JP7370278B2 - 焼結体、スパッタリング用ターゲット、膜、量子カスケードレーザ、及び、成膜方法 - Google Patents

焼結体、スパッタリング用ターゲット、膜、量子カスケードレーザ、及び、成膜方法 Download PDF

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Description

本発明は、焼結体、スパッタリング用ターゲット、膜、量子カスケードレーザ、及び、成膜方法に関する。
中赤外の波長領域(例えば波長4~15μm)での高性能な半導体光源として、量子カスケードレーザが知られている。量子カスケードレーザのシングルモード化及び高出力化には、劈開した出射端面への成膜による反射率制御が重要である。例えば、素子中に回折格子を配置した分布帰還(DFB)型の量子カスケードレーザでは、理論上、波長が長波長になるにしたがって出射端面に形成する反射防止膜の膜厚を厚く(例えば1μm以上)し、且つ、その屈折率を調整する(例えば2以下)必要がある。これを実現すべく、従来、出射端面に屈折率の異なる誘電体を積層させる誘電体多層膜を形成することが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、量子カスケードレーザに対する成膜技術ではないが、低屈折率領域でその屈折率を制御することが可能な単層膜の成膜方法として、真空蒸着とスパッタリングを交互に繰り返す成膜方法が知られている(特許文献2参照)。
特開2013-254765号公報 特開2018-123365号公報
しかしながら、特許文献1に記載された誘電体多層膜は、量子カスケードレーザを連続駆動すると異種層間で熱膨張率が異なることに起因してクラック等が発生する場合があることや、材料の耐熱性の問題がある。従って、単層膜で所望の厚さと屈折率を実現することが望ましい。ここで、屈折率が低い膜を形成すべく特許文献2に開示されている成膜方法を用いた場合では、中赤外の波長領域での使用に耐えられる程度に強度が高い膜を得るのは困難である。
そこで本発明は、単層で所望の厚さと屈折率とを有する膜を形成することができる材料を提供することを目的とする。また、その材料を含む膜、その材料を含む膜が設けられた量子カスケードレーザ、及び、その材料を含む膜の成膜方法を提供することを目的とする。
本発明は、酸化セリウムと、フッ化セリウム又はフッ化イットリウムとを含む、焼結体を提供する。この焼結体は、スパッタリング用のターゲットとして使用することができる。この焼結体をスパッタリング用ターゲットとして用いてスパッタリングを行った場合には、酸化セリウムを単独で用いた場合ではなし得なかった低屈折率の膜を厚く成膜することができる。
ここで、フッ化セリウム又はフッ化イットリウムの含有量は、酸化セリウムとフッ化セリウム又はフッ化イットリウムとの合計質量を基準として10~30質量%であってもよい。当該含有量がこの範囲内にある場合には特に、低屈折率の膜を厚く成膜することができ、単層膜で低反射率を達成することができる。また、スパッタリング用ターゲットとしても強度が一層十分に保たれ、繰り返しの使用に耐えることができる。
また、本発明は、酸化セリウムと、フッ化セリウム又はフッ化イットリウムとを含み、厚さが1.000~1.300μmである膜を提供する。この膜は、量子カスケードレーザの出射端面に形成されていてもよい。この膜によれば、高出力のレーザを連続駆動した場合でも熱による劣化が生じにくい。
また、本発明は、半導体基板と、半導体基板上に設けられ、量子井戸発光層及び注入層からなる単位積層体が多段に積層されることで量子井戸発光層と注入層とが交互に積層されたカスケード構造を有し、量子井戸構造でのサブバンド間遷移によって光を生成する活性層とを備え、活性層で生成される所定波長の光が出射する出射端面に反射防止膜が設けられており、反射防止膜は、酸化セリウムと、フッ化セリウム又はフッ化イットリウムとを含む単層膜からなる、量子カスケードレーザを提供する。この量子カスケードレーザは、高出力のレーザを連続駆動した場合でも反射防止膜に熱による劣化が生じにくく、クラック等が発生しにくい。
この量子カスケードレーザの反射防止膜は、フッ化セリウム又はフッ化イットリウムの含有量が、酸化セリウムとフッ化セリウム又はフッ化イットリウムとの合計質量を基準として10~30質量%であってもよい。
