以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1および図2に示すように、一実施の形態におけるリアクッションユニットRCUは、シリンダ1と、シリンダ1内に移動可能に挿入されてシリンダ1内を液体が充填される伸側室R1と圧側室R2とに区画するピストン2と、シリンダ1内に移動可能に挿入されるとともにピストン2に連結されるピストンロッド3と、液体を貯留するタンク4と、伸側室R1と圧側室R2とをそれぞれ並列して連通する第1通路P1および第2通路P2と、圧側室R2とタンク4とを連通する第3通路P3と、シリンダ1の外方に設けられて伸側室R1と圧側室R2とを連通する伸側減衰力調整通路P4と、第1通路P1に設けられて伸側室R1から圧側室R2へ向かう液体の流れに抵抗を与える伸側減衰バルブ5と、第2通路P2に設けられて圧側室R2から伸側室R1へ向かう液体の流れのみを許容する圧側チェックバルブ6と、伸側減衰力調整通路P4に設けられて外方からの操作によって流路面積を変更可能な伸側減衰力調整バルブEVとを備えている。
そして、このリアクッションユニットRCUは、図2に示すように、自動二輪車等の鞍乗型車両Mにおける車体Fと後輪Wとの間に介装されて使用され、車体Fおよび後輪Wの振動を抑制する。
以下、リアクッションユニットRCUの各部について詳細に説明する。図1に示すように、本実施の形態のリアクッションユニットRCUでは、シリンダ1の外周側に配置されてシリンダ1を覆う外筒15を備えている。シリンダ1と外筒15との間には、伸側減衰力調整通路P4を形成する環状の隙間が設けられている。
シリンダ1と外筒15の図1中上端には、アッパーキャップ11が装着されており、シリンダ1と外筒15の上端の開口がアッパーキャップ11によって閉塞されている。
また、シリンダ1の図1中下端には、環状のロッドガイド7が嵌合されている。ロッドガイド7は、外筒15の内周に嵌合する環状の本体7aと、本体7aの図1中上端から突出してシリンダ1の内周に嵌合する凸部7bと備えている。また、ロッドガイド7には、凸部7bの外周から本体7aにかけて溝7cが形成されている。ロッドガイド7を外筒15およびシリンダ1に嵌合すると、凸部7bがシリンダ1の内周に嵌合するが溝7cを通じてシリンダ1内がシリンダ1と外筒15との間に形成された伸側減衰力調整通路P4に連通される。
また、外筒15の図1中下端の内周には、環状のロッドガイド7の下方に環状のシール部材8および環状のプレート9が重ねられた状態で挿入されている。そして、外筒15内に挿入されたシリンダ1、ロッドガイド7、シール部材8およびプレート9は、外筒15の下端を加締めて形成された加締部15aとアッパーキャップ11とにより挟持されて、外筒15に対して不動に固定されている。なお、シリンダ1、ロッドガイド7、シール部材8およびプレート9の外筒15に対する固定手段は、任意に設計変更できる。
また、シリンダ1内には、上端にピストン2が装着されたピストンロッド3が移動可能に挿入されている。ピストンロッド3は、シール部材8の内周およびロッドガイド7の内周に摺動自在に挿通されてシリンダ1内に挿入されており、ロッドガイド7によって軸方向への移動が案内される。シール部材8は、ピストンロッド3の外周に摺接してピストンロッド3の外周をシールしてシリンダ1内を密閉している。
シリンダ1内は、ピストン2によって、液体が充填される伸側室R1と圧側室R2とに区画されている。よって、伸側減衰力調整通路P4は、ロッドガイド7の溝7cを通じて伸側室R1に連通されている。なお、液体は、本実施の形態では、作動油とされるが、作動油以外にも、たとえば、水、水溶液といった液体の使用可能である。
ピストンロッド3の図1中下端には、鞍乗型車両Mにおける後輪Wを保持するスイングアームSAに連結可能なブラケットB1が取り付けられており、また、図1中下端近傍の外周には筒状のバンプクッション14が装着されている。
バンプクッション14は、リアクッションユニットRCUが最収縮する際に外筒15の下端内周に固定されたプレート9に当接して圧縮されると、弾発力を発揮してリアクッションユニットRCUの最収縮時の衝撃を緩和する。
ピストン2には、伸側室R1と圧側室R2とをそれぞれ並列して連通する第1通路P1および第2通路P2とが設けられている。さらに、ピストン2には、第1通路P1を開閉可能であって伸側室R1から圧側室R2へ向かう液体の流れに抵抗を与える伸側減衰バルブ5と、第2通路P2を開閉可能であって圧側室R2から伸側室R1へ向かう液体の流れのみを許容する圧側チェックバルブ6とが設けられている。
伸側減衰バルブ5は、伸側室R1から圧側室R2へ向かう作動油の流れに抵抗を与えてリアクッションユニットRCUの伸長作動時にリアクッションユニットRCUの伸長を妨げる減衰力を発揮できるバルブであればよい。なお、伸側減衰バルブ5は、具体的には、たとえば、ピストン2の図1中上端に環状板を複数枚積層して構成されて伸側室R1の圧力によって撓むと第1通路P1を開放する積層リーフバルブ等とされればよい。
また、圧側チェックバルブ6は、リアクッションユニットRCUの収縮作動時に圧側室R2から伸側室R1へ向かう作動油の流れのみを然程抵抗を与えずに許容できるバルブであればよい。なお、圧側チェックバルブ6は、具体的には、たとえば、ピストン2の図1中下端に重ねた環状板と当該環状板を押し付けるばね定数の小さなばねとで構成されて圧側室R2の圧力によって第2通路P2を開放するバルブ等とされればよい。
アッパーキャップ11は、本実施の形態では、シリンダ1の図1中上端に装着されるキャップ部11aと、タンク4を保持するタンク保持部11bと、キャップ部11aの側方から延びてタンク保持部11bに接続されるとともに第3通路P3を内包する接続部11cと、キャップ部11aに設けられて伸側減衰力調整バルブEVを収容する第1弁孔h1を形成する筒状の第1バルブケース11dと、第3通路P3の途中に設けられるバルブユニットVを収容する第2弁孔h2を形成する筒状の第2バルブケース11eとを備えている。
キャップ部11aは、シリンダ1の図3中上端に嵌合するとともに外筒15に外周に螺子締結されて、シリンダ1および外筒15の上端を閉塞するともに、図3中上方に鞍乗型車両Mにおける車体Fに連結可能なブラケットB2を備えている。また、接続部11cは、キャップ部11aの側方から突出して図3中下方へ向けて湾曲してソケット状のタンク保持部11bに接続されている。なお、アッパーキャップ11におけるキャップ部11aと外筒15の外周には、筒状のばね受16が嵌合されている。ばね受16とピストンロッド3の下端のブラケットB1との間には、コイルスプリングでなる懸架ばねSが介装されている。懸架ばねSは、常時、ピストンロッド3をシリンダ1から突出させる方向、つまり、リアクッションユニットRCUを伸長させる方向へ付勢しており、リアクッションユニットRCUを鞍乗型車両Mの車体Fと後輪Wとの間に介装すると、車体Fを弾性的に支持する。
タンク保持部11bは、有頂筒状であって上端が接続部11cの下端に一体に接続されており、下端外周に螺子部11b1を備えている。そして、タンク保持部11bの下端外周の螺子部11b1に筒状のタンク4が螺着されている。
