JP7381201B2 - 薬剤投与カテーテル - Google Patents

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Description

本発明は、血管等の生体管腔に挿入されて病変部へ薬剤を投与するための薬剤投与カテーテルに関するものである。
近年、生体管腔内に生じた病変部(狭窄部)の治療のために、経皮的に生体管腔内へ挿入されるバルーンカテーテルが用いられている。バルーンカテーテルを用いた手技は、例えば、経皮的冠動脈インターベンション(PCI:Percutaneous Coronary Intervention)や、末梢血管インターベンション(EVT:Endovascular Treatment)等が挙げられる。バルーンカテーテルは、通常、長尺なシャフト部と、シャフト部の遠位側に設けられて径方向に拡張可能なバルーンとを備えている。バルーンカテーテルは、収縮されているバルーンを、細い生体管腔を経由して体内の病変部まで到達させた後に拡張させることで、病変部を押し広げることができる。
しかしながら、病変部を強制的に押し広げると、平滑筋細胞が過剰に増殖して病変部に新たな狭窄(再狭窄)が発症する場合がある。このため、最近では、バルーンの外表面に狭窄を抑制するための薬剤をコーティングした薬剤溶出バルーン(DEB:Drug Eluting Balloon)や薬剤被覆バルーン(DCB:Drug coated balloon)が用いられている。これらのバルーンは、拡張することで病変部に接触し、表面にコーティングされている薬剤を、病変部へ移行させる。
薬剤溶出バルーンや薬剤被覆バルーンは、バルーンの外表面に薬剤がコーティングされているため、バルーンが病変部へ到達する前に、薬剤が血中に溶出する可能性がある。このため、例えば特許文献1には、バルーンの外表面に、外部から圧力を受けることで薬剤を放出する薬剤担持体を備えた血管内投薬用バルーンカテーテルが記載されている。
特開平6-063145号公報
特許文献1に記載の血管内投薬用バルーンカテーテルの薬剤担持体は、病変部以外であっても、圧力を受けると薬剤を漏出する可能性がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、病変部まで薬剤を全く漏出させずに搬送でき、かつ病変部をしっかりと拡張させつつ薬剤を効果的に投与できる薬剤投与カテーテルを提供することを目的とする。
上記目的を達成する薬剤投与カテーテルは、流体を流通可能な拡張ルーメンを備える長尺のカテーテル本体と、前記カテーテル本体の先端側に配置され、前記流体によって拡張可能なバルーンと、を有し、前記バルーンは、前記カテーテル本体の先端側の外周に配置され、前記カテーテル本体との間に前記拡張ルーメンと連通する第1空間を形成可能な第1バルーン部と、前記第1バルーン部の径方向外側を覆うように配置され、前記第1バルーン部との間に第2空間を形成可能な第2バルーン部と、を有し、前記第1バルーン部は、拡張時の前記流体による内部圧力の上昇によって、前記第1空間と前記第2空間とが開通する開通部を有し、前記開通部は、前記第1バルーン部と前記カテーテル本体との接合部に位置し、前記第1バルーン部の拡張時の前記流体による内部圧力の上昇によって、前記接合部の剥離により前記第1空間と前記第2空間とを連通させ、前記第2バルーン部は、当該第2バルーン部の内周面から外周面へ貫通して前記流体を前記第2バルーン部の外部へ放出可能な細孔が形成されることを特徴とする。
上記のように構成した薬剤投与カテーテルは、第1バルーン部の外側に第2バルーン部が設けられる二重構造のバルーンを有し、第1バルーン部の内部の第1空間と、第1バルーン部と第2バルーン部の間の第2空間とが流体の圧力上昇によって連通する。第1空間から第2空間に流入した流体は、第2バルーン部に設けられた細孔を通じて外部に放出され、第2バルーン部の外表面に接触する病変部へと移行する。これにより、薬剤投与カテーテルは、病変部に到達するまで、流体(薬剤を含む薬液)を全く漏出させずに搬送できる。また、薬剤投与カテーテルは、開通部が開通するまでは、第1バルーン部と第2バルーン部の両方によって病変部を高い圧力でしっかりと拡張させることができる。そして、薬剤投与カテーテルは、開通部が開通した後、病変部に薬剤を効果的に投与できる。
前記バルーンは、筒部と、前記筒部よりも先端側で先端方向へ向かって縮径する先端テーパ部と、前記筒部よりも基端側で基端方向へ向かって縮径する基端テーパ部と、を有し、前記バルーンの拡張時に、前記筒部の少なくとも一部において、第1バルーン部および第2バルーン部が接触してもよい。二重構造のバルーンにおいて、第1バルーン部および第2バルーン部が接触する二重構造は、接触しない二重構造よりも、同一のバルーン外径で高圧をかけることが可能である(Nоn-CompliantまたはLow-Compliant)。このため、薬剤投与カテーテルは、バルーンの拡張時に、第1バルーン部および第2バルーン部が接触する二重構造の筒部によって、病変部をしっかりと拡張できる。