また、本発明は、酸化セリウムとフッ化セリウム又はフッ化イットリウムとを含む焼結体をスパッタリング用ターゲットとして用いる成膜方法を提供する。この成膜方法は、量子カスケードレーザの出射端面にスパッタリングで反射防止膜を形成することに用いられてもよい。
この成膜方法において、スパッタリング装置の不活性ガス雰囲気中において酸素を分圧比で1~15%存在させてスパッタリングを行ってもよい。これによれば、形成された膜の表面粗さを小さくすることができる。
本発明によれば、単層で所望の厚さと屈折率とを有する反射防止膜を形成することができる材料を提供することができる。また、その材料を含む膜、その材料を含む膜が設けられた量子カスケードレーザ、及び、その材料を含む膜の成膜方法を提供することができる。
スパッタリング用ターゲットの一実施形態の構成を示す斜視図である。 量子カスケードレーザの一実施形態の構成を示す斜視図である。 図2に示した量子カスケードレーザの構成を示す側面断面図である。 量子カスケードレーザの活性層の構成、及び活性層におけるサブバンド準位構造の一例を示す図である。 活性層における1周期分の単位積層体の構造の一例を示す図表である。 成膜した膜の屈折率を示すグラフである。 成膜した膜の反射率を示すグラフである。 成膜した膜の表面粗さを示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において同一部分又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
<焼結体,スパッタリング用ターゲット>
図1に示されているとおり、本実施形態のスパッタリング用ターゲット(以下、単に「ターゲット」と呼ぶ。)1は、平板状の円柱体をなしている。ターゲット1の大きさはスパッタリングの態様次第で任意に調整することができるが、例えば、円柱の直径は50~100mmであることが好ましく、60~90mmであることがより好ましく、70~80mmであることが更に好ましい。円柱の高さは、1~10mmであることが好ましく、2~8mmであることがより好ましく、3~6mmであることが更に好ましい。
ターゲット1は、酸化セリウムと、フッ化セリウム又はフッ化イットリウムとの混合物の焼結体である。従って、ターゲット1は、酸化セリウムと、フッ化セリウム又はフッ化イットリウムとを含む。フッ化セリウム又はフッ化イットリウムの含有量は、酸化セリウムとフッ化セリウム又はフッ化イットリウムとの合計質量を基準として10~30質量%であってもよく、15~25質量%であってもよい。
酸化セリウムとともに含まれる物質がフッ化セリウムである場合、その含有量が上記範囲内であると、ターゲット1を用いてスパッタリングにより成膜した膜の屈折率が2以下の値となりやすい。また、フッ化セリウムのみからなるターゲットは脆く放電に対する耐久性が低いが、フッ化セリウムを酸化セリウムと混合した場合では耐久性が高いものとなる。
酸化セリウムとともに含まれる物質がフッ化イットリウムである場合、その含有量が上記範囲内であると、ターゲット1を用いてスパッタリングにより成膜した膜の屈折率が2以下の値となりやすい。また、フッ化イットリウムのみからなるターゲットを用いてスパッタリングにより成膜した膜は、応力が高すぎてクラック等が発生しやすいが、フッ化イットリウムを酸化セリウムと混合したターゲットを用いた場合では膜の応力が適切なものとなりやすくクラック等が発生しにくい。
ターゲット1において、酸化セリウムと、フッ化セリウム又はフッ化イットリウムとの合計含有量は、ターゲット1の質量を基準として95質量%以上であることが好ましく、98質量%以上であることがより好ましく、99質量%以上であることが更に好ましく、99.5質量%以上であることが特に好ましい。また、ターゲット1は、実質的に酸化セリウムと、フッ化セリウム又はフッ化イットリウムとからなることが好ましい。ここで「実質的に酸化セリウムと、フッ化セリウム又はフッ化イットリウムとからなる」とは、焼結体の製造過程において不可避的に混入する不純物が含まれていてもよいことを意味する。例えば、酸化セリウム、フッ化セリウム及びフッ化イットリウムの精製工程、これらの混合工程、及び、これらの混合物の焼結工程において不可避的に混入する不純物が含まれていてもよいことを意味する。また、ターゲット1は、酸化セリウムとフッ化セリウム又はフッ化イットリウムとのみからなっていてもよい。
