JP7377778B2 - 炉心解析方法、プログラムおよび炉心解析装置 - Google Patents

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Description

本開示は、炉心解析方法、プログラムおよび炉心解析装置に関する。
従来、原子炉の特性を評価するための技術が知られている。例えば、特許文献1には、
炉心解析において、核種のミクロ断面積の不確かさに関するデータに基づいて、マクロ断面積の不確かさに関するマクロ共分散データを生成し、さらに、マクロ共分散データに基づいて炉心計算を行って、炉心特性の不確かさを出力値として生成する方法が開示されている。
また、特許文献2には、例えば使用済燃料ピットに含まれる燃料集合体の未臨界性評価方法が開示されている。この未臨界性評価方法では、燃料集合体の核データおよび製作公差パラメータを摂動させて組み合わせ、複数セットの入力パラメータを導出し、組み合わせた複数セットの入力パラメータに基づいて実効増倍率を複数導出し、導出された複数の実効増倍率を統計処理して、不確かさを含む実効増倍率を導出する方法が開示されている。
特開2019-152448号公報 特願2019-179019号公報
ところで、炉心解析において評価すべき項目の一つとして、熱流束熱水路係数がある。熱流束熱水路係数は、炉心における局所的な出力の最大値を示すパラメータである。ここで、原子炉内に配置された複数の燃料集合体には、軸方向に直交した方向において曲がりが生じることがあり得る。そのため、隣り合う燃料集合体同士の間隔が変化し、その結果として局所出力も変化する。したがって、燃料集合体の曲がりによる不確かさの影響を考慮して熱流束熱水路係数を算出する手法が求められる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、燃料集合体の曲がりによる不確かさを考慮した原子炉の熱流束熱水路係数を算出することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかる炉心解析方法は、炉心に含まれる複数の燃料集合体に関するデータである炉心パターンを、前記燃料集合体の曲がり量に関するデータである確率分布に基づいて摂動させた複数の曲がりパターンを作成するステップと、前記曲がりパターンについて、曲がり量を隣り合う前記燃料集合体同士のギャップに変換したギャップパターンを作成するステップと、前記ギャップパターンを入力パラメータとし、計算コードを用いて熱流束熱水路係数を算出するステップと、算出された複数の前記熱流束熱水路係数を統計処理するステップと、前記統計処理により得られた値に基づいて、前記曲がり量による不確かさを含む前記熱流束熱水路係数を炉心特性の解析結果として算出するステップとを含む。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかるプログラムは、炉心に含まれる複数の燃料集合体に関するデータである炉心パターンを、前記燃料集合体の曲がり量に関するデータである確率分布に基づいて摂動させた複数の曲がりパターンを作成するステップと、前記曲がりパターンについて、曲がり量を隣り合う前記燃料集合体同士のギャップに変換したギャップパターンを作成するステップと、前記ギャップパターンを入力パラメータとし、計算コードを用いて熱流束熱水路係数を算出するステップと、算出された複数の前記熱流束熱水路係数を統計処理するステップと、前記統計処理により得られた値に基づいて、前記曲がり量による不確かさを含む前記熱流束熱水路係数を炉心特性の解析結果として算出するステップとをコンピュータに実行させる。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかる炉心解析装置は、原子炉の炉心特性を解析する制御部を備え、前記制御部は、炉心に含まれる複数の燃料集合体に関するデータである炉心パターンを、前記燃料集合体の曲がり量に関するデータである確率分布に基づいて摂動させた複数の曲がりパターンを作成するステップと、前記曲がりパターンについて、曲がり量を隣り合う前記燃料集合体同士のギャップに変換したギャップパターンを作成するステップと、前記ギャップパターンを入力パラメータとし、計算コードを用いて熱流束熱水路係数を算出するステップと、算出された複数の前記熱流束熱水路係数を統計処理するステップと、前記統計処理により得られた値に基づいて、前記曲がり量による不確かさを含む前記熱流束熱水路係数を炉心特性の解析結果として算出するステップとを実行する。
