JP7367060B2 - 通貨追跡および会計報告システム - Google Patents

Description

関連出願の相互参照

本国際出願は、２０１９年５月２３日に出願された米国仮特許出願第６２／８５２，０１３号の非仮出願であって、その米国特許法第１１９条（ｅ）の下での利益を受けることを主張する、２０２０年４月２２日に出願され、「通貨追跡および会計報告システム」という名称の米国非仮出願第１６／８５５，０８９号に対する優先権を主張するもので、その内容全体を参照により、その全文を完全に開示されたものとして本明細書に援用する。

本明細書に記載の技術は、印刷されたカジノ通貨アイテムを追跡および会計報告する際に使用される装置、システム、および方法に関する。印刷されたカジノ通貨アイテムには、例えば、法定紙幣、銀行券、宝くじ券、クーポン、チケットイン・チケットアウト（ＴＩＴＯ）カード、販売促進用クーポン、スポーツくじ券などが含まれてもよい。

カジノ、ゲーム機、およびゲームシステムの運営は、通常、その地域、州、および連邦当局によって厳重に規制される。これらの規制は、一般に、カジノにより、カジノ内で、またはカジノを通じて生じるあらゆる取引に関する正確な記録を保持し、全ての通貨取引に対する積極的なレベルの管理を維持することをカジノに求める。例えば、カジノは、スロットマシンや賭博台などのゲーム機や、他の装置、サービス、またはシステムを備えていることが一般的であり、カジノは、これらに対する通貨の各提供を記録し会計報告することが規制機関によって求められている。カジノの顧客は、通常、顧客（または彼らが指名した他者）がカジノから直接または間接的に提供される一つまたは複数のゲーム、製品、または他のサービスを経験する機会と引き換えに、特定の価値を有する通貨アイテムをカジノ、または一つまたは複数のゲーム機、従業員、または他の通貨受け取り機に提供する。

本開示の様々な実施の形態によって提供される特徴、側面、利点、機能、構成要素、装置、システム、および方法について、以下の記述および添付の図面の少なくとも一つに関して、さらにここで開示する。

図１は、本開示の少なくとも一つの実施の形態に従って使用される、通貨受け取り場所（または装置）、通貨追跡システム、および通貨会計報告システムのネットワーク・システムの一例を示す。 図２は、本開示の少なくとも一つの実施の形態に従う、図１を参照して説明される通貨追跡システムのような通貨追跡システムを操作する第１の方法例を示す。 図３は、本開示の少なくとも一つの実施の形態に従う、図１を参照して説明される通貨追跡システムのような通貨追跡システムを操作する第２の方法例を示す。 図４は、本開示の少なくとも一つの実施の形態に従う、図１を参照して説明される通貨会計報告システムのような通貨会計報告システムを操作する第１の方法例を示す。 図５は、本開示の少なくとも一つの実施の形態に従う、図１を参照して説明される通貨会計報告システムのような通貨会計報告システムを操作する第２の方法例を示す。

本明細書に記載される様々な実施の形態は、印刷されたカジノ通貨アイテム（または他の有形カジノ通貨アイテム）を顧客の使用のために受け取り、分配する際に、カジノ経営者によって適応可能、説明可能、かつ管理可能な装置、システム、および方法に関する。

ここでは、様々な通貨アイテム、特に通貨受け取り場所（例えば、電子ゲーム機（ＥＧＭ）、賭博台、通貨鑑別機（例えば、紙幣鑑別機）、現金自動預払機（ＡＴＭ）、または通貨両替機）で受け取った印刷カジノ通貨アイテムの通し番号または他の識別子を走査および認識するために使用できる装置、システム、および方法について述べる。ある通貨アイテムの識別子が認識されると、カジノ内の（またはカジノの外でも）通貨アイテムの動きを追跡してもよい。例えば、カジノでの最初の受け取りの際に、通貨アイテムの識別子、およびこれを受け取った場所を関連付けて、通貨追跡システムに送信してもよい。その後、通貨アイテムが分配されたり、別の場所に移動されたり、あるいは別の場所で再度受け取られたりした場合、通貨アイテムの識別子は、これら他の場所と関連付けられてもよいし、追加の関連付けを通貨追跡システムに送信してもよい。通貨アイテムが最終的に通貨会計報告システムに送られると、この通貨アイテムを受け取ったり分配されたりした場所を、通貨追跡システムから読み出してもよい。

ある場合には、（１）通貨アイテムと関連付けられ、通貨追跡システムから読み出された通貨受け取り場所の識別子を、（２）通貨アイテムを含む通貨容器（例えば、カジノ内で通貨アイテムを運搬するために使用される箱や他の容器）と関連付けられた通貨受け取り場所の識別子と比較してもよい。両方の通貨受け取り場所の識別子が一致する場合、通貨アイテムは適切に会計報告されたと考えられる。両方の識別子が一致しない場合、カジノシステムまたはカジノ従業員に対して食い違いを通知してもよく、通貨アイテムの改ざんや取り扱いミスを調査してもよい。

本明細書に記載される技術は、従来の装置、システム、および方法よりもさらに通貨処理および会計報告を自動化することができ、通貨容器における見出し／後書きカードを不要にすることができる。上述した技術はまた、より細かい通貨アイテム追跡、例えば通貨容器ごとではなく通貨アイテムごとの追跡を提供する。

これらおよび他の技術について図１ないし図５を参照して説明する。ただし、これらの図に関してここで提供される詳細な記述は、説明のみを目的としたもので、限定するものと解釈されるべきでないことは当業者であれば容易に理解できるであろう。「または」などの代替用語の使用は、代替的な要素または動作の異なる組み合わせを指すものと意図される。例えば、「ＡまたはＢ」は、「Ａ」、または「Ｂ」、または「ＡおよびＢ」を含むものと意図される。

図１は、通貨受け取り場所１０２、通貨追跡システム１０４、および通貨会計報告システム１０６のネットワーク・システム１００を示す。通貨受け取り場所１０２、通貨追跡システム１０４、および通貨会計報告システム１０６は、あるカジノ内に配置、複数のカジノに分散、または一つまたは複数のカジノ、一つまたは複数の金融機関、および一つまたは複数のデータセンタまたはリモートサーバに分散されてもよい。

各通貨受け取り場所１０２は、一つまたは複数のＥＧＭ、賭博台、通貨鑑別機（例えば、紙幣鑑別機）、ＡＴＭ、または通貨両替機（例えば、ある種類の通貨（例えば、ドルや円などの法定紙幣）を受け取り、別の種類の通貨（例えば、使用者が利用可能な通貨種類および価値の電子、電磁、または光学指標を記憶する紙またはプラスチック製カード）を出力する機械）など、一つまたは複数の通貨受け取り装置を備えてもよい。

