JP7377265B2 - 温度検出装置およびそれを備えた電子制御装置 - Google Patents

温度検出装置およびそれを備えた電子制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、温度センサの構成とその制御に係り、特に、自動車の排ガス用温度センサに適用して有効な技術に関する。
自動車に搭載される排ガス用温度センサは、燃焼制御や排ガス浄化システム制御用のセンサとして、ニーズが高まっている。この排ガス用温度センサは、従来は警告を発するための温度検知が出来れば良かったが、更なる省燃費や排ガスのクリーン化の要求に伴い、広範囲な温度域(-40℃~900℃)に渡って精度よく連続的に温度計測することが求められている。
一般的に、排ガス用温度センサには、温度に応じて抵抗値が変化するサーミスタタイプの温度センサが用いられる。サーミスタタイプの温度センサは、温度上昇に応じて、抵抗値が100kΩ程度から0.1kΩ程度へ指数関数的に減少する特徴を有している。
この種の温度センサを用いた温度検出装置では、一端がグランドラインに接続された温度センサの他端と、電源電圧との間に、プルアップ用の抵抗を設けている。その抵抗と温度センサとの接続点に、温度センサの抵抗値に応じた電圧であって、検出対象の温度に応じた電圧であるセンサ電圧を発生させ、そのセンサ電圧の検出値から検出対象の温度を算出する。
本技術分野の背景技術として、例えば、特許文献1のような技術がある。特許文献1には「プルアップ用の抵抗として、2つの直列な抵抗を設けると共に、その2つの抵抗のうち、電源電圧側の抵抗の両端に、トランジスタの2つの出力端子を接続する」構成が記載されている。
特許文献1に記載の温度検出装置では、トランジスタのオンとオフを切り換えて、プルアップ用抵抗の抵抗値を変えることにより、温度に対するセンサ電圧の特性を、第1の特性と第2の特性とに切り換えている。この構成により、温度センサの故障を確実に検出でき、温度の検出精度を高めることができるとしている。
また、特許文献2には「トランジスタの2つの出力端子のうち、下流側の出力端子の電圧であるトランジスタ出力電圧を検出することで、トランジスタ出力電圧とセンサ電圧とに基づき温度を検出することで温度の検出精度を高める」構成が記載されている。
特許文献2に記載の温度検出装置では、トランジスタのオン時における出力端子間の電圧(トランジスタのオン時抵抗)の経時劣化や温度などの要因で変化することを想定し、温度の検出精度をさらに高めることができるとしている。
特開2009-250613号公報 特許第5776705号公報
しかしながら、上記特許文献1の温度検出装置では、温度センサが温度上昇により高温となった場合、トランジスタをオンとすることで、プルアップ抵抗値を低下させて温度測定を行うが、トランジスタをオンさせている場合(高温)において、初期ばらつきや経時劣化、温度などの要因で変化するトランジスタのオン抵抗の変化によって、温度の検出精度が悪化する可能性がある。
また、上記特許文献2の温度検出装置では、トランジスタの2つの出力端子のうち、下流側の出力端子の電圧であるトランジスタ出力電圧を検出することで、トランジスタのオン時における出力端子間の電圧(トランジスタのオン時抵抗)の変化を補正しているが、トランジスタ出力電圧を検出する手段の追加が必要となる。
このため、トランジスタ出力電圧の検出のためのマイクロコンピュータ(以下、マイコンとも称する)やマルチプレクサ(以下、MPXとも称する)に追加の検出用ポートが必要となり、コスト増加に繋がる。
