JP7356677B2 - 複合体 - Google Patents
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PDは、下記式2-1または2-2:
Ar1は、下記式3-1~3-3で表される基からなる群から選択され(ただし4-イミダゾリル基、4-オキサゾリル基および4-チアゾリル基を除く)、
Wは、他の環員原子と一緒になって、環員原子数5または6の含窒素複素環を形成し、
R2は、前記含窒素複素環上に存在する、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルケニル基、炭素数1~6のアルキニル基、炭素数3~6のシクロアルキル基、炭素数3~6のシクロアルケニル基、炭素数1~6のアルコキシ基、フェニル基、チエニル基、ピリジル基、フリル基、ピリミジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、シアノ基、アシル基、ホルミル基、チオール基、スルホキシド基およびスルホン基からなる群から選択される基を表し、
Y1は、酸素原子または硫黄原子であり、
Z1~Z3は、それぞれ独立して、炭素原子、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選択される)
Ar2は、置換または非置換の炭素数6~20のアリール基、置換または非置換の炭素数3~20のヘテロアリール基および下記式4-1で表される基からなる群から選択され、
R1は、炭素数1~8のアルキル基、炭素数1~6のアルケニル基、炭素数1~4のアルキニル基および炭素数6~12のアリール基からなる群から選択され、
nは、0~10の整数を表し、
*は、Lとの結合部位である]
で表されるプリナブリン誘導体ユニットであり;
Lは、PDおよびPU間のリンカーユニットを表し;
PUは、下記式5:
X1およびX2は、それぞれ独立して、Cysを除く任意のアミノ酸残基または欠損であり、
X3は、Asp、Asn、Glu、Ser、2-アミノブタン酸および2-アミノ-3-スルホプロピオン酸からなる群から選択されるアミノ酸残基であり、
X4およびX14は、それぞれ独立して、Cys、2-アミノブタン酸およびS-メチルシステインからなる群から選択されるアミノ酸残基であり、ただしX4およびX14の少なくとも一方は、Cys残基であり、
X5は、Ala残基であり、
X6は、任意の芳香族アミノ酸残基であり、
X7は、His残基であり、
X8は、Lys、Val、Leu、オルニチン、2,4-ジアミノブタン酸、N6-アセチルリジン、N5-アセチルオルニチン、2-アミノ-4-アセチルアミノブタン酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、2-アミノ-3,3-ジメチルブタン酸、2-アミノ-4,4-ジメチルペンタン酸、3-シクロヘキシルアラニンおよび下記式5-1で表されるアミノ酸残基からなる群から選択されるアミノ酸残基であり、
X9は、GlyおよびCysを除く任意のD-アミノ酸からなる群から選択されるアミノ酸残基であり、
X10は、Glu、GlnおよびAsnからなる群から選択されるアミノ酸残基であり、
X11は、Leu残基であり、
X12は、Val残基であり、
X13は、Trp残基であり、
X15は、Thr、Ser、Valおよび2-アミノブタン酸からなる群から選択されるアミノ酸残基であり、
X16は、Phe、His、3-シクロヘキシルアラニンおよびホモフェニルアラニンからなる群から選択されるアミノ酸残基または欠損であり、
X17は、His、Ala、Phe、Trp、3-(2-ピリジル)アラニン、3-(3-ピリジル)アラニンおよび3-(4-ピリジル)アラニンからなる群から選択されるアミノ酸残基または欠損である]
で表され、アミノ酸残基数13~17のアミノ酸配列からなるポリペプチドを含むペプチドユニットであり;
ABは、抗体ユニットを表す。
本発明の一形態は、以下の式1で表される複合体を提供する。
PDは、下記式2-1または2-2:
Ar1は、下記式3-1~3-3で表される基からなる群から選択され(ただし4-イミダゾリル基、4-オキサゾリル基および4-チアゾリル基を除く)、
Wは、他の環員原子と一緒になって、環員原子数5または6の含窒素複素環を形成し、
