JP7377157B2 - 配線構造 - Google Patents

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Description

本発明は、下地材で囲まれた角柱に沿って配索されるケーブルを室内空間から遮蔽する配線構造に関するものである。
従来から、独立柱の外周を化粧カバーで覆い、独立柱と化粧カバーとの間の隙間に配線を施した配線構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006-249777号公報
しかしながら、従来の配線構造では、化粧カバーによって独立柱の全周を覆っている。そのため、ケーブルが対向しない独立柱の側面と化粧カバーとの間にも隙間が生じ、独立柱が太くなってしまうという問題が生じる。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、角柱の太さが太くなることを抑制しつつ、この角柱に沿って配策されたケーブルを室内空間から遮蔽することができる配線構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、少なくとも三つの側面が室内空間に露出すると共に、柱芯及び前記柱芯の全周を取り囲む下地材を有する角柱の第1の側面に沿って配策されたケーブルと、前記ケーブルを前記室内空間から遮蔽する遮蔽部材と、を備える配線構造である。ここで、前記遮蔽部材は、前記第1の側面に取り付けられる枠部材と、前記枠部材の小口面に設けられた端部面材と、前記枠部材を覆う仕上材と、を有している。そして、前記枠部材には、前記ケーブルを挿通可能とする切欠部が形成されている。
よって、本発明の配線構造では、角柱の太さが太くなることを抑制しつつ、この角柱に沿って配策されたケーブルを室内空間から遮蔽することができる。
実施例1の配線構造を示す分解斜視図である。 建物ユニットの基本構造を示す説明図である。 実施例1の配線構造が適用される角柱を示す説明図である。 実施例1の配線構造を示す要部断面図である。 実施例1の配線構造の他の例を模式的に示す分解斜視図である。 図5に示す他の例の配線構造の要部断面図である。 実施例1の配線構造を他の例の角柱に適用したときの要部断面図である。
以下、本発明の配線構造を実施するための形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
(実施例1)
図1に示す実施例1の配線構造は、建物ユニット1(図2参照)を複数連結して形成されたユニット建物U(図3参照)の内部に設けられる角柱6に適用され、この角柱6に沿って配策されるケーブルKと、ケーブルKを室内空間から遮蔽する遮蔽部材10と、を備えている。
ここで、ユニット建物Uとは、工場で製作された複数の建物ユニット1を建築現場に搬送し、予め形成した基礎の上に横方向(水平方向)に並べて連結することで構築される建物である。なお、ユニット建物Uでは、横方向に並べられた複数の建物ユニット1の上に、さらに複数の建物ユニット1を積み上げて上層階を構築してもよい。
そして、建物ユニット1は、四隅に配置される四本の柱材2と、各柱材2の下端間に差し渡される梁材としての四本の床梁3と、各柱材2の上端間に架け渡される梁材としての四本の天井梁4と、を備えている。建物ユニット1は、これらの柱材2と床梁3及び天井梁4を組み合わせて形成されたボックス形の骨組みを有している。
各柱材2は、例えば角形鋼管によって形成され、各床梁3及び各天井梁4は断面視略コ字形の溝形鋼材によって形成される。また、柱材2と床梁3及び天井梁4は、接合枠材5を介して溶接接合される。要するに建物ユニット1は、すべての隅角部xが溶接接合されたラーメン構造体となっている。
そして、ユニット建物Uにおいて広い居室空間等を形成するには、例えば、図3に示すように、隅角部xを突き合わせて四つの建物ユニット1を連結する。このとき、四つの建物ユニット1のそれぞれの隅角部xに配置された柱材2が集合して柱群が構築される。実施例1では、配線構造が適用される角柱6の柱芯6aがこの柱群によって形成される。
実施例1の配線構造が適用される角柱6は、壁や筋違等が付いていない状態で起立し、四つの側面が全て室内空間に露出した独立柱である。この角柱6は、四本の柱材2が集合して形成された柱芯6aと、柱芯6aの全周を取り囲む下地材6bと、を有している。
