JP7362997B2 - タービンブレードおよびこれを含むタービン - Google Patents

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Description

本発明は、タービンブレードおよびこれを含むタービンに関し、より詳しくは、冷却ホールが形成されたタービンブレードおよびこれを含むタービンに関する。
ガスタービンは、圧縮機で圧縮された圧縮空気と燃料とを混合して燃焼させ、燃焼で発生した高温のガスでタービンを回転させる動力機関である。ガスタービンは、発電機、航空機、船舶、列車などを駆動するのに用いられる。
一般的に、ガスタービンは、圧縮機と、燃焼器と、タービンとを含む。圧縮機は、外部の空気を吸入して圧縮した後、燃焼器に伝達する。圧縮機で圧縮された空気は高圧および高温の状態になる。燃焼器は、圧縮機から流入した圧縮空気と燃料とを混合して燃焼させる。燃焼によって発生した燃焼ガスはタービンに排出される。燃焼ガスによってタービン内部のタービンブレードが回転し、これにより動力が発生する。発生した動力は、発電、機械装置の駆動など多様な分野に使用される。
最近は、タービンの効率を増加させるために、タービンに流入するガスの温度(Turbine Inlet Temperature:TIT)が持続的に上昇する傾向にあるが、これによって、タービンブレードの耐熱処理および冷却の重要性が浮かび上がっている。
タービンブレードを冷却するための方法には、膜冷却方式がある。膜冷却方式は、タービンブレードに形成された膜冷却ホールによって行われる。膜冷却ホールの形状には、代表的に、ホールの入口と出口の面積が等しい円形ホールがある。円形ホールの場合、ホールの出口での噴射速度が速くて、冷却流体がタービンブレードの表面を覆えないことがある。この場合、冷却流体が燃焼ガスの流動を突き抜けて膜冷却効率が減少しうる。
上記の技術的背景に基づき、本発明は、冷却効率が向上したタービンブレードおよびこれを含むタービンを提供する。
本発明の実施形態に係るタービンブレードは、エアホイルと、冷却ホールとを含む。エアホイルは、リーディングエッジおよびトレーリングエッジが形成され、内部に冷却流体の流動する冷却流路が形成される。冷却ホールは、エアホイルにおいて冷却流路と外部とを連通させ、入口および出口が形成される。冷却ホールは、出口に、拡張部が形成され、拡張部からトレーリングエッジに向かって陥没した凹溝部が形成される。
本発明の一実施形態に係るタービンブレードの冷却ホールは、出口の断面積が入口の断面積より大きく形成される。
本発明の一実施形態に係るタービンブレードは、拡張部と凹溝部との境界部分に一定の曲率半径を有する曲線部が形成される。
本発明の一実施形態に係るタービンブレードの拡張部は、略四角形状に形成される。
本発明の一実施形態に係るタービンブレードの凹溝部は、略四角形状に形成される。
本発明の一実施形態に係るタービンブレードの拡張部は、リーディングエッジとトレーリングエッジとを結ぶ直線と並ぶ方向が第1方向の時、第1方向への幅である第1-1幅が少なくとも一部の区間で一定に維持されるように形成される。
本発明の一実施形態に係るタービンブレードの第1-1幅は、入口の内径より小さいか、等しく形成される。
本発明の一実施形態に係るタービンブレードの拡張部は、タービンブレードの回転半径方向が第2方向の時、第2方向への幅である第1-2幅が入口の内径より4倍以上大きく形成される。
本発明の一実施形態に係るタービンブレードの凹溝部は、第2方向への幅が第2-2幅であり、第1-2幅は、入口の内径と第2-2幅との合計より大きく形成される。
本発明の一実施形態に係るタービンブレードの凹溝部は、第1凹溝部および第2凹溝部を含み、第1凹溝部は、拡張部からトレーリングエッジに向かって陥没形成され、第2凹溝部は、第1凹溝部からトレーリングエッジに向かって陥没形成される。
本発明の一実施形態に係るタービンブレードは、タービンブレードの回転半径方向が第2方向の時、凹溝部は、第2方向への幅が第2-2幅であり、曲線部は、2つが離隔して形成され、それぞれの曲線部間の中心間隔は、第2-2幅より大きく形成される。
本発明の実施形態に係るタービンは、タービンロータディスクと、タービンブレードと、タービンベーンとを含む。タービンロータディスクは、回転可能に配置される。タービンブレードは、タービンロータディスクに複数個配置される。タービンベーンは、複数個が固定配置される。タービンブレードは、エアホイルと、冷却ホールとを含む。エアホイルは、リーディングエッジおよびトレーリングエッジが形成され、内部に冷却流体の流動する冷却流路が形成される。冷却ホールは、エアホイルにおいて冷却流路と外部とを連通させ、入口および出口が形成される。冷却ホールは、出口に、拡張部と、拡張部からトレーリングエッジに向かって陥没した凹溝部とが形成される。
