JP7385273B2 - 細胞培養方法及びマイクロファイバ - Google Patents

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Description

本開示は、細胞培養方法及びマイクロファイバに関するものである。
従来、ヒトiPS細胞等のiPS細胞は、無限の増殖能と、すべての体細胞に分化し得る能力を有するので、再生医療等に使用される細胞ソースとして期待されているが、再生医療等に使用するためにはiPS細胞が大量に必要となり、そのためには三次元培養系が向いていると言われている。そこで、細胞の三次元培養方法が提案されている(例えば、特許文献1及び2並びに非特許文献1参照。)。
特許第5633077号公報 特許第5674442号公報
Kazuhiro Ikeda, Teru Okitsu, Hiroaki Onoe, and Shoji Takeuchi,"3D Culture of Mouse IPSCS in Hydrogel Core-Shell Microfibers"MEMS 2015, Estoril, PORTUGAL, 18-22 January, 2015, pp.463-464.
しかしながら、前記従来の細胞培養方法では、ヒトiPS細胞等のプライム型多能性幹細胞を安定的に効率よく増殖させることは、困難であった。
ここでは、前記従来の細胞培養方法の問題点を解決して、マイクロファイバ内でプライム型多能性幹細胞を培養することによって、プライム型多能性幹細胞を安定的かつ大量に増殖させることができる細胞培養方法及びマイクロファイバを提供することを目的とする。
そのために、細胞培養方法においては、プライム型多能性幹細胞を含むコア部分と、該コア部分を被覆する管状のアルギン酸ゲルを有するシェル部分とを備えるマイクロファイバを製造する工程と、ROCK阻害剤を添加した培地中で、前記プライム型多能性幹細胞を前記マイクロファイバの内部で培養し、分化多能性を維持した状態で前記プライム型多能性幹細胞の断面形状及び外径が前記マイクロファイバによって制御された細胞塊になるまで増殖させ、凝集させる工程とを含む。
更に他の細胞培養方法においては、さらに、前記プライム型多能性幹細胞は、ヒトiPS細胞であり、培養開始時の前記ヒトiPS細胞の密度は、1×107 〔cells/mL〕以上である。
更に他の細胞培養方法においては、さらに、前記マイクロファイバを溶融し、前記プライム型多能性幹細胞を回収する工程を更に含む。
更に他の細胞培養方法においては、さらに、回収された前記プライム型多能性幹細胞を内部に含むマイクロファイバを製造することによって、前記プライム型多能性幹細胞を内部に含むマイクロファイバを継代する工程を更に含む。
更に他の細胞培養方法においては、さらに、前記プライム型多能性幹細胞を内部に含むマイクロファイバを凍結して、前記プライム型多能性幹細胞をマイクロファイバ内で保存する工程を更に含む。
更に他の細胞培養方法においては、さらに、前記プライム型多能性幹細胞を内部に含むマイクロファイバを分化誘導培地内で培養することによって、前記プライム型多能性幹細胞をマイクロファイバ内で分化誘導する工程を更に含む。
また、マイクロファイバにおいては、プライム型多能性幹細胞を含むコア部分と、該コア部分を被覆する管状のアルギン酸ゲルを有するシェル部分とを備えるマイクロファイバであって、前記プライム型多能性幹細胞は、ROCK阻害剤を添加した培地中で前記マイクロファイバの内部で培養され、分化多能性が維持された状態で、前記プライム型多能性幹細胞の断面形状及び外径が前記マイクロファイバによって制御された細胞塊を形成している。
本開示によれば、プライム型多能性幹細胞を安定的に効率よく増殖させることができる。
