以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。便宜上、各図には、適宜、前後、左右および上下の方向が付記されている。なお、図示の方向は、あくまでコンデンサモジュールの相対的な方向を示すものであり、絶対的な方向を示すものではない。また、説明の便宜上、「底面部」、「前側面部」など、一部の構成において、図示の方向に従った名称がつけられる場合がある。
<第1実施形態>
まず、第1実施形態に係るコンデンサモジュール1について説明する。
第1実施形態において、注型容器2が、特許請求の範囲に記載の「型部材」に対応する。また、外装体300の底面301が、特許請求の範囲に記載の「平坦な面」に対応する。
ただし、上記記載は、あくまで、特許請求の範囲の構成と実施形態の構成とを対応付けることを目的とするものであって、上記対応付けによって特許請求の範囲に記載の発明が実施形態の構成に何ら限定されるものではない。
図1は、第1実施形態に係る、コンデンサモジュール1の斜視図である。図2は、第1実施形態に係る、コンデンサモジュール1の分解斜視図である。図3(a)は、第1実施形態に係る、コンデンサ素子100に一対のバスバー200が接続された状態を示す斜視図であり、図3(b)は、第1実施形態に係る、コンデンサ素子100に一対のバスバー200が接続される前の状態を示す斜視図である。
コンデンサモジュール1は、2つのコンデンサ10と、これらコンデンサ10が装着される装着部材20とを備える。2つのコンデンサ10は、一対のバスバー200が並ぶ(コンデンサ素子100の両端面が並ぶ)方向(前後方向)と垂直な方向に(左右方向)に並ぶような配置状態で装着部材20に装着される。コンデンサ10の個数と配置状態は、静電容量、設置先の配置スペースなど、求められる仕様に応じて決定される。装着部材20は、コンデンサ10の個数と配置状態に応じたサイズ、形状等に形成される。
コンデンサ10は、コンデンサ素子100と、一対のバスバー200と、外装体300とを含む。コンデンサ素子100と一対のバスバー200とによりコンデンサ素子ユニットCが構成される。
コンデンサ素子100は、誘電体フィルム上にアルミニウムを蒸着させた2枚の金属化フィルムを重ね、重ねた金属化フィルムを巻回または積層し、扁平状に押圧することにより形成される。コンデンサ素子100は、扁平な長円柱に近い形状を有する。コンデンサ素子100には、両端面に、亜鉛等の金属の吹付けにより電極110が形成される。
なお、本実施の形態のコンデンサ素子100は、誘電体フィルム上にアルミニウムを蒸着させた金属化フィルムにより形成されたが、これ以外にも、亜鉛、マグネシウム等の他の金属を蒸着させた金属化フィルムにより形成されてもよい。あるいは、コンデンサ素子100は、これらの金属のうち、複数の金属を蒸着させた金属化フィルムにより形成されてもよいし、これらの金属どうしの合金を蒸着させた金属化フィルムにより形成されてもよい。
一対のバスバー200は、導電性材料、たとえば、銅板を適宜切り抜き、折り曲げることによって所定の形状に形成される。各バスバー200は、左右方向に並ぶ2つの電極端子部210と、2つの電極端子部210の上方に設けられ、左右方向に並ぶ2つの接続端子部220とを含む。2つの電極端子部210は、ピン形状を有し、2つの接続端子部220は、ほぼL字の方形板状を有する。各バスバー200は、2つの電極端子部210が半田付け等の接合方法でコンデンサ素子100の各電極110に接合されることにより、各電極110に電気的に接続される。
外装体300は、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂により形成され、ほぼ直方体形状を有する。外装体300は、コンデンサ素子100全体と一対のバスバー200の一部とを被覆する。即ち、一対のバスバー200の一部である2つの接続端子部220が外装体300の外部に露出する。外装体300は、エポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂やポリフェニレンサルファイド(PPS)等の熱可塑性樹脂により形成されてもよい。
装着部材20は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の樹脂材料、または、アルミニウム等の金属材料により形成される。装着部材20が金属材料で形成された場合はコンデンサモジュール1の放熱性と強度を向上でき、装着部材20が樹脂材料で形成された場合はコンデンサモジュール1を軽量化できる。
