は、残り2回のままである。
図422中(D):第1特別図柄及び第2特別図柄の記憶は、入賞順に消化されるため、この後は、第1特別図柄の残りの3個の記憶が消化される。そして、第1特別図柄の残りの記憶の消化が終了すると、次は、第2特別図柄の記憶を用いて内部抽選が実行される。そして、第2特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴ってドラムユニット200が回転を開始し、液晶表示器42の演出図柄Hzや第4図柄Z2についても変動を開始する。ここでは、第2特別図柄に関する内部抽選において、小当りに当選したものとする。
〔小当り開始、第2大入賞口開放〕
図422中(E):そして、第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、ドラムユニット200の擬似演出図柄(「チェリー図柄」−「チェリー図柄」−「チェリー図柄」の組み合わせ)、液晶表示器42の演出図柄Hz(「5」−「2」−「6」の組み合わせ)、液晶表示器42の第4図柄Z2(緑色表示色)についても小当りの態様で停止表示される。これにより、小当り遊技が開始され、第2大入賞口31bが開放される。そうすると、女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げて画面右側に進んでいく演出が実行される。また、例えば、第2特別図柄の変動中に遊技者が右打ちを実行し、遊技球が始動ゲート20を通過し、可変始動入賞装置28が開放して1個の遊技球が右始動入賞口28bに入球したものとする。この場合、第2特別図柄の記憶(マーカM2)が1個貯まる。
ここでは、第2特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されている。具体的には、残り回数の表示は、残り1回となっている。
図422中(F):小当り遊技が開始されると、仙人のキャラクターが「右下のアタッカを狙うのじゃ」という台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して、第2可変入賞装置31に遊技球を入球させなくてはならないということを伝達することができる。
〔特定領域通過〕
図423中(G):小当り遊技により第2可変入賞装置31が開放状態に移行し、遊技球が特定領域31xを通過し、小当り時の当選図柄が第6当選図柄であったものとする。この例では、自動車に乗っている女性キャラクターが、Vの文字が描かれたハートマークを掲げ、「やったね!BIG BONUSよ!!」といったセリフを発する演出が実行される。これにより、遊技球が特定領域31xを通過したこと、及び、これから大当り遊技(BIG BONUS)が開始されることを遊技者に教示することができる。
〔小当り終了、大当り遊技開始〕
図423中(H):その後、小当り遊技が終了し、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)が閉鎖される。また、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過したことで、大当り遊技が開始されることとなる。この例では、大当り遊技特有の女性キャラクターが登場し、「BIG BONUS」といった文字情報が表示され、女性キャラクターが同様のセリフを発する演出が実行される。また、表示画面には、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、そのまま右打ちで大当り遊技が進行することを遊技者に教示することができる。
その後、上記と同様の大当り遊技中の演出が開始され、大当り遊技が進行する。例えば、第2特別図柄に関する小当り時の当選図柄が第6当選図柄に該当している場合、実質的に9ラウンド分の出球(小当り遊技を含めると10ラウンド分の出球)を獲得することができる。なお、ドライブモードにて大当り遊技が実行される場合は、ドライブモードでの当選時専用の大役中演出を実行してもよい。
図424及び図425は、非時間短縮状態でのドライブモードにおいて第2特別図柄が変動する際の演出例を示す連続図である。このような状況が発生するのは、主に時間短縮状態の最終変動で「第4当選図柄」の大当り又は「第6当選図柄」の小当りに該当して大当り遊技が実行され、かつ、第2特別図柄の記憶が蓄積されている場合である。
ここでは、第2特別図柄の記憶は1個存在しているものとする。このため、時短中演出は継続して実行されている。また、残り回数表示演出として、「残り1回」の情報が表示されている。ただし、右打ち示唆演出は実行されていない。
〔特別図柄の変動表示中〕
図424中(A):非時間短縮状態でのドライブモードで第2特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴ってドラムユニット200が回転を開始し、液晶表示器42の演出図柄Hzや第4図柄Z2についても変動を開始する。
〔変動表示演出の継続〕
図424中(B):非時間短縮状態でのドライブモードで第2特別図柄の変動表示が継続して実行されている。また、それに伴ってドラムユニット200の回転が継続し、液晶表示器42の演出図柄Hzや第4図柄Z2についても変動を継続する。なお、ここでの状況は、時間短縮状態ではないため、始動ゲート20を通過させても可変始動入賞装置28がロング開放する確率は低い。このため、基本的には第2特別図柄の記憶を貯めることはできない。よって、このような非時間短縮状態でのドライブモードは、第2特別図柄が最大で1回変動するチャンスゾーンとなる。
〔停止表示演出〕
図424中(C):ここでは、第2特別図柄に関する内部抽選において、小当りに当選したものとする。そして、第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、ドラムユニット200の擬似演出図柄(「チェリー図柄」−「チェリー図柄」−「チェリー図柄」の組み合わせ)、液晶表示器42の演出図柄Hz(「2」−「2」−「3」の組み合わせ)、液晶表示器42の第4図柄Z2(緑色表示色)についても小当りの態様で停止表示される。この場合、動物のキャラクターが「7の数字が表示されたマーク」を掲げる演出が実行される。
ここでは、第2特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されている。具体的には、残り回数の表示は、残り0回となっている。
〔小当り開始、第2大入賞口開放〕
図425中(D):そして、小当り遊技が開始されると、第2大入賞口31bが開放されるとともに、女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げて画面右側に進んでいく演出が実行される。この際、動物のキャラクターを置き去りにする演出が実行される。
〔特定領域通過〕
図425中(E):小当り遊技により第2可変入賞装置31が開放状態に移行し、遊技球が特定領域31xを通過し、小当り時の当選図柄が第6当選図柄であったものとする。この例では、自動車に乗っている女性キャラクターが、Vの文字が描かれたハートマークを掲げ、「やったね!BIG BONUSよ!!」といったセリフを発する演出が実行される。これにより、遊技球が特定領域31xを通過したこと、及び、これから大当り遊技(BIG BONUS)が開始されることを遊技者に教示することができる。
〔小当り終了、大当り遊技開始〕
図425中(F):その後、小当り遊技が終了し、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)が閉鎖される。また、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過したことで、大当り遊技が開始されることとなる。この例では、大当り遊技特有の女性キャラクターが登場し、「BIG BONUS」といった文字情報が表示され、女性キャラクターが同様のセリフを発する演出が実行される。また、表示画面には、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、そのまま右打ちで大当り遊技が進行することを遊技者に教示することができる。その後、上記と同様の大当り遊技中の演出が開始され、大当り遊技が進行する。そして、非時間短縮状態のドライブモードで第6当選図柄に該当して大当り遊技が実行された場合、大当り遊技の終了後には、動物モードに移行する。
図426は、ドライブモードの概要を示す図である。
第1演出例は、正常な遊技を行った場合の演出例を示しており、第2演出例は、イレギュラーな遊技を行った場合の演出例を示している。
〔第1演出例〕
図426中(A)の状態は、ドライブモードが残り2回である状態(少なくとも残り2回大当りが発生する可能性がある状態)であり、主制御装置70の遊技状態は、時間短縮状態である。
図426中(A)の状態で時短有り当りに該当すると、大当り遊技の終了後に、再度、図426中(A)の状態に移行する。
一方、図426中(A)の状態で時短無し当りに該当し、かつ、第2特別図柄の記憶が有る場合、大当り遊技の終了後に、図426中(B)の状態に移行する。
図426中(B)の状態は、ドライブモードが残り1回である状態(少なくとも残り1回大当りが発生する可能性がある状態)であり、主制御装置70の遊技状態は、非時間短縮状態(記憶消化区間)である。
図426中(B)の状態で時短有り当りに該当すると、大当り遊技の終了後に、図426中(A)の状態に移行する。
一方、図426中(B)の状態で時短無し当りに該当すると、大当り遊技の終了後に、図426中(C)の状態に移行する。
図426中(C)の状態は、動物モードであり、主制御装置70の遊技状態は、非時間短縮状態(即止め防止区間)である。動物モードは、規定回数の変動の経過により終了し、その後は通常モードに移行する。
〔第2演出例〕
図426中(D)の状態は、ドライブモードが残り2回である状態であり、主制御装置70の遊技状態は、時間短縮状態である。
図426中(D)の状態で時短無し当りに該当し、かつ、第2特別図柄の記憶が無い場合、大当り遊技の終了後に、図426中(E)の状態に移行する。
図426中(E)の状態は、動物モードであり、主制御装置70の遊技状態は、非時間短縮状態(記憶消化区間)である。ただし、この状態では、第2特別図柄の記憶が無いことから、第2特別図柄の記憶を消化することができず、いずれは、第1特別図柄の記憶を消化することになる。
〔ドライブモードの概要〕
