JP7369354B2 - 共振子及びそれを備えた共振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、共振子及びそれを備えた共振装置に関する。
共振装置は、移動通信端末、通信基地局、家電などの各種電子機器において、タイミングデバイス、センサ、発振器などの用途に用いられている。共振装置は、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の一種である。このような共振装置は、例えば、下蓋と、下蓋との間で内部空間を形成する上蓋と、当該内部空間で振動可能に保持された振動部を有する共振子と、を備えている。振動部には、例えば、周波数の温度に依存した変化を補正する温度特性補正層や、一部を除去することで周波数を変化させる周波数調整膜などが設けられる。
特許文献1には、変位の大きな領域に周波数調整膜が形成され、変位の小さな領域に保護膜が形成された共振子が開示されている。
特許文献2には、変位の小さな領域に、周波数温度係数が正の第1温度特性調整膜と負の第2温度特性調整膜とからなる2つの膜が形成され、変位の大きな領域に周波数調整膜が形成された共振子が開示されている。
特許第6241684号公報 国際公開第2019/058632号
しかしながら、特許文献1及び2に記載の共振子においてイオンミリングによる周波数調整工程を実施したところ、単位時間当たりの周波数変化量が、周波数調整膜を備えていない共振子よりも小さい場合があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、生産性が向上した共振子及びそれを備えた共振装置を提供することである。
本発明の一態様に係る共振子は、互いに逆位相で振動する2つの部分を有する振動部と、振動部の少なくとも一部を囲むように形成された保持部と、2つの部分の境界を支持するとともに振動部と保持部とを接続する保持ユニットと、を備え、振動部の表面における、保持ユニットの振動部との接続部分と、2つの部分の境界に沿って接続部分と対向する端部と、の間の領域に周波数調整膜が設けられている。
本発明の他の一態様に係る共振子は、互いに逆位相で振動する2つの部分を有する振動部と、振動部の表面のうち、振動部の2つの部分のそれぞれの中心部よりも2つの部分の境界に近い領域に設けられた周波数調整膜と、を備える。
本発明の他の一態様に係る共振子は、互いに逆位相で振動する2つの部分を有する振動部と、振動部の少なくとも一部を囲むように形成された保持部と、振動部と保持部とを接続する保持ユニットとを備え、振動部は、圧電膜と、圧電膜の一方の側に設けられた下部電極と、圧電膜の他方の側に設けられ、振動部の2つの部分のそれぞれにおいて圧電膜を挟んで下部電極と対向する2つの上部電極と、2つの上部電極を覆う保護膜と、圧電膜及び保護膜を挟んで下部電極と対向する周波数調整膜とを有し、振動部の表面を平面視したとき、周波数調整膜は、2つの上部電極のそれぞれの中心部よりも、2つの上部電極の互いに対向する端部に近い領域に設けられている。
本発明によれば、生産性が向上した共振子及びそれを備えた共振装置が提供できる。
第1実施形態に係る共振装置の外観を概略的に示す斜視図である。 図1に示した共振装置のII-II線に沿った断面図である。 第1実施形態に係る共振子の構造を概略的に示す平面図である。 第1実施形態に係る振動部の構造を概略的に示す平面図である。 図4に示した振動部のV-V線に沿った断面図である。 第1実施形態に係る振動部に電圧を印加する構成を示す断面図である。 第1実施形態に係る振動部の振動態様を模式的に示す斜視図である。 周波数変化量とイオンビーム照射時間との関係を示すグラフである。 TCF変化量と周波数調整膜幅比率との関係を示すグラフである。 第2実施形態に係る振動部の構成を概略的に示す断面図である。 第3実施形態に係る振動部の構成を概略的に示す断面図である。 第4実施形態に係る振動部の構成を概略的に示す断面図である。 第5実施形態に係る共振子の構成を概略的に示す平面図である。 第5実施形態に係る振動部の振動態様を模式的に示す斜視図である。 第5実施形態の変形例に係る共振子の構成を概略的に示す平面図である。 第5実施形態の変形例に係る共振子の構成を概略的に示す平面図である。 第5実施形態の変形例に係る共振子の構成を概略的に示す平面図である。 第5実施形態の変形例に係る共振子の構成を概略的に示す平面図である。 第5実施形態の変形例に係る共振子の構成を概略的に示す平面図である。 第5実施形態の変形例に係る共振子の構成を概略的に示す平面図である。 第5実施形態の変形例に係る共振子の構成を概略的に示す平面図である。 第6実施形態に係る振動部に電圧を印加する構成を示す断面図である。 第6実施形態に係る振動部の振動態様を模式的に示す斜視図である。 第6実施形態の変形例に係る振動部の振動態様を模式的に示す斜視図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。各実施形態の図面は例示であり、各部の寸法や形状は模式的なものであり、本願発明の技術的範囲を当該実施形態に限定して解するべきではない。
各々の図面には、各々の図面相互の関係を明確にし、各部材の位置関係を理解する助けとするために、便宜的にX軸、Y軸及びZ軸からなる直交座標系を付すことがある。X軸、Y軸及びZ軸と平行な方向をそれぞれ、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向と呼ぶ。X軸及びY軸によって規定される面をXY面と呼び、YZ面及びZX面についても同様とする。また、便宜的に、Z軸方向の矢印の向き(Z軸正方向側)を上、Z軸方向の矢印とは反対の向き(Z軸負方向側)を下と呼ぶことがある。但し、これは、共振装置1の向きを限定するものではない。
<第1実施形態>
まず、図1及び図2を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係る共振装置1の概略構成について説明する。図1は、第1実施形態に係る共振装置の外観を概略的に示す斜視図である。図2は、図1に示した共振装置のII-II線に沿った断面図である。