タンク4は、本実施の形態では、円筒状であってタンク保持部11bに螺着されている。そして、タンク4内には、ダイヤフラム12が摺動自在に挿入されており、タンク4内がダイヤフラム12によって液体が充填される液室Lと、気体が充填される気室Gとに区画されている。なお、気室Gには、リアクッションユニットRCUの最伸長時において少なくとも気室G内の圧力が大気圧以上となるように気体が封入されている。なお、タンク4内の液室Lと気室Gとの区画は、ダイヤフラム12を利用する以外にも、フリーピストンやブラダ等の利用によってもよい。
タンク4における液室Lは、接続部11cの内部に設けられたポート11c1を介して第2バルブケース11e内に連通されている。また、第2バルブケース11e内がキャップ部11aに設けられたポート11a2を介して圧側室R2に連通されている。よって、液室Lは、ポート11c1、第2バルブケース11e内およびポート11a2を介して圧側室R2に連通されている。
第1バルブケース11dと第2バルブケース11eは、キャップ部11aの側部であって接続部11cを挟んで接続部11cの両側に設けられている。具体的には、第1バルブケース11dは、図4に示すように、筒状であって、キャップ部11aに対して、接続部11cの右側に配置されて自己の軸線L1をシリンダ1の軸線LCに対して直交させるように設けられている。第2バルブケース11eは、筒状であって、キャップ部11aに対して、接続部11cの左側に配置されて自己の軸線L2をシリンダ1の軸線LCに対して直交させるように設けられている。なお、第1バルブケース11dと第2バルブケース11eのキャップ部11aに対する取付位置は、前述した位置に限られず、設計変更可能である。
第1バルブケース11dは、第1弁孔h1を形成しており、第2バルブケース11eは、第2弁孔h2を形成している。そして、本実施の形態のリアクッションユニットRCUでは、第1バルブケース11dの軸線L1と第2バルブケース11eの軸線L2とがシリンダ1の軸線LCに直交しているので、第1弁孔h1と第2弁孔h2とは、接続部11cを挟んでシリンダ1の軸線LCを中心にして放射状に配置されている。
また、キャップ部11aには、第1弁孔h1の底部に開口してシリンダ1内の圧側室R2に連通するポート11a1が設けられている。さらに、第1弁孔h1の側部は、シリンダ1と外筒15との間の伸側減衰力調整通路P4を通じて伸側室R1に通じている。よって、伸側室R1と圧側室R2とは、伸側減衰力調整通路P4と第1弁孔h1とによってピストン2に設けられた第1通路P1および第2通路P2を迂回して連通されている。
前述したように、キャップ部11aには、第2弁孔h2の底部に開口してシリンダ1内の圧側室R2に連通するポート11a2が設けられている。さらに、第2弁孔h2の側部は、接続部11c内に形成されたポート11c1を通じてタンク保持部11bに保持されたタンク4内に連通されている。このように、本実施の形態のリアクッションユニットRCUでは、アッパーキャップ11は、ポート11a2、ポート11c1および第2弁孔h2とで形成されて圧側室R2とタンク4とを連通する第3通路P3を備えている。
アッパーキャップ11は、シリンダ1とタンク4とを連結しており、伸側減衰力調整バルブEVが収容される第1弁孔h1と、第3通路P3の途中にバルブユニットVを収容する第2弁孔h2とを備えている。そして、アッパーキャップ11は、シリンダ1の上端を閉塞するキャップ部11aの側方に第1弁孔h1を形成する第1バルブケース11dと第2弁孔h2を形成する第2バルブケース11eを備えており、接続部11cの下方にタンク4を取り付けるタンク保持部11bを備えている。よって、伸側減衰力調整バルブEVおよびバルブユニットVをシリンダ1の側方に配置してリアクッションユニットRCUの全長が長くなるのを抑制できる。なお、第1弁孔h1および第2弁孔h2は、シリンダ1に対して径方向に沿って配置される第1バルブケース11dと第2バルブケース11eによって形成されるとともに、開口端が反シリンダ側を向いているので、伸側減衰力調整バルブEVおよびバルブユニットVの着脱もリアクッションユニットRCUの側方から容易に行える。
第1バルブケース11dの開口端の内周には、図5に示すように、螺子部11d1が形成されるとともに、螺子部11d1よりも軸方向で内側には複数条の溝11d2が周方向に等間隔に軸方向に沿って設けられている。
そして、第1バルブケース11dによって形成された第1弁孔h1内には、伸側減衰力調整バルブEVが収容される。伸側減衰力調整バルブEVは、環状弁座50と、軸状であって先端に環状弁座50に対して遠近可能な弁頭51bを有する弁体51と、螺子部11d1に螺子締結されて弁体51を第1バルブケース11dに装着する筒状のケース52とを備えている。弁体51は、第1バルブケース11dに軸方向への移動可能に収容されている。
環状弁座50は、第1弁孔h1の底部を形成するキャップ部11aのポート11a1の周囲で形成されている。弁体51は、図5に示すように、円柱状の胴部51aと、胴部51aの先端から軸方向へ突出する弁頭51bと、胴部51aの後端から軸方向へ延びる胴部51aより外径が小径な小径部51cとを備えている。
胴部51aは、外周に設けられた螺子部51a1と、胴部51aを径方向に貫通する貫通孔51a2と、外周であって貫通孔51a2よりも先端側に設けられた環状溝51a3に装着されたシールリング51a4とを備えている。弁体51を第1バルブケース11dで形成された第1弁孔h1内に挿入すると、胴部51aは、第1バルブケース11dの内周に嵌合し、シールリング51a4が第1バルブケース11dの内周に摺接して、第1弁孔h1内を密閉する。また、胴部51aは、弁体51が第1バルブケース11d内に軸方向へ移動しても、第1弁孔h1に対する伸側減衰力調整通路P4の開口部よりも大気側となる図5中左方側に常に配置されており、前記開口部を閉塞しない。
弁頭51bは、胴部51aから軸方向に延びる円柱状の軸部51b1と、軸部51b1の先端に設けられて環状弁座50の内周、つまり、ポート11a1内に侵入可能な円錐形のニードル51b2とを備えている。なお、ニードル51b2の形状は、先端が先細りとなった形状であって、環状弁座50に対する軸方向への移動によって流路面積を調整可能であれば円錐形以外の形状であってもよい。
軸部51b1の外径は、ポート11a1の直径よりも大径となっており、軸部51b1の端面の外周が環状弁座50に軸方向で対向し、さらに、ニードル51b2の基端の外径はポート11a1の直径よりも大径となっている。よって、弁体51を第1バルブケース11d内に最深部まで侵入する方向へ移動させると、ニードル51b2の側面が環状弁座50の内縁に着座してポート11a1を遮断できる。また、ニードル51b2の側面が環状弁座50から離間した状態では、ニードル51b2と環状弁座50の内縁との間に隙間が生じてポート11a1が開放され、弁体51の軸方向への移動によって前記隙間を大小させてポート11a1を通過する液体の流れに与える抵抗を大小調整できる。なお、ニードル51b2の基端の外径をポート11a1の直径よりも小径にして、環状弁座50に軸部51b1の右端を当接させてポート11a1を遮断するようにしてもよい。また、小径部51cは、胴部51aの後端から軸方向へ延びており、後端に外部からの操作を可能とする溝51c1が設けられている。