R2は、前記含窒素複素環上に存在する、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルケニル基、炭素数1~6のアルキニル基、炭素数3~6のシクロアルキル基、炭素数3~6のシクロアルケニル基、炭素数1~6のアルコキシ基、フェニル基、チエニル基、ピリジル基、フリル基、ピリミジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、シアノ基、アシル基、ホルミル基、チオール基、スルホキシド基およびスルホン基からなる群から選択される基を表し、
Y1は、酸素原子または硫黄原子であり、
Z1~Z3は、それぞれ独立して、炭素原子、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選択される)
Ar2は、置換または非置換の炭素数6~20のアリール基、置換または非置換の炭素数3~20のヘテロアリール基および下記式4-1で表される基からなる群から選択され、
R1は、炭素数1~8のアルキル基、炭素数1~6のアルケニル基、炭素数1~4のアルキニル基および炭素数6~12のアリール基からなる群から選択され、
nは、0~10の整数を表し、
*は、Lとの結合部位である]
で表されるプリナブリン誘導体ユニットであり;
Lは、PDおよびPU間のリンカーユニットを表し;
PUは、下記式5:
X1およびX2は、それぞれ独立して、Cysを除く任意のアミノ酸残基または欠損であり、
X3は、Asp、Asn、Glu、Ser、2-アミノブタン酸および2-アミノ-3-スルホプロピオン酸からなる群から選択されるアミノ酸残基であり、
X4およびX14は、それぞれ独立して、Cys、2-アミノブタン酸およびS-メチルシステインからなる群から選択されるアミノ酸残基であり、ただしX4およびX14の少なくとも一方は、Cys残基であり、
X5は、Ala残基であり、
X6は、任意の芳香族アミノ酸残基であり、
X7は、His残基であり、
X8は、Lys、Val、Leu、オルニチン、2,4-ジアミノブタン酸、N6-アセチルリジン、N5-アセチルオルニチン、2-アミノ-4-アセチルアミノブタン酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、2-アミノ-3,3-ジメチルブタン酸、2-アミノ-4,4-ジメチルペンタン酸、3-シクロヘキシルアラニンおよび下記式5-1で表されるアミノ酸残基からなる群から選択されるアミノ酸残基であり、
X9は、GlyおよびCysを除く任意のD-アミノ酸からなる群から選択されるアミノ酸残基であり、
X10は、Glu、GlnおよびAsnからなる群から選択されるアミノ酸残基であり、
X11は、Leu残基であり、
X12は、Val残基であり、
X13は、Trp残基であり、
X15は、Thr、Ser、Valおよび2-アミノブタン酸からなる群から選択されるアミノ酸残基であり、
X16は、Phe、His、3-シクロヘキシルアラニンおよびホモフェニルアラニンからなる群から選択されるアミノ酸残基または欠損であり、
X17は、His、Ala、Phe、Trp、3-(2-ピリジル)アラニン、3-(3-ピリジル)アラニンおよび3-(4-ピリジル)アラニンからなる群から選択されるアミノ酸残基または欠損である]
で表され、アミノ酸残基数13~17のアミノ酸配列からなるポリペプチドを含むペプチドユニットであり;
ABは、抗体ユニットを表す。
式1において、PDは、下記式2-1または2-2で表されるプリナブリン誘導体ユニットである。プリナブリン誘導体は、薬剤としての役割を有し、上述のとおり、チューブリン重合阻害作用に加え、腫瘍部に誘導される新生血管内皮細胞への傷害作用を示すことができる。
式1において、Lは、PDおよびPU間のリンカーユニットを表す。リンカーユニットは、血液中では非特異的な解離をすることなく、標的となる細胞に取り込まれた後で薬剤を外す特性を有している。
式1において、PUは、下記式5で表され、アミノ酸残基数13~17のアミノ酸配列からなるポリペプチドを含むペプチドユニットである。
式1において、ABは、抗体ユニットを表す。
本発明に係る複合体の製造方法について特に制限はない。当業者であれば、後述する実施例の欄の記載に基づき、本願の出願時における技術常識を参酌して、本発明に係る複合体を製造することが可能である。
(I)抗体ユニットABが由来する抗体と前記抗体のFc部位に結合する化合物とを混合して、第1の架橋体を形成することと、
(II)前記第1の架橋体と、ペプチドユニットPUが由来するポリペプチド誘導体とを混合して、第2の架橋体を形成することと、
を有する、製造方法が提供される。当該構成によって、抗体Fc部位の両側が修飾された二修飾体の形成を抑制でき、抗体Fc部位の片側を選択的に修飾することができる。本発明に係る抗体ユニットは、抗体がFcRn(胎児性Fc受容体)と相互作用することで、血中半減期を長くすることができる。しかし、二修飾体の場合、FcRnとの相互作用が阻害されうるため、血中半減期が短くなる恐れがある。