下地材6bは、図4に示すように、断熱材7aと、保護材7bと、化粧材7cと、を有している。
断熱材7aは、例えばウレタンフォーム等の発泡樹脂であり、柱芯6aの各側面を覆って集合した柱材2の間の目地を塞いでいる。保護材7bは、木製角材及び合板を組み合わせて形成され、柱芯6aの四つの角部yをそれぞれ覆っている。化粧材7cは、例えば石膏ボードであり、断熱材7a及び保護材7bの外側を全周覆い、角柱6の表面を形成する。このように、柱芯6aの周囲は、断熱材7a及び保護材7bによって覆われた上、その外側が化粧材7cによって覆われた二層構造になっている。なお、化粧材7cは、遮蔽部材10が取り付けられる角柱6の第1の側面6cの両側では面取りされていないが、第1の側面6cの反対側に位置する反対側面6dの両側は面取りされている。
そして、実施例1の配線構造におけるケーブルKは、建物ユニット1内に取り付けられるスイッチやコンセント等の配線器具に電力を供給するための電線である。このケーブルKは、スイッチやコンセント等の取付位置に応じて、角柱6の室内空間に露出した四つの側面のうちの一つである第1の側面6cに沿って配策される。
一方、実施例1の配線構造における遮蔽部材10は、図1及び図4に示すように、枠部材11と、枠部材11の小口面11aに設けられた一対の端部面材12、12と、枠部材11を覆う仕上材13と、を備えている。
枠部材11は、第1の側面6cに取り付けられて、一対の端部面材12、12を支持する。この枠部材11は、第1の側面6cに固定されると共に、鉛直方向に延びる一対の支持部材14、14と、水平方向に延びて一対の支持部材14、14の間を連結する複数の連結部材15と、を有し、いわゆる梯子形状となっている。ここで、支持部材14及び連結部材15は、いずれも木製の角材によって形成されている。
一対の支持部材14、14は、それぞれ第1の側面6cの水平方向の両端部よりも端部面材12の厚み分だけ内側となる位置に配置され、複数の釘16によって第1の側面6cに固定される。各釘16は、支持部材14の任意の位置に打ち付けられる。また、各支持部材14では、水平方向の外側に向いた面が枠部材11の小口面11aとなり、水平方向の内側に向いた面、つまり他方の支持部材14に対向する面に連結部材15が固定される。
複数の連結部材15は、鉛直方向に所定の間隔をあけて並んでおり、各連結部材15は、長手方向の両端面がそれぞれ釘等を介して支持部材14に固定されている。また、各連結部材15の第1側面15aは、角柱6の第1の側面6cに接触し、第1側面15aの反対側に位置する第2側面15bが仕上材13に接触する。
そして、各連結部材15の第1側面15aには、切欠部17が形成されている。ここで、切欠部17の切欠深さW1は、ケーブルKの直径寸法Rよりも大きい値に設定され、連結部材15の厚みW2は、切欠深さW1よりも大きい値に設定される。なお、連結部材15の第1側面15aが角柱6の第1の側面6cに接触し、第2側面15bが仕上材13に接触することから、連結部材15の厚みW2は、枠部材11の厚みとなる。すなわち、枠部材11は、その内部にケーブルKの配索に必要な厚みを有している。
また、各連結部材15に形成された切欠部17は、連結部材15の長手方向の中央部に形成されており、切欠部17の内側空間は、鉛直方向に沿って並ぶこととなる。これにより、切欠部17は、角柱6の第1の側面6cと仕上材13との間にケーブルKを挿通可能とする。
端部面材12は、例えば石膏ボード等の角柱6の表面を形成する化粧材7cと同一素材によって形成された板材であり、鉛直方向に沿って延びている。この端部面材12は、枠部材11の小口面11aに設けられて、第1の側面6cに直交する角柱6の第2の側面6eに対して面一に配置される。さらに、端部面材12の仕上材13側の端部には、面取部12aが形成されている。
仕上材13は、例えば石膏ボード等の化粧材7c及び端部面材12と同一素材によって形成された板部材であり、枠部材11を覆う幅寸法を有すると共に、鉛直方向に長い帯形状を呈している。この仕上材13は、一対の端部面材12の間に配置され、接着剤やタッカー止め等を用いて支持部材14に固定される。
以下、実施例1の配線構造における作用を説明する。
