JP7369158B2 - アンモニア燃料ボイラ、及び、アンモニア供給システム - Google Patents

アンモニア燃料ボイラ、及び、アンモニア供給システム Download PDF

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Description

本開示は、アンモニア燃料ボイラ、及び、アンモニア供給システムに関する。
従来、アンモニアが燃料として火炉内に供給されるアンモニア燃料ボイラが知られている。例えば、特許文献1で開示されるアンモニア燃料ボイラでは、炉本体に設けられたバーナに、微粉炭とアンモニアとの両方が供給される。これにより、炉本体の燃焼室内ではアンモニアと微粉炭の混焼が行われる。特許文献1で開示されるバーナに供給されるアンモニアは、気体であると推定される。なぜなら、燃料として用いられる液体アンモニアは気化するための熱を必要とするので、同一のバーナに微粉炭と液体アンモニアとが供給されると、着火の不具合が生じ得るからである。
特開2020-112280号公報
アンモニアガスは液体アンモニアに比べて単位質量あたりの体積である比容積が大きい。従って、上記の特許文献1では、アンモニアを供給するための供給路が大型化せざるを得ず、アンモニア燃料ボイラの高コスト化を招くおそれがある。
本開示は、低コストなアンモニア燃料ボイラ及びアンモニア供給システムを提供することである。
本発明の少なくとも一実施形態に係るアンモニア燃料ボイラは、
火炉壁を含む火炉と、
前記火炉壁に設けられるアンモニアバーナと
を備え、
前記アンモニアバーナは、
液体アンモニアが供給されるように構成されたアンモニア供給路と、
前記アンモニア供給路から供給される前記液体アンモニアを液状のまま前記火炉の内部に噴射するように構成されたアンモニア噴射ノズルと
を含む。
本発明の少なくとも一実施形態に係るアンモニア供給システムは、
上記アンモニアバーナと、
前記液体アンモニアが貯留されるアンモニアタンクと、
前記アンモニアタンクと前記アンモニアバーナとをつなぐアンモニア供給ラインと、
前記アンモニア供給ラインに設けられたポンプと、
前記アンモニア供給ラインの圧力を調整するための圧力調整弁と、
前記アンモニア供給ラインに設けられ、前記アンモニアタンクと前記アンモニアバーナの連通状態を切り替えるための切替弁と
を備える。
本開示によれば、低コストなアンモニア燃料ボイラ及びアンモニア供給システムを提供できる。
一実施形態に係るボイラ運転システムの概念図である。 一実施形態に係るアンモニアバーナの構成を示す断面図である。 一実施形態に係るアンモニア噴射ノズルの軸方向に沿った断面図である。 一実施形態に係るアンモニア噴射ノズルの軸方向と直交する断面図である。 他の実施形態に係るアンモニア噴射ノズルの軸方向に沿った断面図である。 他の実施形態に係るアンモニア噴射ノズルの軸方向視における図である。 一実施形態に係るバーナユニットの具体的な構成の説明図である。 他の実施形態に係るバーナユニットの具体的な構成の説明図である。 他の実施形態に係るバーナユニットの具体的な構成の説明図である。 一実施形態に係るバーナの配置例である。 一実施形態に係る供給システム15の構成を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は、一実施形態に係るボイラ運転システム1の概念図である。
ボイラ運転システム1は、例えば図示外の火力発電ブラントに組み込まれるアンモニア燃料ボイラ2(以下、単にボイラ2という場合がある)と、ボイラ2に空気及び燃料を供給するための供給システム15と、ボイラ2の運転を制御するためのボイラ用の制御装置5(以下、単に制御装置5という場合がある)とを備える。
供給システム15からボイラ2に供給される燃料には、液体アンモニアが含まれる。液体アンモニアは水素ガスなどの気体を含まないが、ボイラ2での燃焼に影響を与えない程度の不純物(例えば尿素)を含んでいてもよい。液体アンモニアはボイラ2内でアンモニアガスに気化する。
ボイラ2に供給される燃料には、他の燃料が含まれてもよい。例えばボイラ2内では、他の燃料を用いた燃焼が行われた後に、アンモニアガスと他の燃料との混焼またはアンモニアガスの専焼が行われる。
アンモニア以外の他の燃料の一例である炭素含油燃料は、バイオマス燃料、及び化石燃料などである。化石燃料は、液化天然ガス、重油または軽油などの油、もしくは微粉炭などの石炭である。以下では、炭素含有燃料が油と微粉炭である実施形態を例示する。
一実施形態のボイラ2は、火炉壁19を含む火炉20と、火炉壁19に設けられた複数のバーナユニット30とを含む。
火炉20は、バーナユニット30によって噴射された燃料が燃焼用空気と反応して燃焼するための筒状の中空体であり、例えば、円筒形状や四角柱状など種々の形態をとり得る。一実施形態では、火炉20の内部で生じたガス(例えば燃焼ガス及び未燃焼ガス)は、煙道8に流れる。