この共振装置1は、共振子10と、共振子10を挟んで互いに対向するように設けられた下蓋20及び上蓋30と、を備えている。下蓋20と、共振子10と、上蓋30とは、この順でZ軸方向に沿って積層されている。下蓋20及び上蓋30は、共振子10を収容する蓋体を構成しており、共振子10を介して互いに接合されている。下蓋20と上蓋30の間に形成される蓋体の内部空間は、真空状態で気密に封止されている。なお、蓋体の内部空間には、例えば不活性ガスなどの気体が充填されてもよい。
共振子10は、MEMS技術を用いて製造されるMEMS振動素子である。共振子10の周波数は、例えば、1kHz以上10MHz以下である。共振子10は、振動部120と、保持部140と、一対の保持ユニット110と、を備えている。振動部120は、蓋体の内部空間において、振動可能に保持されている。保持部140は、下蓋20及び上蓋30に接合され、共振子10を蓋体に保持している。保持部140は、例えば、振動部120を囲むように枠状に設けられている。一対の保持ユニット110は、振動部120と保持部140とを接続している。尚、保持ユニットは1本だけでも良い。
下蓋20は、XY平面に沿って設けられる矩形平板状の底板22と、底板22の周縁部から上蓋30に向かって延びる側壁23とを有している。側壁23は、共振子10の保持部140に接合されている。下蓋20には、共振子10の振動部120と対向する面において、底板22と側壁23とによって囲まれたキャビティ21が形成されている。キャビティ21は、上向きに開口する直方体状の開口部である。キャビティ21は、蓋体の内部空間の一部である。
上蓋30は、XY平面に沿って設けられる矩形平板状の底板32と、底板32の周縁部から下蓋20に向かって延びる側壁33とを有している。側壁33は、共振子10の保持部140に接合されている。上蓋30には、共振子10の振動部120と対向する面において、底板32と側壁33とによって囲まれたキャビティ31が形成されている。キャビティ31は、下向きに開口する直方体状の開口部である。キャビティ31は、蓋体の内部空間の一部である。
XY平面を平面視したときの下蓋20の底板22及び上蓋30の底板32の形状は、矩形状に限定されるものではなく、円形状、楕円形状、多角形状又はこれらの組み合わせであってもよい。また、下蓋20のキャビティ21及び上蓋30のキャビティ31の形状は直方体状に限定されるものではなく、円、楕円又は多角形のいずれかの柱体状又は錐体状、若しくはこれらの組み合わせであってもよい。
下蓋20のキャビティ21及び上蓋30のキャビティ31の少なくとも一方の内面には、ゲッターが設けられてもよい。ゲッターは、蓋体の内部空間の残留ガスを吸着して真空度を向上させるものであり、例えばニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、バリウム(Ba)などを用いて形成される金属膜である。
共振子10、下蓋20及び上蓋30は、それぞれ、一例としてシリコン(Si)基板を用いて形成されている。なお、共振子10、下蓋20及び上蓋30は、それぞれ、シリコン層及びシリコン酸化膜が積層されたSOI(Silicon On Insulator)基板を用いて形成されてもよい。また、共振子10、下蓋20及び上蓋30は、それぞれ、微細加工技術による加工が可能な基板であればシリコン基板以外の基板、例えば、化合物半導体基板、ガラス基板、セラミック基板、樹脂基板などを用いて形成されてもよい。
次に、図3を参照しつつ、共振子10の構成(振動部120、保持部140及び一対の保持ユニット110)について、より詳細に説明する。図3は、第1実施形態に係る共振子の構造を概略的に示す平面図である。
振動部120は、上蓋30に対向する面を平面視(以下、単に「平面視」という。)したとき、XY平面に沿って広がる矩形状の輪郭を有している。振動部120は、Y軸方向に延在する長辺と、X軸方向に延在する短辺とを有している。振動部120は、保持部140の内側に設けられており、振動部120と保持部140との間には所定の間隔で空間が形成されている。
平面視したとき、振動部120は、Y軸方向に沿った長さL1(以下、単に「長さL1」とする。)と、X軸方向に沿った幅W1(以下、単に「幅W1」とする。)と、を有している。長さL1は、振動部120の長辺の長さに相当し、幅W1は、振動部120の短辺の長さに相当する。一例として、長さL1は240μm程度、幅W1は例えば190μm程度である。
振動部120は、隣り合う2つの部分135A,135Bを有している。第1の部分135Aと第2の部分135Bとは、X軸方向に並んでいる。第2の部分135Bは、第1の部分135AのX軸負方向側に位置している。平面視において、第1の部分135Aと第2の部分135Bとの境界は、振動部120のX軸方向における中心部をY軸方向に延在する、振動部120の二等分線に相当する。したがって、平面視において、第1の部分135A及び第2の部分135BのY軸方向に沿った長さは、振動部120の長さL1と略等しい。また、第1の部分135A及び第2の部分135BのX軸方向に沿った幅は、振動部120の幅W1の略半分の大きさである。
第1の部分135A及び第2の部分135Bは、XY面に対する面外屈曲振動モードを主振動としてそれぞれ逆位相で振動する。第1の部分135A及び第2の部分135Bの振動の詳細については、後述する。なお、第1の部分135A及び第2の部分135Bの振動モードは上記に限定されるものではない。
保持部140は、下蓋20と上蓋30によって形成される内部空間に振動部120を保持するための部分であり、例えば振動部120を囲むように枠状に形成されている。図3に示した例では、保持部140の振動部120との間だけでなく、保持部140と一対の保持ユニット110との間にも所定の間隔で空間が形成されている。言い換えると、平面視したとき、保持部140は、振動部120及び一対の保持ユニット110の輪郭に沿って形成されている。なお、振動部120、保持部140及び一対の保持ユニット110のそれぞれの間に形成された間隔の幅は、10μm程度である。
保持部140は、振動部120の周囲の少なくとも一部を囲むように設けられていればよく、枠状の形状に限定されるものではない。例えば、保持部140は、振動部120を保持し、また、下蓋20及び上蓋30と接合できる程度に、振動部120の周囲に設けられていればよい。
