JP7367746B2 - 遅れ破壊評価用の治具、せん断端面の遅れ破壊評価方法、及び試験片 - Google Patents
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Description
ここで、せん断端面の遅れ破壊は外部的な応力を負荷することでさらに促進されることが知られている。そして、せん断端面の遅れ破壊の評価のために、例えば、曲げ変形による定変位拘束により応力負荷をする試験方法(特許文献1、特許文献2)や、単軸変形による定荷重負荷よって応力負荷をする試験(特許文献3)が提案されている。
また、平切りを採用する場合、シャー角をつけられることや、クリアランスを調整可能なことを意味し、より実用的な検討に好ましい。
発明者らは、種々の検討により、次の知見を得た。
試験片に形成するせん断端面が、平切りで形成される直線形状となっていることが好ましい。直線状のせん断端面の作製であれば、直線状のせん断刃を用いれば良いので、せん断の条件であるシャー角やクリアランスの調整が容易となる。
(遅れ破壊評価用の治具1)
本実施形態の遅れ破壊評価用の治具1は、図6及び図7に示すように、試験片10に対し、長手方向に沿った引張荷重を負荷し、その負荷状態でつまり定変位状態で試験片10を拘束する治具1である。更に、本実施形態の治具1は、拘束した試験片10と共に水素侵入環境に設置されることを前提としている。
本実施形態の治具1は、図6及び図7に示すように、2本のピン2、3と、枠部品5と、スライド部品6と、引張力調整機構と、を備える。
2本のピン2、3は、対象とする試験片10に形成された2つのピン穴10A、10Bのうち、一方のピン穴10Aを貫通する第1のピン2と、他方のピン穴10Bを貫通する第2のピン3と、からなる。
枠部品5は、試験片10の一方のピン穴10Aを貫通した第1のピン2の両端部をそれぞれ挿入する第1の挿入穴が形成されている。
スライド部品6は、試験片10の他方のピン穴10Bを貫通する第2のピン3の両端部をそれぞれ挿入する第2の挿入穴が形成されている。
本実施形態のスライド部品6は、一対の足部6A、6Bと、その足部6A、6Bの端部同士を連結する根元部6Cとを備えた、断面コ字状の部品である。一対の足部6A、6Bは、対象とする試験片10の第2のピン穴10A、10Bを挟んで、試験片10の板厚方向で対向している。
引張力調整機構は、枠部品5に対し、スライド部品6を、試験片10の長手方向に沿って進退可能に連結する機構である。引張力調整機構は、ねじ7の回転に伴い直線移動する送りねじ機構によって、スライド部品6が枠部品5に対し進退する機構となっている。
ねじ穴6Caは、スライド部品6の根元部6Cに形成され、試験片10の長手方向に軸を向けて根元部6Cを貫通している。
また、根元部6Cに近位の短手部材5C、5Dには、ねじ穴6Caと同軸の貫通穴5Daが開口している。貫通穴5Daの開口面積は、ねじ7の軸7Bが通過可能で、かつ、ねじ7の頭部より小さい。
このねじ穴6Ca、貫通穴5Da、及びねじ7は、引張力調整機構を構成する。
第一の方法は、ピン2、3に絶縁性の材料、例えばセラミックスやポリマーなどを用いる方法である。しかし、ピン2、3は試験片10から強いせん断の荷重を受けることから、セラミックスでは破壊の危険が高く、ポリマーでは強度が不足する可能性が高い。
第二に、ピン2、3の表面に絶縁性のセラミックスを溶射して絶縁被膜を形成する方法などが挙げられる。
そして、本実施形態の治具1は、簡易な構成にも関わらず、試験片10に対し、単軸引張を負荷し、その負荷状態で試験片10を拘束可能となる。
本実施形態の試験片10は、高強度鋼板からなり、かつ長手方向に沿って延びるせん断端面を有することが好ましい。
図8(a)に示す試験片Aは、一般的な試験片形状であり、2つのピン穴10A、10B間に幅の狭いゲージ部を有する。
