実施形態に係る電力変換装置を模式的に表すブロック図である。
変換器を模式的に表すブロック図である。
表示回路を模式的に表すブロック図である。
図4(a)~図4(d)は、実施形態に係る電力変換装置の動作の一例を模式的に表すグラフである。
表示回路の変形例を模式的に表すブロック図である。
表示回路の別の変形例を模式的に表すブロック図である。
表示回路の別の変形例を模式的に表すブロック図である。
表示回路の別の変形例を模式的に表すブロック図である。
図9(a)~図9(d)は、実施形態に係る電力変換装置の別の動作の一例を模式的に表すグラフである。
以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係る電力変換装置を模式的に表すブロック図である。
図1に表したように、電力変換装置10は、主回路部12と、制御装置14と、を備える。電力変換装置10は、例えば、直流送電システムに用いられる。電力変換装置10は、直流送電システムにおいて、交流電力系統2及び一対の直流送電線3、4に接続される。
直流送電システムは、例えば、変圧器6を有する。電力変換装置10の主回路部12は、変圧器6を介して交流電力系統2に接続される。交流電力系統2の交流電力は、三相交流電力である。より詳しくは、対称三相交流電力である。変圧器6は、交流電力系統2の三相交流電力を主回路部12に対応した交流電力に変換する。変圧器6は、主回路部12に合わせて三相交流電力の各相の実効値を変化させる。変圧器6は、三相変圧器である。変圧器6は、必要に応じて設けられ、省略可能である。主回路部12には、交流電力系統2の三相交流電力を直接供給してもよい。
電力変換装置10は、交流電力系統2から供給された三相交流電力を直流電力に変換し、変換後の直流電力を直流送電線3、4に供給する。また、電力変換装置10は、直流送電線3、4から供給された直流電力を三相交流電力に変換し、変換後の三相交流電力を交流電力系統2に供給する。このように、電力変換装置10は、交流から直流への交直変換、及び、直流から交流への交直変換を行う。
例えば、直流送電線3は、直流電力の高圧側の送電線であり、直流送電線4は、直流電力の低圧側の送電線である。電力変換装置10は、直流送電線3側が高圧、直流送電線4側が低圧となるように、変換後の直流電力を直流送電線3、4に出力する。
主回路部12は、交流電力系統2と各直流送電線3、4との間に設けられる。主回路部12は、三相交流電力から直流電力への変換、及び、直流電力から三相交流電力への変換を行う。主回路部12は、例えば、直列に接続された複数の変換器を有するマルチレベル電力変換器である。主回路部12は、例えば、MMC(Modular Multilevel Converter)型の電力変換器である。MMC型の主回路部12は、直列に接続された複数の変換器を有する。各変換器は、ハーフブリッジ接続又はフルブリッジ接続された複数のスイッチング素子と、各スイッチング素子に並列に接続された電荷蓄積素子と、を有する。主回路部12は、各スイッチング素子のスイッチングにより、交直変換を行う。
制御装置14は、主回路部12に接続されている。制御装置14は、各スイッチング素子のオン・オフを制御することにより、主回路部12による三相交流電力から直流電力への変換、及び、直流電力から三相交流電力への変換を制御する。
主回路部12は、第1及び第2の一対の直流端子20a、20bと、第1~第3の3つの交流端子21a~21cと、第1~第6の6つのアーム部22a~22fと、を有する。
第1直流端子20aは、高圧側の直流送電線3に接続される。第2直流端子20bは、低圧側の直流送電線4に接続される。これにより、主回路部12によって変換された直流電力が直流送電線3、4に供給されるとともに、直流送電線3、4から供給された直流電力が主回路部12に入力される。
第1アーム部22aは、第1直流端子20aに接続される。第2アーム部22bは、第1アーム部22aと第2直流端子20bとの間に接続される。第1アーム部22a及び第2アーム部22bは、各直流端子20a、20bの間に直列に接続される。
第3アーム部22cは、第1直流端子20aに接続される。第4アーム部22dは、第3アーム部22cと第2直流端子20bとの間に接続される。第3アーム部22c及び第4アーム部22dは、第1アーム部22a及び第2アーム部22bに対して並列に接続される。
第5アーム部22eは、第1直流端子20aに接続される。第6アーム部22fは、第5アーム部22eと第2直流端子20bとの間に接続される。すなわち、第5アーム部22e及び第6アーム部22fは、第1アーム部22a及び第2アーム部22bに対して並列に接続されるとともに、第3アーム部22c及び第4アーム部22dに対して並列に接続される。
主回路部12では、第1アーム部22a及び第2アーム部22bによって第1レグLG1が構成され、第3アーム部22c及び第4アーム部22dによって第2レグLG2が構成され、第5アーム部22e及び第6アーム部22fによって第3レグLG3が構成される。すなわち、この例において、主回路部12は、3レグ、6アームの三相インバータである。第1アーム部22a、第3アーム部22c及び第5アーム部22eは、上側アームである。第2アーム部22b、第4アーム部22d及び第6アーム部22fは、下側アームである。このように、主回路部12は、複数のスイッチング素子によって構成される複数のアーム部及び複数のレグを有する。主回路部12は、例えば、2レグ、4アームの単相インバータなどでもよい。アーム部及びレグの数は、上記に限ることなく、任意の数でよい。