本発明の一実施形態に係るタービンは、拡張部と凹溝部との境界部分に一定の曲率半径を有する曲線部が形成される。
本発明の一実施形態に係るタービンの拡張部は、略四角形状に形成される。
本発明の一実施形態に係るタービンの凹溝部は、略四角形状に形成される。
本発明の一実施形態に係るタービンの拡張部は、リーディングエッジとトレーリングエッジとを結ぶ直線と並ぶ方向が第1方向の時、第1方向への幅である第1-1幅が少なくとも一部の区間で一定に維持されるように形成される。
本発明の一実施形態に係るタービンの第1-1幅は、入口の内径より小さいか、等しく形成される。
本発明の一実施形態に係るタービンの拡張部は、タービンブレードの回転半径方向が第2方向の時、第2方向への幅である第1-2幅が入口の内径より大きく形成される。
本発明の一実施形態に係るタービンの凹溝部は、第2方向への幅が第2-2幅であり、第1-2幅は、入口の内径と第2-2幅との合計より大きく形成される。
本発明の一実施形態に係るタービンは、タービンブレードの回転半径方向が第2方向の時、凹溝部は、第2方向への幅が第2-2幅であり、曲線部は、2つが離隔して形成され、それぞれの曲線部間の中心間隔は、第2-2幅より大きく形成される。
本発明によるタービンブレードおよびこれを含むタービンは、拡張部と、凹溝部とを含む冷却ホールが形成されて、冷却効率が向上するという効果がある。
本発明の一実施形態に係るガスタービンの内部の様子を示す斜視図である。 図1のガスタービンの一部を切開して示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るタービンブレードを示す図である。 本発明の一実施形態に係る冷却ホールを示す図である。 図4の冷却ホールの出口を示す図である。 本発明の一実施形態に係る冷却ホールから吐出される冷却流体の流動を、従来の場合と比較して示す図である。 第1-1幅の大きさに応じた冷却効率を比較して示すグラフである。 第1-2幅の大きさに応じた冷却効率を比較して示すグラフである。 第2-2幅の大きさに応じた冷却効率を比較して示すグラフである。 第2-1幅の大きさに応じた冷却効率を比較して示すグラフである。 曲線部の中心間隔に応じた冷却効率を比較して示すグラフである。 本発明の他の実施形態に係る冷却ホールの出口を示す図である。
本発明は多様な変換が加えられて様々な実施例を有し得るが、特定の実施例を例示して詳細な説明に詳しく説明する。しかし、これは本発明を特定の実施形態について限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるあらゆる変換、均等物乃至代替物を含むことが理解されなければならない。
本発明で使った用語は単に特定の実施例を説明するために使われたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なって意味しない限り、複数の表現を含む。本発明において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないことが理解されなければならない。
以下、添付した図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳しく説明する。この時、添付した図面において、同一の構成要素はできるだけ同一の符号で表していることに留意する。また、本発明の要旨をあいまいにしうる公知の機能および構成に関する詳細な説明は省略する。同様の理由から、添付図面において、一部の構成要素は誇張または省略されるか、概略的に示された。
以下、添付した図面を参照して、本発明に係るタービンブレードおよびこれを含むタービンについて詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るガスタービンの内部の様子を示す斜視図であり、図2は、図1のガスタービンの一部を切開して示す断面図であり、図3は、本発明の一実施形態に係るタービンブレードを示す図であり、図4は、本発明の一実施形態に係る冷却ホールを示す図であり、図5は、図4の冷却ホールの出口を示す図であり、図6は、本発明の一実施形態に係る冷却ホールから吐出される冷却流体の流動を、従来の場合と比較して示す図である。
