JP7367983B2 - 酪農における飼料自動調理・自動給餌設備 - Google Patents

酪農における飼料自動調理・自動給餌設備 Download PDF

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Description

本発明は、牛舎に併設された調理施設により飼料の調理まで行って、飼料の調理・給餌を自動化した酪農における飼料自動調理・自動給餌設備に関するものである。
牧場における主作業は、搾乳、飼料の調理及び給餌、糞尿処理が占め、作業量の面からは、約50%が搾乳、約20%が飼料の調理及び給餌であり、両者で牧場内全作業の約70%を占めるとされている。作業量の最も多い搾乳に関しては、搾乳ロボットが普及し、2018年初期の時点で、日本の牧場にも700台を超える搾乳ロボットが投入され、牧場単位では、300件を超えると言われ、人手による搾乳作業から開放されつつある。
しかし、飼料の調理及び給餌に関しては、自動走行式ミキサー給餌機(以下、単に「ミキサー給餌機」と略すこともある)を使用して、餌槽に飼料を自動給餌することは実現されている。しかし、飼料原料を調理して乳牛が摂取可能な「完成飼料」に調理するには、前記ミキサー給餌機の飼料タンクに飼料原料である牧草、サイレージ等を直接に投入し、必要に応じて水を供給して、当該飼料タンク内において飼料原料をミキシング(mixing)して上記「完成飼料」にしていた。このため、日に数回、前記飼料タンクに飼料原料を投入する作業が不可欠となって、牧場作業者の労働負担が大きくなるのみならず、飼料原料を直接に前記飼料タンクに投入してミキシングしているため、各飼料原料の混合割合にバラツキが発生して、飼料の質の均一性が欠けるという問題もあった。この飼料の調理の自動化の遅れが、牧場作業者の大きな負担になっていたと共に、酪農の生産性の向上が図れない主因となっていた。
上記した給餌の自動化に際して、乳牛により食い散らされた飼料を餌槽へ戻す作業の自動化も不可欠となり、例えば、餌槽の側に敷設されたレールに沿って移動する移動車にそり板状の部材を取付けて、当該移動車を餌槽に沿って移動させる技術が知られている(特許文献1)。また、酪農家が保有している農業用トラクタ又は重機にスクレーパを取付けて走行することで、前記食い散らし飼料を餌槽へ戻すことも行われている。しかし、いずれの手段も、餌槽に対して飼料を供給(給餌)するミキサー給餌機とは別の移動機械類を使用しており、酪農設備の面からは、設備過剰となって、コスト増大となると共に、一日に数回行う給餌の後に、その都度、別の移動機械類を牛舎の餌槽に近い部分に搬入して行わざるを得ないので、牛舎内作業の効率も悪いという問題がある。
一方、日本国の酪農の現状では、設置されている各種設備の故障等を含めた稼働状況は、牧場作業者が現場にいないと分からない状況であり、この状況が、牧場作業者を牛舎に長時間拘束していて、酪農を長時間重労働から開放できない一因となっており、酪農作業の機械化、及びリアルタイムでの各種設備の稼働状況の遠隔認識が望まれている。
特開平11-89470号公報
本発明は、酪農における飼料自動調理・自動給餌設備において、回動可能な単体構造のスクレーパ本体により、食い散らし飼料の寄せ戻しを可能にすることを課題としている。
上記課題を解決するための請求項1の発明は、餌槽に沿って後退走行する際に、当該餌槽から食い散らされた飼料を元の餌槽に寄せ戻すための餌寄せスクレーパを備え、牛舎の餌槽に沿って往復走行する自動走行式ミキサー給餌機により、前記餌槽に対して飼料の自動給餌を行う飼料自動給餌設備と、
前記飼料の原料となる牧草、配合飼料、当該牧草及び配合飼料を除くコーンサイレージ、ビール粕を含む基本飼料原料、添加剤及び必要に応じて水が、それぞれ前記牛舎に隣接した場所に独立して設置されたホッパーに貯蔵され、前記各飼料原料を設定時刻毎に設定量ずつコンベア手段により、出発位置で待機している前記自動走行式ミキサー給餌機に投入するための飼料自動調理設備とを備え、
前記飼料自動調理設備の各ホッパーの飼料原料は、前記コンベア手段により出発位置で待機中の前記自動走行式ミキサー給餌機に投入されて、当該各飼料原料は、前記出発位置における待機中又は走行中においてミキサーにより撹拌混合され、当該自動走行式ミキサー給餌機の走行により前記餌槽に飼料が供給されることを特徴とする酪農における飼料自動調理・自動給餌設備において、
前記自動走行式ミキサー給餌機を支持する方形状の台座における前記餌槽の側のコーナー部に延長部材が、前記自動走行式ミキサー給餌機の走行方向に沿って外側に突出配置されて、手前側及び背面側にそれぞれストッパ面が平面視で所定角度で交差して形成されたストッパ体が、前記延長部材の先端部に配置され、
平板状のスクレーパ本体の基端側の一側面に上下方向に所定間隔をおいて設けられた一対の取付け板が前記ストッパ体を上下から挟むように配置されて、当該ストッパ体における前記平面視で鋭角をなす部分と、当該一対の取付け板とを連結する回動支点ピンを介して前記ストッパ体に回動可能に連結され、
前記自動走行式ミキサー給餌機が前記餌槽の一方向に沿って走行する際には、前記回動支点ピンに対してスクレーパ本体の先端側の部分が、前記ストッパ体のいずれか一方のストッパ面に当接して、当該スクレーパ本体の傾斜位置が定められると共に、前記餌槽の他方向に沿って走行する際には、前記回動支点ピンに対してスクレーパ本体の後端側の部分が、前記ストッパ体の他方のストッパ面に当接して、当該スクレーパ本体の別の傾斜位置が定められて、
前記スクレーパ本体の二つの傾斜位置の一方は、飼料の給餌時におけるスクレーパ本体の給餌傾斜位置になっていると共に、その他方は、食い散らされた飼料を元の餌槽に寄せ戻すためのスクレーパ本体の餌寄せ傾斜位置となっていることを特徴としている。
