以下の説明は、当業者が本発明を実施するために企図される説明された実施形態を作成および使用することを可能にするために提供される。しかし、様々な修正、等価物、変形、および代替物は、当業者に容易に明らかになるであろう。任意のおよび全てのそのような修正、変形、等価物、および代替物は、本発明の精神および範囲の中に入ることが意図される。
以下、説明の目的のために、用語「上部の(upper)」、「下部の(lower)」、「右の(right)」、「左の(left)」、「垂直の(vertical)」、「水平の(horizontal)」、「上の(top)」、「下の(bottom)」、「横の(lateral)」、「縦の(longitudinal)」、およびそれらの派生語は、図面において配向されるように、本発明に関するものとする。しかしながら、本発明は、それとは反対に明示的に特定されない限り、様々な代替的な変形を前提としてもよいことは理解されよう。また、添付の図面に示され、および以下の明細書に記載される具体的なデバイスは、単に、本発明の例示的な実施形態であることも理解されるべきである。そのため、本明細書に開示される実施形態に関連する具体的な寸法および他の物理的な特徴は、制限的であるとしてみなされるべきではない。
開示は、サンプルを受け取り、フロースルー血液安定化技術と、ポイントオブケア検査および患者近傍検査用途のための正確なサンプル分配機能とを提供する、生体液収集システムを提供する。本開示の生体液収集システムは、血液サンプル内のサンプル安定剤の分散混合をもたらし、制御された方法で安定化されたサンプルを分配することができる。このようにして、本開示の生体液収集システムは、ポイントオブケア検査および患者近傍検査用途のための血液マイクロサンプル管理、例えば、サンプル安定剤との受動混合および制御された分配を可能にする。
有利なことに、本開示の生体液収集デバイスは、ポイントオブケア検査および患者近傍検査用途、採血、受動混合技術、ならびにポイントオブケアカートリッジおよび患者近傍検査受入ポートを備える標準的なルアーインターフェース(luer interfaces)への制御された少量サンプル分配機能のための、一貫した血液サンプル管理ツールを提供する。
図1A~5は、本開示の生体液収集デバイスの例示的な実施形態 を示す。図1A~2を参照すると、本開示の生体液収集デバイス10は、血液サンプル12などの生体液サンプルを受け取るように適合され、収集モジュール14と、収集モジュール14に取り外し可能に接続可能な外部ハウジング16とを含む。一実施形態では、収集モジュール14が外側ハウジング16に接続された状態で、収集モジュール14は、図1A~2に示されるように、外側ハウジング16内に配置される。
図1A~5を参照すると、一実施形態 では、本開示の収集モジュール14は、血液サンプル12などの生体液サンプルを受け取るように適合され、ハウジング20、混合チャンバー22、サンプル安定剤24、収集チャンバー26、クロージャー28、およびキャップ30を含む。
一実施形態では、収集モジュール14のハウジング20は、入口ポート32および出口ポート34を含む。一実施形態では、入口ポート32および出口ポート34は、それらの間に延びる通路36を介して流体連通している。
混合チャンバー22および収集チャンバー26は、通路36を介して流体連通して提供される。混合チャンバー22および収集チャンバー26は、収集モジュール14の入口ポート32に導入された血液サンプル12などの生体液サンプルが最初にサンプル安定剤24を通過し、次に血液サンプル12が通過するように配置される。試料安定器24は混合室22を通過し、その後、試料安定器24が適切に混合された試料12は、収集モジュール14の出口ポート34に到達する前に、収集室26に流入する。このようにして、血液サンプル12は、血液サンプル12中のサンプル安定剤24の適切な混合のために混合チャンバー22を通過する前に、収集モジュール14内に提供される抗凝固剤または他の添加剤などのサンプル安定剤24と混合され、次に、安定化されたサンプルが受け取られ、収集チャンバー26内に保管される。
一実施形態では、サンプル安定剤24は、入口ポート32と混合チャンバー22との間に配置される。本開示の収集モジュール14は、血液サンプル12とサンプル安定剤24との受動的かつ迅速な混合を提供する。例えば、収集モジュール14は、血液サンプル12が混合チャンバー22を通って流れるときに、血液サンプル12と抗凝固剤または血液安定剤などの別の添加剤との受動的混合を可能にする混合チャンバー22を含む。