前記第1バルーン部は、当該第1バルーン部の先端側に位置して前記カテーテル本体と接合される第1先端接合部と、当該第1バルーン部の基端側に位置して前記カテーテル本体と接合される第1基端接合部と、を有し、前記第2バルーン部は、当該第2バルーン部の先端側に位置して前記カテーテル本体と接合される第2先端接合部と、当該第2バルーン部の基端側に位置して前記カテーテル本体と接合される第2基端接合部と、を有し、前記第1先端接合部または第1基端接合部は、前記第2先端接合部よりも基端側かつ第2基端接合部よりも先端側に位置し、かつ、前記第2先端接合部および第2基端接合部よりも低い接合強度の弱接合部を少なくとも一部に有し、前記開通部は、前記弱接合部に形成されてもよい。これにより、弱接合部がカテーテル本体から剥離することにより開通部が形成され、薬剤を含む流体が第1空間から開通部を通って第2空間に流入できる。病変部に接触する筒部は、開通部が形成されないため、病変部をしっかりと拡張できる。また、弱接合部が、第2先端接合部よりも基端側かつ第2基端接合部よりも先端側に位置するため、開通部が開通した後も、第2バルーン部は破損せずに形状を維持できる。したがって、薬剤投与カテーテルは、抜去時のバルーンの収縮作業を容易に行うことができ、操作性や安全性が向上する。
前記第1バルーン部は、第1筒部と、前記第1筒部および第1先端接合部の間で先端方向へ向かって縮径する第1先端テーパ部と、前記第1筒部および第1基端接合部の間で基端方向へ向かって縮径する第1基端テーパ部と、を有し、前記弱接合部と接続される前記第1先端テーパ部または第1基端テーパ部は、拡張時に前記第2バルーン部と接触せずに離れていてもよい。これにより、薬剤投与カテーテルは、拡張時に、第1先端テーパ部または第1基端テーパ部と第2バルーン部の間に隙間を生じることができる。その結果、弱接合部に形成される開通部を通じて第1空間から第2空間へ流入した流体を、第1先端テーパ部または第1基端テーパ部と第2バルーン部の間の隙間を介して、迅速に筒部まで到達させることができる。
第1実施形態に係る薬剤投与カテーテルを示す平面図である。 薬剤投与カテーテルの先端部を示す図であり、(A)は縦断面図、(B)は(A)のA-A線に沿う横断面図である。 バルーンを拡張させた状態の薬剤投与カテーテルの先端部を示す縦断面図である。 開通部を開通させた状態の薬剤投与カテーテルの先端部を示す図であり、(A)は縦断面図、(B)は(A)のB-B線に沿う横断面図である。 薬剤投与カテーテルの第1変形例を示す縦断面図である。 薬剤投与カテーテルの変形例を示す横断面図であり、(A)は第2変形例、(B)は第3変形例、(C)は第4変形例を示す。 第2実施形態に係る薬剤投与カテーテルを示す縦断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の寸法は、説明の都合上、誇張されて実際の寸法とは異なる場合がある。また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。本明細書では、管腔に挿入する側を「先端側」、操作する手元側を「基端側」と称することとする。
<第1実施形態>
第1実施形態に係る薬剤投与カテーテル10は、図1、2に示すように、ガイドワイヤを通すためのガイドワイヤルーメン24が先端部にのみ設けられる、いわゆるラピッドエクスチェンジ型のカテーテルである。薬剤投与カテーテル10は、経皮的に血管内に挿入されて、心臓や下肢血管の病変部まで薬剤を搬送するために使用される。
薬剤投与カテーテル10は、長尺なカテーテル本体20と、カテーテル本体20の先端部に配置されるバルーン30と、カテーテル本体20の基端部に配置されるハブ40と、カテーテル本体20の先端部に配置されるマーカー70とを有している。
カテーテル本体20は、先端および基端が開口した管体である外管21と、外管21の内部に配置される管体である内管22と、内管22の先端に固着される管体である先端チップ26とを備えている。外管21は、基端がハブ40に固着され、先端がバルーン30に固着されている。外管21の中空内部には、バルーン30の拡張用の流体を流通させる拡張ルーメン23が形成される。内管22は、外管21の先端領域の中空内部に配置されている。これにより、カテーテル本体20の先端部は、二重管構造となっている。内管22の中空内部には、ガイドワイヤを通すガイドワイヤルーメン24が形成されている。二重管構造となっている領域において、前述の拡張ルーメン23は、外管21の中空内部であって内管22の外側に位置している。内管22の基端側開口部25は、外管21の側壁面を貫通して外部へ開口している。基端側開口部25は、ガイドワイヤルーメン24の基端側の開口部である。内管22は、外管21の先端よりもさらに先端側まで突出している。先端チップ26は、内管22よりも柔軟な管体であり、内管22の先端に固着されている。先端チップ26の先端側開口部27は、ガイドワイヤルーメン24の先端側の開口部である。なお、先端チップ26は、設けられなくてもよい。
外管21、内管22および先端チップ26の構成材料は、特に限定されないが、例えばポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、またはこれら二種以上の混合物など)、ポリオレフィンの架橋体、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、フッ素樹脂、ポリイミドなどの高分子材料またはこれらの混合物などを好適に使用できる。