そこで、本発明の目的は、簡易な構成で、広範囲な温度域に渡って高精度な温度計測が可能な温度検出装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、外部温度センサに接続される外部端子と、該外部端子の一端側に接続され、該外部温度センサと直列に接続される第1抵抗と、該第1抵抗の他端側に直列に接続される第2抵抗と、該第2抵抗の一端側にソースが接続され、他端側にドレインが接続されることで、該第2抵抗と並列に接続されるMOSトランジスタと、該第1抵抗と該外部温度センサとの間の電圧値であるセンサ電圧値から温度を測定する温度測定部と、前記センサ電圧値が入力され、当該センサ電圧値を前記温度測定部へ出力するマルチプレクサと、前記MOSトランジスタがONの時のセンサ電圧値と、OFFの時のセンサ電圧値の比から、前記MOSトランジスタのオン抵抗を推定する推定部を備え、前記温度測定部は、センサ電圧値と温度の対応関係を示す変換テーブルを有し、前記推定部で推定した前記MOSトランジスタのオン抵抗に基づき、前記変換テーブルを更新することを特徴とする。
また、本発明は、一端が外部温度センサに接続される第1抵抗と、前記第1抵抗の他端側に直列に接続される第2抵抗と、前記第1抵抗および前記第2抵抗のいずれか一方、または、両方の各々に並列に接続されるトランジスタと、前記第1抵抗と前記外部温度センサとの間の電圧値であるセンサ電圧値から温度を推定する温度推定部と、前記センサ電圧値が入力され、当該センサ電圧値を前記温度推定部へ出力するマルチプレクサと、を備え、前記温度推定部は、センサ電圧値と温度の対応関係を示す変換テーブルを有し、前記トランジスタがONの時のセンサ電圧値と、OFFの時のセンサ電圧値に基づき、温度を検出することを特徴とする。
本発明によれば、簡易な構成で、広範囲な温度域に渡って高精度な温度計測が可能な温度検出装置を実現することができる。
これにより、高効率な自動車エンジンの燃焼制御や排ガス浄化システムの制御が可能となり、省燃費や排ガスのクリーン化に寄与できる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
実施例1の温度検出装置を示す概略構成図である。 温度センサの温度とセンサ電圧VSの関係を示す図である。 図1の温度検出装置による温度検出方法を示すフローチャートである。 実施例2の温度検出装置による異常検出方法を示すフローチャートである。 図4の変形例を示す図である。 実施例3の温度検出装置を示す概略構成図である。 図6の変形例を示す図である。
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。なお、各図面において同一の構成については同一の符号を付し、重複する部分についてはその詳細な説明は省略する。
図1から図3を参照して、本発明の実施例1の温度検出装置とその制御方法について説明する。図1は、本実施例の温度検出装置1の概略構成を示す図である。
図1に示すように、本実施例の温度検出装置1は、基準電位としてのグランド電位(=0V)に一端が接続された温度センサ3の他端に、一端が接続された第1の抵抗5(以下、単に抵抗5とも称する)と、第1の抵抗5の他端と電源電圧Vccとの間に接続された第2の抵抗7(以下、単に抵抗7とも称する)の両端に2つの出力端子が接続されたトランジスタ9と、マイクロコンピュータ11(以下、マイコン11とも称する)と、マルチプレクサ(MPX)13とを、備えている。
なお、温度センサ3の一端の基準電位はグランド電位でなく電源電圧Vccでもよい。
また、第1の抵抗5と第2の抵抗7は、図1のように直列ではなく、並列で構成してもよい。さらに、第1の抵抗5または第2の抵抗7の一端に、トランジスタ9の2つの出力端子の内の一端が接続され、トランジスタ9の他端は、電源電圧Vccまたは第1の抵抗5の温度センサ3との接続点(P1)に接続する構成でもよい。
温度センサ3は、検出対象の温度に応じて抵抗値が変化するサーミスタであり、本実施例では、温度上昇に伴い抵抗値が減少する温度特性(即ち、負の温度特性)を有するサーミスタを想定して説明する。温度センサ3は、例えば、自動車に搭載されたエンジンの排気管に設けられ、そのエンジンの排気温度を検出対象の温度として検出する。
なお、温度センサ3としては、温度上昇に伴い抵抗値が増加する温度特性(即ち、正の温度特性)を有するものを用いることもできる。
電源電圧Vccは、一定の電圧であり、本実施例では5Vとして説明するが、5V以外の電圧でもよい。
