JP7374504B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関する。
遊技者に対し連続的に操作手段の操作が促される演出(連打演出等と称される)を実行することが可能な遊技機が公知である(例えば、下記特許文献1参照)。
特開2020‐168510号公報
本発明が解決しようとする課題は、遊技者に対し連続的に操作手段の操作が促される演出にて遊技者が違和感を覚えてしまうおそれを低減することが可能な遊技機を提供することである。
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる遊技機は、遊技者が操作可能な操作手段と、遊技者に対し連続的に前記操作手段の操作が促される演出であって、操作有効期間中における当該操作手段の操作である対象操作を契機として表示装置に表示される対象画像を当該表示装置の表示領域に対して三次元的に変化させる画像変化演出を実行する演出実行手段と、を備え、前記画像変化演出にて、ある対象操作を契機とした前記対象画像の変化が途中である状態で次の対象操作がなされる変化完了前操作がなされた場合、当該次の対象操作がなされた時点における当該対象画像の態様を基準態様として、当該次の対象操作を契機とした当該対象画像の変化が開始されることを特徴とする。
本発明によれば、遊技者に対し連続的に操作手段の操作が促される演出にて遊技者が違和感を覚えてしまうおそれを低減することが可能である。
本実施形態にかかる遊技機の外観斜視図である。 遊技盤およびその後方に固定された表示装置を示した図である。 (a)は特定領域が閉鎖された状態にある単位遊技(大当たり遊技を構成する単位遊技)における大入賞領域内の様子を示した模式図であり、(b)は特定領域が開放された状態にある単位遊技(小当たり遊技)における大入賞領域内の様子を示した模式図である。 表示領域に表示された装飾図柄、保留図柄を示した図である。 本実施形態にかかる遊技機の遊技性(遊技状態の移行)を説明するための図である。 具体例1-2(明示設定、非明示設定)を説明するための図である。 具体例1-2(非明示設定である場合における遊技状態の示唆)を説明するための図である。 具体例1-4を説明するための図である。 具体例1-5を説明するための図である。 特殊デバイスを模式的に示した図((a)原位置、(b)進出位置)である。 複合操作演出を説明するための図である。 複合操作演出を説明するための図(図11の続き)である。 具体例2-1を説明するための図である。 具体例2-2を説明するための図である。 具体例2-3を説明するための図である。 具体例2-4を説明するための図である。 画像変化演出の概要を説明するための図である。 画像変化演出における対象画像の変位(変化)の制御を説明するための図である。 具体例3-1-1を説明するための図である。 具体例3-1-2を説明するための図である。 具体例3-1-3を説明するための図である。 具体例3-2を説明するための図である。 連続操作演出およびそれに続く事後演出を説明するための図である。 連続操作演出における限界態様(限界値)を説明するための図である。 具体例4-1を説明するための図である。 具体例4-1(加算値の期待値の多少についてのシナリオが設定された構成)を説明するための図である。 具体例4-2を説明するための図である。 具体例4-3を説明するための図である。 具体例4-4を説明するための図である。
1)遊技機の基本構成
以下、本発明にかかるぱちんこ遊技機1(以下、単に遊技機と称する)の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、特に明示した場合を除き、以下の説明における各種画像には、静止画だけでなく動画も含まれるものとする。また、「○○に遊技球が進入(入賞)」等というときは、厳密には当該○○に設けられたセンサが進入した遊技球を検出したことをいう。
まず、図1、2を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。遊技領域902には、始動領域904、大入賞領域906、アウト口907などが設けられている。
表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認されるものである。なお、一部の図においては、遊技盤90に覆われずに露出する表示領域911の形状を簡略化して記載する(方形状に記載する)が、当該部分の大きさや形状は適宜変更可能である。
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動領域904や大入賞領域906等の入賞領域に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
2)遊技性(ゲーム性)
2-1)当否抽選(大当たりおよび小当たり)
始動領域904への遊技球の進入を契機として乱数源から数値(以下、当否抽選情報と称することもある)が取得される。当該数値を用いて当否抽選が実行される。当該数値が予め定められた当たり用数値と同じであれば当たりとなり、異なる場合にはずれとなる。本実施形態では、当たりの態様(種別)として、大当たりおよび小当たりの二種類が設定されている。つまり、乱数源から取得された数値が大当たり用数値と同じであれば大当たりとなり、小当たり用数値(大当たり用数値とは異なる数値である)と同じであれば小当たりとなる。大当たり用数値および小当たり用数値のいずれでもないときははずれである。本実施形態では、後述する遊技状態(開閉モード)に関わらず、大当たりに当選する確率は約1/319であり、小当たりに当選する確率は約1/10である。
本実施形態では、始動領域904として第一始動領域904aと、当該第一始動領域904aとは異なる位置にある第二始動領域904bと、が設けられている。第一始動領域904aに遊技球が進入することを契機として第一当否抽選情報が取得され、それに基づき第一当否抽選(特図1抽選)が実行される。第二始動領域904bに遊技球が進入することを契機として第二当否抽選情報が取得され、それに基づき第二当否抽選(特図2抽選)が実行される。第一始動領域904aは、遊技領域902の左側(表示領域911の左側)を流下するように遊技球を発射する(いわゆる「左打ち」を行う)ことにより遊技球が進入する領域である。第二始動領域904bは、遊技領域902の右側(表示領域911の右側)を流下するように遊技球を発射する(いわゆる「右打ち」を行う)ことにより遊技球が進入する領域である。本実施形態では、「右打ち」を行った場合に第一始動領域904aに遊技球が進入することはなく、「左打ち」を行った場合に第二始動領域904bに遊技球が進入することはないように設定されている。
大当たりに当選した場合には大当たり遊技が実行される。なお、詳細を後述する小当たりを経た大当たり(遊技)と区別するため、大当たり当選を「直当たり」と称することもある。大当たり遊技は、所定条件成立まで大入賞領域906(常態において閉鎖されている)が開放される単位遊技(いわゆる1「ラウンド」分の遊技のことをいう。以下の説明において「ラウンド」と称することもある)が一または複数回繰り返される。本実施形態では、大入賞領域906に遊技球が10個入賞する入賞条件、および、所定時間が経過する時間条件のいずれか一方が成立することをもって単位遊技が終了(大入賞領域906が閉鎖)する。大当たり遊技が含む単位遊技の数(ラウンド数)が多くなるほど、当該大当たり遊技にて得られる遊技者の利益(利益の期待値)が大きくなる。本実施形態では、大入賞領域906は遊技領域902の右側に設けられており、遊技者は遊技領域902の右側に遊技球が進入するよう遊技する(いわゆる「右打ち」を行う)。
小当たりに当選した場合には小当たり遊技が実行される。小当たり遊技は、大入賞領域906が開放されるとともに、当該大入賞領域906内に設けられた特定領域50が開放されるものである(図3(b)参照)。当該特定領域50の付近には「V」の文字が付されており、当該特定領域50を遊技者に示す文言として当該「V」が用いられる。特定領域50は常態において閉鎖されているものであるところ、小当たり当選時には一時的に開放される。なお、大入賞領域906には二つの出口領域が設けられており、大入賞領域906に進入した遊技球は当該二つの出口領域のいずれかを通過することになる。当該二つの出口領域のうちの一方が特定領域50とされている。当該出口領域のそれぞれにはセンサが設けられており、当該出口領域のいずれかを通過した遊技球が大入賞領域906に入賞したものと扱われる。つまり、特定領域50に進入した遊技球は、大入賞領域906にも進入したものでもある。
特定領域50に遊技球が進入したとき(図3(b)参照)には、大当たり遊技が実行される。つまり、抽選により大当たりに当選することだけでなく、小当たりを経由して大当たりを獲得することができる(大当たりを獲得するためには、1つの遊技球が特定領域50に進入すればよい)。なお、大入賞領域906外に特定領域50が設けられた構成としてもよい。
小当たり遊技は、それを経て獲得した大当たり遊技の1ラウンド分の単位遊技とみることもできる。例えば、小当たりを経由した10ラウンド大当たり(単位遊技が10回実行される大当たり)とは、小当たり遊技(大入賞領域906が開放されるとともに特定領域50が開放される遊技)が1ラウンド目の遊技として、その後の大当たり遊技として実行される大入賞領域906の開放が2~9ラウンド目の遊技として実行される(特定領域50に遊技球が進入しなかった場合には当該2~9ラウンド目の遊技が実行されず、小当たり遊技のみで終了する)。小当たり遊技は、大当たり遊技を構成する単位遊技と同様、時間条件および入賞条件(本実施形態では10個入賞)の少なくともいずれか一方が成立することにより終了する。継続的に遊技球を発射していれば先に入賞条件が成立することになるから、小当たり遊技においては一回の単位遊技と同様の賞球を得ることができる。なお、各種大当たり遊技に含まれる単位遊技の数(ラウンド数)はどのようなものであってもよいから説明を省略する。
本実施形態では、小当たりに当選した場合に大入賞領域906とともに特定領域50が開放されることになる(図3(b)参照)が、その時間は、当該特定領域50に遊技球を進入させるために十分な長さが確保される。特定領域50は遊技領域902の右側に設けられており、特定領域50に遊技球を進入させるためには遊技者は右打ちを行うところ、継続的に右打ちを行っていればほぼ確実に特定領域50に遊技球が進入する。小当たり当選時には表示領域911に右打ちを実行する旨の指示が出されるため、遊技者はそれに従うだけでよい。指示が出されてから10数秒遅れて右打ちを開始しても、ほぼ確実に遊技球が特定領域50に進入するように設定されている。このように、本実施形態では、実質的には「小当たり当選=大当たり当選」となる(小当たり当選が大当たり獲得に結びつく)設定である。なお、本実施形態では、大当たり遊技を構成する単位遊技においては、特定領域50は閉鎖された状態(図3(a)参照)にある。
なお、本実施形態にかかる遊技機1のように、大当たり当選時だけでなく、小当たり当選時にも大当たりを獲得できる可能性がある遊技機は「一種二種混合機」等と称される(小当たり経由での大当たりの獲得は「二種」の遊技性である)。
当否抽選結果は、表示領域911に表示される装飾図柄80(図4参照)により報知される。本実施形態では、それぞれが複数種の装飾図柄80を含む三つの装飾図柄群80gが設定される。具体的には、表示領域911の左側に表示される左装飾図柄群80gL、右側に表示される右装飾図柄群80gR、左装飾図柄群80gLと右装飾図柄群80gRの間に表示される中装飾図柄群80gCの三つである。各装飾図柄群80gから選択されて表示された三つの装飾図柄80の組み合わせにより抽選結果が報知される。当該三つの装飾図柄群80gが変動を開始してから、当該変動が停止して抽選結果を示す組み合わせが表示されるまでの演出が変動中演出(一変動分の演出)である。なお、一部の図面においては、装飾図柄80の図示を省略する。
なお、装飾図柄80以外の図柄(別図柄;図示せず)が表示されるようにしてもよい。例えば、本実施形態では、小当たり当選時および大当たり当選時にはいずれも同じ種類の装飾図柄80の三つ揃いが表示される(装飾図柄80の組み合わせによっては小当たりおよび大当たりの区別がつかない)場合があるところ、大当たりに当選したときと小当たりに当選したときとでは、別図柄の態様が異なる(別図柄により大当たりに当選したのか小当たりに当選したのか区別できる)ようにしてもよい。別図柄は、表示領域911に表示されるものであってもよいし、表示領域911外に表示される(表示領域911外に表示されるランプ等の点灯パターン)であってもよい。
2-2)遊技状態
遊技者が大当たり獲得を目指して遊技する遊技状態は、大まかに第一遊技状態と第二遊技状態に区分けされる。第一遊技状態は第一始動領域904aを狙って遊技球を発射すべき(いわゆる「左打ち」を行うべき)遊技状態である。第一遊技状態にて遊技者が「右打ち」を行うと、遊技者は目論見通りの利益を享受することができなくなる(「左打ち」を行った場合に比して享受できる利益が著しく低下する)から、「右打ち」を行っていることが検出された場合には「左打ち」を行うよう注意が促される。一方、第二遊技状態は第二始動領域904bを狙って遊技球を発射すべき(いわゆる「右打ち」を行うべき)遊技状態である。第二遊技状態にて遊技者が「左打ち」を行うと、遊技者は目論見通りの利益を享受することができなくなる(「右打ち」を行った場合に比して享受できる利益が著しく低下する)から、「左打ち」を行っていることが検出された場合には「右打ち」を行うよう注意が促される。