ＥＧＭは、所望の顧客／使用者体験を提供するよう構成されてもよい。例えば、ある実施の形態において、ＥＧＭは、一つまたは複数の軸に沿って整列した場合にカジノ顧客への賞金及び／又は賞の分配を起動させる幾つかの回転要素を提供するスロットマシンを備えてもよい。別の実施の形態では、ＥＧＭは、ビデオポーカーゲーム、ターン制ゲーム（例えば、モノポリー（登録商標））、または任意の他のゲームまたはユーザ体験といった任意の他の形式の賭博ゲームを伴うものでもよい。少なくとも一つの実施の形態において、ＥＧＭは、何らかの賭博ゲームの側面を伴うものではなく、代わりに、顧客が望むアクティビティへの参加、例えば、歌唱コンテストに参加する機会、ビデオイベントを見る機会などを伴うものであってもよい。ＥＧＭはさらに、または代わりに、使用者が所望する任意のタイプの双方向体験を提供するものでもよい。ＥＧＭは、その種類および機能が本開示の範囲に収まらない、ハードウエアおよびソフトウエア部品の任意の所望の組み合わせを備えてもよい。

ある場合には、通貨受け取り場所１０２は、さらに通貨分配場所として機能してもよい。例えば、スロットから印刷カジノ通貨アイテムを受け取るように構成された装置が、このスロットから、または別のスロットから印刷カジノ通貨アイテムを分配してもよい。

各通貨受け取り場所１０２は、一つまたは複数の通貨スキャナ１０８を備えてもよい。通貨受け取り場所１０２で受け取られた印刷カジノ通貨アイテム（ある場合には、他の通貨アイテムも）は、通貨スキャナ１０８でスキャンされ、通貨追跡システム１０４で追跡され、通貨会計報告システム１０６で会計報告されてもよい。印刷カジノ通貨アイテムには、例えば、法定紙幣、銀行券、宝くじ券、クーポン、ＴＩＴＯカード、販売促進用クーポン、スポーツくじ券などが含まれてもよい。

通貨スキャナ１０８は、印刷カジノ通貨アイテムをスキャンし、光学式文字認識（ＯＣＲ）または他のアルゴリズムを使用して印刷カジノ通貨アイテムの識別子を認識してもよい。ある場合には、印刷カジノ通貨アイテムの識別子は、通し番号（例えば、英数字の列）を含んでもよい。印刷カジノ通貨アイテムの識別子はさらに、または代わりに、パターンまたは他の識別子を含んでもよい。通し番号またはパターンは、印刷カジノ通貨アイテム上に印刷されてもよいし、例えば、通し番号またはパターンは、印刷カジノ通貨アイテム内またはアイテム上に物理的、電子的、電磁的、光学的、またはホログラフ的に記憶されてもよい。

通貨受け取り場所１０２でスキャンされた印刷カジノ通貨アイテムの識別子は、通貨受け取り場所１０２の識別子と関連付けられてもよい。ある実施の形態では、通貨受け取り場所１０２の識別子は、通貨受け取り場所１０２で使用される通貨受け取り装置または通貨スキャナ１０８の識別子を備えてもよい。関連付けられた識別子は、通貨受け取り場所１０２のネットワーク通信インタフェース１１０を介して、通貨追跡システム１０４のネットワーク通信インタフェース１１２に送信されてもよい。ネットワーク通信インタフェース１１０、１１２は、有線または無線通信インタフェースを備えてもよい。

通貨追跡システム１０４は、印刷カジノ通貨アイテムの識別子と、通貨受け取り場所の識別子との間の関連付けを受信し保存してもよい。これらの関連付けは、ネットワーク通信インタフェース１１２を介して、通貨受け取り場所１０２のいくつか、またはその全てから受信されてもよい。関連付けは、通貨追跡システム１０４のコンピュータ可読メモリ１１４に記憶されたデータ構造に保存されてもよい。

通貨会計報告システム１０６は、通貨スキャナ１１６と、ネットワーク通信インタフェース１１８とを備えてもよい。通貨受け取り場所１０２において受け取られ、スキャンされた印刷カジノ通貨アイテムは、通貨会計報告システム１０６の場所に運ばれ、通貨会計報告システム１０６によって計数、分類、または別の方法で処理されてもよい。ある場合には、印刷カジノ通貨アイテムは、通貨会計報告システム１０６に手作業で投入されてもよい。ある場合には、印刷カジノ通貨アイテムは、通貨会計報告システム１０６に半自動的に投入されてもよい。例えば、通貨会計報告システム１０６は、印刷カジノ通貨アイテムを通貨容器１２２（例えば、金庫）から取り出し、その印刷カジノ通貨アイテムを通貨会計報告システム１０６の通貨スキャナ１１６に供給する通貨供給機１２０を備えてもよい。ある場合には、印刷カジノ通貨アイテムは、通貨会計報告システム１０６によってスキャンされた（さらには分類または他の方法で処理される可能性がある）後に、通貨容器１２２または別の通貨容器１２２に返却されてもよい。

ある実施の形態では、通貨会計報告システム１０６は、印刷カジノ通貨アイテムの識別子を通貨追跡システム１０４に送信してもよい。例えば、識別子は、通貨会計報告システム１０６のネットワーク通信インタフェース１１８を介して、通貨追跡システム１０４のネットワーク通信インタフェース１１２に送信されてもよい。通貨追跡システム１０４は、印刷カジノ通貨アイテムの識別子を用いて、印刷カジノ通貨アイテムが通過した通貨受け取り場所１０２の識別子を検索してもよい。通貨受け取り場所の識別子は、その後、通貨会計報告システム１０６に送信され、例えば、この印刷カジノ通貨アイテムが最初にシステム１００で受け取られた場所を判断するために使用してもよい。通貨受け取り場所の識別子はさらに、または代わりに、識別子が通貨容器１２２に関連付けられている、通貨受け取り場所の別の識別子（例えば、通貨容器１２２が一杯になった通貨受け取り場所の識別子）と比較されてもよい。このように識別子の比較を用いて、ある特定の通貨受け取り場所１０２で受け取ったアイテムが、適切な搬送チャネルまたはプトロコルを用いて通貨会計報告システム１０６に搬送されたか否かを判断してもよい。

ある実施の形態では、通貨会計報告システム１０６は、通貨受け取り場所１０２の識別子を通貨追跡システム１０４に送信してもよい。識別子は、通貨会計報告システム１０６のネットワーク通信インタフェース１１８を介して、通貨追跡システム１０４のネットワーク通信インタフェース１１２に送信されてもよい。通貨追跡システム１０４は、通貨受け取り場所の識別子を使用して、通貨受け取り場所１０２で受け取った一組の印刷カジノ通貨アイテムの識別子を検索してもよい。識別子は、通貨会計報告システム１０４に送信されてもよく、例えば、通貨受け取り場所１０２で受け取ったと通貨追跡システム１０４に報告された全ての印刷カジノ通貨アイテムを、通貨容器１２２が収容しているか否かを判断するために使用されてもよい。

システム１００は、任意に、一つまたは複数のカジノ管理システム１２４を備えてもよい。カジノ管理システム１２４は、任意の数のタスクを実行してもよく、場合によっては、一つまたは複数の以下のタスク：（１）通貨受け取り場所１０２、通貨追跡システム１０４、通貨会計報告システム１０６、その構成要素、またはシステム１００の一つまたは複数の他のシステムまたは装置を有効または無効にする、（２）システム１００の一つまたは複数のシステムまたは装置に保存されたデータのバックアップをとる、（３）システム１００の一つまたは複数のシステムまたは装置をアップデートする、（４）生体認証装置（例えば、指紋読み取り装置、フェイススキャナなど）から得たデータを収集または認証する、（５）セキュリティ機器（例えば、カメラ）から得たデータを収集する、などを実行してもよい。カジノ管理システム１２４は、有線及び／又は無線通信リンクを介して他のシステムまたは装置に（例えば、通貨受け取り場所１０２、通貨追跡システム１０４、または通貨会計報告システム１０６に）接続されてもよい。

