JP7377785B2 - 制動装置及びこれを備えた魚釣用リール、釣竿 - Google Patents

制動装置及びこれを備えた魚釣用リール、釣竿 Download PDF

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本発明は、制動力を調整可能な魚釣用リール及びこれに用いる可能な制動装置に関する。
従来、両軸受リールを用いてルアーや釣糸、錘、釣針等の投擲対象物を遠方まで投擲する際、投擲時のバックラッシュ(糸がらみ)防止のためにスプールを制動する制動装置が設けられることが多い。このような制動装置では、制動力が最適化された際に最も遠方まで投擲することができるが、制動力が大きすぎると飛距離の減少を招き、他方で、制動力が小さすぎるとバックラッシュを招いてしまう。制動力の最適化は、投擲するルアー等の重量や空気抵抗、釣り糸の種類、竿の特性といった使用する釣具の種類によって変わり得る。また、ユーザの投擲方法、風等の気象条件によっても変わり得る。ユーザは使用時に試行錯誤しながら制動力を調整する必要がある。
このような魚釣用リールとして、例えば、特許文献1では、リール本体に回転自在に装着されたスプールを制動する両軸受リールのスプール制動装置であって、スプールを電気的に制御可能に制動するスプール制動部と、第1制動力を設定する第1制動力設定部と、参照張力を設定する張力設定部と、前記釣り糸に作用する張力を検出する張力検出部と、前記第1制動力を基準として制動力を増加させた第2制動力を設定する第2制動力設定部と、制動開始時は前記第1制動力で前記スプール制動部を制御し、その後前記張力検出部で検出された検出張力が前記参照張力以下になると前記第2制動力で前記スプール制動部を制御するスプール制御部と、を備えた両軸受リールのスプール制動装置について開示されている。
このような制動装置では、スプールへの制動力を第1の制動力にした後、スプールの回転加速度を検出することで張力を推定し、その推定張力が参照値以下になると、第1の制動力より大きな第2の制動力へと変更するようにし、これにより、例えば、軽い仕掛けを使用する場合や向かい風の場合には、強い制動力でスプールが制動され、釣りの条件がある程度変化しても、制動力の強弱の設定をし直す必要がなくなる。
特開2009-159847号公報
一般的に、ユーザは、ルアー等を投擲する際、周囲の障害物や気象条件、狙いとする投擲目標点までの距離等の様々な状況により、各種投擲方法を使い分ける。投擲方法が異なると、ルアー等の飛行する軌跡は変わるため、最適ブレーキ設定値も変化し得る。また、状況に応じて用いるルアー等には様々な種類があり、重量や空気抵抗に応じて最適ブレーキ設定値も変化し得る。
しかしながら、特許文献1に係る構成では、制動力をスプールの回転加速度変化に応じて変更しているため、投擲方法を変更した場合や、ルアー等の投擲物を変更した場合など、スプールの回転加速度変化では検出できない条件変化への対応が難しいという問題があった。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、スプールの回転加速度変化では検出できない条件変化に対応して制動力の変更を行うことが可能な制動装置、これを備えた魚釣用リール及び釣竿を提供することにある。本発明のこれら以外の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
本発明の一実施形態に係る制動装置は、リール本体に回転自在に装着されたスプールを制動する両軸受リールの制動装置であって、該スプールを制動するスプール制動部と、前記両軸受リールの加速度、角速度又は姿勢の少なくともいずれかを検知するモーションセンサと、投擲時の該モーションセンサの出力に応じて前記スプール制動部による制動力を変更可能なスプール制動力制御部と、を備えるよう構成される。
本発明の一実施形態に係る制動装置において、前記スプール制動力制御部は、前記モーションセンサの出力により投擲方法を判別し、該投擲方法の判別結果に応じて前記スプールへの制動力を変更するように構成される。
本発明の一実施形態に係る制動装置において、前記スプール制動力制御部は、前記モーションセンサの出力から魚釣用リールの動作を算出し、その動作の特徴点をパターンマッチングすることで投擲方法を判別するように構成される。