ケース52は、筒状であって大気側の内径が小径となっており内周に段部52aを備え得るとともに、外周と内周の段部52aの反大気側とのそれぞれに螺子部52bと螺子部52cを備えている。
ケース52内には、弁体51が挿入され、胴部51aの螺子部51a1がケース52の内周の螺子部52cに螺合されている。小径部51cの外径は、ケース52の大気側の内径に嵌合可能な径とされており、小径部51cの外周に装着されたシールリング51c2がケース52の内周に密着して弁体51とケース52との間がシールされる。
そして、内周側に弁体51が螺合されたケース52は、第1バルブケース11d内に挿入されるとともに、外周の螺子部52bを螺子部11d1に螺合して第1バルブケース11dに固定される。このように弁体51とケース52とを第1バルブケース11dに取り付けると、弁体51とケース52とで送り螺子機構を形成しているので、ユーザがドライバー等の工具を小径部51cの溝51c1に差し込んで弁体51を回転操作すると、弁体51が第1弁孔h1内で軸方向へ移動する。このように弁体51が第1弁孔h1内で軸方向へ移動可能であるので、弁頭51bが環状弁座50に対して遠近してポート11a1の開閉できるとともに、ニードル51b2と環状弁座50との間の隙間の調整によってポート11a1を通過する液体の流れに与える抵抗を調整できる。
なお、弁体51の胴部51aに設けられた貫通孔51a2内には、2つの球53,54と、球53,54間に配置されたばね55とが挿入されており、弁体51を第1バルブケース11d内に挿入すると、貫通孔51a2が第1バルブケース11dの内周に形成の溝11d2に対向する。球53,54は、ばね55によって貫通孔51a2から外方へ突出する方向へ付勢されており、第1バルブケース11d、球53,54およびばね55は、ディテント機構を形成している。よって、球53,54が溝11d2に対向して入り込むとディテントトルク以上のトルクで弁体51を回転させない限りにおいて、弁体51の第1バルブケース11dに対する周方向への回転を規制できる。このようにディテント機構によって弁体51と環状弁座50との位置関係が維持されるので、鞍乗型車両Mの走行中に伸側減衰力調整バルブEVにおける流路面積が勝手に変化するのを防止できる。
このように構成された伸側減衰力調整バルブEVは、図1および図7に示すように、弁頭51bがシリンダ1と外筒15とを軸方向から見てシリンダ1と外筒15との間の範囲に配置されている。よって、伸側減衰力調整バルブEVをシリンダ1と外筒15との端部の至近に配置しつつもシリンダ1の軸線LCに可能な限り近い位置に配置できるので、伸側減衰力調整バルブEVを設けてもリアクッションユニットRCUの全長の長尺化と径方向の大型化を招かずに済む。
本実施の形態のリアクッションユニットRCUでは、第2バルブケース11eによって形成された第2弁孔h2内には、第3通路P3の途中に設けられるバルブユニットVが収容される。バルブユニットVは、アッパーキャップ11の第2弁孔h2を形成する第2バルブケース11eに着脱可能に収容される。
バルブユニットVは、図6に示すように、第3通路P3の途中に並列に接続される圧側減衰通路PV1、圧側リリーフ通路PV2、吸込通路PV3および圧側減衰力調整通路PV4と、圧側減衰通路PV1に設けられて圧側室R2からタンク4へ向かう液体の流れに抵抗を与える圧側減衰バルブV1と、圧側リリーフ通路PV2に設けられて圧側減衰バルブV1に並列配置されて閉弁時に圧側室R2とタンク4との連通を断つつとともに圧側室R2の圧力とタンク4の圧力との差圧が開弁圧に達すると開弁して圧側室R2からタンク4へ向かう液体の流れを許容する圧側リリーフバルブV2と、吸込通路PV3に設けられて圧側減衰バルブV1に並列配置されてタンク4から圧側室R2へ向かう液体の流れのみを許容する伸側チェックバルブV3と、圧側減衰力調整通路PV4に設けられて圧側減衰バルブV1に並列配置されてタンク4と圧側室R2とを行き交う液体の流れに抵抗を与えるとともに外部操作によって当該抵抗の調整が可能なニードルバルブV4とを備えている。
具体的には、バルブユニットVは、アッパーキャップ11における第2弁孔h2内に挿入される筒状のバルブ保持軸21と、バルブ保持軸21内に挿入されるニードル22と、バルブ保持軸21の外周に装着されたバルブディスク23と、バルブ保持軸21の外周に装着されるカラー24と、カラー24の外周に軸方向移動可能に嵌合される環状の間座25、環状板26および環状板27と、同じくカラー24の外周に配置されて間座25、環状板26および環状板27をバルブディスク23側ヘ向けて付勢する皿ばね28と、バルブディスク23とカラー24とをバルブ保持軸21に固定するナット29と、ニードル22内に収容される弁体30およびばね31と、バルブ保持軸21の基端開口部の内周に装着される筒状のケース32とを備えている。
バルブ保持軸21は、図6に示すように、筒状であって、基端に内外径が最も大きな大径部21a、先端に内外径が最も小さな小径部21b、大径部21aと小径部21bとの間に内外径が大径部21aと小径部21bとの中間の中径部21cを備えている。また、バルブ保持軸21は、大径部21aの外周であって軸方向中間に設けられたフランジ21dと、中径部21cの内外を連通する孔21eとを備えている。
また、バルブ保持軸21は、大径部21aの外周であってフランジ21dよりも先端側に環状溝21fと、螺子部21gを備えており、螺子部21gをアッパーキャップ11の第2バルブケース11eの開口端内周の螺子部11e1に螺子結合してアッパーキャップ11に固定される。大径部21aのフランジ21dより基端側の外周形状が六角形等の工具の把持を可能とする形状とされており、工具の利用によりバルブ保持軸21を第2バルブケース11eへ容易に螺子結合できる。
また、大径部21aの環状溝21fの外周には、シールリング21iが装着されており、バルブ保持軸21を第2バルブケース11e内に挿入すると、シールリング21iが第2バルブケース11eの内周に密着してバルブ保持軸21と第2バルブケース11eとの間がシールされる。バルブ保持軸21の小径部21bの外周には、第2バルブケース11eの内周に嵌合するバルブディスク23が装着されており、バルブ保持軸21をフランジ21dが第2バルブケース11eの端面に当接するまでアッパーキャップ11の第2バルブケース11eで形成された第2弁孔h2内に挿入すると、第2弁孔h2内がバルブディスク23によってポート11a2を介して圧側室R2に通じる室Aと、ポート11c1を介してタンク4に通じる室Bとに区画される。バルブ保持軸21の内部が第2弁孔h2内の室Aおよびポート11a2を介して圧側室R2に連通されるとともに、孔21e、第2弁孔h2内の室Bおよび接続部11cに設けられたポート11c1を介してタンク4における液室Lに連通される。
さらに、バルブ保持軸21の大径部21aの内周は途中で先端側が縮径されており、縮径された内周部に螺子部21hが設けられている。バルブ保持軸21の内周側であって中径部21cと小径部21bとの境には段部が形成されている。このように、バルブ保持軸21の内周に形成された前記段部は、ニードルバルブV4における環状弁座33を形成している。