実施例1の配線構造を施工するには、まず、ケーブルKを配策予定の角柱6の第1の側面6cに対し、釘16を介して枠部材11を固定する。次に、ケーブルKを第1の側面6cに沿って配策する。このとき、ケーブルKを切欠部17に挿通する。そして、ケーブルKを配策した後、仕上材13によって枠部材11を覆い、枠部材11を目隠しする。
このように、実施例1の配線構造は、角柱6の第1の側面6cに沿って配策されたケーブルKと、ケーブルKを室内空間から遮蔽する遮蔽部材10と、を備えており、この遮蔽部材10が、角柱6の第1の側面6cに取り付けられる枠部材11と、枠部材11の小口面11aに設けられた端部面材12と、枠部材11を覆う仕上材13と、を有している。そして、枠部材11には、角柱6の第1の側面6cと仕上材13との間にケーブルKを挿通可能とする切欠部17が形成されている。
これにより、ケーブルKを配策する際に、切欠部17にケーブルKを挿通させることで、枠部材11の内側にケーブルKを納め、枠部材11でケーブルKを覆うことができる。この結果、角柱6の太さが太くなることを抑制しつつ、この角柱6に沿って配策されたケーブルKを室内空間から遮蔽することができる。
しかも、この遮蔽部材10は、角柱6の第1の側面6cに固定されており、角柱6は、第1の側面6cが遮蔽部材10の厚み分室内空間に出っ張るだけである。そのため、第1の側面6cに直交する角柱6の第2の側面6eや反対側面6dが室内空間に出っ張ることがなく、角柱6は、ケーブルKの遮蔽に不要な部分が太くならず、角柱6の大型化を抑制できる。
そして、角柱6に沿って配策されたケーブルKを室内空間から遮蔽することができるため、角柱6にスイッチやコンセント等の配線器具を取り付けることも可能となる。また、遮蔽部材10において、予め一対の支持部材14、14と連結部材15とが組み立てられ、枠部材11が梯子形状に形成されている上、小口面11aには端部面材12が設けられている。これにより、遮蔽部材10をケーブルKの配索に配慮したプレ部品化することが可能となり、ユニット建物Uの施工現場における施工工数の低減を図ることができる。
さらに、遮蔽部材10が端部面材12を有していることから、角柱6の仕上がり品質を確保することができる上、端部面材12と仕上材13との間に容易に面取りを施すことが可能となる。なお、端部面材12を変更することで、端部面材12と仕上材13との間に面取りをしない遮蔽部材や、R面取りとする遮蔽部材等を容易に提供することができる。
また、実施例1では、枠部材11が、角柱6の第1の側面6cに固定されると共に、鉛直方向に延びる一対の支持部材14、14と、水平方向に延びて一対の支持部材14、14を連結する連結部材15と、を有している。そして、切欠部17は、連結部材15の第1の側面6cに接触する第1側面15aに形成されている。
これにより、枠部材11のサイズ(幅や厚み)を遮蔽部材10の取付位置に応じて容易に変更可能にすることができ、遮蔽部材10を角柱6の大きさに応じた適切なサイズに容易に設定することができる。
そして、実施例1では、一対の支持部材14、14が、それぞれ第1の側面6cの水平方向の両端部よりも端部面材12の厚み分だけ内側となる位置に配置され、枠部材11の小口面11a(各支持部材14の水平方向の外側に向いた面)に設けられた端部面材12が、第1の側面6cに直交する角柱6の第2の側面6eに対して面一に配置されている。
このため、角柱6と遮蔽部材10との間に違和感のある段差が生じることを防止し、外観上の品質向上を図ることができる。特に、実施例1では、第1の側面6cの両側が面取りされていない。このため、第2の側面6eと端部面材12の間に面取りによるへこみが生じず、段差のない連続した側面を形成することができる。
また、角柱6の下地材6bは、柱芯6aの角部yを覆う木製の保護材7bを有している。このため、角柱6に対して釘16を容易に打ち込むことが可能となり、この釘16を介して枠部材11を角柱6に固定することができる。このため、遮蔽部材10の施工性の向上を図ることができる。なお、実施例1では、枠部材11の支持部材14も木製であることから、さらに施工性を向上させることができる。
さらに、実施例1の下地材6bは、柱芯6aを覆う断熱材7aと、断熱材7aを覆う化粧材7cとを有し、二層構造になっている。これにより、化粧施工後の角柱6であっても、遮蔽部材10を後付けし、ケーブルKを違和感なく室内空間から遮蔽することができる。
