JP7385210B2 - 磁界センサ素子及び磁界センサ装置 - Google Patents

磁界センサ素子及び磁界センサ装置 Download PDF

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本発明は磁界センサ素子及び磁界センサ装置に関する。
磁界センサとしては、磁気抵抗効果を利用するものや磁気光学効果を利用するもの等、様々なものが提案されている。例えば、特許文献1には、強磁性金属微粒子がナノオーダで誘電体マトリックス中に分散したグラニュラー薄膜を有し、磁気光学効果(ファラデー効果)を利用して磁界を検出する磁界センサ素子が記載されている。磁気光学効果を利用するこうした磁界センサでは、磁界に対する感度を上げるために磁性体ヨークが配置されることが多い(例えば特許文献2を参照)。
特許文献3には、アンテナ装置に用いられる高周波用磁性材料であって、基板と、基板上に形成され、長手方向が基板の表面に対して垂直方向を向いた複数の柱状体を形成する非晶質の磁性相と、柱状体の間隙を充填する絶縁体相とから成る複合磁性膜を具備するものが記載されている。
特開2019-138775号公報 特開2017-59591号公報 特開2009-59932号公報
近年では、MHz以上の高周波計測が可能な磁界センサが求められている。特許文献1の磁界センサ素子は、強磁性共鳴周波数がGHz以上であることから、高周波計測の要求に応えることができる。しかしながら、そうした磁界センサ素子でも、感度を向上させるために透磁率が高い磁性体ヨークを配置すると、計測可能な周波数の上限がMHz程度になり、それ以上の高周波計測ができなくなってしまう。
本発明は、磁性体ヨークがなくても外部磁界に対する感度が高く、GHzオーダの高周波計測が可能な磁界センサ素子及び磁界センサ装置を提供することを目的とする。
強磁性金属の微粒子が分散した誘電体で構成され、入射光を透過させ、入射光が透過する方向を長手方向とするそれぞれの幅及び高さがミクロンオーダの複数の柱状体に成形された磁性部材と、磁性部材を透過した光を磁性部材に向けて反射する反射膜と、入射光を磁性部材に出射するとともに、反射膜で反射し磁性部材を透過した戻り光が入射する光ファイバとを有することを特徴とする磁界センサ素子が提供される。
磁性部材は入射光を透過させる支持基板をさらに有し、複数の柱状体は支持基板上に形成されていることが好ましい。支持基板に格子状の凸部及び凹部が形成され、複数の柱状体は凸部上及び凹部内に形成されていることが好ましい。反射膜は凸部の上面及び凹部の底面に成膜され、複数の柱状体は反射膜上に形成されていることが好ましい。反射膜は、支持基板の複数の柱状体が形成された面とは反対側の面に成膜されていることが好ましい。複数の柱状体のそれぞれの幅が1μm以上かつ3μm以下であり、複数の柱状体同士は互いに接触しておらず、複数の柱状体同士の間隔の平均が3μm以下であることが好ましい。複数の柱状体のそれぞれは、幅に対する高さの比が1以上かつ3以下であることが好ましい。
上記のいずれかの磁界センサ素子と、光ファイバに入射光として直線偏光を入射させる発光装置と、光ファイバから出射された戻り光をS偏光成分及びP偏光成分に分離し、S偏光成分及びP偏光成分を受光して電気信号に変換し、電気信号を処理する受光装置とを有することを特徴とする磁界センサ装置が提供される。
上記の磁界センサ素子及び磁界センサ装置によれば、磁性体ヨークがなくても外部磁界に対する感度が高く、GHzオーダの高周波計測が可能である。
磁界センサ装置1の全体構成図である。 磁性部材30,30’の模式的な平面図及び斜視図である。 信号処理部70の例を示すブロック図である。 磁性部材の形状に応じた反磁界係数の違いを説明するための図である。 磁性部材30’’の構造及び製造方法を説明するための図である。