図8(b)に示す試験片Bは、長手方向に延びる端部が直線状のせん断端面となった、長方形形状の試験片10である。なお、長手方向に延びる2つの端部のうち、一方の端部のみをせん断面とすればよい。他方の端部を切削などの処理を行った、試験片10の幅などの寸法を調整する辺とすればよい。
試験片Bは、試験片Aに比べ、せん断条件の調整が容易である。
試験片Cの外形形状は、試験片Bと同じで長方形形状である。すなわち、試験片Cは、2つのピン穴10A、10B間に、長手方向に沿って直線上に延びるせん断端面を有する長方形形状(短冊状)の試験片10である。
ここで、ピン穴10A、10Bや肉抜き部10Cは、機械加工や放電加工によって形成される。このピン穴10A、10Bや肉抜き部10Cは、端面における加工によるダメージが小さく遅れ破壊を生じないため、遅れ破壊を生じるのはせん断端面部分のみである。したがって、遅れ破壊評価で重要なのは、引っ張りによってせん断端面に負荷される応力分布のみである。
図9から分かるように、試験片Cを用いれば、直線状のせん断端面を評価可能で、しかもせん断端面の幅広い範囲に比較的均一に引張応力を付与することができる。
但し十分な精度が保証できるのであれば、治具1の相対的な位置関係や、ボルトの締め込みトルクなどを試験片10に付与される応力の指標として用いてもよい。
短冊状の試験片10であって、左右にピン穴10A、10Bが開口した試験片10を用いる。
その試験片10を、本開示の治具1に取り付ける。すなわち、枠部品5に囲まれた空間に評価する試験片10を配置して、第1のピン2及び第2のピン3を各ピン穴10A、10Bに挿入して、試験片10を治具1に取り付ける。その後、ナットの頭部を回転させることで、スライド部品6を進退させて、試験片10のせん断端面に引張荷重を負荷する。ナットの頭部の回転を止めることで、試験片10は、引張変形が付与された定変位状態で治具1に拘束される。
そして、試験片10を治具1と共に、予め設定した水素侵入環境に対し予め設定した時間設置し、その状態での当該試験片10で、亀裂の発生状況を評価する。
上記試験を、治具1で付与する引張力の条件を変えて実行する。
また、試験片10は、図8に示すような試験片A、B、Cのいずれであっても本開示の治具1に使用可能であるが、より精度良く測定するには、本開示の肉抜き部10Cを形成した試験片Cのような形状の試験片10が好ましい。
本開示は、次の構成を取りうる。
(1)長手方向両側にそれぞれピン穴が開口した短冊状の金属板からなる試験片に対し長手方向に沿った引張荷重を負荷し、その負荷状態で試験片を拘束する治具であって、上記試験片と共に水素侵入環境に設置される遅れ破壊評価用の治具1であって、
上記試験片に形成された2つのピン穴のうち、一方のピン穴を貫通する第1のピンと、他方のピン穴を貫通する第2のピンと、
上記一方のピン穴を貫通した上記第1のピンの両端部をそれぞれ挿入する第1の挿入穴が設けられた枠部品と、
上記他方のピン穴を貫通する第2のピンの両端部をそれぞれ挿入する第2の挿入穴が設けられたスライド部品と、
上記枠部品に対し、上記スライド部品を、上記試験片の長手方向に沿って進退可能に連結する引張力調整機構と、を備え、
上記引張力調整機構は、ねじの回転に伴い直線移動する送りねじ機構によって、上記スライド部品を進退する機構となっている。
(2)上記枠部品は、上記試験片を間に挟んで、上記試験片の板厚方向で対向する一対の長手部材と、上記試験片を間に挟んで、上記試験片の長手方向で対向し、上記一対の長手部材の端部をそれぞれ連結する一対の短手部材とを備えて、上記一対の長手部材に上記第1の挿入穴が形成され、
上記スライド部品は、上記試験片の第2のピン穴を挟んで、上記試験片の板厚方向で対向する一対の足部と、その足部の端部同士を連結する根元部とを備えて、上記一対の足部に上記第2の挿入穴が形成され、
