JP7366278B2 - 圧縮機診断装置 - Google Patents
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Description
本開示は、圧縮機を診断する圧縮機診断装置に関する。
従来、冷媒を圧縮する圧縮機を診断する圧縮機診断装置が知られている。概して、圧縮機の内部の摺動部に異常が生じると、摺動部における摩擦係数が増大する。これにより、圧縮機の駆動トルクが増大する。仮に、全ての運転条件での圧縮機の駆動トルクが、事前に知られていれば、所定の運転条件における駆動トルクを網羅したデータベースを作成することができる。このデータベースと、現在の駆動トルクとが比較され、現在値がデータベースの値よりも大きい場合、圧縮機に異常が発生していると推定される。しかし、圧縮機の駆動トルクは、冷凍サイクルの高圧圧力、低圧圧力、吐出過熱度、吸入過熱度、圧縮機の回転数及び圧縮機の内部に貯留される冷凍機油の量といった複数の因子に影響を受ける。このため、圧縮機の通常使用範囲における駆動トルクを正確に把握しようとすると、20000通り以上の実機試験を行う必要があり、現実性が低い。なお、圧縮機の内部の冷凍機油量と、圧縮機内部の空隙容積の関係により、圧縮機底面から圧縮機内部に貯留する冷凍機油の油面までの距離が決まる。この距離を以下では油面高さとする。
また、圧縮機の駆動トルクを、シミュレーションによって算出しようとすると、上記のとおり、駆動トルクに関係する物理現象が多岐に渡るため、解析することは困難である。例えば、圧縮機がスクロール圧縮機の場合、油面がモータのロータにまで達すると、駆動トルクは20%程度上昇する。しかし、この上昇度合は、冷凍機油への冷媒の溶解度、温度及び圧縮機の回転数の影響を受けるため、極めて複雑である。即ち、事前にデータベースを作成することは困難である。
特許文献1には、圧縮機が使用される冷媒システムの温度情報及び圧力情報に基づいて非故障時の通常の駆動トルクである通常駆動トルクを設定する圧縮機内部状態推定装置が開示されている。特許文献1は、通常駆動トルクと、検出された現在の駆動トルクとを比較して、圧縮機の内部状態を推定する。これにより、特許文献1は、圧縮機の内部において潤滑不良等の異常が発生していることを高精度に推定しようとするものである。
特許文献1に開示された圧縮機内部状態推定装置は、温度情報及び圧力情報に基づいて通常駆動トルクを推定している。しかしながら、温度情報及び圧力情報では、通常駆動トルクを推定する上で不十分である。
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、通常駆動トルクを従来よりも高精度に推定する圧縮機診断装置を提供するものである。
本開示に係る圧縮機診断装置は、冷媒を圧縮する圧縮機に貯留される冷凍機油の量を示す油面高さを検出する油面検出部と、油面検出部によって検出された油面高さに基づいて、圧縮機の通常の駆動トルクである通常駆動トルクを推定する推定部と、推定部によって推定された通常駆動トルクを記憶する記憶部と、圧縮機の現在の駆動トルクと、記憶部に記憶された通常駆動トルクとを比較して、圧縮機を診断する診断部と、を備える。
本開示によれば、油面検出部によって検出された油面高さに基づいて、通常駆動トルクを推定する。油面高さが高くなると、冷凍機油に圧縮機の内部の部品が浸かる。これにより、圧縮機の回転が鈍くなる。従って、駆動トルクが増大する。このように、油面高さに基づいて通常駆動トルクを推定するため、通常駆動トルクを従来よりも高精度に推定することができる。
以下、本開示の圧縮機診断装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本開示は、以下に説明する実施の形態によって限定されるものではない。また、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の説明において、本開示の理解を容易にするために方向を表す用語を適宜用いるが、これは本開示を説明するためのものであって、これらの用語は本開示を限定するものではない。方向を表す用語としては、例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「前」又は「後」等が挙げられる。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る圧縮機診断装置100を示す模式図である。図1に示すように、圧縮機診断装置100は、圧縮機1に接続されており、圧縮機1の異常を診断するものである。