ハブ40は、外管21の拡張ルーメン23と連通して拡張用流体を流入出させるハブ開口部41が形成されている。ハブ40は、外管21と液密性を保った状態で固定されている。
バルーン30は、カテーテル本体20の先端側の外周を覆う第1バルーン部50と、第1バルーン部50の径方向外側を覆う第2バルーン部60とを有している。第1バルーン部50の外周面と第2バルーン部60の内周面は、少なくとも一部で接触して重なるが、接合されずに離れることができる。第1バルーン部50および第2バルーン部60からなる二重構造のバルーン30は、筒部31と、筒部31よりも先端側に位置する先端テーパ部32と、筒部31よりも基端側に位置する基端テーパ部33とを有している。筒部31は、バルーン30の拡張時に、バルーン30の軸方向に沿って略一定の外径を有する円筒状に形成される。先端テーパ部32は、筒部31から先端方向へ向かってテーパ状に縮径している。基端テーパ部33は、筒部31から基端方向へ向かってテーパ状に縮径している。バルーン30は、二重構造であるため、仮に第1バルーン部50が破損しても、第1バルーン部50を覆う第2バルーン部60により、生体内に第1バルーン部50の破片等が残ることを防止できる。
第1バルーン部50は、第1筒部51と、第1筒部51よりも先端側に位置する第1先端テーパ部52と、第1筒部51よりも基端側に位置する第1基端テーパ部53と、を有している。第1バルーン部50は、さらに、第1先端テーパ部52よりも先端側に位置する第1先端接合部54と、第1基端テーパ部53よりも基端側に位置する第1基端接合部55とを有している。
第1筒部51は、第1バルーン部50の拡張時に、第1バルーン部50の軸方向に沿って略一定の外径を有する円筒状となるように形成される。第1先端テーパ部52は、第1筒部51から先端方向へ向かってテーパ状に縮径している。第1先端接合部54は、内管22の先端部の外周面に融着されている。第1基端テーパ部53は、第1筒部51から基端方向へ向かってテーパ状に縮径している。第1基端接合部55は、外管21の先端部の外周面に融着されている。なお、第1バルーン部50を第1先端接合部54および第1基端接合部55でカテーテル本体20に接合する方法は、融着に限定されず、例えば接着剤により接着されてもよい。
第1バルーン部50の中空内部には、第1空間56が形成される。第1空間56は、拡張ルーメン23と連通している。拡張ルーメン23を介して第1空間56に拡張用の流体を注入することで、第1バルーン部50を拡張させることができる。拡張用の流体は、薬剤を含む流体(以下、薬液と称する。)である。薬剤は、公知のものを使用できる。薬剤は、例えば、パクリタキセル、シロリムス、エベロリムス、ゾタロリムス、バイオリムス等である。
第1先端接合部54は、内管22に対する接合強度の低い弱接合部57と、弱接合部57よりも接合強度の高い強接合部58とを有している。接合強度は、融着時の温度、融着に要する時間、融着時の加圧力、接着剤の種類等によって調節できる。本実施形態において、第1先端接合部54は、2つの弱接合部57と、2つの強接合部58とを有している。弱接合部57および強接合部58は、内管22の外周面に、周方向に沿って略90度毎に交互に配置される。第1基端接合部55は、弱接合部57よりも高い接合強度で外管21の外周面に接合されている。
弱接合部57は、第1バルーン部50の拡張時の流体による内部圧力の上昇によって、内管22から剥離できる。このため、弱接合部57は、第1バルーン部50の内部の第1空間56と、第1バルーン部50と第2バルーン部60の間の第2空間66とを、閉鎖した状態から開通した状態とすることが可能な開通部59(図4を参照)を形成する。
第1バルーン部50は、例えば一枚の材料により形成される単層構造であるが、複数枚の材料を接合して形成される多層構造であってもよい。
第2バルーン部60は、第2筒部61と、第2筒部61よりも先端側に位置する第2先端テーパ部62と、第2筒部61よりも基端側に位置する第2基端テーパ部63と、を有している。第2バルーン部60は、さらに、第2先端テーパ部62よりも先端側に位置する第2先端接合部64と、第2基端テーパ部63よりも基端側に位置する第2基端接合部65とを有している。
第2筒部61は、第2バルーン部60の拡張時に、第2バルーン部60の軸方向に沿って略一定の外径を有する円筒状となるように形成される。第2筒部61は、第1筒部51とともに、2重の筒部31を形成している。第2筒部61の内径は、第1筒部51の外径と略等しい。第2筒部61は、第1筒部51の径方向外側に、第1筒部51と接合されずに接触している。なお、第2筒部61は、部分的に、第1筒部51と接合されてもよい。
第2先端テーパ部62は、第2筒部61から先端方向へ向かってテーパ状に縮径している。第2先端テーパ部62は、第1先端テーパ部52とともに、2重の先端テーパ部32を形成する。第2先端接合部64は、先端チップ26の基端部、すなわち先端チップ26の内管22に近い部位の外周面に接合されている。第2先端接合部64は、第1先端接合部54よりも先端側に位置している。先端チップ26は、第2先端テーパ部62が先端チップ26の基端部付近に接合されることで、基端部の剛性が先端部の剛性よりも高くなる。このため、薬剤投与カテーテル10は、先端チップ26と内管22の境界部28における剛性(物性)の変化が緩やかになる。したがって、薬剤投与カテーテル10は、曲がりくねった生体管腔を移動する際の通過性が向上し、境界部28におけるキンクや破損が抑制される。なお、第2先端接合部64は、内管22の外周面に接合されてもよく、境界部28に接合されてもよい。