ドライブモード(連荘状態)は、正常な遊技を行った場合、図426中(A)〜(C)のように遷移する。
時間短縮状態で時短無し当りに当選すると、大当り遊技後には、主制御装置の遊技状態は、記憶消化区間となる。この際、本実施形態では、第2特別図柄の記憶が有る場合、1/1の確率で大当り(大当り又は小当り経由の大当り)となる。なお、第2特別図柄の記憶の上限は1個である。このため、第2特別図柄の記憶が有る場合は、ドライブモードの演出を継続させている(連荘継続のように見せている;図426中(A)〜(C)参照)。
正常な遊技を行った場合には、時間短縮状態での大当り時に第2特別図柄の記憶があるため、このような状態の遷移となるが、時間短縮状態での時短無し当り時に、第2特別図柄の記憶が無い場合は、実質的にそこで連荘が終了する。
このため、本実施形態では、主制御装置の遊技状態が、記憶消化区間であっても、連荘継続ではない動物モードに移行させている(図426中(D)(E)参照)。
なお、当選時の第2特別図柄の記憶の有無は、大当り演出にも関係するため、第2特別図柄の記憶の有無の判定は、小当り又は大当りのオープニングコマンド受信時に行っている。
このため、第2特別図柄の記憶が無い状態で当選し、大当り遊技のラウンド中に、第2特別図柄の記憶が貯まった場合は、動物モードに移行させた後、記憶消化区間において、第2特別図柄の変動を行うようにしている。
図427は、記憶消化区間において第1特別図柄のはずれ変動が実行される際の演出例を示す図である。
第1演出例は、記憶消化区間において第1特別図柄のはずれ変動が実行されるが、第2特別図柄の記憶が有る場合の演出例を示している。
第2演出例は、記憶消化区間において第1特別図柄のはずれ変動が実行され、かつ、第2特別図柄の記憶が無い場合の演出例を示している。
〔第1演出例〕
図427中(A)の状態は、ドライブモードが残り1回である状態であり、主制御装置70の遊技状態は、非時間短縮状態(記憶消化区間)である。
図427中(A)の状態で、第1特別図柄のはずれ変動が実行されると、図427中(B)に示すようにリーチ演出(例えば、花火の打上げに成功するか否かの演出)が実行され、図427中(C)に示すように最終的にはずれとなる演出(例えば、花火の打上げに失敗する演出)が実行される。
〔第2演出例〕
図427中(D)の状態は、動物モードであり、主制御装置70の遊技状態は、非時間短縮状態(記憶消化区間)である。ただし、この状態では、第2特別図柄の記憶が無いことから、第2特別図柄の記憶を消化することができず、左打ちをすると、第1特別図柄が変動することになる。
この場合、第1特別図柄のはずれ変動の実行中には、図427中(E)に示すように、複数回の変動が擬似的に実行される特別な擬似変動演出が実行され、最終的にはずれとなる演出が実行される。特別な擬似変動演出では、変動時間(変動尺)に合わせて、変動開始アクションや変動停止アクションが複数回実行される。
記憶消化区間であるにも関わらず、見た目上の演出が動物モードである場合、第1特別図柄の変動については、変動時間が長い変動パターン(例えば、数十秒の変動)が設定される。
この際に、ドライブモードに移行させ、そこではずれ演出を行えば、見た目の整合性は取れるが、「ドライブモード=連荘中」という関係性があるため、遊技者が誤認する恐れがある。
そこで、本実施形態では、記憶消化区間であり、かつ、見た目上の演出が動物モードである際には、変動表示演出の内容を実行する際の抽選を切り替えて、変動開始と変動停止を変動尺分繰り返した後、はずれの態様で確定するような演出を実行することにより、見た目上の違和感が無いようにしている。
図428は、記憶消化区間で選択される第1特別図柄の変動パターンと、即止め防止区間で選択される第1特別図柄の変動パターンとの相違を示す図である。
図428中(A)に示すように、記憶消化区間の変動パターン選択テーブルでは、第1特別図柄抽選の結果がはずれである場合、選択される変動パターンとしては、長時間変動の変動パターンが選択される可能性がある。例えば、長時間変動の変動パターンは、56.0秒の変動時間を有する変動パターンである。
一方、図428中(B)に示すように、即止め防止区間の変動パターン選択テーブルでは、第1特別図柄抽選の結果がはずれである場合、選択される変動パターンとしては、第1短時間変動〜第3短時間変動の変動パターンが選択される可能性がある。例えば、第1短時間変動の変動パターンは、20.0秒の変動時間を有する変動パターンであり、第2短時間変動の変動パターンは、13.5秒の変動時間を有する変動パターンであり、第3短時間変動の変動パターンは、6.0秒の変動時間を有する変動パターンである。
そして、今回問題としている第1特別図柄のはずれ変動は、図428中(A)に示す長時間変動であり、この変動は、記憶消化区間では選択されるが、即止め防止区間では選択されない。
このため、遊技状態が、記憶消化区間であり、見た目上のモードが即止め防止区間に対応する動物モードとなっている際は、演出の整合を取るために、上述したように、特別な擬似変動演出を実行している。
図429は、遊技状態と発射方向に関する遊技の流れを示す図である。
以下の遊技の流れは、連荘状態が最短で終了する際の遊技の流れである。
具体的には、非時間短縮状態において「第1当選種類(時短有り)」の大当りに当選し、時間短縮状態において「第6当選種類(時短無し)」の小当りに当選し、非時間短縮状態において「第6当選種類(時短無し)」の小当りに当選する場合の遊技の流れである。
遊技状態は、No1〜No13の順番で進行する。
〔No1〕
「遊技状態」は「第1特別図柄変動」であり、「発射方向」は「左打ち」である。
遊技の開始時は、第1特別図柄を変動させて、大当りを目指す。
〔No2〕
「遊技状態」は「大当り(初当り、大当り1回目)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。ここでは、「第1当選種類(時短有り)」の大当りに当選したものとする。
〔No3〕
「遊技状態」は「時間短縮状態」であり、「発射方向」は「右打ち」である。
非時間短縮状態から時間短縮状態に遊技状態が移行すると、発射方向は、右打ちとなる。
〔No4〕
「遊技状態」は「第1特別図柄変動(ショート変動)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。初当り時に貯まっている第1特別図柄の記憶は、高速消化される。
〔No5〕
「遊技状態」は「第2特別図柄変動(時間短縮状態、記憶+1)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。第2特別図柄の変動中には、第2特別図柄の記憶を1つ貯めることができる。
〔No6〕
「遊技状態」は「第2特別図柄停止(時間短縮状態終了)」であり、「発射方向」は「左打ち」である。第2特別図柄の停止時に、遊技状態が時間短縮状態から非時間短縮状態に移行すると、発射方向は、右打ちから左打ちに切り替わる。
〔No7〕
「遊技状態」は「第1特別図柄の記憶増加」であり、「発射方向」は「左打ち」である。第1特別図柄の記憶は、最大で4個まで貯まる。
〔No8〕
「遊技状態」は「小当り経由の大当り(大当り2回目)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。小当り遊技中や大当り遊技中の発射方向は、右打ちとなる。ここでは、「第6当選種類(時短無し)」の小当りに当選したものとする。
〔No9〕
「遊技状態」は「第2特別図柄変動(非時間短縮状態)」であり、「発射方向」は「左打ち」である。ここでは、第2特別図柄の記憶を増加させることができない。
〔No10〕
「遊技状態」は「第1特別図柄の記憶増加」であり、「発射方向」は「左打ち」である。第1特別図柄の記憶は、最大で4個まで貯まる。
〔No11〕
「遊技状態」は「第2特別図柄停止」であり、「発射方向」は「左打ち」である。発射方向は、左打ちの状態が継続される。
〔No12〕
「遊技状態」は「小当り経由の大当り(大当り3回目)」であり、「発射方向」は「右打ち」である。小当り遊技中や大当り遊技中の発射方向は、右打ちとなる。ここでは、「第6当選種類(時短無し)」の小当りに当選したものとする。
〔No13〕
「遊技状態」は「1セット分(3回分)の大当り終了」であり、「発射方向」は「左打ち」である。この場合、動物モードに移行する。このように、2回連続で、時短無しの当選図柄(例えば、「第6当選種類(時短無し)」)に該当すると、連荘状態は終了となる。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した変動表示演出やリーチ演出、リーチ発生前予告演出、記憶数表示演出、大役中演出、液晶表示器42やドラムユニット200を用いた演出、時短中演出、右打ち示唆演出、残り回数表示演出等は、いずれも以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
図430は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs〜数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、時短中及び擬似時短中その他演出処理(ステップS402a)、ドラムユニット演出管理処理(ステップS403)、特殊変動中演出管理処理(ステップS403a)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば、特図先判定演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止時コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、発射位置指定コマンド、エラー通知コマンド、大当り終了演出コマンド、変動パターン先判定コマンド、停止表示時間終了コマンド、回数切りカウンタコマンド、各種のエラーコマンド、特殊変動回数指定コマンド、大当り時のオープニングコマンド、小当り時のオープニングコマンド等がある。