ニードル22は、頭部22aと、頭部22aに連結される操作筒22bとを備えており、バルブ保持軸21内に軸方向となる図6中左右方向へ移動可能に挿入されている。
頭部22aは、筒状であって、図6中右端となる先端外周に設けられて環状弁座33の内側に挿入可能なニードル部22a1と、外周の中間部に設けられて環状弁座33に離着座可能なフランジ22a2とを備えている。ニードル部22a1は、先端に向かうほど先細りとなる形状となっており、バルブ保持軸21における小径部21b内に挿入可能とされている。また、ニードル部22a1の基端の外径は、環状弁座33の内径よりも僅かに小径となっており、ニードル22は、バルブ保持軸21内で軸方向へ移動するとニードル部22a1と環状弁座33の内縁との間の隙間で形成される流路面積の大きさを大小調整できる。このように、ニードル22と環状弁座33とは、圧側室R2とタンク4とを連通するバルブ保持軸21内においてニードルバルブV4を形成しており、ニードルバルブV4は、ニードル22をバルブ保持軸21に対する軸方向位置の調整によって、バルブ保持軸21内で形成された圧側減衰力調整通路PV4における流路面積を大小調整できる。なお、ニードル部22a1の形状は、先端が先細りとなった形状であって、環状弁座33に対する軸方向への移動によって流路面積を調整可能であれば円錐形以外の形状であってもよい。
また、フランジ22a2は、環状弁座33に軸方向で対向しており、ニードル22がバルブ保持軸21に対して先端側となる図6中右側へ移動して環状弁座33に当接すると、バルブ保持軸21の小径部21b内と中径部21c内との連通を遮断できる。反対に、フランジ22a2は、環状弁座33から離間した状態ではバルブ保持軸21の小径部21b内と中径部21c内とを連通させる。
操作筒22bは、筒部22b1と筒部22b1より外径が大径な底部22b2とを備えた有底筒状であって、底部22b2に形成された外部からの操作を可能とする操作部としての溝22b3と、筒部22b1の側部に形成されて筒部22b1の内外を連通する通孔22b4とを備えている。そして、操作筒22bにおける筒部22b1内には頭部22aのフランジ22a2よりも後方側の後端22a3が圧入嵌合されており、操作筒22bと頭部22aとが一体に連結されている。
操作筒22bの底部22b2は、側方から開口する袋穴22b5と、外周であって袋穴22b5よりも先端側にバルブ保持軸21の大径部21aの内周に形成された螺子部21hに螺合する螺子部22b6が設けられている。また、操作筒22bの筒部22b1の外周にはシールリング22b7が装着されている。
そして、ニードル22は、バルブ保持軸21内に挿入されて螺子部22b6を螺子部21hに螺合してバルブ保持軸21に装着される。ニードル22がバルブ保持軸21内に挿入されると、シールリング22b7がバルブ保持軸21の中径部21cの内周に摺接して、ニードル22とバルブ保持軸21との間がシールされる。
また、螺子部21hにニードル22の螺子部22b6を螺合しているので、操作筒22bの後端の溝22b3に図外のドライバー等の工具を差し込んでニードル22を回転させると、ニードル22は、バルブ保持軸21内で図6中左右方向となる軸方向へ移動する。
バルブ保持軸21内にニードル22を前述したように収容すると、ニードル22の操作筒22bの底部22b2の外周とバルブ保持軸21の大径部21aの内周との間に環状の隙間が形成される。そして、バルブ保持軸21内にニードル22を挿入した後、バルブ保持軸21の大径部21aの内周にケース32を圧入すると、操作筒22bの底部22b2とバルブ保持軸21の大径部21aとの間の隙間が閉塞される。ケース32は、筒状であって、操作筒22bの底部22b2の後端の挿通を許容するので、操作筒22bにおける溝22b3へのドライバーの差し込みの邪魔にもならず、バルブ保持軸21に対するニードル22の軸方向の移動についても許容している。
ケース32は、内周の先端側となる図6中右端側に軸方向に沿う溝32aを周方向で等間隔に備えている。ケース32をバルブ保持軸21の大径部21aに圧入して固定すると、前記溝32aが操作筒22bの袋穴22b5に対向する。袋穴22b5内には、球34と、球34を袋穴22b5内から押し出す方向へ付勢するばね35とが挿入されている。ケース32、球34およびばね35は、ディテント機構を形成しており、球34が溝32aに対向して入り込むとディテントトルク以上のトルクでニードル22を回転させない限りにおいて、ニードル22のバルブ保持軸21に対する周方向への回転を規制できる。このようにディテント機構によってニードル22と環状弁座33との位置関係が維持されるので、鞍乗型車両Mの走行中にニードルバルブV4における流路面積が勝手に変化するのを防止できる。
また、ニードル22内には、弁体30とばね31とが収容されている。詳しくは、弁体30は、球体とされており、ニードル22における頭部22aの環状の後端をリリーフバルブ弁座36として、操作筒22bの筒部22b1内で軸方向に移動することでリリーフバルブ弁座36に離着座可能とされている。また、弁体30と操作筒22bの底部22b2との間には、コイルばねでなるばね31が介装されており、弁体30をリリーフバルブ弁座36に向けて付勢している。
弁体30の直径は、頭部22aの後端の内周径よりも大径とされており、リリーフバルブ弁座36に着座すると、ニードル部22a1内と操作筒22b内との連通を断ち、リリーフバルブ弁座36から離間するとニードル部22a1内と操作筒22b内とを連通させる。
ニードル22における操作筒22bの筒部22b1には、通孔22b4が設けられているので、操作筒22b内は、通孔22b4を通じてバルブ保持軸21の中径部21c内に連通されている。バルブ保持軸21の中径部21c内は孔21eおよび室Bを介してタンク4に連通されるので、操作筒22b内はタンク4に連通されている。また、操作筒22b内は、ニードル22の頭部22a内を通じてバルブ保持軸21の小径部21b内に通じている。バルブ保持軸21の小径部21b内は室Aおよびポート11a2を介して圧側室R2に連通されるので、操作筒22b内は圧側室R2にも連通されている。このように、ニードル22内は、バルブ保持軸21内で形成された圧側減衰力調整通路PV4に対して並列配置される圧側リリーフ通路PV2を形成しており、圧側リリーフ通路PV2に弁体30、ばね31およびリリーフバルブ弁座36で構成された圧側リリーフバルブV2が設けられている。
圧側リリーフバルブV2は、圧側室R2内の圧力とタンク4内の圧力との差圧が開弁圧に至るまでは弁体30がばね31によってリリーフバルブ弁座36に当接し続ける閉弁状態に維持される。また、圧側リリーフバルブV2は、圧側室R2内の圧力とタンク4内の圧力との差圧が開弁圧になると、弁体30が圧側室R2内の圧力によって押されてばね31を押し縮めてリリーフバルブ弁座36から離間して圧側リリーフ通路PV2を開放する。この圧側リリーフバルブV2が開弁する前記開弁圧は、ピストンロッド3の外周をシールするシール部材8が耐え得る最大圧力よりも低い圧力となるように設定されている。
なお、ニードルバルブV4を廃止する場合、バルブ保持軸21の後端をニードル22の代わりにキャップで閉塞し、弁体30と、弁体30と前記キャップとの間に配置されるばね31とをバルブ保持軸21内に収容して、小径部21bと中径部21cとの境の段部をリリーフバルブ弁座として、圧側リリーフバルブV2を構成すればよい。
