図1乃至図91を参照して、実施形態の半導体回路について、説明する。
以下、図面を参照しながら、本実施形態について詳細に説明する。以下の説明において、同一の機能及び(又は)構成を有する要素については、同一符号を付す。
[実施形態]
(1) 第1の実施形態
図1乃至図13を参照して、第1の実施形態の半導体回路路について説明する。
(1a)構成例
図1及び図2を参照して、実施形態の半導体回路の構成例について、説明する。
図1は、実施形態の無線通信システムを示すブロック図である。
図1の無線通信システム900は、第1の実施形態の半導体回路1を含む。
本実施形態の半導体回路1は、増幅回路(例えば、高周波増幅回路)1に関する。
本実施形態の半導体回路1は、例えば、高周波低ノイズ増幅回路(LNA:Low noise amplifier)1である。
図1に示されるように、無線通信システム900は、アンテナ910、アンテナスイッチ920、バンドパスフィルタ(BPF)930、LNA1、処理回路940、パワーアンプ(PA)950、及びローパスフィルタ(LPF)960などを含む。
アンテナ910は、他のデバイス(例えば、基地局又は他の無線通信システム)からの高周波信号を受ける。
アンテナスイッチ920は、アンテナ910を介した信号の送信及び受信を切り替えるスイッチ回路である。尚、図1において、送信側の信号経路(バス)及び受信側の信号経路のそれぞれが、1系統である例が示されている。但し、送信側の信号経路及び受信側の信号経路のそれぞれは、無線通信システムが送受信可能な周波数帯域の数に応じて、複数の系統を有していてもよい。
例えば、アンテナスイッチ920は、LNA1と同一の基板(例えば、SOI基板)上に設けられてもよい。アンテナスイッチ920とLNA1とが、ワンチップ化される。アンテナスイッチ920と半導体回路1とが、SOI基板上に配置された場合、高周波信号の電力損失の低減、消費電力の削減、及び(又は)、システム/デバイスの小型化が、実現できる。
バンドパスフィルタ930は、所定の周波数帯域(周波数の範囲)に属する高周波信号を、選択的に通過させる。
本実施形態のLNA1は、バンドパスフィルタ930を通過した信号を受ける。例えば、LNA1の入力端子LNAinは、誘導素子Lextを介して、端子INに接続されている。バンドパスフィルタ930は、端子INに、或る周波数帯域の高周波信号を供給する。
LNA1は、バンドパスフィルタ930からの信号に対して、或る動作による処理を施す。LNA1は、或る動作に基づいて、後段の回路(例えば、処理回路940)に送る。
処理回路940は、LNA1からの高周波信号に対して各種の処理を実行する。例えば、処理回路940は、高周波集積回路(RFIC)である。
パワーアンプ950は、処理回路940からの高周波信号の信号値(電圧値及び電流値のうち少なくとも一方)を、所定の値まで増幅する。
ローパスフィルタ960は、遮断周波数より高い周波数の信号を遮断する。ローパスフィルタ960は、遮断周波数以下の周波数(周波数帯域)の信号を、アンテナスイッチ920に送る。ローパスフィルタ960を通過した信号は、アンテナスイッチ920介して、アンテナ910から無線通信システム900の外部へ、送られる。
無線通信システム900は、例えば、制御回路990などを、さらに含む。
制御回路990は、受信した信号に対する各種の処理、信号の送信及び受信のための各種の処理、及び、無線通信システム900内の各種の処理を実行する。制御回路990は、無線通信システム900内の複数の回路(モジュール)の動作を制御できる。例えば、制御回路990は、本実施形態のLNA1の動作を制御できる。
制御回路990は、各種の制御信号CNTを、LNA1及び他の回路に供給する。
尚、制御回路990は、処理回路940内に設けられてもよい。処理回路940が、制御回路990の機能を有していてもよい。
例えば、無線通信システム900は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、フューチャーフォン、携帯端末(例えば、タブレット端末)、ゲーム機器、ルーター及び基地局などである。
図2は、本実施形態のLNA1の等価回路図である。
以下において、LNA1内の構成要素(例えば、受動素子)が、「直列」又は「並列」を冠して表記される場合がある。この場合において、「直列」素子は、信号(例えば、高周波信号)の伝達経路(信号パス、配線、ノード)上に直列に配置(又は接続)されている素子であることを示す。「並列」素子は、信号の伝達経路と基準電位との間に配置(又は接続)されている素子であることを示す。
<増幅回路>
本実施形態のLNA1は、供給された高周波信号RFinを増幅するカスコード接続増幅回路10を含む。カスコード接続増幅回路10は、カスコード接続された複数の電界効果トランジスタFET1,FET2を含む。以下において、カスコード接続増幅回路10は、単に増幅回路ともよばれる。
カスコード接続増幅回路10は、コア回路(カスコード接続部ともよばれる)101と出力整合回路(出力整合部ともよばれる)102とを含む。
コア回路101は、2つの電界効果トランジスタ(以下では、単にトランジスタとよばれる)FET1,FET2、抵抗素子RB1,RB2、容量素子CB2及び誘導素子Lsを含む。
2つのトランジスタFET1,FET2は、カスコード接続されている。本実施形態において、各トランジスタFET1,FET2は、nチャネル型のMOSトランジスタである。尚、各トランジスタFET1,FET2は、pチャネル型のMOSトランジスタでもよい。
トランジスタFET1の電流経路の一方の端子(例えば、トランジスタFET1のソース)は、誘導素子Lsの一方の端子に電気的に接続される。誘導素子Lsの他方の端子は、基準電圧VSSが印加された端子(以下では、基準電圧端子VSS又はグランド端子VSSとも表記される)に接続されている。電圧(以下では、グランド電圧とよばれる)VSSは、0Vの電圧値を有する。このように、トランジスタFET1のソースは、誘導素子Lsを介して接地される。
トランジスタFET1の電流経路の他方の端子(例えば、トランジスタFET1のドレイン)は、トランジスタFET2の電流経路の一方の端子(例えば、トランジスタFET2のソース)に電気的に接続される。
トランジスタFET2の電流経路の他方の端子(例えば、トランジスタFET2のドレイン)は、スイッチ素子Sw1を介して、ノード(配線又は端子)nd1に接続されている。
スイッチ素子Sw1は、トランジスタFET2のドレインとノードnd1との間の電気的な接続を制御する。ノードnd1は、出力整合回路102の入力ノードである。
トランジスタFET1の制御端子(トランジスタFET1のゲート)は、容量素子Cxを介してLNA1の入力端子LNAinに接続されている。容量素子Cxは、トランジスタFET1のゲートに供給される信号の直流成分を遮断する。
トランジスタFET1のゲートは、抵抗素子RB1の一方の端子に接続されている。抵抗素子RB1の他方の端子は、LNA1内のバイアス生成回路(図示せず)に接続されている。バイアス生成回路は、電圧VB1を、抵抗素子RB1の他方の端子に印加する。電圧VB1は、正の電圧値を有する。
尚、LNA1に供給される高周波信号の周波数帯域に応じて、容量素子が、トランジスタFET1のゲートとトランジスタFET1との間に接続されてもよい。
トランジスタFET2の制御端子(トランジスタFET2のゲート)は、抵抗素子RB2の一方の端子に接続される。抵抗素子RB2の他方の端子は、バイアス生成回路に接続されている。バイアス生成回路は、電圧VB2を、抵抗素子RB2の他方の端子に印加する。電圧VB2は、正の電圧値を有する。トランジスタFET2のゲートは、容量素子CB2の一方の端子に接続されている。容量素子CB2の他方の端子は、グランド端子に接続されている。
例えば、抵抗素子RB1,RB2は、バイアス生成回路に対する高周波信号RFinの回り込みを防止するために設けられている。
コア回路101において、トランジスタFET1は、誘導素子(以下では、ソースインダクタともよばれる)Lsによるインダクティブソースディジェネレーションを有するソース接地電界効果トランジスタとして機能する。トランジスタFET2は、対地容量CB2によるゲート接地電界効果トランジスタとして機能する。
高周波信号RFinの入力ノードは、誘導素子Lextを介して、入力端子LNAinに接続される。高周波信号RFinの入力ノードは、例えば、50Ω系の入力ノードである。例えば、誘導素子(以下では、外部インダクタともよばれる)Lextは、カスコード接続増幅回路10が設けられた半導体チップの外部に設けられている。但し、外部インダクタLextは、カスコード接続増幅回路10が設けられた半導体チップ内に、設けられてもよい。
例えば、誘導素子Lext,Ls及び容量素子Cxは、カスコード接続増幅回路10の入力整合回路を形成する。これによって、増幅用のFET1,FET2の利得整合及びノイズ整合を考慮したインピーダンス整合が、確保される。
例えば、コア回路101は、SOIプロセスを用いた半導体デバイス製造プロセスで形成される。
図3は、本実施形態のLNAにおけるコア回路の構造例を模式的に示す断面図である。
図3に示されるように、トランジスタFET1,FET2は、SOI基板800上に設けられる。
尚、図3において、カスコード接続された2つのトランジスタFET1,FET2がX方向に並ぶ例が示されている。但し、SOI基板800上におけるトランジスタFET1,FET2のレイアウトは、図3の例に限定されない。
SOI基板800は、支持基板810と、絶縁層820と、半導体層830(830a,830b)とを含む。半導体層830は、支持基板810上方に設けられている。絶縁層820は、半導体層830と支持基板810との間に設けられている。半導体層830は、絶縁層820によって、支持基板810から電気的に分離されている。
例えば、支持基板810は、半導体基板(例えば、シリコン基板)である。例えば、半導体層830は、シリコン層である。例えば、絶縁層820は、酸化シリコン層である。
トランジスタFET1は、SOI基板800内のアクティブ領域AA1内に設けられている。アクティブ領域AA1は、素子分離領域ISによって区画された領域である。絶縁層890が、素子分離領域IS内に設けられている。
トランジスタFET1のゲート電極81aは、SOI基板800の上面に対して垂直な方向(Z方向)における半導体層830aの上方に設けられている。ゲート絶縁膜82aは、ゲート電極81aと半導体層830との間に設けられている。
トランジスタFET1のソース83aは、半導体層830a内に設けられている。
トランジスタFET1のドレイン84aは、半導体層830a内に設けられている。半導体層830aにおけるソース83aとドレイン84aとの間の領域は、トランジスタFET1のチャネル領域となる。トランジスタFET1の駆動時において、トランジスタFET1のチャネルは、チャネル領域内に、形成される。
トランジスタFET2は、SOI基板800内のアクティブ領域内に設けられている。例えば、トランジスタFET2のアクティブ領域AA2は、素子分離領域ISによって、アクティブ領域AA1から電気的に分離されている。
トランジスタFET2のゲート電極81bは、Z方向における半導体層830bの上方に設けられている。ゲート絶縁膜82bは、ゲート電極81bと半導体層830bとの間に設けられている。
トランジスタFET2のソース83b及びドレイン84bは、半導体層830b内にそれぞれ設けられている。半導体層830bにおけるソース83bとドレイン84bとの間の領域は、トランジスタFET2のチャネル領域となる。トランジスタFET2の駆動時において、トランジスタFET2のチャネルは、チャネル領域内に、形成される。
各トランジスタFET1,FET2において、ゲート電極81(81a,81b)は、例えば、ポリシリコン層、シリサイド層、又は金属層などを含む導電層である。尚、ゲート電極81は、1つの層の単層構造を有してもよいし、複数の層の積層構造を有してもよい。
各トランジスタFET1,FET2において、ゲート絶縁膜82(82a,82b)は、例えば、酸化シリコン層、高誘電性絶縁層(high-k膜)などを含む絶縁層である。尚、ゲート絶縁膜82は、1つの層の単層構造を有していてもよいし、複数の層を含む積層構造を有していてもよい。
SOI基板800上に形成されたトランジスタFET1,FET2の各端子に対して、上述のように、抵抗素子RB1,RB2、容量素子Cx,CB2及び誘導素子Lsが、それぞれ接続される。トランジスタFET1,FET2は、スイッチ素子Sw1を介して、ノードnd1に接続される。
抵抗素子RB1,RB2、誘導素子Ls及び容量素子Cx,CB2の1つ以上は、トランジスタFET1,FET2が設けられたSOI基板800上に設けられてもよい。
このように、カスコード接続増幅回路10のトランジスタFET1,FET2が、SOIプロセスによって形成された場合、トランジスタの寄生容量を小さくできる。これによって、高周波信号の電力損失が、小さくなる。
本実施形態において、高周波スイッチング特性を有する電界効果トランジスタが、高周波LNAに適用される。これによって、高機能なLNAが、実現される。
カスコード接続増幅回路10内において、供給された高周波信号RFinは、容量素子Cxを経由して、カスコード接続された2つのトランジスタFET1,FET2のうちトランジスタFET1のゲートに、印加される。トランジスタFET1,FET2は、供給された高周波信号RFinに応じて、動作する。
これによって、カスコード接続増幅回路10内において、コア回路101は、供給された高周波信号RFinを、増幅する。
出力整合回路102は、誘導素子Ld、複数の容量素子Cout,Cbyp2及び複数のスイッチ素子Sw1,Sw2を含む。
誘導素子Ldの一方の端子は、ノードnd1に接続されている。誘導素子Ldは、ノードnd1及びスイッチ素子Sw1を介して、トランジスタFET2のドレインに接続されている。誘導素子Ldの他方の端子は、バイアス生成回路(図示せず)に接続されている。バイアス生成回路は、電圧VDDLNAを、誘導素子Ldの他方の端子に印加する。電源電圧VDDLNAは、正の電圧値を有する。
容量素子Coutの一方の端子は、ノードnd1に接続されている。容量素子Coutの他方の端子は、ノードnd2に接続されている。
スイッチ素子Sw1は、ノードnd1とコア回路101との間に設けられている。スイッチ素子Sw1の一方の端子は、トランジスタFET2のドレインに接続されている。スイッチ素子Sw1の他方の端子は、ノードnd1に接続されている。
スイッチ素子Sw1がオフ状態である場合、トランジスタFET2のドレインは、ノードnd1から電気的に分離される。この結果として、コア回路101は、LNA1の出力端子OUT1,OUT2から電気的に分離される。それゆえ、出力整合回路102へのコア回路101の出力信号の出力は、オフ状態のスイッチ素子Sw1によって、遮断される。
スイッチ素子Sw1がオン状態である場合、トランジスタFET2のドレインは、ノードnd1に電気的に接続される。この結果として、コア回路101は、LNA1の出力端子に電気的に接続される。コア回路101の出力信号が、LNA1の出力端子OUT1,OUT2に伝達される。
本実施形態において、出力整合回路102は、容量素子Cbyp2及びスイッチ素子Sw2を含む。
容量素子Cbyp2の一方の端子は、ノードnd1に接続されている。容量素子Cbyp2の他方の端子は、スイッチ素子Sw2の一方の端子に接続されている。スイッチ素子Sw2の他方の端子は、ノードnd2に接続されている。
スイッチ素子Sw2は、容量素子Cbyp2とノードnd2との間の電気的な接続を制御する。スイッチ素子Sw2がオフ状態である場合、容量素子Cbyp2は、ノードnd2から電気的に分離される。スイッチ素子Sw2がオン状態である場合、容量素子Cbyp2は、ノードnd2に電気的に接続される。スイッチ素子Sw2がオン状態である場合、容量素子Cbyp2は、2つのノードnd1,nd2間において、容量素子Coutに対して並列に接続される。
このように、オン状態のスイッチ素子Sw2によって、容量素子Cbyp2は有効状態に設定され、オフ状態のスイッチ素子Sw2によって、容量素子Cbyp2は無効状態に設定される。
カスコード接続増幅回路10内において、出力整合回路102は、増幅用のFET1,FET2の利得整合及びノイズ整合を考慮したインピーダンス整合を、確保する。
例えば、出力整合回路102は、出力整合回路102に高周波信号を供給する回路(例えば、コア回路101又は後述のバイパス回路20)と後段の回路(例えば、後述のスプリッタ回路30)との間のインピーダンス整合を、確保する。
増幅回路10の利得に応じて、負荷抵抗(及びスイッチ素子)が、トランジスタFET2のドレインに接続されてもよい。これによって、増幅回路10の利得の調整及び動作の安定化が、図られる。
尚、出力整合回路102は、カスコード接続増幅回路10の構成要素とは別途の要素とみなされてもよい。
<バイパス回路>
本実施形態のLNA1は、バイパス回路20を含む。
本実施形態において、バイパス回路20は、LNA1の入力ノードLNAinと出力整合回路102のノードnd1との間に設けられている。
スイッチ回路T-Sw4の一方の端子は、LNA1の入力端子LNAinに接続されている。スイッチ回路T-Sw4の他方の端子は、容量素子Cbyp1を介してノードnd1に接続されている。
スイッチ回路T-Sw4は、T型スイッチである。T型スイッチT-Sw4は、3つのスイッチ素子を含む。T型スイッチ内の第1のスイッチ素子の一方の端子は、そのT型スイッチの入力端子に接続されている。第2のスイッチ素子は、第1のスイッチ素子の他方の端子とT型スイッチの出力端子との間に接続されている。第3のスイッチ素子は、第1及び第2のスイッチ素子の接続点と基準電圧端子(例えば、グランド端子)との間に接続される。
容量素子Cbyp1の一方の端子は、T型スイッチ素子T-Sw4の他方の端子に接続される。容量素子Cbyp1の他方の端子は、ノードnd1に接続されている。
このように、T型スイッチT-Sw4及び容量素子Cbyp1は、バイパス回路20の信号経路(端子LNAinとノードnd1とを接続する配線)上に、直列に接続されている。例えば、容量素子Cbyp1は、容量素子Cbyp1と外部インダクタLextとの間の直列共振作用により、外部インダクタLextの影響を軽減する。
T型スイッチT-Sw4は、入力端子LNAinとノードnd1との間の電気的な接続を制御する。T型スイッチT-Sw4がオフ状態である場合、入力端子LNAinは、ノードnd1から電気的に分離される。T型スイッチT-Sw4がオン状態である場合、入力端子LNAinは、容量素子Cbyp1を介して、ノードnd1に電気的に接続される。
バイパス回路20は、本実施形態のLNA1内において、コア回路101(増幅回路10)を経由しない、LNA1から入力端子から後述のスプリッタ回路30に至る高周波信号RFinの伝搬経路を、形成する。
これによって、高周波信号RFinは、増幅回路10による増幅無しに、スプリッタ回路30に伝達される。
<スプリッタ回路>
本実施形態のLNA1は、スプリッタ回路30を含む。スプリッタ回路30は、ノードnd2に接続されている。ノードnd2は、出力整合回路102の出力ノードである。但し、ノードnd2は、スプリッタ回路30の入力ノードでもある。
スプリッタ回路30は、複数の出力端子OUT1,OUT2を含む。スプリッタ回路30は、本実施形態のLNA1における出力回路として機能する。
スプリッタ回路30は、以下のように、複数の受動素子を用いて構成されている。
スプリッタ回路30は、ノードnd2とグランド端子との間に接続された複数の容量素子C1,C2を含む。
容量素子C1の一方の端子は、ノードnd2に接続される。容量素子C1の他方の端子は、グランド端子に接続される。
容量素子C2の一方の端子は、ノードnd2に接続されている。容量素子C2の他方の端子は、スイッチ素子Sw3の一方の端子に接続されている。スイッチ素子SW3の他方の端子は、グランド端子に接続されている。容量素子C2及びスイッチ素子Sw3は、ノードnd2とグランド端子との間において直列に接続されている。
スイッチ素子Sw3は、容量素子C2とグランド端子との間の電気的な接続を制御する。スイッチ素子Sw3がオフ状態である場合、容量素子C2は、グランド端子から電気的に分離される。スイッチ素子Sw3がオン状態である場合、容量素子C2は、グランド端子に電気的に接続される。この場合において、容量素子C2は、ノードnd2とグランド端子との間において、容量素子C1に対して並列に接続される。
このように、オン状態のスイッチ素子Sw3によって、容量素子C2は有効状態に設定され、オフ状態のスイッチ素子Sw3によって、容量素子C2は無効状態に設定される。
スプリッタ回路30は、誘導素子L1aを含む。誘導素子L1aは、ノードnd2とノードnd3との間に接続されている。ノードnd3は、スプリッタ回路30の複数の出力ノードのうちの1つである。誘導素子L1aは、ノードnd2とノードnd3との間の伝達経路に関して、直列インダクタとなる。
誘導素子L1aの一方の端子は、ノードnd2に接続されている。誘導素子L1aの他方の端子は、ノードnd3に接続されている。
スプリッタ回路30は、ノードnd3に接続された複数の容量素子C2a,C3aを含む。複数の容量素子C2a,C3aは、ノードnd3とグランド端子との間に接続されている。
容量素子C2aの一方の端子は、ノードnd3に接続されている。容量素子C2aの他方の端子は、グランド端子に接続されている。容量素子C2aは、ノードnd2とノードnd3との間の伝達経路(配線及び(又は)端子)に関して、並列キャパシタとなる。
容量素子C3aの一方の端子は、ノードnd3に接続されている。容量素子C3aの他方の端子は、スイッチ素子Sw4の一方の端子に接続されている。スイッチ素子Sw4の他方の端子は、グランド端子に接続されている。容量素子C3a及びスイッチ素子Sw4は、ノードnd3とグランド端子との間において直列に接続されている。容量素子C3aは、ノードnd2とノードnd3との間の伝達経路に関して、並列キャパシタとなる。
スイッチ素子Sw4は、容量素子C3aとグランド端子との間の電気的な接続を制御する。スイッチ素子Sw4がオフ状態である場合、容量素子C3aは、グランド端子から電気的に分離される。スイッチ素子Sw4がオン状態である場合、容量素子C3aは、グランド端子に電気的に接続される。スイッチ素子Sw4がオン状態である場合、容量素子C3aは、ノードnd3とグランド端子との間において、容量素子C2aに対して並列に接続される。
このように、オン状態のスイッチ素子Sw4によって、容量素子C3aは有効状態に設定され、オフ状態のスイッチ素子Sw4によって、容量素子C3aは無効状態に設定される。
スプリッタ回路30は、ノードnd3と出力端子OUT1との間に設けられたスイッチ回路(例えば、T型スイッチ)を含む。
T型スイッチT-Sw1の一方の端子は、ノードnd3に接続されている。T型スイッチT-Sw1の他方の端子は、LNA1の第1の出力端子OUT1に接続されている。
T型スイッチT-Sw1は、ノードnd3と出力端子OUT1との間の電気的な接続を制御する。T型スイッチT-Sw1がオフ状態である場合、出力端子OUT1は、ノードnd3から電気的に分離される。T型スイッチT-Sw1がオン状態である場合、出力端子OUT1は、ノードnd3に電気的に接続される。
T型スイッチT-Sw1は、出力端子OUT1と他の構成要素(例えば、ノード及び他の出力端子など)との間のアイソレーション特性を向上できる。
スプリッタ回路30は、誘導素子L1bを含む。誘導素子L1bは、ノードnd2とノードnd4との間に接続されている。ノードnd4は、スプリッタ回路30の複数の出力ノードのうちの1つである。
誘導素子L1bの一方の端子は、ノードnd2に接続されている。誘導素子L1bの他方の端子は、ノードnd4に接続されている。誘導素子L1bは、ノードnd2とノードnd4との間の伝達経路に関して、直列インダクタとなる。ノードndとスプリッタ回路30の出力端子OUT1,OUT2との間において、ノードnd2とノードnd4との間の誘導素子L1bは、ノードnd2とノードnd3との間の誘導素子L1aに対して並列な関係を有している。スプリッタ回路30において、直列インダクタとなる誘導素子L1a,L1bの組は、直列インダクタ対ともよばれる
スプリッタ回路30は、ノードnd4に接続された複数の容量素子C2b,C3bを含む。複数の容量素子C2b,C3bは、ノードnd4とグランド端子との間に接続されている。
容量素子C2bの一方の端子は、ノードnd4に接続されている。容量素子C2aの他方の端子は、グランド端子に接続されている。容量素子C2bは、ノードnd2とノードnd4との間の伝達経路に関して、並列キャパシタとなる。スプリッタ回路30において、並列キャパシタとなる容量素子C2a,C2bの組は、並列キャパシタ対ともよばれる。
容量素子C3bの一方の端子は、ノードnd4に接続されている。容量素子C3bの他方の端子は、スイッチ素子Sw5の一方の端子に接続されている。スイッチ素子Sw5の他方の端子は、グランド端子に接続されている。容量素子C3b及びスイッチ素子Sw5は、ノードnd4とグランド端子との間において直列に接続されている。容量素子C3bは、ノードnd2とノードnd4との間の伝達経路に関して、並列キャパシタとなる。
スイッチ素子Sw5は、容量素子C3bとグランド端子との間の電気的な接続を制御する。スイッチ素子Sw5がオフ状態である場合、容量素子C3bは、グランド端子から電気的に分離される。スイッチ素子Sw5がオン状態である場合、容量素子C3bは、グランド端子に電気的に接続される。スイッチ素子Sw5がオン状態である場合、容量素子C3bは、ノードnd4とグランド端子との間において、容量素子C2bに対して並列に接続される。
このように、オン状態のスイッチ素子Sw5によって、容量素子C3bは有効状態に設定され、オフ状態のスイッチ素子Sw5によって、容量素子C3bは無効状態に設定される。
スプリッタ回路30は、ノードnd4と出力端子OUT2との間に設けられたスイッチ回路(例えば、T型スイッチ)を含む。
T型スイッチT-Sw2の一方の端子は、ノードnd4に接続されている。T型スイッチT-Sw2の他方の端子は、LNA1の第2の出力端子OUT2に接続されている。
T型スイッチT-Sw2は、ノードnd4と出力端子OUT2との間の電気的な接続を制御する。T型スイッチT-Sw2がオフ状態である場合、出力端子OUT2は、ノードnd4から電気的に分離される。T型スイッチT-Sw2がオン状態である場合、出力端子OUT2は、ノードnd4に電気的に接続される。
