JP7359345B2 - 安全情報管理システムおよびその方法 - Google Patents

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Description

本発明は、安全情報管理システムおよびその方法に係り、特に、製造工場や建設現場における安全情報の処理および提供に関するものである。
製造工場や建設現場などでは事故やヒヤリハットが発生している。ヒヤリハットとは一般的に、実際に重大な災害や事故に至らなかったが、それらが発生してもおかしくない事象を指している。事故やヒヤリハットの情報はデータベースに保管され、適宜、関係先に提供されて事故防止に供される。
この種の技術として次のようなものがある。例えば、特許文献1には、画像情報を利用して作業者、作業内容、或いは機械を認識し、工事現場の作業者の安全や危険に関する情報を表示する、安全管理支援装置が開示されている。この技術は、記憶部に格納された、マスター情報であるリスク情報を参照して、多数の項目から、認識した作業内容をキーして検索し対応するリスク情報(転倒、落下、墜落等)などの危険有害要因や事故型分類を含む項目を読み出し、読み出したリスク情報を出力する。
また、特許文献2には、作業予定と関連するキーワードが割り当てられた安全管理に関する情報を記憶装置に記憶しておき、入力された作業予定に含まれるキーワードを記憶装置から抽出し、抽出したキーワードが割り当てられた安全管理に関する情報を表示装置に表示させる、情報管理システムが開示されている。
特開2017-33047号公報 特開2017-45321号公報
特許文献1および2に記載の技術は、リスク情報や作業予定に関連するキーワードを予め記憶部にしておき、これらのリスク情報を単純に集計して、リスク情報やその関連情報を提供するものである。
一方、製造工場や建設現場では、事故やヒヤリハット(以下、これらを危険ということにする)が何故発生したのか、その原因は何なのかに関する情報を、事故が発生する前に提供してもらいたい、という要求がある。また、危険発生の原因は、複合的である場合も多く、特定の原因に帰することができないと考えられる。また複数の原因の中で、どの原因が最も危険に関わっているか、今後どのような危険が発生しやすいかを把握したい、という要求もある。
然るに、特許文献1,2には、危険の因果関係の分析を行うとか、その原因を把握するとか等、については何ら開示されていない。
そこで、本発明の目的は、安全情報を提供して、今後起こるかも知れない危険について知らせることにある。
本発明の他の目的は、危険の因果関係を把握して、発生する可能性のある危険に対して安全情報を生成して提供することにある。
本発明に係る安全情報管理システムは、好ましい実施態様によれば、コンピュータを用いて、事故またはヒヤリハット等の危険に関する安全情報を管理する安全情報管理システムであって、
前記安全情報に係る複数のキーワードを記憶する第1データベース(DB)と、
該第1DBに管理されている複数のキーワードの関係を基に、因果関係ネットワークを作成する第1処理部と、
前記第1処理部により生成された該因果関係ネットワークを用いて、該キーワード間の寄与度を計算する第2処理部と、
該第2処理部による処理に従って危険の原因を求めることを特徴とする安全情報管理システム、として構成される。
好ましい例では、前記第1処理部は、項目に対応するノードと、前記項目間の因果関係を、該ノード間を接続するリンクと、によって表される前記因果関係ネットワークを作成し、
前記項目に関連する2つの前記ノードを選択して、原因に相当する項目と、該項目に関連する寄与度を計算して、該計算の結果を出力する第3処理部を有する、前記安全情報管理システムとして構成される。
更に好ましい例では、前記第1DBは、前記複数の項目に関係する複数の項目を有する項目リストを記憶するものであり、
前記危険を報告する、複数の項目を有する報告シートを記憶する第2DBと、前記報告シートに記載された複数の項目からキーワードを抽出して、前記項目リストに記録する第4処理部と、を有する、前記安全情報管理システムとして構成される。
本発明はまた、安全情報管理システムによる安全情報管理方法としても把握される。
本発明によれば、安全情報を提供して、今後起こるかも知れない危険について知らせることができる。また、危険の因果関係を把握して、発生する可能性のある危険に対して安全情報を生成して提供することができる。
一実施例による安全情報管理システムの構成を示す図である。 安全情報管理システムにおけるコンピュータの構成を示す図である。 ヒヤリハット・事故調表の例を示す図である。 項目リストの例を示す図である。 ヒヤリハット・事故分析の処理フローを示す図である。 ヒヤリハット・事故分析の処理フローを示す図である。 因果関係ネットワークの生成過程を示す図である。 曜日に注目した因果関係の分析フローを示す図である。 季節に注目した因果関係の分析フローを示す図である。 天候に注目した因果関係の分析フローを示す図である。 リスクレベルの決定フローを示す図である。 因果関係ネットワークを示す図である。 因果関係ネットワークを示す図である。 端末15に表示される安全情報の表示例を示す図である。
[概略説明]
好ましい実施例を説明する前に、実施例に至った動機ないし経緯について概略説明する。
発明者らは、生産現場や建設現場等(以下、単に現場という)における安全性を高めるためには、下記の4つに着目することが重要であり、それらの情報を現場の管理者や担当者で共有することで現場の安全性が向上する、と考えた。
・これまでどのような事故が発生したか。
・事故やヒヤリハットの原因はどのようなもので、その中で何れの原因が最も要因として大きいか。
・今後どのようなヒヤリハットは発生しやすいか。
・特定のキーワードに注目する。
そこで、好ましい実施例では、過去に発生した事故やヒヤリハット(危険)に係る事象の原因と結果の因果関係を分析し、今後起こる可能性のある危険や、危険の最も大きな要因となる原因の特定を行う。好ましい例では、原因と結果に関する全てのキーワードを抽出して、因果関係のネットワーク(因果関係ネットワーク)を生成し、そのネットワークを用いて、各キーワードに関連する因果関係の構造を抽出し、この結果から原因の寄与度を求める。これらの寄与度から事故発生の起きやすさを判定し、関係先(対象となる部署等に設置された機器)に原因情報と結果情報を提供する安全情報提供システムが開示される。
以下、図面を参照して、好ましい実施例について説明する。
図1は、安全情報管理システムの構成を示す。
安全情報管理システムは、安全情報を処理するコンピュータ10と、複数の端末151,152(以下、符号15で総称することがある)が、ネットワーク19を介して接続して構成される。コンピュータ10には複数の端末141~143(以下、符号14で総称することがある)が接続される。なお、1又は全ての端末14はネットワーク19を介してコンピュータ10に接続されてもよい。
コンピュータ10は、分析サーバ11、データベース(DB)サーバ12、DB13を有する。分析用サーバ11は、ヒヤリハット・事故の因果関係の分析を行う。DBサーバ12は、DB13の検索および格納を行う。本実施例では主に、ヒヤリハット・事故調表(図3参照)および安全分析に使用するキーワードデータを検索し、格納する。DB13は、ヒヤリハット・事故調表、および安全分析に使用するキーワードデータ等を記憶する。(なお、コンピュータ10の詳細な構成は図2を参照して後述する。)
端末14は、ヒヤリハット・事故調表のデータを入力するために使用される装置である。端末14は、主に、プログラムを実行して情報処理を行う処理部(CPU)と、入力部1401と、表示部1402を有している。複数の端末14は種々の処理機能を有する機器であってよい。例えば、端末141はネットワークに接続される机上据置き型計算機や携帯端末のような外部機器であり、端末142はヒヤリハット・事故調表のデータをフォームデータ、表形式データにより入力することができる端末であり、端末143は、画像化された紙の調表データから、記載項目に関わる部分の文章列やチェック項目、選択項目の記載解析を行い、項目データを取り出すことができる装置である。また、端末14には管理者等の特定の者が使用することができる機器(例えば端末141)が含まれてもよい。
