JP7356688B1 - 重合体、電極活物質、電池、飛行体、及び、重合体を生産する方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2016-008227号公報
[特許文献2] 特開2019-199520号公報
[非特許文献]
[非特許文献1] Masaru Yao, Hikaru Sano, Hisanori Ando, Tetsu Kiyobayashi and Nobuhiko Takeichi,"Anthraquinone-Based Oligomer as a Long Cycle-Life Organic Electrode Material for Use in Rechargeable Batteries",ChemPhysChem, Chemistry Europe, 2019年2月18日,第20巻,第7号,p.967-971
[非特許文献2] Jumpei Suzuki,Akira Ishizone,Kosuke Sato,Hiroaki Imai,Yu-Jen Tseng,Chi-How Peng and Yuya Oaki,"Amorphous flexible covalent organic networks containing redox-active moieties: a noncrystalline approach to the assembly of functional molecules",Chemical Science, Royal Society of Chemistry,2020年6月10日,第11巻,第27号,p.7003-7008
(数式1)
y1=-0.03x1-0.0307x2+0.115x7-0.111x9+0.489
(数式1)
y1=-0.03x1-0.0307x2+0.115x7-0.111x9+0.489
(数式1)
y1=-0.03x1-0.0307x2+0.115x7-0.111x9+0.489
図1は、飛行体100のシステム構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、飛行体100は、蓄電池110と、電力制御回路120と、1又は複数の電動機130と、1又は複数のプロペラ140と、1又は複数のセンサ150と、制御装置160とを備える。本実施形態において、蓄電池110は、1又は複数の蓄電セル112を有する。
図2は、蓄電セル112の一例を概略的に示す。本実施形態においては、蓄電セル112がコイン型の全固体二次電池である場合を例として、蓄電セル112の詳細が説明される。しかしながら、蓄電セル112はコイン型の全固体二次電池に限定されないことに留意されたい。
本実施形態において、蓄電セル112は、正極ケース212と、負極ケース214と、封止剤216と、金属バネ218とを備える。また、蓄電セル112は、正極220と、セパレータ230と、負極240と、電解液250とを備える。本実施形態において、正極220は、正極集電体222と、正極活物質層224とを有する。本実施形態において、負極240は、負極集電体242と、負極活物質層244とを有する。
本実施形態において、正極集電体222は、正極活物質層224を保持する。正極集電体222の材料としては、アルミニウム、ステンレススチール、ニッケル、チタン又はこれらの合金などが例示される。
正極集電体222の少なくとも一部は、樹脂により形成されてよい。これにより、蓄電セル112が軽量化され得る。特に、固体電解質を主成分とするセパレータ230が用いられる場合、固体電解質の種類によっては、セパレータ230の質量が比較的大きくなる。このような場合であっても、正極集電体222の少なくとも一部が樹脂により形成されることにより、蓄電セル112の全体の質量の増加が抑制される。その結果、蓄電セル112の質量当たりの容量、及び、蓄電セル112のエネルギー密度が向上する。
本実施形態において、正極活物質層224は、正極集電体222の少なくとも一方の面に形成される。正極活物質層224の厚さは、正極集電体222の片面あたり1~100μmであってもよく、5~50μmであってもよい。
正極活物質層224に含まれる正極活物質としては、蓄電セル112のキャリアイオンを吸蔵及び放出することができる各種の物質が用いられる。正極活物質は、無機化合物であってもよく、有機化合物であってもよい。これらの正極活物質は単独で用いられてもよく、2種以上の正極活物質が組み合せられてもよい。
本実施形態において、第1モノマーは、例えば、下記の数式(1)により導出されるy1の値が600を超える有機化合物又はその塩である。
(数式1)
y1=-0.03x1-0.0307x2+0.115x7-0.111x9+0.489
(数式2)
y2=-0.303x1-0.0704x2+1.19
(数式3)
y1=56.5x7-7.05x9+176