第1アーム部22aは、直列に接続された複数の変換器UP1、UP2…UPM1を有する。第2アーム部22bは、直列に接続された複数の変換器UN1、UN2…UNM2を有する。第3アーム部22cは、直列に接続された複数の変換器VP1、VP2…VPM3を有する。第4アーム部22dは、直列に接続された複数の変換器VN1、VN2…VNM4を有する。第5アーム部22eは、直列に接続された複数の変換器WP1、WP2…WPM5を有する。第6アーム部22fは、直列に接続された複数の変換器WN1、WN2…WNM6を有する。
但し、以下では、各変換器UP1、UP2…UPM1、UN1、UN2…UNM2、VP1、VP2…VPM3、VN1、VN2…VNM4、WP1、WP2…WPM5、WN1、WN2…WNM6をまとめて呼称する場合に、「変換器CEL」と称す。
各アーム部22a~22fにおいて、M1、M2、M3、M4、M5、M6は、直列接続された変換器CELの台数を表す。各アーム部22a~22fにおいて、直列接続される変換器CELの台数は、例えば、100台~120台程度である。但し、直列接続される変換器CELの台数は、これに限ることなく、任意の台数でよい。
各アーム部22a~22fに設けられる変換器CELの台数は、実質的に同じである。例えば、多数の各変換器CELが接続される場合には、主回路部12の動作に影響のない範囲において、各アーム部22a~22fに設けられる変換器CELの台数が異なってもよい。例えば、1つのアーム部に100台の変換器CELを直列に接続する場合、別のアーム部に設ける変換器CELの台数は、1~2台異なってもよい。
各アーム部22a~22fのそれぞれは、バッファリアクトル23a~23fと、複数の電流検出器24a~24fと、をさらに有する。また、電力変換装置10は、電圧検出部25をさらに有する。
各バッファリアクトル23a~23fは、各アーム部22a~22fのそれぞれにおいて、各変換器CELに直列に接続される。第1アーム部22aのバッファリアクトル23aは、交流端子21aと第1アーム部22a及び第2アーム部22bとの接続点と変換器UP1との間に設けられる。第2アーム部22bのバッファリアクトル23bは、交流端子21aと第1アーム部22a及び第2アーム部22bとの接続点と変換器UN1との間に設けられる。第3アーム部22cのバッファリアクトル23cは、交流端子21bと第3アーム部22c及び第4アーム部22dとの接続点と変換器VP1との間に設けられる。第4アーム部22dのバッファリアクトル23dは、交流端子21bと第3アーム部22c及び第4アーム部22dとの接続点と変換器VN1との間に設けられる。第5アーム部22eのバッファリアクトル23eは、交流端子21cと第5アーム部22e及び第6アーム部22fとの接続点と変換器WP1との間に設けられる。第6アーム部22fのバッファリアクトル23fは、交流端子21cと第5アーム部22e及び第6アーム部22fとの接続点と変換器WN1との間に設けられる。
電流検出器24aは、第1アーム部22aに設けられ、第1アーム部22aに流れる電流を検出する。すなわち、電流検出器24aは、第1アーム部22aのアーム電流を検出する。電流検出器24aは、図示を省略した配線などを介して制御装置14に接続されている。電流検出器24aは、検出した第1アーム部22aの電流値を制御装置14に入力する。これにより、制御装置14には、第1アーム部22aの電流値が入力される。
以下同様に、電流検出器24bは、第2アーム部22bに流れる電流を検出し、検出した電流値を制御装置14に入力する。電流検出器24cは、第3アーム部22cに流れる電流を検出し、検出した電流値を制御装置14に入力する。電流検出器24dは、第4アーム部22dに流れる電流を検出し、検出した電流値を制御装置14に入力する。電流検出器24eは、第5アーム部22eに流れる電流を検出し、検出した電流値を制御装置14に入力する。電流検出器24fは、第6アーム部22fに流れる電流を検出し、検出した電流値を制御装置14に入力する。
電圧検出部25は、交流電力系統2の各相の交流電圧(相電圧)を検出し、検出値を制御装置14に入力する。電圧検出部25は、変圧器6の一次側に接続してもよいし、二次側に接続してもよい。
主回路部12では、第1アーム部22aと第2アーム部22bとの接続点、第3アーム部22cと第4アーム部22dとの接続点、及び、第5アーム部22eと第6アーム部22fとの接続点のそれぞれが、交流出力点となる。
第1交流端子21aは、第1アーム部22aと第2アーム部22bとの接続点に接続される。第2交流端子21bは、第3アーム部22cと第4アーム部22dとの接続点に接続される。第3交流端子21cは、第5アーム部22eと第6アーム部22fとの接続点に接続される。各交流端子21a~21cは、例えば、変圧器6に接続される。
各変換器CELは、信号線26を介して制御装置14と接続される。制御装置14は、信号線26を介して変換器CELに制御信号を入力することにより、変換器CELの動作を制御する。また、変換器CELは、例えば、変換器CELの制御及び動作保護に関する制御信号や保護信号を図示されていない別の信号線を介して制御装置14に入力する。
図2は、変換器を模式的に表すブロック図である。
図2に表したように、変換器CELは、チョッパ回路40と、制御部42と、給電回路44と、電圧検出器46と、を有する。