システム１００はまた、一つまたは複数のサードパーティシステム１２６を任意に備えてもよい。サードパーティシステム１２６は、カジノ内の他のシステムまたは装置からデータを入手したり、これを制御したりするための異なるアクセス権を有しうるという点において、カジノ管理システム１２４と異なっていてもよい。例えば、カジノ管理システム１２４は、サードパーティシステム１２６よりも広いアクセス権を有するものでもよい。他の例では、サードパーティシステム１２６が、あるカジノ管理システム１２４よりも広いアクセス権を有していてもよい。ある場合において、カジノ管理システム１２４は、全部または一部をサードパーティシステム１２６として実現されてもよい。サードパーティシステム１２６の例には、セキュリティ、財務監査システム、バックアップデータなどを管理するシステムが含まれる。サードパーティシステム１２６は、有線及び／又は無線通信リンクを介して、他のシステムまたは装置（例えば、通貨受け取り場所１０２、通貨追跡システム１０４、または通貨会計報告システム１０６）に接続されてもよい。

ある実施の形態では、サードパーティシステム１２６（または、カジノ管理システム１２４も）は、カジノから離れて設置または配置されてもよい。ある実施の形態では、通貨追跡システム１０４と通貨会計報告システム１０６のいずれか、またはその両方が、全部または一部をカジノ管理システム１２４またはサードパーティシステム１２６として実現されてもよい。

通貨受け取り場所１０２、通貨追跡システム１０４、通貨会計報告システム１０６、カジノ管理システム１２４、およびサードパーティシステム１２６のそれぞれは、その機能を制御するためのプロセッサを備えてもよい。プロセッサは、単一プロセッサ（例えば、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路（ＡＳＩＣ）、またはマイクロコントローラ）でもよいし、あるいはプロセッサの機能が、同一または異なる機能を実行する一組のプロセッサまたはサブプロセッサによって実行されてもよい。ある実施の形態では、ＥＧＭを備えた通貨受け取り場所１０２は、スロットマシン・インタフェースボード（ＳＭＩＢ）、またはＥＧＭの通貨センサ１０８、ネットワーク通信インタフェース１１０、及び／又はＥＧＭとともに（例えば、ＥＧＭのゲームキャビネットに）格納される他の構成要素または装置の動作を制御する他の周辺制御装置を備えてもよい。

通貨受け取り場所１０２に設置された通貨センサ１０８，ネットワーク通信インタフェース１１０、プロセッサ、または他の構成要素のそれぞれを通信可能に連結するために使用される通信路及び／又は連係は、銅線、プリント基板、光ケーブル、無線経路、物理コネクタ、または他の方法など、任意の所望の媒体を利用してもよいことを理解されたい。少なくとも一つの実施の形態では、通貨受け取り場所１０２に設置された他の構成要素または装置を通信可能に連結するために、ＲＳ－２３２対応の通信部品を利用してもよい。少なくとも一つの実施の形態では、通貨受け取り場所１０２に設置された他の構成要素または装置を通信可能に連結するために、ユニバーサル・シリアル・バス（ＵＳＢ）対応の通信部品を利用してもよい。他の実施の形態では、通貨受け取り場所１０２に設置された構成要素または装置のいくつか、またはそのすべてを通信可能に連結するために、任意の公知の、または今後開発される通信部品を利用してもよい。さらに、少なくとも一つの実施の形態では、通貨受け取り場所１０２に設置された他の構成要素または装置を通信可能に連結するために利用される通信部品は、単一の媒体を利用してもよく、このような装置間で通信されるデータ信号は、分離、インターリーブ、アドレス指定、または他の方法で通信される。要するに、任意の公知の、または今後開発される通信技術を利用して、通貨受け取り場所１０２に設置された一つまたは複数の構成要素または装置を通信可能に連結してもよい。このような技術は、任意の所定の実施の形態にとって望ましい場合には、修理や更新などのために必要性が生じた時に、通貨受け取り場所に設置された一つまたは複数の構成要素の撤去および交換をしやすくするように構成されてもよい。通貨追跡システム１０４に設置されたメモリ１１４、ネットワーク通信インタフェース１１２、プロセッサ、または他の構成要素を連結するため、または通貨会計報告システム１０６に設置された通貨センサ１１６、ネットワーク通信インタフェース１１８、プロセッサ、または他の構成要素を連結するために、同一または異なる種類の通信部品を使用してもよい。

通貨スキャナ１０８または１１６（例えば、紙幣鑑別機）は、一つまたは複数のシステムプロトコルに従って動作するように構成されてもよい。このようなプロトコルは、例えば、通貨スキャナ１０８または１１６が利用できる時および利用できない時を管理するように構成されてもよい。このようなシステムプロトコルの実施の形態について以下に述べる。通貨スキャナ１０８または１１６は、所望の形態の通貨アイテムがあること、またはデータの提供を検出するよう構成されてもよい。少なくとも一つの実施の形態において、通貨スキャナ１０８または１１６は、公知の技術を用いて印刷された情報を受信するように構成されてもよい。例示のみを目的とし、限定を目的とするものではないが、このような技術の例には、通し番号、二次元バーコード、ＱＲコード（登録商標）、データ行列、デジタルペーパーコード、可視または不可視の透かし模様、磁気符号化情報などが含まれる。少なくとも一つの実施の形態では、通貨スキャナ１０８または１１６は、顧客の署名、コード、または顧客によって提供される別の識別子など、「チケット」上に提供された他の形態の情報を受け取るように構成されてもよい。通貨スキャナ１０８または１１６は、光学式文字認識能力、パターン認識能力、および他の形態の信号および文字処理技術を備えるように構成されてもよい。通貨スキャナ１０８または１１６は、近距離無線通信（ＮＦＣ）信号、Ｗｉ－Ｆｉ信号などの電気、光、及び／又は無線周波数信号によって、また他の公知の技術を用いて通信されるデータを受信するように構成されてもよい。任意の公知の装置がこのようなデータを提供しうることを理解されたい。このような装置の例には、ＲＦＩＤタグ、スマートフォンシステム、その他が含まれる。通貨スキャナ１０８または１１６は、所定の通貨アイテム、またはこれを提供する装置から受け取った情報の出処及び／又は種類に基づいて、この情報が通信されるべき場所を判断するように構成されてもよい。例えば、少なくとも一つの実施の形態によれば、通貨アイテムを通貨スキャナ１０８または１１６に投入することによって、通貨スキャナ１０８または１１６が、この通貨アイテムの真正性を検証し、真正な場合には、発行当局、額、通し番号、さらに任意の他の所望の情報をＥＧＭまたは通貨追跡システム１０４に通信してもよい。