本実施の形態における製造直後の中空マイクロファイバを示す写真である。 本実施の形態におけるROCK阻害剤の添加の有無による結果を示す写真である。 本実施の形態におけるDay4の中空マイクロファイバとその生存率を示す写真である。 本実施の形態における3種類のヒトiPS細胞を示す写真である。 本実施の形態における低細胞密度の中空マイクロファイバを示す写真である。 本実施の形態におけるヒトiPS細胞の回収工程を示す写真である。 本実施の形態におけるDay4のヒトiPS細胞の生存率を示すグラフである。 本実施の形態におけるヒトiPS細胞の増殖率を示すグラフである。 本実施の形態におけるDay4のヒトiPS細胞の増殖率とコラーゲンゲル濃度及び細胞密度との関係を示すグラフである。 本実施の形態におけるヒトiPS細胞の増殖率と培養日数との関係を示すグラフである。 本実施の形態におけるヒトiPS細胞の増殖率と継代のタイミングとの関係を示すグラフである。 本実施の形態における4日おきに継代を繰り返して培養したヒトiPS細胞の増殖率と培養日数との関係を示すグラフである。 本実施の形態における1ヶ月以上培養されたヒトiPS細胞の核型を示す写真である。 本実施の形態における1ヶ月以上培養されたヒトiPS細胞の未分化マーカーを示す写真である。 本実施の形態における分化誘導中の中空マイクロファイバを示す写真である。 本実施の形態におけるヒトiPS細胞の自発的な空洞化を示す写真である。 本実施の形態における1ヶ月以上培養後、分化誘導されたヒトiPS細胞が三胚葉に分化することを示す写真である。 本実施の形態におけるヒトiPS細胞が三次元分化誘導されることを外胚葉マーカー免疫染色で示す写真である。 本実施の形態における凍結保存された後に解凍されたヒトiPS細胞を示す写真である。 本実施の形態における凍結保存された後に解凍されたヒトiPS細胞の生存率を示すグラフである。 本実施の形態における凍結保存された後に解凍されたヒトiPS細胞が増殖することを示す写真である。
以下、実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本実施の形態における製造直後の中空マイクロファイバを示す写真である。
本実施の形態において、中空マイクロファイバは、コア部分と該コア部分を被覆する鞘状のシェル(被覆)部分とを備え、前記コア部分が中空なものであるが、該コア部分に流体、ゲル等が充填されたものをも含むものである。具体的には、特許文献1に記載されたマイクロファイバと同様のものであって、高強度ハイドロゲルで被覆されたマイクロゲルファイバを含むものである。該マイクロゲルファイバは、典型的には、アルギン酸ゲル、マトリゲル、コラーゲンゲル等のゲルであるコア部分と、高強度ハイドロゲルを含むシェル部分とを含むコア・シェル構造を有している。
なお、本実施の形態における中空マイクロファイバの場合、コア部分は、必ずしもゲルである必要はなく、液体培地等の粘性の低い流体であってもよい。また、前記シェル部分は、高強度ハイドロゲルやコート剤による被覆が多層に形成されている多層被覆であってもよい。例えば、2種類以上の異なる強度を有する高強度ハイドロゲルで2層以上の被覆が形成されていてもよい。
さらに、前記中空マイクロファイバの内径、すなわち、シェル部分の内径は、例えば、100〔nm〕~1000〔μm〕程度であるが、かかる数値範囲に限定されるものではない。また、前記中空マイクロファイバの断面形状は、円形が望ましいが、楕円形でもよいし、四角形や五角形等の多角形であってもよい。さらに、前記中空マイクロファイバの長さは、例えば、数〔mm〕~数十〔m〕程度であるが、かかる数値範囲に限定されるものではない。さらに、前記中空マイクロファイバの外径、すなわち、シェル部分の外径は、例えば、200〔nm〕~2000〔μm〕程度であるが、かかる数値範囲に限定されるものではない。
また、本実施の形態において、前記中空マイクロファイバ内で培養される細胞は、プライム型多能性幹細胞である。該プライム型多能性幹細胞には、例えば、ウシiPS細胞、ヒトES細胞、ヒトiPS細胞等、マウス、ラットなどのげっ歯類を除く全てのiPS細胞及びES細胞が含まれるが、図に示される実験例において使用されたプライム型多能性幹細胞は、ヒトiPS細胞であり、より具体的には、409B2:エピソーマルベクターによる樹立細胞、454E2:センダイウイルスベクターによる樹立細胞、及び、TkDN3-4:ウイルスベクターによる樹立細胞の3種類のヒトiPS細胞である。
本実施の形態における実験例では、まず、ヒトiPS細胞を内部に含む中空マイクロファイバが製造された。該中空マイクロファイバの製造方法は、特許文献1に記載されたマイクロファイバの製造方法に従っている。具体的には、特許文献1の「発明の詳細な説明」において段落「0037」以降に示された「実施例」中で段落「0041」に記載されている例3の製造方法に従っているが、以下の(a)~(c)の点で異なっている。