チョッパ回路40は、第1接続端子50aと、第2接続端子50bと、第1スイッチング素子51と、第2スイッチング素子52と、電荷蓄積素子55(第1スイッチング素子)と、を有する。各スイッチング素子51、52のそれぞれは、一対の主端子と、制御端子と、を含む。制御端子は、一対の主端子間に流れる電流を制御する。各スイッチング素子51、52には、例えば、IGBTなどの自己消弧素子が用いられる。一対の主端子は、例えば、エミッタ及びコレクタであり、制御端子は、例えば、ゲートである。また、各スイッチング素子51、52には、例えば、ノーマリオフ型の半導体素子が用いられる。
第2スイッチング素子52の一対の主端子は、第1スイッチング素子51の一対の主端子に対して直列に接続される。電荷蓄積素子55は、第1スイッチング素子51及び第2スイッチング素子52に対して並列に接続される。電荷蓄積素子55は、例えば、コンデンサである。第1接続端子50aは、第1スイッチング素子51と第2スイッチング素子52との間に接続される。第2接続端子50bは、第1スイッチング素子51の第2スイッチング素子52に接続された主端子と反対側の主端子に接続される。
また、第1スイッチング素子51には、一対の主端子に対して逆並列に整流素子51dが接続されている。整流素子51dの順方向は、第1スイッチング素子51の一対の主端子間に流れる電流の向きに対して逆向きである。同様に、第2スイッチング素子52には、一対の主端子に対して逆並列に整流素子52dが接続されている。整流素子51d、52dは、いわゆる還流ダイオードである。
チョッパ回路40に対する電力の供給は、各接続端子50a、50bを介して行われる。チョッパ回路40において、各スイッチング素子51、52は、ハーフブリッジ接続されている。第1スイッチング素子51は、いわゆるローサイドスイッチであり、第2スイッチング素子52は、いわゆるハイサイドスイッチである。
制御部42は、各スイッチング素子51、52のオン・オフを制御する。制御部42は、ゲート制御回路60と、ゲート駆動回路61、62と、を有する。ゲート制御回路60は、信号線26を介して制御装置14に接続されている。制御装置14は、各スイッチング素子51、52のオン・オフを制御するための制御信号を信号線26を介してゲート制御回路60に送信する。ゲート制御回路60は、入力された制御信号に基づいて、各スイッチング素子51、52のオン・オフを切り替えるための駆動信号をゲート駆動回路61、62に入力する。
ゲート駆動回路61は、第1スイッチング素子51の制御端子に接続されている。ゲート駆動回路62は、第2スイッチング素子52の制御端子に接続されている。ゲート駆動回路61、62は、ゲート制御回路60から入力された駆動信号に基づいて、各スイッチング素子51、52のオン・オフを切り替える。これにより、制御装置14からの制御信号に応じて、各スイッチング素子51、52のオン・オフが制御される。制御装置14は、各変換器CEL毎に制御信号を生成し、各変換器CELのそれぞれの各スイッチング素子51、52のオン・オフを制御する。これにより、制御装置14は、主回路部12による電力の変換を制御する。なお、制御部42の構成は、上記に限ることなく、各スイッチング素子51、52のオン・オフを制御可能な任意の構成でよい。
給電回路44は、チョッパ回路40の電荷蓄積素子55に対して並列に接続されている。給電回路44は、電荷蓄積素子55に蓄積された電荷を基に、制御部42の制御電源を生成し、生成した制御電源を制御部42に供給する。給電回路44は、例えば、ゲート制御回路60及びゲート駆動回路61、62のそれぞれに対応する制御電源を生成し、ゲート制御回路60及びゲート駆動回路61、62のそれぞれに対応する制御電源を供給する。制御部42は、給電回路44からの制御電源の供給に応じて動作する。
電圧検出器46は、電荷蓄積素子55と電気的に接続されている。また、電圧検出器46は、例えば、信号線26を介して制御装置14と接続されている。電圧検出器46は、電荷蓄積素子55の電圧Vcを検出し、検出結果を制御装置14に入力する。
変換器CELは、チョッパ回路40の電荷蓄積素子55の充電状態を表示する表示回路70をさらに有する。表示回路70は、換言すれば、電荷蓄積素子55の電圧の大きさを表示する。表示回路70は、例えば、電荷蓄積素子55に対して並列に設けられる。
このように、この例において、主回路部12は、直列に接続された複数の変換器CELを有し、各スイッチング素子51、52(複数のスイッチング素子)、電荷蓄積素子55(第1電荷蓄積素子)、及び表示回路70は、複数の変換器CELのそれぞれに設けられる。
図3は、表示回路を模式的に表すブロック図である。
図3に表したように、表示回路70は、第1端子t1と、第2端子t2と、を有する。第1端子t1は、電荷蓄積素子55の高電位側の端子に接続されている。第2端子t2は、電荷蓄積素子55の低電位側の端子に接続されている。これにより、表示回路70が、電荷蓄積素子55と並列に接続される。
表示回路70は、光源71と、抵抗素子72と、電荷蓄積素子73(第2電荷蓄積素子)と、電圧監視部74と、スイッチング素子75と、抵抗素子76と、を有する。
抵抗素子72は、表示回路70の第1端子t1と第2端子t2との間に設けられる。電荷蓄積素子73は、抵抗素子72と第2端子t2との間に設けられる。電荷蓄積素子73は、抵抗素子72を介してチョッパ回路40の電荷蓄積素子55と接続される。換言すれば、抵抗素子72と電荷蓄積素子73との直列回路が、電荷蓄積素子55と並列に接続される。このように、電荷蓄積素子73は、電荷蓄積素子55と並列に設けられ、抵抗素子72は、電荷蓄積素子55と電荷蓄積素子73との間に設けられる。これにより、電荷蓄積素子73は、電荷蓄積素子55に蓄積された電荷に基づいて充電される。