バルブ保持軸21の小径部21bの外周には、バルブディスク23と、カラー24とが小径部21bと中径部21cとの外周における段部と小径部21bの先端の外周に螺合されるナット29とによって挟持されて固定されている。また、カラー24の外周には、環状の間座25、環状板26、環状板27および環状の皿ばね28が嵌合されている。
バルブディスク23は、環状であって、同一円周上に並べて設けられてバルブディスク23の肉厚を軸方向に貫通する複数のポート23aと、図6中右端に設けられて各ポート23aに通じる環状凹部で形成された環状窓23bと、図6中右端から軸方向に突出して各ポート23aの出口端である環状窓23bを取り囲む環状の弁座23cと、外周に設けた環状溝23d内に装着されたシールリング23eとを備えている。バルブディスク23は、前述したように、バルブ保持軸21の小径部21bの外周に取り付けられて第2弁孔h2内に挿入されると、第2バルブケース11eの内周に嵌合して第2弁孔h2内を室Aと室Bとに区画する。バルブディスク23の外周に設けられたシールリング23eは、第2バルブケース11eの内周に密着してバルブディスク23と第2バルブケース11eとの間をシールしており、バルブディスク23と第2バルブケース11eとの間を通じて室Aと室Bとが連通されるのを防止している。
ポート23aは、圧側室R2に通じる室Aとタンク4に通じる室Bとを連通しており、本実施の形態のリアクッションユニットRCUでは、圧側減衰通路PV1と吸込通路PV3として機能している。
カラー24は、筒状であって、外周に間座25、環状板26、環状板27および環状の皿ばね28が嵌合される嵌合筒部24aと、嵌合筒部24aの図6中右端に設けられたフランジ24bとを備えており、嵌合筒部24aの図6中左端をバルブディスク23の図6中右端の内周に当接させてバルブディスク23に重ねられている。
バルブディスク23とカラー24は、前述したように重ねられた状態でバルブ保持軸21の外周の段部とナット29とで挟持されており、バルブ保持軸21に対して不動に固定されている。
間座25は、小径な円環状の環状板であり、カラー24の嵌合筒部24aの外周に摺動可能に嵌合されていて、バルブディスク23に対して軸方向に移動でき、バルブディスク23に対して遠近できる。なお、間座25の外径は、ポート23aを閉塞しないように小径となっている。
環状板26は、円環状の環状板であり、カラー24の嵌合筒部24aの外周に摺動可能に嵌合されて間座25の反バルブディスク側に重ねられており、バルブディスク23に対して軸方向に移動でき、バルブディスク23に対して遠近できる。なお、環状板26の外径は、弁座23cの内径より小径となっており、バルブディスク23に環状窓23bを設けているので、外周側のバルブディスク23側への撓みが許容されている。
環状板27は、円環状の環状板であり、カラー24の嵌合筒部24aの外周に摺動可能に嵌合されて環状板26の反バルブディスク側に重ねられており、バルブディスク23に対して軸方向に移動でき、バルブディスク23に対して遠近できる。環状板27の外径は、バルブディスク23における弁座23cに離着座可能なように弁座23cの外径よりも少し大径となっている。また、環状板27は、同一円周上に並べて設けられて環状板27を軸方向に貫通する複数の孔27aを備えている。各孔27aの外接円の直径は、環状板26の直径未満となっており、環状板26が環状板27に当接した状態では、環状板27における孔27aは閉塞され、環状板26の外周がバルブディスク23側へ向けて撓んで環状板27から離間すると、孔27aが開放される。よって、環状板27に環状板26が当接した状態で、環状板27が弁座23cに着座すると、ポート23aを閉塞して室Aと室Bとの連通を断つが、環状板27が弁座23cに着座していても環状板26がバルブディスク23側に撓んで環状板27から離間すると孔27aが開放されるので室Aと室Bとが連通される。さらに、環状板27の外周が反バルブディスク側へ撓むか、環状板27がカラー24上をバルブディスク23から離間する方向へ移動すると、ポート23aが開放されて室Aと室Bとが連通される。
皿ばね28は、カラー24の嵌合筒部24aの外周に嵌合されるとともに、フランジ24bと環状板27との間に初期撓みが与えられた状態で介装されており、常時、間座25、環状板26および環状板27をバルブディスク23側へ向けて付勢している。
圧側室R2からタンク4へ向けてポート23aを通過する液体の流れに対しては、環状板27は、圧側室R2の圧力と皿ばね28の付勢力を受けて弁座23cに着座してポート23aを閉塞するが、環状板26は、孔27aを通じて圧側室R2の圧力を受けて間座25の外縁を支点として撓んで環状板27から離間してポート23aを開放し、圧側室R2からタンク4へ向かう液体の流れを許容するとともに、この液体の流れに抵抗を与える。なお、間座25は、環状板26の撓みの支点を決定しており、間座25の外径の設定で環状板26が液体の流れに与える抵抗の大きさを調整できる。このように、環状板26は、圧側減衰バルブV1における弁体として機能し、環状板27は、弁座として機能しており、環状板26と環状板27とは、圧側減衰バルブV1を形成している。なお、環状板26の内周をバルブディスク23で直接に支持する場合、間座25を省略してもよいし、複数枚の環状板を積層して圧側減衰バルブV1の弁体を形成してもよい。
他方、タンク4から圧側室R2へ向けてポート23aを通過する液体の流れに対しては、環状板27は、タンク4の圧力を受けて撓んで弁座23cから離間するか、或いは、皿ばね28を押し縮めてバルブディスク23から離間してポート23aを開放して、タンク4から圧側室R2へ向かう液体の流れに然程抵抗を与えずにこの液体の流れを許容する。この場合、環状板26はタンク4側から圧力を受けて環状板27に当接して環状板27とともに撓むか或いはカラー24上を移動してバルブディスク23から遠ざかる。このように、環状板26、環状板27は、伸側チェックバルブV3における弁体として機能し、バルブディスク23は、伸側チェックバルブV3における弁座として機能しており、バルブディスク23、環状板26、環状板27、皿ばね28およびカラー24によって伸側チェックバルブV3を形成している。
また、本実施の形態では、圧側減衰バルブV1と伸側チェックバルブV3とがバルブディスク23のポート23aに並列されており、ポート23aは、圧側室R2からタンク4へ向かう液体の流れを許容する圧側減衰通路PV1と、タンク4から圧側室R2へ向かう液体の流れを許容する吸込通路PV3と機能する。
なお、バルブディスク23に圧側減衰通路PV1に相当するポートを設けるとともに、吸込通路PV3に相当するポートを設けて、圧側減衰通路PV1に相当するポートを開閉する圧側減衰バルブV1を設け、吸込通路PV3に相当するポートを開閉する伸側チェックバルブV3を設けてもよい。
また、圧側減衰バルブV1は、前述のように構成されているが、圧側室R2からタンク4へ向かう液体の流れに抵抗を与えてリアクッションユニットRCUの収縮作動時に減衰力を発生させ得るバルブであればよいので、その限りにおいてバルブの構造を適宜設計変更可能である。