一対の保持ユニット110は、2つの部分135A,135Bの境界を挟持するとともに振動部120と保持部140とを接続している。一対の保持ユニット110は、第1の保持ユニット111と、第2の保持ユニット112とを有している。第1の保持ユニット111は、振動部120のY軸負方向側の端部(図3における左端部)に接続されている。第2の保持ユニット112は、振動部120のY軸正方向側の端部(図3における右端部)に接続されている。
第1の保持ユニット111は、ノード生成部111Aと、接続部分111B,111Cとを有している。接続部分111Bはノード生成部111Aと振動部120との間に設けられ、腕111Cはノード生成部111Aの振動部120とは反対側に設けられている。第2の保持ユニット112は、ノード生成部112Aと、接続部分112B,112Cとを有している。接続部分112Bはノード生成部112Aと振動部120との間に設けられ、腕112Cはノード生成部112Aの振動部120とは反対側に設けられている。
平面視したとき、ノード生成部111A,112Aは、それぞれ、半径R11を有する半円形状をなしている。ノード生成部111A,112Aは、それぞれ、振動部120側に直線状の端部を有し、振動部120とは反対側に円弧状の端部を有している。一例として、半径R11は80μm程度である。
接続部分111Bは、ノード生成部111Aと振動部120とを接続し、接続部分112Bは、ノード生成部112Aと振動部120とを接続している。腕111Cは、ノード生成部111Aと保持部140とを接続し、腕112Cは、ノード生成部112Aと保持部140とを接続している。接続部分111Bは、第1の保持ユニット111の振動部120との接続部分に相当し、接続部分112Bは、第2の保持ユニット112の振動部120との接続部分に相当する。接続部分111B,111C及び接続部分112B,112Cは、振動部120の2つの部分135A,135Bの境界の延長線上に位置している。すなわち、接続部分111B,112Bは、それぞれ、ノード生成部111A,112Aの振動部120側の端部の中心部に接続され、振動部120の短辺を含む端部の中心部に接続されている。腕111C,112Cは、それぞれ、ノード生成部111A,112Aの振動部120とは反対側の端部の中心部に接続されている。接続部分111B,111C及び接続部分112B,112Cは、それぞれ、X軸方向に沿った幅W11(以下、単に「幅W11」とする。)を有している。幅W11は、一対の保持ユニット110のそれぞれの振動部120との接続部分の、X軸方向に沿った幅に相当する。一例として、幅W11は10μmである。
なお、ノード生成部111A,112Aの形状は上記に限定されるものではない。平面視したとき、ノード生成部111A,112Aは、それぞれ、X軸方向に沿った幅が、Y軸方向における中心よりも振動部120側において最大となり、そこから離れるにつれて小さくなる形状であればよい。例えば、ノード生成部111A,112Aは、それぞれ、振動部120側に円弧状の端部を有し、振動部120とは反対側に直線状の端部を有してもよい。また、振動部120の2つの部分135A,135Bの境界が支持可能であれば、第1の保持ユニット111又は第2の保持ユニット112が省略されてもよい。例えば、第2の保持ユニット112が省略され、振動部120が第1の保持ユニット11のみによって支持されてもよい。
次に、図4及び図5を参照しつつ、振動部120の構成について、より詳細に説明する。図4は、第1実施形態に係る振動部の構造を概略的に示す平面図である。図5は、図4に示した振動部のV-V線に沿った断面図である。
振動部120は、保持部140及び一対の保持ユニット110と同一プロセスによって一体的に形成される。共振子10において、基板の一例であるシリコン基板F2の下蓋20側には、シリコン基板F2を覆うようにシリコン酸化膜F21が形成されている。シリコン基板F2の上蓋30側には、シリコン基板F2を覆うようにシリコン酸化膜F22が形成されている。シリコン酸化膜F22の上には金属膜E1が積層されている。金属膜E1の上には、金属膜E1を覆うように圧電膜F3が積層されており、さらに、圧電膜F3の上には金属膜E2A,E2Bが積層されている。金属膜E2A,E2Bの上には、金属膜E2A,E2Bを覆うように保護膜F4が積層されている。保護膜F4の上には金属膜E3が積層されている。振動部120、保持部140及び一対の保持ユニット110のそれぞれの外形は、上記のシリコン酸化膜F21、シリコン基板F2、シリコン酸化膜F22、金属膜E1、圧電膜F3、金属膜E2A,E2B、保護膜F4及び金属膜E3からなる積層体を、例えばアルゴン(Ar)イオンビームを用いたドライエッチングによって除去加工し、パターニングすることによって形成される。
シリコン基板F2は、例えば、厚み10μm程度の縮退したn型シリコン(Si)半導体から形成されており、n型ドーパントとしてリン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)などを含むことができる。シリコン基板F2に用いられる縮退シリコン(Si)の抵抗値は、例えば16mΩ・cm未満であり、より好ましくは1.2mΩ・cm以下である。
シリコン酸化膜F21,F22は、二酸化ケイ素(SiO)を主成分とする絶縁膜である。シリコン酸化膜F21,F22は、共振子10の周波数温度係数(TCF:Temperature Coefficients of Frequency)を小さくする温度特性補正層として機能する。シリコン酸化膜F21,F22は、特に、常温近傍における温度変化に対する周波数の変化量を小さくする。したがって、振動部120がシリコン酸化膜F21,F22を有することにより、共振子10の温度特性が向上する。また、シリコン酸化膜F22の主成分である二酸化ケイ素は熱伝導率が低いため、シリコン酸化膜F22は、熱伝導時間を長くして熱弾性損失(TED:ThermoElastic Damping)を低減する熱伝導抑制層としても機能する。したがって、振動部120がシリコン酸化膜F22を有することにより、共振子10における共振振動のQ値(以下、単に「Q値」という。)が向上する。