本発明の一実施形態に係る制動装置において、前記スプール制動力制御部は、前記モーションセンサにより投擲前の振込み速度を検出し、該速度に応じて前記スプールへの制動力を変更するように構成される。
本発明の一実施形態に係る魚釣用リールは、上記いずれかの制動装置を有するように構成される。また、本発明の一実施形態に係る釣竿は、魚釣用リールを備え、上記いずれかの制動装置を有するように構成される。
上記実施形態によれば、スプールの回転加速度変化では検出できない条件変化に対応して制動力の変更を行うことができる制動装置、これを備えた魚釣用リール及び釣竿を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る魚釣用リールの構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る魚釣用リール又は制動装置における制動部を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る制動装置を有する魚釣用リールの検出部を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る制動装置を有する魚釣用リールにおける基準軸を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る制動装置を有する魚釣用リールの投擲方法及び角度変化を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る制動装置を有する魚釣用リールの投擲方法及び角度変化を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る制動装置を有する魚釣用リールの投擲方法及び角度変化を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る制動装置における制動力の設定方法を説明する図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。複数の図面において共通する構素には当該複数の図面を通じて同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない点に留意されたい。
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール1の構成について説明する。
図示のように、魚釣用リール10は、スプール11に釣糸31を巻き取り、スプール11から釣糸31が放出可能な状態と不能な状態とを切り替え、釣糸31に設定値以上の張力をかけるとスプール11が空転し(ドラグ機能)、上記の閾値張力を設定し、キャスト時のバックラッシュを防止するための制動力を調整することができる。
スプール11は、釣糸31を巻回可能であり、操作部14によって正回転させると釣糸31を巻き取ることができる。クラッチ12は、操作部14との動力伝達の接続・解放を選択することができる。接続状態では操作部14による巻き取りが可能である。開放状態ではスプール11を正逆方向に自由に回転させることができ、釣糸31は放出可能となる。また、ドラグ装置13は、釣糸31に設定した張力以上の負荷がかかると、スプール11を空転させることができる。また、スプール11の回転に連動して、釣糸を案内するラインガイドを往復運動させることで、釣糸31をスプール11に均等に巻き取る公知のオシレータ装置を設けてもよい。
操作部14は、例えば、ハンドルとして構成され、ユーザの回転操作をギヤ等の伝達機構によってスプール11に伝え、該スプール11を正回転することができる。なお、操作部14は、レバー等の操作部材と、モータ等の動力源との組み合わせでもよい。また、制動部(スプール制動部)15は、スプールに制動力を働かせることができる。これにより、キャスティング時のバックラッシュ発生を抑制する。この制動力は、制動力制御部(スプール制動力制御部)16で設定できる。
次に、制動部(スプール制動部)15について図2を用いてより詳細に説明する。制動部(スプール制動部)15は、スプール11に一体的に取り付く非磁性導体からなる環状回転体状の渦電流発生板51と、その径方向に微小間隙を以て対向配置する環状で周方向に交互にN極とS極が着磁される固定磁石52と回転磁石53と、回転磁石53を回転させるモータ54と(図示しない)、回転磁石53の位置を検出する位置センサ56(図示しない)とにより構成される。