サンプル安定剤は、抗凝固剤、または血液中の特定の成分、例えば、RNA、タンパク質分析物、もしくは他の成分などを保存するために設計された物質とすることができる。一実施形態では、サンプル安定剤24は、入口ポート32と混合チャンバー22との間に配置される。他の実施形態では、サンプル安定剤24は、収集モジュール14のハウジング20内の他の領域に配置されてもよい。
図14および15を参照すると、一実施形態では、収集モジュール14は、入口ポート32と混合チャンバー22との間に配置される細孔42を含む材料40と、材料40の細孔42内にある乾燥抗凝固剤粉末44とを含む。このようにして、収集モジュール14は、収集モジュール14の一部の上または中に堆積された、ヘパリンまたはEDTAなどの乾燥抗凝固剤を含み得る。一実施形態において、材料40は、連続気泡発泡体の気泡内に分散した乾燥抗凝固剤を含有する連続気泡発泡体であり、フロースルー混合および抗凝固剤の取り込みの効果を促進する。一実施形態において、サンプル安定剤24は、乾燥抗凝固剤粉末44である。
一実施形態において、連続気泡発泡体を抗凝固剤で処理して、連続気泡発泡体の細孔全体に細かく分散した乾燥抗凝固剤粉末を形成することができる。血液サンプル12が収集モジュール14に入ると、血液サンプル12は連続気泡発泡体を通過し、連続気泡発泡体の内部細孔構造全体で利用可能な抗凝固剤粉末に曝される。このようにして、サンプル12は、材料40または連続気泡発泡体を通過する間に、乾燥抗凝固剤粉末44を溶解し、混合される。
連続気泡発泡体は、血液に対して不活性である、柔らかく、変形可能な連続気泡発泡体、例えば、BASFから商業的に入手可能なBasotect(登録商標)発泡体などのメラミン発泡体でもよく、または、ホルムアルデヒド-メラミン-重亜硫酸ナトリウムコポリマーからなるものでもよい。連続気泡発泡体はまた、熱および有機溶媒に対して実質的に耐性がある、可撓性で親水性の連続気泡発泡体でもよい。一実施形態において、発泡体はスポンジ材料を含んでもよい。
抗凝固剤または他の添加剤は、発泡体を添加剤および水の溶液に浸し、続いて水を蒸発させて、発泡体の内部構造全体に細かく分布する乾燥添加剤粉末を形成することにより、連続気泡発泡体に導入されてもよい。
収集モジュール14は、血液サンプル12が混合チャンバー22を通って流れるときに、血液サンプル12と抗凝固剤または血液安定剤などの別の添加剤との受動的混合を可能にする混合チャンバー22を含む。一実施形態では、混合チャンバー22は、入口ポート32と出口ポート34との間に配置される。
混合チャンバー22の内部は、血液サンプル12が収集モジュール14の通路36を通過するときに血液サンプル12と抗凝固剤または他の添加剤との混合を提供する限り、任意の適切な構造または形態を有し得る。一実施形態では、混合チャンバー22は、第1の入口端52および第1の出口端54を有する第1の湾曲壁50と、第2の入口端58および第2の出口端60を有する第2の湾曲壁56とを含む。第1の入口端52は、第2の入口端58から第1の距離D1(図5)だけ離れており、第1の出口端54は、第2の出口端60から第2の距離D2(図5)だけ離れている。一実施形態において、第2の距離D2は、第1の距離D1よりも短い。
混合チャンバー22は、その中にサンプル12およびサンプル安定剤24を受け取り、サンプル12内のサンプル安定剤24の分散混合を達成する。混合チャンバー22は、サンプル12内のサンプル安定剤24の分散混合を実現し、血液サンプル12の任意の部分における非常に高いサンプル安定剤濃度を防止する。これは、血液サンプル2のあらゆる部分における、サンプル安定剤24の不十分な投薬を防止する。混合チャンバー22は、サンプル12内のサンプル安定剤24の分散混合を達成し、その結果、サンプル安定剤24のほぼ等しい量および/または濃度が、血液サンプル12全体に溶解され、たとえば、その試料安定器24は、血液試料12の前部から血液試料12の後部にかけて血液試料12に溶解される。