トランジスタ9は、本実施例ではPNPトランジスタである。トランジスタ9のコレクタが、抵抗7の端部のうち、下流側の端部(抵抗5側の端部)に接続され、トランジスタ9のエミッタが、抵抗7の端部のうち、上流側の端部(電源電圧Vcc側の端部)に接続されている。
なお、トランジスタ9は、NPNトランジスタでも良いし、FET(Field-Effect Transistor)やMOSFET(Metal-Oxide Semiconductor Field-Effect Transistor)などのバイポーラトランジスタ以外の種類のトランジスタでも良い。
マルチプレクサ13には、第1の抵抗5と温度センサ3との接続点(P1)の電圧であるセンサ電圧VSが、抵抗15を介して入力される。抵抗15は、グランド電位に一端が接続されたコンデンサ18と共にノイズフィルタを成す。接続点(P1)とグランド電位との間にも、ノイズ除去用のコンデンサ17が接続されている。
また、マルチプレクサ13には、トランジスタ9の2つの出力端子(コレクタとエミッタ)のうち、下流側の出力端子であるコレクタの電圧(以下、トランジスタ出力電圧という)VTが、抵抗15を介して入力される。
マイコン11は、プログラムを実行するCPU21と、実行対象のプログラムや固定のデータ等が記憶されたROM22と、CPU21による演算結果等が記憶されるRAM23と、A/D変換器(ADC)24とを備えている。
マイコン11は、センサ電圧VSを、マルチプレクサ13を介して入力し、センサ電圧VSを、A/D変換器24によりA/D変換することで検出する。
温度センサ3は、トランジスタ9のオフ時には、直列接続された2つの抵抗5,7を介して電源電圧Vccにプルアップされ、トランジスタ9のオン時には、トランジスタ9および抵抗5を介して電源電圧Vccにプルアップされる。
このため、温度センサ3の抵抗値をR3とし、抵抗5の抵抗値をR5とし、抵抗7の抵抗値をR7とすると、トランジスタ9のオフ時において、トランジスタ9のオフ時のセンサ電圧をVS1とすると、センサ電圧VS1は、電源電圧VccをR3と「R5+R7」とで分圧した電圧になり、下記の式1で表される。
Figure 0007377265000001
そして、式1を変形すると、R3は下記の式2で表される。
Figure 0007377265000002
また、トランジスタ9のオン時において、トランジスタ9のオン時のセンサ電圧をVS2とし、トランジスタ9のオン時の抵抗をRonとすると、センサ電圧VS2は、下記の式3で表される。
Figure 0007377265000003
なお、本実施例において、抵抗7の抵抗値R7とトランジスタ9のオン時の抵抗Ronを比較すると、R7>>Ronとなることから、
Figure 0007377265000004
と簡略化できる。
このとき、トランジスタ9をオフからオンに変化させた直後は温度センサ3の抵抗値R3はほとんど変化しないことから、トランジスタ9をオフからオンに変化させた直後のR3は同一の値と見做し、VS1とVS2を比較すると、式1と式4から、
Figure 0007377265000005
となり、式5を変形すると、Ronは下記の式6で表される。
Figure 0007377265000006
式1と式4から、センサ電圧VSは、温度センサ3の抵抗値R3に応じて変化し、延いては、検出対象の温度に応じて変化するが、トランジスタ9のオフ時とオン時では、温度に対する変化特性が相違することとなる。そして、マイコン11は、トランジスタ9のベース電流を制御して、トランジスタ9のオンとオフとを切り替えることにより、センサ電圧VSの温度に対する特性を、第1の特性と第2の特性とに切り換える。
図2に、温度センサ3の温度とセンサ電圧VSの関係を示す。図2に示すように、高温時には、トランジスタ9をオンさせて、センサ電圧VSの温度に対する特性を第1の特性にし、低温時には、トランジスタ9をオフさせて、センサ電圧VSの温度に対する特性を第2の特性にする。このような特性の切換えにより、全ての温度領域において、センサ電圧VSが線形に近い特性になるようにして、温度の検出精度が良好となるようにしている。