端末15は、現場の作業者等の関係者に、安全情報を提供する装置であり、主に、プログラムを実行して情報処理を行う処理部(CPU)と、表示部とを有している。必要に応じて入力部を有してもよい。端末15は、種々の用途に使用される、種々処理機能を有する機器であってよい。例えば、ある端末151は、ヒヤリハット・事故分析の結果を表示する表示装置であり、端末152は、ヒヤリハット・事故分析の結果を表示するための携帯可能なタブレット装置である。
図2は、安全情報管理システムにおける、コンピュータシステム10の構成を示す。
分析サーバ11は、文章処理部111、項目処理部112、ノード選択部113、解析部114、出力処理部115、を有する。ここで、項目処理部112は、条件確率生成部1121、共分散計算部1122、偏相関計算部1123、低相関削除部1124、グラフデータ生成部1125を有する。これらの各機能部は、分析サーバ11が有するハードウェア資源である処理部(CPU)がプログラムを実行することで実現される。
以下、各機能部について詳しく説明する。
文章処理部111は、主に、文書解析部と、キーワード整理部を有して構成される。文章解析部は、ヒヤリハット・事故調表(以下単に調表という)30に記載された文章から形態素解析によってキーワードを抽出する機能と、調表30にチェック記号「レ」が記入された部分の項目名を抽出する機能と、調表での選択部分の項目名を抽出する機能を有する。なお、調表30は電子データであることを前提としているが、手書きの紙調表でもよい。紙調表の場合、上記の抽出機能は、紙調表の画像から文字認識した後の調表データに対して行われる。形態素解析は単語列による文章から文脈を推定しキーワードを抽出する。また、キーワード整理部は、文章解析部で抽出したキーワードを整理する。具体的には、類似のキーワードで異なる単語が使われている場合には、これを同一のキーワードに変換する機能である。
項目処理部112は、項目データ間の関連付けの処理を行う。具体的には、下記の各機能部1121-1125の処理により行われる。なお、項目処理部112は、以下の説明から理解されるように、項目処理部112の処理機能を基に、因果関係処理部或いは因果関係ネットワーク作成処理部と称してもよい。
条件付確率生成部1121は、ヒヤリハット・事故調表に現れる項目に対して項目間の出現頻度を条件付確率として計算する。この条件付確率は項目間で対称となる。例えば、項目Aと項目Bに関して、Bが出現する前提でAが現れることを示す条件付確率P(A|B)とAが出現する前提で、Bが現れる確率P(B|A)では、P(A|B)=P(B|A)が成立することになる。
共分散計算部1122は、条件付確率生成部1121で算出した2個の項目の条件付確率を用いて、項目間の共分散値を計算する。
偏相関計算部1123は、共分散計算部1122による項目間の共分散の計算結果から、項目間の関係性を表す偏相関を計算し、項目間の関係性の強さを数値として計算する。
低相関削除部1124は、項目間の関係性の強さを見て、所定の条件を満たさない強さ値を持つ項目間の組み合わせを削除する。例えば、あらかじめ決められた閾値よりも低い偏相関値を有する項目の組み合わせを削除する。さらに、この結果、ノードから出てくる矢印が複数ある場合、閾値よりも数が大きくなる場合はさらに偏相関値の大きさに従って小さい値を消去する。
グラフデータ生成部1125は、偏相関計算部1123で計算された偏相関値を項目間の関係性の強さとして、原因と結果の有向グラフとして出力する。有向グラフは、向きのついたグラフであり、因果関係の向きとして表される。このとき、因果関係の向き(原因と結果を決めること)を決定するために、最小記述長さ(MDL:Minimum Description Length)と呼ばれる情報化指標を用いる。この指標の強さによって原因と結果を決定する。これによって因果関係ネットワークが生成される。
ノード選択部113は、グラフデータ生成部1125にて生成されるグラフデータのノードを選択する。このノードはヒヤリハット・事故への貢献度を表す確率を計算するために使用される。ノード選択は、人手で指定する場合や、全てのノードを登録順番に従って選択する場合、特定の項目に因果関係でつながったノードのみを選択する場合が考えられる。
解析部114は、上流確率伝搬計算機能と、下流確率伝搬計算機能と、ノード条件影響度作成機能とを有する。なお、解析部114は、以下の説明から理解されるように、寄与度計算部或いは寄与度処理部と称してもよい。
上流確率伝搬計算機能は、確率伝搬と呼ばれる計算を、因果関係ネットワークを矢印の根(原因を示すノード)に向かってたどりながら計算し、最上流のノードに到達した後、再び自身のノードに帰るように矢印の先の方向(下流方向)に計算する。自身のノードに到達したときにヒヤリハット・事故への寄与度の部分が計算される。この寄与度は確率として計算される。
下流確率伝搬計算機能は、確率伝搬を、因果関係ネットワークを矢印の先(結果を示すノード)に向かってたどりながら計算し、最下流のノードに到達した後、再び自身のノードに帰るように矢印の根の方向(上流方向)に計算する。自身のノードに到達したときにヒヤリハット・事故への寄与度の部分が計算される。この寄与度は確率として計算される。
ノード条件影響度作成機能は、上流確率伝搬計算機能と下流確率伝搬計算機能による各ノードの因果関係の上流方向および下流方向の寄与度の計算結果に基づいて、寄与度の大小からリストを作成する。
出力処理部115は、解析部114により算出される、ヒヤリハットの情報の解析結果に基づいて出力する処理を行う。例えば、寄与度の大きい項目を並べ替えて、起こりやすい(確率の高い)ヒヤリハット・事故のリスト(表示リスト)を作成する。作成されたリストは端末15へ送信されて、表示部に表示される。表示例を、図13に示す。
次に、DBサーバ12およびDB13について説明する。
理解の都合上、まず、DB13の構成について説明する。
安全情報DB131は、作成された因果関係ネットワーク(後述する)や項目キーワードの寄与度等を安全情報として格納するDBである。調表DB132は、ヒヤリハット・事故調表30を格納するDBである。項目リストDB133は、ヒヤリハット・事故調表30から選択される、項目ごとのキーワードを記載した項目リスト40を格納するDBである。関連情報DB134は、ヒヤリハット・事故データ以外に使用するデータを格納するDBであり、例えば、温度データを格納する温度DBや天候データを格納する天気DB等の環境情報を格納するDB、等である。
DBサーバ12は、契約者登録部121と、ユーザ管理部122と、アクセス管理部123と、項目管理部124とを有する。
ここで、契約者登録部121は、安全情報を参照する契約者を登録する処理を行う。契約者は例えば、「・・会社」や「・・事業所」等の事業体であり、契約者登録部121は、事業体の名称、住所、参照条件、契約条件等の契約に関する情報の登録処理を行う。
ユーザ管理部122は、このシステムの利用者即ち危険情報の提供を受ける利用者の情報(利用者の個人情報、利用者が使用する端末のメールアドレス、アカウント等)を登録する処理を行う。
アクセス管理部123は、ヒヤリハット・事故調表、項目リスト、カレンダや温度データや天候データなどのデータを、それぞれ、調表DB132、項目リストDB133、関連情報DB134に登録および検索する処理を行う。その意味では、アクセス管理部123はDB検索部と言ってもよい。
項目管理部124は、調表30から項目ごとのキーワードを選択して、項目リスト40に記録する、項目リストを作成する処理を行う。
ネットワークインタフェース(I/F)190は、端末15に接続して、分析サーバ11による分析結果を送信する。なお、端末14はこのインタフェース190に接続されて、ヒヤリハット・事故調表の入力に使用されてもよい(実施例2に記載)。
