JP7378645B2 - 巻線ノズル及び巻線機 - Google Patents

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Description

本開示は、コイルを製造するための巻線ノズル及び巻線機に関し、特に巻線を繰り出すノズルの形状に関する。
従来、電動機の固定子等に用いられるコイルは、固定子を構成する鉄心に巻線を巻き付けることで製造される。コイルの製造には、巻線機が使用される。巻線機は、巻線を供給するノズルと、ノズルを保持するノズル保持部とを有している。巻線機において、鉄心に巻線を巻き付ける際には、水平方向に移動するノズル保持部に取り付けられたノズルから巻線が繰り出されて、鉄心に巻線が巻き回されていく。巻線機は、鉄心を中心として鉄心の周囲をノズルの先端が周回するようにノズルを移動させて、鉄心に巻線を巻き付けてコイルを形成する。
ノズルは例えば円柱形状を有し、ノズル保持部に固定される固定側端面と、巻線が引き出される側の先端面とを有している。また、ノズルは、固定側端面から先端面にわたって巻線が通るように形成された巻線通し部を有している(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の1つの実施形態に係る巻線通し部は、ノズル本体の側面に溝形状に形成された巻線挿通溝である。電線挿通溝は、固定側端面から先端面までノズルの軸方向に沿って延びている。
巻線通し部が溝形状の場合、巻線機が固定子に対して巻線を行っている間は、巻線が常時引っ張られている状態であるため、巻線が巻線挿通溝から外れることはない。しかしながら、巻線機が一時停止して再起動したときに、巻線が巻線挿通孔から外れることがある。また、固定子の鉄心には、絶縁性を有するインシュレータが設けられている。インシュレータには、固定子のティース間を繋ぐ渡り配線が固定されたり、あるいは、端子等が配置される。巻線通し部が溝形状の場合、インシュレータに巻線を絡げる際、又は、ティース間に渡り配線を渡す際に、巻線が巻線挿通孔から外れることがある。巻線が巻線挿通孔から外れた場合、巻線動作を継続することはできないため、いったん、巻線機を停止させて、作業員が巻線を巻線挿通孔に挿入し直す必要があった。
そのため、特許文献1では、巻線通し部が、固定側端面から先端面まで貫通する貫通孔形状の巻線挿通孔から構成されている実施形態も提案している。いずれの実施形態においても、巻線は、ノズルの固定側端面から巻線通し部に挿入され、巻線通し部を通って、先端面から引き出される。
国際公開第2020/065853号
特許文献1に開示されているノズルは、上述したように、巻線が通るように形成された巻線通し部を有している。また、巻線通し部は、上述したように、溝形状、又は、貫通孔形状に形成されている。
巻線通し部が溝形状の場合、巻線機の再起動時、インシュレータへの巻線の絡げ動作時、あるいは、ティース間の渡り線形成時に、巻線がノズルから外れてしまうという課題があった。
一方、巻線通し部が貫通孔形状の場合、巻線がノズルから外れることはない。しかしながら、巻線通し部が貫通孔形状の場合、溝形状の場合と比較して、巻線を巻線挿通孔に挿入する際の巻線の曲げ角度が大きくなる。そのため、巻線が巻線挿通孔にスムーズに挿入されず、巻線に大きな引っ張り負荷がかかる。すなわち、巻線機での巻線動作時に、巻線が強く引っ張られ、巻線の伸び率が上昇してしまうという課題があった。巻線の伸び率が上昇した場合、巻線から構成されたコイルの電気抵抗が増加し、ひいては、電動機の負荷が増加してしまっていた。
また、特許文献1では、ノズルの先端面がR形状を有しており、引き出された巻線は当該R形状に沿って曲げられる。R形状が大きい場合、巻線に無理な力が加わらないため、巻線の伸び率が上昇しない。そのため、特許文献1では、巻線通し部が貫通孔形状の場合に、R形状を大きくする目的で、巻線挿通孔をノズルの中心軸からずれた位置に形成している。その結果、巻線挿通孔が設けられている側のノズルの内壁が薄肉となり、強度不足となり、強いテンションでの巻線には不向きであった。
本開示は、かかる課題を解決するためになされたものであり、巻線機での巻線動作中又は他の動作中に巻線がノズルから外れることを防止し、また、ノズルの強度を確保し、さらに、巻線の伸び率の低減を図ることが可能な、巻線ノズル及び巻線機を提供することを目的とする。
本開示に係る巻線ノズルは、鉄心に巻線を巻き付けてコイルを形成する巻線機で用いられ、柱状の外形形状を有し、先端面から前記巻線が引き出され、前記鉄心の周囲を移動して、前記巻線を前記鉄心に巻き付ける巻線ノズルであって、前記巻線機のノズル保持部に取り付けられる固定側端面である第1端面と、前記巻線が引き出される前記先端面である第2端面と、前記第1端面から前記第2端面にわたって巻線が通るように、前記第1端面から前記第2端面まで前記巻線ノズルの長手方向に延びた巻線通し部と、前記巻線通し部と連通して前記第2端面に溝状に形成された先端溝部とを備え、前記先端溝部は、前記第2端面において、前記巻線ノズルの外周を構成する第1側面から前記巻線ノズルの外周を構成し前記第1側面に対向する第2側面まで延設され、前記巻線通し部は、前記巻線ノズルの長手方向に延びる中心軸に対して前記第1端面側から前記第2端面側に向かうに従って前記第2側面側から前記第1側面側に延びるように傾斜して配置され、前記巻線通し部の前記中心軸に対して傾斜する方向は、前記先端溝部の延設方向と反対方向である。