請求項1の発明では、牛舎の餌槽に沿って往復走行する自動走行式ミキサー給餌機により、前記餌槽に対して飼料の自動給餌を行う飼料自動給餌設備と、前記飼料の原料となる牧草、配合飼料、当該牧草及び配合飼料を除くコーンサイレージ、ビール粕を含む基本飼料原料、添加剤及び必要に応じて水が、それぞれ前記牛舎に隣接した場所に独立して設置されたホッパーに貯蔵され、前記各飼料原料を設定時刻毎に設定量ずつコンベア手段により、出発位置で待機している前記自動走行式ミキサー給餌機に投入するための飼料自動調理設備とを備えていて、牛舎に隣接した場所において、自動走行式ミキサー給餌機に供給する飼料が調理されて、当該飼料は、出発位置で待機している自動走行式ミキサー給餌機に対してコンベア手段により自動供給される。
そして、自動走行式ミキサー給餌機は、一日のうちタイマーにより設定された時刻(時間)に走行作動して、飼料タンク内に貯留されている飼料は、走行中においてもミキサーにより撹拌されながら、当該飼料タンクの側部に設けられた飼料排出口から餌槽に供給され、当該自動走行式ミキサー給餌機は、走行端において向きを変えて、反対方向に走行のみ行って原位置である出発位置に戻る。一方、飼料自動調理設備は、一日分のプレカットされた牧草が貯蔵されてミキサーにより撹拌されるホッパー、一日分のサイレージ及びエコフィードが投入・貯蔵された各ホッパーを備え、タイマーにより設定された時刻に、前記各ホッパー内の飼料原料がコンベア手段により、出発位置で待機している自動走行式ミキサー給餌機の飼料タンクに投入され、当該飼料タンク内では、投入された異なる飼料原料がミキサーにより撹拌されて、次の給餌の準備が行われる。
また、自動走行式ミキサー給餌機の飼料タンクに投入される各飼料原料の重量は、当該各飼料原料をコンベア手段により個別に搬送して、当該飼料タンクに投入して、個別の飼料原料が投入される都度、飼料タンク全体の重量を測定することで、各飼料原料の供給重量が測定されると共に、給餌に供される完成飼料の重量が測定される。
このように、請求項1の発明によれば、飼料自動給餌設備を構成する自動走行式ミキサー給餌機の走行により、餌槽に飼料が自動給餌されるのに加えて、飼料自動調理設備は、一日分のプレカットされた牧草が貯蔵されてミキサーにより撹拌されるホッパー、並びに一日分のサイレージ及びエコフィードが投入・貯蔵された各ホッパーを備え、タイマーにより設定された時刻に、前記各ホッパー内の飼料原料がコンベア手段により、出発位置で待機している自動走行式ミキサー給餌機の飼料タンクに投入され、当該飼料タンク内では、投入された異なる飼料原料がミキサーにより撹拌されて、次の給餌の準備が行われることで、複数の飼料原料を調合して行う飼料の調理も自動的に行われるので、牧場作業者の労力軽減により生産性が高められると共に、複数の飼料原料の配合割合の精度も高められることで、飼料品質自体を向上させられる。
また、請求項1の発明は、自動走行式ミキサー給餌機を支持している台座の餌槽の側のコーナー部に、前記自動走行式ミキサー給餌機の走行方向に突設された延長部材にストッパ体が設けられて、当該ストッパ体にスクレーパ本体が回動支点ピンを介して前記台座と干渉することなく、回動可能に支持される。自動走行式ミキサー給餌機が餌槽の端部に配置されていて、その走行が開始されると、接地抵抗に抗してスクレーパ本体が所定方向に回動して、前記ストッパ体の前面及び背面に設けられた各ストッパ面のいずれか一方に、前記スクレーパ本体の一部が当接することで、前記回動が停止させられて、前記スクレーパ本体の「給餌傾斜位置」及び「餌寄せ傾斜位置」の一方が定められて、各傾斜位置を保持してスクレーパ本体が走行する。そして、自動走行式ミキサー給餌機が給餌時と反対方向に走行する場合には、前記ストッパ体の他方にストッパ面にスクレーパ本体の一部が当接することで、スクレーパ本体の「給餌傾斜位置」及び「餌寄せ傾斜位置」の他方が定められる。
また、餌槽の各終端において、スクレーパ本体の「給餌傾斜位置」及び「餌寄せ傾斜位置」の配置姿勢の変更は、前記接地抵抗により前記スクレーパ本体が回動支点軸を中心に所定方向に回動することで、人手を介することなく自動的に行われるのも請求項1の発明の特徴の一つである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記スクレーパ本体の餌寄せ傾斜位置は、前記回動支点ピンに対してスクレーパ本体の先端側の部分が、前記ストッパ体の手前側のストッパ面に当接して傾斜位置が定められる場合であって、
前記餌寄せ傾斜位置のスクレーパ本体の先端位置は、前記ストッパ体の背面側のストッパ面にスクレーパ本体が当接して定められる給餌傾斜位置のスクレーパ本体の先端位置よりも所定長だけ餌槽に近接している位置を特徴としている。
請求項1の発明は、自動走行式ミキサー給餌機の台座のコーナー部から当該自動走行式ミキサー給餌機の走行方向に沿って離れた位置に、スクレーパ本体の傾斜位置を定めるストッパ体が設けられていて、当該ストッパ体とスクレーパ本体とが回動支点ピンを介して回動可能に連結され、当該ストッパ体の前面及び背面の異なる各ストッパ面に対してスクレーパ本体の異なる部分を当接させて、スクレーパ本体の「給餌傾斜位置」及び「餌寄せ傾斜位置」が定められる構成であるため、請求項2の発明のように、前記餌寄せ傾斜位置に配置された前記スクレーパ本体の先端位置は、前記給餌傾斜位置に配置された当該スクレーパ本体の先端位置よりも所定長だけ餌槽に近接するように構成できて、スクレーパ本体の先端位置を餌槽に近づけることで、食い散らし飼料を一層効果的に餌槽に戻すことが可能となる。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記自動走行式ミキサー給餌機は、その両側部に飼料排出口及び餌寄せスクレーパをそれぞれ備え、1回の走行により隣接する2棟の牛舎の給餌及び餌寄せを同時に行えることを特徴としている。