(III)第2の架橋体から抗体-ポリペプチド誘導体架橋体を脱離させること、
(IV)抗体-ポリペプチド誘導体架橋体とプリナブリン誘導体-リンカー化合物架橋体とを接触させることと、
をさらに有することができる。
(V)第2の架橋体とプリナブリン誘導体-リンカー化合物架橋体とを接触させて、第3の架橋体を形成することと、
(VI)第3の架橋体からプリナブリン誘導体-リンカー化合物-ポリペプチド誘導体-抗体架橋体を脱離させることと、
をさらに有することができる。
(I)抗体ユニットABが由来する抗体と前記抗体のFc部位に結合する化合物とを混合して、第1の架橋体を形成することと、
(VII)第1の架橋体とプリナブリン誘導体-リンカー化合物-ポリペプチド誘導体架橋体とを混合して、第4の架橋体(プリナブリン誘導体-リンカー化合物-ポリペプチド誘導体-抗体-Fc部位結合化合物架橋体)を形成することと、
(VIII)第4の架橋体からプリナブリン誘導体-リンカー化合物-ポリペプチド誘導体-抗体架橋体を脱離させることと、
を有する、製造方法が提供される。
Kyohei Muguruma, Takuya Shirasaka, Daichi Akiyama, Kentarou Fukumoto, Akihiro Taguchi, Kentaro Takayama, Atsuhiko Taniguchi, Yoshio Hayashi, An efficient method for the conjugation of hydrophilic and hydrophobic components by solid-phase-assisted disulfide ligation, Angew. Chem. Int. Ed. (2018) 57, 2170-2173。
(2)工程(I)-工程(II)-工程(III)-工程(IV);
(3)工程(I)-工程(II)-工程(V)-工程(VI);
(4)工程(I)-工程(VII)-工程(VIII)。
本発明の一実施形態では、本発明に係る複合体を含む抗癌剤が提供される。抗癌剤は、保管およびその後の投与用に調製される医薬的に許容可能な担体を含むことができる。
以下の方法により、配列番号1のアミノ酸配列からなるポリペプチドを含むポリペプチド誘導体を合成した。
ペプチド1:
Ac-C(StBu)GGGGGPDCAYHKGELVWCTFH
(C(StBu):S-(t-ブチルチオ)システイン)
ペプチドは、Prelude(登録商標)6チャンネルペプチド合成装置を用いて合成した。Fmoc-NH-SAL樹脂(0.45mmol/g,88.9mg,0.04mmol)をジメチルホルムアミド(DMF)溶液中室温で30分間膨潤させた。膨潤後、20%(v/v)ピペリジン/DMF溶液中、室温で20分間反応させることで樹脂上の保護基Fmoc(9-フルオレニルメトシキカルボニル)基を除去した。DMFで洗浄し、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(HOAt,0.2mmol,5eq.)、O-(7-アザ-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホルファート(HATU,0.2mmol,5eq.)、N,N-ジイソプロピルアミン(DIPEA,0.4mmol,10eq.)存在下で、Fmoc-His(Trt)-OH(0.2mmol,5eq.)を室温で30分間DMF中にて反応させ、樹脂上にアミノ酸を導入した。次のアミノ酸を縮合させるために、DMFで洗浄し、20%(v/v)ピペリジン/DMF溶液中、室温で20分間反応させることで樹脂上の保護基Fmoc基を除去した。以下、同様にして順次C末端からFmoc-Phe-OH,Fmoc-Thr(tBu)-OH,Fmoc-Cys(Trt)-OH,Fmoc-Trp(Boc)-OH,Fmoc-Val-OH,Fmoc-Leu-OH,Fmoc-Glu(OtBu)-OH,Fmoc-Gly-OH,Fmoc-Lys(Boc)-OH,Fmoc-His(Trt)-OH,Fmoc-Tyr(tBu)-OH,Fmoc-Ala-OH,Fmoc-Cys(Trt)-OH,Fmoc-Asp(OtBu)-OH,Fmoc-Pro-OH,Fmoc-Gly-OH,Fmoc-Gly-OH,Fmoc-Gly-OH,Fmoc-Gly-OH,Fmoc-Gly-OH,Fmoc-Cys(StBu)-OHを導入し、ペプチド鎖を伸長した。