固定磁石52は、外周部が6等分されN極S極交互に着磁される。また、回転磁石53は、内周部が6等分されN極S極交互に着磁される。固定磁石52と回転磁石53によって作られた磁場は、その間に位置する渦電流発生板51を貫通する。したがって、スプール11の回転時には、渦電流発生板51に渦電流が発生し、回転速度に応じた制動力が働く。
当該モータ54およびギヤ列55によって回転磁石53を回転させることで、渦電流発生板51に働く磁場を変化させることができる。これにより、制動力を所定の量に設定することができる。すなわち、回転磁石53と固定磁石52を同極同士で対向させると、渦電流発生板51にかかる磁場は弱くなり、制動力は弱くなる。回転磁石53と固定磁石52を異極同士で対向させると、渦電流発生板51にかかる磁場は強くなり、制動力は強くなる。
磁石位置センサ56は、回転磁石53の位置を検出するセンサであり、磁気センサや電気抵抗式等の公知の位置センサで構成される。
制動力制御部(スプール制動力制御部)16は、磁石位置センサ56の値を見ながらモータ54に必要な電流を流すことで、モータ54をフィードバック制御する。これにより、スプール11に所定の制動力を与えることができる。このように、制動力制御部(スプール制動力制御部)設定部16によって、スプール11に与える制動力を経時的に変更することができる。
なお、渦電流発生板51は、スプール11の一部で構成するようにすることができる。また、渦電流発生板51は、公知のようにスプール11の回転スピードに応じて遠心力の作用によりスプール11に対して相対移動させることで磁場を変化させ、所定の制動力特性を持たせるようにしてもよい。
また、上述した制動部(スプール制動部)15は、上述のような渦電流を利用する方式に限らず、マイコンで制動力を経時的に調整可能なものであれば、同様の効果を実現できる。制動装置の他の方式には、スプールに取り付けた永久磁石とリール本体に設けたコイルとの間に回生ブレーキを発生させる方式や、スプールに取り付けた摩擦板への接触力を電磁アクチュエータ等で変化させる接触ブレーキを用いる方式等があり、特定の方式に限定されるものではない。
次に、図3は、リール10の電気的な構成を示す図である。魚釣用リール10は、ユーザによる各種操作や、リールの状態を検出する検出部(センサ)19を有する。検出結果は演算部17に送られ、必要に応じて演算処理や、記憶部18で一時保存された後、制動力制御部16に目標制動力を指示する。検出部19には、下記のものが挙げられる。コストや大きさなどの制限から、一部を省略してもよい。
クラッチ状態検出部191は、リール10から釣糸31が放出可能であるか否かを検出する。クラッチ12の接続状態を検出することで実現できる。クラッチの作動する部材の一部に、リミットセンサ等を取付ければよい。
次に、方位検出部192は、地磁気の方向を検出することで、リール10の向いている方角を検出することができる。加速度検出部193は、リール10の並進方向の加速度を検出する。ピエゾ抵抗方式や静電容量検出方式などの、従来公知の加速度センサを利用することにより実現できる。また、角速度検出部194は、リール10の角速度(回転方向の速度)を検出する。振動させた圧電素子の周波数変化を検知する方式など、従来公知のジャイロセンサを利用することにより実現できる。
なお、直交する3軸それぞれの方位、加速度、角速度を検出する9軸モーションセンサと呼ばれるセンサを利用することで、方位検出部192、加速度検出部193、角速度検出部194とすることができる。以後、これらをモーションセンサと呼ぶ。これらの検出結果を演算することで、リール10を取付けた釣竿の姿勢やユーザによる操作を取得できる。
例えば、加速度検出部193により、リール静止状態における重力加速度の各成分を測定することで、リールの仰角を算出できる。また、その状態から各軸の角速度センサの値をそれぞれ時間積分することにより、リールの仰角の時間変化を算出できる。
各々のセンサの出力値には、誤差を含む可能性があり、時間積分等によってその誤差が積算されることがある。したがって、モーションセンサの複数の出力値から、カルマンフィルタなどの公知の演算手法を使って、リールの位置や姿勢を確立的に推定するとよい。本実施形態では、例えば、モーションセンサの出力値から、必要に応じてリールの姿勢を算出することができる。