スイッチング素子75は、一対の主端子75a、75bと、制御端子75cと、を有する。スイッチング素子75は、例えば、制御端子75cに印加される電圧に応じて、一対の主端子75a、75b間に電流が流れるオン状態と、一対の主端子75a、75b間に流れる電流を遮断するオフ状態と、を切り替える。スイッチング素子75には、例えば、トランジスタなどの半導体スイッチや、リレーなどの機械式のスイッチが用いられる。スイッチング素子75は、オン状態とオフ状態とを切り替え可能な任意の素子でよい。
スイッチング素子75の一方の主端子75aは、抵抗素子72と電荷蓄積素子73との接続点に接続されている。換言すれば、主端子75aは、電荷蓄積素子73の高電位側の端子と接続されている。スイッチング素子75の他方の主端子75bは、抵抗素子76を介して光源71の一端に接続されている。光源71の他端は、第2端子t2に接続されている。換言すれば、光源71の他端は、電荷蓄積素子73の低電位側の端子と接続されている。
スイッチング素子75がオフ状態である場合には、電荷蓄積素子55に蓄積された電荷によって、電荷蓄積素子73が充電される。スイッチング素子75がオフ状態からオン状態に切り替われると、抵抗素子72を介して流れる電流が光源71に供給されるとともに、電荷蓄積素子73に蓄積された電荷に基づいて光源71に電流が流れ、光源71が点灯する。このように、表示回路70は、スイッチング素子75をオン状態とした際に、抵抗素子72を介して流れる電流、及び電荷蓄積素子73に蓄積された電荷を基に、光源71を点灯させる。
光源71が点灯すると、電荷蓄積素子73に蓄積された電荷が放電され、電荷蓄積素子73の電圧が低下する。スイッチング素子75は、換言すれば、光源71を消灯させるとともに電荷蓄積素子55に蓄積された電荷によって電荷蓄積素子73を充電するオフ状態と、光源71に電流を流して光源71を点灯させるとともに電荷蓄積素子73の電圧を低下させるオン状態と、を切り替える。
光源71には、例えば、LED(Light Emitting Diode)などの発光素子が用いられる。但し、光源71は、これに限ることなく、電極やガスなどを使ったランプなどでもよい。光源71は、直流電流の供給に応じて点灯する任意の素子でよい。抵抗素子76は、光源71の限流要素である。抵抗素子76は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
電圧監視部74は、抵抗素子72と電荷蓄積素子73との接続点に接続されている。換言すれば、電圧監視部74は、電荷蓄積素子73の高電位側の端子と接続されている。これにより、電圧監視部74には、電荷蓄積素子73の電圧が入力される。電圧監視部74は、電荷蓄積素子73の電圧を監視する。
また、電圧監視部74は、スイッチング素子75の制御端子75cに接続されている。電圧監視部74は、電荷蓄積素子73の電圧に応じてスイッチング素子75のオン状態とオフ状態とを切り替える。電圧監視部74は、例えば、電荷蓄積素子73の電圧に応じて、制御端子75cに印加する電圧を切り替えることにより、スイッチング素子75のオン状態とオフ状態とを切り替える。
電圧監視部74は、電荷蓄積素子73の電圧が第1閾値以上となったことに応答して、スイッチング素子75をオフ状態からオン状態に切り替える。そして、電圧監視部74は、電荷蓄積素子73の電圧が第1閾値よりも低い第2閾値以下となったことに応答して、スイッチング素子75をオン状態からオフ状態に切り替える。
図4(a)~図4(d)は、実施形態に係る電力変換装置の動作の一例を模式的に表すグラフである。
図4(a)~図4(d)は、メンテナンスなどで主回路部12を運転状態から停止状態に切り替えた際の表示回路70の動作の一例を模式的に表す。
図4(a)は、チョッパ回路40の電荷蓄積素子55の一例を模式的に表す。
図4(b)は、表示回路70の電荷蓄積素子73の一例を模式的に表す。
図4(c)は、電圧監視部74の出力の一例を模式的に表す。より詳しくは、電圧監視部74からスイッチング素子75の制御端子75cに入力される電圧の一例を模式的に表す。図4(c)においては、電圧監視部74の出力のLo(電圧の低い状態)が、スイッチング素子75のオン状態に対応し、電圧監視部74の出力のHi(電圧の高い状態)が、スイッチング素子75のオフ状態に対応する。
図4(d)は、光源71に流れる電流の一例を模式的に表す。
主回路部12を運転状態から停止状態に切り替えた後、電荷蓄積素子73の電圧が第1閾値Vth1未満で、スイッチング素子75がオフ状態である場合には、電荷蓄積素子73が、チョッパ回路40の電荷蓄積素子55に蓄積された電荷によって充電される。従って、スイッチング素子75がオフ状態である場合には、電荷蓄積素子73の電圧が上昇する。
電圧監視部74は、電荷蓄積素子73の電圧を監視し、電荷蓄積素子73の電圧が第1閾値Vth1未満の状態から第1閾値Vth1以上となったことに応答して、スイッチング素子75をオフ状態からオン状態に切り替える。
スイッチング素子75がオフ状態からオン状態に切り替わると、抵抗素子72を介して流れる電流、及び電荷蓄積素子73に蓄積された電荷に基づく電流が、光源71に流れ、光源71が点灯する。光源71に電流が供給され、光源71が点灯すると、電荷蓄積素子73の電圧が低下する。
電圧監視部74は、スイッチング素子75をオン状態に切り替えた後、電荷蓄積素子73の電圧が第1閾値Vth1よりも低い第2閾値Vth2以下となったことに応答して、スイッチング素子75をオン状態からオフ状態に切り替える。
表示回路70は、上記の処理を繰り返す。従って、光源71は、電荷蓄積素子73の充電時に消灯し、電荷蓄積素子73の放電時に点灯し、点滅する(消灯と点灯とを繰り返す)ように視認される。