シリコン酸化膜F21,F22の厚みは、例えば0.5μm程度である。シリコン酸化膜F21,F22は、シリコン基板F2の熱酸化によって形成可能なため、製造コストが抑制できる。但し、シリコン酸化膜F21,F22の代わりに二酸化ケイ素以外を主成分とする絶縁膜が設けられてもよい。温度特性補正層としては、好適な周波数温度係数となるように材質を選択してもよい。また、熱伝導抑制層としては、熱伝導率の低い材質であれば特に限定されるものではない。温度特性補正層及び熱伝導抑制層は、化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)や物理気相成長(PVD:Physical Vapor Deposition)などの成膜手段から選択された好適な方法によって成膜されてもよい。
金属膜E1,E2A,E2Bは、振動部120において圧電膜F3を励振する励振電極として機能し、保持部140及び一対の保持ユニット110において励振電極を外部電源又はアースへと電気的に接続させる引出電極として機能する。振動部120において、圧電膜F3の一方の側に設けられた金属膜E1は下部電極に相当し、圧電膜F3の他方の側に設けられた金属膜E2A,E2Bは2つの上部電極に相当する。金属膜E1は、振動部120の全体、すなわち2つの部分135A,135Bに亘って連続的に設けられている。金属膜E2Aは第1の部分135Aに設けられ、金属膜E2Bは第2の部分135Bに設けられている。
金属膜E1,E2A,E2Bのそれぞれの厚みは、例えば0.1μm以上0.2μm以下程度である。金属膜E1,E2A,E2Bは、成膜後に、エッチングなどの除去加工によって励振電極及び引出電極などにパターニングされる。金属膜E1,E2A,E2Bは、例えば、結晶構造が体心立方構造である金属材料によって形成される。具体的には、Mo(モリブデン)、タングステン(W)などによって形成される。なお、シリコン基板F2が高い導電性を有し且つシリコン酸化膜F22が省略される場合、金属膜E1が省略されシリコン基板F2が下部電極を兼ねてもよい。
圧電膜F3は、電気的エネルギーと機械的エネルギーとを相互に変換する圧電体の一種によって形成された薄膜である。圧電膜F3は、ウルツ鉱型六方晶構造の結晶構造を持つ材質によって形成されており、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、窒化スカンジウムアルミニウム(ScAlN)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)などの窒化物又は酸化物を主成分とすることができる。なお、窒化スカンジウムアルミニウムは、窒化アルミニウムにおけるアルミニウムの一部がスカンジウムに置換されたものであり、スカンジウムの代わりに、マグネシウム(Mg)及びニオブ(Nb)、又は、マグネシウム(Mg)及びジルコニウム(Zr)、などの2元素で置換されていてもよい。圧電膜F3の厚みは、例えば0.8μm程度であるが、0.2μm~2μm程度であってもよい。
保護膜F4は、例えば金属膜E2を酸化から保護する。保護膜F4は金属膜E2A,E2Bを覆うように、振動部120の全体に亘って設けられている。保護膜F4は、例えば、アルミニウム(Al)、シリコン(Si)又はタンタル(Ta)を含む酸化物、窒化物又は酸窒化物などによって形成される。保護膜F4は、圧電膜F3と同じ材質であってもよい。保護膜F4の厚みは、例えば0.2μm程度である。保護膜F4の表面には、金属膜E2A,E2Bの厚みを反映した凹凸が形成されている。保護膜F4は、厚みを充分に厚くすることで、表面の凹凸が小さくなるように形成されてもよい。
金属膜E3は、振動部120の表面における、一対の保持ユニット110のそれぞれの振動部120との接続部分111B,112Bの間の領域に設けられている。平面視したとき、金属膜E3は、振動部120の2つの部分135A,135Bのそれぞれの中心部よりも2つの部分135A,135Bの境界に近い領域に設けられている。また、金属膜E3は、2つの金属膜E2A,E2Bのそれぞれの中心部よりも、2つの金属膜E2A,E2Bの互いに対向する端部に近い領域に設けられている。2つの金属膜E2A,E2Bの間において、金属膜E3は、圧電膜F3及び保護膜F4を挟んで金属膜E1と対向している。平面視において、金属膜E3は、2つの部分135A,135Bの境界、及び、2つの金属膜E2A,E2Bの互いに対向する端部、と重なっている。
金属膜E3は、周波数調整膜に相当する。製造工程の1つである周波数調整工程において、金属膜E3の一部を除去するトリミング処理によって、共振子10の周波数が調整される。トリミング処理は、例えば、アルゴン(Ar)イオンビームを照射するドライエッチングである。共振子10の周波数を効率的に調整するためには、金属膜E3は、エッチングによる質量低減速度が保護膜F4よりも早い材料によって形成されることが望ましい。質量低減速度は、エッチング速度と密度との積により表される。エッチング速度とは、単位時間あたりに除去される厚みである。保護膜F4と金属膜E3との質量低減速度の関係が前述の通りであれば、保護膜F4と金属膜E3とのエッチング速度の大小関係は任意である。金属膜E3は、例えば、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)又はチタン(Ti)などの金属材料によって形成される。なお、トリミング処理においては、保護膜F4の一部も除去されることがある。
なお、金属膜E3の位置は、振動部120の表面における接続部分111B,112Bの間の領域に限定されるものではない。金属膜E3は、保持ユニット110の振動部120との接続部分と、振動部120の2つの部分135A,135Bの境界に沿って当該接続部分と対向する端部と、の間の領域に設けられればよい。言い換えれば、金属膜E3は、振動部120の隣接する部分同士の境界のうち、少なくとも1つの保持ユニットに支持された境界に沿った領域に設けられればよい。例えば、振動部120が互いに逆相で振動する3つ以上の部分を有し、一対の保持ユニット110のそれぞれが異なる境界を支持する場合、金属膜E3は、一対の保持ユニット110の少なくとも一方の保持ユニットが支持する境界に沿った領域に設けられればよく、他方の保持ユニットが支持する境界に沿った領域にも設けられてもよい。振動部120が1本の保持ユニットによって支持される場合、金属膜E3は、この1本の保持ユニットが支持する境界に沿った領域に設けられればよい。また、周波数調整膜として機能するならば、金属膜E3の代わりに絶縁膜や半導体膜を設けてもよい。