本発明にかかる炉心解析方法、プログラムおよび炉心解析装置は、燃料集合体の曲がりによる不確かさを考慮した原子炉の熱流束熱水路係数を算出することができる、という効果を奏する。
図1は、実施形態にかかる炉心解析装置を模式的に示した概略構成図である。 図2は、解析対象となる炉心を模式的に示す説明図である。 図3は、解析対象となる燃料集合体を軸方向に直交する面で切ったときの断面図である。 図4は、複数の燃料集合体の一部を模式的に示す説明図である。 図5は、曲がり量の確率分布(存在割合)の一例を示す説明図である。 図6は、不確かさを含む熱流束熱水路係数を算出する処理の一例を示すフローチャートである。 図7は、幾何形状不確かさを含んだ係数を算出する処理の一例を示すフローチャートである。 図8は、幾何形状不確かさを含んだ係数を算出する処理の一例を模式的に示す概略図である。 図9は、曲がり量による不確かさの確率分布(存在割合)の一例を示す説明図である。
以下に、本発明にかかる炉心解析方法、プログラムおよび炉心解析装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、実施形態にかかる炉心解析装置を模式的に示した概略構成図である。炉心解析装置10は、原子炉の炉心特性を解析するための装置である。本実施形態において、炉心解析装置10は、炉心特性を示すパラメータの一つとして、熱流束熱水路係数Fを算出する。熱流束熱水路係数Fは、炉心における局所的な出力の最大値を示すパラメータである。以下の説明では、適宜、熱流束熱水路係数を単に「係数」と称する。
(炉心)
図2は、解析対象となる炉心を模式的に示す説明図である。図3は、解析対象となる燃料集合体を軸方向に直交する面で切ったときの断面図である。図2に示すように、原子炉には、炉心設計の対象となる炉心5が格納されている。この炉心5は、複数の燃料集合体6を含む。なお、燃料の交換は、燃料集合体6単位で行われる。
(燃料集合体および燃料棒)
各燃料集合体6は、燃料ペレット30と燃料ペレット30を覆う被覆管31とを有する複数の燃料棒29と、複数の燃料棒29の被覆管31を束ねる図示しないグリッドとを含む。燃料集合体6の内部は減速材(冷却材)33で満たされると共に、複数の制御棒34および炉内核計装35が挿入可能となるように構成されている。燃料棒29は、円柱形状となる複数の燃料ペレット30を軸方向に並べて配設し、その外側が被覆管31によって覆われている。
燃料集合体6は、断面方形状に形成され、例えば、17×17のセル40で構成されている。そして、17×17のセル40のうち、24個のセル40には、それぞれ制御棒34が挿入され、集合体中心のセル40には、炉内核計装35が挿入される。このとき、制御棒34が挿入されるセル40を制御棒案内管、炉内核計装35が挿入されるセル40を計装案内管という。また、その他のセル40には、燃料棒29がそれぞれ挿入される。なお、燃料集合体6が沸騰水型軽水炉(BWR)に用いられる場合、燃料集合体6は、その外側がチャンネルボックスに覆われる。一方で、燃料集合体6が加圧水型軽水炉(PWR)に用いられる場合、燃料集合体6は、その外側が開放されている。そして、BWRの場合にはチャンネルボックスの外側に、PWRの場合には燃料集合体6の外側に、集合体間ギャップ32が存在する。
(燃料集合体に生じる曲がりについて)
図4は、複数の燃料集合体の一部を模式的に示す説明図である。以下の説明では、適宜、燃料集合体6の軸方向を「Z方向」、軸方向と直交する一方向を「X方向」、X方向およびZ方向と直交する方向を「Y方向」と称する。図4に示すように、複数の燃料集合体6は、X方向およびY方向に沿って並んで配置されている。