本開示に係る巻線機は、少なくとも1つの上記の巻線ノズルと、前記巻線ノズルを保持するノズル保持部と、前記ノズル保持部を水平方向に移動させる駆動ユニットとを備えたものである。
本開示に係る巻線ノズル及び巻線機によれば、巻線機での巻線動作中又は他の動作中に巻線がノズルから外れることを防止し、また、ノズルの強度を確保し、さらに、巻線の伸び率の低減を図ることができる。
実施の形態1に係る巻線機100の全体構造を示す模式図である。 電動機等に使用される固定子10の構造の一例を示す平面図である。 図2に示した固定子10の側面図である。 固定子10が実装された状態の一例を示す図である。 実施の形態1に係る巻線機100により鉄心1にコイル2を形成する際の巻線ノズル50を示す斜視図である。 図5の平面図である。 実施の形態1に係る巻線機100により鉄心1に渡り線3Aを渡す際の巻線ノズル50の動きを示す平面図である。 実施の形態1に係る巻線機100の巻線ノズル50の斜視図である。 実施の形態1に係る巻線機100の巻線ノズル50の斜視図である。 実施の形態1に係る巻線機100の巻線ノズル50の先端面56を示す部分拡大斜視図である。 実施の形態1に係る巻線機100の巻線ノズル50の構成を示す(a)断面図及び(b)側面図である。 実施の形態1に係る巻線機100の巻線ノズル50に巻線3を通した状態を示す説明図である。 実施の形態1に係る巻線機100の巻線ノズル50に巻線3を通した状態を示す説明図である。 実施の形態1に係る巻線機100において鉄心1のティース1aに巻線3を巻き付けている状態の模式図である。 実施の形態1に係る巻線機100によりコイル2が形成された鉄心1の断面構造の説明図である。 実施の形態1に係る巻線機100の巻線ノズル50の比較例として、特許文献1に記載の巻線ノズル150の構成を示す説明図である。 図16の比較例の巻線ノズル150に通した状態の巻線3を模式的に示す説明図である。 図16の比較例の巻線ノズル150に通した状態の巻線3を模式的に示す説明図である。 曲率半径と曲線の緩急との関係を示す説明図である。
以下、本開示に係る巻線ノズル及び巻線機の実施の形態について図面を参照して説明する。本開示は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本開示の主旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、本開示は、以下の実施の形態およびその変形例に示す構成のうち、組み合わせ可能な構成のあらゆる組み合わせを含むものである。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。なお、各図面では、各構成部材の相対的な寸法関係または形状等が実際のものとは異なる場合がある。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る巻線機100の全体構造を示す模式図である。図2は、電動機等に使用される固定子10の構造の一例を示す平面図である。図3は、図2に示した固定子10の側面図である。図3は、固定子10を構成する1つの鉄心1の側面を示している。巻線機100は、例えば電動機20(図4参照)の固定子10を構成するコイル2を形成するための装置である。巻線機100は、固定子10を構成する鉄心1に巻線3を巻き付けることでコイル2を形成する。
図1に示すように、鉄心1は、ティース1aとスロット面1bとを有している。但し、図1においては、鉄心1は模式的に表してあり、鉄心1は図1に示す形状に限定されるものではない。図2に示されるように、固定子10は、複数個の鉄心1を円環状に並べて形成される。鉄心1の個数は、任意の個数でよく、電動機20の仕様及び用途等により適宜決定される。各鉄心1は、図3に示すように、U側インシュレータ4及びL側インシュレータ5を備えている。U側インシュレータ4及びL側インシュレータ5は、鉄心1に一体に成形されるか、又は、別途成形されたものを鉄心1に取り付けて構成される。U側インシュレータ4及びL側インシュレータ5は、絶縁部材から構成されており、絶縁性を有している。U側インシュレータ4及びL側インシュレータ5には、各コイル2間を繋ぐ渡り線3A(図7参照)が固定され、又は、端子(図示せず)等が配置される。
固定子10は、次のようにして形成される。まず、後述する図5に示すように、鉄心1を直線状に複数接続した状態で、巻線機100により、各鉄心1のスロット面1bに巻線3が巻き付けられて、コイル2が形成される。各鉄心1のスロット面1bにコイル2が形成された後に、直線状に接続した複数の鉄心1を円環状にし、複数接続された鉄心1のうち両端に位置する鉄心1同士を溶接等により接合することにより、図2に示す円環状の固定子10が形成される。
図4は、固定子10が実装された状態の一例を示す図である。固定子10は、例えば電動機20に内蔵される。電動機20は、固定子10と回転子11とから構成されている。固定子10は、上述したように、複数の鉄心1が円環状に並べられて形成されているため、各鉄心1の内周側には、筒状部が形成されている。回転子11は、固定子10の筒状部に配置される。回転子11は、円柱形状を有し、回転軸12に固定されている。回転子11は、回転軸12が回転されることにより、回転駆動される。図4は、電動機20が、空調機(図示せず)の室外ユニットなどに用いられる圧縮機200に搭載された例を示している。電動機20は、圧縮機200の筐体200a内に配置されている。筐体200aの下部には、圧縮機構200bが設けられている。圧縮機構200bは、圧縮機200の吸入口200cから吸入された冷媒を圧縮して、圧縮機200の吐出口200dから圧縮した冷媒を吐出する。圧縮機構200bは、電動機20により駆動される。電動機20は、固定子10に接続された配線からコイル2に電力が供給され、コイル2と鉄心1とにより発生する磁界により回転子11を回転駆動する。