図5に示すように、金属膜E1のX軸方向に沿った幅は、振動部120の幅W1と同等である。金属膜E2Aは、X軸方向に沿った幅W2A(以下、単に「幅W2A」とする。)を有している。金属膜E2Bは、X軸方向に沿った幅W2B(以下、単に「幅W2B」とする。)を有している。2つの金属膜E2A,E2Bの間には、ギャップG2が形成されている。金属膜E3は、X軸方向に沿った幅W3(以下、単に「幅W3」とする。)を有している。幅W2Aは第1の上部電極の幅に相当し、幅W2Bは第2の上部電極の幅に相当し、ギャップG2は、2つの上部電極の間のギャップに相当する。
幅W2Aと幅W2Bとは略同等の大きさである。ギャップG2は幅W11よりも大きい。本実施形態においては、幅W3は、幅W2A,W2Bよりも小さく、ギャップG2よりも大きい。一例として、幅W2A,W2Bは60μm程度であり、ギャップG2は36μm程度であり、幅W3は40μm程度である。
次に、図6及び図7を参照しつつ、振動部120の動作について説明する。図6は、第1実施形態に係る振動部に電圧を印加する構成を示す断面図である。図7は、第1実施形態に係る振動部の振動態様を模式的に示す斜視図である。
圧電膜F3は、下部電極と上部電極との間に形成される電界に応じて、XY平面の面内方向のうちX軸方向に伸縮する。この圧電膜F3の伸縮によって、振動部120の2つの部分135A,135Bは、それぞれ、下蓋20の底板22及び上蓋30の底板32に向かってその開放端を変位させ、面外の屈曲振動モードで振動する。
図6に示すように、本実施形態では、金属膜E2A,E2Bのそれぞれに交番電圧が印加される。金属膜E2Aに印加される電圧の位相と、金属膜E2Bに印加される電圧の位相とは、互いに逆位相になるように設定されている。金属膜E1は、例えば接地されている。したがって、第1の部分135Aにおいて金属膜E1と金属膜E2Aとの間に形成される交番電界の位相は、第2の部分135Bにおいて金属膜E1と金属膜E2Bとの間に形成される交番電界の位相とは逆位相となる。この結果、図7に示すように、第1の
部分135Aと第2の部分135Bとが互いに逆方向に変位する。例えば、第1の部分135Aの中心部が上蓋30の内面に向かってZ軸正方向側に変位すると、第2の部分135Bの中心部は下蓋20の内面に向かってZ軸負方向側に変位する。なお、図7において、色の薄い部分は振動による変位が小さい領域であることを示し、色の濃い領域は振動による変位が大きい領域であることを示している。
2つの部分135A,135Bの境界は、上部電極が設けられていないため、2つの部分135A,135Bのそれぞれの固定端となる。言い換えると、2つの部分135A,135Bの境界は、振動部120におけるノードとなる。一対の保持ユニット110が当該ノードに接続されているため、振動の保持ロス又はアンカーロスを低減することが可能となる。したがって、Q値の低下が抑制できる。
次に、図8及び図9を参照しつつ、本発明の効果について説明する。図8は、周波数変化量とイオンビーム照射時間との関係を示すグラフである。図9は、TCF変化量と周波数調整膜幅比率との関係を示すグラフである。
図8は、ドライエッチングによる周波数調整工程において、周波数調整膜を除去するイオンビームの照射時間に対する周波数変化量を示したグラフである。横軸はイオンビームの照射時間を秒単位で示し、縦軸は周波数変化量をppm単位で示している。図8には、2つの実施例と、1つの比較例とがプロットされている。2つの実施例は、それぞれ、周波数調整膜が異なっており、一方の実施例は周波数調整膜の幅が上部電極のギャップよりも大きい共振子であり、他方の実施例は周波数調整膜の幅が上部電極のギャップよりも小さい共振子である。比較例は、周波数調整膜を2つの部分の境界とは反対側の端部に設けた共振子である。
2つの実施例は、いずれも、比較例よりも単位時間当たりの周波数変化量が大きい。例えば、周波数を-3000ppm変化させるのに、比較例においては35秒以上のイオンビーム照射を要するが、実施例では15秒以下のイオンビーム照射で足りる。これは、本実施形態によれば、周波数調整工程に要する時間の短縮、及び消費エネルギーの低減が可能であることを示している。
図9は、本実施形態において、周波数調整膜の幅を変化させたときに、周波数調整工程におけるTCF変化量がどのように変化するかを示している。横軸は、振動部120の幅に対する周波数調整膜の幅の比率(以下、「幅比率」とする。)を%単位で示している。縦軸は、周波数調整工程の前後でのTCFの変化量(以下、「TCF変化量」とする。)をppm/deg単位で示している。
TCF量変化は、小さいことが望ましい。TCF変化量は、幅比率が20%のときに略0となり、幅比率に比例して大きくなっている。例えば幅比率が10%以上30%以下となるように設計すれば、TCF変化量が±0.5ppm/deg以内の共振子を製造可能である。
以上のように、第1実施形態では、周波数調整膜に相当する金属膜E3が、一対の保持ユニット110のそれぞれの振動部120との接続部分111B,112Bの間の領域に設けられている。平面視したとき、金属膜E3は、振動部120の2つの部分135A,135Bのそれぞれの中心部よりも2つの部分135A,135Bの境界に近い領域に設けられている。また、金属膜E3は、2つの上部電極に相当する金属膜E2A,E2Bのそれぞれの中心部よりも、2つの金属膜E2A,E2Bの互いに対向する端部に近い領域に設けられている。
これによれば、周波数調整の効率が向上するため、共振子10の生産性が向上する。
金属膜E3の幅は、振動部120の幅に対して10%以上30%以下の大きさである。 これによれば、周波数調整工程の前後におけるTCF変化量が±0.5ppm/deg以内となる。