図1は、実施の形態1に係る圧縮機診断装置100を示す模式図である。図1に示すように、圧縮機診断装置100は、圧縮機1に接続されており、圧縮機1の異常を診断するものである。
(冷凍サイクル装置60)
図2は、実施の形態1に係る冷凍サイクル装置60を示す回路図である。冷凍サイクル装置60は、室内の空気を調整する装置であり、図2に示すように、室外機60aと、室内機60bとを備えている。室外機60aには、例えば圧縮機1、流路切替装置63、室外熱交換器64、室外送風機65及び膨張部66が設けられている。室内機60bには、例えば室内熱交換器67及び室内送風機68が設けられている。
図2は、実施の形態1に係る冷凍サイクル装置60を示す回路図である。冷凍サイクル装置60は、室内の空気を調整する装置であり、図2に示すように、室外機60aと、室内機60bとを備えている。室外機60aには、例えば圧縮機1、流路切替装置63、室外熱交換器64、室外送風機65及び膨張部66が設けられている。室内機60bには、例えば室内熱交換器67及び室内送風機68が設けられている。
圧縮機1、流路切替装置63、室外熱交換器64、膨張部66及び室内熱交換器67が冷媒配管62により接続されて冷媒回路61が構成されている。圧縮機1は、低温且つ低圧の状態の冷媒を吸入し、吸入した冷媒を圧縮して高温且つ高圧の状態の冷媒にして吐出するものである。流路切替装置63は、冷媒回路61において冷媒が流れる方向を切り替えるものであり、例えば四方弁である。室外熱交換器64は、例えば室外空気と冷媒との間で熱交換するものである。室外熱交換器64は、冷房運転時には凝縮器として作用し、暖房運転時には蒸発器として作用する。室外送風機65は、室外熱交換器64に室外空気を送る機器である。
膨張部66は、冷媒を減圧して膨張する減圧弁又は膨張弁である。膨張部66は、例えば開度が調整される電子式膨張弁である。室内熱交換器67は、例えば室内空気と冷媒との間で熱交換するものである。室内熱交換器67は、冷房運転時には蒸発器として作用し、暖房運転時には凝縮器として作用する。室内送風機68は、室内熱交換器67に室内空気を送る機器である。なお、冷媒には、フロン、代替フロン又は二酸化炭素等が用いられる。
(運転モード、冷房運転)
次に、冷凍サイクル装置60の運転モードについて説明する。先ず、冷房運転について説明する。冷房運転において、圧縮機1に吸入された冷媒は、圧縮機1によって圧縮されて高温且つ高圧のガス状態で吐出する。圧縮機1から吐出された高温且つ高圧のガス状態の冷媒は、流路切替装置63を通過して、凝縮器として作用する室外熱交換器64に流入し、室外熱交換器64において、室外送風機65によって送られる室外空気と熱交換されて凝縮して液化する。
次に、冷凍サイクル装置60の運転モードについて説明する。先ず、冷房運転について説明する。冷房運転において、圧縮機1に吸入された冷媒は、圧縮機1によって圧縮されて高温且つ高圧のガス状態で吐出する。圧縮機1から吐出された高温且つ高圧のガス状態の冷媒は、流路切替装置63を通過して、凝縮器として作用する室外熱交換器64に流入し、室外熱交換器64において、室外送風機65によって送られる室外空気と熱交換されて凝縮して液化する。
凝縮された液状態の冷媒は、膨張部66に流入し、膨張部66において膨張及び減圧されて低温且つ低圧の気液二相状態の冷媒となる。そして、気液二相状態の冷媒は、蒸発器として作用する室内熱交換器67に流入し、室内熱交換器67において、室内送風機68によって送られる室内空気と熱交換されて蒸発してガス化する。このとき、室内空気が冷やされ、室内において冷房が実施される。蒸発した低温且つ低圧のガス状態の冷媒は、流路切替装置63を通過して、圧縮機1に吸入される。
(運転モード、暖房運転)
次に、暖房運転について説明する。暖房運転において、圧縮機1に吸入された冷媒は、圧縮機1によって圧縮されて高温且つ高圧のガス状態で吐出する。圧縮機1から吐出された高温且つ高圧のガス状態の冷媒は、流路切替装置63を通過して、凝縮器として作用する室内熱交換器67に流入し、室内熱交換器67において、室内送風機68によって送られる室内空気と熱交換されて凝縮して液化する。このとき、室内空気が暖められ、室内において暖房が実施される。