ターゲット1は、酸化セリウムと、フッ化セリウム又はフッ化イットリウムとの混合物を焼結することにより製造することができる。酸化セリウムとフッ化セリウムとを含む場合を例にすると、粒塊状の酸化セリウムと粒塊状のフッ化セリウムとをそれぞれ粉砕して細かい粒状にし、それぞれを所望の混合比で均一に混合する。そして、その混合物を型枠に詰めて圧縮成形し、最高温度900℃で焼結する。このようにして、酸化セリウムとフッ化セリウムとを含むターゲット1を製造することができる。
<成膜方法,膜(反射防止膜)>
ターゲット1を用いて、任意の対象に対してスパッタリング成膜を行うことができる。スパッタリングで得られる膜は単層膜であり、ターゲット1を構成する物質の組成、すなわち酸化セリウムと、フッ化セリウム又はフッ化イットリウムとの所定の含有割合を有する組成が、当該単層膜の組成となる。当該単層膜の厚さは1.000~1.300μmとすることができ、1.050~1.250μmであってもよく、1.100~1.200μmであってもよい。また、この単層膜の屈折率は、波長7μm以上の光に対して2以下とすることができる。
スパッタリング装置としては、任意の装置を用いることができる。スパッタリングを行う際は、スパッタリング装置の不活性ガス雰囲気中において、酸素を分圧比で1~15%存在させることが好ましく、3~10%存在させることがより好ましく、5~8%存在させることが更に好ましい。これによれば、高い放電力によって膜から脱離する酸素原子を補うことができ、形成される膜の表面粗さを小さくすることができる。酸素分圧を高くしすぎると、成膜速度が低下する傾向がある。不活性ガスとしては例えばアルゴンを用いることができる。
ここで、ターゲット1を使用したスパッタリングによって量子カスケードレーザの出射端面に反射防止膜を形成する場合について説明する。波長7μm以上且つ高出力を発揮する量子カスケードレーザとしては、その出射端面の反射率制御が重要である。すなわち、量子カスケードレーザの素子構造や特性に応じて出射端面には相応の絶縁性、屈折率、設計波長における透明性、空気中での安定性、耐熱性等が要求されるため、その要求に適う膜が成膜される。分布帰還(DFB)型の量子カスケードレーザでは出射端面に形成する反射防止膜の反射率が0であることが理想であるとともに、理論上、設計波長が長波長になるにつれて反射防止膜の膜厚を厚く(例えば1μm以上)し、且つ、その屈折率を低く(例えば2以下)する必要がある。
ここで、反射防止膜の膜厚、各種屈折率、及び、設計波長の関係は以下のとおりである。
Figure 0007370278000001

式中、nは反射防止膜の屈折率、nは空気の屈折率、nは母材の屈折率、dは反射防止膜の膜厚(μm)、λは設計波長(μm)を示す。
この式において空気の屈折率n=1とし、設計波長λ=8μmとし、例えば母材をInP(屈折率は約3.2)としたとき、
Figure 0007370278000002

となり、屈折率が1.789である材料を1.118μmの膜厚で成膜すれば、波長8μmで反射率が0である単層膜を得られることが分かる。本実施形態のターゲット1を用いたスパッタリング成膜によれば、単層膜としてこれらの屈折率及び膜厚を有する反射防止膜を実現することができる。しかも、この反射防止膜は絶縁膜の機能も兼ねることができる。
なお、酸化セリウムのみからなるターゲットを用いた場合では、設計波長λ=8μmでは屈折率が2以上となり所望の値を得られない(後述する図6参照)。フッ化セリウムのみからなるターゲットを用いた場合では、ターゲットとしての放電耐性が低く、スパッタリングを繰り返し行うことができない。フッ化イットリウムのみからなるターゲットを用いた場合では、成膜された反射防止膜の応力が高すぎ、クラック等が発生しやすい。また、蒸着法による成膜では、ターゲット1を用いて成膜した場合のみならず酸化セリウムのみからなるターゲットを用いて成膜した場合でも設計波長λ=8μmで屈折率を2以下とすることができるが、光学特性を制御することが困難で、膜質が脆く、1μm以上の厚さに成膜することが困難である。
<量子カスケードレーザ>
図2は、本発明による量子カスケードレーザの一実施形態の構成を概略的に示す斜視図である。ここでは、出射光の波長が7μm以上又は7.5μm以上又は8μm以上である分布帰還(DFB)型の量子カスケードレーザである。また、図3は、図2に示した量子カスケードレーザの構成を示す側面断面図である。ここで、図3においては、レーザ素子のリッジ構造におけるリッジ部の中心線に沿った側面断面図を示している。