スプリッタ回路30は、抵抗素子Roxを含む。抵抗素子Roxは、ノードnd3とノードnd4との間に接続されている。
抵抗素子Roxの一方の端子は、ノードnd3に接続されている。抵抗素子Roxの一方の端子は、ノードnd4に接続されている。
スプリッタ回路30は、スイッチ回路(例えば、T型スイッチ)T-Sw3を含む。T型スイッチT-Sw3は、ノードnd3とノードnd4との間に設けられている。
T型スイッチT-Sw3の一方の端子は、ノードnd3に接続されている。T型スイッチT-Sw3の他方の端子は、ノードnd4に接続されている。T型スイッチT-Sw3は、2つのノードnd3,nd4間において、抵抗素子Roxに対して並列に接続されている。
T型スイッチT-Sw3は、ノードnd3とノードnd4との間の電気的な接続を制御する。
本実施形態のLNA1は、上記の構成によって、複数の動作モード及び複数の出力モードを実行する。
本実施形態のLNA1は、コア回路101及びバイパス回路20のうちいずれか一方の選択に基づいて、増幅モード及びバイパスモードのうちいずれか一方を選択できる。
本実施形態のLNA1は、スプリッタ回路30内の伝達経路の選択に基づいて、単一出力モード及びスプリット出力モードのうちいずれか一方を選択できる。
高周波信号RFinが、コア回路101に供給された場合、カスコード接続されたトランジスタFET1,FET2によって増幅される増幅された信号RFinは、出力整合回路102を経由して、スプリッタ回路30に出力される。
スプリッタ回路30は、単一出力モード及びスプリット出力モードのうちいずれか一方に基づいて、増幅回路10からの信号を、LNA1の外部へ出力する。
高周波信号RFinが、バイパス回路20に供給された場合、バイパス回路20は、供給された信号RFinを、信号の増幅無しに、出力整合回路102に出力する。バイパス回路20からの信号は、出力整合回路102を経由して、スプリッタ回路30に出力される。
スプリッタ回路30は、LNA1の動作モードに応じて、動作する。例えば、本実施形態のLNAは、単一出力モード及びスプリット出力モードによる高周波信号の出力を実行可能である。
LNA1の単一出力モード時において、LNA1は、出力端子OUT1,OUT2のうち、1つの出力端子を用いて、高周波信号を後段の回路に出力する。
例えば、LNA1のスプリット出力モード時において、LNA1は、LNA1の複数の出力端子OUTを用いて、高周波信号を後段の回路に出力する。
例えば、キャリアアグリゲーション技術の1つとして、イントラバンドキャリアアグリゲーション技術が、存在する。この場合において、LNAの出力信号は、複数に分岐されて、後段の回路に出力される。
それゆえ、イントラバンドキャリアアグリゲーション技術に対応したLNAを実現する場合、LNAは、単一出力モードとともに、スプリット出力モードを実行可能であることが、望まれる。
例えば、スプリット出力モード時におけるLNAの出力端子(出力ポート)間のアイソレーションは、25dB以上であることが望まれる。
(1b)動作例
図4乃至図8を参照して、本実施形態のLNAの動作例について説明する。
図4は、本実施形態のLNAの動作例を説明するための図である。図4は、各動作モードにおけるLNA1内の各スイッチ素子のオン/オフの状態を示している。
図4に示されるように、本実施形態のLNAは、LNA内のスイッチ素子Sw1,Sw2,・・・,Sw5,T-Sw1,T-Sw2,・・・,T-Sw5のオン/オフの制御によって、複数の動作モードを実現できる。
例えば、LNA1内の各スイッチ素子(例えば、スイッチ素子Sw1,Sw2,・・・,Sw5,T-Sw1,T-Sw2,・・・,T-Sw5)のオン/オフは、RFIC、システム900内の制御回路990又はLNA1の制御回路(図示せず)によって、制御される。
<増幅モード>
図5は、本実施形態のLNA1が増幅モードに基づいて動作する場合における、LNA1内における高周波信号のノードnd2までの伝達経路を示す模式図である。
図4及び図5に示されるように、本実施形態のLNA1が増幅モードで動作する場合、出力整合回路102内のスイッチ素子Sw1がオンし、バイパス回路20内のT型スイッチT-Sw4がオフする。
オフ状態のT-Sw4によって、バイパス回路20は、LNA1の入力端子LNAinから電気的に分離される。
オン状態のスイッチ素子Sw1によって、増幅回路10において、コア回路101は、出力整合回路102のノードnd1に電気的に接続される。
増幅モード時において、出力整合回路102内のスイッチ素子Sw2は、オフする。これによって、容量素子Cbyp2は、無効状態に設定される。
コア回路101において、カスコード接続されたトランジスタFET1,FET2は、適切に設定されたゲートバイアス電圧VB1,VB2によって、動作する。
コア回路101は、供給された高周波信号RFinを増幅する。コア回路101は、増幅した高周波信号RFampを、オン状態のスイッチ素子Sw1を介して、出力整合回路102に出力する。
出力整合回路102は、増幅された信号RFampを、容量素子Coutを介して、スプリッタ回路30に出力する。
スプリッタ回路30は、選択された出力モードに応じて、増幅された信号RFampを、LNA1の外部(例えば、RFIC)へ出力する。
以上のように、増幅モード時において、供給された高周波信号RFinは、増幅回路10によって増幅され、LNA1の出力端子からLNA1の後段の回路へ転送される。
<バイパスモード>
図6は、本実施形態のLNA1がバイパスモードに基づいて動作する場合における、LNA1内における高周波信号のノードnd2までの伝達経路を示す模式図である。
バイパスモードは、増幅回路10による高周波信号RFinの増幅無しに、供給された高周波信号RFinをスプリッタ回路30に伝達する動作モードである。
図4及び図6に示されるように、本実施形態のLNA1がバイパスモードで動作する場合、出力整合回路102内のスイッチ素子Sw1がオフし、バイパス回路20内のT型スイッチT-Sw4がオンする。
オフ状態のスイッチ素子Sw1によって、コア回路101は、出力整合回路102のノードnd1から電気的に分離される。例えば、バイパスモード時において、バイアス生成回路は、コア回路101に対する電圧VB1,VB2の供給を停止する。トランジスタFET1,FET2のゲートの電位は、グランド電圧に設定される。尚、バイパスモード時において、コア回路101のインピーダンスが、バイパス回路20のインピーダンスに寄与する場合がある。
バイパスモード時において、スイッチ素子Sw2は、オンする。これによって、容量素子Cbyp2は、有効状態に設定される。
オン状態のT型スイッチT-Sw4によって、バイパス回路20は、LNA1の入力端子LNAinに電気的に接続される。
供給された高周波信号RFinは、バイパス回路20内の容量素子Cbyp1を経由して、出力整合回路102に出力される。
出力整合回路102は、バイパス回路20からの信号RFbypを、容量素子Cout,Cbyp2を介して、スプリッタ回路30に出力する。
スプリッタ回路30は、選択された出力モードに応じて、信号RFbypを、LNA1の外部(例えば、RFIC)へ出力する。
以上のように、バイパスモード時において、供給された高周波信号RFinは、バイパス回路20を経由して、LNA1の出力端子からLNA1の後段の回路へ転送される。
<単一出力モード>
図7は、本実施形態のLNA1が単一出力モードに基づいて動作する場合における、LNA1内における信号のノードnd2から出力端子側への伝達経路を示す模式図である。
図4及び図7に示されるように、単一出力モード時において、アクティブ状態に設定される出力端子OUT1,OUT2に応じて、スプリッタ回路30のT型スイッチT-Sw1,T-Sw2のうちいずれか一方がオンし、T型スイッチT-Sw1,T-Sw2のうち他方がオフする。
例えば、LNA1の出力端子OUT1がアクティブ状態に設定される場合、図7に示されるように、T型スイッチT-Sw1がオンし、T型スイッチT-Sw2がする。これによって、出力整合回路102のノードnd2が、出力端子OUT1に電気的に接続される。この場合において、出力端子OUT2は、ノードnd2から電気的に分離される。
例えば、LNA1の出力端子OUT2がアクティブ状態に設定される場合、図7の例とは反対に、T型スイッチT-Sw1がオフし、T型スイッチT-Sw2がオンする。これによって、出力整合回路102のノードnd2が、出力端子OUT2に電気的に接続される。この場合において、出力端子OUT1は、ノードnd2から電気的に分離される。
単一出力モード時において、T型スイッチT-Sw3は、アクティブ状態の出力端子OUT1,OUT2に依存せずに、オンする。
単一出力モード時において、スイッチ素子Sw3,Sw4,Sw5は、オフする。これによって、容量素子C2,C3a,C3bは、無効状態に設定される。容量素子C2,C3a,C3bは、単一出力モード時において、LNA1の出力インピーダンスに寄与しない。
単一出力モード時において、コア回路101又はバイパス回路20からの信号RFoutは、ノードnd2からスプリッタ回路30に出力される。
スプリッタ回路30は、高周波信号RFoutを、2つのT型スイッチR-Sw1,T-Sw2のうちオン状態のT型スイッチ(及びオン状態のT型スイッチT-Sw3)を介して、アクティブ状態の出力端子からLNA1の外部(例えば、RFIC)へ出力する。
以上のように、単一出力モード時において、高周波信号RFoutは、LNA1内の選択された出力端子からLNA1の後段の回路へ伝達される。
<スプリット出力モード>
図8は、本実施形態のLNA1がスプリット出力モードに基づいて動作する場合における、LNA1内における高周波信号のノードnd2から出力端子側への伝達経路を示す模式図である。
図4及び図8に示されるように、スプリット出力モード時において、LNA1の複数の出力端子OUT1,OUT2の全てが、アクティブ状態に設定される。
スプリット出力モード時、スプリッタ回路30のT型スイッチT-Sw1,T-Sw2の両方が、オンする。これによって、出力端子OUT1,OUT2の両方が、出力整合回路102のノードnd2に接続される。
スプリット出力モード時において、T型スイッチT-Sw3は、オフする。
スプリット出力モード時において、スイッチ素子Sw3,Sw4,Sw5は、オンする。これによって、容量素子C2,C3a,C3bは、有効状態に設定される。容量素子C2a,C2b,C3a,C3bは、スプリット出力モード時において、LNA1の出力インピーダンスに寄与する。
スプリット出力モード時において、コア回路101又はバイパス回路20からの信号RFoutは、ノードnd2からスプリッタ回路30に出力される。
スプリッタ回路30は、信号RFoutを、オン状態の2つのT型スイッチR-Sw1,T-Sw2を介して、アクティブ状態の出力端子OUT1,OUT2のそれぞれからLNA1の外部(例えば、RFIC)へ出力する。
以上のように、スプリット出力モード時において、高周波信号は、LNA1内の複数の出力端子からLNA1の後段の回路へ伝達される。
(1c)特性
図9乃至図13を参照して、本実施形態のLNAの特性について説明する。
図9乃至図12は、本実施形態のLNAの構成例のシミュレーション結果を示している。
図9の(a)、図10の(a)、図11の(a)、及び図12の(a)は、本実施形態のLNA1における、周波数とSパラメータとの関係を示すグラフである。図9の(a)において、Sパラメータのうち、S(1,1)、S(2,2)、S(2,1)、S(2,3)に関する周波数特性が示されている。Sパラメータにおける、ポート1は、高周波信号入力ノードINに対応し、ポート2はLNA1の出力端子OUT1に対応し、ポート3はLNA1の出力端子OUT2に対応する。
図9乃至図12の(a)において、グラフの横軸は、周波数(単位:GHz)に対応し、グラフの縦軸は、利得/損失(単位:dB)に対応する。
図9の(b)、図10の(b)、図11の(b)、及び図12の(b)は、本実施形態のLNA1における、周波数とノイズ指数との関係を示すグラフである。
図9乃至図12の(b)において、グラフの横軸は、周波数(単位:GHz)に対応し、グラフの縦軸は、ノイズ指数(単位:dB)に対応する。
本実施形態のLNAのシミュレーションに関して、周波数帯域は、2496MHzから2690MHzまでの帯域(BAND41)に設定されている。このシミュレーションにおいて、本実施形態のLNAに供給される電圧VDDLNAは、1.2Vに設定されている。
図9乃至図12の(a)において、“m2”の周波数が、帯域中心周波数に相当する。図9乃至図12の(b)において、“m5”の周波数が、帯域中心周波数に相当する。
図9は、本実施形態のLNA1の増幅モード及び単一出力モードにおける、小信号特性を示している。
図9の(a)に示されるように、本実施形態のLNA1の増幅モード及び単一出力モードの帯域中心利得(S21)は、20.288dBである。反射損(S11)は-9.473dB以下である。反射損(S22)は、-14.133dB以下である。
図9の(b)に示されるように、ノイズ指数(NF)は、0.777dB以下である。
図10は、本実施形態のLNAの増幅モード及びスプリット出力モードにおける、小信号特性を示している。
図10の(a)に示されるように、本実施形態のLNA1の増幅モード及びスプリット出力モードの帯域中心利得(S21)は、17.46dBである。反射損(S11)は-8.792dB以下である。反射損(S22)は、-18.673dB以下である。
図10の(b)に示されるように、ノイズ指数(NF)は、0.746dB以下である。
図11は、本実施形態のLNAのバイパスモード及び単一出力モードにおける、小信号特性を示している。
図11の(a)に示されるように、本実施形態のLNA1のバイパスモード及び単一出力モードにおいて、通過損失(-S21)は、2.8dB程度である。
図12は、本実施形態のLNAのバイパスモード及びスプリット出力モードにおける、小信号特性を示している。
図12の(a)に示されるように、本実施形態のLNA1のバイパスモード及びスプリット出力モードにおいて、通過損失(-S21)は、6.6dB程度である。
図13は、図9乃至図12に示される本実施形態のLNAの小信号特性のシミュレーション結果の一覧を、示している。図13において、“S21”のSパラメータについて、帯域中心値が示されている。“S11”、“S22”及び“S23”のSパラメータ及びノイズ指数のそれぞれについて、帯域内の最悪値が示されている。
図13において、上記のパラメータに加えて、LNAのバイアス電流(IddLNA)が、示されている。
図13に示されるように、本実施形態のLNAは、上述の各種のパラメータに関して、比較的良好な特性を有する。
本実施形態のLNAは、スプリット出力モードにおける“S23”のパラメータに関して、一般的なLNAの“S23”のパラメータよりも良好である。
例えば、LNAにおける“S23”のパラメータに要求される一般的な値は、-25dB程度である。
本実施形態のスプリット出力モードのLNAにおいて、増幅モード時の“S23”のパラメータは、-29.5dBであり、バイパスモード時の“S23”のパラメータは、-31dBである。
このように、本実施形態のLNAの“S23”のパラメータは、十分なマージンを確保できる。この結果として、本実施形態のLNAは、LNAの出力ポート間のアイソレーション特性を向上できる。
以上のように、第1の実施形態のLNAは、単一出力モードとスプリット出力モードとを実現しながら、特性を向上できる。
(2) 第2の実施形態
図14乃至図26を参照して、本実施形態のLNAについて説明する。
(2a)構成例
図14は、本実施形態のLNAを示す回路図である。
本実施形態のLNA1Aは、複数の周波数帯域のうち1つの周波数帯域の信号を選択的に受けるための機能を有する。
本実施形態のLNA1Aは、選択回路40Aを含む。選択回路40Aは、周波数帯域を選択できる。
選択回路40Aは、バンドパスフィルタからの或る周波数帯域の高周波信号を、受ける。
選択回路40Aは、複数のLNA1Aのうち対応する1つのLNAに接続されている。
図14に示されるように、本実施形態のLNA1Aは、第1の実施形態と同様に、カスコード接続増幅回路10A(コア回路101及び出力整合回路102A)及びバイパス回路20を含む。
本実施形態のLNA1Aは、選択回路40Aをさらに含む。
<選択回路>
本実施形態のLNA1Aは、選択回路40Aによる帯域選択機能を有する。
例えば、本実施形態において、選択回路40Aは、第1の周波数帯域(例えば、BAND40)及び第2の周波数帯域(BAND41)の2つの帯域に対応するように、信号経路の切り替えを制御する。第1の周波数帯域としてのBAND40は、2300MHzから2400MHzに対応する。第2の周波数帯域としてのBAND41は、2496MHzから2690MHzの周波数帯域に対応する。
選択回路40Aは、容量素子Cb40と、スイッチ素子Sw6とを含む。
容量素子Cb40の一方の端子は、入力端子RFinに接続されている。容量素子Cb40の他方の端子は、スイッチ素子Sw6の一方の端子に接続されている。スイッチ素子Sw6の他方の端子は、入力端子LNAinに接続されている。
容量素子Cb40は、2つの端子RFin,LNAin間において、誘導素子Lextに対して並列に接続されている。
スイッチ素子Sw6は、容量素子Cb40の有効状態/無効状態を制御する。
オン状態のスイッチ素子Sw6は、容量素子Cb40を、カスコード接続増幅回路10及びバイパス回路20に電気的に接続できる。これによって、LNA1Aの入力インピーダンスに対する容量素子Cddの寄与が、有効化される。容量素子Cb40は、オン状態のスイッチ素子Sw6によって、有効状態に設定される。
オフ状態のスイッチ素子Sw6は、容量素子Cb40を、カスコード接続増幅回路10及びバイパス回路20から電気的に分離できる。これによって、LNA1Aの入力インピーダンス対する容量素子Cb40の寄与が、無効化される。容量素子Cb40は、オフ状態のスイッチ素子Sw6によって、無効状態に設定される。
例えば、容量素子Cb40は、容量素子Cb40と誘導素子Lextとの間の並列共振作用によって、誘導素子Lextの実効的な誘導値を変えることができる。例えば、容量素子Cb40は、誘導素子Lextの実効的な誘導値を大きくできる。
これによって、本実施形態のLNA1Aは、複数の周波数帯域のうち選択された1つの周波数帯域の高周波信号を受けることができる。
<出力整合回路>
本実施形態において、選択回路40A(容量素子Cb40)の接続に伴って、出力整合回路102Aは、例えば、容量素子Cdd及びスイッチ素子Sw7を、さらに含む。
容量素子Cddの一方の端子は、ノードnd1に接続されている。容量素子Cddの他方の端子は、スイッチ素子Sw7の一方の端子に接続されている。スイッチ素子Sw7の他方の端子は、グランド端子に接続されている。
スイッチ素子Sw7は、選択回路40Aによって選択された周波数帯域に応じて、容量素子Cddの有効状態/無効状態を、制御する。
オン状態のスイッチ素子Sw7は、容量素子Cddをグランド端子に電気的に接続する。これによって、ノードnd1に対する容量素子Cddの寄与が、有効化される。オン状態のスイッチ素子Sw7によって、容量素子Cddは、有効状態に設定される。
オフ状態のスイッチ素子Sw7は、容量素子Cddをグランド端子から電気的に分離する。これによって、ノードnd1に対する容量素子Cddの寄与が、無効化される。オフ状態のスイッチ素子Sw7によって、容量素子Cddは、無効状態に設定される。
例えば、容量素子Cddは、容量素子Cddと誘導素子Ldとの間の並列共振作用によって、誘導素子Ldの実効的な誘導値を大きくできる。
<スプリッタ回路>
本実施形態において、選択回路40A(容量素子Cb40)の接続に伴って、スプリッタ回路30は、抵抗素子Rox2a,Rox2b及びスイッチ素子Sw8を、さらに含む。
抵抗素子Rox2aの一方の端子は、ノードnd3に接続されている。抵抗素子Rox2aの他方の端子は、スイッチ素子Sw8の一方の端子に接続されている。スイッチ素子Sw8の他方の端子は、抵抗素子Rox2bの一方の端子に接続されている。抵抗素子Rox2bの他方の端子は、ノードnd4に接続されている。
抵抗素子Rox2a,Rox2bは、ノードnd3とノードnd4との間において、直列接続されている。
スイッチ素子Sw8は、2つの抵抗素子Rox2a,Rox2bの有効状態/無効状態を、制御する。スイッチ素子Sw8は、2つの抵抗素子Rox2a,Rox2bの電気的な接続を制御する。
スイッチ素子Sw8がオフ状態である場合、抵抗素子Rox2aは、抵抗素子Rox2bから電気的に分離される。これによって、ノードnd3,nd4に対する抵抗素子Rox2a,Rox2bの寄与が、無効化される。オフ状態のスイッチ素子Sw8によって、抵抗素子Rox2a,Rox2bは、無効状態に設定される。
スイッチ素子Sw8がオン状態である場合、抵抗素子Rox2aは、抵抗素子Rox2bに電気的に接続される。これによって、ノードnd3,nd4に対する抵抗素子Rox2a,Rox2bの寄与が、有効化される。オン状態のスイッチ素子Sw8によって、抵抗素子Rox2a,Rox2bは、有効状態に設定される。抵抗素子Rox2,Rox2bが有効状態である場合において、電気的に接続された抵抗素子Rox2a,Rox2bは、ノードnd3とノードnd4との間において、抵抗素子Roxに対して並列に接続される。
本実施形態において、スイッチ素子Sw6,Sw7,Sw8の制御による高周波信号の伝達経路に対する受動素子Cb40,Cddの有効化/無効化によって、第1の周波数帯域(BAND40)の信号の受信時及び第2の周波数帯域(BAND41)の信号の受信時のそれぞれにおいて、LNA1Aにおける入力側と出力側とのインピーダンス整合が、確保される。
抵抗素子Rox2a,Rox2bの有効化/無効化によって、第1の周波数帯域(BAND40)の信号の受信時及び第2の周波数帯域(BAND41)の信号の受信時のそれぞれにおいて、スプリット出力時のSパラメータ(S23)が良好になる。
尚、スイッチ素子Sw6,Sw7,Sw8のオン/オフの制御は、RFIC回路、制御回路990(又はRFIC940)によって、実行される。
(2b)動作例
図15乃至図17を参照して、本実施形態のLNAの動作例について説明する。
図15は、本実施形態のLNAの動作例を説明するための図である。
図15に示されるように、第1の実施形態と同様に、LNA1Aの動作モード(増幅モード及びバイパスモード)及び出力モード(単一出力モード及びスプリット出力モード)に応じて、各スイッチ素子のオン/オフが、制御される。
本実施形態のLNA1Aにおいて、受信した高周波信号の周波数帯域に応じて、スイッチ素子Sw6,Sw7,Sw8のオン/オフが、制御される。
本実施形態において、LNA1Aの増幅モード及びバイパスモードの動作は、第1の実施形態で説明された動作と実質的に同じである。それゆえ、本実施形態のLNAの増幅モード及びバイパスモードの動作の説明は、省略する。
本実施形態において、LNA1Aの単一出力モード及びスプリット出力モードの動作は、第1の実施形態で説明された動作と実質的に同じである。それゆえ、本実施形態のLNAの単一出力モード及びスプリット出力モードの動作の説明は、省略する。
<BAND40選択モード>
図16は、受信する周波数帯域としてBAND40が選択された場合における、LNA1Aの選択回路40A内における高周波信号の伝達経路を示す模式図である。
図16に示されるように、本実施形態において、BAND40の周波数帯域(2300MHz~2400MHzの帯域)が選択された場合、スイッチ素子Sw6,Sw7,Sw8は、オンする。
これによって、容量素子Cb40,Cdd及び抵抗素子Rox2a,Rox2bが、有効状態に設定される。
BAND40の高周波信号RFb40は、並列接続された容量素子Cb40及び外部インダクタLextを介して、LNA1Aの動作モードに応じてカスコード接続増幅回路10又はバイパス回路20内に供給される。
LNA1Aの出力モードに応じて、カスコード接続増幅回路10又はバイパス回路20からの信号が、出力端子OUT1,OUT2からLNA1Aの外部に出力される。
<BAND41選択モード>
図17は、受信する周波数帯域としてBAND41が選択された場合における、LNA1Aの選択回路40A内における高周波信号の伝達経路を示す模式図である。
図17に示されるように、本実施形態において、BAND41の周波数帯域(2496MHz~2690MHzの帯域)が選択された場合、スイッチ素子Sw6,Sw7,Sw8は、オフする。
これによって、容量素子Cb40,Cdd及び抵抗素子Rox2a,Rox2bが、無効状態に設定される。
BAND41の高周波信号RFb41は、外部インダクタLextを介して、LNA1Aの動作モードに応じてカスコード接続増幅回路10又はバイパス回路20内に供給される。
LNA1Aの出力モードに応じて、カスコード接続増幅回路10又はバイパス回路20からの信号が、出力端子OUT1,OUT2からLNA1Aの外部に出力される。
図16及び図17に示されるように、本実施形態のLNA1Aは、複数の周波数帯域の高周波信号のうち受信する周波数帯域の信号を、選択できる。
本実施形態のLNA1Aは、スイッチ素子の制御による高周波信号の受動素子の有効化/無効化によって、受信する高周波信号の周波数帯域に応じて、入力インピーダンス及び出力インピーダンスの整合、及びスプリット出力モード時の良好な“S23”のパラメータを確保できる。
(2c)特性
図18乃至図26を参照して、本実施形態のLNAの特性について説明する。
図18乃至図25は、本実施形態のLNAの構成例のシミュレーション結果を示している。
図18の(a)、図19の(a)、図20の(a)、図21の(a)、図22の(a)、図23の(a)、図24の(a)及び図25の(a)は、本実施形態のLNA1Aにおける、周波数とSパラメータとの関係を示すグラフである。図18乃至図25の(a)において、Sパラメータのうち、S(1,1)、S(2,2)、S(2,1)、S(2,3)に関する周波数特性が示されている。Sパラメータにおける、ポート1は、高周波信号入力ノードINに対応し、ポート2はLNA1Aの出力端子OUT1に対応し、ポート3はLNA1Aの出力端子OUT2に対応する。
図18乃至図25の(a)において、グラフの横軸は、周波数(単位:GHz)に対応し、グラフの縦軸は、利得/損失(単位:dB)に対応する。
