JP7375695B2 - 蛍光体検出用基材、および、蛍光体検出用基材の製造方法 - Google Patents

蛍光体検出用基材、および、蛍光体検出用基材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、蛍光体の検出に用いられる基材である蛍光体検出用基材、および、蛍光体検出用基材の製造方法に関する。
塩基配列や抗体構造等の各種の生化学情報を収集する器具として、マイクロアレイが知られている。マイクロアレイは、検出部の表面に検出子であるプローブを備えて、試料に含まれる検体とプローブとの結合を検体検出に利用する。例えば、検出部に固定されたプローブDNAは、プローブDNAとハイブリダイゼーション可能なDNA検出に利用される。検出部に固定された抗体は、抗体が認識するエピトープを含む抗原検出に利用される(例えば、特許文献1から3を参照)。
プローブと検体との結合の検出は、例えば、蛍光色素で標識された検体を使用して、蛍光の有無を検体の有無として取り扱う。表面プラズモンの定在波を発生させる金属膜が検出部の表面に位置する構成であれば、表面プラズモン共鳴による増強された蛍光が検出されるため、微量の検体を高感度で検出可能となる(例えば、特許文献4を参照)。
特開2003-149240号公報 特表2006-512917号公報 特開2012-070654号公報 特開2015-021889号公報
一方、特許文献4に記載のように、回折格子によるエバネッセント波を使用して表面プラズモン共鳴を生じさせる構成では、表面プラズモンポラリトンが金属膜と誘電体との界面に沿う二次元方向に拡散してしまう。結果として、上述した構成は、微量の検体を高感度で検出する構成として、依然として改善の余地を残すものである。
本発明は、蛍光体の検出感度を向上可能にした蛍光体検出用基材、および、蛍光体検出用基材の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための蛍光体検出用基材は、誘電体または半導体から構成された基材面を備える基材本体と、前記基材面に位置する複数の凝集体である金属突部と、を備え、前記複数の金属突部の表面が構成して前記金属突部の間隙を海とした海島構造での表面高さの頻度分布は、ピーク内の最頻表面高さが全ピークの中で最大である第1ピークと、前記最頻表面高さが全ピークの中で前記第1ピークの次に大きい第2ピークと、を備え、前記第1ピークを構成する第1突部の前記海島構造での平均幅が200nm以下であり、前記第2ピークを構成する第2突部の前記海島構造での平均幅が前記第1突部の平均幅よりも小さく、1nm以上5nm以下の厚さで前記金属突部の表面を覆う絶縁層であって、プローブを配置可能な1nm以上20nm以下のギャップを前記間隙に区画する前記絶縁層をさらに備える。
上記課題を解決するための蛍光体検出用基材の製造方法は、誘電体または半導体から構成された基材面に複数の金属突部を備え、当該複数の金属突部の表面が構成して前記金属突部の間隙を海とした海島構造での表面高さの頻度分布が、ピーク内の最頻表面高さが全ピークの中で最大である第1ピークと、ピーク内の最頻表面高さが全ピークの中で前記第1ピークの次に大きい第2ピークと、を備え、前記第1ピークを構成する第1突部の前記海島構造での平均幅が200nm以下であり、前記第2ピークを構成する第2突部の前記海島構造での平均幅が前記第1突部の平均幅よりも小さい、蛍光体検出用基材の製造方法であって、前記基材面に第1金属膜を形成する第1成膜工程と、前記第1金属膜の加熱による分断と凝集で複数の凝集体を形成する第1加熱工程と、前記凝集体の表面と前記凝集体の間隙とに第2金属膜を形成する第2成膜工程と、前記第2金属膜の加熱による分断と凝集で前記金属突部を形成する第2加熱工程と、前記金属突部の表面に1nm以上5nm以下の厚さを有した絶縁層を形成し、プローブを配置可能な1nm以上20nm以下のギャップを前記金属突部の間隙に前記絶縁層で区画する第3成膜工程と、を含む。
上記各構成によれば、誘電体または半導体から構成される基材面と金属突部とは、蛍光体が発する蛍光を表面プラズモン共鳴によって増強する。この際、表面プラズモン共鳴が生じ得る範囲は、金属突部の底面に相当する範囲内であり、当該底面の範囲に表面プラズモンポラリトンが局在化する。言い換えれば、局在型表面プラズモン共鳴が生じる。しかも、金属突部の表面を覆う絶縁層は、蛍光がエネルギーとして金属突部に移ること(以下、クエンチングとも言う)を抑制する。結果として、表面プラズモンポラリトンの拡散、および、クエンチングが抑制されて、蛍光が局所的に増強される。したがって、上記構成であれば、局所的な表面プラズモンポラリトンの生成による狭範囲での強い蛍光を検出することが可能であるから、表面プラズモンポラリトンが拡散した広範囲での弱い蛍光を検出する構成と比べて、蛍光体の検出感度が向上可能になる。
上記蛍光体検出用基材において、前記基材本体は、前記金属突部の間隙に当該金属突部の縁から窪む溝を備えてもよい。
例えば、基材面が平面であって当該平面にプローブが固定される場合、当該プローブと結合する蛍光体の位置は、プローブの分子サイズが大きいほど、基材面から大きく離れる。この点、上記溝を備える構成であれば、プローブが固定される位置は、溝深さの分だけ、基材面よりも低く、プローブと結合する蛍光体の位置は、溝の深さの分だけ、金属突部と基材本体との界面に近づく。結果として、金属突部と基材本体との界面に入射する蛍光の強度が高まるから、蛍光体の検出感度がさらに向上可能になる。
上記蛍光体検出用基材において、前記溝の底面は、前記基材本体と前記プローブとに結合可能なカップリング剤で覆われてもよい。この構成によれば、溝の底面にプローブを固定しやすくなるため、プローブをギャップに配置することが容易でもある。
上記蛍光体検出用基材において、前記第1ピークの最頻表面高さと前記第2ピークの最頻表面高さとの差が5nm以上60nm以下であってもよい。この構成によれば、第1ピークを構成する金属突部の間隙に、第2ピークを構成する金属突部を別途形成することが容易であって、第1ピークを構成する金属突部と、第2ピークを構成する金属突部との間隙に、1nm以上20nm以下のギャップを形成することが容易でもある。
上記蛍光体検出用基材において、前記基材面は、周期的凹凸構造を有し、前記周期的凹凸構造のピッチは、160nm以上1220nm以下であり、前記海島構造のシート抵抗は、3×102Ω/□以上5×10Ω/□以下であってもよい。この構成によれば、局在型表面プラズモン共鳴による電場増強効果と、伝播型表面プラズモン共鳴による電場増強効果とが相まって、さらに強力な電場増強効果を得ることが可能となる。
上記蛍光体検出用基材は、前記絶縁層のなかで前記ギャップを区画する部分に前記プローブを備えてもよい。