以下、図面を参照しつつ、磁界センサ素子及び磁界センサ装置を説明する。ただし、本発明は図面又は以下に記載される実施形態には限定されないことを理解されたい。
図1は、磁界センサ装置1の全体構成図である。磁界センサ装置1は、磁界センサ素子10と、発光装置50と、ハーフミラー53と、受光装置60とを有する。磁界センサ素子10は、光ファイバ20と、磁性部材30と、反射膜40とを有する。発光装置50は直線偏光を出射し、その直線偏光はハーフミラー53を透過して、発光装置50側の端面から光ファイバ20に入射する。光ファイバ20に入射した直線偏光は、光ファイバ20を経由して磁性部材30を透過し、反射膜40で反射し、再び磁性部材30を透過して戻り光となる。この戻り光は、再び光ファイバ20を伝搬し、ハーフミラー53で反射されて受光装置60に入射する。
磁界の存在下では、直線偏光が磁性部材30を透過する際に、ファラデー効果により偏光面がθだけ回転する。その後、入射光が反射膜40で反射して再度磁性部材30を透過する際に、ファラデー効果により偏光面がさらに回転し、ファラデー回転角がθよりも大きいθになる。ファラデー回転角の大きさは磁界の強さによって変化するため、磁界センサ装置1は、受光装置60で戻り光をS偏光成分及びP偏光成分に分離し、それらを受光してそれぞれの強度を求めることで、周囲の磁界を検出する。その磁界が導体を流れる電流によって生じている場合には、磁界センサ装置1によりその電流値を測定することができる。
光ファイバ20の発光装置50側の端面は、発光装置50と受光装置60に光学的に接続され、発光装置50とは反対側の端面27には磁性部材30が固定されている。光ファイバ20は、発光装置50からの入射光を伝搬して磁性部材30に出射するとともに、反射膜40で反射し磁性部材30を透過して入射した戻り光を受光装置60まで伝搬する。図1の符号21は光ファイバ20のコアであり、符号22は光ファイバ20のクラッドである。光ファイバ20は、シングルモード光ファイバでもよいが、偏波保持光ファイバであることが好ましい。光ファイバ20が偏波保持光ファイバであれば、直線偏光を一定強度に保持したまま磁性部材30に入射させ、反射膜40からの戻り光を一定強度に保持したままハーフミラー53に出射することができる。光ファイバ20の直径は特に限定されないが、125μmのものが一般的に使用されている。
図2(A)及び図2(B)は、磁性部材30の模式的な平面図及び斜視図である。磁性部材30は、支持基板31と、複数の柱状体32とを有する。支持基板31は、例えばシリコン又はガラス等の透明な材料の基板であり、光透過性を有し、光ファイバ20からの入射光及び反射膜40からの戻り光の透過方向に垂直に配置されている。
柱状体32は、光の透過方向を長手方向として、その方向に延びるように支持基板31の光ファイバ20側の面に形成されている。各柱状体32の幅(直径)及び高さはミクロンオーダであり、各柱状体32の幅の平均は1μm以上かつ3μm以下であることが好ましい。柱状体32の高さはなるべく大きい方がよいが、大き過ぎると製造が困難になるため10μm以下であることが好ましく、3μm程度がより好ましい。したがって、各柱状体32の幅に対する高さの比(アスペクト比)は1以上かつ3以下であることが好ましい。柱状体32同士は互いに離間していることが好ましく、柱状体32同士の間隔も1μm以上かつ3μm以下であることが好ましい。図2(A)では、図示の都合上、柱状体32を4本しか記載していないが、実際には、直径125μmの光ファイバ20の断面を埋め尽くすように多数の柱状体32が形成されている。