(a)Qcoreを25〔μL/min〕とし、Qshell を75〔μL/min〕とした点
(b)コア部分の流体に含まれる細胞をヒトiPS細胞とし、その密度を1×106 ~1×108 〔cells/mL〕とした点
(c)コア部分の流体として、コラーゲンゲル(細胞外マトリクス(ECM))、アルギン酸ゲル(細胞外マトリクスを含まない)、マトリゲル(人工基底膜マトリックス)、及び、液体培地(ゲルを含まない)を使用した点
このような製造方法に従って製造された直後の中空マイクロファイバであって、ヒトiPS細胞が内部(コア部分)に含まれる中空マイクロファイバ、すなわち、ヒトiPS細胞ファイバの写真が図1に示されている。
図1において、第1行(上段)は、ヒトiPS細胞の密度が1×107 〔cells/mL〕であるものを示し、第2行(下段)は、ヒトiPS細胞の密度が1×108 〔cells/mL〕であるものを示している。また、左側から順に、第1列は内部に、ヒトiPS細胞とともに、アルギン酸ゲルが収容されたものを示し、第2列は内部に、ヒトiPS細胞とともに、液体培地が収容されたものを示し、第3列は内部に、ヒトiPS細胞とともに、マトリゲルが収容されたものを示し、第4列は内部に、ヒトiPS細胞とともに、コラーゲンゲルが収容されたものを示している。なお、本実施の形態において示される例において、コラーゲンは、株式会社高研が販売するAteloCell(R)の細胞培養用コラーゲン酸性溶液I-PC(ウシI型コラーゲン)5〔mg/mL〕を使用した(使用時には、中性化するために4〔mg/mL〕にし、更に培地で希釈することで1~4〔mg/mL〕にする。)。
続いて、実験例では、ヒトiPS細胞の培養が行われた。
図2は本実施の形態におけるROCK阻害剤の添加の有無による結果を示す写真、図3は本実施の形態におけるDay4の中空マイクロファイバとその生存率を示す写真、図4は本実施の形態における3種類のヒトiPS細胞を示す写真、図5は本実施の形態における低細胞密度の中空マイクロファイバを示す写真である。
ヒトiPS細胞が内部に収容された中空マイクロファイバは、プラスチック等の皿状の容器に収容された培地に浸され、これにより、ヒトiPS細胞の培養が行われた。
培養において使用された培地には、その作成直後に、ROCK阻害剤(Y-27632)が添加された。図2には、ROCK阻害剤が添加された場合(左側)、及び、ROCK阻害剤が添加されなかった場合(右側)の、ヒトiPS細胞ファイバの写真が示されている。ROCK阻害剤が添加された場合には、中空マイクロファイバ内でヒトiPS細胞が増殖して凝集したことが示されている。一方、ROCK阻害剤が添加されなかった場合には、細胞死が高頻度で発生し、ヒトiPS細胞は増殖しなかった。
培養の結果、中空マイクロファイバ内でヒトiPS細胞同士が凝集して接着し、俵型の細胞塊や、紐状の細胞塊が形成された。このように、ヒトiPS細胞同士が凝集して形成された細胞塊の断面形状及び直径乃至外径は、中空マイクロファイバの内部の断面形状及び内径によって規定される。すなわち、前記細胞塊の断面形状及び直径は、中空マイクロファイバによって制御される。そして、前記細胞塊に対し、中空マイクロファイバ内に収容された状態のままで、Live/Deadアッセイ(生細胞を緑に染色し、死細胞を赤に染色するアッセイ)が行われた。これにより、すべてのヒトiPS細胞ファイバにおいて、高い割合でヒトiPS細胞が生存していることが確認された。したがって、過剰な凝集に起因する細胞死を避けつつ、ヒトiPS細胞を高い増殖率で増殖させることができた、と言える。
図3には、培養開始から4日後(Day4)のヒトiPS細胞ファイバの写真が示されている。図3において、図1と同様に、第1行は、培養開始時のヒトiPS細胞の密度が1×107 〔cells/mL〕であるものを示し、第2行は、培養開始時のヒトiPS細胞の密度が1×108 〔cells/mL〕であるものを示している。また、左側から順に、第1列は内部に、ヒトiPS細胞とともに、アルギン酸ゲルが収容されたものを示し、第2列は内部に、ヒトiPS細胞とともに、液体培地が収容されたものを示し、第3列は内部に、ヒトiPS細胞とともに、マトリゲルが収容されたものを示し、第4列は内部に、ヒトiPS細胞とともに、コラーゲンゲルが収容されたものを示している。