蛍光体検出用基材の一例をプローブおよび蛍光体と共に示す断面図。 蛍光体検出用基材の表面構造の一例を示す走査トンネル顕微鏡画像。 蛍光体検出用基材が備える金属突部の一例を示す平面図。 蛍光体検出用基材における表面高さの頻度分布の一例を示すグラフ。 (a)(b)(c)は、蛍光体検出用基材の製造方法の一例を示す工程図。 (a)(b)は、蛍光体検出用基材の製造方法の一例を示す工程図。
以下、蛍光体検出用基材の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1が示すように、蛍光体検出用基材は、基材面10Sを備えた基材本体10、基材面10Sに位置する複数の金属突部11、および、各金属突部11の表面11Sを覆う絶縁層12を備える。
基材面10Sは、誘電体または半導体から構成される。基材本体10は、基材面10Sと同じ材料から構成された単層基材本体、あるいは、基材面10Sとは異なる材料から構成された層を基材面10Sの下層に備える多層基材本体である。基材本体10の厚さは、例えば、0.1mm以上5.0mm以下である。
誘電体は、無機誘電体または有機誘電体である。無機誘電体は、例えば、各種ガラス、サファイア、石英等である。有機誘電体は、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリエステル等である。半導体は、例えば、シリコン、シリコンカーバイド等である。
基材本体10は、金属突部11の周縁から窪む溝10Gを備える。溝10Gは、金属突部11の縁に沿って延在し、金属突部11の間隙の下方に位置する。溝10Gは、溝10Gの延在方向と直交する断面において、溝10Gの底面に向けて溝幅が小さくなるU字状であってもよいし、溝10Gの底面に向けて溝幅が大きくなるアリ溝状であってもよい。
絶縁層12は、各金属突部11の表面11S、溝10Gの溝側面、および、溝10Gの溝底面を覆う。絶縁層12は、各金属突部11の表面11S、溝10Gの溝側面、および、溝10Gの溝底面に追従した形状を有する。絶縁層12を構成する材料は、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物である。
絶縁層12は、プローブ1を配置するためのギャップ3を区画する。ギャップ3は、溝10Gの内部を含む領域である。プローブ1は、蛍光色素で標識された標的である蛍光体2と化学的に結合可能な生体分子である。ギャップ3は、プローブ1と蛍光体2とを内包可能な大きさを有する。プローブ1は、溝10Gの底面上に位置する絶縁層12に固定される。プローブ1は、例えば、蛍光体2と相補的な配列を有する一本鎖DNA、RNA、タンパク質、抗体、および、低分子化合物である。
絶縁層12の厚みは、各金属突部11の表面11S、溝10Gの溝側面、および、溝10Gの溝底面の各々において、ほぼ一定である。絶縁層12の厚みは、例えば、1nm以上5nm以下であり、1nm以上3nm以下が好ましい。絶縁層12の厚みが1nm以上5nm以下であれば、絶縁層12による蛍光の吸収が抑えられ、かつ、蛍光がエネルギーとして金属突部11に移ってしまうクエンチングが抑えられる。絶縁層12の厚みが1nm以上3nm以下であれば、上述した効果が得られると共に、絶縁層12の形成、および、ギャップ3の形成が容易ともなる。
溝10Gの底面は、カップリング剤31で覆われている。カップリング剤31は、基材本体10、あるいは、絶縁層12と結合可能であり、かつ、プローブ1とも結合可能な材料である。カップリング剤31は、溝10Gの底面にプローブ1が固定される力を高めて、プローブ1がギャップ3に配置されやすくする。カップリング剤31の厚みは、溝10Gの全てがカップリング剤31で埋まらない大きさであることが好ましい。カップリング剤31は、例えば、シランカップリング剤であって、溝10Gを埋めないこと、および、ギャップ3を形成しやすいことから、単分子層の被膜として構成されることが好ましい。
図2が示すように、複数の金属突部11の表面11Sは、金属突部11の間隙を海とした海島構造を構成する。海島構造は、複数の金属突部11が連なる第1島構造S1、および、金属突部11が途切れる第2島構造S2から構成される。第1島構造S1は、複数の金属突部11が途切れていない構造であって、相互に隣り合う金属突部11が間隙で隔たれていない構造である。第2島構造S2は、相互に隣り合う金属突部11が間隙で隔たれた構造である。
金属突部11を構成する材料は、表面プラズモン共鳴による電場増強効果を金属突部11と基材本体10との共同で得られるものである。金属突部11を構成する材料は、例えば、金、銀、アルミニウム、銅、白金、これらの2種以上の合金、または、これらの2種以上の組み合わせである。
[表面高さ]
金属突部11の高さは、金属突部11の底面11Bの高さを「0」とする表面11Sの高さである。金属突部11の高さは、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡、および、原子間力顕微鏡(以下、AFMとも言う)等の各種機器によって測定可能である。
これに対し、金属突部11の表面高さは、金属突部11の底面11Bよりも高い位置を「0」とする表面11Sの高さである。金属突部11の表面高さは、海島構造での表面高さの頻度分布を統計的に処理可能にするべく、AFMによって求められる。
AFMによる測定値は、高さ方向での分解能が1nm以下と小さいため、金属突部11の厚みだけでなく、基材本体10の反り、歪み、凹凸等の誤差を反映し得る。AFM測定による表面高さの測定値は、理想平面と基材面10Sとの差異に起因した誤差を包含する。海島構造での表面高さの頻度分布は、上記誤差に起因したばらつきを抑えるべく、相互に異なる3箇所で測定された表面高さの分布を相加平均し、相加平均によって得られた表面高さの分布を0.6nmの間隔で単純移動平均(n=15)して得られる。
海島構造での表面高さの分布を得るためのAFMの測定条件例を以下に示す。
・探針先端径 :2nm以上5nm以下
・探針先端角度 :先端から200nmまでの角度が20°未満
・測定範囲 :500nm
・スキャンレート :0.3Hz以上1.0Hz以下
・サンプリングレート :256×256pixels以上512×512pixels以下
上記探針形状を満たす例は、例えば、Nano World AG社製、Super Sharp Silicon Force Modulation Mode SSS-FMR-10である。
金属突部11の隙間は、例えば、探針先端径よりも狭く、AFMの探針が基材面10Sよりも上方で金属突部11に引っ掛かるときの大きさを含む。AFM測定での最低高さ「0」は、金属突部11の隙間の中でAFMの探針が入り込む最狭幅によって定まる高さであり、基材面10Sよりも高い。すなわち、AFM測定による金属突部11の表面高さは、底面11Bよりも高い位置を「0」とする表面11Sの高さである。