N末端のFmoc基を20%(v/v)ピペリジン/DMF溶液中、室温で20分間反応させることで除去した後、無水酢酸(3eq.)、DIEA(5eq.)にてアミノ基をアセチル化した。DMFで5回洗浄、メタノールで5回洗浄、ジエチルエーテルで5回洗浄後、樹脂を乾燥させた。乾燥樹脂をトリフルオロ酢酸(TFA):トリイソプロピルシラン(TIPS):1,3-ジメトキシベンゼン(5mL:125μL:250μL)溶液にて3時間処理することで、各種側鎖保護基の除去および脱樹脂した。反応液を濾過し、濾液を集め、窒素気流下でTFAを揮発させることにより留去し、ジエチルエーテルで洗浄し、デカンテーションにより溶液を除去した。得られた残渣を減圧下で乾燥し、高速液体クロマトグラフィーを用いて精製することにより、白色粉末(ペプチド1)を得た(16.8mg,収率16.7%)。
ペプチド2:
ポリペプチド誘導体:
(化合物1aの合成)
化合物1a:
(((Z)-6-((Z)-ベンジリデン)-3-((5-(tert-ブチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチレン)-5-オキソ-3,4,5,6-テトラヒドロピラジン-2-イル)オキシ)メチル 4-(1-(3-アミノプロピル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ブタノエート
化合物1:
(((Z)-6-((Z)-ベンジリデン)-3-((5-(tert-ブチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチレン)-5-オキソ-3,4,5,6-テトラヒドロピラジン-2-イル)オキシ)メチル 4-(1-(3-(4-((2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)メチル)シクロヘキサン-1-カルボキサミド)プロピル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ブタノエート
化合物2a:
(2-(tert-ブチルチオ)エチル)エチルカルバメート
化合物2b:
2-(tert-ブチルチオ)エチル (クロロメチル)(エチル)カルバメート
化合物2c:
2-(tert-ブチルチオ)エチル ((((Z)-6-((Z)-ベンジリデン)-3-((5-(tert-ブチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチレン)-5-オキソ-3,4,5,6-テトラヒドロピラジン-2-イル)オキシ)メチル)(エチル)カルバメート
化合物2d:
S-((2-((((((Z)-6-((Z)-ベンジリデン)-3-((5-(tert-ブチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチレン)-5-oxo-3,4,5,6-テトラヒドロピラジン-2-イル)オキシ)メチル)(エチル)カルバモイル)オキシ)エチル)チオ)-L-システイン
化合物2:
S-((2-((((((Z)-6-((Z)-ベンジリデン)-3-((5-(tert-ブチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチレン)-5-オキソ-3,4,5,6-テトラヒドロピラジン-2-イル)オキシ)メチル)(エチル)カルバモイル)オキシ)エチル)チオ)-N-(3-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)プロパノイル)-L-システイン
Protein A HP Spin Trap(GE healthcare)を用いて、使用ガイドに従いトラスツズマブ(商品名:ハーセプチン(登録商標))を固相担体上に担持した。すなわち、200×gで1分間遠心することで保存液を除去し、50mMリン酸緩衝液(pH7.4)により、樹脂を三回洗浄した。その後、1mg/mLの濃度に調製したトラスツズマブを200μL添加し、30分間転倒混和することで、トラスツズマブをProtein Aに結合させて、プロテインA-抗体架橋体を形成した。リン酸緩衝液で樹脂を再度洗浄した。次に、上記で得られたポリペプチド誘導体(35μM,200μL)の0.4%DMSO/リン酸緩衝液(pH7.4,50mM)を添加し、一時間転倒混和することで、トラスツズマブ-ポリペプチド誘導体間の架橋反応を行い、プロテインA-抗体-ポリペプチド架橋体を形成した。その後、トリス緩衝生理食塩水(pH7.5)により洗浄した。2.5%酢酸水溶液で樹脂を洗浄することで、抗体-ポリペプチド誘導体架橋体(Fc片側修飾体)をHPLC収率58%で得た(未修飾体:29%,二修飾体:1%)。