また、式6から、トランジスタ9のオフからオン直後の各センサ電圧VS1およびVS2を比較することで、トランジスタ9のオン時抵抗Ronを算出できる。トランジスタ9のオン時抵抗Ronは初期の公差でばらつきをもっており、また、経時劣化や温度などの要因で変化する。高温において、温度センサ3の抵抗値R3はより小さくなるため、高温時においてトランジスタ9のオン時抵抗Ronのばらつきや変化がセンサ電圧VSに与える影響は顕著となる。
従って、温度の検出精度を全ての温度領域において良好にするためには、トランジスタ9のオン時抵抗Ronのばらつきや変化に応じて、センサ電圧VSを補正する必要がある。
そして、マイコン11は、少なくともセンサ電圧VSの検出値を用いて、センサ電圧VSと温度の対応関係を示すROM22内のセンサ電圧/温度変換マップにあてはめることで、検出対象の温度を算出する。つまり、式6から算出した、トランジスタ9のオン時抵抗Ronの絶対値または初期値(設計値)からのずれ量を基に、ROM22内のセンサ電圧/温度変換マップを更新することで、温度の検出精度を向上させることができる。
次に、マイコン11が行う処理について、図3を用いて説明する。図3は、図1の温度検出装置1による温度検出方法を示すフローチャートである。なお、マイコン11が行う処理は、CPU21がROM22内のプログラムを実行することで実現される。
温度検出装置1への電源投入に伴い動作を開始すると、マイコン11は、図3の温度検出処理を一定時間毎に繰り返し行う。例えば、自動車のイグニッションスイッチがオンされると温度検出装置1に電源が投入される。また、マイコン11は、起動すると、最初はトランジスタ9をオフさせる。つまり、トランジスタ9の初期駆動状態はオフである。なお、トラジスタ9の初期駆動状態はオンであっても良い。
図3に示すように、マイコン11は、温度検出処理を開始すると、先ずステップS110にて、トランジスタ9のオフ期間中であるか否か(即ち、現在トランジスタ9をオフさせているか否か)を判定する。
そして、トランジスタ9のオフ期間中であれば、ステップS120にて、センサ電圧VS1を検出する。具体的には、マルチプレクサ(MPX)13にセンサ電圧VS1を出力させ、そのセンサ電圧VS1をA/D変換器(ADC)24によりA/D変換する。このとき、検出したセンサ電圧VS1を式2に代入し、温度センサ3の抵抗値R3を算出する。
なお、式2において、R5,R7,Vccの各々は、既知の固定値を用いる。
次に、ステップS130において、トランジスタ9のオン期間中であるか否か(即ち、現在トランジスタ9をオンさせているか否か)を判定する。
そして、トランジスタ9のオン期間中であれば、ステップS140において、センサ電圧VS2を検出する。具体的には、マルチプレクサ(MPX)13にセンサ電圧VS2を出力させ、そのセンサ電圧VS2をA/D変換器(ADC)24によりA/D変換する。なお、トランジスタ9のオフからオンへの切換は短い時間内に行う。このとき、検出したセンサ電圧VS2とステップS120にて算出した温度センサ3の抵抗値R3を式6に代入し、トランジスタ9のオン時抵抗Ronの絶対値または初期値(設計値)からのずれ量を求める。なお、式6において、R5,R7の各々は、既知の固定値を用いる。
次に、ステップS150にて、ステップS140で算出した、トランジスタ9のオン時抵抗Ronの絶対値または初期値(設計値)からのずれ量を基に、ROM22内のセンサ電圧/温度変換マップ(変換テーブル)を更新する。
そして、ステップS160で、センサ電圧VSと温度の対応関係を示すROM22内のセンサ電圧/温度変換マップ(変換テーブル)にあてはめることで、検出対象の温度を算出する。
次に、ステップS170にて、ステップS160において算出した温度(検出温度)が所定の閾値Tha以上であるか否かを判定する。そして、マイコン11は、検出温度が閾値Tha未満の場合、ステップS180に移行し、そのまま温度検出処理を終了する。一方、検出温度が閾値Tha以上の場合、ステップS190にて、トランジスタ9をオフからオンさせ、その後、温度検出処理を終了する。
閾値Thaは、センサ電圧VSの温度に対する特性を、低温検出用の第2の特性から高温検出用の第1の特性へと切り替える閾値であり、本実施例では例えば260℃に設定されている。(図2参照)