複数のバーナユニット30は、火炉20内部で生じたガスが流れる方向(図1の矢印A)に沿って複数段に分かれて配置される。一実施形態では、3段のバーナユニット30が設けられる。以下では、ガスの流れ方向の下流側から順に各段のバーナユニット30を第1バーナユニット31、第2バーナユニット32、及び第3バーナユニット33という場合があり、これら3段のバーナを総称してバーナユニット30という場合がある。なお、バーナユニット30は、2段または4段などに分かれて配置されてもよい。
一実施形態のボイラ2は旋回燃焼型ボイラであり、各段に設けられたバーナユニット30は、火炉20の周方向に沿って等間隔に複数配置される。各段のバーナユニット30の個数は一例として4個であるが、図1では各段のバーナユニット30を1つのみ図示している。なお、各段のバーナユニット30は、3個または5個以上であってもよい。
他の実施形態に係るボイラ2は、対向燃焼型ボイラである。この場合、各段のバーナユニット30は、互いに対向する位置に少なくとも一対設けられる。
各々のバーナユニット30は、少なくとも1つのバーナを含む。そして、少なくとも1つのバーナユニット30では、上記バーナが、液体アンモニアを液状のまま火炉20の内部に噴射するように構成されたアンモニアバーナ50である。アンモニアバーナ50は、液体アンモニアのみを噴射するように構成されてもよい。もしくはアンモニアバーナ50は、炭素含有燃料を噴射した後に、炭素含有燃料と共に(または炭素含有燃料に代えて)液体アンモニアを噴射するように構成されてもよい。
一実施形態では、第1バーナユニット31がアンモニアバーナ50を含む。第2バーナユニット32と第3バーナユニット33は、アンモニアバーナ50を含んでもよいし、含まなくてもよい。他の実施形態では、アンモニアバーナ50は、第2バーナユニット32または第3バーナユニット33のみに含まれてもよい。
さらに、いずれのかのバーナユニット30は、炭素含有燃料を火炉20内に噴射するための燃料バーナ35(図4A参照)を含んでもよい。詳細は後述する。
一実施形態では、供給システム15は、制御装置5からの制御指令に応じて、バーナユニット30に1次空気及び燃料を供給する。バーナユニット30へ供給される燃料(本例では液体アンモニア及び炭素含有燃料)は、制御装置5によって選択的に切り替わってもよい。例えば、いずれかの段のバーナユニット30では、炭素含有燃料(例えば油)が供給された後に液体アンモニアが供給されてもよい。
一実施形態の供給システム15は、バーナユニット30よりも下流側で火炉壁19に設けられた供給部4を介して、2次空気を供給するように構成される。
図2を参照し、一実施形態に係るアンモニアバーナ50の構成の詳細を説明する。
図2は、一実施形態に係るアンモニアバーナ50の構成を示す断面図である。
上述したアンモニアバーナ50は、供給システム15(図1参照)からの液体アンモニアが供給されるように構成されたアンモニア供給路52と、アンモニア供給路52から供給される液体アンモニアを液状のまま火炉20の内部に噴射するように構成されたアンモニア噴射ノズル54とを備える。
上記構成によれば、アンモニア噴射ノズル54によって噴射された液状のアンモニアは、火炉20の内部でアンモニアガスに気化して燃焼する。液体アンモニアの比容積はアンモニアガスの比容積よりも小さいので、アンモニアガスが供給される場合と比べてアンモニア供給路52を小型化できる。
なお、アンモニア噴射ノズル54の先端は、火炉壁19の同一面または火炉20の内側に配置されている。アンモニアバーナ50の内部で液体アンモニアを噴射すると、液体燃料がアンモニアバーナ50内部で衝突することに起因する失火などの不具合が起こる場合があり、これを防止するためである。
一実施形態に係るアンモニアバーナ50は、火炉20内で生じる燃焼火炎を保炎するように構成された保炎効果を有する機構60をさらに備える。
難燃性を有する液体アンモニアが燃料として用いられる場合、火炉20内で失火が起こる可能性がある。失火を回避するためには、液体アンモニアは火炉20内で気化してさらに熱分解する必要がある。この点、上記の保炎効果を有する機構60が燃焼火炎を保炎することで、液体アンモニアは気化及び熱分解するための熱を得ることができるので、火炉20内における失火を抑制することができる。
一実施形態に係る保炎効果を有する機構60はスワラ型である。より具体的な一例として、保炎効果を有する機構60は、アンモニア噴射ノズル54が内側に配置される内筒62と、内筒62を囲むように配置された外筒64と、スワラ65とを備える。一実施形態の外筒64は、内筒62を囲む第1外筒64Aと、第1外筒64Aを囲む第2外筒64Bとを含む。第1外筒64Aと内筒62との間には、火炉20の内部と連通する空気供給路63Aが形成される。同様に、第1外筒64Aと第2外筒64Bとの間にも、火炉20の内部と連通する空気供給路63Bが形成される。空気供給路63A、63Bを流れる空気は、供給システム15(図1参照)から供給される1次空気である。スワラ65は、空気供給路63Aに設けられ、空気供給路63Aを流れる空気に旋回力を付与するように構成される。
