JP7384707B2 - 包装体 - Google Patents

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Description

本発明は、トイレットロールやキッチンロールペーパー等の被収容物をフィルム包装した包装体に関し、特にガゼット包装された包装体に関する。
近年、トイレットロールやキッチンロールペーパー等が長尺化(2倍巻き、3倍巻き等)する傾向がある。そのため、包装体に収容される被収容物の重量が増えており、消費者が包装体の把手部の指掛部に指を入れて持つ際に、その指にかかる負担が大きくなっている。指にかかる負担が大きいと、手指が締め付けられたり、持ち運びの際に手指が痛くなったりする可能性がある。
包装体の持ちやすさを改善するための発明としては、例えば下記特許文献1に記載されたものがある。特許文献1に開示された包装袋は、指掛部の形状を改善したものである。具体的には、指掛部の中央部が、持手部の上端側から下端側に向かって湾曲し、指掛部の少なくとも一方の端部が、持手部の下端側に向かって延びた形状になっている。
特開2019-026318号
しかしながら、指掛部の形状を変更することによって、手指の締め付けや、持ち運びの際の手指の痛みをある程度軽減することができるものの、それで十分とは言えないのが現状である。
そこで、本発明の主たる課題は、消費者が把手部の指掛部に指を入れて包装体を持ち運ぶ際に、その手指の負担の軽減効果に優れる包装体を提供することにある。
上記課題を解決するための手段は次記のとおりである。
(第1の態様)
被収容物をフィルムで包装した包装体であって、
前記包装体は、上部融着部及び下部融着部を有しその間に被収容物を収納したガゼット包装体であり、
前記上部融着部から天面側に延在する把手部と、
前記把手部の少なくとも片面に設けられた補強フィルムと、を有し、
前記補強フィルムに相変化材料および抗炎症薬の少なくともいずれか一方が含まれている、
ことを特徴とする包装体。
(作用効果)
消費者が把手部を掴んで包装体を持ち運ぶ際には、把手部に被収容物の重力がかかるため、把手部が破損しやすい。そこで、把手部の少なくとも片面に、破損を防ぐための補強フィルムを設ける構成とした。そして、補強フィルムには消費者の手が接触するため、補強フィルムに対して、相変化材料および抗炎症薬の少なくともいずれか一方を含ませる構成とした。
補強フィルムが相変化材料を含んでいると、消費者の手が補強フィルムに触れたときに、清涼感を感じることができる。包装体を持ち上げると、消費者の手の皮膚が発熱するため、この発熱を抑えて手指の負担を軽減させる効果がある。
また、補強フィルムが抗炎症薬を含んでいると、消費者の手が補強フィルムに触れたときに、炎症を抑えることができる。包装体を持ち上げると、消費者の手指に負担がかかり、一時的に炎症が生じるため、この炎症を抑えて手指の負担を軽減させる効果がある。
(第2の態様)
前記補強フィルムはスリットで形成された指掛部を有し、
前記指掛部の周囲に前記相変化材料および前記抗炎症薬の少なくともいずれか一方が含まれている前記第1の態様の包装体。
(作用効果)
補強フィルムには指掛部(スリット)が設けられており、消費者はこの指掛部に指を挿入して包装体を持ち上げる。そこで、この指掛部の周囲に、相変化材料および抗炎症薬の少なくともいずれか一方を設けて、消費者の指の発熱や炎症を効果的に抑えることが望ましい。
(第3の態様)
前記補強フィルムは、前記相変化材料および前記抗炎症薬の両方を含んでいる前記第1または第2の態様の包装体。
(作用効果)
補強フィルムに相変化材料と抗炎症薬の両方を含ませることによって、消費者の手指の発熱と炎症の両方を抑えることができ、一方のみを付与した場合と比べて、手指の負担がより軽減される。
以上の本発明に係る包装体によれば、消費者が把手部の指掛部に指を入れて包装体を持ち運ぶ際に、その手指の負担を効果的に軽減することができる。
本発明の実施形態に係る包装体の斜視図である。 本発明の実施形態に係る包装体の正面図である。 本発明の別の実施形態に係る包装体の斜視図である。
以下、本発明に係る包装体1の好適な実施例について、図面を参照しながら説明する。以下の説明及び図面は、本発明の実施形態の一例を示したものにすぎず、本発明の内容をこの実施形態に限定して解釈すべきではない。