燃料集合体6には、曲がりが生じることがある。このとき、燃料集合体6は、図4に例示するように、X方向またはY方向に向けて凹凸を描くように湾曲する。その結果、隣り合う燃料集合体6同士のギャップGが変化することがある。なお、本実施形態において、燃料集合体6の曲がり量は、燃料集合体6の下端6aの位置で、X方向またはY方向における軸心からのズレ量である。そのように燃料集合体6同士のギャップが変化すると、局所的に核分裂が促進され、局所的な出力が増加することがある。そのため、係数Fは、燃料集合体6に生じる曲がり(ギャップGの変化)の影響を受けることがある。以下、本実施形態にかかる炉心解析装置および炉心解析方法として、燃料集合体6に生じる曲がりを考慮した係数Fを算出するための構成、手法を説明する。
(炉心解析装置の構成)
図1の説明に戻る。炉心解析装置10は、入力部12と、表示部14と、制御部16と、記憶部18とを備える。なお、炉心解析装置10は、単体の装置で構成してもよいし、他の装置と一体に構成してもよいし、演算装置及びデータサーバ等の各種装置を組み合わせたシステムとして構成してもよく、特に限定されない。
入力部12は、例えばキーボード等の入力デバイスであり、炉心解析装置10のユーザーにより情報を入力する。表示部14は、例えばモニタ等の表示デバイスであり、炉心解析装置10による解析結果をユーザーに表示する。制御部16は、各種プログラムを実行して各種処理を実行する。
記憶部18は、各種プログラムおよびデータを記憶する。記憶部18には、例えば、炉心解析のためのプログラムの一つとして、係数Fを算出するための計算コードを含む解析プログラムPが記憶されている。また、記憶部18には、解析対象となる炉心5に関するデータD1が記憶されている。データD1は、ユーザーにより入力される。さらに、記憶部18には、任意の炉心に配置される複数の燃料集合体6に関するデータである炉心パターンのデータD2と、複数の燃料集合体6の曲がり量の確率分布(存在割合)のデータD3と、複数の燃料棒29の製造公差の確率分布(存在割合)のデータD4とが記憶されている。
本実施形態において、炉心パターンのデータD2は、複数の任意の炉心に配置される複数の燃料集合体6に関するデータを含む。データD2は、ユーザーによる手動で作成されるデータであってもよいし、学習機能を備えた演算装置により自動的に作成されてもよい。複数の燃料集合体6の曲がり量の確率分布のデータD3は、実機の原子炉で発生した燃料集合体6の曲がり量をユーザーが予め取得し、取得した実機の曲がり量に基づいてユーザーが作成するデータである。図5は、曲がり量の確率分布(存在割合)の一例を示す説明図である。また、複数の燃料棒29の製造公差の確率分布のデータD4は、実機の原子炉に使用される燃料棒29の製造公差(例えば燃料棒29の径や密度に関する製造公差)をユーザーが予め取得し、取得した実機の製造公差に基づいてユーザーが作成するデータである。
(炉心解析方法)
次に、実施形態にかかる炉心解析方法として、不確かさを含む係数Fを算出する処理について説明する。図6は、不確かさを含む熱流束熱水路係数を算出する処理の一例を示すフローチャートである。図6に示す処理は、ユーザーの指示に基づいて、制御部16により実行される。以下、図6の処理により最終的な解析結果として算出される係数Fの設計値を「係数FQD」と称する。
図6に示すように、制御部16は、解析対象となる炉心5のデータD1を取得し、データD1に基づいて、計算コードを用いて係数FQCの値を算出する(ステップS10)。ここでの係数FQCは、本実施形態で考慮する各種の不確かさを含まない値である。次に、制御部16は、計算コードの不確かさを含んだ係数ΔFQUを取得する(ステップS20)。係数ΔFQUは、予め所定の解析プログラムを用いて算出される値であり、本実施形態では、記憶部18に記憶されているものとする。なお、ステップS20において、係数ΔFQUを所定の解析プログラムを用いて算出するものとしてもよい。