また、409B2:エピソーマルベクターによる樹立細胞、454E2:センダイウイルスベクターによる樹立細胞、及び、TkDN3-4:ウイルスベクターによる樹立細胞の3種類のヒトiPS細胞のすべてについて、培養されたことが確認された。図4には、培養された3種類のヒトiPS細胞ファイバの写真(左側から順に、409B2、454E2及びTkDN3-4の写真)が示されている。
なお、中空マイクロファイバ内に収容されるヒトiPS細胞の密度が低密度である場合、具体的には、培養開始時のヒトiPS細胞の密度が1×106 〔cells/mL〕以下の場合には、図5に示されるように、ヒトiPS細胞は、増殖せずに死んでしまった。図5には、培養開始時のヒトiPS細胞の密度が1×106 〔cells/mL〕の場合における培養開始直後(Day0)及び12日後(Day12)のヒトiPS細胞ファイバの写真(左側から順に、Day0及びDay12の写真)が示されている。
このように、実験例において、ヒトiPS細胞は、中空マイクロファイバ内で培養され、増殖し、凝集する。これにより、ヒトiPS細胞が凝集した俵型や紐状の細胞塊であって、断面形状及び外径が中空マイクロファイバによって制御された細胞塊を形成することができた。
続いて、実験例では、培養されたヒトiPS細胞の回収が行われた。なお、これ以降に示される実験例においては、1種類のヒトiPS細胞、すなわち、409B2のみが使用されている。これは、409B2は、京都大学で樹立された一般的なヒトiPS細胞であって、ゲノムへの遺伝子挿入がないのでヒト受精卵から樹立されるヒトES細胞に近く、ヒト多能性幹細胞全般のモデルになるからである。
図6は本実施の形態におけるヒトiPS細胞の回収工程を示す写真、図7は本実施の形態におけるDay4のヒトiPS細胞の生存率を示すグラフ、図8は本実施の形態におけるヒトiPS細胞の増殖率を示すグラフ、図9は本実施の形態におけるDay4のヒトiPS細胞の増殖率とコラーゲンゲル濃度及び細胞密度との関係を示すグラフである。
中空マイクロファイバ内で培養されたヒトiPS細胞を回収する場合、図6に示されるように、アルギン酸リアーゼによって中空マイクロファイバのシェル部分を構成するアルギン酸ゲルを溶かし、ヒトiPS細胞が凝集した俵型や紐状の細胞塊を回収した。すなわち、中空マイクロファイバを溶融して細胞塊を回収した。続いて、アキュターゼによって回収した細胞塊において、細胞同士の結合を乖離させた。図6には、左側から順に、中空マイクロファイバ内で培養されたヒトiPS細胞の写真、アルギン酸リアーゼによる5〔min〕の処理の後に中空マイクロファイバのシェル部分を構成するアルギン酸ゲルが溶けた状態のヒトiPS細胞の細胞塊の写真、及び、アキュターゼ(細胞乖離ならばアキュターゼでなくてもよい)による5〔min〕の処理の後に細胞同士の結合が乖離したヒトiPS細胞の写真が示されている。
このようにして回収されたヒトiPS細胞の生存率は、図7に示されるように、90〔%〕前後と高いことが確認された。図7においては、縦軸に培養開始から4日後(Day4)のヒトiPS細胞の生存率が示され、横軸にコア部分の種類毎のヒトiPS細胞の密度が示されている。コア部分の種類、すなわち、ヒトiPS細胞とともに中空マイクロファイバ内に収容されたものの種類は、左側から順に、アルギン酸ゲル(Alg)、液体培地(Hollow)、マトリゲル(MG)及びコラーゲンゲル(Col)である。また、培養開始時のヒトiPS細胞の密度は、コア部分の各種類毎に、1×107 〔cells/mL〕及び1×108 〔cells/mL〕である。
また、図8に示されるように、コア部分の種類がコラーゲンゲルである場合に、ヒトiPS細胞の増殖率が高くなることが確認された。図8においては、縦軸には、Day0を1とした場合の増殖倍率が示され、横軸には、図7と同様に、コア部分の種類毎のヒトiPS細胞の密度が示されている。