装着部材20は、左右方向に長いほぼ長方形の板状を有する。装着部材20の左端部および右端部には、ほぼ台形のタブ状を有する固定部21が設けられる。各固定部21には、円形の固定孔22が形成される。装着部材20の上面には、前端部と後端部に、左右方向に両端まで延びる一対のリブ23が、上面に対してほぼ垂直に立ち上がるように形成される。また、装着部材20の上面には、左側と右側に、それぞれ、一対の突起部24が形成される。一対の突起部24の互いに対向する側面24aは、装着部材20の上面に対してほぼ垂直な面となっている。
一対のリブ23の間の距離は、コンデンサ10の外装体300の底面301の短手方向(コンデンサ素子100の両端面が並ぶ方向)の長さとほぼ等しくされており、一対の突起部24の間の距離は、外装体300の底面301の長手方向(コンデンサ素子100の端面と平行な方向)の長さとほぼ等しくされている。これにより、装着部材20の上面において、一対のリブ23と一対の突起部24とで囲まれた左側と右側のそれぞれの領域が、コンデンサ10が装着される装着面25となる。装着面25と外装体300の底面301は、ともに平坦な面である。
図4(a)および(b)は、第1実施形態に係る、コンデンサモジュール1の製造方法について説明するための図である。図4(a)は、コンデンサモジュール製造工程の流れを示すフロチャートであり、図4(b)は、外装体形成工程の流れを説明するための図である。
コンデンサモジュール1の製造工程は、コンデンサ製造工程と、モジュール組立工程とを含む。コンデンサ製造工程では、コンデンサ10が作成される。モジュール組立工程では、コンデンサ製造工程により作成されたコンデンサ10が、所定の配置状態で装着部材20に装着されることにより、コンデンサモジュール1が組み立てられる。
コンデンサ製造工程は、素子ユニット形成工程と外装体形成工程により構成される。まず、素子ユニット形成工程が行われ、コンデンサ素子100の両電極110に一対のバスバー200が接続されることにより、コンデンサ素子ユニットCが形成される。
次に、外装体形成工程が行われる。外装体形成工程には、金属製の注型容器2が用いられる。注型容器2は、外装体300の形状に対応する、上面が開口するほぼ直方体の箱状を有する。
図4(b)に示すように、コンデンサ素子ユニットCが注型容器2に収容される。このとき、図示しない固定治具によりバスバー200が固定され、コンデンサ素子ユニットCが注型容器2に対して位置決めされる。次に、注型容器2内に、コンデンサ素子100全体が浸漬し、一対のバスバー200の接続端子部220が露出するように液相状態のエポキシ樹脂が注入される。その後、注型容器2内のエポキシ樹脂が加熱される。これにより、エポキシ樹脂が硬化して外装体300となり、外装体300によりコンデンサ素子ユニットC(コンデンサ素子100、一対のバスバー200)が被覆されてなるコンデンサ10が作成される。
なお、外装体300を形成するために、注型容器2に代えて成形金型が用いられてもよい。また、注型容器2に注入される樹脂として、ポリフェニレンサルファイド(PPS)が用いられてもよい。この場合、ポリフェニレンサルファイドが冷却されて硬化することにより外装体300が形成される。
次に、モジュール組立工程が行われる。2つのコンデンサ10の外装体300の底面301が、それぞれ、装着部材20の左右の装着面25に接着剤で固定される。これにより、2つのコンデンサ10が、左右方向に並ぶ配置状態で装着部材20に装着される。装着の際、外装体300は、一対のリブ23と一対の突起部24とにより前後左右方向に位置決めされるので、2つのコンデンサ10が精度良く装着部材20に装着される。なお、装着部材20へのコンデンサ10の固定に、耐熱性に優れる両面テープが用いられてもよく、ネジ等の固定具が用いられてもよい。
このようにして、図1のように、コンデンサモジュール1が完成する。
コンデンサモジュール1は、外部装置、たとえば、電気自動車において電気モータを駆動するためのインバータ装置に搭載され得る。インバー装置には、電源装置(バッテリー)から直流の電力が供給される。インバータ装置は、IGBT(Insulated Gate Bipolar transistor)を含むインバータ回路を備え、直流の電力を3相交流の電力に変換し、電気モータへ供給する。この場合、コンデンサモジュール1は、装着部材20の2つの固定部21が、固定孔22を用いたネジ止めにより、インバータ装置に固定される。そして、電源装置からの一対の外部バスバーとインバータ回路からの一対の外部バスバーが、2つのコンデンサ10の一対のバスバー200の接続端子部220に接続される。