請求項3の発明によれば、1回の走行により隣接する2棟の牛舎の給餌及び餌寄せを同時に行えると共に、酪農家が保有すべき自動走行式ミキサー給餌機の台数も少なくて済むので、牧場作業の生産性が一層に高められる。
本発明によれば、自動走行式ミキサー給餌機を支持している台座の餌槽の側のコーナー部に、前記自動走行式ミキサー給餌機の走行方向に突設された延長部材にストッパ体が設けられて、当該ストッパ体にスクレーパ本体が回動支点ピンを介して前記台座と干渉することなく、回動可能に支持される。自動走行式ミキサー給餌機が餌槽の端部に配置されていて、その走行が開始されると、接地抵抗に抗してスクレーパ本体が所定方向に回動して、前記ストッパ体の前面及び背面に設けられた各ストッパ面のいずれか一方に、前記スクレーパ本体の一部が当接することで、前記回動が停止させられて、前記スクレーパ本体の「給餌傾斜位置」及び「餌寄せ傾斜位置」の一方が定められて、各傾斜位置を保持してスクレーパ本体が走行する。そして、自動走行式ミキサー給餌機が給餌時と反対方向に走行する場合には、前記ストッパ体の他方にストッパ面にスクレーパ本体の一部が当接することで、スクレーパ本体の「給餌傾斜位置」及び「餌寄せ傾斜位置」の他方が定められる。
また、餌槽の各終端において、スクレーパ本体の「給餌傾斜位置」及び「餌寄せ傾斜位置」の配置姿勢の変更は、前記接地抵抗により前記スクレーパ本体が回動支点軸を中心に所定方向に回動することで、人手を介することなく自動的に行われるのも請求項1の発明の特徴の一つである。
フリーストール構造の牛舎CHの平面配置図である。 飼料自動給餌設備Eを構成する餌寄せスクレーパSを備えたミキサー給餌機Nの斜視図である。 同じく飼料タンク3の部分を破断した側面図である。 同じく平面図である。 ミキサー給餌機Nの架台2の後端部にアタッチメント31を介して取付けられた餌寄せスクレーパSの部分の斜視図である。 同じく分解斜視図である。 同じく平面図である。 同じく正面図である。 飼料自動調理設備Dの概念図である。 飼料自動調理設備Dを構成する各タンク類及び飼料自動給餌設備Eを構成するミキサー給餌機Nの各出力情報と、各制御盤61,62及びIOT実行基盤63との関係を示す表である。 時間に対する各設備の作動状態を示す図である。 飼料自動調理設備D及び飼料自動給餌設備Eを構成する各種機器と、牧場作業者が保有する端末モバイル機器との通信関係を示す図である。 (a),(b),(c)は、それぞれ給餌時、前進端位置での待機時、及び餌寄せ時におけるミキサー給餌機Nに具備させた餌寄せスクレーパSの作用を示す平面図である。 (a),(b),(c)は、それぞれ給餌直後、乳牛Cによる飼料Fの摂取後、及び食い散らし飼料F’の寄せ戻し後の側面図である。 両側にそれぞれ餌寄せスクレーパSを備えたミキサー給餌機Nの平面図である。 相隣接する2棟の牛舎CHの各餌槽42の間をミキサー給餌機Nが走行する状態を示す平面図である。
以下、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明する。
乳牛の飼育をフリーストール(free stall) 又はフリーバーン(free barn) で行う場合の給餌管理は、牛舎の餌槽における標準的なTMR(Total Mixed Ration) 〔一体的混合給餌〕にて、乳牛は、一箇所において完全配合された飼料の摂取により行われる。
TMRにて給餌管理を行う牛舎の一つとして、図1に示される長方形状のフリーストール構造のものがある。この牛舎CH内には、乳牛群の多数のベッド群B1 ~B5 が当該牛舎CHの長手方向に沿って配置され、ベッド群B1 と同B2 ,B3 との間には、牛舎CHの長手方向に沿った通路T1 が形成されていると共に、ベッド群B2 ,B4 と同B3 ,B5 との間には、牛舎CHの短手方向に沿った通路T2 が形成されている。ベッド群B4 におけるベッド群B5 と反対側には、別のベッド群B6 が通路T3 を介して当該各ベッド群B4 ,B5 と直列に配置され、並列配置された各ベッド群B3 ,B5 における前記通路T2 と反対側には、別の通路T4 が配置され、後述の餌槽42に臨む部分には、牛舎CHのほぼ全長に亘って通路T5 が形成されている。また、牛舎CHを長手方向に沿って二分した一方の部分には、搾乳室41が当該牛舎CHに対して短手方向に突出した状態で配置されている。
牛舎CHの短手方向に沿ってベッド群B1 及び搾乳室41と反対側には、当該牛舎CHの長手方向のほぼ全長に亘っていて、図1で符号Aで示される範囲が餌槽(餌場)42となっている。餌槽42は、乳牛が出られない柵体43(図1及び図2参照)を介して、当該柵体43の外側に平面状の餌槽床44により形成され、餌槽42に対して平行となって走行するミキサー給餌機Nにより、当該餌槽42に飼料(餌)Fが自動供給される。ミキサー給餌機Nは、内部に投入された飼料Fを撹拌させながら走行する構造であって、前記餌槽42に対して平行に敷設された一対のレール45に案内されて走行する。図8に示されるように、一対のレール45は、平面状の餌槽床44に対して僅かに高いレール床46に敷設されている。一対のレール45が敷設されたレール床46には、当該一対のレール45に沿って走行するミキサー給餌機Nの前進端位置(J1 )及び後進端位置(J2 )を定めるためのストッパ(図示せず)が配置され、当該ストッパの作動により、走行中のミキサー給餌機Nは停止する。また、餌槽42は、ミキサー給餌機Nの全走行部のうち前進端位置(J1 )及び後進端位置(J2 )からそれぞれ所定長が内側に入り込んだ部分を除いた部分の全長に亘って設けられている。このため、ミキサー給餌機Nの飼料タンク3の飼料排出口12は、前記餌槽42が配置されていない部分はシャッター11により閉塞されており、当該餌槽42の部分においてのみ当該シャッター11を上昇させて飼料排出口12を開く必要があるが、当該ミキサー給餌機Nの走行速度、及び餌槽42が存在しない部分の距離は予め判明しているので、タイマーによる時間制御により、前記飼料排出口12の開閉を制御できる。なお、図8において、Kは、餌槽床44とレール床46との高低差を示す。