図18の(b)、図19の(b)、図20の(b)、図21の(b)、図22の(b)、図23の(b)、図24の(b)及び図25の(b)は、本実施形態のLNA1Aにおける、周波数とノイズ指数との関係を示すグラフである。
図18乃至図25の(b)において、グラフの横軸は、周波数(単位:GHz)に対応し、グラフの縦軸は、ノイズ指数(単位:dB)に対応する。
本実施形態のLNAのシミュレーションに関して、周波数帯域は、2496MHzから2690MHzまでの帯域(BAND41)、又は、2300MHzから2400MHzまでの帯域(BAND40)に設定されている。このシミュレーションにおいて、電圧VDDLNAは、1.2Vに設定されている。
図18は、BAND41(2496MHz~2690MHz)における本実施形態のLNAの増幅モード及び単一出力モードにおける、小信号特性を示している。
図19は、BAND41における本実施形態のLNAの増幅モード及びスプリット出力モードにおける、小信号特性を示している。
図20は、BAND41における本実施形態のLNAのバイパスモード及び単一出力モードにおける、小信号特性を示している。
図21は、BAND41における本実施形態のLNAのバイパスモード及びスプリット出力モードにおける、小信号特性を示している。
図18乃至図21に示されるように、BAND41における本実施形態のLNAの各Sパラメータ及びノイズ指数は、供給された高周波信号の周波数及びLNAの動作モードに応じて、推移する。
このように、BAND41に対する本実施形態のLNAの特性は、第1の実施形態のLNAの特性とほぼ同じである。
図22は、BAND40(2300MHz~2400MHz)における本実施形態のLNAの増幅モード及び単一出力モードにおける、小信号特性を示している。
図23は、BAND40における本実施形態のLNAの増幅モード及び単一出力モードにおける、小信号特性を示している。
図24は、BAND40における本実施形態のLNAのバイパスモード及び単一出力モードにおける、小信号特性を示している。
図25は、BAND40における本実施形態のLNAのバイパスモード及びスプリット出力モードにおける、小信号特性を示している。
図23乃至図25に示されるように、BAND40における本実施形態のLNAの各Sパラメータ及びノイズ指数は、供給された高周波信号の周波数及びLNAの動作モードに応じて、推移する。
このように、BAND40に対する本実施形態のLNAの特性は、BAND41に対する本実施形態のLNAの特性と同程度である。
図26は、本実施形態のLNAの特性のシミュレーション結果を示している。図26は、図23乃至図25に示される本実施形態のLNAの小信号特性のシミュレーション結果の一覧を、示している。図26において、“S21”のSパラメータについて、帯域中心値が示され、ノイズ指数NF、“S11”、“S22”及び“S23”のSパラメータのそれぞれについて、帯域内の最悪値が、示されている。
本実施形態のLNAにおけるS23のSパラメータは、本実施形態のLNAが実行し得る全てのモードで、-29.6dB以下である。
本実施形態のLNAの“S23”のパラメータの値は、一般的に要求される値(例えば、-25dB)に対して十分なマージンを確保できる。
このように、本実施形態のLNAは、帯域選択機能による特性の劣化なしに、良好な特性のLNAを提供できる。
(3) 第3の実施形態
図27乃至図46を参照して、本実施形態のLNAについて説明する。
(3a)構成例
図27は、本実施形態のLNAを含む無線通信システムのブロック図である。
図27において、無線通信システムの内部構成のうち、高周波信号の受信側の経路上の構成が抽出して示されている。
無線通信システム900は、キャリアアグリゲーション技術を用いた無線通信を行う。これによって、無線通信システム900は、複数の周波数(周波数帯域)を用いて無線通信を行う。
図27に示されるように、無線通信システムは、複数の周波数帯域に対応するように、複数のLNA1B及び複数のバンドパスフィルタを含む。
複数のバンドパスフィルタのそれぞれは、無線通信システムが受信し得る複数の周波数帯域のうちいずれか1つの周波数帯域の高周波信号を、後段の回路1に送る。
本実施形態のLNA1Bは、スプリット出力モード、バイパスモード及び帯域選択機能を有する。
本実施形態のLNA1Bは、バンドセレクト回路(以下では、バンドセレクトスイッチ回路ともよばれる)40を、さらに含む。バンドセレクト回路40は、バンドパスフィルタ930と増幅回路10Bとの間に、設けられている。
バンドセレクト回路40は、複数の周波数帯域の高周波信号のうち1つを、排他的に選択できる。これによって、バンドセレクト回路40は、複数の高周波信号のうち選択された1つを、排他的にLNA1Bの内部に取り込むことができる。
本実施形態のLNA1Bは、バイパス回路20を含む。バイパス回路20は、供給された高周波信号RFinを、カスコード接続増幅回路10Bを経由せずに、スプリッタ回路30Bに出力する。
例えば、本実施形態のLNA1Bは、1GHz以下の周波数帯域に対応するLNAに関する。本実施形態において、1GHz以下の周波数帯域は、ローバンド(Low band)とよばれる。
図28は、本実施形態のLNA1Bの構成例を示す等価回路図である。
<増幅回路>
本実施形態のLNA1Bにおいて、カスコード接続増幅回路10Bは、外部インダクタLext1を介して、バンドセレクト回路40に接続される。増幅回路10Bの入力端子LNAinは、外部インダクタLext1の一方の端子に接続されている。外部インダクタLext1の他方の端子は、バンドセレクト回路40の出力端子SWoutに接続されている。
カスコード接続増幅回路10Bにおいて、コア回路101は、上述の実施形態と同様に、カスコード接続されたトランジスタFET1,FET2を含む。
但し、本実施形態において、トランジスタFET2のドレインは、スイッチ素子を介さずに、出力整合回路102Bのノードnd1に接続されている。
本実施形態において、出力整合回路102Bは、抵抗素子Rd、誘導素子Ld、複数の容量素子Cout1,Cout2,Cout3,Cdd2,Cdd3、及び、複数のスイッチ素子Sw1a,Sw2a,Sw3a,Sw4a,Sw5aを含む。
出力整合回路102Bにおいて、抵抗素子Rdの一方の端子は、電源端子VDDLNAに接続されている。抵抗素子Rdの他方の端子は、トランジスタFET2のドレインに接続されている。抵抗素子Rdは、電圧端子VDDLNAとトランジスタFET2のドレインとの間において、誘導素子Ldに対して並列に接続されている。抵抗素子Rdは、コア回路101の負荷抵抗として機能する。
誘導素子Ldの一方の端子は、電圧端子VDDLNAに接続されている。誘導素子Ldの他方の端子は、ノードnd1との間に接続されている。誘導素子Ldは、高周波信号の伝達経路に対して、並列インダクタとして機能する。
容量素子Cout1の一方の端子は、ノードnd1に接続されている。容量素子Cout1の他方の端子は、スイッチ素子Sw1aの一方の端子に接続されている。スイッチ素子Sw1aの他方の端子は、ノードnd2に接続されている。
容量素子Cout2の一方の端子は、ノードnd1に接続されている。容量素子Cout2の他方の端子は、スイッチ素子Sw2aの一方の端子に接続されている。スイッチ素子Sw2aの他方の端子は、ノードnd2に接続されている。
容量素子Cout3の一方の端子は、ノードnd1に接続されている。容量素子Cout3の他方の端子は、スイッチ素子Sw3aの一方の端子に接続されている。スイッチ素子Sw3aの他方の端子は、ノードnd2に接続されている。
各容量素子Cout1,Cout2,Cout3は、ノードnd1とノードnd2との間の伝達経路に対して直列接続されている。容量素子Cout1,Cout2,Cout3は、ノードnd1とノードnd2との間の伝達経路において、直列キャパシタとして機能する。
容量素子Cout1,Cout2,Cout3は、ノードnd1とノードnd2との間において、互いに並列な関係で、接続されている。
スイッチSw1a,Sw2a,Sw3aのそれぞれは、選択された周波数帯域に応じて、容量素子Cout1,Cout2,Cout3を、無効状態又は有効状態に設定する。
容量素子Cdd2の一方の端子は、ノードnd1に接続されている。容量素子Cdd2の他方の端子は、スイッチ素子Sw4aの一方の端子に接続されている。スイッチ素子Sw4aの他方の端子は、グランド端子に接続されている。
容量素子Cdd3の一方の端子は、ノードnd1に接続されている。容量素子Cdd3の他方の端子は、スイッチ素子Sw5aの一方の端子に接続されている。スイッチ素子Sw5aの他方の端子は、グランド端子に接続されている。
容量素子Cdd2,Cdd3は、ノードnd1とノードnd2との間の伝達経路とグランドとの間に設けられている。容量素子Cdd2,Cdd3は、伝達経路に対して並列キャパシタとして機能する。
容量素子Cdd2,Cdd3は、誘導素子Ldの誘導値を、実効的に変化させる。
本実施形態において、バイパスモード時、スイッチ素子Sw1a,Sw2a,Sw3aの全てが、オフする。これによって、カスコード接続増幅回路10Bが、スプリッタ回路30B及び出力端子OUT1,OUT2から電気的に分離される。それゆえ、カスコード接続増幅回路10Bからスプリッタ回路30Bへの信号の伝搬は、遮断される。
バイパスモード時において、出力整合回路102Bは、後述のバイパス回路20から電気的に分離される。
<バンドセレクト回路>
本実施形態のLNA1Bにおいて、バンドセレクト回路40は、複数の入力端子SWin(SWin1,SWin2,SWin3)及び1つの出力端子Swoutを含む。複数の入力端子のそれぞれは、複数の周波数帯域のうち1つに対応する。
入力端子SWin1は、第1の周波数帯域の信号RFin1に対応する。例えば、入力端子SWin2は、第1の周波数帯域より低い第2の周波数帯域の信号RFin2に対応する。例えば、入力端子SWin3は、第2の周波数帯域より低い周波数帯域の信号RFin3に対応する。
本実施形態において、例えば、信号RFin1の第1の周波数帯域は、859MHzから960MHzの周波数帯域である。例えば、信号RFin2の第2の周波数帯域は、717MHzから821MHzの周波数帯域である。例えば、信号RFin1の第3の周波数帯域は、617MHzから652MHzの周波数帯域である。
入力端子SWin2に、誘導素子(外部インダクタ)Lext2が接続されている。
入力端子SWin3に、誘導素子(外部インダクタ)Lext3が接続されている。
入力端子SWin1に、第1の周波数帯域(例えば、859MHzから960MHzまでの周波数帯域)の高周波信号RFin1が、供給される。入力端子SWin2に、第2の周波数帯域(例えば、例えば、717MHzから821MHzまでの周波数帯域)の高周波信号RFin2が、外部インダクタLext2を介して供給される。力端子SWin3に、第3の周波数帯域(例えば、例えば、617MHzから652MHzまでの周波数帯域)の高周波信号RFin3が、外部インダクタLext3を介して供給される。
出力端子SWoutは、誘導素子(外部インダクタ)Lext1に接続されている。出力端子SWoutは、外部インダクタLext1を介して、増幅回路10Bの入力端子LNAinに接続されている。
バンドセレクト回路40は、複数のスイッチ素子Sw1G,Sw2G,Sw3Gを含む。スイッチ素子Sw1G,Sw2G,Sw3Gのそれぞれは、複数の入力端子SWinのうち対応する1つと出力端子SWoutとの間に接続されている。
スイッチ素子Sw1Gの一方の端子は、ノードnda1を介して、入力端子SWin1に接続されている。スイッチ素子Sw1Gの他方の端子は、ノードndbを介して、出力端子SWoutに接続されている。
スイッチ素子Sw2Gの一方の端子は、ノードnda2を介して、入力端子SWin2に接続されている。スイッチ素子Sw2Gの他方の端子は、ノードndbを介して、出力端子SWoutに接続されている。
スイッチ素子Sw3Gの一方の端子は、ノードnda3を介して、入力端子SWin3に接続されている。スイッチ素子Sw3Gの他方の端子は、ノードndbを介して、出力端子SWoutに接続されている。
バンドセレクト回路の出力端子SWoutは、外部インダクタLext1を介して、増幅回路10Bの入力端子LNAinに接続されている。
バンドセレクト回路40は、複数のスイッチ素子Sw1S,Sw2S,Sw3S,Sw4Sを含む。スイッチ素子Sw1S,Sw2S,Sw3S,Sw4Sは、非アクティブなノードを接地するためのスイッチ素子である。以下では、スイッチ素子Sw1S,Sw2S,Sw3S,Sw4Sは、シャントスイッチともよばれる。
シャントスイッチSw1Sの一方の端子は、スイッチ素子Sw1Gの一方の端子(スイッチ素子Sw1Gと端子SWin1との接続ノードnda1)に接続されている。シャントスイッチSw1Sの他方の端子は、グランド端子に接続されている。
シャントスイッチSw2Sの一方の端子は、スイッチ素子Sw2Gの一方の端子(スイッチ素子Sw2Gと端子SWin2との接続ノードnda2)に接続されている。シャントスイッチSw2Sの他方の端子は、グランド端子に接続されている。
シャントスイッチSw3Sの一方の端子は、スイッチ素子Sw3Gの一方の端子(スイッチ素子Sw3Gと端子SWin3との接続ノードnda3)に接続されている。シャントスイッチSw3Sの他方の端子は、グランド端子に接続されている。
シャントスイッチSw4Sの一方の端子は、スイッチ素子Sw1G,Sw2G,Sw3Gの他方の端子及び出力端子SWout(スイッチ素子Sw1G,Sw2G,Sw3Gと出力端子SWoutとの接続ノードndb)に接続されている。シャントスイッチSw4Sの他方の端子は、グランド端子に接続されている。
シャントスイッチSw1S,Sw2S,Sw3S,Sw4Sが、オン状態である場合、シャントスイッチが接続されたノードnda1,nda2,nda3,ndbは、オン状態のシャントスイッチによって、接地される。
上記の構成によって、バンドセレクト回路40は、3つの周波数帯域RFin1,RFin2,RFin3のうち1つを排他的に選択できる。
これによって、バンドセレクト回路40の入力端子SWin1,SWin2,SWin3に供給された高周波信号が、複数のスイッチ素子Sw1G,SW2G,Sw3Gのうちオン状態の1つのスイッチ素子を介して、バンドセレクト回路40の出力端子SWoutから増幅回路10Bの入力端子LNAinに供給される。
尚、本実施形態において、周波数帯域は、上記の値に限定されず、他の周波数の範囲が用いられてもよい。また、バンドセレクト回路40が、排他的に選択し得る周波数帯域の数は、2つでもよいし、4つ以上でもよい。
例えば、スイッチ素子Sw1G,SW2G,Sw3G,Sw1S,Sw2S,Sw3S,Sw4Sのオン/オフの制御は、RFIC回路、制御回路990(又はRFIC940)によって、実行される。
<バイパス回路>
本実施形態のLNA1Bにおいて、バイパス回路20は、バンドセレクト回路40の複数の入力端子SWinと出力整合回路102Bの出力ノード(スプリッタ回路30Bの入力ノード)nd2との間に設けられている。
バイパス回路20は、LNA1Bの入力端子(入力ノード)と後述のスプリッタ回路30Bとの間において、増幅回路10Bと並列に接続されている。バイパス回路20内における高周波信号の伝達経路は、増幅回路10Bのコア回路101内の高周波信号の伝達経路から分離されている。
バイパス回路20は、複数のスイッチ素子Sw1B,Sw2B,Sw3B,Sw4B,Sw5Sを含む。バイパス回路20は、容量素子Cbyp2,Cbyp3を含む。
複数のスイッチ素子Sw1B,Sw2B,Sw3Bのそれぞれは、バンドセレクト回路40の複数の入力端子SWinのうち対応する1つと出力整合回路102Bの出力ノード(スプリッタ回路30Bの入力ノード)nd2との間に設けられている。
複数のスイッチ素子Sw1B,Sw2B,Sw3Bのそれぞれは、バンドセレクト回路40の複数の入力端子SWinのうち対応する1つとノードndcとの間に接続されている。
スイッチ素子Sw1Bの一方の端子は、入力端子SWin1及びスイッチ素子Sw1Gの一方の端子(ノードnda1)に接続されている。スイッチ素子Sw1Bの他方の端子は、ノードndcに接続されている。
スイッチ素子Sw2Bの一方の端子は、容量素子Cbyp2を介して、入力端子SWin2及びスイッチ素子Sw2Gの一方の端子(ノードnda2)に接続されている。スイッチ素子Sw2Bの他方の端子は、ノードndcに接続されている。
スイッチ素子Sw3Bの一方の端子は、容量素子Cbyp3を介して、入力端子SWin3及びスイッチ素子Sw3Gの一方の端子(ノードnda3)に接続されている。スイッチ素子Sw3Bの他方の端子は、ノードndcに接続されている。
スイッチ素子Sw4Bの一方の端子は、ノードndcに接続されている。スイッチ素子Sw4Bの他方の端子は、ノードnd2に接続されている。
スイッチ素子Sw5Sの一方の端子は、ノードndcに接続されている。スイッチ素子Sw5Sの他方の端子は、グランド端子に接続されている。スイッチ素子Sw5Sは、非アクティブなノードを接地するためのシャントスイッチである。
容量素子Cbyp2の一方の端子は、入力端子SWin2(ノードnda2)に接続されている。容量素子Cbyp2の他方の端子は、スイッチ素子Sw2Bの一方の端子に接続されている。容量素子Cbyp2は、ノードnda2とノードndcとの間において、スイッチ素子Sw2Bに対して直列に接続されている。容量素子Cbyp2は、容量素子Cbyp2と外部インダクタLext2との間の直列共振作用により、外部インダクタLext2の影響を軽減する。
容量素子Cbyp3の一方の端子は、入力端子SWin3(ノードnda3)に接続されている。容量素子Cbyp3の他方の端子は、スイッチ素子Sw3Bの一方の端子に接続されている。容量素子Cbyp3は、ノードnda3とノードndcとの間において、スイッチ素子Sw3Bに対して直列に接続されている。容量素子Cbyp3は、容量素子Cbyp3と外部インダクタLext3との間の直列共振作用により、外部インダクタLext3の影響を軽減する。
バイパス回路20において、複数のスイッチ素子Sw1B,Sw2B,Sw3B,Sw4B,Sw5Sは、バンドセレクト回路40の入力端子SWinからスプリッタ回路30Bの入力ノードへ至る、増幅回路10Bを経由しないバイパス経路を、LNA1B内に形成する。
例えば、スイッチ素子Sw1B,Sw2B,Sw3Bが、バイパス回路20の入力ノード(入力ノードセット)として機能する。受信すべき高周波信号に応じて、スイッチ素子Sw1B,Sw2B,Sw3Bのうちいずれか1つが、有効状態の入力ノードとして機能する。
本実施形態のLNA1Bのバイパスモード時において、スイッチ素子Sw1B,Sw2B,Sw3Bのうち選択された1つ及びスイッチ素子Sw4Bは、オンする。スイッチ素子Sw5Sは、オフする。
例えば、スイッチ素子Sw1B,Sw2B,Sw3B,Sw4B,Sw5Sのオン/オフの制御は、RFIC回路、制御回路990(又はRFIC940)によって、実行される。
<スプリッタ回路>
本実施形態のLNA1Bにおいて、スプリッタ回路30Bは、複数の可変容量素子C1a,C1b,C1c,C1d、誘導素子L2a,L2b、可変抵抗素子Rox及びスイッチ素子Sw6a,Sw7a,T-Sw1,T-Sw2,T-Sw3を含む。
可変容量素子C1aの一方の端子は、ノードnd2に接続されている。可変容量素子C1aの他方の端子は、可変容量素子C1bの一方の端子に接続されている。可変容量素子C1bの他方の端子は、ノードnd3bに接続されている。
誘導素子L2aの一方の端子は、可変容量素子C1aと可変容量素子C1bとの接続ノードnd3a(可変容量素子C1aの他方の端子及び可変容量素子C1bの一方の端子)に接続されている。誘導素子L2aの他方の端子は、スイッチ素子Sw6aの一方の端子に接続されている。スイッチ素子Sw6aの他方の端子は、グランド端子に接続されている。
誘導素子L2aは、信号の伝達経路(ノードnd2とノードnd3bとの間の経路)とグランド端子との間に設けられた並列インダクタである。誘導素子L2aは、可変誘導素子でもよい。
誘導素子L2aは、オン状態のスイッチ素子Sw6aによって、有効状態に設定可能である。誘導素子L2aは、オフ状態のスイッチ素子Sw6aによって、無効状態に設定可能である。
可変容量素子C1cの一方の端子は、ノードnd2に接続されている。可変容量素子C1cの他方の端子は、可変容量素子C1dの一方の端子に接続されている。可変容量素子C1dの他方の端子は、ノードnd4bに接続されている。
誘導素子L2bの一方の端子は、可変容量素子C1cと可変容量素子C1dとの接続ノードnd4a(可変容量素子C1cの他方の端子及び可変容量素子C1dの一方の端子)に接続されている。誘導素子L2bの他方の端子は、スイッチ素子Sw7aの一方の端子に接続されている。スイッチ素子Sw7aの他方の端子は、グランド端子に接続されている。
誘導素子L2bは、並列インダクタとして、信号の伝達経路(ノードnd2とノードnd4bとの間の経路)とグランド端子との間に設けられている。誘導素子L2aは、可変誘導素子でもよい。誘導素子L2bは、オン状態のスイッチ素子Sw7aによって、有効状態に設定可能である。誘導素子L2bは、オフ状態のスイッチ素子Sw7aによって、無効状態に設定可能である。
可変抵抗素子Roxの一方の端子は、ノードnd3bに接続されている。抵抗素子Roxの他方の端子は、ノードnd4bに接続されている。可変抵抗素子Roxは、スプリット出力モード時における出力端子OUT1,OUT2間のアイソレーションを、確保し得る。
T型スイッチT-Sw1の一方の端子は、ノードnd3bに接続されている。T型スイッチT-Sw1の他方の端子は、LNA1Bの出力端子OUT1に接続されている。T型スイッチT-Sw2の一方の端子は、ノードnd4bに接続されている。T型スイッチT-Sw2の他方の端子は、LNA1Bの出力端子OUT2に接続されている。T型スイッチT-Sw3の一方の端子は、ノードnd3bに接続されている。T型スイッチT-Sw3の他方の端子は、ノードnd4bに接続されている。
ノードnd2に接続された可変容量素子C1a,C1cは、1つの組として、ノードnd2と出力端子との間に、それぞれに直列に接続されている。以下では、可変容量素子C1a,C1cの組は、直列可変キャパシタ対C1a,C1bともよばれる。
可変容量素子C1b,C1dは、1つの組として、ノードnd2と出力端子との間に、それぞれに直列に接続されている。以下では、可変容量素子C1b,C1bの組は、直列可変キャパシタ対C1b,C1dもよばれる。
上述の実施形態と同様に、スプリッタ回路30Bは、LNA1Bの動作モードに応じて、動作する。例えば、本実施形態のLNA1Bにおいて、スプリッタ回路30Bは、単一出力モード及びスプリット出力モードによる高周波信号の出力を実行可能である。
例えば、LNA1の単一出力モード時において、2つのスイッチ素子Sw6a,Sw7aのうちいずれか一方が、オンする。これによって、LNA1Bの複数の出力端子OUTのうち、オン状態のスイッチ素子に接続された出力端子が、有効状態に設定される。
例えば、LNA1Bのスプリット出力モード時において、2つのスイッチ素子Sw6a,Sw7aの両方が、オンする。これによって、LNA1Bの複数の出力端子OUTが、有効状態に設定される。
例えば、スイッチ素子Sw6a,Sw7a,T-Sw1,T-Sw2,T-Sw3のオン/オフの制御は、RFIC回路、制御回路990(又はRFIC940)によって、実行される。
本実施形態において、LNA1Bの動作時において、可変容量素子C1a,C1b,C1c,C1dの容量値は、各動作モードにおいて同じ容量値(ここでは、“Cp1”と表記する)を有するように、連動して制御される。可変容量素子C1a,C1b,C1c,C1dの容量値Cp1が適切な値に設定されることによって、スプリッタ回路30Bが、出力整合回路102Bの一部として機能及び動作する。
これによって、本実施形態のLNA1Bは、良好な出力インピーダンス整合が得られる。
例えば、制御回路990(又は、RFIC940)は、可変容量素子の容量値が選択された動作モードに応じた所定の容量値を有するように、可変容量素子を制御する。
尚、可変容量素子C1a,C1b,C1c,C1dのそれぞれの代わりに、スイッチ素子と容量素子とが直列接続された複数の回路(以下では、直列回路とよばれる)がノード間に並列接続された構成が、用いられてもよい。この場合において、所望の容量値に応じて容量値Cp1に応じて、直列回路内のスイッチ素子のオン/オフが制御される。これによって、ノード間における直列回路内の容量素子の電気的接続が、制御される。
本実施形態において、スプリッタ回路30B内の誘導素子L2a,L3b及び可変容量素子C1a,C1b,C1c,C1dの制御によって、スプリッタ回路30Bが、増幅回路10Bの出力整合回路102Bの一部として機能する。これによって、本実施形態のLNA1Bは、良好な出力インピーダンス整合を確保できる。
以上の構成によって、本実施形態のLNA1Bは、複数の周波数帯域のうちいずれか1つに対応する高周波信号を受けることができ、受信した高周波信号を、2つの経路のうちいずれか1つを用いて、他のデバイスへ送ることができる。
(3b)動作例
図29乃至図33を参照して、本実施形態のLNAの動作例について説明する。
図29は、本実施形態のLNAの動作例を説明するための図である。
図29に示されるように、本実施形態のLNAは、LNA内のスイッチのオン/オフの制御によって、複数の動作モードを実現できる。
<増幅モード>
図30は、本実施形態のLNAの増幅モードにおける、バンドセレクト回路40の制御に基づいた、受信すべき周波数帯域に対する各回路の動作を説明するための模式図である。図30において、LNA1内における信号のノードnd2までの伝達経路が模式的に示されている。
図29及び図30に示されるように、LNA1Bの増幅モード時において、受信すべき周波数帯域に応じて、バンドセレクト回路40内の複数のスイッチ素子Sw1G,Sw2G,Sw3のうち選択された1つが、オンする。
バイパス回路20内の複数のスイッチ素子Sw1B,Sw2B,Sw3B,Sw4Bの全てが、オフする。
図30の例において、例えば、信号RFin1の受信が、選択される。
この場合において、スイッチSw1Gが、オンし、スイッチ素子Sw2G,Sw3Gは、オフする。