一実施形態では、収集モジュール14は、混合チャンバー22と出口ポート34との間に配置される収集チャンバー26を含む。一実施形態では、収集チャンバー26は、第1変形可能部分62、第2変形可能部分64、および第1変形可能部分62と第2変形可能部分64との間にある剛性壁部分66(図1A)を含む。一実施形態では、第1の変形可能部分62は、収集チャンバー26の第1の側70に配置され、第2の変形可能部分64は、収集チャンバー26の第2の側72に配置される。一実施形態では、収集チャンバー26の第2の側72は、収集チャンバー26の第1の側70と反対である。
第1の変形可能部分62および第2の変形可能部分64は、サンプル12が収集チャンバー26内に含まれる初期位置(図1A~4)と、サンプル12の一部が収集室26から排出される変形位置(図5)との間で移行可能である。第1の変形可能部分62および第2の変形可能部分64は、同時に圧迫されて、初期位置(図1A~4)から変形位置(図5)に移行する。
有利には、同時に絞ることができる第1の変形可能部分62および第2の変形可能部分64を有することにより、本開示の収集モジュール14は、収集チャンバー26および出口ポート34からより多くのサンプル12を分配することができる。さらに、一実施形態では、第1の側面70に第1の変形可能部分62を、反対側の第2の側面72に第2の変形可能部分64を有することにより、本開示の収集モジュール14は対称的な設計を有し、流体付着フロー特性を促進する滑らかな直線流路チャンバーを提供する。収集モジュール14の滑らかな直線流路チャンバーは、直径に大きな幾何学的な段差がなく、滑らかな流体経路は、エアポケットまたは気泡の形成を抑制する。
混合チャンバー22を通過した後、安定化されたサンプルは収集チャンバー26に向けられる。収集チャンバー26は、所望の試験に必要な十分な量の血液、例えば、500μl以下を保管するために、任意の適切な形状およびサイズを取り得る。一実施形態では、収集チャンバー26は、第1の変形可能部分62、第2の変形可能部分64、および剛性壁部分66と組み合わされたハウジング20の一部によって規定される。
第1の変形可能部分62および第2の変形可能部分64は、可撓性があり、変形可能であり、ハウジング20との流体密封シールを提供することができる任意の材料で作製され得る。いくつかの実施形態では、第1の変形可能部分62および第2の変形可能部分64は、天然または合成ゴム、および他の適切なエラストマー材料から作製され得る。第1の変形可能部分62および第2の変形可能部分64は、第1の変形可能部分62および第2の変形可能部分64が、サンプル12が収集チャンバー26内に含まれる初期位置(図1A~4)と、サンプル12の一部が収集チャンバー26から排出される変形位置(図5)との間で移行可能であるように、ハウジング20の一部に固定されている。
一実施形態では、収集モジュール14は、出口ポート34に取り外し可能に取り付け可能であり、出口ポート34を保護的に覆うキャップ30を含む。一実施形態では、キャップ30は、空気がそこを通過することを可能にし、サンプル12がそこを通過することを防止する通気プラグ80を含む。
キャップ30および通気プラグ80の構造は、血液サンプル12がキャップ30を通過するのを防ぎながら空気がキャップ30を通過することを可能にし、疎水性フィルターを含み得る。通気プラグ80は、収集モジュール14の通路36および/または収集チャンバー26の充填速度(rate)を細かく制御するために使用できる空気通過抵抗を選択している。プラグの多孔度を変化させることにより、キャップ30からの空気流の速度、したがって、採血モジュール14への血液試料の流れの速度を制御することができる。
一実施形態では、収集モジュール14は、通路36を密閉するために収集モジュール14の入口ポート32と係合するクロージャー28を含む。クロージャー28は、入口ポート32を保護的に覆うクロージャー28は、血液サンプル12をハウジング20の通路36に導入することを可能にし、ベクトン、ディキンソンおよびカンパニーから市販されているヘモガード(Hemogard)TM(商標)キャップなどの外部シールド84を備えた貫通可能なセルフシールストッパー82(図17)を含み得る。クロージャー28はまた、ベクトン、ディキンソンアンドカンパニーから市販されているVacutainer(登録商標)採血管のような真空を含む採血管であり得る外部ハウジング16に固定する。
次に、図16~24を参照して、本開示の生体液収集デバイス10の使用について説明する。使用中、針カニューレ100(図17および18)は、閉鎖28の貫通可能な自己密封ストッパー82などを通して、入口ポート32を通して収集モジュール14のハウジング20の通路36に挿入される。図16~18に示すように、複合収集モジュール14と外側ハウジング16を含む生体液収集装置10は、血液サンプル12などの生体液を通すカニューレ100を有する従来のチューブホルダー102に挿入されてもよい。