第2基端テーパ部63は、第2筒部61から基端方向へ向かってテーパ状に縮径している。第2基端テーパ部63は、第1基端テーパ部53とともに、2重の基端テーパ部33を形成する。第2基端接合部65は、外管21の先端部の外周面に融着されている。第2基端接合部65は、第1基端接合部55よりも基端側に位置している。なお、第2バルーン部60を第2先端接合部64および第2基端接合部65でカテーテル本体20に接合する方法は、融着に限定されず、例えば接着剤により接着されてもよい。
第1バルーン部50と第2バルーン部60の間の第2空間66は、第1バルーン部50の内部の第1空間56と閉鎖されている。第2バルーン部60は、耐圧性能や拡張力の向上、伸びの低減などの特性や、耐擦過性の向上のために、複数枚の材料を接合して形成される多層構造であることが好ましいが、単層構造であってもよい。多層構造の層数は、例えば2~3層が好ましい。
第2先端接合部64は、第1先端接合部54の弱接合部57よりも高い接合強度で、先端チップ26に接合されている。第2基端接合部65は、第1先端接合部54の弱接合部57よりも高い接合強度で、外管21に接合されている。このため、第1先端接合部54の弱接合部57が内管22から剥離して、第2空間66の内部圧力が上昇しても、第2先端接合部64および第2基端接合部65がカテーテル本体20から剥離することを抑制できる。また、第2基端接合部65は、第1基端接合部55と重ならずに、第1基端接合部55から離れている。このため、第1基端接合部55がカテーテル本体20から剥離しても、第2基端接合部65は、カテーテル本体20に接合した状態を維持できる。
第1先端テーパ部52の外周面と第2先端テーパ部62の内周面は、バルーン30が拡張している状態で接触せずに離れているが、部分的に接触していてもよい。第1先端テーパ部52と第2先端テーパ部62は、開通部59から第2空間66に流体が流入しやすいように、少なくとも開通部59に近い領域、すなわち薬剤投与カテーテル10の径方向においてカテーテル本体20に近い領域で離れていることが好ましい。第1基端テーパ部53の外周面と第2基端テーパ部63の内周面は、バルーン30が拡張している状態で部分的に接触しているが、接触せずに離れていてもよい。
第2バルーン部60は、内周面から外周面へ貫通する多数の細孔67が形成されている。細孔67は、薬液を通すことができれば、その形状は限定されない。
第1バルーン部50の厚さは、特に限定されないが、例えば10~100μmである。第2バルーン部60の厚さは、特に限定されないが、例えば10~100μmである。第2バルーン部60の細孔67の直径は、特に限定されないが、例えば1~100μmである。
接合強度は、接合部が設けられる第1バルーン部50または第2バルーン60に流体を注入したとき、接合部が接合対象から剥離する際の内部圧力によって定義できる。弱接合部57の接合強度は、特に限定されないが、例えば、第1バルーン部50の内部圧力が12atmの際に剥離する強度である。第1先端接合部54の強接合部58は、弱接合部57の接合強度よりも高く、例えば、第1バルーン部50の内部圧力が25atmの際に剥離する強度である。第1バルーン部50の接合部(第1先端接合部54および第1基端接合部55)以外の部位の耐圧強度は、弱接合部57が剥離する前に第1バルーン部50が破損しないように、弱接合部57の接合強度よりも大きいことが好ましく、例えば12atmよりも大きい。第1バルーン部50の接合部以外の部位の耐圧強度は、強接合部58および第1基端接合部55の接合強度よりも小さいことが好ましい。耐圧強度は、第1バルーン部50または第2バルーン60に流体を注入したとき、第1バルーン部50または第2バルーン60の接合部以外の部位が破損する際の内部圧力によって定義できる。第1バルーン部50のカテーテル本体20からの脱落を抑制するために、第1先端接合部54の強接合部58または第1基端接合部55がカテーテル本体20から剥離するよりも前に、第1バルーン部50が破損することが好ましいからである。
第2先端接合部64および第2基端接合部65の接合強度は、弱接合部57の接合強度よりも高く、例えば、第2バルーン部60の内部圧力が25atmの際に剥離する強度である。
第2バルーン部60の接合部以外の部位の耐圧強度は、第2先端接合部64および第2基端接合部65の接合強度よりも小さいことが好ましい。第2バルーン部60の脱落を抑制するために、第2先端接合部64または第2基端接合部65がカテーテル本体20から剥離する前に、第2バルーン部60が破損することが好ましいからである。一般的に、病変部を確実に拡張したいときに用いられる高耐圧バルーンは、推奨拡張圧(NP:Nominal Pressure)が12atmで、最大拡張圧(RBP:Rated Burst Pressure)が18atmである。このため、第2バルーン部60の接合部(第2先端接合部64および第2基端接合部65)以外の部位の耐圧強度は、例えば18atmとする。