図1に示すように、巻線機100は、巻線ノズル50が取り付けられたノズル保持部61と、ノズル保持部61を水平方向に移動させる駆動ユニット60と、巻線3を案内する1対の滑車62とを備えている。さらに、巻線機100は、巻線3の張力を調整するテンショナ部63と、巻線3が蓄えられている巻線ボビン64とを備えている。
ノズル保持部61は、駆動ユニット60により、矢印90で模式的に示されるように、図1のX方向及びZ方向に水平移動する。X方向は紙面の左右方向に対応した幅方向であり、Z方向は、X方向に直交する奥行き方向である。Y方向は、X方向及びZ方向に直交する垂直方向である。X方向及びZ方向は例えば水平方向であり、Y方向は例えば鉛直方向である。
巻線3は、巻線ボビン64から引き出され、テンショナ部63を通って、1対の滑車62により案内され、ノズル保持部61内を通される。ノズル保持部61を通った巻線3は、ノズル保持部61によって保持されている巻線ノズル50を通って、巻線ノズル50の先端部から引き出される。巻線3の先端は、鉄心1に固定されており、巻線3は、ティース1aのスロット面1bに巻き付けられる。また、巻線機100は、制御装置80を備え、制御装置80は、少なくとも、駆動ユニット60、テンショナ部63、及び、巻線ノズル50を自転させる機構を制御する。
ここで、制御装置80のハードウェア構成について説明する。制御装置80は処理回路から構成される。処理回路は、専用のハードウェア、または、プロセッサから構成される。専用のハードウェアは、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)などである。プロセッサは、メモリに記憶されるプログラムを実行する。制御装置80は、記憶部(図示せず)を有している。記憶部はメモリから構成される。メモリは、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)などの不揮発性または揮発性の半導体メモリ、もしくは、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスクなどのディスクである。
図5は、実施の形態1に係る巻線機100により鉄心1にコイル2を形成する際の巻線ノズル50を示す斜視図である。図6は、図5の平面図である。実施の形態1においては、図5及び図6に示すように、固定子10の各鉄心1が直線状に並ぶように固定子10を展開した状態で、巻線3が各鉄心1に巻き付けられてコイル2が形成される。巻線ノズル50は、図5に示すように、円柱形状を有し、内部に巻線3が通る巻線通し部51が設けられている。実施の形態1においては、巻線機100に、3つの巻線ノズル50が設けられている。巻線機100は、図6に示すように、3つの巻線ノズル50を同時に動かして、右から1番目から3番目までの3つの鉄心1のティース1aのスロット面1bに同時に巻線3を巻き付ける。巻線ノズル50は、図5に示すように、巻線3が通される方向、つまり巻線ノズル50の軸方向を、固定子10を展開した面に対して直交させるように配置される。巻線ノズル50は、図6に示される軌跡tに沿って移動する。つまり、巻線ノズル50は、ティース1aの周りを略矩形を描くように移動し、ティース1aに巻線3を巻き付ける。また、巻線ノズル50は、図6の自転方向rの向きに、巻線ノズル50の中心軸Aを軸として自転可能に設置されている。なお、図6に示された軌跡tは、一例であり、その他の形状を描くようにティース1aの周りを巻線ノズル50が移動してもよい。また、自転方向rは、図6では反時計回りの例が示されているが、逆向き(すなわち、時計回り)であっても良い。
図7は、実施の形態1に係る巻線機100により鉄心1に渡り線3Aを渡す際の巻線ノズル50の動きを示す平面図である。図5及び図6を用いて説明したように、実施の形態1では、巻線機100が、3つの鉄心1のティース1aに同時に巻線3を巻き付ける。すなわち、実施の形態1では、まず、図6に示すように、右から1番目から3番目までの3つの鉄心1のティース1aに同時に巻線3が巻き付けてコイル2を形成する。次に、図7に示すように、3つの巻線ノズル50の位置を移動させて、右から4番目から6番目までの3つの鉄心1のティース1aに同時に巻線3が巻き付けてコイル2を形成する。このように、巻線機100は、3つの鉄心1を1つのグループにして、図7の矢印D1の方向に、グループごとにコイル2を順に形成していく。このとき、1つのグループのコイル2が形成されて、次のグループのコイル2の形成に移行する際に、巻線3を切らずに、グループ間に渡り線3Aを渡して、次のグループのティース1aに巻線3を巻き付ける。このように、渡り線3Aとは、隣接する2つのグループのそれぞれに含まれるティース1a間に渡される巻線3のことである。図7の例では、右から1番目の鉄心1のティース1aから、右から4番目の鉄心1のティース1aに、渡り線3Aが渡されている。同様に、右から2番目の鉄心1のティース1aから、右から5番目の鉄心1のティース1aに、渡り線3Aが渡され、右から3番目の鉄心1のティース1aから、右から6番目の鉄心1のティース1aに、渡り線3Aが渡されている。