検出部19によって得られた値を、必要に応じて演算部17にて演算することで、リール10のその他の状態および操作情報も取得・算出できる。より具体的には、釣糸の巻き取り量、放出可能状態、制動力の設定値が得ることができる。また、これらの時間微分値である、巻き取り速度も算出可能である。
モーションセンサは、リール本体に内蔵する形態の他、リール10を取付ける竿に配置し、有線通信や無線通信を利用して演算部16に送る形態も考えられる。また、演算部16や記憶部18は、リール本体に内蔵する形態の他、竿に配置したり、携帯電話などの外部機器に配置したりしてもよい。
本発明の一実施形態に係る制動装置1は、リール本体に回転自在に装着されたスプール11を制動する両軸受リールの制動装置1であって、該スプール11を制動するスプール制動部15と、前記両軸受リールの加速度、角速度又は姿勢の少なくともいずれかを検知するモーションセンサ19と、投擲時の該モーションセンサ19の出力に応じて前記スプール制動部15による制動力を変更可能なスプール制動力制御部16と、を備えるよう構成される。
本発明の一実施形態に係る制動装置によれば、スプールの回転加速度変化では検出できない条件変化に対応して制動力の変更を行うことができる制動装置を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る制動装置1において、当該スプール制動力制御部16は、当該モーションセンサ19の出力により投擲方法を判別し、該投擲方法の判別結果に応じて当該スプール11への制動力を変更するように構成される。
このようにして、本発明の一実施形態に係る制動装置1によれば、ユーザは投擲方法を変えた場合においても、特別な操作をすることなく制動装置をその投擲方法に合わせた設定にすることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る制動装置1において、当該スプール制動力制御部16は、当該モーションセンサ19の出力から魚釣用リール10の動作を算出し、その動作の特徴点をパターンマッチングすることで投擲方法を判別するように構成される。
このようにして、本発明の一実施形態に係る制動装置1によれば、投擲方法の判別結果に応じて当該スプール11への制動力を変更することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る制動装置1において、当該スプール制動力制御部15は、当該モーションセンサ19により投擲前の振込み速度を検出し、該速度に応じて当該スプール11への制動力を変更するように構成される。
本発明の一実施形態に係る魚釣用リールは、上記いずれかの制動装置を有するように構成される。
本発明の一実施形態に係る魚釣用リールによれば、スプールの回転加速度変化では検出できない条件変化に対応して制動力の変更を行うことができる制動装置を有する魚釣用リールを提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る釣竿は、魚釣用リールを備え、上記いずれかの制動装置を有するように構成される。
本発明の一実施形態に係る釣竿によれば、スプールの回転加速度変化では検出できない条件変化に対応して制動力の変更を行うことができる制動装置を有する、魚釣用リールを備えた釣竿を提供することが可能となる。
次に、本魚釣用リール10を含む一般的な魚釣用リールを用いて、ルアー等の投擲物を投擲する方法について説明する。なお、以下では、図4に示すように釣竿の長手方向をX軸、ハンドル回転軸方向をY軸、X軸とY軸に直交する方向をZ軸と定義する。
本魚釣用リール10を用いてルアー等を投擲する際は、周囲の状況や投擲距離によって、いくつかの投擲方法が使い分けられる。下記にその代表的な例について説明する。
まず、図5(A)を参照して、オーバーヘッドキャストと呼ばれる投擲方法について説明する。本投擲方法は、投擲距離を長くしたい場合に用いられることが多い。このときのX軸と重力方向とのなす角の変化を図5(B)に示す。ここでは、ユーザから見て、真下が0°、投擲方向が90°、真上が180°、真後ろが270°となるように角度をとる。また、図示の例では、スプールの回転開始時間をt=0としている。このように、オーバーヘッドキャストのときの仰角変化は、一旦後方(約225°)に向けたのち、勢いよく頭上(180°)を越え、スプール回転開始と共に前方(約135°)へ向かう。
