JP7368671B2 - コンクリート打設前のスラブ下地構造、鉄筋コンクリート製のスラブ構造、コンクリート打設前のスラブ下地構造の構築方法、および鉄筋コンクリート製のスラブ構造の構築方法 - Google Patents
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Description
図2A,図2Bは、本発明の一実施形態に係るデッキプレート部10を示す図である。デッキプレート部10は、2階以上の鉄筋コンクリート製の建築物において2階以上の鉄筋コンクリート製のスラブを構築するための、施工後に取り外すことない必要構成要素である。図示のデッキプレート部10は、正方形であるが長方形であってもよい。
図3A,図3Bは、本発明の一実施形態に係るデッキプレート部10上に一体に組付けたスラブ内組鉄筋20を示す図である。スラブ内組鉄筋20は、デッキプレート部10の上面、すなわち下地鋼板12の上面に固設されるものでデッキプレート部10の上面に打設されるコンクリートに埋設されるように設けられている。
下地構造体、すなわちデッキプレート部10とこれと一体のスラブ内組鉄筋20は、工場製作されトラックで建築現場に搬送されるものであるため、基本的に大型トラックに積み込める大きさであってかつ建築物の最小間取りに対応した大きさであることが要求される。大きい間取りに対しては、建築現場で複数の下地構造体を一平面状に一体に連結する。そこで、単一の大きさの下地構造体は、例えば縦1800mm×横1800mm、縦1800mm×横2700mm、または縦2700mm×横2700mmの大きさの矩形の大きさとして工場製作される。
コンクリート打設前のスラブ下地構造は、下地構造体を1つ、または複数を一平面状態に一体に連結されたものが、建築現場で部屋の間取り・大きさに合わせてスラブの下地構成部分として設けられる構成である。
下地構造体(デッキプレート部10とこれと一体のスラブ内組鉄筋20)は、鉄筋コンクリート製の建築物の二階以上の設置階のスラブを構成するため、建物躯体50に形成されたスラブ面より所要寸法下がった高さ位置の段差部51(または仕切り壁のコンクリート打設面、または梁部のコンクリート打設後の上面)にデッキプレート部10が載置された状態に両端支持して、スラブ内組鉄筋20の周囲がコンクリート打設前の外壁内の壁鉄筋、仕切り壁のコンクリート打設面より立ち上がる壁鉄筋52(または梁部のコンクリート打設後の上面より立ち上がる梁鉄筋)に短尺な繋ぎ鉄筋53を介して一体に溶接連結されている。
下がり壁状支保工30は、デッキプレート部10の水平フレーム11と同じ鋼製の角パイプ材を用い溶接により升目枠状に成形された横桟型フレーム31と、横桟型フレーム31の片面を覆うよう重ねられスポット溶接により固定されてなる鋼板製の立面パネル32とを含んでなる。横桟型フレーム31は、図示のものでは横一列の升目枠状に形成されているが、縦2列横一列の升目枠状に形成されていてもよい。立面パネル32は無くてもよい任意構成要素である。
デッキプレート部10とこれと一体のスラブ内組鉄筋20は、鉄筋コンクリート製の建築物において、二階以上の鉄筋コンクリート製のスラブを構成する骨格部分を構成している。デッキプレート部10とこれと一体のスラブ内組鉄筋20は、コンクリート打設する前段階では、デッキプレート部10が支保工機能を発揮しコンクリート打設前のスラブ下地構造の横架のためのアーチ強度を担保している。しかし、このアーチ強度は、材料コストの経済性からコンクリートを例えば120mmの厚さに打設した場合でもデッキプレート部10が中折れ折損することはないが中程が下がってしまう剛性強度しかない。