以下、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係るガスタービン1000について説明する。本発明の第1実施形態に係るガスタービン1000の熱力学的サイクルは、理想的にはブレイトンサイクル(Brayton cycle)によることができる。ブレイトンサイクルは、等エントロピー圧縮(断熱圧縮)、定圧給熱、等エントロピー膨張(断熱膨張)、定圧放熱につながる4つの過程からなる。すなわち、大気の空気を吸入して高圧に圧縮した後、定圧環境で燃料を燃焼して熱エネルギーを放出し、この高温の燃焼ガスを膨張させて運動エネルギーに変換させた後に、残留エネルギーを含む排気ガスを大気中に放出することができる。すなわち、圧縮、加熱、膨張、放熱の4過程でサイクルが行われる。
このようなブレイトンサイクルを実現するガスタービン1000は、図1に示されるように、圧縮機1100と、燃焼器1200と、タービン1300とを含むことができる。以下の説明は図1を参照するが、本発明の説明は、図1に例示的に示されたガスタービン1000と同等の構成を有するタービン機関に対しても幅広く適用可能である。
図1を参照すれば、ガスタービン1000の圧縮機1100は、外部から空気を吸入して圧縮することができる。圧縮機1100は、圧縮機ブレード1130によって圧縮された圧縮空気を燃焼器1200に供給し、また、ガスタービン1000で冷却が必要な高温領域に冷却用空気を供給することができる。この時、吸入された空気は圧縮機1100で断熱圧縮過程を経るので、圧縮機1100を通過した空気の圧力と温度は上昇する。
圧縮機1100は、遠心圧縮機(centrifugal compressors)や軸流圧縮機(axial compressor)で設計されるが、小型ガスタービンでは遠心圧縮機が適用されるのに対し、図1に示されるような大型ガスタービン1000は、大量の空気を圧縮しなければならないため、多段軸流圧縮機1100が適用されることが一般的である。この時、多段軸流圧縮機1100では、圧縮機1100のブレード1130は、センタータイロッド1120とロータディスクの回転により回転して、流入した空気を圧縮しながら圧縮された空気を後段の圧縮機ベーン1140に移動させる。空気は多段に形成されたブレード1130を通過しながら次第により高圧に圧縮される。
圧縮機ベーン1140は、ハウジング1150の内部に装着され、複数の圧縮機ベーン1140が段を形成して装着できる。圧縮機ベーン1140は、前段の圧縮機ブレード1130から移動した圧縮空気を後段のブレード1130側に案内する。一実施形態において、複数の圧縮機ベーン1140の少なくとも一部は、空気の流入量の調節などのために定められた範囲内で回転可能に装着できる。
圧縮機1100は、タービン1300から出力される動力の一部を用いて駆動できる。このために、図1に示されるように、圧縮機1100の回転軸とタービン1300の回転軸とは、トルクチューブ1170によって直結できる。大型ガスタービン1000の場合、タービン1300で生産される出力のほぼ半分程度が圧縮機1100を駆動させるのに費やされる。
一方、燃焼器1200は、圧縮機1100の出口から供給される圧縮空気を燃料と混合して、等圧燃焼させて高いエネルギーの燃焼ガスを作ることができる。燃焼器1200では、流入した圧縮空気を燃料と混合、燃焼させて高いエネルギーの高温、高圧の燃焼ガスを作り、等圧燃焼過程で燃焼器およびタービン部品が耐えられる耐熱限度まで燃焼ガス温度を上昇させる。
燃焼器1200は、セル状に形成されるハウジング内に複数配列され、燃料噴射ノズルなどを含むバーナ(Burner)と、燃焼室を形成する燃焼器ライナ(Combustor Liner)と、燃焼器とタービンとの連結部になるトランジションピース(Transition Piece)とを含んで構成される。
一方、燃焼器1200から出た高温、高圧の燃焼ガスはタービン1300に供給される。供給された高温高圧の燃焼ガスが膨張しながらタービン1300のタービンブレード1400に衝動、反動力を与えて回転トルクがもたらされ、このように得られた回転トルクは上述したトルクチューブ1170を経て圧縮機1100に伝達され、圧縮機1100の駆動に必要な動力を超える動力は発電機などを駆動するのに用いられる。