<第1実施形態の効果>
以上、第1実施形態によれば、以下の効果が奏される。
コンデンサモジュール1は、電極110を有するコンデンサ素子100と、当該コンデンサ素子100を被覆する外装体300と、電極110に接続され、外装体300の外部に延びるバスバー200と、を含むコンデンサ10と、複数(2つ)のコンデンサ10が所定の配置状態で装着される装着部材20と、を備える。
この構成によれば、バスバー200が接続されたコンデンサ素子100を外装体300で被覆してなるコンデンサ10が、求められる仕様に応じた個数および配置状態(向き、配列など)で装着部材20に装着されることにより、コンデンサモジュール1を製造できる。これにより、個数および配置状態が異なっていても、コンデンサ10を定型のものとすることが可能となる。よって、コンデンサモジュール1として製品が異なっていても、コンデンサ10に係る部品および製造工程を共通化することが可能となり、生産性を向上できる。また、生産性が向上することにより、製品コストを低減することが可能となり得る。
また、コンデンサモジュール1は、装着部材20が平板であり、コンデンサ10の外装体300が装着部材20に載置されて固定される平坦な底面301を有する。
この構成によれば、コンデンサ10を装着部材20に、容易にかつ安定して装着できる。
さらに、コンデンサモジュール1は、装着部材20が、外部装置に固定することが可能な固定部21を有する。
この構成によれば、コンデンサ10側に、外部装置の状況に応じて形状や位置が決められ得る固定部を設けなくてよいため、コンデンサモジュール1を外部装置に固定可能にしつつ、コンデンサ10を定型のものにしやすくなる。
さらに、コンデンサ10の外装体300がエポキシ樹脂により形成されているので、コンデンサ素子100の吸湿を防止できる。
さらに、コンデンサモジュール1は、電極110を有し、当該電極110にバスバー200が接続されたコンデンサ素子100を、注型容器2に収容し、注型容器2内に、コンデンサ素子100全体が浸漬し、バスバー200の一部が露出するように液相状態のエポキシ樹脂を注入し、注入されたエポキシ樹脂を硬化させて、硬化したエポキシ樹脂によりコンデンサ素子100とバスバー200が被覆されてなるコンデンサ10を作成し、複数(2つ)のコンデンサ10を、所定の配置状態で装着部材20に装着することにより製造される。
この製造方法によれば、コンデンサモジュール1として製品が異なっていても、コンデンサ10に係る部品および製造工程を共通化することが可能となり、生産性を向上できる。
<第1実施形態の変更例>
コンデンサモジュール1は、求められる仕様に応じて、コンデンサ10の個数や配置状態が変更されると、それに伴い、装着部材20が変更される。
図5(a)および(b)は、変更例に係る、第1実施形態に対してコンデンサ10の個数が変更されたコンデンサモジュール1について説明するための図である。図5(a)は、コンデンサモジュール1の斜視図であり、図5(b)は、装着部材20Aの斜視図である。
本変更例のコンデンサモジュール1は、3つのコンデンサ10と装着部材20Aとを備える。装着部材20Aは、上記第1実施形態の装着部材20より左右方向に長くされ、それに伴い、一対のリブ23が左右方向に長くされる。装着部材20Aの上面には、左側、中央および右側の3か所に一対の突起部24が形成され、これにより、3か所に装着面25が設けられる。
なお、コンデンサ10の個数が1つ、あるいは4つ以上となった場合、コンデンサモジュール1では、それら個数に応じた数の装着面25が左右方向に並ぶ装着部材が設けられることになる。
図6(a)および(b)は、変更例に係る、第1実施形態に対してコンデンサ10の配置状態が変更されたコンデンサモジュール1について説明するための図である。図6(a)は、コンデンサモジュール1の平面図であり、図6(b)は、装着部材20Bの平面図である。
本変更例のコンデンサモジュール1は、2つのコンデンサ10と装着部材20Bとを備える。装着部材20Bは、一対のリブ23の間の距離が、コンデンサ10の外装体300における底面301の長手方向の長さとほぼ等しくされており、一対の突起部24の間の距離が、外装体300における底面301の短手方向の長さとほぼ等しくされている。2つのコンデンサ10は、一対のバスバー200が並ぶ方向(左右方向)に並ぶような配置状態で装着部材20Bに装着される。