血液サンプル12は、外部ハウジング16に含まれる真空を引くことにより、従来のチューブホルダー102から収集モジュール14のハウジング20の通路36に引き込まれる(図17)。一実施形態では、血液サンプル12が通路36全体を満たし、血液サンプル12が収集モジュール14に入ると、血液サンプル12は、連続気泡発泡体、例えば、材料40を通過し、連続気泡発泡体の内部細孔42構造全体にわたって利用可能な抗凝固剤粉末44に曝される。このようにして、サンプル12は、材料40または連続気泡発泡体を通過する間に、乾燥抗凝固剤粉末44を溶解し、混合される。混合チャンバー22は、その中にサンプル12およびサンプル安定剤24を受け取り、サンプル12内のサンプル安定剤24の分散混合を達成する。混合チャンバー22を通過した後、安定化されたサンプルは収集チャンバー26に向けられる。収集チャンバー26は、所望の試験に必要な十分な量の血液、例えば、500μl以下を保管するために、任意の適切な形状およびサイズを取り得る。一実施形態では、収集モジュール14の通路36、混合チャンバー22、および収集チャンバー26が完全に満たされると、キャップ30は血液サンプル12の収集を停止する。キャップ30の通気プラグ80は、血液サンプル12がキャップ30を通過して外側ハウジング16に入るのを防ぎながら、空気がキャップ30を通過することを可能にする。
一実施形態では、サンプル収集が完了すると、収集モジュール14を含む外側ハウジング16は、チューブホルダー102(図18)から分離され、次に、外側ハウジング16は、収集モジュール14に依然として取り付けられているクロージャー28を外側ハウジング16から取り外すことによって収集モジュール14(図20)から分離される。クロージャー28の取り外しは、ユーザーがクロージャー28の外側シールド84と外側ハウジング16の両方を把持し、それらを反対方向に引っ張るかまたはねじることによって達成することができる。
収集モジュール14が外側ハウジング16から分離されると、次いで、キャップ30を収集モジュール14(図21)から取り外して、収集モジュール14のハウジング20の出口ポート34を露出させることができる。取り外しは、使用者がキャップ30の外側部分を握り、そしてハウジング20からキャップ30を引っ張ることによって達成され得る。血液サンプル12は、キャップ30を取り外した後、毛細管現象によって、ハウジング20、例えば、収集チャンバー26の通路36内に保持される。一実施形態では、代替として、キャップ30の取り外しは、収集モジュール14を外側ハウジング16から取り外すと生じてもよい。この構成では、キャップ30は外側ハウジング16内に拘束される。一実施形態では、キャップ30を外側ハウジング16と係合させて、外側ハウジング16とキャップ30を単一のステップで取り外すことができる。
次に、第1の変形可能部分62および第2の変形可能部分64を作動させることにより、血液サンプル12を収集モジュール14から分配することができる。例えば、第1の変形可能部分62および第2の変形可能部分64は、サンプル12が収集チャンバー26内に含まれる初期位置(図1A~4および21~23)と、サンプル12の一部が収集室26から排出される変形位置(図5および24)との間で移行可能である。第1の変形可能部分62および第2の変形可能部分64は、同時に圧迫されて、初期位置(図1A~4および21~23)から変形位置(図5および24)に移行する。このようにして、血液サンプル12は、医師が血液サンプルにさらされるのを最小限に抑えつつ、サンプルを分析することを意図した装置、例えば、ポイントオブケア試験装置120(図23および24)、カートリッジ試験機、または患者に近い試験装置などに移されてもよい。
有利には、同時に絞ることができる第1の変形可能部分62および第2の変形可能部分64を有することにより、本開示の収集モジュール14は、収集チャンバー26および出口ポート34からより多くのサンプル12を分配することができる。さらに、一実施形態では、第1の側面70に第1の変形可能部分62を、反対側の第2の側面72に第2の変形可能部分64を有することにより、本開示の収集モジュール14は対称的な設計を有し、流体付着フロー特性を促進する滑らかな直線流路チャンバーを提供する。