タービン1300は、ロータディスク1310と、ロータディスク1310に放射状に配置される複数のタービンブレード1400と、タービンベーン1500とを含む。ロータディスク1310は、略円板形状を有しており、その外周部には複数の溝が形成されている。溝は屈曲面を有するように形成され、溝にタービンブレード1400が挿入される。タービンブレード1400は、ダブテールなどの方式でロータディスク1310に結合できる。タービンベーン1500は、回転しないように固定され、タービンブレード1400を通過した燃焼ガスの流れ方向を案内する。
以下、図3~図5を参照して、本発明の一実施形態に係るタービンブレード1400およびこれを含むタービン1300についてより詳しく説明する。本発明の一実施形態に係るタービンブレードは、エアホイル1410と、冷却ホール1440とを含む。
エアホイル1410の横断面が翼型であり、半径方向を縦方向にして長く延びて形成される。エアホイル1410には燃焼ガスの流動が通過できる。エアホイル1410には、リーディングエッジ1411と、トレーリングエッジ1412と、圧力面1413と、吸入面1414とが形成される。エアホイル1410において、リーディングエッジ1411は、燃焼ガス流動の上流側に形成され、トレーリングエッジ1412は、燃焼ガス流動の下流側に形成される。圧力面1413と吸入面1414は、リーディングエッジ1411とトレーリングエッジ1412との間に形成される。圧力面1413は、エアホイル1410で凹んで形成される。吸入面1414は、圧力面1413の背面で膨らんで形成される。圧力面1413と吸入面1414とでの圧力の差によって、タービンブレード1400は回転可能である。
タービンブレード1400は、プラットフォーム1420と、ルート1430とを含むことができる。プラットフォーム1420は、エアホイル1410の半径方向内側端部に配置される。プラットフォーム1420は、略厚さを有する四角プレート形状に形成される。プラットフォーム1420は、エアホイル1410を支持することができる。プラットフォーム1420は、複数のタービンブレード1400間の間隔を維持させることができる。
ルート1430は、プラットフォーム1420の半径方向内側に配置される。ルート1430は、ロータディスク1310に固定結合される。タービンブレード1400のルート1430は、複数個がロータディスク1310に放射状に配置される。これにより、ロータディスク1310が回転する時、ルート1430も共に回転可能である。ルート1430は、モミ形状またはダブテール形状に形成される。
エアホイル1410の内部には、冷却流体Fの流動する冷却流路CSが形成される。冷却流体Fは、圧縮機1100で圧縮された空気であってもよい。冷却流路CSは、ルート1430とプラットフォーム1420を順次に通過して、エアホイル1410に至るように形成される。この場合、冷却流体Fは、ルート1430を通してエアホイル1410に流入できる。
エアホイル1410には冷却流路CSと外部とを連通させ、入口および出口Oが形成された冷却ホール1440が形成される。冷却ホール1440は、エアホイル1410の側壁に形成される。冷却ホール1440は、少なくとも1つ以上備えられる。冷却ホール1440の入口は、内径がDの円形に形成される。冷却ホール1440は、入口から出口Oに向かって一定の区間で内径がDの管状に形成される。冷却ホール1440は、内径がDで一定の区間を経て、出口Oまで縦断面積が拡張される区間を含むことができる。出口Oの断面積は、入口の断面積より大きく形成される。この場合、冷却流体Fの出口Oでの流速が減少して、冷却流体Fがタービンブレード1400の表面にさらに多く付着可能であり、キドニー渦流の発生を低減できるというメリットがある。
冷却ホール1440は、エアホイル1410の表面を基準に全体的に、傾斜して配置される。例えば、冷却ホール1440は、入口から出口Oへ向かうほど、トレーリングエッジ1412に向かうように傾斜して形成される。
以下、タービンブレード1400の回転軸と並ぶ方向、またはリーディングエッジ1411とトレーリングエッジ1412とを結ぶ直線と並ぶ方向を第1方向A1とし、第1方向A1と垂直な方向を第2方向A2として定義する。
冷却ホール1440の出口Oは、拡張部1441と、凹溝部1442とを含むことができる。拡張部1441は、略四角形状であってもよい。拡張部1441は、角張った四角形状であってもよく、頂点部分が曲線に形成された四角形状であってもよい。拡張部1441は、略長方形状であってもよく、場合によって、平行四辺形、台形のような形状に形成されてもよい。拡張部1441の具体的な形状は、タービンブレード1400の運転条件および環境に応じて最適化できることはもちろんである。