次に、図3を参照して、ヒヤリハット・事故調表の例について説明する。ヒヤリハット・事故調表(調表という)は、ヒヤリハットや事故等の事象が発生した時に、報告者によって作成される調査表である。調査表はヒヤリハットや事故の報告用のため単に報告シートと呼んでもよい。
調表30は、複数の所定の項目から構成される、Word又はエクセル等の電子版のシートであり、DB13或いは端末14の記憶部に格納して予め用意されている。この調表は画面形式で形成され、端末14の表示部1402に表示される。報告者が、表示された調表の各項目に逐一入力することで、調表が作成される。なお、紙の調表にも対応可能である。その場合、1又は複数の端末14がスキャナと文字認識手段を備え、報告者が記入済みの紙調表を画像としてスキャナで読み込み、取得した画像の所定の項目を文字認識することで、上記画面形式の電子版に入力されるデータと同様の調表のデータを取得することができる。
調表30の各項目について説明する。
調表30において、301はこの調表を作成した報告日、302は事象の発生日時を指定する発生日時、303は報告者名、304は報告者の職級、305は遭遇者名、306は遭遇者の職級である。
307はヒヤリハット・事故のタイトル(名称)が文字で記入される。308はヒヤリハット・事故の発生状況を示し、図示の例では、該当する個所にチェック「レ」を入力することで1つを選択可能である。事象の選択は、共通項目としての利用が可能であり、分析に有用となる。なお、画面形式の場合、該当項目をプルダウン式で表示して、選択できるようにしてもよい。
309は発生原因であり、具体的な内容が文章形式で記入される。後述の処理動作で述べるが、この発生原因309を他の項目(分類項目の選択も含む)と結びつけることにより、発生状況308の分類項目ごとの分析や、発生原因309の詳細な分析が可能となる。310は発生場所、311は発生の原因を示す。原因311は複数の分類項目から1つが選択可能である。
312は原因詳細であり、具体的な内容が文章形式で記入される。313はヒヤリハットの具体的な内容が文章形式で記入される。314は結果であり、出血、休業、問題なし、注意のような既定の項目から1つを選択できる。315は結果詳細であり、具体的な内容が文章形式で記入される。316は対策であり、複数の分類項目から1つが選択できる。317は対策内容であり、対策が文章形式で記入される。318は対策の効果であり、複数の分類項目から1つを選択できる。319はリスクレベルである。リスクレベルは例えば1から4までの4段階の数値で表され、事象のリスクレベルに応じて1つを選択できる。
なお、図示の調表30は一例であり、管理対象とする現場や事業所に応じて、項目内容や項目数を適宜変更して設定することができる。また、提出される調表30はその項目の全てが記入されているとは限らない。例えば、リスクレベル319が未記入の場合もある。
図4に項目リストの例を示す。
項目リスト40は、調表30に記入されたデータが項目ごとに整理される。項目リストは14個の項目から構成されるテーブルであり、各項目には、調表30から選択されるキーワードがデータとして記入される。なお、調表データを項目ごとに整理することから整理リストまたは整理テーブルと呼んでもよい。
図4に示す、項目リスト40は1件の調表30に対して、1つのエントリが確保され、エントリには14の項目に対応するデータが入力される。401はデータ番号であり、調表30のデータごとに固有の番号が付与される。データ番号401はヒヤリハットや事故に対応する番号とも言える。
402はヒヤリハット発生季節であり、例えば、3月~5月を春、6月~8月を夏、9月~11月を秋、12月~2月を冬として、春、夏、秋、冬の何れかの単語が入力される。季節は、調表30の発生日304を基に判断される。このように発生日をさらに季節のような概念で分類することで、季節ごとのヒヤリハット・事故の発生の因果関係を捉えることができる。
403は発生時間帯である。発生時間帯は複数に分類され、例えば、午前9:00~12:00をAM、12:00~15:00をPM1、15:00~18:00をPM2というように、3種の記号で表す。
404は発生場所310に、405は発生状況308に、406は発生原因309に、それぞれ対応する項目である。また、408は原因詳細312に、409は結果314に、410は結果詳細315に、それぞれ対応する項目である。411は対策316に、412は対策詳細であり、対策内容に対応する項目である。413はリスク評価であり、リスクレベル319に対応する数値が記入される。
ヒヤリハットの原因、結果、対策については、単一の項目名のみではなく、複数の項目になることがあるので、これらをすべて入力することになる。入力の仕方は、端末14にて、例えば項目と項目の間に空欄またはカンマを入れる方法がある。このような空欄とカンマを入れることで、項目データの登録を複数個にわたることが判定できる。結果詳細410、対策詳細412も同様である。複数個の項目を入れることで、原因、結果、対策に対する情報収集ないし判断の幅が広がる。414は対策後の効果であり、効果318の分類項目が入力される。
原因、結果の入力については、時系列でキーワードを入力するヒヤリハット・事故調表もあり得る。時系列で入力することで、原因と結果の連鎖を入力した分析を行うことができる。なお、これらは、ヒヤリハット・事故調表の記載に依存する。例えば、転倒しそうになったというヒヤリハットに対して、転倒しそうになったという事象の前に、荷物置場に移動したことが分かれば、荷物置場への移動から荷物持ち出し、引き続いて歩行から転倒しそうになったことが時系列で記載できる。荷物を持って歩行中であることがわかることから、荷物運搬に要因を見出すことができる。
調表30から項目リスト40への反映は、文章処理部111と項目管理部124により行われる。すなわち、文章処理部111が、調表30に記載された項目や、チェック項目、文書を読み取るとともに、得られた文字列コードを形態素解析のような文章の解析手法で構文解析して、キーワード項目の抽出を行う。抽出されたキーワードに従い、項目管理部124が、項目リスト40の該当する項目にキーワードを記録して、項目リストが作成される。
項目リスト40の各項目にキーワードが記録された後に、文章処理部111のキーワード整理部が類似した項目の名称を揃える処理を行うのが好ましい。例えば、結果詳細410に「出血した」と記載され「非出血」のような項目名称が項目リスト40に含まれている場合は、「非出血」というキーワードに統一する。
なお、上記のように、項目リスト40が作成された後に、項目リスト40の画面形式のデータを端末14の表示部1402に表示して、担当者に確認させるようにしてもよい。
次に、図5A、5Bを参照して、ヒヤリハット・事故の因果関係を分析する処理動作について説明する。この処理は、ヒヤリハット・事故の項目リスト40を用いて、因果関係を示すネットワークを生成する処理となる。なお、前提として、図3に示すヒヤリハット・事故調表30からのキーワードの抽出が終了して、項目リスト40が作成されている。
以下、処理動作を説明する。この処理では種々の計算が行われ、計算途中や結果の計算値は、分析サーバ11内の記憶部或いはDB13の記憶エリア(不図示)に一時的に格納される、とする。
ステップ501:項目リスト40の読み出し。
アクセス管理部123が、項目リストDB133を検索して、項目リスト40を読み出す。
ステップ502:項目ペアの選択と繰り返し計算。
項目リスト40にある項目ペアを選択する。項目ペアとは、項目リスト40にある14個の項目から1つずつ項目を選択して、2つの項目から成る組にすることである。選択される項目ペアは、計算上、91個となる。全ての項目ペア(選択される項目ペアの数)について、ステップ503とステップ504の処理を繰り返す。項目どうしの因果関係を分析することが本実施例の特徴の1つである。
ステップ503:条件付確率の算出