拡張した状態のバルーン30の外径は、特に限定されないが、例えば1~10mmである。バルーン30の筒部31の軸方向長さL1(図2(A)を参照)は、特に限定されないが、例えば5~200mmである。第1先端接合部54の基端と第2先端接合部64の基端の間の距離L2(図2(A)を参照)は、特に限定されないが、例えば1mmである。
バルーン30の構成材料は、ある程度の可撓性を有する材料により形成されることが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、あるいはこれら二種以上の混合物等のポリオレフィンや、軟質ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリウレタン、フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等が使用できる。
マーカー70は、X線造影性(X線不透過性)を備える環体である。2つのマーカー70が、バルーン30の内部に位置する内管22に固定されている。2つのマーカー70は、内管22の外周面の、軸方向に離れた位置に固定されている。先端側のマーカー70の基端の位置は、軸方向において、バルーン30の筒部31の先端の位置と一致する。基端側のマーカー70の先端の位置は、軸方向において、バルーン30の筒部31の基端の位置と一致する。すなわち、病変部を拡張させるために使用される筒部31の先端と基端の位置に対応して、2つのマーカー70がそれぞれ配置されている。これにより、術者は、X透視下でマーカー70の位置を確認することで、病変部に対して筒部31を的確に位置決めできる。
マーカー70の内径は、内管22の外径と略等しい。各々のマーカー70の軸方向の長さは、特に限定されないが、例えば1mm程度である。マーカー70の形態は、環体に限定されず、例えばコイル状に巻回した線材であってもよい。マーカー70の構成材料は、X線造影性(X線不透過性)を備えれば特に限定されないが、例えば白金、金、またはこれらを含有する材料等である。
次に、第1実施形態に係る薬剤投与カテーテル10の使用方法を、血管の狭窄部を治療する場合を例として説明する。
まず、血管の狭窄部を治療する前に、薬剤投与カテーテル10を準備する。薬剤投与カテーテル10のバルーン30は、収縮している。術者は、患者の血管にシースを挿入し、ガイディングカテーテルを血管内に留置する。次に、ガイディングカテーテルにガイドワイヤを挿入し、狭窄部を通過させる。続いて、ガイドワイヤを薬剤投与カテーテル10のガイドワイヤルーメン24内に通し、ガイドワイヤに沿ってカテーテル本体20をシースから血管内へ挿入して、バルーン30を狭窄部へ到達させる。術者は、X透視下でマーカー70の位置を確認することで、バルーン30の筒部31を、病変部に対して的確に位置決めできる。
バルーン30が狭窄部に位置した状態で、ハブ開口部41より、インデフレータ、シリンジ、またはポンプ等を用いて、第1空間56の内部圧力を把握しつつ薬液を注入する。注入された薬液は、拡張ルーメン23を通って、第1バルーン部50の内部の第1空間56に流入する。これにより、第1空間56の内部圧力が上昇し、図3に示すように、収縮しているバルーン30が拡張して、狭窄部を押し広げることができる。この際、第1バルーン部50と第2バルーン部60は、第1筒部51と第2筒部61が接触した状態で拡張する。二重構造となったバルーン30の筒部31は、同一外径の一重構造のバルーンよりも高圧をかけることが可能となる。そのため、狭窄部を高い圧力でしっかりと拡張させることができる。なお、この際の第1空間56の内部圧力は、第1バルーン部50の弱接合部57の接合強度よりも低い。弱接合部57の接合強度が12atmである場合、第1空間56の内部圧力は、12atm未満である。
次に、第1空間56の内部圧力を12atmに上昇させる。これにより、第1空間56の内部圧力が、弱接合部57の接合強度よりも高くなる。その結果、図4に示すように、弱接合部57が内管22から剥離し、弱接合部57の内周面と内管22の外周面の間の開通部59が開通する。この際、弱接合部57が設けられる第1先端接合部54の先端が、第2先端接合部64の基端から離れているため、弱接合部57の内管22からの剥離が、第2先端接合部64に妨げられない。このため、第1空間56の内部圧力を上昇させることで、弱接合部57を内管22から効果的に剥離できる。なお、弱接合部57が内管22から剥離する際には、第1先端接合部54に位置する強接合部58は剥離しない。弱接合部57は、第1先端接合部54の対角の2箇所のみに限定して設けられる。このため、第1バルーン部50の先端部は、少なくとも強接合部58において内管22との接合が維持され、内管22から脱落しない。また、弱接合部57の位置を設計することにより、第1バルーン部50が剥離する箇所を制御することができる。