拡張部1441は、少なくとも一部の区間で第1方向A1への幅である第1-1幅W1-1が一定に維持されるように形成される。拡張部1441は、少なくとも一部の区間で第1-1幅W1-1が一定に維持されたまま、第2方向A2に長く延びて形成されてもよい。拡張部1441は、第1-1幅W1-1と、第2方向A2への幅である第1-2幅W1-2とを有する四角形状に形成されてもよい。拡張部1441の第1-1幅W1-1は、入口の内径Dより小さいか、等しい大きさに形成される。このように、第1-1幅W1-1が一定の区間では、拡張部1441において冷却流体Fが第2方向A2の地点ごとに均一な量で吐出可能である。
凹溝部1442は、拡張部1441のトレーリングエッジ1412側の周縁で陥没して形成される。凹溝部1442は、トレーリングエッジ1412に向かって陥没して形成される。凹溝部1442は、拡張部1441からトレーリングエッジ1412に向かって端部が尖ったように陥没して形成されてもよく、端部が曲線状に丸く形成されてもよい。また、凹溝部1442は、略四角形の形状に形成されてもよい。この場合、凹溝部1442は、第1方向A1への幅である第2-1幅W2-1と、第2方向A2への幅である第2-2幅W2-2とを有する四角形状に形成されてもよい。凹溝部1442の具体的な形状は、タービンブレード1400の運転条件および環境に応じて最適化できることはもちろんである。
拡張部1441と凹溝部1442との境界部分には曲線部1443が形成される。曲線部1443は、拡張部1441と凹溝部1442との出会う角部分で形成される。曲線部1443は、冷却ホール1440の出口Oの外側に曲率中心が配置され、一定の曲率半径を有する曲線の形状に形成される。曲線部1443は、2つの曲線部1443が互いに離隔したまま形成される。2つの曲線部1443は、それぞれの曲率中心の間に間隔Rが形成され、これを中心間隔Rという。曲線部1443は、拡張部1441と凹溝部1442で渦流が形成されるのを防止して、冷却流体Fが円滑に吐出できるようにする。
図6を参照して、本発明の一実施形態に係る冷却ホール1440での流動をより詳しく説明する。図6は、冷却流体Fが流動する冷却ホール1440の側端面を、従来の場合と、本発明の一実施形態による場合とに分けて示す図である。図6には温度分布が示されている。温度分布は、流体の温度がT、燃焼ガスの入口流動の温度がTH、冷却流体Fの出口流動の温度がTcの時、(TH-T)/(TH-Tc)のパラメータで表すことができる。
凹溝部1442から吐出される冷却流体Fの流動は、拡張部1441から吐出される冷却流体Fの流動より、エアホイル1410の表面においてトレーリングエッジ1412に向かってさらに長く付着して形成される。凹溝部1442から吐出される冷却流体Fは、拡張部1441から吐出される冷却流体Fの流動をトレーリングエッジ1412に向かって誘導することができる。これにより、従来の場合(図6の(a))より、冷却流体Fの流動がエアホイル1410の表面に付着したままさらに遠く伸びていくことが分かる(図6の(b))。
図7は、第1-1幅の大きさに応じた冷却効率を比較して示すグラフであり、図8は、第1-2幅の大きさに応じた冷却効率を比較して示すグラフであり、図9は、第2-2幅の大きさに応じた冷却効率を比較して示すグラフであり、図10は、第2-1幅の大きさに応じた冷却効率を比較して示すグラフであり、図11は、曲線部の中心間隔に応じた冷却効率を比較して示すグラフである。
以下、図7~図11を参照して、本発明の一実施形態に係る冷却ホール1440および冷却ホール1440の形状によるタービンブレード1400の冷却効率について詳しく説明する。
以下のグラフは、噴射比率(Blowing Ratio、以下、BR)が2の場合を条件として測定したものである。噴射比率BRは、タービンブレード1400での単位面積あたりの燃焼ガスの質量流量に対する、冷却ホール1440での単位面積あたりの冷却流体Fの質量流量の比率で定義される。すなわち、タービンブレード1400での燃焼ガスの流速と密度がそれぞれVHとDHであり、冷却ホール1440での冷却流体Fの流速と密度がそれぞれVcとDcである場合、噴射比率BRは、(Vc*Dc)/(VH*DH)で定義される。
また、以下のグラフで示された冷却効率(Area-averaged film cooling effectiveness)は、(T-TH)/(Tc-TH)で定義される。この時、THは、燃焼ガス流動の入口の温度であり、Tcは、冷却流体F流動の出口Oの温度であり、Tは、断熱壁面の温度である。