空気供給路63Aから火炉20に供給される空気にはスワラ65によって旋回力が付与される(矢印B)。これにより、アンモニア噴射ノズル54から噴射される液体アンモニアと空気との混合が促進される。従って、火炉20の内部において液体アンモニアの拡散が促進され、火炉20内の液体アンモニアが熱分解し易い。
なお、他の実施形態では、保炎効果を有する機構60は、スワラ型に代えてディフューザ型であってもよい。また、アンモニアバーナ50は保炎効果を有する機構60を備えなくてもよい。
図3A~図3Dを参照し、アンモニア噴射ノズル54A、54Bの構成を詳説する。
図3Aは、一実施形態に係るアンモニア噴射ノズル54A(54)の軸方向に沿った断面図である。
図3Bは、一実施形態に係るアンモニア噴射ノズル54A(54)の軸方向と直交する断面図である。
図3Cは、他の実施形態に係るアンモニア噴射ノズル54B(54)の軸方向に沿った断面図である。
図3Dは、他の実施形態に係るアンモニア噴射ノズル54B(54)の軸方向視における図である。
図3A~図3Dで例示されるアンモニア噴射ノズル54A、54B(54)は、アシスト流体を用いずに液体アンモニアを液状のまま噴射するための1流体ノズルである。1流体ノズルが採用されることで、アンモニア噴射ノズル54内では、液体アンモニアが気化することに起因するベーパロックが抑制される。従って、アンモニア噴射ノズル54は液体アンモニアを良好に噴射できる。
図3A、図3Bで示されるアンモニア噴射ノズル54Aは、渦巻噴射ノズル(スワールアトマイザ)である。アンモニア噴射ノズル54Aは、供給システム15からの液体アンモニアを供給するための複数の供給ポート55、供給ポートから供給される液体アンモニアが旋回するための渦流室(スワールチャンバ)56、及び、液体アンモニアを火炉20内に噴射するための噴射口57を備える。
供給ポート55は、一例として円錐状に形成された渦流室56の周方向に沿って等間隔に4つ配置される。供給ポート55から供給される液体アンモニアが渦流室56内で旋回力を付与され、噴射口57から噴射される液体アンモニアは、噴射口57から遠ざかるほど拡径する薄い液膜になる。これにより、噴射された液体アンモニアは火炉20内部で分裂し易く、微粒化することができる。
一実施形態では、アンモニア噴射ノズル54Aは、液体アンモニアのみを噴射するように構成されてもよい。もしくは、アンモニア噴射ノズル54Aは、液体アンモニアを噴射する前に、例えば油を噴射するように構成されてもよい。この場合、供給システム15が複数の供給ポート55に油を供給する。さらに複数の供給ポート55のいずれかには、アトマイズ蒸気が供給されてもよい。この場合、アンモニア噴射ノズル54Aは、アトマイズ蒸気と油とを噴射するように構成される。なお、供給システム15から供給ポート55に供給される燃料(油及び液体アンモニア)は、制御装置5の制御によって選択的に切り替わればよい。
他の実施形態では、供給ポート55の個数は例えば3つであってもよい。また、渦流室56はらせん状に形成されてもよいし、あるいは、径方向外側から内側に向けて直線状に延在する複数の流路を含んでもよい。いずれの実施形態であっても、渦流室56を流れる液体アンモニアには旋回力が付与される。
図3Cを参照し、他の実施形態に係るアンモニア噴射ノズル54B(54)を説明する。図3C、図3Dで示されるアンモニア噴射ノズル54Bはファンスプレーノズルである。
アンモニア噴射ノズル54Bは、供給システム15からの液体アンモニアが流入するように構成された流入室58と、流入室58に流入した液体アンモニアを噴射するための噴射口59とを備える。噴射口59は、軸方向視でスリット形状を呈する。流入室58に流入する液体アンモニアの圧力が比較的高圧であれば、噴射口59から噴射される液体アンモニアは、シート状の薄い液膜になる。これにより、噴射された液体アンモニアは火炉20内で分裂し易く、微粒化することができる。
なお、他の実施形態に係るアンモニア噴射ノズル54は、渦巻噴射ノズルまたはファンスプレーノズルに代えて、単純な液噴流の状態で液体アンモニアを噴射するプレーンジェット型のアトマイザであってもよい。
図4A~図4Cを参照し、アンモニアバーナ50を含むバーナユニット30A~30C(30)の構成の一例を説明する。
図4Aは、一実施形態に係るバーナユニット30A(30)の具体的な構成の説明図である。
図4Bは、他の実施形態に係るバーナユニット30B(30)の具体的な構成の説明図である。
図4Cは、他の実施形態に係るバーナユニット30C(30)の具体的な構成の説明図である。
バーナユニット30A~30Cは、火炉壁19に設けられた開口部18に取り付けられる。図4B、図4Cでは、火炉壁19と開口部18の図示を省略する。
図4A~図4Cに示すように、各段のバーナユニット30は、5つの噴射手段40を含む。各々の噴射手段40は、燃料または空気を火炉20に供給するように構成される。一例として、各々の噴射手段40は、既述のアンモニアバーナ50、炭素含有燃料を噴射するための燃料バーナ35、または、空気を噴射するための空気ノズル42のいずれかである。