第1モノマーは、下記の化学式(1-1)~(1-12)に示される化合物及びその還元体、並びに、これらの塩からなる群から選択される少なくとも1つであってよい。下記の各種の化合物は、公知の手順により製造され得る。下記の各種の化合物は、市場において入手され得る。
本実施形態において、第2モノマーは、共役骨格を有する。第2モノマーは、共役骨格を有する有機化合物又はその塩であってよい。第2モノマーは、n個(ただし、nは、1以上3以下の整数である。)の環構造を含んでもよい。1種又は2種以上の有機化合物又はその塩が、第2モノマーとして用いられてよい。
第2モノマーとしては、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ジアザベンゼン、ベンゾキノン若しくはその還元体、又は、フランが例示される。ジアザベンゼンは、ピリダジンであってもよく、ピリミジンであってもよく、ピラジンであってもよい。ベンゾキノンは、p-ベンゾキノンであってもよく、o-ベンゾキノンであってもよい。
上述されたとおり、第1モノマーは、例えば、化学式(1-1)~(1-12)に示される化合物及びこれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つである。同様に、第2モノマーは、例えば、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ジアザベンゼン、ベンゾキノン若しくはその還元体、フラン及びこれらの誘導体、並びに、これらの塩からなる群から選択される少なくとも1つである。
第1モノマーに由来する第1繰り返し単位は、第1モノマーに含まれる少なくとも2つの水素が除かれてできる基又は構造を含む。同様に、第2モノマーに由来する第2繰り返し単位は、第2モノマーに含まれる少なくとも2つの水素が除かれてできる基又は構造を含む。上述されたとおり、第1繰り返し単位及び第2繰り返し単位の少なくとも一方は、第1モノマーに由来する構造と、第2モノマーに由来する構造とを含む。
上記の正極活物質として用いられる重合体は、例えば、下記の手順により得られる。本実施形態によれば、まず、第1モノマーとして用いられる有機化合物と、第2モノマーとして用いられる有機化合物とを準備する。これらの有機化合物は、公知の手順により作製される。例えば、化学式(1-1)~(1-12)に示される化合物又はこれらの塩は、市場において入手可能である。同様に、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ジアザベンゼン、ベンゾキノン若しくはその還元体、フラン、又はこれらの塩は、市場において入手可能である。
正極活物質層224に含まれる結着材料は、正極活物質層224を構成する材料を結着し、正極220の電極形状を保持する。結着材料としては、例えば、各種の高分子材料が用いられる。上記の高分子材料としては、カルボキシメチルセルロース、スチレン-ブタジエンゴム、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、及び、これらの誘導体などが例示される。
本実施形態において、セパレータ230は、正極220及び負極240の間に配され、正極220及び負極240を隔離する。また、セパレータ230は、正極220及び負極240の間におけるキャリアイオンの伝導性を確保する。セパレータ230の厚さは、特に限定されるものではないが、10~50μmであることが好ましい。
本実施形態において、負極集電体242は、負極活物質層244を保持する。負極集電体242の材料としては、銅、アルミニウム、ステンレススチール、ニッケル、チタン又はこれらの合金などが例示される。
負極集電体242の少なくとも一部は、樹脂により形成されてよい。これにより、蓄電セル112が軽量化され得る。特に、固体電解質を主成分とするセパレータ230が用いられる場合、固体電解質の種類によっては、セパレータ230の質量が比較的大きくなる。このような場合であっても、負極集電体242の少なくとも一部が樹脂により形成されることにより、蓄電セル112の全体の質量の増加が抑制される。その結果、蓄電セル112の質量当たりの容量、及び、蓄電セル112のエネルギー密度が向上する。
負極活物質層244は、例えば、負極活物質と、結着材料(バインダーと称される場合がある。)とを含む。負極活物質層244は、導電性材料及びイオン伝導性材料の少なくとも一方をさらに含んでよい。負極活物質層244は、負極活物質と、イオン伝導性材料とを含んでもよい。これにより、負極活物質層244の内部に形成されるイオン伝導パス及び/又は電子伝導パスの切断が抑制され得る。
負極活物質層244に含まれる負極活物質としては、蓄電セル112のキャリアイオンを吸蔵及び放出することができる各種の物質が用いられる。負極活物質は、無機化合物であってもよく、有機化合物であってもよい。これらの負極活物質は単独で用いられてもよく、2種以上の負極活物質が組み合せられてもよい。