ノードnda2,nda3の非アクティブ化のため、シャントスイッチSw2S,Sw3Sは、オンする。これによって、ノードnda2,nda3は、グランド端子に接続される。シャントスイッチSw5Sは、オンする。ノードndcは、グランド端子に接続される。
シャントスイッチSw1S,Sw4Sは、オフする。
信号RFin1が、オン状態のスイッチ素子Sw1Gを介して、バンドセレクト回路40の入力端子SWin1から出力端子SWoutへ伝搬する。
コア回路10は、供給された信号RFin1を増幅する。
信号RFin1の選択時、増幅回路10Bの出力整合回路102Bにおいて、スイッチ素子Sw1aは、オンし、スイッチ素子Sw2a,Sw3aは、オフする。これによって、容量素子Cout1が、ノードnd1とノードnd2とに接続される。
この場合において、スイッチ素子Sw4a,Sw5aは、オフする。これによって、容量素子Cdd1,Cdd2が、ノードnd1から電気的に分離される。
出力整合回路102Bは、増幅された信号RFampを、容量素子Cout1を介して、出力整合回路102Bの出力ノードnd2からスプリッタ回路30Bへ出力する。
スプリッタ回路30Bは、選択された出力モードに応じて、増幅された信号を、後段の回路へ送る。
これと同様に、図29に示されるように、信号RFin2の選択時、信号RFin2は、スイッチ素子Sw1G,Sw2G,Sw3G及びシャントスイッチSw1S,Sw2S,Sw3S,SW4のオン/オフの制御によって、オン状態のスイッチ素子Sw2Gを介して、バンドセレクト回路40から増幅回路10Bに供給される。
信号RFin2の選択時、出力整合回路102Bにおいて、スイッチ素子Sw1a,Sw2a,Sw4aがオンし、スイッチ素子Sw3a,Sw5aがオフする。容量素子Cout1,Cout2は、ノードnd2に電気的に接続される。容量素子Cout3は、ノードnd2から電気的に分離される。容量素子Cdd2は、ノードnd1に電気的に接続される。容量素子Cdd3は、ノードnd1から電気的に分離される。
増幅された信号RFampは、容量素子Cout1,Cout2を介して、出力整合回路102Bからスプリッタ回路30Bへ出力される。
図29に示されるように、信号RFin3の選択時、信号RFin3は、スイッチ素子Sw1G,Sw2G,Sw3G及びシャントスイッチSw1S,Sw2S,Sw3S,SW4のオン/オフの制御によって、オン状態のスイッチ素子Sw3Gを介して、バンドセレクト回路40から増幅回路10Bに供給される。
信号RFin3の選択時、出力整合回路102Bにおいて、スイッチ素子Sw1a,Sw2a,Sw3a,Sw4a,Sw5aが、オンする。容量素子Cout1,Cout2,Cout3は、ノードnd2に電気的に接続される。容量素子Cout1,Cout2,Cout3は、ノードnd1,nd2との間で並列に接続される。容量素子Cdd2,Cdd3は、ノードnd1に電気的に接続される。
このように、本実施形態のLNA1Bの増幅モードにおいて、LNA1Bは、選択された周波数帯域の高周波信号を増幅し、増幅された信号を後段の回路へ送る。
<バイパスモード>
図31は、本実施形態のLNAのバイパスモードにおける、バンドセレクト回路40の制御に基づいた、受信すべき周波数帯域に対する各回路の動作を説明するための模式図である。図31において、LNA1内における信号のノードnd2までの伝達経路が模式的に示されている。
図29及び図31に示されるように、LNA1Bのバイパスモード時において、受信すべき周波数帯域に応じて、バンドセレクト回路40内の複数のスイッチ素子Sw1G,Sw2G,Sw3の全てが、オフする。
バイパス回路20内の複数のスイッチ素子Sw1B,Sw2B,Sw3Bのうち選択された1つが、オンする。
図31の例において、例えば、信号RFin1の受信が、選択される。
この場合において、スイッチSw1Bが、オンし、スイッチ素子Sw2B,Sw3Bは、オフする。
ノードnda2,nda3の非アクティブ化のため、シャントスイッチSw2S,Sw3Sは、オンする。これによって、ノードnda2,nda3は、グランド端子に接続される。スイッチ素子Sw4Sは、オンする。これによって、ノードndbは、グランド端子に接続される。
シャントスイッチSw1S,Sw5Sは、オフする。
スイッチ素子Sw4Bは、オンする。これによって、高周波信号RFin1に対応した入力端子SWin1は、バイパス回路20を経由して、スプリッタ回路30Bに接続される。信号RFin1は、バイパス回路20のオン状態のスイッチ素子Sw1B,Sw4Bを介して、入力端子SWin1からノードnd2へ伝搬する。
バイパス回路20は、供給された高周波信号RFを高周波信号RFbypとして、スプリッタ回路30B(ノードnd2)に出力する。
スプリッタ回路30Bは、選択された出力モードに応じて、バイパス回路20からの信号RFbypを、後段の回路へ送る。
尚、図29に示されるように、バイパスモード時において、出力整合回路102Bのスイッチ素子Sw1a,Sw2a,Sw3aは、オフする。スイッチ素子Sw4a,Sw5は、任意の状態(オフ状態又はオン状態のうちいずれか一方の状態)に設定される。
図29に示されるように、信号RFin2の選択時、信号RFin2は、スイッチ素子Sw1G,Sw2G,Sw3G,Sw1B,Sw2B,Sw3B,Sw4B及びシャントスイッチSw1S,Sw2S,Sw3S,Sw4S,Sw5Sのオン/オフの制御に基づいて、オン状態のスイッチ素子Sw2Bを介して、増幅回路10Bを経由せずに、バイパス回路20からスプリッタ回路30Bへ供給される。
図29に示されるように、信号RFin3の選択時、信号RFin3は、スイッチ素子Sw1G,Sw2G,Sw3G,Sw1B,Sw2B,Sw3B,Sw4B及びシャントスイッチSw1S,Sw2S,Sw3S,Sw4S,Sw5Sのオン/オフの制御に基づいて、オン状態のスイッチ素子Sw3Bを介して、増幅回路10Bを経由せずに、バイパス回路20からスプリッタ回路30Bへ供給される。
このように、本実施形態のLNA1Bのバイパスモードにおいて、LNA1Bは、選択された周波数帯域の高周波信号を、信号の増幅無しに、後段の回路へ送る。
<単一出力モード>
図32は、本実施形態のLNA1Bが単一出力モードに基づいて動作する場合における、LNA1B内における信号のノードnd2から出力端子側への伝達経路を示す模式図である。
図29及び図32に示されるように、単一出力モードにおいて、出力端子OUT1,OUT2のそれぞれに接続されたT型スイッチT-Sw1,T-Sw2のうちいずれか一方が、オンする。
LNA1Bの単一出力モードが第1の出力端子OUT1を用いて実行される場合、出力端子OUT1に接続されたT型スイッチT-Sw1が、オンする。出力端子OUT2に接続されたT型スイッチT-Sw2は、オフする。
単一出力モードにおいて、T型スイッチT-Sw3は、オンする。
可変容量素子C1aと可変容量素子C1bとの接続点に接続された誘導素子L2aは、オン状態のスイッチ素子Sw6aによって、有効状態に設定される。可変容量素子C1cと可変容量素子C1dとの接続点に接続された誘導素子L2aは、オフ状態のスイッチ素子Sw7aによって、無効状態に設定される。
可変容量素子C1a,C1b,C1c,C1dの容量値は、所定の容量値Cp1を有するように、制御される。
このように、スプリッタ回路30Bの受動素子の有効状態/無効状態が制御される。これによって、スプリッタ回路30Bが、出力整合回路102Bの一部として機能する。この結果として、本実施形態のLNA1Bは、良好な出力インピーダンス整合を確保できる。
ノードnd4bを通過する信号(可変容量素子C1c,C1dを通過した信号)は、抵抗素子Rox及びオン状態のT型スイッチT-Sw3を介してノードnd3bに供給される。ノードnd4bを通過する信号は、抵抗素子Rox及びオン状態のT型スイッチT-Sw3を介して、ノードnd3bを通過した信号(可変容量素子C1a,C1bを通過した信号)と合成される。
このスプリッタ回路30B内で合成された信号が、単一出力モードにおけるLNA1Bの出力信号RFoutとして、選択された一方の出力端子OUT1から出力される。
これによって、増幅回路10B又はバイパス回路20からの高周波信号RFは、出力端子OUT1から後段の回路へ、出力される。
尚、図32の例とは異なって、LNA1Bの単一出力モードが第2の出力端子OUT2を用いて実行される場合、出力端子OUT2に接続されたT型スイッチT-Sw2が、オンする。出力端子OUT1に接続されたT型スイッチT-Sw1は、オフする。
誘導素子L2aは、オフ状態のスイッチ素子Sw6aによって、無効状態に設定される。誘導素子L2bは、オン状態のスイッチ素子Sw7aによって、有効状態に設定される。可変容量素子C1a,C1b,C1c,C1dの容量値は、所定の容量値Cp1を有するように、制御される。
ノードnd3bを通過する信号(可変容量素子C1a,C1bを通過した信号)は、抵抗素子Rox及びオン状態のT型スイッチT-Sw3を介してノードnd4bに供給される。ノードnd4bを通過する信号(可変容量素子C1c,C1dを通過した信号)は、ノードnd3bを通過した信号に、抵抗素子Rox及びオン状態のT型スイッチT-Sw3、を介して合成される。
このスプリッタ回路30B内で合成された信号が、単一出力モードにおけるLNA1Bの出力信号として、出力端子OUT2から出力される。
これによって、高周波信号RFoutは、出力端子OUT2から後段の回路へ、送られる。
以上のように、本実施形態のLNA1Bは、単一出力モードによって、信号を後段の回路へ出力できる。
<スプリット出力モード>
図33は、本実施形態のLNA1Bがスプリット出力モードに基づいて動作する場合における、LNA1内における信号のノードnd2から出力端子側への伝達経路を示す模式図である。
図29及び図33に示されるように、LNA1Bのスプリット出力モードが実行される場合、2つのT型スイッチT-Sw1,T-Sw2の両方が、オンする。
これによって、出力端子OUT1,OUT2の両方が、オン状態のT型スイッチT-Sw1,T-Sw2を介して、ノードnd2に電気的に接続される。
スプリット出力モードにおいて、T型スイッチT-Sw3は、オフする。
ノードnd2と出力端子OUT1,OUT2との間の可変容量素子C1a,C1b,C1c,C1dの容量値は、所定の容量値Cp1を有するように、制御される。
誘導素子L2a,L2bの両方が、オン状態のスイッチ素子Sw6a,Sw7aによって、有効状態に設定される。
増幅回路10B又はバイパス回路20からの高周波信号RFは、可変容量素子C1a,C1b,C1c,C1d及びオン状態のT型スイッチT-Sw1,T-Sw2を介して、2つの出力端子OUT1,OUT2に、それぞれ伝搬する。
高周波信号RFout1,RFout2が、2つの出力端子OUT1,OUT2の両方から後段の回路へそれぞれ送られる。
以上のように、本実施形態のLNA1Bは、スプリット出力モードによって、高周波信号を後段の回路へ出力する。
(3c)特性
図34乃至図46を参照して、本実施形態のLNAの特性について説明する。
図34乃至図46は、本実施形態のLNAの構成例のシミュレーション結果を示している。
図34乃至図46の(a)、は、本実施形態のLNA1Bにおける、周波数とSパラメータとの関係を示すグラフである。図34乃至図46の(a)において、Sパラメータのうち、S11(=S(1,1))、S22(=S(2,2))、S21(=S(2,1))、S23(=S(2,3))に関する周波数特性が示されている。Sパラメータにおける、ポート1は、複数の入力端子SWinのうちアクティブな端子に対応し、ポート2はLNA1Bの出力端子OUT1に対応し、ポート3はLNA1の出力端子OUT2に対応する。
図34乃至図46の(a)において、グラフの横軸は、周波数(単位:GHz)に対応し、グラフの縦軸は、利得/損失(単位:dB)に対応する。
図34乃至図46の(b)は、本実施形態のLNA1Bにおける、周波数とノイズ指数との関係を示すグラフである。
図34乃至図46の(b)において、グラフの横軸は、周波数(単位:GHz)に対応し、グラフの縦軸は、ノイズ指数(単位:dB)に対応する。
尚、本実施形態において、第1の周波数帯域は、859MHzから960MHzまでの周波数帯域に対応し、第2の周波数帯域は、717MHzから821MHzまでの周波数帯域に対応し、第3の周波数帯域は、617MHzから652MHzまでの周波数帯域に対応する。
このシミュレーションにおいて、本実施形態のLNAに供給される電圧VDDLNAは、1.2Vに設定されている。
図34は、第1の周波数帯域における本実施形態のLNAの増幅モード及び単一出力モードにおける、小信号特性を示している。
図34の(a)に示されるように、“m6(859MHz)”から“m7(960MHz)”の周波数帯域において、帯域中心利得(S21)は、21.127dBである。反射損(S11)は、-8.502dB以下である。反射損(S22)は、-14.973dB以下である。S23は、-77.889dB以下である。
図34の(b)に示されるように、“m15(859MHz)”から“m16(960MHz)”の周波数帯域において、ノイズ指数は、0.916dBから0.945dBの範囲内の値を取る。
図35は、第1の周波数帯域における本実施形態のLNAの増幅モード及びスプリット出力モードにおける、小信号特性を示している。
図35の(a)に示されるように、“m6(859MHz)”から“m7(960MHz)”の周波数帯域において、帯域中心利得S21は、18.053dBである。反射損S11は、-8.132dB以下である。反射損S22は、18.113dB以下である。パラメータS23は、-25.918dB以下である。
図35の(b)に示されるように、“m15(859MHz)”から“m16(960MHz)”の周波数帯域において、ノイズ指数は、0.943dBから0.980dBの範囲内の値を取る。
図36は、第1の周波数帯域における本実施形態のLNAのバイパスモード及び単一出力モードにおける、小信号特性を示している。
図36の(a)に示されるように、“m15(859MHz)”から“m16(960MHz)”の周波数帯域において、帯域中心利得(S21)は、-2.014dBである。反射損S11は、-12.801dB以下である。反射損S22は、-18.442dB以下である。パラメータS23は、-76.493dB以下である。
図36の(b)に示されるように、“m5(859MHz)”から“m6(960MHz)”の周波数帯域において、ノイズ指数は、2.248dBから1.875dBの範囲内の値を取る。
図37は、第1の周波数帯域における本実施形態のLNAのバイパスモード及びスプリット出力モードにおける、小信号特性を示している。
図37の(a)に示されるように、“m6(859MHz)”から“m7(960MHz)”の周波数帯域において、帯域中心利得(S21)は、-5.112dBである。反射損S11は、-12.917dB以下である。反射損S22は、-20.658dB以下である。S23は、-26.826dB以下である。
図37の(b)に示されるように、“m15(859MHz)”から“m16(960MHz)”の周波数帯域において、ノイズ指数は、5.321dBから5.033dBの範囲内の値を取る。
図38は、第2の周波数帯域における本実施形態のLNAの増幅モード及び単一出力モードにおける、小信号特性を示している。
図38の(a)に示されるように、“m4(717MHz)”から“m6(821MHz)”の周波数帯域において、帯域中心利得S21は、21.288dBである。反射損S11は、-6.563dB以下である。反射損S22は、-15.981dB以下である。パラメータS23は、-81.639dB以下である。
図38の(b)に示されるように、“m13(717MHz)”から“m14(821MHz)”の周波数帯域において、ノイズ指数は、0.729dBから0.702dBの範囲内の値を取る。
図39は、第2の周波数帯域における本実施形態のLNAの増幅モード及びスプリット出力モードにおける、小信号特性を示している。
図39の(a)に示されるように、“m4(717MHz)”から“m6(821MHz)”の周波数帯域において、帯域中心利得S21は、18.240dBである。反射損S11は、-6.417dB以下である。反射損S22は、-20.242dB以下である。パラメータS23は、-25.675dB以下である。
図39の(b)に示されるように、“m13(717MHz)”から“m14(821MHz)”の周波数帯域において、ノイズ指数は、0.756dBから0.739dBの範囲内の値を取る。
図40は、第2の周波数帯域における本実施形態のLNAのバイパスモード及び単一出力モードにおける、小信号特性を示している。
図40の(a)に示されるように、“m4(717MHz)”から“m6(821MHz)”の周波数帯域において、帯域中心利得S21は、-2.387dBである。反射損S11は、-16.029dB以下である。反射損S22は、-13.291dB以下である。パラメータS23は、-81.884dB以下である。
図40の(b)に示されるように、“m13(717MHz)”から“m14(821MHz)”の周波数帯域において、ノイズ指数は、2.590dBから2.070dBの範囲内の値を取る。
図41は、第2の周波数帯域における本実施形態のLNAのスプリット出力バイパスモードにおける、小信号特性を示している。
図41の(a)に示されるように、“m4(717MHz)”から“m6(821MHz)”の周波数帯域において、帯域中心利得S21は、-5.576dBである。反射損S11は、-14.615dB以下である。反射損S22は、-13.12dB以下である。パラメータS23は、-26.414dB以下である。
図41の(b)に示されるように、“m13(717MHz)”から“m14(821MHz)”の周波数帯域において、ノイズ指数は、5.717dBから5.290dBの範囲内の値を取る。
図42は、第3の周波数帯域における本実施形態のLNAの増幅モード及び単一出力モードにおける、小信号特性を示している。
図42の(a)に示されるように、“m2(617MHz)”から“m3(652MHz)”の周波数帯域において、帯域中心利得S21は、21.573dBである。反射損S11は、-8.062dB以下である。反射損S22は、-12.426dB以下である。パラメータS23は、-86.838dB以下である。
図42の(b)に示されるように、“m11(617MHz)”から“m12(652MHz)”の周波数帯域において、ノイズ指数は、0.730dBから0.708dBの範囲内の値を取る。
図43は、第3の周波数帯域における本実施形態のLNAの増幅モード及びスプリット出力モードにおける、小信号特性を示している。
図43の(a)に示されるように、“m2(617MHz)”から“m3(652MHz)”の周波数帯域において、帯域中心利得S21は、18.485dBである。反射損S11は、-7.985dB以下である。反射損S22は、-13.757dB以下である。パラメータS23は、-31.835dB以下である。
図43の(b)に示されるように、“m11(617MHz)”から“m12(652MHz)”の周波数帯域において、ノイズ指数は、0.756dBから0.736dBの範囲内の値を取る。
図44は、第3の周波数帯域における本実施形態のLNAのバイパスモード及び単一出力モードにおける、小信号特性を示している。
図44の(a)に示されるように、“m2(617MHz)”から“m3(652MHz)”の周波数帯域において、帯域中心利得S21は、-3.563dBである。反射損S11は、-9.828dB以下である。反射損S22は、-10.267dB以下である。パラメータS23は、-86.781dB以下である。
図44の(b)に示されるように、“m11(617MHz)”から“m12(652MHz)”の周波数帯域において、ノイズ指数は、3.521dBから3.020dBの範囲内の値を取る。
図45は、第3の周波数帯域における本実施形態のLNAのスプリット出力バイパスモードにおける、小信号特性を示している。
図45の(a)に示されるように、“m2(617MHz)”から“m3(652MHz)”の周波数帯域において、帯域中心利得S21は、-6.863dBである。反射損S11は、-8.386dB以下である。反射損S22は、-11.101dB以下である。パラメータS23は、-25.751dB以下である。
図45の(b)に示されるように、“m11(617MHz)”から“m12(652MHz)”の周波数帯域において、ノイズ指数は、6.835dBから6.384dBの範囲内の値を取る。
図34乃至図45に示されるように、各Sパラメータ及びノイズ指数は、供給された高周波信号の周波数及びLNAの動作モードに応じて、推移する。
図46は、図34乃至図45のシミュレーション結果の一覧を示す図である。
図46において、“S21”のSパラメータについて、帯域内の中心値が示されている。ノイズ指数NF、“S11”、“S22”、“S23”のSパラメータについて、帯域内の最悪値が、示されている。
図46において、本実施形態のLNAの増幅モードにおける、バイアス電流IddLNAが、さらに示されている。
図34乃至図46に示されるように、本実施形態のLNA1Bは、上述の実施形態と実質的に同じ特性を得ることができる。
したがって、第3の実施形態のLNA1Bは、各種の動作モードを実現しつつ、特性を向上できる。
(4) 第4の実施形態
図47乃至図55を参照して、本実施形態のLNAについて説明する。
(4a)構成例
図47は、本実施形態のLNAの構成例を示す回路図である。
本実施形態において、バンドセレクト回路40及びバイパス回路20の構成は、第3の実施形態(図28)の構成と実質的に同じである。それゆえ、本実施形態におけるバンドセレクト回路40及びバイパス回路20の説明は、省略する。
尚、増幅回路10Bの構成は、第3の実施形態(図28参照)の構成と同様であるが、出力整合回路102Bの出力インピーダンスが、第3の実施形態とは異なる。
第3の実施形態における出力整合回路102Bの出力インピーダンスの絶対値は一般に50Ω近傍に設定される。これに対して、第4の実施形態における出力整合回路102Bの出力インピーダンスの絶対値は50Ωよりも小さい値、例えば、35Ω程度に設定される。
図47に示されるように、本実施形態のLNA1Cは、インピーダンス変換回路60をさらに含む。
<インピーダンス変換回路>
インピーダンス変換回路60は、バイパス回路20からスプリッタ回路30Bへの信号の伝達経路上に配置されている。
インピーダンス変換回路60は、バイパス回路20のノードndcと増幅回路10Bの出力ノード(スプリッタ回路30Bの入力ノード)nd2との間に接続されている。
例えば、インピーダンス変換回路60は、ノードndcとスイッチ素子Sw4Bとの間に設けられている。
インピーダンス変換回路60は、誘導素子L3、複数の容量素子Cmcs1,Cmcs2,Cmc1,Cmc2,Cmc3及び複数のスイッチ素子Sw9,Sw10,Sw90a,Sw90b,Sw91a,Sw91b,Sw4Bを含む。
誘導素子L3の一方の端子は、ノードndcに接続されている。誘導素子L3の他方の端子は、スイッチ素子Sw9の一方の端子に接続されている。スイッチ素子Sw9の他方の端子は、グランド端子に接続されている。
スイッチ素子Sw90aの一方の端子は、ノードndcに接続されている。スイッチ素子Sw90aの他方の端子は、容量素子Cmcs1の一方の端子に接続されている。容量素子Cmcs1の他方の端子は、グランド端子に接続されている。
容量素子Cmcs1は、ノードndcとグランド端子との間において、誘導素子L3に対して並列に接続されている。
スイッチ素子Sw90bの一方の端子は、ノードndcに接続されている。スイッチ素子Sw90bの他方の端子は、容量素子Cmcs2の一方の端子に接続されている。容量素子Cmcs2の他方の端子は、グランド端子に接続されている。
容量素子Cmcs2は、ノードndcとグランド端子との間において、誘導素子L3に対して並列に接続されている。
2つの容量素子Cmcs1,Cmcs2は、ノードndcとグランド端子との間において、互いに並列に接続されている。
バイパス回路20からスプリッタ回路30Bへ転送される信号の周波数帯域に応じて、容量素子Cmcs1,Cmcs2が、スイッチ素子Sw90a,Sw90bのオフ/オフによって、有効状態又は無効状態に設定される。
尚、ノードndcとグランド端子との間において誘導素子L3に並列に接続される容量素子Cmcs(Cmcs1,Cmcs2)は、1つでもよい。この場合において、1つの容量素子に対して、1つのスイッチ素子が設けられていればよい。
スイッチ素子Sw10の一方の端子は、ノードndcに接続されている。スイッチ素子Sw10の他方の端子は、スイッチ素子Sw4Bの一方の端子に接続されている。スイッチ素子Sw4Bの他方の端子は、ノードnd2に接続されている。
ノードndcとスイッチ素子Sw4Bの一方の端子との間において、複数の容量素子Cmc1,Cmc2,Cmc3のそれぞれが、スイッチ素子Sw10の信号経路に対して並列に接続されている。
容量素子Cmc1の一方の端子は、ノードndcに接続されている。容量素子Cmc1の他方の端子は、スイッチ素子Sw4Bの一方の端子に接続されている。
容量素子Cmc2の一方の端子は、ノードndcに接続されている。容量素子Cmc2の他方の端子は、スイッチ素子Sw91aの一方の端子に接続されている。スイッチ素子SW91aの他方の端子は、スイッチ素子Sw4Bの一方の端子に接続されている。
容量素子Cmc3の一方の端子は、ノードndcに接続されている。容量素子Cmc3の他方の端子は、スイッチ素子Sw91bの一方の端子に接続されている。スイッチ素子Sw91bの他方の端子は、スイッチ素子Sw4Bの一方の端子に接続されている。
インピーダンス変換回路60は、受信する周波数帯域に対応するように、スイッチ素子Sw91a,Sw91bによる電気的に分離及び接続可能な複数の信号経路を含む。
バイパス回路20からスプリッタ回路30Bへ伝達される信号の周波数帯域に応じて、容量素子Cmc2,Cmc3が、スイッチ素子Sw91a,Sw91bのオフ/オフによって、有効状態又は無効状態に設定される。
インピーダンス変換回路60は、対応周波数を切り替え可能なインピーダンス変換回路として機能する。
インピーダンス変換回路60は、ノードnd2(スプリッタ回路30B側)から見たインピーダンス変換回路60の帯域内インピーダンス(例えば、インピーダンス変換回路60の出力インピーダンス)の値Zxを、第1のインピーダンス値(絶対値)Z0から第2のインピーダンス値(絶対値)Z1へ変える。第2のインピーダンス値Z1は、第1のインピーダンス値Z0より低い。