第1実施形態に係る包装体1は、被収容物30として12本のトイレットロール30をフィルム3で包装したものである。本発明における被収容物30は、トイレットロール30に限られるものではなく、例えば、キッチンロールペーパー、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等も含むものである。本発明に係る包装体1は、特にキッチンロールペーパー、トイレットロールといった被収容物30を包装するフィルム包装が一般的であり、また、一つを取り出した後に残りを使用するまでに期間を要し、保管の必要性があるものに適する。
ロールペーパー30の空芯部31は、管芯、紙管と称される円筒体によって形成されているものに限らない。コアレスや芯なしと称されるロールペーパーであっても、略円筒型の中空部分が形成されていれば、本発明に係る空芯部31である。ただし、管芯、紙管と称される円筒体により形成される空芯部31のほうが剛性を高めやすいため好ましい。
第1実施形態に係る包装体1は、上部融着部41及び下部融着部42を有し内部にロールペーパー30が収納されたガゼット包装体1である。上部融着部41の天井面側(上部融着部41より上方部分)には、包装体1を持ち運び易くするための把手部20が形成されている。把手部20は公知の構成とすることができる。例えば、上部融着部41より上方部分においてさらに別の融着部43を設け、上方部分を積層一体化してシート状に形成し、そこに指や手をかけるための指掛部24を形成したものを例示できる。
指掛部24としては、指かけ孔又は指かけ孔形成用の切れ目やミシン目を形成した形態が例示できる。図示例は、指かけ孔24を形成したものである。指かけ孔24が形成されていることにより、指かけ孔24に指や手をかけて包装体1を持ち運びしやすくなる。
指掛部24の形状としては、図3に示す第2実施例のように、2つの孔からなる形状にすることができる。ただし、指掛部24が2つの指かけ孔24からなる場合、通常は各指かけ孔24に消費者の手指を1本ずつ挿入するため、指かけ孔24と手指の接触面積が小さく、手指にかかる負担が大きい。そのため、図1に示す第1実施例のように、指掛部24の幅方向に延在する指かけ孔24を一つ設け、その指かけ孔24に複数本の手指(好ましくは3~4本)を挿入できるようにすることが好ましい。その結果、指かけ孔24と手指の接触面積が大きくなり、手指への負担を軽減することができる。なお、幅方向に延在する指かけ孔24の形状は、図1に例示したものに限られず、例えば特開2019-112147号公報に開示したように、底面側へ向かって突出する弧状のものなど、任意の公知の形状に変更することができる。
なお、図1に示す指かけ孔24の幅方向左右両端部に形成された略コの字型の折り返し部分は、包装体1を持ち上げた際に、指かけ孔24の端部が破断しないようにするために採用した形状である。また、図1に示す指かけ孔24の幅方向中央部に形成された底面側に向かって次第に窪む弧状の曲線は、包装体1を持ち上げた際に、消費者の手によってこの窪み部分が上方へ持ち上げられることにより、指かけ孔24の幅方向中央部が略水平になるようにするために採用した形状である。
なお、消費者が指かけ孔24に片手を挿入して持ち上げるとき、消費者の中指の第2間接から親指の付根の間のいずれかの部分が、補強フィルム70と接触するようにすることが好ましい。また、一般的に手のひらよりも指先の方が冷感を感じやすい性質があるため、把手部20の表面と裏面のうち、消費者の指先が接触する側の面に補強フィルム70を配置することが好ましい。
包装体1におけるロールペーパー30のフィルム包装は、筒状の包装フィルムの側部2E,2Eを袋内側に折り込みして偏平にした状態で上部を融着して上部融着部41及び把手部20を形成してガゼット包装袋とし、その後に下方開口を開いて、ロールペーパー30を挿入した後、下部を融着して開口を封止する下部融着部42を形成することで行うことができる。