少なくとも一つの実施の形態によれば、通貨スキャナ１０８または１１６は、一つまたは複数のプレミアム機能を備えるように構成されてもよい。このような構成は、拡張サービスシステムサーバ、拡張サービスシステム機能を有するカジノ管理システム、または他の方法を用いて管理されてもよい。少なくとも一つの実施の形態によれば、通貨スキャナ１０８または１１６によって提供されるプレミアム機能は、多通貨において提供される通貨を受け取り、認証し、受け入れる機能を備え、受け取った通貨アイテムの発行当局および種類、例えば、米国ドルか英国ポンドか、通し番号、及び／又は価値をカジノ管理システムまたは通貨追跡システム１０４に通信してもよい。通貨スキャナ１０８または１１６は、個別に、または拡張サービスシステム及び／又はカジノ管理システムと連動して、使用する両替レート、所望の通貨に基づいて授与される賞金をカスタマイズし、マークアップあり、またはなしで通貨換算を行い、かつ／または他の金融取引を行うように構成されてもよい。通貨スキャナ１０８または１１６およびシステム１００は、さらに、一つまたは複数の税務報告要件に従って記録及び／又は報告する額を判断する際に、両替レートの差、遊技者の国の通貨（すなわち、遊技者が居住している所で使用されている主要通貨）、カジノ限定通貨で獲得した額、および他の要素を考慮するように構成されてもよい。提供される特徴は、一つまたは複数の鑑別機、カジノシステム、受け取った通貨アイテムの種類、その他に対して標準化またはカスタマイズされてもよいことは理解されたい。通貨スキャナ１０８または１１６はさらに、宝くじ券、クーポン、銀行小切手、その他など、一つまたは複数の券を受け取り、認識するように構成されてもよい。このようなカスタマイズは、拡張サービスシステムサーバ、カジノ管理システムサーバ、上記の組み合わせ、その他による指示および直接または間接的な制御の下で行うことができる。少なくとも一つの実施の形態は、拡張サービスシステムサーバなどのカジノシステムサーバからアップグレード及び／又はダウンロードしうるオペレーティング・ソフト及び／又はルーティンまたは機能を有する通貨スキャナ１０８または１１６の使用を含む。通貨スキャナ１０８または１１６は、ネットワークアドレス、デバイスハードウエア識別子、固有の数列などの固有の識別子によって、カジノシステムの二つ以上の通貨スキャナのグループ分けなどのグループによって、またはその他の方法で識別されてもよい。通貨スキャナ１０８または１１６は、例えば、使用データ、受け取った通貨アイテム（券を含む）の種類、装置の健全性や状態、またはカジノシステムの鑑別機を監視するために通常使用される他のパラメータなど、スキャナの使用に関する様々な指標を蓄積、監視、提供するように構成されてもよい。少なくとも一つの実施の形態に対して、通貨スキャナ１０８または１１６は、例えば、拡張サービスシステムサーバ及び／又はカジノ管理システムサーバを使用するカジノ経営者が、紙幣の署名、通し番号ＯＣＲを入手できるようにし、挿入された紙幣を特定の遊技者まで辿るためのバックトレース機能を提供するように構成されてもよい。このような実施の形態によれば、カジノシステムは、偽の通貨および他の違法有価証券の使用を監視、防止するために利用されうる。

少なくとも一つの実施の形態によれば、通貨スキャナ１０８または１１６は、画像補正処理（ＩＣＥ）要素を備えるように構成されてもよい。ＩＣＥ要素は、日本金銭機械株式会社によって提供されるｉＶＩＺＩＯＮ鑑別機などの、独自及び／又はノーブランドの鑑別機と一意的に関連付けられうる高度文字認識機能を提供するように構成されてもよい。

システム１００の任意の構成要素による、またこれらの間のデータの保存及び／又は通信を暗号化してもよいことは理解されたい。システム１００の構成要素は、セキュア・ソケット・レイヤー、仮想プライベートネットワーク、公開／秘密鍵、２５６ビット暗号化アルゴリズム、または他の公知のまたは今後生じる暗号化アルゴリズム、手法、および技術の使用など、任意の所望の単一暗号化技術、または複数の暗号化技術の組み合わせを利用してもよいが、これらに限定されるものではない。

少なくとも一つの実施の形態によれば、任意の二つ以上のネットワーク・システム要素を、論理的、物理的、または仮想的に直接通信可能に連結してもよいことも理解されたい。このような連結は、一つまたは複数のソフトウエア・アプリケーション・プログラミング・インタフェース（ＡＰＩ）の使用を含んでもよく、これにより、任意の二つの所定のサーバー構成要素間のＡＰＩコールが使用できるようになり、本システムによって提供される一つまたは複数のサービスを許可、アクセス、制御、または他の方法で管理できる。ある実施の形態では、カジノ管理システム１２４またはサードパーティシステム１２６は、有線またはハードライン接続（例えば、直列、ＵＳＢ、または有線ネットワーク接続）、無線接続（例えば、Ｗｉ－Ｆｉ、ＮＦＣ、ブルートゥース（登録商標）・ロー・エナジー（ＢＬＥ）接続）、またはソフトウエアＡＰＩによって通貨追跡システム１０４または通貨会計報告システム１０６に対して通信可能に連結されて、カジノ管理システム１２４またはサードパーティシステム１２６に、通貨追跡システム１０４または通貨会計報告システム１０６によって保存、追跡、または抽出されたデータに対するアクセスを提供してもよい。

カジノ管理システム１２４またはサードパーティシステム１２６は、カジノ経営者または他の職員によって特定および限定されうる様々な目的のために、通貨追跡システム１０４または通貨会計報告システム１０６によって保存、追跡、または抽出されたデータにアクセスしてもよい。例えば、セキュリティまたは監視機能を提供するカジノ管理システム１２４またはサードパーティシステム１２６は、通貨アイテムがカジノ内で辿る経路を監視または判定するため、あるいは使用者取引またはゲーム取引に関する通貨アイテムを判定または追跡するために、通貨追跡システム１０４及び／又は通貨会計報告システム１０６によって保存または抽出されたデータにアクセスしてもよい。ある場合には、カジノ管理システム１２４またはサードパーティシステム１２６は、通貨アイテムを通貨スキャナ１０８に投入したばかりのカジノ顧客の監視カメラ映像（例えば、ライブ映像）を得るために、カメラに設置した測位システムを操作してもよいし、カジノ管理システム１２４またはサードパーティシステム１２６は、通貨アイテムが通貨スキャナ１０８に投入された時、またはその頃に得られた監視カメラ映像（例えば、保存映像）を（例えば、不正または他の犯罪行為に対する調査を行うために）取り出してもよい。

カジノ管理システム１２４またはサードパーティシステム１２６はさらに（または代わりに）、特定の通貨アイテムまたはダミーの通貨アイテムがシステム１００で受け取られた時間または場所を判定する目的、または特定の通貨アイテムまたはダミーの通貨アイテムを追跡する目的で、通貨追跡システム１０４によって保存または追跡された情報を監視してもよい。ある実施の形態では、カジノ管理システム１２４またはサードパーティシステム１２６は、特定の通貨アイテムまたはダミーの通貨アイテムの受入れまたは分配を確認した場合に、一つまたは複数の警告を出してもよい。

