JP7384328B2 - 変流器及び零相変流器 - Google Patents
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Description
図1はこの発明の実施の形態1における変流器もしくは零相変流器100で、図1(a)は平面図、図1(b)はA-A線断面図、図1(c)は正面図、図1(d)はコイル12のアイソメ図、図1(e)は図1(b)における空気溜まり16の拡大図を示す。
図1(d)にて示した12は集磁のためのトロイダル形状の磁心15(図1(b)に示す)と磁心15を収めるためのトロイダル形状のケース14(図1(b)に示す)および磁心15を収めたケース14に巻き付けられた磁心15内における磁束の変化を電流に変換するための巻線13(図1(b)に示す)により構成されるコイルであり、11はコイル12と電気的に接続された被覆を有した引き出し線用リード線である。
図1(a)において、1はコイル12及びリード線11の一部を収納する外ケースで、10はゲート9(図7に示す)から加圧充填されコイル12を封止する成形樹脂である。20はゲート9の位置を示す。
図1(e)はゲート位置20から最も離れた成形樹脂充填領域での充填状態を示しており、成形樹脂10は寸法Tの深さまでしか充填されておらず、広い範囲に空気溜まり16が存在する。
図2はこの発明の実施の形態1における変流器もしくは零相変流器100に用いる外ケース1で、図2(a)は外ケース1の平面図、図2(b)はA-A線断面図、図2(c)はアイソメ図、図2(d)は図2(a)に示した切り欠き形状の溝7a及び7bの拡大図である。
図2(a)において4はコイル12を外ケース1に収める際に巻線13と電気的に接続されるリード線11の一部を収めるためのリード線挿入部、5はリード線挿入部4に収められたリード線11を通し、外ケース外部に引き出すための貫通穴であるリード線引き出し部、6はリード線挿入部4に収められたリード線11の先端と外ケース1内に収められた巻線13を電気的に接続するための巻線13の余長線を通すため設けた巻線引出し部である。
図2(a)(c)において、外ケース1は外側円筒3の成形樹脂充填領域側の壁面に沿って切り欠き形状の溝7a及び7bを有し、これは外ケース1の中心軸に対して成形樹脂充填に用いるゲート9の位置20の反対側を中心に空気溜まり16が広がる範囲(成形樹脂充填領域において、外ケース1の中心軸を中心にゲート位置20の両側に例えば角度135度以上離れた範囲)内に設けている。ここでは切り欠き形状の溝を2個設けたが任意の数を設けてもよい。切り欠き形状の溝7a及び7bは、その断面に先端部を持ち先端部に至る角度を鋭角(例えば60度)とすることで、成形樹脂充填の際、切り欠き形状の溝7a及び7b先端部における成形樹脂の充填性を低下させ、さらに、図2(d)に示すように切り欠き形状の溝7a及び7bの先端部を樹脂の流動方向(図2(d)に矢印で示す。ここではゲート位置20から注入された成形樹脂10が、時計回り方向と反時計回り方向の2方向に流れ、両矢印の指す所で衝突した状態を示している。)に対して対向する向きに傾けることでより充填性の低い構造とし、先端部が空隙となるようする。ここで樹脂の流動方向が時計回り方向の位置に設けた切欠き形状の溝7aは、その断面が例えば先端部角度60度の三角形状であるが、この三角形状は二等辺三角形状ではなく、樹脂の流動方向に対向する向きである反時計回り方向に例えば60度傾いた形状としている。また、樹脂の流動方向が反時計回り方向の位置に設けた切欠き形状の溝7bは、その断面が例えば先端部角度60度の三角形状であるが、この三角形状は二等辺三角形状ではなく、樹脂の流動方向に対向する向きである時計回り方向に例えば60度傾いた形状としている。また、ここで切り欠き形状の溝7a及び7bの断面は先端部が1個の三角形状としたが、先端部の数は任意でもよく、例えば先端部が2個の反台形形状でもよい。