図8及び図9は、実施の形態1に係る巻線機100の巻線ノズル50の斜視図である。図10は、実施の形態1に係る巻線機100の巻線ノズル50の先端面56を示す部分拡大斜視図である。図10は、図8及び図9の下側から先端面56を見た状態を示している。図10では、説明のため、図8及び図9に示す先端開放部70を破線で示している。図11は、実施の形態1に係る巻線機100の巻線ノズル50の構成を示す(a)断面図及び(b)側面図である。図11(b)は、先端面56を示している。以下、図8~図11を用いて、巻線ノズル50の構成について説明する。
図8~図11に示すように、実施の形態1において、巻線ノズル50は、円柱形状を有している。巻線ノズル50には、図11(a)に示すように、巻線3を通すための巻線通し部51が設けられている。巻線通し部51は、貫通孔形状を有する貫通孔部71と、外部に対して開口して開放状態に形成された先端開放部70とから構成されている。
巻線ノズル50の一端は、図1に示した巻線機100のノズル保持部61に固定される固定側端面55(第1端面)である。巻線3は、固定側端面55に設けられた巻線挿入口55aから巻線通し部51内に挿入される。また、巻線ノズル50の他端は、先端面56(第2端面)である。巻線通し部51を通った巻線3は、先端面56の巻線供給部56aから引き出されてティース1aへの巻線動作に使用される。なお、巻線ノズル50の形状は、円柱形状だけに限定されるものではなく、固定側端面55から先端面56に亘って巻線3が通される構造であれば、その他の形状を取っても良い。すなわち、巻線ノズル50は、例えば、楕円形を底面とする楕円柱形状、又は、多角形を底面とする多角柱形状などであってもよい。
図1に示した巻線機100は、巻線ノズル50の固定側端面55をノズル保持部61で保持して固定する。また、巻線機100は、巻線ノズル50の固定側端面55から先端面56に亘って巻線通し部51内に巻線3を通し、巻線ノズル50の先端面56の巻線供給部56aから巻線3を引き出す。そして、巻線機100は、図6に示したように、巻線ノズル50を鉄心1のティース1aの周りで移動させることにより、先端面56の巻線供給部56aから引き出された巻線3をティース1aに巻き付ける。
巻線ノズル50には、図11(a)に示すように、円柱形状の長手方向に延びた巻線通し部51が設けられている。巻線通し部51は、固定側端面55から先端面56にわたって巻線3が通るように、固定側端面55から先端面56まで巻線ノズル50の長手方向(軸方向)に向かって延びている。巻線通し部51は、貫通孔形状を有する貫通孔部71と、開放状態に形成された先端開放部70とを有している。貫通孔部71は、固定側端面55に設けられた巻線挿入口55aから、巻線ノズル50の側面50aに形成された先端開放部70までを貫通する貫通孔で構成されている。
固定側端面55に設けられた巻線挿入口55aは、図8及び図11(a)に示すように、固定側端面55の中心部分に配置されている。すなわち、巻線挿入口55aは、図11(a)に示すように、巻線ノズル50の固定側端面55において、巻線ノズル50の中心軸A上に設けられている。なお、巻線挿入口55aは、必ずしも、巻線ノズル50の中心軸A上に配置されていなくてもよい。すなわち、巻線挿入口55aは、巻線ノズル50の中心軸Aから多少シフトされていてもよい。但し、その場合には、巻線通し部51の内壁面51aが薄肉とならない程度に、巻線挿入口55aを巻線ノズル50の中心軸Aからシフトさせる。
以下では、説明のため、巻線ノズル50本体の外周を構成する側面50aのうち、図11(a)における上側の側面部分を「側面50a-1」と呼び、下側の側面部分を「側面50a-2」と呼ぶこととする。
巻線通し部51の貫通孔部71は、図11(a)に示すように、巻線ノズル50の中心軸Aに対して傾斜して設けられている。さらに詳細に言えば、巻線通し部51の内壁面51aの長手方向は、巻線ノズル50の中心軸Aに対して、角度αだけ傾斜している。
巻線通し部51の貫通孔部71は、巻線挿入口55aから先端開放部70まで延設されている。貫通孔部71は、内壁面51aを有している。一方、先端開放部70は、図11(a)に示すように、巻線ノズル50の側面50a-2に形成されている。先端開放部70は、図8及び図9に示すように、矩形形状の開口部70aを有している。このように、巻線通し部51の先端面56側の端部は、先端開放部70になっている。先端開放部70は、巻線通し部51の内壁面51aが設けられておらず、外部に対して開放された状態となっている。
巻線ノズル50の先端面56には、図11(a)に示すように、巻線供給部56aが設けられている。巻線供給部56aは、溝状に形成された先端溝部52と、巻線供給口53とを有している。先端溝部52は、先端面56に形成された溝である。先端溝部52は、側面50a-2(第1側面)から側面50a-1(第2側面)に向かって、巻線ノズル50の径方向に沿って延設されている。従って、先端溝部52の延設方向は、図11(b)の矢印D2の方向である。すなわち、図11(b)の紙面において、下から上に向かう方向である。先端溝部52の延設方向は、巻線ノズル50の中心軸Aに対して直交している。また、先端溝部52の延設方向の両端は、巻線ノズル50本体の側面50a-1及び50a-2において開口している。先端溝部52の側面50a-1側の端部は、巻線3が引き出される巻線供給口53になっている。なお、上述したように、巻線通し部51は、巻線ノズル50の中心軸Aに対して傾斜している。巻線通し部51の傾斜する方向は、図11(a)の矢印D3の方向である。すなわち、図11(b)の紙面において、上から下に向かう方向である。すなわち、巻線通し部51は、側面50a-1(第2側面)から側面50a-2(第1側面)に向かう方向に傾斜している。このように、巻線通し部51は、先端溝部52の延設方向と反対方向に傾斜している。