本実施形態の量子カスケードレーザ100は、半導体量子井戸構造におけるサブバンド間の電子遷移を利用して光を生成するモノポーラタイプのレーザ素子である。この量子カスケードレーザ100は、半導体基板10と、基板10上に形成された活性層15とを備えて構成されている。また、この量子カスケードレーザ100に対して、基板10側、及びリッジ部25側には、それぞれレーザ100を駆動するための電極が形成されている。ただし、図2及び図3においては、電極の図示を省略している。
活性層15は、光の生成に用いられる量子井戸発光層と、発光層への電子の注入に用いられる電子注入層とが交互かつ多段に積層されたカスケード構造を有する。具体的には、量子井戸発光層及び注入層からなる半導体積層構造を1周期分の単位積層体16とし、この単位積層体16が多段に積層(図3参照) されることで、カスケード構造を有する活性層15が構成されている。量子井戸発光層及び注入層を含む単位積層体16の積層数は適宜設定される。また、活性層15は、半導体基板10上に直接に、あるいは他の半導体層を介して形成される。なお、活性層15における量子井戸構造、及びそれによるサブバンド準位構造については、詳しくは後述する。
量子カスケードレーザ100における半導体基板10、活性層15以外の半導体積層構造については、図3にその具体的な一例を示している。図3に示す構成例では、半導体基板10として、n型InP単結晶基板を用いている。そして、このInP基板10上に、基板側から順に、InP下部クラッド層50、InGaAs下部コア層51、単位積層体16が多段に積層された活性層15、InGaAs上部コア層52、InP上部クラッド層53、及びInGaAsコンタクト層54が順次積層されることで、量子カスケードレーザ100の素子本体における半導体積層構造が形成されている。
本実施形態の量子カスケードレーザ100は、図2及び図3に示すように、半導体基板10を含む基体部20と、活性層15を含んで基体部20上に設けられたリッジ部25とを有するリッジ構造に形成されている。リッジ部25は、平面視長方形を成している基体部の向かい合う辺を結ぶように延びるストライプ状に形成されている。また、リッジ部25は、そのストライプ幅が基体部20の幅に対して狭い幅で形成されている。
図3に示す構成例では、このリッジ部25は、下部クラッド層50、下部コア層51、活性層15、上部コア層52、上部クラッド層53、及びコンタクト層54を含んで構成され、その端面はレーザ光の出射端面27を含んでいる。このようなリッジ状のレーザ素子構造は、通常のエッチングプロセスで形成することができる。この場合、基体部20において、半導体基板10の上面が基体部20の上面として露出する構成となる。
また、本実施形態のレーザ100では、リッジ部25の両端面のうち、少なくとも一方の端面には、反射防止膜30が形成されている。この反射防止膜30は、図2及び図3に示すように、活性層15の延在方向での一方の端部を含むリッジ部25のリッジ端面上から、基体部20の基体端面上にわたって連続して形成されている。リッジ端面及び基体端面では、それらの全面に反射防止膜30が形成されている。反射防止膜30は単層膜であり、絶縁膜としての機能も果たす。
また、本実施形態では、反射防止膜30は、基体端面上及びリッジ端面上に加えて、基体端面上から基体部20の上面(リッジ部25側の面)上及び下面上に所定幅で回り込むように付加的に形成された付加膜部33、及びリッジ端面上からリッジ部25の上面上、両側面上に同じく回り込むように付加的に形成された付加膜部34を有して構成されている。
反射防止膜30は、基体部20、リッジ部25及び電極を設けたうえで、その一端面を対象として、ターゲット1を用いた上記の成膜方法で成膜することができる。
反射防止膜30の組成は、反射防止膜30を成膜するのに使用したターゲット1と同様の組成、又はそれに近い組成である。すなわち、酸化セリウムと、フッ化セリウム又はフッ化イットリウムとを含んでおり、これらが所定の含有割合で含まれている。反射防止膜30中のフッ化セリウム又はフッ化イットリウムの含有量は、当該反射防止膜30中の酸化セリウムとフッ化セリウム又はフッ化イットリウムとの合計質量を基準として10~30質量%であってもよく、15~25質量%であってもよい。