上記のように構成された外ケース1を用いた変流器もしくは零相変流器100においては、切り欠き形状の溝7a及び7bの先端部において成形樹脂充填の際生じる空隙を通して、外ケース1の外側円筒3とコイル12の間に生じた空気溜まり16が外気と通じる形となり、高温雰囲気下においても空気溜まり16内の空気が切り欠き形状の溝7a及び7b先端部の空隙を通して外部に放出されることで減圧されるため、空気溜まり16内の空気の熱膨張に伴う外ケース1および成形樹脂10の変形を防ぐことができる。
また、変流器100の外部から巻線13までの沿面距離を図1(e)に示すように成形樹脂10の厚みTを確保(例えば2.0mm以上)できるため、図8の外ケース1底面図(a)、側面図(b)に示すコイル12の巻線13が露出するような通気孔21aもしくは21bを外ケース1に設ける場合と比較して、切り欠き形状の溝7a及び7bを設けた場合では高い耐電圧特性を得ることができる。
本実施の形態では、実施の形態1と異なる部分について説明する。図3はこの発明の実施の形態2における変流器もしくは零相変流器100の外ケース1で、図3(a)は外ケース1の平面図、図3(b)はA-A線断面図、図3(c)はアイソメ図、図3(d)は図3(a)に示した切り欠き形状の溝7c及び7dの拡大図である。
図3(a)(c)において、外ケース1は内側円筒2の成形樹脂充填領域側の壁面に沿って切り欠き形状の溝7c及び7dを有し、これは外ケース1の中心軸に対して成形樹脂充填に用いるゲート9の位置20の反対側を中心に空気溜まり16が広がる範囲内に設けている。ここでは切り欠き形状の溝を2個設けたが任意の数を設けてもよい。切り欠き形状の溝7c及び7dは、その断面に先端部を持ち先端部に至る角度を鋭角(例えば60度)とすることで、成形樹脂充填の際、切り欠き形状の溝7c及び7d先端部における成形樹脂の充填性を低下させ、さらに、図3(d)に示すように切り欠き形状の溝7c及び7dの先端部を樹脂の流動方向(図3(d)に矢印で示す)に対して対向する向きに傾けることでより充填性の低い構造とし、先端部が空隙となるようする。
上記のように構成された外ケース1を用いた変流器もしくは零相変流器100においては、成形樹脂充填の際、切り欠き形状の溝7c及び7dの先端部において生じる空隙を通して、外ケース1の内側円筒2とコイル12の間に生じた空気溜まり16が外気と通じる形となり、高温雰囲気下においても空気溜まり16内の空気が切り欠き形状の溝7c及び7d先端部の空隙を通して外部に放出されることで減圧されるため、空気溜まり16内の空気の熱膨張に伴う外ケース1および成形樹脂10の変形を防ぐことができる。
また、変流器100の外部から巻線13までの沿面距離を図1(e)に示すように成形樹脂10の厚みTを確保できるため、図8の外ケース1底面図(a)、側面図(b)に示すコイル12の巻線13が露出するような通気孔21aもしくは21bを外ケース1に設ける場合と比較して、切り欠き形状の溝7c及び7dを設けた場合では高い耐電圧特性を得ることができる。
本実施の形態では、実施の形態1と異なる部分について説明する。図4はこの発明の実施の形態3における変流器もしくは零相変流器100の外ケース1で、図4(a)は平面図、図4(b)はA-A線断面図、図4(c)はアイソメ図、図4(d)はB-B線断面図を示す図である。
図4(a)(c)(d)において、外ケース1は外側円筒3に外ケース1の金型を作成する上で支障のない大きさである任意形状の通気孔8aを外ケース中心軸に対して成形樹脂充填に用いるゲート位置20の反対側を中心に空気溜まり16が広がる範囲で任意の数(例えば1個)を有する。通気孔8aは天面から底面の方向に外ケース1の内部(成形樹脂充填領域側)へと通じるスリット19aを有し、スリット19aは成形樹脂充填の際に通気孔8aおよびスリット19aの上部は成形樹脂10でふさがりつつスリット19aの底部の位置までは成形樹脂10でふさがることがないような幅(例えば0.5mm)と深さ(例えば図1(e)のT+2.0mm以上)を有するものとする。
このように構成された変流器もしくは零相変流器100においては、空気溜まり16が通気孔8aおよびスリット19aを通して外気と通じる形となるため、高温雰囲気下においても空気溜まり16内の空気が通気孔8aを通して外部に放出されることで減圧されるため、空気溜まり16内の空気の熱膨張に伴う外ケース1および成形樹脂10の変形を防ぐことができる。