負極活物質層244に含まれる結着材料は、負極活物質層244を構成する材料を結着し、負極240の電極形状を保持する。結着材料としては、例えば、各種の高分子材料が用いられる。上記の高分子材料としては、カルボキシメチルセルロース、スチレン-ブタジエンゴム、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、及び、これらの誘導体などが例示される。
本実施形態において、電解液250は、電解液250に含まれる電解質を介して、正極活物質と、負極活物質との間のイオン電導を実現する。本実施形態によれば、電解液250として、非水電解液が用いられる。非水電解液としては、公知の有機電解液が使用され得る。例えば、蓄電セル112がリチウムイオン二次電池又はリチウム金属二次電池である場合、(i)エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの1種以上からなる溶媒に、(ii)過塩素酸リチウム、LiPF6などのリチウム塩を溶解させた溶液が、電解液250として使用される。
本実施形態においては、蓄電セル112がコイン型二次電池である場合を例として、蓄電セル112の詳細が説明された。しかしながら、蓄電セル112の種類、構造などは、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、蓄電セル112は、正極、セパレータ及び負極が渦巻状に巻回した巻回電極体を備える円筒型電池であってもよい。さらに他の実施形態において、蓄電セル112は、正極及び負極がセパレータを挟んで交互に積層した積層電極体が、ラミネートで封止されたラミネート型電池であってもよい。
下記の手順により、上述された数式(1)~(3)を導出した。また、下記の手順により、上述された数式(1)~(3)の精度を確認した。
まず、下記の手順に従って、材料データベースを構築した。17報(参考文献1~17と称される。)の有機正極活物質の先行研究に基づいて、26種のキノン系有機化合物、2種のジスルフィド系有機化合物、及び、5種のイミン系有機化合物を含む38種類の低分子化合物について、平均反応電位[V]、単位質量当たりの正極容量[mAh/g]、及び、質量エネルギー密度[Wh/g]に関する文献値を収集した。また、上記の38種類の低分子化合物のそれぞれについて、DFT計算、ハンセン溶解度パラメータ計算などにより、上述の第1特徴群に関連して説明された46種類の説明変数の値を用意した。38種類の低分子化合物(化合物1~38と称される。)の構造式は下記のとおりであった。
(参考文献1)M. M. Doeff, S. J. Visco, L. C. De Jonghe, J. Appl. Elctrochem, 1992, 22, 307.
(参考文献2)S. R. Deng, L. B. Kong, G. Q. Hu, T. Wu, D. Li, Y. H. Zhou, Z. Y. Li, Electrochemica Acta, 2006, 51, 2589.
(参考文献3)M. Lee, J. Hong, D. H. Seo, D. H. Nam, K. T. Nam, K. Kang, C. B. Park, Angew. Chem. Int. Ed, 2013, 52, 8322.
(参考文献4)S. Nishide, Y. Yamamoto, T. Takui, Y. Morita, ChemSusChem, 2013, 6, 794.
(参考文献5)T. Yokoji, Y. Kameyama, S. Sakaida, N. Maruyama, M. Satoh, H. Matsubara, Chem. Lett, 2015, 44, 1726.
(参考文献6)M. Yao, H. Senoh, S. Yamazaki, Z. Siroma, T. Sakai, K. Yasuda, Journal of Power Sources, 2010, 195, 8336.
(参考文献7)T. Yokoji, Y. Kameyama, N. Maruyama, H. Matsubara, J. Mater. Chem. A, 2016, 4, 5457.
(参考文献8)Y. Liang, P. Zhang, J. Chen, Chem. Sci, 2013, 4, 1330.
(参考文献9)Y. Liang, P. Zhang, S. Yang, Z. Tao, J. Chen, Adv. Energy Mater, 2013, 3, 600.
(参考文献10)Z. Luo, L. Liu, Q. Zhao, F. Li, J. Chen, Angew. Chem. Int. Ed, 2017, 56, 12561.