また、反射防止膜30において、酸化セリウムと、フッ化セリウム又はフッ化イットリウムとの合計含有量は、反射防止膜30の質量を基準として95質量%以上であることが好ましく、98質量%以上であることがより好ましく、99質量%以上であることが更に好ましく、99.5質量%以上であることが特に好ましい。また、反射防止膜30は、実質的に酸化セリウムと、フッ化セリウム又はフッ化イットリウムとからなることが好ましい。ここで「実質的に酸化セリウムと、フッ化セリウム又はフッ化イットリウムとからなる」とは、上記と同様に、焼結体の製造過程において不可避的に混入する不純物が含まれていてもよいことを意味する。また、スパッタリング成膜の手順において不可避的に混入する不純物が含まれていてもよいことを意味する。また、スパッタリング時に不活性ガス中に酸素を存在させる場合は、当該酸素が膜内に取り込まれていてもよいことを意味する。また、反射防止膜30は、酸化セリウムとフッ化セリウム又はフッ化イットリウムとのみからなっていてもよい。なお、上記の質量割合の基準である「反射防止膜30の質量」は、反射防止膜30の全部の質量であってもよいし、質量測定のために削り取ったサンプルの質量であってもよい。
図4は、図2に示した量子カスケードレーザ100の活性層の構成、及びその活性層において形成されるサブバンド準位構造の一例を示す図である。なお、図4においては、量子カスケードレーザ100の活性層15における単位積層体16による多段の繰返し構造のうちの一部について、その量子井戸構造、及びサブバンド準位構造を模式的に示している。また、この図において、横方向は活性層内での積層方向の位置に相当し、縦方向はエネルギーに相当する。
図4に示すように、活性層15に含まれる複数の単位積層体16のそれぞれは、量子井戸発光層17と、電子注入層18とによって構成されている。これらの発光層17及び注入層18は、それぞれ量子井戸層及び量子障壁層を含む所定の量子井戸構造を有して形成される。これにより、単位積層体16中においては、量子井戸構造によるエネルギー準位構造であるサブバンド準位構造が形成される。
本構成例では、活性層15における1周期分の単位積層体16は、11個の量子井戸層161~164、181~187、及び11個の量子障壁層171~174、191~197が交互に積層された量子井戸構造として構成されている。また、このような積層構造において、4層の井戸層161~164及び障壁層171~174からなる積層部分が発光層17となり、7層の井戸層181~187及び障壁層191~197からなる積層部分が注入層18となっている。
発光層17の各半導体層のうちで、1段目の量子障壁層171が、前段の注入層と発光層17との間に位置し、前段の注入層から発光層への電子に対する注入障壁(injection barrier)層となっている。また、注入層18の各半導体層のうちで、1段目の量子障壁層191が、発光層17と注入層18との間に位置し、発光層から注入層への電子に対する抽出障壁(exit barrier)層となっている。
図4に示す単位積層体16は、そのサブバンド準位構造において、サブバンド間遷移による発光に関わる準位として、結合した二つの発光上準位(準位3、準位4)と、発光下準位(準位2)とを有している。また、単位積層体16は、これらの発光上準位、下準位に加えて、下準位2よりも低いエネルギー準位である緩和準位(準位1)を有している。
このようなサブバンド準位構造において、前段の注入層からの電子eは、注入障壁層171を介して、共鳴トンネル効果によって発光層17の注入準位4へと注入される。また、準位4に注入された電子は、電子-電子散乱等によって準位3へも供給され、電子は準位3と準位4にほぼ均等に分布される。準位3及び準位4に供給された電子は下準位2へと発光遷移し、このとき、準位3及び準位4と準位2とのサブバンド準位間のエネルギー差に相当する波長の光hνが生成される。また、下準位2へと遷移した電子は、LOフォノン散乱等によって緩和準位1へと緩和されて引き抜かれる。これにより、上準位3及び上準位4と下準位2との間でレーザ発振を実現するための反転分布が形成される。
また、緩和準位1に緩和された電子は抽出障壁層191及び注入層18を介して、後段の発光層の注入準位へと注入される。このような電子の注入、発光遷移、及び緩和を活性層15の複数の単位積層体16で繰り返すことにより、活性層15においてカスケード的な光の生成が起こる。すなわち、発光層17及び注入層18を多数交互に積層することにより、電子は積層体16をカスケード的に次々に移動するとともに、各積層体でのサブバンド間遷移の際に所定波長の光hνが生成される。