次に、制御部16は、複数の燃料集合体6の曲がり量および複数の燃料棒29の製造公差による不確かさを含む係数ΔFQEBおよび曲がり量によるバイアスf(B)を取得する(ステップS30)。以下の説明では、適宜、複数の燃料集合体6の曲がり量および複数の燃料棒29の製造公差による不確かさを含んだ係数ΔFQEBを「幾何形状不確かさを含んだ係数ΔFQEB」と称する。係数ΔFQEBの算出手法については、後述する。また、バイアスf(B)は、燃料集合体6の曲がり量を考慮することで、曲がり量を考慮しない場合に比べて、係数Fが大きくなることを考慮して付与されるバイアスである。
制御部16は、ステップS10からステップS30で取得した係数FQC、ΔFQU、ΔFQEBおよびバイアスf(B)に基づいて、解析結果としての係数FQDを次式(1)にしたがって算出する(ステップS40)。式(1)中の右辺に含まれる“ΔFQU/FQC”は、計算コードの不確かさを示し、“ΔFQEB/FQC”は、幾何形状不確かさを示す。
Figure 0007377778000001

(幾何形状不確かさを含んだ係数ΔFQEBの算出)
次に、幾何形状不確かさを含んだ係数ΔFQEBを算出する処理について説明する。図7は、幾何形状不確かさを含んだ係数を算出する処理の一例を示すフローチャートである。図8は、幾何形状不確かさを含んだ係数を算出する処理の一例を模式的に示す概略図である。
図7に示すように、制御部16は、まず、記憶部18に記憶された炉心パターンのデータD2を取得する(ステップS51)。図8に示すように、データD2は、複数(本実施形態では、N個)の任意の炉心パターンPA(iは、1からNまでの整数)を含み、各炉心パターンPAは、複数の燃料集合体6に関するデータを含んでいる。なお、炉心パターンPAの個数Nは、ユーザーにより予め任意の数が設定される。次に、制御部16は、記憶部18に記憶された曲がり量の確率分布のデータD3および製造公差の確率分布のデータD4を取得する(ステップS52)。
制御部16は、ステップS51、S52で入力パラメータを取得すると、取得した曲がり量の確率分布のデータD3に基づいて、ランダムサンプリングにより、データD2に含まれる各炉心パターンPAを摂動させ、炉心パターンPAの一つずつについて、複数(本実施形態では、M個)の曲がりパターンPB(jは、1からMまでの整数)を作成する(ステップS53)。なお、曲がりパターンPBの個数Mは、ユーザーにより予め任意の数が設定される。また、曲がりパターンPBの作成に際して、燃料集合体6の曲がり量の上限値は、任意の値に設定することができる。各曲がりパターンPBは、炉心パターンPAに含まれる複数の燃料集合体6に、ランダムに曲がり量を付与したデータとなる。さらに、制御部16は、所定の処理プログラムを用いて、各曲がりパターンPBの曲がり量をギャップGに変換したギャップパターンPCを作成する(ステップS54)。ギャップパターンPCは、曲がりパターンPBと同様に、炉心パターンPAの一つずつについて、M個作成されることになる。したがって、全体としては、N×M個のギャップパターンPCが作成される。
次に、制御部16は、ステップS52で取得した製造公差の確率分布のデータD4に基づいて、ランダムサンプリングにより、データD2に含まれる各炉心パターンPAを摂動させ、炉心パターンPAの一つずつについて、複数(本実施形態では、M個)の公差パターンPD(jは、1からMまでの整数)を作成する(ステップS55)。公差パターンPDは、ギャップパターンPCと同じ数だけ作成される。各公差パターンPDは、炉心パターンPAに含まれる複数の燃料集合体6の複数の燃料棒29に、ランダムに製造公差を付与したデータとなる。
そして、制御部16は、炉心パターンPAの一つずつについて、ギャップパターンPCと公差パターンPDとを適宜組み合わせ、複数セットの入力パラメータとする。組み合わせ方としては、いずれの組み合わせ方でもよいが、例えば、M個のギャップパターンPCとM個の公差パターンPDとを無作為に(ランダムに)組み合わせて、M個の入力パラメータを生成してもよいし、M個のギャップパターンPCとM個の公差パターンPDとを1対1で関連付けて、M個の入力パラメータを生成してもよい。