図4Aで示されるバーナユニット30A(30)は、アンモニアの混焼率が熱量換算で約50%となった後、アンモニア専焼に切り替わるように構成される。
また、バーナユニット30Aは、一例として既設のバーナのユニットである。従って、バーナユニット30Aの一部の構成要素は混焼時に不使用であってもよい。あるいは、該構成要素は、混焼時のみに使用され、専焼時には不使用であってもよい。
バーナユニット30Aの第1バーナユニット31A(31)、第2バーナユニット32A(32A)、及び第3バーナユニット33A(33)ではいずれも、5つの噴射手段40に同じ構成が適用されている。具体的には、最も外側にある2つの噴射手段40はいずれも空気ノズル42であり、中央にある噴射手段40はアンモニアバーナ50である。そして、アンモニアバーナ50と上側の空気ノズル42との間にある噴射手段40は燃料バーナ35であり、残る1つの噴射手段40は使用されない。図4Aの例では、バーナユニット30Aの燃料バーナ35はいずれも、炭素含有燃料として微粉炭を噴射するように構成された石炭バーナである。
一実施形態では、第1バーナユニット31Aのアンモニアバーナ50から噴射される燃料は液体アンモニアのみであり、第2バーナユニット32Aと第3バーナユニット33Aのアンモニアバーナ50から噴射される燃料は、油と液体アンモニアである。
バーナユニット30Aは例えば以下のように作動する。
はじめに、炭素含有燃料を用いた燃焼が行われる。具体的には、空気ノズル42が1次空気を噴射し、燃料バーナ35が微粉炭を噴射する。このとき、第1バーナユニット31Aのアンモニアバーナ50は作動せず、第2バーナユニット32Aと第3バーナユニット33Aの各々のアンモニアバーナ50は油を噴射する。
その後、第1バーナユニット31Aのアンモニアバーナ50から液体アンモニアが噴射され、残る2つのアンモニアバーナ50から噴射される燃料は油から液体アンモニアに切り替わる。これにより、アンモニアの混焼が火炉20内で行われる。その後、バーナユニット30Aの3つの燃料バーナ35では微粉炭の噴射が停止され、火炉20に噴射される燃料は3つのアンモニアバーナ50からの液体アンモニアのみとなる。これにより、火炉20内での燃焼は、アンモニアの混焼からアンモニアの専燃に切り替わる。
なお、他の実施形態では、バーナユニット30Aの作動時に常に不使用な状態の3つの噴射手段40が、アンモニアまたは炭素含有燃料を噴射するように構成されてもよい。また、燃料バーナ35は、炭素含有燃料として微粉炭の代わりに油を噴射するように構成されてもよい。さらに、第1バーナユニット31Aの下流側に、液体アンモニアを噴射するためのバーナユニットがさらに追加的に設けられてもよい。例えば、バーナユニット30Aが新設のバーナのユニットである実施形態では、該アンモニアバーナユニットが設けられる。
図4Bで示されるバーナユニット30B(30)は、アンモニアと炭素含有燃料との混焼率が熱量換算で約50%となるように構成される。また、バーナユニット30Bは、一例として既設のバーナのユニットである。従って、バーナユニット30の一部の構成要素は使用されなくてもよい。
図4Bでは、バーナユニット30Bに含まれる噴射手段40の具体例の組み合わせを複数パターン示す都合、噴射手段40を概念的に図示している。
パターンAからパターンEまでの各パターンの詳説は省略するが、例えば、いずれのパターンにおいても、各バーナユニット30Bの最も外側にある2つ噴射手段40は、空気ノズル42である。
また、パターンAにおける第1バーナユニット31B(31)では、中央にある噴射手段40は空気ノズル42であり、上側の空気ノズル42と中央側の空気ノズル42との間の噴射手段40は、液体アンモニアのみを噴射するアンモニアバーナ50である。さらに、中央側の空気ノズル42と下側の空気ノズル42との間の噴射手段40は、燃料バーナ35として機能する。該燃料バーナ35は、例えば微粉炭を噴射する石炭バーナである。
また、パターンAにおける第2バーナユニット32B(32)と第3バーナユニット33B(33)では、中央側の噴射手段40は、炭素含有燃料として油を噴射する燃料バーナ35である。該燃料バーナ35は、油を噴射した後、空気(1次空気)を噴射するように構成され、油から空気への切り替えは、制御装置5によって制御される。なお、第3バーナユニット33の1つの噴射手段40は使用されない。
パターンC~Eにおいては、バーナユニット30Bのうちで第1バーナユニット31Bのみが3つのアンモニアバーナ50を含む。また、第1バーナユニット31BはパターンC、Dでは燃料バーナ35を含まず、パターンEでは燃料バーナ35を含む。第2バーナユニット32Bと第3バーナユニット33Bはいずれも燃料バーナ35を含む。該燃料バーナ35は、油を噴射した後に空気を噴射するように構成された油バーナ、または、微粉炭を噴射するように構成された石炭バーナである。従って、パターンCからパターンEにおいては、火炉20の内部で生じるガスの流れ方向においてアンモニアバーナ50よりも上流側に燃料バーナ35が設けられる。この場合、液体アンモニアよりも燃焼し易い炭素含有燃料は、アンモニアバーナ50よりも上流側で燃焼する。これにより、火炉20内におけるアンモニアが熱分解するための火炉内温度は高温に保たれる。