上記スライド部品は、上記一対の長手部材の間に配置されて上記一対の長手部材の長手方向に移動可能となっており、
上記根元部には、試験片の長手方向に軸を向けて貫通したねじ穴が形成され、上記根元部に近位の上記短手部材には、上記ねじ穴と同軸の貫通穴が開口し、上記ねじ穴に、上記貫通穴を介して、ねじの軸部が螺合し、上記ねじ穴、貫通穴、及びねじが、上記引張力調整機構を構成する。
(3)治具の少なくとも一部が金属製であり、上記試験片と接触可能な接触面は、試験片10と電気的に絶縁している。
(4)上記第1のピン及び上記第2のピンは、絶縁性の材料からなる。
(5)上記第1のピン及び上記第2のピンは金属製であり、上記第1のピン及び上記第2のピンの表面のうち、試験片と接触する面に、絶縁性の膜が形成されている。
(6)高強度鋼板からなり、かつ長手方向に沿って直線状に延びるせん断端面を有する試験片のせん断端面の遅れ破壊を評価するための、遅れ破壊評価用の治具である。
(7)本開示の治具に試験片を取り付けて、上記スライド部品を進退させることで試験片のせん断端面に引張荷重を負荷し、その負荷状態で、試験片を上記治具と共に水素侵入環境に設置する、せん断端面の遅れ破壊評価方法である。
(8)上記引張荷重は、試験片を変位拘束することによって負荷する。
(9)上記試験片は、2つのピン穴間に位置するせん断断面が、試験片10の長手方向にそって直線状になっており、上記2つのピン穴の間の領域に、せん断端面の応力分布の調整を目的とした、1又は2以上の肉抜き部を有する。
(10)上記肉抜き部は、試験片の長手方向に沿って並ぶ複数の開口を有する。
(11)試験片に引張荷重が負荷された際に、せん断端面の全領域に負荷された応力の最大応力の7割以上の応力の領域が、せん断端面の長手方向に沿って3mm以上連続するように、上記肉抜き部を形成する。
(12)試験片のせん断端面に近傍にひずみゲージを貼り付けて、せん断端面のひずみを測定する。
(13)長手方向に沿った引張荷重が負荷された状態で水素侵入環境に設置される、せん断端面の遅れ破壊評価用の試験片であって、
高強度鋼板からなり、且つ長手方向両側にそれぞれ荷重を負荷するためのピン穴が開口した短冊形状となっており、
少なくとも2つのピン穴間において、長手方向に延びる端面の一方が直線上に延びたせん断端面であり、
上記2つのピン穴の間の領域に、1又は2以上の肉抜き部を有し、
各肉抜き部は、試験片に形成された開口若しくは肉厚を薄くした領域からなり、その領域は、せん断端面から離れている。
(14)上記肉抜き部は、試験片に引張荷重が負荷された際に、せん断端面の全領域に負荷された応力の最大応力の7割以上の応力の領域が、せん断端面の長手方向に沿って3mm以上連続するように形成する。
(15)上記肉抜き部は、試験片の長手方向に沿って並ぶ複数の開口からなり、
上記複数の開口はそれぞれ、ピン穴よりも開口面積が大きい。
本例では、試験片10を構成する材料として、板厚1.4mmの強度1470MPa級鋼である供試材Aを対象に説明する。本開示は、この供試材Aに限るものではなく、せん断端面に遅れ破壊が発生するような、引張強度が980MPa以上の高強度鋼板をはじめとした金属材料に対して適用が可能である。
次に、図10の寸法の形状になるように、作製した試験片10に対し、片側のせん断端面を残して、評価に供しない部分の端面を切削加工した。例えば、図10中、下側の端面をせん断端面のままとし、上側の端面側に切削加工を施して、試験片10の幅を目的の幅に調整した。
更に、試験片10に対し、せん断端面の引っ張り応力が最大となると推定される箇所の近傍にひずみゲージを貼り付けした。
以上のような試験片10を複数用意した。
次に、本実施形態の治具1(図6及び図7参照)に、各試験片10を取付け、ナットを締め込むことで、試験片10に引張荷重を負荷し、試験片10を変位拘束した。