条件付確率生成部1121が、項目の組み合わせについて、その組み合わせが項目リスト40に含まれる頻度を算出する。この計算結果を基に、条件付確率生成部1121が条件付確率を計算する。条件付確率では、次のように出現頻度を計算する。項目リスト40中のエントリの数(即ち調表の数)をN個とする。ある2個の項目分類に注目し、ある項目Aが現れたとき、もう一方の項目Bが現れるケース数をPとする。ヒヤリハット・事故調表の数をNとすると、条件付確率は、
P/N ・・・式1
となる。
このような条件付確率は、逆の場合も計算する必要があるが、出現頻度は同じであることから、この場合も同じように、
P/N ・・・式2
となる。
条件付確率は、すべての項目分類について、これにより、項目分類数をNとする。各項目分類iに含まれるキーワード数をMiとする。項目iと項目jに含まれるキーワードについて条件付確率を計算する数Kijは、
Kij=Mi×Mj ・・・式3
である。
ステップ504:共分散値の算出。
次に、共分散計算部1122が共分散CoVを計算する。項目iと項目jの共分散vijを計算する式は、
Vij= E[(Xii)(Xj-μi)]=E[(Xj-μi)(Xii)] ・・・式4
により与えられる。ここで、E[*]は*の平均値をとる操作を示す。Xiは項目の出現数である。μiは項目iの出現数の平均値である。
共分散から相関行列Rを求める。相関行列Rは次のように計算することができる。
Figure 0007359345000001
以上の条件付確率と共分散はすべての項目分類間の項目ペアで計算する。共分散を求めると、これを共分散行列Rの要素に格納する。
ステップ505:相関行列の計算。
偏相関計算部1123が共分散行列から相関行列Mを計算する。相関行列Mは、次式より計算する。
Figure 0007359345000002
Diag(R)はRの対角行列の成分の加算を示す。
この相関行列の行列要素は
Figure 0007359345000003
となる。vijは式5の行列成分に対応する。相関行列は、行列要素(i,j)と(j,i)対称行列である。また、相関行列の対角成分は、すべて1となる。共分散行列は、対称となるため、対角成分から下側の行列要素は0値でクリアし三角行列にして逆行列の計算を行う。この結果、この結果は、2個の項目の相関の強さを表す。
ステップ506:偏相関行列の計算。
偏相関計算部1123が引き続き、相関行列Mから偏相関行列を計算する。偏相関行列をPとすると、
P=M-1 ・・・式8
となる。従って偏相関行列は相関行列の逆行列を求めることにより得られる。偏相関行列の要素は、
Figure 0007359345000004
である。ωijは相関行列の逆行列の要素と一致する。
偏相関行列は、項目間の相関の大きさを示している。なお、共分散行列は対称であるため、偏相関行列も対称となる。偏相関行列を計算すると、その値を見ることで相関の大きな項目の組み合わせのみを残す。選択の仕方は以下のようになる。
ステップ507:偏相関行列要素の取り出し。
低相関削除部1124が、偏相関行列の項目間の要素を取り出す。
ステップ508:偏相関行列要素の選択。
偏相関行列の要素(i,j)に関して、iを固定した時に、(i, j)の各jに対応する要素を検索し、その値に対して、ノード選択部113がノードの選択を行う。
ノードの選択については、2つの方法のうちのいずれかを採用する。この相関は絶対値として比較する。絶対値を取る前の値が正値の場合は正の相関があることを示す。また、負値の場合は、負の相関があることを示す。ここでは、絶対値によって相関の大きさのみを参照する。このとき、項目の組み合わせを(ai,bi)として各aiに対してbi(i=1, 2, …, N)を比較する。
・最大値(正値)から順番にあらかじめ決められた数を選択する。そして、相関の絶対値の最大値から指定された数だけの項目の組み合わせを選択し、それ以外は削除する。
・あらかじめ決められた相関係数の閾値を参照して、閾値よりも大きな場合は、相関ありとして選択し、閾値の低いものは相関なしとして削除する。
いずれの方式を採用してもよいが、本実施例では後者を採用する。
丸記号(ノード)と、線分(リンク)によるグラフによって因果関係ネットワーク構造を表した結果を図6(a)に示す。図示の例では、ノード601-605が、リンク612-645で接続されている。ノードは項目を表し、リンクは項目間に因果関係があることを示す。なお、この時点では因果関係の原因と結果についての情報は生成されていない。図6(a)は初期状態を示す。図6(b)は偏相関値に基づいてリンクを削除した結果であり、ノード記号の間にリンクを示す線分がない場合は、相関が低い、または相関がないことを表す。
ステップ509:選択ノードとリンクの情報のセーブ。
選択ノードとリンクについて項目名、偏相関値をセーブ(記憶部(不図示)に格納)する。
ステップ510:孤立ノードの検出と再接続。
ステップ508でリンク構造が決まるが、このとき、リンクが無く、孤立したノードが出現する可能性がある。例えば、図6(b)ではノード605が孤立している。グラフデータ生成部1125は、孤立ノードの再接続を行う。すなわち、孤立しているノード605と他のノードとを再接続することで、因果関係における関連性を再構築する。その結果、図6(c)に示すように、ノード605に対して、ノード602、603が接続された。
ステップ511:リンクの方向付け。
ステップ510まででノードとリンクによるネットワーク構造が得られると、引き続き、グラフデータ生成部115は、リンクに向き付けを行うことで因果関係を記述する。因果関係を決定するため、情報基準を用いる。ここでは、MDL(最小記述長さ:Minimum Description Length)を用いる。MDLは情報の記述の大きさを比較する量であり、次のように記述する。
Figure 0007359345000005
式10では、P(A|B)は項目Bが発生した条件で項目Aが発生する条件付確率を示す。条件付確率はステップ503で計算された値を使用する。
また、項目Aが発生した条件で項目Bが発生する条件付確率はP(B|A)であるため、
Figure 0007359345000006
となる。この結果、
・MDL1<MDL2 ⇒ノードAからノードBへの向き付けをする
・MDL1>MDL2 ⇒ノードBからノードAへの向き付けをする
によって向き付けを決定する。
これによって、(B,A)と(A,B)の場合の大きさの小さいほうから大きいほうへ矢印がつけられる。これにより、全ての因果関係に矢印がつけられる(図6(d))。ヒヤリハット・事故に関わるキーワードについて因果関係ネットワークが作成されると、ここから特定のキーワードノードに接続したネットワークを切り出すことが可能となる。
ステップ512:ループノードの検索とループ除去。
ステップ510の結果、矢印をたどると、ループが発生する可能性がある。図6(d)では、リンク602、603、605が1つのループを形成している。グラフデータ生成部115は、このようなループを消去する。ループを消去する理由は、因果関係が無限ループに陥るのを防ぐためである。
ループの検出には、最短ルートを求めるときに使用されるアルゴリズムを用いる。このアルゴリズムの代表例としてダイクストラ・アルゴリズムがある。各ノードが自分自身に結合していないことを検証する。この方式を以下に示す(ここではサブステップと記す)。
サブステップ1:開始ノードと終了ノード、エッジ重みの設定。
開始ノード、終了ノードを同じノードに設定する。エッジ重みρは、各リンクに1,2、…Nと重複しないように割り付ける。
サブステップ2:最短ルート検索。最短ルート検索を実施する。
サブステップ3:エッジの消去。2回以上の探索で自身に戻ることがあれば、そのループから最小のρを有するエッジを消去する。
ループが発生している場合、必ず、各ノードから2本のエッジが出ているため、ノードの孤立は起こらない。
ループが発見された場合は、このリンクの中で、偏相関値が最も小さくなるリンクを消去することになる。また、リンクの消去によって孤立ノードが発生する場合は、次の大きな偏相関値を持つリンクを消去する。これを繰り返すことによって、ループのない因果関係ネットワークを生成することができる。生成された因果関係ネットワークは、ノードとリンクとリンクの方向により定義つけされて、記憶部に一時格納される。