第一遊技状態は、通常第一遊技状態と特殊第一遊技状態に区分けされる。通常第一遊技状態は、低開閉モード(詳細は後述)が設定された状態である。特殊第一遊技状態は、高開閉モード(詳細は後述)が設定された状態である。なお、第二遊技状態は、高開閉モードが設定された状態である。
2-3)開閉モード
開閉モードとして低開閉モードと高開閉モードが設けられている。低開閉モードと高開閉モードは、第二始動領域904bの開放されやすさが異なる。第二始動領域904bは、常態において閉鎖されている領域(閉鎖されているときには遊技球は進入不可能)であり、普通抽選に当選することで開放される領域である(いわゆる「電チュー(領域)」である)。普通抽選は、普通始動領域905に遊技球が進入することを契機として実行される。普通始動領域905は、遊技領域902の右側に設けられている(図2参照)。つまり、「右打ち」を行った場合に遊技球が進入可能な位置に設けられている。第二始動領域904bが開放状態にある際には、「右打ち」を行うことで比較的容易に当該第二始動領域904bに遊技球が進入することになる。
低開閉モードが設定されているときにおける普通抽選に当選する確率よりも、高開閉モードが設定されているときにおける普通抽選に当選する確率の方が高い。低開閉モードが設定されているときにおける普通抽選に当選する確率が0%であってもよい。そのため、基本的には、低開閉モードが設定されているときよりも、高開閉モードが設定されているときの方が、第二始動領域904b(始動領域904)に遊技球が進入しやすく、遊技者にとって有利であるといえる。ただし、詳細を後述する通り、通常第一遊技状態と特殊第一遊技状態とはこのような関係に無い。
低開閉モードが設定されている状態においては、モード移行抽選が実行される。当該モード移行抽選に当選した場合には、高開閉モードへの移行が発生することになる。当該モード移行抽選は、上述した当否抽選(大当たり獲得のための抽選)とは異なるものである。すなわち、モード移行抽選に当選した場合には、大当たり遊技を経ずに、低開閉モードから高開閉モードへの移行が発生することになる。本実施形態では、モード移行抽選の結果は、当否抽選結果とは異なり、装飾図柄80により結果が明確に示されるものではない。ただし、装飾図柄80や他の図柄により結果が示される構成とすることを否定するわけではない。なお、高開閉モードが設定されている際には、モード移行抽選は実行されない。つまり、通常第一遊技状態にあるときにはモード移行抽選は実行されるものの、特殊第一遊技状態や第二遊技状態にあるときにはモード移行抽選が実行されない(実行されるとしても、当選確率0%とされる)。
モード移行抽選は、始動領域904に遊技球が進入することを契機として乱数源から取得される数値(以下、移行抽選情報と称することもある)に基づき実行される。当該数値が予め定められた当選値と同じであれば高開閉モードへの移行が実行され、異なっていれば低開閉モードが維持される。なお、モード移行抽選も、上述した当否抽選と同様に、始動領域904に遊技球が進入することを条件として実行されるものであるから、「移行抽選情報=当否判定情報」である設定としてもよい。ただし、一の遊技球が始動領域904に進入することを契機として、当否抽選とモード移行抽選の両方に当選することはないように設定されている(両方に当選しうる設定とする場合、当否抽選の当選が優先される構成とする)。以下の説明においては、移行抽選情報と当否判定情報とをひとまとまりとして「抽選情報」と称することもある。すなわち、第一始動領域904aに進入することを契機として取得される数値は、第一抽選情報(第一当否判定情報、第一移行抽選情報)であり、第二始動領域904bに進入することを契機として取得される数値は、第二抽選情報(第二当否判定情報、第二移行抽選情報)であるものとする。結局のところ、遊技者にとってみれば、始動領域904に遊技球が進入することを契機として取得される抽選情報に基づいて実行される抽選の結果として、「当たり(大当たり、小当たり)」、「モード移行当選」、「はずれ」の三態様(大当たりと小当たりを別とみるのであれば四態様)が設定されているということである。
本実施形態では、モード移行抽選の当選確率は、遊技球が第一始動領域904aに進入することを契機として実行される抽選(第一移行抽選)と、遊技球が第二始動領域904bに進入することを契機として実行される抽選(第二移行抽選)とで異なるものとされている。第一移行抽選の当選確率は約1/100であり、第二移行抽選の当選確率は約1/4とされている。つまり、第二移行抽選の当選確率は、第一移行抽選の当選確率よりも高い。
モード移行抽選に当選した場合には、変動中演出が終了した後、高開閉モードへの移行が実行される。つまり、ある遊技球が始動領域904に進入することを契機として取得された抽選情報に基づく当否抽選が「はずれ」であったものの、それに基づくモード移行抽選に当選した場合には、当該「はずれ」の変動中演出が終了した後、高開閉モードへの移行が発生する(すなわち、「次変動」から高開閉モードとなる)。
2-4)保留
始動領域904に遊技球が進入し、新たな抽選情報が取得されたとき、それよりも先に取得された抽選情報に対応する変動中演出が実行されている場合(装飾図柄80の変動中である場合)には、当該新たな抽選情報は保留情報(保留)として記憶手段(図示せず)に記憶される。本実施形態では、第一抽選情報として取得された第一保留情報(特図1保留)の最大の記憶数、および、第二抽選情報(特図2保留)として取得された第二保留情報の最大の記憶数はいずれも四つである。
記憶手段に記憶されている保留情報は保留図柄70として表示されることがある(図4参照)。第一保留情報は第一保留図柄として、第二保留情報は第二保留図柄として表示される。第一始動領域904aを狙って遊技球を発射させるべき状態である第一遊技状態においては第一保留図柄が表示される(第一遊技状態においては第二保留図柄が表示されなくてもよい)。第二始動領域904bを狙って遊技球を発射させるべき状態である第二遊技状態においては第二保留図柄が表示される(第二遊技状態においては第一保留図柄が表示されなくてもよい)。なお、一部の図面においては、保留図柄70の図示を省略する。
また、図示しないが、現在変動中演出が実行されているものに対応する保留図柄(いわゆる「当該変動」の保留図柄)が表示されるようにしてもよい。
記憶手段に第一保留情報と第二保留情報の両方が存在している場合、第二保留情報(第二抽選情報)に基づく抽選(当否抽選、モード移行抽選)が優先して実行される。つまり、本実施形態にかかる遊技機1は、いわゆる特図2優先消化である。
2-5)遊技状態の移行
電源ON時(リセット時)には、通常第一遊技状態(図5参照)とされる。通常第一遊技状態においては、遊技者は左打ち遊技を行う。第一始動領域904aに遊技球が進入することを契機として第一抽選情報が取得される。第一抽選情報(第一当否抽選情報)に基づく当否抽選(特図1抽選)が大当たりとなった場合には大当たり遊技が実行される。当該大当たり遊技終了後は、第二遊技状態に移行することになる(図5「R1」)。ただし、特図1抽選により当選した大当たりの一部のみが大当たり遊技終了後第二遊技状態に移行する大当たりであり、他の一部は大当たり遊技終了後通常第一遊技状態に戻る大当たりとする設定としてもよい。
通常第一遊技状態における特図1抽選にて小当たりに当選した場合、小当たり遊技が実行されることになるが、当該特図1抽選を経た小当たり遊技における特定領域50(大入賞領域906)の開放時間は極めて短い。つまり、当該小当たり遊技にて特定領域50に遊技球を進入させることは事実上不可能である。すなわち、通常第一遊技状態においては、事実上、小当たり当選を経て大当たりを獲得することは不可能である。なお、特図1抽選にて小当たりに当選することはない設定(大当たり以外は全てはずれである設定)としてもよい。
また、通常第一遊技状態では、第一始動領域904aに遊技球が進入することを契機として取得される第一抽選情報(第一移行抽選情報)に基づくモード移行抽選に当選することがある。モード移行抽選(第一移行抽選;当選確率約1/100)に当選した場合には、高開閉モードである第二遊技状態に移行する(図5「R2」)。
第二遊技状態(図5参照)においては、遊技者は右打ち遊技を行う。第二遊技状態は普通抽選に当選しやすい状態であるため、比較的容易に第二始動領域904bが開放され、当該第二始動領域904bに遊技球が進入することを契機として第二抽選情報が取得される。すなわち、第二遊技状態は、頻繁に第二始動領域904bに遊技球が進入する「高ベース状態」である。第二抽選情報(第二当否抽選情報)に基づく当否抽選(特図2抽選)が大当たり(直当たり)となった場合には大当たり遊技が実行される。
また、特図2抽選が小当たりとなった場合には、小当たり遊技が実行される。当該特図2抽選を経た場合の小当たり遊技における特定領域50(大入賞領域906)の開放時間は極めて長く、遊技者が継続的に特定領域50を狙って遊技球を発射していれば、ほぼ100%の確率で特定領域50に遊技球が進入する(図2(b)参照)。つまり、小当たり当選は、ほぼ100%の確率で大当たりの獲得に繋がるものであり、実質的には大当たり当選と同価値である。
なお、第二遊技状態は、高開閉モード中であるから、第二抽選情報に基づくモード移行抽選は実行されない。
第二遊技状態にて獲得した大当たり遊技(小当たり経由を含む)の終了後には、再び第二遊技状態に移行する(図5「R3」)。一方、第二遊技状態は、規定回数連続して当否抽選結果がはずれとなった場合に終了する(いわゆるSTタイプの遊技性である)。本実施形態では、当該規定回数が10回に設定されている。すなわち、10回連続して大当たり(約1/319)および小当たり(約1/10)のいずれにも当選しなかった場合に第二遊技状態が終了する。第二遊技状態が終了した場合には通常第一遊技状態に移行することになる(図5「R4」)。
上述した通り、本実施形態における第二抽選情報(特図2保留)の最大の記憶数は四つである。したがって、第二遊技状態が終了し、通常第一遊技状態に移行しても、最大で四つの第二抽選情報(特図2保留)が残存していることになる。なお、本実施形態では、第二遊技状態における最後の変動中演出(第二遊技状態に移行してから10回目の変動中演出)にて、遊技者に対し、右打ちを継続して特図2保留を貯めることを促す指示が出される。それに従っていれば、通常第一遊技状態に移行した時点で四つの第二抽選情報(特図2保留)が記憶手段に記憶されていることになる(以下、当該保留(抽選情報)を「残保留」と称することもある)。
上述した通り、本実施形態では「特図2優先消化」であるから、通常第一遊技状態に移行した直後は、残保留分の抽選、すなわち記憶手段に記憶されている第二抽選情報(特図2保留)に基づく抽選(当否抽選、モード移行抽選)が実行されることになる。当該第二抽選情報に基づく抽選により大当たりまたは小当たりに当選した場合には、大当たり遊技が実行され、その大当たり遊技終了後再び第二遊技状態に移行することになる(図5「R1」)。
一方、大当たりまたは小当たりに当選しない場合であっても、第二抽選情報(特図2保留)に基づくモード移行抽選(第二移行抽選;当選確率約1/4)に当選する可能性がある。当該モード移行抽選に当選した場合には、特殊第一遊技状態(高開閉モード)に移行する。つまり、本実施形態では、残保留分のモード移行抽選のいずれかが当選となった場合には高開閉モードの一種である特殊第一遊技状態に移行し(図5「R5」)、いずれも非当選であった場合には通常第一遊技状態に移行する(維持される)(図5「R6」)ものとされている。まとめると、残保留分の抽選にて当否抽選(大当たりまたは小当たり)に当選した場合には(大当たり遊技終了後)第二遊技状態に移行(再突入)し(図5「R1」)、残保留分の抽選にてモード移行抽選に当選した場合には特殊第一遊技状態に移行し(図5「R5」)、残保留分の抽選にて当否抽選およびモード移行抽選のいずれにも当選しなかった場合には通常第一遊技状態となる(現状維持となる)ということである(図5「R6」)。後述するように、通常第一遊技状態の方が、特殊第一遊技状態よりも遊技者にとって有利な状態であるから、残保留分の当否抽選に当選しない(大当たりまたは小当たりに当選しない)のであれば、残保留分のモード移行抽選(第二移行抽選;当選確率約1/4)に当選しないことの方が遊技者にとって喜ばしいことになる。
特殊第一遊技状態は、高開閉モードであるものの、普通抽選に当選した場合における第二始動領域904bの開放時間が極めて短い(第二遊技状態での普通抽選当選時における開放時間よりも短い)。すなわち、特殊第一遊技状態は、同じ高開閉モードである第二遊技状態(高ベース状態)とは異なり、「低ベース状態」であるということになる。そのため、特殊第一遊技状態にて右打ちを行っても、遊技球が第二始動領域904bにほとんど進入しない(第二遊技状態にて右打ちを行った場合よりも、遊技球が第二始動領域904bに進入する確率が低い)。具体的には、特殊第一遊技状態にて右打ちを行うことは、左打ちを行うことよりも遊技者に不利益となる設定とされている(このような設定であるから、特殊第一遊技状態は左打ちを行うべき遊技状態ということになる)。よって、遊技者は、特殊第一遊技状態においては、左打ちを行い、第一始動領域904aに遊技球を進入させることによる大当たり獲得を目指して遊技することになる。