次に、暖房運転について説明する。暖房運転において、圧縮機1に吸入された冷媒は、圧縮機1によって圧縮されて高温且つ高圧のガス状態で吐出する。圧縮機1から吐出された高温且つ高圧のガス状態の冷媒は、流路切替装置63を通過して、凝縮器として作用する室内熱交換器67に流入し、室内熱交換器67において、室内送風機68によって送られる室内空気と熱交換されて凝縮して液化する。このとき、室内空気が暖められ、室内において暖房が実施される。
凝縮された液状態の冷媒は、膨張部66に流入し、膨張部66において膨張及び減圧されて低温且つ低圧の気液二相状態の冷媒となる。そして、気液二相状態の冷媒は、蒸発器として作用する室外熱交換器64に流入し、室外熱交換器64において、室外送風機65によって送られる室外空気と熱交換されて蒸発してガス化する。蒸発した低温且つ低圧のガス状態の冷媒は、流路切替装置63を通過して、圧縮機1に吸入される。
(圧縮機1)
図3は、実施の形態1に係る圧縮機1を示す断面図である。図3に示すように、圧縮機1は、例えば冷凍サイクルを循環する冷媒を吸入して圧縮し、高温且つ高圧の状態にして吐出するものであり、例えばスクロール圧縮機である。圧縮機1は、図3に示すように、シェル2と、油ポンプ3と、モータ4と、圧縮部5と、フレーム6と、軸部7とを有している。更に、圧縮機1は、吸入管11と、吐出管12と、吐出チャンバ13と、マフラー14と、オルダムリング15と、スライダ16と、スリーブ17と、第1のバランサ18と、ロータ保持部材19と、サブフレーム20と、排油パイプ21とを有している。
図3は、実施の形態1に係る圧縮機1を示す断面図である。図3に示すように、圧縮機1は、例えば冷凍サイクルを循環する冷媒を吸入して圧縮し、高温且つ高圧の状態にして吐出するものであり、例えばスクロール圧縮機である。圧縮機1は、図3に示すように、シェル2と、油ポンプ3と、モータ4と、圧縮部5と、フレーム6と、軸部7とを有している。更に、圧縮機1は、吸入管11と、吐出管12と、吐出チャンバ13と、マフラー14と、オルダムリング15と、スライダ16と、スリーブ17と、第1のバランサ18と、ロータ保持部材19と、サブフレーム20と、排油パイプ21とを有している。
シェル2は、圧縮機1の外殻を構成し、下部に油溜り3aが形成されたものである。また、シェル2は、例えば有底円筒状をなしており、ドーム状のアッパーシェル2aによって上部が塞がれている。また、シェル2は、皿状のロアーシェル2bに載置されている。油ポンプ3は、シェル2に収容され、油溜り3aから油を吸い上げるものである。この油ポンプ3は、シェル2の下部に設けられている。そして、油ポンプ3は、油溜り3aから吸い上げた油を、圧縮機1の内部の各軸受部及びオルダムリング15に供給する。この油は、各軸受部及びオルダムリング15を潤滑すると共に冷却する。
モータ4は、シェル2の内部に設けられ、例えばフレーム6とサブフレーム20との間に設置されており、軸部7を回転するものである。モータ4は、ロータ4aとステータ4bとを有している。ロータ4aは、ステータ4bの内周側に設けられており、軸部7に取り付けられている。そして、ロータ4aは、自らが回転することにより、軸部7を回転させるものである。ステータ4bは、インバータ(図示せず)から供給された電力によって、ロータ4aを回転させるものである。
圧縮部5は、シェル2の内部に設けられ、モータ4によって駆動して冷媒を圧縮するものである。圧縮部5は、固定スクロール30と揺動スクロール40とを有している。固定スクロール30は、シェル2の内部に固定されており、圧縮された冷媒を吐出チャンバ13に流出させるものである。
揺動スクロール40は、固定スクロール30に対して公転旋回運動を行い、オルダムリング15によって自転運動が規制されている。固定スクロール30と揺動スクロール40とは、それぞれ互いに向き合った面に渦巻き状の固定ラップ部31とラップ部(図示せず)とが形成された部材であり、固定ラップ部31及びラップ部が噛み合った空間に圧縮室5aが形成されている。揺動スクロール40が軸部7によって揺動運動され、形成された圧縮室5aにおいて冷媒が圧縮される。