図6~10は、本開示の生体液収集デバイスの例示的な実施形態を示す。図6を参照すると、本開示の生体液収集デバイス200は、血液サンプル212などの生体液サンプルを受け取るように適合され、収集モジュール214と、収集モジュール214に取り外し可能に接続可能な外部ハウジング216とを含む。一実施形態では、収集モジュール214が外部ハウジング216に接続された状態で、収集モジュール214は、図6に示されるように外部ハウジング216内に配置される。
図6~10を参照すると、一実施形態では、本開示の収集モジュール214は、ハウジング220、混合チャンバー222、サンプル安定剤224、収集チャンバー226、クロージャー228、およびキャップ330を含めて、血液サンプル212などの生体液サンプルを受け取るように適合される。
一実施形態では、収集モジュール14のハウジング220は、入口ポート232および出口ポート234を含む。一実施形態では、入口ポート232および出口ポート234は、それらの間に延びる通路236を介して流体連通している。
混合チャンバー222および収集チャンバー226は、通路236を介して流体連通して提供される。混合チャンバー222および収集チャンバー226は、収集モジュール214の入口ポート232に導入された血液サンプル212などの生体液サンプルが最初にサンプル安定剤224を通過するように配置され、そして、血液サンプル212およびサンプルスタビライザー224は、混合チャンバー222を通過し、その後、サンプル安定剤224が適切に混合されたサンプル212は、収集モジュール214の出口ポート234に到達する前に、収集チャンバー226に流入する。このようにして、血液サンプル12は、血液サンプル12中のサンプル安定剤224の適切な混合のために混合チャンバー222を通過する前に、収集モジュール214内に提供される抗凝固剤または他の添加剤などのサンプル安定剤24と混合され、次に、安定化されたサンプルが受け取られ、収集チャンバー226内に保管される。
一実施形態では、サンプル安定剤224は、入口ポート232と混合チャンバー222との間に配置される。本開示の収集モジュール214は、血液サンプル212とサンプル安定剤224との受動的かつ迅速な混合を提供する。例えば、収集モジュール214は、血液サンプル212が混合チャンバー222を通って流れるときに、血液サンプル212と抗凝固剤または血液安定剤などの別の添加剤との受動的混合を可能にする混合チャンバー222を含む。
サンプル安定剤は、抗凝固剤、または血液中の特定の成分、例えば、RNA、タンパク質分析物、もしくは他の成分などを保存するために設計された物質とすることができる。一実施形態では、サンプル安定剤224は、入口ポート232と混合チャンバー222との間に配置される。他の実施形態では、サンプル安定剤224は、収集モジュール214のハウジング220内の他の領域に配置されてもよい。
図14および15を参照すると、一実施形態では、収集モジュール214は、入口ポート232と混合チャンバー222との間に配置される細孔242を含む材料240と、材料240の細孔242内にある乾燥抗凝固剤粉末244とを含む。このようにして、収集モジュール214は、収集モジュール214の一部の上または中部に堆積された、ヘパリンまたはEDTAなどの乾燥抗凝固剤を含み得る。一実施形態において、材料240は、連続気泡発泡体の気泡内に分散した乾燥抗凝固剤を含有する連続気泡発泡体であり、フロースルー混合および抗凝固剤の取り込みの効果を促進する。一実施形態において、サンプル安定剤224は、乾燥抗凝固剤粉末244である。
一実施形態において、連続気泡発泡体を抗凝固剤で処理して、連続気泡発泡体の細孔全体に細かく分散した乾燥抗凝固剤粉末を形成することができる。血液サンプル212が収集モジュール214に入ると、血液サンプル212は連続気泡発泡体を通過し、連続気泡発泡体の内部細孔構造全体で利用可能な抗凝固剤粉末に曝される。このようにして、サンプル212は、材料240または連続気泡発泡体を通過する間に、乾燥抗凝固剤粉末244を溶解し、混合される。
連続気泡発泡体は、血液に対して不活性である、柔らかく、変形可能な連続気泡発泡体、例えば、BASFから商業的に入手可能なBasotect(登録商標)発泡体などのメラミン発泡体でもよく、または、ホルムアルデヒド-メラミン-重亜硫酸ナトリウムコポリマーからなるものでもよい。連続気泡発泡体はまた、熱および有機溶媒に対して実質的に耐性がある、可撓性で親水性の連続気泡発泡体でもよい。一実施形態において、発泡体はスポンジ材料を含んでもよい。