なお、コンデンサ10の個数が1つ、あるいは3つ以上となった場合、コンデンサモジュール1では、それら個数に応じた数の装着面25が左右方向に並ぶ装着部材が設けられることになる。
図6(c)および(d)は、変更例に係る、第1実施形態に対してコンデンサ10の個数と配置状態が変更されたコンデンサモジュール1について説明するための図である。図6(c)は、コンデンサモジュール1の平面図であり、図6(d)は、装着部材20Cの平面図である。
本変更例のコンデンサモジュール1は、4つのコンデンサ10と装着部材20Cとを備える。装着部材20Aの上面には、一対のリブ23と左右2組の一対の突起部24との組み合わせが、前後の2か所に設けられる。これにより、装着部材20Cの上面には、前後左右の4か所に装着面25が設けられる。
なお、コンデンサ10の個数が5つ以上となった場合、コンデンサモジュール1では、装着部材20Cのサイズが個数の増加に応じて前後方向および/または左右方向に拡張され、装着面25の数が増加された装着部材が設けられることになる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係るコンデンサモジュール3について説明する。
第2実施形態において、単位コンデンサモジュール3aが、特許請求の範囲の請求項8に記載の「コンデンサモジュール」に対応する。また、第1単位装着部材30a、第2単位装着部材30bおよび第3単位装着部材30cが、特許請求の範囲に記載の「単位装着部材」に対応するとともに、特許請求の範囲の請求項8に記載の「装着部材」に対応する。さらに、外装体300の底面301が、特許請求の範囲に記載の「1つの面」に対応し、外装体300の左側面302および右側面303が、特許請求の範囲に記載の「2つの面」に対応する。さらに、底面部401、左側面部402および右側面部403の内壁面401a、402a、403aが、特許請求の範囲に記載の「接触面」に対応する。さらに、第1連結部420および第2連結部430が、特許請求の範囲に記載の「連結部」に対応する。
ただし、上記記載は、あくまで、特許請求の範囲の構成と実施形態の構成とを対応付けることを目的とするものであって、上記対応付けによって特許請求の範囲に記載の発明が実施形態の構成に何ら限定されるものではない。
なお、特許請求の範囲の請求項3において、「直方体形状」との文言には、ほぼ直方体の形状が含まれ、「垂直」との文言には、ほぼ垂直な状態が含まれる。
図7は、第2実施形態に係る、コンデンサモジュール3の斜視図である。図8は、第2実施形態に係る、コンデンサモジュール3の分解斜視図である。
コンデンサモジュール3は、3つのコンデンサ10と、これらコンデンサ10が装着される装着部材30とを備える。3つのコンデンサ10は、一対のバスバー200が並ぶ方向(前後方向)と垂直な方向に(左右方向)に並ぶような配置状態で装着部材30に装着される。
装着部材30は、第1単位装着部材30aと、第2単位装着部材30bと、第3単位装着部材30cが連結されることにより構成される。第1単位装着部材30aと、第2単位装着部材30bと、第3単位装着部材30cは、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の樹脂材料、または、アルミニウム等の金属材料により形成される。
各単位装着部材30a、30b、30cは、底面部401と、底面部401の左端および右端から底面部401に対してほぼ垂直に立ち上がる左側面部402および右側面部403とを含む。底面部401、左側面部402および右側面部403は、コンデンサ10の外装体300の底面301、左側面302および右側面303とほぼ同じサイズの方形の板状を有する。底面部401、左側面部402および右側面部403とで形成される装着凹部404内にコンデンサ10が装着され、底面部401、左側面部402および右側面部403の内壁面401a、402a、403aが、それぞれ、外装体300の底面301、左側面302および右側面303のほぼ全体に接触する。底面部401の前端と後端には、コンデンサ10を前後方向に位置決めするための一対のリブ405が設けられる。
第1単位装着部材30aの左側面部402と第3単位装着部材30cの右側面部403には、上端に固定部410が設けられる。固定部410は、左側面部402または右側面部403の上端から底面部401と平行に外側へ延びた後、屈曲して下方へ延び、さらに屈曲して底面部401と平行に外側へ延びる形状を有する。固定部410の先端部には、前部と後部に固定孔411が形成される。