図4Cで示されるバーナユニット30C(30)は、アンモニア専焼が行われるように構成される。
一実施形態では、炭素含有燃料を用いた燃焼が行われてから規定のタイミングが到来した後に、アンモニア専焼が行われてもよい。
図4Cでは、バーナユニット30Cに含まれる噴射手段40の具体例の組み合わせを複数パターン示す都合、噴射手段40を概念的に図示している。
パターンAからパターンDまでの各パターンの具体的な説明は省略するが、表に記載された「油/空気」に対応する噴射手段40は、油を噴射した後に空気(1次空気)を噴射するように構成された燃料バーナ35を示す。また、「油/NH」に対応する噴射手段40は、油を噴射した後に液体アンモニアを噴射するように構成されたアンモニアバーナ50を示す。
パターンAからパターンEのいずれにおいても、第1バーナユニット31C(31)から噴射される燃料は、液体アンモニアのみである。また、パターンDでは、第1バーナユニット31Cに含まれる5つの噴射手段40は全て、アンモニアバーナ50として機能する。
なお、他の実施形態では、パターンA~Dのいずれかの組み合わせで、アンモニアと炭素含有燃料(図4Cの例では油)との混焼が行われてもよい。熱量換算での混焼率は一例として50%以上100%未満である。
また、他の実施形態では、アンモニアバーナ50は起動用燃料、例えば油を噴射することが可能な起動用燃料/アンモニア燃料の両用ノズルで構成されてもよい。アンモニア専焼バーナによる混焼においては、バーナの数により混焼率が可変となる。図示しないが、対向燃焼ボイラのバーナは、ボイラ2の前後壁に複数段バーナが設置してあり、それぞれの段ごとにミルから微粉炭が供給される。そのため、段ごとに、石炭専焼、アンモニア専焼、石炭・アンモニア混焼と設定を変えることで、混焼率を変化させることが可能となる。
アンモニア混焼率50cal%以上の高混焼を考えた場合の、バーナ配置例を図5に示す。起動用燃料とアンモニア燃料の両方を供給可能なノズルを設けることで、混焼率を可変にできるバーナパターンを構築できる。
なお、起動用燃料/アンモニア燃料両用ノズルを備えたバーナは、石炭バーナの起動燃料用バーナを改造して構成されてもよい。
図6を参照し、一実施形態に係る供給システム15の詳細な構成を説明する。
図6は、一実施形態に係る供給システム15の構成を示す図である。
供給システム15は、1次空気を供給するための1次空気供給システム110、2次空気を供給するための2次空気供給システム120、液体アンモニアを供給するためのアンモニア供給システム100、油を供給するための油供給システム80、及び、微粉炭を供給するための微粉炭供給システム70を備える。油供給システム80と微粉炭供給システム70は各々、炭素含有燃料を供給するためのシステムの一例である。
1次空気、液体アンモニア、微粉炭、及び油はバーナユニット30に供給され、2次空気は火炉壁19に設けられた供給部4に供給される。上記供給システム15は、制御装置5によって制御されるように構成される。
以下では、火炉20に設けられたバーナユニット30が、アンモニア混焼とアンモニア専焼が順に行われるための既述のバーナユニット30A(図4A参照)である実施形態を例示する。
1次空気供給システム110の空気供給ライン112は全てのバーナユニット30Aに接続される。空気供給ライン112には、1次空気の流量を計測するための空気流量計114、1次空気の流量を調整するための流量調整弁116、及び空気供給ライン112の連通状態を切り替えるための切替弁118が設けられる。
2次空気供給システム120の空気供給ライン122は供給部4に接続される。空気供給ライン122には、2次空気の流量を計測するための空気流量計124、2次空気の流量を調整するための流量調整弁126、及び空気供給ライン122の連通状態を切り替えるための切替弁128が設けられる。
空気流量計114、124は計測結果を制御装置5に送信するように構成され、流量調整弁116、126と切替弁118、128は制御装置5から送られる制御指令に応じて作動するように構成される。
アンモニア供給システム100は、既述のアンモニアバーナ50と、液体アンモニアが貯留されるアンモニアタンク101と、アンモニアタンク101とアンモニアバーナ50とをつなぐアンモニア供給ライン102と、アンモニア供給ライン102に設けられたポンプ103と、アンモニア供給ライン102の圧力を調整するための圧力調整弁105と、アンモニア供給ライン102に設けられると共にアンモニアタンク101とアンモニアバーナ50との連通状態を切り替えるための切替弁107とを備える。
上記構成のアンモニア供給システム100では、液体アンモニアの比容積がアンモニアガスの比容積に比べて小さいので、アンモニア供給ライン102を構成する配管102Aを小型化できる。これにより、アンモニア供給システム100の低コスト化が実現する。