共振子10は、シリコン基板F2と金属膜E1との間にシリコン酸化膜F22を備えている。
これによれば、熱弾性損失が低減され、Q値が向上する。
共振子10は、シリコン基板F2の金属膜E1とは反対側にシリコン酸化膜F21を備えている。
これによれば、少なくとも常温近傍におけるTCFが小さくなり、温度特性が改善される。
以下に、本発明の他の実施形態に係る共振子10又は振動部120の構成について説明する。なお、下記の実施形態では、上記の第1実施形態と共通の事柄については記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については逐次言及しない。
<第2実施形態>
次に、図10を参照しつつ、第2実施形態に係る振動部120の構成について説明する。図10は、第2実施形態に係る振動部の構成を概略的に示す断面図である。
平面視したとき、金属膜E3は、2つの金属膜E2A,E2Bの互いに対向する端部の両方から離れており、2つの金属膜E2A,E2Bの間に位置している。周波数調整膜に相当する金属膜E3の幅W3が、一対の保持ユニット110のそれぞれの振動部120との接続部分111B,112Bの幅W11よりも大きく、2つの上部電極に相当する金属膜E2A,E2Bの間のギャップG2よりも小さい。
保護膜F4は、2つの金属膜E2A,E2Bの互いに対向する端部を覆う部分で薄肉化するため、当該部分で欠損が生じる場合がある。このような場合であっても、本実施形態によれば、2つの金属膜E2A,E2Bのそれぞれと金属膜E3との間でのショートが抑制できる。
なお、金属膜E3は、2つの金属膜E2A,E2Bの互いに対向する端部の少なくとも一方から離れていればよい。これによれば、2つの金属膜E2A,E2Bの少なくとも一方と金属膜E3との間でのショートが抑制できる。
<第3実施形態>
次に、図11を参照しつつ、第3実施形態に係る振動部120の構成について説明する。図11は、第3実施形態に係る振動部の構成を概略的に示す断面図である。
周波数調整膜に相当する金属膜E3の幅W3が、一対の保持ユニット110のそれぞれの振動部120との接続部分111B,112Bの幅W11よりも小さい。
これによれば、第2実施形態と同様の効果が得られる。
<第4実施形態>
次に、図12を参照しつつ、第4実施形態に係る振動部120の構成について説明する。図12は、第4実施形態に係る振動部の構成を概略的に示す断面図である。
周波数調整膜が2つの金属膜E3A,E3Bによって構成されている。金属膜E3A,E3Bは、Y軸方向に延在し、X軸方向に間隔を空けて並んでいる。平面視したとき、金属膜E3Aは金属膜E2Aと重なり、金属膜E3Bは金属膜E2Bと重なっている。このように複数の周波数調整膜を備える振動部120であっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
平面視したとき、金属膜E3Aは、金属膜E2Aの金属膜E2Bと対向する端部から離れており、金属膜E3Bは、金属膜E2Bの金属膜E2Aと対向する端部から離れている。これによれば、第2実施形態と同様の効果が得られる。
2つの金属膜E3A,E3Bは、それぞれ、平面視したときに2つの金属膜E2A,E2Bの互いに対向する端部に重なっていてもよく、2つの金属膜E2A,E2Bの間に設けられてもよい。
<第5実施形態>
次に、図13及び図14を参照しつつ、第5実施形態に係る振動部120の構成について説明する。図13は、第5実施形態に係る共振子の構成を概略的に示す平面図である。図14は、第5実施形態に係る振動部の振動態様を模式的に示す斜視図である。
振動部120は、Y軸方向に沿って並ぶ2つの部分135A,135Bを有し、2つの部分135A,135Bの境界はX軸方向に沿って延在している。第1の部分135Aは、第2の部分135BのY軸正方向側に位置している。
保持部140は、角柱形状の枠体140a~140dを有している。枠体140a,140bはX軸方向に沿って延在し、枠体140aは振動部120のY軸正方向側に位置し、枠体140bは振動部120のY軸負方向側に位置している。枠体140c,140dは軸方向に沿って延在し、枠体140cは振動部120のX軸負方向側に位置し、枠体140dは振動部120のX軸正方向側に位置している。
一対の保持ユニットは、X軸方向に延在する角柱形状の第1の保持ユニット111,第2の保持ユニット112を有している。第1の保持ユニット111が一方の保持ユニットの振動部120との接続部分に相当し、第2の保持ユニット112が他方の保持ユニットの振動部120との接続部分に相当する。第1の保持ユニット111は、保持部140の枠体140cと、振動部120の一方の長辺を含む端部の中心部とを接続している。第2の保持ユニット112は、保持部140の枠体140dと、振動部120の他方の長辺を含む端部の中心部とを接続している。
図14に示すように、逆位相で振動する2つの部分135A,135Bが振動部120の長辺に沿って並ぶ振動部120であっても、一対の保持ユニット(すなわち第1の保持ユニット111及び第2の保持ユニット112)のそれぞれの振動部120との接続部分の間の領域に、周波数調整膜に相当する金属膜E3を設けることで、第1実施形態と同様の効果が得られる。
<第5実施形態の変形例>
次に、図15~図21を参照しつつ、第5実施形態の変形例に係る振動部120の構成について説明する。図15~図21のそれぞれは、第5実施形態の変形例に係る共振子の構成を概略的に示す平面図である。
図15に示す振動部120は、第1の部分135AにY軸方向に沿ったスリットSLAが形成されている点で、図13に示した振動部120と相違している。スリットSLAは、2つの部分135A,135Bの境界とは反対側の端部から、2つの部分135A,135Bの境界に亘って形成されている。2つの部分135A,135Bは、2つの部分135A,135Bの境界を基準に非対称な構造となっている。
図16に示す振動部120は、第1の部分135AにY軸方向に沿ったスリットSLAが形成され且つ第2の部分135BにY軸方向に沿ったスリットSLBが形成されている点で、図13に示した振動部120と相違している。スリットSLA,SLBは、2つの部分135A,135Bの境界とは反対側の端部から、同一直線上に形成されている。スリットSLA,SLBは、第1の保持ユニット111,第2の保持ユニット112の幅と略同等の大きさの間隔で離れている。