通常第一遊技状態と特殊第一遊技状態の違い(遊技者の利益に関する違い)は次のようなものである。上述した通り、通常第一遊技状態は、低開閉モードであるため、第一抽選情報(第一移行抽選情報)に基づくモード移行抽選(第一移行抽選)に当選し、その結果第二遊技状態への移行(図5「R2」)が発生することがある。一方、特殊第一遊技状態は、高開閉モードであるため、モード移行抽選は実行されない。すなわち、普通抽選当選時における第二始動領域904bの開放時間が極めて短いがゆえに高開閉モードであることの利益は享受できないものの、高開閉モードが設定されていることには変わりはないため、モード移行抽選(第一移行抽選)は実行されない(図5において「R7」で示したルートの移行は発生しない)。
このように、通常第一遊技状態は、当否抽選にはずれた場合であっても第二遊技状態へ移行する権利を獲得しうる状態(約1/100で獲得できる状態)であるといえるが、特殊第一遊技状態は、当該第二遊技状態へ移行する権利を獲得し得ない状態であるということができる。つまり、通常第一遊技状態と特殊第一遊技状態とは、当否抽選に当選する確率(約1/319)は同じであるものの、前者はそれに加えて第二遊技状態へ移行する抽選(約1/100)に当選する可能性があるのに対し、後者はその可能性がないという点で、前者の方が後者よりも有利であるということがいえる。
なお、第二遊技状態の終了時点にて残保留が存在していなければ残保留分の第二移行抽選が実行されず、特殊第一遊技状態への移行は生じないことになる。つまり、遊技者にとって不利な特殊第一遊技状態へ移行せず、有利な通常第一遊技状態に移行することになる。よって、その点においてみれば、第二遊技状態の最後の変動中演出にて特図2保留を貯めなければ(残保留が0となるようにすれば)よいということになるが、特図2保留がなければ1/10の小当たり抽選(および1/319の大当たり抽選)を受けられず、残保留分の抽選(最大四回)で十分獲得に期待がもてる小当たり経由での大当たりを獲得することができない(残保留での大当たり獲得の可能性が無くなる)ということになる。本実施形態では、残保留を貯めた(特図2保留を四つ貯めた)場合の方が、残保留を貯めない場合よりも、遊技者が享受する期待値(期待出玉)が大きくなるように設定されている(残保留による「大当たり獲得」の可能性を享受することの方が、「特殊第一遊技状態」に移行する可能性を排除することよりも遊技者にとって利益が大きい)。上述した通り、第二遊技状態における最後の変動中演出(第二遊技状態に移行してから10回目の変動中演出)にて、遊技者に対し、右打ちを継続して特図2保留を貯めることを促す指示が出されるところ、それに従って遊技した方が遊技者にとって有利であるということである。
特殊第一遊技状態での高開閉モードは、所定回数(X回)連続して当否抽選結果がはずれとなることをもって終了し、通常第一遊技状態に移行する(図5「R8」)。つまり、特殊第一遊技状態は、左打ち遊技を行い、第一当否抽選による大当たり当選(約1/319)を目指す遊技状態であるところ、当該第一当否抽選がX回連続してはずれとなれば、現在の状態よりも有利な通常第一遊技状態に移行するということである。通常第一遊技状態に移行した後は、当否抽選に加え、モード移行抽選が実行されることになる。本実施形態では、X=800とされている(当該Xは適宜変更可能である)。なお、特殊第一遊技状態は、次回大当たりまで継続する設定としてもよい。すなわち、特殊第一遊技状態から通常第一遊技状態への移行が発生しない設定としてもよい。
以上説明した通り、本実施形態にかかる遊技機1では、左打ち遊技を行う(第一抽選情報を取得して抽選を受ける)遊技状態である第一遊技状態として、通常第一遊技状態(低開閉モード)と特殊第一遊技状態(高開閉モード)が設定されており、特殊第一遊技状態を高開閉モードの恩恵を受けることができない状態とすることで、モード移行抽選が実行される通常第一遊技状態の方が、モード移行抽選が実行されない特殊第一遊技状態よりも遊技者に有利な状態とされたものである。すなわち、高開閉モード中には高開閉モードへの移行抽選が実行されないことを利用して低開閉モードである方が遊技者に有利であるという関係を作り出すことにより、左打ちを行う状態として有利さの度合が異なる二種の状態を設けたという面白みのあるものである。
また、本実施形態にかかる遊技機1の遊技性は、第一抽選情報に基づく第一移行抽選の当選確率(約1/100)よりも、第二抽選情報に基づく第二移行抽選の当選確率(約1/4)の方を高くし、第二遊技状態から通常第一遊技状態に移行したときの「残保留」分の第二移行抽選に当選するか否かにより、特殊第一遊技状態に移行するか否かが決まる(残保留分の第二移行抽選に当選しないことの方が遊技者にとって喜ばしいという)という斬新なものである。
以下、上記遊技性(特に、通常第一遊技状態および特殊第一遊技状態)に関する事項を改良、変形、具体化等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の各具体例を用いて説明する事項を複数適用した構成としてもよい。
○具体例1-1
上記実施形態は、残保留分のモード移行抽選の結果に応じ、通常第一遊技状態が設定されるか特殊第一遊技状態が設定されるかが決まるものであるが、これはあくまで一例である。第一始動領域904aを狙って遊技すべき状態(左打ちを行うべき状態)として、低開閉モードが設定されているためにモード移行抽選に当選しうる状態と、高開閉モードが設定されているためにモード移行抽選に当選しない状態(高開閉モードの恩恵を受けることができない状態)が設けられたものであればよい。
○具体例1-2
第二遊技状態が終了し、残保留分の抽選を経て、通常第一遊技状態および特殊第一遊技状態のいずれに移行したのかが、遊技者に明確に示される設定(明示設定)としてもよいし、遊技者に明確に示されない設定(非明示設定)としてもよい。明示設定とする場合にて、通常第一遊技状態であるのか特殊第一遊技状態であるのかを示す方法はどのようなものであってもよい。例えば、残保留分のモード移行抽選の結果が示されるようにすれば、どちらの第一遊技状態に移行したのか把握できる。
また、通常第一遊技状態および特殊第一遊技状態の少なくともいずれか一方においては、当該遊技状態を示す固有の表示、例えば、通常第一遊技状態においては「○○モード」、特殊第一遊技状態においては「××モード」(○○モードは通常第一遊技状態であることを、××モードは特殊第一遊技状態であることを示す)が表示領域911に表示されるようにすることが考えられる(図6(a)参照)。非明示設定では、このような表示がなされず、いずれの状態であるのか遊技者には明確に判別できないようにする(図6(b)参照)。
明示設定とすれば、通常第一遊技状態および特殊第一遊技状態のいずれに移行したのか遊技者が判別できるため、遊技が分かりやすくなるという利点がある。また、通常第一遊技状態は特殊第一遊技状態に比して遊技者に有利な状態であるところ、当該通常第一遊技状態であることが分からずに遊技をやめてしまうことが防止される(通常第一遊技状態に移行したことが分かれば遊技を続けるであろう遊技者も遊技をやめてしまうおそれがある)。
非明示設定とすれば、残保留分の抽選の終了後にどちらの第一遊技状態に移行したのか分からなくなるから、それを想像しながら遊技するという楽しみ方ができる。非明示設定とする場合、変動中演出にて、通常第一遊技状態および特殊第一遊技状態のいずれかが設定されているのかを示唆する示唆演出が発生するようにしてもよい。このようにすることで、発生する示唆演出の種類、内容により、通常第一遊技状態および特殊第一遊技状態のいずれが設定されているのかを予測しつつ楽しむことができる。
示唆演出の例としては種々考えられる。例えば、所定条件を満たした場合に示唆演出X(例えばキャラクタXが表示される)またはそれとは異なる態様の示唆演出Y(例えばキャラクタyが表示される)が発生しうるようにし、通常第一遊技状態が設定されている場合には示唆演出Yよりも示唆演出Xの方が発生確率が高く、特殊第一遊技状態が設定されている場合には示唆演出Xよりも示唆演出Yの方が発生確率が高いという設定とする(図7には、リーチ成立時を所定条件とした例を示す)(図7参照)。また、発生することで通常第一遊技状態および特殊第一遊技状態の一方が設定されていることが確定するといった示唆演出が設けられていてもよい。
示唆演出の発生する確率が変化しうるものとしてもよい。例えば、残保留分の抽選が終了した後、100回の当否抽選結果が実行されるまで(100回転まで)は、それ以降よりも示唆演出の発生確率が高い設定とする。このようにすることで、残保留分の抽選が終了した後、すぐに遊技をやめてしまう遊技者の低減に資することになる。
○具体例1-3
上記実施形態では、電源ON時には通常第一遊技状態が設定されることを説明したが、これとは異なり、電源ON時には特殊第一遊技状態が設定される構成とする。電源ON時は、いわゆる朝一状態(遊技店が開店したときの状態)であり、そのときの遊技状態は最も遊技者にとって価値の低い遊技状態であることが好ましいと考えるのであれば、通常第一遊技状態よりも遊技者にとって不利な特殊第一遊技状態が設定される構成とする。もしくは、遊技機1内部に設けられた所定のボタン等の操作(遊技店側は可能であるものの、遊技者は不可能な操作)により、特殊第一遊技状態が設定される構成としてもよい。
ただし、上記実施形態のように、電源ON時には通常第一遊技状態が設定される構成とすれば、いわゆる朝一状態においては最も不利な特殊第一遊技状態が設定されていない(設定されていない蓋然性が高い)のであるから、朝一状態にて遊技する遊技者の増加が見込めるという利点がある。
○具体例1-4
図8に示すように、第一遊技状態(通常第一遊技状態および特殊第一遊技状態のいずれも含む)にて規定回数(Y回)連続してはずれとなった場合には、第二遊技状態(いわゆる「天井」機能として搭載された遊技者に有利な状態)に移行する設定とする(Y=天井回数である)(図8「R9」)。なお、「天井」として第二遊技状態に移行した場合における当該遊技状態の継続回数は、そのほとんど(例えば98%以上)が大当たり獲得(大当たりまたは小当たり当選)に結びつくような値とされるとよい。次の大当たりまで第二遊技状態が終了せずに継続する設定としてもよい。上記実施形態にかかる遊技機1では、第二遊技状態(ST)が終了した場合であっても残保留分の抽選を経て通常第一遊技状態に移行したときには遊技を継続しようとする遊技者が増加することが見込まれる(いわゆる「即ヤメ」が低減される)から、当該Yの値を多くしやすい(天井までが「遠い」設定としやすい)といえる。
本例のようにする場合、上記規定回数Yは、特殊第一遊技状態での高開閉モードが継続する回数(所定回数X)よりも多くされる(Y>Xとされる)。すなわち、特殊第一遊技状態での高開閉モードは、上記規定回数Yに到達する(「天井」に到達する)よりも前に必ず終了するものとする。特殊第一遊技状態での高開閉モードは、普通抽選に当選したときにおける第二始動領域904bの開放時間が極めて短いものであり、高開閉モードの恩恵を受けることができない「低ベース状態」である。一方、「天井」機能が発現した際に移行する第二遊技状態は、第二始動領域904bの開放時間が長い「高ベース状態」である。つまり、同じ高開閉モードであっても、特殊第一遊技状態の高開閉モードと第二遊技状態の高開閉モードは全く異なるモードである。そのため、特殊第一遊技状態での高開閉モードをいったん終了させた上で(一旦通常第一遊技状態(低開閉モード)に移行させた上で)、規定回数Y到達を契機として第二遊技状態としての高開閉モードに移行させる必要がある。それを実現するため、Y>Xとし、特殊第一遊技状態での高開閉モードは「天井」に到達するよりも前に必ず終了するものとする。
○具体例1-5
残保留分の抽選結果を示す変動中演出においては、当否抽選結果の示唆(大当たりまたは小当たり当選の示唆)とともに、モード移行抽選の結果の示唆(モード移行示唆演出)もなされる構成とする。上述した通り、モード移行抽選に当選しないことが遊技者にとって喜ばしいのであるから、モード移行示唆演出はモード移行抽選に当選していないこと(非当選であること)の蓋然性を示唆するものとされる。
例えば、当否抽選結果(はずれ)を示す装飾図柄80の組み合わせにより、モード移行抽選に当選しているか否かが示唆される(はずれを示す組み合わせがモード移行示唆演出である)ものとする。上述した通り、当否抽選結果が当たり(大当たりまたは小当たり)となるときにはそれが優先され(当否抽選とモード移行抽選の両方に当選することはなく)、はずれとなるときにモード移行が発生する可能性があるのであるから、当該はずれを示す装飾図柄80の組み合わせがモード移行の有無を示唆するものとする。当該組み合わせの法則は適宜設定することができる。例えば「全て奇数」である場合よりも「全て偶数」である場合の方が、モード移行抽選に当選している蓋然性が高い(すなわち、遊技者にとって喜ばしくない状況である)という設定とすることが考えられる(図9参照)。表示された場合にはモード移行抽選に当選していることが確定する組み合わせ(法則)が設定された構成としてもよい。
モード移行示唆演出として、変動中演出中に所定の示唆画像が表示され、当該示唆画像の色(青または緑または赤)によりモード移行抽選の結果の示唆がなされるものとすることもできる。当否抽選結果を示唆する一般的な演出は、青よりも緑、緑よりも赤の方が、当否抽選結果が当たりとなる蓋然性が高い設定とされる。これに対し、モード移行示唆演出は、青よりも緑、緑よりも赤の方が、モード移行抽選に「当選していない」蓋然性が高まるものとする。つまり、モード移行抽選に「当選していない」ことが遊技者にとって好ましいのであるから、当否抽選結果を示唆する演出とは逆の順序で演出の態様(画像の色)が設定されるものとする。