図7は、入口の内径D、第1-2幅W1-2、第2-1幅W2-1、第2-2幅W2-2が一定の時、第1-1幅W1-1の変化に応じた冷却効率を比較して示す図である。第1-1幅W1-1が入口の内径Dより大きい場合には、冷却効率が0.25より小さく測定された。これに対し、第1-1幅W1-1が入口の内径Dの半分の場合、冷却効率が0.4に近接した値で測定された。すなわち、第1-1幅W1-1が入口の内径Dの以下の場合、冷却効率が極大化されることが分かる。これは、冷却流体Fの、拡張部1441での流動と、凹溝部1442での流動との相互作用によるものである。
図8は、入口の内径D、第1-1幅W1-1、第2-1幅W2-1、第2-2幅W2-2が一定の時、第1-2幅W1-2の変化に応じた冷却効率を比較して示す図である。第1-2幅W1-2が入口の内径Dの3倍または4倍の場合には、冷却効率が0.25より小さく測定された。これに対し、入口の内径Dの5倍の場合には、冷却効率が0.30に近接した値で測定された。したがって、第1-2幅W1-2が入口の内径Dの4倍より大きい場合、冷却効率が増加することが分かる。
さらに具体的には、第1-2幅W1-2が入口の内径Dの4.5倍より大きく、5.95より小さい場合、冷却効率が極大化されることが測定された。これは、冷却流体Fの、拡張部1441での流動と、凹溝部1442での流動との相互作用によるものである。
図9は、入口の内径D、第1-1幅W1-1、第1-2幅W1-2、第2-1幅W2-1が一定の時、第2-2幅W2-2の変化に応じた冷却効率を比較して示す図である。第2-2幅W2-2が入口の内径Dに等しい場合、冷却効率は0.20に近接し、第2-2幅W2-2が入口の内径Dの2倍の場合、冷却効率は0.25に及ばないものと測定された。これに対し、第2-2幅W2-2が入口の内径Dの3倍の場合、冷却効率が0.25を超えて0.30に近接する値で測定された。
具体的には、第1-2幅W1-2の長さが第2-2幅W2-2と入口の内径Dとの合計より大きい場合に、冷却効率が極大化された。ただし、第1-2幅W1-2の長さが第2-2幅W2-2と入口の内径Dの2倍との合計以上の場合には、冷却効率が増加しなかった。これは、冷却流体Fの、拡張部1441での流動と、凹溝部1442での流動との相互作用によるものである。
図10は、入口の内径D、第1-1幅W1-1、第1-2幅W1-2、第2-2幅W2-2が一定の時、第2-1幅W2-1の変化に応じた冷却効率を比較して示す図である。第2-1幅W2-1が入口の内径Dの1.5倍または2.0倍の場合、冷却効率は0.25より小さく測定された。これに対し、第2-1幅W2-1が入口の内径Dに等しい場合、冷却効率が0.25より高く測定された。したがって、第2-1幅W2-1が入口の内径Dの1.5倍より小さい場合、冷却効率が極大化されることが分かる。
これは、冷却流体Fの、拡張部1441での流動と、凹溝部1442での流動との相互作用によるものである。ただし、冷却ホール1440の出口Oに曲線部1443が形成される場合、曲線部1443の曲率半径を考慮して、第2-1幅W2-1は、入口の内径Dの0.5倍よりは大きく形成される。
図11は、第1-2幅W1-2が入口の内径Dの4倍であり、第2-2幅W2-2が入口の内径Dの2倍であり、第1-1幅W1-1が入口の内径Dに等しく、第2-1幅W2-1が入口の内径Dの1.5倍である場合、曲線部1443の間隔変化に応じた冷却効率を比較して示す図である。曲線部1443の間隔Rは、2つの曲線部1443においてそれぞれの曲率中心間の間隔である中心間隔Rを意味する。中心間隔Rの大きさが第2-2幅W2-2に等しい場合、冷却効率は0.25より低く測定された。中心間隔Rの大きさが第2-2幅W2-2と入口の内径Dの0.5倍との合計に等しい場合、冷却効率は0.25に近接して測定された。そして、中心間隔Rが第2-2幅W2-2と入口の内径Dとの合計に等しい場合、冷却効率は0.25より高く測定された。
すなわち、曲線部1443が形成された場合が、曲線部1443が形成されていない場合より冷却効率が高く測定され、曲線部1443の中心間隔Rは、第2-2幅W2-2と入口の内径Dとの合計に等しい場合、高い冷却効率を有することが分かる。これは、曲線部1443が拡張部1441と凹溝部1442で発生しうる渦流の形成を防止したためである。
図12は、本発明の他の実施形態に係るタービンブレードの冷却ホールの出口を示す図である。