さらに、伸側チェックバルブV3は、前述のように構成されているが、タンク4から圧側室R2へ向かう液体の流れのみを許容できるバルブであればよいので、その限りにおいてバルブの構造を適宜設計変更可能である。
なお、圧側減衰バルブV1と伸側チェックバルブV3と同様の構成のバルブをピストン2における伸側減衰バルブ5と圧側チェックバルブ6として用いてもよい。
具体的に構成されたバルブユニットVは、互いに並列された圧側減衰通路PV1、圧側リリーフ通路PV2、吸込通路PV3および圧側減衰力調整通路PV4を備え、圧側減衰バルブV1、圧側リリーフバルブV2、伸側チェックバルブV3およびニードルバルブV4を並列に備えている。よって、バルブユニットVをアッパーキャップ11の第2弁孔h2内に挿入すると、第3通路P3の途中に、圧側減衰バルブV1、圧側リリーフバルブV2、伸側チェックバルブV3およびニードルバルブV4を互いに並列に設置できる。
そして、以上のように構成されたバルブユニットVの組み立て方の一例を以下に説明する。まず、カラー24の嵌合筒部24aの外周に、皿ばね28、環状板27、環状板26、間座25の順番で皿ばね28、環状板27、環状板26および間座25を嵌合して組付ける。つづいて、バルブ保持軸21の小径部21bの外周に、バルブディスク23と、皿ばね28、環状板27、環状板26および間座25が組み付けられたカラー24とを順番に嵌合して組付けたのち、ナット29を小径部21bの先端外周に螺合する。すると、バルブ保持軸21の小径部21bの外周に、バルブディスク23と、皿ばね28、環状板27、環状板26および間座25が組み付けられたカラー24とがナット29によって固定される。
次に、ニードル22における操作筒22b内にばね31および弁体30を順に挿入し、操作筒22bの開口端に頭部22aの後端22a3を圧入嵌合して、操作筒22bに頭部22aを結合し、圧側リリーフバルブV2およびニードル22を組み立てる。つづいて、ニードル22の操作筒22bの底部22b2の側方に開口している袋穴22b5内にばね35と球34とを順に挿入した後、ニードル22をバルブ保持軸21内に挿入しつつ、バルブ保持軸21の螺子部21hに底部22b2の外周の螺子部22b6を螺合させる。
ニードル22がバルブ保持軸21内に螺合されて収容されたら、バルブ保持軸21の大径部21aの内周と操作筒22bの外周との間の環状隙間に、溝32a側をバルブ保持軸21内に向けつつケース32を挿入して、ケース32を大径部21aの内周に圧入嵌合する。すると、ケース32は、バルブ保持軸21に固定されて、ニードル22のバルブ保持軸21からの抜けを防止する。
このように、バルブ保持軸21に、バルブディスク23、カラー24、間座25、環状板26、環状板27、皿ばね28、圧側リリーフバルブV2を収容したニードル22およびケース32を組付けると、バルブユニットVの組立が完了する。完成したバルブユニットVは、圧側減衰バルブV1、圧側リリーフバルブV2、伸側チェックバルブV3およびニードルバルブV4を備えた1つのユニットとなっている。そして、バルブユニットVは、アッパーキャップ11の第2バルブケース11e内に挿入されるととともに、螺子部11e1とバルブ保持軸21の大径部21aの外周の螺子部21gとの螺合により、第2弁孔h2内に収容されるとともにアッパーキャップ11に固定される。バルブユニットVは、アッパーキャップ11に螺子締結されているので、アッパーキャップ11に対して容易に取り付けおよび取り外しが可能である。なお、バルブユニットVをアッパーキャップ11に着脱を可能とする締結手段であれば、螺子締結以外の締結手段を採用してもよい。
リアクッションユニットRCUは、以上のように構成されており、以下に作動を説明する。シリンダ1に対してピストン2が図1中下方へ移動するリアクッションユニットRCUの伸長行程において、ピストン2によって圧縮される伸側室R1から第1通路P1および伸側減衰力調整通路P4を介して圧側室R2へ液体が移動する。この伸長行程においてリアクッションユニットRCUは、第1通路P1を通過する液体の流れに対して伸側減衰バルブ5により抵抗を与え、伸側減衰力調整通路P4を通過する液体の流れに対して伸側減衰力調整バルブEVにより抵抗を与えて、伸長を妨げる伸側の減衰力を発生する。
また、リアクッションユニットRCUの伸長行程では、ピストンロッド3がシリンダ1から退出するので、圧側室R2内でピストンロッド3がシリンダ1から退出した体積分の液体が不足するが、この不足分の液体は、ダイヤフラム12が膨張して気室Gを拡大させてタンク4の液室Lから伸側チェックバルブV3を介して圧側室R2に供給される。詳しくは、環状板27がタンク4の圧力を受けて弁座23cから離間して伸側チェックバルブV3が開弁するので、液体は、ポート23aを通過してタンク4から圧側室R2へ移動する。
リアクッションユニットRCUの伸長行程時では、外部操作により伸側減衰力調整バルブEVにおける流路面積の調整が可能であり、伸側減衰力調整バルブEVが液体の流れに与える抵抗を変化させ得るので、リアクッションユニットRCUは、伸側の減衰力を調整できる。また、伸側減衰力調整通路P4は、伸側室R1と圧側室R2とを連通しており、伸側減衰力調整通路P4を通過した液体がタンク4へ直接に排出される構造となっていない。よって、伸側チェックバルブV3を通過する液体の流量は、シリンダ1内からピストンロッド3が退出する体積を超えないので、シリンダ1内で液体が不足して負圧になる事態を防止できる。
他方、シリンダ1に対してピストン2が図1中上方へ移動するリアクッションユニットRCUの収縮行程において、ピストン2によって圧縮される圧側室R2内の液体は、圧側チェックバルブ6を開弁させて第2通路P2を介して伸側室R1へ移動する。また、リアクッションユニットRCUの収縮行程では、ピストンロッド3がシリンダ1内へ侵入するので、シリンダ1内でピストンロッド3がシリンダ1内へ侵入した体積分の液体が過剰となるが、この過剰分の液体は、圧側減衰バルブV1を介してタンク4内の液室Lへ排出され、ダイヤフラム12が収縮して気室Gを縮小する。このようにリアクッションユニットRCUの収縮行程では、圧側減衰バルブV1およびニードルバルブV4が圧側室R2からタンク4へ向かう液体の流れに対して抵抗を与える。このように、リアクッションユニットRCUの収縮行程では、第2通路P2が開放されるのでシリンダ1内の伸側室R1と圧側室R2と連通状態におかれ、圧側減衰バルブV1およびニードルバルブV4が圧側室R2からタンク4へ向かう液体の流れに対して抵抗を与える。よって、リアクッションユニットRCUの収縮行程では、伸側室R1内と圧側室R2内の圧力がともに上昇して略同じ圧力となる。本実施の形態のリアクッションユニットRCUでは、伸側室R1に面しているピストン2の面積が圧側室R2に面しているピストン2の面積よりもピストンロッド3の面積分だけ小さいので、収縮作動するリアクッションユニットRCUは、シリンダ1内の圧力にピストンロッド3の面積を乗じた値の減衰力を、前記収縮作動を妨げる方向に発揮する。つまり、前述したピストン2の片方にのみピストンロッド3が存在する片ロッド型に設定されたリアクッションユニットRCUの場合、収縮作動時にピストンロッド3の断面積に比例した減衰力を発生する。