また、第1実施形態に係る包装体1は、トイレットロール30を包装した状態において、その偏平状態において折り込まれた側部2E, 2Eが開かれて形成されるマチ部10の一部である側面11,11と、この側面11に連接する各面12,13,14,15とを有する。側面11に連接する各面のうち上部融着部41に連接する面が天面12とされ、下部融着部42に連接する面が底面15として使用される。なお、天面12及び底面15と各マチ部11,11に連接する二つ目の面は、正面13及び背面14である。ただし、正面13及び背面14は相対的なものであり、いずれの面を正面とするかは限定されるものではない。
上部融着部41、下部融着部42及び別の融着部43は、熱融着、超音波融着等の公知の融着技術によって形成される。好ましくは、熱融着によるものである。
包装体内におけるロールペーパー30の配置形態については、四本のロールペーパー30が、各々隣接する二本のロールペーパー同士が胴面で接しかつトイレットロールの端面32が実質面一となるようにして並べられ、一方の各端面32が上下面に向けて配列した態様か、さらにこのように配列した四本によるロールペーパー群を上下(天底方向)に複数段積み重ねた配列態様で納めるのが望ましい。図示例は、三段積み重ね十二本のトイレットロール30を内包した態様を示している。その他の好ましいロールペーパーの配置形態としては、二段八本のロールペーパーを内包した形態が挙げられる。また、胴面突合せ一対二本のロールペーパー群とした配置形態、胴面突合せ一対二本のロールペーパー群を複数段端面方向に積み重ねて二段四本、三段六本とした配置形態としてもよい。この場合、天面部12の把手部20を挟むように開封用ミシン目21が設けられても良い。
図示の包装体1においては、トイレットロール30の端面32が天底方向に向かうように配されているが、端面32が正面、背面又は側面に向かうように配されていてもよい。ただし、ロールペーパー30の包装体1は、端面32を底面側に位置させる配置形態のほうが載置した際に安定しやすく、また、特にトイレットロールのような柔らかいロールペーパーの場合に載置した際のロールの変形が防止されやすいため、端面32を天底方向に向けた配置とするのが望ましい。特に上部融着部41の上方に把手部20を有する場合には、端面32を天底方向に向けた配置とするのが望ましい。
包装体1は、天面12に開封用ミシン目21が設けられていることが望ましい。図1に示した第1実施形態では、効率的にロールペーパー30を取り出せるよう、フィルム3のロールペーパー30の端面32に開口する空芯部31上又はその近傍に重なり可能な位置に、包装体外方からフィルム3を空芯部内へ押し込むことによって裂開される開封用ミシン目21が形成されている。ただし、この第1実施形態に限定されるものではなく、開封用ミシン目21の形状をスリット状、半円状、弧状等に変更してもよい。また、開封用ミシン目21を設ける位置も第1実施形態に限定されるものではない。ただし、指かけ孔24の幅方向両端部の間と同じ幅方向の範囲に開封用ミシン目21を配置することが望ましい。
フィルム3の具体例としては、ポリプロピレン樹脂製フィルム及びポリエチレン樹脂製フィルムであるのがコスト面及び開封性の点で望ましい。なお、フィルムの融点が低いほうが低温で熱融着処理できるため上部融着部及び下部融着部、さらに後述の把手部の形成において好ましいが、過度に融点が低い場合には、摩擦などによって傷が付いたり、穴が空くおそれが高まるので、実質的な下限値は80℃である。ポリエチレン樹脂製フィルムとしては、直鎖低密度ポリエチレンフィルム(LLDPE)、低密度ポリエチレンフィルム(LDPE)、中密度ポリエチレンフィルム(MDPE)が挙げられる。なかでも、熱融着性及びコストの点で、密度0.910~0.940g/cm3で融点が110~120℃の直鎖低密度ポリエチレンフィルム層(LLDPE)が、特に適する。低密度ポリエチレンフィルム(LDPE)とする場合、厚さは20~40μmとすると開封用ミシン目をより好適な破断強度としやすい。また、香り付きのトイレットロールなど臭気のあるものを包装する場合には、エチレンビニルアルコール共重合体樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを用いてもよい。さらに、エチレンビニルアルコール共重合体樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムの一方面または両面に、ポリエチレン樹脂製フィルムやポリプロピレン樹脂製フィルムを積層して熱融着性が高められた複層の樹脂フィルムであってもよい。