そこで、コンクリート打設前にデッキプレート部10の下面に複数の下がり壁状支保工30が取り付けられており、これによって、下がり壁状支保工30が、デッキプレート部10に対するリブ機能を発現し、デッキプレート部10上にコンクリートが打設されてもデッキプレート部10は中程が下がらず一水平面状態に保持される。そして、コンクリートが十分に乾固すると、コンクリートが耐圧力を発現することになり、コンクリートに埋設されたスラブ内組鉄筋20は高い抗張力、曲げ応力、剪断力を発現することになる。そこで、仮設部材である下がり壁状支保工30は強度上必要ではなく、役目を果たしたので取り外すことができる。仮設部材である下がり壁状支保工30は上の階のスラブ下地構造の構成に繰り返し使えることになる。
図6Aは、本発明の実施の形態に係る鉄筋コンクリート製のスラブ構造を示す正面図であり、図6Bはその側面図である。鉄筋コンクリート製のスラブ構造は、2階以上の鉄筋コンクリート製のスラブを構成するため、図1A,図1Bに示すように横架されたコンクリート打設前のスラブ下地構造に対し、デッキプレート部10上にスラブコンクリート40が打設され、スラブコンクリート40が乾固し圧縮強度を十分に発現してスラブが形成された時点以降に下がり壁状支保工30が取り外されてなる構成である。アンカーボルト13aの突出部はニッパなどで切断除去される。鉄筋コンクリート製のスラブ構造は物の発明であり方法の発明ではないので、コンクリート打設前に下がり壁状支保工30が組付けられていたことや、コンクリートが強度を発現した後に下がり壁状支保工30が取り外されている経緯は加味されないが、デッキプレート部10が中程でコンクリートの重量負担により下がることなく水平を保てる十分な強度があること、並びに、デッキプレート部10には下がり壁状支保工30をぶら下げるための切除したアンカーボルトの残りが存在することが、下がり壁状支保工30が関与して構築された鉄筋コンクリート製のスラブ構造であることを確認できる。
図7Aは本発明の一実施形態に係るコンクリート打設前のスラブ下地構造の構築方法を示す工程図であり、図7Bは本発明の一実施形態に係る鉄筋コンクリート製のスラブ構造の構築方法を示す工程図である。
(1)第1の工程:デッキプレート部10とスラブ内組鉄筋20との工場製作された一体物を、建築現場にて鉄筋コンクリート製の外壁、仕切り壁、または梁部に周縁部に連結して横架する。
(2)第2の工程:デッキプレート部10の水平フレーム11に下がり壁状支保工30の横桟型フレーム31とを締結手段(ボルト・ナット)で連結する。
(1)第1の工程:デッキプレート部10とスラブ内組鉄筋20との工場製作された一体物を、建築現場にて鉄筋コンクリート製の外壁、仕切り壁、または梁部に周縁部に連結して横架する。
(2)第2の工程:デッキプレート部10の水平フレーム11に下がり壁状支保工30の横桟型フレーム31とを締結手段(ボルト・ナット)で連結する。
(3)第3の工程:デッキプレート部10の上にスラブコンクリート40をスラブ内組鉄筋20が埋設される所要厚さに打設する。
(4)第4の工程:コンクリートが強度を発現してスラブが形成された時点以降に下がり壁状支保工30を取り外し、連結ボルトを取り外すか、または連結ボルトの下方への突出部を折損する。
11…水平フレーム
11a…枠部
11b…第1の掛け渡し部材
11c…第2の掛け渡し部材
12…下地鋼板
13…締結手段
13a…アンカーボルト
13b…ナット
20…スラブ内組鉄筋
21…起立鉄筋
22…台枠鉄筋
23…縦方向異形棒鋼
24…横方向異形棒鋼
25…番線
26…補強鉄筋
30,30A…下がり壁状支保工
31…横桟型フレーム
32…立面パネル
40…スラブコンクリート
50…建物躯体
51…段差部
52…壁鉄筋
53…繋ぎ鉄筋
Claims (5)
- コンクリート打設前の鉄筋コンクリート製のスラブ構造を配設するためのスラブ下地構造であって、