(参考文献11)A. Shimizu, H. Kuramoto, Y. Tsujii, T. Nokami, Y. Inatomi, N. Hojo, H. Suzuki, J. Yoshida, Journal of Power Sources, 2014, 260, 211.
(参考文献12)W. Wan, H. Lee, X. Yu, C. Wang, K. W. Nam, X. Q. Yang, H. Zhou, RSC Adv, 2014, 4, 19878.
(参考文献13)T. Yokoji, H. Matsubara, M. Satoh, J. Mater. Chem. A, 2014, 2, 19347.
(参考文献14)S. Gottis, A. L. Barres, F. Dolhem, P. Poizot, ACS Appl. Mater. Interfaces, 2014, 6, 10870.
(参考文献15)R. Zeng, L. Xing, Y. Qiu, Y. Wang, W. Huang, W. Li, S. Yang, Electrochemica Acta, 2014, 146, 447.
(参考文献16)M. Yao, S. Yamazaki, H. Senoh, T. Sakai, T. Kiyobayashi, Mater. Sci. Engineering B, 2012, 177, 483.
(参考文献17)B. Tian, Z. Ding, G. H. Ning, W. Tang, C. Peng, B. Liu, J. Su, C. Su, K. P. Loh, Chem. Commun, 2017, 53, 2914.
次に、上記のデータセットを教師データとして用いて、全状態探索法に基づくスパースモデリングを実行することにより説明変数を削減した。スパースモデリングにおいては、38種類の低分子化合物のデータのうち、30種類前後の低分子化合物のデータを訓練用データとして利用し、10種類前後の低分子化合物のデータを検証用データとして利用した。
(評価用データセットの作成)
下記の手順に従って、予測モデルの評価用のデータセットを作成した。まず、教師データの作成に用いた17報の先行研究とは異なる21報の先行研究に基づいて、15種のキノン系有機化合物及び6種のイミン系有機化合物を含む22種類の低分子化合物について、平均反応電位[V]、単位質量当たりの正極容量[mAh/g]、及び、質量エネルギー密度[Wh/g]に関する文献値を収集した。22種類の低分子化合物は、上述された38種類の低分子化合物とは異なる化合物である。
評価用データセットに含まれる22種類の低分子化合物のそれぞれについて、参考例において構築された各予測モデルに、評価用データセットに含まれる説明変数の値を入力して、平均反応電位、単位質量当たりの正極容量、及び、質量エネルギー密度のそれぞれの予測値を算出した。また、教師データに含まれる38種類の低分子化合物のそれぞれについて、参考例において構築された各予測モデルに、教師データに含まれる説明変数の値を入力して、平均反応電位、単位質量当たりの正極容量、及び、質量エネルギー密度のそれぞれの予測値を算出した。
実施例1~37において、上述された第1モノマー及び第2モノマーの組み合わせを変えて、共重合体を合成した。
化学式(1-1)により示される化合物を購入することで、第1モノマーを準備した。化学式(2-1)により示される化合物を購入することで、第2モノマーを準備した。約6cm3のガラス製反応容器に、0.05mmolの第1モノマーと、0.05mmolの第2モノマーとを投入し、反応容器中で両者を混合した。反応容器を加熱温度ステージの上にセットし、40℃から200℃まで10℃/分で加温した。このとき、20℃昇温するごとに、温度を5分間保持した。また、融液の温度が100、120、140、160、180及び200℃である場合のそれぞれについて、上記の5分間の保持期間が経過した後の容器内の様子を撮影し、目視により反応容器の内容物の色を確認した。
実施例2~12のそれぞれにおいては、化学式(1-2)~化学式(1-12)のそれぞれにより示される化合物を購入することで第1モノマーを準備した点を除き、実施例1と同様の手順により、生成物の有無と、生成物の色とを確認した。