制御部16は、炉心パターンPAの一つずつについて、ギャップパターンPCと公差パターンPDとを組み合わせたM個の入力パラメータを用いて、係数Fを算出するための計算コードを実行し、M個の係数ΔFQEBj(jは、1からMまでの整数)を算出する(ステップS56)。したがって、全体としては、N×M個の係数ΔFQEBjが算出されることになる。
制御部16は、算出したN×M個の係数ΔFQEBjを統計処理することで、幾何形状不確かさを含んだ係数ΔFQEBを算出する(ステップS57)。具体的には、制御部16は、算出したN×M個の係数ΔFQEBjを算術平均して平均値を算出する。続いて、制御部16は、算出したN×M個の係数ΔFQEBjに基づいて、標準偏差を算出する。そして、制御部16は、標準偏差に信頼係数を乗算し、信頼係数を乗算した標準偏差に基づいて、係数ΔFQEBを算出する。なお、信頼係数の算出については、ΔFQEBjが従う確率分布の特定が不要なブートストラップ法を適用することもできる。ブートストラップ法は、標本から母集団の性質を推定する手法であり、正規分布のみならず、任意の確率分布に適用することができる。
これにより、図6のステップS30で取得される幾何形状不確かさを含んだ係数ΔFQEBが算出される。以上の処理により算出される幾何形状不確かさを含んだ係数ΔFQEBは、複数の炉心パターンPA、曲がり量の確率分布、製造公差の確率分布に基づいて算出される。
(曲がり量による不確かさの評価)
次に、曲がり量による不確かさの評価について説明する。図9は、曲がり量による不確かさの確率分布(存在割合)の一例を示す説明図である。図9の横軸は、曲がり量による局所出力の変化量である。なお、図9に示す確率分布の算出に際して、サンプル数は、ユーザーが任意に設定することができる。また、図9に示す確率分布の算出に際して、曲がり量の上限値は、ユーザーが任意に設定することができる。
図9に示した例では、曲がり量による不確かさの確率分布は、正規分布とはならないことがわかる。そのため、図9に例示した曲がり量による不確かさの確率分布について統計処理を行う場合には、ブートストラップ法を用いることもできる。ここでは、ブートストラップ法を用いて信頼係数を定め、定めた信頼係数を標準偏差σに乗じて不確かさを算出する。
以上説明したように、実施形態にかかる炉心解析方法は、炉心5に含まれる複数の燃料集合体6に関するデータである炉心パターンPAを、燃料集合体6の曲がり量に関するデータである確率分布に基づいて摂動させた複数の曲がりパターンPBを作成するステップS53と、曲がりパターンPBについて、曲がり量を隣り合う燃料集合体6同士のギャップGに変換したギャップパターンPCを作成するステップS54と、ギャップパターンPCを入力パラメータとし、計算コードを用いて熱流束熱水路係数ΔFQEBjを算出するステップS56と、算出された複数の熱流束熱水路係数ΔFQEBjを統計処理するステップS57と、統計処理により得られた値(熱流束熱水路係数ΔFQEB)に基づいて、曲がり量による不確かさを含む熱流束熱水路係数FQDを炉心特性の解析結果として算出するステップS40とを含む。
この構成により、燃料集合体6に生じる曲がり量のデータに基づいて、炉心5に含まれる燃料集合体6にランダムに曲がりを生じさせ、曲がり量による不確かさを含む熱流束熱水路係数FQDを得ることができる。
また、炉心パターンPAを、複数の燃料棒29の製造公差に関するデータである確率分布に基づいて摂動させた複数の公差パターンPDを作成するステップS55をさらに含み、熱流束熱水路係数ΔFQEBjを算出するステップS56は、ギャップパターンPCおよび公差パターンPDを入力パラメータとし、計算コードを用いて熱流束熱水路係数ΔFQEBjを算出する。この構成により、燃料集合体6に生じる曲がりの影響に加え、燃料棒29の製造公差による不確かさを考慮した熱流束熱水路係数FQDを算出することができる。