ステップ513:ノード数分繰り返し。
各ノードの寄与度を計算するため、解析部114は因果関係ネットワークに現れるノードを選択して寄与度となる確率を計算する。
ステップ514:ノードの選択。
ノード選択部113が、因果関係ネットワークの未計算のノードを選択する。
ステップ515:矢印起点方向への確率伝搬の計算。
解析部114すなわち上流確率伝搬計算機能と下流確率伝搬計算機能が、確率伝搬を計算することで、各項目のヒヤリハット・事故に対する寄与度を算出する。この寄与度は確率(寄与度確率値)として算出することができる。計算に際して、まず、寄与度を計算するノードを選択する。そしてそのノードにつながっている矢印に関して原因の方向(上流)に追跡を行うことで、確率値の積算を行う。この計算方法を以下に示す。
上記した寄与度ELは、矢印の向きに従って上流側のノードEUP、参照ノードX、下流側のノードELWによる3個のノードからなるシングル結合のネットワークを考えた場合、
Figure 0007359345000007
となる。
P(EUP, ELW)は観測値のみから求めることができる。これらは、広く知られたベイズの定理である。P(X|EUP)およびP(X|ELW)については、
Figure 0007359345000008
Figure 0007359345000009
により求められる。
上式において、P(Xi|EUP)は、ヒヤリハット・事故調表に記載された項目の数(項目リスト40中の項目数)から決定する。これは、EUPに対応する項目の出現頻度に対して、Xiに対応する項目の出現による条件付確率を求めることに対応する。また、上流ノードを持たない場合には、あらかじめ決めた確率(事前確率)を決めておく。さらに、その上流にノードを続いて持つ場合には、総和の計算の計算を再帰的に行うことになる。P(ELW|Xj)も同様であり、ヒヤリハット・事故調表に記載された項目の数から決定できる。また、下流ノードを持たない場合には、どのようなXjについても一様確率(=1とする)を与える。すべてのXjについて等しい値とする。その下流にノードがある場合には、再帰的に計算を行う。
これより、項目Xの寄与度を計算するには、
・Xの親と子のノードの方向に計算する。
・Xの計算で必要なのは、ノードと”関係”を有する親ノードと子ノードなので、親と子が親と子を持つ場合は、再帰的に計算する。
以上より、上流寄与度は以下の式によって計算する。
Figure 0007359345000010
ステップ516:矢印終点方向への確率伝搬の計算。
下流確率伝搬は以下の式となる。
Figure 0007359345000011
・P(X|Xj)、P(Xj|X)についても条件付確率から求めることができる。
ステップ517:各項目の寄与度の計算。各項目の寄与度Bを以下のように計算する。
Figure 0007359345000012
ここで、αは規格化乗数であり、B(X)が0~1の範囲の収まるように決定する。以上ステップ514からステップ517を繰り返し計算して各項目の寄与度を計算する。
このようにして、ノードの上流と下流の確率値の伝搬計算を行うことによって項目自身の寄与度を計算することができる。これによって、ヒヤリハット・事故が今後起きる可能性と、その原因が関係している確率が得られたことになる。因果関係ネットワークを形成する、原因と寄与度は安全情報として、安全情報DB131に格納される。
[安全情報の提供]
安全情報DB131に格納された安全情報の提供が可能である。安全情報の提供としては、日替わり、季節替わり、リスク評価、天候替わり、温度替わり、などがあげられる。また、安全情報の提供に際して、影響の大きな項目の表示、ある特定のヒヤリハットや事故が発生した時にその要因のうち最も寄与度の高い要因を表示する、等があげられる。例えば、関連情報DB131に格納されている、天候情報や温度情報等の環境情報をキーワードに関係付けて、因果関係ネットワークに組み込むことで、ステップ501~516に示す方法で因果関係ネットワークを生成することができる。
出力処理部115は、安全情報DB131に格納されている安全情報、即ち因果関係ネットワークの計算結果を、関係先の端末15へ送信する。図13に、端末15の表示部に表示される安全情報の表示例を示す。この例は季節が夏の例である。
次に、図7乃至図10を参照して、日替わりや季節替わり等に伴う、安全情報の選択および提供について説明する。
[例1]日替わり表示
ヒヤリハット・事故のうち、曜日に対応して頻発するものを検索して表示する、処理である。図7を参照する。
ステップ701:曜日ノードの選択。
例えば、管理者が端末141を操作することで、アクセス管理部123が安全情報DB131から因果関係ネットワークを読み出して、因果関係ネットワークを構成するノードとリンクの画面を端末141に表示する。管理者がノードとリンクの画面表示を見ながら、ノードを選択し、キーワードを入力することで行われる。(以下の説明におけるノードとキーワードの選択入力も同様である)。ノードが選択されると、ノード選択部113が、曜日のノードのなかで、参照する曜日に対応するノードを選択する。
ステップ702:上流、下流ノードの選択。
ノード選択部113が、該当する曜日のノードに接続する上流、下流のノードを選択する。このとき、関連情報DB134を検索する。該当するノードの上流は、矢印の根元をたどることになり、ノードの下流は矢印の先をたどることになる。
ステップ703:寄与度の計算。
解析部114が、ステップ515~516の処理を実行する。この中で、原因に当たる項目とその寄与度を検索する。
ステップ704:結果、原因の並べ替え。
出力処理部115が、寄与度の大きさに基づいて、ヒヤリハット・事故の結果・原因にかかわる項目を並べ替えて、表示リストを作成する。表示リストは、端末15へ提供されて表示される。
[例2]季節替わり表示
図8に示すように、季節ごとの表示は、対象が異なるだけで、日替わり表示と同様の処理動作である。即ち、曜日項目に代わって季節項目が対象となる。具体的には、ヒヤリハット・事故調表から抽出された発生日が、3月~5月を春、6月~8月を夏、9月~11月を秋、12月~2月を冬として、因果関係ネットワークの項目を生成し、因果関係の生成を行う。この季節分析はヒヤリハット・事故調表に発生月の情報が記載されている場合に有効である。この結果に対して、日替わり表示と同じように、因果関係ネットワークを生成する。
ステップ801:季節ノードの選択。
ノード選択部113が、季節のノードのなかで、参照する季節に対応するノードを選択する。
ステップ802:上流、下流ノードの選択。
ノード選択部113が、該当する曜日のノードに接続する上流、下流のノードを選択する。このとき、関連情報DB134を検索する。該当するノードの上流は、矢印の根元をたどることになり、ノードの下流は矢印の先をたどることになる。
ステップ803:寄与度の検索。
解析部114が、ステップ515~516を実行して、原因に当たる項目とその寄与度を検索する。
ステップ804:対策項目の並べ替え。
出力処理部115が、寄与度の大きさに基づいて。結果、対策以外の項目を並べ替えて、表示リストを作成する。表示リストは、端末15へ提供されて表示される。
[例3]天候替わり表示
図9に示すように、天候替わりの表示は、日替わりや季節替わり表示と同様の処理動作である。即ち、曜日項目に代わって天候項目が対象となる。具体的には、ヒヤリハット・事故の発生日から天候データを参照して天候を項目として追加する。例えば、晴、曇り、雨のような分類を用いる。これらを因果関係ネットワークの項目として、因果関係の生成を行う。この結果に対して、日替わり表示と同じように、因果関係ネットワークを生成する。
ステップ901:天候ノードの選択。
ノード選択部113が、季節のノードのなかで、参照する天候に対応するノードを選択する。
ステップ902:上流、下流ノードの選択。
ノード選択部113が、該当する季節のノードに接続する上流、下流のノードを選択する。このとき、関連情報DB134を検索する。該当するノードの上流は、矢印の根元をたどることになり、ノードの下流は矢印の先をたどることになる。