そこで、図9に示されるように、中空マイクロファイバ内に収容されたコラーゲンゲルの濃度の変化に対応するヒトiPS細胞の増殖率の変化が確認された。図9においては、縦軸には、図8と同様に、Day0を1とした場合の増殖倍率が示され、横軸には、ヒトiPS細胞の密度毎のコラーゲンゲルの濃度が示されている。培養開始時のヒトiPS細胞の密度は、左側から順に、1×107 〔cells/mL〕及び1×108 〔cells/mL〕である。また、コラーゲンゲルの濃度は、ヒトiPS細胞の密度毎に、0〔mg/mL〕、1〔mg/mL〕及び4〔mg/mL〕である。なお、コラーゲンゲルの濃度が0〔mg/mL〕という状態は、コア部分の種類が液体培地(Hollow)である状態と同じである。
図9に示されるように、コラーゲンゲルの濃度が0~4〔mg/mL〕の範囲において、ヒトiPS細胞の増殖が確認された。また、コラーゲンゲルの濃度が1〔mg/mL〕である場合に増殖率が最も高くなることが確認された。
続いて、実験例では、ヒトiPS細胞ファイバからヒトiPS細胞ファイバへの継代が行われた。
図10は本実施の形態におけるヒトiPS細胞の増殖率と培養日数との関係を示すグラフ、図11は本実施の形態におけるヒトiPS細胞の増殖率と継代のタイミングとの関係を示すグラフ、図12は本実施の形態における4日おきに継代を繰り返して培養したヒトiPS細胞の増殖率と培養日数との関係を示すグラフ、図13は本実施の形態における1ヶ月以上培養されたヒトiPS細胞の核型を示す写真、図14は本実施の形態における1ヶ月以上培養されたヒトiPS細胞の未分化マーカーを示す写真である。
ヒトiPS細胞ファイバからヒトiPS細胞ファイバへの継代は、図6に示されるような回収工程によって回収されたヒトiPS細胞を希釈し、新たな中空マイクロファイバ内に封入することにより、行われた。この場合、中空マイクロファイバ内に、ヒトiPS細胞とともに、収容されたものは、1〔mg/mL〕のコラーゲンゲルである。
図10に示されるように、増殖されたヒトiPS細胞の細胞数は、Day1で一旦低下した後、Day2で初期細胞数にまで復帰し、Day4で大きく上昇し、Day6で最大となることが確認された。図10においては、縦軸には、Day0を1とした場合の増殖倍率が示され、横軸には、増殖開始からの経過日数が示されている。
そこで、最適な継代のタイミングが、Day4以降の範囲で検討された。そして、図11に示されるように、Day4以降では継代後の増殖率が低下することが判明したので、最適な継代のタイミングはDay4である、と判断された。図11においては、縦軸には、Day0を1とした場合の増殖倍率が示され、横軸には、継代のタイミング毎の継代前の増殖期間及び継代後の増殖期間が示されている。継代のタイミング毎の継代前の増殖期間及び継代後の増殖期間は、左側から順に、継代のタイミングがDay4の場合にDay0~4及びDay4~8、継代のタイミングがDay6の場合にDay0~6及びDay6~12、継代のタイミングDay8の場合にDay0~8及びDay8~16である。また、黒地のバーグラフは継代前の増殖率を示し、白地のバーグラフは継代後の増殖率を示している。
そして、このような継代を繰り返すことによって、図12に示されるように、長期に亘り、具体的には、1ヶ月以上の期間に亘り、効率的にヒトiPS細胞の増殖が行われることが確認された。図12においては、縦軸には、Day0を1とした場合の増殖倍率が示され、横軸には、増殖開始からの経過日数が示されている。
また、このような継代を繰り返し、長期に亘って、具体的には、54日に亘って培養されたヒトiPS細胞の核型の写真が、図13に示されている。これにより、54日に亘って培養されたヒトiPS細胞が正常な核型を示すことが確認された。
さらに、図14には、1ヶ月以上に亘って培養されたヒトiPS細胞の未分化マーカーの写真が示されている。なお、図14において、左側の縦1列に並んだ写真は、RT-PCR(リアルタイムPCR(ポリメラーゼ連鎖反応))による未分化マーカーを示し、右側の縦2列に並んだ写真は、ICC及びAP(アルカリホスターゼ)染色による未分化マーカーを示している。これにより、1ヶ月以上に亘って培養されたヒトiPS細胞において、未分化マーカーの発現が維持されていることが確認された。