なお、図12中、応力がピークとなる間辺りに肉抜き部10Cが配置されている。
また、本実施形態の治具1を使用することで、試験片10に対し、簡易に引張力を付与し且つ水素環境下に浸漬させることができることを確認した。
実施例2では、実施例1と同様に、本実施形態の治具1で、上記形状の試験片10にねじ7の締め込みによって応力を負荷した。このとき、試験片10における、平切りせん断端面部の応力負荷が最大となる箇所にひずみゲージを張り付け、ひずみゲージが測定するひずみ値を見ながらナットの締め込みを実行してひずみ量を調整した。そして、供試材Aの応力ひずみ曲線を参考に、平切りせん断端面の最大到達応力が狙いの応力となるようなひずみ量となったところで、締め込みを停止した。
すなわち、ピン2、3に対し、テフロンテープを用いた場合と用いない場合の評価をそれぞれ実施した。
このように、絶縁の有無によって評価が異なり、試験片10とピン2、3を絶縁することによって、異種金属間での接触による遅れ破壊限界応力の変化の影響を排除することができることが分かった。
ここで、本試験片の場合、上記条件下では、遅れ破壊限界応力が600MPa前後であることを予め確認している。
また、絶縁していない実施例3で、遅れ破壊限界応力が高めに評価されたのは、次の理由と考えられる。すなわち、絶縁していない状態では、電気的に卑な低炭素鋼であるブランク(試験片10)が、電気的に貴なステンレス鋼(治具1)と接触することで、ブランク側はアノード分極の状態となり水素の発生と侵入が抑制されることで、遅れ破壊が抑制されたためと推定される。ただし、応力腐食割れが優位な状況にあったら、逆に破壊が促進される可能性もあった。
2 第1のピン
3 第2のピン
5 枠部品
5A、5B 長手部材
5Aa、5Ba第1の挿入穴
5C、5D 短手部材
5Da 貫通穴
6 スライド部品
6A、6B 足部
6Aa、6Ba第2の挿入穴
6C 根元部
6Ca ねじ穴
7 ねじ
7A 頭部
7B 軸
10 試験片
10A、10Bピン穴
10C 肉抜き部
Claims (15)
- 長手方向両側にそれぞれピン穴が開口した短冊状の金属板からなる試験片に対し長手方向に沿った引張荷重を負荷し、その負荷状態で試験片を拘束する治具であって、上記試験片と共に水素侵入環境に設置される遅れ破壊評価用の治具であって、
上記試験片に形成された2つのピン穴のうち、一方のピン穴を貫通する第1のピンと、他方のピン穴を貫通する第2のピンと、
上記一方のピン穴を貫通した上記第1のピンの両端部をそれぞれ挿入する第1の挿入穴が設けられた枠部品と、
上記他方のピン穴を貫通する第2のピンの両端部をそれぞれ挿入する第2の挿入穴が設けられたスライド部品と、
上記枠部品に対し、上記スライド部品を、上記試験片の長手方向に沿って進退可能に連結する引張力調整機構と、を備え、
上記引張力調整機構は、ねじの回転に伴い直線移動する送りねじ機構によって、上記スライド部品を進退する機構となっている、
ことを特徴とする遅れ破壊評価用の治具。 - 上記枠部品は、上記試験片を間に挟んで、上記試験片の板厚方向で対向する一対の長手部材と、上記試験片を間に挟んで、上記試験片の長手方向で対向し、上記一対の長手部材の端部をそれぞれ連結する一対の短手部材とを備えて、上記一対の長手部材に上記第1の挿入穴が形成され、
上記スライド部品は、上記試験片の第2のピン穴を挟んで、上記試験片の板厚方向で対向する一対の足部と、その足部の端部同士を連結する根元部とを備えて、上記一対の足部に上記第2の挿入穴が形成され、
上記スライド部品は、上記一対の長手部材の間に配置されて上記一対の長手部材の長手方向に移動可能となっており、
上記根元部には、試験片の長手方向に軸を向けて貫通したねじ穴が形成され、上記根元部に近位の上記短手部材には、上記ねじ穴と同軸の貫通穴が開口し、上記ねじ穴に、上記貫通穴を介して、ねじの軸部が螺合し、上記ねじ穴、貫通穴、及びねじが、上記引張力調整機構を構成する、
