JP7361649B2 - 粉塵測定装置および粉塵測定方法 - Google Patents
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Description
一般に用いられる粉塵計として、光散乱方式、光吸収方式、圧電天秤方式など数種類の方式が知られている。
例えばトンネル建設工事現場などでは、粉塵を含む空気を換気できるよう換気用ダクトの設置が行われるが、地質の影響や作業の内容などにより、粉塵の発生量は空間中一様ではないと考えられる。換気用ダクトの設置場所は、より粉塵が生じやすい場所にするのが好ましく、粉塵測定において空間中の粉塵濃度分布を得られるのが好ましい。
また、本発明にかかる粉塵測定方法は、空気中に浮遊する粉塵を測定する粉塵測定方法であって、測定対象領域の可視光画像を可視光カメラで撮影する第1の撮影工程と、前記測定対象領域の非可視光画像を非可視光カメラで撮影する第2の撮影工程と、前記可視光画像と前記非可視光画像との差分に基づいて、前記測定対象領域における粉塵分布を推定する粉塵検出工程と、を含んだことを特徴とする。
粉塵測定装置10は、RGBカメラ(可視光カメラ)12、赤外線カメラ(非可視光カメラ)14、処理部16および出力部18を備え、空気中に浮遊する粉塵を測定する。
粉塵測定装置10の構成のうち、例えばRGBカメラ12および赤外線カメラ14は、例えば図示しない筐体内に収容されており、その設置場所を容易に変更可能であるとともに、撮影範囲を略同一とされているものとする。
処理部16および出力部18がカメラ12,14と離れた場所に設置されている場合、カメラ12,14の撮影画像は例えば無線通信により処理部16に送信してもよいし、撮影画像を記録した記録媒体を処理部16に読み込ませるようにしてもよい。処理部16および出力部18は、例えばパーソナルコンピューターやタブレット端末等であってもよい。
RGBカメラ12は、被写体の像を、レンズを介してCCDやCMOSなどの画像素子上に結像させて得た赤・緑・青(RGB)の3種類の画像を重ね合わせることにより、人間の視覚に近い色合いを再現したカラー画像を撮影する。
なお、RGBカメラ12で撮影する際に撮影領域が暗い場合には、例えばRGBカメラ12に搭載されたフラッシュや現場での作業用照明などにより画像撮影に十分な照度を確保する。また、可視光カメラとして、カラー画像を撮影するRGBカメラ12ではなく、モノクロ画像を撮影するモノクロカメラを用いてもよい。
赤外線カメラ14は、物体から放射される赤外線エネルギーをカメラ内のレンズで結像することで、撮影対象の温度を可視化した赤外線画像を撮影する。
なお、赤外線カメラ14に代えて、例えばミリ波やテラヘルツ波などを用いて画像を撮影するカメラを設けてもよい。
処理部16は、上記CPUが上記制御プログラムを実行することにより、粉塵検出部160として機能する。
一般に、粉塵は光(可視光)を反射するため、粉塵が発生している箇所を撮影したRGBカメラ12の画像は靄がかかったように映る(ごく近くに粉塵がある場合には粉塵そのものが映る)。すなわち、RGBカメラ12の画像は粉塵の影響を受ける。
一方で、粉塵は放射する赤外線エネルギーが周囲の物体と比較してごく小さいため、赤外線カメラ14の画像には粉塵は映らない。すなわち、赤外線カメラ14の画像は粉塵の影響を受けない。
よって、RGBカメラ12で撮影した画像から赤外線カメラ14で撮影した画像を差し引くことにより、粉塵の発生箇所(測定対象領域における分布)や粉塵の量を視覚的に特定することができる。
可視光画像に対するフィルタ処理は、例えばカラー画像をグレースケール化するグレースケールフィルタ、および物体の輪郭を抽出するエッジ検出フィルタ(例えば微分フィルタ)を用いる。また、非可視光カメラに対するフィルタ処理は、画像中の明度が急変する箇所(物体の輪郭)を抽出する微分フィルタを用いる。
粉塵検出部160は、非可視光画像で検出されたエッジ部分が可視光画像でも検出されている場合には、その部分には粉塵がないと判断し、非可視光画像で検出されたエッジ部分が可視光画像では検出されていない場合には、その部分に粉塵があると判断する。
また、例えば可視光画像内でエッジ部分の明瞭性に差がある場合には、明瞭性が低い部分に粉塵が発生していると判断してもよい。この時、明瞭性が低いほど、その箇所の粉塵濃度が高いと推定できる。
すなわち、粉塵検出部160は、同一の範囲を撮影した可視光画像と非可視光画像とを、それぞれ複数のセルに分割する。そして、同一領域を撮影したセル同士(可視光画像のセルと非可視光画像のセル)に含まれるエッジ部分(線分)の長さを比較する。エッジ部分の長さの差分が大きい場合には、そのセルに対応する領域の粉塵量が多いと判断し、エッジ部分の長さの差分が小さい場合には、そのセルに対応する領域の粉塵量が少ないと判断する。