巻線通し部51と先端溝部52とは、互いに連通している。つまり、巻線通し部51と先端溝部52とは接続されて1本の巻線3の通り道となるように形成されている。図11(a)に示すように、巻線通し部51の内壁面51aと先端溝部52の内壁面52aとが交わる部分である第1交差部57は、曲面から形成されており、内壁面51aと内壁面52aとを連続した面となるように接続している。実施の形態1において、第1交差部57は、図11(a)に示す断面において円弧形状になっているが、その他の曲線形状であっても良く、巻線3が接触したときに切断が生じないように滑らかな曲線で構成されることが望ましい。
また、図11(b)に示すように、先端溝部52の内壁面52aと巻線ノズル50の側面50a-1とが交わる部分である第2交差部58は、曲面から形成されており、内壁面52aと側面50a-1とが連続した面となるように接続している。つまり、内壁面52aと側面50a-1とが交わって出来る稜線は、全て曲面で形成されている。実施の形態1において、第2交差部58は、図11(b)において円弧形状になっているが、その他の曲線形状であっても良く、巻線3が接触したときに切断が生じないように滑らかな曲線で構成されることが望ましい。
なお、図11(a)において、長さsは、第1交差部57から先端溝部52の巻線供給口53までの長さである。この長さsの部分を、以下では、部分Sと呼ぶ。部分Sの長さsが長いほど、巻線3は第1交差部57に沿って緩やかに曲がることができる。逆に、部分Sの長さsが短いほど、巻線3は第1交差部57に沿って急カーブで曲がることになる。この原理については、図19を用いて後述する。そのため、実施の形態1では、長さsを巻線ノズル50の径に対して出来るだけ長くするために、巻線通し部51の貫通孔部71を傾斜させ、且つ、巻線通し部51の先端に先端開放部70を設けている。先端開放部70は、巻線ノズル50の側面50a-2で開口している。当該構成により、長さsは、巻線ノズル50の径に対して最大限長くなっている。
また、図11(a)に示されるように、巻線通し部51の内壁面51aと固定側端面55とが交わる第3交差部59は、曲面から形成されており、内壁面51aと固定側端面55とが連続した面となるように接続している。第3交差部59は、図11(a)の断面において円弧形状になっているが、その他の曲線形状であっても良く、巻線3が接触したときに切断が生じないように滑らかな曲線で構成されることが望ましい。
図12及び図13は、実施の形態1に係る巻線機100の巻線ノズル50に巻線3を通した状態を示す説明図である。図14は、実施の形態1に係る巻線機100において鉄心1のティース1aに巻線3を巻き付けている状態の模式図である。図12に示されるように、巻線ノズル50は、固定側端面55から先端面56わたって巻線3が通るように形成された巻線通し部51と、先端面56に溝状に形成された先端溝部52と、を備えている。巻線3は、巻線機100の各部を通して巻線ノズル50の固定側端面55から、巻線通し部51に入り、巻線通し部51に沿って、先端面56に至る。
先端面56に至った巻線3は、図12に示すように、巻線ノズル50の巻線通し部51と先端溝部52との交わった部分である第1交差部57の曲面に沿って、巻線ノズル50の側面50a-1側に曲げられる。側面50a-1は、先端開放部70が形成されている側面50a-2に対して反対側の面である。すなわち、側面50a-1と側面50a-2とは対向して配置されている。第1交差部57において、巻線通し部51の内壁面51aと先端溝部52の内壁面52aとが成す角度は、角度βである。角度βは、90°より小さい鋭角である。従って、第1交差部57において、巻線3は角度βだけ曲げられる。
第1交差部57の曲面に沿って側面50a-1側に向かって角度βだけ曲げられた巻線3は、図13に示すように、先端溝部52に沿って進む。その後、先端溝部52と巻線ノズル50の側面50aとが交わった部分である第2交差部58の曲面に沿って、巻線ノズル50の長手方向及び先端溝部52の延設方向に対し交差する方向に引き出される。先端溝部52の内壁面52aと、第2交差部58の曲面の接線とが成す角度は、角度γである。角度γは、例えば90°より大きい鈍角である。従って、第2交差部58において、巻線3は角度γだけ曲げられる。なお、角度γの大きさは特に限定されない。すなわち、角度γは、90°でもよく、あるいは、90°未満でもよい。
実施の形態1では、巻線通し部51を、巻線ノズル50の中心軸Aに対して傾斜させて配置している。これにより、巻線通し部51を傾斜させない場合と比較して、第1交差部57のR曲面形状が大きくなり、R曲面の半径Rが大きくなる。実施の形態1は、第1交差部57の半径R又は曲率が、巻線ノズル50の直径に対して最大限大きくできる構造である。このように、第1交差部57のR曲面形状が大きくなると、巻線3に無理な力が加わらず、巻線3の引っ張り負荷が小さくなるので、巻線3の伸び率が上昇することを防止することができる。
さらに、実施の形態1では、巻線通し部51の先端面56側の端部に、巻線ノズル50本体の側面50a-2で開口している先端開放部70を設けている。先端開放部70は、内壁面51aを有しておらず、外部に対して開放状態である。そのため、先端開放部70を通る巻線3の動きは、内壁面51aによって抑制されない。その結果、先端開放部70を通る巻線3には、無理な力が一切加わることがなく、巻線3が強く引っ張られないため、巻線3の伸び率の上昇をさらに防止することができる。