抗凝固剤または他の添加剤は、発泡体を添加剤および水の溶液に浸し、続いて水を蒸発させて、発泡体の内部構造全体に細かく分布する乾燥添加剤粉末を形成することにより、連続気泡発泡体に導入されてもよい。
収集モジュール214は、血液サンプル212が混合チャンバー222を通って流れるときに、血液サンプル212と抗凝固剤または血液安定剤などの別の添加剤との受動的混合を可能にする混合チャンバー222を含む。一実施形態では、混合チャンバー222は、入口ポート232と出口ポート234との間に配置される。
混合チャンバー222の内部は、血液サンプル212が収集モジュール214の通路236を通過するときに血液サンプル212と抗凝固剤または他の添加剤との混合を提供する限り、任意の適切な構造または形態を有し得る。一実施形態では、混合チャンバー222は、第1の入口端252および第1の出口端254を有する第1の湾曲壁250と、第2の入口端258および第2の出口端260を有する第2の湾曲壁256とを含む。第1の入口端252は、第2の入口端258から第1の距離D1(図9)だけ離れており、第1の出口端254は、第2の出口端1260から第2の距離D2(図9)だけ離れている。一実施形態において、第2の距離D2は、第1の距離D1よりも短い。
混合チャンバー222は、その中にサンプル212およびサンプル安定剤224を受け取り、サンプル212内のサンプル安定剤224の分散混合を達成する。混合チャンバー222は、サンプル212内のサンプル安定剤224の分散混合を実現し、血液サンプル212の任意の部分における非常に高いサンプル安定剤濃度を防止する。これは、血液サンプル212のあらゆる部分における、サンプル安定剤224の不十分な投薬を防止する。混合チャンバー222は、サンプル212内のサンプル安定剤224の分散混合を達成し、その結果、ほぼ等しい量および/または濃度のサンプル安定剤224が、血液サンプル212全体に溶解され、たとえば、その試料安定器224は、血液サンプル212の前部から血液サンプル212の後部にかけて血液サンプル212に溶解される。
一実施形態では、収集モジュール214は、混合チャンバー222と出口ポート234との間に配置される収集チャンバー226を含む。一実施形態では、収集チャンバー226は、サンプル212を受け入れる剛壁チャンバー262と、空気を含む変形可能部分264と、剛壁チャンバー262と変形可能部分264との間に配置された一方向弁266とを含む。一実施形態では、変形可能部分264は、剛性壁チャンバー262の外部にある。一実施形態では、変形可能部分264は、空気袋268である。このようにして、収集モジュール214は、空気または粘性流体で満たされた袋(bladder)を使用して、サンプルを収集モジュール214から移動させる。
変形可能部分264は、サンプル212が剛性壁チャンバー262内に含まれる初期位置(図6~8)と、サンプル212の一部が剛性壁チャンバー262から排出される変形位置(図9)との間で移行可能である。変形可能部分264は、初期位置(図6~8)から変形位置(図9)に移行するように圧迫される。
一実施形態では、一方向弁266は、サンプル212が剛性壁チャンバー262から変形可能部分264に移動するのを防ぎ、空気が変形可能部分264から剛性壁チャンバー262に移動して、サンプル212を剛性壁チャンバー262から排出することを可能にする。
一実施形態では、一方向弁266は、袋(bladder)268が圧迫されていないときに遠位メニスカスを静止状態(非後退)に保つために使用される。一方向弁266がなければ、ユーザーが袋268を絞った後、袋268内の負圧がサンプルの血液メニスカスを吸い戻すであろう。本開示の収集モジュール214は、メニスカスの制御された分配を提供する。
一実施形態では、収集モジュール214は、流体経路の分配部分に対して実質的に一定の直径を活用するように設計されている。この実質的に一定の直径は、収集モジュール214内での気泡の形成を回避する。
混合チャンバー222を通過した後、安定化されたサンプルは収集チャンバー226に向けられる。収集チャンバー226は、所望の試験に必要な十分な量の血液、例えば、500μl以下を保管するために、任意の適切な形状およびサイズを取り得る。