[島形状]
図2が示すように、金属突部11の表面11Sは、独立峰状または連峰状を有する。
図3が示すように、連峰状と独立峰状との区別は、AFM画像での判断対象S2Tに外接する仮想的な楕円(以下、外接楕円Rとも言う)の形状等に準ずる。外接楕円Rは、判断対象S2Tに外接する楕円の中で最小面積を有する。具体的には、外接楕円Rの長径Rmax、短径Rmin、および、判断対象S2Tでの短軸方向の長さW1(例えば、図3が示す長さA、長さB、長さC)が下記条件1~4のいずれかを満たす判断対象S2Tが連峰状である。下記条件1~4のいずれも満たさない判断対象S2Tが独立峰状である。
・条件1 :4<長径Rmax/短径Rminである。
・条件2 :3<長径Rmax/短径Rmin≦4であり、かつ、短径Rminの40%以下の長さW1が、長軸の60%以上の範囲で認められる。
・条件3 :2<長径Rmax/短径Rmin≦3であり、かつ、短径Rminの30%以下の長さW1が、長軸の60%以上の範囲で認められる。
・条件4 :1<長径Rmax/短径Rmin≦2であり、かつ、短径Rminの20%以下の長さW1が、長軸の60%以上の範囲で認められる。
なお、上記外接楕円Rを設定できない場合、連峰状と独立峰状との区別は、AFM画像での判断対象S2Tに内接する仮想的な楕円(以下、内接楕円とも言う)の形状に準ずる。内接楕円は、判断対象S2Tに内接する楕円の中で最大面積を有する。具体的には、内接楕円の短径の20%以下の長さW1が内接楕円の長径の60%以上の範囲で認められる金属突部11が連峰状である。内接楕円の短径の20%以下の長さW1が内接楕円の長径の60%以上の範囲で認められない金属突部11が独立峰状である。
[ピーク]
複数の金属突部11は、複数の第1突部21、および、複数の第2突部22を備える。第1突部21は、海島構造での表面高さの頻度分布のなかで第1ピークP1を構成する。第2突部22は、海島構造での表面高さの頻度分布のなかで第2ピークP2を構成する。任意の第1突部21の中で最も高い第1頂部21aの高さは、全ての第2突部22の中で最も高い第2頂部22aの高さよりも高い。任意の第1突部21の中での表面高さの最大値は、全ての第2突部22の表面高さの最大値よりも高い。
図4が示すように、海島構造での表面高さの頻度分布は、第1ピークP1、第2ピークP2、および、第3ピークP3を含む。表面高さの頻度分布は、各表面高さに対する当該表面高さの頻度を示す。第1ピークP1、および、第2ピークP2は、頻度の極大値を備えて、当該極大値が頻度の極小値で挟まれる。第1ピークP1、および、第2ピークP2の半値幅は、2nm以上である。
第1ピークP1は、ピーク内での頻度が最も大きい表面高さ(以下、最頻表面高さとも言う)が全ピークの中で最大である。第1ピークP1を構成する金属突部11は、第1突部21である。第1ピークP1における最頻表面高さは、第1最頻表面高さT1である。第1最頻表面高さT1は、10nm以上100nm以下であることが好ましく、10nm以上50nm以下であることがより好ましい。
第2ピークP2は、ピーク内の最頻表面高さが全ピークの中で第1ピークの次に大きい。第2ピークP2を構成する金属突部11は、第2突部22である。第2ピークP2における最頻表面高さは、第2最頻表面高さT2である。第2最頻表面高さT2は、5nm以上42nm以下であることが好ましく、5nm以上30nm以下であることがより好ましい。
第3ピークP3は、ピーク内の最頻表面高さが全ピークの中で最も小さい。第3ピークP3を構成する構造は、第1突部21の間隙、第1突部21と第2突部22との間隙、および、第2突部22の間隙である。第3ピークP3における最頻表面高さは、第3最頻表面高さT3である。第3最頻表面高さT3は、2nm以上12nm以下であることが好ましく、2nm以上10nm以下であることがより好ましい。表面高さの頻度分布は、第3ピークP3を含まない構成、例えば、第3最頻表面高さT3が「0」である構成、あるいは、第2ピークP2で最も低い表面高さから「0」に近づくほど、表面高さの頻度が徐々に高まる構成でもよい。
第1最頻表面高さT1と第2最頻表面高さT2との差は、3nm以上60nm以下であることが好ましく、7nm以上25nm以下であることがより好ましい。第1最頻表面高さT1と第2最頻表面高さT2との差は、第1突部21の高さと第2突部22の高さとの差の最頻値を反映する。第1最頻表面高さT1と第2最頻表面高さT2との差が上記範囲であれば、第2島構造S2の形成が容易である観点で好ましい。
第2最頻表面高さT2と第3最頻表面高さT3との差は、5nm以上40nm以下であることが好ましく、5nm以上15nm以下であることがより好ましい。第2最頻表面高さT2と第3最頻表面高さT3との差は、第2突部22の高さと、AFM測定での最低高さ「0」との差を反映する。すなわち、第2最頻表面高さT2と第3最頻表面高さT3との差は、第2突部22の高さを少なからず反映する。第2最頻表面高さT2と第3最頻表面高さT3との差が上記範囲であれば、第1突部21と第2突部22との隙間が明確に形成されやすい観点で好ましい。
第1最頻表面高さT1と第3最頻表面高さT3との差は、10nm以上100nm以下であることが好ましく、10nm以上98nm以下であることがより好ましく、10nm以上30nm以下であることがさらに好ましい。第1最頻表面高さT1と第3最頻表面高さT3との差は、第1突部21の高さと、AFM測定での最低高さ「0」との差を反映する。すなわち、第1最頻表面高さT1と第3最頻表面高さT3との差は、第1突部21の高さを少なからず反映する。第1最頻表面高さT1と第3最頻表面高さT3との差が上記範囲であれば、第2島構造S2が明確に形成されやすい観点で好ましい。
表面高さの頻度分布での第1境界高さL1は、第1ピークP1と第2ピークP2との境界である。第1境界高さL1は、第1最頻表面高さT1と第2最頻表面高さT2との間で頻度が最も低い表面高さである。第1境界高さL1は、7nm以上40nm以下であることが好ましく、10nm以上25nm以下であることがより好ましい。
表面高さの頻度分布での第2境界高さL2は、第2ピークP2で最も低い表面高さである。第2境界高さL2は、例えば、第2最頻表面高さT2と第3最頻表面高さT3との間で頻度が最も低い表面高さである。第2境界高さL2は、3nm以上25nm以下であることが好ましく、3nm以上15nm以下であることがより好ましい。
[平均幅]
金属突部11の平均幅は、第1突部21の平均幅であり、AFM画像における上記長さW1の平均値である。平均幅の算出では、第1突部21のなかの第2境界高さL2よりも高い部分(図1が示す第1島領域H1)が、第1突部21として扱われる。また、第2突部22のなかで第2境界高さL2よりも高い部分(図1が示す第2島領域H2)が、第2突部22として扱われる。
