JP7370885B2 - 船舶 - Google Patents
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Description
例えば、駆動部を収容する機関室等では、ダクトを設置することが困難な場合がある。このようにダクトを設置することが困難な場合、液化ガス燃料を送る配管として、内管及び外管を有した二重管を採用する場合がある。しかしながら、液化ガス燃料を送る配管として二重管を用いた場合、その製作、設置、設置後の検査、メンテナンス等の二重管の設置に伴う手間やコストが掛かる。
(船舶の全体構成)
以下、本開示の実施形態に係る船舶について、図1~図5を参照して説明する。
図1に示すように、この実施形態の船舶1は、船体2と、熱機関20と、液化ガスタンク30Aと、圧力調整弁41M,41Gと、第一配管51M,51Gと、第二配管52M,52Gと、を主に備えている。船舶1の船種は、特定のものに限られない。船舶1の船種は、例えばフェリー、RORO船(Roll-on/Roll-off船)、PCTC(Pure Car & Truck Carrier)等を例示できる。
この実施形態において、乾舷甲板5と甲板7との間で且つ、隔壁11と隔壁13との間の区画は、機関室10とされている。機関室10は、主機関室10Aと、発電機室10Bと、を備えている。
主機関室10Aは、舷側3A,3Bと、乾舷甲板5及び甲板7と、隔壁11と、隔壁12と、によって形成されている。発電機室10Bは、舷側3A,3Bと、乾舷甲板5及び甲板7と、隔壁12と、隔壁13と、によって形成されている。機関室10と発電機室10Bとは、船首尾方向FAで隣接している。なお、この実施形態において、隔壁11及び隔壁13の間であっても、水密区画S11,S12(後述する)については、機関室10に含まれない(以下、第一実施形態の変形例及び第二実施形態の水密区画も同様)。
乾舷甲板5と甲板7との間に、水密区画S11,S12が設けられている。水密区画S11,S12は、船体2の船幅方向Wの中心Cを挟んで船幅方向Wに対称に配置されている。水密区画S11,S12は、舷側3A、3Bと、区画壁15A,15Bと、に囲まれて、乾舷甲板5と甲板7との間で機関室10の上下全域にわたって形成されている。この実施形態における区画壁15A,15Bは、隔壁12の一部と、仕切壁16A,16B(後述する)とにより形成されている。
第一隔壁部12aは、舷側3Aに接続され、舷側3Aから船幅方向W内側に延びている。第二隔壁部12bは、第一隔壁部12aの船幅方向W内側の端縁に連続するように設けられ、船首尾方向FAの船尾側に延びている。第二隔壁部12bは、舷側3Aに対して船体2の船幅方向W内側に間隔を空けて設けられている。
図3に示すように、船体2は、水密区画S11,S12の上方に、ダクトD1,D2を備えている。ダクトD1,D2は、水密区画S11,S12の上端から舷側3A,3Bに沿って、上方に向かって延びている。ダクトD1,D2は、その下端部が水密区画S11,S12に連通している。ダクトD1,D2は、その上端部が、上甲板8上で上方に向かって開口している。ここで、この実施形態において、水密区画S11,S12は、ダクトD1,D2よりも水平断面積が大きい。この実施形態において、乾舷甲板5は、車両が乗り込み可能な車両甲板となっている。ダクトD1,D2は、この車両が搭載される区画を高さ方向に貫通するように設けられている。
図2、図3に示すように、熱機関20は、機関室10内に収容されている。熱機関20は、液化ガスを燃料とする内燃機関又は外燃機関である。この実施形態における船舶1は、熱機関20として、主機21と発電機用エンジン22と、を備えている。
主機21は、主機関室10A内に配置されている。主機21は、船舶1を航行させる推進力を発揮する。主機21は、船体2の後部2bの外部に設けられたスクリュー9(図1参照)を回転駆動させる。主機21は、例えば蒸気タービン、ガスタービン、レシプロエンジン等を用いることができる。本開示において、主機21及びスクリュー9は、船幅方向Wに間隔を空けて二組設けられている。