また、実施例1の柱芯6aは、建物ユニット1の隅角部xを突き合わせて四つ連結し、各建物ユニット1の突き合わされた隅角部xに配置された柱材2が集合して構築された柱群によって形成されている。これにより、ユニット建物U内の独立柱が太くなることを抑制しつつ、この独立柱に沿って配策したケーブルKを室内空間から遮蔽することができる。
以上、本発明の配線構造を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1における角柱6は、壁や筋違等が付いていない状態で起立し、四つの側面が全て室内空間に露出した独立柱とする例を示した。しかしながら、これに限らず、少なくとも三つの側面が室内空間に露出していればよい。すなわち、例えば、図5及び図6に示すように、角柱6の第1の側面6cの縁部に、間仕切壁8が設けられていてもよい。なお、間仕切壁8は、室内空間を区切ることを目的とした壁である。
そして、間仕切壁8を角柱6に設けた場合には、図5及び図6に示す遮蔽部材20が用いられる。この遮蔽部材20は、一対の支持部材14、14のうち、間仕切壁8に接する一方の支持部材14に端部面材12が設けられておらず、室内空間に向いた他方の支持部材14のみに端部面材12が設けられている。なお、間仕切壁8に接する一方の支持部材14は、図5及び図6に示すように、間仕切壁8に固定されてもよいし、角柱6の第1の側面6cに固定されてもよい。
さらに、図7に示す角柱6αのように、実施例1と比べて太い柱材2αを集合して形成された柱芯6aを有するものであっても、本発明を適用することができる。この場合、断熱材7a及び保護材7bの厚みを調整して下地材6bの厚みを薄くすることで、実施例1と同一寸法の遮蔽部材10を使用することができる。
なお、枠部材11及び仕上材13の幅寸法は、角柱6の大きさに応じ、角柱6の第2の側面6eと遮蔽部材10との間に段差が生じないように適宜変更してもよい。
また、実施例1では、端部面材12及び仕上材13が角柱6の化粧材7cと同一素材の板部材によって形成された例を示した。この場合、角柱6と遮蔽部材10との一体性を高めることができる。しかしながら、端部面材12及び仕上材13と、化粧材7cとを異なる素材によって形成してもよい。
また、実施例1では、角柱6の柱芯6aが、建物ユニット1の柱材2が集合した柱群によって構成された例を示したが、これに限らない。柱芯6aは、下地材6bによって全周が取り囲まれていれば、一本の柱材2によって構成されてもよいし、木製柱によって構成されてもよい。
1 建物ユニット
2 柱材
3 床梁(梁材)
4 天井梁(梁材)
6 角柱
6a 柱芯
6b 下地材
6c 第1の側面
6e 第2の側面
7a 断熱材
7b 保護材
7c 化粧材
10 遮蔽部材
11 枠部材
11a 小口面
12 端部面材
13 仕上材
14 支持部材
15 連結部材
17 切欠部


Claims (3)

  1. 少なくとも三つの側面が室内空間に露出すると共に、柱芯及び前記柱芯を取り囲む下地材を有する角柱の第1の側面に沿って配策されたケーブルと、前記ケーブルを前記室内空間から遮蔽する遮蔽部材と、を備える配線構造であって、
    前記遮蔽部材は、前記第1の側面に取り付けられる枠部材と、前記枠部材の小口面に設けられた端部面材と、前記枠部材を覆う仕上材と、を有し、
    前記枠部材には、前記ケーブルを挿通可能とする切欠部が形成されている
    ことを特徴とする配線構造。
  2. 請求項1に記載された配線構造において、
    前記端部面材は、前記第1の側面に直交する前記角柱の第2の側面に対して面一に配置されている
    ことを特徴とする配線構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された配線構造において、
    前記枠部材は、前記第1の側面に固定されると共に、鉛直方向に延びる一対の支持部材と、水平方向に延びて前記一対の支持部材を連結する連結部材と、を有し、
    前記切欠部は、前記連結部材に形成されている
    ことを特徴とする配線構造。

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