本構成例における活性層15は、量子井戸発光層17及び電子注入層18を含む単位積層体16が40周期で積層されて構成されている。また、1周期分の単位積層体16は、図4に模式的に示した構成例と同様に、11個の量子井戸層161~164、181~187、及び11個の量子障壁層171~174、191~197が交互に積層された量子井戸構造として構成されている。
これらの単位積層体16の各半導体層のうち、量子井戸層は、それぞれInGaAs層によって構成されている。また、量子障壁層は、それぞれInAlAs層によって構成されている。これにより、活性層15は、InGaAs/InAlAs量子井戸構造によって構成されている。図5に、活性層15における1周期分の単位積層体16の具体的な構造の一例を示す。本構成例でのレーザ発振光の波長は、λ=8.5μmである。
以上のように構成された量子カスケードレーザ100では、単層膜として屈折率が2以下であり、1μm以上の膜厚を有する反射防止膜30を有している。これによれば、高出力でレーザ100を連続駆動した場合でも、反射防止膜30はその発熱に耐えることができ、変質やクラック、剥がれ等が発生しにくい。また、反射防止膜30は上記のとおり反射率が1%以下となるように設計できるので、理想的な出射能力を確保できる。また、反射防止膜30は単層で十分に機能するので、設計や成膜が容易である。従って、多層膜である場合と比べて、異種材料間の応力や熱膨張係数の相違を考慮する必要がない。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、本発明による量子カスケードレーザは、上記した実施形態及び構成例に限られるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、上記した構成例では、半導体基板としてInP基板を用い、活性層をInGaAs/InAlAsによって構成した例を示したが、量子井戸構造でのサブバンド間遷移による発光遷移が可能なものであれば、具体的には様々な構成を用いてよい。
また、本発明による膜は、量子カスケードレーザにおける反射防止膜として適用できるだけでなく、波長7μm以上に検出感度を有する検出器の入射面に適用することができる。また、窓材、レンズ、フィルター等の光学部品へのコーティングにも適用することができる。
以下、実験例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明する。なお、本発明は下記実験例に限定されるものではない。
(実験例1)
粒塊状の酸化セリウムと粒塊状のフッ化セリウムとをそれぞれ粉砕し、質量比でそれぞれ80質量%、20質量%となるように混合した。均一に混合した後、その混合物を型枠に詰めて圧縮成形し、900℃で焼結した。形状は円柱状であり底面の直径は75mm、高さは4mmであった。この焼結体をスパッタリング用ターゲットとして用い、バッキングプレートとして銅板を貼り付け、アルゴン雰囲気中でシリコンウエハ上にスパッタリング成膜した(膜1)。また、酸化セリウムとフッ化セリウムの混合割合をそれぞれ60質量%、40質量%として同様にアルゴン雰囲気中でシリコンウエハ上にスパッタリング成膜した(膜2)。また、酸化セリウムとフッ化セリウムの混合割合をそれぞれ40質量%、60質量%として同様にアルゴン雰囲気中でシリコンウエハ上にスパッタリング成膜した(膜3)また、酸化セリウムのみからなる焼結体を同様に製造し、これをスパッタリング用ターゲットとして用いてアルゴン雰囲気中に10%分圧で酸素を添加混合した状態でシリコンウエハ上にスパッタリング成膜した(膜4)。また、フッ化セリウムのみからなる焼結体を同様に製造し、これをスパッタリング用ターゲットとして用いて成膜しようとしたが、一度の放電でターゲット表面が破損し、十分に成膜することができなかった。
膜1及び膜4の厚さを「分光エリプソメトリIR-VASE」(ジェーエーウーラム製)を用いて測定した。膜1の厚さは1.12μm、膜4の厚さは1.05μmであった。膜2及び膜3は、いずれも成膜直後にクラックが発生し、膜厚は0.5μmであった。つまり、フッ化セリウムの混合割合を40質量%又は60質量%とした場合は、スパッタリング用ターゲットとしての放電耐性は良好であったが、これによって成膜された膜は実用に耐えるものとはならなかった。