主回路部12の停止状態において、チョッパ回路40の電荷蓄積素子55の電圧は、給電回路44や電荷蓄積素子73、及び図示していない放電回路などにエネルギーを放出することにより、図4(a)に表したように、徐々に低下する。電荷蓄積素子73の電圧の上昇速度は、電荷蓄積素子55の電圧が高いほど速くなる。このため、電荷蓄積素子55の電圧が高いほど、スイッチング素子75のオフ状態の期間が短くなる。つまりは、電荷蓄積素子55の電圧が高いほど、光源71の点滅の周期が短くなる。
このように、表示回路70は、光源71を点滅させるとともに、電荷蓄積素子55の電圧に応じて光源71の点滅の発光間隔を変化させることにより、チョッパ回路40の電荷蓄積素子55の充電状態を表示する。表示回路70は、例えば、電荷蓄積素子55の電圧が高いほど、光源71の点滅の周期が短くなるように、光源71の点滅の発光間隔を変化させることにより、チョッパ回路40の電荷蓄積素子55の充電状態を表示する。
電力変換装置10のメンテナンスの担当者などは、点滅する光源71の発光間隔により、電荷蓄積素子55の充電状態を認識することができる。すなわち、光源71が短い発光間隔で点滅している場合には、電荷蓄積素子55が高い充電状態にあると認識することができ、光源71が長い発光間隔で点滅している場合には、電荷蓄積素子55が低い充電状態にあると認識することができる。
第2閾値Vth2は、光源71に電流を流すことができる下限よりも高い電圧に設定される。また、第2閾値Vth2のレベルを変えると、点灯期間や点滅周期が変化する。具体的には、第2閾値Vth2を高く設定すると、点灯期間が短くなり、点滅周期も短くなる。このため、第2閾値Vth2は、光源71に電流を流すことができる下限よりも高い電圧において、光源71の点灯期間や点滅周期などの視認性を考慮して設定される。これにより、光源71の発光間隔が十分に長くなった場合、あるいは光源71が消灯している場合に、電荷蓄積素子55の電圧が、近寄っても支障の無い電圧まで低下したことをメンテナンスの担当者に認識させることができる。
また、表示回路70において、スイッチング素子75をオン状態に切り替えた時に光源71に流れる電流は、電荷蓄積素子73の第1閾値Vth1と第2閾値Vth2との間の電圧に応じた電流であり、発光の度に安定した大きさの電流を光源71に供給することができる。従って、電荷蓄積素子55の電圧によらず、1回あたりの光源71の発光量を安定させることができる。例えば、電荷蓄積素子55に並列に抵抗と光源の直列回路を接続し、電荷蓄積素子55の電圧によって光源の光量が変動してしまう場合などと比べて、光源71の発光をより視認し易くさせることができる。
また、表示回路70では、電荷蓄積素子55から抵抗素子72を介して流れる電流と電荷蓄積素子73の充電電荷を使って、光源71に電力を供給する。つまり、他からの電力供給を受けず、チョッパ回路40の電荷蓄積素子55の電荷のみを使って、光源71の発光ならびに発光間隔の制御が可能となる。
また、スイッチング素子75をオフ状態にしている期間においては、光源71への電力供給を停止するため、回路の消費電力を小さくすることもできる。これにより、抵抗素子72に流す電流が小さくて済み、抵抗素子72の発熱量を少なくすることができ、表示回路70を小型化することもできる。
特に、電荷蓄積素子55の電圧は数1000Vにも達することがある為、抵抗素子72に流す電流が大きいと発熱量は非常に大きなものとなる。場合によっては、数10Wとなることもある。このように、電荷蓄積素子55の電圧が場合においても、表示回路70では、抵抗素子72の容量の増大や放熱対策などによる表示回路70の大型化を抑制することができる。
多くの変換器CELをもつMMC方式の電力変換装置10においては、多数の変換器CELのそれぞれに表示回路70を設けることにより、多数の変換器CELのそれぞれの充電状態を一つ一つ確認する手間を省くことができるとともに、多数の変換器CELの電荷蓄積素子55の充電状態を遠方から確認することができる。これにより、確認の作業性を向上させることができる。これは、電荷蓄積素子55の電圧が比較的低くなった状態でも安定した光量が得られるために、このような確認が可能となる。主回路部12から十分に離れた位置からでも、点滅する光源71の発光間隔により、多数の変換器CELの電荷蓄積素子55の充電状態を適切に確認することができる。
以上、説明したように、本実施形態に係る電力変換装置10では、電荷蓄積素子55の充電状態の表示の視認性を向上させることができる。
図5は、表示回路の変形例を模式的に表すブロック図である。
図5に表したように、表示回路70aは、定電流回路77をさらに有する。なお、上記実施形態と機能・構成上実質的に同じものについては、同符号を付し、詳細な説明は省略する。
定電流回路77は、スイッチング素子75と光源71との間に設けられている。定電流回路77は、スイッチング素子75がオン状態になった際に、抵抗素子72及び電荷蓄積素子73から電力の供給を受ける。そして、定電流回路77は、抵抗素子72及び電荷蓄積素子73からの電力の供給に応じて、光源71に実質的に一定の電流を供給する動作を行う。定電流回路77には、例えば、定電流ダイオードやスイッチング方式の電流源などが用いられる。例えば、定電流回路77がスイッチング方式の電流源である場合など、定電流回路77がスイッチング素子を内蔵している場合には、定電流回路77にスイッチング素子75の機能を持たせてもよい。換言すれば、スイッチング素子75は、定電流回路77の一部として設けてもよい。