インピーダンス値Z0(絶対値)は、一般に、50Ωに設定される。この場合において、インピーダンス値Z1(絶対値)は、例えば、35Ω程度に設定される。
この結果として、ノードnd2(スプリッタ回路30B側)から見たインピーダンス変換回路60の帯域内インピーダンスは、35Ω(絶対値)程度に設定される。
例えば、インピーダンス変換回路60において、バイパス回路20から見たインピーダンス変換回路60の帯域内インピーダンス(例えば、入力インピーダンス)の値(絶対値)は、インピーダンス値Z1(例えば、35Ω)より高い。
インピーダンス変換回路60は、LNA1Cのバイパスモード且つスプリット出力モード時に、有効状態に設定される。
例えば、スイッチ素子Sw9,Sw10,Sw90a,Sw90b,Sw91a,Sw91b,Sw4Bのオン/オフの制御は、RFIC回路、制御回路990(又はRFIC940)によって、実行される。
<スプリッタ回路>
スプリッタ回路30Bは、複数の誘導素子L2a,L2b、複数の容量素子Csp1,Csp2,Csps1,Csps2、抵抗素子Rox及び複数のスイッチ素子Sw6,Sw7,Sw8を含む。
スプリッタ回路30Bは、スイッチ素子Sw6,Sw7を介して、増幅回路10Bの出力ノードnd2に接続されている。
スイッチ素子Sw6は、第1の出力端子OUT1と出力ノードnd2との間に設けられている。
スイッチ素子Sw6の一方の端子は、ノードnd2に接続されている。スイッチ素子Sw6の他方の端子は、容量素子Csp1aを介してノード(接続ノード)nd3aに接続されている。
容量素子Csp1aの一方の端子は、スイッチ素子Sw6の他方の端子に接続されている。容量素子Csp1aの他方の端子は、ノードnd3aに接続されている。
スイッチ素子Sw6の他方の端子とノードnd3aとの間において、複数の容量素子Csp2a,Csp3aが、容量素子Csp1aに対して、並列に接続されている。
容量素子Csp2aの一方の端子は、スイッチ素子Sw30aを介して、容量素子Csp1aの一方の端子に接続されている。容量素子Csp2aの他方の端子は、ノードnd3aに接続されている。スイッチ素子Sw30aの一方の端子は、容量素子Csp1aの一方の端子に接続されている。スイッチ素子Sw30aの他方の端子は、容量素子Csp2aの一方の端子に接続されている。直列接続されたスイッチ素子Sw30a及び容量素子Csp2aは、直列回路を形成する。
容量素子Csp3aの一方の端子は、スイッチ素子Sw31aを介して、容量素子Csp1aの一方の端子に接続されている。容量素子Csp3aの他方の端子は、ノードnd3aに接続されている。スイッチ素子Sw31aの一方の端子は、容量素子Csp1aの一方の端子に接続されている。スイッチ素子Sw31aの他方の端子は、容量素子Csp3aの一方の端子に接続されている。直列接続されたスイッチ素子Sw31a及び容量素子Csp3aは、直列回路を形成する。
並列接続された複数の容量素子Csp1a,Csp2a,Csp3aの組は、可変容量回路(可変容量素子)を形成する。スイッチ素子Sw30a,Sw31aのオン/オフの制御に基づいて、複数の容量素子Csp1a,Csp2a,Csp3aを含む可変容量回路の容量値が、変わる。
容量素子Csp1bは、ノードnd3aを介して、容量素子Csp1aに接続されている。容量素子Csp1bの一方の端子は、ノードnd3a接続されている。容量素子Csp1bの他方の端子は、ノードnd3b(出力端子OUT1)に接続されている。
ノードnd3a,nd3b間において、複数の容量素子Csp2b,Csp3bが、容量素子Csp1bに対して、並列に接続されている。
容量素子Csp2bの一方の端子は、スイッチ素子Sw30bを介して、ノードnd3aに接続されている。容量素子Csp2bの他方の端子は、ノードnd3b(出力端子OUT1)に接続されている。スイッチ素子Sw30bの一方の端子は、ノードnd3aに接続されている。スイッチ素子Sw30bの他方の端子は、容量素子Csp2bの一方の端子に接続されている。
容量素子Csp3bの一方の端子は、スイッチ素子Sw31bを介して、ノードnd3bに接続されている。容量素子Csp3bの他方の端子は、ノードnd3b(出力端子OUT1)に接続されている。スイッチ素子Sw31bの一方の端子は、ノードnd3aに接続されている。スイッチ素子Sw31bの他方の端子は、容量素子Csp3bの一方の端子に接続されている。
並列接続された複数の容量素子Csp1b,Csp2b,Csp3bの組は、可変容量回路(可変容量素子)を形成する。スイッチ素子Sw30b,Sw31bのオン/オフの制御に基づいて、複数の容量素子Csp1b,Csp2b,Csp3bを含む可変容量回路の容量値が、変わる。
誘導素子L2a及び容量素子Csps1a,Csps2aが、ノードnd3aに接続されている。
誘導素子L2aの一方の端子は、ノードnd3aに接続されている。誘導素子L2aの他方の端子は、グランド端子に接続されている。誘導素子L2aは、ノードnd3aとグランド端子との間に設けられた並列インダクタとして機能する。
容量素子Csps1aの一方の端子は、スイッチ素子Sw32aを介して、ノードnd3aに接続されている。容量素子Csps1aの他方の端子は、グランド端子に接続されている。スイッチ素子Sw32aの一方の端子は、ノードnd3aに接続されている。スイッチ素子Sw32aの他方の端子は、容量素子Csps1aの一方の端子に接続されている。
容量素子Csps2aの一方の端子は、スイッチ素子Sw33aを介して、ノードnd3aに接続されている。容量素子Csps2aの他方の端子は、グランド端子に接続されている。スイッチ素子Sw33aの一方の端子は、ノードnd3aに接続されている。スイッチ素子Sw33aの他方の端子は、容量素子Csps2aの一方の端子に接続されている。
このように、スイッチ素子Sw6を介した増幅回路10Bと出力端子OUT1との間の信号の伝達経路において、複数の受動素子が接続されている。
スイッチ素子Sw7は、第2の出力端子OUT2と出力ノードnd2との間に設けられている。
スイッチ素子Sw7の一方の端子は、ノードnd2に接続されている。スイッチ素子Sw7の他方の端子は、容量素子Csp1cを介してノード(接続ノード)nd4aに接続されている。
容量素子Csp1cの一方の端子は、スイッチ素子Sw7の他方の端子に接続されている。容量素子Csp1cの他方の端子は、ノードnd4aに接続されている。
スイッチ素子Sw7の他方の端子とノードnd4aとの間において、複数の容量素子Csp2c,Csp3cが、容量素子Csp1cに対して、並列に接続されている。
容量素子Csp2cの一方の端子は、スイッチ素子Sw30cを介して、容量素子Csp1cの一方の端子に接続されている。容量素子Csp2cの他方の端子は、ノードnd4aに接続されている。スイッチ素子Sw30cの一方の端子は、容量素子Csp1cの一方の端子に接続されている。スイッチ素子Sw30cの他方の端子は、容量素子Csp2cの一方の端子に接続されている。直列接続されたスイッチ素子Sw30c及び容量素子Csp2cは、直列回路を形成する。
容量素子Csp3cの一方の端子は、スイッチ素子Sw31cを介して、容量素子Csp1cの一方の端子に接続されている。容量素子Csp3cの他方の端子は、ノードnd4aに接続されている。スイッチ素子Sw31cの一方の端子は、容量素子Csp1cの一方の端子に接続されている。スイッチ素子Sw31cの他方の端子は、容量素子Csp3cの一方の端子に接続されている。直列接続されたスイッチ素子Sw31c及び容量素子Csp3cは、直列回路を形成する。
並列接続された複数の容量素子Csp1c,Csp2c,Csp3cの組は、可変容量回路(可変容量素子)を形成する。スイッチ素子Sw30c,Sw31cのオン/オフの制御に基づいて、複数の容量素子Csp1c,Csp2c,Csp3cを含む可変容量回路の容量値が、変わる。
容量素子Csp1dは、ノードnd4aを介して、容量素子Csp1cに接続されている。容量素子Csp1dの一方の端子は、ノードnd4a接続されている。容量素子Csp1dの他方の端子は、ノードnd4b(出力端子OUT1)に接続されている。
ノードnd4a,nd4b間において、複数の容量素子Csp2d,Csp3dが、容量素子Csp1dに対して、並列に接続されている。
容量素子Csp2dの一方の端子は、スイッチ素子Sw30dを介して、ノードnd4aに接続されている。容量素子Csp2dの他方の端子は、ノードnd4b(出力端子OUT2)に接続されている。スイッチ素子Sw30dの一方の端子は、ノードnd4aに接続されている。スイッチ素子Sw30dの他方の端子は、容量素子Csp2dの一方の端子に接続されている。
容量素子Csp3dの一方の端子は、スイッチ素子Sw31dを介して、ノードnd4aに接続されている。容量素子Csp3dの他方の端子は、ノードnd4b(出力端子OUT2)に接続されている。スイッチ素子Sw31dの一方の端子は、ノードnd4aに接続されている。スイッチ素子Sw31dの他方の端子は、容量素子Csp3dの一方の端子に接続されている。
並列接続された複数の容量素子Csp1d,Csp2d,Csp3dの組は、可変容量回路(可変容量素子)を形成する。スイッチ素子Sw30d,Sw31dのオン/オフの制御に基づいて、複数の容量素子Csp1d,Csp2d,Csp3dを含む可変容量回路の容量値が、変わる。
誘導素子L2b及び容量素子Csps1b,Csps2bが、ノードnd4aに接続されている。
誘導素子L2bの一方の端子は、ノードnd4aに接続されている。誘導素子L2bの他方の端子は、グランド端子に接続されている。
誘導素子L2bは、ノードnd4aとグランド端子との間に設けられた並列インダクタとして機能する。並列インダクタL2aと並列インダクタL2bとの対は、並列インダクタ対とよばれる。
容量素子Csps1bの一方の端子は、スイッチ素子Sw32bを介して、ノードnd4aに接続されている。容量素子Csps1bの他方の端子は、グランド端子に接続されている。スイッチ素子Sw32bの一方の端子は、ノードnd4aに接続されている。スイッチ素子Sw32bの他方の端子は、容量素子Csps1bの一方の端子に接続されている。
容量素子Csps2bの一方の端子は、スイッチ素子Sw33bを介して、ノードnd4aに接続されている。容量素子Csps2bの他方の端子は、グランド端子に接続されている。スイッチ素子Sw33bの一方の端子は、ノードnd4aに接続されている。スイッチ素子Sw33bの他方の端子は、容量素子Csps2bの一方の端子に接続されている。
このように、スイッチ素子Sw7を介した増幅回路10Bと出力端子OUT2との間の信号の伝達経路において、複数の受動素子が接続されている。
このように、スプリッタ回路30B内に、複数の可変容量回路が設けられており、それらの容量値を適切に設定することで処理可能な周波数帯域を、広くできる。
抵抗素子Rox及びスイッチ素子Sw8が、ノードnd3b(出力端子OUT1)とノードnd4b(出力端子OUT2)との間に設けられている。
スイッチ素子Sw8の一方の端子は、ノードnd3bに接続されている。スイッチ素子Sw8の他方の端子は、抵抗素子Roxの一方の端子に接続されている。抵抗素子Roxの他方の端子は、ノードnd4bに接続されている。
スイッチ素子Sw8は、LNA1Cのスプリット出力モード時において、オンする。これによって、抵抗素子Roxは、有効状態に設定される。
スイッチ素子Sw8は、LNA1Cの単一出力モードにおいて、オフする。これによって、抵抗素子Roxは、無効状態に設定される。
単一出力モード時において、ノードnd2に接続された2つのスイッチ素子Sw6,Sw7のうちいずれか一方が、オンする。
増幅回路10B又はバイパス回路20からの信号は、2つのスイッチ素子Sw6,Sw7のうちオン状態のスイッチ素子を介して、対応する一方の出力端子から後段の回路へ送られる。
例えば、スイッチ素子Sw6,Sw7,Sw8のオン/オフの制御は、RFIC回路、制御回路990(又はRFIC940)によって、実行される。
スプリッタ回路30Bは、スプリッタ回路30Bを構成する受動素子の有効化/無効化の制御によって、インピーダンス変換回路の一部として機能する。
本実施形態において、LNAのスプリット出力モード時、スプリッタ回路30Bの入力インピーダンスの絶対値は、一般的な50Ωよりも小さい値、例えば35Ω近傍に設定されている。これによって、本実施形態のLNAにおいて、第3の実施形態に比較して、スプリット出力モード時における“S23”のSパラメータが、改善される。
(4b)動作例
図48乃至図54を参照して、本実施形態のLNAの動作例について説明する。
図48は、本実施形態のLNAの動作例を説明するための図である。
図48に示されるように、本実施形態のLNAは、LNA内のスイッチのオン/オフの制御によって、12の動作モードを実現できる。
<増幅モード>
図49は、本実施形態のLNA1Cの増幅モードの動作例を示す模式図である。
図49において、LNA1内における信号のノードnd2までの伝達経路が模式的に示されている。
図48及び図49に示されるように、LNA1Cの増幅モード時において、スイッチ素子Sw4Bは、オフする。これによって、バイパス回路20及びインピーダンス変換回路60は、ノードnd2から電気的に分離される。
例えば、インピーダンス変換回路60内において、スイッチ素子Sw9は、オフし、スイッチ素子Sw10は、オンする。これによって、誘導素子L3と容量素子Cmc1、Cmc2,Cmc3は、無効状態に設定される。
高周波信号RFinは、第3の実施形態と実質的に同様に、バンドセレクト回路40内の複数のスイッチ素子Sw1G,Sw2G,Sw3Gのうちオン状態のスイッチ素子を介して、コア回路101に供給される。高周波信号は、コア回路101によって増幅され、出力整合回路102Bのノードnd2に、伝搬される。
増幅された信号RFampは、選択された出力モードに基づいて、スプリッタ回路30Bから後段の回路へ、送られる。
<バイパスモード>
図50は、本実施形態のLNAのバイパスモード時における、LNAの動作例を説明するための模式図である。
図50において、LNA1内における信号のノードnd2までの伝達経路が模式的に示されている。
図48及び図50に示されるように、バンドセレクト回路40内において、複数のスイッチ素子Sw1G,Sw2G,Sw3Gは、オフする。これによって、増幅回路10Bは、複数の入力端子SWin1,SWin2,SWin3から電気的に分離される。
高周波信号RFinは、第3の実施形態と実質的に同様に、バイパス回路20内の複数のスイッチ素子Sw1B,Sw2B,Sw3Bのうちオン状態のスイッチ素子を介して、インピーダンス変換回路60に供給される。
供給された高周波信号に応じて、インピーダンス変換回路60内の誘導素子L3及び容量素子Cmcs1,Cmcs2,Cmc2、Cmc3の有効化及び無効化が、制御回路によって、制御される。
バイパスモード且つ単一出力モード時において、スイッチ素子Sw9は、オフし、スイッチ素子Sw10は、オンする。これによって、誘導素子L3及び容量素子Cmc1,Cmc2,Cmc3は、無効状態に設定される。
バイパスモード且つスプリット出力モード時において、スイッチ素子Sw9は、オンし、スイッチ素子Sw10はオフする。これによって、誘導素子L3及び容量素子Cmc1が、有効状態に設定される。
例えば、図50の例において、入力端子SWin1の受信が選択され、スイッチ素子Sw1Bが、オンする。
図51は、本実施形態のLNAのバイパスモード時における、インピーダンス変換回路の容量素子の制御を示す図である。
例えば、図50の例のように、第1の周波数帯域(例えば、859MHzから960MHzまでの帯域)の信号RF1が、インピーダンス変換回路60に供給された場合、スイッチ素子Sw90a,Sw90bは、オフする。これによって、容量素子Cmcs1,Cmcs2の両方が、無効状態に設定される。
この場合において、スイッチ素子91aは、オンし、スイッチ素子91bは、オフする。これによって、容量素子Cmc2は有効状態に設定され、容量素子Cmc3は無効状態に設定される。
例えば、第2の周波数帯域(例えば、717MHzから821MHzまでの帯域)の信号RF2が、インピーダンス変換回路60に供給された場合、スイッチ素子Sw90aは、オンし、スイッチ素子Sw90bは、オフする。これによって、容量素子Cmcs1は、有効状態に設定され、容量素子Cmcs2は、無効状態に設定される。
この場合において、スイッチ素子Sw91aは、オフし、スイッチ素子Sw91bは、オフする。これによって、容量素子Cmc2,Cmc3の両方が、無効状態に設定される。
例えば、第3の周波数帯域(例えば、617MHzから6521MHzまでの帯域)の信号RF3が、インピーダンス変換回路60に供給された場合、スイッチ素子Sw90aは、オンし、スイッチ素子Sw90bは、オンする。これによって、容量素子Cmcs1,Cmcs2の両方が、有効状態に設定される。
この場合において、スイッチ素子Sw91aは、オンし、スイッチ素子Sw91bは、オンする。これによって、容量素子Cmc2,Cmc3の両方が、有効状態に設定される。
このように、選択された高周波信号の周波数帯域に応じて、インピーダンス変換回路60の複数の容量素子Cmcs1,Cmcs2,Cmc1,Cmc2から形成される合成容量が、変化される。
これによって、バイパスモード時において、ノードnd2から見たインピーダンス変換回路60の出力インピーダンス値の絶対値が、ある値(例えば、50Ω)より小さい値(例えば、35Ω程度)に、設定される。
インピーダンス変換回路60からの信号は、オン状態のスイッチ素子Sw4Bを介して、ノードnd2に出力される。
バイパスモードにおける信号RFbypは、選択された出力モードに応じて、スプリッタ回路30Bから後段の回路へ送られる。
<単一出力モード>
図52は、本実施形態のLNAの単一出力モードの動作例を説明するための模式図である。
図52において、LNA1内における信号のノードnd2から出力端子側への伝達経路が模式的に示されている。
図48及び図52に示されるように、単一出力モード時において、出力整合回路102Bのノードnd2に接続されたスイッチ素子Sw6,Sw7のいずれか一方が、オンする。
図52の例において、スイッチ素子Sw6は、オンし、スイッチ素子Sw7は、オフする。
これによって、出力端子OUT1が、オン状態のスイッチ素子Sw6を介して、ノードnd2に電気的に接続される。
スイッチ素子Sw8は、オフする。これによって、単一出力モード時において、抵抗素子Roxは、無効状態に設定される。出力端子OUT1は、出力端子OUT2から電気的に分離される。
ノードnd2からの信号は、ノードnd3a,nd3b上の容量素子Csp1a,Csp1bを介して、出力端子OUT1に伝搬する。
選択された入力信号の周波数帯域に応じて、ノードnd3a,nd3bに接続された複数の受動素子の有効化及び無効化が制御される。
図53は、本実施形態のLNAにおける、スプリッタ回路30Bの可変容量の制御を示す図である。
図53に示されるように、第1の周波数帯域(例えば、859MHzから960MHzまでの帯域)の信号RF1が選択された場合、スイッチ素子Sw30(Sw30a,Sw30b,Sw30c,Sw30d)及びスイッチ素子Sw31(Sw31a,Sw31b,Sw31c,Sw31d)は、オフする。
これによって、直列キャパシタにおける、容量素子Csp2(Csp2a,Csp2b,Csp2c,Csp2d)及び容量素子Csp3(Csp3a,Csp3b,Csp3c,Csp3d)は、無効状態に設定される。
この場合において、スイッチ素子Sw32(Sw32a,Sw32b)及びスイッチ素子Sw33(Sw33a,Sw33b)は、オフする。
これによって、容量素子Csps1(Csps1a,Csps1b)及び容量素子Csps2(Csps2a,Csps2b)は、無効状態に設定される。
第2の周波数帯域(例えば、717MHzから821MHzまでの帯域)の信号RF1が選択された場合(例えば、図52)、スイッチ素子Sw30は、オンし、スイッチ素子Sw31は、オフする。
これによって、直列キャパシタにおける、容量素子Csp2は、有効状態に設定され、容量素子Csp3は、無効状態に設定される。
この場合において、スイッチ素子Sw32は、オンし、スイッチ素子Sw33は、オフする。これによって、容量素子Csps1は、有効状態に設定され、容量素子Csps2は、無効状態に設定される。
第3の周波数帯域(例えば、617MHzから652MHzまでの帯域)の信号RF1が選択された場合、スイッチ素子Sw30及びスイッチ素子Sw31は、オンする。
これによって、直列キャパシタにおける、容量素子Csp2及び容量素子Csp3は、有効状態に設定される。
この場合において、スイッチ素子Sw32及びスイッチ素子Sw33は、オンする。
これによって、容量素子Csps1及び容量素子Csps2は、有効状態に設定される。
このように、スプリッタ回路30B内を伝搬する信号(LNA1Cの出力信号)の周波数帯域に応じて、スプリッタ回路30B内の可変容量の容量値が、変化される。
ノードnd2からの信号RFoutが、オン状態のスイッチ素子Sw6及びノードnd3a,nd3bを介して、出力端子OUT1に伝搬する。
出力端子OUT2を用いた単一出力モードが選択された場合、スイッチ素子Sw7が、オンし、スイッチ素子Sw6が、オフする。図53のように、スプリッタ回路30B内を伝搬する信号の周波数帯域に応じて、ノードnd4a,nd4bに接続された容量素子の有効化及び無効化が、制御される。
ノードnd2からの信号RFoutが、オン状態のスイッチ素子Sw7及びノードnd4a,nd4bを介して、出力端子OUT2に伝搬する。
このように、本実施形態のLNA1Cにおいて、高周波信号が、単一出力モードで、スプリッタ回路30Bから後段の回路へ送られる。
本実施形態において、単一出力モードにおいて、スプリッタ回路30Bは、インピーダンス変換回路として機能する。
<スプリット出力モード>
図54は、本実施形態のLNAのスプリット出力モードを説明するための模式図である。
図54において、LNA1内における信号のノードnd2から出力端子側への伝達経路が模式的に示されている。
図48及び図54に示されるように、スプリット出力モードにおいて、ノードnd2に接続されたスイッチ素子Sw6,Sw7の両方が、オンする。
これによって、出力端子OUT1,OUT2の両方が、ノードnd2に電気的に接続される。
スイッチ素子Sw8は、オンする。これによって、抵抗素子Roxは、有効状態に設定される。出力端子OUT1は、オン状態のスイッチ素子Sw8及び抵抗素子Roxを介して、出力端子OUT2に電気的に接続される。
スプリット出力モードにおいて、単一出力モードと同様に、選択された周波数帯域に応じて、図53に示されるように、ノードnd3a,nd3b,nd4a,nd4bに接続された容量素子Csp2,Csp3,Csps1,Csps2の有効化/無効化が、制御される。
尚、スプリット出力モード時において、LNA1Cが増幅モードで動作する場合、インピーダンス変換回路60内において、スイッチ素子Sw4Bがオフする。これに加えて、スイッチ素子Sw9は、オフし、スイッチ素子Sw10は、オンする。これによって、インピーダンス変換回路60は、LNA1Cの特性に悪影響を与えない。
スプリット出力モード時において、LNA1Cがバイパスモードで動作する場合、インピーダンス変換回路60内において、スイッチ素子Sw9は、オンし、スイッチ素子Sw10は、オフする。これによって、インピーダンス変換回路60は、50Ωを例えば35Ωに変換する。
(4c)特性
図55を参照して、本実施形態のLNAの特性について説明する。
図55は、本実施形態のLNAの小信号特性のシミュレーション結果の一覧を示している。
図55において、“S21”のSパラメータについて、帯域内の中心値が示されている。ノイズ指数NF、“S11”、“S22”及びS23”のSパラメータについて、帯域内の最悪値が、示されている。
図55において、上述の実施形態と同様に、各周波数帯域及び各動作モードにおける、ノイズ指数(NF)、“S11”、“S22”、“S21”及び“S23”のSパラメータの値が、示されている。Sパラメータにおける、ポート1は、複数の入力端子SWinのうちアクティブな端子に対応し、ポート2はLNA1Cの出力端子OUT1に対応し、ポート3はLNA1Cの出力端子OUT2に対応する。
尚、本実施形態において、第1の周波数帯域は、859MHzから960MHzまでの周波数帯域に対応し、第2の周波数帯域は、717MHzから821MHzまでの周波数帯域に対応し、第3の周波数帯域は、617MHzから652MHzまでの周波数帯域に対応する。
このシミュレーションにおいて、本実施形態のLNAに供給される電圧VDDLNAは、1.2Vに設定されている。
図55に示されるように、本実施形態のLNA1Cの各パラメータにおいて、他の実施形態と実質的に同じ特性が得られる。
本実施形態において、LNA1Cがスプリット出力モードで動作する場合において、“S23”のパラメータは、最悪値となる場合がある。本実施形態における“S23”のパラメータの最悪値は、-29.1dBである。
本実施形態のLNAは、“S23”のパラメータが最悪値であっても、一般的に要求される“S23”のパラメータ値(例えば、-25dB)に対して、十分なマージンを確保できる。
したがって、本実施形態のLNA1Cは、各種の動作モードを実現しつつ、特性を向上できる。
(5) 第5の実施形態
図56乃至図61を参照して、第5の実施形態のLNAについて、説明する。
(5a)構成例
図56は、本実施形態のLNAの構成例を示す回路図である。
図56に示されるように、本実施形態のLNA1Dは、2つのバイパス回路21,22を含む。
<増幅回路>
増幅回路10D内において、スイッチ素子SwAが、コア回路101の出力ノード(トランジスタFET2のドレイン)と出力整合回路102Dの入力ノードnd1との間に設けられている。スイッチ素子SwAの一方の端子は、トランジスタFET2のドレインに接続されている。スイッチ素子SwAの他方の端子は、ノードnd1に接続されている。
コア回路101と出力整合回路102Dとの電気的な接続が、スイッチ素子SwAのオン/オフの制御によって、制御される。
スイッチ素子SwBが、電圧端子VDDLNAと抵抗素子(負荷抵抗)Rdとの間に設けられている。スイッチ素子SwBの一方の端子は、電圧端子VDDLNAに接続されている。スイッチ素子SwBの他方の端子は、ノードnd1に接続されている。