図14に示されるように、巻線ノズル50は、ティース1aの周囲を周回し、巻線3をスロット面1bに巻き付ける。ここで、巻線3のうち、スロット面1bに巻き付けられている部分を巻き付け部3aと呼び、巻き付け部3aから先端溝部52までの間に位置する部分を巻線引き出し部3bと呼ぶ。このとき、先端溝部52の矢印D2で示される延設方向は、巻線3の巻線引き出し部3bに対し、角度θを成すように向けられている。そのため、巻線3は、先端溝部52から引き出される部分で第2交差部58に沿って曲げられる。
巻線3は、巻線ノズル50の先端溝部52の巻線供給口53で、第2交差部58の曲面に押し付けられながら引き出される。これにより、巻線3は、第2交差部58の曲面により、ティース1aのスロット面1bに対して反りが生じる。つまり、巻線引き出し部3bは、スロット面1bに向かって凸になるように反りが生じている。巻線ノズル50は、先端溝部52と巻線引き出し部3bとの間の角度θを一定に維持したまま、ティース1aの周りを周回することが望ましい。そのため、制御装置80は、角度θが一定の値になるように、巻線ノズル50の水平方向位置及び自転角度を制御する。これにより、巻線ノズル50は、水平方向位置が変動するとともに、自転角度を角度θが一定となるように制御装置80により制御される。そのため、巻線3は、ティース1aに巻き付けられている間に常にスロット面1bに対して反るように力を受けながら巻き付けられている。
図15は、実施の形態1に係る巻線機100によりコイル2が形成された鉄心1の断面構造の説明図である。図15において、矢印80は例えば図1のX方向を示し、矢印81は例えば図1のY方向を示す。図15に示された断面は、固定子10の鉄心1のうちの1つを、図2に示される図と平行な面で切断した場合の断面を示している。図14に示すように、巻線動作中の巻線3は、巻線ノズル50によって弓なりに反っており、その弓なりに反った頂点3cがスロット面1b側に向いている。一方、図15に示すように、巻線3は、スロット面1bに対して垂直方向に沿って延びているため、スロット面1bとコイル2の1層目との隙間wが低減され、さらに、2層目以降も隙間が低減されるため、コイル2が巻き締まる方向で巻かれる。このように、スロット面1bと巻線3との隙間w、及び、巻線3間の隙間が低減されると、その分だけ、スロット面1bに巻線3を多く巻けるので、巻線占積率が高くなり、電動機20の出力が大きくなるという利点がある。さらに、コイル2を形成する巻線3は、スロット面1bの方向に向かって凸になるように反りが生じているため、巻線3の剛性によりコイル2が巻き膨らむことを抑制することができる。
図16は、実施の形態1に係る巻線機100の巻線ノズル50の比較例として、特許文献1に記載の巻線ノズル150の構成を示す説明図である。図16(a)は、巻線ノズル150の固定側端面155を示す側面図であり、図16(c)は、巻線ノズル150の先端面156を示す側面図である。また、図16(b)は、巻線ノズル150の断面図である。図17及び図18は、図16の比較例の巻線ノズル150に通した状態の巻線3を模式的に示す説明図である。
図16~図18は、比較例の巻線ノズル150の巻線通し部151が貫通孔から構成されている場合を示している。巻線通し部151は、固定側端面155から先端面156まで延びた貫通孔である。巻線通し部151は、先端面156に形成された先端溝部152と連通している。巻線通し部151は、円柱形状の巻線ノズル150の中心軸Aと平行に配置されている。ただし、巻線通し部151は、図16(b)に示すように、中心軸A上には配置されておらず、中心軸Aからシフトされた位置に配置されている。その理由は、図17に示す長さsを長くすることで、その部分の曲率半径Rを大きくするためである。以下では、その部分を「部分S」と呼ぶ。曲率半径Rが大きくなると、部分Sの長さsが長くなり、部分Sを形成する曲線がなだらかになる。この原理について、図19を用いて以下に説明する。図19は、曲率半径と曲線の緩急との関係を示す説明図である。
一般に、曲線上の任意の点付近の曲線の微少部分は、その点での曲率半径を半径とする円で近似できることが知られている。図19(b)の点Vと点Wとを比較すると分かるように、点Vのように、曲率半径が大きいと、曲線の曲がり具合が緩く、点Wのように、曲率半径が小さいと、曲線の曲がり具合がきつくなる(点W参照)。
図19(a)において、或る曲線L上の点Pから曲線Lに沿って長さsだけ変位した点を点Qとする。長さsの部分Sを円弧とみなし、その円の中心を点Cとし、各PCQをΔaとすると、円の半径Rと長さsとの関係は、以下の式(1)で表される。ここで、πは円周率である。
s=2πR×(Δa/360°) (1)
π=180°であるので、式(1)を整理すると、以下の式(2)が得られる。
R=s/Δa (2)
すなわち、角度Δaが一定の場合、半径Rは、長さsに比例して大きくなる。この原理を図17に当てはめると、角度β1が一定の場合、長さsを長くすれば、部分Sの半径Rは大きくなり、部分Sの曲線の曲がり具合が緩くなる。巻線通し部151が中心軸A上に配置されている場合と比較して、図17の比較例のように巻線通し部151が中心軸Aからずれている場合の方が、長さsは当然長くなる。そのため、比較例においては、部分Sの曲線部分を緩やかにするために、巻線通し部151を中心軸Aからずらして配置している。