また、図4(d)に示すようにスリット19a底部から外ケース底面までの長さLを確保(例えば2mm以上)することで、変流器100の表面から巻線13までの沿面距離を確保できるため、図8の外ケース1底面図(a)、側面図(b)に示すコイル12の巻線13が露出するような通気孔21aもしくは21bを外ケース1に設ける場合と比較して、高い耐電圧特性を得ることができる。
本実施の形態では、実施の形態1と異なる部分について説明する。図5はこの発明の実施の形態4における変流器もしくは零相変流器100の外ケース1で、図5(a)は平面図、図5(b)はA-A線断面図、図5(c)はアイソメ図、図5(d)はB-B線断面図を示す図である。
図5(a)(c)(d)において、外ケース1は内側円筒2に外ケース1の金型を作成する上で支障のない大きさである任意形状の通気孔8bを外ケース中心軸に対して成形樹脂充填に用いるゲート位置20の反対側を中心に空気溜まり16が広がる範囲で任意の数(例えば1個)を有する。通気孔8bは天面から底面の方向に外ケース1の内部(成形樹脂充填領域側)へと通じるスリット19bを有し、スリット19bは成形樹脂充填の際に通気孔8bおよびスリット19bの上部は成形樹脂10でふさがりつつスリット19bの底部の位置まで成形樹脂10でふさがることがないような幅(例えば0.5mm)と深さ(例えば図1(e)のT+2.0mm以上)を有するものとする。
このように構成された変流器もしくは零相変流器100においては、空気溜まり16が通気孔8bおよびスリット19bを通して外気と通じる形となるため、高温雰囲気下においても空気溜まり16内の空気が通気孔8bを通して外部に放出されることで減圧されるため、空気溜まり16内の空気の熱膨張に伴う外ケース1および成形樹脂10の変形を防ぐことができる。
また、図5(d)に示すようにスリット19b底部から外ケース底面までの長さLを確保(例えば2mm以上)することで、変流器100の製品表面から巻線13までの沿面距離を確保できるため、図8の外ケース1底面図(a)、側面図(b)に示すコイル12の巻線13が露出するような通気孔21aもしくは21bを外ケース1に設ける場合と比較して、高い耐電圧特性を得ることができる。
2 外ケース内側円筒
3 外ケース外側円筒
4 リード線挿入部
5 リード線引き出し部
6 巻線引き出し部
7a、7b、7c、7d 切り欠き形状
8a、8b 通気孔
9 ゲート(成形樹脂充填用)
10 成形樹脂
11 リード線
12 コイル
13 巻線
14 磁心を収めるケース
15 磁心
16 空気溜まり
17 金型(上型)
18 金型(下方)
19a、19b スリット部
20 ゲート位置
21a、21b 簡易的な通気孔例(耐電圧特性が得られない場合)
100 変流器及び零相変流器
Claims (4)
- 高い比透磁率特性を有する環状磁心に巻線を施したコイルを、底面及び二重円筒状壁を有するケースに収納し、加熱流動化した成形樹脂を成形金型注入口から前記ケースに注ぎ込み前記コイルと一体に加圧成形した変流器もしくは零相変流器であって、
前記ケースは、前記注入口から所定以上離れた成形樹脂充填領域にある前記二重円筒状壁の少なくとも一方の壁に、前記壁の前記充填領域側面に切り欠き形状を有する溝、又は前記壁の前記充填領域側に開放したスリットを有する円筒状の通気孔を備えることを特徴とする変流器もしくは零相変流器。 - 前記切り欠き形状を有する溝は、その断面に少なくとも一つの先端部を有し、前記先端部へ至る角度が鋭角であることを特徴とする請求項1記載の変流器もしくは零相変流器。
- 前記切り欠き形状を有する溝の断面は、前記成形樹脂の注入時の流動方向に対して対向する向きに傾斜している前記先端部を備えることを特徴とする請求項2記載の変流器もしくは零相変流器。
- 前記円筒状の通気孔に備えられたスリットは前記ケースの天面から底面方向に有り、その深さは前記通気孔の位置での前記成形樹脂が充填される深さより深く、かつ前記ケースの底面より所定以上の長さを有するだけ浅いことを特徴とする請求項1記載の変流器もしくは零相変流器。
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