ステップ903:寄与度の計算。
解析部114が、ステップ515~516の処理を実行する。この中で、原因に当たる項目とその寄与度を検索する。
ステップ904:結果、原因の並べ替え。
出力処理部115が、寄与度の大きさに基づいて、ヒヤリハット・事故の結果、原因にかかわる項目を並べ替えて、表示リストを作成する。表示リストは、端末15へ提供されて表示される。
他の例として、温度替わりについても、同様に、-10~10度、10度~20度、20度~30度、30度~40度のように分類しておくと、各温度帯における因果関係を構築することができる。この分類方法は利用者の設定に基づいて行える。
[例4]リスク評価
リスク評価について、ヒヤリハット・事故調表に記載されていることがある。この場合、ヒヤリハット・事故調表に記載されたリスクレベル(リスク評価)が妥当であるか、を因果関係分析の結果から評価(リスク評価)することができる。これには、過去のヒヤリハット・事故調表に記載されたリスク評価結果を分析して、新たに提出されたヒヤリハット・事故調表の内容からリスク評価を行うことになる。
リスク評価は例えば4段階の評価で行なわれる。4段階の定義は以下の通りである。
レベル1:直ちにリスク低減対策を行う必要はない。この場合は、教育や周知によって対応する。
レベル2:問題の発生が懸念される。このため、対策のための計画を立てて実行する。直ちに低減対策を行う必要はない。
レベル3:重大な問題があるので、優先的に対策を行う。
レベル4:直ちに解決すべき問題である。関係する行動をすぐに中止し、対策を講じなければならない。
レベル4は、実施に事故が発生しているため、ヒヤリハットに記載された内容から、リスク判定を行った場合、レベル4と判定された場合には、直ぐに対策すべき事案かどうかが判定できることになる。
この場合、各レベルに応じて、因果関係ネットワークのノードが1つあり、そのノードにその他の原因・結果項目が因果関係で繋がっている、前提である。これらの因果関係の繋がりを追跡することで、関係する項目とその寄与率を検索することができる。
リスク判定は、例えば図10に示す、決定フローに従って行われる。
ステップ1001:リスクレベルの選択。
例えば、管理者が端末141を使用して、リスクレベル1-4までの何れかのノードとキーワードを選択入力することで行う。リスクレベルが選択されると、ノード選択部113が、リスクレベルに対応するノードを選択する。
ステップ1002:確率伝搬の計算。
解析部114が、ステップ515~516の処理を実行する。すなわち、確率伝搬アルゴリズムに従って、接続したノードの確率伝搬の計算を行う。
ステップ1003:接続したノードの寄与度の選択。
対策以外の項目に対応するノードを選択し、その項目と因果関係で接続している項目と、その寄与度を全て取得する。これは、対策以外の項目が対策レベルに対してどの程度寄与しているかを判断でき、これによって対策レベルにその項目がどれぐらい寄与しているかがわかる。寄与度は、リスクレベルの項目ごとに、上流の確率伝搬と、下流への確率伝搬を計算したステップ515およびステップ516を行った段階で取得できる。
選択されたリスクレベルと、そのリスクレベルに接続される項目のキーワードの因果関係は、例えば図11のようになる。図中のキーワードのノードの数値は寄与度(%)を示している。
ステップ1004:正規化係数の計算。
ステップ1001で選択された項目の寄与度をPiとして正規化の係数を求める。これはつぎの式により行うことができる。
Figure 0007359345000013
とする。Ciは係数である。
ステップ1005:リスクレベルの計算。式19に従ってリスクレベルの強度を計算する。
Figure 0007359345000014
ここで、RLがリスクレベルの強度を示す。Ciは式[18]より求めた係数である。ITEMiは項目iが選ばれている場合には、1、選ばれていなければ0とする2値関数である。係数Ciは、寄与度の大きさを表すため、寄与度が大きい項目が選択されていれば、該当するリスクレベルに分類されるようになる。
ステップ1006:リスクレベルの決定。
式19を用いて、リスクレベルごとにリスクレベルの強度が計算された。その計算結果に基づいて、リスクレベルを判定する。
決定されたリスクレベルは、管理者用の端末141に表示される。管理者は、表示されたリスクレベルと、確認対象となっている(例えば手元にある)ヒヤリハット・事故調表に記載されたリスク評価とを比較することで、リスクレベルが妥当であるかの判定、および当該リスクレベルに関係する項目のキーワードの判断とすることができる。
[例5] 複合原因の提示
ヒヤリハットや事故は、ヒヤリハット・事故調表の記載上では1つ程度の原因が提示されがちである。しかし、実際には複合的な原因に因る場合が多い。そこで、過去に報告された多数のヒヤリハット・事故調表に基づく項目データ(すなわち項目リストに蓄積された項目データ)も分析することで、複合的さらには確信的な原因を探り、提示することが出る。これが1つの特徴である。
これについては、確率伝搬で計算されたノードの値をもとに、特定のヒヤリハットや事故の結果に関わるノードを選択して、その事故項目と繋がっている項目を選択する。これより、選択された項目の確率値の大きさから、大きな値を持つ原因関連項目を選択し提示することで、複合的な要因の提示を行うことができる。また、その確率を表示することで、複合的な原因のなかで、大きな関係性を持つ原因から順番に提示することができる。
図12は、ヒヤリハット・事故分析の処理(ステップ501~516)により生成された因果関係ネットワーク(図12(a))から特定のキーワードノード1101に注目して、因果関係から関連するキーワードノードを選定し、そのキーワードと繋がっているノードを選択した結果(図12(b))を示す。選択された特定のノード1101に繋がっているノードの因果関係ネットワークは保持されるが、繋がっていない(関係しない)ノードは消去される。
この動作は、例えば、管理者が端末141を操作することで、アクセス管理部123が安全情報DB131から因果関係ネットワークを読み出して、因果関係ネットワークを構成するノードとリンクの画面を端末141に表示し、ノードを適宜選択することで行われる。
図13は、季節替わりの場合の表示画面を示す。
図13は、上記例2において端末15に表示される表示画面1201の例を示す。表示画面1201は、寄与度の大きい項目を並べ替えられた、予め決められた数(例えば順位4位内)の、原因と寄与度から成る表示リストに基づく。表示リストは、雨:76%、荷物運搬:54%、A1出入口:23%、帰宅時:12%のように、原因1202とそれに対応する寄与度1203の対からなる。なお、寄与度の合計は必ずしも100%である必要はなく、あいまいさ(ファジー性)を持った値として表わされてよい。
以上のように、本実施例によれば、ヒヤリハットの内容の分析を行い、曜日や場所、事故発生の要因の項目に注目することにより、項目に深く関わるヒヤリハット・事故やその発生要因を把握することができる。また、発生原因が複数に亘っている場合でも複合的な原因を把握することができる。さらに、リスク評価のレベル判定する場合、従来では主観的な判断に頼ることがあったが、本実施例によれば、分析サーバ11が取得した項目の因果関係よりリスク評価の値を判定することによって、ヒヤリハット・事故の対策をいつ行うべきかを提供できるので、関係者は、より客観的な情報に基づいて安全性の判断を行うことができる。
本発明は上記実施例に限定されずに、いろいろと変形、応用して実施し得る。以下、幾つかの他の実施例を説明する。
[システム構成例]
実施例1では、コンピュータ10が、情報処理装置としての、分析サーバ11とDBサーバ12を有する、としている。他の例によれば、分析サーバ11とDBサーバ12は、ハードウェアとして別々の装置である必要はなく、1台の情報処理装置を用いて、分析サーバ11とDBサーバ12の機能を実現してもよい。また、ハードウェアとして1台の情報処理装置を用いる場合でも、分析サーバ11とDBサーバ12の機能をソフトウェア的に分離して構成してもよい。また、コンピュータ10の一部または全部の機能を、クラウドコンピュータ上に構成することも可能である。