平均幅を得るための測定対象は、AFM画像に定められた2本の対角線のいずれかと交差する任意の5つの第1突部21である。平均幅を得るための測定対象は、例えば、AFM画像における対角線が交わった箇所から近いものから順に選ばれる。なお、測定対象の数が、ひとつのAFM画像で5つに達しない場合、同一サンプルの別の箇所で取得されたAFM画像に同様の処理が行われ、合計点数が5つになるまで繰り返される。選択された5つの測定対象での長さW1の算術平均値が、金属突部11の平均幅である。
独立峰状の第1突部21での平均幅は、第1島領域H1での長軸方向における、長さW1の極大値、および、長さW1の極小値の平均値である。複数の極大値、または、複数の極小値が存在する場合、それら全ての算術平均値である。独立峰状の第1突部21の場合、長さW1の極大値である長さAと長さC、および、長さW1の極小値である長さBの算術平均値である「(A+B+C)/3」が、第1突部21の平均幅である。
連峰状の第1突部21での平均幅は、第1島領域H1での中心曲線に対する直交線と、第1島領域H1の輪郭線とが交わる2点間の長さを用いて求められる。中心曲線は、AFM画像での第1突部21の延在方向に沿う曲線であって、第1島領域H1の内部に描かれる仮想曲線である。中心曲線に対する直交線は、中心曲線上の任意点での中心曲線の接線に対して、その任意点を通過し、かつ、その接線と直交する直線である。中心曲線は、中心曲線に対する直交線と、第1島領域H1の輪郭線とが交わる2点間において、中心曲線が2点間の中心に位置するように描かれた曲線である。
連峰状の第1突部21での平均幅の測定では、まず、第1島領域H1の輪郭と直交線とが交わる2点間の長さが最大となる直交線が定められる。次いで、2点間の長さが最大となる直交線を起点として、中心曲線の両端部に向けて、起点から20nm毎に2点間の長さが測定される。そして、起点とした直交線での2点間の長さを含めて、全ての長さを算術平均して、連峰状の第1突部21での平均幅が得られる。なお、中心曲線が長い場合は、2点間の長さの測定点数を25点までとする。
ただし、起点とした直交線での2点間の長さが、その直交線の両側に20nmだけ離れた位置での長さの1.5倍を超える場合、起点とした直交線は、主幹部分から分岐した分岐部分であると見なされて、次に長さが最大となる直交線が新たな起点として定められる。この際、分岐部分の中心曲線と主幹部分の中心曲線とが交差する点が、分岐点である。分岐部分での長さの測定箇所は、新たな起点とした直交線から分岐点までの主幹部分の中心曲線に沿った長さと、分岐点から分岐の先端方向に向けて分岐部分の中心曲線に沿った長さとの合計が、20nmの整数倍となる箇所とする。分岐部分を有した第1突部21もまた、新たに起点とした直交線での2点間の長さも含めて、起点から近いものから順に最大で25点までの2点間の長さを測長し、全ての2点間の長さの算術平均値を平均幅とする。
第1突部21の平均幅は、近似的には、AFM画像に代えて、SEM画像を用いて求めることも可能である。例えば、10万倍のSEM画像(910nm×1210nm)を取得し、取得したSEM画像に対角線を2本引き、いずれかの対角線が交わった第1突部21を任意に選択した5つを測定対象として、AFM画像に基づく場合と同様にして平均幅を求める。第1突部21が連峰状であるか、あるいは、独立峰状であるかの区別、および、各々の場合での平均幅の求め方は、AFM画像に基づく場合と同様である。ただし、SEM画像では、第1島領域H1の輪郭線が定まらないため、SEM画像を用いた平均幅の測定では、第1突部21の輪郭線を第1島領域H1の輪郭線として取り扱う。
第1突部21の平均幅は、200nm以下である。独立峰状の第1突部21の平均幅は、180nm以下が好ましく、5nm以上130nm以下がより好ましく、10nm以上80nm以下がさらに好ましい。連峰状の第1突部21での平均幅は、150nm以下が好ましく、5nm以上100nm以下がより好ましく、10nm以上60nm以下がさらに好ましい。第1突部21の平均幅が200nm以下であれば、局在型表面プラズモン共鳴による電場増強効果が得られやすい。
図1に戻り、蛍光体検出用基材は、第1島領域H1と他の第1島領域H1との間、および、第1島領域H1と第2島領域H2との間に、海領域H3を定める。海領域H3は、金属突部11の間隙のなかで第2境界高さL2よりも低い部分である。海領域H3の平均幅は、1nm以上20nm以下が好ましく、1nm以上10nm以下がより好ましく、1nm以上7nm以下がさらに好ましい。海領域H3の平均幅が狭いほど、蛍光体と金属突部11との距離は短く、蛍光の減衰が抑えられて、局在型表面プラズモン共鳴による電場増強効果が得られやすい。
海領域H3の平均幅は、連峰状の第1突部21での平均幅と同じく、海領域H3での中心曲線に対する直交線と、海領域H3の輪郭線とが交わる2点間の長さを用いて求められる。
なお、海領域H3の平均幅が狭いと、金属突部11の表面11Sでの25℃におけるシート抵抗値が低くなる。そのため、金属突部11の表面11Sでの25℃におけるシート抵抗値は低いほうが好ましく、3Ω/□以上200Ω/□以下が好ましく、10Ω/□以上150Ω/□以下がより好ましい。金属突部11のシート抵抗(Ω/□)は、25℃の条件下で金属突部11の任意の大きさの正方形の領域を電流が片方の端から対向する端へ流れる際の電気抵抗値である。
溝10Gの深さGDは、例えば、10nm以上100nm以下であり、20nm以上80nm以下がより好ましい。溝10Gの平均幅は、例えば、5nm以上50nm以下であり、10nm以上40nm以下がより好ましい。溝10Gの平均幅が5nm以上であれば、溝10Gの内部にプローブ1を配置しやすい。溝10Gの平均幅が50nm以下であれば、溝10Gに配置される蛍光体2と金属突部11との距離が、蛍光の減衰を抑えた適切な大きさとなる。特に、溝10Gの平均幅が40nm以下であれば、局在型表面プラズモン共鳴による高い電場増強効果が得られやすい。
溝10Gの平均幅は、連峰状の第1突部21での平均幅と同じく、溝10Gでの中心曲線に対する直交線と、溝10Gの輪郭線とが交わる2点間の長さを用いて求められる。なお、溝10Gの平均幅を測定するためのAFM画像は、例えば、蛍光体検出用基材から金属突部11、および、絶縁層12が取り除かれた試料を用いて取得される。
[蛍光体検出用基材の作用]
金属突部11と基材本体10とは、蛍光体2が発する蛍光を表面プラズモン共鳴によって増強する。この際、金属突部11と基材本体10との界面の大きさは、金属突部11の底面11Bに相当する大きさであり、当該底面11Bの範囲に表面プラズモンポラリトンを局在化させる、いわゆる局在型表面プラズモン共鳴を生じさせる。さらに、金属突部11の表面11S、溝10Gの溝側面、および、溝10Gの溝底面を覆う絶縁層12は、1nm以上の厚さを有し、それによって、蛍光がエネルギーとして金属突部11に移動して消光するクエンチングを抑制する。結果として、表面プラズモンポラリトンが二次元方向に広く拡散せず、蛍光が局所的に増強されて、蛍光体2が高感度で検出可能となる。