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御CPU126は上述した記憶数表示演出や、マーカM1を用いた先読み予告演出の実行を制御する。なお、作動記憶演出管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄Hzや第4図柄Z1,Z2を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作時の演出内容を制御したりする。また、この処理において演出制御CPU126は、各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出等)の演出パターンを選択する。このように、演出図柄管理処理において、演出制御CPU126は、液晶表示器42に表示する演出内容(演出図柄Hz、第4図柄Z1,Z2、マーカM1,M2、大役中演出等に関する演出内容、各種予告演出の内容)を決定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS402a:演出制御CPU126は、時短中及び擬似時短中その他演出処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、右打ち示唆演出及び残り回数表示演出等に関する演出内容を決定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS403:ドラムユニット演出管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄管理処理にて決定した演出内容に基づいて、ドラムユニット200を制御する処理を実行する。このように、ドラムユニット演出管理処理において、演出制御CPU126は、ドラムユニット200に表示する演出内容(擬似演出図柄に関する演出内容、ドラムユニット200の可動に関する内容)を決定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS403a:特殊変動中演出管理処理において、演出制御CPU126は、特殊変動回数指定コマンドに基づいて特殊変動中演出を実行するか否かを判断し、実行すると判断した場合にはどのような内容の特殊変動中演出を実行するかを決定する処理を実行する。なお、本処理は、演出図柄変動前処理において実行してもよい。
具体的には、演出制御CPU126は、短い時間(数秒程度)の特殊変動パターンが選択されている場合には、非リーチ演出(例えば、演出図柄を高速変動させる演出)を実行する演出パターンを選択し、長い時間(数十秒程度)の特殊変動パターンが選択されている場合には、リーチ演出等を実行する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(演出実行手段)。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば演出制御CPU126は可動体40fの駆動用ICに対して制御信号を出力する。可動体40fは可動体モータ57を駆動源として動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う。
なお、この処理において、演出制御CPU126は、ドラムユニット200の演出管理(ドラムユニット200を制御する処理)をするようにしてもよい。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される演出図柄管理処理の内容について説明する。
〔作動記憶演出管理処理〕
図431は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS700:先ず演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS700:Yes)、演出制御CPU126はステップS702を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS700:No)、演出制御CPU126はステップS702を実行しない。
ステップS702:演出制御CPU126は、作動記憶数増加時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、第1特別図柄に対応したマーカM1又は第2特別図柄に対応したマーカM2を表示させる演出を選択する。
ステップS704:演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS704:Yes)、演出制御CPU126はステップS706を実行する。なお、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS704:No)、演出制御CPU126はステップS706を実行しない。
ステップS706:演出制御CPU126は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、内部抽選により消費した抽選要素に対応するマーカM1又はマーカM2を消滅させる演出を実行するとともに、内部抽選により消費していない残りのマーカM1,M2を左方向にスライドさせる演出を実行する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(図430)に復帰する。
〔演出図柄管理処理〕
図432は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502〜ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また、可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(図383中のステップS5000)が選択された場合にのみジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502〜ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は演出図柄Hz及び第4図柄Z1,Z2を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。また、この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(抽選結果、当選種類(当選図柄の種類)、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(リーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、変動表示演出の実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた停止表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は小当り遊技中又は大当り中の演出内容を制御する。この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容を選択する。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
〔演出図柄変動前処理〕
次に図433は、上記の演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
なお、客待ち状態を表す演出には、「遊技に対するのめり込みに注意しましょう」といった遊技に対するのめり込みを防止する内容を表示するようにしてもよい。このようにすることで、適切なタイミングで簡単に、のめり込み防止に関する演出を実行することができ、遊技者の不利益を軽減することができる。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図430中のステップS404)、ランプ駆動処理(図430中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御CPU126は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また、今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御CPU126は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御CPU126は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。
また、演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄Hz及び第4図柄Z1,Z2の変動スケジュール(変動時間)、停止表示の態様等を決定する。
例えば、演出制御CPU126は、時間短縮状態での第2特別図柄の小当り変動時には、「ドライブモード」の状態で演出図柄Hz及び第4図柄Z2を変動させ、最終的に小当りに対応する演出図柄Hz及び第4図柄Z2を停止表示させる演出パターンを選択する処理を実行する。
一方、演出制御CPU126は、非時間短縮状態での第2特別図柄の小当り変動時には、例えば「ドライブモード」を継続させた状態又は通常モードの状態で演出図柄Hz及び第4図柄Z2を変動させ、最終的に小当りに対応する演出図柄Hz及び第4図柄Z2を停止表示させる演出パターンを選択する処理を実行する。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、大当りに該当した場合、演出制御CPU126はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御CPU126は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。なお、大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御CPU126はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御CPU126は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御CPU126がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドに基づいて決定される。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄Hz及び第4図柄Z1,Z2の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」−「2」−「4」等)を決定する。なお、このようなはずれ時の演出決定手法は、大当り時も同様である。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は次にステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御CPU126は、予告選択処理を実行する(予告演出実行手段)。この処理では、演出制御CPU126は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当り又は小当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は非当選時よりも高く設定されている。