ミキサー給餌機Nは、牛舎CHの長手方向における搾乳室41の側の端部に待機していて、当該牛舎CHの短手方向に沿って配置された飼料自動調理設備Dにより調整された飼料Fはチェーンコンベア51により、レール45の一端部の出発位置で待機しているミキサー給餌機Nの飼料タンク3内に投入される。飼料自動調理設備Dは、牛舎CHに隣接した場所で、乳牛に摂取させる飼料を、その場で製造する設備であるので、一種の「飼料工場」として観念でき、例えば、第1~第4の各投入ホッパーH1 ~H4 を備え、第1ホッパーH1 は、一日分のプレカットされた牧草が投入・貯蔵されて、装備されたプレカットミキサーにより予め短く切断されて撹拌され、第2及び第3の各ホッパーH2 ,H3 には、それぞれ一日分のサイレージ及びエコフィードが投入・貯蔵され、第4ホッパーH4 には、飼料原料補助剤となる添加剤が投入・貯蔵されている。第1及び第4の各ホッパーH1 ~H4 内の各飼料原料は、24時間タイマーで設定された時刻に、その所定量がチェーンコンベア51上に排出されて、当該チェーンコンベア51の先端上端部から、ミキサー給餌機Nの飼料タンク3内に投入される。なお、必要に応じて、ミキサー給餌機Nの飼料タンク3内には、水源52に貯留された水がポンプを含む加水装置53により供給される。なお、飼料自動調理設備Dにより調整された飼料Fをミキサー給餌機Nの飼料タンク3内に投入するためのコンベア手段は、上記チェーンコンベア51の他に、スクリューコンベアを使用することも可能である。
ミキサー給餌機Nは、図1~図3に示されるように、一対が1組となった前後2組の車輪1を備えた架台2に飼料タンク3がロードセル8を介して搭載されることで、当該飼料タンク3に投入された飼料Fの重量が計測可能となっている。当該飼料タンク3内には、走行中において、投入された飼料Fを撹拌させるためのオーガスクリュー4が配設されている。飼料タンク3は、正面視では方形状をなしているが、側面視では、等脚逆台形状をなすことで、全体形状は変則逆円錐台状となって、飼料Fの収容量を大きくしている。オーガスクリュー4は、垂直回転軸5に螺旋羽根6が一体に取付けられた構成であって、当該螺旋羽根6は、下方に向かうに従って外径が漸次大きくなっていることで、飼料タンク3の底部に近い部分から飼料Fを外部に排出し易くなっている。なお、架台2におけるミキサー給餌機Nの走行方向に沿って飼料タンク3と隣接する空間部に、前記オーガスクリュー4の垂直回転軸5を駆動回転させる駆動モータ、及びその動力を伝動させる伝動機構の一部が配置されて、機器覆いカバー7で覆われている。
飼料タンク3における前記餌槽42と対向する側面であって、当該飼料タンク3の底部に近い部分には、シャッター11を上方にスライドさせることで飼料排出口12が形成され、飼料タンク3における前記飼料排出口12の下端よりも下方の部分に、当該飼料排出口12から排出された飼料Fを前記餌槽42の部分に到達させて供給するための案内シュート13が設けられている。当該案内シュート13は、ミキサー給餌機Nの走行方向と直交する方向に沿い、しかも基端に対して先端が低くなるようにして配設されている。前記シャッター11は、前記案内シュート13の両側板部13aの内側に上下方向に沿って設けられた一対のシャッターガイド14に案内されて昇降する。
なお、前記一対のシャッターガイド14に案内されて昇降するシャッター11は、当該シャッター11の前面に一体となって水平方向に所定間隔をおいて高さ方向に設けられた一対のラックと、前記一対のシャッターガイド14に水平に固定されたラック支持部材の内側に回転可能に支持されて、前記ラックと歯合する一対のピニオンとから成るラック・ピニオン機構により昇降される。即ち、当該各ピニオンが一体に取付けられたピニオン軸が駆動モータで駆動回転されることで、前記シャッター11が昇降されて、前記飼料排出口12が開閉される構成となっている。前記シャッター11を開閉させる上記機構は、ミキサー給餌機Nに餌寄せスクレーパSを具備させた構成を特徴とする本発明に対しては、直接的には関係しないので、図示を略す。
そして、一対のレール45における搾乳室41の側の端部の位置(以下、「出発位置」という)に待機しているミキサー給餌機Nの飼料タンク3に、飼料調整設備Dで調整された飼料Fが投入されることで、当該飼料タンク3には飼料Fが満載される。そして、タイマーによって、一日のうち予め設定された複数の時刻に達すると、出発位置で待機しているミキサー給餌機Nは、前進方向Qに走行を開始して、餌槽42の位置に達すると、前記オーガスクリュー4の垂直回転軸5が回転を開始すると共に、前記シャッター11が上動することで飼料排出口12が開き、図13(a)及び図14(a)に示されるように、牛舎CHの柵体43の外側に設けられた餌槽42に案内シュート13を介して飼料Fが、一定幅を保持して山盛り状となって定量供給(給餌)される。ミキサー給餌機Nが一対のレール45の前記出発位置と反対側の端部である前進端位置の僅かに手前側に達すると、前記オーガスクリュー4の垂直回転軸5の回転が停止されると共に、前記シャッター11が下動して飼料排出口12が閉じられ、その後は、ミキサー給餌機Nは、僅かに前進した後に前進端位置(J1 )で停止する。