第1実施形態のように、把手部20には補強フィルム70を設けることが好ましい。この補強フィルム70は、例えば、帯状の樹脂フィルムで形成することができる。補強フィルムの材質は特に限定されないが、把手部20を構成する樹脂フィルムの材質と同じものを用いることができ、また異なるものを用いても良い。具体的には、補強フィルム70として、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびPE-エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)-PEの積層体(PE/EVOH/PE)等の樹脂フィルムを用いることができる。
この補強フィルム70は、把手部20の片面または両面に、接着や熱溶着等によって固定される。このような補強フィルム70を設けることにより、把手部20に設けられた指掛部30の強度を補強することができる。したがって、把手部20の強度を高める観点からは、補強フィルム70を把手部20の両面に設けることが好ましいが、コストを考慮して、補強フィルム70を片面にのみ設けてもよい。
補強フィルム70の厚みは、特に限定されない。例えば、補強フィルムの厚みを20μm以上にすることができ、好ましくは30μm~150μm、より好ましくは50μm~130μmにすることができる。補強フィルムの厚みを上記の範囲とすることによって、把手部20が伸びたり、破断することを防ぐことができる。
補強フィルム70には、把手部20と同じ位置に、同じ形状の指掛部24が設けられている。そして、好ましくは、この指掛部24の周囲(指掛部24から0~30mm程度離れた部分)、より好ましくは、指掛部24の上方に、後述の相変化材料および抗炎症薬の少なくともいずれか一方を含ませることが好ましい。指掛部24の周囲としたのは、消費者の手指が触れる可能性の高い部分だからであり、指掛部24の上方としたのは、消費者の手指が触れる可能性のより高い部分だからである。薬剤コストはかかるが、補強フィルム70の全面に後述の相変化材料および抗炎症薬の少なくともいずれか一方を含ませるようにしてもよい。
なお、相変化材料および抗炎症薬の少なくともいずれか一方を補強フィルム70に付与する場合、補強フィルム70の外側の表面(外表面)に付与することが好ましい。消費者の手指の肌に接触させるためである。なお、補強フィルム70の内側の表面(内表面)は、把手部20のシートと接触する面であり、補強フィルム70の外表面とは内表面と反対の面をいう。
補強フィルム70には、相変化物質を含有させることが好ましい。例えば、相変化物質をマイクロカプセル(相変化物質内包カプセル)にして補強フィルム70に塗布したものを用いることができる。相変化物質内包カプセルは、蓄熱蓄冷物質、PCM(Phase Change Material)などとも称され潜熱量が大きく、固体から液体、液体から固体への物質の変化時のエネルギーにより周囲の温度の上昇下降をコントロールすることができる相変化物質を、マイクロカプセルに内包するなどして取り扱い性を高めたものである。蓄熱蓄冷材や蓄熱蓄冷カプセルなどとも称されることがある。相変化物質内包カプセルの具体例としては、例えば、リケンレヂンPMCD-25(三木理研工業株式会社製)などの、リケンレヂンシリーズ、が挙げられる。このリケンレヂンPMCD-25は、25℃にて相変化を発現するものであり、一般的には冷感ベッドシーツ等に用いられている。ただし、相変化物質内包カプセルは、これに限らず、潜熱量の大きいパラフィン、硫酸ナトリウム10水塩、を主たる成分とする相変化物質をマイクロカプセル化したもの等とすることもできる。
相変化物質を有することで、補強フィルム70に非常に高い冷涼感を付与することが可能となる。ここで、相変化物質内包カプセルは、30℃以下で相変化物質が相変化するものであるのが望ましい。この範囲であれば、人の体温(およそ36℃~37℃)との温度差があるため、冷涼感を肌に与えることができ、包装体1を持ち運ぶ際の手指の摩擦による不快感を低減することができる。ただし、5℃未満であると肌へ過度の刺激を与えるおそれがあり、また、そのような低温を維持するのも難しいため、相変化温度の下限値は、5℃である。したがって、相変化温度の好ましい範囲は5~30℃である。