カジノ管理システム１２４またはサードパーティシステム１２６は、通貨アイテムの流れを判断し、カジノ経営者、金融機関、政府機関、または当局が、盗難や詐欺などの犯罪がカジノ内で発生したか否かおよび発生した場所（さらに、場合によっては誰が犯したか）を判断するのを助けるために、通貨追跡システム１０４または通貨会計報告システム１０６によって保存、追跡、または抽出された情報にアクセスしてもよい。例えば、カジノ管理システム１２４またはサードパーティシステム１２６は、カジノ顧客の行為を判定するため、または取引パターンを確認するために論理的決定を行う、あるいは人工知能（ＡＩ）または他の学習アルゴリズムを使用し、判定した行為またはパターンを用いて、例えば（１）キオスク、ＥＧＭ、ＡＴＭ、通貨受け取り機、紙幣鑑別機、販売時点情報管理（ＰＯＳ）装置、預入れまたは送金機能、チケット印刷機、現金支払機などの、カジノ顧客が使用しようとするであろう装置の使用を無効にする、（２）犯罪行為または疑わしい行為に関わったカジノ顧客のライブ映像またはバイオメトリクスを入手する、または（３）犯罪行為または疑わしい行為に関わったカジノ顧客から受け取ったＴＩＴＯカード、通貨アイテム、または他のアイテムを自動的に押収（例えば、通貨スキャナに対する供給機構を制御する動作によって）してもよい。

通貨受け取り場所１０２、通貨追跡システム１０４、および通貨会計報告システム１０６のそれぞれはさらに、または代わりに、例えば図２ないし図５を参照して述べるような他の機能を実行してもよい。

図２は、図１を参照して説明した通貨追跡システムのような通貨追跡システムを操作する方法２００を示す。方法２００の動作は、全部または一部を通貨追跡システムのプロセッサによって実行してもよい。

ブロック２０２において、方法２００は、ある印刷カジノ通貨アイテムの第１の識別子と、ある通貨受け取り場所の第２の識別子との間の関連付けを、通貨追跡システムのネットワーク通信インタフェースを介して受信することを含んでもよい。ある場合には、第１の識別子は、通し番号を含んでもよい。第１の識別子はさらに、または代わりに、パターンまたは他の識別子を含んでもよい。ある実施の形態では、第２の識別子は、通貨受け取り場所で使用される通貨受け取り装置または通貨スキャナの識別子を含んでもよい。

ある場合には、第１および第２の識別子の間の関連付けは、通貨受け取り装置（または通貨受け取り場所と関連付けられた他の装置）から受信してもよい。関連付けは、単一関連付けとして、またはこのような多くの関連付けを含むバッチまたはストリーム通信の一部として受信されてもよい。例えば、通貨受け取り装置は、印刷カジノ通貨の多数の識別子の組を、これら多数の識別子のそれぞれが通貨受け取り装置またはその場所の識別子と関連付けられた状態で送信してもよい。通貨受け取り装置はさらに、異なる通信で（例えば、異なる時間に）異なる関連付け（または関連付けの組）を送信してもよい。

ネットワーク通信インタフェースは、任意の数の物理ネットワークコネクタや、有線、無線、または仮想ポートを備えてもよい。ネットワーク通信インタフェースは、一つまたは多数の有線または無線通信プロトコルに対応してもよい。ある場合には、同じまたは異なる受信機／送信機に対して、多数のポートを介して並行してデータを受信または送信してもよい。

ブロック２０４において、方法２００は、受信した関連付けを保存することを含んでもよい。受信した関連付けは、印刷カジノ通貨アイテムの識別子を通貨受け取り場所の識別子と関連付けるデータ構造に保存されてもよい。データ構造は、統合データ構造（例えば、単一データベースまたは表）でも、分散データ構造（例えば、デーベースまたは表の集合体）でもよい。データ構造は、例えば一つまたは複数のモジュール、ストレージサービスなどによって提供されるコンピュータ可読メモリに記憶されてもよい。ある実施の形態では、データ構造は、印刷カジノ通貨アイテムの識別子と、通貨分配場所の識別子との間の関連付けを記憶するために使用されてもよい。データ構造はさらに、受信した関連付けまたは他の情報と関連付けられたタイムスタンプを記憶してもよい。

ブロック２０６において、方法２００は、第１の識別子（すなわち、印刷カジノ通貨アイテムの識別子）を含む送信メッセージを、ネットワーク通信インタフェースを介して受信することを含んでもよい。

ブロック２０８において、方法２００は、第１の識別子をインデックスとして用いて、データ構造から第２の識別子（すなわち、通貨受け取り場所の識別子）を検索することを含んでもよい。

ブロック２１０において、方法２００は、受信した送信メッセージに応じて、ネットワーク通信インタフェースを介して第２の識別子を送信することを含んでもよい。ある場合には、ブロック２０６で受信した第１の識別子を送信した装置に対して第２の識別子を送信することが含まれてもよい（例えば、第２の識別子をブロック２０６で受信したクエリーに対する応答として送信してもよい）。

方法２００の動作は、同時または同じ頃に実行する必要はない。例えば、ブロック２０２および２０４で実行される動作は、情報記録・追跡機能の一部として、またはこれに関連して行われてもよいし、ブロック２０６、２０８、および２１０で実行される動作は、クエリー応答機能の一部として、またはこれに関連して実行されてもよい。情報記録・追跡機能およびクエリー応答機能は、一つまたは多くの通貨追跡場所から受信した情報に応答して、また一つまたは多くの通貨会計報告システムから受信したクエリーに応答して、順次または並行して実行してもよい。ある場合には、ブロック２０２および２０４で実行される動作は、ブロック２０６、２０８、および２１０で実行される動作によって少なくとも部分的に定義される方法とは別の方法の一部または全部を定義するものと考えてもよい。

通貨追跡システムは、印刷カジノ通貨アイテムの識別子と、通貨受け取り場所の識別子との間の任意の数の関連付けを受信および保存してもよい。例えば、第１の識別子と第２の識別子の間の関連付けは、第１の印刷カジノ通貨識別子と第１の通貨受け取り場所との間の第１の関連付けであってもよい。方法２００を実行するプロセッサは、例えば、第３の識別子と第２の識別子との間の第２の関連付け（第３の識別子は、第２の印刷カジノ通貨アイテムの識別子）をさらに受信してもよい。従って、第２の関連付けは、第２の識別子によって特定された通貨受け取り場所で別の印刷カジノ通貨アイテムを受け取ったことを示すものであってもよい。

方法２００を実行するプロセッサはさらに、または代わりに、例えば第４の識別子と第５の識別子との間の第３の関連付け（第４の識別子は第３の印刷カジノ通貨アイテムの識別子で、第５の識別子は第２の通貨受け取り場所の識別子）を受信してもよい。従って、第１および第３の関連付けは、異なる印刷カジノ通貨アイテムを異なる通貨受け取り場所で受け取ったことを示すものでもよい。

方法２００を実行するプロセッサはさらに、または代わりに、例えば、第１の識別子と第５の識別子との間の第４の関連付けを受信してもよい。第１および第４の関連付けに関連付けられたタイムスタンプは、第１の印刷カジノ通貨アイテムが第１の通貨受け取り場所で、次に第２の通貨受け取り場所で受け取られたことを示すものでもよい。さらに、または代わりに、方法２００を実行するプロセッサは、例えば、第１の識別子と第６の識別子（第６の識別子は、通貨分配場所の識別子）との間の第５の関連付けを受信してもよい。第１、第４、および第５の関連付けと関連付けられたタイムスタンプは、第１の印刷カジノ通貨アイテムが第１の通貨受け取り場所で受け取られ、通貨分配場所から分配され、その後、第２の通貨受け取り場所で受け取られたことを示すものでもよい。