開通部59が開通すると、薬液が、第1バルーン部50の内部の第1空間56から、第1バルーン部50と第2バルーン部60の間の第2空間66に流入する。第2バルーン部60の接合部(第2先端接合部64および第2基端接合部65)の接合強度、並びに第2バルーン部60の接合部以外の耐圧強度は、12atmよりも高いため、第2バルーン部60は、剥離したり破裂したりしない。第1先端テーパ部52と第2先端テーパ部62は、接触せずに離れているため、開通部59を通った薬液は、第1先端テーパ部52と第2先端テーパ部62の間の隙間を介して、第2空間66に迅速に行き渡ることができる。さらに、第1先端テーパ部52が第2先端テーパ部62に接触しないため、第1空間56に内部圧力が付与されて第1先端テーパ部52に力が作用する際に、第1先端テーパ部52が第2先端テーパ部62に支持されて第2先端テーパ部62に力が逃げることを抑制できる。このため、第1空間56の内部圧力の上昇により、第1先端接合部54の弱接合部57に力が作用しやすくなり、弱接合部57を内管22から剥離することが容易となる。
第2空間66に流入した薬液は、第2バルーン部60に形成される細孔67を通り、第2バルーン部60の外周面から放出される。これにより、第2筒部61から放出された薬液は、第2筒部61の外周面に接触している血管壁に移行する。このとき、第1空間56の内部圧力および放出時間を調節することで、血管壁に移行させる薬剤の量を必要な量のみに調節できる。
次に、バルーン30内に残っている薬液をハブ開口部41から吸引して排出し、バルーン30を収縮させる。これにより、バルーン30内の余分な薬液が回収されるため、過剰な薬剤放出を抑制できる。
第1先端接合部54において、弱接合部57は内管22から剥離しているが、強接合部58は剥離していない。これにより、第1バルーン部50の先端部が内管22から脱落せず、第1バルーン部50と第2バルーン部60が重なった状態が維持されている。このため、バルーン30は、第1バルーン部50と第2バルーン部60が重なった状態で嵩張らずに小さく収縮できる。この後、シースを介してガイドワイヤおよびカテーテル本体20を血管から抜去する。このとき、カテーテル本体20は、バルーン30が小さく収縮しているため、抜去が容易である。また、第1バルーン部50の外側に位置する第2バルーン部60は、破損しないため、仮に第1バルーン部50の剥離部位から破片等が生じても、血管内に放出されない。したがって、薬剤投与カテーテル10は、安全性が高い。
以上のように、第1実施形態に係る薬剤投与カテーテル10は、流体を流通可能な拡張ルーメン23を備える長尺のカテーテル本体20と、カテーテル本体20の先端側に配置され、流体によって拡張可能なバルーン30と、を有し、バルーン30は、カテーテル本体20の先端側の外周に配置され、カテーテル本体20との間に拡張ルーメン23と連通する第1空間56を形成可能な第1バルーン部50と、第1バルーン部50の径方向外側を覆うように配置され、第1バルーン部50との間に第2空間66を形成可能な第2バルーン部60と、を有し、第1バルーン部50は、拡張時の流体による内部圧力の上昇によって、第1空間56と第2空間66とが開通する開通部59を有し、第2バルーン部60は、流体を第2バルーン部60の外部へ放出可能な細孔67が形成される。
上記のように構成した薬剤投与カテーテル10は、第1バルーン部50の外側に第2バルーン部60が設けられる二重構造のバルーン30を有し、第1バルーン部50の内部の第1空間56と、第1バルーン部50と第2バルーン部60の間の第2空間66とが流体の圧力上昇によって連通する。第1空間56から第2空間66に流入した流体は、第2バルーン部60に設けられた細孔67を通じて外部に放出され、第2バルーン部60の外表面に接触する病変部へと移行する。これにより、薬剤投与カテーテル10は、病変部に到達するまで、流体(薬剤を含む薬液)を全く漏出させずに搬送できる。このため、薬剤を効率よく搬送できるとともに、薬剤が目的の位置以外で生体に作用することを抑制できる。また、薬剤投与カテーテル10は、開通部59が開通するまでは、第1バルーン部50と第2バルーン部60の両方によって病変部を高い圧力でしっかりと拡張させることができる。そして、薬剤投与カテーテル10は、開通部59が開通した後に、病変部に薬剤を効果的に投与できる。
また、バルーン30は、筒部31と、筒部31よりも先端側で先端方向へ向かって縮径する先端テーパ部32と、筒部31よりも基端側で基端方向へ向かって縮径する基端テーパ部33と、を有し、バルーン30の拡張時に、筒部31の少なくとも一部において、第1バルーン部50および第2バルーン部60が接触する。二重構造のバルーン30において、第1バルーン部50および第2バルーン部60が接触する二重構造は、接触しない二重構造よりも、同一のバルーン外径で高圧をかけることが可能である(Nоn-CompliantまたはLow-Compliant)。このため、薬剤投与カテーテル10は、バルーン30の拡張時に、第1バルーン部50および第2バルーン部60が接触する二重構造の筒部31によって、病変部をしっかりと拡張できる。