実施例1~12のそれぞれにおいて作製された各生成物6mgと、助電材(デンカ株式会社製、デンカブラック)と、結着剤(株式会社クレハ製、ポリフッ化ビニリデン)とを、共重合体:助電材:結着剤が質量比で3:6:1となるように混合した。上記の混合物をN-メチルピロリドン(関東化学株式会社製、NMP)に添加して、スラリーを作製した。上記のスラリーを、10×10mmのステンレスメッシュ(SUS304、株式会社ニラコ製、品番:758100)に塗布した。真空乾燥機を用いて60℃12時間の条件で上記のスラリーを乾燥させた。これにより、正極電極を製造した。
実施例13~22のそれぞれにおいては、化学式(1-1)、(1-3)及び(1-5)~(1-12)のそれぞれにより示される化合物を購入することで、第1モノマーを準備した点と、化学式(2-4)により示される化合物を購入することで、第2モノマーを準備した点とを除き、実施例1と同様の手順により、生成物の有無と、生成物の色とを確認した。また、実施例1と同様の手順により正極電極を作製し、各正極電極の電気化学特性を評価した。表2に、実施例13~22により合成された反応生成物に関する評価結果を示す。
実施例23~31のそれぞれにおいては、化学式(1-1)、(1-3)、(1-5)及び(1-7)~(1-12)のそれぞれにより示される化合物を購入することで、第1モノマーを準備した点と、化学式(2-5)により示される化合物を購入することで、第2モノマーを準備した点とを除き、実施例1と同様の手順により、生成物の有無と、生成物の色とを確認した。また、実施例1と同様の手順により正極電極を作製し、各正極電極の電気化学特性を評価した。表3に、実施例23~31により合成された反応生成物に関する評価結果を示す。
実施例23~31のそれぞれにおいては、化学式(1-1)、(1-3)、(1-5)、(1-7)、(1-8)及び(1-12)のそれぞれにより示される化合物を購入することで、第1モノマーを準備した点と、化学式(2-6)により示される化合物を購入することで、第2モノマーを準備した点とを除き、実施例1と同様の手順により、生成物の有無と、生成物の色とを確認した。また、実施例1と同様の手順により正極電極を作製し、各正極電極の電気化学特性を評価した。表4に、実施例32~37により合成された反応生成物に関する評価結果を示す。
実施例38~48において、正極集電体と、活物質、助電材及び結着剤を含む正極活物質層とを備える正極電極を作製した。正極活物質層の塗布量は、乾燥質量で3.5~4.5mg/cm2であった。上記の活物質は、上述された第1モノマー及び第2モノマーの共重合体であり、活物質の塗布量は、乾燥質量で1.5~2.5mg/cm2であった。
(共重合体の製造)
(化学式1-3)により示される化合物を購入することで、第1モノマーを準備した。(化学式2-5)により示される化合物を購入することで、第2モノマーを準備した。約30cm3の耐圧のガラス反応容器に、1mmolの第1モノマーと、1mmolの第2モノマーとを投入し、反応容器中で両者を混合した。反応容器をマイクロ波合成装置(株式会社アントンパール製、Monowave250)にセットし、200℃の条件で30分間反応させた。これにより、黒色の反応生成物が得られた。反応容器から上記の黒色の反応生成物を取り出し、吸引濾過を用いて、上記の反応生成物をアセトンで洗浄した。これにより、未反応のモノマー及びオリゴマーが除去された。その後、真空乾燥機を用いて、200℃16時間の条件で洗浄後の反応生成物を乾燥させた。これにより、アセトン洗浄後に残存していたオリゴマーが除去され、第1モノマー及び第2モノマーの共重合体が得られた。
上記の共重合体6mgと、助電材(デンカ株式会社製、デンカブラック)と、結着剤(株式会社クレハ製、ポリフッ化ビニリデン)とを、共重合体:助電材:結着剤が質量比で3:6:1となるように混合した。上記の混合物をN-メチルピロリドン(関東化学株式会社製、NMP)に添加して、スラリーを作製した。上記のスラリーを、10×10mmのステンレスメッシュ(SUS304、株式会社ニラコ製、品番:758100)に塗布した。真空乾燥機を用いて60℃12時間の条件で上記のスラリーを乾燥させた。これにより、正極電極を製造した。