ステップS616:演出制御CPU126は、モード演出管理処理を実行する(有利遊技状態演出実行手段)。この処理において、演出制御CPU126は、滞在モードに応じた背景画像を選択する処理を実行する。例えば、演出制御CPU126は、原則として、内部状態が非時間短縮状態である場合には、通常モードに対応する背景画像を選択する処理を実行し、内部状態が時間短縮状態である場合には、ドライブモードに対応する背景画像を選択する処理(時短中演出を選択する処理)を実行する。
ただし、演出制御CPU126は、例外として、内部状態が非時間短縮状態である場合であっても、時間短縮状態から非時間短縮状態に移行した際に第2特別図柄の記憶が存在している場合には、ドライブモードに対応する背景画像を選択する(有利遊技状態演出実行手段、有利遊技状態演出継続実行手段)。なお、このような例外的な処理は、後述する演出図柄停止表示中処理において実行する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図432中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び停止表示演出が実行されるとともに(図柄演出実行手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。その他、ここで選択された背景(滞在)モードパターンに基づいて、各種の滞在モード演出が実行される。
〔はずれ時変動演出パターン選択処理〕
図434は、はずれ時変動演出パターン選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS620:演出制御CPU126は、現在の状態が記憶消化区間であるか否かを確認する。記憶消化区間とは、時間短縮状態の終了後に移行した非時間短縮状態において、第2特別図柄の記憶を消化するための区間である。記憶消化区間は、例えば、大当り遊技の終了後、第2特別図柄の1回目の変動区間、及び、第1特別図柄の1〜4回目の変動区間である。なお、記憶消化区間が終了した後には、動物モード用の即止め防止区間が設定される。
記憶消化区間と即止め防止区間は、主制御装置だけで管理してもよく、演出制御装置だけで管理してもよく、両装置で管理してもよい。例えば、記憶消化区間は、記憶消化区間滞在フラグにより管理することができる。記憶消化区間滞在フラグは、大当り遊技終了時にONに設定し、大当り遊技の終了後、第2特別図柄の1回目の変動区間が終了する際、又は、第1特別図柄の5回目の変動区間が開始する際にOFFに設定する。一方、即止め防止区間は、記憶消化区間滞在フラグをONからOFFに設定したタイミングでONに設定し、即止め防止区間がONに設定されている状態で規定回数の特別図柄の変動が終了した際にOFFに設定する。
正常に遊技を行っている場合(時間短縮状態で右打ちを継続している場合)、記憶消化区間では第2特別図柄の記憶を消化することになるが、正常に遊技を行っていない場合(時間短縮状態で右打ちを継続していない場合)、記憶消化区間では第1特別図柄の記憶を消化することもあり得る。
その結果、現在の状態が記憶消化区間であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS621を実行し、現在の状態が記憶消化区間であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS625を実行する。
ステップS621:演出制御CPU126は、今回の変動が第1特別図柄の変動であるか否かを確認する。
その結果、今回の変動が第1特別図柄の変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS622を実行し、今回の変動が第1特別図柄の変動であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS625を実行する。
ステップS622:演出制御CPU126は、第2特別図柄の記憶が無いか否かを確認する。
その結果、第2特別図柄の記憶が無いことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS623を実行し、第2特別図柄の記憶が無いことを確認できない場合(No)、すなわち、第2特別図柄の記憶が有ることを確認した場合、演出制御CPU126はステップS624を実行する。
ステップS623:演出制御CPU126は、特別な擬似変動演出を選択する処理を実行する。特別な擬似変動演出は、変動時間に合わせて、変動開始アクションや変動停止アクションが複数回実行される演出である。
ステップS624:演出制御CPU126は、リーチはずれ演出を選択する処理を実行する。演出制御CPU126は、例えば、花火の打上げに成功するか否かの演出を実行し、最終的に、花火の打上げに失敗する演出を選択する。
ステップS625:演出制御CPU126は、滞在モード及び変動パターンに応じたはずれ演出を選択する処理を実行する。演出制御CPU126は、例えば、単なるはずれ演出を選択したり、リーチ演出を実行してはずれとする演出を選択したりする。
そして、以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出図柄変動前処理(図433)に復帰する。
〔モード演出管理処理〕
図435は、モード演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS630:演出制御CPU126は、現在の遊技状態が時間短縮状態であるか否かを確認する。
その結果、現在の遊技状態が時間短縮状態であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS634を実行し、現在の遊技状態が時間短縮状態であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS631を実行する。
ステップS631:演出制御CPU126は、現在の状態が記憶消化区間であるか否かを確認する。
その結果、現在の状態が記憶消化区間であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS632を実行し、現在の状態が記憶消化区間であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS633を実行する。
ステップS632:演出制御CPU126は、第2特別図柄の記憶が無いか否かを確認する。
その結果、第2特別図柄の記憶が無いことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS635を実行し、第2特別図柄の記憶が無いことを確認できない場合(No)、すなわち、第2特別図柄の記憶が有ることを確認した場合、演出制御CPU126はステップS634を実行する。
ステップS633:演出制御CPU126は、大当り遊技後の規定回数以内(例えば15回以内)の変動であるか否かを確認する。
その結果、大当り遊技後の規定回数以内の変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS635を実行し、大当り遊技後の規定回数以内の変動であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS636を実行する。
ステップS634:演出制御CPU126は、ドライブモード用の背景画像を選択する処理を実行する。
ステップS635:演出制御CPU126は、動物モード用の背景画像を選択する処理を実行する。
ステップS636:演出制御CPU126は、通常モード用の背景画像を選択する処理を実行する。
そして、以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出図柄変動前処理(図433)に復帰する。
このような処理を実行することにより、演出制御CPU126は、第2特別図柄の記憶が有れば(抽選要素記憶手段の状態が特別な状態であれば、抽選要素の記憶の状態が特別な状態であれば)、非時間短縮状態(第1状態、通常状態)と時間短縮状態(第2状態、有利状態)とで、共通した内容のドライブモード演出(共通演出)を実行可能とする(演出実行手段)。
また、このような処理を実行することにより、演出制御CPU126は、第2特別図柄の記憶が無ければ(抽選要素記憶手段の状態が特別な状態でなければ、抽選要素の記憶の状態が特別な状態でなければ)、非時間短縮状態(第1状態、通常状態)と時間短縮状態(第2状態、有利状態)とで、異なる内容のドライブモード演出(非共通演出)と動物モード演出(非共通演出)を実行可能とする(演出実行手段)。
〔演出図柄停止表示中処理〕
図436は、演出図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS650:演出制御CPU126は、内部状態が時短中(時間短縮状態)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、状態指定コマンドを確認することにより、内部状態を確認することができる。なお、内部状態は、変動パターンコマンドにより確認することもできる(以下、同様)。
その結果、内部状態が時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS652を実行し、内部状態が時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS656を実行する。
ステップS652:演出制御CPU126は、時短最終変動であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、回数切りカウンタコマンドを確認することにより、時短最終変動であるか否かを確認することができる。例えば、第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値が「1」から「0」に切り替わる際の変動であれば、演出制御CPU126は、時短最終変動であると判断することができる。