図1に示すように、液化ガスタンク30Aは、機関室10の外部に設けられている。本開示において、液化ガスタンク30Aは、船体2の後部2bの上甲板8上に設けられている。本開示において、液化ガスタンク30Aは、船幅方向Wに間隔を空けて複数基(例えば2基)が設けられている。この実施形態における液化ガスタンク30Aは、主機21や発電機用エンジン22等の燃料となる液化天然ガス(LNG)等の液化ガスを貯留するための専用の燃料タンクである。
船体2は、さらに、ベントライザ31と、バンカーステーション33と、燃料供給装置35と、を備えている。ベントライザ31は、上方に向けて延びるように設けられている。ベントライザ31は、緊急時等に液化ガスタンク30A内で気化したボイルオフガスを排出する。バンカーステーション33は、陸上との間で液化ガスタンク30Aの積み下ろしを行う。バンカーステーション33は、陸上側の設備に接続可能な接続口と、この接続口と液化ガスタンク30Aとの間を接続する接続管と、接続管を通して液化ガスを送給するための荷役ポンプ(いずれも図示せず)等を備えている。
図3に示すように、圧力調整弁41M,41Gは、熱機関20の主機21に供給する燃料ガスG2の圧力及び発電機用エンジン22に供給する燃料ガスG2の圧力をそれぞれ調整する。圧力調整弁41M,41Gは、機関室10内に設けられたバルブ室,40Gに収容されている。
図2、図3に示すように、第一配管51M,51Gは、液化ガスタンク30A内の液化ガスG1が気化した燃料ガスG2を、圧力調整弁41M,41Gに送給する。第一配管51M,51Gは、燃料供給装置35のガスヒータ35cと、圧力調整弁41M,41Gとを接続している。第一配管51M,51Gは、外部を被覆する保護管(言い換えれば、外管)を有さない一重管である。第一配管51M,51Gは、上甲板8上では外気に晒される曝露状態で設けられている。
第二配管52M,52Gは、圧力調整弁41M,41Gを経由した燃料ガスG2を、熱機関20である主機21,発電機用エンジン22に送給する。第二配管52M,52Gは、バルブ室40M、バルブ室40Gの外部に敷設されている。この実施形態で例示する第二配管52M,52Gは、それぞれ船首尾方向に延びている。これら第二配管52M,52Gは、それぞれ二重管を成している。
船舶1において、液化ガスタンク30Aから熱機関20に燃料ガスG2を供給するには、まず、燃料供給装置35のポンプ35aが、液化ガスタンク30A内の液化ガスG1を吸い出す。このポンプ35aで吸い出された液化ガスG1は、蒸発器35bで蒸発することで気化され、燃料ガスG2となる。燃料ガスG2は、第一配管51M,51Gを通してバルブ室40M,40G内の圧力調整弁41M,41Gに送られる。
上記第一実施形態の船舶1では、第一配管51M,51Gの一部が水密区画S11,S12内に配置されている。これにより、水密区画S11,S12内に配置された部分では、第一配管51M,51Gを二重管とする必要がない。
また、バルブ室40M,40Gが、水密区画S11,S12に隣接して設けられているので、水密区画S11,S12とバルブ室40M,40Gとの間で、第一配管51M,51Gを二重管とする必要がない。
したがって、第一実施形態の船舶1によれば、二重管の使用量を減らし、二重管の設置に伴う手間及びコストを抑えることができる。
したがって、第一実施形態の船舶1によれば、液化ガスタンク30Aが機関室10の上方に設けられ、第一配管51M,51Gが上下方向Dvに延びる場合、その少なくとも一部を水密区画S11,S12内に配置することで、二重管の使用量を減らし、二重管の設置に伴う手間及びコストを抑えることができる。
したがって、第一実施形態の船舶1によれば、水密区画S11,S12よりも上方において、第一配管51M,51GをダクトD1,D2内に配置することで、二重管の使用量を減らし、二重管の設置に伴う手間及びコストを抑えることができる。
したがって、実施形態の船舶1によれば、第一配管51M,51Gが配置された水密区画S11,S12を、大きな容積を有した浸水防止部屋Sa,Sbとして活用することができる。
上記第一実施形態では、隔壁12が、船幅方向Wの両側に、第一隔壁部12a及び第二隔壁部12b、第四隔壁部12d及び第五隔壁部12eを備えるようにしたが、これに限らない。