疎水性相互作用クロマトグラフィーを用いて精製した抗体-ポリペプチド誘導体架橋体(0.5mg/mL)のリン酸緩衝液(pH7.0,25mM,252μL)に対し、プリナブリン誘導体-リンカー化合物架橋体1の50%アセトニトリル水溶液(10mM)を28μL添加した。反応1時間後、過剰のマレイミド体を除去するために、30%アセトニトリル/リン酸緩衝液で希釈および限外濾過の作業を5回繰り返した。その後、同様に限外濾過により、緩衝液交換を行うことで、25mMリン酸緩衝液(pH7.0)に溶解した複合体を得た。
(プリナブリン-SPMBの合成)
プリナブリン-SPMB:
(((Z)-6-((Z)-ベンジリデン)-3-((5-(tert-ブチル)-1H-イミダゾール-4-イル)メチレン)-5-オキソ-3,4,5,6-テトラヒドロピラジン-2-イル)オキシ)メチル 4-(1-(2-((4-メトキシベンジル)チオ)エチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ブタノエート
HER2を過剰発現しているヒト卵巣腺腫細胞(SKOV-3細胞)を96wellプレートに播種し、50nMの各化合物(トラスツズマブ(商品名:ハーセプチン(登録商標)),プリナブリン誘導体ユニット-リンカーユニット-ペプチドユニット-抗体ユニット複合体,プリナブリンユニット-リンカーユニット-ペプチドユニット架橋体,トラスツズマブエムタンシン(商品名:カドサイラ(登録商標)))を添加した。37℃、5%CO2条件下でインキュベートし、96時間後にMTT assayを行うことで細胞生存率(cell viability)を評価した(n=4)。評価結果を図1に示す。
Claims (14)
- 下記式1で表される複合体:
式1中、
PDは、下記式2-1または2-2:
[式2-1および2-2中、
Ar1は、下記式3-1~3-3で表される基からなる群から選択され(ただし4-イミダゾリル基、4-オキサゾリル基および4-チアゾリル基を除く)、
(式3-1および3-2中、
Wは、他の環員原子と一緒になって、環員原子数5または6の含窒素複素環を形成し、
R2は、前記含窒素複素環上に存在する、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~6のアルケニル基、炭素数2~6のアルキニル基、炭素数3~6のシクロアルキル基、炭素数3~6のシクロアルケニル基、炭素数1~6のアルコキシ基、フェニル基、チエニル基、ピリジル基、フリル基、ピリミジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、シアノ基、アシル基、ホルミル基、チオール基、スルホキシド基およびスルホン基からなる群から選択される基を表す;ならびに
式3-3中、
Y 1 は、酸素原子または硫黄原子であり、
Z 1 ~Z 3 は、それぞれ独立して、炭素原子または窒素原子であり、
R 2 は、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~6のアルケニル基、炭素数2~6のアルキニル基、炭素数3~6のシクロアルキル基、炭素数3~6のシクロアルケニル基、炭素数1~6のアルコキシ基、フェニル基、チエニル基、ピリジル基、フリル基、ピリミジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、シアノ基、アシル基、ホルミル基、チオール基、スルホキシド基およびスルホン基からなる群から選択される基を表す、ただしZ 1 ~Z 3 のすべてが窒素原子である場合、R 2 は存在しない)
Ar2は、置換または非置換の炭素数6~20のアリール基、置換または非置換の炭素数3~20のヘテロアリール基および下記式4-1で表される基からなる群から選択され、
(式4-1中、Y2は、-(C=O)-、-(CH-OR5)-、-(C=NR5)-、-(C=N-OR5)-、-O-、-NR6-、-(C=S)-または-S-であり、この際、R5は、水素原子、炭素数1~4のアルキル基または炭素数1~4のアシル基を表し、R6は、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基または炭素数1~4のアシル基を表し;R3およびR4は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~6のアルケニル基、炭素数2~6のアルキニル基、炭素数3~6のシクロアルキル基、炭素数3~6のシクロアルケニル基、炭素数1~6のアルコキシ基、フェニル基、チエニル基、ピリジル基、フリル基、ピリミジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、シアノ基、アシル基、ホルミル基、チオール基、スルホキシド基およびスルホン基からなる群から選択され;lは、0~4の整数であり;mは、0~5の整数である)