その結果、時短最終変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS654を実行し、時短最終変動であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS666を実行する。
ステップS654:演出制御CPU126は、擬似時短カウンタに第2特別図柄の記憶数を設定する処理を実行する。擬似時短カウンタはRAM130に記憶されており、例えば、第2特別図柄の記憶数が「0」である場合は、擬似時短カウンタに「0」が設定され、第2特別図柄の記憶数が「1」である場合は、擬似時短カウンタに「1」が設定される。
この処理を終えると、演出制御CPU126はステップS666を実行する。
ステップS656:演出制御CPU126は、滞在背景が通常背景であるか否か、すなわち、液晶表示器42に表示している背景画像が通常モードに対応する背景画像であるか否かを確認する。
その結果、滞在背景が通常背景であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS666を実行し、滞在背景が通常背景であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS658を実行する。
ステップS658:演出制御CPU126は、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であるか否かを確認する。
その結果、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS660を実行し、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であることを確認できない場合(No)、すなわち、擬似時短カウンタの値が0である場合、演出制御CPU126はステップS664を実行する。
ステップS660:演出制御CPU126は、滞在背景を擬似時短背景に設定する処理を実行する。擬似時短背景は、右打ち表示がされないドライブモードの背景である。
このような処理を実行することにより、演出制御CPU126は、時間短縮状態(有利遊技状態)が終了して非時間短縮状態(所定の遊技状態)に移行した場合であっても、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値である場合(特別な条件が満たされている場合)は、時短中演出(有利遊技状態演出)を継続して実行することができる(有利遊技状態演出継続実行手段)。
ステップS662:演出制御CPU126は、擬似時短カウンタを1減算する処理を実行する。
ステップS664:演出制御CPU126は、滞在背景を通常背景に設定する処理を実行する。通常背景は、通常モードの背景である。
ステップS666:演出制御CPU126は、その他処理を実行する。その他処理においては、上述したように、演出制御CPU126は、内部抽選の結果に応じた態様の停止表示演出の内容を制御する。
そして、以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出図柄管理処理(図432)に復帰する。
〔可変入賞装置作動時処理〕
図437は、可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS800:演出制御CPU126は、今回の変動の結果が大当りであったか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、抽選結果コマンドを確認し、大当り時に対応するものであるのか小当り時に対応するものであるのかを確認する。この確認の結果、今回の変動の結果が大当りであった場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS802を実行する。一方、今回の変動の結果が大当りではなかった場合(No)、すなわち、小当りであった場合、演出制御CPU126は次にステップS804を実行する。
ステップS802:演出制御CPU126は、大当り時可変入賞装置作動時処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は大当り遊技開始時から大当り遊技終了時までの間に実行する演出パターンを選択する。
具体的には、演出制御CPU126は、液晶表示器42に表示する大役中演出として、予め演出表示制御装置144(VDP152)の画像ROM154に記憶されている大当り時の演出パターンに関する各種画像データを、当選図柄に応じて読み出す処理を実行する。
ステップS804:演出制御CPU126は、小当り時可変入賞装置作動時処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は小当り開始時から小当り終了時までの間に実行する演出パターンを選択する。
具体的には、演出制御CPU126は、小当り遊技の開始時に小当り遊技が開始したことを示す演出パターン(例えば女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げる演出)を選択し、右打ちを示唆する演出を選択し、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過した場合には、特定領域通過時の演出パターン(自動車に乗っている女性キャラクターがVの文字が描かれたハートマークを掲げる演出)を選択する処理を実行する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(図432)に復帰する。
〔大当り時可変入賞装置作動時処理〕
図438は、大当り時可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS810:演出制御CPU126は、大当り時のオープニングコマンドを受信したか否かを確認する処理を実行する。
その結果、大当り時のオープニングコマンドを受信したことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS811を実行し、大当り時のオープニングコマンドを受信したことを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は、可変入賞装置作動時処理(図437)に復帰する。
ステップS811:演出制御CPU126は、第2特別図柄の記憶が無いか否かを確認する。
その結果、第2特別図柄の記憶が無いことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS812を実行し、第2特別図柄の記憶が無いことを確認できない場合(No)、すなわち、第2特別図柄の記憶が有ることを確認した場合、演出制御CPU126はステップS814を実行する。
ステップS812:演出制御CPU126は、今回の大当りが時間短縮状態に移行する当選図柄であるか否かを確認する。
その結果、今回の大当りが時間短縮状態に移行する当選図柄であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS814実行し、今回の大当りが時間短縮状態に移行する当選図柄であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS813を実行する。
ステップS813:演出制御CPU126は、第1選択テーブルから大当り演出を選択する処理を実行する。第1選択テーブルに含まれている大当り演出は、花火演出(ドライブモードに移行することを示唆する演出)を含まない大当り演出である。
ステップS814:演出制御CPU126は、第2選択テーブルから大当り演出を選択する処理を実行する。第2選択テーブルに含まれている大当り演出は、花火演出を含む大当り演出である。
そして、以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出図柄変動前処理(図433)に復帰する。
〔小当り時可変入賞装置作動時処理〕
図439は、小当り時可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS820:演出制御CPU126は、小当り時のオープニングコマンドを受信したか否かを確認する処理を実行する。
その結果、小当り時のオープニングコマンドを受信したことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS821を実行し、小当り時のオープニングコマンドを受信したことを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は、可変入賞装置作動時処理(図437)に復帰する。
ステップS821:演出制御CPU126は、第2特別図柄の記憶が無いか否かを確認する。
その結果、第2特別図柄の記憶が無いことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS822を実行し、第2特別図柄の記憶が無いことを確認できない場合(No)、すなわち、第2特別図柄の記憶が有ることを確認した場合、演出制御CPU126はステップS824を実行する。
ステップS822:演出制御CPU126は、今回の小当りが時間短縮状態に移行する大当りに繋がる当選図柄であるか否かを確認する。
その結果、今回の小当りが時間短縮状態に移行する大当りに繋がる当選図柄であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS824実行し、今回の小当りが時間短縮状態に移行する大当りに繋がる当選図柄であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS823を実行する。
ステップS823:演出制御CPU126は、第3選択テーブルから大当り演出を選択する処理を実行する。第3選択テーブルに含まれている小当り演出は、ドライブモードに移行することを示唆する演出を含まない小当り演出である。
ステップS824:演出制御CPU126は、第4選択テーブルから大当り演出を選択する処理を実行する。第4選択テーブルに含まれている小当り演出は、ドライブモードに移行することを示唆する演出を含む小当り演出である。