第1単位装着部材30aと第2単位装着部材30bには、右側面部403の上端に第1連結部420が設けられる。第1連結部420は、前後に並ぶ長方形状の2つの連結板421、422により構成される。2つの連結板421、422は高さ位置が異なっており、前側の連結板421の下面と後側の連結板422の上面の高さ位置が同じになっている。
第2単位装着部材30bと第3単位装着部材30cには、左側面部402の上端に第2連結部430が設けられる。第2連結部430は、前後に並ぶ長方形状の2つの連結板431、432により構成される。2つの連結板431、432は高さ位置が異なっており、前側の連結板431の上面と後側の連結板432の下面の高さ位置が同じになっている。
互いの第1連結部420と第2連結部430とが連結されることにより、第1単位装着部材30aと第2単位装着部材30bとが連結され、第2単位装着部材30bと第3単位装着部材30cとが連結される。この際、第1連結部420の前側の連結板421の下側に第2連結部430の前側の連結板431が重なり、第1連結部420の後側の連結板422の上側に第2連結部430の後側の連結板432が重なる。これにより、第1連結部420と第2連結部430の上下方向の動きが規制される。
なお、第1単位装着部材30aを、左右の方向を変えることにより、第3単位装着部材30cとして用いることができる。即ち、第1単位装着部材30aと第3単位装着部材30cは、同じ部品である。
図9(a)ないし(c)は、第2実施形態に係る、コンデンサモジュール3の製造方法について説明するための図である。図9(a)は、コンデンサモジュール製造工程の流れを示すフロチャートであり、図9(b)は、モジュール組立工程について説明するための図である。図9(c)は、モジュール組立工程の変更例について説明するための図である。
コンデンサモジュール3の製造工程は、コンデンサ製造工程と、モジュール組立工程とを含む。コンデンサ製造工程では、コンデンサ10が作成される。モジュール組立工程では、コンデンサ製造工程により作成されたコンデンサ10が、所定の配置状態で装着部材30に装着されることにより、コンデンサモジュール3が組み立てられる。
コンデンサ製造工程については、第1実施形態において説明したとおりである。
モジュール組立工程は、単位モジュール形成工程と単位モジュール連結工程とにより構成される。
図9(b)に示すように、まず、単位モジュール形成工程が行われ、第1単位装着部材30aと、第2単位装着部材30bと、第3単位装着部材30cのそれぞれの装着凹部404にコンデンサ10が装着される。この際、コンデンサ10の外装体300が装着凹部404に接着剤で固定される。これにより、3つの単位コンデンサモジュール3aが形成される。次に、単位モジュール連結工程が行われ、第1単位装着部材30aと、第2単位装着部材30bと、第3単位装着部材30cとが連結されることにより、3つの単位コンデンサモジュール3aが連結される。この際、第1連結部420と第2連結部430は、接着剤により固定される。連結された第1単位装着部材30a、第2単位装着部材30bおよび第3単位装着部材30cにより装着部材30が形成される。
このようにして、図7のように、コンデンサモジュール1が完成する。
なお、外装体300の装着凹部404への固定に、耐熱性に優れる両面テープが用いられてもよく、ネジ等の固定具が用いられてもよい。また、第1連結部420と第2連結部430との固定に、耐熱性に優れる両面テープが用いられてもよく、ネジ等の固定具が用いられてもよい。さらに、第1単位装着部材30a、第2単位装着部材30bおよび第3単位装着部材30cが金属材料で形成されている場合は、第1連結部420と第2連結部430とを溶接により固定することもできる。
また、モジュール組立工程の前に、第1単位装着部材30a、第2単位装着部材30bおよび第3単位装着部材30cが連結されて装着部材30が組み立てられるようにしてもよく、モジュール組立工程では、図9(c)のように、組み立てられた装着部材30に、3つのコンデンサ10が装着されるようにしてもよい。
<第2実施形態の効果>
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様、コンデンサモジュール3として製品が異なっていても、コンデンサ10に係る部品および製造工程を共通化することが可能となり、生産性を向上できる。また、コンデンサ10側に、外部装置の状況に応じて形状や位置が決められ得る固定部を設けなくてよいため、コンデンサモジュール3を外部装置に固定可能にしつつ、コンデンサ10を定型のものにしやすくなる。さらに、コンデンサ10の外装体300がエポキシ樹脂により形成されているので、コンデンサ素子100の吸湿を防止できる。