3)各種演出
本実施形態にかかる遊技機1は、第一遊技状態にて実行される変動中演出を構成する演出として以下に示す演出を実行することが可能である。なお、以下で説明する演出のうちの一部のみが実行可能であってもよい。また、上記2)で説明した遊技性は、以下で説明する演出を実行するために必須の条件ではない。一般的な確変ループ機やST機等における変動中演出にて以下で説明する演出が発生しうるものとしてもよい。また、以下で説明する演出が大当たり遊技中に発生するものとしてもよい。例えば、以下で説明する演出は、当否抽選結果(大当たり)を示唆、報知等するものとして実行されるものであるが、それを大当たり遊技終了後の遊技状態の示唆、報知等に置き換えて適用した構成とすることも可能である。
3-1)複合操作演出
3-1-1)特殊デバイス
複合操作演出は、遊技者が操作可能な操作手段10の一種である特殊デバイス11(図1、図10参照)を用いた演出である。特殊デバイス11は、所定の方向に沿って移動することが可能な構造物である。本実施形態における特殊デバイス11は「剣」を模した構造物である。特殊デバイス11は、原位置(図10(a)参照)と当該原位置よりも上方(「上方」とは、水平方向よりも上向きのことをいう。また、「下方」とは、水平方向よりも下向きのことをいう。以下同じ)の位置である進出位置(図10(b)参照)との間を移動することが可能である。特殊デバイス11は、遊技機1の筐体に形成された収容空間内に入り込んだ状態にある。具体的には、筐体には上方に向かって開放する開口部が形成された収容空間が形成されており、当該空間内に特殊デバイス11の一部(剣の「刃」の部分)が入り込み、他の一部(剣の「鍔」「持ち手」の部分)が収容空間外(収容空間の上方)に位置した状態にある。特殊デバイス11が原位置から進出位置に変位(上方に向かって変位)すると、収容空間内に入り込んでいた特殊デバイス11の一部(剣の「刃」の部分)が収容空間外に露出する。
原位置は、それ以上特殊デバイス11が下方に移動することができない位置である。進出位置はそれ以上特殊デバイス11が上方に移動することができない位置である。特殊デバイス11が原位置に位置したこと(もしくは、ほぼ原位置に位置しているとみなすことができるような範囲内にあること)および進出位置に位置したこと(もしくは、ほぼ進出位置に位置しているとみなすことができるような範囲内にあること)は、図示されないセンサにより検出される。かかる特殊デバイス11に対し、電気的駆動源の動力が伝達可能に構成されている。本実施形態にかかる駆動源はモータ111である(図10参照)。モータ111から特殊デバイス11に至るまでの動力伝達機構の構成はどのようなものであってもよいから説明を省略する。モータ111を一方に回転させることにより特殊デバイス11は原位置から進出位置に変位する。モータ111を他方に回転させることにより特殊デバイス11は進出位置から原位置に変位する。つまり、本実施形態にかかる特殊デバイス11は、遊技者の操作によらず、自動的に動作することも可能である。遊技者が特殊デバイス11を操作すべき(操作可能な)タイミングでないときにおいては、特殊デバイス11はロックされている。当該ロック機構はどのようなものであってもよい。本実施形態では、励磁されたモータ111のディティントトルクにより、特殊デバイス11を原位置から進出位置に容易に変位させることができないようにされている。複合操作演出を実行する際には、当該ロックが解除され、特殊デバイス11を操作することが可能となる。
また、本実施形態では、当該特殊デバイス11を振動させる(バイブさせる)ことが可能な振動装置112が設けられている(図10参照)。遊技者が特殊デバイス11を操作する(触れている)際に当該特殊デバイス11を振動させると、その振動は遊技者に伝達されることになる。この種の振動装置112(操作手段10を振動させるための構造)は、公知であるから説明を省略する。
3-1-2)複合操作演出の構成
本実施形態における複合操作演出は、敵100体を殲滅することを目標として遊技者に課せられる演出である。当該「100」の数値(演出用数値)が最終的に「0」に到達する(殲滅する)ことが遊技者に有利な成功結末として、「0」に到達しないことが失敗結末として設定されたものである。成功結末に至った場合には遊技者に有利な事象が発生し、失敗結末に至った場合には当該事象が発生しない。つまり、演出用数値が「0」という規定値(目標値)に到達することが有利な結末として、到達しないことが不利な結末として設定されたものである。詳細を後述するように、当該演出用数値は複合操作演出の経過とともに変化していくものであり、その変化態様によって複合操作演出の結末が示唆されることになるから、当該演出用数値は複合操作演出の結末を示唆する「示唆要素」と捉えることもできる。本実施形態では、当該「有利な事象」は大当たりの報知(大当たり確定)とされている。つまり、複合操作演出が発生する変動中演出に対応する当否抽選結果(対象当否抽選結果)が大当たりである場合には成功結末に至り、はずれである場合には失敗結末に至る。複合操作演出は、その結末により当否抽選結果が報知されるリーチ演出の一種であるとみることもできる。
複合操作演出は、第一段階と第二段階を含む。第一段階は、特殊デバイス11を原位置から進出位置に変位させることが遊技者に要求される段階である。第二段階は、第一段階における操作によって進出位置に位置している特殊デバイス11を原位置に変位させることが遊技者に要求される段階である。つまり、第一段階は複合操作演出の前半部分であるといえ、第二段階は複合操作演出の後半部分であるといえる。第一段階および第二段階のそれぞれにおいて操作有効期間(特殊デバイス11の操作が演出に反映される期間)が設定される。
第一段階の演出形態は具体的には次のようなものである。敵100体を殲滅することが目標であることが遊技者に示された(図11(a)参照)上で、特殊デバイス11のロックが解除され、当該特殊デバイス11を原位置から進出位置に変位させることが促される。本実施形態では「剣を引き抜け」の文字が表示領域911に表示される(図11(b)参照)。なお、所定時間内に遊技者が特殊デバイス11を操作しなかった場合、モータ111が駆動されることで特殊デバイス11は自動的に進出位置に位置する。
特殊デバイス11が進出位置に位置した状態で、当該特殊デバイス11を進出位置に維持させる維持操作が促される(図11(c)参照)。本実施形態では「KEEP」の文字が表示領域911に表示される。これを見た遊技者は、進出位置にて特殊デバイス11を把持したままとする。なお、遊技者が特殊デバイス11から手を離したとしても、特殊デバイス11が進出位置に位置した状態は保たれる(モータ111のディティントトルクにより下方に落下しないようにされる)。つまり、本実施形態では、特殊デバイス11を進出位置に維持させる指示はあくまで演出上のものであり、それを怠った場合であっても自動的に特殊デバイス11が進出位置で維持されるように構成されている。
当該維持操作が要求されている最中に、敵の数を表す「100」の演出用数値が減少する。つまり、演出用数値が経時的に規定値である「0」に近づいていく変化が生じる(図11(c)(d)参照)。なお、当該変化は、数値が「1」ずつ減少するものであってもよいし、「2」以上ずつ減少するものであってもよい。毎回減少の態様が異なるものであってもよい。本実施形態では、維持操作が要求され、演出用数値が経時的に減少している最中においては、振動装置112が駆動し、特殊デバイス11が振動するものとされる。第一段階は特殊デバイス11の操作により敵の数が減少している(敵を倒している)ことを示す演出態様であるから、特殊デバイス11を振動させて当該敵の減少が体感として伝わるようにする。また、上述した通り、本実施形態では維持操作を怠った場合であっても特殊デバイス11は進出位置で維持されるものである。このようにすると維持操作をする意味がないと考える遊技者が増加してしまう(特殊デバイス11に触れない遊技者が増加してしまう)おそれがあるところ、本実施形態では特殊デバイス11を振動させる(特殊デバイス11に触れなければ体感できない演出を発生させる)ことで、遊技者が積極的に維持操作に関与することを促す設定としている。
維持操作の要求が終了すること、すなわち第一段階が終了することを契機として、当該演出用数値の変化が終了する。本実施形態ではこれを契機として特殊デバイス11の振動も停止する。当該第一段階が終了した時点での演出用数値を「中途数値」とすると、第一段階の結末は当該「中途数値」を示す中途結末に相当するものである(図11(e)、図12(a)参照)。本実施形態では「中途数値」の値が小さいほど(すなわち、規定値である「0」に近いほど)、最終的な複合操作演出の結末(最終結末)が成功結末に至る蓋然性が高くなるように設定されている。つまり、中途結末の態様は、最終結末が遊技者に有利なものとなる蓋然性を示唆するものである。本実施形態では、中途数値の候補として複数の値が設定されており、中途結末にて当該候補の値のいずれかに至るよう演出用数値が減少する。その値が小さいほど(規定値に近いほど)成功結末に至る蓋然性が高い。
なお、本実施形態では、中途結末にて示される中途数値が「0」となることはない。つまり、中途結末の段階で演出用数値が規定値に到達することはない。ただし、中途結末にて中途数値が「0」となることもあり、その場合には複合操作演出の最終結末が成功結末に至ることが確定するような設定としてもよい。
中途結末に至った後(中途数値が示された後)、第二段階に移行する。第二段階においては、第一段階を経ることにより進出位置に位置した特殊デバイス11を原位置に変位させることが促される。当該変位は下方に向かう変位であるから、本実施形態では「剣を押し込め」の文字が表示領域911に表示される(図12(b)参照)。操作有効期間中に特殊デバイス11が原位置に到達したことが検出されることを契機として複合操作演出の結末(最終結末)に至る。すなわち成功結末または失敗結末に至る。なお、操作有効期間内に特殊デバイス11が原位置に到達しなかった場合には、操作有効期間の終了を契機として最終結末に至る。この場合には、操作有効期間の終了後、モータ111が駆動し、特殊デバイス11は自動的に原位置に戻る。
成功結末となった場合には敵の数、すなわち演出用数値が「0」(規定値)に到達したことが示される(図12(c-1)参照)。なお、規定値そのものが表示領域911に示されるものとしなくてもよい。例えば「殲滅」の文字が示されれば、遊技者は敵の数が「0」となったことが把握できるから、規定値そのものが表示されるものとしなくてもよい。すなわち、「規定値に到達する」(ことを示す)とは、規定値そのものが示されることだけでなく、規定値に到達したことと実質的に同義のことが示されることも含まれるものとする。また、本実施形態では、成功結末となる場合には特殊デバイス11が振動する。
失敗結末となった場合には、敵の数が規定値に到達しなかったことが示される。本実施形態では「0」以外の演出用数値が示される(図12(c-2)参照)。「残存」といった文字を表示すれば規定値(「0」)に至らなかったことが分かるから、演出用数値そのものが表示されるものとしなくてもよい。すなわち、「規定値に到達しない」(ことを示す)とは、規定値以外の数値そのものが示されることだけでなく、規定値に到達しなかったことと実質的に同義のことが示されることも含まれるものとする。失敗結末となった場合には、成功結末となった場合と異なり、特殊デバイス11は振動しない。
このように、本実施形態にかかる遊技機1は、特殊デバイス11を原位置から進出位置に変位させる第一段階、進出位置から原位置に変位させる第二段階を含む演出であって、第一段階を経た中途結末(中途数値)が、第二段階の後の最終結末を示唆するという面白みのある複合操作演出を実行することが可能である。
また、第一段階は、特殊デバイス11を進出位置にて維持させ、その最中に演出用数値(示唆要素)が目標となる規定値に向かって経時的に変化していくものであり、中途結末として示される値(中途数値)が最終結末を示唆することになる。つまり、第一段階の維持操作にて最終的な目標にできるだけ近づくことを目指す演出形態であるため、演出の流れが分かりやすいものとなる。
以下、上記複合操作演出に関する事項を改良、変形、具体化等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の各具体例を用いて説明する事項を複数適用した構成としてもよい。
○具体例2-1
上記実施形態では、第一段階にて、特殊デバイス11に触れなくても当該特殊デバイス11が進出位置に維持され、その最中に演出用数値(示唆要素)が変化することを説明したが、維持操作がなされていなければ演出用数値の変化は生じないものとしてもよい。
維持操作がなされているか否か(遊技者が特殊デバイス11に触れているか否か)を判断する方法は種々考えられる。例えば、特殊デバイス11にセンサを設け、遊技者が特殊デバイス11に触れているかどうかを判断することができるようにする。すなわち、センサによって遊技者の接触が検出されていれば維持操作がなされていると判断し、検出されていなければ維持操作がなされていないと判断する。
別例として、特殊デバイス11に触れていなければ(下がらないよう力を加えていなければ)、特殊デバイス11が原位置に変位してしまう構成とすることが考えられる。このようにした場合、維持操作がなされていなければ特殊デバイス11は進出位置に位置しない状態となってしまうため、特殊デバイス11が進出位置に位置しているかどうかにより維持操作がなされているかを判断することができる。