上記の種類の関連付けのいずれか、または全てを、通貨追跡システムにおける同一または異なるデータ構造に（または通貨追跡システムによって）保存してもよい。

方法２００を実行する通貨追跡システムが印刷カジノ通貨アイテムの識別子を受信し、この識別子が一つ以上の通貨受け取り場所または通貨分配場所に関連付けられた場合、印刷カジノ通貨アイテムが最後に受け入れられた、または分配された通貨受け取り場所または通貨分配場所の識別子を、印刷カジノ通貨アイテムの識別子の受信に応じて送信してもよい。あるいは、印刷カジノ通貨アイテムが受け入れられた、または分配された場所の履歴（または最近の履歴）を、印刷カジノ通貨アイテムの識別子の受信に応じて送信してもよい。さらに一般的には、印刷カジノ通貨アイテムの識別子と関連付けられた通貨受け取り場所または通貨分配場所の少なくとも一つの識別子を、印刷カジノ通貨アイテムの識別子の受信に応じて送信してもよい。

図３は、図１を参照して説明した通貨追跡システムのような通貨追跡システムを操作する別の方法３００を示す。方法３００の動作は、通貨追跡システムのプロセッサによって、全部または一部を実行されてもよい。

ブロック３０２において、方法３００は、複数の印刷カジノ通貨アイテムの各識別子と、これらの印刷カジノ通貨アイテムを受け取った複数の通貨受け取り場所の各識別子との間の関連付けを、通貨追跡システムのネットワーク通信インタフェースを介して受信することを含んでもよい。ある場合には、印刷カジノ通貨アイテムの識別子は、通し番号を含んでもよい。識別子はさらに、または代わりにパターンまたは他の識別子を含んでもよい。ある実施の形態では、通貨受け取り場所の識別子は、通貨受け取り場所で使用される通貨受け取り装置または通貨スキャナの識別子を含んでもよい。

ある場合には、識別子間の関連付けは、複数の通貨受け取り装置（または、複数の通貨受け取り場所と関連付けられた他の装置）から受信してもよい。これらの関連付けは、単一関連付けとして、または多くのこのような関連付けを含むバッチまたはストリーム通信の一部として受信されてもよい。例えば、通貨受け取り装置は、印刷カジノ通貨の多数の識別子の組を、これら多数の識別子のそれぞれが通貨受け取り装置またはその場所の識別子と関連付けられた状態で送信してもよい。通貨受け取り装置はさらに、異なる通信で（例えば、異なる時間に）異なる関連付け（または関連付けの組）を送信してもよい。

それを介して識別子の関連付けが受信されたネットワーク通信インタフェースは、任意の数の物理ネットワークコネクタや、有線、無線、または仮想ポートを備えてもよい。ネットワーク通信インタフェースは、一つまたは多数の有線または無線通信プトロコルに対応してもよい。ある場合には、同じまたは異なる受信機／送信機に対して、多数のポートを介して並行してデータを受信または送信してもよい。

ブロック３０４において、方法３００は、受信した関連付けを保存することを含んでもよい。受信した関連付けは、印刷カジノ通貨アイテムの識別子を通貨受け取り場所の識別子と関連付けるデータ構造に保存されてもよい。データ構造は、統合データ構造（例えば、単一データベースまたは表）でも、分散データ構造（例えば、デーベースまたは表の集合体）でもよい。データ構造は、例えば、一つまたは複数のメモリモジュール、記憶装置などによって提供されるコンピュータ可読メモリに記憶されてもよい。ある実施の形態では、データ構造は、印刷カジノ通貨アイテムの識別子と、通貨分配場所の識別子との間の関連付けを記憶するために使用されてもよい。データ構造はさらに、受信した関連付けまたは他の情報と関連付けられたタイムスタンプを記憶してもよい。

ブロック３０６において、方法３００は、ある通貨受け取り場所の識別子を含む送信メッセージを、ネットワーク通信インタフェースを介して受信することを含んでもよい。

ブロック３０８において、方法３００は、ブロック３０６で受信した識別子をインデックスとして用いて、一組の印刷カジノ通貨アイテムの識別子をデータ構造から検索することを含んでもよい。

ブロック３１０において、方法３００は、受信した送信メッセージに応じて、ネットワーク通信インタフェースを介して一組の識別子を送信することを含んでもよい。ある場合には、ブロック３０６で受信した識別子を送信した装置に対して一組の識別子を送信することが含まれてもよい（例えば、一組の識別子をブロック３０６で受信したクエリーに対する応答として送信してもよい）。

方法３００の動作は、同時または同じ頃に実行する必要はない。例えば、ブロック３０２および３０４で実行される動作は、情報記録・追跡機能の一部として、またはこれに関連して行われてもよいし、ブロック３０６、３０８、および３１０で実行される動作は、クエリー応答機能の一部として、またはこれに関連して実行されてもよい。情報記録・追跡機能およびクエリー応答機能は、一つまたは多くの通貨追跡場所から受信した情報に応答して、また一つまたは多くの通貨会計報告システムから受信したクエリーに応答して、順次または並行して実行してもよい。ある場合には、ブロック３０２および３０４で実行される動作は、ブロック３０６、３０８、および３１０で実行される動作によって少なくとも部分的に定義される方法とは別の方法の一部または全部を定義するものと考えてもよい。

図２を参照して説明したように、通貨追跡システムは、印刷カジノ通貨アイテムの識別子と通貨受け取り場所の識別子との間の任意の数の関連付けを受信し、保存してもよい。

図４は、図１を参照して説明した通貨会計報告システムのような通貨会計報告システムを操作する方法４００を示す。方法４００の動作は、通貨会計報告システムのプロセッサによって、全部または一部を実行することができる。

ブロック４０２において、方法４００は、ある印刷カジノ通貨アイテムの識別子を通貨スキャナから受信することを含んでもよい。ある場合には、識別子は、通し番号を含んでもよい。識別子はさらに、または代わりに、パターンまたは他の識別子を含んでもよい。

ブロック４０４において、方法４００は、この印刷カジノ通貨アイテムの識別子を、ネットワーク通信インタフェースを介して遠隔通貨追跡機（例えば、図１を参照して説明した通貨追跡システム）に送信することを含んでもよい。ネットワーク通信インタフェースは、任意の数の物理ネットワークコネクタや、有線、無線、または仮想ポートを備えてもよい。ネットワーク通信インタフェースは、一つまたは多数の有線または無線通信プロトコルに対応してもよい。ある場合には、同じまたは異なる受信機／送信機に対して、多数のポートを介して並行してデータを受信または送信してもよい。

ブロック４０６において、方法４００は、ネットワーク通信インタフェースを介し、印刷カジノ通貨アイテムの識別子の送信に応じて、印刷カジノ通貨アイテムが通過した通貨受け取り場所の識別子を受信することを含んでもよい。ある実施の形態では、通貨受け取り場所の識別子は、通貨受け取り場所で使用される通貨受け取り装置または通貨スキャナの識別子を含んでもよい。