ことを特徴とする請求項1に記載した遅れ破壊評価用の治具。 - 治具の少なくとも一部が金属製であり、上記試験片と接触可能な接触面は、試験片と電気的に絶縁していることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載した遅れ破壊評価用の治具。
- 上記第1のピン及び上記第2のピンは、絶縁性の材料からなる、
ことを特徴とする請求項3に記載した遅れ破壊評価用の治具。 - 上記第1のピン及び上記第2のピンは金属製であり、上記第1のピン及び上記第2のピンの表面のうち、試験片と接触する面に、絶縁性の膜が形成されている、
ことを特徴とする請求項3に記載した遅れ破壊評価用の治具。 - 高強度鋼板からなり、かつ長手方向に沿って直線状に延びるせん断端面を有する上記試験片のせん断端面の遅れ破壊を評価するための、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載した遅れ破壊評価用の治具。
- 請求項6に記載した治具に試験片を取り付けて、上記スライド部品を進退させることで試験片のせん断端面に引張荷重を負荷し、その負荷状態で、試験片を上記治具と共に水素侵入環境に設置することを特徴とする、せん断端面の遅れ破壊評価方法。
- 上記引張荷重は、試験片を変位拘束することによって負荷することを特徴とする請求項7に記載したせん断端面の遅れ破壊評価方法。
- 上記試験片は、2つのピン穴間に位置するせん断断面が、試験片の長手方向にそって直線状になっており、上記2つのピン穴の間の領域に、せん断端面の応力分布の調整を目的とした、1又は2以上の肉抜き部を有する、
ことを特徴とする請求項7又は請求項8に記載したせん断端面の遅れ破壊評価方法。 - 上記肉抜き部は、試験片の長手方向に沿って並ぶ複数の開口を有する、
ことを特徴とする請求項9に記載したせん断端面の遅れ破壊評価方法。 - 試験片に引張荷重が負荷された際に、せん断端面の全領域に負荷された応力の最大応力の7割以上の応力の領域が、せん断端面の長手方向に沿って3mm以上連続するように、上記肉抜き部を形成する、
ことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載したせん断端面の遅れ破壊評価方法。 - 試験片のせん断端面に近傍にひずみゲージを貼り付けて、せん断端面のひずみを測定することを特徴とする請求項7~請求項11のいずれか1項に記載したせん断端面の遅れ破壊評価方法。
- 長手方向に沿った引張荷重が負荷された状態で水素侵入環境に設置される、せん断端面の遅れ破壊評価用の試験片であって、
高強度鋼板からなり、且つ長手方向両側にそれぞれ荷重を負荷するためのピン穴が開口した短冊形状となっており、
少なくとも2つのピン穴間において、長手方向に延びる端面の一方が直線上に延びたせん断端面であり、
上記2つのピン穴の間の領域に、1又は2以上の肉抜き部を有し、
各肉抜き部は、試験片に形成された開口若しくは肉厚を薄くした領域からなり、その領域は、せん断端面から離れている、
ことを特徴とするせん断端面の遅れ破壊評価用の試験片。 - 上記肉抜き部は、試験片に引張荷重が負荷された際に、せん断端面の全領域に負荷された応力の最大応力の7割以上の応力の領域が、せん断端面の長手方向に沿って3mm以上連続するように形成する、
請求項13に記載するせん断端面の遅れ破壊評価用の試験片。 - 上記肉抜き部は、試験片の長手方向に沿って並ぶ複数の開口からなり、
上記複数の開口はそれぞれ、ピン穴よりも開口面積が大きい、
ことを特徴とする請求項13又は請求項14に記載したせん断端面の遅れ破壊評価用の試験片。
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