続いて、実験例では、長期に亘って培養されたヒトiPS細胞の分化誘導培地での培養が行われた。
図15は本実施の形態における分化誘導中の中空マイクロファイバを示す写真、図16は本実施の形態におけるヒトiPS細胞の自発的な空洞化を示す写真、図17は本実施の形態における1ヶ月以上培養後、分化誘導されたヒトiPS細胞が三胚葉に分化することを示す写真、図18は本実施の形態におけるヒトiPS細胞が三次元分化誘導されることを外胚葉マーカー免疫染色で示す写真、図19は本実施の形態における凍結保存された後に解凍されたヒトiPS細胞を示す写真、図20は本実施の形態における凍結保存された後に解凍されたヒトiPS細胞の生存率を示すグラフ、図21は本実施の形態における凍結保存された後に解凍されたヒトiPS細胞が増殖することを示す写真である。
前述のような継代によって1ヶ月以上に亘って培養されたヒトiPS細胞は、中空マイクロファイバ内に収容されたままで、分化誘導培地(20〔%〕のFSB(ウシ胎児血清)を含むDMEM(ダルベッコ改変イーグル培地))内で培養することによって、図15に示されるように、中空マイクロファイバの形状のままで分化誘導することができることが確認された。また、図16に示されるように、内部が自発的な空洞化(内皮細胞系の分化と考えられる)を行うことがあることも確認された。
さらに、図17及び18に示されるように、分化誘導されたヒトiPS細胞が三胚葉のマーカーを示すことが確認され、当初のヒトiPS細胞と同様に生体のいずれの細胞にも分化することができる能力、すなわち、分化多能性(Pluripotency)を示すことが確認された。なお、図17には、左側から順に、外胚葉のTuj1マーカー、中胚葉のαSMAマーカー及び内胚葉のAFPマーカーの写真が示されている。また、図18には、三次元的な外胚葉(神経)マーカーの写真が示されている。
ところで、従来の細胞培養方法によって培養されたヒトiPS細胞は、培養皿から剥がした後に遠心処理を施してペレットにし、細胞保存液に懸濁して凍結する必要がある。これに対して、この実験例で培養されたヒトiPS細胞は、中空マイクロファイバ内に収容されたままで直接細胞保存液に浸し、凍結することによって保存することができた。図19には、このようにして凍結して保存された中空マイクロファイバ内に収容されたままのヒトiPS細胞を融解(解凍)した状態の写真が示されている。なお、図19に示されるのは、融解直後の状態である。
また、このようにして融解されたヒトiPS細胞の生存率は、図20に示されるように、従来の細胞培養方法によって培養され、凍結され、融解されたヒトiPS細胞の生存率と同等であることが確認された。図20において、縦軸には、凍結前を1とした場合の生存率が示され、2Dとして、従来の細胞培養方法によって培養され、凍結され、融解されたヒトiPS細胞の生存率が示され、3Dとして、この実験例で培養され、中空マイクロファイバ内に収容されたままで凍結され、融解されたヒトiPS細胞の生存率が示されている。
さらに、このようにして凍結して保存された中空マイクロファイバ内に収容されたままで融解されたヒトiPS細胞は、そのまま培養されることで増殖することが確認された。図21には、このようにして培養されて増殖した中空マイクロファイバ内に収容されたままのヒトiPS細胞の写真が示されている。なお、図21に示されるのは、融解から4日後の状態である。
このように、本実施の形態における中空マイクロファイバを用いた細胞培養方法は、プライム型多能性幹細胞を内部に含む中空マイクロファイバを製造する工程と、プライム型多能性幹細胞を中空マイクロファイバの内部で培養し、増殖させ、凝集させる工程と、を含む方法である。
これにより、プライム型多能性幹細胞を容易に、短時間で、高い増殖率で増殖させることができるとともに、過剰な凝集に起因する細胞死を避けることができる。
また、凝集したプライム型多能性幹細胞は、断面形状及び外径が中空マイクロファイバによって制御された細胞塊となる。したがって、細胞塊の形状及び大きさを容易に制御することができ、過剰な凝集に起因する細胞死を避けつつ、プライム型多能性幹細胞を高い増殖率で増殖させることができる。
さらに、プライム型多能性幹細胞は、コラーゲンゲルとともに、中空マイクロファイバの内部に収容される。この場合、極めて高い増殖率で、プライム型多能性幹細胞を増殖させることができる。