なお、閾値Thaは、第二の閾値を設けることでヒステリシスにしてもよく、切換え閾値に近い温度の検出を行う場合に、特性切換のハンチングが生じることを防止することができる。
以上説明した本実施例の温度検出装置1を車載用の電子制御装置に搭載することで、高効率な自動車エンジンの燃焼制御や排ガス浄化システムの制御が可能となり、省燃費や排ガスのクリーン化に寄与することができる。
つまり、本実施例の温度検出装置1を備えた電子制御装置は、外部温度センサ(温度センサ3)に接続される外部端子と、当該外部端子の一端側に接続され、外部温度センサ(温度センサ3)と直列に接続される第1抵抗5と、第1抵抗5の他端側に直列に接続される第2抵抗7と、第2抵抗7の一端側にソースが接続され、他端側にドレインが接続されることで、第2抵抗7と並列に接続されるMOSトランジスタ(トランジスタ9)と、第1抵抗5と外部温度センサ(温度センサ3)との間の電圧値であるセンサ電圧値VSから温度を測定する温度測定部(マイコン11)を備えており、MOSトランジスタ(トランジスタ9)がONの時のセンサ電圧値と、OFFの時のセンサ電圧値の比から、MOSトランジスタ(トランジスタ9)のオン抵抗を推定する推定部(マイコン11)を備えるように構成される。
なお、外部温度センサ(温度センサ3)は、検出対象の温度に応じて抵抗値が変化するサーミスタであり、例えば、自動車に搭載されたエンジンの排気管に設けられ、そのエンジンの排気温度を、検出対象の温度として検出する。エンジンの排気管には、排気ガスを処理するためのフィルタが設けられている場合があり、精度よく連続的にエンジンの排気温度を検出できれば、フィルタ保護のための排気温度マージンを狭くすることが出来る。
フィルタ保護のため排気ガス温度を低く設定することでエンジンの排気ガス処理性能が悪化してしまうが、このフィルタ保護の温度マージンを狭くし、排気ガス温度を高く設定することができれば、フィルタ保護と排気ガス処理性能向上の両立が可能となる。
図4および図5を参照して、本発明の実施例2の温度検出装置とその制御方法について説明する。なお、温度検出装置の符号としては、実施例1と同じ“1”を用いる。また、実施例1と同様の構成要素や処理についても、実施例1と同じ符号を用いる。そして、このことは、後述する他の実施例についても同様である。
図4は、本実施例の温度検出装置1による異常検出方法(トランジスタ診断方法)を示すフローチャートである。図5は、トランジスタ9の異常判定を行うステップ(ステップS350)が図4のステップS250と異なる例であり、図4の変形例に相当する。
本実施例の温度検出装置1では、実施例1と比較すると、マイコン11が、図4に示すトランジスタ診断処理を例えば一定時間毎に繰り返し行う。なお、トランジスタ診断処理の実行周期は、温度検出処理の実行周期と比べて、短くても良いし、長くても良いし、同じでも良い。
本実施例では、図4に示すように、マイコン11は、トランジスタ診断処理を開始すると、先ずステップS210にて、トランジスタ9のオフ期間中であるか否か(即ち、現在トランジスタ9をオフさせているか否か)を判定する。
そして、トランジスタ9のオフ期間中であれば、ステップS220にて、センサ電圧VS1を検出(算出)する。
次に、ステップS230において、トランジスタ9のオン期間中であるか否か(即ち、現在トランジスタ9をオンさせているか否か)を判定する。
そして、トランジスタ9のオン期間中であれば、ステップS240において、センサ電圧VS2を検出(算出)する。なお、トランジスタ9のオフからオンへの切換は短い時間内に行う。
続いて、ステップS250において、センサ電圧VS1とVS2の比をとり、比の値が1または1付近であれば、ステップS260にてトランジスタ9が故障している(異常)と判定する。一方、ステップS250において、センサ電圧VS1とVS2の比の値が1または1付近以外であれば、ステップS270にて故障無し(正常)と判定する。