なお、相変化物質の相変化温度と体温の差が大きいと、冷涼感を強く感じることができるが、相変化物質内包カプセルが短時間で固体から液体に変化してしまうため、冷涼感の持続性が低下してしまう問題がある。そのため、消費者にある程度の冷涼感を与えつつ、消費者が商品を購入して自宅に持ち帰る間(例えば、5分~15分程度を想定する。より詳しくは10分程度を想定する。)はその冷涼感を持続させるようにすることが好ましい。したがって、相変化温度のより好ましい範囲は20~30℃であり、最も好ましい範囲は25℃前後である。
相変化物質内包カプセルの大きさは適宜であるが、マイクロトラック法による平均粒子径が、5~80μmであるのが望ましい。
相変化物質内包カプセルを補強フィルム70に付与するにあたっては、補強フィルム70の表面にバインダー等で付着させるようにすればよい。バインダーは、公知のものが使用できる。例えば、OP(Over Print)ニス、ポリアクリルビニル、カルボキシメチルセルロース、デンプン、セルロースナノファイバー等が挙げられる。
なお、相変化物質(例えば、相変化物質内包カプセル)の含有量は、必ずしも限定されないが、相変化物質の有効成分が0.1~50.0g/m2とするのが望ましい。コストと効果の面から、より望ましくは、2.0~10.0g/m2である。前記の範囲の相変化物質を付与することによって、冷涼感を得やすくなる。相変化物質の含有量が0.1g/m2未満では冷涼感を感じにくい。また、50.0g/m2を超える場合には、効果の向上が望めず経済的に無駄となる。
ここで、補強フィルム70に対して相変化物質内包カプセル、さらにバインダー等を付与する装置は、スプレー塗布装置やローターダンプニング装置、フレキソ式印刷装置、グラビア式印刷装置、ロールコーターなどの印刷塗工装置によっておこなえばよい。
また、補強フィルム70には、抗炎症薬を含有させることが好ましい。この抗炎症薬は、抗炎症作用を有する薬剤であり、例えば、グリチルリチン酸ジカリウム、甘草エキス、などの草の根茎および根から抽出したもの、または抽出物から合成した薬剤、シソエキスやカミツレエキス、クマザサエキス、どくだみエキス、緑茶エキスなどを用いることができる。
なお、この抗炎症薬は、補強フィルム70に対して0.01~5.0g/m2塗布することが好ましい。前記の範囲の抗炎症薬によって、効果的に肌のカブレや炎症を防止することができるようになる。抗炎症剤の含有量が0.01g/m2未満では効果的にカブレや炎症を抑えることができない。また、5.0g/m2を超える場合には、効果の向上が望めず経済的に無駄となる。補強フィルム70への抗炎症薬の付与については、相変化物質内包カプセルと同様にバインダーを用いて、同様の装置によっておこなえば良い。相変化物質内包カプセルと、抗炎症薬の両方を付与する場合はバインダー内にて物理混合し、塗布しても良い。
以下、本発明について、実施例を用いて具体的に説明する。実施例、比較例の評価は以下の試験により行った。
図1に示す包装体1と同様の試作品を用意した。具体的には、把手部20に設けられた指かけ孔24の形状が図1と同じであり、この包装体1の内部に12個のトイレットロール30が収納されている。このトイレットロール30は「エリエール トイレットロール シングル 60m」であり、縦方向に2個、幅方向に2個、高さ方向に3段、並べて配置されている。この把手部20の一方の面に補強フィルム70が貼りつけられており(他方の面には補強フィルム70が貼り付けられていない)、この補強フィルム70には把手部20と同じ形状、同じ大きさの指かけ孔24が、把手部20と同じ位置に形成されている。
実施例1~5、比較例1、2において、この補強フィルム70の外表面(把手部20と接触する面と反対の面)のすべての部分(全面)に、相変化材料および抗炎症薬の少なくともいずれか一方が塗布されている。詳しくは、実施例1、実施例3、比較例2においては、相変化物質内包カプセル(リケンレヂン PMCD-25)をOPニスへ混合し、その混合物を補強フィルム70の外表面に塗布し、その補強フィルム70を把手部40に熱溶着した。実施例2、4、5では相変化物質内包カプセル(リケンレヂン PMCD-25)と抗炎症薬(クマザサ抽出エキスのパウダー)をOPニスに混合し、その混合物を補強フィルム70の外表面に塗布し、その補強フィルム70を把手部40に熱溶着した。比較例1では、抗炎症薬(クマザサ抽出エキスのパウダー)をOPニスに混合し、その混合物を補強フィルム70の外表面に塗布し、その補強フィルム70を把手部40に熱溶着した。比較例3では、相変化材料も抗炎症薬も含まない補強フィルム70を把手部40に熱溶着した。