また他の例として、実施例1における全てのDB131~134をコンピュータ10が有しなくてもよい。例えば、関連情報DB134が有する温度DBや天気DBは、外部機関が有する情報を利用してもよい。
また他の例として、端末14は、ネットワークを介して、コンピュータ10の分析サーバ11やDBサーバ12に接続するように構成してもよい。もちろん、その場合でも端末14とコンピュータ10の間にセキュリティが確保されることが必要である。
[分析サーバの例]
実施例1では分析サーバ11が文章処理部111を有しているが、他の例では、文章処理部111は、必ずしも、分析サーバ11に持たせる必要がなく、例えば、ヒヤリハット・事故調表のデータを入力する端末14に持たせてもよい。その場合、端末14が有する処理部が、文章処理部の機能を実行して、その処理結果(即ち抽出又は整理されたキーワード)が分析サーバ11へ送信されることになる。
[端末の例]
実施例1では、管理者による端末4の入力指示に応じて、例1~例3の、「日替わり表示」等の表示リストを、端末15へ提供するとした。他の例によれば、利用者が使用する端末15を用いて、端末4が行う上記の入力指示、および表示リストの表示を行うようにしてもよい。
[調表の例]
実施例1の調表30は一例であり、管理対象とする現場や事業所に応じて、項目内容や項目数を適宜変更することができる。例えば、同じ会社の複数の事業所を対象として管理する場合、事業所ごとに危険の種類が異なることがある。例えば、営業所と、炎天下で高所の作業場と、湿気の多い作業場、等ではそれぞれ危険が異なる。このような場合、それぞれの現場や事業所に応じて、項目の種類や数の異なった調表30が使用されることがある。或いは、全ての項目を含むような調表を用意しておいて、現場や事業所に応じて記入すべき項目を限定させるようにしてもよい。
[項目リストの例1]
管理対象とする現場や事業所に応じて、項目リスト40の項目内容や項目数を適宜変更することができる。例えば、上記調表の例の場合、複数種類の調表30に亘る全ての項目をカバーする最大限の項目を、項目リスト40に用意することができる。
[項目リストへの反映の例]
実施例1では、調表30を基に項目リスト40を作成する、としている。この例2によれば、項目リスト40の全ての項目を必ずしも調表30から作成しなくてもよい。例えば、調表30に無い項目を他から取得して、項目リスト40に1または複数の項目を追加して作成することが可能である。例えば、長時間残業や徹夜勤務が続くと、ヒヤリハットや事故が発生し易いという傾向がある。そこで、項目リスト40に残業時間または勤休状態の項目を用意しておき、関連情報DB134の1つとして従業員の勤休を管理する勤休管理DBと連携させておく。ヒヤリハット・事故調表に記載された遭遇者305について、勤休管理DBから当該遭遇者の最近の残業時間または勤休状態のデータを取得して、項目リストに記入することができる。因果関係の分析では、ヒヤリハットや事故の原因として、長時間残業や徹夜勤務との関係が明らかになる。
[項目リストの項目作成の例]
実施例1では、項目リスト40の各項目401~414は、予め用意されている。然しながら、ヒヤリハットや事故の原因が必ずしも予め想定できるとは限らない。そこで、項目管理部124に項目リスト40の項目追加機能を持たせて、調表30に良く出てくる単語(頻度単語)を文章処理部111に抽出させる。項目管理部124は、文章処理部111が抽出した頻度単語に関連する項目(例えば上位概念の用語)を、項目リスト40に追加することができる。頻度単語の抽出は、複数の調表を対象として抽出することが好ましい。
本発明は、ヒヤリハット・事故に係る安全情報を提供するものであり、製造工場や建設現場以外にも例えば病院や介護施設におけるヒヤリハット・事故を防止するためのコンピュータシステムに適用される。
10:コンピュータ
11:分析サーバ
12:DBサーバ
13:DB
14、141~143:端末
15:端末
111:文章処理部
112:項目処理部
1121:条件付確率生成部
1122:共分散計算部
1123:偏相関計算部
1124:低相関削除部
1125:グラフデータ生成部
113:ノード選択部
114:解析部
115:出力処理部
121:契約者登録部
122:ユーザ登録部
123:アクセス管理部
124:項目管理部
131:安全情報DB
132:調表DB
133:項目リストDB
134:関連情報DB

Claims (14)

  1. コンピュータを用いて、事故またはヒヤリハットに関する安全情報を管理する安全情報管理システムであって、
    事故またはヒヤリハットが発生した日時、場所、原因、結果を含む複数の項目ごとのキーワードを記録した項目リストを記憶する第1データベース(DB)と、
    前記項目を示すノードと、該ノード間を接続するリンクによって規定され、該リンクで接続される2つの前記項目に含まれるキーワードについて出現の条件付確率を計算して、2つの該ノードの因果関係を表す向き付けを行うことで、前記事故またはヒヤリハットの該原因と該結果に関する全てのキーワードについて因果関係を持つ因果関係ネットワークを生成する第1処理部と、
    該因果関係ネットワークを構成する、該ノードの上流の確率値の伝搬計算と該ノードの下流の確率値の伝搬計算を行うことで、原因と結果の連鎖の確率値を求めて、該項目の寄与度を算出する第2処理部と、
    前記第2処理部により計算された、該因果関係ネットワークにおける原因となる前記項目と前記寄与度を、前記事故またはヒヤリハットの安全情報として出力する第3処理部と、
    を有する安全情報管理システム。
  2. コンピュータを用いて、事故またはヒヤリハットに関する安全情報を管理する安全情報管理システムであって、
    事故またはヒヤリハットが発生した日時、場所、原因、結果、リスクレベルを含む複数の項目ごとのキーワードを記録した項目リストを記憶する第1データベース(DB)と、
    前記項目を示すノードと、該ノード間を接続するリンクによって規定され、該リンクで接続される2つの前記項目に含まれるキーワードについて出現の条件付確率を計算して、2つの該ノードの因果関係を表す向き付けを行うことで、前記事故またはヒヤリハットの該原因と該結果に関する全てのキーワードについて因果関係を持つ因果関係ネットワークを生成する第1処理部と、
    該因果関係ネットワークを構成する、該ノードの上流の確率値の伝搬計算と該ノードの下流の確率値の伝搬計算を行うことで、原因と結果の連鎖の確率値を求めて、該項目の寄与度を算出する第2処理部と、
    前記第2処理部により計算された、該因果関係ネットワークにおける原因となる前記項目と前記寄与度を、前記事故またはヒヤリハットの安全情報として出力する第3処理部と、を有し、
    前記リスクレベルは複数の段階に定義され、
    ノード選択部が、複数の段階に定義された前記リスクレベルの何れかのノードを選択し、
    前記第2処理部は、選択された前記ノードについて確率伝搬の計算を行って、該ノードの寄与度を選択し、選択された該リスクレベルと、該リスクレベルのノードに接続される1または複数のノードについて前記項目のキーワードの因果関係を取得し、
    該リスクレベルごとにリスクレベルの強度を計算し、その計算結果に基づいて、該リスクレベルを判定する、
    ことを特徴とする安全情報管理システム。
  3. 下記の式1、式2を用いて、前記リスクレベルの強度を計算することを特徴とする、請求項2の安全情報管理システム。

    Figure 0007359345000015
    式1

    選択された項目の寄与度をPiとして正規化の係数Ciを求める。

    Figure 0007359345000016
    式2

    RLはリスクレベルの強度。Ciは式1より求めた係数。ITEMiは、項目iが選ばれている場合は1、選ばれていない場合は0とする2値関数。