R1は、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~6のアルケニル基、炭素数2~4のアルキニル基および炭素数6~12のアリール基からなる群から選択され、
nは、0~10の整数を表し、
*は、Lとの結合部位である]
で表されるプリナブリン誘導体ユニットであり;
Lは、PDおよびPU間のリンカーユニットを表し;
PUは、下記式5:
[式5中、
X1およびX2は、それぞれ独立して、Cysを除く任意のアミノ酸残基または欠損であり、
X3は、Asp、Asn、Glu、Ser、2-アミノブタン酸および2-アミノ-3-スルホプロピオン酸からなる群から選択されるアミノ酸残基であり、
X4およびX14は、それぞれ独立して、Cys、2-アミノブタン酸およびS-メチルシステインからなる群から選択されるアミノ酸残基であり、ただしX4およびX14の少なくとも一方は、Cys残基であり、
X5は、Ala残基であり、
X6は、任意の芳香族アミノ酸残基であり、
X7は、His残基であり、
X8は、Lys、Val、Leu、オルニチン、2,4-ジアミノブタン酸、N6-アセチルリジン、N5-アセチルオルニチン、2-アミノ-4-アセチルアミノブタン酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、2-アミノ-3,3-ジメチルブタン酸、2-アミノ-4,4-ジメチルペンタン酸、3-シクロヘキシルアラニンおよび下記式5-1で表されるアミノ酸残基からなる群から選択されるアミノ酸残基であり、
(上記式5-1中、K1は、炭素数1~4のアルキレン基、-(NH)-、-(C=O)-、-O-およびこれらの組み合わせからなる群から選択される)
X9は、Gly残基、またはD-Cys残基を除く任意のD-アミノ酸からなる群から選択されるアミノ酸残基であり、
X10は、Glu、GlnおよびAsnからなる群から選択されるアミノ酸残基であり、
X11は、Leu残基であり、
X12は、Val残基であり、
X13は、Trp残基であり、
X15は、Thr、Ser、Valおよび2-アミノブタン酸からなる群から選択されるアミノ酸残基であり、
X16は、Phe、His、3-シクロヘキシルアラニンおよびホモフェニルアラニンからなる群から選択されるアミノ酸残基または欠損であり、
X17は、His、Ala、Phe、Trp、3-(2-ピリジル)アラニン、3-(3-ピリジル)アラニンおよび3-(4-ピリジル)アラニンからなる群から選択されるアミノ酸残基または欠損である]
で表され、アミノ酸残基数13~17のアミノ酸配列からなるポリペプチドを含むペプチドユニットであり;
ABは、抗体ユニットを表す。 - 前記Ar1が下記式3-4~3-22で表される基からなる群から選択される、請求項1に記載の複合体:
式3-4~3-22中、R2は、請求項1において定義した通りである。 - 前記Ar2が置換または非置換の炭素数6~14のアリール基および下記式4-2で表される基からなる群から選択される、請求項1または2に記載の複合体:
式4-2中、R3、R4、lおよびmは、請求項1において定義した通りである。 - 前記リンカーユニットLが下記式6で表される構造を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の複合体:
式6中、
L1は、置換または非置換の炭素数1~20のアルキレン基、置換または非置換の炭素数2~20のアルケニレン基、置換または非置換の炭素数2~20のアルキニレン基、置換または非置換の炭素数3~20のシクロアルキレン基、置換または非置換の炭素数3~20のシクロアルケニレン基、置換または非置換の炭素数6~20のアリーレン基、置換または非置換の炭素数3~20のヘテロアリーレン基、-NH-、-O-、-S-、-C(=O)-NH-、-NH-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、-C(=O)-、ポリオキシアルキレン基、アミノ酸残基、ペプチド鎖、ポリエチレングリコール鎖およびこれらの組み合わせからなる群から選択され、