図17に示す振動部120は、2つの部分135A,135Bが略台形状をなす点で、図13に示した振動部120と相違している。図18に示す振動部120は、2つの部分135A,135Bが略三角形状をなす点で、図13に示した振動部120と相違している。図17及び図18に示す変形例において、2つの部分135A,135BのそれぞれのX軸方向に沿った幅は、2つの部分135A,135Bの境界から離れるにつれて小さくなっている。金属膜E3は、振動部120の形状に合わせて、略八角形状をなしている。金属膜E3は、振動部120の形状に合わせて略六角形状をなしてもよく、矩形状でもよい。
図19に示す振動部120は、2つの部分135A,135BのそれぞれのX軸方向に沿った幅が2つの部分135A,135Bの境界から離れるにつれて大きくなる点で、図17に示した振動部120と相違している。金属膜E3は、X軸方向に沿って両端から凹んでいる。
図20及び図21は、第1の保持ユニット111及び第2の保持ユニット112のそれぞれがノード生成部111A,112Aを有する点で、図13に示した振動部120と相違している。図20に示したノード生成部111A,112Aは矩形状であり、図21に示したノード生成部111A,112Aは半円形状である。ノード生成部111A,112Aは、それぞれ、矩形状の接続部分111B,112Bによって振動部120に接続され、矩形状の腕111C,112Cによって保持部140に接続されている。
<第6実施形態>
次に、図22及び図23を参照しつつ、第6実施形態に係る振動部120の構成について説明する。図22は、第6実施形態に係る振動部に電圧を印加する構成を示す断面図である。図23は、第6実施形態に係る振動部の振動態様を模式的に示す斜視図である。
振動部120は、隣り合う部分が互いに逆位相で振動する4つの部分135A~135Dを有し、4次の面外屈曲振動モードを主振動として振動する。4つの部分135A~135Dは、Y軸方向に沿って並んでいる。部分135A~135Dのそれぞれには、上部電極に相当する金属膜E2A~E2Dが設けられている。金属膜E2A~E2Dは、互いに離間している。
隣り合う部分135A,135Bのそれぞれの中心よりも隣り合う部分135A,135Bの境界に近い領域に、金属膜E3Aが設けられている。具体的には、隣り合う部分135A,135Bの境界に金属膜E3Aが設けられている。同様に、隣り合う部分135B,135Cの境界に金属膜E3Bが設けられ、隣り合う部分135C,135Dの境界に金属膜E3Cが設けられている。
このように、高次の偶数次モードで振動する振動部120にあっても、隣り合う部分のそれぞれの中心よりも隣り合う部分の境界に近い領域に周波数調整膜を設けることで、第1実施形態と同様の効果が得られる。なお、全ての隣り合う部分の境界に周波数調整膜を設ける必要はなく、図22に示した例であれば、金属膜E3A~E3Cのいずれか1つ又は2つを省略してもよい。
<第6実施形態の変形例>
次に、図24を参照しつつ、第6実施形態の変形例に係る振動部120の構成について説明する。図24は、第6実施形態の変形例に係る振動部の振動態様を模式的に示す斜視図である。
図24に示す振動部120は、隣り合う部分が互いに逆位相で振動する6つの部分135A~135Fを有し、6次の面外屈曲振動モードを主振動として振動する点で、図23に示した振動部120とは相違している。
このように、任意の次数の高次振動モードを主振動として振動する振動部120においても、本発明は適用可能である。
以下に、本発明の実施形態の一部又は全部を付記し、その効果について説明する。なお、本発明は以下の付記に限定されるものではない。
本発明の一態様によれば、互いに逆位相で振動する2つの部分を有する振動部と、振動部の少なくとも一部を囲むように形成された保持部と、2つの部分の境界を支持するとともに振動部と保持部とを接続する保持ユニットと、を備え、振動部の表面における、保持ユニットの振動部と、2つの部分の境界に沿って接続部分と対向する端部と、の間の領域に周波数調整膜が設けられた、共振子が提供される。
一態様として、保持ユニットは、2つの部分の境界を挟持する一対の保持ユニットであり、周波数調整膜は、一対の保持ユニットのそれぞれの振動部との接続部分の間の領域に設けられる。
これによれば、周波数調整の効率が向上するため、共振子の生産性が向上する。
一態様として、周波数調整膜は、振動部の2つの部分のそれぞれの中心部よりも2つの部分の境界に近い領域に設けられる。
一態様として、振動部の2つの部分の並ぶ方向における周波数調整膜の幅は、振動部の幅に対して10%以上30%以下の大きさである。
これによれば、周波数調整工程の前後におけるTCF(周波数温度係数)変化量が±0.5ppm/deg以内となる。
一態様として、振動部の2つの部分の並ぶ方向における周波数調整膜の幅は、振動部の2つの部分の並ぶ方向における、保持ユニットの振動部との接続部分の幅よりも小さい。
一態様として、振動部は、圧電膜と、圧電膜の一方の側に設けられた下部電極と、圧電膜の他方の側に設けられ、振動部の2つの部分のそれぞれにおいて圧電膜を挟んで下部電極と対向する2つの上部電極と、をさらに有する。
一態様として、振動部の2つの部分の並ぶ方向における周波数調整膜の幅は、2つの上部電極の間のギャップよりも小さい。
一態様として、振動部の表面を平面視したとき、周波数調整膜は、2つの上部電極の互いに対向する端部の少なくとも一方から離れている。
これによれば、上部電極の端部における周波数調整膜との間でのショートが抑制できる。
一態様として、振動部は、シリコン基板と、シリコン基板と下部電極との間に設けられたシリコン酸化膜と、をさらに有する。
これによれば、熱弾性損失が低減され、Q値が向上する。
一態様として、振動部は、シリコン基板の下部電極とは反対側に設けられたシリコン酸化膜をさらに有する。
これによれば、少なくとも常温近傍におけるTCFが小さくなり、温度特性が改善される。