次に、図6(A)を参照して、サイドキャストと呼ばれる投擲方法について説明する。本投擲方法は、立ち木や草などの障害物が覆いかぶさっている下の水面を狙う場合や、強い向かい風の際等、投擲対象を低い弾道で投げる必要がある場合に用いられることが多い。このときのX軸と重力方向とのなす角の変化を図6(B)に示す。このように、サイドキャストでは、竿の方向は重力方向に対して終始90°付近を保っている。
さらに、図7(A)を参照して、ピッチングと呼ばれる投擲方法について説明する。本投擲方法は、サイドキャストよりもさらに短い距離を正確に狙いたい場合や着水音を小さくしたい場合等に用いられることが多い。このときのX軸と重力方向とのなす角の変化を図7(B)に示す。このように、ピッチングでは、やや下方向に向けた竿を前方に突き出しながら投擲を行う。
スプールの初速が同じでも、投擲方法を変更すると、ルアー等の射出点や射出角が変わり、弾道も変わるため、最適なブレーキ設定は異なるものとなり得る。例えば、一般的にオーバーヘッドキャストではサイドキャストよりも射出点が高くなるため、スプールの初速が同じでも、オーバーヘッドキャストのほうが飛行時間は長く、飛距離も長くなる傾向がある。したがって、オーバーヘッドキャスト時の方が長時間飛行に対応させたブレーキ設定にすることが有効となる。
次に、本発明の一実施形態に係る制動装置の制動力調整方法について説明する。
本発明の一実施形態に係る制動装置では、投擲直前からのモーションセンサの出力値から、投擲方法を推定し、その推定結果に応じて制動装置の特性を変更する。
上述したように、モーションセンサ19の出力値から魚釣用リール10の仰角等の姿勢を算出することができる。そして、スプール11の回転開始を検出したり、角速度の値が所定値以上になることを検出したりすることで、投擲開始を検出することができる。
本発明の一実施形態に係る制動装置では、投擲開始を検知したら、その前後の魚釣用リール10の姿勢情報から、投擲方法を推測する。例えば、上述した3つの投擲方法において、オーバーヘッドキャストの場合では、竿(X軸)と重力方向とのなす角が180°付近を前後する。したがって、釣竿と重力方向のなす角の最大値が所定値以上(例えば150°)以上の場合、オーバーヘッドキャストであると判定することができる。
次に、サイドキャストの場合、釣竿と重力方向のなす角に大きな変化はなく、終始75°と150°の間である。したがって、竿と重力のなす角が、この範囲内に収まっている場合、サイドキャストだと判定することができる。
また、ピッチングの場合、釣竿と重力方向のなす角が、45°程度から135°程度の範囲内で前後する。したがって、釣竿と重力方向のなす角の最小値が所定値以下(例えば70°)以下の場合、ピッチングだと判定することができる。
なお、上述の例以外にも、ユーザは各種の投擲方法を用いる可能性がある。それらを含めてより細かく分類する場合、あらかじめ投擲方法ごとに多数の教師データを準備しておき、ニューラルネットワークなどの機械学習の手法によってパターンマッチングしても良い。その場合も上記と同様、モーションセンサの各出力値から仰角等のリール姿勢情報を算出し、その最大値や微分値等の特徴点を用いて、公知のアルゴリズムによりパターンマッチングを行えばよい。上記の例では、説明の簡略化および計算量の縮小のためにX軸と重力方向のなす角のみを用いてパターンマッチングを行なったが、Y軸方向やZ軸方向の姿勢や角速度等、モーションセンサから算出できるその他の情報も用いると、より正確な判別を行うことができる。
投擲方法の判定後、制動装置をその投擲方法に合わせた設定にする。例えば、オーバーヘッドキャストと判定した場合、投擲直後の制動力を強に設定し、投擲から1500ms後に制動力を中に設定する。また、サイドキャストと判定した場合、投擲直後の制動力を強に設定し、投擲から1000ms後に制動力を中に設定する。さらに、ピッチングと判定した場合、投擲直後の制動力を中に設定し、投擲から500ms後に制動力を弱に設定する。