プローブ1と結合した蛍光体2の高さ位置は、プローブ1の分子サイズが大きいほど、プローブ1の固定端から離れる。仮に、基材面10Sが平面であって当該平面がプローブ1の固定端である場合、プローブ1と結合した蛍光体2の高さ位置は、プローブ1の分子サイズが大きいほど、金属突部11と基材本体10との界面から離れてしまう。一方、溝10Gを備える基材本体10であれば、プローブ1の固定端は、溝10Gの溝深さの分だけ、金属突部11と基材本体10との界面から離れて、プローブ1と結合した蛍光体2の高さ位置は、溝10Gの深さGDの分だけ、金属突部11と基材本体10との界面に接近し得る。結果として、金属突部11と基材本体10との界面に入射する蛍光の強度が向上して、蛍光体2の検出感度がさらに向上可能となる。
[蛍光体検出用基材の製造方法]
蛍光体検出用基材の製造方法は、第1成膜工程、第1加熱工程、第2成膜工程、第2加熱工程、エッチング工程、および、第3成膜工程を備える。
図5(a)が示すように、第1成膜工程は、基材本体10の基材面10Sに第1金属膜111を形成する。第1金属膜111を構成する材料は、金属突部11を構成する材料であって、金、銀、アルミニウム、銅、白金、これらの2種以上の合金、または、これらの2種以上の組み合わせである。基材面10Sに第1金属膜111を形成する方法は、例えば、乾式法、あるいは、電解メッキや無電解メッキ等の湿式法である。乾式法は、例えば、各種の物理的気相成長法や各種の化学的気相成長法である。
第1金属膜111の厚さは、2nm以上60nm以下であることが好ましく、3nm以上30nm以下であることがより好ましい。第1金属膜111の厚さが2nm以上であれば、第1加熱工程で形成される凝集体の間隔が拡がり過ぎない。第1金属膜111の厚さが60nm以下であれば、第1加熱工程で形成される凝集体が独立峰状または連峰状を有しやすい。
図5(b)が示すように、第1加熱工程は、第1金属膜111を加熱によって分断および凝集させて複数の第1凝集体211を形成する。金、銀、アルミニウム、銅、白金等を含む金属は、一般に、溶融状態での表面自由凝集エネルギーが低い。そのため、第1金属膜111は、融点以上の加熱によって分断、および、それに続く凝集を起こす。
金属の融点は、融点降下現象によってバルクの金属よりも低くなる。すなわち、第1金属膜111の厚さが薄いほど、融点は低い。金属膜の厚みが数十nmであれば、融点降下現象はさらに顕著になる。例えば、バルクの金の融点は1064℃であるが、10nm以下の厚みを有した金の薄膜の融点は150℃以上200℃以下まで低下する。
第1加熱工程の加熱温度は、金属の種類によって異なるが、第1金属膜111を構成する材料に金を用いる場合には、100℃以上600℃以下が好ましく、200℃以上400℃以下がより好ましい。また、第1金属膜111を構成する材料に銀を用いる場合には、80℃以上600℃以下が好ましく、200℃以上400℃以下がより好ましい。
第1加熱工程の加熱時間は、金属の種類および加熱温度によって異なるが、例えば、第1金属膜111を構成する材料に金を用い、300℃で加熱する場合には、10秒以上60分以下が好ましい。第1金属膜111を構成する材料に銀を用い、280℃で加熱する場合には、10秒以上50分以下が好ましい。
第1加熱工程の加熱温度が高いほど、また、加熱時間が長いほど、凝集の程度は高まり、複数の金属突部11は、独立した独立峰状を有しやすい。一方、加熱温度が低いほど、加熱時間が短いほど、凝集は進みにくく、複数の金属突部11は、連峰状を有しやすい。
第1加熱工程の加熱方法は、マッフル炉、電気炉、ファーネス等を含むオーブン、ホットプレート、赤外線加熱装置、ガスバーナー等の直火による加熱である。第1加熱工程は、アルゴンや窒素等の不活性ガス雰囲気中で行い、大気中の酸素による金属の酸化を抑えることが好ましい。
図5(c)が示すように、第2成膜工程は、第1凝集体211の表面、および、第1凝集体211から露出した基材面10Sに、第2金属膜112を形成する。第2金属膜112を構成する材料は、金属突部11を構成する材料であって、金、銀、アルミニウム、銅、白金、これらの2種以上の合金、または、これらの2種以上の組み合わせである。第2金属膜112を構成する材料は、第1金属膜111を構成する材料と同じであることが好ましい。第2金属膜112を形成する方法は、第1成膜工程と同様の方法を採用できる。
第2金属膜112の厚さは、2nm以上60nm以下であることが好ましく、3nm以上30nm以下であることがより好ましい。また、第2金属膜112の厚さは、第1金属膜111の厚みと同等、あるいは薄いことが好ましい。第2金属膜112の厚さが2nm以上であれば、第2突部22が、第2加熱工程後に好ましい高さで形成される。第2金属膜112の厚さが60nm以下であれば、第2加熱工程時に、金属突部11が分断されて海領域H3が形成されやすい。第2金属膜112が第1金属膜111よりも薄い構成であれば、第2加熱工程での加熱温度を第1加熱工程での加熱温度よりも下げることが容易である。
図6(a)が示すように、第2加熱工程は、第2金属膜112を加熱によって分断および凝集させて複数の第2凝集体212を形成する。第1凝集体211の表面に第2金属膜112が積層された凝集体は、第1突部21である。第2金属膜112が基材面10Sで凝集した構造物は、第2突部22である。第2加熱工程における加熱の条件は、第2金属膜112が加熱によって凝集可能な条件であるが、第1凝集体211の位置ずれ、あるいは、更なる凝集が進まない程度の条件であることが好ましい。
実際には、第2金属膜112を融点以上に加熱するため、第1凝集体211の加熱による影響を完全に無くすことはできないが、金属突部11の位置や形態の変化を最小限に止めることが好ましい。具体的には、第2加熱工程の加熱温度を第1加熱工程の加熱温度よりも低くする、または加熱時間を短くする、あるいはこれらの両方を行うことが好ましい。
第2加熱工程の加熱温度は、金属の種類によって異なるが、第2金属膜112を構成する材料に金を用いる場合には、50℃以上400℃以下が好ましく、90℃以上250℃以下がより好ましい。また、第2金属膜112を構成する材料に銀を用いる場合には、40℃以上400℃以下が好ましく、70℃以上250℃以下がより好ましい。
第2加熱工程の加熱時間は、金属の種類および加熱温度によって異なるが、例えば、第2金属膜112を構成する材料に金を用い、150℃で加熱する場合は、10秒以上60分以下が好ましい。第2金属膜112を構成する材料に銀を用い、140℃で加熱する場合は、10秒以上50分以下が好ましい。