磁性部材30は、このように、光の透過方向にミクロンオーダの微細構造を有する。各柱状体32は、図示した例では規則的(格子状)に配置されているが、支持基板31上に不規則に配置されていてもよい。各柱状体32の形状は、角柱に限らず円柱でもよいし、図2(C)に示す磁性部材30’の柱状体32’のように長手方向に沿って幅が変化するものでもよく、全体的な形状が柱体、錐台又は錐体であれば部分的に凹凸が形成されていてもよい。すべての柱状体32が同じ形状である必要はなく、柱状体32同士で形状又は大きさが異なっていてもよい。柱状体32同士の間は、空気でもよいが、磁性部材30は光ファイバ20に固定されるので、接着剤で埋まっていてもよい。この場合、光が透過するように透明な接着剤が用いられる。
各柱状体32は、ナノオーダの強磁性金属の微粒子(以下、磁性体粒子という)が分散した誘電体で構成される。例えば最表層等のごく一部では酸化物が形成されていてもよいが、柱状体32では、全体として、磁性体粒子が、バインダとなる誘電体と化合物を作らずに、誘電体から安定的に相分離した状態で誘電体中に分散している。磁性体粒子はファラデー効果を生じるものであればよく、特に限定されないが、磁性体粒子の材質としては、強磁性金属である鉄(Fe)、コバルト(Co)及びニッケル(Ni)並びにこれらの合金が挙げられる。その合金としては、例えば、FeNi合金、FeCo合金、FeNiCo合金、NiCo合金が挙げられる。柱状体32内における磁性体粒子の分布は、完全に一様でなくてもよく、多少偏っていてもよい。
誘電体としては、フッ化マグネシウム(MgF)、フッ化アルミニウム(AlF)、フッ化イットリウム(YF)等のフッ化物(金属フッ化物)が好ましい。あるいは、誘電体として、酸化タンタル(Ta)、二酸化ケイ素(SiO)、二酸化チタン(TiO)、五酸化二ニオビウム(Nb)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、二酸化ハフニウム(HfO)、三酸化二アルミニウム(Al)等の酸化物を用いてもよい。誘電体と磁性体粒子との良好な相分離のためには、酸化物よりもフッ化物の方が好ましく、フッ化マグネシウムは透過率が高いので、特に好ましい。誘電体として透明性が高いものを用いれば、誘電体中に磁性体粒子が光の波長よりも小さいサイズで存在することにより、柱状体32は光透過性を有する。
磁性部材30の柱状体32は、例えば、磁性体粒子が分散した誘電体層を支持基板31上に成膜し、それを熱インプリントすることで形成される。この誘電体薄膜のことを、以下では「グラニュラー薄膜」という。あるいは、その誘電体薄膜の上にさらにマスク層を形成し、それをフォトリソグラフィによりパターニングして、さらにエッチングすることで柱状体32を形成してもよい。
磁性部材30は1個に限らず、複数個を積層させてもよい。例えば2個の磁性部材30を積層させる場合には、一方の磁性部材30の柱状体32の上端を他方の磁性部材30の支持基板31の底面に接着させればよい。磁性部材30を多層に重ねれば、磁性部材30間での多重反射によって、より大きなファラデー回転角が得られる。
反射膜40は、図1及び図2(A)に示すように、磁性部材30の光ファイバ20とは反対側の面に、すなわち、支持基板31の柱状体32が形成された面とは反対側の面に成膜されている。反射膜40としては、例えば、Ag(銀)膜、Au(金)膜、Al(アルミニウム)膜又は誘電体多層膜ミラー等を用いることができる。特に、反射率の高いAg膜や耐食性が高いAu膜が成膜上簡便で好ましい。反射膜40の厚さは、98%以上の十分な反射率を確保できる大きさであればよく、例えばAg膜の場合には、50nm以上かつ200nm以下であることが好ましい。反射膜40を用いて磁性部材30内で光を往復させることで、反射膜40がない場合と比べてファラデー回転角が大きくなる。あるいは、柱状体32を支持できる厚さの反射板を反射膜40の代わりに用いれば、支持基板31を省略し、柱状体32を反射膜40上に直接形成してもよい。