牛舎CH内の多数の乳牛Cは、餌槽42に飼料Fが供給されたことを知ると、柵体43の柵間から頭部及び首部を出して、餌槽42の飼料Fを摂取する。乳牛Cによる飼料Fの摂取後には、餌槽42に一定幅で山盛り状に供給された飼料Fは、山盛り状態が崩されるのみではなくて、図13(b)及び図14(b)に示されるように、乳牛Cの摂取時の勢いによって、当該飼料Fは、食い散らされる。飼料Fの食い散らし分のうち、両側方への食い散らしは問題ないが、乳牛Cを基準にして前方に大きく食い散らされる割合が多く、この前方に食い散らされた飼料(以下、「食い散らし飼料」という)F’は、乳牛Cが距離的に摂取できないので、タイマーにより設定された前後の給餌時間帯の間に、前記ミキサー給餌機Nを走行させて、当該ミキサー給餌機Nに装着された餌寄せスクレーパSにより、餌槽42内に戻して再摂取可能にしている。
次に,図1~図8を参照して、ミキサー給餌機Nに装着される餌寄せスクレーパSについて説明する。図2~図6に示されるように、縦板状の餌寄せスクレーパSは、ミキサー給餌機Nの架台2における前進方向Qに沿って後端部であって、しかも飼料排出口12の側に、アタッチメント31を介して水平面内で回動可能に取付けられている。餌寄せスクレーパSは、図5及び図6に示されるように、短長比の大きな横長の長方形状のスクレーパ本体21の基端部に、給餌時における餌寄せスクレーパSの配置位置である給餌傾斜位置(P2 )を定めるためのストッパ板22が一体に取付けられている。当該ストッパ板22は、スクレーパ本体21に対して直線状に延長された部分ではなくて、後述の第2ストッパ面38との関係において平面視において大きな鈍角を形成するようにして一体に取付けられている。図8に示されるように、スクレーパ本体21は、平面視で柵体43の側のレール45と干渉しない位置に配置され、ストッパ板22のみが当該レール45と干渉する位置に配置されるため、当該ストッパ板22における当該レール45と干渉する下端部は、方形状に切り欠かれて、切欠き部22aとなっている。スクレーパ本体21に長手方向に沿った両端縁には、食い散らし飼料F’の当接スクレーパ本体21の食い散らし飼料摺動面21aに対する摺動を容易にすると共に、当該スクレーパ本体21の曲げ強度の向上を図るための折曲げ片21bが、当該食い散らし飼料摺動面21aの側に鈍角を形成するように折り曲げられて形成されている。食い散らし飼料F’の餌寄せ時には、下方の食い散らし飼料摺動面21aが餌槽42の延長面に対して摺接することで走行抵抗が発生する。スクレーパ本体21の食い散らし飼料摺動面21aと反対の面の基端部(ストッパ板22が連接される側の部分)には、配置状態で上下となる各折曲げ片21bに近接して、一対の取付け板23が当該スクレーパ本体21の長手方向に沿って溶接等の手段によって一体に取付けられている。一対の取付け板23の内面の間隔は、ストッパ体33を形成する上下の各ストッパ板34の外面の間隔に対応している。一対の取付け板23には、回動支点ピン30が挿通される支点ピン孔24がそれぞれ形成されている。
前記アタッチメント31は、図5及び図6に示されるように、ミキサー給餌機Nの架台2における前進方向Qに沿って後端部であって、しかも飼料排出口12の側に配置され、架台2から前記前進方向Qに沿って後方に突出した状態で一体に取付けられた延長部材32と、当該延長部材32の先端部(自由端部)に一体に取付けられるストッパ体33とから成る。当該ストッパ体33は、平面視で三角形状をした一対のストッパ板34が上下方向に沿って所定間隔をおいて、その一辺の部分が連結板35に一体に連結され、当該連結板35の部分が前記延長部材32の先端部(自由端部)に一体に取付けられている。各ストッパ板34の先端部(自由端部)であって、三角形状の一つの頂点となる部分には、前記回動支点ピン30が挿通される支点ピン孔36がそれぞれ形成されている。上下方向に所定間隔をおいて平行に配置された各ストッパ板34の間における前記支点ピン孔36が形成された部分には、当該部分を補強するための補強円筒体39が挿入配置されて、各ストッパ板34と一体化されている。
前記一対のストッパ板34におけるミキサー給餌機Nの架台2を基準にして、その外側の端面は、餌寄せスクレーパSの餌寄せ傾斜位置(P1 )を定める第1ストッパ面37となっている。また、各ストッパ板34の内側の端面は、前記餌寄せスクレーパSを構成するスクレーパ本体21とストッパ板22とが180°に近い鈍角状に連結されている構成に対応して、各ストッパ板34の異なる2つの端面が平面視で鈍角を形成して接続されることで、同一平面上に形成されておらず、異なる2つの端面のうち前記延長部材32の側の端面が、餌寄せスクレーパSのストッパ板22が当接して、給餌傾斜位置(P2 )を定めるための第2ストッパ面38となっている。
そして、図5~図8に示されるように、前記ストッパ体33を構成する各ストッパ板34の外側に、餌寄せスクレーパSの各取付け板23がそれぞれ配置されて、各ストッパ板34の各支点ピン孔36及び各取付け板23の支点ピン孔24に回動支点ピン30が挿通されることで、アタッチメント31のストッパ体33の部分に、餌寄せスクレーパSが回動支点ピン30を中心にして回動可能に配置される。そして、図5で2点鎖線、及び図7で実線で示されるように、ミキサー給餌機Nの後退方向Rに走行することで、餌寄せスクレーパSのスクレーパ本体21の基端部は、ストッパ体33の第1ストッパ面37に当接して、当該餌寄せスクレーパSの餌寄せ傾斜位置(P1 )が定められると共に、ミキサー給餌機Nの前進方向Qに走行することで、餌寄せスクレーパSのストッパ板22は、ストッパ体33の第2ストッパ面38に当接して、当該餌寄せスクレーパSの給餌傾斜位置(P2 )が定められる構成となっている。