そして、以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出図柄変動前処理(図433)に復帰する。
〔時短中及び擬似時短中その他演出処理〕
図440は、時短中及び擬似時短中その他演出処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ここで、時短中(時短)とは、時間短縮状態であり、擬似時短中(擬似時短)とは、非時間短縮状態において時短中の背景画像を表示している状態(非時間短縮状態でのドライブモード)である。
ステップS850:演出制御CPU126は、内部状態が時短中(時間短縮状態)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、状態指定コマンドを確認することにより、内部状態を確認することができる。
その結果、内部状態が時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS852及びステップS854を実行し、内部状態が時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS856を実行する。
ステップS852:演出制御CPU126は、残りの時短回数に基づく残り回数表示処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、回数切りカウンタコマンドを確認し、第2回数切りカウンタ値に「1」を加えた値を残り回数として表示する演出パターンを選択する処理を実行する。これにより、時短中においては、残り回数表示演出の残り回数として「残り2回」又は「残り1回」の値が表示される。
ステップS854:演出制御CPU126は、右打ち示唆演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は液晶表示器42の画面上部で右打ち示唆演出に対応する画像を表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS855:演出制御CPU126は、右打ち強調演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、右打ち強調演出を実行する必要が発生した場合、例えば、時間短縮状態に移行したにも関わらず、遊技者が左打ちを継続している場合(特に、第1特別図柄の5変動目又は10変動目)、液晶表示器42の画面上部で右打ちを強調する演出に対応する画像を表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS856:演出制御CPU126は、内部状態が擬似時短中であるか否かを確認する。演出制御CPU126は、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値である場合に、擬似時短中であると判断することができる。
その結果、内部状態が擬似時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS858を実行し、内部状態が擬似時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は演出制御処理(図430)に復帰する。
ステップS858:演出制御CPU126は、擬似時短カウンタに基づく残り回数表示処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は擬似時短カウンタの値を残り回数として表示する演出パターンを選択する処理を実行する。これにより、擬似時短中においては、残り回数表示演出の残り回数として「残り1回(ラスト)」の値が表示される。
そして、以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(図430)に復帰する。
〔ドラムユニット演出管理処理〕
図441は、ドラムユニット演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS900:演出制御CPU126は、可動体動作スケジュール決定処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、演出図柄管理処理(図430のステップS402)によって決定された演出パターン(演出パターン番号等)に基づいて、ドラムユニット200の動作スケジュール(変動態様、停止態様等)を決定する処理を実行する。
動作スケジュールを決定した場合、演出制御CPU126は、決定した動作スケジュールを、RAM130の動作スケジュール格納バッファに保存する。また、動作スケジュールを決定した場合、演出制御CPU126は、RAM130のドラムユニット動作中フラグをONにする処理を実行し、決定したスケジュールを全て実行した場合にドラムユニット動作中フラグをOFFにする処理を実行する。
動作スケジュールは、リール(各可動体)毎に設定されており、例えば、左リール201であれば、変動開始から変動終了まで順番に「加速」→「等速」→「減速」→「停止」等といった内容になる。この中で、「加速」及び「減速」には複数の速度変化があり、「等速」の中にも複数の速度変化がある場合がある(例えば、「低速等速」、「中速等速」、「高速等速」等)。
本実施形態では、モータ(リール)の設定速度は複数の速度(例えば100種類程度の速度)が用意されており、不図示の複数の可動体データテーブルには様々な設定情報(モータのステップ数、モータの設定速度、モータの動作に要する時間、モータの励磁方法、モータの励磁する相を指定する相指定情報等)が格納されている。各可動体データテーブルには、それぞれ異なる設定情報が格納されている。
演出制御CPU126は、ドラムユニット(可動体ユニット)200の動作スケジュールに基づいて、どの順番でかつどのタイミングでいずれの可動体データテーブルを参照するかを決定する。参照中の可動体データテーブルに格納されている可動体データは、不図示の可動体データ設定領域に格納されることにより、ドラムユニット200のドライバ(IC)に送信される。ドラムユニット200のドライバは、可動体データに基づいて各リールを駆動する。
演出制御CPU126は、基本的には、各リールの速度を変化する場合に、新たな可動体データを可動体データ設定領域に上書きする(参照中の可動体データテーブルを切り替える)ことになるが、各リールの速度を維持している場合にも、新たな可動体データを可動体データ設定領域に上書きする(参照中の可動体データテーブルを切り替えない)ことがある。
これは、一定の速度を維持する場合に、特別図柄の変動秒数に応じた数の可動体データテーブルを用意してしまうと、特別図柄の変動秒数に応じた数の可動体データテーブルが必要となり、可動体データテーブルの容量が多くなってしまうためである。
そして、演出パターンに対応するドラムユニット200の動作スケジュールとしては、以下のようなものがある。
例えば、演出パターンが非リーチはずれ演出に対応する演出パターンである場合、演出制御CPU126は、変動開始時に左リール201、中リール202、右リール203の回転を開始し、所定時間経過後に左リール201を停止し、次に、右リール203を停止し、最後に中リール202を停止する、といった動作スケジュールとなる。なお、停止目は、任意のはずれ目や、演出図柄Hzの停止目に対応するはずれ目とすることができる。
一方、演出パターンがリーチ演出(大当り変動、小当り変動、はずれ変動)に対応する演出パターンである場合、演出制御CPU126は、変動開始時に左リール201、中リール202、右リール203の回転を開始し、所定時間経過後に左リール201を停止し、次に、右リール203を停止し、リーチ状態を発生させ、最後に中リール202を停止する、といった動作スケジュールとなる。停止目は、演出図柄Hzの停止目に対応する停止目(大当りに対応する同色の7図柄の三つ揃いの当選目、小当りに対応するチェリー図柄の三つ揃いの当選目、はずれに対応する中リール202の1コマずれのはずれ目)とすることができる。
いずれにしても、演出制御CPU126は、この可動体動作スケジュール決定処理において、演出図柄管理処理によって決定された演出パターンに基づいて、ドラムユニット200の動作スケジュールを決定し、決定した動作スケジュールに基づいて演出中に参照する可動体データテーブル(減速シーケンス、制御コードを追加した減速シーケンス、加速シーケンス、駆動開始シーケンス、駆動停止シーケンス等)の内容及び順番を決定する。
ステップS902:演出制御CPU126は、可動体データ設定開始処理を実行する。この処理は、演出の実行中に可動体データの設定が開始される際、つまり、可動体データの上書きが発生する際にだけ実行される。
具体的には、演出制御CPU126は、現在参照している可動体データテーブルの可動体データに、次に参照する予定の可動体データテーブルの可動体データを上書きする処理、つまり、次に参照する予定の可動体データテーブルに格納されている可動体データを可動体データ設定領域に格納する処理を実行したり、可動体データの終端であるか否かを判定し(次に参照する予定の可動体データテーブルが存在しているか否かを確認し)、可動体データの終端であると判断するまで可動体データテーブルに格納されている可動体データを可動体データ設定領域に格納する処理を実行したりする処理を実行する。
以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(図430)に復帰する。
図442は、連荘状態即終了対策の特殊変動パターンの遷移例を示す図である。
図中(A)は、発射方向の遷移に従わずに遊技を行った場合の特殊変動パターンの遷移例を示している。
例えば、時間短縮状態が終了して非時間短縮状態に移行し、その非時間短縮状態において第2特別図柄の記憶を消化している場合(左打ち状態中)に、特別図柄の記憶を1個も貯めず、第2特別図柄の記憶で小当り又は大当りとなり、その大当り遊技の終了に時間短縮状態に移行した場合、すなわち、第2特別図柄の記憶消化中に遊技球の発射を止めていた場合、特殊変動テーブルの遷移は、以下のようになる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「1変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルD(第2特別図柄)」が選択される。なお、ここで選択されるテーブルは、「変動パターンテーブルE(第2特別図柄)」であってもよい。