発光装置50は、図1に示すように、発光素子51と、偏光子52とを有し、光ファイバ20に直線偏光を入射させる。発光素子51は、例えば半導体レーザ又は発光ダイオードであり、具体的には、ファブリペローレーザ、スーパールミネッセンスダイオード等であることが好ましい。偏光子52は、発光素子51が発した光を直線偏光にするための光学素子であり、その種類は特に限定されない。偏光子52で得られる直線偏光は、ハーフミラー53に出射される。
ハーフミラー53は、発光装置50からの直線偏光を透過させて光ファイバ20に入射させるとともに、磁界センサ素子10からの戻り光を受光装置60に向けて反射させる。直線偏光を光ファイバ20に入射させるための光学素子は、ハーフミラー53に限らず、光ファイバを結合分岐するための光カプラや、光を分割するビームスプリッタ、又は光サーキュレータでもよい。
受光装置60は、λ/2板62と、偏光分離素子64と、受光素子66S,66Pと、信号処理部70とを有し、光ファイバ20から出射された戻り光を受光する。λ/2板62は、磁界センサ素子10からの戻り光の偏光成分間にλ/2(180°)の位相差を与え、偏光方向を回転させて出射させる。λ/2板62としては、複屈折材料等を利用した一般的なものを使用できる。あるいは、λ/2板62の代わりに、λ/4板を磁界センサ素子10内の磁性部材30と反射膜40との間に配置してもよい。そうすれば、λ/4板の内部を光が往復することで、λ/4板が反射型のλ/2板として機能する。
偏光分離素子64は、プリズム型、平面型、ウェッジ基板型又は光導波路型等の偏光ビームスプリッタ(PBS)であり、λ/2板62で位相変調された戻り光のS偏光成分65SとP偏光成分65Pとを分離する。受光素子66S,66Pは例えばPINフォトダイオードであり、受光素子66SはS偏光成分65Sを受光し、受光素子66PはP偏光成分65Pを受光して、それぞれ電気信号に変換(光電変換)する。
図3は、信号処理部70の例を示すブロック図である。信号処理部70は、増幅器71P,71Sと、除算回路(アナログIC)72,73と、差動増幅回路74とを有し、受光素子66S,66Pにより光電変換された電気信号から2つの偏光成分の強度を差分検出し、その数値を電流値に置き換える。増幅器71Pは、受光素子66Pにより光量LpのP偏光成分65Pから得られた電気信号Epを増幅する。増幅器71Sは、受光素子66Sにより光量LsのS偏光成分65Sから得られた電気信号Esを増幅する。除算回路72は、増幅された電気信号Epで電気信号Esを除算し、その出力値を差動増幅回路74のマイナス側に入力する。除算回路73は、増幅された電気信号Esで電気信号Epを除算し、その出力値を差動増幅回路74のプラス側に入力する。差動増幅回路74は、除算回路73,74の出力値を差動増幅して最終的な電流値に変換する。
図4(A)~図4(C)は、磁性部材の形状に応じた反磁界係数の違いを説明するための図である。図4(A)は、反磁界係数の計算のモデルとなる楕円体を示す。図中の矢印a,b,cは互いに直交しており、矢印b,cの長さは互いに等しく、矢印b,cを含むこの楕円体の切断面は円である。図4(B)は、楕円体について計算された反磁界係数の値を示す表である。記号rは、図4(A)における矢印b,cに対する矢印aの長さの比(アスペクト比)であり、r≪1の場合は薄膜に、r=1の場合は球体にそれぞれ相当し、r≧1の場合は近似的に柱状体とみなすことができる。記号Nは、楕円体の矢印a方向の反磁界係数である。記号RはNの逆数であり、Rの値は、薄膜の場合と比べて矢印a方向にどれだけ磁化し易いかを示している。図4(C)は、楕円体のアスペクト比rと矢印a方向の反磁界係数Nとの関係を示すグラフである。