なお、図5に示すように、トランジスタ9の異常判定を行うステップS350にてセンサ電圧VS1とVS2の差分をとり、差分の値が0または0付近であれば、トランジスタ9が故障している(異常)と判定し、差分の値が0または0付近以外であれば、故障無し(正常)と判定する方法にしてもよい。
以上説明したように、本実施例の温度検出装置1によれば、トランジスタ9の異常を、簡易的な構成で検出することができる。トランジスタ9の正常/異常を確認することができるため、センサ電圧VS1およびVS2の正確性を確認することができる。
そして、トランジスタ9の異常を検出した場合には、例えば、温度の検出動作を停止する等のフェイルセーフ処置を実施することにより、誤った温度検出結果を得てしまうことを回避することができる。
図6および図7を参照して、本発明の実施例3の温度検出装置について説明する。図6は、本実施例の温度検出装置1の概略構成を示す図である。また、図7は、図6の変形例を示す図である。
実施例1(図1)の温度検出装置1では、第2の抵抗7に対しトランジスタ9が並列に接続された例を示したが、本実施例の温度検出装置1では、図6に示すように、第1の抵抗5に対しトランジスタ9が並列に接続されている点において、実施例1(図1)とは異なっている。
本実施例(図6)のように、第1の抵抗5の両端にトランジスタ9の2つの出力端子を接続する構成としても、実施例1と同様の効果を得ることができる。
さらに、図7に示すように、第1の抵抗5および第2の抵抗7の両方に対しトランジスタ9を並列に接続する構成としても良い。図7のように、第1の抵抗5および第2の抵抗7のそれぞれの両端にそれぞれトランジスタ9の2つの出力端子を接続する構成とすることで、温度-電圧特性のパターンを増やすことができる。即ち、ROM22内のセンサ電圧/温度変換マップ(変換テーブル)のバリエーションを増やすことができ、より広範囲な温度域に渡って高精度な温度計測が可能となる。
以上説明したように、本発明の温度検出装置1は、一端が外部温度センサ(温度センサ3)に接続される第1抵抗5と、第1抵抗5の他端側に直列に接続される第2抵抗7と、第1抵抗5および第2抵抗7のいずれか一方、または、両方の各々に並列に接続されるトランジスタ9と、第1抵抗5と外部温度センサ(温度センサ3)との間の電圧値であるセンサ電圧値VSから温度を推定する温度推定部(マイコン11)を備えており、トランジスタ9がONの時のセンサ電圧値VS2と、OFFの時のセンサ電圧値VS1に基づき、温度を検出(算出)する。
また、トランジスタ9がONの時のセンサ電圧値VS2と、OFFの時のセンサ電圧値VS1に基づき、トランジスタ9のオン抵抗Ronを推定する。
そして、推定したトランジスタ9のオン抵抗Ronに基づき、センサ電圧値VSを補正する。
これにより、簡易な構成で、広範囲な温度域に渡って高精度な温度計測が可能な温度検出装置を実現することができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば上記した実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
例えば、電源電圧Vccと第2の抵抗7との間に、別のプルアップ用抵抗が設けられていても良い。また、抵抗5,7の一方または両方が、複数の直列な抵抗から構成されていても良い。さらに、抵抗5,7の一方または両方がなくとも良く、トランジスタ9が電源電圧Vccと接続点P1の間に複数接続されていても良い。
温度センサ3においても、温度に応じて抵抗値が変化するものであれば、サーミスタ以外でも良く、検出対象の温度は、エンジンの排気温度以外でも良い。また、温度センサ3も、温度以外の、例えば圧力(気圧)や湿度といった外部環境の変化に応じて変化するものであっても良い。
さらに、トランジスタ9はトランジスタに限らず、FET(Field-Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)等の他種類のトランジスタでも良い。