膜1、膜2、膜3及び膜4の屈折率を「分光エリプソメトリIR-VASE」(ジェーエーウーラム製)を用いて測定した。結果を図6に示す。図6によれば、酸化セリウムのみからなる膜(膜4)は、波長8μmでの屈折率が2を超えているのに対し、酸化セリウムとフッ化セリウムからなる膜(膜1、膜2、膜3)は、波長7μm以上での屈折率が2を下回っていることが分かる。
(実験例2)
酸化セリウム80質量%とフッ化セリウム20質量%とからなる上記のスパッタリング用ターゲットを用い、バッキングプレートとして銅板を貼り付け、アルゴン雰囲気中に10%分圧で酸素を添加混合した状態でシリコンウエハ上にスパッタリング成膜した(膜5)。ここで、膜5の厚さは1.12μmであった。
膜5の反射率を「フーリエ変換赤外分光光度計」(日本分光製)を用いて測定した。結果を図7に示す。図7によれば、波長8.3μmでの反射率が1%以下となっていることが分かる。
膜1と膜5の表面粗さを「微細形状測定機ET-200」(小坂研究所製)を用いて測定した。結果を図8に示す。図8によれば、スパッタリング時に酸素を添加した場合のほうが表面粗さが小さくなっていることが分かる。
(実験例3)
図2、図3及び図5の構成を備える量子カスケードレーザを作製した。ここで反射防止膜は、酸化セリウム80質量%とフッ化セリウム20質量%とからなる上記のスパッタリング用ターゲットを用いて成膜した。基体部の上面及びリッジ部をヒートシンクとハンダ接合したうえで、20℃、0.8Aで24時間連続駆動したところ、反射防止膜には変質やクラック、剥がれは発生していなかった。
(実験例4)
図2、図3及び図5の構成を備える量子カスケードレーザを作製した。ここで反射防止膜は、フッ化イットリウムのみからなる焼結体をスパッタリング用ターゲットとして用いて成膜した。成膜直後にすでに反射防止膜にクラックが発生していた。
本発明は、例えば、量子カスケードレーザの製造工程における反射防止膜の成膜に利用することができる。
1…スパッタリング用ターゲット、10…半導体基板、15…活性層、16…単位積層体、17…量子井戸発光層、18…電子注入層、20…基体部、25…リッジ部、27…出射端面、30…反射防止膜、33,34…付加膜部、50…下部クラッド層、51…下部コア層、52…上部コア層、53…上部クラッド層、54…コンタクト層、100…量子カスケードレーザ。

Claims (8)

  1. 酸化セリウムと、フッ化セリウムとからなり、
    前記フッ化セリウムの含有量が、前記酸化セリウムと前記フッ化セリウムとの合計質量を基準として10~30質量%である、焼結体。
  2. 請求項1記載の焼結体からなる、スパッタリング用ターゲット。
  3. 酸化セリウムと、フッ化セリウムとからなり、
    前記フッ化セリウムの含有量が、前記酸化セリウムと前記フッ化セリウムとの合計質量を基準として10~30質量%であり、
    厚さが1.000~1.300μmであり、
    波長7μm以上の光を出射する量子カスケードレーザの出射端面、波長7μm以上の光を検出する検出器の入射面、又は、波長7μm以上の光が入射もしくは出射する光学部品の入射面もしくは出射面に形成されている、膜。
  4. 量子カスケードレーザの出射端面に形成されている、請求項記載の膜。
  5. 半導体基板と、
    前記半導体基板上に設けられ、量子井戸発光層及び注入層からなる単位積層体が多段に積層されることで前記量子井戸発光層と前記注入層とが交互に積層されたカスケード構造を有し、量子井戸構造でのサブバンド間遷移によって光を生成する活性層とを備え、
    前記活性層で生成される所定波長の光が出射する出射端面に反射防止膜が設けられており、
    前記反射防止膜は、酸化セリウムと、フッ化セリウムとからなり、かつ、前記フッ化セリウムの含有量が前記酸化セリウムと前記フッ化セリウムとの合計質量を基準として10~30質量%である単層膜からなる、量子カスケードレーザ。
  6. 酸化セリウムとフッ化セリウムとからなり、かつ、前記フッ化セリウムの含有量が前記酸化セリウムと前記フッ化セリウムとの合計質量を基準として10~30質量%である焼結体をスパッタリング用ターゲットとして用いる成膜方法。
  7. 量子カスケードレーザの出射端面にスパッタリングで反射防止膜を形成する、請求項記載の成膜方法。
  8. スパッタリング装置の不活性ガス雰囲気中において酸素を分圧比で1~15%存在させてスパッタリングを行う、請求項又は記載の成膜方法。
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