例えば、隔壁12Aは、図5の断面視において、船幅方向Wに延び、一対の舷側3A,3Bを接続する直線状に形成してもよい。この第一実施形態の変形例では、水密区画S13,S14、S15,S16が設けられる場合を例示している。水密区画S13,S14、S15,S16は、乾舷甲板5と甲板7との間に設けられている。水密区画S13と水密区画S15とは、船体2の中心Cを挟んで船幅方向Wで対称に配置されている。水密区画S14と水密区画S16は、船体2の中心Cを挟んで船幅方向Wで対称に配置されている。左舷側の水密区画S13,S14は、隔壁12Aに対して船首尾方向FAの両側に対称に隣接配置されている。右舷側の水密区画S15,S16は、隔壁12Aに対して船首尾方向FAの両側に対称に隣接配置されている。
次に、この発明に係る船舶の第二実施形態について説明する。以下に説明する第二実施形態は、第一実施形態と液化ガスタンクの配置が異なる。そのため、第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
図6に示すように、この実施形態の船舶1Bは、船体2内に、熱機関20と、液化ガスタンク30Bと、圧力調整弁41M,41Gと、タンク側配管55M,55Gと、熱機関側配管56M,56Gと、を備えている。
第二実施形態の船舶1Bは、水密区画S21,S22,S23,S24,S31,S32,S33,S34を備えている。水密区画S21,S22,S23,S24,S31,S32,S33,S34は、乾舷甲板5と甲板7との間に設けられている。
船体2は、機関室10に対して船首尾方向FAの船首側に隣接するタンク室60を備えている。つまり、この実施形態におけるタンク室60は、乾舷甲板5よりも下層に設けられている。
タンク室60は、液化ガスタンク30Bと、燃料供給装置35Bと、を収容している。つまり、液化ガスタンク30B及び燃料供給装置35Bは、機関室10の外部に設けられている。この第二実施形態で例示する液化ガスタンク30Bは、タンク室60内に、船幅方向Wに間隔を空けて複数基(例えば2基)設置されている。
燃料供給装置35Bは、液化ガスタンク30B内の液化ガスG1を熱機関20(主機21、発電機用エンジン22)に供給する。燃料供給装置35Bは、上記第一実施形態の燃料供給装置35と同様、ポンプ35aと、蒸発器35bと、ガスヒータ35cと、ガス焼却炉35dと、を主に備えている。タンク室60は、液化ガスG1等がタンク室60外部に漏洩しないように気密性を有した構造とされている。
タンク側配管55Mは、液化ガスタンク30B内の液化ガスG1を気化させた燃料ガスG2を、バルブ室40M内の圧力調整弁41Mに送給する。同様に、タンク側配管55Gは、液化ガスタンク30B内の液化ガスG1を気化させた燃料ガスG2を、バルブ室40G内の圧力調整弁41Gに送給する。言い換えれば、タンク側配管55Mは、燃料供給装置35Bと、圧力調整弁41Mとを接続し、タンク側配管55Gは、燃料供給装置35Bと、圧力調整弁41Gとを接続している。タンク側配管55Mの少なくとも一部は、水密区画S21,S22内に配置されている。タンク側配管55Gの少なくとも一部は、水密区画S31,S32内に配置されている。
熱機関側配管56M,56Gは、燃料ガスG2を、タンク側配管55M,55Gから熱機関20である主機21,発電機用エンジン22に送給する。
船舶1Bにおいて、液化ガスタンク30Bから熱機関20に燃料ガスG2を供給するには、まず、燃料供給装置35Bのポンプ35aが、液化ガスタンク30B内の液化ガスG1を吸い出す。このポンプ35aで吸い出された液化ガスG1は、蒸発器35bで蒸発することで気化され、燃料ガスG2となる。燃料ガスG2は、タンク側配管55M,55Gを通してバルブ室40M,40G内の圧力調整弁41M,41Gに送られる。
上記第二実施形態の船舶1Bでは、熱機関側配管56Mの一部が、機関室10内に形成された水密区画S21,S22,S23,S31内に配置されている。
したがって、第二実施形態の船舶1Bによれば、水密区画S21,S22,S23,S31内に配置された部分では、熱機関側配管56Mを二重管とする必要がない。その結果、二重管の使用量を減らし、二重管の設置に伴う手間及びコストを抑えることができる。
また、第二実施形態の船舶1Bでは、熱機関側配管56Gの一部が、機関室10内に形成された水密区画S31,S32内に配置されている。