さらに、第2実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
コンデンサモジュール3は、コンデンサ10の外装体300が、直方体形状を有し、装着部材30が、外装体300の底面301と、この底面301に垂直な4つの側面のうち対向する左側面302および右側面303とに、それぞれが接する底面部401、左側面部402および右側面部403の内壁面401a、402a、403aを有する。
この構成によれば、外装体300を3つの内壁面401a、402a、403aで支えるような状態でコンデンサ10を装着部材30に装着できるので、コンデンサ10を安定して装着部材30に装着できる。
また、コンデンサモジュール3は、連結部420、430を有し、コンデンサ10が装着される単位装着部材30a、30b、30cを備え、装着部材30は、複数(3つ)の単位装着部材30a、30b、30cが連結されることにより形成される。
この構成によれば、複数の単位装着部材30a、30b、30cを組み合わせることにより、コンデンサ10の個数、配置状態に応じた装着部材30が形成できる。即ち、単位装着部材30a、30b、30cを共通部品として用いることができるので、装着部材30の生産性を向上でき、コンデンサモジュール3の生産性を向上できる。
さらに、単位コンデンサモジュール3aは、電極110を有するコンデンサ素子100と、当該コンデンサ素子100を被覆する外装体300と、電極110に接続され、外装体300の外部に延びるバスバー200と、を含むコンデンサ10と、コンデンサ10が所定の配置状態で装着される単位装着部材30a(30b、30c)と、を備え、単位装着部材30a(30b、30c)には、他の単位コンデンサモジュール3aの単位装着部材30b(30a、30c)に連結するための第1連結部420(第2連結部430)が設けられる。
この構成によれば、求められる仕様に応じて、単位コンデンサモジュール3aを組み合わせることで、容易にコンデンサモジュール3を作成できる。
<第2実施形態の変更例1>
コンデンサモジュール3では、求められる仕様に応じて、コンデンサ10の個数が変更されると、それに伴い、第2単位装着部材30bの数が調整されて、装着部材30の形態が変更される。
図10は、変更例1に係る、2つのコンデンサ10を備えるコンデンサモジュール3の平面図である。
本変更例のコンデンサモジュール3では、第1単位装着部材30aと第3単位装着部材30cとが連結されることにより装着部材30が形成され、この装着部材30に2つのコンデンサ10が装着される。第2単位装着部材30bは用いられない。
なお、コンデンサ10の個数が4つ以上となった場合は、第1単位装着部材30aと、2つ以上の第2単位装着部材30bと、第3単位装着部材30cとが連結されて装着部材30が形成されることになる。
<第2実施形態の変更例2>
この変更例2において、単位装着部材31は、特許請求の範囲に記載の「単位装着部材」に対応する他、特許請求の範囲の請求項8に記載の「装着部材」に対応する。また、固定部材32は、特許請求の範囲に記載の「固定部」に対応する。さらに、第3連結部440および第4連結部450が、特許請求の範囲に記載の「連結部」に対応する。
図11(a)および(b)は、それぞれ、変更例2に係る、単位装着部材31と固定部材32の平面図および正面図である。図12(a)、(b)および図13は、変更例2に係る、コンデンサモジュール3の平面図である。
単位装着部材31は、上記第2実施形態の第2単位装着部材30bの構成から一対のリブ405が削除され、それに代えて、前側面部406、後側面部407、第3連結部440および第4連結部450が設けられた構成を有する。前側面部406および後側面部407は、方形の板状を有し、底面部401の前端および後端から底面部401に対してほぼ垂直に立ち上がる。コンデンサ10が装着凹部404に装着されると、前側面部406および後側面部407の内壁面406a、407aが、コンデンサ10の外装体300の前側面304および後側面305に接触する。前側面部406および後側面部407は、コンデンサ10のバスバー200の接続端子部220に干渉しないよう、左側面部402および右側面部403よりも底面部401からの高さが低くなっている。