また、実施形態にかかる炉心解析方法は、計算コードの不確かさを取得するステップS20をさらに含み、解析結果を算出するステップS40は、計算コードによる不確かさをさらに含む熱流束熱水路係数FQDを解析結果として算出する。この構成により、燃料集合体6に生じる曲がりの影響に加え、計算コードによる不確かさを考慮した熱流束熱水路係数FQDを算出することができる。
5 炉心
6 燃料集合体
6a 燃料集合体の下端
10 炉心解析装置
12 入力部
14 表示部
16 制御部
18 記憶部
29 燃料棒
G ギャップ
PA 炉心パターン
PB 曲がりパターン
PC ギャップパターン
PD 公差パターン

Claims (5)

  1. 炉心に含まれる複数の燃料集合体に関するデータである炉心パターンを、前記燃料集合体の曲がり量に関するデータである確率分布に基づいて摂動させた複数の曲がりパターンを作成するステップと、
    前記曲がりパターンについて、曲がり量を隣り合う前記燃料集合体同士のギャップに変換したギャップパターンを作成するステップと、
    前記ギャップパターンを入力パラメータとし、計算コードを用いて熱流束熱水路係数を算出するステップと、
    算出された複数の前記熱流束熱水路係数を統計処理するステップと、
    前記統計処理により得られた値に基づいて、前記曲がり量による不確かさを含む前記熱流束熱水路係数を炉心特性の解析結果として算出するステップと
    を含む炉心解析方法。
  2. 前記炉心パターンを、複数の燃料棒の製造公差に関するデータである確率分布に基づいて摂動させた複数の公差パターンを作成するステップをさらに含み、
    前記熱流束熱水路係数を算出するステップは、前記ギャップパターンおよび前記公差パターンを入力パラメータとし、前記計算コードを用いて前記熱流束熱水路係数を算出する請求項1に記載の炉心解析方法。
  3. 前記計算コードの不確かさを取得するステップをさらに含み、
    前記解析結果を算出するステップは、前記計算コードによる不確かさをさらに含む前記熱流束熱水路係数を前記解析結果として算出する請求項1または請求項2に記載の炉心解析方法。
  4. 炉心に含まれる複数の燃料集合体に関するデータである炉心パターンを、前記燃料集合体の曲がり量に関するデータである確率分布に基づいて摂動させた複数の曲がりパターンを作成するステップと、
    前記曲がりパターンについて、曲がり量を隣り合う前記燃料集合体同士のギャップに変換したギャップパターンを作成するステップと、
    前記ギャップパターンを入力パラメータとし、計算コードを用いて熱流束熱水路係数を算出するステップと、
    算出された複数の前記熱流束熱水路係数を統計処理するステップと、
    前記統計処理により得られた値に基づいて、前記曲がり量による不確かさを含む前記熱流束熱水路係数を炉心特性の解析結果として算出するステップと
    をコンピュータに実行させるプログラム。
  5. 原子炉の炉心特性を解析する制御部を備え、
    前記制御部は、
    炉心に含まれる複数の燃料集合体に関するデータである炉心パターンを、前記燃料集合体の曲がり量に関するデータである確率分布に基づいて摂動させた複数の曲がりパターンを作成するステップと、
    前記曲がりパターンについて、曲がり量を隣り合う前記燃料集合体同士のギャップに変換したギャップパターンを作成するステップと、
    前記ギャップパターンを入力パラメータとし、計算コードを用いて熱流束熱水路係数を算出するステップと、
    算出された複数の前記熱流束熱水路係数を統計処理するステップと、
    前記統計処理により得られた値に基づいて、前記曲がり量による不確かさを含む前記熱流束熱水路係数を炉心特性の解析結果として算出するステップと
    を実行する炉心解析装置。
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