その結果、比較例の巻線通し部151の内壁部151aの厚さは、薄肉となっている。内壁部151aが薄肉の場合、強度不足となり、強いテンションでの巻線動作には不向きである。これに対して、実施の形態1では、図11(a)に示すように、巻線動作中に最も強い力が加わる部分の肉厚を厚くしている。すなわち、実施の形態1では、巻線挿入口55a付近及び巻線供給口53付近の内壁面51aの肉厚を厚くしている。そのため、十分な強度が確保でき、強いテンションでの巻線動作にも対応可能である。
また、図17に示すように、比較例では、巻線通し部151が内壁部151aを長手方向の全長に亘って有しているため、内壁部151aによって巻線3の動きが制限され、巻線3に引っ張り負荷がかかる。また、実施の形態1と比較すると、巻線3を角度β1だけ曲げる第1交差部157の曲率半径Rが小さいため、第1交差部157のR曲面形状が小さくなる。R曲面形状が小さくなると、巻線3に無理な力が加わり、巻線3が強く引っ張られることで、巻線3の伸び率が上昇する。巻線3の伸び率が上昇すると、巻線3の電気抵抗が増加し、ひいては、電動機20の電気抵抗が増加してしまう。これに対して、実施の形態1では、巻線通し部51を中心軸Aに対して傾斜させて配置している。これにより、図11に示す長さsが、図17の比較例の長さsよりもさらに長くなっている。そのため、実施の形態1では、巻線3を角度βだけ曲げる第1交差部57のR曲面形状の半径Rが大きくなり、第1交差部57のR曲面形状が緩くなる。さらに、図17と図12とを比較すると明らかなように、本願の実施の形態1の第1交差部57の角度βは、図17の比較例の第1交差部157の角度β1よりも小さい。ここで、角度β1は、略90°である。上記式(2)から、半径Rと角度Δaとが反比例関係にあることは明らかであるため、角度βが小さいほど、半径Rが大きくなることがわかる。このように、第1交差部57の角度を小さくすると、その分だけ、第1交差部57のR曲面形状が大きくなる。R曲面形状が大きくなると、巻線3に無理な力が加わらず、巻線3の伸び率が上昇することを防止することができる。
さらに、実施の形態1では、巻線ノズル50の先端面56側に、巻線ノズル50本体の側面50aで開口している先端開放部70を設けている。先端開放部70は、開口部70aにおいては内壁面51aを有しておらず、開放状態である。そのため、先端開放部70を通る巻線3には、無理な力が一切加わることがなく、巻線3が強く引っ張られないため、巻線3の伸び率の上昇をさらに防止することができる。また、上述したように、部分Sの長さsが長いほど、第1交差部57のR曲面形状が緩くなる。実施の形態1では、巻線通し部51を傾斜させ、且つ、先端開放部70を設けたことで、巻線ノズル50の直径に対して、長さsを最大限長くしている。そのため、実施の形態1では、巻線3に最も引っ張り負荷がかからない構造を実現させている。
また、図17に示すように、比較例では、巻線挿入口155aが中心軸Aからずれて偏心して配置されている。そのため、巻線挿入口155aから巻線通し部151に巻線3を挿入する際に、図17に示すように、巻線3を曲げて変形させた状態で挿入する必要がある。これにより、巻線3に無理な力が加わり、巻線3の伸び率が上昇する。これに対して、実施の形態1では、図12に示すように、巻線挿入口55aが中心軸A上に配置されている。そのため、巻線挿入口55aから巻線通し部51に巻線3を挿入する際に、図12に示すように、巻線3を変形させる必要がないため、巻線3に無理な力が加わらず、巻線3の伸び率の上昇を防止することができる。また、実施の形態1では、巻線通し部51を傾斜して配置しているため、巻線3がスムーズに通り、巻線動作時の巻線引っ張り負荷が小さい。
以上のように、実施の形態1では、巻線通し部51を、巻線ノズル50の中心軸Aに対して傾斜させて配置している。これにより、巻線通し部51を傾斜させない場合と比較して、第1交差部57のR曲面形状が大きくなり、R曲面の半径Rが大きくなる。実施の形態1は、第1交差部57の半径R又は曲率が、巻線ノズル50の直径に対して最大限大きくできる構造である。このように、第1交差部57のR曲面形状が大きくなると、巻線3に無理な力が加わらず、巻線3の引っ張り負荷が小さくなるので、巻線3の伸び率が上昇することを防止することができる。
さらに、実施の形態1では、巻線通し部51の先端面56側の端部に、巻線ノズル50本体の側面50a-2で開口している先端開放部70を設けている。先端開放部70は、内壁面51aを有しておらず、外部に対して開放状態である。そのため、先端開放部70を通る巻線3の動きは、内壁面51aによって抑制されない。その結果、先端開放部70を通る巻線3には、無理な力が一切加わることがなく、巻線3が強く引っ張られないため、巻線3の伸び率の上昇をさらに防止することができる。
また、実施の形態1では、巻線通し部51が、貫通孔から形成された貫通孔部71を有している。貫通孔部71は、内壁面51aを有している。そのため、巻線3は、貫通孔部71においては、内壁面51aによって周囲が覆われているため、巻線ノズル50から離脱することはない。これにより、巻線機100の巻線3の巻線動作中、渡り線3Aの配線動作中、及び、U側インシュレータ4及びL側インシュレータ5への巻線3の絡げ動作中に、巻線3が巻線ノズル50から外れることを防止することができる。