出力部18は、例えばRGBカメラ12で撮影したカラー画像(赤外線カメラ14で撮影した赤外線画像であってもよい)をセル状に分割して表示し、各セル毎に粉塵濃度を色分けして表示する。また、出力部18は、例えばRGBカメラ12で撮影した画像に重畳して、粉塵量の分布の示すコンター図を表示してもよい。
出力部18による粉塵分布の出力方法は、上記に限らず従来公知の様々な方法を適用可能である。
まず、粉塵測定装置10は、RGBカメラ12および赤外線カメラ14により同一の領域(測定対象領域)を同時に撮影し、カラー画像および赤外線画像を得る(ステップS200、第1の撮影工程および第2の撮影工程)。
図3Aにカラー画像をモノクロ化した画像の一例を、図4Aに赤外線画像の一例を、それぞれ示す。図3Aおよび図4Aは、同一の領域を同時に撮影したものである。
図3Bに図3Aの画像のエッジ抽出結果を、図4Bに図4Aの画像のエッジ抽出結果を、それぞれ示す。また、図5Aは、図3Bと図4Bとを重ね合わせた画像である。
粉塵検出部160は、エッジ部分を抽出した各画像を複数のセルに分割し(ステップS204)、同一箇所に対応するセル同士を比較し、エッジ部分の差分を抽出する(ステップS206)。
図5Bは、図5Aを複数のセルに分割し、各セル内におけるエッジ部分の差分に基づいて粉塵量を検出した結果を示す。図5Bの例では、画像の略中心に位置する領域Cで粉塵量が一番多く、領域Cの周辺の領域B、外周部分である領域Aの順に粉塵量が少なくなっている。
また、粉塵測定装置10は、1回の測定(撮影)で広範囲に渡る粉塵の濃度分布を測定することができ、測定対象領域内の粉塵の飛散状況をより詳細に把握することができる。
また、粉塵測定装置10は、画像上に粉塵の濃度分布を出力可能なので、粉塵の飛散状況が視覚的にわかりやすく、例えば粉塵のホットスポットが生じている場合などに迅速に対応することができる。
すなわち、RGBカメラ12および赤外線カメラ14で(第1の撮影工程および第2の撮影工程)、トンネル建設現場等において粉塵の排出を行う換気ダクトを撮影範囲に含めて可視光画像および非可視光画像を撮影し、粉塵検出部160(粉塵検出工程)で換気ダクトの周辺に粉塵が検出された場合、換気ダクトの破損の可能性を報知する破損報知部を更に備えてもよい。なお、換気ダクトの破損の判断は、処理部16(破損報知部)で自動的に行ってもよいし、トンネル工事現場等の作業員などが粉塵検出部160の測定結果を見て行ってもよい。
12 RGBカメラ(可視光カメラ)
14 赤外線カメラ(非可視光カメラ)
16 処理部
160 粉塵検出部
18 出力部
Claims (6)
- 空気中に浮遊する粉塵を測定する粉塵測定装置であって、
測定対象領域の可視光画像を撮影する可視光カメラと、
前記測定対象領域の非可視光画像を撮影する非可視光カメラと、
前記可視光画像と前記非可視光画像との差分に基づいて、前記測定対象領域における粉塵分布を推定する粉塵検出部と、
を備えることを特徴とする粉塵測定装置。 - 前記粉塵検出部は、前記可視光画像と前記非可視光画像とにそれぞれフィルタ処理を行ってそれぞれの画像中のエッジ部分を抽出し、前記エッジ部分の有無を比較することにより当該エッジ部分の箇所における前記粉塵の量を推定する、
ことを特徴とする請求項1記載の粉塵測定装置。 - 前記粉塵検出部は、前記可視光画像と前記非可視光画像とを同一の撮影箇所を含む複数のセルに分割し、それぞれのセルにおける前記エッジ部分の長さに基づいて、当該セルに対応する領域における前記粉塵の量を推定する、
ことを特徴とする請求項2記載の粉塵測定装置。 - 前記可視光カメラおよび前記非可視光カメラは、前記粉塵の排出を行う換気ダクトを撮影範囲に含めて前記可視光画像および前記非可視光画像を撮影し、
前記換気ダクトの周辺に前記粉塵が検出された場合、前記換気ダクトの破損の可能性を報知する破損報知部を更に備える、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の粉塵測定装置。 - 前記非可視光カメラは、前記測定対象領域の赤外線画像を撮影する赤外線カメラである、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の粉塵測定装置。 - 空気中に浮遊する粉塵を測定する粉塵測定方法であって、
測定対象領域の可視光画像を可視光カメラで撮影する第1の撮影工程と、
前記測定対象領域の非可視光画像を非可視光カメラで撮影する第2の撮影工程と、
前記可視光画像と前記非可視光画像との差分に基づいて、前記測定対象領域における粉塵分布を推定する粉塵検出工程と、
を含んだことを特徴とする粉塵測定方法。
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