第3連結部440は、前側面部406の上端から前方に延び、第4連結部450は、後側面部407の上端から後方に延びる。第3連結部440の先端部には、互いに高さの異なる左右の連結板441、442が設けられる。左側の連結板441の下面の高さ位置は、右側の連結板442の上面の高さ位置と同じである。第4連結部450の先端部には、互いに高さの異なる左右の連結板451、452が設けられる。左側の連結板451の上面の高さ位置は、右側の連結板452の下面の高さ位置と同じである。
互いの第1連結部420と第2連結部430とを連結することにより、複数の単位装着部材31を左右方向に連結でき、互いの第3連結部440と第4連結部450とを連結することにより、複数の単位装着部材31を前後方向に連結できる。
固定部材32は、第1単位装着部材30aの固定部410と同様な構成を有する。固定部材32には、先端部に2つの固定孔461が設けられ、基端部に連結部462が設けられる。連結部462は、互いに高さの異なる左右の連結板462a、462bが設けられる。前側の連結板462aの上面の高さ位置は、後側の連結板462bの下面の高さ位置と同じである。
図12(a)に示すように、複数の単位装着部材31が左右方向に連結されるとともに左端と右端の単位装着部材31に固定部材32が連結されて装着部材30Aが形成される。そして、装着部材30Aの各単位装着部材31にコンデンサ10が装着されることにより、上記第2実施形態と同様のコンデンサモジュール3が作成される。
また、図12(b)に示すように、複数の単位装着部材31が前後方向に連結されるとともに前端と後端の単位装着部材31に固定部材32が連結されて装着部材30Bが形成される。そして、装着部材30Bの各単位装着部材31にコンデンサ10が装着されることにより、上記第2実施形態とは配列されたコンデンサ10の向きが異なるコンデンサモジュール3が作成される。
さらに、図13に示すように、複数の単位装着部材31が前後および左右方向に連結されるとともに左端と右端の単位装着部材31に固定部材32が連結されて装着部材30Cが形成される。そして、装着部材30Cの各単位装着部材31にコンデンサ10が装着されることにより、複数のコンデンサ10がマトリクス状に配列されたコンデンサモジュール3が作成される。
なお、図12(a)、(c)および図13の装着部材30A、30B、30Cにおいて、固定部材32の配置は、適宜、変更され得る。たとえば、図13の装着部材30Cにおいて、固定部材32が、前列の左端と右端の単位装着部材31の前側と後列の左端と右端の単位装着部材31の後側とに連結されてもよい。
<その他の変更例>
上記第1実施形態および上記第2実施形態において、図14(a)および(b)に示すように、コンデンサ10には、外装体300の6つの面に、金属層となる金属箔310が貼り付けられてもよい。なお、図14(a)および(b)では、便宜上、金属箔に斜線が付されている。
外装体300において、金属箔310は、底面、左側面および右側面の全域に貼られ、天面、前側面および後側面における一対のバスバー200からの絶縁距離が確保された領域に貼られる。このように、外装体300が金属箔310からなる金属層を有することにより、防湿効果を高めることができる。
また、上記第1実施形態および上記第2実施形態では、エポキシ樹脂により形成された外装体300を有するコンデンサ10が用いられた。しかしながら、図15(a)ないし(c)に示すような、金属ラミネートフィルムにより形成された外装体600を有するコンデンサ10Aが用いられてもよい。
図15(a)は、コンデンサ10の斜視図であり、図15(b)は、一対のバスバー500が接続されたコンデンサ素子100の斜視図である。図15(c)は、外装体600の断面を拡大した図である。
コンデンサ素子100の両端面の電極110には、銅などの導電材料により形成され、細長い長方形の板状を有する一対のバスバー500が接続される。一対のバスバーが接続されたコンデンサ素子100は、金属ラミネートフィルムにより形成された外装体600により被覆される。
外装体600は、第1部材610と第2部材620とにより構成される。第1部材610は、コンデンサ素子100の前側半分(一部分)を覆い、第2部材620は、コンデンサ素子100の後側半分(残り部分)を覆う。第1部材610および第2部材620には、それらの外周縁に、接着しろとなる第1フランジ部611および第2フランジ部621が形成される。第1フランジ部611および第2フランジ部621は、前後方向に重なり、それらの表面同士が熱溶着や接着剤により接着されて結合される。一対のバスバー500は、それらの他端部が第1フランジ部611および第2フランジ部621の間から外装体600の外部に引き出される。