第2加熱工程の加熱方法は、例えば、第1加熱工程の加熱方法に例示した方法のいずれか1つであり、第1加熱工程の加熱方法と同じであることが好ましい。第2加熱工程は、第1加熱工程と同じく、不活性ガス雰囲気中で行い、大気中の酸素による金属の酸化を抑えることが好ましい。
図6(b)が示すように、エッチング工程は、金属突部11をマスクとして基材面10Sをエッチングし、金属突部11の間隙に溝10Gを形成する。基材面10Sをエッチングする方法は、湿式法、あるいは、乾式法である。湿式法に用いられるエッチャントは、例えば、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム水溶液、これらの組み合わせである。
第3成膜工程は、金属突部11、溝10Gの溝側面、および、溝10Gの溝底面に、絶縁層12を形成する。絶縁層12を形成する方法は、例えば、原料ガスの吸着、余剰となる原料ガスの排気、反応ガスの吸着、および、余剰となる反応ガスの排気、これらを繰り返す原子層堆積法である。原子層堆積法を用いた絶縁層12の形成によれば、各金属突部11の表面11S、溝10Gの溝側面、および、溝10Gの溝底面を絶縁層12で均一に覆うこと、および、絶縁層12の厚みを1nm以上5nm以下とすることが容易である。
[実施例]
蛍光体検出用基材、および蛍光体検出用基材の製造方法を以下に説明する。
(実施例1)
基材本体10として、シリコン基板をダイヤモンドカッターによって1辺が30mmの正方形板状にカットした。シリコン基板として、GlobalWarers Co., Ltd.製のφ4inch Polishing Wafer(Type/Dopan:P/Boron, Crystal Axis:<100>, Resistivity(ohm-cm):1-100, Thickness(um):505-545)を用いた。次いで、アセトンで10分間にわたり基材本体10を超音波洗浄した後に、さらに蒸留水で10分間にわたり基材本体10を超音波洗浄した。
次いで、洗浄後の基材本体10における研磨表面を基材面10Sとして、スパッタリング装置(日立製作所社製:E-1030)を用い、第1金属膜111として、平均厚さが8nmの金薄膜を形成して、第1成膜工程を行った。この際、スパッタリングを行うときのターゲットの構成材料として金を使用し、圧力を8Pa、電流値を15mA、成膜時間を30秒に設定した。
次いで、厚さが5mmの銅板が載置されたホットプレート(アズワン社製:CHP-170DF)を用い、第1金属膜111が形成された基材本体10を銅板上に載置した。そして、基材本体10に形成された第1金属膜111を加熱して、第1凝集体211を形成する第1加熱工程を行った。この際、基材本体10を加熱するときの銅板の温度を290℃、基材本体10において銅板と接触する面を基材面10Sとは反対側の面、加熱時間を90秒に設定した。そして、第1加熱工程後の基材本体10を温度が20℃である金属板上に移動して冷却した。
次いで、第1凝集体211の表面、および、第1凝集体211から露出した基材面10Sに向けて、スパッタリング装置(日立製作所社製:E-1030)を用い、第2金属膜112として、厚さが8nmの金薄膜を形成して、第2成膜工程を行った。この際、スパッタリングを行うときのターゲット、圧力、電流値および成膜時間を第1成膜工程と同じ条件に設定した。
次いで、第1加熱工程に用いたホットプレート(アズワン社製:CHP-170DF)を用い、第2金属膜112が形成された基材本体10を銅板上に載置した。そして、基材本体10に形成された第2金属膜112を加熱して、第1突部21、および、第2突部22を形成する第2加熱工程を行った。この際、基材本体10を加熱するときの銅板の温度を110℃、基材本体10において銅板と接触する面を基材面10Sとは反対側の面、加熱時間を60秒に設定した。そして、第2加熱工程後の基材本体10を温度が20℃である金属板上に移動して冷却した。
第2加熱工程後の基材本体10を用いて、表面のSEM画像、および、上述したAFMの測定条件例でのAFM画像を撮影した。SEM画像を用いて第1突部21の平均幅を測定した結果、独立峰状の第1突部21の平均幅は44nmであり、連峰状の第1突部21の平均幅は35nmであった。また、AFM画像を用いて表面高さの分布を測定した結果、第1ピークP1の最頻表面高さである第1最頻表面高さT1と、第2ピークP2の最頻表面高さである第2最頻表面高さT2との差は13nmであった。
次いで、ドライエッチング装置(東京エレクトロン社製:ME510I)を用い、第1突部21、および、第2突部22が形成された基材本体10をこれらの金属突部11をマスクとして基材面10Sをエッチングして溝10Gを形成するエッチング工程を行った。この際、エッチングを行うときの圧力を1.0Pa、アンテナパワーを300W、バイアスパワーを100W、エッチング時間を10秒に設定した。また、エッチングガスとして、40sccmの四フッ化炭素、および、10sccmの塩素を用いた。
次いで、溝10Gが形成されたエッチング工程後の基材本体10に対し、原子層堆積法を用いて、厚みが3nmのシリコン酸化物膜を形成して、第3成膜工程を行った。以上によって、実施例1の蛍光体検出用基材を得た。
(実施例2)
上記実施例1の金属種を銀に変更し、具体的に第1成膜工程および第2成膜工程において、スパッタリングを行うときのターゲットの構成材料を銀に変更し、また、第1加熱工程の加熱時間を30秒に設定し、第2加熱工程の加熱時間を20秒に設定し、これら以外を実施例1と同じくして、実施例2の蛍光体検出用基材を作成した。
[比較例]
(比較例1)
上記実施例1のエッチング工程を省略し、それ以外の工程を実施例1と同じくして、比較例1の蛍光体検出用基材を作成し、すなわち、溝10Gを備えない蛍光体検出用基材を得た。
(比較例2)
上記実施例1の第2成膜工程、および、第2加熱工程を省略し、それ以外の工程を実施例1と同じくして、比較例2の蛍光体検出用基材を作成し、すなわち、第1凝集体211をエッチング工程のマスクとした蛍光体検出用基材を得た。
(比較例3)
上記実施例1の第3成膜工程を省略し、それ以外の工程を実施例1と同じくして、比較例3の蛍光体検出用基材を作成し、すなわち、絶縁層12を備えない蛍光体検出用基材を得た。
[評価]
実施例1の蛍光体検出用基材を用いたマイクロアレイとして、第3成膜工程後の基材本体10にプローブDNAを固定し、1チャンネルのマイクロアレイを以下の手順で作成して、プローブDNAとハイブリダイゼーション可能なDNA検出におけるハイブリダイゼーション後の蛍光増強強度を測定した。
まず、各例の基材本体10をポリ-L-リシン溶液に1時間にわたり浸漬させた後に乾燥し、これによって、評価用のマイクロアレイを得た。なお、表1に示すように、第2成膜工程から第3成膜工程までを割愛し、ポリ-L-リシン溶液に浸漬させない他の基材本体10を、蛍光増強強度の測定に用いる参照例(コントロール)のマイクロアレイとして準備した。