また、このように第一段階における演出用数値の変化が、特殊デバイス11の維持操作を条件として生じる構成とする場合、第一段階にて十分な維持操作がなされなければ中途数値(中途結末の態様)による最終結末の示唆作用が享受できない設定とすることができる。例えば、図13に示すように、最終結末(成功結末または失敗結末)を踏まえ、第一段階にて特殊デバイス11が十分に維持操作されたとすれば中途数値を「30」とすることが(中途数値の限界値を「30」とすることが)前もって決定されたものとする。しかしながら、第一段階における操作有効期間中の特殊デバイス11の維持操作の時間が十分なものではなく、操作有効期間の終了時点にて演出用数値が「30」に到達しなかった(「30」超であった)とする。この場合には、中途結末として演出用数値が「30」であることは示されない構成とする。つまり、本来であれば中途結末として示される演出用数値「30」が中途結末による「最終結末の示唆」である(図13(a)参照)ところ、そこまで至る維持操作がなされなかったのであれば当該示唆がなされない(例えば、操作有効期間の終了時点での演出用数値(「30」超の数値)がそのまま示される)(図13(b)参照)ようにする。このようにすることで、中途結末による最終結末の示唆作用を享受したいと考えるのであれば、第一段階にて積極的に操作することが必要になるため、操作意欲の向上に資することになる。
○具体例2-2
上記実施形態における複合操作演出は二段階(第一段階、第二段階)の演出であるが、三段階以上の演出としてもよい。ただし、ある段階(先の段階)の終了時点における特殊デバイス11の位置が、次の段階における特殊デバイス11の操作に反映される(当該次の段階での操作前の特殊デバイス11の位置が、先の段階の終了時点における特殊デバイス11の位置に相当する)ものとする。
例えば、上記実施形態にて説明した第一段階の前に、事前段階の演出が発生するものとする。つまり、複合操作演出は、事前段階→第一段階→第二段階の順で進行するものとする。第一段階は、特殊デバイス11を原位置から進出位置に変位させることが促されるものであるから、事前段階の終了時点においては特殊デバイス11が原位置に位置した状態とされる。
事前段階の演出態様としては種々考えられる。例えば、原位置よりもさらに押し込むことを要求する態様とすることが考えられる(実際には、特殊デバイス11は原位置よりもさらに下方に変位することはなく、原位置に位置したままである)(図14(a)参照)。また、図示しないが、特殊デバイス11を原位置に位置させたままとすること要求する態様とすることが考えられる。また、図示しないが、モータ111を駆動して予め特殊デバイス11を自動で進出位置に位置させておき(ポップアップさせておき)、進出位置から原位置に向かって操作することを要求する態様とすることが考えられる。いずれの態様としても、事前段階の終了時点(図14(b)参照)においては、特殊デバイス11は原位置に位置した状態となるから、自然な流れで第一段階(原位置から進出位置への操作が要求される演出)(図14(c)(d)参照)に移行することになる。
また、このような事前段階が実行されるのであれば、事前段階の結末(以下、事前結末と称する)により最終結末が示唆されるものとするとよい。つまり、事前段階の結末である事前結末と、第一段階の結末である中途結末の二つにより、複合操作演出の最終的な結末(上記実施形態では当否抽選結果)が示唆される構成とする。事前結末の態様はどのようなものであってもよい。例えば、事前段階にて要求される特殊デバイス11の操作の結果として表示される演出画像の態様(色等)(図14(b)参照)により最終結末が示唆される構成とすることが考えられる。
○具体例2-3
上記実施形態では、第一段階における維持操作が要求され、演出用数値が変化している最中に特殊デバイス11が振動することを説明したが、振動することもあれば振動しないこともある設定とする。そして、特殊デバイス11が振動した場合の方が、振動しない場合よりも、中途結末が遊技者に有利なものとなる(上記実施形態に即していえば中途数値(の期待値)が小さくなる(規定値に近くなる))蓋然性が高い設定とする(図15参照)。中途結末は最終結末を示唆するものであるのであるから、特殊デバイス11が振動した場合の方が、振動しない場合よりも、最終結末が成功結末となる蓋然性が高いということになる。
このようにすることで、第一段階での特殊デバイス11の振動の有無に遊技者が注目する演出形態とすることができる。
○具体例2-4
上記実施形態における複合操作演出は、第一段階にて特殊デバイス11を原位置から演出位置に変位させることが遊技者に対し要求されることを説明したが、第一段階にてこのような要求がなされず、自動(モータ111)で特殊デバイス11が原位置から演出位置に変位することが発生しうるものとする。つまり、第一段階の態様として、「遊技者自らが特殊デバイス11を変位させる態様」(通常態様)(図16(b-1)参照)と、「自動で特殊デバイス11が変位する態様」(特殊態様)(図16(b-2)参照)が発生しうるものとする。上記実施形態のように「敵を倒す」ことを目的とした複合操作演出である設定とするのであれば、通常態様は遊技者自らが敵を倒しているかのような印象を与える一方、特殊態様はそのような印象を与えないものであるということができる。
通常態様および特殊態様のいずれが発生するかにより、中途結末が示唆されるものとする。すなわち通常態様および特殊態様のいずれが発生するかにより、最終結末が成功結末となる蓋然性が示唆されるものとする。例えば、通常態様の方が、特殊態様よりも成功結末となる蓋然性が高い設定とするのであれば、「遊技者自らが敵を倒す」という態様が発生することがチャンスアップであるという演出形態となる。
なお、第二段階(特殊デバイス11を進出位置から原位置に変位させる)においても、「遊技者自らが特殊デバイス11を変位させる態様」と、「自動で特殊デバイス11が変位する態様」が発生しうるものとすることができるが、第二段階は最終結末に至る直前の段階であるから、「遊技者自らが特殊デバイス11を変位させる態様」とする(「自動で特殊デバイス11が変位する態様」は発生しないようにする)ことが好ましい。つまり、中途結末はあくまで最終結末の示唆に過ぎず、結局のところ最終結末が成功結末となることが重要なのであるから、当該最終結末は遊技者自らの操作を契機として判明するという演出形態とすることが好ましい。
3-2)画像変化演出
画像変化演出は、操作手段10の一種である演出ボタン12(押しボタン)を用いた演出である。画像変化演出においては、遊技者に対し、当該演出ボタン12の連続的な操作(連打)が促される。画像変化演出にて設定される操作有効期間中の演出ボタン12の操作が以下で詳細を説明する「対象画像20の変化」に反映される。
対象画像20は、画像変化演出が開始される前の基準状態(操作有効期間が開始される時点)にて表示領域911の全体に表示される画像である(図17(b)参照)。操作有効期間中に演出ボタン12の操作(以下、操作有効期間中の演出ボタン12の操作を対象操作と称することもある)がなされることを契機として、当該対象画像20が表示領域911に対して「ずれた」かのように表示される。本実施形態では、対象操作を契機として、対象画像20が左方向または右方向に変位したかのように表示される(図17(c-1)(c-2)参照)。基準状態において対象画像20は表示領域911の全体に表示されていたのであるから、当該対象画像20がずれることで、基準状態において表示領域911の外縁に相当する部分が「枠」(以下、枠画像20wと称することもある)として見えるような態様とされる。なお、本実施形態では、対象画像20は、装飾図柄80および保留図柄70を含むものとされる。このようにすることで、表示領域911に対して対象画像20が「ずれた」かのような印象を高めることが可能となる。対象画像20が表示領域911に対して「ずれた」状態にある際にも装飾図柄群80gの変動は継続される(変動の連続性が保たれる)。ただし、対象画像20には、装飾図柄80および保留図柄70が含まれない構成とすることを否定するわけではない。
操作有効期間が開始されてから、奇数回目(1、3、5・・・回目)の対象操作を契機として対象画像20(枠画像20w)は左に変位し(図17(c-1)参照)、偶数回目(2、4、6・・・回目)の対象操作を契機として対象画像20(枠画像20w)は右に変位する(図17(c-2)参照)。つまり、操作有効期間にて連続的に演出ボタン12が操作される(連打される)ことで、対象画像20は左右に振動しているかのように見える。
なお、本実施形態における画像変化演出は「敵を倒す」演出である(図17(a)参照)。対象画像20は「敵」を表す部分を含むものであり、演出ボタン12の連続操作により、当該対象画像20は左右に揺れつつ、敵にダメージを与えているかのような内容を表す。つまり、敵への攻撃により生じる衝撃を左右の振動で表現するものである。
操作有効期間中には、遊技者に対し、演出ボタン12を連続操作すること(連打すること)を促す指示画像251が表示される。当該指示画像251は、操作態様(連打)を示す文字および演出ボタン12を表した画像(演出ボタン12を表していることが分かる範囲で変形等された画像であってもよい)を含むものとされる。これを見た遊技者は、演出ボタン12を操作すべき状況であることを把握する。当該指示画像251は、対象画像20に含まれないものとされる。つまり、対象画像20が変位している際においても、指示画像251は変位しない(表示される位置は変わらない)ものとされる(図17(c-1)(c-2)参照)。指示画像251が対象画像20と変位してしまうと指示内容が分かりにくくなるから、指示画像251は対象画像20の変位に関係なく、所定位置に表示され続ける。また、本実施形態では、指示画像251と併せて、操作有効期間の経過を示すメータ画像252が表示される。当該メータ画像252も対象画像20に含まれないものとされる。
以下、画像変化演出における対象画像20の変位(変化)の制御について図18を参照しつつ説明する。なお、以下の画像変化演出を説明するための図面においては、説明を分かりやすくするため、対象画像20(対象画像20の範囲)をハッチングで示すこともある。
対象操作を契機として、対象画像20を左方向または右方向にどれだけ変位させるか(変化量)が決定される。当該変化量は一定であってもよいし、複数の変化量から抽選により決定されるものとしてもよい。本実施形態では「10mm」、「25mm」、「40mm」、「50mm」のうちのいずれかとされる(抽選により決定される)。なお、後述するように、対象画像20は、ここで決められた変化量分必ず変化するものではない。
仮に、操作有効期間が開始されてから1回目の対象操作を契機として変化量「50mm」とすることが決定されたものとする(図18(a)参照)。この場合、当該対象操作を契機として対象画像20が左方向に向かって変位を開始する。当該対象画像20が「50mm」左に変位するまでの間に次の対象操作(2回目の対象操作)がなされなかった場合には、対象画像20が「50mm」左にずれた状態(対象画像20の右縁と表示領域911の右縁の距離が50mmとなった状態)で当該対象画像20の変位(変化)が停止する(図18(b)参照)。その後、2回目の対象操作(以下、このような対象操作を変化完了後操作と称することもある)がなされた場合(図18(c-2)参照)には、当該対象操作を契機として対象画像20が「50mm」左にずれた状態から、右方向に向かって変位を開始する。なお、対象画像20の変位の速度はどのようなものであってもよい。変位の開始から停止まで速度が一定であってもよいし、途中で速度が変化するものであってもよい。
一方、操作有効期間が開始されてから1回目の対象操作を契機として変位を開始した対象画像20が「50mm」左に変位するまでの間に次の対象操作(2回目の対象操作)がなされた場合(図18(c-1)参照)には、当該対象操作がなされた時点における対象画像20の位置を基準態様(基準位置)として対象画像20が右方向に変位を開始する。例えば、対象画像20が「30mm」左に変位した位置で2回目の演出ボタン12の操作がなされた場合には、対象画像20が「30mm」左にずれた状態から右方向への変位が開始される。
3回目以降の操作も同様である。すなわち、対象画像20の左右方向への変位(変化)は、対象操作がなされることを契機として決定された変化量分の変位(変化)を最大とするものであり、当該変化量分の変位が途中である状態で次の対象操作がなされた場合(以下、このような対象操作を変化完了前操作と称することもある)には、当該途中の状態を基準として次の対象操作を契機として決定された変化量分の変位を開始する。一方、ある対象操作を契機として決定された変化量分の変位が完了するまでに次の対象操作がなされなかった場合には、当該変化量分の変位が完了した位置で対象画像20は留まり、次の対象操作(変化完了後操作)を待って変位を開始する。
このように、本実施形態における画像変化演出では、ある対象操作の次の対象操作が変化完了前操作となる場合には、ある対象操作に基づき予め決定された変化量分の対象画像20の変位(変化)が完了することを待たずに、変化完了前操作がなされた時点の対象画像20を基準態様として、当該変化完了前操作を契機とした対象画像20の変位(変化)が開始される。仮に、予め決定された変化量分の対象画像20の変位(変化)が完了することを待って次の対象操作を契機とした対象画像20の変位(変化)が開始されるとすると、当該次の対象操作がなされた時点と、対象画像20の変位(変化)が開始される時点との「ずれ」(タイムラグ)が大きくなってしまい、操作と対象画像20の変化が同期していないのではないかと遊技者が感じてしまうおそれがある。そのため、本実施形態では、変化完了前操作がなされた場合には、予め決定された変化量分の対象画像20の変位(変化)の完了を待たずに、当該変化完了前操作を契機とした対象画像20の変位(変化)が開始されるようにする。