スイッチ素子SwBのオン/オフの制御に基づいて、抵抗素子Rdが、有効状態又は無効状態に設定される。
<バンドセレクト回路>
バンドセレクト回路40の複数の入力端子SWin1,SWin2,SWin3は、対応するスイッチ素子Sw1G,Sw2G,Sw3Gのそれぞれを介して、ノードndbに接続されている。
バンドセレクト回路40の出力端子SWoutは、ノードndbに接続されている。
例えば、容量素子Cshが、入力端子SWin3が接続されたノードnda3に、接続されている。容量素子Cshの一方の端子は、ノードnda3に接続されている。容量素子Csh3の他方の端子は、スイッチ素子Sw15に接続されている。スイッチ素子Sw15の他方の端子が、グランド端子に接続されている。
スイッチ素子SwBのオン/オフの制御に基づいて、容量素子Cshが、有効状態又は無効状態に設定される。
<第1のバイパス回路>
第1のバイパス回路21は、バンドセレクト回路40のノードndb(出力端子SWout)と出力整合回路102Dの出力ノードnd2との間に設けられている。
第1のバイパス回路21は、容量素子Cbyp1、T型スイッチT-SwA及びスイッチ素子Sw13を含む。
T型スイッチT-SwAの一方の端子は、バンドセレクト回路41のノードndb(出力端子SWout及びスイッチ素子Sw1G,SW2G,Sw3G)に接続されている。T型スイッチT-SwAの他方の端子は、容量素子Cbyp1を介して、ノードnd2に接続されている。
容量素子Cbyp1の一方の端子は、T型スイッチT-SwAの他方の端子に接続されている。容量素子Cbyp1の他方の端子は、ノードnd2に接続されている。
スイッチ素子Sw13の一方の端子は、T型スイッチT-SwAの他方の端子及び容量素子Cbyp1の一方の端子に接続されている。
スイッチ素子Sw13の他方の端子は、容量素子Cbyp1の他方の端子に接続されている。スイッチ素子Sw13は、T型スイッチT-SwAとノードnd2との間の信号の伝達経路において、容量素子Cbyp1に対して並列に接続されている。
このように、第1のバイパス回路21は、バンドセレクト回路40のノードndbと出力整合回路102Dの出力ノードnd2との間に接続されている。
本実施形態において、第1のバイパス回路21は、LNA1Dの単一出力モード時に動作する。バイパス回路21は、LNA1Dのバイパスモード及び単一出力モード時における、高周波信号RFinの信号経路として機能する。
例えば、スイッチ素子Sw13,T-SwAのオン/オフの制御は、RFIC回路、制御回路990(又はRFIC940)によって、実行される。
<第2のバイパス回路>
第2のバイパス回路22は、増幅回路10Dの入力端子(誘導素子Lext1の出力側ノード)と出力整合回路102Dのノードnd1との間に設けられている。
バイパス回路22は、T型スイッチT-SwB、複数の容量素子Cd1,Cd2,Cd3,Cbyp2,Cbyp3、及び、複数のスイッチ素子Sw10a,Sw11a,SW12a,SW14を含む。
T型スイッチT-SwBの一方の端子は、端子LNAinに接続されている。
T型スイッチT-SwBの他方の端子は、容量素子Cbyp2を介して、出力整合回路102Dの入力ノードnd1に接続されている。
容量素子Cbyp2の一方の端子は、T型スイッチT-SwBの他方の端子に接続されている。容量素子Cbyp2の他方の端子は、ノードnd1に接続されている。
スイッチ素子Sw14及び容量素子Cbyp3が、T型スイッチT-SwBとノードnd1との間に設けられている。スイッチ素子Sw14の一方の端子は、T型スイッチT-SwBの他方の端子に接続されている。スイッチ素子Sw14の他方の端子は、容量素子Cbyp3の一方の端子に接続されている。容量素子Cbyp3の他方の端子は、ノードnd1に接続されている。
スイッチ素子Sw14がオン状態である場合、容量素子Cbyp3は、T型スイッチT-SwBとノードnd1との間において、容量素子Cbyp2に対して並列に接続されている。オン状態のスイッチ素子Sw14によって、容量素子Cbyp3は、有効状態に設定される。
複数の容量素子Cd1,Cd2,Cd3は、T型スイッチT-SwBとノードnd1との間の伝達経路に、接続されている。
容量素子Cd1の一方の端子は、ノードnd1に接続されている。容量素子Cd1の他方の端子は、スイッチ素子Sw10aの一方の端子に接続されている。スイッチ素子Sw10aの他方の端子は、グランド端子に接続されている。
容量素子Cd2の一方の端子は、ノードnd1に接続されている。容量素子Cd2の他方の端子は、スイッチ素子Sw11aの一方の端子に接続されている。スイッチ素子Sw11aの他方の端子は、グランド端子に接続されている。
容量素子Cd3の一方の端子は、ノードnd1に接続されている。容量素子Cd3の他方の端子は、スイッチ素子Sw12aの一方の端子に接続されている。スイッチ素子Sw12aの他方の端子は、グランド端子に接続されている。
容量素子のサイズ(チップ上における面積)は、誘導素子のサイズに比べて小さい。それゆえ、伝達経路の各パラメータ及びインピーダンスが、容量素子Cd1,Cd2,Cd2を用いて調整される場合、チップサイズの増大が、抑制される。
例えば、スイッチ素子(シャントスイッチ)SwXが、T型スイッチT-SwBの一方の端子及び入力端子LNAinに接続されている。
本実施形態において、第2のバイパス回路22は、LNA1Dのスプリット出力モード時に動作する。バイパス回路22は、LNA1Dのバイパスモード及びスプリット出力モード時における、高周波信号の信号経路として機能する。
例えば、スイッチ素子Sw10a,Sw11a,SW12a,SW14,T-SwBのオン/オフの制御は、RFIC回路、制御回路990(又はRFIC940)によって、実行される。
<スプリッタ回路>
スプリッタ回路30Bは、上述の例(例えば、図47の例)と同様に、出力整合回路102Dのノードnd2と出力端子OUT1,OUT2との間に設けられている。
スプリッタ回路30Bは、は、スイッチ素子Sw6,Sw7を介して、出力整合回路102Dのノードnd2に接続されている。
上述のように、LNA1Dの動作モードに応じた容量素子の有効化及び無効化によって、スプリッタ回路30B内の複数の容量素子Csp1a,・・・,Csp3a,Csp1b,・・・,Csp3b,Csp1c,・・・,Csp3c,Csp1d,・・・,Csp3d,Csps1a,Csps2a,Csps1b,Csps2bは、可変容量回路として機能する。
スプリッタ回路30Bは、上述の例と同様に、インピーダンス変換回路として機能する。
これによって、ノードnd2から見た出力整合回路102Dの出力インピーダンス値(絶対値)が、或るインピーダンス値(例えば、50Ω)より低いインピーダンス値(例えば、35Ω程度)に設定される。
(5b)動作例
図57乃至図60を参照して、本実施形態のLNA1Dの動作例について、説明する。
図57は、本実施形態のLNA1Dの各動作モードにおける、スイッチ素子のオン/オフの状態を示す図である。
<増幅モード>
図57及び図58を参照して、本実施形態のLNA1Dの増幅モードの動作例について、説明する。
図58において、LNA1内における信号のノードnd2までの伝達経路が模式的に示されている。
図58は、本実施形態のLNA1Dの増幅モードの動作例を示す模式図である。
図57及び図58に示されるように、増幅モード時において、T型スイッチT-SwA,T-SwBは、オフする。これによって、バイパス回路21,22は、バンドセレクト回路40から電気的に分離される。
上述のように、受信すべき高周波信号RFinに応じて、バンドセレクト回路40内のスイッチ素子Sw1G,Sw2G,Sw3Gのうちいずれか1つが、オンする。これによって、高周波信号RFinが、オン状態のスイッチ素子を介して、バンドセレクト回路40から増幅回路10Dに供給される。
増幅回路10D内において、スイッチ素子SwA,SwBが、オンする。
コア回路101が、オン状態のスイッチ素子SwAを介して、出力整合回路102Dの入力ノードnd1に接続される。
抵抗素子Rdが、オン状態のスイッチ素子SwBによって、有効状態に設定される。
これによって、コア回路101によって増幅された信号が、出力整合回路102Dに伝搬する。
尚、受信された信号の周波数帯域に応じて、バイパス回路22内の容量素子が、有効化されてもよい。
例えば、受信された信号の周波数帯域が、第1の周波数帯域(例えば、859MHzから960MHzの周波数帯域)である場合、スイッチ素子Sw10a,Sw11a,Sw12aは、オフする。この場合において、容量素子Cd1,Cd2,Cd3は、無効状態に設定される。
例えば、受信された信号の周波数帯域が、第2の周波数帯域(例えば、717MHzから821MHzの周波数帯域)である場合、スイッチ素子Sw10aは、オンし、スイッチ素子Sw11a,Sw12aは、オフする。この場合において、容量素子Cd1は、有効状態に設定され、容量素子Cd2,Cd3は、無効状態に設定される。例えば、有効状態に設定された容量素子Cd1の容量値が、出力整合回路102Dのインピーダンス値に作用し得る。
例えば、受信された信号の周波数帯域が、第3の周波数帯域(例えば、617MHzから652MHzの周波数帯域)である場合、スイッチ素子Sw10a,Sw11aは、オンし、スイッチ素子Sw12aは、オフする。この場合において、容量素子Cd1,Cd2は、有効状態に設定され、容量素子Cd3は、無効状態に設定される。例えば、有効状態に設定された容量素子Cd1,Cd2の容量値が、出力整合回路102Dのインピーダンス値に作用し得る。
増幅モード時におけるLNA1Dの出力モードは、上述の例(例えば、図49の例)と実質的に同様に実行される。
増幅モードのLNA1Dが単一出力モードによって高周波信号を出力する場合、スプリッタ回路30Bのスイッチ素子Sw6,Sw7のうちいずれか一方が、出力端子OUT1,OUT2のうち選択された一方に応じて、オンする。単一出力モード時において、スイッチ素子Sw8は、オフする。これによって、抵抗素子Roxは、無効状態に設定される。受信された信号の周波数帯域に応じて、出力端子OUTに接続された複数の容量素子が、有効状態又は無効状態に設定される。
このように、増幅モードのLNA1Dが単一出力モードで信号を出力する場合において、LNA1の出力信号が、選択された1つの出力端子OUTから後段の回路へ出力される。
増幅モードのLNA1Dがスプリット出力モードによって高周波信号を出力する場合、スプリッタ回路30Bのスイッチ素子Sw6,Sw7の両方が、オンする。スプリット出力モード時において、スイッチ素子Sw8はオンする。これによって、抵抗素子Roxは、有効状態に設定される。受信された信号の周波数帯域に応じて、出力端子OUTに接続された複数の容量素子が、有効状態又は無効状態に設定される。
このように、増幅モードのLNA1Dがスプリット出力モードで信号を出力する場合において、LNA1Dの出力信号が、2つの出力端子OUT1,OUT2から後段の回路へ出力される。
<バイパスモード時における単一出力モード>
図57及び図59を参照して、本実施形態のLNA1Dのバイパスモード時の動作例について、説明する。
図59は、本実施形態のLNA1Dのバイパスモード及び単一出力モードの動作例を示す模式図である。
図59において、LNA1内における信号のノードnd2から出力端子側への伝達経路が模式的に示されている。
図57及び図59に示されるように、高周波信号RFinが、増幅モード時と同様に、受信すべき高周波信号RFinに応じてオン状態のスイッチ素子を介して、入力端子SWinからノードndbに供給される。
バイパスモード時において、増幅回路10D内のスイッチ素子SwA,SwBは、オフする。オフ状態のスイッチ素子SwAによって、コア回路101は、出力整合回路102Dの出力ノードnd1から電気的に分離される。オフ状態のスイッチ素子SwBによって、抵抗素子Rdは、無効状態に設定される。
尚、コア回路101に含まれる容量成分、誘導成分及び抵抗成分が、端子LNAinを介して、ノードndbに作用する場合もある。
バイパスモードのLNAにおける単一出力モード時において、T型スイッチT-SwAは、オンし、T型スイッチT-SwBは、オフする。
第2のバイパス回路22は、バンドセレクト回路40から電気的に分離される。バイパスモード時及び単一出力モード時において、バイパス回路22内のスイッチ素子Sw11a,Sw12a,Sw13a,Sw14は、オフする。
スイッチ素子SwXは、バイパスモード時における単一出力モード時において、オンする。これによって、外部インダクタLextは、シャントされる。例えば、シャントされた外部インダクタLextは、バイパス回路21を介して、バイパスモード時におけるノードnd2から見たインピーダンス値の変換(例えば、50Ωから35Ωへの変換)に、寄与する。
第1のバイパス回路21は、オン状態のT型スイッチT-SwAを介して、バンドセレクト回路40のノードndbに電気的に接続される。
バンドセレクト回路40からの高周波信号RFinは、容量素子Cbyp1又はスイッチSw13を経由して、ノードnd2に伝搬する。
バイパス回路21内において、スイッチ素子Sw13は、受信された高周波信号の周波数帯域に応じて、オン状態又はオフする。
例えば、受信された信号の周波数帯域が、第1の周波数帯域(例えば、859MHzから960MHzの周波数帯域)である場合、スイッチ素子Sw13は、オンする。例えば、受信された信号の周波数帯域が、第2の周波数帯域(例えば、717MHzから821MHzの周波数帯域)又は第3の周波数帯域(例えば、617MHzから652MHzの周波数帯域)である場合、スイッチ素子Sw13は、オフする。
スイッチ素子Sw1a,Sw2a,Sw3aは、受信された高周波信号の周波数帯域に応じて、オン又はオフする。
例えば、受信された信号の周波数帯域が、第1の周波数帯域(例えば、859MHzから960MHzの周波数帯域)である場合、スイッチ素子Sw1aは、オンし、スイッチ素子Sw2a,Sw3aは、オフする。これによって、容量素子Cout1は、ノードnd2に電気的に接続される。例えば、有効状態の容量素子Cout1の容量値が、ノードnd2のインピーダンス値に、作用し得る。
例えば、受信された信号の周波数帯域が、第2の周波数帯域(例えば、717MHzから821MHzの周波数帯域)である場合、スイッチ素子Sw1a,Sw2aは、オンし、スイッチ素子Sw3aは、オフする。これによって、容量素子Cout1,Cout2は、ノードnd2に電気的に接続される。例えば、有効状態の容量素子Cout1,Cout2の容量値が、ノードnd2のインピーダンス値に、作用し得る。
例えば、受信された信号の周波数帯域が、第3の周波数帯域(例えば、617MHzから652MHzの周波数帯域)である場合、スイッチ素子Sw1a,Sw2a,Sw3aは、オンする。これによって、容量素子Cout1,Cout2,Cout3は、ノードnd2に電気的に接続される。例えば、有効状態の容量素子Cout1,Cout2,Cout3の容量値が、ノードnd2のインピーダンス値に、作用し得る。
バイパスモードで動作するLNA1Dが、単一出力モードによって、高周波信号を後段の回路へ出力する場合、上述の例と同様に、信号の出力に用いられる出力端子OUTに応じて、スイッチ素子Sw6,Sw7のうちいずれか一方が、オンする。
オン状態のスイッチ素子と出力端子OUTとの間に接続された複数の容量素子Csp1,Csp2,Csp3,Csps1、Csps2に関して、複数の容量素子Csp1,Csp2,Csp3,Csps1、Csps2は、上述のように、受信された信号の高周波帯域に応じて、有効状態及び無効状態にそれぞれ設定される。
例えば、バンドセレクト回路40において、単一出力モード時において、受信された信号の周波数帯域が第3の周波数帯域(例えば、617MHzから652MHzの周波数帯域)である場合、スイッチ素子Sw15は、オンする。これによって、容量素子Cshは、有効状態に設定される。
受信された信号の周波数帯域が、第1又は第2の周波数帯域である場合、スイッチ素子Sw15は、オフし、容量素子Cshは、無効状態に設定される。
以上のように、本実施形態のLNA1Dのバイパスモード及び単一出力モードにおいて、高周波信号が、LNA1の1つの出力端子OUTから後段の回路へ、出力される。
<バイパスモード時におけるスプリット出力モード>
図57及び図60を参照して、本実施形態のLNA1のバイパスモード時の動作例について、説明する。
図60は、本実施形態のLNA1Dのバイパスモード及びスプリット出力モードの動作例を示す模式図である。
図57及び図60に示されるように、高周波信号RFinが、受信すべき高周波信号RFinに応じてオン状態のスイッチ素子を介して、入力端子SWinからノードndbに供給される。
バイパスモード時において、上述の図59の例と同様に、オフ状態のスイッチ素子SwAによって、コア回路101は、出力整合回路102Dの出力ノードnd1から電気的に分離される。オフ状態のスイッチ素子SwBによって、抵抗素子Rdは、無効状態に設定される。
バイパスモードのLNAにおけるスプリット出力モード時において、T型スイッチT-SwAは、オフし、T型スイッチT-SwBは、オンする。
第1のバイパス回路21は、バンドセレクト回路40から電気的に分離される。バイパス回路21内のスイッチ素子Sw13は、オフする。
第2のバイパス回路22は、オン状態のT型スイッチT-SwBを介して、バンドセレクト回路40のノードndbに電気的に接続される。
バンドセレクト回路40からの高周波信号RFinは、バイパス回路22内に供給される。
例えば、高周波信号の周波数帯域RFinが、第1の周波数帯域(859MHzから960MHzまでの周波数帯域)である場合、スイッチ素子Sw14は、オフする。
この場合において、高周波信号RFinは、容量素子Cbyp2を介して、ノードnd1に伝搬する。
高周波信号の周波数帯域が、第2の周波数帯域(717MHzから821MHzまでの周波数帯域)又は第3の周波数帯域(617MHzから652MHzまでの周波数帯域)である場合、スイッチ素子Sw14は、オンする。
この場合において、高周波信号RFinは、並列接続された2つの容量素子Cbyp2,Cbyp3を介して、ノードnd1に伝搬する。
バイパス回路22内の複数のスイッチ素子Sw10a,Sw11a,Sw12aにおいて、スイッチ素子Sw10a,Sw11aは、オフし、スイッチ素子Sw12aは、オンする。これによって、バイパスモードのLNA1Dにおけるスプリット出力モード時、容量素子Cd3は、有効状態に設定される。この時、容量素子Cd1,Cd2は、無効状態に設定される。
バイパス回路22は、高周波信号を、出力整合回路102Dのノードnd1に出力する。
バイパスモードのLNA1Dにおけるスプリットモード時、出力整合回路102D内において、スイッチ素子Sw1a,Sw2a,Sw3aは、受信された高周波信号の周波数帯域に応じて、オン又はオフする。
例えば、受信された信号の周波数帯域が、第1の周波数帯域(例えば、859MHzから960MHzの周波数帯域)である場合、スイッチ素子Sw1aは、オンし、スイッチ素子Sw2a,Sw3aは、オフする。この場合において、バイパス回路22からの信号は、容量素子Cout1を介して、ノードnd2に出力される。
例えば、受信された信号の周波数帯域が、第2の周波数帯域(例えば、717MHzから821MHzの周波数帯域)である場合、スイッチ素子Sw1a,Sw2aは、オンし、スイッチ素子Sw3は、オフする。この場合において、バイパス回路22からの信号は、並列接続された容量素子Cout1,Cout2を介して、ノードnd2に出力される。
例えば、受信された信号の周波数帯域が、第3の周波数帯域(例えば、617MHzから652MHzの周波数帯域)である場合、スイッチ素子Sw1a,Sw2a,Sw3aは、オンする。この場合において、バイパス回路22からの信号は、並列接続された容量素子Cout1,Cout2,Cout3を介して、ノードnd2に出力される。
このように、高周波信号RFinは、伝達経路上の容量素子の有効状態及び無効状態の設定に基づいて、バイパス回路22の伝達経路を介して、出力整合回路102Dのノードnd2に供給される。
スプリット出力モードにおいて、スイッチ素子Sw6,Sw7の両方が、オンする。
オン状態のスイッチ素子と出力端子OUTとの間に接続された複数の容量素子Csp1,Csp2,Csp3,Csps1、Csps2に関して、複数の容量素子Csp1,Csp2,Csp3,Csps1、Csps2は、上述のように、受信された信号の高周波帯域に応じて、有効状態及び無効状態にそれぞれ設定される。
オン状態のスイッチ素子Sw8によって、抵抗素子Roxは、有効状態に設定される。
オン状態のスイッチ素子Sw6,Sw7と出力端子OUT1,OUT2との間に接続された複数の容量素子Csp1,Csp2,Csp3,Csps1、Csps2に関して、複数の容量素子Csp1,Csp2,Csp3,Csps1、Csps2は、上述のように、受信された信号の高周波帯域に応じて、有効状態及び無効状態にそれぞれ設定される。
以上のように、本実施形態のLNA1Dのバイパスモード及びスプリット出力モードにおいて、高周波信号が、LNA1Dの2つの出力端子OUT1とOUT2から後段の回路へ、出力される。
(5c)特性
図61を参照して、本実施形態のLNA1Dの特性について説明する。
図61は、本実施形態のLNA1Dの小信号特性のシミュレーション結果を示している。
図61において、“S21”のSパラメータについて、帯域の中心値が、示されている。ノイズ指数NF、“S11”、“S22”及び“S23”のSパラメータについて、帯域内の最悪値が、示されている。
図61において、上述の実施形態と同様に、各周波数帯域及び各動作モードにおける、ノイズ指数(NF)、“S11”、“S22”、“S21”及び“S23”のSパラメータの値が、示されている。Sパラメータにおける、ポート1は、複数の入力端子SWinのうちアクティブな端子に対応し、ポート2はLNA1Dの出力端子OUT1に対応し、ポート3はLNA1Dの出力端子OUT2に対応する。
尚、本実施形態において、第1の周波数帯域は、859MHzから960MHzまでの周波数帯域に対応し、第2の周波数帯域は、717MHzから821MHzまでの周波数帯域に対応し、第3の周波数帯域は、617MHzから652MHzまでの周波数帯域に対応する。
このシミュレーションにおいて、本実施形態のLNAに供給される電圧VDDLNAは、1.2Vに設定されている。
図61に示されるように、本実施形態のLNA1Dの各パラメータにおいて、他の実施形態と実質的に同じ特性が得られる。
本実施形態において、LNAがスプリット出力モードで動作する場合において、“S23”のパラメータは、最悪値となる場合がある。例えば、本実施形態における“S23”のパラメータの最悪値は、-27.7dBである。
本実施形態のLNAは、“S23”のパラメータが最悪値であっても、一般的に要求される“S23”のパラメータ値(例えば、-25dB)に対して、十分なマージンを確保できる。
したがって、第5の実施形態のLNA1Dは、各種の動作モードを実現しつつ、特性を向上できる。
(6) 第6の実施形態
図62乃至図71を参照して、第6の実施形態のLNAについて、説明する。
(6a)構成例
図62は、本実施形態のLNAの構成例を示す回路図である。
本実施形態のLNA1Eは、例えば、ローバンド用LNAである。
本実施形態のLNA1Eは、増幅回路10E、バンドセレクト回路40及び出力結合回路50を含む。
<バンドセレクト回路>
バンドセレクト回路40は、上述の実施形態と同様に、複数の入力端子RFin1,RFin2,RFin3を含む。複数の入力端子RFin1,RFin2,RF3inのそれぞれは、複数の周波数帯域に対応するように、設けられている。
バンドセレクト回路40は、複数の入力端子のそれぞれに供給された複数の周波数帯域に対して、受信する高周波信号の周波数帯域の選択機能を有する。
これによって、バンドセレクト回路40は、上述の実施形態と同様に、複数の周波数帯域の高周波信号のうち、1つを選択して、受信できる。
<増幅回路>
本実施形態において、カスコード接続増幅回路10Eは、2つのコア回路(カスコード接続部)101E1,101E2を含む。
第1のコア回路101E1は、トランジスタFET11,FET21を含む。
トランジスタFET11の電流経路の一方の端子(トランジスタFET11のソース)は、誘導素子Lsの一方の端子に接続されている。トランジスタFET11の電流経路の他方の端子(トランジスタFET11のドレイン)は、ノードnd11に接続されている。トランジスタFET11の制御端子(トランジスタFET11のゲート)は、容量素子Cxを介して、入力端子LNAinに接続されている。
トランジスタFET21の電流経路の一方の端子(トランジスタFET21のソース)は、ノードnd11に接続されている。トランジスタFET21の電流経路の他方の端子(トランジスタFET21のドレイン)は、ノードnd1aに接続されている。
第2のコア回路101E2は、トランジスタFET12,FET22を含む。
トランジスタFET12の電流経路の一方の端子(トランジスタFET12のソース)は、誘導素子Lsの一方の端子に接続されている。トランジスタFET12の電流経路の他方の端子(トランジスタFET12のドレイン)は、ノードnd12に接続されている。トランジスタFET12の制御端子(トランジスタFET12のゲート)は、容量素子Cxを介して、LNA1Eの入力端子LNAinに接続されている。
トランジスタFET22の電流経路の一方の端子(トランジスタFET22のソース)は、ノードnd12に接続されている。トランジスタFET22の電流経路の他方の端子(トランジスタFET22のドレイン)は、ノードnd1bに接続されている。
トランジスタFET11のゲート及びトランジスタFET12のゲートは、抵抗素子RB1を介して、電圧端子VB1に接続されている。
抵抗素子RB1の一方の端子は、トランジスタFET11のゲート及びトランジスタFET12のゲートに接続されている。抵抗素子RB1の他方の端子は、電圧端子VB1に接続されている。
トランジスタFET21のゲートは、抵抗素子RB21を介して、電圧端子VB2に接続されている。
抵抗素子RB21の一方の端子は、トランジスタFET21のゲートに接続されている。抵抗素子RB21の他方の端子は、電圧端子VB2に接続されている。
トランジスタFET22のゲートは、抵抗素子RB22を介して、電圧端子VB2に接続されている。