さらに、中空マイクロファイバを用いた細胞培養方法は、中空マイクロファイバを溶融し、プライム型多能性幹細胞を回収する工程を更に含む方法である。したがって、増殖させ、凝集させたプライム型多能性幹細胞を、容易に、効率的に回収することができる。
さらに、プライム型多能性幹細胞は、凝集した状態で回収された後、細胞同士の結合が乖離される。したがって、回収されたプライム型多能性幹細胞を各種の用途で容易に利用することができる。
さらに、中空マイクロファイバを用いた細胞培養方法は、回収されたプライム型多能性幹細胞を内部に含む中空マイクロファイバを製造することによって、プライム型多能性幹細胞を内部に含む中空マイクロファイバを継代する工程を更に含む方法である。これにより、プライム型多能性幹細胞を長期間に亘って効率的に増殖させることができ、大量に増殖させることができる。
さらに、中空マイクロファイバを用いた細胞培養方法は、プライム型多能性幹細胞を内部に含む中空マイクロファイバを凍結して、プライム型多能性幹細胞を中空マイクロファイバ内で保存する工程を更に含む方法である。これにより、プライム型多能性幹細胞を容易に保存することができるとともに、必要なときに、容易に再利用することができる。
さらに、中空マイクロファイバを用いた細胞培養方法は、プライム型多能性幹細胞を内部に含む中空マイクロファイバを培地に浸して、プライム型多能性幹細胞を中空マイクロファイバ内で分化誘導する工程を更に含む方法である。これにより、プライム型多能性幹細胞を各種の細胞に容易に分化誘導することができる。
なお、本明細書の開示は、好適で例示的な実施の形態に関する特徴を述べたものである。ここに添付された特許請求の範囲内及びその趣旨内における種々の他の実施の形態、修正及び変形は、当業者であれば、本明細書の開示を総覧することによって、当然に考え付くことである。
本開示は、細胞培養方法及びマイクロファイバに適用することができる。

Claims (7)

  1. 細胞培養方法であって、
    (a)プライム型多能性幹細胞を含むコア部分と、該コア部分を被覆する管状のアルギン酸ゲルを有するシェル部分とを備えるマイクロファイバを製造する工程と、
    (b)ROCK阻害剤を添加した培地中で、前記プライム型多能性幹細胞を前記マイクロファイバの内部で培養し、分化多能性を維持した状態で前記プライム型多能性幹細胞の断面形状及び外径が前記マイクロファイバによって制御された細胞塊になるまで増殖させ、凝集させる工程と、
    を含む、細胞培養方法。
  2. 前記プライム型多能性幹細胞は、ヒトiPS細胞であり、
    培養開始時の前記ヒトiPS細胞の密度は、1×107 〔cells/mL〕以上である請求項1に記載の細胞培養方法。
  3. 前記マイクロファイバを溶融し、前記プライム型多能性幹細胞を回収する工程を更に含む請求項1又は2に記載の細胞培養方法。
  4. 回収された前記プライム型多能性幹細胞を内部に含むマイクロファイバを製造することによって、前記プライム型多能性幹細胞を内部に含むマイクロファイバを継代する工程を更に含む請求項3に記載の細胞培養方法。
  5. 前記プライム型多能性幹細胞を内部に含むマイクロファイバを凍結して、前記プライム型多能性幹細胞をマイクロファイバ内で保存する工程を更に含む請求項1~4のいずれか1項に記載の細胞培養方法。
  6. 前記プライム型多能性幹細胞を内部に含むマイクロファイバを分化誘導培地内で培養することによって、前記プライム型多能性幹細胞をマイクロファイバ内で分化誘導する工程を更に含む請求項1~5のいずれか1項に記載の細胞培養方法。
  7. プライム型多能性幹細胞を含むコア部分と、該コア部分を被覆する管状のアルギン酸ゲルを有するシェル部分とを備えるマイクロファイバであって、
    前記プライム型多能性幹細胞は、ROCK阻害剤を添加した培地中で前記マイクロファイバの内部で培養され、分化多能性が維持された状態で、前記プライム型多能性幹細胞の断面形状及び外径が前記マイクロファイバによって制御された細胞塊を形成している、マイクロファイバ。
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