一方、変化完了後操作となる場合には、予め決定された変化量分の対象画像20の変位(変化)が完了した後、次の対象操作を契機とした対象画像20の変位(変化)が開始されることになる。
以下、上記画像変化演出に関する事項を改良、変形、具体化等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の各具体例を用いて説明する事項を複数適用した構成としてもよい。
○具体例3-1
上記実施形態における画像変化演出は、演出開始前に表示領域911の全体に表示される画像を対象画像20とするものであることを説明したが、表示領域911の一部に表示されるものであってもよい。また、対象操作を契機として対象画像20が左右に変位する(左右に振動する)ものであることを説明したが、当該対象画像20の変化態様はあくまで一例である。例えば以下のような変化態様が考えられる。
・具体例3-1-1
上記実施形態における画像変化演出での対象画像20は、表示領域911に対して一次元(左右方向)的に変位するものであるが、二次元的に変位するものであってもよい。すなわち、対象画像20が上下方向および左右方向に変位するものとしてもよい。例えば、対象操作(N回目の操作)を契機として対象画像20の変化量が決定され、その変化量から対象画像20の基準点(例えば、対角線が交差する中央点)が目標とする座標位置(座標(Xt,Yt)(左右方向をX軸、上下方向をY軸とする))が定められ(図19(a)参照)、当該基準点が当該座標位置に向かうように対象画像20が変位を開始するものとする。基準点が当該座標位置に到達する(図19(b)参照)よりも前(対象画像20の変位が完了するよりも前)に次の対象操作(N+1回目の操作;変化完了前操作)がなされた場合には、当該次の対象操作がなされた時点における対象画像20の位置(基準点の座標(Xb,Yb);図19(c-1)参照)を基準として、当該次の対象操作がなされたことを契機とする対象画像20の変位が開始されるものとする。次の対象操作(N+1回目の操作)が変化完了後操作である場合には、変化完了後の対象画像20の位置(基準点の座標(Xt,Yt);図19(c-2)参照)を基準として、当該次の対象操作がなされたことを契機とする対象画像20の変位が開始されるものとする。
・具体例3-1-2
表示領域911に対して対象画像20が三次元的に変位したかのように見える態様とする(いわゆる「シェイク」演出に適用する)。例えば、対象画像20の外縁(枠)が略平行四辺形状で表示されることで、左右方向および上下方向だけでなく、前後方向にも対象画像20が変位したかのように遊技者にはみえる。対象操作(N回目の操作)(図20(a)参照)を契機として略平行四辺形状である対象画像20の四隅(左上角、右上角、左下角、右下角の四つの基準点)の目標となる座標位置(「座標」については具体例3-1-1と同様の考えに基づくものであるから図示省略)が決められ、当該四つの基準点が当該座標位置に向かうように対象画像20が変位(変化)を開始するものとする。なお、当該四つの基準点は必ず表示領域911に位置しなければならないわけではない(対象画像20が表示領域911外に「はみ出る」態様となりうるものであってもよい)。当該四つの基準点の全てが当該座標位置に到達するよりも前(対象画像20の変位が完了するよりも前)に次の対象操作(N+1回目の操作;変化完了前操作)がなされた場合(図20(c-1)参照)には、当該次の対象操作がなされた時点における対象画像20の位置を基準として、当該次の対象操作がなされたことを契機とする対象画像20の変位が開始されるものとする。次の対象操作(N+1回目の操作)が変化完了後操作である場合(図20(c-2)参照)には、変化完了後の対象画像20の位置(図20(b)参照)を基準として、当該次の対象操作がなされたことを契機とする対象画像20の変位が開始されるものとする。
なお、奇数回目の対象操作では左上角が右上角よりも上方に位置する平行四辺形状の対象画像20となるように、偶数回目の対象操作では右上角が左上角よりも上方に位置する平行四辺形の対象画像20となるように座標位置が決定されるとよい。このようにすることで、対象画像20が大きく揺れているかのように見える画像変化演出とすることができる。
・具体例3-1-3
画像変化演出は、対象操作を契機として対象画像20の大きさが変化する(例えば、奇数回目の対象操作を契機として対象画像20が小さくなり、偶数回目の対象操作を契機として対象画像20が大きくなる)ものであるとする。例えば、対象操作(N回目の操作)(図21(a)参照)を契機として目標となる対象画像20の大きさが決められ、その大きさに向かって対象画像20が変化を開始するものとする。当該大きさに至るよりも前に(対象画像20の変化が完了するよりも前)に次の対象操作(N+1回目の操作;変化完了前操作)がなされた場合(図21(c-1)参照)には、当該次の対象操作がなされた時点における対象画像20の大きさを基準として、当該次の対象操作がなされたことを契機とする対象画像20の変化(次の対象操作がなされたことを契機として決まった大きさに向かう変化)が開始されるものとする。次の対象操作(N+1回目の操作)が変化完了後操作である場合(図21(c-2)参照)には、変化完了後の対象画像20の大きさ(図21(b)参照)を基準として、当該次の対象操作がなされたことを契機とする対象画像20の変化が開始されるものとする。
・具体例3-1-4
対象画像20は数値(数字)を含むものであるとする。そして、画像変化演出は、対象操作を契機として対象画像20の数値が変化するものであるとする。例えば、対象操作を契機として目標となる数値の増加量(変化量)が決められ、その数値に向かって対象画像20の数値が変化を開始するものとする。当該増加量分の変化が完了するよりも前に次の対象操作(変化完了前操作)がなされた場合には、当該次の対象操作がなされた時点における対象画像20の数値を基準として、当該次の対象操作がなされたことを契機とする対象画像20の数値の増加(次の対象操作がなされたことを契機として決まった増加量分の増加に向かう変化)が開始されるものとする。次の対象操作が変化完了後操作である場合には、変化完了後の対象画像20の数値を基準として、当該次の対象操作がなされたことを契機とする対象画像20の数値の増加が開始されるものとする。
・具体例3-1-5
対象画像20は画像要素を含むものであるとする。そして、画像変化演出は、対象操作を契機として一または複数の画像要素が表示されるものとする。例えば、画像変化演出がバトル演出である場合において、対象操作を契機として敵に衝撃を与えていることを示す画像要素が対象画像20として表示されるものとする。対象操作を契機として表示される画像要素の数が決められ、ここで決められた数の画像要素が経時的に表示されるものとする。一つ一つの画像要素は、表示されてから所定時間経過で消去される。ある対象操作を契機として決まった数の画像要素が表示されるよりも前に次の対象操作(変化完了前操作)がなされた場合には、全ての数の画像要素が表示されるよりも前に、当該次の対象操作がなされたことを契機として決まった数の画像要素の表示が開始されるものとする。次の対象操作が変化完了後操作である場合には、先の対象操作を契機として決まった全ての数の画像要素が表示された後、当該次の対象操作がなされたことを契機として決まった数の画像要素の表示が開始されることになる。
・具体例3-1-6
画像変化演出は、対象操作を契機として対象画像20の色が変化するものであるとする。例えば、奇数回目の対象操作を契機として対象画像20は次第に青みがかっていき(「青」の要素が強くなっていき)、偶数回目の対象操作を契機として対象画像20は次第に赤みがかっていく(「赤」の要素が強くなっていく)ような変化が生じるものとする。対象操作を契機として目標となる対象画像20の色が決められ、その色に向かって対象画像20が変化を開始するものとする。当該色に至るよりも前に(対象画像20の変化が完了するよりも前)に次の対象操作(変化完了前操作)がなされた場合には、当該次の対象操作がなされた時点における対象画像20の色を基準として、当該次の対象操作がなされたことを契機とする対象画像20の変化(次の対象操作がなされたことを契機として決まった色に向かう変化)が開始されるものとする。次の対象操作が変化完了後操作である場合には、先の対象操作を契機として決まった色の対象画像20となった後、当該次の対象操作がなされたことを契機として決まった色に向かう変化が開始されることになる。
○具体例3-2
画像変化演出は、演出ボタン12(操作手段10)の連打が促される演出である。連打が促される演出にて、演出ボタン12(操作手段10)を長押しした場合に、それが連打に置き換えられて演出に反映される機能が周知である。すなわち、操作有効期間中における演出ボタン12の長押しが、仮想的な連続操作(連打)に置き換えられて演出に反映される機能が周知である。また、遊技者が全く演出ボタン12(操作手段10)を操作しなくても、仮想的な連続操作が発生するようにする機能が周知である。以下、このような機能をまとめて自動操作機能と称する。
画像変化演出の操作有効期間にて上記自動操作機能が発現されうるものとする。すなわち、仮想的な連続操作がなされるものとする。しかし、当該仮想的な連続操作は、どのような場合であっても変化前完了操作に該当しないような間隔で生じる(変化完了後操作に該当する)ように設定される(図22参照)。つまり、仮想的な操作(ある対象操作)がなされることを契機として決定される変化量分の対象画像20の変化が完了した後、次の仮想的な操作(ある対象操作の次の対象操作)が発生したものとして演出が進行する設定とする。逆にいえば、遊技者が実際に演出ボタン12を連打した場合に限り、変化完了前操作が生じうるということである。
画像変化演出が上記実施形態にて説明したような制御がなされるのは、あくまで「対象操作と対象画像20の変化のずれ(タイムラグ)」を低減するためである。自動操作機能を用いる場合には、遊技者は実際に連続操作を行っていないのであるから、このような「対象操作と対象画像20の変化のずれ(タイムラグ)」を低減する必要はないとして、仮想的な操作の度に決定される変化量分の対象画像20の変化が生じる(毎回、決定された変化量分の変化が完了する)ようにする。
3-3)連続操作演出
連続操作演出(図23(a)、(b-1)、(b-2)参照)は、操作手段10の一種である演出ボタン12を連続的に操作(連打)することを促す演出である(ただし、上記画像変化演出とは異なる演出である)。連続操作演出においては、操作有効期間が設定され、当該操作有効期間中の操作(有効操作)が演出要素の変化に反映される。本実施形態では、演出要素として演出ポイント(以下、単にポイントということもある)が設定されており、有効操作が検出される度に当該ポイントが増加していくことを基本的な態様とする。当該ポイントを表す方法は種々考えられる。本実施形態では表示領域911に「数値」を表示することで表すが、メータ等、ポイントの大小を視覚的な要素に置き換えて表してもよい。
本実施形態では、連続操作演出の後、詳細を後述する事後演出(図23(c-1)、(c-2)参照)が発生する。当該事後演出の結末として、遊技者に有利な有利結末(図23(d-1)参照)と、当該成功結末に至らない場合の不利結末(図23(d-2)参照)とが設定されている。すなわち、遊技者に有利な事象が発生する場合には有利結末に至り、当該事象が発生しない場合には不利結末に至る。本実施形態では、連続操作演出および事後演出を含む変動中演出に対応する当否抽選結果(対象当否抽選結果)が大当たりとなること(大当たりであることの報知)が当該有利な事象として設定されている。つまり、連続操作演出から事後演出に続く一連の演出は、その結末により当否抽選結果を示すリーチ演出の一種である。
連続操作演出を実行することが決定された場合、上記ポイント(演出要素)の限界値(限界態様)が定められる。当該限界態様は、連続操作演出発生毎に異なり得るものである(一定ではない)。本実施形態では、「20」「30」「40」「50」「60」「70」「80」「90」「100」のいずれかが限界値として設定される。対象当否抽選結果が大当たりである場合の方が、はずれである場合よりも、当該限界値が大きくなりやすい(限界値の期待値が大当たりである場合の方がはずれである場合よりも大きい)(図24参照)。連続操作演出の開始時におけるポイントは「0」であり、有効操作を契機としてポイントが増加していくところ、当該ポイントが限界値に到達することが限界条件の成立とされる(図23(b-2)参照)。なお、ここでいう「限界値に到達」には、ポイントが限界値と全く同じ値になることだけでなく、ポイントが限界値を超えることが含まれるものとする。本実施形態では、一回の有効操作を契機としたポイントの加算値(増加数)として複数の値が定められている。具体的には、「+1」、「+3」、「+5」、「+8」、「+9」、「+10」のいずれかが選択される(抽選により決定される)。本実施形態では、一回の有効操作を契機として加算された数値が表示される(図23(a)参照)が、このような表示がなされないようにしてもよい。