また、図9には、飼料自動調理設備Dの概念図が示され、図10には、飼料自動調理設備Dを構成する各タンク類及び飼料自動給餌設備Eを構成するミキサー給餌機Nの各出力情報と、各制御盤61,62及びIOT実行基盤63との関係を示す表が示されている。上記したように、飼料工場である飼料自動調理設備Dを構成する第1~第4の各ホッパーH1 ~H4 には、プレカット牧草、サイレージ、エコフィード及び添加剤がそれぞれ投入・貯蔵され、加水装置53は、水源52の水をミキサー給餌機Nの飼料タンク3内に供給する装置である。第1ホッパーH1 内のプレカットミキサーの作動時間帯を設定する24時間タイマーの制御、及びプレカット牧草の排出制御、第2~第4の各ホッパーH2 ~H4 内のサイレージ、エコフィード及び添加剤の各排出制御、加水装置53の作動時間帯の制御、並びにチェーンコンベア51のON・OFF制御は、いずれも飼料供給制御盤61により制御される。また、第1~第4の各ホッパーH1 ~H4 の飼料原料又は添加剤は、それぞれ個別に排出して、チェーンコンベア51によりミキサー給餌機Nの飼料タンク3に投入することで、当該ミキサー給餌機Nが備えるロードセル8により計重される。当該飼料供給制御盤61の制御対象は、上記の他に、上記した各機器の作動のエラー、或いは飼料工場としての飼料自動調理設備Dの全体の安全装置の安全プラグ、或いは前記各機器の駆動直前の音声案内の制御も行う。
また、前記飼料供給制御盤61は、日に3回程度のミキサー給餌機Nの作動のタイミング(時間帯)の指令、投入された各飼料原料を混合させることで形成される上記「TMR」用の完成飼料の投入量(重量)の出力、停止命令を含む走行方向の指令、餌槽に対する完成飼料の排出開始及び停止の各指令の制御も行う。一方、餌寄せ制御盤62は、当該ミキサー給餌機Nに装着された餌寄せスクレーパSの作動時間帯の指令、走行障害物の検知、エラー(作動不良)の出力、走行開始時及び走行中における警報音発生の制御を行う。
また、飼料供給及びスクレーパの各制御盤61,62は、IOT実行基盤63に接続され、当該IOT実行基盤63は、インターネットを介して牧場作業者が牛舎から離れた場所で所有するパソコン、タブレット、スマートフォン等のモバイル機器Mに接続されている。飼料供給制御盤61に関しては、制御結果である各飼料原料の排出重量、各ホッパーH1 ~H4 における飼料原料の排出時間、第1ホッパーH1 が備えるプレカットミキサーの作動時間、機器のエラー発生の各給餌情報は、前記IOT実行基盤63に保存される。また、ミキサー給餌機N及び餌寄せスクレーパSの作動時間帯、及びエラー発生時刻、ミキサー給餌機Nによる完成飼料の排出時刻及び排出量に関する飼料調理情報は、前記IOT実行基盤63に保存される。
従って、牛舎から離れた場所にいる牧場作業者は、自己の保有するモバイル機器Mに対して上記した給餌情報及び飼料調理情報が送信されるので、遠隔にて牛舎CH内におけるミキサー給餌機Nによる自動給餌状態、及び飼料自動調理設備Dの飼料調理状態を把握できる。また、IOT実行基盤63に操作信号を送信して、各制御盤61,62を遠隔制御することで、ミキサー給餌機Nによる給餌の開始・停止、及びミキサー給餌機Nに具備した餌寄せスクレーパSによる餌寄せの開始・停止を行ったり、或いは飼料自動調理設備Dの第1~第4の各ホッパーH1 ~H4 からの飼料原料又は添加剤の排出開始・停止及びチェーンコンベア51の運転開始・停止を行える。更に、遠隔操作にて、何らかのエラー発生情報を受信した場合には、IOT実行基盤63を介して飼料供給又はミキサー給餌機の各制御盤61,62を遠隔にて制御することで、エラー発生に係る機器を停止させることも可能となる。
そして、飼料自動調理設備Dを構成する第1ホッパーH1 には、牧草が投入されて、装備のミキサーがタイマーにより設定された時刻に作動することで、当該牧草は撹拌されてプレカットされており、第2及び第3の各ホッパーH2 ,H3 には、それぞれ1日分のサイレージ及びエコフィーダが投入・貯蔵され、更に、第4ホッパーH4 には、数日分の添加剤が投入・貯蔵されている。一方、図11において、ミキサー給餌機Nは、日に数回(通常は3回)の自動給餌の時間帯、及び前後の各自動給餌の時間帯の間に行われる餌寄せスクレーパSによる自動餌寄せの時間帯を除く時間帯(ミキサー給餌機Nの非作動時間帯)には、図1で二点鎖線で示されるように、飼料自動調理設備Dを構成するチェーンコンベア51の投入端の直下の「出発位置(原点位置)」に待機している。ミキサー給餌機Nの非作動時間帯であって自動給餌開始時刻に対して所定時間だけ前の時間帯において、第1~第4の各ホッパーH1 ~H4 から、それぞれ飼料原料であるプレカット牧草、サイレージ、エコフィーダ及び添加剤が設定量だけチェーンコンベア51上に排出された後に、当該チェーンコンベア51により、出発位置で待機しているミキサー給餌機Nの飼料タンク3の直上まで搬送され、当該直上位置で落下されて前記飼料タンク3内に収容され、当該飼料タンク3内では、投入された複数種類の飼料原料がオーガスクリュー4の回転により撹拌混合される。なお、必要に応じて、飼料タンク3には水源52から水が供給されて、複数の飼料原料と一緒に撹拌・混合されることもある。オーガスクリュー4の回転による複数の飼料原料の撹拌混合は、当該ミキサー給餌機Nの自動給餌のための走行中は勿論のこと、出発位置での待機中においても行われる。
ミキサー給餌機Nによる自動給餌の後には、飼料タンク3内の飼料はほぼ空となるので、当該ミキサー給餌機Nが出発位置に戻った後には、上記と同様にして、飼料タンク3内に複数種類の飼料原料が投入されて、次の自動給餌の準備が行われる。