第2モノマーとして(化学式2-6)により示される化合物を購入した点を除いて、実施例38と同様の手順により、第1モノマー及び第2モノマーの共重合体を得た。また、同様の手順により、正極電極を製造した。
実施例40においては、第1モノマーとして(化学式1-8)により示される化合物を購入した点を除いて、実施例38と同様の手順により、第1モノマー及び第2モノマーの共重合体を得た。実施例41においては、第2モノマーとして(化学式2-6)により示される化合物を購入した点を除いて、実施例40と同様の手順により、第1モノマー及び第2モノマーの共重合体を得た。また、同様の手順により、正極電極を製造した。
助電材として気相成長炭素繊維(VGCF)及びグラフェンの混合物を用いた点を除いて、実施例38と同様の手順により正極電極を製造した。具体的には、実施例38において得られた共重合体6mgと、助電材(昭和電工株式会社製、VGCF)と、助電材(富士フイルム和光純薬株式会社製、Graphene)と、結着剤(株式会社クレハ製、ポリフッ化ビニリデン)とを、共重合体:助電材(VGCF):助電材(Graphene):結着剤が質量比で3:4:2:1となるように混合した。上記の混合物をN-メチルピロリドン(関東化学株式会社製、NMP)に添加して、スラリーを作製した。上記のスラリーを、10×10mmのステンレスメッシュ(SUS304、株式会社ニラコ製、品番:758100)に塗布した。真空乾燥機を用いて60℃12時間の条件で上記のスラリーを乾燥させた。これにより、正極電極を製造した。
実施例43~45のそれぞれにおいては、実施例39~41のそれぞれにおいて得られた共重合体を用いた点を除いて、実施例42と同様の手順により、正極電極を製造した。
共重合体:助電材:結着剤の質量比が6:3:1となるように混合した点を除き、実施例40と同様の手順により正極電極を製造した。具体的には、実施例40において得られた共重合体6mgと、助電材(デンカ株式会社製、デンカブラック)と、結着剤(株式会社クレハ製、ポリフッ化ビニリデン)とを、共重合体:助電材:結着剤が質量比で6:3:1となるように混合した。上記の混合物をN-メチルピロリドン(関東化学株式会社製、NMP)に添加して、スラリーを作製した。上記のスラリーを、10×10mmのステンレスメッシュ(SUS304、株式会社ニラコ製、品番:758100)に塗布した。真空乾燥機を用いて60℃12時間の条件で上記のスラリーを乾燥させた。これにより、正極電極を製造した。
(充放電特性)
充放電装置(北斗電工株式会社製、HJ1001SD8)を用いて、実施例39~41、実施例43~45及び実施例46のそれぞれにおいて製造された正極電極の電気化学的活性を調べた。具体的には、充放電装置の作用極として、上記の各実施例において製造された正極電極を用いた。充放電装置の参照極として、リチウム金属を用いた。充放電装置の対極としてリチウム金属を用いた。EC/DMCの混合溶液(1:2v/v%)にLiPF6を溶解させて電解液を作製した。電解液におけるLiPF6の濃度は、1mol/dm3であった。各測定において、20cm3の電解液を使用した。走査範囲を2.0~4.3V(vs.Li/LI+)とし、電流密度を50mA/g~200mA/gとして、充放電特性を測定した。具体的には、5サイクルごとに電流密度を50、100、200mA/gと変化させて、充放電特性を測定した。
110 蓄電池
112 蓄電セル
120 電力制御回路
130 電動機
140 プロペラ
150 センサ
160 制御装置
212 正極ケース
214 負極ケース
216 封止剤
218 金属バネ
220 正極
222 正極集電体
224 正極活物質層
230 セパレータ
240 負極
242 負極集電体
244 負極活物質層
250 電解液
Claims (9)
- 第1モノマーに由来する第1繰り返し単位と、
第2モノマーに由来する第2繰り返し単位と、
を有する重合体であって、
(a)前記第1モノマーは、下記の化学式(1-2)、(1-3)、(1-4)若しくは(1-6)で示される化合物又はその塩であり、前記第2モノマーは、ピロール又はその塩である、