抵抗素子RB22の一方の端子は、トランジスタFET22のゲートに接続されている。抵抗素子RB22の他方の端子は、電源端子VB2及び抵抗素子RB21の他方の端子に接続されている。
容量素子CB21が、トランジスタFET21のゲートに接続されている。容量素子CB21の一方の端子は、トランジスタFET21のゲート及び抵抗素子RB21の一方の端子に接続されている。容量素子CB21の他方の端子は、グランド端子に接続されている。
容量素子CB22が、トランジスタFET22のゲートに接続されている。容量素子CB22の一方の端子は、トランジスタFET22のゲート及び抵抗素子RB22の一方の端子に接続されている。容量素子CB22の他方の端子は、グランド端子に接続されている。
本実施形態において、誘導素子Lsの一方の端子は、2つのトランジスタFET11,FET12のソースに共通に接続されている。誘導素子Lsの他方の端子は、グランド端子に接続されている。
このように、本実施形態において、2つのコア回路101E1,101E2は、ソースディジェネレーションのための誘導素子Lsを、共有する。2つのコア回路101E1,101E2は、誘導素子Lsに関して対をなしている。
ノードnd11とノードnd12との間(トランジスタFET11のドレインとトランジスタFET12のドレインとの間)に、容量素子Cdx1、抵抗素子Rdx1及びスイッチ素子Sw21が接続されている。
スイッチ素子Sw21の一方の端子は、ノードnd11(トランジスタFET11のドレイン)に接続されている。スイッチ素子Sw21の他方の端子は、容量素子Cdx1の一方の端子に接続されている。容量素子Cdx1の他方の端子は、抵抗素子Rdx1の一方の端子に接続されている。抵抗素子Rdx1の他方の端子は、ノードnd12(トランジスタFET12のドレイン)に接続されている。
スイッチ素子Sw21がオン状態である場合、トランジスタFET11のドレインは、オン状態のスイッチ素子Sw21、容量素子Cdx1及び抵抗素子Rdx1を介して、トランジスタFET12のドレイン及びトランジスタFET22のソースに接続される。
スイッチ素子Sw21がオフ状態である場合、容量素子Cdx1及び抵抗素子Rdx1は、ノードnd11から電気的に分離される。これによって、容量素子Cdx1及び抵抗素子Rdx1は、トランジスタFET11のドレインとトランジスタFET12のドレインとの接続に関して、無効状態に設定される。
尚、容量素子Cdx1及び抵抗素子Rdx1のうちいずれか一方が、ノードnd11,nd12との間に設けられなくともよい。
出力整合回路102Eは、出力整合回路102Eの入力ノードnd1a,nd1bを介して、コア回路101E1,101E2に接続されている。
出力整合回路102Eは、複数の容量素子Cdx2a,Cdx2b、複数の可変容量素子Cdd1a,Cdd2b,Cout1a,Cout2b、抵抗素子Rdx2b、複数の誘導素子Ld1,Ld2及び複数のスイッチ素子Sw22a,Sw22bを含む。
ノードnd1aとノードnd1bとの間に、容量素子Cdx2a及びスイッチ素子Sw22aが接続されている。
スイッチ素子Sw22aの一方の端子は、ノードnd1a(トランジスタFET21のドレイン)に接続されている。スイッチ素子Sw22aの他方の端子は、容量素子Cdx2aの一方の端子に接続されている。容量素子Cdx2aの他方の端子は、ノードnd1bに接続されている。
スイッチ素子Sw22aがオン状態である場合、トランジスタFET21のドレインは、オン状態のスイッチ素子Sw22a、容量素子Cdx2aを介して、トランジスタFET22のドレインに接続される。
スイッチ素子Sw22aがオフ状態である場合に、容量素子Cdx2aは、ノードnd21から電気的に分離される。これによって、容量素子Cdx2aは、トランジスタFET21のドレインとトランジスタFET22のドレインとの接続に関して、無効状態に設定される。
尚、容量素子Cdx2aに加えて、抵抗素子Rdx3が、ノードnd1a,nd1bとの間にさらに設けられてもよい。
ノードnd1aとノードnd1bとの間(トランジスタFET21のドレインとトランジスタFET22のドレインとの間)に、容量素子Cdx2b、抵抗素子Rdx2及びスイッチ素子Sw22bが接続されている。
スイッチ素子Sw22bの一方の端子は、ノードnd1a(トランジスタFET21のドレイン)に接続されている。スイッチ素子Sw22bの他方の端子は、容量素子Cdx2bの一方の端子に接続されている。容量素子Cdx2bの他方の端子は、抵抗素子Rdx2の一方の端子に接続されている。抵抗素子Rdx2の他方の端子は、ノードnd1b(トランジスタFET22のドレイン)に接続されている。
スイッチ素子Sw22bがオン状態である場合に、トランジスタFET21のドレインは、オン状態のスイッチ素子Sw22b、容量素子Cdx2b及び抵抗素子Rdx2を介して、トランジスタFET22のドレインに接続される。
スイッチ素子Sw22bがオフ状態である場合に、容量素子Cdx2b及び抵抗素子Rdx2は、ノードnd21から電気的に分離される。これによって、容量素子Cdx2b及び抵抗素子Rdx2は、トランジスタFET21のドレインとトランジスタFET22のドレインとの接続に関して、無効状態に設定される。
尚、容量素子Cdx2b及び抵抗素子Rdx2のうちいずれか一方が、ノードnd1a,nd1bとの間に設けられなくともよい。
ノードnd1aとノードnd1bとの間において、スイッチ素子Sw22b、容量素子Cdx2b及びRdx2を含む伝達経路は、スイッチ素子Sw22a及び容量素子Cdx2aを含む伝達経路に対して並列に接続されている。
例えば、出力整合回路102Eが、第1の整合回路121と第2の整合回路122とを含む。第1の整合回路121は、第1のコア回路101E1に対応する出力整合回路である。第1の整合回路121は、誘導素子Ld1及び可変容量素子Cdd1a,Cout1aから構成される。第2の整合回路122は、第2のコア回路101E2に対応する出力整合回路である。第2の整合回路122は、誘導素子Ld2及び可変容量素子Cdd2a,Cout2aから構成される。
出力整合回路102Eにおいて、誘導素子Ld1、可変容量素子Cdd1a及び可変容量素子Cout1aは、ノードnd1aとノードnd2aと間の伝達経路に接続されている。
誘導素子Ld1の一方の端子は、ノードnd1aに接続されている。誘導素子Ld1の他方の端子は、電圧端子VDDLNAに接続されている。
可変容量素子Cdd1aの一方の端子は、ノードnd1aに接続されている。可変容量素子Cdd1aの他方の端子は、グランド端子に接続されている。
可変容量素子Cout1aの一方の端子は、ノードnd1aに接続されている。可変容量素子Cout1aの他方の端子は、ノードnd2aに接続されている。ノードnd2aは、T型スイッチT-Sw1を介して、出力端子OUT1に接続されている。
出力整合回路102Eにおいて、誘導素子Ld2、可変容量素子Cdd2a及び可変容量素子Cout2aは、ノードnd1bとノードnd2bとの間の伝達経路に接続されている。
誘導素子Ld2の一方の端子は、ノードnd1bに接続されている。誘導素子Ld2の他方の端子は、電源端子VDDLNAに接続されている。
可変容量素子Cdd2aの一方の端子は、ノードnd1bに接続されている。可変容量素子Cdd2aの他方の端子は、グランド端子に接続されている。
可変容量素子Cout2aの一方の端子は、ノードnd1bに接続されている。可変容量素子Cout2aの他方の端子は、ノードnd2bに接続されている。ノードnd2bは、T型スイッチT-Sw2を介して、出力端子OUT2に接続されている。
例えば、誘導素子Ld1の誘導値は、誘導素子Ld1の誘導値と同じである。
例えば、可変容量素子Cout1aの容量値は、可変容量素子Cout2aの容量値と同じ値に設定される。
例えば、可変容量素子Cdd1aの容量値は、可変容量素子Cdd2aの容量値と同じ値になるように、制御される。
例えば、スイッチ素子Sw21,Sw22a,Sw22bのオン/オフの制御は、RFIC回路、制御回路990(又はRFIC940)によって、実行される。
<出力結合回路>
出力結合回路50は、単一出力モードとスプリット出力モードとを切り替えることができる。
出力結合回路50は、複数のT型スイッチT-Sw1,T-Sw2,T-Sw3、抵抗素子Rox及びスイッチ素子Sw23を含む。
T型スイッチT-Sw1の一方の端子は、ノードnd2aに接続されている。T型スイッチT-Sw1の他方の端子は、LNA1Eの出力端子OUT1に接続されている。
T型スイッチT-Sw2の一方の端子は、ノードnd2bに接続されている。T型スイッチT-Sw2の他方の端子は、LNA1Eの出力端子OUT2に接続されている。
LNA1Eの出力端子OUT1は、T型スイッチT-Sw1を介して、ノードnd2aに接続されている。LNA1Eの出力端子OUT2は、T型スイッチT-Sw2を介して、ノードnd2bに接続されている。
抵抗素子Rox及びスイッチ素子Sw23は、ノードnd2aとノードnd2bとの間に接続されている。抵抗素子Roxの一方の端子は、ノードnd2aに接続されている。抵抗素子Roxの他方の端子は、スイッチ素子Sw23の一方の端子に接続されている。スイッチ素子Sw23の他方の端子は、ノードnd2bに接続されている。
T型スイッチ素子T-Sw3は、ノードnd2aとノードnd2bとの間に接続されている。T型スイッチT-Sw3の一方の端子は、ノードnd2aに接続されている。T型スイッチT-Sw3の他方の端子は、ノードnd2bに接続されている。T型スイッチ素子T-Sw3は、ノードnd2aとノードnd2bとの間において、抵抗素子Rox及びスイッチ素子Sw8に対して、並列に接続されている。
例えば、スイッチ素子Sw23,T-Sw1,T-Sw2,T-Sw3のオン/オフの制御は、RFIC回路、制御回路990(又はRFIC940)によって、実行される。
本実施形態において、容量素子Cdx1と抵抗素子Rdx1とを含む直列回路、容量素子Cdx2bと抵抗素子Rdx2とを含む直列回路、容量素子Cdx2a及び抵抗素子Roxは、スプリット出力モードにおける、LNA1EのSパラメータS23及びノイズ指数NFを改善するために、設けられている。
例えば、増幅回路10E内のスイッチ素子Sw21,Sw22a,Sw22bの制御によって、SパラメータS23及びノイズ指数NFの値が最適化されるように、受動素子Cdx1,Cdx2a,Cdx2b,Rdx1,Rdx2,Roxの有効状態及び無効状態が、制御される。
このように、本実施形態のLNA1Eにおいて、選択された周波数帯域及び実行される動作モードに応じて、増幅回路10E内の出力整合回路102Eの構成(接続状態)は、可変である。これによって、選択された周波数帯域及び実行される動作モードに応じて、信号の適した伝達経路が、増幅回路10E内で、変更される。
したがって、本実施形態のLNA1Eは、動作特性を向上できる。
(6b)動作例
図63乃至図65を参照して、本実施形態のLNA1Eの動作例について、説明する。
図63は、本実施形態のLNA1Eにおけるスイッチ素子及び受動素子の制御を説明するための図である。
図63の(a)は、本実施形態のLNA1Eの各動作モードにおける、スイッチ素子のオン状態及びオフ状態を説明するための図である。
図63の(b)は、本実施形態のLNAにおける、可変容量素子の制御を示す図である。
図63に示されるように、本実施形態のLNA1Eは、回路内のスイッチのオン/オフの制御によって、上述の実施形態と同様に、複数の動作モードを実現できる。
<単一出力モード>
図63及び図64を用いて、本実施形態のLNA1Eの単一出力モードの動作例について説明する。
図64は、本実施形態のLNA1Eの単一出力モードの動作例を説明するための模式図である。
本実施形態において、上述の実施形態と同様に、LNA1Eの単一出力モード時、2つの出力端子OUT1,OUT2のうちいずれか一方が、LNA1Eからの信号の出力に用いられる。
例えば、図63の(a)及び図64に示されるように、第1の出力端子OUT1を用いた単一出力モードによって、LNA1Eが高周波信号を出力する場合、出力端子OUT1に接続されたT型スイッチT-Sw1は、オンし、出力端子OUT2に接続されたT型スイッチT-Sw2は、オフする。
単一出力モード時において、T型スイッチT-Sw3は、出力端子OUTの選択に依存せずに、オンする。オン状態のT型スイッチT-Sw3を介して、ノードnd2bは、出力端子OUT1に電気的に接続される。
これによって、ノードnd2a内を伝搬する信号は、オン状態のT型スイッチT-Sw3を介して、ノードnd2b内を伝搬する信号に合成される。
合成された信号が、LNA1Eの出力信号LNAoutとして、出力端子OUT1から後段の回路へ、出力される。
単一出力モード時において、増幅回路10E内において、スイッチ素子Sw21,Sw22a,Sw22b,Sw23は、出力端子OUTの選択に依存せずに、オン状態でもよいし、オフ状態でもよい。
図63の(b)に示されるように、単一出力モードにおいて、可変容量素子Cdd1a,Cdd2aの容量値及び可変容量素子Cout1a,Cout2aの容量値は、バンドセレクト回路40によって選択された周波数帯域に応じて、制御される。
尚、第2の出力端子OUT2を用いた単一出力モードによって、LNA1Eが高周波信号を出力する場合、出力端子OUT1に接続されたT型スイッチT-Sw1は、オフし、出力端子OUT2に接続されたT型スイッチT-Sw2は、オンする。
T型スイッチT-Sw3は、オンする。オン状態のT型スイッチT-Sw3を介して、ノードnd2bが、ノードnd2aに電気的に接続される。これによって、ノードnd2a内を伝搬する信号が、ノードnd2b内を伝搬する信号と合成される。
合成された信号が、LNA1Eの出力信号LNAoutとして、出力端子OUT2から後段の回路へ、出力される。
このように、本実施形態のLNA1Eにおける単一出力モードが、実行される。
<スプリット出力モード>
図63及び図65を用いて、本実施形態のLNA1Eのスプリット出力モードについて説明する。
図65は、本実施形態のLNAのスプリット出力モードの動作例を説明するための模式図である。
本実施形態において、上述の実施形態と同様に、LNA1Eのスプリット出力モード時、2つの出力端子OUT1,OUT2のうち両方が、LNA1Eからの信号の出力に用いられる。
例えば、図63の(a)及び図65に示されるように、スプリット出力モード時において、T型スイッチT-Sw1,T-Sw2の両方が、オンする。T型スイッチT-Sw3は、オフする。
これによって、スプリットモード時において、高周波信号が、LNA1Eの2つの出力端子から出力可能な状態に設定される。
本実施形態において、スプリット出力モード時、増幅回路10E内のスイッチ素子Sw21,Sw22a,Sw22b、及び、出力結合回路50内のスイッチSw23のオン/オフが、バンドセレクト回路40によって選択された周波数帯域に応じて、制御される。
図63の(a)に示されるように、第1の周波数帯域(例えば、859MHzから960MHzの周波数帯域)が選択された場合、スイッチ素子Sw21,Sw22a,Sw23はオンする。
これによって、増幅回路10E内において、容量素子Cdx1,Cdx2a及び抵抗素子Rdx1は、有効状態に設定される。出力結合回路50内において、抵抗素子Roxが、有効状態に設定される。
スイッチ素子Sw22bは、オフする。これによって、増幅回路10E内において、容量素子Cdx2b及び抵抗素子Rdx2は、無効状態に設定される。
このように、第1の周波数帯域の選択時において、ノードnd11,nd12間における容量素子Cdx1及び抵抗素子Rdxを経由した伝達経路、ノードnd1a,nd1b間における容量素子Cdx2aを経由した伝達経路、及び、ノードnd2a,nd2b間における抵抗素子Roxを経由した伝達経路が、形成される。
尚、図65は、第1の周波数帯域が選択された場合における、LNA1Eの状態を示している。
第2の周波数帯域(例えば、717MHzから821MHzの周波数帯域)が選択された場合、第1の周波数帯域の選択時と同様に、スイッチ素子Sw21,Sw22a,Sw23は、オンし、スイッチ素子Sw22bは、オフする。
これによって、第2の周波数帯域の選択時、第1の周波数帯域の選択時と同様に、複数の伝達経路が、各ノード間にそれぞれ形成される。
第3の周波数帯域(例えば、617MHzから652MHzの周波数帯域)が選択された場合、スイッチ素子Sw22bは、オンする。これによって、容量素子Cdx2b及び抵抗素子Rdx2は、有効状態に設定される。
スイッチ素子Sw21,Sw22a,Sw23はオフする。これによって、容量素子Cdx1,Cdx2a及び抵抗素子Rdx1,Roxは、無効状態に設定される。
このように、第3の周波数帯域の選択時において、ノードnd1a,nd1b間における容量素子Cdx2b及び抵抗素子Rdx2を経由した伝達経路が、形成される。
このように、選択された周波数帯域の高周波信号が、形成された伝達経路を通じて、入力端子LNAinから出力端子OUTへ伝搬する。
図63の(b)に示されるように、スプリット出力モードにおいて、可変容量素子Cdd1a,Cdd2aの容量値及び可変容量素子Cout1a,Cout2aの容量値は、バンドセレクト回路40によって選択された周波数帯域に応じて、制御される。
出力結合回路50に伝達された信号が、2つの出力端子OUT1,OUT2から後段の回路へ、出力される。
このように、本実施形態のLNA1Eにおけるスプリット出力モードが、実行される。
(6c)特性
図66乃至図72を参照して、本実施形態のLNA1Eの特性について説明する。
図66乃至図71は、本実施形態のLNA1Eの構成例のシミュレーション結果を示している。
図66乃至図71の(a)、は、本実施形態のLNA1Eにおける、周波数とSパラメータとの関係を示すグラフである。図66乃至図71の(a)において、Sパラメータのうち、S11(=S(1,1))、S22(=S(2,2))、S21(=S(2,1))、S23(=S(2,3))に関する周波数特性が示されている。Sパラメータにおける、ポート1は、複数の入力端子SWinのうちアクティブな端子に対応し、ポート2はLNA1Eの出力端子OUT1に対応し、ポート3はLNA1Eの出力端子OUT2に対応する。
図66乃至図71の(a)において、グラフの横軸は、周波数(単位:GHz)に対応し、グラフの縦軸は、利得/損失(単位:dB)に対応する。
図66乃至図71の(b)は、本実施形態のLNA1Eにおける、周波数とノイズ指数との関係を示すグラフである。
図66乃至図71の(b)において、グラフの横軸は、周波数(単位:GHz)に対応し、グラフの縦軸は、ノイズ指数(単位:dB)に対応する。
尚、本実施形態において、第1の周波数帯域は、859MHzから960MHzまでの周波数帯域に対応し、第2の周波数帯域は、717MHzから821MHzまでの周波数帯域に対応し、第3の周波数帯域は、617MHzから652MHzまでの周波数帯域に対応する。
このシミュレーションにおいて、本実施形態のLNA1Eに供給される電圧VDDLNAは、1.2Vに設定されている。
図66は、第1の周波数帯域における本実施形態のLNA1Eの単一出力モードにおける、小信号特性を示している。
図66の(a)に示されるように、“m6(859MHz)”から“m7(960MHz)”の周波数帯域において、帯域中心利得S21は、21.981dBである。反射損S11は、-9.662dB以下である。反射損S22は、-12.817dB以下である。パラメータS23は-65.125dB以下である。
図66の(b)に示されるように、“m15(859MHz)”から“m16(960MHz)”の周波数帯域において、ノイズ指数は、0.900dBから0.925dBの範囲で変化する。
図67は、第1の周波数帯域における本実施形態のLNAのスプリット出力モードにおける、小信号特性を示している。
図67の(a)に示されるように、“m6(859MHz)”から“m7(960MHz)”の周波数帯域において、帯域中心利得S21は、21.156dBである。反射損S11は、-10.434dB以下である。反射損S22は、-15.327dB以下である。パラメータS23は、-27.558dB以下である。
図67の(b)に示されるように、“m15(859MHz)”から“m16(960MHz)”の周波数帯域において、ノイズ指数は、0.973dBから1.021dBの範囲で変化する。
図68は、第2の周波数帯域における本実施形態のLNAの単一出力モードにおける、小信号特性を示している。
図68の(a)に示されるように、“m4(717MHz)”から“m5(821MHz)”の周波数帯域において、帯域中心利得S21は、21.415dBである。反射損S11は、-6.575dB以下である。反射損S22は、-12.083dB以下である。パラメータS23は、-68.219dB以下である。
図68の(b)に示されるように、“m13(717MHz)”から“m14(821MHz)”の周波数帯域において、ノイズ指数は、0.726dBから0.696dBの範囲で変化する。
図69は、第2の周波数帯域における本実施形態のLNAのスプリット出力モードにおける、小信号特性を示している。
図69の(a)に示されるように、“m4(717MHz)”から“m5(821MHz)”の周波数帯域において、帯域中心利得S21は、21.043dBである。反射損S11は、-8.946dB以下である。反射損S22は、-18.871dB以下である。パラメータS23は、-28.077dB以下である。
図69の(b)に示されるように、“m13(717MHz)”から“m14(821MHz)”の周波数帯域において、ノイズ指数は、0.81dB程度である。
図70は、第3の周波数帯域における本実施形態のLNAの単一出力モードにおける、小信号特性を示している。
図70の(a)に示されるように、“m2(617MHz)”から“m3(652MHz)”の周波数帯域において、帯域中心利得S21は、21.313dBである。反射損S11は、-6.648dB以下である。反射損S22は、-18.985dB以下である。パラメータS23は、-72.21dB以下である。
図70の(b)に示されるように、“m11(617MHz)”から“m12(652MHz)”の周波数帯域において、ノイズ指数は、0.733dBから0.709dBの範囲で変化する。
図71は、第3の周波数帯域における本実施形態のLNAのスプリット出力モードにおける、小信号特性を示している。
図71の(a)に示されるように、“m2(617MHz)”から“m3(652MHz)”の周波数帯域において、帯域中心利得S21は、20.945dBである。反射損S11は、-8.478dB以下である。反射損S22は、-14.344dB以下である。パラメータS23は、-40.022dB以下である。
図70の(b)に示されるように、“m11(617MHz)”から“m12(652MHz)”の周波数帯域において、ノイズ指数は、0.86dB程度である
図66乃至図71に示されるように、各Sパラメータ及びノイズ指数は、供給された高周波信号の周波数及びLNAの動作モードに応じて、推移する。
図72は、本実施形態のLNAの小信号特性のシミュレーション結果の一覧を示している。
図72において、“S21”のSパラメータについて、帯域の中心値が示されている。ノイズ指数NF、“S11”、“S22”及び“S23”のSパラメータについて、帯域内最悪値が示されている。
本実施形態において、LNA1Eがスプリット出力モードで動作する場合において、“S23”のパラメータは、最悪値となる場合がある。例えば、本実施形態における“S23”のパラメータの最悪値は、-27.6Bである。
本実施形態のLNA1Eは、“S23”のパラメータが最悪値であっても、一般的に要求される“S23”のパラメータ値(例えば、-25dB)に対して、十分なマージンを確保できる。
したがって、第6の実施形態のLNA1Eは、各種の動作モードを実現しつつ、特性を向上できる。
(7) 第7の実施形態
図73乃至図91を参照して、第7の実施形態のLNAについて、説明する。
(7a)構成例
図73は、本実施形態のLNAの構成例を示す回路図である。
本実施形態において、LNA1Fが、バイパスモードのためのバイパス回路をさらに含むことが、第6の実施形態のLNAと異なる。
これによって、本実施形態のLNA1Fは、バイパスモードの動作を実現できる。
<増幅回路>
図73に示されるように、カスコード接続増幅回路10Fは、第6の実施形態(図62参照)と同様に、2つのコア回路101E1,101E2を含む。
2つのコア回路101E1,101E2は、ソースディジェネレーションのための誘導素子Lsに共通に接続されている。尚、容量素子Cx及び誘導素子Lext1(及び誘導素子Ls)は、2つのコア回路101E1,101E2に対して、入力整合回路として機能する。
コア回路101E1において、トランジスタFET11及びトランジスタFET21が、誘導素子Lsとノードnd1aとの間に直列に接続されている。
コア回路101E2において、トランジスタFET12及びトランジスタFET22が、誘導素子Lsとノードnd21bとの間に直列に接続されている。
本実施形態において、容量素子Cdx1及び抵抗素子Rdx1が、スイッチ素子無しに、ノードnd11とノードnd12との間に直列に接続されている。
これによって、本実施形態において、容量素子Cdx1及び抵抗素子Rdx1は、LNA1Fの動作モードに依存せずに、常に有効状態に設定される。
容量素子Cdx1及び抵抗素子Rdx1によって、本実施形態のLNAのスプリット出力モード時の特性が、改善される。
出力整合回路102Fは、可変誘導素子Ld1z,Ld2z、容量素子Cdx2、可変容量素子Cout1z,Cout2z、及びスイッチ素子Sw1L,Sw2Lを含む。
可変誘導素子Ld1zの一方の端子は、電圧端子VDDLNAに接続されている。可変誘導素子Ld1zの他方の端子は、ノードndx1に接続されている。
可変誘導素子Ld2zの一方の端子は、電圧端子VDDLNAに接続されている。可変誘導素子Ld2zの他方の端子は、ノードndx2に接続されている。
可変容量素子Cout1zの一方の端子は、ノードndx1に接続されている。可変容量素子Cout1zの他方の端子は、ノードnd2aに接続されている。
容量素子Cout2zの一方の端子は、ノードndx2に接続されている。可変容量素子Cout2zの他方の端子は、ノードnd2bに接続されている。
スイッチ素子Sw1Lの一方の端子は、ノードndx1に接続されている。スイッチ素子Sw1Lの他方の端子は、ノードnd1aに接続されている。