さらに、液体アンモニアが液状のままアンモニアバーナ50に供給されるので、液体を気化させるための気化器をアンモニア供給ライン102に設ける必要がない。よって、アンモニア供給システム100の低コスト化が実現する。
なお、アンモニアタンク101における液体アンモニアの供給圧力は、例えば1.2Mpa~2MPaである。これにより、常温で液体アンモニアをアンモニアバーナ50に供給するときにベーパロックを抑制できる。また、ベーパロックを抑制しつつ、アンモニアの混焼率を調整することもできる。
また、アンモニア供給ライン102の配管102Aの配管径は、例えば10cm~50cmである。配管径が50cm以下であることで、アンモニアバーナ50に液体アンモニアを供給する際に供給圧が極端に低くなるのを抑制できる。また、配管径が10cm以上であることで、供給圧が極端に高くなるのを抑制できる。
一実施形態のアンモニア供給システム100は、さらに、アンモニア供給ライン102を流れる液体アンモニアの流量を計測するためのアンモニア流量計109と、アンモニア供給ライン102を流れる液体アンモニアの流量を調整するための流量調整弁108とを備える。
一実施形態では、アンモニア流量計109は計測結果を制御装置5に送信するように構成され、切替弁107、圧力調整弁105、及び流量調整弁108は、制御装置5から送られる制御指令に応じて作動するように構成される。これにより、アンモニア供給システム100は、いずれのアンモニアバーナ50にも液体アンモニアを供給しない供給停止状態と、全てのアンモニアバーナ50に液体アンモニアを供給する供給状態との間で変化できる。後述のように、アンモニア供給システム100が供給停止状態のとき、第2バーナユニット32Aと第3バーナユニット33Aのアンモニアバーナ50には、油供給システム80から油が供給される。
一実施形態の油供給システム80は、油供給装置81、油供給装置81とアンモニアバーナ50とをつなぐ油供給ライン82、油供給ライン82を流れる油の流量を計測するための油流量計84、油供給ライン82を流れる油の流量調整するための油流量調整弁86、及び、油供給ライン82の連通状態を切り替えるための切替弁88を備える。本例の油供給ライン82は、第2バーナユニット32Aと第3バーナユニット33Aの各々のアンモニアバーナ50に接続される。
一実施形態では、油流量計84は計測結果を制御装置5に送信するように構成され、油供給装置81、油流量調整弁86、及び切替弁88は、制御装置5からの制御指令に応じて作動するように構成される。これにより、油供給システム80は、油供給ライン82に接続されたアンモニアバーナ50に油を供給する供給状態と、油の供給を停止する供給停止状態との間で変化できる。
なお、他の実施形態では、油供給ライン82は、油を噴射するための燃料バーナ35と接続されてもよい。また、油供給ライン82は、アトマイズ蒸気が流入するように構成されてもよい。この場合、油とアトマイズ蒸気がバーナユニット30に供給される。
一実施形態の微粉炭供給システム70は、搬送ガスを用いて微粉炭を供給するための微粉炭供給装置71、微粉炭供給装置71とバーナユニット30Aとをつなぐ微粉炭供給ライン72、微粉炭供給ライン72を流れる微粉炭を計測するための微粉炭流量計74、微粉炭供給ライン72を流れる微粉炭の流量を調整するための微粉炭流量調整弁76、及び、微粉炭供給ライン72の連通状態を切り替えるための切替弁78を備える。本例の微粉炭供給ライン72は、第1バーナユニット31A、第2バーナユニット32A、及び第3バーナユニット33Aの各々の燃料バーナ35に接続される。
微粉炭流量計74は計測結果を制御装置5に送るように構成され、微粉炭供給装置71、微粉炭流量調整弁76、及び切替弁78は、制御装置5からの制御指令に応じて作動するように構成される。これにより、微粉炭供給システム70は、微粉炭の供給を停止する供給停止状態と、微粉炭をバーナユニット30Aに供給する供給状態との間で変化できる。微粉炭供給システム70が供給状態のとき、石炭バーナとして機能する既述の燃料バーナ35に微粉炭が供給される。
供給システム15は、制御装置5の制御によって、例えば以下のように作動する。
はじめに、1次空気供給システム110と2次空気供給システム120が各々、空気を供給する。このとき、アンモニア供給システム100は供給停止状態であり、油供給システム80と微粉炭供給システム70はいずれも供給状態である。従って、バーナユニット30Aには油と微粉炭が供給される。このとき、第1バーナユニット31Aのアンモニアバーナ50は停止しており、第2バーナユニット32Aと第3バーナユニット33Aのアンモニアバーナ50は油を噴射する。
その後、第1の規定タイミングが到来したことに応答して、制御装置5は供給システム15に送る制御指令を切り替える。油供給システム80は供給停止状態に変化し、アンモニア供給システム100は供給状態に変化する。これにより、第1バーナユニット31Aは液体アンモニアを噴射し、第2バーナユニット32Bと第3バーナユニット33Bから噴射される燃料は油から液体アンモニアに切り替わる。微粉炭供給システム70は供給状態を維持する。結果、ボイラ2ではアンモニアと石炭の混焼が行われる。