表示回路70aでは、抵抗素子76が省略されている。定電流回路77を設けた場合には、光源71に流れる電流が定電流回路77によって一定となるため、限流要素である抵抗素子76は、省略することができる。抵抗素子76は、前述のように、必要に応じて設けられ、省略可能である。表示回路70aの構成において、抵抗素子76をさらに有していてもよい。例えば、定電流回路77と光源71との間に抵抗素子76を設けてもよい。
このように、定電流回路77を設けることにより、光源71の発光時の光量をより安定化させることができる。
また、例えば、定電流回路77にスイッチング方式の電流源を用いた場合には、変換効率が高いために、さらに消費電力を下げることができる。例えば、表示回路70aをより小型化することができる。あるいは、光源71に供給する電流を増やしたり、発光時間を延ばしたり、発光間隔を短くしたりすることにより、下がった消費電力を、光源71の発光量を増やすことに使用することもできる。光源71の発光量を増やすことにより、電荷蓄積素子55の充電状態の表示の視認性をより向上させることができる。
図6は、表示回路の別の変形例を模式的に表すブロック図である。
図6に表したように、表示回路70bは、定電圧回路78をさらに有する。定電圧回路78は、スイッチング素子75と抵抗素子76との間に設けられている。定電圧回路78は、スイッチング素子75がオン状態になった際に、抵抗素子72及び電荷蓄積素子73から電力の供給を受ける。そして、定電圧回路78は、抵抗素子72及び電荷蓄積素子73からの電力の供給に応じて、光源71に実質的に一定の電圧を供給する動作を行う。定電圧回路78には、例えば、リニアレギュレータやスイッチングレギュレータなどが用いられる。例えば、定電圧回路78がスイッチングレギュレータである場合など、定電圧回路78がスイッチング素子を内蔵している場合には、定電圧回路78にスイッチング素子75の機能を持たせてもよい。換言すれば、スイッチング素子75は、定電圧回路78の一部として設けてもよい。
定電圧回路78と抵抗素子76とを設けた場合にも、光源71に実質的に一定の電流を供給することができる。このように、定電圧回路78と抵抗素子76とによって定電流回路を構成してもよい。この場合にも、表示回路70aの構成と同様に、光源71の発光時の光量をより安定化させることができる。
また、定電圧回路78にスイッチングレギュレータを用いた場合には、さらに消費電力を下げることができる。あるいは、光源71の発光量を増やすことにより、電荷蓄積素子55の充電状態の表示の視認性をより向上させることができる。
また、表示回路70、70a、70bの構成では、チョッパ回路40の電荷蓄積素子55の電圧が高くなるほど、抵抗素子72に流れる電流が大きくなっていく。このため、抵抗素子72の抵抗値の設定によって、スイッチング素子75をオン状態とした期間での電荷蓄積素子73の電圧降下の速度を遅くすることができる。これにより、スイッチング素子75のオン状態の期間を長くし、電荷蓄積素子55の電圧が高いほど、点滅する光源71の発光期間を長くすることができる。このように、表示回路70、70a、70bは、電荷蓄積素子55の電圧が高いほど、点滅する光源71の発光期間を長くしてもよい。
例えば、表示回路70a、70bの構成において、電荷蓄積素子55の電圧が高いほど、点滅する光源71の発光期間が長くなるようにする。これにより、電荷蓄積素子55の電力のみでの充電表示、実質的に一定の電流が流れることによる発光量の安定化(視認性確保)、電荷蓄積素子55の充電状態(電圧レベル)の目視確認性(発光期間が長いことで、電圧が高いことを認識できる)の確保、低消費電力化(装置の小型化)が可能となる。
さらに、例えば、電荷蓄積素子55の電圧が所定値以上である場合には、スイッチング素子75をオン状態とした期間において、電荷蓄積素子73から光源71などに供給される電流に対して、抵抗素子72に流れる電流が同等か、それ以上となるように、抵抗素子72の抵抗値を設定する。これにより、電荷蓄積素子55の電圧が所定値以上である場合には、光源71の発光を連続にすることができる。そして、電荷蓄積素子55の電圧が低下し、所定値未満になることにより、光源71を点滅させることができる。これにより、例えば、電荷蓄積素子55が、高い充電状態にある(電圧が所定値以上である)ことを、主回路部12のメンテナンスの担当者などにより認識させ易くすることができる。このように、表示回路70、70a、70bは、電荷蓄積素子55の電圧が所定値以上である場合に、光源71を連続発光させてもよい。
図7は、表示回路の別の変形例を模式的に表すブロック図である。
図7に表したように、表示回路70cは、電圧制限部79をさらに有する。電圧制限部79は、電荷蓄積素子73の電圧の上限値以上の上昇を抑制する。電圧制限部79は、例えば、電荷蓄積素子73と並列に接続されたツェナーダイオードである。これにより、電荷蓄積素子73の電圧が上限値に達すると、電圧制限部79に電流が流れ、電荷蓄積素子73の電圧の上限値以上の上昇を抑制することができる。但し、電圧制限部79の構成は、これに限ることなく、電荷蓄積素子73の電圧の上限値以上の上昇を抑制可能な任意の構成でよい。
チョッパ回路40の電荷蓄積素子55から電荷蓄積素子73に流れ込む電力が大きくなると、電荷蓄積素子73の電圧が、第1閾値Vth1を超えて上昇してしまう可能性がある。特に、上記のように、電荷蓄積素子55の電圧が所定値以上である場合に、光源71が連続発光するようにした場合には、電荷蓄積素子55の電圧が所定値以上である場合に、電荷蓄積素子73の電圧が、第1閾値Vth1を超えてしまう可能性がある。