スイッチ素子Sw2Lの一方の端子は、ノードndx2に接続されている。スイッチ素子Sw2Lの他方の端子は、ノードnd1bに接続されている。
本実施形態において、容量素子Cdx2は、スイッチ素子無しに、ノードnd1aとノードnd2bとの間に、接続されている。容量素子Cdx2の一方の端子は、ノードnd1aに接続されている。容量素子Cdx2の他方の端子は、ノードnd1bに接続されている。これによって、本実施形態において、容量素子Cdx2は、LNA1Fの動作モードに依存せずに、常に有効状態に設定される。
容量素子Cdx2によって、本実施形態のLNAのスプリット出力モード時の特性が、改善される。
可変誘導素子Ld1z,Ld2zは、可変並列インダクタとして機能する。可変容量素子Cout1z,Cout2zは、可変直列キャパシタとして機能する。
例えば、可変誘導素子Ld1zの誘導値が、可変誘導素子Ld2zの誘導値と同じ値になるように、可変誘導素子Ld1z,Ld2zが制御される。例えば、可変容量素子Cout1zの容量値が、可変容量素子Cout2zの容量値と同じ値になるように、可変容量素子Cout1z,Cout2zが制御される。
尚、電圧端子VDDLNAに接続された並列インダクタに可変誘導素子を用いる代わりに、第4の実施形態(図47参照)のように、可変並列容量素子が、出力整合回路102F内に設けられてもよい。
<バンドセレクト回路>
バンドセレクト回路40は、上述の実施形態におけるバンドセレクト回路と実質的に同様の回路構成を有する。
バンドセレクト回路40は、複数の入力端子SWin1,SWin2,SWin3を含む。複数の入力端子SWin1,SWin2,SWin3は、互いに異なる周波数帯域の高周波信号RFin1,RFin2,RFin3を受ける。
各入力端子SWin1,SWin2,SWin3は、複数のスイッチ素子Sw1G,Sw2G,Sw3Gのうち対応する1つを介して、出力端子SWoutに接続されている。
本実施形態のLNAの増幅モード時において、高周波信号は、選択された周波数帯域に基づいて、複数のスイッチ素子Sw1G,Sw2G,Sw3Gのうちオン状態のスイッチ素子を介して、出力端子SWoutに送られる。
<バイパス回路>
バイパス回路20Xは、バンドセレクト回路40と出力整合回路102Fの内部ノードndx1,ndx2との間に、設けられている。
バイパス回路20Xは、複数の容量素子Cbyp2,Cbyp3,Csplt1,Csplt2及び複数のスイッチ素子Sw1B,Sw2B,Sw3B,Sw4B,Sw5B,Sw5Sを含む。
スイッチ素子Sw1Bの一方の端子は、バンドセレクト回路40の第1の入力端子SWin1に接続されている。スイッチ素子Sw1Bの他方の端子は、ノードnd9に接続されている。
容量素子Cbyp2の一方の端子は、バンドセレクト回路40の第2の入力端子SWin2に接続されている。容量素子Cbyp2の他方の端子は、スイッチ素子Sw2Bの一方の端子に接続されている。スイッチ素子Sw2Bの他方の端子は、ノードnd9に接続されている。
容量素子Cbyp2は、直列共振作用により、外部インダクタLext2の影響を軽減できる。
容量素子Cbyp3の一方の端子は、バンドセレクト回路40の第3の入力端子SWin3に接続されている。容量素子Cbyp3の他方の端子は、スイッチ素子Sw3Bの一方の端子に接続されている。スイッチ素子Sw3Bの他方の端子は、ノードnd9に接続されている。
容量素子Cbyp3は、直列共振作用により、外部インダクタLext3の影響を軽減できる。
例えば、スイッチ素子Sw1B,Sw2B,Sw3Bが、バイパス回路20Xの入力ノード(入力ノードセット)として機能する。受信すべき高周波信号に応じて、スイッチ素子Sw1B,Sw2B,Sw3Bのうちいずれか1つが有効状態の入力ノードとして機能する。
スイッチ素子Sw5Sの一方の端子は、ノードnd9に接続されている。スイッチ素子Sw5Sの他方の端子は、グランド端子に接続されている。スイッチ素子Sw5Sは、シャントスイッチとして機能する。スイッチ素子Sw5Sは、バイパス回路の非アクティブ時において、オンする。これによって、スイッチ素子Sw5Sは、非アクティブ状態のノードnd9をグランド端子に接続する。
容量素子Csplt1及びスイッチ素子Sw4Bが、ノードndx1とノードnd9との間に、直列に接続されている。
スイッチ素子Sw4Bの一方の端子は、ノードnd9に接続されている。スイッチ素子Sw4Bの他方の端子は、容量素子Csplt1の一方の端子に接続されている。容量素子Csplt1の他方の端子は、ノードndx1に接続されている。例えば、スイッチ素子Sw4Bの他方の端子は、バイパス回路20Xの第1の出力ノードとして機能する。
容量素子Csplt2及びスイッチ素子Sw5Bが、ノードndx2とノードnd9との間に、直列に接続されている。例えば、容量素子Csplt2の容量値は、容量素子Csplt1の容量値と同じである。
スイッチ素子Sw5Bの一方の端子は、ノードnd9に接続されている。スイッチ素子Sw5Bの他方の端子は、容量素子Csplt2の一方の端子に接続されている。容量素子Csplt2の他方の端子は、ノードndx2に接続されている。例えば、スイッチ素子Sw5Bの他方の端子は、バイパス回路20Xの第1の出力ノードとして機能する。
本実施形態のLNAのバイパスモード時において、選択された周波数帯域に基づいて、複数のスイッチ素子Sw1B,Sw2B,Sw3Bのうち1つが、オンする。これによって、バイパス回路20X内において、オン状態のスイッチ素子を含むバイパス経路が、有効状態になる。形成されたバイパス経路は、バンドセレクト回路40の入力端子RFinから出力結合回路50Aに至る。
バイパスモード時において、高周波信号は、選択された周波数帯域に基づいて、複数のスイッチ素子Sw1B,Sw2B,Sw3Bのうちオン状態のスイッチ素子を介して、出力結合回路50Aに送られる。
例えば、スイッチ素子Sw1B,Sw2B,Sw3B,Sw4B,Sw5B,Sw5Sのオン/オフの制御は、RFIC回路、制御回路990(又はRFIC940)によって、実行される。
<出力結合回路>
出力結合回路50Aは、第6の実施形態と同様に、3つのT型スイッチT-Sw1,T-Sw2,T-Sw3を含む。
本実施形態において、可変抵抗素子Roxが、スイッチ素子を介さずに、ノードnd2a,ノードnd2b間に接続されている。
可変抵抗素子Roxによって、本実施形態のLNAのスプリット出力モード時の特性が、改善される。
尚、可変抵抗素子Roxの有効化/無効化のために、スイッチ素子が、可変抵抗素子Roxとノードnd2aとの間に設けられてもよい。
(7b)動作例
図74乃至図78を参照して、本実施形態のLNAの動作例について、説明する。
図74は、本実施形態のLNAの動作例を説明するための図である。
図74はされるように、本実施形態のLNAは、LNA内のスイッチのオン/オフの制御によって、12の動作モードを実現できる。
<増幅モード>
図74及び図75を参照して、本実施形態のLNAの増幅モードの動作例について、説明する。
図75において、LNA1内における信号のノードnd2a,nd2bまでの伝達経路が模式的に示されている。
LNA1Fの増幅モード時において、バイパス回路20X内のスイッチ素子Sw1B,Sw2B,Sw3B,Sw4B,Sw4Bは、オフする。シャントスイッチSw5Sは、オンする。
これによって、バイパス回路20Xは、増幅回路10Fから電気的に分離される。このように、増幅モード時において、バイパス回路20Xは、無効状態に設定される。この場合において、バイパス回路20X内において、バイパス回路20Xの入力ノード(スイッチ素子Sw1B,Sw2B,Sw3Bのうちオン状態のスイッチ素子を含むノード)は、スイッチ素子Sw4B,Sw5Bに接続されたノード(例えば、ノードndx1,ndx2)と非導通状態になる。
バンドセレクト回路40内において、選択された周波数帯域に応じて、複数のスイッチ素子Sw1G,Sw2G,Sw3Gのうちいずれか1つが、オンする。シャントスイッチSw4Sは、オフする。また、バンドセレクト回路40内の複数のシャントスイッチSw1S,Sw2S,Sw3Sにおいて、選択された周波数帯域の信号が伝達する信号経路に接続されたシャントスイッチは、オフし、非選択の周波数帯域の信号が伝達する信号経路に接続されたシャントスイッチは、オンする。
オン状態のスイッチ素子を介して、複数の入力端子RFinのうちいずれか1つが、増幅回路10Fの入力端子LNAinに電気的に接続される。
これによって、高周波信号RFinが、増幅回路10Fのコア回路101E1,101E2に供給される。
増幅モード時において、増幅回路10F内のスイッチ素子Sw1L,Sw2Lの両方が、オンする。
コア回路101E1,101E2のそれぞれは、供給された高周波信号RFinを、増幅する。
増幅された信号RFamp1は、オン状態のスイッチ素子Sw1L及び可変容量素子Cout1zを介して、ノードnd2aに伝達される。増幅された信号RFamp2は、オン状態のスイッチ素子Sw2L及び可変容量素子Cout2zを介して、ノードnd2bに伝達される。
尚、図74に示されるように、増幅モード時において、選択された周波数帯域に応じて、可変誘導素子Ld1z,Ld2zの誘導値、及び、可変容量素子Cout1z,Cout2zの容量値が、適宜設定される。
このように、本実施形態のLNA1Fにおける増幅モードによる動作が実行される。
<バイパスモード>
図74及び図76を参照して、本実施形態のLNA1Fのバイパスモードの動作例について、説明する。
図76において、LNA1内における信号のノードnd2a,nd2bまでの伝達経路が模式的に示されている。
バイパスモード時において、スイッチ素子Sw1L,Sw2Lは、オフする。これによって、コア回路101E1,102E2は、ノードndx1,ndx2から電気的に分離される。
バンドセレクト回路40内において、スイッチ素子Sw1G,Sw2G,Sw3Gは、オフする。
選択された周波数帯域に応じて、複数のシャントスイッチSw1S,Sw2S,Sw3Sのオン及びオフが、制御される。シャントスイッチSw4Sは、オンする。
バイパスモード時において、選択された周波数帯域に応じて、複数のスイッチ素子Sw1B,Sw2B,Sw3Bのうち1つが、オンする。これによって、入力端子SWinが、オン状態のスイッチ素子(及び容量素子Cbyp)を介して、ノードnd9に電気的に接続される。
スイッチ素子Sw4B,Sw5Bは、オンする。これによって、ノードnd9は、オン状態のスイッチ素子Sw4B,Sw5B及び容量素子Csplt1,Csplt2を介して、ノードnd1x,nd2xにそれぞれ接続される。
バイパス回路20X内において、高周波信号RFinは、オン状態のスイッチ素子(及び容量素子Cbyp)を介して、ノードnd9に到達する。
ノードnd9に到達した高周波信号RFinは、オン状態のスイッチ素子Sw4B,Sw4B及び容量素子Csplt1,Csplt2,Cout1z,Cout2zを経由して、ノードnd2a,nd2bに到達する。
例えば、後述のスプリット出力モードにおいて、ノードnd9に到達した高周波信号RFinは、スイッチ素子Sw4B側(ノードndx1,nd2a側)とスイッチ素子Sw5B側(ノードndx2,nd2b側)とに分岐する。
この場合において、図74に示されるように、容量素子(直列キャパシタ)Csplt1,Csplt2、可変誘導素子(並列インダクタ)Ld1z,Ld2z及び可変容量素子(直列キャパシタ)Cout1z,Cout2z、及び出力結合回路50A内の可変抵抗素子Roxは、スプリッタとして機能するように、容量素子Csplt1,Csplt2,Cout1z,Cout2zの容量値及び可変誘導素子Ld1z,Ld2zの誘導値、及び可変抵抗素子Roxの抵抗値が、それぞれ設定される。
このように、本実施形態のLNA1Fにおけるバイパスモード時において、バイパス回路20Xは、有効状態に設定される。この場合において、バイパス回路20X内において、バイパス回路20Xの入力ノード(スイッチ素子Sw1B,Sw2B,Sw3Bのうちオン状態のスイッチ素子を含むノード)は、オン状態のスイッチ素子4B,5Bを介して、ノードndx1,ndx2と導通状態になる。高周波信号RFinは、導通状態のノードを介して、バイパス回路20Xから出力結合回路50Aへ送られる。
以上のように、本実施形態のLNA1Fにおけるバイパスモードによる動作が実行される。
<単一出力モード>
図74及び図77を参照して、本実施形態のLNA1Fの単一出力モードの動作例について、説明する。
図77において、LNA1内における信号のノードnd2a,nd2bから出力端子側への伝達経路が模式的に示されている。
図77に示されるように、本実施形態のLNA1Fの単一出力モードにおいて、第6の実施形態と同様に、出力結合回路50Aにおいて、T型スイッチT-Sw1,T-Sw2のうち一方が、選択された出力端子(ここでは、出力端子OUT1)に応じて、オンする。これによって、本実施形態のLNA1Fは、2つの出力端子OUT1,OUT2のうち選択された一方を用いた信号の出力が可能な状態に、設定される。
上述のように、増幅モード又はバイパスモードによって、高周波信号RF1,RF2が、ノードnd2a,nd2bにそれぞれ伝達される。
T型スイッチT-Sw3は、オンする。本実施形態において、可変抵抗素子Roxは、2つのノードnd2a,nd2b間で有効状態である。これによって、ノードnd2aの信号RF1が、ノードnd2bの信号RF2と合成される。
この信号が、LNAの出力信号RFoutとして、オン状態のT型スイッチを介して、2つの出力端子OUT1,OUT2のうち選択された1つの出力端子から後段の回路へ、送られる。
このように、本実施形態のLNA1Fにおける単一出力モードによる動作が実行される。
<スプリット出力モード>
図74及び図78を参照して、本実施形態のLNAのスプリット出力モードの動作例について、説明する。
図78において、LNA1内における信号のノードnd2a,nd2bから出力端子側への伝達経路が模式的に示されている。
図78に示されるように、本実施形態のLNAのスプリット出力モードにおいて、第6の実施形態と同様に、出力合成回路50Aにおいて、T型スイッチT-Sw1,T-Sw2の両方は、オンする。これによって、本実施形態のLNA1Fは、2つの出力端子OUT1,OUT2を用いた信号の出力が可能な状態に設定される。
スプリット出力モードにおいて、T型スイッチT-Sw3は、オフする。
信号RF1,RF2が、LNA1Fの増幅モード及びバイパスモードに応じて、ノードnd2a,nd2bにそれぞれ到達する。
上述のように、本実施形態のLNA1Fがバイパスモードによって動作する場合、ノードnd9に到達した高周波信号RFinは、スイッチ素子Sw4B側とスイッチ素子Sw5B側とに分岐する。
この場合において、図74に示されるように、容量素子(直列キャパシタ)Csplt1,Csplt2、可変誘導素子(並列インダクタ)Ld1z,Ld2z及び可変容量素子(直列キャパシタ)Cout1z,Cout2z、及び出力結合回路50A内の可変抵抗素子Roxが、スプリッタとして機能するように、容量素子Csplt1,Csplt2,Cout1z,Cout2zの容量値及び可変誘導素子Ld1z,Ld2zの誘導値、及び可変抵抗素子Roxの抵抗値が、それぞれ設定される。
ノードnd2a,nd2bに到達した信号は、オン状態のT型スイッチT-Sw1,T-Sw2をそれぞれ介して、LNAの高周波信号RFoutとして、2つの出力端子OUT1,OUT2のそれぞれから後段の回路へ、送られる。
このように、本実施形態のLNA1Fにおけるスプリット出力モードによる動作が実行される。
(7c)特性
図79乃至図91を参照して、本実施形態のLNAの特性について説明する。
図79乃至図90は、本実施形態のLNAの構成例のシミュレーション結果を示している。
図79乃至図90の(a)、は、本実施形態のLNA1Fにおける、周波数とSパラメータとの関係を示すグラフである。図79乃至図90の(a)において、Sパラメータのうち、S11(=S(1,1))、S22(=S(2,2))、S21(=S(2,1))、S23(=S(2,3))に関する周波数特性が示されている。Sパラメータにおける、ポート1は、複数の入力端子SWinのうちアクティブな端子に対応し、ポート2はLNA1Fの出力端子OUT1に対応し、ポート3はLNA1Fの出力端子OUT2に対応する。
図79乃至図90の(a)において、グラフの横軸は、周波数(単位:GHz)に対応し、グラフの縦軸は、利得/損失(単位:dB)に対応する。
図79乃至図90の(b)は、本実施形態のLNA1Fにおける、周波数とノイズ指数との関係を示すグラフである。
図79乃至図90の(b)において、グラフの横軸は、周波数(単位:GHz)に対応し、グラフの縦軸は、ノイズ指数(単位:dB)に対応する。
尚、本実施形態において、第1の周波数帯域は、859MHzから960MHzまでの周波数帯域に対応し、第2の周波数帯域は、717MHzから821MHzまでの周波数帯域に対応し、第3の周波数帯域は、617MHzから652MHzまでの周波数帯域に対応する。
このシミュレーションにおいて、本実施形態のLNAに供給される電圧VDDLNAは、1.2Vに設定されている。
図79は、第1の周波数帯域における本実施形態のLNAの増幅モード及び単一出力モードにおける、小信号特性を示している。
図79の(a)に示されるように、“m6(859MHz)”から“m7(960MHz)”の周波数帯域において、帯域中心利得S21は、22.761dBである。反射損S11は、-9.273dB以下である。反射損S22は、-12.301dB以下である。パラメータS23は、-64.768dB以下である。
図79の(b)に示されるように、“m15(859MHz)”から“m16(960MHz)”の周波数帯域において、ノイズ指数は、0.898dBから0.923dBの範囲で変化する。
図80は、第1の周波数帯域における本実施形態のLNAの増幅モード及びスプリット出力モードにおける、小信号特性を示している。
図80の(a)に示されるように、“m6(859MHz)”から“m7(960MHz)”の周波数帯域において、帯域中心利得S21は、20.934dBである。反射損S11は、-11.215dB以下である。反射損S22は、-19.028dB以下である。パラメータS23は、-27.895dB以下である。
図80の(b)に示されるように、“m15(859MHz)”から“m16(960MHz)”の周波数帯域において、ノイズ指数は、0.984dBから1.031dBの範囲で変化する。
図81は、第1の周波数帯域における本実施形態のLNAのバイパスモード及び単一出力モードにおける、小信号特性を示している。
図81の(a)に示されるように、“m6(859MHz)”から“m7(960MHz)”の周波数帯域において、帯域中心利得S21は、-2.163dBである。反射損S11は、-12.773dB以下である。反射損S22は、-17.016dB以下である。パラメータS23は-64.682dB以下である。
図81の(b)に示されるように、“m15(859MHz)”から“m16(960MHz)”の周波数帯域において、ノイズ指数は、2.291dBから1.999dBの範囲で変化する。
図82は、第1の周波数帯域における本実施形態のLNAのバイパスモード及びスプリット出力モードにおける、小信号特性を示している。
図82の(a)に示されるように、“m6(859MHz)”から“m7(960MHz)”の周波数帯域において、帯域中心利得S21は、-5.892dBである。反射損S11は、-11.214dB以下である。反射損S22は、-18.787dB以下である。パラメータS23は、-28.690dB以下である。
図82の(b)に示されるように、“m15(859MHz)”から“m16(960MHz)”の周波数帯域において、ノイズ指数は、6.182dBから5.693dBの範囲で変化する。
図83は、第2の周波数帯域における本実施形態のLNAの増幅モード及び単一出力モードにおける、小信号特性を示している。
図83の(a)に示されるように、“m4(717MHz)”から“m5(821MHz)”の周波数帯域において、帯域中心利得S21は、22.737dBである。反射損S11は、-6.143dB以下である。反射損S22は、-12.088dB以下である。パラメータS23は、-67.895dB以下である。
図83の(b)に示されるように、“m13(717MHz)”から“m14(821MHz)”の周波数帯域において、ノイズ指数は、0.748dBから0.735dBの範囲で変化する。
図84は、第2の周波数帯域における本実施形態のLNAの増幅モード及びスプリット出力モードにおける、小信号特性を示している。
図84の(a)に示されるように、“m4(717MHz)”から“m5(821MHz)”の周波数帯域において、帯域中心利得S21は、20.739dBである。反射損S11は、-9.15dB以下である。反射損S22は、-14.788dB以下である。パラメータS23は、-29.669dB以下である。
図84の(b)に示されるように、“m13(717MHz)”から“m14(821MHz)”の周波数帯域において、ノイズ指数は、0.839dBから0.854dBの範囲で変化する。
図85は、第2の周波数帯域における本実施形態のLNAのバイパスモード及び単一出力モードにおける、小信号特性を示している。
図85の(a)に示されるように、“m4(717MHz)”から“m5(821MHz)”の周波数帯域において、帯域中心利得S21は、-2.723dBである。反射損S11は、-12.358dB以下である。反射損S22は、-18.425dB以下である。パラメータS23は、-69.191dB以下である。
図85の(b)に示されるように、“m13(717MHz)”から“m14(821MHz)”の周波数帯域において、ノイズ指数は、3.114dBから2.458dBの範囲で変化する。
図86は、第2の周波数帯域における本実施形態のLNAのバイパスモード及びスプリット出力モードにおける、小信号特性を示している。
図86の(a)に示されるように、“m4(717MHz)”から“m5(821MHz)”の周波数帯域において、帯域中心利得S21は、-6.15dBである。反射損S11は、-10.115dB以下である。反射損S22は、-20.55dB以下である。パラメータS23は、-28.458dB以下である。
図86の(b)に示されるように、“m13(717MHz)”から“m14(821MHz)”の周波数帯域において、ノイズ指数は、6.683dBから5.840dBの範囲で変化する。
図87は、第3の周波数帯域における本実施形態のLNAの増幅モード及び単一出力モードにおける、小信号特性を示している。
図87の(a)に示されるように、“m2(617MHz)”から“m3(652MHz)”の周波数帯域において、帯域中心利得S21は、23.643dBである。反射損S11は、-6.587dB以下である。反射損S22は、-18.093dB以下である。パラメータS23は、-72.208dB以下である。
図87の(b)に示されるように、“m11(617MHz)”から“m12(652MHz)”の周波数帯域において、ノイズ指数は、0.757dBから0.743dBの範囲で変化する。
図88は、第3の周波数帯域における本実施形態のLNAの増幅モード及びスプリット出力モードにおける、小信号特性を示している。
図88の(a)に示されるように、“m2(617MHz)”から“m3(652MHz)”の周波数帯域において、帯域中心利得S21は、21.917dBである。反射損S11は、-9.283dB以下である。反射損S22は、-22.678dB以下である。パラメータS23は、-33.418dB以下である。
図88の(b)に示されるように、“m11(617MHz)”から“m12(652MHz)”の周波数帯域において、ノイズ指数は、0.83dB程度である。
図89は、第3の周波数帯域における本実施形態のLNAのバイパスモード及び単一出力モードにおける、小信号特性を示している。
図89の(a)に示されるように、“m2(617MHz)”から“m3(652MHz)”の周波数帯域において、帯域中心利得S21は、-2.784dBである。反射損S11は、-13.244dB以下である。反射損S22は、-21.067dB以下である。パラメータS23は、-72.254dB以下である。
図89の(b)に示されるように、“m11(617MHz)”から“m12(652MHz)”の周波数帯域において、ノイズ指数は、2.98dBから2.68dBの範囲で変化する。
図90は、第3の周波数帯域における本実施形態のLNAのバイパスモード及びスプリット出力モードにおける、小信号特性を示している。
図90の(a)に示されるように、“m2(617MHz)”から“m3(652MHz)”の周波数帯域において、帯域中心利得S21は、-6.652dBである。反射損S11は、-9.498dB以下である。反射損S22は、-26.109dB以下である。パラメータS23は、-32.98dB以下である。
図90の(b)に示されるように、“m11(617MHz)”から“m12(652MHz)”の周波数帯域において、ノイズ指数は、6.959dBから6.550dBの範囲で変化する。
図79乃至図90に示されるように、各Sパラメータ及びノイズ指数は、供給された高周波信号の周波数及びLNAの動作モードに応じて、推移する。
図91は、本実施形態のLNAの小信号特性のシミュレーション結果の一覧を示している。
図91において、“S21”のSパラメータについて、帯域の中心値が示されている。ノイズ指数NF、“S11”、“S22”、“S23”のSパラメータについて、帯域内の最悪値が示されている。
本実施形態において、LNAがスプリット出力モードで動作する場合において、“S23”のパラメータは、最悪値となる場合がある。例えば、本実施形態における“S23”のパラメータの最悪値は、-27.9dBである。
本実施形態のLNAは、“S23”のパラメータが最悪値であっても、一般的に要求される“S23”のパラメータ値(例えば、-25dB)に対して、十分なマージンを確保できる。
以上のように、第7の実施形態のLNAは、各種の動作モードを実現しつつ、特性を向上できる。
(8) その他
上述の実施形態において、本実施形態のLNA(半導体回路)は、無線通信システムに適用されている。
但し、本実施形態のLNAは、無線通信システム以外のデバイスに適用されてもよい。
上述の複数の実施形態のLNAの構成は、適宜組み合わされてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。