図15(c)に示すように、外装体600は、第1樹脂層600aと、第2樹脂層600bと、これら第1樹脂層600aおよび第2樹脂層600bに挟まれる金属層600cとによる3層構造を有する。第1樹脂層600aは、たとえば、ポリプロピレンにより構成され、第2樹脂層600bは、たとえば、ナイロンにより構成される。金属層600cは、たとえば、アルミニウム箔により構成される。このように外装体600は、金属層600cを有するため透湿度が低く、肉厚が小さいため軽量である。
なお、外装体600は、第1部材610および第2部材620に平坦面612、622を有する。コンデンサ10Aが装着部材20に装着される際には、外装体600の第1部材610の平坦面612または第2部材620の平坦面622が装着部材20の装着面25に接触する。コンデンサ10Aが装着部材30に装着される際には、外装体600の2つの平坦面612、622が、装着部材30の左側面部402および右側面部403の内壁面402a、403aに接触する。
さらに、上記第1実施形態および第2実施形態では、コンデンサ10の外装体300がほぼ直方体形状に形成された。しかしながら、外装体300は、他の形状、たとえば、コンデンサ素子100の形状に相似する長円柱形状に形成されてもよい。
さらに、上記第1実施形態および上記第2実施形態では、装着部材20、30の左端部と右端部に固定部21、410が設けられた。しかしながら、固定部21、410の位置や個数は、外部装置の状況に応じて、適宜、変更され得る。また、固定部21、410の形状も、外部装置に固定可能であれば、いかなるものであってもよい。
さらに、上記第1実施形態および上記第2実施形態では、コンデンサ10のバスバー200が2つの接続端子部220を有する。しかしながら、接続端子部220の個数は、適宜、変更されてよい。また、バスバー200の形状も、適宜、変更されてよい。
さらに、上記第1実施形態および上記第2実施形態では、コンデンサ10に1つのコンデンサ素子100が含まれた。しかしながら、コンデンサ10に、複数のコンデンサ素子100が含まれてもよい。
さらに、上記第2実施形態では、第1単位装着部材30a、第2単位装着部材30bおよび第3単位装着部材30cは、1個のコンデンサ10が装着可能な構成とされた。しかしながら、第1単位装着部材30a、第2単位装着部材30bおよび第3単位装着部材30cは、複数個のコンデンサ10が装着可能な構成とされてもよい。
さらに、上記第2実施形態では、装着部材30は、第1単位装着部材30aと、第2単位装着部材30bと、第3単位装着部材30cとが連結されることにより構成された。しかしながら、装着部材30は、第1単位装着部材30aと、第2単位装着部材30bと、第3単位装着部材30cとが一体形成された構成とされてもよい。
さらに、上記第2実施形態では、第1単位装着部材30aと、第2単位装着部材30bと、第3単位装着部材30cの第1連結部420および第2連結部430が、2つの連結板421、422、431、432により構成された。しかしながら、第1連結部420および第2連結部430は、連結可能であればいかなる構成であってもよい。同様に、上記変更例2の単位装着部材31の第3連結部440および第4連結部450、並びに固定部材32の連結部462も、連結可能であればいかなる構成であってもよい。
さらに、上記第1実施形態および上記第2実施形態では、コンデンサ素子100は、誘電体フィルム上にアルミニウムを蒸着させた2枚の金属化フィルムを重ね、重ねた金属化フィルムを巻回または積層することで形成されたものであるが、これ以外にも、誘電体フィルムの両面にアルミニウムを蒸着させた金属化フィルムと絶縁フィルムとを重ね、これを巻回または積層することにより、これらコンデンサ素子100が形成されてもよい。
さらに、上記第1実施形態および上記第2実施形態では、コンデンサ10は、フィルムコンデンサであった。しかしながら、コンデンサ10は、フィルムコンデンサ以外のコンデンサであってもよい。
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
なお、上記実施の形態の説明において「上方」「下方」等の方向を示す用語は、構成部材の相対的な位置関係にのみ依存する相対的な方向を示すものであり、鉛直方向、水平方向等の絶対的な方向を示すものではない。