(b)前記第1モノマーは、下記の化学式(1-3)、(1-6)若しくは(1-8)で示される化合物又はその塩であり、前記第2モノマーは、ジアザベンゼン又はその塩である、
(c)前記第1モノマーは、下記の化学式(1-5)、(1-8)若しくは(1-9)で示される化合物又はその塩であり、前記第2モノマーは、ベンゾキノン又はその塩である、
(d)前記第1モノマーは、下記の化学式(1-3)若しくは(1-8)で示される化合物又はその塩であり、前記第2モノマーは、カテコール又はその塩である、又は、
(e)前記第1モノマーは、下記の化学式(1-8)又はその塩であり、前記第2モノマーは、ベンゾキノン若しくはその還元体又はその塩である、
- (a)前記第1モノマーは、前記化学式(1-2)、(1-3)、(1-4)若しくは(1-6)で示される化合物又はその塩であり、前記第2モノマーは、ピロール又はその塩である、
(b)前記第1モノマーは、前記化学式(1-3)、(1-6)若しくは(1-8)で示される化合物又はその塩であり、前記第2モノマーは、ピラジン又はその塩である、
(c)前記第1モノマーは、前記化学式(1-5)、(1-8)若しくは(1-9)で示される化合物又はその塩であり、前記第2モノマーは、p-ベンゾキノン又はその塩である、又は、
(d)前記第1モノマーは、前記化学式(1-3)若しくは(1-8)で示される化合物又はその塩であり、前記第2モノマーは、カテコール又はその塩である、
請求項1に記載の重合体。 - 請求項1又は請求項2に記載の重合体を含む、
電極活物質。 - 前記電極活物質は、正極活物質である、
請求項3に記載の電極活物質。 - 請求項3に記載の電極活物質を有する電極を備える、
電池。 - 溶媒を含む電解液又はゲル電解質をさらに有する、
請求項5に記載の電池。 - 請求項6に記載の電池と、
前記電池に蓄積された電気エネルギーを利用して推進力を発生させる推進力発生装置と、
を備える、飛行体。 - 第1モノマーと、第2モノマーとを重合させる段階を有し、
(a)前記第1モノマーは、下記の化学式(1-2)、(1-3)、(1-4)若しくは(1-6)で示される化合物又はその塩であり、前記第2モノマーは、ピロール又はその塩である、
(b)前記第1モノマーは、下記の化学式(1-3)、(1-6)若しくは(1-8)で示される化合物又はその塩であり、前記第2モノマーは、ジアザベンゼン又はその塩である、
(c)前記第1モノマーは、下記の化学式(1-5)、(1-8)若しくは(1-9)で示される化合物又はその塩であり、前記第2モノマーは、ベンゾキノン又はその塩である、
(d)前記第1モノマーは、下記の化学式(1-3)若しくは(1-8)で示される化合物又はその塩であり、前記第2モノマーは、カテコール又はその塩である、又は、
(e)前記第1モノマーは、下記の化学式(1-8)又はその塩であり、前記第2モノマーは、ベンゾキノン若しくはその還元体又はその塩である、
- (a)前記第1モノマーは、前記化学式(1-2)、(1-3)、(1-4)若しくは(1-6)で示される化合物又はその塩であり、前記第2モノマーは、ピロール又はその塩である、
(b)前記第1モノマーは、前記化学式(1-3)、(1-6)若しくは(1-8)で示される化合物又はその塩であり、前記第2モノマーは、ピラジン又はその塩である、
(c)前記第1モノマーは、前記化学式(1-5)、(1-8)若しくは(1-9)で示される化合物又はその塩であり、前記第2モノマーは、p-ベンゾキノン又はその塩である、又は、
(d)前記第1モノマーは、前記化学式(1-3)若しくは(1-8)で示される化合物又はその塩であり、前記第2モノマーは、カテコール又はその塩である、
請求項8に記載の重合体を生産する方法。
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KHO, J.H.T. et al.,Molecular Structure Parameters in Certain Semiconducting Polymers,JOURNAL OF POLYMER SCIENCE: PART A-1,1969年,vol.7,pp.139-155 |
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