また、第1バルーン部50は、当該第1バルーン部50の先端側に位置してカテーテル本体20と接合される第1先端接合部54と、当該第1バルーン部50の基端側に位置してカテーテル本体20と接合される第1基端接合部55と、を有し、第2バルーン部60は、当該第2バルーン部60の先端側に位置してカテーテル本体20と接合される第2先端接合部64と、当該第2バルーン部60の基端側に位置してカテーテル本体20と接合される第2基端接合部65と、を有し、第1先端接合部54または第1基端接合部55は、第2先端接合部64よりも基端側かつ第2基端接合部65よりも先端側に位置し、かつ、第2先端接合部64および第2基端接合部65よりも低い接合強度の弱接合部57を少なくとも一部に有し、開通部59は、弱接合部57に形成される。これにより、弱接合部57がカテーテル本体20から剥離することにより開通部59が形成され、薬剤を含む流体が第1空間56から開通部59を通って第2空間66に流入できる。病変部に接触する筒部31は、開通部59が形成されないため、適切な強度を維持して病変部をしっかりと拡張できる。また、弱接合部57が、第2先端接合部64よりも基端側かつ第2基端接合部65よりも先端側に位置するため、開通部59が開通した後も、第2バルーン部60は破損せずに形状を維持できる。したがって、薬剤投与カテーテル10は、抜去時のバルーン30の収縮作業を容易に行うことができ、操作性や安全性が向上する。
また、第1バルーン部50は、第1筒部51と、第1筒部51および第1先端接合部54の間で先端方向へ向かって縮径する第1先端テーパ部52と、第1筒部51および第1基端接合部55の間で基端方向へ向かって縮径する第1基端テーパ部53と、を有し、弱接合部57と接続される第1先端テーパ部52(または第1基端テーパ部53)は、拡張時に第2バルーン部60と接触せずに離れている。これにより、薬剤投与カテーテル10は、拡張時に、第1先端テーパ部52または第1基端テーパ部53と第2バルーン部60の間に隙間を生じることができる。その結果、弱接合部57に形成される開通部59を通じて第1空間56から第2空間66へ流入した流体(薬液)を、第1先端テーパ部52(または第1基端テーパ部)と第2バルーン部60の間の隙間を介して、迅速に筒部31まで到達させることができる。
なお、図5に示す第1変形例のように、第1基端接合部55および第2基端接合部65は、重なって外管21に接合されてもよい。このような構成は、第1バルーン部50と第2バルーン部60を同時に外管21に融着することで形成できる。第1バルーン部50と第2バルーン部60を同時に外管21に融着することで、製造工程を短縮できる。
また、弱接合部57の構成は、特に限定されない。例えば、図6(A)に示す第2変形例のように、第1先端接合部54は、4つの弱接合部57と、4つの強接合部58を有してもよい。そして、弱接合部57および強接合部58は、内管22の外周面に、周方向に沿って45度毎に交互に配置されてもよい。また、図6(B)に示す第3変形例のように、第1先端接合部54は、1つの弱接合部57と、1つの強接合部58を有してもよい。そして、弱接合部57および強接合部58の各々は、内管22の外周面に、周方向に沿って180度の範囲で配置されてもよい。また、図6(C)に示す第4変形例のように、第1先端接合部54は、強接合部58を有さずに、1つの弱接合部57のみで形成されてもよい。弱接合部57の例としては、図2(B)の本実施形態が最も好ましく、図6(A)の第2変形例が次に好ましく、図6(B)の第3変形例がその次に好ましく、図6(C)の第4変形例がその次に好ましい。
また、弱接合部は、第1先端接合部54ではなく、第1基端接合部55に設けられてもよい。この場合、第1基端テーパ部53と第2基端テーパ部63は、薬液が通りやすいように、拡張時に接触せずに離れていることが好ましい。また、弱接合部は、第1先端接合部54および第1基端接合部55の両方に設けられてもよい。
<第2実施形態>
第2実施形態に係る薬剤投与カテーテル80は、図7に示すように、開通部82が第1先端接合部54または第1基端接合部55ではなく、第1筒部51に形成される点で、第1実施形態と異なる。
薬剤投与カテーテル80は、第1筒部51に、第1バルーン部50の他の領域よりも薄く耐圧強度が低い脆弱部81を有している。脆弱部81の厚さは、例えば、第1バルーン部50の他の領域の厚さよりも5~20μm薄く、より好ましくは、10~20μm薄い。脆弱部81は、第1空間56の内部圧力が上昇することで、第1バルーン部50の他の領域よりも先に破裂する。脆弱部81は、例えば、第1筒部51の軸方向における略中央に、第1筒部51の全周にわたって形成される。このため、第1空間56の内部圧力が上昇すると、脆弱部81の一部が所定の圧力で破裂し、開通部82が形成される。これにより、第1空間56内の薬液を、開通部82を介して第2空間66へ流入させることができる。なお、脆弱部81は、第1バルーン部50の他の領域よりも破裂しやすければ、第1バルーン部50の他の領域よりも薄くなくてもよい。例えば、脆弱部81は、第1バルーン部50の他の領域よりも破裂しやすい他の材料で形成されてもよい。
以上のように、開通部82は、筒部31に位置する第1バルーン部50の脆弱部81に形成され、当該開通部82の耐圧強度は、筒部31に位置する第1バルーン部50の脆弱部81と異なる部位の耐圧強度よりも小さい。これにより、病変部に接触する筒部31に開通部82が形成されるため、開通部82を通じて第1空間56から第2空間66へ流入した薬剤を含む流体を、病変部へ迅速かつ確実に投与できる。また、バルーン30は、第1バルーン部50および第2バルーン部60で形成される二重構造であるため、病変部への挿入時や所定圧到達前に、第1バルーン部50の脆弱部81が硬い病変部等に当たって不用意に破損することを抑制できる。