これにより、ユーザは投擲方法を変えた場合においても、特別な操作をすることなく制動装置をその投擲方法に合わせた設定にすることが可能となる。なお、各投擲方法に対する制動力設定値は、同条件での試投等によりあらかじめ最適値を見つけておくとよい。
また、本発明の別の実施形態では、角速度センサの出力や、加速度センサや方位センサの時間変化率から、釣竿を振る速さを測定し、その値に応じて、制動力を変えてもよい。例えば、投擲前の角速度の最大値が第1の所定値以上であれば、制動装置の設定を第1の制動力にする。また、第1の所定値御南かつ第2の所定値以上であれば、制動装置の設定を第2の制動力にする。さらに第2の所定値以下であれば、第3の制動力にする。
ユーザは、狙いとする投擲目標点までの距離が遠くなると、釣竿をより強く振る必要が生じ、その時の制動装置の最適設定値も変わってくる。また、狙いとする投擲目標点や投擲物の重量が同じでも、その空気抵抗が異なる場合、竿を振る速さの強弱を変える必要があり、それぞれにおける制動装置の最適設定値も異なってくる。
上記のように竿を振る速さに応じた制動力設定にすることで、ユーザが狙いとする投擲目標点までの距離や、投擲物を変えた場合であっても、特別な操作をすることなく制動装置の制動力をその投擲に合わせた設定にすることが可能となる。
上記2つの例を両方とも行ってもよい。すなわち、投擲方法及びその強さを検出し、それぞれに対して制動装置の設定を変更してもよい。
次に、図8を参照して、本発明の一実施形態に係る制動装置における制動力の設定方法について説明する。図示のように、投擲直前の角速度センサの最大値に応じて、釣竿を振る速さを3種類にランク分けすることで縦軸を決定し、投擲方法を推測することで横軸を決定し、その組み合わせのマトリクスに応じて制動装置の制動力の設定を決定することができる。
このようにすることで、ユーザは投擲方法およびその強さを変えた場合であっても、特別な操作をすることなく制動装置をその投擲方法に合わせた設定にすることができる。なお、各投擲方法に対する制動力設定値は、予め最適値を見つけておくとよい。
このように本発明によれば、スプールの回転加速度変化では検出できない条件変化に対して、モーションセンサの出力値を利用することで、ユーザが特別な操作をすることなく制動装置の制動力を最適設定にすることが可能となる。
本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれうる任意の寸法、材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
1 制動装置
10 魚釣用リール
11 スプール
12 クラッチ
14 操作部
15 制動部(スプール制動部)
16 制動力制御部(スプール制動力制御部)
17 演算部
18 記憶部
19 検出部(センサ)
21 第1のボタン
51 渦電流発生板
52 固定磁石
53 回転磁石
54 モータ
55 ギヤ列
56 磁石位置センサ

Claims (6)

  1. リール本体に回転自在に装着されたスプールを制動する両軸受リールの制動装置であって、
    該スプールを制動するスプール制動部と、
    前記両軸受リールの加速度、角速度又は姿勢の少なくともいずれかを検知するモーションセンサと、
    投擲時の該モーションセンサの出力に応じて前記スプール制動部による制動力を変更可能なスプール制動力制御部と、
    を備えることを特徴とする制動装置。
  2. 前記スプール制動力制御部は、前記モーションセンサの出力により投擲方法を判別し、該投擲方法の判別結果に応じて前記スプールへの制動力を変更する、請求項1に記載の制動装置。
  3. 前記スプール制動力制御部は、前記モーションセンサの出力から魚釣用リールの動作を算出し、その動作の特徴点をパターンマッチングすることで投擲方法を判別する、請求項1に記載の制動装置。
  4. 前記スプール制動力制御部は、前記モーションセンサにより投擲前の振込み速度を検出し、該速度に応じて前記スプールへの制動力を変更する、請求項1に記載の制動装置。
  5. 請求項1から4までのいずれか1項に記載の制動装置を有する魚釣用リール。
  6. 請求項1から4までのいずれか1項に記載の制動装置を有する、魚釣用リールを備えた釣竿。
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