次いで、各例の基材本体10に、1μl以上2μl以下のDNA溶液を滴下して、80℃の雰囲気のなかで1時間にわたり乾燥した。その後、紫外線照射器を用いて20分間にわたり紫外線を照射して、スポッティング処理済みの基材本体10を得た。
次いで、各例の基材本体10を、5分間にわたりブロッキング溶液に浸漬した後に純水で洗浄し、95℃の雰囲気のなかで2分間にわたり乾燥した。その後、各例の基材本体10を、エタノールによって3回にわたり洗浄して風乾し、これによって、ブロッキング処理済みのマイクロアレイを得た。
次いで、ビオチン結合DNAをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって増幅した後に非特異変位結合を抑えるためのハイブリダイゼーション液と混合し、3分間にわたり95℃で加熱した後に、2分間にわたり氷冷し、これによって、ターゲットDNAを準備した。
次いで、ハイブリダイゼーション液と混合されたターゲットDNAを、各例のマイクロアレイに滴下して、ハイブリダイゼーションを行った後に、界面活性剤を含む溶液によって洗浄して風乾した。そして、各例のマイクロアレイに、ラベリング試薬としてストレプトアビジン-Cy3を滴下し、30℃の環境下で30分間にわたり静置した後に、再度、界面活性剤を含む溶液によって洗浄した。
次いで、分光光度計(分光光度計V-770:日本分光製)を用いて、各例のマイクロアレイについて、基材面10Sの法線方向に対する5度での反射率を測定した。この際、基材面10Sに向けて入射させる励起波長を550nmに設定し、570nmを中心とした蛍光波長を観察した。また、参照例の基材を用いたマイクロアレイによって得られたピークの積算値を100として、各実施例及び比較例の基材を用いたマイクロアレイによって得られたピークの積算値を規格化した。
結果として、表1が示すように、実施例1の蛍光検出用基材により作成したマイクロアレイから得られた蛍光強度が10E5であった。金属種を銀に変更した実施例2の蛍光検出用基材により作成したマイクロアレイは実施例1のと同程度の10E5であった。一方で、溝10Gを備えていない比較例1の蛍光検出用基材により作成したマイクロアレイから得られた蛍光強度は10E3であった。また、第1凝集体211をマスクとしてエッチングを行った比較例2の蛍光検出用基材により作成したマイクロアレイから得られた蛍光強度、および、絶縁層12を備えていない比較例3の蛍光検出用基材により作成したマイクロアレイから得られた蛍光強度は、いずれも参照例と同じ程度の10E2であった。すなわち、絶縁層12を備えない構成や、第2凝集体212をマスクとするような微細な溝10Gを備えない構成では、参照例と同じ程度の蛍光強度しか得られず、第2凝集体212や絶縁層12を備えるとしても、微小な溝10Gを備えない構成では、参照例よりも蛍光強度を一桁程度高めることに止まることが認められた。そして、第2凝集体212をマスクとした微細な溝10G、および、金属突部11や溝10Gを覆う絶縁層12を備えることによって、参照例よりも蛍光強度を三桁程度も高めることが可能であることが認められた。
以上、上記実施形態によれば、以下に列挙する効果が得られる。
(1)基材本体10と金属突部11とによって、局在型表面プラズモン共鳴による電場増強効果が得られると共に、絶縁層12によるクエンチングの抑制が可能ともなる。結果として、表面プラズモンポラリトンの拡散、および、クエンチングが抑制されて、蛍光体の検出感度が向上可能になる。
(2)プローブ1と結合した蛍光体2の位置が、溝10Gの深さGDの分だけ、金属突部11と基材本体10との界面に近づくため、金属突部11と基材本体10との界面に入射する蛍光の光量を高められる。
(3)溝10Gの底面を覆うカップリング剤が、溝10Gの底面にプローブ1を固定しやすくするため、プローブ1をギャップ3に配置することが容易ともなる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
[表面高さの頻度分布]
・海島構造での表面高さの頻度分布において、ピークの数は4つ以上でもよい。なお、蛍光体検出用基材の安定した製造が可能となる観点から、ピークの数は5つ以下が好ましく、3つであることが特に好ましい。ピークの数を4つ以上とする製造方法では、例えば、第2加熱工程と第3成膜工程との間に、2nm以上60nm以下の金属膜をさらに形成する工程と、当該金属膜を加熱によって分断および凝集させる工程と、を別途追加する。
[表面11S]
・金属突部11の表面11Sは、金属ナノ粒子を備えることも可能である。金属ナノ粒子の形状は、例えば、球状、針状、フレーク状、多面体状、リング状、中空状、誘電体が金属で包まれた形状、樹状結晶、その他不定形状である。金属ナノ粒子の平均一次粒子径は、1nm以上100nm以下が好ましく、3nm以上50nm以下がより好ましい。金属ナノ粒子の平均一次粒子径は、SEM画像を用いた一次粒子径の測定から得られる平均値である。なお、SEM画像を用いた測定に代えて、透過型電子顕微鏡、AFM、動的光散乱法による粒度分布計によって平均一次粒子径を測定してもよい。金属ナノ粒子を構成する材料は、例えば、金、銀、アルミニウム、銅、白金、これらの2種以上の合金等である。
・相互に隣り合う金属ナノ粒子の最短距離は、1nm以上20nm以下が好ましく、1nm以上10nm以下がより好ましい。最短距離が1nm以上20nm以下であれば、金属ナノ粒子の間隙で局在型表面プラズモン共鳴による電場増強効果が得られやすく、かつ、金属ナノ粒子の間隙にプローブを配置することが容易ともなる。最短距離は、SEM画像を用いた実測によって得られる。
・金属ナノ粒子を配置する方法は、例えば、スプレーコート法、スピンコート法、ディップコート法、ドロップキャスト法等である。金属ナノ粒子を配置する工程は、金属突部11を形成する工程と、絶縁層12を形成する第3成膜工程との間に含まれる。
[基材面10S]
・基材面10Sは、周期的凹凸構造を備えることも可能である。周期的凹凸構造は、突部または凹部が一次元方向または二次元方向に周期的に配列した構造である。突部が一次元方向に周期的に配列した一次元格子構造は、例えば、突条が相互に平行に配置されたラインアンドスペース構造である。突条の延在方向と直交する断面の形状は、例えば、三角形、矩形、台形等の多角形状、U字状、それらを基本とした派生形状等であってよい。
突部が二次元方向に周期的に配列した二次元格子構造は、例えば、配列方向が相互に直交する正方格子構造、配列方向が3方向で隣り合う2方向の形成する角度が60°である三角格子構造である。格子点上に位置する突部の形状は、例えば、円柱形状、円錐形状、円錐台形状、正弦波形状、半球体形状、略半球体形状、楕円体形状、あるいは、それらを基本とした派生形状等である。