そして、出発位置(原位置、後進端位置J2 )に待機しているミキサー給餌機Nの飼料タンク3には、飼料自動調理設備Dから投入された各飼料原料がオーガスクリュー4により撹拌・混合されることで、「完成飼料」となっており、タイマーにより設定された自動給餌時刻になると、当該ミキサー給餌機Nは前進走行して、餌槽42が設けられた範囲(A)においてのみ、図13(a)及び図14(a)に示されるように、ミキサー給餌機Nの飼料排出口12から排出された飼料Fは、案内シュート13を介して餌槽42に、一定幅を保持した山盛り状となって定量供給(給餌)される。即ち、ミキサー給餌機Nが出発位置から餌槽42の一方の形成端に達するまでは、飼料タンク3の飼料排出口12は、シャッター11により閉塞されていると共に、前進端位置(J1 )の僅かに手前側の餌槽42の他方の形成端に達すると、前記オーガスクリュー4の垂直回転軸5の回転が停止されると共に、前記シャッター11が下動して飼料排出口12が閉じられ、その後は、ミキサー給餌機Nは、僅かに前進した後に前進端位置(J1 )で停止する。ミキサー給餌機Nが前進端位置(J1 )に達した後には、前記オーガスクリュー4の垂直回転軸5を停止させると共に、飼料タンク3の飼料排出口12を閉じた状態で、出発位置(後進端位置J2 )まで後退走行させて停止させ、次の自動給餌に備える。
ここで、ミキサー給餌機Nが前進方向Qに沿った走行を開始すると、餌寄せスクレーパSには、餌槽床44の延長面に対する走行抵抗によって、回動支点ピン30を中心にして反時計回りの回動トルクが常に作用するため、当該餌寄せスクレーパSは、図7で2点鎖線で示されるように、そのストッパ板22が、架台2に取付けられたストッパ体33の第2ストッパ面38に当接するまで、回動支点ピン30を中心にして反時計回りに回動されて、当該餌寄せスクレーパSは、給餌傾斜位置(P2 )を保持して走行する。一方、ミキサー給餌機Nの後退走行時においては、餌寄せスクレーパSには、餌槽床44の延長面に対する走行抵抗によって、回動支点ピン30を中心として、時計回りの回転トルクが常に作用して、当該餌寄せスクレーパSは、そのスクレーパ本体21がストッパ体33の第1ストッパ面37に当接して、図7で実線で示される餌寄せ傾斜位置(P1 )を保持しながら走行する。図7には、餌寄せスクレーパSの餌寄せ傾斜位置(P1 )及び給餌傾斜位置(P2 )における当該餌寄せスクレーパSの先端の直線状の軌跡がそれぞれ1点鎖線及び2点鎖線で示されており、給餌傾斜位置(P2 )における餌寄せスクレーパSの先端の軌跡の位置は、餌寄せ傾斜位置(P1 )における餌寄せスクレーパSの先端の軌跡の位置に対して間隔Lだけ、レール45の側に位置している。なお、給餌時においても、案内シュート13から餌槽42の手前側にこぼれ落ちた飼料Fは、当該案内シュート13の後方を走行する餌寄せスクレーパSにより餌槽42に戻される。このように、ミキサー給餌機Nによる自動給餌時においても、餌寄せスクレーパSは、本来の餌寄せ機能を果たしているが、飼料の自動給餌に関しては、全く影響を与えない(餌寄せスクレーパSの作動により飼料の自動給餌が阻害されることは全くない)。
乳牛Cが飼料Fを摂取する前は、餌槽42に一定幅を保持して山盛り状となって供給された飼料Fのレール45の側の端縁F1 は、図13(a)及び図14(a)に示されるように、直線状を保持している。しかし、飼料の摂取後においては、乳牛Cの飼料Fの摂取時の勢いにより、前記飼料Fは、食い散らされて、食い散らし飼料F’のレール45の側の端縁F2 は、図13(b)及び図14(b)に示されるように、任意の波打ち状となる。
乳牛Cが所定量の飼料を摂取すると、即ち、ミキサー給餌機Nが前進端位置(J1 )に達した後に、設定時間が経過すると、タイマーにより、ミキサー給餌機Nは、後退方向Rへの走行を開始する。前記前進端位置(J1 )において、ミキサー給餌機Nが逆走行することで、餌槽床44の延長面に対する餌寄せスクレーパSの走行抵抗により、当該餌寄せスクレーパSは、回動支点ピン30を中心にして、スクレーパ本体21の基端部がストッパ体33の第1ストッパ面37に当接するまで自動的に回動させられて、餌寄せ傾斜位置(P1 )を保持しながら走行する。即ち、餌寄せスクレーパSの餌寄せ傾斜位置(P1 )及び給餌傾斜位置(P2 )の配置姿勢の変更は、当該餌寄せスクレーパSの下端縁が餌槽床44の延長面に接触しているため、ミキサー給餌機Nの逆方向への走行方向の変換により、餌寄せスクレーパSの2つの傾斜配置位置の変更は、人手を介することなく自動的に行われることも、本発明の特徴の一つである。これにより、図13(c)及び図14(c)に示されるように、食い散らし飼料F’は、後退方向Rに直線走行する餌寄せスクレーパSのスクレーパ本体21の食い散らし飼料摺動面21aに接触又は当接した後に、当該スクレーパ本体21の傾斜配置によって、その食い散らし飼料摺動面21aに沿って先端側に移動させられて、餌槽42に寄せ戻される。これにより、当該餌槽42に残存している別の飼料Fと一緒になって、乳牛Cによる摂取が可能となる。
このようにして、ミキサー給餌機Nが出発位置に戻って停止するまでの間において、餌槽42の全長に亘って食い散らし飼料F’は、当該餌槽42に自動的に戻される。