その後、第2の規定タイミングが到来したことに応答して、制御装置5は供給システム15に送る制御指令をさらに切り替える。微粉炭供給システム70は供給停止状態に変化し、石炭バーナとして機能する燃料バーナ35は停止する。また、アンモニア供給システム100は液体アンモニアの供給量を増やす。結果、ボイラ2ではアンモニアの専焼が行われる。
(まとめ)
以下、幾つかの実施形態に係るアンモニア燃料ボイラ2及びアンモニア供給システム100について概要を記載する。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係るアンモニア燃料ボイラ(2)は、
火炉壁(19)を含む火炉(20)と、
前記火炉壁(19)に設けられるアンモニアバーナ(50)と
を備え、
前記アンモニアバーナ(50)は、
液体アンモニアが供給されるように構成されたアンモニア供給路(52)と、
前記アンモニア供給路(52)から供給される前記液体アンモニアを液状のまま前記火炉(20)の内部に噴射するように構成されたアンモニア噴射ノズル(54)と
を含む。
上記(1)の構成によれば、アンモニア噴射ノズル(54)によって噴射された液状のアンモニアは火炉(20)の内部でアンモニアガスに気化して燃焼する。液体アンモニアの比容積はアンモニアガスの比容積よりも小さいので、アンモニアガスが供給される場合と比べてアンモニア供給路(52)を小型化できる。従って、低コストなアンモニア燃料ボイラ(2)が実現する。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記アンモニア噴射ノズル(54)は、アシスト流体を用いずに前記液体アンモニアを液状のまま噴射するための1流体ノズルである。
例えば、アンモニア噴射ノズル(54)が2流体ノズルである場合、アンモニア噴射ノズル(54)の内部では、液体アンモニアと他の気体とが混ざり、液体アンモニアが気化する可能性がある。従って、アンモニア噴射ノズル(54)の内部でベーパロックが生じ、液体アンモニアの噴射不良が生じる可能性がある。この点、上記(2)の構成によれば、アンモニア噴射ノズル(54)が1流体ノズルであるので、ベーパロックが抑制され、液体アンモニアが良好に噴射される。また、2流体ノズルから噴射される液体アンモニアに比べて、1流体ノズルから噴射される液体アンモニアの液滴は大きくなる傾向があるが、液体アンモニアは比較的沸点が低いので、火炉(20)内での燃焼不良は起こりにくい。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記アンモニア噴射ノズル(54)は、起動用燃料と前記液体アンモニアを噴射できる両用ノズルである。
上記(3)の構成によれば、起動用燃料とアンモニア燃料の両方を供給可能なノズルを設けることで、混焼率を可変にできるバーナパターンを構築できる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)から(3)のいずれかの構成において、
前記アンモニアバーナ(50)は、前記火炉(20)内で生じる燃焼火炎を保炎するように構成された保炎効果を有する機構(60)を備える。
難燃性を有する液体アンモニアが燃料として用いられる場合、火炉(20)内で失火が起こる可能性がある。失火を回避するためには、液体アンモニアは、気化してさらに熱分解する必要がある。この点、上記(4)の構成によれば、保炎効果を有する機構(60)が燃焼火炎を保炎することで、液体アンモニアは気化及び熱分解するための熱を得ることができるので、火炉(20)内における失火を抑制することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)の構成において、
前記保炎効果を有する機構(60)は、
前記アンモニア噴射ノズル(54)が内側に配置される内筒(62)と、
前記内筒(62)を囲むように配置され、前記火炉(20)の内部と連通する空気流路(63A)が前記内筒(62)との間で形成される外筒(64)と、
前記空気流路(63A)に設けられ、前記外筒(63)を流れる空気に旋回力を付与するように構成されたスワラ(65)と
を備える。
上記(5)の構成によれば、スワラ(65)は、火炉(20)に供給される空気に旋回力を付与する。これにより、空気と、アンモニア噴射ノズル(54)から噴射される液体アンモニアとの混合が促進される。従って、火炉(20)の内部において液体アンモニアの拡散が促進されるので、火炉(20)内の液体アンモニアが熱分解し易くなる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)から(5)のいずれかの構成において、
前記火炉(20)の内部で生じるガスの流れ方向において前記アンモニアバーナ(50)よりも上流側に設けられ、炭素含有燃料を燃焼させるように構成された燃料バーナ(35)を備える。