(冷感評価)
冷感の評価については、包装体1の把手部20を掴み、包装体1を持ち上げた際に冷感(肌表面が冷たいと感じる感覚)を感じるか、を官能にて以下の基準で評価した。評価は空調の整った室内で実施し、室温23℃、湿度50~60%の環境下にて実施した。
○:冷感を感じた
△:冷感をやや感じた
×:冷感を感じなかった
(抗炎症評価)
抗炎症の評価については、包装体1の把手部20を掴み、パックを持ち上げた後、前方から後方まで振り子のようになるよう10往復パックを振った後、1分間把手部を掴んだままとし、炎症(肌表面が熱を帯びる感覚)を感じるか、を官能にて以下の基準で評価した。評価は空調の整った室内で実施し、室温23℃、湿度50~60%の環境下にて実施した。
○:炎症を感じなかった
△:炎症をやや感じた
×:炎症を感じた
以上の官能評価は、20~30代の男女(男性3名、女性2名)で行い、平均値を用いた。官能評価の結果を下記表1に示す。
Figure 0007384707000001
実施例1と実施例3では、相変化物質内包カプセル(リケンレヂン PMCD-25)のみを付与し、抗炎症剤を付与していないが、どちらも冷感効果を感じられると共に、冷感により摩擦による発熱が抑えられ、やや抗炎症が感じられる結果となった。実施例2、実施例4、実施例5では相変化物質内包カプセルに加え、抗炎症薬(クマザサ抽出エキスのパウダー)をOPニスに混合し付与したため、実施例1、実施例3と比べて1分後の炎症を感じにくくなった。相変化物質内包カプセルと抗炎症薬の2薬液を塗布することによって、抗炎症効果がより高まることが分かった。なお、比較例1は抗炎症剤を僅かに含むだけのものであるため、僅かな抗炎症効果が得られただけあった。比較例2は相変化物質内包カプセルを僅かに含むだけのものであるため、僅かな冷感効果が得られるだけであった(実施例1や実施例3のような抗炎症効果は生じなかった)。比較例3は、相変化物質内包カプセルと抗炎症剤の両方とも含まないものであるため、冷感効果も抗炎症効果も得られなかった。
以上のように、補強フィルム70に相変化材料および抗炎症薬の少なくともいずれか一方を含ませるようにすることで、消費者が把手部20の指掛部24に指を入れて包装体1を持ち運ぶ際に、その手指の負担を効果的に軽減することができる。なお、補強フィルム70は、包装体1の本体を構成するフィルム3とは別体のものである。すなわち、フィルム3とは別に形成するものであるため、補強フィルム70にだけ相変化材料や抗炎症薬を付与することができるため、フィルム3に相変化材料や抗炎症薬を付与する場合と比べて、薬剤のコストを大幅に低減することができる。
1…包装体(ガゼット包装体)、2E…ガゼット包装袋の側部、3…フィルム、10(10A)…マチ部、11…側面、12…天面、13…正面、14…背面、15…底面、20…把手部、21…開封用ミシン目、22(22A)…拡口ミシン目、24…指掛部、30…被収容物(ロールペーパー,トイレットロール等)、31…空芯部、32…トイレットロールの端面、41…上部融着部、42…下部融着部、43…熱融着部、70…補強フィルム

Claims (3)

  1. 被収容物をフィルムで包装した包装体であって、
    前記包装体は、上部融着部及び下部融着部を有し、その間に被収容物を収納したガゼット包装体であり、
    前記上部融着部から天面側に延在する把手部と、
    前記把手部の少なくとも片面に設けられた補強フィルムと、を有し、
    前記補強フィルムに相変化材料および抗炎症薬の少なくともいずれか一方が含まれている、
    ことを特徴とする包装体。
  2. 前記補強フィルムはスリットで形成された指掛部を有し、
    前記指掛部の周囲に前記相変化材料および前記抗炎症薬の少なくともいずれか一方が含まれている請求項1記載の包装体。
  3. 前記補強フィルムは、前記相変化材料および前記抗炎症薬の両方を含んでいる請求項1または2記載の包装体。
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