1…温度検出装置、3…温度センサ、5…第1の抵抗、7…第2の抵抗、9…トランジスタ、11…マイコン(温度測定部,温度推定部)、13…マルチプレクサ(MPX)、15…抵抗、17,18…コンデンサ、19…トランジスタ9のオン/オフ切換信号、21…CPU、22…ROM、23…RAM、24…A/D変換器(ADC)、P1…接続点。

Claims (13)

  1. 外部温度センサに接続される外部端子と、
    該外部端子の一端側に接続され、該外部温度センサと直列に接続される第1抵抗と、
    該第1抵抗の他端側に直列に接続される第2抵抗と、
    該第2抵抗の一端側にソースが接続され、他端側にドレインが接続されることで、該第2抵抗と並列に接続されるMOSトランジスタと、
    該第1抵抗と該外部温度センサとの間の電圧値であるセンサ電圧値から温度を測定する温度測定部と、
    前記センサ電圧値が入力され、当該センサ電圧値を前記温度測定部へ出力するマルチプレクサと、
    前記MOSトランジスタがONの時のセンサ電圧値と、OFFの時のセンサ電圧値の比から、前記MOSトランジスタのオン抵抗を推定する推定部を備え
    前記温度測定部は、センサ電圧値と温度の対応関係を示す変換テーブルを有し、
    前記推定部で推定した前記MOSトランジスタのオン抵抗に基づき、前記変換テーブルを更新する電子制御装置。
  2. 請求項1に記載の電子制御装置において、
    前記MOSトランジスタがONの時のセンサ電圧値と、OFFの時のセンサ電圧値の比から、該MOSトランジスタの診断を行う電子制御装置。
  3. 請求項1に記載の電子制御装置において、
    前記外部温度センサは、自動車の排ガス温度を検出する排ガス用温度センサである電子制御装置。
  4. 一端が外部温度センサに接続される第1抵抗と、
    前記第1抵抗の他端側に直列に接続される第2抵抗と、
    前記第1抵抗および前記第2抵抗のいずれか一方、または、両方の各々に並列に接続されるトランジスタと、
    前記第1抵抗と前記外部温度センサとの間の電圧値であるセンサ電圧値から温度を推定する温度推定部と、
    前記センサ電圧値が入力され、当該センサ電圧値を前記温度推定部へ出力するマルチプレクサと、
    を備え、
    前記温度推定部は、センサ電圧値と温度の対応関係を示す変換テーブルを有し、
    前記トランジスタがONの時のセンサ電圧値と、OFFの時のセンサ電圧値に基づき、温度を検出する温度検出装置。
  5. 請求項4に記載の温度検出装置において、
    前記トランジスタがONの時のセンサ電圧値と、OFFの時のセンサ電圧値に基づき、前記トランジスタのオン抵抗を推定する温度検出装置。
  6. 請求項5に記載の温度検出装置において、
    前記推定したトランジスタのオン抵抗に基づき、前記センサ電圧値を補正する温度検出装置。
  7. 請求項5に記載の温度検出装置において、
    前記トランジスタがONの時のセンサ電圧値と、OFFの時のセンサ電圧値の比に基づき、前記トランジスタのオン抵抗を推定する温度検出装置。
  8. 請求項5に記載の温度検出装置において、
    前記トランジスタがONの時のセンサ電圧値と、OFFの時のセンサ電圧値の差分に基づき、前記トランジスタのオン抵抗を推定する温度検出装置。
  9. 請求項4に記載の温度検出装置において、
    前記検出した温度が所定の閾値以上である場合、前記トランジスタをONする温度検出装置。
  10. 請求項4に記載の温度検出装置において、
    前記トランジスタがONの時のセンサ電圧値と、OFFの時のセンサ電圧値に基づき、前記トランジスタの診断を行う温度検出装置。
  11. 請求項4に記載の温度検出装置において、
    前記トランジスタは、MOSトランジスタである温度検出装置。
  12. 請求項4に記載の温度検出装置において、
    前記トランジスタは、PNPトランジスタである温度検出装置。
  13. 請求項4に記載の温度検出装置において、
    前記外部温度センサは、自動車の排ガス温度を検出する排ガス用温度センサである温度検出装置。
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