また、上述した通り、連続操作演出においては、演出ボタン12の操作が有効となる操作有効期間が設定される。操作有効期間の経過(すなわち「タイムアップ」)を時間条件の成立とする。連続操作演出では、操作有効期間を示す時間画像30が表示される。本実施形態における時間画像30は時間経過とともに減少する「メータ」であるが、残り時間を表す数字が時間画像30として表示されるものとしてもよい。時間条件が成立して連続操作演出が発生する場合には、当該時間画像30が「タイムアップ」を示す態様(終了態様)に至ることになる(図23(b-1)参照)。
連続操作演出は、上記時間条件および限界条件のいずれか一方が成立した場合には、他方が成立していなくても終了する。つまり、時間条件および限界条件の両方の成立を演出の終了条件とするものではなく、一方のみの成立を演出の終了条件とするものである。操作有効期間の終了をもって演出を終了させるのは通常であるといえるかもしれないが、操作有効期間が終了していなくても限界条件が成立すれば(ポイントが限界値に到達すれば)(図23(b-2)参照)、操作有効期間を残したまま演出を終了させる(前倒しで演出を終了させる)のは通常であるとはいえない。
連続操作演出が終了すること、すなわち時間条件および限界条件のいずれか一方の成立を契機として事後演出が発生する。連続操作演出の終了タイミングが早いほど(連続操作演出に要する時間が短くなるほど)、事後演出の開始タイミングが早くなるということである。時間条件が成立して終了する場合よりも限界条件が成立して終了する場合の方が連続操作演出に要する時間は短くなるから、前者の場合よりも後者の場合の方が事後演出の開始タイミングが早くなるといえる。
本実施形態における事後演出は、遊技者に対し、演出ボタン12の一回の操作(単発操作)を促す演出である。事後演出にて設定される操作有効期間中における演出ボタン12の操作を契機として結末(有利結末または不利結末)に至る。なお、当該操作有効期間中に演出ボタン12の操作がなされなかった場合には操作有効期間の終了を契機として結末に至る。有利結末はポイントが「100」に至るものである(図23(d-1)参照)。不利結末はポイントが「100」に至らないものである(図23(d-2)参照)。つまり、連続操作演出から事後演出に続く一連の演出は、ポイントが「100」に到達することを目指す演出である。上述した通り、対象当否抽選結果が大当たりである場合(すなわち有利結末となる場合)の方が、はずれである場合(すなわち不利結末となる場合)よりも、連続操作演出にて設定される限界値が大きくなりやすい。すなわち、連続操作演出にて示される途中の結末が、目標となる「100」に近いほど、遊技者にとって有利な結末となる蓋然性が高いという分かりやすい演出である。
なお、上述した通り、本実施形態では限界値が「100」となる場合もありうる(図24参照)。この場合には(事後演出が終了する前の段階からポイントが目標値に到達しているのであるから)有利結末となること(対象当否抽選結果が大当たりであること)が確定する。つまり、連続操作演出の終了時点で有利結末となることが確定しているということである。ただし、限界値が「100」に設定された場合であっても、限界条件の成立よりも前に時間条件が成立した場合(ポイントが「100」に到達するよりも前に操作有効期間が経過した場合)には、ポイントが「100」未満の状況で事後演出に移行するため、有利結末となることが確定していることをポイントから把握できないことになる。
時間条件が成立するよりも前に限界条件が成立して連続操作演出が終了した場合には、ポイントが限界値に到達して事後演出に移行する(図23(c-2)参照)ことになる。つまり、限界値による大当たり信頼度の示唆作用が享受できる状況になる。一方、限界条件が成立するよりも前に時間条件が成立して連続操作演出が終了した場合には、ポイントが限界値に到達せずに事後演出に移行する(図23(c-1)参照)ことになる。つまり、限界値による大当たり信頼度の示唆作用は享受できない(厳密には、現在のポイント以上の限界値が設定されていることは把握できる。しかし、正確な限界値を把握することはできないため正確な信頼度示唆作用は享受できない)ことになる。このように、限界値による大当たり信頼度の示唆作用を享受するためには、ポイントを限界値に到達させることが必要になるから、遊技者の操作意欲の向上に資するともいえる。
なお、本実施形態では、事後演出への移行が、限界値に到達した(限界条件が成立した)ことによって生じたものであるか否かは遊技者に明示されるわけではない。しかし、時間条件が成立するよりも前に限界条件が成立して連続操作演出が発生する場合には、時間画像30が「タイムアップ」を示す態様(終了態様)に至る前に当該時間画像30が消去されて事後演出に移行する(図23(b-2)→(c-2)参照)ことになるから、遊技者は「タイムアップ」するよりも前に事後演出に移行したことが把握できる。換言すれば、そのような状況が発生した場合におけるポイント(事後演出に移行した時点におけるポイント)は、限界値を示しているということを把握できるといえる。
このように、本実施形態における連続操作演出は、操作有効期間が経過していなくても、ポイント(演出要素)が限界値(限界態様)に到達した時点で終了し、事後演出に移行する。仮に、ポイントが限界値に到達しても操作有効期間が終了するまで演出が継続する構成とすると、ポイントが限界値に到達した後はそれ以上増加しないため、残りの操作有効期間が無意味な時間となってしまう問題があるところ、本実施形態では残りの操作有効期間をキャンセルして(消化させずに)事後演出に移行させるため、このような問題を解消することができるといえる。
以下、上記連続操作演出(事後演出)に関する事項を改良、変形、具体化等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の各具体例を用いて説明する事項を複数適用した構成としてもよい。
○具体例4-1
連続操作演出にけるポイントの加算値(上記実施形態では「+1」、「+3」、「+5」、「+8」、「+9」、「+10」のいずれかが選択される)の決定方法を次のような態様とする。操作有効期間を複数のブロック(分割期間)に区分けする。例えば、第一分割期間と、それに続く第二分割期間と、それに続く第三分割期間に分けられるものとする(図25参照)。なお、当該分割期間が設定されていることは遊技者に示されない。各分割期間の長さは適宜設定することができるが、できるだけ差がないようにすることが好ましい。例えば、トータルの操作有効期間の長さが15秒であるとすれば、第一分割期間~第三分割期間のそれぞれを5秒とする(均等に区分けする)ことが好ましい。
各分割期間においては、一回の有効操作を契機としたポイントの加算値の期待値が異なるものとする。例えば、第一分割期間よりも第二分割期間の方が、第二分割期間よりも第三分割期間の方が、当該期待値が大きい設定(第一分割期間:期待値「小」、第二分割期間:期待値「中」、第三分割期間:期待値「大」)とする。つまり、操作有効期間が進行する(分割期間が推移する)につれて、一回の有効操作あたりの加算値が大きくなりやすい設定とする(図25参照)。このようにすることで、操作有効期間が経過するにつれてポイントの増加速度が高まる連続操作演出とすることができる。
これとは逆に、第一分割期間:期待値「大」、第二分割期間:期待値「中」、第三分割期間:期待値「小」とする設定とすれば、操作有効期間が経過するにつれてポイントの増加速度が低まる連続操作演出とすることができる。
各分割期間における上記期待値(「大」「中」「小」)の振分けが定められた複数のシナリオが設けられ(図26参照)、連続操作演出が発生する度に当該シナリオのうちの一つが選択され、選択されたシナリオに沿って演出が進行する設定としてもよい。
また、このようなシナリオが設定された構成とする場合、選択されるシナリオにより限界値(限界態様)が示唆される構成とすることもできる(限界値を示唆するということは、間接的に事後演出の結末(当否抽選結果)を示唆するということである)。例えば、操作有効期間を通じてポイントの増加速度が最も低い状態(加算値の期待値が「小」である)シナリオ1よりも、操作有効期間を通じてポイントの増加速度が最も高い状態(加算値の期待値が「大」である)シナリオ5の方が、限界値が大きくなりやすい(大当たり信頼度が高い)といった設定とすることが考えられる。また、操作有効期間が経過するにつれて次第に増加速度が低まる(加算値の期待値が「大」→「中」→「小」というように推移する)シナリオ2よりも、操作有効期間が経過するにつれて次第に増加速度が高まる(加算値の期待値が「小」→「中」→「大」というように推移する)シナリオ4の方が、限界値が大きくなりやすい(大当たり信頼度が高い)といった設定とすることが考えられる。
なお、上記実施形態にて説明した通り、連続操作演出は限界値に到達した時点(限界条件が成立した時点)で終了するのであるから、第二分割期間や第三分割期間に移行することなく終了することもある。ただし、本例のような構成は、上記実施形態にて説明したような連続操作演出とは異なる連続操作演出、すなわち、操作有効期間が経過するまでは終了しない連続操作演出に適用することも可能である。また、連続操作演出(「連打」が促される演出)ではなく、演出ボタン12等の操作手段10が操作された状態を維持する維持操作(長押し等)が要求される維持操作演出に適用することも可能である。すなわち、操作有効期間中に所定時間維持操作がなされたことが検出される検出時点が訪れる度にポイントが加算されていく設定とする場合にて、当該検出時点が分割期間のいずれに属するかにて加算値の期待値の大小が異なるものとする。また、上記実施形態では、ポイントが「加算」されていくものであるが、ポイントが「減少」していく構成にも適用可能である。すなわち、分割期間に応じてポイントの減少値の期待値が異なるものとする。
○具体例4-2
連続操作演出にてポイントが限界値に到達したこと(限界条件が成立したこと)が遊技者に対し明示されるものとする。例えば、限界値に到達した際に、表示領域911に限界画像35が表示されるものとする(図27(b-2)参照)。限界画像35の具体的態様は種々考えられる。例えば、「準備完了」といった文字を含む画像とすることが考えられる。限界条件が成立するよりも前に時間条件が成立した場合、すなわちポイントが限界値に到達するよりも前に操作有効期間が終了した場合には、当該限界画像35は表示されない(図27(b-1)参照)。よって、遊技者は、限界画像35が表示されたか否か(限界画像35が表示された上で事後演出に移行したか否か)により、ポイントが限界値に到達したか否かを判別することができる。
上記実施形態のように、限界値が事後演出の結末(対象当否抽選結果の大当たり信頼度)を示唆するものとする場合には特に有効である。事後演出に移行した際のポイントが正確な限界値を示すものであるか否かの区別が容易になって、当該ポイントが結末を示唆する値であるか否かの区別が容易になるからである。
○具体例4-3
連続操作演出において操作有効期間が終了したこと(時間条件が成立したこと)が遊技者に対し明示されるものとする。例えば、操作有効期間が終了したときに、表示領域911に終了画像37が表示されるものとする(図28(b-1)参照)。終了画像37の具体的態様は種々考えられる。例えば、「タイムアップ」といった文字を含む画像とすることが考えられる。時間条件が成立するよりも前に限界条件が成立した場合、すなわち操作有効期間が終了するよりも前にポイントが限界値に到達した場合、当該終了画像37は表示されない(図28(b-2)参照)。よって、遊技者は、終了画像37が表示されたか否か(終了画像37が表示された上で事後演出に移行したか否か)により、ポイントが限界値に到達したか否かを判別することができる。
上記実施形態のように、限界値が事後演出の結末(対象当否抽選結果の大当たり信頼度)を示唆するものとする場合には特に有効である。事後演出に移行した際のポイントが正確な限界値を示すものであるか否かの区別が容易になって、当該ポイントが結末を示唆する値であるか否かの区別が容易になるからである。
○具体例4-4
連続操作演出において時間条件が成立するよりも前に限界条件が成立して事後演出に移行した場合には、限界条件が成立したタイミングが早いほど、事後演出が長くなるものとする。例えば、連続操作演出の操作有効期間が最長15秒(時間条件が成立する場合における開始から終了までに要する時間)であり、時間条件が成立した上で実行される事後演出の長さが10秒であるとする(図29(a)参照)。この場合、限界条件が成立した時点が操作有効期間の開始から13秒経過した時点である場合には、事後演出の長さは12秒とされる(図29(b)参照)。図示しないが、限界条件が成立した時点が操作有効期間の開始から10秒経過した時点である場合には、事後演出の長さは15秒とされる。つまり、「操作有効期間の最長時間-操作有効期間の開始から限界条件が成立した時点までの時間」分、事後演出が長くなる。端的に言えば、限界条件が成立することにより連続操作演出が操作有効期間の経過まで実行されずに当該連続操作演出の終了タイミングが早まった分、事後演出が長くなるようにする。このようにすることで、時間条件および限界条件のいずれが成立したかや、限界条件が成立したタイミングによらず、連続操作演出および事後演出に要するトータルの時間を毎回同じにすることができる。
なお、事後演出に要するトータルの時間の長短を制御する手法(時間を吸収する手法)は種々考えられる。例えば、事後演出のタイトル画像が表示される時間を調整することにより当該トータルの時間の長短を制御することが考えられる。また、事後演出の結末(有利結末または失敗結末)を示す画像が表示される時間を調整することにより当該トータルの時間の長短を制御することが考えられる。