以下、図12を参照して、本発明の他の実施形態に係るタービンブレード1400の冷却ホール1440について説明する。本発明の他の実施形態に係る冷却ホール1440は、凹溝部1442が第1凹溝部1444および第2凹溝部1445を含むことができる。
凹溝部1442が第1凹溝部1444および第2凹溝部1445を含む場合、拡張部1441から吐出される冷却流体Fが、第1凹溝部1444から吐出される冷却流体Fによって案内される。そして、第1凹溝部1444から吐出される冷却流体Fは、第2凹溝部1445から吐出される冷却流体Fによって案内される。すなわち、拡張部1441と凹溝部1442から吐出される冷却流体F間の相互作用がさらに緊密に形成可能で、冷却効率がさらに極大化できるというメリットがある。
図12では、冷却ホール1440の凹溝部1442が第1凹溝部1444および第2凹溝部1445で備えられたことを示しているが、場合によって、第n凹溝部から陥没形成された第n+1凹溝部が追加的に形成されてもよい(nは、2以上の自然数)。
以上、本発明の一実施例について説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想を逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除または追加などによって本発明を多様に修正および変更させることができ、このような修正、変更も本発明の権利範囲内に含まれる。
1400:タービンブレード
1410:エアホイル
1411:リーディングエッジ
1412:トレーリングエッジ
1413:圧力面
1414:吸入面
1420:プラットフォーム
1430:ルート
1440:冷却ホール
1441:拡張部
1442:凹溝部
1443:曲線部
1444:第1凹溝部
1445:第2凹溝部
W1-1:第1-1幅
W1-2:第1-2幅
W2-1:第2-1幅
W2-2:第2-2幅
R:中心間隔

Claims (21)

  1. リーディングエッジおよびトレーリングエッジが形成され、内部に冷却流体の流動する冷却流路が形成されたエアホイルと、
    前記エアホイルにおいて前記冷却流路と外部とを連通させ、入口および出口が形成された冷却ホールとを含み、
    前記冷却ホールは、前記出口に、
    拡張部と、前記拡張部から前記トレーリングエッジに向かって陥没した凹溝部とが形成され
    前記拡張部は、
    前記リーディングエッジと前記トレーリングエッジとを結ぶ直線と並ぶ方向が第1方向の時、前記第1方向への幅である第1-1幅が少なくとも一部の区間で一定に維持されるように形成され、
    前記第1-1幅は、前記入口の内径より小さい、タービンブレード。
  2. 前記冷却ホールは、
    前記出口の断面積が前記入口の断面積より大きく形成される、請求項1に記載のタービンブレード。
  3. 前記拡張部と前記凹溝部との境界部分に一定の曲率半径を有する曲線部が形成された、請求項1に記載のタービンブレード。
  4. 前記拡張部は、
    略四角形状に形成される、請求項1に記載のタービンブレード。
  5. 前記凹溝部は、
    略四角形状に形成される、請求項1に記載のタービンブレード。
  6. 前記拡張部は、
    前記タービンブレードの回転半径方向が第2方向の時、前記第2方向への幅である第1-2幅が前記入口の前記内径より4倍以上大きく形成される、請求項1から5のいずれか一項に記載のタービンブレード。
  7. 前記第1-2幅は、前記入口の前記内径の4.5倍より大きく、前記入口の前記内径の5.95倍より小さく形成される、請求項6に記載のタービンブレード。
  8. 前記凹溝部は、
    前記第2方向への幅が第2-2幅であり、
    前記第1-2幅は、
    前記入口の前記内径と前記第2-2幅との合計より大きく形成される、請求項に記載のタービンブレード。
  9. 前記凹溝部は、
    前記第1方向への幅が第2-1幅であり、
    前記第2-1幅は、前記入口の前記内径の1.5倍より小さく形成される、請求項1から5のいずれか一項に記載のタービンブレード。
  10. 前記第2-1幅は、前記入口の前記内径の0.5倍より大きく形成される、請求項9に記載のタービンブレード。
  11. 前記凹溝部は、第1凹溝部および第2凹溝部を含み、
    前記第1凹溝部は、前記拡張部から前記トレーリングエッジに向かって陥没形成され、