なお、本実施の形態のリアクッションユニットRCUではバルブユニットVがニードルバルブV4を備えているので、ニードルバルブV4における流路面積の調整によってニードルバルブV4が液体の流れに与える抵抗を変化させ得るので、リアクッションユニットRCUは、圧側の減衰力の調整が可能である。
また、リアクッションユニットRCUの収縮行程において、圧側室R2内の圧力とタンク4内の圧力との差圧が圧側リリーフバルブV2の開弁圧に達すると、球34がリリーフバルブ弁座36から後退して圧側リリーフバルブV2が開弁するので、圧側リリーフ通路PV2によって圧側室R2とタンク4とが連通される。圧側リリーフ通路PV2の開放によって、シリンダ1内の液体がタンク4へ逃げて、シリンダ1内の圧力が圧側リリーフバルブV2の開弁圧を超えないように調整される。
ここで、比較的軽量な鞍乗型車両Mに用いられるリアクッションユニットでは、強度上問題がなくリアクッションユニットの軽量化を図れるため、ピストンロッドの外径を細くする場合がある。リアクッションユニットの収縮作動時に発生する減衰力は、前述したようにピストンロッド断面積に比例する。そのため、このようなリアクッションユニットでピストンロッドの外径を細くしつつも収縮作動時に大きな減衰力を発揮しようとすると、シリンダ内の圧力が高圧にすることが求められる。収縮作動時においてシリンダ内の圧力を高圧にするには、圧側減衰バルブV1が液体の流れに与える抵抗を大きくすればよいが、リアクッションユニットRCUの収縮作動時に高速で収縮作動すると、シリンダ内の圧力が過大となってピストンロッドの外周をシールするシール部材の耐圧を超えてしまう場合がある。ところが、本実施の形態のリアクッションユニットRCUでは、前述した通り、バルブユニットVは、圧側減衰バルブV1に並列配置される圧側リリーフバルブV2を備えている。よって、リアクッションユニットRCUの収縮作動時においてリアクッションユニットRCUの収縮速度が高速となっても、圧側リリーフバルブV2が開弁してシリンダ1内の圧力が過大となるのを防止でき、ピストンロッド3の外周をシールするシール部材8の保護とピストンロッド3とシール部材8との間からの液体の漏洩を防止できる。
また、アッパーキャップ11からバルブユニットVを取り外して、第2バルブケース11eの開口を図示しないキャップによって閉塞すると、圧側室R2とタンク4とが何らバルブを介さずに連通されるため、リアクッションユニットRCUは、伸長作動時にのみ減衰力を発生し、収縮作動時には減衰力を発生しない。このようにバルブユニットVの装着によってリアクッションユニットRCUは、伸長作動時と収縮作動時との両方で減衰力を発揮することができるが、バルブユニットVをリアクッションユニットRCUから取り外すと伸長作動時にのみ減衰力を発生するリアクッションユニットとなる。
以上、本実施の形態のリアクッションユニットRCUは、鞍乗型車両Mの車体Fと後輪Wとの間に介装され、シリンダ1と、シリンダ1内に移動可能に挿入されてシリンダ1内を液体が充填される伸側室R1と圧側室R2とに区画するピストン2と、シリンダ1内に移動可能に挿入されるとともにピストン2に連結されるピストンロッド3と、液体を貯留するタンク4と、伸側室R1と圧側室R2とをそれぞれ並列して連通する第1通路P1および第2通路P2と、圧側室R2とタンク4とを連通する第3通路P3と、シリンダ1の外方に設けられて伸側室R1と圧側室R2とを連通する伸側減衰力調整通路P4と、第1通路P1に設けられて伸側室R1から圧側室R2へ向かう液体の流れに抵抗を与える伸側減衰バルブ5と、第2通路P2に設けられて圧側室R2から伸側室R1へ向かう液体の流れのみを許容する圧側チェックバルブ6と、伸側減衰力調整通路P4に設けられて外方からの操作によって流路面積を変更可能な伸側減衰力調整バルブEVとを備えている。
このように構成されたリアクッションユニットRCUでは、ピストン2に伸側減衰バルブ5を備えており、シリンダ1の外方に設けられるのはコンパクトな構成で済む流路面積を変更可能な伸側減衰力調整バルブEVであるので、リアクッションユニットRCUの外形の大型化を避けつつ伸長作動時の減衰力の調整が可能である。
また、伸側減衰力調整バルブEVは、シリンダ1の外方に設けられる伸側減衰力調整通路P4に設けられており、リアクッションユニットRCUが鞍乗型車両Mに取り付けられた際に車体F側に連結されるシリンダ1側に設置される。このように、鞍乗型車両MにリアクッションユニットRCUを取り付けた状態では、車体F側にシリンダ1が後輪W側にピストンロッド3が配置されるが、伸側減衰力調整バルブEVがシリンダ1側に配置されるため、ユーザは、伸側減衰力調整バルブEVを容易に操作できる。
以上により、本実施の形態のリアクッションユニットRCUによれば、伸側減衰力調整バルブEVを備えていても大型化を避け得るので鞍乗型車両Mの後輪側への搭載性を向上できるとともに、伸長作動時の減衰力調整も容易にし得る。
さらに、本実施の形態のリアクッションユニットRCUは、シリンダ1を覆うとともにシリンダ1との間に伸側減衰力調整通路P4を形成する外筒15と、シリンダ1と外筒15との上端に取り付けられてタンク4を保持するとともに車体Fに連結可能なブラケットB1を有するアッパーキャップ11とを備え、伸側減衰力調整バルブEVがアッパーキャップ11に設けられている。このように構成されたリアクッションユニットRCUによれば、外筒15を設けることで簡単な構造で伸側減衰力調整通路P4をシリンダ1の外方に設置でき、伸側減衰力調整バルブEVをアッパーキャップ11に設けているので、伸側減衰力調整バルブEVをリアクッションユニットRCUの上端に配置できる。よって、リアクッションユニットRCUによれば、上端に伸側減衰力調整バルブEVを配置されるので、ユーザは鞍乗型車両Mのマフラー等に邪魔されずに伸側減衰力調整バルブEVを操作できる。
そして、本実施の形態のリアクッションユニットRCUでは、伸側減衰力調整バルブEVは、環状弁座50と、軸状であって先端に環状弁座50に対して遠近可能な弁頭51bを有する弁体51とを備え、弁頭51bがシリンダ1と外筒15とを軸方向から見てシリンダ1と外筒15との間の範囲に配置されている。このように構成されたリアクッションユニットRCUによれば、伸側減衰力調整バルブEVをシリンダ1と外筒15との端部の至近に配置しつつもシリンダ1の軸線LCに可能な限り近い位置に配置できるので、伸側減衰力調整バルブEVを設けてもリアクッションユニットRCUの全長の長尺化と径方向の大型化を招かずに済む。
さらに、本実施の形態のリアクッションユニットRCUは、第3通路P3の途中に設けられたバルブユニットVを備え、バルブユニットVは、圧側室R2からタンク4へ向かう液体の流れに抵抗を与える圧側減衰バルブV1と、圧側減衰バルブV1に並列配置されて閉弁時に圧側室R2とタンク4との連通を断つつとともに圧側室R2の圧力とタンク4の圧力との差圧が開弁圧に達すると開弁して圧側室R2からタンク4へ向かう液体の流れを許容する圧側リリーフバルブV2と、圧側減衰バルブV1に並列配置されてタンク4から圧側室R2へ向かう液体の流れのみを許容する伸側チェックバルブV3と、圧側減衰バルブV1に並列配置されて圧側室R2からタンク4へ向かう液体の流れに抵抗を与えるとともに流路面積を調整可能なニードルバルブV4とを備えている。