電荷蓄積素子73の電圧が上がり続けてしまうと、電荷蓄積素子73に並列につながる電圧監視部74、抵抗素子76、定電圧回路78などの回路にも、その電圧が印加され、これらの回路を破壊してしまう可能性が生じる。これらの回路が破壊されてしまうと、光源71を正常に発光させることができなくなってしまうため、電荷蓄積素子55の充電状態を表示できなくなってしまう。
これに対し、表示回路70cでは、電圧制限部79を設けたことにより、電荷蓄積素子73の電圧の上昇を抑制することができる。例えば、電荷蓄積素子55の電圧が所定値以上である場合に、光源71が連続発光するようにした場合にも、電荷蓄積素子73の電圧の上昇を適切に抑制することができる。これにより、回路の故障を抑制することができるとともに、電荷蓄積素子55の充電状態の視認性を確保することができる。
図8は、表示回路の別の変形例を模式的に表すブロック図である。
図8に表したように、表示回路70dでは、電圧監視部74が省略され、抵抗素子80及び切替回路81が新たに設けられている。抵抗素子80は、抵抗素子72と電荷蓄積素子73との間に設けられている。表示回路70dでは、第1端子t1と第2端子t2との間に、抵抗素子72と抵抗素子80と電荷蓄積素子73とが直列に接続されている。
表示回路70dでは、定電圧回路78の入力端子が、電荷蓄積素子73と抵抗素子80との接続点に接続されている。換言すれば、定電圧回路78の入力端子は、電荷蓄積素子73の高電位側の端子と接続されている。これにより、この例では、抵抗素子72、80を介して流れる電流、及び電荷蓄積素子73に蓄積された電荷が、定電圧回路78に直接的に入力される。定電圧回路78は、抵抗素子72、80、及び電荷蓄積素子73からの電力の供給に応じて、実質的に一定の電圧を出力する動作を行う。
また、表示回路70dでは、スイッチング素子75が、光源71と第2端子t2との間に設けられている。スイッチング素子75の一方の主端子75aは、光源71の他端と接続されている。スイッチング素子75の他方の主端子75bは、第2端子t2と接続されている。換言すれば、スイッチング素子75の他方の主端子75bは、電荷蓄積素子73の低電位側の端子と接続されている。
表示回路70dにおいても、スイッチング素子75をオン状態とすることにより、定電圧回路78の出力電圧に応じた実質的に一定の電流が光源71に流れて、光源71が点灯し、スイッチング素子75をオフ状態とすることにより、光源71への電流の供給が遮断され、光源71が消灯する。スイッチング素子75は、光源71を消灯させるオフ状態と、光源71に電流を流して光源71を点灯させるオン状態と、を切り替える。なお、スイッチング素子75は、光源71と第2端子t2との間に限ることなく、例えば、抵抗素子76と定電圧回路78との間や、光源71と抵抗素子76との間などに設けてもよい。スイッチング素子75を設ける位置は、定電圧回路78の出力と第2端子t2との間の任意の位置でよい。
定電圧回路78の出力は、切替回路81にも接続されている。定電圧回路78は、光源71に実質的に一定の電圧を供給するとともに、切替回路81にも実質的に一定の電圧を供給する。切替回路81は、定電圧回路78からの電圧の供給に応じて動作する。
切替回路81は、スイッチング素子75の制御端子75cに接続されている。切替回路81は、定電圧回路78からの電圧の供給に応じて動作し、所定の周期でオン・オフを繰り返す切替信号を制御端子75cに入力する。これにより、切替回路81は、所定の周期でスイッチング素子75のオン状態とオフ状態とを切り替え、光源71を点滅させる。
切替回路81は、例えば、所定の周期でオン・オフを繰り返すパルス信号を切替信号として制御端子75cに入力する発振器である。但し、切替回路81は、発振器に限ることなく、スイッチング素子75のオン状態とオフ状態とを周期的に切り替え可能な任意の回路でよい。
表示回路70dにおいては、例えば、切替回路81がスイッチング素子75をオン状態に切り替え、光源71を所定時間点灯させた際にも、電荷蓄積素子73の電圧が、定電圧回路78の動作可能な最低電圧まで低下しないように、抵抗素子72及び抵抗素子80の抵抗値が設定される。これにより、表示回路70dでは、光源71の点灯の度に、定電圧回路78が動作を停止してしまうことを抑制することができる。例えば、定電圧回路78及び切替回路81が動作を停止してしまうことにより、光源71の点滅の周期が不安定になってしまうことを抑制することができる。
また、切替回路81は、抵抗素子72、80と接続されている。切替回路81は、抵抗素子72と抵抗素子80との接続点に接続されている。これにより、切替回路81は、チョッパ回路40の電荷蓄積素子55の電圧に応じた検出電圧を取得する。検出電圧は、例えば、電荷蓄積素子55の電圧を抵抗素子72、80の分圧比で分圧した電圧である。
切替回路81は、入力された検出電圧に応じて、スイッチング素子75の制御端子75cに入力する切替信号の周期を変化させる。切替回路81は、例えば、入力された検出電圧が高いほど、切替信号の周期を短くする。切替回路81は、例えば、スイッチング素子75のオン状態の期間を一定とし、入力された検出電圧が高くなるほど、スイッチング素子75のオフ状態の期間を短くするように、切替信号の周期を変化させる。但し、これに限ることなく、例えば、デューティ比を一定とした状態で切替信号の周期を変化させてもよい。切替回路81は、例えば、入力された検出電圧が高くなるほど、スイッチング素子75のオン状態の期間及びオフ状態の期間を短くするように、切替信号の周期を変化させてもよい。