本例のような構成とすることは、変動中演出の一部として連続操作演出から事後演出に至る一連の演出が実行される場合に特に有効である。変動中演出に要する時間(変動時間)は抽選により決められるものであり、その変動時間の一部にて当該一連の演出が実行されるのであるから、当該一連の演出に要する時間が一定であると制御が容易になるからである。なお、大当たり遊技中に実行される演出の一部として当該一連の演出が実行されるのであれば、変動中演出の一部として実行される場合ほど時間の制約がないから、本例のような制御(限界条件が成立するタイミングに応じて事後演出の長さを変化させる制御)を敢えて行う必要はないといえる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
○手段1-1
第一始動領域または第二始動領域に遊技球が進入することを契機として取得される当否判定情報に基づき当否抽選を実行する当否抽選手段と、低開閉モード、および、当該低開閉モードよりも前記第二始動領域が開放されやすい高開閉モードを切り替えることが可能な開閉モード設定手段と、前記高開閉モードが設定されているときには実行されないものの、前記低開閉モードが設定されているときには実行される抽選であって、当選した場合には前記低開閉モードから前記高開閉モードへ移行することになるモード移行抽選を実行するモード移行抽選手段と、を備え、前記第一始動領域を狙って遊技球を発射すべき遊技状態であって前記当否抽選の確率が同じである第一遊技状態として、前記低開閉モードが設定された通常第一遊技状態と、前記高開閉モードが設定された状態であるものの前記第二始動領域を狙って遊技球を発射することが遊技者にとって不利となる特殊第一遊技状態が設定されており、前記モード移行抽選が実行される前記通常第一遊技状態の方が、前記モード移行抽選が実行されない前記特殊第一遊技状態よりも遊技者にとって有利であることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、高開閉モードが設定されることでモード移行抽選が実行されない特殊第一遊技状態よりも、低開閉モードが設定されるがゆえにモード移行抽選が実行される通常第一遊技状態の方が有利であるという面白みのある遊技性が実現される。
○手段1-2
前記第二始動領域を狙って遊技球を発射すべき遊技状態として、前記高開閉モードが設定された状態であって、前記特殊第一遊技状態が設定されているときよりも前記第二始動領域の開放時間が長い第二遊技状態が設定されていることを特徴とする手段1-1に記載の遊技機。
このように、特殊第一遊技状態と同じ高開閉モードではあるが、第二始動領域の開放時間が長い第二遊技状態を設定とすることができる。
○手段1-3
前記第一始動領域に遊技球が進入することを契機として取得される第一当否判定情報に基づき実行される前記モード移行抽選の当選確率よりも、前記第二始動領域に遊技球が進入することを契機として取得される第二当否判定情報に基づき実行される前記モード移行抽選の当選確率の方が高く設定されており、前記第二始動領域に遊技球が進入することを契機として取得される第二当否判定情報を、所定数を限度として記憶する記憶手段を備え、前記第二遊技状態が終了し前記通常第一遊技状態に移行した際、前記記憶手段に記憶された前記第二当否判定情報に基づく前記モード移行抽選が実行され、それに当選した場合に前記特殊第一遊技状態に移行し、当選しなかった場合に前記通常第一遊技状態が維持されることを特徴とする手段1-1または手段1-2に記載の遊技機。
このように、第二遊技状態が終了したときの「残保留」に基づくモード移行抽選により、特殊第一遊技状態となるか通常第一遊技状態となるかが決まる遊技性を実現することができる。
○手段2-1
原位置と進出位置との間を変位可能に設けられた遊技者が操作可能な操作手段と、遊技者に対し、前記操作手段を前記原位置から前記進出位置に変位させることが要求される第一段階、および、当該第一段階の後、前記操作手段を前記進出位置から前記原位置に変位させることが要求される第二段階を含む複合操作演出を実行する演出実行手段と、を備え、前記複合操作演出は、前記第一段階の後中途結末に至り、前記第二段階の後最終結末に至るものであって、前記中途結末の態様により前記最終結末が遊技者に有利なものとなる蓋然性が示唆されることを特徴とする遊技機。
上記遊技機は、操作手段を原位置から進出位置に変位させる第一段階、進出位置から原位置に変位させる第二段階を含む演出であって、第一段階を経た中途結末が、第二段階の後の最終結末を示唆するという面白みのある複合操作演出を実行することが可能である。
○手段2-2
前記第一段階は、前記操作手段が前記進出位置に位置した後、当該操作手段を当該進出位置に維持させる維持操作が要求されるものであり、当該維持操作が要求されている最中に示唆要素が経時的に変化し、当該第一段階の終了時点での当該示唆要素の態様が前記中途結末となることを特徴とする手段2-1に記載の遊技機。
このようにすることで、操作手段を進出位置で維持させる維持操作の結果として、最終結末の示唆がなされるという演出形態とすることができる。
○手段2-3
前記最終結末は、演出用数値が規定値に到達することが遊技者に有利な結末として設定されたものであり、前記維持操作が要求されている最中に前記示唆要素として前記演出用数値が経時的に変化し、前記中途結末として示される前記演出用数値が前記規定値に近いほど、前記最終結末が遊技者に有利な結末となる蓋然性が高くなるように設定されていることを特徴とする手段2-2に記載の遊技機。
このようにすることで、操作手段を進出位置で維持させる維持操作により、演出用数値が規定値(目標)に近づいていることを実感できる演出形態とすることができる。
○手段2-4
前記維持操作が要求され、前記示唆要素が経時的に変化している最中においては、前記操作手段が振動することを特徴とする手段2-2または手段2-3に記載の遊技機。
このようにすることで、維持操作を行わない遊技者を低減することができる。
○手段2-5
前記維持操作が要求され、前記示唆要素が経時的に変化している最中にて前記操作手段が振動した場合の方が、前記操作手段が振動しない場合よりも、前記最終結末が遊技者に有利な結末となる蓋然性が高いことを特徴とする手段2-2または手段2-3に記載の遊技機。
このようにすることで、維持操作中における振動の有無に注目する演出形態となる。また、振動の有無による最終結末の示唆作用を享受するのであれば、操作手段に触れる必要があることになるため、維持操作を行わない遊技者を低減することができる。
○手段3-1
遊技者が操作可能な操作手段と、遊技者に対し連続的に前記操作手段の操作が促される演出であって、操作有効期間中における当該操作手段の操作である対象操作を契機として表示装置に表示される対象画像を変化させる画像変化演出を実行する演出実行手段と、を備え、前記画像変化演出にて、ある対象操作を契機とした前記対象画像の変化が途中である状態で次の対象操作がなされる変化完了前操作がなされた場合、当該次の対象操作がなされた時点における当該対象画像の態様を基準態様として、当該次の対象操作を契機とした当該対象画像の変化が開始されることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、対象操作がなされた時点と対象画像の変化が開始される時点のタイムラグが大きくなってしまうことで、対象操作と対象画像の変化が同期していない(ずれている)のではないかという印象を遊技者が受けてしまう(遊技者が違和感を覚えてしまう)ことが防止される。
○手段3-2
前記画像変化演出は、ある対象操作がなされた後の次の対象操作が前記変化完了前操作にあたらない場合には、当該ある対象操作がなされた際に決まる変化量分の前記対象画像の変化が完了した後、当該次の対象操作がなされた際に決まる変化量分の前記対象画像の変化が開始されるものであり、ある対象操作がなされた後の次の対象操作が前記変化完了前操作にあたる場合には、当該ある対象操作がなされた際に決まる変化量分の前記対象画像の変化が完了するよりも前に、当該次の対象操作がなされた際に決まる変化量分の前記対象画像の変化が開始されるものであることを特徴とする手段3-1に記載の遊技機。
このように、予め決まった変化量分の変化が完了するよりも前に対象操作(変化完了前操作)がなされた場合には、当該変化量分の変化が完了することを待たずに対象画像の変化が開始されるようにするとよい。
○手段3-3
前記画像変化演出は、演出が開始される前に前記表示装置の表示領域の全体に表示されていた前記対象画像が当該表示領域に対してずれたかのように表示される演出であることを特徴とする手段3-1または手段3-2に記載の遊技機。
表示領域の全体に表示されていた対象画像が表示領域に対してずれたかのように表示される演出を画像変化演出として実行することができる。
○手段4-1
遊技者が操作可能な操作手段と、遊技者に対し前記操作手段を連続的に操作することを促す演出であって、当該操作手段の操作に応じて演出要素が変化していき、当該演出要素が限界態様に到達したときにはそれ以上当該演出要素が変化しない連続操作演出を実行する演出実行手段と、を備え、前記連続操作演出の発生の度に前記限界態様は異なりうるものであり、前記連続操作演出は、前記操作手段の操作が有効となる操作有効期間の開始から所定時間が経過する時間条件、および、前記演出要素が前記限界態様に到達する限界条件のいずれか一方が成立したときには他方が成立していなくても終了するものであることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、時間条件が成立しなくても限界条件が成立した場合には連続操作演出が終了するため、無意味な時間が生じるのを防止することができる。
○手段4-2
前記連続操作演出の後に事後演出が発生するものであり、前記時間条件の成立前に前記限界条件が成立した場合には、前記操作有効期間の開始から所定時間が経過する前であっても、前記事後演出が開始されることを特徴とする手段4-1に記載の遊技機。
時間条件が成立しなくても限界条件が成立した場合には連続操作演出が終了して事後演出が開始されることになるため、連続操作演出から事後演出にテンポよく進行することになる(無意味な「間」が生じてしまうことが防止される)。
○手段4-3
前記限界条件の成立前に前記時間条件が成立した場合には、前記演出要素が前記限界態様に到達せずに前記事後演出が開始されることを特徴とする手段4-2に記載の遊技機。
このようにすることで、限界態様を把握するためには時間条件が成立するよりも前に演出要素を限界値に到達させる必要があるから、遊技者の操作意欲の向上に資する。
○手段4-4
前記事後演出の結末が遊技者に有利なものとなるか否かに応じて、前記限界態様が決定されることを特徴とする手段4-2または手段4-3に記載の遊技機。
このように、事後演出の結末が限界態様により示唆される構成とすれば、当該示唆作用を享受したいと考える遊技者が、連続操作演出にて積極的に操作手段を操作して演出要素を限界態様に到達させようとすることに期待できる。
1 遊技機
10 操作手段
11 特殊デバイス
12 演出ボタン
20 対象画像
20w 枠画像
30 時間画像
35 限界画像
37 終了画像
904 始動領域(904a 第一始動領域 904b 第二始動領域)
91 表示装置
911 表示領域

Claims (1)

  1. 表示領域を有する表示装置と、
    前記表示領域の左側を遊技球が流下するように遊技球を発射する左打ち遊技を行った場合に遊技球が到達しうる領域であって、遊技球の進入が第一抽選の契機となる第一始動領域と、
    前記表示領域の右側を遊技球が流下するように遊技球を発射する右打ち遊技を行った場合に遊技球が到達しうる領域であって、遊技球の進入が第二抽選の契機となる第二始動領域と、
    を備え、
    前記第二始動領域は、普通領域に遊技球が進入することを契機として実行される普通抽選に当選することを契機として開放される領域であり、
    前記普通抽選は、低開閉モードにあるときよりも高開閉モードにあるときの方が当選しやすく、
    前記左打ち遊技を行うべき左打ち遊技状態として、前記低開閉モードである左打ち遊技状態Aと、前記高開閉モードであるが前記第二始動領域を狙って前記右打ち遊技を行うことが遊技者にとって不利益となる左打ち遊技状態Bとが設けられており、
    前記左打ち遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態であって、前記高開閉モードであり、前記右打ち遊技を行うべき右打ち遊技状態が設けられており、
    前記左打ち遊技状態Aおよび前記左打ち遊技状態Bは、いずれも、前記第一抽選にて大当たりを獲得することで前記右打ち遊技状態に移行する可能性があり、
    前記低開閉モードにあるときには前記第一抽選にて前記大当たりが獲得できなくても前記高開閉モードに移行する非大当たり移行が発生することがあり、前記低開閉モードである前記左打ち遊技状態Aは前記非大当たり移行により前記右打ち遊技状態に移行する可能性があり、前記高開閉モードである前記左打ち遊技状態Bは前記非大当たり移行により前記右打ち遊技状態に移行することはなく、
    前記左打ち遊技状態Aにて前記第一抽選が実行された結果、前記大当たりを獲得する確率よりも、前記非大当たり移行が発生する確率の方が高いことを特徴とする遊技機。


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