ブロック４０８において、方法４００は、印刷カジノ通貨アイテムの識別子と通貨受け取り場所の識別子を用いて通貨報告を作成することを含んでもよい。ある実施の形態では、この報告は、印刷カジノ通貨アイテムを受け取った通貨受け取り場所を特定する報告であってもよいし、この報告を含んでもよい。ある実施の形態では、報告は、ブロック４０６で受信した通貨受け取り場所の識別子（例えば、通貨受け取り場所の第１の識別子）と、ある通貨受け取り場所の第２の識別子（例えば、印刷カジノ通貨アイテムとともに受信された識別子）との間の食い違い（または、食い違いがないこと）を確認する照合報告であってもよいし、この報告を含んでもよい。このような照合報告を生成するために、動作ブロック４１０、４１２、および４１４における動作を実行してもよい。

ブロック４１０において、方法４００は、ある通貨受け取り場所の識別子を受信することを含んでもよい。識別子は、ブロック４０２において印刷カジノ通貨アイテムの識別子を取得する目的で、印刷カジノ通貨アイテムをスキャンするためにそこから該アイテムを入手した通貨容器と関連付けられた識別子であってもよい。

ブロック４１２において、方法４００は、ブロック４０６で受信した通貨受け取り場所の識別子（すなわち、第１の識別子）を、ブロック４１０で受信した通貨受け取り場所の識別子（すなわち、第２の識別子）と比較することを含んでもよい。

ブロック４１４において、方法４００は、第１の識別子が第２の識別子と異なる場合（印刷カジノ通貨アイテムが、ある通貨受け取り場所で受け取られた後で改ざんされた、または処理を誤ったことを示す可能性がある状況）、使用者に警告することを含んでもよい。ある実施の形態では、警告は、ブロック４０８で生成された報告において提供されてもよい。ある実施の形態では、警告はさらに、または代わりに、警報音、画像表示、または他の手段によって提供されてもよい。

方法４００のある実施の形態では、複数の印刷カジノ通貨アイテムの識別子をブロック４０２で受信してもよく、複数の識別子をブロック４０４で送信してもよい。これらの実施の形態では、一つまたは複数の通貨受け取り場所の識別子をブロック４０６で受信してもよい。例えば、ブロック４０４で送信した印刷カジノ通貨アイテムの各識別子に対して、別々の通貨受け取り場所の識別子を受信してもよい。あるいは、印刷カジノ通貨アイテムの識別子のそれぞれが同一の通貨受け取り場所と関連付けられていると判断された場合には、単一の識別子を受信してもよい。または、印刷カジノ通貨アイテムの第１のサブセットの識別子が第１の通貨受け取り場所と関連付けられ、印刷カジノ通貨アイテムの第２のサブセットの識別子が第２の通貨受け取り場所と関連付けられている場合、印刷カジノ通貨アイテムのどの識別子が通貨受け取り場所のどの識別子に関連付けられているかを示すとともに、通貨受け取り場所のそれぞれの識別子を受信してもよい。

前項で述べた実施の形態において、方法４００はさらに、複数の印刷カジノ通貨アイテムの総価値を判断することを含んでもよい。さらにまたは代わりに、方法４００は、複数の印刷カジノ通貨アイテムを、額面金額、印刷カジノ通貨タイプ、または通貨受け取り場所のうち少なくとも一つによって分類することを含んでもよい。ある場合には、分類されたアイテムは、そのアイテムを取り出した通貨容器または別の通貨容器に返却してもよい。

さらにまたは代わりに、方法４００は、複数の印刷カジノ通貨アイテムのうちの異なる印刷カジノ通貨アイテムが異なる通貨受け取り場所を通過した場合（例えば、それらが同一の通貨受け取り場所を通過したと見込まれる状況において）、使用者に警告することを含んでもよい。方法４００は、さらにまたは代わりに、複数の印刷カジノ通貨アイテムのうちのあるアイテムに対して通貨受け取り場所が受信されない（ブロック４０６で）場合に、使用者に対して警告することを含んでもよい。警告は、ブロック４０８で作成された報告において提供されてもよい。警告はさらに、または代わりに、警報音、画像表示、または他の手段によって提供されてもよい。

方法４００のある実施の形態では、方法４００は、ブロック４０６において、印刷カジノ通貨アイテムの識別子の送信に応じて、この印刷カジノ通貨アイテムが通過した少なくとも二つの通貨受け取り場所と、少なくとも一つの通貨分配場所の識別子を受信することを含んでもよい。これらの実施の形態では、ブロック４０８で作成された通貨報告は、少なくとも二つの通貨受け取り場所および少なくとも一つの通貨分配場所の識別子を用いて作成されてもよい。例えば、通貨受け取りおよび分配場所の全てを通貨報告内にリスト化して、印刷カジノ通貨アイテムの識別子と関連付けてもよい。あるいは、様々な通貨受け取りおよび分配場所と関連付けられたタイムスタンプをチェックしてもよいし、最終通貨受け取り場所のみを通貨報告に含めてもよい。これらの場所は、異なる方法で使用または提示されてもよい。

図５は、図１を参照して説明した通貨会計報告システムのような通貨会計報告システムを操作する別の方法５００を示す。方法５００の動作は、通貨会計報告システムのプロセッサによって全部または一部を実行してもよい。

ブロック５０２において、方法５００は、第１の組の印刷カジノ通貨アイテムの識別子を通貨スキャナから受信することを含んでもよい。ある場合には、識別子は、通し番号を含んでもよい。識別子はさらにまたは代わりに、パターンまたは他の識別子を含んでもよい。

ブロック５０４において、方法５００は、これらの印刷カジノ通貨アイテムが通過した場所の識別子を受信することを含んでもよい。識別子は、ブロック５０２において印刷カジノ通貨アイテムの識別子を取得する目的で、印刷カジノ通貨アイテムをスキャンするために該アイテムを取り出す通貨容器と関連付けられた識別子であってもよい。ある実施の形態では、この場所または通貨容器の識別子は、印刷カジノ通貨アイテムが受け入れられた（そして、通貨容器が一杯になった）通貨受け取り場所の識別子を含んでもよい。

ブロック５０６において、方法５００は、印刷カジノ通貨アイテムが通過した場所の識別子を、ネットワーク通信インタフェースを介して送信することを含んでもよい。識別子は、遠隔通貨追跡機(例えば、図１を参照して説明した通貨追跡システム)に送信されてもよい。ネットワーク通信インタフェースは、任意の数の物理ネットワークコネクタや、有線、無線、または仮想ポートを備えてもよい。ネットワーク通信インタフェースは、一つまたは多数の有線または無線通信プロトコルに対応してもよい。ある場合には、同じまたは異なる受信機／送信機に対して、多数のポートを介して並行してデータを受信または送信してもよい。

ブロック５０８において、方法５００は、ネットワーク通信インタフェースを介し、印刷カジノ通貨アイテムが通過した場所の識別子の送信に応じて、第２の組の印刷カジノ通貨アイテムの識別子を受信することを含んでもよい。第２の組の印刷カジノ通貨アイテムの識別子は、通貨受け取り場所から遠隔通貨追跡機に送信された識別子を含む。