したがって、第二実施形態の船舶1Bによれば、水密区画S31,S32内に配置された部分では、熱機関側配管56Gを二重管とする必要がない。その結果、二重管の使用量を減らし、二重管の設置に伴う手間及びコストを抑えることができる。
以上、本開示の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
第一実施形態において、主機21用のバルブ室40Mと、発電機用エンジン22用のバルブ室40Gとを別々に設けるようにしたが、主機21の圧力調整弁41Mと、発電機用エンジン22の圧力調整弁41Gとを、一つのバルブ室に収容するようにしてもよい。
各実施形態に記載の船舶1は、例えば以下のように把握される。
また、バルブ室40M,40Gが、水密区画S11~S16に隣接して設けられているので、水密区画S11~S16とバルブ室40M,40Gとの間で、第一配管51M,51Gを二重管とする必要がない。
したがって、二重管の使用量を減らし、二重管の設置に伴う手間及びコストを抑えることができる。
熱機関20の例としては、主機21や発電機用エンジン22が挙げられる。
したがって、二重管である熱機関側配管56M,56Gの使用量を減らし、二重管の設置に伴う手間及びコストを抑えることができる。
2、2B…船体
2b…後部
3A、3B…舷側
4…船底
5…乾舷甲板
7…甲板
8…上甲板
9…スクリュー
10…機関室
10A…主機関室
10B…発電機室
11…隔壁
12、12A、12B、12C…隔壁
12a…第一隔壁部
12b…第二隔壁部
12c…第三隔壁部
12d…第四隔壁部
12e…第五隔壁部
12f、12h…第一側部
12g、12i…第二側部
13、13B、13C…隔壁
15A、15B、15G、15H…区画壁
16A~16H…仕切壁
16a、16e、16g、16i、16k、16p…第一仕切壁部
16b、16f、16h、16j、16m、16q…第二仕切壁部
16c、16r…第三仕切壁部
16d、16s…第四仕切壁部
20…熱機関
21…主機
22…発電機用エンジン
30A、30B…液化ガスタンク
31…ベントライザ
33…バンカーステーション
35、35B…燃料供給装置
35a…ポンプ
35b…蒸発器
35c…ガスヒータ
35d…ガス焼却炉
40G、40M…バルブ室
41G、41M…圧力調整弁
42G、42M…バルブ室壁
51G、51M…第一配管
52G、52M…第二配管
54G、54M…外管
55G、55M…タンク側配管
56G、56M…熱機関側配管
58b…外管
60…タンク室
D1、D2…ダクト
G1…液化ガス
G2…燃料ガス
G3…ボイルオフガス
J1~J6…接続部
S11~S16…水密区画
S21~S24…水密区画
S31~S34…水密区画
Sa~Sh…浸水防止部屋
W…船幅方向
Claims (2)
- 一対の舷側を有する船体と、
前記船体内に設けられて前記一対の舷側とともに、熱機関が収容される機関室を形成する隔壁と、
前記隔壁と前記舷側との接続部を囲むように配置されて、前記機関室の上下範囲にわたって延びる水密区画を形成する仕切壁と、
前記機関室の外部に設けられ、液化ガスを貯留する液化ガスタンクと、
前記水密区画に隣接して配置されたバルブ室に収容され、前記熱機関に供給する燃料ガスの圧力を調整する圧力調整弁と、
前記液化ガスタンク内の前記液化ガスが気化した前記燃料ガスを前記圧力調整弁に送給し、少なくとも一部に前記水密区画内に配置された一重管を有する第一配管と、
前記圧力調整弁を経由した前記燃料ガスを前記熱機関に送給し、前記機関室内で延びる二重管からなる第二配管と、
を備え、
前記液化ガスタンクは、前記機関室の上方に設けられ、
前記第一配管の少なくとも一部が、前記水密区画内を上下方向に延びるように配置され、
前記水密区画の上端部に連通し、前記船体内で前記水密区画から上方に向かって延びるダクトをさらに備え、
前記第一配管は、前記水密区画よりも上方において前記ダクト内に配置されている
船舶。 - 前記水密区画は、前記ダクトよりも水平断面積が大きい
請求項1に記載の船舶。
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