具体的には、大当り遊技終了後の1変動目は、第2特別図柄の記憶消化後の第2特別図柄の変動(変動時間は120秒)となる。液晶表示器42では、例えば、第2特別図柄専用のリーチ変動(リーチ演出)を実行することができる。
図中(B)は、発射方向の遷移に従って遊技を行った場合の特殊変動パターンの遷移例を示している。
例えば、時間短縮状態が終了して非時間短縮状態に移行し、その非時間短縮状態において第2特別図柄の記憶を消化している場合(左打ち状態中)に、特別図柄の記憶を4個貯め、第2特別図柄の記憶で小当り又は大当りとなり、その大当り遊技の終了に時間短縮状態に移行した場合、すなわち、第2特別図柄の記憶消化中に左打ちをして第1特別図柄の記憶を4個貯めていた場合、特殊変動テーブルの遷移は、以下のようになる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「1〜4変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルD(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の1〜4変動目は、第2特別図柄の記憶消化後の第1特別図柄の変動(変動時間は90〜120秒程度)となる。液晶表示器42では、例えば、第1特別図柄専用のリーチ変動を実行することができる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「5変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルD(第2特別図柄)」が選択される。なお、ここで選択されるテーブルは、「変動パターンテーブルE(第2特別図柄)」であってもよい。
具体的には、大当り遊技終了後の5変動目は、第2特別図柄の記憶消化後の第2特別図柄の変動(変動時間は120秒)となる。液晶表示器42では、例えば、第2特別図柄専用のリーチ変動を実行することができる。
図中(B)に示す打ち方を実行することにより、連荘状態即終了(連荘状態がすぐに終了してしまう状況)を回避することができる。
図443は、イレギュラー打ちを考慮した特殊変動パターンの遷移例を示す図である。
図中(A)は、発射方向に従って遊技を行った場合の特殊変動パターンの遷移例を示している。
例えば、初当り前に第1特別図柄の記憶が4個貯まっている状態で、大当り遊技終了後の時間短縮状態で右打ちを継続した場合、すなわち、第1特別図柄の記憶が全て消化され、第2特別図柄の記憶を貯めた場合、特殊変動テーブルの遷移は、以下のようになる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「1〜4変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルC(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の1〜4変動目は、初当り後の第1特別図柄の残りの記憶を消化するための短変動(変動時間は1.0秒)となる。液晶表示器42では、例えば、演出図柄を高速で変動させることができる。この場合、リーチ演出は実行しない。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「5変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルC(第2特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の5変動目(初当り後の第2特別図柄の1変動目)は、長変動(変動時間は120秒)となる。
図中(B)は、発射方向に従わずに遊技を行った場合の特殊変動パターンの遷移例を示している。
例えば、初当り前に第1特別図柄の記憶が4個貯まっている状態で、大当り遊技終了後の時間短縮状態で右打ち中であるにも関わらず、左打ちを継続した場合、すなわち、第1特別図柄の記憶が全て消化され、さらに第1特別図柄の記憶を貯め続けて時間短縮状態が終了(パンク)する場合、特殊変動テーブルの遷移は、以下のようになる。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「1〜4変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルC(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の1〜4変動目は、初当り後の第1特別図柄の残りの記憶を消化するための短変動(変動時間は1.0秒)となる。液晶表示器42では、例えば、演出図柄を高速で変動させることができる。この場合、リーチ演出は実行しない。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「5変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルG(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、初当り後の第1特別図柄の5変動目は、長変動(変動時間は13.5秒)となる。液晶表示器42では、例えば、可変始動入賞装置28(電チュー)に遊技球を入賞させるように促す演出(右打ちを促す演出)を実行することができる(1回目)。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「6〜9変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルC(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、大当り遊技終了後の6〜9変動目は、初当り後の第1特別図柄の追加された残りの記憶を消化するための短変動(変動時間は1.0秒)となる。液晶表示器42では、例えば、演出図柄を高速で変動させることができる。この場合、リーチ演出は実行しない。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「10変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルG(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、初当り後の第1特別図柄の10変動目は、長変動(変動時間は13.5秒)となる。液晶表示器42では、例えば、可変始動入賞装置28(電チュー)に遊技球を入賞させるように促す演出(右打ちを促す演出)を実行することができる(2回目)。
「大当り遊技終了後の変動回数」が「11変動目」である場合、「特殊変動テーブル」は、「変動パターンテーブルA(第1特別図柄)」が選択される。
具体的には、初当り後の第1特別図柄の11変動目は、変動パターンテーブルAに含まれる変動パターンに基づく変動となる。なお、時短終了(パンク)後は、通常状態(非時間短縮状態、通常モード)へ移行する。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)本実施形態によれば、第2特別図柄の記憶が有れば(抽選要素の記憶の状態が特別な状態であれば)、非時間短縮状態(通常状態)と時間短縮状態(有利状態)とで、共通した内容のドライブモード演出(共通演出)を実行可能とするため、遊技状態が時間短縮状態から非時間短縮状態に移行したとしても、遊技者に対しては時間短縮状態が継続しているかのような印象を与えることができる。これにより、遊技者の遊技意欲を向上させることができ、結果として、斬新な遊技機を提供することができる。
(2)本実施形態によれば、記憶の状態に応じて、ドライブモード演出(共通演出)が実行されたり動物モード演出(非共通演出)が実行されたりするため、ドライブモード演出の実行を望んでいる遊技者に対しては、記憶を貯めようとする動機を与えることができる。これにより、遊技者の遊技意欲を向上させることができ、結果として、斬新な遊技機を提供することができる。
(3)本実施形態では、時間短縮状態において、第2特別図柄の記憶を1個だけ貯めることができる構成を採用している。そして、第2特別図柄の記憶は、小当り以上(小当り又は大当り)となる。このため、時間短縮状態から非時間短縮状態に移行すると、第2特別図柄の記憶を消化する変動が1変動だけあり、この際の演出上のモード(ステージ)は、時間短縮状態と同じものになる(ドライブモード演出)。
〔問題点〕
時間短縮状態に移行している最中は、第2特別図柄の記憶を貯める区間となり、この区間で第2特別図柄の記憶を貯めることができなかった場合、主制御装置の遊技状態としては、第2特別図柄の記憶消化区間となるが、第2特別図柄の記憶の消化ができないため、遊技状態と1対1で演出上のモードを選択すると、演出が成り立たなくなる。
そこで、本実施形態では、主制御装置の遊技状態だけでなく、記憶に関する情報(保留情報)も加味することで、イレギュラー時にも違和感の無い状態遷移を実現している。
具体的には、時間短縮状態での時短無し当りの小当りのオープニングコマンド又は大当りのオープニングコマンド受信時に、第2特別図柄の記憶が存在するか否かでその後の展開を分岐させている。より詳細には、第2特別図柄の記憶が有る場合、連荘継続の大役演出(花火演出を含む大当り演出)を実行し、ドライブモード(連荘状態モード)に移行させている。一方、第2特別図柄の記憶が無い場合、連荘終了の大役演出(花火演出を含まない大当り演出)を実行し、動物モード(連荘終了モード)に移行させている。なお、オープニングコマンド受信より後に第2特別図柄の記憶が発生した際は、動物モード(連荘終了モード)へ遷移した後に、記憶消化区間の第2特別図柄の変動が開始される(動物モードで小当り又は大当りが発生する)。
このような制御内容を採用することにより、主制御装置の遊技状態だけでなく、記憶の個数も加味してモード(ステージ)を移行させることができ、本実施形態の特殊な連荘仕様を遊技者に分かり易く伝えることができる。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様は例示であり、上述した演出の態様に限定されるものではない。
上述した実施形態では、いわゆる1種2種混合機に本発明を適用する例で説明したが、いわゆる1種遊技機(特定領域を備えていない遊技機)に本発明を適用してもよい。