ブロック５１０において、方法５００は、第１の組の識別子を第２の組の識別子と比較することを含んでもよい。

ブロック５１２において、方法５００は、第２の組の識別子に対する第１の組の識別子の比較に基づいて通貨報告を作成することを含んでもよい。報告は、第１と第２の組の識別子の間の不一致（すなわち、食い違い）、あるいは食い違いがないこと（一つまたは複数の印刷カジノ通貨アイテムが、通貨受け取り場所で受け取られた後で改ざんされた、または処理を誤ったことを示す可能性がある状況）を特定しうる。ある実施の形態では、報告は、使用者への警告を含んでもよいし、警告はさらにまたは代わりに、警報音、画像表示、または他の手段によって提供されてもよい。

上記の記述は、説明のために、上述した実施の形態を完全に理解できるよう特定の用語を用いている。しかし、この記述を読んだ後で、当業者にとっては、特定の詳細は上述した実施の形態を実行するために必要とされないことは明らかであろう。従って、本明細書に記載された特定の実施の形態の上記の記述は、例示および説明のために提示されている。これらは、すべてを網羅したり、開示された厳密な形態に実施の形態を限定したりすることを目的とするものではない。この記述を読んだ後で、当業者にとっては、上記の教示に鑑み多くの変形および変更が可能であることは明らかであろう。

Claims (15)

1. 通貨スキャナと、
   ネットワーク通信インタフェースと、
   第１の組の印刷カジノ通貨アイテムの識別子を前記通貨スキャナから受信し、
   前記第１の組の印刷カジノ通貨アイテムが通過した通貨受け取り場所の識別子を受信し、
   前記場所の識別子を、前記ネットワーク通信インタフェースを介して遠隔通貨追跡機に送信し、
   前記ネットワーク通信インタフェースを介し、前記場所の識別子の送信に対する応答として、第２の組の印刷カジノ通貨アイテムの識別子を受信し、
   前記第１の組の識別子を前記第２の組の識別子と比較し、
   前記第２の組の識別子に対する前記第１の組の識別子の前記比較に基づいて通貨報告を作成する、ように構成されたプロセッサと、を備える通貨会計報告システム。
2. 前記印刷カジノ通貨アイテムを通貨容器から取り出し、該印刷カジノ通貨アイテムを前記通貨スキャナに供給するように構成された通貨供給機をさらに備える、請求項１に記載の通貨会計報告システム。
3. 前記通貨受け取り場所の識別子は、第１の識別子を備え、
   前記プロセッサはさらに、
   前記通貨容器と関連付けられた通貨受け取り場所の第２の識別子を受信し、
   前記第１の識別子を前記第２の識別子と比較し、
   前記第１の識別子が前記第２の識別子と異なる場合に、使用者に警告する、ように構成された、請求項２に記載の通貨会計報告システム。
4. 前記プロセッサは、
   複数の印刷カジノ通貨アイテムの識別子を、前記ネットワーク通信インタフェースを介して受信および送信し、
   前記複数の印刷カジノ通貨アイテムが通過した一つまたはそれ以上の通貨受け取り場所の一つの識別子を、前記ネットワーク通信インタフェースを介して受信する、ように構成された、請求項１に記載の通貨会計報告システム。
5. 前記プロセッサはさらに、前記複数の印刷カジノ通貨アイテムの総価値を判断するように構成された、請求項４に記載の通貨会計報告システム。
6. 前記プロセッサはさらに、前記複数の印刷カジノ通貨アイテムを、額面金額、印刷カジノ通貨タイプ、または通貨受け取り場所のうち少なくとも一つによって分類するように構成された、請求項４に記載の通貨会計報告システム。
7. 前記プロセッサは、前記複数の印刷カジノ通貨アイテムのうち異なる印刷カジノ通貨アイテムが異なる通貨受け取り場所を通過した場合、使用者に警告するように構成された、請求項４に記載の通貨会計報告システム。
8. 前記プロセッサは、前記複数の印刷カジノ通貨アイテムのうちの、あるアイテムに対して通貨受け取り場所が受信されない場合、使用者に警告するように構成された、請求項４に記載の通貨会計報告システム。
9. 前記プロセッサは、
   前記ネットワーク通信インタフェースを介し、前記印刷カジノ通貨アイテムの識別子の送信に応じて、該印刷カジノ通貨アイテムが通過した少なくとも二つの通貨受け取り場所と少なくとも一つの通貨分配場所の識別子を受信し、
   前記少なくとも二つの通貨受け取り場所と前記少なくとも一つの通貨分配場所の識別子を用いて前記通貨報告を作成する、ように構成された、請求項１に記載の通貨会計報告システム。
10. 前記印刷カジノ通貨アイテムの識別子は通し番号を含む、請求項１に記載の通貨会計報告システム。
11. 前記通貨受け取り場所の識別子は、通貨受け取り装置または通貨スキャナの識別子を含む、請求項１に記載の通貨会計報告システム。
12. 印刷カジノ通貨アイテムの識別子を通貨受け取り場所の識別子と関連付けるデータ構造を記憶するコンピュータ可読メモリと、
    ネットワーク通信インタフェースと、
    印刷カジノ通貨アイテムの第１の識別子と、通貨受け取り場所の第２の識別子との間の第１の関連付けを、前記ネットワーク通信インタフェースを介して受信し、
    前記第１の識別子と通貨受け取り場所の第３の識別子との間の第２の関連付けを、前記ネットワーク通信インタフェースを介して受信し、
    前記受信した前記第１の関連付けおよび前記第２の関連付けの双方を前記データ構造に保存し、
    前記第１の識別子を含む送信メッセージを、前記ネットワーク通信インタフェースを介して受信し、
    前記第１の識別子をインデックスとして使用して、前記第２の識別子または前記第３の識別子の少なくとも一方を前記データ構造から検索し、
    前記ネットワーク通信インタフェースを介し、前記受信した送信メッセージに応じて、前記第２の識別子または前記第３の識別子の前記少なくとも一方を送信する、ように構成されたプロセッサと、を備える通貨追跡システム。
13. 前記印刷カジノ通貨アイテムの識別子は通し番号を含む、請求項１２に記載の通貨追跡システム。
14. 前記通貨受け取り場所の識別子は、通貨受け取り装置または通貨スキャナを特定する、請求項１２に記載の通貨追跡システム。
15. 前記データ構造はさらに、前記印刷カジノ通貨アイテムの識別子を通貨分配場所の識別子と関連付け、
    前記プロセッサはさらに、
    前記第１の識別子と通貨分配場所の第４の識別子との間の第３の関連付けを、前記ネットワーク通信インタフェースを介して受信し、
    前記受信した前記第１の関連付け、前記第２の関連付けおよび前記第３の関連付けを前記データ構造に保存し、
    前記第１の識別子を含む送信メッセージを、前記ネットワーク通信インタフェースを介して受信し、
    前記第１の識別子をインデックスとして使用して、前記第２の識別子、前記第３の識別子または前記第４の識別子の少なくとも１個を前記データ構造から検索し、
    前記ネットワーク通信インタフェースを介し、前記受信した送信メッセージに応じて、前記第２の識別子または前記第３の識別子の前記少なくとも一方を送信する、ように構成された、請求項１２に記載の通貨追跡システム。

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