RGは、マレイミド基、ハロゲン化アセチル基、アクリロイル基またはS-Npys(S-3-ニトロ-2-ピリジンスルフェニル)由来の反応性官能基であり、
*1は、前記PDとの連結部位であり、
*2は、前記PUとの連結部位である。 - 前記L1が下記式7で表される構造を有する、請求項4に記載の複合体:
式7中、L2およびL3は、それぞれ独立して、置換または非置換の炭素数1~20のアルキレン基、置換または非置換の炭素数2~20のアルケニレン基、置換または非置換の炭素数2~20のアルキニレン基、置換または非置換の炭素数3~20のシクロアルキレン基、置換または非置換の炭素数3~20のシクロアルケニレン基、置換または非置換の炭素数6~20のアリーレン基および置換または非置換の炭素数3~20のヘテロアリーレン基からなる群から選択される。 - 前記式5中、
X6がTyr、Trp、2-アミノ-3-(1-ナフチル)プロピオン酸、2-アミノ-3-(2-ナフチル)プロピオン酸、2-メチルアミノ-3-(1H-インドール-3-イル)プロピオン酸および下記式5-2で表されるアミノ酸残基からなる群から選択されるアミノ酸残基であり、
X9がGly、D-Ile、D-Pro、D-Arg、D-SerおよびD-Lysからなる群から選択されるアミノ酸残基である、請求項1~5のいずれか1項に記載の複合体。 - 前記式5中、
X3がAsp、Gluおよび2-アミノ-3-スルホプロピオン酸からなる群から選択されるアミノ酸残基であり、
X4およびX14がCys残基であり、
X16がPhe、Hisおよびホモフェニルアラニンからなる群から選択されるアミノ酸残基であり、
X17がHis、Phe、Trp、3-(2-ピリジル)アラニン、3-(3-ピリジル)アラニンおよび3-(4-ピリジル)アラニンからなる群から選択されるアミノ酸残基である、請求項6に記載の複合体。 - 前記式5で表されるポリペプチドが配列番号1~7のアミノ酸配列からなる群から選択される、請求項1~5のいずれか1項に記載の複合体。
- 前記式5で表されるポリペプチドにおいて、X4のCys残基およびX14のCys残基間でジスルフィド結合を形成している、またはX4およびX14のCys残基中のスルフィド基が下記式8で表される2価の基により連結されている、請求項1~8のいずれか1項に記載の複合体。
- 前記ペプチドユニットPUにおいて、
前記ポリペプチドのX8が前記抗体ユニットと結合するための架橋性基を有し、
前記ポリペプチドのN末端またはC末端が前記リンカーユニットLと連結するための連結基を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の複合体。 - 前記架橋性基がDSG(ジスクシンイミジルグルタレート)、DSS(ジスクシンイミジルスベレート)、DMA(アジプイミド酸ジメチル二塩酸塩)、DMP(ピメルイミド酸ジメチル二塩酸塩)、DMS(スベルイミド酸ジメチル二塩酸塩)、DTBP(3,3’-ジチオビスプロピオンイミド酸ジメチル二塩酸塩)およびDSP(ジチオビススクシンイミジルプロピオン酸)からなる群から選択される化合物由来の基である、請求項10に記載の複合体。
- 前記架橋性基がDSG(ジスクシンイミジルグルタレート)またはDSS(ジスクシンイミジルスベレート)由来の基である、請求項11に記載の複合体。
- 前記抗体ユニットABが抗HER2抗体および抗CD239抗体から選択される抗体を含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の複合体。
- 請求項1~13のいずれか1項に記載の複合体の製造方法であって、
(I)前記抗体ユニットABが由来する抗体と前記抗体のFc部位に結合する化合物とを混合して、第1の架橋体を形成することと、
(II)前記第1の架橋体と、前記ペプチドユニットPUが由来するポリペプチド誘導体とを混合して、第2の架橋体を形成することと、
を有する、製造方法。
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Kyohei Muguruma et al.,"Novel Hybrid Compound of a Plinabulin Prodrug with an IgG Binding Peptide for Generating a Tumor Selective Noncovalent-Type Antibody-Drug Conjugate",Bioconjugate Chemistry,2016年,Vol.27,p.1606-1613 |
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