  4. 前記第3処理部により出力される、前記項目の前記原因と前記寄与度を示す画面を表示する第2の端末を有し、
    該第2の端末は、判定された前記リスクレベルを表示する、
    請求項2の安全情報管理システム。
  5. コンピュータを用いて、事故またはヒヤリハットに関する安全情報を管理する安全情報管理システムであって、
    事故またはヒヤリハットが発生した日時、場所、原因、結果を含む複数の項目ごとのキーワードを記録した項目リストを記憶する第1データベース(DB)と、
    前記項目リストから選択された2つずつの前記項目の組み合わせについて、前記項目に含まれるキーワードについて出現頻度を条件付確率として計算する条件付確率生成部と、
    前記項目間の条件付確率に基づいて共分散値を計算する共分散計算部と、
    前記共分散値から前記項目間の関係性を表す偏相関を計算し、前記項目間の関係性の強さを示す数値を計算する偏相関計算部と、
    前記偏相関計算部による計算結果を基に、前記項目を示すノードと、該ノード間を接続するリンクによって、因果関係を持つ因果関係ネットワークを生成するグラフデータ生成部と、を有する第1処理部と、
    該因果関係ネットワークを構成する、前記項目に対応するノードの上流の確率値の伝搬計算と前記項目に対応するノードの下流の確率値の伝搬計算を行うことで、原因と結果の連鎖の確率値を求めて、該項目の寄与度を算出する第2処理部と、
    前記第2処理部により計算された、該因果関係ネットワークにおける原因となる前記項目と前記寄与度を、前記事故またはヒヤリハットの安全情報として出力する第3処理部と、
    を有する安全情報管理システム。
  6. 前記偏相関計算部による前記項目間の関係性の強さを示す数値(偏相関値)が、あらかじめ決められた閾値よりも低い偏相関値を有する前記項目の組み合わせを削除する低相関削除部を有する、請求項5の安全情報管理システム。
  7. 前記低相関削除部は、前記ノードから出てくる矢印が複数あり、前記偏相関値が前記閾値よりも大きくなる場合、前記偏相関値の大きさに従って小さい値を消去する、
    請求項6の安全情報管理システム。
  8. 前記事故またはヒヤリハットを報告する、前記複数の項目を有する報告シートを記憶する第2DBと、
    前記報告シートに記載された前記複数の項目からキーワードを抽出して、前記第1DBの前記項目リストにある前記複数の項目に記録する第4処理部と、を有する
    請求項1、2、5の何れか1の項に記載の安全情報管理システム。
  9. 前記事故またはヒヤリハットを報告する、複数の項目を有する報告シートの入力を行う第1の端末と、
    前記第3処理部により出力される、前記項目の前記原因と前記寄与度を示す画面を表示する第2の端末を有する
    請求項1、2、5の何れか1の項に記載の安全情報管理システム。
  10. コンピュータが、事故またはヒヤリハットに関する安全情報を管理する安全情報管理方法であって、
    事故またはヒヤリハットが発生した日時、場所、原因、結果を含む複数の項目ごとのキーワードを記録した項目リストを第1データベース(DB)に記憶するステップと、
    前記項目を示すノードと、該ノード間を接続するリンクによって規定され、該リンクで接続される2つの前記項目に含まれるキーワードについて出現の条件付確率を計算して、2つの該ノードの因果関係を表す向き付けを行うことで、前記事故またはヒヤリハットの該原因と該結果に関する全てのキーワードについて因果関係を持つ因果関係ネットワークを生成する第1処理ステップと、
    該因果関係ネットワークを構成する、該ノードの上流の確率値の伝搬計算と該ノードの下流の確率値の伝搬計算を行うことで、原因と結果の連鎖の確率値を求めて、該項目の寄与度を算出する第2処理ステップと、
    前記第2処理ステップにより計算された、該因果関係ネットワークにおける原因となる前記項目と前記寄与度を、前記事故またはヒヤリハットの安全情報として出力する第3処理ステップと、
    を有する安全情報管理方法。
  11. コンピュータが、事故またはヒヤリハットに関する安全情報を管理する安全情報管理方法であって、
    事故またはヒヤリハットが発生した日時、場所、原因、結果、リスクレベルを含む複数の項目ごとのキーワードを記録した項目リストを第1データベース(DB)に記憶するステップと、
    前記項目を示すノードと、該ノード間を接続するリンクによって規定され、該リンクで接続される2つの前記項目に含まれるキーワードについて出現の条件付確率を計算して、2つの該ノードの因果関係を表す向き付けを行うことで、前記事故またはヒヤリハットの該原因と該結果に関する全てのキーワードについて因果関係を持つ因果関係ネットワークを生成する第1処理ステップと、
    該因果関係ネットワークを構成する、該ノードの上流の確率値の伝搬計算と該ノードの下流の確率値の伝搬計算を行うことで、原因と結果の連鎖の確率値を求めて、該項目の寄与度を算出する第2処理ステップと、
    前記第2処理ステップにより計算された、該因果関係ネットワークにおける原因となる前記項目と前記寄与度を、前記事故またはヒヤリハットの安全情報として出力する第3処理ステップと、を有し、
    前記リスクレベルは複数の段階に定義され、
    複数の段階に定義された前記リスクレベルの何れかのノードを選択し、
    前記第2処理ステップは、選択された前記ノードについて確率伝搬の計算を行って、該ノードの寄与度を選択し、選択された該リスクレベルと、該リスクレベルのノードに接続される1または複数のノードについて前記項目のキーワードの因果関係を取得し、
    該リスクレベルごとにリスクレベルの強度を計算し、その計算結果に基づいて、該リスクレベルを判定する、
    ことを特徴とする安全情報管理方法。
  12. コンピュータが、事故またはヒヤリハットに関する安全情報を管理する安全情報管理方法であって、
    事故またはヒヤリハットが発生した日時、場所、原因、結果を含む複数の項目ごとのキーワードを記録した項目リストを第1データベース(DB)に記憶するステップと、
    前記項目リストから選択された2つずつの前記項目の組み合わせについて、前記項目に含まれるキーワードについて出現頻度を条件付確率として計算する条件付確率生成ステップと、
    前記項目間の条件付確率に基づいて共分散値を計算する共分散計算ステップと、
    前記共分散値から前記項目間の関係性を表す偏相関を計算し、前記項目間の関係性の強さを示す数値を計算する偏相関計算ステップと、
    前記偏相関計算ステップによる計算結果を基に、前記項目を示すノードと、該ノード間を接続するリンクによって、因果関係を持つ因果関係ネットワークを生成するグラフデータ生成ステップと、を有する第1処理ステップと、
    該因果関係ネットワークを構成する、前記項目に対応するノードの上流の確率値の伝搬計算と、前記項目に対応するノードの下流の確率値の伝搬計算を行うことで、原因と結果の連鎖の確率値を求めて、該項目の寄与度を算出する第2処理ステップと、
    前記第2処理ステップにより計算された、該因果関係ネットワークにおける原因となる前記項目と前記寄与度を、前記事故またはヒヤリハットの安全情報として出力する第3処理ステップと、
    を有する安全情報管理方法。
  13. 前記偏相関計算ステップによる前記項目間の関係性の強さを示す数値(偏相関値)が、あらかじめ決められた閾値よりも低い偏相関値を有する前記項目の組み合わせを削除する低相関削除ステップを有する、請求項12の安全情報管理方法。
  14. 第1の端末が、前記事故またはヒヤリハットを報告する、複数の項目を有する報告シートの入力を行い、
    第2の端末が、前記第3処理ステップにより出力される、前記項目の前記原因と前記寄与度を示す画面を表示する
    請求項10、11、12の何れか1の項に記載の安全情報管理方法。
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