鉄筋が配筋された外壁、仕切り壁、梁部のうちの少なくともいずれかに周縁部が連結されたデッキプレート部であって、鋼製の角パイプ材が溶接により矩形状に形成された枠部と、前記枠部の対辺同士を繋いだ状態に溶接された長尺な複数の第1の掛け渡し部材と、前記枠部及び前記第1の掛け渡し部材にて形成される各長矩形開口をさらに複数の略正方形の開口に分割する短尺な複数の第2の掛け渡し部材とを備えることで縦横方向に升目枠状に成形され支保工機能を有する水平フレームと、前記水平フレームの上面を覆うよう重ねられ固定された鋼板とを含んでなるデッキプレート部と、
工場製作にて前記デッキプレート部の上面に固設され前記デッキプレート部の上面に打設されるコンクリートに埋設されるスラブ内に配筋されるスラブ内鉄筋であって、所要間隔で前記鋼板の縦方向と横方向とに延在する縦方向異形棒鋼と横方向異形棒鋼とが各交差部で括りつけられてなり、さらに前記鋼板の上面より離隔しかつ前記鋼板の上面に打設されるコンクリートに埋設される高さとなるように前記鋼板の上面に一体に設けられた前記スラブ内鉄筋と、
建築現場にて前記デッキプレート部上にコンクリート打設する前に前記デッキプレート部の前記水平フレームの下面に設けられコンクリート打設後に取り外される下がり壁状支保工であって、鋼製の棒材が溶接により横方向に升目枠状に成形されてなる横桟型フレームと、前記横桟型フレームの片面を覆うよう鋼板が重ねて固定されてなる立面パネルとを含み、前記デッキプレート部の前記水平フレームと前記横桟型フレームとが締結手段によって連結された前記下がり壁状支保工と
を備えたことを特徴とするスラブ下地構造。 - 前記デッキプレート部の前記スラブ内鉄筋は、
前記鋼板に溶接により所要配置に立設された複数の短尺な間隔保持用の起立鉄筋と、前記複数の起立鉄筋の上部に溶接固定されることにより前記鋼板上に升目枠状に設けられた台枠鉄筋と
をさらに有し、
前記縦方向異形棒鋼と横方向異形棒鋼とが、前記台枠鉄筋に支持されるように掛け渡され括りつけられてなる
ことを特徴とする請求項1に記載のスラブ下地構造。 - スラブの面積に応じて前記デッキプレート部が建築現場にて2つ以上敷き詰められる場合に、鋼板同士の突き合わせ部が接続溶接され、隣り合う前記デッキプレート部の前記スラブ内鉄筋の中、前記デッキプレート部の並び方向に延在する縦方向異形棒鋼同士または横方向異形棒鋼同士に異形棒鋼の補強鉄筋が追加されて重ねて括りつけられまたは溶接されてなる
ことを特徴とする請求項1または2に記載のスラブ下地構造。 - 請求項1-3のいずれか1項に記載のスラブ下地構造に係る前記デッキプレート部と前記スラブ内鉄筋との工場製作された下地構造体を、建築現場にて前記鉄筋コンクリート製となり得る外壁、仕切り壁、梁部のうちの少なくともいずれかに周縁部に連結して横架し、前記デッキプレート部の前記水平フレームに前記下がり壁状支保工の前記横桟型フレームとを締結手段で連結し、請求項1-3のいずれか1項に記載のスラブ下地構造を構築する
ことを特徴とするスラブ下地構造の構築方法。 - 請求項1-3のいずれか1項に記載のスラブ下地構造に係る前記デッキプレート部と前記スラブ内鉄筋との工場製作された一体物を、建築現場にて前記鉄筋コンクリート製となり得る外壁、仕切り壁、梁部のうちの少なくともいずれかに周縁部に連結して横架し、前記デッキプレート部の前記水平フレームに前記下がり壁状支保工の前記横桟型フレームとを締結手段で連結し、請求項1-3のいずれか1項に記載のスラブ下地構造を構築し、
次いで、前記デッキプレート部上にスラブコンクリートを打設し、スラブコンクリートが乾固し圧縮強度が発現されスラブが形成された時点以降に前記下がり壁状支保工が取り外されてなる
ことを特徴とする鉄筋コンクリート製スラブ構造の構築方法。
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