また、上記作業例では、餌槽42に対する自動給餌を終えたミキサー給餌機Nは、前進端位置(J1 )において、餌槽42に給餌された飼料を乳牛が所定量だけ摂取する設定時間だけ待機した後に、出発位置(後進端位置J2 )に向けて走行するように設定してある。しかし、ミキサー給餌機Nは、前進端位置(J1 )に達して自動給餌を終えた直後に逆進して、出発位置(後進端位置J2 )に戻り、餌槽42に給餌された飼料を乳牛が所定量だけ摂取する設定時間だけ経過した後に、餌寄せ作業のみのために、ミキサー給餌機Nを往復走行させるようにしてもよく、この場合には、出発位置におけるミキサー給餌機Nの待機時間が長くなるので、飼料タンク3に投入された複数の飼料原料を撹拌・混合させて「完成飼料」にできる時間を長く確保できる利点がある。
なお、餌寄せ作業時、及び給餌時における餌寄せスクレーパSの先端位置に関しては、上記実施例で、餌寄せ作業時における餌寄せスクレーパSの先端位置は、給餌時における対応先端位置よりも前記間隔Lだけ餌槽42に近接しているため、餌寄せ効果が高められるが、餌寄せ作業時、及び給餌時における餌寄せスクレーパSの各先端位置は、上記実施例に限られず、任意である。
また、図15及び図16に示されるように、計4棟の牛舎CHのうち2棟が1組となって並列配置され、かつ並列配置された各組の牛舎CHの間を走行するミキサー給餌機Nは、その架台2の両側に餌寄せスクレーパSが装着されて、1台のミキサー給餌機Nにより、その両側の2棟の各牛舎CHに対する給餌及び餌寄せを行える。これにより、酪農作業の生産性が一層に高められると共に、酪農家が保有すべきミキサー給餌機Nの台数を減少させられる。
C:乳牛
CH:牛舎
F:(完成)飼料
F’:食い散らし飼料
1 :ミキサー給餌機の前進端位置
2 :ミキサー給餌機の後進端位置
1 :第1ホッパー(プレカット牧草)
2 :第2ホッパー(サイレージ)
3 :第3ホッパー(エコフィーダ)
4 :第4ホッパー(添加剤)
M:モバイル機器
N:自動走行式ミキサー給餌機
1 :餌寄せスクレーパの餌寄せ傾斜位置
2 :餌寄せスクレーパの給餌傾斜位置
Q:ミキサー給餌機の前進方向
R:ミキサー給餌機の後退方向
S:餌寄せスクレーパ
1:車輪
2:架台
3:飼料タンク
4:オーガスクリュー
5:垂直回転軸
6:螺旋羽根
11:シャッター
12:飼料排出口
13:案内シュート
42:餌槽
44:餌槽床
46:レール床
51:チェーンコンベア(コンベア手段)
61:飼料供給制御盤
62:餌寄せ制御盤
63:IOT実行基盤
64:インターネット

Claims (3)

  1. 餌槽に沿って後退走行する際に、当該餌槽から食い散らされた飼料を元の餌槽に寄せ戻すための餌寄せスクレーパを備え、牛舎の餌槽に沿って往復走行する自動走行式ミキサー給餌機により、前記餌槽に対して飼料の自動給餌を行う飼料自動給餌設備と、
    前記飼料の原料となる牧草、配合飼料、当該牧草及び配合飼料を除くコーンサイレージ、ビール粕を含む基本飼料原料、添加剤及び必要に応じて水が、それぞれ前記牛舎に隣接した場所に独立して設置されたホッパーに貯蔵され、前記各飼料原料を設定時刻毎に設定量ずつコンベア手段により、出発位置で待機している前記自動走行式ミキサー給餌機に投入するための飼料自動調理設備とを備え、
    前記飼料自動調理設備の各ホッパーの飼料原料は、前記コンベア手段により出発位置で待機中の前記自動走行式ミキサー給餌機に投入されて、当該各飼料原料は、前記出発位置における待機中又は走行中においてミキサーにより撹拌混合され、当該自動走行式ミキサー給餌機の走行により前記餌槽に飼料が供給されることを特徴とする酪農における飼料自動調理・自動給餌設備において、
    前記自動走行式ミキサー給餌機を支持する方形状の台座における前記餌槽の側のコーナー部に延長部材が、前記自動走行式ミキサー給餌機の走行方向に沿って外側に突出配置されて、手前側及び背面側にそれぞれストッパ面が平面視で所定角度で交差して形成されたストッパ体が、前記延長部材の先端部に配置され、
    平板状のスクレーパ本体の基端側の一側面に上下方向に所定間隔をおいて設けられた一対の取付け板が前記ストッパ体を上下から挟むように配置されて、当該ストッパ体における前記平面視で鋭角をなす部分と、当該一対の取付け板とを連結する回動支点ピンを介して前記ストッパ体に回動可能に連結され、
    前記自動走行式ミキサー給餌機が前記餌槽の一方向に沿って走行する際には、前記回動支点ピンに対してスクレーパ本体の先端側の部分が、前記ストッパ体の手前側のストッパ面に当接して、当該スクレーパ本体の傾斜位置が定められると共に、前記餌槽の他方向に沿って走行する際には、前記回動支点ピンに対してスクレーパ本体の後端側の部分が、前記ストッパ体の背面側のストッパ面に当接して、当該スクレーパ本体の別の傾斜位置が定められて、
    前記スクレーパ本体の二つの傾斜位置の一方は、飼料の給餌時におけるスクレーパ本体の給餌傾斜位置になっていると共に、その他方は、食い散らされた飼料を元の餌槽に寄せ戻すためのスクレーパ本体の餌寄せ傾斜位置となっていることを特徴とする酪農における飼料自動調理・自動給餌設備。
  2. 前記スクレーパ本体の餌寄せ傾斜位置は、前記回動支点ピンに対してスクレーパ本体の先端側の部分が、前記ストッパ体の手前側のストッパ面に当接して傾斜位置が定められる場合であって、
    前記餌寄せ傾斜位置のスクレーパ本体の先端位置は、前記ストッパ体の背面側のストッパ面にスクレーパ本体が当接して定められる給餌傾斜位置のスクレーパ本体の先端位置よりも所定長だけ餌槽に近接している位置を特徴とする請求項1に記載の酪農における飼料自動調理・自動給餌設備。
  3. 前記自動走行式ミキサー給餌機は、その両側部に飼料排出口及び餌寄せスクレーパをそれぞれ備え、1回の走行により隣接する2棟の牛舎の給餌及び餌寄せを同時に行えることを特徴とする請求項2に記載の酪農における飼料自動調理・自動給餌設備。
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