フレーム6は、シェル2に固定され、圧縮部5を収容するものであり、例えば主軸受8aを介して軸部7を回転自在に支持している。フレーム6には、吸入ポート6aが形成されており、冷媒は、吸入ポート6aを通って圧縮部5に流入する。軸部7は、フレーム6に支持され、油ポンプ3に吸い上げられた油が流通する油通路7aが内部に形成されており、モータ4と圧縮部5とを接続してモータ4の回転力を圧縮部5に伝達するものである。
吸入管11は、シェル2の側部に設けられており、冷媒をシェル2の内部に吸入する管である。吐出管12は、シェル2の上部に設けられており、冷媒をシェル2の外部に吐出する管である。吐出チャンバ13は、圧縮部5の上部に設けられており、圧縮部5から流入した冷媒を収容するものである。マフラー14は、吐出チャンバ13の上方に設けられており、吐出チャンバ13から吐出された冷媒の脈動を抑えるものである。
オルダムリング15は、揺動スクロール40に取り付けられた環状の部材であり、揺動スクロール40の自転運動を規制するものである。オルダムリング15は、揺動スクロール40のスラスト下面に形成されたオルダム溝(図示せず)に取り付けられている。スライダ16は、軸部7の上部の外周面に取り付けられた筒状の部材であり、揺動スクロール40の下部の内面に位置している。
即ち、揺動スクロール40は、スライダ16を介して軸部7に取り付けられており、軸部7の回転に伴って揺動スクロール40も回転する。なお、揺動スクロール40とスライダ16との間には、揺動軸受8cが設けられている。スリーブ17は、フレーム6と主軸受8aとの間に設けられた筒状の部材であり、フレーム6と主軸受8aとの気密性や、揺動運動を円滑に保つものである。
第1のバランサ18は、軸部7に取り付けられており、フレーム6とロータ4aとの間に位置している。第1のバランサ18は、揺動スクロール40及びスライダ16によって生じるアンバランスを相殺するものである。なお、第1のバランサ18は、バランサカバー18aに収容されている。
サブフレーム20は、シェル2の内部におけるモータ4の下方に設けられ、副軸受8bを介して軸部7を回転自在に支持するものである。排油パイプ21は、フレーム6と揺動スクロール40との間の空間と、フレーム6とサブフレーム20との間の空間とを接続する管である。排油パイプ21は、フレーム6と揺動スクロール40との間の空間に流通する油のうち、過剰な油を、フレーム6とサブフレーム20との間の空間に流出させる。フレーム6とサブフレーム20との間の空間に流出した油は、サブフレーム20を通過して油溜り3aに戻る。
(油面センサ50)
図4は、実施の形態1に係る圧縮機1を示す模式図である。図4に示すように、圧縮機1は、油面センサ50を有している。油面センサ50は、圧縮機1の内部に貯留している冷凍機油の油面を検出する。冷凍機油がモータ4よりも下方に存在する場合、油面センサ50は、モータ4の下方に位置する。このときの油面を第1の油面51と呼称する。冷凍機油がモータ4のロータ4aの高さに存在する場合、油面センサ50は、ロータ4aと同じ高さに位置する。このときの油面を第2の油面52と呼称する。
図4は、実施の形態1に係る圧縮機1を示す模式図である。図4に示すように、圧縮機1は、油面センサ50を有している。油面センサ50は、圧縮機1の内部に貯留している冷凍機油の油面を検出する。冷凍機油がモータ4よりも下方に存在する場合、油面センサ50は、モータ4の下方に位置する。このときの油面を第1の油面51と呼称する。冷凍機油がモータ4のロータ4aの高さに存在する場合、油面センサ50は、ロータ4aと同じ高さに位置する。このときの油面を第2の油面52と呼称する。
(圧縮機診断装置100)
圧縮機診断装置100は、専用のハードウェアに格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ又はプロセッサともいう)で構成される。圧縮機診断装置100が専用のハードウェアである場合、圧縮機診断装置100は、例えば、単一回路、複合回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又は、これらを組み合わせたものが該当する。圧縮機診断装置100が実現する各機能部のそれぞれを、個別のハードウェアで実現してもよいし、各機能部を一つのハードウェアで実現してもよい。