実施の形態1では、巻線通し部51を、巻線ノズル50の中心軸Aに対して傾斜させて配置している。また、巻線挿入口55aを、固定側端面55の中央部分に配置している。また、巻線通し部51の傾斜方向を、先端溝部52の延設方向と反対方向にしている。これにより、巻線3が挿入される巻線挿入口55a付近、及び、巻線3が引き出される巻線供給口53付近では、巻線ノズル50の内壁面51aが肉厚になっている。これにより、巻線ノズル50の強度が確保される。
1 鉄心、1a ティース、1b スロット面、2 コイル、3 巻線、3A 渡り線、3a 巻き付け部、3b 巻線引き出し部、3c 頂点、4 U側インシュレータ、5 L側インシュレータ、10 固定子、11 回転子、12 回転軸、20 電動機、50 巻線ノズル、50a 側面、50a-1 側面、50a-2 側面、51 巻線通し部、51a 内壁面、52 先端溝部、52a 内壁面、53 巻線供給口、55 固定側端面、55a 巻線挿入口、56 先端面、56a 巻線供給部、57 第1交差部、58 第2交差部、59 第3交差部、60 駆動ユニット、61 ノズル保持部、62 滑車、63 テンショナ部、64 巻線ボビン、70 先端開放部、70a 開口部、71 貫通孔部、80 制御装置、90 矢印、100 巻線機、150 巻線ノズル、151 巻線通し部、151a 内壁部、155 固定側端面、155a 巻線挿入口、156 先端面、157 第1交差部、158 第2交差部、200 圧縮機、200a 筐体、200b 圧縮機構、200c 吸入口、200d 吐出口、A 中心軸、D1 矢印、D2 矢印、D3 矢印。

Claims (11)

  1. 鉄心に巻線を巻き付けてコイルを形成する巻線機で用いられ、柱状の外形形状を有し、先端面から前記巻線が引き出され、前記鉄心の周囲を移動して、前記巻線を前記鉄心に巻き付ける巻線ノズルであって、
    前記巻線機のノズル保持部に取り付けられる固定側端面である第1端面と、
    前記巻線が引き出される前記先端面である第2端面と、
    前記第1端面から前記第2端面にわたって巻線が通るように、前記第1端面から前記第2端面まで前記巻線ノズルの長手方向に延びた巻線通し部と、
    前記巻線通し部と連通して前記第2端面に溝状に形成された先端溝部と
    を備え、
    前記先端溝部は、前記第2端面において、前記巻線ノズルの外周を構成する第1側面から前記巻線ノズルの外周を構成し前記第1側面に対向する第2側面まで延設され、
    前記巻線通し部は、前記巻線ノズルの長手方向に延びる中心軸に対して前記第1端面側から前記第2端面側に向かうに従って前記第2側面側から前記第1側面側に延びるように傾斜して配置され、
    前記巻線通し部の前記中心軸に対して傾斜する方向は、前記先端溝部の延設方向と反対方向である、
    巻線ノズル。
  2. 前記巻線通し部は、前記巻線通し部の前記第2端面側の端部に設けられ、前記先端溝部と連通する先端開放部を有し、
    前記先端開放部は、前記巻線ノズルの前記第1側面で開口されている、
    請求項1に記載の巻線ノズル。
  3. 前記巻線通し部は、前記第1端面から前記先端開放部までを貫通する貫通孔で形成された貫通孔部を有している、
    請求項2に記載の巻線ノズル。
  4. 前記巻線通し部の前記第1端面側の端部には、前記巻線を挿入する巻線挿入口が設けられ、
    前記巻線挿入口は、前記巻線ノズルの前記第1端面において前記中心軸上に配置されている、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の巻線ノズル。
  5. 前記巻線通し部の内壁面と前記先端溝部の内壁面とが交わる第1交差部は、
    曲面による連続した面で接続されている、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の巻線ノズル。
  6. 前記第1端面から前記第2端面までの間に配置されている前記巻線ノズルの前記第1側面と前記先端溝部の内壁面とが交わる第2交差部は、
    曲面による連続した面で接続されている、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の巻線ノズル。
  7. 前記第1端面と前記巻線通し部の内壁面とが交わる第3交差部は、
    曲面による連続した面で接続されている、
    請求項1~6のいずれか1項に記載の巻線ノズル。
  8. 少なくとも1つの請求項1~7のいずれか1項に記載の巻線ノズルと、
    前記巻線ノズルを保持するノズル保持部と、
    前記ノズル保持部を水平方向に移動させる駆動ユニットと
    を備えた、巻線機。
  9. 前記巻線ノズルは、
    当該巻線ノズルの前記中心軸を軸にして自転可能に前記ノズル保持部に保持される、
    請求項8に記載の巻線機。
  10. 前記巻線ノズルの水平方向位置及び前記巻線ノズルの前記中心軸を軸とする自転角度を制御する制御装置をさらに備え、
    制御装置は、
    前記巻線のうち前記巻線ノズルの前記先端溝部から前記鉄心のティースに巻き付けられた巻き付け部までの間の部分を巻線引き出し部としたときに、
    前記巻線引き出し部と前記先端溝部の延設方向とが成す角度が一定の値となるように、前記水平方向位置及び前記自転角度を制御する、
    請求項9に記載の巻線機。
  11. 少なくとも1つの前記巻線ノズルは、
    複数の巻線ノズルから構成され、
    前記複数の巻線ノズルは、
    同時に動くように構成されている、
    請求項8~10のいずれか1項に記載の巻線機。
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