このように、切替回路81は、スイッチング素子75のオフ状態とオン状態とを切り替えて光源71を点滅させるとともに、オフ状態とオン状態との切り替えの周期を検出電圧に応じて変化させることにより、電荷蓄積素子55の電圧に応じて光源71の点滅の発光間隔を変化させる。切替回路81は、例えば、電荷蓄積素子55の電圧が高いほど、光源71の点滅の周期が短くなるようにする。これにより、表示回路70dの構成においても、電圧監視部74を設けた構成と同様に、光源71の点滅の発光間隔によって、チョッパ回路40の電荷蓄積素子55の充電状態を表示することができる。
図9(a)~図9(d)は、実施形態に係る電力変換装置の別の動作の一例を模式的に表すグラフである。
図9(a)~図9(d)は、メンテナンスなどで主回路部12を運転状態から停止状態に切り替えた際の表示回路70dの動作の一例を模式的に表す。
図9(a)は、チョッパ回路40の電荷蓄積素子55の一例を模式的に表す。
図9(b)は、検出電圧(抵抗素子72と抵抗素子80との間の端子の電圧)の一例を模式的に表す。
図9(c)は、切替回路81の出力の一例を模式的に表す。より詳しくは、切替回路81からスイッチング素子75の制御端子75cに入力される切替信号の一例を模式的に表す。図9(c)においては、切替回路81の出力のLo(電圧の低い状態)が、スイッチング素子75のオン状態に対応し、切替回路81の出力のHi(電圧の高い状態)が、スイッチング素子75のオフ状態に対応する。
図9(d)は、光源71に流れる電流の一例を模式的に表す。
電荷蓄積素子73は、チョッパ回路40の電荷蓄積素子55に蓄積された電荷によって充電される。抵抗素子72、80を介して流れる電流、及び電荷蓄積素子55によって充電される電荷蓄積素子73の電圧は、定電圧回路78に入力される。定電圧回路78は、抵抗素子72、80及び電荷蓄積素子73からの電力の供給に基づいて動作し、実質的に一定の電圧を光源71及び切替回路81に入力する。
切替回路81は、定電圧回路78からの電圧の供給に応じて動作し、切替信号をスイッチング素子75の制御端子75cに入力することにより、所定の周期でスイッチング素子75のオン状態とオフ状態とを切り替え、光源71を点滅させる。
図9(a)及び図9(b)に表したように、主回路部12の停止状態において、チョッパ回路40の電荷蓄積素子55の電圧、及びこれに対応する検出電圧は、光源71の点灯、及び定電圧回路78や切替回路81の動作などにともない、徐々に低下する。
図9(c)及び図9(d)に表したように、切替回路81は、入力された検出電圧が高いほど、切替信号の周期を短くすることにより、電荷蓄積素子55の電圧が高いほど、光源71の点滅の周期が短くなるようにする。これにより、光源71の点滅の発光間隔によって、チョッパ回路40の電荷蓄積素子55の充電状態を表示することができる。
このように、表示回路70dの構成においても、電荷蓄積素子55の電力のみでの充電表示、実質的に一定の電流が流れることによる発光量の安定化(視認性確保)、電荷蓄積素子55の充電状態(電圧レベル)の目視確認性の確保、及び低消費電力化(装置の小型化)を可能とすることができる。表示回路70dの構成においても、他からの電力を受けることなく、電荷蓄積素子55の電荷のみを使って、光源71の発光ならびに発光間隔の制御を可能とすることができる。
切替回路81は、例えば、切替信号のデューティ比などを変化させることにより、電荷蓄積素子55の電圧が高いほど、点滅する光源71の発光期間が長くなるようにしてもよい。さらに、切替回路81は、電荷蓄積素子55の電圧が所定値以上である場合に、光源71を連続発光させてもよい。
なお、切替回路81は、例えば、入力された検出電圧が高いほど、切替信号の周期を長くすることにより、電荷蓄積素子55の電圧が高いほど、光源71の点滅の周期が長くなるようにしてもよい。
上記各実施形態では、変換器CELの一例として、チョッパ回路を用いた変換器CELを示している。変換器CELの構成は、これに限ることなく、フルブリッジ回路を用いた構成でもよい。
上記各実施形態では、主回路部12にMMC型の電力変換器を用いている。主回路部12は、MMC型に限ることなく、例えば、MV(Medium Voltage)型の電力変換器など、複数の変換器CELを直列に接続する他の方式の電力変換器でもよい。また、主回路部12は、複数の変換器CELを直列に接続した多段方式の電力変換器に限ることなく、例えば、2レベルインバータや3レベルインバータなどでもよい。
電力変換装置10は、直流送電システムに限ることなく、交流から直流への変換及び直流から交流への変換が必要な他の任意のシステムなどに適用してもよい。主回路部12による交直変換は、交流から直流及び直流から交流の双方に限ることなく、交流から直流又は直流から交流の一方のみでもよい。また、主回路部12は、例えば、交流交流直接変換回路などでもよい。主回路部12の構成は、例えば、複数のアーム部をスター結線、デルタ結線、あるいはマトリックス結線した構成などでもよい。主回路部12は、例えば、モジュラーマトリックスコンバータなどでもよい。主回路部12は、必ずしも複数のレグを有しなくてもよい。主回路部12は、少なくとも複数のアーム部を有していればよい。主回路部12の構成は、複数のスイッチング素子と、電荷蓄積素子と、を有し、電力の変換が可能な任意の構成でよい。電力変換装置10は、例えば、周波数変換装置、直流送電装置、無効電力補償装置、あるいは電力潮流制御装置などでもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。