一実施形態では、収集モジュール214は、出口ポート234に取り外し可能に取り付け可能であり、出口ポート234を保護的に覆うキャップ230を含む。一実施形態では、キャップ230は、空気がそこを通過することを可能にし、サンプル212がそこを通過することを防止する通気プラグ280を含む。
キャップ230および通気プラグ280の構造は、血液サンプル212がキャップ230を通過するのを防ぎながら空気がキャップ230を通過することを可能にし、疎水性フィルターを含み得る。通気プラグ280は、収集モジュール214の通路236および/または収集チャンバー226の充填速度(rate)を細かく制御するために使用できる空気通過抵抗を選択している。プラグの多孔度を変化させることにより、キャップ230からの空気流の速度、したがって、採血モジュール214への血液試料の流れの速度を制御することができる。
一実施形態では、収集モジュール214は、通路236を密閉するために収集モジュール214の入口ポート232と係合するクロージャー228を含む。クロージャー228は、入口ポート232を保護的に覆う。クロージャー228は、血液サンプル212をハウジング220の通路236に導入することを可能にし、ベクトン、ディキンソンアンドカンパニーから市販されているHemogard(商標)キャップなどの外部シールドを備えた貫通可能なセルフシーリングストッパを含み得る。クロージャー228はまた、ベクトン、ディキンソンアンドカンパニーから市販されているVacutainer(登録商標)採血管のような真空を含む採血管であり得る外部ハウジング216に固定する。
本開示の生物学的流体収集デバイス200の使用は、図16~24を参照して上記で説明されるような生物学的流体収集デバイス10の使用と同様である。使用中、針カニューレ100(図17および18)は、入口ポート232を通して、例えば、クロージャー228の貫通可能な自己密封ストッパー282などを通して、収集モジュール214のハウジング220の通路236に挿入される。組み合わされた収集モジュール214および外側ハウジング216を含む生物学的流体収集デバイス200は、血液サンプル212などの生物学的流体が通過するカニューレ100を有する従来のチューブホルダー102(図16~18)に挿入され得る。
血液サンプル212は、外部ハウジング216に含まれる真空を引くことにより、従来のチューブホルダー102から収集モジュール214のハウジング220の通路236に引き込まれる。一実施形態では、血液サンプル212が収集モジュール214に入ると、血液サンプル212が通路236全体を満たし、血液サンプル212は、連続気泡発泡体を通過し、連続気泡発泡体の内部細孔構造全体にわたって利用可能な抗凝固剤粉末に曝される。このようにして、サンプル212は、材料240または連続気泡発泡体を通過する間に、乾燥抗凝固剤粉末244を溶解し、混合される。次に、混合チャンバー222は、その中にサンプル212およびサンプル安定剤224を受け取り、サンプル212内のサンプル安定剤224の分散混合を達成する。混合チャンバー222を通過した後、安定化されたサンプルは収集チャンバー226に向けられる。収集チャンバー226は、所望の試験に必要な十分な量の血液、例えば、500μl以下を保管するために、任意の適切な形状およびサイズを取り得る。一実施形態では、収集モジュール214の通路236、混合チャンバー222、および収集チャンバー226が完全に満たされると、キャップ230は血液サンプル212の収集を停止する。キャップ230の通気プラグ280は、血液サンプル212がキャップ230を通過して外側ハウジング216に入るのを防ぎながら、空気がキャップ230を通過することを可能にする。
一実施形態では、サンプル収集が完了すると、収集モジュール214を含む外側ハウジング216は、チューブホルダー102(図18に示されるのと同様)から分離され、次に、外側ハウジング216は、収集モジュール214に依然として取り付けられているクロージャー228を外側ハウジング216から取り外すことによって収集モジュール214(図20に示されるのと同様)から分離される。クロージャー228の取り外しは、ユーザーがクロージャー228の外側シールド284と外側ハウジング216の両方を把持し、それらを反対方向に引っ張るかまたはねじることによって達成することができる。