圧縮機診断装置100は、専用のハードウェアに格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ又はプロセッサともいう)で構成される。圧縮機診断装置100が専用のハードウェアである場合、圧縮機診断装置100は、例えば、単一回路、複合回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又は、これらを組み合わせたものが該当する。圧縮機診断装置100が実現する各機能部のそれぞれを、個別のハードウェアで実現してもよいし、各機能部を一つのハードウェアで実現してもよい。
図5は、実施の形態1に係る圧縮機診断装置100を示す機能ブロック図である。図5に示すように、圧縮機診断装置100は、油面検出部101と、推定部102と、記憶部103と、診断部104とを有している。油面検出部101、推定部102、記憶部103及び診断部104は、それぞれ例えばアルゴリズムからなる。
(油面検出部101)
油面検出部101は、圧縮機1に貯留される冷凍機油の量を示す油面高さを検出するものである。油面検出部101は、油面センサ50によって検出された油面の情報を受信する。
油面検出部101は、圧縮機1に貯留される冷凍機油の量を示す油面高さを検出するものである。油面検出部101は、油面センサ50によって検出された油面の情報を受信する。
(推定部102)
推定部102は、油面検出部101によって検出された油面高さに基づいて、圧縮機1の通常の駆動トルクである通常駆動トルクを推定するものである。通常駆動トルクは、圧縮機1が正常に動作している非故障状態の場合の駆動トルクである。推定部102は、冷凍サイクル装置60が据え付けられたのち、例えば1シーズン、通常駆動トルクを推定する。推定部102は、これを駆動トルクの正常値とする。ここで、冷凍サイクル装置60は、据え付けられた状態では、その後原則として動作状態は変化しない。これにより、実機個体の駆動トルクの特性を把握することができる。
推定部102は、油面検出部101によって検出された油面高さに基づいて、圧縮機1の通常の駆動トルクである通常駆動トルクを推定するものである。通常駆動トルクは、圧縮機1が正常に動作している非故障状態の場合の駆動トルクである。推定部102は、冷凍サイクル装置60が据え付けられたのち、例えば1シーズン、通常駆動トルクを推定する。推定部102は、これを駆動トルクの正常値とする。ここで、冷凍サイクル装置60は、据え付けられた状態では、その後原則として動作状態は変化しない。これにより、実機個体の駆動トルクの特性を把握することができる。
図6は、実施の形態1に係る油面高さによる回転数毎のトルクを示すグラフである。図6において、横軸は圧縮機1の回転数[r.p.s]を示し、縦軸は駆動トルク[N・m]を示す。また、油面高さが図4の第1の油面51のときのグラフを実線で示し、油面高さが図4の第2の油面52のときのグラフを破線で示す。図6に示すように、第1の油面51のとき、圧縮機1の回転数が増加すると、駆動トルクは緩やかに上昇する。
これに対し、第2の油面52のとき、圧縮機1の回転数が増加すると、駆動トルクは指数関数的に上昇する。これは、第2の油面52のとき、モータ4のロータ4aが油に浸かるため、ロータ4aが回転する際に抵抗となり、その分を補うために駆動トルクが上昇することによる。このため、推定部102は、油面検出部101によって検出された油面が高いほど、通常駆動トルクが大きいと推定する。
なお、推定部102は、油面高さのほかに、圧縮機1を有する冷媒回路61において、圧縮機1の吐出側の高圧圧力と、圧縮機1の吸入側の低圧圧力と、圧縮機1の吐出側の過熱度と、圧縮機1の吸入側の過熱度と、圧縮機1の回転数と、圧縮機1に流れる電流とのうち少なくとも一つに基づいて、通常駆動トルクを推定する。推定するデータが多いほど、通常駆動トルクの精度が向上する。
(記憶部103)
記憶部103は、推定部102によって推定された通常駆動トルクを記憶するものである。記憶部103は、冷凍サイクル装置60が起動している間、通常駆動トルクを常時記憶する。記憶部103は、ハードディスクとして構成されてもよいし、データを一時的に記憶することができるランダムアクセスメモリ(RAM)等の揮発性記憶部として構成されてもよい。また、記憶部103は、データを長期的に記憶することができるフラッシュメモリ等の不揮発性記憶部として構成されてもよい。