このように構成されたリアクッションユニットRCUによれば、圧側減衰バルブV1、圧側リリーフバルブV2および伸側チェックバルブV3とを並列に備えたバルブユニットVが圧側室R2とタンク4とを連通する第3通路P3の途中に着脱可能に設けられているので、伸長作動時だけでなく収縮作動時にも減衰力を発揮できるとともに、収縮作動時の減衰力調整も可能である。さらに、前述のように構成されたリアクッションユニットRCUによれば、バルブユニットVが圧側リリーフバルブV2を備えているので、リアクッションユニットRCUの収縮作動時においてリアクッションユニットRCUの収縮速度が高速となってもシリンダ1内の圧力が過大となるのを防止できる。
なお、本実施の形態のリアクッションユニットRCUでは、バルブユニットVの有無によって、リアクッションユニットRCUを、伸長作動時と収縮作動時との両方で減衰力を発生するリアクッションユニットと、伸長作動時にのみ減衰力を発生するリアクッションユニットとのいずれか一方に設定できる。リアクッションユニットRCUの製造者は、バルブユニットV以外のリアクッションユニットRCUを同一の部品で同一のラインで組立でき、ユーザの要望に応じてバルブユニットVの有無を決定してリアクッションユニットRCUを製造できる。したがって、製造者は、リアクッションユニットRCUの製造コストを低減できる。
また、本実施の形態のリアクッションユニットRCUでは、アッパーキャップ11は、シリンダ1と外筒15との上端に装着されるキャップ部11aと、タンク4を保持するタンク保持部11bと、キャップ部11aの側方から延びてタンク保持部11bに接続されるとともに第3通路P3を形成する接続部11cとを備え、伸側減衰力調整バルブEVとバルブユニットVとがキャップ部11aに対して接続部11cの両側に配置されている。
このように構成されたリアクッションユニットRCUによれば、伸側減衰力調整バルブEVとバルブユニットVとがユーザがアクセスしやすいリアクッションユニットRCUの上端のアッパーキャップ11に設けられている。また、リアクッションユニットRCUは、通常、タンク4を鞍乗型車両Mの前方或いは後方のどちらか向けた姿勢で鞍乗型車両Mに設置されるが、いずれにしても、伸側減衰力調整バルブEVとバルブユニットVとがタンク保持部11bに接続される接続部11cを周方向で挟む両側に配置されているため、伸側減衰力調整バルブEVとバルブユニットVの両方が車体Fの内側に向いてしまうような事態とならずに済む。よって、このように構成されたリアクッションユニットRCUによれば、鞍乗型車両Mへの取付姿勢が鞍乗型車両Mの仕様によって変わっても、ユーザは、伸側減衰力調整バルブEVとバルブユニットVとの操作を容易に行える。
また、伸側減衰力調整バルブEVとバルブユニットVとは、アッパーキャップ11を軸方向から見てタンク4と周方向でずれた位置に配置されればよく、タンク4を鞍乗型車両Mの前方或いは後方のどちらか向けた姿勢でリアクッションユニットRCUが鞍乗型車両Mに設置されても、伸側減衰バルブEVとバルブユニットVとの両方を車体Fの外側へ向けることも可能である。このように構成されたリアクッションユニットRCUによれば、鞍乗型車両Mへの取付姿勢が鞍乗型車両Mの仕様によって変わっても、ユーザは、伸側減衰力調整バルブEVとバルブユニットVとの操作を容易に行える。
さらに、本実施の形態のリアクッションユニットRCUでは、アッパーキャップ11は、伸側減衰力調整バルブEVを収容する第1弁孔h1と、バルブユニットVを収容する第2弁孔h2とを備え、第1弁孔h1と第2弁孔h2とがシリンダ1の軸線LCを中心にして放射状に配置されている。このように構成されたリアクッションユニットRCUでは、第1弁孔h1と第2弁孔h2とがシリンダ1の軸線LCを中心にして放射状に配置されてので、伸側減衰力調整バルブEVとバルブユニットVも同様にアッパーキャップ11に対して放射状に取り付けられる。伸側減衰力調整バルブEVとバルブユニットVとが平行に配置されるようなレイアウトでは、伸側減衰力調整バルブEVとバルブユニットVとがアッパーキャップ11の側方に張り出してしまうが、伸側減衰力調整バルブEVとバルブユニットVとがアッパーキャップ11に対して放射状に取り付けられると側方への張り出し量を低減できる。よって、このように構成されたリアクッションユニットRCUでは、伸側減衰力調整バルブEVとバルブユニットVとを備えていても径方向への張り出し量を低減して小型化できるので、鞍乗型車両Mへの搭載性を向上できる。
なお、本実施の形態のリアクッションユニットRCUでは、ニードルバルブV4が環状弁座33と環状弁座33に対して遠近可能なニードル22とを備え、圧側リリーフバルブV2がニードル22内に収容されている。このように構成されたリアクッションユニットRCUによれば、圧側リリーフバルブV2がニードル22内に収容されているのでバルブユニットVの全体を小型化できる。なお、圧側リリーフバルブV2がニードル22内に収容されているので、ニードル22の位置によらず圧側リリーフバルブV2の開弁圧を一定にできる。
さらに、本実施の形態のリアクッションユニットRCUでは、ニードル22は、筒状であって先端外周に設けられて環状弁座33の内側に挿入可能なニードル部22a1と外周の中間部に設けられて環状弁座33に離着座可能なフランジ22a2とを有する頭部22aと、有底筒状であって底部22b2に形成された外部からの操作を可能とする溝(操作部)22b3と内外を連通する通孔22b4とを具備して頭部22aの後方に連結される操作筒22bとを有し、圧側リリーフバルブV2は、頭部22aの環状の後端22a3を環状のリリーフバルブ弁座36として、リリーフバルブ弁座36に離着可能であって操作筒22b内に収容される弁体30と、弁体30と操作筒22bとの間に介装されるとともに操作筒22b内に収容されて弁体30をリリーフバルブ弁座36ヘ向けて付勢するばね31とを有し、弁体30がリリーフバルブ弁座36から離間すると頭部22a内と通孔22b4とを連通させるようになっている。
このように構成されたリアクッションユニットRCUによれば、ニードル22に頭部22aと操作筒22b内に弁体30とばね31とを収容するスペースを設けて、ニードル22を構成する頭部22aをリリーフバルブ弁座36として用いることで、ニードル22内に無理なく圧側リリーフバルブV2を収容できる。よって、このように構成されたリアクッションユニットRCUによれば、圧側リリーフバルブV2とニードル22とをより小型化できる。
そしてさらに、本実施の形態のリアクッションユニットRCUは、ピストンロッド3の外周に摺接してピストンロッド3の外周をシールするシール部材8を備え、圧側リリーフバルブV2の開弁圧はシール部材8が耐え得る最大圧力未満に設定されている。このように構成されたリアクッションユニットRCUによれば、シール部材8が耐え得る最大圧力をシリンダ1内の圧力が超えないので、シール部材8の保護とピストンロッド3とシール部材8との間からの液体の漏洩を防止できる。
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱しない限り、改造、変形、および変更が可能である。