上記(6)の構成によれば、液体アンモニアよりも燃焼し易い炭素含有燃料を、アンモニアバーナ(50)よりも上流側で燃料バーナ(35)は燃焼させる。これにより、火炉(20)内におけるアンモニアが熱分解するための火炉(20)内空間は高温に保たれる。よって、液状の液体アンモニアを燃料として噴射するための条件を整えることができる。
(7)本発明の少なくとも一実施形態に係るアンモニア供給システム(100)は、
上記(1)から(6)のいずれかに記載のアンモニアバーナ(50)と、
前記液体アンモニアが貯留されるアンモニアタンク(101)と、
前記アンモニアタンク(101)と前記アンモニアバーナ(50)とをつなぐ油供給ライン(82)と、
前記油供給ライン(82)に設けられたポンプ(103)と、
前記油供給ライン(82)の圧力を調整するための圧力調整弁(105)と、
前記油供給ライン(82)に設けられ、前記アンモニアタンク(101)と前記アンモニアバーナ(50)の連通状態を切り替えるための切替弁(107)と、
を備える。
上記(7)の構成によれば、液体アンモニアの比容積がアンモニアガスの比容積に比べて小さいので、アンモニア供給ライン(102)を小型化できる。また、液体アンモニアが液状のままアンモニアバーナ(50)に供給されるので、液体を気化させるための気化器をアンモニア供給ライン(102)に設ける必要がない。よって、アンモニア供給システム(100)の低コスト化が実現する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
2 :アンモニア燃料ボイラ
19 :火炉壁
20 :火炉
35 :燃料バーナ
50 :アンモニアバーナ
52 :アンモニア供給路
54 :アンモニア噴射ノズル
60 :保炎効果を有する機構
62 :内筒
63A :空気供給路
64 :外筒
65 :スワラ
100 :アンモニア供給システム
101 :アンモニアタンク
102 :アンモニア供給ライン
103 :ポンプ
105 :圧力調整弁
107 :切替弁

Claims (10)

  1. 火炉壁を含む火炉と、
    前記火炉壁に設けられるアンモニアバーナと
    を備え、
    前記アンモニアバーナは、
    液体アンモニアが供給されるように構成されたアンモニア供給路と、
    前記アンモニア供給路から供給される前記液体アンモニアを液状のまま前記火炉の内部に噴射するように構成されたアンモニア噴射ノズルと
    を含むアンモニア燃料ボイラ。
  2. 前記アンモニア噴射ノズルによって噴射された液状のアンモニアは、前記火炉の内部でアンモニアガスに気化して燃焼する請求項1に記載のアンモニア燃料ボイラ。
  3. 前記アンモニアバーナは、前記アンモニア供給路において液体アンモニアが気化することに起因するベーパロックが抑制される供給圧力で前記液体アンモニアが供給され、請求項2に記載のアンモニア燃料ボイラ。
  4. 前記アンモニア噴射ノズルは、アシスト流体を用いずに前記液体アンモニアを液状のまま噴射するための1流体ノズルである請求項1に記載のアンモニア燃料ボイラ。
  5. 前記アンモニア噴射ノズルは、起動用燃料と前記液体アンモニアを噴射できる両用ノズルである請求項1に記載のアンモニア燃料ボイラ。
  6. 前記アンモニアバーナは、前記火炉内で生じる燃焼火炎を保炎するように構成された保炎効果を有する機構を備える請求項1からのいずれかに記載のアンモニア燃料ボイラ。
  7. 前記保炎効果を有する機構は、
    前記アンモニア噴射ノズルが内側に配置される内筒と、
    前記内筒を囲むように配置され、前記火炉の内部と連通する空気供給路が前記内筒との間で形成される外筒と、
    前記空気供給路に設けられ、前記空気供給路を流れる空気に旋回力を付与するように構成されたスワラと
    を備える請求項に記載のアンモニア燃料ボイラ。
  8. 前記火炉の内部で生じるガスの流れ方向において前記アンモニアバーナよりも上流側に設けられ、炭素含有燃料を燃焼させるように構成された燃料バーナを備える請求項1からのいずれかに記載のアンモニア燃料ボイラ。
  9. 前記アンモニアバーナによる前記液体アンモニアの噴射の開始前に、炭素含有燃料を前記火炉の前記内部に噴射するように構成された燃料バーナであって、前記アンモニアバーナによる前記液体アンモニアの噴射の開始後、前記炭素含有燃料の噴射を停止するように構成される燃料バーナを備える請求項1から8の何れかに記載のアンモニア燃料ボイラ。
  10. 請求項1からのいずれかに記載のアンモニアバーナと、
    前記液体アンモニアが貯留されるアンモニアタンクと、
    前記アンモニアタンクと前記アンモニアバーナとをつなぐアンモニア供給ラインと、
    前記アンモニア供給ラインに設けられたポンプと、
    前記アンモニア供給ラインの圧力を調整するための圧力調整弁と、
    前記アンモニア供給ラインに設けられ、前記アンモニアタンクと前記アンモニアバーナの連通状態を切り替えるための切替弁と
    を備えるアンモニア供給システム。
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