図4(B)の計算結果から分かるように、磁気光学特性を有するグラニュラー薄膜(r≪1)は面内磁化膜であるので、その面内方向の反磁界係数は0(最小)であるが、厚さ方向(磁界センサ素子10における光の透過方向)の反磁界係数は1(最大)である。すなわち、グラニュラー薄膜に外部磁界を掛けると、その面内方向には最も磁化し易いが、厚さ方向には最も磁化しにくい。このため、磁界センサ素子10内でグラニュラー薄膜の厚さ方向に光を透過させると、磁界に対する感度が最も低い状態でグラニュラー薄膜を使用することになる。
しかしながら、矢印a方向の反磁界係数Nはアスペクト比rが大きいほど小さくなるため、光の透過方向を長手方向とする複数の柱状体にグラニュラー薄膜を成形すれば、薄膜の場合と比べて光の透過方向の反磁界係数は小さくなり、その方向に磁化し易くなる(形状磁気異方性)。反磁界係数が小さくなれば外部磁界に対する磁化の変化量が大きくなり、磁化はファラデー回転角及び測定対象の電流に比例するので、磁界センサ装置1では、磁性部材30を有することで、磁性体ヨークがなくても外部磁界に対する感度が高くなる。グラニュラー薄膜の強磁性共鳴周波数は10GHz程度であり、厚さ方向に異方性を付与してもその共鳴周波数が数GHz程度に保たれるので、磁界センサ装置1によれば、GHz程度の高周波まで計測可能になる。
図5(A)~図5(E)は、磁性部材30’’の構造及び製造方法を説明するための図である。磁性部材30’’は、上記の磁性部材30と同じ材料で構成され、同様に光の透過方向にミクロンオーダの微細構造を有する部材であり、図5(A)~図5(D)に示す工程により製造される。
磁性部材30’’を製造するには、まず、図5(A)に示す支持基板31の上にマスク層を形成し、それをフォトリソグラフィによりパターニングし、さらにDRIE(Deep Reactive Ion Etching)により加工することで、図5(B)に符号31’で示すように、支持基板31の上面に格子状の凹部31Bを形成して、残りの部分を凸部31Aとする。凸部31Aは角柱であるが、それには限定されず、図5(B)に符号31’’で示すように、円柱状の凸部31Cを格子状に残し、それらの間を凹部31Dとしてもよい。図5(C)は、図5(B)のVC-VC線に沿った加工後の支持基板31’,31’’の縦断面図である。各凸部31A,31Cの幅は1μm以上かつ3μm以下であり、凹部31B,31Dを挟んで隣り合う凸部31A,31C同士の間隔も1μm以上かつ3μm以下であり、凹部31B,31Dの深さは3μm以上であることが好ましい。
続いて、図5(D)に示すように、加工後の支持基板31’又は31’’の上面に反射膜40’を成膜し、その上にさらにグラニュラー薄膜を3μm程度の厚さに成膜して柱状体32’’を形成することで、磁性部材30’’が完成する。さらに、図5(E)に示すように、磁性部材30’’の上面側に透明な接着剤80を塗布して光ファイバ20の先端に固定することで、磁性部材30’’を有する磁界センサ素子が完成する。
磁性部材30’’では、反射膜40’は凸部31A又は31Cの上面と、凹部31B又は31Dの底面とに成膜され、柱状体32’’は、それらの凸部上及び凹部内における反射膜40’上に形成されている。図5(D)に示すように、凸部31A又は31C上の柱状体32’’の下端と凹部31B又は31D内の柱状体32’’の上端とは互いに接触していないことが好ましい。これは、成膜を続けて柱状体32’’同士がひとつながりになると、光の透過方向に垂直な方向に広がった普通の薄膜と実質的に同じになってしまい、光の透過方向の反磁界係数が減少する効果が得られないためである。柱状体32’’は成膜により形成されるため、上面側が丸みを帯びた形状になると考えられるが、上記の柱状体32と同様に、幅に対する高さの比が1以上かつ3以下であることが好ましい。