突部の間隙は、ほぼ平坦な面である。突部の高さは、例えば、15nm以上150nm以下が好ましく、30nm以上80nm以下がより好ましい。突部の高さが15nm以上150nm以下であれば、金属突部11の表面11Sが周期的凹凸構造に追従した回折格子として機能し、伝播型表面プラズモン共鳴による電場増強効果が得られやすい。
突部のピッチは、相互に隣り合う突部の各中心点の水平方向の距離である。突部のピッチの測定は、相互に100μm以上離れた5箇所の周期的凹凸構造の表面を用いる。5箇所の測定領域に関して5μm×5μmのAFM画像を取得し、それぞれのAFM画像から任意に抽出した9箇所の中心点間の距離を測定する。周期的凹凸構造での突部のピッチは、160nm以上1220nm以下であることが好ましく、200nm以上800nm以下であることがより好ましい。
伝播型表面プラズモンを金属突部11に誘起するためには、金属突部11の表面11Sでのシート抵抗は低いほうが好ましく、3×10Ω/□以上5×10Ω/□以下が好ましく、3×10Ω/□以上5×10Ω/□がより好ましい。金属突部11の表面11Sでのシート抵抗がこの範囲内であれば、金属突部11の間隙が存在しているとしても、金属突部11は完全には分断されていない連続膜であるといえる。金属突部11のシート抵抗がこの範囲内にあることは、金属突部11が、非成膜領域が存在するとしても、完全には分断されていない半連続膜であることを示す。また、金属突部11のシート抵抗がこの範囲内にあることは、非成膜領域が存在するとしても、その幅は、0.1nm以上15nm以下、より限定的には0.1nm以上5nm以下であることを意味する。
金属突部11が完全に分断されている場合、表面11Sのシート抵抗は5000Ω/□以下とはならない。非成膜領域が存在するとしても、金属突部11が全体としては半連続膜であることで、伝播型表面プラズモンを金属突部11上に生じさせることが可能となり、表面電場の重ね合わせによる非線形光学効果を得やすい。
周期的凹凸構造が備える突部や凹部である周期要素は、金属突部11が備える平均幅よりも十分に大きい幅、および、高さを備える。また、周期要素の間隙が備える幅もまた、金属突部11が備える平均幅よりも十分に大きい。金属突部11は、周期的凹凸構造の表面が構成する凹凸面の形状に追従して配置される。海島構造での表面高さ分布は、周期的凹凸構造の表面高さによる変動が除かれた表面高さの分布である。
周期的凹凸構造は、上述した局在型表面プラズモン共鳴に併せて、伝播型表面プラズモン共鳴による電場増強効果を得る。そして、局在型表面プラズモン共鳴による電場増強効果と、伝播型表面プラズモン共鳴による電場増強効果とが相まって、さらに強力な電場増強効果を得ることが可能となる。
・基材本体10は、溝10Gを備えない構成であってもよい。すなわち、基材面10Sは、溝10Gを備えない平面であって、複数の金属突部11は、平面である基材面10S上に位置してもよい。なお、蛍光体2の高さと、基材本体10と金属突部11との界面の高さとが合わせられる観点から、基材本体10が溝10Gを備えることが好ましい。
S1…第1島構造
S2…第2島構造
S2T…判断対象
T1…第1最頻表面高さ
T2…第2最頻表面高さ
T3…第3最頻表面高さ
1…プローブ
2…蛍光体
3…ギャップ
10…基材本体
10G…溝
10S…基材面
11…金属突部
11S…表面
11B…底面
12…絶縁層
21…第1突部
22…第2突部
31…カップリング剤
111…第1金属膜
112…第2金属膜
211…第1凝集体
212…第2凝集体。

Claims (6)

  1. 誘電体または半導体から構成された基材面を備える基材本体と、
    前記基材面に位置する複数の凝集体である金属突部と、を備え、
    前記複数の金属突部の表面が構成して前記金属突部の間隙を海とした海島構造での表面高さの頻度分布は、ピーク内の最頻表面高さが全ピークの中で最大である第1ピークと、前記最頻表面高さが全ピークの中で前記第1ピークの次に大きい第2ピークと、を備え、
    前記第1ピークを構成する第1突部の前記海島構造での平均幅が200nm以下であり、前記第2ピークを構成する第2突部の前記海島構造での平均幅が前記第1突部の平均幅よりも小さく、
    1nm以上5nm以下の厚さで前記金属突部の表面を覆う絶縁層であって、プローブを配置可能な1nm以上20nm以下のギャップを前記間隙に区画する前記絶縁層をさらに備え
    前記絶縁層のなかで前記ギャップを区画する部分に前記プローブを備える
    蛍光体検出用基材。
  2. 前記基材本体は、前記金属突部の間隙に当該金属突部の縁から窪む溝を備える
    請求項1に記載の蛍光体検出用基材。
  3. 前記溝の底面は、前記基材本体と前記プローブとに結合可能なカップリング剤で覆われる
    請求項2に記載の蛍光体検出用基材。
  4. 前記第1ピークの最頻表面高さと前記第2ピークの最頻表面高さとの差が5nm以上60nm以下である
    請求項1から3のいずれか一項に記載の蛍光体検出用基材。
  5. 前記基材面は、周期的凹凸構造を有し、
    前記周期的凹凸構造のピッチは、160nm以上1220nm以下であり、
    前記海島構造のシート抵抗は、3×10Ω/□以上5×10Ω/□以下である
    請求項1から4のいずれか一項に記載の蛍光体検出用基材。
  6. 誘電体または半導体から構成された基材面に複数の金属突部を備え、当該複数の金属突部の表面が構成して前記金属突部の間隙を海とした海島構造での表面高さの頻度分布が、ピーク内の最頻表面高さが全ピークの中で最大である第1ピークと、ピーク内の最頻表面高さが全ピークの中で前記第1ピークの次に大きい第2ピークと、を備え、前記第1ピークを構成する第1突部の前記海島構造での平均幅が200nm以下であり、前記第2ピークを構成する第2突部の前記海島構造での平均幅が前記第1突部の平均幅よりも小さい、蛍光体検出用基材の製造方法であって、
    前記基材面に第1金属膜を形成する第1成膜工程と、
    前記第1金属膜の加熱による分断と凝集で複数の凝集体を形成する第1加熱工程と、
    前記凝集体の表面と前記凝集体の間隙とに第2金属膜を形成する第2成膜工程と、
    前記第2金属膜の加熱による分断と凝集で前記金属突部を形成する第2加熱工程と、
    前記金属突部の表面に1nm以上5nm以下の厚さを有した絶縁層を形成し、プローブを配置可能な1nm以上20nm以下のギャップを前記金属突部の間隙に前記絶縁層で区画する第3成膜工程と、を含み
    前記絶縁層のなかで前記ギャップを区画する部分に前記プローブを配置する
    蛍光体検出用基材の製造方法。
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