収集モジュール214が外側ハウジング216から分離されると、次いで、キャップ230は、収集モジュール214(図21に示されるのと同様)から取り外され得、収集モジュール214のハウジング220の出口ポート234を露出する。取り外しは、使用者がキャップ230の外側部分を握り、そしてハウジング220からキャップ230を引っ張ることによって達成され得る。血液サンプル212は、キャップ230を取り外した後、毛細管現象によって、ハウジング220、例えば、収集チャンバー226の通路236内に保持される。一実施形態では、代替として、キャップ30の取り外しは、収集モジュール214を外側ハウジング216から取り外す際に生じてもよい。この構成では、キャップ230は外側ハウジング216内に拘束される。一実施形態では、キャップ230を外側ハウジング216と係合させて、外側ハウジング216とキャップ230を単一のステップで取り外すことができる。
次に、変形可能な部分264を作動させることにより、血液サンプル212を収集モジュール214から分配することができる。例えば、変形可能部分264は、サンプル212が剛性壁チャンバー262内に含まれる初期位置(図6~8)と、サンプル212の一部が剛性壁チャンバー262から排出される変形位置(図9)との間で移行可能である。変形可能部分264は、初期位置(図6~8)から変形位置(図9)に移行するように圧迫される。このようにして、血液サンプル212は、医師が血液サンプルにさらされるのを最小限に抑えつつ、サンプルを分析することを意図した装置、例えば、ポイントオブケア試験装置120(図24)、カートリッジ試験機、または患者に近い試験装置などに移されてもよい。
一実施形態では、一方向弁266は、サンプル212が剛性壁チャンバー262から変形可能部分264に移動するのを防ぎ、空気が変形可能部分264から剛性壁チャンバー262に移動して、サンプル212を剛性壁チャンバー262から排出することを可能にする。
図11~13は、本開示の生体液収集デバイスの別の例示的な実施形態を示す。図11~13に示す実施形態は、図6~10に示す実施形態と同様の構成要素を含む。簡潔にするために、これらの同様のコンポーネントおよび収集モジュール314(図11~13)を使用する同様のステップは、図11~13に示される実施形態に関連してすべて説明されるわけではない。
図11~13を参照すると、一実施形態では、収集モジュール314は、収集チャンバー326を含む。一実施形態では、収集チャンバー326は、サンプル312を受け入れる剛壁チャンバー362と、空気を含む変形可能部分364と、剛壁チャンバー362と変形可能部分364との間に配置された一方向弁366とを含む。一実施形態では、変形可能部分364は、剛性壁チャンバー362の外部にある。一実施形態では、変形可能部分364は、空気袋368である。このようにして、収集モジュール314は、空気または粘性流体で満たされた袋(bladder)を使用して、サンプルを収集モジュール214から移動させる。
変形可能部分364は、サンプル312が硬質壁チャンバー362内に含まれる初期位置(図12)とサンプル312の一部が硬質壁チャンバーから排出される変形位置(図13)との間で移行可能である。変形可能部分364は、初期位置(図12)から変形位置(図13)に移行するように圧迫される。
一実施形態では、一方向弁366は、サンプル312が剛性壁チャンバー362から変形可能部分364に移動するのを防ぎ、空気が変形可能部分364から剛性壁チャンバー362に移動して、サンプル312を剛性壁チャンバー362から排出することを可能にする。
一実施形態では、一方向弁366は、袋(bladder)368が圧迫されていないときに遠位メニスカスを静止状態(非後退)に保つために使用される。一方向弁366がなければ、ユーザーが袋368を絞った後、袋368内の負圧がサンプルの血液メニスカスを吸い戻すであろう。本開示の収集モジュール314は、メニスカスの制御された分配を提供する。
本開示は例示的な設計を有するように記載されてきたが、本開示は、本開示の精神および範囲の中でさらに修正され得る。本出願は、したがって、その一般原則を用いる開示の任意の変形、使用、または翻案(adaptation)を包含するように意図される。さらに、本出願は、本開示が属する、および添付される特許請求の範囲内に入る技術分野における慣行または慣例の中に入るような本開示からの逸脱を包含することが意図される。