記憶部103は、推定部102によって推定された通常駆動トルクを記憶するものである。記憶部103は、冷凍サイクル装置60が起動している間、通常駆動トルクを常時記憶する。記憶部103は、ハードディスクとして構成されてもよいし、データを一時的に記憶することができるランダムアクセスメモリ(RAM)等の揮発性記憶部として構成されてもよい。また、記憶部103は、データを長期的に記憶することができるフラッシュメモリ等の不揮発性記憶部として構成されてもよい。
圧縮機診断装置100がCPUの場合、圧縮機診断装置100が実行する各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアはプログラムとして記述され、圧縮機診断装置100内の記憶部103に格納される。CPUは、自身の記憶部103に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、各機能を実現する。なお、圧縮機診断装置100の機能の一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしてもよい。また、記憶部103は、圧縮機診断装置100とは別の記憶装置として設けられてもよい。
記憶部103は、前述の如く、推定部102によって推定された通常駆動トルクを記憶するものである。これにより、推定部102は、未収録の運転状態における駆動トルクの正常値を推定することができる。
(診断部104)
診断部104は、圧縮機1の現在の駆動トルクと、記憶部103に記憶された通常駆動トルクとを比較して、圧縮機1を診断するものである。具体的には、診断部104は、現在の駆動トルクと通常駆動トルクとの差がトルク閾値以下の場合、圧縮機1の動作が正常であると判断する。一方、診断部104は、現在の駆動トルクと通常駆動トルクとの差がトルク閾値より大きい場合、圧縮機1の動作が異常であると判断する。なお、圧縮機診断装置100は、例えば油面検出部101を用いて、圧縮機1の現在の駆動トルクを測定する。
診断部104は、圧縮機1の現在の駆動トルクと、記憶部103に記憶された通常駆動トルクとを比較して、圧縮機1を診断するものである。具体的には、診断部104は、現在の駆動トルクと通常駆動トルクとの差がトルク閾値以下の場合、圧縮機1の動作が正常であると判断する。一方、診断部104は、現在の駆動トルクと通常駆動トルクとの差がトルク閾値より大きい場合、圧縮機1の動作が異常であると判断する。なお、圧縮機診断装置100は、例えば油面検出部101を用いて、圧縮機1の現在の駆動トルクを測定する。
診断部104は、圧縮機1の動作が異常である場合、冷凍サイクル装置60に設けられた表示装置(図示せず)又はスピーカ(図示せず)に、圧縮機1の動作が異常であることを報知させてもよい。これにより、管理者は、圧縮機1に異常が発生していることを認識する。
(圧縮機診断装置100の動作)
図7は、実施の形態1に係る圧縮機診断装置100の動作を示すフローチャートである。次に、圧縮機診断装置100の動作について説明する。図7に示すように、先ず、油面検出部101が、圧縮機1に貯留される冷凍機油の油面高さを検出する(ステップST1)。次に、推定部102が、油面検出部101によって検出された油面高さに基づいて、圧縮機1の通常の駆動トルクである通常駆動トルクを推定する(ステップST2)。記憶部103は、推定部102によって推定された通常駆動トルクを常時記憶する(ステップST3)。
図7は、実施の形態1に係る圧縮機診断装置100の動作を示すフローチャートである。次に、圧縮機診断装置100の動作について説明する。図7に示すように、先ず、油面検出部101が、圧縮機1に貯留される冷凍機油の油面高さを検出する(ステップST1)。次に、推定部102が、油面検出部101によって検出された油面高さに基づいて、圧縮機1の通常の駆動トルクである通常駆動トルクを推定する(ステップST2)。記憶部103は、推定部102によって推定された通常駆動トルクを常時記憶する(ステップST3)。
そして、診断部104は、圧縮機1の現在の駆動トルクと、記憶部103に記憶された通常駆動トルクとを比較して、診断部104は、現在の駆動トルクと通常駆動トルクとの差がトルク閾値より大きいかを判定する(ステップST4)。現在の駆動トルクと通常駆動トルクとの差がトルク閾値以下の場合(ステップST4のNO)、診断部104は圧縮機1の動作が正常であると判断し、ステップST1に戻る。一方、現在の駆動トルクと通常駆動トルクとの差がトルク閾値より大きい場合(ステップST4のYES)、診断部104は圧縮機1の動作が異常であると判断する(ステップST5)。これにより、制御が終了する。