図5(B)の支持基板31’’のように円柱状の凸部31Cを設ける場合には、凸部31C上の柱状体32’’同士が互いに接触しないように、凸部31C同士も互いに離れていることが好ましい。この場合、図5(B)の支持基板31’の場合とは異なり、凸部31C間で凹部31Dがつながるため、成膜すると、凹部31D内では柱状体ができず、支持基板31’’の面方向に広がった薄膜になることが考えられる。この場合、光の透過方向の微細構造になるのは柱状体32’’のうちで凸部31C上に形成されたもののみとなり、図2(B)の磁性部材30よりは性能が低下する可能性がある。しかしながら、この場合の磁性部材30’’でも、凹部31D内よりも凸部31C上の方が成膜時に材料が堆積し易く、凸部31C上には柱状体32’’が形成されるため、単なるグラニュラー薄膜と比べれば光の透過方向に磁化し易くなる。
磁性部材30’’を有する磁界センサ装置でも、磁性体ヨークがなくても外部磁界に対する感度が高くなり、GHzオーダの高周波計測が可能になる。図5(D)に示した例とは異なり、支持基板31’,31’’の上面側ではなく底面に反射膜を成膜し、支持基板31’,31’’の上面に直接柱状体32’’を形成してもよい。しかしながら、光ファイバ20からの光を光ファイバ20に戻すためには光路長が短い方がよく、図5(D)に示すように支持基板31’,31’’の上面側に反射膜40’を形成する方が光路長が短くなるため、より好ましい。
1 磁界センサ装置
10 磁界センサ素子
20 光ファイバ
30,30’,30’’ 磁性部材
40,40’ 反射膜
50 発光装置
60 受光装置

Claims (7)

  1. 強磁性金属の微粒子が分散した誘電体で構成され、入射光を透過させ、前記入射光が透過する方向を長手方向とするそれぞれの幅及び高さがミクロンオーダの複数の柱状体に成形された磁性部材と、
    前記磁性部材を透過した光を前記磁性部材に向けて反射する反射膜と、
    前記入射光を前記磁性部材に出射するとともに、前記反射膜で反射し前記磁性部材を透過した戻り光が入射する光ファイバと、を有し、
    前記複数の柱状体のそれぞれの幅が1μm以上かつ3μm以下であり、
    前記複数の柱状体同士は互いに接触しておらず、
    前記複数の柱状体同士の間隔の平均が1μm以上かつ3μm以下である、
    ことを特徴とする磁界センサ素子。
  2. 前記磁性部材は前記入射光を透過させる支持基板をさらに有し、
    前記複数の柱状体は前記支持基板上に形成されている、請求項1に記載の磁界センサ素子。
  3. 前記支持基板に格子状の凸部及び凹部が形成され、
    前記複数の柱状体は前記凸部上及び前記凹部内に形成されている、請求項2に記載の磁界センサ素子。
  4. 前記反射膜は前記凸部の上面及び前記凹部の底面に成膜され、
    前記複数の柱状体は前記反射膜上に形成されている、請求項3に記載の磁界センサ素子。
  5. 前記反射膜は、前記支持基板の前記複数の柱状体が形成された面とは反対側の面に成膜されている、請求項2又は3に記載の磁界センサ素子。
  6. 前記複数の柱状体のそれぞれは、幅に対する高さの比が1以上かつ3以下である、
    請求項1~のいずれか一項に記載の磁界センサ素子。
  7. 請求項1~のいずれか一項に記載の磁界センサ素子と、
    前記光ファイバに前記入射光として直線偏光を入射させる発光装置と、
    前記光ファイバから出射された前記戻り光をS偏光成分及びP偏光成分に分離し、前記S偏光成分及び前記P偏光成分を受光して電気信号に変換し、前記電気信号を処理する受光装置と、
    を有することを特徴とする磁界センサ装置。
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