一態様として、振動部は、隣り合う部分が互いに逆位相で振動する4つ以上の部分を有し、周波数調整膜は、隣り合う部分のそれぞれの中心部よりも隣り合う部分の境界に近い領域に設けられる。
一態様として、上記のいずれかの共振子と、共振子の振動部が屈曲振動可能な内部空間を形成する蓋体と、を備える共振装置が提供される。
本発明の他の一態様によれば、互いに逆位相で振動する2つの部分を有する振動部と、振動部の表面のうち、振動部の2つの部分のそれぞれの中心部よりも2つの部分の境界に近い領域に設けられた周波数調整膜と、を備える、共振子が提供される。
これによれば、周波数調整の効率が向上するため、共振子の生産性が向上する。
本発明の他の一態様によれば、互いに逆位相で振動する2つの部分を有する振動部と、振動部の少なくとも一部を囲むように形成された保持部と、振動部と保持部とを接続する保持ユニットとを備え、振動部は、圧電膜と、圧電膜の一方の側に設けられた下部電極と、圧電膜の他方の側に設けられ、振動部の2つの部分のそれぞれにおいて圧電膜を挟んで下部電極と対向する2つの上部電極と、2つの上部電極を覆う保護膜と、圧電膜及び保護膜を挟んで下部電極と対向する周波数調整膜とを有し、振動部の表面を平面視したとき、周波数調整膜は、2つの上部電極のそれぞれの中心部よりも、2つの上部電極の互いに対向する端部に近い領域に設けられた、共振子が提供される。
これによれば、周波数調整の効率が向上するため、共振子の生産性が向上する。
本発明に係る実施形態は、タイミングデバイス、発音器、発振器、荷重センサなど、圧電効果により電気機械エネルギー変換を行うデバイスであれば、特に限定されることなく適宜適用可能である。
以上説明したように、本発明の一態様によれば、生産性が向上した共振子及びそれを備えた共振装置が提供できる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。即ち、各実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、各実施形態が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、各実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
1…共振装置、
10…共振子、
20…下蓋、
30…上蓋、
110…保持ユニット、
111A,112A…ノード生成部、
111B,112B…接続部分
111C,112C…腕、
120…振動部、
135A,135B…部分、
F2…シリコン基板、
F21,F22…シリコン酸化膜、
E1…金属膜(下部電極)、
F3…圧電膜、
E2A,E2B…金属膜(上部電極)、
F4…保護膜、
E3…金属膜(周波数調整膜)、
140…保持

Claims (12)

  1. 互いに逆位相で振動する2つの部分を有する振動部と、
    前記振動部の少なくとも一部を囲むように形成された保持部と、
    前記2つの部分の境界を支持するとともに前記振動部と前記保持部とを接続する保持ユニットと、
    を備え、
    前記振動部の表面における、前記保持ユニットの前記振動部との接続部分と、前記2つの部分の境界に沿って前記接続部分と対向する端部と、の間の領域に周波数調整膜が設けられた、
    共振子。
  2. 前記保持ユニットは、前記2つの部分の境界を挟持する一対の保持ユニットであり、
    前記周波数調整膜は、前記一対の保持ユニットのそれぞれの前記振動部との接続部分の間の領域に設けられる、
    請求項1に記載の共振子。
  3. 前記周波数調整膜は、前記振動部の前記2つの部分のそれぞれの中心部よりも前記2つの部分の境界に近い領域に設けられた、
    請求項1又は2に記載の共振子。
  4. 前記振動部の前記2つの部分の並ぶ方向における前記周波数調整膜の幅は、前記振動部の幅に対して10%以上30%以下の大きさである、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の共振子。
  5. 前記振動部の前記2つの部分の並ぶ方向における前記周波数調整膜の幅は、前記振動部の前記2つの部分の並ぶ方向における、前記保持ユニットの前記振動部との前記接続部分の幅よりも小さい、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の共振子。
  6. 前記振動部は、
    圧電膜と、
    前記圧電膜の一方の側に設けられた下部電極と、
    前記圧電膜の他方の側に設けられ、前記振動部の前記2つの部分のそれぞれにおいて前記圧電膜を挟んで前記下部電極と対向する2つの上部電極と、
    をさらに有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の共振子。
  7. 前記振動部の前記2つの部分の並ぶ方向における前記周波数調整膜の幅は、前記2つの上部電極の間のギャップよりも小さい、
    請求項6に記載の共振子。
  8. 前記振動部の表面を平面視したとき、前記周波数調整膜は、前記2つの上部電極の互いに対向する端部の少なくとも一方から離れている、
    請求項6又は7に記載の共振子。
  9. 前記振動部は、
    シリコン基板と、
    前記シリコン基板と前記下部電極との間に設けられたシリコン酸化膜と、
    をさらに有する、
    請求項6から8のいずれか1項に記載の共振子。
  10. 前記振動部は、前記シリコン基板の前記下部電極とは反対側に設けられたシリコン酸化膜をさらに有する、
    請求項9に記載の共振子。
  11. 前記振動部は、
    隣り合う部分が互いに逆位相で振動する4つ以上の部分を有し、
    前記周波数調整膜は、前記隣り合う部分のそれぞれの中心部よりも前記隣り合う部分の境界に近い領域に設けられた、
    請求項1から10のいずれか1項に記載の共振子。
  12. 請求項1から11のいずれか1項に記載の共振子と、
    前記共振子の前記振動部が屈曲振動可能な内部空間を形成する蓋体と、
    を備える、共振装置。
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