    前記第2凹溝部は、前記第1凹溝部から前記トレーリングエッジに向かって陥没形成される、請求項1から5のいずれか一項に記載のタービンブレード。
  12. 前記タービンブレードの回転半径方向が第2方向の時、前記凹溝部は、前記第2方向への幅が第2-2幅であり、
    前記曲線部は、2つが離隔して形成され、
    前記それぞれの曲線部間の中心間隔は、前記第2-2幅より大きく形成される、請求項3に記載のタービンブレード。
  13. リーディングエッジおよびトレーリングエッジが形成され、内部に冷却流体の流動する冷却流路が形成されたエアホイルと、
    前記エアホイルにおいて前記冷却流路と外部とを連通させ、入口および出口が形成された冷却ホールとを含み、
    前記冷却ホールは、前記出口に、
    拡張部と、前記拡張部から前記トレーリングエッジに向かって陥没した凹溝部とが形成され、
    前記拡張部と前記凹溝部との境界部分に一定の曲率半径を有する曲線部が形成され、
    タービンブレードの回転半径方向が第2方向の時、前記凹溝部は、前記第2方向への幅が第2-2幅であり、
    前記曲線部は、2つが離隔して形成され、
    前記それぞれの曲線部間の中心間隔は、前記第2-2幅より大きく形成される、タービンブレード。
  14. 回転可能に配置されるタービンロータディスクと、
    前記タービンロータディスクに配置される複数のタービンブレードと、
    固定配置される複数のタービンベーンとを含み、
    前記タービンブレードは、
    リーディングエッジおよびトレーリングエッジが形成され、内部に冷却流体の流動する冷却流路が形成されたエアホイルと、
    前記エアホイルにおいて前記冷却流路と外部とを連通させ、入口および出口が形成された冷却ホールとを含み、
    前記冷却ホールは、前記出口に、
    拡張部と、前記拡張部から前記トレーリングエッジに向かって陥没した凹溝部とが形成され
    前記拡張部は、
    前記リーディングエッジと前記トレーリングエッジとを結ぶ直線と並ぶ方向が第1方向の時、前記第1方向への幅である第1-1幅が少なくとも一部の区間で一定に維持されるように形成され、
    前記第1-1幅は、前記入口の内径より小さい、タービン。
  15. 前記拡張部と前記凹溝部との境界部分に一定の曲率半径を有する曲線部が形成された、請求項14に記載のタービン。
  16. 前記拡張部は、
    略四角形状に形成される、請求項14に記載のタービン。
  17. 前記凹溝部は、
    略四角形状に形成される、請求項14に記載のタービン。
  18. 前記拡張部は、
    前記タービンブレードの回転半径方向が第2方向の時、前記第2方向への幅である第1-2幅が前記入口の前記内径より大きく形成される、請求項14から17のいずれか一項に記載のタービン。
  19. 前記凹溝部は、
    前記第2方向への幅が第2-2幅であり、
    前記第1-2幅は、
    前記入口の前記内径と前記第2-2幅との合計より大きく形成される、請求項18に記載のタービン。
  20. 前記タービンブレードの回転半径方向が第2方向の時、前記凹溝部は、前記第2方向への幅が第2-2幅であり、
    前記曲線部は、2つが離隔して形成され、
    前記それぞれの曲線部間の中心間隔は、前記第2-2幅より大きく形成される、請求項15に記載のタービン。
  21. 回転可能に配置されるタービンロータディスクと、
    前記タービンロータディスクに配置される複数のタービンブレードと、
    固定配置される複数のタービンベーンとを含み、
    前記タービンブレードは、
    リーディングエッジおよびトレーリングエッジが形成され、内部に冷却流体の流動する冷却流路が形成されたエアホイルと、
    前記エアホイルにおいて前記冷却流路と外部とを連通させ、入口および出口が形成された冷却ホールとを含み、
    前記冷却ホールは、前記出口に、
    拡張部と、前記拡張部から前記トレーリングエッジに向かって陥没した凹溝部とが形成され、
    前記拡張部と前記凹溝部との境界部分に一定の曲率半径を有する曲線部が形成され、
    前記タービンブレードの回転半径方向が第2方向の時、前記凹溝部は、前記第2方向への幅が第2-2幅であり、
    前記曲線部は、2つが離隔して形成され、
    前記それぞれの曲線部間の中心間隔は、前記第2-2幅より大きく形成される、タービン。
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