本実施の形態1によれば、油面検出部101によって検出された油面高さに基づいて、通常駆動トルクを推定する。油面が高くなると、冷凍機油に圧縮機1の内部の部品が浸かる。これにより、圧縮機1の回転が鈍くなる。従って、駆動トルクが増大する。このように、油面高さに基づいて通常駆動トルクを推定するため、通常駆動トルクを高精度に推定することができる。
油面高さは、圧縮機1の外部から間接的に計測することはできない。このため、従来、圧縮機1の回転数に基づいて、圧縮機1の駆動トルクを推定して、駆動トルクを随時学習する技術が提案されている。しかし、油面高さが駆動トルクに与える影響は顕著であるため、油面高さを考慮せずに駆動トルクを学習しようとすると、実機の駆動トルクとの間で誤差が生じるおそれがある。これに対し、本実施の形態1は、油面高さに基づいて、通常駆動トルクを推定する。このため、通常駆動トルクを高精度に推定することができる。
1 圧縮機、2 シェル、2a アッパーシェル、2b ロアーシェル、3 油ポンプ、3a 油溜り、4 モータ、4a ロータ、4b ステータ、5 圧縮部、5a 圧縮室、6 フレーム、6a 吸入ポート、7 軸部、7a 油通路、8a 主軸受、8b 副軸受、8c 揺動軸受、11 吸入管、12 吐出管、13 吐出チャンバ、14 マフラー、15 オルダムリング、16 スライダ、17 スリーブ、18 第1のバランサ、18a バランサカバー、19 ロータ保持部材、20 サブフレーム、21 排油パイプ、30 固定スクロール、31 固定ラップ部、40 揺動スクロール、50 油面センサ、51 第1の油面、52 第2の油面、60 冷凍サイクル装置、60a 室外機、60b 室内機、61 冷媒回路、62 冷媒配管、63 流路切替装置、64 室外熱交換器、65 室外送風機、66 膨張部、67 室内熱交換器、68 室内送風機、100 圧縮機診断装置、101 油面検出部、102 推定部、103 記憶部、104 診断部。
Claims (4)
- 冷媒を圧縮する圧縮機に貯留される冷凍機油の量を示す油面高さを検出する油面検出部と、
前記油面検出部によって検出された油面高さに基づいて、前記圧縮機の通常の駆動トルクである通常駆動トルクを推定する推定部と、
前記推定部によって推定された通常駆動トルクを記憶する記憶部と、
前記圧縮機の現在の駆動トルクと、前記記憶部に記憶された通常駆動トルクとを比較して、前記圧縮機を診断する診断部と、
を備える圧縮機診断装置。 - 前記推定部は、
前記油面検出部によって検出された油面高さが高いほど、前記通常駆動トルクが大きいと推定する
請求項1記載の圧縮機診断装置。 - 前記推定部は、
前記圧縮機を有する冷媒回路において、前記圧縮機の吐出側の高圧圧力と、前記圧縮機の吸入側の低圧圧力と、前記圧縮機の吐出側の過熱度と、前記圧縮機の吸入側の過熱度と、前記圧縮機の回転数と、前記圧縮機に流れる電流とのうち少なくとも一つに基づいて、通常駆動トルクを推定する
請求項1又は2記載の圧縮機診断装置。 - 前記診断部は、
現在の駆動トルクと前記記憶部に記憶された通常駆動トルクとの差がトルク閾値より大きい場合、前記圧縮機が異常であると判断する
請求項1~3のいずれか1項に記載の圧縮機診断装置。
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WO (1) | WO2022049731A1 (ja) |
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JP4023249B2 (ja) * | 2002-07-25 | 2007-12-19 | ダイキン工業株式会社 | 圧縮機内部状態推定装置及び空気調和装置 |
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- 2020-09-04 WO PCT/JP2020/033625 patent/WO2022049731A1/ja active Application Filing
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