また、本発明は、確率変動機能を備える遊技機にも適用することができ、この場合には、いわゆるループタイプ(確変回数に実質的な上限を設定しないタイプ)の遊技機に適用することもでき、STタイプ(確変回数に実質的な上限を設定するタイプ)の遊技機に適用することもできる。
さらに、本発明は、確変領域を有する遊技機に適用することもでき、確変領域を有しない遊技機に適用することもできる。
さらにまた、本発明は、「第1特別図柄及び第2特別図柄の同時回し」を採用していない遊技機に適用することもでき、同時回しを採用している遊技機に適用することもできる。
上述した実施形態では、ドラムユニット200を備える遊技機の例で説明したが、ドラムユニット200を備えていない遊技機であってもよい。
また、ドラムユニット200は、7セグ表示器(例えば、複数の7セグ表示器を備える装置、演出図柄を表示する7セグ表示器)に変更してもよく、液晶表示器に変更してもよい。
本発明は、設定付きパチンコ機に適用することもできる。
また、本発明は、性能表示モニタを備えるパチンコ機に適用することもできる。
上述した実施形態では、第2特別図柄の記憶が有る状態を特別な状態とし、第2特別図柄の記憶が無い状態を特別な状態でないとしたが、第2特別図柄の記憶が無い状態を特別な状態とし、第2特別図柄の記憶が有る状態を特別な状態でないとしてもよい。
上述した実施形態では、第2特別図柄の記憶が有る状態を特別な状態とし、第2特別図柄の記憶が無い状態を特別な状態でないとしたが、第2特別図柄の記憶が規定数以上である状態を特別な状態とし、第2特別図柄の記憶が規定数未満である状態を特別な状態でないとしてもよい。
上述した実施形態では、第2特別図柄の記憶が有る状態を特別な状態とし、第2特別図柄の記憶が無い状態を特別な状態でないとしたが、第1特別図柄の記憶が有る状態を特別な状態とし、第1特別図柄の記憶が無い状態を特別な状態でないとしてもよい。また、第1特別図柄の記憶が規定数以上である状態を特別な状態とし、第1特別図柄の記憶が規定数未満である状態を特別な状態でないとしてもよい。さらに、第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の記憶が規定数以上である状態を特別な状態とし、第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の記憶が規定数未満である状態を特別な状態でないとしてもよい。
上述した実施形態は、以下の変形も可能である。
(1)第1特別図柄の記憶の有無により、第2特別図柄の変動パターン選択テーブルを異ならせてもよい。
例えば、第1特別図柄の記憶が有る場合、第2特別図柄の変動パターンを決定する際には、長時間(数十秒〜数分)の変動パターンを選択可能な変動パターン選択テーブルを参照する。
一方、第1特別図柄の記憶が無い場合、第2特別図柄の変動パターンを決定する際には、短時間(数秒)の変動パターンを選択可能な変動パターン選択テーブルを参照する。
(2)連荘中(時間短縮状態、ドライブモード中)に、第1特別図柄の記憶を溜めさせる状態(左打ち状態)を発生させるようにしてもよい。
例えば、大当りのエンディング時間は、左打ち状態になる。つまり、大当り遊技のオープニングから最終ラウンドの終了時までは右打ち状態となり、大当り遊技のエンディング中のみ左打ち状態となる。
また、小当り変動の確定時間中(停止表示時間の開始から終了まで)は、左打ち状態になる。時間短縮状態は、小当り変動の確定時間の開始時にOFFにすることができ、これにより、小当り変動の確定時間中は、非時間短縮状態となる。
さらに、「大当り変動確定時間(1秒程度、0.5秒から数秒程度)≒はずれ変動確定時間(1秒程度、0.5秒から数秒程度)<小当り変動確定時間(15秒程度、数十秒程度)」とすることができる。この場合、小当り変動の確定時間は、大当りやはずれと比較して長くなるため、非時間短縮状態となる時間を長く確保することができる。
(3)「左打ち状態」や「右打ち状態」の定義は、以下のようにすることができる。
主制御装置で、左打ち状態か右打ち状態かを記憶する領域(例えば、発射位置指定フラグを格納する領域)を持ち、記憶の内容が左打ちを示す値(0)であれば「左打ち状態」であり、記憶の内容が左打ちを示す値でなければ「右打ち状態」である。「左打ち状態」は、非時間短縮状態(電チューサポートが行われていない状態)や、大当り遊技のエンディング中である。それ以外の状態は、「右打ち状態」である。
主制御装置は、左打ち状態か右打ち状態かによって、演出制御装置に、現在の発射位置の状態を伝達するコマンドを送信する。このようなコマンドは、「電源投入時」及び「右打ち状態から左打ち状態への切り替わり時」に左打ち状態を示すコマンドを送信してもよく、左打ち状態中は定期的に左打ち状態のコマンドを送信してもよい。
左打ち状態中において、演出制御装置は、主制御装置からのコマンドに基づき、右打ち報知ランプを消灯状態にすることができる。また、左打ち状態中において、演出制御装置は、液晶表示器に表示する右打ち指示表示を非表示にすることができる。さらに、左打ち状態中において、演出制御装置は、右打ち領域にあるセンサ(始動ゲート20のゲートスイッチ76等)で遊技球の通過を検出した場合、左打ちを促す演出、例えば、「左打ちに戻してください」の表示、及び、音声出力を実行することができる。ただし、時間短縮状態が終了した後は、盤面上の残り球を考慮して、所定数の変動を行うまでこのような演出を実行しないようにすることができる(つまり、所定数の変動を行うまでは、右打ち報知ランプや発射位置指定表示ランプが消灯、右打指示表示(「右打ち」を促す案内情報)が非表示、かつ、左打ちを促す演出の実行が制限された状態となる)。
大当りのエンディング中や、小当り変動確定時間中を左打ち状態にすることで、第1特別図柄の記憶を定期的に貯めることができ、これにより、連荘中の第2特別図柄の変動を長くすることができる。これにより、連荘状態が極端に短い時間で終了して遊技者の遊技意欲が減退することを回避することができる。一方、連荘中に左打ちをしなければ、第2特別図柄の変動が短い状態となるため、遊技者は迅速に連荘状態を消化することができる。
上述した実施形態の遊技機は、1種2種混合機のゲーム性を有する遊技機であるため、非時間短縮状態における可変始動入賞装置28(普通電動役物)の開放中の入賞はエラーと判断し、エラー報知を行うようにしてもよい。
上述した実施形態は、以下の変形も可能である。
(1)外部情報について
大当り中及び時短中において出力される外部情報信号(例えば「大当り1」〜「大当り5」のうちの「大当り4」をその信号とする)を持つ場合は、以下の制御内容を適用することができる。
(a)「大当り遊技状態」から「通常状態」に移行するときに、第2特別図柄の記憶数が0であれば、大当り遊技のエンディング時間の経過後に、「大当り4」の信号出力をONからOFFにしてもよい。
(b)「大当り遊技状態」から「通常状態」に移行するときに、第2特別図柄の記憶数が1以上であれば、大当り遊技のエンディング時間の経過後も、「大当り4」の信号出力をONのまま維持してもよい。また、第2特別図柄の記憶にハズレ変動(非当選となる抽選要素)が含まれていた場合は、第2特別図柄のハズレ変動を消化するまで「大当り4」の信号出力を維持し、第2特別図柄のハズレ変動を消化した後(変動の終了後)に「大当り4」の信号出力をOFFにしてもよい。
(2)特殊変動について
上述した実施形態では、変動パターンテーブルE(時短無し)で選択される変動パターンについて、第2特別図柄の場合に120秒の変動時間が設定される例で説明したが、第1特別図柄についても長時間の変動パターンが選択されるように制御してもよい(例えば、320秒以上の変動時間でもよいし、100秒を超える程度の変動時間でもよい。)。
変動パターンテーブルB(時短無し、即止め防止区間)で選択される変動パターンについて、第1特別図柄の場合に13秒、6秒などの短めの変動時間(数秒程度の変動時間)を有する変動パターンが選択されるようにしてもよい。
(3)上述した実施形態では、第1状態は通常状態であり、第2状態は時間短縮状態の例で説明したが、遊技機(機種構成)によっては、第1状態や第2状態は、別の状態であってもよく、例えば、第1状態が潜伏状態(高確率非時間短縮状態)であり、第2状態が時間短縮状態(低確率時間短縮状態)であってもよく、第1状態が時間短縮状態であり、第2状態が潜伏状態であってもよい。
(4)上述した実施形態では、第2特別図柄の記憶がある場合に共通演出を実行する例で説明したが、遊技機(機種構成)によっては、第2特別図柄の記憶の情報が特定の情報であること(所定の大当り、所定の小当りであること等)を条件に共通演出を実行し、第2特別図柄の記憶の情報が特定の情報でないこと(所定のハズレであること、第2特別図柄の記憶が全てはずれであること等)を条件に共通演出を実行しない構成でもよい。
(5)上述した実施形態では、第2特別図柄の記憶がある場合に共通演出を実行する例で説明したが、遊技機(機種構成)によっては、第2特別図柄の記憶がない場合に共通演出を実行し、第2特別図柄の記憶がある場合に共通演出を実行しない構成としてもよい。
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能である。
1 パチンコ機
8 遊技盤ユニット
8a 遊技領域
20 始動ゲート
28 可変始動入賞装置
33 普通図柄表示装置
33a 普通図柄作動記憶ランプ
34 第1特別図柄表示装置
35 第2特別図柄表示装置
34a 第1特別図柄作動記憶ランプ
35a 第2特別図柄作動記憶ランプ
38 遊技状態表示装置
42 液晶表示器
70 主制御装置
72 主制御CPU
74 ROM
76 RAM
124 演出制御装置
126 演出制御CPU
200 7セグ表示装置
300 記憶表示装置

Claims (1)

  1. 操作入力を受け付け可能な操作手段と、
    前記操作手段を利用して、演出の段階を第1段階から最終段階まで段階的に進行させる段階演出を実行可能とする段階演出実行手段と、
    前記操作手段の操作を有効とする有効時間が開始してから終了するまでにおいて、所定の条件が満たされていなければ、第1進行態様によって前記段階演出の演出の段階を進め、前記所定の条件が満たされていれば、前記第1進行態様とは異なる第2進行態様によって前記段階演出の演出の段階を進める進行演出を実行可能とする進行演出実行手段と
    を備えることを特徴とする遊技機。
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