なお、脆弱部の位置や形状は、特に限定さない。例えば、脆弱部は、第1筒部51の全周にわたるリング状の形態で、第1筒部51に複数形成されてもよい。また、脆弱部は、第1筒部51に、バルーン30の軸方向へ延びる1本以上の線状の形態で形成されてもよい。また、脆弱部は、第1筒部51に、螺旋状に形成されてもよい。また、脆弱部は、第1筒部51ではなく、第1先端テーパ部52または第1基端テーパ部53に形成されてもよい。また、脆弱部は、上述した複数の形態を組み合わせて形成されてもよい。脆弱部は、バルーン30を成形する際に、薄くしたい部位の温度を、薄くしない部位の温度よりも高くして軟化させ、延伸することで形成できる。
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。例えば、薬剤投与カテーテル10は、バルーン30にステントが搭載されてもよい。また、薬剤投与カテーテルは、ガイドワイヤルーメンが薬剤投与カテーテルの先端から基端まで設けられるオーバーザワイヤ型(Over-the-wire type)であってもよい。また、カテーテル本体を構成する外管と内管は、一体的に形成されてもよい。
また、薬剤投与カテーテル10を挿入する生体管腔は、血管に限定されず、例えば、脈管、尿管、胆管、卵管、肝管等であってもよい。
また、細孔67は、第2バルーン部60の全体ではなく、部分的に設けられてもよい。例えば、細孔67は、第2筒部61にのみ設けられてもよい。この場合、薬液は、病変部へ接触しやすい第2筒部61のみから放出される。このため、薬剤投与カテーテル10は、薬剤を効率よく搬送できるとともに、薬剤が目的の位置以外の生体組織に作用することを抑制できる。
10、80 薬剤投与カテーテル
20 カテーテル本体
21 外管
22 内管
23 拡張ルーメン
30 バルーン
31 筒部
32 先端テーパ部
33 基端テーパ部
50 第1バルーン部
51 第1筒部
52 第1先端テーパ部
53 第1基端テーパ部
54 第1先端接合部
55 第1基端接合部
56 第1空間
57 弱接合部
58 強接合部
59、82 開通部
60 第2バルーン部
61 第2筒部
62 第2先端テーパ部
63 第2基端テーパ部
64 第2先端接合部
65 第2基端接合部
66 第2空間
67 細孔
81 脆弱部

Claims (4)

  1. 流体を流通可能な拡張ルーメンを備える長尺のカテーテル本体と、
    前記カテーテル本体の先端側に配置され、前記流体によって拡張可能なバルーンと、を有し、
    前記バルーンは、前記カテーテル本体の先端側の外周に配置され、前記カテーテル本体との間に前記拡張ルーメンと連通する第1空間を形成可能な第1バルーン部と、前記第1バルーン部の径方向外側を覆うように配置され、前記第1バルーン部との間に第2空間を形成可能な第2バルーン部と、を有し、
    前記第1バルーン部は、拡張時の前記流体による内部圧力の上昇によって、前記第1空間と前記第2空間とが開通する開通部を有し、
    前記開通部は、前記第1バルーン部と前記カテーテル本体との接合部に位置し、前記第1バルーン部の拡張時の前記流体による内部圧力の上昇によって、前記接合部の剥離により前記第1空間と前記第2空間とを連通させ、
    前記第2バルーン部は、当該第2バルーン部の内周面から外周面へ貫通して前記流体を前記第2バルーン部の外部へ放出可能な細孔が形成されることを特徴とする薬剤投与カテーテル。
  2. 前記バルーンは、筒部と、前記筒部よりも先端側で先端方向へ向かって縮径する先端テーパ部と、前記筒部よりも基端側で基端方向へ向かって縮径する基端テーパ部と、を有し、前記バルーンの拡張時に、前記筒部の少なくとも一部において、第1バルーン部および第2バルーン部が接触することを特徴とする請求項1に記載の薬剤投与カテーテル。
  3. 前記第1バルーン部は、当該第1バルーン部の先端側に位置して前記カテーテル本体と接合される第1先端接合部と、当該第1バルーン部の基端側に位置して前記カテーテル本体と接合される第1基端接合部と、を有し、
    前記第2バルーン部は、当該第2バルーン部の先端側に位置して前記カテーテル本体と接合される第2先端接合部と、当該第2バルーン部の基端側に位置して前記カテーテル本体と接合される第2基端接合部と、を有し、
    前記第1先端接合部または第1基端接合部は、前記第2先端接合部よりも基端側かつ第2基端接合部よりも先端側に位置し、かつ、前記第2先端接合部および第2基端接合部よりも低い接合強度の弱接合部を少なくとも一部に有し、
    前記開通部は、前記弱接合部に形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の薬剤投与カテーテル。
  4. 前記第1バルーン部は、第1筒部と、前記第1筒部および第1先端接合部の間で先端方向へ向かって縮径する第1先端テーパ部と、前記第1筒部および第1基端接合部の間で基端方向へ向かって縮径する第1基端テーパ部と、を有し、
    前記弱接合部と接続される前記第1先端テーパ部または第1基端テーパ部は、拡張時に前記第2バルーン部と接触せずに離れていることを特徴とする請求項3に記載の薬剤投与カテーテル。
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